経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針 当社グループは、「幸せはこぶ住まいづくり」、「買っていただいたお客様に幸せになっていただくこと」を事業の目的とし、「富士山のように日本一愛される会社」にするという想いのもと創業された会社であります。大阪府全域、兵庫県南部及び和歌山県北部を主たる営業地盤として売りっぱなし建てっぱなしにしないお客様に顔を向けた責任のとれる住まいづくりを経営の基本として事業を展開しております。そのため、一時的な利益や事業拡大を求めるのではなく、長期的な安定経営によるつぶれない会社づくりが重要であると考えております。長期的な安定経営には、人財が必要不可欠であり、見識、胆識、洞察力の優れた立派なリーダーを育成することが重要であることから、人は財産であるという考えのもと、当社グループでは、「人材」ではなく「人財」と表現し、次のような経営理念と社訓を掲げております。「経営理念」・ 社員のため・ 社員の家族のため・ 顧客・取引先のため・ 株主のため・ 地域社会のため・ ひいては国家のために当社を経営する「社訓」・ 我々はフジ住宅の社員である・ 我々は熱意と誠意をもって仕事に接しよう・ 我々は自己の仕事の責任と重要性を認識しよう・ 我々は感謝と奉仕の精神をもって仕事をしよう・ 我々は顧客・取引先に感謝されるような仕事をしよう 経営理念は、「社員のため」「社員の家族のため」から始まります。これは、社員と社員の家族が幸せでなければ、お客様に心から喜んでいただける仕事はできないと考えているためです。社員とその家族を大切にし、全社員が感謝の気持ちや仕事に対しての誇り、やりがい、生きがいを持つと、社員のモチベーションが高まり、社員は心からお客様を大切にすることができます。その結果、お客様をはじめ、お取引先様、株主様、地域社会、国家へと全てのステークホルダーの幸せに繋がっていくと考えております。 上記の経営理念・方針に基づき、人財の成長に合わせて事業を拡大するという考えのもと、過去からの営業地域のさらなる深耕を図るとともに、府下最大のマーケットである大阪市内をはじめ大阪府北部地域及び兵庫県南部地域への積極的な地域拡大を図り、収益力の向上及び財務体質の強化を推進することにより、お客様、お取引先様、株主様から常に信頼され、事業を通じて社会のお役に立てる企業となることを目指しております。(2)中長期的な会社の経営戦略(安定した収益の確保) 不動産業界は好不調の激しい業界であるため、長期的な安定経営を行うことが重要と考え、不動産事業の中での多角化によるバランス経営を図るとともに、大阪府全域、兵庫県南部及び和歌山県北部を主たる営業地盤として地域密着型経営を行っております。 当社グループは、地域に根付いた住宅提供事業者として、新築戸建住宅、分譲マンション、改装付中古住宅の販売、土地有効活用提案によるアパート建設、サービス付き高齢者向け住宅建設、個人投資家向け一棟売賃貸アパート販売、分譲マンション管理、賃貸管理、建設関連など住宅・不動産に関するあらゆる住まいのワンストップサービス企業としてお客様に心から喜んでいただける商品及びサービスの提供に取り組んでおります。また、大きな景気変動下でも揺るがない経営体質を保持し、つぶれない会社づくりをするため、土地有効活用事業や賃貸及び管理事業の非分譲事業の比率を高める等、賃貸収入を生むストック型ビジネスを拡大することで継続的に安定した収益を確保しております。 今後も引き続き、これまでに培ったお取引先様等との協力関係を基礎として、売りっぱなし建てっぱなしにしないお客様に顔を向けた責任のとれる住まいづくりを着実に実行し、長期的な安定経営を目指して参ります。 (ESGに関する取組み) 当社グループでは、2021年12月14日の取締役会にて、以下のとおりサステナビリティ基本方針を決議いたしました。 「当社グループは『社員のため、社員の家族のため、顧客・取引先のため、株主のため、地域社会のため、ひいては国家のために当社を経営する』という経営理念のもと、創業以来、事業活動を通じて社会貢献活動に取り組んで参りました。国連で採択された『SDGs』(持続可能な開発目標)等、社会課題に対する企業が果たす役割の重要性が増しております。ESG(環境・社会・企業統治)及びSDGsと地域密着型経営である当社の事業活動との関連を意識し、社会貢献に取り組むことにより、今後も社会とともに持続的に成長し、信頼される企業グループを目指して参ります。」 サステナビリティ基本方針に基づき、以下の取組みを実施しております。 (3)目標とする経営指標 当社グループは、企業価値の向上と継続的な成長を図るため、企業の経営効率を判断する指標である自己資本当期純利益率(ROE)を重要な経営指標として意識し、10%以上を目標としております。 また、財政状態の安全性及び健全性の確保のため、自己資本比率25%以上を目標としております。当社グループは不動産事業の多角化によるバランス経営を行っていることから、事業形態が異なる事業部門ごとに、定期的に事業部門別貸借対照表を作成することや、事業形態ごとに売上高に対する在庫の金額をコントロールする目標比率を設定し、事業部門ごとに在庫の回転状況を検証しております。また、全社的な安全性の指標として、在庫に対する有利子負債の額をコントロールする目標比率や、急激な土地の時価下落に備えるため純資産額に対する在庫の金額をコントロールする目標比率を設定しており、これらの指標についても定期的にモニタリングを行うことで、経営のさらなる安定化と収益力の向上を目指しております。 2025年5月2日に公表しました中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)の最終年度となる2028年3月期の業績目標は、以下のとおりであります。 2028年3月期計画連結売上高1,319億円連結営業利益82億円連結経常利益62億円親会社株主に帰属する当期純利益41億円(4)報告セグメントごとの経営環境① 分譲住宅事業 分譲住宅事業では、地域密着型経営の強みを活かし、良質な分譲用地の選別や、お客様のニーズへの対応等を図り、顧客満足日本一を目指しております。また、長期的には少子高齢化が進むにつれ新築住宅市場は縮小するため、厳しい環境になっていくことが予想されます。しかしながら、住宅業界は特定の大手企業が寡占している状態ではなく、地元の工務店や中小企業等、数多くの不動産会社が存在している業界であるため、更にシェアを増やすことができると考えております。 当社グループは、特許取得システム「炭の家」の使用権を当社グループ営業地域内(大阪府・兵庫県の一部・和歌山県の一部)で取得しております。「炭の家」は、炭の自浄作用を活用して外気からの有害物質を除去する独自の換気システムであり、新築戸建住宅ではこの換気システムを採用した「炭の家/ピュアエア」を販売しております。 新築戸建住宅の建築にあたっては、耐震や耐風性能と同時に、通風と気密性を両立させたフジ住宅独自の「FX-WOOD 工法」を採用する等により、国土交通省で定められた住宅性能表示制度で最も高い耐震性を表す耐震等級3を実現し、また、地震の揺れを大幅に低減する制震ダンパーを採用する等、強度や耐震性、耐久性を追求した住まいづくりを行っております。更に、従来のクオリティを維持しながらシンプルなデザインで低価格帯を実現した「S・O・U+」、生活動線がコンパクトでデザイン性、耐震性に優れた平屋のメリットを活かした「HIRANAGI」の販売を開始し、多様なユーザーニーズに応えられるよう、「炭の家/ピュアエア」、「S・O・U+」、「HIRANAGI」のスリーブランド戦略を展開しております。 分譲マンションにおいては、従来の「シャルマンフジ」シリーズに加え、これまでに培った住まいづくりの知恵と技術を結集し、都市生活にふさわしいマンションの在り方を追求した都市邸宅マンション「ブランニード」を販売し、幅広いエリアでお客様のニーズに対応できるマンションの供給を行っております。 このように、独自の商品による競合他社との差別化を図り、お客様にとって安心できる住まいを提供しております。引き続き地域密着型経営を行い、事業の拡大を図って参ります。② 住宅流通事業 新築住宅に比べ低価格帯である中古住宅の需要は根強く、当社グループでは、新築住宅に加えて中古一戸建住宅や中古マンションを取り扱うことによって、住宅販売におけるバランス経営の強みを活かしております。また、既存住宅を活かし再生させる住宅流通事業は、古くなった住まいを再生して新しく不動産流通市場に供給することで、新築住宅の建築と比較して二酸化炭素の排出量や木材の使用量等を大幅に抑えられることから、持続可能な社会へ貢献することができる事業となっております。 