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KPPグループホールディングス(9274)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

卸売業 商社・卸売

事業の概要

KPPグループホールディングスは、王子製紙や日本製紙などの大手製紙会社から紙類を仕入れ、国内外に販売することを主な事業としています。子会社100社、関連会社7社からなるグループで、紙類の販売のほか、不動産の賃貸業や紙製品の加工業も営んでいます。特に海外での事業展開が広く、連結売上高の61.7%を海外が占めており、国際的な紙・パルプの流通を主要な収益源としています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

KPPグループホールディングスの事業セグメントは、主に「北東アジア」「欧州/米州」「アジアパシフィック」の3つの地域別事業と「不動産賃貸」で構成されています。北東アジア、欧州/米州、アジアパシフィックでは、紙、板紙、パルプ・古紙、その他関連物資の販売を行っています。特に欧州/米州セグメントは売上2984.6億円、営業利益77.57億円と最も高い営業利益を上げており、グループの稼ぎ頭となっています。アジアパシフィックも売上664.28億円、営業利益30億円と堅調です。不動産賃貸事業は売上15.04億円、営業利益6.02億円で、安定した収益源となっています。

2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
NortheastAsia 地域 3,036 29 1.0%
EuropeAmericas 地域 2,985 78 2.6%
AsiaPacificReportableSegment 地域 664 30 4.5%
LeasingRentingOfRealEstate 事業 15 6 40.0%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|882 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、子会社100社(国内12社、海外88社)及び関連会社7社(国内6社、海外1社)により構成されており、王子製紙㈱、日本製紙㈱等の大手製紙会社等より仕入れた紙類を国内外に販売することを主要業務とし、ほかに不動産の賃貸業、紙製品の加工業等を営んでおります。当社は特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、次の3事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。事業区分主な業務主な関係会社北東アジア紙、板紙、パルプ・古紙、その他関連物資の販売国際紙パルプ商事㈱、大同紙販売㈱、むさし野紙業㈱、KPP ロジスティックス㈱、慶真紙業貿易(上海)有限公司、DaiEi Papers Taiwan Co., Ltd.、ANTALIS (HONG KONG) LIMITED、DaiEi Papers Korea Company Limited欧州/米州紙、板紙、その他関連物資の販売Antalis S.A.S.、Antalis France、Antalis Ltd、Antalis Gmbh、Antalis Verpackungen Gmbh、Antalis AG、Lovepac Inc.、Antalis Chile SpAアジアパシフィック紙、板紙、パルプ・古紙、その他関連物資の販売Spicers Limited、Spicers Australia Pty Ltd、Spicers(NZ)Limited、KPP ASIA-PACIFIC PTE. LTD.、KPP-ANTALIS(SINGAPORE) PTE. LTD.、Signet Pty Ltd不動産賃貸不動産の賃貸当社 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
適正な利潤を確保するため、販売先との価格交渉を継続的に行っているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ネットワーク
王子ホールディングス株式会社及び日本製紙株式会社のグループ会社との代理店指定に係る基本契約書
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:カントリーリスク / 競争力/業績(海外投資) / サプライチェーンマネジメント(主要取引先への依存等)
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

KPPグループホールディングスは卸売業であり、特許やブランド力、規制ライセンスといった明確な無形資産による競争優位性は見られない。主要な競争優位性は、長年の事業活動で培われたノウハウや顧客との関係性に起因すると考えられるが、数値化・定量化できる無形資産は確認できない。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

KPPグループは、自動車補修部品・用品の専門商社として、整備工場やカーディーラーとの長年の取引関係を築いている。これらの顧客は、部品の品質、納期、品揃え、技術サポートなどを総合的に評価して取引先を選定しており、取引先の変更には一定のコスト(情報収集、評価、切り替え手続き等)が発生する可能性がある。しかし、部品の汎用性や競合他社の存在から、スイッチング・コストは限定的と考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

卸売業であるKPPグループのビジネスモデルにおいて、ネットワーク効果は基本的に見られない。プラットフォーム型ビジネスとは異なり、顧客やサプライヤーが増加しても、それ自体がサービスや製品の価値を直接的に高める構造ではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

自動車補修部品・用品の卸売業において、効率的な物流網の構築や仕入れ交渉力がコスト競争力に影響を与える可能性がある。KPPグループは長年の事業経験から一定の効率性を有していると考えられるが、業界全体として価格競争が激しく、構造的なコスト優位性を確立しているとは言えない。競合他社も同様の効率化を図っている可能性が高い。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

KPPグループは、自動車補修部品・用品の専門商社として、国内有数の規模を誇る。広範なサプライヤーネットワークと、全国に展開する販売・物流網を活かし、多様な顧客ニーズに対応できる品揃えと迅速な供給体制を構築している。この規模の経済性は、中小規模の競合他社に対して一定の優位性をもたらし、効率的な事業運営を可能にしている。

