事業等のリスク
スターフライヤーの事業にはいくつかのリスクがあります。景気低迷や国際情勢の変化(紛争、テロ、伝染病)は、旅客需要の減少やコスト増加に繋がり、業績に大きな影響を与える可能性があります。また、航空機燃料税の軽減措置の変更や将来の環境規制強化も、費用増加のリスクとなります。原油価格や為替相場の変動は、燃料費や外貨建て費用の増加を通じて業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、限定された機材数での運航のため、航空事故や重大な故障が発生した場合、運航に支障が生じ、収益性が低下するリスクがあります。
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FY2025|8,616 文字
3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)リスクマネジメント体制 当社は、企業活動の持続的発展の実現を阻害するリスクに対処するため、日常的にリスクを識別し、社内規程等に従い、損失の危険を回避・予防しております。また、重大なリスクが顕在化したときは、被害を最小限に留めるための適切な措置を講じてまいります。 当社は、「リスク管理規程」を制定し、同規程においてリスクカテゴリごとの責任部署を定め、当社のリスクを統括的に管理しております。 当社におけるリスクマネジメントの中心は、運航の安全の維持・向上です。当社は「安全管理規程」に従い、フライトセーフティレビュー委員会を定期的に開催し、安全管理システム(SMS:Safety Management System)が正しく有効に機能し、安全運航の基本方針である「安全憲章」および「安全運航のための行動指針」が、業務全般にわたり、具体的な安全施策に結びついていることを確認しております。 (2)航空業界に関連するリスク 航空業界に関連するリスクとして当社が認識しているものは、以下のとおりです。 リスクの内容当該リスクに対する対応策等① 景気動向 当社が属する航空業界は、旅客需要等について景気動向等の変動による影響を受けております。景気低迷が長期化する場合には、レジャー需要とともに、企業の出張抑制等により当社の主要顧客であるビジネス旅客が減少する可能性があり、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 イベントリスク等不確実性の高い要素に大きく影響を受ける状況下において経営を持続させるため、純資産の積み上げを計画的に行っています。② 国際情勢の変化 国際紛争、大規模なテロ事件および伝染病の流行等が発生した場合、航空需要に大きな影響を及ぼす可能性があります。これらに対応するための保安等の規制強化による利便性の低下も航空需要に影響を及ぼす可能性があります。さらに、これらに関連して航空保険料や保安対策費用等が増加する可能性があり、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ③ 公租公課 航空運送事業に関する公租公課には、着陸料や航行援助施設利用料をはじめとする空港使用料並びに国内線運航に使用する航空機燃料に賦課される航空機燃料税があります。 航空機燃料税については2011年4月より2028年3月末まで国による軽減措置が実施されています。このため、当該対象期間における当社事業費が軽減されることとなりますが、今後政策の転換等によって当該軽減措置に変更が生じた場合には当社業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ④ 将来の環境規制 当社が属する航空業界は、航空機の騒音、排気、有害物質の使用及び環境汚染等を管理・統制する様々な環境関連法規制の制約を受けております。現在、これらに関する法令遵守等に対して適確に取り組んでおりますが、これらに関する法令遵守又は環境改善のための追加的な義務が求められることとなった場合、関連する費用が当社の事業、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 環境改善のための追加的な義務が生じた場合は適切に対応し、事業、業績に大きな影響を及ぼさないよう関連各所と連携して対応してまいります。なお、2023年7月と2024年11月に燃料消費量及びCO₂排出量が最大20%削減、騒音影響が約50%低減できる、環境にやさしい最新鋭の機材、エアバス社製A320neo型機を導入しました。 (3)その他の主要なリスク その他の主要なリスクとして当社が認識しているものは、以下のとおりです。 リスクの内容当該リスクに対する対応策等① 原油価格、為替相場の変動 当社の行う航空運送事業は、航空機燃料を使用するため、原油価格変動の影響を受けます。今後の国際的な原油市場の需給バランス、産油国の政情不安および投機資金の原油市場への流入等に伴う原油価格水準の変動によっては、燃料費が増加し、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、航空機賃借料や整備費等の一部費用について、外貨建取引(主としてドル建て)を行っているため、為替相場変動の影響も受ける環境にあり、今後の為替相場に大幅な変動が生じた場合にも、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 これらの変動リスクをヘッジ(減殺)すべく、航空機燃料関連として商品スワップ取引等、通貨関連として為替予約取引等のデリバティブ取引を行っております。 なお、当社では「市場リスク管理に関する規程」を制定し、デリバティブ取引は、市場における相場変動に対するリスクヘッジ目的のみに利用し、投機的な目的では行わない方針を定めております。② 限定された機材数と航空事故 当社は、当事業年度末現在、航空機11機により運航しております。万が一重大な航空事故が発生した場合は、安全が確認されるまで、当初計画どおりの運航は困難となります。 また、他社で重大な航空事故が発生した場合にも、その後の航空需要の低下など、利用者数の減少により当社の事業に大きな影響を及ぼす可能性があります。 運航の安全性の維持・向上のため、全社をあげて安全管理システム(SMS)を構築し、管理、推進して有効に機能させております。また自発報告(ヒヤリハット報告)制度をStarflyer Treasure Voice(STV)と称して促進するなどの取り組みにより安全運航に関する意識の更なる醸成を図っております。 万が一重大な航空事故が発生した場合、損害賠償、運航機材等の修理・修復等の費用は、主に航空保険にて填補されます。 ③ 多頻度運航について 当社では、収益性を高めるため、1機・1日当たりの運航回数や飛行時間を高水準で維持することに努めております。 しかしながら、天候、安全対応等の様々な要因によって長期間欠航せざるを得ない場合や、航空機に重大な故障が生じた場合、機材の使用水準が当初計画を下回り、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 機材や社内の生産体制を全体最適の観点で調整し、効率的なダイヤを作成するよう、努めております。④ 航空機の受領計画 当社の属する航空業界において、世界のサプライチェーン混乱を受けて航空機やエンジンの製造計画に遅延が生じていいます。 当社におきましても予定している航空機について、受領時期が計画から遅延する可能性があります。 また、受領が大幅に遅延した場合、定期便の運航に影響する可能性があります。 航空機メーカーや航空機リース会社とのコミュニケーションにより製造の進捗を確認し、受領が遅延した場合に備えて、現在運用している航空機の重整備を実施する時期を柔軟に調整できるようしております。 また、想定以上に航空機の受領が遅延した場合でも定期便の欠航を回避するための航空ダイヤの設定を行っております。⑤ 特定航空機材への依存と機齢上昇による整備コスト増加 当社では使用する航空機並びにエンジンの種類を限定しており、整備要員の機材整備技量の向上、運航乗務員の運航技量の向上、運航・整備・運送にかかわるスタッフ業務の標準化などにより、安全性の向上に寄与しております。また、運航乗務員や整備要員の効率的な体制、整備部品在庫等のコストの削減にもつながっております。 しかしながら、限定しているが故に当該機種・エンジンに係る仕様上の重大な欠陥等が発覚した場合、当社の運航継続について重大な懸念が生じうる可能性があります。過去における同型機の運航実績等を踏まえると、当社が使用している機種等に重大な欠陥等が存在する可能性は低いものと考えておりますが、万が一そのような事態が生じた場合はすみやかに代替できる機材がなく、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、現在のところ平均機齢は約8年で、機材の経年に伴い、将来において修繕維持費用が増加する可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 仕様上の重大な欠陥等が発覚するなどの事態が発生した場合には、機体及びエンジンのメーカー等から実施期限を設けた適切な整備プログラムが提供されます。当社はこれに基づき速やかに対応し、運航が継続できないリスクを軽減してまいります。 また、経年に関しては、機体メーカーは機材のライフサイクルを考慮した整備プログラムを用意しています。これにより将来発生する整備内容を予測し、整備機会を計画的に設定することによって、一定期間に整備費用が集中することを抑制してまいります。 リスクの内容当該リスクに対する対応策等⑥ 競合について 当社はLCC(格安航空会社)を含めた他の航空会社や新幹線等の交通機関と競合関係にあります。また今後当社が新規路線を開設する場合、当該路線にすでに就航している他の航空会社等との競合関係が生じることが想定されます。競合激化に伴い、販売価格が低下しもしくは計画した旅客数が確保できなかった場合は、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社では、競合する他の航空会社や新幹線等の交通機関との競合において、適正な価格と旅客動向を見極めつつ、需要喚起やイールドコントロール等を適切に行い、収入機会を確保しております。⑦ 特定地域への路線集中と災害リスク 当社は、現在、国内線5路線(北九州-羽田線、関西-羽田線、福岡-羽田線、福岡-中部線、山口宇部-羽田線)および国際線2路線(北九州-台北線、中部-台北線)を運航しております。なお、国際線は2020年3月より運休しております。 就航地域における大規模な地震、台風その他の自然災害等が生じた場合、運航及び経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。特に、当社の本部機能が集積している北九州空港または路線が集中している羽田空港が使用不能に陥った場合、運航及び経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。 特定路線の収入に依存しすぎることのないよう、中長期的な経営戦略において、収益源の多様化を検討し、リスクの分散を図っております。2025年10月より福岡-仙台線を就航する予定です。 また、大規模な地震など事業継続に大きな影響を及ぼす規模の災害が歴史的に少ない北九州に本社を置き、堅牢なデータセンターにおける安定的なシステム運用などの対策により、事業の継続が瞬時に停止するリスクの低減を図っております。 ⑧ 路線展開に関するリスク 当社は、航空機材の導入、運航便数の増加、新たな路線展開により収益拡大を図っていく計画でありますが、これらが計画どおりに進捗しない場合、将来の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 航空機は発注から受領までに一定の期間を要するため、当初計画していた路線展開が何らかの要因により不調となった場合、特に、空港発着枠を希望どおりに獲得できない場合、路線展開に大きな制約が課せられ、航空機が過剰となり、以後の計画の大幅な見直しが必要となる可能性があります。また、将来的に、羽田空港、福岡空港及び関西国際空港の発着枠の見直し等が生じた場合は、事業計画に大きな影響を受ける可能性があります。 当社では、路線展開について、十分な計画と複数の展開案を検討し、空港発着枠が取得できなかった場合でも検討した代替案に速やかに変更できるようリスク分散を行っております。 また、当社は国際および国内チャーターの実績も過去に十分に積んでおり、早朝深夜便運航、臨時便を含め、柔軟な運航体制の構築が可能です。⑨ 専門的な人材の確保 当社の行う航空運送事業は、運航乗務員、運航管理者および整備士等の専門性を有した資格保持者の確保が必要です。これらの有資格者は、雇用市場が航空業という限られたものであるため、主に同業他社からの転職者となっております。 これらの専門性を有した資格保持者の確保が計画どおりにできなかった場合、又はこれらの専門性を有した資格保持者が大勢、何らかの理由により業務に就くことができなくなった場合は、当社の安定的な運航や路線展開に大きな影響を受ける可能性があります。 専門性を有した資格保持者の確保のため、採用・養成計画は常に複数年先を見据えた対応を図っております。 運航乗務員については、必要数に応じた採用活動を行っております。今後も運航計画に基づいて、適切に採用を実施し、養成していく方針です。 他職種につきましても、資格保持者の養成などにより人材を確保しております。 リスクの内容当該リスクに対する対応策等⑩ 企業文化が維持できないリスク 運航乗務員等の専門性を有した資格保持者だけではなく、当社の運営に必要な人材の確保も重要です。景気の拡大や労働人口の減少による人材獲得競争がいっそう激しくなり、人材を確保できない場合は、人件費の上昇の可能性も含め、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、当社は、快適かつ質の高い移動空間・サービスの提供に努め、他社にはない新たな価値を創造し、企業理念である『感動のあるエアライン』を目指しております。このような企業理念を堅守する文化が、コストを低く抑えながらも高品質のサービスの提供につながるものと考えております。 当社の持続的な成長のために人員の採用を行っておりますが、教育および企業風土や文化の浸透が不足した場合には、この企業文化が薄れ、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 社員の流失防止のため、処遇の改善だけではなく、スターフライヤーの一員としての自覚、帰属意識を醸成することで会社に対するエンゲージメントの強化を図っております。社員研修や全社プロジェクトへの参画等、乗務や専門業務だけでなく「企業理念を体現し一翼を担う社員」であることを自覚する機会の創出につながる取り組みを実施しております。 各種社内取り組みへの参画等により社内の意識醸成を進め、企業風土や文化の継承に努めております。⑪ 人事・労務に関するリスク 当社の従業員の多くは労働組合に所属しており、当社の従業員による集団的なストライキ等の労働争議が発生した場合には、当社の航空機の運航に大きな影響を及ぼす可能性があります。 集団的な闘争行為が発生しないよう、日ごろから良好な労使関係を築くようにしております。⑫ 特定会社への依存 当社は、全日本空輸株式会社との間で以下の取引を行っております。イ)コードシェア協力契約を締結して国内線の共同運航(コードシェア)を行っております。ロ)予約販売業務請負契約ならびに情報システム利用に関する契約を締結し、国内線の当社航空券の販売ならびに空港ハンドリング業務等について同社の情報システムを用いており、また当社の営業未収入金のうち当該事業の販売額は、別途契約のある一部の販売代理店や法人顧客向けのものを除き、同社より回収することとなっております。ハ)空港ハンドリング業務のうち一部を同社に委託しております。 また、ANAホールディングス株式会社は当社の筆頭株主であり、航空機リース契約を締結しております。 このように当社は、航空運送事業において特定会社に依存しております。提携等を解消するような状況となった場合には、運航に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当該の特定会社とは良好な関係を維持しております。 なお、国際線につきましては、2020年3月より運休しておりますが、全日本空輸株式会社とのコードシェアは実施しておらず、旅客システムも別会社のものを使用しております。⑬ 情報システムへの依存 当社は、予約販売、搭乗手続き及び運航管理等の業務を情報システムにより管理・運用しております。当該システム及び情報システムを支える通信インフラ等に障害が生じた場合には、運航に大きな影響を及ぼす可能性があります。 予約販売、搭乗手続き及び運航管理等の基幹業務は全日本空輸株式会社の情報システムを使用しており、同社により様々な障害対策が講じられております。また、当社システムであるWEBサイトや会員管理システム等についてはハードウェアやネットワークを二重化するなどの障害対策を講じております。 リスクの内容当該リスクに対する対応策等⑭ 法的規制 当社の行う航空運送事業は、各国との航空協定等の国際協定をはじめ航空法及び関係諸法令による規制を受けており、また、国土交通省航空局による監督を受けております。当該規制に基づき当社は、航空運送事業運営者としての「事業許可証」、各空港における事業運営のための「事業場認定書」及び「業務規程認可書」、並びに運航する全ての航空機に対する「航空機登録証明書」及び「耐空証明書」を国土交通省航空局より交付されております。 航空機の安全性を示す「耐空証明書」については、原則1年単位での検査による更新手続きが必要となっているものの、当社の整備体制が継続的に安全性を確保できるものと当局から評価されていることから、現状の整備体制を維持することで有効性が持続する「連続式耐空証明」を維持しております。 これらの規制等を遵守できなかった場合には、行政処分により当社の事業活動が制限され、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社では、これらの規制に継続して適合させていくため、適材適所で専門性を有した人材を配置し、安全管理体制並びに品質管理体制を構築しております。なお、当事業年度末現在、許認可等の取消に係る事象はございません。 (主な許認可等の状況)許認可等の名称所管官庁有効期限事業許可国土交通省なし航空機登録証明同上なし事業場認定同上2026年1月業務規程認可同上なし耐空証明同上原則1年但し、当社は連続式耐空証明を取得しているため有効期限なし リスクの内容当該リスクに対する対応策等⑮ 顧客情報の取扱い 当社は、顧客に関する個人情報を保有しております。不正アクセス等の巧妙化に伴いその対策としてのセキュリティに関する必要コストがさらに増加した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、何らかの原因により個人情報が漏洩した場合、顧客からの信用不安や社会的信用の低下により、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社は、個人情報保護法及び個人情報保護に関する社内規程に基づき、適切な管理・運用を行い情報セキュリティの強化に取り組んでおります。 個人情報のデータベースについては、アクセス権限や履歴の管理等を実施しております。また、サイバーセキュリティ対策についても適宜強化を図っており、不測の事態に備え専門事業者賠償保険(サイバーリスク保険)に加入し、情報漏洩時の賠償責任リスクに備えております。 ⑯ 業績の季節変動性について 当社が属する航空業界においては、夏季休暇、年末年始休暇、春季休暇に旅客需要が増大する傾向があるため、当社の業績につきましても季節変動が生じる傾向があります。なお、今後の新規路線の就航や就航便数の増加、天候不順等により、当該季節変動とは異なる傾向となる可能性もあります。 当社では季節変動による需要の変化については、業績予想に織り込んでおります。 閑散期においては、プロモーションや各種キャンペーンなどを展開し、季節変動を最小限に抑えています。またビジネス需要の取り込みにより、年間を通じての安定的な収入確保に努めております。 ⑰ 当社の財政状態(有利子負債)について 当社では現在、航空機を主にオペレーティング・リースにより調達し、財務諸表上はオフバランスとなっております。2025年3月期末における未経過リース料の総額は20,155百万円です。 当社はこれまで必要資金を金融機関からの借入れやファイナンス・リースにより調達した結果、2025年3月期末における有利子負債残高が3,128百万円となり、総資産に占める割合が12.8%となっております。このため、今後金融情勢が悪化することで金利負担が増加した場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。 各金融機関と良好な関係を維持するよう努めております。 当社の業績が好調な時期には、繰上げ返済を行うなど、有利子負債の削減に努めております。⑱ 将来の資金調達について 当社が事業を今後さらに拡大するためには、継続して航空機の導入等のための資金調達が必要であります。当該資金につきましては、外部からの資金調達(借入れ・リース)もしくは今後の内部留保によって確保する必要がありますが、今後適時に十分な資金を確保できない場合は、新たな路線展開等のビジネスチャンスを活かすことができなくなるため、将来の当社の業績への影響並びに当社事業計画の遅延や変更が生ずる可能性があります。 航空機材の導入に当たっては、複数のリース会社より提案を受けるなどして、幅広い選択肢から妥当なものを選択するようにしております。
FY2024|8,341 文字
