9021

西日本旅客鉄道(9021)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

陸運業 運輸・物流

事業の概要

西日本旅客鉄道は、主に西日本エリアで鉄道事業を展開し、新幹線や在来線による都市間・都市圏輸送を主力としています。その他、駅構内での物販・飲食、ホテル、ショッピングセンター運営、不動産販売・賃貸など、多岐にわたる事業で収益を上げています。鉄道事業が基盤でありつつ、駅や沿線開発を通じた不動産や流通事業も重要な収益源となっています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

JR西日本グループの事業セグメントは多岐にわたります。モビリティ事業は鉄道、バス、船舶などの運輸サービスが中心で、売上・営業利益ともに最大の稼ぎ頭です。流通事業は百貨店や駅構内での物販・飲食を展開しています。不動産事業は不動産販売・賃貸、ショッピングセンター運営、ホテル業を含み、安定した収益源となっています。旅行・地域ソリューション事業は旅行業などを手掛け、その他事業として広告業などがあります。これらの事業は主に西日本地域に集中しており、海外比率は低いと考えられます。

2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Mobility 事業 10,468 1,225 11.7%
Logistics 事業 2,083 138 6.6%
RealEstate 事業 2,327 389 16.7%
TravelAndRegionalSolutions 地域 1,888 11 0.6%
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FY2025|2,084 文字
3 【事業の内容】 当社及び当社の関係会社(子会社145社及び関連会社25社)が営んでいる主要な事業内容は、次のとおりであります。 事業内容の区分については、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表][注記事項]」に掲げる「[セグメント情報]」における事業区分と同一であります。 なお、当社グループでは、同業種または関連事業を展開するグループ会社及び当社の各部門を一体と捉えた経営管理単位として「鉄道」、「物販・飲食」、「ホテル」、「ショッピングセンター(SC)」、「不動産」の5つのカンパニーを設置しております。各カンパニーの構成会社の概要は以下のとおりであります。 ・鉄道カンパニー:当社鉄道部門及び以下の業種の連結子会社等          鉄道事業、船舶事業、車両等設備工事業、機械等設備工事業、電気工事業、          清掃整備事業、建設事業、駅業務等運営業 ・物販・飲食カンパニー:物販・飲食業の連結子会社等 ・ホテルカンパニー:ホテル業の連結子会社等 ・ショッピングセンター(SC)カンパニー:ショッピングセンター運営業の連結子会社等 ・不動産カンパニー:不動産販売・賃貸業等の連結子会社等 (1)モビリティ業 鉄道事業のほかに、旅客自動車運送事業及び船舶事業を展開しております。 鉄道事業のうち、当社は、北陸、近畿、中国及び九州北部の2府16県の広いエリアを営業範囲として、新幹線、在来線の特急を中心とする都市間輸送及び京阪神都市圏や広島、岡山等の地方中核都市を中心とする地域での都市圏輸送等を行っております。 そのほか、各種工事業、清掃整備事業等を展開しております。 事業の内容主要な関係会社鉄道事業当社、嵯峨野観光鉄道㈱、関西高速鉄道㈱※、大阪外環状鉄道㈱※旅客自動車運送事業JRバス中国㈱、西日本ジェイアールバス㈱船舶事業JR西日本宮島フェリー㈱貸自動車業JR西日本レンタカー&リース㈱車両等設備工事業㈱JR西日本テクノス、㈱JR西日本新幹線テクノス機械等設備工事業㈱JR西日本テクシア電気工事業西日本電気テック㈱、JR西日本電気システム㈱、㈱てつでん清掃整備事業㈱JR西日本メンテック、㈱JR西日本中国メンテック、㈱JR西日本金沢メンテック建設事業大鉄工業㈱、㈱レールテック、㈱ジェイアール西日本ビルト、広成建設㈱※その他㈱JR西日本カスタマーリレーションズ、㈱JR西日本交通サービス、㈱JR西日本中国交通サービス(注)西日本電気テック㈱は、2025年4月1日にJR西日本電気テック㈱に商号変更しております。 (2)流通業 百貨店業のほかに、主要駅における物販・飲食業等を展開しております。 事業の内容主要な関係会社百貨店業㈱ジェイアール西日本伊勢丹物販・飲食業当社、㈱ジェイアール西日本デイリーサービスネット、㈱ジェイアール西日本フードサービスネット、㈱ジェイアールサービスネット広島、㈱ジェイアールサービスネット岡山、㈱ジェイアールサービスネット金沢、㈱ジェイアールサービスネット福岡、㈱ジェイアール西日本ファッショングッズ各種物品等卸売業ジェイアール西日本商事㈱ (3)不動産業 保有不動産を活用した不動産販売・賃貸業のほかに、ショッピングセンター運営業、ホテル業を展開しております。 事業の内容主要な関係会社不動産販売・賃貸業当社、JR西日本不動産開発㈱、京都駅ビル開発㈱、JR西日本ステーションシティ㈱、JR西日本プロパティーズ㈱、JR西日本不動産投資顧問㈱ショッピングセンター運営業JR西日本SC開発㈱、JR西日本京都SC開発㈱、富山ターミナルビル㈱、山陽SC開発㈱、金沢ターミナル開発㈱、JR西日本アーバン開発㈱、中国SC開発㈱、㈱和歌山ステーションビルディング、㈱新大阪ステーションストア、JR西日本大阪開発㈱、JR西日本山陰開発㈱ホテル業㈱ジェイアール西日本ホテル開発、㈱ホテルグランヴィア広島、㈱ホテルグランヴィア大阪、㈱ホテルグランヴィア岡山、和歌山ターミナルビル㈱、㈱奈良ホテル (4)旅行・地域ソリューション業 旅行・地域ソリューション業を展開しております。 事業の内容主要な関係会社旅行・地域ソリューション業㈱日本旅行 (5)その他 広告業等を展開しております。 事業の内容主要な関係会社広告業㈱JR西日本コミュニケーションズ土木・建築等コンサルタント業ジェイアール西日本コンサルタンツ㈱空間情報コンサルタント事業アジア航測㈱※情報サービス業㈱JR西日本ITソリューションズ、鉄道情報システム㈱※その他㈱ジェイアール西日本総合ビルサービス、㈱ジェイアール西日本マルニックス、JR西日本フィナンシャルマネジメント㈱、㈱ジェイアール西日本ウェルネット、㈱JR西日本イノベーションズ (注)※ 持分法適用関連会社であります。  以上に述べた事項の概要図は、次のとおりであります。 (注)1 ※ 持分法適用関連会社であります。2 各事業の区分ごとの会社名は主たる事業内容により記載しております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
特有の法的規制の影響等により、適正な価格転嫁が行えない可能性があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
鉄道事業は広範な営業エリアと大規模なインフラを必要とし、新規参入が極めて困難。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:安全の確保 / 自然災害等の発生 / 経営環境の激変
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 12 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

JR西日本のブランド力は、長年にわたり培われた信頼性と利便性からくる。特に山陽・山陰地方における鉄道網は、地域住民や観光客にとって不可欠な存在であり、そのブランドは強力な無形資産と言える。しかし、新規参入や代替交通手段の台頭により、その優位性は限定的。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

通勤・通学定期券の利用者は、運賃や利便性を考慮してJR西日本から他社への乗り換えに高いスイッチングコストを感じる。特に地方路線では代替交通手段が乏しく、生活インフラとしての側面が強い。ただし、長距離移動では高速バスや航空機との競合がある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

鉄道事業自体に直接的なネットワーク効果は限定的。乗客が増えることで混雑は増すが、それがサービスの価値向上に直結するわけではない。ICOCAなどの共通乗車券システムは利便性を高めるが、ネットワーク効果とは異なる。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年のインフラ投資と規模の経済により、一定のコスト優位性は存在する。しかし、老朽化設備の更新や人件費、燃料費の高騰など、コスト削減圧力は常に存在する。新規参入企業が同等のインフラを低コストで構築することは困難。

規模の経済★★★★★
根拠:強い規模が参入障壁になる

西日本旅客鉄道は、山陽・山陰地方を中心に広範な鉄道網を保有・運営しており、その規模は圧倒的。この広範なネットワークは、新規参入企業が容易に模倣できない強力な参入障壁となっている。地域における寡占的な地位を確立している。

