事業等のリスク
パソナグループは、景気変動や技術革新、労働関連法令の規制といったマクロ環境の変化が業績に影響を与える可能性があります。また、官公庁等との事業における法令違反や不適切な運営、労働者派遣法や職業安定法などの労働関係法令への違反は、事業許可の取り消しや社会的信用の失墜につながるリスクがあります。さらに、訴訟や不祥事によるレピュテーションリスク、必要な人材を確保・育成できないリスク、子育て支援・介護事業における事故発生のリスク、個人情報・機密情報の管理に関するリスクも抱えています。
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FY2025|8,407 文字
3 【事業等のリスク】(1)当社グループのリスクマネジメント体制当社グループは経営に重大な影響を及ぼす危機を未然に防止し、万一発生した場合には損失の極小化を図るため、リスクマネジメント規程を定め、リスクに関する統括組織としてリスクマネジメント委員会を設置しております。同委員会では、想定される重大リスクごとに担当部を定めたうえ、平時の継続的な監視により新たなリスクを含めた危機の事前予知に務め、危機管理マニュアルに基づいて日常の対策及び緊急時に適切な対応を行う体制を整備するとともに、委員会の主要な活動状況について平時においては定期的に取締役会へ報告することで、取締役会が当社グループの状況や対応を適切にモニタリングできる体制を整えております。また、事業運営上生じる日常的なリスクについては、コンプライアンス担当部内で適正に対応し、適宜経営会議等で報告するほか、監査室及びグループ内部監査室による内部監査を通じて各部署の日常的なリスク管理状況を監視しております。 (2)当社グループの経営成績等に影響を与える可能性のある主要なリスクリスクマネジメントを行うなかで、有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、重要と識別された主要な危機・脅威のほか、経営戦略の実現に関連する不確実性としてのリスク及び当社グループの事業活動・経営方針を理解するうえで重要と考えられる事項についても記載しています。なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載のない限り当連結会計年度末現在において判断したものであり、当社株式への投資に関連する全てのリスクを網羅するものではありません。 ①景気動向等のマクロ環境の影響当社グループの事業は、企業や組織の人材活用や生産性向上に貢献する様々なソリューションサービスを提供するとともに、個人に対してはそれぞれのライフスタイルに合わせた働き方を支援する就労インフラを提供しています。こうしたサービスは、国内外の景気変動や技術革新等のビジネス環境の変化、労働関連法令における規制等の影響を受けます。当社グループは、BPOソリューション(委託・請負)、エキスパートソリューション(人材派遣)、キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)、グローバルソリューション(海外人材サービス)、ライフソリューション(子育て支援、介護等)、地方創生・観光ソリューションなどの事業を総合的に展開し特定の領域に偏らない事業ポートフォリオの構築を進め、常に新しい働き方やワークライフバランスに関する情報発信や提案、啓蒙活動にも積極的に取り組んでおります。しかし今後様々な要因により、市場環境や雇用情勢、顧客需要が急激に変化した場合、各事業の業績や当社グループの収益構造に影響を受ける可能性があります。また今後、長期的には国内の人口推移により更なる人手不足あるいは市場縮小等が起きることも想定されます。当社グループは持続的成長に向けた取り組みとして、常に社会の変化の兆しを捉え、コントロールし得るリスクテイクもしたうえ、引き続き、企業理念である「社会の問題点を解決する」ことをテーマとした様々な新規事業・サービスを開発・拡充することでリスク分散を図ってまいります。 ②官公庁等との事業認可、契約関係の対応及び労働関係諸法令への対応当社グループのBPOソリューションの委託・請負事業は、民間企業のほか官公庁や地方自治体、各種団体など様々な取引先から、総務・庶務、経理・財務、受付、営業事務・受発注、人事・労務・給与計算、教育・研修などの業務を受託しサービスを提供しています。特に官公庁・地方自治体から受託した事業の遂行にあたっては、委託元の指示に沿って適正な業務運営を行う必要がありますが、近年これら事業が大型化かつ複雑化しており、当社グループのみならず再委託先と共同で取り組む事業も増加しております。当社グループにおいては関連法規の遵守や社員教育の徹底、また再委託先選定に関わる調査の実施などのガイドラインに則り、適正な業務運営に努めておりますが、当社グループまたは再委託先において、関連法規違反、重大な過誤その他不適正な運営が生じた場合は当社グループの信頼性の低下や社会的な信用が毀損されるほか、委託元の規程により入札停止などの処分を受けることで業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。また、エキスパートソリューションの人材派遣事業は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、「労働者派遣法」)に基づき、主として労働者派遣事業として厚生労働大臣の許可を取得して行っている事業であります。労働者派遣法は、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、派遣事業を行う者(派遣元事業主)が、派遣元事業主としての欠格事由に該当したり法令に違反した場合には、事業の許可を取り消し、または事業の停止を命じる旨を定めております。当社グループでは株式会社パソナグループのコーポレートガバナンス本部が主導して適正な派遣取引のためのガイドラインを作成し、徹底して社員教育に努めるとともに、内部監査等により関連法規の遵守状況を日頃より監視し、法令違反等の防止に努めております。しかしながら、万一当社グループ各社及び役職員による重大な法令違反等が発生し、事業許可の取消しまたは事業停止を命じられるようなことがあれば、労働者派遣事業を行えなくなることが考えられます。キャリアソリューションの人材紹介事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。人材紹介事業についても、人材派遣事業と同様に、一定の要件を満たさない場合には事業許可の取消し、事業の停止といった措置が規定されていることから、同様のリスクが想定されます。同じくキャリアソリューションの再就職支援事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。収益構造やビジネスモデルは人材紹介事業とは異なりますが、求職者を求人企業に紹介するという点において前述の人材紹介事業と同様の規制、指導及び監督を受けることから、同様のリスクが想定されます。さらに、関係諸法令は、労働市場を取り巻く状況の変化等に応じて改正されることから、当社グループにおいては改正に応じてその都度、適宜対応し、適切な事業運営ができる諸施策を講じていますが、今後の更なる改正によっては、当社グループの事業運営ならびに業績に影響が生じる可能性があります。 ③訴訟・不祥事及びレピュテーションリスク当社グループは法令遵守を重視した事業活動を行っておりますが、各種訴訟、係争、損害賠償請求の当事者となる可能性や不祥事、誹謗中傷等のリスクを排除できない場合があります。これらの発生に起因し、当社グループの社会的信用や企業イメージが低下し、売上の減少などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④人材の確保について 当社グループは1976年の創業以来、年齢・性別・国籍・障害の有無に関わらず、誰もが夢や誇りをもって、自由 に才能を生かして活躍できる社会の実現を目指し、様々な事業に取り組んでまいりました。事業環境の変化に対応し、持続的な成長を実現するためには、未来を創造する人材を確保・育成し続ける必要があります。そのため、当社グループが必要な人材を適時十分に確保できない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応方針・施策等、人的資本経営に関する詳細は、15ページ「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)ESG・サステナビリティ経営」をご参照ください。 ⑤子育て支援・介護事業におけるリスク当社グループは地域での保育施設や企業内保育施設、学童クラブの運営など子育てに関する施設の運営と居宅介護(デイサービス)や訪問介護などの介護事業を行っています。施設及び事業の運営にあたっては安全管理に万全の配慮をしておりますが、事業特有の予期しない事故が発生する可能性があります。万が一事故が発生した場合、当社グループの信頼性の低下や業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥個人情報及び機密情報の管理について当社グループは各事業の運営に際し、派遣スタッフ、求職者、各サービス利用者、顧客企業、従業員、その他関係者等の個人情報及び機密情報を大量に保有しております。当社グループによる個人情報の取扱いについては、日本における「個人情報の保護に関する法律」だけでなく、2018年5月に施行された「欧州連合一般データ保護規則(GDPR)」をはじめ当該国の個人情報に関する法律が適用されます。これらの法規制は、国境を越えて適用される傾向にあり、その遵守や事業運営における費用が増加する可能性があります。当社グループではGDPRにも対応した個人情報保護方針等を策定して個人情報の適正な取得・利用・提供等を行うとともに、個人情報の漏洩や滅失を防止するために技術面及び組織面における必要かつ適切な安全管理措置を講じ、全役職員に個人情報保護管理に関する教育を徹底しております。また、当社グループ及び取引先に関する営業秘密・重要情報の漏洩を防止すべき情報管理体制・管理手法を定め、その周知と実施の徹底に努めております。具体的には、前述した様々な秘密保持義務については、各就業規則、秘密情報保持規程において定めるとともに、ランサムウェアや標的型攻撃といった情報セキュリティ脅威への防御のための技術的対策、社員に対する定期的な研修や訓練等を実施しております。こうした当社グループの取り組みにも関わらず、従業員等の故意または過失、不測の事態等により個人情報及び機密情報が外部に漏洩した場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。 ⑦システム障害及びサイバー攻撃に対するリスク当社グループの事業は、国内外を問わず、コンピュータシステム及びその通信ネットワークに多くを依存していることに加え、近年の当社グループにおけるリモートワーク拡大により、当該リスクの重要性は一段と高いものとして認識しております。またシステムインフラ及びそのメンテナンス等の一部は、クラウドシステム業者を含む外部業者に委託しております。こういったシステムの利用範囲の拡大や運用形態の多様化に伴い、不測の事態への備えとして、障害発生時の体制整備、システムセキュリティの強化、通信回線やハードウェアの増強等、様々な対策を講じております。特に、近年より高度かつ複雑化するサイバー攻撃への対応については、より一層の全社的な情報セキュリティ体制の強化を目的に、経済産業省が定めるサイバーセキュリティガイドラインに沿ってPASONA-CSIRT(パソナ シーサート)を策定し、ランサムウェアや標的型攻撃といった情報セキュリティ脅威への防御のための技術的対策、及び社員に対する定期的な研修や訓練等を実施しております。これらの対策にも関わらず、人為的過誤、サイバー攻撃、広範な自然災害や外部業者のトラブル等により、コンピュータシステムや通信ネットワークが利用できなくなることにより、当社グループの業務や提供するサービスが停止する可能性があり、かかる状況が長期にわたる場合、当社グループに対する信頼性の低下や、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧事業投資について当社は今年、創業から50年の節目を迎えました。2024年5月期には連結子会社の株式を売却したことから事業ポートフォリオの構成が変化しており、次の50年を見据えた新たな成長戦略の策定に取り組んでまいりました。そして次の50年に向けては、これまでの事業ノウハウ及びネットワークを礎に、新たな「Well-being産業」を創造し、あらゆる人々の「からだの健康・こころの健康・社会の健康」が実現した「NATUREVERSE(ネイチャーバース)」(※)の世界を目指してまいります。そこで当社は、2026年5月期から始まる5ヵ年を「PASONA GROUP VISION 2030」と位置付け、収益構造の改革及び新たな事業成長に向けた成長戦略により、持続的な企業成長と更なる企業価値の向上を目指してまいります。こうした成長戦略に伴う各種の事業投資を行う中で以下のようなリスクが生じます。(※)NATUREVERSE(ネイチャーバース)とは、パソナグループが目指す、人と自然、テクノロジーが共生し、人々が思いやりの心でつながる、真に豊かな世界 a.減損会計について当社グループは、地方創生・観光ソリューション事業に係る商業施設を含めた事業用の不動産や、のれん、ソフトウエア等の有形・無形固定資産を所有し、連結貸借対照表に計上しております。こうした資産は、当該資産が生み出す将来キャッシュ・フローの状況により減損会計の適用を受ける場合があります。固定資産減損の認識判定における将来キャッシュ・フローは、資金生成単位ごとの事業計画を基礎として行っておりますが、これらの将来予測には不確実性が伴うため、事業が想定通り進捗しない場合、固定資産の減損損失の計上により、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 b.地方創生・観光ソリューション事業について当社グループの地方創生・観光ソリューション事業においては、地方の活性化と人材育成及び雇用創造の拠点として複数の商業施設を運営しており、以下のような固有のリスクが想定されます。現在、地方創生・観光ソリューションセグメントでは営業損失が継続しております。・商業施設の新規開設については、施設規模の大きいものは多額の資金負担が生じます。人件費等の固定的な費用も多く、開設後に利用者数が一定水準に至るまでの期間において費用負担が先行する傾向があり、短期的には当社グループの利益を圧迫する場合があります。・天候、災害、パンデミック等の影響により利用者の減少や営業休止を余儀なくされる可能性があります。また、利用者への訴求力増加施策が不十分であったり利用者の高い満足度を得られず利用者数が計画に届かない場合、収益が計画を下回ったり、追加投資が必要になる可能性があります。・施設におけるアトラクション等の安全管理をはじめ、宿泊施設におけるサービスの質や安全性、食事の提供や食品の販売における品質管理や食品衛生には十分注意しておりますが、万一事故が発生した場合、当社グループの信頼性の低下や訴訟などが発生し、または営業休止を余儀なくされる可能性があります。 c.企業買収について当社グループは、事業の強化補強を図る有効な手段として、企業買収を行う場合があります。こうした企業買収に伴い、多額の資金需要及びのれんの償却等が発生する可能性があります。また企業買収にあたっては市場動向や顧客のニーズ、相手先企業の業績及び財政状況などを考慮し進めておりますが、これらの買収が必ずしも当社グループの見込みどおりに連結収益に貢献したり、シナジー効果を生むとは限らず、経営環境や事業の状況の著しい変化等によりそれぞれの経営成績が想定どおり進捗しない場合、のれんの減損損失や株式の評価損が生じるなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 d.子会社・関連会社への投資当社グループは、企業や就労者の多様なニーズに応じたサービス領域の拡大、また次の50年を見据えた成長戦略の実現に向けて、社会の問題点の解決につながる新規事業投資を行っていく考えであります。新規事業投資については、多額の資金需要が発生する可能性があるほか、収益が必ずしも当初の計画通りに推移する保証はなく、想定した収益規模が確保できない可能性があります。事業の進捗状況を適時に把握し、既存の事業インフラや営業網も活用しながら、早期育成に取り組みますが、こうした取り組みにもかかわらず期待した収益を生まない場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。こうした事業投資を、子会社・関連会社への出資等を通じて行う場合がありますが、当社が保有する関係会社株式は、市場動向や経営環境及び業績動向によっては実質価額の著しい下落による評価損の計上により、当社の個別財務諸表における業績や資産の額に影響を与える可能性があります。また、実質価額がマイナスになった場合には、当該会社への貸付を含めた債権及び債務保証に係る損失やこれらを超えて当該会社で発生する損失の負担に備えるため、損失見込額に対する引当金の計上が必要になるなど、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨資金調達について当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金及び外部資金を有効に活用しております。グループ資金については、グループCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、グループ各社間の資金の有効活用と資金調達の一元化を図っております。また、金融機関とは、主に短期的な運転資金需要に対応するためにコミットメントラインを設定しているほか、長期借入や社債等により長期運転資金や設備投資資金等を調達しております。今後の経営状況や信用収縮、金利上昇等の金融情勢の変化などのほか、コミットメントラインや一部の長期借入金等に付されている財務制限条項に抵触することなどにより、必要な資金調達ができない場合や直ちに債務の弁済が必要となる場合、調達コストが増加する場合等、当社グループの事業遂行や業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩投資有価証券の保有について当社グループは、中長期的な視点で企業価値を高めるために、お客様及び取引先との信頼関係の強化や維持、取引の拡大、協業や事業シナジーの創出等を目的に、上場及び非上場の株式等の投資有価証券を保有しております。市場価格等の時価を把握できる有価証券については株式市況及び債券市況等の動向により、また、市場価格のない有価証券については投資先の財政状態や業績動向等により、実質価額の著しい下落による評価損を計上するなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪自然災害及びパンデミック等による事業継続リスク当社グループは、全国にグループ会社及び営業拠点を有しており、地震や水害など大規模な自然災害、パンデミック、事件・事故、その他企業存続を脅かす事象(以下「自然災害等」という。)が発生した場合に備えて、従業員及び派遣スタッフの安否を確認し、安全を確保するための対策を危機管理マニュアルに定めております。また、事業継続のための施策としてBCPマニュアルの策定、事業拠点や情報システムの機能分散なども講じております。また、2020年9月からは感染症への対策に加え、自然災害等のリスクにも対応するBCP対策の一環として、当社グループは本社・本部機能の分散と兵庫県淡路島への移転を段階的に実施しました。危機発生時は迅速かつ適切な対応をとる所存でありますが、想定を大きく上回る規模で自然災害等が発生した場合、当社グループの事業運営、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑫気候変動リスク当社グループは、環境経営戦略会議において当社グループの環境経営及び気候変動対応における戦略・方針・目標を策定しております。当該方針をもとに、環境マネジメント推進委員会が各部門・各グループ会社に対して実効的なアクションプランを推進するとともに、社員一人ひとりの環境に対する意識醸成を図るための環境教育を実施しております。リスクマネジメント委員会では、気候変動のリスクマネジメントに関する事項についての審議を行い、内部監査部門は各部門や関係会社に対する環境監査を実施しております。取締役会は、気候変動に関する重要な事項について、環境経営戦略会議から報告を受け適切な助言を行うことで、モニタリングを行っております。気候変動に伴う事業等のリスクへの対応については、15ページ「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)ESG・サステナビリティ経営」をご参照ください。
FY2024|8,828 文字
