研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-03 | - | 7,143 |
| 2024-03 | - | 7,054 |
| 2023-03 | - | 7,063 |
| 2022-03 | - | 6,986 |
| 2021-03 | - | 5,691 |
研究開発活動(本文)
FY2025|2,416 文字
6【研究開発活動】IOWN構想の具現化や様々な産業への技術の展開・課題解決等の取り組みを推進しました。 IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想 社会活動や経済活動のデジタルシフトが加速する中、通信ネットワークの利用は大きく拡大しデータ量・遅延・消費電力等が限界を迎えようとしています。IOWN構想は、革新的な光技術によってこの限界を打破し、持続可能な世界の実現をめざすものです。IOWNの目標性能とロードマップ ○ IOWN構想の具現化に向けた研究開発-IOWNの実現に向けて開発中の光電融合デバイスは、従来の長距離光通信向けに加え、短距離光接続(ボード間接続、パッケージ間接続、ダイ間接続)向けの開発を進めています。ボード間を光接続する光電融合デバイスとハードウェアリソースを効率的に利用する技術を組み込むことで電力効率を最大で8倍とするIOWN光コンピューティングを実現します。 ボード間接続用の光電融合デバイス -大容量光伝送基盤を実現する要素技術の1つであるマルチコア光ファイバの研究を進めています。当社は、マルチコア構造にて隣接する3つのコア間の光結合を利用することで、異なる光の種類(モード)の光信号同士の結合を世界で初めて成功しました。本技術により、光ファイバの細さを維持しながら、より少ないコア数で10以上の空間多重と結合状態を両立することが可能となり、既存光ファイバと比較して10倍超の大容量化を可能とするマルチコア光ファイバ設計に新たな選択肢が加わりました。 ○ さまざまな産業への技術の展開・課題解決-光量子コンピュータ等の早期実現をめざし、2025年1月に東京大学と共同で、従来の1,000倍以上の速度で光量子もつれを生成・観測することに成功しました。量子もつれは量子技術の基盤となる重要な要素であり、その生成速度の向上により、従来の量子コンピュータの演算速度の制約を克服し、物理的な規模拡大に加え、高速化による計算能力の飛躍的な拡大を加速します。これにより、創薬や金融リスク評価、物流の最適化など、多岐にわたる分野での応用が進み、社会全体の技術革新に貢献することが期待されます。 光量子コンピュータを構成する光源 -AI同士の議論により多様な視点から解を導くことをめざすAIコンステレーションを活用し、地域社会の課題に対してAIと共に議論する市民参加型ワークショップを開催しました。実社会においては、課題の複雑性や立場の違いによって多様な意見が存在し、多角的な議論が求められます。ワークショップでは、AIコンステレーションにより人間同士の議論がより深まるかを検証しました。今後も地域におけるコミュニティ支援や企業における意思決定支援など、さまざまな分野への応用に取り組んでいきます。 -2024年6月、宇宙技術の発展や政府の宇宙戦略推進を背景に、宇宙ビジネスの拡大をめざし、新ブランド「NTT C89(エヌ・ティ・ティ シー・エイティ・ナイン)」を立ち上げました。本ブランドのもと、NTTグループの宇宙関連事業を統合し、事業拡大と市場開拓を推進しています。NTTグループは、スカパーJSAT株式会社と共同で構想した「宇宙統合コンピューティング・ネットワーク」の実現に向け、自社の技術的な強みを活かし自前 NTT C89(各事業の有機的な結合・展開イメージ)化をめざす領域と、新たな技術開発を行いつつパートナーとの連携でサービス化を加速する領域を戦略的に分け、それぞれの領域において、市場創造・拡大をけん引する事業開発と技術開発の両方を実行していきます。今後は、HAPSを活用した通信サービスや、観測衛星データを活用した新サービス、海外パートナーとの連携によるブロードバンド事業などを展開し、宇宙産業全体の発展に貢献していきます。 当連結会計年度における各セグメントの研究開発の概要は、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)摘 要総合ICT事業129,115通信事業の競争力強化に向けた移動・固定が融合した高品質かつ経済的な高機能ネットワーク、及びスマートライフ事業の拡大をめざしたサービスやデバイスの分野におけるイノベーション創出、さらにソリューション事業領域拡大に向け、ソフトウェア開発力強化によるデータドリブン・ESG経営を支える研究開発等地域通信事業85,179IP・ブロードバンド化の進展、ユーザニーズの多様化に対応するアクセスサービスの拡充及び付加価値の高いサービスの研究開発等グローバル・ソリューション事業28,258グローバル・ソリューション、システムインテグレーションの競争力強化に向けた技術開発等その他(不動産、エネルギー等)145,644ICT社会の発展を支える高度なネットワークと新サービスを実現する基盤技術や、環境負荷低減に貢献する技術、通信・情報分野に大きな技術革新をもたらす新原理・新部品・新素材技術に関する研究開発等小計388,196 セグメント間取引消去119,527 合計268,669 上表の研究開発費用は、基礎的・基盤的研究から実用化研究開発までに係る費用を示しています。当社が開発した技術のビジネス展開にあたっては、サービス・製品化を図る必要がありますが、このサービス開発に関する設備投資・費用※は2,389億円であり、研究開発費用との合計については、5,076億円となっております。 ※ サービス開発・機能追加に必要となる固定資産(ハードウェア、ソフトウェア等)への投資額や、サービス開発に要した人件費、委託費等が含まれています。 なお、当事業年度において当社が要した基盤的研究開発費用の総額は1,259億円(前期比1.9%増)となり、基盤的研究開発収入1,170億円(前期比0.0%増)を得ました。
FY2024|2,302 文字
