事業等のリスク
ソフトバンクグループの事業には複数のリスクがあります。AI関連企業への投資が中心のため、技術進歩や市場規模の変動が保有株式価値に大きな影響を与えます。特にアーム社の株価変動は影響が大きいです。また、日本だけでなく海外の様々な国・地域に投資しているため、国際情勢の変化や各国の法令・規制強化が投資活動や投資先の事業に悪影響を及ぼす可能性があります。地政学リスクによるサプライチェーンの分断や貿易制限も懸念されます。さらに、投資先のテクノロジー陳腐化や競争激化により、事業計画が想定通りに進まないリスクもあります。
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FY2025|19,798 文字
3【事業等のリスク】本有価証券報告書の提出日現在において、投資家の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主要なリスクは、以下の通りです。これらのリスクが顕在化した場合には、・NAV(Net Asset Value:保有株式価値-調整後純有利子負債で算出(注1))・LTV(Loan to Value:調整後純有利子負債÷保有株式価値で算出(注1)。保有資産に対する負債の割合)・財政状態および経営成績・ソフトバンクグループ㈱の分配可能額に悪影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクは、当社における全てのリスクを網羅しているものではなく、加えて、その対応策が十分に奏功する保証もありません。なお、将来に関する事項については別段の記載のない限り、本有価証券報告書の提出日現在において判断したものです。 (注1)保有株式価値および調整後純有利子負債は、いずれもアセットバック・ファイナンスにおける満期決済金額または借入金を除く。また、調整後純有利子負債の算出からは、当社のうち、上場子会社であるソフトバンク㈱(同社子会社を含む)およびアーム、ならびにSVF1、SVF2、LatAmファンドなど独立採算で運営される事業体に帰属する有利子負債および現預金等(債券投資を含む)を除く。 (1)グループ全体当社は、戦略的投資持株会社であるソフトバンクグループ㈱が、子会社・関連会社および投資先(以下「投資先」)を統括するマネジメント体制の下、ASIの実現に不可欠な分野で積極的に投資・事業活動を行うとともに、生成AI分野をリードする企業への投資や連携を進めています(注2)。当社の事業遂行における主要なリスクは、以下a~cに記載する通りです。加えて、ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業、ソフトバンク事業、アーム事業における主要なリスクについては、それぞれ「(2)ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業」と「(3)ソフトバンク事業」「(4)アーム事業」をご参照ください。 (注2)AIに関する新たな取り組みとして、米国のAI研究開発企業であるOpenAI Inc.およびその関係会社(以下「OpenAI」)のためにAIインフラストラクチャーを米国内で構築する「Stargate Project」を2025年1月に、企業用最先端AI「クリスタル・インテリジェンス」の開発・販売に関するOpenAIとのパートナーシップを2025年2月に、それぞれ発表しました。また、OpenAI Inc.の営利子会社であるOpenAI Global, LLCに最大400億米ドル(外部投資家へのシンジケーション予定額100億米ドルを差し引いた当社の実質的な出資額は最大300億米ドル)の追加出資を行うことについて、OpenAIと2025年3月に合意しました。このほか、Armコンピュートプラットフォームに基づいた高性能・省エネルギー・持続可能なAIコンピューティングに特化した半導体設計企業である米国のAmpere Computing Holdings LLCの全持分を取得することについて、同社および同社の特定の持分保有者と2025年3月に合意しました。これらの取り組みの進捗や成否は、AI技術の進歩や競争環境の変化、法令等の新設・強化、規制当局からの必要な承認等の取得状況、OpenAI Global, LLCに対する追加出資(2025年12月に出資時期を迎える予定のセカンドクロージングにおける出資額である最大300億米ドル)に関しては同社の経済的分配構造の廃止および新会社の優先株式の発行等の完了など、さまざまな影響を受ける可能性があり、当社の想定通りに進まない可能性もあります。 a.投資活動全般(a)市場環境当社は、AIに関連した情報・テクノロジー企業を中心に投資していますが、これらの企業に対する評価は技術進歩や市場規模の成長見通しによって大きく変動することがあります。したがって、当社の保有株式価値も、マクロ経済や金融政策、株式市場の動向に加え、こうしたセクター特有の要因によっても影響を受ける可能性があります。また、非上場の投資先は、ベンチャー・キャピタル市場や新規株式公開市場の動向にも影響を受けます。2023年9月に上場したアームは、上場後も引き続き連結子会社であるため、上場後の株価の変動は財政状態および経営成績に影響を及ぼすことはありませんが、アーム株式は当社の保有株式価値に占める割合が高いため、その株価の変動は当社の保有株式価値へ大きな影響を与えます。また、当社は外貨建て資産・負債の保有に伴い、為替変動の影響を受ける可能性があります。なお、当社は、市場変動の影響に備えるべく、安定的な財務運営を目指しています。詳細は、「第2 事業の状況、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、(4)経営環境および優先的に対処すべき課題 2 財務方針の堅持」をご参照ください。(b)国際情勢や規制の動向当社は、日本だけでなく、米国、中国、インド、欧州・中南米諸国などの海外の国・地域に展開する企業等に投資しているため、これらの国・地域における政治・軍事・社会情勢の変化および法令・規制・制度など(以下「法令等」)の新設・強化(解釈や運用の変更を含みます。)により、当社の投資活動や投資先の事業活動が期待通りに展開できない可能性があります。法令等には、投資に関するもの以外に、AI、半導体、データセンター、エネルギー、通信サービス、インターネット広告、イーコマース、金融・決済、自動運転、ロボット、ロジスティクスなどの事業やその他の企業活動に関するもの(事業許認可、国家安全保障、輸出入、個人情報・プライバシー保護、環境、製造物責任、公正な競争、消費者保護、贈賄禁止、労務、知的財産権、マネー・ロンダリング防止、租税、為替に関するものを含みますが、これらに限りません。)が含まれ、当社の投資活動や投資先の事業活動は、これらの法令等の影響を直接または間接的に受けます。昨今、ロシア・ウクライナ情勢、中東情勢、米中対立の激化などを背景に、世界各国において国家安全保障の観点からの規制強化の動きも見られます。例えば、特定の国・企業に対する投資を制限する法令等の導入により、当社の投資活動が制約される可能性があるほか、投資回収の遅滞、投資回収における条件の悪化などが起こる可能性があります。また、各国において、特定の先端技術やその関連製品に対する輸出管理の強化や関税政策の変更に向けた動きも見られます。こうした地政学リスクの高まりにより、さらなるサプライチェーンの分断や、特定の製品・技術に関する輸出入の制限、貿易コストの上昇が生じた場合、投資先の事業や業績が悪影響を受ける可能性があります。加えて、当社の投資活動に関係各国の規制当局からの承認等が必要となる場合や、投資先への関与に制約が加えられる場合があります。必要な承認等が得られないなど制約を回避できない場合には、当社の期待通りに投資や売却を実行できない可能性があります。なお、当社は、外部のアドバイザーからの助言を受けながら、これらの外部環境の変化に関する情報収集を行い投資活動に及ぼす影響を検討するとともに、それぞれの規制に対応するよう努めています。また、投資ポートフォリオにおける特定の国・地域、業種への集中度を継続的に監視することなどにより、リスクを把握し経営判断に反映しています。 (c)投資先の事業展開当社は、AIに関連した情報・テクノロジー企業を中心に投資を行い、中長期的視点から投資成果を最大化することを目指していますが、投資先のテクノロジーやビジネスモデルの陳腐化、競争環境の激化などにより、投資決定時に想定した通りに投資先が事業を展開できず、業績が大幅に悪化したり、事業計画の大幅な見直しを迫られたりする可能性があります。また、投資先が想定通りに事業を展開できない場合、当社は、投資先の株式価値の向上に必要と判断すれば、投資先に対し融資や債務保証、追加出資などを行うことがあり、その場合には、当該投資先に対するエクスポージャーが増加することになります。ただし、当社は救済のみを目的とした投資等は行わないことを基本方針としています。なお、当社は、投資実行後も、投資先の財務・経営情報や重要な経営指標、投資決定時の事業計画と実際の進捗の差異、コーポレート・ガバナンスの状況など、主なリスク要因を継続的に監視し、必要に応じて投資先の経営改善のための助言や、役員の派遣などを行っています。 (d)投資判断当社は、投資の意思決定において、対象企業のテクノロジー、ビジネスモデル、競争環境、財務内容、法令遵守、ガバナンスまたは重要な影響力を持つ創業者や経営者の資質などに関するリスクを見誤ったまま投資判断を下す可能性があります。特に非上場企業においては、当社が投資判断の基礎とした情報の透明性、正確性、完全性が十分ではない可能性が相対的に高くなります。なお、当社は、投資判断プロセスにおいて、社内関係部門による調査・検討に加え、必要に応じて外部の財務・法務・税務アドバイザーなどの協力を得ながら、対象企業の重要項目についてデュー・デリジェンスを実施し、投資に係るリスクを把握するよう努めています。それらの検討結果を踏まえて、ソフトバンクグループ㈱の取締役会、取締役会から権限を委譲された投融資委員会(「第4 提出会社の状況、4 コーポレート・ガバナンスの状況等」を参照)、またはファンド運営子会社の投資委員会で投資判断を下しています。 b.資金調達当社は、金融機関からの借入や社債のほか、保有資産を活用した資金調達(アセットバック・ファイナンス)、保有資産の売却などの多様な調達手段を活用しています。金融機関からの借入や社債については、金利変動や信用格付けの変更などにより調達環境が悪化した場合、資金調達を予定した時期・規模・条件で行えない可能性があります。また、これらの債務には、各種コベナンツが付されていることがあり、抵触した場合、当該債務について期限の利益を喪失する可能性があります。さらに、それに伴い、その他の債務についても一括返済を求められる可能性があります。アーム株式などをはじめとした上場および非上場株式を活用したアセットバック・ファイナンス(株式先渡売買契約を除きます。)については、対象となる保有株式の価値が下落した場合に、追加で現金担保の差し入れが必要となる可能性や期限前の返済義務が発生する可能性があることに加えて、新たな資金調達やリファイナンスに支障が生じる可能性があります。保有資産の売却による資金調達については、市場流動性の低迷、契約上の売却制限、予定していた新規株式公開の遅延などにより、必要な時期に想定した価格で売却できない可能性があります。なお、当社は、資金調達に係るリスクをコントロールするため、市場環境を注視した上で適切と考える時期、手法で資金調達を実施しています。特に金融機関からの借入、社債の発行やアセットバック・ファイナンスの実施にあたっては、様々なシナリオを想定した事前の検討・対応を行うことで各資金調達の安定性を高めています。こうした対応により、財務方針に基づき十分な手元流動性を維持することに努めています。 c.経営陣当社の主要な子会社はそれぞれのCEOなどの下で、投資ファンドは後述のファンド運営子会社のCEOの下で、いずれも自律的に運営を行っていますが、当社の経営において中心的な役割を担っている代表取締役 会長兼社長執行役員 孫 正義に不測の事態が生じた場合には、当社の活動全般に支障が生じる可能性があります。このような不測の事態が発生した場合における意思決定プロセスへの影響を最小限に留めるため、コンティンジェンシープランを策定しています。また、指名報酬委員会において、サクセッションプランについても定期的に議論しています。指名報酬委員会の活動状況については、「第4 提出会社の状況、4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。 (2)ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF1、SVF2およびLatAmファンド、以下「SVF」)は、主にAIを活用した成長可能性が大きいと考えるテクノロジー企業への投資を目的としたファンドであり、ファンドの存続期間の中でリターンを最大化することを目指しています。ソフトバンクグループ㈱は、各投資ファンドにリミテッド・パートナーとして出資を行っており、また、各投資ファンドを運営する当社100%子会社(SVF1を運営するSBIAおよびSVF2とLatAmファンドを運営するSBGA、以下「ファンド運営子会社」)は、各投資ファンドの事業活動に応じて管理報酬、業績連動型管理報酬および成功報酬を受け取ります。SVFを通じた投資やその運営における主要なリスクは、以下のa~dに記載する通りです。なお、本(2)において、「投資先」はSVFの投資先を意味します。 a.投資先の事業展開多くの投資先は、AIやビッグデータなどの新技術を活用し、従来にはない新たなビジネスモデルの実現を目指しています。このような企業が、計画通りに事業を展開し、利益の獲得や強固な事業基盤の確立を果たすには様々なリスクを伴います。例えば、技術の開発やビジネスモデルの実現を想定通りに進められず顧客や市場に合致する商品・サービスを提供できない、スケールメリットを享受するまでの規模に至らず事業基盤の維持や技術開発に必要な費用を十分に確保できない、最新の技術を持つ他の新規参入企業や経営基盤の強固な既存企業との競争に敗れる、事業・地域の多角化への対応や経済・事業環境の変化への対応ができない、広告宣伝活動や営業人員の確保などの顧客獲得費用が計画を大幅に上回り利益を確保できない、複雑化する各国・地域のデータ保護やAI規制に対応できないまたは対応コストが増加する、などのリスクがあります。また、国家安全保障における先端技術の戦略的重要性は近年高まっており、米中関係の悪化などを背景として、各国における規制が強化される可能性があり、その結果投資先の事業展開や期待する投資リターンに悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、事業展開に必要な資金を確保するに当たり、資金調達環境などが悪化した場合には、想定通りの条件での調達ができず、事業の成長を損なう大幅なコスト削減を迫られたり、当社持ち分の希薄化を伴う資金調達を余儀なくされたりする可能性があります。なお、ファンド運営子会社では、投資承認プロセスや投資後の継続的なモニタリングを通じて、投資リスク部門が中心となり、これらのリスクの早期の把握と軽減に努めています。 b.投資におけるエグジット機会の不足SVFの保有株式等は流動性が低いものが多く、また、経済、法律・規制、政治などの要因による影響も受けるため、当初の計画通りに資金化できない可能性があります。さらに、契約またはその他の制約により、SVFは特定の株式等の売却を一定期間禁止される場合があり、有利な市場価格で売却する機会を逸する可能性があります。なお、エグジット戦略はファンド運営子会社の投資委員会において重要な検討事項となっており、慎重な議論を重ねた上で承認されます。エグジット戦略は、投資部門が継続的に見直し、更新するとともに、投資リスク部門がそれに対し様々な市場環境を想定したストレステストを実施しています。景気後退の可能性や、エグジットに時間を要する投資がありうることを想定し、SVFは存続期間が長期に設定されています。 c.保有する上場株式等SVFの投資ポートフォリオには上場株式等が含まれています。これらの資産の保有には、投資先に関する情報の開示義務の増加、当該株式等の処分におけるSVFの裁量に対する制限、投資先の役員および取締役(ファンド運営子会社の従業員である場合を含みます。)に対する投資先株主からの訴訟提起およびインサイダー取引の告発の可能性の増加、などのリスクを伴います。また、これらのリスクに対応する費用が増加する可能性があります。なお、ファンド運営子会社は、計画的に保有株式等を売却する仕組みを構築しており、市場への影響を最小限に抑えつつ、売却額の最大化に努めています。また、米ドルに対する為替レートが不安定な通貨建ての株式等の為替リスクをヘッジする必要性について検証しています。さらに、SVFが上場株式等を管理する上で発生する業務運営上のリスクやコンプライアンスリスクは、ファンド運営子会社のオペレーション、コンプライアンス、リスク管理の各部門が関与するコントロール・フレームワークを通じて管理されており、これにはポリシー、社員研修、社内通報制度、取引相手の確認などの取引承認プロセス、および取引後のモニタリングが含まれます。 d.人材の確保・維持ファンド運営子会社は、投資ファンドの保有株式価値の最大化を目的として、投資先を慎重に選定することに加え、投資後の成長を促す様々な支援を行います。このような取り組みの成功には、テクノロジーや金融市場に関する幅広い知見や投資事業の運営における専門的スキルを保有する有能な人材の確保・維持が不可欠です。有能な人材を十分に確保・維持することができない場合は、運営する投資ファンドの投資規模の維持・拡大や将来の投資成果に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、ファンド運営子会社は、投資・運用に求められる多様なノウハウを維持すべく、定期的な人事評価や組織の見直しに加え、研修や能力開発、スタッフが潜在能力を最大限に発揮できるよう行われる社内異動に至るまで、様々な人材サポートプログラムを提供しています。 (3)ソフトバンク事業ソフトバンク㈱およびその子会社(以下「ソフトバンク㈱グループ」)は、コアビジネスである通信事業に加え、「Yahoo! JAPAN」、「LINE」、「PayPay」などのサービスを提供しており、情報・テクノロジー領域のさまざまな分野でビジネスを展開しています。ソフトバンク㈱グループにおける主要なリスクは、以下のa~fに記載する通りです。 a.市場環境の変化、他社との競合通信関連市場は、競争促進政策の強化や異業種からの新規参入などによって経営環境が大きく変化し、利用者からはより低廉で多様なサービスを求める動きが高まっています。これらの市場環境に対応するため、ソフトバンク㈱グループは消費者の志向に合ったサービス・商品・販売方法を導入していますが、料金プランや通話・データ通信の品質等の面で消費者の期待に沿えない場合やソフトバンク㈱グループが提供するサービス・商品に重大な瑕疵が存在した場合、既存の契約者数を維持できない可能性があります。また、法令・規制・制度などの制定、改正または解釈・適用の変更等により、ソフトバンク㈱グループが顧客に提供できるサービス・商品・販売方法および料金プラン等が実質的な制約を受け、収入の減少や金銭的負担の発生・増加が起きる可能性があります。ソフトバンク㈱グループの競合他社は、その資本力、サービス・商品、技術開発力、価格競争力、顧客基盤、営業力、ブランド、知名度およびこれらの総合力などにおいて、ソフトバンク㈱グループより優れている場合があります。競合他社がその優位性を現状以上に活用してサービスや商品の販売に取り組んだ場合、ソフトバンク㈱グループが価格競争を含む販売競争で劣勢に立たされ、ソフトバンク㈱グループの期待通りにサービス・商品を提供できない、顧客を維持・獲得できない、またはARPU(1契約当たりの月間平均収入)が低下することも考えられます。また、設立間もない新興企業や新規参入者のサービス・商品がソフトバンク㈱グループのサービス・商品に対する競合となる可能性、またはソフトバンク㈱グループが競争優位性を発揮するための新規サービス・商品の開発に費用がかかる可能性があります。ソフトバンク㈱グループは、重複する経営資源の効率化、意思決定の迅速化や事業間におけるより大きなシナジーの創出などを目的として、ソフトバンク㈱グループ内部において再編を行う場合があります。しかし、期待した再編の効果を十分に発揮できない場合、展開するサービスの連携の不調・遅れ、戦略やシナジーへの悪影響、再編に伴う混乱などの問題が発生する可能性があります。 b.技術・ビジネスモデルへの対応ソフトバンク㈱グループは、技術やビジネスモデルの移り変わりが早い情報産業を主な事業領域としています。特に生成AIやAIエージェントに関する技術の分野の発展は目覚ましく、既存のビジネスモデルに大きな影響を与えています。ソフトバンク㈱グループは、常に、最新の技術動向や市場動向の調査、技術的優位性の高いサービスの導入に向けた実証実験、および他社とのアライアンスの検討などの施策を講じていますが、新たな技術への対応が想定通りの時間軸に沿って進むこと、想定通りの効果を上げること、共通の基準や仕様が確立すること、および商用性を持つようになることについての保証はなく、また、これらの施策を行ったとしても、新たな技術やビジネスモデルの出現を含む市場環境の変化にソフトバンク㈱グループが適時かつ適切に対応できず、または迅速かつ効率的に設備を配備できないことにより、市場変化に適した優れたサービス、技術やビジネスモデルを創出または導入できない可能性があります。その場合、ソフトバンク㈱グループのサービスが市場での競争力を失い、ソフトバンク㈱グループが維持・獲得できる契約数が抑制される、またはARPUが低下する可能性があります。 c.情報の流出や不適切な取扱いおよびソフトバンク㈱グループの提供する商品やサービスの不適切な利用ソフトバンク㈱グループは、事業を展開する上で、顧客情報(個人情報を含みます。)やその他の機密情報を取り扱っています。ソフトバンク㈱グループは、情報セキュリティ管理責任者の設置や役職員へのセキュリティ教育・訓練をはじめ、適切に情報資産を保護・管理するための体制構築を図っていますが、ソフトバンク㈱グループ(役職員や委託先の関係者を含みます。)の故意・過失、または悪意を持った第三者によるサイバー攻撃、ハッキング、コンピューターウイルス感染、その他不正アクセスなどにより、これらの情報の流出や消失などが発生する可能性があります。また、ソフトバンク㈱グループの提供する商品やサービスが詐欺等の犯罪等に不正に利用された場合、ソフトバンク㈱グループの信用および信頼の低下を招く可能性があります。こうした事態が生じた場合、ソフトバンク㈱グループの信頼性や企業イメージが低下し顧客の維持・獲得が困難になるほか、競争力の低下や、損害賠償やセキュリティシステム改修のために多額の費用負担が発生する可能性があります。なお、特に主要な関係会社であるLINEヤフー㈱においては、同社が2023年11月27日に公表した不正アクセスの事案に関し、総務省および個人情報保護委員会への報告を行い、行政指導および勧告を踏まえた対応等を推進しています。また、2024年11月に同社が提供するサービスである「LINEアルバム」においてアルバムのサムネイル画像に他の利用者の画像データが紛れ込むという不具合が発生し、2025年3月8日に総務省より行政指導を受けました。同社は、多数のユーザーを抱えるプラットフォーム事業者としての信頼を損なう重大な事態であると重く受け止め、再発防止策を推進しています。さらに、LINEヤフー㈱としての組織再編以降、同社およびそのグループ会社においては、グループ全体のデータガバナンスが円滑かつ適切に機能するよう体制を整備し、継続的にその強化に取り組んでいます。しかし、LINEヤフー㈱およびソフトバンク㈱の取り組みが適切ではない、または十分ではないと判断された場合、ソフトバンク㈱グループの信用の毀損、ソフトバンク㈱グループのサービスへの需要の減少等により、ソフトバンク㈱グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。 d.業務の委託ソフトバンク㈱グループは、提供する各種サービス・商品に係る販売、顧客の維持・獲得、通信ネットワークの構築およびメンテナンス、ならびにそれらに付随する業務の全部または一部について、他社に委託しているほか、情報検索サービスにおいて他社の検索エンジンおよび検索連動型広告配信システムを利用しています。ソフトバンク㈱グループは、サプライチェーン上のリスクの低減に努めていますが、業務委託先(役職員や関係者を含みます。)がソフトバンク㈱グループの期待通りに業務を行うことができない場合や、顧客に関する情報の不正取得や人権侵害等に関連する問題を起こした場合、ソフトバンク㈱グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。また、上述のような事象により当該業務委託先の信頼性や企業イメージが低下した場合には、ソフトバンク㈱グループの信頼性や企業イメージも低下し、事業展開や顧客の維持・獲得に影響を及ぼす可能性があります。このほか、当該業務委託先において法令などに違反する行為があった場合、ソフトバンク㈱グループが監督官庁から警告・指導を受けるなど監督責任を追及される可能性があるほか、ソフトバンク㈱グループの信頼性や企業イメージが低下し顧客の維持・獲得が困難になる可能性があります。 e.関連システムの障害などによるサービスの中断・品質低下ソフトバンク㈱グループでは、通信ネットワークや顧客向けのシステム、「Yahoo! JAPAN」、「LINE」、「PayPay」をはじめとする各種サービスを提供しています。これらサービスにおいて、人為的なミスや設備・システム上の問題(自然災害など予測困難な事情に起因するものも含みます。)、第三者によるサイバー攻撃、ハッキングその他不正アクセスなどに起因して各種サービスを継続的に提供できなくなること、または各種サービスの品質が低下することなどの重大なトラブルが発生する可能性があります。ソフトバンク㈱グループは、ネットワークを冗長化するとともに、障害やその他事故が発生した場合に備え、復旧手順を明確にしています。また、障害やその他事故が発生した場合、規模に応じて事故対策本部を設置するなど、適切な体制を構築して復旧に当たっています。これらの対策にもかかわらず、サービスの中断や品質低下を回避できず、サービスの中断・品質低下による影響が広範囲にわたり、復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の維持・獲得が困難になる可能性があります。 f.経済安全保障経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律(以下「経済安全保障推進法」)に基づき、2023年11月16日にソフトバンク㈱およびLINEヤフー㈱は電気通信事業における特定社会基盤事業者(基幹インフラ事業者)に指定されました。2024年5月17日から本制度の規律が適用されていますが、ソフトバンク㈱またはLINEヤフー㈱が経済安全保障推進法が定める国による審査に適切に対応できなかった場合、当局からのソフトバンク㈱またはLINEヤフー㈱に対する事業の是正や中止の勧告、命令等の行政措置、それに伴う事業の一時停止、遅延、追加の設備投資ならびに追加の対策やコスト、ソフトバンク㈱グループの信用の毀損が生じる可能性があります。 (4)アーム事業アームは主に、CPU製品やその他の関連製品など、高性能かつ高エネルギー効率のアームコンピュートプラットフォームの開発とライセンス事業を行っています。アームは、CPU製品やその他の関連製品を、自社チップの設計を行う半導体企業やOEMなどにライセンスし、そこで設計されたチップは、デバイスメーカーによってスマートフォン、タブレット、PC、自動車などの最終製品に組み込まれます。アームの収益は、主に、アームのテクノロジーのライセンス収入およびライセンス先の企業がアームの製品を含むチップを販売することにより生じるロイヤルティー収入からなります。アームの事業における主要なリスクは、以下のa~kに記載する通りです。 a.業界動向の変化アームのテクノロジーやサービスに対する需要は、半導体およびエレクトロニクス産業の動向に大きく依存しています。これらの産業は、変化と競争が激しい上、各世代のチップの平均販売価格がそのライフサイクルを通じて下落するという特徴があります。また、アームのライセンス収入も、半導体企業およびデバイスメーカーがアームの新しい製品を採用する頻度に大きく依存しているため、これらの企業の製品に対する需要の影響を受けます。デバイスメーカーによる、アームベースのチップへの需要の減少は、アームのロイヤルティー収入に悪影響を及ぼします。アームの成功は、その製品およびサービスが、半導体企業やデバイスメーカーに受け入れられるかどうかに大きく依存しています。市場には競合するアーキテクチャーがあり、アームの製品が市場で引き続き受け入れられる保証はありません。また、半導体およびエレクトロニクス産業はますます複雑化し、設計および製造コストは増加の傾向にあります。そのため、アームの顧客の多くは、設計自動化ツール(EDA)や設計した半導体の製造にサードパーティを利用しています。アームはこれらのサードパーティと緊密に連携し、自社の技術とサードパーティのEDAや製造プロセスの互換性を確保しています。しかしながら、互換性の確保が適切に行われなかった場合や、EDAや半導体設計に関する情報へのアクセスが妨げられた場合、アームの製品に対する需要が減少する可能性があります。なお、これらのリスクを軽減するために、アームの経営陣は定期的に戦略と長期の製品開発計画を見直し、将来のニーズを満たす製品の開発に努めています。また、半導体やエレクトロニクス業界の多くの顧客や企業と連携することで、状況の変化を察知し、適切な対応を図る体制を整えています。 b.競合アームは、他社との競争に加え、設計および製造技術の進歩、エンドユーザーのニーズや業界標準の変化、頻繁な新製品の導入やアップグレードなど、変化の激しい事業環境に晒されています。x86のような確立された技術や、RISC-Vのようなオープンソースの技術など、既存および新規の市場参加者との競合が今後も継続すると予想されます。アームの競合他社が、開発・広告宣伝・販売により多くの経営資源を投入することで、価格、顧客対応、性能、品質の面でより優れた製品・サービスを提供した場合、アームは競争上の優位性を確保するため、相当規模の経営資源の投資が必要となる可能性があります。なお、アームは、主要な半導体企業と密接に連携し、リスクの軽減に努めています。アームは、アームベースのチップの構築や適合するソフトウエア開発の知識を持つ多くのエンジニアからなるエコシステムを確立しており、それに投資することで、様々なアームベースのチップの開発・維持コストのさらなる削減に努めています。 c.新製品の開発およびビジネスモデルの変更競争力を維持するため、アームは、顧客の要望や市場機会に対応し、既存の製品・サービスの強化や、新しい製品・サービスの創造、開発を継続することが不可欠です。そのため、アームは経営資源を投入し、新規市場の開拓や、さまざまな最終市場における既存および潜在顧客に向けて、新たな製品やソリューションを検討しています。これには、アームのIPだけでなく、コンピュート・サブシステム、チップレット、およびエンド・チップ・ソリューションなど、IP設計を超えたソリューションも含まれます。こうした新規市場への参入や新たなソリューションの提供は、さまざまな要因により成功しない可能性があります。例えば、新規市場への参入や新たな製品やソリューションを提供する企業と同様に、アームも、すでに確立された地位を持つ企業、長年にわたる顧客関係やブランド認知度を有する企業、またはアームよりも多くの経営資源を投入している企業との競争に直面します。また、アームの顧客が従来のアームのIPを引き続き自社製品やソリューションへ組込むことを望む場合、アームが提供する統合的なコンピュート製品は、想定した時期に採用されない、または全く採用されない可能性もあります。さらに、アームの製品提供における進展や、将来的な製品・サービスの変更により、重要な顧客などの関係者との間に対立またはその懸念が生じた場合、これらの顧客などは、アームとの関係を解消また大幅に縮小し、代替アーキテクチャーや競合他社の製品を使用する可能性があります。また、アームは、競争力を維持するために、製品やサービスの価格を引き下げたり、顧客との取引の仕組みや条件、またはビジネスモデルを変更したりする可能性があります。これらの変更が顧客に受け入れられる保証はありません。そのような場合、アームは想定した金額や時期で収益を得られない、または全く収益を得られない可能性があります。加えて、ビジネスモデルの変更後において、将来締結されるライセンスの数や金額の増加が従来と同じようには実現せず、または全く実現せず、その結果、ライセンス収入およびロイヤリティ収入が予想を下回る可能性があります。さらに、新しいビジネスモデルの導入は、顧客にとってアームの製品の魅力を低減させてしまうなど、想定通りの結果を得られない可能性があります。なお、これらのリスクを軽減するため、アームは新しいビジネスモデルに関して、主要な変更を実施する前に顧客と十分な議論を行うなど、広範な検討を実施し、リスクの特定と対応に努めています。 d.研究開発アームは、競争力を維持するため、市場参加者による次世代技術の採用が進む中で、新製品や応用分野を継続的に創造・開発し、既存の製品やサービスを強化する必要があります。また、進化する市場のニーズに対応するには、適切な人員や開発技術など、研究開発に必要な経営資源を十分に確保・維持することが、アームの持続的な成功にとって不可欠です。しかし、アームの資源確保が不十分である可能性や、誤った将来需要の見通しに基づいて研究開発を進める可能性があります。なお、これらのリスクを軽減するために、アームの経営陣は研究開発の資源配分について定期的に見直しを行っています。 e.顧客の集中アームの収益の大部分は少数の主要顧客に依存しており、これらの主要顧客の事業の動向に影響を受ける可能性があります。なお、アームは、毎年複数のプロセッサーを開発することで、特定の顧客がアーム製品の導入を見送った場合の影響の軽減に努めています。 f.世界市場の細分化アーム製品が属する世界市場は、地政学的影響を受けることがあります。地政学的要因や政治的対立によって、世界共通のアーキテクチャーの役割が低下し、国・地域特有の製品への需要が増加し、世界の半導体市場の細分化が起きる可能性があります。これは地域ごとの多様な製品をサポートするための費用の増加や、アーム製品を使用しなくなった地域における収益の減少、新規市場における将来のライセンス収入の機会損失につながる可能性があります。なお、アームは、規制当局に対する働きかけや、将来の顧客ニーズに即した製品開発を行うために戦略の見直しを行うことで、これらのリスクの軽減に努めています。 g.中国への依存アームは、収益の一定部分を中国の半導体企業およびOEM、ならびに中国に半導体や最終製品を輸出する半導体企業およびOEMから得ています。アームにおける中国関連市場での収益の維持が困難になる場合、中国における新規および既存の市場へのアクセスが閉ざされる場合、新規事業での成長の遅れまたは中国における市場シェアが低下する場合には、アームの業績や競争力に悪影響を与える可能性があります。中国は半導体産業の収益のうち重要な部分を占めています。しかし、貿易や国家安全保障政策、債務残高の継続的な増加などにより中国経済は不確実性が高く、中国の半導体産業および関連産業の短期的な成長見通しは、不透明な状況にあります。このような状況が長期化する場合、アームに悪影響を及ぼす可能性があります。また、米国および中国政府による貿易政策や国家安全保障政策を含む規制および法的措置により、アームの中国でのビジネスおよび中国の顧客やサプライヤーとの取引は現在すでに一定の制約に服していますが、今後も取引が制約される、または禁止される可能性があります。なお、これらのリスクを軽減するために、アームは、米中における政策の動向を的確かつ迅速に把握することに努めています。また、アーム・チャイナ(注3)における収益見通しやライセンス契約を定期的にレビューすることで、中国市場の動向をモニタリングするとともに、その対応に努めています。 (注3)アーム・チャイナは、当社の子会社と中国投資家による合弁会社です。アームはこの会社を通じて中国市場にアクセスしています。 h.所有する知的財産権の保護アームの事業の成功には、その知的財産権の保護が不可欠です。アームは、その保護に当たり、主に特許権・著作権・企業秘密・商標関連の法律や、従業員との機密保持契約、ならびに顧客などの関係者とのライセンス契約に依拠していますが、知的財産権を保護するためのアームの措置が不十分である可能性があります。加えて、アームが希望する特許権を取得できない、または特定の法域においては、アームが保持する知的財産に関する契約上の権利などが制限される可能性があります。アームがこれらに関連する法律や規制に適切に対応できない場合、および関連する法域において知的財産権や契約上の権利を行使できない場合、アームの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。また、特許権およびその他の知的財産権を行使するために、訴訟が必要となる場合があります。そのような訴訟は巨額の費用が必要となる、または経営陣やエンジニアの通常業務に支障をきたす可能性があります。一例として、アームは、Qualcomm, Inc. および Qualcomm Technologies, Inc.(両者を含めて「Qualcomm」)、Nuvia, Inc.との係争中の訴訟に関与しています。このような訴訟の結果や、それによる現在主要顧客であるQualcommとの関係や収益への影響は不透明です。さらに、アームによる訴訟への関与が、業界、Qualcommやその他の顧客などとの関係において風評被害が生じる可能性があります。なお、アームは、関連法域における特許権、訴訟、係争事案の動向を注意深く監視することにより、これらのリスクの軽減に努めています。 i.知的財産権の侵害アームは、第三者により知的財産権の侵害、濫用などを主張されたことがあり、今後も同様の主張がなされる可能性があります。そのような法的主張を受けた場合、顧客との契約に基づき、顧客に対する補償を行わなければならないことがあります。さらに、そのような法的主張により、高額かつ長期にわたる訴訟、ロイヤルティーまたはライセンス契約の締結、損害賠償または販売差止、特許の無効化、顧客からのライセンス料の返還または支払い免除の要求、製品の設計やブランドの変更が必要となる、などのさまざまなリスクを伴います。なお、アームは、第三者に帰属する知的財産権を使用せずに製品を設計・実装することで(ライセンス契約による恩恵があり、かつ厳密に管理された手順に沿って使用する場合を除きます)、これらのリスクを軽減しています。 j.ブランドと評判アームのブランドと評判を維持することは、顧客、従業員、政府、サプライヤー、およびその他のステークホルダーとの関係において不可欠です。アームのブランドと評判は、非倫理的行動や不正、製品の品質、不適切利用および安全性、法令または契約違反、内部統制の失敗、コーポレート・ガバナンスの不備、セキュリティインシデント、労働災害、環境問題、違法または不適切な用途への技術の使用、営業手法、メディア報道、サプライヤーの行為などにより影響を受ける可能性があります。また、アームによるAI(生成AIを含みますが、それに限りません)の内部利用や、AIや機械学習に関連して、アームの取組みやアームの技術が用いられた製品の使用への懸念が生じた場合も、アームの評判は影響を受ける可能性があります。これらの危機や脅威に迅速かつ効果的に対応できなかった場合、社会的な批判によりアームのブランドと評判が大きく棄損する可能性があります。また、アーム・チャイナなどの第三者の行為の責任がアームに転嫁された場合も、アームのブランドや評判が損なわれる可能性があります。なお、アームは、製品の欠陥やバグのリスクを低減するために、厳格な品質保証と検証プロセスを実施しています。加えて、顧客などからのフィードバックを定期的に収集し、アームの製品や行動に対する認識の変化を把握し、評価の低下に対して早期の対応を図る体制を維持することで、これらのリスクの軽減に努めています。 k.輸出規制と貿易障壁アームの本社は英国にあり、現時点において、米国、中国、インド、韓国、日本、台湾、および欧州を含む世界中の国や地域で事業を展開しています。これらの国際的な事業活動は、政治・経済・金融情勢や、法律・規制環境の変化による様々な影響を受けます。各国政府による輸出入規制により、様々な負担や製品のライセンス提供の制限を伴う可能性があります。米国商務省が、他国の製品に対する輸出規制の適用範囲をさらに拡大した場合、より多くのアームの製品が米国の輸出管理の対象となる可能性があります。さらに、米国政府がアームの顧客や取引先が拠点とする国・地域を対象としたより広範な経済制裁を導入した場合には、特定の国や組織に対する製品のライセンス提供に制約が生じる可能性があります。アーム、またはその顧客が関与する国々の貿易における関係性は近年不安定です。米国政府は特定のサービスの提供や技術・ソフトウエア製品の国外への移転に対し、制裁や輸出規制を強化したほか、アームの一部顧客のICおよび関連製品の輸出に影響を与える新たな輸出許可規制を発表しました。また、米国政府は輸入品に対する関税の引き上げを新たに発表しました。これら国々の規制は追加の費用負担や、重要市場での収益減少につながる可能性があります。なお、アームは、米国、英国、EUの輸出管理当局と強い関係を維持し、政策や規制の動向を監視することで、これらのリスクの軽減に努めています。 (5)その他a.法令遵守当社は、各国の法令等の下で投資活動を行っています。当社や投資先(役職員を含みます。)が法令等に違反する行為を行った場合、違反の認識の有無にかかわらず、行政処分や法的措置の対象となる可能性があります。その結果、当社および投資先の信頼性や企業イメージの低下、取引先による契約解除、金銭的負担が発生する可能性があります。また、当社および投資先が活動を行う国・地域において、租税法令またはその解釈・運用が新たに導入・変更された場合や、税務当局との見解の相違により追加の税負担が生じる可能性があります。なお、当社では、法令の遵守にとどまらず、高い倫理観に基づいた企業活動を行うため、全ての役職員に適用される「ソフトバンクグループ行動規範」を定めるとともに、グループコンプライアンス体制の強化や研修など役職員の知識や意識向上を促す取り組みを行っています。また、法令等の新設・改正に関しては、法務部門が外部のアドバイザーからの助言を受けながら情報収集などを行っています。 b.知的財産権ソフトバンクグループ㈱が保有する「ソフトバンク」ブランドが第三者により侵害された場合、ソフトバンクグループ㈱および「ソフトバンク」ブランドを使用する子会社の企業イメージや信頼性が低下する可能性があります。また、子会社および投資先が保有する知的財産権が第三者により侵害された場合、同社の事業展開や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。一方、当社または投資先が意図せずに第三者の知的財産権を侵害した場合、権利侵害の差止めや損害賠償、ライセンス使用料の請求などを受ける可能性があります。なお、事業の持続的成長を支えるソフトバンクグループ㈱のブランドの重要性に鑑み、商標権を国内外で戦略的に確保する取り組みを行うとともに、子会社の知的財産活動・戦略の評価や子会社との知的財産に関する連携等を行い、持株会社としてグループ全体の知的財産保護・活用も目指しています。 c.訴訟当社は、株主、投資先、取引先、従業員(投資先の現在および過去の株主・従業員を含みます。)を含む第三者の権利・利益を侵害したとして、損害賠償などの訴訟を起こされる可能性があります。その結果、当社の投資活動に支障が生じたり、企業イメージが低下したりする可能性があるほか、金銭的負担が発生する可能性があります。本有価証券報告書の提出日現在における主な訴訟内容については「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記46.偶発事象(3)訴訟」をご参照ください。 d.サステナビリティ当社はサステナビリティに対し、本質的な取り組みを率先して実行することが重要であると考えています。しかし、当社のサステナビリティに関する取り組みが、投資家をはじめとした社内外のステークホルダーの期待から大きく乖離した場合、例えば、サステナビリティの要素が当社のガバナンス体制や経営戦略に十分に組み込まれていない、またはサステナビリティに関する重要課題として特定しているもののうち、特に優先度の高い「責任あるAI」、「気候変動」および「人的資本」への取り組みが不十分な場合、投資活動および資金調達に悪影響を及ぼす可能性があります。また、投資先のサステナビリティに関するリスクおよび機会を十分に把握できない場合は、当社が想定した通りに投資先が事業を展開できない可能性があります。さらに、当社の投資活動や投資先の事業活動に対するサステナビリティ関連規制が強化された場合は、投資スピードの鈍化や対応コストの増加が生じる可能性もあります。なお、ソフトバンクグループ㈱は、ソフトバンクグループ㈱および主要なグループ会社へのヒアリング等を通じて、サステナビリティに関するリスクおよび機会を把握し、ソフトバンクグループ㈱の取締役会で任命されたチーフ・サステナビリティ・オフィサー(CSusO)を委員長とするサステナビリティ委員会において、取り組むべきサステナビリティに関する課題や対応方針等を継続的に議論するとともに、サステナビリティに関わる対応および情報開示を強化しています。詳細は「第2 事業の状況、2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。また、投資活動では、各投資エンティティにおいて、投資先のサステナビリティに関するリスクおよび機会を分析し、総合的な投資評価を行っています。 e.情報セキュリティ昨今の国際情勢を受け世界中でサイバー攻撃の脅威が高まる中、当社および投資先においてサイバー攻撃、ハッキング、コンピューターウイルス感染、その他不正アクセスや内部不正を完全に防止できなかった場合、情報の漏えい、改ざん、消失またはその他の情報セキュリティ事故が発生する可能性があります。こうした事態が生じた場合、当社および投資先の信頼性や企業イメージが低下したり、事業活動に支障が生じたりする可能性があるほか、金銭的損失やこれらの事象に対応するための追加費用等が発生する可能性があります。なお、当社は、ソフトバンクグループ㈱の取締役会で任命された最高情報セキュリティ責任者であるチーフ・インフォメーション・セキュリティ・オフィサー(CISO)の下、情報セキュリティを脅かす脆弱性などのリスク要因を特定し、リスクに応じた組織的、物理的、技術的および人的な情報セキュリティ対策を実施することで、情報資産の保護に努めています。
FY2024|18,414 文字