KPPグループホールディングスは、国内外に広がる強固な販売ネットワークと、大手製紙会社からの安定した仕入れ基盤を優位性としています。世界各国に事業を展開し、特定の国に偏らない販路拡大とリスク分散に努めることで、カントリーリスクを低減しています。また、海外投資を通じて事業ポートフォリオを改革し、持続的な成長を目指す戦略は、新たな市場機会の獲得と競争力の強化に繋がっています。多様な仕入先の開拓や事業領域の拡大により、サプライヤーへの依存リスクを軽減し、安定した事業運営を図っています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針当社は、グループ社員全員が共有し、すべての活動の基本となる理念体系として「KPPグループウェイ」を定めています。「KPPグループウェイ」は「ミッション」「ビジョン」「バリュー」の3層から形成されています。 KPPグループホールディングスの理念体系のうち、ビジョンである「GIFT」に基づき、2030年に向けて策定した長期経営ビジョンが「GIFT 2030」です。このビジョンの下、当社ではグループ全体で環境負荷低減に資する商品やサービスの開発・流通、さらには循環型ビジネスの構築・提案に取り組み、株主や顧客、取引先などの様々なステークホルダーへ貢献するとともに、経営情報の適時・適切な開示を進め、社会に開かれた企業としてグローバルに成長していきます。 (2) 経営環境及び対処すべき課題 紙パルプ産業の国内市場においては、デジタル化の進展により、情報媒体としての紙(いわゆるグラフィック用紙)の需要の減少が続いています。また、パッケージング用紙についても飲料向け等で一部堅調な分野があるものの、全体として需要は伸び悩んでいます。海外市場でもグラフィック用紙の需要低下のトレンドは変わらず、また欧州の一部や中国における景気の低迷が紙の需要を下振れさせています。一方で、海洋プラスチック汚染に対する世界的な問題意識から、代替素材としての「紙化」需要の高まりが引き続き見られます。バイオマス素材由来の紙資源や、石油由来のプラスチック使用量を削減した製品へのシフトが見られるようになってきています。このような状況下、当社グループは、「グローバル展開」「DXへの対応」「グリーンビジネスの展開」「気候変動対策」「人的資本経営の推進」「ガバナンスの強化」「資本コストを意識した経営」を課題として取り組んでおります。 ① グローバル展開情報媒体は先進国を中心に、「紙」から「電子」への移行が進み、特に新聞、雑誌、カタログ、帳票類などの需要減は業界の構造改革を促しています。一方で、世界の紙・板紙市場は2040年にかけて年率1.7%の成長が見込まれるとも言われています。今後の紙パルプ市場を牽引するのは段ボール原紙、紙器用板紙などパッケージ系の紙と衛生用紙であり、地域的には中国、インド、アセアンを含むアジア市場及びアフリカ諸国になります。当社グループはこのような紙パルプ産業の転換期に、地域戦略と事業ポートフォリオ戦略を着実に進めるとともに、事業会社間の事業シナジーを追求することでグループの総合力の強化を図っていきます。 ② DXへの対応デジタル技術の活用による生産性向上やサービスの改善はグループの各事業会社に共通する課題であり、各社の状況に合わせ、内部管理システムの高度化・共通化やeコマース事業の基盤強化・利用推進等を進めています。また、グループ社員のコミュニケーションツールの導入やグループ会計システムの共通化検討等、グループ横断での施策も進展しています。 ③ グリーンビジネスの展開当社グループは、ミッションである「循環型社会の実現に貢献する」を具体化するべく、環境対応商品・ソリューションの展開を強化しています。具体的には、日本における紙を代替素材とする衣料品・人工芝の販売や、企業の製品から発生する古紙の再利用ソリューションを提供する「クローズドリサイクル」等が挙げられます。また、新規事業として、最新のテクノロジーを活用したデータ分析によって発電プラントの稼働率を向上させるソリューション提供や、バイオマス発電所への燃料供給、バイオエタノール原料のソルガムの生産・販売等、新しい分野にも積極的に展開を図っています。 ④ 気候変動対策気候変動は、事業の継続性や財務状況に影響を及ぼす重要な経営課題であると認識しています。当社は2022年にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同し、気候関連リスクおよび機会の分析結果を経営戦略に反映しています。今後は、グループ全体でGHG排出量の削減を実効的に進めるべく、本年度中にスコープ1およびスコープ2の排出量を連結ベースで可視化する予定です。併せて、第4次中期経営計画において設定した排出原単位の削減目標に基づき、物流効率の向上や再生可能エネルギーの導入など、具体的施策を推進していきます。 ⑤ 人的資本経営の推進当社は、「人」を最も重要な経営資源と捉え、これを人的資本として位置づけています。トップマネジメントで構成される人事委員会の主導のもと、人的資本戦略の策定を進めるとともに、採用・育成・評価に関する制度整備を推進しています。また、グループ全体での人的資本の可視化を目的として、リスキリング分野では「教育にかける時間」、労働安全分野では「休業災害強度率」といったKPIの策定に取り組んでいます。エンゲージメントについては、各拠点で調査を実施し、その結果を加重平均することで、グループ全体の指標として反映していく方針です。 ⑥ ガバナンスの強化2022年のホールディングス化以降、当社は取締役への多様な人材登用を含め、コーポレートガバナンスの強化を進めてきました。グループガバナンスに関しては、リスク管理やコンプライアンスに関する共通基盤や投資基準などの整備は完了しており、今後は本社と各拠点の役割分担をさらに明確化し、自律性と統制の両立を図ることが重要な課題です。このため、本社によるガイドライン策定と現地判断の尊重を両立させる体制の構築を進めており、具体的には、各拠点の権限明確化やモニタリングKPIの整備などに取り組んでいます。今後も、地域起点での価値創出とグループ全体の持続的成長を両立するガバナンス体制の強化に取り組んでいきます。 ⑦ 資本コストを意識した経営当社グループは、各事業会社の事業活動を通じて、「ROE8%以上」及び「資本コスト(WACC)<ROIC」を継続的に達成することで、持続的な株主価値創造の実現を図っていきます。具体的には、利益率の高い事業の拡大、資本コストを上回る事業や将来を見据えた成長事業への投資を推進していく他、株主資本と有利子負債の最適資本構成の構築による資本コストの低減及び資本コスト経営の情報開示の充実を今後も図っていきます。 (3) 中期的な経営戦略及び目標とする経営指標当社グループは、長期経営計画である「長期経営ビジョン GIFT 2030」の期間における中期的な経営戦略として、第4次中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)を策定しています。 「第4次中期経営計画の基本方針」(テーマ)業界トップクラスのグローバル企業へ(基本戦略)「事業戦略」・事業領域の拡大・事業ポートフォリオの転換・グローバルシナジーの追求・Eビジネスの拡大・DXの推進「サステナビリティ戦略」・グリーンビジネスの展開・気候変動対策・人的資本経営の推進・ガバナンスの強化「財務戦略」・成長投資資金の確保・資本効率と財務健全性の両立・株主還元の充実 目標とする経営指標と数値は、以下のとおりです。 第4次中期経営計画 最終年度(2028.3期)数値目標営業利益EBITDA(※)ROEROIC(※)自己資本比率連結配当性向200億320億円8.0%以上ROIC>WACC20~25%30%を目処(但しDOE3.0%を下限※) ※EBITDA:経常利益+減価償却費+のれん償却費+支払利息等ROIC:投下資本利益率WACC:加重平均資本コストDOE:連結株主資本配当率
