8802

三菱地所(8802)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

不動産業 不動産

事業の概要

三菱地所グループは、オフィスビルや商業施設、物流施設、ホテル、空港などの開発・賃貸・運営を行う「コマーシャル不動産事業」と、東京・丸の内エリアに特化したビル開発・賃貸を行う「丸の内事業」を主軸としています。その他、マンションや戸建住宅の販売・管理を行う「住宅事業」、海外での不動産開発・賃貸、投資運用、設計監理・不動産サービスなど多岐にわたる事業を展開し、不動産に関する幅広いサービスを提供することで収益を上げています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

三菱地所グループの事業セグメントは多岐にわたります。「コマーシャル不動産事業」はオフィスビル、商業施設、物流施設、ホテル、空港などの開発・賃貸・運営を行い、最も大きな売上と営業利益を上げています。「丸の内事業」は、大手町・丸の内・有楽町地区に特化したビル開発・賃貸・運営で、こちらも高い収益性を示しています。「住宅事業」はマンション・戸建住宅の販売や管理が中心です。「海外事業」は世界各地での不動産開発・賃貸を展開し、成長分野となっています。「投資マネジメント事業」は不動産投資運用、「設計監理・不動産サービス事業」は設計監理や不動産関連サービスを提供しています。コマーシャル不動産事業と丸の内事業が収益の大きな柱となっています。