3【事業等のリスク】本有価証券報告書の提出日現在において、投資家の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主要なリスクは、以下の通りです。これらのリスクが顕在化した場合には、・NAV(Net Asset Value:保有株式価値-調整後純有利子負債で算出(注1))・LTV(Loan to Value:調整後純有利子負債÷保有株式価値で算出(注1)。保有資産に対する負債の割合)・財政状態および経営成績・ソフトバンクグループ㈱の分配可能額に悪影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクは、当社における全てのリスクを網羅しているものではなく、加えて、その対応策が十分に奏功する保障もありません。なお、将来に関する事項については別段の記載のない限り、本有価証券報告書の提出日現在において判断したものです。 (注1)保有株式価値および調整後純有利子負債は、いずれもアセットバック・ファイナンスにおける満期決済金額または借入金を除く。また、調整後純有利子負債の算出からは、当社のうち、上場子会社であるソフトバンク㈱(LINEヤフー㈱およびPayPay㈱をはじめとする子会社を含む)およびアーム、ならびにSVF1、SVF2、LatAmファンドなど独立採算で運営される事業体に帰属する有利子負債および現預金等(債券投資を含む)を除く。なお、SB Northstarの有利子負債(ただし、特定の有利子負債を除く)および現預金等(債券投資を含む)は調整後純有利子負債の算出に含む。 (1)グループ全体当社は、戦略的投資持株会社であるソフトバンクグループ㈱が、子会社・関連会社および投資先(以下「投資先」)を統括するマネジメント体制の下、AIという投資テーマに基づき、幅広く投資活動を展開しています。当社の事業遂行における主要なリスクは、以下a~cに記載する通りです。加えて、ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業、ソフトバンク事業、アーム事業における主要なリスクについては、それぞれ「(2)ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業」と「(3)ソフトバンク事業」「(4)アーム事業」をご参照ください。 a.投資活動全般(a)市場環境当社は、AIに関連した情報・テクノロジー企業を中心に投資していますが、これらの企業に対する評価は技術進歩や市場規模の成長見通しによって大きく変動することがあります。したがって、当社の保有株式価値も、マクロ経済や金融政策、株式市場の動向に加え、こうしたセクター特有の要因によっても影響を受ける可能性があります。また、非上場の投資先は、ベンチャー・キャピタル市場や新規株式公開市場の動向にも影響を受けます。2023年9月に上場したアームは、上場後も引き続き連結子会社であるため、上場後の株価の変動は財政状態および経営成績に影響を及ぼすことはありませんが、アーム株式は当社の保有株式価値に占める割合が高いため、その株価の変動は当社の保有株式価値へ大きな影響を与えます。また、当社は外貨建て資産・負債の保有に伴い、為替変動の影響を受ける可能性があります。なお、当社は、市場変動の影響に備えるべく、安定的な財務運営を目指しています。詳細は、「第2 事業の状況、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、(4)経営環境および優先的に対処すべき課題 2 財務方針の堅持」をご参照ください。 (b)国際情勢や規制の動向当社は、日本だけでなく、米国、中国、インド、欧州・中南米諸国などの海外の国・地域に展開する企業等に投資しているため、これらの国・地域における政治・軍事・社会情勢の変化および法令・規制・制度など(以下「法令等」)の新設・強化(解釈や運用の変更を含みます。)により、当社の投資活動や投資先の事業活動が期待通りに展開できない可能性があります。法令等には、投資に関するもの以外に、AI、通信サービス、インターネット広告、イーコマース、自動運転、ロボット、ロジスティクス、金融・決済などの事業やその他の企業活動に関するもの(事業許認可、経済安全保障、輸出入、個人情報・プライバシー保護、環境、製造物責任、公正な競争、消費者保護、贈賄禁止、労務、知的財産権、マネー・ロンダリング防止、租税、為替に関するものを含みますが、これらに限りません。)が含まれ、当社の投資活動や投資先の事業活動は、これらの法令等の影響を直接または間接的に受けます。昨今、ロシア・ウクライナ情勢、中東情勢、米中対立の激化などを背景に、世界各国において経済安全保障の観点からの規制強化の動きも見られます。例えば、特定の国・企業に対する投資を制限する法令等の導入により、当社の投資活動が制約される可能性があるほか、投資回収の遅滞、投資回収における条件の悪化などが起こる可能性があります。また、地政学リスクの高まりによりサプライチェーンの分断が起こった場合や、貿易規制の強化により特定の製品や技術等の輸出入が制限された場合、投資先の事業や業績が悪影響を受ける可能性があります。加えて、当社の投資活動に関係各国の規制当局からの承認等が必要となる場合や、投資先への関与に制約が加えられる場合があります。必要な承認等が得られないなど制約を回避できない場合には、当社の期待通りに投資や売却を実行できない可能性があります。なお、当社は、外部のアドバイザーからの助言を受けながら、これらの外部環境の変化に関する情報収集を行い投資活動に及ぼす影響を検討するとともに、それぞれの規制に対応するよう努めています。また、投資ポートフォリオにおける特定の国・地域、業種への集中度を継続的に監視することなどにより、リスクを把握し経営判断に反映しています。 (c)投資先の事業展開当社は、AIに関連した情報・テクノロジー企業を中心に投資を行い、中長期的視点から投資成果を最大化することを目指していますが、投資先のテクノロジーやビジネスモデルの陳腐化、競争環境の激化などにより、投資決定時に想定した通りに投資先が事業を展開できず、業績が大幅に悪化したり、事業計画の大幅な見直しを迫られたりする可能性があります。また、投資先が想定通りに事業を展開できない場合、当社は、投資先の株式価値の向上に必要と判断すれば、投資先に対し融資や債務保証、追加出資などを行うことがあり、その場合には、当該投資先に対するエクスポージャーが増加することになります。ただし、当社は救済のみを目的とした投資等は行わないことを基本方針としています。なお、当社は、投資実行後も、投資先の財務・経営情報や重要な経営指標、投資決定時の事業計画と実際の進捗の差異、コーポレート・ガバナンスの状況など、主なリスク要因を継続的に監視し、必要に応じて投資先の経営改善のための助言や、役員の派遣などを行っています。 (d)投資判断当社は、投資の意思決定において、対象企業のテクノロジー、ビジネスモデル、競争環境、財務内容、法令遵守、ガバナンスまたは重要な影響力を持つ創業者や経営者の資質などに関するリスクを見誤ったまま投資判断を下す可能性があります。特に非上場企業においては、当社が投資判断の基礎とした情報の透明性、正確性、完全性が十分ではない可能性が相対的に高くなります。なお、当社は、投資判断プロセスにおいて、社内関係部門による調査・検討に加え、必要に応じて外部の財務・法務・税務アドバイザーなどの協力を得ながら、対象企業の重要項目についてデュー・デリジェンスを実施し、投資に係るリスクを把握するよう努めています。それらの検討結果を踏まえて、ソフトバンクグループ㈱の取締役会、取締役会から権限を委譲された投融資委員会(「第4 提出会社の状況、4 コーポレート・ガバナンスの状況等」を参照)、またはファンド運営子会社の投資委員会で投資判断を下しています。 b.資金調達当社は、金融機関からの借入や社債のほか、保有資産を活用した資金調達(アセットバック・ファイナンス)、保有資産の売却などの多様な調達手段を活用しています。金融機関からの借入や社債については、金利変動や信用格付けの変更などにより調達環境が悪化した場合、資金調達を予定した時期・規模・条件で行えない可能性があります。また、これらの債務には、各種コベナンツが付されていることがあり、抵触した場合、当該債務について期限の利益を喪失する可能性があります。さらに、それに伴い、その他の債務についても一括返済を求められる可能性があります。アーム株式などをはじめとした上場および非上場株式を活用したアセットバック・ファイナンス(株式先渡売買契約を除きます。)については、対象となる保有株式の価値が下落した場合に、追加で現金担保の差し入れが必要となる可能性や期限前の返済義務が発生する可能性があることに加えて、新たな資金調達やリファイナンスに支障が生じる可能性があります。保有資産の売却による資金調達については、市場流動性の低迷、契約上の売却制限、予定していた新規株式公開の遅延などにより、必要な時期に想定した価格で売却できない可能性があります。なお、当社は、資金調達に係るリスクをコントロールするため、市場環境を注視した上で適切と考える時期、手法で資金調達を実施しています。特に金融機関からの借入、社債の発行やアセットバック・ファイナンスの実施にあたっては、様々なシナリオを想定した事前の検討・対応を行うことで各資金調達の安定性を高めています。こうした対応により、財務規律に基づき十分な手元流動性を維持することに努めています。 c.経営陣当社の主要な子会社はそれぞれのCEOなどの下で、投資ファンドは後述のファンド運営子会社のCEOの下で、いずれも自律的に運営を行っていますが、当社の経営において中心的な役割を担っている代表取締役 会長兼社長執行役員 孫 正義に不測の事態が生じた場合には、当社の活動全般に支障が生じる可能性があります。このような不測の事態が発生した場合における意思決定プロセスへの影響を最小限に留めるため、コンティンジェンシープランを策定しています。また、指名報酬委員会において、サクセッションプランについても定期的に議論しています。指名報酬委員会の活動状況については、「第4 提出会社の状況、4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。 (2)ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF1、SVF2およびLatAmファンド、以下「SVF」)は、主にAIを活用した成長可能性が大きいと考えるテクノロジー企業への投資を目的としたファンドであり、ファンドの存続期間の中でリターンを最大化することを目指しています。ソフトバンクグループ㈱は、各投資ファンドにリミテッド・パートナーとして出資を行っており、また、各投資ファンドを運営する当社100%子会社(SVF1を運営するSBIAおよびSVF2とLatAmファンドを運営するSBGA、以下「ファンド運営子会社」)は、各投資ファンドの事業活動に応じて管理報酬、業績連動型管理報酬および成功報酬を受け取ります。SVFを通じた投資やその運営における主要なリスクは、以下のa~dに記載する通りです。なお、本(2)において、「投資先」はSVFの投資先を意味します。 a.投資先の事業展開多くの投資先は、AIやビッグデータなどの新技術を活用し、従来にはない新たなビジネスモデルの実現を目指しています。このような企業が、計画通りに事業を展開し、利益の獲得や強固な事業基盤の確立を果たすには様々なリスクを伴います。例えば、技術の開発やビジネスモデルの実現を想定通りに進められず顧客や市場に合致する商品・サービスを提供できない、スケールメリットを享受するまでの規模に至らず事業基盤の維持や技術開発に必要な費用を十分に確保できない、最新の技術を持つ他の新規参入企業や経営基盤の強固な既存企業との競争に敗れる、事業・地域の多角化への対応や経済・事業環境の変化への対応ができない、広告宣伝活動や営業人員の確保などの顧客獲得費用が計画を大幅に上回り利益を確保できない、複雑化する各国・地域のデータ保護やAI規制に対応できないまたは対応コストが増加する、などのリスクがあります。また、国家安全保障における先端技術の戦略的重要性は近年高まっており、米中関係の悪化などを背景として、各国における規制が強化される可能性があり、その結果投資先の事業展開に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、事業展開に必要な資金を確保するに当たり、資金調達環境などが悪化した場合には、想定通りの条件での調達ができず、事業の成長を損なう大幅なコスト削減を迫られたり、当社持ち分の希薄化を伴う資金調達を余儀なくされたりする可能性があります。なお、ファンド運営子会社では、投資承認プロセスや投資後の継続的なモニタリングを通じて、投資リスク部門が中心となり、これらのリスクの早期の把握と軽減に努めています。 b.投資におけるエグジット機会の不足SVFの保有株式等は流動性が低いものが多く、また、経済、法律・規制、政治などの要因による影響も受けるため、当初の計画通りに資金化できない可能性があります。さらに、契約またはその他の制約により、SVFは特定の株式等の売却を一定期間禁止される場合があり、有利な市場価格で売却する機会を逸する可能性があります。なお、エグジット戦略はファンド運営子会社の投資委員会において重要な検討事項となっており、慎重な議論を重ねた上で承認されます。エグジット戦略は、投資部門が継続的に見直し、更新するとともに、投資リスク部門がそれに対し様々な市場環境を想定したストレステストを実施しています。景気後退の可能性や、エグジットに時間を要する投資がありうることを想定し、SVFは存続期間が長期に設定されています。 c.保有する上場株式等SVFの投資ポートフォリオには上場株式等が含まれています。これらの資産の保有には、投資先に関する情報の開示義務の増加、当該株式等の処分におけるSVFの裁量に対する制限、投資先の役員および取締役(ファンド運営子会社の従業員である場合を含みます。)に対する投資先株主からの訴訟提起およびインサイダー取引の告発の可能性の増加、などのリスクを伴います。また、これらのリスクに対応する費用が増加する可能性があります。なお、ファンド運営子会社は、計画的に保有株式等を売却する仕組みを構築しており、市場への影響を最小限に抑えつつ、売却額の最大化に努めています。また、米ドルに対する為替レートが不安定な通貨建ての株式等の為替リスクをヘッジする必要性について検証しています。さらに、SVFが上場株式等を管理する上で発生する業務運営上のリスクやコンプライアンスリスクは、ファンド運営子会社のオペレーション、コンプライアンス、リスク管理の各部門が関与するコントロール・フレームワークを通じて管理されており、これにはポリシー、社員研修、社内通報制度、取引相手の確認などの取引承認プロセス、および取引後のモニタリングが含まれます。 d.人材の確保・維持ファンド運営子会社は、投資ファンドの保有株式価値の最大化を目的として、投資先を慎重に選定することに加え、投資後の成長を促す様々な支援を行います。このような取り組みの成功には、テクノロジーや金融市場に関する幅広い知見や投資事業の運営における専門的スキルを保有する有能な人材の確保・維持が不可欠です。有能な人材を十分に確保・維持することができない場合は、運営する投資ファンドの投資規模の維持・拡大や将来の投資成果に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、ファンド運営子会社は、投資・運用に求められる多様なノウハウを維持すべく、定期的な人事評価や組織の見直しに加え、研修や能力開発、スタッフが潜在能力を最大限に発揮できるよう行われる社内異動に至るまで、様々な人材サポートプログラムを提供しています。 (3)ソフトバンク事業ソフトバンク㈱およびその子会社(以下「ソフトバンク㈱グループ 」)は、コアビジネスである通信事業に加え、「Yahoo! JAPAN」、「LINE」、「PayPay」などのサービスを提供しており、情報・テクノロジー領域のさまざまな分野でビジネスを展開しています。ソフトバンク㈱グループにおける主要なリスクは、以下のa~fに記載する通りです。 a.市場環境の変化、他社との競合通信関連市場は、競争促進政策の強化や異業種からの新規参入などによって経営環境が大きく変化し、利用者からはより低廉で多様なサービスを求める動きが高まっています。これらの市場環境に対応するため、ソフトバンク㈱グループは消費者の志向に合ったサービス・商品・販売方法を導入していますが、料金プランや通話・データ通信の品質等の面で消費者の期待に沿えない場合やソフトバンク㈱グループが提供するサービス・商品に重大な瑕疵が存在した場合、既存の契約者数を維持できない可能性があります。また、法令・規制・制度などの制定、改正または解釈・適用の変更等により、ソフトバンク㈱グループが顧客に提供できるサービス・商品・販売方法および料金プラン等が実質的な制約を受け、収入の減少や金銭的負担の発生・増加が起きる可能性があります。ソフトバンク㈱グループの競合他社は、その資本力、サービス・商品、技術開発力、価格競争力、顧客基盤、営業力、ブランド、知名度およびこれらの総合力などにおいて、ソフトバンク㈱グループより優れている場合があります。競合他社がその優位性を現状以上に活用してサービスや商品の販売に取り組んだ場合、ソフトバンク㈱グループが価格競争を含む販売競争で劣勢に立たされ、ソフトバンク㈱グループの期待通りにサービス・商品を提供できない、顧客を維持・獲得できない、またはARPU(1契約当たりの月間平均収入)が低下することも考えられます。また、設立間もない新興企業や新規参入者のサービス・商品がソフトバンク㈱グループのサービス・商品に対する競合となる可能性、またはソフトバンク㈱グループが競争優位性を発揮するための新規サービス・商品の開発に費用がかかる可能性があります。ソフトバンク㈱グループは、重複する経営資源の効率化、意思決定の迅速化や事業間におけるより大きなシナジーの創出などを目的として、ソフトバンク㈱グループ内部において再編を行う場合があります。しかし、期待した再編の効果を十分に発揮できない場合、展開するサービスの連携の不調・遅れ、戦略やシナジーへの悪影響、再編に伴う混乱などの問題が発生する可能性があります。 b.技術・ビジネスモデルへの対応ソフトバンク㈱グループは、技術やビジネスモデルの移り変わりが早い情報産業を主な事業領域としています。特に生成AIの分野の発展は目覚ましく、既存のビジネスモデルに大きな影響を与えています。ソフトバンク㈱グループは、常に、最新の技術動向や市場動向の調査、技術的優位性の高いサービスの導入に向けた実証実験、および他社とのアライアンスの検討などの施策を講じていますが、新たな技術への対応が想定通りの時間軸に沿って進むこと、想定通りの効果を上げること、共通の基準や仕様が確立すること、および商用性を持つようになることについての保証はなく、また、これらの施策を行ったとしても、新たな技術やビジネスモデルの出現を含む市場環境の変化にソフトバンク㈱グループが適時かつ適切に対応できず、または迅速かつ効率的に設備を配備できないことにより、市場変化に適した優れたサービス、技術やビジネスモデルを創出または導入できない可能性があります。その場合、ソフトバンク㈱グループのサービスが市場での競争力を失い、ソフトバンク㈱グループが維持・獲得できる契約数が抑制される、またはARPUが低下する可能性があります。 c.情報の流出や不適切な取扱いおよびソフトバンク㈱グループの提供する商品やサービスの不適切な利用ソフトバンク㈱グループは、事業を展開する上で、顧客情報(個人情報を含みます。)やその他の機密情報を取り扱っています。ソフトバンク㈱グループは、情報セキュリティ管理責任者の設置や役職員へのセキュリティ教育・訓練をはじめ、適切に情報資産を保護・管理するための体制構築を図っていますが、ソフトバンク㈱グループ(役職員や委託先の関係者を含みます。)の故意・過失、または悪意を持った第三者によるサイバー攻撃、ハッキング、コンピューターウイルス感染、その他不正アクセスなどにより、これらの情報の流出や消失などが発生する可能性があります。また、ソフトバンク㈱グループの提供する商品やサービスが詐欺等の犯罪等に不正に利用された場合、ソフトバンク㈱グループの信用および信頼の低下を招く可能性があります。こうした事態が生じた場合、ソフトバンク㈱グループの信頼性や企業イメージが低下し顧客の維持・獲得が困難になるほか、競争力の低下や、損害賠償やセキュリティシステム改修のために多額の費用負担が発生する可能性があります。なお、LINEヤフー㈱については、2023年10月1日付でZホールディングス㈱を存続会社とし、同社ならびにLINE㈱およびヤフー㈱を中心としたグループ内再編に関する手続きが完了し、Zホールディングス㈱からLINEヤフー㈱に商号変更されました。LINEヤフー㈱においては、LINEヤフー㈱のグループ会社全体のデータガバナンスが円滑かつ適切に機能するよう体制を整え、その強化に取り組んでいます。今後もこうした取り組みを継続していきますが、係る対策やガバナンス強化の施策が有効に機能しないことによる当局からソフトバンク㈱グループへの行政処分、ソフトバンク㈱グループの信用の毀損、ソフトバンク㈱グループのサービスへの需要の減少、追加の対策の策定・実施、また、データの漏洩などが発生する可能性があります。また、LINEヤフー㈱は、同社が2023年11月27日に公表した不正アクセスの事案に関し、総務省および個人情報保護委員会へ報告を行い、2024年3月5日および4月16日に総務省より行政指導を、同年3月28日に個人情報保護委員会より勧告および報告等の求めを受けました。現在、LINEヤフー㈱はこれらの行政指導および勧告を踏まえた対応等を進めており、総務省に対しては2024年4月1日に再発防止等に向けた取組に関する報告書、個人情報保護委員会に対しては同年4月26日に再発防止策の実施状況等をまとめた報告書を提出し、対応を進めています。しかし、LINEヤフー㈱およびソフトバンク㈱の取り組みが適切ではない、または十分ではないと判断された場合、ソフトバンク㈱グループの信用の毀損、ソフトバンク㈱グループのサービスへの需要の減少等により、ソフトバンク㈱グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。 d.業務の委託ソフトバンク㈱グループは、提供する各種サービス・商品に係る販売、顧客の維持・獲得、通信ネットワークの構築およびメンテナンス、ならびにそれらに付随する業務の全部または一部について、他社に委託しているほか、情報検索サービスにおいて他社の検索エンジンおよび検索連動型広告配信システムを利用しています。ソフトバンク㈱グループは、サプライチェーン上のリスクの低減に努めていますが、業務委託先(役職員や関係者を含みます。)がソフトバンク㈱グループの期待通りに業務を行うことができない場合や、顧客に関する情報の不正取得や人権侵害等に関連する問題を起こした場合、ソフトバンク㈱グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。また、上述のような事象により当該業務委託先の信頼性や企業イメージが低下した場合には、ソフトバンク㈱グループの信頼性や企業イメージも低下し、事業展開や顧客の維持・獲得に影響を及ぼす可能性があります。このほか、当該業務委託先において法令などに違反する行為があった場合、ソフトバンク㈱グループが監督官庁から警告・指導を受けるなど監督責任を追及される可能性があるほか、ソフトバンク㈱グループの信頼性や企業イメージが低下し顧客の維持・獲得が困難になる可能性があります。 e.関連システムの障害などによるサービスの中断・品質低下ソフトバンク㈱グループでは、通信ネットワークや顧客向けのシステム、「Yahoo! JAPAN」、「LINE」、「PayPay」をはじめとする各種サービスを提供しています。これらサービスにおいて、人為的なミスや設備・システム上の問題(自然災害など予測困難な事情に起因するものも含みます。)、第三者によるサイバー攻撃、ハッキングその他不正アクセスなどに起因して各種サービスを継続的に提供できなくなること、または各種サービスの品質が低下することなどの重大なトラブルが発生する可能性があります。ソフトバンク㈱グループは、ネットワークを冗長化するとともに、障害やその他事故が発生した場合に備え、復旧手順を明確にしています。また、障害やその他事故が発生した場合、規模に応じて事故対策本部を設置するなど、適切な体制を構築して復旧に当たっています。これらの対策にもかかわらず、サービスの中断や品質低下を回避できず、サービスの中断・品質低下による影響が広範囲にわたり、復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の維持・獲得が困難になる可能性があります。 f.経済安全保障経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律(以下「経済安全保障推進法」)に基づき、2023年11月16日にソフトバンク㈱およびLINEヤフー㈱は電気通信事業における特定社会基盤事業者(基幹インフラ事業者)に指定されました。2024年5月17日から本制度の規律が適用されていますが、ソフトバンク㈱またはLINEヤフー㈱が経済安全保障推進法が定める国による審査に適切に対応できなかった場合、当局からのソフトバンク㈱またはLINEヤフー㈱に対する事業の是正や中止の勧告、命令等の行政措置、それに伴う事業の一時停止、遅延、追加の設備投資ならびに追加の対策やコスト、ソフトバンク㈱グループの信用の毀損が生じる可能性があります。 (4)アーム事業アームは主に、低消費電力型マイクロプロセッサーおよび関連テクノロジーのデザインなど、半導体のIP(回路の設計情報などの知的財産)のライセンス事業を行っています。ライセンスを供与された半導体企業により設計されるアームベースのチップは、デバイスメーカーによってスマートフォン、デジタルテレビ、車用電子部品の最終製品に組み込まれます。アームの収益は、主に、アームのテクノロジーのライセンス収入およびライセンス先の企業がアームのテクノロジーを含むチップを販売することにより生じるロイヤルティー収入からなります。アームの事業における主要なリスクは、以下のa~jに記載する通りです。 a.業界動向の変化アームの技術やサービスに対する需要は、変化と競争の激しい半導体およびエレクトロニクス産業の動向に大きく依存しています。また、アームのライセンス収入も、半導体企業およびデバイスメーカーがアームの新しい製品を採用する頻度に大きく依存しているため、これらの企業の製品に対する需要の影響を受けます。デバイスメーカーによる、アームベースのチップへの需要の減少は、アームのロイヤルティー収入に悪影響を及ぼします。アームの成功は、その製品およびサービスが、半導体企業やデバイスメーカーに受け入れられるかどうかに大きく依存しています。市場には競合するアーキテクチャーがあり、アームの製品が市場で引き続き受け入れられる保証はありません。また、半導体およびエレクトロニクス産業はますます複雑化し、設計および製造コストは増加の傾向にあります。そのため、アームの顧客の多くは、設計自動化ツール(EDA)や設計した半導体の製造にサードパーティを利用しています。アームはこれらのサードパーティと緊密に連携し、自社の技術とサードパーティのEDAや製造プロセスの互換性を確保しています。しかしながら、互換性の確保が適切に行われなかった場合や、EDAや半導体設計に関する情報へのアクセスが妨げられた場合、アームの製品に対する需要が減少する可能性があります。なお、これらのリスクを軽減するために、アームの経営陣は定期的に戦略と長期の製品開発計画を見直し、将来のニーズを満たす製品の開発に努めています。また、半導体やエレクトロニクス業界の多くの顧客や企業と連携することで、状況の変化を察知し、適切な対応を図る体制を整えています。 b.競合アームは、他社との競争に加え、設計および製造技術の進歩、エンドユーザーのニーズや業界標準の変化、頻繁な新製品の導入など、変化の激しい事業環境に晒されています。x86のような確立された技術や、RISC-Vのようなオープンソースの技術など、既存および新規の市場参加者との競合が今後も継続すると予想されます。アームの競合他社が、開発・広告宣伝・販売により多くの経営資源を投入することで、価格、顧客対応、性能、品質の面でより優れた製品・サービスを提供した場合、アームは競争上の優位性を確保するため、相当規模の経営資源の投資が必要となる可能性があります。また、競争力を維持するため、アームは、顧客の要望や市場機会に対応し、既存の製品・サービスの強化や、新しい製品・サービスの創造、開発を継続することが不可欠です。 これらの競争上の課題を予測または対応することができない場合、アームの優位性が損なわれる可能性があります。なお、アームは、主要な半導体企業と密接に連携し、リスクの軽減に努めています。アームは、アームベースのチップの構築や適合するソフトウエア開発の知識を持つ多くのエンジニアからなるエコシステムを確立しており、それに投資することで、様々なアームベースのチップの開発・維持コストのさらなる削減に努めています。 c.顧客の集中アームの収益の大部分は少数の主要顧客に依存しており、これらの主要顧客の事業の動向に影響を受ける可能性があります。なお、アームは、毎年複数のプロセッサーを開発することで、特定の顧客がアーム製品の導入を見送った場合の影響の軽減に努めています。 d.世界市場の細分化アーム製品が属する世界市場は、地政学的影響を受けることがあります。地政学的要因や政治的対立によって、世界共通のアーキテクチャーの役割が低下し、国・地域特有の製品への需要が増加し、世界の半導体市場の細分化が起きる可能性があります。これは地域ごとの多様な製品をサポートするための費用の増加や、アーム製品を使用しなくなった地域における収益の減少、新規市場における将来のライセンス収入の機会損失につながる可能性があります。なお、アームは、規制当局に対する働きかけや、将来の顧客ニーズに即した製品開発を行うために戦略の見直しを行うことで、これらのリスクの軽減に努めています。 e.中国への依存アームは、収益の一定部分を中国の半導体企業およびOEM、ならびに中国に半導体や最終製品を輸出する半導体企業およびOEMから得ています。アームにおける中国関連市場での収益の維持が困難になる場合、中国における新規および既存の市場へのアクセスが閉ざされる場合、新規事業での成長の遅れまたは中国における市場シェアが低下する場合には、アームの業績や競争力に悪影響を与える可能性があります。中国は半導体産業の収益のうち重要な部分を占めています。しかし、貿易や国家安全保障政策、債務残高の継続的な増加などにより中国経済は不確実性が高く、中国の半導体産業および関連産業の短期的な成長見通しは、不透明な状況にあります。このような状況が長期化する場合、アームに悪影響を及ぼす可能性があります。また、米国および中国政府による保護貿易政策や国家安全保障政策を含む政治的措置により、アームの中国でのビジネスおよび中国の顧客やサプライヤーとの取引は現在すでに一定の制約に服していますが、今後も取引が制約される、または禁止される可能性があります。なお、これらのリスクを軽減するために、アームは、米中における政策の動向を的確かつ迅速に把握することに努めています。また、アーム・チャイナ(注2)における収益見通しやライセンス契約を定期的にレビューすることで、中国市場の動向をモニタリングするとともに、その対応に努めています。 (注2)アーム・チャイナは、当社の子会社と中国投資家による合弁会社です。アームはこの会社を通じて中国市場にアクセスしています。 f.ビジネスモデルの変更アームは、過去にビジネスモデルを変更したことがあり、今後も変更する可能性があります。これらの変更が顧客に受け入れられる保証はありません。そのような場合、アームは想定した金額や時期で収益を得られない、または全く収益を得られない可能性があります。また、ビジネスモデルの変更後において、契約の数や金額の増加が従来と同じようには、または全く実現せず、期待通りの収益が得られない可能性があります。さらに、新しいビジネスモデルの導入は、顧客にとってアームの製品の魅力を低減させてしまうなど、想定通りの結果を得られない可能性があります。加えて、アームは、市場参加者の採用する次世代技術が事業へ与える影響を積極的に検討しており、新規市場の開拓や、既存および潜在顧客向けの新たなソリューションの開発を行うことがあります。これらの新規事業の実現可能性を検討するため、アームは経営資源を配分し、エコシステムにおける関係各社との対話を継続しています。新製品には、アームのIPだけでなく、コンピュート・サブシステム、チップレット、およびエンド・チップ・ソリューションなど、IP設計を超えたソリューションも含まれます。アームが新規市場への参入や新たなソリューションの提供をする場合、その事業が想定した通りに成果を上げられない可能性があるほか、アームが既存の顧客と競合した場合、その顧客は代替アーキテクチャーや競合他社の製品を使用する可能性があります。なお、これらのリスクを軽減するため、アームは新しいビジネスモデルに関して、顧客と十分な議論を行うなど、広範な検討を実施し、リスクの特定と対応に努めています。 g.所有する知的財産権の保護アームの事業の成功には、その知的財産権の保護が不可欠です。アームは、その保護に当たり、主に特許権・著作権・企業秘密・商標関連の法律や、従業員との機密保持契約、ならびに顧客などの関係者とのライセンス契約に依拠していますが、知的財産権を保護するためのアームの措置が不十分である可能性があります。加えて、アームが希望する特許権を取得できない、または特定の法域においては、アームが保持する知的財産に関する契約上の権利などが制限される可能性があります。アームがこれらに関連する法律や規制に適切に対応できない場合、および関連する法域において知的財産権や契約上の権利を行使できない場合、アームの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。また、特許権およびその他の知的財産権を行使するために、訴訟が必要となる場合があります。そのような訴訟は巨額の費用が必要となる、または経営陣やエンジニアの通常業務に支障をきたす可能性があります。一例として、アームは、Qualcomm, Inc. および Qualcomm Technologies, Inc.(両者を含めて “Qualcomm”)、Nuvia, Inc.との係争中の訴訟に関与しています。このような訴訟の結果や、それによる現在主要顧客であるQualcommとの関係への影響は不透明です。さらに、アームによる訴訟への関与が、業界、Qualcommやその他の顧客などとの関係において風評被害が生じる可能性があります。なお、アームは、関連法域における特許権、訴訟、係争事案の動向を注意深く監視することにより、これらのリスクの軽減に努めています。 h.知的財産権の侵害アームは、第三者により知的財産権の侵害、濫用などを主張されたことがあり、今後も同様の主張がなされる可能性があります。そのような法的主張を受けた場合、顧客との契約に基づき、顧客に対する補償を行わなければならないことがあります。さらに、そのような法的主張により、高額かつ長期にわたる訴訟、ロイヤルティーまたはライセンス契約の締結、損害賠償または販売差止、特許の無効化、顧客からのライセンス料の返還または支払い免除の要求、製品の設計やブランドの変更が必要となる、などのさまざまなリスクを伴います。なお、アームは、第三者に帰属する知的財産権を使用せずに製品を設計・実装することで(ライセンス契約による恩恵があり、かつ厳密に管理された手順に沿って使用する場合を除きます)、これらのリスクを軽減しています。 i.ブランドと評判アームのブランドと評判を維持することは、顧客、従業員、政府、サプライヤー、およびその他のステークホルダーとの関係において不可欠です。アームのブランドと評判は、非倫理的行動や不正、製品の品質、不適切利用および安全性、法令または契約違反、内部統制の失敗、コーポレート・ガバナンスの不備、セキュリティインシデント、労働災害、環境問題、違法または不適切な用途への技術の使用、営業手法、サプライヤーの行為などにより影響を受ける可能性があります。また、AIや機械学習に関連して、アームの取組みやアームの技術が用いられた製品の使用への懸念が生じた場合も、アームの評判は影響を受ける可能性があります。これらの危機や脅威に迅速かつ効果的に対応できなかった場合、社会的な批判によりアームのブランドと評判が大きく棄損する可能性があります。また、アーム・チャイナなどの第三者の行為の責任がアームに転嫁された場合も、アームのブランドや評判が損なわれる可能性があります。なお、アームは、製品の欠陥やバグのリスクを低減するために、厳格な品質保証と検証プロセスを実施しています。加えて、顧客などからのフィードバックを定期的に収集し、アームの製品や行動に対する認識の変化を把握し、評価の低下に対して早期の対応を図る体制を維持することで、これらのリスクの軽減に努めています。 j.輸出規制と貿易障壁アームの本社は英国にあり、現時点において、米国、中国、インド、韓国、日本、台湾、および欧州を含む世界中の国や地域で事業を展開しています。これらの国際的な事業活動は、政治・経済・金融情勢や、法律・規制環境の変化による様々な影響を受けます。各国政府による輸出入規制により、様々な負担や製品のライセンス提供の制限を伴う可能性があります。米国商務省が、他国の製品に対する輸出規制の適用範囲を拡大した場合、より多くのアームの製品が米国の輸出管理の対象となる可能性があります。さらに、米国政府がアームの顧客や取引先が拠点とする国・地域を対象としたより広範な経済制裁を導入した場合には、特定の国や組織に対する製品のライセンス提供に制約が生じる可能性があります。アーム、またはその顧客が関与する国々の貿易における関係性は近年不安定であり、特に米国政府はアームの一部の取引先へ輸出規制を課しています。これら国々の規制は追加の費用負担や、重要市場での収益減少につながる可能性があります。なお、アームは、米国、英国、EUの輸出管理当局と強い関係を維持し、政策や規制の動向を監視することで、これらのリスクの軽減に努めています。 (5)その他a.法令遵守当社は、各国の法令等の下で投資活動を行っています。当社や投資先(役職員を含みます。)が法令等に違反する行為を行った場合、違反の認識の有無にかかわらず、行政処分や法的措置の対象となる可能性があります。その結果、当社および投資先の信頼性や企業イメージの低下、取引先による契約解除、金銭的負担が発生する可能性があります。また、当社および投資先が活動を行う国・地域において、租税法令またはその解釈・運用が新たに導入・変更された場合や、税務当局との見解の相違により追加の税負担が生じる可能性があります。なお、当社では、法令の遵守にとどまらず、高い倫理観に基づいた企業活動を行うため、全ての役職員に適用される「ソフトバンクグループ行動規範」を定めるとともに、グループコンプライアンス体制の強化や研修など役職員の知識や意識向上を促す取り組みを行っています。また、法令等の新設・改正に関しては、法務部門が外部のアドバイザーからの助言を受けながら情報収集などを行っています。 b.知的財産権ソフトバンクグループ㈱が保有する「ソフトバンク」ブランドが第三者により侵害された場合、ソフトバンクグループ㈱および「ソフトバンク」ブランドを使用する子会社の企業イメージや信頼性が低下する可能性があります。また、子会社および投資先が保有する知的財産権が第三者により侵害された場合、同社の事業展開や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。一方、当社または投資先が意図せずに第三者の知的財産権を侵害した場合、権利侵害の差止めや損害賠償、ライセンス使用料の請求などを受ける可能性があります。なお、事業の持続的成長を支えるソフトバンクグループ㈱のブランドの重要性に鑑み、商標権を国内外で戦略的に確保する取り組みを行うとともに、子会社の知的財産活動・戦略の評価や子会社との知的財産に関する連携等を行い、持株会社としてグループ全体の知的財産保護・活用も目指しています。 c.訴訟当社は、株主、投資先、取引先、従業員(投資先の現在および過去の株主・従業員を含みます。)を含む第三者の権利・利益を侵害したとして、損害賠償などの訴訟を起こされる可能性があります。その結果、当社の投資活動に支障が生じたり、企業イメージが低下したりする可能性があるほか、金銭的負担が発生する可能性があります。本有価証券報告書の提出日現在における主な訴訟内容については「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表 注記46.偶発事象(3)訴訟」をご参照ください。 d.サステナビリティ当社はサステナビリティに対し、本質的な取り組みを率先して実行することが重要であると考えています。しかし、当社のサステナビリティに関する取り組みが、投資家をはじめとした社内外のステークホルダーの期待から大きく乖離した場合、例えば、サステナビリティの要素が当社のガバナンス体制や経営戦略に十分に組み込まれていない、またはサステナビリティに関する重要課題として特定しているもののうち、特に優先度の高い「責任あるAI」、「気候変動」および「人的資本」への取り組みが不十分な場合、投資活動および資金調達に悪影響を及ぼす可能性があります。また、投資先のサステナビリティに関するリスクおよび機会を十分に把握できない場合は、当社が想定した通りに投資先が事業を展開できない可能性があります。さらに、当社の投資活動や投資先の事業活動に対するサステナビリティ関連規制が強化された場合は、投資スピードの鈍化や対応コストの増加が生じる可能性もあります。なお、ソフトバンクグループ㈱は、取締役会で任命されたチーフ・サステナビリティ・オフィサー(CSusO)を委員長とするサステナビリティ委員会において、取り組むべきサステナビリティに関する課題や対応方針等を継続的に議論するとともに、サステナビリティに関わる対応および情報開示を強化しています。投資活動では、各投資エンティティにおいて、投資先のサステナビリティに関するリスクおよび機会を分析し、総合的な投資評価を行っています。 e.情報セキュリティ昨今の国際情勢を受け世界中でサイバー攻撃の脅威が高まる中、当社および投資先においてサイバー攻撃、ハッキング、コンピューターウイルス感染、その他不正アクセスや内部不正を完全に防止できなかった場合、情報の漏えい、改ざん、消失またはその他の情報セキュリティ事故が発生する可能性があります。こうした事態が生じた場合、当社および投資先の信頼性や企業イメージが低下したり、事業活動に支障が生じたりする可能性があるほか、金銭的損失やこれらの事象に対応するための追加費用等が発生する可能性があります。なお、当社は、ソフトバンクグループ㈱の取締役会で任命された最高情報セキュリティ責任者であるチーフ・インフォメーション・セキュリティ・オフィサー(CISO)の下、情報セキュリティを脅かす脆弱性などのリスク要因を特定し、リスクに応じた組織的、物理的、技術的および人的な情報セキュリティ対策を実施することで、情報資産の保護に努めています。
FY2023|17,454 文字
3【事業等のリスク】本有価証券報告書の提出日現在において、投資家の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主要なリスクは、以下の通りです。これらのリスクが顕在化した場合には、・NAV(Net Asset Value、保有株式価値-調整後純有利子負債で算出(注1)。)・LTV(Loan to Value、調整後純有利子負債÷保有株式価値で算出(注1)。保有資産に対する負債の割合。)・財政状態および経営成績・ソフトバンクグループ㈱の分配可能額に悪影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクは、当社における全てのリスクを網羅しているものではなく、加えて、その対応策が十分に奏功する保障もありません。なお、将来に関する事項については別段の記載のない限り、本有価証券報告書の提出日現在において判断したものです。 (注1)保有株式価値および調整後純有利子負債は、いずれもアセットバック・ファイナンスにおける満期決済金額または借入金を除く。また、調整後純有利子負債の算出からは、当社のうち、上場子会社であるソフトバンク㈱(Zホールディングス㈱およびPayPay㈱をはじめとする子会社を含む)、SVF1、SVF2、ソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンドおよびアームなど独立採算で運営される事業体、ならびに資産運用子会社SB Northstarに帰属する有利子負債および現預金等を除く。 (1)グループ全体当社は、戦略的投資持株会社であるソフトバンクグループ㈱が、子会社・関連会社および投資先を投資ポートフォリオとして統括するマネジメント体制の下、幅広く投資活動を展開しています。当社の事業遂行における主要なリスクは、以下a~cに記載する通りです。加えて、ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業、ソフトバンク事業、アーム事業における主要なリスクについては、それぞれ「(2)ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業」と「(3)ソフトバンク事業」「(4)アーム事業」をご参照ください。 a.投資活動全般(a)市場環境当社は、独自の組織戦略「群戦略」(「第2 事業の状況、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、(3)中長期的な会社の経営戦略」を参照)の下、投資ファンド(SVF1およびSVF2ならびにソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンド)を通じた投資のほか、ソフトバンクグループ㈱による直接または子会社を通じた投資などによって、人工知能(AI)という投資テーマに基づき、情報革命推進への貢献が見込める企業に投資しています。AIに関連した情報・テクノロジー企業に対する評価は、技術進歩や市場規模の成長見通しによって大きく変動することがあります。したがって、当社の保有株式価値も、マクロ経済や金融政策の全般的な動向に加え、こうしたセクター特有の要因によっても大きく影響を受ける可能性があります。加えて、当社の投資先は非上場企業が中心となっており、投資先の企業価値評価や資金化の成否は、非上場の成長企業を対象としたベンチャー・キャピタル市場や、株式公開市場の動向にも大きな影響を受けます。このほか、当社の外貨建て資産・負債の保有に伴い、為替変動の影響を受ける可能性があります。なお、当社は、市場変動の影響に備えるべく、安定的な財務運営を目指しています。詳細は、「第2 事業の状況、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、(4)経営環境および優先的に対処すべき課題 全社1 安定した財務基盤の構築」をご参照ください。 (b)国際情勢や規制の動向当社は、日本だけでなく、米国、中国、インド、欧州・中南米諸国などの海外の国・地域に展開する企業等に投資しているため、これらの国・地域における政治・軍事・社会情勢の変化および法令・規制・制度など(以下「法令等」)の新設・強化(解釈や運用の変更を含みます。)により、当社の投資活動や投資先の事業活動が期待通りに展開できない可能性があります。法令等には、投資に関するもの以外に、AI、通信サービス、インターネット広告、イーコマース、自動運転、ロボット、ロジスティクス、金融・決済などの事業やその他の企業活動に関するもの(事業許認可、経済安全保障、輸出入、個人情報・プライバシー保護、環境、製造物責任、公正な競争、消費者保護、贈賄禁止、労務、知的財産権、マネー・ロンダリング防止、租税、為替に関するものを含みますが、これらに限りません。)が含まれ、当社の投資活動や投資先の事業活動は、これらの法令等の影響を直接または間接的に受けます。昨今、ロシア・ウクライナ情勢や米中対立の激化などを背景に、世界各国において経済安全保障の観点からの規制強化の動きも見られます。例えば、特定の国・企業に対する投資を制限する法令等の導入により、当社の投資活動が制約される可能性があるほか、投資回収の遅滞、投資回収における条件の悪化などが起こる可能性があります。また、地政学リスクの高まりによりサプライチェーンの分断が起こった場合や、貿易規制の強化によりテクノロジーを用いた製品等の輸出入が制限された場合、投資先の事業や業績が悪影響を受ける可能性があります。加えて、当社の投資活動に関係各国の規制当局からの承認等が必要となる場合や、投資先への関与に制約が加えられる場合があります。必要な承認等が得られないなど制約を回避できない場合には、当社の期待通りに投資や売却を実行できない可能性があります。なお、当社は、外部のアドバイザーからの助言を受けながら、これらの外部環境の変化に関する情報収集を行い投資活動に及ぼす影響を検討するとともに、それぞれの規制に対応するよう努めています。また、投資ポートフォリオにおける特定の国・地域、業種への集中度を継続的に監視することなどにより、リスクを把握し経営判断に反映しています。 (c)投資先の事業展開当社は、AIを活用した成長可能性の大きなテクノロジー企業に対し投資を行い、中長期的視点から投資成果を最大化することを目指していますが、テクノロジーやビジネスモデルが想定通りの成果を上げられないこと、投資先のテクノロジーやビジネスモデルの陳腐化、競争環境の激化などにより、投資決定時に想定した通りに投資先が事業を展開できず、業績が大幅に悪化したり、事業計画の大幅な見直しを迫られたりする可能性があります。また、投資先が想定通りに事業を展開できない場合、当社は、投資先の株式価値の向上に必要と判断すれば、投資先に対し融資や債務保証、追加出資などを行うことがあり、その場合には、当該投資先に対するエクスポージャーが増加することになります。ただし、当社は投資ファンドの投資先への救済のみを目的とした投資等は行わないことを基本方針としています。なお、当社は、投資実行後も、投資先の財務・経営情報や重要な経営指標、投資決定時の事業計画と実際の進捗の差異、コーポレート・ガバナンスの状況など、主なリスク要因を継続的に監視し、必要な対応策を実施する体制を整えています。例えば、投資先の経営改善のための助言や、役員の派遣などを必要に応じて行っています。 (d)投資判断当社は、投資の意思決定において、対象企業のテクノロジー、ビジネスモデル、競争環境、財務内容、法令遵守、ガバナンスまたは重要な影響力を持つ創業者や経営者の資質などに関するリスクを見誤ったまま投資判断を下す可能性があります。特に当社の主要投資先である非上場企業においては、当社が投資判断の基礎とした情報の透明性、正確性、完全性が十分ではない可能性が相対的に高くなります。当社は投資判断プロセスにおいて、社内関係部門による調査・検討に加えて、必要に応じて外部の財務・法務・税務アドバイザーなどの協力を得て、対象企業の重要項目についてデュー・デリジェンスを実施し、投資に係るリスクを把握するように努めています。それらの検討結果を踏まえて、ソフトバンクグループ㈱の取締役会または取締役会から権限を委譲された投融資委員会(「第4 提出会社の状況、4 コーポレート・ガバナンスの状況等」を参照)、またはファンド運営子会社の投資委員会で投資判断を下しています。 b.資金調達当社は、金融機関からの借入や社債のほか、保有資産を活用した資金調達(アセットバック・ファイナンス)、保有資産の売却などの多様な調達手段を活用しています。金融機関からの借入や社債については、金利変動や信用格付けの変更などにより調達環境が悪化した場合、資金調達を予定した時期・規模・条件で行えない可能性があります。また、これらの債務には、各種コベナンツが付されていることがあり、抵触した場合、当該債務について期限の利益を喪失する可能性があります。さらに、それに伴い、その他の債務についても一括返済を求められる可能性があります。上場および非上場株式を活用したアセットバック・ファイナンス(株式先渡売買契約を除きます。)については、対象となる保有株式の価値が下落した場合に、追加で現金担保の差し入れが必要となる可能性や期限前の返済義務が発生する可能性があることに加えて、新たな資金調達やリファイナンスに支障が生じる可能性があります。保有資産の売却による資金調達については、予定していたIPOの遅延や市場流動性の低迷、契約上の売却制限などにより、必要な時期に想定した価格で売却できない可能性があります。資金調達に係るリスクをコントロールするために、ソフトバンクグループ㈱の財務部門は、市場環境を注視した上で適切と考える時期での資金調達を実施し、調達手段や時期、期間などの分散化を図っています。また、金融機関からの借入、社債のコベナンツやアセットバック・ファイナンスについて、様々なシナリオを想定した事前の検討・対応を行うことで各資金調達の安定性を高めています。こうした対応により、財務規律に基づき十分な手元流動性を維持することに努めています。 c.経営陣当社の主要な子会社や投資ファンドは、それぞれのCEOなどの下で自律的に運営を行っていますが、当社の経営において中心的な役割を担っている代表取締役 会長兼社長執行役員 孫 正義に不測の事態が生じた場合には、当社の活動全般に支障が生じる可能性があります。このような不測の事態が発生した場合における意思決定プロセスへの影響を最小限に留めるため、コンティンジェンシープランを策定しています。また、指名報酬委員会において、中長期の方針やサクセッションプランについても定期的に議論しています。指名報酬委員会の活動状況については、「第4.提出会社の状況、4コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。 (2)ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業ソフトバンクグループ㈱は、SVF1およびSVF2ならびにソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンドなどを通じてAIを活用した成長可能性が大きいと考えるテクノロジー企業に対し投資を行っています。ソフトバンクグループ㈱は、各投資ファンドにリミテッド・パートナーとして出資を行っており、また、各投資ファンドを運営する当社100%子会社(SVF1を運営するSBIAおよびSVF2とソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンドを運営するSBGA、以下総称して「ファンド運営子会社」)は、各投資ファンドの事業活動に応じて管理報酬ならびに業績連動型管理報酬および成功報酬を受け取ります。