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針当社は、グループ社員全員が共有し、すべての活動の基本となる理念体系として「KPPグループウェイ」を定めています。「KPPグループウェイ」は「ミッション」「ビジョン」「バリュー」の3層から形成されています。 KPPグループホールディングスの理念体系のうち、ビジョンである「GIFT」に基づき、2030年に向けて策定した長期経営ビジョンが「GIFT 2030」です。このビジョンの下、当社ではグループ全体で環境負荷低減に資する商品やサービスの開発・流通、さらには循環型ビジネスの構築・提案に取り組み、株主や顧客、取引先などの様々なステークホルダーへ貢献するとともに、経営情報の適時・適切な開示を進め、社会に開かれた企業としてグローバルに成長していきます。 (2) 経営環境及び対処すべき課題 紙パルプ産業の国内市場においては、デジタル化の進展により、情報媒体としての紙(いわゆるグラフィック用紙)の需要の減少が続いています。また、パッケージング用紙についても飲料向け等で一部堅調な分野があるものの、全体として需要は伸び悩んでいます。海外市場でもグラフィック用紙の需要低下のトレンドは変わらず、また欧州の一部や中国における景気の低迷が紙の需要を下振れさせています。一方で、海洋プラスチック汚染に対する世界的な問題意識から、代替素材としての「紙化」需要の高まりが引き続き見られます。バイオマス素材由来の紙資源や、石油由来のプラスチック使用量を削減した製品へのシフトが見られるようになってきています。このような状況下、当社グループは、「グローバル展開」「DXへの対応」「グリーンビジネスの展開」「気候変動対策」「人的資本経営の推進」「ガバナンスの強化」「資本コストを意識した経営」を課題として取り組んでおります。 ① グローバル展開情報媒体は先進国を中心に、「紙」から「電子」への移行が進み、特に新聞、雑誌、カタログ、帳票類などの需要減は業界の構造改革を促しています。一方で、世界の紙・板紙市場は2040年にかけて年率1.7%の成長が見込まれるとも言われています。今後の紙パルプ市場を牽引するのは段ボール原紙、紙器用板紙などパッケージ系の紙と衛生用紙であり、地域的には中国、インド、アセアンを含むアジア市場及びアフリカ諸国になります。当社グループはこのような紙パルプ産業の転換期に、地域戦略と事業ポートフォリオ戦略を着実に進めるとともに、事業会社間の事業シナジーを追求することでグループの総合力の強化を図っていきます。 ② DXへの対応デジタル技術の活用による生産性向上やサービスの改善はグループの各事業会社に共通する課題であり、各社の状況に合わせ、内部管理システムの高度化・共通化やeコマース事業の基盤強化・利用推進等を進めています。また、グループ社員のコミュニケーションツールの導入やグループ会計システムの共通化検討等、グループ横断での施策も進展しています。 ③ グリーンビジネスの展開当社グループは、ミッションである「循環型社会の実現に貢献する」を具体化するべく、環境対応商品・ソリューションの展開を強化しています。具体的には、日本における紙を代替素材とする衣料品・人工芝の販売や、企業の製品から発生する古紙の再利用ソリューションを提供する「クローズドリサイクル」等が挙げられます。また、新規事業として、最新のテクノロジーを活用したデータ分析によって発電プラントの稼働率を向上させるソリューション提供や、バイオマス発電所への燃料供給、バイオエタノール原料のソルガムの生産・販売等、新しい分野にも積極的に展開を図っています。 ④ 気候変動対策気候変動は、事業の継続性や財務状況に影響を及ぼす重要な経営課題であると認識しています。当社は2022年にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同し、気候関連リスクおよび機会の分析結果を経営戦略に反映しています。今後は、グループ全体でGHG排出量の削減を実効的に進めるべく、本年度中にスコープ1およびスコープ2の排出量を連結ベースで可視化する予定です。併せて、第4次中期経営計画において設定した排出原単位の削減目標に基づき、物流効率の向上や再生可能エネルギーの導入など、具体的施策を推進していきます。 ⑤ 人的資本経営の推進当社は、「人」を最も重要な経営資源と捉え、これを人的資本として位置づけています。トップマネジメントで構成される人事委員会の主導のもと、人的資本戦略の策定を進めるとともに、採用・育成・評価に関する制度整備を推進しています。また、グループ全体での人的資本の可視化を目的として、リスキリング分野では「教育にかける時間」、労働安全分野では「休業災害強度率」といったKPIの策定に取り組んでいます。エンゲージメントについては、各拠点で調査を実施し、その結果を加重平均することで、グループ全体の指標として反映していく方針です。 ⑥ ガバナンスの強化2022年のホールディングス化以降、当社は取締役への多様な人材登用を含め、コーポレートガバナンスの強化を進めてきました。グループガバナンスに関しては、リスク管理やコンプライアンスに関する共通基盤や投資基準などの整備は完了しており、今後は本社と各拠点の役割分担をさらに明確化し、自律性と統制の両立を図ることが重要な課題です。このため、本社によるガイドライン策定と現地判断の尊重を両立させる体制の構築を進めており、具体的には、各拠点の権限明確化やモニタリングKPIの整備などに取り組んでいます。今後も、地域起点での価値創出とグループ全体の持続的成長を両立するガバナンス体制の強化に取り組んでいきます。 ⑦ 資本コストを意識した経営当社グループは、各事業会社の事業活動を通じて、「ROE8%以上」及び「資本コスト(WACC)<ROIC」を継続的に達成することで、持続的な株主価値創造の実現を図っていきます。具体的には、利益率の高い事業の拡大、資本コストを上回る事業や将来を見据えた成長事業への投資を推進していく他、株主資本と有利子負債の最適資本構成の構築による資本コストの低減及び資本コスト経営の情報開示の充実を今後も図っていきます。 (3) 中期的な経営戦略及び目標とする経営指標当社グループは、長期経営計画である「長期経営ビジョン GIFT 2030」の期間における中期的な経営戦略として、第4次中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)を策定しています。 「第4次中期経営計画の基本方針」(テーマ)業界トップクラスのグローバル企業へ(基本戦略)「事業戦略」・事業領域の拡大・事業ポートフォリオの転換・グローバルシナジーの追求・Eビジネスの拡大・DXの推進「サステナビリティ戦略」・グリーンビジネスの展開・気候変動対策・人的資本経営の推進・ガバナンスの強化「財務戦略」・成長投資資金の確保・資本効率と財務健全性の両立・株主還元の充実 目標とする経営指標と数値は、以下のとおりです。 第4次中期経営計画 最終年度(2028.3期)数値目標営業利益EBITDA(※)ROEROIC(※)自己資本比率連結配当性向200億320億円8.0%以上ROIC>WACC20~25%30%を目処(但しDOE3.0%を下限※) ※EBITDA:経常利益+減価償却費+のれん償却費+支払利息等ROIC:投下資本利益率WACC:加重平均資本コストDOE:連結株主資本配当率
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高6,700億42百万円(前年同期比4.0%増)、営業利益は135億44百万円(前年同期比14.4%減)、経常利益は97億12百万円(前年同期比22.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、79億86百万円(前年同期比24.8%減)となりました。 当連結会計年度の業績については、以下のとおりです。 (単位:百万円)2024年3月期2025年3月期 売上比(%) 売上比(%)前年同期比増減率(%)売 上 高644,435100.0670,042100.025,6064.0売 上 総 利 益119,89918.6129,11619.39,2177.7販 売 費 及 び一 般 管 理 費104,07916.2115,57217.211,49211.0営 業 利 益15,8192.513,5442.0△2,275△14.4経 常 利 益12,4751.99,7121.4△2,762△22.1親会社株主帰属当 期 純 利 益10,6131.67,9861.2△2,627△24.8 売上高の主な増減要因営業利益の主な増減要因 北東アジアは、国際紙パルプ商事において紙分野はグラフィック用紙の需要減少により販売数量が前年を下回る。板紙分野では、飲料向け段ボール原紙が堅調な一方、紙器用板紙は訪日外国人のインバウンド需要に勢いが無く、販売数量減。中国は紙の需要の低下が回復せず、紙の需給バランスの崩れも改善せず。 欧州/米州は、欧州経済の不振の中、ペーパー事業は需要の低迷と価格競争の激化により紙の価格が下落。 アジアパシフィックのペーパー事業では、オフィス分野やデジタル分野は好調も、オセアニア地域の商業印刷および板紙市場が低迷。 北東アジアは国際紙パルプ商事においてグラフィック用紙は需要減少により減益。板紙分野では紙器用板紙は売上減も、市況維持により利益は前年比で増加。中国は紙の需要減少と需給バランスが要因となり減益。 Antalisを中心とした欧州/米州、Spicersを中心としたアジアパシフィックの各地域においては、ペーパー事業は需要低下により減益。 国際紙パルプ商事において、古紙は販売数量が前年並みを維持、また市況価格も安定。一方、市販パルプは市況が大幅下落。 国際紙パルプ商事において、古紙は市況価格の安定により増益も、市販パルプは、市況下落と為替の影響により損失計上となる。 パッケージング事業は、欧州の景気後退の影響を受けるも、 欧州・豪州での買収が業績を押し上げ。 パッケージング事業は、欧州・豪州での買収により増益。 ビジュアルコミュニケーション事業は、需要が堅調に推移していることに加え、前期・当期の買収が業績に貢献。 ビジュアルコミュニケーション事業は、需要が堅調に推移していることに加え、前期・当期の買収が貢献し増益。 報告セグメントごとの業績は次のとおりです。 <北東アジア>国内の紙分野においては、グラフィック用紙の需要減少により販売数量が前年を下回り、減収減益となりました。板紙分野では、飲料向け段ボール原紙の需要は堅調に推移し、販売数量・売上高・利益ともに前年を上回りました。紙器用板紙は、期待された訪日外国人によるインバウンド需要に勢いが無く、全体で販売数量・売上高ともに前年を下回りましたが、市況維持により利益は前年を上回りました。高級板紙ではトレーディングカードゲーム関連で減収減益となりました。製紙原料分野では、古紙は販売数量が前年並みを維持しました。また、市況価格の安定により、売上高・利益ともに前年を上回りました。一方、市販パルプは、市況の大幅下落と為替の影響により損失計上となりました。中国では、紙の需要の低下が年内に回復を見せず、また紙の需給バランスにも大きな改善が見られない中、本格的な業績回復には至りませんでした。この結果、北東アジア事業の売上高は3,036億49百万円(前年同期比0.3%減)、セグメント利益は28億95百万円(前年同期比15.4%減)となりました。 <欧州/米州>欧州経済は依然、冴えない状況にあり政治面での不安も加わり消費マインドは冷え込みました。こうした環境の中、ペーパー事業は需要の低迷と価格競争の激化により紙の値上げも浸透せず、むしろ価格は下落となり、売上高・利益共に前年を下回りました。パッケージング事業では、ドイツを中心とした景気後退の影響から製造業や小売業の業績低迷がありましたが、当期新たに買収した3社が業績を押し上げたことから、売上高・利益ともに前年を上回りました。ビジュアルコミュニケーション事業では、需要が堅調に推移していることに加え、前期および当期に買収した2社の貢献もあり、売上高・利益ともに前年を上回りました。一方、南米を含む米州では景気も底堅く推移し、パッケージングの販売が好調となり売上高・利益ともに前年を上回りました。この結果、欧州/米州事業の売上高は2,984億60百万円(前年同期比4.5%増)、セグメント利益は77億57百万円(前年同期比25.9%減)となりました。 <アジアパシフィック>ペーパー事業では、オフィス分野やデジタル分野は好調だったものの、オセアニア地域における商業印刷および板紙市場の低迷により、売上高・利益ともに前年を下回りました。パッケージング事業では、4月に買収したSignet社の業績が堅調に推移し、売上高・利益ともに前年を大きく上回りました。ビジュアルコミュニケーション事業では、引き続きハードウェア及びロールメディアの販売が寄与し、売上高・利益ともに前年を上回りました。トレーディング事業は、東南アジア地域や南アジア地域などで好調に推移し、売上高・利益ともに前年を上回りました。