有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
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FY2025|12,120 文字
3 【事業等のリスク】(1) リスクマネジメント体制について当社は純粋持株会社であり、当社グループ全体のリスクマネジメントの推進と必要な情報の共有化を図るため、中核の事業会社であるスカパーJSAT㈱と共同で当社グループ全体のリスク管理の基本方針及び管理体制を定めています。その基本方針及び管理体制に基づき、リスクマネジメント統括責任者を委員長とするリスクマネジメント委員会で、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスクの未然防止・リスクの低減に取り組んでいます。具体的には、原則半期ごと、必要に応じて適宜、リスクマネジメントの対象とするリスク及びリスク評価の見直しを行い、各リスクの評価結果を踏まえ、当該リスクへの対策を策定しております。まず、リスク評価に関しては、各リスクの発生頻度と影響度の積をリスクレベルと定義し、当社グループの各リスクの発生頻度と影響度のスコアを分析して、一定以上のリスクレベルとなるものを重大リスク(優先的に対策を講じるべきリスク)として定めます。また、洗い出されたリスクの中で対策緊急度の高いリスクについては、リスクレベルにかかわらず重大リスクとして定めます。これらの重大リスクに対して、当該リスクの所管部署について重点施策を策定し、リスクマネジメント委員会にて協議・検討を行った上で、当社取締役会等に報告され、定期的に進捗がモニタリングされるシステムを構築しています。スカパーJSAT㈱では、内部統制に係る様々な委員会を設けて日々活動を行っており、リスクマネジメント委員会においても必要に応じて情報共有を受けております。なお、気候変動関連のリスクについては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおり、サステナビリティ委員会にて別途詳細に検討を行った結果とその内容の報告を受けて、リスクマネジメント委員会においても必要な協議を行っております。また、実際にリスクが顕在化した場合は、BCP(事業継続計画)や情報セキュリティ、サイバーセキュリティ等、各リスクに対応したマニュアルに従って、迅速かつ適切に対応を行うことに加え、適宜リスクマネジメント委員会を招集する体制を整え、適切にグループ全体のリスクをコントロールしております。以下に記載のリスクは、当社グループが当連結会計年度において、重大リスクと認識しているリスク項目につき、その対策と併せて記載するものです。ここで取り上げたリスクは当社グループのすべてのリスクを網羅しているわけではありません。また、当社グループが認識していない未知のリスク、あるいは今後重要性が増して当社グループの事業、財政状態、経営成績等に重大な影響を及ぼすリスクが生じる可能性があります。なお、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (2) 当社グループが認識する重大リスクについて<宇宙事業>リスク名称① 衛星通信市場における競争力低下のリスクリスクオーナースカパーJSAT㈱ 宇宙事業部門長リスクの状況世界規模で宇宙産業市場が拡大する一方、新たな事業者が宇宙ビジネスに参入し、大規模な低軌道衛星コンステレーションによる通信サービスが本格開始される等、衛星通信事業においては競争が激化しております。また、国際情勢、とりわけ、わが国を取り巻く環境の変化を受け、宇宙空間の重要性が高まっています。このような競争環境下において、事業領域を拡大し、宇宙事業の持続的な成長を目指すことが課題となっております。リスクへの対策前述の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」のとおり、経営戦略に掲げる「既存事業の収益性強化」「新領域事業の展開」を図ってまいります。(1)通信関連事業 国内衛星通信分野においては、既存顧客に対する長期契約の提案、衛星機器や当社グループの地上局設備を活用したサービス等の提供にて事業基盤を強化し、後継衛星についてはビームや帯域に可変性を持たせることで、お客様の多様なニーズに柔軟に対応してまいります。 また、安全保障領域を含む政府主導プロジェクトへ参画し、政府系衛星の運用、観測・監視サービス等、当社の経験と知見を活かした新たなサービスの提供を進めてまいります。 グローバル・モバイル分野においては、運用中のハイスループット衛星及び今後投入予定のフルデジタル衛星を活用し、航空機・船舶等の成長市場に向けた通信サービスの提供拡大を目指してまいります。また、アジア・オセアニア地域を中心に海外における営業展開を強化してまいります。 更に、パートナー企業と連携しながら、静止衛星に非静止衛星等を加えた多層的な通信ネットワークの構築を目指してまいります。(2)スペースインテリジェンス事業 低軌道衛星コンステレーションの構築・保有、地球観測衛星事業者等との業務提携を推進し、衛星画像販売サービスの強化による収益の拡大を目指してまいります。(3)開拓領域 ㈱Space Compassほかパートナー企業と連携しながら、HAPS(高高度プラットフォーム)を用いた通信ネットワークと、光通信技術や宇宙コンピューティング技術を取り入れた宇宙空間でのICTインフラ基盤の構築を目指してまいります。衛星量子鍵配送、宇宙状況把握等、事業領域のさらなる更なる拡大を目指してまいります。残存リスク現在想定している対策を講じていても、低軌道衛星等を利用した新たな衛星事業者の台頭によって市場環境が急速に変化する等、当社グループの提供する通信サービスが市場における競争力を維持できない可能性があります。新規事業への取り組みは、事前の調査や分析を入念に行い、事業パートナーの選定や設備投資の規模等についても、事業計画を策定した上で、必要な判断プロセスを経て実施しますが、技術開発の遅延や事業パートナーの経営状況、当該新規事業で想定した市場の状況変化等、当初計画と異なる状況が発生した場合には、当社グループの事業及び経営指標に影響を及ぼす可能性があります。 リスク名称② 通信衛星調達に関するリスクリスクオーナースカパーJSAT㈱ 宇宙事業部門長リスクの状況通信衛星調達の際には、調達先における製造の遅延や打ち上げの遅延または失敗等のリスクがあります。これらの事由により、予定されていた通信衛星の運用開始が遅延し、継続的なサービス提供が不可能な期間が生じた場合、当該期間における収益の低下や顧客流出の可能性があります。 また、通信衛星の製造期間中に設計上その他の要因によって予定外の支出を負担することがあります。リスクへの対策調達スケジュールを設定する際には、打ち上げ失敗の場合を想定し、予備衛星や既存衛星によるフリートバックアップ対策、もしくは代替衛星の早期納入をより確実にするための代替衛星用の長納期品の先行発注等の対応策を講じております。調達先への支払いに関しては、衛星の製造、打ち上げサービスともに、進捗度に応じたマイルストーン支払いとしています。衛星の製造に関しては納期遅延時には一定額の賠償金請求ができる権利を確保することでリスク低減を図っており、打ち上げサービスに関しては、衛星の完成後できるだけ速やかに打ち上げが行えるよう、衛星の予定納期に合わせて打ち上げ予定時期を設定し、製造期間中も可能な限りの契約調整を行いますが、衛星の製造が大幅に遅延した場合等、当社の希望する条件や時期での打ち上げが行えない場合があります。 保険契約については、打ち上げ時及び軌道上における運行時それぞれの保険契約を締結しております。打ち上げ危険担保保険は、初期段階において通信衛星の全部または一部が損傷を受けた際に、通信衛星の再調達、その他修復に必要な費用を填補するもので、打ち上げ時点から、通常1年間有効となっております。残存リスク現在想定している対策を講じていても、後継衛星の製造・打ち上げが技術開発の進捗及びサプライチェーンの問題や予期せぬ事故及び地政学的な状況により遅延するリスクが想定されます。また、衛星の打上げ失敗や軌道上での損傷時の金銭補償に関しては、衛星の損傷の度合いや原因その他の要因により、打ち上げ危険担保保険では打ち上げに要する費用の全額を補償できないリスク、宇宙保険市場環境の変動による保険料高騰のリスク及び戦争危険等の絶対免責に該当する場合に損害保険の対象にならないリスクが想定されます。 リスク名称③ 通信衛星の運用に関するリスクリスクオーナースカパーJSAT㈱ 宇宙事業部門長リスクの状況当社グループが保有する通信衛星は15年以上の長期にわたって使用されますが、運用期間中に製造上の瑕疵、欠陥部品、太陽活動に伴う磁気嵐、デブリや隕石等との衝突、過度の燃料消費、衛星管制上または運用上の不具合その他の要因による衛星の機能不全または運用能力低下の可能性があります。このような事態が生じた場合、サービスの提供ができないことによる収益の低下や顧客の流出、あるいは当社グループ所有の別衛星への顧客移行に係わるコスト負担等で、収益性の低下等の悪影響を及ぼす可能性があります。リスクへの対策当社グループはこれまで、軌道上にバックアップ専用の予備衛星を保有し、運用中の衛星に不具合が生じた場合に可能な限り短期間でバックアップができる体制をとってきましたが、後継機として調達した衛星のサービス開始予定日に遅れが見込まれているため、後継衛星のサービス開始まで、バックアップ専用の予備衛星を一時的に後継機として運用する計画としました。 そのため、運用中の衛星に不具合が生じた場合は、バックアップ専用の予備衛星を維持する軌道位置ではバックアップ専用衛星への切り替えを、それ以外の軌道位置では、衛星フリート計画に基づいて、当社グループの所有する他衛星を用いたサービスの継続等可能な対応を行いますが、不具合の発生した通信衛星の能力を完全には代替できない可能性があります。当社グループでは、打ち上げ保険が期間満了となった後に効力を生じる軌道上危険担保保険契約を、打ち上げた通信衛星ごとに締結しています。ただし、この保険は通信衛星の技術上の機能不全に起因して当社グループが負う第三者賠償責任や収益の喪失等の営業上の損害を補填するものではありません。また、宇宙保険市場環境の変動による保険料高騰のリスクに対しては、適宜、補償範囲や補償金額の見直し等を行っています。残存リスク現在想定している対策を講じていても、不測の事態により、当社グループ所有衛星による代替機能が提供できないことによる収益低下リスクが想定されます。また、運用中の衛星の損傷時は、保険契約の補償範囲の設定や通信衛星の機能不全の要因により、損害保険の対象にならないリスク、当社に生じる損害の一部が補填されないリスクが想定されます。 <メディア事業>リスク名称④ 有料多チャンネル事業の事業性低下に関するリスクリスクオーナースカパーJSAT㈱ メディア事業部門長リスクの状況加入者の獲得及びその維持は、当社グループの収益拡大にとって重要な要素です。2025年3月末において2,602千件の加入件数を有していますが、将来にわたって当社グループの計画どおりに加入件数が推移する保証はありません。今後、コンテンツの差別化やプロモーションの強化、キャンペーン等の各種マーケティング施策の実施にもかかわらず、同様のコンテンツを提供するインターネット経由での動画配信サービスの浸透等、競合サービスとの競争激化やユーザーの視聴習慣の変化により加入件数の減少が継続または急激に発生した場合、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、競争の激化によって有力コンテンツを獲得できなかったこと等により当社グループのサービスの魅力が低下し、既存加入者の解約が想定以上に多く発生する場合には、累計の加入件数の減少につながり、これにより当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。リスクへの対策前述の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」を踏まえ、次のとおり、既存各事業における収益性強化や新領域事業の展開を図ってまいります。(1)放送・配信事業有料多チャンネル事業において加入者数が減少する状況においても一定の利益を確保するべく、事業収支をベースとした中期的な事業構造改革の方針を作成し、実行しております。また、加入者の獲得・維持に資するコンテンツの優先順位を明確にしたコンテンツの取得方針を定め、かつ、その費用対効果の事後レビューを実施しています。更に、有料コンテンツを提供している同業他社との適切な協業や提携を通じて、マーケティング力の強化や事業全体の効率化を進めてまいります。また、放送・配信事業での収益拡大に向け、東京メディアセンターの設備の有効活用等を実施し、「メディアHUBクラウド」等の受注拡大に取り組んでまいります。(2)光アライアンス事業光アライアンス事業の収益拡大のため営業体制の強化を行い、ケーブルテレビ局各社との連携やサービスの充実を行うほか、引き続き提供エリアを拡大しながら拡販を図ってまいります。(3)開拓領域アニメを中心とした映像コンテンツの企画、製作投資、販売、及び周辺事業の推進を通じて、グローバルにビジネスを展開する「グローバルIP事業」の更なる成長と周辺事業の戦略的拡大を進めてまいります。また、新たな収益源の確立のため、メディア・エンターテインメント業界でのWeb3関連事業やリアル・イベント等を通じて、ファンの体験を拡張するべく様々な取り組みを推進してまいります。残存リスクインターネット経由の動画配信サービスの台頭が一層進んでいること等から、従前よりリスクレベルが上がっていると認識しており、有料多チャンネル事業のサービス加入者向けに「スカパー!番組配信」を、また独自の動画配信サービス「SPOOX」を展開する等の対策を行っておりますが、現在想定している対策を講じていてもなお、競争激化による加入者の減少が想定以上となる場合、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 リスク名称⑤ 不正視聴に関するリスクリスクオーナースカパーJSAT㈱ メディア事業部門長リスクの状況当社グループが提供する有料多チャンネル放送「スカパー!」ではB-CASカード/ACASチップというICカード/チップを利用しています。B-CASカードについては、有料放送を不正に視聴できるようにした改ざんB-CASカードの販売者が逮捕されております。また、大手ECサイトでのネット配信専用違法デバイスの販売についても、公衆送信権・送信可能化権侵害を幇助する行為に当たるとして、販売差し止め事案が発生しております。このような改ざんB-CASカードやネット配信専用違法デバイスによる不正視聴は、有料多チャンネル放送全体の健全な普及拡大に多大な悪影響を及ぼすとともに、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループが提供する有料多チャンネル放送「プレミアムサービス」「プレミアムサービス光」はB-CASカードとは異なるICカードを利用しておりますが、同様の不正視聴により、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。リスクへの対策これまで当社グループでは4K8K放送開始に伴うACASチップの開発に積極的に参画してまいりました。ACASチップはセキュリティ機能が強化されていることに加え2K放送にも対応しており、ACASチップを搭載した4Kテレビ等でも「スカパー!」の視聴がこれまでと同様に可能となっております。今後4Kテレビ等の普及により、B‐CASカードがACASチップに置き換わっていくことで、一定のリスク低減が見込まれます。また、当社グループはB-CASカードによる不正視聴が発覚した場合、有料放送事業者各社及びB-CASカードの所有者である㈱ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ等と連携し、損害賠償請求等の法的措置を含むあらゆる手段を講じて厳正に対処する方針であり、引き続き、刑事・民事での訴訟の提起や広報における違法性の周知等を行ってまいります。今後はより効果のある技術的な対応策を継続して検討していくとともに、不正視聴機器の利用による不正視聴者の法的対処が実現出来るよう関係省庁との連携を強化してまいります。残存リスク現在想定している対策を講じていても、ACASチップが想定通りに普及しない場合や上記の取り組みによっても有効な抑止効果が生じなかった場合には、改ざんB-CASカードによる不正視聴が長期間にわたり継続的に発生するリスクが想定されます。また、近年インターネット経由での不正視聴を幇助する、ネット配信専用違法デバイスが海外より流入しており、これらによる不正視聴が広がるリスクがあります。この対策を検討するため、これまで大手ECサイトへの不正視聴機器に対する販売差し止めの実績を上げている一般社団法人衛星放送協会が中心となり、総務省の支援を得て、放送事業者、関連団体等が参画して不正ストリーミングデバイス対策協議会が設立されています。当社グループとしても本協議会の活動に積極的に協力し、ネット配信専用違法デバイスの流通阻止に向けて取り組んでおります。なお、かかるネット配信専用違法デバイスや不正視聴を可能とする新たな技術や機器が登場し、当社グループがこれらに対する有効な対応策を講じることができなかった場合、またはかかる対応策のために多額の費用を投じざるを得ないような場合には、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 リスク名称⑥ 顧客管理システムに関するリスクリスクオーナースカパーJSAT㈱ メディア事業部門長リスクの状況当社グループでは、有料多チャンネルサービス等に関する新規加入申し込み、契約チャンネルの変更、解約処理、課金、請求等、各種お客様情報・契約情報の管理に大規模な顧客管理システムを使用しており、メディア事業の運営や収益管理において重要な役割を担っています。このシステムにおいて重大なシステム障害が生じた場合、またはシステム設定や仕様変更に伴うプログラム変更等に不備があった場合、加入手続き等のサービスの停止、放送事業者との各種取引や手続きへの不具合による事業運営への支障、社会的信用の低下、不具合の解消や顧客対応に要する不測のコスト負担等により、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、不適切なデータ入力や改ざんが行われると経営成績の基礎となる営業収益の信頼性が損なわれ、事業運営や経営成績に悪影響が生じます。リスクへの対策重大なシステム障害を予防するため、顧客管理システムを免震構造の施設に設置し、各機器・装置は冗長構成を取っております。また、アプリケーションやデータ等の情報は遠隔地のサーバへ定期的にバックアップしております。更にシステム設定等の不備に対しては、設定手順書の整備等により運用管理を徹底する他、プログラム変更時の社内手続きの整備やシステムへのアクセス権限の定期的な棚卸し等の対策を取っております。残存リスク現在想定している対策を講じていても、人為ミスによる障害が発生するリスク及びシステム更改時の要件定義等の不備により予期せぬ障害が発生するリスクが想定されます。 <全般>リスク名称⑦ 事業投資等に関するリスクリスクオーナースカパーJSAT㈱ 経営管理部門長リスクの状況当社グループは、事業拡大のために、買収等や出資、他企業との提携及び協力体制構築等の検討を行い、その結果、将来の当社グループの事業戦略や経営成績に貢献すると判断した場合には、これらを実行することがあります。しかしながら、買収等の対象事業を当社グループの経営戦略に沿って統合することができない場合や当社グループの期待する相乗効果が得られなかった場合、買収等の対象事業に当社グループの内部統制体制を適用することができなかった場合、当社グループに必ずしも経験や知見の無い技術分野における問題点を含む、想定しなかった重大な問題点が買収等の後に発見された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、買収等により多額ののれん及び無形資産を計上する可能性があり、対象事業の収益性が低下した場合にはのれん及び無形資産の減損が発生するほか、事業再編等に伴う事業売却損、事業清算損その他これに伴う損失の発生等により、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。リスクへの対策投資に係る規程を整備し、出資・投資に際しては、事業計画、内部収益率、撤退基準、その他リスク等を検討して審議・判断しております。加えて、大型出資案件については、各部門の会議を経て、代表取締役社長の諮問機関である経営会議にも付議し、取締役会でも決議を行う等、複数のチェック体制を取っており、慎重に多角的な検討を行っております。また、適切な内部統制構築・運用のため、出資先への人員派遣や当社グループで定めている規程等の遵守を求め、適正に管理を行っております。投資判断時には、マイルストーンを設定し、適切なタイミングでレビューを行っており、出資後においても、各出資先の財務状況、取組方針、収益性、資本コスト、保有意義、出資の適正性等についてレビューを行い、その結果を取締役会に報告しております。残存リスク現在想定している対策を講じていても、市場・競争環境の変化や出資・買収後の事業管理の不徹底等により、買収等をした事業における損失の発生、投資有価証券やのれんの減損等を完全に防止することは不可能であり、投資に見合う利益を確保できる保証はありません。また、出資先でコンプライアンスに関する問題等が発生した場合には、当社グループの社会的信用を損なう可能性があります。 リスク名称⑧ 事業上の法的規制等に関するリスクリスクオーナースカパーJSAT㈱ 経営管理部門長リスクの状況当社グループの事業の遂行にあたって、国内においては、放送法、電気通信事業法、電波法、独占禁止法、個人情報保護法、環境諸法令、補助金適正化法等の法的規制の適用を受けています。また、事業を展開する各国においては、当該国の法的規制の適用を受けています。これらの法令等に違反した場合や社会的要請に反した行動等により、法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁・事業停止命令等を受けたり、お客様をはじめとする関係者からの信頼を失う可能性があり、これにより当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、国内における衛星放送、並びに国内外における通信衛星の打ち上げ、運行及び商業利用に対して適用される現行の制度を変更するような法令等が新たに制定されたり、当社グループの事業に不利益な改正が行われた場合には、事業運営上の制約が生じる可能性があり、これにより当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。更に、サプライチェーン含む人権課題に適切な対応が取られていない場合、顧客との取引の停止や行政罰、また、当社グループの社会的信頼の喪失に繋がる可能性があります。リスクへの対策「スカパーJSATグループミッション」及び「スカパーJSATグループ行動指針」を基に、スカパーJSATグループコンプライアンス基本規程及びグループ役職員行動規範並びに人権方針を定め、取締役及び使用人に対し、人権尊重を含む法令等を遵守するよう求めております。また、当社グループは、コンプライアンス統括責任者を任命し、コンプライアンス統括責任者を委員長とするコンプライアンス委員会を設置して定期的に開催しております。更に、コンプライアンスを社内に定着させていくため、取締役及び使用人への教育・研修等を行うとともに、新たな法令等の制定や改正に関する情報が随時配信されるサービスを利用する等、当該法令への対応を行っております。当社グループの事業活動または取締役及び使用人に法令違反の疑義のある行為等を発見した場合、速やかに社内及び社外に設置する窓口に匿名でも通報・相談できるシステムとして、「コンプライアンスヘルプライン」を整備し、適切に運用しております。上記対応状況も含め、当社の内部監査部門は、当社グループのコンプライアンスの状況を定期的に監査しております。その他にも、国内外において現行制度を変更するような法令の制定や改訂については、関係省庁等の動向を常に注視し、必要な意見表明や制度変更等への事前の準備をすることで、リスクを軽減する対応をしております。残存リスク現在想定している対策を講じていても、法令違反の可能性を完全に排除できないリスクや、国内外における新たな法令等の制定や改正に関する情報の入手が遅れる等、適切な対応が行えず、事業運営に悪影響を被るリスクが想定されます。 リスク名称⑨ 個人情報及び重要情報の流出や取扱い及びサイバーセキュリティに関するリスクリスクオーナースカパーJSAT㈱ 経営管理部門長リスクの状況当社グループは、メディア事業においては提供するサービスへの加入者情報をはじめとした顧客情報を、宇宙事業においては技術情報を含む重要な情報をそれぞれ保有しております。当該情報がハードウェア、ソフトウェアの不具合及び人為的ミスによるシステム障害や第三者による不正アクセス等により流出した場合や、個人情報の不適切な取扱いが発生した場合は、社会的信用の低下や損害賠償その他の対応に係るコスト負担等により、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、大規模なサイバー攻撃を受けた場合、当該情報が流出するのみならず、放送・配信サービス及び衛星通信サービスの運用に支障が生じる可能性があります。リスクへの対策当社グループは、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の認証及びプライバシーマークを取得し、情報セキュリティ・個人情報保護マネジメントシステムを構築し、厳格な情報管理を行っております。当該活動の一環で、当社グループを対象とした個人情報管理委員会・情報セキュリティ管理委員会を設置し、情報セキュリティ管理の状況をモニタリングしております。また、セキュリティインシデント発生時の対応を行う組織としてCSIRT(シーサート、Computer Security Incident Response Team)を設置し、訓練も実施しております。一方、システム対応として、個人情報及び事業上の重要情報保管時の暗号化サーバの利用、不正侵入防止システムやウィルス対策ソフトによる感染防止、各システムによるログの取得、セキュリティ診断による脆弱性の発見等を実施しております。更に、サイバー攻撃の多様化、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進等によるサイバーセキュリティリスクの増加等を受け、最高情報セキュリティ責任者(Chief Information Security Officer)を任命し、サイバーセキュリティへの対策を実施・強化しております。その他、マルウェアや不正な通信の検知力強化や社内ネットワーク構築基準の見直しを実施しています。残存リスク現在想定している対策を講じていても、新技術を用いた高度なサイバー攻撃等、現在想定している対策を超える事態の発生により、情報流出やサービスに障害が発生する可能性があります。 リスク名称⑩ 大規模災害、新型感染症等による事業継続に関するリスクリスクオーナースカパーJSAT㈱ 経営管理部門長リスクの状況当社グループは、放送と通信という公共性の高いサービスを提供する企業グループとして、放送設備や衛星管制・通信設備を国内に所有しております。大規模災害や事故、新型コロナウイルス感染症やその他の感染症の大流行等が発生した場合、施設の設備損傷や施設の閉鎖または活動自粛等により事業継続が困難となるリスクがあります。その他にも従業員の被災状況や公共交通機関等の不通等により、継続業務従事者の確保ができなくなるといったリスクがあります。リスクへの対策事業ごとに継続業務を定め、人員計画含め非常時の体制をBCP(事業継続計画)として構築・運用しています。また、新型コロナウイルス感染症やその他感染症の拡大に対する事業継続体制も同様に事業継続計画としてあらかじめ定めています。継続業務を担う拠点は制震または免震構造を採用しており、非常用発電機能や、食料品の備蓄を有しております。特に災害発生時に通常以上の利用が見込まれる衛星通信の管制施設に関しては、無停電電源設備を有し、一拠点が休止た場合は他拠点からのサービス提供により業務に重大な支障が生じない設計にする等、サービス不断を目指した設備構築を行っております。また、気候変動等により昨今頻発する可能性のある台風等の強風・豪雨被害等の脅威に関しては継続的に対策を検討・策定し、対応を進めております。残存リスク現在想定している対策を講じていても、全てのサービスはフルバックアップ設備を有していないため、現在想定している対策では対処しきれない大規模災害等が発生した場合には、放送・配信・通信を長期間停止するリスク及び交通機関等の断絶の長期化による拠点の燃料・人員確保のリスクが想定され、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2024|12,274 文字
