経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営戦略(長期ビジョン・中期経営計画)当社グループは「人々の健康で豊かな食生活に貢献する」ことをグループ経営理念とし、1936年の設立以来、小麦、大豆、菜種、トウモロコシなどの穀物を、小麦粉、プレミックス、植物油、糖化製品、配合飼料などに加工し、「食」を通じた社会への貢献を志してまいりました。一層の発展のため、創立90周年にあたる2025年度のありたい姿(長期ビジョン)「SHOWA Next Stage for 2025」を策定し、その実現に向けて3年間の中期経営計画を三次にわたり展開しております。 1st Stageである「中期経営計画17-19」では「ありたい姿の実現に向けた足場固め」を基本方針として、収益基盤の強化に取り組んでまいりました。2nd Stageとなる「中期経営計画20-22」は「確立」のステージとして位置付け、当社グループならではの新しい価値をステークホルダーの皆様にお届けすべく、基本コンセプト「SHOWA New Value Creation」を掲げ、基盤事業の盤石化と成長事業の育成に取り組むと共に、事業活動を通してESG経営を推進するCSV戦略を展開してまいりました。 2023年4月よりスタートした3rd Stage「中期経営計画23-25」は、継続が見込まれる厳しい事業環境やニューノーマルへの変化に適切に対応し、引き続き安全・安心な「食」を安定的に供給するという社会的使命をしっかりと果たしながら、当社グループの「ありたい姿」の実現に向けて成長し続けるため、1st Stage及び2nd Stageの成果を「収穫」すると共に各施策を着実に遂行し、創立100周年を見据えた持続的成長のための基盤作りに取り組んでおります。 ■「SHOWA Next Stage for 2025」の内容ありたい姿全てのステークホルダーに満足を提供する“穀物ソリューション・カンパニー Next Stage”~幹を太くし、枝葉を広げ、世の中のためになる果実を育てる~方針昭和産業グループならではの複合系シナジーソリューションを進化させると共に、ESG視点での取り組みも強化し、企業価値の向上に努めてまいります。 ■「中期経営計画23-25」について長期ビジョン「SHOWA Next Stage for 2025」の最終ステージである「中期経営計画23-25」は、創立90周年を迎える2025年度に当社グループのありたい姿を実現すべく、基本コンセプト「SHOWAの“SHIN-KA”宣言~90年、そしてその先へ~」を掲げ、穀物のプロ集団として穀物ソリューションを「進化」させ、素材の「真価」を追求することで人々の健康に貢献し、環境負荷の低減に向けた取り組みなどを通じてサステナビリティ経営の「深化」に取り組んでおります。 〔5つの基本戦略〕基本戦略主な取り組み① 基盤事業の強化・ワンストップ型営業組織への変革による販売力強化・グループ連携による事業拡大と収益力強化・商品構成の最適化や差別化戦略による収益力強化・原料、資材の安定調達の強化② 事業領域の拡大・海外事業、冷凍食品事業の拡大・新規事業への挑戦③ 環境負荷の低減・グループ環境目標達成に向けた継続的取り組み・容器包装プラスチックの削減・カーボンニュートラル実現に向けたロードマップの検討④ プラットフォームの再構築・ROIC導入による事業ポートフォリオマネジメントの高度化・人的資本経営の推進・デジタル戦略の推進・RD&E戦略の推進⑤ ステークホルダーエンゲージメントの強化・従業員エンゲージメントの向上・株主戦略に基づくIRの推進・SNS活用による発信力強化と企業認知度の向上 〔財務目標〕 2022年度実績(2nd Stage)2025年度計画(3rd Stage)2022年度実績に対する2025年度計画の差異連結経常利益(億円)65130200%ROE(%)(※1)7.17.0以上-ROIC(%)(※2)1.84.0以上2.2ポイント増加CCC(日)(※3)917516日短縮NET D/Eレシオ0.50.6以下- (※1):2022年度は、ショーサン上尾ビルの売却により約52億円の固定資産売却益(特別利益)が発生(※2):ROICの定義ROIC=税引後営業利益÷投下資本(有利子負債(Net)+自己資本)税引後営業利益は、法人税等を営業利益の30%として計算(※3):キャッシュ・コンバージョン・サイクル 