投資ファンドを通じた投資やその運営における主要なリスクは、以下のa~eに記載する通りです。なお、本(2)において、「投資先」は投資ファンドの投資先を意味します。 a.投資先の事業展開多くの投資先は、AIやビッグデータなどの新技術を活用し、従来にはない新たなビジネスモデルの実現を目指しています。このような企業が、計画通りに事業を展開し、利益の獲得や強固な事業基盤の確立を果たすには様々なリスクを伴います。例えば、技術の開発やビジネスモデルの実現を想定通りに進められず顧客ニーズや市場慣行に合致する商品・サービスを提供できないリスク、スケールメリットを享受するまでの規模に至らず事業基盤の維持や技術開発に必要な費用を十分に確保できないリスク、最新の技術を持つ他の新規参入企業や経営基盤の強固な既存企業との競争に敗れるリスク、事業・地域の多角化への対応や経済・事業環境の変化への対応ができないリスク、広告宣伝活動や営業人員の確保などの顧客獲得費用が計画を大幅に上回り利益を確保できないリスクなどがあります。また、国家安全保障における先端技術の戦略的重要性は近年高まっており、米中関係の悪化などを背景として、各国における規制が強化される可能性があり、その結果投資先の事業展開に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、事業展開に必要な資金を確保するに当たり、資金調達環境などが悪化した場合には、想定通りの条件での調達ができず、事業の成長を損なう大幅なコスト削減を迫られたり、当社持ち分の希薄化を伴う資金調達を余儀なくされたりする可能性があります。ファンド運営子会社では、投資承認プロセスや投資後の継続的なモニタリングを通じて、投資リスク部門が中心となり、これらのリスクの早期の把握と軽減に努めています。 b.投資のエグジット機会の不足投資ファンドの保有株式等の大半は流動性が低く、経済、法規制、政治などの要因による影響も受けるため、当初の計画通りに資金化できない可能性があります。さらに、契約またはその他の制約により、投資ファンドは特定の株式等の売却を一定期間禁止される可能性があり、有利な市場価格で売却する機会を逸する可能性があります。なお、エグジット戦略の承認はファンド運営子会社の投資委員会の重要な検討事項となっています。エグジット戦略は、投資部門が定期的に見直し、更新するとともに、投資リスク部門がそれに対し様々な市場環境を想定したストレステストを実施しています。投資ファンドは長期投資を目的としており、複数の景気後退の可能性や、エグジットまでに時間を要する投資がありうることも考慮されています。 c.保有する上場会社株式等投資ファンドの投資ポートフォリオには上場株式等が含まれます。これらの資産の保有には、投資先に関する情報の開示義務の増加、当該株式等の処分における投資ファンドの裁量への制限、投資先の役員および取締役(ファンド運営子会社の従業員である場合を含みます。)に対する投資先株主からの訴訟提起およびインサイダー取引の告発の可能性の増加のリスクを伴います。また、これらのリスクの対応のための費用が増加する可能性があります。なお、ファンド運営子会社は、保有株式等の売却に当たり、市場への影響を最小限に抑えつつ、売却額の最大化を図るべく、計画的に売却する仕組みを確保しています。また、米ドルに対する為替レートが不安定な通貨建ての株式等の為替リスクをヘッジする必要性について検証しています。さらに、投資ファンドが上場株式等を管理する上で発生する業務運営上のリスクやコンプライアンスリスクは、ファンド運営子会社のオペレーション、コンプライアンス、リスク管理の各部門が関与するコントロール・フレームワークを通じて管理されており、これにはポリシー、社員研修、社内通報制度、取引相手の確認などの取引承認プロセス、および取引後のモニタリングが含まれます。 d.特定の分野への投資の集中投資ファンドは、特定の事業領域における複数の企業へ投資を行っており、当該事業領域に対する投資の集中度が高くなる場合があります。特定の事業領域における需要の減退や市場競争の激化(投資先間の競合を含みます。)などにより、事業環境が悪化した場合には、収益性の低下、事業計画の未達、市場評価の低迷などにより、投資先の業績や公正価値に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、投資の集中度については、ファンド運営子会社の投資リスク部門が集計を行い、投資委員会および取締役会のメンバーが検討を行います。ファンド運営子会社の投資委員会によるレビューなどの投資プロセスの中で、投資を分散させるか、またはリスクを許容するかが決定されます。 e.人材の確保・維持ファンド運営子会社は、投資ファンドの保有株式価値の最大化を目的として、投資先を慎重に選定することに加え、投資後の成長を促す様々な支援を行います。このような取り組みの成功には、テクノロジーや金融市場に関する幅広い知見や投資事業の運営における専門的スキルを保有する有能な人材の確保・維持が不可欠です。有能な人材を十分に確保・維持することができない場合は、運営する投資ファンドの投資規模の維持・拡大や将来の投資成果に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、ファンド運営子会社は、投資・運用に必要な多様なノウハウを維持すべく、定期的な人事評価や組織の見直しに加え、研修や能力開発、スタッフが潜在能力を最大限に発揮できるよう行われる社内異動に至るまで、様々な人材サポートプログラムを提供しています。 (3)ソフトバンク事業主に通信事業、インターネット関連事業、キャッシュレス決済を含む金融事業を営むソフトバンク㈱およびその子会社(本(3)において併せて「ソフトバンク㈱」)における主要なリスクは、以下のa~eに記載する通りです。 a.市場環境の変化、他社との競合移動体通信市場は、競争促進政策の強化や異業種からの新規参入などによって経営環境が大きく変化し、利用者からはより低廉で多様なサービスを求める動きが高まっています。これらの市場環境に対応するため、ソフトバンク㈱は消費者の志向に合ったサービス・商品・販売方法を導入していますが、料金プランや通話・データ通信の品質等の面で消費者の期待に沿えない場合やソフトバンク㈱が提供するサービス・商品に重大な瑕疵が存在した場合、既存の契約者数を維持できる保証はありません。また、法令・規制・制度などの制定、改正または解釈・適用の変更等により、ソフトバンク㈱が顧客に提供できるサービス・商品・販売方法および料金プラン等が実質的な制約を受け、収入の減少や金銭的負担の発生・増加が起きる可能性があります。ソフトバンク㈱の競合他社は、その資本力、サービス・商品、技術開発力、価格競争力、顧客基盤、営業力、ブランド、知名度およびこれらの総合力などにおいて、ソフトバンク㈱より優れている場合があります。競合他社がその優位性を現状以上に活用してサービスや商品の販売に取り組んだ場合、ソフトバンク㈱が価格競争を含む販売競争で劣勢に立たされ、ソフトバンク㈱の期待通りにサービス・商品を提供できない、顧客を維持・獲得できない、またはARPUが低下することも考えられます。また、通信、インターネット、キャッシュレス決済に係る市場では、設立間もない新興企業や新規参入者によるサービス・商品がユーザーの支持を集め急速に広まることがあります。ソフトバンク㈱では、ユーザーの意見や動向を捉え、ユーザーの支持を集めることができるサービス・商品の提供を追求していきますが、新興企業や新規参入者のサービス・商品がソフトバンク㈱のサービス・商品に対する競合となる可能性や、ソフトバンク㈱が競争優位性を発揮するための新規サービス・商品の開発に費用がかかる可能性があります。ソフトバンク㈱は、重複する経営資源の効率化、意思決定の迅速化や事業間におけるより大きなシナジーの創出などを目的として、ソフトバンク㈱内部において再編を行う場合があります。しかし、期待した再編の効果を十分に発揮できない場合、展開するサービスの連携の不調・遅れ、戦略やシナジーへの悪影響、再編に伴う混乱などの問題が発生する可能性があります。 b.技術・ビジネスモデルへの対応ソフトバンク㈱は、技術やビジネスモデルの移り変わりが早い情報産業を主な事業領域としています。例えば、ChatGPTに代表される生成AIの分野は急速な勢いで発展しており、既存のビジネスモデルに大きな影響を与える事も想定されます。ソフトバンク㈱は、常に、最新の技術動向や市場動向の調査、技術的優位性の高いサービスの導入に向けた実証実験、および他社とのアライアンスの検討などの施策を講じています。しかし、新たな技術への対応が想定通りの時間軸に沿って進むこと、想定通りの効果を上げること、共通の基準や仕様が確立すること、および商用性を持つようになることについては、何らの保証もなく、また、これらの施策を行ったとしても、新たな技術やビジネスモデルの出現を含む市場環境の変化にソフトバンク㈱が適時かつ適切に対応できず、または迅速かつ効率的に設備を配備できないことにより、市場変化に適した優れたサービス、技術やビジネスモデルを創出または導入できない場合、ソフトバンク㈱のサービスが市場での競争力を失い、ソフトバンク㈱が維持・獲得できる契約数が抑制される、またはARPUが低下する可能性があります。 c.情報の流出や不適切な取り扱いおよびソフトバンク㈱の提供する商品やサービスの不適切な利用ソフトバンク㈱は、事業を展開する上で、顧客情報(個人情報を含みます。)やその他の機密情報を取り扱っています。ソフトバンク㈱は、情報セキュリティ管理責任者の設置や役職員へのセキュリティ教育・訓練をはじめ、適切に情報資産を保護・管理するための体制構築を図っていますが、ソフトバンク㈱(役職員や委託先の関係者を含みます。)の故意・過失、または悪意を持った第三者によるサイバー攻撃、ハッキング、コンピューターウイルス感染、その他不正アクセスなどにより、これらの情報の流出や消失などが発生する可能性があります。また、ソフトバンク㈱の提供する商品やサービスが詐欺等の犯罪等に不正に利用された場合、ソフトバンク㈱の信用および信頼の低下を招く可能性があります。こうした事態が生じた場合、ソフトバンク㈱の信頼性や企業イメージが低下し顧客の維持・獲得が困難になるほか、競争力の低下や、損害賠償やセキュリティシステム改修のために多額の費用負担が発生する可能性があります。なお、2021年3月のZホールディングス㈱とLINE㈱の経営統合に伴い、ソフトバンク㈱が個人情報をはじめとするデータを取り扱う量も飛躍的に増大しました。個人情報の適切な取り扱いに関してソフトバンク㈱全体のガバナンスの強化に取り組んでおり、加えて、ソフトバンク㈱のヤフー㈱とLINE㈱とのデータ連携にあたっては、同意取得を前提とした分かりやすい説明に努めるほか、各種の国際基準への準拠を前提とするなど、適切性の確保に努めています。これらの取組みにもかかわらず、係る対策やガバナンス強化の施策が有効に機能しないことによる当局からソフトバンク㈱への行政処分、ソフトバンク㈱の信用の毀損、ソフトバンク㈱のサービスへの需要の減少、追加の対策の策定・実施、また、データの漏洩などが発生する可能性があります。 d.業務の委託ソフトバンク㈱は、提供する各種サービス・商品に係る販売、顧客の維持・獲得、通信ネットワークの構築およびメンテナンス、ならびにそれらに付随する業務の全部または一部について、他社に委託しているほか、情報検索サービスにおいて他社の検索エンジンおよび検索連動型広告配信システムを利用しています。ソフトバンク㈱は、サプライチェーン上のリスクの低減に努めていますが、業務委託先(役職員や関係者を含みます。)がソフトバンク㈱の期待通りに業務を行うことができない場合や、ソフトバンク㈱および顧客に関する情報の不正取得または目的外使用等をした場合などの人権侵害等に関連する問題を起こした場合、ソフトバンク㈱の信頼性や企業イメージも低下し、事業展開や顧客の維持・獲得に影響を及ぼす可能性があります。このほか、当該業務委託先において法令などに違反する行為があった場合、ソフトバンク㈱が監督官庁から警告・指導を受けるなど監督責任を追及される可能性があるほか、ソフトバンク㈱の信頼性や企業イメージが低下し顧客の維持・獲得が困難になる可能性があります。 e.関連システムの障害などによるサービスの中断・品質低下ソフトバンク㈱が提供する通信ネットワークや顧客向けのシステム、キャッシュレス決済サービス「PayPay」をはじめとする各種サービスにおいて、人為的なミスや設備・システム上の問題(自然災害など予測困難な事情に起因するものも含みます。)、または第三者によるサイバー攻撃、ハッキングその他不正アクセスなどが発生した場合、これに起因して各種サービスを継続的に提供できなくなること、または各種サービスの品質が低下することなどの重大なトラブルが発生する可能性があります。ソフトバンク㈱は、ネットワークを冗長化するとともに、障害やその他事故が発生した場合に備え、復旧手順を明確にしています。また、障害やその他事故が発生した場合、規模に応じて事故対策本部を設置するなど、適切な体制を構築して復旧に当たっています。これらの対策にもかかわらず、サービスの中断や品質低下を回避できない恐れがあり、サービスの中断・品質低下による影響が広範囲にわたり、復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の維持・獲得が困難になる可能性があります。 (4)アーム事業アームは主に、低消費電力型マイクロプロセッサーおよび関連テクノロジーのデザインなど、半導体のIP(回路の設計情報などの知的財産)のライセンス事業を行っています。ライセンスを供与された半導体企業により設計されるアーム・ベースのチップは、デバイスメーカーによってスマートフォン、デジタルテレビ、自動運転車等の最終製品に組み込まれます。アームの収益は、主に、アームのテクノロジーのライセンス収入およびライセンス先の企業がアームのテクノロジーを含むチップを販売することにより生じるロイヤルティー収入からなります。アームの事業における主要なリスクは、以下のa~jに記載する通りです。 a.業界動向の変化アームの技術やサービスに対する需要は、変化と競争の激しい半導体およびエレクトロニクス産業の動向に依存しています。アームのライセンス収入は、半導体企業およびデバイスメーカーがアームの新しい製品を採用する頻度に大きく依存しているため、これらの企業の製品に対する需要の影響を受けます。デバイスメーカーによる、アーム・ベースのチップへの需要の減少は、アームのロイヤルティー収入に悪影響を及ぼします。アームの成功は、その製品およびサービスが、半導体企業やデバイスメーカーに受け入れられるかどうかに大きく依存しています。市場には競合するアーキテクチャーがあり、アームの製品が市場で引き続き受け入れられる保証はありません。また、半導体およびエレクトロニクス産業はますます複雑化し、設計および製造コストは増加の傾向にあります。そのため、アームの顧客の多くは、設計自動化ツール(EDA)や設計した半導体の製造にサードパーティを利用しています。アームはこれらのサードパーティと緊密に連携し、自社の技術がサードパーティのEDAや製造プロセスと互換性があることを確認しています。しかしながら、そのような互換性が十分に確保できなかった場合、またはEDAや半導体設計に関する情報へのアクセスが妨げられた場合、アームの製品に対する需要が減少する可能性があります。これらのリスクを軽減するために、アームの経営陣は定期的に戦略と長期の製品開発計画を見直し、将来のニーズを満たす製品の開発に努めています。また、半導体やエレクトロニクス業界の多くのパートナーや企業と連携することで、状況の変化を察知し、適切な対応を図る体制を整えています。 b.競合アームは、他社との競争に加え、設計および製造技術の進歩、エンドユーザーのニーズや業界標準の変化、頻繁な新製品の導入など、変化の激しい事業環境に晒されています。また、x86のような既存の技術や、RISC-Vのようなオープンソースの技術など、既存および新規の市場参加者との競合が今後も継続すると予想されます。アームの競合他社は、開発・広告宣伝・販売により多くの経営資源を投入することで、価格、顧客対応、性能、品質の面でより優れた製品・サービスを提供する可能性があります。そのため、アームは競争上の優位性を確保すべく、相当規模の経営資源の投資が必要となる場合があります。これらの競争上の課題を予測または対応することができない場合、アームの優位性が損なわれる可能性があります。これらのリスクを軽減するために、アームは、主要な半導体企業と密接に協力することに努めています。アームは、アーム・ベースのチップの構築や最適化されたソフトウエアの開発の知識を持つ多くのエンジニアからなるエコシステムを確立しており、それに投資することで、様々なアーム・ベースのチップを開発し維持するコストのさらなる削減に努めています。 c.顧客の集中アームの収益の大部分は少数の主要顧客に依存しており、これらの主要顧客の事業の動向に影響を受ける可能性があります。なお、アームは通常、毎年多様なプロセッサーを開発し、特定の顧客がアーム製品の導入を見送った場合の影響の軽減に努めています。 d.世界市場の細分化アーム製品が属する市場は、地政学的影響を受けることがあります。地政学的要因や政治的対立によって、世界共通のアーキテクチャーの役割が薄れ、一部の国・地域特有の製品への需要が増加し、世界の半導体市場の分断が起きる可能性があります。これは地域ごとの多様な製品をサポートするための費用の増加や、アーム製品を使用しなくなった地域における収益の減少、新規市場における将来のライセンス収入の機会の損失につながる可能性があります。なお、アームは、規制当局に対する働きかけや、将来の顧客ニーズに即した製品開発を行うために戦略の見直しを行うことで、これらのリスクの軽減に努めています。 e.中国への依存アームは、収益の一定部分を中国の半導体企業およびOEM、ならびに中国に半導体や最終製品を輸出する半導体企業およびOEMから得ています。アームにおける中国関連市場での収益の維持が困難になる場合、中国における新規および既存の市場へのアクセスが閉ざされる場合、新規事業での成長の遅れや、中国における市場シェアが低下する場合には、アームの業績や競争力に悪影響を与える可能性があります。過去10年間、中国は半導体産業の収益と成長の重要な源泉となってきました。しかし、近年、新型コロナウイルス感染症の流行、貿易や国家安全保障に関する政策、債務残高の増加などが経済に不確実性を与え、中国経済や半導体産業の成長の先行きが不透明な状況にあり、この状況が長期化する場合には、アームに悪影響を及ぼす可能性があります。また、アームの中国でのビジネスは、保護貿易政策や国家安全保障政策を含む政治的措置によりすでに一定の制約を受けていますが、今後も制約を受ける可能性があります。これらのリスクを軽減するために、アームは、米国と中国における政策変更を詳細に把握することに努めています。また、アーム・チャイナ(注2)における収益やライセンス契約の動向を定期的に把握することで、中国市場への影響を注視するとともに、その対応に努めています。 (注2)アーム・チャイナは、当社の子会社と中国投資家による合弁会社です。アームはこの会社を通じて中国市場にアクセスしています。 f.ビジネスモデルの変更アームは、そのビジネスモデルの変更を今後も行う可能性がありますが、これらの変更が顧客に受け入れられる保証はありません。そのような場合、アームは期待通りに、想定したスケジュールで収益を得られない、または全く収益を得られない可能性があります。また、ビジネスモデルの変更後において、契約の数や金額の増加が従来と同じようには、または全く実現せず、期待通りのライセンス収入が得られない可能性があります。さらに、新しいビジネスモデルの導入は、顧客にとってアームの製品の魅力を低減させてしまうなど、想定通りの結果を得られない可能性があります。これらのリスクを軽減するため、アームは新しいビジネスモデルに関して、顧客と十分な議論を行うなど、広範な検討を実施し、リスクの特定と対応に努めています。 g.所有する知的財産権の保護アームの事業の成功には、その知的財産権の保護が不可欠です。アームは、その保護に当たり、主に特許権、著作権、企業秘密、商標関連の法律や、従業員との機密保持契約、ならびに顧客、パートナーなどの関係者とのライセンス契約に依拠していますが、知的財産権を保護するためのアームの措置が不十分である可能性があります。加えて、アームが希望する特許権を取得できない、または特定の法域においては、アームが保持する知的財産に関する契約上の権利などが制限される可能性があります。アームがこれらに関連する法律や規制に適切に対応できない場合、および関連する法域において知的財産権や契約上の権利を行使できない場合、アームの事業に悪影響が及ぶ可能性があります。また、特許権およびその他の知的財産権を行使するために、訴訟が必要となる場合があります。そのような訴訟は巨額の費用がかかる可能性があり、また経営陣やエンジニアの通常の業務に支障をきたす可能性があります。一例として、アームは、Qualcomm, Inc. および Qualcomm Technologies, Inc.(両者を含めて “Qualcomm”)、Nuvia, Inc.との係争中の訴訟に関与しています。このような訴訟の結果や、それによる現在主要顧客であるQualcommとの関係への影響は不透明です。さらに、アームによる訴訟への関与が、業界、Qualcommやその他のパートナーとの関係において風評被害が生じる可能性があります。なお、アームは、関連法域における特許権、訴訟、係争事案の動向を注意深く監視することにより、これらのリスクの軽減に努めています。 h.知的財産権の侵害アームは、第三者により知的財産権の侵害、濫用などを主張されたことがあり、今後もそのような主張がなされる可能性があります。アームはその技術が第三者の知的財産権を侵害したとの法的主張を受けた場合、顧客との契約に基づき、顧客に対する補償を行わなければならない場合があります。これらの主張は、費用と時間のかかる訴訟に発展し、アームによるロイヤルティーまたはライセンス契約の締結を余儀なくされ、損害賠償または販売差止命令の対象となり、特許が無効となり、顧客からのライセンス料の返還または将来の支払いの見送りを要求され、さらにはアームの特定の製品の再設計が必要となる場合があります。なお、アームは、厳密に管理された手順の下、適切なライセンスの権利の恩恵を受ける場合を除き、第三者に帰属する知的財産権を使用せずに製品を設計・実装することで、これらのリスクを軽減しています。 i.ブランドと評判アームのブランドと評判を維持することは、顧客、従業員、政府、サプライヤー、およびその他のステークホルダーとの関係において不可欠です。アームのブランドと評判は、非倫理的行動や不正行為、製品の品質、安全性、法令または契約違反、内部統制の失敗、コーポレート・ガバナンスの問題、データ侵害、労働環境における安全確保、環境保全問題、違法または不適切な用途への技術の使用、営業手法、サプライヤーの行為、その他の悪評を招く問題などにより影響を受ける可能性があります。これらの危機や脅威に迅速かつ効果的に対応できなかった場合、社会的な批判によりアームのブランドと評判が大きく棄損する可能性があります。また、アーム・チャイナなどの第三者の行為の責任がアームに転嫁された場合も、アームのブランドや評判が損なわれる可能性があります。アームは、製品の欠陥やバグのリスクを低減するために、厳格な品質保証と検証プロセスを実施しています。加えて、顧客やパートナーからのフィードバックを定期的に収集し、アームの製品や行動に対する認識の変化を把握し、評価の低下に対して早期の対応を図る体制を維持することで、これらのリスクの軽減に努めています。 j.輸出規制と貿易障壁アームの本社は英国にあり、現時点において、米国、中国、インド、カナダ、南アフリカ、欧州を含む世界中の国や地域で事業を展開しています。これらの国際的な事業活動は、政治・経済・金融情勢や、法律・規制環境の変化に影響を受けます。各国政府による輸出入規制により、様々な負担や製品のライセンス提供の制限を伴う可能性があります。米国商務省が、他国の製品に対する輸出規制の適用範囲を拡大した場合、より多くのアームの製品が米国の輸出管理の対象となる可能性があります。さらに、米国政府が特定の顧客や取引先を対象としたより広範な経済制裁を導入した場合には、特定の国や組織に対する製品のライセンス提供に制約が生じる可能性があります。アームが事業上関与する国々の貿易における関係性は近年不安定であり、特に米国政府はアームの一部の取引先へ輸出規制を課しています。これら国々の規制は追加の費用負担や、重要市場での収益減少につながる可能性があります。なお、アームは、米国、英国、EUの輸出管理当局と強い関係を維持し、政策や規制の動向を監視することで、これらのリスクの軽減に努めています。 (5)その他a.法令遵守当社は、各国の法令等の下で投資活動を行っています。当社や投資先(役職員を含みます。)が法令等に違反する行為を行った場合、違反の認識の有無にかかわらず、行政処分や法的措置の対象となる可能性があります。その結果、当社および投資先の信頼性や企業イメージの低下、取引先による契約解除、金銭的負担が発生する可能性があります。また、当社および投資先が活動を行う国・地域において、租税法令またはその解釈・運用が新たに導入・変更された場合や、税務当局との見解の相違により追加の税負担が生じる可能性があります。なお、当社では、法令の遵守にとどまらず、高い倫理観に基づいた企業活動を行うため、全ての役職員に適用される「ソフトバンクグループ行動規範」を定めるとともに、グループコンプライアンス体制の強化や研修など役職員の知識や意識向上を促す取り組みを行っています。また、法令等の新設・改正に関しては、法務部門が外部のアドバイザーからの助言を受けながら情報収集などを行っています。 b.知的財産権ソフトバンクグループ㈱が保有する「ソフトバンク」ブランドが第三者により侵害された場合、ソフトバンクグループ㈱および「ソフトバンク」ブランドを使用する子会社の企業イメージや信頼性が低下する可能性があります。また、子会社および投資先が保有する知的財産権が第三者により侵害された場合、同社の事業展開や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。一方、当社または投資先が意図せずに第三者の知的財産権を侵害した場合、権利侵害の差止めや損害賠償、ライセンス使用料の請求などを受ける可能性があります。なお、事業の持続的成長を支えるソフトバンクグループ㈱のブランドの重要性に鑑み、商標権を国内外で戦略的に確保する取り組みを行うとともに、子会社の知的財産活動・戦略の評価や子会社との知的財産に関する連携等を行い、持株会社としてグループ全体の知的財産保護・活用も目指しています。 c.訴訟当社は、株主、投資先、取引先、従業員(投資先の現在および過去の株主・従業員を含みます。)を含む第三者の権利・利益を侵害したとして、損害賠償などの訴訟を起こされる可能性があります。その結果、当社の投資活動に支障が生じたり、企業イメージが低下したりする可能性があるほか、金銭的負担が発生する可能性があります。本有価証券報告書の提出日現在における主な訴訟内容については「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記46.偶発事象(3)訴訟」をご参照ください。 d.サステナビリティ当社は環境、社会、ガバナンス(以下「ESG」)に対し、本質的な取り組みを率先して実行することが重要であると考えています。しかし、当社のESGへの取り組みが投資家をはじめとした社内外のステークホルダーの期待から大きく乖離した場合(例えば、ESG要素が当社のガバナンス体制や経営戦略に十分に組み込まれていない、または気候変動や、多様性を含む人的資本への取り組みが不十分である、と投資家に判断された場合など)は、ステークホルダーからの評価が低下し、投資活動および資金調達に悪影響を及ぼす可能性があります。また、投資先のESGに関する機会・リスクを十分に把握できない場合は、当社が想定した通りに投資先が事業を展開できない可能性があります。さらに、投資会社に対するESG関連の規制が強化された場合は、投資スピードの鈍化や対応コストの増加が生じる可能性もあります。なお、ソフトバンクグループ㈱は、取締役会で任命されたチーフ・サステナビリティ・オフィサー(CSusO)を委員長とするサステナビリティ委員会において、取り組むべきESGの重要課題や対応方針等を継続的に議論するとともに、ESGに関わる対応および情報開示を強化しています。投資活動では、各投資エンティティにおいて、投資先のESGに関する機会・リスクを分析し、総合的な投資評価を行っています。 e.情報セキュリティ昨今の国際情勢を受け世界中でサイバー攻撃の脅威が高まる中、当社および投資先においてサイバー攻撃、ハッキング、コンピューターウイルス感染、その他不正アクセスや内部不正を完全に防止できなかった場合、情報の漏えい、改ざん、消失またはその他の情報セキュリティ事故が発生する可能性があります。こうした事態が生じた場合、当社および投資先の信頼性や企業イメージが低下したり、事業活動に支障が生じたりする可能性があるほか、金銭的損失やこれらの事象に対応するための追加費用等が発生する可能性があります。なお、当社は、ソフトバンクグループ㈱の取締役会で任命された最高情報セキュリティ責任者であるチーフ・インフォメーション・セキュリティ・オフィサー(CISO)の下、情報セキュリティを脅かす脆弱性などのリスク要因を特定し、リスクに応じた組織的、物理的、技術的および人的な情報セキュリティ対策を実施することで、情報資産の保護に努めています。
FY2022|18,895 文字
2【事業等のリスク】ソフトバンクグループ㈱は、直接または投資ファンドを通じて多数の企業に投資を行い、その投資ポートフォリオを管理する戦略的投資持株会社です。投資ポートフォリオには、子会社・関連会社(以下「グループ会社」)とそれらに分類されない投資先が含まれます(以下、グループ会社と併せて「投資先」)。これらの投資先は、国内外において多岐にわたる事業を展開しています。ソフトバンクグループ㈱の投資活動、および投資先の事業活動の遂行にはさまざまなリスクを伴います。本有価証券報告書の提出日現在において、投資家の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主要なリスクは、以下の通りです。なお、これらは、ソフトバンクグループ㈱および投資先で発生しうるすべてのリスクを網羅しているものではありません。また、将来に関する事項については別段の記載のない限り、本有価証券報告書の提出日現在において判断したものです。 (1)ビジネスモデルについてソフトバンクグループ㈱は、独自の組織戦略「群戦略」(「第2 事業の状況、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、(3)中長期的な会社の経営戦略」を参照)の下、グループ会社(例えば、ソフトバンク㈱やアーム、アリババ)への投資を含む直接投資(子会社を通じた投資を含みます。)に加え、投資ファンド(ソフトバンク・ビジョン・ファンド1および2、ソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンド)を通じて、人工知能(AI)を活用した情報・テクノロジー分野において多様な事業を展開する企業から成る投資ポートフォリオを構築することで、NAV(注1)の向上に取り組んでいます。そのため、ソフトバンクグループ㈱の投資ポートフォリオは情報・テクノロジー分野のそれぞれが属するセクターにおける市場動向に大きな影響を受けます。加えて、ソフトバンクグループ㈱(子会社を通じた投資を含みます。)ならびにソフトバンク・ビジョン・ファンド1および2、ソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンドなどにおける投資事業では未上場企業への投資が中心となっており、株式公開を取り巻く市場環境にも大きな影響を受けます。これらの影響により、ソフトバンクグループ㈱の保有株式価値が低下した場合、NAVが低下、LTV(注2)が悪化するとともに、保有株式を含む資産の評価損を計上することにより、ソフトバンクグループ㈱の連結業績および財政状態、ひいては新規投資や財務政策に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、ソフトバンクグループ㈱は多様性を備えた投資ポートフォリオの構築を重要な経営上の課題として認識していますが、当期末現在において、アリババ株式は保有株式価値の2割強を占めるため、その投資価値が変動することにより、ソフトバンクグループ㈱の保有株式価値やNAV、LTVが影響を受ける可能性があります。 (注1)NAV(Net Asset Value)=保有株式価値-調整後純有利子負債。「第2 事業の状況、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、(2)重視する経営指標」をご参照ください。(注2)LTV=調整後純有利子負債÷保有株式価値。「第2 事業の状況、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、(2)重視する経営指標」をご参照ください。 (2)資金調達についてソフトバンクグループ㈱(資金調達を行う100%子会社を含みます。)は、新規投資を継続的に行っていくために必要な資金を、株式資産の売却、投資先からの配当や投資ファンドからの分配金、保有資産を活用した資金調達(アセット・バック・ファイナンス)などでまかなうことを目指しています。しかし、新規投資のための資金が必要な時期に株式資産の売却や資金調達を行うことができない場合、投資機会を逸し、NAVの継続的な向上に支障が生じる可能性があります。また、一部の保有株式を活用した資金調達については、株式市場の悪化などにより対象となる保有株式価値が下落した場合には、追加で現金担保の差し入れが必要となる可能性や期限前の返済義務が発生する可能性があることに加えて、新たな資金調達が困難になる可能性があります。ソフトバンクグループ㈱は、金融機関からの借入や社債の発行などによっても、投資活動に必要な資金を調達することがあります。これらの資金調達については、金融政策や金融市場の変化等により金利が上昇した場合や、保有資産価値の減少や業績悪化によりソフトバンクグループ㈱の信用格付けが引き下げられるなど信用力が低下した場合には、調達コストが増加し、ソフトバンクグループ㈱の連結・個別業績に悪影響を及ぼす可能性があるほか、資金調達が予定した時期・規模・条件で行えない場合には、ソフトバンクグループ㈱の投資活動および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。ソフトバンクグループ㈱(資金調達を行う100%子会社を含みます。)は、負債の返済原資を確保するために、新たな資金調達やリファイナンス、一部保有資産の売却などを行うことがあります。市場環境を注視した上で適切と考える時期での資金調達を実施し、財務規律に基づき十分な手元流動性を安定的に維持することに努めています。しかしながら、資金調達に適さない環境が想定以上に長期化した場合、返済原資の捻出のために不利な条件での株式資産売却や予定外の株式資産売却を余儀なくされ、ソフトバンクグループ㈱の保有株式価値やNAV、連結・個別業績に悪影響を及ぼす可能性があります。ソフトバンクグループ㈱の金融機関からの借入や社債などの債務には、各種コベナンツが付されていることがあります。いずれかのコベナンツに抵触する可能性が発生し、抵触を回避するための手段を取ることができない場合、当該債務について期限の利益を喪失する可能性があるほか、それに伴い、その他の債務についても一括返済を求められる可能性があります。その結果、ソフトバンクグループ㈱の信用力が低下し、財政状態に著しい悪影響を及ぼす可能性があります。 (3)経営陣についてソフトバンクグループ㈱は、代表取締役 会長兼社長執行役員である孫 正義を中心とする経営陣の下で経営を行っていますが、ソフトバンクグループ㈱が投資をしている主要な投資先や投資ファンドは、それぞれのCEOなどを中心とする経営陣の下で自律的に運営を行っています。例えば、ソフトバンク㈱の代表取締役 社長執行役員兼CEOは宮川 潤一が、アームのCEOはレネ・ハースがそれぞれ務めています。また、ソフトバンク・ビジョン・ファンド1および2ならびにソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンドの運営会社のCEOはラジーブ・ミスラ(ソフトバンクグループ㈱副社長執行役員)が務めています。ソフトバンクグループ㈱ではこのような体制をとっており、また、経営陣に不測の事態が発生した場合における意思決定プロセスへの影響を最小限に留めるため、行動指針や事前対応策を含め、コンティンジェンシープランを策定しています。また、指名報酬委員会において、中長期の方針やサクセッションプランについても定期的に議論しています。しかしながら、かかる取り組みが奏功する保証はなく、特に当社代表取締役 会長兼社長執行役員である孫 正義をはじめとする当社グループの経営陣に不測の事態が生じた場合には、ソフトバンクグループ㈱の活動全般に支障が生じる可能性があります。 (4)投資活動全般についてソフトバンクグループ㈱は、企業買収、子会社・合弁会社の設立、事業会社(上場・非上場企業を含みます。)・持株会社(各種契約によって別会社を実質的に支配する会社を含みます。)・投資ファンドへの出資などの投資活動を行っています。これらの投資活動については、以下a~dのようなリスクがあり、これらのリスクが顕在化した場合には、投資先の資産価値、すなわちソフトバンクグループ㈱の保有株式価値が低下し、NAVが低下、LTVが悪化するとともに、保有株式を含む資産の評価損を計上することによりソフトバンクグループ㈱の連結業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、投資先の中でも、特に連結業績への影響の大きい、投資ファンドへの出資とソフトバンク㈱において特に重要性の高いと考えられるリスクについては、それぞれ「(5)投資ファンドを通じた投資について」と「(6)ソフトバンク㈱グループについて」をご覧ください。 a.政治情勢、金融・財政政策、国際情勢等の外部環境の動向ソフトバンクグループ㈱は、日本だけでなく、米国、中国、インド、欧州・中南米諸国などの海外の国・地域に展開する事業体に投資しているため、これらの国・地域における政治・軍事・社会情勢、金融・財政政策、国際情勢等の外部環境の変化(例えば、ロシア・ウクライナ情勢や米中対立の激化による、規制強化や経済安全保障を巡る各国の動向など)により、ソフトバンクグループ㈱の投資活動や投資先の事業活動が期待通りに展開できない可能性があります。例えば、ソフトバンクグループ㈱の投資実行や回収の遅滞、投資回収における条件の悪化などが起こる可能性があるほか、投資先が提供するサービス・商品に対する需要の低下や供給の停滞により各社の事業や業績が悪影響を受ける可能性があります。また、流動性の低い未上場企業への投資については、市場環境が急激に悪化した場合などには、ソフトバンクグループ㈱の希望する時期・規模・条件で投資持分を売却できない可能性があります。これらの結果、ソフトバンクグループ㈱の保有株式価値やNAV、LTV、連結・個別業績に悪影響を及ぼす可能性があります。このほか、ソフトバンクグループ㈱による海外企業への外貨建投資においては、為替変動に伴う損失が発生する可能性があります。また、ソフトバンクグループ㈱の連結財務諸表の作成にあたり、アームをはじめとする海外のグループ会社の現地通貨建ての収益・費用および資産・負債を日本円に換算するため、為替相場の変動がソフトバンクグループ㈱の連結業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、ソフトバンクグループ㈱では、これらの外部環境の変化に関する情報収集を行い投資活動に及ぼす影響を検討するとともに、投資ポートフォリオにおける特定の国・地域、業種への集中度を継続的に監視することなどにより、リスクの把握に努め、その結果を経営陣に報告する体制を整えています。 b.投資に関する規制ソフトバンクグループ㈱が行う投資活動は、関係各国の規制当局から承認等が必要となる場合や投資先への関与が制約される場合があります。また、関係各国において、投資活動に関する規制の新設や強化が行われる可能性があります。ソフトバンクグループ㈱は、外部のアドバイザーを含む関係者と連携し、それぞれの規制に対応していますが、これらの必要な承認等が得られないなど制約を回避できない場合には、ソフトバンクグループ㈱の期待通りに投資や売却を実行できない可能性があります。例えば、ソフトバンクグループ㈱は、一部の米国投資に関して、その投資の対象となる会社(本(b)において「対象会社」)および米国関係省庁との間で国家安全保障契約を締結しています。この国家安全保障契約に基づき、ソフトバンクグループ㈱と対象会社は、米国の国家安全保障を確保するための方策を実行することに合意しています。これら方策の実行に伴いコストが増加する、または米国内の事業運営に制約を受ける可能性があります。 c.投資先の資産価値の下落ソフトバンクグループ㈱は、投資実行後も、投資先の財務・経営情報や重要な経営指標、投資決定時の事業計画と実際の進捗の差異、コーポレート・ガバナンスの状況など、主なリスク要因を継続的に監視し、その結果を経営陣に報告する体制を整えています。また、監視の結果を踏まえて、投資先の経営改善のために必要な助言の提供や、役員・管理職など各種レベルの人材の派遣、協業先の紹介など、必要に応じて行っています。しかし、「a.政治情勢、金融・財政政策、国際情勢等の外部環境の動向」で言及した外部環境の変化に加えて、テクノロジーやビジネスモデルの陳腐化や競争環境の激化などにより、ソフトバンクグループ㈱が投資決定時に想定した通りに投資先が事業を展開できず、業績が大幅に悪化したり、事業計画の大幅な見直しを迫られたりする可能性があります。また、投資先が1株当たり株式価値の大幅な希薄化を伴う増資などを行う可能性があります。こうした場合、投資先の資産価値が下落し、ソフトバンクグループ㈱が、株式などの金融資産の評価損や投資に伴い発生したのれん、有形固定資産、無形資産の減損損失を計上する可能性、投資先から期待通りに利益分配などのリターンを得られない可能性、または、投資の回収ができない可能性があります。これらの結果、保有株式価値やNAVが低下、LTVが悪化するとともに、保有株式を含む資産の評価損を計上することにより連結業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このほか、ソフトバンクグループ㈱は投資決定時に想定した通りに事業を展開できない場合、他の投資先などとの間で十分なシナジー(相乗効果)を創出できない場合、または事業展開のために想定以上の資金が必要となった場合など、投資先の株主価値の向上に必要と判断した場合には、投資先に対し融資や債務保証、追加出資などを行うことがあり、当該投資先に対するエクスポージャーが増加することになります。ただし、ソフトバンクグループ㈱は投資ファンドの投資先への救済のみを目的とした投資は行わないことを基本方針としています。なお、ソフトバンクグループ㈱の個別決算においては、投資活動により取得した出資持分などを含む資産の価値が下落した場合には評価損が発生し、投資先の業績が悪化した場合には投資先から期待通りの配当を得ることができず、業績や分配可能額に悪影響を及ぼす可能性があります。 d.投資判断ソフトバンクグループ㈱が投資ファンドを経由せずに直接投資(子会社を通じた投資を含みます。)を行う場合、その投資判断プロセスにおいて、社内関係部門に加えて必要に応じて外部の財務・法務・税務アドバイザーなどの協力を得て、対象企業の事業内容、テクノロジー、ビジネスモデル、市場規模、事業計画、競争環境、財務内容、法令遵守状況などについてデュー・デリジェンスを実施し、その企業価値を適切に見積るとともに、事業や財務、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス、内部統制に係るリスクを把握するように努めています。また、デュー・デリジェンスで得られた内容が適切かどうか、専門の審査部門が客観的なレビューを行っています。そうして得られた検討結果を踏まえて、取締役会または取締役会から権限を委譲された投融資委員会(「第4 提出会社の状況、4 コーポレート・ガバナンスの状況等」を参照)で投資判断を下しています。しかし、このような慎重な投資判断プロセスを経たとしても、対象企業の企業価値やテクノロジー、ビジネスモデル、市場規模などを実態よりも過大評価する、リスクを過小評価する、または重要な影響力を持つ創業者や経営者の資質を見誤ったまま投資判断を下す可能性があります。その結果、投資実行後に、その資産価値、すなわちソフトバンクグループ㈱の保有株式価値が低下し、NAVが低下、LTVが悪化するとともに、保有株式を含む資産の評価損を計上することにより連結業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5)投資ファンドを通じた投資についてソフトバンクグループ㈱はソフトバンク・ビジョン・ファンド1およびソフトバンク・ビジョン・ファンド2ならびにソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンドなどを通じてAIを活用した成長可能性が大きいと考えるテクノロジー企業に対し投資を行っています。ソフトバンクグループ㈱は各投資ファンドにリミテッド・パートナーとして出資を行っており、また、各投資ファンドを運営する当社100%子会社(SVF1を運営するSBIAおよびSVF2とソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンドを運営するSBGA、以下総称して「ファンド運営子会社」)は、各投資ファンドの事業活動に応じて管理報酬ならびに業績連動型管理報酬および成功報酬を受け取ります。投資ファンドを通じた投資やその運営において特に重要性の高いと考えられるリスクは、主として以下a~iに記載する通りです。ファンド運営子会社は、リスクマネジメントフレームワーク(以下「RMF」)を定め、全体の事業プロセスと意思決定にリスク管理を組み込んでいますが、これらのリスクの顕在化を完全には回避できない可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合には、投資ファンドの投資ポートフォリオの資産価値が下落し、投資ファンドおよびファンド運営子会社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。その結果、ソフトバンクグループ㈱の保有株式価値が低下し、NAVが低下、LTVが悪化するとともに、保有株式の評価損を計上することによりソフトバンクグループ㈱の連結業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、本(5)において、「投資先」は投資ファンドの投資先を意味します。 ファンド運営子会社のRMFについてこの枠組みは、事業運営および投資の両面のリスク管理を対象とし、リスクを特定、評価、および軽減するための枠組みを構築するものです。ファンド運営子会社のRMFの根幹を成す原則は以下の通りです。・取締役会がリスク管理の最終的な責任を負い、重要な意思決定にはリスクが考慮されなければならない・投資家の期待やファンド運営子会社の戦略目標、規制要件を充足するため、組織全体にわたる実効性の高いリスクカルチャーを確立する・将来を見据えてリスクを特定・軽減することにより、経営陣によるリミテッド・パートナーからの預かり資産とファンド運営子会社のレピュテーションの保護のため積極的な行動を促す・重要な既存または新規発生リスクが能動的に特定、測定、緩和、監視、および報告されることを確実にする・現地および当社における規制当局のリスク管理要件を充足する a.業績への影響投資ファンドを構成する事業体はすべてソフトバンクグループ㈱の連結対象です。投資ファンドを通じての投資は、毎四半期末に公正価値で測定されます。未上場企業の公正価値の測定は、取引事例法や割引キャッシュ・フロー法、類似会社比較法など複数の評価方法を組み合わせて行われます。上場企業の公正価値の測定はその主要な市場での価格が用いられます。投資先の業績の悪化や金融市場、経済情勢の低迷などにより、投資先の公正価値が下落した場合は、投資ファンドの業績が悪化し、その結果、ソフトバンクグループ㈱の連結業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、ソフトバンクグループ㈱の個別決算では、投資ファンドの業績が悪化した場合、リミテッド・パートナーとしての出資に対して評価損が発生し、業績や分配可能額に悪影響を及ぼす可能性があります。投資ファンドの投資先のうち、IFRSに基づいてソフトバンクグループ㈱が支配をしていると見なされる投資先は、ソフトバンクグループ㈱の子会社として扱います。当該子会社の業績および資産・負債はソフトバンクグループ㈱の連結財務諸表に反映されることから、当該子会社たる投資先の業績が悪化した場合は、ソフトバンクグループ㈱の連結業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、投資ファンドで計上した当該子会社への投資に係る投資損益は、内部取引として連結上消去されます。適正な公正価値評価を実現するため、投資ファンドの評価プロセスは、ファンド運営子会社の評価・財務リスク委員会(以下「VFRC」)が監督を行います。投資ファンドの投資先の評価を行う際、VFRCは、IFRS第13号「公正価値測定」および国際プライベート・エクイティ・ベンチャー・キャピタル評価(IPEV)ガイドラインに基づいたファンド運営子会社の評価方針に従って四半期ごとに評価を行います。これに加えて、SVF1では投資家諮問委員会(IAB)に任命された独立第三者評価機関が、SVF1の投資先の評価を独立性をもって半期ごとに実施しています。SBIAは、独立第三者評価機関から受領した評価を(SBIAの規制上の義務に則った適切な範囲で)すべて考慮する必要があります。 b.投資成果投資ファンドの投資成果は、リミテッド・パートナーに配分されます。投資ファンドの投資採算が悪化し計画通りの投資成果を挙げられない場合には、ソフトバンクグループ㈱はリミテッド・パートナーとして期待通りの成果分配を受けることができない、または投資回収できない可能性があります。 また、SVF1の投資成果はSBIAに成功報酬として配分されることから、SBIAは期待通りの成功報酬を受け取ることができない可能性があります。SBIAはSVF1の投資の売却や配当および株式の資金化などにより実現した投資利益に基づき成功報酬相当額を受け取ることから、より大きな投資リスクをとる運営を行う可能性があります。