8585

オリエントコーポレーション(8585)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

その他金融業 金融(除く銀行)

事業の概要

オリエントコーポレーションは、主に個品割賦、カード・融資、銀行保証、決済・保証、海外事業を展開しています。個品割賦では、お客様が加盟店で商品購入やサービス利用をする際の代金を立て替え、お客様から分割で回収します。カード・融資事業では、クレジットカードの発行や無担保融資を行い、銀行保証事業では提携金融機関のローンの保証を行います。決済・保証事業では家賃や売掛金の保証、集金代行も手掛けています。海外ではタイ、フィリピン、インドネシアでオートローン事業を展開しており、多岐にわたる金融サービスで収益を上げています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

オリエントコーポレーションの事業セグメントは、主に5つで構成されています。最も売上が大きいのは「InstallmentCredit(個品割賦)」で、オートローンやショッピングクレジットなどが含まれ、営業利益も高いです。次いで売上・利益ともに大きいのが「CreditCardsAndDirectCashLoans(カード・融資)」で、クレジットカード発行や無担保融資が中心です。「BankLoanGuarantee(銀行保証)」も安定した売上と利益を上げています。「SettlementAndGuarantee(決済・保証)」は家賃保証や売掛金保証などを手掛け、堅調な利益を計上しています。一方、「Overseas(海外)」事業はタイ、フィリピン、インドネシアでのオートローンが中心ですが、現時点では営業損失を計上しています。全体として、国内の個品割賦とカード・融資が収益の柱となっています。

2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
SettlementAndGuarantee 事業 250 116 46.4%
Overseas 事業 149 -46 -30.5%
CreditCardsAndDirectCashLoans 事業 700 581 83.0%
InstallmentCredit 事業 782 398 50.9%
BankLoanGuarantee 事業 350 193 55.2%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,016 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社、連結子会社18社及び持分法適用会社4社にて構成され、主な事業活動は以下のとおりとなります。 (1) 個品割賦事業お客さまが当社の加盟店から商品の購入やサービスの提供を受け、分割払い等を希望する場合、当社がお客さまの信用調査を行い、承認したお客さまに代わり加盟店へ利用代金を立替払いし、お客さまは当社に分割払い等にて支払います。主要な商品は「オートローン」「オートリース」「ショッピングクレジット」となります。 (2) カード・融資事業お客さまからクレジットカード申込を受け、当社が信用調査を行い、承認したお客さまに対してクレジットカードを発行します。お客さまはクレジットカードにて、1回払い又は分割払い・リボルビング払いで商品やサービスの提供を受け、当社がお客さまに代わり加盟店へ利用代金を立替払いし、お客さまは当社に約定に基づいて支払います。クレジットカードには、当社の「プロパーカード」、加盟店と提携して発行する「提携カード」、法人代表者や個人事業主向けの「ビジネスカード」があり、ショッピング機能のほかにキャッシング機能が付帯されております。また、別に融資専用の「ローンカード」の発行や目的ローン等の無担保融資等を行っております。 (3) 銀行保証事業お客さまが提携金融機関に借入を申し込むにあたり、当社が信用調査を行い、承認したお客さまの債務を保証するものであります。 (4) 決済・保証事業 ①家賃決済保証お客さまが入居を希望するアパート・マンション等の毎月の賃料を、グループ会社が信用調査を行い、承認したお客さまの債務を保証するものであります。 ②売掛金決済保証企業間取引における売掛金を、当社が信用調査のうえ承認した法人より集金し、加盟店へ支払い及び保証を行っております。 ③集金代行加盟店からの依頼に基づきお客さまから各種費用の徴収・収納代行を行っております。 ④小口リース保証法人や個人事業主のお客さまからの提携リース会社に対するリース申込に際し、当社が信用調査を行い、承認したお客さまの保証を行います。また、お客さまとのリース契約は提携リース会社が行っております。 (5) 海外事業タイ、フィリピン及びインドネシアにおけるオートローン及びこれに関連する事業を行っております。 [事業系統図] オリコグループの事業系統図は、次のとおりであります。(2025年3月31日現在)

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
金利変動リスクへの対応策としてALMやデリバティブ取引を活用しているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
割賦販売法や貸金業法など、各国・地域の法令諸規則の適用を受けるため。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:経済環境の低迷深刻化による業績への影響 / 金利上昇による業績への影響 / サイバー攻撃・大規模システム障害による事業への影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

オリコカードというブランド認知度は一定程度あるものの、他社カードとの差別化は限定的。特許や独自のIPによる競争優位性は見られない。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

オリコカードの会員基盤は強固であり、特にリボ払いなどの利用者は、金利負担や手続きの手間から他社への乗り換えが容易ではない。ただし、新規顧客獲得におけるスイッチングコストは低い。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