3 【事業等のリスク】(1)当社グループのリスクマネジメント体制当社グループは経営に重大な影響を及ぼす危機を未然に防止し、万一発生した場合には損失の極小化を図るため、リスクマネジメント規程を定め、リスクに関する統括組織としてリスクマネジメント委員会を設置しております。同委員会では、想定される重大リスクごとに担当部を定めたうえ、平時の継続的な監視により新たなリスクを含めた危機の事前予知に務め、危機管理マニュアルに基づいて日常の対策及び緊急時に適切な対応を行う体制を整備するとともに、委員会の主要な活動状況について平時においては定期的に取締役会へ報告することで、取締役会が当社グループの状況や対応を適切にモニタリングできる体制を整えております。また、事業運営上生じる日常的なリスクについては、コンプライアンス担当部内で適正に対応し、適宜経営会議等で報告するほか、監査室及びグループ内部監査室による内部監査を通じて各部署の日常的なリスク管理状況を監視しております。このようなリスクマネジメントを行うなかで、有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、重要と識別された主要な危機・脅威のほか、経営戦略の実現に関連する不確実性としてのリスク及び当社グループの事業活動・経営方針を理解するうえで重要と考えられる事項についても記載しています。なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載のない限り当連結会計年度末現在において判断したものであり、当社株式への投資に関連する全てのリスクを網羅するものではありません。 (2)当社グループの経営成績等に影響を与える可能性のある主要なリスク①景気動向等のマクロ環境の影響当社グループの事業は、企業や組織の人材活用や生産性向上に貢献する様々なソリューションサービスを提供するとともに、個人に対してはそれぞれのライフスタイルに合わせた働き方を支援する就労インフラを提供しています。こうしたサービスは、国内外の景気変動や技術革新等のビジネス環境の変化、労働関連法令における規制等の影響を受けます。当社グループは、BPOソリューション(委託・請負)、エキスパートソリューション(人材派遣)、キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)、グローバルソリューション、ライフソリューション(保育・介護)、地方創生・観光ソリューション(地方創生)などの事業を総合的に展開し特定の領域に偏らない事業ポートフォリオの構築を進め、常に新しい働き方やワークライフバランスに関する情報発信や提案、啓蒙活動にも積極的に取り組んでおります。しかし今後様々な要因により、市場環境や雇用情勢、顧客需要が急激に変化した場合、各事業の業績や当社グループの収益構造に影響を受ける可能性があります。また今後、長期的には国内の人口推移により更なる人手不足あるいは市場縮小等が起きることも想定されます。当社グループは持続的成長に向けた取組みとして、常に社会の変化の兆しを捉え、コントロールし得るリスクテイクもしたうえ、引き続き、企業理念である「社会の問題点を解決する」ことをテーマとした様々な新規事業・サービスを開発・拡充することでリスク分散を図ってまいります。 ②官公庁等との事業認可、契約関係の対応及び労働関係諸法令への対応当社グループのBPOソリューションの委託・請負事業は、民間企業のほか官公庁や地方自治体、各種団体など様々な取引先から、総務・庶務、経理・財務、受付、営業事務・受発注、人事・労務などの業務を受託しサービスを提供しています。特に官公庁・地方自治体から受託した事業の遂行にあたっては、委託元の指示に沿って適正な業務運営を行う必要がありますが、近年これら事業が大型化かつ複雑化しており、当社グループのみならず再委託先と共同で取り組む事業も増加しております。当社グループにおいては関連法規の遵守や社員教育の徹底、また再委託先選定に関わる調査の実施などのガイドラインに則り、適正な業務運営に努めておりますが、当社グループまたは再委託先において、関連法規違反、重大な過誤その他不適正な運営が生じた場合は当社グループの信頼性の低下や社会的な信用が毀損されるほか、委託元の規程により入札停止などの処分を受けることで業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。また、エキスパートソリューションの人材派遣事業は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、「労働者派遣法」)に基づき、主として労働者派遣事業として厚生労働大臣の許可を取得して行っている事業であります。労働者派遣法は、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、派遣事業を行う者(派遣元事業主)が、派遣元事業主としての欠格事由に該当したり法令に違反した場合には、事業の許可を取り消し、または事業の停止を命じる旨を定めております。当社グループでは株式会社パソナグループのコーポレートガバナンス本部が主導して適正な派遣取引のためのガイドラインを作成し、徹底して社員教育に努めるとともに、内部監査等により関連法規の遵守状況を日頃より監視し、法令違反等の防止に努めております。しかしながら、万一当社グループ各社及び役職員による重大な法令違反等が発生し、事業許可の取消しまたは事業停止を命じられるようなことがあれば、労働者派遣事業を行えなくなることが考えられます。キャリアソリューションの人材紹介事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。人材紹介事業についても、人材派遣事業と同様に、一定の要件を満たさない場合には事業許可の取消し、事業の停止といった措置が規定されていることから、同様のリスクが想定されます。同じくキャリアソリューションの再就職支援事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。収益構造やビジネスモデルは人材紹介事業とは異なりますが、求職者を求人企業に紹介するという点において前述の人材紹介事業と同様の規制、指導及び監督を受けることから、同様のリスクが想定されます。さらに、関係諸法令は、労働市場を取り巻く状況の変化等に応じて改正されることから、当社グループにおいては改正に応じてその都度、適宜対応し、適切な事業運営ができる諸施策を講じていますが、今後の更なる改正によっては、当社グループの事業運営ならびに業績に影響が生じる可能性があります。 ③個人情報及び機密情報の管理について当社グループは各事業の運営に際し、派遣スタッフ、求職者、各サービス利用者、顧客企業、従業員、その他関係者等の個人情報及び機密情報を大量に保有しております。当社グループによる個人情報の取扱いについては、日本における「個人情報の保護に関する法律」だけでなく、2018年5月に施行された「欧州連合一般データ保護規則(GDPR)」をはじめ当該国の個人情報に関する法律が適用されます。これらの法規制は、国境を越えて適用される傾向にあり、その遵守や事業運営における費用が増加する可能性があります。当社グループではGDPRにも対応した個人情報保護方針等を策定して個人情報の適正な取得・利用・提供等を行うとともに、個人情報の漏洩や滅失を防止するために技術面及び組織面における必要かつ適切な安全管理措置を講じ、全役職員に個人情報保護管理に関する教育を徹底しております。また、当社グループ及び取引先に関する営業秘密・重要情報の漏洩を防止すべき情報管理体制・管理手法を定め、その周知と実施の徹底に努めております。具体的には、前述した様々な秘密保持義務については、各就業規則、秘密情報保持規程において定めるとともに、ランサムウェアや標的型攻撃といった情報セキュリティ脅威への防御のための技術的対策、社員に対する定期的な研修や訓練等を実施しております。こうした当社グループの取組みにも関わらず、従業員等の故意または過失、不測の事態等により個人情報及び機密情報が外部に漏洩した場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。 ④システム障害及びサイバー攻撃に対するリスク当社グループの事業は、国内外を問わず、コンピュータシステム及びその通信ネットワークに多くを依存していることに加え、近年の当社グループにおけるリモートワーク拡大により、当該リスクの重要性は一段と高いものとして認識しております。またシステムインフラ及びそのメンテナンス等の一部は、クラウドシステム業者を含む外部業者に委託しております。こういったシステムの利用範囲の拡大や運用形態の多様化に伴い、不測の事態への備えとして、障害発生時の体制整備、システムセキュリティの強化、通信回線やハードウェアの増強等、様々な対策を講じております。特に、近年より高度かつ複雑化するサイバー攻撃への対応については、より一層の全社的な情報セキュリティ体制の強化を目的に、経済産業省が定めるサイバーセキュリティガイドラインに沿ってPASONA-CSIRT(パソナ シーサート)を策定し、ランサムウェアや標的型攻撃といった情報セキュリティ脅威への防御のための技術的対策、及び社員に対する定期的な研修や訓練等を実施しております。これらの対策にも関わらず、人為的過誤、サイバー攻撃、広範な自然災害や外部業者のトラブル等により、コンピュータシステムや通信ネットワークが利用できなくなることにより、当社グループの業務や提供するサービスが停止する可能性があり、かかる状況が長期にわたる場合、当社グループに対する信頼性の低下や、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤事業投資について当社は、1976年の創業から間もなく50年の節目を迎えるにあたり、「社会の問題点を解決する」という不変の企業理念のもと、次の50年を見据えた成長戦略の議論を進めております。また当社は、2024年5月期において事業ポートフォリオの見直しにより、連結子会社であった株式会社ベネフィット・ワンの株式を売却いたしました。売却により得た資金については、当社の中長期的な企業価値の向上を目的に、新規事業投資や設備投資、M&A投資など成長のための投資や、経営基盤の強化に充当する方針です。こうした成長戦略に伴う各種の事業投資を行う中で以下のようなリスクが生じます。 a.減損会計について当社グループは、地方創生事業に係る商業施設を含めた事業用の不動産や、のれん、ソフトウエア等の有形・無形固定資産を所有し、連結貸借対照表に計上しております。こうした資産は、当該資産が生み出す将来キャッシュ・フローの状況により減損会計の適用を受ける場合があり、当連結会計年度において2024年7月12日に公表したとおり、固定資産に係る減損損失10,811百万円を計上しております。固定資産減損の認識判定における将来キャッシュ・フローは、資金生成単位ごとの事業計画を基礎として行っておりますが、これらの将来予測には不確実性が伴うため、事業が想定通り進捗しない場合、固定資産の減損損失の計上により、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 b.地方創生事業に係る商業施設について当社グループの地方創生事業においては、地方の活性化と人材育成及び雇用創造の拠点として複数の商業施設を運営しており、以下のような固有のリスクが想定されます。現在、地方創生・観光ソリューションセグメントでは営業損失が継続しております。・商業施設の新規開設については、施設規模の大きいものは多額の資金負担が生じます。人件費等の固定的な費用も多く、開設後に利用者数が一定水準に至るまでの期間において費用負担が先行する傾向があり、短期的には当社グループの利益を圧迫する場合があります。・天候、災害、パンデミック等の影響により利用者の減少や営業休止を余儀なくされる可能性があります。また、利用者への訴求力増加施策が不十分であったり利用者の高い満足度を得られず利用者数が計画に届かない場合、収益が計画を下回ったり、追加投資が必要になる可能性があります。・施設におけるアトラクション等の安全管理、食事の提供や食品の販売における品質管理や食品衛生には十分注意しておりますが、万一事故が発生した場合、当社グループの信頼性の低下や訴訟などが発生し、または営業休止を余儀なくされる可能性があります。 c.企業買収について当社グループは、事業の強化補強を図る有効な手段として、企業買収を行う場合があります。こうした企業買収に伴い、多額の資金需要及びのれんの償却等が発生する可能性があります。また企業買収にあたっては市場動向や顧客のニーズ、相手先企業の業績及び財政状況などを考慮し進めておりますが、これらの買収が必ずしも当社グループの見込みどおりに連結収益に貢献したり、シナジー効果を生むとは限らず、経営環境や事業の状況の著しい変化等によりそれぞれの経営成績が想定どおり進捗しない場合、のれんの減損損失や株式の評価損が生じるなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 d.子会社・関連会社への投資当社グループは、企業や就労者の多様なニーズに応じたサービス領域の拡大、また次の50年を見据えた成長戦略の実現に向けて、社会の問題点の解決につながる新規事業投資を積極的に行っていく考えであります。新規事業投資については、多額の資金需要が発生する可能性があるほか、収益が必ずしも当初の計画通りに推移する保証はなく、想定した収益規模が確保できない可能性があります。事業の進捗状況を適時に把握し、既存の事業インフラや営業網も活用しながら、早期育成に取り組みますが、こうした取組みにもかかわらず期待した収益を生まない場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 こうした事業投資を、子会社・関連会社への出資等を通じて行う場合がありますが、当社が保有する関係会社株式は、市場動向や経営環境及び業績動向によっては実質価額の著しい下落による評価損の計上により、当社の個別財務諸表における業績や資産の額に影響を与える可能性があります。また、これに伴い当該会社への貸付を含めた債権及び債務保証に係る損失やこれらを超えて当該会社で発生する損失の負担に備えるため、損失見込額に対する引当金の計上が必要になるなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥投資有価証券の保有について当社グループは、中長期的な視点で企業価値を高めるために、お客様及び取引先との信頼関係の強化や維持、取引の拡大、協業や事業シナジーの創出等を目的に、上場及び非上場の株式等の投資有価証券を保有しております。市場価格等の時価を把握できる有価証券については株式市況及び債券市況等の動向により、また、市場価格のない有価証券については投資先の財政状態や業績動向等により、実質価額の著しい下落による評価損を計上するなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦関係会社株式の売却に伴う事業ポートフォリオの変更当社は、2024年5月期に連結子会社であった株式会社ベネフィット・ワンの株式を売却したことから、2025年5月期において事業ポートフォリオ及び収益構造が変化しております。売却資金については、当社の中長期的な企業価値の向上を目的に、新規事業投資や設備投資、M&A投資など成長のための投資に充当するとともに、経営基盤の強化及び株主還元を実施する計画です。また当社は創業からまもなく50年の節目を迎えるにあたり、次の50年を見据えた成長戦略の議論を進めております。しかしながら、こうした成長戦略の事業計画は必ずしも当初の計画通りに推移する保証はなく、想定した収益規模が確保できない可能性があります。期待した収益を生まない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧人材の確保について 当社グループは1976年の創業以来、年齢・性別・国籍・障害の有無に関わらず、誰もが夢や誇りをもって、自由 に才能を生かして活躍できる社会の実現を目指し、様々な事業に取組んでまいりました。事業環境の変化に対応し、持続的な成長を実現するためには、未来を創造する人材を確保・育成し続ける必要があります。そのため、当社グループが必要な人材を適時十分に確保できない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応方針・施策等、人的資本経営に関する詳細は、15ページ「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)ESG・サステナビリティ経営」をご参照ください。 ⑨資金調達について当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金及び外部資金を有効に活用しております。グループ資金については、グループCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、グループ各社間の資金の有効活用と資金調達の一元化を図っております。また、金融機関とは、主に短期的な運転資金需要に対応するためにコミットメントラインを設定しているほか、長期借入や社債等により長期運転資金や設備投資資金等を調達しておりますが、今後の経営状況や信用収縮、金利上昇等の金融情勢の変化などにより、必要な資金調達ができない場合や調達コストの増加が生じた場合、当社グループの事業遂行や業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩自然災害及びパンデミック等による事業継続リスク当社グループは、全国にグループ会社及び営業拠点を有しており、地震や水害など大規模な自然災害、パンデミック、事件・事故、その他企業存続を脅かす事象(以下「自然災害等」という。)が発生した場合に備えて、従業員及び派遣スタッフの安否を確認し、安全を確保するための対策を危機管理マニュアルに定めております。また、事業継続のための施策としてBCPマニュアルの策定、事業拠点や情報システムの機能分散なども講じております。また、また2020年9月からは感染症への対策に加え、自然災害等のリスクにも対応するBCP対策の一環として、当社グループは本社・本部機能の分散と兵庫県淡路島への移転を段階的に実施しました。危機発生時は迅速かつ適切な対応をとる所存でありますが、想定を大きく上回る規模で自然災害等が発生した場合、当社グループの事業運営、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪気候変動リスク世界規模で気候変動をはじめとする環境問題が深刻化しています。当社グループは、2005年にグループ各社の役職員で構成する「環境委員会」を設置し、持続可能な社会の実現を目指し、将来を担う次の世代に健全で美しい地球環境を残すため、あらゆる場面で限りある資源を大切にし、企業活動を通して環境保全活動に努めております。2021年には当社グループが目指すサステナブル経営のあり方を発信し、社会から信頼されるロングセラーカンパニーであり続けるために「パソナグループ環境イノベーション戦略」を策定し、同年に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」への賛同を表明いたしました。また、環境経営戦略会議は当社グループの環境経営及び気候変動対応における戦略・方針・目標を策定しております。当該方針をもとに、環境マネジメント推進委員会が各部門・各グループ会社に対して実効的なアクションプランを推進するとともに、社員一人ひとりの環境に対する意識醸成を図るための環境教育を実施しております。環境委員会では、自然との共生を体験する、地域と協働した環境活動を全国で展開しております。リスクマネジメント委員会では、気候変動のリスクマネジメントに関する事項についての審議を行い、内部監査部門は各部門や関係会社に対する環境監査を実施しております。取締役会は、気候変動に関する重要な事項について、環境経営戦略会議から報告を受け適切な助言を行うことで、モニタリングを行っております。気候変動に伴う事業等のリスクへの対応については、15ページ「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)ESG・サステナビリティ経営」をご参照ください。 ⑫保育・介護事業におけるリスク当社グループは地域での保育施設や企業内保育施設、学童クラブの運営など子育てに関する施設の運営と居宅介護(デイサービス)や訪問介護などの介護事業を行っています。施設及び事業の運営にあたっては安全管理に万全の配慮をしておりますが、事業特有の予期しない事故が発生する可能性があります。万が一事故が発生した場合、当社グループの信頼性の低下や業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑬訴訟・不祥事及びレピュテーションリスク当社グループは法令遵守を重視した事業活動を行っておりますが、各種訴訟、係争、損害賠償請求の当事者となる可能性や不祥事、誹謗中傷等のリスクを排除できない場合があります。これらの発生に起因し、当社グループの社会的信用や企業イメージが低下し、売上の減少などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2023|7,598 文字
3 【事業等のリスク】当社グループは経営に重大な影響を及ぼす危機を未然に防止し、万一発生した場合には損失の極小化を図るため、リスクマネジメント規程を定め、リスクに関する統括組織としてリスクマネジメント委員会を設置しております。同委員会では、想定される重大リスク毎に担当部を定めたうえ、平時の継続的な監視により新たなリスクを含めた危機の事前予知に務め、危機管理マニュアルに基づいて日常の対策及び緊急時に適切な対応を行う体制を整備するとともに、委員会の主要な活動状況について平時においては定期的に取締役会へ報告することで、取締役会が当社グループの状況や対応を適切にモニタリングできる体制を整えております。また、事業運営上生じる日常的なリスクについては、コンプライアンス担当部内で適正に対応し、適宜経営会議等で報告するほか、CIU室及びグループ内部監査室による内部監査を通じて各部署の日常的なリスク管理状況を監視しております。 このようなリスクマネジメントを行うなかで、有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、重要と識別された主要な危機・脅威のほか、経営戦略の実現に関連する不確実性としてのリスク及び当社グループの事業活動・経営方針を理解するうえで重要と考えられる事項についても記載しています。 なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載のない限り当連結会計年度末現在において判断したものであり、当社株式への投資に関連するすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1)景気動向等のマクロ環境の影響当社グループの事業は、企業や組織の人材活用に関わる様々なソリューションサービスと生産性の向上に貢献するアウトソーシングサービスを提供するとともに、個人に対してはそれぞれのライフスタイルに合わせた働き方を支援する就労インフラを提供しています。こうしたサービスは、国内外の景気変動や技術革新等のビジネス環境の変化、労働関連法令における規制等の影響を受けます。 当社グループは、人材派遣、委託・請負、人材紹介、再就職支援、アウトソーシング、保育・介護、地方創生などの事業を総合的に展開し特定の領域に偏らない事業ポートフォリオの構築を進め、また海外への展開を行っているほか、常に新しい働き方やワークライフバランスに関する情報発信や提案、啓蒙活動にも積極的に取り組んでおります。しかし今後様々な要因により、市場環境や雇用情勢、顧客需要が急激に変化した場合、各事業の業績や当社グループの収益構造に影響を受ける可能性があります。 また今後、長期的には国内の人口推移により更なる人手不足あるいは市場縮小等が起きることも想定されます。当社グループは持続的成長に向けた取組みとして、常に社会の変化の兆しを捉え、コントロールし得るリスクテイクもしたうえ、引き続き、企業理念である「社会の問題点を解決する」ことをテーマとした様々な新規事業・サービスを開発・拡充することでリスク分散を図ってまいります。 (2)法的規制について政府が推進する働き方改革により、2019年4月施行の改正労働基準法に定められた時間外労働の上限規制や年次有給休暇の取得義務化、2020年4月施行の同一労働同一賃金制度における雇用区分別の均等・均衡待遇の明確化と不合理な待遇差が存在する場合はその格差是正の義務化など、無期・有期双方の従業員を取り巻く法規制や労働環境には重大な変化が起こっております。人材サービス事業を展開する当社グループには多数の有期・無期雇用労働者が就労しており、こうした労働関連法改正への対応や労働環境の変化により、原価率や販管費率が上昇したり、当社グループが必要な人材を十分に維持・確保できなくなる可能性があります。 具体的には、エキスパートサービス事業において、当社グループは適正価格による取引、適正水準の給与支払いに努め、派遣給与支払い水準の引上げや社会保険料負担増の際には請求料金についても値上げするべく派遣先企業との料金交渉に取り組んでおりますが、労働関係諸法令の改正に伴う対応によるスタッフ給与等の上昇や待期期間の発生、さらには有給休暇取得費用、健康診断費用等の福利厚生関連コストの負担増があるなか、派遣給与と派遣料金の値上げが必ずしも同期しない可能性があります。このような案件の急激な増加や同期しない期間の長期化による、原価率の上昇、あるいは派遣料金のコスト増を敬遠した企業の派遣利用の減少といった影響を受ける可能性があります。 こうした状況への対応として、雇用形態の異なる労働者それぞれの職務内容を明確にするとともに、派遣スタッフについては派遣先企業に対して丁寧な説明を行い料金改定等の取組みを進めており、また事業全体の生産性ならびに効率性の向上等によるコスト増の吸収にも引き続き努めてまいります。 また、労働者派遣法及び関係諸法令については、労働市場を取り巻く状況の変化等に応じて今後も適宜改正が予想され、その変更内容と法律で求められる対応の具体的内容によっては、当社グループの事業運営、業績が少なからず影響を受ける可能性があります。 (3)事業の許認可及び継続について当社グループのエキスパートサービス事業は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、「労働者派遣法」)に基づき、主として労働者派遣事業として厚生労働大臣の許可を取得して行っている事業であります。労働者派遣法は、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、派遣事業を行う者(派遣元事業主)が、派遣元事業主としての欠格事由に該当したり法令に違反した場合には、事業の許可を取り消し、または事業の停止を命じる旨を定めております。当社グループでは株式会社パソナグループのコーポレートガバナンス本部が主導して適正な派遣取引のためのガイドラインを作成し、徹底して社員教育に努めるとともに、内部監査等により関連法規の遵守状況を日頃より監視し、法令違反等の防止に努めております。しかしながら、万一当社グループ各社及び役職員による重大な法令違反等が発生し、事業許可の取消しまたは事業停止を命じられるようなことがあれば、労働者派遣事業を行えなくなることが考えられます。 また人材紹介事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。人材紹介事業についても、人材派遣事業と同様に、一定の要件を満たさない場合には事業許可の取消し、事業の停止といった措置が規定されていることから、同様のリスクが想定されます。 再就職支援事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。収益構造やビジネスモデルは人材紹介事業とは異なりますが、求職者を求人企業に紹介するという点において前述の人材紹介事業と同様の規制、指導及び監督を受けることから、同様のリスクが想定されます。 