事業等のリスク
NTTグループの事業にはいくつかのリスクがあります。市場の変化や競争の激化に適切に対応できない場合、収益の低下や投資効率の悪化、コスト削減効果の不足が生じる可能性があります。特に、グローバル市場では、海外企業との競争激化や、各国の法規制、税制、商習慣の違い、国際政治情勢などが経営成績に影響を与える可能性があります。また、AIやIOWNといった先端技術の導入・展開が計画通りに進まない場合、競争力の低下や成長機会の逸失につながるリスクも存在します。これらのリスクが顕在化すると、NTTグループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|27,688 文字
3【事業等のリスク】本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を、NTTグループの事業を取り巻く環境及びそれに対応した事業戦略、業務運営に係るリスクのほか、規制をはじめとした政府との関係に係るリスク等の観点から総合的な評価を行っています。当社におけるビジネスリスクマネジメントの概要、リスクの抽出・重要リスクの特定、リスクの内容及び対処策については以下のとおりです。 (1)ビジネスリスクマネジメントの概要身近に潜在するリスクの発生を予想・予防し、万一リスクが顕在化した場合でも損失を最小限に抑えること等を目的として、リスクマネジメントの基本的事項を定めたリスクマネジメント規程を制定しています。代表取締役副社長が委員長を務めるビジネスリスクマネジメント推進委員会及びグループビジネスリスクマネジメント推進委員会が中心となって、リスクマネジメントのPDCAサイクルを構築し運用しています。なお、2024年度においてビジネスリスクマネジメント推進委員会は2回、グループビジネスリスクマネジメント推進委員会は2回開催され、全社的に影響を与えると想定されるリスクの特定及びその管理方針等について議論しました。また、グループ一体となってリスクマネジメントに取り組むため、NTTグループビジネスリスクマネジメントマニュアルを策定しグループ各社に配布しています。本マニュアル等により、リスク発生に備えた事前対処策、リスクが顕在化した場合におけるグループ連携方法や対応方針、情報連絡フロー等を定め、迅速な対応を可能とする体制を整備し運用しています。 (2)リスクの抽出・重要リスクの特定当社では社会環境の変化等を踏まえ、想定するリスクや、その管理方針の見直しを随時行っています。リスクの抽出にあたっては、ビジネスリスクマネジメント推進委員会及びグループビジネスリスクマネジメント推進委員会が中心となって、NTTグループを取り巻くリスクの分析プロセスを策定し、このプロセスに則って定期的にリスク分析を実施することで、全社リスクを特定します。さらに、それらリスクの相関分析を行い、最も重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクを「重要リスク」と特定し、その対応策を決定します。 (3)リスクの内容及び対処策文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。当社が現在関知していないリスク、あるいは当社が現時点では重要ではないと考えるリスクであってもNTTグループの事業活動を損なうことになる可能性があります。さらに、本有価証券報告書は、リスクと不確実性を伴う将来見通しに基づく情報も含んでいます。NTTグループは、下記リスクのほか、本有価証券報告書中の他の箇所に記載されているリスクに直面していますが、これらのリスクの影響により、NTTグループの実際の業績が、将来見通しに基づく記述が想定しているものとは大きく異なってくる可能性があります。 ○ 経営戦略に係るリスク事業成長に関するリスク 市場構造の変化や競争の進展に適切に対応できない場合、NTTグループの営業収益が低下する可能性や設備投資の効率化が図れない可能性、販売経費・設備関連コスト・人件費等の削減効果が充分に発揮されない可能性があります。情報通信市場では、競合他社の新規参入等による競争激化や、新料金プラン等による顧客基盤の維持・更なる拡大がNTTグループの想定したとおりにならない場合、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、情報サービス市場では、急成長するインドや中国等の情報サービス企業が、グローバル競争をもたらしつつあり、競合会社の積極参入による競争激化が経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。特にグローバルビジネスの拡大において、企業・組織との合弁事業、事業提携、協力関係の構築、出資、買収等の活動を実施していますが、海外における事業活動は、投資や競争等に関する法的規制、税制、契約実務を含めた商習慣の相違、労使関係、国際政治等様々な要因の影響下にあります。これらのリスクが顕在化した場合には、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。その他の市場においても、各事業において想定したとおりの収益が得られない可能性があり、結果として経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。さらに、NTTグループは、活用を推進するため、「もし、全ての業務をAIに任せるとしたら」という発想で抜本的な業務プロセス変革や生成AI関連ビジネスを通じた新たな価値創造に取り組んでいます。しかしながら、AIの急速な進化に対して社内実装に向けた体制整備の遅れ、導入に係るコスト負担の増加、エコシステム形成に向けたパートナー等との連携の遅れ、法規制や社会的受容性への対応の遅延などにより、当該ビジネスが想定どおりに拡大しない場合には、競争力の低下やサービス品質維持に伴うコスト増、成長機会の逸失を招き、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、IOWNについては、そのロードマップが計画どおりに進展しないことにより、技術革新によるビジネスが拡大しないことや、IOWNを軸としたエネルギー効率化が図られないことで、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループは、2023年5月に発表した中期経営戦略「New value creation & Sustainability 2027 powered by IOWN」に基づき、これまでの中期経営戦略の考え方や取り組みをベースに、新たな価値創造と地球のサステナビリティを実現することをめざしています。設備投資の効率化に向けては、各社でネットワークのシンプル化・スリム化を実施することに加え、AI等を活用し、自らの業務プロセスをデジタル化することで様々な業務における更なる生産性の向上をめざします。また、グループ各社が共通で購入するハードウェア、ソフトウェア及びサービスについて、グローバルベンダー等と一元的に価格交渉を行い、包括的な契約を締結する調達専門会社のNTT Global Sourcing, Inc.を米国に設立し、NTTグループのトータルの調達コスト削減等に取り組んでいます。ITシステムについても、グローバルで標準化されたシステムへ移行していくことを通じて、共通基盤化による効率化を進めるとともに、シンプルで生産性の高い業務運営の確立に向けて取り組んでいます。また、グローバル事業における着実な成長を実現するため、2019年よりグローバル事業の再編成に取り組んできましたが、昨今お客さまのニーズはますます多様化・高度化し、デジタルトランスフォーメーション(DX)や、ITモダナイゼーションへのニーズが高まるとともに、競合各社は社会・テクノロジーの変化に合わせサービスラインを拡大する等、事業環境が大きく変化してきています。このような状況下、株式会社エヌ・ティ・ティ・データとNTT Ltd.で行ってきたビジネスユーザ向けグローバル事業を株式会社エヌ・ティ・ティ・データ傘下に集約し、2024年4月より、北米、EMEA・中南米、APACの3つのRegional Units、Global Technology Services、Business Solutionsの2つのGlobal Unitsの計5Unitsで構成される新オペレーティングモデルでの事業運営を本格的に開始しました。統一した事業戦略のもと、インフラからアプリケーションまでのEnd to Endのサービス提供、当社の研究開発の成果の活用や5G等の分野におけるビジネス推進に取り組むとともに、中長期的には、IOWN構想を中核とした環境価値、社会価値も提供可能な高度なサービスの実現に向けて取り組みます。出資に関しては、定期的にモニタリングを実施する等、期待したリターンを得られるよう取り組んでいます。また、IOWNについては、IOWNロードマップの確実な実現に向け、IOWNのビジネス展開と開発ロードマップの進捗状況の確認及び達成に向けた対策検討等、技術革新や着実な達成に向けたリソースの確保・優先付けをし、遅滞のないよう取り組みます。 環境に関するリスク 気候変動問題が世界的に重要なリスクとして広く認識されている中、NTTグループの気候変動や資源循環・自然資本等への対応や開示が不十分と評価された場合には、顧客・パートナー・株主・社員・地域社会等のステークホルダーからの理解が十分に得られず事業運営に支障をきたす可能性があります。また、新たな法令・規制の導入や強化等がなされた場合にはコスト負担が増加する等、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。気候変動や資源循環・自然資本等に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 気候変動に関する戦略」をご参照ください。 お客さま体験(CX)の高度化に関するリスク NTTグループは、お客さまの新たな体験や感動創造の高度化に向け、様々なパートナーと連携し、新たな価値の創造及び社会的課題の解決をめざす取り組みを推進しています。お客さまに新たな価値を提供するビジネス創造が想定どおりに進展しなかった場合、市場競争力が低下し、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。お客さまの新たな体験や感動創造の取り組みが十分に進展しないリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 新たな価値創造に関する戦略」をご参照ください。 従業員体験(EX)の高度化に関するリスク 情報通信及び関連する市場では、クラウドサービスや5Gサービスの拡大に加え、AI、デジタルツイン、量子コンピューティング等の技術が急速に進展しています。国内外の様々なプレイヤーが市場に参入し、サービスや機器の多様化・高度化が急速に進んでおり、今後、クラウドサービスやAIを中心とした変化が一層加速していくと見込まれます。また、2023年5月に発表した中期経営戦略の取り組みの柱にも成長分野への積極投資を掲げ、IOWN関連、スマートワールド、グリーンソリューション等新たな価値創造に注力しています。このような状況の中で、EXの強化は、生産性や創造性の向上、及び優秀な人材のリテンションのために重要です。EXの低下は、新技術の開発、新サービスの企画、既存サービスの改善、成長戦略の実行等に影響を及ぼす場合があり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、社員の健康・安全が十分に確保できない場合、労働生産性の低下等につながり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。EXの高度化に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 人的資本に関する戦略」をご参照ください。 ○ 事業環境に係るリスク金融市場に関するリスク NTTグループは、社債・借入金等の手段により資金調達を実施していますが、金融市場において大きな変動が生じた場合には、資金調達が制約される可能性や資金調達コストが増加する可能性があります。また、NTTグループは、投資有価証券等の金融資産を保有しています。景気後退による株式市場や金融市場の低迷により、それらの資産価値が下落した場合には評価損が発生し、NTTグループの業績に影響が生じる可能性があるほか、NTTグループの年金基金についても、年金運用等に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、現金及び現金同等物に加え、取引銀行と当座貸越契約及びコミットライン契約を締結しており、事業活動上必要な流動性を確保しています。資金調達に関しては、調達手段の多様化等を進めるとともに、低利かつ安定的な資金の確保に努めています。さらに、債権流動化等により資金の効率化にも取り組んでいます。また、リスク管理方針を制定し、この管理方針に従って先物為替予約等のデリバティブ取引を利用したリスクヘッジを行い、リスクの最小化に努めています。 偶発的な被害に関するリスク 地震・津波・台風・洪水等の自然災害、武力攻撃やテロ等の物理的な攻撃、新たな感染症の発生等の偶発的な事象が生じた場合、当社グループの社員・通信ネットワーク・情報システム等に対する被害が発生し、お客さまへのサービス提供に影響を与える場合があり、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。自然災害や武力攻撃・テロ等の物理的な攻撃に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。 地政学に関するリスク NTTグループは国内外において事業を展開しているため、テロリズム、武力行為、地域紛争等の国際情勢問題により、社員等の安全が脅かされる可能性や建物や設備が破壊される可能性、また、昨今の経済安全保障に係る懸念の高まりから、現地ビジネス展開、サプライチェーン、資金調達等への影響が生じることによって、事業運営に混乱が生じ、サービスを安定的に提供できない等、事業継続が困難になる場合があります。状況によっては、これらの問題が当該国・地域のみに限定されず、グローバルな事業継続に影響が発生する場合も考えられます。また、それらの結果、社員が直接被害を受ける可能性や、ネットワークやシステムの復旧に長い時間を要する可能性、燃料や機器の調達が困難になることによりサービスを安定的に提供できない可能性等が考えられ、収入の減少や多額の修繕費用の支出を余儀なくされる可能性があります。状況によっては、それらに係る損害についてNTTグループが責任を負う可能性も考えられます。さらに、これらがNTTグループの信頼性や企業イメージの低下につながるおそれもあります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、国内外の情報管理方法の強化や社員安否確認の定期的な訓練、通信ビル等重要設備のセキュリティ確保や冗長性のある伝送ルート設計、長期停電に対する通信ビル・基地局の非常用電源の強化等を行っています。また、 NTTグループは「NTTグループサプライチェーンサステナビリティ推進ガイドライン」を公表し、国際情勢問題等に伴う原材料の高騰、物流の混乱、原材料や部品等の入手困難化といった事業継続に大きな影響を与える事態に備えて、サプライチェーンへの影響を最小限に留めるよう、事業継続計画を策定することをサプライヤに要請するとともに、それらの事態が発生した場合の事業への影響を最小化するよう、関連するサプライヤと連携し、対応を実施します。これらのように、NTTグループは事業継続に必要なシステムやネットワークを安全かつ安定して運用できるよう様々な対策を講じています。 知的財産に関するリスク NTTグループや事業上のパートナーがその事業を遂行するために必要な知的財産権等について、その一部であっても当該権利を他者が保有する場合には、当該他者から実施許諾等を得ることを基本としています。もし、当該他者から実施許諾等が得られない、あるいは、許諾が失効した場合には、NTTグループや事業上のパートナーの特定の技術、商品又はサービスの提供ができなくなるリスクがあります。また、NTTグループが他者の知的財産権等を侵害したとの主張を受けた場合には、その解決に多くの時間と費用を要する可能性があり、さらに当該他者の主張が判決等により認められた場合は、当該他者への損害賠償責任等の発生、権利を侵害した事業の差止め等の可能性があります。さらに、NTTグループが保有する知的財産権等について、第三者による不正な使用等により、競争上の優位性が損なわれることで、NTTグループの経営成績や財務に影響を与える可能性があります。知的財産に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 新たな価値創造に関する戦略」をご参照ください。 ○ 事業活動に係るリスク提供サービスの不具合に関するリスク NTTグループは国内外において事業を展開しており、通信ネットワーク・情報システムをはじめ、社会と経済活動を支え、国民生活の安全を守るライフラインとして欠かせないサービスや金融・決済等生活基盤を支えるサービスを数多く提供しています。これらのサービス提供に関して、重要システムにおける開発遅延や不具合、大規模なネットワーク故障の発生等によりお客さまへのサービス提供に影響を与える場合があり、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下するおそれがあります。システム不具合、ネットワーク故障、サービス不具合等に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。 セキュリティインシデントに関するリスク サイバー攻撃や重要情報の管理不備等によるセキュリティインシデントにより、サービスレベルの低下や情報漏洩等が発生した場合、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下、ひいては経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、お客さま情報をはじめとする個人情報保護への要求が社会的に高まるとともに、法制面からも個人情報保護に対する要請は大きくなっています。しかしながら、個人情報等を狙った犯罪行為が高度化、巧妙化する等、個人情報等の機密情報の流出や不適切な取り扱いが発生するリスクを排除できない場合があります。セキュリティインシデントによるサービスレベルの低下や情報漏洩等に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。 広報活動に関するリスク インターネット上でのNTTグループに関するネガティブ情報の拡散や、システム不具合、ネットワーク故障、サービス不具合等が発生した際の広報対応が遅れたり、誤情報・偽情報が発信された場合、NTTグループの信頼性やブランドイメージの低下につながるおそれがあります。ネガティブ情報・故障等発生時の広報対応遅れに関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。 人権に関するリスク NTTグループは国内外において事業を展開しており、当社グループ及びサプライチェーンにおいて強制労働や児童労働等の人権侵害行為が発生した場合には、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下、ひいては経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。人権に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 人的資本に関する戦略」をご参照ください。 コンプライアンスに関するリスク NTTグループは、国内外で多くの拠点を持ち、様々な製品やサービスを取り扱う関係上、関連する法令や規則は多岐にわたり、事業活動を営むにあたり免許・届出・許認可等が必要とされるものもあります。特に海外での事業運営においては、当該国での法令の存在又は欠如、法令の予期しえない解釈、法規制の新設や改定等によって、法令遵守のための負担が増加する場合があります。また、近年では法令・規制に加えて、人権、児童労働、環境破壊、中間搾取等、サプライチェーン上に存在するグローバルレベルでのリスクへの対処も問題視されています。これらに関して、従業員による個人的な不正行為等を含めたコンプライアンスに関するリスクもしくは社会的に信用が毀損されるリスクを排除できない場合があります。結果として、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下し、契約者獲得や入札資格停止等事業への影響が生じるおそれがあり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。コンプライアンス違反に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。 契約締結に関するリスク NTTグループの事業運営に関し、不適切な契約の締結がなされた場合、NTTグループが損害賠償請求を受ける等、金銭的負担が発生するおそれがあるほか、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下するおそれがあり、その結果として、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、契約審査制度の整備や契約に関する社内研修等を実施しているほか、NTTグループ各社において発生している、又はそのおそれのある訴訟等の案件についてモニタリングを実施するとともに、必要に応じて迅速に対策を講じています。 AIの不適切な利用等に関するリスク 多種多様な業界でAI利用が活性化する一方で、AIの不適切な利用により、金銭的負担が発生するおそれがあるほか、NTTグループ及びお客さま企業のイメージが低下するおそれがあり、その結果として、NTTグループが社会的責任を果たせなくなる可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、重大インシデントの防止及び確実なグループAIガバナンスの実行に向けて、AIガバナンスに関する規程類を制定しています。また、各事業会社においてAIリスクマネジメント責任者を定め、各AIプロジェクトに対するリスクの評価及びリスクヘッジのための対策をプロジェクトマネージャーとともに検討するAIマネジメントシステムを確立しています。持株会社においては、各事業会社における上記のAIマネジメントシステムが適切に運用されていることをモニタリングし、必要に応じて指導していきます。こうしたAIガバナンスを通してお客さまが安心してご利用いただけるAIサービスの提供に努めます。 各種規制対応、政府の株式保有等により事業に影響を与えるリスク NTTグループは、事業の遂行に関して、規制当局による措置に服するリスクにさらされています。 日本の情報通信市場においては、競争促進や利用者保護等を目的とした電気通信関連の法改正等、多くの分野で規制の変更が行われてきています。政府等による規制に関する決定、それに伴う通信業界における環境変化は、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、政府等の情報通信政策や規制等の動向について必要な情報収集等を行うとともに、パブリックコメントやヒアリングの場を通じてNTTグループの考え方を主張する等、必要な対応を行っています。規制の内容等については「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制」をご参照ください。また、NTTグループがサービスを提供するために使用できる周波数には限りがあります。スマートフォンやタブレット端末等の普及拡大に伴い、契約者当たりのトラフィック量が増加していく中、事業の円滑な運営のために必要な周波数が得られなかった場合や、新しい周波数帯域の運用開始が想定どおりに進まない場合に、サービス品質が低下したり、追加の費用が発生する可能性があります。さらには、サービスの提供が制約を受け、契約者が競合他社に移行し、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、新たな周波数の獲得に努めているほか、5Gエリア拡大等、周波数利用効率の向上にも努めています。詳細については、「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制 ③電波法」をご参照ください。さらに、NTTグループが、金融ビジネスの事業展開を一層推し進めるにあたり、政府等が行う規制等に対し必要な対応が行えず、当局による業務の停止等が発生し、社会的な批判、お客さまからの信頼の喪失等により事業成長に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、規制対応等、金融ビジネス特有のリスクに適した管理体制構築や、金融ビジネスの専門人材の確保・育成に努めています。 政府は現在当社の自己株式を除き発行済株式の35.28%(議決権比率35.28%)を保有しています。政府は株主として当社の株主総会での議決権を有していることから、最大株主として、理論的には株主総会等における決定に対し多大な影響力を行使する権限を有しています。しかしながら、政府は1997年の国会答弁において、基本的に当社の経営に積極的に関与する形での株主権の行使はしないことを表明しており、事実、過去において政府は当社の経営に直接関与するためにそのような権限を行使したことはありません。法令に基づく政府のNTTグループに対する規制権限については、「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制」をご参照ください。なお、2023年8月以降、総務省情報通信審議会において、「日本電信電話株式会社等に関する法律(以下、「NTT法」)」に関する議論が行われ、2025年5月に公布されたNTT法の改正法の附則には、引き続き、NTT法の改廃を含め検討を行い、必要な措置を講じる旨が規定されています。将来的に、仮にNTT法が廃止され、NTT法第4条に規定される政府株式保有義務(当社株式の三分の一以上の保有義務)も同時に効力を失った場合、政府が当社株式を売却する可能性も想定されますが、自由民主党 政務調査会が2023年12月5日に出した提言において「仮に株式を売却する場合には、市場に与える影響を勘案した手法を選択すべき」とされており、当社としても市場に影響を与えないような対応を求めていきます。 (参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制情報通信産業を所管する日本の主要な監督機関は総務省であり、総務大臣は電気通信事業者を規制する権限を「電気通信事業法」により付与されています。1985年、NTTが民営化されると同時に「電気通信事業法」が施行され、日本における電気通信事業の法規制の枠組みは大幅に変更されるとともに、日本の情報通信産業に競争が導入されました。それ以降、政府は日本の電気通信市場における競争を促進する様々な措置を講じています。この結果、NTTグループはその事業分野の多くで、新規参入企業や新規に事業参入しようとしている企業との競争激化に直面しています。当社及びその子会社の中には、その事業を行うにあたり、「電気通信事業法」のほか、「日本電信電話株式会社等に関する法律」及び「電波法」に基づく規制を受けている会社が存在します。その概要は次のとおりです。なお、2025年5月に「電気通信事業法」及び「日本電信電話株式会社等に関する法律」の改正法が公布され、ユニバーサルサービスの提供責務等に係る改正は公布から2年以内に、それ以外の改正は公布から1年以内に施行されます(施行までの間は、改正前の法令が適用されます)。現行法および改正内容の概要は次のとおりです。 ① 電気通信事業法(昭和59年法律第86号)電気通信事業法による規制は次のとおりです。(a) 電気通信事業者に課される規制a 基礎的電気通信役務の提供・ 基礎的電気通信役務(ユニバーサルサービス)の提供(第7条)基礎的電気通信役務(国民生活に不可欠であるためあまねく日本全国における提供が確保されるべき次に掲げる電気通信役務)を提供する電気通信事業者は、その適切、公平かつ安定的な提供に努めなければならない。・第一号基礎的電気通信役務加入電話(基本料)又は加入電話に相当する光IP電話、ワイヤレス固定電話、第一種公衆電話(総務省の基準に基づき設置される公衆電話)、災害時用公衆電話、緊急通報(110番、118番、119番)等。・第二号基礎的電気通信役務FTTHアクセスサービス、CATVアクセスサービス、専用型ワイヤレス固定ブロードバンドアクセスサービスb 電気通信事業の開始等・ 電気通信事業の開始についての総務大臣の登録制(第9条)ただし、設置する電気通信回線設備の規模及び設置する区域の範囲が一定の基準を超えない場合や電気通信回線設備を設置しない事業の開始については総務大臣への届出制となっています(第16条)。・ 合併や株式取得等を行う際の電気通信事業の登録の更新制(第12条の2)(今回の改正内容(公布から1年以内に施行))・登録の更新制の対象に、第一種指定電気通信設備設置事業者(NTT東日本およびNTT西日本(以下、東西地域会社)が指定)および総務大臣の指定を受けた第二種指定電気通信設備設置事業者(NTTドコモが指定)がグループ内の総務省令で定める特定電気通信事業を営む法人との間で合併や分割承継等を行った場合が追加(第12条の2)・ 電気通信事業の休廃止に関する総務大臣への届出制及び利用者への周知義務(第18条、第26条の4)c 利用者料金その他の提供条件の設定等・ 基礎的電気通信役務の契約約款の総務大臣への届出制(第19条)基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者は、基礎的電気通信役務に関する料金その他の提供条件について契約約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。・ 消費者保護関連電気通信事業者は、契約前の説明義務(第26条)、書面交付義務(第26条の2)、初期契約解除制度(第26条の3)、電気通信業務の休廃止の周知義務(第26条の4)、苦情等処理義務(第27条)、不実告知等や勧誘継続行為の禁止(第27条の2)及び媒介等業務受託者に対する指導等の措置義務(第27条の4)等が課されています。d 相互接続・ 電気通信回線設備への接続について他の電気通信事業者の請求に応ずる義務(第32条)e ユニバーサルサービス交付金制度 ユニバーサルサービス交付金制度は、ユニバーサルサービスの確保に必要な費用を、主要な通信事業者全体で支えていくための制度です。 第一号基礎的電気通信役務については、その提供を確保するため、総務大臣の指定を受けた支援機関が、不採算地域等を含めて当該役務を提供する第一種適格電気通信事業者(第108条)に対して、その提供に要する費用の一部に充てるための交付金を交付する(第107条)こととされており、これに伴い支援機関が必要とする費用については各電気通信事業者が応分の負担金を納付する義務を負う(第110条)こととされています。 東西地域会社は、総務大臣から第一種適格電気通信事業者に指定されており、2023年度と2024年度の東西地域会社への補填額はそれぞれ67億円、64億円となっています。 第二号基礎的電気通信役務についても、第一号基礎的電気通信役務と同様に、支援機関が適格電気通信事業者(第110条の3)に対して、その提供に要する費用の一部に充てるための交付金を交付する(第107条)こととされており、必要な費用については各電気通信事業者が応分の負担金を納付する義務を負う(第110条の5)こととされています。 東西地域会社は、2025年3月に総務大臣から第二種適格電気通信事業者に指定されております。 なお、東西地域会社は、日本電信電話株式会社等に関する法律により、第一号基礎的電気通信役務のみ全国提供を義務付けられています(第3条)。(今回の改正内容(公布から2年以内に施行))・同一区分の基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者がいない時に東西地域会社が最終保障電気通信事業者として基礎的電気通信役務の提供を行う最終保障提供義務へ見直し(第25条の2)(あわせて、日本電信電話株式会社等に関する法律における電話の役務を全国あまねく提供する責務を廃止) (b) 東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社(東西地域会社)のみに課される規制a 利用者料金その他の提供条件の設定・指定電気通信役務に関する保障契約約款の総務大臣への届出制(第20条)第一種指定電気通信設備を用いて提供する指定電気通信役務の料金その他の提供条件については、利用者と別段の合意がある場合を除き適用される保障契約約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。・特定電気通信役務の料金の規制(第21条)特定電気通信役務については、その料金の指数が総務大臣から通知される基準料金指数以下となる場合には総務大臣への届出制とする一方、基準料金指数を越える場合には総務大臣の認可を必要とする、いわゆる「プライスキャップ規制」が適用されています。 (今回の改正内容(公布から1年以内に施行))・特定電気通信役務をプライスキャップ規制の対象外とする一方、都市部以外の地域において異なる料金の額が定められている場合、総務大臣による変更命令が可能となる規制を追加(第19条)・電報の事業に係る規程は廃止(附則第5条)(電報については、その料金や契約約款を変更する際、総務大臣の認可が必要とされていました) (注)・第一種指定電気通信設備 各都道府県において電気通信事業者の設置する固定端末系伝送路設備のうち、同一の電気通信事業者が設置するものであって、各事業者の業務区域(NTT東日本の場合は東日本エリア全域、NTT西日本の場合は西日本エリア全域)内の総数の2分の1を超えるもの及びこれと一体として設置する電気通信設備で、他の電気通信事業者との接続が利用者の利便向上及び電気通信の総合的かつ合理的な発達に不可欠な設備として、総務大臣が指定するもの。具体的には、東西地域会社の主要な電気通信設備が指定されている。・指定電気通信役務 第一種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者が当該設備を用いて提供する電気通信役務であって、他の電気通信事業者によって代替役務が十分提供されないこと等の事情を勘案して、適正な料金その他の提供条件に基づく提供を保障することにより利用者の利益を保護するため特に必要があるものとして総務省令で定めるもの。具体的には、加入電話、ISDN、公衆電話、専用サービス、フレッツ光、ひかり電話等であるが、利用者の利益に及ぼす影響が少ない付加的な機能の提供に係る役務等は除かれる。・特定電気通信役務 指定電気通信役務のうち利用者の利益に及ぼす影響が大きいものとして総務省令で定めるもの。具体的には、東西地域会社の提供する加入電話、ISDN、公衆電話。 ・基準料金指数 特定電気通信役務の種別ごとに、能率的な経営の下における適正な原価及び物価その他の経済事情を考慮して、通常実現することができると認められる水準の料金を表す指数として、総務大臣が定めるもの。・プライスキャップ規制 料金の上限を規制する制度のこと。なお、東西地域会社の実際の料金指数は、2023年10月1日から始まった1年間の基準料金指数を下回る水準にあることから、プライスキャップ規制に基づく値下げは行っていない。b 相互接続等・ 第一種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の総務大臣の認可制(第33条)東西地域会社は、第一種指定電気通信設備を有する電気通信事業者として、相互接続に係る接続料及び接続条件について接続約款を定め、接続料が能率的な経営の下における適正な原価を算定するものとして総務省令で定める方法により算定された原価に照らし公正妥当なものであること等を要件に総務大臣の認可を受けることになっています。 (電話接続料)1998年5月、日米両政府の規制緩和等に関する共同報告の中で、日本政府は、接続料への長期増分費用方式の導入の意向を表明、2000年5月に長期増分費用方式の導入を定めた改正電気通信事業法が成立し、それ以降、同方式により接続料の値下げが行われました。また、その後、通信量が大幅に減少する中で、接続料の上昇による通話料の値上げを回避する観点から、NTSコスト(Non-Traffic Sensitive Cost、通信量に依存しない費用)を接続料原価から控除し基本料で回収することとされました(2004年10月の情報通信審議会答申)。なお、NTSコストの一部については、ユニバーサルサービス基金の利用者負担の増加を抑制する観点から同基金の見直しが行われた際、基金の補填対象範囲の縮小分の負担について東西地域会社のみに負わせるのではなく、各事業者から公平に回収することが適当とされたことから、再度接続料原価に算入することとされています。2025年度以降の接続料については、2024年の情報通信審議会における検討の結果、IP網への移行後(2025年1月以降)はメタル収容装置とIP網を組み合わせた接続料を適用することとし、メタル収容装置等は引き続き長期増分費用方式、IP網は実際費用方式を適用することとされました。 (光ファイバ接続料)東西地域会社が有する光ファイバは、電気通信事業法における第一種指定電気通信設備として他事業者に認可料金(接続料)で貸し出すことを義務付けられています。加入光ファイバ接続料については、接続料低廉化の見通しを示すことにより他事業者が参入しやすい環境を整えるため、2023年度から2025年度までの3年間を算定期間とする将来原価方式により算定しています。なお、今回の接続料においても、実績接続料収入と実績費用の差額を次期以降の接続料原価に加えて調整する乖離額調整制度を導入しており、未回収リスクはないものと考えています。なお、加入光ファイバの分岐端末回線単位の接続料設定の問題については、情報通信行政・郵政行政審議会における検討の結果、依然として様々な解決すべき課題がある(2012年3月の情報通信行政・郵政行政審議会答申)とされ、分岐端末回線単位の接続料は設定されていません。 ・ 第一種指定電気通信設備との接続に係る機能の休止及び廃止の周知(第33条の2)東西地域会社は、第一種指定電気通信設備との接続に係る機能を休止・廃止しようとするときは、総務省令で定めるところにより、予め、当該機能を利用する他の電気通信事業者に対して、その旨を周知しなければならないとされています。・ 第一種指定電気通信設備の機能に関する計画の総務大臣への届出制(第36条)東西地域会社は、第一種指定電気通信設備の機能の変更又は追加の計画について、総務大臣に届け出ることとされています。・ 第一種指定電気通信設備の共用に関する協定の総務大臣への届出制(第37条)東西地域会社は、他の電気通信事業者との第一種指定電気通信設備の共用の協定について、総務大臣に届け出ることとされています。・ 第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務に関する総務大臣への届出制(第38条の2)及び整理・公表制(第39条の2)東西地域会社は、第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始・変更・廃止したときは、その旨、卸電気通信役務の種類、一定の要件を満たす卸先事業者に対する料金その他の提供条件等を総務大臣に届け出ることとされています。また、総務大臣は、当該届出に関して作成し、又は取得した情報について、整理・公表することとされています。・ 第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務のうち、電気通信事業者間の適正な競争関係に及ぼす影響が認められる役務(特定卸電気通信役務:フレッツ光、ひかり電話)の提供義務(第38条の2)東西地域会社は、正当な理由がなければ、卸先事業者に対する特定卸電気通信役務の提供を拒んではならないとされています。 c 禁止行為東西地域会社は、市場支配的な事業者として、接続情報の目的外利用や他の電気通信事業者に対し不当に優先的な取扱いを行うこと等を禁止されている(第30条)ほか、特定関係事業者として総務大臣に指定されたエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社及び株式会社NTTドコモとの役員兼任等の禁止(第31条)が定められています。また、東西地域会社の業務委託先子会社において禁止行為が行われないよう、東西地域会社が委託先子会社に対し必要かつ適切な監督を行うことや、東西地域会社が接続の業務に関して知り得た情報の適切な管理、接続の業務の実施状況を適切に監視するための体制の整備等が義務付けられています(第31条)。したがって、NTTグループ内の電気通信事業者間で排他的に連携してサービスを提供することには一定の制約があり、NTTグループとしては、この禁止行為規制を含め公正競争条件を確保しつつ市場ニーズに応じたサービスを提供していく考えですが、例えば、新サービスの迅速な提供に支障をきたす等の影響が生じる可能性があります。(今回の改正内容(公布から1年以内に施行))・東西地域会社において、目的外利用禁止の対象となる情報に、卸役務の提供の業務に関して知り得た情報が新たに追加(第30条)。・東西地域会社と特定関係事業者(総務大臣が指定するもの※)との間において、東西地域会社において取締役等である者が特定関係事業者において取締役等又は従業者を兼ねること、東西地域会社における従業者が特定関係事業者において取締役等を兼ねることの禁止を追加(第31条)・東西地域会社については、特定関係事業者の重要従業者(特定関係事業者の運営において重要な役割を担う従業者として総務省令で定める要件に該当するもの※)を、東西地域会社の業務のうち、特定の業務(電気通信事業者間の適正な競争関係の確保のため、その公正な運営が特に必要なものとして総務省令で定めるもの※)に従事させることを禁止。また、特定関係事業者については、東西地域会社の業務のうち、特定の業務に従事する者を、特定関係事業者の重要従業者として従事させることの禁止を追加(第31条)。・東西地域会社と特定関係事業者との間で行う取引について、総務省令で定めるものについて、禁止することが新たに追加(第31条)。※今後、総務省令等により、具体的内容を制定予定。 (c) 株式会社NTTドコモに課される規制a 相互接続等・ 第二種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の総務大臣への届出制(第34条)株式会社NTTドコモの携帯電話に係る主要な電気通信設備については、他の電気通信事業者との適正かつ円滑な接続を確保すべきものとして総務大臣より第二種指定電気通信設備に指定されており、他の電気通信事業者の電気通信設備との接続に関し、接続料及び接続の条件について接続約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。・ 第二種指定電気通信設備との接続に係る機能の休止及び廃止の周知(第34条の2)株式会社NTTドコモは、第二種指定電気通信設備との接続に係る機能を休止・廃止しようとするときは、総務省令で定めるところにより、予め、当該機能を利用する他の電気通信事業者に対して、その旨を周知しなければならないとされています。・ 第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務に関する総務大臣への届出制(第38条の2)及び整理・公表制(第39条の2)株式会社NTTドコモは、第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始・変更・廃止したときは、その旨、卸電気通信役務の種類、一定の要件を満たす卸先事業者に対する料金その他の提供条件等を総務大臣に届け出ることとされています。また、総務大臣は、当該届出に関して作成し、又は取得した情報について、整理・公表することとされています。・ 第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務のうち、電気通信事業者間の適正な競争関係に及ぼす影響が認められる役務(特定卸電気通信役務:携帯電話、BWAアクセスサービス、セルラーLPWA)の提供義務(第38条の2)株式会社NTTドコモは、正当な理由がなければ、卸先事業者に対する特定卸電気通信役務の提供を拒んではならないとされています。 なお、第二種指定電気通信設備に関する規制については、株式会社NTTドコモのほか、第二種指定電気通信設備を設置する全ての電気通信事業者に課されています。 b 禁止行為株式会社NTTドコモは、電気通信事業者間の競争環境の確保の観点から、端末を販売等しない場合よりも端末を販売等する際の通信料金を有利にすることや、行き過ぎた期間拘束により利用者を囲い込むこと等を禁止されています(第27条の3)。なお、本規定については、株式会社NTTドコモのほか、総務大臣に指定された事業者に課されています。また、株式会社NTTドコモは、市場支配的な事業者として、接続情報の目的外利用やグループ内の事業者であって総務大臣が指定するものに対し不当に優先的な取扱いを行うこと等を禁止されています(第30条)。(注)・第二種指定電気通信設備 電気通信事業者の設置する特定移動端末設備(携帯電話端末・BWA端末)に接続される伝送路設備のうち同一の電気通信事業者が設置するものであって、その業務区域内の全ての当該伝送路設備の総数の10分の1を超えるもの及びその事業者が当該電気通信役務を提供するために設置する電気通信設備で、他の電気通信事業者の電気通信設備との適正かつ円滑な接続を確保すべき設備として、総務大臣が指定するもの。(今回の改正内容(公布から1年以内に施行))・NTTドコモにおいて、目的外利用禁止の対象となる情報に、卸役務の提供の業務に関して知り得た情報が新たに追加(第30条)。 ② 日本電信電話株式会社等に関する法律(昭和59年法律第85号)(a) 概要1997年6月に公布された「日本電信電話株式会社法の一部を改正する法律」(以下、「平成9年改正法」)は、1999年7月に施行されました(これにより「日本電信電話株式会社法」は「日本電信電話株式会社等に関する法律」に改題され、当社を純粋持株会社とする再編成がおこなわれました。)。なお、2025年5月に「日本電信電話株式会社等に関する法律」の改正法(以下、「令和7年改正法」)が公布され、電話のあまねく提供責務の廃止(電気通信事業法での最終保障提供義務への見直し)や東西地域会社における業務範囲規制の見直し(県間通信業務を本来業務へ変更、目的達成業務の事後届出制への変更、活用業務に係る実施基準の届出および実施基準に対する遵守状況の事後検証制への変更)、自己設備設置義務の対象となる役務の例外(県間通信業務等)の追加、東西地域会社における合併・分割承継等の決議に係る認可制の緩和(認可が不要となる合併、分割承継等の例外追加)、重要設備譲渡認可制の対象となる設備・行為に土地・工作物および総務省令で定める処分の追加 等といった改正が行われました。また令和7年度改正法の施行後3年後を目途として技術や利用動向、競争状況を踏まえ、引き続き、NTT法の改廃も含めてNTT、NTT東日本およびNTT西日本に係る制度の在り方について検討を加え、必要な措置を講ずる旨、附則に規定されました。 (b) 目的・事業・責務一 目的日本電信電話株式会社(以下、「会社」)、東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社(以下、「東西地域会社」)について定めることを目的とする。 一の二 定義1 会社とは、東西地域会社がそれぞれ発行する株式の総数を保有し、これらの株式会社による適切かつ安定的な電気通信役務の提供の確保を図ること並びに電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うことを目的とする株式会社であって、附則第4条第1項に規定する権利及び義務を承継したものをいう。2 「東日本電信電話株式会社」とは、二の3(1)イに掲げる都道県の同号に規定をする区域において地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社であって、平成9年改正法附則第2条第1項の規定により国が引き継がせるものとされた業務を承継したものをいう。3 「西日本電信電話株式会社」とは、二の3(1)ロに掲げる府県の同号に規定する区域において地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社であって、平成9年改正法附則第2条第1項の規定により国が引き継がせるものとされた業務を承継したものをいう。 (注)附則第4条第1項日本電信電話公社は、会社の成立の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、その時において当社が承継する。(注)平成9年改正法附則第2条第1項国は、東西地域会社を設立し、それぞれ、日本電信電話株式会社が営んでいる国内電気通信業務のうちこの法律による改正後の地域電気通信業務に該当する業務を、各地域会社に引き継がせるものとする。 (今回の改正内容(公布から1年以内に施行))2 「東日本電信電話株式会社」とは、二の3(1)イに掲げる都道県の同号に規定をする区域において地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社であって、平成9年改正法附則第2条第1項の規定により国が引き継がせるものとされた業務を承継したものをいう。3 「西日本電信電話株式会社」とは、二の3(1)ロに掲げる府県の同号に規定する区域において地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社であって、平成9年改正法附則第2条第1項の規定により国が引き継がせるものとされた業務を承継したものをいう。 二 事業1 会社は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むものとする。(1)東西地域会社が発行する株式の引受け及び保有並びに当該株式の株主としての権利の行使をすること(2)東西地域会社に対し、必要な助言、あっせんその他の援助を行うこと(3)電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うこと(4)(1)(2)及び(3)に掲げる業務に附帯する業務2 会社は、二の1に規定する業務を営むほか、総務大臣へ届け出ることによって、その目的を達成するために必要な業務を営むことができる。3 東西地域会社は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むものとする。(1) それぞれ次に掲げる都道府県の区域において行う地域電気通信業務イ 東日本電信電話株式会社にあっては、北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県及び長野県ロ 西日本電信電話株式会社にあっては、京都府及び大阪府並びにイに掲げる県以外の県(2)二の3の(1)に掲げる業務に附帯する業務4 東西地域会社は、総務大臣へ届け出ることによって、次に掲げる業務を営むことができる。(1)二の3に規定するもののほか、東西地域会社の目的を達成するために必要な業務(2)それぞれ二の3の(1)により地域電気通信業務を営むものとされた都道府県の区域(目的業務区域)以外の都道府県の区域において行う地域電気通信業務5 地域電気通信業務は、東西地域会社が自ら設置する電気通信設備を用いて行わなければならない。ただし、電話の役務をあまねく目的業務区域において適切、公平かつ安定的に提供することを確保するために必要があると認められる場合に、総務大臣の認可により、他の電気通信事業者の設備(無線設備)を用いて電話を提供することができる。6 東西地域会社は、二の3、二の4に規定する業務のほか、総務大臣へ届け出ることによって、地域電気通信業務の円滑な遂行及び電気通信事業の公正な競争の確保に支障のない範囲内で、二の3に規定する業務を営むために保有する設備若しくは技術又はその職員を活用して行う電気通信業務その他の業務を営むことができる。 (今回の改正内容(公布から1年以内に施行。第5項のうち<>内は公布から2年以内に削除。)二 事業1 会社は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むものとする。(1)東西地域会社が発行する株式の引受け及び保有並びに当該株式の株主としての権利の行使をすること(2)東西地域会社に対し、必要な助言、あっせんその他の援助を行うこと(3)電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うこと(4)(1)(2)及び(3)に掲げる業務に附帯する業務2 会社は、二の1に規定する業務を営むほか、総務大臣へ届け出ることによって、その目的を達成するために必要な業務を営むことができる。3 東西地域会社は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むものとする。(1) 地域電気通信業務(その目的業務内において、基礎的電気通信役務およびその他の電気通信役務(通信を媒介するものに限り、次に掲げるものを除く)を提供する電気通信業務)イ その一端が移動端末設備と接続される伝送路設備であって総務省令で定めるものを用いる電気通信役務ロ 専らインターネットへの接続を可能とする電気通信役務を提供するために設置される電気通信設備として総務省令で定めるものを用いる電気通信役務(2)電気通信業務に附帯する業務4 東西地域会社は、次に掲げる業務を営むことができる。この場合において、地域会社は当該業務を開始したときは、総務省令で定めるところにより、総務省令で定める事項を総務大臣に届け出なければならない。(1)前項に規定するもののほか、地域会社の目的を達成するために必要な業務(2)他の地域会社の目的業務区域内における通信を媒介する電気通信役務(前項(1)イおよびロに掲げる電気通信役務を除く。)を提供する電気通信業務5 地域電気通信業務(目的業務区域内の各都道府県の区域と当該目的業務区域内の他の各都道府県の区域との通信を媒介する電気通信役務を提供する電気通信業務を除く)は地域会社が自ら設置する電気通信設備を用いて行わなければならない。ただし、<電話の役務をあまねく目的業務区域において適切、公平かつ安定的に提供することまたは>地域電気通信業務に係る電気通信役務<(電話の役務に係るものを除く。)>の適切かつ安定的な提供を確保するために必要があると認められる場合であって、総務省令で定めるところにより、総務大臣の認可を受けたときは、この限りでない。6 前三項において、「目的業務区域」とは次の各号に掲げる地域会社の区分に応じ、当該各号に定める区域をいう。(1)東日本電信電話株式会社北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県および長野県の区域を合わせた区域(2)西日本電信電話株式会社京都府、大阪府ならびに前号に規定する県以外の県の区域を合わせた区域7 地域会社は二の3を営むために保有する設備もしくは技術またはその職員を活用して行う電気通信業務その他の業務(同項(1)イおよびロに掲げる電気通信役務を提供する電気通信業務その他総務省令で定める業務を除く。以下この条において「活用業務」)を営むことができる。8 地域会社は、前項の規定により活用業務を営もうとするときは、総務省令で定めるところにより、あらかじめ、活用業務の実施に関する基準(以下この条において「実施基準」という)を定め、これを総務大臣に届け出るとともに公表しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。9 実施基準は、地域会社が活用業務を営むに当たって遵守すべき次に掲げる事項に関し、総務省令で定めるところにより、必要な内容を定めたものでなければならない。(1)活用業務が二の3に規定する業務の円滑な遂行に支障のない範囲内において営まれることを確保するための措置に関する事項(2)活用業務が電気通信事業の公正な競争の確保に支障のない範囲内において営まれることを確保するための措置に関する事項10 地域会社は、活用業務を営むに当たっては、実施基準に定めるところに従わなければならない。11 地域会社は、毎事業年度、総務省令で定めるところにより、活用業務の実施状況その他の総務省令で定める事項を総務大臣に報告するとともに、公表しなければならない。12 総務大臣は、実施基準が二の9の規程に適合しないと認めるときは、地域会社に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。13 総務大臣は、地域会社が実施基準を遵守していないと認めるときは、地域会社に対し、活用業務が第三項に規定する業務の円滑な遂行および電気通信事業の公正な競争の確保に支障のない範囲内において営まれることを確保するために必要な限度において、実施基準を遵守すべきことを命ずることができる 三 責務会社及び東西地域会社は、それぞれその事業を営むに当たっては、常に経営が適正かつ効率的に行われるように配意するとともに、国民生活に不可欠な電話の役務のあまねく日本全国における適切、公平かつ安定的な提供の確保に寄与し、もって公共の福祉の増進に資するよう努めなければならない。 (今回の改正内容(公布から2年以内に施行))・ 責務の規定を廃止(第3条) (c) 総務大臣の認可を必要とする事項・ 会社及び東西地域会社の新株及び新株予約権付社債の発行(第4条、第5条)(注)会社は、総務省令で定める一定の株式数に達するまでは、認可を受けなくても総務大臣に届け出ることにより新株の発行が可能(附則第14条)・ 会社及び東西地域会社の定款の変更、合併、分割及び解散の決議(第11条)(注)定款の変更は、会社又は東西地域会社の商号の変更に係る決議を除く・ 会社及び東西地域会社の事業計画及び事業計画の変更(第12条)・ 東西地域会社の重要な設備の譲渡及び担保に供すること(第14条) (今回の改正内容(公布から2年以内に施行))・ 会社及び東西地域会社の定款の変更、合併、分割及び解散の決議(注)電気通信事業を営まない法人であって資本の額その他の経営の規模が総務省令で定める基準に達しないものの権利義務の全部を地域会社に承継される合併、地域会社の電気通信事業以外の事業であって総務省令で定める合併または分割を除く・ 東西地域会社の重要な設備および電気通信設備の設置に必要な建物その他の工作物、土地(総務省令で定めるもの)の譲渡担保に供することおよび処分(総務省令で定めるもの)を行うこと(第14条) (d) その他総務大臣に対する義務・ 会社の代表取締役、取締役又は監査役の就任又は退任の届出(第10条)(注)日本の国籍を有しない人は、会社及び東西地域会社の代表取締役となることができない(注)会社及び東西地域会社は、日本の国籍を有しない人がそれぞれの取締役又は監査役の三分の一以上を占めることとなってはならない・ 会社及び東西地域会社の貸借対照表、損益計算書、事業報告書の提出(第13条)・ 会社及び東西地域会社への命令を受ける義務(第16条)・ 会社及び東西地域会社の業務に関する報告の要求に応じる義務(第17条) (今回の改正内容(公布から1年以内に施行))・ 会社及び東西地域会社の貸借対照表、損益計算書、事業報告書の提出(第13条)については、廃止。 ③ 電波法(昭和25年法律第131号)(a)総務大臣の免許を必要とする事項・ 無線局の開設(第4条) (b)総務大臣の許可を必要とする事項・ 無線局の目的、通信の相手方、通信事項等の変更等(第17条) (携帯電話の周波数帯割当て)移動通信事業において、事業者が無線周波数帯域を使用するためには日本政府(総務省)の免許が必要となります。周波数帯の割当ては電波法及び関連する法令等により規定されています。(今回の改正内容(公布から9か月以内に施行))電波法改正により、価額競争(入札又は競りにより最も高い価額を申し出た参加者を落札者とする。)により周波数を割当てる事業者を決定する制度が創設されます。 (2)会社株式に係る事項 ① 外国人等議決権割合の制限(日本電信電話株式会社等に関する法律 第6条)会社は、外国人等議決権割合が三分の一以上になるときは、その氏名及び住所を株主名簿に記載し、又は記録してはならない。 (注)外国人等 一 日本の国籍を有しない人二 外国政府又はその代表者三 外国の法人又は団体四 前三号に掲げる者により直接に占められる議決権の割合が総務省令で定める割合以上である法人又は団体なお、当社定款において、株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者、及びその有する株式の全部若しくは一部について日本電信電話株式会社等に関する法律第6条に基づき、株主名簿に記載されなかった若しくは記録されなかった株主又は当該株主の有する株式の質権者に対して、剰余金の配当をすることができる旨を規定しています。 ② 政府による当社の株式保有義務(日本電信電話株式会社等に関する法律 第4条)政府は、常時、会社の発行済株式の総数の三分の一以上に当たる株式を保有していなければならない。 (注)発行済株式の総数の算定方法の特例(日本電信電話株式会社等に関する法律 附則第13条)・ 第4条第1項の規定の適用については、当分の間、新株募集若しくは新株予約権の行使による株式の発行又は取得請求権付株式若しくは取得条項付株式の取得と引換えの株式の交付があった場合には、これらによる株式の各増加数(「不算入株式数」)は、それぞれ第4条第1項の発行済株式の総数に算入しないものとする。・ 前項に規定する株式の増加後において株式の分割又は併合があった場合は、不算入株式数に分割又は併合の比率(二以上の段階にわたる分割又は併合があった場合は、全段階の比率の積に相当する比率)を乗じて得た数をもって、同項の発行済株式の総数に算入しない株式の数とする。2025年3月31日時点の当社の発行済株式総数は90,550,316,400株であり、同日現在の政府保有株式数は29,199,372,200株、即ち、自己株式を除き発行済株式総数の35.28%となっています。(注)当社は2000年12月に公募増資により30万株(2009年1月4日付の株式分割、2015年7月1日付の株式分割、2020年1月1日付の株式分割及び2023年7月1日付の株式分割後に換算すると30億株)の新株発行を実施しました。これらの株式は、前述のとおり、政府が保有する株式の比率を計算する際には発行済株式総数には算入されません。また、政府保有株式数には名義書換失念株等の政府が実質的に保有していない株式が含まれているため、これらの株式は、政府が保有する株式の比率を計算する際には政府保有株式数に算入していません。これらの条件を考慮すると、政府が保有する株式の比率は33.33%となります。NTTグループと政府の各種部門・機関との取引は、個別の顧客として、かつ独立当事者間の取引として行われています。政府は、株主としての資格において当社の株主総会で議決権を行使し、筆頭株主としての立場から、理論上は株主総会での大多数の決議に重大な影響力を及ぼす権限を有します。しかしながら、過去に政府がこの権限を行使して当社の経営に直接関与したことはありません。 ③ 政府保有株式の売却について 政府の保有する会社株式の処分は、その年度の予算をもって国会の議決を経た限度数の範囲内でなければならない(日本電信電話株式会社等に関する法律 第7条) ・ 売却の経緯及び売却方針について(第一次売出から第六次売出について)当社は発行済株式総数1,560万株で設立され、政府が売却可能である当社株式1,040万株(政府による保有が義務付けられた全体の三分の一に当たる520万株を除いた株式)のうち540万株については、1986~1988年度において売却されました。また、1990年12月17日に、未売却となっていた500万株のうち、イ)250万株について毎年度50万株程度を計画的に売却することを基本とすること、ロ)後年度において市場環境から許容される場合、計画の前倒しによる売却があり得ること、ハ)残余の250万株については、当分の間、売却を凍結するという売却方針が大蔵省(当時)より示されました。(ただし、1997年度まで、市場環境等により実際の売却は見送られました。)1998年度においては、1998年12月に100万株について売却が実施されました。1999年度においては、100万株が売却限度数として計上されていましたが、このうち48,000株については1999年7月13日の当社の自己株式買入において売却が実施され、残りの952,000株については1999年11月に売却が実施されました。また、上記の1990年12月に示された売却方針については終了しました。2000年度においては、2000年11月に100万株の売却が実施されました。 ・ 政府保有株式の売却実績について提出日現在までの政府保有株式の売却実績については、下表のとおりです。年度政府の売却実績売却時期売却株数売却方法1986年度1987年 2月(第一次売出)200,000株一般競争入札1,750,000株証券会社による「売り出しの取り扱い」1987年度1987年11月(第二次売出)1,950,000株証券会社による「引受」「売り出しの取り扱い」1988年度1988年10月(第三次売出)1,500,000株証券会社による「引受」「売り出しの取り扱い」1998年度1998年12月(第四次売出)1,000,000株ブックビルディング方式による株式売り出し1999年度1999年 7月13日48,000株自己株式買入1999年11月(第五次売出)952,000株ブックビルディング方式による株式売り出し2000年度2000年11月(第六次売出)1,000,000株ブックビルディング方式による株式売り出し2002年度2002年10月 8日91,800株自己株式買入2003年度2003年10月15日85,157株自己株式買入2004年度2004年11月26日800,000株自己株式買入2005年度2005年 9月 6日1,123,043株自己株式買入2011年度2011年 7月 5日57,513,600株自己株式買入2012年 2月 8日41,820,600株自己株式買入2013年度2014年 3月 7日26,010,000株自己株式買入2014年度2014年11月14日35,088,600株自己株式買入2014年11月28日1,068,100株自己株式買入2016年度2016年 6月14日59,000,000株自己株式買入2019年度2019年 9月11日48,666,700株自己株式買入2022年度2022年 9月15日92,925,400株自己株式買入(注)1.1995年11月24日を効力発生日として、普通株式1株につき1.02株の割合をもって株式分割いたしました。2.2009年1月4日を効力発生日として、普通株式1株につき100株の割合をもって株式分割いたしました。3.2015年7月1日を効力発生日として、普通株式1株につき2株の割合をもって株式分割いたしました。4. 2020年1月1日を効力発生日として、普通株式1株につき2株の割合をもって株式分割いたしました。