なお、SVF1が支払う成功報酬には、将来の投資成果に基づく一定の条件の下、クローバック条項(過去に受け取った成功報酬額を返還する条項)が設定されているため、SVF1の清算時においてSVF1の投資成果が一定以上でない場合、SBIAはそれまでに受け取った成功報酬相当額が減額されたり、成功報酬を受け取ることができなくなる可能性があります。 c.投資のエグジット機会の不足投資ファンドが実行する投資は流動性が低いことが多く、ファンド運営子会社は最終的にどのようなエグジット戦略をとるかについて、完全かつ確実に予定することはできません。したがって、投資ファンドが当該投資を適時に回収できる保証はなく、その結果、リミテッド・パートナーへの現金分配のタイミングは不確実かつ予測不能です。また、経済、法規制、政治またはその他の要因により、投資開始時に可能と思われたエグジット戦略が、投資が回収段階に達するまでの間にとりえなくなる場合があります。さらに、契約またはその他の制約により、投資ファンドは特定の証券の売却を一定期間禁止される可能性があり、そのような場合、有利な市場価格で売却する機会を逸する可能性があります。なお、エグジット戦略の承認はファンド運営子会社の投資委員会の重要な検討事項であり、エグジット戦略はその投資部門が定期的に見直し、更新しています。また、エグジット戦略の立案にあたっては、投資リスク部門が様々な市場環境を想定したストレステストを実施しています。投資ファンドは長期投資を目的としており、複数の景気後退の可能性や、エグジットまでに時間を要する投資がありうることも考慮されています。 d.支配権を伴わない投資および限定的な株主権利投資ファンドでは、投資先において支配権を伴わない持分を有する場合、保有持分の保護や経営への影響力行使の能力が限定的となる可能性があります。また投資ファンドは、金融、戦略、またはその他の分野における他社(グループ会社を含みます。)と共同で、合弁会社などを通じて投資を行う場合があり、当該他社が、当該合弁会社または投資先に対し投資ファンドよりも大きな保有割合もしくは支配権を有する場合があります。このような場合、投資ファンドは当該他社の経営陣および取締役会(投資ファンドと利害が競合し得る他の金融投資会社の関係者が構成員に含まれる場合があります。)に大きく依存することとなります。 e.人材の確保・維持ファンド運営子会社は、運営する投資ファンドの保有株式価値の最大化を目的として、投資先を慎重に選定することに加え、投資後の成長を促す様々な支援を行います。このような取り組みの成功には、テクノロジーや金融市場に関する幅広い知見や投資事業の運営における専門的スキルを保有する有能な人材の確保・維持が不可欠です。ファンド運営子会社は、投資・運用体制を幅広く有するうえ、研修や能力開発、スタッフが潜在能力を最大限に発揮できるよう行われる社内異動に至るまで、様々な人材サポートプログラムを通じ、スタッフの定着を図っています。しかしながら、このような有能な人材を十分に確保・維持することができない場合は、運営する投資ファンドの投資規模の維持・拡大や将来の投資成果に悪影響を及ぼす可能性があります。 f.新たな技術やビジネスモデルへの規制投資ファンドの投資先には、AIやビッグデータなどの新技術の事業への活用や研究開発を行う企業や、既存の枠組みとは異なる新たなビジネスモデルを展開する企業が多く含まれます。このような新たな技術やビジネスモデルが提供される事業領域は、多くの国・地域において特定的かつ厳格な規制または許認可の対象とされる場合があります。関連する法令等の整備により、規制が制定または強化された場合は、新たな経済的負担または事業活動への制限が生じたり、採用する技術やビジネスモデルまたはこれらに関する研究開発について、内容の変更や停止または終了が必要になるなど、投資先の事業展開および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、特定のテクノロジーに関連するサービスの提供に必要な許認可には様々な条件が課されることがあり、投資先がこれらの条件を満たすことができる保証はありません。 g.特定の分野への投資の集中投資ファンドは、特定の事業領域における複数の企業への投資を有しており、当該事業領域に対する投資の集中度が高くなる場合があります。特定の事業領域において、需要の低迷や市場競争の激化(投資先間の競合を含みます。)など事業環境の悪化により、投資先の収益性が低下するなど業績が悪化した場合や、投資ファンドの投資時点に想定した通りに事業展開ができない場合や、当該事業領域に対する市場の評価が悪化した場合には、投資先の業績または公正価値に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、投資の集中度については、ファンド運営子会社の投資リスク部門が測定および経営陣への報告を行い、投資委員会および取締役会のメンバーが検討を行います。ファンド運営子会社の投資委員会および必要に応じ実施されるIAB(SVF1のみ)によるレビューなどの投資プロセスの中で、投資を分散させるかまたはリスクを許容するかが決定されます。 h.保有する上場会社株式等投資ファンドの投資ポートフォリオは、上場企業が発行する証券や債券が含まれており、これらの投資は、未上場企業への投資におけるリスクとは種類および程度が異なるリスクを伴う可能性があります。当該リスクには、投資の公正価値評価(バリュエーション)に市場価格が用いられることによるボラティリティ、投資先に関する情報開示義務の増加、当該証券および債券の処分における投資ファンドの裁量への制限、投資先の役員および取締役(ファンド運営子会社の従業員である場合を含みます。)に対する投資先株主からの訴訟およびインサイダー取引の告発の可能性の増加、ならびにこれらのリスクを低減するためのコストの増加が含まれます。さらに、取引所で取引される証券については、上場証券の一部またはすべてについて取引を一時停止できる取引所の権限の影響下にあるため、このような取引停止または制限により保有投資の資金化に制約が生じることで、投資ファンドに損失が生じる可能性があります。ファンド運営子会社は、投資の資金化に伴い生じる市場リスクを軽減するため、投資活動による市場への影響を最小限に抑え収益を最大化するよう計画的にポジションを売却するなどの仕組みを設定しています。カバードコール・オプションの売却等のデリバティブ契約を通じてエクスポージャーを低減することもあります。また、米ドルに対する為替レートが不安定な通貨建ての証券の為替リスクをヘッジする必要性について検証しています。投資ファンドが上場証券のポジションを管理するうえで発生する運用リスクとコンプライアンスリスクは、ファンド運営子会社のミドルオフィス、コンプライアンス、投資リスク部門などの運用リスク管理部門が関与するコントロール・フレームワークを通じて管理されており、これには取引相手の確認などの取引前の承認プロセス、取引後の調整およびモニタリングが含まれます。 i. SPACより広範な投資機会の追求のため、当社子会社がスポンサーとしてSPAC(特別目的買収会社)を設立し、新規株式公開を通じて株式市場の投資家から資金調達を行った上で、上場時点では特定されていない1社以上の事業者との合併、株式交換、資産取得、株式取得、組織再編、またはこれらに類する企業結合を図ることがあります。SPACは新規株式公開による払込資金の決済日から2年以内にこれらの企業結合を行うことを目指します。しかしながら、企業結合の対象企業における課題を事前に把握することができなかった場合などにおいては投資家から訴訟を提起される可能性があるほか、想定通りに企業結合を行えなかった場合を含め、スポンサーとしてのレピュテーションが低下する可能性があります。 (6)ソフトバンク㈱グループについて主に通信事業、インターネット広告事業、イーコマース事業を営むソフトバンク㈱およびその子会社(例えば、Zホールディングス㈱)(本(6)において併せて「ソフトバンク㈱」)において特に重要性の高いと考えられるリスクは、主として以下a~cに記載する通りです。これらのリスクが顕在化した場合、ソフトバンク㈱の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。その結果、その資産価値、すなわちソフトバンクグループ㈱の保有株式価値が低下し、NAVが低下、LTVが悪化するとともに、投資に伴い発生したのれん、有形固定資産、無形資産の減損損失の計上やソフトバンク㈱の業績の取り込みによりソフトバンクグループ㈱の連結業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 a.情報の流出や不適切な利用ソフトバンク㈱は、事業を展開する上で、顧客情報(個人情報を含みます。)やその他の機密情報を取り扱っています。ソフトバンク㈱(役職員や委託先の関係者を含みます。)の故意・過失、または悪意を持った第三者によるサイバー攻撃、ハッキング、コンピューターウイルス感染、その他不正アクセスなどにより、これらの情報の流出や消失、法令や規約違反となる不適切な利用などが発生する可能性があります。こうした事態が生じた場合、ソフトバンク㈱の信頼性や企業イメージが低下し顧客の維持・獲得が困難になるほか、競争力が低下したり、損害賠償やセキュリティシステム改修のために多額の費用負担が発生したりする可能性があります。その結果、ソフトバンク㈱の事業展開、財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、Zホールディングス㈱とLINE㈱の経営統合に伴い、個人情報をはじめとするデータを取り扱う量も飛躍的に増大しています。今後、個人情報の適切な取扱いに関してガバナンスの強化に取り組んでいきますが、かかる対策やガバナンス強化の施策が有効に機能しないことによる当局からの行政処分、信用の毀損、サービスへの需要の減少、追加の対策の策定・実施、また、データの漏洩やその恐れとなる事象の発生等により、ソフトバンク㈱の事業展開、財政状態および業績に影響を及ぼす可能性があります。ソフトバンク㈱においては、情報セキュリティ管理責任者の設置や役職員へのセキュリティ教育・訓練をはじめ、適切に情報資産を保護・管理するための体制構築を図っています。具体的には、顧客情報やその他の機密情報に関する作業エリアの限定、当該エリア専用の入退室管理ルールといった物理的管理のほか、AIを活用した内部不正の予兆検知(ふるまい検知)を強化し、役職員による業務パソコン利用や社内ネットワーク利用、社内サーバーへのアクセス状況等の監視や、社外からのサイバー攻撃による不正アクセスを監視・防御することで、セキュリティレベルの維持・管理を行っています。また、情報のセキュリティレベルに応じて、当該情報に対するアクセス権限や使用するネットワークなどを分離・独立させています。さらに、社内外データの管理・戦略的利活用の方針およびルールを整備し、通信の秘密・個人情報等の取扱いに関する社内管理体制を強化しています。加えて、国内外で事業を展開する上で、必要となる各国の個人情報保護等に関する法令への対応も行っています。 b.安定的なサービスの提供(a)通信ネットワークの増強ソフトバンク㈱は、通信サービスの品質を維持・向上させるために、将来のトラフィック(通信量)を予測し、その予測に基づいて継続的に通信ネットワークを増強(例えば、必要な周波数の確保)していく必要があります。これらの増強は計画的に行っていく方向ですが、実際のトラフィックが予測を大幅に上回った場合、または通信ネットワークの増強を適時に行えなかった場合、サービスの品質および信頼性や企業イメージの低下を招き顧客の維持・獲得に悪影響を及ぼすほか、追加の設備投資が必要となり、その結果、ソフトバンク㈱の事業展開、財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (b)システム障害などによるサービスの中断・品質低下ソフトバンク㈱が提供する通信ネットワークや顧客向けのシステムなどの各種サービスにおいて、人為的なミスや設備・システム上の問題、または第三者によるサイバー攻撃、ハッキングその他不正アクセスなどが発生した場合、これに起因して各種サービスを継続的に提供できなくなること、または各種サービスの品質が低下することなどの重大なトラブルが発生する可能性があります。各システムの冗長化や、障害などの発生に備えた復旧手順の明確化、障害などが発生した場合の適切な復旧体制の構築などの対策にもかかわらず、サービスの中断・品質低下を回避できず、その復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の維持・獲得が困難になる可能性があります。その結果、ソフトバンク㈱の事業展開、財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (c)自然災害など予測困難な事情ソフトバンク㈱は、インターネットや通信などの各種サービスの提供に必要な通信ネットワークや情報システムなどを構築・整備しています。近年、南海トラフ地震や首都圏直下型地震の発生確率の高まりや気候変動の進行等から、地震や台風など大型の自然災害の被害を受けるリスクが増加しています。地震・台風・洪水・津波・竜巻・豪雨・大雪・火山活動などの自然災害および近年の気候変動に伴うこれら災害の大規模化、火災や停電・電力不足、テロ行為、感染症の流行などの予測困難な事象が発生することにより、通信ネットワークや情報システムなどが正常に稼働しなくなった場合、ソフトバンク㈱の各種サービスの提供に支障を来す可能性があります。ソフトバンク㈱においては、こうした事態が発生した場合においても安定した通信環境を確保できるようにネットワークの冗長化やネットワークセンターおよび基地局での停電対策等を導入しているほか、こうした事態による各種サービスの提供への影響の低減を図るべくネットワークセンターやデータセンター等の重要拠点を全国に分散するなどの対策を講じています。かかる対策にもかかわらず、各種サービスの提供に支障を来す場合、およびこれらの影響が広範囲にわたり、復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の維持・獲得が困難になる可能性があります。また、通信ネットワークや情報システムなどを復旧・改修するために多額の費用負担が発生する可能性があります。その結果、ソフトバンク㈱の事業展開、財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 c.他社経営資源への依存(a)業務の委託ソフトバンク㈱は、主に通信サービスに係る販売、顧客の維持・獲得、ネットワークの構築およびメンテナンス、ならびにそれらに付随する業務の全部または一部について、他社に委託しているほか、情報検索サービスにおいて他社の検索エンジンおよび検索連動型広告配信システムを利用しています。ソフトバンク㈱は、業務委託先を含むサプライヤーの選定時には購買規程にのっとった評価・選定を行うとともに、新規取引開始時には、当社の「サプライヤー倫理行動規範」を遵守することを盛り込んだ取引基本契約書を締結した上で、取引開始後もサステナビリティ調達調査を通じたリスクアセスメントの実施、サプライヤー評価および課題の抽出、サプライヤーへのヒアリング実施などPDCAサイクルの構築によって、サプライチェーン上のリスクの低減に努めています。しかし、これらの対策にも関わらず、業務委託先(役職員や関係者を含みます。)がソフトバンク㈱の期待通りに業務を行うことができない場合や、当社および顧客に関する情報の不正取得または目的外使用等をした場合などの人権侵害等に関連する問題を起こした場合、ソフトバンク㈱の事業展開に悪影響を及ぼす可能性があります。業務委託先はソフトバンク㈱のサービス・商品を取り扱っていることから、上述のような事象により当該業務委託先の信頼性や企業イメージが低下した場合には、ソフトバンク㈱の信頼性や企業イメージも低下し、顧客の維持・獲得に影響を及ぼす可能性があり、その結果、ソフトバンク㈱の事業展開、財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。このほか、当該業務委託先において法令などに違反する行為があった場合、ソフトバンク㈱が監督官庁から警告・指導を受けるなど監督責任を追及される可能性があるほか、ソフトバンク㈱の信頼性や企業イメージが低下し顧客の維持・獲得が困難になる可能性があります。その結果、ソフトバンク㈱の事業展開、財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (b)他社設備などの利用ソフトバンク㈱は、通信サービスの提供に必要な通信ネットワークを構築する上で、他の事業者が保有する通信回線設備などを一部利用しています。ソフトバンク㈱は、原則として、複数の事業者の通信回線設備などを利用していますが、今後、複数の事業者の当該設備などを継続して利用することができなくなった場合、または使用料や接続料などが引き上げられるなど利用契約が不利な内容に変更された場合、ソフトバンク㈱の事業展開、財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (c)各種機器の調達ソフトバンク㈱は、通信機器やネットワーク関連機器など(例えば、携帯電話基地局の無線機を含みますが、これらに限りません。)を調達しています。ソフトバンク㈱では、原則として複数のサプライヤーから機器を調達してネットワークを構築していく方針を採用していますが、それでもなお特定のサプライヤーへの依存度が高い機器が残ることも予想されます。特定のサプライヤーへの依存度が高い機器の調達において、供給停止、納入遅延、数量不足、不具合などの問題が発生しサプライヤーや機器の切り替えが適時に多額のコストを要さずに行うことができない場合、または性能維持のために必要な保守・点検が打ち切られた場合、ソフトバンク㈱のサービスの提供に支障を来し、顧客の維持・獲得が困難になる可能性やサプライヤーの変更のために追加のコストが生じる可能性のほか、通信機器の売上が減少する可能性があります。その結果、ソフトバンク㈱の事業展開、財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7)法令・規制・制度などについてソフトバンクグループ㈱は、各国の法令・規制・制度など(以下「法令等」)の下で投資活動を行っています。また、投資先は各国の様々な分野にわたる法令等の下で事業活動を行っています。具体的には、投資に関する各種法令等をはじめ、通信サービス、インターネット広告、イーコマース、エネルギー、AI、ロボット、ライドシェアリング、金融・決済などの事業やその他の企業活動に関する各種法令等(事業許認可、安全保障、輸出入、個人情報・プライバシー保護、環境、製造物責任、公正な競争、消費者保護、贈賄禁止、労務、知的財産権、マネー・ロンダリング防止、租税、為替に関するものを含みますが、これらに限りません。)まで広範に及び、これらの影響を直接または間接的に受けます。法令等の改正もしくは新たな法令等の施行または解釈・適用(その変更を含みます。)により、ソフトバンクグループ㈱の投資活動や投資先の事業活動が期待通りに展開できない、新たな投資や事業が制限される、投資の回収が遅延もしくは不可能となるなど、ソフトバンクグループ㈱の投資活動や投資先の事業活動に支障を及ぼす可能性があるほか、金銭的負担の発生・増加により、ソフトバンクグループ㈱の連結・個別業績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、ソフトバンクグループ㈱は、その法務部門が外部のアドバイザーからの助言を受けながら主に投資活動に関する法令等の新設または改正等に関して情報収集などを行っています。また、ソフトバンクグループ㈱および投資先が活動を行う国・地域において、租税法令またはその解釈・運用が新たに導入・変更された場合や、税務当局との見解の相違により追加の税負担が生じた場合、ソフトバンクグループ㈱の連結・個別業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このほか、ソフトバンクグループ㈱は法令遵守のためのグループコンプライアンス体制の強化や研修など役職員の知識や意識向上を促す取り組みを行っていますが、このような取り組みにもかかわらずソフトバンクグループ㈱や投資先(役職員を含みます。)がこれらの法令等に違反する行為を行った場合、違反の認識の有無にかかわらず、行政機関から行政処分や行政指導(登録・免許の取消や罰金を含みますが、これらに限りません。)を受けたり、取引先から取引契約を解除されたりする可能性があります。その結果、ソフトバンクグループ㈱や投資先の信頼性や企業イメージが低下したり、事業活動に支障が生じたりする可能性があるほか、金銭的負担の発生により、ソフトバンクグループ㈱の業績や投資先の資産価値に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8)知的財産権についてソフトバンクグループ㈱が保有する「ソフトバンク」ブランドが第三者により侵害された場合、ソフトバンクグループ㈱および「ソフトバンク」ブランドを使用する子会社の企業イメージや信頼性が低下する可能性があります。また、アームをはじめとする投資先が保有する知的財産権が第三者により侵害された場合、同社の事業展開や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。一方、投資先が意図せずに第三者の知的財産権を侵害した場合、権利侵害の差止めや損害賠償、ライセンス使用料の請求などを受ける可能性があります。いずれの場合も、ソフトバンクグループ㈱の保有株式価値やNAV、LTV、連結・個別業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9)訴訟についてソフトバンクグループ㈱は、株主(投資先の現在および過去の株主を含みます。)、投資先、取引先、従業員(投資先の現在および過去の従業員を含みます。)を含む第三者の権利・利益を侵害したとして、損害賠償などの訴訟を起こされる可能性があります。その結果、ソフトバンクグループ㈱の投資活動に支障が生じたり、企業イメージが低下したりする可能性があるほか、金銭的負担の発生により、ソフトバンクグループ㈱の連結・個別業績に悪影響を及ぼす可能性があります。本有価証券報告書の提出日現在における主な訴訟内容については「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記49.偶発事象(3)訴訟」をご参照ください。 (10)サステナビリティについて当社は環境、社会、ガバナンス(以下「ESG」)に対し、本質的な取り組みを率先して実行することが重要であると考えています。サステナビリティに関する責任者であるチーフ・サステナビリティ・オフィサー(CSusO)を委員長とするサステナビリティ委員会において、取り組むべきESGの重要課題や対応方針等を継続的に議論することでESGリスクを低減・回避するとともに、ESGに関わる情報開示を強化しています。投資活動においては、投資先のサステナビリティに関する機会・リスクを分析するため、各投資エンティティにおいて評価プロセスの運用計画を策定し、総合的な投資評価を行うことを、グループポリシーとして定めています。しかし、当社のESGへの取り組みがステークホルダーの期待から大きく乖離した場合は、社会的評価が低下し、投資活動および資金調達に悪影響を及ぼす可能性があります。また、投資先のサステナビリティに関する機会・リスクを十分に把握できない場合は、投資先が想定した通りに事業を展開できず、ソフトバンクグループ㈱の保有株式価値が低下する可能性があります。 (11)情報セキュリティについて 当社では最高情報セキュリティ責任者であるチーフ・インフォメーション・セキュリティ・オフィサー(CISO)のもと、情報セキュリティを脅かす脆弱性やリスクを特定し、リスクに応じた組織的、物理的、人的および技術的な情報セキュリティ対策を実施することで、情報資産の保護に努めています。 しかし、こうした対策を実施しても、サイバー攻撃、ハッキング、コンピューターウイルス感染、その他不正アクセスや内部不正を完全に防止できず、情報の漏えい、改ざん、消失またはその他の情報セキュリティ事故が発生する可能性があります。 こうした事態が生じた場合、ソフトバンクグループ㈱および投資先の信頼性や企業イメージが低下したり、事業活動に支障が生じたりする可能性があるほか、金銭的損失やこれらの事象に対応するための追加費用等の発生により、ソフトバンクグループ㈱の連結・個別業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2021|21,731 文字
2【事業等のリスク】 ソフトバンクグループ㈱は、直接または投資ファンドを通じて多数の企業に投資を行い、その投資ポートフォリオを管理する戦略的投資持株会社です。投資ポートフォリオには、子会社・関連会社(以下「グループ会社」)とそれらに分類されない投資先が含まれます(以下、グループ会社と併せて「投資先」)。これらの投資先は、国内外において多岐にわたる事業を展開しています。ソフトバンクグループ㈱の投資活動、および投資先の事業活動の遂行にはさまざまなリスクを伴います。本有価証券報告書の提出日現在において、投資家の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主要なリスクは、以下の通りです。なお、これらは、ソフトバンクグループ㈱および投資先で発生しうるすべてのリスクを網羅しているものではありません。また、将来に関する事項については別段の記載のない限り、本有価証券報告書の提出日現在において判断したものです。 (1)ビジネスモデルについて ソフトバンクグループ㈱は、独自の組織戦略「群戦略」(「第2 事業の状況、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な会社の経営戦略」を参照)の下、グループ会社(例えば、ソフトバンク㈱やアーム、アリババ)への投資を含む直接投資(子会社を通じた投資を含みます。)に加え、投資ファンド(例えば、ソフトバンク・ビジョン・ファンド1および2)を通じて、情報・テクノロジー分野において多様な事業を展開する企業から成る投資ポートフォリオを構築することで、NAV(注1)の向上に取り組んでいます。 情報・テクノロジー分野への投資の結果、ソフトバンクグループ㈱の投資ポートフォリオはこれらのセクターにおける市場動向に大きな影響を受けます。加えて、ソフトバンクグループ㈱(子会社を通じた投資を含みます)ならびにソフトバンク・ビジョン・ファンド1および2などにおける投資事業ではレイトステージの未上場企業への投資が中心となっており、株式公開を取り巻く市場環境にも大きな影響を受けます。さらに、当期より資産運用子会社であるSB Northstarを通じて、大型ハイテクノロジー企業を中心とする上場株式等に投資を行っており、市場変動やその他様々な原因により当該投資先の投資価値が下落する可能性があります。これらの結果、ソフトバンクグループ㈱の保有株式価値が低下し、NAVが低下、LTV(注2)が悪化するとともに、保有株式を含む資産の評価損を計上することにより、ソフトバンクグループ㈱の連結業績および財政状態、ひいては新規投資や財務政策に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、ソフトバンクグループ㈱は多様性を備えた投資ポートフォリオの構築を重要な経営上の課題として認識していますが、当期末現在において、アリババ株式は保有株式価値の4割強を占めるため、その投資価値が変動することにより、ソフトバンクグループ㈱の保有株式価値やNAV、LTVが大きく影響を受ける可能性があります。 (注1)NAV(Net Asset Value)=保有株式価値-調整後純有利子負債。「第2 事業の状況、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)重視する経営指標」をご参照ください。(注2)LTV=調整後純有利子負債÷保有株式価値。「第2 事業の状況、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)重視する経営指標」をご参照ください。 (2)資金調達について ソフトバンクグループ㈱(資金調達を行う100%子会社を含みます。)は、新規投資を継続的に行っていくために必要な資金を、株式資産の売却、投資先からの配当や投資ファンドからの分配金、保有資産を活用した資金調達(アセット・バック・ファイナンス)などでまかなうことを目指しています。しかし、新規投資のための資金が必要な時期に株式資産の売却や資金調達を行うことができない場合、投資機会を逸し、NAVの継続的な向上に支障が生じる可能性があります。また、一部の保有株式を活用した資金調達については、株式市場の悪化などにより対象となる保有株式価値が下落した場合には、追加で現金担保の差し入れが必要となる可能性や期限前の返済義務が発生する可能性があることに加えて、新たな資金調達が困難になる可能性があります。 ソフトバンクグループ㈱は、金融機関からの借入れや社債の発行などによっても、投資活動に必要な資金を調達しています。負債による資金調達については、金融政策や金融市場の変化等により金利が上昇した場合や、保有資産価値の減少や業績悪化によりソフトバンクグループ㈱の信用格付けが引き下げられるなど信用力が低下した場合には、調達コストが増加し、ソフトバンクグループ㈱の連結・個別業績に悪影響を及ぼす可能性があるほか、資金調達が予定した時期・規模・条件で行えない場合には、ソフトバンクグループ㈱の投資活動および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ソフトバンクグループ㈱(資金調達を行う100%子会社を含みます。)は、負債の返済原資を確保するために、新たな資金調達やリファイナンス、一部保有資産の売却などを行うことがあります。市場環境を注視した上で適切と考える時期での資金調達を実施し、財務規律に基づき十分な手元流動性を安定的に維持することに努めています。しかしながら、資金調達に適さない環境が想定以上に長期化した場合、返済原資の捻出のために不利な条件での株式資産売却や予定外の株式資産売却を余儀なくされ、ソフトバンクグループ㈱の保有株式価値やNAV、連結・個別業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ソフトバンクグループ㈱の金融機関からの借入れや社債などの債務には、各種コベナンツが付されていることがあります。いずれかのコベナンツに抵触する可能性が発生し、抵触を回避するための手段を取ることができない場合、当該債務について期限の利益を喪失する可能性があるほか、それに伴い、その他の債務についても一括返済を求められる可能性があります。その結果、ソフトバンクグループ㈱の信用力が低下し、財政状態に著しい悪影響を及ぼす可能性があります。 (3)経営陣について ソフトバンクグループ㈱は、代表取締役 会長兼社長執行役員である孫 正義を中心とする経営陣の下で経営を行っていますが、ソフトバンクグループ㈱が投資をしている主要な投資先や投資ファンドは、それぞれのCEOなどを中心とする経営陣の下で自律的に運営を行っています。例えば、ソフトバンク㈱の代表取締役 社長執行役員 兼 CEOは宮川 潤一が、アームのCEOはサイモン・シガースがそれぞれ務めています。また、ソフトバンク・ビジョン・ファンド1および2の運営会社であるSBIAのCEOはラジーブ・ミスラ(ソフトバンクグループ㈱副社長執行役員)が務めています。 ソフトバンクグループ㈱ではこのような体制をとっており、また、経営陣に不測の事態が発生した場合における意思決定プロセスへの影響を最小限に留めるため、行動指針や事前対応策を含め、コンティンジェンシープランの策定や見直しに取り組んでいます。しかしながら、かかる取組みが奏功する保証はなく、特に当社代表取締役 会長兼社長執行役員である孫 正義をはじめとする当社グループの経営陣に不測の事態が生じた場合には、ソフトバンクグループ㈱の活動全般に支障が生じる可能性があります。 (4)投資活動全般について ソフトバンクグループ㈱は、企業買収、子会社・合弁会社の設立、事業会社(上場・非上場企業を含みます。)・持株会社(各種契約によって別会社を実質的に支配する会社を含みます。)・投資ファンドへの出資などの投資活動を行っています。また、資産運用子会社であるSB Northstarを通じて上場株式等に投資を行っています。これらの投資活動については、以下a~dのようなリスクがあり、これらのリスクが顕在化した場合には、投資先の資産価値、すなわちソフトバンクグループ㈱の保有株式価値が低下し、NAVが低下、LTVが悪化するとともに、保有株式を含む資産の評価損を計上することによりソフトバンクグループ㈱の連結業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、投資先の中でも、特に連結業績への影響の大きい、ソフトバンク・ビジョン・ファンド1および2とソフトバンク㈱において特に重要性の高いと考えられるリスクについては、それぞれ「(5)ソフトバンク・ビジョン・ファンド1および2について」と「(6)ソフトバンク㈱グループについて」をご覧ください。 a.政治情勢、金融・財政政策、国際情勢の動向 ソフトバンクグループ㈱は、日本だけでなく、米国、中国、インド、欧州・中南米諸国などの海外の国・地域に展開する事業体に投資しているため、これらの国・地域における政治・社会情勢や、金融・財政政策の変化、貿易摩擦・紛争などの国際情勢の変化、気候変動等による自然災害の発生、新型コロナウイルスを含む感染症のまん延などの公衆衛生上の危機により、経済情勢や金融市場が悪化した場合には、ソフトバンクグループ㈱の投資活動や投資先の事業活動が期待通りに展開できない可能性があります。例えば、ソフトバンクグループ㈱の投資実行や回収の遅滞、投資回収における条件の悪化などが起こる可能性があるほか、投資先が提供するサービス・商品に対する需要の低下や供給の停滞により各社の事業や業績が悪影響を受ける可能性があります。また、流動性の低い未上場企業への投資については、市場環境が急激に悪化した場合などには、ソフトバンクグループ㈱の希望する時期・規模・条件で投資持分を売却できない可能性があります。これらの結果、ソフトバンクグループ㈱の保有株式価値やNAV、LTV、連結・個別業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 中でも、2020年初頭から広がりを見せた新型コロナウイルスの感染拡大は世界の経済状況に大きな影響を与え、その影響は現在も継続しています。当期においては、世界各国の政府が財政出動や金融緩和を実施していることや、一部の国でのワクチン接種の進展による経済活動活性化への期待感により、下半期において市場は全体的に回復傾向であることに加え、当社が投資活動の力点を置いているテクノロジー分野は、新型コロナウイルスの感染拡大に対応するためにデジタルサービスの導入が加速度的に進んでいることによる好影響を受けました。しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う影響に関する不確実性等を考慮すると、現在の好影響が持続する保証はなく、当社への影響が今後悪影響に転じる、またはその影響の期間が想定以上に長引く可能性があります。 このほか、ソフトバンクグループ㈱による海外企業への外貨建投資においては、為替変動に伴う損失が発生する可能性があります。また、ソフトバンクグループ㈱の連結財務諸表の作成にあたり、アームをはじめとする海外のグループ会社の現地通貨建ての収益・費用および資産・負債を日本円に換算するため、為替相場の変動がソフトバンクグループ㈱の連結業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 b.投資に関する規制 ソフトバンクグループ㈱が行う投資活動は、関係各国の規制当局から承認等が必要となる場合や投資先への関与に制約を受ける場合があります。また、関係各国において、投資活動に関する規制の新設や強化が行われる可能性があります。ソフトバンクグループ㈱は、その法務部門と外部のアドバイザーを含む関係者とで連携し、それぞれの規制に対応していますが、これらの必要な承認等が得られないなど制約を回避できない場合には、ソフトバンクグループ㈱の期待通りに投資を実行できない可能性があります。 例えば、ソフトバンクグループ㈱は、一部の米国投資に関して、その投資の対象となる会社(本(b)において「対象会社」)および米国関係省庁との間で国家安全保障契約を締結しています。この国家安全保障契約に基づき、ソフトバンクグループ㈱と対象会社は、米国の国家安全保障を確保するための方策を実行することに合意しています。これら方策の実行に伴いコストが増加する、または米国内の施設、契約、人事、調達先の選定、事業運営に制約を受ける可能性があります。 c.投資判断 ソフトバンクグループ㈱が投資ファンド(例えば、ソフトバンク・ビジョン・ファンド1および2)を経由せずに直接投資(子会社を通じた投資を含みます。)を行う場合、その投資判断プロセスにおいて、社内関係部門に加えて外部の財務・法務・税務アドバイザーなどの協力を得て、対象企業の事業内容、テクノロジー、ビジネスモデル、市場規模、事業計画、競争環境、財務内容、法令遵守状況などについてデュー・デリジェンスを実施し、その株式価値を適切に見積るとともに、事業や財務、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス、内部統制に係るリスクを把握するように努めています。また、デュー・デリジェンスで得られた内容が適切かどうか、専門の審査部門が客観的なレビューを行っています。そうして得られた検討結果を踏まえて、取締役会または取締役会から権限を委譲された投融資委員会(「第4 提出会社の状況、コーポレート・ガバナンスの状況等」を参照)で投資判断を下しています。 特に投資先のコーポレート・ガバナンスに係るリスクについては、「ポートフォリオ会社のガバナンス・投資指針に関するポリシー」を定めることにより、ソフトバンクグループ㈱およびその子会社(原則として、ソフトバンク・ビジョン・ファンド1および2ならびにソフトバンクグループ㈱の子会社が管理するその他の投資子会社を含みます。)が投資の検討過程において考慮するべき、投資先のコーポレート・ガバナンスに関わる基準を明確化しています。本ポリシーは、投資先の取締役会の構成、創業者・経営陣の権利、株主の権利(多議決権株式に関する事項を含みます。)、利益相反の回避などに関連するもので、広範にわたるコーポレート・ガバナンスの重要事項を網羅しています。なお、本ポリシーは一般的な原則を定めたものであり、一定の制限の下で各投資元に裁量の行使を認めています。各投資元は各投資先のコーポレート・ガバナンスを監視し、その結果をソフトバンクグループ㈱に定期的に報告することが義務づけられています。 しかし、このような慎重な投資判断プロセスを経たとしても、対象企業の企業価値やテクノロジー、ビジネスモデル、市場規模などを実態よりも過大評価する、リスクを過小評価する、または重要な影響力を持つ創業者や経営者の資質を見誤ったまま投資判断を下す可能性があります。その結果、投資実行後に、その資産価値、すなわちソフトバンクグループ㈱の保有株式価値が低下し、NAVが低下、LTVが悪化するとともに、保有株式を含む資産の評価損を計上することにより連結業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 d.投資先の資産価値の下落 ソフトバンクグループ㈱は、投資実行後も、投資先の財務・経営情報や重要な経営指標、投資決定時の事業計画と実際の進捗の差異、コーポレート・ガバナンスの状況など、主なリスク要因を継続的に監視し、その結果を経営陣に報告する体制を整えています。また、監視の結果を踏まえて、投資先の経営改善のために必要な助言の提供や、役員・管理職など各種レベルの人材の派遣、協業先の紹介など、必要に応じて行っています。 しかし、「a.政治情勢、金融・財政政策、国際情勢の動向」で言及したマクロ外部要因に加えて、テクノロジーやビジネスモデルの陳腐化や競争環境の激化などにより、ソフトバンクグループ㈱が投資決定時に想定した通りに投資先が事業を展開できず、業績が大幅に悪化したり、事業計画の大幅な見直しを迫られたりする可能性があります。また、投資先が1株当たり株式価値の大幅な希薄化を伴う増資などを行う可能性があります。こうした場合、投資先の資産価値が下落し、ソフトバンクグループ㈱が、株式などの金融資産の評価損や投資に伴い発生したのれん、有形固定資産、無形資産の減損損失を計上する可能性、投資先から期待通りに利益分配などのリターンを得られない可能性、または、投資の回収ができない可能性があります。これらの結果、保有株式価値やNAVが低下、LTVが悪化するとともに、保有株式を含む資産の評価損を計上することにより連結業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、ソフトバンクグループ㈱の個別決算においては、投資活動により取得した出資持分などを含む資産の価値が下落した場合、評価損が発生し、業績や分配可能額に悪影響を及ぼす可能性があるほか、投資先の業績が悪化した場合には、投資先から期待通りの配当を得ることができず、キャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。 このほか、ソフトバンクグループ㈱は投資決定時に想定した通りに事業を展開できない場合、他の投資先などとの間で十分なシナジー(相乗効果)を創出できない場合、または事業展開のために想定以上の資金が必要となった場合など、投資先の株主価値の向上に必要と判断した場合には、投資先に対し融資や債務保証、追加出資などを行うことがあり、当該投資先に係るリスク資産が増加することになります。ただし、ソフトバンクグループ㈱は投資ファンドの投資先への救済のみを目的とした投資は行わないことを基本方針としています。 (5)ソフトバンク・ビジョン・ファンド1および2について ソフトバンク・ビジョン・ファンド1および2(本(5)において、ソフトバンク・ビジョン・ファンド1を「SVF1」、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2を「SVF2」、ソフトバンク・ビジョン・ファンド1および2を併せて「SVF」)は、英国の金融行為規制機構(the Financial Conduct Authority)の認可および規制を受けた、ソフトバンクグループ㈱の英国100%子会社であるSBIAが運営する投資ファンドであり、テクノロジー分野(通信やインターネット、メディアを含みます。)の株式等に投資を行っています。SVFに対し、ソフトバンクグループ㈱はリミテッド・パートナーとして出資を行っており、また、SBIAはSVFの投資の状況に応じて、SVFから管理報酬および成功報酬を受け取ります。 2021年3月31日現在、SVF1の出資コミットメント総額は986億米ドル(うちソフトバンクグループ㈱および子会社 331億米ドル)(注3)であり、これに対するリミテッド・パートナーによる累計支払義務履行額は854億米ドル(うち同293億米ドル)、コミットメント残額は132億米ドル(うち同38億米ドル)です。 2021年3月31日現在、SVF2にはソフトバンクグループ㈱のみがリミテッド・パートナーとして参画し、200億米ドルの出資をコミットしています(注4)。これに対する累計支払義務履行額は68億米ドル、コミットメント残額は132億米ドルです。(注3)SVF1に関連するインセンティブ・スキームへ活用される予定の25億米ドルを含みます。(注4)2021年6月23日現在、当該コミットメントは400億米ドルまで増額されています。 SVFおよびSBIAにおいて特に重要性の高いと考えられるリスクは、主として以下a~kに記載する通りです。SBIAは、リスクマネジメントフレームワーク(以下「RMF」)を定め、SBIA全体の事業プロセスと意思決定にリスク管理を組み込んでいますが、これらのリスクの顕在化を完全には回避できない可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合には、SVFの投資ポートフォリオの資産価値が下落し、SVFおよびSBIAの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。SVFの投資ポートフォリオの資産価値が下落した場合、ソフトバンクグループ㈱の保有株式価値が低下し、NAVが低下、LTVが悪化するとともに、保有株式の評価損を計上することによりソフトバンクグループ㈱の連結業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、本(5)において、「投資先」はSVFの投資先を意味します。 SBIAのRMFについて この枠組みは、事業運営および投資の両面のリスク管理を対象とし、リスクを特定、評価、および軽減するための枠組みを構築するものです。SBIAのRMFの根幹を成す原則は以下の通りです。・取締役会がリスク管理の最終的な責任を負い、重要な意思決定にはリスクが考慮されなければならない(“経営トップの姿勢”)・投資家の期待やSBIAの戦略目標、規制要件を充足するため、組織全体にわたる実効性の高いリスクカルチャーを確立する・将来を見据えてリスクを特定・軽減することにより、経営陣によるリミテッド・パートナーからの預かり資産およびSBIAのレピュテーションの保護のため積極的な行動を促す・重要な既存または新規発生リスクが能動的に特定、測定、緩和、監視、および報告されることを確実にする・現地および当社における規制当局のリスク管理要件を充足する a.業績への影響 SVFを構成する事業体はすべてソフトバンクグループ㈱の連結対象です。SVFからの投資は、毎四半期末に公正価値で測定されます。公正価値の変動は、投資損益(ただし、子会社株式に対する投資損益を除きます。)として、連結損益計算書上の「SVF1およびSVF2等からの投資損益」に含めて計上されます。未上場企業の公正価値の測定は、取引事例法や割引キャッシュ・フロー法、類似会社比較法など複数の評価方法を組み合わせて行われます。上場企業の公正価値の測定はその主要な市場での価格が用いられます。投資先の業績の悪化や金融市場、経済情勢の低迷などにより、投資先の公正価値が下落した場合は、SVFの業績が悪化し、その結果、ソフトバンクグループ㈱の連結業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、ソフトバンクグループ㈱の個別決算では、SVFの業績が悪化した場合、リミテッド・パートナーとしての出資に対して評価損が発生し、業績や分配可能額に悪影響を及ぼす可能性があります。 SVFの投資先のうち、IFRSに基づいてソフトバンクグループ㈱が支配をしていると見なされる投資先は、ソフトバンクグループ㈱の子会社として扱います。当該子会社の業績および資産・負債はソフトバンクグループ㈱の連結財務諸表に反映されることから、当該子会社たる投資先の業績が悪化した場合は、ソフトバンクグループ㈱の連結業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、SVFで計上した当該子会社への投資に係る投資損益は、内部取引として連結上消去されます。 なお、適正な公正価値評価を実現するため、SVFの評価プロセスは、SBIAの評価・財務リスク委員会(以下「VFRC」)が監督を行っています。SVFの投資先の評価を行う際、VFRCは、IFRS第13号「公正価値測定」および国際プライベート・エクイティ・ベンチャー・キャピタル評価(IPEV)ガイドラインに基づいたSBIAの評価方針に従って四半期ごとに評価を行います。これに加えて、SVF1では投資家諮問委員会(IAB)に任命された独立第三者評価機関が、SVF1の投資先の評価を独立性をもって半期ごとに実施しています。SBIAは、独立第三者評価機関から受領した評価を(SBIAの規制上の義務に則った適切な範囲で)すべて考慮する必要があります。 b.投資成果 SVFの投資成果は、ソフトバンクグループ㈱と、外部投資家(SVF1のみ)で構成されるリミテッド・パートナーに配分されるほか、SBIAに成功報酬として配分されます。SVFの投資採算が悪化し計画通りの投資成果を挙げられない場合には、ソフトバンクグループ㈱はリミテッド・パートナーとして期待通りの成果分配を受けることができない、または投資回収できない可能性があるほか、SBIAは期待通りの成功報酬を受け取ることができない可能性があります。 また、SBIAは、投資の売却や配当および株式の資金化などにより実現した投資利益に基づき成功報酬相当額を受け取ります。業績連動の成功報酬は、SBIAにより大きな投資リスクをとる誘因となる可能性があります。なお、受け取った成功報酬には、将来の投資成果に基づく一定の条件の下、クローバック条項(過去に受け取った成功報酬額を返還する条項)が設定されているため、SVFの清算時においてSVFの投資成果が一定以上でない場合、SBIAは期待通りの成功報酬を受け取ることができない可能性があるほか、それまでに受け取った成功報酬相当額が減額される、または成功報酬を受け取ることができない可能性があります。 c.レバレッジ SVFは、キャピタル・コールまでのつなぎ資金やポートフォリオ・レベルでレバレッジを発生させることを目的として、借入れを行うことがあります。当該レバレッジはSVFのエクスポージャーを高める手法を意味し、直接の借入れ、債券またはメザニン証券の発行、証拠金取引、デリバティブ商品や、その他の形態による直接および間接の借入金などの形態をとることがあります。これらの利用またはレバレッジに対するエクスポージャーにより、SVFの投資は、金利の大幅な上昇、深刻な景気後退、または投資先の市場環境の悪化を含む、経済的要因の悪化からの影響を受けやすくなります。これらのレバレッジにより調達した資金を用いた投資が負債の元本および利子の支払いに十分なキャッシュ・フローを生み出せない場合、SVFの当該投資の価値は大幅に減少または消滅する可能性があり、また当該レバレッジが複数の投資に対しリコースするものである場合、対象となる他の投資価値も減少または消滅する可能性があります。借入れに付随する義務を果たすに足る利益を生み出すことができない場合、投資の早期回収を迫られることとなり、ソフトバンクグループ㈱を含むリミテッド・パートナーへの分配に悪影響を与える可能性があります。当期末時点では、SVF1による保有株式の資金化を目的とした借入の残高は40億米ドルです。 なお、SBIAは、SVF1の設立関連契約および借入契約に定められたレバレッジ制限を遵守すると同時に、既存の負債と投資のパイプラインも考慮に入れながら、SVF1のレバレッジ水準および関連キャッシュ・フローを綿密にモニタリングしています。