そして、BPOサービス事業においては、当社グループは、民間企業のほか官公庁や地方自治体、各種団体など様々な取引先から、総務・庶務、経理・財務、受付、営業事務・受発注、人事・労務などの業務を受託しサービスを提供しています。特に官公庁・地方自治体から受託した事業の遂行にあたっては、委託先の指示に沿って適正な業務運営を行う必要がありますが、近年これら事業が大型化かつ複雑化しており、当社グループのみならず再委託先と共同で取り組む事業も増加しております。当社グループにおいては関連法規の遵守や社員教育の徹底、また再委託先選定に関わる調査の実施などのガイドラインに則り、適正な業務運営に努めておりますが、重大なミスが生じた場合は当社グループの信頼性の低下や社会的な信用が毀損されるほか、委託先の規程により入札停止などの処分を受けることで業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4)個人情報及び機密情報の管理について当社グループは各事業の運営に際し、派遣登録者、求職者、各サービス利用者、顧客企業、従業員、その他関係者等の個人情報及び機密情報を大量に保有しております。当社グループによる個人情報の取扱いについては、日本における「個人情報の保護に関する法律」だけでなく、2018年5月に施行された「欧州連合一般データ保護規則(GDPR)」をはじめ当該国の個人情報に関する法律が適用されます。これらの法規制は、国境を越えて適用される傾向にあり、その遵守や事業運営における費用が増加する可能性があります。 当社グループではGDPRにも対応した個人情報保護方針等を策定して個人情報の適正な取得・利用・提供等を行うとともに、個人情報の漏洩や滅失を防止するために技術面及び組織面における必要かつ適切な安全管理措置を講じ、全役職員に個人情報保護管理に関する教育を徹底しております。また、当社グループ及び取引先に関する営業秘密・重要情報の漏洩を防止すべき情報管理体制・管理手法を定め、その周知と実施の徹底に努めております。具体的には、前述した様々な秘密保持義務については、各就業規則、秘密情報保持規程において定めるとともに、ランサムウェアや標的型攻撃といった情報セキュリティ脅威への防御のための技術的対策、社員に対する定期的な研修や訓練等を実施しております。こうした当社グループの取組みにもかかわらず、従業員等の故意または過失、不測の事態等により個人情報及び機密情報が外部に漏洩した場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの財政状態及び業績に重大な影響を与える可能性があります。 (5)システム障害及びサイバー攻撃に対するリスク当社グループの事業は、国内外を問わず、コンピュータシステム及びその通信ネットワークに多くを依存していることに加え、近年の当社グループにおけるリモートワーク拡大により、当該リスクの重要性は一段と高いものとして認識しております。またシステムインフラ及びそのメンテナンス等の一部は、クラウドシステム業者を含む外部業者に委託しております。こういったシステムの利用範囲の拡大や運用形態の多様化に伴い、不測の事態への備えとして、障害発生時の体制整備、システムセキュリティの強化、通信回線やハードウェアの増強等、様々な対策を講じております。特に、近年より高度かつ複雑化するサイバー攻撃への対応については、より一層の全社的な情報セキュリティ体制の強化を目的に、経済産業省が定めるサイバーセキュリティガイドラインに沿ってPASONA-CSIRT(パソナ シーサート)を策定し、ランサムウェアや標的型攻撃といった情報セキュリティ脅威への防御のための技術的対策、及び社員に対する定期的な研修や訓練等を実施しております。これらの対策にも関わらず、人為的過誤、サイバー攻撃、広範な自然災害や外部業者のトラブル等により、コンピュータシステムや通信ネットワークが利用できなくなることにより、当社グループの業務や提供するサービスが停止する可能性があり、かかる状況が長期にわたる場合、当社グループに対する信頼性の低下を招く等の重大な影響を及ぼす可能性があります。 (6)事業投資について①子会社・関連会社への投資当社グループは今後も、企業や就労者の多様なニーズに応じたサービス領域の拡大、また社会的課題の解決につながる事業投資を積極的に行っていく考えであります。新規の事業投資については、多額の資金需要が発生する可能性があるほか、収益が必ずしも当初の計画通りに推移する保証はなく、想定した収益規模が確保できない可能性があります。事業の進捗状況を適時に把握し、既存の事業インフラや営業網も活用しながら、早期育成に取り組んでおりますが、こうした取組みにもかかわらず期待した収益を生まない場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 また当社が保有する関係会社株式は、市場動向や経営環境によっては評価替えなどにより当社の個別財務諸表における業績や資産の額に影響を与える可能性があります。 ②地方創生事業に係る商業施設について当社グループの地方創生事業においては、地方の活性化と人材育成及び雇用創造の拠点として複数の商業施設を運営しており、以下のような固有のリスクが想定されます。現在、地方創生ソリューションセグメントでは営業損失が継続しております。・商業施設の新規開設については、施設規模の大きいものは多額の資金負担が生じます。人件費等の固定的な費用も多く、開設後に利用者数が一定水準に至るまでの期間において費用負担が先行する傾向があり、短期的には当社グループの利益を圧迫する場合があります。・天候、災害、パンデミック等の影響により利用者の減少や営業休止を余儀なくされる可能性があります。また、利用者への訴求力増加施策が不十分であったり利用者の高い満足度を得られず利用者数が計画に届かない場合、収益が計画を下回ったり、追加投資が必要になる可能性があります。・施設におけるアトラクション等の安全管理、食事の提供や食品の販売における品質管理や食品衛生には十分注意しておりますが、万一事故が発生した場合、当社グループの信頼性の低下や訴訟などが発生する可能性があります。 ③企業買収について当社グループは、事業の強化補強を図る有効な手段として、企業買収を行う場合があります。こうした企業買収に伴い、多額の資金需要及びのれんの償却等が発生する可能性があります。また企業買収にあたっては市場動向や顧客のニーズ、相手先企業の業績及び財政状況などを考慮し進めておりますが、これらの買収が必ずしも当社グループの見込みどおりに連結収益に貢献したり、シナジー効果を生むとは限らず、経営環境や事業の状況の著しい変化等によりそれぞれの経営成績が想定どおり進捗しない場合、のれんの減損損失や株式の評価損が生じるなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④減損会計について当社グループは、地方創生事業に係る商業施設を含めた事業用の不動産やのれん、ソフトウエア等の有形・無形固定資産を所有し、連結貸借対照表に計上しております。こうした資産は、当該資産が生み出す将来キャッシュ・フローの状況により減損会計の適用を受ける場合があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (7)資金調達について当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金及び外部資金を有効に活用しております。グループCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)によりグループ各社間の資金の有効活用と資金調達の一元化を図っているほか、金融機関との間にコミットメントラインを設定しております。資金需要に対する機動的な対応と、当社の考える資本コストのバランスからある程度の現金及び現金同等物を保有するとともに、資金需要の規模に応じた個別借入れや社債等により資金を確保していますが、今後の経営状況や信用収縮、金融情勢の変化などにより、必要な資金調達ができない場合は、当社グループの事業遂行に影響を及ぼす可能性があります。 (8)自然災害及びパンデミック等による事業継続リスク当社グループは全国にグループ会社及び営業拠点を有しており、地震や水害など大規模な自然災害、パンデミック、事件・事故、その他企業存続を脅かす事象が発生した場合に備えて、従業員及び派遣スタッフの安否を確認し、安全を確保するための対策を危機管理マニュアルに定めております。また、事業継続のための施策としてBCPマニュアルの策定、事業拠点や情報システムの機能分散なども講じております。また、また2020年9月からは感染症への対策に加え、自然災害等のリスクにも対応するBCP対策の一環として、当社グループは本社・本部機能の分散と兵庫県淡路島への移転を段階的に開始しています。危機発生時は迅速かつ適切な対応をとる所存でありますが、想定を大きく上回る規模で自然災害等が発生した場合、当社グループの事業運営、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (9)気候変動リスク 世界規模で気候変動をはじめとする環境問題が深刻化しています。当社グループは、2005年にグループ各社の役職員で構成する「環境委員会」を設置し、次世代に健全で美しい地球を残すため、役職員への環境教育はもとより、一人ひとりが「ソーシャルアクティビスト」として活動する機会の創出に取り組んでおります。2021年には当社グループが目指すサステナブル経営のあり方を発信し、社会から信頼されるロングセラーカンパニーであり続けるために「パソナグループ環境イノベーション戦略」を策定し、同年に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」への賛同を表明いたしました。さらに「環境マネジメント推進会議」を発足し、気候変動シナリオ分析及び気候変動によるリスクと機会における事業インパクトの明確化を実施いたしました。また、2023年には「環境経営戦略会議」を発足し、環境経営及び気候変動対応における戦略・方針・目標を策定しております。 気候変動に伴う事業等のリスクについては、15ページ「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)ESG・サステナビリティ経営」をご参照ください。 (10)保育・介護事業におけるリスク 当社グループは地域での保育施設や企業内保育施設、学童クラブの運営など子育てに関する施設の運営と居宅介護(デイサービス)や訪問介護などの介護事業を行っています。施設及び事業の運営にあたっては安全管理に万全の配慮をしておりますが、事業特有の予期しない事故が発生する可能性があります。万が一事故が発生した場合、当社グループの信頼性の低下や業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11)訴訟・不祥事及びレピュテーションリスク当社グループは法令遵守を重視した事業活動を行っておりますが、各種訴訟、係争、損害賠償請求の当事者となる可能性や不祥事、誹謗中傷等のリスクを排除できない場合があります。これらの発生に起因し、当社グループの社会的信用や企業イメージが低下し、売上の減少等、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2022|8,299 文字
2 【事業等のリスク】当社グループは経営に重大な影響を及ぼす危機を未然に防止し、万一発生した場合には損失の極小化を図るため、リスクマネジメント規程を定め、リスクに関する統括組織としてリスクマネジメント委員会を設置しております。同委員会では、想定される重大リスク毎に担当部を定めたうえ、平時の継続的な監視により新たなリスクを含めた危機の事前予知に務め、危機管理マニュアルに基づいて日常の対策及び緊急時に適切な対応を行う体制を整備するとともに、委員会の主要な活動状況について平時においては定期的に取締役会へ報告することで、取締役会が当社グループの状況や対応を適切にモニタリングできる体制を整えております。また、事業運営上生じる日常的なリスクについては、コンプライアンス担当部内で適正に対応し、適宜経営会議等で報告するほか、CIU室及びグループ内部監査室による内部監査を通じて各部署の日常的なリスク管理状況を監視しております。 このようなリスクマネジメントを行うなかで、有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、重要と識別された主要な危機・脅威のほか、経営戦略の実現に関連する不確実性としてのリスク及び当社グループの事業活動・経営方針を理解するうえで重要と考えられる事項についても記載しています。 なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載のない限り当連結会計年度末現在において判断したものであり、当社株式への投資に関連するすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1)景気動向等のマクロ環境の影響当社グループの事業は、企業や組織の人材活用に関わる様々なソリューションサービスと生産性の向上に貢献するアウトソーシングサービスを提供するとともに、個人に対してはそれぞれのライフスタイルに合わせた働き方を支援する就労インフラを提供しています。こうしたサービスは、国内外の景気変動や技術革新等のビジネス環境の変化、労働関連法令における規制等の影響を受けます。 当社グループは、人材派遣、委託・請負、人材紹介、再就職支援、アウトソーシング、保育・介護、地方創生などの事業を総合的に展開し特定の領域に偏らない事業ポートフォリオの構築を進め、また海外への展開を行っているほか、常に新しい働き方やワークライフバランスに関する情報発信や提案、啓蒙活動にも積極的に取り組んでおります。しかし今後、様々な要因により、市場環境や雇用情勢、顧客需要が急激に変化した場合、各事業の業績や当社グループの収益構造に影響を受ける可能性があります。 また今後、長期的には国内の人口推移により更なる人手不足あるいは市場縮小等が起きることも想定されます。当社グループは持続的成長に向けた取組みとして、常に社会の変化の兆しを捉え、コントロールし得るリスクテイクもしたうえ、引き続き、企業理念である「社会の問題点を解決する」ことをテーマとした様々な新規事業・サービスを開発・拡充することでリスク分散を図ってまいります。また、このような新規事業への挑戦が常にできる体制・組織作りを維持するため、グループ社員一人ひとりへの企業理念の更なる浸透を図ることを目指してPasona Way本部を設置し、将来のパソナグループを担う人材の育成、強い組織・仲間づくりの実現に取り組んでおります。 (2)法的規制について政府が推進する働き方改革により、2019年4月施行の改正労働基準法に定められた時間外労働の上限規制や年次有給休暇の取得義務化、2020年4月施行の同一労働同一賃金制度における雇用区分別の均等・均衡待遇の明確化と不合理な待遇差が存在する場合はその格差是正の義務化など、無期・有期双方の従業員を取り巻く法規制や労働環境には重大な変化が起こっております。人材サービス事業を展開する当社グループには多数の有期・無期雇用労働者が就労しており、こうした労働関連法改正への対応や労働環境の変化により、原価率や販管費率が上昇したり、当社グループが必要な人材を十分に維持・確保できなくなる可能性があります。 具体的には、エキスパートサービス事業において、当社グループは適正価格による取引、適正水準の給与支払いに努め、派遣給与支払い水準の引上げや社会保険料負担増の際には請求料金についても値上げするべく派遣先企業との料金交渉に取り組んでおりますが、労働関係諸法令の改正に伴う対応によるスタッフ給与等の上昇や待期期間の発生、さらには有給休暇取得費用、健康診断費用等の福利厚生関連コストの負担増があるなか、派遣給与と派遣料金の値上げが必ずしも同期しない可能性があります。このような案件の急激な増加や同期しない期間の長期化による、原価率の上昇、あるいは派遣料金のコスト増を敬遠した企業の派遣利用の減少といった影響を受ける可能性があります。 こうした状況への対応として、雇用形態の異なる労働者それぞれの職務内容を明確にするとともに、派遣スタッフについては派遣先企業に対して丁寧な説明を行い料金改定等の取組みを進めており、また事業全体の生産性ならびに効率性の向上等によるコスト増の吸収にも引き続き努めてまいります。 また、労働者派遣法及び関係諸法令については、労働市場を取り巻く状況の変化等に応じて今後も適宜改正が予想され、その変更内容と法律で求められる対応の具体的内容によっては、当社グループの事業運営、業績が少なからず影響を受ける可能性があります。 (3)事業の許認可及び継続について当社グループのエキスパートサービス事業は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、「労働者派遣法」)に基づき、主として労働者派遣事業として厚生労働大臣の許可を取得して行っている事業であります。労働者派遣法は、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、派遣事業を行う者(派遣元事業主)が、派遣元事業主としての欠格事由に該当したり法令に違反した場合には、事業の許可を取り消し、または事業の停止を命じる旨を定めております。当社グループでは株式会社パソナグループのコーポレートガバナンス本部が主導して適正な派遣取引のためのガイドラインを作成し、徹底して社員教育に努めるとともに、内部監査等により関連法規の遵守状況を日頃より監視し、法令違反等の防止に努めております。しかしながら、万一当社グループ各社及び役職員による重大な法令違反等が発生し、事業許可の取消しまたは事業停止を命じられるようなことがあれば、労働者派遣事業を行えなくなることが考えられます。 また人材紹介事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。人材紹介事業についても、人材派遣事業と同様に、一定の要件を満たさない場合には事業許可の取消し、事業の停止といった措置が規定されていることから、同様のリスクが想定されます。 再就職支援事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。収益構造やビジネスモデルは人材紹介事業とは異なりますが、求職者を求人企業に紹介するという点において前述の人材紹介事業と同様の規制、指導及び監督を受けることから、同様のリスクが想定されます。 そして、BPOサービス事業においては、当社グループは、民間企業のほか官公庁や地方自治体、各種団体など様々な取引先から、総務・庶務、経理・財務、受付、営業事務・受発注、人事・労務などの業務を受託しサービスを提供しています。特に官公庁・地方自治体から受託した事業の遂行にあたっては、委託先の指示に沿って適正な業務運営を行う必要がありますが、重大なミスが生じた場合は委託先の規程により入札停止などの処分を受けることで、当社グループの信頼性の低下や業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4)個人情報及び機密情報の管理について当社グループは各事業の運営に際し、派遣登録者、求職者、各サービス利用者、顧客企業、従業員、その他関係者等の個人情報及び機密情報を大量に保有しております。当社グループによる個人情報の取扱いについては、日本における「個人情報の保護に関する法律」だけでなく、2018年5月に施行された「欧州連合一般データ保護規則(GDPR)」をはじめ当該国の個人情報に関する法律が適用されます。これらの法規制は、国境を越えて適用される傾向にあり、その遵守や事業運営における費用が増加する可能性があります。 当社グループではGDPRにも対応した個人情報保護方針等を策定して個人情報の適正な取得・利用・提供等を行うとともに、個人情報の漏洩や滅失を防止するために技術面及び組織面における必要かつ適切な安全管理措置を講じ、全役職員及び全従業員に個人情報保護管理に関する教育を徹底しております。また、当社グループ及び取引先に関する営業秘密・重要情報の漏洩を防止すべき情報管理体制・管理手法を定め、その周知と実施の徹底に努めております。具体的には、前述した様々な秘密保持義務については、各就業規則、秘密情報保持規程において定めるとともに、ランサムウェアや標的型攻撃といった情報セキュリティ脅威への防御のための技術的対策、社員に対する定期的な研修や訓練等を実施しております。こうした当社グループの取組みにもかかわらず、従業員等の故意または過失、不測の事態等により個人情報及び機密情報が外部に漏洩した場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を与える可能性があります。 (5)システム障害及びサイバー攻撃に対するリスク当社グループの事業は、国内外を問わず、コンピュータシステム及びその通信ネットワークに多くを依存していることに加え、近年の当社グループにおけるリモートワーク拡大により、当該リスクの重要性は一段と高いものとして認識しております。またシステムインフラ及びそのメンテナンス等の一部は、クラウドシステム業者を含む外部業者に委託しております。こういったシステムの利用範囲の拡大や運用形態の多様化に伴い、不測の事態への備えとして、障害発生時の体制整備、システムセキュリティの強化、通信回線やハードウェアの増強等、様々な対策を講じております。特に、近年より高度かつ複雑化するサイバー攻撃への対応については、より一層の全社的な情報セキュリティ体制の強化を目的に、経済産業省が定めるサイバーセキュリティガイドラインに沿ってPASONA-CSIRT(パソナ シーサート)を策定し、ランサムウェアや標的型攻撃といった情報セキュリティ脅威への防御のための技術的対策、及び社員に対する定期的な研修や訓練等を実施しております。これらの対策にも関わらず、人為的過誤、サイバー攻撃、広範な自然災害や外部業者のトラブル等により、コンピュータシステムや通信ネットワークが利用できなくなることにより、当社グループの業務や提供するサービスが停止する可能性があり、かかる状況が長期にわたる場合、当社グループに対する信頼性の低下を招く等の重大な影響を及ぼす可能性があります。 (6)事業投資について①子会社・関連会社への投資当社グループは今後も、企業や就労者の多様なニーズに応じたサービス領域の拡大、また社会的課題の解決につながる事業投資を積極的に行っていく考えであります。新規の事業投資については、多額の資金需要が発生する可能性があるほか、収益が必ずしも当初の計画通りに推移する保証はなく、想定した収益規模が確保できない可能性があります。事業の進捗状況を適時に把握し、既存の事業インフラや営業網も活用しながら、早期育成に取り組んでおりますが、こうした取組みにもかかわらず期待した収益を生まない場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 また当社が保有する関係会社株式は、市場動向や経営環境によっては評価替えなどにより当社の個別財務諸表における業績や資産の額に影響を与える可能性があります。 ②地方創生事業に係る商業施設について当社グループの地方創生事業においては、地方の活性化と人材育成及び雇用創造の拠点として複数の商業施設を運営しており、既存の人材サービスと異なる以下のような固有のリスクが想定されます。現在、地方創生ソリューションセグメントでは営業損失が継続しております。・商業施設の新規開設については、施設規模の大きいものは多額の資金負担が生じます。人件費等の固定的な費用も多く、開設後に利用者数が一定水準に至るまでの期間において費用負担が先行する傾向があり、短期的には当社グループの利益を圧迫する場合があります。・天候、災害、パンデミック等の影響により利用者の減少や営業休止を余儀なくされる可能性があります。また、利用者への訴求力増加施策が不十分であったり利用者の高い満足度を得られず利用者数が計画に届かない場合、収益が計画を下回ったり、追加投資が必要になる可能性があります。・施設におけるアトラクション等の安全管理、食事の提供や食品の販売における品質管理や食品衛生には十分注意しておりますが、万一事故が発生した場合、当社グループの信頼性の低下や訴訟などが発生する可能性があります。 ③企業買収について当社グループは、事業の強化補強を図る有効な手段として、企業買収を行う場合があります。こうした企業買収に伴い、多額の資金需要及びのれんの償却等が発生する可能性があります。