JR西日本グループは、西日本地域における広範な鉄道ネットワークと主要駅の立地を最大の強みとしています。これにより、安定した輸送サービスを提供し、駅や沿線での商業施設、ホテル、不動産開発といった関連事業との相乗効果を生み出しています。鉄道事業は巨額の設備投資と許認可が必要なため、新規参入が極めて困難であり、強固な参入障壁となっています。また、長年の事業で培われたブランド力と信頼性も優位性と言えます。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 当社グループを取り巻く経営環境 当社グループを取り巻く経営環境は、国内景気の緩やかな回復基調や、堅調なインバウンド需要が継続しています。一方で、自然災害の激甚化、コロナ禍を契機とした行動変容やニーズの多様化、人口減少に伴う市場の縮小や人財獲得競争の激化、インフレ社会の到来に加え、米国に端を発した世界経済の先行き不透明感、生成AI等の革新的技術の進化等、急速かつ構造的な環境変化に直面しています。 (2) 経営の基本方針 当社グループは、「福知山線列車事故のような事故を二度と発生させない」という確固たる決意のもと、被害に遭われた方々への真摯な対応、安全性向上に取り組んでいきます。 2023年4月には、未来社会におけるJR西日本グループの存在意義を見つめなおし、めざす姿として「私たちの志」を策定しました。この「私たちの志」をグループ全体の羅針盤として、グループ一丸となって取り組んでいます。 私たちの志人、まち、社会のつながりを進化させ、心を動かす。未来を動かす。私たちは、これからも安全、安心を追求し、高め続けます。人と人、人とまち、人と社会を、リアルとデジタルの場でつなぎ、西日本を起点に地域の課題を解決します。そして、持続可能で活力ある未来を創り、その先の一人ひとりが思い描く暮らしを様々なパートナーと共に実現していきます。  これまで、鉄道や駅を中心に人と人、人とまちをつなぎ、安全で豊かな社会づくりに貢献できるよう努力を積み重ねてきましたが、インフラを担う企業として、未来においても社会づくりに貢献する役割を果たし続けていくため、大きな転換期を迎えているこれからの社会の課題と向き合い、求められる価値を、事業活動を通じて提供していきます。 とりわけ、一人ひとりの暮らし、まち、社会全体が直面する課題に着目したとき、安全を基盤に広域で人と人、まち、社会をつなぐインフラサービスを提供し、またグループ全体で多くのお客様との接点、地域とのつながりを持つ当社グループは、これまで以上にお客様視点で「つながりを進化させる」ことで、大きな役割を果たしていくことができ、それこそが、未来の社会における私たちの存在意義と考えます。 引き続き、鉄道の安全性向上に向けた不断の取り組みを積み重ねていくことを基盤としつつ、様々なパートナーとの共創とイノベーションにより、「地域共生企業」として事業を通じて社会や地域の課題解決に貢献することで、社会的価値と経済的価値をあわせて創出し、よりよい未来を創り上げていきます。 (3) 中長期的経営戦略 当社グループは、「私たちの志」の実現に向け、2032年のありたい姿として「長期ビジョン2032」(以下、「長期ビジョン」)を策定し、重点的に向き合う社会課題を以下の4つに設定しました。  <安全、安心で、人と地球にやさしい交通>  交通全体がシームレスなサービスとして認識され、定着している未来 <人々が行きかう、いきいきとしたまち>  地域の魅力が高まり、定住・交流・関係人口が増加していく未来 <一人ひとりにやさしく便利で豊かなくらし>  リアルの良さとデジタルの組み合わせで、個客体験が大きく高まる未来 <持続可能な社会>  様々なパートナーとの連携を通じて、持続可能な社会システムが構築されている未来  この「長期ビジョン」の実現に向け、鉄道の安全性向上に向けた不断の努力に加え、鉄道を中心としたモビリティサービス分野の活性化、ライフデザイン分野の拡大に挑戦し、最適な事業ポートフォリオを構築することで、将来にわたって持続的に価値創造を実現する企業グループに成長していきます。具体的には、大阪・関西万博開催を契機として西日本エリアのさらなる活性化を図るとともに、グループ共通会員である「WESTER会員」を軸として「WESTERアプリ」や「モバイルICOCA」、「Wesmo!」といったデジタルサービスを活用し、分野にとらわれないグループ横断的な取り組みを積極的に実施するなど、グループ一体でのシナジーの発揮による一層の価値創造をめざします。 「JR西日本グループ中期経営計画2025」(以下、「中期経営計画2025」)では、「長期ビジョン」実現に向けた第一ステップとの位置づけのもと、足元の機会を最大限活かした成長を加速するため、5つの重点戦略を掲げています。 ① 鉄道の安全性向上② 主要事業の活性化と構造改革③ 不動産・まちづくりのさらなる展開④ デジタル戦略による多様なサービスの展開⑤ 新たな事業の創出 あわせてサステナビリティ経営の実現に向けて、地域共生、地球環境保護、人的資本経営、ガバナンスの強化・リスクマネジメント・人権の尊重等に取り組んでいます。 ①鉄道の安全性向上〇福知山線列車事故を原点とし、安全を追求し続け、弛まぬ努力を継続・被害に遭われた方々への真摯な対応・「JR西日本グループ鉄道安全考動計画2027」(以下、「安全考動計画2027」)の推進<ホーム安全>・ホーム柵やホーム安全スクリーンの整備を推進<踏切安全>・大型車が踏切に停滞していることを列車の運転士に音声で知らせる装置の整備を推進<地震対策>・地震発生時の安全性向上に向けて、耐震補強や逸脱防止対策を推進<安全最優先の風土の醸成>・「現場の判断を最優先するマネジメント」の確立・「お客様を想い、ご期待にお応えする」考動<組織全体で安全を確保する仕組みの充実>・リスクアセスメントの質の向上・「心理的に安全なチーム」づくり・現場起点の考動による課題解決への挑戦<一人ひとりの安全考動の実践>・「大切にしたい5つの価値観」の共有、主体的な実践<ハード・ソフトの機能向上>・ハード・ソフト両面の改良・改善による安全性向上・安全で安定的な輸送の提供(輸送の質の向上)<社会とつながり、社外から学ぶ>・関係機関との自然災害等の事象発生時の対応に関する対話・他鉄道事業者等から安全対策を学び、採り入れる取り組みの推進 ②主要事業の活性化と構造改革ア.モビリティ業〇「お客様を想い、ご期待にお応えする」ことを強く意識し、CSを戦略の根幹とした顧客起点の経営を実現〇新幹線を基軸とした鉄道ネットワークの充実と、交流人口・関係人口の創出に挑戦・山陽新幹線各エリア:利便性の向上によるご利用促進等・北陸エリア:北陸新幹線金沢・敦賀間開業の効果最大化・山陰エリア/南紀エリア:新型車両投入による旅の魅力向上等・デジタルの活用、多様化するニーズに対応した営業施策〇関西国際空港とのアクセス向上と、2025年の大阪・関西万博を契機とした取り組み(会場アクセス整備・駅改良の推進、大阪デスティネーションキャンペーン等)を通じて、国内外の様々なお客様が行き交う魅力的な関西都市圏を実現〇技術戦略に基づき日々の業務プロセス(お客様サービス、運行オペレーション、保守メンテナンス手法)を変革し、鉄道事業の活性化を支える生産性向上と持続可能なシステム構築、価値創造を実現イ.物販・飲食業〇お客様のデイリーニーズへのきめ細やかな対応力を磨き上げて、一人ひとりにやさしく便利で豊かな暮らしを実現(外部提携による競争力向上、既存店舗の磨き上げ、ヴィアインのブランド再構築)ウ.ホテル業〇旅の魅力や人々のつながりを創り、最高の笑顔とチームワークでおもてなしを提供し、まちの価値向上に貢献(新ホテルの開業、既存ブランド価値の再構築)エ.ショッピングセンター業〇強みであるリアルを軸に、デジタルでもお客様とテナントをつなぎ、「地域一番のエリアプラットフォーマー」を実現(変化する消費に応えるリアルコンテンツの充実、リアル・デジタルによるお客様接点の拡大・強化、地域特性を捉えた館づくり) ③不動産・まちづくりのさらなる展開〇地域の皆様と連携して安心して暮らし・過ごせるコミュニティを形成し、地域・社会の課題解決に貢献(駅からはじまるまちづくりの推進、展開領域のさらなる拡大、マネジメント分野の強化と資産効率向上)〇拠点駅の大規模開発と周辺まちづくりの促進、エリアマネジメントの推進により、人々が訪れたくなる、いきいきとしたまちを創出(拠点駅開発(大阪、広島、三ノ宮)、まちなかの体験価値向上) ④デジタル戦略による多様なサービスの展開〇データやデジタル技術を駆使し、お客様一人ひとりとグループの多様なサービスをつなぐことで心を動かし、いつまでも住み続けたい・また来たいと感じる「WESTER体験」を提供(「WESTER体験」における3つの進化を推進(お客様とのつながりの進化、「たまりやすい、つかいたい」ポイントへの進化、グループマーケティング力の進化)) ⑤新たな事業の創出〇西日本を舞台に「つながり」を生み出し、新決済とポイント、データが「つなぐ」未来型のまちづくりに挑戦(新決済サービス「Wesmo!」