FY2024|23,483 文字
3【事業等のリスク】本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を、NTTグループの事業を取り巻く環境及びそれに対応した事業戦略、業務運営に係るリスクのほか、規制をはじめとした政府との関係に係るリスク等の観点から総合的な評価を行っています。当社におけるビジネスリスクマネジメントの概要、リスクの抽出・重要リスクの特定、リスクの内容及び対処策については以下のとおりです。 (1)ビジネスリスクマネジメントの概要身近に潜在するリスクの発生を予想・予防し、万一リスクが顕在化した場合でも損失を最小限に抑えること等を目的として、リスクマネジメントの基本的事項を定めたリスクマネジメント規程を制定しています。代表取締役副社長が委員長を務めるビジネスリスクマネジメント推進委員会及びグループビジネスリスクマネジメント推進委員会が中心となって、リスクマネジメントのPDCAサイクルを構築し運用しています。なお、2023年度においてビジネスリスクマネジメント推進委員会は2回、グループビジネスリスクマネジメント推進委員会は2回開催され、全社的に影響を与えると想定されるリスクの特定及びその管理方針等について議論しました。また、グループ一体となってリスクマネジメントに取り組むため、NTTグループビジネスリスクマネジメントマニュアルを策定しグループ各社に配布しています。本マニュアルにより、リスク発生に備えた事前対処策、リスクが顕在化した場合におけるグループ連携方法や対応方針、情報連絡フロー等を定め、迅速な対応を可能とする体制を整備し運用しています。 (2)リスクの抽出・重要リスクの特定当社では社会環境の変化等を踏まえ、想定するリスクや、その管理方針の見直しを随時行っています。リスクの抽出にあたっては、ビジネスリスクマネジメント推進委員会及びグループビジネスリスクマネジメント推進委員会が中心となって、NTTグループを取り巻くリスクの分析プロセスを策定し、このプロセスに則って定期的にリスク分析を実施することで、全社リスクを特定します。さらに、それらリスクの相関分析を行い、最も重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクを「重要リスク」と特定し、その対応策を決定します。 (3)リスクの内容及び対処策文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。当社が現在関知していないリスク、あるいは当社が現時点では重要ではないと考えるリスクであってもNTTグループの事業活動を損なうことになる可能性があります。さらに、本有価証券報告書は、リスクと不確実性を伴う将来見通しに基づく情報も含んでいます。NTTグループは、下記リスクのほか、本有価証券報告書中の他の箇所に記載されているリスクに直面していますが、これらのリスクの影響により、NTTグループの実際の業績が、将来見通しに基づく記述が想定しているものとは大きく異なってくる可能性があります。 ○ 経営戦略に係るリスク事業成長に関するリスク 市場構造の変化や競争の進展に適切に対応できない場合、NTTグループの営業収益が低下する可能性や設備投資の効率化が図れない可能性、販売経費・設備関連コスト・人件費等の削減効果が充分に発揮されない可能性があります。情報通信市場では、競合他社の新規参入等による競争激化や、新料金プラン等による顧客基盤の維持・更なる拡大がNTTグループの想定したとおりにならない場合、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、情報サービス市場では、急成長するインドや中国等の情報サービス企業が、グローバル競争をもたらしつつあり、競合会社の積極参入による競争激化が経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。特にグローバルビジネスの拡大において、企業・組織との合弁事業、事業提携、協力関係の構築、出資、買収等の活動を実施していますが、海外における事業活動は、投資や競争等に関する法的規制、税制、契約実務を含めた商習慣の相違、労使関係、国際政治等様々な要因の影響下にあります。これらのリスクが顕在化した場合には、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。その他の市場においても、各事業において想定したとおりの収益が得られない可能性があり、結果として経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、IOWNについては、そのロードマップが計画どおりに進展しないことにより、技術革新によるビジネスが拡大しないことや、IOWNを軸としたエネルギー効率化が図られないことで、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループは、2023年5月に発表した新中期経営戦略「New value creation & Sustainability 2027 powered by IOWN」に基づき、これまでの中期経営戦略の考え方や取組みをベースに、新たな価値創造と地球のサステナビリティを実現することをめざしています。設備投資の効率化に向けては、各社でネットワークのシンプル化・スリム化を実施することに加え、AI等を活用し、自らの業務プロセスをデジタル化することで様々な業務における更なる生産性の向上をめざします。また、グループ各社が共通で購入するハードウェア、ソフトウェア及びサービスについて、グローバルベンダー等と一元的に価格交渉を行い、包括的な契約を締結する調達専門会社のNTT Global Sourcing, Inc.を米国に設立し、NTTグループのトータルの調達コスト削減等に取り組んでいます。ITシステムについても、グローバルで標準化されたシステムへ移行していくことを通じて、共通基盤化による効率化を進めるとともに、シンプルで生産性の高い業務運営の確立に向けて取り組んでいます。また、グローバル事業における着実な成長を実現するため、2019年よりグローバル事業の再編成に取り組んできましたが、昨今お客さまのニーズはますます多様化・高度化し、デジタルトランスフォーメーション(DX)や、ITモダナイゼーションへのニーズが高まるとともに、競合各社は社会・テクノロジーの変化に合わせサービスラインを拡大する等、事業環境が大きく変化してきています。このような状況下、株式会社エヌ・ティ・ティ・データとNTT Ltd.で行ってきたビジネスユーザ向けグローバル事業を株式会社エヌ・ティ・ティ・データ傘下に集約し、2023年5月に海外事業の新オペレーティングモデルを発表して以降、北米、EMEA・中南米、APACの3つのRegional Unit、Global Technology Services、Business Solutionの2つのGlobal Unitの計5 Unitそれぞれにおいて、新モデルへの移行と各Unit内の統合を進め、両社がより一体となって事業運営体制の整備に取り組んでいます。統一した事業戦略のもと、インフラからアプリケーションまでのEnd to Endのサービス提供、当社の研究開発の成果の活用、Smart Worldや5G等の分野におけるビジネス推進に取り組むとともに、中長期的には、IOWN構想を中核とした環境価値、社会価値も提供可能な高度なサービスの実現に向けて取り組みます。出資に関しては、定期的にモニタリングを実施する等、期待したリターンを得られるよう取り組んでいます。また、IOWNについては、IOWNロードマップの確実な実現に向け、IOWNのビジネス展開と開発ロードマップの進捗状況の確認及び達成に向けた対策検討等、技術革新や着実な達成に向けたリソースの確保・優先付けをし、遅滞のないよう取り組みます。 環境に関するリスク 気候変動問題が世界的に重要なリスクとして広く認識されている中、NTTグループの気候変動や資源循環・生物多様性等への対応や開示が不十分と評価された場合には、顧客・パートナー・株主・社員・地域社会等のステークホルダーからの理解が十分に得られず事業運営に支障をきたす可能性があります。また、新たな法令・規制の導入や強化等がなされた場合にはコスト負担が増加する等、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。気候変動や資源循環・生物多様性等に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 気候変動に関する戦略」をご参照ください。 お客さま体験(CX)の高度化に関するリスク NTTグループは、お客さまの新たな体験や感動創造の高度化に向け、様々なパートナーと連携し、新たな価値の創造及び社会的課題の解決をめざす取組みを推進しています。お客さまに新たな価値を提供するビジネス創造が想定どおりに進展しなかった場合、市場競争力が低下し、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。お客さまの新たな体験や感動創造の取組みが十分に進展しないリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 新たな価値創造に関する戦略」をご参照ください。 従業員体験(EX)の高度化に関するリスク 情報通信及び関連する市場では、クラウドサービスや5Gサービスの拡大に加え、AI、デジタルツイン、量子コンピューティング等の技術が急速に進展しています。国内外の様々なプレイヤーが市場に参入し、サービスや機器の多様化・高度化が急速に進んでおり、今後、クラウドサービスやAIを中心とした変化が一層加速していくと見込まれます。また、2023年5月に発表した新中期経営戦略の取組みの柱にも成長分野への積極投資を掲げ、IOWN関連、スマートワールド、グリーンソリューション等新たな価値創造に注力しています。このような状況の中で、EXの強化は、生産性や創造性の向上、及び優秀な人材のリテンションのために重要です。EXの低下は、新技術の開発、新サービスの企画、既存サービスの改善、成長戦略の実行等に影響を及ぼす場合があり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、社員の健康・安全が十分に確保できない場合、労働生産性の低下等につながり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。EXの高度化に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 人的資本に関する戦略」をご参照ください。 ○ 事業環境に係るリスク金融市場に関するリスク NTTグループは、社債・借入金等の手段により資金調達を実施していますが、金融市場において大きな変動が生じた場合には、資金調達が制約される可能性や資金調達コストが増加する可能性があります。また、NTTグループは、投資有価証券等の金融資産を保有しています。景気後退による株式市場や金融市場の低迷により、それらの資産価値が下落した場合には評価損が発生し、NTTグループの業績に影響が生じる可能性があるほか、NTTグループの年金基金についても、年金運用等に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、現金及び現金同等物に加え、取引銀行と当座貸越契約及びコミットライン契約を締結しており、事業活動上必要な流動性を確保しています。資金調達に関しては、調達手段の多様化等を進めるとともに、低利かつ安定的な資金の確保に努めています。さらに、債権流動化等により資金の効率化にも取り組んでいます。また、リスク管理方針を制定し、この管理方針に従って先物為替予約等のデリバティブ取引を利用したリスクヘッジを行い、リスクの最小化に努めています。 偶発的な被害に関するリスク 地震・津波・台風・洪水等の自然災害、武力攻撃やテロ等の物理的な攻撃、新たな感染症の発生等の偶発的な事象が生じた場合、当社グループの社員・通信ネットワーク・情報システム等に対する被害が発生し、お客さまへのサービス提供に影響を与える場合があり、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。自然災害や武力攻撃・テロ等の物理的な攻撃に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。また、感染症による事業運営継続リスクへの対応として、NTTグループでは、お客さま、パートナー、従業員を含む全ての関係者の健康と安全を確保するため、新型コロナウイルス感染症の経験を踏まえたBCP計画の見直しを必要に応じて実施し、人々の生活や企業の活動にとって重要な情報通信サービスの安定的な利用の確保に取り組みます。当社及び通信事業を営む主要子会社は、人命尊重の視点から感染防止に努めつつ、指定公共機関としての責務を遂行するとともに、ネットワークの安定運用に必要な設備増強等の対策を講じます。 地政学に関するリスク NTTグループは国内外において事業を展開しているため、テロリズム、武力行為、地域紛争等の国際情勢問題により、社員等の安全が脅かされる可能性や建物や設備が破壊される可能性、また、昨今の経済安全保障に係る懸念の高まりから、現地ビジネス展開、サプライチェーン、資金調達等への影響が生じることによって、事業運営に混乱が生じ、サービスを安定的に提供できない等、事業継続が困難になる場合があります。状況によっては、これらの問題が当該国・地域のみに限定されず、グローバルな事業継続に影響が発生する場合も考えられます。また、それらの結果、社員が直接被害を受ける可能性や、ネットワークやシステムの復旧に長い時間を要する可能性、燃料や機器の調達が困難になることによりサービスを安定的に提供できない可能性等が考えられ、収入の減少や多額の修繕費用の支出を余儀なくされる可能性があります。状況によっては、それらに係る損害についてNTTグループが責任を負う可能性も考えられます。さらに、これらがNTTグループの信頼性や企業イメージの低下につながるおそれもあります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、国内外の情報管理方法の強化や社員安否確認の定期的な訓練、通信ビル等重要設備のセキュリティ確保や冗長性のある伝送ルート設計、長期停電に対する通信ビル・基地局の非常用電源の強化等を行っています。また、 NTTグループは「NTTグループサプライチェーンサステナビリティ推進ガイドライン」を公表し、国際情勢問題等に伴う原材料の高騰、物流の混乱、原材料や部品等の入手困難化といった事業継続に大きな影響を与える事態に備えて、サプライチェーンへの影響を最小限に留めるよう、事業継続計画を策定することをサプライヤに要請するとともに、それらの事態が発生した場合の事業への影響を最小化するよう、関連するサプライヤと連携し、対応を実施します。これらのように、NTTグループは事業継続に必要なシステムやネットワークを安全かつ安定して運用できるよう様々な対策を講じています。 知的財産に関するリスク NTTグループや事業上のパートナーがその事業を遂行するために必要な知的財産権等について、その一部であっても当該権利を他者が保有する場合には、当該他者から実施許諾等を得ることを基本としています。もし、当該他者から実施許諾等が得られない、あるいは、許諾が失効した場合には、NTTグループや事業上のパートナーの特定の技術、商品又はサービスの提供ができなくなるリスクがあります。また、NTTグループが他者の知的財産権等を侵害したとの主張を受けた場合には、その解決に多くの時間と費用を要する可能性があり、さらに当該他者の主張が判決等により認められた場合は、当該他者への損害賠償責任等の発生、権利を侵害した事業の差止め等の可能性があります。さらに、NTTグループが保有する知的財産権等について、第三者による不正な使用等により、本来得られる知財収入が減少したり、競争上の優位性が損なわれることで、NTTグループの経営成績や財務に影響を与える可能性があります。知的財産に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 新たな価値創造に関する戦略」をご参照ください。 ○ 事業活動に係るリスク提供サービスの不具合に関するリスク NTTグループは国内外において事業を展開しており、通信ネットワーク・情報システムをはじめ、社会と経済活動を支え、国民生活の安全を守るライフラインとして欠かせないサービスや金融・決済等生活基盤を支えるサービスを数多く提供しています。これらのサービス提供に関して、重要システムにおける開発遅延や不具合、大規模なネットワーク故障の発生等によりお客さまへのサービス提供に影響を与える場合があり、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下するおそれがあります。システム不具合、ネットワーク故障、サービス不具合等に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。 情報に関するリスク サイバーテロやセキュリティ上の管理不備等によるセキュリティインシデントにより、サービス停止・サービス品質の低下や情報の漏洩・改ざん・破壊等が発生した場合、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下、ひいては経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、お客さま情報をはじめとする個人情報保護への要求が社会的に高まるとともに、法制面からも個人情報保護に対する要請は大きくなっています。しかしながら、個人情報等を狙った犯罪行為が高度化、巧妙化する等、個人情報等の機密情報の流出や不適切な取り扱いが発生するリスクを排除できない場合があります。重要情報の漏洩・改ざん・破壊等に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。 広報活動に関するリスク インターネット上でのNTTグループに関するネガティブ情報の拡散や、システム不具合、ネットワーク故障、サービス不具合等が発生した際の広報対応が遅れたり、誤情報が発信された場合、NTTグループの信頼性やブランドイメージの低下につながるおそれがあります。ネガティブ情報・故障等発生時の広報対応遅れに関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。 人権に関するリスク NTTグループは国内外において事業を展開しており、当社グループ及びサプライチェーンにおいて強制労働や児童労働等の人権侵害行為が発生した場合には、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下、ひいては経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。人権に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 人的資本に関する戦略」をご参照ください。 コンプライアンスに関するリスク NTTグループは、国内外で多くの拠点を持ち、様々な製品やサービスを取り扱う関係上、関連する法令や規則は多岐にわたり、事業活動を営むにあたり免許・届出・許認可等が必要とされるものもあります。特に海外での事業運営においては、当該国での法令の存在又は欠如、法令の予期しえない解釈、法規制の新設や改定等によって、法令遵守のための負担が増加する場合があります。また、近年では法令・規制に加えて、人権、児童労働、環境破壊、中間搾取等、サプライチェーン上に存在するグローバルレベルでのリスクへの対処も問題視されています。これらに関して、従業員による個人的な不正行為等を含めたコンプライアンスに関するリスクもしくは社会的に信用が毀損されるリスクを排除できない場合があります。結果として、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下し、契約者獲得や入札資格停止等事業への影響が生じるおそれがあり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。コンプライアンス違反に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。 契約締結に関するリスク NTTグループの事業運営に関し、不適切な契約の締結がなされた場合、NTTグループが損害賠償請求を受ける等、金銭的負担が発生するおそれがあるほか、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下するおそれがあり、その結果として、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、契約審査制度の整備や契約に関する社内研修等を実施しているほか、NTTグループ各社において発生している、又はそのおそれのある訴訟等の案件についてモニタリングを実施するとともに、必要に応じて迅速に対策を講じています。 AIの不適切な利用等に関するリスク 多種多様な業界でAI利用が活性化する一方で、AIの不適切な利用により、金銭的負担が発生するおそれがあるほか、NTTグループ及びお客さま企業のイメージが低下するおそれがあり、その結果として、NTTグループが社会的責任を果たせなくなる可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、重大インシデントの防止及び確実なグループAIガバナンスの実行に向けて、AIガバナンスに関する規程類を制定しています。また、各事業会社においてAIリスクマネジメント責任者を定め、各AIプロジェクトに対するリスクの評価及びリスクヘッジのための対策をプロジェクトマネージャーとともに検討するAIマネジメントシステムを確立しています。持株会社においては、各事業会社における上記のAIマネジメントシステムが適切に運用されていることをモニタリングし、必要に応じて指導していきます。こうしたAIガバナンスを通してお客さまが安心してご利用いただけるAIサービスの提供に努めます。 各種規制対応、政府の株式保有等により事業に影響を与えるリスク NTTグループは、事業の遂行に関して、規制当局による措置に服するリスクにさらされています。 日本の情報通信市場においては、競争促進や利用者保護等を目的とした電気通信関連の法改正等、多くの分野で規制の変更が行われてきています。政府等による規制に関する決定、それに伴う通信業界における環境変化は、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、政府等の情報通信政策や規制等の動向について必要な情報収集等を行うとともに、パブリックコメントやヒアリングの場を通じてNTTグループの考え方を主張する等、必要な対応を行っています。規制の内容等については「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制」をご参照ください。また、NTTグループがサービスを提供するために使用できる周波数には限りがあります。スマートフォンやタブレット端末等の普及拡大に伴い、契約者当たりのトラフィック量が増加していく中、事業の円滑な運営のために必要な周波数が得られなかった場合や、新しい周波数帯域の運用開始が想定どおりに進まない場合に、サービス品質が低下したり、追加の費用が発生する可能性があります。さらには、サービスの提供が制約を受け、契約者が競合他社に移行し、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、新たな周波数の獲得に努めているほか、5Gエリア拡大等、周波数利用効率の向上にも努めています。詳細については、「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制 ③電波法」をご参照ください。さらに、NTTグループが、金融ビジネスの事業展開を一層推し進めるにあたり、政府等が行う規制等に対し必要な対応が行えず、当局による業務の停止等が発生し、社会的な批判、お客さまからの信頼の喪失等により事業成長に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、規制対応等、金融ビジネス特有のリスクに適した管理体制構築や、金融ビジネスの専門人材の確保・育成に努めています。 政府は現在当社の自己株式を除き発行済株式の34.72%(議決権比率34.72%)を保有しています。政府は株主として当社の株主総会での議決権を有していることから、最大株主として、理論的には株主総会等における決定に対し多大な影響力を行使する権限を有しています。しかしながら、政府は1997年の国会答弁において、基本的に当社の経営に積極的に関与する形での株主権の行使はしないことを表明しており、事実、過去において政府は当社の経営に直接関与するためにそのような権限を行使したことはありません。法令に基づく政府のNTTグループに対する規制権限については、「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制」をご参照ください。なお、2023年8月以降、総務省情報通信審議会において、「日本電信電話株式会社等に関する法律(以下、「NTT法」)」に関する議論が継続しており、2024年4月に成立したNTT法の改正法の附則には、NTT法の廃止を含め検討を行い、その結果に基づいて2025年の通常国会を目処に所要の法改正等の措置を講じる旨が規定されています。将来的に、仮にNTT法が廃止され、NTT法第4条に規定される政府株式保有義務(当社株式の三分の一以上の保有義務)も同時に効力を失った場合、政府が当社株式を売却する可能性も想定されますが、自由民主党 政務調査会が2023年12月5日に出した提言において「仮に株式を売却する場合には、市場に与える影響を勘案した手法を選択すべき」とされており、当社としても市場に影響を与えないような対応を求めていきます。 (参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制情報通信産業を所管する日本の主要な監督機関は総務省であり、総務大臣は電気通信事業者を規制する権限を「電気通信事業法」により付与されています。1985年、NTTが民営化されると同時に「電気通信事業法」が施行され、日本における電気通信事業の法規制の枠組みは大幅に変更されるとともに、日本の情報通信産業に競争が導入されました。それ以降、政府は日本の電気通信市場における競争を促進する様々な措置を講じています。この結果、NTTグループはその事業分野の多くで、新規参入企業や新規に事業参入しようとしている企業との競争激化に直面しています。当社及びその子会社の中には、その事業を行うにあたり、「電気通信事業法」のほか、「日本電信電話株式会社等に関する法律」及び「電波法」に基づく規制を受けている会社が存在します。その概要は次のとおりです。 ① 電気通信事業法(昭和59年法律第86号)電気通信事業法による規制は次のとおりです。(a) 電気通信事業者に課される規制a 基礎的電気通信役務の提供・ 基礎的電気通信役務(ユニバーサルサービス)の提供(第7条)基礎的電気通信役務(国民生活に不可欠であるためあまねく日本全国における提供が確保されるべき次に掲げる電気通信役務)を提供する電気通信事業者は、その適切、公平かつ安定的な提供に努めなければならない。・第一号基礎的電気通信役務加入電話(基本料)又は加入電話に相当する光IP電話、ワイヤレス固定電話、第一種公衆電話(総務省の基準に基づき設置される公衆電話)、災害時用公衆電話、緊急通報(110番、118番、119番)等。・第二号基礎的電気通信役務FTTHアクセスサービス、CATVアクセスサービス、専用型ワイヤレス固定ブロードバンドアクセスサービスb 電気通信事業の開始等・ 電気通信事業の開始についての総務大臣の登録制(第9条)ただし、設置する電気通信回線設備の規模及び設置する区域の範囲が一定の基準を超えない場合や電気通信回線設備を設置しない事業の開始については総務大臣への届出制となっています(第16条)。・ 合併や株式取得等を行う際の電気通信事業の登録の更新制(第12条の2)・ 電気通信事業の休廃止に関する総務大臣への届出制及び利用者への周知義務(第18条、第26条の4)c 利用者料金その他の提供条件の設定等・ 基礎的電気通信役務の契約約款の総務大臣への届出制(第19条)基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者は、基礎的電気通信役務に関する料金その他の提供条件について契約約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。・ 消費者保護関連電気通信事業者は、契約前の説明義務(第26条)、書面交付義務(第26条の2)、初期契約解除制度(第26条の3)、電気通信業務の休廃止の周知義務(第26条の4)、苦情等処理義務(第27条)、不実告知等や勧誘継続行為の禁止(第27条の2)及び媒介等業務受託者に対する指導等の措置義務(第27条の4)等が課されています。d 相互接続・ 電気通信回線設備への接続について他の電気通信事業者の請求に応ずる義務(第32条)e ユニバーサルサービス基金制度 ユニバーサルサービス基金制度は、ユニバーサルサービスの確保に必要な費用を、主要な通信事業者全体で支えていくための制度です。 第一号基礎的電気通信役務については、その提供を確保するため、総務大臣の指定を受けた支援機関が、不採算地域等を含めて当該役務を提供する適格電気通信事業者(第108条)に対して、その提供に要する費用の一部に充てるための交付金を交付する(第107条)こととされており、これに伴い支援機関が必要とする費用については各電気通信事業者が応分の負担金を納付する義務を負う(第110条)こととされています。 東西地域会社は、総務大臣から適格電気通信事業者に指定されており、2023年度と2024年度の東西地域会社への補填額はそれぞれ63億円、67億円となっています。 第二号基礎的電気通信役務についても、第一号基礎的電気通信役務と同様に、支援機関が適格電気通信事業者(第110条の3)に対して、その提供に要する費用の一部に充てるための交付金を交付する(第107条)こととされており、必要な費用については各電気通信事業者が応分の負担金を納付する義務を負う(第110条の5)こととされています。 なお、東西地域会社は、日本電信電話株式会社等に関する法律により、第一号基礎的電気通信役務のみ全国提供を義務付けられています(第3条)。 (b) 東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社(東西地域会社)のみに課される規制a 利用者料金その他の提供条件の設定・ 指定電気通信役務に関する保障契約約款の総務大臣への届出制(第20条)第一種指定電気通信設備を用いて提供する指定電気通信役務の料金その他の提供条件については、利用者と別段の合意がある場合を除き適用される保障契約約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。・ 特定電気通信役務の料金の規制(第21条)特定電気通信役務については、その料金の指数が総務大臣から通知される基準料金指数以下となる場合には総務大臣への届出制とする一方、基準料金指数を越える場合には総務大臣の認可を必要とする、いわゆる「プライスキャップ規制」が適用されています。(注)・第一種指定電気通信設備 各都道府県において電気通信事業者の設置する固定端末系伝送路設備のうち、同一の電気通信事業者が設置するものであって、各事業者の業務区域(NTT東日本の場合は東日本エリア全域、NTT西日本の場合は西日本エリア全域)内の総数の2分の1を超えるもの及びこれと一体として設置する電気通信設備で、他の電気通信事業者との接続が利用者の利便向上及び電気通信の総合的かつ合理的な発達に不可欠な設備として、総務大臣が指定するもの。具体的には、東西地域会社の主要な電気通信設備が指定されている。・指定電気通信役務 第一種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者が当該設備を用いて提供する電気通信役務であって、他の電気通信事業者によって代替役務が十分提供されないこと等の事情を勘案して、適正な料金その他の提供条件に基づく提供を保障することにより利用者の利益を保護するため特に必要があるものとして総務省令で定めるもの。具体的には、加入電話、ISDN、公衆電話、専用サービス、フレッツ光、ひかり電話等であるが、利用者の利益に及ぼす影響が少ない付加的な機能の提供に係る役務等は除かれる。・特定電気通信役務 指定電気通信役務のうち利用者の利益に及ぼす影響が大きいものとして総務省令で定めるもの。具体的には、東西地域会社の提供する加入電話、ISDN、公衆電話。・基準料金指数 特定電気通信役務の種別ごとに、能率的な経営の下における適正な原価及び物価その他の経済事情を考慮して、通常実現することができると認められる水準の料金を表す指数として、総務大臣が定めるもの。・プライスキャップ規制 料金の上限を規制する制度のこと。なお、東西地域会社の実際の料金指数は、2023年10月1日から始まった1年間の基準料金指数を下回る水準にあることから、プライスキャップ規制に基づく値下げは行っていない。b 相互接続等・ 第一種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の総務大臣の認可制(第33条)東西地域会社は、第一種指定電気通信設備を有する電気通信事業者として、相互接続に係る接続料及び接続条件について接続約款を定め、接続料が能率的な経営の下における適正な原価を算定するものとして総務省令で定める方法により算定された原価に照らし公正妥当なものであること等を要件に総務大臣の認可を受けることになっています。 (電話接続料)1998年5月、日米両政府の規制緩和等に関する共同報告の中で、日本政府は、接続料への長期増分費用方式の導入の意向を表明、2000年5月に長期増分費用方式の導入を定めた改正電気通信事業法が成立し、それ以降、同方式により接続料の値下げが行われました。また、その後、通信量が大幅に減少する中で、接続料の上昇による通話料の値上げを回避する観点から、NTSコスト(Non-Traffic Sensitive Cost、通信量に依存しない費用)を接続料原価から控除し基本料で回収することとされました(2004年10月の情報通信審議会答申)。なお、NTSコストの一部については、ユニバーサルサービス基金の利用者負担の増加を抑制する観点から同基金の見直しが行われた際、基金の補填対象範囲の縮小分の負担について東西地域会社のみに負わせるのではなく、各事業者から公平に回収することが適当とされたことから、再度接続料原価に算入することとされています。2022年度以降の接続料については、2021年の情報通信審議会における検討の結果、IP網への移行期間(2022年4月から2024年12月まで)において、引き続き長期増分費用方式を適用することとされました。 (光ファイバ接続料)東西地域会社が有する光ファイバは、電気通信事業法における第一種指定電気通信設備として他事業者に認可料金(接続料)で貸し出すことを義務付けられています。加入光ファイバ接続料については、接続料低廉化の見通しを示すことにより他事業者が参入しやすい環境を整えるため、2023年度から2025年度までの3年間を算定期間とする将来原価方式により算定しています。なお、今回の接続料においても、実績接続料収入と実績費用の差額を次期以降の接続料原価に加えて調整する乖離額調整制度を導入しており、未回収リスクはないものと考えています。なお、加入光ファイバの分岐端末回線単位の接続料設定の問題については、情報通信行政・郵政行政審議会における検討の結果、依然として様々な解決すべき課題がある(2012年3月の情報通信行政・郵政行政審議会答申)とされ、分岐端末回線単位の接続料は設定されていません。 ・ 第一種指定電気通信設備との接続に係る機能の休止及び廃止の周知(第33条の2)東西地域会社は、第一種指定電気通信設備との接続に係る機能を休止・廃止しようとするときは、総務省令で定めるところにより、予め、当該機能を利用する他の電気通信事業者に対して、その旨を周知しなければならないとされています。・ 第一種指定電気通信設備の機能に関する計画の総務大臣への届出制(第36条)東西地域会社は、第一種指定電気通信設備の機能の変更又は追加の計画について、総務大臣に届け出ることとされています。・ 第一種指定電気通信設備の共用に関する協定の総務大臣への届出制(第37条)東西地域会社は、他の電気通信事業者との第一種指定電気通信設備の共用の協定について、総務大臣に届け出ることとされています。・ 第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務に関する総務大臣への届出制(第38条の2)及び整理・公表制(第39条の2)東西地域会社は、第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始・変更・廃止したときは、その旨、卸電気通信役務の種類、一定の要件を満たす卸先事業者に対する料金その他の提供条件等を総務大臣に届け出ることとされています。また、総務大臣は、当該届出に関して作成し、又は取得した情報について、整理・公表することとされています。・ 第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務のうち、電気通信事業者間の適正な競争関係に及ぼす影響が認められる役務(特定卸電気通信役務:フレッツ光、ひかり電話)の提供義務(第38条の2)東西地域会社は、正当な理由がなければ、卸先事業者に対する特定卸電気通信役務の提供を拒んではならないとされています。 c 禁止行為東西地域会社は、市場支配的な事業者として、接続情報の目的外利用や他の電気通信事業者に対し不当に優先的な取扱いを行うこと等を禁止されている(第30条)ほか、特定関係事業者として総務大臣に指定されたエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社及び株式会社NTTドコモとの役員兼任等の禁止(第31条)が定められています。また、東西地域会社の業務委託先子会社において禁止行為が行われないよう、東西地域会社が委託先子会社に対し必要かつ適切な監督を行うことや、東西地域会社が接続の業務に関して知り得た情報の適切な管理、接続の業務の実施状況を適切に監視するための体制の整備等が義務付けられています(第31条)。したがって、NTTグループ内の電気通信事業者間で排他的に連携してサービスを提供することには一定の制約があり、NTTグループとしては、この禁止行為規制を含め公正競争条件を確保しつつ市場ニーズに応じたサービスを提供していく考えですが、例えば、新サービスの迅速な提供に支障をきたす等の影響が生じる可能性があります。 (c) 株式会社NTTドコモに課される規制a 相互接続等・ 第二種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の総務大臣への届出制(第34条)株式会社NTTドコモの携帯電話に係る主要な電気通信設備については、他の電気通信事業者との適正かつ円滑な接続を確保すべきものとして総務大臣より第二種指定電気通信設備に指定されており、他の電気通信事業者の電気通信設備との接続に関し、接続料及び接続の条件について接続約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。・ 第二種指定電気通信設備との接続に係る機能の休止及び廃止の周知(第34条の2)株式会社NTTドコモは、第二種指定電気通信設備との接続に係る機能を休止・廃止しようとするときは、総務省令で定めるところにより、予め、当該機能を利用する他の電気通信事業者に対して、その旨を周知しなければならないとされています。・ 第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務に関する総務大臣への届出制(第38条の2)及び整理・公表制(第39条の2)株式会社NTTドコモは、第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始・変更・廃止したときは、その旨、卸電気通信役務の種類、一定の要件を満たす卸先事業者に対する料金その他の提供条件等を総務大臣に届け出ることとされています。また、総務大臣は、当該届出に関して作成し、又は取得した情報について、整理・公表することとされています。・ 第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務のうち、電気通信事業者間の適正な競争関係に及ぼす影響が認められる役務(特定卸電気通信役務:携帯電話、BWAアクセスサービス、セルラーLPWA)の提供義務(第38条の2)株式会社NTTドコモは、正当な理由がなければ、卸先事業者に対する特定卸電気通信役務の提供を拒んではならないとされています。 なお、第二種指定電気通信設備に関する規制については、株式会社NTTドコモのほか、第二種指定電気通信設備を設置する全ての電気通信事業者に課されています。 b 禁止行為株式会社NTTドコモは、電気通信事業者間の競争環境の確保の観点から、端末を販売等しない場合よりも端末を販売等する際の通信料金を有利にすることや、行き過ぎた期間拘束により利用者を囲い込むこと等を禁止されています(第27条の3)。なお、本規定については、株式会社NTTドコモのほか、総務大臣に指定された事業者に課されています。また、株式会社NTTドコモは、市場支配的な事業者として、接続情報の目的外利用やグループ内の事業者であって総務大臣が指定するものに対し不当に優先的な取扱いを行うこと等を禁止されています(第30条)。(注)・第二種指定電気通信設備 電気通信事業者の設置する特定移動端末設備(携帯電話端末・BWA端末)に接続される伝送路設備のうち同一の電気通信事業者が設置するものであって、その業務区域内の全ての当該伝送路設備の総数の10分の1を超えるもの及びその事業者が当該電気通信役務を提供するために設置する電気通信設備で、他の電気通信事業者の電気通信設備との適正かつ円滑な接続を確保すべき設備として、総務大臣が指定するもの。 ② 日本電信電話株式会社等に関する法律(昭和59年法律第85号)(a) 概要1997年6月に公布された「日本電信電話株式会社法の一部を改正する法律」(以下、「平成9年改正法」)は、1999年7月に施行されました(これにより「日本電信電話株式会社法」は「日本電信電話株式会社等に関する法律」に改題され、当社を純粋持株会社とする再編成がおこなわれました。)。同法は、その後も改正されておりますが、直近では2024年4月に「日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律」(以下、「令和6年改正法」)が公布・施行されました。具体的には、電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究に係る責務の廃止や、外国人役員に係る規制の緩和、役員選解任の決議に係る認可の事後届出への緩和、剰余金処分の決議に係る認可の廃止、及び商号変更が可能になる等の改正がされました。また、今後の検討として、ユニバーサルサービスや公正競争、経済安全保障等を確保する観点から、NTT法の廃止を含め検討を行い、その結果に基づいて2025年の通常国会を目処に所要の法改正等の措置を講じる旨が附則に規定されました。 (b) 目的・事業・責務一 目的日本電信電話株式会社(以下、「会社」)、東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社(以下、「東西地域会社」)について定めることを目的とする。 一の二 定義1 会社とは、東西地域会社がそれぞれ発行する株式の総数を保有し、これらの株式会社による適切かつ安定的な電気通信役務の提供の確保を図ること並びに電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うことを目的とする株式会社であって、附則第4条第1項に規定する権利及び義務を承継したものをいう。2 「東日本電信電話株式会社」とは、二の3(1)イに掲げる都道県の同号に規定をする区域において地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社であって、平成9年改正法附則第2条第1項の規定により国が引き継がせるものとされた業務を承継したものをいう。3 「西日本電信電話株式会社」とは、二の3(1)ロに掲げる府県の同号に規定する区域において地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社であって、平成9年改正法附則第2条第1項の規定により国が引き継がせるものとされた業務を承継したものをいう。 (注)附則第4条第1項日本電信電話公社は、会社の成立の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、その時において当社が承継する。(注)平成9年改正法附則第2条第1項国は、東西地域会社を設立し、それぞれ、日本電信電話株式会社が営んでいる国内電気通信業務のうちこの法律による改正後の地域電気通信業務に該当する業務を、各地域会社に引き継がせるものとする。 二 事業1 会社は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むものとする。(1)東西地域会社が発行する株式の引受け及び保有並びに当該株式の株主としての権利の行使をすること(2)東西地域会社に対し、必要な助言、あっせんその他の援助を行うこと(3)電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うこと(4)(1)(2)及び(3)に掲げる業務に附帯する業務2 会社は、二の1に規定する業務を営むほか、総務大臣へ届け出ることによって、その目的を達成するために必要な業務を営むことができる。3 東西地域会社は、その目的を達成するため、次に掲げる業務を営むものとする。(1) それぞれ次に掲げる都道府県の区域において行う地域電気通信業務イ 東日本電信電話株式会社にあっては、北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県及び長野県ロ 西日本電信電話株式会社にあっては、京都府及び大阪府並びにイに掲げる県以外の県(2)二の3の(1)に掲げる業務に附帯する業務4 東西地域会社は、総務大臣へ届け出ることによって、次に掲げる業務を営むことができる。(1)二の3に規定するもののほか、東西地域会社の目的を達成するために必要な業務(2)それぞれ二の3の(1)により地域電気通信業務を営むものとされた都道府県の区域(目的業務区域)以外の都道府県の区域において行う地域電気通信業務5 地域電気通信業務は、東西地域会社が自ら設置する電気通信設備を用いて行わなければならない。ただし、電話の役務をあまねく目的業務区域において適切、公平かつ安定的に提供することを確保するために必要があると認められる場合に、総務大臣の認可により、他の電気通信事業者の設備(無線設備)を用いて電話を提供することができる。6 東西地域会社は、二の3、二の4に規定する業務のほか、総務大臣へ届け出ることによって、地域電気通信業務の円滑な遂行及び電気通信事業の公正な競争の確保に支障のない範囲内で、二の3に規定する業務を営むために保有する設備若しくは技術又はその職員を活用して行う電気通信業務その他の業務を営むことができる。 三 責務会社及び東西地域会社は、それぞれその事業を営むに当たっては、常に経営が適正かつ効率的に行われるように配意するとともに、国民生活に不可欠な電話の役務のあまねく日本全国における適切、公平かつ安定的な提供の確保に寄与し、もって公共の福祉の増進に資するよう努めなければならない。 (c) 総務大臣の認可を必要とする事項・ 会社及び東西地域会社の新株及び新株予約権付社債の発行(第4条、第5条)(注)会社は、総務省令で定める一定の株式数に達するまでは、認可を受けなくても総務大臣に届け出ることにより新株の発行が可能(附則第14条)・ 会社及び東西地域会社の定款の変更、合併、分割及び解散の決議(第11条)(注)定款の変更は、会社又は東西地域会社の商号の変更に係る決議を除く・ 会社及び東西地域会社の事業計画及び事業計画の変更(第12条)・ 東西地域会社の重要な設備の譲渡及び担保に供すること(第14条) (d) その他総務大臣に対する義務・ 会社の代表取締役、取締役又は監査役の就任又は退任の届出(第10条)(注)日本の国籍を有しない人は、会社及び東西地域会社の代表取締役となることができない(注)会社及び東西地域会社は、日本の国籍を有しない人がそれぞれの取締役又は監査役の三分の一以上を占めることとなってはならない・ 会社及び東西地域会社の貸借対照表、損益計算書、事業報告書の提出(第13条)・ 会社及び東西地域会社への命令を受ける義務(第16条)・ 会社及び東西地域会社の業務に関する報告の要求に応じる義務(第17条) ③ 電波法(昭和25年法律第131号)(a)総務大臣の免許を必要とする事項・ 無線局の開設(第4条) (b)総務大臣の許可を必要とする事項・ 無線局の目的、通信の相手方、通信事項等の変更等(第17条) (携帯電話の周波数帯割当て)移動通信事業において、事業者が無線周波数帯域を使用するためには日本政府(総務省)の免許が必要となります。周波数帯の割当ては電波法及び関連する法令等により規定されています。(2)会社株式に係る事項 ① 外国人等議決権割合の制限(日本電信電話株式会社等に関する法律 第6条)会社は、外国人等議決権割合が三分の一以上になるときは、その氏名及び住所を株主名簿に記載し、又は記録してはならない。 (注)外国人等 一 日本の国籍を有しない人二 外国政府又はその代表者三 外国の法人又は団体四 前三号に掲げる者により直接に占められる議決権の割合が総務省令で定める割合以上である法人又は団体なお、当社定款において、株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者、及びその有する株式の全部若しくは一部について日本電信電話株式会社等に関する法律第6条に基づき、株主名簿に記載されなかった若しくは記録されなかった株主又は当該株主の有する株式の質権者に対して、剰余金の配当をすることができる旨を規定しています。 ② 政府による当社の株式保有義務(日本電信電話株式会社等に関する法律 第4条)政府は、常時、会社の発行済株式の総数の三分の一以上に当たる株式を保有していなければならない。 (注)発行済株式の総数の算定方法の特例(日本電信電話株式会社等に関する法律 附則第13条)・ 第4条第1項の規定の適用については、当分の間、新株募集若しくは新株予約権の行使による株式の発行又は取得請求権付株式若しくは取得条項付株式の取得と引換えの株式の交付があった場合には、これらによる株式の各増加数(「不算入株式数」)は、それぞれ第4条第1項の発行済株式の総数に算入しないものとする。・ 前項に規定する株式の増加後において株式の分割又は併合があった場合は、不算入株式数に分割又は併合の比率(二以上の段階にわたる分割又は併合があった場合は、全段階の比率の積に相当する比率)を乗じて得た数をもって、同項の発行済株式の総数に算入しない株式の数とする。2024年3月31日時点の当社の発行済株式総数は90,550,316,400株であり、同日現在の政府保有株式数は29,199,372,200株、即ち、自己株式除き発行済株式総数の34.72%となっています。(注)当社は2000年12月に公募増資により30万株(2009年1月4日付の株式分割、2015年7月1日付の株式分割、2020年1月1日付の株式分割及び2023年7月1日付の株式分割後に換算すると30億株)の新株発行を実施しました。これらの株式は、前述のとおり、政府が保有する株式の比率を計算する際には発行済株式総数には算入されません。また、政府保有株式数には名義書換失念株等の政府が実質的に保有していない株式が含まれているため、これらの株式は、政府が保有する株式の比率を計算する際には政府保有株式数に算入していません。これらの条件を考慮すると、政府が保有する株式の比率は33.33%となります。NTTグループと政府の各種部門・機関との取引は、個別の顧客として、かつ独立当事者間の取引として行われています。政府は、株主としての資格において当社の株主総会で議決権を行使し、筆頭株主としての立場から、理論上は株主総会での大多数の決議に重大な影響力を及ぼす権限を有します。しかしながら、過去に政府がこの権限を行使して当社の経営に直接関与したことはありません。 ③ 政府保有株式の売却について 政府の保有する会社株式の処分は、その年度の予算をもって国会の議決を経た限度数の範囲内でなければならない(日本電信電話株式会社等に関する法律 第7条) ・ 売却の経緯及び売却方針について(第一次売出から第六次売出について)当社は発行済株式総数1,560万株で設立され、政府が売却可能である当社株式1,040万株(政府による保有が義務付けられた全体の三分の一に当たる520万株を除いた株式)のうち540万株については、1986~1988年度において売却されました。また、1990年12月17日に、未売却となっていた500万株のうち、イ)250万株について毎年度50万株程度を計画的に売却することを基本とすること、ロ)後年度において市場環境から許容される場合、計画の前倒しによる売却があり得ること、ハ)残余の250万株については、当分の間、売却を凍結するという売却方針が大蔵省(当時)より示されました。(ただし、1997年度まで、市場環境等により実際の売却は見送られました。)1998年度においては、1998年12月に100万株について売却が実施されました。1999年度においては、100万株が売却限度数として計上されていましたが、このうち48,000株については1999年7月13日の当社の自己株式買入において売却が実施され、残りの952,000株については1999年11月に売却が実施されました。また、上記の1990年12月に示された売却方針については終了しました。2000年度においては、2000年11月に100万株の売却が実施されました。 ・ 政府保有株式の売却実績について提出日現在までの政府保有株式の売却実績については、下表のとおりです。年度政府の売却実績売却時期売却株数売却方法1986年度1987年 2月(第一次売出)200,000株一般競争入札1,750,000株証券会社による「売り出しの取り扱い」1987年度1987年11月(第二次売出)1,950,000株証券会社による「引受」「売り出しの取り扱い」1988年度1988年10月(第三次売出)1,500,000株証券会社による「引受」「売り出しの取り扱い」1998年度1998年12月(第四次売出)1,000,000株ブックビルディング方式による株式売り出し1999年度1999年 7月13日48,000株自己株式買入1999年11月(第五次売出)952,000株ブックビルディング方式による株式売り出し2000年度2000年11月(第六次売出)1,000,000株ブックビルディング方式による株式売り出し2002年度2002年10月 8日91,800株自己株式買入2003年度2003年10月15日85,157株自己株式買入2004年度2004年11月26日800,000株自己株式買入2005年度2005年 9月 6日1,123,043株自己株式買入2011年度2011年 7月 5日57,513,600株自己株式買入2012年 2月 8日41,820,600株自己株式買入2013年度2014年 3月 7日26,010,000株自己株式買入2014年度2014年11月14日35,088,600株自己株式買入2014年11月28日1,068,100株自己株式買入2016年度2016年 6月14日59,000,000株自己株式買入2019年度2019年 9月11日48,666,700株自己株式買入2022年度2022年 9月15日92,925,400株自己株式買入(注)1.1995年11月24日を効力発生日として、普通株式1株につき1.02株の割合をもって株式分割いたしました。2.2009年1月4日を効力発生日として、普通株式1株につき100株の割合をもって株式分割いたしました。3.2015年7月1日を効力発生日として、普通株式1株につき2株の割合をもって株式分割いたしました。4. 2020年1月1日を効力発生日として、普通株式1株につき2株の割合をもって株式分割いたしました。