6【研究開発活動】IOWN構想の具現化や様々な産業への技術の展開・課題解決等の取組みを推進しました。 IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想 社会活動や経済活動のデジタルシフトが加速する中、通信ネットワークの利用は大きく拡大しデータ量・遅延・消費電力等が限界を迎えようとしています。IOWN構想は、革新的な光技術によってこの限界を打破し、持続可能な世界の実現をめざすものです。 ○ IOWN構想の具現化に向けた研究開発-主要なデータセンター間をIOWN APNで接続し、離れたデータセンター間もリアルタイムで連携することで、あたかもひとつのデータセンターのように利用できる環境構築を進めました。従来、データセンターは都心部等に集中していましたが、この取組みを地域のデータセンターへも拡大し、IOWN APNの特性(超高速・超低遅延)を活かした分散型データセンターを実現していきます。APNとは? 現在のネットワークは、光信号と電気信号の変換を多数実施することにより電力を消費しているほか、通信トラフィックの制御処理により遅延が発生します。APNは、最終的にこれらを全て光信号での処理にすることで、現在よりも低消費電力で、大容量かつ低遅延なネットワークを実現します。 -国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が公募した「Beyond5G 研究開発促進事業」や「革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))基金事業」、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」において、IOWNをはじめとした最先端技術を提案した当社及び共同提案者が、実施企業に採択されました。共同提案者並びにIOWN Global Forum参加のパートナーとともに、IOWNの研究開発を加速し、事業化に向けて取り組んでいきます。 IOWNのオープンイノベーション 世界の様々な企業・団体とユースケースを議論し、必要となる技術、フレームワーク、アーキテクチャの開発を進めることで、新たなコミュニケーション基盤としてのIOWNの実現をめざしており、世界の主要なICT企業等が参加するIOWN Global Forumのメンバー数は、139組織まで拡大しました。(2024年3月末時点) ○ 様々な産業への技術の展開・課題解決-NTTグリーン&フード株式会社は、食料不足や環境問題の解決、地域産業の活性化をめざし、NTTグループ初の水産会社として、2023年7月より事業を開始しました。情報通信技術や、魚介類、藻類の品種改良技術等を活用したサステナブルな陸上養殖事業を軸に、地域の雇用創出や地場産業との連携、教育・文化振興等を進めていきます。 -2023年12月、株式会社Space Compass、NTTドコモ、当社及びスカパーJSAT株式会社の4社は、成層圏を飛行する高高度プラットフォームであるHAPS(High Altitude Platform Station)を介した携帯端末向け直接通信システムの早期実用化に向けた開発の加速と実用化後の利用拡大を見据えた高速大容量化技術の研究開発を開始しました。本開発を通じてHAPSにおける成層圏からの通信サービスの品質向上、及び柔軟かつ効率的なHAPS通信サービスの運用を可能とする開発を推進し、Beyond 5G時代における空・海・宇宙等あらゆる場所への「超カバレッジ拡張」を実現する宇宙RANの開発に取り組んでいきます。 当連結会計年度における各セグメントの研究開発の概要は、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)摘 要総合ICT事業132,119通信事業の競争力強化に向けた移動・固定が融合した高品質かつ経済的な高機能ネットワーク、及びスマートライフ事業の拡大をめざしたサービスやデバイスの分野におけるイノベーション創出、さらにソリューション事業領域拡大に向け、ソフトウェア開発力強化によるデータドリブン・ESG経営を支える研究開発等地域通信事業85,795IP・ブロードバンド化の進展、ユーザニーズの多様化に対応するアクセスサービスの拡充及び付加価値の高いサービスの研究開発等グローバル・ソリューション事業20,491グローバル・ソリューション、システムインテグレーションの競争力強化に向けた技術開発等その他(不動産、エネルギー等)136,012ICT社会の発展を支える高度なネットワークと新サービスを実現する基盤技術や、環境負荷低減に貢献する技術、通信・情報分野に大きな技術革新をもたらす新原理・新部品・新素材技術に関する研究開発等小計374,417 セグメント間取引消去119,542 合計254,875 上表の研究開発費用は、基礎的・基盤的研究から実用化研究開発までに係る費用を示しています。当社が開発した技術のビジネス展開にあたっては、サービス・製品化を図る必要がありますが、このサービス開発に関する設備投資・費用※は2,026億円であり、研究開発費用との合計については、4,575億円となっております。 ※ サービス開発・機能追加に必要となる固定資産(ハードウェア、ソフトウェア等)への投資額や、サービス開発に要した人件費、委託費等が含まれています。 なお、当事業年度において当社が要した基盤的研究開発費用の総額は1,236億円(前期比3.3%減)となり、基盤的研究開発収入1,170億円(前期比4.1%減)を得ました。
FY2023|1,964 文字
6【研究開発活動】IOWN構想の具現化や様々な産業への技術の展開・課題解決等の取組みを推進しました。 IOWN構想社会活動や経済活動のデジタルシフトが加速する中、通信ネットワークの利用は大きく拡大しデータ量・遅延・消費電力等が限界を迎えようとしています。IOWN構想は、革新的な光技術によってこの限界を打破し、持続可能な世界の実現をめざすものです。 ○ IOWN構想の具現化に向けた研究開発-2023年3月、IOWN構想の実現に向けた初めての商用サービスとして、通信ネットワークの全区間で光波長を専有するAPN IOWN1.0(All-Photonics Network:オールフォトニクス・ネットワーク)の提供を開始するとともに、今後の展開を公表しました。-IOWN2.0以降の早期提供に向けて、新たな半導体部品や、ソフトウェアの開発・提供を進めました。引き続き、本構想の目標達成及び、その早期実現に向けて取り組んでいきます。 光電融合デバイス研究開発ロードマップ IOWNのオープンイノベーション-世界の様々な企業・団体とユースケースを議論し、必要となる技術、フレームワーク、アーキテクチャの開発を進めることで、新たなコミュニケーション基盤としてのIOWNの実現をめざしています。-IOWNがめざす世界、及びそのイノベーションに賛同した世界の主要なICT企業等が参加するIOWN Global Forumのメンバー数は、117組織まで拡大しました。(2023年3月末時点) ○ 様々な産業への技術の展開・課題解決-第6世代移動通信方式(以下、6G)のサービス提供に向けた技術的課題を解決するため、当社及びNTTドコモは主要ベンダーとの協力体制を拡充し、国内外全5社と6Gの実現に向けた実証実験を協力して実施していくことで合意しました。-宇宙統合コンピューティング・ネットワークの実現に向けた取組みを進めました。