3 【事業等のリスク】(1) リスクマネジメント体制について当社は純粋持株会社であり、当社グループ全体のリスクマネジメントの推進と必要な情報の共有化を図るため、中核の事業会社であるスカパーJSAT㈱と共同で当社グループ全体のリスク管理の基本方針及び管理体制を定めています。その基本方針及び管理体制に基づき、リスクマネジメント担当取締役を委員長とするリスクマネジメント委員会で、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスクの未然防止・リスクの低減に取り組んでいます。具体的には、原則半期ごと、必要に応じて適宜、リスクマネジメントの対象とするリスク及びリスク評価の見直しを行い、各リスクの評価結果を踏まえ、当該リスクへの対策を策定しております。まず、リスク評価に関しては、各リスクの発生頻度と影響度の積をリスクレベルと定義し、当社グループの各リスクの発生頻度と影響度のスコアを分析して、一定以上のリスクレベルとなるリスクを優先的に対策を講じるべき重大リスクとして定めます。また、洗い出されたリスクの中で対策緊急度の高いリスクにおいては、リスクレベルにかかわらず重大リスクとして定めます。そしてこの重大リスクに対して、当該リスクの所管部署において重点施策を策定し、スカパーJSAT㈱経営会議及び当社取締役会等に報告され、定期的に進捗がモニタリングされるシステムを構築しています。リスクマネジメント委員会の構成は、委員長以下、各部門の統括部署、管理系部署で構成され、事務局は内部統制推進部が担っております。スカパーJSAT㈱では内部統制に係る様々な委員会を設けて、日々活動を行っておりますので、その内容についてもリスクマネジメント委員会で把握し、管理を行っております。なお、気候変動関連のリスクについては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおり、経営企画部を事務局としたサステナビリティ委員会にて別途詳細に検討を行った結果及びその内容をリスクマネジメント委員会において報告を受け、必要な協議を行った上でその内容について管理を行っております。また、実際にリスクが顕在化した場合は、BCP(事業継続計画)や情報セキュリティ、サイバーセキュリティ等、各リスクに対応したマニュアルに従って、迅速かつ適切に対応を行うことに加え、適宜リスクマネジメント委員会を招集する体制を整えています。この取り組みを実施することにより適切にグループ全体のリスクをコントロールしております。(注)2024年4月1日を効力発生日とする組織変更により、サステナビリティ推進部を経営企画部に統合いたしました。 以下に記載のリスクは、当社グループが当連結会計年度において、重大リスクと認識しているリスク項目につき、その対策と併せて記載するものです。ここで取り上げたリスクは当社グループのすべてのリスクを網羅しているわけではありません。また、当社グループが認識していない未知のリスク、あるいは今後重要性が増して当社グループの事業、財政状態、経営成績等に重大な影響を及ぼすリスクが生じる可能性があります。なお、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (2) 当社グループが認識する重大リスクについて<宇宙事業>リスク名称① 衛星通信市場における競争力低下のリスクリスクオーナースカパーJSAT㈱ 宇宙事業部門長リスクの状況昨今の地上回線の発達・低廉化、5G(第5世代移動通信システム)時代の新しい通信ネットワークの発展、低軌道衛星等を利用した新たな衛星通信サービスの開始、ハイスループット衛星や搭載通信機器がフルデジタル化された大容量通信衛星の投入により、世界的には通信全般及び衛星通信の供給量は年々増加傾向にあります。競合他社との価格競争により、帯域単価やサービス単価の下落が続くことが予想され、当社グループとしていかに収益を維持するかが課題となっております。リスクへの対策ハイスループット衛星やフルデジタル衛星等、先進技術を取り入れた衛星の調達・打ち上げを継続して行い、競争激化する市場でも需要の取り込みに注力しております。近年ではIntelsatとの共同所有衛星Horizons 3eとKacific社との区分所有衛星であるJCSAT-1Cの2機のハイスループット衛星でサービスを提供し、着実に収益を拡大しております。2027年上期のサービス開始を予定するフルデジタル衛星Superbird-9は現在製造中ですが、日本をはじめとする東アジアにおいて大容量かつ自由度の高い通信サービスを提供予定で、既に当該サービスの利用契約の獲得を開始しております。また2023年12月より低軌道衛星によるブロードバンドサービス「Starlink Business」の提供を開始しました。市場や顧客の多様なニーズへの対応を通して、一層の事業拡大と競争力強化に努めます。近年のデジタル技術の急激な進化に伴い事業環境が変化していく中で、当社グループは、既存の衛星通信事業のビジネスモデルに加え、新たな技術の活用や事業領域拡大へ積極的に取り組んでいます。通信分野においては静止・非静止衛星及びHAPS(高高度プラットフォーム)などを用いた多層的な通信ネットワークと、光通信技術や宇宙コンピューティング技術を取り入れた宇宙空間でのICTインフラ基盤の構築を目指しています。ビジネスインテリジェンス分野では衛星画像販売サービスを強化するとともに、地球観測衛星から得られるデータを活用したサービスの開発と販売活動を推進し、新たな市場の開拓に取り組んでいます。他にも衛星量子鍵配送、宇宙ごみ対策など新たな技術を用いたサービスの事業化にも取り組み、事業領域の更なる拡大を目指しています。 新規事業への取り組みは、既存事業よりも不確実性が高く様々なリスクが高いことを認識しておりますが、企業価値の更なる向上には不可欠と考えています。残存リスク現在想定している対策を講じていても、低軌道衛星等を利用した新たな衛星事業者の台頭によって市場環境が急速に変化するなど、当社グループの提供する通信サービスが市場における競争力を維持できない可能性があります。新規事業への取り組みは、事前の調査や分析を入念に行い、事業パートナーの選定や設備投資の規模などについても、事業計画を策定した上で、必要な判断プロセスを経て実施しますが、技術開発の遅延や事業パートナーの経営状況、当該新規事業で想定した市場の状況変化など、当初計画と異なる状況が発生した場合には、当社グループの事業及び経営指標に影響を及ぼす可能性があります。 リスク名称② 通信衛星調達に関するリスクリスクオーナースカパーJSAT㈱ 宇宙事業部門長リスクの状況通信衛星調達の際には、調達先における製造の遅延や打ち上げの遅延または失敗等のリスクがありますが、これらの事由により予定されていた通信衛星の運用開始が遅延し、継続的なサービス提供が不可能な期間が生じた場合、当該期間における収益の低下や顧客流出の可能性があります。また、通信衛星の製造期間中に設計上その他の要因によって予定外の支出を負担することがあります。リスクへの対策調達スケジュールを設定する際には、打ち上げ失敗の場合を想定し、予備衛星や既存衛星によるフリートバックアップ対策、もしくは代替衛星の早期納入をより確実にするための代替衛星用の長納期品の先行発注等の対応策を講じております。調達先への支払いに関しては、衛星の製造、打ち上げサービスともに、進捗度に応じたマイルストーン支払いとし、衛星の製造に関しては納期遅延時には一定額の賠償金請求ができる権利を確保することでリスク低減を図っています。打ち上げサービスに関しては、衛星の完成後できるだけ速やかに打ち上げが行えるよう、衛星の予定納期に合わせて打ち上げ予定時期を設定し、製造期間中も可能な限りの契約調整を行いますが、衛星の製造が大幅に遅延した場合など、当社の希望する条件や時期での打ち上げが行えない場合があります。 保険契約については、打ち上げ時及び軌道上における運行時それぞれの保険契約を締結しております。打ち上げ危険担保保険は、初期段階において通信衛星の全部又は一部が損傷を受けた際に、通信衛星の再調達、その他修復に必要な費用を填補するもので、打ち上げ時点から、通常1年間有効となっております。残存リスク現在想定している対策を講じていても、後継衛星の製造・打ち上げが技術開発の進捗及びサプライチェーンの問題や予期せぬ事故及び地政学的な状況により遅延するリスク、衛星の損傷の度合いや原因その他の要因により、打ち上げ危険担保保険では打ち上げに要する費用の全額を補償できないリスク、宇宙保険市場環境の変動による保険料高騰のリスク及び戦争危険等の絶対免責に該当する場合に損害保険の対象にならないリスクが想定されます。 リスク名称③ 通信衛星の運用に関するリスクリスクオーナースカパーJSAT㈱ 宇宙事業部門長リスクの状況当社グループが保有する通信衛星は15年以上の長期にわたって使用されますが、運用期間中に製造上の瑕疵、欠陥部品、太陽活動に伴う磁気嵐、デブリや隕石等との衝突、過度の燃料消費、衛星管制上又は運用上の不具合その他の要因による衛星の機能不全又は運用能力低下の可能性があります。このような事態が生じた場合、サービスの提供ができないことによる収益の低下や顧客の流出、あるいは当社グループ所有の別衛星への顧客移行にかかわるコスト負担などで、収益性の低下等の悪影響を及ぼす可能性があります。リスクへの対策打ち上げ保険が期間満了となった後に効力を生じる軌道上危険担保保険契約を、打ち上げた通信衛星ごとに締結しています。ただし、この保険は通信衛星の技術上の機能不全に起因して当社グループが負う第三者賠償責任や収益の喪失などの営業上の損害を補填するものではありません。 当社グループはこれまで、軌道上にバックアップ専用の予備衛星を保有し、運用中の衛星に不具合が生じた場合に可能な限り短期間でバックアップができる体制をとってきましたが、後継機として調達した衛星のサービス開始予定日に遅れが見込まれているため、後継衛星のサービス開始まで、バックアップ専用の予備衛星を一時的に後継機として運用する計画としました。そのため、運用中の衛星に不具合が生じた場合は、バックアップ専用の予備衛星を維持する軌道位置ではバックアップ専用衛星への切り替えを、それ以外の軌道位置では、衛星フリート計画に基づいて、当社グループの所有する他衛星を用いたサービスの継続など可能な対応を行いますが、不具合の発生した通信衛星の能力を完全には代替できない可能性があります。残存リスク現在想定している対策を講じていても、不測の事態により、当社グループ所有衛星による代替機能が提供できないことによる収益低下リスク、通信衛星の機能不全の要因によっては免責条項が適用され軌道上危険担保保険の対象にならないリスク、宇宙保険市場環境の変動による保険料高騰のリスク及び戦争危険等の絶対免責に該当する場合に損害保険の対象にならないリスクが想定されます。 <メディア事業>リスク名称④ 有料多チャンネル事業の事業性低下に関するリスクリスクオーナースカパーJSAT㈱ メディア事業部門長リスクの状況加入者の獲得及びその維持は、当社グループの収益拡大にとって重要な要素です。2024年3月末において加入件数は2,740千件を有していますが、将来にわたって当社グループの計画どおりに加入件数が推移する保証はありません。今後、コンテンツの差別化やプロモーションの強化、キャンペーンなどの各種マーケティング施策の実施にも関わらず、同様のコンテンツを提供するインターネット経由での動画配信サービスの浸透等、競合サービスとの競争激化やユーザーの視聴習慣の変化により加入件数の減少が継続または急激に発生した場合、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼします。また、競争の激化によって有力コンテンツを獲得できなかったこと等により当社グループのサービスの魅力が低下し、既存加入者の解約が想定以上に多く発生する場合には、累計の加入件数の減少につながり、また、放映権料が高騰することにより有料多チャンネル事業の収益性が低下し、これにより当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。リスクへの対策有料多チャンネル事業において加入者数が減少する状況においても一定の利益を確保するべく、事業収支をベースとした中期的な事業構造改革の方針を作成し、実行しております。また、放映権料の高騰を受け、加入者の獲得・維持に資するコンテンツの優先順位を明確にしたコンテンツの取得方針を定め、かつ、その費用対効果の事後レビューを実施しています。更に、有料コンテンツを提供している同業他社との適切な協業や提携を通じて、マーケティング力の強化や事業全体の効率化を進めていきます。一方で、FTTH事業の収益拡大のため営業体制の強化を行い、ケーブルテレビ局各社との連携やサービスの充実を行うほか、東京メディアセンターの設備の有効活用などを実施し、また、Web3などの先端領域における事業拡大を進め、有料多チャンネル事業以外の収益の増加に向けた施策を実行しています。残存リスクインターネット経由の動画配信サービスの台頭が一層進んでいることなどから、従前よりリスクレベルが上がっていると認識しており、有料多チャンネル事業のサービス加入者向けに「スカパー!番組配信」を、また独自の動画配信サービス「SPOOX」を展開するなどの対策を行っておりますが、現在想定している対策を講じていてもなお、競争激化による加入者の減少や放映権料、配信権料の高騰が想定以上となる場合、更なる収益性悪化のリスクが想定されます。なお、メディア事業の成長戦略として「コンテンツの拡大」、「伝送路の拡大」、「先端領域への拡張」、「エンタメインフラ領域の拡大」の4つの大きな取り組みを積極的に推進するとしておりますが、有料多チャンネル事業の事業性低下に関するリスクが顕在化してしまうと、かかる変革への取り組みが鈍化し、その結果として更なる魅力の低下と収益性の悪化をもたらすというスパイラルに陥ってしまうことが避けられないため、当該リスクをいかに顕在化させないかが課題となります。 リスク名称⑤ 不正視聴に関するリスクリスクオーナースカパーJSAT㈱ メディア事業部門長リスクの状況当社グループが提供する有料多チャンネル放送「スカパー!」ではB-CASカード/ACASチップというICカード/チップを利用しています。B-CASカードについては、有料放送を不正に視聴できるようにした改ざんB-CASカードの販売者が逮捕されております。また、大手ECサイトでのネット配信専用違法デバイスの販売についても、公衆送信権・送信可能化権侵害を幇助する行為に当たるとして、販売差し止め事案が発生しております。このような改ざんB-CASカードやネット配信専用違法デバイスによる不正視聴は、有料多チャンネル放送全体の健全な普及拡大に多大な悪影響を及ぼすとともに、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループが提供する有料多チャンネル放送「プレミアムサービス」「プレミアムサービス光」はB-CASカードとは異なるICカードを利用しておりますが、同様の不正視聴により、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。リスクへの対策これまで当社グループでは4K8K放送開始に伴うACASチップの開発に積極的に参画してまいりました。ACASチップはセキュリティ機能が強化されていることに加え2K放送にも対応しており、ACASチップを搭載した4Kテレビ等でも「スカパー!」の視聴がこれまでと同様に可能となっております。今後4Kテレビ等の普及により、B‐CASカードがACASチップに置き換わっていくことで、一定のリスク低減が見込まれます。また、当社グループはB-CASカードによる不正視聴が発覚した場合、有料放送事業者各社及びB-CASカードの所有者である㈱ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ等と連携し、損害賠償請求等の法的措置を含むあらゆる手段を講じて厳正に対処する方針であり、引き続き、刑事・民事での訴訟の提起や広報における違法性の周知などを行ってまいります。今後はより効果のある技術的な対応策を継続して検討していくとともに、不正視聴機器の利用による不正視聴者の法的対処が実現出来るよう関係省庁との連携を強化してまいります。残存リスク現在想定している対策を講じていても、ACASチップが想定通りに普及しない場合や上記の取組みによっても有効な抑止効果が生じなかった場合には、改ざんB-CASカードによる不正視聴が長期間にわたり継続的に発生するリスクが想定されます。また、近年インターネット経由での不正視聴を幇助する、ネット配信専用違法デバイスが海外より流入しており、これらによる不正視聴が広がるリスクがあります。この対策を検討するため、これまで大手ECサイトへの不正視聴機器に対する販売差し止めの実績を上げている一般社団法人衛星放送協会が中心となり、総務省の支援を得て、放送事業者、関連団体等が参画して不正ストリーミングデバイス対策協議会が設立されています。当社グループとしても本協議会の活動に積極的に協力し、ネット配信専用違法デバイスの流通阻止に向けて取り組んでおります。なお、かかるネット配信専用違法デバイスや不正視聴を可能とする新たな技術や機器が登場し、当社グループがこれらに対する有効な対応策を講じることができなかった場合、またはかかる対応策のために多額の費用を投じざるを得ないような場合には、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 リスク名称⑥ 顧客管理システムに関するリスクリスクオーナースカパーJSAT㈱ メディア事業部門長リスクの状況当社グループでは、有料多チャンネルサービス等に関する新規加入申し込み、契約チャンネルの変更、解約処理、課金、請求など、各種お客様情報・契約情報の管理に大規模な顧客管理システムを使用しており、メディア事業の運営や収益管理において重要な役割を担っています。このシステムにおいて重大なシステム障害が生じた場合、またはシステム設定や仕様変更に伴うプログラム変更等に不備があった場合、加入手続き等のサービスの停止、放送事業者との各種取引や手続きへの不具合による事業運営への支障、社会的信用の低下、不具合の解消や顧客対応に要する不測のコスト負担等により、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、不適切なデータ入力や改ざんが行われると経営成績の基礎となる営業収益の信頼性が損なわれ、事業運営や経営成績に悪影響が生じます。リスクへの対策重大なシステム障害を予防するため、顧客管理システムを免震構造の施設に設置し、各機器・装置は冗長構成を取っております。また、アプリケーションやデータ等の情報は遠隔地のサーバへ定期的にバックアップしております。更にシステム設定等の不備に対しては、設定手順書の整備等により運用管理を徹底する他、プログラム変更時の社内手続きの整備やシステムへのアクセス権限の定期的な棚卸し等の対策を取っております。残存リスク現在想定している対策を講じていても、人為ミスによる障害が発生するリスク及びシステム更改時の要件定義等の不備により予期せぬ障害が発生するリスクが想定されます。 <全般>リスク名称⑦ 事業投資等に関するリスクリスクオーナースカパーJSAT㈱ 経営管理部門長リスクの状況当社グループは、事業拡大のために、他企業のM&Aや出資、他企業との提携及び協力体制構築等の検討を行い、その結果、将来の当社グループの事業戦略や経営成績に貢献すると判断した場合には、これらを実行することがあります。しかしながら、買収等の対象事業を当社グループの経営戦略に沿って統合することができない場合や当社グループの期待する相乗効果が得られなかった場合、買収等の対象事業に当社グループの内部統制体制を適用することができなかった場合、当社グループに必ずしも経験や知見の無い技術分野における問題点を含む、想定しなかった重大な問題点が買収等の後に発見された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、買収等により多額ののれん及び無形資産を計上する可能性があり、対象事業の収益性が低下した場合にはのれん及び無形資産の減損が発生するほか、事業再編等に伴う事業売却損、事業清算損その他これに伴う損失の発生等により、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。リスクへの対策投資に係る規程を整備し、出資・投資に際しては、事業計画、内部収益率、撤退基準、その他リスク等を検討して審議・判断しております。加えて、大型出資案件については、各部門の会議を経て、代表取締役社長の諮問機関である経営会議にも付議し、取締役会でも決議を行う等、複数のチェック体制を取っており、慎重に多角的な検討を行っております。また、適切な内部統制構築・運用のため、出資先への人員派遣や当社グループで定めている規程等の遵守を求め、適正に管理を行っております。投資判断時には、マイルストーンを設定し、適切なタイミングでレビューを行っており、出資後においても、各出資先の財務状況、取組方針、収益性、資本コスト、保有意義、出資の適正性等についてレビューを行い、その結果を取締役会に報告しております。残存リスク現在想定している対策を講じていても、市場・競争環境の変化や出資・買収後の事業管理の不徹底等により、買収等をした事業における損失の発生、投資有価証券やのれんの減損等を完全に防止することは不可能であり、投資に見合う利益を確保できる保証はありません。また、出資先でコンプライアンスに関する問題等が発生した場合には、当社グループの社会的信用を損なう可能性があります。 リスク名称⑧ 事業上の法的規制等に関するリスクリスクオーナースカパーJSAT㈱ 経営管理部門長リスクの状況当社グループの事業の遂行にあたって、国内においては、放送法、電気通信事業法、電波法、独占禁止法、個人情報保護法、環境諸法令、補助金適正化法等の法的規制の適用を受けています。また、事業を展開する各国においては、当該国の法的規制の適用を受けています。これらの法令等に違反した場合や社会的要請に反した行動等により、法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁・事業停止命令等を受けたり、お客様をはじめとする関係者からの信頼を失う可能性があり、これにより当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、国内における衛星放送、並びに国内外における通信衛星の打ち上げ、運行及び商業利用に対して適用される現行の制度を変更するような法令等が新たに制定されたり、当社グループの事業に不利益な改正が行われた場合には、事業運営上の制約が生じる可能性があり、これにより当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。