当社グループの住宅流通事業では、中古住宅を仕入れ、リフォームを行い再販する買取再販事業と、賃貸入居者付きの中古住宅を取得し、入居者様が退去後に再販する中古住宅アセット事業を展開しており、仕入れ、リフォーム、引渡し、アフターサービス等を一貫して当社が管理しております。リフォーム工事は協力業者にて施工していただきますが、中古住宅の建物の品質チェックや、リフォームプランの作成、工事完了チェックは当社が直接行い、安心できる中古住宅を提供する体制を整えております。 中古住宅販売は新築住宅に比べ低価格帯であるため、1物件当たりの利益額は少なくなりますが、取り扱い物件数を増やすことでセグメント利益を確保する事業です。そのため、物件取得から引渡しまでの在庫保有期間が長期化することは、資金効率を低下させ、財務体質の悪化を招く可能性があります。当社グループでは、良質な中古住宅を仕入れて、在庫保有期間は半年を目途に設定し、在庫回転率を意識した効率的な販売を行うことで、収益及び資金の両面からバランスのとれた経営を行って参ります。③ 土地有効活用事業 建築コストの上昇等により厳しい事業環境が続いておりますが、土地有効活用事業は資産承継や相続税対策を背景とした需要の高い事業であります。そのため、個人投資家向け一棟売賃貸アパートについては引き続き需要が見込まれる状況となっております。また、少子高齢化が進むにつれて、今後もサービス付き高齢者向け住宅の需要が一層高まっていくことが予想されます。 当社グループの土地有効活用事業では、既にご契約をいただいているお客様や金融機関からのご紹介による土地オーナー様、会社経営者様に対し100%紹介営業を行っております。そのため、オーナー様及び紹介者様の信頼を裏切らないよう、専門スタッフによる賃貸業者へのヒアリングや周辺物件の稼働状況確認等の綿密な市場調査を経て、アパート等の経営をするには厳しい立地である等、オーナー様にとって有益とならないと当社グループが判断した場合は、建築請負をお断りしております。更に、当社グループでは土地有効活用事業で建設した建物を一括して借上げし、入居者様に転貸する一括借上システムを取り入れ、完成後の運用管理についてもサポートを行っております。このような経営姿勢によって、既オーナー様のリピート受注率は競合他社と比べて高くなっており、引き続きリピート率のさらなる向上を目指すとともに、「日本一愛される土地有効活用事業部」を目指した経営を行って参ります。 ④ 賃貸及び管理事業 今後、人口流入や少子高齢化により、都市部における賃貸住宅及びサービス付き高齢者向け住宅の需要の拡大が予想されます。引渡し後の良質な賃貸・管理サービスは提案型の建築請負の営業支援となり、土地有効活用事業と相乗効果が高い事業となっております。 土地有効活用事業で建設して一括借上を行った建物の管理については、原則として週2回の共用部分の清掃を実施し、入居者様からのお問い合わせや設備のトラブルに24時間365日対応可能な専属チームを設置する等、入居者様に安心して長くお住まいいただくための住環境を整備しております。 サービス付き高齢者向け住宅「フジパレスシニア」では、「自分の親を安心して預けられる住まい」をコンセプトに、介護業者スタッフが24時間常勤し、巡回や見守りを行い安否確認を万全に整える等、安心・安全なサービスの確保や、健康面でバランスのとれた食事の提供を行っております。また、全戸個室でありながら家賃は低価格を実現する等、入居者様や入居者様のご家族の様々なニーズに応えております。 経営のさらなる安定化を目指し、非分譲事業である賃貸及び管理事業の比率を高め、継続的に安定した収益の確保を行うため、引き続き顧客満足度の高いサービスの提供に注力して参ります。⑤ 建設関連事業 建設関連事業では、民間工事や公共工事等、様々な建築工事を行っており、建築物においても建築一式工事をはじめ、給排水工事、外構工事、リフォーム、解体工事など多種多様な施工実績を有しております。また、当社グループ内では、サービス付き高齢者向け住宅「フジパレスシニア」において鉄骨造の施工を中心に行うほか、新築分譲マンションの施工にも取り組んでおり、協業範囲は順調に拡大しております。これらの豊富な実績により卓越したノウハウを蓄積しており、質の高い建築工事を施工し続けております。高い品質はもちろん、適切な工期を実現しながら、引き続き安全に最善を尽くした施工を行って参ります。(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりであります。① 優秀な人財の採用と育成、並びに働きやすい環境の整備 当社グループの長期的な安定経営を継続するためには、能力と熱意を兼ね備え、当社グループの経営理念・方針や価値観に共感する優秀な人財を採用すること、また、そのような人財が長期にわたってやりがいを感じるとともに明るく元気にイキイキとストレスのない働きやすい就業環境を整備することが、重要であると考えております。また、業績向上の原動力は、経営理念・方針や価値観を理解、実践する人財の育成にあると考え、そのための施策として、会長または社長自らが役職員と直接対話する「会長・社長への質問会」を定期的に開催し、質問者一人ひとりと電話ミーティングを行い、仕事のみならず、プライベートの悩み・問題まで解決に努める取組みを行っております。更に、役員を含め社員、パート社員全員が全員を評価する人事評価システムを採用し、直属の上司からの評価にとどまらず、他部署を含めた部下や同僚等全方面から評価する360度の公正・公平な人事評価・査定を行うことで、年齢・性別による区別や職務範囲を限定することなく実力・実績に応じた役職に登用しております。加えて、社員の専門的かつ高度な知識獲得のために資格取得支援制度を充実させることで、各種業務資格の取得を促進しております。働きやすい環境の整備としましては、いつでも電話相談できる健康相談ダイヤルの積極的な活用推奨、テレワークによる柔軟な働き方の推進、パート社員を含めた全役職員を対象とする診断項目の充実した健康診断の実施、部屋型の高気圧酸素ボックスを社内に設置することで打ち合わせや休憩に利用できるようにする等、多様性を尊重し、社員が働きやすく、健康を維持できる就業環境づくりを行っております。当社グループは、社員の健康管理に積極的に取り組む企業として、経済産業省が東京証券取引所と共同で選定を行う「健康経営銘柄」に2016年、2018年、2019年の3回選定されました。また、2026年3月1日付で厚生労働省「がん対策推進優良企業表彰制度」において、「がん対策推進優良企業」として4年連続の表彰を受け、2026年3月9日付で経済産業省が日本健康会議と共同で認定を行う「健康経営優良法人2026 大規模法人部門(ホワイト 500)」で9回目の認定を受けました。これらは、経営トップが先頭に立ち、全ての社員が健康への意識を高め、心身の健康を維持できるよう、枠にとらわれない様々な環境を整えていることを評価いただいたものと認識しております。更に、2024年11月8日には当社グループが実施している「ICT(情報通信技術)を活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」の粘り強い継続性が認められ、一般社団法人日本テレワーク協会主催の「第25回記念テレワーク推進賞」において「実践部門特別賞」に選定されました。当社は過去にも優秀賞を2回いただいております。当社グループのこのような取組みは、優秀な人財の採用に繋がり、採用活動において、実際に優位性を保てております。 今後も引き続き、全社一丸で社員の健康保持・増進に向けた取組みを行い、社員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的な取組みによる企業価値の向上を通じて、お客様をはじめお取引先様、株主様、地域社会、国家と全てのステークホルダーへの社会的責任を果たすべくこれからも邁進して参ります。② 気候変動リスクへの対応 当社グループは「OSAKAゼロカーボン・スマートシティ・ファウンデーション」の活動に参加しており、同会の設立目的である『「持続可能な開発目標(SDGs)」に関する一層野心的で先進的な取組みを大阪から具体化し、これを全国へと波及させることによって、わが国が目指す2050年の脱炭素化社会実現における先導的な役割を果たしていく』に賛同しており、今後活動領域を広げて参ります。中でも、当社グループの脱炭素の取組みとして、和歌山県の「企業の森」事業による、森林保全・管理活動に係る協定を締結し、和歌山県日高郡日高川町の2.16ヘクタールの森林を「フジ住宅の森」と名付けて、当社グループのボランティアによる植林並びに育林活動を行っております。この活動は、当社の45周年記念事業として2019年4月に第1回目の植林活動を開始して以来、年1回のペースで活動しており、2025年11月には第7回目の育林活動を行いました。