また企業買収にあたっては市場動向や顧客のニーズ、相手先企業の業績及び財政状況などを考慮し進めておりますが、これらの買収が必ずしも当社グループの見込みどおりに連結収益に貢献したり、シナジー効果を生むとは限らず、経営環境や事業の状況の著しい変化等によりそれぞれの経営成績が想定どおり進捗しない場合、のれんの減損損失や株式の評価損が生じるなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④減損会計について当社グループは、地方創生事業に係る商業施設を含めた事業用の不動産やのれん、ソフトウエア等の有形・無形固定資産を所有し、連結貸借対照表に計上しております。こうした資産は、当該資産が生み出す将来キャッシュ・フローの状況により減損会計の適用を受ける場合があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (7)資金調達について当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金及び外部資金を有効に活用しております。グループCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)によりグループ各社間の資金の有効活用と資金調達の一元化を図っているほか、金融機関との間にコミットメントラインを設定しております。資金需要に対する機動的な対応と、当社の考える資本コストのバランスからある程度の現金及び現金同等物を保有するとともに、資金需要の規模に応じた個別借入れや社債等により資金を確保していますが、今後の経営状況や信用収縮、金融情勢の変化などにより、必要な資金調達ができない場合は、当社グループの事業遂行に影響を及ぼす可能性があります。 (8)業績の季節的な変動当社グループのエキスパートサービス事業においては、労働市場の変化の影響を受けるとともに、派遣スタッフの有給休暇取得や稼働日数の多少という季節的な変動要因があり、上期に比較して下期に利益が集中する傾向があります。また、福利厚生アウトソーシング事業においては、上期は夏期休暇等の影響により会員に対し宿泊施設等の利用の都度に支払われる補助金が増し売上原価が増加する特性や、ヘルスケア事業での健康診断サービス等の受託業務の実施、納品が下期に偏る特性があります。当社グループの業績は、このような季節的な変動要因により、概ね利益が下期に偏る傾向があります。 (9)自然災害及び気候変動リスクについて当社グループは全国にグループ会社及び営業拠点を有しており、地震や水害など大規模な自然災害、パンデミック、事件・事故、その他企業存続を脅かす事象が発生した場合に備えて、従業員及び派遣スタッフの安否を確認し、安全を確保するための対策を危機管理マニュアルに定めております。また、事業継続のための施策としてBCPマニュアルの策定、事業拠点や情報システムの機能分散なども講じております。危機発生時は迅速かつ適切な対応をとる所存でありますが、想定を大きく上回る規模で自然災害等が発生した場合、当社グループの事業運営、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、世界規模で気候変動をはじめとする環境問題が深刻化しています。当社グループは、2005年にグループ各社の役職員で構成する「環境委員会」を設置し、次世代に健全で美しい地球を残すため、役職員への環境教育はもとより、一人ひとりが「ソーシャルアクティビスト」として活動する機会の創出に取り組んでおります。そして2021年6月には当社グループが目指すサステナブル経営のあり方を発信し、社会から信頼されるロングセラーカンパニーであり続けるために「パソナグループ環境イノベーション戦略」を策定し、同年7月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」への賛同を表明いたしました。また2021年には環境マネジメント推進会議を発足し、気候変動シナリオ分析及び気候変動によるリスクと機会における事業インパクトの明確化を実施しております。 気候変動に伴う事業等のリスクについては、12ページ「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4)サステナビリティ経営の推進」をご参照ください。 (10)新型コロナウイルス感染拡大に関するリスク 新型コロナウイルス感染症については、今後の収束時期等を正確に予想することは困難な状況にあるため、感染の拡大状況に応じて、企業の事業活動や人材採用・需要にも一定の影響が生じるものと考えます。当社グループとしては、感染症の影響が拡大する状況下においても事業を継続させるべく、契約社員・派遣スタッフ等を含む全従業員の感染リスクの軽減・安全確保に努め、経営の安定性を図るための手元流動性の確保やリモートワークの推進など様々な取組みを実行し、感染拡大による影響を最小限に抑える努力を継続しています。また2021年9月からは感染症への対策に加え、自然災害等のリスクにも対応するBCP対策の一環として、当社グループは本社機能の分散と兵庫県淡路島への移転を段階的に開始しています。エキスパートサービス事業及びBPOサービス事業においては、派遣先・委託元企業が在宅勤務やオフピーク通勤を実施する場合、派遣スタッフ・受託従事社員も同様に実施ができるよう働きかけるなど、感染リスクの軽減と安全確保に努めながら、継続的にサービス提供ができるよう取り組んでいます。しかしながら、感染の拡大によっては企業の派遣需要の減少や派遣スタッフの有給休暇取得の増加などにより、グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (11)保育・介護事業におけるリスク 当社グループは地域での保育施設や企業内保育施設、学童クラブの運営など子育てに関する施設の運営と居宅介護(デイサービス)や訪問介護などの介護事業を行っています。施設及び事業の運営にあたっては安全管理に万全の配慮をしておりますが、事業特有の予期しない事故が発生する可能性があります。万が一事故が発生した場合、当社グループの信頼性の低下や業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (12)訴訟・不祥事及びレピュテーションリスク当社グループは法令遵守を重視した事業活動を行っておりますが、各種訴訟、係争、損害賠償請求の当事者となる可能性や不祥事、誹謗中傷等のリスクを排除できない場合があります。これらの発生に起因し、当社グループの社会的信用や企業イメージが低下し、売上の減少等、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2021|8,423 文字
2 【事業等のリスク】当社グループは経営に重大な影響を及ぼす危機を未然に防止し、万一発生した場合には損失の極小化を図るため、リスクマネジメント規程を定め、リスクに関する統括組織としてリスクマネジメント委員会を設置しております。同委員会では、想定される重大リスク毎に担当部を定めたうえ、平時の継続的な監視により新たなリスクを含めた危機の事前予知に務め、危機管理マニュアルに基づいて日常の対策及び緊急時に適切な対応を行う体制を整備するとともに、委員会の主要な活動状況について平時においては定期的に取締役会へ報告することで、取締役会が当社グループの状況や対応を適切にモニタリングできる体制を整えております。また、事業運営上生じる日常的なリスクについては、コンプライアンス担当部内で適正に対応し、適宜経営会議等で報告するほか、CIU室及びグループ内部監査室による内部監査を通じて各部署の日常的なリスク管理状況を監視しております。 このようなリスクマネジメントを行うなかで、有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、重要と識別された主要な危機・脅威のほか、経営戦略の実現に関連する不確実性としてのリスク及び当社グループの事業活動・経営方針を理解するうえで重要と考えられる事項についても記載しています。 なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載のない限り当連結会計年度末現在において判断したものであり、当社株式への投資に関連するすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1)景気動向等のマクロ環境の影響当社グループの事業は、企業や組織の人材活用に関わる様々なソリューションサービスと生産性の向上に貢献するアウトソーシングサービスを提供するとともに、個人に対してはそれぞれのライフスタイルに合わせた働き方を支援する就労インフラを提供しています。こうしたサービスは、国内外の景気変動や技術革新等のビジネス環境の変化、労働関連法令における規制等の影響を受けます。 当社グループは、人材派遣、委託・請負、人材紹介、再就職支援、アウトソーシング、保育・介護、地方創生などの事業を総合的に展開し特定の領域に偏らない事業ポートフォリオの構築を進め、また海外への展開を行っているほか、常に新しい働き方やワークライフバランスに関する情報発信や提案、啓蒙活動にも積極的に取り組んでおります。しかし今後、様々な要因により、市場環境や雇用情勢、顧客需要が急激に変化した場合、各事業の業績や当社グループの収益構造に影響を受ける可能性があります。 また今後、長期的には国内の人口推移により更なる人手不足あるいは市場縮小等が起きることも想定されます。当社グループは持続的成長に向けた取組みとして、常に社会の変化の兆しを捉え、コントロールし得るリスクテイクもしたうえ、引き続き、企業理念である「社会の問題点を解決する」ことをテーマとした様々な新規事業・サービスを開発・拡充することでリスク分散を図ってまいります。また、このような新規事業への挑戦が常にできる体制・組織作りを維持するため、グループ社員一人ひとりへの企業理念の更なる浸透を図ることを目指してPasona Way本部を設置し、将来のパソナグループを担う人材の育成、強い組織・仲間づくりの実現に取り組んでおります。 (2)法的規制について政府が推進する働き方改革により、2019年4月施行の改正労働基準法に定められた時間外労働の上限規制や年次有給休暇の取得義務化、2020年4月施行の同一労働同一賃金制度における雇用区分別の均等・均衡待遇の明確化と不合理な待遇差が存在する場合はその格差是正の義務化など、無期・有期双方の従業員を取り巻く法規制や労働環境には重大な変化が起こっております。人材サービス事業を展開する当社グループには多数の有期・無期雇用労働者が就労しており、こうした労働関連法改正への対応や労働環境の変化により、原価率や販管費率が上昇したり、当社グループが必要な人材を十分に維持・確保できなくなる可能性があります。 具体的には、例えばエキスパートサービス事業において、当社グループは適正価格による取引、適正水準の給与支払いに努め、派遣給与支払い水準の引上げや社会保険料負担増の際には請求料金についても値上げするべく派遣先企業との料金交渉に取り組んでおりますが、労働関係諸法令の改正に伴う対応によるスタッフ給与等の上昇や有給休暇取得費用、健康診断費用等の福利厚生関連コストの負担増があるなか、派遣給与と派遣料金の値上げが必ずしも同期しない可能性があります。このような案件の急激な増加や同期しない期間の長期化による、原価率の上昇、あるいは派遣料金のコスト増を敬遠した企業の派遣利用の減少といった影響を受ける可能性があります。 こうした状況への対応として、雇用形態の異なる労働者それぞれの職務内容を明確にするとともに、派遣スタッフについては派遣先企業に対して丁寧な説明を行い料金改定等の取組みを進めており、また事業全体の生産性ならびに効率性の向上等によるコスト増の吸収にも引き続き努めてまいります。また、労働者派遣法及び関係諸法令については、労働市場を取り巻く状況の変化等に応じて今後も適宜改正が予想され、その変更内容と法律で求められる対応の具体的内容によっては、当社グループの事業運営、業績が少なからず影響を受ける可能性があります。 ①事業の許認可について当社グループのエキスパートサービス事業は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、「労働者派遣法」)に基づき、主として労働者派遣事業として厚生労働大臣の許可を取得して行っている事業であります。労働者派遣法は、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、派遣事業を行う者(派遣元事業主)が、派遣元事業主としての欠格事由に該当したり法令に違反した場合には、事業の許可を取り消し、または事業の停止を命じる旨を定めております。当社グループでは株式会社パソナグループのコーポレートガバナンス本部が主導して適正な派遣取引のためのガイドラインを作成し、徹底して社員教育に努めるとともに、内部監査等により関連法規の遵守状況を日頃より監視し、法令違反等の防止に努めております。しかしながら、万一当社グループ各社及び役職員による重大な法令違反等が発生し、事業許可の取消しまたは事業停止を命じられるようなことがあれば、労働者派遣事業を行えなくなることが考えられます。 また人材紹介事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。人材紹介事業についても、人材派遣事業と同様に、一定の要件を満たさない場合には事業許可の取消し、事業の停止といった措置が規定されていることから、同様のリスクが想定されます。 そして再就職支援事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。収益構造やビジネスモデルは人材紹介事業とは異なりますが、求職者を求人企業に紹介するという点において前述の人材紹介事業と同様の規制、指導及び監督を受けることから、同様のリスクが想定されます。 ②労働者派遣法について労働者派遣法の改正により、2015年9月30日以降に開始した労働者派遣契約について、すべての業務において派遣スタッフ個人単位の派遣期間制限(3年)と、派遣先の事業所単位の期間制限(3年、一定の場合に延長可)が設けられ、派遣スタッフが同一の組織単位に継続して3年間派遣されることになった場合は派遣元事業主は派遣先への直接雇用の依頼や新たな就業機会の提供などといった雇用安定措置を講じること、派遣スタッフに対するキャリアアップ措置、派遣先従業員と派遣スタッフの均衡待遇への配慮などが義務付けられております。 当社グループは従来から派遣スタッフの教育研修やキャリアコンサルティングの拡充を推進しております。また、雇用安定措置を講ずる場合、派遣先企業への直接雇用の申入れに加え、新たな派遣先の紹介を積極的に行っていますが、雇用安定措置等の今後の運用や、今後の法改正及び運用状況によっては、就業先が決まるまでの待機期間の労務費等の負担が発生し、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 ③労働契約法について労働契約法の改正により、2013年4月1日以降に開始した有期雇用契約が通算5年を超えて更新された場合は、労働者の申込みにより、無期雇用契約(期間の定めのない雇用契約)に転換することが定められております。 当社グループで派遣スタッフ等を無期雇用する場合、就業先が決まるまでの待機期間中の労務費等の負担が発生することが考えられます。取引先企業への料金改定の交渉等を進め、コスト増を吸収するよう努めますが、今後の運用状況によっては、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 また、今後の法改正により求められる対応の具体的内容によっては、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (3)個人情報及び機密情報の管理について当社グループは各事業の運営に際し、派遣登録者、求職者、各サービス利用者、顧客企業、従業員、その他関係者等の個人情報及び機密情報を大量に保有しております。当社グループによる個人情報の取扱いについては、日本における「個人情報の保護に関する法律」だけでなく、2018年5月に施行された「欧州連合一般データ保護規則(GDPR)」をはじめ当該国の個人情報に関する法律が適用されます。これらの法規制は、国境を越えて適用される傾向にあり、その遵守や事業運営における費用が増加する可能性があります。 当社グループではGDPRにも対応した個人情報保護方針等を策定して個人情報の適正な取得・利用・提供等を行うとともに、個人情報の漏洩や滅失を防止するために技術面及び組織面における必要かつ適切な安全管理措置を講じ、全役職員及び全従業員に個人情報保護管理に関する教育を徹底しております。また、当社グループ及び取引先に関する営業秘密・重要情報の漏洩を防止すべき情報管理体制・管理手法を定め、その周知と実施の徹底に努めております。具体的には、前述した様々な秘密保持義務については、各就業規則、秘密情報保持規程において定めるとともに、より一層の全社的な情報セキュリティ体制の強化を目的に、経済産業省が定めるサイバーセキュリティガイドラインに沿ってPASONA-CSIRT(パソナ シーサート)を策定し、ランサムウェアや標的型攻撃といった情報セキュリティ脅威への防御のための技術的対策、社員に対する定期的な研修や訓練等を実施しております。こうした当社グループの取組みにもかかわらず、従業員等の故意又は過失、不測の事態等により個人情報及び機密情報が外部に漏洩した場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を与える可能性があります。 (4)事業投資について①子会社・関連会社への投資当社グループは今後も、企業や就労者の多様なニーズに応じたサービス領域の拡大、また社会的課題の解決につながる事業投資を積極的に行っていく考えであります。新規の事業投資については、多額の資金需要が発生する可能性があるほか、収益が必ずしも当初の計画通りに推移する保証はなく、想定した収益規模が確保できない可能性があります。事業の進捗状況を適時に把握し、既存の事業インフラや営業網も活用しながら、早期育成に取り組んでおりますが、こうした取組みにもかかわらず期待した収益を生まない場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 また当社が保有する関係会社株式は、市場動向や経営環境によっては評価替えなどにより当社の個別財務諸表における業績や資産の額に影響を与える可能性があります。 ②地方創生事業に係る商業施設について当社グループの地方創生事業においては、地方の活性化と人材育成及び雇用創造の拠点として複数の商業施設を運営しており、既存の人材サービスと異なる以下のような固有のリスクが想定されます。現在、地方創生ソリューションセグメントでは営業損失が継続しております。・商業施設の新規開設については、施設規模の大きいものは多額の資金負担が生じます。人件費等の固定的な費用も多く、開設後に利用者数が一定水準に至るまでの期間において費用負担が先行する傾向があり、短期的には当社グループの利益を圧迫する場合があります。・天候、災害、パンデミック等の影響により利用者の減少や営業休止を余儀なくされる可能性があります。また、利用者への訴求力増加施策が不十分であったり利用者の高い満足度を得られず利用者数が計画に届かない場合、収益が計画を下回ったり、追加投資が必要になる可能性があります。・施設におけるアトラクション等の安全管理、食事の提供や食品の販売における品質管理や食品衛生には十分注意しておりますが、万一事故が発生した場合、当社グループの信頼性の低下や訴訟などが発生する可能性があります。 ③企業買収について当社グループは、事業の強化補強を図る有効な手段として、企業買収を行う場合があります。こうした企業買収に伴い、多額の資金需要及びのれんの償却等が発生する可能性があります。また企業買収にあたっては市場動向や顧客のニーズ、相手先企業の業績及び財政状況などを考慮し進めておりますが、これらの買収が必ずしも当社グループの見込みどおりに連結収益に貢献したり、シナジー効果を生むとは限らず、経営環境や事業の状況の著しい変化等によりそれぞれの経営成績が想定どおり進捗しない場合、のれんの減損損失や株式の評価損が生じるなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④減損会計について当社グループは、地方創生事業に係る商業施設を含めた事業用の不動産やのれん、ソフトウエア等の有形・無形固定資産を所有し、連結貸借対照表に計上しております。こうした資産は、当該資産が生み出す将来キャッシュ・フローの状況により減損会計の適用を受ける場合があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)資金調達について当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金及び外部資金を有効に活用しております。グループCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)によりグループ各社間の資金の有効活用と資金調達の一元化を図っているほか、金融機関との間にコミットメントラインを設定しております。資金需要に対する機動的な対応と、当社の考える資本コストのバランスからある程度の現金及び現金同等物を保有するとともに、資金需要の規模に応じた個別借入れや社債等により資金を確保していますが、今後の経営状況や信用収縮、金融情勢の変化などにより、必要な資金調達ができない場合は、当社グループの事業遂行に影響を及ぼす可能性があります。 (6)社会保険料負担について当社グループでは、従業員に加えて現行の社会保険制度において社会保険加入対象となる派遣スタッフ及び受託業務に従事するスタッフの完全加入を徹底しております。社会保険料の保険料率や被保険者の範囲等は適宜改定されています。これら社会保険料の負担増は原価率や人件費率の上昇につながり、今後、社会保険制度の更なる改正に伴って各保険料率や会社負担額が大幅に上昇したり、加入対象者や被保険者数が大幅に増加する場合、当社グループの収益性の圧迫要因となる可能性があります。 (7)業績の季節的な変動当社グループのエキスパートサービス事業においては、労働市場の変化の影響を受けるとともに、派遣スタッフの有給休暇取得や稼働日数の多少という季節的な変動要因があり、上期に比較して下期に利益が集中する傾向があります。また、福利厚生アウトソーシング事業においては、上期は夏期休暇等の影響により会員に対し宿泊施設等の利用の都度に支払われる補助金が増し売上原価が増加する特性や、ヘルスケア事業での健康診断サービス等の受託業務の実施、納品が下期に偏る特性があります。当社グループの業績は、このような季節的な変動要因により、概ね利益が下期に偏る傾向があります。 (8)自然災害及びシステム障害等について当社グループは全国にグループ会社及び営業拠点を有しており、地震や水害など大規模な自然災害、パンデミック、事件・事故、その他企業存続を脅かす事象が発生した場合に備えて、従業員及び派遣スタッフの安否を確認し、安全を確保するための対策を危機管理マニュアルに定めております。また、事業継続のための施策としてBCPマニュアルの策定、事業拠点や情報システムの機能分散なども講じております。危機発生時は迅速かつ適切な対応をとる所存でありますが、想定を大きく上回る規模で自然災害等が発生した場合、当社グループの事業運営、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは事業活動や情報管理にITシステムを多用しており、何らかの原因によって大規模なシステム障害や通信ネットワーク障害が発生した場合、当社グループの事業運営に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9)新型コロナウイルス感染拡大に関するリスク新型コロナウイルス感染症については、今後の収束時期等を正確に予想することは困難な状況にあるため、企業の事業活動や人材採用・需要にも一定の影響が生じるものと考えます。一方、政府による各種の感染症対策の実施に関する需要に加え、企業の効率的な事業活動を支援するBPOサービスや再就職支援サービスの領域で企業の需要が拡大することが見込まれるため、環境変化に迅速に対応しながら企業の課題解決に貢献してまいります。 新型コロナウイルス感染症がさらに拡大し事態が悪化した場合、従業員の健康被害、事業所閉鎖による事業活動の停滞、市況の悪化及び営業活動や受注の縮小による収益低下などに直結する恐れがあります。当社グループとしては、感染症の影響が拡大する状況下において事業を継続させるべく、2020年1月、このリスクをいち早く捉え「新型肺炎対策本部」を設置し、契約社員・派遣スタッフ等を含む全従業員の感染リスクの軽減・安全確保のためリモートワークを積極的に推進するなど各種施策に取り組むとともに、経営の安定性を図るための手元流動性の確保やリモートワークの推進など、様々な取組みを実行し、その影響を最小限に抑える努力を継続しています。また2021年9月からは感染症への対策に加え、自然災害等のリスクにも対応するBCP対策の一環として、当社グループは本社機能の分散と兵庫県淡路島への移転を段階的に開始しています。 しかしながら、これらによっても新型コロナウイルス感染症による被害を完全に回避できるわけではなく、感染症が拡大した場合には、当社グループの取引減少等がリスクとして見込まれ、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による会計上の見積り及び仮定への影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 (10)保育・介護事業におけるリスク 当社グループは地域での保育施設や企業内保育施設、学童クラブの運営など子育てに関する施設の運営と居宅介護(デイサービス)や訪問介護などの介護事業を行っています。施設及び事業の運営にあたっては安全管理に万全の配慮をしておりますが、事業特有の予期しない事故が発生する可能性があります。万が一事故が発生した場合、当社グループの信頼性の低下や業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11)訴訟・不祥事及びレピュテーションリスク当社グループは法令遵守を重視した事業活動を行っておりますが、各種訴訟、係争、損害賠償請求の当事者となる可能性や不祥事、誹謗中傷等のリスクを排除できない場合があります。これらの発生に起因し、当社グループの社会的信用や企業イメージが低下し、売上の減少等、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2020|8,764 文字