〔非財務目標〕 項目2025年度目標グループ環境目標CO2排出量の削減(※1)30%以上削減 (2013年度比)食品ロスの削減(※2)30%以上削減 (2018年度比)水使用量の削減 (原単位)(※3)9%以上削減 (2019年度比)プラスチック使用量の削減 (原単位)(※4)7%以上削減 (2013年度比)人的資本経営女性管理職比率10%以上リスキル投資額2倍以上 (2021年度比) (※1)対象:当社及び連結子会社(※2)対象:当社及び食品ロス発生量が100t/年以上のグループ会社(※3)対象:当社及び子会社9社(水質汚濁防止法、下水道法による特定施設を有する事業者)(※4)化石燃料由来容器包装材に使用するワンウェイプラスチック (2) 対処すべき課題当社グループを取り巻く環境は、雇用・所得環境の改善を背景とした日本国内経済の緩やかな回復が見られる一方で、物価上昇による消費者の節約志向の高まり、金融市場の変動リスク、長期化する不安定な国際情勢などもあり、依然として先行き不透明な状況が続いております。今後も、国内人口の減少に伴う労働人口の減少、地球温暖化に伴う異常気象、地政学リスクの顕在化、物流コストの上昇などから、原料穀物価格の変動やコストの上昇が見込まれております。このような状況の中、当社グループも環境変化に対応した商品の開発や、事業領域の拡大に努め、環境変化に左右されにくい収益構造への変革に取り組むため、新たに「中期経営計画23-25」を策定し、5つの基本戦略に沿って「ありたい姿」の実現に向けて取り組んでおります。 ■「中期経営計画23-25」の進捗状況〔基本戦略① 基盤事業の強化〕・社会課題である食品ロスの削減、物流業務の効率化や負担軽減のため、業務用・家庭用食用油ハンディボトル製品の賞味期限の延長を実施いたしました。このような取り組みを今後も推進することにより、食品サプライチェーン全体での環境負荷低減、労働負荷軽減、物流効率の向上などを通じて持続可能な社会の実現に貢献してまいります。・糖質カテゴリのグループ3社(昭和産業株式会社/敷島スターチ株式会社/サンエイ糖化株式会社)が一体となり、生産拠点の最適化や、商品カテゴリの選択と集中を含む事業構造改革を継続して推進することにより収益力の強化を図りました。今後もグループシナジーの発揮に向けた取り組みを継続してまいります。 〔基本戦略② 事業領域の拡大〕・輸出事業の基盤強化や、グループ会社との連携による販路拡大により輸出事業の拡大に取り組んでおります。海外での日本食人気の高まりを背景に、今後も販売国並びに販売数量の拡大を推進してまいります。・ASEAN向けのプレミックスの製造拠点として、ベトナムにShowa Sangyo International Vietnam Co., Ltd.を設立いたしました。工場稼働開始に向け取り組んでおります。・植物油の製造過程で発生する副産物を活用したアップサイクルの研究・開発を強化し、オレオケミカル・ファインケミカル事業領域における取り組みを拡大するため、東北大学発のスタートアップ企業ファイトケミカルプロダクツ株式会社との間で資本業務提携を実施いたしました。2026年3月期中のファイトケミカルプロダクツ株式会社の量産化に向けた新プラント建設・稼働による取り組みの強化を進めてまいります。・植物性食材の新ブランドとして、「SOIA SOIYA」を発表し、大豆たん白新商品の販売を開始いたしました。当社の独自技術により、大豆たん白を帯状のシートに成型することで、大豆本来の美味しさを損なうことなく様々な調理に対応できる大豆たん白商品を開発いたしました。今後は国内のヴィーガンや健康志向需要のみならず、インバウンド需要や海外需要を捕捉し植物性食材の展開を図ってまいります。 〔基本戦略③ 環境負荷の低減〕・従来は産業廃棄物として廃棄されていた、社内外の食品工場で発生する食品残渣などを飼料原料として活用することや、当社グループの工場廃棄物を堆肥発酵補助剤として活用することにより経済的利益の確保と循環型社会への寄与に取り組んでおります。この取り組みを継続して発展させていくことによりCSVの実現を目指してまいります。 〔基本戦略④ プラットフォームの再構築〕・事業環境の劇的な変化に対し機動的に対応するため、2025年4月1日付で組織改編を実施いたしました。拠点機能を見直し、本社への機能集約を行い各部門の組織機能を最適化することで、外部環境に適した事業推進体制の強化を図ります。 