今回の活動では、社員とその家族42名が参加し、日頃の役職員間の業務交流にとどまらず、家族を含めて参加することで社内交流がより深まり、社員とその家族が一丸となって脱炭素社会実現に向けた社会貢献活動を行っております。また、当社の「フジ住宅炭の家/ピュアエア」では、換気に伴う熱エネルギーの喪失を防ぐ「全熱交換システム」を採用し、省エネに配慮した住宅をお客様にご提供しております。今後におきましても、ステークホルダーの皆様との対話や積極的な情報開示を行いながら、社会と企業の持続的成長を目指して参ります。③ 収益基盤の維持・強化 好不調の激しい不動産業界においては、長期的な安定経営を行うことが重要と考えております。日本銀行による政策金利の引上げ、土地価格の高止まり、建築費の高騰等、不動産業界を取り巻く環境は以前にも増して厳しくなっております。当社グループでは、分譲住宅事業、住宅流通事業、土地有効活用事業、賃貸及び管理事業、建設関連事業と不動産事業の中での多角化を図ることで、経営の安定化を目指しております。中でも、賃貸アパート及びサービス付き高齢者向け住宅の一括借上並びに中古住宅アセット、サービス付き高齢者向け住宅の自社保有等のストック型ビジネスの強化を通じて安定した収益基盤の維持・強化を図って参ります。④ DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進 DX(デジタルトランスフォーメーション)戦略として、次世代基幹情報システム構築プロジェクトを推進するとともに、生成AIの積極的な活用を進めております。次世代基幹情報システム構築プロジェクトでは、売上拡大やコスト最小化に繋がる業務改善、経営判断に必要な情報をタイムリーに提供できる仕組みの構築、並びに将来のシステム人財の不足に備えた安定的な開発・運用・保守体制の実現を目指しております。また、生成AIの活用により、業務効率化や付加価値創出を図り、生産性向上とサービス品質の向上に取り組んで参ります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針 当社グループは、「幸せはこぶ住まいづくり」、「買っていただいたお客様に幸せになっていただくこと」を事業の目的とし、「富士山のように日本一愛される会社」にするという想いのもと創業された会社であります。大阪府全域、兵庫県南部及び和歌山県北部を主たる営業地盤として売りっぱなし建てっぱなしにしないお客様に顔を向けた責任のとれる住まいづくりを経営の基本として事業を展開しております。そのため、一時的な利益や事業拡大を求めるのではなく、長期的な安定経営によるつぶれない会社づくりが重要であると考えております。長期的な安定経営には、人財が必要不可欠であり、見識、胆識、洞察力の優れた立派なリーダーを育成することが重要であることから、人は財産であるという考えのもと、当社グループでは、「人材」ではなく「人財」と表現し、次のような経営理念と社訓を掲げております。「経営理念」・ 社員のため・ 社員の家族のため・ 顧客・取引先のため・ 株主のため・ 地域社会のため・ ひいては国家のために当社を経営する「社訓」・ 我々はフジ住宅の社員である・ 我々は熱意と誠意をもって仕事に接しよう・ 我々は自己の仕事の責任と重要性を認識しよう・ 我々は感謝と奉仕の精神をもって仕事をしよう・ 我々は顧客・取引先に感謝されるような仕事をしよう 経営理念は、「社員のため」「社員の家族のため」から始まります。これは、社員と社員の家族が幸せでなければ、お客様に心から喜んでいただける仕事はできないと考えているためです。社員とその家族を大切にし、全社員が感謝の気持ちや仕事に対しての誇り、やりがい、生きがいを持つと、社員のモチベーションが高まり、社員は心からお客様を大切にすることができます。その結果、お客様をはじめ、お取引先様、株主様、地域社会、国家へと全てのステークホルダーの幸せに繋がっていくと考えております。 上記の経営理念・方針に基づき、人財の成長に合わせて事業を拡大するという考えのもと、過去からの営業地域のさらなる深耕を図るとともに、府下最大のマーケットである大阪市内をはじめ大阪府北部地域及び兵庫県南部地域への積極的な地域拡大を図り、収益力の向上及び財務体質の強化を推進することにより、お客様、お取引先様、株主様から常に信頼され、事業を通じて社会のお役に立てる企業となることを目指しております。(2)中長期的な会社の経営戦略(安定した収益の確保) 不動産業界は好不調の激しい業界であるため、長期的な安定経営を行うことが重要と考え、不動産事業の中での多角化によるバランス経営を図るとともに、大阪府全域、兵庫県南部及び和歌山県北部を主たる営業地盤として地域密着型経営を行っております。 当社グループは、地域に根付いた住宅提供事業者として、新築戸建住宅、分譲マンション、改装付中古住宅の販売、土地有効活用提案によるアパート建設、サービス付き高齢者向け住宅建設、個人投資家向け一棟売賃貸アパート販売、分譲マンション管理、賃貸管理、建設関連など住宅・不動産に関するあらゆる住まいのワンストップサービス企業としてお客様に心から喜んでいただける商品及びサービスの提供に取り組んでおります。また、大きな景気変動下でも揺るがない経営体質を保持し、つぶれない会社づくりをするため、土地有効活用事業や賃貸及び管理事業の非分譲事業の比率を高める等、賃貸収入を生むストック型ビジネスを拡大することで継続的に安定した収益を確保しております。 今後も引き続き、これまでに培ったお取引先様等との協力関係を基礎として、売りっぱなし建てっぱなしにしないお客様に顔を向けた責任のとれる住まいづくりを着実に実行し、長期的な安定経営を目指して参ります。 (ESGに関する取組み) 当社グループでは、2021年12月14日の取締役会にて、以下のとおりサステナビリティ基本方針を決議いたしました。 「当社グループは『社員のため、社員の家族のため、顧客・取引先のため、株主のため、地域社会のため、ひいては国家のために当社を経営する』という経営理念のもと、創業以来、事業活動を通じて社会貢献活動に取り組んで参りました。国連で採択された『SDGs』(持続可能な開発目標)等、社会課題に対する企業が果たす役割の重要性が増しております。ESG(環境・社会・企業統治)及びSDGsと地域密着型経営である当社の事業活動との関連を意識し、社会貢献に取り組むことにより、今後も社会とともに持続的に成長し、信頼される企業グループを目指して参ります。」 サステナビリティ基本方針に基づき、以下の取組みを実施しております。 (3)目標とする経営指標 当社グループは、企業価値の向上と継続的な成長を図るため、企業の経営効率を判断する指標である自己資本当期純利益率(ROE)を重要な経営指標として意識し、10%以上を目標としております。 また、財政状態の安全性及び健全性の確保のため、自己資本比率25%以上を目標としております。当社グループは不動産事業の多角化によるバランス経営を行っていることから、事業形態が異なる事業部門ごとに、定期的に事業部門別貸借対照表を作成することや、事業形態ごとに売上高に対する在庫の金額をコントロールする目標比率を設定し、事業部門ごとに在庫の回転状況を検証しております。また、全社的な安全性の指標として、在庫に対する有利子負債の額をコントロールする目標比率や、急激な土地の時価下落に備えるため純資産額に対する在庫の金額をコントロールする目標比率を設定しており、これらの指標についても定期的にモニタリングを行うことで、経営のさらなる安定化と収益力の向上を目指しております。 2025年5月2日に公表しました中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)の最終年度となる2028年3月期の業績目標は、以下のとおりであります。 2028年3月期計画連結売上高1,319億円連結営業利益82億円連結経常利益62億円親会社株主に帰属する当期純利益41億円(4)報告セグメントごとの経営環境① 分譲住宅事業 分譲住宅事業では、地域密着型経営の強みを活かし、良質な分譲用地の選別や、お客様のニーズへの対応等を図り、顧客満足日本一を目指しております。また、長期的には少子高齢化が進むにつれ新築住宅市場は縮小するため、厳しい環境になっていくことが予想されます。しかしながら、住宅業界は特定の大手企業が寡占している状態ではなく、地元の工務店や中小企業等、数多くの不動産会社が存在している業界であるため、更にシェアを増やすことができると考えております。 当社グループは、特許取得システム「炭の家」の使用権を当社グループ営業地域内(大阪府・兵庫県の一部・和歌山県の一部)で取得しております。