3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)リスクマネジメント体制 当社は、企業活動の持続的発展の実現を阻害するリスクに対処するため、日常的にリスクを識別し、社内規程等に従い、損失の危険を回避・予防しております。また、重大なリスクが顕在化したときは、被害を最小限に留めるための適切な措置を講じてまいります。 当社は、「リスク管理規程」を制定し、同規程においてリスクカテゴリごとの責任部署を定め、当社のリスクを統括的に管理しております。 当社におけるリスクマネジメントの中心は、運航の安全の維持・向上です。当社は「安全管理規程」に従い、フライトセーフティレビュー委員会を定期的に開催し、安全管理システム(SMS:Safety Management System)が正しく有効に機能し、安全運航の基本方針である「安全憲章」および「安全運航のための行動指針」が、業務全般にわたり、具体的な安全施策に結びついていることを確認しております。 (2)航空業界に関連するリスク 航空業界に関連するリスクとして当社が認識しているものは、以下のとおりです。 リスクの内容当該リスクに対する対応策等① 景気動向 当社が属する航空業界は、旅客需要等について景気動向等の変動による影響を受けております。景気低迷が長期化する場合には、レジャー需要とともに、企業の出張抑制等により当社の主要顧客であるビジネス旅客が減少する可能性があり、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 イベントリスク等不確実性の高い要素に大きく影響を受ける状況下において経営を持続させるため、純資産の積み上げを計画的に行っています。② 国際情勢の変化 国際紛争、大規模なテロ事件および伝染病の流行等が発生した場合、航空需要に大きな影響を及ぼす可能性があります。これらに対応するための保安等の規制強化による利便性の低下も航空需要に影響を及ぼす可能性があります。さらに、これらに関連して航空保険料や保安対策費用等が増加する可能性があり、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ③ 公租公課 航空運送事業に関する公租公課には、着陸料や航行援助施設利用料をはじめとする空港使用料並びに国内線運航に使用する航空機燃料に賦課される航空機燃料税があります。 現在、空港使用料については2020年8月より2025年2月末まで、航空機燃料税については2011年4月より2028年3月末まで国による軽減措置が実施されています。このため、当該対象期間における当社事業費が軽減されることとなりますが、今後政策の転換等によって当該軽減措置に変更が生じた場合には当社業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ④ 将来の環境規制 当社が属する航空業界は、航空機の騒音、排気、有害物質の使用及び環境汚染等を管理・統制する様々な環境関連法規制の制約を受けております。現在、これらに関する法令遵守等に対して適確に取り組んでおりますが、これらに関する法令遵守又は環境改善のための追加的な義務が求められることとなった場合、関連する費用が当社の事業、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 環境改善のための追加的な義務が生じた場合は適切に対応し、事業、業績に大きな影響を及ぼさないよう関連各所と連携して対応してまいります。なお、2023年7月に燃料消費量及びCO₂排出量が最大20%削減、騒音影響が約50%低減できる、環境にやさしい最新鋭の機材、エアバス社製A320neo型機を導入しました。 (3)その他の主要なリスク その他の主要なリスクとして当社が認識しているものは、以下のとおりです。 リスクの内容当該リスクに対する対応策等① 原油価格、為替相場の変動 当社の行う航空運送事業は、航空機燃料を使用するため、原油価格変動の影響を受けます。今後の国際的な原油市場の需給バランス、産油国の政情不安および投機資金の原油市場への流入等に伴う原油価格水準の変動によっては、燃料費が増加し、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、航空機賃借料や整備費等の一部費用について、外貨建取引(主としてドル建て)を行っているため、為替相場変動の影響も受ける環境にあり、今後の為替相場に大幅な変動が生じた場合にも、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 これらの変動リスクをヘッジ(減殺)すべく、航空機燃料関連として商品スワップ取引等、通貨関連として為替予約取引等のデリバティブ取引を行っております。 なお、当社では「市場リスク管理に関する規程」を制定し、デリバティブ取引は、市場における相場変動に対するリスクヘッジ目的のみに利用し、投機的な目的では行わない方針を定めております。② 限定された機材数と航空事故 当社は、当事業年度末現在、航空機11機により運航しております。万が一重大な航空事故が発生した場合は、安全が確認されるまで、当初計画どおりの運航は困難となります。 また、他社で重大な航空事故が発生した場合にも、その後の航空需要の低下など、利用者数の減少により当社の事業に大きな影響を及ぼす可能性があります。 運航の安全性の維持・向上のため、全社をあげて安全管理システム(SMS)を構築し、管理、推進して有効に機能させております。また自発報告(ヒヤリハット報告)制度を「STV」と称して促進するなどの取り組みにより安全運航に関する意識の更なる醸成を図っております。 万が一重大な航空事故が発生した場合、損害賠償、運航機材等の修理・修復等の費用は、主に航空保険にて填補されます。 ③ 多頻度運航について 当社では、収益性を高めるため、1機・1日当たりの運航回数や飛行時間を高水準で維持することに努めております。 しかしながら、天候、安全対応等の様々な要因によって長期間欠航せざるを得ない場合や、航空機に重大な故障が生じた場合、機材の使用水準が当初計画を下回り、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 機材や社内の生産体制を全体最適の観点で調整し、効率的なダイヤを作成するよう、努めております。④ 特定航空機材への依存と機齢上昇による整備コスト増加 当社では使用する航空機並びにエンジンの種類を限定しており、整備要員の機材整備技量の向上、運航乗務員の運航技量の向上、運航・整備・運送にかかわるスタッフ業務の標準化などにより、安全性の向上に寄与しております。また、運航乗務員や整備要員の効率的な体制、整備部品在庫等のコストの削減にもつながっております。 しかしながら、限定しているが故に当該機種・エンジンに係る仕様上の重大な欠陥等が発覚した場合、当社の運航継続について重大な懸念が生じうる可能性があります。過去における同型機の運航実績等を踏まえると、当社が使用している機種等に重大な欠陥等が存在する可能性は低いものと考えておりますが、万が一そのような事態が生じた場合はすみやかに代替できる機材がなく、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、現在のところ平均機齢は約8年で、機材の経年に伴い、将来において修繕維持費用が増加する可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 仕様上の重大な欠陥等が発覚するなどの事態が発生した場合には、機体及びエンジンのメーカー等から実施期限を設けた適切な整備プログラムが提供されます。当社はこれに基づき速やかに対応し、運航が継続できないリスクを軽減してまいります。 また、経年に関しては、機体メーカーは機材のライフサイクルを考慮した整備プログラムを用意しています。これにより将来発生する整備内容を予測し、整備機会を計画的に設定することによって、一定期間に整備費用が集中することを抑制してまいります。 リスクの内容当該リスクに対する対応策等⑤ 競合について 当社はLCC(格安航空会社)を含めた他の航空会社や新幹線等の交通機関と競合関係にあります。また今後当社が新規路線を開設する場合、当該路線にすでに就航している他の航空会社等との競合関係が生じることが想定されます。さらに、昨今のLCC(格安航空会社)の参入により、同業者間における競合関係が激化しております。こうした競合激化に伴い、販売価格が低下しもしくは計画した旅客数が確保できなかった場合は、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社では、競合する他の航空会社や新幹線等の交通機関との競合において、適正な価格と旅客動向を見極めつつ、需要喚起やイールドコントロール等を適切に行い、収入機会を確保しております。⑥ 特定地域への路線集中と災害リスク 当社は、現在、国内線5路線(北九州-羽田線、関西-羽田線、福岡-羽田線、福岡-中部線、山口宇部-羽田線)および国際線2路線(北九州-台北線、中部-台北線)を運航しております。なお、国際線は2020年3月より運休しております。 就航地域における大規模な地震、台風その他の自然災害等が生じた場合、運航及び経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。特に、当社の本部機能が集積している北九州空港または路線が集中している羽田空港が使用不能に陥った場合、運航及び経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。 特定路線の収入に依存しすぎることのないよう、中長期的な経営戦略において、収益源の多様化を検討し、リスクの分散を図っております。 また、大規模な地震など事業継続に大きな影響を及ぼす規模の災害が歴史的に少ない北九州に本社を置き、堅牢なデータセンターにおける安定的なシステム運用などの対策により、事業の継続が瞬時に停止するリスクの低減を図っております。 ⑦ 路線展開に関するリスク 当社は、航空機材の導入、運航便数の増加、新たな路線展開により収益拡大を図っていく計画でありますが、これらが計画どおりに進捗しない場合、将来の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 航空機は発注から受領までに一定の期間を要するため、当初計画していた路線展開が何らかの要因により不調となった場合、特に、空港発着枠を希望どおりに獲得できない場合、路線展開に大きな制約が課せられ、航空機が過剰となり、以後の計画の大幅な見直しが必要となる可能性があります。また、将来的に、羽田空港、福岡空港及び関西国際空港の発着枠の見直し等が生じた場合は、事業計画に大きな影響を受ける可能性があります。 当社では、路線展開について、十分な計画と複数の展開案を検討し、空港発着枠が取得できなかった場合でも検討した代替案に速やかに変更できるようリスク分散を行っております。 また、当社は国際および国内チャーターの実績も過去に十分に積んでおり、早朝深夜便運航、臨時便を含め、柔軟な運航体制の構築が可能です。⑧ 専門的な人材の確保 当社の行う航空運送事業は、運航乗務員、運航管理者および整備士等の専門性を有した資格保持者の確保が必要です。これらの有資格者は、雇用市場が航空業という限られたものであるため、主に同業他社からの転職者となっております。 これらの専門性を有した資格保持者の確保が計画どおりにできなかった場合、又はこれらの専門性を有した資格保持者が大勢、何らかの理由により業務に就くことができなくなった場合は、当社の安定的な運航や路線展開に大きな影響を受ける可能性があります。 専門性を有した資格保持者の確保のため、採用・養成計画は常に複数年先を見据えた対応を図っております。 運航乗務員については、必要数に応じた採用活動を行っております。今後も運航計画に基づいて、適切に採用を実施し、養成していく方針です。 他職種につきましても、資格保持者の養成などにより人材を確保しております。 リスクの内容当該リスクに対する対応策等⑨ 企業文化が維持できないリスク 運航乗務員等の専門性を有した資格保持者だけではなく、当社の運営に必要な人材の確保も重要です。景気の拡大や労働人口の減少による人材獲得競争がいっそう激しくなり、人材を確保できない場合は、人件費の上昇の可能性も含め、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、当社は、快適かつ質の高い移動空間・サービスの提供に努め、他社にはない新たな価値を創造し、企業理念である『感動のあるエアライン』を目指しております。このような企業理念を堅守する文化が、コストを低く抑えながらも高品質のサービスの提供につながるものと考えております。 当社の持続的な成長のために人員の採用を行っておりますが、教育および企業風土や文化の浸透が不足した場合には、この企業文化が薄れ、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 社員の流失防止のため、処遇の改善だけではなく、スターフライヤーの一員としての自覚、帰属意識を醸成することで会社に対するエンゲージメントの強化を図っております。社員研修や全社プロジェクトへの参画等、乗務や専門業務だけでなく「企業理念を体現し一翼を担う社員」であることを自覚する機会の創出につながる取り組みを実施しております。 各種社内取り組みへの参画等により社内の意識醸成を進め、企業風土や文化の継承に努めております。⑩ 人事・労務に関するリスク 当社の従業員の多くは労働組合に所属しており、当社の従業員による集団的なストライキ等の労働争議が発生した場合には、当社の航空機の運航に大きな影響を及ぼす可能性があります。 集団的な闘争行為が発生しないよう、日ごろから良好な労使関係を築くようにしております。⑪ 特定会社への依存 当社は、全日本空輸株式会社との間で以下の取引を行っております。イ)コードシェア協力契約を締結して国内線の共同運航(コードシェア)を行っております。ロ)予約販売業務請負契約ならびに情報システム利用に関する契約を締結し、国内線の当社航空券の販売ならびに空港ハンドリング業務等について同社の情報システムを用いており、また当社の営業未収入金のうち当該事業の販売額は、別途契約のある一部の販売代理店や法人顧客向けのものを除き、同社より回収することとなっております。ハ)空港ハンドリング業務のうち一部を同社に委託しております。 また、ANAホールディングス株式会社は当社の筆頭株主であり、航空機リース契約を締結しております。 このように当社は、航空運送事業において特定会社に依存しております。提携等を解消するような状況となった場合には、運航に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当該の特定会社とは良好な関係を維持しております。 なお、国際線につきましては、2020年3月より運休しておりますが、全日本空輸株式会社とのコードシェアは実施しておらず、旅客システムも別会社のものを使用しております。⑫ 情報システムへの依存 当社は、予約販売、搭乗手続き及び運航管理等の業務を情報システムにより管理・運用しております。当該システム及び情報システムを支える通信インフラ等に障害が生じた場合には、運航に大きな影響を及ぼす可能性があります。 予約販売、搭乗手続き及び運航管理等の基幹業務は全日本空輸株式会社の情報システムを使用しており、同社により様々な障害対策が講じられております。また、当社システムであるWEBサイトや会員管理システム等についてはハードウェアやネットワークを二重化するなどの障害対策を講じております。 リスクの内容当該リスクに対する対応策等⑬ 法的規制 当社の行う航空運送事業は、各国との航空協定等の国際協定をはじめ航空法及び関係諸法令による規制を受けており、また、国土交通省航空局による監督を受けております。当該規制に基づき当社は、航空運送事業運営者としての「事業許可証」、各空港における事業運営のための「事業場認定書」及び「業務規程認可書」、並びに運航する全ての航空機に対する「航空機登録証明書」及び「耐空証明書」を国土交通省航空局より交付されております。 航空機の安全性を示す「耐空証明書」については、原則1年単位での検査による更新手続きが必要となっているものの、当社の整備体制が継続的に安全性を確保できるものと当局から評価されていることから、現状の整備体制を維持することで有効性が持続する「連続式の耐空証明」を維持しております。 これらの規制等を遵守できなかった場合には、行政処分により当社の事業活動が制限され、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社では、これらの規制に継続して適合させていくため、適材適所で専門性を有した人材を配置し、安全管理体制並びに品質管理体制を構築しております。なお、当事業年度末現在、許認可等の取消に係る事象はございません。 (主な許認可等の状況)許認可等の名称所管官庁有効期限事業許可国土交通省なし航空機登録証明同上なし事業場認定同上2026年1月業務規程認可同上なし耐空証明同上原則1年但し、当社は連続式耐空証明を取得しているため有効期限なし リスクの内容当該リスクに対する対応策等⑭ 顧客情報の取扱い 当社は、顧客に関する個人情報を保有しております。不正アクセス等の巧妙化に伴いその対策としてのセキュリティに関する必要コストがさらに増加した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、何らかの原因により個人情報が漏洩した場合、顧客からの信用不安や社会的信用の低下により、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社は、個人情報保護法及び個人情報保護に関する社内規程に基づき、適切な管理・運用を行い情報セキュリティの強化に取り組んでおります。 個人情報のデータベースについては、アクセス権限や履歴の管理等を実施しております。また、サイバーセキュリティ対策についても適宜強化を図っており、不測の事態に備え専門事業者賠償保険(サイバーリスク保険)に加入し、情報漏洩時の賠償責任リスクに備えております。 ⑮ 業績の季節変動性について 当社が属する航空業界においては、夏季休暇、年末年始休暇、春季休暇に旅客需要が増大する傾向があるため、当社の業績につきましても季節変動が生じる傾向があります。なお、今後の新規路線の就航や就航便数の増加、天候不順等により、当該季節変動とは異なる傾向となる可能性もあります。 当社では季節変動による需要の変化については、業績予想に織り込んでおります。 閑散期においては、プロモーションや各種キャンペーンなどを展開し、季節変動を最小限に抑えています。またビジネス需要の取り込みにより、年間を通じての安定的な収入確保に努めております。 ⑯ 当社の財政状態(有利子負債)について 当社では現在、航空機を主にオペレーティング・リースにより調達し、財務諸表上はオフバランスとなっております。2024年3月期末における未経過リース料の総額は20,071百万円です。 当社はこれまで必要資金を金融機関からの借入れやファイナンス・リースにより調達した結果、2024年3月期末における有利子負債残高が5,777百万円となり、総資産に占める割合が24.5%となっております。このため、今後金融情勢が悪化することで金利負担が増加した場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。 各金融機関と良好な関係を維持するよう努めております。 当社の業績が好調な時期には、繰上げ返済を行うなど、有利子負債の削減に努めております。⑰ 将来の資金調達について 当社が事業を今後さらに拡大するためには、継続して航空機の導入等のための資金調達が必要であります。当該資金につきましては、外部からの資金調達(借入れ・リース)もしくは今後の内部留保によって確保する必要がありますが、今後適時に十分な資金を確保できない場合は、新たな路線展開等のビジネスチャンスを活かすことができなくなるため、将来の当社の業績への影響並びに当社事業計画の遅延や変更が生ずる可能性があります。 航空機材の導入に当たっては、複数のリース会社より提案を受けるなどして、幅広い選択肢から妥当なものを選択するようにしております。
FY2023|9,122 文字
3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)リスクマネジメント体制 当社は、企業活動の持続的発展の実現を阻害するリスクに対処するため、日常的にリスクを識別し、社内規程等に従い、損失の危険を回避・予防しております。また、重大なリスクが顕在化したときは、被害を最小限に留めるための適切な措置を講じてまいります。 当社は、「リスク管理規程」を制定し、同規程においてリスクカテゴリごとの責任部署を定め、当社のリスクを統括的に管理しております。 当社におけるリスクマネジメントの中心は、運航の安全の維持・向上です。当社は「安全管理規程」に従い、フライトセーフティレビュー委員会を定期的に開催し、安全管理システム(SMS:Safety Management System)が正しく有効に機能し、安全運航の基本方針である「安全憲章」および「安全運航のための行動指針」が、業務全般にわたり、具体的な安全施策に結びついていることを確認しております。 (2)継続企業の前提に関する重要事象等 2019年末に新型コロナウイルス感染症が中国で初めて確認され、多くの国や地域へ拡大し、国内線を中心とした航空運送事業を行う当社においても需要が大きく減少しました。このような状況に対し、2020年3月以降、国内線および国際線の運休・減便を行うとともに、徹底した費用削減等の施策を実施することにより、業績への影響の低減を図ってまいりました。 前事業年度と比較すると需要は徐々に回復し、営業活動によるキャッシュ・フローはプラスとなったことに加え、第3四半期以降の各四半期会計期間ではいずれも営業利益・経常利益・四半期純利益を計上し、通期でも2019年3月期以来の当期純利益に転じるなど、業績は確実に改善傾向にありました。しかしながら、原油価格の上昇や大幅な円安は業績に大きな影響を及ぼし、通期での経常損失は704百万円、当事業年度末の純資産合計は1,759百万円となっております。 この結果、一部の借入契約に付されている財務制限条項(2023年3月期末日における純資産の部の合計金額、2023年3月期における経常損失)に抵触し、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。 このような事象又は状況を解消するために、収支改善の施策を推進するとともに財務状況の安定化を図るべく、下記を推進し、事業の継続、その後の回復を目指しております。 事業継続のための取り組み ・運転資金の安定的確保 ・迅速に生産調整を行える弾力的な体制の構築 ・プロジェクト体制での収支改善・生産性向上の取り組み また、これらの当社における対応策を実施することと併せて、金融機関との緊密な連携関係を強めており、財務制限条項への抵触に関しても、一括返済の請求は行わない旨の同意を得ております。これらの結果、当面(今後1年間)の資金繰りには問題なく、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。 (3)航空業界に関連するリスク 航空業界に関連するリスクとして当社が認識しているものは、以下のとおりです。 リスクの内容当該リスクに対する対応策等① 景気動向 当社が属する航空業界は、旅客需要等について景気動向等の変動による影響を受けております。景気低迷が長期化する場合には、レジャー需要とともに、企業の出張抑制等により当社の主要顧客であるビジネス旅客が減少する可能性があり、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 イベントリスク等不確実性の高い要素に大きく影響を受ける状況下において経営を持続させるため、純資産の積み上げを計画的に行っています。② 国際情勢の変化 国際紛争、大規模なテロ事件および伝染病の流行等が発生した場合、航空需要に大きな影響を及ぼす可能性があります。これらに対応するための保安等の規制強化による利便性の低下も航空需要に影響を及ぼす可能性があります。さらに、これらに関連して航空保険料や保安対策費用等が増加する可能性があり、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ③ 公租公課 航空運送事業に関する公租公課には、着陸料や航行援助施設利用料をはじめとする空港使用料並びに国内線運航に使用する航空機燃料に賦課される航空機燃料税があります。 現在、空港使用料については2020年8月より2024年2月末まで、航空機燃料税については2011年4月より2028年3月末まで国による軽減措置が実施されています。このため、当該対象期間における当社事業費が軽減されることとなりますが、今後政策の転換等によって当該軽減措置に変更が生じた場合には当社業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ④ 将来の環境規制 当社が属する航空業界は、航空機の騒音、排気、有害物質の使用及び環境汚染等を管理・統制する様々な環境関連法規制の制約を受けております。現在、これらに関する法令遵守等に対して適確に取り組んでおりますが、これらに関する法令遵守又は環境改善のための追加的な義務が求められることとなった場合、関連する費用が当社の事業、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 環境改善のための追加的な義務が生じた場合は適切に対応し、事業、業績に大きな影響を及ぼさないよう関連各所と連携して対応してまいります。なお、2023年7月に燃料消費量及びCO₂排出量が最大20%削減、騒音影響が約50%低減できる、環境にやさしい最新鋭の機材、エアバス社製A320neo型機を導入します。 (4)その他の主要なリスク その他の主要なリスクとして当社が認識しているものは、以下のとおりです。 リスクの内容当該リスクに対する対応策等① 原油価格、為替相場の変動 当社の行う航空運送事業は、航空機燃料を使用するため、原油価格変動の影響を受けます。今後の国際的な原油市場の需給バランス、産油国の政情不安および投機資金の原油市場への流入等に伴う原油価格水準の変動によっては、燃料費が増加し、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、航空機賃借料や整備費等の一部費用について、外貨建取引(主としてドル建て)を行っているため、為替相場変動の影響も受ける環境にあり、今後の為替相場に大幅な変動が生じた場合にも、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 これらの変動リスクをヘッジ(減殺)すべく、航空機燃料関連として商品スワップ取引等、通貨関連として為替予約取引等のデリバティブ取引を行っております。 なお、当社では「市場リスク管理に関する規程」を制定し、デリバティブ取引は、市場における相場変動に対するリスクヘッジ目的のみに利用し、投機的な目的では行わない方針を定めております。② 限定された機材数と航空事故 当社は、当事業年度末現在、航空機11機により運航しております。万が一重大な航空事故が発生した場合は、安全が確認されるまで、当初計画どおりの運航は困難となります。 また、他社で重大な航空事故が発生した場合にも、その後の航空需要の低下など、利用者数の減少により当社の事業に大きな影響を及ぼす可能性があります。 運航の安全性の維持・向上のため、全社をあげて安全管理システム(SMS)を構築し、管理、推進して有効に機能させております。また自発報告(ヒヤリハット報告)制度を「STV」と称して促進するなどの取り組みにより安全運航に関する意識の更なる醸成を図っております。 万が一重大な航空事故が発生した場合、損害賠償、運航機材等の修理・修復等の費用は、主に航空保険にて填補されます。 ③ 多頻度運航について 当社では、収益性を高めるため、1機・1日当たりの運航回数や飛行時間を高水準で維持することに努めております。 しかしながら、天候、安全対応等の様々な要因によって長期間欠航せざるを得ない場合や、航空機に重大な故障が生じた場合、機材の使用水準が当初計画を下回り、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 機材や社内の生産体制を全体最適の観点で調整し、効率的なダイヤを作成するよう、努めております。④ 特定航空機材への依存と機齢上昇による整備コスト増加 当社では使用する航空機並びにエンジンの種類を限定しており、整備要員の機材整備技量の向上、運航乗務員の運航技量の向上、運航・整備・運送にかかわるスタッフ業務の標準化などにより、安全性の向上に寄与しております。また、運航乗務員や整備要員の効率的な体制、整備部品在庫等のコストの削減にもつながっております。 