〔基本戦略⑤ ステークホルダーエンゲージメントの強化〕・2024年3月期の業績、財務状況及び事業環境を総合的に勘案し、機動的な株主還元と資本効率の向上を図るため990千株の自己株式の取得(取得価格の総額は、3,400百万円)を行うとともに自己株式の消却を実施いたしました。・当社コーポレートサイトのリニューアルを行い、デザインを刷新し操作性の向上と内容の拡充を図りました。ステークホルダーの皆様に向け、より充実した情報発信をしてまいります。 ■ 2024年12月に公表の通り、当社元従業員による虚偽の発注・着服等の不正行為が判明し、損害賠償を求める民事訴訟を東京地方裁判所へ提起いたしました。 当社グループでは本不正行為の発生を厳粛に受け止め、社外取締役を委員長とし、外部の弁護士を起用した社内調査委員会を設置して、事実の解明、原因の分析および再発防止策の策定に取り組むとともに、同委員会の提言を受け、代表取締役社長執行役員を委員長とするコンプライアンス向上プロジェクトを設置いたしました。 同プロジェクトでは、不正を行わせないための仕組み整備等、各種施策を検討・実施し、改めて「あらゆる不正行為を生まない、不正を絶対に許さない」企業グループを目指して、当社グループ一丸となって再発防止に取り組んでまいりました。 2024年11月には当社グループの全従業員を対象にEラーニングでコンプライアンス教育を行い、2025年2月には当社の全ての部署において従業員参加型の「コンプライアンス・ワークショップ」を開催し、コンプライアンス遵守について一人ひとりが考える機会づくりを行いました。また、業務プロセスの見直しや規程の制定等、不正を行わせないための仕組み整備も並行して進めてまいりました。 同プロジェクトは上記のとおり一定の役割を果たしたことから2025年3月末に解散し、同年4月より法務・コンプライアンス部にて、引き続きコンプライアンス推進に係る施策の検討・実施、モニタリングを進めております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営戦略(長期ビジョン・中期経営計画)当社グループは「人々の健康で豊かな食生活に貢献する」ことをグループ経営理念とし、1936年の設立以来、小麦、大豆、菜種、トウモロコシなどの穀物を、小麦粉、プレミックス、植物油、糖化製品、配合飼料などに加工し、「食」を通じた社会への貢献を志してまいりました。一層の発展のため、創立90周年にあたる2025年度のありたい姿(長期ビジョン)「SHOWA Next Stage for 2025」を策定し、その実現に向けて3年間の中期経営計画を三次にわたり展開しております。 1st Stageである「中期経営計画17-19」では「ありたい姿の実現に向けた足場固め」を基本方針として、収益基盤の強化に取り組んでまいりました。2nd Stageとなる「中期経営計画20-22」は「確立」のステージとして位置付け、当社グループならではの新しい価値をステークホルダーの皆様にお届けすべく、基本コンセプト「SHOWA New Value Creation」を掲げ、基盤事業の盤石化と成長事業の育成に取り組むと共に、事業活動を通してESG経営を推進するCSV戦略を展開してまいりました。 2023年4月よりスタートした3rd Stage「中期経営計画23-25」は、継続が見込まれる厳しい事業環境やニューノーマルへの変化に適切に対応し、引き続き安全・安心な「食」を安定的に供給するという社会的使命をしっかりと果たしながら、当社グループの「ありたい姿」の実現に向けて成長し続けるため、1st Stage及び2nd Stageの成果を「収穫」すると共に各施策を着実に遂行し、創立100周年を見据えた持続的成長のための基盤作りに取り組んでおります。 ■「SHOWA Next Stage for 2025」の内容ありたい姿全てのステークホルダーに満足を提供する“穀物ソリューション・カンパニー Next Stage”~幹を太くし、枝葉を広げ、世の中のためになる果実を育てる~方針昭和産業グループならではの複合系シナジーソリューションを進化させると共に、ESG視点での取り組みも強化し、企業価値の向上に努めてまいります。 ■「中期経営計画23-25」について長期ビジョン「SHOWA Next Stage for 2025」の最終ステージである「中期経営計画23-25」は、創立90周年を迎える2025年度に当社グループのありたい姿を実現すべく、基本コンセプト「SHOWAの“SHIN-KA”宣言~90年、そしてその先へ~」を掲げ、穀物のプロ集団として穀物ソリューションを「進化」させ、素材の「真価」を追求することで人々の健康に貢献し、環境負荷の低減に向けた取り組みなどを通じてサステナビリティ経営の「深化」に取り組んでおります。 〔5つの基本戦略〕基本戦略主な取り組み① 基盤事業の強化・ワンストップ型営業組織への変革による販売力強化・グループ連携による事業拡大と収益力強化・商品構成の最適化や差別化戦略による収益力強化・原料、資材の安定調達の強化② 事業領域の拡大・海外事業、冷凍食品事業の拡大・新規事業への挑戦③ 環境負荷の低減・グループ環境目標達成に向けた継続的取り組み・容器包装プラスチックの削減・カーボンニュートラル実現に向けたロードマップの検討④ プラットフォームの再構築・ROIC導入による事業ポートフォリオマネジメントの高度化・人的資本経営の推進・デジタル戦略の推進・RD&E戦略の推進⑤ ステークホルダーエンゲージメントの強化・従業員エンゲージメントの向上・株主戦略に基づくIRの推進・SNS活用による発信力強化と企業認知度の向上 〔財務目標〕 2022年度実績(2nd Stage)2025年度計画(3rd Stage)2022年度実績に対する2025年度計画の差異連結経常利益(億円)65130200%ROE(%)(※1)7.17.0以上-ROIC(%)(※2)1.84.0以上2.2ポイント増加CCC(日)(※3)917516日短縮NET D/Eレシオ0.50.6以下- (※1):2022年度は、ショーサン上尾ビルの売却により約52億円の固定資産売却益(特別利益)が発生(※2):ROICの定義ROIC=税引後営業利益÷投下資本(有利子負債(Net)+自己資本)税引後営業利益は、法人税等を営業利益の30%として計算(※3):キャッシュ・コンバージョン・サイクル 〔非財務目標〕 項目2025年度目標グループ環境目標CO2排出量の削減(※1)30%以上削減 (2013年度比)食品ロスの削減(※2)30%以上削減 (2018年度比)水使用量の削減 (原単位)(※3)9%以上削減 (2019年度比)プラスチック使用量の削減 (原単位)(※4)7%以上削減 (2013年度比)人的資本経営女性管理職比率10%以上リスキル投資額2倍以上 (2021年度比) (※1)対象:当社及び連結子会社(※2)対象:当社及び食品ロス発生量が100t/年以上のグループ会社(※3)対象:当社及び子会社9社(水質汚濁防止法、下水道法による特定施設を有する事業者)(※4)化石燃料由来容器包装材に使用するワンウェイプラスチック (2) 対処すべき課題当社グループを取り巻く環境は、雇用・所得環境の改善を背景とした日本国内経済の緩やかな回復が見られる一方で、物価上昇による消費者の節約志向の高まり、金融市場の変動リスク、長期化する不安定な国際情勢などもあり、依然として先行き不透明な状況が続いております。今後も、国内人口の減少に伴う労働人口の減少、地球温暖化に伴う異常気象、地政学リスクの顕在化、物流コストの上昇などから、原料穀物価格の変動やコストの上昇が見込まれております。このような状況の中、当社グループも環境変化に対応した商品の開発や、事業領域の拡大に努め、環境変化に左右されにくい収益構造への変革に取り組むため、新たに「中期経営計画23-25」を策定し、5つの基本戦略に沿って「ありたい姿」の実現に向けて取り組んでおります。 ■「中期経営計画23-25」の進捗状況〔基本戦略① 基盤事業の強化〕・社会課題である食品ロスの削減、物流業務の効率化や負担軽減のため、業務用・家庭用食用油ハンディボトル製品の賞味期限の延長を実施いたしました。このような取り組みを今後も推進することにより、食品サプライチェーン全体での環境負荷低減、労働負荷軽減、物流効率の向上などを通じて持続可能な社会の実現に貢献してまいります。・糖質カテゴリのグループ3社(昭和産業株式会社/敷島スターチ株式会社/サンエイ糖化株式会社)が一体となり、生産拠点の最適化や、商品カテゴリの選択と集中を含む事業構造改革を継続して推進することにより収益力の強化を図りました。今後もグループシナジーの発揮に向けた取り組みを継続してまいります。 