2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
CommercialPropertyBusiness 地域 5,312 1,247 23.5%
MarunouchiPropertyBusiness 地域 3,645 962 26.4%
ResidentialBusiness 地域 4,185 480 11.5%
InternationalBusiness 地域 1,607 458 28.5%
InvestmentManagement 事業 379 120 31.5%
ArchitecturalDesignAndEngineeringAndRealEstateServicesBusiness 地域 662 107 16.2%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,659 文字
3【事業の内容】連結財務諸表提出会社(以下当社という)及び当社関係会社(あわせて以下当社グループという)においては、ビルや商業施設などの開発・賃貸を中心とするコマーシャル不動産事業、大手町・丸の内・有楽町地区におけるビルなどの開発・賃貸を中心とする丸の内事業、マンション・戸建住宅の販売を中心とする住宅事業、海外事業、投資マネジメント事業、設計監理・不動産サービス事業等幅広い事業分野で事業活動を行っております。各事業分野につきまして、当社グループの営む主な事業内容、当該事業における位置付け及びセグメントとの関係は次のとおりであります。なお、当連結会計年度より当社の組織を一部改正したことに伴い、セグメント区分についても変更いたしました。概要については、「第5 経理の状況(セグメント情報等)」をご覧ください。 (1) コマーシャル不動産事業当社グループはオフィスビルを中心に、商業施設・物流施設・ホテル・空港などのあらゆるアセットタイプの開発・賃貸・運営・管理などを行っております。(ビル事業)① ビル開発・賃貸事業・当社は、東京都内及び全国の主要都市において、オフィスを主とする当社の単独又は共同事業としてビルを開発・建設し、直接賃貸するほか、他のビル所有者からビルを賃借し、これを転貸しております。・また当社は、竣工・稼働開始後に投資商品として不動産投資市場で売却することを基本的戦略とする収益用不動産の開発を行っております。・連結子会社である㈱サンシャインシティ及び㈱横浜スカイビルは、所有するビルを賃貸しております。・連結子会社である豊洲三丁目開発特定目的会社は、収益用不動産の保有・賃貸を行っております。② 駐車場事業・連結子会社である東京ガレーヂ㈱は、駐車場事業を直営にて行うとともに、当社他より運営・管理業務を受託しております。③ 地域冷暖房事業・連結子会社である池袋地域冷暖房㈱及び持分法適用関連会社であるオー・エー・ピー熱供給㈱、みなとみらい二十一熱供給㈱は、各供給区域において地域冷暖房事業を行っております。(商業施設事業)・当社は、日本全国で、単独商業施設・都心複合施設・アウトレット等の商業施設の開発・賃貸・運営・管理などを行っております。・連結子会社である三菱地所・サイモン㈱は、「御殿場プレミアム・アウトレット」他の商業施設を所有し、これを賃貸しております。(物流施設事業)・当社は、日本全国で物流施設の開発・賃貸・運営などを行っております。・連結子会社である㈱東京流通センターは、物流施設・オフィスビル等の賃貸・運営・管理を行っております。・連結子会社である座間デベロップメント特定目的会社及び名古屋みなとデベロップメント特定目的会社は、物流施設の開発等に係る業務を行っております。(ホテル事業)・当社は、日本全国で、国内外のホテルオペレーターと連携し、宿泊主体型ホテルやリゾートホテルの開発・賃貸・管理などを行っております。・連結子会社である三菱地所ホテルズ&リゾーツ㈱は、「ロイヤルパークホテル」(仙台・東京日本橋・横浜)、「ザ ロイヤルパークホテル アイコニック 東京汐留」をはじめ全国各地でホテル経営を行っております。また、コンサルティングを含めた新規ホテル開発を行うだけでなく、「ザ ロイヤルパーク キャンバス 銀座8」では外部経営会社とのマネジメントコントラクト方式によるホテル運営を行っております。(空港事業)・当社グループは、日本各地で、「高松空港」他民営化された空港施設の開発・賃貸・運営・管理などを行っております。ビル事業、商業施設事業、物流施設事業、ホテル事業、空港事業はコマーシャル不動産事業セグメントに区分しております。 (2) 丸の内事業当社グループは大手町・丸の内・有楽町地区でのオフィスビルを中心とした開発・賃貸・運営・管理などを行っております。① ビル開発・賃貸事業・当社は大手町・丸の内・有楽町地区において、オフィスを主とする当社の単独又は共同事業としてビルを開発・建設し、直接賃貸するほか、他のビル所有者からビルを賃借し、これを転貸しております。・連結子会社である㈱東京交通会館及び匿名組合大手町第三インベストメントは、所有するビルを賃貸しております。・連結子会社であるメック都市開発9号特定目的会社他1社及び持分法適用関連会社である匿名組合大手町開発他1社は、収益用不動産他の開発・保有・賃貸等を行っております。・連結子会社である日本リージャス㈱は、レンタルオフィス、コワーキングスペース等の運営業務を行っております。② ビル運営・管理事業・連結子会社である三菱地所プロパティマネジメント㈱は、当社ビル他の運営・管理業務を受託しております。また、「建設業法」に基づく許可を取得し、当社ビル他の賃借人より室内造作工事等の請負を行っております。③ 地域冷暖房事業・連結子会社である丸の内熱供給㈱は、供給区域において地域冷暖房事業を行っております。④ その他事業・連結子会社である丸の内ダイレクトアクセス㈱は、丸の内エリアに光ファイバー網を敷設し、通信事業者等に賃貸しております。丸の内事業は丸の内事業セグメントに区分しております。(3) 住宅事業当社グループはマンション・戸建住宅等の建設・販売・賃貸等を行うほか、マンション・住宅の管理、注文住宅の設計・請負、不動産仲介、ニュータウンの開発、ゴルフ場の経営等の余暇事業を行っております。① 不動産販売事業・連結子会社である三菱地所レジデンス㈱は国内外におけるマンション・戸建住宅等の建設・販売等を行っております。・連結子会社であるアーバンライフ㈱は、関西圏におけるマンションのリノベーション・販売等を行っております。② 住宅管理事業・連結子会社である三菱地所コミュニティホールディングス㈱は、連結子会社である三菱地所コミュニティ㈱の経営管理を行っております。・連結子会社である㈱泉パークタウンサービス、三菱地所コミュニティ㈱は、三菱地所レジデンス㈱他の供給したマンション・住宅等の不動産管理等を行っております。③ 開発事業・当社は、泉パークタウン等のニュータウンの開発事業を行っております。④ 不動産仲介事業・連結子会社である三菱地所ハウスネット㈱は、不動産仲介事業等を行っております。⑤ 注文住宅事業・連結子会社である三菱地所ホーム㈱は、「建設業法」に基づく許可を取得し、注文住宅の受注並びに三菱地所レジデンス㈱他より戸建住宅等を請負建築しております。・連結子会社である三菱地所ウッドビルド㈱は、建築資材を製造・加工し、三菱地所ホーム㈱他に供給しております。 ⑥ 余暇事業・当社は、宮城県においてゴルフ場を経営しております。・連結子会社である東富士グリーン㈱は、静岡県においてゴルフ場を経営しております。・持分法適用関連会社である佐倉ゴルフ開発㈱は、千葉県においてゴルフ場を経営しております。⑦ その他事業・当社、連結子会社である三菱地所レジデンス㈱は、賃貸マンションの建設・賃貸・売却事業等を行っております。・連結子会社である㈱メックecoライフは、住宅事業におけるエコ推進、先進的R&Dへの取り組み、また、住宅設備機器の共通化を中心としたコストマネジメントの推進を行っております。・連結子会社である㈱菱栄ライフサービスは、当社より建物を賃借し、高齢者向け住宅「ロイヤルライフ奥沢」を経営しております。・連結子会社である㈱メック・デザイン・インターナショナルは、住宅に関するカラースキーム・モデルルームデザイン、設計変更、インテリア用品の販売等を行っております。住宅事業は住宅事業セグメントに区分しております。(4) 海外事業当社グループは海外において、主に不動産開発事業、不動産賃貸事業を行っております。・MEC Group International Inc.をはじめとする連結子会社242社並びに持分法適用関連会社92社は、世界各地で不動産事業を展開しております。・全米各地においてはMEC Group International Inc.を、イギリス・ロンドン、フランス・パリ、スペイン・バルセロナ及びスウェーデン・ストックホルム等においてはMitsubishi Estate London Limitedを通じて、オフィスビル等の不動産開発事業、賃貸事業を行っております。・シンガポール、インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、マレーシア、オーストラリア及びインドにおいてはMitsubishi Estate Asia Pte.Ltd.他を通じて、オフィス、住宅、アウトレットモール等の不動産開発事業を展開しております。・中国大陸各都市においてはオフィス、住宅、商業施設の開発事業に参画しております。また、台湾においてはオフィス、商業、ホテル等から成る複合施設の持分を保有しているほか、オフィス、住宅の開発事業に参画しております。海外事業は海外事業セグメントに区分しております。(5) 投資マネジメント事業当社グループは不動産投資に関する総合的サービスの提供を行っております。・連結子会社である三菱地所投資顧問㈱は、三菱地所物流リート投資法人(東京証券取引所不動産投資信託証券市場上場)及び主に機関投資家等を対象とする日本オープンエンド不動産投資法人の資産運用を行っております。また、上記以外にも特定の不動産運用ニーズに対応する私募ファンドの組成・運用も行っております。・連結子会社であるジャパンリアルエステイトアセットマネジメント㈱は、ジャパンリアルエステイト投資法人(東京証券取引所不動産投資信託証券市場上場)の資産運用を行っております。・TA Realty LLCをはじめとする在外連結子会社67社並びに持分法適用関連会社18社は、米国等において不動産ファンドの運用業務を展開しております。投資マネジメント事業は投資マネジメント事業セグメントに区分しております。(6) 設計監理・不動産サービス事業(設計監理事業)当社グループは建築・土木工事の設計監理、建築工事・内装工事等の請負等を行っております。・連結子会社である㈱三菱地所設計は、建築・土木工事の設計監理の他、建築・土木全般に亙る各種コンサルティング業務を行っております。・連結子会社である㈱メック・デザイン・インターナショナルは、インテリア関連工事の設計監理の他、内装工事請負を行っております。 (不動産サービス事業)当社グループは不動産仲介事業、駐車場事業等を行っております。・連結子会社である三菱地所リアルエステートサービス㈱は、不動産仲介事業等を行っております。・連結子会社である三菱地所パークス㈱は、駐車場運営事業等を行っております。設計監理事業及び不動産サービス事業は設計監理・不動産サービス事業セグメントに区分しております。(7) その他の事業・連結子会社である三菱地所ITソリューションズ㈱は、主として当社グループの利用に供する情報システムの開発、保守管理を行っております。・連結子会社である㈱メック・ヒューマンリソースは、当社グループの給与厚生研修関連業務の受託を行っております。その他の事業はその他の事業セグメントに区分しております。上記事項を事業系統図により示すと次のとおりとなります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
不動産開発事業において増加コストを販売価格や賃料に反映できない場合があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 設備
ビルや商業施設、物流施設、ホテル、空港などの開発・賃貸・運営・管理には大規模な設備投資が必要。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:自然災害、人災等による事業中断リスク / 不動産市況悪化による業績悪化リスク / 資材価格高騰による収益圧迫リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 12 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