当社とスカパーJSAT株式会社が設立した合弁会社、株式会社Space Compassが事業を開始したほか、光通信技術を活用した宇宙から地球へのデータ伝送サービス(光データリレーサービス)の提供開始に向け、同社はSkyloom Global Corporation(本社:アメリカ)と共同事業契約を締結しました。-地球環境負荷の低減に貢献するため、海水中に溶け込んだ二酸化炭素(CO2)量を低減させる藻類の研究を進めています。研究の中で、藻類のCO2吸収量を増加させることが期待できる遺伝子特定に成功しました。本技術は、当社とリージョナルフィッシュ株式会社が設立に向けて基本合意書を締結した、将来の食糧不足、地球環境問題の解決をめざすグリーン&フード事業に関する合弁会社で活用していく予定です。 当連結会計年度における各セグメントの研究開発の概要は、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)摘 要総合ICT事業129,904通信事業の競争力強化に向けた移動・固定が融合した高品質かつ経済的な高機能ネットワーク、及びスマートライフ事業の拡大をめざしたサービスやデバイスの分野におけるイノベーション創出、さらにソリューション事業領域拡大に向け、ソフトウェア開発力強化によるデータドリブン・ESG経営を支える研究開発等地域通信事業84,840IP・ブロードバンド化の進展、ユーザニーズの多様化に対応するアクセスサービスの拡充及び付加価値の高いサービスの研究開発等グローバル・ソリューション事業27,502グローバル・ソリューション、システムインテグレーションの競争力強化に向けた技術開発等その他(不動産、エネルギー等)135,121ICT社会の発展を支える高度なネットワークと新サービスを実現する基盤技術や、環境負荷低減に貢献する技術、通信・情報分野に大きな技術革新をもたらす新原理・新部品・新素材技術に関する研究開発等小計377,367 セグメント間取引消去124,547 合計252,820 上表の研究開発費用は、基礎的・基盤的研究から実用化研究開発までに係る費用を示しています。当社が開発した技術のビジネス展開にあたっては、サービス・製品化を図る必要がありますが、このサービス開発に関する設備投資・費用※は2,321億円であり、研究開発費用との合計については、4,849億円となっております。 ※ サービス開発・機能追加に必要となる固定資産(ハードウェア、ソフトウェア等)への投資額や、サービス開発に要した人件費、委託費等が含まれています。 なお、当事業年度において当社が要した基盤的研究開発費用の総額は1,278億円(前期比5.9%増)となり、基盤的研究開発収入1,220億円(前期比0.0%増)を得ました。
FY2022|3,433 文字
5【研究開発活動】世界に変革をもたらす革新的な研究開発を進めており、IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想の具現化に向けては、要素技術の研究開発及び様々な産業での活用事例創出に取り組みました。また、国内外の様々な分野の産業界の方々とともに、産業競争力の強化や社会的課題の解決をめざす取組みを推進しました。 IOWN構想イメージIOWNは主に、光技術を適用するオールフォトニクス・ネットワーク(APN)、サイバー空間上でモノやヒト同士の高度かつリアルタイムなインタラクションを可能とするデジタルツインコンピューティング(DTC)、それらを含む様々なICTリソースを効率的に配備するコグニティブ・ファウンデーション(CF)の3つで構成されます。 ○ IOWN構想の具現化に向けた研究開発-IOWN構想のカギを握る光信号と電気信号を融合する光電融合技術の研究開発は、革新的な技術の創出と、早期実用化の両立をめざし、5つの世代を設定したロードマップを策定し、取組みを進めています。これまでに、光と電気の変換を行う光インターフェースの機能を小型化した通信用モジュール(COSA)を実用化してきましたが、今回新たに、従来は個別の部品であったCOSAとデジタル信号処理を行うDSP(Digital Signal Processor)を一体化する光・電子コパッケージ(CoPKG)技術を開発しました。これにより、光インターフェースの更なる小型化や低消費電力化が可能となります。 光電融合デバイス研究開発ロードマップ -APNの具現化に向けては、1波長あたり100Gbpsを超える大容量、低遅延性、遅延ゆらぎゼロの特徴を持つ光伝送パスを、ユーザ要望に応じて多地点間で動的に提供可能とする実証環境を構築しました。また、分散したコンピュータデバイスを光で接続するディスアグリゲーティッドコンピューティングにおいては、新たなコンピュータアーキテクチャ(メモリセントリックアーキテクチャ)を考案、試作開発しました。その効果を検証した結果、従来方式と比較して約2分の1程度の低消費電力化の見込みを得ました。-街全体をリアルタイム・精緻に把握する4Dデジタル基盤®を用い、様々な未来予測とデジタルツイン間の連鎖により、街の全体最適化を行う街づくりDTC®を活用した取組みの一つとして、短期間データからの快適性予測を可能とするフィードフォワード型のAI空調制御技術を確立し、省エネと快適環境の両立の有効性を実証しました。加えて、自分自身のデジタルツイン“Another Me”の実現に向けて、京都大学との共創によりSelf as We の自己観に基づいて自分自身とAnother Meも包含した“わたし”の哲学的な再定義を行い、発表しました。-2020年1月に設立したIOWN Global Forumには、IOWNがめざす世界、及びそのイノベーションに賛同した世界の主要なICT企業が参加しており、そのメンバー数は93社にまで成長しました(2022年3月時点)。2021年4月に第1回Annual Member Meetingを開催し、400名を超えるメンバーが参加しました。また、2021年10月には、ユースケースドキュメントとして、2文書を制定・公開、加えて、2022年1月には、技術ドキュメントとして、6文書を制定・公開しました。 ○ IOWN構想の実現に向けた協業の推進-富士通株式会社と持続可能な未来型デジタル社会の実現を目的とした戦略的業務提携に合意しました。この提携を通じて創出されるイノベーションにより、IOWN構想に賛同する幅広いパートナーとグローバルかつオープンに連携し、低エネルギーで高効率な新しいデジタル社会の実現をめざします。-株式会社ACCESSとIOWN構想の実現を目的とした提携に合意しました。IOWN時代の新たなユーザインタフェース及びユーザエクスペリエンスの研究開発を推進するとともに、株式会社ACCESSの100%子会社であるIP Infusionの体制を活用し、開発したソフトウェア製品をグローバル市場で販売していく体制の整備を進めます。