しかしながら、限定しているが故に当該機種・エンジンに係る仕様上の重大な欠陥等が発覚した場合、当社の運航継続について重大な懸念が生じうる可能性があります。過去における同型機の運航実績等を踏まえると、当社が使用している機種等に重大な欠陥等が存在する可能性は低いものと考えておりますが、万が一そのような事態が生じた場合はすみやかに代替できる機材がなく、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、現在のところ平均機齢は約8年で、機材の経年に伴い、将来において修繕維持費用が増加する可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 仕様上の重大な欠陥等が発覚するなどの事態が発生した場合には、機体及びエンジンのメーカー等から実施期限を設けた適切な整備プログラムが提供されます。当社はこれに基づき速やかに対応し、運航が継続できないリスクを軽減してまいります。 また、経年に関しては、機体メーカーは機材のライフサイクルを考慮した整備プログラムを用意しています。これにより将来発生する整備内容を予測し、整備機会を計画的に設定することによって、一定期間に整備費用が集中することを抑制してまいります。 リスクの内容当該リスクに対する対応策等⑤ 競合について 当社はLCC(格安航空会社)を含めた他の航空会社や新幹線等の交通機関と競合関係にあります。また今後当社が新規路線を開設する場合、当該路線にすでに就航している他の航空会社等との競合関係が生じることが想定されます。さらに、昨今のLCC(格安航空会社)の参入により、同業者間における競合関係が激化しております。こうした競合激化に伴い、販売価格が低下しもしくは計画した旅客数が確保できなかった場合は、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社では、競合する他の航空会社や新幹線等の交通機関との競合において、適正な価格と旅客動向を見極めつつ、需要喚起やイールドコントロール等を適切に行い、収入機会を確保しております。⑥ 特定地域への路線集中と災害リスク 当社は、現在、国内線5路線(北九州-羽田線、関西-羽田線、福岡-羽田線、福岡-中部線、山口宇部-羽田線)および国際線2路線(北九州-台北線、中部-台北線)を運航しております。 就航地域における大規模な地震、台風その他の自然災害等が生じた場合、運航及び経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。特に、当社の本部機能が集積している北九州空港または路線が集中している羽田空港が使用不能に陥った場合、運航及び経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。 特定路線の収入に依存しすぎることのないよう、中長期的な経営戦略において、収益源の多様化を検討し、リスクの分散を図っております。 また、大規模な地震など事業継続に大きな影響を及ぼす規模の災害が歴史的に少ない北九州に本社を置き、堅牢なデータセンターにおける安定的なシステム運用などの対策により、事業の継続が瞬時に停止するリスクの低減を図っております。 ⑦ 路線展開に関するリスク 当社は、航空機材の導入、運航便数の増加、新たな路線展開により収益拡大を図っていく計画でありますが、これらが計画どおりに進捗しない場合、将来の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 航空機は発注から受領までに一定の期間を要するため、当初計画していた路線展開が何らかの要因により不調となった場合、特に、空港発着枠を希望どおりに獲得できない場合、路線展開に大きな制約が課せられ、航空機が過剰となり、以後の計画の大幅な見直しが必要となる可能性があります。また、将来的に、羽田空港、福岡空港及び関西国際空港の発着枠の見直し等が生じた場合は、事業計画に大きな影響を受ける可能性があります。 当社では、路線展開について、十分な計画と複数の展開案を検討し、空港発着枠が取得できなかった場合でも検討した代替案に速やかに変更できるようリスク分散を行っております。 また、当社は国際および国内チャーターの実績も過去に十分に積んでおり、早朝深夜便運航、臨時便を含め、柔軟な運航体制の構築が可能です。⑧ 専門的な人材の確保 当社の行う航空運送事業は、運航乗務員、運航管理者および整備士等の専門性を有した資格保持者の確保が必要です。これらの有資格者は、雇用市場が航空業という限られたものであるため、主に同業他社からの転職者となっております。 これらの専門性を有した資格保持者の確保が計画どおりにできなかった場合、又はこれらの専門性を有した資格保持者が大勢、何らかの理由により業務に就くことができなくなった場合は、当社の安定的な運航や路線展開に大きな影響を受ける可能性があります。 専門性を有した資格保持者の確保のため、採用・養成計画は常に複数年先を見据えた対応を図っております。 運航乗務員については、必要数に応じた採用活動を行っております。今後も運航計画に基づいて、適切に採用を実施し、養成していく方針です。 他職種につきましても、資格保持者の養成などにより人材を確保しております。 リスクの内容当該リスクに対する対応策等⑨ 企業文化が維持できないリスク 運航乗務員等の専門性を有した資格保持者だけではなく、当社の運営に必要な人材の確保も重要です。景気の拡大や労働人口の減少による人材獲得競争がいっそう激しくなり、人材を確保できない場合は、人件費の上昇の可能性も含め、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、当社は、快適かつ質の高い移動空間・サービスの提供に努め、他社にはない新たな価値を創造し、企業理念である『感動のあるエアライン』を目指しております。このような企業理念を堅守する文化が、コストを低く抑えながらも高品質のサービスの提供につながるものと考えております。 当社の持続的な成長のために人員の採用を行っておりますが、教育および企業風土や文化の浸透が不足した場合には、この企業文化が薄れ、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 社員の流失防止のため、処遇の改善だけではなく、スターフライヤーの一員としての自覚、帰属意識を醸成することで会社に対するエンゲージメントの強化を図っております。社員研修や全社プロジェクトへの参画等、乗務や専門業務だけでなく「企業理念を体現し一翼を担う社員」であることを自覚する機会の創出につながる取り組みを実施しております。 各種社内取り組みへの参画等により社内の意識醸成を進め、企業風土や文化の継承に努めております。⑩ 人事・労務に関するリスク 当社の従業員の多くは労働組合に所属しており、当社の従業員による集団的なストライキ等の労働争議が発生した場合には、当社の航空機の運航に大きな影響を及ぼす可能性があります。 集団的な闘争行為が発生しないよう、日ごろから良好な労使関係を築くようにしております。⑪ 特定会社への依存 当社は、全日本空輸株式会社との間で以下の取引を行っております。イ)コードシェア協力契約を締結して国内線の共同運航(コードシェア)を行っております。ロ)予約販売業務請負契約ならびに情報システム利用に関する契約を締結し、国内線の当社航空券の販売ならびに空港ハンドリング業務等について同社の情報システムを用いており、また当社の営業未収入金のうち当該事業の販売額は、別途契約のある一部の販売代理店や法人顧客向けのものを除き、同社より回収することとなっております。ハ)空港ハンドリング業務のうち一部を同社に委託しております。 また、ANAホールディングス株式会社は当社の筆頭株主であり、航空機リース契約を締結しております。 このように当社は、航空運送事業において特定会社に依存しております。提携等を解消するような状況となった場合には、運航に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当該の特定会社とは良好な関係を維持しております。 なお、国際線につきましては、全日本空輸株式会社とのコードシェアは実施しておらず、旅客システムも別会社のものを使用しております。⑫ 情報システムへの依存 当社は、予約販売、搭乗手続き及び運航管理等の業務を情報システムにより管理・運用しております。当該システム及び情報システムを支える通信インフラ等に障害が生じた場合には、運航に大きな影響を及ぼす可能性があります。 予約販売、搭乗手続き及び運航管理等の基幹業務は全日本空輸株式会社の情報システムを使用しており、同社により様々な障害対策が講じられております。また、当社システムであるWEBサイトや会員管理システム等についてはハードウェアやネットワークを二重化するなどの障害対策を講じております。 リスクの内容当該リスクに対する対応策等⑬ 法的規制 当社の行う航空運送事業は、各国との航空協定等の国際協定をはじめ航空法及び関係諸法令による規制を受けており、また、国土交通省航空局による監督を受けております。当該規制に基づき当社は、航空運送事業運営者としての「事業許可証」、各空港における事業運営のための「事業場認定書」及び「業務規程認可書」、並びに運航する全ての航空機に対する「航空機登録証明書」及び「耐空証明書」を国土交通省航空局より交付されております。 航空機の安全性を示す「耐空証明書」については、原則1年単位での検査による更新手続きが必要となっているものの、当社の整備体制が継続的に安全性を確保できるものと当局から評価されていることから、現状の整備体制を維持することで有効性が持続する「連続式の耐空証明」を維持しております。 これらの規制等を遵守できなかった場合には、行政処分により当社の事業活動が制限され、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社では、これらの規制に継続して適合させていくため、適材適所で専門性を有した人材を配置し、安全管理体制並びに品質管理体制を構築しております。なお、当事業年度末現在、許認可等の取消に係る事象はございません。 (主な許認可等の状況)許認可等の名称所管官庁有効期限事業許可国土交通省なし航空機登録証明同上なし事業場認定同上2024年1月業務規程認可同上なし耐空証明同上原則1年但し、当社は連続式耐空証明を取得しているため有効期限なし リスクの内容当該リスクに対する対応策等⑭ 顧客情報の取扱い 当社は、顧客に関する個人情報を保有しております。不正アクセス等の巧妙化に伴いその対策としてのセキュリティに関する必要コストがさらに増加した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、何らかの原因により個人情報が漏洩した場合、顧客からの信用不安や社会的信用の低下により、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社は、個人情報保護法及び個人情報保護に関する社内規程に基づき、適切な管理・運用を行い情報セキュリティの強化に取り組んでおります。 個人情報のデータベースについては、アクセス権限や履歴の管理等を実施しております。また、サイバーセキュリティ対策についても適宜強化を図っており、不測の事態に備え専門事業者賠償保険(サイバーリスク保険)に加入し、情報漏洩時の賠償責任リスクに備えております。 ⑮ 業績の季節変動性について 当社が属する航空業界においては、夏季休暇、年末年始休暇、春季休暇に旅客需要が増大する傾向があるため、当社の業績につきましても季節変動が生じる傾向があります。なお、今後の新規路線の就航や就航便数の増加、天候不順等により、当該季節変動とは異なる傾向となる可能性もあります。 当社では季節変動による需要の変化については、業績予想に織り込んでおります。 閑散期においては、プロモーションや各種キャンペーンなどを展開し、季節変動を最小限に抑えています。またビジネス需要の取り込みにより、年間を通じての安定的な収入確保に努めております。 ⑯ 当社の財政状態(有利子負債)について 当社では現在、航空機を主にオペレーティング・リースにより調達し、財務諸表上はオフバランスとなっております。2023年3月期末における未経過リース料の総額は17,890百万円です。 当社はこれまで必要資金を金融機関からの借入れやファイナンス・リースにより調達した結果、2023年3月期末における有利子負債残高が3,583百万円となり、総資産に占める割合が16.8%となっております。このため、今後金融情勢が悪化することで金利負担が増加した場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。 各金融機関と良好な関係を維持するよう努めております。 当社の業績が好調な時期には、繰上げ返済を行うなど、有利子負債の削減に努めております。⑰ 将来の資金調達について 当社が事業を今後さらに拡大するためには、継続して航空機の導入等のための資金調達が必要であります。当該資金につきましては、外部からの資金調達(借入れ・リース)もしくは今後の内部留保によって確保する必要がありますが、今後適時に十分な資金を確保できない場合は、新たな路線展開等のビジネスチャンスを活かすことができなくなるため、将来の当社の業績への影響並びに当社事業計画の遅延や変更が生ずる可能性があります。 航空機材の導入に当たっては、複数のリース会社より提案を受けるなどして、幅広い選択肢から妥当なものを選択するようにしております。
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2【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)リスクマネジメント体制 当社は、企業活動の持続的発展の実現を阻害するリスクに対処するため、日常的にリスクを識別し、社内規程等に従い、損失の危険を回避・予防しております。また、重大なリスクが顕在化したときは、被害を最小限に留めるための適切な措置を講じてまいります。 当社は、「リスク管理規程」を制定し、同規程においてリスクカテゴリごとの責任部署を定め、当社のリスクを統括的に管理しております。 当社におけるリスクマネジメントの中心は、飛行の安全の維持・向上です。当社は「安全管理規程」に従い、フライトセーフティレビュー委員会を定期的に開催し、安全管理システム(SMS:Safety Management System)が正しく有効に機能し、安全運航の基本方針である「安全憲章」および「安全運航のための行動指針」が、業務全般にわたり、具体的な安全施策に結びついていることを確認しております。 (2)新型コロナウイルス感染症拡大の影響 新型コロナウイルス感染症の拡大による航空需要減退は、当社の業績に大きな影響を及ぼしております。 今後の感染拡大の状況によっては、航空需要減退に伴う収入減少がこれまで以上に長期化および拡大し、当社の業績及び財政状態にさらに大きな影響を及ぼす可能性があります。なお、金融機関とのコミットメントライン契約およびシンジケートローン契約には財務制限条項が設定されているものもあり、一部緩和を受けたとはいえ、当条項に抵触した場合、当社の財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3)継続企業の前提に関する重要事象等 2019年末に新型コロナウイルス感染症が中国で初めて確認され、これまでに多くの国や地域へ拡大しております。国内においても、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発出に伴う人流抑制措置などにより、国内線を中心とした航空運送事業を行う当社においても需要が大きく縮小した状況が継続しております。このような状況に対し、2020年3月以降、国内線および国際線の運休・減便を行うとともに、徹底した費用削減等の施策を継続することにより、業績への影響の低減を図ってまいりました。 前事業年度と比較すると需要は徐々に回復し業績も確実に改善傾向にあるものの、依然として非常に厳しい状況であることに変わりなく、当事業年度において4,986百万円の当期純損失(前事業年度は当期純損失10,067百万円)を計上し、当事業年度末の純資産合計は1,357百万円となっております。 この結果、営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスが継続するとともに、一部の借入契約に付されている財務制限条項(2022年3月期末日における純資産の部の合計金額、2022年3月期における経常損失)に抵触し、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。 このような事象又は状況を解消するために、収支改善の施策を推進するとともに財務状況の安定化を図ることとします。具体的には下記を推進し、事業の継続、その後の回復を目指しております。 事業継続のための取り組み ・運転資金の安定的確保 ・需要減少に応じた生産体制の構築(計画的減便・運休、社員の一時帰休等) ・迅速に生産調整を行える弾力的な体制の構築 ・感染症拡大阻止への取り組み(組織的な全社員の健康管理、テレワークの実施等) ・プロジェクト体制での収支改善・生産性向上の取り組み また、これらの当社独自の対応策を実施することに加え、金融機関との緊密な連携関係を維持し、財務制限条項への抵触に関しても、一括返済の請求は行わない旨の同意を得ております。これらの結果、当面(今後1年間)の資金繰りには問題なく、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。 (4)航空業界に関連するリスク 航空業界に関連するリスクとして当社が認識しているものは、以下のとおりです。 リスクの内容当該リスクに対する対応策等① 景気動向の影響について 当社が属する航空業界は、旅客需要等について景気動向等の変動による影響を受けております。景気低迷が長期化した場合には、企業の出張抑制等から当社の主要顧客であるビジネス旅客が減少する可能性や、レジャー需要が減少する可能性があり、業績に影響を及ぼす可能性があります。 イベントリスク等不確実性の高い要素に大きく影響を受ける状況下において経営を持続させるため、純資産の積み上げを計画的に行っています。② 国際情勢の変化による影響 国際紛争、大規模なテロ事件および伝染病の流行等が発生した場合、航空需要に大きな影響を及ぼす可能性があります。これらに対応するための保安規制強化による利便性の低下も航空需要に影響を及ぼす可能性があります。さらに、これらに関連して航空保険料や保安対策費用等が増加する可能性があり、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ③ 公租公課 航空運送事業に関する公租公課には、着陸料や航行援助施設利用料をはじめとする空港使用料並びに国内線運航に使用する航空機燃料に賦課される航空機燃料税が挙げられます。 現在、空港使用料について2020年8月より2023年2月末まで、航空機燃料税について2011年4月より2023年3月末まで国による軽減措置が行われています。このため、当該対象期間における当社事業費が軽減されることとなりますが、今後政策の転換等によって当該軽減措置に変更が生じた場合には当社業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ④ 将来の環境規制 当社の行う航空運送事業は、航空機の騒音、排気、有害物質の使用及び環境汚染等を管理・統制する様々な環境関連法規制の制約を受けております。現在、これらに関する法令遵守等に対して適確に取り組んでおりますが、これらに関する法令遵守又は環境改善のための追加的な義務が求められることとなった場合、関連した費用が当社の事業、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 環境改善の為の追加的な義務が生じた場合は適切に対応し、事業、業績に大きな影響を及ぼさないよう関連各所と連携して対応してまいります。後継機種の検討においては、より環境性能の高い機種を検討してまいります。 (5)その他の主要なリスク その他主要なリスクとして当社が認識しているものは、以下のとおりです。 リスクの内容当該リスクに対する対応策等① 原油価格、為替相場の変動 当社の行う航空運送事業は、航空機燃料を使用するため、原油価格変動の影響を受けます。今後の国際的な原油市場の需給バランス、産油国の政情不安および投機資金の原油市場への流入等に伴う原油価格水準の変動によっては、燃料費が上昇し、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、航空機賃借料を含む一部費用等について、外貨建取引(主としてドル建て)を行っているため、為替相場変動の影響も受ける環境にあり、今後の為替相場に大幅な変動が生じた場合にも、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 これらの変動リスクをヘッジ(減殺)すべく、航空機燃料関連として商品スワップ取引等、通貨関連として為替予約取引等のデリバティブ取引を行っております。 なお、当社では「市場リスク管理に関する規程」を制定し、デリバティブ取引は、市場における相場変動に対するリスクヘッジ目的のみに利用し、投機的な目的では行わない方針を定めております。② 限定された機材数と航空事故 当社は、当事業年度末現在、航空機11機により運航しております。万が一重大な航空事故が生じた場合は、安全が確認されるまで、当初計画どおりの運航は困難となります。 また、他社で重大な航空事故が生じた場合にも、その後の航空需要の低下など、当社航空機利用者数の減少により当社の事業に大きな影響を及ぼす可能性があります。 飛行の安全の維持・向上のため、全社をあげて安全管理システム(SMS)を構築し、管理、推進して有効に機能させております。また自発報告(ヒヤリハット報告)制度を「STV」と称して促進するなどの取り組みにより安全運航に対する意識醸成を図っております。 万が一重大な航空事故が生じた場合、損害賠償、運航機材等の修理・修復等の費用は、主に航空保険にて填補されます。 ③ 多頻度運航について 当社では機材あたりの収益性を高めるべく、機材の1日当たり稼働率(乗客を乗せて運航している時間)を高水準で維持することに努めております。 しかしながら、天候、安全対応等の様々な要因によって長期間欠航せざるを得ない場合や、航空機に重大な故障が生じた場合、機材の使用頻度が想定を下回り、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 高い稼働率を実現するために、効率的なダイヤと機材繰りを設定したうえで、全社の生産体制の調整に努めております。④ 特定航空機材への依存と機齢上昇による整備コスト増加 当社の使用している航空機並びにエンジンは、それぞれ1種類に限定しております。これは、必要な整備部品在庫・整備要員を圧縮しコストを低下させることにつながります。 しかしながら、限定しているが故に当該機種・エンジンに係る仕様上の欠陥等が発覚した場合、当社の運航継続について重大な懸念が生じうる可能性があります。過去における同型機の運航実績等を考慮すると、当社の採用する機材等にこうした重大な欠陥等が存在する可能性は低いものと考えておりますが、万が一そのような事態が生じた場合はすみやかに代替とできる機種がなく、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、現在のところ平均機齢は約7年と比較的若いですが、機材の経年に伴い、将来において修繕維持費用が増加する可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 仕様上の欠陥が発覚するなどの事態が発生した場合には、機体及びエンジンメーカー等から実施期限を設けた適切な整備プログラムが提供されます。当社はこれに基づき速やかに対応し、運航継続へリスクを軽減してまいります。 また、経年に関しては、機体メーカーは機材のライフサイクルを考慮した整備プログラムを用意しています。これにより将来発生する整備内容を予測し、整備機会を計画的に設定することによって、一定期間に整備費用が集中することを抑制してまいります。 リスクの内容当該リスクに対する対応策等⑤ 競合について 当社は同一路線を運航する同業他社、周辺路線を運航する同業他社並びに新幹線等の公共交通機関と競合関係にあります。また今後当社が新規路線を開設する場合、当該路線にすでに就航している同業他社等との競合関係が生じることが想定されます。さらに、昨今のLCC(低コスト航空会社)の参入により、同業者間における競合関係が激化しております。こうした競合激化に伴い、販売価格が低下しもしくは計画した旅客数が確保できなかった場合は、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社では、競合する他社や新幹線等との競争において、適正な価格と旅客動向を見極めつつ、座席コントロールや価格の調整を適切に行い、収益機会を獲得しております。 また、新規路線開設においては競合他社の動向に注視し、収支計画に無理が生じないように路線展開を行っています。⑥ 特定地域への路線集中と災害リスク 当社は、現在、国内定期6路線(北九州-羽田線、関西-羽田線、福岡-羽田線、福岡-中部線、山口宇部-羽田線、北九州-那覇線)および国際定期2路線(北九州-台北線、中部-台北線)のみの運航に限定されております。 