経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】≪当社グループの中期経営計画の状況≫当社グループを取り巻く経営環境は、大きく変化してきております。AI等のテクノロジーの活用が事業展開に欠かすことができない存在となってきており、また、環境への配慮や社会的責任を企業がどのように果たしていくか等、サステナビリティ経営が企業に強く求められるようになりました。対面証券ビジネスにおいては、専門性・人間性を備えた人材やインフラが必要な参入障壁が高いビジネスモデルであるものの、手数料体系の変化、賃金、システム、物価や金利の上昇や規制・制度改革、デジタル・トランスフォーメーション(以下「DX」)の加速等により、その在り方が大きく変容してきております。そのような環境下、当社グループでは、2022年4月より5ヵ年の中期経営計画「“Beyond Our Limits” ~異次元への挑戦」(以下「本計画」)を策定し、推進しております。本計画は、「『誇り』と『憧れ』を感じる企業グループ」となるために、「“Social Value & Justice” comes first」を行動指針として、「異次元の世界」への到達に挑戦するものです。そのための戦略の基本方針として、「金融力の強化」と「異次元に向けた重点施策」を掲げ、「金融力の強化」においては、収支構造改革への取組み、安定収益基盤の拡大を強化し、「異次元に向けた重点施策」では、Powerful Partners(※1)との協業、New Bonanza(※2)の創出等に一層注力するとともに、デジタル分野では、当社の子会社であるCHEER証券等において先進的な金融サービスの提供を図っております。 ※1 電力会社、通信会社、金融機関、商社、不動産、大学、地方銀行、地方公共団体といったパートナー※2 新しい金鉱脈となるビジネスや機能 本計画3年目にあたる当連結会計年度において、グループKGIである自己資本利益率(ROE)は6.1%、預り金融資産は10.9兆円、重要なKPIである経常利益は151億円となりました。本計画における主な課題として認識している事項、及びそれに対する取組みは以下のとおりであります。 戦略の基本方針課題・取組み金融力の強化・富裕層向けのブランドとして、「Orque d'or(オルクドール)」を確立し、サロンや証券担保ローン等の商品、営業員の育成等を取組み、お客さまの資産全体を活用する資産ポートフォリオモデルのサービスを推進。・新たに準富裕層やアッパーマス層との取引拡大・深耕を図る「クレールシエル戦略」を本格推進、金融・非金融両面のサービスを提供するブランドを確立。・顧客ニーズに応えた新商品の開発による取引拡大、市場の変化に柔軟に対応可能とするトレーディングキャパシティの強化と専門性の向上。・日本最大級のスタートアップ支援拠点であるSTATION Aiとの連携、オルクドールAOYAMAに専門のフロアを設ける等のスタートアップ拡大支援、IPOの引受強化。・地方銀行との提携合弁証券における媒介型モデルの導入、富裕層・法人向けサービスの展開、効率経営の推進。異次元に向けた重点施策Powerful Partnersとの各提携モデルの推進、顧客基盤拡大と証券機能だけでない総合金融サービスの獲得。(1)当社グループを補完する機能を持つ企業との提携により、フルラインの機能提供(2)当社グループのDXインフラを中心とした提携(3)新たに銀行と提携し、銀行・証券代理店を展開 行動指針課題・取組み“Social Value & Justice” comes first・気候変動や人的資本、ウェルビーイングを中心に持続可能性への取組みのさらなる強化。情報開示の充実化を図ることによる、ESG指数「FTSE Blossom Japan Index」を含む指数への継続採用の実現。透明性のある情報提供を通じた、ステークホルダーとの信頼関係の深化と企業価値の向上を目指す。・東海東京証券ではお客様本位の業務運営の実行のためNPS®(※)向上をKPIに設定。・人的資本経営として、社員教育に積極的に投資しているほか、ポジションチャレンジや「Humanity Enhancement Program」等社員の自律的なキャリア構築のためのチャレンジ支援、働きやすい職場環境の整備。・ESG評価機関による当社グループの取組状況の評価取得と改善活動(FTSE評価「3.5」、MSCI評価「BBB」、CDP評価「B」)・開示情報の充実とステークホルダー等との対話の拡大 ※NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現・NICE Systems,Inc.) の登録商標。「Net Promoter Score®(ネット・プロモーター・スコア)」の略で、正味推奨者比率と訳され、顧客ロイヤルティ(企業やブランドに対する愛着・信頼の度合い)を数値化する指標。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】≪当社グループの中期経営計画の状況≫当社グループを取り巻く経営環境は、大きく変化してきております。AI等のテクノロジーの活用が事業展開に欠かすことができない存在となってきており、また、環境への配慮や社会的責任を企業がどのように果たしていくか等、サステナビリティ経営が企業に強く求められるようになりました。対面証券ビジネスにおいては、専門性・人間性を備えた人材やインフラが必要な参入障壁が高いビジネスモデルであるものの、手数料体系の変化、賃金、システム、物価や金利の上昇や規制・制度改革、デジタル・トランスフォーメーション(以下「DX」)の加速等により、その在り方が大きく変容してきております。