有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|11,284 文字
3 【事業等のリスク】(1)リスクマネジメントの目的および体制について当社グループでは、グループにおけるリスクを的確に把握し、対応策を策定・実施することでリスクの顕在化を回避するとともに、顕在化した場合には、損害の最小化、拡大防止、再発防止を図ることを目的にリスクマネジメントを推進しております。また、リスクを「当社グループおよびステークホルダーの人命、人権、事業、資産、信用等に不確実性を生じさせ、経営目的の達成を妨げる可能性のある事象」と定義し、事業活動に伴うリスクが連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)に重大な影響を及ぼす可能性を踏まえて、リスクマネジメント体制を整備しております。 当社では、グループ全体のリスクマネジメント体制を強化するため、「リスク管理規程」を制定し、住友林業の執行役員社長を住友林業グループのリスク管理最高責任者、コーポレート本部長をリスク管理最高責任者補佐、各本部の本部長をリスク管理責任者、主管者をリスク管理推進者に選任しております。同規程にて、リスクを「経営戦略リスク」(経営戦略を実行するための経営判断上のリスク)、「事業リスク」(経営の意思決定後、事業遂行において発生するリスク)、「事業継続リスク」(自然災害等の不測の事態により事業の継続に支障が生じるリスク)に分類しております。「経営戦略リスク」については、重要事項につき経営会議で事前協議を実施し、取締役会にて意思決定・監督を行い、「事業リスク」についてはリスク管理委員会を設置し、リスクマネジメントを行っております。 リスク管理委員会は、執行役員社長を委員長とし、各本部の本部長及び管理担当部長、並びに経営企画部、人事部、法務部、ITソリューション部、サステナビリティ推進部の各主管者等を委員として構成され、四半期ごとに開催しております。当委員会では、各部門から抽出されたリスク内容の分析、評価を行った上で重点管理リスクを選定し、特に重要度の高い重点管理リスクの対応進捗について優先的にモニタリングを行っております。この委員会の配下には、コンプライアンス小委員会及び事業継続マネジメント(BCM)小委員会を設置し、グループ横断的なリスクと位置づけるコンプライアンスリスク及び事業継続リスクについて、対応の実効性を高めるための活動を展開しております。これらの活動内容は取締役会に報告・答申しております。また、内部監査室は、各部門及びグループ会社への内部監査を通じてリスク管理状況を確認し、その監査結果を取締役会へ報告しております。 (2)主要な事業等のリスクについて有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が経営成績等の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響については、具体的な内容を見積もることは困難であるため記載しておりませんが、グループ全体で継続的なモニタリングと対応策の検討を行っております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ①国内外の住宅・不動産市場の動向に関するリスク<リスク>当社グループの業績は、国内外における住宅・不動産市場の動向に大きく依存しております。国内外の経済状況の低迷や景気の見通しの後退、それらに起因する雇用環境の悪化、インフレ圧力の増大、及び個人消費の落ち込みは、お客様の住宅・不動産購買意欲を減退させる可能性があります。また、各国の金利政策や住宅関連政策の変更、地価の変動、木材等の資材価格の変動による建築コストの変動等も、お客様の住宅・不動産購買意欲に大きな影響を与えるため、これらの顧客ニーズの変化が住宅・不動産市況やコスト構造を悪化させ、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 <対策>国内の住宅・不動産事業では、以下の対策により、当社の独自性を強調し、住宅・不動産市場における優位性の確保を図っております。 (イ)戸建注文住宅事業では、当社独自の商品や技術力・設計力を活かした提案を強化し、お客様の様々な要望にお応えすることで、受注拡大に努めております。具体的には、環境配慮型商品の受注に注力するとともに、こだわりの質感のある床材やバリエーション豊富な建具、それらと調和するオリジナルキッチンにより、お客様の要望に沿った様々な室内空間を実現する提案等を行っております。 (ロ)その他の住宅・不動産事業に関して、分譲住宅事業及び賃貸住宅事業では、多様化するライフスタイルに対応して、高性能でより快適な住環境を提供することに努めております。リフォーム事業では、高い技術力を活かした耐震・制震提案や環境配慮提案に積極的に取り組み、中大規模木造建築事業では、建築物の木造化・木質化を推進しております。 海外の住宅・不動産事業では、以下の対策により、参入する市場を分散し、収益基盤の多様化と事業の多角化を図っております。 (イ)米国では、人口成長の著しい都市圏において、当社グループ傘下の各事業会社がエリアに根付いた事業を推進すると同時に、当社グループ全体としてスケールメリットを発揮することで、Local BuilderとNational Builderの双方の利点を活かすことができるポジションで事業を展開しております。また、資材・部材供給体制の安定・効率化、コストダウン、施工安全管理の標準化、工期短縮、建築現場からの廃棄物の抑制等を図る、屋根・床トラス製造からフレーミング工事までの一貫したサービスを提供する「Fully Integrated Turnkey Provider(FITP)」事業を推進しております。さらに、集合住宅・商業施設等の不動産開発事業や宅地開発等、戸建住宅以外の新規事業の取り組みを加速し、事業の多角化を進めることで、事業環境変化への体制を強化しております。 (ロ)豪州では、米国に次ぐ海外木造住宅市場であり、引き続き住宅需要が見込まれる環境下において、資産保有リスクを抑えた事業展開を行っております。注文住宅のみならず分譲住宅においても、一次取得者向けから高級住宅まで、幅広いニーズに対応しております。 (ハ)アジアは、中長期で成長が期待されるエリアであり、短期の市場変動による業績への影響を避け、中長期の成長を取り込む収益構造を構築しております。日本国内で培った高い設計力、施工管理、環境性能向上等のノウハウの活用により、戸建、分譲マンション、マスタープラン等を中心に事業を展開しております。 また、国内外での住宅・不動産事業の投資実行においては、不動産投資リスクに関する社内ルールの運用を徹底し、事業規模拡大に伴う不動産投資残高の増加に対して、各国の住宅マーケットの的確な把握とモニタリング、適正な在庫管理の徹底を図るなど、投資リスクの低減に努めております。 ②原材料、木材・建材等の調達・販売に関するリスク <リスク>サプライヤーの倒産や地政学リスク等の顕在化により、原材料や木材・建材等の商品の調達が困難になった場合に、取引先への商品の納入や住宅・不動産の施工が遅延する可能性があります。また、調達価格が高騰し、価格上昇分を販売価格に転嫁できない場合は、業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 <対策>当社グループではリスクを最小化するために以下の対策をとっております。 (イ)木材・建材等の流通事業では、当社グループの国内外での調達力を活かし、主要な原材料や木材・建材等の商品について、複数の産地からの仕入れ、仕入拠点の拡充、新たな樹種の用途開発等に取り組むことで、安定供給の維持及び調達価格の適正化に努め、サプライチェーンの強靭化を図っております。 (ロ)住宅・不動産事業では、資材調達の遅延リスクの対策として、各サプライヤーとの生産情報の共有、複数社からの購買、サプライヤー評価を定期的に実施するなど、資材の安定調達の体制強化を図っております。国内においては国産材の活用推進にも取り組んでおります。また、調達価格高騰に対しては、仕様の変更や施工の合理化によるコストダウン等により、コスト上昇の抑制に取り組んでおります。 ③国内の建設技能労働者の減少に関するリスク<リスク>国内の建設業においては、建設技能労働者の高齢化及び若者離れが進み、建設業就業者数は長期間にわたり減少傾向にあります。建設業は労働集約型の産業であり、必要な建設技能労働者を確保できず、施工体制の維持が困難になった場合、住宅事業の受注物件の着工の遅れや工期の長期化及び労務費の高騰等により、業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 <対策>当社グループではリスクを回避するために以下の対策をとっております。 (イ)建設技能労働者の確保について、当社グループの施工会社において若手社員を積極的に採用し、企業内訓練校である住友林業建築技術専門校にて建設技能職の教育・育成を行っております。当社の協力施工店に対しては社員大工の採用支援を行うことにより、将来に向けた施工力の維持に努めております。また、建設技能労働者の処遇の改善として、定期的に建築工事の発注価格について協議を行い、労務費の適正化を図っております。 (ロ)現場施工の生産性の向上について、各種プレカットやプレセット*化の推進、納まりのモジュール化により、工事現場の工数削減による生産合理化を推進しております。また、中長期的な市場の変化を見据え、抜本的な構造改革を行うための専門部署を設置し、DX等の推進を行っております。 *プレセットとは、部材や構造物の一部を工場で事前に組み立てること。 ④法的規制等に関するリスク<リスク>当社グループは、国内外において、木材建材事業や住宅・不動産事業をはじめ人々の生活に関する様々な事業を行っております。各事業を取り巻く法規制は多岐にわたり、建築基準法、建設業法、建築士法、宅地建物取引業法、住宅品質確保促進法、森林法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、金融商品取引法、介護保険法等に加え、会社法、労働基準法、労働安全衛生法、個人情報保護法、公益通報者保護法等、多くの法規制に従う必要があります。また、海外においてはそれぞれの国・地域の法律や規制の適用を受けます。当社グループでは次のような対策によりこれら法規制の遵守に努めておりますが、これらの法規制に適合しない事態が発生した場合、罰金や、行政処分による事業活動の制約によって社会的信用が低下し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 <対策>当社グループではリスクを回避するために以下の対策をとっております。 (イ)当社総務部では、国内グループ会社に対して、各種法令の遵守状況について一斉点検を実施しております。実施後には、点検で見つかった指摘事項について、各グループ会社にフィードバックを実施し、各社が体制の強化や是正に取り組むよう指導しております。 (ロ)各事業本部管理部門による、支店や建築現場に対する監査や実査を実施しております。 (ハ)海外事業については、各事業本部主管部門及び各エリアに設置した統括会社による海外グループ会社に対するガバナンス体制を構築し、コンプライアンスの強化やリスクマネジメントを推進しております。 (ニ)上記の点検や監査は、事業に応じて取得しているISO規格に基づいて実施するなど、実効性のあるマネジメント体制を構築しております。 ⑤為替に関するリスク<リスク>当社グループは、海外グループ会社を通じて海外での事業活動を展開しているほか、木材・建材の外貨建ての輸出入取引や三国間取引を行っております。海外での事業活動及び外貨建ての取引では、為替変動により外貨建ての収益及び費用の円換算額が増減したり、為替換算調整勘定を通じて純資産が増減したりするリスクが存在します。 <対策>中長期的な為替レートの変動によるリスク等を完全にヘッジすることは困難ですが、外貨預金・為替予約を行うなどの対策を取り、為替レートの短期的な変動によるリスクを最小限にするように努めております。 ⑥資金調達に関するリスク<リスク>当社グループは、金融機関からの借入、社債の発行等により資金調達を行っております。そのため、市場金利の上昇、金融市場の混乱や当社格付の低下等により資金調達に制約を受けるとともに資金調達コストが上昇し、その結果、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 <対策>調達手段をバランスよく組み合わせること、年限を適切に分散することで安定的な資金調達及び金利変動の影響低減を図るとともに、格付の維持向上に向け財務規律を重視した経営を行っております。 ⑦品質保証に関するリスク<リスク>当社グループは、国内外で取扱商品・サービス及び住宅等の品質管理に万全を期しておりますが、予期せぬ事態や人為的ミスによる重大な品質問題等が発生することを、完全に回避することはできません。具体的には、品質保証責任を問われる住宅等の重大な欠陥、有料老人ホーム運営事業等における高齢者向け事業特有の事故などが発生する場合があります。また、特に海外においては、品質不良を原因とするクラスアクション等の訴訟により、高額の賠償責任や対応費用が生じるリスクがあります。さらには、合法性や持続可能性に疑義のある木材の調達により、政府によるペナルティや環境保護団体等からの批判を受けるリスクがあります。 <対策>当社グループでは「住友林業グループ品質方針」を定め、当社グループから生み出される全ての商品やサービスは品質そのものであるという認識のもと、全員参加による「ZERO DEFECTS(ゼロディフェクト)」を追求し、次のような対策を通じた品質の向上に取り組んでおります。 (イ)法規制に適合する部材の使用、有資格者の適切な配置、適切な施工体制の整備を徹底しております。 (ロ)戸建住宅事業において、長期保証制度を設け、きめ細やかなアフターサービスを提供しております。 (ハ)有料老人ホーム事業においては、オペレーションミスによる事故を回避するため、サービス提供手順のマニュアルを作成し、周知を徹底するとともに、服薬支援システムや見守りシステムといったIT機器の導入を促進しております。また、施設内でインフルエンザ等の感染症が蔓延するのを防止するため、感染症対策のマニュアルの整備や定期的な研修等の対策を講じております。 (ニ)木材の調達に関しては、調達部門及びサステナビリティ推進部門による「木材調達委員会」を定期開催し、合法性と持続可能性の確認及び勉強会等を含む情報共有を実施しております。 ⑧取引先への信用供与に関するリスク<リスク>当社グループは取引先に対して売上債権等の信用供与を行っており、取引先の支払い不能等が顕在化した場合、実際に発生する損失が現在の見積りを超過し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 <対策>このような取引先に関わる信用リスクの低減を図るため、各取引先の状況に応じた与信上限の厳格な設定を行うとともに、信用保険の付保等、日常的な債権管理を強化し、万一の損失発生時の財務影響を最小限に抑える体制構築に注力しております。 ⑨海外での事業活動に関するリスク<リスク>当社グループは、海外で事業活動を展開しているほか、海外商品の取扱い等、海外の取引先と多くの商取引を行っております。各国の政治・経済・社会情勢の変化を注視し、現地の法規制等の遵守、贈収賄防止、従業員による不正行為の防止等に努めておりますが、進出先によっては、法令や規制の適用や運用、関連制度の整備状況、商取引上の慣例に違いがある場合があります。こうした環境下で社内管理が不十分な場合、法規制への違反や不法行為等のコンプライアンス違反が発生し、高額の金銭の流出事件が発生したり、現地政府からペナルティを受けたりした場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 <対策> 当社グループではリスクを最小化するために以下の対策をとっております。 (イ)国別・事業別のリスク特性を反映したハードルレートを設定し、「投資の意義」「投資・資産効率の向上」等を重視した戦略的資源配分を行っております。 (ロ)各国の法令・規制に関する情報収集体制を整備するとともに、海外グループ各社においては職務権限規程等、社内規程の適切な運用によりガバナンス体制を強化し、コンプライアンスの徹底に努めております。 (ハ)社内監査、会計監査、税務調査等で発覚した指摘事項を海外グループ各社で共有し、より効果的な管理体制の構築に努めております。 (ニ)海外グループ各社に、贈収賄防止規程を整備しております。 (ホ)海外出張者・海外駐在員に対し、渡航前に安全教育や危機管理研修を実施しております。 ⑩国内外で管理・保有する森林に関するリスク<リスク>当社グループは、国内社有林で計画的な森林経営を展開するほか、海外でも広大な植林地等を管理・保有し、生物多様性の保全や地域社会の発展に貢献するための活動を実施しております。国内外で管理・保有する森林では、以下のような取り組みやリスク対策を実施しておりますが、大規模な森林火災や病害虫による植林木の損失、誤った伐採量の試算による過剰伐採、地域住民からの反発、環境保護団体からの批判活動が長期間続いた場合には、これらのリスクの顕在化が、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 <対策>当社グループではリスクを最小化するために以下の対策をとっております。 (イ)国内外で管理・保有する森林で、植林・育林・収穫を計画的かつ継続的に実施する保続林業の考え方を基本に、持続可能な木材生産に努めております。過剰に木材を伐採することがないよう、中長期的な伐採計画の立案と、これに沿った森林経営を実施しております。 (ロ)森林火災防止のため、火災リスクの高い時期における関係者以外の管理・保有地への立ち入り規制や、数値化した火災リスクに応じた現場オペレーションの制定・遵守等を実施しております。また、火の見櫓から煙の発生を監視したり、パトロールを実施したりするなど、早期の火災発見体制も整備しております。 (ハ)植林木の育成が阻害されないよう、計画的な間伐や下草等の刈払いなどの植林事業地全体の日常的な管理を徹底しております。また、適時生育状況をモニターすることにより病虫害を防止するとともに、獣害防止にも努めております。 (ニ)国内外で管理・保有する森林を取り巻く地域社会への貢献に努め、地域社会の発展に寄与する事業を展開しております。特に大規模植林事業を展開するインドネシアやパプアニューギニアでは、地域の雇用創出、ライフライン設備の建設、環境教育等の活動を地道に展開し、地域に根差した活動を目指しております。 (ホ)国内外における森林資源の管理・活用拡大にあたっては、気候変動対策や生物多様性保全に配慮した取り組みを実施しております。具体的には、植林計画立案時の、地形や地質、生息する希少動物の把握に至るまでの詳細な調査実施などに努めております。 ⑪重大労働災害発生に関するリスク<リスク>当社グループの事業活動において、高所からの転落事故、機械設備への巻き込まれ事故など、重大な労働災害が発生する可能性があります。重大な労働災害が発生した場合、貴重な人財の損失、作業の一時中止や遅れによる納期遅延、安全管理体制の見直しによる追加コストの発生、損害賠償責任の発生、さらには企業イメージの低下による受注機会の損失等、当社グループの事業活動、経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。 <対策>「住友林業グループ労働安全衛生方針」を定め、「SAFETY FIRST(セーフティファースト)」という基本的な考えのもと、各事業場において、安全パトロール、リスクアセスメント、ヒヤリ・ハット活動の実施、労働災害発生事案に対する原因究明・再発防止策の推進等などにより、労働災害発生リスクの低減に努めております。また、使用する重機の安全装置や作業者の安全装備を充実させるとともに、積極的な従業員教育を実施するなど労働安全衛生体制の整備にも取り組んでおります。 ⑫情報セキュリティに関するリスク<リスク>当社グループは、国内外の住宅・不動産事業等においてお客様に関する膨大な個人情報を保有しており、筑波研究所等の研究機関においては長年の研究成果等の大量の機密情報を保有しております。重要な情報の管理には万全を期しておりますが、個人情報等を含む書類・社給端末の盗難、従業員及び委託先等の人為的ミスなどの内部要因による情報漏洩、及び悪意ある第三者からの攻撃などの外部要因による情報漏洩を完全に回避することは困難です。個人情報が外部に流出した場合には、お客様及びマーケット等からの社会的信用の失墜や被害にあわれたお客様からの損害賠償請求を招く可能性や、会社の機密情報が流出した場合には、市場における競争力の低下や共同研究先からの損害賠償請求等を招く可能性があり、これらの情報セキュリティリスクの顕在化は、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 <対策>当社グループではリスクを低減するために以下の対策をとっております。 (イ)全従業員を対象に、個人情報や機密情報の取り扱いに関する教育や訓練を定期的に実施しております。 (ロ)ハードディスクを暗号化したモバイルパソコン、仮想ネットワーク等を導入し、業務内容や働きかたに合わせたIT環境を整備することで、端末紛失時の情報流出リスクに対応しております。 (ハ)研究・開発に関する機密情報等、企業秘密を取り扱う案件では、必ず関係先と秘密保持契約を締結しております。 (ニ)内部からの情報漏洩と外部からの侵入の両方に対するセキュリティ強化のため、多層防御システムを構築しております。また、システム担当者による情報漏洩を防ぐため、社内システム部門の承認手順を多重化するなどの対策を実施しております。 (ホ)サイバー攻撃全体への対応として、セキュリティ専門組織であるCSIRT(Computer Security Incident Response Team)・SOC(Security Operation Center)体制を外部専門会社とも連携しながら整備し、有事の際の対応力を強化しております。また、有事対応の実効性を高めるため、CSIRT・SOC及び広報などの関連部署を対象にサイバーセキュリティ演習を実施しております。 (ヘ)サプライチェーンセキュリティの強化として、適宜、主要取引先のセキュリティ対策状況の調査を実施するとともに、取引先に対する個人情報取り扱い状況の調査や専用サイトでのセキュリティの注意喚起、取引先の情報セキュリティ意識向上と対策強化に向けた啓発活動を推進しております。 ⑬退職給付会計に関するリスク<リスク>当社グループは、退職給付会計に係る数理計算上の差異について、発生年度に一括して費用処理する方法を採用しております。期初時点での想定よりも年金資産の運用環境が悪化した場合や、退職給付債務の計算に用いる割引率が低下した場合、数理計算上の差異の償却費用が発生し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 <対策>このような数理計算上の差異の発生に伴う損益変動リスクに対応するため、確定給付型と確定拠出型を組み合わせた退職給付制度を導入しているほか、年金資産の運用において安全性と収益性を考慮した適切な投資配分などを行っております。 ⑭気候変動・自然や生物多様性の損失などをはじめとする環境に関するリスク<リスク>気候変動によって生じる異常気象や、自然や生物多様性の損失などは、当社グループの企業努力だけでは回避することが困難であり、地球環境や世界経済に重大な影響を与えるおそれがあると同時に、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 <対策>持続可能で豊かな社会の実現に貢献することを経営理念とする当社グループでは、持続可能性の観点から気候変動や自然関連課題に関するリスクを主要なリスクと捉え、様々な取り組みを実施しております。その内容については、「第2 事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりであります。 ⑮自然災害等に関するリスク<リスク>大規模な地震や風水害等の自然災害、戦争、火災、テロ、新型インフルエンザ等を含む重篤な感染症、暴動等の危機事象が発生し、従業員の生命に危機が生じるような緊急事態に陥った場合、事業継続が困難となる可能性があります。 <対策>これらのリスクに対し、当社グループでは、全社的な事業継続マネジメント(BCM)を推進しております。具体的には、緊急事態の発生による事業中断の影響を最小限に抑えることを目的として「BCM規程」を制定し、事象別の事業継続計画(BCP)を策定しております。BCPの実効性を確保するため、データ保存の二重化、安否確認システムの導入、帰宅困難対策、防災訓練、必要物資の備蓄などを実施しているほか、本社機能喪失を想定した代替拠点の整備や、平常時からのテレワーク環境の整備等によるリスク分散にも取り組んでおります。 ⑯人権の侵害に関するリスク<リスク>当社グループはその幅広い事業活動を通じて多くの人に影響を及ぼすことから、人権を尊重する責任が求められております。また、「国連ビジネスと人権に関する指導原則」などをはじめとした国際原則も策定されております。当社グループの事業活動において、先住民族・コミュニティの権利、労働安全衛生への配慮が不十分であるなど、直接又は間接的に人権に負の影響を及ぼした場合、当社グループに対する信頼・信用が失墜するおそれがあります。その結果、当社製品(建設資材・住宅)のボイコットや、企業評価の低下による投融資の引き揚げなど、経営成績に重要な影響を与える可能性があります。 <対策>当社グループでは、バリューチェーンにおける人権リスクを主要なリスクと捉え、次のような取り組みにより、その把握と停止、防止、低減に努めております。 (イ)当社グループでは、住友林業グループ人権方針を策定し、国際的な原則や指針に準拠した人権尊重の考え方を定めております。ビジネスパートナーに対してもこの内容を含む方針の浸透を図り、必要な場合には、ビジネスパートナーによる人権尊重の取り組みに対して可能な限りの支援を行っております。 (ロ)人権デューデリジェンスのしくみを通じて、人権への負の影響を特定しております。事業本部ごとにバリューチェーン上のステークホルダーにおけるリスクのマッピングを行い、インパクトを分析し、事業本部ごとの人権リスクの重要度・優先度の洗い出しを行っております。特定されたリスクについては、それぞれの事業ごとにリスクの低減・是正のための対応を行っております。 (ハ)当社グループ全社員に、人権に関するeラーニングの受講を毎年義務付けております。また、国内の新入社員研修では人権に関する講義を行い、当社の新任主管者研修においても人権の講習を取り入れております。
FY2024|10,608 文字
3 【事業等のリスク】(1)リスクマネジメントの体制について当社では、グループ全体のリスクマネジメント体制を強化するため、「リスク管理規程」を制定し、住友林業の執行役員社長を住友林業グループのリスク管理最高責任者、本社管理部門及び各本部の担当執行役員をリスク管理責任者、主管者をリスク管理推進者に選任しております。同規程にて、リスクを「経営戦略リスク」(経営戦略を実行するための経営判断上のリスク)、「事業リスク」(経営の意思決定後、事業遂行において発生するリスク)、「事業継続リスク」(自然災害等の不測の事態により事業の継続に支障が生じるリスク)に分類しております。「経営戦略リスク」については、重要事項につき経営会議で事前協議を実施し、取締役会にて意思決定・監督を行い、「事業リスク」についてはリスク管理委員会を設置し、リスクマネジメントを行っております。リスク管理委員会は、執行役員社長を委員長とし、委員は、経営企画部・人事部・法務部・ITソリューション部・サステナビリティ推進部の担当執行役員及び各主管者、並びに各本部の本部長及び管理担当部長とし、四半期に1回開催しております。当委員会では、各部門から抽出されたリスク内容の分析、評価を行った上で重点管理リスクを選定し、特に重要度の高い重点管理リスクの対応進捗について優先的にモニタリングを行っております。この委員会の配下には、コンプライアンス小委員会及び事業継続マネジメント(BCM)小委員会を設置し、グループ横断的なリスクと位置づけるコンプライアンスリスク及び事業継続リスクについて、対応の実効性を高めるための活動を展開しております。これらの活動内容は取締役会に報告・答申しております。また、内部監査室は、各部門及びグループ会社への内部監査を通じてリスク管理状況を確認し、その監査結果を取締役会へ報告しております。 (2)主要な事業等のリスクについて有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響については具体的な内容を見積もることは困難であるため、記載しておりません。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ①国内外の住宅・不動産市場の動向に関するリスク当社グループの業績は、国内外における住宅・不動産市場の動向に大きく依存しております。国内外の経済状況の低迷や景気の見通しの後退、それらに起因する雇用環境の悪化、インフレ圧力の増大、及び個人消費の落ち込みは、お客様の住宅・不動産購買意欲を減退させる可能性があります。また、各国の金利政策や住宅関連政策の変更、地価の変動、木材等の資材価格の変動による建築コストの変動等も、お客様の住宅・不動産購買意欲に大きな影響を与えるため、これらの顧客ニーズの変化が住宅・不動産市況やコスト構造を悪化させ、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。上記リスクに対して、国内の住宅・建築事業では、次のような対策により、当社の独自性を強調し、住宅・不動産市場における優位性の確保を図っております。 (イ)戸建注文住宅事業では、当社独自の商品や技術力・設計力を活かした提案を強化し、お客様の様々な要望にお応えすることで、受注拡大に努めております。具体的には、環境配慮型商品の受注に注力するとともに、天井高、床材・建具の種類やデザインに豊富な選択肢を用意し、お客様の要望に沿って様々な室内空間を実現する提案等を行っております。 (ロ)その他の住宅・建築事業に関して、分譲住宅事業及び賃貸住宅事業では、多様化するライフスタイルに対応して、高性能でより快適な住環境を提供することに努めております。リフォーム事業では、高い技術力を活かした耐震リフォームや旧家再生リフォームに注力し、中大規模木造建築事業では、建築物の木造化・木質化を推進しております。 また、上記リスクに対して、海外住宅・不動産事業では、次のような対策により、参入する市場を分散し、収益基盤の多様化と事業の多角化を図っております。 (イ)米国では、人口成長の著しい都市圏において、当社グループ傘下の各事業会社がエリアに根付いた事業を推進すると同時に、当社グループ全体としてスケールメリットを発揮することで、Local BuilderとNational Builderの双方の利点を活かすことができるポジションで事業を展開しております。また、資材・部材供給体制の安定・効率化、コストダウン、施工安全管理の標準化、工期短縮、建築現場からの廃棄物の抑制等を図る、屋根・床トラス製造からフレーミング工事までの一貫したサービスを提供する「Fully Integrated Turnkey Provider(FITP)」事業を推進しております。さらに、集合住宅・商業施設等の不動産開発事業や宅地開発等、戸建住宅以外の新規事業の取り組みを加速し、事業の多角化を進めることで、事業環境変化への体制を強化しております。 (ロ)豪州では、米国に次ぐ海外木造住宅市場であり、引き続き住宅需要が見込まれる環境下において、資産保有リスクを抑えた事業展開を行っております。注文住宅のみならず分譲住宅において、一次取得者向けから高級住宅まで、幅広いニーズに対応しております。 (ハ)アジアは、中長期で成長が期待されるエリアであり、短期の市場変動による業績への影響を避け、中長期の成長を取り込む収益構造を構築しております。日本国内で培った高い設計力、施工管理、環境性能向上等のノウハウの活用により、戸建、分譲マンション、マスタープラン等を中心に事業を展開しております。 (ニ)上記の各エリアにおける海外住宅・不動産事業の投資実行においては、不動産投資リスクに関する社内ルールの運用を徹底し、事業規模拡大に伴う不動産投資残高の増加に対して、各国の住宅マーケットの的確な把握とモニタリング、適正な在庫管理の徹底を図るなど、投資リスクの低減に努めております。 ②原材料、木材・建材等の調達・販売に関するリスクサプライヤーの倒産や地政学リスク等の顕在化により、原材料や木材・建材等の商品の調達が困難になった場合に、取引先への商品の納入や住宅・不動産の施工が遅延する可能性があります。また、調達価格が高騰し、価格上昇分を販売価格に転嫁できない場合は、業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクを最小化するために、当社では以下の対策をとっております。 (イ)木材・建材等の流通事業では、当社グループの国内外での調達力を活かし、主要な原材料や木材・建材等の商品について、複数の産地からの仕入れ、仕入拠点の拡充、新たな樹種の用途開発等に取り組むことで、安定供給の維持及び調達価格の適正化に努め、サプライチェーンの強靭化を図っております。 (ロ)住宅・建築事業では、資材調達の遅延リスクの対策として、各サプライヤーとの生産情報の共有、国産材の取り扱い拡大、複数社からの購買、資材調達先に対して定期的にサプライヤー評価を実施するなど、資材の安定調達の体制強化を図っております。また、調達価格高騰に対しては、仕様の変更や施工の合理化によるコストダウン等により、コスト上昇の抑制に取り組んでおります。 ③国内の建設技能労働者の減少に関するリスク国内の建設業においては、建設技能労働者の高齢化及び若者離れが進み、建設業就業者数は長期間にわたり減少傾向にあります。建設業は労働集約型の産業であり、必要な建設技能労働者を確保できず、施工体制の維持が困難になった場合、住宅事業の受注物件の着工の遅れや工期の長期化及び労務費の高騰等により、業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを回避するために、当社では以下の対策をとっております。 (イ)建設技能労働者の確保について、当社グループの施工会社において若手社員を積極的に採用し、企業内訓練校である住友林業建築技術専門校にて建設技能職の教育・育成を行っております。当社の協力施工店に対しては社員大工の採用支援を行うことにより、将来に向けた施工力の維持に努めております。また、建設技能労働者の処遇の改善として、定期的に建築工事の発注価格について協議を行い、労務費の適正化を図っております。 (ロ)現場施工の生産性の向上について、各種プレカットやプレセット*化の推進や納まりのモジュール化により、工事現場の工数削減による生産合理化を推進しております。また、中長期的な市場の変化を見据え、抜本的な構造改革を行うための専門部署を設置し、DX等の推進を行っております。 *プレセットとは、部材や構造物の一部を工場で事前に組み立てること。 ④法的規制等に関するリスク当社グループは、国内外において、木材建材事業や住宅・不動産事業をはじめ人々の生活に関する様々な事業を行っております。各事業を取り巻く法規制は多岐にわたり、建築基準法、建設業法、建築士法、宅地建物取引業法、住宅品質確保促進法、森林法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、金融商品取引法、介護保険法等に加え、会社法、労働基準法、労働安全衛生法、個人情報保護法、公益通報者保護法など、多くの法規制に従う必要があります。また、海外においてはそれぞれの国・地域の法律や規制の適用を受けます。当社グループでは次のような対策によりこれら法規制の遵守に努めておりますが、これらの法規制に適合しない事態が発生した場合、罰金や、行政処分による事業の制約によって社会的信用が低下し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (イ)親会社総務部のリスク管理・コンプライアンスグループでは、国内関係会社に対して、各種法令の遵守状況について一斉点検を実施しております。実施後には、点検で見つかった指摘事項について、各関係会社にフィードバックを実施し、各社が体制の強化や是正に取り組むよう指導しております。 (ロ)各事業本部管理部門による、支店や建築現場に対する監査や実査を実施しております。 (ハ)海外事業については、各事業本部主管部門及び各エリアに設置した統括会社による海外関係会社に対するガバナンス体制を構築し、コンプライアンスの強化やリスクマネジメントを推進しております。 (ニ)上記の点検や監査は、事業に応じて取得しているISO規格に基づいて実施するなど、実効性のあるマネジメント体制を構築しております。 ⑤為替に関するリスク当社グループは、海外関係会社を通じて海外での事業活動を展開しているほか、木材・建材の外貨建ての輸出入取引や三国間取引を行っております。海外での事業活動及び外貨建ての取引では、為替変動により外貨建ての収益及び費用の円換算額が増減したり、為替換算調整勘定を通じて純資産が増減したりするリスクが存在します。これらのリスクに対応するため、当社グループでは為替予約を行うなどの対策を取っておりますが、急激な為替変動は、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 ⑥資金調達に関するリスク当社グループは、金融機関からの借入、社債の発行等により資金調達を行っております。そのため、市場金利の上昇、金融市場の混乱や当社格付の低下等により資金調達に制約を受けるとともに資金調達コストが上昇し、その結果当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対応するため、調達手段をバランスよく組み合わせること、年限を適切に分散することで安定的な資金調達及び金利変動の影響低減を図るとともに、格付けの維持向上に向け財務規律を重視した経営を行っております。 ⑦品質保証に関するリスク当社グループは、国内外で取扱商品・サービス及び住宅等の品質管理に万全を期しておりますが、予期せぬ事態や人為的ミスによる重大な品質問題等が発生することを、完全に回避することはできません。具体的には、品質保証責任を問われる住宅等の重大な欠陥、有料老人ホーム運営事業等における高齢者向け事業特有の事故等が発生する場合があります。また、特に海外においては、品質不良を原因とするクラスアクション等の訴訟により、高額の賠償責任や対応費用が生じるリスクがあります。さらには、合法性や持続可能性に疑義のある木材の調達により、政府によるペナルティや環境保護団体等からの批判を受けるリスクがあります。これらのリスクに備え、当社グループでは「住友林業グループ品質方針」を定め、当社グループから生み出されるすべての商品やサービスは品質そのものであるという認識のもと、全員参加による「ZERO DEFECTS(ゼロディフェクト)」を追求し、次のような対策を通した品質の向上に取り組んでおりますが、多額の損害賠償や社会的信用の失墜が発生した場合には、こうしたリスクの顕在化が、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (イ)法規制に適合する部材の使用、有資格者の適切な配置、適切な施工体制の整備を徹底しております。 (ロ)戸建住宅事業において、長期保証制度を設け、きめ細やかなアフターサービスを提供しております。 (ハ)有料老人ホーム事業においては、オペレーションミスによる事故を回避するため、サービス提供手順のマニュアルを作成し、周知を徹底するとともに、服薬支援システムや見守りセンサーといったIT 機器の導入を促進しております。また、施設内でインフルエンザ等の感染症が蔓延するのを防止するため、感染症対策のマニュアルの整備や定期的な研修等の対策を講じております。 (ニ)木材の調達に関しては、調達部門及びサステナビリティ推進部門による「木材調達委員会」を定期開催し、合法性と持続可能性の確認及び勉強会などを含む情報共有を実施しております。 ⑧取引先への信用供与に関するリスク当社グループは取引先に対する売上債権等の信用供与を行っており、信用リスクの顕在化を防ぐために適切な限度額を設定するなど、与信管理を徹底しておりますが、それでもなおリスクが顕在化する可能性を完全に回避することは困難です。また、信用リスクが顕在化した場合の損失に備えるため、一定の見積りに基づいて貸倒引当金を設定しておりますが、実際に発生する損失がこれを超過する可能性があります。このため、取引先の支払い不能等の信用リスクの顕在化は、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 ⑨海外での事業活動に関するリスク当社グループは、海外で事業活動を展開しているほか、海外商品の取扱い等、海外の取引先と多くの商取引を行っております。各国の政治・経済・社会情勢の変化を注視し、現地の法規制等の遵守、慣習による贈収賄の横行や従業員による着服の防止、重大労災の発生防止等に努めておりますが、特に、当社グループの木材の調達先及び製造拠点の一部であり、大規模植林事業も展開しているパプアニューギニアやインドネシアなどの新興国においては、これらのリスクが顕在化する可能性を完全に回避することは困難です。社内管理の不備により、法規制への違反や不法行為などのコンプライアンス違反が発生し、高額の金銭の流出事件が発生したり、現地政府からペナルティを受けたり、死亡労災等を防げずに被災者遺族から多額の損害賠償請求を受けたりした場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。こうしたリスクを最小化するために、当社では次のような対策をとっております。 (イ)「住友林業グループ労働安全衛生方針」に定める「SAFETY FIRST(セーフティファースト)」という基本的な考えのもと、海外の各製造拠点においても、労働安全衛生体制の整備に努め、使用する重機の安全装置や作業者の安全装備を充実させるとともに、積極的な従業員教育に取り組んでおります。 (ロ)社内監査、会計監査、税務調査などで発覚した指摘事項を関係会社各社で共有し、より効果的な管理体制の構築に努めております。 (ハ)海外関係会社各社に、贈収賄防止規程を整備しております。 (ニ)海外出張者・海外駐在員に対し、渡航前に安全教育や危機管理研修を実施しております。 ⑩保有・管理する山林や植林事業地に関するリスク当社グループは、国内社有林で計画的な森林経営を展開するほか、海外でも広大な植林地を管理し、生物多様性の保全や地域社会の発展に貢献するための活動を実施しております。国内外で所有・管理する山林・植林地では、以下のような取り組みやリスク対策を実施しておりますが、大規模な山林火災や病害虫による植林木の損失、誤った伐採量の試算による過剰伐採、地域住民からの反発、環境保護団体からの批判活動が長期間続いた場合には、これらのリスクの顕在化が、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (イ)国内外の社有林及び植林事業地で、植林・育林・収穫を計画的かつ継続的に実施する保続林業の考え方を基本に、持続可能な木材生産に努めております。過剰に木材を伐採することがないよう、施業計画の立案とこれに沿った森林経営を実施しております。 (ロ)山林火災防止のため、火災リスクの高い時期における関係者以外の管理地への立ち入り規制や、数値化した火災リスクに応じた現場オペレーションの制定・遵守等を実施しております。また、火の見櫓から煙の発生を監視したり、パトロールを実施したりするなど、早期の火災発見体制も整備しております。 (ハ)植林木の育成が阻害されないよう、計画的な間伐や下草等の刈払いなどの植林事業地全体の日常的な管理を徹底しております。また、適時生育状況をモニターすることにより病虫害を防止するとともに、獣害防止にも努めております。 (ニ)国内外の社有林及び植林事業地を取り巻く地域社会への貢献に努め、地域社会の発展に寄与する事業を展開しております。特に大規模植林事業を展開するインドネシアやパプアニューギニアでは、地域の雇用創出、ライフライン設備の建設、環境教育等の活動を地道に展開し、地域に根差した活動を目指しております。 (ホ)国内外における森林資源の管理・活用拡大にあたっては、気候変動対策や生物多様性保全に配慮した取り組みを実施しております。具体的には、植林計画立案時の、地形や地質、生息する希少動物の把握に至るまでの詳細な調査実施などに努めております。 ⑪情報セキュリティに関するリスク当社グループは、国内外の住宅・不動産事業等においてお客様に関する膨大な個人情報を保有しており、筑波研究所等の研究機関においては長年の研究成果等の大量の機密情報を保有しております。重要な情報の管理には万全を期しておりますが、個人情報等を含む書類・社給端末の盗難、従業員及び委託先等の人為的ミスなどの内部要因による情報漏洩、及び悪意ある第三者からの攻撃などの外部要因による情報漏洩を完全に回避することは困難です。個人情報が外部に流出した場合には、お客様及びマーケット等からの社会的信用の失墜や被害にあわれたお客様からの損害賠償請求を招く可能性や、会社の機密情報が流出した場合には、市場における競争力の低下や共同研究先からの損害賠償請求等を招く可能性があり、これらの情報セキュリティリスクの顕在化は、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。なお、このようなリスクを低減するために、当社では次のような対策をとっております。 (イ)全従業員を対象に、個人情報や機密情報の取り扱いに関する研修を定期的に実施しております。 (ロ)個人情報や機密情報の電子化と、一定基準のセキュリティ設定をした社給端末への集約を推進し、書類の紛失による情報流出リスクに対応しております。 (ハ)ハードディスクを暗号化したモバイルパソコン、仮想ネットワーク等を導入し、業務内容や働きかたに合わせたIT環境を整備することで、端末紛失時の情報流出リスクに対応しております。 (ニ)研究・開発に関する機密情報等、企業秘密を取り扱う案件では、必ず関係先と秘密保持契約を締結しております。 (ホ)内部からの情報漏洩と外部からの侵入の両方に対するセキュリティ強化のため、多層防御システムを構築しております。また、システム担当者による情報漏洩を防ぐため、社内システム部門の承認手順を多重化するなどの対策を実施しております。 (ヘ)サイバー攻撃全体への対応として、セキュリティ専門組織であるCSIRT(Computer Security Incident Response Team)・SOC(Security Operation Center)を設置して、有事の際に適切な対応を実現する体制を構築しております。また、有事対応の実効性を高めるため、CSIRT・SOC及び広報などの関連部署を対象にサイバーセキュリティ演習を実施しております。 ⑫退職給付会計に関するリスク当社グループは、退職給付会計に係る数理計算上の差異について、発生年度に一括して費用処理する方法を採用しております。期初時点での想定よりも年金資産の運用環境が悪化した場合や、退職給付債務の計算に用いる割引率が低下した場合、数理計算上の差異の償却費用が発生し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。このような数理計算上の差異の発生に伴う損益変動リスクに対応するため、確定給付型と確定拠出型を組み合わせた退職給付制度を導入しているほか、年金資産の運用において安全性と収益性を考慮した適切な投資配分などを行っております。 ⑬気候変動・自然や生物多様性の損失などをはじめとする環境に関するリスク気候変動によって生じる異常気象や、自然や生物多様性の損失などは、当社グループの企業努力だけでは回避することが困難であり、地球環境や世界経済に重大な影響を与えるおそれがあると同時に、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。持続可能で豊かな社会の実現に貢献することを経営理念とする当社グループでは、持続可能性の観点から気候変動や自然関連課題に関するリスクを主要なリスクと捉え、様々な取り組みを実施しております。その内容については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりであります。 ⑭自然災害等による緊急事態の発生に関するリスク大規模な地震や風水害等の自然災害、戦争、火災、テロ、新型インフルエンザ等を含む重篤な感染症、暴動などの危機事象が発生し、従業員の生命に危機が生じるような緊急事態に陥った場合、事業継続が困難となる可能性があります。当社グループでは、そうした事態に備え、全社的な事業継続マネジメント(BCM)を推進しております。具体的には、緊急事態の発生に伴う事業中断による業績への影響の最小化を目的に、平時における活動と緊急事態発生時の対応方針等の基本事項を定める「BCM規程」を制定し、事象別の事業継続計画(BCP)を策定しております。個別のBCPを実現させるため、データ保存の二重化、安否確認システムの導入、帰宅困難対策、防災訓練、必要物資の備蓄等を実施しているほか、本社機能喪失を想定した代替拠点の整備や、平常時からのテレワーク環境の整備等によるリスクの分散に取り組んでおります。しかし、危機事象の多くは発生を予測することが困難であり、このような対策をもってしてもすべての被害や影響を回避できるとは限りません。 ⑮人権の侵害に関するリスク当社グループは、森林経営から木材・建材の製造・流通、住宅・建築事業、再生可能エネルギー事業まで、幅広い事業を国内外で展開しており、その活動を通じて多くの人に影響を及ぼすことから、人権を尊重する責任が求められております。また、「国連ビジネスと人権に関する指導原則」などをはじめとした国際原則も策定されております。当社グループの事業活動において、先住民族・コミュニティや外国人労働者の権利、労働安全衛生への配慮が不十分であるなど、直接又は間接的に人権に負の影響を及ぼした場合、当社グループに対する信頼・信用が失墜するおそれがあります。その結果、当社製品(建設資材・住宅)のボイコットや、企業評価の低下による投融資の引き揚げなど経営成績に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは、バリューチェーンにおける人権リスクを主要なリスクと捉え、次のような取り組みにより、その把握と停止、防止、低減に努めております。 (イ)当社グループでは、住友林業グループ人権方針を策定し、国際的な原則や指針に準拠した人権尊重の考え方を定めております。ビジネスパートナーに対してもこの内容を含む方針の浸透を図り、必要な場合には、ビジネスパートナーによる人権尊重の取り組みに対して可能な限りの支援を行っております。 (ロ)人権デューデリジェンスのしくみを通じて、人権への負の影響を特定しております。事業本部ごとにバリューチェーン上のステークホルダーにおけるリスクのマッピングを行い、インパクトを分析し、事業本部ごとの人権リスクの重要度・優先度の洗い出しを行っております。特定されたリスクについては、それぞれの事業ごとにリスクの低減・是正のための対応を行っております。 (ハ)グループ全社員に、人権に関するeラーニングの受講を毎年義務付けております。また、国内の新入社員研修では人権に関する講義を行い、当社の新任主管者研修においても人権の講習を取り入れております。
FY2023|9,437 文字
3 【事業等のリスク】(1)リスクマネジメントの体制について当社では、グループ全体のリスクマネジメント体制を強化するため、「リスク管理規程」を制定し、住友林業の執行役員社長を住友林業グループのリスク管理最高責任者、本社管理部門及び各本部の担当執行役員をリスク管理責任者、主管者をリスク管理推進者に選任しております。同規程にて、リスクを「経営戦略リスク」(経営戦略を実行するための経営判断上のリスク)、「事業リスク」(経営の意思決定後、事業遂行において発生するリスク)、「事業継続リスク」(自然災害等の不測の事態により事業の継続に支障が生じるリスク)に分類しております。「経営戦略リスク」については、重要事項につき経営会議で事前協議を実施し、取締役会にて意思決定・監督を行い、「事業リスク」についてはリスク管理委員会を設置し、リスクマネジメントを行っております。リスク管理委員会は、執行役員社長を委員長とし、委員は、経営企画部・人事部・法務部・ITソリューション部・サステナビリティ推進部の担当執行役員及び各主管者、並びに各本部の本部長及び管理担当部長とし、四半期に1回開催しております。当委員会では、各部門から抽出されたリスク内容の分析、評価を行った上で重点管理リスクを選定し、特に重要度の高い重点管理リスクの対応進捗について優先的にモニタリングを行っております。この委員会の配下には、コンプライアンス小委員会及び事業継続マネジメント(BCM)小委員会を設置し、グループ横断的なリスクと位置づけるコンプライアンスリスク及び事業継続リスクについて、対応の実効性を高めるための活動を展開しております。これらの活動内容は取締役会に報告・答申しております。また、内部監査室は、各部門及びグループ会社への内部監査を通じてリスク管理状況を確認し、その監査結果を取締役会へ報告しております。 (2)主要な事業等のリスクについて有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響については具体的な内容を見積もることは困難であるため、記載しておりません。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ①国内外の住宅・不動産市場の動向に関するリスク当社グループの業績は、国内外における住宅・不動産市場の動向に大きく依存しております。国内外の経済状況の低迷や景気の見通しの後退、それらに起因する雇用環境の悪化、インフレ圧力の増大、及び個人消費の落ち込みは、お客様の住宅・不動産購買意欲を減退させる可能性があります。また、各国の金利政策や住宅関連政策の変更、地価の変動、木材等の資材価格の変動による建築コストの変動等も、お客様の住宅・不動産購買意欲に大きな影響を与えるため、これらの顧客ニーズの変化が住宅・不動産市況やコスト構造を悪化させ、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。上記リスクに対して、国内の住宅・建築事業では、次のような対策により、当社の独自性を強調し、住宅・不動産市場における優位性の確保を図っております。 (イ)戸建注文住宅事業では、当社独自の商品や技術力・設計力を活かした提案を強化し、お客様の様々な要望にお応えすることで、受注拡大に努めております。具体的には、環境配慮型商品の受注に注力するとともに、天井高、床材・建具の種類やデザインに豊富な選択肢を用意し、お客様の要望に沿って様々な室内空間を実現する提案等を行っております。 (ロ)その他の住宅・建築事業に関して、賃貸住宅事業では、多様化する入居者のライフスタイルに対応して、賃貸住宅に求められる性能を的確に把握し、より快適な住環境を提供することに努めております。リフォーム事業では、高い技術力を活かした耐震リフォームや旧家再生リフォームに注力し、中大規模木造建築事業では、建築物の木造化・木質化を推進しております。 また、上記リスクに対して、海外住宅・不動産事業では、次のような対策により、参入する市場を分散し、収益基盤の多様化と事業の多角化を図っております。 (イ)米国では、人口成長の著しい都市圏において、当社グループ傘下の各事業会社がエリアに根付いた事業を推進すると同時に、当社グループ全体としてスケールメリットを発揮することで、Local BuilderとNational Builderの双方の利点を活かすことができるポジションで事業を展開しております。また、供給体制の安定効率化、コストダウン、施工安全管理の標準化、工期短縮、建築現場からの廃棄物の抑制等を図る、構造用パネル製造からフレーミング工事までの一貫したサービスを提供する「Fully Integrated Turnkey Provider(FITP)」事業を推進しております。さらに、不動産開発事業や宅地開発等、戸建住宅以外の新規事業の取り組みを加速し、事業の多角化を進めることで、事業環境変化への体制を強化しております。 (ロ)豪州では、米国に次ぐ海外木造住宅市場であり、引き続き住宅需要が見込まれる環境下において、資産保有リスクを抑えた事業展開を行っております。注文住宅のみならず分譲住宅において、一次取得者向けから高級住宅まで、幅広いニーズに対応しております。 (ハ)アジアは、中長期で成長が期待されるエリアであり、短期の市場変動による業績への影響を避け、中長期の成長を取り込む収益構造を構築しております。日本国内で培った高い設計力、施工管理、環境性能向上等のノウハウの活用により、中低層マンション、戸建、マスタープラン等を中心に事業を展開しております。 (ニ)上記の各エリアにおける海外住宅・不動産事業の投資実行においては、不動産投資リスクに関する社内ルールの運用を徹底し、事業規模拡大に伴う不動産投資残高の増加に対して、各国の住宅マーケットの的確な把握とモニタリング、適正な在庫管理の徹底を図るなど、投資リスクの低減に努めております。 ②原材料、木材・建材等の調達・販売に関するリスク感染症の流行や地政学リスク等の顕在化により、原材料や木材・建材等の商品の調達が困難になった場合に、取引先への商品の納入や住宅・不動産の施工が遅延する可能性があります。また、調達価格が高騰し、価格上昇分を販売価格に転嫁できない場合は、業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクを最小化するために、当社では以下の対策をとっております。 (イ)木材・建材等の流通事業では、当社グループの国内外での調達力を活かし、主要な原材料や木材・建材等の商品について、複数の産地からの仕入れ、仕入拠点の拡充、新たな樹種の用途開発等に取り組むことで、安定供給の維持及び調達価格の適正化に努め、サプライチェーンの強靭化を図っております。 (ロ)住宅・建築事業では、資材調達の遅延リスクの対策として、各サプライヤーとの生産情報の共有、国産材の取り扱い拡大、複数社からの購買、資材調達先に対して定期的にサプライヤー評価を実施するなど、資材の安定調達の体制強化を図っております。また、調達価格高騰に対しては、仕様の変更や施工の合理化によるコストダウン等により、コスト上昇の抑制に取り組んでおります。 ③国内の建設技能労働者の減少に関するリスク国内の建設業においては、建設技能労働者の高齢化及び若者離れが進み、建設業就業者数は長期間にわたり減少傾向にあります。建設業は労働集約型の産業であり、必要な建設技能労働者を確保できず、施工体制の維持が困難になった場合、住宅事業の受注物件の着工の遅れや工期の長期化及び労務費の高騰等により、業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを回避するために、当社では以下の対策をとっております。 (イ)建設技能労働者の確保について、当社グループの施工会社において若手社員を積極的に採用し、企業内訓練校である住友林業建築技術専門校にて建設技能職の教育・育成を行っております。当社の協力施工店に対しては社員大工の採用支援を行うことにより、将来に向けた施工力の維持に努めております。また、建設技能労働者の処遇の改善として、定期的に建築工事の発注価格について協議を行い、労務費の適正化を図っております。 (ロ)現場施工の生産性の向上について、屋根材やサイデイング等のプレカットやプレキャスト基礎の導入等により、工事現場の工数削減による生産合理化を推進しております。また、中長期的な市場の変化を見据え、抜本的な構造改革を行うための専門部署を設置し、DX等の推進を行っております。 ④法的規制等に関するリスク当社グループは、国内外において、木材建材事業や住宅・不動産事業をはじめ人々の生活に関する様々な事業を行っております。各事業を取り巻く法規制は多岐にわたり、建築基準法、建設業法、建築士法、宅地建物取引業法、住宅品質確保促進法、森林法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、金融商品取引法、介護保険法等に加え、会社法、労働基準法、労働安全衛生法、個人情報保護法、公益通報者保護法など、多くの法規制に従う必要があります。また、海外においてはそれぞれの国・地域の法律や規制の適用を受けます。当社グループでは次のような対策によりこれら法規制の遵守に努めておりますが、これらの法規制に適合しない事態が発生した場合、罰金や、行政処分による事業の制約によって社会的信用が低下し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (イ)親会社総務部のリスク管理・コンプライアンスグループでは、国内関係会社に対して、各種法令の遵守状況について一斉点検を実施しております。実施後には、点検で見つかった指摘事項について、各関係会社にフィードバックを実施し、各社が体制の強化や是正に取り組むよう指導しております。 (ロ)各事業本部管理部門による、支店や建築現場に対する監査や実査を実施しております。 (ハ)海外事業については、各事業本部主管部門及び各エリアに設置した統括会社による海外関係会社に対するガバナンス体制を構築し、コンプライアンスの強化やリスクマネジメントを推進しております。 (ニ)上記の点検や監査は、事業に応じて取得しているISO規格に基づいて実施するなど、実効性のあるマネジメント体制を構築しております。 ⑤為替に関するリスク当社グループは、海外関係会社を通じて海外での事業活動を展開しているほか、木材・建材の外貨建ての輸出入取引や三国間取引を行っております。海外での事業活動及び外貨建ての取引では、為替変動により外貨建ての収益及び費用の円換算額が増減したり、為替換算調整勘定を通じて純資産が増減したりするリスクが存在します。これらのリスクに対応するため、当社グループでは為替予約を行うなどの対策を取っておりますが、急激な為替変動は、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 ⑥品質保証に関するリスク当社グループは、国内外で取扱商品・サービス及び住宅等の品質管理に万全を期しておりますが、予期せぬ事態や人為的ミスによる重大な品質問題等が発生することを、完全に回避することはできません。具体的には、品質保証責任を問われる住宅等の重大な欠陥、有料老人ホーム運営事業等における高齢者向け事業特有の事故等が発生する場合があります。また、特に海外においては、品質不良を原因とするクラスアクション等の訴訟により、高額の賠償責任や対応費用が生じるリスクがあります。さらには、合法性や持続可能性に疑義のある木材の調達により、政府によるペナルティや環境保護団体等からの批判を受けるリスクがあります。これらのリスクに備え、当社グループでは「住友林業グループ品質方針」を定め、当社グループから生み出されるすべての商品やサービスは品質そのものであるという認識のもと、全員参加による「ZERO DEFECTS(ゼロディフェクト)」を追求し、次のような対策を通した品質の向上に取り組んでおりますが、多額の損害賠償や社会的信用の失墜が発生した場合には、こうしたリスクの顕在化が、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (イ)法規制に適合する部材の使用、有資格者の適切な配置、適切な施工体制の整備を徹底しております。 (ロ)戸建住宅事業において、長期保証制度を設け、きめ細やかなアフターサービスを提供しております。 (ハ)有料老人ホーム事業においては、オペレーションミスによる事故を回避するため、サービス提供手順のマニュアルを作成し、周知を徹底しております。また、施設内でインフルエンザ等の感染症が蔓延するのを防止するため、感染症対策のマニュアルの整備や定期的な研修等の対策を講じております。 (ニ)木材の調達に関しては、調達部門及びサステナビリティ推進部門による「木材調達委員会」を定期開催し、合法性と持続可能性の確認及び勉強会などを含む情報共有を実施しております。 ⑦取引先への信用供与に関するリスク当社グループは取引先に対する売上債権等の信用供与を行っており、信用リスクの顕在化を防ぐために適切な限度額を設定するなど、与信管理を徹底しておりますが、それでもなおリスクが顕在化する可能性を完全に回避することは困難です。また、信用リスクが顕在化した場合の損失に備えるため、一定の見積りに基づいて貸倒引当金を設定しておりますが、実際に発生する損失がこれを超過する可能性があります。このため、取引先の支払い不能等の信用リスクの顕在化は、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 ⑧海外での事業活動に関するリスク当社グループは、海外で事業活動を展開しているほか、海外商品の取扱い等、海外の取引先と多くの商取引を行っております。各国の政治・経済・社会情勢の変化を注視し、現地の法規制等の遵守、慣習による贈収賄の横行や従業員による着服の防止、重大労災の発生防止等に努めておりますが、特に、当社グループの木材の調達先及び製造拠点の一部であり、大規模植林事業も展開しているパプアニューギニアやインドネシアなどの新興国においては、これらのリスクが顕在化する可能性を完全に回避することは困難です。社内管理の不備により、法規制への違反や不法行為などのコンプライアンス違反が発生し、高額の金銭の流出事件が発生したり、現地政府からペナルティを受けたり、死亡労災等を防げずに被災者遺族から多額の損害賠償請求を受けたりした場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。こうしたリスクを最小化するために、当社では次のような対策をとっております。 (イ)「住友林業グループ労働安全衛生方針」に定める「SAFETY FIRST(セーフティファースト)」という基本的な考えのもと、海外の各製造拠点においても、労働安全衛生体制の整備に努め、使用する重機の安全装置や作業者の安全装備を充実させるとともに、積極的な従業員教育に取り組んでおります。 (ロ)社内監査、会計監査、税務調査などで発覚した指摘事項を関係会社各社で共有し、より効果的な管理体制の構築に努めております。 (ハ)海外関係会社各社に、贈収賄防止規程を整備しております。 (ニ)海外出張者・海外駐在員に対し、渡航前に安全教育や危機管理研修を実施しております。 ⑨保有・管理する山林や植林事業地に関するリスク当社グループは、国内社有林で計画的な森林経営を展開するほか、海外でも広大な植林地を管理し、生物多様性の保全や地域社会の発展に貢献するための活動を実施しております。国内外で所有・管理する山林・植林地では、以下のような取り組みやリスク対策を実施しておりますが、大規模な山林火災や病害虫による植林木の損失、誤った伐採量の試算による過剰伐採、地域住民からの反発、環境保護団体からの批判活動が長期間続いた場合には、これらのリスクの顕在化が、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (イ)国内外の社有林及び植林事業地で、植林・育林・収穫を計画的かつ継続的に実施する保続林業の考え方を基本に、持続可能な木材生産に努めております。過剰に木材を伐採することがないよう、施業計画の立案とこれに沿った森林経営を実施しております。 (ロ)山林火災防止のため、火災リスクの高い時期における関係者以外の管理地への立ち入り規制や、数値化した火災リスクに応じた現場オペレーションの制定・遵守等を実施しております。また、火の見櫓から煙の発生を監視したり、パトロールを実施したりするなど、早期の火災発見体制も整備しております。 (ハ)植林木の育成が阻害されないよう、計画的な間伐や下草等の刈払いなどの植林事業地全体の日常的な管理を徹底しております。また、適時生育状況をモニターすることにより病虫害を防止するとともに、獣害防止にも努めております。 (ニ)国内外の社有林及び植林事業地を取り巻く地域社会への貢献に努め、地域社会の発展に寄与する事業を展開しております。特に大規模植林事業を展開するインドネシアやパプアニューギニアでは、地域の雇用創出、ライフライン設備の建設、環境教育等の活動を地道に展開し、地域に根差した活動を目指しております。 (ホ)国内外における森林資源の管理・活用拡大にあたっては、気候変動対策や生物多様性保全に配慮した取り組みを実施しております。具体的には、植林計画立案時の、地形や地質、生息する希少動物の把握に至るまでの詳細な調査実施などに努めております。 ⑩情報セキュリティに関するリスク当社グループは、国内外の住宅・不動産事業等においてお客様に関する膨大な個人情報を保有しており、筑波研究所等の研究機関においては長年の研究成果等の大量の機密情報を保有しております。重要な情報の管理には万全を期しておりますが、個人情報等を含む書類・社給端末の盗難、従業員及び委託先等の人為的ミスなどの内部要因による情報漏洩、及び悪意ある第三者からの攻撃などの外部要因による情報漏洩を完全に回避することは困難です。個人情報が外部に流出した場合には、お客様及びマーケット等からの社会的信用の失墜や被害にあわれたお客様からの損害賠償請求を招く可能性や、会社の機密情報が流出した場合には、市場における競争力の低下や共同研究先からの損害賠償請求等を招く可能性があり、これらの情報セキュリティリスクの顕在化は、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。なお、このようなリスクを低減するために、当社では次のような対策をとっております。 (イ)全従業員を対象に、個人情報や機密情報の取り扱いに関する研修を定期的に実施しております。 (ロ)個人情報や機密情報の電子化と、一定基準のセキュリティ設定をした社給端末への集約を推進し、書類の紛失による情報流出リスクに対応しております。 (ハ)ハードディスクを暗号化したモバイルパソコン、仮想ネットワーク等を導入し、業務内容や働きかたに合わせたIT環境を整備することで、端末紛失時の情報流出リスクに対応しております。 (ニ)研究・開発に関する機密情報等、企業秘密を取り扱う案件では、必ず関係先と秘密保持契約を締結しております。 (ホ)内部からの情報漏洩と外部からの侵入の両方に対するセキュリティ強化のため、多層防御システムを構築しております。また、システム担当者による情報漏洩を防ぐため、社内システム部門の承認手順を多重化するなどの対策を実施しております。 (ヘ)サイバー攻撃全体への対応として、セキュリティ専門組織であるCSIRT(Computer Security Incident Response Team)・SOC(Security Operation Center)を設置して、有事の際に適切な対応を実現する体制を構築しております。また、有事対応の実効性を高めるため、CSIRT・SOC及び広報などの関連部署を対象にサイバーセキュリティ演習を実施しております。 ⑪退職給付会計に関するリスク当社グループは、退職給付会計に係る数理計算上の差異について、発生年度に一括して費用処理する方法を採用しております。期初時点での想定よりも年金資産の運用環境が悪化した場合や、退職給付債務の計算に用いる割引率が低下した場合、数理計算上の差異の償却費用が発生し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。このような数理計算上の差異の発生に伴う損益変動リスクに対応するため、確定給付型と確定拠出型を組み合わせた退職給付制度を導入しているほか、年金資産の運用において安全性と収益性を考慮した適切な投資配分などを行っております。 ⑫気候変動・自然や生物多様性の損失などをはじめとする環境に関するリスク気候変動によって生じる異常気象や、自然や生物多様性の損失などは、当社グループの企業努力だけでは回避することが困難であり、地球環境や世界経済に重大な影響を与えるおそれがあると同時に、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。持続可能で豊かな社会の実現に貢献することを経営理念とする当社グループでは、持続可能性の観点から気候変動に関するリスクを主要なリスクと捉え、様々な取り組みを実施しております。その内容については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりであります。 ⑬自然災害等による緊急事態の発生に関するリスク大規模な地震や風水害等の自然災害、戦争、火災、テロ、新型インフルエンザ等を含む重篤な感染症、暴動などの危機事象が発生し、従業員の生命に危機が生じるような緊急事態に陥った場合、事業継続が困難となる可能性があります。当社グループでは、そうした事態に備え、全社的な事業継続マネジメント(BCM)を推進しております。具体的には、緊急事態の発生に伴う事業中断による業績への影響の最小化を目的に、平時における活動と緊急事態発生時の対応方針等の基本事項を定める「BCM規程」を制定し、事象別の事業継続計画(BCP)を策定しております。個別のBCPを実現させるため、データ保存の二重化、安否確認システムの導入、帰宅困難対策、防災訓練、必要物資の備蓄等を実施しているほか、本社機能喪失を想定した代替拠点の整備や、平常時からのテレワーク環境の整備等によるリスクの分散に取り組んでおります。しかし、危機事象の多くは発生を予測することが困難であり、このような対策をもってしてもすべての被害や影響を回避できるとは限りません。
FY2022|9,483 文字
2 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響については具体的な内容を見積もることは困難であるため、記載しておりません。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)国内外の住宅・不動産市場の動向に関するリスク当社グループの業績は、国内外における住宅・不動産市場の動向に大きく依存しております。国内外の経済状況の低迷や景気の見通しの後退、それらに起因する雇用環境の悪化、インフレ圧力の増大、及び個人消費の落ち込みは、お客様の住宅・不動産購買意欲を減退させる可能性があります。また、各国の金利政策や住宅関連政策の変更、地価の変動、木材等の資材価格の変動による建築コストの変動等も、お客様の住宅・不動産購買意欲に大きな影響を与えるため、これらの顧客ニーズの変化が住宅・不動産市況やコスト構造を悪化させ、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。上記リスクに対して、国内の住宅・建築事業では、次のような対策により、当社の独自性を強調し、住宅・不動産市場における優位性の確保を図っております。 ①戸建注文住宅事業では、当社独自の商品や技術力・設計力を活かした提案を強化し、お客様の様々な要望にお応えすることで、受注拡大に努めております。具体的には、環境配慮型商品の受注に注力するとともに、天井高、床材・建具の種類やデザインに豊富な選択肢を用意し、お客様の要望に沿って様々な室内空間を実現する提案等を行っております。 ②その他の住宅・建築事業に関して、賃貸住宅事業では、多様化する入居者のライフスタイルに対応して、賃貸住宅に求められる性能を的確に把握し、より快適な住環境を提供することに努めております。リフォーム事業では、高い技術力を活かした耐震リフォームや旧家再生リフォームに注力し、中大規模木造建築事業では、建築物の木造化・木質化を推進しております。 また、上記リスクに対して、海外住宅・不動産事業では、次のような対策により、参入する市場を分散し、収益基盤の多様化と事業の多角化を図っております。 ①米国では、人口・雇用成長の著しい都市圏に事業を展開し、各社が地域で事業を推進すると同時に、住友林業グループとして住宅・不動産の販売戸数を拡大することにより、Local BuilderとNational Builderの双方の利点を活かすことができるポジションで事業成長を追求しております。また、不動産開発事業や宅地開発等その他の新規事業の取り組みを加速し、事業の多角化を進めることで、事業環境変化への体制を強化しております。 ②豪州では、米国に次ぐ海外木造住宅市場、かつ、注文住宅が多い市場という環境の中で、資産保有リスクを抑えた事業展開を行っております。注文住宅と分譲住宅、一次取得者向けから高級住宅まで、幅広いニーズに対応しております。 ③アジアは、中長期で成長が期待されるエリアであり、短期の市場変動による業績への影響を避け、中長期の成長を取り込む収益構造を構築しております。日本国内で培った高い設計力、施工管理、環境性能向上等のノウハウの活用により、中低層マンション、戸建、マスタープラン等を中心に事業を展開しております。 ④上記の各エリアにおける海外住宅・不動産事業の投資実行においては、不動産投資リスクに関する社内ルールの運用を徹底し、事業規模拡大に伴う不動産投資残高の増加に対して、各国の住宅マーケットの的確な把握とモニタリング、適正な在庫管理の徹底を図るなど、投資リスクの低減に努めております。 (2)原材料、木材・建材等の調達・販売に関するリスク感染症の流行や地政学リスク等の顕在化により、原材料や木材・建材等の商品の調達が困難になった場合に、取引先への商品の納入や住宅・不動産の施工が遅延する可能性があります。また、調達価格が高騰し、価格上昇分を販売価格に転嫁できない場合は、業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクを最小化するために、当社では以下の対策をとっております。 ①木材・建材等の流通事業では、当社グループの国内外での調達力を活かし、主要な原材料や木材・建材等の商品について、複数の産地からの仕入れ、仕入拠点の拡充、新たな樹種の用途開発等に取り組むことで、安定供給の維持及び調達価格の適正化に努め、サプライチェーンの強靭化を図っております。 ②住宅・建築事業では、資材調達の遅延リスクの対策として、各サプライヤーとの生産情報の共有、国産材の取り扱い拡大、複数社からの購買、資材調達先に対して定期的にサプライヤー評価を実施するなど、資材の安定調達の体制強化を図っております。また、調達価格高騰に対しては、仕様の変更や施工の合理化によるコストダウン等により、コスト上昇の抑制に取り組んでおります。 (3)法的規制等に関するリスク当社グループは、国内外において、木材建材事業や住宅・不動産事業をはじめ人々の生活に関する様々な事業を行っております。各事業を取り巻く法規制は多岐にわたり、建築基準法、建設業法、建築士法、宅地建物取引業法、住宅品質確保促進法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、金融商品取引法、介護保険法等に加え、会社法、労働基準法、労働安全衛生法、個人情報保護法、公益通報者保護法など、多くの法規制に従う必要があります。また、海外においてはそれぞれの国・地域の法律や規制の適用を受けます。当社グループでは次のような対策によりこれら法規制の遵守に努めておりますが、これらの法規制に適合しない事態が発生した場合、罰金や、行政処分による事業の制約によって社会的信用が低下し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 ①執行役員を委員とする「リスク管理委員会」を設置し、各部署選定の全リスク項目から抽出した「重点管理リスク」の顕在化事例や、リスク回避のための対応の実効性について、定期的に確認と協議を行っております。 ②親会社総務部のリスク管理・コンプライアンスグループでは、国内関係会社に対して、各種法令の遵守状況について一斉点検を実施しております。実施後には、点検で見つかった指摘事項について、各関係会社にフィードバックを実施し、各社が体制の強化や是正に取り組むよう指導しております。 ③各事業本部管理部門による、支店や建築現場に対する監査や実査を実施しております。 ④海外事業については、各事業本部主管部門及び各エリアに設置した統括会社による海外関係会社に対するガバナンス体制を構築し、コンプライアンスの強化やリスクマネジメントを推進しております。 ⑤上記の点検や監査は、事業に応じて取得しているISO規格に基づいて実施するなど、実効性のあるマネジメント体制を構築しております。 (4)為替に関するリスク当社グループは、海外関係会社を通じて海外での事業活動を展開しているほか、木材・建材の外貨建ての輸出入取引や三国間取引を行っております。海外での事業活動及び外貨建ての取引では、為替変動により外貨建ての収益及び費用の円換算額が増減したり、為替換算調整勘定を通じて純資産が増減したりするリスクが存在します。これらのリスクに対応するため、当社グループでは為替予約を行うなどの対策を取っておりますが、急激な為替変動は、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (5)品質保証に関するリスク当社グループは、国内外で取扱商品・サービス及び住宅等の品質管理に万全を期しておりますが、予期せぬ事態や人為的ミスによる重大な品質問題等が発生することを、完全に回避することはできません。具体的には、品質保証責任を問われる住宅等の重大な欠陥、有料老人ホーム運営事業等における高齢者向け事業特有の事故等が発生する場合があります。また、特に海外においては、品質不良を原因とするクラスアクション等の訴訟により、高額の賠償責任や対応費用が生じるリスクがあります。さらには、合法性や持続可能性に疑義のある木材の調達により、政府によるペナルティや環境保護団体等からの批判を受けるリスクがあります。これらのリスクに備え、当社グループでは「住友林業グループ品質方針」を定め、当社グループから生み出される全ての商品やサービス は品質そのものであるという認識のもと、全員参加による「ZERO DEFECTS(ゼロディフェクト)」を追求し、次のような対策を通した品質の向上に取り組んでおりますが、多額の損害賠償や社会的信用の失墜が発生した場合 には、こうしたリスクの顕在化が、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 ①法規制に適合する部材の使用、有資格者の適切な配置、適切な施工体制の整備を徹底しております。 ②戸建住宅事業において、長期保証制度を設け、きめ細やかなアフターサービスを提供しております。 ③有料老人ホーム事業においては、オペレーションミスによる事故を回避するため、サービス提供手順のマニュアルを作成し、周知を徹底しております。施設内でインフルエンザ等の感染症が蔓延するのを防止するため、従業員に予防接種を義務付けるなど感染症対策にも努めております。 ④木材の調達に関しては、調達部門及びサステナビリティ推進部門による「木材調達委員会」を定期開催し、合法性と持続可能性の確認及び勉強会などを含む情報共有を実施しております。 (6)取引先への信用供与に関するリスク当社グループは取引先に対する売上債権等の信用供与を行っており、信用リスクの顕在化を防ぐために適切な限度額を設定するなど、与信管理を徹底しておりますが、それでもなおリスクが顕在化する可能性を完全に回避することは困難です。また、信用リスクが顕在化した場合の損失に備えるため、一定の見積りに基づいて貸倒引当金を設定しておりますが、実際に発生する損失がこれを超過する可能性があります。このため、取引先の支払い不能等の信用リスクの顕在化は、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (7)海外での事業活動に関するリスク当社グループは、海外で事業活動を展開しているほか、海外商品の取扱い等、海外の取引先と多くの商取引を行っております。各国の政治・経済・社会情勢の変化を注視し、現地の法規制等の遵守、慣習による贈収賄の横行や従業員による着服の防止、重大労災の発生防止等に努めておりますが、特に、当社グループの木材の調達先及び製造拠点の一部であり、大規模植林事業も展開しているパプアニューギニアやインドネシアなどの新興国においては、これらのリスクが顕在化する可能性を完全に回避することは困難です。社内管理の不備により、法規制への違反や不法行為などのコンプライアンス違反が発生し、高額の金銭の流出事件が発生したり、現地政府からペナルティを受けたり、死亡労災等を防げずに被災者遺族から多額の損害賠償請求を受けたりした場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。こうしたリスクを最小化するために、当社では次のような対策をとっております。 ①「住友林業グループ労働安全衛生方針」に定める「SAFETY FIRST(セーフティファースト)」という基本的な考えのもと、海外の各製造拠点においても、労働安全衛生体制の整備に努め、使用する重機の安全装置や作業者の安全装備を充実させるとともに、積極的な従業員教育に取り組んでおります。 ②社内監査、会計監査、税務調査などで発覚した指摘事項を関係会社各社で共有し、より効果的な管理体制の構築に努めております。 ③海外関係会社各社に、贈収賄防止規程を整備しております。 ④海外出張者・海外駐在員に対し、渡航前に安全教育や危機管理研修を実施しております。 (8)保有・管理する山林や植林事業地に関するリスク当社グループは、国内社有林で計画的な森林経営を展開するほか、海外でも広大な植林地を管理し、生物多様性の保全や地域社会の発展に貢献するための活動を実施しております。国内外で所有・管理する山林・植林地では、以下のような取り組みやリスク対策を実施しておりますが、大規模な山林火災や病害虫による植林木の損失、誤った伐採量の試算による過剰伐採、地域住民からの反発、環境保護団体からの批判活動が長期間続いた場合には、これらのリスクの顕在化が、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 ①国内外の社有林及び植林事業地で、植林・育林・収穫を計画的かつ継続的に実施する保続林業の考え方を基本に、持続可能な木材生産に努めております。過剰に木材を伐採することがないよう、施業計画の立案とこれに沿った 森林経営を実施しております。 ②山林火災防止のため、火災リスクの高い時期における関係者以外の管理地への立ち入り規制や、数値化した火災リスクに応じた現場オペレーションの制定・遵守等を実施しております。また、火の見櫓から煙の発生を監視したり、パトロールを実施したりするなど、早期の火災発見体制も整備しております。 ③植林木の育成が阻害されないよう、計画的な間伐や下草等の刈払いなどの植林事業地全体の日常的な管理を徹底しております。また、適時生育状況をモニターすることにより病虫害を防止するとともに、獣害防止にも努めております。 ④国内外の社有林及び植林事業地を取り巻く地域社会への貢献に努め、地域社会の発展に寄与する事業を展開しております。特に大規模植林事業を展開するインドネシアやパプアニューギニアでは、地域の雇用創出、ライフライン設備の建設、環境教育等の活動を地道に展開し、地域に根差した活動を目指しております。 ⑤国内外における森林資源の管理・活用拡大にあたっては、気候変動対策や生物多様性保全に配慮した取り組みを実施しております。具体的には、植林計画立案時の、地形や地質、生息する希少動物の把握に至るまでの詳細な調査実施などに努めております。 (9)情報セキュリティに関するリスク当社グループは、国内外の住宅・不動産事業等においてお客様に関する膨大な個人情報を保有しており、筑波研究所等の研究機関においては長年の研究成果等の大量の機密情報を保有しております。重要な情報の管理には万全を期しておりますが、個人情報等を含む書類・社給端末の盗難、従業員及び委託先等の人為的ミスなどの内部要因による情報漏洩、及び悪意ある第三者からの攻撃などの外部要因による情報漏洩を完全に回避することは困難です。個人情報が外部に流出した場合には、お客様及びマーケット等からの社会的信用の失墜や被害にあわれたお客様からの損害賠償請求を招く可能性や、会社の機密情報が流出した場合には、市場における競争力の低下や共同研究先からの損害賠償請求等を招く可能性があり、これらの情報セキュリティリスクの顕在化は、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。なお、このようなリスクを低減するために、当社では次のような対策をとっております。 ①全従業員を対象に、個人情報や機密情報の取り扱いに関する研修を定期的に実施しております。 ②個人情報や機密情報の電子化と、一定基準のセキュリティ設定をした社給端末への集約を推進し、書類の紛失による情報流出リスクに対応しております。 ③ハードディスクを暗号化したモバイルパソコン、仮想ネットワーク等を導入し、業務内容や働きかたに合わせたIT環境を整備することで、端末紛失時の情報流出リスクに対応しております。 ④研究・開発に関する機密情報等、企業秘密を取り扱う案件では、必ず関係先と秘密保持契約を締結しております。 ⑤内部からの情報漏洩と外部からの侵入の両方に対するセキュリティ強化のため、多層防御システムを構築しております。また、システム担当者による情報漏洩を防ぐため、社内システム部門の承認手順を多重化するなどの対策を実施しております。 ⑥サイバー攻撃全体への対応として、セキュリティ専門組織であるCSIRT(Computer Security Incident Response Team)・SOC(Security Operation Center)を設置して、有事の際に適切な対応を実現する体制を構築しております。また、有事対応の実効性を高めるため、CSIRT・SOC及び広報などの関連部署を対象にサイバーセキュリティ演習を実施しています。 (10)退職給付会計に関するリスク当社グループは、退職給付会計に係る数理計算上の差異について、発生年度に一括して費用処理する方法を採用しております。期初時点での想定よりも年金資産の運用環境が悪化した場合や、退職給付債務の計算に用いる割引率が低下した場合、数理計算上の差異の償却費用が発生し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。このような数理計算上の差異の発生に伴う損益変動リスクに対応するため、確定給付型と確定拠出型を組み合わせた退職給付制度を導入しているほか、年金資産の運用において安全性と収益性を考慮した適切な投資配分などを行っております。 (11)気候変動をはじめとする環境に関するリスク気候変動によって生じる異常気象や、生物多様性の損失など自然の変化等は、当社グループの企業努力だけでは回避することが困難であり、地球環境や世界経済に重大な影響を与えるおそれがあると同時に、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。物理的リスクとしては、自然災害の激甚化等が、住宅建設等の工期の遅れや被災した工事中建物の復旧活動等による建築コストの増加を招く可能性があります。また、異常気象の発生等が、生物資源である樹木の植生や成長に影響を与える可能性があるほか、管理する植林地、森林等が毀損される可能性があります。移行リスクとしては、各国の森林保護政策や伐採規制等の変更・強化が、木材調達コストの増加を招く可能性があります。また、当社グループでは、建材製造事業や都市型及び山間地型のバイオマス発電事業を展開しているほか、研究技術開発構想「W350計画」に代表される、研究開発・技術革新活動に取り組んでおりますが、これらの設備や技術、エネルギー利用や温室効果ガス排出に関連する法規制等が変更された場合、操業コストの増加や、対応のための追加コストの発生を招く可能性があります。持続可能で豊かな社会の実現に貢献することを経営理念とする当社グループでは、持続可能性の観点から気候変動に関するリスクを主要なリスクと捉え、次のような取り組みを実施しております。 ①グループ全体の事業活動から生じる温室効果ガス排出量を削減するための科学的根拠に基づいた目標※1を策定し、中期経営計画等に織り込んで目標実現に向けて取り組んでおります。 ②2018年に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)※2の提言内容への賛同を表明しました。同年からTCFDの提言に基づくシナリオ分析を実施し、投資家に向けた気候関連の財務情報開示に努めております。 ③2020年3月から国際的イニシアティブ「RE100」※3に加盟し、2040年までに、自社グループの事業活動で使用する電力と発電事業における発電燃料を100%再生可能エネルギーにすることを目指し、取り組みを推進しております。 ※1 当社グループは、2018年4月に温室効果ガス長期削減目標を策定し、同年7月に科学的根拠に基づいた目標(SBT:Science Based Targets)として認定されました。認定は、SBTイニシアティブ(SBTi)によるものです。SBTiは、2015年に国連グローバル・コンパクト、CDP(機関投資家と協働して、企業が環境影響について情報開示と管理をすることを促す英国のNGO)、WRI(世界資源研究所)、WWF(世界自然保護基金) の4団体が、産業革命前からの気温上昇を2℃未満に抑えるための科学的根拠に基づいた温室効果ガスの排出削減目標を推進するために設立されたイニシアティブです。2018年10月に、IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)から、世界の平均気温の上昇幅の1.5℃と2℃との間には生じる影響に大きな違いがあることが報告され、2019年9月の国連気候行動サミットで1.5℃目標への流れが決定的になると、SBTiも1.5℃基準の承認基準へ移行しました。これを受け、当社グループも目標を1.5℃基準に見直し、中期経営計画において取り組みを進めています。 ※2 FSB(金融安定理事会)の指示により2015年に設置されたタスクフォースです。企業が任意で行う気候関連のリスク・機会に関する情報開示のフレームワークが示されています。 ※3 国際的な環境NGOであるThe Climate GroupとCDPが連携して運営する国際イニシアティブです。 (12)自然災害等による緊急事態の発生に関するリスク大規模な地震や風水害等の自然災害、戦争、火災、テロ、新型インフルエンザ等を含む重篤な感染症、暴動などの危機事象が発生し、従業員の生命に危機が生じるような緊急事態に陥った場合、事業継続が困難となる可能性があります。当社グループでは、そうした事態に備え、全社的な事業継続マネジメント(BCM)を推進しております。具体的には、緊急事態の発生に伴う事業中断による業績への影響の最小化を目的に、平時における活動と緊急事態発生時の対応方針等の基本事項を定める「BCM規程」を制定し、事象別の事業継続計画(BCP)を策定しております。個別のBCPを実現させるため、データ保存の二重化、安否確認システムの導入、帰宅困難対策、防災訓練、必要物資の備蓄等を実施しているほか、本社機能喪失を想定した代替拠点の整備や、平常時からのテレワーク環境の整備等によるリスクの分散に取り組んでおります。しかし、危機事象の多くは発生を予測することが困難であり、このような対策をもってしてもすべての被害や影響を回避できるとは限りません。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)については、今後感染状況がどのように収束するか、経済や社会にどのような影響を及ぼすか、先行きが不透明な状況が続いております。当社グループでは、日本国内及び事業を展開する諸外国における感染拡大状況に応じて様々な対策を実施しておりますが、世界的な移動制限や外出制限などの感染拡大防止策が当社グループの事業活動を制限し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
FY2021|8,106 文字
2 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響については具体的な内容を見積もることは困難であるため、記載しておりません。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)国内外の住宅市場の動向に関するリスク当社グループの業績は、国内外における住宅市場の動向に大きく依存しております。国内外の経済状況の低迷や景気の見通しの後退、それらに起因する雇用環境の悪化や個人消費の落ち込みは、お客様の住宅購買意欲を減退させる可能性があります。また、各国の金利政策や住宅関連政策の変更、地価の変動、木材等の資材価格の変動による建築コストの変動等も、お客様の住宅購買意欲に大きな影響を与えるため、これらの顧客ニーズの変化が住宅市況やコスト構造を悪化させ、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。上記リスクに対して、国内の住宅・建築事業では、次のような対策により、当社の独自性を強調し、住宅市場における優位性の確保を図っております。 ①戸建注文住宅事業では、当社独自の商品や技術力・設計力を活かした提案を強化し、お客様の様々な要望にお応えすることで、受注拡大に努めております。具体的には、環境配慮型商品の受注に注力するとともに、天井高、床材・建具の種類やデザインに豊富な選択肢を用意し、お客様の要望に沿って様々な室内空間を実現する提案等を行っております。 ②賃貸住宅事業では、多様化する入居者のライフスタイルに対応して、賃貸住宅に求められる性能を的確に把握し、より快適な住環境を提供することに努めております。その他、リフォーム事業では、高い技術力を活かした耐震リフォームや旧家再生リフォームに注力し、建築物の木造化・木質化を推進する木化事業では、中大規模木造建築物への取り組みを強化しております。 また、米国・豪州だけでなく、東南アジアにおいても、住宅事業・不動産開発事業を進めることで、参入する住宅市場を分散し、収益基盤の多様化と事業の多角化を図っております。このため、海外住宅・不動産事業においては不動産投資リスクに関する社内ルールの運用を徹底し、事業規模拡大に伴う不動産投資残高の増加に対して、各国の住宅マーケットの的確な把握とモニタリング、適正な在庫管理の徹底を図るなど、投資リスクの低減に努めております。 (2)法的規制等に関するリスク当社グループは、木材建材事業や住宅・建築事業をはじめ人々の生活に関する様々な事業を行っております。各事業を取り巻く法規制は多岐にわたり、建築基準法、建設業法、建築士法、宅地建物取引業法、住宅品質確保促進法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、金融商品取引法、介護保険法等に加え、会社法、労働基準法、労働安全衛生法、個人情報保護法、公益通報者保護法など、多くの法規制に従う必要があります。当社グループでは次のような対策によりこれら法規制の遵守に努めておりますが、これらの法規制に適合しない事態が発生した場合、罰金や、行政処分による事業の制約によって社会的信用が低下し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 ①執行役員を委員とする「リスク管理委員会」を設置し、各部署選定の全リスク項目から抽出した「重点管理リスク」の顕在化事例や、リスク回避のための対応の実効性について、定期的に確認と協議を行っております。 ②親会社総務部のリスク管理・コンプライアンスグループでは、国内関係会社に対して、各種法令の遵守状況について一斉点検を実施しております。実施後には、点検で見つかった指摘事項について、各関係会社にフィードバックを実施し、各社が体制の強化や是正に取り組むよう指導しております。 ③各事業本部管理部門による、支店や建築現場に対する監査や実査を実施しております。 ④上記の点検や監査は、事業に応じて取得しているISO規格に基づいて実施するなど、実効性のあるマネジメント体制を構築しております。 (3)為替に関するリスク当社グループは、海外関係会社を通じて海外での事業活動を展開しているほか、木材・建材の外貨建ての輸出入取引や三国間取引を行っております。海外での事業活動及び外貨建ての取引では、為替変動により外貨建ての収益及び費用の円換算額が増減したり、為替換算調整勘定を通じて純資産が増減したりするリスクが存在します。これらのリスクに対応するため、当社グループでは為替予約を行うなどの対策を取っておりますが、急激な為替変動は、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (4)品質保証に関するリスク当社グループは、国内外で取扱商品・サービス及び住宅等の品質管理に万全を期しておりますが、予期せぬ事態や人為的ミスによる重大な品質問題等が発生することを、完全に回避することはできません。具体的には、品質保証責任を問われる住宅等の重大な欠陥、有料老人ホーム運営事業等における高齢者向け事業特有の事故等が発生する場合があります。また、特に海外においては、品質不良を原因とするクラスアクション等の訴訟により、高額の賠償責任や対応費用が生じるリスクがあります。さらには、合法性や持続可能性に疑義のある木材の調達により、政府によるペナルティや環境保護団体等からの批判を受けるリスクがあります。これらのリスクに備え、当社グループでは「住友林業グループ品質方針」を定め、当社グループから生み出される全ての商品やサービスは品質そのものであるという認識のもと、全員参加による「ZERO DEFECTS(ゼロディフェクト)」を追求し、次のような対策を通した品質の向上に取り組んでおりますが、多額の損害賠償や社会的信用の失墜が発生した場合には、こうしたリスクの顕在化が、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 ①法規制に適合する部材の使用、有資格者の適切な配置、適切な施工体制の整備を徹底しております。 ②戸建住宅事業において、長期保証制度を設け、きめ細やかなアフターサービスを提供しております。 ③有料老人ホーム事業においては、オペレーションミスによる事故を回避するため、サービス提供手順のマニュアルを作成し、周知を徹底しております。施設内でインフルエンザ等の感染症が蔓延するのを防止するため、社員に予防接種を義務付けるなど感染症対策にも努めております。 ④木材の調達に関しては、調達部門及びサステナビリティ推進部門による「木材調達委員会」を定期開催し、合法性と持続可能性の確認及び勉強会などを含む情報共有を実施しております。 (5)取引先への信用供与に関するリスク当社グループは取引先に対する売上債権等の信用供与を行っており、信用リスクの顕在化を防ぐために適切な限度額を設定するなど、与信管理を徹底しておりますが、それでもなおリスクが顕在化する可能性を完全に回避することは困難です。また、信用リスクが顕在化した場合の損失に備えるため、一定の見積りに基づいて貸倒引当金を設定しておりますが、実際に発生する損失がこれを超過する可能性があります。このため、取引先の支払い不能等の信用リスクの顕在化は、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (6)海外での事業活動に関するリスク当社グループは、海外で事業活動を展開しているほか、海外商品の取扱い等、海外の取引先と多くの商取引を行っております。各国の政治・経済・社会情勢の変化を注視し、現地の法規制等の遵守、慣習による贈収賄の横行や社員による着服の防止、重大労災の発生防止等に努めておりますが、特に、当社グループの木材の調達先及び製造拠点の一部であり、大規模植林事業も展開しているパプアニューギニアやインドネシアなどの新興国においては、これらのリスクが顕在化する可能性を完全に回避することは困難です。社内管理の不備により、法規制への違反や不法行為などのコンプライアンス違反が発生し、高額の金銭の流出事件が発生したり、現地政府からペナルティを受けたり、死亡労災等を防げずに被災者遺族から多額の損害賠償請求を受けたりした場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。こうしたリスクを最小化するために、当社では次のような対策をとっております。 ①「住友林業グループ労働安全衛生方針」に定める「SAFETY FIRST(セーフティファースト)」という基本的な考えのもと、海外の各製造拠点においても、労働安全衛生体制の整備に努め、使用する重機の安全装置や作業者の安全装備を充実させるとともに、積極的な従業員教育に取り組んでおります。 ②社内監査、会計監査、税務調査などで発覚した指摘事項を関係会社各社で共有し、より効果的な管理体制の構築に努めております。 ③海外関係会社各社に、贈収賄防止規定を整備しております。 ④海外出張者・海外駐在員に対し、渡航前に安全教育や危機管理研修を実施しております。 (7)保有・管理する山林や植林事業地に関するリスク当社グループは、国内社有林で計画的な森林経営を展開するほか、海外でも広大な植林地を管理し、生物多様性の保全や地域社会の発展に貢献するための活動を実施しております。国内外で所有・管理する山林・植林地では、以下のような取り組みやリスク対策を実施しておりますが、大規模な山林火災や病害虫による植林木の損失、誤った伐採量の試算による過剰伐採、地域住民からの反発、環境保護団体からの批判活動が長期間続いた場合には、これらのリスクの顕在化が、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 ①国内外の社有林及び植林事業地で、植林・育林・収穫を計画的かつ継続的に実施する保続林業の考え方を基本に、持続可能な木材生産に努めております。過剰に木材を伐採することがないよう、施業計画の立案とこれに沿った森林経営を実施しております。 ②山林火災防止のため、火災リスクの高い時期における関係者以外の管理地への立ち入り規制や、数値化した火災リスクに応じた現場オペレーションの制定・遵守等を実施しております。