三菱地所は、丸の内エリアを中心とした一等地の開発・賃貸事業で長年の実績と高いブランド力を有する。特に「丸の内」ブランドは、都心部におけるビジネス・商業の中心地としての地位を確立しており、テナントや来訪者からの信頼が厚い。これは他社が容易に模倣できない無形資産と言える。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

丸の内エリアのオフィスビルに入居するテナント企業にとって、三菱地所のビルからの移転は、ビジネス上の大きな混乱を伴う可能性がある。移転コスト、顧客や従業員の利便性、ブランドイメージへの影響などを考慮すると、容易なスイッチングは難しい。特に大手企業やブランド力の高い企業ほど、立地へのこだわりが強い傾向がある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

不動産賃貸事業において、直接的なネットワーク効果は限定的である。入居者間の情報交換やコミュニティ形成はあるかもしれないが、それが事業の競争優位に直結するほどの規模ではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

大規模開発や長期的な資産運用により、一定の規模の経済は働く可能性があるが、土地取得コストや建設コストは市場環境に大きく左右されるため、構造的なコスト優位性は限定的である。都心部の一等地の開発は、むしろ高いコストを必要とする。

規模の経済★★★★★
根拠:強い規模が参入障壁になる

三菱地所は、東京駅周辺(丸の内、大手町、有楽町)という日本を代表するビジネス街において、圧倒的な土地保有面積と開発・運営能力を持つ。このエリアにおける寡占的な地位は、他のデベロッパーが追随困難な規模の経済と効率性を生み出している。