この結果、アジアパシフィック事業の売上高は664億28百万円(前年同期比26.3%増)、セグメント利益は30億円(前年同期比39.5%増)となりました。 <不動産賃貸事業>好調な企業業績と過熱する人材獲得競争を背景にオフィス需要は増加傾向にあります。新規供給についても迅速に吸収されており、今後も同様の傾向が続くと予想されています。かかる状況下において、賃料の改定が寄与し、増収となった物件があるものの、一部に空室が発生したため、賃料収入は微減となりましたが、修繕費等の減少により利益面では増益となりました。この結果、不動産賃貸事業の売上高は15億4百万円(前年同月比1.1%減)、セグメント利益は6億2百万円(前年同期比4.0%増)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、主に税金等調整前当期純利益の計上、売上債権の減少及び短期借入金の増加により獲得した資金を、子会社株式の取得及び長期借入金の返済に充当したことにより、前連結会計年度末比149億28百万円減少し、113億16百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金は111億69百万円(前期は198億17百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上及び売上債権の減少によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は166億44百万円(前期は55億8百万円の使用)となりました。これは主に、子会社株式の取得及び固定資産の取得によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は111億90百万円(前期は223億75百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金及びリース債務の返済によるものであります。 ③ 仕入及び販売の実績 当社グループは卸売事業が主な事業のため、生産実績の重要性が乏しいことから仕入実績を記載し、受注実績については受注から納品まで短期であるため、受注残高は僅少であり、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、記載を省略しております。(1) 仕入実績当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)北東アジア(百万円)284,311101.3欧州/米州(百万円)210,407105.2アジアパシフィック(百万円)51,101139.0合計(百万円)545,819105.5 (注) 当連結会計年度における仕入実績の著しい変動の要因は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。 (2) 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)北東アジア(百万円)303,64999.7欧州/米州(百万円)298,460104.5アジアパシフィック(百万円)66,428126.3不動産賃貸事業(百万円)1,50498.9合計(百万円)670,042104.0 (注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。   2.当連結会計年度における販売実績の著しい変動の要因は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。 (参考情報) 当社グループの品種別販売実績は以下のとおりであります。 品種別前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)紙数量(トン)1,677,1131,593,332金額(百万円)331,267327,120板紙数量(トン)725,265786,772金額(百万円)77,22785,253紙二次加工品数量(トン)16,07916,964金額(百万円)23,76724,062パルプ・古紙数量(トン)1,336,3081,373,453金額(百万円)45,85951,380その他金額(百万円)166,314182,225合計数量(トン)3,754,7653,770,521金額(百万円)644,435670,042 (注) 1.「その他」の数量は各単位が相違するのでその記載を省略し、「合計」の数量からも除いております。2.賃貸収入は「その他」に含まれております。 (2) 経営者の視点による認識及び経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度における当社グループの経営成績につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。当社グループは長期経営ビジョン『GIFT 2030』に則り、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営の基本方針」に記載のとおり、対処すべき課題に対応してまいります。 (a) 報告セグメントの実績(単位:百万円)2024年3月期2025年3月期 前年同期比増減率(%)北東アジア売  上  高304,594303,649△944△0.3セグメント利益3,4212,895△526△15.4利 益 率 (%)1.11.0△0.1―欧州/米州売  上  高285,726298,46012,7334.5セグメント利益10,4747,757△2,716△25.9利 益 率 (%)3.72.6△1.1―アジアパシフィック売  上  高52,59366,42813,83426.3セグメント利益2,1513,00084939.5利 益 率 (%)4.14.50.4―不 動 産 賃 貸 売  上  高1,5211,504△17△1.1セグメント利益579602234.0利 益 率 (%)38.140.12.0―合    計売  上  高644,435670,04225,6064.0セグメント利益16,62614,255△2,370△14.3調  整  額△807△71195△11.8営 業 利 益15,81913,544△2,275△14.4利 益 率 (%)2.42.1△0.3― (b) 北東アジアセグメントについて当連結会計年度における、北東アジアセグメントの業績については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。<日本>2025年3月期の日本市場については、紙分野では、グラフィック用紙の構造的な需要減少により、数量・売上高・利益のいずれも前年を下回りました。紙板分野では、段ボール原紙が飲料向けの需要が堅調に推移したことから増収・増益となりましたが、高級板紙の減収により、板紙分野全体としては減収・増益となりました。