「炭の家」は、炭の自浄作用を活用して外気からの有害物質を除去する独自の換気システムであり、新築戸建住宅ではこの換気システムを採用した「炭の家/ピュアエア」を販売しております。 新築戸建住宅の建築にあたっては、耐震や耐風性能と同時に、通風と気密性を両立させたフジ住宅独自の「FX-WOOD 工法」を採用する等により、国土交通省で定められた住宅性能表示制度で最も高い耐震性を表す耐震等級3を実現し、また、地震の揺れを大幅に低減する制震ダンパーを採用する等、強度や耐震性、耐久性を追求した住まいづくりを行っております。更に、従来のクオリティを維持しながらシンプルなデザインで低価格帯を実現した「S・O・U+」、生活動線がコンパクトでデザイン性、耐震性に優れた平屋のメリットを活かした「HIRANAGI」の販売を開始し、多様なユーザーニーズに応えられるよう、「炭の家/ピュアエア」、「S・O・U+」、「HIRANAGI」のスリーブランド戦略を展開しております。 分譲マンションにおいては、従来の「シャルマンフジ」シリーズに加え、これまでに培った住まいづくりの知恵と技術を結集し、都市生活にふさわしいマンションの在り方を追求した都市邸宅マンション「ブランニード」を販売し、幅広いエリアでお客様のニーズに対応できるマンションの供給を行っております。 このように、独自の商品による競合他社との差別化を図り、お客様にとって安心できる住まいを提供しております。引き続き地域密着型経営を行い、事業の拡大を図って参ります。② 住宅流通事業 新築住宅に比べ低価格帯である中古住宅の需要は根強く、当社グループでは、新築住宅に加えて中古一戸建住宅や中古マンションを取り扱うことによって、住宅販売におけるバランス経営の強みを活かしております。また、既存住宅を活かし再生させる住宅流通事業は、古くなった住まいを再生して新しく不動産流通市場に供給することで、新築住宅の建築と比較して二酸化炭素の排出量や木材の使用量等を大幅に抑えられることから、持続可能な社会へ貢献することができる事業となっております。 当社グループの住宅流通事業では、中古住宅を仕入れ、リフォームを行い再販する買取再販事業と、賃貸入居者付きの中古住宅を取得し、入居者様が退去後に再販する中古住宅アセット事業を展開しており、仕入れ、リフォーム、引渡し、アフターサービス等を一貫して当社が管理しております。リフォーム工事は協力業者にて施工していただきますが、中古住宅の建物の品質チェックや、リフォームプランの作成、工事完了チェックは当社が直接行い、安心できる中古住宅を提供する体制を整えております。 中古住宅販売は新築住宅に比べ低価格帯であるため、1物件当たりの利益額は少なくなりますが、取り扱い物件数を増やすことでセグメント利益を確保する事業です。そのため、物件取得から引渡しまでの在庫保有期間が長期化することは、資金効率を低下させ、財務体質の悪化を招く可能性があります。当社グループでは、良質な中古住宅を仕入れて、在庫保有期間は半年を目途に設定し、在庫回転率を意識した効率的な販売を行うことで、収益及び資金の両面からバランスのとれた経営を行って参ります。③ 土地有効活用事業 建築コストの上昇等により厳しい事業環境が続いておりますが、土地有効活用事業は資産承継や相続税対策を背景とした需要の高い事業であります。そのため、個人投資家向け一棟売賃貸アパートについては引き続き需要が見込まれる状況となっております。また、少子高齢化が進むにつれて、今後もサービス付き高齢者向け住宅の需要が一層高まっていくことが予想されます。 当社グループの土地有効活用事業では、既にご契約をいただいているお客様や金融機関からのご紹介による土地オーナー様、会社経営者様に対し100%紹介営業を行っております。そのため、オーナー様及び紹介者様の信頼を裏切らないよう、専門スタッフによる賃貸業者へのヒアリングや周辺物件の稼働状況確認等の綿密な市場調査を経て、アパート等の経営をするには厳しい立地である等、オーナー様にとって有益とならないと当社グループが判断した場合は、建築請負をお断りしております。更に、当社グループでは土地有効活用事業で建設した建物を一括して借上げし、入居者様に転貸する一括借上システムを取り入れ、完成後の運用管理についてもサポートを行っております。このような経営姿勢によって、既オーナー様のリピート受注率は競合他社と比べて高くなっており、引き続きリピート率のさらなる向上を目指すとともに、「日本一愛される土地有効活用事業部」を目指した経営を行って参ります。 ④ 賃貸及び管理事業 今後、人口流入や少子高齢化により、都市部における賃貸住宅及びサービス付き高齢者向け住宅の需要の拡大が予想されます。引渡し後の良質な賃貸・管理サービスは提案型の建築請負の営業支援となり、土地有効活用事業と相乗効果が高い事業となっております。 土地有効活用事業で建設して一括借上を行った建物の管理については、原則として週2回の共用部分の清掃を実施し、入居者様からのお問い合わせや設備のトラブルに24時間365日対応可能な専属チームを設置する等、入居者様に安心して長くお住まいいただくための住環境を整備しております。 サービス付き高齢者向け住宅「フジパレスシニア」では、「自分の親を安心して預けられる住まい」をコンセプトに、介護業者スタッフが24時間常勤し、巡回や見守りを行い安否確認を万全に整える等、安心・安全なサービスの確保や、健康面でバランスのとれた食事の提供を行っております。また、全戸個室でありながら家賃は低価格を実現する等、入居者様や入居者様のご家族の様々なニーズに応えております。 経営のさらなる安定化を目指し、非分譲事業である賃貸及び管理事業の比率を高め、継続的に安定した収益の確保を行うため、引き続き顧客満足度の高いサービスの提供に注力して参ります。⑤ 建設関連事業 建設関連事業では、民間工事や公共工事等、様々な建築工事を行っており、建築物においても建築一式工事をはじめ、給排水工事、外構工事、リフォーム、解体工事など多種多様な施工実績を有しております。また、当社グループ内では、サービス付き高齢者向け住宅「フジパレスシニア」において鉄骨造の施工を中心に行うほか、新築分譲マンションの施工にも取り組んでおり、協業範囲は順調に拡大しております。これらの豊富な実績により卓越したノウハウを蓄積しており、質の高い建築工事を施工し続けております。高い品質はもちろん、適切な工期を実現しながら、引き続き安全に最善を尽くした施工を行って参ります。(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりであります。① 優秀な人財の採用と育成、並びに働きやすい環境の整備 当社グループの長期的な安定経営を継続するためには、能力と熱意を兼ね備え、当社グループの経営理念・方針や価値観に共感する優秀な人財を採用すること、また、そのような人財が長期にわたってやりがいを感じるとともに明るく元気にイキイキとストレスのない働きやすい就業環境を整備することが、重要であると考えております。また、業績向上の原動力は、経営理念・方針や価値観を理解、実践する人財の育成にあると考え、そのための施策として、会長または社長自らが役職員と直接対話する「会長・社長への質問会」を定期的に開催し、質問者一人ひとりと電話ミーティングを行い、仕事のみならず、プライベートの悩み・問題まで解決に努める取組みを行っております。更に、役員を含め社員、パート社員全員が全員を評価する人事評価システムを採用し、直属の上司からの評価にとどまらず、他部署を含めた部下や同僚等全方面から評価する360度の公正・公平な人事評価・査定を行うことで、年齢・性別による区別や職務範囲を限定することなく実力・実績に応じた役職に登用しております。加えて、社員の専門的かつ高度な知識獲得のために資格取得支援制度を充実させることで、各種業務資格の取得を促進しております。働きやすい環境の整備としましては、いつでも電話相談できる健康相談ダイヤルの積極的な活用推奨、テレワークによる柔軟な働き方の推進、パート社員を含めた全役職員を対象とする診断項目の充実した健康診断の実施、部屋型の高気圧酸素ボックスを社内に設置することで打ち合わせや休憩に利用できるようにする等、多様性を尊重し、社員が働きやすく、健康を維持できる就業環境づくりを行っております。当社グループは、社員の健康管理に積極的に取り組む企業として、経済産業省が東京証券取引所と共同で選定を行う「健康経営銘柄」に2016年、2018年、2019年の3回選定されました。また、2026年3月1日付で厚生労働省「がん対策推進優良企業表彰制度」において、「がん対策推進優良企業」として4年連続の表彰を受け、2026年3月9日付で経済産業省が日本健康会議と共同で認定を行う「健康経営優良法人2026 大規模法人部門(ホワイト 500)」で9回目の認定を受けました。