9302

三井倉庫ホールディングス(9302)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

倉庫・運輸関連業 運輸・物流

事業の概要

三井倉庫ホールディングスは、倉庫保管、港湾作業、運送、国際物流サービス、航空貨物輸送、3PL(Third Party Logistics)、サプライチェーンマネジメント支援など、多岐にわたる物流サービスを国内外で提供する「物流事業」と、ビル賃貸を中心とした「不動産事業」を展開しています。特に物流事業は、顧客の多様なニーズに応えるため、様々なサービスを有機的・効率的に組み合わせることで収益を上げています。子会社74社、関連会社7社からなる企業集団で、連結決算の対象会社は73の連結子会社と4社の持分法適用関連会社です。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

三井倉庫ホールディングスの事業は主に「物流事業」と「不動産事業」の二つのセグメントで構成されています。物流事業は、倉庫保管、港湾作業、運送、国際物流、航空貨物輸送、3PLなど、幅広い物流サービスを提供しており、売上2750.71億円、営業利益213.84億円と、同社の主要な収益源となっています。一方、不動産事業はビル賃貸業が中心で、売上56.71億円、営業利益21.61億円を上げています。物流事業は日本、北米、欧州、北東アジア、東南アジアを中心にグローバルに展開しており、国際的な事業活動が特徴です。

2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
LogisticsSegment 事業 2,751 214 7.8%
RealEstateSegment 事業 57 22 38.1%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|266 文字
3【事業の内容】 当社グループの企業集団は当社、子会社74社及び関連会社7社で構成され、その業務は倉庫保管・荷役、港湾作業・運送、海外における物流サービス・複合一貫輸送、航空貨物輸送、3PL、サプライチェーンマネジメント支援、陸上貨物運送等、様々な物流サービスを有機的・効率的に顧客に提供する物流事業とビル賃貸業を中心とする不動産事業であります。 当社は重要性の判断基準により、73社を連結子会社に、4社を持分法適用関連会社として組み込み、連結決算上の対象会社としております。これをセグメントとの関連で示せば、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
価格競争の激しいマーケットにおける収受料金の下落を招く可能性があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 設備
物流事業は労働集約型であり、デジタル化・装置産業化が進展しているため、大規模な設備投資が必要。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:経済環境の変化 / 公的規制の変化 / 業界構造の変化
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

長年の歴史と信頼に基づくブランド力は存在するが、特許や独占的IPは限定的。特定の港湾での長年の事業継続によるノウハウ蓄積は無形資産と言えるが、競争優位性は限定的。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

顧客は長年の取引実績や特定のサービスに依存しており、サプライチェーン全体に関わるため、他の倉庫・運輸業者への切り替えには時間とコストがかかる。特に、特殊な保管設備や共同配送網を利用している場合、スイッチングコストは高まる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ネットワーク効果はほとんど見られない。個々の顧客との取引が中心であり、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高める構造ではない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

規模の経済によるコスト削減効果はある程度期待できるが、競合他社も同様の設備投資を行っており、構造的なコスト優位性は限定的。燃料費や人件費の変動リスクは存在する。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

国内主要港湾における広範な倉庫網と物流ネットワークを有しており、業界内でも有数の規模を誇る。これにより、効率的な物流オペレーションと多様な顧客ニーズへの対応が可能となっている。特に、国際物流におけるハブ機能は強み。