導入、内部向けに開発したデータソリューションの横展開)〇地域・社会とともに持続可能性を高める事業を進めることで、人、まち、社会の未来を動かす(総合インフラマネジメント事業「JCLaaS」、地域課題ソリューションビジネス、未来を動かすビジネスチャレンジ) ⑥サステナビリティ経営の実現ア.地域共生〇ウェルビーイングな暮らしの実現、地域の課題解決と持続可能で豊かな地域づくりに貢献(持続可能で豊かな地域づくりの推進、ご利用しやすい持続可能な交通体系を地域とともに推進)イ.地球環境〇社会インフラを担う企業グループとして、地球環境保護の取り組みを通じて社会全体の持続可能性を向上(地球温暖化防止・気候変動対策、循環型社会構築への貢献、自然との共生)ウ.人的資本経営〇自ら変革し成長する人財こそが「長期ビジョン」実現の原動力と認識し、成長を支援し、多様性と働きがいを高め、変化対応・創出力のある人財を創出(人財育成、ダイバーシティ&インクルージョン、ワークエンゲージメント)エ.ガバナンス・リスクマネジメント・人権〇「長期ビジョン」実現に向けて、適切なリスクテイクによる企業価値向上を図るガバナンスを一層充実(コーポレート・ガバナンスのさらなる強化、リスクマネジメントの充実、企業倫理・人権尊重の取り組み) (4) 対処すべき課題 重大な自然災害や感染症の発生、深刻化する労働力不足やインフレ等は将来にわたる大きな脅威であり、「鉄道事業の安全性向上・持続的進化」、「グループ一体となった価値創造(ライフデザイン分野の拡大を通じたポートフォリオの最適化)」、及びそれらを実現するための原動力となる「変化対応・創出力の向上」は今後も重要な経営課題と認識しています。デジタル・技術・組織能力等を活用したイノベーションにより、さらなる生産性向上や価値創造にグループ全体で引き続き挑戦していきます。 「中期経営計画2025」の最終年度である2025年度は、大阪・関西万博とインバウンドの拡大を契機に、施策の着実な実現に取り組んでいきます。グループ全体として万博成功に貢献するとともに、インバウンドの受け入れ態勢の整備等を集中的に進めます。加えて、新決済サービス「Wesmo!」や広島駅新駅ビル等を通じてグループシナジーを発揮し、お客様・地域・社会とのつながりを進化させていきます。 また、機会を捉え、脅威を乗り越える源泉は人財であり、現場を支える人財の育成を行うとともに、キャリア開発等を通じて多様なスキルや経験を持つ人財の成長支援を進めます。あわせて、社員の自律や挑戦を後押しする心理的安全性の高い組織風土づくり、充実したキャリア形成や柔軟な働き方を支える制度づくりをグループ全体でさらに強力に推進していきます。 今後とも、安全性の向上を最優先に、グループ事業全体でシナジーを発揮しながら、「私たちの志」「長期ビジョン」の実現を加速していきます。  なお、文中における将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日において当社グループが判断したものであります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 当社グループを取り巻く経営環境 当社グループを取り巻く経営環境は、国内景気の緩やかな回復基調や、堅調なインバウンド需要が継続しています。一方で、自然災害の激甚化、コロナ禍を契機とした行動変容やニーズの多様化、人口減少に伴う市場の縮小や人財獲得競争の激化、インフレ社会の到来に加え、米国に端を発した世界経済の先行き不透明感、生成AI等の革新的技術の進化等、急速かつ構造的な環境変化に直面しています。 (2) 経営の基本方針 当社グループは、「福知山線列車事故のような事故を二度と発生させない」という確固たる決意のもと、被害に遭われた方々への真摯な対応、安全性向上に取り組んでいきます。 2023年4月には、未来社会におけるJR西日本グループの存在意義を見つめなおし、めざす姿として「私たちの志」を策定しました。この「私たちの志」をグループ全体の羅針盤として、グループ一丸となって取り組んでいます。 私たちの志人、まち、社会のつながりを進化させ、心を動かす。未来を動かす。私たちは、これからも安全、安心を追求し、高め続けます。人と人、人とまち、人と社会を、リアルとデジタルの場でつなぎ、西日本を起点に地域の課題を解決します。そして、持続可能で活力ある未来を創り、その先の一人ひとりが思い描く暮らしを様々なパートナーと共に実現していきます。  これまで、鉄道や駅を中心に人と人、人とまちをつなぎ、安全で豊かな社会づくりに貢献できるよう努力を積み重ねてきましたが、インフラを担う企業として、未来においても社会づくりに貢献する役割を果たし続けていくため、大きな転換期を迎えているこれからの社会の課題と向き合い、求められる価値を、事業活動を通じて提供していきます。 とりわけ、一人ひとりの暮らし、まち、社会全体が直面する課題に着目したとき、安全を基盤に広域で人と人、まち、社会をつなぐインフラサービスを提供し、またグループ全体で多くのお客様との接点、地域とのつながりを持つ当社グループは、これまで以上にお客様視点で「つながりを進化させる」ことで、大きな役割を果たしていくことができ、それこそが、未来の社会における私たちの存在意義と考えます。 引き続き、鉄道の安全性向上に向けた不断の取り組みを積み重ねていくことを基盤としつつ、様々なパートナーとの共創とイノベーションにより、「地域共生企業」として事業を通じて社会や地域の課題解決に貢献することで、社会的価値と経済的価値をあわせて創出し、よりよい未来を創り上げていきます。 (3) 中長期的経営戦略 当社グループは、「私たちの志」の実現に向け、2032年のありたい姿として「長期ビジョン2032」(以下、「長期ビジョン」)を策定し、重点的に向き合う社会課題を以下の4つに設定しました。  <安全、安心で、人と地球にやさしい交通>  交通全体がシームレスなサービスとして認識され、定着している未来 <人々が行きかう、いきいきとしたまち>  地域の魅力が高まり、定住・交流・関係人口が増加していく未来 <一人ひとりにやさしく便利で豊かなくらし>  リアルの良さとデジタルの組み合わせで、個客体験が大きく高まる未来 <持続可能な社会>  様々なパートナーとの連携を通じて、持続可能な社会システムが構築されている未来  この「長期ビジョン」の実現に向け、鉄道の安全性向上に向けた不断の努力に加え、鉄道を中心としたモビリティサービス分野の活性化、ライフデザイン分野の拡大に挑戦し、最適な事業ポートフォリオを構築することで、将来にわたって持続的に価値創造を実現する企業グループに成長していきます。具体的には、大阪・関西万博開催を契機として西日本エリアのさらなる活性化を図るとともに、グループ共通会員である「WESTER会員」を軸として「WESTERアプリ」や「モバイルICOCA」、「Wesmo!」といったデジタルサービスを活用し、分野にとらわれないグループ横断的な取り組みを積極的に実施するなど、グループ一体でのシナジーの発揮による一層の価値創造をめざします。 「JR西日本グループ中期経営計画2025」(以下、「中期経営計画2025」)では、「長期ビジョン」実現に向けた第一ステップとの位置づけのもと、足元の機会を最大限活かした成長を加速するため、5つの重点戦略を掲げています。 ① 鉄道の安全性向上② 主要事業の活性化と構造改革③ 不動産・まちづくりのさらなる展開④ デジタル戦略による多様なサービスの展開⑤ 新たな事業の創出 あわせてサステナビリティ経営の実現に向けて、地域共生、地球環境保護、人的資本経営、ガバナンスの強化・リスクマネジメント・人権の尊重等に取り組んでいます。 ①鉄道の安全性向上〇福知山線列車事故を原点とし、安全を追求し続け、弛まぬ努力を継続・被害に遭われた方々への真摯な対応・「JR西日本グループ鉄道安全考動計画2027」(以下、「安全考動計画2027」)の推進<ホーム安全>・ホーム柵やホーム安全スクリーンの整備を推進<踏切安全>・大型車が踏切に停滞していることを列車の運転士に音声で知らせる装置の整備を推進<地震対策>・地震発生時の安全性向上に向けて、耐震補強や逸脱防止対策を推進<安全最優先の風土の醸成>・「現場の判断を最優先するマネジメント」の確立・「お客様を想い、ご期待にお応えする」考動<組織全体で安全を確保する仕組みの充実>・リスクアセスメントの質の向上・「心理的に安全なチーム」づくり・現場起点の考動による課題解決への挑戦<一人ひとりの安全考動の実践>・「大切にしたい5つの価値観」の共有、主体的な実践<ハード・ソフトの機能向上>・ハード・ソフト両面の改良・改善による安全性向上・安全で安定的な輸送の提供(輸送の質の向上)<社会とつながり、社外から学ぶ>・関係機関との自然災害等の事象発生時の対応に関する対話・他鉄道事業者等から安全対策を学び、採り入れる取り組みの推進 ②主要事業の活性化と構造改革ア.