更に、サプライチェーン含む人権課題に適切な対応が取られていない場合、顧客との取引の停止や行政罰、また、当社グループの社会的信頼の喪失に繋がる可能性があります。リスクへの対策「スカパーJSATグループミッション」及び「スカパーJSATグループ行動指針」を基に、スカパーJSATグループコンプライアンス基本規程及びグループ役職員行動規範並びに人権方針を定め、取締役及び使用人に対し、人権尊重を含む法令等を遵守するよう求めております。また、当社グループは、コンプライアンス統括責任者を任命し、コンプライアンス統括責任者を委員長とするコンプライアンス委員会を設置して定期的に開催しております。更に、コンプライアンスを社内に定着させていくため、取締役及び使用人への教育・研修等を行うと共に、新たな法令等の制定や改正に関する情報が随時配信されるサービスを利用する等、当該法令への対応を行っております。当社グループの事業活動又は取締役及び使用人に法令違反の疑義のある行為等を発見した場合、速やかに社内及び社外に設置する窓口に匿名でも通報・相談できるシステムとして、「コンプライアンスヘルプライン」を整備し、適切に運用しております。上記対応状況も含め、当社の内部監査部門は、当社グループのコンプライアンスの状況を定期的に監査しております。そのほかにも、国内外において現行制度を変更するような法令の制定や改訂については、関係省庁等の動向を常に注視し、必要な意見表明や制度変更等への事前の準備をすることで、リスクを軽減する対応をしております。残存リスク現在想定している対策を講じていても、法令違反の可能性を完全に排除できないリスクや、国内外における新たな法令等の制定や改正に関する情報の入手が遅れる等、適切な対応が行えず、事業運営に悪影響を被るリスクが想定されます。 リスク名称⑨ 個人情報及び重要情報の流出や取扱い及びサイバーセキュリティに関するリスクリスクオーナースカパーJSAT㈱ 経営管理部門長リスクの状況当社グループは、メディア事業においては提供するサービスへの加入者情報をはじめとした顧客情報を、宇宙事業においては技術情報を含む重要な情報をそれぞれ保有しております。当該情報がハードウェア、ソフトウェアの不具合及び人為的ミスによるシステム障害や第三者による不正アクセス等により流出した場合や、個人情報の不適切な取扱いが発生した場合は、社会的信用の低下や損害賠償その他の対応に係るコスト負担等により、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、大規模なサイバー攻撃を受けた場合、当該情報が流出するのみならず、放送・配信サービス及び衛星通信サービスの運用に障害が生じる可能性があります。リスクへの対策当社グループは、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の認証及びプライバシーマークを取得し、情報セキュリティ・個人情報保護マネジメントシステムを構築し、厳格な情報管理を行っております。当該活動の一環で、当社グループを対象とした個人情報管理委員会・情報セキュリティ管理委員会を設置し、情報セキュリティ管理の状況をモニタリングしております。また、セキュリティインシデント発生時の対応を行う組織としてCSIRT(シーサート、Computer Security Incident Response Team)を設置し、訓練も実施しております。一方、システム対応として、個人情報及び事業上の重要情報保管時の暗号化サーバの利用、不正侵入防止システムやウィルス対策ソフトによる感染防止、各システムによるログの取得、セキュリティ診断による脆弱性の発見等を実施しております。更に、サイバー攻撃の多様化、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進等によるサイバーセキュリティリスクの増加等を受け、最高情報セキュリティ責任者(Chief Information Security Officer)を任命し、サイバーセキュリティへの対策を実施・強化しております。そのほか、マルウェアや不正な通信の検知力強化や社内ネットワーク構築基準の見直しを実施しています。残存リスク現在想定している対策を講じていても、新技術を用いた高度なサイバー攻撃など、現在想定している対策を超える事態の発生により、情報流出やサービスに障害が発生する可能性があります。 リスク名称⑩ 大規模災害、新型感染症等による事業継続に関するリスクリスクオーナースカパーJSAT㈱ 経営管理部門長リスクの状況当社グループは、放送と通信という公共性の高いサービスを提供する企業グループとして、放送設備や衛星管制・通信設備を国内に所有しております。大規模災害や事故、新型コロナウイルス感染症やその他の感染症の大流行等が発生した場合、施設の設備損傷や施設の閉鎖または活動自粛等により事業継続が困難となるリスクがあります。その他にも従業員の被災状況や公共交通機関等の不通等により、継続業務従事者の確保ができなくなるといったリスクがあります。リスクへの対策事業ごとに継続業務を定め、人員計画含め非常時の体制をBCP(事業継続計画)として構築・運用しています。また、新型コロナウイルス感染症やその他感染症の拡大に対する事業継続体制も同様に事業継続計画としてあらかじめ定めています。継続業務を担う拠点は制震または免震構造を採用しており、非常用発電機能や、食料品の備蓄を有しております。特に災害発生時に通常以上の利用が見込まれる衛星通信の管制施設に関しては、無停電電源設備を有し、一拠点が休止しても他の拠点からサービスを提供できるようにして業務に重大な支障を生じない設計にする等、サービス不断を目指した設備構築を行っております。また、気候変動などにより昨今頻発する可能性のある台風等の強風・豪雨被害等の脅威に関しては継続的に対策を検討・策定し、対応を進めております。残存リスク現在想定している対策を講じていても、全てのサービスはフルバックアップ設備を有していないため、現在想定している対策では対処しきれない大規模災害等が発生した場合には、放送・配信・通信を長期間停止するリスク及び交通機関等の断絶の長期化による拠点の燃料・人員確保のリスクが想定され、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2023|10,342 文字
3 【事業等のリスク】(1) リスクマネジメント体制について当社は純粋持株会社であり、当社グループ全体のリスクマネジメントの推進と必要な情報の共有化を図るため、中核の事業会社であるスカパーJSAT㈱(SJC)と共同で当社グループ全体のリスク管理の基本方針及び管理体制を定めています。その基本方針及び管理体制に基づき、リスクマネジメント担当取締役を委員長とするリスクマネジメント委員会で、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスクの未然防止・リスクの低減に取り組んでいます。具体的には、年度ごとに部署単位でリスクを洗い出し、洗い出された全てのリスクを「影響度」「発生頻度」「対策緊急度」といった同一基準で評価し、各リスクへの対策を策定しています。その中で当社グループの経営に大きな影響を与えうるリスクを重大リスクとして定め、重大リスクに対しては当該リスクの所管部署において重点施策を策定し、SJC経営会議及び当社取締役会等に報告され、定期的に進捗がモニタリングされるシステムを構築しています。リスクマネジメント委員会の構成は、委員長以下、各部門の統括部署、管理系部署で構成され、事務局は内部統制推進部が担っております。SJCでは内部統制に係る様々な委員会を設けて、日々活動を行っておりますので、その内容についてもリスクマネジメント委員会で把握し、管理を行っております。また、実際にリスクが顕在化した場合は、リスクマネジメント委員会を適宜招集する等、迅速に対応を行います。この取り組みを実施することにより適切にグループ全体のリスクをコントロールしております。 以下に記載のリスクは、当社グループが当連結会計年度において、重大リスクと認識しているリスク項目につき、その対策と併せて記載するものです。ここで取り上げたリスクは当社グループのすべてのリスクを網羅しているわけではありません。また、当社グループが認識していない未知のリスク、あるいは今後重要性が増して当社グループの事業、財政状態、経営成績等に重大な影響を及ぼすリスクが生じる可能性があります。なお、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (2) 当社グループが認識する重大リスクについて<宇宙事業>① 衛星通信市場における競争力低下のリスク昨今の地上回線の発達・低廉化、5G(第5世代移動通信システム)時代の新しい通信ネットワークにより、通信衛星の優位性が低下傾向にある一方、世界的にはトランスポンダ供給量は年々増加傾向にあります。また、他衛星オペレータにおいても複数のハイスループット衛星や搭載通信機器がフルデジタル化された新型衛星の投入が引き続き計画されていることから、帯域単価やサービス単価の下落傾向が続いた場合には、いかに収益を維持するかが課題となっております。更に超小型衛星や低軌道衛星等を利用した次世代衛星通信が発展を見せており、当社グループも従来のビジネスモデルのままでは宇宙事業における営業収益が減少するリスクが高まっております。上記リスクへの対策として、HTS衛星やフルデジタル衛星等、先進技術を取り入れた衛星の調達・打ち上げを継続して行い、競争激化する市場でも需要の取り込みに注力しております。近年は、Intelsatとの共同所有衛星Horizons 3eとKacific社との区分所有衛星であるJCSAT-1Cの2機のHTS衛星でサービスを提供し、着実に収益を拡大しております。2021年3月にはSuprbird-C2の後継機として、フルデジタル化された通信機器を搭載する新型衛星Superbird-9の調達契約を締結し、2027年上期には、日本をはじめとする東アジアにおいて大容量かつ自由度の高い通信サービスを開始することを予定しております。従来のビジネスモデルに加え、5G時代の新しい通信ネットワーク等につきましても、高高度通信プラットフォーム(HAPS)や低軌道衛星導入の検討等、静止軌道衛星以外の事業展開の検討を続けております。しかしながら、現在想定している対策を講じても、低軌道衛星等を利用した次世代衛星通信サービスを提供する新たな衛星事業者の台頭による市場環境の急速な変化や、新たな感染症による経済状況の変動により通信需要が低下する可能性があります。 ② 通信衛星調達に関するリスク通信衛星調達の際には、製造の遅延や打ち上げの遅延または失敗等のリスクがありますが、これらの事由により予定されていた通信衛星の運用開始が遅延し、継続的なサービス提供が不可能な期間が生じた場合、当該期間における収益の低下や利用者流出の可能性があります。また、通信衛星の製造期間中に設計上その他の要因によって予定外の支出を負担することがあります。上記リスクへの対策として、調達スケジュールを設定する際には、打ち上げ失敗の場合を想定し、予備衛星や既存衛星によるフリートバックアップ対策、もしくは代替衛星の早期納入をより確実にするための代替衛星用の長納期品の先行発注等の対応策を講じております。支払いに関しては、進捗度に応じたマイルストーン支払いとし、納期遅延時には一定額の賠償金請求ができる権利を確保することでリスク低減を図っています。保険契約については、打ち上げ時及び軌道上における運行時それぞれの保険契約を締結しております。打ち上げ危険担保保険は、初期段階において通信衛星の全部又は一部が損傷を受けた際に、通信衛星の再調達、その他修復に必要な費用を填補するもので、打ち上げ時点から、通常1年間有効となっております。しかしながら、現在想定している対策を講じていても、後継衛星の製造・打ち上げがサプライチェーンの問題や予期せぬ事故により遅延するリスク、衛星の損傷の度合いや原因その他の要因により、打ち上げ危険担保保険では打ち上げに要する費用の全額を補償できないリスク、宇宙保険市場環境の変動による保険料高騰のリスク及び戦争危険等の絶対免責に該当する場合に損害保険の対象にならないリスクが想定されます。 ③ 通信衛星の運用に関するリスク当社グループが保有する通信衛星は15年から20年程度と比較的長期にわたって使用されますが、運用期間中に製造上の瑕疵、欠陥部品、太陽活動に伴う磁気嵐、デブリや隕石等との衝突、過度の燃料消費、衛星管制上又は運用上の不具合その他の要因による衛星の機能不全又は運用能力低下の可能性があります。このような事態が生じた場合、サービスの提供ができないことによる収益の低下や顧客の流出、あるいは当社グループ所有の別衛星への顧客移行にかかわるコスト負担などで、収益の低下等の悪影響を及ぼす可能性があります。上記リスクへの対策として、打ち上げ保険が期間満了となった後に効力を生じる軌道上危険担保保険契約を、打ち上げた通信衛星ごとに締結しています。ただし、この保険は通信衛星の技術上の機能不全に起因して当社グループが負う第三者賠償責任や収益の喪失などの営業上の損害を補填するものではありません。当社グループは現在、軌道上に予備の通信衛星を保有しており、運用中の衛星に不具合が生じた場合に可能な限り短期間でバックアップができる体制をとっています。しかしながら、現在想定している対策を講じていても、不測の事態により、予備衛星による代替機能が提供できないことによる収益低下リスク、通信衛星の機能不全の要因によっては免責条項が適用され軌道上危険担保保険の対象にならないリスク、宇宙保険市場環境の変動による保険料高騰のリスク及び戦争危険等の絶対免責に該当する場合に損害保険の対象にならないリスクが想定されます。 <メディア事業>④ 有料多チャンネル事業の事業性低下に関するリスク加入者の獲得及びその維持は、当社グループの収益拡大にとって重要な要素です。2023年3月末において加入件数は2,875千件を有していますが、将来にわたって当社グループの計画どおりに加入件数が推移する保証はありません。今後、コンテンツの差別化やプロモーションの強化、キャンペーンなどの各種マーケティング施策の実施にも関わらず、同様のコンテンツを提供するインターネット経由での動画配信サービスの浸透等、競合サービスとの競争激化やユーザーの視聴習慣の変化により加入件数の減少が継続または急激に発生した場合、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼします。また、競争の激化によって有力コンテンツを獲得できなかったこと等により当社グループのサービスの魅力が低下し、既存加入者の解約が想定以上に多く発生する場合には、累計の加入件数の減少につながり、また、放送権料が高騰することにより有料多チャンネル事業の収益性が低下し、これにより当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。上記リスクへの対策として、有料多チャンネル事業において加入者数が減少する状況においても一定の利益を確保するべく、事業収支をベースとした中期的な事業構造改革の方針を作成し、実行しております。また、放映権料の高騰を受け、加入者の獲得・維持に資するコンテンツの優先順位を明確にしたコンテンツの取得方針を定め、かつ、その費用対効果の事後レビューを実施しています。更に、有料コンテンツを提供している同業他社との適切な協業や提携を通じて、マーケティング力の強化や事業全体の効率化を進めていきます。一方で、FTTH事業の収益拡大のため、提供エリアの拡大やサービスの充実、営業体制の強化を行うほか、東京メディアセンターの設備の有効活用などを実施し、有料多チャンネル事業以外の収益の増加に向けた施策を実行しています。しかしながら、インターネット経由の動画配信サービスの台頭が一層進んでいることなどから、従前よりリスクレベルが上がっていると認識しており、有料多チャンネル事業のサービス加入者向けに「スカパー!番組配信」を、また独自の動画配信サービス「SPOOX」を展開するなどの対策を行ってもなお、競争激化による加入者の減少や放映権料、配信権料の高騰が想定以上となる場合、更なる収益性悪化のリスクが想定されます。 ⑤ 不正視聴に関するリスク当社グループが提供する提供する有料多チャンネル放送「スカパー!」ではB-CASカード/ACASチップというICカード/チップを利用しています。B-CASカードについては、有料放送を不正に視聴できるようにした改ざんB-CASカードの販売者が逮捕されております。また、大手ECサイトでのネット配信専用違法デバイスの販売についても、公衆送信権・送信可能化権侵害を幇助する行為に当たるとして、販売差し止め事案が発生しております。このような改ざんB-CASカードやネット配信専用違法デバイスによる不正視聴は、有料多チャンネル放送全体の健全な普及拡大に多大な悪影響を及ぼすとともに、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループが提供する有料多チャンネル放送「プレミアムサービス」「プレミアムサービス光」はB-CASカードとは異なるICカードを利用しておりますが、同様の不正視聴により、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。上記リスクへの対策として、これまで弊社では4K8K放送開始に伴うACASチップの開発に積極的に参画してまいりました。ACASチップはセキュリティ機能が強化されていることに加え2K放送にも対応しており、ACASチップを搭載した4Kテレビ等でも「スカパー!」の視聴がこれまでと同様に可能となっております。今後4Kテレビ等の普及により、B‐CASカードがACASチップに置き換わっていくことで、一定のリスク低減が見込まれます。また、当社グループはB-CASカードによる不正視聴が発覚した場合、有料放送事業者各社及びB-CASカードの所有者である株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ等と連携し、損害賠償請求等の法的措置を含むあらゆる手段を講じて厳正に対処する方針であり、引き続き、刑事・民事での訴訟の提起や広報における違法性の周知などを行ってまいります。今後はより効果のある技術的な対応策を継続して検討していくとともに、不正視聴機器の利用による不正視聴者の法的対処が実現出来るよう関係省庁との連携を強化してまいります。しかしながら、ACASチップが想定通りに普及しない場合や上記の取組みによっても有効な抑止効果が生じなかった場合には、改ざんB-CASカードによる不正視聴が長期間にわたり継続的に発生するリスクが想定されます。また、近年インターネット経由での不正視聴を幇助する、ネット配信専用違法デバイスが海外より流入しており、これらによる不正視聴が広がるリスクがあります。この対策を検討するため、これまで大手ECサイトへの不正視聴機器に対する販売差し止めの実績を上げている一般社団法人衛星放送協会が中心となり、放送事業者、関連団体等が参画して不正ストリーミングデバイス対策協議会が設立されています。当社グループとしても本協議会の活動に積極的に協力し、ネット配信専用違法デバイスの流通阻止に向けて取り組んでおります。なお、かかるネット配信専用違法デバイスや不正視聴を可能とする新たな技術や機器が登場し、当社グループがこれらに対する有効な対応策を講じることができなかった場合、またはかかる対応策のために多額の費用を投じざるを得ないような場合には、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 顧客管理システムに関するリスク当社グループでは、有料多チャンネルサービスに関する新規加入申し込み、契約チャンネルの変更、解約処理、課金、請求など、各種お客様情報・契約情報の管理に大規模な顧客管理システムを使用しており、メディア事業の運営や収益管理において重要な役割を担っています。このシステムにおいて重大なシステム障害が生じた場合、またはシステム設定や仕様変更に伴うプログラム変更等に不備があった場合、加入手続き等のサービスの停止、放送事業者との各種取引や手続きへの不具合による事業運営への支障、社会的信用の低下、不具合の解消や顧客対応に要する不測のコスト負担等により、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、不適切なデータ入力や改ざんが行われると経営成績の基礎となる営業収益の信頼性が損なわれ、事業運営や経営成績に悪影響が生じます。上記リスクへの対策として、重大なシステム障害を予防するため、顧客管理システムを免震構造の施設に設置し、各機器・装置は冗長構成を取っております。また、アプリケーションやデータ等の情報は遠隔地のサーバへ定期的にバックアップしております。更にシステム設定等の不備に対しては、設定手順書の整備等により運用管理を徹底する他、プログラム変更時の社内手続きの整備やシステムへのアクセス権限の定期的な棚卸し等の対策を取っております。しかしながら、上記のような対策を講じても、人為ミスによる障害が発生するリスク及びシステム更改時の要件定義等の不備により予期せぬ障害が発生するリスクが想定されます。 <全般>⑦ 事業投資等に関するリスク当社グループは、事業拡大のために、他企業のM&Aや出資、他企業との提携及び協力体制構築等の検討を行い、その結果、将来の当社グループの事業戦略や経営成績に貢献すると判断した場合には、これらを実行することがあります。しかしながら、買収等の対象事業を当社グループの経営戦略に沿って統合することができない場合や当社グループの期待する相乗効果が得られなかった場合、買収等の対象事業に当社グループの内部統制体制を適用することができなかった場合、当社グループに必ずしも経験や知見の無い技術分野における問題点を含む、想定しなかった重大な問題点が買収等の後に発見された場合には、当社グループの財政状況及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、買収等により多額ののれん及び無形資産を計上する可能性があり、対象事業の収益性が低下した場合にはのれん及び無形資産の減損が発生するほか、事業再編等に伴う事業売却損、事業清算損その他これに伴う損失の発生等により、当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。上記リスクへの対策として、投資に係る規程を整備し、出資・投資に際しては、事業計画、内部収益率、撤退基準、その他リスク等を検討して審議・判断しております。加えて、大型出資案件については、各部門の会議を経て、代表取締役社長の諮問機関である経営会議にも付議し、取締役会でも決議を行う等、複数のチェック体制を取っており、慎重に多角的な検討を行っております。また、適切な内部統制構築・運用のため、出資先への人員派遣や当社グループで定めている規程等の遵守を求め、適正に管理を行っております。投資判断時には、マイルストーンを設定し、適切なタイミングでレビューを行っており、出資後においても、各出資先の財務状況、取組方針、収益性、資本コスト、保有意義、出資の適正性等についてレビューを行い、その結果を取締役会に報告しております。しかしながら、現在想定している対策を講じても、市場・競争環境の変化や出資・買収後の事業管理の不徹底等により、買収等をした事業における損失の発生、投資有価証券やのれんの減損等を完全に防止することは不可能であり、投資に見合う利益を確保できる保証はありません。また、出資先でコンプライアンスに関する問題等が発生した場合には、当社グループの社会的信用を損なう可能性があります。 ⑧ 事業上の法的規制に関するリスク当社グループの事業の遂行にあたって、国内においては、放送法、電気通信事業法、電波法、独占禁止法、個人情報保護法、環境諸法令、補助金適正化法等の法的規制の適用を受けています。また、事業を展開する各国においては、当該国の法的規制の適用を受けています。これらの法令等に違反した場合や社会的要請に反した行動等により、法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁・事業停止命令等を受けたり、お客様をはじめとする関係者からの信頼を失う可能性があり、これにより当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、国内における衛星放送、並びに国内外における通信衛星の打ち上げ、運行及び商業利用に対して適用される現行の制度を変更するような法令等が新たに制定されたり、当社グループの事業に不利益な改正が行われた場合には、事業運営上の制約が生じる可能性があり、これにより当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。上記リスクへの対策として、「スカパーJSATグループミッション」及び「スカパーJSATグループ行動指針」を基に、スカパーJSATグループコンプライアンス基本規程及びグループ役職員行動規範を定め、取締役及び使用人に対し、法令等を遵守するよう求めております。また、当社グループは、コンプライアンス統括責任者を任命し、コンプライアンス統括責任者を委員長とするコンプライアンス委員会を設置して定期的に開催しております。更に、コンプライアンスを社内に定着させていくため、取締役及び使用人への教育・研修等を行うと共に、新たな法令等の制定や改正に関する情報が随時配信されるサービスを利用する等、当該法令への対応を行っております。当社グループの事業活動又は取締役及び使用人に法令違反の疑義のある行為等を発見した場合、速やかに社内及び社外に設置する窓口に通報・相談するシステムとして、「コンプライアンスヘルプライン」を整備し、適切に運用しております。上記対応状況も含め、当社の内部監査部門は、当社グループのコンプライアンスの状況を定期的に監査しております。そのほかにも、国内外において現行制度を変更するような法令の制定や改訂については、関係省庁等の動向を常に注視し、必要な意見表明や制度変更等への事前の準備をすることで、リスクを軽減する対応をしております。