-株式会社スカパーJSATホールディングスと持続可能な社会の実現に向けた新たな宇宙事業のための業務提携に合意しました。成層圏を飛行する高高度プラットフォーム、宇宙空間の低軌道・静止軌道まで複数の軌道を統合、それらと地上を光無線通信ネットワークで結び、分散コンピューティングによって様々なデータ処理を高速化、また、地上のモバイル端末へのアクセス手段を提供し、超カバレッジを実現する宇宙統合コンピューティング・ネットワークの構築に挑戦します。 宇宙統合コンピューティング・ネットワーク ○ 環境問題の解決等安心安全な社会の実現に向けた研究開発-高出力レーザの照射によってアスベスト(石綿)を繊維形状から球形状に変形できる技術を開発しました。本技術を用いることで、アスベストを無害な球形状へ変形するとともに、飛散する粉塵量を抑制できるため、アスベスト粉塵の吸引による作業者の健康リスクを大幅に低減することが可能となります。-日本電気株式会社と共同で、情報通信インフラを構成する通信機器及びシステムの構成やリスクをサプライチェーン全体で共有し、セキュリティに関する透明性を確保することによりセキュリティリスクの抜本的な低減を図る、セキュリティトランスペアレンシー確保技術を開発しました。 ○ 最先端の研究開発の推進-IOWN構想の実現とその先を見据えた当社の研究開発の推進を目的に、各分野の著名な権威者である研究者で構成されたNTT R&Dオーソリティチームを結成するとともに、長期的視野に立った研究開発を一層強化するため、オーソリティチームの一員である若山正人 数学研究プリンシパルが統括する基礎数学研究センタを新設しました。-大規模な冷凍・真空装置を要する等、実用化に向け小型化が大きな課題となっていた量子コンピュータについて、国立大学法人東京大学、国立研究開発法人理化学研究所と共同で、ラックサイズの大規模光量子コンピュータ実現の基幹技術である光ファイバ結合型量子光源(スクィーズド光源)を開発しました。 これらの研究開発活動に取り組んだ結果、当事業年度において当社が要した費用の総額は1,206億円(前期比15.7%増)となり、その対価として、基盤的研究開発収入1,220億円(前期比19.0%増)を得ました。 当連結会計年度における各セグメントの研究開発の概要は、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)摘 要総合ICT事業138,387通信事業の競争力強化に向けた移動・固定が融合した高品質かつ経済的な高機能ネットワーク、及びスマートライフ事業の拡大をめざしたサービスやデバイスの分野におけるイノベーション創出、さらにソリューション事業領域拡大に向け、ソフトウェア開発力強化によるデータドリブン・ESG経営を支える研究開発等地域通信事業83,297IP・ブロードバンド化の進展、ユーザニーズの多様化に対応するアクセスサービスの拡充及び付加価値の高いサービスの研究開発等グローバル・ソリューション事業25,202グローバル・ソリューション、システムインテグレーションの競争力強化に向けた技術開発等その他(不動産、エネルギー等)126,016ICT社会の発展を支える高度なネットワークと新サービスを実現する基盤技術や、環境負荷低減に貢献する技術、通信・情報分野に大きな技術革新をもたらす新原理・新部品・新素材技術に関する研究開発等小計372,902 セグメント間取引消去124,914 合計247,988 上表の研究開発費用は、基礎的・基盤的研究から実用化研究開発までに係る費用を示しています。当社が開発した技術のビジネス展開にあたっては、サービス・製品化を図る必要がありますが、このサービス開発に関する設備投資・費用※は1,778億円であり、研究開発費用との合計については、4,258億円となっております。 ※ サービス開発・機能追加に必要となる固定資産(ハードウェア、ソフトウェア等)への投資額や、サービス開発に要した人件費、委託費等が含まれています。
FY2020|2,846 文字
5【研究開発活動】中期経営戦略「Your Value Partner 2025」に基づき、世界に変革をもたらす革新的な研究開発を推進しました。その具体例として、2019年5月に発表したIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想に向けてグローバルを含む要素技術開発や産業での活用事例の創出に取り組むだけでなく、多様な領域で新たな価値創造の源泉となるため、様々な分野の産業界の方々とともに、産業競争力の強化や社会的課題の解決をめざす取り組みを推進しました。なお、IOWNは主に、光技術を適用する「オールフォトニクス・ネットワーク」、サイバー空間上でモノやヒト同士の高度かつリアルタイムなインタラクションを可能とする「デジタルツインコンピューティング」、それらを含む様々なICTリソースを効率的に配備する「コグニティブ・ファウンデーション」の3つで構成されます。 ○ IOWN構想を支える研究開発・コンピュータの中で情報を処理・演算する装置であるプロセッサ内部の信号伝送を光で行うことで、電気での処理に起因する消費電力と発熱増大の問題を解決し、超低消費電力・高性能な情報処理を実現する光電融合プロセッサの実現をめざし、ナノフォトニクス技術を用いた光トランジスタ等、超小型光電変換素子を実現しました。・現在の秒の基準である原子時計を超える精度を持つ光格子時計を複数つなぎ、時間の比較実験を行うために、国立大学法人東京大学との光周波数伝送実験をNTT東日本の光ファイバ網を使用して行いました。その結果、比較実験に必要な周波数精度を達成し、実験実施に向けて大きく前進しました。・国立大学法人京都大学と、テクノロジーの進化と人が調和する新たな世界観を構築するプロジェクトを発足しました。哲学を始めとする人文・社会科学の知を活用し、リアルとバーチャルが融合する世界での新たな世界観の構築をめざします。 ○ 研究開発のグローバル化・2020年1月、業界におけるリーダーシップ及びIOWNの軸となる技術分野で優れた専門性を有するNTT・米Intel Corporation・ソニー株式会社の3社は、IOWN Global Forumを米国で設立しました。2020年3月からは広く会員募集を開始し、多くの国内外の企業がメンバーとして加入するとともに、オンライン会議を活用しながら、具体的な技術検討に着手しました。今後、様々なパートナーの皆さまとIOWN構想の早期実現をめざします。・基礎研究の強化を目的に、2019年7月、3つの研究所を擁するNTT Research, Inc. を米国シリコンバレーに開設しました。量子計算科学、医療・健康・ヘルスケア、基礎暗号・ブロックチェーンの各分野において、米国や欧州の大学・研究機関等と共同研究を開始しています。 ○ B2B2Xモデル推進及びデジタルトランスフォーメーションの推進に向けた研究開発・米MLB(Major League Baseball)のライブビューイングにおいて、従来4台のカメラで撮影していたワイド映像を1台で撮影可能とする視差なしワイドカメラを活用したUltra Reality Viewing技術を実現しました。視差をなくすことにより被写体の正確な形状での撮影等を可能にしました。・PSTNマイグレーションに向け、従来の電話網として使用されているメタルケーブルを継続利用したまま、変換装置を経てNTT東日本・NTT西日本のIP網(NGN)へつなげつつ、他事業者とのIPでの接続や、中継/信号交換機のIP化を可能とする基盤的技術を実現しました。・国立大学法人北海道大学、岩見沢市と連携し、遠隔監視による無人状態での農機完全自動走行を実現するため、最適な測位・位置情報配信方式や、最適なネットワーク技術、IoT機器データの収集やAIによる分析について検証を開始しました。 ○ その他最先端研究の推進・国立大学法人東京工業大学と、超高速に動作する全光スイッチを世界最小の消費エネルギーで実現しました。プラズモニクスと呼ばれるナノサイズの光導波路に光を閉じ込める技術と、優れた光特性を有するグラフェンを結合させることで、電気制御では到達不可能な超高速スイッチ動作を低消費エネルギーで実現することに成功しました。この技術を用いることで、将来の光情報処理集積回路における超高速制御への活用をめざします。・シート状の炭素材料であるグラフェンを自発的に円筒状の三次元構造に変形させ、その内部で神経細胞を長期培養することで、マイクロ~ミリメートルスケールの微小な神経細胞ファイバを再構築する手法の開発に成功しました。これにより、幹細胞を用いた再生医療の基盤技術や、損傷した生体組織に埋め込むフレキシブル刺激電極の作製技術、薬剤スクリーニングのための生体組織作製技術等、新たなバイオデバイス応用に繋がると期待されます。・JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)と、地上と宇宙をシームレスにつなぐ超高速大容量でセキュアな光・無線通信インフラの実現をめざした協定を締結しました。両者の技術融合による社会インフラ創出に向けて、宇宙光無線通信、次世代地球観測、低軌道衛星と地上局間通信等の分野で共同研究を実施します。・電波の届きにくい海中の通信エリア化に向け、海中の伝搬路変動を克服する超音波MIMO多重伝送技術により、現在より2桁高速な1Mbit/sの海中通信を実現しました。 これらの研究開発活動に取り組んだ結果、当事業年度において当社が要した費用の総額は1,023億円(前期比3.1%増)となり、その対価として、基盤的研究開発収入1,005億円(前期比2.6%増)を得ました。 なお、当連結会計年度における各セグメントの研究開発の概要は、次のとおりです。セグメントの名称金額(百万円)摘 要移動通信事業92,804通信事業の競争力強化に向けた移動通信ネットワークの高機能化、及びスマートライフ事業の拡大をめざしたサービスやデバイスの分野におけるイノベーション創出に向けた研究開発等地域通信事業84,091IP・ブロードバンド化の進展、ユーザニーズの多様化に対応するアクセスサービスの拡充及び付加価値の高いサービスの研究開発等長距離・国際通信事業20,392IPネットワークからプラットフォームの分野における高い付加価値をもったサービス開発等データ通信事業21,793システムインテグレーションの競争力強化に向けた技術開発等その他の事業106,311ICT社会の発展を支える高度なネットワークと新サービスを実現する基盤技術や、環境負荷低減に貢献する技術、通信・情報分野に大きな技術革新をもたらす新原理・新部品・新素材技術に関する研究開発等小計325,391 セグメント間取引消去100,500 合計224,891
FY2019|2,619 文字
5【研究開発活動】中期経営戦略「Your Value Partner 2025」に基づき、世界に変革をもたらす革新的な研究開発を推進しました。多様な領域で新たな価値創造の源泉となるため、様々な分野の産業界の方々とともに、産業競争力の強化や社会的課題の解決をめざす取り組みを推進しました。 ○ B2B2Xモデル推進に向けた研究開発・社会インフラ産業における製造技術の変革に向け、三菱重工業株式会社と共同で、通信用光ファイバ技術をレーザ加工に応用し、従来数メートル程度しか伝送することができなかった高出力シングルモードレーザ光を、精密加工に適した品質を維持したまま数十~数百メートルに渡り伝送することに成功しました。・未知のサイバー攻撃に対するリアルタイムの異常検知及び対処を可能とする、重要インフラ等の制御システム向けサイバーセキュリティ技術を、三菱重工業株式会社とともに開発し、同社の「InteRSePT®」として製品化のうえ販売を開始しました。・コネクティッドカー向けICT基盤の共同研究先であるトヨタ自動車株式会社と、自動運転を実現する基盤技術の確立に向けた実証実験を開始しました。・東日本旅客鉄道株式会社が設立した「モビリティ変革コンソーシアム」においてNTTグループが推進する、MaaS検討のなかで、NTTデータがJR東日本メカトロニクス株式会社と開発・サービス展開に取り組んでいる、クラウド型ID認証システムによるSuica認証を活用し、交通事業者・デマンド交通・商業施設を連携させる実証実験を開始しました。・歌舞伎と最新のICT技術のコラボレーションによる、新たな歌舞伎の商用公演を共同で実施するため、松竹株式会社との業務提携を行うことで合意しました。その第一弾として、両社共同で設立した任意組合「NTT・松竹パートナーズ」の主催で、京都・南座にて「南座新開場記念『八月南座超歌舞伎』」を開催することを公表しました。 ○ 研究開発の強化・グローバル化・デジタルトランスフォーメーションの加速を目的に、欧州を中心に事業を展開するフランスの大手通信事業者Orangeと、5G&NW、AI、IoT、サイバーセキュリティ等の主要分野において、研究成果の相互利用を容易にするための研究開発合意書を締結しました。・Deakin大学、Western Sydney大学、Dimension Data Australiaと当社は、日豪共通の課題解決に向けて、「高齢者が健康で自立し、安全な生活を送ることができる社会」というビジョンを共有するとともに、革新的な解決策を創出し、それらを社会に実装するためのパートナーシップ契約を締結しました。 ○ 高臨場&ナチュラルな世界の実現に向けた研究開発・あたかもその場にいるかのような超高臨場な体験を、あらゆる場所でリアルタイムに感じることができる世界を目指す「Kirari!®」の処理技術をさらに進化させ、中継元の被写体の映像と3次元位置情報を処理・伝送するとともに、中継先の擬似3D表示において被写体の奥行き方向の動きを知覚させる手法を開発しました。