FY2023|21,721 文字
3【事業等のリスク】本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を、NTTグループの事業を取り巻く環境及びそれに対応した事業戦略、業務運営に係るリスクのほか、規制をはじめとした政府との関係に係るリスク等の観点から総合的な評価を行っています。当社におけるビジネスリスクマネジメントの概要、リスクの抽出・重要リスクの特定、リスクの内容及び対処策については以下のとおりです。 (1)ビジネスリスクマネジメントの概要身近に潜在するリスクの発生を予想・予防し、万一リスクが顕在化した場合でも損失を最小限に抑えること等を目的として、リスクマネジメントの基本的事項を定めたリスクマネジメント規程を制定しています。代表取締役副社長が委員長を務めるビジネスリスクマネジメント推進委員会及びグループビジネスリスクマネジメント推進委員会が中心となって、リスクマネジメントのPDCAサイクルを構築し運用しています。なお、2022年度においてビジネスリスクマネジメント推進委員会は2回、グループビジネスリスクマネジメント推進委員会は2回開催され、全社的に影響を与えると想定されるリスクの特定及びその管理方針等について議論しました。また、グループ一体となってリスクマネジメントに取り組むため、NTTグループビジネスリスクマネジメントマニュアルを策定しグループ各社に配布しています。本マニュアルにより、リスク発生に備えた事前対処策、リスクが顕在化した場合におけるグループ連携方法や対応方針、情報連絡フロー等を定め、迅速な対応を可能とする体制を整備し運用しています。 (2)リスクの抽出・重要リスクの特定当社では社会環境の変化等を踏まえ、想定するリスクや、その管理方針の見直しを随時行っています。リスクの抽出にあたっては、ビジネスリスクマネジメント推進委員会及びグループビジネスリスクマネジメント推進委員会が中心となって、NTTグループを取り巻くリスクの分析プロセスを策定し、このプロセスに則って定期的にリスク分析を実施することで、全社リスクを特定します。さらに、それらリスクの相関分析を行い、最も重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクを「重要リスク」と特定し、その対応策を決定します。 (3)リスクの内容及び対処策文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。当社が現在関知していないリスク、あるいは当社が現時点では重要ではないと考えるリスクであってもNTTグループの事業活動を損なうことになる可能性があります。さらに、本有価証券報告書は、リスクと不確実性を伴う将来見通しに基づく情報も含んでいます。NTTグループは、下記リスクのほか、本有価証券報告書中の他の箇所に記載されているリスクに直面していますが、これらのリスクの影響により、NTTグループの実際の業績が、将来見通しに基づく記述が想定しているものとは大きく異なってくる可能性があります。 ○ 事業環境及びそれに対応した戦略に係るリスク事業成長に関するリスク 市場構造の変化や競争の進展に適切に対応できない場合、NTTグループの営業収益が低下する可能性や設備投資の効率化が図れない可能性、販売経費・設備関連コスト・人件費等の削減効果が充分に発揮されない可能性があります。情報通信市場では、競合他社の新規参入等による競争激化や、新料金プラン等による顧客基盤の維持・さらなる拡大がNTTグループの想定したとおりにならない場合、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、情報サービス市場では、急成長するインドや中国等の情報サービス企業が、グローバル競争をもたらしつつあり、競合会社の積極参入による競争激化が経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。特にグローバルビジネスの拡大において、企業・組織との合弁事業、事業提携、協力関係の構築、出資、買収等の活動を実施していますが、海外における事業活動は、投資や競争等に関する法的規制、税制、契約実務を含めた商習慣の相違、労使関係、国際政治等様々な要因の影響下にあります。これらのリスクが顕在化した場合には、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。その他の市場においても、各事業において想定したとおりの収益が得られない可能性があり、結果として経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、NTTグループは、お客さまの新たな体験や感動創造(カスタマーエクスペリエンス)の高度化に向け、様々なパートナーと連携して新たな価値の創造及び社会的課題の解決をめざす、B2B2Xモデルを推進しています。B2B2Xモデルの推進が想定どおりに進展しなかった場合、市場競争力が低下し、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループは、2023年5月に発表した新中期経営戦略「New value creation & Sustainability 2027 powered by IOWN」に基づき、これまでの中期経営戦略の考え方や取組みをベースに、新たな価値創造と地球のサステナビリティを実現することをめざしています。設備投資の効率化に向けては、各社でネットワークのシンプル化・スリム化を実施することに加え、AI等を活用し、自らの業務プロセスをデジタル化することで様々な業務におけるさらなる生産性の向上をめざします。また、グループ各社が共通で購入するハードウェア、ソフトウェア及びサービスについて、グローバルベンダー等と一元的に価格交渉を行い、包括的な契約を締結する調達専門会社のNTT Global Sourcing, Inc.を米国に設立し、NTTグループのトータルの調達コスト削減等に取り組んでいます。ITシステムについても、グローバルで標準化されたシステムへ移行していくことを通じて、共通基盤化による効率化を進めるとともに、シンプルで生産性の高い業務運営の確立に向けて取り組んでいます。また、グローバル事業における着実な成長を実現するため、2019年よりグローバル事業の再編成に取り組んできましたが、昨今お客さまのニーズはますます多様化・高度化し、デジタル技術を活用したトランスフォーメーション(DX)や、ITモダナイゼーションへのニーズが高まるとともに、競合各社は社会・テクノロジーの変化に合わせサービスラインを拡大する等、事業環境が大きく変化してきています。このような状況下、NTTデータとNTT Ltd.で行ってきたビジネスユーザ向けグローバル事業をNTTデータ傘下に集約し、両社がより一体となって事業運営を行うこととしました。統一した事業戦略のもと、インフラからアプリケーションまでのEnd to Endのサービス提供、当社の研究開発の成果の活用、Smart Worldや5G等の分野におけるビジネス推進に取り組むとともに、中長期的には、IOWN構想を中核とした環境価値、社会価値も提供可能な高度なサービスの実現に向けて取り組みます。出資に関しては、定期的にモニタリングを実施する等、期待したリターンを得られるよう取り組んでいます。お客さまの新たな体験や感動創造の取組みが十分に進展しないリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 新たな価値創造に関する戦略」をご参照ください。 金融市場の混乱により悪影響を受けるリスク NTTグループは、社債・借入金等の手段により資金調達を実施していますが、金融市場において大きな変動が生じた場合には、資金調達が制約される可能性や資金調達コストが増加する可能性があります。また、NTTグループは、投資有価証券等の金融資産を保有しています。景気後退による株式市場や金融市場の低迷により、それらの資産価値が下落した場合には評価損が発生し、NTTグループの業績に影響が生じる可能性があるほか、NTTグループの年金基金についても、年金運用等に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、現金及び現金同等物に加え、取引銀行と当座貸越契約及びコミットライン契約を締結しており、事業活動上必要な流動性を確保しています。資金調達に関しては、調達手段の多様化等を進めるとともに、低利かつ安定的な資金の確保に努めています。さらに、債権流動化等により資金の効率化にも取り組んでいます。また、リスク管理方針を制定し、この管理方針に従って先物為替予約等のデリバティブ取引を利用したリスクヘッジを行い、リスクの最小化に努めています。 環境問題に関するリスク 気候変動問題が世界的に重要なリスクとして広く認識されている中、NTTグループの気候変動や資源循環への対応や開示が不十分と評価された場合には、顧客・パートナー・株主・社員・地域社会等のステークホルダーからの理解が十分に得られず事業運営に支障をきたす可能性があります。また、新たな法令・規制の導入や強化等がなされた場合にはコスト負担が増加する等、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。気候変動に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 気候変動に関する戦略」をご参照ください。 資源循環に関するリスクへの対応として、NTTグループでは、2030年度の目標として、NTTグループが排出する廃棄物のリサイクル率を99%以上とすることを設定しています。社会的要請や法令・規制に則り、通信設備・携帯端末等のリユース・リサイクルや、プラスチックの利用削減、有害廃棄物の適正な処理、保管・管理の徹底等を進め、資源循環の取組みの充実を図っています。 人的資本に関するリスク 情報通信市場や情報サービス市場においては、国内外の様々なプレイヤーが市場に参入し、サービスや機器の多様化・高度化が急速に進んでおり、今後、クラウドサービスを中心として変化が一層加速していくと見込まれます。このような状況の中で、従業員エンゲージメントの強化は、生産性や創造性の向上、及び優秀な人材のリテンションのために重要です。エンゲージメントの低下は、新技術の開発、新サービスの企画、既存サービスの改善、成長戦略の実行等に影響を及ぼす場合があり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、社員の健康・安全が十分に確保できない場合、労働生産性の低下等につながり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。さらに、当社グループ及びサプライチェーンにおいて強制労働や児童労働等の人権侵害行為が発生した場合には、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下、ひいては経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。人的資本に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 人的資本に関する戦略」をご参照ください。 知的財産権に関するリスク NTTグループや事業上のパートナーがその事業を遂行するために必要な知的財産権等の権利について、当該権利の保有者よりライセンス等を受ける必要がある場合があります。現在、NTTグループ等は、当該権利の保有者との間で契約を締結することによりライセンス等を受けており、また、今後の事業遂行上必要となる他者の知的財産権等の権利については、当該権利の保有者よりライセンス等を受ける予定です。しかしながら、当該権利の保有者との間でライセンス等の付与について合意できなかったり、又は、一旦ライセンス等の付与に合意したもののその後当該合意を維持できなかった場合には、NTTグループや事業上のパートナーの特定の技術、商品又はサービスの提供ができなくなる可能性があります。また、NTTグループ各社による海外企業の買収等に伴い、グローバルビジネスが拡大しており、NTTグループが海外企業からその知的財産権等の権利を侵害したとの主張を受ける機会が増える可能性があります。仮に他者より、NTTグループがその知的財産権等の権利を侵害したとの主張を受けた場合には、その解決に多くの時間と費用を要する可能性があり、さらに当該他者の主張が判決等により認められた場合、あるいは和解等により当事者間で合意した場合には、当該権利に関連する事業の収益減や当該権利の侵害を理由に損害賠償責任等を負ったり、当該事業の実施の差止めを受ける可能性があります。さらに、NTTグループが保有する知的財産権等の権利について、第三者が不正に使用する等により、本来得られるライセンス収入が減少したり、競争上の優位性をもたらすことができない可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合には、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、戦略的な権利化や権利調査による状況把握を実施する等、他者やNTTグループが保有する知的財産権等の権利への対策を講じています。 ○ 業務運営に係るリスクシステム不具合、ネットワーク故障、サービス不具合等に関するリスク NTTグループは国内外において事業を展開しており、通信ネットワーク・情報システムをはじめ、社会と経済活動を支え、国民生活の安全を守るライフラインとして欠かせないサービスや金融・決済等生活基盤を支えるサービスを数多く提供しています。これらのサービス提供に関して、地震・津波・台風・洪水等の自然災害、武力攻撃やテロ等の物理的な攻撃、重要システムにおける開発遅延や不具合、大規模なネットワーク故障の発生等によりお客さまへのサービス提供に影響を与える場合があり、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下するおそれがあります。また、サイバーテロ等のセキュリティインシデントにより、サービス停止・サービス品質の低下や情報の漏洩・改竄・喪失が発生した場合、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下、ひいては経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。さらに、システム不具合、ネットワーク故障、サービス不具合等が発生した際の広報対応が遅れた場合、NTTグループの信頼性やブランドイメージの低下につながるおそれがあります。システム不具合、ネットワーク故障、サービス不具合等に関するリスクを踏まえた対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 レジリエンスに関する戦略」をご参照ください。 地政学に関するリスク NTTグループは国内外において事業を展開しているため、テロリズム、武力行為、地域紛争等の国際情勢問題により、社員等の安全が脅かされる可能性や建物や設備が破壊される可能性、また、現地ビジネス展開、サプライチェーン、資金調達等への影響が生じることによって、事業運営に混乱が生じ、サービスを安定的に提供できない等、事業継続が困難になる場合があります。状況によっては、これらの問題が当該国・地域のみに限定されず、グローバルな事業継続に影響が発生する場合も考えられます。また、それらの結果、社員が直接被害を受ける可能性や、ネットワークやシステムの復旧に長い時間を要する可能性、燃料や機器の調達が困難になることによりサービスを安定的に提供できない可能性等が考えられ、収入の減少や多額の修繕費用の支出を余儀なくされる可能性があります。状況によっては、それらに係る損害についてNTTグループが責任を負う可能性も考えられます。さらに、これらがNTTグループの信頼性や企業イメージの低下につながるおそれもあります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、国内外の情報管理方法の強化や社員安否確認の定期的な訓練、通信ビル等重要設備のセキュリティ確保や冗長性のある伝送ルート設計、長期停電に対する通信ビル・基地局の非常用電源の強化等を行っています。また、 NTTグループは「NTTグループサプライチェーンサステナビリティ推進ガイドライン」を公表し、国際情勢問題等に伴う原材料の高騰、物流の混乱、原材料や部品等の入手困難化といった事業継続に大きな影響を与える事態に備えて、サプライチェーンへの影響を最小限に留めるよう、事業継続計画を策定することをサプライヤに要請するとともに、それらの事態が発生した場合の事業への影響を最小化するよう、関連するサプライヤと連携し、対応を実施します。これらのように、NTTグループは事業継続に必要なシステムやネットワークを安全かつ安定して運用できるよう様々な対策を講じています。 不祥事や契約上のトラブル等に関するリスク NTTグループは、国内外で多くの拠点を持ち、様々な製品やサービスを取り扱う関係上、関連する法令や規則は多岐にわたり、事業活動を営むにあたり免許・届出・許認可等が必要とされるものもあります。特に海外での事業運営においては、当該国での法令の存在又は欠如、法令の予期しえない解釈、法規制の新設や改定等によって、法令遵守のための負担が増加する場合があります。また、近年では法令・規制に加えて、人権、児童労働、環境破壊、中間搾取等、サプライチェーン上に存在するグローバルレベルでのリスクへの対処も問題視されています。これらに関して、従業員による個人的な不正行為等を含めたコンプライアンスに関するリスクもしくは社会的に信用が毀損されるリスクを排除できない場合があります。結果として、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下し、契約者獲得や入札資格停止等事業への影響が生じるおそれがあり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、法令遵守は極めて重要な企業の責務であるとの認識のもと、国内外を問わず、反競争的な違反行為、贈収賄等の防止をはじめ、より一層のコンプライアンスの強化をしていきます。また、お客さま情報をはじめとする個人情報保護への要求が社会的に高まるとともに、法制面からも個人情報保護に対する要請は大きくなっています。しかしながら、個人情報等を狙った犯罪行為が高度化、巧妙化する等、個人情報等の機密情報の流出や不適切な取り扱いが発生するリスクを排除できない場合があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、個人情報等の機密情報の厳重な管理等に努めるとともに、「NTTグループ情報セキュリティポリシー」を制定し、グループ内における管理体制の整備、役員や従業員への啓発活動等に取り組んでいます。また、NTTグループが当事者となる訴訟、係争、損害賠償請求が発生し、裁判所等によりNTTグループにとって不利な判断がなされた場合は、金銭的負担が発生するおそれがあるほか、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下するおそれがあり、その結果として、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、NTTグループ各社において発生している、又はそのおそれのある訴訟等の案件についてモニタリングを実施するとともに、必要に応じて迅速に対策を講じています。 製品、サービスの不適切な利用等により、社会的問題が発生するリスク NTTグループの提供している製品やサービスがユーザに不適切に使用される可能性があります。代表的なものとして、迷惑メールの送信、ネットバンキングの不正送金等のサイバー犯罪や振り込め詐欺等の犯罪にNTTグループのサービスが利用される可能性があるほか、NTTグループの契約者が迷惑メールを大量に受信してしまう等、これらの行為の被害を受けてしまう可能性があります。また、未成年者の有害サイトへのアクセス制限サービスの機能・精度等に関しては様々な議論があります。そのほか、歩行中や運転中の携帯電話使用によるトラブルの発生や、有料コンテンツの過度な利用による高額課金、不正アプリ(ソフト)を通じた個人情報の流出等が社会的に問題となっています。これらの問題によって、NTTグループの製品やサービスに対する信頼性の低下、顧客満足度の低下や企業イメージの低下による解約数の増加、新規契約者を期待どおり獲得できないという結果を引き起こす可能性があり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、歩きスマホ防止機能やフィルタリング機能等の安心・安全な利用のための製品・サービス提供、知識やマナーの啓発活動等の取組みを進めています。 パンデミック等による業務への影響リスク 新型コロナウイルス感染症等のパンデミックにより、お客さまの事業活動の縮小、システムインテグレーションの受注や各種サービス販売の減少、計画していた工事等の遅延等、事業活動に大きな影響が生じる可能性があります。また、ウィズ・アフターコロナにおいては、人々の生活や企業の活動のスタイルが大きく変容し、それらの結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。NTTグループでは、感染症の世界的な流行への対応にあたり、お客さま、パートナー、従業員を含む全ての関係者の健康と安全を確保しつつ、人々の生活や企業の活動にとって重要な情報通信サービスの安定的な利用の確保に取り組んでいます。当社及び通信事業を営む主要子会社は、人命尊重の視点から感染防止に努めつつ、指定公共機関としての責務を遂行するとともに、在宅勤務の普及等で増加傾向にあるトラフィックについても注視しながら、ネットワークの安定運用に必要な設備増強等の対策を講じています。 ○ 規制等、政府との関係に係るリスク等政府の規制、株式保有等により事業に影響を与えるリスク 日本の情報通信市場においては、競争促進や利用者保護等を目的とした電気通信関連の法改正等、多くの分野で規制の変更が行われてきています。政府等による規制に関する決定、それに伴う通信業界における環境変化は、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、政府等の情報通信政策や規制等の動向について必要な情報収集等を行うとともに、パブリックコメントやヒアリングの場を通じてNTTグループの考え方を主張する等、必要な対応を行っています。規制の内容等については「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制」をご参照ください。また、NTTグループがサービスを提供するために使用できる周波数には限りがあります。スマートフォンやタブレット端末等の普及拡大に伴い、契約者当たりのトラフィック量が増加していく中、事業の円滑な運営のために必要な周波数が得られなかった場合や、新しい周波数帯域の運用開始が想定どおりに進まない場合に、サービス品質が低下したり、追加の費用が発生する可能性があります。さらには、サービスの提供が制約を受け、契約者が競合他社に移行し、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、新たな周波数の獲得に努めているほか、移動通信ネットワークにおけるキャリアアグリゲーション等、周波数利用効率の向上にも努めています。詳細については、「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制 ③電波法」をご参照ください。政府は現在当社の自己株式を除き発行済株式の34.25%(議決権比率34.29%)を保有しています。政府は株主として当社の株主総会での議決権を有していることから、最大株主として、理論的には株主総会等における決定に対し多大な影響力を行使する権限を有しています。しかしながら、政府は1997年の国会答弁において、基本的に当社の経営に積極的に関与する形での株主権の行使はしないことを表明しており、事実、過去において政府は当社の経営に直接関与するためにそのような権限を行使したことはありません。法令に基づく政府のNTTグループに対する規制権限については、「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制」をご参照ください。 (参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制情報通信産業を所管する日本の主要な監督機関は総務省であり、総務大臣は電気通信事業者を規制する権限を「電気通信事業法」により付与されています。1985年、NTTが民営化されると同時に「電気通信事業法」が施行され、日本における電気通信事業の法規制の枠組みは大幅に変更されるとともに、日本の情報通信産業に競争が導入されました。それ以降、政府は日本の電気通信市場における競争を促進する様々な措置を講じています。この結果、NTTグループはその事業分野の多くで、新規参入企業や新規に事業参入しようとしている企業との競争激化に直面しています。当社及びその子会社の中には、その事業を行うにあたり、「電気通信事業法」のほか、「日本電信電話株式会社等に関する法律」及び「電波法」に基づく規制を受けている会社が存在します。その概要は次のとおりです。 ① 電気通信事業法(昭和59年法律第86号)電気通信事業法による規制は次のとおりです。(a) 電気通信事業者に課される規制a 基礎的電気通信役務の提供・ 基礎的電気通信役務(ユニバーサルサービス)の提供(第7条)基礎的電気通信役務(国民生活に不可欠であるためあまねく日本全国における提供が確保されるべき次に掲げる電気通信役務)を提供する電気通信事業者は、その適切、公平かつ安定的な提供に努めなければならない。・第一号基礎的電気通信役務加入電話(基本料)又は加入電話に相当する光IP電話、ワイヤレス固定電話、第一種公衆電話(総務省の基準に基づき設置される公衆電話)、災害時用公衆電話、緊急通報(110番、118番、119番)等。・第二号基礎的電気通信役務FTTHアクセスサービス、CATVアクセスサービス、専用型ワイヤレス固定ブロードバンドアクセスサービスb 電気通信事業の開始等・ 電気通信事業の開始についての総務大臣の登録制(第9条)ただし、設置する電気通信回線設備の規模及び設置する区域の範囲が一定の基準を超えない場合や電気通信回線設備を設置しない事業の開始については総務大臣への届出制となっています(第16条)。・ 合併や株式取得等を行う際の電気通信事業の登録の更新制(第12条の2)・ 電気通信事業の休廃止に関する総務大臣への届出制及び利用者への周知義務(第18条、第26条の4)c 利用者料金その他の提供条件の設定等・ 基礎的電気通信役務の契約約款の総務大臣への届出制(第19条)基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者は、基礎的電気通信役務に関する料金その他の提供条件について契約約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。・ 消費者保護関連電気通信事業者は、契約前の説明義務(第26条)、書面交付義務(第26条の2)、初期契約解除制度(第26条の3)、電気通信業務の休廃止の周知義務(第26条の4)、苦情等処理義務(第27条)、不実告知等や勧誘継続行為の禁止(第27条の2)及び媒介等業務受託者に対する指導等の措置義務(第27条の4)等が課されています。(注)基礎的電気通信役務 国民生活に不可欠であるためあまねく日本全国における提供が確保されるべき電気通信役務(いわゆるユニバーサルサービス)として総務省令で定めるもの。具体的には加入電話(基本料)又は加入電話に相当する光IP電話、ワイヤレス固定電話、第一種公衆電話(総務省の基準に基づき設置される公衆電話)、災害時用公衆電話、緊急通報(110番、118番、119番)等。d 相互接続・ 電気通信回線設備への接続について他の電気通信事業者の請求に応ずる義務(第32条)e ユニバーサルサービス基金制度 ユニバーサルサービス基金制度は、ユニバーサルサービスの確保に必要な費用を、主要な通信事業者全体で支えていくための制度です。 第一号基礎的電気通信役務については、その提供を確保するため、総務大臣の指定を受けた支援機関が、不採算地域等を含めて当該役務を提供する適格電気通信事業者(第108条)に対して、その提供に要する費用の一部に充てるための交付金を交付する(第107条)こととされており、これに伴い支援機関が必要とする費用については各電気通信事業者が応分の負担金を納付する義務を負う(第110条)こととされています。 東西地域会社は、総務大臣から適格電気通信事業者に指定されており、2022年度と2023年度の東西地域会社への補填額はそれぞれ67億円、63億円となっています。 第二号基礎的電気通信役務についても、第一号基礎的電気通信役務と同様に、支援機関が適格電気通信事業者(第110条の3)に対して、その提供に要する費用の一部に充てるための交付金を交付する(第107条)こととされており、必要な費用については各電気通信事業者が応分の負担金を納付する義務を負う(第110条の5)こととされています。 なお、東西地域会社は、日本電信電話株式会社等に関する法律により、第一号基礎的電気通信役務のみ全国提供を義務付けられています(第3条)。 (b) 東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社(東西地域会社)のみに課される規制a 利用者料金その他の提供条件の設定・ 指定電気通信役務に関する保障契約約款の総務大臣への届出制(第20条)第一種指定電気通信設備を用いて提供する指定電気通信役務の料金その他の提供条件については、利用者と別段の合意がある場合を除き適用される保障契約約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。・ 特定電気通信役務の料金の規制(第21条)特定電気通信役務については、その料金の指数が総務大臣から通知される基準料金指数以下となる場合には総務大臣への届出制とする一方、基準料金指数を越える場合には総務大臣の認可を必要とする、いわゆる「プライスキャップ規制」が適用されています。(注)・第一種指定電気通信設備 各都道府県において電気通信事業者の設置する固定端末系伝送路設備のうち、同一の電気通信事業者が設置するものであって、各事業者の業務区域(NTT東日本の場合は東日本エリア全域、NTT西日本の場合は西日本エリア全域)内の総数の2分の1を超えるもの及びこれと一体として設置する電気通信設備で、他の電気通信事業者との接続が利用者の利便向上及び電気通信の総合的かつ合理的な発達に不可欠な設備として、総務大臣が指定するもの。具体的には、東西地域会社の主要な電気通信設備が指定されている。・指定電気通信役務 第一種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者が当該設備を用いて提供する電気通信役務であって、他の電気通信事業者によって代替役務が十分提供されないこと等の事情を勘案して、適正な料金その他の提供条件に基づく提供を保障することにより利用者の利益を保護するため特に必要があるものとして総務省令で定めるもの。具体的には、加入電話、ISDN、公衆電話、専用サービス、フレッツ光、ひかり電話等であるが、利用者の利益に及ぼす影響が少ない付加的な機能の提供に係る役務等は除かれる。・特定電気通信役務 指定電気通信役務のうち利用者の利益に及ぼす影響が大きいものとして総務省令で定めるもの。具体的には、東西地域会社の提供する加入電話、ISDN、公衆電話。・基準料金指数 特定電気通信役務の種別ごとに、能率的な経営の下における適正な原価及び物価その他の経済事情を考慮して、通常実現することができると認められる水準の料金を表す指数として、総務大臣が定めるもの。・プライスキャップ規制 料金の上限を規制する制度のこと。なお、東西地域会社の実際の料金指数は、2022年10月1日から始まった1年間の基準料金指数を下回る水準にあることから、プライスキャップ規制に基づく値下げは行っていない。b 相互接続等・ 第一種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の総務大臣の認可制(第33条)東西地域会社は、第一種指定電気通信設備を有する電気通信事業者として、相互接続に係る接続料及び接続条件について接続約款を定め、接続料が能率的な経営の下における適正な原価を算定するものとして総務省令で定める方法により算定された原価に照らし公正妥当なものであること等を要件に総務大臣の認可を受けることになっています。 (電話接続料)1998年5月、日米両政府の規制緩和等に関する共同報告の中で、日本政府は、接続料への長期増分費用方式の導入の意向を表明、2000年5月に長期増分費用方式の導入を定めた改正電気通信事業法が成立し、それ以降、同方式により接続料の値下げが行われました。また、その後、通信量が大幅に減少する中で、接続料の上昇による通話料の値上げを回避する観点から、NTSコスト(Non-Traffic Sensitive Cost、通信量に依存しない費用)を接続料原価から控除し基本料で回収することとされました(2004年10月の情報通信審議会答申)。なお、NTSコストの一部については、ユニバーサルサービス基金の利用者負担の増加を抑制する観点から同基金の見直しが行われた際、基金の補填対象範囲の縮小分の負担について東西地域会社のみに負わせるのではなく、各事業者から公平に回収することが適当とされたことから、再度接続料原価に算入することとされています。2022年度以降の接続料については、2021年の情報通信審議会における検討の結果、IP網への移行期間(2022年4月から2024年12月まで)において、引き続き長期増分費用方式を適用することとされました。 (光ファイバ接続料)東西地域会社が有する光ファイバは、電気通信事業法における第一種指定電気通信設備として他事業者に認可料金(接続料)で貸し出すことを義務付けられています。加入光ファイバ接続料については、接続料低廉化の見通しを示すことにより他事業者が参入しやすい環境を整えるため、2020年度から2022年度までの3年間を算定期間とする将来原価方式により算定しています。なお、今回の接続料においても、実績接続料収入と実績費用の差額を次期以降の接続料原価に加えて調整する乖離額調整制度を導入しており、未回収リスクはないものと考えています。なお、加入光ファイバの分岐端末回線単位の接続料設定の問題については、情報通信行政・郵政行政審議会における検討の結果、依然として様々な解決すべき課題がある(2012年3月の情報通信行政・郵政行政審議会答申)とされ、分岐端末回線単位の接続料は設定されていません。 ・ 第一種指定電気通信設備との接続に係る機能の休止及び廃止の周知(第33条の2)東西地域会社は、第一種指定電気通信設備との接続に係る機能を休止・廃止しようとするときは、総務省令で定めるところにより、予め、当該機能を利用する他の電気通信事業者に対して、その旨を周知しなければならないとされています。・ 第一種指定電気通信設備の機能に関する計画の総務大臣への届出制(第36条)東西地域会社は、第一種指定電気通信設備の機能の変更又は追加の計画について、総務大臣に届け出ることとされています。・ 第一種指定電気通信設備の共用に関する協定の総務大臣への届出制(第37条)東西地域会社は、他の電気通信事業者との第一種指定電気通信設備の共用の協定について、総務大臣に届け出ることとされています。・ 第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務に関する総務大臣への届出制(第38条の2)及び整理・公表制(第39条の2)東西地域会社は、第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始・変更・廃止したときは、その旨、卸電気通信役務の種類、一定の要件を満たす卸先事業者に対する料金その他の提供条件等を総務大臣に届け出ることとされています。また、総務大臣は、当該届出に関して作成し、又は取得した情報について、整理・公表することとされています。 c 禁止行為東西地域会社は、市場支配的な事業者として、接続情報の目的外利用や他の電気通信事業者に対し不当に優先的な取扱いを行うこと等を禁止されている(第30条)ほか、特定関係事業者として総務大臣に指定されたエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社及び株式会社NTTドコモとの役員兼任等の禁止(第31条)が定められています。また、東西地域会社の業務委託先子会社において禁止行為が行われないよう、東西地域会社が委託先子会社に対し必要かつ適切な監督を行うことや、東西地域会社が接続の業務に関して知り得た情報の適切な管理、接続の業務の実施状況を適切に監視するための体制の整備等が義務付けられています(第31条)。したがって、NTTグループ内の電気通信事業者間で排他的に連携してサービスを提供することには一定の制約があり、NTTグループとしては、この禁止行為規制を含め公正競争条件を確保しつつ市場ニーズに応じたサービスを提供していく考えですが、例えば、新サービスの迅速な提供に支障をきたす等の影響が生じる可能性があります。 (c) 株式会社NTTドコモに課される規制a 相互接続等・ 第二種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の総務大臣への届出制(第34条)株式会社NTTドコモの携帯電話に係る主要な電気通信設備については、他の電気通信事業者との適正かつ円滑な接続を確保すべきものとして総務大臣より第二種指定電気通信設備に指定されており、他の電気通信事業者の電気通信設備との接続に関し、接続料及び接続の条件について接続約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。・ 第二種指定電気通信設備との接続に係る機能の休止及び廃止の周知(第34条の2)株式会社NTTドコモは、第二種指定電気通信設備との接続に係る機能を休止・廃止しようとするときは、総務省令で定めるところにより、予め、当該機能を利用する他の電気通信事業者に対して、その旨を周知しなければならないとされています。・ 第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務に関する総務大臣への届出制(第38条の2)及び整理・公表制(第39条の2)株式会社NTTドコモは、第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始・変更・廃止したときは、その旨、卸電気通信役務の種類、一定の要件を満たす卸先事業者に対する料金その他の提供条件等を総務大臣に届け出ることとされています。また、総務大臣は、当該届出に関して作成し、又は取得した情報について、整理・公表することとされています。 なお、第二種指定電気通信設備に関する規制については、株式会社NTTドコモのほか、第二種指定電気通信設備を設置する全ての電気通信事業者に課されています。 b 禁止行為株式会社NTTドコモは、電気通信事業者間の競争環境の確保の観点から、端末を販売等しない場合よりも端末を販売等する際の通信料金を有利にすることや、行き過ぎた期間拘束により利用者を囲い込むこと等を禁止されています(第27条の3)。なお、本規定については、株式会社NTTドコモのほか、総務大臣に指定された事業者に課されています。また、株式会社NTTドコモは、市場支配的な事業者として、接続情報の目的外利用やグループ内の事業者であって総務大臣が指定するものに対し不当に優先的な取扱いを行うこと等を禁止されています(第30条)。(注)・第二種指定電気通信設備 電気通信事業者の設置する特定移動端末設備(携帯電話端末・BWA端末)に接続される伝送路設備のうち同一の電気通信事業者が設置するものであって、その業務区域内の全ての当該伝送路設備の総数の10分の1を超えるもの及びその事業者が当該電気通信役務を提供するために設置する電気通信設備で、他の電気通信事業者の電気通信設備との適正かつ円滑な接続を確保すべき設備として、総務大臣が指定するもの。 ② 日本電信電話株式会社等に関する法律(昭和59年法律第85号)(a) 概要1997年6月に公布された「日本電信電話株式会社法の一部を改正する法律」は、1999年7月に施行されました(これにより「日本電信電話株式会社法」は「日本電信電話株式会社等に関する法律」に改題され、当社を純粋持株会社とする再編成がおこなわれました。)。同法は2001年6月公布、同年11月施行の「電気通信事業法等の一部を改正する法律」等によっても改正されています。一 目的1 当社は、東西地域会社がそれぞれ発行する株式の総数を保有し、これらの株式会社による適切かつ安定的な電気通信役務の提供の確保を図ること並びに電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うことを目的とする株式会社とする。2 東西地域会社は、地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社とする。二 事業1 当社は、その目的を達成するため、次の業務を営むものとする。(1)東西地域会社が発行する株式の引受け及び保有並びに当該株式の株主としての権利の行使をすること(2)東西地域会社に対し、必要な助言、あっせんその他の援助を行うこと(3)電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うこと(4)(1)(2)及び(3)に掲げる業務に附帯する業務2 当社は、二の1に掲げる業務を営むほか、総務大臣へ届け出ることによって、その目的を達成するために必要な業務を営むことができる。3 東西地域会社は、その目的を達成するため、次の業務を営むものとする。(1) それぞれ次に掲げる都道府県の区域において行う地域電気通信業務イ 東日本電信電話株式会社にあっては、北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県及び長野県ロ 西日本電信電話株式会社にあっては、京都府及び大阪府並びにイに掲げる県以外の県(2)二の3の(1)に掲げる業務に附帯する業務4 東西地域会社は、総務大臣へ届け出ることによって、次の業務を営むことができる。(1)二の3に掲げるもののほか、東西地域会社の目的を達成するために必要な業務(2)それぞれ二の3の(1)により地域電気通信業務を営むものとされた都道府県の区域(目的業務区域)以外の都道府県の区域において行う地域電気通信業務5 地域電気通信業務は、東西地域会社が自ら設置する電気通信設備を用いて行わなければならない。ただし、電話の役務をあまねく目的業務区域において適切、公平かつ安定的に提供することを確保するために必要があると認められる場合に、総務大臣の認可により、他の電気通信事業者の設備(無線設備)を用いて電話を提供することができる。6 東西地域会社は、3、4に規定する業務のほか、総務大臣へ届け出ることによって、地域電気通信業務の円滑な遂行及び電気通信事業の公正な競争の確保に支障のない範囲内で、3に規定する業務を営むために保有する設備若しくは技術又はその職員を活用して行う電気通信業務その他の業務を営むことができる。 三 責務当社及び東西地域会社は、それぞれその事業を営むに当たっては、常に経営が適正かつ効率的に行われるように配意し、国民生活に不可欠な電話の役務のあまねく日本全国における適切、公平かつ安定的な提供の確保に寄与するとともに、今後の社会経済の進展に果たすべき電気通信の役割の重要性にかんがみ、電気通信技術に関する研究の推進及びその成果の普及を通じて我が国の電気通信の創意ある向上発展に寄与し、もって公共の福祉の増進に資するよう努めなければならない。 (b) 総務大臣の認可を必要とする事項・ 当社及び東西地域会社の新株及び新株予約権付社債の発行(第4条、第5条)(注)当社は、総務省令で定める一定の株式数に達するまでは、認可を受けなくても総務大臣に届け出ることにより新株の発行が可能(附則第14条)・ 当社の取締役及び監査役の選任及び解任の決議(第10条)(注)日本の国籍を有しない人は、当社及び東西地域会社の取締役又は監査役となることができない・ 当社及び東西地域会社の定款の変更、合併、分割及び解散の決議、当社の剰余金処分の決議(第11条)・ 当社及び東西地域会社の事業計画及び事業計画の変更(第12条)・ 東西地域会社の重要な設備の譲渡及び担保に供すること(第14条) (c) その他総務大臣に対する義務・ 当社及び東西地域会社の貸借対照表、損益計算書、事業報告書の提出(第13条)・ 当社及び東西地域会社への命令を受ける義務(第16条)・ 当社及び東西地域会社の業務に関する報告の要求に応じる義務(第17条) ③ 電波法(昭和25年法律第131号)(a)総務大臣の免許を必要とする事項・ 無線局の開設(第4条) (b)総務大臣の許可を必要とする事項・ 無線局の目的、通信の相手方、通信事項等の変更等(第17条) (携帯電話の周波数帯割当て)移動通信事業において、事業者が無線周波数帯域を使用するためには日本政府(総務省)の免許が必要となります。周波数帯の割当ては電波法及び関連する法令等により規定されています。(2)当社株式に係る事項 ① 外国人等議決権割合の制限(日本電信電話株式会社等に関する法律 第6条)当社は、外国人等議決権割合が三分の一以上になるときは、その氏名及び住所を株主名簿に記載し、又は記録してはならない。 (注)外国人等 一 日本の国籍を有しない人二 外国政府又はその代表者三 外国の法人又は団体四 前三号に掲げる者により直接に占められる議決権の割合が総務省令で定める割合以上である法人又は団体なお、当社定款において、株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者、及びその有する株式の全部若しくは一部について日本電信電話株式会社等に関する法律第6条に基づき、株主名簿に記載されなかった若しくは記録されなかった株主又は当該株主の有する株式の質権者に対して、剰余金の配当をすることができる旨を規定しています。 ② 政府による当社の株式保有義務(日本電信電話株式会社等に関する法律 第4条)政府は、常時、当社の発行済株式の総数の三分の一以上に当たる株式を保有していなければならない。 (注)発行済株式の総数の算定方法の特例(日本電信電話株式会社等に関する法律 附則第13条)・ 第4条第1項の規定の適用については、当分の間、新株募集若しくは新株予約権の行使による株式の発行又は取得請求権付株式若しくは取得条項付株式の取得と引換えの株式の交付があった場合には、これらによる株式の各増加数(「不算入株式数」)は、それぞれ第4条第1項の発行済株式の総数に算入しないものとする。・ 前項に規定する株式の増加後において株式の分割又は併合があった場合は、不算入株式数に分割又は併合の比率(二以上の段階にわたる分割又は併合があった場合は、全段階の比率の積に相当する比率)を乗じて得た数をもって、同項の発行済株式の総数に算入しない株式の数とする。2023年3月31日時点の当社の発行済株式総数は3,622,012,656株であり、同日現在の政府保有株式数は1,167,975,704株、即ち、自己株式除き発行済株式総数の34.25%となっています。(注)当社は2000年12月に公募増資により30万株(2009年1月4日付の株式分割、2015年7月1日付の株式分割及び2020年1月1日付の株式分割後に換算すると1億2,000万株)の新株発行を実施しました。これらの株式は、前述のとおり、政府が保有する株式の比率を計算する際には発行済株式総数には算入されません。また、政府保有株式数には名義書換失念株等の政府が実質的に保有していない株式が含まれているため、これらの株式は、政府が保有する株式の比率を計算する際には政府保有株式数に算入していません。これらの条件を考慮すると、政府が保有する株式の比率は33.33%となります。NTTグループと政府の各種部門・機関との取引は、個別の顧客として、かつ独立当事者間の取引として行われています。政府は、株主としての資格において当社の株主総会で議決権を行使し、筆頭株主としての立場から、理論上は株主総会での大多数の決議に重大な影響力を及ぼす権限を有します。しかしながら、過去に政府がこの権限を行使して当社の経営に直接関与したことはありません。 ③ 政府保有株式の売却について 政府の保有する当社株式の処分は、その年度の予算をもって国会の議決を経た限度数の範囲内でなければならない(日本電信電話株式会社等に関する法律 第7条) ・ 売却の経緯及び売却方針について(第一次売出から第六次売出について)当社は発行済株式総数1,560万株で設立され、政府が売却可能である当社株式1,040万株(政府による保有が義務付けられた全体の三分の一に当たる520万株を除いた株式)のうち540万株については、1986~1988年度において売却されました。また、1990年12月17日に、未売却となっていた500万株のうち、イ)250万株について毎年度50万株程度を計画的に売却することを基本とすること、ロ)後年度において市場環境から許容される場合、計画の前倒しによる売却があり得ること、ハ)残余の250万株については、当分の間、売却を凍結するという売却方針が大蔵省(当時)より示されました。(ただし、1997年度まで、市場環境等により実際の売却は見送られました。)1998年度においては、1998年12月に100万株について売却が実施されました。1999年度においては、100万株が売却限度数として計上されていましたが、このうち48,000株については1999年7月13日の当社の自己株式買入において売却が実施され、残りの952,000株については1999年11月に売却が実施されました。また、上記の1990年12月に示された売却方針については終了しました。2000年度においては、2000年11月に100万株の売却が実施されました。 ・ 政府保有株式の売却実績について提出日現在までの政府保有株式の売却実績については、下表のとおりです。年度政府の売却実績売却時期売却株数売却方法1986年度1987年 2月(第一次売出)200,000株一般競争入札1,750,000株証券会社による「売り出しの取り扱い」1987年度1987年11月(第二次売出)1,950,000株証券会社による「引受」「売り出しの取り扱い」1988年度1988年10月(第三次売出)1,500,000株証券会社による「引受」「売り出しの取り扱い」1998年度1998年12月(第四次売出)1,000,000株ブックビルディング方式による株式売り出し1999年度1999年 7月13日48,000株自己株式買入1999年11月(第五次売出)952,000株ブックビルディング方式による株式売り出し2000年度2000年11月(第六次売出)1,000,000株ブックビルディング方式による株式売り出し2002年度2002年10月 8日91,800株自己株式買入2003年度2003年10月15日85,157株自己株式買入2004年度2004年11月26日800,000株自己株式買入2005年度2005年 9月 6日1,123,043株自己株式買入2011年度2011年 7月 5日57,513,600株自己株式買入2012年 2月 8日41,820,600株自己株式買入2013年度2014年 3月 7日26,010,000株自己株式買入2014年度2014年11月14日35,088,600株自己株式買入2014年11月28日1,068,100株自己株式買入2016年度2016年 6月14日59,000,000株自己株式買入2019年度2019年 9月11日48,666,700株自己株式買入2022年度2022年 9月15日92,925,400株自己株式買入(注)1.1995年11月24日を効力発生日として、普通株式1株につき1.02株の割合をもって株式分割いたしました。2.2009年1月4日を効力発生日として、普通株式1株につき100株の割合をもって株式分割いたしました。3.2015年7月1日を効力発生日として、普通株式1株につき2株の割合をもって株式分割いたしました。4. 2020年1月1日を効力発生日として、普通株式1株につき2株の割合をもって株式分割いたしました。
FY2022|22,291 文字