三菱地所グループの優位性は、特に東京・丸の内エリアにおける圧倒的な事業基盤とブランド力にあります。長年にわたる大規模な再開発実績と、オフィスビルを中心とした多数の優良物件を保有・運営している点が強みです。これにより、安定した賃料収入を確保し、不動産市況の変動リスクを一部吸収できる可能性があります。また、商業施設、物流施設、ホテル、空港など多様なアセットタイプを手掛けることで、事業ポートフォリオを分散し、特定の市場変動に左右されにくい体制を構築していることも競争優位につながると考えられます。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「まちづくりを通じて社会に貢献する」という基本使命のもと、「人を、想う力。街を、想う力。」というブランドスローガンを掲げ、企業グループとしての成長と、様々なステークホルダーとの共生とを高度にバランスさせながら、「真の企業価値の向上」を目指しています。 (2) 中長期的な経営戦略、目標とする経営指標及び会社の対処すべき課題当不動産業界を取り巻く国内経済環境は、経済活動の正常化が一層進み、雇用・所得環境が改善するなか、緩やかな景気回復が続くことが期待されるものの、物価高の影響による個人消費の動向、金利の動向、海外経済の下振れリスク等、先行きは不透明な状況にあります。オフィス賃貸市場においては、企業の人材確保、リアルなオフィスへの出社回帰の流れも受け回復傾向にありますが、引き続き企業のオフィス戦略やワークスタイルの変化を注視していく必要があります。分譲マンション市場では、立地条件等による需要の二極化や顧客ニーズの多様化が進むなか、資材価格や労務費の上昇等に伴う工事費の高騰や、金利動向が販売に与える影響等も注視していく必要があります。不動産投資市場においては、日銀の金融緩和政策見直しによる金利上昇傾向を警戒する見方はあるものの、グローバルで見た日本の不動産投資の優位性を評価する投資家も見られるなど、総じて過熱した環境が継続すると思われますが、想定以上の金利上昇や地政学的な緊張の急激な高まりといったリスクにも留意しながら、今後の動向について慎重に見極めていく必要があります。商業施設やホテル市場においては、国内需要・インバウンド需要ともに回復してきておりますが、今後の物価高や為替動向等の経済情勢による影響を注視していく必要があります。当社グループといたしましては、2020年代の環境激変をチャンスに変えて持続的な価値を提供する企業グループに変革を続けていくために、2020年1月に、2030年までを見据えた「長期経営計画2030」を策定しました。長期経営計画を通じて、「幅広いお客様により深く価値を届けるための事業機会の最大化」と「上場企業に求められる高効率で市況変化に強いポートフォリオへの変革」を目指し、丸の内を中心とする国内の大型開発パイプラインの着実な推進を図るとともに、海外事業においては、欧米豪を中心とした先進国への注力を進めていきます。あわせて、ノンアセットビジネスの拡大とサービス・コンテンツ領域への進出を通じ、新たな全社における利益成長の柱にするとともに、全社資産効率の改善に向けたドライバーとすることを目指していきます。なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。○各機能グループ及び事業グループとコーポレートの戦略・コマーシャル不動産事業開発中プロジェクトの順次稼働による賃貸利益並びに回転型事業を中心とした販売利益の伸長を実現するとともに、新規タイプアセット並びにオペレーショナルアセットへの取り組みを進めます。・丸の内事業丸の内NEXTステージ戦略に基づいてアセットマネジメントを徹底し、賃貸利益をはじめとする収益力の向上を目指します。また、丸の内エリアのユニークポイントである「唯一無二の利便性と集積」に加え、「エリア全体のプラットフォーム化」による、丸の内“まちまるごとワークプレイス”構想を推進し、丸の内エリアの更なる価値向上を目指してまいります。・住宅事業国内分譲事業を着実に推進する一方で、ストックビジネス領域において多様化するニーズにも対応し、管理・仲介・リフォームなどのフィービジネスにも注力します。・海外事業米国、欧州、アジアエリアにおける開発・バリューアド投資機会の拡充と、新興国におけるパートナーとの事業推進を展開します。・投資マネジメント事業日・米・欧・アジアにプラットフォームを広げ、クロスボーダーな投資ニーズの拡大を背景とした持続的な拡大を図ります。・設計監理事業大規模設計監理業務の継続受注を進めるほか、コンストラクションマネジメント等のコンサルティング業務及びリノベーション業務等の成長分野と海外事業を強化し、あわせて三菱地所グループ技術支援を推進します。・不動産サービス事業幅広いサービスメニューと全国に広がる支店網、三菱地所グループの総合力を活用し、法人仲介・不動産コンサルティングのトップ企業を目指します。 ・営業機能グループ全体の営業窓口として、顧客企業とのリレーション強化並びに顧客ニーズに対応した企業提案や中長期的な開発案件、事業連携等の事業機会創出を図ります。・新事業創出機能全社横断的な新事業創出機能並びにIT施策を担い、ベンチャービジネスへの出資やグループ内における新事業創出により既存業務の拡大や新たな事業領域の探索を進めるほか、デジタル技術を活用した顧客価値を向上させるサービスの提供やデータ利活用の高度化を通じて、ビジネスモデル革新とDX推進を図ります。・コーポレートわが国におけるESGの先進企業としての地位を確立し、ステークホルダーとの共生と長期的な企業価値向上を目指します。 計数目標は次のとおりです。当社グループとしては、丸の内エリアの優位性や各事業領域における当社グループの強み・ノウハウを発揮することで着実な利益の拡大を図ります。 <経営指標/長期経営計画2030ベース(2020年1月公表)> 2024年度実績長計目標(2020年1月公表)2025年度業績予想 ROA(事業利益/総資産)4.0%5.0%4.1%計数目標(参考)事業利益 *13,096億円3,500~4,000億円3,253億円ROE7.6%10.0%8%程度 EPS151.04円200円160.16円(注)*1. 事業利益=営業利益+持分法投資損益
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「まちづくりを通じて社会に貢献する」という基本使命のもと、「人を、想う力。街を、想う力。」というブランドスローガンを掲げ、企業グループとしての成長と、様々なステークホルダーとの共生とを高度にバランスさせながら、「真の企業価値の向上」を目指しています。 (2) 中長期的な経営戦略、目標とする経営指標及び会社の対処すべき課題当不動産業界を取り巻く国内経済環境は、経済活動の正常化が一層進み、雇用・所得環境が改善するなか、緩やかな景気回復が続くことが期待されるものの、物価高の影響による個人消費の動向、金利の動向、海外経済の下振れリスク等、先行きは不透明な状況にあります。オフィス賃貸市場においては、企業の人材確保、リアルなオフィスへの出社回帰の流れも受け回復傾向にありますが、引き続き企業のオフィス戦略やワークスタイルの変化を注視していく必要があります。分譲マンション市場では、立地条件等による需要の二極化や顧客ニーズの多様化が進むなか、資材価格や労務費の上昇等に伴う工事費の高騰や、金利動向が販売に与える影響等も注視していく必要があります。不動産投資市場においては、日銀の金融緩和政策見直しによる金利上昇傾向を警戒する見方はあるものの、グローバルで見た日本の不動産投資の優位性を評価する投資家も見られるなど、総じて過熱した環境が継続すると思われますが、想定以上の金利上昇や地政学的な緊張の急激な高まりといったリスクにも留意しながら、今後の動向について慎重に見極めていく必要があります。商業施設やホテル市場においては、国内需要・インバウンド需要ともに回復してきておりますが、今後の物価高や為替動向等の経済情勢による影響を注視していく必要があります。当社グループといたしましては、2020年代の環境激変をチャンスに変えて持続的な価値を提供する企業グループに変革を続けていくために、2020年1月に、2030年までを見据えた「長期経営計画2030」を策定しました。長期経営計画を通じて、「幅広いお客様により深く価値を届けるための事業機会の最大化」と「上場企業に求められる高効率で市況変化に強いポートフォリオへの変革」を目指し、丸の内を中心とする国内の大型開発パイプラインの着実な推進を図るとともに、海外事業においては、欧米豪を中心とした先進国への注力を進めていきます。