しかしながらこのような法令遵守の体制やモニタリングを強化しても、法令違反の可能性を完全に排除できないリスクや、国内外における新たな法令等の制定や改正に関する情報の入手が遅れる等、適切な対応が行えず、事業運営に悪影響を被るリスクが想定されます。 ⑨ 個人情報及び重要情報の流出や取扱い及びサイバーセキュリティに関するリスク当社グループは、メディア事業においては提供するサービスへの加入者情報をはじめとした顧客情報を、宇宙事業においては技術情報を含む重要な情報をそれぞれ保有しております。当該情報がハードウェア、ソフトウェアの不具合及び人為的ミスによるシステム障害や第三者による不正アクセス等により流出した場合や、個人情報の不適切な取扱いが発生した場合は、社会的信用の低下や損害賠償その他の対応に係るコスト負担等により、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、大規模なサイバー攻撃を受けた場合、当該情報が流出するのみならず、放送・配信サービス及び衛星通信サービスの運用に障害が生じる可能性があります。上記リスクへの対策として、当社グループは、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の認証及びプライバシーマークを取得し、情報セキュリティ・個人情報保護マネジメントシステムを構築し、厳格な情報管理を行っております。当該活動の一環で、当社グループを対象とした個人情報管理委員会・情報セキュリティ管理委員会を設置し、情報セキュリティ管理の状況をモニタリングしております。また、セキュリティインシデント発生時の対応を行う組織としてCSIRT(シーサート、Computer Security Incident Response Team)を設置し、訓練も実施しております。一方、システム対応として、個人情報及び事業上の重要情報保管時の暗号化サーバの利用、不正侵入防止システムやウィルス対策ソフトによる感染防止、各システムによるログの取得、セキュリティ診断による脆弱性の発見等を実施しております。更に、サイバー攻撃の多様化、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進等によるサイバーセキュリティリスクの増加等を受け、最高情報セキュリティ責任者(Chief Information Security Officer)を任命し、サイバーセキュリティへの対策を実施・強化しております。そのほか、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策としてテレワークによる勤務体制を整備しており、リモートアクセスシステム・ツール等のセキュリティアセスメントを実施しています。しかしながら、現在想定している対策を講じても新技術を用いた高度なサイバー攻撃など、現在想定している対策を超える事態の発生により、情報流出やサービスに障害が発生する可能性があります。 ⑩ 大規模災害、新型感染症等による事業継続に関するリスク当社グループは、放送と通信という公共性の高いサービスを提供する企業グループとして、放送設備や衛星管制・通信設備を国内に所有しております。大規模災害や事故、新型コロナウイルス感染症をはじめとする感染症の大流行等が発生した場合、施設の設備損傷や施設の閉鎖または活動自粛等により事業継続が困難となるリスクがあります。その他にも従業員の被災状況や公共交通機関等の不通等により、継続業務従事者の確保ができなくなるといったリスクがあります。上記リスクへの対策として、事業ごとに継続業務を定め、人員計画含め非常時の体制をBCP(事業継続計画)として構築・運用しています。また、新型コロナウイルス感染症に代表されるような感染症の拡大に対する事業継続体制も同様に事業継続計画としてあらかじめ定めています。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対する事業継続体制に関しては、テレワークの確立とともに、国や都の要請に基づき、感染拡大状況に応じた勤務体制を設定し、従業員の安全を確保した業務遂行が可能となるよう、制度を整備しております。継続業務を担う拠点は制震または免震構造を採用しており、非常用発電機能や、食料品の備蓄を有しております。特に災害発生時に通常以上の利用が見込まれる衛星通信の管制施設に関しては、無停電電源設備を有し、一拠点が休止しても他の拠点からサービスを提供できるようにして業務に重大な支障を生じない設計にする等、サービス不断を目指した設備構築を行っております。また、気候変動などにより昨今頻発する可能性のある台風等の強風・豪雨被害等の脅威に関しては継続的に対策を検討・策定し、対応を進めております。しかしながら、全てのサービスはフルバックアップ設備を有していないため、現在想定している対策では対処しきれない大規模災害等が発生した場合には、放送・配信・通信を長期間停止するリスク及び交通機関等の断絶の長期化による拠点の燃料・人員確保のリスクが想定され、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2022|10,681 文字
2 【事業等のリスク】(1) リスクマネジメント体制について当社は純粋持株会社であり、当社グループ全体のリスクマネジメントの推進と必要な情報の共有化を図るため、中核の事業会社であるスカパーJSAT㈱(SJC)と共同で当社グループ全体のリスク管理の基本方針及び管理体制を定めています。その基本方針及び管理体制に基づき、リスクマネジメント担当取締役を委員長とするリスクマネジメント委員会で、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスクの未然防止・リスクの低減に取り組んでいます。具体的には、年度ごとに部署単位でリスクを洗い出し、洗い出された全てのリスクを「影響度」「発生頻度」「対策緊急度」といった同一基準で評価し、各リスクへの対策を策定しています。その中で当社グループの経営に大きな影響を与えうるリスクを重大リスクとして定め、重大リスクに対しては当該リスクの所管部署において重点施策を策定し、SJC経営会議及び当社取締役会等に報告され、定期的に進捗がモニタリングされるシステムを構築しています。リスクマネジメント委員会の構成は、委員長以下、各部門の統括部署、管理系部署で構成され、事務局は内部統制推進部が担っております。SJCでは内部統制に係る様々な委員会を設けて、日々活動を行っておりますので、その内容についてもリスクマネジメント委員会で把握し、管理を行っております。また、実際にリスクが顕在化した場合は、リスクマネジメント委員会を適宜招集する等、迅速に対応を行います。この取り組みを実施することにより適切にグループ全体のリスクをコントロールしております。 以下に記載のリスクは、当社グループが当連結会計年度において、重大リスクと認識しているリスク項目につき、その対策と併せて記載するものです。ここで取り上げたリスクは当社グループのすべてのリスクを網羅しているわけではありません。また、当社グループが認識していない未知のリスク、あるいは今後重要性が増して当社グループの事業、財政状態、経営成績等に重大な影響を及ぼすリスクが生じる可能性があります。なお、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (2) 当社グループが認識する重大リスクについて<メディア事業>① 有料多チャンネル事業の事業性低下に関するリスク加入者の獲得及びその維持は、当社グループの収益拡大にとって重要な要素です。2022年3月末において加入件数は3,008千件を有していますが、将来にわたって当社グループの計画どおりに加入件数が推移する保証はありません。また、今後、コンテンツの差別化やプロモーションの強化、キャンペーンなどの各種マーケティング施策の実施にも関わらず、同様のコンテンツを提供するインターネット経由での動画配信サービスの浸透等、競合サービスとの競争激化やユーザーの視聴習慣の変化により加入件数の減少が継続または急激に発生した場合、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼします。また、競争の激化によって有力コンテンツを獲得できなかったこと等により当社グループのサービスの魅力が低下し、既存加入者の解約が想定以上に多く発生する場合には、累計の加入件数の減少につながり、また、放送権料が高騰することにより有料多チャンネル事業の収益性が低下し、これにより当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。上記リスクへの対策として、有料多チャンネル事業、特にプレミアムサービスの加入者数が減少する状況においても一定の利益を確保するべく、事業収支をベースとした中期的な事業構造改革の方針を作成し、実行しております。また、放映権料の高騰を受け、加入者の獲得・維持に資するコンテンツの優先順位を明確にしたコンテンツの取得方針を定め、かつ、その費用対効果の事後レビューを実施しています。更に、有料コンテンツを提供している同業他社との適切な協業や提携を通じて、マーケティング力の強化や事業全体の効率化を進めていきます。一方で、FTTH事業の収益拡大のため、提供エリアの拡大やサービスの充実、営業体制の強化を行うほか、東京メディアセンターの設備の有効活用などを実施し、有料多チャンネル事業以外の収益の増加に向けた施策を実行しています。しかしながら、インターネット経由の動画配信サービスの台頭が一層進んでいることなどから、従前よりリスクレベルが上がっていると認識しており、有料多チャンネル事業のサービス加入者向けに「スカパー!番組配信」を、また新たに独自の動画配信サービス「SPOOX」を展開するなどの対策を行ってもなお、競争激化による加入者の減少や放映権料、配信権料の高騰が想定以上となる場合、更なる収益性悪化のリスクが想定されます。また、新型コロナウイルス感染症終息の見通しが不透明な中、当連結会計年度はスポーツやコンサート等のイベントが中止、延期又は縮小になる等の影響を受けております。今後、感染症の拡大が長期化することがあれば、これらを扱うチャンネルの加入者数及び視聴料収入の減少が生じるなど、収益性がさらに悪化するリスクがあります。 ② 不正視聴に関するリスク当社グループが提供する有料多チャンネル放送「スカパー!」ではB-CASカード/ACASチップというICカード/チップを利用しています。B-CASカードについては、有料放送を不正に視聴できるようにした改ざんB-CASカードの販売者が逮捕されております。また、大手ECサイトでのネット配信専用違法デバイスの販売についても、公衆送信権・送信可能化権侵害を幇助する行為に当たるとして、販売差し止め事案が発生しております。このような改ざんB-CASカードやネット配信専用違法デバイスによる不正視聴は、有料多チャンネル放送全体の健全な普及拡大に多大な悪影響を及ぼすとともに、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが提供する有料多チャンネル放送「スカパー!プレミアム」「スカパー!プレミアム光」はB-CASカードとは異なるICカードを利用しておりますが、同様の不正視聴により、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。上記リスクへの対策として、これまで弊社では4K8K放送開始に伴うACASチップの開発に積極的に参画してまいりました。ACASチップはセキュリティ機能が強化されていることに加え2K放送にも対応しており、ACASチップを搭載した4Kテレビ等でも「スカパー!サービス」の視聴がこれまでと同様に可能となっております。今後4Kテレビ等の普及により、B-CASカードがACASチップに置き換わっていくことで、一定のリスク低減が見込まれます。また、当社グループはB-CASカードによる不正視聴が発覚した場合、有料放送事業者各社及びB-CASカードの所有者である株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ等と連携し、損害賠償請求等の法的措置を含むあらゆる手段を講じて厳正に対処する方針であり、引き続き、刑事・民事での訴訟の提起や広報における違法性の周知などを行ってまいります。今後はより効果のある技術的な対応策を継続して検討していくとともに、不正視聴機器の利用による不正視聴者の法的対処が実現出来るよう関係省庁との連携を強化してまいります。しかしながら、ACASチップが想定通りに普及しない場合や上記の取組みによっても有効な抑止効果が生じなかった場合には、改ざんB-CASカードによる不正視聴が長期間にわたり継続的に発生するリスクが想定されます。また、近ごろインターネット経由での不正視聴を幇助する、ネット配信専用違法デバイスが海外より流入しており、これらによる不正視聴が広がるリスクがあります。この対策を検討するため、これまで大手ECサイトへの不正視聴機器に対する販売差し止めの実績を上げている一般社団法人衛星放送協会が中心となり、放送事業者、関連団体等が参画して不正ストリーミングデバイス対策協議会が設立されています。当社グループとしても本協議会の活動に積極的に協力し、ネット配信専用違法デバイスの流通阻止に向けて取り組んでおります。なお、かかるネット配信専用違法デバイスや不正視聴を可能とする新たな技術や機器が登場し、当社グループがこれらに対する有効な対応策を講じることができなかった場合、またはかかる対応策のために多額の費用を投じざるを得ないような場合には、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ 顧客管理システムに関するリスク当社グループでは、有料多チャンネルサービスに関する新規加入申し込み、契約チャンネルの変更、解約処理、課金、請求など、各種お客様情報・契約情報の管理に大規模な顧客管理システムを使用しており、メディア事業の運営や収益管理において重要な役割を担っています。このシステムにおいて重大なシステム障害が生じた場合、またはシステム設定や仕様変更に伴うプログラム変更等に不備があった場合、加入手続き等のサービスの停止、放送事業者との各種取引や手続きへの不具合による事業運営への支障、社会的信用の低下、不具合の解消や顧客対応に要する不測のコスト負担等により、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、不適切なデータ入力や改ざんが行われると経営成績の基礎となる営業収益の信頼性が損なわれ、事業運営や経営成績に悪影響が生じます。上記リスクへの対策として、重大なシステム障害を予防するため、顧客管理システムを免震構造の施設に設置し、各機器・装置は冗長構成を取っております。また、アプリケーションやデータ等の情報は遠隔地のサーバへ定期的にバックアップしております。更にシステム設定等の不備に対しては、設定手順書の整備等により運用管理を徹底する他、プログラム変更時の社内手続きの整備やシステムへのアクセス権限の定期的な棚卸し等の対策を取っております。しかしながら、上記のような対策を講じても、人為ミスによる障害が発生するリスク及びシステム更改時の要件定義等の不備により予期せぬ障害が発生するリスクが想定されます。 <宇宙事業>④ 衛星通信市場における競争力低下のリスク昨今の地上回線の発達・低廉化、5G(第5世代移動通信システム)時代の新しい通信ネットワークにより、通信衛星の優位性が低下傾向にある一方、世界的にはトランスポンダ供給量は年々増加傾向にあります。また、他衛星オペレータにおいても複数のHTS衛星の投入が引き続き計画されていることから、帯域単価やサービス単価の下落傾向が続いた場合には、いかに収益を維持するかが課題となっております。更に超小型衛星や低軌道衛星等を利用した次世代衛星通信が発展を見せており、当社グループも従来のビジネスモデルのままでは宇宙事業における営業収益が減少するリスクが高まっております。上記リスクへの対策として、HTS衛星やフルデジタル衛星等、先進技術を取り入れた衛星の調達・打ち上げを継続して行い、競争激化する市場でも需要の取り込みに注力しております。特に近年はアジア太平洋地域における航空機、船舶向け移動体衛星通信等の需要拡大に対応し、Intelsatとの共同所有衛星Horizons 3eとKacific社との区分所有衛星であるJCSAT-1Cの2機のHTS衛星でサービスを提供し、着実に収益を拡大しております。なお、これらの共同所有衛星、区分所有衛星では、一部の共通コストをパートナーとシェアすることにより、効率を重視した調達・運用の実現も図っています。2021年3月にはSuprbird-C2の後継機として、フルデジタル化された通信機器を搭載する新型衛星Superbird-9の調達契約を締結いたしました。2025年度には、日本をはじめとする東アジアにおいて大容量かつ自由度の高い通信サービスを開始することを予定しております。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、航空機向けブロードバンド等、移動体通信の需要は急激な減少傾向にありましたが、市場動向分析に基づいた営業活動等、対策を講じております。従来のビジネスモデルに加え、5G時代の新しい通信ネットワーク等につきましても、高高度プラットフォーム(HAPS)や低軌道衛星導入の検討等、静止軌道衛星以外の事業展開の検討を続けております。しかしながら、現在想定している対策を講じても、低軌道衛星等を利用した次世代衛星通信サービスを提供する新たな衛星事業者の台頭による市場環境の急速な変化や、感染症の拡大が長期化することにより需要が低下する可能性があります。 ⑤ 通信衛星調達に関するリスク通信衛星調達の際には、製造の遅延や打ち上げの遅延または失敗等のリスクがありますが、これらの事由により予定されていた通信衛星の運用開始が遅延し、継続的なサービス提供が不可能な期間が生じた場合、当該期間における収益の低下や利用者流出の可能性があります。また、通信衛星の製造期間中に設計上その他の要因によって予定外の支出を負担することがあります。上記リスクへの対策として、調達スケジュールを設定する際には、打ち上げ失敗の場合を想定し、予備衛星や既存衛星によるフリートバックアップ対策、もしくは代替衛星の早期納入をより確実にするための代替衛星用の長納期品の先行発注等の対応策を講じております。支払いに関しては、進捗度に応じたマイルストーン支払いとし、納期遅延時には一定額の賠償金請求ができる権利を確保することでリスク低減を図っています。保険契約については、打ち上げ時及び軌道上における運行時それぞれの保険契約を締結しております。打ち上げ危険担保保険は、初期段階において通信衛星の全部又は一部が損傷を受けた際に、通信衛星の再調達、その他修復に必要な費用を填補するもので、打ち上げ時点から、通常1年間有効となっております。しかしながら、現在想定している対策を講じていても、後継衛星の製造・打ち上げがサプライチェーンの問題や予期せぬ事故により遅延するリスク、衛星の損傷の度合いや原因その他の要因により、打ち上げ危険担保保険では打ち上げに要する費用の全額を補償できないリスク、宇宙保険市場環境の変動による保険料高騰のリスク及び戦争危険等の絶対免責に該当する場合に損害保険の対象にならないリスクが想定されます。 ⑥ 通信衛星の運用に関するリスク当社グループが保有する通信衛星は15年から20年程度と比較的長期にわたって使用されますが、運用期間中に製造上の瑕疵、欠陥部品、太陽活動に伴う磁気嵐、デブリや隕石等との衝突、過度の燃料消費、衛星管制上又は運用上の不具合その他の要因による衛星の機能不全又は運用能力低下の可能性があります。このような事態が生じた場合、サービスの提供ができないことによる収益の低下や顧客の流出、あるいは当社グループ所有の別衛星への顧客移行にかかわるコスト負担などで、収益の低下等の悪影響を及ぼす可能性があります。上記リスクへの対策として、打ち上げ保険が期間満了となった後に効力を生じる軌道上危険担保保険契約を、打ち上げた通信衛星ごとに締結しています。ただし、この保険は通信衛星の技術上の機能不全に起因して当社グループが負う第三者賠償責任や収益の喪失などの営業上の損害を補填するものではありません。当社グループは現在、軌道上に予備の通信衛星を保有しており、運用中の衛星に不具合が生じた場合に可能な限り短期間でバックアップができる体制をとっています。しかしながら、現在想定している対策を講じていても、不測の事態により、予備衛星による代替機能が提供できないことによる収益低下リスク、通信衛星の機能不全の要因によっては免責条項が適用され軌道上危険担保保険の対象にならないリスク、宇宙保険市場環境の変動による保険料高騰のリスク及び戦争危険等の絶対免責に該当する場合に損害保険の対象にならないリスクが想定されます。 <全般>⑦ 事業投資等に関するリスク当社グループは、事業拡大のために、他企業のM&Aや出資、他企業との提携及び協力体制構築等の検討を行い、その結果、将来の当社グループの事業戦略や経営成績に貢献すると判断した場合には、これらを実行することがあります。しかしながら、買収等の対象事業を当社グループの経営戦略に沿って統合することができない場合や当社グループの期待する相乗効果が得られなかった場合、買収等の対象事業に当社グループの内部統制体制を適用することができなかった場合、当社グループに必ずしも経験や知見の無い技術分野における問題点を含む、想定しなかった重大な問題点が買収等の後に発見された場合には、当社グループの財政状況及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、買収等により多額ののれん及び無形資産を計上する可能性があり、対象事業の収益性が低下した場合にはのれん及び無形資産の減損が発生するほか、事業再編等に伴う事業売却損、事業清算損その他これに伴う損失の発生等により、当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。上記リスクへの対策として、投資に係る規程を整備し、出資・投資に際しては、事業計画、内部収益率、撤退基準、その他リスク等を検討して審議・判断しております。加えて、大型出資案件については、各部門の会議を経て、代表取締役社長の諮問機関である経営会議にも付議し、取締役会でも決議を行う等、複数のチェック体制を取っており、慎重に多角的な検討を行っております。また、適切な内部統制構築・運用のため、出資先への人員派遣や当社グループで定めている規程等の順守を求め、適正に管理を行っております。投資判断時には、マイルストーンを設定し、適切なタイミングでレビューを行っており、出資後においても、各出資先の財務状況、取組方針、収益性、資本コスト、保有意義、出資の適正性等についてレビューを行い、その結果を取締役会に報告しております。しかしながら、現在想定している対策を講じても、市場・競争環境の変化や出資・買収後の事業管理の不徹底等により、買収等をした事業における損失の発生、投資有価証券やのれんの減損等を完全に防止することは不可能であり、投資に見合う利益を確保できる保証はありません。また、出資先でコンプライアンスに関する問題等が発生した場合には、当社グループの社会的信用を損なう可能性があります。 ⑧ 事業上の法的規制に関するリスク当社グループの事業の遂行にあたって、国内においては、放送法、電気通信事業法、電波法、独占禁止法、個人情報保護法、環境諸法令、補助金適正化法等の法的規制の適用を受けています。また、事業を展開する各国においては、当該国の法的規制の適用を受けています。これらの法令等に違反した場合や社会的要請に反した行動等により、法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁・事業停止命令等を受けたり、お客様をはじめとする関係者からの信頼を失う可能性があり、これにより当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、国内における衛星放送、並びに国内外における通信衛星の打ち上げ、運行及び商業利用に対して適用される現行の制度を変更するような法令等が新たに制定されたり、当社グループの事業に不利益な改正が行われた場合には、事業運営上の制約が生じる可能性があり、これにより当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。上記リスクへの対策として、「スカパーJSATグループミッション」及び「スカパーJSATグループ行動指針」を基に、スカパーJSATグループコンプライアンス基本規程及びグループ役職員行動規範を定め、取締役及び使用人に対し、法令等を遵守するよう求めております。また、当社グループは、コンプライアンス統括責任者を任命し、コンプライアンス統括責任者を委員長とするコンプライアンス委員会を設置して定期的に開催しております。更に、コンプライアンスを社内に定着させていくため、取締役及び使用人への教育・研修等を行うと共に、新たな法令等の制定や改正に関する情報が随時配信されるサービスを利用する等、当該法令への対応を行っております。当社グループの事業活動又は取締役及び使用人に法令違反の疑義のある行為等を発見した場合、速やかに社内及び社外に設置する窓口に通報・相談するシステムとして、「コンプライアンスヘルプライン」を整備し、適切に運用しております。上記対応状況も含め、当社の内部監査部門は、当社グループのコンプライアンスの状況を定期的に監査しております。そのほかにも、国内外において現行制度を変更するような法令の制定や改訂については、関係省庁等の動向を常に注視し、必要な意見表明や制度変更等への事前の準備をすることで、リスクを軽減する対応をしております。しかしながらこのような法令遵守の体制やモニタリングを強化しても、法令違反の可能性を完全に排除できないリスクや、国内外における新たな法令等の制定や改正に関する情報の入手が遅れる等、適切な対応が行えず、事業運営に悪影響を被るリスクが想定されます。 ⑨ 個人情報及び重要情報の流出や取扱い及びサイバーセキュリティに関するリスク当社グループは、メディア事業においては提供するサービスへの加入者情報をはじめとした顧客情報を、宇宙事業においては技術情報を含む重要な情報をそれぞれ保有しております。当該情報がハードウェア、ソフトウェアの不具合及び人為的ミスによるシステム障害や第三者による不正アクセス等により流出した場合や、個人情報の不適切な取扱いが発生した場合は、社会的信用の低下や損害賠償その他の対応に係るコスト負担等により、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、大規模なサイバー攻撃を受けた場合、当該情報が流出するのみならず、放送・配信サービス及び衛星通信サービスの運用に障害が生じる可能性があります。上記リスクへの対策として、当社グループは、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の認証及びプライバシーマークを取得し、情報セキュリティ・個人情報保護マネジメントシステムを構築し、厳格な情報管理を行っております。当該活動の一環で、当社グループを対象とした個人情報管理委員会・情報セキュリティ管理委員会を設置し、情報セキュリティ管理の状況をモニタリングしております。また、セキュリティインシデント発生時の対応を行う組織としてCSIRT(シーサート、Computer Security Incident Response Team)を設置し、訓練も実施しております。一方、システム対応として、個人情報及び事業上の重要情報保管時の暗号化サーバの利用、不正侵入防止システムやウィルス対策ソフトによる感染防止、各システムによるログの取得、セキュリティ診断による脆弱性の発見等を実施しております。更に、サイバー攻撃の多様化、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進等によるサイバーセキュリティリスクの増加等を受け、最高情報セキュリティ責任者(Chief Information Security Officer)を任命し、サイバーセキュリティへの対策を実施・強化しております。そのほか、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策としてテレワークによる勤務体制を整備しており、リモートアクセスシステム・ツール等のセキュリティアセスメントを実施しています。しかしながら、現在想定している対策を講じても新技術を用いた高度なサイバー攻撃など、現在想定している対策を超える事態の発生により、情報流出やサービスに障害が発生する可能性があります。 ⑩ 大規模災害、新型感染症等による事業継続に関するリスク当社グループは、放送と通信という公共性の高いサービスを提供する企業グループとして、放送設備や衛星管制・通信設備を国内に所有しております。大規模災害や事故、新型コロナウイルス感染症をはじめとする感染症の大流行等が発生した場合、施設の設備損傷や施設の閉鎖または活動自粛等により事業継続が困難となるリスクがあります。その他にも従業員の被災状況や公共交通機関等の不通等により、継続業務従事者の確保ができなくなるといったリスクがあります。上記リスクへの対策として、事業ごとに継続業務を定め、人員計画含め非常時の体制を事業継続計画として構築・運用しています。また、新型コロナウイルス感染症に代表されるような感染症の拡大に対する事業継続体制も同様に事業継続計画としてあらかじめ定めています。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対する事業継続体制に関しては、テレワークの確立とともに、国や都の要請に基づき、感染拡大状況に応じた勤務体制を設定し、従業員の安全を確保した業務遂行が可能となるよう、制度を整備しております。継続業務を担う拠点は制震または免震構造を採用しており、非常用発電機能や、食料品の備蓄を有しております。特に災害発生時に通常以上の利用が見込まれる衛星通信の管制施設に関しては、無停電電源設備を有し、一拠点が休止しても他の拠点からサービスを提供できるようにして業務に重大な支障を生じない設計にする等、サービス不断を目指した設備構築を行っております。また、気候変動などにより昨今頻発する可能性のある台風等の強風・豪雨被害等の脅威に関しては継続的に対策を検討・策定し、対応を進めております。しかしながら、全てのサービスはフルバックアップ設備を有していないため、現在想定している対策では対処しきれない大規模災害等が発生した場合には、放送・配信・通信を長期間停止するリスク及び交通機関等の断絶の長期化による拠点の燃料・人員確保のリスクが想定され、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2021|10,117 文字
2 【事業等のリスク】(1) リスクマネジメント体制について当社は純粋持株会社であり、当社グループ全体のリスクマネジメントの推進と必要な情報の共有化を図るため、中核の事業会社であるスカパーJSAT株式会社(SJC)と共同で当社グループ全体のリスク管理の基本方針及び管理体制を定めています。その基本方針及び管理体制に基づき、リスクマネジメント担当取締役を委員長とするリスクマネジメント委員会で、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスクの未然防止・リスクの低減に取り組んでいます。具体的には、年度ごとに部署単位でリスクを洗い出し、洗い出された全てのリスクを「損害規模」「発生頻度」「対策緊急度」といった同一基準で評価し、各リスクへの対策を策定しています。その中で当社グループ経営に大きな影響を与えうるリスクを重大リスクとして定め、重大リスクに対しては当該リスクの所管部署において重点施策を策定し、SJC経営会議及びSJH取締役会等に報告され、定期的に進捗がモニタリングされるシステムを構築しています。リスクマネジメント委員会の構成は、委員長以下、各部門の統括部署、管理系部署で構成され、事務局は内部統制推進部が担っております。SJCでは内部統制に係る様々な委員会を設けて、日々活動を行っておりますので、その内容についてもリスクマネジメント委員会で把握し、管理を行っております。また、実際にリスクが顕在化した場合は、リスクマネジメント委員会を適宜招集する等、迅速に対応を行います。この取り組みを実施することにより適切にグループ全体のリスクをコントロールしております。 以下に記載のリスクは、当社グループが当連結会計年度において、重大リスクと認識しているリスク項目につき、その対策と併せて記載するものです。ここで取り上げたリスクは当社グループのすべてのリスクを網羅しているわけではありません。また、当社グループが認識していない未知のリスク、あるいは今後重要性が増して当社グループの事業、財政状態、経営成績等に重大な影響を及ぼすリスクが生じる可能性があります。なお、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (2) 当社グループが認識する重大リスクについて<メディア事業>① 有料多チャンネル事業の事業性低下に関するリスク加入者の獲得及びその維持は、当社グループの収益拡大にとって重要な要素です。2021年3月末において加入件数は3,102千件を有していますが、将来にわたって当社グループの計画どおりに加入件数が推移する保証はありません。また、今後、コンテンツの差別化やプロモーションの強化、キャンペーンなどの各種マーケティング施策の実施にも関わらず、同様のコンテンツを提供するインターネット経由での動画配信サービスの浸透等、競合サービスとの競争激化やユーザーの視聴習慣の変化により加入件数の減少が継続または急激に発生した場合、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼします。また、競争の激化によって有力コンテンツを獲得できなかったこと等により当社グループのサービスの魅力が低下し、既存加入者の解約が想定以上に多く発生する場合には、累計の加入件数の減少につながり、また、放送権料が高騰することにより有料多チャンネル事業の収益性が低下し、これにより当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。上記リスクへの対策として、有料多チャンネル事業、特にプレミアムサービスの加入者数が減少する状況においても一定の利益を確保するべく、事業収支をベースとした中期的な事業構造改革の方針を作成し、実行しております。また、放映権料の高騰を受け、加入者の獲得・維持に資するコンテンツの優先順位を明確にしたコンテンツの取得方針を定め、かつ、その費用対効果の事後レビューを実施しています。さらに、有料コンテンツを提供している同業他社との適切な協業や提携を通じて、マーケティング力の強化や事業全体の効率化を進めていきます。一方で、FTTH事業の収益拡大のため提供エリアの拡大やサービスの充実、営業体制の強化を行うほか、東京メディアセンターの設備の有効活用などを実施し、有料多チャンネル事業以外の収益の増加に向けた施策を実行しています。しかしながら、インターネット経由の動画配信サービスの台頭が一層進んでいることなどから、従前よりリスクレベルが上がっていると認識しており、現在想定している対策を行ってもなお、競争激化による加入者の減少や放映権料の高騰が想定以上当となる場合、更なる収益性悪化のリスクが想定されます。さらに、新型コロナウイルス感染症拡大によって、当事業年度は野球やサッカーを含め多くのスポーツやコンサート等のイベントが延期又は中止等の影響を受けております。感染症の拡大が長期化することにより、これらを扱うチャンネルの加入者数及び視聴料収入の減少が生じるなど、収益性がさらに悪化するリスクがあります。 ② 不正視聴に関するリスク当社グループが提供する有料多チャンネル放送「スカパー!」ではB-CASカード/ACASチップというICカード/チップを利用しています。B-CASカードについては、有料放送を不正に視聴できるようにした改ざんB-CASカードの販売者が逮捕されております。また、大手ECサイトでのネット配信専用違法デバイスの販売についても、公衆送信権・送信可能化権侵害を幇助する行為に当たるとして、販売差し止め事案が発生しております。このような改ざんB-CASカードやネット配信専用違法デバイスによる不正視聴は、有料多チャンネル放送全体の健全な普及拡大に多大な悪影響を及ぼすとともに、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが提供する有料多チャンネル放送「スカパー!プレミアム」「スカパー!プレミアム光」はB-CASカードとは異なるICカードを利用しておりますが、同様の不正視聴により、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。上記リスクへの対策として、これまで弊社では4K8K放送開始に伴うACASチップの開発に積極的に参画してまいりました。ACASチップはセキュリティ機能が強化されていることに加え2K放送にも対応しており、ACASチップを搭載した4Kテレビ等でも「スカパー!サービス」の視聴がこれまでと同様に可能となっております。今後4Kテレビ等の普及により、B‐CASカードがACASチップに置き換わっていくことで、一定のリスク低減が見込まれます。さらに、当社グループはB-CASカードによる不正視聴が発覚した場合、有料放送事業者各社及びB-CASカードの所有者である株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ等と連携し、損害賠償請求等の法的措置を含むあらゆる手段を講じて厳正に対処する方針であり、刑事・民事での訴訟の提起や広報における違法性の周知などの現在の取組みをより効率的、効果的に実施する方法を検討していくとともに、不正視聴機器の利用による不正視聴者の法的対処が実現出来るよう関係省庁との連携を強化してまいります。ネット配信専用違法デバイスの流通については、これまで大手ECサイトへの販売差し止めの実績を上げている一般社団法人衛星放送協会が中心となり、放送事業者、関連団体等が参画して設立された不正ストリーミングデバイス対策協議会の活動に積極的に協力してまいります。しかしながら、ACASチップが想定通りに普及しない場合、改ざんB-CASカードによる不正視聴が長期間にわたり継続的に発生するリスクが想定されます。 ③ 顧客管理システムに関するリスク当社グループでは、有料多チャンネルサービスに関する新規加入申し込み、契約チャンネルの変更、解約処理、課金、請求など、各種お客様情報・契約情報の管理に大規模な顧客管理システムを使用しており、メディア事業の運営や収益管理において重要な役割を担っています。このシステムにおいて重大なシステム障害が生じた場合、またはシステム設定や仕様変更に伴うプログラム変更等に不備があった場合、加入手続き等のサービスの停止、放送事業者との各種取引や手続きへの不具合による事業運営への支障、社会的信用の低下や不具合の解消や顧客対応に要する不測のコスト負担等により、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、不適切なデータ入力や改ざんが行われると経営成績の基礎となる営業収益の信頼性が損なわれ、事業運営や経営成績に悪影響が生じます。上記リスクへの対策として、重大なシステム障害を予防するため、顧客管理システムを免震構造の施設に設置し、各機器・装置は冗長構成を取っております。また、アプリケーションやデータ等の情報は遠隔地のサーバへ定期的にバックアップしております。また、システム設定等の不備に対しては、設定手順書の整備等により運用管理を徹底する他、プログラム変更時の社内手続きの整備やシステムへのアクセス権限の定期的な棚卸し等の対策を取っております。しかしながら、上記のような対策を講じても、人為ミスによる障害が発生するリスク及びシステム更改時の要件定義等の不備により予期せぬ障害が発生するリスクが想定されます。 <宇宙事業>④ 衛星通信市場における競争力低下のリスク昨今の地上回線の発達・低廉化、5G時代の新しい通信ネットワークにより、通信衛星の優位性が低下傾向にある一方、世界的にはトランスポンダ供給量は年々増加傾向にあります。また、他衛星オペレータにおいても複数のHTS衛星の投入が引き続き計画されていることから、帯域単価やサービス単価の下落傾向が続いた場合には、いかに収益を維持するかが課題となっております。今後は更に超小型衛星や低軌道衛星等を利用した次世代衛星通信の急速な進展の可能性もあり、当社も従来のビジネスモデルのままでは当社グループの宇宙事業における営業収益が減少するリスクがあります。上記リスクへの対策として、HTS衛星等先進技術を取り入れた衛星の調達・打ち上げを継続して行い、競争激化する市場でも需要の取り込みに注力しております。特に近年はアジア太平洋地域における航空機、船舶向け移動体衛星通信等の需要拡大に対応し、2019年1月にIntelsatとの共同所有衛星Horizons 3eを、2020年1月にはKacific社との区分所有衛星であるJCSAT-1Cの2機のHTS衛星のサービスを開始いたしました。上記のHTS衛星のように他の衛星オペレータとの提携や共同衛星調達等を行うことで、コスト効率を重視した調達・運用の実現も図っています。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、航空機向けブロードバンド等、移動体通信の需要は急激な減少傾向にありましたが、市場動向分析に基づいた営業活動等、対策を講じております。従来のビジネスモデルに加え、5G時代の新しい通信ネットワーク等につきましても、低軌道衛星導入の検討等、静止軌道衛星以外の事業展開の検討を続けております。しかしながら、現在想定している対策を講じても、低軌道衛星等を利用した次世代衛星通信サービスを提供する新たな衛星事業者の台頭による市場環境の急速な変化や、感染症の拡大が長期化することにより需要が低下する可能性があります。 ⑤ 通信衛星調達に関するリスク通信衛星調達の際には、製造の遅延や打ち上げの遅延または失敗等のリスクがありますが、これらの事由により予定されていた通信衛星の運用開始が遅延し、継続的なサービス提供が不可能な期間が生じた場合、当該期間における収益の低下や利用者流出の可能性があります。また、通信衛星の製造期間中に設計上その他の要因によって予定外の支出を負担することがあります。上記リスクへの対策として、調達スケジュールを設定する際には、打ち上げ失敗の場合を想定し予備衛星や既存衛星によるフリートバックアップ対策、もしくは代替衛星の早期納入をより確実にするための代替衛星用の長納期品の先行発注等の対応策を講じております。支払いに関しては、進捗度に応じたマイルストーン支払いとし、納期遅延時には一定額の賠償金請求ができる権利を確保することでリスク低減を図っています。保険契約については、打ち上げ時及び軌道上における運行時それぞれの保険契約を締結しております。打ち上げ危険担保保険は、初期段階において通信衛星の全部又は一部が損傷を受けた際に、通信衛星の再調達、その他修復に必要な費用を填補するもので、打ち上げ時点から、通常1年間有効となっております。しかしながら、現在想定している対策を講じていても、後継衛星の製造・打ち上げが予期せぬ事故により遅延するリスク、衛星の損傷の度合いや原因その他の要因により、打ち上げ危険担保保険では打ち上げに要する費用の全額を補償できないリスク、宇宙保険市場環境の変動による保険料高騰のリスク及び戦争危険等の絶対免責に該当する場合に損害保険の対象にならないリスクが想定されます。 ⑥ 通信衛星の運用に関するリスク当社グループが保有する通信衛星は15年から20年程度と比較的長期にわたって使用されますが、運用期間中に製造上の瑕疵、欠陥部品、太陽活動に伴う磁気嵐、デブリや隕石等との衝突、過度の燃料消費、衛星管制上又は運用上の不具合その他の要因による衛星の機能不全又は運用能力低下の可能性があります。このような事態が生じた場合、サービスの提供ができないことによる収益の低下や顧客の流出、あるいは当社所有の別衛星への顧客移行にかかわるコスト負担などで、当社グループの収益の低下等の悪影響を及ぼす可能性があります。上記リスクへの対策として、打ち上げ保険が期間満了となった後に効力を生じる軌道上危険担保保険契約を、打ち上げた通信衛星ごとに締結しています。ただし、この保険は通信衛星の技術上の機能不全に起因して当社グループが負う第三者賠償責任や収益の喪失などの営業上の損害を補填するものではありません。当社グループは現在、軌道上に予備の通信衛星2機を保有しており、運用中の衛星に不具合が生じた場合に可能な限り短期間でバックアップができる体制をとっています。しかしながら、現在想定している対策を講じていても、不測の事態により、予備衛星による代替機能が提供できないことによる収益低下リスク、通信衛星の機能不全の要因によっては免責条項が適用され軌道上危険担保保険が補償できないリスク、宇宙保険市場環境の変動による保険料高騰のリスク及び戦争危険等の絶対免責に該当する場合に損害保険の対象にならないリスクが想定されます。 <全般>⑦ 事業投資等に関するリスク当社グループは、事業の拡大のために、他企業のM&Aや出資、他企業との提携及び協力体制構築等の検討を行い、その結果、将来の当社グループの事業戦略や経営成績に貢献すると判断した場合には、これらを実行することがあります。しかしながら、買収等の対象事業を当社グループの経営戦略に沿って統合することができない場合や当社グループの期待する相乗効果が得られなかった場合、買収等の対象事業に当社グループの内部統制体制を適用することができなかった場合、当社グループに必ずしも経験や知見の無い技術分野における問題点を含む想定しなかった重大な問題点が買収等の後に発見された場合には、当社グループの財政状況及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、買収等により多額ののれん及び無形資産を計上する可能性があり、対象事業の収益性が低下した場合にはのれん及び無形資産の減損が発生するほか、事業再編等に伴う事業売却損、事業清算損その他これに伴う損失の発生等により、当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。上記リスクへの対策として、投資に係る規程を整備し、出資・投資に際しては、事業計画、内部収益率、撤退基準、その他リスク等を検討して審議・判断しております。加えて、大型出資案件については、各部門の会議を経て、代表取締役社長の諮問機関である経営会議にも付議し、取締役会でも決議を行う等、複数のチェック体制を取っており、慎重に多角的な検討を行っております。また、適切な内部統制構築・運用のため、出資先への人員派遣や当社で定めている規程等の順守を求め、適正に管理を行っております。投資判断時には、マイルストーンを設定し、適切なタイミングでレビューを行っており、出資後においても、各出資先の財務状況、取組方針、収益性、資本コスト、保有意義、出資の適正性等についてレビューを行い、その結果を取締役会に報告しております。しかしながら、現在想定している対策を講じても、市場・競争環境の変化や出資・買収後の事業管理の不徹底等により、買収等をした事業における損失の発生、投資有価証券やのれんの減損等を完全に防止することは不可能であり、投資に見合う利益を確保できる保証はありません。また、出資先でコンプライアンスに関する問題等が発生した場合には当社グループの社会的信用を損なう可能性があります。 ⑧ 事業上の法的規制に関するリスク当社グループの事業の遂行にあたって、国内においては、放送法、電気通信事業法、電波法、独占禁止法、個人情報保護法、環境諸法令、補助金適正化法等の法的規制の適用を受けています。また、事業を展開する各国においては、当該国の法的規制の適用を受けています。これらの法令等に違反した場合や社会的要請に反した行動等により、法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁・事業停止命令等を受けたり、お客様をはじめとする関係者からの信頼を失う可能性があり、これにより当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、国内における衛星放送、並びに国内外における通信衛星の打ち上げ、運行及び商業利用に対して適用される現行の制度を変更するような法令等が新たに制定されたり、当社グループの事業に不利益な改正が行われた場合には、事業運営上の制約が生じる可能性があり、これにより当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。上記リスクへの対策として、当社グループは、「スカパーJSATグループミッション」及び「スカパーJSATグループ行動指針」を基に、スカパーJSATグループコンプライアンス基本規程及びグループ役職員行動規範を定め、取締役及び使用人に対し、法令等を遵守するよう求めております。また、当社グループは、コンプライアンス統括責任者を任命し、コンプライアンス統括責任者を委員長とするコンプライアンス委員会を設置して定期的に開催しております。さらに、当社グループは、コンプライアンスを社内に定着させていくため、取締役及び使用人への教育・研修等を行うと共に、新たな法令等の制定や改正に関する情報が随時配信されるサービスを利用する等、当該法令への対応を行っております。当社グループの事業活動又は取締役及び使用人に法令違反の疑義のある行為等を発見した場合、速やかに社内及び社外に設置する窓口に通報・相談するシステムとして、「コンプライアンスヘルプライン」を整備し、適切に運用しております。上記対応状況も含め、当社の内部監査部門は、当社グループのコンプライアンスの状況を定期的に監査しております。そのほかにも、国内外において現行制度を変更するような法令の制定や改訂については、関係省庁等の動向を常に注視し、必要な意見表明や制度変更等への事前の準備をすることで、リスクを軽減する対応をしております。しかしながらこのような法令遵守の体制やモニタリングを強化しても法令違反の可能性を完全に排除できないリスクや、国内外における新たな法令等の制定や改正に関する情報の入手が遅れる等、適切な対応が行えず、事業運営に悪影響を被るリスクが想定されます。 ⑨ 個人情報及び重要情報の流出や取扱い及びサイバーセキュリティに関するリスク当社は、メディア事業においては当社グループが提供するサービスへの加入者情報をはじめとした顧客情報を、宇宙事業においては技術情報を含む重要な情報をそれぞれ保有しております。当該情報がハードウェア、ソフトウェアの不具合及び人為的ミスによるシステム障害や第三者による不正アクセス等により流出した場合や、個人情報の不適切な取扱いが発生した場合は、社会的信用の低下や損害賠償その他の対応に係るコスト負担等により、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、大規模なサイバー攻撃を受けた場合、当該情報が流出するのみならず、放送サービス及び衛星通信サービスの運用に障害が生じる可能性があります。上記リスクへの対策として、当社は、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の認証及びプライバシーマークを取得し、情報セキュリティ・個人情報保護マネジメントシステムを構築し、厳格な情報管理を行っております。当該活動の一環で、当社グループを対象とした個人情報管理委員会・情報セキュリティ管理委員会を設置し、情報セキュリティ管理の状況をモニタリングしております。また、セキュリティインシデント発生時の対応を行う組織としてCSIRT(シーサート、Computer Security Incident Response Team)を設置し、訓練も実施しております。一方、システム対応として、個人情報及び事業上の重要情報保管時の暗号化サーバの利用、不正侵入防止システムやウィルス対策ソフトによる感染防止、各システムによるログの取得、セキュリティ診断による脆弱性の発見等を実施しております。さらに、サイバー攻撃の多様化、DX推進等によるサイバーセキュリティリスクの増加等を受け、中核会社スカパーJSAT株式会社にサイバーセキュリティ統括部を新設し、サイバーセキュリティへの対策を実施・強化するための体制を整備しております。そのほか、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策としてテレワークによる勤務体制を整備しており、リモートアクセスシステム・ツール等のセキュリティアセスメントを実施しています。しかしながら、現在想定している対策を講じても新技術を用いた高度なサイバー攻撃など、現在想定している対策を超える事態の発生により、情報流出やサービスに障害が発生する可能性があります。 ⑩ 大規模災害等による事業継続に関するリスク当社グループは、放送サービスと通信サービスという公共性の高いサービスを提供する企業グループとして、衛星管制・通信設備や放送設備を国内に所有しております。大規模災害や事故、新型コロナウイルス感染症をはじめとする感染症の大流行等が発生した場合、施設の設備損傷や施設の閉鎖または活動自粛等により事業継続が困難となるリスクがあります。その他にも従業員の被災状況や公共交通機関等の不通等により、継続業務従事者の確保ができなくなるといったリスクがあります。上記リスクへの対策として、事業ごとに継続業務を定め、人員計画含め非常時の体制を事業継続計画として構築・運用しています。また、新型コロナウイルス感染症に代表されるような感染症の拡大に対する事業継続体制も同様に事業継続計画としてあらかじめ定めています。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対する事業継続体制に関しては、テレワークの確立とともに、国や都の要請に基づき、感染拡大状況に応じた勤務体制を設定し、従業員の安全を確保した業務遂行が可能となるよう、制度を整備しております。 継続業務を担う拠点は制震または免震構造を採用しており、非常用発電機能や、食料品の備蓄を有しております。特に災害発生時に通常以上の利用が見込まれる衛星通信の管制施設に関しては、無停電電源設備を有し、一拠点が休止しても他の拠点からサービスを提供できるようにして業務に重大な支障を生じない設計にする等、サービス不断を目指した設備構築を行っております。また、気候変動などにより昨今頻発する可能性のある台風等の強風・豪雨被害等の脅威に関しては継続的に対策を検討・策定し、対応を進めております。しかしながら、放送設備に関してはフルバックアップ設備を有していないため、現在想定している対策では対処しきれない大規模災害等が発生した場合には、放送・通信を長期間停止するリスク及び交通機関等の断絶の長期化による拠点の燃料・人員確保のリスクが想定され、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2020|9,733 文字