2【事業等のリスク】本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を、NTTグループの事業を取り巻く環境及びそれに対応した事業戦略、業務運営に係るリスクのほか、規制をはじめとした政府との関係に係るリスク等の観点から総合的な評価を行っています。当社におけるビジネスリスクマネジメントの概要、リスクの抽出・重要リスクの特定、リスクの内容及び対処策については以下のとおりです。 (1)ビジネスリスクマネジメントの概要身近に潜在するリスクの発生を予想・予防し、万一リスクが顕在化した場合でも損失を最小限に抑えること等を目的として、リスクマネジメントの基本的事項を定めたリスクマネジメント規程を制定しています。代表取締役副社長が委員長を務めるビジネスリスクマネジメント推進委員会及びグループビジネスリスクマネジメント推進委員会が中心となって、リスクマネジメントのPDCAサイクルを構築し運用しています。なお、2021年度においてビジネスリスクマネジメント推進委員会は2回、グループビジネスリスクマネジメント推進委員会は1回開催され、全社的に影響を与えると想定されるリスクの特定及びその管理方針等について議論しました。また、グループ一体となってリスクマネジメントに取り組むため、NTTグループビジネスリスクマネジメントマニュアルを策定しグループ各社に配布しています。本マニュアルにより、リスク発生に備えた事前対処策、リスクが顕在化した場合におけるグループ連携方法や対応方針、情報連絡フロー等を定め、迅速な対応を可能とする体制を整備し運用しています。 (2)リスクの抽出・重要リスクの特定当社では社会環境の変化等を踏まえ、想定するリスクや、その管理方針の見直しを随時行っています。リスクの抽出にあたっては、ビジネスリスクマネジメント推進委員会及びグループビジネスリスクマネジメント推進委員会が中心となって、NTTグループを取り巻くリスクの分析プロセスを策定し、このプロセスに則って定期的にリスク分析を実施することで、全社リスクを特定します。さらに、それらリスクの相関分析を行い、最も重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクを「重要リスク」と特定し、その対応策を決定します。 (3)リスクの内容及び対処策文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。当社が現在関知していないリスク、あるいは当社が現時点では重要ではないと考えるリスクであってもNTTグループの事業活動を損なうことになる可能性があります。さらに、本有価証券報告書は、リスクと不確実性を伴う将来見通しに基づく情報も含んでいます。NTTグループは、下記リスクのほか、本有価証券報告書中の他の箇所に記載されているリスクに直面していますが、これらのリスクの影響により、NTTグループの実際の業績が、将来見通しに基づく記述が想定しているものとは大きく異なってくる可能性があります。 ○ 事業環境及びそれに対応した戦略に係るリスク事業が計画どおり進展しないリスク 市場構造の変化や競争の進展に適切に対応できない場合、NTTグループの営業収益が低下する可能性や設備投資の効率化が図れない可能性、販売経費・設備関連コスト・人件費等の削減効果が充分に発揮されない可能性があります。情報通信市場では、競合他社の新規参入等による競争激化や、新料金プラン等による顧客基盤の維持・更なる拡大がNTTグループの想定したとおりにならない場合、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、情報サービス市場では、急成長するインドや中国等の情報サービス企業が、グローバル競争をもたらしつつあり、競合会社の積極参入による競争激化が経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。特にグローバルビジネスの拡大において、企業・組織との合弁事業、事業提携、協力関係の構築、出資、買収等の活動を実施していますが、海外における事業活動は、投資や競争等に関する法的規制、税制、契約実務を含めた商習慣の相違、労使関係、国際政治等様々な要因の影響下にあります。これらのリスクが顕在化した場合には、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。その他の市場においても、各事業において想定したとおりの収益が得られない可能性があり、結果として経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループは、中期経営戦略「Your Value Partner2025」に基づき、パートナーの皆さまとともに、事業活動を通じた社会的課題の解決に取り組み、企業価値の向上に努めています。設備投資の効率化に向けては、各社でネットワークのシンプル化・スリム化を実施することに加え、AI等を活用し、自らの業務プロセスをデジタル化することで様々な業務における更なる生産性の向上をめざします。また、グループ各社が共通で購入するハードウェア、ソフトウェア及びサービスについて、グローバルベンダー等と一元的に価格交渉を行い、包括的な契約を締結する調達専門会社のNTT Global Sourcing, Inc.を米国に設立し、NTTグループのトータルの調達コスト削減等に取り組んでいます。ITシステムについても、仮想化等の最新技術を活用して共通基盤化による効率化を進めています。あわせて、NTTグループのRPA(WinActor)を業務プロセスに活用し、より一層の業務効率化に継続的に取り組んでいるほか、B2B2Xモデルへの転換等を踏まえたシンプルで生産性の高い業務運営の確立に向けて取り組んでいます。また、グローバル事業における着実な成長を実現するため、2019年よりグローバル事業の再編成に取り組んできましたが、昨今お客さまのニーズはますます多様化・高度化し、デジタル技術を活用したトランスフォーメーション(DX)や、ITモダナイゼーションへのニーズが高まるとともに、競合各社は社会・テクノロジーの変化に合わせサービスラインを拡大する等、事業環境が大きく変化してきています。このような状況下、NTTデータとNTT Ltd.で行ってきたビジネスユーザ向けグローバル事業をNTTデータ傘下に集約し、両社がより一体となって事業運営を行うこととしました。統一した事業戦略のもと、インフラからアプリケーションまでのEnd to Endのサービス提供、当社の研究開発の成果の活用、Smart Worldや5G等の分野におけるビジネス推進に取り組むとともに、中長期的には、IOWN構想を中核とした環境価値、社会価値も提供可能な高度なサービスの実現に向けて取り組みます。出資に関しては、定期的にモニタリングを実施する等、期待したリターンを得られるよう取り組んでいます。 金融市場の混乱により悪影響を受けるリスク NTTグループは、社債・借入金等の手段により資金調達を実施していますが、金融市場において大きな変動が生じた場合には、資金調達が難航する可能性や資金調達コストの増加につながる可能性があります。また、NTTグループは、投資有価証券等の金融資産を保有しています。景気後退による株式市場や金融市場の低迷により、それらの資産価値が下落した場合には評価損が発生し、NTTグループの業績に影響が生じる可能性があるほか、NTTグループの年金基金についても、年金運用等に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、現金及び現金同等物に加え、取引銀行と当座貸越契約及びコミットライン契約を締結しており、事業活動上必要な流動性を確保しています。資金調達に関しては、調達手段の多様化等を進めるとともに、低利かつ安定的な資金の確保に努めています。さらに、債権流動化等により資金の効率化にも取り組んでいます。また、リスク管理方針を制定し、この管理方針に従って先物為替予約等のデリバティブ取引を利用したリスクヘッジを行い、リスクの最小化に努めています。 環境問題への対応に関するリスク 気候変動問題が世界的に重要なリスクとして広く認識されている中、NTTグループの気候変動への対応や開示が不十分と評価された場合には、顧客・パートナー・株主・社員・地域社会等のステークホルダーからの理解が十分に得られず事業運営に支障をきたす可能性があります。また、新たな法令・規制の導入や強化等がなされた場合にはコスト負担が増加する等、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、環境エネルギービジョン NTT Green Innovation toward 2040を策定し、2040年のカーボンニュートラル実現に向けて環境負荷低減の取組みを推進しています。自らのグリーン電力化の推進として再生可能エネルギーの活用を進めるほか、圧倒的な低消費電力をめざしたIOWNの研究開発の推進、TCFD (Task Force on Climate-related Financial Disclosures) に沿った情報開示、グリーンボンドの活用等を進め、環境エネルギーへの取組みの充実を図っています。サステナビリティに関する方針の策定・見直しやカーボンニュートラル実現に向けた取組み進捗等については、取締役会の監視・監督のもと、サステナビリティ委員会で議論しています。 知的財産権に関するリスク NTTグループや事業上のパートナーがその事業を遂行するために必要な知的財産権等の権利について、当該権利の保有者よりライセンス等を受ける必要がある場合があります。現在、NTTグループ等は、当該権利の保有者との間で契約を締結することによりライセンス等を受けており、また、今後の事業遂行上必要となる他者の知的財産権等の権利については、当該権利の保有者よりライセンス等を受ける予定です。しかしながら、当該権利の保有者との間でライセンス等の付与について合意できなかったり、又は、一旦ライセンス等の付与に合意したもののその後当該合意を維持できなかった場合には、NTTグループや事業上のパートナーの特定の技術、商品又はサービスの提供ができなくなる可能性があります。また、NTTグループ各社による海外企業の買収等に伴い、グローバルビジネスが拡大しており、NTTグループが海外企業からその知的財産権等の権利を侵害したとの主張を受ける機会が増える可能性があります。仮に他者より、NTTグループがその知的財産権等の権利を侵害したとの主張を受けた場合には、その解決に多くの時間と費用を要する可能性があり、さらに当該他者の主張が判決等により認められた場合、あるいは和解等により当事者間で合意した場合には、当該権利に関連する事業の収益減や当該権利の侵害を理由に損害賠償責任等を負ったり、当該事業の実施の差止めを受ける可能性があります。さらに、NTTグループが保有する知的財産権等の権利について、第三者が不正に使用する等により、本来得られるライセンス収入が減少したり、競争上の優位性をもたらすことができない可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合には、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、戦略的な権利化や権利調査による状況把握を実施する等、他者やNTTグループが保有する知的財産権等の権利への対策を講じています。 人的確保に関するリスク 情報通信市場や情報サービス市場においては、国内外の様々なプレイヤーが市場に参入し、サービスや機器の多様化・高度化が急速に進んでおり、今後、クラウドサービスを中心として変化が一層加速していくと見込まれます。このような状況の中で、NTTグループの事業は、高スキルを保有する優秀な人材の確保や、社員のエンゲージメント低下に伴う生産性の低下及び人材のリテンションに大きく影響されます。こうした優秀な人材の確保・育成が想定どおりに進まないことで、新技術の開発、新サービスの企画、既存サービスの改善、成長戦略の実行等に影響を及ぼす場合があり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、グループ内の人材育成強化の取組みを進めるとともに、政府や企業そして教育機関と提携し、人材の育成に努めています。また、各社員の業務内容や職場環境、健康状態、処遇やキャリア形成に対する考え方について、定期的な面談やアンケート(社員エンゲージメント調査・パルスサーベイ等)を通じて状況等を把握し、早期にアクションを検討・実施しています。さらに、研究職の処遇改善により、優秀な研究者の定着促進を図ると同時に、米国に次世代技術の基礎研究を担う海外新研究所(NTT Research, Inc.)を設立し、最先端の研究に携われる環境を用意することで人材流出の未然防止に努めています。また、高スキル人材を特別研究員等の高い処遇で採用することにより優秀な人材の獲得に繋げているほか、宇宙やエネルギーといった新たに取り組む研究分野の人材確保を進めています。 ○ 業務運営に係るリスクシステム障害、ネットワーク障害等に関するリスク NTTグループは国内外において事業を展開しており、通信ネットワーク・情報システムをはじめ、社会と経済活動を支え、国民生活の安全を守るライフラインとして欠かせないサービスを数多く提供しています。これらのサービス提供に関して、地震・津波・台風・洪水等の自然災害、想定を上回るトラフィックの増加といった要因によるシステム及びネットワーク障害の発生により、社員等の安全、サプライチェーン等への影響が生じることによって、事業運営に混乱が生じ、サービスを安定的に提供できない場合があります。また、それらの損害についてNTTグループが責任を負う可能性や、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下するおそれがあります。昨今は、災害が広域化、巨大化、長期化する傾向にあり、大規模災害等が発生した場合には、ネットワークに大きな影響を受けるだけでなく、社員が被災する可能性やシステム障害の復旧に長い時間を要する可能性、緊急の電力使用制限によりサービスを安定的に提供できない可能性があり、その結果として、収入の減少や多額の修繕費用の支出を余儀なくされる可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、通信ビルの耐震機能・水防機能の強化、伝送路のルート見直し、長期停電に対する通信ビル・基地局の非常用電源の強化、AIを活用した被災想定による復旧活動の初動強化等、サービス提供に必要なシステムやネットワークを安全かつ安定して運用できるよう様々な対策を講じています。あわせて、大規模災害を想定した対応やシステムを用いた社員安否確認の訓練を実施しています。加えて、近年、サイバー攻撃による被害や情報漏えい等の事件が社会問題となる等、情報セキュリティに関する脅威が高度化・多様化するとともに、リモートワークを前提とするIT利用環境の導入等によって、新たな情報セキュリティ対策が必要となっています。このような中、NTTグループも断続的にサイバー攻撃を受けており、サービス停止・サービス品質の低下や情報の漏洩・改竄・喪失が発生し、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下、ひいては経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、「サイバーインシデントは必ず起きる、被害の最小化が大切」という考えに基づいて、グループ全体で守るべき規程の整備・見直し、リモートワークを可能とするゼロトラスト型ITシステムへの移行、早期検知・迅速対応のための最新技術の導入、万一のインシデント時の対応演習、社員全員に向けた基本動作研修等の取組みを通じて、リスクベースでの情報セキュリティ対策に取り組んでいます。 パンデミック等による業務への影響リスク 新型コロナウイルス感染症による影響が長期化しています。これにより、お客さまの事業活動の縮小、システムインテグレーションの受注や各種サービス販売の減少、計画していた工事等の遅延等、事業活動に大きな影響が生じる可能性があります。また、ウィズ・アフターコロナにおいては、人々の生活や企業の活動のスタイルが大きく変容し、それらの結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。NTTグループでは、感染症の世界的な流行への対応にあたり、お客さま、パートナー、従業員を含む全ての関係者の健康と安全を確保しつつ、人々の生活や企業の活動にとって重要な情報通信サービスの安定的な利用の確保に取り組んでいます。当社及び通信事業を営む主要子会社は、人命尊重の視点から感染防止に努めつつ、指定公共機関としての責務を遂行するとともに、在宅勤務の普及等で増加傾向にあるトラフィックについても注視しながら、ネットワークの安定運用に必要な設備増強等の対策を講じています。ウィズ・アフターコロナにおいては、ソーシャルディスタンス確保の観点から、在宅勤務や遠隔医療、遠隔教育等の環境整備が重要になることから、リモート・分散型社会に相応しいサービスの開発・提供を進めています。また、デジタルトランスフォーメーションの支援も積極的に実施します。農業、建設業、製造業といった人手が必要とされている仕事に、デジタル技術やAIを導入することで、スマートオペレーションを拡大し、人手不足といった社会課題解決に寄与することをめざします。さらに、流通等、様々な分野でコネクテッドバリューチェーンを構築し、産業の効率化を図ることで、人・モノの移動やエネルギー供給の最適化につなげていきます。NTTグループは、ウィズ・アフターコロナに起こりうるデータ主導型社会に向け、技術開発等を通じたイノベーションをリードしていくことで、世界のパートナーとともに、スマートな社会の実現に貢献していきます。 不祥事や契約上のトラブル等に関するリスク NTTグループは、国内外で多くの拠点を持ち、様々な製品やサービスを取り扱う関係上、関連する法令や規則は多岐にわたり、事業活動を営むにあたり免許・届出・許認可等が必要とされるものもあります。特に海外での事業運営においては、当該国での法令の存在又は欠如、法令の予期しえない解釈、法規制の新設や改定等によって、法令遵守のための負担が増加する場合があります。また、近年では法令・規制に加えて、人権、児童労働、環境破壊、中間搾取等、サプライチェーン上に存在するグローバルレベルでのリスクへの対処も問題視されています。これらに関して、従業員による個人的な不正行為等を含めたコンプライアンスに関するリスクもしくは社会的に信用が毀損されるリスクを排除できない場合があります。結果として、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下し、契約者獲得や入札資格停止等事業への影響が生じるおそれがあり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、法令遵守は極めて重要な企業の責務であるとの認識のもと、米国・英国を中心とした諸外国の贈収賄防止法の厳格化も踏まえ、国内外を問わず、より一層のコンプライアンスの強化をしていきます。また、お客さまや市場、取引先や社員といったNTTグループのあらゆるステークホルダーに対して、当社の事業活動が、結果として悪影響を及ぼしてしまう、いわゆるコンダクトリスクへの対応にも取り組んでいます。また、お客さま情報をはじめとする個人情報保護への要求が社会的に高まるとともに、法制面からも個人情報保護に対する要請は大きくなっています。しかしながら、個人情報等を狙った犯罪行為が高度化、巧妙化する等、個人情報等の機密情報の流出や不適切な取り扱いが発生するリスクを排除できない場合があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、個人情報等の機密情報の厳重な管理等に努めるとともに、「NTTグループ情報セキュリティポリシー」を制定し、グループ内における管理体制の整備、役員や従業員への啓発活動等に取り組んでいます。また、NTTグループが当事者となる訴訟、係争、損害賠償請求が発生し、NTTグループにとって不利な判断がなされた場合は、金銭的負担が発生するおそれがあるほか、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下するおそれがあり、その結果として、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、NTTグループ各社において発生している、又はそのおそれのある訴訟等の案件についてモニタリングを実施するとともに、必要に応じて迅速に対策を講じています。 NTTグループの提供する製品、サービスの不適切な利用等により、社会的問題が発生するリスク NTTグループの提供している製品やサービスがユーザに不適切に使用される可能性があります。代表的なものとして、迷惑メールの送信、ネットバンキングの不正送金等のサイバー犯罪や振り込め詐欺等の犯罪にNTTグループのサービスが利用される可能性があるほか、NTTグループの契約者が迷惑メールを大量に受信してしまう等、これらの行為の被害を受けてしまう可能性があります。また、未成年者の有害サイトへのアクセス制限サービスの機能・精度等に関しては様々な議論があります。そのほか、歩行中や運転中の携帯電話使用によるトラブルの発生や、有料コンテンツの過度な利用による高額課金、不正アプリ(ソフト)を通じた個人情報の流出等が社会的に問題となっています。これらの問題によって、NTTグループの製品やサービスに対する信頼性の低下、顧客満足度の低下や企業イメージの低下による解約数の増加や、新規契約者を期待どおり獲得できないという結果を引き起こす可能性があり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、歩きスマホ防止機能やフィルタリング機能等の安心・安全な利用のための製品・サービス提供、知識やマナーの啓発活動等の取組みを進めています。 国際情勢問題に伴うリスク NTTグループは国内外において事業を展開しているため、テロリズム、武力行為、地域紛争等の国際情勢問題により、社員等の安全が脅かされる可能性や建物や設備が破壊される可能性、また、現地ビジネス展開、サプライチェーン、資金調達等への影響が生じることによって、事業運営に混乱が生じ、サービスを安定的に提供できない等、事業継続が困難になる場合があります。状況によっては、これらの問題が当該国・地域のみに限定されず、グローバルな事業継続に影響が発生する場合も考えられます。また、それらの結果、社員が直接被害を受ける可能性や、ネットワークやシステムの復旧に長い時間を要する可能性、燃料や機器の調達が困難になることによりサービスを安定的に提供できない可能性等が考えられ、収入の減少や多額の修繕費用の支出を余儀なくされる可能性があります。状況によっては、それらに係る損害についてNTTグループが責任を負う可能性も考えられます。さらに、これらがNTTグループの信頼性や企業イメージの低下に繋がるおそれもあります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、国内外の情報管理方法の強化や社員安否確認の定期的な訓練、通信ビル等重要設備のセキュリティ確保や冗長性のある伝送ルート設計、長期停電に対する通信ビル・基地局の非常用電源の強化等を行っています。また、 NTTグループは「NTTグループサプライチェーンサステナビリティ推進ガイドライン」を公表し、国際情勢問題等に伴う原材料の高騰、物流の混乱、原材料や部品等の入手困難化といった事業継続に大きな影響を与える事態に備えて、サプライチェーンへの影響を最小限に留めるよう、事業継続計画を策定することをサプライヤに要請するとともに、それらの事態が発生した場合の事業への影響を最小化するよう、関連するサプライヤと連携し、対応を実施します。これらのように、NTTグループは事業継続に必要なシステムやネットワークを安全かつ安定して運用できるよう様々な対策を講じています。 ○ 規制等、政府との関係に係るリスク等政府の規制、株式保有等により事業に影響を与えるリスク 日本の情報通信市場においては、競争促進や利用者保護等を目的とした電気通信関連の法改正等、多くの分野で規制の変更が行われてきています。政府等による規制に関する決定、それに伴う通信業界における環境変化は、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、政府等の情報通信政策や規制等の動向について必要な情報収集等を行うとともに、パブリックコメントやヒアリングの場を通じてNTTグループの考え方を主張する等、必要な対応を行っています。規制の内容等については「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制」をご参照ください。また、NTTグループがサービスを提供するために使用できる周波数には限りがあります。スマートフォンやタブレット端末等の普及拡大に伴い、契約者当たりのトラフィック量が増加していく中、事業の円滑な運営のために必要な周波数が得られなかった場合や、新しい周波数帯域の運用開始が想定どおりに進まない場合に、サービス品質が低下したり、追加の費用が発生する可能性があります。さらには、サービスの提供が制約を受け、契約者が競合他社に移行し、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、新たな周波数の獲得に努めているほか、移動通信ネットワークにおけるキャリアアグリゲーション等、周波数利用効率の向上にも努めています。詳細については、「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制 ③電波法」をご参照ください。政府は現在当社の自己株式を除き発行済株式の35.59%(議決権比率35.64%)を保有しています。政府は株主として当社の株主総会での議決権を有していることから、最大株主として、理論的には株主総会等における決定に対し多大な影響力を行使する権限を有しています。しかしながら、政府は1997年の国会答弁において、基本的に当社の経営に積極的に関与する形での株主権の行使はしないことを表明しており、事実、過去において政府は当社の経営に直接関与するためにそのような権限を行使したことはありません。法令に基づく政府のNTTグループに対する規制権限については、「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制」をご参照ください。 (参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制情報通信産業を所管する日本の主要な監督機関は総務省であり、総務大臣は電気通信事業者を規制する権限を「電気通信事業法」により付与されています。1985年、NTTが民営化されると同時に「電気通信事業法」が施行され、日本における電気通信事業の法規制の枠組みは大幅に変更されるとともに、日本の情報通信産業に競争が導入されました。それ以降、政府は日本の電気通信市場における競争を促進する様々な措置を講じています。この結果、NTTグループはその事業分野の多くで、新規参入企業や新規に事業参入しようとしている企業との競争激化に直面しています。当社及びその子会社の中には、その事業を行うにあたり、「電気通信事業法」のほか、「日本電信電話株式会社等に関する法律」及び「電波法」に基づく規制を受けている会社が存在します。その概要は次のとおりです。 ① 電気通信事業法(昭和59年法律第86号)電気通信事業法による規制は次のとおりです。(a) 全ての電気通信事業者に課される規制a 電気通信事業の開始等・ 電気通信事業の開始についての総務大臣の登録制(第9条)ただし、設置する電気通信回線設備の規模及び設置する区域の範囲が一定の基準を超えない場合や電気通信回線設備を設置しない事業の開始については総務大臣への届出制となっています(第16条)。・ 合併や株式取得等を行う際の電気通信事業の登録の更新制(第12条の2)・ 電気通信事業の休廃止に関する総務大臣への届出制及び利用者への周知義務(第18条、第26条の4)b 利用者料金その他の提供条件の設定等・ 基礎的電気通信役務の契約約款の総務大臣への届出制(第19条)基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者は、基礎的電気通信役務に関する料金その他の提供条件について契約約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。・ 消費者保護関連電気通信事業者は、契約前の説明義務(第26条)、書面交付義務(第26条の2)、初期契約解除制度(第26条の3)、電気通信業務の休廃止の周知義務(第26条の4)、苦情等処理義務(第27条)、不実告知等や勧誘継続行為の禁止(第27条の2)及び媒介等業務受託者に対する指導等の措置義務(第27条の4)等が課されています。(注)基礎的電気通信役務 国民生活に不可欠であるためあまねく日本全国における提供が確保されるべき電気通信役務(いわゆるユニバーサルサービス)として総務省令で定めるもの。具体的には加入電話(基本料)又は加入電話に相当する光IP電話、ワイヤレス固定電話、第一種公衆電話(総務省の基準に基づき設置される公衆電話)、災害時用公衆電話、緊急通報(110番、118番、119番)等。c 相互接続・ 電気通信回線設備への接続について他の電気通信事業者の請求に応ずる義務(第32条)d ユニバーサルサービス基金制度ユニバーサルサービス基金制度は、ユニバーサルサービスの確保に必要な費用を、主要な電話会社全体で支えていくための制度です。基礎的電気通信役務(ユニバーサルサービス)の提供を確保するため、総務大臣の指定を受けた支援機関が、不採算地域等を含めて当該役務を提供する適格電気通信事業者(第108条)に対してその提供に要する費用の一部に充てるための交付金を交付する(第107条)こととされており、これに伴い支援機関が必要とする費用については各電気通信事業者が応分の負担金を納付する義務を負う(第110条)こととされています。このユニバーサルサービス基金制度については、2006年4月に基金の対象となる役務や交付金・負担金の算定方法等を定める総務省令が改正されたことを受け、同年6月より実際に支援機関の業務が開始されました。東西地域会社は、日本電信電話株式会社等に関する法律により、ユニバーサルサービス(国民生活に不可欠な電話役務)の全国提供を義務付けられており、総務大臣から適格電気通信事業者に指定されています。なお、2021年度と2022年度の東西地域会社への補填額はそれぞれ66億円、67億円となっています。 (b) 東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社(東西地域会社)のみに課される規制a 利用者料金その他の提供条件の設定・ 指定電気通信役務に関する保障契約約款の総務大臣への届出制(第20条)第一種指定電気通信設備を用いて提供する指定電気通信役務の料金その他の提供条件については、利用者と別段の合意がある場合を除き適用される保障契約約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。・ 特定電気通信役務の料金の規制(第21条)特定電気通信役務については、その料金の指数が総務大臣から通知される基準料金指数以下となる場合には総務大臣への届出制とする一方、基準料金指数を越える場合には総務大臣の認可を必要とする、いわゆる「プライスキャップ規制」が適用されています。(注)・第一種指定電気通信設備 各都道府県において電気通信事業者の設置する固定端末系伝送路設備のうち、同一の電気通信事業者が設置するものであって、当該都道府県内の総数の2分の1を超えるもの及びこれと一体として設置する電気通信設備で、他の電気通信事業者との接続が利用者の利便向上及び電気通信の総合的かつ合理的な発達に不可欠な設備として、総務大臣が指定するもの。具体的には、東西地域会社の主要な電気通信設備が指定されている。・指定電気通信役務 第一種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者が当該設備を用いて提供する電気通信役務であって、他の電気通信事業者によって代替役務が十分提供されないこと等の事情を勘案して、適正な料金その他の提供条件に基づく提供を保障することにより利用者の利益を保護するため特に必要があるものとして総務省令で定めるもの。具体的には、加入電話、ISDN、公衆電話、専用サービス、フレッツ光、ひかり電話等であるが、利用者の利益に及ぼす影響が少ない付加的な機能の提供に係る役務等は除かれる。・特定電気通信役務 指定電気通信役務のうち利用者の利益に及ぼす影響が大きいものとして総務省令で定めるもの。具体的には、東西地域会社の提供する加入電話、ISDN、公衆電話。・基準料金指数 特定電気通信役務の種別ごとに、能率的な経営の下における適正な原価及び物価その他の経済事情を考慮して、通常実現することができると認められる水準の料金を表す指数として、総務大臣が定めるもの。・プライスキャップ規制 料金の上限を規制する制度のこと。なお、東西地域会社の実際の料金指数は、2021年10月1日から始まった1年間の基準料金指数を下回る水準にあることから、プライスキャップ規制に基づく値下げは行っていない。b 相互接続等・ 第一種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の総務大臣の認可制(第33条)東西地域会社は、第一種指定電気通信設備を有する電気通信事業者として、相互接続に係る接続料及び接続条件について接続約款を定め、接続料が能率的な経営の下における適正な原価を算定するものとして総務省令で定める方法により算定された原価に照らし公正妥当なものであること等を要件に総務大臣の認可を受けることになっています。 (電話接続料)1998年5月、日米両政府の規制緩和等に関する共同報告の中で、日本政府は、接続料への長期増分費用方式の導入の意向を表明、2000年5月に長期増分費用方式の導入を定めた改正電気通信事業法が成立し、それ以降、同方式により接続料の値下げが行われました。また、その後、通信量が大幅に減少する中で、接続料の上昇による通話料の値上げを回避する観点から、NTSコスト(Non-Traffic Sensitive Cost、通信量に依存しない費用)を接続料原価から控除し基本料で回収することとされました(2004年10月の情報通信審議会答申)。なお、NTSコストの一部については、ユニバーサルサービス基金の利用者負担の増加を抑制する観点から同基金の見直しが行われた際、基金の補填対象範囲の縮小分の負担について東西地域会社のみに負わせるのではなく、各事業者から公平に回収することが適当とされたことから、再度接続料原価に算入することとされています。2019年度以降の接続料については、2018年の情報通信審議会における検討の結果、引き続き長期増分費用方式を、2019年度から2021年度まで適用することとされました。 (光ファイバ接続料)東西地域会社が有する光ファイバは、電気通信事業法における第一種指定電気通信設備として他事業者に認可料金(接続料)で貸し出すことを義務付けられています。加入光ファイバ接続料については、接続料低廉化の見通しを示すことにより他事業者が参入しやすい環境を整えるため、2020年度から2022年度までの3年間を算定期間とする将来原価方式により算定しています。なお、今回の接続料においても、実績接続料収入と実績費用の差額を次期以降の接続料原価に加えて調整する乖離額調整制度を導入しており、未回収リスクはないものと考えています。なお、加入光ファイバの分岐端末回線単位の接続料設定の問題については、情報通信行政・郵政行政審議会における検討の結果、依然として様々な解決すべき課題がある(2012年3月の情報通信行政・郵政行政審議会答申)とされ、分岐端末回線単位の接続料は設定されていません。 ・ 第一種指定電気通信設備との接続に係る機能の休止及び廃止の周知(第33条の2)東西地域会社は、第一種指定電気通信設備との接続に係る機能を休止・廃止しようとするときは、総務省令で定めるところにより、予め、当該機能を利用する他の電気通信事業者に対して、その旨を周知しなければならないとされています。・ 第一種指定電気通信設備の機能に関する計画の総務大臣への届出制(第36条)東西地域会社は、第一種指定電気通信設備の機能の変更又は追加の計画について、総務大臣に届け出ることとされています。・ 第一種指定電気通信設備の共用に関する協定の総務大臣への届出制(第37条)東西地域会社は、他の電気通信事業者との第一種指定電気通信設備の共用の協定について、総務大臣に届け出ることとされています。・ 第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務に関する総務大臣への届出制(第38条の2)及び整理・公表制(第39条の2)東西地域会社は、第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始・変更・廃止したときは、その旨、卸電気通信役務の種類、一定の要件を満たす卸先事業者に対する料金その他の提供条件等を総務大臣に届け出ることとされています。また、総務大臣は、当該届出に関して作成し、又は取得した情報について、整理・公表することとされています。 c 禁止行為東西地域会社は、市場支配的な事業者として、接続情報の目的外利用や他の電気通信事業者に対し不当に優先的な取扱いを行うこと等を禁止されている(第30条)ほか、特定関係事業者として総務大臣に指定されたエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社及び株式会社NTTドコモとの役員兼任等の禁止(第31条)が定められています。また、東西地域会社の業務委託先子会社において禁止行為が行われないよう、東西地域会社が委託先子会社に対し必要かつ適切な監督を行うことや、東西地域会社が接続の業務に関して知り得た情報の適切な管理、接続の業務の実施状況を適切に監視するための体制の整備等が義務付けられています(第31条)。したがって、NTTグループ内の電気通信事業者間で排他的に連携してサービスを提供することには一定の制約があり、NTTグループとしては、この禁止行為規制を含め公正競争条件を確保しつつ市場ニーズに応じたサービスを提供していく考えですが、例えば、新サービスの迅速な提供に支障をきたす等の影響が生じる可能性があります。 (c) 株式会社NTTドコモに課される規制a 相互接続等・ 第二種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の総務大臣への届出制(第34条)株式会社NTTドコモの携帯電話に係る主要な電気通信設備については、他の電気通信事業者との適正かつ円滑な接続を確保すべきものとして総務大臣より第二種指定電気通信設備に指定されており、他の電気通信事業者の電気通信設備との接続に関し、接続料及び接続の条件について接続約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。・ 第二種指定電気通信設備との接続に係る機能の休止及び廃止の周知(第34条の2)株式会社NTTドコモは、第二種指定電気通信設備との接続に係る機能を休止・廃止しようとするときは、総務省令で定めるところにより、予め、当該機能を利用する他の電気通信事業者に対して、その旨を周知しなければならないとされています。 ・ 第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務に関する総務大臣への届出制(第38条の2)及び整理・公表制(第39条の2)株式会社NTTドコモは、第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始・変更・廃止したときは、その旨、卸電気通信役務の種類、一定の要件を満たす卸先事業者に対する料金その他の提供条件等を総務大臣に届け出ることとされています。また、総務大臣は、当該届出に関して作成し、又は取得した情報について、整理・公表することとされています。 なお、第二種指定電気通信設備に関する規制については、株式会社NTTドコモのほか、第二種指定電気通信設備を設置する全ての電気通信事業者に課されています。 b 禁止行為株式会社NTTドコモは、電気通信事業者間の競争環境の確保の観点から、端末を販売等しない場合よりも端末を販売等する際の通信料金を有利にすることや、行き過ぎた期間拘束により利用者を囲い込むこと等を禁止されています(第27条の3)。なお、本規定については、株式会社NTTドコモのほか、総務大臣に指定された事業者に課されています。また、株式会社NTTドコモは、市場支配的な事業者として、接続情報の目的外利用やグループ内の事業者であって総務大臣が指定するものに対し不当に優先的な取扱いを行うこと等を禁止されています(第30条)。(注)・第二種指定電気通信設備 電気通信事業者の設置する特定移動端末設備(携帯電話端末・BWA端末)に接続される伝送路設備のうち同一の電気通信事業者が設置するものであって、その業務区域内の全ての当該伝送路設備の総数の10分の1を超えるもの及びその事業者が当該電気通信役務を提供するために設置する電気通信設備で、他の電気通信事業者の電気通信設備との適正かつ円滑な接続を確保すべき設備として、総務大臣が指定するもの。 ② 日本電信電話株式会社等に関する法律(昭和59年法律第85号)(a) 概要1997年6月に公布された「日本電信電話株式会社法の一部を改正する法律」は、1999年7月に施行されました(これにより「日本電信電話株式会社法」は「日本電信電話株式会社等に関する法律」に改題され、当社を純粋持株会社とする再編成がおこなわれました。)。同法は2001年6月公布、同年11月施行の「電気通信事業法等の一部を改正する法律」等によっても改正されています。一 目的1 当社は、東西地域会社がそれぞれ発行する株式の総数を保有し、これらの株式会社による適切かつ安定的な電気通信役務の提供の確保を図ること並びに電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うことを目的とする株式会社とする。2 東西地域会社は、地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社とする。二 事業1 当社は、その目的を達成するため、次の業務を営むものとする。(1)東西地域会社が発行する株式の引受け及び保有並びに当該株式の株主としての権利の行使をすること(2)東西地域会社に対し、必要な助言、あっせんその他の援助を行うこと(3)電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うこと(4)(1)(2)及び(3)に掲げる業務に附帯する業務2 当社は、二の1に掲げる業務を営むほか、総務大臣へ届け出ることによって、その目的を達成するために必要な業務を営むことができる。3 東西地域会社は、その目的を達成するため、次の業務を営むものとする。(1) それぞれ次に掲げる都道府県の区域において行う地域電気通信業務イ 東日本電信電話株式会社にあっては、北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県及び長野県ロ 西日本電信電話株式会社にあっては、京都府及び大阪府並びにイに掲げる県以外の県(2)二の3の(1)に掲げる業務に附帯する業務 4 東西地域会社は、総務大臣へ届け出ることによって、次の業務を営むことができる。(1)二の3に掲げるもののほか、東西地域会社の目的を達成するために必要な業務(2)それぞれ二の3の(1)により地域電気通信業務を営むものとされた都道府県の区域(目的業務区域)以外の都道府県の区域において行う地域電気通信業務5 地域電気通信業務は、東西地域会社が自ら設置する電気通信設備を用いて行わなければならない。ただし、電話の役務をあまねく目的業務区域において適切、公平かつ安定的に提供することを確保するために必要があると認められる場合に、総務大臣の認可により、他の電気通信事業者の設備(無線設備)を用いて電話を提供することができる。6 東西地域会社は、3、4に規定する業務のほか、総務大臣へ届け出ることによって、地域電気通信業務の円滑な遂行及び電気通信事業の公正な競争の確保に支障のない範囲内で、3に規定する業務を営むために保有する設備若しくは技術又はその職員を活用して行う電気通信業務その他の業務を営むことができる。 三 責務当社及び東西地域会社は、それぞれその事業を営むに当たっては、常に経営が適正かつ効率的に行われるように配意し、国民生活に不可欠な電話の役務のあまねく日本全国における適切、公平かつ安定的な提供の確保に寄与するとともに、今後の社会経済の進展に果たすべき電気通信の役割の重要性にかんがみ、電気通信技術に関する研究の推進及びその成果の普及を通じて我が国の電気通信の創意ある向上発展に寄与し、もって公共の福祉の増進に資するよう努めなければならない。 (b) 総務大臣の認可を必要とする事項・ 当社及び東西地域会社の新株及び新株予約権付社債の発行(第4条、第5条)(注)当社は、総務省令で定める一定の株式数に達するまでは、認可を受けなくても総務大臣に届け出ることにより新株の発行が可能(附則第14条)・ 当社の取締役及び監査役の選任及び解任の決議(第10条)(注)日本の国籍を有しない人は、当社及び東西地域会社の取締役又は監査役となることができない・ 当社及び東西地域会社の定款の変更、合併、分割及び解散の決議、当社の剰余金処分の決議(第11条)・ 当社及び東西地域会社の事業計画及び事業計画の変更(第12条)・ 東西地域会社の重要な設備の譲渡及び担保に供すること(第14条) (c) その他総務大臣に対する義務・ 当社及び東西地域会社の貸借対照表、損益計算書、事業報告書の提出(第13条)・ 当社及び東西地域会社への命令を受ける義務(第16条)・ 当社及び東西地域会社の業務に関する報告の要求に応じる義務(第17条) ③ 電波法(昭和25年法律第131号)(a)総務大臣の免許を必要とする事項・ 無線局の開設(第4条) (b)総務大臣の許可を必要とする事項・ 無線局の目的、通信の相手方、通信事項等の変更等(第17条) (携帯電話の周波数帯割当て)移動通信事業において、事業者が無線周波数帯域を使用するためには日本政府(総務省)の免許が必要となります。周波数帯の割当ては電波法及び関連する法令等により規定されています。 (2)当社株式に係る事項 ① 外国人等議決権割合の制限(日本電信電話株式会社等に関する法律 第6条)当社は、外国人等議決権割合が三分の一以上になるときは、その氏名及び住所を株主名簿に記載し、又は記録してはならない。 (注)外国人等 一 日本の国籍を有しない人二 外国政府又はその代表者三 外国の法人又は団体四 前三号に掲げる者により直接に占められる議決権の割合が総務省令で定める割合以上である法人又は団体なお、当社定款において、株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者、及びその有する株式の全部若しくは一部について日本電信電話株式会社等に関する法律第6条に基づき、株主名簿に記載されなかった若しくは記録されなかった株主又は当該株主の有する株式の質権者に対して、剰余金の配当をすることができる旨を規定しています。 ② 政府による当社の株式保有義務(日本電信電話株式会社等に関する法律 第4条)政府は、常時、当社の発行済株式の総数の三分の一以上に当たる株式を保有していなければならない。 (注)発行済株式の総数の算定方法の特例(日本電信電話株式会社等に関する法律 附則第13条)・ 第4条第1項の規定の適用については、当分の間、新株募集若しくは新株予約権の行使による株式の発行又は取得請求権付株式若しくは取得条項付株式の取得と引換えの株式の交付があった場合には、これらによる株式の各増加数(「不算入株式数」)は、それぞれ第4条第1項の発行済株式の総数に算入しないものとする。・ 前項に規定する株式の増加後において株式の分割又は併合があつた場合は、不算入株式数に分割又は併合の比率(二以上の段階にわたる分割又は併合があつた場合は、全段階の比率の積に相当する比率)を乗じて得た数をもって、同項の発行済株式の総数に算入しない株式の数とする。2022年3月31日時点の当社の発行済株式総数は3,622,012,656株であり、同日現在の政府保有株式数は1,260,901,512株、即ち、自己株式除き発行済株式総数の35.59%となっています。(注)当社は2000年12月に公募増資により30万株(2009年1月4日付の株式分割、2015年7月1日付の株式分割及び2020年1月1日付の株式分割後に換算すると1億2,000万株)の新株発行を実施しました。これらの株式は、前述のとおり、政府が保有する株式の比率を計算する際には発行済株式総数には算入されません。また、政府保有株式数には名義書換失念株等の政府が実質的に保有していない株式が含まれているため、これらの株式は、政府が保有する株式の比率を計算する際には政府保有株式数に算入していません。これらの条件を考慮すると、政府が保有する株式の比率は35.99%となります。NTTグループと政府の各種部門・機関との取引は、個別の顧客として、かつ独立当事者間の取引として行われています。政府は、株主としての資格において当社の株主総会で議決権を行使し、筆頭株主としての立場から、理論上は株主総会での大多数の決議に重大な影響力を及ぼす権限を有します。しかしながら、過去に政府がこの権限を行使して当社の経営に直接関与したことはありません。 ③ 政府保有株式の売却について 政府の保有する当社株式の処分は、その年度の予算をもって国会の議決を経た限度数の範囲内でなければならない(日本電信電話株式会社等に関する法律 第7条) ・ 売却の経緯及び売却方針について(第一次売出から第六次売出について)当社は発行済株式総数1,560万株で設立され、政府が売却可能である当社株式1,040万株(政府による保有が義務付けられた全体の三分の一に当たる520万株を除いた株式)のうち540万株については、1986~1988年度において売却されました。また、1990年12月17日に、未売却となっていた500万株のうち、イ)250万株について毎年度50万株程度を計画的に売却することを基本とすること、ロ)後年度において市場環境から許容される場合、計画の前倒しによる売却があり得ること、ハ)残余の250万株については、当分の間、売却を凍結するという売却方針が大蔵省(当時)より示されました。(ただし、1997年度まで、市場環境等により実際の売却は見送られました。)1998年度においては、1998年12月に100万株について売却が実施されました。1999年度においては、100万株が売却限度数として計上されていましたが、このうち48,000株については1999年7月13日の当社の自己株式買入において売却が実施され、残りの952,000株については1999年11月に売却が実施されました。また、上記の1990年12月に示された売却方針については終了しました。2000年度においては、2000年11月に100万株の売却が実施されました。 ・ 政府保有株式の売却実績について提出日現在までの政府保有株式の売却実績については、下表のとおりです。年度政府の売却実績売却時期売却株数売却方法1986年度1987年 2月(第一次売出)200,000株一般競争入札1,750,000株証券会社による「売り出しの取り扱い」1987年度1987年11月(第二次売出)1,950,000株証券会社による「引受」「売り出しの取り扱い」1988年度1988年10月(第三次売出)1,500,000株証券会社による「引受」「売り出しの取り扱い」1998年度1998年12月(第四次売出)1,000,000株ブックビルディング方式による株式売り出し1999年度1999年 7月13日48,000株自己株式買入1999年11月(第五次売出)952,000株ブックビルディング方式による株式売り出し2000年度2000年11月(第六次売出)1,000,000株ブックビルディング方式による株式売り出し2002年度2002年10月 8日91,800株自己株式買入2003年度2003年10月15日85,157株自己株式買入2004年度2004年11月26日800,000株自己株式買入2005年度2005年 9月 6日1,123,043株自己株式買入2011年度2011年 7月 5日57,513,600株自己株式買入2012年 2月 8日41,820,600株自己株式買入2013年度2014年 3月 7日26,010,000株自己株式買入2014年度2014年11月14日35,088,600株自己株式買入2014年11月28日1,068,100株自己株式買入2016年度2016年 6月14日59,000,000株自己株式買入2019年度2019年 9月11日48,666,700株自己株式買入(注)1.1995年11月24日を効力発生日として、普通株式1株につき1.02株の割合をもって株式分割いたしました。2.2009年1月4日を効力発生日として、普通株式1株につき100株の割合をもって株式分割いたしました。3.2015年7月1日を効力発生日として、普通株式1株につき2株の割合をもって株式分割いたしました。
FY2020|22,437 文字
2【事業等のリスク】本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を、NTTグループの事業を取り巻く環境及びそれに対応した事業戦略、業務運営に係るリスクのほか、規制をはじめとした政府との関係に係るリスク等の観点から総合的な評価を行った上で、以下のように取りまとめています。なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。当社が現在関知していないリスク、あるいは当社が現時点では重要ではないと考えるリスクであってもNTTグループの事業活動を損なうことになる可能性があります。さらに、本有価証券報告書は、リスクと不確実性を伴う将来見通しに基づく情報も含んでいます。NTTグループは、下記リスクのほか、本有価証券報告書中の他の箇所に記載されているリスクに直面しておりますが、これらのリスクの影響により、NTTグループの実際の業績が、将来見通しに基づく記述が想定しているものとは大きく異なってくる可能性があります。 〇 新型コロナウイルス感染症の流行拡大がNTTグループの事業全般に影響を及ぼす可能性があります。 新型コロナウイルス感染症の流行が世界的に拡大しています。流行拡大の長期化により、お客さまの事業活動が縮小し、システムインテグレーションの受注や各種サービスの販売が減少することや、計画していた工事等が遅延する等、事業活動に大きな影響が生じる可能性があります。また、感染症終息後は、人々の生活や企業の活動のスタイルが大きく変容する可能性があり、それらの結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。NTTグループでは、感染症の世界的な流行拡大への対応にあたり、お客さま、パートナー、従業員を含む全ての関係者の健康と安全を確保しつつ、人々の生活や企業の活動にとって重要な情報通信サービスの安定的な利用の確保に取り組んでいます。当社及び通信事業を営む主要子会社は、指定公共機関としての責務を遂行し、人命尊重の視点から感染防止に努めます。現時点では、増加するトラフィックに必要なネットワーク容量を確保できていますが、今後、状況に応じて設備を増強していきます。感染症終息後は、ソーシャルディスタンス確保の観点から、在宅勤務や遠隔医療、遠隔教育等が急速に拡大する可能性があり、リモート型社会の推進に向けたサービス提供を加速していくとともに、認証制御技術等の高度化も推進していきます。また、デジタルトランスフォーメーションの支援も積極的に実施します。農業、建設業、製造業といった人手が必要とされている仕事に、デジタル技術やAIを導入することで、スマートオペレーションを拡大し、人手不足といった社会課題解決に寄与することをめざします。さらに、流通等、様々な分野でコネクテッドバリューチェーンを構築し、産業の効率化を図ることで、人・モノの移動やエネルギー供給の最適化につなげていきます。NTTグループは、感染症終息後に起こりうるデータ主導型社会に向け、技術開発等を通じたイノベーションをリードしていくことで、世界のパートナーとともに、スマートな社会の実現に貢献してまいります。 《事業環境及びそれに対応した戦略に係るリスク》○ NTTグループの事業は、世界及び日本の経済状況から影響を受ける可能性があります。 NTTグループは、世界各地で事業を展開しています。世界各地での景気後退や経済成長の減速といった状態等により、NTTグループが提供するサービスに対する需要や、NTTグループの事業運営に悪影響が生じる可能性があります。また、NTTグループは、投資有価証券等の金融資産を保有しています。景気後退による株式市場や金融市場の低迷により、それらの資産価値が下落した場合には評価損が発生し、NTTグループの業績に影響が生じる可能性があるほか、NTTグループの年金基金についても、年金運用等に影響を及ぼす可能性があります。さらに、NTTグループは、社債・借入金等の手段により資金調達を実施しており、金融市場において大きな変動が生じた場合には、NTTグループの資金調達コストの増加につながる可能性があります。以上の結果として、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性がありますが、このようなリスクを踏まえ、リスク管理方針を制定し、この管理方針に従って先物為替予約等のデリバティブ取引を利用したリスクヘッジを行い、リスクの最小化に努めています。また、資金調達に関しては、調達手段の多様化等を進めるとともに、低利かつ安定的な資金の確保に努めています。 ○ 市場構造の変化や競争の進展により、NTTグループの営業収益が低下する可能性があります。 情報通信市場は、新たなプレイヤーを含めた熾烈な競争が進む中、5G・仮想化・AI等の最新技術を活用した新たなサービスが発展し、デジタルトランスフォーメーションを通じたスマートな社会が実現していくと見込まれます。また、通信事業者だけではなく様々な事業者が市場に参入し、OTT(注)事業者が提供するサービスが普及しグローバルレベルの競争が進展する等、従来の事業領域の垣根を越えた市場競争が熾烈になる一方で、新しい付加価値の創造に向けた事業者間による協創・連携が進展しています。その他の市場においても、NTTグループは様々な事業を営んでおり、それぞれの市場において、市場構造の変化に伴う厳しい競争が進展しています。このような市場構造の変化や競争の進展に適切に対応できない場合、NTTグループの営業収益が低下する可能性があります。情報通信市場では、競合他社の新規参入等による競争激化や、新料金プラン等による顧客基盤の維持・更なる拡大がNTTグループの想定したとおりにならない場合、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、情報サービス市場では、急成長するインドや中国等の情報サービス企業が、グローバル競争をもたらしつつあり、競合会社の積極参入による競争激化が経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。その他の市場においても、各事業において想定したとおりの収益が得られない可能性があり、結果として経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループは、中期経営戦略「Your Value Partner2025」の4つの柱である、お客さまのデジタルトランスフォーメーションをサポート、自らのデジタルトランスフォーメーションを推進、人・技術・資産の活用、ESG経営の推進、株主還元の充実による企業価値の向上に基づき様々な取り組みを推進しています。 (注)Over The Top の略。自社でサービスの配信に必要な通信インフラを持たずに、他社の通信インフラを利用してコンテンツ配信を行うサービス。 ○ グローバルビジネスの成長が、想定どおり進展しない可能性があります。 NTTグループは、グローバルビジネスを事業の基軸として拡大させるとともに、利益創出スピードを加速させるための取り組みを実行しています。しかしながら、これらの取り組みが想定どおり進捗しない場合や、クラウドサービス市場が期待するほど成長しない場合、競争の進展等により収益が想定どおり拡大しない場合には、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、グローバル事業における着実な成長を実現していくために、グローバル事業の再編成に取り組んでいます。当社の傘下にグローバル持株会社を創設し、グローバル市場に精通したグループ各社の人材の知見・経験を同社の経営マネジメントに取り入れ、迅速に戦略策定を行うとともに、グローバル持株会社の傘下にグローバル事業会社を設立し、マネージドサービス等の高付加価値サービスを中核とするビジネスへの転換や、NTTブランドの更なるグローバル展開に向けた取り組みを推進します。また、グループ各社におけるサービス/オペレーションの強化・効率化や、グループ横断のデリバリ連携強化等によるコスト削減・利益改善にも取り組んでおり、取り組みの進捗状況について定期的にモニタリングを実施し、必要に応じて迅速に対策を講じています。 ○ NTTグループは、想定するコスト削減を実現できない可能性があります。 NTTグループは、国内の固定通信市場/移動通信市場において、設備投資の効率化やコスト削減による利益創出に向けて取り組んでいます。しかしながら、競争環境の変化や、設備関連・業務全般の効率化の進捗状況等によっては、想定どおりに設備投資の効率化が図れない場合や、販売経費や設備関連コスト、人件費等の削減効果が十分発揮されない場合があります。こうした場合は、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、設備投資の効率化について、各社でネットワークのシンプル化・スリム化を実施することに加え、AI等を活用し、自らの業務プロセスをデジタル化することで様々な業務における更なる生産性の向上をめざします。また、グループ各社が共通で購入するハードウェア、ソフトウェア及びサービスについて、グローバルベンダー等と一元的に価格交渉を行い、包括的な契約を締結する調達専門会社のNTT Global Sourcing, Inc. を米国に設立し、NTTグループのトータルの調達コスト削減を図るとともに、調達物品の仕様統一や機種の絞り込み等に取り組んでいます。なお、本調達の対象に、当社、NTT東日本及びNTT西日本は含みません。ITシステムについても、仮想化等の最新技術を活用して共通基盤化による効率化を進めています。あわせて、NTTグループのRPA(WinActor)を業務プロセスに活用し、より一層の業務効率化に継続的に取り組んでいるほか、B2B2Xモデルへの転換等を踏まえたシンプルで生産性の高い業務運営の確立に向けて取り組んでいます。また、取り組みの進捗状況について定期的にモニタリングを実施し、必要に応じて迅速に対策を講じています。 ○ 国内外の出資、提携及び協力関係等は、NTTグループが期待するようなリターンや事業機会を生まないとともに適切なコントロールが及ばない可能性があります。 NTTグループは、市場構造の変化やお客さまニーズに速やかに対応するため、特にグローバルビジネスの拡大において、企業・組織との合弁事業、事業提携、協力関係の構築、出資、買収等の活動を実施しています。しかしながら、NTTグループが既に出資をしているまたは出資に合意している国内外の事業者や、将来出資や事業提携を行う国内外の事業者について、これら事業者の企業価値や経営成績を維持・向上させること及びNTTグループとのシナジー効果を十分に発揮することができない場合があります。さらに、投資、提携または協力関係を解消・処分することにより、損失が生じる場合があります。また、海外子会社の増加により事業戦略に関する意思統一が困難になり、適切なコントロールが及ばず、事業・業務運営を円滑に行うことが困難となる場合があります。海外における事業活動は、投資や競争等に関する法的規制、税制、契約実務を含めた商習慣の相違、労使関係、国際政治等様々な要因の影響下にあります。これらのリスクが顕在化した場合には、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、買収後には定期的なモニタリングを実施する等、期待したリターンを得られるよう取り組んでいるほか、グローバル持株会社であるNTT株式会社を創設し、グローバル事業におけるガバナンスやリスクマネジメントの更なる強化についても取り組んでいます。 ○ 事業遂行上必要な知的財産権等のライセンスが受けられない場合や、他者から知的財産権等の侵害に関する主張を受けた場合、知的財産権等が不正使用された場合には、経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 NTTグループや事業上のパートナーがその事業を遂行するために必要な知的財産権等の権利について、当該権利の保有者よりライセンス等を受ける必要がある場合があります。現在、NTTグループ等は、当該権利の保有者との間で契約を締結することによりライセンス等を受けており、また、今後の事業遂行上必要となる他者の知的財産権等の権利については、当該権利の保有者よりライセンス等を受ける予定です。しかしながら、当該権利の保有者との間でライセンス等の付与について合意できなかったり、または、一旦ライセンス等の付与に合意したもののその後当該合意を維持できなかった場合には、NTTグループや事業上のパートナーの特定の技術、商品またはサービスの提供ができなくなる可能性があります。また、NTTグループ各社による海外企業の買収等に伴い、グローバルビジネスが拡大しており、NTTグループが海外企業からその知的財産権等の権利を侵害したとの主張を受ける機会が増える可能性があります。仮に他者より、NTTグループがその知的財産権等の権利を侵害したとの主張を受けた場合には、その解決に多くの時間と費用を要する可能性があり、さらに当該他者の主張が判決等により認められた場合、あるいは和解等により当事者間で合意した場合には、当該権利に関連する事業の収益減や当該権利の侵害を理由に損害賠償責任等を負ったり、当該事業の実施の差止めを受ける可能性があります。さらに、NTTグループが保有する知的財産権等の権利について、第三者が不正に使用する等により、本来得られるライセンス収入が減少したり、競争上の優位性をもたらすことができない可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合には、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、戦略的な権利化や権利調査による状況把握を実施する等、他者やNTTグループが保有する知的財産権等の権利への対策を講じています。 ○ 人材の確保が想定どおりに進まない場合、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 情報通信市場においては、国内外の様々なプレイヤーが市場に参入し、サービスや機器の多様化・高度化が急速に進んでおり、今後、クラウドサービスを中心として変化が一層加速していくと見込まれます。このような状況の中で、NTTグループの事業は、高スキルを保有する優秀な人材の確保に大きく影響されます。こうした優秀な人材の確保・育成が想定どおりに進まないことで、新技術の開発、新サービスの企画、既存サービスの改善、成長戦略の実行等に影響を及ぼす場合があり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、グループ内の人材育成強化の取り組みを進めるとともに、政府や企業そして教育機関と提携し、人材の育成に努めています。また、各社員の業務内容や職場環境、処遇やキャリア形成に対する考え方について、定期的な面談等を通じて状況等を把握し、早期にアクションを検討・実施しています。さらに、研究職の処遇改善により、優秀な研究者の定着促進を図ると同時に、米国に次世代技術の基礎研究を担う海外新研究所(NTT Research, Inc.)を設立し、最先端の研究に携われる環境を用意することで人材流出の未然防止に努めています。 