〔基本戦略② 事業領域の拡大〕・輸出事業の基盤強化や、グループ会社との連携による販路拡大により輸出事業の拡大に取り組んでおります。海外での日本食人気の高まりを背景に、今後も販売国並びに販売数量の拡大を推進してまいります。・ASEAN向けのプレミックスの製造拠点として、ベトナムにShowa Sangyo International Vietnam Co., Ltd.を設立いたしました。工場稼働開始に向け取り組んでおります。・植物油の製造過程で発生する副産物を活用したアップサイクルの研究・開発を強化し、オレオケミカル・ファインケミカル事業領域における取り組みを拡大するため、東北大学発のスタートアップ企業ファイトケミカルプロダクツ株式会社との間で資本業務提携を実施いたしました。2026年3月期中のファイトケミカルプロダクツ株式会社の量産化に向けた新プラント建設・稼働による取り組みの強化を進めてまいります。・植物性食材の新ブランドとして、「SOIA SOIYA」を発表し、大豆たん白新商品の販売を開始いたしました。当社の独自技術により、大豆たん白を帯状のシートに成型することで、大豆本来の美味しさを損なうことなく様々な調理に対応できる大豆たん白商品を開発いたしました。今後は国内のヴィーガンや健康志向需要のみならず、インバウンド需要や海外需要を捕捉し植物性食材の展開を図ってまいります。 〔基本戦略③ 環境負荷の低減〕・従来は産業廃棄物として廃棄されていた、社内外の食品工場で発生する食品残渣などを飼料原料として活用することや、当社グループの工場廃棄物を堆肥発酵補助剤として活用することにより経済的利益の確保と循環型社会への寄与に取り組んでおります。この取り組みを継続して発展させていくことによりCSVの実現を目指してまいります。 〔基本戦略④ プラットフォームの再構築〕・事業環境の劇的な変化に対し機動的に対応するため、2025年4月1日付で組織改編を実施いたしました。拠点機能を見直し、本社への機能集約を行い各部門の組織機能を最適化することで、外部環境に適した事業推進体制の強化を図ります。 〔基本戦略⑤ ステークホルダーエンゲージメントの強化〕・2024年3月期の業績、財務状況及び事業環境を総合的に勘案し、機動的な株主還元と資本効率の向上を図るため990千株の自己株式の取得(取得価格の総額は、3,400百万円)を行うとともに自己株式の消却を実施いたしました。・当社コーポレートサイトのリニューアルを行い、デザインを刷新し操作性の向上と内容の拡充を図りました。ステークホルダーの皆様に向け、より充実した情報発信をしてまいります。 ■ 2024年12月に公表の通り、当社元従業員による虚偽の発注・着服等の不正行為が判明し、損害賠償を求める民事訴訟を東京地方裁判所へ提起いたしました。 当社グループでは本不正行為の発生を厳粛に受け止め、社外取締役を委員長とし、外部の弁護士を起用した社内調査委員会を設置して、事実の解明、原因の分析および再発防止策の策定に取り組むとともに、同委員会の提言を受け、代表取締役社長執行役員を委員長とするコンプライアンス向上プロジェクトを設置いたしました。 同プロジェクトでは、不正を行わせないための仕組み整備等、各種施策を検討・実施し、改めて「あらゆる不正行為を生まない、不正を絶対に許さない」企業グループを目指して、当社グループ一丸となって再発防止に取り組んでまいりました。 2024年11月には当社グループの全従業員を対象にEラーニングでコンプライアンス教育を行い、2025年2月には当社の全ての部署において従業員参加型の「コンプライアンス・ワークショップ」を開催し、コンプライアンス遵守について一人ひとりが考える機会づくりを行いました。また、業務プロセスの見直しや規程の制定等、不正を行わせないための仕組み整備も並行して進めてまいりました。 同プロジェクトは上記のとおり一定の役割を果たしたことから2025年3月末に解散し、同年4月より法務・コンプライアンス部にて、引き続きコンプライアンス推進に係る施策の検討・実施、モニタリングを進めております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況1) 経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、物価上昇による消費者の節約志向の高まり、金融市場の変動リスク、長期化する不安定な国際情勢などもあり、依然として先行き不透明な状況が続いております。