2 【事業等のリスク】(1) リスクマネジメント体制について当社は純粋持株会社であり、中核の事業会社であるスカパーJSAT株式会社(SJC)が、リスクマネジメント規程において当社グループ全体のリスク管理の基本方針及び管理体制を定めています。その基本方針及び管理体制に基づき、リスクマネジメント担当取締役を委員長とするリスクマネジメント委員会で、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスクの未然防止・リスクの低減に取り組んでいます。具体的には、年度ごとに部署単位でリスクを洗い出し、洗い出された全てのリスクを「損害規模」「発生頻度」「対策緊急度」といった同一基準で評価し、各リスクへの対策を策定しています。その中で当社グループ経営に大きな影響を与えうるリスクを重大リスクとして定め、重大リスクに対しては当該リスクの所管部署において重点施策を策定し、SJC経営会議及びSJH取締役会に報告され、定期的に進捗がモニタリングされるシステムを構築しています。リスクマネジメント委員会の構成は、委員長以下、各部門の統括部署、管理系部署で構成され、事務局は経営企画部が担っております。SJCでは内部統制に係る様々な委員会を設けて、日々活動を行っておりますので、その内容についてもリスクマネジメント委員会で把握し、管理を行っております。また、実際にリスクが顕在化した場合は、リスクマネジメント委員会を適宜招集する等、迅速に対応を行います。この取り組みを実施することにより適切にグループ全体のリスクをコントロールしております。 以下に記載のリスクは、当社グループが当連結会計年度において、重大リスクと認識しているリスク項目につき、その対策と併せて記載するものです。ここで取り上げたリスクは当社グループのすべてのリスクを網羅しているわけではありません。また、当社グループが認識していない未知のリスク、あるいは今後重要性が増して当社グループの事業、財政状態、経営成績等に重大な影響を及ぼすリスクが生じる可能性があります。なお、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (2) 当社グループが認識する重大リスクについて<メディア事業>① 有料多チャンネル事業の事業性低下に関するリスク加入者の獲得及びその維持は、当社グループの収益拡大にとって重要な要素です。2020年3月末において加入件数は3,170千件に達していますが、将来にわたって当社グループの計画どおりに加入件数が推移する保証はありません。また、今後、コンテンツの差別化やプロモーションの強化、キャンペーンなどの各種マーケティング施策の実施にも関わらず、同様のコンテンツを提供するインターネット経由での動画配信サービスの浸透等、競合サービスとの競争激化やユーザーの視聴習慣の変化により加入件数の減少が継続または急激に発生した場合、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼします。 また、競争の激化によって有力コンテンツを獲得できなかったこと等により当社グループのサービスの魅力が低下し、既存加入者の解約が想定以上に多く発生する場合には、累計の加入件数の減少につながり、また、放送権料が高騰することにより有料多チャンネル事業の収益性が低下し、これにより当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。上記リスクへの対策として、有料多チャンネル事業、特にプレミアムサービスの加入者数が減少する状況においても一定の利益を確保するべく、事業収支をベースとした中期的な事業構造改革案を作成し、実行します。また、放映権料の高騰を受け、加入者の獲得・維持に資するコンテンツの優先順位を明確にしたコンテンツの取得方針を定め、かつ、その費用対効果の事後レビューを実施しています。さらに、有料コンテンツを提供している同業他社との適切な協業や提携を通じて、マーケティング力の強化や事業全体の効率化を進めていきます。一方で、FTTH事業の収益拡大のため提供エリアの拡大やサービスの充実、営業体制の強化を行うほか、東京メディアセンターの設備の有効活用などを実施し、有料多チャンネル事業以外の収益の増加に向けた施策を実行しています。しかしながら、インターネット経由の動画配信サービスの台頭が一層進んでいることなどから、従前よりリスクレベルが上がっていると認識しており、現在想定している対策を行ってもなお、競争激化による加入者の減少や放映権料の高騰が想定以上当となる場合、更なる収益性悪化のリスクが想定されます。さらに、新型コロナウイルス感染症に代表される感染症の世界的な拡大によって、野球やサッカーを含め多くのスポーツやコンサート等のイベントが延期又は中止になることで、これらを扱うチャンネルの加入者数及び視聴料収入の減少が生じたり、経済活動の停滞に伴う有料コンテンツに対する需要の落ち込みにより視聴料収入の減少が生じるなど、収益性がさらに悪化するリスクがあります。 ② 不正視聴に関するリスク当社グループが提供する有料多チャンネル放送「スカパー!」ではB-CASカード/ACASチップというICカード/チップを利用しています。B-CASカードについては、有料放送を不正に視聴できるようにした改ざんB-CASカードの販売者が逮捕されております。また、大手ECサイトでのネット配信専用違法チューナーの販売についても、公衆送信権・送信可能化権侵害を幇助する行為に当たるとして、販売差し止め事案が発生しております。このような改ざんB-CASカードやネット配信専用違法チューナーによる不正視聴は、有料多チャンネル放送全体の健全な普及拡大に多大な悪影響を及ぼすとともに、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループが提供する有料多チャンネル放送「スカパー!プレミアム」「スカパー!プレミアム光」はB-CASカードとは異なるICカードを利用しておりますが、同様の不正視聴により、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。上記リスクへの対策として、スカパー!サービスを提供している110度CS放送やBS放送においては、新4K8K放送の開始に伴い、抜本的な不正視聴防止施策としてACASが採用されています。したがって、今後4Kテレビ等の普及によりB-CASカードがACASチップに置き換わっていくことで、一定のリスク低減が見込まれます。さらに、当社グループはB-CASカードによる不正視聴が発覚した場合、有料放送事業者各社及びB-CASカードの所有者である㈱ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ等と連携し、損害賠償請求等の法的措置を含むあらゆる手段を講じて厳正に対処する方針であり、刑事・民事での訴訟の提起や広報における違法性の周知などの現在の取組みをより効率的、効果的に実施する方法を検討していくとともに、不正視聴機器の利用による不正視聴者の法的対処が実現出来るよう関係省庁との連携を強化してまいります。ネット配信専用違法チューナーの販売についても、公衆送信権・送信可能化権侵害を幇助する行為として、大手ECサイトへの販売差し止めの実績を上げている衛星放送協会に協力してまいります。しかしながら、ACASチップが想定通りに普及しない場合、改ざんB-CASカードによる不正視聴が長期間にわたり継続的に発生するリスクが想定されます。 ③ 顧客管理システムに関するリスク当社グループでは、有料多チャンネルサービスに関する新規加入申し込み、契約チャンネルの変更、解約処理、課金、請求など、各種お客様情報・契約情報の管理に大規模な顧客管理システムを使用しており、メディア事業の運営や収益管理において重要な役割を担っています。 このシステムにおいて重大なシステム障害が生じた場合、またはシステム設定や仕様変更に伴うプログラム変更等に不備があった場合、加入手続き等のサービスの停止、放送事業者との各種取引や手続きへの不具合による事業運営への支障、社会的信用の低下や不具合の解消や顧客対応に要する不測のコスト負担等により、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、不適切なデータ入力や改ざんが行われると経営成績の基礎となる営業収益の信頼性が損なわれ、事業運営や経営成績に悪影響が生じます。上記リスクへの対策として、重大なシステム障害を予防するため、顧客管理システムを免震構造の施設に設置し、各機器・装置は冗長構成を取っております。また、アプリケーションやデータ等の情報は遠隔地のサーバへ定期的にバックアップしております。また、システム設定や仕様変更に伴うプログラム変更等の不備に対しては、設定手順書の整備等により運用管理を徹底する他、プログラム変更時の社内手続きの整備やシステムへのアクセス権限の定期的な棚卸し等の対策を取っております。しかしながら、上記のような対策を講じても、人為ミスによる障害が発生するリスク及びシステム更改時の要件定義等の不備により予期せぬ障害が発生するリスクが想定されます。 <宇宙事業>④ 衛星通信市場における競争力低下のリスク昨今の地上回線の発達・低廉化、5G時代の新しい通信ネットワークにより、通信衛星の優位性が低下傾向にある一方、世界的にはトランスポンダ供給量は年々増加傾向にあります。また、他衛星オペレータにおいても複数のHTS衛星の投入が引き続き計画されていることから、帯域単価やサービス単価の下落傾向が続いた場合には、いかに収益を維持するかが課題となっております。 今後は更に超小型衛星や低軌道衛星等を利用した次世代衛星通信の急速な進展の可能性もあり、当社も従来のビジネスモデルのままでは当社グループの宇宙事業における営業収益が減少するリスクがあります。上記リスクへの対策として、HTS衛星等先進技術を取り入れた衛星の調達・打ち上げを継続して行い、競争激化する市場でも需要の取り込みに注力しております。特に近年はアジア太平洋地域における航空機、船舶向け移動体衛星通信等の需要拡大に対応し、2019年1月にIntelsatとの共同所有衛星Horizons 3eを、当事業年度にはKacific社との区分所有衛星であるJCSAT-18の2機のHTS衛星のサービスを開始いたしました。上記のHTS衛星のように他の衛星オペレータとの提携や共同衛星調達等を行うことで、コスト効率を重視した調達・運用の実現も図っています。従来のビジネスモデルに加え、5G時代の新しい通信ネットワーク等につきましても、低軌道衛星導入の検討等、静止軌道衛星以外の事業展開の検討を続けております。しかしながら、現在想定している対策を講じても、低軌道衛星等を利用した次世代衛星通信サービスを提供する新たな衛星事業者の台頭による市場環境の急速な変化により需要が低下する可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症に代表される感染症の世界的な拡大の影響で、航空機向けブロードバンド通信需要の減少等、衛星通信需要が急激に低下するリスクがあります。 ⑤ 通信衛星調達に関するリスク通信衛星調達の際には、製造の遅延や打ち上げの遅延または失敗等のリスクがありますが、これらの事由により予定されていた通信衛星の運用開始が遅延し、継続的なサービス提供が不可能な期間が生じた場合、当該期間における収益の低下や利用者流出の可能性があります。 また、通信衛星の製造期間中に設計上その他の要因によって予定外の支出を負担することがあります。上記リスクへの対策として、調達スケジュールを設定する際には、打ち上げ失敗の場合を想定し予備衛星や既存衛星によるフリートバックアップ対策、もしくは代替衛星の早期納入をより確実にするための代替衛星用の長納期品の先行発注等の対応策を講じております。支払いに関しては、進捗度に応じたマイルストーン支払いとし、納期遅延時には一定額の賠償金請求ができる権利を確保することでリスク低減を図っています。保険契約については、打ち上げ時及び軌道上における運行時それぞれの保険契約を締結しております。打ち上げ危険担保保険は、初期段階において通信衛星の全部又は一部が損傷を受けた際に、通信衛星の再調達、その他修復に必要な費用を填補するもので、打ち上げ時点から、通常1年間有効となっております。しかしながら、現在想定している対策を講じていても、後継衛星の製造・打ち上げが予期せぬ事故により遅延するリスク、衛星の損傷の度合いや原因その他の要因により、打ち上げ危険担保保険では打ち上げに要する費用の全額を補償できないリスク、宇宙保険市場環境の変動による保険料高騰のリスク及び戦争危険等の絶対免責に該当する場合に損害保険の対象にならないリスクが想定されます。 ⑥ 通信衛星の運用に関するリスク当社グループが保有する通信衛星は15年から20年程度と比較的長期にわたって使用されますが、運用期間中に製造上の瑕疵、欠陥部品、太陽活動に伴う磁気嵐、デブリや隕石等との衝突、過度の燃料消費、衛星管制上又は運用上の不具合その他の要因による衛星の機能不全又は運用能力低下の可能性があります。このような事態が生じた場合、サービスの提供ができないことによる収益の低下や顧客の流出、あるいは当社所有の別衛星への顧客移行にかかわるコスト負担などで、当社グループの収益の低下等の悪影響を及ぼす可能性があります。上記リスクへの対策として、打ち上げ保険が期間満了となった後に効力を生じる軌道上危険担保保険契約を、打ち上げた通信衛星ごとに締結しています。ただし、この保険は通信衛星の技術上の機能不全に起因して当社グループが負う第三者賠償責任や収益の喪失などの営業上の損害を補填するものではありません。当社グループは現在、軌道上に予備の通信衛星2機を保有しており、運用中の衛星に不具合が生じた場合に可能な限り短期間でバックアップができる体制をとっています。しかしながら、現在想定している対策を講じていても、不測の事態により、予備衛星による代替機能が提供できないことによる収益低下リスク、通信衛星の機能不全の要因によっては免責条項が適用され軌道上危険担保保険が補償できないリスク、宇宙保険市場環境の変動による保険料高騰のリスク及び戦争危険等の絶対免責に該当する場合に損害保険の対象にならないリスクが想定されます。 <全般>⑦ 事業投資等に関するリスク当社グループは、事業の拡大のために、他企業のM&Aや出資、他企業との提携及び協力体制構築等の検討を行い、その結果、将来の当社グループの事業戦略や経営成績に貢献すると判断した場合には、これらを実行することがあります。しかしながら、買収等の対象事業を当社グループの経営戦略に沿って統合することができない場合や当社グループの期待する相乗効果が得られなかった場合、買収等の対象事業に当社グループの内部統制体制を適用することができなかった場合、当社グループに必ずしも経験や知見の無い技術分野における問題点を含む想定しなかった重大な問題点が買収等の後に発見された場合には、当社グループの財政状況及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、買収等により多額ののれん及び無形資産を計上する可能性があり、対象事業の収益性が低下した場合にはのれん及び無形資産の減損が発生するほか、事業再編等に伴う事業売却損、事業清算損その他これに伴う損失の発生等により、当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。上記リスクへの対策として、投資に係る規程を整備し、出資・投資に際しては、事業計画、内部収益率、撤退基準、その他リスク等を検討して審議・判断しております。加えて、大型出資案件については、各部門の会議を経て、代表取締役社長の諮問機関である経営会議にも付議し、取締役会でも決議を行う等、複数のチェック体制を取っており、慎重に多角的な検討を行っております。また、適切な内部統制構築・運用のため、出資先への人員派遣や当社で定めている規程等の順守を求め、適正に管理を行っております。投資判断時には、マイルストーンを設定し、適切なタイミングでレビューを行っており、出資後においても、各出資先の財務状況、取組方針、収益性、資本コスト、保有意義、出資の適正性等についてレビューを行い、その結果を取締役会に報告しております。しかしながら、現在想定している対策を講じても、市場・競争環境の変化や出資・買収後の事業管理の不徹底等により、買収等をした事業における損失の発生、投資有価証券やのれんの減損等を完全に防止することは不可能であり、投資に見合う利益を確保できる保証はありません。また、出資先でコンプライアンスに関する問題等が発生した場合には当社グループの社会的信用を損なう可能性があります。 ⑧ 事業上の法的規制に関するリスク当社グループの事業の遂行にあたって、国内においては、放送法、電気通信事業法、独占禁止法、個人情報保護法、環境諸法令、補助金適正化法等の法的規制の適用を受けています。また、事業を展開する各国においては、当該国の法的規制の適用を受けています。これらの法令等に違反した場合や社会的要請に反した行動等により、法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁・事業停止命令等を受けたり、お客様をはじめとする関係者からの信頼を失う可能性があり、これにより当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、国内における衛星放送、並びに国内外における通信衛星の打ち上げ、運行及び商業利用に対して適用される現行の制度を変更するような法令等が新たに制定されたり、当社グループの事業に不利益な改正が行われた場合には、事業運営上の制約が生じる可能性があり、これにより当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。上記リスクへの対策として、当社グループは、「スカパーJSATグループミッション」及び「スカパーJSATグループ行動指針」を基に、スカパーJSATグループコンプライアンス基本規程及びグループ役職員行動規範を定め、取締役及び使用人に対し、法令等を遵守するよう求めております。また、当社グループは、コンプライアンス統括責任者を任命し、コンプライアンス統括責任者を委員長とするコンプライアンス委員会を設置して四半期毎に開催しております。さらに、当社グループは、コンプライアンスを社内に定着させていくため、取締役及び使用人への教育・研修等を行うと共に、新たな法令等の制定や改正に関する情報が随時配信されるサービスを利用し、当該法令への対応を行っております。また、当社グループの事業活動又は取締役及び使用人に法令違反の疑義のある行為等を発見した場合、速やかに社内及び社外に設置する窓口に通報・相談するシステムとして、「コンプライアンスヘルプライン」を整備し、適切に運用しております。上記対応状況も含め、当社の内部監査部門は、当社グループのコンプライアンスの状況を定期的に監査しております。しかしながらこのような法令遵守の体制やモニタリングを強化しても法令違反の可能性を完全に排除できないリスクは存在します。また、国内外において現行制度を変更するような法令の制定や改訂については、関係省庁等の動向を常に注視し、必要な意見表明や制度変更等への事前の準備をすることで、リスクを軽減する対応をしております。しかしながら、このような対策を講じても、海外における新たな法令等の制定や改正に関する情報の入手が遅れ、速やかな対応が行えないこと等により事業運営に悪影響を被るリスクが想定されます。 ⑨ 個人情報及び重要情報の流出や取扱い及びサイバーセキュリティに関するリスク当社は、メディア事業においては当社グループが提供するサービスへの加入者情報をはじめとした顧客情報を、宇宙事業においては技術情報を含む重要な情報をそれぞれ保有しております。当該情報がハードウェア、ソフトウェアの不具合及び人為的ミスによるシステム障害や第三者による不正アクセス等により流出した場合や、個人情報の不適切な取扱いが発生した場合は、社会的信用の低下や損害賠償その他の対応に係るコスト負担等により、当社グループの事業及び経営成績が悪影響を及ぼす可能性があります。また、大規模なサイバー攻撃を受けた場合、当該情報が流出するのみならず、放送サービス及び衛星通信サービスの運用に障害が生じる可能性があります。上記リスクへの対策として、当社は、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の認証及びプライバシーマークを取得し、情報セキュリティ・個人情報保護マネジメントシステムを構築し、厳格な情報管理を行っております。当該活動の一環で、当社グループを対象とした個人情報管理委員会・情報セキュリティ管理委員会を設置し、情報セキュリティ管理の状況をモニタリングしております。また、セキュリティインシデント発生時の対応を行う組織としてCSIRT(シーサート、Computer Security Incident Response Team)を設置し、訓練も実施しております。一方、システム対応として、個人情報及び事業上の重要情報保管時の暗号化サーバの利用、不正侵入防止システムやウィルス対策ソフトによる感染防止、各システムによるログの取得、セキュリティ診断による脆弱性の発見等を実施しております。しかしながら、現在想定している対策を講じても新技術を用いた高度なサイバー攻撃など、現在想定している対策を超える事態の発生により、情報流出やサービスに障害が発生する可能性があります。 ⑩ 大規模災害等による事業継続に関するリスク当社グループは、放送サービスと通信サービスという公共性の高いサービスを提供する企業グループとして、衛星管制・通信設備や放送設備を国内に所有しております。大規模災害や事故、新型コロナウイルス感染症をはじめとする感染症の大流行等が発生した場合、施設の設備損傷や施設の閉鎖または活動自粛等により事業継続が困難となるリスクがあります。その他にも従業員の被災状況や公共交通機関等の不通等により、継続業務従事者の確保ができなくなるといったリスクがあります。上記リスクへの対策として、事業ごとに継続業務を定め、人員計画含め非常時の体制を事業継続計画として構築・運用しています。また、新型コロナウイルス感染症に代表されるような感染症の拡大に対する事業継続体制も同様に事業継続計画としてあらかじめ定めています。 継続業務を担う拠点は制震または免震構造を採用しており、非常用発電機能や、食料品の備蓄を有しております。特に災害発生時に通常以上の利用が見込まれる衛星通信の管制施設に関しては、無停電電源設備を有し、一拠点が休止しても他の拠点からサービスを提供できるようにして業務に重大な支障を生じない設計にする等、サービス不断を目指した設備構築を行っております。また、気候変動などにより昨今頻発する可能性のある台風等の強風・豪雨被害を新たな脅威ととらえ、当事業年度には、一部アンテナ設備の耐風速増強策を策定いたしました。しかしながら、放送設備に関してはフルバックアップ設備を有していないため、現在想定している対策では対処しきれない大規模災害等が発生した場合には、放送・通信を長期間停止するリスク及び交通機関等の断絶の長期化による拠点の燃料・人員確保のリスクが想定され、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2019|5,438 文字