これらは、経営トップが先頭に立ち、全ての社員が健康への意識を高め、心身の健康を維持できるよう、枠にとらわれない様々な環境を整えていることを評価いただいたものと認識しております。更に、2024年11月8日には当社グループが実施している「ICT(情報通信技術)を活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」の粘り強い継続性が認められ、一般社団法人日本テレワーク協会主催の「第25回記念テレワーク推進賞」において「実践部門特別賞」に選定されました。当社は過去にも優秀賞を2回いただいております。当社グループのこのような取組みは、優秀な人財の採用に繋がり、採用活動において、実際に優位性を保てております。 今後も引き続き、全社一丸で社員の健康保持・増進に向けた取組みを行い、社員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的な取組みによる企業価値の向上を通じて、お客様をはじめお取引先様、株主様、地域社会、国家と全てのステークホルダーへの社会的責任を果たすべくこれからも邁進して参ります。② 気候変動リスクへの対応 当社グループは「OSAKAゼロカーボン・スマートシティ・ファウンデーション」の活動に参加しており、同会の設立目的である『「持続可能な開発目標(SDGs)」に関する一層野心的で先進的な取組みを大阪から具体化し、これを全国へと波及させることによって、わが国が目指す2050年の脱炭素化社会実現における先導的な役割を果たしていく』に賛同しており、今後活動領域を広げて参ります。中でも、当社グループの脱炭素の取組みとして、和歌山県の「企業の森」事業による、森林保全・管理活動に係る協定を締結し、和歌山県日高郡日高川町の2.16ヘクタールの森林を「フジ住宅の森」と名付けて、当社グループのボランティアによる植林並びに育林活動を行っております。この活動は、当社の45周年記念事業として2019年4月に第1回目の植林活動を開始して以来、年1回のペースで活動しており、2025年11月には第7回目の育林活動を行いました。今回の活動では、社員とその家族42名が参加し、日頃の役職員間の業務交流にとどまらず、家族を含めて参加することで社内交流がより深まり、社員とその家族が一丸となって脱炭素社会実現に向けた社会貢献活動を行っております。また、当社の「フジ住宅炭の家/ピュアエア」では、換気に伴う熱エネルギーの喪失を防ぐ「全熱交換システム」を採用し、省エネに配慮した住宅をお客様にご提供しております。今後におきましても、ステークホルダーの皆様との対話や積極的な情報開示を行いながら、社会と企業の持続的成長を目指して参ります。③ 収益基盤の維持・強化 好不調の激しい不動産業界においては、長期的な安定経営を行うことが重要と考えております。日本銀行による政策金利の引上げ、土地価格の高止まり、建築費の高騰等、不動産業界を取り巻く環境は以前にも増して厳しくなっております。当社グループでは、分譲住宅事業、住宅流通事業、土地有効活用事業、賃貸及び管理事業、建設関連事業と不動産事業の中での多角化を図ることで、経営の安定化を目指しております。中でも、賃貸アパート及びサービス付き高齢者向け住宅の一括借上並びに中古住宅アセット、サービス付き高齢者向け住宅の自社保有等のストック型ビジネスの強化を通じて安定した収益基盤の維持・強化を図って参ります。④ DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進 DX(デジタルトランスフォーメーション)戦略として、次世代基幹情報システム構築プロジェクトを推進するとともに、生成AIの積極的な活用を進めております。次世代基幹情報システム構築プロジェクトでは、売上拡大やコスト最小化に繋がる業務改善、経営判断に必要な情報をタイムリーに提供できる仕組みの構築、並びに将来のシステム人財の不足に備えた安定的な開発・運用・保守体制の実現を目指しております。また、生成AIの活用により、業務効率化や付加価値創出を図り、生産性向上とサービス品質の向上に取り組んで参ります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、賃上げの継続及びインバウンド需要の拡大を背景に、緩やかな回復基調を維持いたしました。物価面ではエネルギー価格の動向や円安の影響もあり、サービス価格を含めた広範な価格上昇が定着し、企業の価格転嫁も進展するなどインフレ環境への移行が一段と進みました。金融政策においては、日本銀行による政策正常化の流れが継続し、金利には上昇圧力が見られたものの、その水準は依然として低位にとどまっております。一方で、海外においては、欧米の金融引き締めの長期化や中国経済の減速に加え、地政学的リスクの高まりなどにより、先行き不透明な状況が続いております。 不動産業界においては、地価は引き続き上昇基調を維持し、建築資材価格や人件費の上昇による建築コストの高止まりが継続しており、新築住宅価格は引き続き高水準で推移いたしました。また、金利上昇の影響が懸念される局面も見られましたが、雇用・所得環境の改善を背景に実需は堅調に推移し、新築物件価格の高止まりを背景に中古流通市場は活況を呈し、賃貸住宅を中心とした投資用不動産市場も安定的に推移いたしました。 このような環境下において、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高については、安定的な収益基盤である賃貸及び管理事業に加え、大型分譲マンションの竣工引渡しがあった分譲住宅事業及び住宅流通事業が伸長したことで全体を牽引し、主要な4つの事業全て増収となりました。利益面においては、賃貸及び管理事業等において増収に伴って限界利益が上昇し、人件費を中心とした販売費及び一般管理費の増加や政策金利引き上げに伴う金融コストを一定程度吸収することができました。その結果、売上高・各段階利益ともに期初予想を上回り、前連結会計年度実績に対しても当期純利益は微減となりましたが、売上高・売上総利益・営業利益・経常利益ともに上回る結果となりました。 このような状況のもと、当社グループは住宅・不動産に関するあらゆる住まいのワンストップサービス企業として、不動産事業の中での多角化によるバランス経営を図り、より収益性が高く効率性の高い賃貸及び管理事業の比率を高め、長期的な安定経営・つぶれない会社づくりを重点に事業を展開して参りました。 当社グループの対処すべき課題に対する当連結会計年度の主な取組みは、次のとおりであります。・優秀な人財の採用と育成、並びに働きやすい環境の整備について 積極的なテレワークの活用による柔軟な働き方の推進やスニーカー通勤の奨励、昇降式スタンディングデスクの導入、毎日午後3時をストレッチの時間として設定する等、健康保持増進に向けた様々な取組みを実施して参りました。また、健康診断では法定外検査項目の大腸がん、乳がんエコー、腫瘍マーカー、胃がんの原因にもなりうるピロリ菌検査、NT-proBNP検査に加え、2022年4月よりすい臓がん、胆管がん、胆のうがんを調べるCA19-9も導入しており、パート社員を含め全役職員が100%受診することを目標に設定し、過去10年以上受診率100%を達成しております。また、当連結会計年度においては、経済産業省が日本健康会議と共同で認定を行う「健康経営優良法人2026 大規模法人部門(ホワイト500)」において9回目の認定を受けるほか、スポーツ庁が社員の健康増進のためにスポーツの実施に向けた積極的な取組みを実施している企業を認定する「スポーツエールカンパニー2026」にも7年連続で選ばれる等、当社の取組みは公的にも高い評価を受けており、健康で働きやすい職場の整備や、優秀な人財の確保に繋がっております。・気候変動リスクへの対応について 脱炭素社会の実現に向けて、オフィスの最大需要電力を監視し電力コントロールを行うデマンド監視装置の設置、請求書受領システム、電子契約サービス、住宅仕様確定クラウドサービスや電子給与明細等の導入によるペーパレス化を図るとともに、顧客のニーズに応えながら環境保全に配慮し、持続可能な未来を目指す取組みを実現しております。また、全営業車にハイブリッド車を導入しているほか、和歌山県日高郡日高川町の「フジ住宅の森」では当社グループのボランティアによる植林並びに育林活動により二酸化炭素の削減に貢献しております。更に、当社の新築戸建住宅につきましては、換気に伴う熱エネルギーの喪失を防ぐ「全熱交換システム」を採用する等、省エネに配慮した住宅となっております。断熱材はその製造過程においてエネルギーの発生が少なく、天然系素材であり、リサイクル材を主原料とする「セルローズファイバー」を採用する等、省エネ住宅の供給に努めており、環境保全・地域社会への影響に責任を持った事業活動を行っております。