2 【事業等のリスク】当社グループは経営に重大な影響を及ぼす危機を未然に防止し、万一発生した場合には損失の極小化を図るため、リスクマネジメント規程を定め、リスクに関する統括組織としてリスクマネジメント委員会を設置しております。同委員会では、想定される重大リスク毎に担当部を定めたうえ、平時の継続的な監視により新たなリスクを含めた危機の事前予知に務め、危機管理マニュアルに基づいて日常の対策及び緊急時に適切な対応を行う体制を整備するとともに、委員会の主要な活動状況について平時においては定期的に取締役会へ報告することで、取締役会が当社グループの状況や対応を適切にモニタリングできる体制を整えております。また、事業運営上生じる日常的なリスクについては、コンプライアンス担当部内で適正に対応し、適宜経営会議等で報告するほか、内部監査室による内部監査を通じて各部署の日常的なリスク管理状況を監視しております。このようなリスクマネジメントを行うなかで、有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、重要と識別された主要な危機・脅威のほか、経営戦略の実現に関連する不確実性としてのリスク及び当社グループの事業活動・経営方針を理解するうえで重要と考えられる事項についても記載しています。なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載のない限り当連結会計年度末現在において判断したものであり、当社株式への投資に関連するすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1)景気動向等のマクロ環境の影響当社グループの事業は、企業や組織の人材活用に関わる様々なソリューションサービスと生産性の向上に貢献するアウトソーシングサービスを提供するとともに、個人に対してはそれぞれのライフスタイルに合わせた働き方を支援する就労インフラを提供しています。こうしたサービスは、国内外の景気変動や技術革新等のビジネス環境の変化、労働関連法令における規制等の影響を受けます。 当社グループは、人材派遣、委託・請負、人材紹介、再就職支援、福利厚生代行、保育、福祉介護、家事代行など人材サービスを総合的に展開し特定の領域に偏らない事業ポートフォリオの構築を進め、また海外への展開を行っているほか、常に新しい雇用のあり方に関する情報発信や提案、啓蒙活動にも積極的に取り組んでおります。しかし今後、様々な要因により、市場環境や雇用情勢、顧客需要が急激に変化した場合、各事業の業績や当社グループの収益構造に影響を受ける可能性があります。 また今後、長期的には国内の人口推移により更なる人手不足あるいは市場縮小等が起きることも想定されます。当社グループは持続的成長に向けた取組みとして、常に社会の変化の兆しを捉え、コントロールし得るリスクテイクもしたうえ、引き続き、企業理念である「社会の問題点を解決する」ことをテーマとした様々な新規事業・サービスを開発・拡充することでリスク分散を図ってまいります。また、このような新規事業への挑戦が常にできる体制・組織作りを維持するため、グループ社員一人ひとりへの企業理念の更なる浸透を図ることを目指してPasona Way本部を設置し、将来のパソナグループを担う人材の育成、強い組織・仲間づくりの実現に取り組んでおります。 (2)法的規制について政府が推進する働き方改革により、2019年4月施行の改正労働基準法に定められた時間外労働の上限規制や年次有給休暇の取得義務化、2020年4月施行の同一労働同一賃金制度における雇用区分別の均等・均衡待遇の明確化と不合理な待遇差が存在する場合はその格差是正の義務化など、無期・有期双方の従業員を取り巻く法規制や労働環境には重大な変化が起こっております。人材サービス事業を展開する当社グループには多数の有期・無期雇用労働者が就労しており、こうした労働関連法改正への対応や労働環境の変化により、原価率や販管費率が上昇したり、当社グループが必要な人材を十分に維持・確保できなくなる可能性があります。具体的には、例えばエキスパートサービス事業において、当社グループは適正価格による取引、適正水準の給与支払いに努め、派遣給与支払い水準の引上げや社会保険料負担増の際には請求料金についても値上げするべく派遣先企業との料金交渉に取り組んでおりますが、労働関係諸法令の改正に伴う対応によるスタッフ給与等の上昇や有給休暇取得費用、健康診断費用等の福利厚生関連コストの負担増があるなか、派遣給与と派遣料金の値上げが必ずしも同期しない可能性があります。このような案件の急激な増加や同期しない期間の長期化による、原価率の上昇、あるいは派遣料金のコスト増を敬遠した企業の派遣利用の減少といった影響を受ける可能性があります。こうした状況への対応として、雇用形態の異なる労働者における職務内容を明確にするとともに、派遣スタッフについては派遣先企業に対して丁寧な説明を行い料金改定等の取組みを進めており、また事業全体の生産性ならびに効率性の向上等によるコスト増の吸収にも引き続き努めてまいります。また、労働者派遣法及び関係諸法令については、労働市場を取り巻く状況の変化等に応じて今後も適宜改正が予想され、その変更内容と法律で求められる対応の具体的内容によっては、当社グループの事業運営、業績が少なからず影響を受ける可能性があります。 ①事業の許認可について当社グループのエキスパートサービス事業は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、「労働者派遣法」)に基づき、主として労働者派遣事業として厚生労働大臣の許可を取得して行っている事業であります。労働者派遣法は、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、派遣事業を行う者(派遣元事業主)が、派遣元事業主としての欠格事由に該当したり法令に違反した場合には、事業の許可を取り消し、または事業の停止を命じる旨を定めております。当社グループでは株式会社パソナグループのコーポレートガバナンス本部が主導して適正な派遣取引のためのガイドラインを作成し、徹底して社員教育に努めるとともに、内部監査等により関連法規の遵守状況を日頃より監視し、法令違反等の防止に努めております。しかしながら、万一当社グループ各社及び役職員による重大な法令違反等が発生し、事業許可の取消しまたは事業停止を命じられるようなことがあれば、労働者派遣事業を行えなくなることが考えられます。また人材紹介事業においては、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。職業安定法ではこれまでの改正により、取扱職業の拡大、紹介手数料制限の緩和及び新規学卒者の職業紹介が可能となっているほか、人材派遣事業と人材紹介事業の兼業規制に関する緩和により紹介予定派遣が可能となっております。また、2018年1月には職業紹介の機能強化や求人情報等の適正化を図るための義務が強化されております。人材紹介事業についても、人材派遣事業と同様に、一定の要件を満たさない場合には事業許可の取消し、事業の停止といった措置が規定されていることから、同様のリスクが想定されます。そして再就職支援事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。収益構造やビジネスモデルは人材紹介事業とは異なりますが、求職者を求人企業に紹介するという点において前述の人材紹介事業と同様の規制、指導及び監督を受けることから、同様のリスクが想定されます。 ②労働者派遣法について労働者派遣法の改正により、2015年9月30日以降に開始した労働者派遣契約について、すべての業務において派遣スタッフ個人単位の派遣期間制限(3年)と、派遣先の事業所単位の期間制限(3年、一定の場合に延長可)が設けられ、派遣スタッフが同一の組織単位に継続して3年間派遣されることになった場合は派遣元事業主は派遣先への直接雇用の依頼や新たな就業機会の提供などといった雇用安定措置を講じること、派遣スタッフに対するキャリアアップ措置、派遣先従業員と派遣スタッフの均衡待遇への配慮などが義務付けられております。当社グループは従来から派遣スタッフの教育研修やキャリアコンサルティングの拡充を推進しておりますが、教育コストの負担が一部増加しております。また、派遣先企業への直接雇用の申入れも積極的に行っていますが、当社グループで派遣スタッフの雇用安定措置を講じる場合において、就業先が決まるまでの待機期間中の労務費等の負担が発生することが考えられます。雇用安定措置等の今後の運用や、今後の法改正及び運用状況によっては、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 ③労働契約法について労働契約法の改正により、2013年4月1日以降に開始した有期雇用契約が通算5年を超えて更新された場合は、労働者の申込みにより、無期雇用契約(期間の定めのない雇用契約)に転換することが定められております。当社グループで派遣スタッフ等を無期雇用する場合、就業先が決まるまでの待機期間中の労務費等の負担が発生することが考えられます。取引先企業への料金改定の交渉等を進め、コスト増を吸収するよう努めますが、今後の運用状況によっては、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。また、今後の法改正により求められる対応の具体的内容によっては、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (3)個人情報及び機密情報の管理について当社グループは各事業の運営に際し、派遣登録者、求職者、各サービス利用者、顧客企業、従業員、その他関係者等の個人情報及び機密情報を大量に保有しております。当社グループによる個人情報の取扱いについては、日本における「個人情報の保護に関する法律」だけでなく、2018年5月に施行された「欧州連合一般データ保護規則(GDPR)」をはじめ当該国の個人情報に関する法律が適用されます。これらの法規制は、国境を越えて適用される傾向にあり、その遵守や事業運営における費用が増加する可能性があります。当社グループではGDPRにも対応した個人情報保護方針等を策定して個人情報の適正な取得・利用・提供等を行うとともに、個人情報の漏洩や滅失を防止するために技術面及び組織面における必要かつ適切な安全管理措置を講じ、全役職員及び全従業員に個人情報保護管理に関する教育を徹底しております。また、当社グループ及び取引先に関する営業秘密・重要情報の漏洩を防止すべき情報管理体制・管理手法を定め、その周知と実施の徹底に努めております。具体的には、前述した様々な秘密保持義務については、各就業規則、秘密情報保持規程において定めるとともに、システムへの不正アクセス、標的型攻撃メールへの防御のための技術的対策、社員に対する定期的な研修や訓練等を実施しております。こうした当社グループの取組みにもかかわらず、従業員等の故意又は過失、不測の事態等により個人情報及び機密情報が外部に漏洩した場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を与える可能性があります。 (4)事業投資について①子会社・関連会社への投資当社グループは今後も、企業や就労者の多様なニーズに応じたサービス領域の拡大、また社会的課題の解決につながる事業投資を積極的に行っていく考えであります。新規の事業投資については、多額の資金需要が発生する可能性があるほか、収益が必ずしも当初の計画通りに推移する保証はなく、想定した収益規模が確保できない可能性があります。事業の進捗状況を適時に把握し、既存の事業インフラや営業網も活用しながら、早期育成に取り組んでおりますが、こうした取組みにもかかわらず期待した収益を生まない場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。また当社が保有する関係会社株式は、市場動向や経営環境によっては評価替えなどにより当社の個別財務諸表における業績や資産の額に影響を与える可能性があります。 ②地方創生事業に係る商業施設について当社グループの地方創生事業においては、地方の活性化と人材育成及び雇用創造の拠点として複数の商業施設を運営しており、既存の人材サービスと異なる以下のような固有のリスクが想定されます。現在、地方創生ソリューションセグメントでは営業損失が継続しております。・商業施設の新規開設については、施設規模の大きいものは多額の資金負担が生じます。人件費等の固定的な費用も多く、開設後に利用者数が一定水準に至るまでの期間において費用負担が先行する傾向があり、短期的には当社グループの利益を圧迫する場合があります。・天候、災害、パンデミック等の影響により利用者の減少や営業休止を余儀なくされる可能性があります。また、利用者への訴求力増加施策が不十分であったり利用者の高い満足度を得られず利用者数が計画に届かない場合、収益が計画を下回ったり、追加投資が必要になる可能性があります。・施設におけるアトラクション等の安全管理、食事の提供や食品の販売における品質管理や食品衛生には十分注意しておりますが、万一事故が発生した場合、当社グループの信頼性の低下や訴訟などが発生する可能性があります。 ③企業買収について当社グループは、事業の強化補強を図る有効な手段として、企業買収を行う場合があります。こうした企業買収に伴い、多額の資金需要及びのれんの償却等が発生する可能性があります。また企業買収にあたっては市場動向や顧客のニーズ、相手先企業の業績及び財政状況などを考慮し進めておりますが、これらの買収が必ずしも当社グループの見込みどおりに連結収益に貢献したり、シナジー効果を生むとは限らず、経営環境や事業の状況の著しい変化等によりそれぞれの経営成績が想定どおり進捗しない場合、のれんの減損損失や株式の評価損が生じるなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④減損会計について当社グループは、地方創生事業に係る商業施設を含めた事業用の不動産やのれん、ソフトウエア等の有形・無形固定資産を所有し、連結貸借対照表に計上しております。こうした資産は、当該資産が生み出す将来キャッシュ・フローの状況により減損会計の適用を受ける場合があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)資金調達について当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金及び外部資金を有効に活用しております。グループCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)によりグループ各社間の資金の有効活用と資金調達の一元化を図っているほか、金融機関との間にコミットメントラインを設定しております。資金需要に対する機動的な対応と、当社の考える資本コストのバランスからある程度の現金及び現金同等物を保有するとともに、資金需要の規模に応じた個別借入れや社債等により資金を確保していますが、今後の経営状況や信用収縮、金融情勢の変化などにより、必要な資金調達ができない場合は、当社グループの事業遂行に影響を及ぼす可能性があります。 (6)社会保険料負担について当社グループでは、従業員に加えて現行の社会保険制度において社会保険加入対象となる派遣スタッフ及び受託業務に従事するスタッフの完全加入を徹底しております。社会保険料の保険料率や被保険者の範囲等は適宜改定されており、各保険制度の現在の状況は以下のとおりです。これら社会保険料の負担増は原価率や人件費率の上昇につながり、今後、社会保険制度の改正に伴って各保険料率や会社負担額が大幅に上昇したり、加入対象者や被保険者数が大幅に増加する場合、当社グループの収益性の圧迫要因となる可能性があります。厚生年金保険については、2004年の年金制度改革により標準報酬月額に対する会社負担分の料率は毎年引き上げられ、2017年以降は9.15%となっております。また2016年10月から、週20時間以上働く短時間労働者にも厚生年金保険及び健康保険の適用が拡大されております。健康保険については、これまで当社グループの従業員及び派遣スタッフ等が属していた人材派遣健康保険組合が解散したことにより、2019年4月に全国健康保険組合に移行しております。健康保険、介護保険の保険料率は年々上昇を続けていた前年のものと大きくは変わっておりませんが、健康診断の会社負担が増加しています。雇用保険についても、適用範囲が31日以上雇用見込みの労働者に拡大し、2017年1月以降は、65歳以上の労働者も適用対象となっております。2020年度の一般の事業における会社負担分の料率は6/1000となっております。 (7)業績の季節的な変動当社グループのエキスパートサービス事業においては、労働市場の変化の影響を受けるとともに、派遣スタッフの有給休暇取得や稼働日数の多少という季節的な変動要因があり、上期に比較して下期に利益が集中する傾向があります。また、福利厚生アウトソーシング事業においては、上期は夏期休暇等の影響により会員に対し宿泊施設等の利用の都度に支払われる補助金が増し売上原価が増加する特性や、ヘルスケア事業での健康診断サービス等の受託業務の実施、納品が下期に偏る特性があります。当社グループの業績は、このような季節的な変動要因により、概ね利益が下期に偏る傾向があります。 (8)自然災害及びシステム障害等について当社グループは全国にグループ会社及び営業拠点を有しており、地震や水害など大規模な自然災害、パンデミック、事件・事故、その他企業存続を脅かす事象が発生した場合に備えて、従業員及び派遣スタッフの安否を確認し、安全を確保するための対策を危機管理マニュアルに定めております。また、事業継続のための施策としてBCPマニュアルの策定、事業拠点や情報システムの機能分散なども講じております。危機発生時は迅速かつ適切な対応をとる所存でありますが、想定を大きく上回る規模で自然災害等が発生した場合、当社グループの事業運営、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは事業活動や情報管理にITシステムを多用しており、何らかの原因によって大規模なシステム障害や通信ネットワーク障害が発生した場合、当社グループの事業運営に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9)新型コロナウイルス感染拡大に関するリスク今般の新型コロナウイルス感染拡大の影響については、その収束時期や第二波の発生懸念についていまだ不透明感の強い状況にあるため、国内企業の事業活動や人材採用・需要にも大きな影響が生じるものと考えます。一方、企業の効率的な事業活動を支援するBPOサービスや再就職支援サービスの領域で企業の需要が拡大することが見込まれるため、環境変化に迅速に対応しながら企業の課題解決に貢献してまいります。 また新型コロナウイルス感染症は人々の働き方にも大きな影響を与えており、アフターコロナ社会を見据えた各種施策に取り組んでまいります。詳細は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)会社の対処すべき課題」に記載のとおりです。 新型コロナウイルス感染症がさらに拡大し事態が悪化した場合、従業員の健康被害、事業所閉鎖による事業活動の停滞、市況の悪化及び営業活動や受注の縮小による収益低下などに直結する恐れがあります。当社グループとしては、感染症の影響が拡大する状況下において事業を継続させるべく、2020年1月、このリスクをいち早く捉え「新型肺炎対策本部」を設置し、契約社員・派遣スタッフ等を含む全従業員の感染リスクの軽減・安全確保を目的に「オフピーク通勤制度」や登録面談をモバイルで行う「モバイルカウンセリング」をはじめとした様々な対策を講じてまいりました。また経営の安定性を図るための手元流動性の確保、リモートワークやWeb会議、Web営業の実施など、様々な取組みを立案、実行し、その影響を最小限に抑える努力を継続してまいります。 しかしながら、これらによっても新型コロナウイルス感染症による被害を完全に回避できるわけではなく、感染症が拡大した場合には、当社グループの取引減少等がリスクとして見込まれ、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による会計上の見積り及び仮定への影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。 (10)訴訟・不祥事及びレピュテーションリスクについて当社グループは法令遵守を重視した事業活動を行っておりますが、各種訴訟、係争、損害賠償請求の当事者となる可能性や不祥事、誹謗中傷等のリスクを排除できない場合があります。これらの発生に起因し、当社グループの社会的信用や企業イメージが低下し、売上の減少等、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
FY2019|7,845 文字