レバレッジ水準と潜在的なキャッシュ・フローに関する問題は、財務および投資リスク部門の双方から経営陣に報告され、対策が検討されます。またSVFは、借入の利払いやその他のSVFの債務へ充当する目的でリミテッド・パートナーからの未払込資金が一定程度留保されており、潤沢な流動性ポジションを有しています。SBIAは、SVFが常に適切な予備的現預金を維持し続けるように努めています。 d.投資のエグジット機会の不足 SVFが取得する投資は流動性が低いことが多く、SBIAは最終的にどのようなエグジット戦略をとるかについて、完全かつ確実に予定することはできません。したがって、SVFが当該投資を適時に回収できる保証はなく、その結果、リミテッド・パートナーへの現金分配のタイミングは不確実かつ予測不能です。また、経済、法規制、政治またはその他の要因により、投資開始時に可能と思われたエグジット戦略が、投資が回収段階に達するまでの間にとりえなくなる場合があります。さらに、SVFは、契約またはその他の制約により、特定の証券の売却を一定期間禁止される可能性があり、そのような場合、有利な市場価格で売却する機会を逸する可能性があります。 なお、エグジット戦略の承認はSBIAの投資委員会の重要な検討事項であり、エグジット戦略はSBIAの投資部門が定期的に見直し、更新しています。また、エグジット戦略の事前計画のために、投資リスク部門が様々な市場環境を想定したストレステストを実施しています。SVFは長期投資ファンドであり(注5)、複数の景気後退の可能性や、エグジットまでに時間を要する投資がありうることも考慮されて設計されています。(注5)SVFの存続期間は「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績b.セグメントの経営成績「SVF1等SBIAの運営するファンド事業」の事業概要をご参照ください。 e.支配権を伴わない投資および限定的な株主権利 SVFは、投資先において支配権を伴わない持分を有する場合、保有持分の保護や経営への影響力行使の能力が限定的となる可能性があります。またSVFは、金融、戦略、またはその他の分野における他社(グループ会社を含みます。)と共同で、合弁会社などを通じて投資を行う場合があり、当該他社が、当該合弁会社または投資先に対しSVFよりも大きな保有割合もしくは支配権を有する場合があります。このような場合、SVFは当該他社の経営陣および取締役会(SVFと利害が競合し得る他の金融投資会社の関係者が構成員に含まれる場合があります。)に大きく依存することとなります。 f.人材の確保・維持 SBIAは、SVFをはじめとして、運営する投資ファンドの保有株式価値の最大化を目的として、投資先を慎重に選定することに加え、投資後の成長を促す様々な支援を行います。このような取り組みの成功には、テクノロジーや金融市場に関する幅広い知見や投資事業の運営における専門的スキルを保有する有能な人材の確保・維持が不可欠です。SBIAは、投資・運用体制を幅広く有するうえ、研修や能力開発、スタッフが潜在能力を最大限に発揮できるよう行われる社内異動に至るまで、様々な人材サポートプログラムを通じ、スタッフの定着を図っており、SBIAとその報酬委員会が有する、報酬を成果に連動させる総合的な報酬哲学は、市場と比べ非常に高い競争力に寄与していると自負しています。しかしながら、このような有能な人材を十分に確保・維持することができない場合(要因には、オルタナティブ・アセット投資会社や金融機関、プライベート・エクイティ、グロース・エクイティおよびベンチャー・キャピタル、投資顧問会社およびその他の市場参加者との間での、高い能力を有する投資プロフェッショナル人材の獲得および維持の競争激化を含みます。)は、運営する投資ファンドの投資規模の維持・拡大や将来の投資成果に悪影響を及ぼす可能性があります。 g.リミテッド・パートナー SBIAは、SVFの投資の実行にあたり、参画するリミテッド・パートナーに対して、資金拠出の要請(キャピタル・コール)を行いますが、何らかの事情によりリミテッド・パートナーから資金が拠出されない場合は、SVFによる投資金額が制限されるなど、SBIAの計画通りに投資を行えない可能性があります。また、SVF1の出資持分はソフトバンクグループ㈱を含む少数の大口投資家によって保有されており、このような大口投資家がキャピタル・コールに応じることができない場合、他のリミテッド・パートナーは一定の範囲内で不足額を補う責務を追うものの、持分がさらに分散して保有される場合と比して悪影響が大きくなります。さらに、SVF1の出資コミットメント額の大きな外部のリミテッド・パートナーは、一定額以上の投資案件について拒否権を有しているため、当該拒否権が行使された場合は、SBIAの計画通りに投資を行うことができない可能性があります。 h.新たな技術やビジネスモデルへの規制 SVFの投資先には、AIやビッグデータなどの新技術の事業への活用や研究開発を行う企業や、既存の枠組みとは異なる新たなビジネスモデルを展開する企業が多く含まれます。このような新たな技術やビジネスモデルが提供される事業領域(例えば、自動運転やライドシェアサービス)は、多くの国・地域において特定的かつ厳格な規制または許認可の対象とされる場合があります。関連する法令等の整備により、規制が設定または強化された場合は、新たな経済的負担または規制が課されたり、採用する技術やビジネスモデルまたはこれらに関する研究開発について、内容の変更や停止または終了が必要になるなど、投資先の事業展開および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、特定のテクノロジーに関連するサービスの提供に必要な許認可には様々な条件が課されるものの、SVFの投資先がこれらの条件を満たすことができる保証はありません。 i.特定の分野への投資の集中 SVFは、特定の事業領域における複数の企業への投資を有しており、当該事業領域に対する投資の集中度が高くなる場合があります。例えば、Uber Technologies, Inc.や、Xiaoju Kuaizhi Inc.、GRAB HOLDINGS INC.など、ライドシェアサービスを提供する企業に投資を行っています。こうした事業領域において、需要の低迷や市場競争の激化(投資先間の競合を含みます。)など事業環境の悪化により、投資先の収益性が低下するなど業績が悪化した場合や、SVFの投資時点に想定した通りに事業展開ができない場合や、当該事業領域に対する市場の評価が悪化した場合には、投資先の業績または公正価値に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、投資の集中度については、SBIAの投資リスク部門が測定および経営陣への報告を行い、SBIAの投資委員会および取締役会のメンバーが検討を行います。SBIAの投資委員会および必要に応じ実施されるIAB(SVF1のみ)によるレビューなどの投資プロセスの中で、投資を分散させるかまたはリスクを許容するかが決定されます。 j.上場企業への投資 SVFの投資ポートフォリオは、上場企業が発行する証券や債券が含まれる場合があり、これらの投資は、未上場企業への投資におけるリスクとは種類および程度が異なるリスクを伴う可能性があります。当該リスクには、投資の公正価値評価(バリュエーション)に市場価格が用いられることによるボラティリティ、投資先に関する情報開示義務の増加、当該証券および債券の処分におけるSVFの裁量への制限、投資先の役員および取締役(SBIAの従業員である場合を含みます。)に対する投資先株主からの訴訟およびインサイダー取引の告発の可能性の増加、ならびにこれらのリスクを低減するためのコストの増加が含まれます。さらに、取引所で取引される証券については、上場証券の一部またはすべてについて取引を一時停止できる取引所の権限の影響下にあるため、このような取引停止または制限により保有投資の資金化に制約が生じることで、SVFに損失が生じる可能性があります。 流動性イベントに伴ってSVFが保有する上場証券に生じる市場リスクを軽減するため、SBIAの投資活動による市場への影響を最小限に抑え収益を最大化するよう計画的にポジションを売却するなどの仕組みを設定しています。またSBIAは、カバードコール・オプションを売却するなどしてデリバティブ契約を締結することでエクスポージャーを低減することもあります。また、米ドルに対する為替レートが不安定な通貨建ての証券に投資している場合の為替リスクをヘッジすることも検討しています。 また、SVFが上場証券のポジションを管理するうえで発生する運用リスクとコンプライアンスリスクは、SBIAのミドルオフィス、コンプライアンス、投資リスク部門などの運用リスク管理部門が関与するコントロール・フレームワークを通じて管理されており、これには取引相手の確認などの取引前の承認プロセス、取引後の調整およびモニタリングが含まれます。 k.SPAC より広範な投資機会の追求のため、SBIA USがスポンサーとしてSPAC(特別目的買収会社)を設立し、新規株式公開を通じて株式市場の投資家から資金調達を行った上で、上場時点では特定されていない1社以上の事業者との合併、株式交換、資産取得、株式取得、組織再編、またはこれらに類する企業結合を図ることがあります。SPACは新規株式公開による払込資金の決済日から2年以内にこれらの企業結合を行うことを目指します。しかしながら、企業結合の対象企業における課題を事前に把握することができなかった場合などにおいては投資家から訴訟を提起される可能性があるほか、想定通りに企業結合を行えなかった場合を含め、スポンサーとしてのレピュテーションが低下する可能性があります。 (6)ソフトバンク㈱グループについて 主に通信事業、インターネット広告事業、イーコマース事業を営むソフトバンク㈱およびその子会社(例えば、Zホールディングス㈱)(本(6)において併せて「ソフトバンク㈱」)において特に重要性の高いと考えられるリスクは、主として以下a~cに記載する通りです。これらのリスクが顕在化した場合、ソフトバンク㈱の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。その結果、その資産価値、すなわちソフトバンクグループ㈱の保有株式価値が低下し、NAVが低下、LTVが悪化するとともに、投資に伴い発生したのれん、有形固定資産、無形資産の減損損失の計上やソフトバンク㈱の業績の取り込みによりソフトバンクグループ㈱の連結業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 a.情報の流出や不適切な利用 ソフトバンク㈱は、事業を展開する上で、顧客情報(個人情報を含みます。)やその他の機密情報を取り扱っています。ソフトバンク㈱(役職員や委託先の関係者を含みます。)の故意・過失、または悪意を持った第三者のサイバー攻撃、ハッキング、コンピューターウイルス感染、その他不正アクセスなどにより、これらの情報の流出や消失、法令や規約違反となる不適切な利用などが発生する可能性があります。こうした事態が生じた場合、ソフトバンク㈱の信頼性や企業イメージが低下し顧客の獲得・維持が困難になるほか、競争力が低下したり、損害賠償やセキュリティシステム改修のために多額の費用負担が発生したりする可能性があります。その結果、ソフトバンク㈱の事業展開、財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、当期に経営統合したLINE㈱は2021年3月17日、ユーザーから取得した個人情報の一部の閲覧権限を、委託先である中国の関連会社に付与していたこと等を公表しました。また、同社は同件に関連して、個人情報保護委員会および総務省からは3月19日に、金融庁からは3月22日に、それぞれ法律に基づく報告徴求命令を受けたため、対応方針を報告しています。本件において外部からの不正アクセスや情報漏洩が発生したという事実は確認されていませんが、安全管理措置やユーザーへの説明に一部不十分な点があったことから、ソフトバンク㈱は本件を重大な事象として受け止めており、対策を講じています。今後、個人情報の適切な取り扱いに関してガバナンスの強化に取り組んでいきますが、かかる対策やガバナンス強化の施策が有効に機能しないことによる当局からの行政処分、信用の毀損、サービスへの需要の減少、追加の対策の策定・実施等により、ソフトバンク㈱の事業展開、財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ソフトバンク㈱においては、情報セキュリティ管理責任者の設置や役職員へのセキュリティ教育・訓練をはじめ、適切に情報資産を保護・管理するための体制構築を図っています。具体的には、顧客情報やその他の機密情報に関する作業エリアの限定、当該エリア専用の入退室管理ルールといった物理的管理のほか、AIを活用した内部不正の予兆検知(ふるまい検知)を導入し、役職員による業務パソコン利用や社内ネットワーク利用、社内サーバーへのアクセス状況等の監視や、社外からのサイバー攻撃による不正アクセスを監視・防御することで、セキュリティレベルの維持・管理を行っています。また、情報のセキュリティレベルに応じて、当該情報に対するアクセス権限や使用するネットワークなどを分離・独立させています。さらに、社内外データの管理・戦略的利活用の方針およびルールを整備し、通信の秘密・個人情報等の取扱いに関する社内管理体制を強化しています。 b.安定的なサービスの提供(a)通信ネットワークの増強 ソフトバンク㈱は、通信サービスの品質を維持・向上させるために、将来のトラフィック(通信量)を予測し、その予測に基づいて継続的に通信ネットワークを増強(例えば、必要な周波数の確保)していく必要があります。これらの増強は計画的に行っていますが、実際のトラフィックが予測を大幅に上回った場合、または通信ネットワークの増強を適時に行えなかった場合、サービスの品質および信頼性や企業イメージの低下を招き顧客の獲得・維持に悪影響を及ぼすほか、追加の設備投資が必要となり、その結果、ソフトバンク㈱の事業展開、財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (b)システム障害などによるサービスの中断・品質低下 ソフトバンク㈱が提供する通信ネットワークや顧客向けのシステムなどの各種サービスにおいて、人為的なミスや設備・システム上の問題、または第三者によるサイバー攻撃、ハッキングその他不正アクセスなどが発生した場合、これに起因して各種サービスを継続的に提供できなくなること、または各種サービスの品質が低下することなどの重大なトラブルが発生する可能性があります。各システムの冗長化や、障害などの発生に備えた復旧手順の明確化、障害などが発生した場合の適切な復旧体制の構築などの対策にもかかわらず、サービスの中断・品質低下を回避できず、その復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果、ソフトバンク㈱の事業展開、財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (c)自然災害など予測困難な事情 ソフトバンク㈱は、インターネットや通信などの各種サービスの提供に必要な通信ネットワークや情報システムなどを構築・整備しています。近年、南海トラフ地震や首都圏直下型地震の発生確率の高まりや気候変動の進行等から、地震や台風など大型の自然災害の被害を受けるリスクが増加しています。地震・台風・洪水・津波・竜巻・豪雨・大雪・火山活動などの自然災害および近年の気候変動に伴うこれら災害の大規模化、火災や停電・電力不足、テロ行為、感染症の流行などの予測困難な事象が発生することにより、通信ネットワークや情報システムなどが正常に稼働しなくなった場合、ソフトバンク㈱の各種サービスの提供に支障を来す可能性があります。ソフトバンク㈱においては、こうした事態が発生した場合においても安定した通信環境を確保できるようにネットワークの冗長化やネットワークセンターおよび基地局での停電対策等を導入しているほか、こうした事態による各種サービスの提供への影響の低減を図るべくネットワークセンターやデータセンター等の重要拠点を全国に分散するなどの対策を講じています。かかる対策にもかかわらず、各種サービスの提供に支障を来す場合、およびこれらの影響が広範囲にわたり、復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。また、通信ネットワークや情報システムなどを復旧・改修するために多額の費用負担が発生する可能性があります。その結果、ソフトバンク㈱の事業展開、財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 c.他社経営資源への依存(a)業務の委託 ソフトバンク㈱は、主に通信サービスに係る販売、顧客の獲得・維持、ネットワークの構築およびメンテナンス、ならびにそれらに付随する業務の全部または一部について、他社に委託しているほか、情報検索サービスにおいて他社の検索エンジンおよび検索連動型広告配信システムを利用しています。ソフトバンク㈱は、業務委託先の選定時には与信調査を実施し、契約後も定期的に業績などのモニタリングおよび業務の監査を行っていますが、業務委託先(役職員や関係者を含みます。)がソフトバンク㈱の期待通りに業務を行うことができない場合や、当社および顧客に関する情報の不正取得または目的外使用等をした場合、ソフトバンク㈱の事業展開に悪影響を及ぼす可能性があります。 業務委託先はソフトバンク㈱のサービス・商品を取り扱っていることから、当該業務委託先の信頼性や企業イメージが低下した場合には、ソフトバンク㈱の信頼性や企業イメージも低下し、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があり、その結果、ソフトバンク㈱の事業展開、財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 このほか、当該業務委託先において法令などに違反する行為があった場合、ソフトバンク㈱が監督官庁から警告・指導を受けるなど監督責任を追及される可能性があるほか、ソフトバンク㈱の信頼性や企業イメージが低下し顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果、ソフトバンク㈱の事業展開、財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (b)他社設備などの利用 ソフトバンク㈱は、通信サービスの提供に必要な通信ネットワークを構築する上で、他の事業者が保有する通信回線設備などを一部利用しています。ソフトバンク㈱は、原則として、複数の事業者の通信回線設備などを利用していますが、今後、複数の事業者の当該設備などを継続して利用することができなくなった場合、または使用料や接続料などが引き上げられるなど利用契約が不利な内容に変更された場合、ソフトバンク㈱の事業展開、財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (c)「Yahoo!」ブランドの利用 ソフトバンク㈱は、同社およびヤフー㈱の事業において、「Yahoo! JAPAN」をはじめ「Y!mobile」や「Yahoo! BB」など、サービス名称の一部に米国のVerizon Communications Inc.の子会社が保有する「Yahoo!」ブランドを使用しています。同社との関係に大きな変化が生じるなどしてこれらのブランドが使用できなくなった場合、ソフトバンク㈱の事業展開、財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (d)各種機器の調達 ソフトバンク㈱は、通信機器やネットワーク関連機器など(例えば、携帯電話基地局の無線機を含みますが、これらに限りません。)を調達しています。ソフトバンク㈱では、原則として複数の取引先から機器を調達してネットワークを構築していく方針を採用していますが、それでもなお特定の会社への依存度が高い機器が残ることも予想されます。特定の会社への依存度が高い機器の調達において、供給停止、納入遅延、数量不足、不具合などの問題が発生し調達先や機器の切り替えが適時に多額のコストを要さずに行うことができない場合、または性能維持のために必要な保守・点検が打ち切られた場合、ソフトバンク㈱のサービスの提供に支障を来し、顧客の維持・獲得が困難になる可能性や調達先の変更のために追加のコストが生じる可能性のほか、通信機器の売上が減少する可能性があります。その結果、ソフトバンク㈱の事業展開、財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7)法令・規制・制度などについて ソフトバンクグループ㈱は、各国の法令・規制・制度および行政機関からの行政指導や行政処分(登録・免許の取消や罰金を含みますが、これらに限りません。)など(以下「法令等」)の下で投資活動を行っています。また、投資先は各国の様々な分野にわたる法令等の下で事業活動を行っています。具体的には、投資に関する各種法令等をはじめ、通信サービス、インターネット広告、イーコマース、エネルギー、AI、ロボット、ライドシェアリング、金融・決済などの事業やその他の企業活動に関する各種法令等(事業許認可、輸出入、個人情報・プライバシー保護、環境、製造物責任、公正な競争、消費者保護、贈賄禁止、労務、知的財産権、マネー・ロンダリング防止、租税、為替に関するものを含みますが、これらに限りません。)まで広範に及び、これらの影響を直接または間接的に受けます。 法令等の改正もしくは新たな法令等の施行または解釈・適用(その変更を含みます。)により、ソフトバンクグループ㈱の投資活動や投資先の事業活動が期待通りに展開できない、新たな投資や事業が制限される、投資の回収が遅延もしくは不可能となるなど、ソフトバンクグループ㈱の投資活動や投資先の事業活動に支障を及ぼす可能性があるほか、金銭的負担の発生・増加により、ソフトバンクグループ㈱の連結・個別業績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、ソフトバンクグループ㈱は、その法務部門が外部のアドバイザーからの助言を受けながら主に投資活動に関する法令等の新設または改正等に関して情報収集などを行っています。 また、ソフトバンクグループ㈱および投資先が活動を行う国・地域において、租税法令またはその解釈・運用が新たに導入・変更された場合や、税務当局との見解の相違により追加の税負担が生じた場合、ソフトバンクグループ㈱の連結・個別業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 このほか、ソフトバンクグループ㈱は法令遵守のためのグループコンプライアンス体制の強化や研修など役職員の知識や意識向上を促す取り組みを行っていますが、このような取り組みにもかかわらずソフトバンクグループ㈱や投資先(役職員を含みます。)がこれらの法令等に違反する行為を行った場合、違反の認識の有無にかかわらず、行政機関から行政処分や行政指導(登録・免許の取消や罰金を含みます。)を受けたり、取引先から取引契約を解除されたりする可能性があります。その結果、ソフトバンクグループ㈱や投資先の信頼性や企業イメージが低下したり、事業活動に支障が生じたりする可能性があるほか、金銭的負担の発生により、ソフトバンクグループ㈱の業績や投資先の資産価値に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8)知的財産権について ソフトバンクグループ㈱が保有する「ソフトバンク」ブランドが第三者により侵害された場合、ソフトバンクグループ㈱および「ソフトバンク」ブランドを使用する子会社の企業イメージや信頼性が低下する可能性があります。また、アームが保有する知的財産権が第三者により侵害された場合、同社の事業展開や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。一方、投資先が意図せずに第三者の知的財産権を侵害した場合、権利侵害の差止めや損害賠償、ライセンス使用料の請求などを受ける可能性があります。いずれの場合も、ソフトバンクグループ㈱の保有株式価値やNAV、LTV、連結・個別業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9)訴訟について ソフトバンクグループ㈱は、株主(投資先の現在および過去の株主を含みます。)、投資先、取引先、従業員(投資先の現在および過去の従業員を含みます。)を含む第三者の権利・利益を侵害したとして、損害賠償などの訴訟を起こされる可能性があります。その結果、ソフトバンクグループ㈱の投資活動に支障が生じたり、企業イメージが低下したりする可能性があるほか、金銭的負担の発生により、ソフトバンクグループ㈱の連結・個別業績に悪影響を及ぼす可能性があります。本有価証券報告書の提出日現在における主な訴訟内容については「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記50.偶発事象(3)訴訟」をご参照ください。 (10)サステナビリティについて ソフトバンクグループ㈱は環境、社会、ガバナンス(以下「ESG」)に対し本質的な取り組みを率先して実行することが重要であると考えています。ESGと経営との統合を重視し、CFOをサステナビリティに関する責任者であるチーフ・サステナビリティ・オフィサー(CSusO)として任命しています。また、CSusOを委員長とするサステナビリティ委員会を設置し、取り組むべきESG課題を継続的に議論することでESGリスクの低減・回避するとともに、ESGに関わる情報開示を強化しています。投資活動においては、投資先のサステナビリティに関する機会・リスクを分析するため、各投資エンティティにおいて評価プロセスの運用計画を策定し総合的な投資評価を行うことを、グループポリシーとして定めています。しかし、ソフトバンクグループ㈱のESGへの取組みがステークホルダーの期待から大きく乖離し、持続可能性を十分に考慮した投資活動ができない場合は、投資先が想定した通りに事業を展開できず、その資産価値、すなわちソフトバンクグループ㈱の保有株式価値が低下する可能性があります。
FY2020|21,358 文字
2【事業等のリスク】 ソフトバンクグループ㈱は、直接または投資ファンドを通じて多数の企業に投資を行い、その投資ポートフォリオを管理する戦略的投資持株会社です。投資ポートフォリオには、子会社・関連会社(以下「グループ会社」)とそれらに分類されない投資先が含まれます(以下、グループ会社と併せて「投資先」)。これらの投資先は、国内外において多岐にわたる事業を展開しています。ソフトバンクグループ㈱の投資活動、および投資先の事業活動の遂行にはさまざまなリスクを伴います。本有価証券報告書の提出日現在において、投資家の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主要なリスクは、以下の通りです。なお、これらは、ソフトバンクグループ㈱および投資先で発生しうるすべてのリスクを網羅しているものではありません。また、将来に関する事項については別段の記載のない限り、本有価証券報告書の提出日現在において判断したものです。 (1)ビジネスモデルについて ソフトバンクグループ㈱は、独自の組織戦略「群戦略」(「第2 事業の状況、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な会社の経営戦略」を参照)の下、グループ会社(例えば、ソフトバンク㈱やアーム、アリババ)への投資を含む直接投資(100%子会社を通じた投資を含みます。)に加え、投資ファンド(例えば、ソフトバンク・ビジョン・ファンド)を通じて、情報・テクノロジー分野において多様な事業を展開する企業から成る投資ポートフォリオを構築することで、株主価値(注1)の向上に取り組んでいます。この過程において、ソフトバンクグループ㈱は投資先同士の協業を促進するなど、その幅広いネットワークやこれまで培ってきた知見を活用して投資先各社の資産価値の向上を後押しするともに、適切なタイミングでそれらの株式資産を売却し、その回収した資金を成長戦略に基づき新規投資に充当するほか、適切なタイミングで株主還元や負債返済にも振り向けています。しかし、株式相場が下落した場合や投資先の事業展開や業績がソフトバンクグループ㈱の投資決定時における想定を大幅に下回った場合、その資産価値、すなわちソフトバンクグループ㈱の保有株式価値が低下し、株主価値が低下、LTV(Loan to Value)(注2)が悪化するとともに、保有株式を含む資産の評価損を計上することにより、ソフトバンクグループ㈱の連結業績および財政状態、ひいては新規投資や財務政策に悪影響を及ぼす可能性があります。 (注1)株主価値=保有株式価値-純負債(注2)LTV=純負債÷保有株式価値。「第2 事業の状況、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)重視する経営指標」をご参照ください。 (2)資金調達について ソフトバンクグループ㈱(資金調達を行う100%子会社を含みます。)は、新規投資を継続的に行っていくために必要な資金を、株式資産の売却、投資先からの配当や投資ファンドからの分配金、保有資産を活用した資金調達(アセット・バック・ファイナンス)などでまかなうことを目指しています。しかし、新規投資のための資金が必要な時期に株式資産の売却や資金調達を行うことができない場合、投資機会を逸し、株主価値の継続的な向上に支障が生じる可能性があります。また、一部の保有株式を活用した資金調達については、株式市場の悪化などにより対象となる保有株式価値が下落した場合には、追加で現金担保の差し入れが必要となる可能性や期限前の返済義務が発生する可能性があることに加えて、新たな資金調達が困難になる可能性があります。 ソフトバンクグループ㈱は、金融機関からの借入れや社債の発行などによっても、投資活動に必要な資金を調達しています。負債による資金調達については、金融政策や金融市場の変化等により金利が上昇した場合や、保有資産価値の減少や業績悪化によりソフトバンクグループ㈱の信用格付けが引き下げられるなど信用力が低下した場合には、調達コストが増加し、ソフトバンクグループ㈱の連結・個別業績に悪影響を及ぼす可能性があるほか、資金調達が予定した時期・規模・条件で行えない場合には、ソフトバンクグループ㈱の投資活動(投資ファンドを通じた投資を含みます。)および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ソフトバンクグループ㈱(資金調達を行う100%子会社を含みます。)は、負債の返済原資を確保するために、新たな資金調達やリファイナンス、一部保有資産の売却などを行うことがあります。市場環境を注視した上で適切と考える時期での資金調達を実施し、財務規律に基づき十分な手元流動性を安定的に維持することに努めています。しかしながら、資金調達に適さない環境が想定以上に長期化した場合、返済原資の捻出のために不利な条件での株式資産売却や予定外の株式資産売却を余儀なくされ、ソフトバンクグループ㈱の保有株式価値や株主価値、連結・個別業績、投資パフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。 ソフトバンクグループ㈱の金融機関からの借入れや社債などの債務には、各種コベナンツが付されていることがあります。いずれかのコベナンツに抵触する可能性が発生し、抵触を回避するための手段を取ることができない場合、当該債務について期限の利益を喪失する可能性があるほか、それに伴い、その他の債務についても一括返済を求められる可能性があります。その結果、ソフトバンクグループ㈱の信用力や財政状態に著しい悪影響を及ぼす可能性があります。 (3)経営陣について ソフトバンクグループ㈱が投資をしている主要な投資先やファンドは、それぞれのCEOなどを中心とする経営陣の下で自律的に運営を行っています。例えば、ソフトバンク㈱の代表取締役 社長執行役員 兼 CEOは宮内 謙(ソフトバンクグループ㈱取締役)が、アームのCEOはサイモン・シガース(ソフトバンクグループ㈱取締役)がそれぞれ務めています。また、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの運営会社であるSoftBank Investment AdvisersのCEOはラジーブ・ミスラ(ソフトバンクグループ㈱取締役副社長)が務めています。 しかし、ソフトバンクグループ㈱の重要な経営陣、特に代表取締役会長兼社長であり当社グループ代表である孫 正義に不測の事態が発生した場合、ソフトバンクグループ㈱の活動全般に支障が生じる可能性があります。 (4)投資活動について ソフトバンクグループ㈱は、企業買収、子会社・合弁会社の設立、事業会社(上場・非上場企業を含みます。)・持株会社(各種契約によって別会社を実質的に支配する会社を含みます。)・投資ファンドへの出資などの投資活動を行っています。これらの投資活動については、以下a~eのようなリスクがあり、これらのリスクが顕在化した場合には、投資先の資産価値、すなわちソフトバンクグループ㈱の保有株式価値が低下し、株主価値が低下、LTVが悪化するとともに、保有株式を含む資産の評価損を計上することによりソフトバンクグループ㈱の連結業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、投資先の中でも、特に連結業績への影響の大きい、ソフトバンク・ビジョン・ファンドとソフトバンク㈱の特有のリスクについては、それぞれ「(5)ソフトバンク・ビジョン・ファンドについて」と「(6)ソフトバンク㈱について」をご覧ください。 a.政治情勢、金融・財政政策、国際情勢の動向 ソフトバンクグループ㈱は、日本だけでなく、米国、中国、インド、欧州・中南米諸国などの海外の国・地域に展開する事業体に投資しているため、これらの国・地域における政治情勢や金融・財政政策の変化、貿易摩擦・紛争などの国際情勢の変化、自然災害の発生、感染症のまん延などの公衆衛生上の危機(「b.新型コロナウイルスの感染拡大」を参照)により、経済情勢や金融市場が悪化した場合には、ソフトバンクグループ㈱の投資活動や投資先の事業活動が期待通りに展開できない可能性があります。例えば、ソフトバンクグループ㈱の投資実行や回収の遅滞、投資回収における条件の悪化などが起こる可能性があるほか、投資先が提供するサービス・商品に対する需要の低下や供給の停滞により各社の事業や業績が悪影響を受ける可能性があります。また、流動性の低い未上場企業への投資については、市場環境が急激に悪化した場合などには、ソフトバンクグループ㈱の希望する時期・規模・条件で投資持分を売却できない可能性があります。これらの結果、ソフトバンクグループ㈱の保有株式価値や株主価値、LTV、連結・個別業績、投資パフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。 このほか、ソフトバンクグループ㈱による海外企業への外貨建投資においては、為替変動に伴う損失が発生する可能性があります。また、ソフトバンクグループ㈱の連結財務諸表の作成にあたり、アームをはじめとする海外のグループ会社の現地通貨建ての収益・費用および資産・負債を日本円に換算するため、為替相場の変動がソフトバンクグループ㈱の連結業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 b.新型コロナウイルスの感染拡大 「a.政治情勢、金融・財政政策、国際情勢の動向」で言及した公衆衛生上の危機の具体例として、新型コロナウイルスの感染拡大が挙げられます。2020年初頭から始まった新型コロナウイルスの感染拡大は収束の時期がなお見えず、ソフトバンクグループ㈱の投資活動および投資先の事業活動に与える中期的な影響を具体的に見通すことが困難な状況が続いています。ただ、足元ではすでにソフトバンクグループ㈱の保有株式価値に悪影響が出ており、中でもソフトバンク・ビジョン・ファンドは投資先の公正価値の減少に伴い、当第4四半期に1.1兆円の投資損失を計上しました。感染拡大の収束までの期間が延びれば、来期も投資活動および投資先の事業活動は先行きの不透明感が拭えない状況が長引くと見込んでいます。主要な投資先であるソフトバンク㈱においては、現段階では通信事業への影響は軽微と見込んでいます。また、その傘下のZホールディングス㈱においては、イーコマースの利用が増加すると見込まれる一方で、広告出稿や宿泊・飲食予約サービスの利用が減少すると見込んでいます。もう一つの主要な投資先であるアームにおいては、コンシューマー・エレクトロニクスの出荷が減少することによりテクノロジー・ロイヤルティー収入に、またライセンシーによる新規ライセンス契約締結の延期が発生することによりテクノロジー・ライセンス収入に、それぞれ悪影響が及ぶ可能性があると見込んでいます。 多くの国が都市封鎖や外出制限、出入国制限を実施する中、ソフトバンクグループ㈱および多くの投資先はビデオ会議システムやビジネスチャットツールなどを活用して投資活動や事業活動を継続しています。しかし、そのような環境下では投資活動や事業活動に制約が生じることがあり、新型コロナウイルス感染拡大の影響が想定以上に長引いた場合、ソフトバンクグループ㈱の保有株式価値が低下し、株主価値やLTV、連結・個別業績、投資パフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。ソフトバンク・ビジョン・ファンドへの影響については「(5)ソフトバンク・ビジョン・ファンドについて」「k.新型コロナウイルス等の感染拡大」をご参照ください。 c.投資に関する規制 ソフトバンクグループ㈱が行う投資活動は、関係各国の規制当局から承認等が必要となる場合や投資先への関与に制約を受ける場合があります。また、関係各国において、投資活動に関する規制の新設や強化が行われる可能性があります。ソフトバンクグループ㈱は、その法務部門と外部のアドバイザーを含む関係者とで連携し、それぞれの規制に対応していますが、これらの必要な承認等が得られないなど制約を回避できない場合には、ソフトバンクグループ㈱の期待通りに投資を実行できない可能性があります。 例えば、ソフトバンクグループ㈱は、一部の米国投資に関して、その投資の対象となる会社(本(c)において「対象会社」)および米国関係省庁との間で国家安全保障契約を締結しています。この国家安全保障契約に基づき、ソフトバンクグループ㈱と対象会社は、米国の国家安全保障を確保するための方策を実行することに合意しています。これら方策の実行に伴いコストが増加する、または米国内の施設、契約、人事、調達先の選定、事業運営に制約を受ける可能性があります。 d.投資判断 ソフトバンクグループ㈱が投資ファンド(例えば、ソフトバンク・ビジョン・ファンド)を経由せずに直接投資(100%子会社を通じた投資を含みます。)を行う場合、その投資判断プロセスにおいて、社内関係部門に加えて外部の財務・法務・税務アドバイザーなどの協力を得て、対象企業の事業内容、テクノロジー、ビジネスモデル、市場規模、事業計画、競争環境、財務内容、法令遵守状況などについてデュー・ディリジェンスを実施し、その株式価値を適切に見積るとともに、事業や財務、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス、内部統制に係るリスクを把握するように努めています。また、デュー・ディリジェンスで得られた内容が適切かどうか、専門の審査部門が客観的なレビューを行っています。そうして得られた検討結果を踏まえて、取締役会または取締役会から権限を委譲された投融資委員会(「第4 提出会社の状況、コーポレート・ガバナンスの状況等」を参照)で投資判断を下しています。 特に投資先のコーポレート・ガバナンスに係るリスクについては、「ポートフォリオ会社のガバナンス・投資指針に関するポリシー」を定めることにより、ソフトバンクグループ㈱およびその子会社(原則として、ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびソフトバンクグループ㈱の子会社が管理するその他の投資子会社を含みます。)が投資の検討過程において考慮するべき、投資先のコーポレート・ガバナンスに関わる基準を明確化しています。本ポリシーは、投資先の取締役会の構成、創業者・経営陣の権利、株主の権利(多議決権株式に関する事項を含みます。)、利益相反の回避などに関連するもので、広範にわたるコーポレート・ガバナンスの重要事項を網羅しています。なお、本ポリシーは一般的な原則を定めたものであり、一定の制限の下で各投資元に裁量の行使を認めています。各投資元は各投資先のコーポレート・ガバナンスを監視し、その結果をソフトバンクグループ㈱に定期的に報告することが義務づけられています。 しかし、このような慎重な投資判断プロセスを経たとしても、対象企業の企業価値やテクノロジー、ビジネスモデル、市場規模などを実態よりも過大評価する、リスクを過小評価する、または重要な影響力を持つ創業者や経営者の資質を見誤ったまま投資判断を下す可能性があります。その結果、投資実行後に、その資産価値、すなわちソフトバンクグループ㈱の保有株式価値が低下し、株主価値が低下、LTVが悪化するとともに、保有株式を含む資産の評価損を計上することにより連結業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 e.投資先の資産価値の下落 ソフトバンクグループ㈱は、投資実行後も、投資先の財務・経営情報や重要な経営指標、投資決定時の事業計画と実際の進捗の差異、コーポレート・ガバナンスの状況など、主なリスク要因を継続的に監視し、その結果を経営陣に報告する体制を整えています。また、監視の結果を踏まえて、投資先の経営改善のために必要な助言の提供や、役員・管理職など各種レベルの人材の派遣、協業先の紹介など、必要に応じて行っています。 しかし、「a.政治情勢、金融・財政政策、国際情勢の動向」および「b.新型コロナウイルスの感染拡大」で言及したマクロ外部要因に加えて、テクノロジーやビジネスモデルの陳腐化や競争環境の激化などにより、ソフトバンクグループ㈱が投資決定時に想定した通りに投資先が事業を展開できず、業績が大幅に悪化したり、事業計画の大幅な見直しを迫られたりする可能性があります。また、投資先が1株当たり株式価値の大幅な希薄化を伴う増資などを行う可能性があります。こうした場合、投資先の資産価値が下落し、ソフトバンクグループ㈱が、株式などの金融資産の評価損や投資に伴い発生したのれん、有形固定資産、無形資産の減損損失を計上する可能性、投資先から期待通りに利益分配などのリターンを得られない可能性、または、投資の回収ができない可能性があります。 なお、ソフトバンクグループ㈱の個別決算においては、投資活動により取得した出資持分などを含む資産の価値が下落した場合、評価損が発生し、業績や分配可能額に悪影響を及ぼす可能性があるほか、投資先の業績が悪化した場合には、投資先から期待通りの配当を得ることができず、キャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。 このほか、ソフトバンクグループ㈱は、ソフトバンクグループ㈱の投資決定時に想定した通りに事業を展開できない場合、他の投資先などとの間で十分なシナジー(相乗効果)を創出できない場合、または事業展開のために想定以上の資金が必要となった場合など、投資先の株主価値の向上に必要と判断した場合、投資先に対し一時的に融資や債務保証などを行うことがあり、当該投資先に係るリスク資産が増加することになります。 (5)ソフトバンク・ビジョン・ファンドについて ソフトバンク・ビジョン・ファンド(以下「SVF」)は、英国の金融行為規制機構(the Financial Conduct Authority)の認可および規制を受けた、ソフトバンクグループ㈱の英国100%子会社であるSB Investment Advisers(UK)Limited(以下「SBIA」)が運営する投資ファンドであり、テクノロジー分野(通信やインターネット、メディアを含みます。)で株式等に投資を行っています。SVFに対し、ソフトバンクグループ㈱はリミテッド・パートナーとして出資を行っており、また、SBIAはSVFの投資の状況に応じて、SVFから管理報酬および成功報酬を受け取ります。 2020年3月31日現在、SVFの出資コミットメント総額は986億米ドル(うちソフトバンクグループ㈱および子会社331億米ドル)(注1)であり、これに対するリミテッド・パートナーによる累計支払義務履行額は783億米ドル(うち同286億米ドル)、コミットメント残額は203億米ドル(うち同45億米ドル)です。(注1)SVFに関連するインセンティブ・スキームへ活用される予定の50億米ドルを含みます。 SVFおよびSBIAに存在する特有のリスクは、主として以下a~kに記載する通りです。SBIAは、リスクマネジメントフレームワーク(以下「RMF」)を定め、SBIA全体の事業プロセスと意思決定にリスク管理を組み込んでいますが、これらのリスクの顕在化を完全には回避できない可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合には、SVFの投資ポートフォリオの資産価値が下落し、SVFおよびSBIAの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。SVFの投資ポートフォリオの資産価値が下落した場合、ソフトバンクグループ㈱の保有株式価値が低下し、株主価値が低下、LTVが悪化するとともに、保有株式の評価損を計上することによりソフトバンクグループ㈱の連結業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、本(5)において、「投資先」はSVFの投資先を意味します。 SBIAのRMFについて この枠組みは、事業運営および投資の両面のリスク管理を対象とし、リスクを特定、評価、および軽減するための枠組みを構築するものです。SBIAのRMFの根幹を成す原則は以下の通りです。・取締役会がリスク管理の最終的な責任を負い、重要な意思決定にはリスクが考慮されなければならない(“経営トップの姿勢”)・投資家の期待やSBIAの戦略目標、規制要件を充足するため、組織全体にわたる実効性の高いリスクカルチャーを確立する・将来を見据えてリスクを特定・軽減することにより、経営陣によるリミテッド・パートナーからの預かり資産およびSBIAのレピュテーションの保護のため積極的な行動を促す・重要な既存または新規発生リスクが能動的に特定、測定、緩和、監視、および報告されることを確実にする・現地および当社における規制当局のリスク管理要件を充足する a.業績への影響 SVFを構成する事業体はすべてソフトバンクグループ㈱の連結対象です。SVFからの投資は、毎四半期末に公正価値で測定されます。公正価値の変動は、投資損益(ただし、子会社株式に対する投資損益を除きます。)として、連結損益計算書上の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド等SBIAの運営するファンドからの営業利益」に含めて計上されます。公正価値の測定は、取引事例法や割引キャッシュ・フロー法、類似会社比較法など複数の評価方法を組み合わせて行われます。投資先の業績の悪化や金融市場、経済情勢の低迷などにより、投資先の公正価値が下落した場合は、SVFの業績が悪化し、その結果、ソフトバンクグループ㈱の連結業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当期において、ソフトバンクグループ㈱の連結業績におけるソフトバンク・ビジョン・ファンド等SBIAの運営するファンドからの営業損失は1.9兆円にのぼりました。また、ソフトバンクグループ㈱の個別決算では、SVFの業績が悪化した場合、リミテッド・パートナーとしての出資に対して評価損が発生し、業績や分配可能額に悪影響を及ぼす可能性があります。 SVFの投資先のうち、IFRSに基づいてソフトバンクグループ㈱が支配をしていると見なされる投資先は、ソフトバンクグループ㈱の子会社として扱います。当該子会社の業績および資産・負債はソフトバンクグループ㈱の連結財務諸表に反映されることから、当該子会社たる投資先の業績が悪化した場合は、ソフトバンクグループ㈱の連結業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、SVFで計上した当該子会社への投資に係る投資損益は、内部取引として連結上消去されます。 なお、適正な公正価値評価を実現するため、SVFの評価プロセスは、SBIAの評価・財務リスク委員会(以下「VFRC」)が監督を行っています。SVFの投資先の評価を行う際、VFRCは、IFRS第13号「公正価値測定」および国際プライベート・エクイティ・ベンチャー・キャピタル評価(IPEV)ガイドラインに基づいたSVFの評価方針に従って評価を行います。これに加えて、SVFの投資家諮問委員会(IAB)に任命された独立第三者評価機関が、SVFの投資先の評価を独立性をもって半期ごとに実施しています。SBIAは、独立第三者評価機関から受領した評価を(SBIAの規制上の義務に則った適切な範囲で)すべて考慮する必要があります。 b.投資成果 SVFの投資成果は、ソフトバンクグループ㈱と外部投資家で構成されるリミテッド・パートナーに配分されるほか、SBIAに成功報酬として配分されます。SVFの投資採算が悪化し計画通りの投資成果を挙げられない場合には、ソフトバンクグループ㈱はリミテッド・パートナーとして期待通りの成果分配を受けることができない、または投資回収できない可能性があるほか、SBIAは期待通りの成功報酬を受け取ることができない可能性があります。 また、SBIAは、投資の売却や配当および株式の資金化などにより実現した投資利益に基づき成功報酬相当額を受け取ります。なお、SVFの投資期間(2019年9月12日に終了)の間に資金化された投資に対する成功報酬相当額は、リミテッド・パートナーシップ・アグリーメントの定めにより、SBIAへの支払が留保され、一時的にリミテッド・パートナーに支払われていましたが、投資期間終了後、留保されていた成功報酬相当額の総額が2020年3月31日までにSBIAに支払われました。ただし、投資期間終了後においても、受け取った成功報酬には、将来の投資成果に基づく一定の条件の下、クローバック条項(過去に受け取った成功報酬額を返還する条項)が設定されているため、SVFの清算時においてSVFの投資成果が一定以上でない場合、SBIAは期待通りの成功報酬を受け取ることができない可能性があるほか、それまでに受け取った成功報酬相当額が減額される、または成功報酬を受け取ることができない可能性があります。 