・収益基盤の維持・強化について ストック型ビジネスの一環として、収益性・競争優位性が高い中古住宅アセット事業を強化することにより、再販による売却益だけではなく、賃料収入による安定した収益基盤を確立しております。中古住宅アセット事業は、賃貸入居者付きの区分所有の中古マンション(オーナーチェンジ物件)を取得し、入居者様が退去するまでの賃料で収益を上げ、退去後にリノベーションを施し再販を行う事業です。最近では、オーナーチェンジ物件を収益物件として再賃貸、投資用物件として居付き販売を行う等、出口戦略も多様化しており、当社グループの賃貸管理部門を活用することで物件の属性に応じた柔軟な運用が可能となっております。2020年3月期以降は減少傾向にあった物件保有戸数は、積極的な仕入の推進により増加し、適正かつ安定的な在庫水準を維持しております。中古住宅アセット事業は、安定収益源となる賃貸及び管理事業の拡大に繋がりますので、今後も物件保有戸数を維持することで収益基盤の維持・強化に努めて参ります。・DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進について 全社的な業務効率化のため次世代基幹情報システム構築プロジェクトを推進するとともに、更なる全社的な業務効率化及び付加価値創出を目指して生成AIを積極的に活用しております。具体的な生成AIの活用として、IR情報の英文同時開示への対応、議事録作成、過去データを活用した業績分析、お客様からの問い合わせ対応のレベル均一化、お客様への提案資料の作成等に活用しております。今後も適切なガバナンス及び情報セキュリティ体制のもと、生成AIの活用領域を段階的に拡大して参ります。 近年深刻化するサイバー攻撃への対応として、社内外通信の監視、不正アクセス防止、メールを起点とする攻撃対策、端末管理等の多層防御体制を構築するとともに、外部専門機関と連携した監視・対応体制を整備しております。2024年10月よりMS&ADインターリスク総研株式会社が提供する「サイバーインシデントガード」を導入し、サイバーリスク対策の定期的な見直しを実施するとともに、有事の際の支援体制を整備しております。今後も標的型サイバー攻撃を想定した訓練や役職員への教育・啓発を継続的に実施し、サイバーセキュリティ強化に取り組んで参ります。 また、対処すべき課題としまして、SDGs及びESGへの取組みがあげられます。 当社は地域密着型経営を標榜しており、特に「社会」との関わりにおける社会貢献活動や従業員の健康や働きやすさに配慮した諸施策等については前段のとおりであり、更に、2025年6月に株式会社紀陽銀行より、10億円の「紀陽ポジティブ・インパクト・ファイナンス(PIF)」融資を受けました。本融資は、事業活動により環境・社会・経済に影響を及ぼすポジティブ・インパクトの拡大及びネガティブ・インパクトの抑制を通じて、サステナビリティ経営の高度化に繋げていくものです。ポジティブ・インパクトを拡大するテーマとしては、「顧客満足度も環境性能も高い住居(ZEH-M:環境配慮型マンション)の提供強化」「サービス付き高齢者向け住宅の供給促進」「働きやすい職場環境の整備など、人的資本戦略の推進」、ネガティブ・インパクトを抑制するテーマとしては、「環境対応(ガソリン使用量の抑制・OSAKAゼロカーボン・スマートシティ・ファウンデーションへの参加)の推進」を特定しております。ポジティブ・インパクト・ファイナンスを活用した資金調達は当社では初めての取組みであり、本融資の活用により、さらなる企業価値の向上と持続可能な社会の実現に向けた取組みを一層発展させて参ります。その他ESGに関する当社の取組みの概要につきましては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な会社の経営戦略」に記載しております。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(分譲住宅セグメント) 当連結会計年度の自由設計住宅の引渡戸数が515戸(前期は486戸)と前連結会計年度に比べ増加となり、分譲マンションにおいても引渡戸数が新規竣工物件3棟分を含め334戸(前期は284戸)と前連結会計年度に比べ大幅な増加となった結果、当セグメントの売上高は36,737百万円(前期比5.8%増)となりましたが、売上総利益率が低下したこと及び前連結会計年度に収益性の高い素地販売があったことにより、セグメント利益は1,595百万円(前期比29.1%減)となりました。(住宅流通セグメント) 当連結会計年度の中古住宅の引渡戸数は1,272戸(前期は1,081戸)と前連結会計年度に比べ大幅に増加した結果、当セグメントの売上高は35,122百万円(前期比31.7%増)となり、セグメント利益は1,236百万円(前期比41.0%増)となりました。(土地有効活用セグメント) 当連結会計年度の個人投資家向け一棟売賃貸アパートの引渡棟数が129棟(前期は135棟)と微減となった一方で、賃貸住宅等建築請負及びサービス付き高齢者向け住宅の引渡件数は65件(前期は51件)と増加することとなり、建築請負工事が順調に進行した結果、当セグメントの売上高は32,042百万円(前期比0.1%増)となり、セグメント利益は3,101百万円(前期比12.2%増)となりました。 (賃貸及び管理セグメント) 主として土地有効活用事業にリンクした賃貸物件の引渡しに伴い管理物件の取扱い件数が増加したこと及び前連結会計年度において自社保有のサービス付き高齢者向け住宅が増加したことにより、当セグメントの売上高は33,864百万円(前期比9.3%増)となり、セグメント利益は4,452百万円(前期比13.4%増)となりました。(建設関連セグメント) 当連結会計年度の売上高は前連結会計年度並みとなりました。その結果、当セグメントの売上高は2,527百万円(前期比2.8%減)となり、セグメント利益は10百万円(前期比89.0%減)となりました。(その他セグメント) 保険代理店事業に係る収益を計上しており、当連結会計年度における当セグメントの売上高は221百万円(前期比24.3%増)となり、セグメント利益は163百万円(前期比23.1%増)となりました。 以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高138,332百万円(前期比11.6%増)を計上し、営業利益8,294百万円(前期比5.1%増)、経常利益6,995百万円(前期比0.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,757百万円(前期比0.1%減)となりました。② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ384百万円の減少となり、当連結会計年度末には21,178百万円(前期比1.8%減)となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動により得られた資金は8,912百万円(前期比225.4%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上額6,933百万円(前期比0.8%減)並びに棚卸資産の減少額2,101百万円(前期は2,114百万円の獲得)、仕入債務の増加額782百万円(前期は2,426百万円の使用)及び法人税等の支払額2,438百万円(前期比8.9%増)等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動により使用した資金は13,509百万円(前期比17.1%減)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出1,510百万円(前期比24.5%減)、定期預金の払戻による収入500百万円(前期比75.0%減)、有形固定資産の取得による支出12,301百万円(前期比23.7%減)及び無形固定資産の取得による支出156百万円(前期比5.4%増)等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動により得られた資金は4,213百万円(前期比62.9%減)となりました。これは主に、長短借入金の純増加額6,157百万円(前期比54.7%減)、社債の償還による支出550百万円(前期比21.4%減)及び配当金の支払額1,233百万円(前期比11.8%増)等によるものであります。 ③ 販売及び契約の実績a.