9552

クオンツ総研ホールディングス(9552)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

サービス業 情報通信・サービスその他

事業の概要

クオンツ総研ホールディングスは、M&A仲介事業、コンサルティング事業、その他(資産運用コンサルティング、オペレーティング・リース)を展開しています。主力はM&A仲介事業で、AIなどのテクノロジーとM&Aアドバイザーのサポートを組み合わせたハイブリッドなサービスを提供。譲渡希望企業と買手候補企業のマッチングから成約までを支援し、成約時に仲介手数料を得ることで収益を上げています。着手金や中間報酬は取らず、完全成功報酬制を採用しています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

同社の事業セグメントは主に「M&A仲介事業」と「コンサルティング事業」、そして「その他」で構成されています。「M&A仲介事業」はテクノロジーを活用したM&A仲介サービスを提供しており、売上163.0億円、営業利益86.9億円と、報告セグメントの中で最も大きな収益源となっています。「コンサルティング事業」は戦略やIT、DXなどの総合コンサルティングを提供。「その他」には資産運用コンサルティング事業やオペレーティング・リース事業が含まれます。M&A仲介事業が圧倒的な稼ぎ頭です。

2024-09 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
MAndABrokerageReportableSegment 事業 163 87 53.3%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|6,152 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、連結子会社10社(株式会社M&A総合研究所、株式会社資産運用コンサルティング、株式会社クオンツ・コンサルティング、M&A Research Institute Singapore Pte. Ltd.、株式会社総研リース、他5社)で構成されており、M&A仲介事業、コンサルティング事業の他、オペレーティング・リース事業を展開しております。なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については、連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」をご参照ください。区分概要M&A仲介事業・テクノロジーを用いたM&A仲介サービスの提供コンサルティング事業・戦略/IT/DX等の総合コンサルティング事業その他・資産運用コンサルティング事業及びオペレーティング・リース事業 (M&A仲介事業)(1)事業の特徴当社グループのM&A仲介事業は、「M&A Techにより未来のM&A市場を創造する」を企業理念に掲げ、AIを中心としたテクノロジーとM&AアドバイザーのサポートによるハイブリッドなM&A仲介サービスを提供しております。従来のM&A仲介サービスにテクノロジーを組み込み、効率化を推し進めることでマッチング相手を探索するスピードや成約までのスピードを短縮化し、1社でも多くの企業のM&Aの成約をサポートすることを目標としております。M&A仲介サービスは、譲渡希望企業もしくは買手候補企業との間でアドバイザリー契約を締結し、マッチング相手探索や、マッチング後のディール進行過程における利害関係者との各種調整業務等のサポートを行い、両者が円満に成約できるよう取引をリードするものであります。M&A成約時に仲介手数料を収受することが主な収益となります。 M&A仲介事業では、AIの活用とDXの推進によりM&Aの効率化を図っており、それぞれ以下のように業務に組み込んでおります。① AIの活用M&Aを実施する際には無数に存在する企業の中から譲渡希望企業もしくは買手候補企業と親和性の高い企業を探す必要があり、従来はM&Aアドバイザーの属人的な知見によるところが大きかったため、候補先が自然と限定されてしまうおそれや抜け漏れの発生、マッチングに時間を要することがありました。