製紙原料分野では、古紙は市況価格が安定したことから売上高・利益とも前年を上回った一方、パルプは市況の大幅下落と為替の影響により損失となりました。このような状況下、当社は以下の基本戦略に基づき、日本での事業拡大を目指す所存です。 [国内基本戦略]1.営業力強化やクロスセル推進等により、基幹ビジネスにおけるシェア向上を図る。2.古紙・化成品分野において既存事業を拡大するとともに、インオーガニック戦略を通じてパッケージング・ビジュアルコミュニケーションを新たな事業の柱とすることを目指し、事業ポートフォリオ構造改革を進める。3.DXによる業務改革を強力に推進し、バックオフィスの効率化を図る。 <中国>2025年3月期の中国市場については、前年から継続する紙の需要低下が年内に回復せず、また需給バランスにも大きな改善が見られなかったことから、本格的な業績回復には至りませんでした。このような状況下、当社は以下の基本戦略に基づき、中国での事業拡大を目指す所存です。 [中国基本戦略]1.大手メーカーのシェア拡大と商材強化、新規顧客開拓により国内紙卸売事業を推進する。2.サプライソース開拓、商材強化およびKPPグループ各拠点とのコミュニケーション強化を通じて輸出事業を推進する。 (c) 欧州/米州セグメントについて当連結会計年度における、欧州/米州セグメントの業績については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。2025年3月期の欧州経済は依然として低迷が続いており、また、政治的不安も重なったことで、消費マインドは一段と冷え込みました。ペーパー事業では、需要の低迷と価格競争の激化により紙の値上げが浸透せず、むしろ販売価格は下落し、売上高・利益ともに前年を下回りました。パッケージング事業では、ドイツを中心とした景気後退の影響により製造業や小売業の業績が低迷しましたが、当期に新たに買収した会社(3社)が業績を押し上げたことにより、売上高・利益ともに前年を上回りました。ビジュアルコミュニケーション事業では、需要が堅調に推移したことに加え、前期および当期に買収した会社(2社)の業績貢献もあり、売上高・利益ともに前年を上回りました。一方、南米を含む米州では、景気が底堅く推移し、パッケージングの販売が好調となったことから、売上高・利益ともに 前年を上回りました。このような状況下、当社は以下の基本戦略に基づき、欧州/米州での事業拡大を目指す所存です。 [欧州/米州基本戦略]1.ペーパー&ボード事業は注力分野における市場シェアの拡大を図るとともに、適正な価格設定とコスト削減により売上と利益率を確保する。パッケージング分野およびビジュアルコミュニケーション分野は売上の回復のため、M&Aによるシナジーを最大限に活用する。2.Eビジネスにおいて、ペーパー&ボード分野の既存顧客の利用推進を図るとともに、パッケージング分野とビジュアルコミュニケーション分野の新規顧客の獲得を進め、利益率のさらなる向上と業務効率の改善を図る。3.人材の維持・育成、新しいスキルを持った人材の採用強化により、社内のモチベーションを高く維持する。 (d) アジアパシフィックセグメントについて当連結会計年度における、アジアパシフィックセグメントの業績については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。2025年3月期のアジアパシフィック市場については、ペーパー&ペーパーボード事業では、オフィス分野やデジタル分野は好調だったものの、オセアニア地域における商業印刷および板紙 市場の低迷により、売上高・利益ともに前年を下回りました。パッケージング事業では、2024年4月に買収したSignet社の業績が堅調に推移し、売上高・利益ともに前年を大きく上回りました。ビジュアルコミュニケーション事業では、引き続きハードウェア及びロールメディアの販売が寄与し、売上高・利益ともに前年を上回りました。トレーディング事業では、東南アジア地域や南アジア地域などで好調に推移し、売上高・利益ともに前年を上回りました。このような状況下、当社は以下の基本戦略に基づき、アジアパシフィックでの事業拡大を目指す所存です。 [アジアパシフィック基本戦略]1.ペーパー&ボード事業においては、豪州等で市場規模の縮小が見込まれる中、アジアでの取扱量増により売上の維持を目指す。2.パッケージ事業やビジュアルコミュニケーション事業はペーパー&ボードに比し利益率が高く、M&Aとオーガニック成長により利益全体に占める両事業の割合を増加させていく。3.豪州にeコマース・プラットフォームを展開し、Eビジネスの強化を図る。 (e) 不動産賃貸事業について当連結会計年度における、不動産賃貸事業の業績については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。当該事業セグメントにつきましては、所有不動産の有効活用による安定的な収益獲得を基本方針としております。引き続き、物件ごとの将来性を勘案した上で再開発や修繕等の投資判断を行い、安定的な収益獲得に努めてまいります。 ② 財政状態の分析当連結会計年度末の総資産は、3,520億35百万円となり、前連結会計年度末に比べ74億73百万円増加しました。これは主に、商品及び製品、使用権資産等の増加によるものであります。負債は、2,658億18百万円となり、前連結会計年度末に比べ31億56百万円増加しました。これは主に、リース債務、コマーシャル・ペーパー等の増加によるものであります。純資産は、862億16百万円となり、前連結会計年度末に比べ43億16百万円増加し、自己資本比率は24.5%となり、前連結会計年度末に比べ0.8ポイント増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益、為替換算調整勘定の増加によるものであります。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものです。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施してまいります。当社グループは、長期経営ビジョン『GIFT 2030』に基づく第4次中期経営計画(2025年度~2027年度)を推進中ですが、事業で創出される営業活動によるキャッシュ・フローや政策保有株式の売却、有利子負債を活用し、M&Aを中心とした成長投資や株主還元を実施していく方針です。株主還元への支出については、安定的かつ継続的な配当に加え業績に応じた利益還元を図ることを目的として、2025年3月期より連結配当性向30%を目安にするとともに、 DOE(連結株主資本配当率)3.0%を下限とする配当方針を採用しています。また、自己株式の取得については、政策保有株式の売却によって得た資金の一部に加え、成長投資に充てる資金に余剰が生じた際には、その相当額を自己株式取得の原資として充当する方針としています。なお、現在当社グループにおいて重要な資金繰りの懸念はございません。当連結会計年度末現在の現金及び現金同等物の残高は、国内で8億93百万円、海外で104億23百万円となっており、当社が考える適正な残高水準を上回る資金を確保しております。また、予定されている資金支出につきましても、資金調達の目途は立っております。 ④ 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり採用した会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、重要な会計上の見積り」に記載しているとおりです。