同社の強みは、倉庫保管から国際輸送、サプライチェーンマネジメント支援まで、フルスペックの物流サービスを国内外で提供できる点にあります。これにより、顧客の複雑な物流課題に対し、グループ連携を強化したソリューション提案を通じて他社との差別化を図っています。また、IoT、AI、ロボティクスといった次世代テクノロジーを積極的に導入し、業務プロセスの見える化・標準化を進めることで物流品質の向上と効率化を図り、圧倒的な「現場力」を構築しています。さらに、首都圏に主要物件を持つ不動産事業も安定収益源となっています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月23日)現在において当社グループが判断したものであります。 当社グループは、事業環境が急速に変化する状況下において更なる飛躍を遂げ、持続的な成長を果たしていくためには、企業グループとしての存在意義を見つめ直す必要があるとの認識から、2022年5月に『グループ理念(PURPOSE、VISION、VALUES)』を制定しております。また、事業活動を通じて新しい価値を創出し、当社グループと社会の持続的成長を実現することを目的にマテリアリティを特定しており、これと連動する『中期経営計画2022』(2023年3月期~2027年3月期)を策定しております。 <グループ理念>グループ理念を経営の最上位概念として位置付けた上で、本グループ理念のもとで特定したマテリアリティや中期経営計画に取り組むことで、中長期的な企業価値向上を図るとともに持続可能な社会を築き、ステークホルダーの皆様と社会の期待に応えてまいります。 <マテリアリティ>当社グループのマテリアリティは、「価値創造の基盤維持・強化」に基づく6つのマテリアリティと、それらを通じて「企業価値・社会価値の創造」を実現する2つのマテリアリティの計8項目で構成されています(下記図①~⑧)。特定したマテリアリティそれぞれにKPIを設定しており、取締役会監督のもと各担当組織が取り組みを実施することで、サステナビリティ推進と経営の一体化による企業価値の向上を目指してまいります。 <中期経営計画2022>『中期経営計画2022』は、一気通貫の統合ソリューションサービスの構築、圧倒的な現場力の構築、ESG経営の推進など、従来より取り組んできた施策を「深化」させることで、持続的成長の実現を目指しております。本中期経営計画の5年間では、お客様から信頼されるファーストコールカンパニーとして、以下の成長戦略の柱のもと積極的な投資を行うとともに株主還元も強化してまいります。 成長戦略① グループ総合力結集によるトップライン成長当社独自のビジネスモデルである統合ソリューションサービスの深化、競争優位性のある提案力と実行力を備えたサステナビリティ対応ビジネスの拡大、グループの幅広い顧客基盤と各物流機能を最大限に活用した業際業務の深掘を推進します。 ② オペレーションの競争力強化徹底した標準化への取り組みを深化させることで、人の力とテクノロジーの力を融合した「圧倒的な現場力」を実現します。業務品質の向上による競争優位性を確保し、更にはオペレーションのローコスト化による収益性向上を目指します。 ③ 深化を支える経営基盤の構築以下の4つの側面から経営基盤の強化を図ります。 DX      ビジネスモデルの変革や企業風土の改革 共創     イノベーションを生み出す仕組みづくりや各種プラットフォーマーとの提携強化 事業アセット オフィスビル/物流施設の新規開発、既存施設の資産価値向上、職場環境の改善 ESG      脱炭素社会実現への取組み強化、人的資本への投資拡充、ガバナンスの強化 財務戦略    ・総額1,300億円の投資を実施-DX投資、新規設備投資(物流/不動産)、M&Aなど成長領域への戦略投資に1,000億円-通常投資(既存施設の維持/更新投資)に300億円・配当性向30%を基準とした株主還元の強化・最適D/Eレシオ1.0倍を基準とした調達と運用・高水準な資本効率の継続を目指し、ROE12%超を目標に設定 数値目標(2027年3月末)営業収益3,500億円営業利益230億円営業キャッシュ・フロー300億円
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月23日)現在において当社グループが判断したものであります。 当社グループは、事業環境が急速に変化する状況下において更なる飛躍を遂げ、持続的な成長を果たしていくためには、企業グループとしての存在意義を見つめ直す必要があるとの認識から、2022年5月に『グループ理念(PURPOSE、VISION、VALUES)』を制定しております。また、事業活動を通じて新しい価値を創出し、当社グループと社会の持続的成長を実現することを目的にマテリアリティを特定しており、これと連動する『中期経営計画2022』(2023年3月期~2027年3月期)を策定しております。 <グループ理念>グループ理念を経営の最上位概念として位置付けた上で、本グループ理念のもとで特定したマテリアリティや中期経営計画に取り組むことで、中長期的な企業価値向上を図るとともに持続可能な社会を築き、ステークホルダーの皆様と社会の期待に応えてまいります。 <マテリアリティ>当社グループのマテリアリティは、「価値創造の基盤維持・強化」に基づく6つのマテリアリティと、それらを通じて「企業価値・社会価値の創造」を実現する2つのマテリアリティの計8項目で構成されています(下記図①~⑧)。特定したマテリアリティそれぞれにKPIを設定しており、取締役会監督のもと各担当組織が取り組みを実施することで、サステナビリティ推進と経営の一体化による企業価値の向上を目指してまいります。 <中期経営計画2022>『中期経営計画2022』は、一気通貫の統合ソリューションサービスの構築、圧倒的な現場力の構築、ESG経営の推進など、従来より取り組んできた施策を「深化」させることで、持続的成長の実現を目指しております。本中期経営計画の5年間では、お客様から信頼されるファーストコールカンパニーとして、以下の成長戦略の柱のもと積極的な投資を行うとともに株主還元も強化してまいります。 成長戦略① グループ総合力結集によるトップライン成長当社独自のビジネスモデルである統合ソリューションサービスの深化、競争優位性のある提案力と実行力を備えたサステナビリティ対応ビジネスの拡大、グループの幅広い顧客基盤と各物流機能を最大限に活用した業際業務の深掘を推進します。 ② オペレーションの競争力強化徹底した標準化への取り組みを深化させることで、人の力とテクノロジーの力を融合した「圧倒的な現場力」を実現します。業務品質の向上による競争優位性を確保し、更にはオペレーションのローコスト化による収益性向上を目指します。 ③ 深化を支える経営基盤の構築以下の4つの側面から経営基盤の強化を図ります。 DX      ビジネスモデルの変革や企業風土の改革 共創     イノベーションを生み出す仕組みづくりや各種プラットフォーマーとの提携強化 事業アセット オフィスビル/物流施設の新規開発、既存施設の資産価値向上、職場環境の改善 ESG      脱炭素社会実現への取組み強化、人的資本への投資拡充、ガバナンスの強化 財務戦略    ・総額1,300億円の投資を実施-DX投資、新規設備投資(物流/不動産)、M&Aなど成長領域への戦略投資に1,000億円-通常投資(既存施設の維持/更新投資)に300億円・配当性向30%を基準とした株主還元の強化・最適D/Eレシオ1.0倍を基準とした調達と運用・高水準な資本効率の継続を目指し、ROE12%超を目標に設定 数値目標(2027年3月末)営業収益3,500億円営業利益230億円営業キャッシュ・フロー300億円
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月23日)現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(単位:百万円)連結合計2024年3月期2025年3月期前期比増減率営業収益260,593280,74220,1487.7%営業利益20,75417,831△2,922△14.1%経常利益21,01018,037△2,972△14.1%親会社株主に帰属する当期純利益12,10710,040△2,067△17.1% ・主に航空貨物輸送の物量が堅調に推移したこと、また新規物流拠点の業務開始による収益貢献が本格化したことにより、前期比増収となりました。・一方、不動産事業では、主要ビルのマルチテナント化に伴う一時的な空室の発生により、前期比減益となりました。  セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。(イ)物流事業(単位:百万円)物流事業2024年3月期2025年3月期前期比増減率営業収益251,817275,07123,2549.2%営業利益19,42221,3841,96210.1% 事業環境:当社を取り巻く事業環境は次のとおりであります。・国際輸送の荷動きについては、自動車関連を中心に航空輸送の物量が堅調に推移しております。国内では電化製品や半導体関連を中心として堅調に推移しております。・海上運賃は、紅海情勢の長期化等により前期比高水準で推移いたしました。航空運賃については、前期比概ね横ばいで推移いたしました。 営業の状況:当社の営業活動の状況は次のとおりであります。・自動車関連の航空輸送の物量が堅調に推移し、取扱が増加いたしました。・海外における自動車部品物流、国内におけるハイファッション物流、半導体物流、EC物流といった新規業務により取扱が増加いたしました。・原価上昇への対応として、国内トラック輸送における積載効率向上に取り組み、収受料金の適正化もおこないました。 (ロ)不動産事業(単位:百万円)不動産事業2024年3月期2025年3月期前期比増減率営業収益9,5926,712△2,879△30.0%営業利益5,9422,161△3,780△63.6% 事業環境:当社を取り巻く事業環境は次のとおりであります。