あわせて、ノンアセットビジネスの拡大とサービス・コンテンツ領域への進出を通じ、新たな全社における利益成長の柱にするとともに、全社資産効率の改善に向けたドライバーとすることを目指していきます。なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。○各機能グループ及び事業グループとコーポレートの戦略・コマーシャル不動産事業開発中プロジェクトの順次稼働による賃貸利益並びに回転型事業を中心とした販売利益の伸長を実現するとともに、新規タイプアセット並びにオペレーショナルアセットへの取り組みを進めます。・丸の内事業丸の内NEXTステージ戦略に基づいてアセットマネジメントを徹底し、賃貸利益をはじめとする収益力の向上を目指します。また、丸の内エリアのユニークポイントである「唯一無二の利便性と集積」に加え、「エリア全体のプラットフォーム化」による、丸の内“まちまるごとワークプレイス”構想を推進し、丸の内エリアの更なる価値向上を目指してまいります。・住宅事業国内分譲事業を着実に推進する一方で、ストックビジネス領域において多様化するニーズにも対応し、管理・仲介・リフォームなどのフィービジネスにも注力します。・海外事業米国、欧州、アジアエリアにおける開発・バリューアド投資機会の拡充と、新興国におけるパートナーとの事業推進を展開します。・投資マネジメント事業日・米・欧・アジアにプラットフォームを広げ、クロスボーダーな投資ニーズの拡大を背景とした持続的な拡大を図ります。・設計監理事業大規模設計監理業務の継続受注を進めるほか、コンストラクションマネジメント等のコンサルティング業務及びリノベーション業務等の成長分野と海外事業を強化し、あわせて三菱地所グループ技術支援を推進します。・不動産サービス事業幅広いサービスメニューと全国に広がる支店網、三菱地所グループの総合力を活用し、法人仲介・不動産コンサルティングのトップ企業を目指します。 ・営業機能グループ全体の営業窓口として、顧客企業とのリレーション強化並びに顧客ニーズに対応した企業提案や中長期的な開発案件、事業連携等の事業機会創出を図ります。・新事業創出機能全社横断的な新事業創出機能並びにIT施策を担い、ベンチャービジネスへの出資やグループ内における新事業創出により既存業務の拡大や新たな事業領域の探索を進めるほか、デジタル技術を活用した顧客価値を向上させるサービスの提供やデータ利活用の高度化を通じて、ビジネスモデル革新とDX推進を図ります。・コーポレートわが国におけるESGの先進企業としての地位を確立し、ステークホルダーとの共生と長期的な企業価値向上を目指します。 計数目標は次のとおりです。当社グループとしては、丸の内エリアの優位性や各事業領域における当社グループの強み・ノウハウを発揮することで着実な利益の拡大を図ります。 <経営指標/長期経営計画2030ベース(2020年1月公表)> 2024年度実績長計目標(2020年1月公表)2025年度業績予想 ROA(事業利益/総資産)4.0%5.0%4.1%計数目標(参考)事業利益 *13,096億円3,500~4,000億円3,253億円ROE7.6%10.0%8%程度 EPS151.04円200円160.16円(注)*1. 事業利益=営業利益+持分法投資損益
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度の業績は、営業収益が1,579,812百万円で前連結会計年度に比べ75,124百万円の増収(+5.0%)、営業利益は309,232百万円で30,605百万円の増益(+11.0%)、経常利益は262,960百万円で21,802百万円の増益(+9.0%)となりました。特別損益につきましては、前連結会計年度において固定資産売却益10,381百万円、投資有価証券売却益30,280百万円、負ののれん償却益4,850百万円の計45,513百万円を特別利益に、エクイティ出資評価損12,138百万円を特別損失に計上したのに対して、当連結会計年度においては、固定資産売却益10,663百万円、投資有価証券売却益50,869百万円、負ののれん償却益4,850百万円、退職給付信託返還益13,934百万円の計80,318百万円を特別利益に、固定資産除却関連損9,165百万円、関係会社株式評価損4,031百万円、減損損失13,121百万円の計26,318百万円を特別損失に計上しております。この結果、税金等調整前当期純利益は316,960百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ20,923百万円増益(+12.4%)の189,356百万円となりました。 当連結会計年度の業績及び各セグメントの業績は次のとおりであります。なお、当連結会計年度より当社の組織を一部改正したことに伴い、セグメント区分についても変更いたしました。・「丸の内事業グループ」を新設の上、大手町・丸の内・有楽町地区に係る機能を担う組織を移設し、従来の「コマーシャル不動産事業グループ」を「コマーシャル不動産事業グループ」並びに「丸の内事業グループ」に分割いたしました。これにより、従来「コマーシャル不動産事業」、「住宅事業」、「海外事業」、「投資マネジメント事業」、「設計監理・不動産サービス事業」としていた報告セグメントを、「コマーシャル不動産事業」、「丸の内事業」、「住宅事業」、「海外事業」、「投資マネジメント事業」、「設計監理・不動産サービス事業」へ変更いたしました。 (単位:百万円)区分前連結会計年度当連結会計年度増減営業収益1,504,6871,579,81275,124営業利益278,627309,23230,605経常利益241,158262,96021,802親会社株主に帰属する当期純利益168,432189,35620,923 (単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度営業収益営業利益又は営業損失(△)営業収益営業利益又は営業損失(△)コマーシャル不動産事業499,138114,730538,832124,660丸の内事業381,02797,082394,59696,173住宅事業398,82738,888421,90248,026海外事業173,77051,448160,18645,823投資マネジメント事業30,962△1,61940,96911,950設計監理・不動産サービス事業73,2659,02182,18810,700その他の事業11,009△1,57711,666△2,128調整額△63,313△29,346△70,530△25,974合  計1,504,687278,6271,579,812309,232(注)前連結会計年度の業績については、当連結会計年度より変更したセグメント区分に組替えております。 (a)コマーシャル不動産事業・当連結会計年度において、オフィスビルは、堅調なリーシング等により増収となりました。・商業施設及びアウトレットモールは、店舗売上の増加等により、ホテルは、稼働率の上昇等により増収となりました。・その他、オフィスビル等の保有する物件の売却により、不動産販売が増収となりました。・この結果、当セグメントの営業収益は39,694百万円増収の538,832百万円となり、営業利益は9,929百万円増益の124,660百万円となりました。 (単位:百万円)摘  要前連結会計年度当連結会計年度貸付面積営業収益貸付面積営業収益不動産賃貸東京オフィス(丸の内以外) (所有)522,170㎡ 138,907 (所有)508,608㎡ 144,068 (転貸)837,857㎡ (転貸)862,590㎡ オフィス(東京以外) (所有)563,932㎡ 62,671 (所有)596,926㎡ 65,732 (転貸)337,612㎡ (転貸)415,287㎡ アウトレットモール (店舗)362,621㎡ 57,367 (店舗)361,459㎡ 60,901その他-37,533-42,950不動産販売-135,419-151,158その他(注2)-67,238-74,019合  計-499,138-538,832(注)1. 営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。2. その他には、建物運営管理受託収入、営繕請負工事収入、ホテル事業収入等が含まれております。