事業リスク

KPPグループホールディングスは、世界各国で事業を展開しているため、投資先の政治・経済・社会情勢の変化によるカントリーリスクに晒されています。また、海外投資におけるのれんの減損損失が発生する可能性があり、これは事業環境の変化によって期待する成果が得られない場合に影響を及ぼします。主要仕入先である王子ホールディングスと日本製紙グループへの依存度が高く、商品供給に支障が生じた場合、事業展開に影響が出る可能性があります。さらに、紙・板紙等の商品市況の変動や情報セキュリティリスクも経営成績に影響を与える可能性があります。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|5,179 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事業等のリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 当社のリスク管理体制及びリスク管理プロセス当社は、当社グループのリスク管理体制の維持、向上を図るため、リスク管理委員会を設置しております。リスク管理委員会は、グループ経営上重要なリスクの抽出・評価を行い、重点対応策を決定し、重点対応策の実行状況のモニタリングを定期的に行い、その結果についてESG委員会を通じて取締役会へ報告を行うこととしています。なお、2024年度はリスク管理委員会を2回開催し、重要なリスクについて、2023年度との比較・評価・重点対応策について協議しました。 ■ 当社のリスク管理体制 ■ 当社のリスク管理プロセス (2) 事業等のリスク当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事業等のリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する記載は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。最初に、各リスク項目を影響度と発生頻度で評価したリスクマップを掲載いたします。 上記リスクのうち重要と認識しているリスクは以下の通りです。ただし、これらは、当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、現時点において予見できない、あるいは重要とみなされていない他の要因の影響を将来的に受ける可能性があります。また、リスクを低減するための対応を記載しておりますが、リスクを完全に回避することは困難です。 ① 外部要因リスクリスクカントリーリスク内容 当社グループは、世界各国に事業を展開しており、当連結会計年度における海外比率は連結売上高の61.7%を占めており、投資する国・地域の政治、経済、社会情勢などの変化の影響を受けます。これらのリスクが顕在化した場合、当該国において代金回収の遅延や事業遂行上の大きな問題が発生する可能性があります。対応 当社グループでは、海外取引に関し売掛金に係る取引信用保険の活用といったリスクヘッジ策の実行や、「信用リスク」の項目において記載する与信管理の実施、当該国における情報収集の徹底等により、これらのリスクを最小限に止めること、また、特定の国に偏らないよう販路拡大を図り、リスク分散にも努めております。 ② 経営リスクリスク競争力/業績(海外投資)内容 当社グループはインオーガニック戦略として、事業ポートフォリオの改革と持続的な成長を目的に海外への投資を進めております。当連結会計年度は、Antalis S.A.S.によるTecnoprimaf S.r.l.(旧Tpf Srl)の株式取得、及びSpicers Limitedの事業会社である DAIEI AUSTRALASIA PTY LTDによるSignet Pty Ltdの株式取得等により、当連結会計年度末現在、113億74百万円ののれん額が計上されております。海外投資に関わるのれんの額につきましては、将来のシナジー効果が発揮されることによる収益力を適切に反映しているものと考えておりますが、事業環境の変化等により期待する成果が得られないと判断された場合は減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。対応 これらのリスクの管理については、取締役会において投資の採算性について十分な審議を行った上で、定期的に業績の推移や計画の進捗等を確認するとともに、減損損失の兆候に留意しております。 ③ オペレーショナルリスクリスクサプライチェーンマネジメント(主要取引先への依存等)内容 当社の主要株主である王子ホールディングス株式会社及び日本製紙株式会社のグループ会社は、当社グループの主要商品である紙及び板紙を仕入れている主要仕入先であり、当連結会計年度における2社グループからの仕入金額合計は総仕入金額の26.7%になります。当社の子会社である国際紙パルプ商事株式会社は現在、両社と代理店指定に係る基本契約書を締結しており、天災及び何かしらの影響により、両社グループから同社への商品供給に著しい支障が生じた場合、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 海外事業会社においても、少数のサプライヤーが供給を担う製紙業界の特性から、特定のサプライヤーへの依存リスクは高く、商品供給の支障の他、購買交渉力低下のリスクも認識されています。 また、当社グループでは、事業活動に必要な許認可等を取得し、予め定めた業務プロセスに則り事業を行っておりますが、業務プロセスの不全により許認可等の喪失が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績ならびにサプライチェーンに影響を及ぼす可能性があります。対応 サプライヤーへの依存については、さまざまな仕入先を国内外問わず開拓して仕入ソースを確保するとともに、事業ポートフォリオ改革により新たな事業領域を開拓し、紙及び板紙販売以外の事業比率を上げていくことで対応をしてまいります。 また、許認可等については事業活動の妨げとなるリスクを抽出・排除するとともに、業務プロセスの確実な遂行に資する監査を行っております。 リスク情報システム内容 新規ビジネスの推進に対応すべく、システムの開発を進めておりますが、想定した投資効果が得られない可能性や、開発スケジュールの遅延等による想定外のコストが発生する可能性があります。