・東京ビジネス地区の既存オフィス物件の平均空室率は低下し、また平均賃料は微増となりました。 営業の状況:当社の営業活動の状況は次のとおりであります。・当社所有のMSH日本橋箱崎ビルにおけるマルチテナント化に伴う一時的な空室の発生により前期比減収減益となりました。  当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。(単位:百万円)連結合計2024年3月期2025年3月期前期末比増減率自己資本109,908117,1787,2706.6%総資産263,543280,37416,8306.4%自己資本比率41.7%41.8%+0.1ポイント0.2%有利子負債83,26587,6154,3495.2%D/Eレシオ0.760.75△0.01△1.3% ・自己資本が増加した要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上と、保有株式の株価上昇にともなう有価証券評価差額金の増加によるものであります。・総資産が増加した要因は、主にMSH日本橋箱崎ビルのバリューアップ工事の実施に伴う固定資産の増加によるものであります。・有利子負債が増加した要因は、銀行借入によるものであります。・D/Eレシオが1.0倍を下回る状態であるのは、今後の戦略投資実行に備えているものであります。 『中期経営計画2022』における経営上の数値目標の達成状況 目標(2027年3月末)実績(2025年3月末)営業収益3,500億円2,807億42百万円営業利益230億円178億31百万円営業活動によるキャッシュ・フロー300億円219億1百万円ROE12%超8.8% 当社グループは、2027年3月期を最終年度とする5ヵ年計画『中期経営計画2022』を策定しております。目標達成に必要な対応につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。  ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(単位:百万円)連結合計2024年3月期2025年3月期前期比現金及び現金同等物の期首残高33,41730,876-営業活動によるキャッシュ・フロー23,17621,901△1,274投資活動によるキャッシュ・フロー△10,477△15,596△5,119財務活動によるキャッシュ・フロー△17,068△2,62714,441現金及び現金同等物の期末残高30,87634,652-  当期のキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。・営業活動によるキャッシュ・フローの主な内訳は、税金等調整前当期純利益、および、減価償却費の計上による資金留保であります。・投資活動によるキャッシュ・フローの主な内訳は、MSH日本橋箱崎ビルのバリューアップ工事の実施による支出や、DX戦略に基づくソフトウェア投資、及び既存物流施設の維持更新投資であります。・財務活動によるキャッシュ・フローの主な内訳は、配当金の支払であります。  当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりであります。 (イ)契約債務 2025年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。 年度別要支払額(百万円)契約債務合計1年以内1年超2年内2年超3年内3年超4年内4年超5年内5年超短期借入金6,4706,470-----長期借入金59,1367,09612,0525,42515,1542,24817,159社債16,000--6,000-10,000-リース債務6,0081,5601,0297926616121,351  当社グループの第三者に対する保証は、従業員に対する銀行の住宅ローンに関する債務保証などです。保証した借入金の債務不履行が保証契約期間に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があります。2025年3月31日現在、当社グループの債務保証に基づく将来における潜在的な要支払額の合計額は9百万円であります。 このほか、 一部の物流施設の調達をオペレーティング・リース取引によって行っており、解約不能のものに係る未経過リース料は447億19百万円であります。そのうち166億54百万円相当については、契約期間及び契約面積が一致する転貸リース契約等を別途締結している顧客から、賃貸料として収受されます。  (ロ)財務政策 当社グループは、運転資金及び設備資金については、内部資金や社債及び借入により調達することとしております。借入による調達のうち、運転資金については期限が1年以内の短期借入金であり、当社及び一部の子会社が調達しております。