カード会員数や加盟店数が増加しても、それが直接的にサービス価値向上に繋がるネットワーク効果は限定的である。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

規模の経済によるコスト優位性は存在するが、他社も同様のビジネスモデルであり、構造的なコスト優位性は確立されていない。システム投資や人材コストは他社と同等レベル。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

日本の消費者金融・クレジットカード業界において、オリコは一定のシェアを持つ有力企業であり、規模の経済による効率性は一定程度確保されている。しかし、業界全体が成熟しており、さらなる規模拡大による優位性は限定的。

オリエントコーポレーションは、長年の事業で培った信用調査のノウハウとAIを活用した審査システムを強みとしています。これにより、適切な与信判断を行い、貸倒リスクを抑制しつつ、多様な顧客ニーズに応えるサービスを提供しています。また、提携金融機関や加盟店との強固なネットワークを構築しており、これにより幅広い顧客層へのアプローチと安定した事業基盤を確保しています。多角的な事業展開により、特定の事業に依存しない収益構造を確立している点も優位性と言えるでしょう。海外事業への展開も進めており、成長市場での収益機会を追求しています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの理念、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 理念等当社グループは、存在意義や使命としての「パーパス」並びに大切にする価値観である「バリュー」をグループ共通の「理念」として定めております。また、理念に基づき、社会・ステークホルダーへの基本的な向き合い方を明確化した「オリコがめざすサステナビリティ」を掲げております。 〔パーパス〕その夢の、一歩先へOpen the Future with You〔バリュー〕正しさを求める 信頼を育む未来を想う   挑戦を楽しむ 〔オリコがめざすサステナビリティ〕私たちは、「その夢の、一歩先へ」というパーパスを掲げています。これには、お客さまをはじめとするステークホルダーの皆さまのパートナーとして、一人ひとりのいまと未来に親身に寄り添い、真摯に向き合い、時には熱意をもってリードするという私たちの想いが込められています。私たちがめざすのは、誰もが豊かな人生を実現できる持続可能な社会。イノベーションの力で様々な社会課題を解決し、未来の世代へと継承していきたいと考えています。そのために、私たちは信頼されるパートナーとして、すべての企業活動を通じて社会に貢献し、社会価値と企業価値の両立を追求してまいります。 (2) 経営戦略、経営環境及び対処すべき課題等① 前中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)の振り返り 当期におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加等を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、景気の先行きは、物価上昇の継続が消費者マインドの下振れ等を通じて個人消費に及ぼす影響や、関税引き上げ等、米国の政策運営による各国経済への影響が懸念されており、依然として不透明な状況が続いております。また、金融市場の変動等には十分注意する必要があるものと認識しております。 このような状況のなか、中期経営計画最終年度となる2025年3月期につきましても、「Transformation Now! ~お客さま起点で価値を創造する新時代の金融サービスグループへ~」をスローガンに掲げ、4つの事業戦略(①重点市場の深耕と新規事業の探索②顧客ニーズを起点としたマーケットイン型営業の確立③異業種・先端企業との協働による新たなサービスの創出④プロセスイノベーションの深掘)に基づくアプローチを徹底してまいりました。 厳しい経営環境を踏まえ、リスクリターン、コストリターンに基づく事業ポートフォリオ運営の更なる高度化を図り、金利上昇等、環境が変化するなかでも持続的な成長軌道を確立するための強固な収益基盤の構築に努めてまいりましたが、前中期経営計画における経営目標(経常利益、ROE、営業収益一般経費率)についてはいずれも未達となりました。主な要因として、重点市場と位置付けた海外事業における貸倒関係費の増大や、事業構造改革の遅れにより収益力低下に歯止めをかけることができない中で、金利上昇という逆風が影響しました。  一方で、「グリーン」「デジタル」「オープンイノベーション」を切り口とした社会課題解決に繋がる有望なサービスの萌芽が見られます。具体的には、性能規定与信を活用したデジタルカードやデジタル分割払いに加え、オープンイノベーションを活用したアキカツローンやOBS(Orico Business payment for SME)など、社会課題解決に寄与する新商品・サービスをリリースいたしました。さらに、株式会社みずほ銀行との連携に加え、独自の経済圏を有するイオンフィナンシャルサービス株式会社、楽天グループ株式会社などとの提携・協業関係を相次いで構築しております。今後、こうした新商品・サービスの拡大や独自経済圏を梃子に事業基盤を拡充させてまいります。  経営基盤、財務規律の面では、2022年6月にこれまでの監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行するとともに、取締役会における独立社外取締役の比率も3分の1以上に引き上げ、ガバナンス体制の一層の充実を図りました。また、新たな理念を策定するとともに、サステナビリティを経営の上位概念に位置付けて取組みを強化した結果、脱炭素に向けた取組みと開示が評価され企業の環境や気候変動対策への取組みを評価する国際的なNGOであるCDPから、全世界の回答企業の上位2%であるAリスト企業として認定されました。加えて、サステナブル投資のファンドや他の金融商品の作成・評価に広く利用されているESG指数への組入れも果たしております。