就航地域における大規模な地震、台風その他の自然災害等が生じた場合、運航及び経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。特に、当社の本部機能が集積している北九州空港または路線が集中している羽田空港が使用不能に陥った場合、運航及び経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。 特定路線の収入に依存しすぎることのないよう、中長期的な経営戦略において、国際線も含めた就航地の分散を検討し、リスクの分散を図っております。 また、大地震など事業継続に大きな影響を及ぼす規模の大規模災害が歴史的に少ない北九州に本社を置き、堅固なデータセンターへの情報保管を徹底するなどの対策により、事業の継続が瞬時に停止するリスクの低減を図っております。 ⑦ 路線展開に関するリスク 当社は、将来の航空機材の導入、運航便数の増加、新たな路線展開により収益拡大を図っていく計画でありますが、これらが計画どおりに進捗しない場合、将来の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 航空機は発注から受領までに一定の期間を要するため、当初計画していた路線展開が何らかの要因により不調となった場合、特に、空港発着枠を希望どおりに獲得できない場合、路線展開に大きな制約が課せられ、航空機が過剰となり、以後の計画の大幅な見直しが必要となる可能性があります。また、将来的に、羽田空港、福岡空港及び関西国際空港の発着枠の見直し等が生じた場合は、事業計画に大きな影響を受ける可能性があります。 当社では、路線展開について、十分な計画と複数の展開案を検討し、空港発着枠が取得できなかった場合でも検討した代替案に速やかに変更できるようリスク分散を行っております。 また、当社は国際および国内チャーターの実績も過去に十分に積んでおり、早朝深夜便運航、臨時便を含め、柔軟な運航体制の構築が可能です。⑧ 専門的な人材の確保 当社の行う航空運送事業は、運航乗務員、運航管理者および整備士等の専門性を有した資格保持者の確保が必要であります。これらの有資格者は、雇用市場が航空業という限られたものであるため、主に同業他社からの転職者となっております。 これらの専門性を有した資格保持者の確保が計画どおりにできなかった場合、又はこれらの専門性を有した資格保持者が大勢、何らかの理由により業務に就くことができなくなった場合は、当社の路線展開に大きな制約が課せられ、もしくは運航に影響を受ける可能性があります。 専門職種の資格保有者の確保のため、採用・養成計画は常に複数年先を見据えた対応を図っております。 運航乗務員については、機長、副操縦士の過不足を見極めた上で、必要数に応じた採用活動を行っております。今後も、運航計画に基づいて、柔軟に採用・自社教官による養成を継続していく方針です。 他職種につきましても、自社養成による有資格者育成などにより人材確保しております。 リスクの内容当該リスクに対する対応策等⑨ 人件費の増加、企業文化が維持できないリスク 運航乗務員等の専門性を有した資格保持者に限らず、当社の運営に必要な人材の確保が重要です。景気の拡大や労働人口の減少による人材獲得競争がいっそう激しくなり、業務効率化により人件費の上昇を吸収することができない場合は、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、当社は、快適かつ質の高い移動空間・サービスの提供に努め、他社にはない新たな価値を創造し、企業理念である『感動のあるエアライン』を目指しております。このような企業理念を堅守する文化が、コストを低く抑えながらも高品質のサービスの提供につながるものと考えております。 当社が持続的に成長するために人員の採用を行っておりますが、教育および文化の浸透が不足した場合には、この企業文化が薄れ、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 社員の流失防止のため、処遇の改善だけではなく、スターフライヤーの一員としての自覚、帰属意識を醸成することで会社に対するエンゲージメントの強化を図っております。社員研修や全社プロジェクトへの参画、訓練期間中に他部門の地上業務に従事する等、乗務や専門業務だけでなく「企業理念を体現し一翼を担う社員」であることを自覚する機会創出を実施しております。 各種社内取り組みへの参画等により社内の意識醸成を進め、企業風土や文化の継承に努めております。⑩ 人事・労務に関するリスク 当社の従業員の多くは労働組合に所属しており、当社の従業員による集団的なストライキ等の労働争議が発生した場合には、当社の航空機の運航に影響を及ぼす可能性があります。 集団的な闘争行為が発生しないよう、日ごろから良好な労使関係を築くようにしております。⑪ 特定会社への依存 当社は、全日本空輸株式会社との間で以下の取引を行っております。イ)コードシェア協力契約を締結して共同運航(コードシェア)を行っております。ロ)予約販売業務請負契約ならびに情報システム利用に関する契約を締結し、国内線の当社航空券の販売ならびに空港ハンドリング業務等について同社の情報システムを用いており、当社の営業未収入金のうち当該事業の販売額は、別途契約のある一部の販売代理店や法人顧客向けのものを除き、全日本空輸株式会社より回収することとなっております。ハ)空港ハンドリング業務のうち一部を全日本空輸株式会社に委託しております。 また、ANAホールディングス株式会社は当社の筆頭株主であり、役員の派遣を受けているほか、航空機リース契約を締結しております。 このように当社は、航空運送事業において特定会社に依存しております。提携・締結内容を解消するような状況となった場合には、運航に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当該各特定会社とは良好な関係を維持しております。 なお、国際線につきましては、全日本空輸株式会社とのコードシェアは実施しておらず、旅客システムも別会社のものを使用しております。⑫ 情報システムへの依存 当社は、予約販売、搭乗手続き及び運航管理等の業務を情報システムにより管理・運用しております。当該システム及び情報システムを支える通信インフラ等に障害が生じた場合には、運航に大きな影響を及ぼす可能性があります。 予約販売・搭乗手続き及び運航管理等の基幹業務は全日本空輸株式会社の情報システムを使用しており、同社により様々な障害対策が講じられております。また、当社システムであるWEBサイトや会員管理システム等についてはハードウェアやネットワークを二重化するなどの障害対策を講じております。 リスクの内容当該リスクに対する対応策等⑬ 法的規制 当社の行う航空運送事業は、各国との航空協定等の国際協定をはじめ航空法及び関係諸法令による規制を受けており、また、国土交通省航空局による監督を受けております。当該規制に基づき当社は、航空運送事業運営者としての「事業許可証」、各空港における事業運営のための「事業場認定書」及び「業務規程認可書」、並びに運航する全ての航空機に対する「航空機登録証明書」及び「耐空証明書」を国土交通省航空局より交付されております。 航空機の安全性を示す「耐空証明書」については、原則1年単位での検査による更新手続きが必要となっているものの、当社の整備体制が継続的に安全性を確保できるものと当局から評価されていることから、現状の整備体制を維持することで有効性が持続する「連続式の耐空証明」を維持しております。 これらの規制等を遵守できなかった場合には、行政処分により当社の事業活動が制限され、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社では、これらの規制に継続して適合させていくため、適材適所で専門性を有した人材を配置し、安全管理体制並びに品質管理体制を構築しております。なお、当事業年度末現在、許認可等の取消に係る事象はございません。 (主な許認可等の状況)許認可等の名称所管官庁有効期限事業許可国土交通省なし航空機登録証明同上なし事業場認定同上2024年1月業務規程認可同上なし耐空証明同上原則1年 但し、当社は連続式耐空証明を取得しているため有効期限なし リスクの内容当該リスクに対する対応策等⑭ 顧客情報の取扱い 当社は、顧客に関する個人情報を保有しております。不正アクセス等の巧妙化に伴いその対策としてのセキュリティに関する必要コストがさらに増加した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、何らかの原因により個人情報が漏洩した場合、顧客からの信用不安や社会的信用の低下により、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社は、個人情報保護法及び個人情報保護に関する社内規程に基づき、適切な管理・運用を行い情報セキュリティに取り組んでおります。 社内データベースは、アクセス権限や履歴管理など実施しております。また、サイバーセキュリティ対策については適宜強化を図っております。また不測の事態に備え専門事業者賠償保険(サイバーリスク保険)に加入し、情報漏洩時の賠償責任リスクに備えております。 ⑮ 業績の季節変動性について 当社の属する旅客航空運送業界においては、夏季休暇、年末年始休暇、春季休暇に需要が増大する傾向があります。そのため当社の業績につきましても、当該季節要因による偏重が生じる傾向があります。しかしながら、今後の新規路線の就航や就航便数の増加、天候不順等により、当該季節変動とは異なる業績トレンドとなる可能性があります。 当社では季節変動による需要の変化については、業績予想に織り込んでおります。 閑散期においては、価格プロモーションや各種キャンペーンなどを展開し、変動を最小限に抑えています。またビジネス需要の取り込みにより、年間を通じての安定的な収入確保につとめております。 ⑯ 当社の財政状態(有利子負債)について 当社では現在、航空機材を主にオペレーティング・リースにより調達し、財務諸表上はオフバランスとなっており、2022年3月期末における未経過リース料の総額は21,216百万円であります。 加えて、当社はこれまで必要資金を金融機関からの借入れやファイナンス・リースにより調達した結果、2022年3月期末における有利子負債残高が4,936百万円となり、総資産に占める割合が24.5%と高くなっております。このため、今後金融情勢が悪化することで負担金利が上昇した場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。 各金融機関と良好な関係を維持するよう努めております。 当社の業績が好調な時期には、繰上げ返済を行うなど、有利子負債の削減に努めております。⑰ 将来の資金調達について 当社が事業を今後さらに拡大するためには、継続して航空機材の導入等のための資金調達が必要であります。当該資金につきましては、外部からの資金調達(借入れ・リース)もしくは今後の内部留保によって確保する必要がありますが、今後適時に十分な資金を確保できない場合は、新たな路線展開等のビジネスチャンスをつかむことができなくなるため、将来の当社の業績への影響並びに当社事業計画の遅延や変更が生ずる可能性があります。 航空機材の導入に当たっては、複数のリース会社より提案を受けるなどして、幅広い選択肢から妥当なものを選択するようにしております。
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2【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)リスクマネジメント体制 当社は、企業活動の持続的発展の実現を阻害するリスクに対処するため、日常的にリスクを識別し、社内規程等に従い、損失の危険を回避・予防しております。また、重大なリスクが顕在化したときは、被害を最小限に留めるための適切な措置を講じてまいります。 当社は、「リスク管理規程」を制定し、同規程においてリスクカテゴリごとの責任部署を定め、当社のリスクを統括的に管理しております。 当社におけるリスクマネジメントの中心は、飛行の安全の維持・向上です。当社は「安全管理規程」に従い、フライトセーフティレビュー委員会を定期的に開催し、安全管理システム(SMS:Safety Management System)が正しく有効に機能し、安全運航の基本方針である「安全憲章」および「安全運航のための行動指針」が、業務全般にわたり、具体的な安全施策に結びついていることを確認しております。 (2)新型コロナウイルス感染症拡大の影響 新型コロナウイルス感染症の拡大による航空需要減退は、当社の業績に大きな影響を及ぼしております。 今後の感染拡大の状況によっては、航空需要減退に伴う収入減少がこれまで以上に長期化および拡大し、当社の業績及び財政状態にさらに大きな影響を及ぼす可能性があります。なお、金融機関とのコミットメントライン契約、シンジケートローン契約、およびファイナンス・リース契約には財務制限条項が設定されているものもあり、一部緩和を受けたとはいえ、当条項に抵触した場合、当社の財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3)継続企業の前提に関する重要事象等 2019年末に新型コロナウイルス感染症が中国で初めて確認され、これまでに多くの国や地域へ拡大しております。各国における入国制限や本邦での都道府県をまたぐ移動自粛要請などにより、国内線を中心とした航空運送事業を行う当社においても2020年2月下旬より需要が縮小しており、影響が本格化した同年3月以降は国内線および国際線の運休・減便を行い、業績への影響の低減を図っております。 しかしながら、同感染症の拡大から1年が経過した現在においても収束の兆しはなく、当社の業績は依然として非常に厳しい状況であり、当事業年度において10,067百万円の当期純損失を計上いたしました。 この結果、営業活動によるキャッシュ・フローは著しく悪化し、当事業年度は3,720百万円のキャッシュ・アウトフロー(前事業年度は4,895百万円のキャッシュ・インフロー)となり、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。 このような事象又は状況を解消するために、収支改善および費用削減等の施策を行い、具体的には下記を推進し財務状況の安定化に取り組んでおります。 事業継続のための取り組み ・運転資金の確保 ・需要減少に応じた生産体制の構築(計画的減便・運休、社員の一時帰休等) ・感染症拡大阻止への取り組み(組織的な全社員の健康管理、テレワークの実施等) ・プロジェクト体制でのコスト削減・生産性向上の取り組み また、これらの当社独自の対応策を実施することに加え、金融機関との緊密な連携関係を高め、2021年3月にコミットメントライン契約およびシンジケートローン契約の改定(財務制限条項の緩和)を行うとともに、2020年12月25日開催の取締役会において「第三者割当による種類株式及び新株予約権の発行等」に関する決議を行い、2021年3月9日には同種類株式及び新株予約権の発行に係る払い込みが完了しました。これらの結果、当面(今後1年間)の資金繰りには問題なく、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。 (4)航空業界に関連するリスク 航空業界に関連するリスクとして当社が認識しているものは、以下のとおりです。 リスクの内容当該リスクに対する対応策等① 景気動向の影響について 当社が属する航空業界は、旅客需要等について景気動向等の変動による影響を受けております。景気低迷が長期化した場合には、企業の出張抑制等から当社の主要顧客であるビジネス旅客が減少する可能性や、レジャー需要が減少する可能性があり、業績に影響を及ぼす可能性があります。 イベントリスク等不確実性の高い要素に大きく影響を受ける状況下において経営を持続させるため、純資産の積み上げを計画的に行っています。② 国際情勢の変化による影響 国際紛争、大規模なテロ事件および伝染病の流行等が発生した場合、航空需要に大きな影響を及ぼす可能性があります。これらに対応するための保安規制強化による利便性の低下も航空需要に影響を及ぼす可能性があります。さらに、これらに関連して航空保険料や保安対策費用等が増加する可能性があり、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ③ 公租公課 航空運送事業に関する公租公課には、着陸料や航行援助施設利用料をはじめとする空港使用料並びに国内線運航に使用する航空機燃料に賦課される航空機燃料税が挙げられます。 現在、空港使用料について2020年8月より2022年2月末まで、航空機燃料税について2011年4月より2022年3月末まで国による軽減措置が行われています。このため、当該対象期間における当社事業費が軽減されることとなりますが、今後政策の転換等によって当該軽減措置に変更が生じた場合には当社業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ④ 将来の環境規制 当社の行う航空運送事業は、航空機の騒音、排気、有害物質の使用及び環境汚染等を管理・統制する様々な環境関連法規制の制約を受けております。現在、これらに関する法令遵守等に対して適確に取り組んでおりますが、これらに関する法令遵守又は環境改善のための追加的な義務が求められることとなった場合、関連した費用が当社の事業、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 環境改善の為の追加的な義務が生じた場合は適切に対応し、事業、業績に大きな影響を及ぼさないよう関連各所と連携して対応してまいります。後継機種の検討においては、より環境性能の高い機種を検討してまいります。 (5)その他の主要なリスク その他主要なリスクとして当社が認識しているものは、以下のとおりです。 リスクの内容当該リスクに対する対応策等① 原油価格、為替相場の変動 当社の行う航空運送事業は、航空機燃料を使用するため、原油価格変動の影響を受けます。今後の国際的な原油市場の需給バランス、産油国の政情不安および投機資金の原油市場への流入等に伴う原油価格水準の変動によっては、燃料費が上昇し、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、航空機賃借料を含む一部費用等について、外貨建取引(主としてドル建て)を行っているため、為替相場変動の影響も受ける環境にあり、今後の為替相場に大幅な変動が生じた場合にも、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 これらの変動リスクをヘッジ(減殺)すべく、航空機燃料関連として商品スワップ取引等、通貨関連として為替予約取引等のデリバティブ取引を行っております。 なお、当社では「市場リスク管理に関する規程」を制定し、デリバティブ取引は、市場における相場変動に対するリスクヘッジ目的のみに利用し、投機的な目的では行わない方針を定めております。② 限定された機材数と航空事故 当社は、当事業年度末現在、航空機13機により運航しております。万が一重大な航空事故が生じた場合は、安全が確認されるまで、当初計画どおりの運航は困難となります。 また、他社で重大な航空事故が生じた場合にも、その後の航空需要の低下など、当社航空機利用者数の減少により当社の事業に大きな影響を及ぼす可能性があります。 飛行の安全の維持・向上のため、全社をあげて安全管理システム(SMS)を構築し、管理、推進して有効に機能させております。また自発報告(ヒヤリハット報告)制度を「STV」と称して促進するなどの取り組みにより安全運航に対する意識醸成を図っております。 万が一重大な航空事故が生じた場合、損害賠償、運航機材等の修理・修復等の費用は、主に航空保険にて填補されます。 ③ 多頻度運航について 当社では機材あたりの収益性を高めるべく、機材の1日当たり稼働率(乗客を乗せて運航している時間)を高水準で維持することに努めております。 しかしながら、天候、安全対応等の様々な要因によって長期間欠航せざるを得ない場合や、航空機に重大な故障が生じた場合、機材の使用頻度が想定を下回り、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 高い稼働率を実現するために、効率的なダイヤと機材繰りを設定したうえで、全社の生産体制の調整に努めております。④ 特定航空機材への依存と機齢上昇による整備コスト増加 当社の使用している航空機並びにエンジンは、それぞれ1種類に限定しております。これは、必要な整備部品在庫・整備要員を圧縮しコストを低下させることにつながります。 しかしながら、限定しているが故に当該機種・エンジンに係る仕様上の欠陥等が発覚した場合、当社の運航継続について重大な懸念が生じうる可能性があります。過去における同型機の運航実績等を考慮すると、当社の採用する機材等にこうした重大な欠陥等が存在する可能性は低いものと考えておりますが、万が一そのような事態が生じた場合はすみやかに代替とできる機種がなく、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、現在のところ平均機齢は約7年と比較的若いですが、機材の経年に伴い、将来において修繕維持費用が増加する可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 仕様上の欠陥が発覚するなどの事態が発生した場合には、機体及びエンジンメーカー等から実施期限を設けた適切な整備プログラムが提供されます。当社はこれに基づき速やかに対応し、運航継続へリスクを軽減してまいります。 また、経年に関しては、機体メーカーは機材のライフサイクルを考慮した整備プログラムを用意しています。これにより将来発生する整備内容を予測し、整備機会を計画的に設定することによって、一定期間に整備費用が集中することを抑制してまいります。 リスクの内容当該リスクに対する対応策等⑤ 競合について 当社は同一路線を運航する同業他社、周辺路線を運航する同業他社並びに新幹線等の公共交通機関と競合関係にあります。また今後当社が新規路線を開設する場合、当該路線にすでに就航している同業他社等との競合関係が生じることが想定されます。さらに、昨今のLCC(低コスト航空会社)の参入により、同業者間における競合関係が激化しております。こうした競合激化に伴い、販売価格が低下しもしくは計画した旅客数が確保できなかった場合は、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社では、競合する他社や新幹線等との競争において、適正な価格と旅客動向を見極めつつ、座席コントロールや価格の調整を適切に行い、収益機会を獲得しております。 また、新規路線開設においては競合他社の動向に注視し、収支計画に無理が生じないように路線展開を行っています。⑥ 特定地域への路線集中と災害リスク 当社は、現在、国内定期6路線(北九州-羽田線、関西-羽田線、福岡-羽田線、福岡-中部線、山口宇部-羽田線、北九州-那覇線)および国際定期2路線(北九州-台北線、中部-台北線)のみの運航に限定されております。 就航地域における大規模な地震、台風その他の自然災害等が生じた場合、運航及び経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。特に、当社の本部機能が集積している北九州空港または路線が集中している羽田空港が使用不能に陥った場合、運航及び経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。 特定路線の収入に依存しすぎることのないよう、中長期的な経営戦略において、国際線も含めた就航地の分散を検討し、リスクの分散を図っております。 また、大地震など事業継続に大きな影響を及ぼす規模の大規模災害が歴史的に少ない北九州に本社を置き、堅固なデータセンターへの情報保管を徹底するなどの対策により、事業の継続が瞬時に停止するリスクの低減を図っております。 ⑦ 路線展開に関するリスク 当社は、将来の航空機材の導入、運航便数の増加、新たな路線展開により収益拡大を図っていく計画でありますが、これらが計画どおりに進捗しない場合、将来の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 航空機は発注から受領までに一定の期間を要するため、当初計画していた路線展開が何らかの要因により不調となった場合、特に、空港発着枠を希望どおりに獲得できない場合、路線展開に大きな制約が課せられ、航空機が過剰となり、以後の計画の大幅な見直しが必要となる可能性があります。また、将来的に、羽田空港、福岡空港及び関西国際空港の発着枠の見直し等が生じた場合は、事業計画に大きな影響を受ける可能性があります。 当社では、路線展開について、十分な計画と複数の展開案を検討し、空港発着枠が取得できなかった場合でも検討した代替案に速やかに変更できるようリスク分散を行っております。 また、当社は国際および国内チャーターの実績も過去に十分に積んでおり、早朝深夜便運航、臨時便を含め、柔軟な運航体制の構築が可能です。⑧ 専門的な人材の確保 当社の行う航空運送事業は、運航乗務員、運航管理者および整備士等の専門性を有した資格保持者の確保が必要であります。