これに対し、倉庫施設などの長期資金は、社債及び長期借入金で調達しております。2025年3月31日現在、長期借入金の残高は591億36百万円であり、無担保普通社債の残高は160億円であります。また、当社グループは、グループ会社が保有する資金をグループ内で効率よく活用するため、キャッシュマネジメントシステムを構築し運用しております。 当社グループは、営業キャッシュ・フローに加え、当座借越契約、コミットメントライン契約を締結し資金流動性を確保しており、当社グループの成長を維持するために必要な運転資金及び設備資金を調達することが可能と考えております。 『中期経営計画2022』における財務戦略については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、最適DEレシオ1.0倍を財務規律とし、適切な財務レバレッジのもとで積極的な投資と株主還元強化の両立を目指します。 投資については、設備の維持更新等の通常投資に加え、DXや新規設備投資、M&Aなど成長領域への戦略投資を積極的に行ってまいります。 株主還元については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおり、連結配当性向30%を基準とする業績に連動した機動的な配当を実施する方針です。 また、経営指標としてROEを設定し、目標数値を12%超とすることで、現在の高水準な資本効率の維持を目指してまいります。  ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に係る会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況」に記載しております。当社経営陣は連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び評価を行わなければなりません。経営陣は、棚卸資産、貸倒れ、有価証券、有形固定資産、のれんを含む無形固定資産、法人税等、繰延税金資産、財務活動、退職給付、偶発事象、訴訟等に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。経営陣は、過去の実績や現在の状況に応じ、合理的と考えられる基準・要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数値についての判断基礎となります。ただし、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、当期の連結財務諸表を作成するにあたり、有形固定資産、のれんを含む無形固定資産等については、会計上の見積りを行う上で将来キャッシュ・フロー、資産の回収可能性等を検討するにあたり、入手可能な外部の情報等に基づき見積りを行っております。 ④ 生産、受注及び販売の実績 当社グループは、倉庫保管・荷役、港湾作業、国内運送及び国際輸送等の物流の各機能を有機的・効率的に顧客に提供する物流事業並びにビル賃貸業を中心とする不動産事業で構成されており、以下の2つを報告セグメントとしております。・「物流事業」…倉庫保管・荷役、港湾作業・運送、海外における物流サービス・複合一貫輸送、航空貨物輸送、3PL、サプライチェーンマネジメント支援業務、陸上貨物運送等、様々な物流サービスを提供しております。・「不動産事業」…ビル賃貸業を中心としたサービスを提供しております。 役務の提供を主体とする事業の性格上、生産、受注及び販売の実績を区分して把握することは困難でありますので、これに代えて、セグメント毎の主要業務の営業収益及び取扱高等を示すと、次のとおりであります。(イ)セグメント毎の主要業務の営業収益セグメント営業収益(百万円)前連結会計年度比増減 前連結会計年度(自 2023年4月1日  至 2024年3月31日) 当連結会計年度(自 2024年4月1日  至 2025年3月31日) 増減額(百万円) 比率(%)物流事業 (倉庫保管)37,68038,9981,3183.5(倉庫荷役)33,17838,5195,34016.1(港湾作業)16,85416,548△306△1.8(運送)119,707133,58113,87411.6(その他)44,39647,4233,0276.8計251,817275,07123,2549.2不動産事業 (不動産賃貸)9,5926,712△2,879△30.0計9,5926,712△2,879△30.0セグメント間取引消去△816△1,041△225-合計260,593280,74220,1487.7    (注) セグメント間の内部振替前の数値によっております。 (ロ)セグメント毎の主要業務の取扱高等セグメントの名称業務の種類取扱高等区分   前連結会計年度 (自 2023年4月1日  至 2024年3月31日)   当連結会計年度 (自 2024年4月1日  至 2025年3月31日)物流事業倉庫保管国内平均保管残高(千トン)453435国内貨物回転率(%)26.626.5所管面積(千㎡)1,2111,243倉庫荷役国内入庫高(千トン)1,4311,386国内出庫高(千トン)1,4591,378港湾作業CT作業取扱高(TEU)930,979979,440運送(国内運送)   国内コンテナ運送取扱高(本数)161,123186,775(国際運送NVOCC)   取扱高(TEU)54,99059,330(陸上貨物運送)  貸切輸送(千トンキロ)523,840511,573  取扱数量(千個)32,45632,262(航空貨物輸送)  取扱高(トン数)33,34837,453(3PL)   取扱個数(千個)99,87891,415(サプライチェーンマネジメント支援)  販売物流入出庫高(千㎥)315.5258.2不動産事業不動産賃貸賃貸面積(千㎡)161134 (注) 貨物回転率=(年間入庫高+年間出庫高)×1/2× 100月末保管残高年間合計 (2) 次期の見通しⅰ 全般の見通し(単位:百万円)連結合計2025年3月期実績2026年3月期予想前期比増減率営業収益280,742294,00013,2574.7%営業利益17,83120,0002,16812.2%経常利益18,03719,5001,4628.1%親会社株主に帰属する当期純利益10,04010,2001591.6% ⅱ セグメント別の営業利益の見通し(単位:百万円)セグメント別営業利益2025年3月期実績2026年3月期予想前期比増減率物流事業21,38422,8001,4156.6%不動産事業2,1613,5001,33861.9%全社費用・消去△5,715△6,300△584-連結合計17,83120,0002,16812.2% ・物流事業の荷動きが底を打ち徐々に取扱量が上向くこと、加えて新規業務の拡大を見込み、増収を計画しております。・航空輸送については、堅調な物量を計画し、航空運賃も安定的な横ばい推移を見込んでおります。・為替の変動、労働力不足、資源価格の高止まり等を背景とした各種原価の上昇圧力が引き続き想定される事から、物流拠点運営や輸配送の効率化・作業効率化や適正料金収受の取組による収益性改善に取り組む方針であります。・不動産事業は、主に、マルチテナント化したMSH日本橋箱崎ビルへの新規テナント入居により、増収増益の見通しとなっております。・全社費用としてDX投資の実行に伴う費用等の発生や、人的資本投資のための戦略的費用増を見込んでおります。・米国の関税政策による業績への影響は現時点で見積ることが困難であり、業績予想には織り込んでおりません。今後の政策動向次第では業績予想が変動する可能性があり、修正の必要が生じた場合には速やかに開示いたします。

事業リスク

主なリスクとして、世界経済の景気後退や社会情勢の不安定化による荷動きの減少、および不動産市場の需給バランス悪化が挙げられます。また、事業を展開する各国での法規制の変更や、少子高齢化に伴う労働人口減少による人的リソース不足、デジタル化の進展による異業種参入のリスクがあります。さらに、国際事業における為替レートの変動や金利変動、気候変動などのESG課題への対応の遅れ、地震や感染症などの災害発生、サイバー攻撃によるシステム障害、情報漏洩のリ脅威も事業に影響を与える可能性があります。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,728 文字
3【事業等のリスク】 当社グループは、日本、北米、欧州、北東アジア、東南アジアを中心に物流事業を行い、また日本において不動産事業を行っておりますが、これらの事業活動に影響を及ぼす可能性があると考えられる主なリスクには、以下のようなものがあります。 なお、下記は当社グループの事業その他に関し、有価証券報告書提出日(2025年6月23日)現在において予想される主なリスクを具体的に例示したものであり、ここに記載されたものが当社グループの全てのリスクではありません。 (1) 経済環境の変化 当社グループの主たる事業である物流事業において、荷動きは、世界各国の景気動向の影響を受け、また社会情勢の不安定化によって影響を被る可能性があります。特に、主要な輸出入国である北米、欧州、日本、中国及び東南アジアの景気後退及びそれに伴う需要の縮小は、在庫の減少、域内運送の減少、国際間輸送の減少や価格競争の激しいマーケットにおける収受料金の下落を招く可能性があります。 また、不動産事業においては、主な物件が首都圏に位置しており、特に首都圏の賃貸オフィス市場の需給バランスや市況動向の影響を受ける可能性があります。(2) 公的規制の変化 当社グループは、事業を展開しております各国において、事業・投資の許可を始め、保管、作業、運送、通商、独占禁止、租税、為替管理、気候変動、環境、各種安全管理等の法的規制の適用を受けております。これらの規制を遵守するためコスト増加となる可能性があります。