c.レバレッジ SVFは、キャピタル・コール用のつなぎ資金やポートフォリオ・レベルでレバレッジを発生させることを目的として、借入れを行うことがあります。当該レバレッジはSVFのエクスポージャーを高める手法を意味し、直接の借入れ、債券またはメザニン証券の発行、証拠金取引、デリバティブ商品や、その他の形態による直接および間接の借入金などの形態をとることがあります。これらの利用またはレバレッジに対するエクスポージャーにより、SVFの投資は、金利の大幅な上昇、深刻な景気後退、または投資先の市場環境の悪化を含む、経済的要因の悪化からの影響を受けやすくなります。これらのレバレッジにより調達した資金を用いた投資が負債の元本および利子の支払いに十分なキャッシュ・フローを生み出せない場合、SVFの当該投資の価値は大幅に減少または消滅する可能性があり、また当該レバレッジが複数の投資に対しリコースするものである場合、対象となる他の投資価値も減少または消滅する可能性があります。借入れに付随する義務を果たすに足る利益を生み出すことができない場合、投資の早期回収を迫られることとなり、ソフトバンクグループ㈱を含むリミテッド・パートナーへの分配に悪影響を与える可能性があります。当期において、SVFは、保有株式の一部の資金化を目的とした36.5億米ドルの借入れを2019年7月に行いましたが、このうち11億米ドルについて、2020年3月、市場環境の悪化に伴う当該借入れの担保に供した上場株式の株価の大幅下落を受け、ソフトバンクグループ㈱を含む全てのリミテッド・パートナーへの資金拠出の要請(キャピタル・コール)による調達資金を原資として返済を行いました。 なお、SBIAは、SVFの設立関連契約および借入契約に定められたレバレッジ制限を遵守すると同時に、既存の負債と投資のパイプラインも考慮に入れながら、SVFのレバレッジ水準および関連キャッシュ・フローを綿密にモニタリングしています。レバレッジ水準と潜在的なキャッシュ・フローに関する問題は、財務および投資リスク部門の双方から経営陣に報告され、対策が検討されます。またSVFは、借入の利払いやその他のSVFの債務へ充当する目的でリミテッド・パートナーからの未払込資金が一定程度留保されており、潤沢な流動性ポジションを有しています。SBIAは、SVFが常に適切な予備的現預金を維持し続けるように努めています。 d.投資のエグジット機会の不足 SVFが取得する投資は流動性が低いことが多く、SBIAは最終的にどのようなエグジット戦略をとるかについて、完全かつ確実に予定することはできません。したがって、SVFが当該投資を適時に回収できる保証はなく、その結果、リミテッド・パートナーへの現金分配のタイミングは不確実かつ予測不能です。また、経済、法規制、政治またはその他の要因により、投資開始時に可能と思われたエグジット戦略が、投資が回収段階に達するまでの間にとりえなくなる場合があります。さらに、SVFは、契約またはその他の制約により、特定の証券の売却を一定期間禁止される可能性があり、そのような場合、有利な市場価格で売却する機会を逸する可能性があります。 なお、エグジット戦略の承認はSBIAの投資委員会の重要な検討事項であり、エグジット戦略はSBIAの投資部門が定期的に見直し、更新しています。また、エグジット戦略の事前計画のために、投資リスク部門が様々な市場環境を想定したストレステストを実施しています。SVFは、原則として2029年11月20日まで運用が可能な長期投資ファンドであり、複数の景気後退の可能性や、エグジットまでに時間を要する投資がありうることも考慮されて設計されています。 e.支配権を伴わない投資および限定的な株主権利 SVFは、投資先において支配権を伴わない持分を有する場合、保有持分の保護や経営への影響力行使の能力が限定的となる可能性があります。またSVFは、金融、戦略、またはその他の分野における他社(グループ会社を含みます。)と共同で、合弁会社などを通じて投資を行う場合があり、当該他社が、当該合弁会社または投資先に対しSVFよりも大きな保有割合もしくは支配権を有する場合があります。このような場合、SVFは当該他社の経営陣および取締役会(SVFと利害が競合し得る他の金融投資会社の関係者が構成員に含まれる場合があります。)に大きく依存することとなります。 f.人材の確保・維持 SBIAは、SVFをはじめとして、運営する投資ファンドの保有株式価値の最大化を目的として、投資先を慎重に選定することに加え、投資後の成長を促す様々な支援を行います。このような取り組みの成功には、テクノロジーや金融市場に関する幅広い知見や投資事業の運営における専門的スキルを保有する有能な人材の確保・維持が不可欠です。SBIAは、投資・運用体制を幅広く有するうえ、研修や能力開発、スタッフが潜在能力を最大限に発揮できるよう行われる社内異動に至るまで、様々な人材サポートプログラムを通じ、スタッフの定着を図っており、SBIAとその報酬委員会が有する、報酬を成果に連動させる総合的な報酬哲学は、市場と比べ非常に高い競争力に寄与していると自負しています。しかしながら、このような有能な人材を十分に確保・維持することができない場合(要因には、オルタナティブ・アセット投資会社や金融機関、プライベート・エクイティ、グロース・エクイティおよびベンチャー・キャピタル、投資顧問会社およびその他の市場参加者との間での、高い能力を有する投資プロフェッショナル人材の獲得および維持の競争激化を含みます。)は、運営するファンドの投資規模の維持・拡大や将来の投資成果に悪影響を及ぼす可能性があります。 g.リミテッド・パートナー SBIAは、SVFの投資の実行にあたり、参画するリミテッド・パートナーに対して、資金拠出の要請(キャピタル・コール)を行いますが、何らかの事情によりリミテッド・パートナーから資金が拠出されない場合は、SVFによる投資金額が制限されるなど、SBIAの計画通りに投資を行えない可能性があります。また、SVFの出資持分はソフトバンクグループ㈱を含む少数の大口投資家によって保有されており、このような大口投資家がキャピタル・コールに応じることができない場合、他のリミテッド・パートナーは一定の範囲内で不足額を補う責務を追うものの、持分がさらに分散して保有される場合と比して悪影響が大きくなります。さらに、出資コミットメント額の大きな外部のリミテッド・パートナーは、一定額以上の投資案件について拒否権を有しているため、当該拒否権が行使された場合は、SBIAの計画通りに投資を行うことができない可能性があります。 h.新たな技術やビジネスモデルへの規制 SVFの投資先には、AIやビッグデータなどの新技術の事業への活用や研究開発を行う企業や、既存の枠組みとは異なる新たなビジネスモデルを展開する企業が多く含まれます。このような新たな技術やビジネスモデルが提供される事業領域(例えば、自動運転やライドシェアサービス)は、多くの国・地域において特定的かつ厳格な規制または許認可の対象とされる場合があります。関連する法令等の整備により、規制が設定または強化された場合は、新たな経済的負担または規制が課されたり、採用する技術やビジネスモデルまたはこれらに関する研究開発について、内容の変更や停止または終了が必要になるなど、投資先の事業展開および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、特定のテクノロジーに関連するサービスの提供に必要な許認可には様々な条件が課されるものの、SVFの投資先がこれらの条件を満たすことができる保証はありません。 i.特定の分野への投資の集中 SVFは、特定の事業領域における複数の企業への投資を有しており、当該事業領域に対する投資の集中度が高くなる場合があります。例えば、Uber Technologies,Inc.や、Xiaoju Kuaizhi Inc.、GRAB HOLDINGS INC.など、ライドシェアサービスを提供する企業に投資を行っています。こうした事業領域において、需要の低迷や市場競争の激化(投資先間の競合を含みます。)など事業環境の悪化により、投資先の収益性が低下するなど業績が悪化した場合や、SVFの投資時点に想定した通りに事業展開ができない場合や、当該事業領域に対する市場の評価が悪化した場合には、投資先の業績または公正価値に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、投資の集中度については、SBIAの投資リスク部門が測定および経営陣への報告を行い、SBIAの投資委員会および取締役会のメンバーが検討を行います。SBIAの投資委員会および必要に応じ実施されるIABによるレビューなどの投資プロセスの中で、投資を分散させるかまたはリスクを許容するかが決定されます。 j.上場企業への投資 SVFの投資ポートフォリオは、上場企業が発行する証券や債券が含まれる場合があり、これらの投資は、未上場企業への投資におけるリスクとは種類および程度が異なるリスクを伴う可能性があります。当該リスクには、投資の公正価値評価(バリュエーション)に市場価格が用いられることによるボラティリティー、投資先に関する情報開示義務の増加、当該証券および債券の処分におけるSVFの裁量への制限、投資先の役員および取締役(SBIAの従業員である場合を含みます。)に対する投資先株主からの訴訟およびインサイダー取引の告発の可能性の増加、ならびにこれらのリスクを低減するためのコストの増加が含まれます。さらに、取引所で取引される証券については、上場証券の一部またはすべてについて取引を一時停止できる取引所の権限の影響下にあるため、このような取引停止または制限により保有投資の資金化に制約が生じることで、SVFに損失が生じる可能性があります。 流動性イベントに伴ってSVFが保有する上場証券に生じる市場リスクを軽減するため、SBIAの投資活動による市場への影響を最小限に抑え収益を最大化するよう計画的にポジションを売却するなどの仕組みを設定しています。またSBIAは、カバードコール・オプションを売却するなどしてデリバティブ契約を締結することでエクスポージャーを低減することもあります。また、米ドルに対する為替レートが不安定な通貨建ての証券に投資している場合の為替リスクをヘッジすることも検討しています。 また、SVFが上場証券のポジションを管理するうえで発生する運用リスクとコンプライアンスリスクは、SBIAのミドルオフィス、コンプライアンス、投資リスク部門などの運用リスク管理部門が関与するコントロール・フレームワークを通じて管理されており、これには取引相手の確認などの取引前の承認プロセス、取引後の調整およびモニタリングが含まれます。 k.新型コロナウイルス等の感染拡大 新型コロナウイルスをはじめ、その他の感染症および伝染病の蔓延への懸念から、これまでも各国において公共交通機関の利用を含む移動の制限、検疫の強化、長期にわたる事業所の閉鎖および在宅勤務の義務付けまたは要請などの感染拡大の防止策が講じられてきました。新型コロナウイルス感染症のような伝染病の世界規模での発生により、世界の資本市場のボラティリティーが高まる可能性や地域および世界経済に悪影響が生じる可能性があり、これにより多大な損害が発生するなどしてSVFの事業および業績が悪化し、ソフトバンクグループ㈱を含むリミテッド・パートナーへのリターンが減少する可能性があります。当期において、ソフトバンク・ビジョン・ファンドは、新型コロナウイルスの感染拡大およびそれに伴う世界経済の停滞の影響による投資先の公正価値の減少などに伴い、当第4四半期に1.1兆円の投資損失を計上しました。新型コロナウイルスおよびその他の感染病・伝染病の拡大防止策やSVFの投資先の役職員の疾病を理由とする欠勤などが継続した場合、SVFの投資先の事業およびリターンに悪影響を及ぼす可能性があります。 新型コロナウイルスの感染拡大に対し、SBIAは、投資先と緊密に連携しながら、収益の減少や流動性の低下など投資先の事業環境のさらなる悪化に備えるための事業運営の支援や戦略の指導を行い、新型コロナウイルスの感染拡大による経済悪化局面における事業への悪影響の低減を図っています。また、投資先に対し、手元資金を活用した精緻なキャッシュ・フロー計画を立てることによりコスト構造を最適化し、事業の継続と柔軟性を確保するよう促しているほか、現金準備残高ならびに各投資先のセクターおよびビジネスモデルに基づく新型コロナウイルスの感染拡大への感応度を評価した上で、①手元資金の保全、②コスト削減、③事業継続のための応急措置、④短期的な善後策、⑤在宅勤務体制下でのオフィススペースの最適化、⑥利用可能な政府補助策の確認、に関する助言を行っています。さらに、SVFは原則として2029年11月20日まで運用が可能な長期投資ファンドであり、まだ十分な残存期間があることにより、四半期ごとに起こり得る評価額の洗い替えから生じる未実現損益の変動に左右されることなく、中長期的な実現リターンの創出にフォーカスすることが可能です。しかしながら、これらの取り組みやSVFの長期ファンドという性質をもってしても、全ての投資先の事業運営およびリターンへの悪影響を完全には防ぐことができない可能性があります。 また、これらの要因は、主要人物を含むSVFの投資先にも影響または発生する可能性があり、その場合、SBIAの事業活動、新規および既存の投資先に対するソーシング、デュー・ディリジェンスおよびモニタリング、その他SVFに関する機能の適切な実行に支障が生じる可能性があります。同様の懸念は、SVFに役務を提供する事業者にも該当する場合があり、これによりSVF、ひいてはソフトバンクグループ㈱の活動に悪影響を及ぼす可能性があります。SBIAは、事業継続戦略を策定するとともに危機管理部門を設置し、新型コロナウイルス感染症のような事業継続上の重大事象の発生によるSBIAの事業プロセスへの混乱を最小限に抑えるよう図っています。 (6)ソフトバンク㈱について 主に通信事業、インターネット広告事業、イーコマース事業を営むソフトバンク㈱およびその子会社(例えば、Zホールディングス㈱)(本(6)において併せて「ソフトバンク㈱」)に存在する特有のリスクは、主として以下a~cに記載する通りです。これらのリスクが顕在化した場合、ソフトバンク㈱の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。その結果、その資産価値、すなわちソフトバンクグループ㈱の保有株式価値が低下し、株主価値が低下、LTVが悪化するとともに、投資に伴い発生したのれん、有形固定資産、無形資産の減損損失の計上やソフトバンク㈱の業績の取り込みによりソフトバンクグループ㈱の連結業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 a.安定的なサービスの提供(a)通信ネットワークの増強 ソフトバンク㈱は、通信サービスの品質を維持・向上させるために、将来のトラフィック(通信量)を予測し、その予測に基づいて継続的に通信ネットワークを増強(例えば、必要な周波数の確保)していく必要があります。これらの増強は計画的に行っていますが、実際のトラフィックが予測を大幅に上回った場合、または通信ネットワークの増強を適時に行えなかった場合、サービスの品質および信頼性や企業イメージの低下を招き顧客の獲得・維持に悪影響を及ぼすほか、追加の設備投資が必要となり、その結果、ソフトバンク㈱の事業展開や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (b)システム障害などによるサービスの中断・品質低下 ソフトバンク㈱が提供する通信ネットワークや顧客向けのシステムなどの各種サービスにおいて、人為的なミスや設備・システム上の問題、または第三者によるサイバー攻撃、ハッキングその他不正アクセスなどが発生した場合、これに起因して各種サービスを継続的に提供できなくなること、または各種サービスの品質が低下することなどの重大なトラブルが発生する可能性があります。各システムの冗長化や、障害などの発生に備えた復旧手順の明確化、障害などが発生した場合の適切な復旧体制の構築などの対策にもかかわらず、サービスの中断・品質低下を回避できず、その復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果、ソフトバンク㈱の事業展開や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (c)自然災害など予測困難な事情 ソフトバンク㈱は、インターネットや通信などの各種サービスの提供に必要な通信ネットワークや情報システムなどを構築・整備しています。地震・台風・洪水・津波・竜巻・豪雨・大雪・火山活動などの自然災害、火災や停電・電力不足、テロ行為、感染症の流行などの予測困難な事象が発生することにより、通信ネットワークや情報システムなどが正常に稼働しなくなった場合、ソフトバンク㈱の各種サービスの提供に支障を来す可能性があります。ソフトバンク㈱においては、こうした事態が発生した場合においても安定した通信環境を確保できるようにネットワークの冗長化やネットワークセンターおよび基地局での停電対策等を導入しているほか、こうした事態による各種サービスの提供への影響の低減を図るべくネットワークセンターやデータセンター等の重要拠点を全国に分散するなどの対策を講じています。かかる対策にもかかわらず、各種サービスの提供に支障を来す場合、およびこれらの影響が広範囲にわたり、復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。また、通信ネットワークや情報システムなどを復旧・改修するために多額の費用負担が発生する可能性があります。その結果、ソフトバンク㈱の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 b.他社経営資源への依存(a)他社設備などの利用 ソフトバンク㈱は、通信サービスの提供に必要な通信ネットワークを構築する上で、他の事業者が保有する通信回線設備などを一部利用しています。ソフトバンク㈱は、原則として、複数の事業者の通信回線設備などを利用していますが、今後、複数の事業者の当該設備などを継続して利用することができなくなった場合、または使用料や接続料などが引き上げられるなど利用契約が不利な内容に変更された場合、ソフトバンク㈱の事業活動や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。(b)「Yahoo!」ブランドの利用 ソフトバンク㈱は、同社およびヤフー㈱の事業において、「Yahoo! JAPAN」をはじめ「Y!mobile」や「Yahoo! BB」など、サービス名称の一部に米国のVerizon Communications Inc.の子会社が保有する「Yahoo!」ブランドを使用しています。同社との関係に大きな変化が生じるなどしてこれらのブランドが使用できなくなった場合、ソフトバンク㈱の事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。 (c)各種機器の調達 ソフトバンク㈱は、通信機器やネットワーク関連機器など(例えば、携帯端末や基地局の無線機)を調達しています。ソフトバンク㈱では、原則として複数の取引先から機器を調達してネットワークを構築していますが、特定の会社への依存度が高い機器が残る場合があります。特定の会社への依存度が高い機器の調達において、供給停止、納入遅延、数量不足、不具合などの問題が発生し調達先や機器の切り替えが適時に多額のコストを要さずに行うことができない場合、または性能維持のために必要な保守・点検が打ち切られた場合、ソフトバンク㈱のサービスの提供に支障を来し、顧客の獲得・維持が困難になる可能性や調達先の変更のために追加のコストが生じる可能性のほか、携帯端末の売上が減少する可能性があります。その結果、ソフトバンク㈱の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (d)業務の委託 ソフトバンク㈱は、主に通信サービスに係る販売、顧客の獲得・維持、それらに付随する業務の全部または一部について、他社に委託しているほか、情報検索サービスにおいて他社の検索エンジンおよび検索連動型広告配信システムを利用しています。ソフトバンク㈱は、業務委託先の選定時には与信調査を実施し、定期的に業績などの監視を行っていますが、業務委託先がソフトバンク㈱の期待通りに業務を行うことができない場合、ソフトバンク㈱の事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、業務委託先はソフトバンク㈱のサービス・商品を取り扱っていることから、当該業務委託先の信頼性や企業イメージが低下した場合には、ソフトバンク㈱の信頼性や企業イメージも低下し、事業展開や顧客の獲得・維持に悪影響を及ぼす可能性があり、その結果、ソフトバンク㈱の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 このほか、当該業務委託先において法令などに違反する行為があった場合、ソフトバンク㈱が監督官庁から警告・指導を受けるなど監督責任を追及される可能性があるほか、ソフトバンク㈱の信頼性や企業イメージが低下し顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果、ソフトバンク㈱の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 c.情報の流出や不適切な利用 ソフトバンク㈱は、事業を展開する上で、顧客情報(個人情報を含みます。)やその他の機密情報を取り扱っています。ソフトバンク㈱においては、情報セキュリティ管理責任者の設置や役職員へのセキュリティー教育・訓練をはじめ、適切に情報資産を保護・管理するための体制構築を図っています。具体的には、顧客情報やその他の機密情報に関する作業エリアの限定、当該エリア専用の入退室管理ルールといった物理的管理のほか、役職員による業務パソコン利用や社内ネットワーク利用、社内サーバーへのアクセス状況等の監視や、社外からのサイバー攻撃による不正アクセスを監視・防御することで、セキュリティーレベルの維持・管理を行っています。 これらの取組みにもかかわらず、ソフトバンク㈱(役職員や委託先の関係者を含みます。)の故意・過失、または悪意を持った第三者のサイバー攻撃、ハッキング、コンピューターウイルス感染、その他不正アクセスなどにより、これらの情報の流出や消失、法令や規約違反となる不適切な利用などが発生する可能性があります。こうした事態が生じた場合、ソフトバンク㈱の信頼性や企業イメージが低下し顧客の獲得・維持が困難になるほか、競争力が低下したり、損害賠償やセキュリティーシステム改修のために多額の費用負担が発生したりする可能性があります。その結果、ソフトバンク㈱の事業展開や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7)法令・規制・制度などについて ソフトバンクグループ㈱は、各国の法令・規制・制度など(以下「法令等」)の下で投資活動を行っています。また、投資先は各国の様々な分野にわたる法令等の下で事業活動を行っています。具体的には、投資に関する各種法令等から、通信サービス、インターネット広告、イーコマース、エネルギー、AI、ロボット、ライドシェアリング、金融・決済などの事業やその他の企業活動に関する各種法令等(事業許認可、輸出入、個人情報・プライバシー保護、環境、製造物責任、公正な競争、消費者保護、贈賄禁止、労務、知的財産権、マネー・ロンダリング防止、租税、為替に関するものを含みますが、これらに限りません。)まで広範に及び、これらの影響を直接または間接的に受けます。 法令等の改正もしくは新たな法令等の施行または解釈・適用(その変更を含みます。)により、ソフトバンクグループ㈱の投資活動や投資先の事業活動が期待通りに展開できない、新たな投資や事業が制限される、投資の回収が遅延もしくは不可能となるなど、ソフトバンクグループ㈱の投資活動や投資先の事業活動に支障を及ぼす可能性があるほか、金銭的負担の発生・増加により、ソフトバンクグループ㈱の連結・個別業績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、ソフトバンクグループ㈱は、その法務部門が外部のアドバイサーからの助言を受けながら主に投資活動に関する法令等の新設または改正等に関して情報収集などを行っています。 また、ソフトバンクグループ㈱および投資先が活動を行う国・地域において、租税法令またはその解釈・運用が新たに導入・変更された場合や、税務当局との見解の相違により追加の税負担が生じた場合、ソフトバンクグループ㈱の連結・個別業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 このほか、ソフトバンクグループ㈱は法令遵守のためのグループコンプライアンス体制の強化や研修など役職員の知識や意識向上を促す取り組みを行っていますが、このような取り組みにもかかわらずソフトバンクグループ㈱や投資先(役職員を含みます。)がこれらの法令等に違反する行為を行った場合、違反の認識の有無にかかわらず、行政機関から行政処分や行政指導(登録・免許の取消や罰金を含みます。)を受けたり、取引先から取引契約を解除されたりする可能性があります。その結果、ソフトバンクグループ㈱や投資先の信頼性や企業イメージが低下したり、事業活動に支障が生じたりする可能性があるほか、金銭的負担の発生により、ソフトバンクグループ㈱の業績や投資先の資産価値に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8)知的財産権について ソフトバンクグループ㈱が保有する「ソフトバンク」ブランドが第三者により侵害された場合、ソフトバンクグループ㈱および「ソフトバンク」ブランドを使用する子会社の企業イメージや信頼性が低下する可能性があります。また、アームが保有する知的財産権が第三者により侵害された場合、同社の事業展開や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。一方、投資先が意図せずに第三者の知的財産権を侵害した場合、権利侵害の差止めや損害賠償、ライセンス使用料の請求などを受ける可能性があります。いずれの場合も、ソフトバンクグループ㈱の保有株式価値や株主価値、LTV、連結・個別業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9)訴訟について ソフトバンクグループ㈱は、株主(投資先の現在および過去の株主を含みます。)、投資先、取引先、従業員(投資先の現在および過去の従業員を含みます。)を含む第三者の権利・利益を侵害したとして、損害賠償などの訴訟を起こされる可能性があります。その結果、ソフトバンクグループ㈱の投資活動に支障が生じたり、企業イメージが低下したりする可能性があるほか、金銭的負担の発生により、ソフトバンクグループ㈱の連結・個別業績に悪影響を及ぼす可能性があります。本有価証券報告書の提出日現在における主な訴訟内容については「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記 53.偶発事象(3)訴訟」をご参照ください。
FY2019|14,083 文字
2 【事業等のリスク】ソフトバンクグループ㈱および子会社・関連会社(以下「グループ会社」。ソフトバンクグループ㈱と併せて「当社グループ」)は、戦略的投資持株会社であるソフトバンクグループ㈱がグループ会社を統括し投資ポートフォリオとして管理する一方、グループ会社が、国内外において多岐にわたる事業を展開しています。これらの企業活動の遂行にはさまざまなリスクを伴います。本有価証券報告書の提出日現在において、投資家の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主なリスクは、以下の通りです。なお、これらは、当社グループで発生しうるすべてのリスクを網羅しているものではありません。また、将来に関する事項については別段の記載のない限り、本有価証券報告書の提出日現在において判断したものです。 (1)当社グループのビジネスモデルについて当社グループは、独自の組織戦略「群戦略」(「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中長期的な会社の経営戦略」を参照)のもと、子会社や関連会社(例えば、ソフトバンク㈱やアーム)への投資に加え、投資ファンド(例えば、ソフトバンク・ビジョン・ファンド)への参画による投資を通じて、情報・テクノロジー分野において多様な事業を展開する企業グループを構築し、中長期的な企業価値の最大化を図っていきます。この過程において、各投資先(グループ会社を含みます。)は自律的な成長を目指す一方、ソフトバンクグループ㈱は、戦略的投資持株会社として当社グループのネットワークを活用しながら、投資先同士による協業の促進を含めた支援を行い、投資先各社の企業価値の向上を後押ししていきます。しかしながら、投資先の事業展開や業績が、当社グループの投資時点における想定と異なった場合、当社グループの期待通りに投資のリターンが実現できず、当社グループの事業活動及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、ソフトバンクグループ㈱は、純粋持株会社として、企業グループの構築に必要な投資活動のために資金調達を行っており、グループ会社からの配当収入やリミテッド・パートナーとして参画する投資ファンドからの分配金を主な収益として、投資資産の資金化や負債による資金調達と合わせ、投資ファンドへの支払義務の履行などの、投資活動から生じる資金需要に対応しています。これらの配当や分配金による収入が減少した場合には、ソフトバンクグループ㈱の資金調達における信用力および業績に悪影響を及ぼす可能性があるほか、資金需要に対して適時に十分な金額の調達がソフトバンクグループ㈱にとって好ましい条件で行えない場合には、投資活動が制限されるなど、当社グループの持続的な成長に支障が生じる可能性があります。 (2)世界的な政治・経済情勢や金融市場の動向について当社グループは、日本のほか、米国、中国、インド、欧州・中南米諸国などの海外の国・地域で投資や事業を行っているため、これらの国・地域における政治・経済情勢の変化や、貿易摩擦・紛争などの国際情勢の変化により、経済情勢や金融市場が悪化した場合には、当社グループの投資活動や事業活動が期待通りに展開できない可能性があります。例えば、当社グループの保有株式価値の下落や投資回収における条件の悪化、回収の遅滞などが起こる可能性があるほか、当社グループや投資先企業が提供するサービス・商品に対する需要の低下により各社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、流動性の低い未上場企業への投資については、市場環境が急激に悪化した場合などには、当社グループの希望する時期・規模・条件で投資持分を売却できない可能性があります。これらの結果、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループによる海外企業への外貨建投資においては、投資時からの為替変動により売却時に為替差損が発生する可能性があります。また、当社グループの連結財務諸表の作成にあたり、アームをはじめとする海外のグループ会社の現地通貨建ての収益・費用および資産・負債を日本円に換算するため、為替相場の変動が当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3)経営陣について当社グループの重要な経営陣、特にソフトバンクグループ㈱代表取締役会長兼社長であり当社グループ代表である孫 正義に不測の事態が発生した場合、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があります。 (4)投資活動について当社グループは、ソフトバンクグループ㈱を中心に、企業買収、子会社・合弁会社の設立、事業会社・持株会社(各種契約によって別会社を実質的に支配する会社を含みます。)・ファンドへの出資などの投資活動を行っています。これら投資活動については、以下のようなリスクがあり、これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績や財政状態、キャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。a. 投資先の業績によるリスク投資先の収益性が低下するなど業績が悪化した場合や、当社グループがその投資時点において想定した通りに投資先が事業を展開できない場合には、投資に伴い発生したのれんや有形固定資産、無形資産、株式などの金融資産の減損損失や評価損が発生する可能性、投資先から期待通りに利益分配などのリターンを得られない可能性、または、投資の回収ができない可能性があります。ソフトバンクグループ㈱の個別決算においては、これらの投資活動により取得した出資持分などを含む資産の価値が下落した場合、評価損が発生し、業績や分配可能額に悪影響を及ぼす可能性があるほか、投資先の業績が悪化した場合には、投資先から期待通りの配当を得ることができず、キャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。このほか、ソフトバンクグループ㈱は、当社グループの企業価値向上に必要と判断した場合、投資先に対し融資や債務保証などの支援を行うことがあります。例えば、当社グループが投資した時点で想定した通りに事業を展開できない場合、他の子会社などとの間で十分なシナジー(相乗効果)を創出できない場合、または事業展開のために想定以上の資金が必要となった場合、融資などの支援を行うことで当該投資先に係るリスク資産が増加する可能性があります。 b. 規制リスク当社グループが行う投資活動(企業買収や合併を含みます。)は、関係各国の規制当局から承認等が必要となる場合があります。これらの必要な承認等が得られない場合には、当社グループの期待通りに投資ができない可能性があります。 c. 企業買収や事業統合に関するリスク当社グループが企業買収や事業統合を目的に行った投資において、その投資後に当社グループが取得した企業や事業を統合した企業において重要な経営陣・従業員・取引先・顧客の喪失が起こるなど、当社グループの投資時点において想定した通りに事業計画が進捗しない場合には、これらの企業の事業展開や業績に悪影響を及ぼす可能性があるほか、買収や統合後のシナジーが十分に創出されない可能性があります。その結果、これらの投資から期待通りにリターンを得られない可能性があります。 d. 合弁事業や業務提携の提携先などに関するリスク当社グループは、他社との合弁会社設立や業務提携などを通じて、国内外で事業展開を行うことがあります。こうした合弁の相手方や業務提携先が事業戦略を大幅に変更したり、その経営成績や財政状態が大幅に悪化した場合、合弁事業や業務提携などが期待通りの成果を生まない可能性や継続が困難となる可能性があります。また、特定の第三者との合弁事業や業務提携などを実施したことにより、その他の企業との合弁事業や業務提携などが制約され、より大きな収益を上げる機会を逸する可能性があります。 e. 投資先のガバナンス・コンプライアンスに関するリスク投資先が、当社グループの投資時に発見できない内部統制上の問題を抱えていたり、法令に違反する行為を行っていたりする可能性があります。投資後にそうした問題や行為をモニターし是正する取り組みを導入しているものの、早期に是正できない場合、投資先のみならず、当社グループの信頼性や企業イメージが低下し、事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5)技術・ビジネスモデルへの対応について当社グループは、技術やビジネスモデルの移り変わりが早い情報・テクノロジー産業(例えば、通信産業や半導体産業)において、事業や投資を行っています。当社グループが時流や市場の動向に沿った優れた技術やビジネスモデルを創出または導入できない場合、それらを基に当社グループが提供する商品やサービスが市場での競争力を失い、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6)他社との競合について当社グループの競合他社は、その資本力、技術開発力、価格競争力、顧客基盤、営業力、ブランド、知名度などにおいて、当社グループより優れている場合があります。競合他社がその優位性を現状以上に活用してサービスや商品の開発や販売に取り組んだ場合、当社グループが販売競争で劣勢に立たされ、当社グループの期待通りにサービス・商品を提供できない、または顧客を獲得・維持できないことも考えられます。その結果として、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが、競合他社に先駆けて、または競合他社と比べて高い優位性を有する、サービス・商品を導入した場合であっても、競合他社がこれらと同等もしくはより優れたものを導入することにより、当社グループの優位性が低下する可能性があるほか、研究開発に要した費用を回収できず、また、関連する事業資産(無形資産を含みます。)を減損する可能性があります。この結果、当社グループの事業活動や業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7)資金調達について当社グループにおいて、ソフトバンクグループ㈱は、金融機関からの借入れや保有株式を活用した借入れ(アセット・バック・ファイナンス)、社債の発行などにより、投資活動など事業展開に必要な資金を調達しています。一方、上場子会社および関連会社であるソフトバンク㈱、スプリント、アリババ、ヤフー㈱のほか、アーム、ブライトスター、ソフトバンク・ビジョン・ファンドなど独立採算で運営される事業体は、それぞれが独自に資金調達を行っています。各国の金融政策や金融市場の変化等により金利が上昇した場合や、保有資産価値の減少や業績悪化によりソフトバンクグループ㈱や各子会社・関連会社の信用格付けが引き下げられるなど信用力が低下した場合には、これらの調達コストが増加し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があるほか、資金調達が予定した時期・規模・条件等で行えない場合には、当社グループの投資活動や事業活動、業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、調達した資金の返済原資を確保するために、新たな資金調達やリファイナンス、一部資産の売却などを行うことがあります。資金調達環境の悪化などにより、返済原資の捻出のために不利な条件での資産売却や予定外の資産売却を余儀なくされる場合には、当社グループの業績や事業活動および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループの金融機関からの借入れや社債などの債務には、各種コベナンツが付されていることがあります。いずれかのコベナンツに抵触する可能性が発生し、抵触を回避するための手段を取ることができない場合、当該債務について期限の利益を喪失する可能性があるほか、それに伴い、その他の債務についても一括返済を求められる可能性があります。その結果、当社グループの業績や事業活動および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8)ソフトバンク・ビジョン・ファンドについてソフトバンク・ビジョン・ファンド(以下「SVF」)は、英国の金融行為規制機構(the Financial Conduct Authority)の規制を受けた、ソフトバンクグループ㈱の英国100%子会社であるSB Investment Advisers (UK) Limited(以下「SBIA」)が運営する投資ファンドであり、革新的なビジネスモデルやサービスを展開する未上場企業を中心に、広い範囲のテクノロジー分野で投資を行っています。SVFに対し、ソフトバンクグループ㈱はリミテッド・パートナーとして出資を行っており、また、SBIAはSVFの投資の状況に応じて、SVFから管理報酬および成功報酬を受け取ります。2019年3月31日現在、SVFの出資コミットメント総額は970億米ドル(うち当社グループ331億米ドル)(注)であり、これに対するリミテッド・パートナーによる累計支払義務履行額は509億米ドル(うちソフトバンクグループ㈱175億米ドル)、コミットメント残額は461億米ドル(うち当社グループ156億米ドル)です。SVFおよびSBIAには、以下に記載する特有のリスクが存在します。これらのリスクが顕在化した場合には、SVFおよびSBIAの業績、ひいては、当社グループの業績、財政状態、キャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性があります。このほか、ソフトバンクグループ㈱の業績や分配可能額に悪影響を及ぼす可能性があります。 a. 業績への影響SVFを構成する事業体はすべて当社グループの連結対象です。SVFからの投資は、毎四半期末に公正価値で測定されます。公正価値の変動は、投資損益(ただし、子会社株式に対する投資損益を除きます。)として、連結損益計算書上の「ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドからの営業利益」に計上されます。公正価値の測定は、取引事例法や割引キャッシュ・フロー法、類似会社比較法など複数の評価方法を組み合わせて行われます。投資先の業績の悪化や金融市場、経済情勢の低迷などにより、投資先の公正価値が下落した場合は、SVFの業績が悪化し、その結果、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、ソフトバンクグループ㈱の個別決算では、SVFの業績が悪化した場合、リミテッド・パートナーとしての出資に対して評価損が発生し、業績や分配可能額に悪影響を及ぼす可能性があります。SVFの投資先のうち、IFRSに基づいて当社グループが支配をしていると見なされる投資先は、当社グループの子会社として扱います。当該子会社の業績および資産・負債は当社グループの連結財務諸表に反映されることから、当該子会社たる投資先の業績が悪化した場合は、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、SVFで計上した当該子会社への投資に係る投資損益は、内部取引として連結上消去されます。 b. 当社グループからの売却により取得する投資SVFの投資の中には、SVFが直接取得するもののほか、その投資対象に合致する場合に限り、ソフトバンクグループ㈱が直接または間接に保有する投資の売却により取得するものがあります。SVFへの売却価格は、ソフトバンクグループ㈱が移管提案を機関決定した時点の公正価値に基づき決定されます。移管には関係規制当局の承認やSVFのリミテッド・パートナーからの合意が必要となる場合があるため、ソフトバンクグループ㈱による移管提案の機関決定から売却まで時間を要する、もしくは売却が行われない可能性があります。このような場合、ソフトバンクグループ㈱は計画通りにSVFから売却収入が得られず、追加の資金調達が必要になるなど財務運営に悪影響を及ぼす可能性があります。 c. 投資成果SVFの投資成果は、ソフトバンクグループ㈱と外部投資家で構成されるリミテッド・パートナーに配分されるほか、SBIAに成功報酬として配分されます。SVFの投資採算が悪化し計画通りの投資成果が得られない場合には、ソフトバンクグループ㈱はリミテッド・パートナーとして期待通りの成果分配を受けることができない、または投資回収できない可能性があるほか、SBIAは期待通りの成功報酬を受け取ることができない可能性があります。また、SBIAは、投資の売却や配当および株式の資金化後に成功報酬相当額を受け取ります。ただし、SVFの投資期間(原則2022年11月20日まで)の間に資金化された投資に対する成功報酬相当額は、リミテッド・パートナーシップ・アグリーメントの定めにより、SBIAへの支払が留保され、一時的にリミテッド・パートナーに支払われます。一時的にリミテッド・パートナーに支払われた成功報酬相当額は、投資期間後の成果分配におけるリミテッド・パートナーへの分配額から控除され、SBIAに支払われます。また、投資期間後においても、受け取った成功報酬には、将来の投資成果に基づく一定の条件の下、クローバック条項(過去に受け取った成功報酬額を返還する条項)が設定されているため、SVFの投資成果が一定以上でない場合、SBIAは期待通りの成功報酬を受け取ることができない可能性があるほか、SVFの清算時において、それまでに受け取った成功報酬相当額が減額される、または成功報酬を受け取ることができない可能性があります。 d. 人材の確保・維持SBIAは、SVFをはじめとして、運営する投資ファンドの保有株式価値の最大化を目的として、投資先を慎重に選定することに加え、投資後の成長を促す様々な支援を行います。このような取り組みの成功には、テクノロジーや金融市場に関する幅広い知見や投資事業の運営における専門的スキルを保有する有能な人材の確保・維持が不可欠です。SBIAは、投資・運用体制の拡充を進めていますが、このような有能な人材を十分に確保・維持することができない場合は、運営するファンドの投資規模の維持・拡大や将来の投資成果に悪影響を及ぼす可能性があります。 e. リミテッド・パートナーSBIAは、SVFの投資の実行にあたり、参画するリミテッド・パートナーに対して、資金拠出の要請(キャピタル・コール)を行いますが、何らかの事情によりリミテッド・パートナーから資金が拠出されない場合は、SVFによる投資金額が制限されるなど、SBIAの計画通りに投資を行えない可能性があります。また、出資コミットメント額の大きなリミテッド・パートナーは、一定額以上の投資案件について拒否権を保有しているため、当該拒否権が行使された場合は、SBIAの計画通りに投資を行うことができない可能性があります。 f. 新たな技術やビジネスモデルへの規制SVFの投資先には、AIやビッグデータなどの新技術の事業への活用や研究開発を行う企業や、既存の枠組みとは異なる新たなビジネスモデルを展開する企業が多く含まれます。このような新たな技術やビジネスモデルが提供される事業領域(例えば、自動運転やライドシェアサービス)は、多くの国・地域において厳格な規制の対象とされる場合があります。関連する法令等の整備により、規制が設定または強化された場合は、採用する技術やビジネスモデルまたはこれらに関する研究開発について、内容の変更や停止または終了が必要になるなど、投資先の事業展開および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 g. 特定の分野への投資の集中SVFは、特定の事業領域における複数の企業に対して投資を行い、当該事業領域に対する投資の集中度が高くなる場合があります。例えば、Uber Technologies,Inc.や、Xiaoju Kuaizhi Inc.、GRAB HOLDINGS INC.など、ライドシェアサービスを提供する企業に投資を行っています。こうした事業領域において、需要の低迷や市場競争の激化(投資先間の競合を含みます。)など事業環境の悪化により、投資先の収益性が低下するなど業績が悪化した場合や、SVFの投資時点に想定した通りに事業展開ができない場合や、当該事業領域に対する市場の評価が悪化した場合には、投資先の業績または公正価値に悪影響を及ぼす可能性があります。 (注) 当社グループの出資コミットメントは、SVFに関連するインセンティブ・スキームへ活用される予定の50億米ドルを含みます。 (9)通信事業について当社グループにおいて主にソフトバンク㈱およびスプリントが営む通信事業には、以下に挙げる特有のリスクがあります。 a. 通信ネットワークの増強当社グループは、通信サービスの品質を維持・向上させるために、将来のトラフィック(通信量)を予測し、その予測に基づいて継続的に通信ネットワークを増強(例えば、必要な周波数の確保)していく必要があります。これらの増強は計画的に行っていく方針ですが、実際のトラフィックが予測を大幅に上回った場合、または通信ネットワークの増強を計画通り行えなかった場合、サービスの品質の低下を招き顧客の獲得・維持に悪影響を及ぼすほか、追加の設備投資が必要となり、その結果、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 b. 他社経営資源への依存(a) 他社設備などの利用当社グループは、通信サービスの提供に必要な通信ネットワークを構築する上で、他の事業者が保有する通信回線設備などを一部利用しています。今後当該設備などを継続して利用することができなくなった場合、または使用料や接続料などが引き上げられた場合、当社グループの事業活動や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (b) 各種機器の調達当社グループは、通信機器やネットワーク関連機器など(例えば、携帯端末や携帯電話基地局の無線機)を他社から調達しています。特定の会社への依存度が高い機器の調達において、供給停止、納入遅延、数量不足、不具合などの問題が発生し調達先や機器の切り替えが適時にできない場合、または性能維持のために必要な保守・点検が打ち切られた場合、当社グループのサービスの提供に支障を来し、顧客の獲得・維持が困難になる可能性や調達先の変更のために追加のコストが生じる可能性のほか、通信機器の売上が減少する可能性があります。その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (c) 業務の委託当社グループは、主に通信サービスに係る販売、顧客の獲得・維持、それらに付随する業務の全部または一部について、他社に委託しています。委託先が当社グループの期待通りに業務を行うことができない場合、当社グループの事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。また、業務委託先は当社グループのサービス・商品を取り扱っていることから、当該業務委託先の信頼性や企業イメージが低下した場合には、当社グループの信頼性や企業イメージも低下し、事業展開や顧客の獲得・維持に悪影響を及ぼす可能性があり、その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。このほか、当該業務委託先において法令などに違反する行為があった場合、当社グループが監督官庁から警告・指導を受けるなど監督責任を追及される可能性があるほか、当社グループの信頼性や企業イメージが低下し顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 c. 電波の健康への影響に関する規制携帯端末および携帯電話基地局が発する電波は、がんの発症率を高めるなどの健康上の悪影響を引き起こす可能性があるとの研究結果が一部で出ています。