販売実績 当連結会計年度及び前連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)数量金額(千円)数量金額(千円)分譲住宅 自由設計住宅等486戸20,818,577515戸21,790,478分譲マンション284戸11,569,251334戸14,069,502土地販売9,336㎡2,330,3445,462㎡877,533 計770戸9,336㎡34,718,174849戸5,462㎡36,737,515住宅流通 中古住宅(一戸建)111戸2,895,518110戸2,763,636中古住宅(マンション)970戸23,757,5191,162戸32,348,581その他-8,241-10,568 計1,081戸26,661,2791,272戸35,122,785土地有効活用 賃貸住宅等建築請負37件4,677,23951件6,765,071サービス付き高齢者向け住宅14件4,026,98814件4,113,653個人投資家向け一棟売賃貸アパート135棟21,416,408129棟20,090,403 計51件135棟30,120,63665件129棟30,969,127賃貸及び管理 賃貸料収入―――22,459,845―――24,649,507サービス付き高齢者向け住宅事業収入―――7,443,738―――8,087,872管理手数料収入―――1,085,425―――1,126,763 計―――30,989,009―――33,864,143建設関連113件1,259,32775件1,416,713報告セグメント計―――123,748,425―――138,110,285その他―――178,587―――221,903合計1,851戸9,336㎡164件135棟123,927,0132,121戸5,462㎡140件129棟138,332,189 (注)1.最近2連結会計年度に、販売実績が総販売実績の100分の10以上の相手先はありません。2.住宅流通セグメントの「その他」は、仲介手数料収入等であります。 b.受注契約実績 当連結会計年度及び前連結会計年度におけるセグメントごとの受注契約実績は、次のとおりであります。セグメントの名称前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)期中契約高期末契約残高期中契約高期末契約残高数量金額(千円)数量金額(千円)数量金額(千円)数量金額(千円)分譲住宅 自由設計住宅等538戸22,992,963355戸15,062,089593戸25,309,115433戸18,580,726分譲マンション291戸12,047,089282戸11,858,863275戸12,473,694223戸10,263,055土地販売9,009㎡2,382,9541,676㎡288,7395,627㎡911,0841,841㎡322,290 計829戸9,009㎡37,423,008637戸1,676㎡27,209,692868戸5,627㎡38,693,894656戸1,841㎡29,166,071住宅流通 中古住宅(一戸建)117戸3,021,60414戸313,806132戸3,368,36036戸918,530中古住宅(マンション)997戸24,305,973132戸3,203,4781,194戸34,014,911164戸4,869,808その他―8,241―-―10,568―- 計1,114戸27,335,818146戸3,517,2841,326戸37,393,840200戸5,788,339土地有効活用 賃貸住宅等建築請負54件6,031,410―8,771,39463件8,316,602―10,322,925サービス付き高齢者向け住宅14件3,885,654―5,285,29611件4,042,175―5,213,818個人投資家向け一棟売賃貸アパート135棟20,978,40895棟14,323,000140棟22,302,403106棟16,535,000 計68件135棟30,895,47395棟28,379,69174件140棟34,661,180106棟32,071,744建設関連110件1,683,690―1,031,52382件1,198,116―812,983合計1,943戸9,009㎡178件135棟97,337,990783戸1,676㎡95棟60,138,1922,194戸5,627㎡156件140棟111,947,031856戸1,841㎡106棟67,839,138 (注) 期中契約高に記載された金額は、期中契約高と期中解約高を純額表示しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、現行の見積りを必要とする会計処理については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりの方法によっており、会計基準等の新設・更新や連結財務諸表に重要な影響を及ぼす事象が発生した場合は、基本的には会計処理基準に準拠する方法によることとしており、新たに見積りを必要とする場合は、蓋然性の高い見積り方法による方針としております。また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 (棚卸資産) 当社グループの棚卸資産の評価については、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により評価損を計上しております。今後、市場状況の悪化による処分価額の低下が生じた場合、棚卸資産の評価損を計上する可能性があります。(貸倒引当金) 当社グループは、営業未収入金等の回収事故に対処するため、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。将来、顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加の引当金が必要となる可能性があります。(有価証券の減損) 当社グループのその他有価証券については、期末日における時価が取得価額の50%以上下落した場合、または、2年間にわたり連続して取得価額の30%以上下落した場合に、減損処理を行うこととしております。 将来、投資先の株価の著しい下落があった場合には、投資有価証券の評価損を計上する可能性があります。(繰延税金資産) 当社グループの繰延税金資産については、中長期の損益見込みに基づいて将来の課税所得を検討し、回収可能性を考慮して計上しております。当連結会計年度末において計上されている繰延税金資産は十分回収できると判断しておりますが、予測し得なかった損失の発生が見込まれた場合、当該繰延税金資産が法人税等調整額として費用化される可能性があります。② 財政状態の状況、分析及び検討 当社グループは、適切な流動性の維持、事業活動のための資金確保及び健全なバランスシートの維持を財務方針としております。 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ9,830百万円増加して193,040百万円(前期比5.4%増)となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ6,757百万円増加して125,865百万円(前期比5.7%増)となり、固定資産は、前連結会計年度末に比べ3,072百万円増加して67,174百万円(前期比4.8%増)となりました。 流動資産増加の主な要因は、現金及び預金の増加額125百万円(前期比0.6%増)及び棚卸資産の増加額6,597百万円(前期比7.0%増)等を反映したものであります。 固定資産のうち有形固定資産は、前連結会計年度末に比べ2,114百万円増加して60,445百万円(前期比3.6%増)となりました。この増加の主な要因は、中古住宅アセット事業に係る土地・建物の取得、自社保有サービス付き高齢者向け住宅に係る土地・建物の取得、本社設備並びに分譲住宅事業及び住宅流通事業に係る販売センター設備等の取得による増加額12,385百万円等の増加要因並びに所有目的の変更及び減価償却実施による減少額10,194百万円等の減少要因を反映したものであります。無形固定資産は、前連結会計年度末に比べ35百万円減少の546百万円(前期比6.1%減)となりました。また、投資その他の資産は、前連結会計年度末に比べ993百万円増加の6,182百万円(前期比19.2%増)となりました。 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ6,192百万円増加して134,727百万円(前期比4.8%増)となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べ3,772百万円増加して58,961百万円(前期比6.8%増)となり、固定負債は、前連結会計年度末に比べ2,419百万円増加して75,765百万円(前期比3.3%増)となりました。 