9049

京福電気鉄道(9049)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

陸運業 運輸・物流

事業の概要

京福電気鉄道は、京阪ホールディングスの子会社で、運輸業、不動産業、レジャー・サービス業を主軸とするグループです。運輸業では、鉄道、バス、タクシーを運営し、人々の移動を支えています。不動産業では、不動産の販売や賃貸を行い、安定的な収益源としています。レジャー・サービス業では、物販、ホテル、水族館、広告代理店など多岐にわたるサービスを提供し、地域経済に貢献しながら収益を上げています。これらの事業を組み合わせることで、多様な収益構造を構築しています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

京福電気鉄道グループの事業セグメントは、主に「運輸事業」、「不動産事業」、「レジャー・サービス事業」の3つで構成されています。運輸事業は、鉄道、バス、タクシーの運行を通じて人々の移動を支える事業です。不動産事業は、不動産の販売や賃貸を行い、安定した収益を生み出しています。レジャー・サービス事業は、物販、ホテル、水族館、広告代理店など、幅広いサービスを提供する事業です。最新年度の実績を見ると、不動産事業が売上54.24億円、営業利益16.36億円と最も高い営業利益を上げており、グループの稼ぎ頭であることが伺えます。運輸事業も売上78.29億円、営業利益4.2億円と堅調ですが、不動産事業が収益性の面で貢献度が高い構造です。レジャー・サービス事業は売上12.05億円、営業利益2.45億円となっています。地域構成については、主に日本国内での事業展開と考えられます。

2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Transportation 事業 78 4 5.4%
RealEstate 事業 54 16 30.2%
LeisureAndService 事業 12 2 20.3%
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FY2025|377 文字
3【事業の内容】 当社は京阪ホールディングス株式会社の連結子会社であり、当社グループは当社(京福電気鉄道株式会社)および子会社6社で構成されており、運輸業、不動産業、レジャー・サービス業を主たる業務としております。 当社グループの営んでいる主要な事業内容及びセグメントとの関連は次のとおりであります。(1)運輸業(5社)事業の内容会社名鉄軌道事業当社バス運送事業京都バス㈱、京福バス㈱タクシー事業ケイカン交通㈱、福井交通㈱ (2)不動産業(3社)事業の内容会社名不動産販売事業当社、京福不動産㈱不動産賃貸事業当社、三国観光産業㈱、京福不動産㈱ (3)レジャー・サービス業(3社)事業の内容会社名物販業当社、京福不動産㈱ホテル業京福不動産㈱水族館業三国観光産業㈱広告代理店業京福不動産㈱  (注)当社は三国観光産業㈱に対し、不動産の賃貸等を行っております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
景気変動による価格競争の激化が進展する可能性があり、価格決定権が弱い。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
公共交通機関である運輸業(鉄軌道事業、バス運送事業、タクシー事業)は許認可等の規制がある。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:少子高齢化による輸送人員減少・採用難 / 景気変動による需要減少・価格競争激化 / 材料・資材価格の高騰および燃料費増加
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

嵐山線沿線という観光地におけるブランド力は一定程度存在するが、特許や規制ライセンスによる明確な独占的優位性は限定的。地域住民の生活路線としての側面も持つが、競合交通手段との差別化は強くない。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

沿線住民にとっては生活に不可欠な交通手段であり、一定のスイッチングコストは存在する。しかし、代替交通手段(バス、自家用車)への乗り換えは比較的容易であり、強固な顧客固定化には至っていない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

鉄道事業において、ユーザー数の増加が直接的にサービスの価値を高めるネットワーク効果はほとんど見られない。乗客数が増えても、個々の乗客にとっての利便性が劇的に向上するわけではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

鉄道インフラの維持管理コストは固定費として大きい。新規参入障壁は高いものの、既存事業者として構造的に他社より大幅に低いコストで運営できる優位性は見出しにくい。運賃設定も規制を受ける。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