このような問題を解消すべく、当社は候補先企業のリストアップにAIを導入し、提案スピード及び質の向上、また、ヒューマンエラーの防止に活かしております。 ② DXの推進M&Aをスピーディーに進めるため、自社内でシステム開発を行うことで徹底的に社内業務の効率化を進めております。自社開発環境を整えることにより、システムベンダーに外注する際とは異なり、日々タイムリーにマイナーバージョンアップを繰り返すことが可能となっており、効率化の速度を高めております。各業務における主なDX事例は以下のとおりとなります。 ⅰソーシング(案件探索)ダイレクトメールや手紙を送付してアプローチする企業を選定する際に、これまでは各M&Aアドバイザーが手作業で選定していましたが、様々な切り口での検索を可能にしたソーシング機能を社内システムに組み込んでおります。これにより企業選定にかかる時間を短縮しております。 ⅱアドバイザリー契約受託・案件化譲渡希望企業もしくは買手候補企業と秘密保持契約やアドバイザリー契約を締結する際には社内での稟議が必要となりますが、当社グループでは稟議決裁システムも自社開発しており、従来は各担当者が手入力して作成していた契約書ドラフトが即座に作成、ワークフローに添付される仕組みを構築しております。これにより日々生じる各種稟議申請にかかる時間を短縮することを実現しました。 ⅲその他M&Aアドバイザー各個人のアポイント数、アドバイザリー契約締結数、営業経費金額等を社内システムで随時集計しており、全社員の営業活動が社内システムの画面上で把握できる状態となっております。これにより効率的な営業活動が行われているか、常にマネジメント可能にしております。また、営業日報に記載される営業情報や入手した名刺情報等を社内システム内の企業データベースに自動で紐づけ、リアルタイムで企業情報をアップデートすることにより、効率的な営業活動のモニタリングが可能となっております。 (2)事業フロー①ソーシング(譲渡希望企業の探索からアドバイザリー契約締結まで)当社グループではアウトバウンド、インバウンドという2種類のソーシングルートから案件を獲得しております。 ⅰアウトバウンド企業に対し当社グループからダイレクトメールや手紙を送付し、反応があった企業について、M&Aアドバイザーが面談を行いM&Aに対するニーズや財務状況等をヒアリングします。当社グループではダイレクトメールや手紙の文面や封筒のデザイン等についても徹底して改良を続けており、開封率や返信率を向上させるべく種々のテストを繰り返し実施しております。 ⅱインバウンド当社グループWEBサイトからお問合せを頂く、もしくは直接お電話にてお問合せを頂いた企業に対し、M&Aアドバイザーが面談を行いM&Aに対するニーズや財務状況等をヒアリングします。当社グループはWEBサイトからの集客に強みをもっており、当社グループが運営するM&A情報サイトのオーガニック検索数は国内M&A仲介事業者の中でも高水準であります。WEBサイトへの流入がそのまま問い合わせに繋がるケースも多く、インバウンドでの案件獲得に寄与しております。 譲渡希望企業と秘密保持契約を締結し、譲渡希望企業の事業内容や財務内容、M&Aを希望する経緯等を確認し、企業価値評価を行ったうえで譲渡可能性等を検討します。譲渡可能性が高い場合には当該企業とのアドバイザリー契約受託の可否について社内で審査を行います。当社グループは譲渡希望企業とのアドバイザリー契約の締結時に着手金を収受しておらず、ディールの進行時にも中間報酬を収受しない完全成功報酬制を採っております。競合他社ではこれらの報酬を収受するケースが一般的であり、当社グループは料金体系において競合優位性を築いております。 ②マッチング(案件化から買手候補企業と譲渡希望企業がトップ面談を行うところまで)譲渡希望企業とアドバイザリー契約を締結した後、買手候補企業に対する提案書となる企業概要書を作成します。この業務は「案件化」といわれます。譲渡希望企業の事業内容や財務内容、事業エリア等、複数の情報をAⅠマッチングアルゴリズムに登録することにより、親和性の高い買手候補企業をAⅠが自動で抽出し、ロングリストを作成します。