《業務運営に係るリスク》○ サイバー攻撃により、サービス停止やサービス品質の低下が発生し、経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 近年、サイバー攻撃による被害や情報漏えい等の事件が社会問題となる等、情報セキュリティに関する脅威が高度化・多様化するとともに、スマートフォンやクラウドサービス等の新たなICT分野におけるサービスの情報セキュリティへの対策が大きな課題となっています。このような中、NTTグループの通信ネットワークやサーバー等に対する不正アクセス等のサイバー攻撃によるサービス停止・サービス品質の低下や、社内ネットワークへの侵入等による情報の漏洩・改竄・喪失が発生し、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下する可能性があり、これらの結果として、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、最新の研究開発成果の導入を推進し、ネットワークにおけるセキュリティを常に強化するとともに、より高度なスキルを持つセキュリティ人材の育成に向けた取り組み等を強化しています。 ○ 自然災害等によるシステム・ネットワーク障害や、システム構築上の問題が発生し、経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 NTTグループは国内外において事業を展開しており、通信ネットワーク・情報システムをはじめ、社会と経済活動を支え、国民生活の安全を守るライフラインとして欠かせないサービスを数多く提供しています。これらのサービス提供に関して、地震・津波・台風・洪水等の自然災害、想定を上回るトラフィックの増加、テロリズム、武力行為、地域紛争といった要因によるシステム及びネットワーク障害の発生や、社員の安全が脅かされることによって、事業運営に混乱が生じ、サービスを安定的に提供できない場合があります。また、それらの損害についてNTTグループが責任を負う可能性や、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下する恐れがあります。昨今は災害エネルギーの増大により、災害が広域化、巨大化、長期化する傾向にあり、大規模災害等が発生した場合には、ネットワークに大きな影響を受けるだけでなく、社員が被災する可能性やシステム障害の復旧に長い時間を要する可能性、緊急の電力使用制限によりサービスを安定的に提供できない可能性があり、その結果として、収入の減少や多額の修繕費用の支出を余儀なくされる可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、通信ビルの耐震機能・水防機能の強化、伝送路のルート見直し、長期停電に対する通信ビル・基地局の非常用電源の強化、AIを活用した被災想定による復旧活動の初動強化等、サービス提供に必要なシステムやネットワークを安全かつ安定して運用できるよう様々な対策を講じています。あわせて、大規模災害を想定した対応やシステムを用いた社員安否確認の訓練を実施しています。また、NTTグループは、システムインテグレーションビジネスにおいてお客さまにシステム・サービスを提供・納品しており、一般に請負契約の形態で受注を受けてから納期までにシステムを完成し、お客さまに提供するという完成責任を負っています。このため、当初想定していた見積もりからの乖離や開発段階におけるプロジェクト管理等の問題によって、想定を超える原価の発生や納期遅延に伴う損害の発生等が生じる可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、一定規模以上の案件の受注にあたっては、見積価格やプロジェクト計画の妥当性を審査委員会で審査しているほか、受注後もプロジェクトの進捗状況のモニタリングを実施しています。 ○ 国内外における不正・不祥事や、個人情報等の業務上の機密情報の不適切な取り扱い・流出により、NTTグループの信頼性・企業イメージに影響を与える可能性があります。 NTTグループは、国内外で多くの拠点を持ち、様々な製品やサービスを取り扱う関係上、関連する法令や規則は多岐にわたり、事業活動を営むにあたり免許・届出・許認可等が必要とされるものもあります。特に海外での事業運営においては、当該国での法令の存在または欠如、法令の予期しえない解釈、法規制の新設や改定等によって、法令遵守のための負担が増加する場合があります。これらの様々な法令・規制等に関して、従業員による個人的な不正行為等を含めたコンプライアンスに関するリスクもしくは社会的に信用が毀損されるリスクを排除できない場合があります。結果として、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下し、契約者獲得や入札資格停止等事業への影響が生じるおそれがあり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、法令遵守は極めて重要な企業の責務であるとの認識のもと、米国・英国を中心とした諸外国の贈収賄防止法の厳格化も踏まえ、国内外を問わず、より一層のコンプライアンスの強化に取り組んでいます。また、お客さま情報をはじめとする個人情報保護への要求が社会的に高まるとともに、法制面からも個人情報保護に対する要請は大きくなっています。しかしながら、個人情報等を狙った犯罪行為が高度化、巧妙化する等、個人情報等の機密情報の流出や不適切な取り扱いが発生するリスクを排除できない場合があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、個人情報等の機密情報の厳重な管理等に努めると共に、「NTTグループ情報セキュリティポリシー」を制定し、グループ内における管理体制の整備、役員や従業員への啓発活動等に取り組んでいます。 ○ NTTグループの提供する製品やサービスの不適切な利用等により、NTTグループの信頼性・企業イメージに影響を与える社会的問題が発生する可能性があります。 NTTグループの提供している製品やサービスがユーザに不適切に使用される可能性があります。代表的なものとして、迷惑メールの送信、ネットバンキングの不正送金等のサイバー犯罪や振り込め詐欺等の犯罪にNTTグループのサービスが利用される可能性があるほか、NTTグループの契約者が迷惑メールを大量に受信してしまう等、これらの行為の被害を受けてしまう可能性があります。また、未成年者の有害サイトへのアクセス制限サービスの機能・精度等に関しては様々な議論があります。そのほか、歩行中や運転中の携帯電話使用によるトラブルの発生や、有料コンテンツの過度な利用による高額課金、不正アプリ(ソフト)を通じた個人情報の流出等が社会的に問題となっています。これらの問題によって、NTTグループの製品やサービスに対する信頼性の低下、顧客満足度の低下や企業イメージの低下による解約数の増加や、新規契約者を期待どおり獲得できないという結果を引き起こす可能性があり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、歩きスマホ防止機能やフィルタリング機能等の安心・安全な利用のための製品・サービス提供、知識やマナーの啓発活動等の取り組みを進めています。 ○ 訴訟等においてNTTグループに不利な判断がなされた場合は、NTTグループの事業に影響を与える可能性があります。 NTTグループは、国内外で多くの拠点を持ち、様々な製品やサービスを取り扱っているため、各種訴訟、係争、損害賠償請求の当事者となる可能性があります。NTTグループが当事者となる訴訟、係争、損害賠償請求において不利な判断がなされた場合は、金銭的負担が発生するおそれがあるほか、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下するおそれがあり、その結果として、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、NTTグループ各社において発生している、またはそのおそれのある訴訟等の案件についてモニタリングを実施するとともに、必要に応じて迅速に対策を講じています。 《規制等、政府との関係に係るリスク等》○ 通信規制の決定及び変更がNTTグループの事業に影響を与える可能性があります。 日本の情報通信市場においては、競争促進、サービス利用者保護等を目的とした電気通信関連の法改正等、多くの分野で規制の変更が行われてきています。政府等による規制に関する決定、それに伴う通信業界における環境変化は、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、政府等の情報通信政策や規制等の動向について必要な情報収集等を行うとともに、パブリックコメントやヒアリングの場を通じてNTTグループの考え方を主張する等、必要な対応を行っています。規制の内容や、現在見直しが行われている規制の概要については「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制」をご参照ください。 ○ NTTグループが使用できる周波数が限られているなか、事業運営に必要な周波数割当が得られない可能性があります。 NTTグループがサービスを提供するために使用できる周波数には限りがあります。スマートフォンやタブレット端末等の普及拡大に伴い、契約者当たりのトラフィック量が増加していくなか、事業の円滑な運営のために必要な周波数が得られなかった場合や、新しい周波数帯域の運用開始が想定どおりに進まない場合に、サービス品質が低下したり、追加の費用が発生する可能性があります。更には、サービスの提供が制約を受け、契約者が競合他社に移行し、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、新たな周波数の獲得に努めているほか、移動通信ネットワークにおけるキャリアアグリゲーション等、周波数利用効率の向上にも努めています。詳細については、「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制 ③電波法」をご参照ください。 ○ NTTグループは、温室効果ガス排出量削減等の環境に関する法令・規制・制度の影響を受ける可能性があります。 NTTグループは、温室効果ガス排出量削減、省エネルギー、廃棄物処理、有害物質処理等に関する日本及び海外の環境に関する法令・規制の適用を受けています。将来環境に関する社会的な要求がより厳しくなり、新たな法令・規制の導入や強化等がなされた場合には、コスト負担が増加し、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、環境負荷低減への取り組みを推進し、環境負荷ゼロをめざします。具体的には、自らのグリーン電力化の推進として、再生可能エネルギーの活用を2030年度までに30%以上とする目標をめざすほか、TCFDへの賛同、グリーンボンドの発行等、更には、宇宙環境エネルギー研究所を新設するとともに、圧倒的な低消費電力をめざしIOWNの研究開発を進め、環境エネルギーへの取り組みの充実を図ります。 ○ 政府は、株主総会での決議に多大な影響力を与えるに十分な当社株式を保有しています。 政府は現在当社の自己株式除き発行済株式の34.69%(議決権比率34.73%)を保有しています。政府は株主として当社の株主総会での議決権を有していることから、最大株主として、理論的には株主総会等における決定に対し多大な影響力を行使する権限を有しています。しかしながら、政府は1997年の国会答弁において、基本的に当社の経営に積極的に関与する形での株主権の行使はしないことを表明しており、事実、過去において政府は当社の経営に直接関与するためにそのような権限を行使したことはありません。法令に基づく政府のNTTグループに対する規制権限については、「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制」をご参照ください。 (参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制情報通信産業を所管する日本の主要な監督機関は総務省であり、総務大臣は電気通信事業者を規制する権限を「電気通信事業法」により付与されています。1985年、NTTが民営化されると同時に「電気通信事業法」が施行され、日本における電気通信事業の法規制の枠組みは大幅に変更されるとともに、日本の情報通信産業に競争が導入されました。それ以降、政府は日本の電気通信市場における競争を促進する様々な措置を講じています。この結果、NTTグループはその事業分野の多くで、新規参入企業や新規に事業参入しようとしている企業との競争激化に直面しています。当社及びその子会社の中には、その事業を行うにあたり、「電気通信事業法」のほか、「日本電信電話株式会社等に関する法律」及び「電波法」に基づく規制を受けている会社が存在します。その概要は次のとおりです。 ① 電気通信事業法(昭和59年法律第86号)電気通信事業法による規制は次のとおりです。(a) 全ての電気通信事業者に課される規制a 電気通信事業の開始等・ 電気通信事業の開始についての総務大臣の登録制(第9条)ただし、設置する電気通信回線設備の規模及び設置する区域の範囲が一定の基準を超えない場合や電気通信回線設備を設置しない事業の開始については総務大臣への届出制となっています(第16条)。・ 合併や株式取得等を行う際の電気通信事業の登録の更新制(第12条の2)・ 電気通信事業の休廃止に関する総務大臣への届出制及び利用者への周知義務(第18条、第26条の4)b 利用者料金その他の提供条件の設定等・ 基礎的電気通信役務の契約約款の総務大臣への届出制(第19条)基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者は、基礎的電気通信役務に関する料金その他の提供条件について契約約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。・ 消費者保護関連電気通信事業者は、契約前の説明義務(第26条)、書面交付義務(第26条の2)、初期契約解除制度(第26条の3)、電気通信業務の休廃止の周知義務(第26条の4)、苦情等処理義務(第27条)、不実告知等や勧誘継続行為の禁止(第27条の2)及び媒介等業務受託者に対する指導等の措置義務(第27条の4)等が課されています。(注)基礎的電気通信役務 国民生活に不可欠であるためあまねく日本全国における提供が確保されるべき電気通信役務(いわゆるユニバーサルサービス)として総務省令で定めるもの。具体的には加入電話(基本料)又は加入電話に相当する光IP電話、第一種公衆電話(総務省の基準に基づき設置される公衆電話)、緊急通報(110番、118番、119番)等。c 相互接続・ 電気通信回線設備への接続について他の電気通信事業者の請求に応ずる義務(第32条)d ユニバーサルサービス基金制度ユニバーサルサービス基金制度は、ユニバーサルサービスの確保に必要な費用を、主要な電話会社全体で支えていくための制度です。基礎的電気通信役務(ユニバーサルサービス)の提供を確保するため、総務大臣の指定を受けた支援機関が、不採算地域等を含めて当該役務を提供する適格電気通信事業者(第108条)に対してその提供に要する費用の一部に充てるための交付金を交付する(第107条)こととされており、これに伴い支援機関が必要とする費用については各電気通信事業者が応分の負担金を納付する義務を負う(第110条)こととされています。このユニバーサルサービス基金制度については、2006年4月に基金の対象となる役務や交付金・負担金の算定方法等を定める総務省令が改正されたことを受け、同年6月より実際に支援機関の業務が開始されました。東西地域会社は、NTT法により、ユニバーサルサービス(国民生活に不可欠な電話役務)の全国提供を義務付けられており、総務大臣から適格電気通信事業者に指定されています。なお、2019年度と2020年度の東西地域会社への補填額はそれぞれ65億円、66億円となっています。 (b) 東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社(東西地域会社)のみに課される規制a 利用者料金その他の提供条件の設定・ 指定電気通信役務に関する保障契約約款の総務大臣への届出制(第20条)第一種指定電気通信設備を用いて提供する指定電気通信役務の料金その他の提供条件については、利用者と別段の合意がある場合を除き適用される保障契約約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。・ 特定電気通信役務の料金の規制(第21条)特定電気通信役務については、その料金の指数が総務大臣から通知される基準料金指数以下となる場合には総務大臣への届出制とする一方、基準料金指数を越える場合には総務大臣の認可を必要とする、いわゆる「プライスキャップ規制」が適用されています。(注)・第一種指定電気通信設備 各都道府県において電気通信事業者の設置する固定端末系伝送路設備のうち、同一の電気通信事業者が設置するものであって、当該都道府県内の総数の2分の1を超えるもの及びこれと一体として設置する電気通信設備で、他の電気通信事業者との接続が利用者の利便向上及び電気通信の総合的かつ合理的な発達に不可欠な設備として、総務大臣が指定するもの。具体的には、東西地域会社の主要な電気通信設備が指定されている。・指定電気通信役務 第一種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者が当該設備を用いて提供する電気通信役務であって、他の電気通信事業者によって代替役務が十分提供されないこと等の事情を勘案して、適正な料金その他の提供条件に基づく提供を保障することにより利用者の利益を保護するため特に必要があるものとして総務省令で定めるもの。具体的には、加入電話、ISDN、公衆電話、専用サービス、フレッツ光、ひかり電話等であるが、利用者の利益に及ぼす影響が少ない付加的な機能の提供に係る役務等は除かれる。・特定電気通信役務 指定電気通信役務のうち利用者の利益に及ぼす影響が大きいものとして総務省令で定めるもの。具体的には、東西地域会社の提供する加入電話、ISDN、公衆電話。・基準料金指数 特定電気通信役務の種別ごとに、能率的な経営の下における適正な原価及び物価その他の経済事情を考慮して、通常実現することができると認められる水準の料金を表す指数として、総務大臣が定めるもの。・プライスキャップ規制 料金の上限を規制する制度のこと。なお、東西地域会社の実際の料金指数は、2019年10月1日から始まった1年間の基準料金指数を下回る水準にあることから、プライスキャップ規制に基づく値下げは行っていない。b 相互接続等・ 第一種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の総務大臣の認可制(第33条)東西地域会社は、第一種指定電気通信設備を有する電気通信事業者として、相互接続に係る接続料及び接続条件について接続約款を定め、接続料が能率的な経営の下における適正な原価を算定するものとして総務省令で定める方法により算定された原価に照らし公正妥当なものであること等を要件に総務大臣の認可を受けることになっています。 (電話接続料)1998年5月、日米両政府の規制緩和等に関する共同報告の中で、日本政府は、接続料への長期増分費用方式の導入の意向を表明、2000年5月に長期増分費用方式の導入を定めた改正電気通信事業法が成立し、それ以降、同方式により接続料の値下げが行われました。また、その後、通信量が大幅に減少する中で、接続料の上昇による通話料の値上げを回避する観点から、NTSコスト(Non-Traffic Sensitive Cost、通信量に依存しない費用)を接続料原価から控除し基本料で回収することとされました(2004年10月の情報通信審議会答申)。なお、NTSコストの一部については、ユニバーサルサービス基金の利用者負担の増加を抑制する観点から同基金の見直しが行われた際、基金の補填対象範囲の縮小分の負担について東西地域会社のみに負わせるのではなく、各事業者から公平に回収することが適当とされたことから、再度接続料原価に算入することとされています。2019年度以降の接続料については、2018年の情報通信審議会における検討の結果、引き続き長期増分費用方式を、2019年度から2021年度まで適用することとされました。 (光ファイバ接続料)東西地域会社が有する光ファイバは、電気通信事業法における第一種指定電気通信設備として他事業者に認可料金(接続料)で貸し出すことを義務付けられています。加入光ファイバ接続料については、接続料低廉化の見通しを示すことにより他事業者が参入しやすい環境を整えるため、2020年度から2022年度までの3年間を算定期間とする将来原価方式により算定しています。なお、今回の接続料においても、実績接続料収入と実績費用の差額を次期以降の接続料原価に加えて調整する乖離額調整制度を導入しており、未回収リスクはないものと考えています。なお、加入光ファイバの分岐端末回線単位の接続料設定の問題については、情報通信行政・郵政行政審議会における検討の結果、依然として様々な解決すべき課題がある(2012年3月の情報通信行政・郵政行政審議会答申)とされ、分岐端末回線単位の接続料は設定されていません。 ・ 第一種指定電気通信設備との接続に係る機能の休止及び廃止の周知(第33条の2)東西地域会社は、第一種指定電気通信設備との接続に係る機能を休止・廃止しようとするときは、総務省令で定めるところにより、予め、当該機能を利用する他の電気通信事業者に対して、その旨を周知しなければならないとされています。・ 第一種指定電気通信設備の機能に関する計画の総務大臣への届出制(第36条)東西地域会社は、第一種指定電気通信設備の機能の変更又は追加の計画について、総務大臣に届け出ることとされています。・ 第一種指定電気通信設備の共用に関する協定の総務大臣への届出制(第37条)東西地域会社は、他の電気通信事業者との第一種指定電気通信設備の共用の協定について、総務大臣に届け出ることとされています。・ 第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務に関する総務大臣への届出制(第38条の2)及び整理・公表制(第39条の2)東西地域会社は、第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始・変更・廃止したときは、その旨、卸電気通信役務の種類、一定の要件を満たす卸先事業者に対する料金その他の提供条件等を総務大臣に届け出ることとされています。また、総務大臣は、当該届出に関して作成し、又は取得した情報について、整理・公表することとされています。 c 禁止行為東西地域会社は、市場支配的な事業者として、接続情報の目的外利用や他の電気通信事業者に対し不当に優先的な取扱いを行うこと等を禁止されている(第30条)ほか、特定関係事業者として総務大臣に指定されたエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社との役員兼任等の禁止(第31条)が定められています。また、東西地域会社の業務委託先子会社において禁止行為が行われないよう、東西地域会社が委託先子会社に対し必要かつ適切な監督を行うことや、東西地域会社が接続の業務に関して知り得た情報の適切な管理、接続の業務の実施状況を適切に監視するための体制の整備等が義務付けられています(第31条)。したがって、NTTグループ内の電気通信事業者間で排他的に連携してサービスを提供することには一定の制約があり、NTTグループとしては、この禁止行為規制を含め公正競争条件を確保しつつ市場ニーズに応じたサービスを提供していく考えですが、例えば、新サービスの迅速な提供に支障をきたす等の影響が生じる可能性があります。 (c) 株式会社NTTドコモに課される規制a 相互接続等・ 第二種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の総務大臣への届出制(第34条)株式会社NTTドコモの携帯電話に係る主要な電気通信設備については、他の電気通信事業者との適正かつ円滑な接続を確保すべきものとして総務大臣より第二種指定電気通信設備に指定されており、他の電気通信事業者の電気通信設備との接続に関し、接続料及び接続の条件について接続約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。・ 第二種指定電気通信設備との接続に係る機能の休止及び廃止の周知(第34条の2)株式会社NTTドコモは、第二種指定電気通信設備との接続に係る機能を休止・廃止しようとするときは、総務省令で定めるところにより、予め、当該機能を利用する他の電気通信事業者に対して、その旨を周知しなければならないとされています。・ 第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務に関する総務大臣への届出制(第38条の2)及び整理・公表制(第39条の2)株式会社NTTドコモは、第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始・変更・廃止したときは、その旨、卸電気通信役務の種類、一定の要件を満たす卸先事業者に対する料金その他の提供条件等を総務大臣に届け出ることとされています。また、総務大臣は、当該届出に関して作成し、又は取得した情報について、整理・公表することとされています。 なお、第二種指定電気通信設備に関する規制については、株式会社NTTドコモのほか、第二種指定電気通信設備を設置する全ての電気通信事業者に課されています。 b 禁止行為株式会社NTTドコモは、電気通信事業者間の競争環境の確保の観点から、端末を販売等しない場合よりも端末を販売等する際の通信料金を有利にすることや、行き過ぎた期間拘束により利用者を囲い込むこと等を禁止されています(第27条の3)。なお、本規定については、株式会社NTTドコモのほか、総務大臣に指定された事業者に課されています。また、株式会社NTTドコモは、市場支配的な事業者として、接続情報の目的外利用やグループ内の事業者であって総務大臣が指定するものに対し不当に優先的な取扱いを行うこと等を禁止されています(第30条)。(注)・第二種指定電気通信設備 電気通信事業者の設置する特定移動端末設備(携帯電話端末・BWA端末)に接続される伝送路設備のうち同一の電気通信事業者が設置するものであって、その業務区域内の全ての当該伝送路設備の総数の10分の1を超えるもの及びその事業者が当該電気通信役務を提供するために設置する電気通信設備で、他の電気通信事業者の電気通信設備との適正かつ円滑な接続を確保すべき設備として、総務大臣が指定するもの。 ② 日本電信電話株式会社等に関する法律(昭和59年法律第85号)(a) 概要1997年6月に公布された「日本電信電話株式会社法の一部を改正する法律」は、1999年7月に施行されました(これにより「日本電信電話株式会社法」は「日本電信電話株式会社等に関する法律」に改題され、当社を純粋持株会社とする再編成がおこなわれました。)。同法は2001年6月公布、同年11月施行の「電気通信事業法等の一部を改正する法律」等によっても改正されています。一 目的1 当社は、東西地域会社がそれぞれ発行する株式の総数を保有し、これらの株式会社による適切かつ安定的な電気通信役務の提供の確保を図ることならびに電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うことを目的とする株式会社とする。2 東西地域会社は、地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社とする。二 事業1 当社は、その目的を達成するため、次の業務を営むものとする。(1)東西地域会社が発行する株式の引受け及び保有ならびに当該株式の株主としての権利の行使をすること(2)東西地域会社に対し、必要な助言、あっせんその他の援助を行うこと(3)電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うこと(4)(1)(2)及び(3)に掲げる業務に附帯する業務2 当社は、二の1に掲げる業務を営むほか、総務大臣へ届け出ることによって、その目的を達成するために必要な業務を営むことができる。3 東西地域会社は、その目的を達成するため、次の業務を営むものとする。(1) それぞれ次に掲げる都道府県の区域において行う地域電気通信業務(同一の都道府県の区域内における通信を他の電気通信事業者の設備を介することなく媒介することのできる電気通信設備を設置して行う電気通信業務をいう。)イ 東日本電信電話株式会社にあっては、北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県及び長野県ロ 西日本電信電話株式会社にあっては、京都府及び大阪府ならびにイに掲げる県以外の県(2)二の3の(1)に掲げる業務に附帯する業務4 東西地域会社は、総務大臣へ届け出ることによって、次の業務を営むことができる。(1)二の3に掲げるもののほか、東西地域会社の目的を達成するために必要な業務(2)それぞれ二の3の(1)により地域電気通信業務を営むものとされた都道府県の区域以外の都道府県の区域において行う地域電気通信業務5 東西地域会社は、3、4に規定する業務のほか、総務大臣へ届け出ることによって、地域電気通信業務の円滑な遂行及び電気通信事業の公正な競争の確保に支障のない範囲内で、3に規定する業務を営むために保有する設備若しくは技術又はその職員を活用して行う電気通信業務その他の業務を営むことができる。 三 責務当社及び東西地域会社は、それぞれその事業を営むに当たっては、常に経営が適正かつ効率的に行われるように配意し、国民生活に不可欠な電話の役務のあまねく日本全国における適切、公平かつ安定的な提供の確保に寄与するとともに、今後の社会経済の進展に果たすべき電気通信の役割の重要性にかんがみ、電気通信技術に関する研究の推進及びその成果の普及を通じて我が国の電気通信の創意ある向上発展に寄与し、もって公共の福祉の増進に資するよう努めなければならない。 (b) 総務大臣の認可を必要とする事項・ 当社及び東西地域会社の新株及び新株予約権付社債の発行(第4条、第5条)(注)当社は、総務省令で定める一定の株式数に達するまでは、認可を受けなくても総務大臣に届け出ることにより新株の発行が可能(附則第14条)・ 当社の取締役及び監査役の選任及び解任の決議(第10条)(注)日本の国籍を有しない人は、当社及び東西地域会社の取締役又は監査役となることができない・ 当社及び東西地域会社の定款の変更、合併、分割及び解散の決議、当社の剰余金処分の決議(第11条)・ 当社及び東西地域会社の事業計画及び事業計画の変更(第12条)・ 東西地域会社の重要な設備の譲渡及び担保に供すること(第14条) (c) その他総務大臣に対する義務・ 当社及び東西地域会社の貸借対照表、損益計算書、事業報告書の提出(第13条)・ 当社及び東西地域会社への命令を受ける義務(第16条)・ 当社及び東西地域会社の業務に関する報告の要求に応じる義務(第17条) ③ 電波法(昭和25年法律第131号)(a)総務大臣の免許を必要とする事項・ 無線局の開設(第4条) (b)総務大臣の許可を必要とする事項・ 無線局の目的、通信の相手方、通信事項等の変更等(第17条) (携帯電話の周波数帯割当て)移動通信事業において、事業者が無線周波数帯域を使用するためには日本政府(総務省)の免許が必要となります。周波数帯の割当ては電波法及び関連する法令等により規定されています。(2)当社株式に係る事項① 外国人等議決権割合の制限(日本電信電話株式会社等に関する法律 第6条) 当社は、外国人等議決権割合が三分の一以上になるときは、その氏名及び住所を株主名簿に記載し、又は記録してはならない。 (注)外国人等 一 日本の国籍を有しない人二 外国政府又はその代表者三 外国の法人又は団体四 前三号に掲げる者により直接に占められる議決権の割合が総務省令で定める割合以上である法人又は団体なお、当社定款において、株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者、及びその有する株式の全部若しくは一部について日本電信電話株式会社等に関する法律第6条に基づき、株主名簿に記載されなかった若しくは記録されなかった株主又は当該株主の有する株式の質権者に対して、剰余金の配当をすることができる旨を規定しています。 ② 政府による当社の株式保有義務(日本電信電話株式会社等に関する法律 第4条)政府は、常時、当社の発行済株式の総数の三分の一以上に当たる株式を保有していなければならない。 (注)発行済株式の総数の算定方法の特例(日本電信電話株式会社等に関する法律 附則第13条)・ 第4条第1項の規定の適用については、当分の間、新株募集若しくは新株予約権の行使による株式の発行又は取得請求権付株式若しくは取得条項付株式の取得と引換えの株式の交付があった場合には、これらによる株式の各増加数(「不算入株式数」)は、それぞれ第4条第1項の発行済株式の総数に算入しないものとする。・ 前項に規定する株式の増加後において株式の分割又は併合があつた場合は、不算入株式数に分割又は併合の比率(二以上の段階にわたる分割又は併合があつた場合は、全段階の比率の積に相当する比率)を乗じて得た数をもって、同項の発行済株式の総数に算入しない株式の数とする。2020年3月31日時点のNTTの発行済株式総数は3,900,788,940株であり、同日現在の政府保有株式数は1,260,906,000株、即ち、自己株式除き発行済株式総数の34.69%となっています。(注)当社は2000年12月に公募増資により30万株(2009年1月4日付の株式分割、2015年7月1日付の株式分割及び2020年1月1日付の株式分割後に換算すると1億2,000万株)の新株発行を実施しました。これらの株式は、前述のとおり、政府が保有する株式の比率を計算する際には発行済株式総数には算入されません。また、政府保有株式数には名義書換失念株等の政府が実質的に保有していない株式が含まれているため、これらの株式は、政府が保有する株式の比率を計算する際には政府保有株式数に算入していません。これらの条件を考慮すると、政府が保有する株式の比率は33.33%となります。NTTグループと政府の各種部門・機関との取引は、個別の顧客として、かつ独立当事者間の取引として行われています。政府は、株主としての資格において当社の株主総会で議決権を行使し、筆頭株主としての立場から、理論上は株主総会での大多数の決議に重大な影響力を及ぼす権限を有します。しかしながら、過去に政府がこの権限を行使して当社の経営に直接関与したことはありません。 ③ 政府保有株式の売却について 政府の保有する当社株式の処分は、その年度の予算をもって国会の議決を経た限度数の範囲内でなければならない(日本電信電話株式会社等に関する法律 第7条)・ 売却の経緯及び売却方針について当社は発行済株式総数1,560万株で設立され、政府が売却可能である当社株式1,040万株(政府による保有が義務付けられた全体の三分の一に当たる520万株を除いた株式)のうち540万株については、1986~1988年度において売却されました。また、1990年12月17日に、未売却となっていた500万株のうち、イ)250万株について毎年度50万株程度を計画的に売却することを基本とすること、ロ)後年度において市場環境から許容される場合、計画の前倒しによる売却があり得ること、ハ)残余の250万株については、当分の間、売却を凍結するという今後の売却方針が大蔵省(当時)より示されました。(ただし、1997年度まで、市場環境等により実際の売却は見送られました。)1998年度においては、1998年12月に100万株について売却が実施されました。1999年度においては、100万株が売却限度数として計上されておりましたが、このうち48,000株については1999年7月13日の当社の自己株式買入において売却が実施され、残りの952,000株については1999年11月に売却が実施されました。また、上記の1990年12月に示された売却方針については終了しました。2000年度においては、2000年11月に100万株の売却が実施されました。2002年度においては、100万株が売却限度数として計上されておりましたが、このうち91,800株については2002年10月8日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。2003年度においては、100万株が売却限度数として計上されておりましたが、このうち85,157株については2003年10月15日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。2004年度においては、100万株が売却限度数として計上されておりましたが、このうち80万株については2004年11月26日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。2005年度においては、1,123,043株が売却限度数として計上されておりましたが、1,123,043株全てについて2005年9月6日の当社の自己株式買入等において売却が実施されました。2011年度においては、99,334,255株を売却限度数として計上されておりましたが、このうち57,513,600株については2011年7月5日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。また、41,820,600株については2012年2月8日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。2013年度においては、62,166,721株を売却限度数として計上されておりましたが、このうち26,010,000株については2014年3月7日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。2014年度においては、36,156,721株を売却限度数として計上されておりましたが、このうち35,088,600株については2014年11月14日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。また、1,068,100株については2014年11月28日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。2016年度においては、59,000,043株を売却限度数として計上されておりましたが、このうち59,000,000株については2016年6月14日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。2019年度においては、48,666,710株を売却限度数として計上されておりましたが、このうち48,666,700株については2019年9月11日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。
FY2019|21,246 文字
2【事業等のリスク】本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を、NTTグループの事業を取り巻く環境及びそれに対応した事業戦略、業務運営に係るリスクのほか、規制をはじめとした政府との関係に係るリスク等の観点から総合的な評価を行った上で、以下のように取りまとめております。なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。当社が現在関知していないリスク、あるいは当社が現時点では重要ではないと考えるリスクであってもNTTグループの事業活動を損なうことになる可能性があります。さらに、本有価証券報告書は、リスクと不確実性を伴う将来見通しに基づく情報も含んでおります。NTTグループは、下記リスクのほか、本有価証券報告書中の他の箇所に記載されているリスクに直面しておりますが、これらのリスクの影響により、NTTグループの実際の業績が、将来見通しに基づく記述が想定しているものとは大きく異なってくる可能性があります。 《事業環境及びそれに対応した戦略に係るリスク》○ NTTグループの事業は、世界及び日本の経済状況から影響を受ける可能性があります。 NTTグループは、世界各地で事業を展開しております。世界各地での景気後退や経済成長の減速といった状態等により、NTTグループが提供するサービスに対する需要や、NTTグループの事業運営に悪影響が生じる可能性があります。また、NTTグループは、投資有価証券等の金融資産を保有しております。景気後退による株式市場や金融市場の低迷により、それらの資産価値が下落した場合には評価損が発生し、NTTグループの業績に影響が生じる可能性があるほか、NTTグループの年金基金についても、年金運用等に影響を及ぼす可能性があります。さらに、NTTグループは、社債・借入金等の手段により資金調達を実施しており、金融市場において大きな変動が生じた場合には、NTTグループの資金調達コストの増加につながる可能性があります。以上の結果として、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性がありますが、このようなリスクを踏まえ、リスク管理方針を制定し、この管理方針に従って先物為替予約等のデリバティブ取引を利用したリスクヘッジを行い、リスクの最小化に努めております。また、資金調達に関しては、調達手段の多様化等を進めるとともに、低利かつ安定的な資金の確保に努めております。 ○ 市場構造の変化や競争の進展により、NTTグループの営業収益が低下する可能性があります。 情報通信市場は、新たなプレイヤーを含めた熾烈な競争が進む中、5G・仮想化・AI等の最新技術を活用した新たなサービスが発展し、デジタルトランスフォーメーションを通じたスマートな社会が実現していくと見込まれます。また、通信事業者だけではなく様々な事業者が市場に参入し、OTT(注)事業者が提供するサービスが普及しグローバルレベルの競争が進展する等、従来の事業領域の垣根を越えた市場競争が熾烈になる一方で、新しい付加価値の創造に向けた事業者間による協創・連携が進展しております。その他の市場においても、NTTグループは様々な事業を営んでおり、それぞれの市場において、市場構造の変化に伴う厳しい競争が進展しています。このような市場構造の変化や競争の進展に適切に対応できない場合、NTTグループの営業収益が低下する可能性があります。情報通信市場では、競合他社の新規参入等による競争激化や、新料金プラン等による顧客基盤の維持・更なる拡大がNTTグループの想定した通りにならない場合、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、情報サービス市場では、急成長するインドや中国等の情報サービス企業が、グローバル競争をもたらしつつあり、競合会社の積極参入による競争激化が経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。その他の市場においても、各事業において想定した通りの収益が得られない可能性があり、結果として経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループは、2018年11月に新たな中期経営戦略「Your Value Partner 2025」を策定・公表し、中期経営戦略の4つの柱である、お客さまのデジタルトランスフォーメーションをサポート、自らのデジタルトランスフォーメーションを推進、人・技術・資産の活用、ESG経営の推進、株主還元の充実による企業価値の向上に基づき様々な取り組みを推進しております。 (注)Over The Top の略。自社でサービスの配信に必要な通信インフラを持たずに、他社の通信インフラを利用してコンテンツ配信を行うサービス。 ○ グローバルビジネスの成長が、想定通り進展しない可能性があります。 NTTグループは、グローバルビジネスを事業の基軸として拡大させるとともに、利益創出スピードを加速させるための取り組みを実行しております。しかしながら、これらの取り組みが想定通り進捗しない場合や、クラウドサービス市場が期待するほど成長しない場合、競争の進展等により収益が想定通り拡大しない場合には、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、グローバル事業における着実な成長を実現していくために、グローバル事業の再編成に取り組んでおります。当社の傘下にグローバル持株会社を創設し、グローバル市場に精通したグループ各社の人材の知見・経験を同社の経営マネジメントに取り入れ、迅速に戦略策定を行うとともに、グローバル持株会社の傘下にグローバル事業会社を設立することでグローバルビジネス推進体制を強化してまいります。さらに、サービスやプロダクトの強化を図るとともに、グローバルアカウントの拡大やアップセル・クロスセルの更なる推進等、セールス/マーケティングを強化しております。また、グループ各社におけるサービス/オペレーションの強化・効率化や、グループ横断のデリバリ連携強化等によるコスト削減・利益改善にも取り組んでおり、取り組みの進捗状況について定期的にモニタリングを実施し、必要に応じて迅速に対策を講じております。 ○ NTTグループは、想定するコスト削減を実現できない可能性があります。 NTTグループは、国内の固定通信市場/移動通信市場において、設備投資の効率化やコスト削減による利益創出に向けて取り組んでおります。しかしながら、競争環境の変化や、設備関連・業務全般の効率化の進捗状況等によっては、想定通りに設備投資の効率化が図れない場合や、販売経費や設備関連コスト、人件費等の削減効果が十分発揮されない場合があります。こうした場合は、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、設備投資の効率化について、各社でネットワークのシンプル化・スリム化を実施することに加え、AI等を活用し、自らの業務プロセスをデジタル化することで様々な業務における更なる生産性の向上をめざします。また、グループ各社が共通で購入するハードウェア、ソフトウェア及びサービスについて、グローバルベンダー等と一元的に価格交渉を行い、包括的な契約を締結する調達専門会社のNTT Global Sourcing, Inc. を米国に設立し、NTTグループのトータルの調達コスト削減を図るとともに、調達物品の仕様統一や機種の絞り込み等に取り組んでおります。なお、本調達の対象に、当社、NTT東日本及びNTT西日本は含みません。ITシステムについても、仮想化等の最新技術を活用して共通基盤化による効率化を進めております。あわせて、NTTグループのRPA(WinActor)を業務プロセスに活用し、より一層の業務効率化に継続的に取り組んでいるほか、B2B2Xモデルへの転換等を踏まえたシンプルで生産性の高い業務運営の確立に向けて取り組んでおります。また、取り組みの進捗状況について定期的にモニタリングを実施し、必要に応じて迅速に対策を講じております。 ○ 国内外の出資、提携及び協力関係等は、NTTグループが期待するようなリターンや事業機会を生まないとともに適切なコントロールが及ばない可能性があります。 NTTグループは、市場構造の変化やお客さまニーズに速やかに対応するため、特にグローバルビジネスの拡大において、企業・組織との合弁事業、事業提携、協力関係の構築、出資、買収等の活動を実施しております。しかしながら、NTTグループが既に出資をしているまたは出資に合意している国内外の事業者や、将来出資や事業提携を行う国内外の事業者について、これら事業者の企業価値や経営成績を維持・向上させること及びNTTグループとのシナジー効果を十分に発揮することができない場合があります。さらに、投資、提携または協力関係を解消・処分することにより、損失が生じる場合があります。また、海外子会社の増加により事業戦略に関する意思統一が困難になり、適切なコントロールが及ばず、事業・業務運営を円滑に行うことが困難となる場合があります。海外における事業活動は、投資や競争等に関する法的規制、税制、契約実務を含めた商習慣の相違、労使関係、国際政治等様々な要因の影響下にあります。これらのリスクが顕在化した場合には、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、買収後には定期的なモニタリングを実施する等、期待したリターンを得られるよう取り組んでいるほか、グローバル持株会社であるNTT株式会社を創設し、グローバル事業におけるガバナンスやリスクマネジメントの更なる強化についても取り組んでおります。 ○ 事業遂行上必要な知的財産権等のライセンスが受けられない場合や、他者から知的財産権等の侵害に関する主張を受けた場合、知的財産権等が不正使用された場合には、経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 NTTグループや事業上のパートナーがその事業を遂行するために必要な知的財産権等の権利について、当該権利の保有者よりライセンス等を受ける必要がある場合があります。現在、NTTグループ等は、当該権利の保有者との間で契約を締結することによりライセンス等を受けており、また、今後の事業遂行上必要となる他者の知的財産権等の権利については、当該権利の保有者よりライセンス等を受ける予定です。しかしながら、当該権利の保有者との間でライセンス等の付与について合意できなかったり、または、一旦ライセンス等の付与に合意したもののその後当該合意を維持できなかった場合には、NTTグループや事業上のパートナーの特定の技術、商品またはサービスの提供ができなくなる可能性があります。また、NTTグループ各社による海外企業の買収などに伴い、グローバルビジネスが拡大しており、NTTグループが海外企業からその知的財産権等の権利を侵害したとの主張を受ける機会が増える可能性があります。仮に他者より、NTTグループがその知的財産権等の権利を侵害したとの主張を受けた場合には、その解決に多くの時間と費用を要する可能性があり、さらに当該他者の主張が判決等により認められた場合、あるいは和解等により当事者間で合意した場合には、当該権利に関連する事業の収益減や当該権利の侵害を理由に損害賠償責任等を負ったり、当該事業の実施の差止めを受ける可能性があります。さらに、NTTグループが保有する知的財産権等の権利について、第三者が不正に使用する等により、本来得られるライセンス収入が減少したり、競争上の優位性をもたらすことができない可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合には、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、戦略的な権利化や権利調査による状況把握を実施する等、他者やNTTグループが保有する知的財産権等の権利への対策を講じております。 ○ 人材の確保が想定通りに進まない場合、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 情報通信市場においては、国内外の様々なプレイヤーが市場に参入し、サービスや機器の多様化・高度化が急速に進んでおり、今後、クラウドサービスを中心として変化が一層加速していくと見込まれます。このような状況の中で、NTTグループの事業は、高スキルを保有する優秀な人材の確保に大きく影響されます。こうした優秀な人材の確保・育成が想定どおりに進まないことで、新技術の開発、新サービスの企画、既存サービスの改善、成長戦略の実行等に影響を及ぼす場合があり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、グループ内の人材育成強化の取り組みを進めるとともに、政府や企業そして教育機関と提携し、人材の育成に努めております。また、各社員の業務内容や職場環境、処遇やキャリア形成に対する考え方について、定期的な面談等を通じて状況等を把握し、早期にアクションを検討・実施しております。さらに、研究職の処遇改善により、優秀な研究者の定着促進を図ると同時に、米国に次世代技術の基礎研究を担う海外新研究所(NTT Research, Inc. )を設立し、最先端の研究に携われる環境を用意することで人材流出の未然防止に努めております。 《業務運営に係るリスク》○ サイバー攻撃により、サービス停止やサービス品質の低下が発生し、経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 近年、サイバー攻撃による被害や情報漏えい等の事件が社会問題となる等、情報セキュリティに関する脅威が高度化・多様化するとともに、スマートフォンやクラウドサービス等の新たなICT分野におけるサービスの情報セキュリティへの対策が大きな課題となっております。このような中、NTTグループの通信ネットワークやサーバー等に対する不正アクセス等のサイバー攻撃によるサービス停止・サービス品質の低下や、社内ネットワークへの侵入等による情報の漏洩・改竄・喪失が発生し、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下する可能性があり、これらの結果として、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、最新の研究開発成果の導入を推進し、ネットワークにおけるセキュリティを常に強化するとともに、より高度なスキルを持つセキュリティ人材の育成に向けた取り組み等を強化しております。 ○ 自然災害等によるシステム・ネットワーク障害や、システム構築上の問題が発生し、経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 NTTグループは国内外において事業を展開しており、通信ネットワーク・情報システムをはじめ、社会と経済活動を支え、国民生活の安全を守るライフラインとして欠かせないサービスを数多く提供しております。これらのサービス提供に関して、地震・津波・台風・洪水等の自然災害、新型インフルエンザ等伝染病の大規模な流行、想定を上回るトラヒックの増加、テロリズム、武力行為、地域紛争といった要因によるシステム及びネットワーク障害の発生や、社員の安全が脅かされることによって、事業運営に混乱が生じ、サービスを安定的に提供できない場合があります。また、それらの損害についてNTTグループが責任を負う可能性や、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下する恐れがあります。特に、大規模災害等が発生した場合には、ネットワークに大きな影響を受けるだけでなく、社員が被災する可能性やシステム障害の復旧に長い時間を要する可能性、緊急の電力使用制限によりサービスを安定的に提供できない可能性があり、その結果として、収入の減少や多額の修繕費用の支出を余儀なくされる可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、通信ビルの耐震機能・水防機能の強化、伝送路のルート見直し、設備増強によるネットワーク耐力の強化、故障対応の迅速化、社員の安否確認訓練、AIを駆使した被災予測等による復旧活動の初動強化等、サービス提供に必要なシステムやネットワークを安全かつ安定して運用できるよう様々な対策を講じております。また、NTTグループは、システムインテグレーションビジネスにおいてお客さまにシステム・サービスを提供・納品しており、一般に請負契約の形態で受注を受けてから納期までにシステムを完成し、お客さまに提供するという完成責任を負っています。このため、当初想定していた見積もりからの乖離や開発段階におけるプロジェクト管理等の問題によって、想定を超える原価の発生や納期遅延に伴う損害の発生等が生じる可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、一定規模以上の案件の受注にあたっては、見積価格やプロジェクト計画の妥当性を審査委員会で審査しているほか、受注後もプロジェクトの進捗状況のモニタリングを実施しています。 ○ 国内外における不正・不祥事や、個人情報等の業務上の機密情報の不適切な取り扱い・流出により、NTTグループの信頼性・企業イメージに影響を与える可能性があります。 NTTグループは、国内外で多くの拠点を持ち、様々な製品やサービスを取り扱う関係上、関連する法令や規則は多岐にわたり、事業活動を営むにあたり免許・届出・許認可等が必要とされるものもあります。特に海外での事業運営においては、当該国での法令の存在または欠如、法令の予期しえない解釈、法規制の新設や改定等によって、法令遵守のための負担が増加する場合があります。これらの様々な法令・規制等に関して、従業員による個人的な不正行為等を含めたコンプライアンスに関するリスクもしくは社会的に信用が毀損されるリスクを排除できない場合があります。結果として、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下し、契約者獲得や入札資格停止等事業への影響が生じるおそれがあり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、法令遵守は極めて重要な企業の責務であるとの認識のもと、米国・英国を中心とした諸外国の贈収賄防止法の厳格化も踏まえ、国内外を問わず、より一層のコンプライアンスの強化に取り組んでおります。また、お客さま情報をはじめとする個人情報保護への要求が社会的に高まるとともに、法制面からも個人情報保護に対する要請は大きくなっております。しかしながら、個人情報等を狙った犯罪行為が高度化、巧妙化する等、個人情報等の機密情報の流出や不適切な取り扱いが発生するリスクを排除できない場合があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、個人情報等の機密情報の厳重な管理等に努めると共に、「NTTグループ情報セキュリティポリシー」を制定し、グループ内における管理体制の整備、役員や従業員への啓発活動等に取り組んでおります。 ○ NTTグループの提供する製品やサービスの不適切な利用等により、NTTグループの信頼性・企業イメージに影響を与える社会的問題が発生する可能性があります。 NTTグループの提供している製品やサービスがユーザに不適切に使用される可能性があります。代表的なものとして、迷惑メールの送信、ネットバンキングの不正送金等のサイバー犯罪や振り込め詐欺等の犯罪にNTTグループのサービスが利用される可能性があるほか、NTTグループの契約者が迷惑メールを大量に受信してしまう等、これらの行為の被害を受けてしまう可能性があります。また、未成年者の有害サイトへのアクセス制限サービスの機能・精度等に関しては様々な議論があります。そのほか、歩行中や運転中の携帯電話使用によるトラブルの発生や、有料コンテンツの過度な利用による高額課金、不正アプリ(ソフト)を通じた個人情報の流出等が社会的に問題となっています。これらの問題によって、NTTグループの製品やサービスに対する信頼性の低下、顧客満足度の低下や企業イメージの低下による解約数の増加や、新規契約者を期待通り獲得できないという結果を引き起こす可能性があり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、歩きスマホ防止機能やフィルタリング機能等の安心・安全な利用のための製品・サービス提供、知識やマナーの啓発活動等の取り組みを進めております。 ○ 訴訟等においてNTTグループに不利な判断がなされた場合は、NTTグループの事業に影響を与える可能性があります。 NTTグループは、国内外で多くの拠点を持ち、様々な製品やサービスを取り扱っているため、各種訴訟、係争、損害賠償請求の当事者となる可能性があります。NTTグループが当事者となる訴訟、係争、損害賠償請求において不利な判断がなされた場合は、金銭的負担が発生するおそれがあるほか、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下するおそれがあり、その結果として、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、NTTグループ各社において発生している、またはそのおそれのある訴訟等の案件についてモニタリングを実施するとともに、必要に応じて迅速に対策を講じております。 《規制等、政府との関係に係るリスク等》○ 通信規制の決定及び変更がNTTグループの事業に影響を与える可能性があります。 日本の情報通信市場においては、競争促進、サービス利用者保護等を目的とした電気通信関連の法改正等、多くの分野で規制の変更が行われてきております。政府等による規制に関する決定、それに伴う通信業界における環境変化は、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、政府等の情報通信政策や規制等の動向について必要な情報収集等を行うとともに、パブリックコメントやヒアリングの場を通じてNTTグループの考え方を主張する等、必要な対応を行っております。規制の内容や、現在見直しが行われている規制の概要については「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制」をご参照ください。 ○ NTTグループが使用できる周波数が限られているなか、事業運営に必要な周波数割当が得られない可能性があります。 NTTグループがサービスを提供するために使用できる周波数には限りがあります。スマートフォンやタブレット端末等の普及拡大に伴い、契約者当たりのトラヒック量が増加していくなか、事業の円滑な運営のために必要な周波数が得られなかった場合や、新しい周波数帯域の運用開始が想定通りに進まない場合に、サービス品質が低下したり、追加の費用が発生する可能性があります。更には、サービスの提供が制約を受け、契約者が競合他社に移行し、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、新たな周波数の獲得に努めているほか、移動通信ネットワークにおけるキャリアアグリゲーション等、周波数利用効率の向上にも努めております。詳細については、「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制 ③電波法」をご参照ください。 ○ NTTグループは、温室効果ガス排出量削減等の環境に関する法令・規制・制度の影響を受ける可能性があります。 NTTグループは、温室効果ガス排出量削減、省エネルギー、廃棄物処理、有害物質処理等に関する日本および海外の環境に関する法令・規制の適用を受けております。将来環境に関する社会的な要求がより厳しくなり、新たな法令・規制の導入や強化等がなされた場合には、コスト負担が増加し、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、電力効率の向上や廃棄物量の削減にむけて「環境目標2030」を設定し、高電圧直流給電システム(HVDC)をはじめとした高効率電源の導入や,所外設備で使われているプラスチックのクローズドリサイクル等の様々な先進的な取り組みにより、環境負荷の低減に努めております。 ○ 政府は、株主総会での決議に多大な影響力を与えるに十分な当社株式を保有しております。 政府は現在当社の自己株式除き発行済株式総数の35.42%(議決権比率35.47%)を保有しております。政府は株主として当社の株主総会での議決権を有していることから、最大株主として、理論的には株主総会等における決定に対し多大な影響力を行使する権限を有しております。しかしながら、政府は1997年の国会答弁において、基本的に当社の経営に積極的に関与する形での株主権の行使はしないことを表明しており、事実、過去において政府は当社の経営に直接関与するためにそのような権限を行使したことはありません。法令に基づく政府のNTTグループに対する規制権限については、「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制」をご参照ください。 (参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制情報通信産業を所管する日本の主要な監督機関は総務省であり、総務大臣は電気通信事業者を規制する権限を「電気通信事業法」により付与されております。1985年、NTTが民営化されると同時に「電気通信事業法」が施行され、日本における電気通信事業の法規制の枠組みは大幅に変更されるとともに、日本の情報通信産業に競争が導入されました。それ以降、政府は日本の電気通信市場における競争を促進するさまざまな措置を講じております。この結果、NTTグループはその事業分野の多くで、新規参入企業や新規に事業参入しようとしている企業との競争激化に直面しております。当社及びその子会社の中には、その事業を行うにあたり、「電気通信事業法」のほか、「日本電信電話株式会社等に関する法律」及び「電波法」に基づく規制を受けている会社が存在いたします。その概要は次のとおりであります。 ① 電気通信事業法(昭和59年法律第86号)電気通信事業法による規制は次のとおりです。(a) 全ての電気通信事業者に課される規制a 電気通信事業の開始等・ 電気通信事業の開始についての総務大臣の登録制(第9条)ただし、設置する電気通信回線設備の規模及び設置する区域の範囲が一定の基準を超えない場合や電気通信回線設備を設置しない事業の開始については総務大臣への届出制となっております(第16条)。・ 合併や株式取得等を行う際の電気通信事業の登録の更新制(第12条の2)・ 電気通信事業の休廃止についての総務大臣への届出制及び利用者への周知義務(第18条)b 利用者料金その他の提供条件の設定等・ 基礎的電気通信役務の契約約款の総務大臣への届出制(第19条)基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者は、基礎的電気通信役務に関する料金その他の提供条件について契約約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。・ 消費者保護関連電気通信事業者は、契約前の説明義務(第26条)、書面交付義務(第26条の2)、初期契約解除制度(第26条の3)、苦情等処理義務(第27条)、不実告知等や勧誘継続行為の禁止(第27条の2)及び媒介等業務受託者に対する指導等の措置義務(第27条の3)等が課されています。(注)基礎的電気通信役務 国民生活に不可欠であるためあまねく日本全国における提供が確保されるべき電気通信役務(いわゆるユニバーサルサービス)として総務省令で定めるもの。具体的には加入電話(基本料)又は加入電話に相当する光IP電話、第一種公衆電話(総務省の基準に基づき設置される公衆電話)、緊急通報(110番、118番、119番)等。c 相互接続・ 電気通信回線設備への接続について他の電気通信事業者の請求に応ずる義務(第32条)d ユニバーサルサービス基金制度ユニバーサルサービス基金制度は、ユニバーサルサービスの確保に必要な費用を、主要な電話会社全体で支えていくための制度です。基礎的電気通信役務(ユニバーサルサービス)の提供を確保するため、総務大臣の指定を受けた支援機関が、不採算地域等を含めて当該役務を提供する適格電気通信事業者(第108条)に対してその提供に要する費用の一部に充てるための交付金を交付する(第107条)こととされており、これに伴い支援機関が必要とする費用については各電気通信事業者が応分の負担金を納付する義務を負う(第110条)こととされています。このユニバーサルサービス基金制度については、2006年4月に基金の対象となる役務や交付金・負担金の算定方法等を定める総務省令が改正されたことを受け、同年6月より実際に支援機関の業務が開始されました。東西地域会社は、NTT法により、ユニバーサルサービス(国民生活に不可欠な電話役務)の全国提供を義務付けられており、総務大臣から適格電気通信事業者に指定されています。なお、2018年度と2019年度の東西地域会社への補填額はそれぞれ65億円、65億円となっています。 (b) 東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社(東西地域会社)のみに課される規制a 利用者料金その他の提供条件の設定・ 指定電気通信役務に関する保障契約約款の総務大臣への届出制(第20条)第一種指定電気通信設備を用いて提供する指定電気通信役務の料金その他の提供条件については、利用者と別段の合意がある場合を除き適用される保障契約約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。・ 特定電気通信役務の料金の規制(第21条)特定電気通信役務については、その料金の指数が総務大臣から通知される基準料金指数以下となる場合には総務大臣への届出制とする一方、基準料金指数を越える場合には総務大臣の認可を必要とする、いわゆる「プライスキャップ規制」が適用されています。(注)・第一種指定電気通信設備 各都道府県において電気通信事業者の設置する固定端末系伝送路設備のうち、同一の電気通信事業者が設置するものであって、当該都道府県内の総数の2分の1を超えるもの及びこれと一体として設置する電気通信設備で、他の電気通信事業者との接続が利用者の利便向上及び電気通信の総合的かつ合理的な発達に不可欠な設備として、総務大臣が指定するもの。具体的には、東西地域会社の主要な電気通信設備が指定されている。・指定電気通信役務 第一種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者が当該設備を用いて提供する電気通信役務であって、他の電気通信事業者によって代替役務が十分提供されないこと等の事情を勘案して、適正な料金その他の提供条件に基づく提供を保障することにより利用者の利益を保護するため特に必要があるものとして総務省令で定めるもの。具体的には、加入電話、ISDN、公衆電話、専用サービス、フレッツ光、ひかり電話等であるが、利用者の利益に及ぼす影響が少ない付加的な機能の提供に係る役務等は除かれる。・特定電気通信役務 指定電気通信役務のうち利用者の利益に及ぼす影響が大きいものとして総務省令で定めるもの。具体的には、東西地域会社の提供する加入電話、ISDN、公衆電話。・基準料金指数 特定電気通信役務の種別ごとに、能率的な経営の下における適正な原価及び物価その他の経済事情を考慮して、通常実現することができると認められる水準の料金を表す指数として、総務大臣が定めるもの。・プライスキャップ規制 料金の上限を規制する制度のこと。なお、東西地域会社の実際の料金指数は、2018年10月1日から始まった1年間の基準料金指数を下回る水準にあることから、プライスキャップ規制に基づく値下げは行っていない。b 相互接続等・ 第一種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の総務大臣の認可制(第33条)東西地域会社は、第一種指定電気通信設備を有する電気通信事業者として、相互接続に係る接続料及び接続条件について接続約款を定め、接続料が能率的な経営の下における適正な原価を算定するものとして総務省令で定める方法により算定された原価に照らし公正妥当なものであること等を要件に総務大臣の認可を受けることになっております。 (電話接続料)1998年5月、日米両政府の規制緩和等に関する共同報告の中で、日本政府は、接続料への長期増分費用方式の導入の意向を表明、2000年5月に長期増分費用方式の導入を定めた改正電気通信事業法が成立し、それ以降、同方式により接続料の値下げが行われました。また、その後、通信量が大幅に減少する中で、接続料の上昇による通話料の値上げを回避する観点から、NTSコスト(Non-Traffic Sensitive Cost、通信量に依存しない費用)を接続料原価から控除し基本料で回収することとされました(2004年10月の情報通信審議会答申)。なお、NTSコストの一部については、ユニバーサルサービス基金の利用者負担の増加を抑制する観点から同基金の見直しが行われた際、基金の補填対象範囲の縮小分の負担について東西地域会社のみに負わせるのではなく、各事業者から公平に回収することが適当とされたことから、再度接続料原価に算入することとされています。2019年度以降の接続料については、2018年の情報通信審議会における検討の結果、引き続き長期増分費用方式を、2019年度から2021年度まで適用することとされました。(光ファイバ接続料)東西地域会社が有する光ファイバは、電気通信事業法における第一種指定電気通信設備として他事業者に認可料金(接続料)で貸し出すことを義務付けられております。加入者光ファイバ接続料については、接続料低廉化の見通しを示すことにより他事業者が参入しやすい環境を整えるため、2016年度から2019年度までの4年間を算定期間とする将来原価方式により算定しています。なお、今回の接続料においても、実績接続料収入と実績費用の差額を次期以降の接続料原価に加えて調整する乖離額調整制度を導入しており、未回収リスクはないものと考えています。なお、加入者光ファイバの分岐端末回線単位の接続料設定の問題については、情報通信行政・郵政行政審議会における検討の結果、依然として様々な解決すべき課題がある(2012年3月の情報通信行政・郵政行政審議会答申)とされ、分岐端末回線単位の接続料は設定されていません。 ・ 第一種指定電気通信設備の機能に関する計画の総務大臣への届出制(第36条)東西地域会社は、第一種指定電気通信設備の機能の変更又は追加の計画について、総務大臣に届け出ることとされています。・ 第一種指定電気通信設備の共用に関する協定の総務大臣への届出制(第37条)東西地域会社は、他の電気通信事業者との第一種指定電気通信設備の共用の協定について、総務大臣に届け出ることとされています。・ 第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務に関する総務大臣への届出制(第38条の2)及び整理・公表制(第39条の2)東西地域会社は、第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始・変更・廃止したときは、その旨、卸電気通信役務の種類、一定の要件を満たす卸先事業者に対する料金その他の提供条件等を総務大臣に届け出ることとされています。また、総務大臣は、当該届出に関して作成し、又は取得した情報について、整理・公表することとされています。 c 禁止行為東西地域会社は、市場支配的な事業者として、接続情報の目的外利用や他の電気通信事業者に対し不当に優先的な取扱いを行うこと等を禁止されている(第30条)ほか、特定関係事業者として総務大臣に指定されたエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社との役員兼任等の禁止(第31条)が定められています。また、東西地域会社の業務委託先子会社において禁止行為が行われないよう、東西地域会社が委託先子会社に対し必要かつ適切な監督を行うことや、東西地域会社が接続の業務に関して知り得た情報の適切な管理、接続の業務の実施状況を適切に監視するための体制の整備等が義務付けられています(第31条)。したがって、NTTグループ内の電気通信事業者間で排他的に連携してサービスを提供することには一定の制約があり、NTTグループとしては、この禁止行為規制を含め公正競争条件を確保しつつ市場ニーズに応じたサービスを提供していく考えですが、例えば、新サービスの迅速な提供に支障をきたす等の影響が生じる可能性があります。 (c) 株式会社NTTドコモに課される規制a 相互接続等・ 第二種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の総務大臣への届出制(第34条)株式会社NTTドコモの携帯電話に係る主要な電気通信設備については、他の電気通信事業者との適正かつ円滑な接続を確保すべきものとして総務大臣より第二種指定電気通信設備に指定されており、他の電気通信事業者の電気通信設備との接続に関し、接続料及び接続の条件について接続約款を定め、総務大臣に届け出ることとされております。・ 第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務に関する総務大臣への届出制(第38条の2)及び整理・公表制(第39条の2)株式会社NTTドコモは、第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始・変更・廃止したときは、その旨、卸電気通信役務の種類、一定の要件を満たす卸先事業者に対する料金その他の提供条件等を総務大臣に届け出ることとされています。また、総務大臣は、当該届出に関して作成し、又は取得した情報について、整理・公表することとされています。 なお、第二種指定電気通信設備に関する規制については、株式会社NTTドコモのほか、第二種指定電気通信設備を設置する全ての電気通信事業者に課されています。b 禁止行為株式会社NTTドコモは、市場支配的な事業者として、接続情報の目的外利用やグループ内の事業者であって総務大臣が指定するものに対し不当に優先的な取扱いを行うこと等を禁止(第30条)されております。(注)・第二種指定電気通信設備 電気通信事業者の設置する携帯電話機に接続される伝送路設備のうち同一の電気通信事業者が設置するものであって、その業務区域内の全ての当該伝送路設備の総数の10分の1を超えるもの及びその事業者が当該電気通信役務を提供するために設置する電気通信設備で、他の電気通信事業者の電気通信設備との適正かつ円滑な接続を確保すべき設備として、総務大臣が指定するもの。 (d) 今後の動向等総務省の「モバイル市場の競争環境に関する研究会」及び「ICTサービス安心・安全研究会 消費者保護ルールの検証に関するWG」は、2019年1月に「モバイルサービス等の適正化に向けた緊急提言」について公表を行いました。本公表を踏まえ、モバイル市場の競争の促進及び電気通信市場の環境の変化に対応した利用者利益の保護を図るために、通信料金と端末代金の完全分離や期間拘束などの行き過ぎた囲い込みの是正のための制度の導入等を行う電気通信事業法の改正法案が成立し、政令に定める日から施行されます。政府等による規制に関する決定、それに伴う通信業界における環境変化は、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 ② 日本電信電話株式会社等に関する法律(昭和59年法律第85号)(a) 概要1997年6月に公布された「日本電信電話株式会社法の一部を改正する法律」は、1999年7月に施行されました(これにより「日本電信電話株式会社法」は「日本電信電話株式会社等に関する法律」に改題され、当社を純粋持株会社とする再編成がおこなわれました。)。同法は2001年6月公布、同年11月施行の「電気通信事業法等の一部を改正する法律」等によっても改正されています。一 目的1 当社は、東西地域会社がそれぞれ発行する株式の総数を保有し、これらの株式会社による適切かつ安定的な電気通信役務の提供の確保を図ることならびに電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うことを目的とする株式会社とする。2 東西地域会社は、地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社とする。二 事業1 当社は、その目的を達成するため、次の業務を営むものとする。(1)東西地域会社が発行する株式の引受け及び保有ならびに当該株式の株主としての権利の行使をすること(2)東西地域会社に対し、必要な助言、あっせんその他の援助を行うこと(3)電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うこと(4)(1)(2)及び(3)に掲げる業務に附帯する業務2 当社は、二の1に掲げる業務を営むほか、総務大臣へ届け出ることによって、その目的を達成するために必要な業務を営むことができる。3 東西地域会社は、その目的を達成するため、次の業務を営むものとする。(1) それぞれ次に掲げる都道府県の区域において行う地域電気通信業務(同一の都道府県の区域内における通信を他の電気通信事業者の設備を介することなく媒介することのできる電気通信設備を設置して行う電気通信業務をいう。)イ 東日本電信電話株式会社にあっては、北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県及び長野県ロ 西日本電信電話株式会社にあっては、京都府及び大阪府ならびにイに掲げる県以外の県(2)二の3の(1)に掲げる業務に附帯する業務4 東西地域会社は、総務大臣へ届け出ることによって、次の業務を営むことができる。(1)二の3に掲げるもののほか、東西地域会社の目的を達成するために必要な業務(2)それぞれ二の3の(1)により地域電気通信業務を営むものとされた都道府県の区域以外の都道府県の区域において行う地域電気通信業務5 東西地域会社は、3、4に規定する業務のほか、総務大臣へ届け出ることによって、地域電気通信業務の円滑な遂行及び電気通信事業の公正な競争の確保に支障のない範囲内で、3に規定する業務を営むために保有する設備若しくは技術又はその職員を活用して行う電気通信業務その他の業務を営むことができる。三 責務当社及び東西地域会社は、それぞれその事業を営むに当たっては、常に経営が適正かつ効率的に行われるように配意し、国民生活に不可欠な電話の役務のあまねく日本全国における適切、公平かつ安定的な提供の確保に寄与するとともに、今後の社会経済の進展に果たすべき電気通信の役割の重要性にかんがみ、電気通信技術に関する研究の推進及びその成果の普及を通じて我が国の電気通信の創意ある向上発展に寄与し、もって公共の福祉の増進に資するよう努めなければならない。 (b) 総務大臣の認可を必要とする事項・ 当社及び東西地域会社の新株及び新株予約権付社債の発行(第4条、第5条)(注)当社は、総務省令で定める一定の株式数に達するまでは、認可を受けなくても総務大臣に届け出ることにより新株の発行が可能(附則第14条)・ 当社の取締役及び監査役の選任及び解任の決議(第10条)(注)日本の国籍を有しない人は、当社及び東西地域会社の取締役又は監査役となることができない・ 当社及び東西地域会社の定款の変更、合併、分割及び解散の決議、当社の剰余金処分の決議(第11条)・ 当社及び東西地域会社の事業計画及び事業計画の変更(第12条)・ 東西地域会社の重要な設備の譲渡及び担保に供すること(第14条) (c) その他総務大臣に対する義務・ 当社及び東西地域会社の貸借対照表、損益計算書、事業報告書の提出(第13条)・ 当社及び東西地域会社への命令を受ける義務(第16条)・ 当社及び東西地域会社の業務に関する報告の要求に応じる義務(第17条) ③ 電波法(昭和25年法律第131号)(a)総務大臣の免許を必要とする事項・ 無線局の開設(第4条) (b)総務大臣の許可を必要とする事項・ 無線局の目的、通信の相手方、通信事項等の変更等(第17条) (携帯電話の周波数帯割当て)移動通信事業において、事業者が無線周波数帯域を使用するためには日本政府(総務省)の免許が必要となります。周波数帯の割当ては電波法及び関連する法令等により規定されています。(2)当社株式に係る事項① 外国人等議決権割合の制限(日本電信電話株式会社等に関する法律 第6条) 当社は、外国人等議決権割合が三分の一以上になるときは、その氏名及び住所を株主名簿に記載し、又は記録してはならない。 (注)外国人等 一 日本の国籍を有しない人二 外国政府又はその代表者三 外国の法人又は団体四 前三号に掲げる者により直接に占められる議決権の割合が総務省令で定める割合以上である法人又は団体なお、当社定款において、株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者、及びその有する株式の全部若しくは一部について日本電信電話株式会社等に関する法律第6条に基づき、株主名簿に記載されなかった若しくは記録されなかった株主又は当該株主の有する株式の質権者に対して、剰余金の配当をすることができる旨を規定しております。 ② 政府による当社の株式保有義務(日本電信電話株式会社等に関する法律 第4条)政府は、常時、当社の発行済株式の総数の三分の一以上に当たる株式を保有していなければならない。 (注)発行済株式の総数の算定方法の特例(日本電信電話株式会社等に関する法律 附則第13条)・ 第4条第1項の規定の適用については、当分の間、新株募集若しくは新株予約権の行使による株式の発行又は取得請求権付株式若しくは取得条項付株式の取得と引換えの株式の交付があった場合には、これらによる株式の各増加数(「不算入株式数」)は、それぞれ第4条第1項の発行済株式の総数に算入しないものとする。・ 前項に規定する株式の増加後において株式の分割又は併合があつた場合は、不算入株式数に分割又は併合の比率(二以上の段階にわたる分割又は併合があつた場合は、全段階の比率の積に相当する比率)を乗じて得た数をもって、同項の発行済株式の総数に算入しない株式の数とする。2019年3月31日時点のNTTの発行済株式総数は1,950,394,470株であり、同日現在の政府保有株式数は679,121,128株、即ち、自己株式除き発行済株式総数の35.42%となっております。(注)当社は2000年12月に公募増資により30万株(2009年1月4日付の株式分割及び2015年7月1日付の株式分割後に換算すると6,000万株)の新株発行を実施しました。これらの株式は、前述のとおり、政府が保有する株式の比率を計算する際には発行済株式総数には算入されません。また、政府保有株式数には名義書換失念株等の政府が実質的に保有していない株式が含まれているため、これらの株式は、政府が保有する株式の比率を計算する際には政府保有株式数に算入していません。これらの条件を考慮すると、政府が保有する株式の比率は35.91%となります。NTTグループと政府の各種部門・機関との取引は、個別の顧客として、かつ独立当事者間の取引として行われております。政府は、株主としての資格において当社の株主総会で議決権を行使し、筆頭株主としての立場から、理論上は株主総会での大多数の決議に重大な影響力を及ぼす権限を有します。しかしながら、過去に政府がこの権限を行使して当社の経営に直接関与したことはありません。 ③ 政府保有株式の売却について 政府の保有する当社株式の処分は、その年度の予算をもって国会の議決を経た限度数の範囲内でなければならない(日本電信電話株式会社等に関する法律 第7条)・ 売却の経緯及び売却方針について当社は発行済株式総数1,560万株で設立され、政府が売却可能である当社株式1,040万株(政府による保有が義務付けられた全体の三分の一に当たる520万株を除いた株式)のうち540万株については、1986~1988年度において売却されました。また、1990年12月17日に、未売却となっていた500万株のうち、イ)250万株について毎年度50万株程度を計画的に売却することを基本とすること、ロ)後年度において市場環境から許容される場合、計画の前倒しによる売却があり得ること、ハ)残余の250万株については、当分の間、売却を凍結するという今後の売却方針が大蔵省(当時)より示されました。(ただし、1997年度まで、市場環境等により実際の売却は見送られました。)1998年度においては、1998年12月に100万株について売却が実施されました。1999年度においては、100万株が売却限度数として計上されておりましたが、このうち48,000株については1999年7月13日の当社の自己株式買入において売却が実施され、残りの952,000株については1999年11月に売却が実施されました。また、上記の1990年12月に示された売却方針については終了しました。2000年度においては、2000年11月に100万株の売却が実施されました。2002年度においては、100万株が売却限度数として計上されておりましたが、このうち91,800株については2002年10月8日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。2003年度においては、100万株が売却限度数として計上されておりましたが、このうち85,157株については2003年10月15日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。2004年度においては、100万株が売却限度数として計上されておりましたが、このうち80万株については2004年11月26日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。2005年度においては、1,123,043株が売却限度数として計上されておりましたが、1,123,043株全てについて2005年9月6日の当社の自己株式買入等において売却が実施されました。2011年度においては、99,334,255株を売却限度数として計上されておりましたが、このうち57,513,600株については2011年7月5日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。また、41,820,600株については2012年2月8日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。2013年度においては、62,166,721株を売却限度数として計上されておりましたが、このうち26,010,000株については2014年3月7日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。2014年度においては、36,156,721株を売却限度数として計上されておりましたが、このうち35,088,600株については2014年11月14日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。また、1,068,100株については2014年11月28日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。2016年度においては、59,000,043株を売却限度数として計上されておりましたが、このうち59,000,000株については2016年6月14日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。
FY2018|20,855 文字
2【事業等のリスク】本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を、NTTグループの事業を取り巻く環境及びそれに対応した事業戦略、業務運営に係るリスクのほか、規制をはじめとした政府との関係に係るリスク等の観点から総合的な評価を行った上で、以下のように取りまとめております。なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。当社が現在関知していないリスク、あるいは当社が現時点では重要ではないと考えるリスクであってもNTTグループの事業活動を損なうことになる可能性があります。さらに、本有価証券報告書は、リスクと不確実性を伴う将来見通しに基づく情報も含んでおります。NTTグループは、下記リスクのほか、本有価証券報告書中の他の箇所に記載されているリスクに直面しておりますが、これらのリスクの影響により、NTTグループの実際の業績が、将来見通しに基づく記述が想定しているものとは大きく異なってくる可能性があります。 《事業環境及びそれに対応した戦略に係るリスク》○NTTグループの事業は、世界及び日本の経済状況から影響を受ける可能性があります。 NTTグループは、世界各地で事業を展開しております。世界各地での景気後退や経済成長の減速といった状態等により、NTTグループが提供するサービスに対する需要や、NTTグループの事業運営に悪影響が生じる可能性があります。また、NTTグループは、投資有価証券等の金融資産を保有しております。景気後退による株式市場や金融市場の低迷により、それらの資産価値が下落した場合には評価損が発生し、NTTグループの業績に影響が生じる可能性があるほか、NTTグループの年金基金についても、年金運用等に影響を及ぼす可能性があります。さらに、NTTグループは、社債・借入金等の手段により資金調達を実施しており、金融市場において大きな変動が生じた場合には、NTTグループの資金調達コストの増加につながる可能性があります。以上の結果として、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性がありますが、このようなリスクを踏まえ、リスク管理方針を制定し、この管理方針に従って先物為替予約等のデリバティブ取引を利用したリスクヘッジを行い、リスクの最小化に努めております。また、資金調達に関しては、調達手段の多様化等を進めるとともに、低利かつ安定的な資金の確保に努めております。 ○市場構造の変化や競争の進展により、NTTグループの営業収益が低下する可能性があります。 情報通信市場は、スマートフォンやタブレット端末の普及、ワイヤレスブロードバンドの高速化、クラウドサービスやIoT、ビッグデータ、AIの利用拡大等が進行しております。また、通信事業者だけではなく様々な事業者が市場に参入し、OTT(注)事業者が提供するサービスが普及しグローバルレベルの競争が進展する等、従来の事業領域の垣根を越えた市場競争が熾烈になる一方で、新しい付加価値の創造に向けた事業者間による協創・連携が進展しております。また、情報サービス市場では、ソリューション事業が有力な成長分野であると目されており、ハードウェアベンダー等もビジネスの主軸として取り組んでおります。その他の市場においても、NTTグループは様々な事業を営んでおり、それぞれの市場において、市場構造の変化に伴う厳しい競争が進展しています。このような市場構造の変化や競争の進展に適切に対応できない場合、NTTグループの営業収益が低下する可能性があります。情報通信市場では、NTTグループが期待する水準で契約数を獲得・維持できない場合や、各種料金・割引サービスの契約率や定額制サービスへ移行する契約数の動向等が想定した通りにならない場合があり、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、情報サービス市場では、急成長するインドや中国といった新興国の情報サービス企業が、グローバル競争をもたらしつつあり、競合会社の積極参入による競争激化が経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。その他の市場においても、各事業において想定した通りの収益が得られない可能性があり、結果として経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループは、中期経営戦略「新たなステージをめざして 2.0」に基づき、バリューパートナーへの自己変革を加速し、グループ全体をさらなる利益成長軌道へ乗せていくための取り組みを推進しております。具体的には、グローバルビジネスを事業の基軸として拡大するとともに、国内ネットワーク事業の収益力を強化する取り組みを推進し、更にB2B2Xビジネスの拡大による新たな市場の創出をめざして取り組んでおります。 (注)Over The Top の略。自社でサービスの配信に必要な通信インフラを持たずに、他社の通信インフラを利用してコンテンツ配信を行うサービス。 ○グローバルビジネスの成長が、想定通り進展しない可能性があります。 NTTグループは、グローバルビジネスを事業の基軸として拡大させるとともに、利益創出スピードを加速させるための取り組みを実行しております。しかしながら、これらの取り組みが想定通り進捗しない場合や、クラウドサービス市場が期待するほど成長しない場合、競争の進展等により収益が想定通り拡大しない場合には、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、海外事業における着実な成長を実現していくために、グローバルビジネス推進体制の更なる強化に加え、サービスやプロダクトの強化を図るとともに、グローバルアカウントの拡大やアップセル・クロスセルの更なる推進など、セールス/マーケティングを強化しております。また、グループ各社におけるサービス/オペレーションの強化・効率化や、グループ横断のデリバリ連携強化等によるコスト削減・利益改善にも取り組んでおります。さらに、取り組みの進捗状況について定期的にモニタリングを実施し、必要に応じて迅速に対策を講じております。 ○NTTグループは、想定するコスト削減を実現できない可能性があります。 NTTグループは、国内の固定通信市場/移動通信市場において、設備投資の効率化やコスト削減による利益創出に向けて取り組んでおります。しかしながら、競争環境の変化や、設備関連・業務全般の効率化の進捗状況等によっては、想定通りに設備投資の効率化が図れない場合や、販売経費や設備関連コスト、人件費等の削減効果が十分発揮されない場合があります。こうした場合は、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、設備投資の効率化について、各社でネットワークのシンプル化・スリム化を実施することに加え、ソフトウェアコントロール技術等の研究成果を活用し、既存設備の利用効率の更なる向上を図るとともに、調達コストの低減に向けた調達物品の仕様統一や機種の絞り込み等に取り組んでおります。ITシステムについても、仮想化等の最新技術を活用して共通基盤化による効率化を進めております。あわせて、コスト削減についても、より一層の作業の標準化・システム化による業務改善等に継続的に取り組んでいるほか、B2B2Xモデルへの転換などを踏まえたシンプルで生産性の高い業務運営の確立に向けて取り組んでおります。また、取り組みの進捗状況について定期的にモニタリングを実施し、必要に応じて迅速に対策を講じております。 ○国内外の出資、提携及び協力関係等は、NTTグループが期待するようなリターンや事業機会を生まないとともに適切なコントロールが及ばない可能性があります。 NTTグループは、市場構造の変化やお客さまニーズに速やかに対応するため、特にグローバルビジネスの拡大において、企業・組織との合弁事業、事業提携、協力関係の構築、出資、買収等の活動を実施しております。しかしながら、NTTグループが既に出資をしているまたは出資に合意している国内外の事業者や、将来出資や事業提携を行う国内外の事業者について、これら事業者の企業価値や経営成績を維持・向上させること及びNTTグループとのシナジー効果を十分に発揮することができない場合があります。さらに、投資、提携または協力関係を解消・処分することにより、損失が生じる場合があります。また、海外子会社の増加により事業戦略に関する意思統一が困難になり、適切なコントロールが及ばず、事業・業務運営を円滑に行うことが困難となる場合があります。海外における事業活動は、投資や競争等に関する法的規制、税制、契約実務を含めた商習慣の相違、労使関係、国際政治等様々な要因の影響下にあります。これらのリスクが顕在化した場合には、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、買収後には定期的なモニタリングを実施するなど、期待したリターンを得られるよう取り組んでいるほか、グループガバナンスやリスクマネジメントの強化についても取り組んでおります。 ○事業遂行上必要な知的財産権等のライセンスが受けられない場合や、他者から知的財産権等の侵害に関する主張を受けた場合、知的財産権等が不正使用された場合には、経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 NTTグループや事業上のパートナーがその事業を遂行するために必要な知的財産権等の権利について、当該権利の保有者よりライセンス等を受ける必要がある場合があります。現在、NTTグループ等は、当該権利の保有者との間で契約を締結することによりライセンス等を受けており、また、今後の事業遂行上必要となる他者の知的財産権等の権利については、当該権利の保有者よりライセンス等を受ける予定です。しかしながら、当該権利の保有者との間でライセンス等の付与について合意できなかったり、または、一旦ライセンス等の付与に合意したもののその後当該合意を維持できなかった場合には、NTTグループや事業上のパートナーの特定の技術、商品またはサービスの提供ができなくなる可能性があります。また、NTTグループ各社による海外企業の買収などに伴い、グローバルビジネスが拡大しており、NTTグループが海外企業からその知的財産権等の権利を侵害したとの主張を受ける機会が増える可能性があります。仮に他者より、NTTグループがその知的財産権等の権利を侵害したとの主張を受けた場合には、その解決に多くの時間と費用を要する可能性があり、さらに当該他者の主張が判決等により認められた場合、あるいは和解等により当事者間で合意した場合には、当該権利に関連する事業の収益減や当該権利の侵害を理由に損害賠償責任等を負ったり、当該事業の実施の差止めを受ける可能性があります。さらに、NTTグループが保有する知的財産権等の権利について、第三者が不正に使用する等により、本来得られるライセンス収入が減少したり、競争上の優位性をもたらすことができない可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合には、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、戦略的な権利化や権利調査による状況把握を実施するなど、他者やNTTグループが保有する知的財産権等の権利への対策を講じております。 ○人材の確保が想定通りに進まない場合、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 情報通信市場においては、国内外の様々なプレイヤーが市場に参入し、サービスや機器の多様化・高度化が急速に進んでおり、今後、クラウドサービスを中心として変化が一層加速していくと見込まれます。このような状況の中で、NTTグループの事業は、高スキルを保有する優秀な人材の確保に大きく影響されます。こうした優秀な人材の確保・育成が想定どおりに進まないことで、新技術の開発、新サービスの企画、既存サービスの改善、成長戦略の実行等に影響を及ぼす場合があり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、グループ内の人材育成強化の取り組みを進めるとともに、政府や企業そして教育機関と提携し、人材の育成に努めております。また、各社員の業務内容や職場環境、処遇やキャリア形成に対する考え方について、定期的な面談等を通じて状況等を把握し、早期にアクションを検討・実施することで人材流出の未然防止に努めております。 《業務運営に係るリスク》○サイバー攻撃により、サービス停止やサービス品質の低下が発生し、経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 近年、サイバー攻撃による被害や情報漏えいなどの事件が社会問題となるなど、情報セキュリティに関する脅威が高度化・多様化するとともに、スマートフォンやクラウドサービス等の新たなICT分野におけるサービスの情報セキュリティへの対策が大きな課題となっております。このような中、NTTグループの通信ネットワークやサーバー等に対する不正アクセス等のサイバー攻撃によるサービス停止・サービス品質の低下や、社内ネットワークへの侵入等による情報の漏洩・改竄・喪失が発生し、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下する可能性があり、これらの結果として、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、最新の研究開発成果の導入を推進し、ネットワークにおけるセキュリティを常に強化するとともに、より高度なスキルを持つセキュリティ人材の育成に向けた取り組みなどを強化しております。なお、主な取り組み内容につきましては「第4 提出会社の状況 6 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。 ○自然災害等によるシステム・ネットワーク障害や、システム構築上の問題が発生し、経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 NTTグループは国内外において事業を展開しており、通信ネットワーク・情報システムをはじめ、社会と経済活動を支え、国民生活の安全を守るライフラインとして欠かせないサービスを数多く提供しております。これらのサービス提供に関して、地震・津波・台風・洪水等の自然災害、新型インフルエンザ等伝染病の大規模な流行、想定を上回るトラヒックの増加、テロリズム、武力行為、地域紛争といった要因によるシステム及びネットワーク障害の発生や、社員の安全が脅かされることによって、事業運営に混乱が生じ、サービスを安定的に提供できない場合があります。また、それらの損害についてNTTグループが責任を負う可能性や、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下する恐れがあります。特に、大規模災害等が発生した場合には、ネットワークに大きな影響を受けるだけでなく、社員が被災する可能性やシステム障害の復旧に長い時間を要する可能性、緊急の電力使用制限によりサービスを安定的に提供できない可能性があり、その結果として、収入の減少や多額の修繕費用の支出を余儀なくされる可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、通信ビルの耐震機能・水防機能の強化、伝送路のルート見直し、設備増強によるネットワーク耐力の強化、故障対応の迅速化、社員の安否確認訓練など、サービス提供に必要なシステムやネットワークを安全かつ安定して運用できるよう様々な対策を講じております。また、NTTグループは、システムインテグレーションビジネスにおいてお客さまにシステム・サービスを提供・納品しており、一般に請負契約の形態で受注を受けてから納期までにシステムを完成し、お客さまに提供するという完成責任を負っています。このため、当初想定していた見積りからの乖離や開発段階におけるプロジェクト管理等の問題によって、想定を超える原価の発生や納期遅延に伴う損害の発生等が生じる可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、一定規模以上の案件の受注にあたっては、見積価格やプロジェクト計画の妥当性を審査委員会で審査しているほか、受注後もプロジェクトの進捗状況のモニタリングを実施しています。 ○国内外における不正・不祥事や、個人情報等の業務上の機密情報の不適切な取り扱い・流出により、NTTグループの信頼性・企業イメージに影響を与える可能性があります。 NTTグループは、国内外で多くの拠点を持ち、様々な製品やサービスを取り扱う関係上、関連する法令や規則は多岐にわたり、事業活動を営むにあたり免許・届出・許認可等が必要とされるものもあります。特に海外での事業運営においては、当該国での法令の存在または欠如、法令の予期しえない解釈、法規制の新設や改定等によって、法令遵守のための負担が増加する場合があります。これらの様々な法令・規制等に関して、従業員による個人的な不正行為等を含めたコンプライアンスに関するリスクもしくは社会的に信用が毀損されるリスクを排除できない場合があります。結果として、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下し、契約者獲得や入札資格停止等事業への影響が生じるおそれがあり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、法令遵守は極めて重要な企業の責務であるとの認識のもと、近年の米国・英国を中心とした諸外国の贈収賄防止法の厳格化も踏まえ、国内外を問わず、より一層のコンプライアンスの強化に取り組んでおります。また、お客さま情報をはじめとする個人情報保護への要求が社会的に高まるとともに、法制面からも個人情報保護に対する要請は大きくなっております。しかしながら、個人情報等を狙った犯罪行為が高度化、巧妙化するなど、個人情報等の機密情報の流出や不適切な取り扱いが発生するリスクを排除できない場合があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、個人情報等の機密情報の厳重な管理などに努めると共に、「NTTグループ情報セキュリティポリシー」を制定し、グループ内における管理体制の整備、役員や従業員への啓発活動等に取り組んでおります。 ○NTTグループの提供する製品やサービスの不適切な利用等により、NTTグループの信頼性・企業イメージに影響を与える社会的問題が発生する可能性があります。 NTTグループの提供している製品やサービスがユーザに不適切に使用される可能性があります。代表的なものとして、迷惑メールの送信、ネットバンキングの不正送金等のサイバー犯罪や振り込め詐欺等の犯罪にNTTグループのサービスが利用される可能性があるほか、NTTグループの契約者が迷惑メールを大量に受信してしまう等、これらの行為の被害を受けてしまう可能性があります。また、未成年者の有害サイトへのアクセス制限サービスの機能・精度等に関しては様々な議論があります。そのほか、歩行中や運転中の携帯電話使用によるトラブルの発生や、有料コンテンツの過度な利用による高額課金、不正アプリ(ソフト)を通じた個人情報の流出等が社会的に問題となっています。これらの問題によって、NTTグループの製品やサービスに対する信頼性の低下、顧客満足度の低下や企業イメージの低下による解約数の増加や、新規契約者を期待通り獲得できないという結果を引き起こす可能性があり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、歩きスマホ防止機能やフィルタリング機能等の安心・安全な利用のための製品・サービス提供、知識やマナーの啓発活動等の取り組みを進めております。 ○訴訟等においてNTTグループに不利な判断がなされた場合は、NTTグループの事業に影響を与える可能性があります。 NTTグループは、国内外で多くの拠点を持ち、様々な製品やサービスを取り扱っているため、各種訴訟、係争、損害賠償請求の当事者となる可能性があります。NTTグループが当事者となる訴訟、係争、損害賠償請求において不利な判断がなされた場合は、金銭的負担が発生するおそれがあるほか、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下するおそれがあり、その結果として、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、NTTグループ各社において発生している、またはそのおそれのある訴訟等の案件についてモニタリングを実施するとともに、必要に応じて迅速に対策を講じております。 《規制等、政府との関係に係るリスク等》○通信規制の決定及び変更がNTTグループの事業に影響を与える可能性があります。 日本の情報通信市場においては、競争促進、サービス利用者保護等を目的とした電気通信関連の法改正等、多くの分野で規制の変更が行われてきております。政府等による規制に関する決定、それに伴う通信業界における環境変化は、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、政府等の情報通信政策や規制等の動向について必要な情報収集等を行うとともに、パブリックコメントやヒアリングの場を通じてNTTグループの考え方を主張する等、必要な対応を行っております。規制の内容や、現在見直しが行われている規制の概要については「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制」をご参照ください。 ○NTTグループが使用できる周波数が限られているなか、事業運営に必要な周波数割当が得られない可能性があります。 NTTグループがサービスを提供するために使用できる周波数には限りがあります。スマートフォンやタブレット端末等の普及拡大に伴い、契約者当たりのトラヒック量が増加していくなか、事業の円滑な運営のために必要な周波数が得られなかった場合や、新しい周波数帯域の運用開始が想定通りに進まない場合に、サービス品質が低下したり、追加の費用が発生する可能性があります。更には、サービスの提供が制約を受け、契約者が競合他社に移行し、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、新たな周波数の獲得に努めているほか、移動通信ネットワークにおけるキャリアアグリゲーション等、周波数利用効率の向上にも努めております。詳細については、「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制 ③電波法」をご参照ください。 ○NTTグループは、温室効果ガス排出量削減等の環境に関する法令・規制・制度の影響を受ける可能性があります。 NTTグループは、温室効果ガス排出量削減、省エネルギー、廃棄物処理、有害物質処理等に関する日本および海外の環境に関する法令・規制の適用を受けております。将来環境に関する社会的な要求がより厳しくなり、新たな法令・規制の導入や強化等がなされた場合には、コスト負担が増加し、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、高効率電源の導入や通信設備のリユース・リサイクル等の様々な先進的な取り組みにより、環境負荷の低減に努めております。 ○政府は、株主総会での決議に多大な影響力を与えるに十分な当社株式を保有しております。 政府は現在当社の自己株式除き発行済株式総数の34.45%(議決権比率34.50%)を保有しております。政府は株主として当社の株主総会での議決権を有していることから、最大株主として、理論的には株主総会等における決定に対し多大な影響力を行使する権限を有しております。しかしながら、政府は1997年の国会答弁において、基本的に当社の経営に積極的に関与する形での株主権の行使はしないことを表明しており、事実、過去において政府は当社の経営に直接関与するためにそのような権限を行使したことはありません。法令に基づく政府のNTTグループに対する規制権限については、「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制」をご参照ください。 (参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制情報通信産業を所管する日本の主要な監督機関は総務省であり、総務大臣は電気通信事業者を規制する権限を「電気通信事業法」により付与されております。1985年、NTTが民営化されると同時に「電気通信事業法」が施行され、日本における電気通信事業の法規制の枠組みは大幅に変更されるとともに、日本の情報通信産業に競争が導入されました。それ以降、政府は日本の電気通信市場における競争を促進するさまざまな措置を講じております。この結果、NTTグループはその事業分野の多くで、新規参入企業や新規に事業参入しようとしている企業との競争激化に直面しております。当社及びその子会社の中には、その事業を行うにあたり、「電気通信事業法」のほか、「日本電信電話株式会社等に関する法律」及び「電波法」に基づく規制を受けている会社が存在いたします。その概要は次のとおりであります。 ① 電気通信事業法(昭和59年法律第86号)電気通信事業法による規制は次のとおりです。(a) 全ての電気通信事業者に課される規制a 電気通信事業の開始等・ 電気通信事業の開始についての総務大臣の登録制(第9条)ただし、設置する電気通信回線設備の規模及び設置する区域の範囲が一定の基準を超えない場合や電気通信回線設備を設置しない事業の開始については総務大臣への届出制となっております(第16条)。・ 合併や株式取得等を行う際の電気通信事業の登録の更新制(第12条の2)・ 電気通信事業の休廃止についての総務大臣への届出制及び利用者への周知義務(第18条)b 利用者料金その他の提供条件の設定等・ 基礎的電気通信役務の契約約款の総務大臣への届出制(第19条)基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者は、基礎的電気通信役務に関する料金その他の提供条件について契約約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。・ 消費者保護関連電気通信事業者は、契約前の説明義務(第26条)、書面交付義務(第26条の2)、初期契約解除制度(第26条の3)、苦情等処理義務(第27条)、不実告知等や勧誘継続行為の禁止(第27条の2)及び媒介等業務受託者に対する指導等の措置義務(第27条の3)等が課されています。(注)基礎的電気通信役務 国民生活に不可欠であるためあまねく日本全国における提供が確保されるべき電気通信役務(いわゆるユニバーサルサービス)として総務省令で定めるもの。具体的には加入電話(基本料)又は加入電話に相当する光IP電話、第一種公衆電話(総務省の基準に基づき設置される公衆電話)、緊急通報(110番、118番、119番)等。c 相互接続・ 電気通信回線設備への接続について他の電気通信事業者の請求に応ずる義務(第32条)d ユニバーサルサービス基金制度ユニバーサルサービス基金制度は、ユニバーサルサービスの確保に必要な費用を、主要な電話会社全体で支えていくための制度です。基礎的電気通信役務(ユニバーサルサービス)の提供を確保するため、総務大臣の指定を受けた支援機関が、不採算地域等を含めて当該役務を提供する適格電気通信事業者(第108条)に対してその提供に要する費用の一部に充てるための交付金を交付する(第107条)こととされており、これに伴い支援機関が必要とする費用については各電気通信事業者が応分の負担金を納付する義務を負う(第110条)こととされています。このユニバーサルサービス基金制度については、2006年4月に基金の対象となる役務や交付金・負担金の算定方法等を定める総務省令が改正されたことを受け、同年6月より実際に支援機関の業務が開始されました。東西地域会社は、NTT法により、ユニバーサルサービス(国民生活に不可欠な電話役務)の全国提供を義務付けられており、総務大臣から適格電気通信事業者に指定されています。なお、2017年度と2018年度の東西地域会社への補填額はそれぞれ69億円、65億円となっています。 (b) 東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社(東西地域会社)のみに課される規制a 利用者料金その他の提供条件の設定・ 指定電気通信役務に関する保障契約約款の総務大臣への届出制(第20条) 第一種指定電気通信設備を用いて提供する指定電気通信役務の料金その他の提供条件については、利用者と別段の合意がある場合を除き適用される保障契約約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。・ 特定電気通信役務の料金の規制(第21条) 特定電気通信役務については、その料金の指数が総務大臣から通知される基準料金指数以下となる場合には総務大臣への届出制とする一方、基準料金指数を越える場合には総務大臣の認可を必要とする、いわゆる「プライスキャップ規制」が適用されています。(注)・第一種指定電気通信設備 各都道府県において電気通信事業者の設置する固定端末系伝送路設備のうち、同一の電気通信事業者が設置するものであって、当該都道府県内の総数の2分の1を超えるもの及びこれと一体として設置する電気通信設備で、他の電気通信事業者との接続が利用者の利便向上及び電気通信の総合的かつ合理的な発達に不可欠な設備として、総務大臣が指定するもの。具体的には、東西地域会社の主要な電気通信設備が指定されている。・指定電気通信役務 第一種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者が当該設備を用いて提供する電気通信役務であって、他の電気通信事業者によって代替役務が十分提供されないこと等の事情を勘案して、適正な料金その他の提供条件に基づく提供を保障することにより利用者の利益を保護するため特に必要があるものとして総務省令で定めるもの。具体的には、加入電話、ISDN、公衆電話、専用サービス、フレッツ光、ひかり電話等であるが、利用者の利益に及ぼす影響が少ない付加的な機能の提供に係る役務等は除かれる。・特定電気通信役務 指定電気通信役務のうち利用者の利益に及ぼす影響が大きいものとして総務省令で定めるもの。具体的には、東西地域会社の提供する加入電話、ISDN、公衆電話。・基準料金指数 特定電気通信役務の種別ごとに、能率的な経営の下における適正な原価及び物価その他の経済事情を考慮して、通常実現することができると認められる水準の料金を表す指数として、総務大臣が定めるもの。・プライスキャップ規制 料金の上限を規制する制度のこと。なお、東西地域会社の実際の料金指数は、2017年10月1日から始まった1年間の基準料金指数を下回る水準にあることから、プライスキャップ規制に基づく値下げは行っていない。b 相互接続等・ 第一種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の総務大臣の認可制(第33条)東西地域会社は、第一種指定電気通信設備を有する電気通信事業者として、相互接続に係る接続料及び接続条件について接続約款を定め、接続料が能率的な経営の下における適正な原価を算定するものとして総務省令で定める方法により算定された原価に照らし公正妥当なものであること等を要件に総務大臣の認可を受けることになっております。 (電話接続料)1998年5月、日米両政府の規制緩和等に関する共同報告の中で、日本政府は、接続料への長期増分費用方式の導入の意向を表明、2000年5月に長期増分費用方式の導入を定めた改正電気通信事業法が成立し、それ以降、同方式により接続料の値下げが行われました。また、その後、通信量が大幅に減少する中で、接続料の上昇による通話料の値上げを回避する観点から、NTSコスト(Non-Traffic Sensitive Cost、通信量に依存しない費用)を接続料原価から控除し基本料で回収することとされました(2004年10月の情報通信審議会答申)。