京都市西部という限定された地域において、嵐山線、北野線、叡山線といった路線網を運営しており、地域内では一定の寡占状態を形成している。この地域における鉄道輸送の主要プレイヤーとしての規模の経済は存在する。

京福電気鉄道グループの優位性は、地域に根差した多角的な事業展開にあります。特に、鉄道やバスといった公共交通機関の運営は、許認可事業であり新規参入が難しいという参入障壁があります。また、長年にわたる地域での事業展開により、顧客基盤やブランド認知を確立していると考えられます。不動産事業やレジャー・サービス事業との連携により、地域全体の活性化に貢献しつつ、相互に顧客を呼び込み、収益機会を創出している点も強みです。これにより、単一事業に依存しない安定した経営基盤を築いています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】   当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。   なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針当社グループでは、以下に掲げる「経営理念」および「経営姿勢」を基本方針に、京都地区では鉄軌道事業を、福井地区ではバス・タクシー事業を中心とした交通インフラをそれぞれ核に、地域と協働して沿線の魅力を高めることで企業価値の向上を図ってまいります。 <経営理念>京福グループは、安全・安心をブランドの礎とし、人と社会に貢献します。 <経営姿勢>・安全・安心・感動を基礎に、社会と一体となって歩みます。・進取・挑戦の歩みを止めず、日々進化し続けます。・人と自然を敬愛します。 (2) 中長期的な経営戦略当社グループは、確実に成長を続けるとともに、これまで培ってきた地域の皆さまとの関係をベースとした事業基盤を一層強固なものとすることにより、これからも株主さま、お客さま、地域の皆さまから安定して支持していただける企業集団として永続していくことを目指し、2023年5月に「京福グループ中期経営計画2025(2023年度~2025年度)および2030年度の経営目標を定めております。 <基本方針>・当社グループは、ビジネスチャンスを確実に生かすことで成長を図るとともに、適切な投資を行い、安定的に経営を持 続してまいります。・新たに生まれる人の流れを確実に取り込むことで、地域インフラとしての重要性向上を図ります。・安全・安心に関する取り組みを着実に継続するとともに、これまでにない輸送の価値をお客さまに提供します。・沿線地域の皆さまとの連携を通じて沿線の魅力を深耕・発信することにより、地域のにぎわいづくりに貢献するととも に、一定規模の不動産投資を行うことにより、よりよいまちとくらしを創造していきます。・ソフト・ハード両面で環境負荷の低減を目指すとともに、自然災害等のリスクにそなえることにより、持続可能で強固 な組織体を目指します。 <具体的な取り組み>①運輸業・運輸安全マネジメントの着実な継続・嵐山線への新型車両、回生ブレーキ等の導入・嵐山線ダイヤ改正・嵐山線各駅バリアフリー化のさらなる推進・電気バス・ユニバーサルデザインタクシーの導入・老朽施設の建て替えなど適切な設備投資②不動産業・収益物件の取得・賃貸住宅ランフォートシリーズ(京都)、Kフォートシリーズ(福井)の展開拡大・地域密着型の宅地分譲事業の推進・福井地区社有地の活用促進 ③レジャー・サービス業・施設運営体制の強化(嵐山駅ビル、帷子ノ辻駅ビル)・嵐山線沿線の観光資源の掘り起こしと連携強化による誘客策の企画・実施・AIのさらなる活用などによる情報機能の充実(ボートレース事業)・自然・環境とふれあう新展示施設の開設(越前松島水族館)④福井地区運輸業(京福バスグループ)・交通系ICカードの導入・北陸新幹線と福井県内に点在する観光地をつなぐ「二次交通」としての機能強化・「ふくいMaaS」としてシームレスなモビリティサービス提供・事業拠点のさらなる集約と営業強化⑤管理部門・誰もが働きやすい職場環境の整備・KES(Kyoto Environmental Management System Standard・環境マネジメントシステム)認証に基づく活動の継続 <賃金配分および投資額資金配分および投資額> 持続的な成長と企業価値の向上につなげるため、各事業において成長・戦略投資と維持・更新投資を行うとともに、株主還元については安定的な配当の継続を目指します。 <定量目標> 中期経営計画の期間中(2023年度~2025年度)に各施策を進めることで営業利益を確実に積み上げ、2030年度において営業利益20億円を達成するとともに、各年度安定的に10億円以上の親会社株主に帰属する当期純利益確保を目指します。 (3) 経営環境 当社グループの事業エリアである京都エリアについては、今後インバウンドを中心に観光客のさらなる増加が見込まれるほか、福井エリアでは北陸新幹線の金沢・敦賀間延伸開業後の環境変化が予想されます。加えて、2025年に大阪・関西万博の開催にあたり、新たなお客さまの流れが生じるものと想定しております。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題「安全・安心の着実な推進」として、嵐山線では2024年度から2028年度にかけ新型車両7両を導入するほか、中間駅のバリアフリー化、踏切更新、その他老朽施設の更新投資を、バス・タクシー事業では計画的な新車導入など、適切な投資を推進します。「沿線深耕と地域貢献への取組み」として、京都地区では「映像・映画のまち太秦」をはじめ、沿線地域の魅力の深掘りと発信により、観光の活性化にさらに取り組みます。また新たな賃貸物件の取得等により賃貸収入の増収を図るとともに、「よりよいまちとくらしの創造」につながる不動産賃貸業を推進します。福井地区では、乗合タクシーやデマンドタクシーの運行とサービス向上など、グループのバス・タクシー各社共同できめ細やかな交通サービスの提供を維持し、観光・生活両面で地域のにぎわいづくりに貢献します。「持続可能な経営」として、嵐山線で新型車両導入に伴う車両のVVVFインバータ制御・回生ブレーキ化の推進、京都バス㈱・京福バス㈱のEVバス導入などハード面に加え、行政による観光分散化策など、地域一体での環境負荷低減に向けた取り組みへの協力・連携をさらに強化します。またバス事業を中心とする要員の確保、頻発する自然災害に備えた訓練等の各対応は喫緊の課題であると認識しており、合わせてガバナンスの強化、多様な人材がいきいきと活躍できる企業風土・職場づくりに継続して取り組みます。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】   当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。   なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針当社グループでは、以下に掲げる「経営理念」および「経営姿勢」を基本方針に、京都地区では鉄軌道事業を、福井地区ではバス・タクシー事業を中心とした交通インフラをそれぞれ核に、地域と協働して沿線の魅力を高めることで企業価値の向上を図ってまいります。 <経営理念>京福グループは、安全・安心をブランドの礎とし、人と社会に貢献します。 <経営姿勢>・安全・安心・感動を基礎に、社会と一体となって歩みます。・進取・挑戦の歩みを止めず、日々進化し続けます。・人と自然を敬愛します。 (2) 中長期的な経営戦略当社グループは、確実に成長を続けるとともに、これまで培ってきた地域の皆さまとの関係をベースとした事業基盤を一層強固なものとすることにより、これからも株主さま、お客さま、地域の皆さまから安定して支持していただける企業集団として永続していくことを目指し、2023年5月に「京福グループ中期経営計画2025(2023年度~2025年度)および2030年度の経営目標を定めております。 <基本方針>・当社グループは、ビジネスチャンスを確実に生かすことで成長を図るとともに、適切な投資を行い、安定的に経営を持 続してまいります。・新たに生まれる人の流れを確実に取り込むことで、地域インフラとしての重要性向上を図ります。・安全・安心に関する取り組みを着実に継続するとともに、これまでにない輸送の価値をお客さまに提供します。・沿線地域の皆さまとの連携を通じて沿線の魅力を深耕・発信することにより、地域のにぎわいづくりに貢献するととも に、一定規模の不動産投資を行うことにより、よりよいまちとくらしを創造していきます。・ソフト・ハード両面で環境負荷の低減を目指すとともに、自然災害等のリスクにそなえることにより、持続可能で強固 な組織体を目指します。 <具体的な取り組み>①運輸業・運輸安全マネジメントの着実な継続・嵐山線への新型車両、回生ブレーキ等の導入・嵐山線ダイヤ改正・嵐山線各駅バリアフリー化のさらなる推進・電気バス・ユニバーサルデザインタクシーの導入・老朽施設の建て替えなど適切な設備投資②不動産業・収益物件の取得・賃貸住宅ランフォートシリーズ(京都)、Kフォートシリーズ(福井)の展開拡大・地域密着型の宅地分譲事業の推進・福井地区社有地の活用促進 ③レジャー・サービス業・施設運営体制の強化(嵐山駅ビル、帷子ノ辻駅ビル)・嵐山線沿線の観光資源の掘り起こしと連携強化による誘客策の企画・実施・AIのさらなる活用などによる情報機能の充実(ボートレース事業)・自然・環境とふれあう新展示施設の開設(越前松島水族館)④福井地区運輸業(京福バスグループ)・交通系ICカードの導入・北陸新幹線と福井県内に点在する観光地をつなぐ「二次交通」としての機能強化・「ふくいMaaS」としてシームレスなモビリティサービス提供・事業拠点のさらなる集約と営業強化⑤管理部門・誰もが働きやすい職場環境の整備・KES(Kyoto Environmental Management System Standard・環境マネジメントシステム)認証に基づく活動の継続 <賃金配分および投資額資金配分および投資額> 持続的な成長と企業価値の向上につなげるため、各事業において成長・戦略投資と維持・更新投資を行うとともに、株主還元については安定的な配当の継続を目指します。 <定量目標> 中期経営計画の期間中(2023年度~2025年度)に各施策を進めることで営業利益を確実に積み上げ、2030年度において営業利益20億円を達成するとともに、各年度安定的に10億円以上の親会社株主に帰属する当期純利益確保を目指します。 (3) 経営環境 当社グループの事業エリアである京都エリアについては、今後インバウンドを中心に観光客のさらなる増加が見込まれるほか、福井エリアでは北陸新幹線の金沢・敦賀間延伸開業後の環境変化が予想されます。加えて、2025年に大阪・関西万博の開催にあたり、新たなお客さまの流れが生じるものと想定しております。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題「安全・安心の着実な推進」として、嵐山線では2024年度から2028年度にかけ新型車両7両を導入するほか、中間駅のバリアフリー化、踏切更新、その他老朽施設の更新投資を、バス・タクシー事業では計画的な新車導入など、適切な投資を推進します。「沿線深耕と地域貢献への取組み」として、京都地区では「映像・映画のまち太秦」をはじめ、沿線地域の魅力の深掘りと発信により、観光の活性化にさらに取り組みます。また新たな賃貸物件の取得等により賃貸収入の増収を図るとともに、「よりよいまちとくらしの創造」につながる不動産賃貸業を推進します。福井地区では、乗合タクシーやデマンドタクシーの運行とサービス向上など、グループのバス・タクシー各社共同できめ細やかな交通サービスの提供を維持し、観光・生活両面で地域のにぎわいづくりに貢献します。「持続可能な経営」として、嵐山線で新型車両導入に伴う車両のVVVFインバータ制御・回生ブレーキ化の推進、京都バス㈱・京福バス㈱のEVバス導入などハード面に加え、行政による観光分散化策など、地域一体での環境負荷低減に向けた取り組みへの協力・連携をさらに強化します。またバス事業を中心とする要員の確保、頻発する自然災害に備えた訓練等の各対応は喫緊の課題であると認識しており、合わせてガバナンスの強化、多様な人材がいきいきと活躍できる企業風土・職場づくりに継続して取り組みます。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度の当社グループの営業収益は14,459百万円(前期比417百万円、3.0%増)となり、構造改革の推進等によるコスト削減効果もあり、営業利益は2,302百万円(前期比388百万円、20.3%増)となりました。これに、営業外収益および営業外費用を加減した経常利益は2,325百万円(前期比379百万円、19.5%増)となり、特別利益および特別損失ならびに法人税等を加減し、非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は1,736百万円(前期比352百万円、16.9%減)となりました。   セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。   (運輸業)運輸業におきましては、鉄軌道事業で嵐山線・鋼索線とも、インバウンドを中心に旅客数が増加し増収となりました。嵐山線では24年ぶりに新型車両を1両導入、モボ1形「KYOTRAM(きょうとらむ)」として2025年2月28日から営業運転を開始しました。