その電波の強さについては、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)がガイドラインを定めています。世界保健機関(WHO)は、ICNIRPのガイドラインの基準値を超えない強さの電波により健康に悪影響を示すという明確な証拠はないという見解を示しており、本ガイドラインの採用を各国に推奨しています。当社グループは、日本においてはICNIRPのガイドラインに基づく電波防護指針に、米国においては連邦通信委員会(FCC)が定める要件に従っています。ただし、引き続きWHOなどで研究や調査が行われており、その調査結果によっては、将来、規制が変更されたり、新たな規制が導入されたりする可能性があり、かかる変更や導入に対応するためのコストの発生や当社グループの事業運営に対する制約などにより、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、こうした規制の有無にかかわらず、携帯端末の利用に伴う健康への悪影響に関する懸念は、当社グループの顧客の獲得・維持を困難にする可能性があり、その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (10)自然エネルギー事業について当社グループは、日本やインド、モンゴルなどで、太陽光発電や風力発電による自然エネルギー事業を行っています。同事業は、原則として、当社グループからの出資と金融機関等の第三者の融資によるプロジェクト・ファイナンスの形態により運営を行っていますが、気象条件や発電・送電設備の不具合などにより発電量や売電量が想定を大幅に下回った場合には、当社グループは期待通りのリターンを得られない可能性があります。 (11)法令・規制・制度などについて当社グループは、各国の様々な分野にわたる法令・規制・制度などの下で事業および投資を行っており、その影響を直接または間接的に受けます。具体的には、通信事業に関する各種法令・規制・制度などから、投資、インターネット広告、イーコマース、エネルギー、人工知能(AI)、ロボット、金融・決済などの事業やその他の企業活動に関する各種法令・規制・制度など(環境、製造物責任、公正な競争、消費者保護、個人情報・プライバシー保護、贈賄禁止、労務、知的財産権、マネー・ロンダリング防止、租税、為替、事業・投資許認可、輸出入に関するものを含みますが、これらに限りません。)まで広範に及びます。これらの法令・規制・制度などの改正もしくは新たな法令・規制・制度などの施行または法令・規制・制度などの解釈・適用(その変更を含みます。)により、当社グループの投資活動や事業活動が期待通りに展開できない、新たな事業や投資が制限される、投資の回収が遅延する、もしくは不可能となるなど、当社グループの投資活動や事業活動に支障を及ぼす可能性があるほか、金銭的負担の発生・増加により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループおよび当社グループの投資先が活動を行う国・地域において、租税法令またはその解釈・運用が新たに導入・変更された場合や、税務当局との見解の相違により追加の税負担が生じた場合、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このほか、当社グループ(役職員を含みます。)がこれらの法令・規制・制度などに違反する行為を行った場合、違反の認識の有無にかかわらず、行政機関から行政処分や行政指導(登録・免許の取消や罰金を含みます。)を受けたり、取引先から取引契約を解除されたりする可能性があります。その結果、当社グループの信頼性や企業イメージが低下したり、事業活動に支障が生じたりする可能性があるほか、金銭的負担の発生により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (12)カントリーリスクについて当社グループが投資や事業を行う上での知見および経験を十分に有していない国や地域へ進出した場合には、当社グループの投資活動や事業活動が期待通りに展開できなくなる可能性があります。このほか、各国・地域において、戦争・紛争・テロ行為の勃発や、経済制裁の発動、伝染病の流行などにより、政治・社会・経済的な混乱が生じた場合、当社グループの事業活動が期待通りに展開できない、または投資の回収が遅延する、もしくは不可能となる可能性があります。 (13)知的財産権について当社グループが保有する「ソフトバンク」ブランドやアームが保有する知的財産権が第三者により侵害された場合、当社グループの競争力や信頼性、企業イメージが低下する可能性があります。一方、当社グループが意図せずに第三者の知的財産権を侵害した場合には、権利侵害の差止めや損害賠償、ライセンス使用料の請求などを受ける可能性があります。その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。アームにおいては、これらの請求が、同社の技術の使用権取得者(本(13)において「ライセンシー」)に対してなされる可能性があり、ライセンシーに対しライセンス契約に基づく補償義務がアームに発生する可能性もあります。また、当社グループは、ソフトバンク㈱およびヤフー㈱の事業において、「Yahoo! JAPAN」をはじめ「Y!mobile」や「Yahoo! BB」など、サービス名称の一部に米国のVerizon Communications Inc.の子会社が保有する「Yahoo!」ブランドを使用しています。同社との関係に大きな変化が生じるなどしてこれらのブランドが使用できなくなった場合、当社グループの期待通りに事業を展開できなくなる可能性があります。 (14)情報の流出などについて当社グループは、事業を展開する上で、顧客情報(個人情報を含みます。)やその他の機密情報を取り扱っています。当社グループ(役職員や委託先の関係者を含みます。)の故意・過失、または悪意を持った第三者のサイバー攻撃などにより、これらの情報の流出や消失などが発生する可能性があります。こうした事態が生じた場合、当社グループの信頼性や企業イメージが低下し顧客の獲得・維持が困難になるほか、競争力が低下したり、損害賠償やセキュリティシステム改修のために多額の費用負担が発生したりする可能性があります。その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (15)人為的なミスなどによるサービスの中断・品質低下について当社グループが提供する通信をはじめとする各種サービスにおいて、人為的なミスや設備・システム上の問題などが発生した場合、これに起因して各種サービスを継続的に提供できなくなること、または各種サービスの品質が低下することなどの重大なトラブルが発生する可能性があります。サービスの中断・品質低下による影響が広範囲にわたり、復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (16)自然災害など予測困難な事情について当社グループは、インターネットや通信などの各種サービスの提供に必要な通信ネットワークや情報システムなどを構築・整備しています。地震・台風・ハリケーン・洪水・津波・竜巻・豪雨・大雪・火山活動などの自然災害、火災や停電・電力不足、テロ行為、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルス感染などにより、通信ネットワークや情報システムなどが正常に稼働しなくなった場合、当社グループの各種サービスの提供に支障を来す可能性があります。これらの影響が広範囲にわたり、復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。また、通信ネットワークや情報システムなどを復旧・改修するために多額の費用負担が発生する可能性があります。その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、アームにおいては、アームの技術が数十億の個人および法人向け製品に利用されており、それらは莫大な量の個人情報や機密情報の保存・管理・伝送に利用されています。アームの技術がさらに複雑化することで、障害または不具合が発生する確率が高まる可能性があります。アームのある一製品に関連する障害または不具合が発生した場合、アームの企業としての信頼性や企業イメージが低下し、アームのブランド価値の喪失を招く可能性があります。日本国内においては、当社グループ各社の本社を含む拠点は、首都圏に集中しています。大規模な地震など不可避の事態が首都圏で発生し、これらの拠点が機能不全に陥った場合、当社グループの事業の継続が困難になる可能性があります。 (17)米国の国家安全保障を確保するための方策についてソフトバンクグループ㈱は、一部の米国投資に関して、その投資の対象となる会社(本(17)において「対象会社」)および米国関係省庁との間で国家安全保障契約を締結しています。この国家安全保障契約に基づき、ソフトバンクグループ㈱と対象会社は、米国の国家安全保障を確保するための方策を実行することに合意しています。これら方策の実行に伴いコストが増加する、または米国内の施設、契約、人事、調達先の選定、事業運営に制約を受ける可能性があります。その結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (18)訴訟について当社グループは、顧客、取引先、株主(子会社・関連会社・投資先の株主を含みます。)、従業員を含む第三者の権利・利益を侵害したとして、損害賠償などの訴訟を起こされる可能性があります。その結果、当社グループの事業活動に支障が生じたり、企業イメージが低下したりする可能性があるほか、金銭的負担の発生により、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (19)スプリントのTモバイルとの合併について2018年4月29日、スプリントとTモバイルが、スプリントとTモバイルの全ての対価を株式とする合併による取引(本(19)において「本取引」)に関して最終的な合意に至りました。本取引は、スプリントとTモバイルの株主および規制当局の承認、その他の一般的なクロージング要件の充足を必要としますが、本有価証券報告書の提出日現在において、米国司法省を含む関係規制当局から必要な承認の全てを得られていません。関係規制当局からの承認の取得状況を含めた様々な要因により、本取引を当社グループの計画通りの条件およびスケジュールで行うことができない場合、スプリントの事業展開や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。その結果、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2018|13,937 文字
2 【事業等のリスク】ソフトバンクグループ㈱および子会社・関連会社(以下併せて「当社グループ」)は、国内外において多岐にわたる事業を展開しており、これら事業の遂行にはさまざまなリスクを伴います。本有価証券報告書の提出日現在において、投資家の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主なリスクは、以下の通りです。これらのリスクが顕在化した場合、株式や社債をはじめとするソフトバンクグループ㈱発行の有価証券につき、価格の下落などが生じる可能性があります。なお、これらは、当社グループが事業を遂行する上で発生しうるすべてのリスクを網羅しているものではありません。また、将来に関する事項につきましては別段の記載のない限り、本有価証券報告書の提出日現在において判断したものです。 (1)経済情勢について当社グループが提供するサービスや商品(例えば、通信サービスやインターネット広告を含みますが、これらに限りません。)に対する需要は、主に日本や米国、中国の経済情勢の影響を受けるため、景気の悪化のほか、日本における高齢化・人口減少といった人口統計上の変化に伴う経済構造の変化が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)為替の変動についてソフトバンクグループ㈱は連結財務諸表の作成にあたり、スプリントをはじめとする海外のグループ会社の現地通貨建ての収益および費用を四半期中の平均為替レートにより、また資産および負債を期末日の為替レートにより、日本円に換算しています。従って、為替相場の変動が当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、海外企業への投資を行っています。為替相場が投資時から大幅に変動しているときに外貨建て資産を売却した場合、為替差損が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)経営陣について当社グループの重要な経営陣、特にソフトバンクグループ㈱代表取締役会長兼社長であり当社グループ代表である孫 正義に不測の事態が発生した場合、当社グループの事業展開に支障が生じる可能性があります。 (4)技術・ビジネスモデルへの対応について当社グループは、技術やビジネスモデルの移り変わりが早い情報産業(例えば、通信産業や半導体産業を含みますが、これらに限りません。)を主な事業領域としています。今後何らかの事由により、当社グループが時代の流れや市場の動向に適した優れた技術やビジネスモデルを創出または導入できない場合、当社グループのサービスが市場での競争力を失い、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)他社との競合について当社グループの競合他社(例えば、新規参入および既存の移動通信事業者(以下、MNO)や仮想移動通信事業者を含みますが、これらに限りません。)は、その資本力、技術開発力、価格競争力、顧客基盤、営業力、ブランド、知名度などにおいて、当社グループより優れている場合があります。競合他社がその優位性を現状以上に活用してサービスや商品の販売に取り組んだ場合、当社グループが販売競争で劣勢に立たされ、当社グループの期待通りにサービス・商品を提供できない、または顧客を獲得・維持できないことも考えられます。その結果として、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが競合他社に先駆けて導入した、または高い優位性を有するサービス・商品に関して、競合他社がこれらと同等もしくはより優れたものを導入した場合、当社グループの優位性が低下し、事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。国内通信事業においては、2018年4月に、ソフトバンク㈱、㈱NTTドコモ、KDDI㈱、沖縄セルラー電話㈱の既存MNOに加え、新規のMNOとして楽天モバイルネットワーク㈱に周波数が割り当てられました。同社の今後の新規参入により当社グループの競争力および通信市場の収益性が低下し、その結果、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6)通信ネットワークの増強について当社グループは、通信サービスの品質を維持・向上させるために、将来のトラフィック(通信量)を予測し、その予測に基づいて継続的に通信ネットワークを増強していく必要があります。これらの増強は計画的に行っていきますが、実際のトラフィックが予測を大幅に上回った場合、または通信ネットワークの増強(例えば、必要な周波数の確保を含みますが、これに限りません。)を行えなかった場合、サービスの品質の低下を招き顧客の獲得・維持に影響を及ぼすほか、追加の設備投資が必要となり、その結果、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7)他社経営資源への依存についてa.他社設備などの利用当社グループは、通信サービスの提供に必要な通信ネットワークを構築する上で、他の事業者が保有する通信回線設備などを一部利用しています。今後何らかの事由により、当該設備などを継続して利用することができなくなった場合、または使用料や接続料などが引き上げられた場合、当社グループの事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。 b.各種機器の調達当社グループは、通信機器やネットワーク関連機器など(例えば、携帯端末や携帯電話基地局の無線機を含みますが、これらに限りません。)を他社から調達しています。特定の会社への依存度が高い機器の調達において、供給停止、納入遅延、数量不足、不具合などの問題が発生し調達先や機器の切り替えが適時にできない場合、または性能維持のために必要な保守・点検が打ち切られた場合、当社グループのサービスの提供に支障を来し、顧客の獲得・維持が困難になる可能性や調達先の変更のために追加のコストが生じる可能性のほか、通信機器の売上が減少する可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 c.業務の委託当社グループは、主に通信サービスに係る販売、顧客の獲得・維持、それらに付随する業務の全部または一部について、他社に委託しています。何らかの事由により委託先が当社グループの期待通りに業務を行うことができない場合、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。また、業務委託先は当社グループのサービス・商品を取り扱っていることから、当該業務委託先の信頼性やイメージが低下した場合には、当社グループの信頼性や企業イメージも低下し、事業展開や顧客の獲得・維持に影響を及ぼす可能性があり、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このほか、当該業務委託先において法令などに違反する行為があった場合、当社グループが監督官庁から警告・指導を受けるなど監督責任を追及される可能性があるほか、当社グループの信頼性や企業イメージが低下し顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 d.業務提携・合弁事業当社グループは、他社との業務提携や合弁会社設立などを通じて、国内外で事業展開を行っています。こうした業務提携先や合弁先が事業戦略を大幅に変更したり、その経営成績や財政状態が大幅に悪化したりした場合、業務提携や合弁事業などが期待通りの成果を生まない可能性や、継続が困難となる可能性があります。また、特定の第三者との業務提携や合弁事業などを実施したことにより、他の者との業務提携や合弁事業などが制約される可能性もあります。その結果、当社グループの事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。 e.「Yahoo!」ブランドの使用当社グループは、日本国内において、「Yahoo! JAPAN」をはじめ「Y!mobile」や「Yahoo!ケータイ」、「Yahoo! BB」など、サービス名称の一部に米国のVerizon Communications Inc.が保有する「Yahoo!」ブランドを使用しています。同社との関係に大きな変化が生じるなどしてこれらのブランドが使用できなくなった場合、当社グループの期待通りに事業を展開できなくなる可能性があります。 (8)自然エネルギー事業について自然エネルギー事業については、太陽光や風力などの気象条件によっては発電量が想定を下回る可能性があります。また、自然災害などにより、発電設備や電力会社の送電線との接続設備に損傷などの不具合が生じた場合、発電量や売電量が大幅に低下する可能性があります。これらの結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (9)情報の流出などについて当社グループは、事業を展開する上で、顧客情報(個人情報を含みます。)やその他の機密情報を取り扱っています。当社グループ(役職員や委託先の関係者を含みます。)の故意・過失、または悪意を持った第三者のサイバー攻撃などにより、これらの情報の流出や消失などが発生する可能性があります。こうした事態が生じた場合、当社グループの信頼性や企業イメージが低下し顧客の獲得・維持が困難になるほか、競争力が低下したり、損害賠償やセキュリティシステム改修のために多額の費用負担が発生したりする可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)人為的なミスなどによるサービスの中断・品質低下について当社グループが提供する通信をはじめとする各種サービスにおいて、人為的なミスや設備・システム上の問題などが発生した場合、これに起因して各種サービスを継続的に提供できなくなること、または各種サービスの品質が低下することなどの重大なトラブルが発生する可能性があります。サービスの中断・品質低下による影響が広範囲にわたり、復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (11)自然災害など予測困難な事情について当社グループは、インターネットや通信などの各種サービスの提供に必要な通信ネットワークや情報システムなどを構築・整備しています。地震・台風・ハリケーン・洪水・津波・竜巻・豪雨・大雪・火山活動などの自然災害、火災や停電・電力不足、テロ行為、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルス感染などにより、通信ネットワークや情報システムなどが正常に稼働しなくなった場合、当社グループの各種サービスの提供に支障を来す可能性があります。これらの影響が広範囲にわたり、復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。また、通信ネットワークや情報システムなどを復旧・改修するために多額の費用負担が発生する可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、アームにおいては、アームの技術が数十億の個人および法人向け製品に利用されており、それらは莫大な量の個人情報や機密情報の保存・管理・伝送に利用されています。アームの技術がさらに複雑化することで、障害または不具合が発生する確率が高まる可能性があります。アームのある一製品に関連する障害または不具合が発生した場合、アームの企業としての信頼性や企業イメージが低下し、アームのブランド価値の喪失を招く可能性があります。日本国内においては、当社グループ各社の本社を含む拠点は、首都圏に集中しています。大規模な地震など不可避の事態が首都圏で発生し、これらの拠点が機能不全に陥った場合、当社グループの事業の継続が困難になる可能性があります。 (12)資金調達およびリースについて当社グループは、金融機関からの借り入れや社債の発行などにより事業展開に必要な資金を調達しているほか、リースを活用して設備投資を行っています。金利が上昇した場合、または業績悪化や既存負債に対するソフトバンク㈱による保証の解除によりソフトバンクグループ㈱および子会社の信用格付けが引き下げられるなど信用力が低下した場合、これらの調達コストが増加し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが保有する株式などの資産価値が長期間にわたり大きく低下した場合や、金融市場の環境、ソフトバンクグループ㈱および子会社の信用力によっては、資金調達やリース組成が予定通り行えず、当社グループの事業展開、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、調達した資金(ソフトバンクグループ㈱へ返済義務が遡及しない負債を除く)の返済原資を捻出するために一部資産の売却などを行う可能性があります。その結果、当社グループの業績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。当社グループの金融機関からの借り入れや社債などには各種コベナンツが付されているものがあります。いずれかのコベナンツに抵触する可能性が発生し、抵触を回避するための手段を取ることができない場合、当該債務について期限の利益を喪失する可能性があるほか、それに伴い、その他の債務についても一括返済を求められる可能性があります。その結果、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (13)投資活動について当社グループは、戦略的提携グループを形成し長期にわたる継続的な成長を実現するため、新規事業の立ち上げ、既存の事業の拡大などを目的として、企業買収、合弁会社・子会社の設立、事業会社・持ち株会社(各種契約によって別会社を実質的に支配する会社を含みます。)・ファンドへの出資などの投資活動を行っています。例えば、ソフトバンクグループ㈱は、2016年9月に英国のアームを買収しています。また、ソフトバンクグループ㈱は、その海外子会社が運営するソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドに対し、リミテッド・パートナーとして直接的および間接的に出資を行っています(同ファンドへの投資に関する主なリスクは「(14) ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドについて」をご参照ください)。これらの投資活動に伴い当該投資先が連結対象に加わった場合、マイナスの影響が発生するなど、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが投資時点においてその想定した通りに投資先が事業を展開できない場合、投資活動に伴い発生したのれん、有形固定資産、無形資産、株式などの金融資産の減損損失が発生するなど、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このほか、ソフトバンクグループ㈱の個別決算では、これらの投資活動に伴って取得した出資持分などを含む資産の価値が下落した場合、評価損が発生し、業績や分配可能額に影響を及ぼす可能性があります。例えば、2018年3月期の連結決算においてブライトスターの事業計画を見直した結果、回収可能価額が帳簿価額を下回ったため、同社ののれん、無形資産および有形固定資産について減損損失を合計50,497百万円計上しました。また、特定の市場における複数の企業に対して投資を行い、当該市場に対する投資の集中度が高くなる場合があります。例えば、近年、当社グループにおいては、デルタ・ファンドおよび当社子会社がXiaoju Kuaizhi Inc. (以下「DiDi」)へ投資を行ったほか、当社子会社がUber Technologies, Inc.、GRAB HOLDINGS INC.、ANI Technologies Private Limited(Ola)など、海外の各国・地域でライドシェアサービスを提供する複数の企業に投資を行っています。こうした市場において、需要の低迷や市場競争の激化(投資先間の競合を含みます。)により市場環境が悪化した場合、投資先の収益性が低下し、当社グループの投資時点における想定通りに事業が展開できず、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このほか、投資先が内部統制上の問題を抱えていたり、法令に違反する行為を行っていたりする可能性があります。投資後にそうした問題や行為を早期に是正できない場合、当社グループの信頼性や企業イメージが低下したり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼしたりする可能性があります。また、新規事業の立ち上げなどにおいて人材などの経営資源を十分に確保できない場合や、投資先および既存事業に対して十分な経営資源を充てることができない場合、企業買収などにより従業員数が増加し、現在の組織構造や企業文化が適合しない場合には、当社グループの業績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。このほか、投資先事業の既存事業への統合が不首尾に終わった場合、顧客満足度の低下や重要な経営陣・従業員・取引先の喪失につながる可能性があるほか、統合後に十分なシナジーが創出されない可能性があり、その結果、期待通りの成果を生まない可能性があります。 (14)ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドについてソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドは、いずれもソフトバンクグループ㈱の英国100%子会社であるSB Investment Advisers (UK) Limited(以下「SBIA」)が運営するファンドであり、英国の金融行為規制機構(The Financial Conduct Authority)の規制を受けます。両ファンドの投資活動に関する意思決定はSBIAに設置した投資委員会により行われます。当社グループは、リミテッド・パートナーとして両ファンドに出資を行っています。ソフトバンク・ビジョン・ファンドは、2017年5月に大規模な初回クロージングを完了し、活動を開始しました。同ファンドは、広い範囲のテクノロジー分野で投資を行っており、2018年3月31日までに、NVIDIA Corporation、Arm Limited、WeWork Companies Inc.などへの投資を行っています。原則として、同ファンドの投資期間は最終クロージングから5年後まで、存続期間は最終クロージングから12年後までです。1億米ドル以上で、かつ、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資戦略に合致する投資については、原則としてソフトバンク・ビジョン・ファンドが実行し、それ以外の投資(1億米ドルに満たない投資や事業会社レベルでの戦略投資、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資戦略や基準に合致しないその他の投資を含みますが、これらに限りません。)は、当社が行います。2018年3月31日現在、同ファンドの出資コミットメント総額は917億米ドル(うちソフトバンクグループ㈱281億米ドル)(注1)です。デルタ・ファンドは、中国でライドシェアサービス事業を展開するDiDiへの投資を行っており、原則として、投資期間はソフトバンク・ビジョン・ファンドの最終クロージングから5年後まで、存続期間は当該最終クロージングから12年後までです。2018年3月31日現在、同ファンドの出資コミットメント総額は60億米ドル(うちソフトバンクグループ㈱44億米ドル)(注1)です。ソフトバンク・ビジョン・ファンドまたはデルタ・ファンドがその投資から期待通りのリターンを得られない場合、SBIAは、ソフトバンク・ビジョン・ファンドまたはデルタ・ファンドの運用成績が一定以上なら支払われる成功報酬を十分に得られず、また、当社グループは、ソフトバンク・ビジョン・ファンドまたはデルタ・ファンドへのリミテッド・パートナーとしての出資から期待通りのリターンを得られない可能性があります。ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドを構成する事業体はすべてソフトバンクグループ㈱の連結対象です。ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドの投資先のうち、ソフトバンクグループ㈱がIFRS上の支配をしていると見なされるソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドの投資先は、ソフトバンクグループ㈱の子会社として扱い、その業績および資産・負債をソフトバンクグループ㈱の連結財務諸表に取り込むため、当社グループの業績や財政状態にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。また、ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドからのソフトバンクグループ㈱の子会社以外への投資(関連会社への投資を含みます。)や、ソフトバンクグループ㈱またはその子会社が後日ソフトバンク・ビジョン・ファンドまたはデルタ・ファンドへ移管することを前提に行った投資は、毎四半期末に公正価値で測定し、その変動額を純損益で認識します。これらの投資の公正価値が下落した場合、当社グループの業績や財政状態にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。このほか、ソフトバンクグループ㈱の個別決算では、ソフトバンク・ビジョン・ファンドまたはデルタ・ファンドが取得した出資持分の価値の下落に伴ってソフトバンク・ビジョン・ファンドまたはデルタ・ファンドの価値が下落した場合、ソフトバンク・ビジョン・ファンドまたはデルタ・ファンドに係る評価損が発生し、業績や分配可能額に影響を及ぼす可能性があります。 (注1)ソフトバンク・ビジョン・ファンドおよびデルタ・ファンドにおける外部投資家の出資コミットメント金額は、両ファンドの合計額で定められているため、それぞれのファンドの出資コミットメント総額は、もう一方のファンドにおける外部投資家の支払義務の履行状況により変動します。 (15)子会社などに対する支援について当社グループは、必要と判断した場合、子会社などに対し融資や債務保証などの支援を行うことがあります。例えば、スプリントおよびブライトスターについては、当社グループが買収した時点で想定した通りに事業を展開できない、他の子会社などとの間で十分なシナジー(相乗効果)を創出できない、または事業展開のために想定以上の資金が必要となった場合、融資などの支援を行う可能性があります。支援した子会社などが当社グループの期待通りに事業を展開できない場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (16)カントリーリスクについて当社グループは、米国、中国、インド、欧州・中南米諸国などの海外の国・地域で事業や投資を行っています。これらの国・地域で日本とは異なる法令や各種規制の制定もしくは改正がなされた場合や、従前行われてきた行政の運用に変化・変更があった場合、当社グループが事業活動を行う上での知見及び経験を十分に有していない国や地域へ進出した場合は、当社グループの事業活動が期待通りに展開できない、または投資の回収が遅延する、もしくは不可能となるなど、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、このような国や地域における法令・各種規制の制定および改正や行政の運用の変化・変更によって、当社グループが新規に行おうとする事業や投資が制限される、または期待通りに戦略を実行できない可能性があります。このほか、これらの国や地域において、戦争・紛争・テロ行為の勃発や、経済制裁の発動、伝染病の流行などにより、政治・社会・経済的な混乱が生じた場合、当社グループの事業活動が期待通りに展開できない、または投資の回収が遅延する、もしくは不可能となる可能性があります。 (17)法令・規制・制度などについて当社グループは、各国の様々な分野にわたる法令・規制・制度などの下で事業および投資を行っており、その影響を直接または間接的に受けます。具体的には、通信事業に関する各種法令・規制・制度など(例えば、日本の電気通信事業法や電波法および米国のこれらに相当する法令を含みますが、これらに限りません。)から、インターネット広告、イーコマース、エネルギー、人工知能(AI)、ロボット、金融・決済などの事業やその他の企業活動に関する各種法令・規制・制度など(環境、製造物責任、公正な競争、消費者保護、個人情報・プライバシー保護、贈賄禁止、労務、知的財産権、マネー・ロンダリング防止、租税、為替、事業・投資許認可、輸出入に関するものを含みますが、これらに限りません。)まで広範に及びます。当社グループ(役職員を含みます。)がこれらの法令・規制・制度などに違反する行為を行った場合、違反の意図の有無にかかわらず、行政機関から行政処分や行政指導(登録・免許の取消や罰金を含みますが、これらに限りません。)を受けたり、取引先から取引契約を解除されたりする可能性があります。その結果、当社グループの信頼性や企業イメージが低下したり、事業展開に支障が生じたりする可能性があるほか、金銭的負担の発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの法令・規制・制度などの改正もしくは新たな法令・規制・制度などの施行または法令・規制・制度などの解釈・適用(その変更を含みます。)により、事業展開に支障が生じる可能性があるほか、金銭的負担の発生・増加により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。例えば、近年、当社グループは、Uber Technologies, Inc.、DiDi、GRAB HOLDINGS INC.、ANI Technologies Private Limited(Ola)など、海外の各国・地域でライドシェアサービスを提供する複数の企業に投資を行いました。タクシー業界やライドシェアサービス業界は重要な規制の対象とされているため、各企業ともサービスを提供する国・地域において当該法令・規制の遵守を求められます。なかには、当該規制の遵守が事業上不可能または困難であると当社グループが判断した国・地域において、提供するサービスを停止・変更するなど、既存・新規事業を期待通りに展開することが出来なくなる可能性もあります。また、当社グループが行う投資活動(企業買収や合併を含みます。)は、関係各国の規制当局から承認が必要となる場合があります。これらの必要な承認が得られない場合、当社グループの事業活動が期待通りに展開できない、もしくは不可能となる可能性があります。例えば、2018年4月29日、スプリントとT-Mobile US, Inc. (以下「Tモバイル」)が、両社の全ての対価を株式とする合併による取引に関して最終的な合意に至りました。当該取引はスプリントとTモバイルの株主および規制当局の承認、その他の一般的なクロージング要件の充足を必要とします(当該取引に関する主なリスクは、「(25)スプリントのTモバイルとの合併について」をご参照下さい)。 (18)会計制度・税制の変更などについて会計基準や税制が新たに導入・変更された場合や、税務当局との見解の相違により追加の税負担が生じた場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (19)米国の国家安全保障を確保するための方策についてソフトバンクグループ㈱は、一部の米国投資に関して、その投資の対象となる会社(本(19)において「対象会社」)および米国関係省庁との間で国家安全保障契約を締結しています。この国家安全保障契約に基づき、ソフトバンクグループ㈱と対象会社は、米国の国家安全保障を確保するための方策を実行することに合意しています。これら方策の実行に伴いコストが増加する、または米国内の施設、契約、人事、調達先の選定、事業運営に制約を受ける可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (20)電波の健康への影響に関する規制について携帯端末および携帯電話基地局が発する電波は、がんの発症率を高めるなどの健康上の悪影響を引き起こす可能性があるとの研究結果が一部で出ています。その電波の強さについては、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)がガイドラインを定めています。世界保健機関(WHO)は、ICNIRPのガイドラインの基準値を超えない強さの電波であれば健康上の悪影響を引き起こすという説得力のある証拠はないとの見解を示しており、本ガイドラインの採用を各国に推奨しています。当社グループは、日本においてはICNIRPのガイドラインに基づく電波防護指針に、米国においては連邦通信委員会(FCC)が定める要件に従っています。ただし、引き続きWHOなどで研究や調査が行われており、その調査結果によっては、将来、規制が変更されたり、新たな規制が導入されたりする可能性があり、かかる変更や導入に対応するためのコストの発生や当社グループの事業運営に対する制約などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、こうした規制の有無にかかわらず、携帯端末の利用に伴う健康への悪影響に関する懸念は、当社グループの顧客の獲得・維持を困難にする可能性があり、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (21)知的財産権について当社グループが意図せずに第三者の知的財産権を侵害した場合、権利侵害の差止めや損害賠償、ライセンス使用料の請求を受ける可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。アームにおいては、これらの請求が、同社の技術の使用権取得者(本(21)において「ライセンシー」)に対してなされる可能性があり、ライセンシーに対しライセンス契約に基づく補償義務がアームに発生する可能性もあります。また、当社グループが保有している「ソフトバンク」ブランドおよび「スプリント」ブランドなどの知的財産権が第三者により侵害され、当社グループの信頼性や企業イメージが低下する可能性があります。 (22)訴訟について当社グループは、顧客、取引先、株主(子会社・関連会社・投資先の株主を含みます。)、従業員を含む第三者の権利・利益を侵害したとして、損害賠償などの訴訟を起こされる可能性があります。その結果、当社グループの事業展開に支障が生じたり、企業イメージが低下したりする可能性があるほか、金銭的負担の発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (23)行政処分などについて当社グループは、行政機関から行政処分や行政指導を受ける可能性があります。こうした処分や指導を受けた場合、当社グループの事業展開に支障が生じる可能性があるほか、金銭的負担の発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (24)ソフトバンク㈱の株式上場準備について2018年2月、ソフトバンクグループ㈱ならびにソフトバンク㈱はソフトバンク㈱株式上場の準備の開始を公表しました。株式上場の準備にあたっては、ソフトバンク㈱が上場後も当社グループの通信事業分野において重要な連結子会社であることを前提としています。同社は安定してキャッシュ・フローを創出する、当社グループにおける重要な子会社であり、その株式上場に際しては、同社株式の売却収入が見込まれる一方、上場後の同社に対するソフトバンクグループ㈱の持分及び同社の配当方針によって当社グループのキャッシュ・フローが変動することが見込まれ、その結果、ソフトバンクグループ㈱の信用力に影響を及ぼす可能性があります。ただし、東京証券取引所を含むいずれの証券取引所への上場も決定したものではなく、株式上場の準備過程における検討の結果次第では、ソフトバンク㈱は株式上場しないという結論に至る可能性もあります。 (25)スプリントのTモバイルとの合併について2018年4月29日、スプリントとTモバイルが、スプリントとTモバイルの全ての対価を株式とする合併による取引(本(25)において「本取引」)に関して最終的な合意に至りました。本取引における合併比率は、スプリント株式1株当たりTモバイル株式0.10256株(Tモバイル株式1株当たりスプリント株式9.75株)であり、本取引完了後、統合後の会社(本(25)において「新会社」)はソフトバンクグループ㈱が約27.4%(注2)を保有する持分法適用関連会社となり、スプリントはソフトバンクグループ㈱の子会社ではなくなる見込みです。本取引はスプリントとTモバイルの株主および規制当局の承認、その他の一般的なクロージング要件の充足を必要とします。本取引のクロージングは遅くとも2019年半ばまでに行われることを見込んでいますが、関係規制当局からの承認の取得を含めた様々な要因から、予定された条件及びスケジュールで本取引を完了できない場合、または本取引自体を完了できない場合、当社グループの事業活動が期待通りに展開できない、または不可能となる可能性があるほか、スプリントの既存事業に影響を及ぼす可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、本取引完了時において、ソフトバンクグループ㈱は新会社の株式を取得し、本取引完了時の公正価値を取得価額とします。当該取得価額が、本取引完了時のスプリントの連結簿価を下回った場合、損失が生じ、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このほか、本取引に基づく合併後の会社における事業統合が様々な要因により不首尾に終わった場合、顧客満足度の低下や重要な経営陣・従業員・取引先の喪失につながる可能性があるほか、事業統合後のコスト削減効果などシナジーが十分に創出されない、あるいは本取引が期待通りの成果を生まない可能性があり、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (注2)ソフトバンクグループ㈱によるワラント行使に係る潜在株式数を含めた株式数(間接保有分を含む。)を基に算出(完全希薄化ベース)。
FY2017|13,393 文字