2 【事業等のリスク】当社グループは経営に重大な影響を及ぼす危機を未然に防止し、万一発生した場合には損失の極小化を図るため、リスクマネジメント規程を定めております。リスクに関する統括組織としてリスクマネジメント委員会を設置し、想定される重大リスク毎に担当部を定めたうえ、平時の継続的な監視により新たなリスクを含めた危機の事前予知に務め、危機管理マニュアルに基づいて日常の対策及び緊急時に適切な対応を行う体制を整備し、委員会の主要な活動状況について平時においては定期的に取締役会へ報告しております。また、事業運営上生じる日常的なリスクについては、コンプライアンス担当部内で適正に対応するとともに、適宜経営会議等で報告し、また内部監査室による内部監査を通じて各部署の日常的なリスク管理状況を監視しております。このようなリスクマネジメントを行うなかで、有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性がある主要なリスクには、以下のようなものがあると考えています。なお、重要と識別された主要な危機・脅威のほか、経営戦略の実現に関連する不確実性としてのリスク及び当社グループの事業活動・経営方針を理解するうえで重要と考えられる事項についても記載しています。なお将来に関する事項は、別段の記載のない限り当有価証券報告書提出日時点において判断したものであり、当社株式への投資に関連するすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1)法的規制について政府が推進する働き方改革により、2019年4月施行の改正労働基準法に定められた時間外労働の上限規制や年次有給休暇の取得義務化、2020年4月以降に施行される同一労働同一賃金制度における雇用区分別の均等・均衡待遇の明確化と不合理な待遇差が存在する場合はその格差是正の義務化など、無期・有期双方の従業員を取り巻く法規制や労働環境には重大な変化が起こりつつあります。人材サービス事業を展開する当社グループには多数の有期・無期雇用労働者が就労しており、こうした労働関連法改正への対応や労働環境の変化により、原価率や販管費率が上昇したり、当社グループが必要な人材を十分に維持・確保できなくなる可能性があります。具体的には、例えばエキスパートサービス事業において、当社グループは適正価格による取引、適正水準の給与支払いに努め、派遣給与支払い水準の引上げや社会保険料負担増の際には請求料金についても値上げするべく派遣先企業との料金交渉に取り組んでおりますが、今後の労働関係諸法令の改正に伴う対応によるスタッフ給与等の上昇や有給休暇取得費用、健康診断費用等の福利厚生関連コストの負担増も想定されるなか、派遣給与と派遣料金の値上げが必ずしも同期しない可能性があります。このような案件の急激な増加や同期しない期間の長期化により、原価率の上昇、あるいは派遣料金のコスト増を敬遠した企業の派遣利用の減少といった影響を受ける可能性があります。こうした状況への対応として、雇用形態の異なる労働者における職務内容を明確にするとともに、派遣スタッフについては派遣先企業に対して丁寧な説明を行い料金改定等の取組みを進めていくことになります。また事業全体の生産性ならびに効率性の向上等によるコスト増の吸収にも努めてまいります。また、労働者派遣法及び関係諸法令については、労働市場を取り巻く状況の変化等に応じて今後も適宜改正が予想され、その変更内容と法律で求められる対応の具体的内容によっては、当社グループの事業運営、業績が少なからず影響を受ける可能性があります。 ①事業の許認可について当社グループのエキスパートサービス事業は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、「労働者派遣法」)に基づき、主として労働者派遣事業として厚生労働大臣の許可を取得して行っている事業であります。労働者派遣法は、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、派遣事業を行う者(派遣元事業主)が、派遣元事業主としての欠格事由に該当したり法令に違反した場合には、事業の許可を取り消し、または事業の停止を命じる旨を定めております。当社グループでは株式会社パソナグループのコーポレートガバナンス本部が主導して適正な派遣取引のためのガイドラインを作成し、徹底して社員教育に努めるとともに、内部監査等により関連法規の遵守状況を日頃より監視し、法令違反等の防止に努めております。しかしながら、万一当社グループ各社及び役職員による重大な法令違反等が発生し、事業許可の取消しまたは事業停止を命じられるようなことがあれば、労働者派遣事業を行えなくなることが考えられます。また人材紹介事業においては、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。職業安定法ではこれまでの改正により、取扱職業の拡大、紹介手数料制限の緩和及び新規学卒者の職業紹介が可能となっているほか、人材派遣事業と人材紹介事業の兼業規制に関する緩和により紹介予定派遣が可能となっております。また、2018年1月には職業紹介の機能強化や求人情報等の適正化を図るための義務が強化されております。人材紹介事業についても、人材派遣事業と同様に、一定の要件を満たさない場合には事業許可の取消し、事業の停止といった措置が規定されていることから、同様のリスクが想定されます。そして再就職支援事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。収益構造やビジネスモデルは人材紹介事業とは異なりますが、求職者を求人企業に紹介するという点において前述の人材紹介事業と同様の規制、指導及び監督を受けることから、同様のリスクが想定されます。 ②労働者派遣法について労働者派遣法の改正により、2015年9月30日以降に開始した労働者派遣契約について、すべての業務において派遣スタッフ個人単位の派遣期間制限(3年)と、派遣先の事業所単位の期間制限(3年、一定の場合に延長可)が設けられ、派遣スタッフが同一の組織単位に継続して3年間派遣されることになった場合は派遣元事業主は派遣先への直接雇用の依頼や新たな就業機会の提供などといった雇用安定措置を講じること、派遣スタッフに対するキャリアアップ措置、派遣先従業員と派遣スタッフの均衡待遇への配慮などが義務付けられております。当社グループは従来から派遣スタッフの教育研修やキャリアコンサルティングの拡充を推進しておりますが、教育コストの負担が一部増加しております。また、派遣先企業への直接雇用の申入れも積極的に行っていますが、当社グループで派遣スタッフの雇用安定措置を講じる場合において、就業先が決まるまでの待機期間中の労務費等の負担が発生することが考えられます。雇用安定措置等の今後の運用や、今後の法改正及び運用状況によっては、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 ③労働契約法について労働契約法の改正により、2013年4月1日以降に開始した有期雇用契約が通算5年を超えて更新された場合は、労働者の申込みにより、無期雇用契約(期間の定めのない雇用契約)に転換することになりました。当社グループで派遣スタッフ等を無期雇用する場合、就業先が決まるまでの待機期間中の労務費等の負担が発生することが考えられます。取引先企業への料金改定の交渉等を進め、コスト増を吸収するよう努めますが、今後の運用状況によっては、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。また、今後の法改正により求められる対応の具体的内容によっては、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (2)個人情報及び機密情報の管理について当社グループは各事業の運営に際し、派遣登録者、求職者、各サービス利用者、顧客企業、従業員、その他関係者等の個人情報及び機密情報を大量に保有しております。当社グループによる個人情報の取扱いについては、日本における「個人情報の保護に関する法律」だけでなく、2018年5月に施行された「欧州連合一般データ保護規則(GDPR)」をはじめ当該国の個人情報に関する法律が適用されます。これらの法規制は、国境を越えて適用される傾向にあり、その遵守や事業運営における費用が増加する可能性があります。当社グループではGDPRにも対応した個人情報保護方針等を策定して個人情報の適正な取得・利用・提供等を行うとともに、個人情報の漏洩や滅失を防止するために技術面及び組織面における必要かつ適切な安全管理措置を講じ、全役職員及び全従業員に個人情報保護管理に関する教育を徹底しております。また、当社グループ及び取引先に関する営業秘密・重要情報の漏洩を防止すべき情報管理体制・管理手法を定め、その周知と実施の徹底に努めております。具体的には、前述した様々な秘密保持義務については、各就業規則、秘密情報保持規程において定めるとともに、システムへの不正アクセス、標的型攻撃メールへの防御のための技術的対策、社員に対する定期的な研修や訓練等を実施しております。こうした当社グループの取組みにもかかわらず、従業員等の故意又は過失、不測の事態等により個人情報及び機密情報が外部に漏洩した場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を与える可能性があります。 (3)ビジネスモデルの持続性について人材ビジネス業界は、国内外の景気変動や技術革新等のビジネス環境の変化、労働関連法令における規制等の影響を受けます。当社グループは、人材派遣、委託・請負、人材紹介、再就職支援、福利厚生代行、保育、福祉介護、家事代行など人材サービスを総合的に展開し特定の領域に偏らない事業ポートフォリオの構築を進め、また海外への展開を行っているほか、常に新しい雇用のあり方に関する情報発信や提案、啓蒙活動にも積極的に取り組んでおります。しかし今後、様々な要因により、市場環境や雇用情勢、顧客需要が急激に変化した場合、各事業の業績や当社グループの収益構造に影響を受ける可能性があります。また今後、長期的には国内の人口推移により更なる人手不足あるいは市場縮小等が起きることも想定されます。当社グループは持続的成長に向けた取組みとして、常に社会の変化の兆しを捉え、コントロールし得るリスクテイクもしたうえ、引き続き、企業理念である「社会の問題点を解決する」ことをテーマとした様々な新規事業・サービスを開発・拡充することでリスク分散を図ってまいります。また、このような新規事業への挑戦が常にできる体制・組織作りを維持するため、グループ社員一人ひとりへの企業理念の更なる浸透を図ることを目指してPasona Way本部を設置し、将来のパソナグループを担う人材の育成、強い組織・仲間づくりの実現に取り組んでおります。 (4)事業投資について①子会社・関連会社への投資当社グループは今後も、企業や就労者の多様なニーズに応じたサービス領域の拡大、また社会的課題の解決につながる事業投資を積極的に行っていく考えであります。新規の事業投資については、多額の資金需要が発生する可能性があるほか、収益が必ずしも当初の計画通りに推移する保証はなく、想定した収益規模が確保できない可能性があります。事業の進捗状況を適時に把握し、既存の事業インフラや営業網も活用しながら、早期育成に取り組んでおりますが、こうした取組みにもかかわらず期待した収益を生まない場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。また当社が保有する関係会社株式は、市場動向や経営環境によっては評価替えなどにより当社の個別財務諸表における業績や資産の額に影響を与える可能性があります。 ②地方創生事業に係る商業施設について当社グループの地方創生事業においては、地方の活性化と人材育成及び雇用創造の拠点として複数の商業施設を運営しており、既存の人材サービスと異なる以下のような固有のリスクが想定されます。現在、パブリックソリューションセグメントでは営業損失が継続しております。・商業施設の新規開設については、施設規模の大きいものは多額の資金負担が生じます。人件費等の固定的な費用も多く、開設後に利用者数が一定水準に至るまでの期間において費用負担が先行する傾向があり、短期的には当社グループの利益を圧迫する場合があります。・天候、災害等の影響により利用者の減少や営業休止を余儀なくされる可能性があります。また、利用者への訴求力増加施策が不十分であったり利用者の高い満足度を得られず利用者数が計画に届かない場合、収益が計画を下回ったり、追加投資が必要になる可能性があります。・施設におけるアトラクション等の安全管理、食事の提供や食品の販売における品質管理や食品衛生には十分注意しておりますが、万一事故が発生した場合、当社グループの信頼性の低下や訴訟などが発生する可能性があります。 ③企業買収について当社グループは、事業の強化補強を図る有効な手段として、企業買収を行う場合があります。こうした企業買収に伴い、多額の資金需要及びのれんの償却等が発生する可能性があります。また企業買収にあたっては市場動向や顧客のニーズ、相手先企業の業績及び財政状況などを考慮し進めておりますが、これらの買収が必ずしも当社グループの見込みどおりに連結収益に貢献したり、シナジー効果を生むとは限らず、経営環境や事業の状況の著しい変化等によりそれぞれの経営成績が想定どおり進捗しない場合、のれんの減損損失や株式の評価損が生じるなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④減損会計について当社グループは、地方創生事業に係る商業施設を含めた事業用の不動産やのれん、ソフトウエア等の有形・無形固定資産を所有し、連結貸借対照表に計上しております。こうした資産は、当該資産が生み出す将来キャッシュ・フローの状況により減損会計の適用を受ける場合があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)資金調達について当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金及び外部資金を有効に活用しております。グループCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)によりグループ各社間の資金の有効活用と資金調達の一元化を図っているほか、金融機関との間にコミットメントラインを設定しております。資金需要に対する機動的な対応と、当社の考える資本コストのバランスからある程度の現金及び現金同等物を保有するとともに、資金需要の規模に応じた個別借入れ等により資金を確保していますが、今後の経営状況や信用収縮、金融情勢の変化などにより、必要な資金調達ができない場合は、当社グループの事業遂行に影響を及ぼす可能性があります。 (6)社会保険料負担について当社グループでは、従業員に加えて現行の社会保険制度において社会保険加入対象となる派遣スタッフ及び受託業務に従事するスタッフの完全加入を徹底しております。社会保険料の保険料率や被保険者の範囲等は適宜改定されており、各保険制度の現在の状況は以下のとおりです。これら社会保険料の負担増は原価率や人件費率の上昇につながり、今後、社会保険制度の改正に伴って各保険料率や会社負担額が大幅に上昇したり、加入対象者や被保険者数が大幅に増加する場合、当社グループの収益性の圧迫要因となる可能性があります。厚生年金保険については、2004年の年金制度改革により標準報酬月額に対する会社負担分の料率は毎年引き上げられ、2017年以降は9.15%となっております。また2016年10月から、週20時間以上働く短時間労働者にも厚生年金保険及び健康保険の適用が拡大されております。健康保険については、これまで当社グループの従業員及び派遣スタッフ等が属していた人材派遣健康保険組合が解散したことにより、2019年4月に全国健康保険組合に移行しております。健康保険、介護保険の保険料率は年々上昇を続けていた前年のものと大きくは変わっておりませんが、移行に伴う費用のほか健康診断の会社負担が増加しています。雇用保険についても、適用範囲が31日以上雇用見込みの労働者に拡大し、2017年1月以降は、65歳以上の労働者も適用対象となっております。2019年度の一般の事業における会社負担分の料率は6/1000となっております。 (7)業績の季節的な変動当社グループのエキスパートサービス事業においては、労働市場の変化の影響を受けるとともに、派遣スタッフの有給休暇取得や稼働日数の多少という季節的な変動要因があり、上期に比較して下期に利益が集中する傾向があります。また、福利厚生アウトソーシング事業においては、上期は夏期休暇等の影響により会員に対し宿泊施設等の利用の都度に支払われる補助金が増し、売上原価が増加する特性があります。当社グループの業績は、このような季節的な変動要因により、概ね利益が下期に偏る傾向があります。 (8)自然災害及びシステム障害等について当社グループは全国にグループ会社及び営業拠点を有しており、地震や水害など大規模な自然災害、パンデミック、事件・事故、その他企業存続を脅かす事象が発生した場合に備えて、従業員及び派遣スタッフの安否を確認し、安全を確保するための対策を危機管理マニュアルに定めております。また、事業継続のための施策として事業拠点や情報システムの機能分散なども講じております。危機発生時は迅速かつ適切な対応をとる所存でありますが、想定を大きく上回る規模で自然災害等が発生した場合、当社グループの事業運営、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは事業活動や情報管理にITシステムを多用しており、何らかの原因によって大規模なシステム障害や通信ネットワーク障害が発生した場合、当社グループの事業運営に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9)訴訟・不祥事及びレピュテーションリスクについて当社グループは法令遵守を重視した事業活動を行っておりますが、各種訴訟、係争、損害賠償請求の当事者となる可能性や不祥事、誹謗中傷等のリスクを排除できない場合があります。これらの発生に起因し、当社グループの社会的信用や企業イメージが低下し、売上の減少等、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)当社代表取締役南部靖之及びその近親者の出資する会社との関係について当社代表取締役南部靖之及びその近親者(同氏の二親等内の親族。以下同じ)、ならびに同氏及びその近親者が議決権の過半数を自己の計算において保有する会社等は、2019年5月末現在、合わせて当社の議決権の48.30%を保有しておりますが、コーポレートガバナンス体制を十分に機能させることにより、適切な事業運営に努めております。
FY2018|8,721 文字
2 【事業等のリスク】 当社グループは経営に重大な影響を及ぼす危機を未然に防止し、万一発生した場合には損失の極小化を図るため、リスクマネジメント規程を定めております。また、リスクに関する統括組織としてリスクマネジメント委員会を設置し、危機管理マニュアルに基づいて日常の対策および緊急時に適切な対応を行う体制を整備しております。また、内部監査室による内部監査を通じて各部署の日常的なリスク管理状況を監視しております。 なお将来に関する事項は、別段の記載のない限り当有価証券報告書提出日時点において判断したものであり、当社株式への投資に関連する全てのリスクを網羅するものではありません。 ①個人情報および機密情報の管理について 当社グループの各事業においては、派遣登録者、職業紹介希望者および再就職支援サービス利用者、さらにはアウトソーシング事業の会員企業の個人会員情報など、多数の個人情報を保有しております。当社グループでは個人情報保護方針を策定して個人情報の適正な取得・利用・提供等を行うと共に、個人情報についての開示・削除等の要求を受け付ける窓口を明確にしております。また、個人情報の漏洩や滅失を防止するために、技術面および組織面における必要かつ適切な安全管理措置を講じ、全役職員および全従業員に個人情報保護管理に関する教育を徹底しております。 さらに当社グループおよび取引先に関する営業秘密・重要情報の漏洩を防止すべき情報管理体制・管理手法を定め、その周知と実施の徹底に努めております。 当社グループの派遣スタッフおよび受託業務に従事するスタッフの秘密保持義務については、各就業規則、秘密情報保持規程において定めています。 また、不正アクセス、標的型攻撃メールへの防御のための技術的対策、定期の社員訓練も実施しております。 こうした当社グループの取組みにも拘わらず、各種規程類等の遵守違反、不測の事態等により個人情報および機密情報が外部に漏洩した場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの業績および財務状況が影響を受ける可能性があります。 ②派遣スタッフの確保について 当社グループのエキスパートサービス(人材派遣)事業では、その事業の性質上、派遣スタッフの確保が非常に重要であり、当社グループは、派遣就業希望者をインターネット、新聞、雑誌等による広告や既登録者からの紹介などにより募集しております。また、当社グループでは、登録拠点の立地条件や店舗設備の充実、給与・福利厚生面での就労条件の充実、登録者一人ひとりのニーズに応じた就業機会を提供する担当者制の導入、教育・研修の拡充などにより、派遣スタッフの満足度を高めるよう努力し、派遣スタッフの安定確保に努めております。また、既に当社に登録しているものの現在は就業していない派遣スタッフとのコミュニケーションを強化し、既存登録者の囲い込みも進めております。しかしながら、このような施策によりましても、派遣需要に対して充分な派遣スタッフの確保を行えなかった場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 ③派遣料金について 当社グループのエキスパートサービス事業においては、派遣先企業に稼働時間単位または月単位で派遣料金を請求して売上を計上しており、売上原価として、業務内容や能力に応じて労働時間単位で派遣スタッフに支払う給与およびこれに伴う法定福利費、有給休暇取得費用、その他の費用を計上しております。当社グループは適正価格による取引、適正水準の給与支払いに努めており、派遣給与支払い水準の引上げや社会保険料負担増の際には請求料金についても値上げするべく派遣先企業との料金交渉に取り組んでおります。しかしながら、派遣給与と派遣料金の値上げまたは値下げが必ずしも同期しない可能性があることから、このような案件が急激に増加したり、同期しない期間が長期化した場合、エキスパートサービス事業の収益性が低下し、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 ④インソーシング(委託・請負)事業について 当社グループのインソーシング事業は、受託に際して、業務の範囲と内容、受注金額、受託期間、費用見積等を確認したうえで顧客との契約を締結しております。 当社グループが業務履行、進捗管理および労務管理を行うため、PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)室を設置して随時状況を確認し、適切な対応に努めております。こうした取組みにもかかわらず、インソーシング事業のため管理する顧客情報・個人情報の取扱い上の事故、パブリック分野の案件にかかわる手続きの過誤、その他予期せぬ事態や想定を超えたコストが発生した場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 ⑤再就職支援事業について 当社グループの再就職支援事業では、会社都合による企業の退職者または退職予定者に対して、次の再就職先が決定するまでの間、全国の拠点で、職務経歴書作成、面接対策、求人情報の提供、独立支援などを行っております。利用者ごとに担当のコンサルタントを定め、カウンセリング、求人情報の収集・紹介に注力するとともに、再就職支援活動を詳細に把握しアドバイスをすることで早期再就職決定につなげております。サービスレベル向上による取引先からのリピートオーダーの獲得と、積極的な営業活動による新規受注の獲得に努めておりますが、経済環境や取引先の雇用政策の影響を受けやすく、各拠点における受注動向や受注料金水準、再就職決定状況により、収益性が変動する可能性があります。 現在、再就職支援事業のコンサルタントが、セグメントを同じくする人材紹介事業の提案も行う総合営業体制へと移行しており、セグメント全体の売上拡大、コストの効率化を図る柔軟で機動的なマネジメントを行っておりますが、今後の経済環境により、再就職決定率が低下したり、再就職決定までの期間が長期化した場合、収益性が低下することにより、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 ⑥福利厚生アウトソーシング事業について 当社グループの福利厚生アウトソーシング事業は、主に企業や官公庁・自治体などが株式会社ベネフィット・ワンと契約することにより法人会員となり、法人会員の従業員が同社と契約関係にあるサービス提供企業の運営する宿泊施設やスポーツクラブ、各種学校等の福利厚生メニューを会員価格で利用できるサービスです。 株式会社ベネフィット・ワンは法人会員から入会金および従業員数に応じた月会費を収受し、従業員が宿泊施設等を利用した際に、加入コースに応じた補助金を支給することがあります。会費収入と補助金支出の割合は一定範囲となるよう注意してバランスをとっておりますが、想定を超える利用がある場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 また、同社は福利厚生事業で培ったサービスインフラを多重的に活用し、新規事業を創出しております。進捗状況を常に把握し、既存の営業網を活用しながら早期育成に取り組んでおりますが、こうした取組みにもかかわらず期待した収益を生まない場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 ⑦法的規制についてa. エキスパートサービス(人材派遣)事業(イ)事業の許認可について 当社グループのエキスパートサービス事業は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、「労働者派遣法」)に基づき、主として労働者派遣事業として厚生労働大臣の許可を取得して行っている事業であります。