これらの有資格者は、雇用市場が航空業という限られたものであるため、主に同業他社からの転職者となっております。 これらの専門性を有した資格保持者の確保が計画どおりにできなかった場合、又はこれらの専門性を有した資格保持者が大勢、何らかの理由により業務に就くことができなくなった場合は、当社の路線展開に大きな制約が課せられ、もしくは運航に影響を受ける可能性があります。 専門職種の資格保有者の確保のため、採用・養成計画は常に複数年先を見据えた対応を図っております。 運航乗務員については、機長、副操縦士の過不足を見極めた上で、必要数に応じた採用活動を行っております。今後も、運航計画に基づいて、柔軟に採用・自社教官による養成を継続していく方針です。 他職種につきましても、自社養成による有資格者育成などにより人材確保しております。 リスクの内容当該リスクに対する対応策等⑨ 人件費の増加、企業文化が維持できないリスク 運航乗務員等の専門性を有した資格保持者に限らず、当社の運営に必要な人材の確保が重要です。景気の拡大や労働人口の減少による人材獲得競争がいっそう激しくなり、業務効率化により人件費の上昇を吸収することができない場合は、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、当社は、快適かつ質の高い移動空間・サービスの提供に努め、他社にはない新たな価値を創造し、企業理念である『感動のあるエアライン』を目指しております。このような企業理念を堅守する文化が、コストを低く抑えながらも高品質のサービスの提供につながるものと考えております。 当社が持続的に成長するために人員の採用を行っておりますが、教育および文化の浸透が不足した場合には、この企業文化が薄れ、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 社員の流失防止のため、処遇の改善だけではなく、スターフライヤーの一員としての自覚、帰属意識を醸成することで会社に対するエンゲージメントの強化を図っております。社員研修や全社プロジェクトへの参画、訓練期間中に他部門の地上業務に従事する等、乗務や専門業務だけでなく「企業理念を体現し一翼を担う社員」であることを自覚する機会創出を実施しております。 各種社内取り組みへの参画等により社内の意識醸成を進め、企業風土や文化の継承に努めております。⑩ 人事・労務に関するリスク 当社の従業員の多くは労働組合に所属しており、当社の従業員による集団的なストライキ等の労働争議が発生した場合には、当社の航空機の運航に影響を及ぼす可能性があります。 集団的な闘争行為が発生しないよう、日ごろから良好な労使関係を築くようにしております。⑪ 特定会社への依存 当社は、全日本空輸株式会社との間で以下の取引を行っております。イ)コードシェア協力契約を締結して共同運航(コードシェア)を行っております。ロ)予約販売業務請負契約ならびに情報システム利用に関する契約を締結し、国内線の当社航空券の販売ならびに空港ハンドリング業務等について同社の情報システムを用いており、当社の営業未収入金のうち当該事業の販売額は、別途契約のある一部の販売代理店や法人顧客向けのものを除き、全日本空輸株式会社より回収することとなっております。ハ)空港ハンドリング業務のうち一部を全日本空輸株式会社に委託しております。 また、ANAホールディングス株式会社は当社の筆頭株主であり、役員の派遣を受けているほか、航空機リース契約を締結しております。 このように当社は、航空運送事業において特定会社に依存しております。提携・締結内容を解消するような状況となった場合には、運航に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当該各特定会社とは良好な関係を維持しております。 なお、国際線につきましては、全日本空輸株式会社とのコードシェアは実施しておらず、旅客システムも別会社のものを使用しております。⑫ 情報システムへの依存 当社は、予約販売、搭乗手続き及び運航管理等の業務を情報システムにより管理・運用しております。当該システム及び情報システムを支える通信インフラ等に障害が生じた場合には、運航に大きな影響を及ぼす可能性があります。 予約販売・搭乗手続き及び運航管理等の基幹業務は全日本空輸株式会社の情報システムを使用しており、同社により様々な障害対策が講じられております。また、当社システムであるWEBサイトや会員管理システム等についてはハードウェアやネットワークを二重化するなどの障害対策を講じております。 リスクの内容当該リスクに対する対応策等⑬ 法的規制 当社の行う航空運送事業は、各国との航空協定等の国際協定をはじめ航空法及び関係諸法令による規制を受けており、また、国土交通省航空局による監督を受けております。当該規制に基づき当社は、航空運送事業運営者としての「事業許可証」、各空港における事業運営のための「事業場認定書」及び「業務規程認可書」、並びに運航する全ての航空機に対する「航空機登録証明書」及び「耐空証明書」を国土交通省航空局より交付されております。 航空機の安全性を示す「耐空証明書」については、原則1年単位での検査による更新手続きが必要となっているものの、当社の整備体制が継続的に安全性を確保できるものと当局から評価されていることから、現状の整備体制を維持することで有効性が持続する「連続式の耐空証明」を維持しております。 これらの規制等を遵守できなかった場合には、行政処分により当社の事業活動が制限され、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社では、これらの規制に継続して適合させていくため、適材適所で専門性を有した人材を配置し、安全管理体制並びに品質管理体制を構築しております。なお、当事業年度末現在、許認可等の取消に係る事象はございません。 (主な許認可等の状況)許認可等の名称所管官庁有効期限事業許可国土交通省なし航空機登録証明同上なし事業場認定同上2022年1月業務規程認可同上なし耐空証明同上原則1年 但し、当社は連続式耐空証明を取得しているため有効期限なし リスクの内容当該リスクに対する対応策等⑭ 顧客情報の取扱い 当社は、顧客に関する個人情報を保有しております。不正アクセス等の巧妙化に伴いその対策としてのセキュリティに関する必要コストがさらに増加した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、何らかの原因により個人情報が漏洩した場合、顧客からの信用不安や社会的信用の低下により、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社は、個人情報保護法及び個人情報保護に関する社内規程に基づき、適切な管理・運用を行い情報セキュリティに取り組んでおります。 社内データベースは、アクセス権限や履歴管理など実施しております。また、サイバーセキュリティ対策については適宜強化を図っております。また不測の事態に備え専門事業者賠償保険(サイバーリスク保険)に加入し、情報漏洩時の賠償責任リスクに備えております。 ⑮ 業績の季節変動性について 当社の属する旅客航空運送業界においては、夏季休暇、年末年始休暇、春季休暇に需要が増大する傾向があります。そのため当社の業績につきましても、当該季節要因による偏重が生じる傾向があります。しかしながら、今後の新規路線の就航や就航便数の増加、天候不順等により、当該季節変動とは異なる業績トレンドとなる可能性があります。 当社では季節変動による需要の変化については、業績予想に織り込んでおります。 閑散期においては、価格プロモーションや各種キャンペーンなどを展開し、変動を最小限に抑えています。またビジネス需要の取り込みにより、年間を通じての安定的な収入確保につとめております。 ⑯ 当社の財政状態(有利子負債)について 当社では現在、航空機材を主にオペレーティング・リースにより調達し、財務諸表上はオフバランスとなっており、2021年3月期末における未経過リース料の総額は24,561百万円であります。 加えて、当社はこれまで必要資金を金融機関からの借入れやファイナンス・リースにより調達した結果、2021年3月期末における有利子負債残高が10,898百万円となり、総資産に占める割合が33.3%と高くなっております。このため、今後金融情勢が悪化することで負担金利が上昇した場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。 各金融機関と良好な関係を維持するよう努めております。 当社の業績が好調な時期には、繰上げ返済を行うなど、有利子負債の削減に努めております。⑰ 将来の資金調達について 当社が事業を今後さらに拡大するためには、継続して航空機材の導入等のための資金調達が必要であります。当該資金につきましては、外部からの資金調達(借入れ・リース)もしくは今後の内部留保によって確保する必要がありますが、今後適時に十分な資金を確保できない場合は、新たな路線展開等のビジネスチャンスをつかむことができなくなるため、将来の当社の業績への影響並びに当社事業計画の遅延や変更が生ずる可能性があります。 航空機材の導入に当たっては、複数のリース会社より提案を受けるなどして、幅広い選択肢から妥当なものを選択するようにしております。
FY2020|8,892 文字
2【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)リスクマネジメント体制 当社は、企業活動の持続的発展の実現を阻害するリスクに対処するため、日常的にリスクを識別し、社内規程等に従い、損失の危険を回避・予防しております。また、重大なリスクが顕在化したときは、被害を最小限に留めるための適切な措置を講じてまいります。 当社は、「リスク管理規程」を制定し、同規程においてリスクカテゴリごとの責任部署を定め、当社のリスクを統括的に管理しております。 当社におけるリスクマネジメントの中心は、飛行の安全の維持・向上です。当社は「安全管理規程」に従い、フライトセーフティレビュー委員会を定期的に開催し、安全管理システム(SMS:Safety Management System)が正しく有効に機能し、安全運航の基本方針である「安全憲章」および「安全運航のための行動指針」が、業務全般にわたり、具体的な安全施策に結びついていることを確認しております。 (2)新型コロナウイルス感染拡大の影響 新型コロナウイルス感染症が、2019年末中国で初めて確認され、提出日現在100を超える国や地域へ拡大しております。各国における入国制限、本邦での都道府県をまたぐ移動自粛要請などにより、当社においても2月下旬より需要が大きく縮小しております。当社では、顧客、取引先及び社員の安全を第一に考え、また更なる感染拡大を防ぐために、WHO並びに各国保健行政の指針に従った感染防止策の徹底をはじめとして、販売促進企画等の多くのお客様にお集まりいただくイベントの休止、国内でのテレワーク(在宅勤務)の原則化等、各種対応を実施しております。 影響が本格化した3月以降、国内線および国際線の運休・減便を行い、業績への影響の低減を図っておりますが、今後、事態が長期化すれば、世界的な景気の悪化が生じ、当社の業績及び財政状態に甚大な影響を及ぼす可能性があります。なお、金融機関とのコミットメントライン契約、ファイナンス・リース契約には財務制限条項が設定されているものもあり、当条項に抵触した場合、当社の財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3)航空業界に関連するリスク 航空業界に関連するリスクとして当社が認識しているものは、以下のとおりです。 リスクの内容当該リスクに対する対応策等① 景気動向の影響について 当社が属する航空業界は、旅客需要等について景気動向等の変動による影響を受けております。景気低迷が長期化した場合には、企業の出張抑制等から当社の主要顧客であるビジネス旅客が減少する可能性や、レジャー需要が減少する可能性があり、業績に影響を及ぼす可能性があります。 イベントリスク等不確実性の高い要素に大きく影響を受ける状況下において経営を持続させるため、純資産の積み上げを計画的に行っています。② 国際情勢の変化による影響 国際紛争、大規模なテロ事件および伝染病の流行等が発生した場合、航空需要に大きな影響を及ぼす可能性があります。これらに対応するための保安規制強化による利便性の低下も航空需要に影響を及ぼす可能性があります。さらに、これらに関連して航空保険料や保安対策費用等が増加する可能性があり、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ③ 公租公課 航空運送事業に関する公租公課には、着陸料や航行援助施設利用料をはじめとする空港使用料並びに国内線運航に使用する航空機燃料に賦課される航空機燃料税が挙げられます。 現在、航空機燃料税について2011年4月より2022年3月末まで国による軽減措置が行われています。このため、当該対象期間における当社事業費が軽減されることとなりますが、今後政策の転換等によって当該軽減措置に変更が生じた場合には当社業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ④ 将来の環境規制 当社の行う航空運送事業は、航空機の騒音、排気、有害物質の使用及び環境汚染等を管理・統制する様々な環境関連法規制の制約を受けております。現在、これらに関する法令遵守等に対して適確に取り組んでおりますが、これらに関する法令遵守又は環境改善のための追加的な義務が求められることとなった場合、関連した費用が当社の事業、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 環境改善の為の追加的な義務が生じた場合は適切に対応し、事業、業績に大きな影響を及ぼさないよう関連各所と連携して対応してまいります。後継機種の検討においては、より環境性能の高い機種を検討してまいります。 (4)その他の主要なリスク その他主要なリスクとして当社が認識しているものは、以下のとおりです。 リスクの内容当該リスクに対する対応策等① 原油価格、為替相場の変動 当社の行う航空運送事業は、航空機燃料を使用するため、原油価格変動の影響を受けます。今後の国際的な原油市場の需給バランス、産油国の政情不安および投機資金の原油市場への流入等に伴う原油価格水準の変動によっては、燃料費が上昇し、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、航空機賃借料を含む一部費用等について、外貨建取引(主としてドル建て)を行っているため、為替相場変動の影響も受ける環境にあり、今後の為替相場に大幅な変動が生じた場合にも、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 これらの変動リスクをヘッジ(減殺)すべく、航空機燃料関連として商品スワップ取引等、通貨関連として為替予約取引等のデリバティブ取引を行っております。 なお、当社では「市場リスク管理に関する規程」を制定し、デリバティブ取引は、市場における相場変動に対するリスクヘッジ目的のみに利用し、投機的な目的では行わない方針を定めております。② 限定された機材数と航空事故 当社は、当事業年度末現在、航空機13機により運航しております。万が一重大な航空事故が生じた場合は、安全が確認されるまで、当初計画どおりの運航は困難となります。 また、他社で重大な航空事故が生じた場合にも、その後の航空需要の低下など、当社航空機利用者数の減少により当社の事業に大きな影響を及ぼす可能性があります。 飛行の安全の維持・向上のため、全社をあげて安全管理システム(SMS)を構築し、管理、推進して有効に機能させております。また自発報告(ヒヤリハット報告)制度を「STV」と称して促進するなどの取り組みにより安全運航に対する意識醸成を図っております。 万が一重大な航空事故が生じた場合、損害賠償、運航機材等の修理・修復等の費用は、主に航空保険にて填補されます。 ③ 多頻度運航について 当社では機材あたりの収益性を高めるべく、機材の1日当たり稼働率(乗客を乗せて運航している時間)を高水準で維持することに努めております。 しかしながら、天候、安全対応等の様々な要因によって長期間欠航せざるを得ない場合や、航空機に重大な故障が生じた場合、機材の使用頻度が想定を下回り、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 高い稼働率を実現するために、効率的なダイヤと機材繰りを設定したうえで、全社の生産体制の調整に努めております。④ 特定航空機材への依存と機齢上昇による整備コスト増加 当社の使用している航空機並びにエンジンは、それぞれ1種類に限定しております。これは、必要な整備部品在庫・整備要員を圧縮しコストを低下させることにつながります。 しかしながら、限定しているが故に当該機種・エンジンに係る仕様上の欠陥等が発覚した場合、当社の運航継続について重大な懸念が生じうる可能性があります。過去における同型機の運航実績等を考慮すると、当社の採用する機材等にこうした重大な欠陥等が存在する可能性は低いものと考えておりますが、万が一そのような事態が生じた場合はすみやかに代替とできる機種がなく、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、現在のところ平均機齢は約6年と比較的若いですが、機材の経年に伴い、将来において修繕維持費用が増加する可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 仕様上の欠陥が発覚するなどの事態が発生した場合には、機体及びエンジンメーカー等から実施期限を設けた適切な整備プログラムが提供されます。当社はこれに基づき速やかに対応し、運航継続へリスクを軽減してまいります。 また、経年に関しては、機体メーカーは機材のライフサイクルを考慮した整備プログラムを用意しています。これにより将来発生する整備内容を予測し、整備機会を計画的に設定することによって、一定期間に整備費用が集中することを抑制してまいります。 リスクの内容当該リスクに対する対応策等⑤ 競合について 当社は同一路線を運航する同業他社、周辺路線を運航する同業他社並びに新幹線等の公共交通機関と競合関係にあります。また今後当社が新規路線を開設する場合、当該路線にすでに就航している同業他社等との競合関係が生じることが想定されます。さらに、昨今のLCC(低コスト航空会社)の参入により、同業者間における競合関係が激化しております。こうした競合激化に伴い、販売価格が低下しもしくは計画した旅客数が確保できなかった場合は、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社では、競合する他社や新幹線等との競争において、適正な価格と旅客動向を見極めつつ、座席コントロールや価格の調整を適切に行い、収益機会を獲得しております。 また、新規路線開設においては競合他社の動向に注視し、収支計画に無理が生じないように路線展開を行っています。⑥ 特定地域への路線集中と災害リスク 当社は、現在、国内定期6路線(北九州-羽田線、関西-羽田線、福岡-羽田線、福岡-中部線、山口宇部-羽田線、北九州-那覇線)および国際定期2路線(北九州-台北線、中部-台北線)のみの運航に限定されております。 就航地域における大規模な地震、台風その他の自然災害等が生じた場合、運航及び経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。特に、当社の本部機能が集積している北九州空港または路線が集中している羽田空港が使用不能に陥った場合、運航及び経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。 特定路線の収入に依存しすぎることのないよう、中長期的な経営戦略において、国際線も含めた就航地の分散を検討し、リスクの分散を図っております。 また、大地震など事業継続に大きな影響を及ぼす規模の大規模災害が歴史的に少ない北九州に本社を置き、堅固なデータセンターへの情報保管を徹底するなどの対策により、事業の継続が瞬時に停止するリスクの低減を図っております。 ⑦ 路線展開に関するリスク 当社は、将来の航空機材の導入、運航便数の増加、新たな路線展開により収益拡大を図っていく計画でありますが、これらが計画どおりに進捗しない場合、将来の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 航空機は発注から受領までに一定の期間を要するため、当初計画していた路線展開が何らかの要因により不調となった場合、特に、空港発着枠を希望どおりに獲得できない場合、路線展開に大きな制約が課せられ、航空機が過剰となり、以後の計画の大幅な見直しが必要となる可能性があります。また、将来的に、羽田空港、福岡空港及び関西国際空港の発着枠の見直し等が生じた場合は、事業計画に大きな影響を受ける可能性があります。 当社では、路線展開について、十分な計画と複数の展開案を検討し、空港発着枠が取得できなかった場合でも検討した代替案に速やかに変更できるようリスク分散を行っております。 また、当社は国際および国内チャーターの実績も過去に十分に積んでおり、早朝深夜便運航、臨時便を含め、柔軟な運航体制の構築が可能です。⑧ 専門的な人材の確保 当社の行う航空運送事業は、運航乗務員、運航管理者および整備士等の専門性を有した資格保持者の確保が必要であります。これらの有資格者は、雇用市場が航空業という限られたものであるため、主に同業他社からの転職者となっております。 これらの専門性を有した資格保持者の確保が計画どおりにできなかった場合、又はこれらの専門性を有した資格保持者が大勢、何らかの理由により業務に就くことができなくなった場合は、当社の路線展開に大きな制約が課せられ、もしくは運航に影響を受ける可能性があります。 専門職種の資格保有者の確保のため、採用・養成計画は常に複数年先を見据えた対応を図っております。 運航乗務員については、社内の機長昇格訓練の充実と、必要数確保のための経験者採用を継続的に行っております。2014年度より年8名程度の副操縦士訓練生採用を継続的に行い、自社施設、自社教官によって訓練を実施しています。 他職種につきましても、自社養成による有資格者育成などにより人材確保しております。 リスクの内容当該リスクに対する対応策等⑨ 人件費の増加、企業文化が維持できないリスク 運航乗務員等の専門性を有した資格保持者に限らず、当社の運営に必要な人材の確保が重要です。景気の拡大や労働人口の減少による人材獲得競争がいっそう激しくなり、業務効率化により人件費の上昇を吸収することができない場合は、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、当社は、快適かつ質の高い移動空間・サービスの提供に努め、他社にはない新たな価値を創造し、企業理念である『感動のあるエアライン』を目指しております。このような企業理念を堅守する文化が、コストを低く抑えながらも高品質のサービスの提供につながるものと考えております。 当社が持続的に成長するために人員の採用を行っておりますが、教育および文化の浸透が不足した場合には、この企業文化が薄れ、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 社員の流失防止のため、処遇の改善だけではなく、スターフライヤーの一員としての自覚、帰属意識を醸成することで会社に対するエンゲージメントの強化を図っております。社員研修や全社プロジェクトへの参画、訓練期間中に他部門の地上業務に従事する等、乗務や専門業務だけでなく「企業理念を体現し一翼を担う社員」であることを自覚する機会創出を実施しております。 各種社内取り組みへの参画等により社内の意識醸成を進め、企業風土や文化の継承に努めております。⑩ 人事・労務に関するリスク 当社の従業員の多くは労働組合に所属しており、当社の従業員による集団的なストライキ等の労働争議が発生した場合には、当社の航空機の運航に影響を及ぼす可能性があります。 集団的な闘争行為が発生しないよう、日ごろから良好な労使関係を築くようにしております。⑪ 特定会社への依存 当社は、全日本空輸株式会社との間で以下の取引を行っております。イ)コードシェア協力契約を締結して共同運航(コードシェア)を行っております。ロ)予約販売業務請負契約ならびに情報システム利用に関する契約を締結し、国内線の当社航空券の販売ならびに空港ハンドリング業務等について同社の情報システムを用いており、当社の営業未収入金のうち当該事業の販売額は、別途契約のある一部の販売代理店や法人顧客向けのものを除き、全日本空輸株式会社より回収することとなっております。ハ)空港ハンドリング業務のうち一部を全日本空輸株式会社に委託しております。 また、ANAホールディングス株式会社は当社の筆頭株主であり、役員の派遣を受けているほか、航空機リース契約を締結しております。 このように当社は、航空運送事業において特定会社に依存しております。提携・締結内容を解消するような状況となった場合には、運航に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当該各特定会社とは良好な関係を維持しております。 なお、国際線につきましては、全日本空輸株式会社とのコードシェアは実施しておらず、旅客システムも別会社のものを使用しております。⑫ 情報システムへの依存 当社は、予約販売、搭乗手続き及び運航管理等の業務を情報システムにより管理・運用しております。