このような状況の中、当社は創立90周年を迎える2025年度のありたい姿(長期ビジョン)「SHOWA Next Stage for 2025」の実現に向け、3rd Stage「中期経営計画23-25」を2023年4月にスタートし、基本コンセプト『SHOWAの“SHIN-KA”宣言~90年、そしてその先へ~』を掲げ、5つの基本戦略「①基盤事業の強化」「②事業領域の拡大」「③環境負荷の低減」「④プラットフォームの再構築」「⑤ステークホルダーエンゲージメントの強化」の各施策を推進しております。当連結会計年度の経営成績は、連結売上高が334,425百万円と前年同期に比べ11,933百万円(3.4%)の減収となりました。営業利益は11,126百万円と前年同期に比べ2,020百万円(15.4%)の減益、経常利益は13,591百万円と前年同期に比べ2,967百万円(17.9%)の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は11,599百万円と前年同期に比べ758百万円(6.1%)の減益となりました。 (単位:百万円) 2024年3月期連結会計年度2025年3月期連結会計年度前年同期差前年同期比増減率売上高346,358334,425△11,933△3.4%営業利益13,14611,126△2,020△15.4%経常利益16,55813,591△2,967△17.9%親会社株主に帰属する当期純利益12,35811,599△758△6.1% セグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。 <食品事業>食品事業は、インバウンド需要の増加等により外食等の需要が回復しましたが、一方でコストアップ要因となる物流コストや資材価格等の上昇基調が続きました。このような市場環境の中、当社の強みであるマーケット分析力を生かし、2023年4月より導入した顧客別営業組織によるターゲット業態ごとのワンストップ型提案営業の強化、適正価格での販売に取り組んでまいりました。製粉カテゴリは、輸入小麦の政府売渡価格が昨年4月に平均0.6%(税込価格)、10月に平均1.8%(税込価格)引き下げられたことを受け、小麦粉製品の価格改定を実施しました。一方で、当社連結子会社を含めた生産拠点の一体運用を図ることで、物流コスト低減や生産効率化を推進しております。小麦粉の販売数量は海外向けが伸長し前年同期を上回りましたが、プレミックスの販売数量は前年同期を下回りました。パスタの販売数量は外食市場中心に好調であったため、前年同期を上回りました。ふすまの販売数量については、前年同期を下回りました。なお、家庭用の小麦粉およびプレミックスの販売数量は前年同期を下回りましたが、パスタの販売数量は米の代替需要も寄与し前年同期を上回りました。これらにより製粉カテゴリの売上高は、前年同期を下回りました。製油カテゴリは、コストを踏まえた適正価格での販売活動と、長寿命オイルや油染みの少ないベーカリー用オイルなど機能的に価値のある商品提案や課題解決型営業に取り組んでまいりました。またコスト抑制と安定供給を目的に、当社連結子会社であるボーソー油脂株式会社、持分法適用関連会社である辻製油株式会社と連携して、生産拠点の効率的運用、原材料調達の効率化に取り組みました。業務用油脂については、需要の回復とその好機を捉えた販売施策の実行により、販売数量は前年同期を上回りました。家庭用油脂についても、汎用油・こめ油の販売が伸長したため、販売数量は前年同期を上回りました。これらにより製油カテゴリの売上高は、適正価格での販売に努めましたが前年同期を下回りました。 糖質カテゴリは、当社連結子会社である敷島スターチ株式会社やサンエイ糖化株式会社との連携を図り、グループ一体となった課題解決や生産効率化などを進めております。糖化品の販売数量については、低分解水あめ、粉あめなど独自性のある商品群の拡販、医薬用など幅広く取り扱うぶどう糖商品群の強みに加え、飲料用途等の需要増加などにより前年同期を上回りました。コーンスターチの販売数量については、ビール用途等の需要が増加し、前年同期を上回りました。加工でん粉の販売数量については、前年同期を下回りました。副製品については、販売数量は前年同期を上回りましたが、販売価格は前年同期を下回りました。これらにより糖質カテゴリの売上高は、前年同期を下回りました。