また、火の見櫓から煙の発生を監視したり、パトロールを実施したりするなど、早期の火災発見体制も整備しております。 ③植林木の育成が阻害されないよう、計画的な間伐や下草等の刈払いなどの植林事業地全体の日常的な管理を徹底しております。また、適時生育状況をモニターすることにより病虫害を防止するとともに、獣害防止にも努めております。 ④国内外の社有林及び植林事業地を取り巻く地域社会への貢献に努め、地域社会の発展に寄与する事業を展開しております。特に大規模植林事業を展開するインドネシアやパプアニューギニアでは、地域の雇用創出、ライフライン設備の建設、環境教育等の活動を地道に展開し、地域に根差した活動を目指しております。 ⑤国内外における森林資源の管理・活用拡大にあたっては、気候変動対策や生物多様性保全に配慮した取り組みを実施しております。具体的には、植林計画立案時の、地形や地質、生息する希少動物の把握に至るまでの詳細な調査実施などに努めております。 (8)情報漏洩に関するリスク当社グループは、国内外の住宅・不動産事業等においてお客様に関する膨大な個人情報を保有しており、筑波研究所等の研究機関においては長年の研究成果等の大量の機密情報を保有しております。重要な情報の管理には万全を期しておりますが、個人情報等を含む書類・社給端末の盗難、従業員及び委託先等の人為的ミスなどの内部要因による情報漏洩、及び悪意ある第三者からの攻撃などの外部要因による情報漏洩を完全に回避することは困難です。個人情報が外部に流出した場合には、お客様及びマーケット等からの社会的信用の失墜や被害にあわれたお客様からの損害賠償請求を招く可能性や、会社の機密情報が流出した場合には、市場における競争力の低下や共同研究先からの損害賠償請求等を招く可能性があり、これらの情報セキュリティリスクの顕在化は、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。なお、このようなリスクを低減するために、当社では次のような対策をとっております。 ①全従業員を対象に、個人情報や機密情報の取り扱いに関する研修を定期的に実施しております。 ②内部からの情報漏洩と外部からの侵入の両方に対するセキュリティ強化のため、多層防御システムを構築しております。また、システム担当者による情報漏洩を防ぐため、社内システム部門の承認手順を多重化するなどの対策を実施しております。 ③個人情報や機密情報の電子化と、一定基準のセキュリティ設定をした社給端末への集約を推進し、書類の紛失による情報流出リスクに対応しております。 ④シンクライアント端末、ハードディスクを暗号化したモバイルパソコン、仮想ネットワーク等を導入し、業務内容や働きかたに合わせたIT環境を整備することで、端末紛失時の情報流出リスクに対応しております。 ⑤研究・開発に関する機密情報等、企業秘密を取り扱う案件では、必ず関係先と秘密保持契約を締結しております。 (9)退職給付会計に関するリスク当社グループは、退職給付会計に係る数理計算上の差異について、発生年度に一括して費用処理する方法を採用しております。期初時点での想定よりも年金資産の運用環境が悪化した場合や、退職給付債務の計算に用いる割引率が低下した場合、数理計算上の差異の償却費用が発生し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。このような数理計算上の差異の発生に伴う損益変動リスクに対応するため、確定給付型と確定拠出型を組み合わせた退職給付制度を導入しているほか、年金資産の運用において安全性と収益性を考慮した適切な投資配分などを行っております。 (10)気候変動に関するリスク気候変動によって生じる異常気象や生物多様性の変化等は、当社グループの企業努力だけでは回避することが困難であり、地球環境や世界経済に重大な影響を与えるおそれがあると同時に、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。物理的リスクとしては、自然災害の激甚化等が、住宅建設等の工期の遅れや被災した工事中建物の復旧活動等による建築コストの増加を招く可能性があります。また、異常気象の発生等が、生物資源である樹木の植生や成長に影響を与える可能性があるほか、管理する植林地、森林等が毀損される可能性があります。移行リスクとしては、各国の森林保護政策や伐採規制等の変更・強化が、木材調達コストの増加を招く可能性があります。また、当社グループでは、建材製造事業や都市型及び山間地型のバイオマス発電事業を展開しているほか、研究技術開発構想「W350計画」に代表される、研究開発・技術革新活動に取り組んでおりますが、これらの設備や技術、エネルギー利用や温室効果ガス排出に関連する法規制等が変更された場合、操業コストの増加や、対応のための追加コストの発生を招く可能性があります。持続可能で豊かな社会の実現に貢献することを経営理念とする当社グループでは、持続可能性の観点から気候変動に関するリスクを主要なリスクと捉え、次のような取り組みを実施しております。 ①グループ全体の事業活動から生じる温室効果ガス排出量を削減するための科学的根拠に基づいた目標※1を策定し、中期経営計画等に織り込んで目標実現に向けて取り組んでおります。 ②2018年に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)※2の提言内容への賛同を表明しました。同年からTCFDの提言に基づくシナリオ分析を実施し、投資家に向けた気候関連の財務情報開示に努めております。 ③2020年3月から国際的イニシアティブ「RE100」※3に加盟し、2040年までに、自社グループの事業活動で使用する電力と発電事業における発電燃料を100%再生可能エネルギーにすることを目指し、取り組みを推進しております。 ※1 当社グループは、2018年4月に温室効果ガス長期削減目標を策定し、同年7月に科学的根拠に基づいた目標(SBT:Science Based Targets)として認定されました。認定は、SBTイニシアティブ(SBTi)によるものです。SBTiは、2015年に国連グローバル・コンパクト、CDP(機関投資家と協働して、企業が環境影響について情報開示と管理をすることを促す英国のNGO)、WRI(世界資源研究所)、WWF(世界自然保護基金)の4団体が、産業革命前からの気温上昇を2℃未満に抑えるための科学的根拠に基づいた温室効果ガスの排出削減目標を推進するために設立されたイニシアティブです。2018年10月に、IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)から、世界の平均気温の上昇幅の1.5℃と2℃との間には生じる影響に大きな違いがあることが報告され、2019年9月の国連気候行動サミットで1.5℃目標への流れが決定的になると、SBTiも1.5℃基準の承認基準へ移行しました。これを受け、当社グループも目標を1.5℃基準に見直し、2022年1月現在、再認定を申請中です。 ※2 FSB(金融安定理事会)の指示により2015年に設置されたタスクフォースです。企業が任意で行う気候関連のリスク・機会に関する情報開示のフレームワークが示されています。 ※3 国際的な環境NGOであるThe Climate GroupとCDPが連携して運営する国際イニシアティブです。 (11)自然災害等による緊急事態の発生に関するリスク大規模な地震や風水害等の自然災害、戦争、火災、テロ、新型インフルエンザ等を含む重篤な感染症、暴動などの危機事象が発生し、従業員の生命に危機が生じるような緊急事態に陥った場合、事業継続が困難となる可能性があります。当社グループでは、そうした事態に備え、全社的な事業継続マネジメント(BCM)を推進しております。具体的には、緊急事態の発生に伴う事業中断による業績への影響の最小化を目的に、平時における活動と緊急事態発生時の対応方針等の基本事項を定める「BCM規程」を制定し、事象別の事業継続計画(BCP)を策定しております。個別のBCPを実現させるため、データ保存の二重化、安否確認システムの導入、帰宅困難対策、防災訓練、必要物資の備蓄等を実施しているほか、本社機能喪失を想定した代替拠点の整備や、平常時からのテレワーク環境の整備等によるリスクの分散に取り組んでおります。しかし、危機事象の多くは発生を予測することが困難であり、このような対策をもってしてもすべての被害や影響を回避できるとは限りません。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)については、今後感染状況がどのように収束するか、経済や社会にどのような影響を及ぼすか、先行きが不透明な状況が続いております。当社グループでは、日本国内及び事業を展開する諸外国における感染拡大状況に応じて様々な対策を実施しておりますが、世界的な移動制限や外出制限などの感染拡大防止策が当社グループの事業活動を制限し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
FY2020|8,217 文字
2 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、具体的な影響額を見積もることは困難であるため、記載はしておりません。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 国内外の住宅市場の動向に関するリスク当社グループの業績は、国内外における住宅市場の動向に大きく依存しています。国内外の経済状況の低迷や景気の見通しの後退、それらに起因する雇用環境の悪化や個人消費の落ち込みは、お客様の住宅購買意欲を減退させる可能性があります。また、各国の金利政策や住宅関連政策の変更、地価の変動等も、お客様の住宅購買意欲に大きな影響を与えるため、これらの顧客ニーズの変化が住宅市況を悪化させ、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。上記リスクに対して、国内の住宅・建築事業では、次のような対策により、当社の独自性を強調し、住宅市場における優位性の確保を図っています。 ①戸建注文住宅事業では、当社独自の商品や技術力・設計力を活かした提案を強化し、お客様の様々な要望にお応えすることで、受注拡大に努めています。具体的には、環境配慮型商品の受注に注力するとともに、天井高、床材・建具の種類やデザインに豊富な選択肢を用意し、お客様の要望に沿って様々な室内空間を実現する提案等を行っています。 ②賃貸住宅事業では、多様化する入居者のライフスタイルに対応して、賃貸住宅に求められる性能を的確に把握し、より快適な住環境を提供することに努めています。その他、リフォーム事業では、高い技術力を活かした耐震リフォームや旧家再生リフォームに注力し、建築物の木造化・木質化を推進する木化事業では、中大規模木造建築物への取り組みを強化しています。 また、従来の米国・豪州における住宅事業に加え、東南アジアでの住宅事業を強化することで、参入する住宅市場を分散し、収益基盤の多様化と事業の多角化を図っています。このため、海外住宅・不動産事業においては不動産投資リスクに関する社内ルールの運用を徹底し、事業規模拡大に伴う不動産投資残高の増加に対して、各国の住宅マーケットの的確な把握とモニタリング、適正な在庫管理の徹底を図るなど、投資リスクの低減に努めています。 (2) 法的規制等に関するリスク当社グループは、木材建材事業や住宅・建築事業をはじめ人々の生活に関する様々な事業を行っています。各事業を取り巻く法規制は多岐にわたり、建築基準法、建設業法、建築士法、宅地建物取引業法、住宅品質確保促進法、介護保険法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、労働基準法、労働安全衛生法等に加え、個人情報保護法など、多くの法規制に従う必要があります。当社グループでは次のような対策によりこれら法規制の遵守に努めていますが、これらの法規制に適合しない事態が発生した場合、罰金や、行政処分による事業の制約によって社会的信用が低下し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 ①執行役員を委員とする「リスク管理委員会」を設置し、各部署選定の全リスク項目から抽出した「重点管理リスク」の顕在化事例や、リスク回避のための対応の実効性について、定期的に確認と協議を行っています。 ②親会社総務部のリスク管理・コンプライアンスグループでは、国内関係会社に対して、各種法令の遵守状況について一斉点検を実施しています。実施後には、点検で見つかった指摘事項について、各関係会社にフィードバックを実施し、各社が体制の強化や是正に取り組むよう指導しています。 ③各事業本部管理部門による、支店や建築現場に対する監査や実査を実施しています。 ④上記の点検や監査は、事業に応じて取得しているISO規格に基づいて実施するなど、実効性のあるマネジメント体制を構築しています。(3) 為替に関するリスク当社グループは、海外関係会社を通じて海外での事業活動を展開している他、木材・建材の外貨建ての輸出入取引や三国間取引を行っております。海外での事業活動及び外貨建ての取引では、為替変動により外貨建ての収益及び費用の円換算額が増減したり、為替換算調整勘定を通じて純資産が増減したりするリスクが存在します。これらのリスクに対応するため、当社グループでは為替予約を行うなどの対策を取っていますが、急激な為替変動は、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (4) 品質保証に関するリスク当社グループは、国内外で取扱商品・サービス及び住宅等の品質管理に万全を期しておりますが、予期せぬ事態や人為的ミスによる重大な品質問題等が発生することを、完全に回避することはできません。具体的には、品質保証責任を問われる住宅等の重大な欠陥、有料老人ホーム運営事業等における高齢者向け事業特有の事故等が発生する場合があります。また特に海外においては、品質不良を原因とするクラスアクション等の訴訟により、高額の賠償責任や対応費用が生ずるリスクがあります。さらには、合法性や持続可能性に疑義のある木材の調達により、政府によるペナルティや環境保護団体等からの批判を受けるリスクがあります。これらのリスクに備え、当社では次のような対策を取っていますが、多額の損害賠償や社会的信用の失墜が発生した場合には、こうしたリスクの顕在化が、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。なお、リフォーム事業を行っている子会社において発生した、戸建住宅の増築工事における建築基準法令への不適合について、調査結果を踏まえ、補修費用等の対応費用が発生するリスクがあります。①法規制に適合する部材の使用、有資格者の適切な配置、適切な施工体制の整備を徹底しています。 ②戸建住宅事業において、長期保証制度を設け、きめ細やかなアフターサービスを提供しています。 ③有料老人ホーム事業においては、オペレーションミスによる事故を回避するため、サービス提供手順のマニュアルを作成し、周知を徹底しています。施設内でインフルエンザ等の感染症が蔓延するのを防止するため、社員に予防接種を義務付けるなど感染症対策にも努めています。 ④木材の調達に関しては、調達部門及びサステナビリティ推進部門による「木材調達委員会」を定期開催し、合法性と持続可能性の確認及び勉強会などを含む情報共有を実施しています。(5) 取引先への信用供与に関するリスク当社グループは取引先に対する売上債権等の信用供与を行っており、信用リスクの顕在化を防ぐために適切な限度額を設定するなど、与信管理を徹底しておりますが、それでもなおリスクが顕在化する可能性を完全に回避することは困難です。また、信用リスクが顕在化した場合の損失に備えるため、一定の見積りに基づいて貸倒引当金を設定しておりますが、実際に発生する損失がこれを超過する可能性があります。このため、取引先の支払い不能等の信用リスクの顕在化は、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (6) 海外での事業活動に関するリスク当社グループは、海外で事業活動を展開している他、海外商品の取扱い等、海外の取引先と多くの商取引を行っております。各国の政治・経済・社会情勢の変化を注視し、現地の法規制等の遵守、慣習による贈収賄の横行や社員による着服の防止、重大労災の発生防止等に努めていますが、特に、当社グループの木材の調達先及び製造拠点の一部であり、大規模植林事業も展開しているパプアニューギニアやインドネシアなどの新興国においては、これらのリスクが顕在化する可能性を完全に回避することは困難です。社内管理の不備により、法規制への違反や不法行為などのコンプライアンス違反が発生し、高額の金銭の流出事件が発生したり、現地政府からペナルティを受けたり、死亡労災等を防げずに被災者遺族から多額の損害賠償請求を受けたりした場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。こうしたリスクを最小化するために、当社では次のような対策をとっています。 ①海外の各製造拠点において、労働安全衛生体制の整備に努め、使用する重機の安全装置や作業者の安全装備を充実させるとともに、積極的な従業員教育に取り組んでいます。 ②社内監査、会計監査、税務調査などで発覚した指摘事項を関係会社各社で共有し、より効果的な管理体制の構築に努めています。 ③海外関係会社各社に、贈収賄防止規定を整備しています。 ④海外出張者・海外駐在員に対し、渡航前に安全教育や危機管理研修を実施しています。(7) 保有・管理する山林や植林事業地に関するリスク当社グループは、国内社有林で計画的な森林経営を展開する他、海外でも広大な植林地を管理し、生物多様性の保全や地域社会の発展に貢献するための活動を実施しています。国内外で所有・管理する山林・植林地では、以下のような取り組みやリスク対策を実施していますが、大規模な山林火災や病害虫による植林木の損失や、誤った伐採可能量の試算による過剰伐採、地域住民からの反発、環境保護団体からの批判活動が長期間続いた場合には、これらのリスクの顕在化が、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。①国内外の社有林及び植林事業地で、植林・育林・収穫を計画的かつ継続的に実施する保続林業の考え方を基本に、持続可能な木材生産に努めています。過剰に木材を伐採することがないよう、施業計画の立案とこれに沿った森林経営を実施しています。 ②山林火災防止のため、火災リスクの高い時期における関係者以外の管理地への立ち入り規制や、数値化した火災リスクに応じた現場オペレーションの制定・遵守等を実施しています。また、火の見櫓から煙の発生を監視したり、パトロールを実施したりするなど、早期の火災発見体制も整備しています。 ③植林木の育成が阻害されないよう、計画的な間伐や下草等の刈払いなどの植林事業地全体の日常的な管理を徹底し、適時生育状況をモニターすることにより病虫害を防止するとともに、獣害防止にも努めています。 ④国内外の社有林及び植林事業地を取り巻く地域社会への貢献に努め、地域社会の発展に寄与する事業を展開しています。特に大規模植林事業を展開するインドネシアやパプアニューギニアでは、地域の雇用創出、ライフライン設備の建設、環境教育等の活動を地道に展開し、地域に根差した活動を目指しています。 ⑤国内外における森林資源の管理・活用拡大にあたっては、気候変動対策や生物多様性保全に配慮した取り組みを実施しています。具体的には、植林計画立案時の、地形や地質、生息する希少動物の把握に至るまでの詳細な調査実施などに努めています。(8) 情報漏洩に関するリスク当社グループは、国内外の住宅・不動産事業等においてお客様に関する膨大な個人情報を保有しており、筑波研究所等の研究機関においては長年の研究成果等の大量の機密情報を保有しています。重要な情報の管理には万全を期していますが、個人情報等を含む書類・社給端末の盗難、従業員及び委託先等の人為的ミスなどの内部要因による情報漏洩、及び悪意ある第三者からの攻撃などの外部要因による情報漏洩を完全に回避することは困難です。個人情報が外部に流出した場合には、お客様及びマーケット等からの社会的信用の失墜や被害にあわれたお客様からの損害賠償請求を招く可能性や、会社の機密情報が流出した場合には、市場における競争力の低下や共同研究先からの損害賠償請求等を招く可能性があり、これらの情報セキュリティリスクの顕在化は、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。なお、このようなリスクを低減するために、当社では次のような対策をとっています。①全従業員を対象に、個人情報や機密情報の取り扱いに関する研修を定期的に実施しています。 ②内部からの情報漏洩と外部からの侵入の両方に対するセキュリティ強化のため、多層防御システムを構築しています。また、システム担当者による情報漏洩を防ぐため、社内システム部門の承認手順を多重化するなどの対策を実施しています。 ③個人情報や機密情報の電子化と、一定基準のセキュリティ設定をした社給端末への集約を推進し、書類の紛失による情報流出リスクに対応しています。 ④シンクライアント端末を導入し、端末紛失時の情報流出リスクに対応しています。 ⑤研究・開発に関する機密情報等、企業秘密を取り扱う案件では、必ず関係先と秘密保持契約を締結しています。(9) 退職給付会計に関するリスク当社グループは、退職給付会計に係る数理計算上の差異について、発生年度に一括して費用処理する方法を採用しています。期初時点での想定よりも年金資産の運用環境が悪化した場合や、退職給付債務の計算に用いる割引率が低下した場合、数理計算上の差異の償却費用が発生し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。このような数理計算上の差異の発生に伴う損益変動リスクに対応するため、確定給付型と確定拠出型を組み合わせた退職給付制度を導入している他、年金資産の運用において安全性と収益性を考慮した適切な投資配分などを行っています。(10) 気候変動に関するリスク当社グループは、持続可能で豊かな社会の実現に貢献することを経営理念として、様々な事業活動を展開しています。持続可能性の観点から注目されている気候変動の問題に対しては、2018年7月に温室効果ガスの長期削減目標であるSBT(Science Based Targets)を策定し、それを中期経営計画や単年度予算に織り込んで、目標実現のための進捗管理を行っています。その他にも、都市型及び山間地型のバイオマス発電事業、東南アジア・オセアニア諸国における大規模植林活動等の推進に取り組むとともに、木の需要を高めることで気候変動に対応すべく、研究技術開発構想「W350計画」を筆頭に、研究開発・技術革新の加速を図っています。2015年のパリ協定では、気温上昇を1.5℃に抑える目標が設定されましたが、気温上昇が2℃を超えることで、温暖化による海面水位の上昇、生態系の変質や生物種の喪失割合の拡大、食糧安全保障への影響拡大等により世界全体での経済損失の拡大が予測されており、より一層の気候変動対策が求められています。当社においても、気候変動に伴う異常気象の発生や気候帯の変化による都市や森林の遷移、生物多様性の変質などの外的要因により、生物資源である木材の調達に著しく支障をきたした場合、また、それらの対策のために国内外の法規制等の変更がなされた場合、上記の取り組みにもかかわらず、問題解決のための追加の対策コストが必要となる可能性があります。これらのリスクの顕在化は、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 (11) 自然災害等による緊急事態の発生に関するリスク当社グループでは、大規模な地震や風水害等の自然災害、戦争、火災、テロ、新型インフルエンザ等を含む重篤な感染症、暴動などの危機事象が発生し、従業員の生命に危機が生じるような緊急事態に陥った場合に備え、全社的な事業継続マネジメント(BCM)を推進しています。具体的には、緊急事態の発生に伴う事業中断による業績への影響の最小化を目的に、平時における活動と緊急事態発生時の対応方針等の基本事項を定める「BCM規程」を制定し、事象別の事業継続計画(BCP)を策定しています。個別のBCPを実現させるため、安否確認システムの導入、帰宅困難対策、防災訓練、必要物資の備蓄等を実施、また大規模停電等による本社機能喪失を想定したデータ保存の二重化、代替拠点やインフラの整備、代替拠点における重要業務の代行要員の確保などに取り組んでいます。しかし、危機事象の多くは発生を予測することが困難であり、このような対策をもってしても全ての被害や影響を回避できるとは限りません。(12) 新型コロナウイルス感染症が事業に与える影響に関するリスク新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染の拡大を受け、当社グループでは、社長を本部長とする新型コロナウイルス対策本部を設置し、全社的対応方針の迅速な策定に努め、重要業務の維持継続及び事業への影響の最小化に取り組んでいます。具体的には、国内外の全社員及びその家族の健康と安全を最優先事項とし、次のような対策を実施しています。①事業所ごとの在席率に目安を設け、時差出勤やシフト制勤務の実施、テレワークの活用等、社員の感染予防を徹底しています。 ②医療リスクの高い国に駐在する社員及びその帯同家族は原則全員帰国させ、日本国外への異動予定者については、現地への赴任を延期するなどの対応を実施しています。 ③BCM活動の一環として備蓄していたマスクや消毒液などを、国内外の各事業拠点に配布しています。 ④在宅勤務状況下でも社員が十分なコミュニケーションをとり、重要な情報にアクセスできるよう、テレビ会議ツールやお知らせ周知用の掲示板を整備するなど、様々な対応を実施しています。しかし、今後、世界的な感染拡大が収束せず事業活動への制約が長引いた場合、下記のようなリスクの顕在化が、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。(イ)サプライチェーン及び事業継続に関するリスク当社グループでは、住宅資材のサプライチェーンに対し、中国を含む各国の製造拠点の操業状態や在庫状況をモニタリングし、調達に支障をきたさないよう対策を実施しています。ただし、中国で感染が再拡大した場合や他の資材調達先の国々で感染が拡大した場合、住宅資材の調達に支障が生じ、住宅の完工時期に影響を及ぼす可能性があります。また、海外関係会社各社において、支払業務等の重要業務を継続するため、あらかじめ策定しているBCPに基づいた対応を実施していますが、コロナウイルス感染拡大による経済活動低迷が継続した場合、当該海外関係会社の資金繰り悪化に対する追加資金調達を要したり、当初計画していた利益の計上や投資の回収が困難になったりする可能性があります。 (ロ)国内外の住宅市場の動向に関するリスク((1)に関連)国内外における新型コロナウイルスの感染拡大の影響による経済活動の鈍化、景気の見通しの後退、雇用環境の悪化が、個人の消費を落ち込ませ、お客様の住宅購買意欲を減退させる可能性があります。特に、当社グループは米国における住宅・不動産事業を展開していますが、米国での新型コロナウイルス感染者数は世界最多となっています。感染拡大収束後の景気の後退、失業率の増加、個人消費の停滞などが予測されるため、当社グループの戸建住宅の売上が落ち込む可能性があります。(ハ)取引先への信用供与に関するリスク((5)に関連)新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、当社グループの取引先事業者が、資金繰りの悪化などによる支払い不能等に陥る可能性があります。信用供与にあたっては、適切な限度額や貸倒引当金の設定を行うなどの対策を実施していますが、実際に発生する損失がこれを超過する可能性があります。 (ニ)資金調達に関するリスク当社グループは、金融機関からの借入、社債及びコマーシャル・ペーパーの発行等により資金調達を行っています。これに関し、金融機関との取引関係の維持、調達先の分散、複数の金融機関とのコミットメントライン(特定融資枠)の設定など、資金調達リスクを軽減するため様々な対応策をとっていますが、新型コロナウイルスの影響による経済環境の変化や金融資本市場の混乱等により、資金調達コストが増加したり資金調達に制約を受ける可能性があります。
FY2019|3,702 文字
2 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 住宅市場の動向当社グループの業績は、国内外における住宅市場の動向に大きく依存しております。そのため、以下のような状況の変化により、住宅受注・販売が大幅に減少する事態となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ①景気変動経済状況の低迷や景気見通しの後退及びそれらに起因する雇用環境の悪化や個人消費の落込みは、お客様の住宅購買意欲を減退させる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ②金利変動金利変動とりわけ長期金利の上昇は、ローンによる支払いを行うケースが多い戸建住宅を建てるお客様や、土地活用のために集合住宅等の建築物を建てるお客様にとって、支払総額の増加をもたらすため需要を減退させる可能性があります。ただし、金利の先高観は、金利上昇に伴うローンによる支払総額の上昇を回避するための駆け込み需要を喚起し、一時的に住宅需要を増加させる可能性があります。 ③地価の変動地価の大幅な上昇は、土地を所有していないお客様の住宅購買意欲を冷え込ませる可能性があります。一方、地価の大幅な下落は土地を所有しているお客様に対して資産デフレをもたらし、建替え需要を減退させる可能性があります。そのため、地価の大幅な上昇や下落は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ④税制及び住宅関連政策の変更国内においては、今後予定されている消費税の税率引上げは、住宅購入の駆け込み需要を喚起し、一時的に住宅需要を増加させる可能性がある一方、その後は反動減を招く懸念があります。また、住宅ローン減税や補助金制度等の住宅関連政策の変更は、お客様の住宅購買意欲に影響を与え、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (2) 法的規制の変更住宅・建築事業をはじめ当社グループの各事業を取り巻く法規制には、建築基準法、建設業法、建築士法、宅建業法、都市計画法、国土利用計画法、住宅品質確保促進法、介護保険法、廃掃法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)、労働基準法、労働安全衛生法等に加え、個人情報保護法など様々な規制があります。当社グループはこれら法規制の遵守に努めておりますが、関係する法規制の改廃や新たな法規制の制定が行われた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (3) 他社との競合当社グループは木材建材事業や住宅・建築事業をはじめ人々の生活に関する様々な事業を行っており、それぞれの事業において競合会社との間で競争状態にあります。従って、当社グループの商品・サービスの品質・価格・営業力等について競合会社より優位に立てない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (4) 資本・投資戦略当社グループは様々な事業に対する投資を行っておりますが、経営環境の変化、投資先やパートナーの業績悪化・停滞等により当初計画どおりの収益計上や投資回収が進まない場合は、投資の一部又は全部の損失や、追加資金の拠出が必要となる可能性があります。また、パートナーの経営方針や投資対象の流動性の低さ等により当社グループが希望する時期や方法による事業撤退又は再編を進められない可能性があります。これらの場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (5) 木材・建材及びその他原材料市況木材・建材価格の低下は木材・建材流通事業において売上高の減少をもたらします。一方、木材・建材価格の上昇は、その他の住宅・建設資材価格と同様、住宅・建築部門において資材の仕入価格の上昇を招きます。そのため、木材・建材価格の急激な変動並びに、原油等、木材・建材以外の直接・間接的な原材料市況の変動は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (6) 為替レートの変動外貨建て輸入に際しては、為替予約を行うなど為替リスクを低減するための措置をとっておりますが、為替変動により一時的に想定以上のコスト変動が発生する場合があります。また、海外で木質建材等を製造販売する関係会社において、会計通貨に対する決済通貨の為替変動が当該会社の業績に影響を及ぼす場合があります。そのため、為替の急激な変動は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (7) 品質保証当社グループは取扱商品・サービス及び住宅等の品質管理には万全を期しておりますが、予期せぬ事情や人為的ミスによる住宅等の欠陥、お客様をはじめとする人命にかかわる事故(有料老人ホーム等における高齢者事業特有の事故を含む)など、重大な品質問題等が発生した場合には、損害賠償やお客様及びマーケット等からの信頼失墜により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (8) 海外での事業活動当社グループは海外で事業活動を展開している他、海外商品の取扱等、海外の取引先と多くの取引を行っております。従って、日本のみならず関係各国の法律や規制、経済・社会情勢及び消費者動向等の変動が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (9) 退職給付債務当社グループの年金資産の運用環境が大幅に悪化した場合や数理計算上の前提条件を変更する必要性が生じた場合、追加的な年金資産の積み増しを要する、あるいは年金に関する費用が増加する等の可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (10) 株式市場株式市場の大幅な変動等を原因として当社グループが保有する有価証券の評価損等を計上する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (11) 自然災害大規模な地震や風水害等の自然災害が発生した場合には、保有設備の復旧活動や引渡済の住宅等に対する安全確認及び建築請負物件等の完工引渡の遅延等により多額の費用が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (12) 情報セキュリティ当社グループはお客様に関する膨大な情報を保有しており、情報管理に関する規程及び体制の整備やグループ全社の従業員等に対する教育の徹底等により、お客様に関する情報の管理には万全を期しております。しかしながら、悪意のある第三者によるコンピュータへの侵入や盗難、従業員及び委託先等の人為的ミス、事故等によりお客様に関する情報が外部に漏洩した場合、お客様からの損害賠償請求やお客様及びマーケット等からの信頼失墜により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (13) 気候変動など環境関連気候変動に伴う異常気象の発生や水資源の変化、生物多様性の損失など環境問題により重大な事故・災害・障害等が発生した場合、また、それらの対策のために国内及び海外における法的規制等の変化が発生した場合、罰金、補償金又は問題解決のための対策コストが必要となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (14) 保有資産の価値下落当社グループが保有している不動産や商品などの資産について、市況の著しい悪化等によってそれらの価値が下落した場合は評価損の計上や減損処理を行う可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (15) 取引先の信用供与当社グループは取引先に対する売上債権などの信用供与を行っており、信用リスクの顕在化を防ぐために適切な限度額を設定するなど、与信管理を徹底しておりますが、それでもなおリスクが顕在化する可能性があります。また信用リスクが顕在化した場合の損失に備えるため、一定の見積りに基づいて貸倒引当金を設定しておりますが、実際に発生する損失がこれを超過する可能性があります。従って、こうした管理はリスクを完全に回避できるものではなく、顕在化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (16) 訴訟リスク当社グループは国内外で様々な事業活動を行っており、それらが訴訟や紛争等の対象となる可能性があります。対象となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (17) 資金調達リスク当社グループは金融機関からの借入等により資金調達を行っており、経済環境の変化や格付の低下等により、調達コストの増加や資金調達自体の制約を受ける可能性があります。その場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
FY2018|3,532 文字
2 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 住宅市場の動向当社グループの業績は、住宅市場の動向に大きく依存しております。そのため、以下のような状況の変化により、住宅受注が大幅に減少する事態となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ①景気変動経済状況の低迷や景気見通しの後退及びそれらに起因する雇用環境の悪化や個人消費の落込みは、お客様の住宅購買意欲を減退させる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与えるものと考えられます。 ②金利変動金利変動とりわけ長期金利の上昇は、ローンによる支払いを行うケースが多い戸建住宅を建てるお客様や、土地活用のために集合住宅等の建築物を建てるお客様にとって、支払総額の増加をもたらすため需要を減退させる可能性があります。ただし、金利の先高観は、金利上昇に伴うローンによる支払総額の上昇を回避するための駆け込み需要を喚起し、一時的に住宅需要を増加させる可能性があります。 ③地価の変動地価の大幅な上昇は、土地を所有していないお客様の住宅購買意欲を冷え込ませる可能性があります。一方、地価の大幅な下落は土地を所有しているお客様に対して資産デフレをもたらし、建替え需要を減退させる可能性があります。そのため、地価の大幅な上昇や下落は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ④税制及び住宅関連政策の変更今後予定されている消費税の税率引上げは、住宅購入の駆け込み需要を喚起し、一時的に住宅需要を増加させる可能性がある一方、その後は反動減を招く懸念があります。また、住宅ローン減税や補助金制度等の住宅関連政策の変更は、お客様の住宅購買意欲に影響を与え、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (2) 法的規制の変更住宅事業を取り巻く法規制には、建築基準法、建設業法、建築士法、宅建業法、都市計画法、国土利用計画法、住宅品質確保促進法、廃掃法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)等に加え、個人情報保護法など様々な規制があります。当社グループはこれら法規制の遵守に努めておりますが、関係する法規制の改廃や新たな法規制の制定が行われた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (3) 他社との競合当社グループは木材建材事業や住宅事業をはじめとする様々な事業を行っており、それぞれの事業において競合会社との間で競争状態にあります。従って、当社グループの商品・サービスの品質・価格・営業力等について競合会社より優位に立てない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (4) 資本・投資戦略当社グループは様々な事業に対する投資を行っておりますが、経営環境の変化、投資先やパートナーの業績悪化・停滞等により当初計画どおりの収益計上や投資回収が進まない場合は、投資の一部又は全部の損失や、追加資金の拠出が必要となる可能性があります。また、パートナーの経営方針や投資対象の流動性の低さ等により当社グループが希望する時期や方法による事業撤退又は再編を進められない可能性があります。これらの場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (5) 木材・建材及びその他原材料市況木材・建材価格の低下は木材・建材流通事業において売上高の減少をもたらします。一方、木材・建材価格の上昇は、その他の住宅資材価格と同様、住宅部門において資材の仕入価格の上昇を招きます。そのため、木材・建材価格の急激な変動並びに、原油等、木材・建材以外の直接・間接的な原材料市況の変動は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (6) 為替レートの変動外貨建て輸入に際しては、為替予約を行うなど為替リスクを低減するための措置をとっておりますが、為替変動により一時的に想定以上のコスト変動が発生する場合があります。また、海外で木質建材等を製造販売する関係会社において、会計通貨に対する決済通貨の為替変動が当該会社の業績に影響を及ぼす場合があります。そのため、為替の急激な変動は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 品質保証当社グループは取扱商品及び住宅等の品質管理には万全を期しておりますが、予期せぬ事情により重大な品質問題等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 海外での事業活動当社グループは海外で事業活動を展開している他、海外商品の取扱等、海外の取引先と多くの取引を行っております。