当該システム及び情報システムを支える通信インフラ等に障害が生じた場合には、運航に大きな影響を及ぼす可能性があります。 予約販売・搭乗手続き及び運航管理等の基幹業務は全日本空輸株式会社の情報システムを使用しており、同社により様々な障害対策が講じられております。また、当社システムであるWEBサイトや会員管理システム等についてはハードウェアやネットワークを二重化するなどの障害対策を講じております。 リスクの内容当該リスクに対する対応策等⑬ 法的規制 当社の行う航空運送事業は、各国との航空協定等の国際協定をはじめ航空法及び関係諸法令による規制を受けており、また、国土交通省航空局による監督を受けております。当該規制に基づき当社は、航空運送事業運営者としての「事業許可証」、各空港における事業運営のための「事業場認定書」及び「業務規程認可書」、並びに運航する全ての航空機に対する「航空機登録証明書」及び「耐空証明書」を国土交通省航空局より交付されております。 航空機の安全性を示す「耐空証明書」については、原則1年単位での検査による更新手続きが必要となっているものの、当社の整備体制が継続的に安全性を確保できるものと当局から評価されていることから、現状の整備体制を維持することで有効性が持続する「連続式の耐空証明」を維持しております。 これらの規制等を遵守できなかった場合には、行政処分により当社の事業活動が制限され、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社では、これらの規制に継続して適合させていくため、適材適所で専門性を有した人材を配置し、安全管理体制並びに品質管理体制を構築しております。なお、当事業年度末現在、許認可等の取消に係る事象はございません。 (主な許認可等の状況)許認可等の名称所管官庁有効期限事業許可国土交通省なし航空機登録証明同上なし事業場認定同上2022年1月業務規程認可同上なし耐空証明同上原則1年 但し、当社は連続式耐空証明を取得しているため有効期限なし リスクの内容当該リスクに対する対応策等⑭ 顧客情報の取扱い 当社は、顧客に関する個人情報を保有しております。不正アクセス等の巧妙化に伴いその対策としてのセキュリティに関する必要コストがさらに増加した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、何らかの原因により個人情報が漏洩した場合、顧客からの信用不安や社会的信用の低下により、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 当社は、個人情報保護法及び個人情報保護に関する社内規程に基づき、適切な管理・運用を行い情報セキュリティに取り組んでおります。 社内データベースは、アクセス権限や履歴管理など実施しております。また、サイバーセキュリティ対策については適宜強化を図っております。また不測の事態に備え専門事業者賠償保険(サイバーリスク保険)に加入し、情報漏洩時の賠償責任リスクに備えております。 ⑮ 業績の季節変動性について 当社の属する旅客航空運送業界においては、夏季休暇、年末年始休暇、春季休暇に需要が増大する傾向があります。そのため当社の業績につきましても、当該季節要因による偏重が生じる傾向があります。しかしながら、今後の新規路線の就航や就航便数の増加、天候不順等により、当該季節変動とは異なる業績トレンドとなる可能性があります。 当社では季節変動による需要の変化については、業績予想に織り込んでおります。 閑散期においては、価格プロモーションや各種キャンペーンなどを展開し、変動を最小限に抑えています。またビジネス需要の取り込みにより、年間を通じての安定的な収入確保につとめております。 ⑯ 当社の財政状態(有利子負債)について 当社では現在、航空機材を主にオペレーティング・リースにより調達し、財務諸表上はオフバランスとなっており、2020年3月期末における未経過リース料の総額は28,825百万円であります。 加えて、当社はこれまで必要資金を金融機関からの借入れやファイナンス・リースにより調達した結果、2020年3月期末における有利子負債残高が9,855百万円となり、総資産に占める割合が33.4%と高くなっております。このため、今後金融情勢が悪化することで負担金利が上昇した場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。 各金融機関と良好な関係を維持するよう努めております。 当社の業績が好調な時期には、繰上げ返済を行うなど、有利子負債の削減に努めております。また、中期経営戦略にもとづき、ネットD/Eレシオが高くなりすぎないように投資を調整しております。⑰ 将来の資金調達について 当社が事業を今後さらに拡大するためには、継続して航空機材の導入等のための資金調達が必要であります。当該資金につきましては、外部からの資金調達(借入れ・リース)もしくは今後の内部留保によって確保する必要がありますが、今後適時に十分な資金を確保できない場合は、新たな路線展開等のビジネスチャンスをつかむことができなくなるため、将来の当社の業績への影響並びに当社事業計画の遅延や変更が生ずる可能性があります。 航空機材の導入に当たっては、複数のリース会社より提案を受けるなどして、幅広い選択肢から妥当なものを選択するようにしております。
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2【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)当社に関連するリスク① 原油価格、為替相場の変動 当社の行う航空運送事業は、航空機燃料を使用するため、他の石油製品と同様に原油価格変動の影響を受けますが、今後の国際的な原油市場の需給バランス、産油国の政情不安および投機資金の原油市場への流入等に伴う原油価格水準の変動によっては、燃料費が上昇し、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、航空機賃借料、航空保険料および航空機整備に係る一部費用等について、外貨建取引を行っているため、為替相場変動の影響も受ける環境にあり、今後の為替相場に大幅な変動が生じた場合にも、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 なお、これらの変動リスクをヘッジ(減殺)すべく、航空機燃料関連として商品価格スワップ取引等、通貨関連として為替予約取引等のデリバティブ取引を実施しておりますが、当社では、2009年12月に「市場リスク管理に関する規程」を制定し、デリバティブ取引は、市場における相場変動に対するリスク回避(ヘッジ)目的にのみ利用し、投機的な目的では行わない方針を定めております。 ② 限定された機材数と航空事故 当社は、当事業年度末現在、航空機12機により運航しております。万が一、航空事故が発生した場合は、損害賠償、運航機材等の修理・修復等の費用が生じます。これらの費用は主に航空保険にて填補されますが、当初計画どおりの運航は困難となり、その後の当社航空機利用者数の減少や航空事故が生じたことによる航空需要の低下など、当社の事業に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ③ 多頻度運航について 当社では機材あたりの収益性を高めるべく、機材の一日当たり稼働率(乗客を乗せて運航している時間)を高水準で維持することに努めております。これは空港での待機時間を短縮し、機材の一日あたり飛行時間(回数)を高めることで達成されます。 しかしながら、天候、安全対応等の様々な要因によって長期間欠航せざるを得ない場合や、航空機に重大な故障が生じた場合、機材の使用頻度が下がり、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ④ 特定航空機材への依存と機齢上昇による整備コスト増加 当社の使用している航空機並びにエンジンは、それぞれ1種類に限定しております。これは、必要な整備部品在庫・整備要員を圧縮しコストを低下させることに加え、整備作業を標準化することで短時間での整備完遂を実現し、「③ 多頻度運航について」に記載の、当社の特徴である多頻度運航を実現することを理由としております。 しかしながら、限定されているが故に当該機種・エンジンに係る仕様上の欠陥等が発覚した場合、当社の運航継続について重大な懸念が生じうる可能性があります。過去における同型機の運航実績等を考慮すると、当社の採用する機材等にこうした重大な欠陥等が存在する可能性は低いものと考えておりますが、万が一そのような事態が生じた場合はすみやかに代替とできる機種がなく、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、現在のところ平均機齢は比較的若い状態ですが、機材の経年に伴い、将来において修繕維持費用が増加する可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 競合について 当社は同一路線を運航する同業他社、周辺路線を運航する同業他社並びに新幹線等の公共交通機関と競合関係にあります。また今後当社が新規路線を開設する場合、当該路線にすでに就航している同業他社等との競合関係が生じることが想定されます。さらに、昨今のLCC(低コスト航空会社)の参入により、同業者間における競合関係が激化しております。こうした競合激化に伴い、価格が低下しもしくは計画した旅客数が確保できなかった場合は、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 特定地域への路線集中と災害リスク 当社は、現在、国内定期6路線(北九州-羽田線、関西-羽田線、福岡-羽田線、福岡-中部線、山口宇部-羽田線、北九州-那覇線)および国際定期2路線(北九州-台北線、中部-台北線)のみの運航に限定されているため、関東地域、関西地域、九州山口地域、および台湾北部における大規模な地震、台風その他の自然災害等が生じた場合、運航及び経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。特に、当社の本部機能が集積している北九州空港が使用不能に陥った場合、運航及び経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 路線展開に関するリスク 当社は、当事業年度末時点において、国内定期便6路線および国際定期便2路線のみの運航となっております。航空機材の導入、運航便数の増加、新たな路線展開により収益拡大を図っていく計画でありますが、これらが計画どおりに進捗しない場合、将来の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 航空機は発注から受領までに一定の期間を要するため、当初計画していた路線展開が何らかの要因により不調となった場合、特に、空港発着枠を希望どおりに獲得できない場合、路線展開に大きな制約が課せられ、航空機が過剰となり、以後の計画の大幅な見直しが必要となる可能性があります。 また、将来的に、羽田空港、福岡空港及び関西国際空港の発着枠の見直し等が生じた場合は、事業計画に大きな影響を受ける可能性があります。 ⑧ 専門的な人材の確保 当社の行う航空運送事業は、運航乗務員、運航管理者および整備士等の専門性を有した資格保持者の確保が必要であります。これらの有資格者は、雇用市場が航空業という限られたものであるため、主に同業他社からの転職者となっております。当社では、安定的な運航を遂行すべく、自社養成による有資格者の育成などにより人材の確保を行ってまいります。なお、これらの専門性を有した資格保持者の確保が計画どおりにできなかった場合、又はこれらの専門性を有した資格保持者が大勢、何らかの理由により業務に就くことができなかった場合は、当社の路線展開に大きな制約が課せられ、もしくは運航に影響を受ける可能性があります。 ⑨ 人件費の増加、企業文化が維持できないリスク 運航乗務員等の専門性を有した資格保持者に限らず、当社の運営に必要な人材の確保が重要でありますが、景気の拡大や労働人口の減少による人材獲得競争がいっそう激しくなり、業務効率化により人件費の上昇を吸収することができない場合は、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、当社は、「安全運航」を至上の責務とし、安全・確実な輸送(旅客・貨物)と快適かつ質の高い移動空間・サービスの提供に努め、他社にはない新たな価値を創造し、企業理念である『感動のあるエアライン』を目指しております。このような企業理念を堅守する文化が、コストを低く抑えながらも高品質のサービスの提供につながるものと考えております。 当社が持続的に成長するために人員の採用を行っておりますが、教育および文化の浸透が不足した場合には、この企業文化が薄れ、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 人事・労務に関するリスク 当社の従業員の多くは労働組合に所属しており、当社の従業員による集団的なストライキ等の労働争議が発生した場合には、当社の航空機の運航に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 特定会社への依存 当社は、全日本空輸株式会社との間で以下の取引を行っております。イ コードシェア協力契約を締結して共同運航(コードシェア)を行っております。ロ 予約販売業務請負契約ならびに情報システム利用に関する契約を締結し、国内線の当社航空券の販売ならびに空港ハンドリング業務等について同社の情報システムを用いており、当社の営業未収入金のうち当該事業の販売額は、別途契約のある一部の販売代理店や法人顧客向けのものを除き、全日本空輸株式会社より回収することとなっております。ハ 空港ハンドリング業務のうち一部を全日本空輸株式会社に委託しております。 また、ANAホールディングス株式会社は当社の筆頭株主であり、役員の派遣を受けているほか、リース契約を締結しております。このほか、整備体制についてはLufthansa Technik AG社との間に航空機整備契約を締結しております。 このように、当社は、航空運送事業において特定会社に依存しております。当該各特定会社とは良好な関係を維持しておりますが、提携・締結内容を解消するような状況となった場合には、運航に大きな影響を及ぼす可能性があります。⑫ 情報システムへの依存 当社は、予約販売、搭乗手続き及び運航管理等の業務を情報システムにより管理・運用しております。当該システム及び情報システムを支える通信インフラ等に障害が生じた場合には、運航に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑬ 法的規制 当社の行う航空運送事業は、各国との航空協定等の国際協定をはじめ航空法及び関係諸法令による規制を受けており、また、国土交通省航空局による監督を受けております。当該規制に基づき当社は、航空運送事業運営者としての「事業許可証」、各空港における事業運営のための「事業場認定書」及び「業務規程認可書」、並びに運航する全ての航空機に対する「航空機登録証明書」及び「耐空証明書」を国土交通省航空局より交付されております。 航空機の安全性を示す「耐空証明書」については、原則1年単位での検査による更新手続きが必要となっているものの、当社の整備体制が継続的に安全性を確保できるものと当局から評価されていることから、現状の整備体制を維持することで有効性が持続する「連続式の耐空証明」を維持しております。 当社ではこれらの規制等を遵守するため、適材適所での専門性を有した人材の活用の他、組織並びに規程類の整備を適宜行っております。しかしながら、これらの規制等を遵守できなかった場合には、事業改善命令または業務改善命令、もしくは許認可等の取消により、当社の事業活動が制限され、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。なお、当事業年度末現在、許認可等の取消に係る事象はございません。(許認可等の状況)許認可等の名称所管官庁有効期限主な許認可等の取消事由等事業許可国土交通省なし 航空法に基づく処分又は許可若しくは認可に付した条件に違反したとき。正当な理由がないのにこの法の規定により許可又は認可を受けた事項を実施しないとき。(航空法第119条) 本邦航空運送事業者が航空法第4条第1項各号に掲げる者に該当するに至ったとき。(航空法第120条)航空機登録証明同上なし 本邦航空運送事業者が航空法第4条第1項各号に掲げる者に該当するに至ったとき。(航空法第120条)事業場認定同上2020年1月 認定事業場において航空法第20条第2項の規定若しくは同条4項の国土交通省令の規定に違反したとき、又は認定事業場における能力が同条第1項の技術上の基準に適合しなくなったと認めるとき。(航空法第20条第5項)業務規程認可同上なし同上耐空証明同上原則1年 但し、当社は連続式耐空証明を取得しているため有効期限なし 国土交通大臣は、航空法第10条第4項、第16条第1項又は第134条第2項の検査の結果、当該航空機又は当該型式の航空機が同法第10条第4項の基準に適合せず、又は同法第14条の期間を経過する前に同項の基準に適合しなくなるおそれがあると認めるとき、その他航空機の安全性が確保されないと認めるときは、当該航空機又は当該型式の航空機の耐空証明の効力を停止し、若しくは有効期間を短縮し、又は同法第10条第3項(同法第10条の2第2項において準用する場合を含む。)の規定により指定した事項を変更することができる。(航空法第14条の2) 次の各号に掲げる航空機の耐空証明は、当該各号に定める場合には、その効力を失う。1.登録航空機 当該航空機の抹消登録があった場合2.航空法第10条第4項第2号に規定する航空機 当該航空機が航空の用に供してはならない航空機として騒音の大きさその他の事情を考慮して国土交通省令で定めるものに該当することとなった場合(航空法第15条) ⑭ 顧客情報の取扱い 当社は、顧客に関する個人情報を保有しております。個人情報保護法及び個人情報保護に関する社内規程に基づき、適切な管理・運用を行い情報セキュリティに取り組んでおります。しかしながら、不正アクセス等の巧妙化に伴いその対策としてのセキュリティに関する必要コストがさらに増加した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、何らかの原因により個人情報が漏洩した場合、顧客からの信用不安や社会的信用の低下により、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑮ 業績の季節変動性について 当社の属する旅客航空運送業界においては、夏季休暇、年末年始休暇、春季休暇に需要が増大する傾向があります。そのため当社の業績につきましても、当該季節要因による偏重が生じる傾向があります。しかしながら、今後の新規路線の就航や就航便数の増加、天候不順等により、当該季節変動とは異なる業績トレンドとなる可能性があります。 ⑯ 当社の財政状態(有利子負債)について 当社では現在、航空機材を主にオペレーティング・リースにより調達しており、財務諸表上はオフバランスとなっておりますが、リース会計基準等の改正がありオペレーティング・リースによる資産・負債をオンバランスすることとなった場合は、資産並びに負債に航空機材の使用権相当額が計上されるため、当社の自己資本比率は現状から大きく低下する可能性があります。なお、2019年3月期末における未経過リース料の総額は29,842百万円であります。 また、当社は2018年度において、購入により航空機材を1機導入し、資産・負債として計上しております。 加えて、当社はこれまで必要資金を金融機関からの借入れやファイナンス・リースにより調達した結果、2019年3月期末における有利子負債残高が8,864百万円となり、総資産に占める割合が31.6%と高くなっております。このため、今後金融情勢が悪化することで負担金利が上昇した場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。なお、金融機関とのコミットメントライン契約、ファイナンス・リース契約には財務制限条項が設定されているものもあり、当条項に抵触した場合、当社の財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑰ 将来の資金調達について 当社が事業を今後さらに拡大するためには、継続して航空機材の導入等のための資金調達が必要であります。当該資金につきましては、外部からの資金調達(借入れ・リース)もしくは今後の内部留保によって確保する必要がありますが、今後適時に十分な資金を確保できない場合は、新たな路線展開等のビジネス・チャンスをつかむことができなくなるため、当社の業績への影響並びに当社事業計画の遅延や変更が生ずる可能性があります。 (2)航空業界に関連するリスク① 景気動向の影響について 当社が属する航空業界は、旅客需要等について景気動向等の変動による影響を受けております。景気低迷が長期化した場合には、企業の出張抑制等から当社の主要顧客であるビジネス旅客が減少する可能性や、レジャー需要が減少する可能性があり、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 国際情勢の変化による影響 国際紛争、大規模なテロ事件および伝染病の流行等が発生した場合、航空需要に大きな影響を及ぼす可能性があります。これらに対応するための保安規制強化による利便性の低下も航空需要に影響を及ぼす可能性があります。さらに、これらに関連して航空保険料や保安対策費用等が増加する可能性があり、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ③ 公租公課 航空運送事業に関する公租公課には、着陸料や航行援助施設利用料をはじめとする空港使用料並びに国内線運航に使用する航空機燃料に賦課される航空機燃料税が挙げられます。現在、一部の路線及び空港の着陸料について、国の軽減措置を受けており、今後、軽減措置に変更が生じた場合には、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、航空機燃料税についても2011年4月より2020年3月末まで国による軽減措置が行われています。このため、当該対象期間における当社事業費が軽減されることとなりますが、今後政策の転換等によって当該軽減措置に変更が生じた場合には当社業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ④ 将来の環境規制 当社の行う航空運送事業は、航空機の騒音、排気、有害物質の使用及び環境汚染等を管理・統制する様々な環境関連法規制の制約を受けております。現在、これらに関する法令遵守等に対して適確に取り組んでおりますが、これらに関する法令遵守又は環境改善のための追加的な義務が求められることとなった場合、関連した費用が当社の事業、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