具体的には、FTSEの世界的なESG指数シリーズであるFTSE4Good Developed Index並びにFTSE4Good Japan Indexの2銘柄、及びGPIFが採用するESG指数6銘柄のうち5銘柄に組入れをされております。 人財戦略においては、めざす姿として「会社と社員が互いに成長できるWin-Winな関係構築を通じた社員エンゲージメントの最大化」を掲げ、オリコで働くすべての社員が仕事を通じて“自分らしく活躍できる”会社に向けて「自律的なキャリア形成支援」「ミッションを軸とした人事制度」「働きやすい環境の整備」を軸に人事制度を見直し、望まない転居転勤の廃止やジョブポスティングの導入を行っております。また、財務規律においては、外部格付が「A+」まで上昇したことにより資金調達基盤が安定いたしました。 ② 今中期経営計画(2026年3月期~2030年3月期)の取組方針 2030年3月期を最終年度とする5ヵ年の中期経営計画策定にあたり、昨年4月に制定した新たな理念(パーパス:その夢の、一歩先へ)を踏まえ、10年後のめざす社会、めざす姿を再定義しました。 今中期経営計画期間における当社グループを取り巻く経営環境については、少子高齢化、金利ある世界への回帰、デジタル化・キャッシュレス化の進展、所有から利用へ流れが加速するなど、大きな転換点を迎えております。とりわけ、生成AIを中心としたテクノロジーの急速な進展により、現時点では想像できないインフラ・サービスの登場などのゲームチェンジが起こりつつあると想定されます。 これらを踏まえ、当社グループの強みであるこれまで紡いできた英知と信頼の証である審査・回収などの与信の力とAIなどのテクノロジーをかけあわせ、さまざまなお客さまに安全・安心・便利な金融サービスを提供することで、社会課題や金融ニーズに応えていき、新たな金融シーンを創出していきたいと考えています。   めざす社会 誰もが豊かな人生を実現できる持続可能な社会   めざす姿 「与信 X テクノロジー」で新たな金融シーンを創りだす先進企業        ~お客さまの笑顔と豊かな未来のために~         ※「X」=かけあわせることでのイノベーションとトランスフォーメーションのエックスの両義的な意味  10年後のめざす社会・めざす姿を実現するために、優先的に取組むべき重要課題としてマテリアリティの見直しを行いました。当社グループの商品やサービス等を含むあらゆる戦略の根幹を成す位置づけにあり、「何のためにその事業を行うのか」「商品・サービスを開発・販売するのか」「その施策を行うのか」を、マテリアリティを起点に決定します。  テクノロジーの進展により、決済手段の多様化とキャッシュレス化が進行していますが、不正や金融犯罪の問題も深刻化しています。お客さまが安全・安心かつ利便性高くキャッシュレスサービスを利用できる環境を整えることは、リテール金融事業者としての当社グループの最重要課題です。また、日本の企業の99%を占める中小企業においても、キャッシュレス化や業務効率化のニーズが高まっています。 今後、ますます社会経済状況が複雑化し、価値観やライフスタイルも変化するなかで、お客さまが自分らしい生活を築くための多様な商品やサービスのニーズが一層高まると考えられます。また、社会構造の変化に伴い、フリーランスや在留外国人、高齢者、単身世帯、スタートアップ事業者など、お客さまの属性も多様化する見込みです。ニーズや属性が多様化していくなかで、生活を支える金融サービスを皆さまがより便利に利用できるようにすることは、当社グループにとって重要な使命であり、社会全体の活力を高めるためにも欠かせません。  上記を踏まえ、新たな4つの成長牽引マテリアリティと2つの経営基盤マテリアリティを定めました。なお、マテリアリティの見直しの過程においては、内外の有識者との議論及び経営会議・取締役会における複数回の議論を重ねております。 《成長牽引マテリアリティ》①個人や中小企業にとって安全・安心・便利な「キャッシュレス社会」実現への貢献 キャッシュレスの進展に伴う不正の増加・巧妙化は重要な社会課題です。中小企業DX支援(企業間決済、売掛金決済保証等)の領域は、人手不足等社会課題の解決にもつながる取組であり、企業価値と社会価値の両立を図る上で極めて重要と判断しました。 ②お客さま一人ひとりのニーズを捉えた新たな顧客体験価値の創造 今後10年の間に、お客さまの属性・ライフスタイル・価値観が一段と多様化すると見込まれ、当社グループは分割払いや決済保証などの領域で貢献することが求められています。多様なニーズを先取りした新たな金融サービスの提供は、当社グループのみならず社会全体の活力を高める上で特に重要と判断しました。 ③地域経済活性化への貢献 地域経済活性化は、当社グループ及び加盟店・提携先金融機関等ビジネスパートナーの商圏の維持・拡大において重要です。ビジネスパートナーと連携し地域の個人・中小企業に円滑な金融を提供し、販路拡大や労働力不足対応にも貢献することはめざす社会実現のうえで不可欠と整理したため、マテリアリティとしました。 ④循環型社会・脱炭素化実現への貢献 セカンドハンドやリユース等のマーケットでプレゼンスを有する当社グループに対し、ビジネスを通じた循環型社会実現へのステークホルダーの期待値は潜在的に高いと整理しました。所有から利用への価値観の変化等を先取りした新たなサービスの提供は事業面でも重要であります。 《経営基盤マテリアリティ》①イノベーションを後押しするインクルージョン&ダイバーシティの推進 インクルージョンこそイノベーションの源泉と当社グループでは位置づけ、多様な属性・バックグラウンド・強みを有する役職員が、多様な外部のステークホルダーと連携し、自ら挑戦のうえイノベーションを起こせる組織となっていくことを当社グループは志向しています。経営基盤強化・事業面の成功の必須条件と位置づけており、マテリアリティとしました。 ②コーポレートガバナンス・リスクマネジメント 強みである与信力(審査・オペレーション・回収含む)の担保及び強化と、グループ経営高度化等ガバナンス強化は事業成功の前提となる重要課題と認識しています。  新たな中期経営計画においては、足元の課題を踏まえつつ、10年後のめざす姿「与信 X テクノロジーで新たな金融シーンを創りだす先進企業」からバックキャスティングし、「オリコならではの金融モデルの確立」を最終年度の到達点として定めました。 