これにより、中継先において被写体が3次元的に動いているような視聴体験を実現しました。・物体が変形しても同一物体であると認識することで、在庫管理の効率化や、レジ打ち業務の省力化等を実現する、変形対応アングルフリー物体検索技術等、より自然に社会へ溶け込む、ナチュラルなAIを開発しました。・電子端末だけでなく日常のあらゆるモノをデバイスとして、よりナチュラルに情報を伝える、新しい研究「Point of Atmosphere」を立ち上げました。 ○ 最先端研究の推進・IoT/5Gサービスの本格的な普及に向け、大容量光ネットワークの更なる進化が期待されているなか、独自のデジタル信号処理技術と超広帯域な光デバイス技術を新たに開発し、1波長あたりのチャンネル容量を現在の実用システムの10倍以上高速化することで、毎秒1テラビット容量の長距離波長多重光伝送実験に世界で初めて成功しました。・LTEやWi-Fiのおよそ100倍、5Gの5倍という大容量の無線伝送に2つの技術を用いて成功しました。まず、OAM多重という新原理を用いた、毎秒100ギガビットの無線伝送に28GHz帯域において成功しました。加えて、国立大学法人東京工業大学と共同で、より伝送帯域を拡大しやすい300GHz帯域において、毎秒100ギガビットの無線伝送が可能な超高速ICを開発しました。・光の物理的性質を用いて難問を解く新しいコンピュータ「光イジングマシンLASOLV」の研究開発を進め、創薬・渋滞解消・AIの学習機能への応用等が期待できる、様々な種類の組み合わせ最適化問題に対応しました。・身の回りのものがインターネットに繋がりデバイス化していくことを見据え、存在を意識させることなく周囲に馴染む「透ける電池」を提案し、電池として動作することを確認しました。 これらの研究開発活動に取り組んだ結果、当連結会計年度において要した費用の総額は992億円(前期比2.7%増)となり、その対価として、基盤的研究開発収入979億円(前期比3.2%増)を得ました。 なお、当連結会計年度における各セグメントの研究開発の概要は、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)摘 要移動通信事業90,967通信事業の競争力強化に向けた移動通信ネットワークの高機能化、及びスマートライフ事業の拡大をめざしサービスやデバイスの分野においてイノベーション創出に向けた研究開発等地域通信事業82,729IP・ブロードバンド化の進展、ユーザニーズの多様化に対応するアクセスサービスの拡充及び付加価値の高いサービスの研究開発等長距離・国際通信事業17,978IPネットワークからプラットフォームの分野における高い付加価値をもったサービス開発等データ通信事業15,094システムインテグレーションの競争力強化に向けた技術開発等その他の事業102,554ICT社会の発展を支える高度なネットワークと新サービスを実現する基盤技術や、環境負荷低減に貢献する技術、通信・情報分野に大きな技術革新をもたらす新原理・新部品・新素材技術に関する研究開発等小計309,322 セグメント間取引消去98,000 合計211,322
FY2018|2,429 文字
5【研究開発活動】当社は、中期経営戦略「新たなステージをめざして 2.0」に基づき様々な研究開発に取り組みました。NTTグループのAI技術の総称として立ち上げた「corevo®(コレボ)」ブランドに基づき、様々な業界の皆様とのコラボレーションを推進しました。また、開発成果の事業化にあたっては、総合プロデュース制による、市場動向を踏まえたビジネスプランの策定や実用化開発を行いました。 ○B2B2Xビジネスの拡大に向けた取り組み・車両制御、クラウド・コンピューティングによる運転支援など、コネクティッドカーの実現に向け必要となる様々なサービスを支える基盤づくりを推進するため、トヨタ自動車株式会社、インテルコーポレーションなどとともに、自動車ビッグデータ向けネットワーク基盤とコンピューティング基盤のためのコンソーシアムを創設しました。・人の行動を先回りしてサポートすることができるロボット技術の開発をめざし、身振り手振りも交えて人との高度な対話を実現するAI技術「corevo®」を利用した生活支援ロボットを活用したロボット連携サービスに関する共同研究をトヨタ自動車株式会社と開始しました。・運航状態、機器状態などの詳細な船舶データをモニタリングし、船と陸上で情報共有するための船舶IoTの次世代プラットフォームの確立に向け、日本郵船株式会社などとともに行った共同実験を成功させました。・水田見回り作業の省力化や水環境設備等の省人化など、農業・水環境分野の省力化実現に向けた実証実験を株式会社クボタと実施しました。・リハビリテーション分野において、「hitoe®」を活用して患者の心拍・活動情報を24時間モニタリングし、定量的効果測定/見える化による介入適切化・早期回復を図る実証実験を学校法人藤田学園藤田保健衛生大学、東レ株式会社とともに推進しました。 ○ネットワーク事業の効率化・収益力強化に向けた研究開発・通信事業者のネットワークのコスト削減、サービスの高度化に向けて、ホワイトボックススイッチをはじめとする汎用的な装置の導入を進めるため、NTT発のオープンソースを活用した共同実験を台湾の中華電信股份有限公司などと推進しました。・スタジアムなど人が密集し、スマートフォンやタブレット、ノートPCなどの無線LAN端末が超過密となる環境において、通信速度を向上させる新たな無線LAN技術を開発し、スタジアムにおいて従来と比較して2倍以上の通信速度を達成する伝送実験に成功しました。・5Gモバイルシステムの基地局が増加する5G普及期を見据え、基地局に必要な光ファイバ数の削減に貢献できる光アクセスネットワーク技術を開発し、モバイルシステムと連携した光アクセスシステムの実証実験に成功しました。 ○深い感動・新しい体験を提供する研究開発・あたかもその場にいるような超高臨場感を配信する技術「Kirari!®」や様々な映像技術、5Gを用いた伝送技術等を活用した「新体感音楽ライブイベント」を実施し、世界3都市の別々のパフォーマンスを、距離を越えて映像・音声をタイムラグなしに同期し一つのライブ映像に融合した、全く新しい空間を超えたエンターテイメント体験の提供等を図りました。・松竹株式会社と進める共同実験の一環として、「Kirari!®」を用いて、異なる場所で演じる歌舞伎俳優の舞踊をリアルタイムに伝送し、リアルとバーチャルが融合した世界初の歌舞伎を実現しました。・スマートフォン等のカメラを看板や物体にかざすだけで母国語で有益な情報を得ることができる「かざして案内®」など各種技術の有用性を見極め、空港内外での有益なツールとしてサービス化をめざすため、羽田空港において、実際にご利用いただく情報ユニバーサルデザインの公開実証実験を実施しました。 ○最先端研究の推進・光を使って高速計算を行う「量子ニューラルネットワーク」について、通常のコンピューターでは解くことが困難な問題を高速に解く体験ができるクラウド上のシステムを公開しました。・低環境負荷な材料のみで構成され、土壌や生物へ悪影響を与えず土壌に還る電池「ツチニカエルでんち®」を作製し、電池として動作することを確認しました。・優れたアスリートの脳はどのように精神状態を調節し、身体運動を制御して最高のパフォーマンスを発揮するのか、その脳の情報処理を解明し「脳を鍛えて勝つ」ことをめざす「スポーツ脳科学プロジェクト」において、日本ソフトボール協会と共同実験を開始しました。 これらの研究開発活動に取り組んだ結果、当連結会計年度において要した費用の総額は997億円(前期比4.7%減)となり、その対価として、基盤的研究開発収入949億円(前期比5.0%減)を得ました。 なお、当連結会計年度における各セグメントの研究開発の概要は、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)摘 要地域通信事業81,121IP・ブロードバンド化の進展、ユーザニーズの多様化に対応するアクセスサービスの拡充及び付加価値の高いサービスの研究開発等長距離・国際通信事業16,148IPネットワークからプラットフォームの分野における高い付加価値をもったサービス開発等移動通信事業91,773通信事業の競争力強化に向けた移動通信ネットワークの高機能化、及びスマートライフ事業の拡大をめざしサービスやデバイスの分野においてイノベーション創出に向けた研究開発等データ通信事業14,570システムインテグレーションの競争力強化に向けた技術開発等その他の事業105,329ICT社会の発展を支える高度なネットワークと新サービスを実現する基盤技術や、環境負荷低減に貢献する技術、通信・情報分野に大きな技術革新をもたらす新原理・新部品・新素材技術に関する研究開発等小計308,941 セグメント間取引消去95,000 合計213,941
FY2017|2,478 文字
6【研究開発活動】当社は、中期経営戦略「新たなステージをめざして 2.0」に基づき様々な研究開発に取り組みました。NTTグループのAI技術の総称として「corevo®(コレボ)」ブランドを立ち上げ、様々な業界の皆様とのコラボレーションを推進しました。また、開発成果の事業化にあたっては、総合プロデュース制による、市場動向を踏まえたビジネスプランの策定や実用化開発を行いました。 ○B2B2Xビジネスの拡大に向けた取り組み・IoT時代のリアルタイムかつ多様なデータ処理を実現するエッジコンピューティング技術について、製造業分野の最適化に向けファナック株式会社との協業に、コネクティッドカー分野において、トヨタ自動車株式会社と技術開発・技術検証に向けた協業に、それぞれ合意しました。・社会基盤などの産業機器に対するサイバー攻撃を自動検知し防御策を施す制御システム向けの試作機を、三菱重工業株式会社とともに開発しました。・物体をどの方向から撮影しても高精度に認識・検索する「アングルフリー物体検索技術(corevo®)」を活用し、コンビニ店内の商品情報の検索・提供について株式会社セブン&アイ・ホールディングスと、地下鉄駅構内の案内看板撮影による現在位置情報の提供や広告ポスター撮影による期間限定特典の提供について東京地下鉄株式会社(東京メトロ)と共同実験を行いました。・生産設備の稼働率や製品品質の向上をめざし、生産設備機器の稼動音と故障の特性を、客観的に可視化・解析する「異常音検知技術(corevo®)」を日立造船株式会社に提供しました。・コミュニケーションロボットを中心としたデバイス連携技術(corevo®)を用いたサービスの実現に向けて、グループ6社による合同実証実験を行いました。 ○国内ネットワーク事業の効率化・収益力強化に向けた研究開発・他社を含めた通信事業者・サービス提供事業者のサービスをカタログ化し、複数サービスを申し込みからサービス開始・保守まで一元的に管理することで光コラボレーション事業者などのコスト低減を可能とする「オペレーション連携機能」を開発しました。・データセンターなどで活用されている汎用製品で高品質で低コストなネットワークサービスを可能とするソフトウェアを開発しました。・ネットワークの障害原因と装置から発せられるアラームの因果関係を自律的に抽出し、原因調査にかかる時間の大幅な短縮を可能にする「障害原因推定技術(corevo®)」を開発しました。 ○深い感動・新しい体験を提供する研究開発・投手の球筋を臨場感高く体感可能な「スポーツ一人称視点合成技術」を用いたプロ野球選手向けトレーニングシステムを開発し、株式会社楽天野球団(東北楽天ゴールデンイーグルス)とともに実証実験を行いました。・車いす利用者への道案内に必要な、段差や階段などのバリアフリー情報を専門知識がない人でも簡単に収集可能な技術「MaPieceTM」および、訪日外国人にもわかりやすい平易な立体地図表示を実現する「2.5D地図表現技術」を開発しました。・あたかもその場にいるような超高臨場感を配信する技術「Kirari! ®」を用いて、松竹株式会社が米国ネバダ州ラスベガスにて公演を行った「KABUKI LION 獅子王」を日本へ配信したほか、米国テキサス州オースティンでの「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)2017」において日本のスタジオ映像を米国へ配信し、海外とのリアルタイム配信技術実証を行いました。・人間の感性や感情に訴えかける全く新しいサービスや2020年に向けた公共空間における新しい感動体験の創造をめざし、世界的なメディアアート研究機関アルスエレクトロニカ・フューチャーラボと共同研究を開始しました。・快適・安全な都市機能実現のため、災害時の一斉情報配信や外国人観光客の言語・位置に応じた情報などを提供するデジタルサイネージの実証実験を行いました。 ○最先端研究の推進・創薬のための化合物探索など、通常のコンピューターでは解くことが困難な問題を、光を使って高速に解く全く新しい原理の計算機「量子ニューラルネットワーク」を開発しました。・電子1個に現れる量子力学的な振る舞いが、日常見るような巨視的なものにも現れるのか、という巨視的実在性問題を世界ではじめて解決しました。・優れたアスリートの脳はどのように精神状態を調節し、身体運動を制御して最高のパフォーマンスを発揮するのか、その脳の情報処理を解明し「脳を鍛えて勝つ」ことをめざす「スポーツ脳科学プロジェクト」を発足、研究開発を開始しました。 これらの研究開発活動に取り組んだ結果、当連結会計年度において要した費用の総額は1,047億円(前期比1.0%減)となり、その対価として、基盤的研究開発収入999億円(前期比2.0%減)を得ました。 