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2【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)当社に関連するリスク① 原油価格、為替相場の変動 当社の行う航空運送事業は、航空機燃料を使用するため、他の石油製品と同様に原油価格変動の影響を受けますが、今後の国際的な原油市場の需給バランス、産油国の政情不安および投機資金の原油市場への流入等に伴う原油価格水準の変動によっては、燃料費が上昇し、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、航空機賃借料、航空保険料および航空機整備に係る一部費用等について、外貨建取引を行っているため、為替相場変動の影響も受ける環境にあり、今後の為替相場に大幅な変動が生じた場合にも、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 なお、これらの変動リスクをヘッジ(減殺)すべく、航空機燃料関連として商品価格スワップ取引等、通貨関連として為替予約取引等のデリバティブ取引を実施しておりますが、当社では、2009年12月に「市場リスク管理に関する規程」を制定し、デリバティブ取引は、市場における相場変動に対するリスク回避(ヘッジ)目的にのみ利用し、投機的な目的では行わない方針を定めております。 ② 限定された機材数と航空事故 当社は、当事業年度末現在、航空機10機により運航しております。万が一、航空事故が発生した場合は、損害賠償、運航機材等の修理・修復等の費用が生じます。これらの費用は主に航空保険にて填補されますが、当初計画どおりの運航は困難となり、その後の当社航空機利用者数の減少や航空事故が生じたことによる航空需要の低下など、当社の事業に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ③ 多頻度運航について 当社では機材あたりの収益性を高めるべく、機材の一日当たり稼働率(乗客を乗せて運航している時間)を高水準で維持することに努めております。これは空港での待機時間を短縮し、機材の一日あたり飛行時間(回数)を高めることで達成されます。 しかしながら、天候、安全対応等の様々な要因によって長期間欠航せざるを得ない場合や、航空機に重大な故障が生じた場合、機材の使用頻度が下がり、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ④ 特定航空機材への依存と機齢上昇による整備コスト増加 当社の使用している航空機並びにエンジンは、それぞれ1種類に限定しております。これは、必要な整備部品在庫・整備要員を圧縮しコストを低下させることに加え、整備作業を標準化することで短時間での整備完遂を実現し、「③ 多頻度運航について」に記載の、当社の特徴である多頻度運航を実現することを理由としております。 しかしながら、限定されているが故に当該機種・エンジンに係る仕様上の欠陥等が発覚した場合、当社の運航継続について重大な懸念が生じうる可能性があります。過去における同型機の運航実績等を考慮すると、当社の採用する機材等にこうした重大な欠陥等が存在する可能性は低いものと考えておりますが、万が一そのような事態が生じた場合はすみやかに代替とできる機種がなく、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、現在のところ平均機齢は比較的若い状態ですが、機材の経年に伴い、将来において修繕維持費用が増加する可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 競合について 当社は同一路線を運航する同業他社、周辺路線を運航する同業他社並びに新幹線等の公共交通機関と競合関係にあります。また今後当社が新規路線を開設する場合、当該路線にすでに就航している同業他社等との競合関係が生じることが想定されます。さらに、昨今のLCC(低コスト航空会社)の参入により、同業者間における競合関係が激化しております。こうした競合激化に伴い、価格が低下しもしくは計画した旅客数が確保できなかった場合は、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 特定地域への路線集中と災害リスク 当社は、現在、国内定期6路線(北九州-羽田線、関西-羽田線、福岡-羽田線、福岡-中部線、山口宇部-羽田線、北九州-那覇線)のみの運航に限定されているため、関東地域又は九州山口地域・関西地域における大規模な地震、台風、噴火その他の自然災害等が生じた場合、運航及び経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。特に、当社の本部機能が集積している北九州空港が使用不能に陥った場合、運航及び経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 路線展開に関するリスク 当社は、当事業年度末時点において、国内定期便として6路線のみの運航となっております。航空機材の導入、運航便数の増加、国際定期路線を含む新たな路線展開により収益拡大を図っていく計画でありますが、これらが計画どおりに進捗しない場合、将来の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 航空機は発注から受領までに一定の期間を要するため、当初計画していた路線展開が何らかの要因により不調となった場合、特に、空港発着枠を希望どおりに獲得できない場合、路線展開に大きな制約が課せられ、航空機が過剰となり、以後の計画の大幅な見直しが必要となる可能性があります。 また、将来的に、羽田空港、福岡空港及び関西国際空港の発着枠の見直し等が生じた場合は、事業計画に大きな影響を受ける可能性があります。 ⑧ 専門的な人材の確保 当社の行う航空運送事業は、運航乗務員、運航管理者および整備士等の専門性を有した資格保持者の確保が必要であります。これらの有資格者は、雇用市場が航空業という限られたものであるため、主に同業他社からの転職者となっております。当社では、安定的な運航を遂行すべく、自社養成による有資格者の育成などにより人材の確保を行ってまいります。なお、これらの専門性を有した資格保持者の確保が計画どおりにできなかった場合、又はこれらの専門性を有した資格保持者が大勢、何らかの理由により業務に就くことができなかった場合は、当社の路線展開に大きな制約が課せられ、もしくは運航に影響を受ける可能性があります。 ⑨ 人件費の増加、企業文化が維持できないリスク 運航乗務員等の専門性を有した資格保持者に限らず、当社の運営に必要な人材の確保が重要でありますが、景気の拡大や労働人口の減少による人材獲得競争がいっそう激しくなり、業務効率化により人件費の上昇を吸収することができない場合は、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、当社は、「安全運航」を至上の責務とし、安全・確実な輸送(旅客・貨物)と快適かつ質の高い移動空間・サービスの提供に努め、他社にはない新たな価値を創造し、企業理念である『感動のあるエアライン』を目指しております。このような企業理念を堅守する文化が、コストを低く抑えながらも高品質のサービスの提供につながるものと考えております。 当社が持続的に成長するために人員の採用を行っておりますが、教育および文化の浸透が不足した場合には、この企業文化が薄れ、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 特定会社への依存 当社は、全日本空輸株式会社との間で以下の取引を行っております。イ コードシェア協力契約を締結して共同運航(コードシェア)を行っております。ロ 予約販売業務請負契約ならびに情報システム利用に関する契約を締結し、当社航空券の販売ならびに空港ハンドリング業務等について同社の情報システムを用いており、当社の営業未収入金のうち当該事業の販売額は、別途契約のある一部の販売代理店や法人顧客向けのものを除き、全日本空輸株式会社より回収することとなっております。ハ 空港ハンドリング業務のうち一部を全日本空輸株式会社に委託しております。 また、ANAホールディングス株式会社は当社の筆頭株主であり、役員の派遣を受けているほか、リース契約を締結しております。このほか、整備体制についてはLufthansa Technik AG社との間に航空機整備契約を締結しております。 このように、当社は、航空運送事業において特定会社に依存しております。当該各特定会社とは良好な関係を維持しておりますが、提携・締結内容を解消するような状況となった場合には、運航に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 情報システムへの依存 当社は、予約販売、搭乗手続き及び運航管理等の業務を情報システムにより管理・運用しております。当該システム及び情報システムを支える通信インフラ等に障害が生じた場合には、運航に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、国際定期路線再参入に必要な情報システムの開発が計画通りに進まない、又は大幅な費用増加となった場合にも、参入計画に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ 法的規制 当社の行う航空運送事業は、各国との航空協定等の国際協定をはじめ航空法及び関係諸法令による規制を受けており、また、国土交通省航空局による監督を受けております。当該規制に基づき当社は、航空運送事業運営者としての「事業許可証」、各空港における事業運営のための「事業場認定書」及び「業務規程認可書」、並びに運航する全ての航空機に対する「航空機登録証明書」及び「耐空証明書」を国土交通省航空局より交付されております。 航空機の安全性を示す「耐空証明書」については、原則1年単位での検査による更新手続きが必要となっているものの、当社の整備体制が継続的に安全性を確保できるものと当局から評価されているため、現状の整備体制を継続することで自動更新される「連続式耐空証明書」を取得しております。 当社ではこれらの規制等を遵守するため、適材適所での専門性を有した人材の活用の他、組織並びに規程類の整備を適宜行っております。しかしながら、これらの規制等を遵守できなかった場合には、許認可等の取消により、当社の事業活動が制限され、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。なお、当事業年度末現在、許認可等の取消に係る事象はございません。(許認可等の状況)許認可等の名称所管官庁有効期限主な許認可等の取消事由等事業許可国土交通省なし 航空法に基づく処分又は許可若しくは認可に付した条件に違反したとき。正当な理由がないのにこの法の規定により許可又は認可を受けた事項を実施しないとき。(航空法第119条) 本邦航空運送事業者が航空法第4条第1項各号に掲げる者に該当するに至ったとき。(航空法第120条)航空機登録証明同上なし 本邦航空運送事業者が航空法第4条第1項各号に掲げる者に該当するに至ったとき。(航空法第120条)事業場認定同上2020年1月 認定事業場において航空法第20条第2項の規定若しくは同条4項の国土交通省令の規定に違反したとき、又は認定事業場における能力が同条第1項の技術上の基準に適合しなくなったと認めるとき。(航空法第20条第5項)業務規程認可同上なし同上耐空証明同上原則1年 但し、当社は連続式耐空証明を取得しているため有効期限なし 国土交通大臣は、航空法第10条第4項、第16条第1項又は第134条第2項の検査の結果、当該航空機又は当該型式の航空機が同法第10条第4項の基準に適合せず、又は同法第14条の期間を経過する前に同項の基準に適合しなくなるおそれがあると認めるとき、その他航空機の安全性が確保されないと認めるときは、当該航空機又は当該型式の航空機の耐空証明の効力を停止し、若しくは有効期間を短縮し、又は同法第10条第3項(同法第10条の2第2項において準用する場合を含む。)の規定により指定した事項を変更することができる。(航空法第14条の2) 次の各号に掲げる航空機の耐空証明は、当該各号に定める場合には、その効力を失う。1.登録航空機 当該航空機の抹消登録があった場合2.航空法第10条第4項第2号に規定する航空機 当該航空機が航空の用に供してはならない航空機として騒音の大きさその他の事情を考慮して国土交通省令で定めるものに該当することとなった場合(航空法第15条) ⑬ 顧客情報の取扱い 当社は、顧客に関する個人情報を保有しております。個人情報保護法及び個人情報保護に関する社内規程に基づき、適切な管理・運用を行い情報セキュリティに取り組んでおります。しかしながら、不正アクセス等の巧妙化に伴いその対策としてのセキュリティに関する必要コストがさらに増加した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、何らかの原因により個人情報が漏洩した場合、顧客からの信用不安や社会的信用の低下により、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑭ 業績の季節変動性について 当社の属する旅客航空運送業界においては、夏季休暇、年末年始休暇、春季休暇に需要が増大する傾向があります。そのため当社の業績につきましても、当該季節要因による偏重が生じる傾向があります。しかしながら、今後の新規路線の就航や就航便数の増加、天候不順等により、当該季節変動とは異なる業績トレンドとなる可能性があります。 ⑮ 当社の財政状態(有利子負債)について 当社では現在、航空機材を主にオペレーティング・リースにより調達しており、財務諸表上はオフバランスとなっておりますが、リース会計基準等の改正がありオペレーティング・リースによる資産・負債をオンバランスすることとなった場合は、資産並びに負債に航空機材の使用権相当額が計上されるため、当社の自己資本比率は現状から大きく低下する可能性があります。なお、2018年3月期末における未経過リース料の総額は26,147百万円であります。 また、当社は2018年度において、購入による航空機材1機の導入を計画し、資産・負債のオンバランスを予定しております。 加えて、当社はこれまで必要資金を金融機関からの借入れやファイナンス・リースにより調達した結果、2018年3月期末における有利子負債残高が6,080百万円となり、総資産に占める割合が24.5%と高くなっております。このため、今後金融情勢が悪化することで負担金利が上昇した場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。なお、金融機関とのコミットメントライン契約、ファイナンス・リース契約には財務制限条項が設定されているものもあり、当条項に抵触した場合、当社の財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑯ 将来の資金調達について 当社が事業を今後さらに拡大するためには、継続して航空機材の導入等のための資金調達が必要であります。当該資金につきましては、外部からの資金調達(借入れ・リース)もしくは今後の内部留保によって確保する必要がありますが、今後適時に十分な資金を確保できない場合は、新たな路線展開等のビジネス・チャンスをつかむことができなくなるため、当社の業績への影響並びに当社事業計画の遅延や変更が生ずる可能性があります。 (2)航空業界に関連するリスク① 景気動向の影響について 当社が属する航空業界は、旅客需要等について景気動向等の変動による影響を受けております。景気低迷が長期化した場合には、企業の出張抑制等から当社の主要顧客であるビジネス旅客が減少する可能性や、レジャー需要が減少する可能性があり、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 国際情勢の変化による影響 国際紛争、大規模なテロ事件および伝染病の流行等が発生した場合、航空需要に大きな影響を及ぼす可能性があります。これらに対応するための保安規制強化による利便性の低下も航空需要に影響を及ぼす可能性があります。さらに、これらに関連して航空保険料や保安対策費用等が増加する可能性があり、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ③ 公租公課 航空運送事業に関する公租公課には、着陸料や航行援助施設利用料をはじめとする空港使用料並びに国内線運航に使用する航空機燃料に賦課される航空機燃料税が挙げられます。現在、一部の路線及び空港の着陸料について、国の軽減措置を受けており、今後、軽減措置に変更が生じた場合には、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、航空機燃料税についても2011年4月より2020年3月末まで国による軽減措置が行われています。このため、当該対象期間における当社事業費が軽減されることとなりますが、今後政策の転換等によって当該軽減措置に変更が生じた場合には当社業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 さらに、2019年より導入が予定されている国際観光旅客税(出国税)により、海外旅行需要が落ち込み、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 将来の環境規制 当社の行う航空運送事業は、航空機の騒音、排気、有害物質の使用及び環境汚染等を管理・統制する様々な環境関連法規制の制約を受けております。現在、これらに関する法令遵守等に対して適確に取り組んでおりますが、これらに関する法令遵守又は環境改善のための追加的な義務が求められることとなった場合、関連した費用が当社の事業、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
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4 【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1) 当社に関連するリスク① 原油価格変動当社の行う航空運送事業は、航空機燃料を使用するため、他の石油製品と同様に原油価格変動の影響を受けます。原油価格変動リスクをヘッジ(減殺)すべく燃料デリバティブ取引等を実施しておりますが、今後の国際的な原油市場の需給バランス、産油国の政情不安及び投機資金の原油市場への流入等に伴う原油価格水準の変動によっては、燃料費が上昇し、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ② 為替変動当社は、航空機賃借料、航空保険料及び航空機整備に係る一部費用等について、外貨建取引を行っております。為替相場変動リスクをヘッジ(減殺)すべく為替デリバティブ取引等を実施しておりますが、為替相場変動の影響を恒久的に受ける環境にあり、今後の為替相場に大幅な変動が生じた場合には、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ③ 災害リスク当社は、現在、国内定期5路線(北九州-羽田線、関西-羽田線、福岡-羽田線、福岡-中部線、山口宇部-羽田線)のみの運航のため、関東地域又は九州山口地域・関西地域における大規模な地震、台風、噴火その他の自然災害等が生じた場合、運航及び経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。特に、当社の本部機能が集積している北九州空港が使用不能に陥った場合、運航及び経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ④ 運航リスク当社は、当事業年度末現在、航空機10機により運航しております。万が一、航空事故が発生した場合は、損害賠償、運航機材等の修理・修復等の費用が生じます。これらの費用は主に航空保険にて填補されますが、当初計画どおりの運航は困難となり、その後の当社航空機利用者数の減少や航空事故が生じたことによる航空需要の低下など、当社の事業に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、航空機に重大な故障が生じた場合にも、当初計画どおりの運航が困難となる場合があり、当社の事業に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 多頻度運航について当社では機材あたりの収益性を高めるべく、機材の一日当たり稼働率(乗客を乗せて運航している時間)を高水準で維持することに努めております。これは空港での待機時間を短縮し、機材の一日あたり飛行時間(回数)を高めることで達成されます。しかしながら、航空機は発注から受領までに一定の期間を要するため、当初計画していた路線展開が何らかの要因により不調となった場合、航空機受領後に計画していた機材の使用頻度を達成できない恐れがあります。また、天候、安全対応、予定外の修繕等様々な要因によって欠航せざるを得ない場合、機材の使用頻度は低くなる恐れがあります。機材の使用頻度が下がった場合は、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 使用航空機材について当社の使用している航空機並びにエンジンは、それぞれ1種類に限定しております。これは、必要な整備部品在庫・整備要員を圧縮しコストを低下させることに加え、整備作業を標準化することで短時間での整備完遂を実現し、「⑤ 多頻度運航について」に記載の、当社の特徴である多頻度運航を実現することを理由としております。しかしながら、限定されているが故に当該機種・エンジンに係る仕様上の欠陥等が発覚した場合、当社の運航継続について重大な懸念が生じうる可能性があります。過去における同型機の運航実績等を考慮すると、当社の採用する機材等にこうした重大な欠陥等が存在する可能性は低いものと考えておりますが、万が一そのような事態が生じた場合は当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、現在のところ平均機齢は比較的若い状態ですが、機材の経年に伴い、将来において修繕維持費用が増加する可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 競合について当社は同一路線を運航する同業他社、周辺路線を運航する同業他社並びに新幹線等の公共交通機関と競合関係にあります。また今後当社が新規路線を開設する場合、当該路線にすでに就航している同業他社等との競合関係が生じることが想定されます。さらに、昨今のLCC(格安航空会社)の参入により、同業者間における競合関係が激化しております。こうした競合激化に伴い、価格が低下しもしくは計画した旅客数が確保できなかった場合は、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 路線展開に関するリスク当社は、当事業年度末時点において、国内定期便として5路線のみの運航となっております。将来的には、運航便数の増加、国際線を含む新たな路線展開により収益拡大を図っていく計画でありますが、これらが計画どおりに進捗しない場合、将来の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。特に、空港発着枠を希望どおりに獲得できない場合、路線展開に大きな制約が課せられる可能性があります。また、将来的に、羽田空港、福岡空港及び関西国際空港の発着枠の見直し等が生じた場合は、事業計画に大きな影響を受ける可能性があります。 ⑨ 人材確保当社の行う航空運送事業は、運航乗務員、運航管理者及び整備士等の専門性を有した資格保持者の確保が必要であります。これらの有資格者は、雇用市場が航空業という限られたものであるため、主に同業他社からの転職者となっております。当社では、安定的な運航を遂行すべく、自社養成による有資格者の育成などにより人材の確保を行ってまいります。なお、これらの専門性を有した資格保持者の確保が計画どおりにできなかった場合、又はこれらの専門性を有した資格保持者が大勢、何らかの理由により業務に就くことができなかった場合は、当社の路線展開に大きな制約が課せられ、もしくは運航に影響を受ける可能性があります。 ⑩ 特定会社への依存当社は、全日本空輸株式会社との間で以下の取引を行っております。イ コードシェア協力契約を締結して共同運航(コードシェア)を行っております。ロ 予約販売業務請負契約ならびに情報システム利用に関する契約を締結し、当社航空券の販売ならびに空港ハンドリング業務等について同社の情報システムを用いており、当社の営業未収入金のうち当該事業の販売額は、別途契約のある一部の販売代理店や法人顧客向けのものを除き、全日本空輸株式会社より回収することとなっております。ハ 空港ハンドリング業務のうち一部を全日本空輸株式会社に委託しております。また、ANAホールディングス株式会社は当社の筆頭株主であり、役員の派遣を受けているほか、リース契約を締結しております。さらに、整備体制についてはLufthansa Technik AG社との間に航空機整備契約を締結しております。このように、当社は、航空運送事業において特定会社に依存しております。当該各特定会社とは良好な関係を維持しておりますが、提携・締結内容を解消するような状況となった場合には、運航に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 情報システムへの依存当社は、予約販売、搭乗手続き及び運航管理等の業務を情報システムにより管理・運用しております。当該システム及び情報システムを支える通信インフラ等に障害が生じた場合には、運航に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、将来の国際定期路線再参入に必要な情報システムの開発が計画通りに進まない、又は大幅な費用増加となった場合にも、参入計画に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ 法的規制当社の行う航空運送事業は、各国との航空協定等の国際協定をはじめ航空法及び関係諸法令による規制を受けており、また、国土交通省航空局による監督を受けております。当該規制に基づき当社は、航空運送事業運営者としての「事業許可証」、各空港における事業運営のための「事業場認定書」及び「業務規程認可書」、並びに運航する全ての航空機に対する「航空機登録証明書」及び「耐空証明書」を国土交通省航空局より交付されております。航空機の安全性を示す「耐空証明書」については、原則1年単位での検査による更新手続きが必要となっているものの、当社の整備体制が継続的に安全性を確保できるものと当局から評価されているため、現状の整備体制を継続することで自動更新される「連続式耐空証明書」を取得しております。当社ではこれらの規制等を遵守するため、適材適所での専門性を有した人材の活用の他、組織並びに規程類の整備を適宜行っております。しかしながら、これらの規制等を遵守できなかった場合には、許認可等の取消により、当社の事業活動が制限され、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。なお、当事業年度末現在、許認可等の取消に係る事象はございません。 (許認可等の状況)許認可等の名称所管官庁有効期限主な許認可等の取消事由等事業許可国土交通省なし航空法に基づく処分又は許可若しくは認可に付した条件に違反したとき。