また、大河ドラマ「光る君へ」をテーマに関係行政や交通事業者、沿線各施設等と連携したデジタルスタンプラリーの開催やラッピング電車の運行などを行い、旅客誘致と利用促進に努めました。さらに、2024年10月14日に江ノ島電鉄㈱との「江ノ電・嵐電姉妹提携」が締結15周年を迎えたことから、両社それぞれの車体カラーによるラッピング電車の運行や、分散化による持続可能な観光の実現をテーマに、両社沿線の共同PRを実施するなど、広範な情報発信を行いました。バス運送事業・タクシー事業では、京都バス㈱はインバウンドなど観光需要が好調に推移し増収となりました。福井地区の京福バス㈱・ケイカン交通㈱・福井交通㈱は、北陸新幹線敦賀延伸による観光需要や、2024年2月に導入した交通系ICカードの利用促進キャンペーン、JR福井駅エリアの新商業施設への地域客来訪などによる利用増がありました。一方、バス運転士・タクシー運転手の人手不足は引き続き深刻で、京福バス㈱は2024年6月1日と10月1日に、行政や沿線地域のご理解ご協力のもと一部路線で廃止・減便を実施しました。これにより下期以降、運転士の配置を適正化し、高速バス京都・大阪線の運行再開など、収益部門における受注や稼働の増加を図りました。以上の結果、運輸業の営業収益は7,853百万円(前期比288百万円、3.8%増)となり、営業利益は420百万円(前期比119百万円、39.5%増)となりました。  (提出会社の鉄軌道事業の運輸成績表) 種別単位当連結会計年度 (2024.4.1~2025.3.31) 対前期増減率(%)輸送人員定期千人2,875△0.2定期外〃5,4892.0計〃8,3641.3旅客運輸収入定期百万円2912,4定期外〃1,2683.2計〃1,5603.0  (業種別営業成績)種別当連結会計年度(2024.4.1~2025.3.31)営業収益対前期増減率 百万円%鉄軌道事業1,6382.9バス運送事業5,3360.3タクシー事業1,01025.5消去△132-計7,8533.8 (不動産業)不動産業におきましては、不動産賃貸事業の収益基盤強化に向け、京福電気鉄道㈱が大阪府高槻市で2024年7月25日に「ワコーレヴィータ高槻八丁畷町(はっちょうなわてちょう)」を、2025年3月27日に大阪府茨木市で「京福茨木ビル」を取得しました。また京都地区・福井地区ともに、既存の居住用賃貸物件の賃貸収入も堅調に推移しました。「ボートレース三国」では引き続きインターネット投票売上が好調で、2024年11月から12月にかけて開催されたレース「開設71周年記念 GⅠ 北陸艇王決戦」などの効果もあり、施設賃貸収入は増収となりました。以上の結果、不動産業の営業収益は5,593百万円(前期比213百万円、4.0%増)となり、営業利益は1,636百万円(前期比202百万円、14.1%増)となりました。  (業種別営業成績)種別当連結会計年度(2024.4.1~2025.3.31)営業収益対前期増減率 百万円% 不動産賃貸事業6,277△2.0 不動産販売事業78△16.3 消去△762-計5,5934.0  (主な相手先別の収益実績及び総営業収益に対する割合)相手先前連結会計年度(2023.4.1~2024.3.31)当連結会計年度(2024.4.1~2025.3.31)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)越前三国競艇企業団4,26730.394,38730.34 (レジャー・サービス業)レジャー・サービス事業におきましては、ホテル京福福井駅前、越前松島水族館で、北陸新幹線敦賀延伸効果により来県者が増加、増収となりました。とりわけ越前松島水族館は、北陸新幹線敦賀延伸に合わせて2024年3月7日にオープンした「みずだこ館」が、ミズダコに特化した国内水族館初の施設として数多くのマスコミで報道されました。インバウンドでにぎわう嵐山駅はんなり・ほっこりスクエアでは、嵐山の眺望を一望に楽しめる駅ビル屋上の開放や、大河ドラマ出演者等身大パネル展、スマートフォンゲームとのコラボレーションイベントの開催などで集客を図りました。以上の結果、レジャー・サービス業の営業収益は、2023年6月に三国観光ホテルを事業譲渡したことから1,263百万円(前期比44百万円、3.4%減)となりましたが、営業利益は245百万円(前期比67百万円、37.9%増)となりました。 (業種別営業成績)種別当連結会計年度(2024.4.1~2025.3.31)営業収益対前期増減率 百万円% ホテル業210△34.3 水族館業64021.1 物販業306△2.7 その他127△36.0 消去△21-計1,263△3.4 ②キャッシュ・フローの状況 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益に加え、減価償却費等の非現金支出項目による資金留保などにより3,626百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ1,169百万円の収入増となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出などにより2,946百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ1,192百万円の支出増となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済などにより463百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ252百万円の支出減となりました。 以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は2,154百万円となり、前連結会計年度末に比べ216百万円の増加となりました。 ③生産、受注及び販売の実績 当社グループのサービス・販売等は、必ずしも一様ではないため、セグメント毎に金額あるいは数量での記載は行なっておりません。 そのため生産、受注及び販売の実績については、「(1)経営成績等の状況の概要」における各セグメント業績に関連付けて記載しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。   ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりであります。  (経営成績の分析)  当連結会計年度のわが国経済は、所得環境の改善やインバウンドの増加などにより持ち直しの傾向が見られた一方、物価上昇や世界の紛争地域の動向等の影響により、依然として先行き不透明な状況で推移しました。  このような状況のもと、当社グループではお客様サービスの強化や積極的な営業活動により業績の向上に努めました。  (財政状態の分析)  総資産は、有形固定資産の取得などにより、前連結会計年度末に比べ2,251百万円増加し、25,253百万円となりました。  負債は、未払法人税等の増加などにより、前連結会計年度末に比べ374百万円増加し、11,597百万円となりました。  純資産は親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ1,876百万円増加し、13,656百万円となりました。  当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。  経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、当社グループは、「連結営業収益」、「連結ROE」、「連結有利子負債/EBITDA倍率」を重要な指標として位置付けております。各指標は、以下のとおりです。経営指標前連結会計年度当連結会計年度連結営業収益14,042百万円14,459百万円連結ROE21.7%15.0%連結有利子負債/EBITDA倍率※2.09倍1.68倍※連結有利子負債/EBITDA倍率=(社債+借入金)÷(営業利益+減価償却費) ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 (キャッシュ・フローの状況の分析)  当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。  (資本の財源及び資金の流動性)  当社グループの資金需要の主な内容は運転資金及び設備投資資金であり、これらの調達方法につきましては、営業活動により獲得した資金を充当し、不足分を借入金など有利子負債により調達することとしております。  借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、設備投資資金については、長期借入金及び社債の調達を基本としております。  なお、重要な設備投資の計画につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおりです。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