労働者派遣法は、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、派遣事業を行う者(派遣元事業主)が、派遣元事業主としての欠格事由に該当したり、法令に違反した場合には、事業の許可を取り消し、または事業の停止を命じる旨を定めております。当社グループでは株式会社パソナグループの法務室、コンプライアンス室を中心に適正な派遣取引のためのガイドラインを作成し、徹底して社員教育に努めるとともに、内部監査等により関連法規の遵守状況を日頃より監視し、法令違反等の防止に努めております。しかしながら、万一当社グループ各社および役職員による重大な法令違反等が発生し、事業許可の取消し、または、事業停止を命じられるようなことがあれば、労働者派遣事業を行えなくなることが考えられます。また、労働者派遣法および関係諸法令については、労働市場をとりまく状況の変化等に応じて今後も適宜改正が予想され、その変更内容によっては、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (ロ)労働者派遣法について 労働者派遣法の改正により、平成27年9月30日以降に開始した労働者派遣契約について、すべての業務において派遣スタッフ個人単位の派遣期間制限(3年)と、派遣先の事業所単位の期間制限(3年、一定の場合に延長可)が設けられました。また、派遣スタッフが同一の組織単位に継続して3年間派遣されることになった場合、派遣元事業主は派遣先への直接雇用の依頼や新たな就業機会の提供などといった雇用安定措置を講じること、その他、派遣スタッフに対するキャリアアップ措置、派遣先従業員と派遣スタッフの均衡待遇に配慮することなどが義務付けられました。 当社グループは従来から派遣スタッフの専門性強化に注力し、実務や資格取得に役立つ教育研修プログラムの開発・提供や、キャリア・コンサルティングの拡充を推進しておりますが、教育コストの負担が増加することが考えられます。また、派遣先企業への直接雇用の申入れも積極的に行っていますが、当社グループで派遣スタッフの雇用安定措置を講じる場合において、就業先が決まるまでの待機期間中の労務費等の負担が発生することが考えられます。雇用安定措置等の今後の運用や、当法令を含む諸労働法令の今後の改正および運用状況によっては、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (ハ)労働契約法について 労働契約法の改正により、平成25年4月1日以降に開始した有期雇用契約が通算5年を超えて更新された場合は、労働者の申込みにより、無期雇用契約(期間の定めのない雇用契約)に転換することになりました。 当社グループで派遣スタッフ等を無期雇用する場合、就業先が決まるまでの待機期間中の労務費等の負担が発生することが考えられます。取引先企業への料金改定の交渉等を進め、コスト増を吸収するよう努めますが、今後の法改正およびその運用状況によっては、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 また、今後示される同一労働同一賃金に関する法律で求められる対応の具体的内容によっては、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 b. 人材紹介事業 当社グループが行う人材紹介事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。平成11年12月には、職業安定法の改正を受けて、取扱職業の拡大、紹介手数料制限の緩和および新規学卒者の職業紹介が可能となっているほか、平成12年12月には人材派遣事業と人材紹介事業の兼業規制に関する緩和が行われており、いわゆる紹介予定派遣が可能となっております。また、平成30年1月には職業紹介の機能強化や求人情報等の適正化を図るための義務が強化されております。 人材紹介事業についても、一定の要件を満たさない場合には人材派遣事業と同様に許可の取消し、事業の停止といった措置が規定されていることから、同様のリスクが想定されます。 c. 再就職支援事業 当社グループが行う再就職支援事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。収益構造やビジネスモデルは人材紹介事業とは異なりますが、求職者を求人企業に紹介するという点において前述の人材紹介事業と同様の規制、指導および監督を受けることから、同様のリスクが想定されます。 ⑧社会保険料負担について 当社グループでは、従業員に加えて現行の社会保険制度において社会保険加入対象となる派遣スタッフの完全加入を徹底しております。社会保険料の保険料率や被保険者の範囲等は適宜改定されていることから、社会保険制度の改正に伴って会社負担金額が大幅に上昇する場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 厚生年金保険については、平成16年の年金制度改革により、標準報酬月額に対する会社負担分の料率は平成16年10月時点の6.967%から毎年0.177%ずつ引き上げられ、平成29年以降は9.15%で固定されることとなっております。また平成28年10月から、週20時間以上働く短時間労働者にも厚生年金保険および健康保険の適用が拡大されております。 健康保険については、当社グループの従業員および派遣スタッフが属する人材派遣健康保険組合は高齢者加入率が低く、従来の老人保健拠出金は他の健康保険組合に比べ低い水準でした。しかし平成20年4月の医療制度改革において、老人保健拠出金に代わって新たに後期高齢者支援金および前期高齢者納付金の負担が課されたため、人材派遣健康保険組合における健康保険料の会社負担分の料率は30.5/1000(平成19年度)から38.0/1000(平成20年度)へと大幅に引き上げられました。以来、医療費の上昇等も相まって、段階的に引き上げられており、平成30年度は48.5/1000になります。さらに介護保険の会社負担分の料率も、平成24年度に8.5/1000(平成23年度)から10.35/1000へと大幅に引き上げられ、平成30年度は一部算定基準の変更により9.7/1000となっております。同健康保険組合の財政は大変厳しい状態にあり、今後さらに保険料率が上昇した場合、もしくは解散等が決定した場合、当社グループの収益の圧迫要因となる可能性があります。 雇用保険についても、平成22年4月1日付の制度改正により、労働者負担分と会社負担分の料率がともに上昇したうえに、雇用保険の適用基準が緩和され、適用範囲が「6か月以上雇用見込み」(平成21年度)から「31日以上雇用見込み」の労働者に拡大しました。さらに平成29年1月以降は、65歳以上の労働者も雇用保険の適用対象となりました。平成30年度の一般の事業における会社負担分の料率は平成28年度の7/1000から引き下げられた6/1000で継続しておりますが、今後、雇用保険制度の改正によって保険料率が上昇したり、加入対象者や被保険者数が大幅に増加した場合、収益の圧迫要因となる可能性があります。 ⑨人材サービス市場について 当社グループは、人材派遣、委託・請負、人材紹介、再就職支援、アウトソーシング、保育、福祉介護、家事代行など人材サービスの総合化を推進し、特定の領域に偏らない事業ポートフォリオの構築を進め、また海外への展開を積極的に行っているほか、雇用のあり方に関する情報発信、啓蒙活動や各種提案に積極的に取り組んでおります。しかし、国内外の景気変動やビジネス環境の変化に伴う顧客の人材需要、採用動向、外部人材の活用や人材育成に関する戦略などの変化の影響を受け、市場環境や顧客需要が急激に変化した場合、収益に影響を受ける可能性があります。また各種関連法令において規制を受ける場合もあり、様々なサービスを拡充することでリスク分散は図ってまいりますが、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩業績の季節的な変動 当社グループのエキスパートサービス事業においては、労働市場の変化の影響を受けるとともに、派遣スタッフの有給休暇取得や稼働日数の多少という季節的な変動要因があり、上期に比較して下期に利益が集中する傾向があります。また、福利厚生アウトソーシング事業においては、上期は夏期休暇等の影響により会員に対し宿泊施設等の利用の都度に支払われる補助金が増し、売上原価が増加する特性があります。当社グループの業績は、このような季節的な変動要因により、概ね利益が下期に偏る傾向があります。 ⑪当社代表取締役南部靖之およびその近親者の出資する会社との関係について 当社代表取締役南部靖之およびその近親者(同氏の二親等内の親族。以下同じ)、ならびに同氏およびその近親者が議決権の過半数を自己の計算において保有する会社等は、平成30年5月末現在、合わせて当社の議決権の48.31%を保有しておりますが、コーポレートガバナンス体制を十分に機能させることにより、適切な事業運営に努めております。 ⑫事業投資についてa.子会社・関連会社への投資 当社グループの関係会社のうち、上場子会社などは市場動向に株価が左右されることもあり、今後の動向によっては関係会社株式の評価替えなどにより、単体の業績や資産の額に影響を与える可能性があります。 当社グループは今後も、取引先や就労者の多様なニーズに応じて事業投資を積極的に行っていく考えであります。新規の事業投資については、進捗状況を常に把握し、既存の事業インフラや営業網も活用しながら、早期育成に取り組んでおりますが、こうした取組みにもかかわらず期待した収益を生まない場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 b.企業買収について 当社グループは、本業の強化補強を図る有効な手段として、積極的に人材関連の企業買収等に取り組んでいきたいと考えております。買収に当たっては、インハウス系(親会社のグループ、系列企業への人材派遣を主目的に設立された派遣会社)や専門特化した分野で強みを持つ派遣会社および周辺事業分野での有力企業を対象とすることで、当社グループの事業領域の補完、連結収益力の向上を図ってまいりたいと考えております。 こうした企業買収に伴い、多額の資金調達およびのれんの償却等が発生する可能性があるほか、これらの買収が必ずしも当社グループの見込み通りに連結収益に貢献したり、シナジー効果を生むとは限らず、買収した企業の収益性が著しく低下した場合、のれんの減損が生じるなど当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 c. 地方創生事業に係る商業施設について 当社グループの地方創生事業においては、地方の活性化と人材育成および雇用創造の拠点として複数の商業施設を運営しており、既存の人材サービスと異なる以下のような固有のリスクが想定され、同セグメントでは赤字が継続しております。・商業施設の新規開設については、施設規模の大きいものは多額の資金負担が生じます。人件費等の固定的な費用も多く、開設後に利用者数が一定水準に至るまでの期間において費用負担が先行する傾向があり、短期的には当社グループの利益を圧迫する場合もあります。・天候、災害等の影響により、利用者が減少したり、営業休止を余儀なくされる可能性があります。また、利用者の高い満足度を得られない場合、収益が計画を下回ったり、追加投資が必要になる可能性があります。・施設におけるアトラクション等の安全管理、食事の提供や食品の販売における品質管理や食品衛生には十分注意しておりますが、万一事故が発生した場合、当社グループの信頼性が低下したり、訴訟などが発生する可能性があります。 d.減損会計について 当社グループは、事業用の不動産をはじめとする有形・無形固定資産を所有しております。こうした資産は、時価の下落や、将来のキャッシュ・インフローの状況により、減損会計の適用を受ける場合があり、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 e.繰延税金資産について 当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得を合理的に見積り回収可能性を判断して計上しております。将来の課税所得等の見積りの変動や税率変更等の税制改正により、繰延税金資産の修正が必要となる場合があり、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑬資金調達について 当社グループは、グループCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)によるグループ各社間の資金の有効活用を図っているほか、金融機関との間にコミットメントラインを設定しております。また、資金需要に応じた個別借入れを行うことにより資金を確保していますが、今後の経営状況や金融市場の動向などにより、資金調達に影響が出た場合、当社グループの事業遂行に影響を及ぼす可能性があります。 ⑭自然災害およびシステム障害等について 当社グループは全国にグループ会社と営業拠点を有しており、地震や水害など大規模な自然災害が発生した場合に備えて、従業員および派遣スタッフの安否を確認し、安全を確保するための対策を危機管理マニュアルに定めております。また、事業拠点や情報システムの機能分散など事業継続のための施策も講じております。しかしながら、想定を大きく上回る規模で自然災害が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは事業活動や情報管理にITシステムを多用しており、何らかの原因によって大規模なシステム障害が発生した場合、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
FY2017|7,547 文字
4 【事業等のリスク】 当社グループは経営に重大な影響を及ぼす危機を未然に防止し、万一発生した場合には損失の極小化を図るため、リスクマネジメント規程を定めております。また、リスクに関する統括組織としてリスクマネジメント委員会を設置し、危機管理マニュアルに基づいて日常の対策および緊急時に適切な対応を行う体制を整備しております。また、内部監査室による内部監査を通じて各部署の日常的なリスク管理状況を監視しております。 なお将来に関する事項は、別段の記載のない限り当有価証券報告書提出日時点において判断したものであり、当社株式への投資に関連する全てのリスクを網羅するものではありません。 ①個人情報および機密情報の管理について 当社グループの各事業においては、派遣登録者、職業紹介希望者および再就職支援サービス利用者、さらにはアウトソーシング事業の会員企業の個人会員情報など、多数の個人情報を保有しております。当社グループでは個人情報保護方針を策定して個人情報の適正な取得・利用・提供等を行うと共に、個人情報についての開示・削除等の要求を受け付ける窓口を明確にしております。また、個人情報の漏洩や滅失を防止するために、技術面および組織面における必要かつ適切な安全管理措置を講じ、全役職員および全従業員に個人情報保護管理に関する教育を徹底しております。 さらに当社グループおよび取引先に関する営業秘密・重要情報の漏洩を防止すべき情報管理体制・管理手法を定め、その周知と実施の徹底に努めております。 当社グループの派遣スタッフおよび受託業務に従事するスタッフの秘密保持義務については、各就業規則、秘密情報保持規程において定めています。 また、不正アクセス、標的型攻撃メールへの防御のための技術的対策、定期の社員訓練も実施しております。 こうした当社グループの取組みにも拘わらず、各種規程類等の遵守違反、不測の事態等により個人情報および機密情報が外部に漏洩した場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの業績および財務状況が影響を受ける可能性があります。 ②派遣スタッフの確保について 当社グループのエキスパートサービス(人材派遣)事業では、その事業の性質上、派遣スタッフの確保が非常に重要であり、当社グループは、派遣就業希望者をインターネット、新聞、雑誌等による広告や既登録者からの紹介などにより募集しております。また、当社グループでは、登録拠点の立地条件や店舗設備の充実、給与・福利厚生面での就労条件の充実、登録者一人ひとりのニーズに応じた就業機会を提供する担当者制の導入、教育・研修の拡充などにより、派遣スタッフの満足度を高めるよう努力し、派遣スタッフの安定確保に努めております。また、既に当社に登録しているものの現在は就業していない派遣スタッフとのコミュニケーションを強化し、既存登録者の囲い込みも進めております。しかしながら、このような施策によりましても、派遣需要に対して充分な派遣スタッフの確保を行えなかった場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 ③派遣料金について 当社グループのエキスパートサービス事業においては、派遣先企業に稼働時間単位または月単位で派遣料金を請求して売上を計上しており、売上原価として、業務内容や能力に応じて労働時間単位で派遣スタッフに支払う給与およびこれに伴う法定福利費、有給休暇取得費用、その他の費用を計上しております。当社グループは適正価格による取引、適正水準の給与支払いに努めており、派遣給与支払い水準の引上げや社会保険料負担増の際には請求料金についても値上げするべく派遣先企業との料金交渉に取り組んでおります。しかしながら、派遣給与と派遣料金の値上げまたは値下げが必ずしも同期しない可能性があることから、このような案件が急激に増加したり、同期しない期間が長期化した場合、エキスパートサービス事業の収益性が低下し、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 ④インソーシング(委託・請負)事業について 当社グループのインソーシング事業は、受託に際して、業務の範囲と内容、受注金額、受託期間、費用見積等を確認したうえで顧客との契約を締結しております。 当社グループが業務履行、進捗管理および労務管理を行うため、PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)室を設置して随時状況を確認し、適切な対応に努めております。こうした取組みにもかかわらず、インソーシング事業のため管理する顧客情報・個人情報の取扱い上の事故、パブリック事業にかかわる手続きの過誤、その他予期せぬ事態や想定を超えたコストが発生した場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 ⑤再就職支援事業について 当社グループの再就職支援事業では、会社都合による企業の退職者または退職予定者に対して、次の再就職先が決定するまでの間、全国の拠点で、職務経歴書作成、面接対策、求人情報の提供、メンタルケアなどの支援を行っております。利用者ごとに担当のコンサルタントを定め、カウンセリング、求人情報の収集・紹介に注力するとともに、再就職支援活動を詳細に把握しアドバイスをすることで早期再就職決定につなげております。サービスレベル向上による取引先からのリピートオーダーの獲得と、積極的な営業活動により新規受注の獲得に努めておりますが、取引先の雇用政策や経済環境の影響を受けやすく、各拠点における受注動向や受注料金水準、再就職決定状況により、収益性が変動する可能性があります。 また、全国的な拠点ネットワークの維持は、求職活動の拠点となる施設を備えた店舗を設置し、コンサルタントを配置して、一定のサービスレベルを維持することを意味しますので、固定費負担も少なくありません。拠点やコンサルタントの配置について、経済環境の変化に応じた機動的な対応ができるとは限らず、拠点ネットワーク維持のための固定費が負担となる可能性があります。今後の経済環境により、再就職決定率が低下したり、再就職決定までの期間が長期化した場合、固定費負担が増加し、収益性が低下することにより、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 ⑥福利厚生アウトソーシング事業について 当社グループの福利厚生アウトソーシング事業は、主に企業や官公庁・自治体などが株式会社ベネフィット・ワンと契約することにより法人会員となり、法人会員の従業員が同社と契約関係にあるサービス提供企業の運営する宿泊施設やスポーツクラブ、各種学校等の福利厚生メニューを会員価格で利用できるサービスです。 株式会社ベネフィット・ワンは法人会員から入会金および従業員数に応じた月会費を収受し、従業員が宿泊施設等を利用した際に、加入コースに応じた補助金を支給することがあります。会費収入と補助金支出の割合は一定範囲となるよう注意してバランスをとっておりますが、想定を超える利用がある場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 また、同社は福利厚生事業で培ったサービスインフラを多重的に活用し、新規事業を創出しております。進捗状況を常に把握し、既存の営業網を活用しながら早期育成に取り組んでおりますが、こうした取り組みにもかかわらず期待した収益を生まない場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 ⑦法的規制についてa. エキスパートサービス(人材派遣)事業(イ)事業の許認可について 当社グループのエキスパートサービス事業は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、「労働者派遣法」)に基づき、主として労働者派遣事業として厚生労働大臣の許可を取得して行っている事業であります。労働者派遣法は、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、派遣事業を行う者(派遣元事業主)が、派遣元事業主としての欠格事由に該当したり、法令に違反した場合には、事業の許可を取り消し、または事業の停止を命じる旨を定めております。当社グループでは株式会社パソナグループの法務室、コンプライアンス室を中心に適正な派遣取引のためのガイドラインを作成し、徹底して社員教育に努めるとともに、内部監査等により関連法規の遵守状況を日頃より監視し、法令違反等の防止に努めております。しかしながら、万一当社グループ各社および役職員による重大な法令違反等が発生し、事業許可の取り消し、または、事業停止を命じられるようなことがあれば、労働者派遣事業を行えなくなることが考えられます。また、労働者派遣法および関係諸法令については、労働市場をとりまく状況の変化等に応じて今後も適宜改正が予想され、その変更内容によっては、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (ロ)労働者派遣法の改正について 平成27年9月30日付で労働者派遣法が改正され、派遣スタッフ個人単位の派遣期間制限(3年)と、派遣先の事業所単位の期間制限(3年、一定の場合に延長可)が設けられました。加えて、派遣スタッフに対するキャリアアップ措置や、派遣先従業員と派遣スタッフの均衡待遇に配慮すること、さらには派遣スタッフ個人単位の期間制限の上限に達した場合、派遣元事業主が雇用安定を図るための措置を講じることなどが義務付けられました。 当社グループは従来から派遣スタッフの専門性強化に注力し、実務や資格取得に役立つ教育研修プログラムの開発・提供や、キャリア・コンサルティングの拡充を推進しておりますが、雇用安定措置等の今後の運用や、平成25年4月に本格施行された改正労働契約法など諸労働法令の改正および運用状況によっては、エキスパートサービス事業に影響を及ぼす可能性があります。 b. 人材紹介事業 当社グループが行う人材紹介事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。平成11年12月には、職業安定法の改正を受けて、取扱職業の拡大、紹介手数料制限の緩和および新規学卒者の職業紹介が可能となっているほか、平成12年12月には人材派遣事業と人材紹介事業の兼業規制に関する緩和が行われており、いわゆる紹介予定派遣が可能となっております。 人材紹介事業についても、一定の要件を満たさない場合には人材派遣事業と同様に許可の取消し、事業の停止といった措置が規定されていることから、同様のリスクが想定されます。 c. 再就職支援事業 当社グループが行う再就職支援事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。収益構造やビジネスモデルは人材紹介事業とは異なりますが、求職者を求人企業に紹介するという点において前述の人材紹介事業と同様の規制、指導および監督を受けることから、同様のリスクが想定されます。 ⑧社会保険料負担について 当社グループでは、従業員に加えて現行の社会保険制度において社会保険加入対象となる派遣スタッフの完全加入を徹底しております。社会保険料の保険料率や被保険者の範囲等は適宜改定されていることから、社会保険制度の改正に伴って会社負担金額が大幅に上昇する場合、当社グループの財政および業績が影響を受ける可能性があります。 厚生年金保険については、平成16年の年金制度改革により、標準報酬月額に対する会社負担分の料率は平成16年10月時点の6.967%から毎年0.177%ずつ引き上げられ、平成29年以降は9.15%で固定されることとなっております。また平成28年10月から、週20時間以上働く短時間労働者にも厚生年金保険および健康保険の適用が拡大されました。 健康保険については、当社グループの従業員および派遣スタッフが属する人材派遣健康保険組合は高齢者加入率が低く、従来の老人保健拠出金は他の健康保険組合に比べ低い水準でした。しかし平成20年4月の医療制度改革において、老人保健拠出金に代わって新たに後期高齢者支援金および前期高齢者納付金の負担が課されたため、人材派遣健康保険組合における健康保険料の会社負担分の料率は30.5/1000(平成19年度)から38.0/1000(平成20年度)へと大幅に引き上げられました。以来、段階的に引き上げられており、平成29年度は48.0/1000になります。 さらに介護保険料率も、平成24年度に8.5/1000(平成23年度)から10.35/1000へと大幅に引き上げられ、平成29年度は10.4/1000となりました。同健康保険組合の財政は大変厳しい状態にあり、今後さらに保険料率が上昇した場合、収益の圧迫要因となる可能性があります。 雇用保険についても、平成22年4月1日付の制度改正により、雇用保険料率と会社負担分の料率がともに上昇したうえに、雇用保険の適用基準が緩和され、適用範囲が「6か月以上雇用見込み」(平成21年度)から「31日以上雇用見込み」の労働者に拡大しました。さらに平成29年1月以降は、65歳以上の労働者も雇用保険の適用対象となりました。平成29年度の一般の事業における会社負担分の料率は平成28年度の7/1000から6/1000に引き下げられましたが、今後、雇用保険制度の改正によって保険料率が上昇したり、加入対象者や被保険者数が大幅に増加した場合、収益の圧迫要因となる可能性があります。 ⑨当社代表取締役南部靖之およびその近親者の出資する会社との関係について 当社代表取締役南部靖之およびその近親者(同氏の二親等内の親族。以下同じ)、ならびに同氏およびその近親者が議決権の過半数を自己の計算において保有する会社等は、平成29年5月末現在、合わせて当社の議決権の51.27%を保有しておりますが、コーポレートガバナンス体制を十分に機能させることにより、適切な事業運営に努めております。 ⑩事業投資についてa.子会社・関連会社への投資 当社グループの関係会社のうち、上場子会社などは市場動向に株価が左右されることもあり、今後の動向によっては関係会社株式の評価替えなどにより、単体の業績や資産の額に影響を与える可能性があります。 当社グループは今後も、取引先や就労者の多様なニーズに応じて事業投資を積極的に行っていく考えであります。新規の事業投資については、進捗状況を常に把握し、既存の事業インフラや営業網も活用しながら、早期育成に取り組んでおりますが、こうした取組みにもかかわらず期待した収益を生まない場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 b.企業買収について 当社グループは、本業の強化補強を図る有効な手段として、積極的に人材関連の企業買収等に取り組んでいきたいと考えております。買収に当たっては、インハウス系(親会社のグループ、系列企業への人材派遣を主目的に設立された派遣会社)や専門特化した分野で強みを持つ派遣会社および周辺事業分野での有力企業を対象とすることで、当社グループの事業領域の補完、連結収益力の向上を図ってまいりたいと考えております。 こうした企業買収に伴い、多額の資金調達およびのれんの償却等が発生する可能性があるほか、これらの買収が必ずしも当社グループの見込み通りに連結収益に貢献したり、シナジー効果を生むとは限らず、買収した企業の収益性が著しく低下した場合、のれんの減損が生じるなど当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 c. 地方創生事業に係る商業施設について 当社グループの地方創生事業においては、地方の活性化と人材育成および雇用創造の拠点として複数の商業施設を運営しており、既存の人材サービスと異なる以下のような固有のリスクが想定されます。・天候、災害等の影響により、利用者が減少したり、営業休止を余儀なくされる可能性があります。また、利用者の高い満足度を得られない場合、収益が計画を下回ったり、追加投資が必要になる可能性があります。・施設におけるアトラクション等の安全管理や食事の提供や食品の販売において、品質管理や食品衛生には十分注意しておりますが、万一事故が発生した場合、当社グループの信頼性が低下したり、訴訟などが発生する可能性があります。 ⑪資金調達について 当社グループは、グループCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)によるグループ各社間の資金の有効活用を図っているほか、金融機関との間にコミットメントラインを設定しております。また、資金需要に応じた個別借入れを行うことにより資金を確保していますが、今後の経営状況や金融市場の動向などにより、資金調達に影響が出た場合、当社グループの事業遂行に影響を及ぼす可能性があります。 ⑫人材サービス市場について 当社グループは、人材派遣、委託・請負、人材紹介、再就職支援、アウトソーシング、福祉介護、家事代行など人材サービスの総合化を推進し、特定の領域に偏らない事業ポートフォリオの構築を進め、また海外への展開を積極的に行っているほか、雇用のあり方に関する情報発信、啓蒙活動や各種提案に積極的に取り組んでおります。しかし、国内外の景気変動やビジネス環境の変化に伴う顧客の人材需要、採用動向、外部人材の活用や人材育成に関する戦略などの変化の影響を受け、市場環境や顧客需要が急激に変化した場合、収益に影響を受ける可能性があります。また各種関連法令において規制を受ける場合もあり、様々なサービスを拡充することでリスク分散は図ってまいりますが、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑬自然災害およびシステム障害等について 当社グループは全国にグループ会社と営業拠点を有しており、地震や水害など大規模な自然災害が発生した場合に備えて、従業員および派遣スタッフの安否を確認し、安全を確保するための対策を危機管理マニュアルに定めております。また、事業拠点や情報システムの機能分散など事業継続のための施策も講じております。しかしながら、想定を大きく上回る規模で自然災害が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは事業活動や情報管理にITシステムを多用しており、何らかの原因によって大規模なシステム障害が発生した場合、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
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4 【事業等のリスク】 当社グループは経営に重大な影響を及ぼす危機を未然に防止し、万一発生した場合には損失の極小化を図るため、リスクマネジメント規程を定めております。また、リスクに関する統括組織としてリスクマネジメント委員会を設置し、危機管理マニュアルに基づいて日常の対策および緊急時に適切な対応を行う体制を整備しております。また、内部監査室による内部監査を通じて各部署の日常的なリスク管理状況を監視しております。 なお将来に関する事項は、別段の記載のない限り当有価証券報告書提出日時点において判断したものであり、当社株式への投資に関連する全てのリスクを網羅するものではありません。 ①個人情報および機密情報の管理について 当社グループの各事業においては、派遣登録者、職業紹介希望者および再就職支援サービス利用者、さらにはアウトソーシング事業の会員企業の個人会員情報など、多数の個人情報を保有しております。当社グループでは個人情報保護方針を策定して個人情報の適正な取得・利用・提供等を行うと共に、個人情報についての開示・削除等の要求を受け付ける窓口を明確にしております。また、個人情報の漏洩や滅失を防止するために、技術面および組織面における必要かつ適切な安全管理措置を講じ、全役職員および全従業員に個人情報保護管理に関する教育を徹底しております。 さらに当社グループ、社員、登録スタッフの個人および取引先に関する営業秘密・重要情報の漏洩を防止すべき情報管理体制・管理手法を定め、その周知と実施の徹底に努めております。 当社グループの派遣スタッフおよび受託業務に従事するスタッフについては、各就業規則、秘密情報保持規程を定めています。 こうした当社グループの取組みにも拘わらず、各種規程類等の遵守違反、不測の事態等により個人情報および機密情報が外部に漏洩した場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの業績および財務状況が影響を受ける可能性があります。 ②派遣スタッフの確保について 当社グループのエキスパートサービス(人材派遣)事業では、その事業の性質上、派遣スタッフの確保が非常に重要であり、当社グループは、派遣就業希望者をインターネット、新聞、雑誌等による広告や既登録者からの紹介などにより募集しております。また、当社グループでは、登録拠点の立地条件や店舗設備の充実、給与・福利厚生面での就労条件の充実、登録者一人ひとりのニーズに応じた就業機会を提供する担当者制の導入、教育・研修の拡充などにより、派遣スタッフの満足度を高めるよう努力し、派遣スタッフの安定確保に努めております。また、既に当社に登録しているものの現在は就業していない派遣スタッフとのコミュニケーションを強化し、既存登録者の囲い込みも進めております。しかしながら、このような施策によりましても、派遣需要に対して充分な派遣スタッフの確保を行えなかった場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 ③派遣料金について 当社グループのエキスパートサービス事業においては、派遣先企業に稼働時間単位または月単位で派遣料金を請求して売上を計上しており、売上原価として、業務内容や能力に応じて労働時間単位で派遣スタッフに支払う給与およびこれに伴う法定福利費、有給休暇取得費用、その他の費用を計上しております。当社グループは適正価格による取引、適正水準の給与支払いに努めており、派遣給与支払い水準の引上げや社会保険料負担増の際には請求料金についても値上げするべく派遣先企業との料金交渉に取り組んでおります。しかしながら、派遣給与と派遣料金の値上げまたは値下げが必ずしも同期しない可能性があることから、このような案件が急激に増加したり、同期しない期間が長期化した場合、エキスパートサービス事業の収益性が低下し、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 ④インソーシング(委託・請負)事業について 当社グループのインソーシング事業は、受託に際して、業務の範囲と内容、受注金額、受託期間、費用見積等を確認したうえで顧客との契約を締結しております。 当社グループが業務履行、進捗管理および労務管理を行うため、PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)室を設置して随時状況を確認し、適切な対応に努めております。こうした取組みにもかかわらず、インソーシング事業のため管理する顧客情報・個人情報の取扱い上の事故、パブリック事業にかかわる手続きの過誤、その他予期せぬ事態や想定を超えたコストが発生した場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 ⑤再就職支援事業について 当社グループの再就職支援事業では、会社都合による企業の退職者または退職予定者に対して、次の再就職先が決定するまでの間、全国の拠点で、職務経歴書作成、面接対策、求人情報の提供、メンタルケアなどの支援を行っております。利用者ごとに担当のコンサルタントを定め、カウンセリング、求人情報の収集・紹介に注力するとともに、再就職支援活動を詳細に把握しアドバイスをすることで早期再就職決定につなげております。サービスレベル向上による取引先からのリピートオーダーの獲得と、積極的な営業活動により新規受注の獲得に努めておりますが、取引先の雇用政策や経済環境の影響を受けやすく、各拠点における受注動向や受注料金水準、再就職決定状況により、収益性が変動する可能性があります。 また、全国的な拠点ネットワークの維持は、求職活動の拠点となる施設を備えた店舗を設置し、コンサルタントを配置して、一定のサービスレベルを維持することを意味しますので、固定費負担も少なくありません。拠点やコンサルタントの配置について、経済環境の変化に応じた機動的な対応ができるとは限らず、拠点ネットワーク維持のための固定費が負担となる可能性があります。今後の経済環境により、再就職決定率が低下したり、再就職決定までの期間が長期化した場合、固定費負担が増加し、収益性が低下することにより、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 ⑥福利厚生アウトソーシング事業について 当社グループの福利厚生アウトソーシング事業は、主に企業や官公庁・自治体などが株式会社ベネフィット・ワンと契約することにより法人会員となり、法人会員の従業員が同社と契約関係にあるサービス提供企業の運営する宿泊施設やスポーツクラブ、各種学校等の福利厚生メニューを会員価格で利用できるサービスです。 株式会社ベネフィット・ワンは法人会員から入会金および従業員数に応じた月会費を収受し、従業員が宿泊施設等を利用した際に、加入コースに応じた補助金を支給することがあります。会費収入と補助金支出の割合は一定範囲となるよう注意してバランスをとっておりますが、想定を超える利用がある場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 また、同社は福利厚生事業で培ったサービスインフラを多重的に活用し、新規事業を創出しております。進捗状況を常に把握し、既存の営業網を活用しながら早期育成に取り組んでおりますが、こうした取り組みにもかかわらず期待した収益を生まない場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 ⑦法的規制についてa. エキスパートサービス(人材派遣)事業(イ)事業の許認可について 当社グループのエキスパートサービス事業は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、「労働者派遣法」)に基づき、主として一般労働者派遣事業(登録型の人材派遣事業)として厚生労働大臣の許可を取得して行っている事業であります。労働者派遣法は、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、派遣事業を行う者(派遣元事業主)が、派遣元事業主としての欠格事由に該当したり、法令に違反した場合には、事業の許可を取り消し、または事業の停止を命じる旨を定めております。当社グループでは株式会社パソナグループの法務室、コンプライアンス室を中心に適正な派遣取引のためのガイドラインを作成し、徹底して社員教育に努めるとともに、内部監査等により関連法規の遵守状況を日頃より監視し、法令違反等の防止に努めております。しかしながら、万一当社グループ各社および役職員による重大な法令違反等が発生し、事業許可の取り消し、または、事業停止を命じられるようなことがあれば、一般労働者派遣事業を行えなくなることが考えられます。また、労働者派遣法および関係諸法令については、労働市場をとりまく状況の変化等に応じて今後も適宜改正が予想され、その変更内容によっては、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (ロ)労働者派遣法の改正について 平成27年9月30日付で労働者派遣法が改正され、派遣スタッフ個人単位の派遣期間制限(3年)と、派遣先の事業所単位の期間制限(3年、一定の場合に延長可)が設けられました。加えて、派遣スタッフに対するキャリアアップ措置や、派遣先従業員と派遣スタッフの均衡待遇に配慮すること、さらには派遣スタッフ個人単位の期間制限の上限に達した場合、派遣元事業主が雇用安定を図るための措置を講じることなどが義務付けられました。 当社グループは従来から派遣スタッフの専門性強化に注力し、実務や資格取得に役立つ教育研修プログラムの開発・提供や、キャリア・コンサルティングの拡充を推進しておりますが、雇用安定措置等の今後の運用や、平成25年4月に本格施行された改正労働契約法など諸労働法令の改正および運用状況によっては、エキスパートサービス事業に影響を及ぼす可能性があります。 b. 人材紹介事業 当社グループが行う人材紹介事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。平成11年12月には、職業安定法の改正を受けて、取扱職業の拡大、紹介手数料制限の緩和および新規学卒者の職業紹介が可能となっているほか、平成12年12月には人材派遣事業と人材紹介事業の兼業規制に関する緩和が行われており、いわゆる紹介予定派遣が可能となっております。 人材紹介事業についても、一定の要件を満たさない場合には人材派遣事業と同様に許可の取消し、事業の停止といった措置が規定されていることから、同様のリスクが想定されます。 c. 再就職支援事業 当社グループが行う再就職支援事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。収益構造やビジネスモデルは人材紹介事業とは異なりますが、求職者を求人企業に紹介するという点において前述の人材紹介事業と同様の規制、指導および監督を受けることから、同様のリスクが想定されます。 ⑧社会保険料負担について 当社グループでは、従業員に加えて現行の社会保険制度において社会保険加入対象となる派遣スタッフの完全加入を徹底しております。社会保険料の保険料率や被保険者の範囲等は適宜改定されていることから、社会保険制度の改正に伴って会社負担金額が大幅に上昇する場合、当社グループの財政および業績が影響を受ける可能性があります。 厚生年金保険については、平成16年の年金制度改革により、標準報酬月額に対する会社負担分の料率は平成16年10月時点の6.967%から毎年0.177%ずつ引き上げられ、平成29年以降は9.15%で固定されることとなっております。 また健康保険については、当社グループの従業員および派遣スタッフが属する人材派遣健康保険組合は高齢者加入率が低く、従来の老人保健拠出金は他の健康保険組合に比べ低い水準でした。しかし平成20年4月の医療制度改革において、老人保健拠出金に代わって新たに後期高齢者支援金および前期高齢者納付金の負担が課されたため、人材派遣健康保険組合における健康保険料の会社負担分の料率は30.5/1000(平成19年度)から38.0/1000(平成20年度)へと大幅に引き上げられました。以来、段階的に引き上げられており、平成28年度は46.2/1000になります。 さらに介護保険料率も、平成24年度に8.5/1000(平成23年度)から10.35/1000へと大幅に引き上げられ、平成28年度はさらに11.4/1000に引き上げられました。同健康保険組合の財政は大変厳しい状態にあり、今後さらに保険料率が上昇した場合、収益の圧迫要因となる可能性があります。 雇用保険についても、平成22年4月1日付の制度改正により、雇用保険料率と会社負担分の料率がともに上昇したうえに、雇用保険の適用基準が緩和され、適用範囲が「6か月以上雇用見込み」(平成21年度)から「31日以上雇用見込み」の労働者に拡大しました。平成28年度の一般の事業における会社負担分の料率は平成27年度の8.5/1000から7/1000に引き下げられましたが、今後、雇用保険制度の改正によって保険料率が上昇したり、加入対象者や被保険者数が大幅に増加した場合、収益の圧迫要因となる可能性があります。 ⑨当社代表取締役南部靖之およびその近親者の出資する会社との関係について 当社代表取締役南部靖之およびその近親者(同氏の二親等内の親族。以下同じ)、ならびに同氏およびその近親者が議決権の過半数を自己の計算において保有する会社等は、平成28年5月末現在、合わせて当社の議決権の49.68%を保有しておりますが、コーポレートガバナンス体制を十分に機能させることにより、適切な事業運営に努めております。 ⑩事業投資についてa.子会社・関連会社への投資 当社グループの関係会社のうち、上場子会社などは市場動向に株価が左右されることもあり、今後の動向によっては関係会社株式の評価替えなどにより、単体の業績や資産の額に影響を与える可能性があります。 当社グループは今後も、取引先や就労者の多様なニーズに応じて事業投資を積極的に行っていく考えであります。新規の事業投資については、進捗状況を常に把握し、既存の事業インフラや営業網も活用しながら、早期育成に取り組んでおりますが、こうした取組みにもかかわらず期待した収益を生まない場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 b.企業買収について 当社グループは、本業の強化補強を図る有効な手段として、積極的に人材関連の企業買収等に取り組んでいきたいと考えております。買収に当たっては、インハウス系(親会社のグループ、系列企業への人材派遣を主目的に設立された派遣会社)や専門特化した分野で強みを持つ派遣会社および周辺事業分野での有力企業を対象とすることで、当社グループの事業領域の補完、連結収益力の向上を図ってまいりたいと考えております。 こうした企業買収に伴い、多額の資金調達およびのれんの償却等が発生する可能性があるほか、これらの買収が必ずしも当社グループの見込み通りに連結収益に貢献したり、シナジー効果を生むとは限らず、買収した企業の収益性が著しく低下した場合、のれんの減損が生じるなど当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪資金調達について 当社グループは、グループCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)によるグループ各社間の資金の有効活用を図っているほか、金融機関との間にコミットメントラインを設定しております。また、資金需要に応じた個別借入れを行うことにより資金を確保していますが、今後の経営状況や金融市場の動向などにより、資金調達に影響が出た場合、当社グループの事業遂行に影響を及ぼす可能性があります。 ⑫人材サービス市場について 当社グループは、人材派遣、委託・請負、人材紹介、再就職支援、アウトソーシング、福祉介護、家事代行など人材サービスの総合化を推進し、特定の領域に偏らない事業ポートフォリオの構築を進め、また海外への展開を積極的に行っているほか、雇用のあり方に関する情報発信、啓蒙活動や各種提案に積極的に取り組んでおります。しかし、国内外の景気変動やビジネス環境の変化に伴う顧客の人材需要、採用動向、外部人材の活用や人材育成に関する戦略などの変化の影響を受け、市場環境や顧客需要が急激に変化した場合、収益に影響を受ける可能性があります。また各種関連法令において規制を受ける場合もあり、様々なサービスを拡充することでリスク分散は図ってまいりますが、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑬自然災害およびシステム障害等について 当社グループは全国にグループ会社と営業拠点を有しており、地震や水害など大規模な自然災害が発生した場合に備えて、従業員および派遣スタッフの安否を確認し、安全を確保するための対策を危機管理マニュアルに定めております。また、事業拠点や情報システムの機能分散など事業継続のための施策も講じております。しかしながら、想定を大きく上回る規模で自然災害が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは事業活動や情報管理にITシステムを多用しており、何らかの原因によって大規模なシステム障害が発生した場合、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。