4 【事業等のリスク】ソフトバンクグループ㈱および子会社・関連会社(以下併せて「当社グループ」)は、国内外において多岐にわたる事業を展開しており、これら事業の遂行にはさまざまなリスクを伴います。本有価証券報告書の提出日現在において、投資家の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主なリスクは、以下の通りです。これらのリスクが顕在化した場合、株式や社債をはじめとするソフトバンクグループ㈱発行の有価証券につき、価格の下落などが生じる可能性があります。なお、これらは、当社グループが事業を遂行する上で発生しうるすべてのリスクを網羅しているものではありません。また、将来に関する事項につきましては別段の記載のない限り、本有価証券報告書の提出日現在において判断したものです。 (1) 経済情勢について当社グループが提供するサービスや商品(例えば、通信サービスやインターネット広告を含みますが、これらに限りません。)に対する需要は、主に日本や米国、中国の経済情勢の影響を受けるため、景気の悪化のほか、日本における高齢化・人口減少といった人口統計上の変化に伴う経済構造の変化が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 為替の変動についてソフトバンクグループ㈱は連結財務諸表の作成にあたり、スプリントをはじめとする海外のグループ会社の現地通貨建ての収益および費用を四半期中の平均為替レートにより、また資産および負債を期末日の為替レートにより、日本円に換算しています。従って、為替相場の変動が当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、海外企業への投資を行っています。為替相場が投資時から大幅に変動しているときに外貨建て資産を売却した場合、為替差損が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 経営陣について当社グループの重要な経営陣、特にソフトバンクグループ㈱代表取締役会長兼社長であり当社グループ代表である孫 正義に不測の事態が発生した場合、当社グループの事業展開に支障が生じる可能性があります。 (4) 技術・ビジネスモデルへの対応について当社グループは、技術やビジネスモデルの移り変わりが早い情報産業を主な事業領域としています。今後何らかの事由により、当社グループが時代の流れに適した優れた技術やビジネスモデルを創出または導入できない場合、当社グループのサービスが市場での競争力を失い、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 他社との競合について当社グループの競合他社(例えば、移動通信事業者や仮想移動通信事業者を含みますが、これらに限りません。)は、その資本力、技術開発力、価格競争力、顧客基盤、営業力、ブランド、知名度などにおいて、当社グループより優れている場合があります。競合他社がその優位性を現状以上に活用してサービスや商品の販売に取り組んだ場合、当社グループが販売競争で劣勢に立たされ、当社グループの期待通りにサービス・商品を提供できない、または顧客を獲得・維持できないことも考えられます。その結果として、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループが競合他社に先駆けて導入した、または高い優位性を有するサービス・商品に関して、競合他社がこれらと同等もしくはより優れたものを導入した場合、当社グループの優位性が低下し、事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 通信ネットワークの増強について当社グループは、通信サービスの品質を維持・向上させるために、将来のトラフィック(通信量)を予測し、その予測に基づいて継続的に通信ネットワークを増強していく必要があります。これらの増強は計画的に行っていきますが、実際のトラフィックが予測を大幅に上回った場合、または通信ネットワークの増強(例えば、必要な周波数の確保を含みますが、これに限りません。)を行えなかった場合、サービスの品質の低下を招き顧客の獲得・維持に影響を及ぼすほか、追加の設備投資が必要となり、その結果、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 他社経営資源への依存についてa.他社設備などの利用当社グループは、通信サービスの提供に必要な通信ネットワークを構築する上で、他の事業者が保有する通信回線設備などを一部利用しています。今後何らかの事由により、当該設備などを継続して利用することができなくなった場合、または使用料や接続料などが引き上げられた場合、当社グループの事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。 b.各種機器の調達当社グループは、通信機器やネットワーク関連機器など(例えば、携帯端末や携帯電話基地局の無線機を含みますが、これらに限りません。)を他社から調達しています。特定の会社への依存度が高い機器の調達において、供給停止、納入遅延、数量不足、不具合などの問題が発生し調達先や機器の切り替えが適時にできない場合、または性能維持のために必要な保守・点検が打ち切られた場合、当社グループのサービスの提供に支障を来し、顧客の獲得・維持が困難になる可能性や調達先の変更のために追加のコストが生じる可能性のほか、通信機器の売上が減少する可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 c.業務の委託当社グループは、主に通信サービスに係る販売、顧客の獲得・維持、それらに付随する業務の全部または一部について、他社に委託しています。何らかの事由により委託先が当社グループの期待通りに業務を行うことができない場合、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 また、業務委託先は当社グループのサービス・商品を取り扱っていることから、当該業務委託先の信頼性やイメージが低下した場合には、当社グループの信頼性や企業イメージも低下し、事業展開や顧客の獲得・維持に影響を及ぼす可能性があり、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このほか、当該業務委託先において法令などに違反する行為があった場合、当社グループが監督官庁から警告・指導を受けるなど監督責任を追及される可能性があるほか、当社グループの信頼性や企業イメージが低下し顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 d.業務提携・合弁事業当社グループは、他社との業務提携や合弁会社設立などを通じて、国内外で事業展開を行っています。こうした業務提携先や合弁先が事業戦略を大幅に変更したり、その経営成績や財政状態が大幅に悪化したりした場合、業務提携や合弁事業などが期待通りの成果を生まない可能性や、継続が困難となる可能性があります。また、特定の第三者との業務提携や合弁事業などを実施したことにより、他の者との業務提携や合弁事業などが制約される可能性もあります。その結果、当社グループの事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。 e.「Yahoo!」ブランドの使用当社グループは、日本国内において、「Yahoo! JAPAN」をはじめ「Y!mobile」や「Yahoo!ケータイ」、「Yahoo! BB」など、サービス名称の一部に米国のVerizon Communications Inc.(注)が保有する「Yahoo!」ブランドを使用しています。同社との関係に大きな変化が生じるなどしてこれらのブランドが使用できなくなった場合、当社グループの期待通りに事業を展開できなくなる可能性があります。(注)2017年6月のVerizon Communications Inc.によるYahoo! Inc.のインターネット事業の買収に伴い、「Yahoo!」ブランドはVerizon Communications Inc.に譲渡されました。 (8) 自然エネルギー事業について自然エネルギー事業については、太陽光や風力などの気象条件によっては発電量が想定を下回る可能性があります。また、自然災害などにより、発電設備や電力会社の送電線との接続設備に損傷などの不具合が生じた場合、発電量や売電量が大幅に低下する可能性があります。これらの結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 情報の流出などについて当社グループは、事業を展開する上で、顧客情報(個人情報を含みます。)やその他の機密情報を取り扱っています。当社グループ(役職員や委託先の関係者を含みます。)の故意・過失、または悪意を持った第三者のサイバー攻撃などにより、これらの情報の流出や消失などが発生する可能性があります。こうした事態が生じた場合、当社グループの信頼性や企業イメージが低下し顧客の獲得・維持が困難になるほか、競争力が低下したり、損害賠償やセキュリティシステム改修のために多額の費用負担が発生したりする可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 人為的なミスなどによるサービスの中断・品質低下について当社グループが提供する通信をはじめとする各種サービスにおいて、人為的なミスや設備・システム上の問題などが発生した場合、これに起因して各種サービスを継続的に提供できなくなること、または各種サービスの品質が低下することなどの重大なトラブルが発生する可能性があります。サービスの中断・品質低下による影響が広範囲にわたり、復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 自然災害など予測困難な事情について当社グループは、インターネットや通信などの各種サービスの提供に必要な通信ネットワークや情報システムなどを構築・整備しています。地震・台風・ハリケーン・洪水・津波・竜巻・豪雨・大雪・火山活動などの自然災害、火災や停電・電力不足、テロ行為、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルス感染などにより、通信ネットワークや情報システムなどが正常に稼働しなくなった場合、当社グループの各種サービスの提供に支障を来す可能性があります。これらの影響が広範囲にわたり、復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。また、通信ネットワークや情報システムなどを復旧・改修するために多額の費用負担が発生する可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 日本国内においては、当社グループ各社の本社を含む拠点は、首都圏に集中しています。大規模な地震など不可避の事態が首都圏で発生し、これらの拠点が機能不全に陥った場合、当社グループの事業の継続が困難になる可能性があります。 (12) 資金調達およびリースについて当社グループは、金融機関からの借り入れや社債の発行などにより事業展開に必要な資金を調達しているほか、リースを活用して設備投資を行っています。金利が上昇した場合、またはソフトバンクグループ㈱および子会社の信用格付けが引き下げられるなど信用力が低下した場合、これらの調達コストが増加し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、金融市場の環境やソフトバンクグループ㈱および子会社の信用力によっては、資金調達やリース組成が予定通り行えず、当社グループの事業展開、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、調達した資金(ソフトバンクグループ㈱へ返済義務が遡及しない負債を除く)の返済原資を捻出するために一部資産の売却などを行う可能性があります。その結果、当社グループの業績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループの金融機関からの借り入れや社債などには各種コベナンツが付されているものがあります。いずれかのコベナンツに抵触する可能性が発生し、抵触を回避するための手段を取ることができない場合、当該債務について期限の利益を喪失する可能性があるほか、それに伴い、その他の債務についても一括返済を求められる可能性があります。その結果、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (13) 投資活動について当社グループは、新規事業の立ち上げ、既存の事業の拡大などを目的として、企業買収、合弁会社・子会社の設立、事業会社・持ち株会社(各種契約によって別会社を実質的に支配する会社を含みます。)・ファンドへの出資などの投資活動を行っています。例えば、ソフトバンクグループ㈱は、2016年9月に英国のアームを買収しています(同社の事業に関する主なリスクは「(24) アームについて」をご参照ください)。また、ソフトバンクグループ㈱はその海外子会社がジェネラル・パートナーとして運営を行っている「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」に対し、リミテッド・パートナーとして出資を行っています(同ファンドへの投資に関する主なリスクは「(14) 「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」について」をご参照ください)。 これらの投資活動に伴い当該投資先が連結対象に加わった場合、マイナスの影響が発生するなど、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが投資時点においてその想定した通りに投資先が事業を展開できない場合、投資活動に伴い発生したのれん、有形固定資産、無形資産、株式などの金融資産の減損損失が発生するなど、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このほか、ソフトバンクグループ㈱の個別決算では、これらの投資活動に伴って取得した出資持分などを含む資産の価値が下落した場合、評価損が発生し、業績や分配可能額に影響を及ぼす可能性があります。 例えば、当社は、2017年3月期の連結決算において、インドでイーコマースサイト「snapdeal.com」を運営するJasper Infotech Private Limitedや、同じくインドでタクシー配車プラットフォーム「Ola」を運営するANI Technologies Private Limitedの優先株式などのFVTPLの金融商品から生じる損失160,419百万円を計上しました。また、ソフトバンクグループ㈱は、2017年3月期の個別決算において、STARFISH I PTE LTD(Jasper Infotech Private Limitedの優先株式を保有する中間持ち株会社)などの関係会社の株式について減損処理を行い、関係会社株式評価損114,059百万円を特別損失に計上しました。 このほか、投資先が内部統制上の問題を抱えていたり、法令に違反する行為を行っていたりする可能性があります。投資後にそうした問題や行為を早期に是正できない場合、当社グループの信頼性や企業イメージが低下したり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼしたりする可能性があります。 新規事業の立ち上げなどにおいて人材などの経営資源を十分に確保できない場合や、投資先および既存事業に対して十分な経営資源を充てることができない場合には、当社グループの業績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 (14) 「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」について「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」(以下「SVF」)は海外において設立され、2017年5月から活動を開始しました。SVFは、その投資戦略に合致する限りにおいて、上場・非上場や株式保有割合の多寡を問わず、新興テクノロジー企業から、成長のために大規模な資金を必要とする数十億米ドル規模の企業価値の大企業まで、広い範囲のテクノロジー分野で投資を行う予定です。1億米ドル以上で、かつ、SVFの投資戦略に合致する投資については、原則としてSVFまたは関連ビークルが実行し、それ以外の投資(1億米ドルの基準に満たない投資や事業会社レベルでの戦略投資、SVFの投資戦略や基準に合致しないその他の投資を含みますが、これらに限りません。)は、当社が行います。ソフトバンクグループ㈱の海外子会社がジェネラル・パートナー(以下「GP」)としてSVFの運営を行い、GPは、ソフトバンクグループ㈱の別の英国子会社(以下「英国子会社」)が英国の金融行為規制機構(Financial Conduct Authority)に登録された後は、同社から助言を受けることとなります。SVFの投資決定は英国子会社に設置される予定の投資委員会により行われます。また、ソフトバンクグループ㈱は、リミテッド・パートナーとしてSVFに出資を行っています。SVFへの出資コミットメント額は、ソフトバンクグループ㈱の280億米ドル(うち約82億米ドルは、ARM Holdings plcまたは同社の事業子会社の株式による現物出資)を含む、932億米ドル(2017年5月20日時点)であり、同日から6カ月以内に最終クロージングが見込まれます。 SVFがその投資から期待通りのリターンを得られない場合、ソフトバンクグループ㈱の海外子会社は、SVFの運用成績が一定以上なら支払われる成功報酬を十分に得られず、また、ソフトバンクグループ㈱は、リミテッド・パートナーとしてSVFへの出資から期待通りのリターンを得られない可能性があります。 SVFはソフトバンクグループ㈱の連結対象であり、SVFの業績および資産・負債はソフトバンクグループ㈱の連結財務諸表に取り込まれます。ソフトバンクグループ㈱がIFRS上の支配をしていると見なされるSVFの投資先は、ソフトバンクグループ㈱の子会社として取り扱われ、当該投資先の業績および資産・負債もソフトバンクグループ㈱の連結財務諸表に取り込まれるため、当社グループの業績や財政状態にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。SVFからの投資先がソフトバンクグループ㈱の連結財務諸表上の子会社とならない場合には、原則として毎四半期末に公正価値で測定し、その変動額は純損益で認識されます。これらの投資の公正価値が下落した場合、当社グループの業績や財政状態にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。 このほか、ソフトバンクグループ㈱の個別決算では、SVFが取得した出資持分の価値の下落に伴ってSVFの価値が下落した場合、SVFに係る評価損が発生し、業績や分配可能額に影響を及ぼす可能性があります。 (15) 子会社などに対する支援について当社グループは、必要と判断した場合、子会社などに対し融資や債務保証などの支援を行うことがあります。例えば、スプリントおよびブライトスターについては、当社グループが買収した時点で想定した通りに事業を展開できない、他の子会社などとの間で十分なシナジー(相乗効果)を創出できない、または事業展開のために想定以上の資金が必要となった場合、融資などの支援を行う可能性があります。支援した子会社などが当社グループの期待通りに事業を展開できない場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (16) カントリーリスクについて当社グループは、米国、中国、インド、欧州・中南米諸国などの海外の国・地域で事業や投資を行っています。これらの国・地域で日本とは異なる法令や各種規制の制定もしくは改正がなされた場合、または従前行われてきた行政の運用に変化・変更があった場合、当社グループの事業活動が期待通りに展開できない、または投資の回収が遅延する、もしくは不可能となるなど、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、このような法令・各種規制の制定および改正や行政の運用の変化・変更によって、当社グループが新規に行おうとする事業や投資が制限される、または期待通りに戦略を実行できない可能性があります。 このほか、これらの国や地域において、戦争・紛争・テロ行為の勃発や、経済制裁の発動、伝染病の流行などにより、政治・社会・経済的な混乱が生じた場合、当社グループの事業活動が期待通りに展開できない、または投資の回収が遅延する、もしくは不可能となる可能性があります。 (17) 法令・規制・制度などについて当社グループは、各国の様々な分野にわたる法令・規制・制度などの下で事業および投資を行っており、その影響を直接または間接的に受けます。具体的には、通信事業に関する各種法令・規制・制度など(例えば、日本の電気通信事業法や電波法および米国のこれらに相当する法令を含みますが、これらに限りません。)から、インターネット広告、イーコマース、エネルギー、ロボット、金融・決済などの事業やその他の企業活動に関する各種法令・規制・制度など(環境、製造物責任、公正な競争、消費者保護、プライバシー保護、贈賄禁止、労務、知的財産権、マネー・ロンダリング防止、租税、為替、事業・投資許認可、輸出入に関するものを含みますが、これらに限りません。)まで広範に及びます。 当社グループ(役職員を含みます。)がこれらの法令・規制・制度などに違反する行為を行った場合、違反の意図の有無にかかわらず、行政機関から行政処分や行政指導(登録・免許の取消や罰金を含みますが、これらに限りません。)を受けたり、取引先から取引契約を解除されたりする可能性があります。その結果、当社グループの信頼性や企業イメージが低下したり、事業展開に支障が生じたりする可能性があるほか、金銭的負担の発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの法令・規制・制度などの改正もしくは新たな法令・規制・制度などの施行または法令・規制・制度などの解釈・適用(その変更を含みます。)により、事業展開に支障が生じる可能性があるほか、金銭的負担の発生・増加により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (18) 会計制度・税制の変更などについて会計基準や税制が新たに導入・変更された場合や、税務当局との見解の相違により追加の税負担が生じた場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (19) 米国の国家安全保障を確保するための方策についてソフトバンクグループ㈱、Sprint CorporationおよびSprint Communications, Inc.(本(19)において「両スプリント」)は、米国国防総省(DoD)、米国国土安全保障省(DHS)および米国司法省(DOJ)との間で国家安全保障契約を締結しています。この国家安全保障契約に基づき、ソフトバンクグループ㈱と両スプリントは、米国の国家安全保障を確保するための方策を実行することに合意しています。これら方策の実行に伴いコストが増加する、または米国内の施設、契約、人事、調達先の選定、事業運営に制約を受ける可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (20) 電波の健康への影響に関する規制について携帯端末および携帯電話基地局が発する電波は、がんの発症率を高めるなどの健康上の悪影響を引き起こす可能性があるとの研究結果が一部で出ています。その電波の強さについては、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)がガイドラインを定めています。世界保健機関(WHO)は、ICNIRPのガイドラインの基準値を超えない強さの電波であれば健康上の悪影響を引き起こすという説得力のある証拠はないとの見解を示しており、本ガイドラインの採用を各国に推奨しています。 当社グループは、日本においてはICNIRPのガイドラインに基づく電波防護指針に、米国においては連邦通信委員会(FCC)が定める要件に従っています。ただし、引き続きWHOなどで研究や調査が行われており、その調査結果によっては、将来、規制が変更されたり、新たな規制が導入されたりする可能性があり、かかる変更や導入に対応するためのコストの発生や当社グループの事業運営に対する制約などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、こうした規制の有無にかかわらず、携帯端末の利用に伴う健康への悪影響に関する懸念は、当社グループの顧客の獲得・維持を困難にする可能性があり、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (21) 知的財産権について当社グループが意図せずに第三者の知的財産権を侵害した場合、権利侵害の差止めや損害賠償、ライセンス使用料の請求を受ける可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループが保有している「ソフトバンク」ブランドおよび「スプリント」ブランドなどの知的財産権が第三者により侵害され、当社グループの信頼性や企業イメージが低下する可能性があります。 (22) 訴訟について当社グループは、顧客、取引先、株主(子会社・関連会社・投資先の株主を含みます。)、従業員を含む第三者の権利・利益を侵害したとして、損害賠償などの訴訟を起こされる可能性があります。その結果、当社グループの事業展開に支障が生じたり、企業イメージが低下したりする可能性があるほか、金銭的負担の発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (23) 行政処分などについて当社グループは、行政機関から行政処分や行政指導を受ける可能性があります。こうした処分や指導を受けた場合、当社グループの事業展開に支障が生じる可能性があるほか、金銭的負担の発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (24) アームについてソフトバンクグループ㈱は、2016年9月5日、英国のアームの発行済株式および発行予定株式全部を総額約240億ポンド(約3.3兆円)の現金で買い付けました。 なお、当社が認識しているアームの事業に関する主なリスクは、以下の通りです。 a. 半導体業界における変革により、成長性や知的財産(以下「IP」)の価値が低下する可能性アームは、競争環境が厳しく、動きが速い半導体業界で事業活動を行っています。同業界では多くの企業が十分なリソースを保有しており、これらの企業がプロセッサーやフィジカルIPを魅力的な市場とみなし、新規に参入してくる可能性があります。 また、新興企業やオープンソース技術に対する取り組みにより、各企業がチップ設計を内製できる代替手段が開発される可能性があります。さまざまなエンドマーケットにおいてソフトウエアの開発費用は増加しており、アームの現在の製品ラインアップや一連の技能(スキルセット)に適さない新たな技術が現れる可能性もあります。 アームが以上のような変化に適切に対応できなかった場合、マーケットシェアの低下を招く可能性があります。 b. 競合企業の製品や技術によりマーケットシェアが低下する可能性アームは、大規模な半導体企業と比較的小規模な半導体IP企業(半導体IPの開発およびライセンス供与を行う企業)の双方との競争にさらされています。 Intel Corporationは、パソコンおよびサーバー向けにx86ベースプロセッサーを開発しており、かかるチップのエンタープライズ・エレクトロニクス、およびネットワーク・インフラやIoT(モノのインターネット)を含む組み込み市場への展開を目指しています。また、特に参入障壁が低いIoT市場などの成長市場では、多くの小規模な半導体IP企業がアームと競合しています。 競合企業による成功は、アームの収入の減少を招く可能性があります。 c. 新たな進出地域における事業運営において困難に直面する可能性中国の半導体企業は、アームの売上高においてますます大きな割合を占めるようになっており、アームは、その割合は引き続き増加するものと見込んでいます。アームは、中国市場に適した組織体制やプロセスの構築のため、引き続き中国における組織を強化するとともに、人材やインフラへの投資を行っていきます。さらに、アームは、同社が既に進出した市場とは異なる政治的および規制上の文化があるロシア、南アメリカおよびアフリカの各市場については知見および経験をほとんど有していません。これらの地域において、各政府は地場のテクノロジー企業に対して支援および資金供給を行っており、その結果、競合企業や市場が新たに生まれる可能性があります。 d. 将来、アームの技術が顧客からの要求に対応できなくなる可能性テクノロジー業界は、急激な変化を生じるという特徴があります。新たな技術革新により、チップの設計および製造手法、OEM企業によるこれらチップの利用方法、および消費者の利用方法が継続的に改善されています。テクノロジー業界に生じる変化によっては、アームやアームのビジネスモデルにとって有利でない可能性があり、これによってアームは投資方針を変更することまたはマーケットシェア低下のリスクを負うことを余儀なくされる可能性があります。このような市場環境の変化により、アームの収益性が低下する可能性があります。 e. 顧客基盤における過度の集中がアームの成長志向に対するリスクとなる可能性テクノロジー動向の変化や経済状況により半導体業界における合併などがさらに進む可能性があり、その結果、アームがその技術を販売する企業の数が減少したり、さらに少数の企業への依存度が高まったりする可能性があります。主要顧客の製品計画の変更は、アームが開発する技術に影響を及ぼす可能性があり、これによってアームに追加費用や売上計上の後ろ倒しが生じる可能性があります。 f. アームの人材、業務プロセスやインフラが、同社の成長志向に応じて適切に拡大できない可能性アームは、顧客ニーズに応える次世代のプロセッサー開発および技術開発のため、より多くのエンジニアを雇用し、過去数年で急速に従業員数を増やしています。従業員数の増加率がこのまま続く場合、現在の組織構造、企業文化、およびインフラは、さらに多数の従業員を擁する環境に適合しなくなる可能性があります。 g. ブランドおよびレピュテーションが著しく毀損する可能性アームの技術は、数十億の個人および法人向け製品に利用されており、利用者である個人や法人はこれらの製品の多くに依存し、莫大な量の個人情報、非開示情報、または財産的な価値のある情報を蓄積、管理または伝送するために利用されています。アームのある一製品に関連する障害または不具合は、アームの企業としてのレピュテーションを損ない、同社のブランド価値の喪失を招く可能性があります。アームの技術はますます複雑になりつつあり、これにより障害または不具合が発生する確率が高くなる可能性があります。 h. 第三者による知的所有権の侵害の訴えに対し、法的手続きの当事者になる可能性アームは、同社製品のインテグリティーの確立と維持に対して多大な注意を払っていますが、他社の知的所有権を侵害しているとの訴えから、同社のIPを保護し、同社の技術を守る必要が生じる可能性があります。時折、第三者がアームの技術に対して、特許権、著作権、およびその他知的財産権を主張することがあります。アームや、同社の技術の使用権取得者(以下「ライセンシー」)に対してなされる主張により、相当な金額の費用が発生する可能性があり、また、ライセンシーに対しライセンス契約に基づく補償義務がアームに発生する可能性もあります。 i. アームやその顧客がアームの技術を利用するデベロッパーのエコシステムへの投資に失敗する可能性性アームのプロセッサーは、独立したソフトウエアベンダー(Independent Software Vendors、以下「ISV」)または企業の共同コンソーシアムが開発したソフトウエアに多く利用されています。このようなコンソーシアムやISVから成る「エコシステム」は、最終製品市場ごとに形成されています。アームの技術を利用するエコシステムの維持には、アームまたはアームの顧客企業に所属するエンジニアによるサポートや、直接的な金銭的な投資が必要とされます。これらが不十分である場合、エコシステムにおいて他社の技術が支持され、その結果、機器製造メーカーがアームの技術に基づく半導体チップを採用しない可能性があります。これにより、アームの収入の減少を招く可能性があります。
FY2016|9,412 文字
4 【事業等のリスク】ソフトバンクグループ㈱および子会社・関連会社(以下併せて「当社グループ」)は、国内外において多岐にわたる事業を展開しており、これら事業の遂行にはさまざまなリスクを伴います。本有価証券報告書の提出日現在において、投資家の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主なリスクは、以下の通りです。これらのリスクが顕在化した場合、株式や社債をはじめとするソフトバンクグループ㈱発行の有価証券につき、価格の下落などが生じる可能性があります。なお、これらは、当社グループが事業を遂行する上で発生しうるすべてのリスクを網羅しているものではありません。また、将来に関する事項につきましては別段の記載のない限り、本有価証券報告書の提出日現在において判断したものです。 (1) 経済情勢について当社グループが提供するサービスや商品(例えば、通信サービスやインターネット広告を含みますが、これらに限りません。)に対する需要は、主に日本や米国、中国の経済情勢の影響を受けるため、景気の悪化のほか、日本における高齢化・人口減少といった人口統計上の変化に伴う経済構造の変化が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 為替の変動についてソフトバンクグループ㈱は連結財務諸表の作成にあたり、スプリントをはじめとする海外のグループ会社の現地通貨建ての収益および費用を四半期中の平均為替レートにより、また資産および負債を期末日の為替レートにより、日本円に換算しています。従って、為替相場の変動が当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、海外企業への投資を行っています。為替相場が投資時から大幅に変動しているときに外貨建て資産を売却した場合、為替差損が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 経営陣について当社グループの重要な経営陣、特にソフトバンクグループ㈱代表取締役社長であり当社グループ代表である孫 正義に不測の事態が発生した場合、当社グループの事業展開に支障が生じる可能性があります。 (4) 技術・ビジネスモデルへの対応について当社グループは、技術やビジネスモデルの移り変わりが早い情報産業を主な事業領域としています。今後何らかの事由により、当社グループが時代の流れに適した優れた技術やビジネスモデルを創出または導入できない場合、当社グループのサービスが市場での競争力を失い、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 他社との競合について当社グループの競合他社(例えば、移動通信事業者や仮想移動通信事業者を含みますが、これらに限りません。)は、その資本力、技術開発力、価格競争力、顧客基盤、営業力、ブランド、知名度などにおいて、当社グループより優れている場合があります。競合他社がその優位性を現状以上に活用してサービスや商品の販売に取り組んだ場合、当社グループが販売競争で劣勢に立たされ、当社グループの期待通りにサービス・商品を提供できない、または顧客を獲得・維持できないことも考えられます。その結果として、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループが競合他社に先駆けて導入した、または高い優位性を有するサービス・商品に関して、競合他社がこれらと同等もしくはより優れたものを導入した場合、当社グループの優位性が低下し、事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 通信ネットワークの増強について当社グループは、通信サービスの品質を維持・向上させるために、将来のトラフィック(通信量)を予測し、その予測に基づいて継続的に通信ネットワークを増強していく必要があります。これらの増強は計画的に行っていきますが、実際のトラフィックが予測を大幅に上回った場合、または通信ネットワークの増強(例えば、必要な周波数の確保を含みますが、これに限りません。)を行えなかった場合、サービスの品質の低下を招き顧客の獲得・維持に影響を及ぼすほか、追加の設備投資が必要となり、その結果、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 他社経営資源への依存についてa.他社設備などの利用当社グループは、通信サービスの提供に必要な通信ネットワークを構築する上で、他の事業者が保有する通信回線設備などを一部利用しています。今後何らかの事由により、当該設備などを継続して利用することができなくなった場合、または使用料や接続料などが引き上げられた場合、当社グループの事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。 b.各種機器の調達当社グループは、通信機器やネットワーク関連機器など(例えば、携帯端末や携帯電話基地局の無線機を含みますが、これらに限りません。)を他社から調達しています。特定の会社への依存度が高い機器の調達において、供給停止、納入遅延、数量不足、不具合などの問題が発生し調達先や機器の切り替えが適時にできない場合、または性能維持のために必要な保守・点検が打ち切られた場合、当社グループのサービスの提供に支障を来し、顧客の獲得・維持が困難になる可能性や調達先の変更のために追加のコストが生じる可能性のほか、通信機器の売上が減少する可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 c.業務の委託当社グループは、主に通信サービスに係る販売、顧客の獲得・維持、それらに付随する業務の全部または一部について、他社に委託しています。何らかの事由により委託先が当社グループの期待通りに業務を行うことができない場合、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 また、業務委託先は当社グループのサービス・商品を取り扱っていることから、当該業務委託先の信頼性やイメージが低下した場合には、当社グループの信頼性や企業イメージも低下し、事業展開や顧客の獲得・維持に影響を及ぼす可能性があり、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このほか、当該業務委託先において法令などに違反する行為があった場合、当社グループが監督官庁から警告・指導を受けるなど監督責任を追及される可能性があるほか、当社グループの信頼性や企業イメージが低下し顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 d.業務提携・合弁事業当社グループは、他社との業務提携や合弁会社設立などを通じて、国内外で事業展開を行っています。これらの業務提携先や合弁先の事業戦略が大幅に変更された場合や、経営成績や財政状態が悪化した場合には、当該業務提携や合弁事業などから十分な成果が得られない可能性や、当該業務提携や当該合弁事業の継続が困難となる可能性があるほか、特定の第三者との業務提携や合弁事業などを実施した結果、他の者との業務提携や合弁事業などが制約される可能性もあります。その結果、当社グループの事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。 e.Yahoo! Inc.が保有するブランドの使用当社グループは、日本国内において、「Yahoo! JAPAN」をはじめ「Y!mobile」や「Yahoo!ケータイ」、「Yahoo! BB」など、サービス名称の一部に米国のYahoo! Inc. が保有するブランドを使用しています。同社との関係に大きな変化が生じるなどしてこれらのブランドが使用できなくなった場合、当社グループの期待通りに事業を展開できなくなる可能性があります。 (8) 当社グループの提供するオンラインゲームについて当社グループのオンラインゲーム関連事業については、売上の大部分を特定のタイトルに依存しています。当該タイトルに対する既存顧客の興味・関心を維持できない場合、または競合他社が当該タイトルよりも魅力あるタイトルを市場に投入するなどして、当社グループのタイトルの競争力が低下した場合、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果として、当社グループの事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、オンラインゲームの提供および課金のため、他社が運営するコンテンツ配信サービス(Apple Inc.の「App Store」(注1)、Google Inc.の「Google Play」(注2)を含みますが、これらに限りません。)を利用しています。当該サービスの運営会社が取引手数料率を引き上げた場合、当社グループの事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。 (注) 1 Appleは米国および他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。App StoreはApple Inc.のサービスマークです。(注) 2 Google、Google PlayはGoogle Inc.の商標または登録商標です。 (9) 自然エネルギー事業について自然エネルギー事業については、太陽光や風力などの気象条件によっては発電量が想定を下回る可能性があります。また、自然災害などにより、発電設備や電力会社の送電線との接続設備に損傷などの不具合が生じた場合、発電量や売電量が大幅に低下する可能性があります。これらの結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 情報の流出などについて当社グループは、事業を展開する上で、顧客情報(個人情報を含みます。)やその他の機密情報を取り扱っています。当社グループ(役職員や委託先の関係者を含みます。)の故意・過失、または悪意を持った第三者のサイバー攻撃などにより、これらの情報の流出や消失などが発生する可能性があります。こうした事態が生じた場合、当社グループの信頼性や企業イメージが低下し顧客の獲得・維持が困難になるほか、競争力が低下したり、損害賠償やセキュリティシステム改修のために多額の費用負担が発生したりする可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 人為的なミスなどによるサービスの中断・品質低下について当社グループが提供する通信をはじめとする各種サービスにおいて、人為的なミスや設備・システム上の問題などが発生した場合、これに起因して各種サービスを継続的に提供できなくなること、または各種サービスの品質が低下することなどの重大なトラブルが発生する可能性があります。サービスの中断・品質低下による影響が広範囲にわたり、復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 自然災害など予測困難な事情について当社グループは、インターネットや通信などの各種サービスの提供に必要な通信ネットワークや情報システムなどを構築・整備しています。地震・台風・ハリケーン・洪水・津波・竜巻・豪雨・大雪・火山活動などの自然災害、火災や停電・電力不足、テロ行為、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルス感染などにより、通信ネットワークや情報システムなどが正常に稼働しなくなった場合、当社グループの各種サービスの提供に支障を来す可能性があります。これらの影響が広範囲にわたり、復旧に相当時間を要した場合、信頼性や企業イメージが低下し、顧客の獲得・維持が困難になる可能性があります。また、通信ネットワークや情報システムなどを復旧・改修するために多額の費用負担が発生する可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 日本国内においては、当社グループ各社の本社を含む拠点は、首都圏に集中しています。大規模な地震など不可避の事態が首都圏で発生し、これらの拠点が機能不全に陥った場合、当社グループの事業の継続が困難になる可能性があります。 (13) 資金調達およびリースについて当社グループは、金融機関からの借り入れや社債の発行などにより事業展開に必要な資金を調達しているほか、リースを活用して設備投資を行っています。金利が上昇した場合、またはソフトバンクグループ㈱および当社グループ会社の信用格付けが引き下げられるなど信用力が低下した場合、これらの調達コストが増加し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、金融市場の環境やソフトバンクグループ㈱および当社グループ会社の信用力によっては、資金調達やリース組成が予定通り行えず、当社グループの事業展開、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループの金融機関からの借り入れや社債などには各種コベナンツが付されているものがあります。いずれかのコベナンツに抵触する可能性が発生し、抵触を回避するための手段を取ることができない場合、当該債務について期限の利益を喪失する可能性があるほか、それに伴い、その他の債務についても一括返済を求められる可能性があります。その結果、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社グループは、スプリント買収のために調達した資金の返済原資に国内の通信事業のキャッシュ・フローを充てる予定です。当社グループが想定した通りに国内の通信事業でキャッシュ・フローを創出できない場合、買収資金の返済原資を捻出するために一部資産の売却などを行う可能性があります。その結果、当社グループの業績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 (14) 投資活動について当社グループは、新規事業(例えば、ロボット事業を含みますが、これに限りません。)の立ち上げ、既存の事業の拡大などを目的として、企業買収、合弁会社・子会社の設立、事業会社・持ち株会社(各種契約によって別会社を実質的に支配する会社を含みます。)・ファンドへの出資などの投資活動を行っています。例えば、近時、当社グループは、米国で学資ローンのリファイナンスなどの個人向けファイナンスサービスを提供するSocial Finance, Inc.などへの投資を行っています。これらの投資活動に伴い当該投資先が連結対象に加わった場合、マイナスの影響が発生するなど、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが投資時点においてその想定した通りに投資先が事業を展開できない場合、投資活動に伴い発生したのれん、有形固定資産、無形資産、株式などの金融資産の減損損失が発生するなど、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このほか、ソフトバンクグループ㈱では、これらの投資活動に伴って取得した出資持分などを含む資産の価値が下落した場合、評価損が発生するなど、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。例えば、ソフトバンクグループ㈱は、2016年3月期の個別決算において、スプリントの持ち株会社であるStarburst Ⅰ, Inc.の株式の70.4%およびGalaxy Investment Holdings, Inc.の全株式を海外事業統括会社であるソフトバンクグループインターナショナル合同会社に売却したことに伴い、関係会社株式売却損3,453億円を特別損失に計上しました。 このほか、投資先が内部統制上の問題を抱えていたり、法令に違反する行為を行っていたりする可能性があります。投資後にそうした問題や行為を早期に是正できない場合、当社グループの信頼性や企業イメージが低下したり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼしたりする可能性があります。 新規事業の立ち上げなどにおいて人材などの経営資源を十分に確保できない場合や、投資先および既存事業に対して十分な経営資源を充てることができない場合には、当社グループの業績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 (15) 子会社などに対する支援について当社グループは、必要と判断した場合、子会社などに対し融資や債務保証などの支援を行うことがあります。例えば、スプリントおよびブライトスターについては、当社グループが買収した時点で想定した通りに事業を展開できない、他の当社グループ会社との間で十分なシナジー(相乗効果)を創出できない、または事業展開のために想定以上の資金が必要となった場合、融資などの支援を行う可能性があります。支援した子会社などが当社グループの期待通りに事業を展開できない場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (16) カントリーリスクについて当社グループは、米国、中国、インド、欧州・中南米諸国などの海外の国・地域で事業や投資を行っています。これらの国・地域で日本とは異なる法令や各種規制の制定もしくは改正がなされた場合、または従前行われてきた行政の運用に変化・変更があった場合、当社グループの事業活動が期待通りに展開できない、または投資の回収が遅延する、もしくは不可能となるなど、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、このような法令・各種規制の制定および改正や行政の運用の変化・変更によって、当社グループが新規に行おうとする事業や投資が制限される、または期待通りに戦略を実行できない可能性があります。 このほか、これらの国や地域において、戦争・紛争・テロ行為の勃発や、経済制裁の発動、伝染病の流行などにより、政治・社会・経済的な混乱が生じた場合、当社グループの事業活動が期待通りに展開できない、または投資の回収が遅延する、もしくは不可能となる可能性があります。 (17) 法令・規制・制度などについて当社グループは、各国の様々な分野にわたる法令・規制・制度などの下で事業および投資を行っており、その影響を直接または間接的に受けます。具体的には、通信事業に関する各種法令・規制・制度など(例えば、日本の電気通信事業法や電波法および米国のこれらに相当する法令を含みますが、これらに限りません。)から、インターネット広告、イーコマース、オンラインゲーム、エネルギー、ロボット、金融・決済などの事業やその他の企業活動に関する各種法令・規制・制度など(環境、製造物責任、公正な競争、消費者保護、プライバシー保護、贈賄禁止、労務、知的財産権、マネー・ロンダリング防止、租税、為替、事業・投資許認可、輸出入に関するものを含みますが、これらに限りません。)まで広範に及びます。 当社グループ(役職員を含みます。)がこれらの法令・規制・制度などに違反する行為を行った場合、違反の意図の有無にかかわらず、行政機関から行政処分や行政指導(登録・免許の取消や罰金を含みますが、これらに限りません。)を受けたり、取引先から取引契約を解除されたりする可能性があります。その結果、当社グループの信頼性や企業イメージが低下したり、事業展開に支障が生じたりする可能性があるほか、金銭的負担の発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの法令・規制・制度などの改正もしくは新たな法令・規制・制度などの施行または法令・規制・制度などの解釈・適用(その変更を含みます。)により、事業展開に支障が生じたりする可能性があるほか、金銭的負担の発生・増加により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (18) 米国の国家安全保障を確保するための方策についてソフトバンクグループ㈱、Sprint CorporationおよびSprint Communications, Inc.(本(18)において「両スプリント」)は、米国国防総省(DoD)、米国国土安全保障省(DHS)および米国司法省(DOJ)との間で国家安全保障契約を締結しています。この国家安全保障契約に基づき、ソフトバンクグループ㈱と両スプリントは、米国の国家安全保障を確保するための方策を実行することに合意しています。これら方策の実行に伴いコストが増加する、または米国内の施設、契約、人事、調達先の選定、事業運営に制約を受ける可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (19) 電波の健康への影響に関する規制について携帯端末および携帯電話基地局が発する電波は、がんの発症率を高めるなどの健康上の悪影響を引き起こす可能性があるとの研究結果が一部で出ています。その電波の強さについては、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)がガイドラインを定めています。世界保健機関(WHO)は、ICNIRPのガイドラインの基準値を超えない強さの電波であれば健康上の悪影響を引き起こすという説得力のある証拠はないとの見解を示しており、本ガイドラインの採用を各国に推奨しています。 当社グループは、日本においてはICNIRPのガイドラインに基づく電波防護指針に、米国においては連邦通信委員会(FCC)が定める要件に従っています。ただし、引き続きWHOなどで研究や調査が行われており、その調査結果によっては、将来、規制が変更されたり、新たな規制が導入されたりする可能性があり、かかる変更や導入に対応するためのコストの発生や当社グループの事業運営に対する制約などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、こうした規制の有無にかかわらず、携帯端末の利用に伴う健康への悪影響に関する懸念は、当社グループの顧客の獲得・維持を困難にする可能性があり、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (20) 知的財産権について当社グループが意図せずに第三者の知的財産権を侵害した場合、権利侵害の差止めや損害賠償、ライセンス使用料の請求を受ける可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループが保有している「ソフトバンク」ブランドおよび「スプリント」ブランドなどの知的財産権が第三者により侵害され、当社グループの信頼性や企業イメージが低下する可能性があります。 (21) 訴訟について当社グループは、顧客、取引先、株主(子会社・関連会社・投資先の株主を含みます。)、従業員を含む第三者の権利・利益を侵害したとして、損害賠償などの訴訟を起こされる可能性があります。その結果、当社グループの事業展開に支障が生じたり、企業イメージが低下したりする可能性があるほか、金銭的負担の発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (22) 行政処分などについて当社グループは、行政機関から行政処分や行政指導を受ける可能性があります。こうした処分や指導を受けた場合、当社グループの事業展開に支障が生じる可能性があるほか、金銭的負担の発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。