そのような環境下、当社グループでは、2022年4月より5ヵ年の中期経営計画「“Beyond Our Limits” ~異次元への挑戦」(以下「本計画」)を策定し、推進しております。本計画は、「『誇り』と『憧れ』を感じる企業グループ」となるために、「“Social Value & Justice” comes first」を行動指針として、「異次元の世界」への到達に挑戦するものです。そのための戦略の基本方針として、「金融力の強化」と「異次元に向けた重点施策」を掲げ、「金融力の強化」においては、収支構造改革への取組み、安定収益基盤の拡大を強化し、「異次元に向けた重点施策」では、Powerful Partners(※1)との協業、New Bonanza(※2)の創出等に一層注力するとともに、デジタル分野では、当社の子会社であるCHEER証券等において先進的な金融サービスの提供を図っております。 ※1 電力会社、通信会社、金融機関、商社、不動産、大学、地方銀行、地方公共団体といったパートナー※2 新しい金鉱脈となるビジネスや機能 本計画3年目にあたる当連結会計年度において、グループKGIである自己資本利益率(ROE)は6.1%、預り金融資産は10.9兆円、重要なKPIである経常利益は151億円となりました。本計画における主な課題として認識している事項、及びそれに対する取組みは以下のとおりであります。 戦略の基本方針課題・取組み金融力の強化・富裕層向けのブランドとして、「Orque d'or(オルクドール)」を確立し、サロンや証券担保ローン等の商品、営業員の育成等を取組み、お客さまの資産全体を活用する資産ポートフォリオモデルのサービスを推進。・新たに準富裕層やアッパーマス層との取引拡大・深耕を図る「クレールシエル戦略」を本格推進、金融・非金融両面のサービスを提供するブランドを確立。・顧客ニーズに応えた新商品の開発による取引拡大、市場の変化に柔軟に対応可能とするトレーディングキャパシティの強化と専門性の向上。・日本最大級のスタートアップ支援拠点であるSTATION Aiとの連携、オルクドールAOYAMAに専門のフロアを設ける等のスタートアップ拡大支援、IPOの引受強化。・地方銀行との提携合弁証券における媒介型モデルの導入、富裕層・法人向けサービスの展開、効率経営の推進。異次元に向けた重点施策Powerful Partnersとの各提携モデルの推進、顧客基盤拡大と証券機能だけでない総合金融サービスの獲得。(1)当社グループを補完する機能を持つ企業との提携により、フルラインの機能提供(2)当社グループのDXインフラを中心とした提携(3)新たに銀行と提携し、銀行・証券代理店を展開 行動指針課題・取組み“Social Value & Justice” comes first・気候変動や人的資本、ウェルビーイングを中心に持続可能性への取組みのさらなる強化。情報開示の充実化を図ることによる、ESG指数「FTSE Blossom Japan Index」を含む指数への継続採用の実現。透明性のある情報提供を通じた、ステークホルダーとの信頼関係の深化と企業価値の向上を目指す。・東海東京証券ではお客様本位の業務運営の実行のためNPS®(※)向上をKPIに設定。・人的資本経営として、社員教育に積極的に投資しているほか、ポジションチャレンジや「Humanity Enhancement Program」等社員の自律的なキャリア構築のためのチャレンジ支援、働きやすい職場環境の整備。・ESG評価機関による当社グループの取組状況の評価取得と改善活動(FTSE評価「3.5」、MSCI評価「BBB」、CDP評価「B」)・開示情報の充実とステークホルダー等との対話の拡大 ※NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現・NICE Systems,Inc.) の登録商標。「Net Promoter Score®(ネット・プロモーター・スコア)」の略で、正味推奨者比率と訳され、顧客ロイヤルティ(企業やブランドに対する愛着・信頼の度合い)を数値化する指標。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(経営成績等の状況の概要) 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー等の状況は、以下のとおりであります。 (1) 財政状態(資産)当連結会計年度末の総資産は90億69百万円増加(前連結会計年度末比、以下(1)において同じ。)し1兆4,094億29百万円となりました。このうち流動資産は、約定見返勘定が484億72百万円増加し733億49百万円、信用取引資産が217億円増加し1,088億77百万円となり、短期貸付金が200億95百万円増加し1,106億80百万円となる一方、有価証券担保貸付金が870億56百万円減少し4,196億49百万円となったことなどから、94億99百万円増加し1兆3,221億76百万円となりました。また、固定資産は、退職給付に係る資産が39億88百万円減少し73億9百万円となったことなどから、4億30百万円減少し872億52百万円となりました。 (負債)当連結会計年度末の負債合計は71億75百万円増加し1兆2,146億円となりました。このうち流動負債は、トレーディング商品が266億99百万円減少し3,962億75百万円となり、預り金が101億98百万円減少し821億84百万円となる一方、有価証券担保借入金が342億41百万円増加し2,985億96百万円となったことなどから、175億92百万円減少し1兆411億28百万円となりました。また、固定負債は、長期借入金が263億円増加し1,533億円となったことなどから、固定負債合計は247億68百万円増加し1,726億88百万円となりました。 (純資産)当連結会計年度末の利益剰余金は40億34百万円増加し1,203億5百万円となり、純資産合計は18億93百万円増加し1,948億28百万円となりました。 (2) 経営成績(受入手数料) 連結会計年度区分株券(百万円)債券(百万円)受益証券(百万円)その他(百万円)合計(百万円)前連結会計年度自 2023年4月1日至 2024年3月31日委託手数料17,249145011617,783引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料558587--1,146募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料248,125508,182その他の受入手数料704155,9838,42215,126合計18,51562214,6118,48942,239当連結会計年度自 2024年4月1日至 2025年3月31日委託手数料14,50019593-15,114引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料65275890-1,501募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料037,972-7,976その他の受入手数料796247,3128,45216,586合計15,94980715,9698,45241,178 当連結会計年度の受入手数料の合計は2.5%減少(前連結会計年度増減率、以下(2)において同じ。)し411億78百万円を計上いたしました。① 委託手数料株式委託手数料は15.9%減少し145億円となり、委託手数料全体では15.0%減少し151億14百万円を計上いたしました。② 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料株式は16.8%増加し6億52百万円を計上いたしました。また、債券は29.1%増加し7億58百万円の計上となり、引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料全体では31.0%増加し15億1百万円を計上いたしました。 ③ 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料受益証券は、1.9%減少し79億72百万円の計上となり、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料全体では2.5%減少し79億76百万円を計上いたしました。④ その他の受入手数料投資信託の代行手数料は22.2%増加し73億12百万円、保険手数料収入は16.3%増加し62億58百万円の計上となり、その他の受入手数料全体では9.7%増加し165億86百万円を計上いたしました。 (トレーディング損益) 区分前連結会計年度自 2023年4月1日至 2024年3月31日当連結会計年度自 2024年4月1日至 2025年3月31日株券等トレーディング損益 (百万円)25,49721,729債券・為替等トレーディング損益 (百万円)14,94115,175合計40,43936,905 当連結会計年度の株券等トレーディング損益は14.8%減少し217億29百万円の利益の計上となり、債券・為替等トレーディング損益は1.6%増加し151億75百万円の利益を計上いたしました。この結果、トレーディング損益の合計は8.7%減少し369億5百万円の利益を計上いたしました。 (金融収支)当連結会計年度の金融収益は26.4%増加し82億44百万円を計上いたしました。また、金融費用は25.4%増加し31億46百万円を計上し、差引の金融収支は27.0%増加し50億98百万円の利益を計上いたしました。 (販売費及び一般管理費)当連結会計年度の取引関係費は8.2%増加し144億68百万円となりました。また、人件費は3.2%減少し328億55百万円、不動産関係費は0.6%減少し77億33百万円、事務費は2.0%減少し87億11百万円となりました。この結果、販売費及び一般管理費の合計は0.1%増加し714億42百万円を計上いたしました。 (営業外損益)当連結会計年度の営業外収益は、投資事業組合運用益13億10百万円、受取配当金10億33百万円などを計上し、営業外収益の合計は6.3%増加し36億50百万円となりました。また、営業外費用は、投資事業組合運用損2億27百万円などを計上し、営業外費用の合計は21.5%減少し2億68百万円となりました。 (特別損益)当連結会計年度の特別損益は、特別利益として27億63百万円を計上し、特別損失として8億37百万円を計上いたしました。 以上の結果、当連結会計年度の営業収益は3.2%減少し863億28百万円、純営業収益は4.0%減少し831億82百万円となり、営業利益は23.3%減少し117億39百万円、経常利益は17.8%減少し151億20百万円を計上し、法人税等を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は8.4%増加し110億48百万円を計上いたしました。 (3) キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フローは207億79百万円の収入となりました。これは税金等調整前当期純利益が170億47百万円の黒字となり、有価証券担保貸付金が870億56百万円減少し、有価証券担保借入金が342億41百万円増加し、それぞれ収入となる一方で、約定見返勘定が484億73百万円増加し、トレーディング商品(負債)が266億99百万円減少し、それぞれ支出となったことなどによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは243億61百万円の支出となりました。