これらの結果、食品事業の売上高は273,533百万円と前年同期に比べ8,795百万円(3.1%)の減収、営業利益は10,975百万円と前年同期に比べ1,874百万円(14.6%)の減益となりました。 <飼料事業>飼料事業は、顧客ニーズに対する提案型営業、畜産物の販売支援や付加価値向上へのサポート等の生産者との取り組み強化、高付加価値商材の拡販に努めてまいりました。配合飼料および鶏卵の販売数量は、昨年10月からの鳥インフルエンザ感染拡大による影響はありましたが、前年同期を上回りました。一方で原料価格下落により配合飼料の平均販売価格が前年を下回ったこと、また、特に昨秋までの鶏卵相場が軟調に推移したことにより、売上高は前年同期を下回りました。これらの結果、飼料事業の売上高は56,162百万円と前年同期に比べ3,299百万円(5.5%)の減収、営業利益は485百万円と前年同期に比べ228百万円(32.0%)の減益となりました。 <その他>倉庫業につきましては、貨物獲得競争が激化する中、商社や主要顧客との取り組みを強化し荷役量の増加に努めたことにより、貨物取扱量は前年同期を上回りました。これらの結果、不動産業、保険代理業、自動車等リース業、運輸業、植物工場等をあわせたその他の売上高は4,729百万円と前年同期に比べ161百万円(3.5%)の増収、営業利益は1,428百万円と前年同期に比べ107百万円(8.1%)の増益となりました。 2) 財政状態の状況総資産は、255,504百万円と前連結会計年度に比べ6,734百万円減少しております。主な減少要因は、売上債権が8,736百万円減少したこと、棚卸資産が1,952百万円減少したことであります。一方、主な増加要因は、投資有価証券が3,179百万円増加したことであります。負債は、116,884百万円と前連結会計年度に比べ12,101百万円減少しております。主な減少要因は、仕入債務が4,153百万円減少したこと、有利子負債(リース債務含む)が3,412百万円減少したこと、流動負債のその他に含まれる未払消費税等が1,502百万円減少したことであります。純資産は、138,619百万円と前連結会計年度に比べ5,366百万円増加しております。主な増加要因は、親会社株主に帰属する当期純利益11,599百万円の計上により増加したことであります。一方、主な減少要因は、配当金の支払により2,973百万円減少したこと、自己株式を取得後、消却を行ったこと等により資本剰余金が2,619百万円減少したことであります。これらの結果、自己資本比率は49.4%から52.8%となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益16,464百万円、減価償却費10,417百万円、売上債権の減少及び棚卸資産の減少等による資金の増加がありましたが、法人税等の支払5,226百万円、仕入債務の減少及び未払消費税の減少等があった結果、合計では20,274百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ3,477百万円(14.6%)収入が減少しました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得11,528百万円及び関係会社株式の取得1,345百万円等に資金を使用した一方、有形固定資産の売却3,466百万円の収入等があった結果、合計では11,385百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ1,015百万円(8.2%)支出が減少しました。財務活動によるキャッシュ・フローは、これらで得たフリー・キャッシュ・フロー8,888百万円を原資として、コマーシャル・ペーパーの返済3,500百万円、自己株式の取得3,406百万円及び配当金2,973百万円の支払等を行った結果、10,057百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ621百万円(6.6%)支出が増加しました。