なお、NTSコストの一部については、ユニバーサルサービス基金の利用者負担の増加を抑制する観点から同基金の見直しが行われた際、基金の補填対象範囲の縮小分の負担について東西地域会社のみに負わせるのではなく、各事業者から公平に回収することが適当とされたことから、再度接続料原価に算入することとされています。2016年度以降の接続料については、2015年の情報通信審議会における検討の結果、引き続き長期増分費用方式を、2016年度から2018年度まで適用することとされました。 (光ファイバ接続料)東西地域会社が有する光ファイバは、電気通信事業法における第一種指定電気通信設備として他事業者に認可料金(接続料)で貸し出すことを義務付けられております。加入者光ファイバ接続料については、接続料低廉化の見通しを示すことにより他事業者が参入しやすい環境を整えるため、2016年度から2019年度までの4年間を算定期間とする将来原価方式により算定しています。なお、今回の接続料においても、実績接続料収入と実績費用の差額を次期以降の接続料原価に加えて調整する乖離額調整制度を導入しており、未回収リスクはないものと考えています。なお、加入者光ファイバの分岐端末回線単位の接続料設定の問題については、情報通信行政・郵政行政審議会における検討の結果、依然として様々な解決すべき課題がある(2012年3月の情報通信行政・郵政行政審議会答申)とされ、分岐端末回線単位の接続料は設定されていません。 ・ 第一種指定電気通信設備の機能に関する計画の総務大臣への届出制(第36条) 東西地域会社は、第一種指定電気通信設備の機能の変更又は追加の計画について、総務大臣に届け出ることとされています。・ 第一種指定電気通信設備の共用に関する協定の総務大臣への届出制(第37条) 東西地域会社は、他の電気通信事業者との第一種指定電気通信設備の共用の協定について、総務大臣に届け出ることとされています。・ 第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務に関する総務大臣への届出制(第38条の2)及び整理・公表制(第39条の2) 東西地域会社は、第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始・変更・廃止したときは、その旨、卸電気通信役務の種類、一定の要件を満たす卸先事業者に対する料金その他の提供条件等を総務大臣に届け出ることとされています。また、総務大臣は、当該届出に関して作成し、又は取得した情報について、整理・公表することとされています。 c 禁止行為東西地域会社は、市場支配的な事業者として、接続情報の目的外利用や他の電気通信事業者に対し不当に優先的な取扱いを行うこと等を禁止されている(第30条)ほか、特定関係事業者として総務大臣に指定されたエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社との役員兼任等の禁止(第31条)が定められています。また、東西地域会社の業務委託先子会社において禁止行為が行われないよう、東西地域会社が委託先子会社に対し必要かつ適切な監督を行うことや、東西地域会社が接続の業務に関して知り得た情報の適切な管理、接続の業務の実施状況を適切に監視するための体制の整備等が義務付けられています(第31条)。したがって、NTTグループ内の電気通信事業者間で排他的に連携してサービスを提供することには一定の制約があり、NTTグループとしては、この禁止行為規制を含め公正競争条件を確保しつつ市場ニーズに応じたサービスを提供していく考えですが、例えば、新サービスの迅速な提供に支障をきたす等の影響が生じる可能性があります。 (c) 株式会社NTTドコモに課される規制a 相互接続等・ 第二種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の総務大臣への届出制(第34条) 株式会社NTTドコモの携帯電話に係る主要な電気通信設備については、他の電気通信事業者との適正かつ円滑な接続を確保すべきものとして総務大臣より第二種指定電気通信設備に指定されており、他の電気通信事業者の電気通信設備との接続に関し、接続料及び接続の条件について接続約款を定め、総務大臣に届け出ることとされております。・ 第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務に関する総務大臣への届出制(第38条の2)及び整理・公表制(第39条の2) 株式会社NTTドコモは、第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始・変更・廃止したときは、その旨、卸電気通信役務の種類、一定の要件を満たす卸先事業者に対する料金その他の提供条件等を総務大臣に届け出ることとされています。また、総務大臣は、当該届出に関して作成し、又は取得した情報について、整理・公表することとされています。 なお、第二種指定電気通信設備に関する規制については、株式会社NTTドコモのほか、第二種指定電気通信設備を設置する全ての電気通信事業者に課されています。b 禁止行為株式会社NTTドコモは、市場支配的な事業者として、接続情報の目的外利用やグループ内の事業者であって総務大臣が指定するものに対し不当に優先的な取扱いを行うこと等を禁止(第30条)されております。(注)・第二種指定電気通信設備 電気通信事業者の設置する携帯電話機に接続される伝送路設備のうち同一の電気通信事業者が設置するものであって、その業務区域内の全ての当該伝送路設備の総数の10分の1を超えるもの及びその事業者が当該電気通信役務を提供するために設置する電気通信設備で、他の電気通信事業者の電気通信設備との適正かつ円滑な接続を確保すべき設備として、総務大臣が指定するもの。 (d) 今後の動向等 情報通信審議会は2014年12月に「2020年代に向けた情報通信政策の在り方」について答申を行いました。本答申を踏まえ、電気通信事業の公正な競争の促進や電気通信サービスの利用者の保護を図るために、東西地域会社の光回線の卸売サービス等に関する制度整備や初期契約解除制度の導入等を行う電気通信事業法等の一部を改正する法律が2016年5月に施行されました。 また、その中で、政府は、法施行後3年を経過した場合において、改正後の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講じるものとされていますが、NTTグループへの影響については、現時点では不明です。 ② 日本電信電話株式会社等に関する法律(昭和59年法律第85号)(a) 概要 1997年6月に公布された「日本電信電話株式会社法の一部を改正する法律」は、1999年7月に施行されました(これにより「日本電信電話株式会社法」は「日本電信電話株式会社等に関する法律」に改題され、当社を純粋持株会社とする再編成がおこなわれました。)。同法は2001年6月公布、同年11月施行の「電気通信事業法等の一部を改正する法律」等によっても改正されています。一 目的1 当社は、東西地域会社がそれぞれ発行する株式の総数を保有し、これらの株式会社による適切かつ安定的な電気通信役務の提供の確保を図ることならびに電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うことを目的とする株式会社とする。2 東西地域会社は、地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社とする。二 事業1 当社は、その目的を達成するため、次の業務を営むものとする。(1)東西地域会社が発行する株式の引受け及び保有ならびに当該株式の株主としての権利の行使をすること(2)東西地域会社に対し、必要な助言、あっせんその他の援助を行うこと(3)電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うこと(4)(1)(2)及び(3)に掲げる業務に附帯する業務2 当社は、二の1に掲げる業務を営むほか、総務大臣へ届け出ることによって、その目的を達成するために必要な業務を営むことができる。3 東西地域会社は、その目的を達成するため、次の業務を営むものとする。(1) それぞれ次に掲げる都道府県の区域において行う地域電気通信業務(同一の都道府県の区域内における通信を他の電気通信事業者の設備を介することなく媒介することのできる電気通信設備を設置して行う電気通信業務をいう。)イ 東日本電信電話株式会社にあっては、北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県及び長野県ロ 西日本電信電話株式会社にあっては、京都府及び大阪府ならびにイに掲げる県以外の県(2)二の3の(1)に掲げる業務に附帯する業務4 東西地域会社は、総務大臣へ届け出ることによって、次の業務を営むことができる。(1)二の3に掲げるもののほか、東西地域会社の目的を達成するために必要な業務(2)それぞれ二の3の(1)により地域電気通信業務を営むものとされた都道府県の区域以外の都道府県の区域において行う地域電気通信業務5 東西地域会社は、3、4に規定する業務のほか、総務大臣へ届け出ることによって、地域電気通信業務の円滑な遂行及び電気通信事業の公正な競争の確保に支障のない範囲内で、3に規定する業務を営むために保有する設備若しくは技術又はその職員を活用して行う電気通信業務その他の業務を営むことができる。三 責務 当社及び東西地域会社は、それぞれその事業を営むに当たっては、常に経営が適正かつ効率的に行われるように配意し、国民生活に不可欠な電話の役務のあまねく日本全国における適切、公平かつ安定的な提供の確保に寄与するとともに、今後の社会経済の進展に果たすべき電気通信の役割の重要性にかんがみ、電気通信技術に関する研究の推進及びその成果の普及を通じて我が国の電気通信の創意ある向上発展に寄与し、もって公共の福祉の増進に資するよう努めなければならない。 (b) 総務大臣の認可を必要とする事項・ 当社及び東西地域会社の新株及び新株予約権付社債の発行(第4条、第5条)(注)当社は、総務省令で定める一定の株式数に達するまでは、認可を受けなくても総務大臣に届け出ることにより新株の発行が可能(附則第14条)・ 当社の取締役及び監査役の選任及び解任の決議(第10条)(注)日本の国籍を有しない人は、当社及び東西地域会社の取締役又は監査役となることができない・ 当社及び東西地域会社の定款の変更、合併、分割及び解散の決議、当社の剰余金処分の決議(第11条)・ 当社及び東西地域会社の事業計画及び事業計画の変更(第12条)・ 東西地域会社の重要な設備の譲渡及び担保に供すること(第14条) (c) その他総務大臣に対する義務・ 当社及び東西地域会社の貸借対照表、損益計算書、事業報告書の提出(第13条)・ 当社及び東西地域会社への命令を受ける義務(第16条)・ 当社及び東西地域会社の業務に関する報告の要求に応じる義務(第17条) ③ 電波法(昭和25年法律第131号)(a)総務大臣の免許を必要とする事項・ 無線局の開設(第4条) (b)総務大臣の許可を必要とする事項・ 無線局の目的、通信の相手方、通信事項等の変更等(第17条) (携帯電話の周波数帯割当て)移動通信事業において、事業者が無線周波数帯域を使用するためには日本政府(総務省)の免許が必要となります。周波数帯の割当ては電波法及び関連する法令等により規定されています。(2)当社株式に係る事項① 外国人等議決権割合の制限(日本電信電話株式会社等に関する法律 第6条) 当社は、外国人等議決権割合が三分の一以上になるときは、その氏名及び住所を株主名簿に記載し、又は記録してはならない。 (注)外国人等 一 日本の国籍を有しない人二 外国政府又はその代表者三 外国の法人又は団体四 前三号に掲げる者により直接に占められる議決権の割合が総務省令で定める割合以上である法人又は団体なお、当社定款において、株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者、およびその有する株式の全部若しくは一部について日本電信電話株式会社等に関する法律第6条に基づき、株主名簿に記載されなかった若しくは記録されなかった株主又は当該株主の有する株式の質権者に対して、剰余金の配当をすることができる旨を規定しております。 ② 政府による当社の株式保有義務(日本電信電話株式会社等に関する法律 第4条)政府は、常時、当社の発行済株式の総数の三分の一以上に当たる株式を保有していなければならない。 (注)発行済株式の総数の算定方法の特例(日本電信電話株式会社等に関する法律 附則第13条)・ 第4条第1項の規定の適用については、当分の間、新株募集若しくは新株予約権の行使による株式の発行又は取得請求権付株式若しくは取得条項付株式の取得と引換えの株式の交付があった場合には、これらによる株式の各増加数(「不算入株式数」)は、それぞれ第4条第1項の発行済株式の総数に算入しないものとする。・ 前項に規定する株式の増加後において株式の分割又は併合があつた場合は、不算入株式数に分割又は併合の比率(二以上の段階にわたる分割又は併合があつた場合は、全段階の比率の積に相当する比率)を乗じて得た数をもって、同項の発行済株式の総数に算入しない株式の数とする。2018年3月31日時点のNTTの発行済株式総数は2,096,394,470株であり、同日現在の政府保有株式数は679,122,752株、即ち、自己株式除き発行済株式総数の34.45%となっております。(注)当社は2000年12月に公募増資により30万株(2009年1月4日付の株式分割および2015年7月1日付の株式分割後に換算すると6,000万株)の新株発行を実施しました。これらの株式は、前述のとおり、政府が保有する株式の比率を計算する際には発行済株式総数には算入されません。また、政府保有株式数には名義書換失念株等の政府が実質的に保有していない株式が含まれているため、これらの株式は、政府が保有する株式の比率を計算する際には政府保有株式数に算入していません。これらの条件を考慮すると、政府が保有する株式の比率は33.33%となります。NTTグループと政府の各種部門・機関との取引は、個別の顧客として、かつ独立当事者間の取引として行われております。政府は、株主としての資格において当社の株主総会で議決権を行使し、筆頭株主としての立場から、理論上は株主総会での大多数の決議に重大な影響力を及ぼす権限を有します。しかしながら、過去に政府がこの権限を行使して当社の経営に直接関与したことはありません。 ③ 政府保有株式の売却について 政府の保有する当社株式の処分は、その年度の予算をもって国会の議決を経た限度数の範囲内でなければならない(日本電信電話株式会社等に関する法律 第7条)・ 売却の経緯及び売却方針について 当社は発行済株式総数1,560万株で設立され、政府が売却可能である当社株式1,040万株(政府による保有が義務付けられた全体の三分の一に当たる520万株を除いた株式)のうち540万株については、1986~1988年度において売却されました。 また、1990年12月17日に、未売却となっていた500万株のうち、イ)250万株について毎年度50万株程度を計画的に売却することを基本とすること、ロ)後年度において市場環境から許容される場合、計画の前倒しによる売却があり得ること、ハ)残余の250万株については、当分の間、売却を凍結するという今後の売却方針が大蔵省(当時)より示されました。(ただし、1997年度まで、市場環境等により実際の売却は見送られました。) 1998年度においては、1998年12月に100万株について売却が実施されました。 1999年度においては、100万株が売却限度数として計上されておりましたが、このうち48,000株については1999年7月13日の当社の自己株式買入において売却が実施され、残りの952,000株については1999年11月に売却が実施されました。また、上記の1990年12月に示された売却方針については終了しました。 2000年度においては、2000年11月に100万株の売却が実施されました。 2002年度においては、100万株が売却限度数として計上されておりましたが、このうち91,800株については2002年10月8日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。 2003年度においては、100万株が売却限度数として計上されておりましたが、このうち85,157株については2003年10月15日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。 2004年度においては、100万株が売却限度数として計上されておりましたが、このうち80万株については2004年11月26日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。2005年度においては、1,123,043株が売却限度数として計上されておりましたが、1,123,043株全てについて2005年9月6日の当社の自己株式買入等において売却が実施されました。2011年度においては、99,334,255株を売却限度数として計上されておりましたが、このうち57,513,600株については2011年7月5日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。また、41,820,600株については2012年2月8日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。2013年度においては、62,166,721株を売却限度数として計上されておりましたが、このうち26,010,000株については2014年3月7日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。2014年度においては、36,156,721株を売却限度数として計上されておりましたが、このうち35,088,600株については2014年11月14日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。また、1,068,100株については2014年11月28日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。2016年度においては、59,000,043株を売却限度数として計上されておりましたが、このうち59,000,000株については2016年6月14日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。
FY2017|20,816 文字
4【事業等のリスク】本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を、NTTグループの事業を取り巻く環境及びそれに対応した事業戦略、業務運営に係るリスクのほか、規制をはじめとした政府との関係に係るリスク等の観点から総合的な評価を行った上で、以下のように取りまとめております。なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。当社が現在関知していないリスク、あるいは当社が現時点では重要ではないと考えるリスクであってもNTTグループの事業活動を損なうことになる可能性があります。さらに、本有価証券報告書は、リスクと不確実性を伴う将来見通しに基づく情報も含んでおります。NTTグループは、下記リスクのほか、本有価証券報告書中の他の箇所に記載されているリスクに直面しておりますが、これらのリスクの影響により、NTTグループの実際の業績が、将来見通しに基づく記述が想定しているものとは大きく異なってくる可能性があります。 《事業環境及びそれに対応した戦略に係るリスク》○NTTグループの事業は、世界及び日本の経済状況から影響を受ける可能性があります。 NTTグループは、世界各地で事業を展開しております。世界各地での景気後退や経済成長の減速といった状態等により、NTTグループが提供するサービスに対する需要や、NTTグループの事業運営に悪影響が生じる可能性があります。また、NTTグループは、投資有価証券等の金融資産を保有しております。景気後退による株式市場や金融市場の低迷により、それらの資産価値が下落した場合には評価損が発生し、NTTグループの業績に影響が生じる可能性があるほか、NTTグループの年金基金についても、年金運用等に影響を及ぼす可能性があります。さらに、NTTグループは、社債・借入金等の手段により資金調達を実施しており、金融市場において大きな変動が生じた場合には、NTTグループの資金調達コストの増加につながる可能性があります。以上の結果として、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性がありますが、このようなリスクを踏まえ、リスク管理方針を制定し、この管理方針に従って先物為替予約等のデリバティブ取引を利用したリスクヘッジを行い、リスクの最小化に努めております。また、資金調達に関しては、調達手段の多様化等を進めるとともに、低利かつ安定的な資金の確保に努めております。 ○市場構造の変化や競争の進展により、NTTグループの営業収益が低下する可能性があります。 情報通信市場は、スマートフォンやタブレット端末の普及、ワイヤレスブロードバンドの高速化、クラウドサービスやAI、ビッグデータ、IoTの利用拡大等が進行しております。また、通信事業者だけではなく様々な事業者が市場に参入し、OTT(注)事業者が提供するサービスが普及しグローバルレベルの競争が進展しているほか、固定通信サービスと移動通信サービスの組み合わせによるFMCサービスの展開が加速しており、通信サービスにおける市場構造は大きく変化しています。さらに、既存の通信事業者との競争も継続しており、競争環境は一段と厳しくなっています。また、情報サービス市場では、ソリューション事業が有力な成長分野であると目されており、ハードウェアベンダー等もビジネスの主軸として取り組んでおります。その他の市場においても、NTTグループは様々な事業を営んでおり、それぞれの市場において、市場構造の変化に伴う厳しい競争が進展しています。このような市場構造の変化や競争の進展に適切に対応できない場合、NTTグループの営業収益が低下する可能性があります。情報通信市場では、NTTグループが期待する水準で契約数を獲得・維持できない場合や、各種料金・割引サービスの契約率や定額制サービスへ移行する契約数の動向等が想定した通りにならない場合があり、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、情報サービス市場では、急成長するインドや中国といった新興国の情報サービス企業が、グローバル競争をもたらしつつあり、競合会社の積極参入による競争激化が経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。その他の市場においても、各事業において想定した通りの収益が得られない可能性があり、結果として経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、平成27年5月に中期経営戦略「新たなステージをめざして 2.0」を策定し、バリューパートナーへの自己変革を加速し、グループ全体をさらなる利益成長軌道へ乗せていくための取り組みを推進しております。具体的には、グローバルビジネスを事業の基軸として拡大するとともに、国内ネットワーク事業の収益力を強化する取り組みを推進し、更にB2B2Xビジネスの拡大による新たな市場の創出をめざして取り組んでおります。 (注)Over The Top の略。自社でサービスの配信に必要な通信インフラを持たずに、他社の通信インフラを利用してコンテンツ配信を行うサービス。 ○グローバルビジネスの成長が、想定通り進展しない可能性があります。 NTTグループは、グローバルビジネスを事業の基軸として拡大させるとともに、利益創出スピードを加速させるための取り組みを実行しております。しかしながら、これらの取り組みが想定通り進捗しない場合や、クラウドサービス市場が期待するほど成長しない場合、競争の進展等により収益が想定通り拡大しない場合には、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、海外事業における着実な成長を実現していくために、グループ全体でのサービスやプロダクトの強化を図るとともに、グローバルアカウントの拡大やアップセル・クロスセルの更なる推進など、セールス/マーケティングを強化しております。また、グループ各社におけるサービス/オペレーションの効率化・最適化や、調達コストの低減等、徹底したコスト効率化にも取り組んでおります。さらに、取り組みの進捗状況について定期的にモニタリングを実施し、必要に応じて迅速に対策を講じております。 ○NTTグループは、想定するコスト削減を実現できない可能性があります。 NTTグループは、国内の固定通信市場/移動通信市場において、設備投資の効率化やコスト削減による利益創出に向けて取り組んでおります。しかしながら、競争環境の変化や、設備関連・業務全般の効率化の進捗状況等によっては、想定通りに設備投資の効率化が図れない場合や、販売経費や設備関連コスト、人件費等の削減効果が十分発揮されない場合があります。こうした場合は、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、設備投資の効率化について、各社でネットワークのシンプル化・スリム化を実施することに加え、既存設備の利用効率の向上や調達コストの削減に取り組んでおります。ITシステムについても、最新技術を活用して共通基盤化を進めております。あわせて、コスト削減に継続的に取り組んでいるほか、B2B2Xモデルへの転換などを踏まえたシンプルで生産性の高い業務運営の確立に向けて取り組んでおります。また、取り組みの進捗状況について定期的にモニタリングを実施し、必要に応じて迅速に対策を講じております。 ○国内外の出資、提携及び協力関係等は、NTTグループが期待するようなリターンや事業機会を生まないとともに適切なコントロールが及ばない可能性があります。 NTTグループは、市場構造の変化やお客さまニーズに速やかに対応するため、特にグローバルビジネスの拡大において、企業・組織との合弁事業、事業提携、協力関係の構築、出資、買収等の活動を実施しております。しかしながら、NTTグループが既に出資をしているまたは出資に合意している国内外の事業者や、将来出資や事業提携を行う国内外の事業者について、これら事業者の企業価値や経営成績を維持・向上させること及びNTTグループとのシナジー効果を十分に発揮することができない場合があります。さらに、投資、提携または協力関係を解消・処分することにより、損失が生じる場合があります。また、海外子会社の増加により事業戦略に関する意思統一が困難になり、適切なコントロールが及ばず、事業・業務運営を円滑に行うことが困難となる場合があります。海外における事業活動は、投資や競争等に関する法的規制、税制、契約実務を含めた商習慣の相違、労使関係、国際政治等様々な要因の影響下にあります。これらのリスクが顕在化した場合には、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、買収後には定期的なモニタリングを実施するなど、期待したリターンを得られるよう取り組んでいるほか、グループガバナンスやリスクマネジメントの強化についても取り組んでおります。 ○事業遂行上必要な知的財産権等のライセンスが受けられない場合や、他者から知的財産権等の侵害に関する主張を受けた場合、知的財産権等が不正使用された場合には、経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 NTTグループや事業上のパートナーがその事業を遂行するために必要な知的財産権等の権利について、当該権利の保有者よりライセンス等を受ける必要がある場合があります。現在、NTTグループ等は、当該権利の保有者との間で契約を締結することによりライセンス等を受けており、また、今後の事業遂行上必要となる他者の知的財産権等の権利については、当該権利の保有者よりライセンス等を受ける予定です。しかしながら、当該権利の保有者との間でライセンス等の付与について合意できなかったり、または、一旦ライセンス等の付与に合意したもののその後当該合意を維持できなかった場合には、NTTグループや事業上のパートナーの特定の技術、商品またはサービスの提供ができなくなる可能性があります。また、NTTグループ各社による海外企業の買収などに伴い、グローバルビジネスが拡大しており、NTTグループが海外企業からその知的財産権等の権利を侵害したとの主張を受ける機会が増える可能性があります。仮に他者より、NTTグループがその知的財産権等の権利を侵害したとの主張を受けた場合には、その解決に多くの時間と費用を要する可能性があり、さらに当該他者の主張が判決等により認められた場合、あるいは和解等により当事者間で合意した場合には、当該権利に関連する事業の収益減や当該権利の侵害を理由に損害賠償責任等を負ったり、当該事業の実施の差止めを受ける可能性があります。さらに、NTTグループが保有する知的財産権等の権利について、第三者が不正に使用する等により、本来得られるライセンス収入が減少したり、競争上の優位性をもたらすことができない可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合には、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、戦略的な権利化や権利調査による状況把握を実施するなど、他者やNTTグループが保有する知的財産権等の権利への対策を講じております。 ○人材の確保が想定通りに進まない場合、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 情報通信市場においては、国内外の様々なプレイヤーが市場に参入し、サービスや機器の多様化・高度化が急速に進んでおり、今後、クラウドサービスを中心として変化が一層加速していくと見込まれます。このような状況の中で、NTTグループの事業は、高スキルを保有する優秀な人材の確保に大きく影響されます。こうした優秀な人材の確保・育成が想定どおりに進まないことで、新技術の開発、新サービスの企画、既存サービスの改善、成長戦略の実行等に影響を及ぼす場合があり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、グループ内の人材育成強化の取り組みを進めるとともに、政府や企業そして教育機関と提携し、人材の育成に努めております。また、各社員の業務内容や職場環境、処遇やキャリア形成に対する考え方について、定期的な面談等を通じて状況等を把握し、早期にアクションを検討・実施することで人材流出の未然防止に努めております。 《業務運営に係るリスク》○サイバー攻撃により、サービス停止やサービス品質の低下が発生し、経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 近年、サイバー攻撃による被害や情報漏えいなどの事件が社会問題となるなど、情報セキュリティに関する脅威が高度化・多様化するとともに、スマートフォンやクラウドサービス等の新たなICT分野におけるサービスの情報セキュリティへの対策が大きな課題となっております。このような中、NTTグループの通信ネットワークやサーバー等に対する不正アクセス等のサイバー攻撃によるサービス停止・サービス品質の低下や、社内ネットワークへの侵入等による情報の漏洩・改竄・喪失が発生し、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下する可能性があり、これらの結果として、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、最新の研究開発成果の導入を推進し、ネットワークにおけるセキュリティを常に強化するとともに、より高度なスキルを持つセキュリティ人材の育成に向けた取り組みなどを強化しております。なお、主な取り組み内容につきましては「第4 提出会社の状況 6 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。 ○自然災害等によるシステム・ネットワーク障害や、システム構築上の問題が発生し、経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 NTTグループは国内外において事業を展開しており、通信ネットワーク・情報システムをはじめ、社会と経済活動を支え、国民生活の安全を守るライフラインとして欠かせないサービスを数多く提供しております。これらのサービス提供に関して、地震・津波・台風・洪水等の自然災害、新型インフルエンザ等伝染病の大規模な流行、想定を上回るトラヒックの増加、テロリズム、武力行為、地域紛争といった要因によるシステム及びネットワーク障害の発生や、社員の安全が脅かされることによって、事業運営に混乱が生じ、サービスを安定的に提供できない場合があります。また、それらの損害についてNTTグループが責任を負う可能性や、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下する恐れがあります。特に、大規模災害等が発生した場合には、ネットワークに大きな影響を受けるだけでなく、社員が被災する可能性やシステム障害の復旧に長い時間を要する可能性、緊急の電力使用制限によりサービスを安定的に提供できない可能性があり、その結果として、収入の減少や多額の修繕費用の支出を余儀なくされる可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、通信ビルの耐震機能・水防機能の強化、伝送路のルート見直し、設備増強によるネットワーク耐力の強化、故障対応の迅速化、社員の安否確認訓練など、サービス提供に必要なシステムやネットワークを安全かつ安定して運用できるよう様々な対策を講じております。また、NTTグループは、システムインテグレーションビジネスにおいてお客さまにシステム・サービスを提供・納品しており、一般に請負契約の形態で受注を受けてから納期までにシステムを完成し、お客様に提供するという完成責任を負っています。このため、当初想定していた見積りからの乖離や開発段階におけるプロジェクト管理等の問題によって、想定を超える原価の発生や納期遅延に伴う損害の発生等が生じる可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、一定規模以上の案件の受注にあたっては、見積もり価格やプロジェクト計画の妥当性を審査委員会で審査しているほか、受注後もプロジェクトの進捗状況のモニタリングを実施しています。 ○国内外における不正・不祥事や、個人情報等の業務上の機密情報の不適切な取り扱い・流出により、NTTグループの信頼性・企業イメージに影響を与える可能性があります。 NTTグループは、国内外で多くの拠点を持ち、様々な製品やサービスを取り扱う関係上、関連する法令や規則は多岐にわたり、事業活動を営むにあたり免許・届出・許認可等が必要とされるものもあります。特に海外での事業運営においては、当該国での法令の存在または欠如、法令の予期しえない解釈、法規制の新設や改定等によって、法令遵守のための負担が増加する場合があります。これらの様々な法令・規制等に関して、従業員による個人的な不正行為等を含めたコンプライアンスに関するリスクもしくは社会的に信用が毀損されるリスクを排除できない場合があります。結果として、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下し、契約者獲得や入札資格停止等事業への影響が生じるおそれがあり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、法令遵守は極めて重要な企業の責務であるとの認識のもと、近年の米国・英国を中心とした諸外国の贈収賄防止法の厳格化も踏まえ、国内外を問わず、より一層のコンプライアンスの強化に取り組んでおります。また、お客さま情報をはじめとする個人情報保護への要求が社会的に高まるとともに、法制面からも個人情報保護に対する要請は大きくなっております。しかしながら、個人情報等を狙った犯罪行為が高度化、巧妙化するなど、個人情報等の機密情報の流出や不適切な取り扱いが発生するリスクを排除できない場合があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、個人情報等の機密情報の厳重な管理などに努めると共に、「NTTグループ情報セキュリティポリシー」を制定し、グループ内における管理体制の整備、役員や従業員への啓発活動等に取り組んでおります。 ○NTTグループの提供する製品やサービスの不適切な利用等により、NTTグループの信頼性・企業イメージに影響を与える社会的問題が発生する可能性があります。 NTTグループの提供している製品やサービスがユーザに不適切に使用される可能性があります。代表的なものとして、迷惑メールの送信、ネットバンキングの不正送金等のサイバー犯罪や振り込め詐欺等の犯罪にNTTグループのサービスが利用される可能性があるほか、NTTグループの契約者が迷惑メールを大量に受信してしまう等、これらの行為の被害を受けてしまう可能性があります。また、未成年者の有害サイトへのアクセス制限サービスの機能・精度等に関しては様々な議論があります。そのほか、歩行中や運転中の携帯電話使用によるトラブルの発生や、有料コンテンツの過度な利用による高額課金、不正アプリ(ソフト)を通じた個人情報の流出等が社会的に問題となっています。これらの問題によって、NTTグループの製品やサービスに対する信頼性の低下、顧客満足度の低下や企業イメージの低下による解約数の増加や、新規契約者を期待通り獲得できないという結果を引き起こす可能性があり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、歩きスマホ防止機能やフィルタリング機能等の安心・安全な利用のための製品・サービス提供、知識やマナーの啓発活動等の取り組みを進めております。 ○訴訟等においてNTTグループに不利な判断がなされた場合は、NTTグループの事業に影響を与える可能性があります。 NTTグループは、国内外で多くの拠点を持ち、様々な製品やサービスを取り扱っているため、各種訴訟、係争、損害賠償請求の当事者となる可能性があります。NTTグループが当事者となる訴訟、係争、損害賠償請求において不利な判断がなされた場合は、金銭的負担が発生するおそれがあるほか、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下するおそれがあり、その結果として、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、NTTグループ各社において発生している、またはそのおそれのある訴訟等の案件についてモニタリングを実施するとともに、必要に応じて迅速に対策を講じております。 《規制等、政府との関係に係るリスク等》○通信規制の決定及び変更がNTTグループの事業に影響を与える可能性があります。 日本の情報通信市場においては、競争促進、サービス利用者保護等を目的とした電気通信関連の法改正等、多くの分野で規制の変更が行われてきております。政府等による規制に関する決定、それに伴う通信業界における環境変化は、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、政府等の情報通信政策や規制等の動向について必要な情報収集等を行うとともに、パブリックコメントやヒアリングの場を通じてNTTグループの考え方を主張する等、必要な対応を行っております。規制の内容や、現在見直しが行われている規制の概要については「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制」をご参照ください。 ○NTTグループが使用できる周波数が限られているなか、事業運営に必要な周波数割当が得られない可能性があります。 NTTグループがサービスを提供するために使用できる周波数には限りがあります。スマートフォンやタブレット端末等の普及拡大に伴い、契約者当たりのトラヒック量が増加していくなか、事業の円滑な運営のために必要な周波数が得られなかった場合や、新しい周波数帯域の運用開始が想定通りに進まない場合に、サービス品質が低下したり、追加の費用が発生する可能性があります。更には、サービスの提供が制約を受け、契約者が競合他社に移行し、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、新たな周波数の獲得に努めているほか、移動通信ネットワークにおけるキャリアアグリゲーション等、周波数利用効率の向上にも努めております。詳細については、「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制 ③電波法」をご参照ください。 ○NTTグループは、温室効果ガス排出量削減等の環境に関する法令・規制・制度の影響を受ける可能性があります。 NTTグループは、温室効果ガス排出量削減、省エネルギー、廃棄物処理、有害物質処理等に関する日本および海外の環境に関する法令・規制の適用を受けております。将来環境に関する社会的な要求がより厳しくなり、新たな法令・規制の導入や強化等がなされた場合には、コスト負担が増加し、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。このようなリスクを踏まえ、NTTグループでは、高効率電源の導入や通信設備のリユース・リサイクル等の様々な先進的な取り組みにより、環境負荷の低減に努めております。 ○政府は、株主総会での決議に多大な影響力を与えるに十分な当社株式を保有しております。 政府は現在当社の発行済株式の32.39%(自己株式除き発行済株式総数の33.70%、議決権比率33.74%)を保有しております。政府は株主として当社の株主総会での議決権を有していることから、最大株主として、理論的には株主総会等における決定に対し多大な影響力を行使する権限を有しております。しかしながら、政府は平成9年の国会答弁において、基本的に当社の経営に積極的に関与する形での株主権の行使はしないことを表明しており、事実、過去において政府は当社の経営に直接関与するためにそのような権限を行使したことはありません。法令に基づく政府のNTTグループに対する規制権限については、「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制」をご参照ください。 (参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制情報通信産業を所管する日本の主要な監督機関は総務省であり、総務大臣は電気通信事業者を規制する権限を「電気通信事業法」により付与されております。昭和60年、NTTが民営化されると同時に「電気通信事業法」が施行され、日本における電気通信事業の法規制の枠組みは大幅に変更されるとともに、日本の情報通信産業に競争が導入されました。それ以降、政府は日本の電気通信市場における競争を促進するさまざまな措置を講じております。この結果、NTTグループはその事業分野の多くで、新規参入企業や新規に事業参入しようとしている企業との競争激化に直面しております。当社及びその子会社の中には、その事業を行うにあたり、「電気通信事業法」のほか、「日本電信電話株式会社等に関する法律」及び「電波法」に基づく規制を受けている会社が存在いたします。その概要は次のとおりであります。 ① 電気通信事業法(昭和59年法律第86号)電気通信事業法による規制は次のとおりです。(a) 全ての電気通信事業者に課される規制a 電気通信事業の開始等・ 電気通信事業の開始についての総務大臣の登録制(第9条)ただし、設置する電気通信回線設備の規模及び設置する区域の範囲が一定の基準を超えない場合や電気通信回線設備を設置しない事業の開始については総務大臣への届出制となっております(第16条)。・ 合併や株式取得等を行う際の電気通信事業の登録の更新制(第12条の2)・ 電気通信事業の休廃止についての総務大臣への届出制及び利用者への周知義務(第18条)b 利用者料金その他の提供条件の設定等・ 基礎的電気通信役務の契約約款の総務大臣への届出制(第19条)基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者は、基礎的電気通信役務に関する料金その他の提供条件について契約約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。・ 消費者保護関連電気通信事業者は、契約前の説明義務(第26条)、書面交付義務(第26条の2)、初期契約解除制度(第26条の3)、苦情等処理義務(第27条)、不実告知等や勧誘継続行為の禁止(第27条の2)及び媒介等業務受託者に対する指導等の措置義務(第27条の3)等が課されています。(注)基礎的電気通信役務 国民生活に不可欠であるためあまねく日本全国における提供が確保されるべき電気通信役務(いわゆるユニバーサルサービス)として総務省令で定めるもの。具体的には加入電話(基本料)又は加入電話に相当する光IP電話、第一種公衆電話(総務省の基準に基づき設置される公衆電話)、緊急通報(110番、118番、119番)等。c 相互接続・ 電気通信回線設備への接続について他の電気通信事業者の請求に応ずる義務(第32条)d ユニバーサルサービス基金制度ユニバーサルサービス基金制度は、ユニバーサルサービスの確保に必要な費用を、主要な電話会社全体で支えていくための制度です。基礎的電気通信役務(ユニバーサルサービス)の提供を確保するため、総務大臣の指定を受けた支援機関が、不採算地域等を含めて当該役務を提供する適格電気通信事業者(第108条)に対してその提供に要する費用の一部に充てるための交付金を交付する(第107条)こととされており、これに伴い支援機関が必要とする費用については各電気通信事業者が応分の負担金を納付する義務を負う(第110条)こととされています。このユニバーサルサービス基金制度については、平成18年4月に基金の対象となる役務や交付金・負担金の算定方法等を定める総務省令が改正されたことを受け、同年6月より実際に支援機関の業務が開始されました。東西地域会社は、NTT法により、ユニバーサルサービス(国民生活に不可欠な電話役務)の全国提供を義務付けられており、総務大臣から適格電気通信事業者に指定されています。なお、平成28年度と平成29年度の東西地域会社への補填額はそれぞれ68億円、69億円となっています。 (b) 東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社(東西地域会社)のみに課される規制a 利用者料金その他の提供条件の設定・ 指定電気通信役務に関する保障契約約款の総務大臣への届出制(第20条) 第一種指定電気通信設備を用いて提供する指定電気通信役務の料金その他の提供条件については、利用者と別段の合意がある場合を除き適用される保障契約約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。・ 特定電気通信役務の料金の規制(第21条) 特定電気通信役務については、その料金の指数が総務大臣から通知される基準料金指数以下となる場合には総務大臣への届出制とする一方、基準料金指数を越える場合には総務大臣の認可を必要とする、いわゆる「プライスキャップ規制」が適用されています。(注)・第一種指定電気通信設備 各都道府県において電気通信事業者の設置する固定端末系伝送路設備のうち、同一の電気通信事業者が設置するものであって、当該都道府県内の総数の2分の1を超えるもの及びこれと一体として設置する電気通信設備で、他の電気通信事業者との接続が利用者の利便向上及び電気通信の総合的かつ合理的な発達に不可欠な設備として、総務大臣が指定するもの。具体的には、東西地域会社の主要な電気通信設備が指定されている。・指定電気通信役務 第一種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者が当該設備を用いて提供する電気通信役務であって、他の電気通信事業者によって代替役務が十分提供されないこと等の事情を勘案して、適正な料金その他の提供条件に基づく提供を保障することにより利用者の利益を保護するため特に必要があるものとして総務省令で定めるもの。具体的には、加入電話、ISDN、公衆電話、専用サービス、フレッツ光、ひかり電話等であるが、利用者の利益に及ぼす影響が少ない付加的な機能の提供に係る役務等は除かれる。・特定電気通信役務 指定電気通信役務のうち利用者の利益に及ぼす影響が大きいものとして総務省令で定めるもの。具体的には、東西地域会社の提供する加入電話、ISDN、公衆電話。・基準料金指数 特定電気通信役務の種別ごとに、能率的な経営の下における適正な原価及び物価その他の経済事情を考慮して、通常実現することができると認められる水準の料金を表す指数として、総務大臣が定めるもの。・プライスキャップ規制 料金の上限を規制する制度のこと。なお、東西地域会社の実際の料金指数は、平成28年10月1日から始まった1年間の基準料金指数を下回る水準にあることから、プライスキャップ規制に基づく値下げは行っていない。b 相互接続等・ 第一種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の総務大臣の認可制(第33条)東西地域会社は、第一種指定電気通信設備を有する電気通信事業者として、相互接続に係る接続料及び接続条件について接続約款を定め、接続料が能率的な経営の下における適正な原価を算定するものとして総務省令で定める方法により算定された原価に照らし公正妥当なものであること等を要件に総務大臣の認可を受けることになっております。 (電話接続料)平成10年5月、日米両政府の規制緩和等に関する共同報告の中で、日本政府は、接続料への長期増分費用方式の導入の意向を表明、平成12年5月に長期増分費用方式の導入を定めた改正電気通信事業法が成立し、それ以降、同方式により接続料の値下げが行われました。また、その後、通信量が大幅に減少する中で、接続料の上昇による通話料の値上げを回避する観点から、NTSコスト(Non-Traffic Sensitive Cost、通信量に依存しない費用)を接続料原価から控除し基本料で回収することとされました(平成16年10月の情報通信審議会答申)。なお、NTSコストの一部については、ユニバーサルサービス基金の利用者負担の増加を抑制する観点から同基金の見直しが行われた際、基金の補填対象範囲の縮小分の負担について東西地域会社のみに負わせるのではなく、各事業者から公平に回収することが適当とされたことから、再度接続料原価に算入することとされています。平成28年度以降の接続料については、平成27年の情報通信審議会における検討の結果、引き続き長期増分費用方式を、平成28年度から平成30年度まで適用することとされました。 (光ファイバ接続料)東西地域会社が有する光ファイバは、電気通信事業法における第一種指定電気通信設備として他事業者に認可料金(接続料)で貸し出すことを義務付けられております。加入者光ファイバ接続料については、接続料低廉化の見通しを示すことにより他事業者が参入しやすい環境を整えるため、平成28年度から平成31年度までの4年間を算定期間とする将来原価方式により算定しています。なお、今回の接続料においても、実績接続料収入と実績費用の差額を次期以降の接続料原価に加えて調整する乖離額調整制度を導入しており、未回収リスクはないものと考えています。なお、加入者光ファイバの分岐端末回線単位の接続料設定の問題については、情報通信行政・郵政行政審議会における検討の結果、依然として様々な解決すべき課題がある(平成24年3月の情報通信行政・郵政行政審議会答申)とされ、分岐端末回線単位の接続料は設定されていません。 ・ 第一種指定電気通信設備の機能に関する計画の総務大臣への届出制(第36条) 東西地域会社は、第一種指定電気通信設備の機能の変更又は追加の計画について、総務大臣に届け出ることとされています。・ 第一種指定電気通信設備の共用に関する協定の総務大臣への届出制(第37条) 東西地域会社は、他の電気通信事業者との第一種指定電気通信設備の共用の協定について、総務大臣に届け出ることとされています。・ 第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務に関する総務大臣への届出制(第38条の2)及び整理・公表制(第39条の2) 東西地域会社は、第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始・変更・廃止したときは、その旨、卸電気通信役務の種類、一定の要件を満たす卸先事業者に対する料金その他の提供条件等を総務大臣に届け出ることとされています。また、総務大臣は、当該届出に関して作成し、又は取得した情報について、整理・公表することとされています。 c 禁止行為東西地域会社は、市場支配的な事業者として、接続情報の目的外利用や他の電気通信事業者に対し不当に優先的な取扱いを行うこと等を禁止されている(第30条)ほか、特定関係事業者として総務大臣に指定されたエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社との役員兼任等の禁止(第31条)が定められています。また、東西地域会社の業務委託先子会社において禁止行為が行われないよう、東西地域会社が委託先子会社に対し必要かつ適切な監督を行うことや、東西地域会社が接続の業務に関して知り得た情報の適切な管理、接続の業務の実施状況を適切に監視するための体制の整備等が義務付けられています(第31条)。したがって、NTTグループ内の電気通信事業者間で排他的に連携してサービスを提供することには一定の制約があり、NTTグループとしては、この禁止行為規制を含め公正競争条件を確保しつつ市場ニーズに応じたサービスを提供していく考えですが、例えば、新サービスの迅速な提供に支障をきたす等の影響が生じる可能性があります。 (c) 株式会社NTTドコモに課される規制a 相互接続等・ 第二種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の総務大臣への届出制(第34条) 株式会社NTTドコモの携帯電話に係る主要な電気通信設備については、他の電気通信事業者との適正かつ円滑な接続を確保すべきものとして総務大臣より第二種指定電気通信設備に指定されており、他の電気通信事業者の電気通信設備との接続に関し、接続料及び接続の条件について接続約款を定め、総務大臣に届け出ることとされております。・ 第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務に関する総務大臣への届出制(第38条の2)及び整理・公表制(第39条の2) 株式会社NTTドコモは、第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始・変更・廃止したときは、その旨、卸電気通信役務の種類、一定の要件を満たす卸先事業者に対する料金その他の提供条件等を総務大臣に届け出ることとされています。また、総務大臣は、当該届出に関して作成し、又は取得した情報について、整理・公表することとされています。 なお、第二種指定電気通信設備に関する規制については、株式会社NTTドコモのほか、第二種指定電気通信設備を設置する全ての電気通信事業者に課されています。b 禁止行為株式会社NTTドコモは、市場支配的な事業者として、接続情報の目的外利用やグループ内の事業者であって総務大臣が指定するものに対し不当に優先的な取扱いを行うこと等を禁止(第30条)されております。(注)・第二種指定電気通信設備 電気通信事業者の設置する携帯電話機に接続される伝送路設備のうち同一の電気通信事業者が設置するものであって、その業務区域内の全ての当該伝送路設備の総数の10分の1を超えるもの及びその事業者が当該電気通信役務を提供するために設置する電気通信設備で、他の電気通信事業者の電気通信設備との適正かつ円滑な接続を確保すべき設備として、総務大臣が指定するもの。 (d) 今後の動向等 情報通信審議会は平成26年12月に「2020年代に向けた情報通信政策の在り方」について答申を行いました。本答申を踏まえ、電気通信事業の公正な競争の促進や電気通信サービスの利用者の保護を図るために、東西地域会社の光回線の卸売サービス等に関する制度整備や初期契約解除制度の導入等を行う電気通信事業法等の一部を改正する法律が平成28年5月に施行されました。 また、その中で、政府は、法施行後3年を経過した場合において、改正後の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講じるものとされていますが、NTTグループへの影響については、現時点では不明です。 ② 日本電信電話株式会社等に関する法律(昭和59年法律第85号)(a) 概要 平成9年6月に公布された「日本電信電話株式会社法の一部を改正する法律」は、平成11年7月に施行されました(これにより「日本電信電話株式会社法」は「日本電信電話株式会社等に関する法律」に改題され、当社を純粋持株会社とする再編成がおこなわれました。)。同法は平成13年6月公布、同年11月施行の「電気通信事業法等の一部を改正する法律」等によっても改正されています。一 目的1 当社は、東西地域会社がそれぞれ発行する株式の総数を保有し、これらの株式会社による適切かつ安定的な電気通信役務の提供の確保を図ることならびに電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うことを目的とする株式会社とする。2 東西地域会社は、地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社とする。二 事業1 当社は、その目的を達成するため、次の業務を営むものとする。(1)東西地域会社が発行する株式の引受け及び保有ならびに当該株式の株主としての権利の行使をすること(2)東西地域会社に対し、必要な助言、あっせんその他の援助を行うこと(3)電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うこと(4)(1)(2)及び(3)に掲げる業務に附帯する業務2 当社は、二の1に掲げる業務を営むほか、総務大臣へ届け出ることによって、その目的を達成するために必要な業務を営むことができる。3 東西地域会社は、その目的を達成するため、次の業務を営むものとする。(1) それぞれ次に掲げる都道府県の区域において行う地域電気通信業務(同一の都道府県の区域内における通信を他の電気通信事業者の設備を介することなく媒介することのできる電気通信設備を設置して行う電気通信業務をいう。)イ 東日本電信電話株式会社にあっては、北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県及び長野県ロ 西日本電信電話株式会社にあっては、京都府及び大阪府ならびにイに掲げる県以外の県(2)二の3の(1)に掲げる業務に附帯する業務4 東西地域会社は、総務大臣へ届け出ることによって、次の業務を営むことができる。(1)二の3に掲げるもののほか、東西地域会社の目的を達成するために必要な業務(2)それぞれ二の3の(1)により地域電気通信業務を営むものとされた都道府県の区域以外の都道府県の区域において行う地域電気通信業務5 東西地域会社は、3、4に規定する業務のほか、総務大臣へ届け出ることによって、地域電気通信業務の円滑な遂行及び電気通信事業の公正な競争の確保に支障のない範囲内で、3に規定する業務を営むために保有する設備若しくは技術又はその職員を活用して行う電気通信業務その他の業務を営むことができる。三 責務 当社及び東西地域会社は、それぞれその事業を営むに当たっては、常に経営が適正かつ効率的に行われるように配意し、国民生活に不可欠な電話の役務のあまねく日本全国における適切、公平かつ安定的な提供の確保に寄与するとともに、今後の社会経済の進展に果たすべき電気通信の役割の重要性にかんがみ、電気通信技術に関する研究の推進及びその成果の普及を通じて我が国の電気通信の創意ある向上発展に寄与し、もって公共の福祉の増進に資するよう努めなければならない。 (b) 総務大臣の認可を必要とする事項・ 当社及び東西地域会社の新株及び新株予約権付社債の発行(第4条、第5条)(注)当社は、総務省令で定める一定の株式数に達するまでは、認可を受けなくても総務大臣に届け出ることにより新株の発行が可能(附則第14条)・ 当社の取締役及び監査役の選任及び解任の決議(第10条)(注)日本の国籍を有しない人は、当社及び東西地域会社の取締役又は監査役となることができない・ 当社及び東西地域会社の定款の変更、合併、分割及び解散の決議、当社の剰余金処分の決議(第11条)・ 当社及び東西地域会社の事業計画及び事業計画の変更(第12条)・ 東西地域会社の重要な設備の譲渡及び担保に供すること(第14条) (c) その他総務大臣に対する義務・ 当社及び東西地域会社の貸借対照表、損益計算書、事業報告書の提出(第13条)・ 当社及び東西地域会社への命令を受ける義務(第16条)・ 当社及び東西地域会社の業務に関する報告の要求に応じる義務(第17条) ③ 電波法(昭和25年法律第131号)(a)総務大臣の免許を必要とする事項・ 無線局の開設(第4条) (b)総務大臣の許可を必要とする事項・ 無線局の目的、通信の相手方、通信事項等の変更等(第17条) (携帯電話の周波数帯割当て)移動通信事業において、事業者が無線周波数帯域を使用するためには日本政府(総務省)の免許が必要となります。周波数帯の割当ては電波法及び関連する法令等により規定されています。(2)当社株式に係る事項① 外国人等議決権割合の制限(日本電信電話株式会社等に関する法律 第6条) 当社は、外国人等議決権割合が三分の一以上になるときは、その氏名及び住所を株主名簿に記載し、又は記録してはならない。 (注)外国人等 一 日本の国籍を有しない人二 外国政府又はその代表者三 外国の法人又は団体四 前三号に掲げる者により直接に占められる議決権の割合が総務省令で定める割合以上である法人又は団体なお、当社定款において、株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者、およびその有する株式の全部若しくは一部について日本電信電話株式会社等に関する法律第6条に基づき、株主名簿に記載されなかった若しくは記録されなかった株主又は当該株主の有する株式の質権者に対して、剰余金の配当をすることができる旨を規定しております。 ② 政府による当社の株式保有義務(日本電信電話株式会社等に関する法律 第4条)政府は、常時、当社の発行済株式の総数の三分の一以上に当たる株式を保有していなければならない。 (注)発行済株式の総数の算定方法の特例(日本電信電話株式会社等に関する法律 附則第13条)・ 第4条第1項の規定の適用については、当分の間、新株募集若しくは新株予約権の行使による株式の発行又は取得請求権付株式若しくは取得条項付株式の取得と引換えの株式の交付があった場合には、これらによる株式の各増加数(「不算入株式数」)は、それぞれ第4条第1項の発行済株式の総数に算入しないものとする。・ 前項に規定する株式の増加後において株式の分割又は併合があつた場合は、不算入株式数に分割又は併合の比率(二以上の段階にわたる分割又は併合があつた場合は、全段階の比率の積に相当する比率)を乗じて得た数をもって、同項の発行済株式の総数に算入しない株式の数とする。平成29年3月31日時点のNTTの発行済株式総数は2,096,394,470株であり、同日現在の政府保有株式数は679,123,568株、即ち、発行済株式総数の32.39%(自己株式除き発行済株式総数の33.70%)となっております。(注)当社は平成12年12月に公募増資により30万株(平成21年1月4日付の株式分割および平成27年7月1日付の株式分割後に換算すると6,000万株)の新株発行を実施しました。これらの株式は、前述のとおり、政府が保有する株式の比率を計算する際には発行済株式総数には算入されません。また、政府保有株式数には名義書換失念株等の政府が実質的に保有していない株式が含まれているため、これらの株式は、政府が保有する株式の比率を計算する際には政府保有株式数に算入していません。これらの条件を考慮すると、政府が保有する株式の比率は33.33%となります。NTTグループと政府の各種部門・機関との取引は、個別の顧客として、かつ独立当事者間の取引として行われております。政府は、株主としての資格において当社の株主総会で議決権を行使し、筆頭株主としての立場から、理論上は株主総会での大多数の決議に重大な影響力を及ぼす権限を有します。しかしながら、過去に政府がこの権限を行使して当社の経営に直接関与したことはありません。 ③ 政府保有株式の売却について 政府の保有する当社株式の処分は、その年度の予算をもって国会の議決を経た限度数の範囲内でなければならない(日本電信電話株式会社等に関する法律 第7条)・ 売却の経緯及び売却方針について 当社は発行済株式総数1,560万株で設立され、政府が売却可能である当社株式1,040万株(政府による保有が義務付けられた全体の三分の一に当たる520万株を除いた株式)のうち540万株については、昭和61~63年度において売却されました。 また、平成2年12月17日に、未売却となっていた500万株のうち、イ)250万株について毎年度50万株程度を計画的に売却することを基本とすること、ロ)後年度において市場環境から許容される場合、計画の前倒しによる売却があり得ること、ハ)残余の250万株については、当分の間、売却を凍結するという今後の売却方針が大蔵省(当時)より示されました。(ただし、平成9年度まで、市場環境等により実際の売却は見送られました。) 平成10年度においては、平成10年12月に100万株について売却が実施されました。 平成11年度においては、100万株が売却限度数として計上されておりましたが、このうち48,000株については平成11年7月13日の当社の自己株式買入において売却が実施され、残りの952,000株については平成11年11月に売却が実施されました。また、上記の平成2年12月に示された売却方針については終了しました。 平成12年度においては、平成12年11月に100万株の売却が実施されました。 平成14年度においては、100万株が売却限度数として計上されておりましたが、このうち91,800株については平成14年10月8日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。 平成15年度においては、100万株が売却限度数として計上されておりましたが、このうち85,157株については平成15年10月15日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。 平成16年度においては、100万株が売却限度数として計上されておりましたが、このうち80万株については平成16年11月26日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。平成17年度においては、1,123,043株が売却限度数として計上されておりましたが、1,123,043株全てについて平成17年9月6日の当社の自己株式買入等において売却が実施されました。平成23年度においては、99,334,255株を売却限度数として計上されておりましたが、このうち57,513,600株については平成23年7月5日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。また、41,820,600株については平成24年2月8日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。平成25年度においては、62,166,721株を売却限度数として計上されておりましたが、このうち26,010,000株については平成26年3月7日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。平成26年度においては、36,156,721株を売却限度数として計上されておりましたが、このうち35,088,600株については平成26年11月14日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。また、1,068,100株については平成26年11月28日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。平成28年度においては、59,000,043株を売却限度数として計上されておりましたが、このうち59,000,000株については平成28年6月14日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。