オリコならではの金融モデルの確立 マテリアリティ(重要課題)解決を起点にオリコの代名詞となる事業領域を確立◆従来型の信販モデルから発展的に脱却 ⇒ 真にお客さまを軸とした事業モデルへの転換を実現(お客さまに選ばれ続ける企業へ)◆オリコの強み(=紡いできた英知と信頼)である与信・回収・オペレーション等をテクノロジーの力で磨きをかけ競争優位の源泉として確立  今中期経営計画の期間は5年間とし、前半3年間で、早期に事業構造改革を完遂し、捻出された経営資源を成長領域に振り向け、分割払い・企業間決済・個人向けリース等、前中期経営計画の成果を活かして、競争優位性のある事業の基盤固めをしたうえで、後半2年間では、市場シェアの拡大・収益獲得を加速化し、今中期経営計画の期間中、早期にPBR1倍超を実現してまいります。 この実現に向けて、経営目標と4つの事業戦略・4つの経営基盤戦略を策定いたしました。 《経営目標》PBR1倍超を実現するために、以下の財務上の経営目標を定めました。 2028年3月期2030年3月期経常利益250億円超500億円超ROE7.5%以上12%以上営業収益一般経費率60%未満50%台前半 《事業戦略》①事業構造改革の完遂・前中期経営計画からの継続課題である事業構造改革や海外事業の抜本的見直しを含め、不採算分野の縮退、事業効率化、経営資源の再配分を通じ、事業ポートフォリオの再構築を早期に完遂・リアルとデジタルのタッチポイント最適化と営業のやり方/型づくり等を含めたマーケットインの営業改革を実践 ②新たな体験価値提供を通じたお客さまとのエンゲージメント強化・マテリアリティに掲げる新たな顧客体験価値の創造に向けて、eオリコを入口としてお客さまに新たな体験価値を提供し、ロイヤリティやエンゲージメントを高めることで、当社グループ独自のネットワーク経済圏を構築(お客さまから選ばれ続ける企業へ)・リスクベースドプライシング導入等も含め、与信・回収・オペレーションの更なるレベルアップを通じたお客さまの獲得とリテインを促進 ③中小企業等への信用供与・生産性向上支援・安全・安心で利便性の高い「キャッシュレス社会」実現へ貢献するため、法人与信モデル高度化を梃子にした信用供与拡大に加え、キャッシュレス等のDX支援を拡充(地域経済、ひいては日本全体の経済活性化にも貢献) ④サーキュラーエコノミー市場の深耕・循環型社会・脱炭素化の実現へ貢献するため、リユースやリサイクルに対する意識の高まりと所有から利用への潮流を捉え、リテール領域での資源循環市場を深掘 ※株式会社みずほ銀行との連携に加え、大手事業者等の提携・協業を梃子に独自経済圏を深耕し、②③④をスケーリング 《経営基盤戦略》 事業戦略を推進するうえで不可欠な経営基盤を重点的に強化①デジタル/AI利活用の徹底拡充・強みである与信・回収・オペレーションを更にレベルアップするとともに、組織全体の生産性向上やマーケティング・商品開発力を高めるべくデジタル及びAIの組織ケイパビリティを強化 ②コーポレート・ガバナンス/リスク管理/ALMのレベルアップ・国内外の子会社管理を含めたグループガバナンスの実効性向上に加え、与信モデルやRAF高度化、金利上昇局面でのALM強化 ③人的資本経営/人財戦略の更なる進化と働き方変革・『個』が成長・協働し、変革・改善を起こす人材集団を形成。多様な人材が最大のパフォーマンスを発揮する基盤を構築 ④「新たな金融シーンを創り出す先進企業」の実現に向けたカルチャー変革・理念の共感・実践を軸に、インナーブランディング、組織開発、BPX(ビジネスプロセストランスフォーメーション)・AIX(AIトランスフォーメーション)等さまざまな取組を通じ、めざす姿にふさわしい企業カルチャーへ変革 《資本政策》「財務健全性、成長投資、株主還元の最適なバランスを実現」することを資本政策の基本方針とし、株主還元については「配当を基本に実施」することとしております。配当政策については、「累進配当を基本とし、連結配当性向30%から40%を目安に実施」することといたします。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの理念、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 理念等当社グループは、存在意義や使命としての「パーパス」並びに大切にする価値観である「バリュー」をグループ共通の「理念」として定めております。また、理念に基づき、社会・ステークホルダーへの基本的な向き合い方を明確化した「オリコがめざすサステナビリティ」を掲げております。 〔パーパス〕その夢の、一歩先へOpen the Future with You〔バリュー〕正しさを求める 信頼を育む未来を想う   挑戦を楽しむ 〔オリコがめざすサステナビリティ〕私たちは、「その夢の、一歩先へ」というパーパスを掲げています。これには、お客さまをはじめとするステークホルダーの皆さまのパートナーとして、一人ひとりのいまと未来に親身に寄り添い、真摯に向き合い、時には熱意をもってリードするという私たちの想いが込められています。私たちがめざすのは、誰もが豊かな人生を実現できる持続可能な社会。イノベーションの力で様々な社会課題を解決し、未来の世代へと継承していきたいと考えています。そのために、私たちは信頼されるパートナーとして、すべての企業活動を通じて社会に貢献し、社会価値と企業価値の両立を追求してまいります。 (2) 経営戦略、経営環境及び対処すべき課題等① 前中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)の振り返り 当期におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加等を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、景気の先行きは、物価上昇の継続が消費者マインドの下振れ等を通じて個人消費に及ぼす影響や、関税引き上げ等、米国の政策運営による各国経済への影響が懸念されており、依然として不透明な状況が続いております。また、金融市場の変動等には十分注意する必要があるものと認識しております。 