なお、当連結会計年度における各セグメントの研究開発の概要は、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)摘 要地域通信事業91,298IP・ブロードバンド化の進展、ユーザニーズの多様化に対応するアクセスサービスの拡充及び付加価値の高いサービスの研究開発等長距離・国際通信事業15,976IPネットワークからプラットフォームの分野における高い付加価値をもったサービス開発等移動通信事業83,050通信事業の競争力強化に向けた移動通信ネットワークの高機能化、及びスマートライフ事業の拡大をめざしサービスやデバイスの分野においてイノベーション創出に向けた研究開発等データ通信事業12,360システムインテグレーションの競争力強化に向けた技術開発等その他の事業108,932ICT社会の発展を支える高度なネットワークと新サービスを実現する基盤技術や、環境負荷低減に貢献する技術、通信・情報分野に大きな技術革新をもたらす新原理・新部品・新素材技術に関する研究開発等小計311,616 セグメント間取引消去△100,000 合計211,616
FY2016|2,423 文字
6【研究開発活動】当社は、中期経営戦略「新たなステージをめざして 2.0」に基づき、将来を見据えた最先端研究を含む様々な取り組みを推進しました。また、開発成果の事業化にあたっては、総合プロデュース制による、市場動向を踏まえたビジネスプランの策定や実用化開発を推進しました。 ○グループ全体を利益成長へ乗せていくための軸となる技術開発・巧妙化する新しいサイバー攻撃に対して、仮想化技術を活用することで、ネットワークへの攻撃を自動検知して適切な防御策を施し、ネットワークの自律回復を可能とするセキュリティオーケストレーション技術の研究開発を進めました。・ネットワークの周縁部にサーバを配置し、IoTに必要なリアルタイム性や端末負荷の軽減を可能とするエッジコンピューティング技術の開発を推進しました。・ロボットなどの様々なIoTデバイスとアプリを柔軟に組み合わせ、新たなサービスの開発を容易にするクラウド対応型インタラクション制御技術「R-env:連舞TM」を開発し、ハッカソンなどのオープンイノベーション活動を推進しました。・ネットワークの周縁部にサーバを配置し、IoTに必要なリアルタイム性や端末負荷の軽減を可能とするエッジコンピューティング技術の開発を推進しました。・社会変革の原動力として近年注目が急速に高まりつつあるAIに関して、「ヒトの能力を補完し、引き出す」ことをめざす技術を総称した「corevoTM」の開発を推進しました。 ○国内ネットワークサービスのコスト効率化・収益力強化に向けた取り組み・ネットワークの機能を細かく分け、自由に組み合わせることで多様なサービス創出を可能とする「NetroSphere構想」の実現に向けて、様々なICTベンダーやプロバイダーと共同研究開発を進めるとともに、技術評価を行うための実証環境を構築しました。・全国で68万個あるマンホールの鉄蓋点検に関わるコスト削減と安全性向上に向けて、デジタルカメラで撮影した画像を用いて段差量や磨耗度を推定できる技術の導入を支援し、商用化に結び付けました。・美観の問題で光回線の開通ができない事例の削減をめざして、釣り糸のように細く透明で、多様な壁面に調和し目立たない「透明光ファイバ」を開発しました。 ○コラボレーションによる新たな価値創出の推進・パナソニック株式会社と連携し、透過型ディスプレイを搭載したシンプルなポータブル端末を用いて、かざすだけで情報が表示されるといった直感的な操作によるサービスの実現に向けた技術検証に着手しました。・トヨタ自動車株式会社、株式会社Preferred Networksとともに、エッジコンピューティング技術とディープラーニング技術を用いた「ぶつからないクルマ」のコンセプトをデモンストレーションとして具現化しました。・重要インフラ分野を中心とした40社以上の企業による「産業横断サイバーセキュリティ人材育成検討会」の発足を牽引し、産業界が必要とする人材像の定義や課題の抽出に貢献しました。・三菱重工業株式会社と、重要なインフラの制御システムに適用するサイバーセキュリティ技術の共同研究を開始しました。 ○深い感動・新しい体験を提供する技術の研究開発・あたかもその場にいるかのような超高臨場感を配信する技術「Kirari!」を用いて、特定の個人を擬似3Dでリアルタイム中継することに成功しました。・スマートフォンをかざすだけで関連情報を取得する技術「かざして案内」を開発し、羽田空港で実証実験を行いました。また、公共施設などの混雑状況の可視化を可能とするアプリ「混雑マップ」とあわせて、「NTT R&Dフォーラム2016」にご来場のお客様に実際に体験いただきました。・試合中の選手目線映像など、実際の撮影が難しい映像を仮想的に再現し、ヘッドマウントディスプレイを通じて高い臨場感で視聴することで、スポーツトレーニングなどに応用可能な合成・提示技術を開発しました。 ○最先端研究の推進・市街地などの騒がしい公共エリアにおける、モバイル端末の音声認識についての国際技術評価において、世界第1位の認識精度を達成しました。・人間が意識しない心と身体をデータで読み解き、「人に心地よい状況」を提供するAIの実現に向けて、目の動きから人間の潜在的な心の動きを読み取る技術を開発しました。・簡便かつ効率の高い量子暗号システムの実現をめざして、送信者と受信者との間での定期的な誤り率監視が不要となる技術を開発しました。 これらの研究開発活動に取り組んだ結果、当連結会計年度において要した費用の総額は1,057億円(前期比3.9%減)となり、その対価として、基盤的研究開発収入1,019億円(前期比4.2%減)を得ました。 なお、当連結会計年度における各セグメントの研究開発の概要は、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)摘 要地域通信事業93,740IP・ブロードバンド化の進展、ユーザニーズの多様化に対応するアクセスサービスの拡充及び付加価値の高いサービスの研究開発等長距離・国際通信事業15,971IPネットワークからプラットフォームの分野における高い付加価値をもったサービス開発等移動通信事業83,315モバイル領域の競争力強化に向けたネットワークの高機能化、およびスマートライフ領域での取り組み加速実現のためのサービス基盤構築・クラウドサービス開発等データ通信事業12,413システムインテグレーションの競争力強化に向けた技術開発等その他の事業109,996ICT社会の発展を支える高度なネットワークと新サービスを実現する基盤技術や、環境負荷低減に貢献する技術、通信・情報分野に大きな技術革新をもたらす新原理・新部品・新素材技術に関する研究開発等小計315,435 セグメント間取引消去△102,000 合計213,435