3. 前連結会計年度の業績については、当連結会計年度より変更したセグメント区分に組替えております。 (b)丸の内事業・当連結会計年度において、オフィスビルは、再開発に向けたビルの閉館等により減収があった一方で、好調なリーシングによる空室率の改善や既存ビルでの賃料増額改定等により増収となりました。なお、当社の丸の内オフィスの2025年3月末の空室率は1.73%となっております。・この結果、当セグメントの営業収益は13,568百万円増収の394,596百万円となり、営業利益は908百万円減益の96,173百万円となりました。 (単位:百万円)摘  要前連結会計年度当連結会計年度貸付面積営業収益貸付面積営業収益不動産賃貸丸の内オフィス (所有)1,277,460㎡ 255,416 (所有)1,252,573㎡ 256,999 (転貸)405,934㎡ (転貸)408,963㎡ その他-11,707-11,792その他(注2)-113,903-125,804合  計-381,027-394,596(注)1. 営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。2. その他には、建物運営管理受託収入、営繕請負工事収入、レンタルオフィス事業収入等が含まれております。3. 前連結会計年度の業績については、当連結会計年度より変更したセグメント区分に組替えております。 (c)住宅事業・国内分譲マンション事業の主な売上計上物件「ザ・パークハウス グラン 三番町26」           (東京都千代田区)「ザ・パークハウス 大森タワー」             (東京都大田区)「ザ・パークハウス 等々力」               (東京都世田谷区)「ザ・パークハウス ひばりが丘」             (東京都西東京市)「ザ・パークハウス 大濠翠景」              (福岡県福岡市)・当連結会計年度において、国内分譲マンション事業では、売上計上戸数が減少したものの、一戸当たりの販売単価は増加したことにより増収となり、その他の事業では、賃貸マンションや収益用不動産の売却等により増収となりました。・この結果、当セグメントの営業収益は23,075百万円増収の421,902百万円となり、営業利益は9,137百万円増益の48,026百万円となりました。 (単位:百万円)摘  要前連結会計年度当連結会計年度販売数量等営業収益販売数量等営業収益マンション 売上計上戸数2,271戸 155,929 売上計上戸数1,787戸 156,651住宅管理業務受託 受託件数349,446件 60,053 受託件数353,024件 62,589注文住宅 - 37,328 - 36,178その他 - 145,515 - 166,483合  計 - 398,827 - 421,902(注)1. 営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。2. 他社との共同事業物件の売上計上戸数及び金額は当社持分によっております。 (d)海外事業・当連結会計年度においては、アジアは複合開発事業収入の増加等により増収となりましたが、米国及び英国は前連結会計年度の物件売却の反動等により減収となりました。・この結果、当セグメントの営業収益は13,583百万円減収の160,186百万円となり、営業利益は5,624百万円減益の45,823百万円となりました。 (単位:百万円)摘  要前連結会計年度当連結会計年度貸付面積等営業収益貸付面積等営業収益不動産開発・賃貸米国 貸付面積451,967㎡ 124,498 貸付面積422,772㎡ 109,795 管理受託面積97,527㎡ 管理受託面積97,527㎡ 欧州 貸付面積103,564㎡ 35,836 貸付面積84,397㎡ 9,892アジア 貸付面積7,201㎡ 11,924 貸付面積7,535㎡ 36,657 売上計上戸数1,265戸 売上計上戸数1,242戸 その他 - 1,511 - 3,841合  計 - 173,770 - 160,186(注)営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。 (e)投資マネジメント事業・当連結会計年度においては、営業収益は10,006百万円増収の40,969百万円となり、前連結会計年度の減収要因である一過性のインセンティブフィー剥落等の反動により、営業利益は13,570百万円増益の11,950百万円となりました。 (単位:百万円)摘  要営  業  収  益前連結会計年度当連結会計年度投資マネジメント30,96240,969合  計30,96240,969(注)営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。 (f)設計監理・不動産サービス事業・㈱三菱地所設計において、2023年9月に着工した「Torch Tower(TOKYO TORCH 東京駅前常盤橋プロジェクトB棟)」等の設計監理業務等の収益を計上しました。・当連結会計年度においては、設計監理収益は売上件数が増加したこと等により増収となり、不動産仲介・駐車場運営管理は、不動産仲介取扱件数及び駐車場運営管理台数の増加等により増収となりました。・この結果、当セグメントの営業収益は8,922百万円増収の82,188百万円となり、営業利益は1,679百万円増益の10,700百万円となりました。 (単位:百万円)摘  要前連結会計年度当連結会計年度売上件数等営業収益売上件数等営業収益設計監理 受注件数1,305件 25,705 受注件数1,419件 26,362 売上件数1,357件 売上件数1,519件 不動産仲介 取扱件数1,403件 15,126 取扱件数1,475件 17,005駐車場運営管理 管理台数62,254台 11,922 管理台数63,383台 13,197その他 - 20,510 - 25,624合  計 - 73,265 - 82,188(注)営業収益には、セグメント間の内部営業収益又は振替高を含めております。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益、長期借入れ等による収入、有形固定資産の取得等による支出により、前連結会計年度末に比べ19,083百万円減少し、256,881百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、324,116百万円の資金の増加(前連結会計年度比+16,867百万円)となりました。これは、税金等調整前当期純利益316,960百万円に非資金損益項目である減価償却費101,253百万円等を調整した資金の増加に、棚卸資産の減少、法人税等の支払又は還付等による資金の増減を加えたものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、361,505百万円の資金の減少(前連結会計年度比+511百万円)となりました。これは有形固定資産の取得等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、12,871百万円の資金の増加(前連結会計年度比△87,562百万円)となりました。これは長期借入れ等によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績生産、受注及び販売の実績については、「① 財政状態及び経営成績の状況」における各セグメントの業績に関連付けて記載しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。2025年3月期の業績は営業利益が3,092億円で、直近の対外公表予想値に比べて92億円の増益(+3.1%)となりました。2024年度はオフィス賃貸事業では賃料増額改定等に伴い賃貸利益が増加したことに加え、販売利益を実現させたほか、分譲住宅の着実な販売進捗や、アウトレットモール等の商業施設の需要のさらなる増加等により、当初計画の水準と同程度の利益を実現できました。2020年度よりスタートした「長期経営計画2030」では国内アセット事業・海外アセット事業・ノンアセット事業で、それぞれ500億円程度の成長を目指しております。2024年度においては「(仮称)丸の内3-1プロジェクト(国際ビル・帝劇ビル建替計画)」解体着工、「(仮称)天神 1-7 計画」新築工事着工、「グラングリーン大阪(GRAND GREEN OSAKA)」開業、「Two Sudirman Jakarta」本体工事着工等、長期経営計画の戦略に合致する将来の収益機会の獲得を実現しております。