また、遵守できなかった場合は、当社グループの活動が制限され、事業及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。(3) 業界構造の変化 国内における少子高齢化に伴う労働人口の減少等に起因し、産業界全体においてサプライチェーンを維持するために必要な人的リソースの不足が深刻化しており、これを背景にIoT、AI、ロボティクスといった次世代テクノロジーの利用が拡大しております。労働集約型である我々物流業においては、デジタル化・装置産業化が進展する中で、業種間の垣根が低くなり、異業種の参入を招くリスクがあると認識しておりますが、その一方で、機械と人の融合による「現場力」、お客様のサプライチェーンの高度化に資する「ソリューション提案力」、さらには、それを支える「人材」の重要性についても強く認識しております。 当社グループでは、圧倒的な現場力の構築をすべく、業務プロセスの見える化、標準化を進めることで物流品質の改善、底上げを図り、その上でIoT、AI、ロボティクスといった次世代テクノロジーを利用した省力化、省人化にも積極的に取り組んでおります。また、グループ連携を強化し、フルスペックの物流サービスによりお客様のサプライチェーンにおける課題解決に向けたソリューション提案を通じて他社との差別化を図っております。それらを下支えする人材については、「経営戦略を実行する人員体制の確立」「人材価値の最大化」を狙う人材戦略のもと、継続的かつ積極的な採用活動や、教育研修、従業員のモチベーション向上に取り組んでおります。それにもかかわらず、一連の取り組みが計画通り進捗しないことで、他社に対する優位性が低下した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。(4) 為替レートの変動 当社グループの物流事業の売上のうち、国際間輸送では、US$建ての海上運賃、航空運賃が多くを占めております。従いまして、円建ての連結損益計算書では、円高は売上高の減少となります。 また、海外の連結子会社の売上高、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表作成のために円貨換算されております。換算時の為替レートにより、これらの項目は元の現地通貨による価値が変わらなかったとしても、計上する円貨換算額が変動する可能性があります。(5) 金利の変動 当社グループは、物流という社会インフラを支える企業の使命として、安定的に事業を継続するために、必要な設備の新規投資や更新を行っております。有利子負債の適正水準維持に努めるとともに、必要な設備資金及び運転資金は主として外部借入により調達しております。 固定金利による長期の安定的な資金調達を行っておりますが、金利の変動により、将来の資金調達コストが影響を受ける可能性があります。(6) ESGの重要性の高まり 気候変動をはじめとする環境・人権などのESGに関する課題への対応の関心は、年々高まっております。これらの課題への取り組みが遅れた場合や対応を誤った場合には、レピュテーションの低下や投資対象からの除外など、当社グループの持続的成長に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、「物流」という重要な社会インフラを支える企業として、ESGに関する課題に積極的に対応していくことが不可欠であると認識しており、グループ理念に基づき、「企業価値・社会価値の創造」、「価値創造の基盤維持・強化」という2つの枠組みで、中長期的に優先して取り組む8つのマテリアリティを特定し、それぞれにKPIを定めています。マテリアリティは、「企業価値・社会価値の創造」を実現するための2つのマテリアリティ『持続可能で強靭な物流インフラの提供』『社会課題解決につながる共創を通じたサービス・事業の創出』と、これらを持続的に推進するために必要な様々な経営基盤の維持・強化を実現する「価値創造の基盤維持・強化」の6つのマテリアリティ『人的資本経営の推進』『DXの推進』『安全・高品質な物流事業の追求』『気候変動対応・資源循環の推進』『人権の尊重』『ガバナンスの高度化』から構成されます。 当社グループは、これらのマテリアリティに基づき、ESGに関する課題への対応を経営の重要課題として位置づけ、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指してまいります。(7) 災害や社会インフラの障害等の発生 当社グループでは、災害、戦争、テロ、感染症、その他の要因による社会的混乱の発生等に備えて損害を最小限に留めるために、日常点検・整備の実施、発生時の対応マニュアルの作成・更新、事前の訓練等必要な措置を講じておりますが、地震、風水害等の災害の発生、あるいは停電、通信回線の不通等の障害の発生による被害を完全に防止できる保証はありません。これらの被害が発生した場合、業績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。 