2 【事業等のリスク】当社グループが将来の事業運営や財政状態に影響を及ぼす可能性があると認識している事項は、以下のとおりです。なお、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 ① 経営全般について・事業に係わる法的規制について当社グループの事業は、国内における衛星放送、並びに国内外における通信衛星の打ち上げ、運行及び商業利用に対して適用される現行の制度を変更するような法令等が新たに制定されることにより悪影響を被る可能性があります。当社グループは適用法令等に基づき事業を行っておりますが、現行の法令等が将来においても引き続き適用されるという保証はなく、またこれらに対して当社グループが悪影響を被るか、又は既存の事業の一定分野の停止を要求するような変更がなされないという保証もありません。・顧客管理システム及び個人情報の保護に関するリスク当社グループは、当社グループが提供するサービスへの加入者情報をはじめとした顧客情報を専用システムにて管理しており、個人情報の保護については細心の注意を払っております。しかしながら、ハードウェア、ソフトウェアの不具合及び人為的ミスによるシステム障害や第三者による不正アクセス等により当社グループや取引先から顧客情報が流出した場合には、社会的信用の低下や不測のコスト負担等、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。・大規模災害による重大設備障害に関するリスク当社グループは、通信衛星による有料多チャンネル放送を行う放送設備として、スカパー東京メディアセンターにプレイアウト設備、プラットフォーム設備及びアップリンク設備を有しています。今後、予期せぬ大規模災害等により、社屋やアップリンク設備の倒壊、これらに準ずる状態が発生した場合、当社グループは当該放送設備に関するフルバックアップ設備を有していないことから、当社グループの経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。さらに当社グループは、通信衛星の衛星管制業務を行う設備並びに衛星通信サービスのハブ設備を、横浜衛星管制センター、スーパーバード茨城ネットワーク管制センター、スーパーバード山口ネットワーク管制センターの三つの拠点に保有しています。衛星管制については、このうち一拠点が休止しても業務に重大な支障を生じない設計になっておりますが、衛星通信サービスの一部については必ずしも他の拠点で完全に代替できないものがあることから、被災の状況によっては、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。・サイバーセキュリティーに関するリスク当社グループは、放送サービスの顧客情報や衛星通信サービスにかかる機密情報を有しており、サイバー攻撃を受けた場合、それらの情報が流出するのみならず、放送サービス及び衛星通信サービスの運用に障害がもたらされる可能性があります。 ② 衛星インフラについて・通信衛星の機能不全や運用能力低下に関するリスク当社グループが保有する通信衛星は15年から20年程度と比較的長期にわたって使用されますが、軌道上で運行する通信衛星の修理を行うことが不可能であることから、製造上の瑕疵、欠陥部品、太陽活動に伴う磁気嵐、隕石等との衝突、過度の燃料消費、衛星管制上又は運行上の不具合その他の要因による機能不全又は運用能力低下の可能性があり、利用予定期間にわたる通信衛星の安全運用確保について施せる対応策は限られています。このような事態が生じた場合、当社グループの経営成績等に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは現在、緊急時専用に東経110度上に予備の通信衛星1機、その他の軌道上にも予備の通信衛星2機を保有しておりますが、本予備衛星は問題の発生した通信衛星の能力を完全に代替することはできない場合があります。不具合が生じた場合、対象衛星の軌道位置に予備衛星を再配置するためには1週間以上の期間を要する場合があります。また、再配置による燃料消費に伴い、当該予備衛星の耐用年数が短縮します。さらに、通常当該予備衛星1機が稼動している場合、他の通信衛星の機能を代替することはできないため、問題の生じた通信衛星の代替使用が開始されてから後継衛星が打ち上げられるまでの期間は、他通信衛星の更なる緊急事態への対応の為のバックアップ通信衛星を有しないことになります。 ・通信衛星調達に関するリスク当社グループは、継続的に衛星通信サービスを維持・拡大するため、効率的に通信衛星を調達し打ち上げる必要があります。通信衛星は、その製造及び打ち上げに際して多大なリスクを負っております。かかるリスクとは、製造遅延、打ち上げの失敗、商業上適切な運営を妨害する破壊、損傷や干渉、不正確な軌道配置等であります。製造業者への発注から通信衛星の打ち上げ、運用開始までに必要な期間は約2~3年ですが、当社グループは通信衛星の耐久年限であると予測する時期を考慮し、後継衛星の製造を発注しております。衛星通信事業者の中には、打ち上げの失敗その他の遅延に備えてさらに早い時期に通信衛星の発注を行う事業者もありますが、当社グループは予備衛星を保有しているため、通常このような予防策を講じておりません。従って、何らかの事由により通信衛星の運用開始に遅延が生じ、加えて係る通信衛星を予備衛星が全面的にバックアップできない場合、当社グループは利益の喪失及び毀損若しくは潜在的な利用者の流出による競争上又は戦略上の優位性の喪失という形で、その事業に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、通信衛星の製造及び打ち上げを他の事業者に委託しております。通信衛星の製造事業者及び打ち上げ受注会社の数は世界的にも限定されているため、将来の必要時点までに通信衛星を製造させるように発注できず、あるいは予定している時点において通信衛星を打ち上げることができない場合があります。また、予定されている通信衛星の製造又は打ち上げが、製造業者又は打ち上げ受注会社の技術上その他の問題によって遅延した場合、かかる通信衛星の製造又は打ち上げを他の製造業者又は打ち上げ受注会社に委託することは、技術的な制約や、日程的・経済的に大きなインパクトが生ずることから、困難であります。通常、当社グループの通信衛星調達においては、金額の上限はあるものの、製造業者より、納期遅延に関する損害賠償を部分的に受けられる条件、また可能な範囲で設計、資材、技量等の瑕疵に係る保証を受けられるような条件で、契約を締結しております。一方、当社グループが打ち上げ業務を委託する打ち上げ受注会社との契約の大半は、打ち上げ受注会社が自らの責めに帰すべき原因による打ち上げ遅延の責任を負わない契約となっております。当社グループは、通信衛星の製造期間中に設計上その他の要因によって生じた予定外の支出を負担することがあります。・通信衛星への保険付保に関するリスク当社グループは、通信衛星について打ち上げ時及び軌道上における運行時の2種類の保険契約を締結しております。打ち上げ危険担保保険は、軌道上における初期段階の補償をも含んでおり、打ち上げ時点から、通常1年間有効となっております。この打ち上げ危険担保保険は、通信衛星の全部又は一部が損傷を受けた際に、通信衛星の再調達、その他修復に必要な費用を填補するものでありますが、損傷の度合いや原因その他の要因によっては、当社グループが代替衛星を再度発注し、打ち上げに要する費用の全額を補償できないことがあります。打ち上げ受注会社の契約によっては、通信衛星が打ち上げロケットの不具合によって損壊したり、あるいは機能が低減した場合、打ち上げ受注会社が損失の程度に比例して費用の一部を返還するか、あるいは、通信衛星が全面的に損壊した場合には、無償で代替衛星の打ち上げを行う義務を負う場合があります。但し逸失利益その他の付随的な損失を打ち上げ危険担保保険の保険金及び打ち上げ受注会社の提供する当該保証で賄うことはできないため、当社グループは損失を全面的に填補されるわけではありません。なお、当社グループの保険調達先である宇宙保険市場環境の変動性が大きいことから、今後打ち上げられる通信衛星についても、当社グループの希望どおりの条件の打ち上げ保険を付保できるとは限りません。また、当社グループは、打ち上げた通信衛星のそれぞれについて軌道上危険担保保険契約を締結しておりま す。この保険は、打ち上げ保険が期間満了となった後に効力を生じます。かかる軌道上危険担保保険は、通信衛星の再調達費用ではなく帳簿価格を基準とした付保となります。さらにこの保険は、通信衛星の技術上の機能不全に起因して当社グループが負う第三者賠償責任や営業上の障害(特に、マーケット・シェアの低下、収益の喪失及び偶発的派生的損害を含む。)については填補しません。軌道上保険は通常1年毎に更新されますが、上述した宇宙保険市場の変動性に伴い、各更新時点で当社グループが希望するとおりの条件で更新・締結できるとは限りません。 当社グループの保険証券は、以下に起因する損失を填補いたしません。・戦争、暴動、テロ等の行為・通信衛星を標的とする核兵器、レーザー兵器又は指向性エネルギー光線・政府による押収等の行為・宇宙環境で自然発生するもの以外の、核反応や放射線汚染等・無線周波数の妨害(但し物理的な損害を除く。)・被保険者又はその下請業者の故意又は計画的不履行・収入の喪失・第三者に対する賠償責任 ③ 有料多チャンネル放送プラットフォームサービスについて・加入者獲得・維持に関するリスク加入者の獲得及びその維持は、当社グループの収益拡大にとって重要な要素です。2019年3月末において加入件数は3,248千件に達していますが、将来にわたって当社グループの計画どおりに加入件数が伸びる保証はありません。今後、コンテンツやプロモーションの強化、キャンペーンや代理店インセンティブの投入などの各種マーケティング施策にも関わらず、同様のコンテンツを提供するインターネット経由での動画配信サービス等、競合サービスの普及等により加入件数が増加しない等の事態になった場合、当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、有力コンテンツの放映権を継続獲得できなかったこと等により既存加入者の解約が想定以上に多く発生する場合、累計の加入件数の減少につながるため、当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。・放送事業者に関するリスク当社グループのサービスにおいて、多数の放送事業者が放送サービスを提供しています。その中には財政状況の厳しい放送事業者も存在し、財政難等の原因による放送サービスの停止若しくは番組内容の質の低下、又は放送事業者の統廃合によるチャンネル数の減少があった場合、当社グループの経営成績等は悪影響を受ける可能性があります。また、視聴料金の決定権は放送事業者が持っており、値下げによる加入者増の効果がない場合や、値上げにより加入者が減少した場合、当社グループの手数料収入が低下し経営成績等が悪化する可能性があります。なお、放送事業者との間に締結する運用業務委託契約の有効期間は1年、3年又は5年となっており、契約条件の交渉不成立又は契約条件の悪化等によって、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。・システムに関するリスク当社グループでは、スカパー!サービスにおける新規加入申込、契約チャンネルの変更、解約処理、請求、課金、など各種お客様情報・契約情報について大規模なシステムを使用して運用管理しております。これらのシステムの管理にあたっては、情報のバックアップや適切なサーバの管理等により安定稼動の確保に必要な措置を講じておりますが、重大なシステム障害が発生した場合は、加入手続き等サービスの停止、放送事業者への影響、社会的信用の低下や不測のコスト負担等により、当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。・ICカードのセキュリティー等に関するリスク当社グループが提供する有料多チャンネル放送「スカパー!」ではB-CASカード/ACASチップというICカード/チップを利用しております。この内B-CASカードを改ざんして有料放送を不正に視聴できるようにした改ざんB-CASカードの販売者が逮捕されております。改ざんB-CASカードによる不正視聴は、有料多チャンネル放送全体の健全な普及拡大に多大な悪影響を及ぼすとともに当社グループの経営成績等にも悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが提供する有料多チャンネル放送「スカパー!プレミアム」「スカパー!プレミアム光」はB-CASカードとは異なるICカードを利用しておりますが、同様の不正視聴により、当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループはこれらの不正視聴に対し、有料放送事業者各社及びB-CASカードの所有者である㈱ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ等と連携し、損害賠償請求等の法的措置を含むあらゆる手段を講じて厳正に対処いたします。
FY2018|5,322 文字
2【事業等のリスク】 当社グループが将来の事業運営や財政状態に影響を及ぼす可能性があると認識している事項は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。① 経営全般について・事業に係わる法的規制について 当社グループの事業は、国内における衛星放送、並びに国内外における通信衛星の打ち上げ、運行及び商業利用に対して適用される現行の制度を変更するような法令等が新たに制定されることにより悪影響を被る可能性があります。当社グループは適用法令等に基づき事業を行っておりますが、現行の法令等が将来においても引き続き適用されるという保証はなく、またこれらに対して当社グループが悪影響を被るか、又は既存の事業の一定分野の停止を要求するような変更がなされないという保証もありません。・顧客管理システム及び個人情報の保護に関するリスク 当社グループは、当社グループが提供するサービスへの加入者情報をはじめとした顧客情報を専用システムにて管理しており、個人情報の保護については細心の注意を払っております。しかしながら、ハードウェア、ソフトウェアの不具合及び人為的ミスによるシステム障害や第三者による不正アクセス等により当社グループや取引先から顧客情報が流出した場合には、社会的信用の低下や不測のコスト負担等、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。・大規模災害による重大設備障害に関するリスク 当社グループは、通信衛星による有料多チャンネル放送を行う放送設備として、スカパー東京メディアセンターにプレイアウト設備、プラットフォーム設備及びアップリンク設備を有しています。今後、予期せぬ大規模災害等により、社屋やアップリンク設備の倒壊、これらに準ずる状態が発生した場合、当社グループは当該放送設備に関するフルバックアップ設備を有していないことから、当社グループの経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。 さらに当社グループは、通信衛星の衛星管制業務を行う設備並びに衛星通信サービスのハブ設備を、横浜衛星管制センター、スーパーバード茨城ネットワーク管制センター、スーパーバード山口ネットワーク管制センターの三つの拠点に保有しています。衛星管制については、このうち一拠点が休止しても業務に重大な支障を生じない設計になっておりますが、衛星通信サービスの一部については必ずしも他の拠点で完全に代替できないものがあることから、被災の状況によっては、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。② 衛星インフラについて・通信衛星の機能不全や運用能力低下に関するリスク 当社グループが保有する通信衛星は15年から20年程度と比較的長期にわたって使用されますが、軌道上で運行する通信衛星の修理を行うことが不可能であることから、製造上の瑕疵、欠陥部品、太陽活動に伴う磁気嵐、隕石等との衝突、過度の燃料消費、衛星管制上又は運行上の不具合その他の要因による機能不全又は運用能力低下の可能性があり、利用予定期間にわたる通信衛星の安全運用確保について施せる対応策は限られています。このような事態が生じた場合、当社グループの経営成績等に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは現在、緊急時専用に東経110度上に予備の通信衛星1機、その他の軌道上にも予備の通信衛星1機を保有しておりますが、本予備衛星は問題の発生した通信衛星の能力を完全に代替することはできない場合があります。不具合が生じた場合、対象衛星の軌道位置に予備衛星を再配置するためには1週間以上の期間を要する場合があります。また、再配置による燃料消費に伴い、当該予備衛星の耐用年数が短縮します。さらに、通常当該予備衛星1機が稼動している場合、他の通信衛星の機能を代替することはできないため、問題の生じた通信衛星の代替使用が開始されてから後継衛星が打ち上げられるまでの期間は、他通信衛星の更なる緊急事態への対応の為のバックアップ通信衛星を有しないことになります。・通信衛星調達に関するリスク 当社グループは、継続的に衛星通信サービスを維持・拡大するため、効率的に通信衛星を調達し打ち上げる必要があります。 通信衛星は、その製造及び打ち上げに際して多大なリスクを負っております。かかるリスクとは、製造遅延、打ち上げの失敗、商業上適切な運営を妨害する破壊、損傷や干渉、不正確な軌道配置等であります。 製造業者への発注から通信衛星の打ち上げ、運用開始までに必要な期間は約2~3年ですが、当社グループは通信衛星の耐久年限であると予測する時期を考慮し、後継衛星の製造を発注しております。衛星通信事業者の中には、打ち上げの失敗その他の遅延に備えてさらに早い時期に通信衛星の発注を行う事業者もありますが、当社グループは予備衛星を保有しているため、通常このような予防策を講じておりません。従って、何らかの事由により通信衛星の運用開始に遅延が生じ、加えて係る通信衛星を予備衛星が全面的にバックアップできない場合、当社グループは利益の喪失及び毀損若しくは潜在的な利用者の流出による競争上又は戦略上の優位性の喪失という形で、その事業に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、通信衛星の製造及び打ち上げを他の事業者に委託しております。通信衛星の製造事業者及び打ち上げ受注会社の数は世界的にも限定されているため、将来の必要時点までに通信衛星を製造させるように発注できず、あるいは予定している時点において通信衛星を打ち上げることができない場合があります。また、予定されている通信衛星の製造又は打ち上げが、製造業者又は打ち上げ受注会社の技術上その他の問題によって遅延した場合、かかる通信衛星の製造又は打ち上げを他の製造業者又は打ち上げ受注会社に委託することは、技術的な制約や、日程的・経済的に大きなインパクトが生ずることから、困難であります。 通常、当社グループの通信衛星調達においては、金額の上限はあるものの、製造業者より、納期遅延に関する損害賠償を部分的に受けられる条件、また可能な範囲で設計、資材、技量等の瑕疵に係る保証を受けられるような条件で、契約を締結しております。一方、当社グループが打ち上げ業務を委託する打ち上げ受注会社との契約の大半は、打ち上げ受注会社が自らの責めに帰すべき原因による打ち上げ遅延の責任を負わない契約となっております。 当社グループは、通信衛星の製造期間中に設計上その他の要因によって生じた予定外の支出を負担することがあります。・通信衛星への保険付保に関するリスク 当社グループは、通信衛星について打ち上げ時及び軌道上における運行時の2種類の保険契約を締結しております。 打ち上げ危険担保保険は、軌道上における初期段階の補償をも含んでおり、打ち上げ時点から、通常1年間有効となっております。この打ち上げ危険担保保険は、通信衛星の全部又は一部が損傷を受けた際に、通信衛星の再調達、その他修復に必要な費用を填補するものでありますが、損傷の度合いや原因その他の要因によっては、当社グループが代替衛星を再度発注し、打ち上げに要する費用の全額を補償できないことがあります。 打ち上げ受注会社の契約によっては、通信衛星が打ち上げロケットの不具合によって損壊したり、あるいは機能が低減した場合、打ち上げ受注会社が損失の程度に比例して費用の一部を返還するか、あるいは、通信衛星が全面的に損壊した場合には、無償で代替衛星の打ち上げを行う義務を負う場合があります。但し逸失利益その他の付随的な損失を打ち上げ危険担保保険の保険金及び打ち上げ受注会社の提供する当該保証で賄うことはできないため、当社グループは損失を全面的に填補されるわけではありません。なお、当社グループの保険調達先である宇宙保険市場環境の変動性が大きいことから、今後打ち上げられる通信衛星についても、当社グループの希望どおりの条件の打ち上げ保険を付保できるとは限りません。 また、当社グループは、打ち上げた通信衛星のそれぞれについて軌道上危険担保保険契約を締結しております。この保険は、打ち上げ保険が期間満了となった後に効力を生じます。かかる軌道上危険担保保険は、通信衛星の再調達費用ではなく帳簿価額を基準とした付保となります。さらにこの保険は、通信衛星の技術上の機能不全に起因して当社グループが負う第三者賠償責任や営業上の障害(特に、マーケット・シェアの低下、収益の喪失及び偶発的派生的損害を含む。)については填補しません。軌道上保険は通常1年毎に更新されますが、上述した宇宙保険市場の変動性に伴い、各更新時点で当社グループが希望するとおりの条件で更新・締結できるとは限りません。 当社グループの保険証券は、以下に起因する損失を填補致しません。 ・戦争、暴動、テロ等の行為 ・通信衛星を標的とする核兵器、レーザー兵器又は指向性エネルギー光線 ・政府による押収等の行為 ・宇宙環境で自然発生するもの以外の、核反応や放射線汚染等 ・無線周波数の妨害(但し物理的な損害を除く。) ・被保険者又はその下請業者の故意又は計画的不履行 ・収入の喪失 ・第三者に対する賠償責任③ 有料多チャンネル放送プラットフォームサービスについて・加入者獲得・維持に関するリスク 加入者の獲得及びその維持は、当社グループの収益拡大にとって重要な要素です。平成30年3月末において加入件数は3,262千件に達していますが、将来にわたって当社グループの計画どおりに加入件数が伸びる保証はありません。今後、コンテンツやプロモーションの強化、キャンペーンや代理店インセンティブの投入などの各種マーケティング施策にも関わらず、同様のコンテンツを提供するインターネット経由での動画配信サービス等、競合サービスの普及等により加入件数が増加しない等の事態になった場合、当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、有力コンテンツの放映権を継続獲得できなかったこと等により既存加入者の解約が想定以上に多く発生する場合、累計の加入件数の減少につながるため、当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。・放送事業者に関するリスク 当社グループのサービスにおいて、多数の放送事業者が放送サービスを提供しています。その中には財政状況の厳しい放送事業者も存在し、財政難等の原因による放送サービスの停止若しくは番組内容の質の低下、又は放送事業者の統廃合によるチャンネル数の減少があった場合、当社グループの経営成績等は悪影響を受ける可能性があります。 また、視聴料金の決定権は放送事業者が持っており、値下げによる加入者増の効果がない場合や、値上げにより加入者が減少した場合、当社グループの手数料収入が低下し経営成績等が悪化する可能性があります。 なお、放送事業者との間に締結する運用業務委託契約の有効期間は1年、3年又は5年となっており、契約条件の交渉不成立又は契約条件の悪化等によって、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。・システムに関するリスク 当社グループでは、スカパー!サービスにおける新規加入申込、契約チャンネルの変更、解約処理、請求、課金、など各種お客様情報・契約情報について大規模なシステムを使用して運用管理しております。 これらのシステムの管理にあたっては、情報のバックアップや適切なサーバの管理等により安定稼動の確保に必要な措置を講じておりますが、重大なシステム障害が発生した場合は、加入手続き等サービスの停止、放送事業者への影響、社会的信用の低下や不測のコスト負担等により、当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。・ICカードのセキュリティー等に関するリスク 当社グループが提供する有料多チャンネル放送「スカパー!」ではB-CASカードというICカードを利用しております。このB-CASカードを改ざんして有料放送を不正に視聴できるようにした改ざんB-CASカードの販売者が逮捕されております。 改ざんB-CASカードによる不正視聴は、有料多チャンネル放送全体の健全な普及拡大に多大な悪影響を及ぼすとともに当社グループの経営成績等にも悪影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループが提供する有料多チャンネル放送「スカパー!プレミアム」「スカパー!プレミアム光」はB-CASカードとは異なるICカードを利用しておりますが、同様の不正視聴により、当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社グループはこれらの不正視聴に対し、有料放送事業者各社及びB-CASカードの所有者である㈱ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ等と連携し、損害賠償請求等の法的措置を含むあらゆる手段を講じて厳正に対処致します。