AIマッチングアルゴリズムは当社グループのAI事業部にて開発し、主に以下の項目を用いて企業間の親和性を推定し、ランク付けを行っています。(a) 過去の買収実績(b) 商流や販路の拡大可能性、商材(c) 所在地(d) 売上規模なお、精度向上のため、買収実績のアップデートや商流や商材に関する情報の精緻化を続けております。M&Aアドバイザーは自動作成されたロングリストに加え、社内に蓄積されたM&A情報等を鑑みアプローチ先を100件程度に絞り込み、メール、電話、訪問等による営業活動を実施しております。買手候補企業が興味を示し、譲渡希望企業と正式にM&Aに関する話を進めることになった場合、当社グループと買手候補企業の間でアドバイザリー契約を締結します。当社グループではAIマッチングアルゴリズムを利用することにより、マッチング業務の効率化、品質の底上げに取り組んでおります。従来のM&A仲介業務におけるマッチングは属人性が高く、担当者の経験に基づいて買手候補企業をピックアップしていました。この場合、適切なマッチングが行われないおそれや、ヒューマンエラーによりピックアップ時に漏れが生じるおそれがありますが、全員が同じAIマッチングアルゴリズムを利用しシステマチックに買手候補企業を抽出し、アプローチすることにより、それらの課題を改善しました。M&A仲介の経験者と未経験者の間に生じる提案品質の差を埋めることも可能となっております。買手候補企業と当社グループの間でアドバイザリー契約を締結した後は買手候補企業と譲渡希望企業との間でトップ面談や条件交渉が行われます。 ③エグゼキューション(意向表明の提出から成約まで)買手候補企業から譲渡希望企業に対し買収の意向表明書が提出された時点、もしくは基本合意の締結、買収監査の実施時点で、買手候補企業から中間報酬を収受します。中間報酬額は、原則として買手候補企業が当社グループに支払う仲介手数料想定額の10%になります。この際においても譲渡希望企業からは中間報酬は収受いたしません。買手候補企業と譲渡希望企業の間で株式譲渡契約が締結され、クロージング条項等が全て満たされた時点で仲介手数料が発生し、双方から収受します。これらを表で示すと以下のようになります。 アドバイザリー契約締結以下のいずれかの時点・意向表明書の提出・基本合意の締結・買収監査の実施クロージング譲渡希望企業--成功報酬買手候補企業-中間報酬成功報酬 (3)各種指標の推移当社グループにおけるM&A仲介での2020年10月以降の成約件数、1件あたりの平均成約手数料、及び合計成約手数料の推移は以下のとおりであります。期年月成約件数(件)1件あたり平均成約手数料(百万円)合計成約手数料(百万円)2021年9月期第1四半期543218第2四半期364192第3四半期740280第4四半期1051515通期25481,2072022年9月期第1四半期1758992第2四半期978702第3四半期17591,004第4四半期18581,050通期61613,7492023年9月期第1四半期33611,958第2四半期29621,674第3四半期43532,295第4四半期31682,120通期136608,0482024年9月期第1四半期66 ※ 744,892第2四半期57633,590第3四半期64654,189第4四半期55663,629通期2426716,3012025年9月期第1四半期65613,956第2四半期49643,139第3四半期61593,629第4四半期59754,422通期2346515,146 ※ 同業他社との比較を可能にするために、2024年9月期第1四半期から成約単価の計算方法を変更し、M&A仲介事業売上高÷成約件数で算定しております。 (用語の解説)本書記載内容に対する理解を容易にするため、また、正しく理解していただくために、本書で使用する用語の解説を以下に記載しております。M&Aアドバイザー顧客の相談に乗って適切なM&Aの相手を探し、提携条件等に関する必要なアドバイスや契約書類の起案を行うことを通して、顧客のM&Aを支援するアドバイザー。