以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は6,868百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,268百万円(15.6%)の減少となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績1) 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)食品事業214,370△4.6飼料事業32,556△4.9その他16214.2合計247,089△4.6 (注) 1 金額は製造原価によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。2 当該内容は、製品ベースの生産実績によっております。 2) 受注実績当社グループは、受注生産を行っておりません。 3) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)食品事業273,533△3.1飼料事業56,162△5.5その他4,7293.5合計334,425△3.4 (注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。2 総販売実績に対する主要な取引先の販売実績の割合が10%未満のため、記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表等は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準等に基づき作成されております。この連結財務諸表等の作成にあたっては、期末日における資産及び負債、会計期間における収益及び費用に影響を与えるような仮定や見積りを必要とします。過去の経験及び状況下において妥当と考えられた見積りであっても、仮定あるいは条件の変化等の不確実性により、実際の結果と異なる場合があります。また、連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。当社グループはこの仮定のもと、会計上の見積り(固定資産の減損、棚卸資産の評価、繰延税金資産の見積り等の検討)を行っておりますが、翌連結会計年度の経営成績及び財政状態に与える影響については、現時点において重要な影響はありません。 ② 財政状態及び経営成績の分析・検討内容「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性の分析1) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。 2) 財務政策当社グループは、経済環境や金利動向を考慮しながら、「金利優位性の高い資金を、必要な金額だけ、安定的に調達すること」を基本方針とし、事業運営上必要な資金の確保及び経済環境の急激な変化に耐えうる流動性の維持に努めております。 3) 資金需要当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループ製品製造のための原材料の購入等の製造費並びに販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費及び発送配達費です。投資資金需要のうち主なものは、製造工場の設備新設、維持、更新等、基盤事業における生産効率向上のための設備投資です。また、長期ビジョン実現のための資金需要として、将来の企業価値の源泉となる投資については、財務健全性の維持と資本効率性の向上を考慮しながら積極的且つ継続的に実施していく方針です。 4) 資金調達当社グループの調達手段として、長期運転資金及び設備投資資金については、原則営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び金融機関からの長期借入を基本とし、必要に応じて社債等による資金調達も実施してまいります。短期資金調達については、営業活動により得られたキャッシュ・フロー、コマーシャル・ペーパーの発行及び金融機関からの短期借入を基本としております。また、当社グループは、当社及び国内連結子会社にキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入し、グループ内資金を一元管理しております。グループ内の余剰資金を集中、配分することで、コスト低減に努めつつ資金の流動性確保、資金効率の向上及び金融負債の極小化を図っております。さらに、緊急時の流動性確保への備えとして、複数年のコミットメントライン契約を締結しております。