従って、日本のみならず関係各国の法律や規制、経済・社会情勢及び消費者動向等の変動が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 退職給付債務当社グループの年金資産の運用環境が大幅に悪化した場合や数理計算上の前提条件を変更する必要性が生じた場合、追加的な年金資産の積み増しを要する、あるいは年金に関する費用が増加する等の可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 株式市場株式市場の大幅な変動等を原因として当社グループが保有する有価証券の評価損等を計上する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 自然災害大規模な地震や風水害等の自然災害が発生した場合には、保有設備の復旧活動や引渡済の住宅に対する安全確認及び建築請負物件等の完工引渡の遅延等により多額の費用が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 情報セキュリティ当社グループはお客様に関する膨大な情報を保有しており、情報管理に関する規程及び体制の整備やグループ全社の従業員等に対する教育の徹底等により、お客様に関する情報の管理には万全を期しております。しかしながら、悪意のある第三者によるコンピュータへの侵入や盗難、従業員及び委託先等の人為的ミス、事故等によりお客様に関する情報が外部に漏洩した場合、お客様からの損害賠償請求やお客様及びマーケット等からの信頼失墜により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (13) 環境関連気候変動に伴う異常気象の発生や水資源の変化、生物多様性の損失など環境問題により重大な事故・災害・障害等が発生した場合、また、それらの対策のために国内及び海外における法的規制等の変化が発生した場合、罰金、補償金又は問題解決のための対策コストが必要となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (14) 保有資産の価値下落当社グループが保有している不動産や商品などの資産について、市況の著しい悪化等によってそれらの価値が下落した場合は評価損の計上や減損処理を行う可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (15) 取引先の信用供与当社グループは取引先に対する売上債権などの信用供与を行っており、信用リスクの顕在化を防ぐために適切な限度額を設定するなど、与信管理を徹底しておりますが、それでもなおリスクが顕在化する可能性があります。また信用リスクが顕在化した場合の損失に備えるため、一定の見積りに基づいて貸倒引当金を設定しておりますが、実際に発生する損失がこれを超過する可能性があります。従って、こうした管理はリスクを完全に回避できるものではなく、顕在化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (16) 訴訟リスク当社グループは国内外で様々な事業活動を行っており、それらが訴訟や紛争等の対象となる可能性があります。対象となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (17) 資金調達リスク当社グループは金融機関からの借入等により資金調達を行っており、経済環境の変化や格付の低下等により、調達コストの増加や資金調達自体の制約を受ける可能性があります。その場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
FY2017|3,546 文字
4 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 住宅市場の動向当社グループの業績は、住宅市場の動向に大きく依存しております。そのため、以下のような状況の変化により、住宅受注が大幅に減少する事態となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ①景気変動経済状況の低迷や景気見通しの後退及びそれらに起因する雇用環境の悪化や個人消費の落込みは、お客様の住宅購買意欲を減退させる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与えるものと考えられます。 ②金利変動金利変動とりわけ長期金利の上昇は、ローンによる支払いを行うケースが多い戸建住宅を建てるお客様や、土地活用のために集合住宅等の建築物を建てるお客様にとって、支払総額の増加をもたらすため需要を減退させる可能性があります。ただし、金利の先高観は、金利上昇に伴うローンによる支払総額の上昇を回避するための駆け込み需要を喚起し、一時的に住宅需要を増加させる可能性があります。 ③地価の変動地価の大幅な上昇は、土地を所有していないお客様の住宅購買意欲を冷え込ませる可能性があります。一方、地価の大幅な下落は土地を所有しているお客様に対して資産デフレをもたらし、建替え需要を減退させる可能性があります。そのため、地価の大幅な上昇や下落は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ④税制及び住宅関連政策の変更今後予定されている消費税の税率引上げは、住宅購入の駆け込み需要を喚起し、一時的に住宅需要を増加させる可能性がある一方、その後は反動減を招く懸念があります。また、住宅ローン減税や補助金制度等の住宅関連政策の変更は、お客様の住宅購買意欲に影響を与え、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (2) 法的規制の変更住宅事業を取り巻く法規制には、建築基準法、建設業法、建築士法、宅建業法、都市計画法、国土利用計画法、住宅品質確保促進法、廃掃法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)等に加え、個人情報保護法など様々な規制があります。当社グループはこれら法規制の遵守に努めておりますが、関係する法規制の改廃や新たな法規制の制定が行われた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (3) 他社との競合当社グループは木材建材事業や住宅事業をはじめとする様々な事業を行っており、それぞれの事業において競合会社との間で競争状態にあります。従って、当社グループの商品・サービスの品質・価格・営業力等について競合会社より優位に立てない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (4) 資本・投資戦略当社グループは様々な事業に対する投資を行っておりますが、経営環境の変化、投資先やパートナーの業績悪化・停滞等により当初計画どおりの収益計上や投資回収が進まない場合は、投資の一部又は全部の損失や、追加資金の拠出が必要となる可能性があります。また、パートナーの経営方針や投資対象の流動性の低さ等により当社グループが希望する時期や方法による事業撤退又は再編を進められない可能性があります。これらの場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (5) 木材・建材及びその他原材料市況木材・建材価格の低下は木材・建材流通事業において売上高の減少をもたらします。一方、木材・建材価格の上昇は、その他の住宅資材価格と同様、住宅部門において資材の仕入価格の上昇を招きます。そのため、木材・建材価格の急激な変動並びに、原油等、木材・建材以外の直接・間接的な原材料市況の変動は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (6) 為替レートの変動外貨建て輸入に際しては、為替予約を行うなど為替リスクを低減するための措置をとっておりますが、為替変動により一時的に想定以上のコスト変動が発生する場合があります。また、海外で木質建材等を製造販売する関係会社において、会計通貨に対する決済通貨の為替変動が当該会社の業績に影響を及ぼす場合があります。そのため、為替の急激な変動は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 品質保証当社グループは取扱商品及び住宅等の品質管理には万全を期しておりますが、予期せぬ事情により重大な品質問題等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 海外での事業活動当社グループは海外で事業活動を展開している他、海外商品の取扱等、海外の取引先と多くの取引を行っております。従って、日本のみならず関係各国の法律や規制、経済・社会情勢及び消費者動向等の変動が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 退職給付債務当社グループの年金資産の運用環境が大幅に悪化した場合や数理計算上の前提条件を変更する必要性が生じた場合、追加的な年金資産の積み増しを要する、あるいは年金に関する費用が増加する等の可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 株式市場株式市場の大幅な変動等を原因として当社グループが保有する有価証券の評価損等を計上する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 自然災害大規模な地震や風水害等の自然災害が発生した場合には、保有設備の復旧活動や引渡済の住宅に対する安全確認及び建築請負物件等の完工引渡の遅延等により多額の費用が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 情報セキュリティ当社グループはお客様に関する膨大な情報を保有しており、情報管理に関する規程及び体制の整備やグループ全社の従業員等に対する教育の徹底等により、お客様に関する情報の管理には万全を期しております。しかしながら、悪意のある第三者によるコンピュータへの侵入や盗難、従業員及び委託先等の人為的ミス、事故等によりお客様に関する情報が外部に漏洩した場合、お客様からの損害賠償請求やお客様及びマーケット等からの信頼失墜により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (13) 環境関連当社グループは「環境共生」を経営理念の4つの行動指針の中に掲げ、経営の最重要事項の一つとして取り組んでおります。しかしながら、国内及び海外における環境に関する法的規制等の変化や事故・災害等により重大な環境問題が発生した場合、罰金、補償金又は問題解決のための対策コストが必要となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (14) 保有資産の価値下落当社グループが保有している不動産や商品などの資産について、市況の著しい悪化等によってそれらの価値が下落した場合は評価損の計上や減損処理を行う可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (15) 取引先の信用供与当社グループは取引先に対する売上債権などの信用供与を行っており、信用リスクの顕在化を防ぐために適切な限度額を設定するなど、与信管理を徹底しておりますが、それでもなおリスクが顕在化する可能性があります。また信用リスクが顕在化した場合の損失に備えるため、一定の見積りに基づいて貸倒引当金を設定しておりますが、実際に発生する損失がこれを超過する可能性があります。従って、こうした管理はリスクを完全に回避できるものではなく、顕在化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (16) 訴訟リスク当社グループは国内外で様々な事業活動を行っており、それらが訴訟や紛争等の対象となる可能性があります。対象となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (17) 資金調達リスク当社グループは金融機関からの借入等により資金調達を行っており、経済環境の変化や格付の低下等により、調達コストの増加や資金調達自体の制約を受ける可能性があります。その場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
FY2016|3,573 文字
4【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1) 住宅市場の動向 当社グループの業績は、住宅市場の動向に大きく依存しております。そのため、以下のような状況の変化により、住宅受注が大幅に減少する事態となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ① 景気変動 経済状況の低迷や景気見通しの後退及びそれらに起因する雇用環境の悪化や個人消費の落込みは、お客様の住宅購買意欲を減退させる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与えるものと考えられます。 ② 金利変動 金利変動とりわけ長期金利の上昇は、ローンによる支払いを行うケースが多い戸建住宅を建てるお客様や、土地活用のために集合住宅等の建築物を建てるお客様にとって、支払総額の増加をもたらすため需要を減退させる可能性があります。但し、金利の先高観は、金利上昇に伴うローンによる支払総額の上昇を回避するための駆け込み需要を喚起し、一時的に住宅需要を増加させる可能性があります。 ③ 地価の変動 地価の大幅な上昇は、土地を所有していないお客様の住宅購買意欲を冷え込ませる可能性があります。一方、地価の大幅な下落は土地を所有しているお客様に対して資産デフレをもたらし、建替え需要を減退させる可能性があります。そのため、地価の大幅な上昇や下落は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ④ 税制及び住宅関連政策の変更 今後予定されている消費税の税率引上げは、住宅購入の駆け込み需要を喚起し、一時的に住宅需要を増加させる可能性がある一方、その後は反動減を招く懸念があります。また、住宅ローン減税や補助金制度等の住宅関連政策の変更は、お客様の住宅購買意欲に影響を与え、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (2) 法的規制の変更 住宅事業を取り巻く法規制には、建築基準法、建設業法、建築士法、宅建業法、都市計画法、国土利用計画法、住宅品質確保促進法、廃掃法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)等に加え、個人情報保護法など様々な規制があります。当社グループはこれら法規制の遵守に努めておりますが、関係する法規制の改廃や新たな法規制の制定が行われた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (3) 他社との競合 当社グループは木材建材事業や住宅事業をはじめとする様々な事業を行っており、それぞれの事業において競合会社との間で競争状態にあります。従って、当社グループの商品・サービスの品質・価格・営業力等について競合会社より優位に立てない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (4) 資本・投資戦略 当社グループは様々な事業に対する投資を行っておりますが、経営環境の変化、投資先やパートナーの業績悪化・停滞等により当初計画どおりの収益計上や投資回収が進まない場合は、投資の一部又は全部の損失や、追加資金の拠出が必要となる可能性があります。また、パートナーの経営方針や投資対象の流動性の低さ等により当社グループが希望する時期や方法による事業撤退又は再編を進められない可能性があります。これらの場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (5) 木材・建材及びその他原材料市況 木材・建材価格の低下は木材・建材流通事業において売上高の減少をもたらします。一方、木材・建材価格の上昇は、その他の住宅資材価格と同様、住宅部門において資材の仕入価格の上昇を招きます。そのため、木材・建材価格の急激な変動並びに、原油等、木材・建材以外の直接・間接的な原材料市況の変動は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (6) 為替レートの変動 外貨建て輸入に際しては、為替予約を行うなど為替リスクを低減するための措置をとっておりますが、為替変動により一時的に想定以上のコスト変動が発生する場合があります。また、海外で木質建材等を製造販売する関係会社において、会計通貨に対する決済通貨の為替変動が当該会社の業績に影響を及ぼす場合があります。そのため、為替の急激な変動は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 品質保証 当社グループは取扱商品及び住宅等の品質管理には万全を期しておりますが、予期せぬ事情により重大な品質問題等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 海外での事業活動 当社グループは海外で事業活動を展開している他、海外商品の取扱等、海外の取引先と多くの取引を行っております。従って、日本のみならず関係各国の法律や規制、経済・社会情勢及び消費者動向等の変動が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 退職給付債務 当社グループの年金資産の運用環境が大幅に悪化した場合や数理計算上の前提条件を変更する必要性が生じた場合、追加的な年金資産の積み増しを要する、あるいは年金に関する費用が増加する等の可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 株式市場 株式市場の大幅な変動等を原因として当社グループが保有する有価証券の評価損等を計上する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 自然災害 大規模な地震や風水害等の自然災害が発生した場合には、保有設備の復旧活動や引渡済の住宅に対する安全確認及び建築請負物件等の完工引渡の遅延等により多額の費用が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 情報セキュリティ 当社グループはお客様に関する膨大な情報を保有しており、情報管理に関する規程及び体制の整備やグループ全社の従業員等に対する教育の徹底等により、お客様に関する情報の管理には万全を期しております。しかしながら、悪意のある第三者によるコンピュータへの侵入や盗難、従業員及び委託先等の人為的ミス、事故等によりお客様に関する情報が外部に漏洩した場合、お客様からの損害賠償請求やお客様及びマーケット等からの信頼失墜により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (13) 環境関連 当社グループは「環境共生」を経営理念の4つの行動指針の中に掲げ、経営の最重要事項の一つとして取り組んでおります。しかしながら、国内及び海外における環境に関する法的規制等の変化や事故・災害等により重大な環境問題が発生した場合、罰金、補償金又は問題解決のための対策コストが必要となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (14) 保有資産の価値下落 当社グループが保有している不動産や商品などの資産について、市況の著しい悪化等によってそれらの価値が下落した場合は評価損の計上や減損処理を行う可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (15) 取引先の信用供与 当社グループは取引先に対する売上債権などの信用供与を行っており、信用リスクの顕在化を防ぐために適切な限度額を設定するなど、与信管理を徹底しておりますが、それでもなおリスクが顕在化する可能性があります。また信用リスクが顕在化した場合の損失に備えるため、一定の見積りに基づいて貸倒引当金を設定しておりますが、実際に発生する損失がこれを超過する可能性があります。従って、こうした管理はリスクを完全に回避できるものではなく、顕在化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (16) 訴訟リスク 当社グループは国内外で様々な事業活動を行っており、それらが訴訟や紛争等の対象となる可能性があります。対象となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (17) 資金調達リスク 当社グループは金融機関からの借入等により資金調達を行っており、経済環境の変化や格付の低下等により、調達コストの増加や資金調達自体の制約を受ける可能性があります。その場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。