アドバイザリー契約M&A仲介会社と譲渡先企業(買収先企業)との間でM&Aに関するアドバイスや手続きの支援を実施することを目的として締結する契約。一般的には専任契約であり、アドバイザリー契約書において、業務範囲、秘密保持、仲介手数料、免責等に関する事項が記載される。秘密保持契約(NDA)公開情報ではない情報を入手した場合に、当該秘密情報の守秘義務を遵守することを約する契約。M&A仲介上、譲渡希望企業及び買収先企業の経営戦略等に関する機密情報が第三者に漏洩することを防止する目的で秘密保持契約を締結する。Non Disclosure Agreementの頭文字からNDAと表記することが多い。企業概要書譲渡希望企業の事業内容、財務内容、非財務内容や希望する譲渡条件等を要約した資料。ロングリスト譲渡希望企業に対するM&Aを検討している買手候補企業を列挙したリスト。トップ面談譲渡先企業と買収先企業双方の経営者(トップ)が面談を実施すること。経営者の価値観や経営理念等、書類では確認できない部分に関して、相互理解を深める目的で実施される。基本合意書買収監査前のタイミングで提携条件の大枠を譲渡先企業と買収先企業が相互に確認するために締結する契約書。一般的には取引金額、役員の処遇等の基本的な条件、M&A実行までのスケジュール、独占交渉権、守秘義務などの条項が盛り込まれる。買収監査(デューデリジェンス)買収先企業が公認会計士や弁護士に依頼し、譲渡先企業の財務情報の正確性や法的なリスクを確認することを目的とした調査。成功報酬M&Aが実現した際に、アドバイザリー契約に基づきM&A仲介会社へ支払う報酬。 (事業系統図) (コンサルティング事業)(1)事業の特徴株式会社クオンツ・コンサルティングは、戦略/IT/DX等の総合コンサルティング事業を行っております。「テクノロジーにより、未来の日本を創造する」をスローガンに、徹底した現場・現物・現実主義で、日本企業の歴史と旧き良き組織風土を重んじながらも、クライアントが自ら変革を断続的に起こせるように、実益を伴う施策の提案・実行力をもって徹底的に伴走支援を行います。テクノロジーの力を最大限に活用し、柔軟かつ適切に多様に変革を続け、不確実・リスクの時代を生き抜く経営の実現に寄与しています。①テクノロジーコンサルティングDX/IT戦略、AI等の最先端技術活用、PMOやリスク・ITガバナンス変革、サイバーセキュリティ対策等のサービスを提供しています。②経営戦略コンサルティングM&A戦略~PMI、全社/事業戦略策定、事業ポートフォリオ見直し、全社BPRやESG、知財/無形資産ガバナンス等のサービスを提供しています。 (2)組織・育成体制の特徴①ワンプール制による多様な成長機会の創出特に若手のコンサルタントの多様なキャリア形成や、案件特性およびスキルに応じて柔軟にプロジェクトにアサインできるよう、部門や業界ごとに固定せず、全社的に一元管理された人材プールを設けています。②多種多様な研修プログラムによる人材育成コンサルタントのランクに応じた階層型研修に加え、メンター制度、360度評価、金融知見を活かして本質的に企業価値向上に資する仕組みや経営効率の向上を志向する勉強会や各種研修を定期的に実施しています。 ③自社開発システムによる効率化稼働率・案件・ナレッジを一元的に管理し、全社員が再現性ある形で効率的に成果創出に集中できる環境を実現しています。 (その他)その他の事業として、株式会社総研リースがオぺレーティング・リース事業を行っております。 当社グループの事業の系統図は、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 なし
M&A仲介業務は許認可や資格、大規模な設備投資が不要であるため、参入障壁は比較的低い。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:M&A市場の低迷 / 同業他社との競合 / 法的規制の変更
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 2 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