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4【事業等のリスク】 当社グループが将来の事業運営や財政状態に影響を及ぼす可能性があると認識している事項は、以下のとおりです。なお、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。① 経営全般について・事業に係わる法的規制について 当社グループの事業は、国内における衛星放送、並びに国内外における通信衛星の打ち上げ、運行及び商業利用に対して適用される現行の制度を変更するような法令等が新たに制定されることにより悪影響を被る可能性があります。当社グループは適用法令等に基づき事業を行っておりますが、現行の法令等が将来においても引き続き適用されるという保証はなく、またこれらに対して当社グループが悪影響を被るか、又は既存の事業の一定分野の停止を要求するような変更がなされないという保証もありません。・顧客管理システム及び個人情報の保護に関するリスク 当社グループは、当社グループが提供するサービスへの加入者情報をはじめとした顧客情報を専用システムにて管理しており、個人情報の保護については細心の注意を払っております。しかしながら、ハードウェア、ソフトウェアの不具合及び人為的ミスによるシステム障害や第三者による不正アクセス等により当社グループや取引先から顧客情報が流出した場合には、社会的信用の低下や不測のコスト負担等、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。・大規模災害による重大設備障害に関するリスク 当社グループは、通信衛星による有料多チャンネル放送を行う放送設備として、スカパー東京メディアセンターにプレイアウト設備、プラットフォーム設備及びアップリンク設備を有しています。今後、予期せぬ大規模災害等により、社屋やアップリンク設備の倒壊、これらに準ずる状態が発生した場合、当社グループは当該放送設備に関するフルバックアップ設備を有していないことから、当社グループの経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。 さらに当社グループは、通信衛星の衛星管制業務を行う設備並びに衛星通信サービスのハブ設備を、横浜衛星管制センター、スーパーバード茨城ネットワーク管制センター、スーパーバード山口ネットワーク管制センターの三つの拠点に保有しています。衛星管制については、このうち一拠点が休止しても業務に重大な支障を生じない設計になっておりますが、衛星通信サービスの一部については必ずしも他の拠点で完全に代替できないものがあることから、被災の状況によっては、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。② 衛星インフラについて・通信衛星の機能不全や運用能力低下に関するリスク 当社グループが保有する通信衛星は15年から20年程度と比較的長期にわたって使用されますが、軌道上で運行する通信衛星の修理を行うことが不可能であることから、製造上の瑕疵、欠陥部品、太陽活動に伴う磁気嵐、隕石等との衝突、過度の燃料消費、衛星管制上又は運行上の不具合その他の要因による機能不全又は運用能力低下の可能性があり、利用予定期間にわたる通信衛星の安全運用確保について施せる対応策は限られています。このような事態が生じた場合、当社グループの経営成績等に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは現在、緊急時専用に東経110度上に予備の通信衛星1機、その他の軌道上にも予備の通信衛星1機を保有しておりますが、本予備衛星は問題の発生した通信衛星の能力を完全に代替することはできない場合があります。不具合が生じた場合、対象衛星の軌道位置に予備衛星を再配置するためには1週間以上の期間を要する場合があります。また、再配置による燃料消費に伴い、当該予備衛星の耐用年数が短縮します。さらに、通常当該予備衛星1機が稼動している場合、他の通信衛星の機能を代替することはできないため、問題の生じた通信衛星の代替使用が開始されてから後継衛星が打ち上げられるまでの期間は、他通信衛星の更なる緊急事態への対応の為のバックアップ通信衛星を有しないことになります。・通信衛星調達に関するリスク 当社グループは、継続的に衛星通信サービスを維持・拡大するため、効率的に通信衛星を調達し打ち上げる必要があります。 通信衛星は、その製造及び打ち上げに際して多大なリスクを負っております。かかるリスクとは、製造遅延、打ち上げの失敗、商業上適切な運営を妨害する破壊、損傷や干渉、不正確な軌道配置等であります。 製造業者への発注から通信衛星の打ち上げ、運用開始までに必要な期間は約2~3年ですが、当社グループは通信衛星の耐久年限であると予測する時期を考慮し、後継衛星の製造を発注しております。衛星通信事業者の中には、打ち上げの失敗その他の遅延に備えてさらに早い時期に通信衛星の発注を行う事業者もありますが、当社グループは予備衛星を保有しているため、通常このような予防策を講じておりません。従って、何らかの事由により通信衛星の運用開始に遅延が生じ、加えて係る通信衛星を予備衛星が全面的にバックアップできない場合、当社グループは利益の喪失及び毀損若しくは潜在的な利用者の流出による競争上又は戦略上の優位性の喪失という形で、その事業に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、通信衛星の製造及び打ち上げを他の事業者に委託しております。通信衛星の製造事業者及び打ち上げ受注会社の数は世界的にも限定されているため、将来の必要時点までに通信衛星を製造させるように発注できず、あるいは予定している時点において通信衛星を打ち上げることができない場合があります。また、予定されている通信衛星の製造又は打ち上げが、製造業者又は打ち上げ受注会社の技術上その他の問題によって遅延した場合、かかる通信衛星の製造又は打ち上げを他の製造業者又は打ち上げ受注会社に委託することは、技術的な制約や、日程的・経済的に大きなインパクトが生ずることから、困難であります。 通常、当社グループの通信衛星調達においては、金額の上限はあるものの、製造業者より、納期遅延に関する損害賠償を部分的に受けられる条件、また可能な範囲で設計、資材、技量等の瑕疵に係る保証を受けられるような条件で、契約を締結しております。一方、当社グループが打ち上げ業務を委託する打ち上げ受注会社との契約の大半は、打ち上げ受注会社が自らの責めに帰すべき原因による打ち上げ遅延の責任を負わない契約となっております。 当社グループは、通信衛星の製造期間中に設計上その他の要因によって生じた予定外の支出を負担することがあります。・通信衛星への保険付保に関するリスク 当社グループは、通信衛星について打ち上げ時及び軌道上における運行時の2種類の保険契約を締結しております。 打ち上げ危険担保保険は、軌道上における初期段階の補償をも含んでおり、打ち上げ時点から、通常1年間有効となっております。この打ち上げ危険担保保険は、通信衛星の全部又は一部が損傷を受けた際に、通信衛星の再調達、その他修復に必要な費用を填補するものでありますが、損傷の度合いや原因その他の要因によっては、当社グループが代替衛星を再度発注し、打ち上げに要する費用の全額を補償できないことがあります。 打ち上げ受注会社の契約によっては、通信衛星が打ち上げロケットの不具合によって損壊したり、あるいは機能が低減した場合、打ち上げ受注会社が損失の程度に比例して費用の一部を返還するか、あるいは、通信衛星が全面的に損壊した場合には、無償で代替衛星の打ち上げを行う義務を負う場合があります。但し逸失利益その他の付随的な損失を打ち上げ危険担保保険の保険金及び打ち上げ受注会社の提供する当該保証で賄うことはできないため、当社グループは損失を全面的に填補されるわけではありません。なお、当社グループの保険調達先である宇宙保険市場環境の変動性が大きいことから、今後打ち上げられる通信衛星についても、当社グループの希望どおりの条件の打ち上げ保険を付保できるとは限りません。 また、当社グループは、打ち上げた通信衛星のそれぞれについて軌道上危険担保保険契約を締結しております。この保険は、打ち上げ保険が期間満了となった後に効力を生じます。かかる軌道上危険担保保険は、通信衛星の再調達費用ではなく帳簿価格を基準とした付保となります。さらにこの保険は、通信衛星の技術上の機能不全に起因して当社グループが負う第三者賠償責任や営業上の障害(特に、マーケット・シェアの低下、収益の喪失及び偶発的派生的損害を含む。)については填補しません。軌道上保険は通常1年毎に更新されますが、上述した宇宙保険市場の変動性に伴い、各更新時点で当社グループが希望するとおりの条件で更新・締結できるとは限りません。 当社グループの保険証券は、以下に起因する損失を填補致しません。 ・戦争、暴動、テロ等の行為 ・通信衛星を標的とする核兵器、レーザー兵器又は指向性エネルギー光線 ・政府による押収等の行為 ・宇宙環境で自然発生するもの以外の、核反応や放射線汚染等 ・無線周波数の妨害(但し物理的な損害を除く。) ・被保険者又はその下請業者の故意又は計画的不履行 ・収入の喪失 ・第三者に対する賠償責任③ 有料多チャンネル放送プラットフォームサービスについて・加入者獲得・維持に関するリスク 加入者の獲得及びその維持は、当社グループの収益拡大にとって重要な要素です。平成29年3月末において加入件数は3,320千件に達していますが、将来にわたって当社グループの計画どおりに加入件数が伸びる保証はありません。今後、コンテンツやプロモーションの強化、キャンペーンや代理店インセンティブの投入などの各種マーケティング施策にも関わらず、同様のコンテンツを提供するインターネット経由での動画配信サービス等、競合サービスの普及等により加入件数が増加しない等の事態になった場合、当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、有力コンテンツの放映権を継続獲得できなかったこと等により既存加入者の解約が想定以上に多く発生する場合、累計の加入件数の減少につながるため、当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。・放送事業者に関するリスク 当社グループのサービスにおいて、多数の放送事業者が放送サービスを提供しています。その中には財政状況の厳しい放送事業者も存在し、財政難等の原因による放送サービスの停止若しくは番組内容の質の低下、又は放送事業者の統廃合によるチャンネル数の減少があった場合、当社グループの経営成績等は悪影響を受ける可能性があります。 また、視聴料金の決定権は放送事業者が持っており、値下げによる加入者増の効果がない場合や、値上げにより加入者が減少した場合、当社グループの手数料収入が低下し経営成績等が悪化する可能性があります。 なお、放送事業者との間に締結する運用業務委託契約の有効期間は1年、3年又は5年となっており、契約条件の交渉不成立又は契約条件の悪化等によって、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。・システムに関するリスク 当社グループでは、スカパー!サービスにおける新規加入申込、契約チャンネルの変更、解約処理、請求、課金、など各種お客様情報・契約情報について大規模なシステムを使用して運用管理しております。 これらのシステムの管理にあたっては、情報のバックアップや適切なサーバの管理等により安定稼動の確保に必要な措置を講じておりますが、重大なシステム障害が発生した場合は、加入手続き等サービスの停止、放送事業者への影響、社会的信用の低下や不測のコスト負担等により、当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。・ICカードのセキュリティー等に関するリスク 当社グループが提供する有料多チャンネル放送「スカパー!」ではB-CASカードというICカードを利用しております。このB-CASカードを改ざんして有料放送を不正に視聴できるようにした改ざんB-CASカードの販売者が逮捕されております。 改ざんB-CASカードによる不正視聴は、有料多チャンネル放送全体の健全な普及拡大に多大な悪影響を及ぼすとともに当社グループの経営成績等にも悪影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループが提供する有料多チャンネル放送「スカパー!プレミアム」「スカパー!プレミアム光」はB-CASカードとは異なるICカードを利用しておりますが、同様の不正視聴が発生する可能性があります。 なお、当社グループはこれらの不正視聴に対し、有料放送事業者各社及びB-CASカードの所有者である㈱ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ等と連携し、損害賠償請求等の法的措置を含むあらゆる手段を講じて厳正に対処致します。
FY2016|5,232 文字
4【事業等のリスク】当社グループが将来の事業運営や財政状態に影響を及ぼす可能性があると認識している事項は、以下のとおりです。なお、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。① 経営全般について・事業に係わる法的規制について 当社グループの事業は、国内における衛星放送、並びに国内外における通信衛星の打ち上げ、運行及び商業利用に対して適用される現行の制度を変更するような法令等が新たに制定されることにより悪影響を被る可能性があります。当社グループは適用法令等に基づき事業を行っておりますが、現行の法令等が将来においても引き続き適用されるという保証はなく、またこれらに対して当社グループが悪影響を被るか、又は既存の事業の一定分野の停止を要求するような変更がなされないという保証もありません。・顧客個人情報管理システム及び個人情報の保護に関するリスク 当社グループは、当社グループが提供するサービスへの加入者情報をはじめとした顧客情報を専用システムにて管理しており、個人情報の保護については細心の注意を払っております。しかしながら、ハードウェア、ソフトウェアの不具合及び人為的ミスによるシステム障害や第三者による不正アクセス等により当社グループや取引先から顧客情報が流出した場合には、社会的信用の低下や不測のコスト負担等、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。・大規模災害による重大設備障害に関するリスク 当社グループは、通信衛星による有料多チャンネル放送を行う放送設備として、スカパー東京メディアセンターにプレイアウト設備、プラットフォーム設備及びアップリンク設備を有しています。今後、予期せぬ大規模災害等により、社屋やアップリンク設備の倒壊、これらに準ずる状態が発生した場合、当社グループは当該放送設備に関するフルバックアップ設備を有していないことから、当社グループの経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。 さらに当社グループは、通信衛星の衛星管制業務を行う設備並びに衛星通信サービスのハブ設備を、横浜衛星管制センター、スーパーバード茨城ネットワーク管制センター、スーパーバード山口ネットワーク管制センター、群馬衛星管制所の四つの拠点に保有しています。衛星管制については、このうち一拠点が休止しても業務に重大な支障を生じない設計になっておりますが、衛星通信サービスの一部については必ずしも他の拠点で完全に代替できないものがあることから、被災の状況によっては、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。② 衛星インフラについて・通信衛星の機能不全や運用能力低下に関するリスク 当社グループが保有する通信衛星は15年から20年程度と比較的長期にわたって使用されますが、軌道上で運行する通信衛星の修理を行うことが不可能であることから、製造上の瑕疵、欠陥部品、太陽活動に伴う磁気嵐、隕石等との衝突、過度の燃料消費、衛星管制上又は運行上の不具合その他の要因による機能不全又は運用能力低下の可能性があり、利用予定期間にわたる通信衛星の安全運用確保について施せる対応策は限られています。このような事態が生じた場合、当社グループの経営成績等に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは現在、緊急時専用に東経110度上に予備の通信衛星1機、その他の軌道上にも予備の通信衛星1機を保有しておりますが、本予備衛星は問題の発生した通信衛星の能力を完全に代替することはできない場合があります。不具合が生じた場合、対象衛星の軌道位置に予備衛星を再配置するためには1週間以上の期間を要する場合があります。また、再配置による燃料消費に伴い、当該予備衛星の耐用年数が短縮します。さらに、通常当該予備衛星1機が稼動している場合、他の通信衛星の機能を代替することはできないため、問題の生じた通信衛星の代替使用が開始されてから後継衛星が打ち上げられるまでの期間は、他通信衛星の更なる緊急事態への対応の為のバックアップ通信衛星を有しないことになります。・通信衛星調達に関するリスク 当社グループは、継続的に衛星通信サービスを維持・拡大するため、効率的に通信衛星を調達し打ち上げる必要があります。 通信衛星は、その製造及び打ち上げに際して多大なリスクを負っております。かかるリスクとは、製造遅延、打ち上げの失敗、商業上適切な運営を妨害する破壊、損傷や干渉、不正確な軌道配置等であります。 製造業者への発注から通信衛星の打ち上げ、運用開始までに必要な期間は約2~3年ですが、当社グループは通信衛星の耐久年限であると予測する時期を考慮し、後継衛星の製造を発注しております。衛星通信事業者の中には、打ち上げの失敗その他の遅延に備えてさらに早い時期に通信衛星の発注を行う事業者もありますが、当社グループは予備衛星を保有しているため、通常このような予防策を講じておりません。従って、何らかの事由により通信衛星の運用開始に遅延が生じ、加えて係る通信衛星を予備衛星が全面的にバックアップできない場合、当社グループは利益の喪失及び毀損若しくは潜在的な利用者の流出による競争上又は戦略上の優位性の喪失という形で、その事業に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、通信衛星の製造及び打ち上げを他の事業者に委託しております。通信衛星の製造事業者及び打ち上げ受注会社の数は世界的にも限定されているため、将来の必要時点までに通信衛星を製造させるように発注できず、あるいは予定している時点において通信衛星を打ち上げることができない場合があります。また、予定されている通信衛星の製造又は打ち上げが、製造業者又は打ち上げ受注会社の技術上その他の問題によって遅延した場合、かかる通信衛星の製造又は打ち上げを他の製造業者又は打ち上げ受注会社に委託することは、技術的な制約や、日程的・経済的に大きなインパクトが生ずることから、困難であります。 通常、当社グループの通信衛星調達においては、金額の上限はあるものの、製造業者より、納期遅延に関する損害賠償を部分的に受けられる条件、また可能な範囲で設計、資材、技量等の瑕疵に係る保証を受けられるような条件で、契約を締結しております。一方、当社グループが打ち上げ業務を委託する打ち上げ受注会社との契約の大半が、打ち上げ受注会社の責めに期すべき原因による打ち上げ遅延の責任を負わない契約となっております。 当社グループは、通信衛星の製造期間中に設計上その他の要因によって生じた予定外の支出を負担することがあります。・通信衛星への保険付保に関するリスク 当社グループは、通信衛星について打ち上げ時及び軌道上における運行時の2種類の保険契約を締結しております。 打ち上げ危険担保保険は、軌道上における初期段階の補償をも含んでおり、打ち上げ時点から、通常1年間有効となっております。この打ち上げ危険担保保険は、通信衛星の全部又は一部が損傷を受けた際に、通信衛星の再調達、その他修復に必要な費用を填補するものでありますが、損傷の度合いや原因その他の要因によっては、当社グループが代替衛星を再度発注し、打ち上げに要する費用の全額を補償できないことがあります。 打ち上げ受注会社の契約によっては、通信衛星が打ち上げロケットの不具合によって損壊したり、あるいは機能が低減した場合、打ち上げ受注会社が損失の程度に比例して費用の一部を返還するか、あるいは、通信衛星が全面的に損壊した場合には、無償で代替衛星の打ち上げを行う義務を負う場合があります。但し逸失利益その他の付随的な損失を打ち上げ危険担保保険の保険金及び打ち上げ受注会社の提供する当該保証で賄うことはできないため、当社グループは損失を全面的に填補されるわけではありません。なお、当社グループの保険調達先である宇宙保険市場環境の変動性が大きいことから、今後打ち上げられる通信衛星についても、当社グループの希望どおりの条件の打ち上げ保険を付保できるとは限りません。 また、当社グループは、打ち上げた通信衛星のそれぞれについて軌道上危険担保保険契約を締結しております。この保険は、打ち上げ保険が期間満了となった後に効力を生じます。かかる軌道上危険担保保険は、通信衛星の再調達費用ではなく帳簿価格を基準とした付保となります。さらにこの保険は、通信衛星の技術上の機能不全に起因して当社グループが負う第三者賠償責任や営業上の障害(特に、マーケット・シェアの低下、収益の喪失及び偶発的派生的損害を含む。)については填補しません。軌道上保険は通常1年毎に更新されますが、上述した宇宙保険市場の変動性に伴い、各更新時点で当社グループが希望するとおりの条件で更新・締結できるとは限りません。 当社グループの保険証券は、以下に起因する損失を填補致しません。 ・戦争、暴動、テロ等の行為 ・通信衛星を標的とする核兵器、レーザー兵器又は指向性エネルギー光線 ・政府による押収等の行為 ・宇宙環境で自然発生するもの以外の、核反応や放射線汚染等 ・無線周波数の妨害(但し物理的な損害を除く。) ・被保険者又はその下請業者の故意又は計画的不履行 ・収入の喪失 ・第三者に対する賠償責任③ 有料多チャンネル放送プラットフォームサービスについて・加入者獲得・維持に関するリスク 加入者の獲得及びその維持は、当社グループの収益拡大にとって重要な要素です。平成28年3月末において加入件数は3,482千件に達していますが、将来にわたって当社グループの計画どおりに加入件数が伸びる保証はありません。今後、コンテンツやプロモーションの強化、キャンペーンや代理店インセンティブの投入などの各種マーケティング施策にも関わらず、加入件数が増加しない等の事態になった場合、当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、既存加入者の解約が想定以上に多く発生する場合、累計の加入件数の減少につながるため、当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。・放送事業者に関するリスク 当社グループのサービスは、多数の放送事業者が放送サービスを提供しています。その中には財政状況の厳しい放送事業者も存在し、財政難等の原因による放送サービスの停止若しくは番組内容の質の低下、又は放送事業者の統廃合によるチャンネル数の減少があった場合、当社グループの経営成績等は悪影響を受ける可能性があります。 また、視聴料金の決定権は放送事業者が持っており、値下げによる加入者増の効果がない場合や、値上げにより加入者が減少した場合、当社グループの手数料収入が低下し経営成績等が悪化する可能性があります。 なお、放送事業者との間に締結する運用業務委託契約の有効期間は1年、3年又は5年となっており、契約条件の交渉不成立又は契約条件の悪化等によって、当社グループの経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。・システムに関するリスク当社グループでは、スカパー!サービスにおける新規加入申込、契約チャンネルの変更、解約処理、請求、課金、など各種お客様情報・契約情報について大規模なシステムを使用して運用管理しております。これらのシステムの管理にあたっては、情報のバックアップや適切なサーバの管理等により安定稼動の確保に必要な措置を講じておりますが、重大なシステム障害が発生した場合は、加入手続き等サービスの停止、放送事業者への影響、社会的信用の低下や不測のコスト負担等により、当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。・ICカードのセキュリティー等に関するリスク 当社グループが提供する有料多チャンネル放送「スカパー!」ではB-CASカードというICカードを利用しております。このB-CASカードを改ざんして有料放送を不正に視聴できるようにした改ざんB-CASカードの販売者が逮捕されております。 改ざんB-CASカードによる不正視聴は、有料多チャンネル放送全体の健全な普及拡大に多大な悪影響を及ぼすとともに当社グループの経営成績等にも悪影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループが提供する有料多チャンネル放送「スカパー!プレミアム」「スカパー!プレミアム光」はB-CASカードとは異なるICカードを利用しておりますが、同様の不正視聴が発生する可能性があります。 なお、当社グループはこれらの不正視聴に対し、有料放送事業者各社及びB-CASカードの所有者である㈱ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ等と連携し、損害賠償請求等の法的措置を含むあらゆる手段を講じて厳正に対処致します。