また、当社グループは、情報システム技術を利用して、顧客に物流情報等を提供しておりますが、災害、障害、あるいは事故、犯罪等の発生により、これらの情報提供サービスに支障が発生する可能性があります。(8) 国際的活動及び海外進出に潜在するリスク 当社グループは、北米、欧州、中国を始めとする北東アジア及び東南アジア、南アフリカ、南米で事業活動を行っておりますが、これらの地域への進出には以下に掲げるようなリスクが内在しております。① 予期できない法律または規制の変更② 事業活動に不利な政治または経済要因の発生③ 未整備な社会インフラによる影響④ 税制等の変更⑤ 災害、戦争、テロ、感染症、その他の要因による社会的混乱(9) システムに関するリスク 当社グループは、物流サービスを、より高品質で、より効率的に提供すべく、事業運営のシステム化を積極的に推進しておりますが、システムの高度化、各システム相互間の接続や通関性増加、あるいは社会一般的にサイバー攻撃が増加・巧妙化している中で、システム障害に関するリスクは年々高まっており、当該リスクを防止・低減させることも益々重要になっております。 このような状況に対して当社グループは、持株会社にグループ全体のシステム運営・管理を担う専門組織である情報システム部を設置し、システム障害発生を防止するとともに、障害発生時にはその影響を低減しつつ早期に復旧させられるよう、包括的・多面的なシステム運用体制を構築しています。また、社員教育の強化やシステム障害発生対応訓練の実施等、ソフト面での対応強化も行っております。 それにもかかわらず、社内要因(自社要因)、あるいはサイバー攻撃等の社外要因によりシステム障害が発生した場合には、物流サービスを提供することが困難となる可能性があります。(10) 情報漏洩に関するリスク 当社グループは、事業活動を通じて取引先の機密情報やお客様の個人情報を保持しておりますが、情報全般の取り扱いに関する社会的な意識の高まりや、各国政府等によって定められる関連法規の強化等を踏まえれば、当リスクに適切に対処する必要性は一層高まっております。 当社グループでは、情報資産の保護、管理に関して、情報セキュリティ委員会を設置して情報漏洩防止、外部ネットワークからの不正侵入の防止等に関わる全社的対応策を実施しております。また、グループ全体のシステムを対象に継続的な点検を行い、システムの脆弱性を早期に検出して対応する等、情報漏洩を未然に防ぐ対応を実施しております。 しかしながら、情報が不正に外部流出した場合には、損害賠償請求を受けたり、各国政府から制裁金や課徴金の支払いを命じられたり、あるいは顧客や社会からの信用・信頼が失墜して競争力が低下するといった可能性があります。 (11) 保有資産の時価の変動 保有資産の時価が大幅に下落し、かつ当該資産から十分なキャッシュ・フローが見込めない場合には、減損が発生する可能性があります。 また、投資有価証券に関しましても、市場価格のない株式等以外のものにつきましては時価が30%以上下落した場合に減損計上し、市場価格のない株式等につきましては当該会社の実質価額が50%以上下落し、かつ回復可能性が見込めない場合に減損処理しておりますので、将来の株式市場の変化または投資先の財務状況の悪化により減損が発生する可能性があります。(12) 退職給付債務 当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は退職給付債務については即時に認識され、退職給付費用は将来にわたって規則的に認識されるため、将来の費用に影響を及ぼします。 また、当社は、退職給付会計が導入された2001年3月期に退職給付信託の設定を行っており、毎期末の信託している株式の時価の変動により発生する数理計算上の差異につきましても、退職給付債務は即時に認識され、退職給付費用は将来にわたって規則的に認識されております。 従いまして、割引率の低下、運用利回りの悪化、あるいは信託株式の時価の低下は、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。(13) 固定資産の減損 当社グループは、有形・無形の固定資産を所有しております。 これらの資産については、その価値が下落した場合や期待通りの将来キャッシュ・フローが見込めない状況となった場合、減損処理が必要となり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。(14)借入金の財務制限条項 当社グループの借入金の一部については、シンジケートローン契約を締結しております。当該契約には、融資契約上の債務について期限の利益を喪失する財務制限条項が定められており、これに抵触した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

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