モビリティ業〇「お客様を想い、ご期待にお応えする」ことを強く意識し、CSを戦略の根幹とした顧客起点の経営を実現〇新幹線を基軸とした鉄道ネットワークの充実と、交流人口・関係人口の創出に挑戦・山陽新幹線各エリア:利便性の向上によるご利用促進等・北陸エリア:北陸新幹線金沢・敦賀間開業の効果最大化・山陰エリア/南紀エリア:新型車両投入による旅の魅力向上等・デジタルの活用、多様化するニーズに対応した営業施策〇関西国際空港とのアクセス向上と、2025年の大阪・関西万博を契機とした取り組み(会場アクセス整備・駅改良の推進、大阪デスティネーションキャンペーン等)を通じて、国内外の様々なお客様が行き交う魅力的な関西都市圏を実現〇技術戦略に基づき日々の業務プロセス(お客様サービス、運行オペレーション、保守メンテナンス手法)を変革し、鉄道事業の活性化を支える生産性向上と持続可能なシステム構築、価値創造を実現イ.物販・飲食業〇お客様のデイリーニーズへのきめ細やかな対応力を磨き上げて、一人ひとりにやさしく便利で豊かな暮らしを実現(外部提携による競争力向上、既存店舗の磨き上げ、ヴィアインのブランド再構築)ウ.ホテル業〇旅の魅力や人々のつながりを創り、最高の笑顔とチームワークでおもてなしを提供し、まちの価値向上に貢献(新ホテルの開業、既存ブランド価値の再構築)エ.ショッピングセンター業〇強みであるリアルを軸に、デジタルでもお客様とテナントをつなぎ、「地域一番のエリアプラットフォーマー」を実現(変化する消費に応えるリアルコンテンツの充実、リアル・デジタルによるお客様接点の拡大・強化、地域特性を捉えた館づくり) ③不動産・まちづくりのさらなる展開〇地域の皆様と連携して安心して暮らし・過ごせるコミュニティを形成し、地域・社会の課題解決に貢献(駅からはじまるまちづくりの推進、展開領域のさらなる拡大、マネジメント分野の強化と資産効率向上)〇拠点駅の大規模開発と周辺まちづくりの促進、エリアマネジメントの推進により、人々が訪れたくなる、いきいきとしたまちを創出(拠点駅開発(大阪、広島、三ノ宮)、まちなかの体験価値向上) ④デジタル戦略による多様なサービスの展開〇データやデジタル技術を駆使し、お客様一人ひとりとグループの多様なサービスをつなぐことで心を動かし、いつまでも住み続けたい・また来たいと感じる「WESTER体験」を提供(「WESTER体験」における3つの進化を推進(お客様とのつながりの進化、「たまりやすい、つかいたい」ポイントへの進化、グループマーケティング力の進化)) ⑤新たな事業の創出〇西日本を舞台に「つながり」を生み出し、新決済とポイント、データが「つなぐ」未来型のまちづくりに挑戦(新決済サービス「Wesmo!」導入、内部向けに開発したデータソリューションの横展開)〇地域・社会とともに持続可能性を高める事業を進めることで、人、まち、社会の未来を動かす(総合インフラマネジメント事業「JCLaaS」、地域課題ソリューションビジネス、未来を動かすビジネスチャレンジ) ⑥サステナビリティ経営の実現ア.地域共生〇ウェルビーイングな暮らしの実現、地域の課題解決と持続可能で豊かな地域づくりに貢献(持続可能で豊かな地域づくりの推進、ご利用しやすい持続可能な交通体系を地域とともに推進)イ.地球環境〇社会インフラを担う企業グループとして、地球環境保護の取り組みを通じて社会全体の持続可能性を向上(地球温暖化防止・気候変動対策、循環型社会構築への貢献、自然との共生)ウ.人的資本経営〇自ら変革し成長する人財こそが「長期ビジョン」実現の原動力と認識し、成長を支援し、多様性と働きがいを高め、変化対応・創出力のある人財を創出(人財育成、ダイバーシティ&インクルージョン、ワークエンゲージメント)エ.ガバナンス・リスクマネジメント・人権〇「長期ビジョン」実現に向けて、適切なリスクテイクによる企業価値向上を図るガバナンスを一層充実(コーポレート・ガバナンスのさらなる強化、リスクマネジメントの充実、企業倫理・人権尊重の取り組み) (4) 対処すべき課題 重大な自然災害や感染症の発生、深刻化する労働力不足やインフレ等は将来にわたる大きな脅威であり、「鉄道事業の安全性向上・持続的進化」、「グループ一体となった価値創造(ライフデザイン分野の拡大を通じたポートフォリオの最適化)」、及びそれらを実現するための原動力となる「変化対応・創出力の向上」は今後も重要な経営課題と認識しています。デジタル・技術・組織能力等を活用したイノベーションにより、さらなる生産性向上や価値創造にグループ全体で引き続き挑戦していきます。 「中期経営計画2025」の最終年度である2025年度は、大阪・関西万博とインバウンドの拡大を契機に、施策の着実な実現に取り組んでいきます。グループ全体として万博成功に貢献するとともに、インバウンドの受け入れ態勢の整備等を集中的に進めます。加えて、新決済サービス「Wesmo!」や広島駅新駅ビル等を通じてグループシナジーを発揮し、お客様・地域・社会とのつながりを進化させていきます。 また、機会を捉え、脅威を乗り越える源泉は人財であり、現場を支える人財の育成を行うとともに、キャリア開発等を通じて多様なスキルや経験を持つ人財の成長支援を進めます。あわせて、社員の自律や挑戦を後押しする心理的安全性の高い組織風土づくり、充実したキャリア形成や柔軟な働き方を支える制度づくりをグループ全体でさらに強力に推進していきます。 今後とも、安全性の向上を最優先に、グループ事業全体でシナジーを発揮しながら、「私たちの志」「長期ビジョン」の実現を加速していきます。  なお、文中における将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日において当社グループが判断したものであります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の概要当連結会計年度においては、インバウンドをはじめとするお客様のご利用が堅調に推移する一方で、労働力不足やインフレ等、当社グループの経営に重大な影響を及ぼす環境の変化がより顕在化してきました。このような事業環境の中で、当社グループは、2024年4月にアップデートを行った「中期経営計画2025」のもと、「私たちの志」「長期ビジョン」の実現に向けて、北陸新幹線金沢-敦賀間開業の効果最大化、大阪駅、広島駅周辺のまちづくりの推進、WESTER経済圏の拡大や総合インフラマネジメント事業「JCLaaS」の推進等を通じて、地域・社会とのつながりの進化に取り組みました。また、鉄道の運行や大阪駅周辺施設への再生可能エネルギー由来電力の導入等、地球環境保護に取り組むとともに、社員全員がいきいきと活躍できる職場の実現に向けて、人財戦略の推進や「JR西日本グループ行動規範」の制定等に取り組みました。その結果、営業収益は前期比4.5%増の1兆7,079億円、営業利益は同0.2%増の1,801億円、経常利益は同1.0%減の1,656億円、法人税等を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は同15.4%増の1,139億円となりました。 これをセグメント別に示すと次のとおりとなります。 ① モビリティ業当社グループは、2005年4月25日に福知山線列車事故を発生させたことを踏まえ、引き続き、被害に遭われた方々へ真摯に対応してまいります。また、2023年4月にスタートした「安全考動計画2027」に基づき、「お客様を想い、ご期待にお応えする」ことを強く意識して安全性の向上に取り組むよう、安全に対する向きあい方を深め、組織風土として醸成すること等に取り組んでいます。当連結会計年度においても、ホーム柵の整備を引き続き進めるとともに、お客様の転落を検知し乗務員や駅係員に知らせるホーム安全スクリーンや、ホームと車両の段差・隙間対策等、ホームの安全対策を進めました。具体的な例としては、大阪・関西万博も念頭に、西九条駅、弁天町駅のすべてのホームでホーム柵の使用を開始し、あわせて同ホームにてホームと車両の段差や隙間を縮小する整備も実施しました。また、桜島駅、ユニバーサルシティ駅等ではホーム安全スクリーンの使用を開始しました。加えて、列車内やホームでの防犯対策として、防刃傘を開発し一部列車の乗務員室に配備しました。自然災害への対策としては、斜面防災対策や降雨時運転規制へのレーダー雨量活用をはじめとした豪雨対策を引き続き実施しました。山陽新幹線における地震対策については、耐震補強対策及び逸脱防止対策を全線に拡大すべく、主要な対策は2027年度末までの完了をめざし、着実に整備を進めました。在来線における建物・高架橋等の耐震補強等についても、計画に基づき着実に整備を進めました。鉄道事業の持続的進化に向けては、機会を捉えた需要創出や価値創造、デジタルを活用した新たな価値提供の取り組みを推進するとともに、鉄道DXによる業務プロセスの変革等、鉄道事業の持続的な運営に向けた安全性向上・生産性向上に取り組みました。 ・特急「やくも」新型車両の投入(国内初の技術実用化による乗り心地の大幅な改善)(4月)・有料座席サービスのさらなる展開(乗車後に特急券を購入できるサービスの開始(5月)、「快速 うれしート」、「らくラクはりま」の拡大(10月~))・山陽新幹線全線開業50周年記念「WESTERポイント超特典きっぷ」等、ポイント利用商品の拡大(5月~)・「森の芸術祭 晴れの国・岡山」に向けたきっぷや旅行商品の設定、キャンペーンの展開(9月~11月)・ICOCA定期券にさまざまな特典をプラスしてご利用いただける「ICO+」(イコプラ)の実施(10月~)・北陸新幹線金沢-敦賀間開業を契機とした北陸デスティネーションキャンペーンの開催(10月~12月)、新たな観光列車「はなあかり」の運行開始(10月)・広域型 MaaS アプリ「KANSAI MaaS」を活用した関西私鉄各社との連携商品の発売(「KANSAI MaaSワンデーパス」、「大阪スマートアクセスパス」)(1月~)・2025年大阪・関西万博へのアクセス輸送の整備(弁天町駅・桜島駅改良、「エキスポライナー」の設定)(3月)・ロボット技術を活用した高所の鉄道設備メンテナンスの安全性向上(多機能鉄道重機の使用開始)(7月) ・新幹線の自動運転導入に向けた取り組み(北陸新幹線は2029年度(12月)、山陽新幹線は2030年代の開始をめざす(9月))・生成AIを活用した間接部門の業務改革と、現場の個別業務課題への適用 モビリティ業セグメントでは、北陸新幹線の敦賀延伸やインバウンド需要の増加等により、営業収益は前期比6.1%増の1兆467億円、営業利益は同10.7%増の1,225億円となりました。 ② 流通業流通業セグメントでは、スターバックス等、外部との提携店舗の拡充や、立地の特性を活かした店舗展開(「エキマルシェ大阪UMEST」開業等)によりお客様の多様なニーズへの対応力を高めたほか、大阪・関西万博会場内におけるオフィシャルストアの出店準備、地域商品作り等、さらなる成長に向けた取り組みを推進しました。また、流通業セグメントに区分される宿泊特化型ホテル「ヴィアイン」については、ヴィアイン新大阪、ヴィアイン新宿の客室内装リニューアルを実施し、競争力の向上に努めました。流通業セグメントでは、駅構内店舗や「ヴィアイン」のご利用が好調であったこと等により、営業収益は前期比5.7%増の2,082億円、営業利益は同5.8%増の138億円となりました。 ③ 不動産業不動産業セグメントでは、大阪駅周辺のまちづくり、広島駅新駅ビルの開業等、拠点駅の大規模開発等を通じ、「駅・まち」の魅力を高めるまちづくりを推進しました。ショッピングセンター運営業では、「イノゲート大阪」飲食ゾーン「バルチカ03」や「うめきたグリーンプレイス」、広島駅新駅ビルの商業施設「minamoa」等を新規開業するとともに、「京都ポルタ」等のリニューアルを行いました。ホテル業では、「THE OSAKA STATION HOTEL, Autograph Collection」や「ホテルグランヴィア広島サウスゲート」の開業等を通じ、ブランド力の向上に取り組みました。また、不動産販売・賃貸業では、「イノゲート大阪」でのオフィス事業が稼働を開始したほか、当社グループ初となる米国現地デベロッパーとの協業案件である、米国フロリダ州での集合賃貸住宅の開発等に取り組みました。不動産業セグメントでは、ショッピングセンターのご利用等が好調に推移し、営業収益は前期比6.8%増の2,326億円となったものの、拠点駅の大規模開発に伴う一時的経費が増加したこと等により、営業利益は同12.5%減の389億円となりました。 ④ 旅行・地域ソリューション業旅行・地域ソリューション業セグメントでは、当社のアプリ内で提供する旅行プラン「tabiwaトラベル」のコンテンツ拡充と販売強化等、デジタルツーリズムの実現に取り組むとともに、地域の社会課題解決のニーズに応えるソリューションの総合提案を推し進めました。旅行・地域ソリューション業セグメントでは、ワクチン接種関連事業の特需が剥落したこと等により、営業収益は前期比8.4%減の1,887億円、営業利益は同85.5%減の11億円となりました。  モビリティ業のうち、当社の鉄道事業の営業成績は以下のとおりであります。ア.輸送実績 区分単位当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日) 前事業年度比営業日数日365-キロ程新幹線キロ937.7937.7 在来線キロ(28.0)3,959.8(28.0)3,959.8 計キロ(28.0)4,897.5(28.0)4,897.5 客車走行キロ新幹線千キロ605,254109.4%在来線千キロ717,91394.1 計千キロ1,323,167100.5 輸送人員定期千人1,064,231100.1 定期外千人694,581103.9 計千人1,758,812101.6 輸送人キロ新幹線定期千人キロ1,035,268112.8 定期外千人キロ20,671,952107.8 計千人キロ21,707,220108.0 在来線近畿圏定期千人キロ16,698,186100.7 定期外千人キロ10,359,699102.9 計千人キロ27,057,886101.6 その他定期千人キロ3,300,37994.2 定期外千人キロ2,910,10776.6 計千人キロ6,210,48785.1 計定期千人キロ19,998,56599.6 定期外千人キロ13,269,80795.7 計千人キロ33,268,37398.0 合計定期千人キロ21,033,834100.2 定期外千人キロ33,941,760102.7 計千人キロ54,975,594101.7 乗車効率新幹線%46.046.5 在来線%36.935.5 計%40.138.9 (注)1 キロ程欄の上段括弧書は、外数で第三種鉄道事業のキロ程であり、それ以外は第一種鉄道事業及び第二種鉄道事業のキロ程であります。また、前事業年度比は、前事業年度末の数値を記載しております。2 客車走行キロ数には、試運転、営業回送を含めておりません。3 輸送人キロ欄の近畿圏は、京都府(南部)、大阪府(一部を除く)、兵庫県(南部)、滋賀県、奈良県(一部を除く)及び三重県(一部)について記載しております。4 乗車効率欄の前事業年度比は、前事業年度の数値を記載しております。なお、乗車効率は次の方法により算出しております。乗車効率 =輸送人キロ客車走行キロ × 客車平均定員(標準定員) イ.収入実績 区分単位当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日) 前事業年度比旅客運輸収入旅客収入新幹線定期百万円13,342114.0%定期外百万円496,051113.8 計百万円509,394113.8 在来線近畿圏定期百万円107,604101.6 定期外百万円196,988104.6 計百万円304,593103.5 その他定期百万円20,46593.3 定期外百万円58,24276.0 計百万円78,70779.8 計定期百万円128,070100.2 定期外百万円255,23096.3 計百万円383,30097.6 合計定期百万円141,413101.4 定期外百万円751,282107.2 計百万円892,695106.2 荷物収入百万円184.2 合計百万円892,696106.2 鉄道線路使用料収入百万円4,61297.9 運輸雑収百万円69,106103.6 収入合計百万円966,416106.0 (注) 旅客収入欄の近畿圏は、京都府(南部)、大阪府(一部を除く)、兵庫県(南部)、滋賀県、奈良県(一部を除く)及び三重県(一部)について記載しております。 (2) 資産、負債及び純資産の状況当連結会計年度末の総資産額は、3兆7,523億円となり、前連結会計年度末と比較し277億円減少しました。これは主に、現金及び預金の減少によるものです。負債総額は、2兆4,721億円となり、前連結会計年度末と比較し807億円減少しました。これは主に、借入金の減少によるものです。純資産総額は、1兆2,801億円となり、前連結会計年度末と比較し530億円増加しました。これは主に、利益剰余金の増加によるものです。 (3) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,078億円減の1,253億円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)税金等調整前当期純利益などにより、営業活動において得た資金は2,814億円(前連結会計年度は3,183億円の収入)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)固定資産の取得などにより、投資活動において支出した資金は2,631億円(前連結会計年度は2,436億円の支出)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)借入金の返済などにより、財務活動において支出した資金は1,261億円(前連結会計年度は1,316億円の支出)となりました。 (4) 生産、受注及び販売の実績 当社及びその連結子会社(以下「当社グループ」という。)の大多数は、受注生産形態を取らない業態であります。このため、生産、受注及び販売の状況については、「4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]」における各事業のセグメント別経営成績に関連付けて示しております。 (5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 文中における将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループは、基幹事業である鉄道事業において安全性の向上に全力で取り組むとともに、その他のグループ事業においては、各事業の特性を活かしたさまざまな施策の展開及び保有資産の有効活用等に努めてきました。 当連結会計年度においては、北陸新幹線の敦賀延伸や大阪プロジェクト開業、インバウンド需要等により営業収益、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも増加しました。ア.営業収益 営業収益は、前連結会計年度に比べ4.5%、729億円増加の1兆7,079億円となりました。 モビリティ業セグメントについては、当社の運輸収入が北陸新幹線の敦賀延伸やインバウンド需要等により増加し、営業収益は前連結会計年度に比べ6.1%、605億円増加の1兆467億円となりました。 このうち新幹線については、前連結会計年度に比べ13.8%、616億円増加の5,093億円となりました。 在来線については、前連結会計年度に比べ2.4%、95億円減少の3,833億円となりました。 流通業セグメントについては、コンビニエンスストアや土産店、流通業セグメントに区分される宿泊特化型ホテル「ヴィアイン」のご利用が好調であったこと等により、前連結会計年度に比べ5.7%、112億円増加の2,082億円となりました。 不動産業セグメントについては、ショッピングセンター運営業、ホテル業において既存店が好調であったこと及び「イノゲート大阪」飲食ゾーン「バルチカ03」や「大阪ステーションホテル」の開業等により、前連結会計年度に比べ6.8%、147億円増加の2,326億円となりました。 旅行・地域ソリューション業セグメントについては、コロナ関連受託事業が減少したこと等により、前連結会計年度に比べ8.4%、172億円減少の1,887億円となりました。イ.営業費用 拠点駅の大規模開発に伴う一時的経費の増等により、前連結会計年度に比べ5.0%、725億円増加の1兆5,277億円となりました。ウ.営業利益 営業利益は、前連結会計年度に比べ0.2%、4億円増加の1,801億円となりました。エ.営業外損益 営業外損益については、貸倒引当金戻入額の減少等により前連結会計年度に比べ21億円減少し、144億円の損失となりました。 オ.経常利益 経常利益は、前連結会計年度に比べ1.0%、17億円減少の1,656億円となりました。カ.特別損益 特別損益については、線区整理損失引当金繰入額の減少等により、前連結会計年度に比べ210億円増加し、11億円の損失となりました。キ.親会社株主に帰属する当期純利益 親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ15.4%、151億円増加の1,139億円となりました。 ② 経営成績に重要な影響を与える要因ア.収益に影響する要因[モビリティ業] モビリティ業セグメントは鉄道運輸収入が大宗を占めております。鉄道運輸収入は、主に鉄道利用者数により左右され、航空機を含めた他の輸送モード、同業他社との競争や、経済情勢、少子高齢化等、多くの要因により影響を受けます。また、鉄道利用者は、安全性、信頼性をベースに、所要時間・ネットワーク性・運賃・快適性を基準として選択を行うと考えております。 新幹線の収入は、主として、ビジネスや観光旅行客の数に左右され、経済環境や航空機との競争、訪日観光客の動向等に影響を受けます。 近畿圏の収入は経済情勢による増減やワークスタイルの変化、少子高齢化や都市化等の人口推移による影響を受けると考えております。 その他在来線のうち、都市間輸送の収入は経済情勢や高速バス、自家用車との競争による影響を受けます。また、ローカル線の収入は自家用車との競争や地域の経済情勢及び人口の推移による影響を受けます。[流通業] 流通業セグメントの収入は、主に百貨店業、物品販売業及び飲食業からの収入で構成されております。当セグメントの収入は、経済情勢及び他の百貨店、物販店舗、レストランとの競争に左右されます。当セグメントの事業の多くが駅やその周辺で行われているため、鉄道輸送量も影響を受ける要因です。また、新規店舗の開発や既存店舗の廃止によっても左右されます。[不動産業] 不動産業セグメントの収入は、主に駅やその周辺施設の賃貸収入、沿線におけるマンションの分譲販売、ホテル業により得られます。当セグメントは、経済情勢の影響や、マンション分譲事業の販売数の増減により業績が変動するほか、ホテル業の収益は、宿泊料金や他ホテルとの競争、訪日観光客の動向に影響されます。賃貸事業において、駅は比較的安定したご利用があるものの、賃貸物件の需給状況による影響を受けます。テナントは立地の利便性から駅構内及びその周辺オフィスを好むことから、同業他社に比べ、経済情勢による影響は少ないと考えております。[旅行・地域ソリューション業] 旅行・地域ソリューション業セグメントの収入は、主に他旅行業者との競争、経済情勢やテロ等旅行を妨げる状況により影響を受けます。また、官公庁や自治体の事業や公務の受託状況により影響を受けます。 イ.費用に影響する要因[人件費] 当社は、労働力不足が拡大する中、必要な人的資本の安定を図るとともに、構造改革による生産性向上を推進しつつ、新規採用等により事業運営に必要な社員数を確保してきております。当事業年度の人件費は2,075億円となっております。 人財確保については、新卒採用以外にも、社会人採用やカムバック採用など、幅広いチャネルを設定することで、さらに多様性のある人財ポートフォリオへの転換を図ります。当事業年度においては新卒採用及び社会人採用等合計約1,600名の採用を行いました。 また、年齢構成により退職者数が多い中で、一層円滑な技術継承を図ることなどの観点から、従来の定年退職後の再雇用制度に加え、2023年度から65歳以上の再雇用にも取り組んでいます。[物件費] 当社は、鉄道事業の特徴である、(ⅰ)多くの設備を有し、安全の確保のために必要なメンテナンスに係るコストの比重が大きい、(ⅱ)収益に連動しない「固定費用」の割合が高いなどの事情から、安全性の確保を大前提として、メンテナンスが容易な車両及び設備の導入、機械化、既存のインフラの改良等により、これらの経費を構造的に削減する取り組みを行っております。一方で、労働力不足の拡大を見据え、サプライチェーン全体の持続可能性を高めるための人的資本投資などにより、今後も必要となる費用の増加が想定されます。 また、対抗輸送機関との競争力向上のため、サービスレベルの向上、販売促進のためのIT化、効率化に寄与する外注化等による費用の増加も想定されます。 さらに、電気料金の値上げを始めとした物価高騰等の継続による費用の増加が想定されます。[支払利息] 営業外費用のうち、重要なものとして支払利息があります。当社グループとしては、経営の安定性を保つために有利子負債残高や支払利息の水準を注視しております。当連結会計年度の当社グループの支払利息については195億円となり、前連結会計年度に比べ5億円減少しております。 ③ 流動性と資本の源泉ア.キャッシュ・フロー当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「第2[事業の状況] 4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (3) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 イ.資本需要と設備投資 当社グループは、当連結会計年度において総額2,842億円の設備投資を実施し、そのうちモビリティ業では1,699億円、流通業、不動産業、旅行・地域ソリューション業及びその他では、43億円、1,052億円、11億円及び34億円をそれぞれ実施しました。モビリティ業に関する設備投資においては、安全性の向上を中心とした鉄道インフラの整備や、老朽車両の更新等を目的とした新型車両の購入を行っております。流通業、不動産業、旅行・地域ソリューション業及びその他における当社グループの設備投資においては、新設備の建設や老朽設備の改築等を行っております。 今後も災害の激甚化を見据えた地震対策や労働人口減少を踏まえた労働生産性向上に向けた設備投資の増大が想定されます。 ウ.資金調達 資金調達については、既存債務の返済資金や設備投資資金・配当等のうち当社グループのフリー・キャッシュ・フローで賄いきれない分の調達を主としており、その調達手段は社債及び銀行等からの長期借入金等、市場動向や金利動向等を総合的に勘案しながら決定しております。 また、短期的に資金を必要とする場合には、主として短期社債やコミットメントライン等で賄うことを基本としております。 なお、コミットメントラインについては、地震が発生した場合でも、あらかじめ定めた条件によって資金調達が可能な契約内容となっております。 エ.流動性 日々の収入金も確保していることから、流動性資金は十分な水準を確保しているものと考えております。 また、資金効率向上はキャッシュ・マネジメント・サービス(CMS)により、グループ内資金の有効活用を図っております。