さらに、回転型投資の展開を通じた売却益の獲得及びフィービジネスの拡大を図るべく、当社グループで運営するファンドやREITへの売却を推進し、バリューチェーンを強化しています。これらの成果を着実に利益として結実させ、長期経営計画で掲げた計数目標の達成を目指します。セグメントごとの経営成績に関しては次のとおりです。コマーシャル不動産事業においては、インバウンドの増加等に伴い、商業施設・ホテルを中心に回復傾向が続いていることに加え、オフィス賃貸利益の増加により、営業利益は1,247億円となりました。なお、直近の予想値からは3億円の減益となりました。丸の内事業においては、オフィスの空室率改善、賃料増額改定等により、営業利益は962億円となりました。なお、直近の予想値からは12億円の増益となりました。住宅事業においては、好調な分譲マンション市況により収益は増加、あわせて賃貸マンション等のキャピタルゲインが大幅増加となったことから、営業利益は480億円となりました。なお、直近の予想値からは10億円の増益となりました。海外事業においては、物件売却後倒し等により営業利益は458億円となりました。なお、直近の予想値からは58億円の増益となりました。投資マネジメント事業においては、2023年度に発生していたインセンティブフィー(ノンキャッシュ)調整の影響等が小さくなり、営業利益は120億円となりました。なお、直近の予想値からは11億円の減益となりました。設計監理・不動産サービス事業においては、流通事業の増益により、営業利益は107億円となりました。なお、直近の予想値からは7億円の増益となりました。その他のセグメントについても、概ね計画通りに利益を計上することができました。 ≪セグメント別営業利益≫ (単位:百万円) 2024年度直近予想値 *1決算値増減コマーシャル不動産事業125,000124,660△340丸の内事業95,00096,1731,173住宅事業47,00048,0261,026海外事業40,00045,8235,823投資マネジメント事業13,00011,950△1,050設計監理・不動産サービス事業10,00010,700700その他の事業△2,000△2,128△128調整額△28,000△25,9742,026合  計300,000309,2329,232(注)*1. 2025年2月7日公表時の通期業績予想となります。 当社グループは、中期的な視点から強みを活かした投資により得られる利益の拡大を通じた企業価値の向上を図るため、成長投資を推進する一方で、財務健全性の維持も重要な経営目標としており、成長に向けた事業投資を行う際は、高格付けの維持を前提とした最適な資本構成を図っています。当社グループの財源については、ビル賃貸事業が主力事業であることから、引き続き長期・固定資金を主体に調達しております。今後も期間中の金利状況や、調達済有利子負債の償還期間等とのバランスも考慮しながら、調達手段に柔軟性を持たせつつ運営を行って参る所存であります。事業等のリスクに対しては、当社グループでは「三菱地所グループリスクマネジメント規程」を制定し、すべての事業活動を対象にリスクマネジメント体制を整備、運用しています。当社グループのリスクマネジメントを統括する機関として「リスク・コンプライアンス委員会」を、またリスクマネジメントに関する情報の集約など、実務的な合議体として「リスク・コンプライアンス協議会」をそれぞれ位置付けるほか、取締役会の決議により任命されたリスクマネジメント担当役員を統括責任者として、ラインスタッフ部署、コーポレート部署、DX推進部並びにグループ各社に責任者を置き、それを推進事務局である法務・コンプライアンス部が支援する形でリスクマネジメント活動を推進しています。さらに、重要な投資案件の意思決定に当たっては「経営会議」の審議前に「投資委員会」で審議を行い、リスク内容及びリスク管理方法等をチェックしています。また、緊急事態発生時の行動指針や連絡・初動体制、事業継続計画等についても整備、運用しています。 (3) 資本の財源及び資金の流動性1)財務戦略の基本的な考え方当社グループは、業界最上位の格付に裏打ちされた強固な財務基盤は、重要な経営資源の一つであると位置づけ、財務健全性の維持と高格付を活かした適時最適な調達の実現を財務戦略の基本方針としております。2020年4月から開始した「長期経営計画2030」においても、ROAの向上を通じたROEの向上に主眼を置き、レバレッジについては現状の格付水準が維持可能な範囲で適切にコントロールすることを基本方針としており、不動産市況に応じた、成長投資・資産売却・株主還元・資金調達の最適な組み合わせによる企業価値向上を実現して参ります。長期経営計画の5年目となる2024年度は、ネット有利子負債/EBITDA倍率についてはハイブリッドファイナンス考慮前で7.2倍(考慮後で6.9倍)にて着地いたしました。世界経済の先行きは依然として不透明な状況が継続することが想定されますが、10年間という長期にわたる経営計画においては、事業環境が変動する可能性を織り込んでいるため、環境の変化を見極めつつ、柔軟な資本政策を組み合わせながら、事業機会獲得の機会を的確に捉え、2030年の目標実現に向け、着実に各種施策を推進して参ります。 2)経営資源の配分と資金需要の主な内容当社グループは、事業により獲得した営業キャッシュ・フローと資金調達余力に応じたキャッシュインを、株主還元、事業投資・回収(ネット投資額=投資決定済案件への投資-物件売却による回収)、不動産市況に応じて柔軟に行う戦略的アロケーションの3点に配分します。戦略的アロケーションは、株主価値向上に資する案件への厳選投資、追加の株主還元、負債抑制等のうち、その時々の状況に応じて柔軟に判断して参ります。今後の主な資金需要としては「長期経営計画2030」に基づき、有楽町エリア及び常盤橋エリアを重点更新エリアとし、2030年までに総額6,000~7,000億円程度を投じ、再開発やリノベーションを推進して参ります。また、2026年3月期の投資回収予算においては、約13,000億円の投資と約7,000億円の回収を見込んでおります。 3)資金調達手段当社グループは、事業展開に伴う資金需要を安定的に確保するため、内部資金及び外部資金を有効に活用しております。内部資金については、主要グループ会社では原則として金融機関など外部からの資金調達を行わず、キャッシュ・マネジメント・システムの活用により、資金調達の一元化と資金効率化、流動性の確保を図っています。外部資金については、財務健全性の維持が可能な範囲において金融機関からの借入や社債発行等を活用しており、資金需要・金融市況・調達コスト・償還バランスなどを総合的に勘案した上で、適切なファイナンスを実施しているほか、近年ではグリーンボンドやサステナビリティ・リンク・ローン等のサステナビリティファイナンスにも取り組んでおります。なお、当社グループは長期の開発期間を伴う事業が中心であるため、いずれの調達手段であっても10年以上の長期資金を中心とした資金調達を行うとともに、負債の年度別償還額の集中を避けることでリファイナンスリスクの低減を図っています。主要な取引先金融機関とは、良好な取引関係を維持構築することで、円滑な資金調達を可能としております。また、国内金融機関においてコミットメントライン枠やスポット借入枠を設定しており、緊急時の流動性を確保しております。 社債発行については、国内外4社の格付機関から取得している信用格付(※1)をもとに、近年は公募劣後特約付社債(ハイブリッド社債)に加え、国内の公募債市場で最長かつ初となる50年債の発行を行う等、投資家需要や起債環境を見極めたうえで最適な起債に努めており、今後も資金調達手段の多様化を図って参ります。なお、当社は公募劣後特約付社債を含む、全ての社債を無担保で発行していること、金融機関からの借入金についても財務制限条項は付されていないことから、安定した資金調達が可能と考えております。 ※1 本報告書提出時点において、格付投資情報センターの格付はAA(安定的)、日本格付研究所の格付はAAプラス(安定的)、スタンダード&プアーズの格付はAプラス(ネガティブ)、ムーディーズの格付はA2(安定的)となっております。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