これは、短期貸付けによる支出488億32百万円、投資有価証券の取得による支出38億52百万円、短期貸付金の回収による収入287億1百万円、投資有価証券の売却による収入49億80百万円などによるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは176億62百万円の収入となりました。これは短期借入金の純増減額が△58億64百万円、長期借入れによる収入341億円、配当金の支払による支出70億6百万円などによるものです。以上の結果、現金及び現金同等物は146億93百万円増加し、当連結会計年度末の残高は1,113億45百万円となりました。 (4) トレーディング業務の概要① トレーディング商品トレーディング商品の残高は次のとおりです。 区分前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日)資産の部のトレーディング商品商品有価証券等(百万円)319,327328,641 株式・ワラント(百万円)23,1339,012 債券(百万円)253,487277,415 受益証券等(百万円)42,70542,213デリバティブ取引(百万円)8,88914,317合計(百万円)328,216342,958負債の部のトレーディング商品商品有価証券等(百万円)397,368370,718 株式・ワラント(百万円)9,72725,938 債券(百万円)387,569344,659 受益証券等(百万円)71121デリバティブ取引(百万円)25,60525,556合計(百万円)422,974396,275 ② トレーディング業務のリスク管理トレーディング業務のリスク管理の状況については「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等」の注記事項(金融商品関係)に記載しております。 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)のわが国経済は、生鮮食品を中心とするインフレの高止まりが消費マインドを下押しする一方、6月から行われた所得減税や、企業の前向きな賃上げなどが個人消費を下支えしました。また、インバウンドがコロナ前の2019年を上回り過去最高となったことで、宿泊・観光業界などに恩恵が広がりました。海外においては、雇用や個人消費の底堅さを背景に米国経済が堅調を維持しました。一方、ユーロ圏は一時の低迷からは脱却したものの、低空飛行を継続しました。またアジアにおいては、減速気味だったインドが回復を見せたほか、中国経済は消費財の買い替え促進策や輸出の回復(「トランプ関税」前の駆け込み需要の可能性)などを背景に、持ち直す展開となりました。日本株市場では、4月に40,600円台で始まった日経平均株価が、円安を背景に1989年12月以来の最高値を更新し7月には42,200円台まで上昇しました。しかし8月には、日銀のサプライズ利上げや円高を受けて、一時31,100円台まで急落、その後は米国株上昇に支えられて持ち直し、年内は39,000円前後で一進一退となりました。2025年になると、「トランプ関税」への警戒からリスクオフの流れが強まり、日経平均株価は35,600円台まで下落して3月の取引を終えました。なお、2024年4月~2025年3月の東証プライム市場の1日当たり平均売買代金は5兆631億円(前年同期の1日当たり平均売買代金は4兆3,804億円)となっています。米国株市場では、4月に39,800ドル台で始まったダウ平均株価が、良好な景気や長期金利の低下等を背景に概ね上昇基調を維持しました。夏場に40,000ドル台に乗せたダウ平均株価は、9月の米利下げ開始や11月5日のトランプ氏の大統領再選を機にさらに上昇、12月はじめには一時45,000ドル台の過去最高値を付けました。しかしその後は「トランプ関税」を巡る不透明感から乱高下する展開となり、最終的には42,000ドル近辺まで下げて3月の取引を終えました。日本の長期金利は4月に0.73%の期中最低金利で始まった後、1%水準まで上昇しましたが、日銀の追加利上げで株価が急落したため、8月には0.74%まで低下しました。その後は米長期金利の上昇や日銀の追加利上げ観測を背景に反発基調が続き、3月には1.59%をつけ、最終的に1.49%で3月の取引を終えました。米長期金利は4月に4.19%で始まった後、4.73%まで上昇しましたが、利下げ期待の高まりなどから低下基調を継続、9月には期中最低となる3.59%を付けました。9月のFOMCでは0.5%の利下げが行われましたが、パウエルFRB議長がタカ派姿勢を示したことやトランプラリーで株価が上昇する中、1月には期中最高となる4.80%をつけました。しかし、「トランプ関税」への懸念によるリスクセンチメント悪化で、3月には4.10%まで低下し、4.20%で3月の取引を終えました。ドル円は4月に1ドル151円台で始まると上昇が続き、7月には期中最高値となる161円台をつけました。その後、政府・日銀の大規模な円買い介入や日銀の追加利上げ、FRBの大幅利下げ観測から9月には期中最低となる139円台まで下落しました。しかし、9月のFOMC後にドルの買戻しが強まったことや日銀の追加利上げ観測の後退によりドル円はその後反発に転じ、1月には158円台まで反発しました。しかし、「トランプ関税」への懸念が広がるとドル安円高が進み、149円台で3月の取引を終えました。 (2) 資本の財源及び資金の流動性当社グループの主たる業務である金融商品取引業は、その業務の性質上、自己の計算により株式及び債券等の有価証券を保有するのに多額の資金を必要とするため、十分かつ安定的な流動性を確保しております。主な資金調達手段としては現先取引等の有担保調達、市中銀行等の金融機関借入、MTN及び短期社債の発行、コールマネー等の方法があり、資金繰り状況に応じた適切な組合せにより資金調達を行っております。なお、東海東京証券株式会社においては、有事の際の資金調達手段として市中銀行と総額430億円のコミットメントライン契約を確保しております。また、リスク管理では関連規程に基づいて日次、週次、月次で資金繰り管理を行っている他、コンティンジェンシー・プランについても4段階の想定シナリオに基づいたリスク管理を実施しております。 (3) 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、経営者は会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や状況に応じ合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。 ① 金融商品の評価当社グループは、トレーディング商品に属する商品有価証券等及びデリバティブ取引については、時価をもって連結貸借対照表価額とし、評価損益はトレーディング損益として計上しております。商品有価証券等及びデリバティブ取引については、取引所等の市場価格により時価を算定しております。ただし、市場価格がない商品有価証券等及びデリバティブ取引については、主に金利、配当利回り、原証券価格、ボラティリティ等を基に将来のキャッシュ・フローの現在価値を見積もることにより時価を算定しており、異なる前提条件等を採用した場合には当該時価が変動する可能性があります。 ② 投資有価証券の減損当社グループは、長期的な取引関係維持のため、特定の取引先の株式を所有しております。当社グループは投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、「金融商品に関する会計基準」に基づき減損処理を行っております。市場価格のある株式については、株式の時価が一定期間継続して取得原価を30%以上下回り続けたとき等、下落が一時的ではないと判断します。市場価格のない株式については、1株当たり純資産額が取得原価の50%以下となった場合等、実質価額が著しく下落し回復可能性がないと判断した場合に減損処理を行います。また、連結貸借対照表には、持分法適用関連会社に関するのれんが含まれております。当該のれんについても減損損失の計上の必要性を検討する必要があり、投資時に予想した収益性が低下した結果、投資額の回収が見込めないと判断した場合に減損損失の計上を行います。将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が生じた場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。 ③ 固定資産の減損収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった固定資産については、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように、減損損失の計上を行っております。資産又は資産グループの回収可能価額は、時価から処分費用見込額を控除した正味売却価額と割引後将来キャッシュ・フローとして算定される使用価値のいずれか高い金額であることから、固定資産の減損損失の金額は合理的な仮定及び予測に基づく将来キャッシュ・フローの見積りに依存しております。従って、事業計画や経営環境等の前提条件が変化した場合、固定資産の使用方法を変更した場合、不動産取引相場等が変動した場合及びのれんが認識された取引において取得した事業の状況に変動が生じた場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。 ④ 退職給付費用及び債務従業員(執行役員を除く。)に係る退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には割引率、退職率、昇給率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の期待収益率等が含まれております。当社グループの退職年金制度においては、割引率は期末における安全性の高い長期の債券の利回りにより、退職率は直近3年間の実績に基づいております。退職給付債務の算定にあたっては、退職給付見込額の期間帰属方法を給付算定式基準とし、割引率の設定はイールドカーブ等価アプローチによる方法により算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合には、将来の退職給付費用及び退職給付債務が変動する可能性があります。 ⑤ 繰延税金資産当社グループは、繰延税金資産について回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を評価するにあたっては、将来の課税所得の発生及び税務計画を検討いたします。当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、業績変動の幅が大きく、長期にわたる課税所得の発生を予測することが困難でありますが、策定した経営計画の期間以内の一定期間を、将来の課税所得の見積り期間としておりますので、翌事業年度以降の課税所得の発生見積りによって、評価性引当額が増減し、繰延税金資産の調整額が発生する可能性があります。