事業リスク

京福電気鉄道グループは、複数の事業リスクを抱えています。少子高齢化の進行は、運輸業の利用者減少や従業員不足を招き、業績に影響を与える可能性があります。景気変動は、個人消費や設備投資の減少を通じて、各事業の収益性を低下させるリスクがあります。また、材料・資材価格の高騰や原油価格の不安定化は、経費増加に繋がり、特にバス・タクシー事業の収益を圧迫する可能性があります。さらに、大規模な自然災害や感染症の流行、テロ等の社会不安、電力供給不足は、事業活動に著しい支障をきたし、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,744 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)少子高齢化について 少子高齢化の進行に伴い、今後就業・就学人口の落ち込みが続いていくものと予測されています。この問題は当社グループにおきましては、運輸業である鉄軌道事業およびバス運送事業の輸送人員の減少や採用難による従業員不足から事業継続への支障等を招くこととなり業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)テロ等の社会不安について 公共交通機関の一端を担っている当社グループは、お客様の安全輸送を確保するため、随時、関係省庁からの情報収集に努めるとともに、自主警備の強化を行っておりますが、不測の事態により業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)景気の変動について 景気の大幅な変動により個人消費や民間設備投資が激変する場合、当社グループが提供する製品需要や鉄軌道・バス・タクシー等の輸送旅客の減少や価格競争の激化が進展する可能性があります。このような環境下において、当社グループの営業収益や収益性に影響を及ぼす可能性があります。 (4)材料・資材価格の高騰について 今後の経済情勢や国際情勢の変化により材料・資材価格が高騰する可能性および材料資材が不足する可能性があります。当社グループにおきましては単価・内容・発注方法等の見直しなどによる経費軽減を実施しておりますが、価格上昇により業績に影響を及ぼす可能性があります。  また、バス運送事業、タクシー事業においては、地政学的リスクの高まりにより原油価格の不安定な状況が続くことで燃料費の増加が予想され、業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)時価の下落について 当社グループが保有する棚卸資産、有形・無形固定資産および投資有価証券等は今後時価が著しく下落した場合、減損損失または評価損を計上し業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6)事故について 当社グループは安全輸送について従業員教育や業務管理等のソフト面の他、設備改良等のハード面からも万全の施策を実施しておりますが、事故が発生した場合には業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7)市場金利の上昇について 今後の経済情勢において金利上昇が予測され、当社グループにおきましては金利による負担軽減を図るべく、保有資産の効率性を高め有利子負債の圧縮を目指しておりますが、急激な経済情勢の変動あるいは金融機関等の動向により業績に影響を及ぼす可能性があります。 (8)感染症の流行等について 感染症の流行等によるパンデミックに対し、当社グループにおきましては「危機管理規程」に基づき社長を委員長とした対策本部組織を立ち上げ、状況に応じた対策を図ることとしております。また、事業継続計画(BCP)にて、鉄軌道事業あるいはバス運送事業等運輸業の継続運行のため、あるいは、その他事業の継続のための対応を策定しています。しかしながら、予想を上回る規模のパンデミックなど不測の事態においては、経済活動や個人消費が大きな影響を受けることにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(9)自然災害・気候変動について 当社グループは、自然災害等の発生に対しては社内体制を整備し、緊急時の対応に備えておりますが、万一、大規模な地震や風水害、沿線の観光資源である自然環境に気候変動等に伴う想定外の変化等が発生した場合、当社グループの営業活動に著しい支障が生じ、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10)電力供給不足への対応について 発電所の稼働停止により、各電力会社の電力供給能力は大幅に低下し、大規模停電などのトラブルが発生することが予想されます。 車両運行のため電力を使用する当社にとって、電力供給が不十分となった場合には、車両運行等サービスの安定的な提供が行えず、事業継続に大きな支障が生じる可能性があります。

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