公開情報からは、特許やブランド力、規制ライセンスなど、明確な無形資産の優位性を示す具体的な情報は確認できませんでした。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

顧客がクオンツ分析サービスを導入する際には、一定の学習コストやシステム連携が発生する可能性があります。しかし、他社サービスへの乗り換えが極端に困難である、あるいは乗り換えによる損失が大きいとまでは言えない状況です。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

現時点では、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるようなネットワーク効果は確認されません。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

競合他社と比較して、構造的に著しく低いコストでサービスを提供できるような優位性は、公開情報からは見受けられません。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

クオンツ分析サービス市場において、一定の規模を持つ企業ではありますが、業界全体に対して最適化された少数寡占を形成するほどの圧倒的な規模の経済性はまだ見られません。

同社のM&A仲介事業は、AIを活用したマッチングアルゴリズムと社内DXによる業務効率化が強みです。AIが最適な候補企業を抽出し、提案スピードと質を向上させ、ヒューマンエラーを削減。また、自社開発システムで社内業務を効率化し、スピーディーなM&Aを実現しています。これにより、M&Aアドバイザーの経験差を埋め、質の高いサービスを安定的に提供できるほか、完全成功報酬制という料金体系で競合優位性を築いています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

事業リスク

M&A市場の低迷は、景気悪化や後継者不在企業の減少により、同社の業績に影響を与える可能性があります。また、M&A仲介業務は参入障壁が低いため、同業他社との競争激化もリスクです。さらに、M&A仲介業務を直接規制する法令は現状ありませんが、将来的な法改正や規制強化があった場合、事業に影響を及ぼす可能性があります。収益の大部分をM&A仲介事業に依存しているため、市場の変化が業績に大きく影響する可能性もあります。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,420 文字
3 【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に取り組む方針でありますが、当社グループの経営状況及び将来の事業についての判断は、以下の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。当社グループのリスク管理体制としては、リスク管理規程を定めるとともに、日常的に発生するリスクについては取締役会において報告・検討され、未然防止及び早期対応を図るよう努めております。例外的又は突発的なリスクに関しては、代表取締役社長がリスク対応体制を発動し、対応を図る予定としております。 なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクを全て網羅しているものではありませんので、この点にご留意下さい。 (1)事業環境に関するリスク(M&A市場の低迷)発生可能性:低影響度:大M&A市場は、後継者不在企業の増加に伴う事業承継型M&Aやノンコア事業を切り離す戦略型のM&A、中長期の成長戦略手法としてのM&Aといったニーズの拡大を受け、今後も成長していくものと考えております。しかしながら、景気の悪化や自然災害等により、買収ニーズが縮小する場合や後継者不在企業が減少する場合には、M&A市場が低迷し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (同業他社との競合)発生可能性:高影響度:大M&A仲介業務は許認可や資格、大規模な設備投資が不要であるため、参入障壁は比較的低いと考えております。当社グループでは、これまでの経験により蓄積されたナレッジやノウハウを社内で共有するためのシステムを自社開発することにより、新入社員が成果を出すスピードを上げるなど、種々の施策を講じて対応を図っておりますが、同業他社との競争が激化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (法的規制)発生可能性:中影響度:大現状、M&A仲介業務を直接的に規制する法令等は存在せず、許認可や資格も不要であります。しかしながら、今後、法令等の制定・改定により、M&A仲介業務に対して何らかの規制がなされることになった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。一方で、中小企業庁がM&A支援機関登録制度を発足し、一定の要件を満たす仲介事業者やアドバイザリー業者が公開されています。当社グループも登録事業者となっておりますが、今後、登録要件の変更や制度の改定等により登録事業者でなくなった場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、M&Aに関連する法改正が行われた場合には、社会におけるM&Aニーズも変化する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。その他、M&Aの取引やスキームに関連する会社法、金融商品取引法、税法等の法改正がM&A取引の推進に影響する場合、当社グループの経営成績及び財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。現在においてはリスクが顕在化するような具体的な法改正は行われていないと認識しておりますが、リスクが顕在化する可能性が生じた場合、早急に必要な対応を図る予定としております。 (2)事業内容に関するリスク(業績の変動)発生可能性:中影響度:大当社グループの提供するM&A仲介サービスは、譲渡希望企業に対しては完全成功報酬制であるため、成約時に報酬の大部分を受領することとなります。そのため、案件の成約時期によって業績が大きく変動する可能性があります。また、受託する案件の規模により、成功報酬も異なるため、受託案件数を増やすことにより、業績が大きく変動しないよう取り組んでおりますが、案件成約数の一時的な変動や成約案件規模の大小により、業績が大きく変動する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (技術革新)発生可能性:低影響度:中当社グループの事業に関連するAI技術は、日々研究開発が進んでおり技術革新の速度が非常に速い分野であります。