対応 中核事業会社における個別案件の投資の実施可否に関しては、各事業会社の判断に任せています。ただし、年に1度実施しているIT責任者が集まる会議において、翌年度の投資案件の確認を行うとともに、主要な案件に関しては四半期の会議において進捗やリスクを確認しています。 リスク情報セキュリティ(機密情報等の流出)内容 当社グループは、様々な事業活動を通じ、取引先の個人情報あるいは機密情報を入手することがあります。これら情報管理につきまして、外部からのサイバー攻撃や従業員の不正アクセスやデータ改ざんにより、甚大なシステム障害、情報漏洩等のリスクに晒され、相応の業務影響や社会的信用の失墜を招く恐れが想定されます。対応 企業情報管理における法令遵守はもとより、社内規程において、委託先事業者を含め、機密情報の適正な取扱いおよび安全管理体制を確保するための措置をとっております。各事業会社においては、技術的な防御策を講じるだけではなく、情報セキュリティに関する教育や標的型メール訓練等を実施しております。 また、情報セキュリティ委員会において当社グループ全体のインシデントや取り組みを把握し、ITガバナンスの強化やITリスク対策の実施にあたっております。 ④ 財務リスクリスク市場リスク(商品市況変動の影響)内容① 紙・板紙等 当社グループの主要な取扱商品である紙、板紙等の製品仕入価格は、原材料であるパルプ、チップ、古紙等の世界的な需要及び原油等の燃料価格の動向の影響を受けることから、それらの価格が大きく上昇した場合には、製品の仕入価格に影響を与えます。② 製紙原料(パルプ・古紙)等 古紙の販売価格は、世界の主要な古紙消費国の輸入により、大きく価格が変動する為、短期間で大幅に価格が下落した場合、完全にはリスクを回避できない可能性があります。また、日本国内の古紙需要における供給量との需給バランスにより、古紙販売に影響を及ぼす可能性もあります。 また、紙・板紙等の原材料であるパルプについては、当社の主要な取扱商品でもありますが、世界的な市況商品であるため販売価格及び仕入価格が市況に応じて変動いたします。よって価格変動のリスクが内包されており、短期間での大幅な価格下落の場合、完全にはリスクを回避できない可能性があります。③ パッケージング・ビジュアルコミュニケーション等 パッケージングに使用する紙、板紙、フィルムなどの素材は、燃料価格や海上輸送費用などの影響を受けることから、それらの価格が大きく上昇した場合には、仕入価格が上昇する可能性があります。対応① 紙・板紙等 当社グループでは、適正な利潤を確保するため、販売先との価格交渉を継続的に行っています。② 製紙原料(パルプ・古紙)等 日本国内のみならず、世界中の古紙需要先を対象として、特に今後需要の増加が見込まれるエリアを中心に販路の拡大に努め、仕入先の確保にも注力してまいります。 パルプについては、仕入成約時の販売価格決定や、在庫の低減などを行っていきます。③ パッケージング・ビジュアルコミュニケーション等 仕入価格の変動に合わせた販売価格の形成に努めると共に、仕入ソースの多様化を進め、適正な利潤の確保に努めています。 リスク市場リスク(為替変動)内容 当社グループは、「北東アジア」「欧州/米州」「アジアパシフィック」のエリアでそれぞれ事業を展開する、国際紙パルプ商事、Antalis、Spicersの3社を中核事業会社と位置付け、世界各国に事業を展開しております。 連結財務諸表の作成に際しては、各国における現地通貨建ての売上高、費用等を円換算しておりますが、外国通貨に対して円高が進むと連結当期純利益にマイナスのインパクトを与えます。 また、当社グループでは、紙、板紙、古紙等のクロスボーダー取引を行っており、これらの商品の価格競争力は為替レートの変動による影響を受けます。 為替レートが当社グループの想定を超えて変動した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。対応 為替予約取引等により、為替レートの変動による影響を最小限に止めることに努めております。 リスク市場リスク(金利変動)内容 当社グループでは、運転資金等の調達は金融機関からの借入金、社債及びコマーシャル・ペーパーの発行を中心に行っております。 当社グループの想定を超えて金利変動が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当連結会計年度末における借入金、社債及びコマーシャル・ペーパーの残高は867億88百万円です。対応 長期借入金(固定金利)や社債による調達、金利スワップ等を取り入れ、金利変動による影響を想定の範囲に止めることに努めております。 リスク市場リスク(所有株式の時価変動)内容 当社グループが保有する株式は、仕入先企業、販売先企業等、業務上密接な関係にある企業の株式が大半でありますが、株式市況の動向及び当該企業の業績等によって当該株式の価格に変動が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。対応 所有株式につきましては、2024年7月1日に当社ホームページにてご報告しております「コーポレート・ガバナンス報告書」の『コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示』における[原則1-4 政策保有株式]に、その所有に関する方針を記載しております。適宜適切に売却を進めることで、当該リスクの低減に努めております。 リスク市場リスク(退職給付債務)内容 当社グループでは、確定給付年金制度及び退職一時金制度を採用しており、これに伴う退職給付費用及び退職給付債務は、割引率等の数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。年金資産の一部には株式信託を採用しております。また、イギリスにおける確定給付年金制度については、新規の加入者を停止していることから平均残存勤務期間が短くなる可能性があり、その場合数理計算上の差異の償却期間も短くなります。従いまして、割引率の低下や運用利回りの悪化、信託した株式の時価の低下及び多額の数理計算上の差異の償却が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループの年金資産及び退職給付債務の残高につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)」をご参照ください 。対応 年金資産の見直し等を定期的に行い、安全性の高い資産の割合を増やすなどの検討をしてまいります。 また、前連結会計年度には、当社グループの英国所在の年金制度の一部について、年金受給者を対象に年金バイインを実施し、年金受給者の制度資産の運用リスク、割引率の下落及び受給者の長寿化等による確定給付債務の増加リスクを軽減しております。

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