事業リスク

主要なリスクとして、まず大規模な鉄道事故や自然災害(地震、台風、洪水など)の発生が挙げられます。これらは人命に関わるだけでなく、事業中断や復旧費用により経営に甚大な影響を及ぼす可能性があります。次に、人口減少・少子高齢化、円安・物価高騰、金利上昇といった経営環境の激変もリスクです。特に人口減少は長期的な利用客減少や人材確保の困難につながり、収益に影響を与える可能性があります。さらに、デジタル化の加速による技術革新や新たなビジネスモデルの普及が、既存事業の収益構造を大きく変える可能性も秘めています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|9,427 文字
3 【事業等のリスク】 当社グループでは、「長期ビジョン」、「中期経営計画2025」のもと、新たな価値創造へ積極的に挑戦していく観点から、「全社的リスクマネジメント体制」を構築しております。この取り組みの中では、「長期ビジョン」の実現及び「中期経営計画2025」の達成を支障しうるリスクを、当社グループにおける経営上の重要リスクと位置づけ、その管理状況をモニタリングしております。具体的には、当社内(コーポレート)の各部門及びグループ各社(カンパニー・その他グループ会社)が抽出・選定したリスクのうち、経営上対処すべき重要リスクについて、代表取締役社長を委員長とする「グループリスクマネジメント委員会」において集約・一覧化し、社内外で発生したリスク事象から得られた教訓も踏まえながら、確認・議論しております。 特に経営環境に関する重要リスクの抽出・選定にあたっては、「長期ビジョン」、「中期経営計画2025」に関するPDCAサイクルの一環として、未来の社会像に関する洞察を行うなど、バックキャストの視点から採るべき戦略の方向性の確認・検証を行っております。 また、同委員会を通じて確認したリスク管理状況や議論等については、取締役会に報告するほか、必要な改善措置に繋げるための総括として、「リスクマネジメントレビュー」を発信し、次年度のリスク管理の取り組みに反映しております。  なお、鉄道安全、気候変動、人権等のリスクは、専門的な個別の委員会等を設置し、より具体的かつ実効性向上を目的とした議論をしております。 これらの委員会等での議論のもと、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクを以下に記載します。 なお、文中における将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日において当社グループが判断したものであります。 (1) 安全の確保 鉄道事業においては、事故が発生した場合、お客様の生命・財産に大きな被害をもたらすことがあり、これに伴うお客様への補償及び事故後の事業中断等により経営に対しても甚大な影響を及ぼすことがあります。鉄道を基幹事業とする当社グループにおいては、安全で信頼される質の高い輸送サービスを提供していくことが最重要課題であると考えております。 当社グループは、「福知山線列車事故のような事故を二度と発生させない」という確固たる決意のもと、福知山線列車事故の教訓である「安全の実現に欠かせない視点」に照らしてこれまでの取り組みについて確認した上で、「安全考動計画2027」を2023年3月に策定し、より一層の安全性向上をめざし、重大な事故や労働災害の未然防止に向けて取り組んでおります。 具体的には、ホームの安全対策として、バリアフリー料金制度対象駅のうち、乗降10万人以上の駅にはホーム柵を整備し、乗降10万人未満の駅にはホーム柵又はホーム安全スクリーンを整備する方針としており、2032年度までの完了をめざします。なお、このうち2027年度までの5年間で約400億円の整備費を見込んでおります。 踏切の安全対策として、関係行政機関と協議・連携の上、立体交差事業等による踏切の解消を実施しているほか、大型車の通行が多い踏切を対象に重点的にハード整備を実施します。踏切内に自動車が停滞している場合、運転士に音声で知らせる装置を新たに追加し、2032年度までの完了をめざします。また、第4種踏切においては、恒久対策(廃止や格上げ)に加えて、踏切ゲートの設置を進めております。 こうしたハード対策に加えて、ソフト対策として「組織全体で安全を確保する仕組み」を充実させ、その仕組みのもとで「一人ひとりの安全考動」を積み重ねていきます。これらの営みを通じて「安全最優先の風土」を育み、さらなる「仕組み」の構築・改善や「一人ひとりの安全考動」につながり、このサイクルを回し続けることで、継続的な安全性の向上を実現します。 (2) 自然災害等の発生 地震、台風、地すべり、洪水等の自然災害によって、当社グループの事業及び輸送網インフラは大きな被害を受ける可能性があります。 これに対し当社グループは、将来においても事業にもたらす影響が大きい自然災害等による被害を最小限のものとするよう、防災や減災に努めております。 具体的には、地震対策として、阪神・淡路大震災以降、地震発生確率や活断層の観点から優先順位をつけて構造物の耐震補強対策や逸脱防止ガードの整備等の地震対策を進めてきたところですが、近年、大規模地震が複数発生していることを踏まえ、地震対策を山陽新幹線全線に拡大し、2052年度末までの対策完了をめざします。なお、30年間で約3,000億円の整備費を見込んでおり、在来線についても、計画に基づき着実に整備を進めております。 津波対策としては、避難誘導標等を整備し、「津波避難誘導心得」を制定するなど、速やかな避難・誘導等に向けた取り組みを進めるとともに、実践的訓練を行っております。 また、近年、短期間に集中化する豪雨等の激甚化する災害に対して、防護設備等を整備するなど、重大な被害の発生を可能な限り回避するための取り組みを推進していきます。 なお、当社ではこれらの自然災害等に備えるため、あらかじめ定めた条件によって資金調達が可能なコミットメントラインを金融機関から導入しております。 (3) 経営環境の激変 当社グループは、日本経済の情勢の中でも、主な営業エリアである西日本地域における景気動向の影響を特に受けており、人口減少・少子高齢化、円安・物価高騰及びそれらの影響を受けた設備投資や費用支出の増大が、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 とりわけ人口減少・少子高齢化の進展は最大の経営上のリスクと考えており、引き続き機械化等の設備投資や生成AIの活用による生産性向上に取り組んでいきますが、中長期的なお客様のご利用の減少に加え、当社グループの事業の運営、事業領域の拡大、新しい分野への挑戦に必要な人財の確保が一層困難となることで、当社グループの事業継続性や戦略遂行に支障をきたす可能性があります。なお、人財確保に関するリスク認識の詳細については、後述の「(4)人財の確保」に記載のとおりであります。 また、円安・物価高騰、金利上昇等が長期化し、インフレーションが進展すれば、事業に係る費用の増加が見込まれますが、後述の「(10)特有の法的規制」の影響等も相まって、適正な価格転嫁が行えない場合、当社グループの収益に影響を与える可能性があります。 さらに、海外の景気動向や政治情勢等が訪日外国人の動向、サプライチェーン等に影響を及ぼす可能性があるほか、感染症等さまざまな要因により鉄道のご利用に影響を及ぼす事象が発生した場合、これに連動してグループ全体の経営成績に影響を与える可能性があります。 さらに、デジタル化の加速等に伴う革新的な技術の発達や、新たなビジネス・価値提供の仕組みの普及が、当社グループの収益に極めて大きな影響を与える可能性があります。 加えて、地球環境保護や気候変動問題対応への社会的な要請の高まりや、気候変動による災害激甚化が、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 今後の社会構造等を中長期的に見据えると、過疎化の進展や都市構造の変容により都市や地域間の格差が拡大していくこと、個人の嗜好・価値観や消費行動の多様化に加え、格差の拡大により消費活動の二極化が進展していくことが想定されます。これらが顕在化した場合、大量輸送を特長とする鉄道事業が中心となる当社グループの収益に大きな影響を与える可能性があります。 以上のような経営環境に関するリスクも踏まえ、「私たちの志」、「長期ビジョン」の実現を加速させるべく、アップデートした「中期経営計画2025」の目標達成に向け、引き続き安全性の向上を最優先としつつ、鉄道を中心としたモビリティサービス分野の活性化と、ライフデザイン分野の拡大を通じて事業ポートフォリオを最適化し、未来社会においても価値を創造し続ける企業グループとなるよう、取り組みを推進しております。 ・「中期経営計画2025」  (参照URL:https://www.westjr.co.jp/company/info/plan/pdf/plan_2025.pdf) ・「中期経営計画2025アップデート」  (参照URL:https://www.westjr.co.jp/company/info/plan/pdf/plan_2025_update.pdf) (4) 人財の確保 当社グループの営業エリアである西日本地域においても、今後生産年齢人口の減少が進展することが予測されており、当社グループの事業運営を支える人財の確保が困難になる可能性があります。 「長期ビジョン」をはじめとした経営戦略を実現していく上で、事業運営に係る技術・技能の継承、事業領域の拡大、新しい分野への挑戦に必要な人財を確保、育成することが不可欠であり、こうした取り組みが停滞することがあれば、当社グループの事業継続性や戦略遂行に支障をきたす可能性があります。 これに対し当社グループでは、人財確保のチャネル拡大と人財戦略の推進により、人財の確保・育成に努めております。 人財確保のチャネル拡大として、新卒採用以外にも、社会人採用やカムバック採用、65歳以上の再雇用に取り組んでおります。また、グループ全体の人財を確保する観点から、グループ合同での応募窓口の設定等、効率的かつ効果的な採用活動を進めております。さらに、「株式会社TRAILBLAZER」を設立し、JR西日本グループのデジタル変革を推進する変化対応力・創出力を備えた専門人財の確保等にも努めております。 人財戦略の推進については、多様性の確保やさまざまな挑戦の機会を用意することが重要との認識のもと、「人財育成」、「ダイバーシティ&インクルージョン」及び「ワークエンゲージメント」の取り組みを中心に進めております。詳細は「2[サステナビリティに関する考え方及び取組](4)人的資本」に記載のとおりであります。 (5) サプライチェーンの確保 当社グループは、鉄道の持続的な運行に必要な工事・保守関係業務を委託する協力会社をはじめ、多種多様な部品・材料等を製造・調達する取引先等、さまざまなパートナー企業に支えられてサプライチェーンを構築し、事業を推進しております。当社グループのサプライチェーンを支えるパートナー企業の操業停止や少子化に伴う労働力の減少、部品・材料等の調達ルートの寸断、需要急増等による資材調達の停滞等があった場合、鉄道運行に必要な技術力や部品・材料の提供が円滑に得られず、事業の継続に支障をきたす可能性があります。 当社グループでは、工事・保守関係業務に係る施工の平準化や労働環境のさらなる向上を通じてパートナー企業への安定的な業務委託に努めるとともに、中長期的な老朽取替計画に基づく前広な予備品の発注や代替品への置換等を進めております。 また、ビジネスにおける人権、環境問題への関心が世界的に高まっており、当社グループは、取引先の皆様とともに相互に遵守していきたい基本的な考え方と行動原則をまとめた「JR西日本グループサプライチェーン方針」を制定し、取引先の皆様に周知しております。 (6) 情報セキュリティ、情報管理 当社グループでは、鉄道運行や乗車券販売等のモビリティに関わるシステムに始まり、流通、不動産、旅行・地域ソリューション等の各事業分野全般にわたってコンピュータシステムを用いております。また、当社グループと密接な取引関係にある他の会社ともコンピュータシステムを連携しており、それぞれ重要な役割を果たしております。昨今、DX(デジタルトランスフォーメーション)にも取り組んでおり、これによりコンピュータシステムが当社グループの事業運営において益々重要な役割を果たすようになっております。 このようなコンピュータシステムにおいて、当社及び相互に連携するシステムへのサイバー攻撃や自然災害、停電・通信障害、人的ミス等の要因によりシステム障害が生じた場合、事業の遂行に支障をきたす可能性があります。 また、情報管理不備等により個人情報、営業秘密等の機密情報が流出し、第三者や競合事業者に利用又は悪用された場合、お客様や取引先への被害はもとより、競争優位性の喪失や当社グループの社会的な信用低下等、収益に影響を与える可能性があります。 これらのリスクに備えるため、当社グループでは、情報セキュリティ対策状況を定期的に点検し、自社システムへの継続的な対策の見直しを行うとともに、研修の実施等による役員・従業員のITリテラシー向上を進めております。また、システム障害や情報漏えい事故及びサイバー攻撃被害が発生した場合においても、その影響を最小限のものとするよう、初動体制の整備と平時における訓練を行うとともに、外部機関との連携強化にも努めております。これらの取り組みについて、最高情報セキュリティ責任者(CISO)を委員長とした情報セキュリティ委員会を開催し、方針を決定のうえ、進捗を管理しております。 加えて、個人情報の取得・利活用に関するプライバシーガバナンス体制等を整備し、適正な業務執行と法令遵守に努めております。 (7) 重大な犯罪行為・テロ等の発生 重大な犯罪行為やテロ活動、武力攻撃等により当社グループの施設・設備等が被害を受けた場合、事業の継続に支障をきたす可能性があります。 当社では、これらに備え、不審者及び不審物への警戒警備の強化や防犯対策訓練の実施、防護装備品の配備等の各種対策を行っております。特に大阪・関西万博のような大規模イベント時においては、当社グループ全体で警戒警備体制の強化を図り、駅・列車・重要施設における巡回強化や、最新技術を取り入れたセキュリティ対策等を実施しております。 また、国民保護法に基づく、武力攻撃事態等における対処については、的確かつ迅速な体制の確立等、具体的な取り扱いを定めているほか、自治体からの要請に基づき、緊急避難を目的とした利用に当社グループ施設の一部を供することとしております。 さらには、当社の資金移動業やクレジットカード事業では、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与が発生した場合、業務停止や制裁金等の行政処分、レピュテーションの毀損等により、当社グループの社会的な信用が低下し、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 これらのリスクに備えるため、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与防止のための基本方針を制定し、体制を整備するとともに、定期的にモニタリングすることで維持・改善に努め、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与の防止に取り組んでおります。 (8) 感染症の発生・流行 感染症が発生・流行した場合において、お客様の外出自粛や社員の感染等により、鉄道運行をはじめとした当社グループの事業継続が脅かされ、経営成績に甚大な影響を与える可能性があります。 今後も重大な感染症の発生等のリスクに対しては、これまでの知見を活かしつつ、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく指定公共機関として、当社が定める「西日本旅客鉄道株式会社新型インフルエンザ等対策に関する業務計画」に基づき、政府関係機関や各自治体等と緊密に連携しながら、社会インフラとしての鉄道輸送サービスの継続に万全を期していきます。 (9) コンプライアンス 当社グループは、事業活動を営む上で、会社法、金融商品取引法、独占禁止法、下請法、景品表示法、個人情報保護法、不正競争防止法等、一般に適用される法令に加え、鉄道事業法等の業態ごとに適用される法令の規制を受けるほか、事業種別に応じた規制当局の監督を受けております。これらの法的規制等に違反があった場合、行政処分を受け当社グループの社会的な信用低下を招く可能性があるほか、関連諸法令の改正やガイドラインの制定等により、既存の規制が強化された場合、当社グループの事業運営や経営成績に影響を与える可能性があります。 また、法令等違反以外にも社会規範や企業倫理にもとる事象や人権を侵害する問題が発生した場合、当社グループの社会的な信用低下を招き、お客様のご利用や人財の確保に影響を与える可能性があります。 これに対し当社グループでは、コンプライアンスは、単に法令等を遵守するだけでなく、世の中の基準に照らして、その期待に誠実に応え、当社グループの事業に対して信頼をいただく取り組みであるとの認識のもと、2024年5月に「JR西日本グループ行動規範」を策定し、グループ全体で法令遵守・コンプライアンスに関する教育・啓発を行っております。また、代表取締役社長を委員長とする「企業倫理・人権委員会」を開催し、法令等の遵守や人権に関する経営上重大な事項等について審議を行い、その議論状況を取締役会に報告することとしております。 また、内部通報窓口として設置している「JR西日本グループ倫理・人権ホットライン」や社外相談窓口の対応充実・信頼性向上を図り、グループ全体のコンプライアンス向上に取り組んでおります。 (10) 特有の法的規制 鉄道事業は公益的な性格を持つことから、公的サービスにおける官民の役割分担に対する政府の考え方によって、さまざまな影響を受ける可能性があります。① 鉄道事業に対する法的規制 当社は、「鉄道事業法(1986年法律第92号)」の定めにより、営業する路線及び鉄道事業の種別ごとに国土交通大臣の許可を受けなければならない(第3条)とともに、運賃及び一定の料金の上限について国土交通大臣の認可を受け、その範囲内での設定・変更を行う場合は、事前届出を行うこととされております(第16条)。また、鉄道事業の休廃止については、国土交通大臣に事前届出(廃止は廃止日の1年前まで)を行うこととされております(第28条、第28条の2)。これらの手続きや許認可の基準が変更された場合、当社グループの収益に影響を与える可能性があります。2024年4月には、鉄道運賃水準の算定の根拠となる「総括原価」の算定方法を定める「収入原価算定要領」について、持続可能な鉄道輸送サービスに資する設備投資の促進、人財確保、自然災害の激甚化等への対応を念頭に、鉄道事業の安定的・持続的な運営等を確保していく観点から見直しが行われました。 事業運営にあたっては、株主に対する配当に加え、将来の設備投資や財務体質の強化等を可能なものとする適正な原資を確保することが必要であると考えており、収益の確保と経費削減を進め効率的な経営に努めておりますが、「(3)経営環境の激変」で前述したように、人口減少による収益の減少、インフレによる費用の増加等により適正な原資を確保できない場合は、「収入原価算定要領」の見直し内容も踏まえ、将来を見据えた安全やサービス向上の設備投資を行うなど、持続的な進化を図っていくために、適切な時期に運賃改定を実施する必要があるものと考えております。 なお、当社をJR会社法の適用対象から除外するJR会社法改正法が2001年12月1日に施行されました。すなわち、当社においては、JR会社法に定められる発行する株式等の募集及び長期借入金の認可(第5条)、重要な財産の譲渡等の認可(第8条)等の全ての規定の適用から除外されております。 一方で、本法附則により、国土交通大臣が指定するものがその事業を営むに際し、当分の間配慮すべき事項に関する指針として以下の3点について定めることとされております。この指針は2001年11月7日に告示され、2001年12月1日から適用となっております。〈指針に定められる事項〉・会社間における旅客の運賃及び料金の適切な設定、鉄道施設の円滑な使用その他の鉄道事業に関する会社間における連携及び協力の確保に関する事項・日本国有鉄道の改革の実施後の輸送需要の動向その他の新たな事情の変化を踏まえた現に営業している路線の適切な維持及び駅その他の鉄道施設の整備に当たっての利用者の利便の確保に関する事項・新会社がその事業を営む地域において当該事業と同種の事業を営む中小企業者の事業活動に対する不当な妨害又はその利益の不当な侵害を回避することによる中小企業者への配慮に関する事項 ② 整備新幹線ア.整備新幹線の建設計画 1970年に制定された全国新幹線鉄道整備法に基づき整備計画が決定された路線のうち、当社は北陸新幹線(上越市-大阪市)の営業主体となっており、建設主体である独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が建設・保有する新幹線施設の貸付けを受けて営業することとなっております。2015年3月:北陸新幹線(長野-金沢間)開業2024年3月:北陸新幹線(金沢-敦賀間)開業 イ.整備新幹線建設の費用負担 整備新幹線の建設費は、全国新幹線鉄道整備法及び関連法令に基づいて「国、地方公共団体及び旅客会社が負担すること」、「旅客会社の負担は、整備新幹線の営業主体となる旅客会社が支払う受益の範囲を限度とした貸付料等をあてること」と定められております。 なお、整備新幹線の営業主体である旅客会社が支払う貸付料の額については、「独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法施行令」第6条において、当該新幹線開業後の営業主体の受益に基づいて算定された額(定額部分)に、貸付けを受けた鉄道施設に関して同機構が支払う租税及び同機構の管理費の合計額を加えた額を基準として、同機構において定めるものとされております。 北陸新幹線上越妙高-金沢間の貸付料につきましては、同機構により算定された定額部分の年額80億円が当該新幹線開業に伴う当社の受益の範囲内にあると判断し、2015年3月に同機構との合意に至るとともに、当該貸付料の額について、同機構は2015年3月に国土交通大臣の認可を受けております。北陸新幹線金沢-敦賀間の貸付料につきましては、同様の手続きにて年額93億円とし同機構は2024年3月に国土交通大臣の認可を受けております。 ウ.北陸新幹線に対する当社の考え方 敦賀以西区間については、新幹線整備により乗換が解消され、大幅な時間短縮効果が見込まれることから、早期の大阪までの全線開業が望ましいと考えております。 現在、2017年3月に与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームより出された結論に基づき、「小浜京都ルート」(敦賀駅-小浜市(東小浜)附近-京都駅-京田辺市(松井山手)附近-新大阪駅)の環境影響等の検討が進められており、当社としても、引き続き今後の動向を注視していきます。 なお、全線開業に向けた着工区間の延伸に際しても「当社の負担は受益の範囲内であること」や「並行在来線の経営分離」という従前からの基本原則が守られる必要があると考えております。

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