流動負債増加の主な要因は、支払手形・工事未払金の増加額138百万円(前期比3.2%増)並びに短期借入金の増加額3,487百万円(前期比9.9%増)及び契約負債の増加額48百万円(前期比1.9%増)等を反映したものであります。 固定負債増加の主な要因は、長期借入金の増加額2,669百万円(前期比3.7%増)並びに社債の減少額350百万円(前期比51.9%減)及びその他固定負債の増加額89百万円(前期比50.9%増)を反映したものであります。 当連結会計年度末の純資産の合計は、前連結会計年度末に比べ3,637百万円増加して58,312百万円(前期比6.7%増)となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益4,757百万円の計上及び自己株式の処分による増加額549百万円による資金増加要因並びに配当金の支払額1,233百万円及び自己株式の取得による減少額776百万円の資金減少要因等を反映したものであります。 以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の29.84%から30.21%となりました。また、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の1,518.50円から1,629.03円となりました。 当連結会計年度末の財政状況は、需要が極めて旺盛で、販売が大幅に増加している住宅流通セグメントにおける買取再販事業において積極的に仕入れを実施したことや、中古住宅アセット事業においても引き続き居付き販売が好調であり、仕入れ活動が活発であったこと、また、大阪市内中心部の物件仕入れに注力したことで仕入れ単価が上昇したこと等により、棚卸資産・有形固定資産ともに増加し、フリー・キャッシュ・フローが減少、有利子負債の増加に伴って財務活動によるキャッシュ・フローは増加しました。しかしながら、現金及び現金同等物の期末残高は適切な水準を維持できており、純資産も順調に積み上がりましたので、自己資本比率は30.21%と前連結会計年度末の29.84%を上回りました。純資産に対するネット有利子負債の水準は前連結会計年度末と比較して若干下降しており、適切にレバレッジコントロールが機能しているものと認識しております。引き続き、健全な財務基盤の維持に努めて参ります。 ③ 経営成績の分析・検討 当連結会計年度の連結損益計算書に重要な影響を与えた要因につき、以下にご説明します。a.売上高 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ14,405百万円増加して、138,332百万円(前期比11.6%増)を計上することとなり、期初公表予想を9.8%上回る結果となりました。分譲住宅セグメントにおいては、自由設計住宅及び分譲マンションの引渡戸数が前期に比べ増加し増収となったため、当セグメントの売上高は、前連結会計年度に比べ5.8%増加の36,737百万円となりました。住宅流通セグメントにおいては、中古住宅に対する需要は根強く、販売は総じて好調に推移しており、売上高は前連結会計年度に比べ31.7%増加し35,122百万円となりました。土地有効活用セグメントにおいては、当連結会計年度の個人投資家向け一棟売賃貸アパートの引渡棟数が129棟(前期は135棟)と前連結会計年度に比べて微減となった一方で、賃貸住宅等建築請負及びサービス付き高齢者向け住宅の引渡件数は65件(前期は51件)と増加しました。その結果、売上高は前連結会計年度に比べ0.1%増加して32,042百万円となりました。賃貸及び管理セグメントにおいては、主として土地有効活用事業にリンクした賃貸物件の引渡しに伴い管理物件の取扱い件数が増加したこと並びに前連結会計年度に自社保有のサービス付き高齢者向け住宅が増加したことにより、売上高は、前連結会計年度に比べ9.3%増加し33,864百万円となりました。建設関連セグメントにおいては、当連結会計年度における建設工事が工程どおり順調に進捗しましたが、売上高は前連結会計年度に比べ2.8%減少し2,527百万円となりました。b.営業利益 当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ400百万円増加して、8,294百万円(前期比5.1%増)となりました。主な要因としては、分譲住宅セグメントに係る営業利益が前連結会計年度に比べ29.1%減少の1,595百万円となったこと並びに住宅流通セグメントに係る営業利益が前連結会計年度に比べ41.0%増加の1,236百万円となったこと、土地有効活用セグメントに係る営業利益が前連結会計年度に比べ12.2%増加の3,101百万円となったこと及び賃貸及び管理セグメントに係る営業利益が前連結会計年度に比べ13.4%増加の4,452百万円となったこと等によるものであります。c.経常利益 当連結会計年度の営業外損益は、営業外収益が前連結会計年度に比べ11.2%増加し428百万円となり、営業外費用が主として分譲住宅セグメント、土地有効活用セグメントの開発用土地購入並びに住宅流通セグメントの中古住宅取得及びアセット物件取得に付随する借入金に係る費用の増加により、前連結会計年度に比べ33.7%増加し1,727百万円となりました。 以上の結果、営業利益に営業外収益・費用を加減算した経常利益は6,995百万円(前期比0.1%増)となり、売上高経常利益率は5.1%(前期は5.6%)となりました。d.親会社株主に帰属する当期純利益 当連結会計年度の特別利益は微減となり、特別損失は減損損失の計上等により62百万円(前期は1百万円)となりました。また、税金費用は、前連結会計年度に比べ2.1%減少し2,175百万円となりました。 以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ0.1%減益となり4,757百万円を計上しました。(3)資本の財源及び資金の流動性① キャッシュ・フローの状況の分析 キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの資金需要のうち主なものは、不動産(棚卸資産、固定資産)の取得・開発をはじめとする事業への投資資金等であり、金融機関からの短期借入金、長期借入金を基本としております。その中で、中古住宅等の取得資金の効率的な調達を行うため、取引銀行と当座貸越契約及びコミットメントライン契約並びにコミット型タームローン契約を締結しております。当連結会計年度において、中古住宅仕入資金のためのコミットメントライン型シンジケートローン契約2件(契約締結額合計10,000百万円、期末借入額合計3,500百万円)を金融機関と締結いたしました。また、社会課題の解決と企業価値向上の両立を目的としたポジティブ・インパクト・ファイナンス及びサステナブルオーダーローンを計2件(実行額合計2,000百万円)実行いたしました。現金及び預金は21,703百万円(前連結会計年度は21,578百万円)となりました。(4)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況 当社グループは、株主重視の経営という観点から、企業価値の向上と継続的・安定的な成長を図るため、企業の経営効率を判断する指標である自己資本当期純利益率(ROE)を重要な経営指標として位置付けており、ROE10%以上の達成を目指しております。また、財政状態の安全性及び健全性の確保のため、自己資本比率25%以上を目標としております。 当連結会計年度は、ROEにつきましては8.42%で未達成となりましたが、自己資本比率は30.21%で目標を達成しました。 過去5年間におけるROE及び自己資本比率の推移は、以下のとおりであります。 経営指標2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期ROE9.02%8.35%9.30%9.02%8.42%自己資本比率28.89%30.45%30.32%29.84%30.21% 中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)の初年度である当連結会計年度のROEを含めた各経営指標の達成・進捗状況は以下のとおりであります。 経 営 指 標2026年3月期(中期経営計画)2026年3月期(実 績)2026年3月期(計画比)売上高126,000百万円138,332百万円12,332百万円( 9.8%増)経常利益5,700百万円6,995百万円1,295百万円(22.7%増)親会社株主に帰属する当期純利益3,700百万円4,757百万円1,057百万円(28.6%増)ROE(自己資本当期純利益率)6.60%以上8.42%1.82ポイント増