当社グループもこのような技術革新に対応し、AIを活用した事業基盤の強化に努めていきますが、技術革新への対応が遅れた場合には競争力が低下し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (訴訟)発生可能性:低影響度:中当社グループは、サービス品質の向上とコンプライアンス体制の構築に努めており、本書提出日現在において業績に重大な影響を及ぼす訴訟等は発生しておりません。しかしながら、今後、何らかの要因により訴訟を提起された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (M&A仲介事業への依存)発生可能性:低影響度:中当社グループは、収益の大部分をM&A仲介事業に依存しております。事業承継ニーズや成長戦略のためのM&Aニーズの高まりによりM&A市場は今後も拡大していくものと考えておりますが、経済情勢の変動や社会問題の発生等によりM&A市場に著しい変化が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (自然災害等)発生可能性:低影響度:大当社グループは、保有するデータの多くを外部サーバー上に保管しているため、自然災害等に起因してこれらに保管しているデータが利用できなくなった場合や、当社グループ自体に甚大な被害が発生し、事業活動の遂行が困難になった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3)組織体制に関するリスク(人材の採用・育成)発生可能性:低影響度:大M&A仲介業務は、人材に依る部分が大きく、人材の獲得と育成は、最も重要な経営課題の一つであると考えております。しかしながら、雇用情勢の変化等により人材を適時に獲得できない場合、人材が大量に社外流出してしまった場合、育成が計画通り進展しない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (情報セキュリティ管理)発生可能性:低影響度:大当社グループは、法人の機密情報を扱うことが多いため、顧客との間で秘密保持契約を締結しており、守秘義務を負っております。当社グループでは、顧客情報が漏洩しないように社内規程を整備し、情報管理を徹底しております。しかしながら、不測の事態によって守秘義務の対象となる顧客情報が漏洩した場合、損害賠償請求や信用の失墜により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、M&Aに関連するニーズやメールマガジンの登録時に、個人情報を取得する場合があります。当社グループでは、個人情報の保護に関する法律及びその関連法令に基づき、個人情報保護に関する規程等を定めることで、個人情報を厳正に管理しております。しかしながら、このような対策にも関わらず、不測の事態により、個人情報の漏洩や不正利用等が生じた場合には、当社グループの信用の失墜により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (代表取締役社長への依存)発生可能性:低影響度:中当社代表取締役である佐上峻作は、当社グループの創業者及び経営の最高責任者であり、2025年9月30日時点で当社株式の58.0%を所有する大株主であるとともに、経営方針や事業戦略の立案・決定及びその遂行において重要な役割を果たしております。当社グループでは、過度な依存を回避すべく、取締役会、経営会議等における役員及び幹部社員の情報共有を行い、経営管理体制の強化、経営幹部の育成等を図ることにより、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、現時点において当該役員に対する依存度は高い状況にあるといえます。そのため、何らかの理由により同氏が当社グループの経営を行うことが困難な状態となり、また、後任となる経営層の採用・育成が進展していなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (急速な組織の拡大)発生可能性:低影響度:中2025年9月30日時点で、当社は取締役6名、監査役3名、当社グループの従業員は690名で事業を運営しておりますが、引き続き積極的に採用活動を行い、組織を拡大させていく方針です。今後の人員構成において最適と考えられる内部管理体制及び業務執行体制を構築するための人材の採用や育成を行う方針でありますが、これらの施策が適切なタイミングで実施できなかった場合、又は人材が社外に流出した場合は、内部管理体制及び業務執行体制が有効に機能せず、当社グループの事業展開に支障が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)その他のリスク(新株予約権の行使による株式価値の希薄化について)発生可能性:高影響度:低当社グループは役員及び従業員等に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブを目的として、上場後5年間に渡るベスティングを付したストック・オプションを付与しております。また、今後の優秀な人材確保のため信託型ストック・オプションを発行しております。新株予約権について行使が行われた場合には、当社グループの1株当たりの株式価値は希薄化し、株価形成に影響を与える可能性があります。なお、2025年9月30日現在における新株予約権による潜在株式数は4,025,889株であり、発行済株式総数54,101,335株の7.4%に相当しております。新株予約権の詳細は「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」をご参照下さい。 (大株主との関係について)発生可能性:中影響度:中当社の代表取締役社長である佐上峻作は、当社の大株主であり、2025年9月30日時点で発行済株式総数の58.0%の議決権を所有しております。同氏は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。また、当社グループと致しましても、同氏は安定株主であると認識しておりますが、将来的に何らかの事情により、大株主である同氏の株式が減少した場合には、当社株式の市場価格、議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。

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