このような状況のなか、中期経営計画最終年度となる2025年3月期につきましても、「Transformation Now! ~お客さま起点で価値を創造する新時代の金融サービスグループへ~」をスローガンに掲げ、4つの事業戦略(①重点市場の深耕と新規事業の探索②顧客ニーズを起点としたマーケットイン型営業の確立③異業種・先端企業との協働による新たなサービスの創出④プロセスイノベーションの深掘)に基づくアプローチを徹底してまいりました。 厳しい経営環境を踏まえ、リスクリターン、コストリターンに基づく事業ポートフォリオ運営の更なる高度化を図り、金利上昇等、環境が変化するなかでも持続的な成長軌道を確立するための強固な収益基盤の構築に努めてまいりましたが、前中期経営計画における経営目標(経常利益、ROE、営業収益一般経費率)についてはいずれも未達となりました。主な要因として、重点市場と位置付けた海外事業における貸倒関係費の増大や、事業構造改革の遅れにより収益力低下に歯止めをかけることができない中で、金利上昇という逆風が影響しました。  一方で、「グリーン」「デジタル」「オープンイノベーション」を切り口とした社会課題解決に繋がる有望なサービスの萌芽が見られます。具体的には、性能規定与信を活用したデジタルカードやデジタル分割払いに加え、オープンイノベーションを活用したアキカツローンやOBS(Orico Business payment for SME)など、社会課題解決に寄与する新商品・サービスをリリースいたしました。さらに、株式会社みずほ銀行との連携に加え、独自の経済圏を有するイオンフィナンシャルサービス株式会社、楽天グループ株式会社などとの提携・協業関係を相次いで構築しております。今後、こうした新商品・サービスの拡大や独自経済圏を梃子に事業基盤を拡充させてまいります。  経営基盤、財務規律の面では、2022年6月にこれまでの監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行するとともに、取締役会における独立社外取締役の比率も3分の1以上に引き上げ、ガバナンス体制の一層の充実を図りました。また、新たな理念を策定するとともに、サステナビリティを経営の上位概念に位置付けて取組みを強化した結果、脱炭素に向けた取組みと開示が評価され企業の環境や気候変動対策への取組みを評価する国際的なNGOであるCDPから、全世界の回答企業の上位2%であるAリスト企業として認定されました。加えて、サステナブル投資のファンドや他の金融商品の作成・評価に広く利用されているESG指数への組入れも果たしております。具体的には、FTSEの世界的なESG指数シリーズであるFTSE4Good Developed Index並びにFTSE4Good Japan Indexの2銘柄、及びGPIFが採用するESG指数6銘柄のうち5銘柄に組入れをされております。 人財戦略においては、めざす姿として「会社と社員が互いに成長できるWin-Winな関係構築を通じた社員エンゲージメントの最大化」を掲げ、オリコで働くすべての社員が仕事を通じて“自分らしく活躍できる”会社に向けて「自律的なキャリア形成支援」「ミッションを軸とした人事制度」「働きやすい環境の整備」を軸に人事制度を見直し、望まない転居転勤の廃止やジョブポスティングの導入を行っております。また、財務規律においては、外部格付が「A+」まで上昇したことにより資金調達基盤が安定いたしました。 ② 今中期経営計画(2026年3月期~2030年3月期)の取組方針 2030年3月期を最終年度とする5ヵ年の中期経営計画策定にあたり、昨年4月に制定した新たな理念(パーパス:その夢の、一歩先へ)を踏まえ、10年後のめざす社会、めざす姿を再定義しました。 今中期経営計画期間における当社グループを取り巻く経営環境については、少子高齢化、金利ある世界への回帰、デジタル化・キャッシュレス化の進展、所有から利用へ流れが加速するなど、大きな転換点を迎えております。とりわけ、生成AIを中心としたテクノロジーの急速な進展により、現時点では想像できないインフラ・サービスの登場などのゲームチェンジが起こりつつあると想定されます。 これらを踏まえ、当社グループの強みであるこれまで紡いできた英知と信頼の証である審査・回収などの与信の力とAIなどのテクノロジーをかけあわせ、さまざまなお客さまに安全・安心・便利な金融サービスを提供することで、社会課題や金融ニーズに応えていき、新たな金融シーンを創出していきたいと考えています。   めざす社会 誰もが豊かな人生を実現できる持続可能な社会   めざす姿 「与信 X テクノロジー」で新たな金融シーンを創りだす先進企業        ~お客さまの笑顔と豊かな未来のために~         ※「X」=かけあわせることでのイノベーションとトランスフォーメーションのエックスの両義的な意味  10年後のめざす社会・めざす姿を実現するために、優先的に取組むべき重要課題としてマテリアリティの見直しを行いました。当社グループの商品やサービス等を含むあらゆる戦略の根幹を成す位置づけにあり、「何のためにその事業を行うのか」「商品・サービスを開発・販売するのか」「その施策を行うのか」を、マテリアリティを起点に決定します。  テクノロジーの進展により、決済手段の多様化とキャッシュレス化が進行していますが、不正や金融犯罪の問題も深刻化しています。お客さまが安全・安心かつ利便性高くキャッシュレスサービスを利用できる環境を整えることは、リテール金融事業者としての当社グループの最重要課題です。また、日本の企業の99%を占める中小企業においても、キャッシュレス化や業務効率化のニーズが高まっています。 今後、ますます社会経済状況が複雑化し、価値観やライフスタイルも変化するなかで、お客さまが自分らしい生活を築くための多様な商品やサービスのニーズが一層高まると考えられます。また、社会構造の変化に伴い、フリーランスや在留外国人、高齢者、単身世帯、スタートアップ事業者など、お客さまの属性も多様化する見込みです。ニーズや属性が多様化していくなかで、生活を支える金融サービスを皆さまがより便利に利用できるようにすることは、当社グループにとって重要な使命であり、社会全体の活力を高めるためにも欠かせません。  上記を踏まえ、新たな4つの成長牽引マテリアリティと2つの経営基盤マテリアリティを定めました。なお、マテリアリティの見直しの過程においては、内外の有識者との議論及び経営会議・取締役会における複数回の議論を重ねております。 