事業リスク

主なリスクとして、国内外での地震や台風などの自然災害、火災、テロなどの人災による事業中断や施設への損害が挙げられます。また、景気悪化に伴う不動産市況の悪化は、特に東京のオフィス空室率上昇やマンション販売状況の低迷を通じて業績に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、資材価格の高騰は開発コスト増加につながり、販売価格や賃料への転嫁が難しい場合に利益を圧迫するリスクがあります。為替レートや金利の変動も、海外事業や資金調達コストに影響を与える可能性があります。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,269 文字
3【事業等のリスク】当社グループの経営成績、株価及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクについて、主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の皆様の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家の皆様に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 自然災害、人災等によるリスク国内外を問わず、地震、暴風雨、洪水その他の自然災害及び事故、火災、戦争、暴動、テロその他の人災等が発生した場合に備え、当社グループでは、商業施設、ホテル、空港等をはじめとした当社グループが所有もしくは運営する施設において、当該事象発生時のBCP対応に取り組んでおります。しかし、当該事象の緊急度合によっては事業中断をせざるを得ない場合があります。また、パンデミックや台風等の自然災害発生時の対応について社会的関心が高まるなか、万一、当社グループが取り得る適切な対応に不備があった場合、安全管理リスクやレピュテーションリスク等が顕在化し、当社グループの事業推進、業績に影響が及ぶおそれがあります。(2) 不動産市況悪化のリスク国内外の要因により景気が悪化し、それに合わせて不動産市況が悪化する場合には、当社グループの業績に悪影響を与えるおそれがあります。その場合には、特に東京の賃貸オフィス市場の空室率及び分譲マンション市場の販売状況及び、複合開発計画や再開発計画等については開発期間が長期にわたり大規模な投資を伴う傾向にあるため、進捗状況に注意を要するものと思われます。(3) 建物の安全管理及び品質管理、工程管理に関するリスク当社グループでは、運営施設及び工事中物件について、各種安全管理及び品質管理、工程管理を徹底し取り進めておりますが、万一、当該取り組みや対応に不備があった場合、人身事故の発生や、商業施設やホテル、高齢者向施設、空港等における火災や食中毒等の発生、住宅等をはじめとした顧客からの信用喪失等に繋がり、当社グループの業績等に影響が及ぶおそれがあります。(4) 資材価格の高騰リスク国内外の要因により原材料並びに原油価格の高騰に伴い資材価格が上昇した場合には、不動産開発事業において必ずしも増加コスト分を販売価格や賃料に反映することが出来ず、当社グループの業績に悪影響を与えるおそれがあります。(5) 為替レート変動のリスク当社グループの業務は為替レートの変動の影響を受けます。円が上昇した場合、外貨建て取引の円貨換算額は目減りすることになります。さらに、当社グループの資産及び負債の一部の項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されております。これらの項目は元の現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。(6) 金利上昇のリスク国内において、日本銀行は2%の物価安定の目標のもと、政策金利の変更を通じ、適切に金融政策を運営する方針を示しており、政策の変更や国債の需給バランスの悪化並びに国際金融資本市場・為替市場の動向等を背景に金利が上昇するおそれがあります。また、海外への投資に伴って外貨の調達も行っていることから、日本国内同様、投資先各国の経済情勢等により調達通貨の金利が上昇するおそれもあります。(7) 個人情報等の漏洩を含むサイバー攻撃等情報セキュリティリスク当社グループでは国内外を問わず、各事業において個人情報をはじめとする多くの機密情報を取り扱っております。これらの機密情報に関しては、「個人情報の保護に関する法律」をはじめ、関連する諸法令の遵守と適正な取扱いの確保に努めておりますが、サイバー攻撃・ウイルス感染等による情報セキュリティインシデント発生等、万一、機密情報が外部へ漏洩した場合やシステムリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績に影響が及ぶおそれがあります。 (8) 株価下落のリスク当社グループは上場及び非上場の株式を保有しております。全般的かつ大幅な株価下落が生じる場合には、保有有価証券に減損又は評価差損が発生し、当社グループの業績に影響を与えるおそれがあります。(9) 人事労務管理リスク当社グループでは適正な労務管理に向けた取り組みの推進やハラスメント撲滅に向けた取り組みの推進、ダイバーシティ推進に努めておりますが、万一、各種規制順守や適切な対応に不備があった場合、当社グループの業務遂行等に悪影響が及ぶおそれがあります。また、「長期経営計画2030」における事業戦略として、海外事業の更なる拡大を見据えており、各海外現地法人では現地採用社員の割合は増加する想定であり、従前以上に現地法人社員のマネジメントが重要であると考えております。(10) サステナビリティ経営上の重要課題の認識とリスク当社グループでは、当社グループを取り巻く環境の変化に関して、経営上の重要テーマ及び、それに伴うリスクと機会を特定しております。これらのリスクが顕在化した場合には、中長期的に当社グループの業績に影響が及ぶおそれがあります。詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)戦略 ①サステナビリティに関する戦略」に記載のとおりであります。

このページのバフェット流コメンタリーは順次自動生成中です。生成されると、ここに「数値の読み解き方」「同業比較」「投資判断のポイント」を表示します。

もっと深く分析したい?

モート先生 AI が 三菱地所 の事業を 4 賢人の理論で詳しく解説します

モート先生に聞く →