FY2016|22,169 文字
4【事業等のリスク】本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を、NTTグループの事業を取り巻く環境及びそれに対応した事業戦略、業務運営に係るリスクのほか、規制をはじめとした政府との関係に係るリスク等の観点から総合的な評価を行った上で、以下のように取りまとめております。なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。当社が現在関知していないリスク、あるいは当社が現時点では重要ではないと考えるリスクであってもNTTグループの事業活動を損なうことになる可能性があります。さらに、本有価証券報告書は、リスクと不確実性を伴う将来見通しに基づく情報も含んでおります。NTTグループは、下記リスクのほか、本有価証券報告書中の他の箇所に記載されているリスクに直面しておりますが、これらのリスクの影響により、NTTグループの実際の業績が、将来見通しに基づく記述が想定しているものとは大きく異なってくる可能性があります。 《事業環境及びそれに対応した戦略に係るリスク》○NTTグループの事業は、世界及び日本の経済状況から影響を受ける可能性があります。 NTTグループは日本、北米、中南米、ヨーロッパ、アフリカ、中東、アジア、オセアニアなど世界各地で事業を展開しております。これらの国・地域での景気後退や経済成長速度の減速といった経済状態により、NTTグループが提供するサービスに対する需要やNTTグループの事業運営に悪影響が生じる可能性があります。NTTグループの事業は、海外事業の割合が増加傾向にあるものの、その収益の多くが日本において生み出されているため、NTTグループの経営成績や財政状態は特に日本経済の状況の影響を受ける可能性があります。NTTグループの事業のうち、特にソリューション事業では、景気後退により企業収益が悪化した場合は企業のIT投資に係るコスト低減要求及びIT投資効果への評価が厳格化するなどIT投資を抑制する傾向があるため、NTTグループの扱うシステムやサービスの販売価格及び受注額の低下につながる可能性があります。金融事業では、景気後退の影響により、取引先の経営状況がNTTグループの与信管理の想定を超えて期中に変動し不良債権が発生する可能性があります。不動産事業では、景気後退の影響により不動産賃貸市場やマンション分譲市場の需給が悪化し、投資の採算性が低下する可能性があり、これらのリスクが顕在化した場合には、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、NTTグループは、社債・借入金等の多様な手段により資金調達を実施し、低利かつ安定的な資金の確保に努めておりますが、金融市場において大きな変動が生じた場合には、NTTグループの資金調達コストの増加につながる可能性があります。NTTグループは投資有価証券等の資産を保有しております。景気後退による株式市場や金融市場の低迷により、それらの資産価値が下落した場合には評価損が発生し、NTTグループの業績に影響が生じる可能性があるほか、NTTグループの年金基金についても、景気後退による株式市場や金融市場の低迷が生じた場合には、年金運用等に影響を及ぼす可能性があります。 ○市場構造の変化や競争の進展により、NTTグループの営業収益が低下する可能性があります。 情報通信市場は、スマートフォンやタブレット端末の普及、LTE(注1)をはじめとしたワイヤレスブロードバンドの高速化、クラウドサービスの利用拡大等が進行しております。また、通信事業者だけではなく様々な事業者が市場に参入し、OTT(注2)事業者が提供するサービスが普及しグローバルレベルの競争が進展しているほか、固定通信サービスと移動通信サービスの組み合わせによるFMCサービスの展開が加速しており、通信サービスにおける市場構造は大きく変化しています。さらに、既存の通信事業者との競争も継続しており、競争環境は一段と厳しくなっています。このような市場構造の変化や競争の進展に適切に対応できない場合、NTTグループの営業収益が低下する可能性があります。固定通信市場では、音声定額サービスやOTT事業者が提供する無料もしくは低価格の通信サービス等の影響による音声収益の減少傾向が続いております。また、ブロードバンドサービスは普及率の上昇に伴い市場が成熟しつつあり、成長率が鈍化しているほか、ワイヤレスブロードバンドの高速化により、スマートフォンなどの携帯端末をもっぱら利用し、固定通信を利用しないユーザが若年層を中心に見られるようになっています。移動通信市場では、既存の通信事業者との間で端末価格も含めた料金、ネットワーク品質、提供するサービス等、様々な側面で激しい競争が続いています。それに加え、OTT事業者が提供する無料もしくは低価格の通信サービスとの競争やMVNO(注3)の拡大等、市場構造の変化に伴う競争も進展しています。こうした市場環境のなか、NTTグループは高度で多様なサービスの提供及び契約者の利便性向上を目的として、各種の新たな料金プランや新サービスの提供を行っているほか、国内ビジネスの持続的な成長に向けた、B2B2Xモデルへの転換に取り組んでおります。NTT東日本及びNTT西日本は、光アクセスサービスをエンドユーザに直接提供する従来のビジネスモデルに加えて、光アクセスサービスを多様なプレイヤーに提供し、各プレイヤーが光アクセスサービスと自社サービスを組み合わせ、各プレイヤーのサービスとしてエンドユーザに提供する新たなビジネスモデルである「光コラボレーションモデル」を提供しています。NTTドコモは、国内音声通話を定額とし、パケット通信のデータ通信量を家族で分け合える料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」や「光コラボレーションモデル」を活用した光ブロードバンドサービス「ドコモ光」とスマートフォン・携帯電話をまとめて提供する「ドコモ光パック」を提供しています。加えて、移動通信と金融・決済、コマース、生活関連、IoT(注4)、環境・エネルギー、教育・学習等の様々なサービスや産業を融合させた新たな事業領域への取り組みを継続しています。しかし、これらの取り組みにもかかわらず、NTTグループが期待する水準で契約数を獲得・維持できない場合や、各種料金・割引サービスの契約率や定額制サービスへ移行する契約数の動向等が想定した通りにならない場合があり、結果としてNTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。ソリューション事業は、情報サービス市場の中で有力な成長分野であると目されており、ハードウェアベンダー等もビジネスの主軸として取り組んで取り組んでおります。また、急成長するインドや中国といった新興国の情報サービス企業が、グローバル競争をもたらしつつあり、競合会社の積極参入による競争激化が経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、NTTグループは情報通信以外の市場においても様々な事業を営んでおりますが、それらの事業において想定した通りの収益が得られない可能性があり、結果として経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 (注1)Long Term Evolutionの略。高速・大容量、電波利用効率の高さ、低遅延などを特徴とする通信方式。標準化団体3GPP(3rd Generation Partnership Project)で仕様が作成された。(注2)Over The Top の略。自社でサービスの配信に必要な通信インフラを持たずに、他社の通信インフラを利用してコンテンツ配信を行うサービス。(注3)Mobile Virtual Network Operatorの略。無線通信インフラを他社から借り受けてサービスを展開している事業者。(注4)Internet of Thingsの略。あらゆるモノがインターネットを通じて接続され、制御等を可能にする概念のこと。 ○グローバルビジネスの成長が、想定通り進展しない可能性があります。 NTTグループは、グローバルビジネスを事業の基軸として拡大させるとともに、利益創出スピードを加速させるための取り組みを実行しております。海外事業における着実な売上成長を実現していくために、グループ全体でのサービスやプロダクトの強化を図るとともに、グローバルアカウントの拡大やアップセル・クロスセルの更なる推進など、セールス/マーケティングを強化しております。グループ各社におけるサービス/オペレーションの効率化・最適化や、調達コストの低減等、徹底したコスト効率化にも取り組んでおります。しかしながら、これらの取り組みが想定通り進捗しない場合や、クラウドサービス市場が期待するほど成長しない場合、競争の進展等により収益が想定通り拡大しない場合には、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 ○NTTグループは、想定するコスト削減を実現できない可能性があります。 NTTグループは、飽和傾向にある国内の固定通信市場/移動通信市場において、設備投資の効率化やコスト削減による利益創出に向けて取り組んでおります。設備投資の効率化については、各社でネットワークのシンプル化・スリム化を実施することに加え、既存設備の利用効率の向上や調達コストの削減に取り組んでおります。ITシステムについても、最新技術を活用して共通基盤化を進めております。あわせて、コスト削減に継続的に取り組んでいるほか、B2B2Xモデルへの転換などを踏まえたシンプルで生産性の高い業務運営の確立に向けて取り組んでおります。これらの取り組みにより、国内ネットワーク事業の効率化に努めてまいりますが、競争環境の変化や、設備関連・業務全般の効率化の進捗状況等によっては、想定通りに設備投資の効率化が図れない場合や、販売経費や設備関連コスト、人件費等の削減効果が十分発揮されない場合があります。こうした場合は、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 ○国内外の出資、提携及び協力関係等は、NTTグループが期待するようなリターンや事業機会を生まないとともに適切なコントロールが及ばない可能性があります。 NTTグループは、市場構造の変化やお客様ニーズに速やかに対応するため、国内外の企業・組織との合弁事業、事業提携、協力関係の構築、出資、買収等の活動を実施しております。しかし、NTTグループが既に出資をしている、または出資に合意している国内外の事業者や、将来出資や事業提携を行う国内外の事業者について、これら事業者の企業価値や経営成績を維持・向上させること及びNTTグループとのシナジー効果を十分に発揮することができない場合があります。さらに、投資、提携または協力関係を解消・処分することにより、損失が生じる場合があります。NTTグループでは、グローバルビジネスの拡大に積極的に取り組んでおり、買収後には定期的なモニタリングを実施するなど、期待したリターンを得られるよう取り組んでいるほか、グループガバナンスやリスクマネジメントの強化についても取り組んでおります。しかし、海外子会社の増加により事業戦略に関する意識統一が困難になり、適切なコントロールが及ばず、事業・業務運営が円滑に行うことが困難となる場合があります。また、海外における事業活動は、投資や競争等に関する法的規制、税制、契約実務を含めた商習慣の相違、労使関係、国際政治等様々な要因の影響下にあります。これらのリスクが顕在化した場合には、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 ○事業遂行上必要な知的財産権等のライセンスが受けられない場合や、他者から知的財産権等の侵害に関する主張を受けた場合、知的財産権等が不正使用された場合には、経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 NTTグループや事業上のパートナーがその事業を遂行するためには、事業遂行上必要となる他者の知的財産権等の権利について、当該権利の保有者よりライセンス等を受ける必要がある場合があります。現在、NTTグループ等は、当該権利の保有者との間で契約を締結することによりライセンス等を受けており、また、今後の事業遂行上必要となる他者の知的財産権等の権利については、当該権利の保有者よりライセンス等を受ける予定ですが、当該権利の保有者との間でライセンス等の付与について合意できなかったり、または、一旦ライセンス等の付与に合意したもののその後当該合意を維持できなかった場合には、NTTグループや事業上のパートナーの特定の技術、商品またはサービスの提供ができなくなる可能性があります。NTTグループ各社による海外企業の買収などに伴い、グローバルビジネスが拡大しており、NTTグループが海外企業からその知的財産権等の権利を侵害したとの主張を受ける機会が増える可能性があります。仮に他者より、NTTグループがその知的財産権等の権利を侵害したとの主張を受けた場合には、その解決に多くの時間と費用を要する可能性があり、さらに当該他者の主張が判決等により認められた場合、あるいは和解等により当事者間で合意した場合には、当該権利に関連する事業の収益減や当該権利の侵害を理由に損害賠償責任等を負ったり、当該事業の実施の差止めを受ける可能性があります。さらに、NTTグループが保有する知的財産権等の権利について、第三者が不正に使用する等により、本来得られるライセンス収入が減少したり、競争上の優位性をもたらすことができない可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合には、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 ○人材の確保が想定通りに進まない場合、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 情報通信市場においては、国内外の様々なプレイヤーが市場に参入し、サービスや機器の多様化・高度化が急速に進んでおり、今後、クラウドサービスを中心として変化が一層加速していくと見込まれます。このような状況の中で、NTTグループの事業は、高スキルを保有する優秀な人材の確保に大きく影響されます。こうした優秀な人材の確保・育成が想定どおりに進まないことで、新技術の開発、新サービスの企画、既存サービスの改善、成長戦略の実行等に影響を及ぼす場合があり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 《業務運営に係るリスク》○自然災害、ソフトウェア・ハードウェア障害、サイバー攻撃などによるシステム障害、ネットワーク障害、システム構築上の問題が発生し、経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 NTTグループは国内外において事業を展開しており、NTTグループのサービス提供に必要なシステムやネットワークについては、通信ビルの耐震機能・水防機能の強化、伝送路のルート見直しなど安全かつ安定して運用できるよう様々な対策を講じておりますが、これらの対策にもかかわらず、地震・津波・台風・洪水等の自然災害、新型インフルエンザ等伝染病の大規模な流行、ソフトウェア及びハードウェアの障害、サイバー攻撃、テロリズム、武力行為、地域紛争といった要因により、システム及びネットワーク障害の発生や、社員の安全が脅かされることによって、事業運営に混乱が生じ、サービスを安定的に提供できない場合や、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下する恐れがあります。特に、大規模災害等が発生した場合には、ネットワークに大きな影響を受けるだけでなく、社員が被災する可能性やシステム障害の復旧に長い時間を要する可能性、緊急の電力使用制限によりサービスを安定的に提供できない可能性があり、その結果として、収入の減少や多額の修繕費用の支出を余儀なくされる可能性があります。また、NTTグループにおいては、高度で複雑な技術を利用したサービスや製品が増えており、品質管理のリスクが増大しております。特に、スマートフォンやタブレット端末上で動作するアプリケーション等のソフトウェアの中には、通信の確立、切断等をするために、端末とネットワーク間でやりとりされる制御信号の増加等、NTTグループの想定を大きく上回る設備負荷を生じさせる可能性を有するものがあります。設備増強によるネットワーク耐力の強化、故障対応の迅速化などにより信頼性及び品質の向上に取り組んでおりますが、既存の設備ではそうしたトラヒックを処理できない場合や、サービスや製品に関わるシステム障害、機器の設定誤り等の人為的要因による問題が生じた場合には、その損害についてNTTグループが責任を負う可能性があると共に、サービスや製品の品質への信頼を失う可能性があります。さらに、近年では、スマートフォンやクラウドサービス等の新たなICT分野におけるサービスの情報セキュリティへの対策が大きな課題となっております。NTTグループでは、多様化するサイバー攻撃に対し、標的型攻撃や脆弱性への対応などのセキュリティ対策の高度化を実施するとともに、グループ横断での演習の実施や、各種教育システムを活用した人材育成の取り組みを推進しておりますが、想定外の事象が起こった場合には、不正アクセス等によるサービス停止・サービス品質の低下や、社内ネットワークへの侵入等による情報の漏洩・改竄・喪失が発生し、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下する可能性があります。また、NTTグループはシステムインテグレーションビジネスにおいてお客様にシステム・サービスを提供・納品していますが、それらのシステム・サービスに障害・欠陥が発生する可能性があります。NTTグループがお客様に提供・納品したシステム・サービスのなかには、社会的なインフラとなり、経済活動や日常生活に大きな影響力をもつものがあります。特にそれらのシステム・サービスに障害、欠陥、不正アクセス、ウイルス感染、サイバー攻撃等が発生した場合には、それらによって発生した損害に対する賠償金の支払いが必要となる可能性があるほか、NTTグループの社会的信用や企業イメージが低下する可能性があります。なお、システムインテグレーションビジネスにおいては、一般に請負契約の形態で受注を受けてから納期までにシステムを完成し、お客様に提供するという完成責任を負っていることから、当初想定していた見積りからの乖離や開発段階におけるプロジェクト管理等の問題によって、想定を超える原価の発生や納期遅延に伴う損害の発生等が生じる可能性があります。これらの結果として、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 ○国内外における不正・不祥事や、個人情報等の業務上の機密情報の不適切な取り扱い・流出により、NTTグループの信頼性・企業イメージに影響を与える可能性があります。 NTTグループは、国内外で多くの拠点を持ち、様々な製品やサービスを取り扱う関係上、関連する法令や規則は多岐にわたり、事業活動を営むにあたり免許・届出・許認可等が必要とされるものもあります。また、海外での事業運営においては、当該国での法令の存在または欠如、法令の予期しえない解釈、法規制の新設や改定等によって、法令遵守のための負担が増加する場合があります。NTTグループでは法令遵守を極めて重要な企業の責務と認識しており、近年の米国・英国を中心とした諸外国の贈収賄防止法の厳格化も踏まえ、国内外を問わず、より一層のコンプライアンスの強化に取り組んでおります。しかしながら、こうした対策を行っても、従業員による個人的な不正行為等を含めコンプライアンスに関するリスクもしくは社会的に信用が毀損されるリスクを排除できない場合もあります。また、お客様情報をはじめとする個人情報等の業務上の機密情報の取り扱いについては、厳重な管理などに努めると共に、「NTTグループ情報セキュリティポリシー」を制定し、グループとして、社内における管理体制の整備、役員や従業員への啓発活動等に取り組んでおります。このような取り組みにより、個人情報等の機密情報の管理には万全を期しておりますが、個人情報等の機密情報の流出や不適切な取り扱いが発生するリスクを排除できない場合もあります。これらの場合、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下し、契約者獲得や入札資格停止等事業への影響が生じるおそれがあり、その結果として、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 ○NTTグループの提供する製品やサービスの不適切な利用等により、NTTグループの信頼性・企業イメージに影響を与える社会的問題が発生する可能性があります。 NTTグループの提供している製品やサービスがユーザに不適切に使用されることにより、NTTグループの製品やサービスに対する信頼性の低下や、企業イメージの悪化を招く可能性があります。代表的なものとして、迷惑メールの送信、ネットバンキングの不正送金等のサイバー犯罪や振り込め詐欺等の犯罪にNTTグループのサービスが利用される可能性があるほか、NTTグループの契約者が迷惑メールを大量に受信してしまう等、これらの行為の被害を受けてしまう可能性があります。また、未成年者の有害サイトへのアクセス制限サービスの機能・精度等に関しては様々な議論があります。これらの問題によって、顧客満足度の低下や企業イメージの低下が起こり、解約数の増加を引き起こす可能性もあります。そのほか、歩行中や運転中の携帯電話使用によるトラブルの発生や、有料コンテンツの過度な利用による高額課金、不正アプリ(ソフト)を通じた個人情報の流出といった社会的な問題については、歩きスマホ防止機能やフィルタリング機能の提供等によって適切に対応していると考えておりますが、将来においても適切な対応を続けることができるかどうかは定かではなく、仮に適切な対応ができなかった場合には、既存契約者の解約が増加したり、新規契約者を期待通り獲得できないという結果になる可能性があり、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 ○訴訟等においてNTTグループに不利な判断がなされた場合は、NTTグループの事業に影響を与える可能性があります。 NTTグループは、国内外で多くの拠点を持ち、様々な製品やサービスを取り扱っているため、各種訴訟、係争、損害賠償請求の当事者となる可能性があります。NTTグループが当事者となる訴訟、係争、損害賠償請求において、不利な判断がなされた場合は、金銭的負担が発生するおそれがあるほか、NTTグループの信頼性や企業イメージが低下するおそれがあり、その結果として、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 《規制等、政府との関係に係るリスク等》○通信規制の決定及び変更がNTTグループの事業に影響を与える可能性があります。 日本の情報通信市場においては、競争促進、サービス利用者保護等を目的とした電気通信関連の法改正等、多くの分野で規制の変更が行われてきております。政府等による規制に関する決定、それに伴う通信業界における環境変化は、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。規制の内容や、現在見直しが行われている規制の概要については「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制」をご参照ください。 ○NTTグループが使用できる周波数が限られているなか、事業運営に必要な周波数割当が得られない可能性があります。 NTTグループがサービスを提供するために使用できる周波数には限りがあります。代表的なものとして、移動通信ネットワークは、都心部などではピーク時に使用可能な周波数の限界、もしくはそれに近い状態で運用されることがあるため、サービス品質が低下する可能性があります。また、スマートフォンやタブレット端末等の普及拡大に伴い、契約者当たりのトラヒック量が増加していくなか、事業の円滑な運営のために必要な周波数が得られなかった場合や、新しい周波数帯域の運用開始が想定通りに進まない場合に、サービス品質が低下したり、追加の費用が発生する可能性があります。詳細については、「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制 ③電波法」をご参照ください。NTTグループは、周波数利用効率の向上、及び新たな周波数の獲得に努めておりますが、これらの努力によってサービス品質の低下を回避できるとは限りません。もしNTTグループがこの問題に十分かつ適時に対処しきれない場合、サービスの提供が制約を受け、契約者が競合他社に移行してしまうかもしれず、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 ○NTTグループは、温室効果ガス排出量削減等の環境に関する法令・規制・制度の影響を受ける可能性があります。 NTTグループは、温室効果ガス排出量削減、省エネルギー、廃棄物処理、有害物質処理等に関する日本および海外の環境に関する法令・規制の適用を受けております。NTTグループはこれらの環境に関する法令・規制に対応すべく、高効率電源の導入や通信設備のリユース・リサイクル等の様々な取り組みを実施しておりますが、将来環境に関する社会的な要求がより厳しくなり、新たな法令・規制の導入や、法令・規制の強化等がなされた場合には、コスト負担が増加し、NTTグループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。 ○政府は、株主総会での決議に多大な影響力を与えるに十分な当社株式を保有しております。 政府は現在当社の発行済株式の35.21%(自己株式除き発行済株式総数の35.21%、議決権比率35.26%)を保有しております。政府は株主として当社の株主総会での議決権を有していることから、最大株主として、理論的には株主総会等における決定に対し多大な影響力を行使する権限を有しております。しかしながら、政府は平成9年の国会答弁において、基本的に当社の経営に積極的に関与する形での株主権の行使はしないことを表明しており、事実、過去において政府は当社の経営に直接関与するためにそのような権限を行使したことはありません。法令に基づく政府のNTTグループに対する規制権限については「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制」をご参照ください。 ○株式市場における需給悪化またはその懸念により、当社の株式及びADSの価格が影響を受ける可能性があります。 昭和61年10月までは、政府は当社の発行済株式総数の100%を保有しておりましたが、売出しや当社の自己株式取得に応じた売却により、平成28年3月31日現在、発行済株式の約35.21%(自己株式除き発行済株式総数の35.21%)を保有しております。今後もNTT法が改正され、政府の当社株式保有義務が緩和・撤廃された場合や、当社が自己株式を消却した場合、政府が売却できる当社株式が増加します。政府による当社株式の売却または売却の可能性、あるいは、当社による新株の発行、自己株式の処分またはそれらの可能性は、当社の株式及びADSの価格に影響を与える可能性があります。政府との関係に関する詳細については、「(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (2)当社株式に係る事項」をご参照ください。(参考情報)当社事業にかかる法規制等 (1)規制情報通信産業を所管する日本の主要な監督機関は総務省であり、総務大臣は電気通信事業者を規制する権限を「電気通信事業法」により付与されております。昭和60年、NTTが民営化されると同時に「電気通信事業法」が施行され、日本における電気通信事業の法規制の枠組みは大幅に変更されるとともに、日本の情報通信産業に競争が導入されました。それ以降、政府は日本の電気通信市場における競争を促進するさまざまな措置を講じております。この結果、NTTグループはその事業分野の多くで、新規参入企業や新規に事業参入しようとしている企業との競争激化に直面しております。当社及びその子会社の中には、その事業を行うにあたり、「電気通信事業法」のほか、「日本電信電話株式会社等に関する法律」及び「電波法」に基づく規制を受けている会社が存在いたします。その概要は次のとおりであります。 ① 電気通信事業法(昭和59年法律第86号)電気通信事業法による規制は次のとおりです。※ 平成28年5月に施行の改正内容を反映しております。(a) 全ての電気通信事業者に課される規制a 電気通信事業の開始等・ 電気通信事業の開始についての総務大臣の登録制(第9条)ただし、設置する電気通信回線設備の規模及び設置する区域の範囲が一定の基準を超えない場合や電気通信回線設備を設置しない事業の開始については総務大臣への届出制となっております(第16条)。・ 合併や株式取得等を行う際の電気通信事業の登録の更新制(第12条の2)・ 電気通信事業の休廃止についての総務大臣への届出制及び利用者への周知義務(第18条)b 利用者料金その他の提供条件の設定等・ 基礎的電気通信役務の契約約款の総務大臣への届出制(第19条)基礎的電気通信役務を提供する電気通信事業者は、基礎的電気通信役務に関する料金その他の提供条件について契約約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。・ 消費者保護関連電気通信事業者は、契約前の説明義務(第26条)、書面交付義務(第26条の2)、初期契約解除制度(第26条の3)、苦情等処理義務(第27条)、不実告知等や勧誘継続行為の禁止(第27条の2)及び媒介等業務受託者に対する指導等の措置義務(第27条の3)等が課されています。(注)基礎的電気通信役務 国民生活に不可欠であるためあまねく日本全国における提供が確保されるべき電気通信役務(いわゆるユニバーサルサービス)として総務省令で定めるもの。具体的には加入電話(基本料)又は加入電話に相当する光IP電話、第一種公衆電話(総務省の基準に基づき設置される公衆電話)、緊急通報(110番、118番、119番)等。c 相互接続・ 電気通信回線設備への接続について他の電気通信事業者の請求に応ずる義務(第32条)d ユニバーサルサービス基金制度ユニバーサルサービス基金制度は、ユニバーサルサービスの確保に必要な費用を、主要な電話会社全体で支えていくための制度です。基礎的電気通信役務(ユニバーサルサービス)の提供を確保するため、総務大臣の指定を受けた支援機関が、不採算地域等を含めて当該役務を提供する適格電気通信事業者(第108条)に対してその提供に要する費用の一部に充てるための交付金を交付する(第107条)こととされており、これに伴い支援機関が必要とする費用については各電気通信事業者が応分の負担金を納付する義務を負う(第110条)こととされています。このユニバーサルサービス基金制度については、平成18年4月に基金の対象となる役務や交付金・負担金の算定方法等を定める総務省令が改正されたことを受け、同年6月より実際に支援機関の業務が開始されました。東西地域会社は、NTT法により、ユニバーサルサービス(国民生活に不可欠な電話役務)の全国提供を義務付けられており、総務大臣から適格電気通信事業者に指定されています。なお、平成27年度と平成28年度の東西地域会社への補填額はそれぞれ69億円、68億円となっています。 (b) 東日本電信電話株式会社及び西日本電信電話株式会社(東西地域会社)のみに課される規制a 利用者料金その他の提供条件の設定・ 指定電気通信役務に関する保障契約約款の総務大臣への届出制(第20条) 第一種指定電気通信設備を用いて提供する指定電気通信役務の料金その他の提供条件については、利用者と別段の合意がある場合を除き適用される保障契約約款を定め、総務大臣に届け出ることとされています。・ 特定電気通信役務の料金の規制(第21条) 特定電気通信役務については、その料金の指数が総務大臣から通知される基準料金指数以下となる場合には総務大臣への届出制とする一方、基準料金指数を越える場合には総務大臣の認可を必要とする、いわゆる「プライスキャップ規制」が適用されています。(注)・第一種指定電気通信設備 各都道府県において電気通信事業者の設置する固定端末系伝送路設備のうち、同一の電気通信事業者が設置するものであって、当該都道府県内の総数の2分の1を超えるもの及びこれと一体として設置する電気通信設備で、他の電気通信事業者との接続が利用者の利便向上及び電気通信の総合的かつ合理的な発達に不可欠な設備として、総務大臣が指定するもの。具体的には、東西地域会社の主要な電気通信設備が指定されている。・指定電気通信役務 第一種指定電気通信設備を設置する電気通信事業者が当該設備を用いて提供する電気通信役務であって、他の電気通信事業者によって代替役務が十分提供されないこと等の事情を勘案して、適正な料金その他の提供条件に基づく提供を保障することにより利用者の利益を保護するため特に必要があるものとして総務省令で定めるもの。具体的には、加入電話、ISDN、公衆電話、専用サービス、フレッツ光、ひかり電話等であるが、利用者の利益に及ぼす影響が少ない付加的な機能の提供に係る役務等は除かれる。・特定電気通信役務 指定電気通信役務のうち利用者の利益に及ぼす影響が大きいものとして総務省令で定めるもの。具体的には、東西地域会社の提供する加入電話、ISDN、公衆電話。・基準料金指数 特定電気通信役務の種別ごとに、能率的な経営の下における適正な原価及び物価その他の経済事情を考慮して、通常実現することができると認められる水準の料金を表す指数として、総務大臣が定めるもの。・プライスキャップ規制 料金の上限を規制する制度のこと。なお、東西地域会社の実際の料金指数は、平成27年10月1日から始まった1年間の基準料金指数を下回る水準にあることから、プライスキャップ規制に基づく値下げは行っていない。b 相互接続等・ 第一種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の総務大臣の認可制(第33条)東西地域会社は、第一種指定電気通信設備を有する電気通信事業者として、相互接続に係る接続料及び接続条件について接続約款を定め、接続料が能率的な経営の下における適正な原価を算定するものとして総務省令で定める方法により算定された原価に照らし公正妥当なものであること等を要件に総務大臣の認可を受けることになっております。 (電話接続料)平成10年5月、日米両政府の規制緩和等に関する共同報告の中で、日本政府は、接続料への長期増分費用方式の導入の意向を表明、平成12年5月に長期増分費用方式の導入を定めた改正電気通信事業法が成立し、それ以降、同方式により接続料の値下げが行われました。また、その後、通信量が大幅に減少する中で、接続料の上昇による通話料の値上げを回避する観点から、NTSコスト(Non-Traffic Sensitive Cost、通信量に依存しない費用)を接続料原価から控除し基本料で回収することとされました(平成16年10月の情報通信審議会答申)。なお、NTSコストの一部については、ユニバーサルサービス基金の利用者負担の増加を抑制する観点から同基金の見直しが行われた際、基金の補填対象範囲の縮小分の負担について東西地域会社のみに負わせるのではなく、各事業者から公平に回収することが適当とされたことから、再度接続料原価に算入することとされています。平成28年度以降の接続料については、平成27年の情報通信審議会における検討の結果、引き続き長期増分費用方式を、平成28年度から平成30年度まで適用することとされました。 (光ファイバ接続料)東西地域会社が有する光ファイバは、電気通信事業法における第一種指定電気通信設備として他事業者に認可料金(接続料)で貸し出すことを義務付けられております。加入者光ファイバ接続料については、接続料低廉化の見通しを示すことにより他事業者が参入しやすい環境を整えるため、将来原価方式により算定しています。なお、今回の接続料においても、実績接続料収入と実績費用の差額を次期以降の接続料原価に加えて調整する乖離額調整制度を導入しており、未回収リスクはないものと考えています。なお、加入者光ファイバの分岐端末回線単位の接続料設定の問題については、情報通信行政・郵政行政審議会における検討の結果、依然として様々な解決すべき課題がある(平成24年3月の情報通信行政・郵政行政審議会答申)とされ、分岐端末回線単位の接続料は設定されていません。 ・ 第一種指定電気通信設備の機能に関する計画の総務大臣への届出制(第36条) 東西地域会社は、第一種指定電気通信設備の機能の変更又は追加の計画について、総務大臣に届け出ることとされています。・ 第一種指定電気通信設備の共用に関する協定の総務大臣への届出制(第37条) 東西地域会社は、他の電気通信事業者との第一種指定電気通信設備の共用の協定について、総務大臣に届け出ることとされています。・ 第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務に関する総務大臣への届出制(第38条の2)及び整理・公表制(第39条の2) 東西地域会社は、第一種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始・変更・廃止したときは、その旨、卸電気通信役務の種類、一定の要件を満たす卸先事業者に対する料金その他の提供条件等を総務大臣に届け出ることとされています。また、総務大臣は、当該届出に関して作成し、又は取得した情報について、整理・公表することとされています。 c 禁止行為東西地域会社は、市場支配的な事業者として、接続情報の目的外利用や他の電気通信事業者に対し不当に優先的な取扱いを行うこと等を禁止されている(第30条)ほか、特定関係事業者として総務大臣に指定されたエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社との役員兼任等の禁止(第31条)が定められています。また、東西地域会社の業務委託先子会社において禁止行為が行われないよう、東西地域会社が委託先子会社に対し必要かつ適切な監督を行うことや、東西地域会社が接続の業務に関して知り得た情報の適切な管理、接続の業務の実施状況を適切に監視するための体制の整備等が義務付けられています(第31条)。したがって、NTTグループ内の電気通信事業者間で排他的に連携してサービスを提供することには一定の制約があり、NTTグループとしては、この禁止行為規制を含め公正競争条件を確保しつつ市場ニーズに応じたサービスを提供していく考えですが、例えば、新サービスの迅速な提供に支障をきたす等の影響が生じる可能性があります。 (c) 株式会社NTTドコモのみに課される規制a 相互接続等・ 第二種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の総務大臣への届出制(第34条) 株式会社NTTドコモの携帯電話に係る主要な電気通信設備については、他の電気通信事業者との適正かつ円滑な接続を確保すべきものとして総務大臣より第二種指定電気通信設備に指定されており、他の電気通信事業者の電気通信設備との接続に関し、接続料及び接続の条件について接続約款を定め、総務大臣に届け出ることとされております。・ 第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務に関する総務大臣への届出制(第38条の2)及び整理・公表制(第39条の2) 株式会社NTTドコモは、第二種指定電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供の業務を開始・変更・廃止したときは、その旨、卸電気通信役務の種類、一定の要件を満たす卸先事業者に対する料金その他の提供条件等を総務大臣に届け出ることとされています。また、総務大臣は、当該届出に関して作成し、又は取得した情報について、整理・公表することとされています。 なお、第二種指定電気通信設備に関する規制については、株式会社NTTドコモのほか、第二種指定電気通信設備を設置する全ての電気通信事業者に課されています。b 禁止行為株式会社NTTドコモは、市場支配的な事業者として、接続情報の目的外利用やグループ内の事業者であって総務大臣が指定するものに対し不当に優先的な取扱いを行うこと等を禁止(第30条)されております。(注)・第二種指定電気通信設備 電気通信事業者の設置する携帯電話機に接続される伝送路設備のうち同一の電気通信事業者が設置するものであって、その業務区域内の全ての当該伝送路設備の総数の10分の1を超えるもの及びその事業者が当該電気通信役務を提供するために設置する電気通信設備で、他の電気通信事業者の電気通信設備との適正かつ円滑な接続を確保すべき設備として、総務大臣が指定するもの。 (d) 今後の動向等 情報通信審議会は平成26年12月に「2020年代に向けた情報通信政策の在り方」について答申を行いました。本答申を踏まえ、電気通信事業の公正な競争の促進や電気通信サービスの利用者の保護を図るために、東西地域会社の光回線の卸売サービス等に関する制度整備や初期契約解除制度の導入等を行う電気通信事業法等の一部を改正する法律が平成28年5月に施行されました。なお、本改正によるNTTグループへの影響については、大きくはないと考えております。 また、その中で、政府は、法施行後3年を経過した場合において、改正後の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講じるものとされていますが、NTTグループへの影響については、現時点では不明です。 ② 日本電信電話株式会社等に関する法律(昭和59年法律第85号)(a) 概要 平成9年6月に公布された「日本電信電話株式会社法の一部を改正する法律」は、平成11年7月に施行されました(これにより「日本電信電話株式会社法」は「日本電信電話株式会社等に関する法律」に改題され、当社を純粋持株会社とする再編成がおこなわれました。)。同法は平成13年6月公布、同年11月施行の「電気通信事業法等の一部を改正する法律」等によっても改正されています。一 目的1 当社は、東西地域会社がそれぞれ発行する株式の総数を保有し、これらの株式会社による適切かつ安定的な電気通信役務の提供の確保を図ることならびに電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うことを目的とする株式会社とする。2 東西地域会社は、地域電気通信事業を経営することを目的とする株式会社とする。二 事業1 当社は、その目的を達成するため、次の業務を営むものとする。(1)東西地域会社が発行する株式の引受け及び保有ならびに当該株式の株主としての権利の行使をすること(2)東西地域会社に対し、必要な助言、あっせんその他の援助を行うこと(3)電気通信の基盤となる電気通信技術に関する研究を行うこと(4)(1)(2)及び(3)に掲げる業務に附帯する業務2 当社は、二の1に掲げる業務を営むほか、総務大臣へ届け出ることによって、その目的を達成するために必要な業務を営むことができる。3 東西地域会社は、その目的を達成するため、次の業務を営むものとする。(1) それぞれ次に掲げる都道府県の区域において行う地域電気通信業務(同一の都道府県の区域内における通信を他の電気通信事業者の設備を介することなく媒介することのできる電気通信設備を設置して行う電気通信業務をいう。)イ 東日本電信電話株式会社にあっては、北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県及び長野県ロ 西日本電信電話株式会社にあっては、京都府及び大阪府ならびにイに掲げる県以外の県(2)二の3の(1)に掲げる業務に附帯する業務4 東西地域会社は、総務大臣へ届け出ることによって、次の業務を営むことができる。(1)二の3に掲げるもののほか、東西地域会社の目的を達成するために必要な業務(2)それぞれ二の3の(1)により地域電気通信業務を営むものとされた都道府県の区域以外の都道府県の区域において行う地域電気通信業務5 東西地域会社は、3、4に規定する業務のほか、総務大臣へ届け出ることによって、地域電気通信業務の円滑な遂行及び電気通信事業の公正な競争の確保に支障のない範囲内で、3に規定する業務を営むために保有する設備若しくは技術又はその職員を活用して行う電気通信業務その他の業務を営むことができる。三 責務 当社及び東西地域会社は、それぞれその事業を営むに当たっては、常に経営が適正かつ効率的に行われるように配意し、国民生活に不可欠な電話の役務のあまねく日本全国における適切、公平かつ安定的な提供の確保に寄与するとともに、今後の社会経済の進展に果たすべき電気通信の役割の重要性にかんがみ、電気通信技術に関する研究の推進及びその成果の普及を通じて我が国の電気通信の創意ある向上発展に寄与し、もって公共の福祉の増進に資するよう努めなければならない。 (b) 総務大臣の認可を必要とする事項・ 当社及び東西地域会社の新株及び新株予約権付社債の発行(第4条、第5条)(注)当社は、総務省令で定める一定の株式数に達するまでは、認可を受けなくても総務大臣に届け出ることにより新株の発行が可能(附則第14条)・ 当社の取締役及び監査役の選任及び解任の決議(第10条)(注)日本の国籍を有しない人は、当社及び東西地域会社の取締役又は監査役となることができない・ 当社及び東西地域会社の定款の変更、合併、分割及び解散の決議、当社の剰余金処分の決議(第11条)・ 当社及び東西地域会社の事業計画及び事業計画の変更(第12条)・ 東西地域会社の重要な設備の譲渡及び担保に供すること(第14条) (c) その他総務大臣に対する義務・ 当社及び東西地域会社の貸借対照表、損益計算書、事業報告書の提出(第13条)・ 当社及び東西地域会社への命令を受ける義務(第16条)・ 当社及び東西地域会社の業務に関する報告の要求に応じる義務(第17条) ③ 電波法(昭和25年法律第131号)(a)総務大臣の免許を必要とする事項・ 無線局の開設(第4条) (b)総務大臣の許可を必要とする事項・ 無線局の目的、通信の相手方、通信事項等の変更等(第17条) (携帯電話の周波数帯割当て)移動通信事業において、事業者が無線周波数帯域を使用するためには日本政府(総務省)の免許が必要となります。周波数帯の割当ては電波法及び関連する法令等により規定されています。(2)当社株式に係る事項① 外国人等議決権割合の制限(日本電信電話株式会社等に関する法律 第6条) 当社は、外国人等議決権割合が三分の一以上になるときは、その氏名及び住所を株主名簿に記載し、又は記録してはならない。 (注)外国人等 一 日本の国籍を有しない人二 外国政府又はその代表者三 外国の法人又は団体四 前三号に掲げる者により直接に占められる議決権の割合が総務省令で定める割合以上である法人又は団体なお、当社定款において、株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者、およびその有する株式の全部若しくは一部について日本電信電話株式会社等に関する法律第6条に基づき、株主名簿に記載されなかった若しくは記録されなかった株主又は当該株主の有する株式の質権者に対して、剰余金の配当をすることができる旨を規定しております。 ② 政府による当社の株式保有義務(日本電信電話株式会社等に関する法律 第4条)政府は、常時、当社の発行済株式の総数の三分の一以上に当たる株式を保有していなければならない。 (注)発行済株式の総数の算定方法の特例(日本電信電話株式会社等に関する法律 附則第13条)・ 第4条第1項の規定の適用については、当分の間、新株募集若しくは新株予約権の行使による株式の発行又は取得請求権付株式若しくは取得条項付株式の取得と引換えの株式の交付があった場合には、これらによる株式の各増加数(「不算入株式数」)は、それぞれ第4条第1項の発行済株式の総数に算入しないものとする。・ 前項に規定する株式の増加後において株式の分割又は併合があつた場合は、不算入株式数に分割又は併合の比率(二以上の段階にわたる分割又は併合があつた場合は、全段階の比率の積に相当する比率)を乗じて得た数をもって、同項の発行済株式の総数に算入しない株式の数とする。平成28年3月31日時点のNTTの発行済株式総数は2,096,394,470株であり、同日現在の政府保有株式数は738,123,976株、即ち、発行済株式総数の35.21%(自己株式除き発行済株式総数の35.21%)となっております。(注)当社は平成12年12月に公募増資により30万株(平成21年1月4日付の株式分割および平成27年7月1日付の株式分割後に換算すると6,000万株)の新株発行を実施しました。これらの株式は、前述のとおり、政府が保有する株式の比率を計算する際には発行済株式総数には算入されません。また、政府保有株式数には名義書換失念株等の政府が実質的に保有していない株式が含まれているため、これらの株式は、政府が保有する株式の比率を計算する際には政府保有株式数に算入していません。これらの条件を考慮すると、政府が保有する株式の比率は36.23%となります。NTTグループと政府の各種部門・機関との取引は、個別の顧客として、かつ独立当事者間の取引として行われております。政府は、株主としての資格において当社の株主総会で議決権を行使し、筆頭株主としての立場から、理論上は株主総会での大多数の決議に重大な影響力を及ぼす権限を有します。しかしながら、過去に政府がこの権限を行使して当社の経営に直接関与したことはありません。 ③ 政府保有株式の売却について 政府の保有する当社株式の処分は、その年度の予算をもって国会の議決を経た限度数の範囲内でなければならない(日本電信電話株式会社等に関する法律 第7条)・ 売却の経緯及び売却方針について 当社は発行済株式総数1,560万株で設立され、政府が売却可能である当社株式1,040万株(政府による保有が義務付けられた全体の三分の一に当たる520万株を除いた株式)のうち540万株については、昭和61~63年度において売却されました。 また、平成2年12月17日に、未売却となっていた500万株のうち、イ)250万株について毎年度50万株程度を計画的に売却することを基本とすること、ロ)後年度において市場環境から許容される場合、計画の前倒しによる売却があり得ること、ハ)残余の250万株については、当分の間、売却を凍結するという今後の売却方針が大蔵省(当時)より示されました。(ただし、平成9年度まで、市場環境等により実際の売却は見送られました。) 平成10年度においては、平成10年12月に100万株について売却が実施されました。 平成11年度においては、100万株が売却限度数として計上されておりましたが、このうち48,000株については平成11年7月13日の当社の自己株式買入において売却が実施され、残りの952,000株については平成11年11月に売却が実施されました。また、上記の平成2年12月に示された売却方針については終了しました。 平成12年度においては、平成12年11月に100万株の売却が実施されました。 平成14年度においては、100万株が売却限度数として計上されておりましたが、このうち91,800株については平成14年10月8日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。 平成15年度においては、100万株が売却限度数として計上されておりましたが、このうち85,157株については平成15年10月15日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。 平成16年度においては、100万株が売却限度数として計上されておりましたが、このうち80万株については平成16年11月26日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。平成17年度においては、1,123,043株が売却限度数として計上されておりましたが、1,123,043株全てについて平成17年9月6日の当社の自己株式買入等において売却が実施されました。平成23年度においては、99,334,255株を売却限度数として計上されておりましたが、このうち57,513,600株については平成23年7月5日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。また、41,820,600株については平成24年2月8日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。平成25年度においては、62,166,721株を売却限度数として計上されておりましたが、このうち26,010,000株については平成26年3月7日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。平成26年度においては、36,156,721株を売却限度数として計上されておりましたが、このうち35,088,600株については平成26年11月14日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。また、1,068,100株については平成26年11月28日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。平成28年度においては、59,000,043株を売却限度数として計上されておりましたが、このうち59,000,000株については平成28年6月14日の当社の自己株式買入において売却が実施されました。