《成長牽引マテリアリティ》①個人や中小企業にとって安全・安心・便利な「キャッシュレス社会」実現への貢献 キャッシュレスの進展に伴う不正の増加・巧妙化は重要な社会課題です。中小企業DX支援(企業間決済、売掛金決済保証等)の領域は、人手不足等社会課題の解決にもつながる取組であり、企業価値と社会価値の両立を図る上で極めて重要と判断しました。 ②お客さま一人ひとりのニーズを捉えた新たな顧客体験価値の創造 今後10年の間に、お客さまの属性・ライフスタイル・価値観が一段と多様化すると見込まれ、当社グループは分割払いや決済保証などの領域で貢献することが求められています。多様なニーズを先取りした新たな金融サービスの提供は、当社グループのみならず社会全体の活力を高める上で特に重要と判断しました。 ③地域経済活性化への貢献 地域経済活性化は、当社グループ及び加盟店・提携先金融機関等ビジネスパートナーの商圏の維持・拡大において重要です。ビジネスパートナーと連携し地域の個人・中小企業に円滑な金融を提供し、販路拡大や労働力不足対応にも貢献することはめざす社会実現のうえで不可欠と整理したため、マテリアリティとしました。 ④循環型社会・脱炭素化実現への貢献 セカンドハンドやリユース等のマーケットでプレゼンスを有する当社グループに対し、ビジネスを通じた循環型社会実現へのステークホルダーの期待値は潜在的に高いと整理しました。所有から利用への価値観の変化等を先取りした新たなサービスの提供は事業面でも重要であります。 《経営基盤マテリアリティ》①イノベーションを後押しするインクルージョン&ダイバーシティの推進 インクルージョンこそイノベーションの源泉と当社グループでは位置づけ、多様な属性・バックグラウンド・強みを有する役職員が、多様な外部のステークホルダーと連携し、自ら挑戦のうえイノベーションを起こせる組織となっていくことを当社グループは志向しています。経営基盤強化・事業面の成功の必須条件と位置づけており、マテリアリティとしました。 ②コーポレートガバナンス・リスクマネジメント 強みである与信力(審査・オペレーション・回収含む)の担保及び強化と、グループ経営高度化等ガバナンス強化は事業成功の前提となる重要課題と認識しています。  新たな中期経営計画においては、足元の課題を踏まえつつ、10年後のめざす姿「与信 X テクノロジーで新たな金融シーンを創りだす先進企業」からバックキャスティングし、「オリコならではの金融モデルの確立」を最終年度の到達点として定めました。 オリコならではの金融モデルの確立 マテリアリティ(重要課題)解決を起点にオリコの代名詞となる事業領域を確立◆従来型の信販モデルから発展的に脱却 ⇒ 真にお客さまを軸とした事業モデルへの転換を実現(お客さまに選ばれ続ける企業へ)◆オリコの強み(=紡いできた英知と信頼)である与信・回収・オペレーション等をテクノロジーの力で磨きをかけ競争優位の源泉として確立  今中期経営計画の期間は5年間とし、前半3年間で、早期に事業構造改革を完遂し、捻出された経営資源を成長領域に振り向け、分割払い・企業間決済・個人向けリース等、前中期経営計画の成果を活かして、競争優位性のある事業の基盤固めをしたうえで、後半2年間では、市場シェアの拡大・収益獲得を加速化し、今中期経営計画の期間中、早期にPBR1倍超を実現してまいります。 この実現に向けて、経営目標と4つの事業戦略・4つの経営基盤戦略を策定いたしました。 《経営目標》PBR1倍超を実現するために、以下の財務上の経営目標を定めました。 2028年3月期2030年3月期経常利益250億円超500億円超ROE7.5%以上12%以上営業収益一般経費率60%未満50%台前半 《事業戦略》①事業構造改革の完遂・前中期経営計画からの継続課題である事業構造改革や海外事業の抜本的見直しを含め、不採算分野の縮退、事業効率化、経営資源の再配分を通じ、事業ポートフォリオの再構築を早期に完遂・リアルとデジタルのタッチポイント最適化と営業のやり方/型づくり等を含めたマーケットインの営業改革を実践 ②新たな体験価値提供を通じたお客さまとのエンゲージメント強化・マテリアリティに掲げる新たな顧客体験価値の創造に向けて、eオリコを入口としてお客さまに新たな体験価値を提供し、ロイヤリティやエンゲージメントを高めることで、当社グループ独自のネットワーク経済圏を構築(お客さまから選ばれ続ける企業へ)・リスクベースドプライシング導入等も含め、与信・回収・オペレーションの更なるレベルアップを通じたお客さまの獲得とリテインを促進 ③中小企業等への信用供与・生産性向上支援・安全・安心で利便性の高い「キャッシュレス社会」実現へ貢献するため、法人与信モデル高度化を梃子にした信用供与拡大に加え、キャッシュレス等のDX支援を拡充(地域経済、ひいては日本全体の経済活性化にも貢献) ④サーキュラーエコノミー市場の深耕・循環型社会・脱炭素化の実現へ貢献するため、リユースやリサイクルに対する意識の高まりと所有から利用への潮流を捉え、リテール領域での資源循環市場を深掘 ※株式会社みずほ銀行との連携に加え、大手事業者等の提携・協業を梃子に独自経済圏を深耕し、②③④をスケーリング 《経営基盤戦略》 事業戦略を推進するうえで不可欠な経営基盤を重点的に強化①デジタル/AI利活用の徹底拡充・強みである与信・回収・オペレーションを更にレベルアップするとともに、組織全体の生産性向上やマーケティング・商品開発力を高めるべくデジタル及びAIの組織ケイパビリティを強化 ②コーポレート・ガバナンス/リスク管理/ALMのレベルアップ・国内外の子会社管理を含めたグループガバナンスの実効性向上に加え、与信モデルやRAF高度化、金利上昇局面でのALM強化 ③人的資本経営/人財戦略の更なる進化と働き方変革・『個』が成長・協働し、変革・改善を起こす人材集団を形成。多様な人材が最大のパフォーマンスを発揮する基盤を構築 ④「新たな金融シーンを創り出す先進企業」の実現に向けたカルチャー変革・理念の共感・実践を軸に、インナーブランディング、組織開発、BPX(ビジネスプロセストランスフォーメーション)・AIX(AIトランスフォーメーション)等さまざまな取組を通じ、めざす姿にふさわしい企業カルチャーへ変革 《資本政策》「財務健全性、成長投資、株主還元の最適なバランスを実現」することを資本政策の基本方針とし、株主還元については「配当を基本に実施」することとしております。