正当な理由がないのにこの法の規定により許可又は認可を受けた事項を実施しないとき。(航空法第119条)本邦航空運送事業者が航空法第4条第1項各号に掲げる者に該当するに至ったとき。(航空法第120条)航空機登録証明同上なし本邦航空運送事業者が航空法第4条第1項各号に掲げる者に該当するに至ったとき。(航空法第120条)事業場認定同上平成30年1月 認定事業場において航空法第20条第2項の規定若しくは同条4項の国土交通省令の規定に違反したとき、又は認定事業場における能力が同条第1項の技術上の基準に適合しなくなったと認めるとき。(航空法第20条第5項)業務規程認可同上なし同上耐空証明同上原則1年 但し、当社は連続式耐空証明を取得しているため有効期限なし国土交通大臣は、航空法第10条第4項、第16条第1項又は第134条第2項の検査の結果、当該航空機又は当該型式の航空機が同法第10条第4項の基準に適合せず、又は同法第14条の期間を経過する前に同項の基準に適合しなくなるおそれがあると認めるとき、その他航空機の安全性が確保されないと認めるときは、当該航空機又は当該型式の航空機の耐空証明の効力を停止し、若しくは有効期間を短縮し、又は同法第10条第3項(同法第10条の2第2項において準用する場合を含む。)の規定により指定した事項を変更することができる。(航空法第14条の2)次の各号に掲げる航空機の耐空証明は、当該各号に定める場合には、その効力を失う。 1.登録航空機 当該航空機の抹消登録があった場合2.航空法第10条第4項第2号に規定する航空機 当該航空機が航空の用に供してはならない航空機として騒音の大きさその他の事情を考慮して国土交通省令で定めるものに該当することとなった場合(航空法第15条) ⑬ 顧客情報の取扱い当社は、顧客に関する個人情報を保有しております。個人情報保護法及び個人情報保護に関する社内規程に基づき、適切な管理・運用を行っておりますが、不正アクセス等何らかの原因により、個人情報が漏洩した場合、顧客からの信用不安や社会的信用の低下により、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑭ 業績の季節変動性について当社の属する旅客航空運送業界においては、夏季休暇、年末年始休暇、春季休暇に需要が増大する傾向があります。そのため当社の業績につきましても、当該季節要因による偏重が生じる傾向があります。しかしながら、今後の新規路線の就航や就航便数の増加、原油価格や為替の変動等により、当該季節変動とは異なる業績トレンドとなる可能性があります。 ⑮ デリバティブ取引について当社が契約しているデリバティブ取引は、通貨関連として為替予約取引等、航空機燃料関連として商品価格スワップ取引等があります。なお、当社では、平成21年12月に「市場リスク管理に関する規程」を制定し、デリバティブ取引は、市場における相場変動に対するリスク回避(ヘッジ)目的にのみ利用し、投機的な目的では行わない方針を定めております。 ⑯ 配当政策について当社は、株主に対する利益還元を経営の最重要課題の一つとして認識しておりますが、株主への長期的な利益還元を実現するため、まずは、適正な内部留保を確保し、ビジネス環境の変化を先取りした積極的な事業展開を行う必要があると考えており、平成27年3月期まで配当を実施しておりませんでした。今後につきましては、内部留保による財務体質の強化を図り、その後業績及び財政状態の推移を見ながら利益配当を行っていく方針でありますが、当社の事業が計画通りに進展しない場合など、当社の業績が悪化した場合には配当を実施することができない可能性があります。 ⑰ 繰越欠損金について当社は、業績低迷による税務上の繰越欠損金を抱えていたため、法人税等の負担額は軽減されておりましたが、当該税務上の繰越欠損金は平成28年度中に解消されております。今後、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が期初より適用された場合、当期純利益及びキャッシュ・フローに影響を与える恐れがあります。 ⑱ 当社の財政状態について当社では現在、航空機材を主にオペレーティング・リースにより調達しており、財務諸表上はオフバランスとなっておりますが、リース会計基準等の改正がありオペレーティング・リースによる資産・負債をオンバランスすることとなった場合は、資産並びに負債に航空機材の使用権相当額が計上されるため、当社の自己資本比率は現状から大きく低下する可能性があります。なお、平成29年3月期末における未経過リース料の総額は31,016百万円であります。また、当社は平成30年度において、購入あるいはファイナンス・リースにより航空機材1機の導入を計画し、資産・負債のオンバランスを予定しております。なお、当社の運航総機数については、今後の路線展開等を考慮の上、決定いたします。加えて、当社はこれまで必要資金を金融機関からの借入れやファイナンス・リースにより調達した結果、平成29年3月期末における有利子負債残高が7,061百万円となり、総資産に占める割合が32.1%と高くなっております。このため、今後金融情勢が悪化することで負担金利が上昇した場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。なお、金融機関とのコミットメントライン契約、ファイナンス・リース契約には財務制限条項が設定されているものもあり、当条項に抵触した場合、当社の財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑲ 資金調達について当社が事業を今後さらに拡大するためには、継続して航空機材の導入等のための資金調達が必要であります。当該資金につきましては、外部からの資金調達と今後の内部留保によって確保する計画としておりますが、今後適時に十分な資金を確保できない場合は、新たな路線展開等のビジネス・チャンスをつかむことができなくなるため、当社の業績への影響並びに当社事業計画の遅延や変更が生ずる可能性があります。 (2) 航空業界に関連するリスク① 景気動向の影響について当社が属する航空業界は、旅客需要等について景気動向等の変動による影響を受けております。景気低迷が長期化した場合には、企業の出張抑制等から当社の主要顧客であるビジネス旅客が減少する可能性や、レジャー需要が減少する可能性があり、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 国際情勢の変化による影響国際紛争、大規模なテロ事件及び伝染病の流行等が発生した場合は、航空需要に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、それらに関連して航空保険料や保安対策費用等が増加する可能性があり、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ③ 公租公課航空運送事業に関する公租公課には、着陸料や航行援助施設利用料をはじめとする空港使用料並びに国内線運航に使用する航空機燃料に賦課される航空機燃料税が挙げられます。現在、一部の路線及び空港の着陸料について、国の軽減措置を受けており、今後、軽減措置に変更が生じた場合には、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、航空機燃料税についても平成23年4月より平成32年3月末まで国による軽減措置が行われています。このため、当該対象期間における当社事業費が軽減されることとなりますが、今後政策の転換等によって当該軽減措置に変更が生じた場合には当社業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ④ 環境規制当社の行う航空運送事業は、航空機の騒音、排気、有害物質の使用及び環境汚染等を管理・統制する様々な環境関連法規制の制約を受けております。現在、これらに関する法令遵守等に対して適確に取り組んでおりますが、これらに関する法令遵守又は環境改善のための追加的な義務が求められることとなった場合、関連した費用が当社の事業、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
FY2016|6,862 文字
4 【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1) 当社に関連するリスク① 原油価格変動当社の行う航空運送事業は、航空機燃料を使用するため、他の石油製品と同様に原油価格変動の影響を受けます。原油価格変動リスクをヘッジ(減殺)すべく燃料デリバティブ取引等を実施しておりますが、今後の国際的な原油市場の需給バランス、産油国の政情不安及び投機資金の原油市場への流入等に伴う原油価格水準の変動によっては、燃料費が上昇し、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ② 為替変動当社は、航空機賃借料、航空保険料及び航空機整備に係る一部費用等については、外貨建取引を行っております。為替相場変動リスクをヘッジ(減殺)すべく為替デリバティブ取引等を実施しておりますが、為替相場変動の影響は恒久的に受ける環境にあり、今後の為替相場に大幅な変動が生じた場合には、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ③ 災害リスク当社は、現在、国内定期便5路線(北九州-羽田線、関西-羽田線、福岡-羽田線、山口宇部-羽田線、福岡-中部線)のみの運航のため、関東地域又は九州山口地域・関西地域における大規模な地震、台風、噴火その他の自然災害等が生じた場合、運航及び経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。特に、当社の本部機能が集積している北九州空港が使用不能に陥った場合、運航及び経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ④ 運航リスク当社は、当事業年度末現在、航空機9機により運航しております。万が一、航空機事故が発生した場合は、損害賠償、運航機材等の修理・修復等の費用が生じます。これらの費用は主に航空保険にて填補されますが、当初計画どおりの運航は困難であり、その後の当社航空機利用者数の減少や航空機事故が生じたことによる航空需要の低下など、当社の事業に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、航空機に重大な故障が生じた場合にも、当初計画どおりの運航が困難となる場合があり、当社の事業に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 多頻度運航について当社では機材あたりの収益性を高めるべく、機材の一日当たり稼働率(乗客を乗せて運航している時間)を高水準で維持することに努めております。これは空港での待機時間を短縮し、機材の一日あたり飛行時間(回数)を高めることで達成されます。しかしながら、天候、安全対応、予定外の修繕等の当社が想定し得ない様々な要因によって欠航せざるを得ない場合、機材の使用頻度は低くなる恐れがあります。機材の使用頻度が下がった場合は、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 使用航空機材について当社の使用している航空機並びにエンジンは、それぞれ1種類に限定されております。これは、必要な整備部品在庫・整備要員を圧縮しコストを低下させることに加え、整備作業を標準化することで短時間での整備完遂を実現し、「⑤ 多頻度運航について」に記載の、当社の特徴である多頻度運航を実現することを理由としております。しかしながら、限定されているが故に当該機種・エンジンに係る仕様上の欠陥等が発覚した場合、当社の運航継続について重大な懸念が生じうる可能性があります。過去における同型機の運航実績等を考慮すると、当社の採用する機材等にこうした重大な欠陥等が存在する可能性は低いものと考えておりますが、万が一そのような事態が生じた場合は当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、現在のところ平均機齢は比較的若い状態ですが、機材の経年に伴い、将来において修繕維持費用が増加する可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 競合について当社は同一路線を運航する同業他社、周辺路線を運航する同業他社並びに新幹線等の公共交通機関と競合関係にあります。また今後当社が新規路線を開設する場合、当該路線にすでに就航している同業他社等との競合関係が生じることが想定されます。さらに、昨今のLCC(格安航空会社)の参入により、同業者間における競合関係が激化しております。こうした競合激化に伴い、価格が低下しもしくは計画した旅客数が確保できなかった場合は、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 路線展開に関するリスク当社は、当事業年度末時点において、国内定期便としては5路線のみの運航となっております。将来的には、運航便数の増加、国際線を含む新たな路線展開により収益拡大を図っていく計画でありますが、これらが計画どおりに進捗しない場合、将来の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。特に、空港発着枠を希望どおりに獲得できない場合、路線展開に大きな制約が課せられる可能性があります。また、将来的に、羽田空港、福岡空港および関西国際空港の発着枠の見直し等が生じた場合は、事業計画に大きな影響を受ける可能性があります。 ⑨ 人材確保当社の行う航空運送事業は、運航乗務員、運航管理者及び整備士等の専門性を有した資格保持者の確保が必要であります。これらの有資格者は、雇用市場が航空業という限られたものであるため、主に同業他社からの転職者となっております。当社では、安定的な運航を遂行すべく、自社養成による有資格者の育成などにより人材の確保を行ってまいります。なお、これらの専門性を有した資格保持者の確保が計画どおりにできなかった場合、又はこれらの専門性を有した資格保持者が大勢、何らかの理由により業務に就くことができなかった場合は、当社の路線展開に大きな制約が課せられ、もしくは運航に影響を受ける可能性があります。 ⑩ 特定会社への依存航空運送事業において、当社は、全日本空輸株式会社との間でコードシェア協力契約を締結して共同運航(コードシェア)を行っており、予約販売業務請負契約ならびに情報システム利用に関する契約を締結し、当社航空券の販売ならびに空港ハンドリング業務等は、同社の情報システムを用いております。これにより、当社の営業未収入金のうち当該事業の販売額は、別途契約のある一部の販売代理店や法人顧客向けのものを除き、全日本空輸株式会社より回収することとなっております。また、空港ハンドリング業務のうち一部を全日本空輸株式会社に委託しております。加えて、ANAホールディングス株式会社は当社の筆頭株主であり、全日本空輸株式会社より役員等の派遣を受けております。また、整備体制についてはLufthansa Technik AG社との間に航空機整備契約を、航空機の調達においてはGEグループ社等との間に航空機材リース契約をそれぞれ締結し、特定会社に依存しております。当該各特定会社とは良好な関係を維持しておりますが、提携・締結内容を解消するような状況となった場合には、運航に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 情報システムへの依存当社は、予約販売、搭乗手続き及び運航管理等の業務を情報システムにより管理・運用しております。当該システム及び情報システムを支える通信インフラ等に障害が生じた場合には、運航に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ 法的規制当社の行う航空運送事業は、各国との航空協定等の国際協定をはじめ、航空法及び関係諸法令による規制を受けており、また、国土交通省航空局による監督を受けております。当該規制に基づき当社は、航空運送事業運営者としての「事業許可証」、各空港における事業運営のための「事業場認定書」及び「業務規程認可書」、並びに運航する全ての航空機に対する「航空機登録証明書」及び「耐空証明書」を国土交通省航空局より交付されております。航空機の安全性を示す「耐空証明書」については、原則1年単位での検査による更新手続きが必要となっているものの、当社の整備体制が継続的に安全性を確保できるものと当局から評価されているため、現状の整備体制を継続することで自動更新される「連続式耐空証明書」を取得しております。当社ではこれらの規制等を遵守するため、適材適所での専門性を有した人材の活用の他、組織並びに規程類の整備を適宜行っております。しかしながら、これらの規制等を遵守できなかった場合には、許認可等の取消により、当社の事業活動が制限され、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。なお、当事業年度末現在、許認可等の取消に係る事象はございません。 (許認可等の状況)許認可等の名称所管官庁有効期限主な許認可等の取消事由等事業許可国土交通省なし航空法に基づく処分又は許可若しくは認可に付した条件に違反したとき。正当な理由がないのにこの法の規定により許可又は認可を受けた事項を実施しないとき。(航空法第119条)本邦航空運送事業者が航空法第4条第1項各号に掲げる者に該当するに至ったとき。(航空法第120条)航空機登録証明同上なし本邦航空運送事業者が航空法第4条第1項各号に掲げる者に該当するに至ったとき。(航空法第120条)事業場認定同上平成30年1月 認定事業場において航空法第20条第2項の規定若しくは同条4項の国土交通省令の規定に違反したとき、又は認定事業場における能力が同条第1項の技術上の基準に適合しなくなったと認めるとき。(航空法第20条第5項)業務規程認可同上なし同上耐空証明同上原則1年 但し、当社は連続式耐空証明を取得しているため有効期限なし国土交通大臣は、航空法第10条第4項、第16条第1項又は第134条第2項の検査の結果、当該航空機又は当該型式の航空機が同法第10条第4項の基準に適合せず、又は同法第14条の期間を経過する前に同項の基準に適合しなくなるおそれがあると認めるとき、その他航空機の安全性が確保されないと認めるときは、当該航空機又は当該型式の航空機の耐空証明の効力を停止し、若しくは有効期間を短縮し、又は同法第10条第3項(同法第10条の2第2項において準用する場合を含む。)の規定により指定した事項を変更することができる。(航空法第14条の2)次の各号に掲げる航空機の耐空証明は、当該各号に定める場合には、その効力を失う。 1.登録航空機 当該航空機の抹消登録があった場合2.航空法第10条第4項第2号に規定する航空機 当該航空機が航空の用に供してはならない航空機として騒音の大きさその他の事情を考慮して国土交通省令で定めるものに該当することとなった場合(航空法第15条) ⑬ 顧客情報の取扱い当社は、顧客に関する個人情報を保有しております。個人情報保護法及び個人情報保護に関する社内規程に基づき、適切な管理・運用を行っておりますが、不正アクセス等何らかの原因により、個人情報が漏洩した場合、顧客からの信用不安や社会的信用の低下により、当社の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑭ 業績の季節変動性について当社の属する旅客航空運送業界においては、夏季休暇、年末年始休暇、春季休暇に需要が増大する傾向があります。そのため当社の業績につきましても、当該季節要因による偏重が生じる傾向があります。しかしながら、今後の新規路線の就航や就航便数の増加、原油価格や為替の変動等により、当該季節変動とは異なる業績トレンドとなる可能性があります。 ⑮ デリバティブ取引について当社が契約しているデリバティブ取引は、通貨関連として為替予約取引等、航空機燃料関連として商品価格スワップ取引等があります。なお、当社では、平成21年12月に「市場リスク管理に関する規程」を制定し、デリバティブ取引は、市場における相場変動に対するリスク回避(ヘッジ)目的にのみ利用し、投機的な目的では行わない方針を定めております。 ⑯ 配当政策について当社は、株主に対する利益還元を経営の最重要課題の一つとして認識しておりますが、株主への長期的な利益還元を実現するため、まずは、適正な内部留保を確保し、ビジネス環境の変化を先取りした積極的な事業展開を行う必要があると考えており、平成27年3月期まで配当を実施しておりません。今後につきましては、内部留保による財務体質の強化を図り、その後業績及び財政状態の推移を見ながら利益配当を行っていく方針であります。しかしながら、当社の事業が計画通りに進展しない場合など、当社の業績が悪化した場合には配当を実施することができない可能性があります。 ⑰ 繰越欠損金について当社は、業績低迷による税務上の繰越欠損金を抱えていたため、当社の法人税等の負担額は軽減されておりましたが、現存する税務上の繰越欠損金は平成28年度に解消される見込みであり、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が適用された場合、税引後当期純利益及びキャッシュ・フローに影響を与える恐れがあります。 ⑱ 当社の財政状態について当社では現在、航空機材を主にオペレーティング・リースにより調達しており、財務諸表上はオフバランスとなっておりますが、リース会計基準等の改正がありオペレーティング・リースによる資産・負債をオンバランスすることとなった場合は、資産並びに負債に航空機材の使用権相当額が計上されるため、当社の自己資本比率は現状から大きく低下する可能性があります。なお、平成28年3月期末における未経過リース料の総額は25,759百万円であります。また、当社は平成30年度において、購入あるいはファイナンス・リースにより航空機材1機の導入を計画し、資産・負債のオンバランスを予定しております。なお、当社の運航総機数については、今後の路線展開等を考慮の上、決定いたします。加えて、当社はこれまで必要資金を金融機関からの借入れやファイナンス・リースにより調達した結果、平成28年3月期末における有利子負債残高が8,594百万円となり、総資産に占める割合が42.9%と高くなっております。そのため、今後金融情勢が悪化することで負担金利が上昇した場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。なお、金融機関からの借入れやファイナンス・リース契約には財務制限条項が設定されているものもあり、当条項に抵触した場合、当社の財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑲ 資金調達について当社が事業を今後さらに拡大するためには、継続して航空機材の導入等のための資金調達が必要であります。当該資金につきましては、外部からの資金調達と今後の内部留保によって確保する計画としておりますが、今後適時に十分な資金を確保できない場合は、新たな路線展開等のビジネス・チャンスをつかむことができなくなるため、当社の業績への影響並びに当社事業計画の遅延や変更が生ずる可能性があります。 (2) 航空業界に関連するリスク① 景気動向の影響について当社が属する航空業界は、旅客需要等について景気動向等の変動による影響を受けております。景気低迷が長期化した場合には、企業の出張抑制等から当社の主要顧客であるビジネス旅客が減少する可能性や、レジャー需要が減少する可能性があり、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 国際情勢の変化による影響国際紛争、大規模なテロ事件及び伝染病の流行等が発生した場合は、航空需要に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、それらに関連して航空保険料や保安対策費用等が増加する可能性があり、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ③ 公租公課航空運送事業に関する公租公課には、着陸料や航行援助施設利用料をはじめとする空港使用料並びに国内線運航に使用する航空機燃料に賦課される航空機燃料税が挙げられます。空港使用料のうち着陸料については現在、国の軽減措置を受けており、今後、軽減措置に変更が生じた場合には、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、航空機燃料税についても平成23年4月より平成29年3月末まで国による軽減措置が行われています。このため、当該対象期間における当社事業費が軽減されることとなりますが、今後政策の転換等によって当該軽減措置に変更が生じた場合には当社業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ④ 環境規制当社の行う航空運送事業は、航空機の騒音、排気、有害物質の使用及び環境汚染等を管理・統制する様々な環境関連法規制の制約を受けております。現在、これらに関する法令遵守等に対して適確に取り組んでおりますが、これらに関する法令遵守又は環境改善のための追加的な義務が求められることとなった場合、関連した費用が当社の事業、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。