配当政策については、「累進配当を基本とし、連結配当性向30%から40%を目安に実施」することといたします。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 (1) 経営成績当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加等を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、景気の先行きは、物価上昇の継続が消費者マインドの下振れ等を通じて個人消費に及ぼす影響や、関税引上げ等、米国の政策運営による各国経済への影響が懸念されており、依然として不透明な状況が続いております。また、金融市場の変動等には十分注意する必要があるものと認識しております。このような状況のなか、当社は、前中期経営計画よりサステナビリティを経営の上位概念として位置づけ社会価値と企業価値の両立をめざすとともに、リスクリターン、コストリターンをベースとする事業ポートフォリオ運営を本格的に導入し、経営基盤・財務基盤の強化に努めてまいりました。しかしながら、重点市場と位置付けた海外においては延滞債権の増加により戦略の転換を余儀なくされたことに加え、個品割賦を中心とした事業構造改革は道半ばであり、継続して取組みを進める必要があります。 一方で、デジタルの活用による生産性向上や、新たな商品サービス・ソリューション(ワケタラ、OBS、アキカツローン等)の開発、さらにはイオンフィナンシャルサービス株式会社等との業務提携など、成長に繋がる事業基盤は着実に厚みを増しており、今後は、こうした基盤を確固たるものとし、企業価値向上に繋げていきたいと考えています。  当連結会計年度の業績につきましては、以下のとおりであります。  営業収益につきましては、重点領域である決済・保証事業等の伸長に加え、連結子会社化した3社(株式会社オリコオートリース、株式会社オリコビジネスリース、株式会社オリコプロダクトファイナンス)の収益貢献により、2,452億円(前年差162億円増加)となりました。  営業費用につきましては、連結子会社化した3社の影響による一般経費の増加や金利上昇影響による金融費用の増加を主因に2,329億円(前年差199億円増加)となりました。  以上の結果、経常利益は123億円(前年差37億円減少)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、特別利益の計上により139億円(前年差13億円増加)となりました。  セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。 (参考)事業収益の事業別内訳 (単位 億円:未満切捨て)事業前連結会計年度当連結会計年度前年比(%)決済・保証22025013.8海外1431494.0カード・融資713699△1.9(うち、カードショッピング)(535)(535)(0.2)個品割賦68578214.1銀行保証3353504.5その他78848.0計2,1752,3166.5 ■決済・保証事業決済・保証事業につきまして、家賃決済保証や売掛金決済保証が伸長したことにより、取扱高は前年差で増加しました。家賃決済保証では、単身世帯数の増加等により市場は拡大傾向にあるなか、電子申込による利便性向上等が貢献しました。売掛金決済保証では、既存加盟店の取扱高伸長に加え、株式会社みずほ銀行との連携強化により新規提携社数も順調に拡大しました。  この結果、決済・保証事業の事業収益は、250億円(前年比13.8%増加)となりました。 ■海外事業海外事業につきまして、海外子会社3社合計の取扱高は、タイ子会社の取扱高減少を主因に、前年差で減少しましたが、インドネシア子会社の商品構成の変化等により、事業収益は増加しました。タイやインドネシアでの長引く国内経済の低迷により厳しい事業環境が継続しておりますが、引続き回収体制の強化や与信基準の厳格化による良質債権の積み上げに努めるとともに、ガバナンス体制の徹底的な強化を図ってまいります。  この結果、海外事業の事業収益は、149億円(前年比4.0%増加)となりました。 ■カード・融資事業カード・融資事業につきまして、カードショッピングの取扱高は、キャッシュレス決済が浸透し、市場が拡大傾向にあるなか、大型提携先での利用が好調に推移したことにより、前年差で増加しました。融資残高は、新規取扱いが減少したこと等により、前年差で減少となりました。 この結果、カードショッピングの事業収益は535億円(前年比0.2%増加)、融資の事業収益は163億円(前年比8.1%減少)となり、カード・融資事業全体の事業収益といたしましては、699億円(前年比1.9%減少)となりました。 ■個品割賦事業個品割賦事業につきましては、オートローン及びショッピングクレジットの取扱高は、株式会社オリコプロダクトファイナンスの連結子会社化により、前年差で増加しました。なお、株式会社オリコプロダクトファイナンスについては、連結化効果を高めるべくPMIを加速し、安定的に収益を上げられる事業構造への転換をめざしてまいります。 この結果、個品割賦事業の事業収益は、782億円(前年比14.1%増加)となりました。 ■銀行保証事業銀行保証事業につきましては、地域の課題に応じた金融商品・サービスの提供に取り組んでおり、証書貸付における取扱高の順調な拡大を背景に、保証残高は前期末から増加しました。 この結果、銀行保証事業の事業収益は、350億円(前年比4.5%増加)となりました。 (2) 財政状態① 資産の部 資産の状況につきまして、資産合計は前連結会計年度末の3兆1,477億円から2,660億円減少し、2兆8,816億円となりました。これは主に、有利子負債の返済等に伴う現金及び預金の減少によるものであります。 ② 負債の部 負債の状況につきまして、負債合計は前連結会計年度末の2兆9,020億円から2,669億円減少し、2兆6,351億円となりました。これは主に、有利子負債の減少によるものであります。 ③ 純資産の部 純資産につきまして、前連結会計年度末の2,456億円から8億円増加し、2,465億円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の積み上げにより、利益剰余金が増加したことによるものであります。 (3) キャッシュ・フロー(資本の財源及び資金の流動性に係る情報) 当社グループの主な事業内容は、決済・保証事業、海外事業、カード・融資事業、個品割賦事業、銀行保証事業であります。当連結会計年度においては、海外事業の取扱高が減少した一方で決済・保証事業、カード・融資事業、個品割賦事業、銀行保証事業の取扱高が増加したことにより事業全体では流動化の為にオフバランスした営業債権及び信用保証を含む営業資産残高が増加しました。 主な運転資金需要としましては、加盟店への立替金や顧客への融資金、また一般管理費等の営業費用並びにソフトウエア等の固定資産への投資等及び一部子会社向けの事業運転資金等があります。 資金調達においてはマーケット環境の変化にも注視しつつ、手許自己資金のほか、借入金に加えて社債やコマーシャル・ペーパー等様々な調達手段を駆使しながら安定的かつ効率的に資金を確保しております。また、保有する営業資産を活用した債権流動化による資金調達も継続的に実施しております。なお、突発的な資金需要に備え、手許自己資金に加えてコミットメントライン契約や親密金融機関からの当座借越枠等で流動性リスクに備えております。当期末の有利子負債残高は、債権流動化による調達を拡大した一方で短期借入金を中心に有利子負債の返済を進めた結果、2兆182億円となりました。 当社の外部格付の状況としましては、本報告書提出時点において、株式会社格付投資情報センター(R&I)から長期債はA+、コマーシャル・ペーパーはa-1、株式会社日本格付研究所(JCR)から長期債はA+、コマーシャル・ペーパーはJ-1の格付を取得しております。  各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の営業活動による資金の増加は26億円(前年差460億円の収入増)となりました。 これは、主に売上債権残高が減少したことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の投資活動による資金の減少は133億円(前年差311億円の支出減)となりました。 これは、当社の成長に資する戦略的なシステム投資を行い、無形固定資産(ソフトウエア)を取得したことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度の財務活動による資金の減少は2,520億円(前年差4,736億円の支出増)となりました。 これは、主にコマーシャル・ペーパーの償還及び短期借入金の返済が進んだこと等によるものであります。  以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ2,625億円減少し、2,168億円となりました。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。  連結営業実績は次のとおりであります。  区分 前連結会計年度(自 2023年4月1日  至 2024年3月31日) 当連結会計年度(自 2024年4月1日  至 2025年3月31日) 対前年増減金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)事業収益決済・保証22,00325,0413,037海外14,35514,924568カード・融資71,34469,984△1,360個品割賦68,55678,2339,676銀行保証33,51435,0211,506その他7,8128,441628小計217,587231,64514,057 金融収益1,6791,220△458 その他の営業収益9,78712,4042,617合計229,054245,27016,216(注)1.各事業の収益には、割賦売掛金等の流動化による収益が次のとおり含まれております。 (前連結会計年度)(当連結会計年度)決済・保証-百万円862百万円カード・融資27,342 27,760 個品割賦44,086 46,805 その他224 △8 計71,653 75,420 2.主要事業における取扱高 事業 前連結会計年度(自 2023年4月1日  至 2024年3月31日) 当連結会計年度(自 2024年4月1日  至 2025年3月31日) 対前年増減金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)決済・保証1,713,2271,830,005116,778海外81,00859,218△21,790カード・融資3,224,9553,430,435205,480個品割賦1,068,6461,268,802200,155銀行保証572,307612,56640,259計6,660,1457,209,244544,549 (連結営業資産残高)事業第64期(2024年3月31日)第65期(2025年3月31日)対前年増減金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)増減率(%)決済・保証128,0433.4120,9193.2△7,123△5.6(債権を流動化した残高)(-) (14,169) (14,169) (流動化を含む残高)(128,043) (135,089) (7,045) 海外165,3504.4158,1444.1△7,206△4.4カード・融資278,2557.4267,5937.0△10,661△3.8(債権を流動化した残高)(348,701) (357,032) (8,330)2.4(流動化を含む残高)(626,957) (624,625) (△2,331)△0.4 クレジットカード174,0464.6169,8564.4△4,189△2.4 (債権を流動化した残高)(317,458) (323,508) (6,049)1.9 (流動化を含む残高)(491,504) (493,365) (1,860)0.4 ショッピング145,9143.9145,9323.8180.0 (債権を流動化した残高)(280,856) (286,463) (5,607)2.0 (流動化を含む残高)(426,770) (432,396) (5,625)1.3 キャッシング28,1310.723,9240.6△4,207△15.0 (債権を流動化した残高)(36,602) (37,044) (442)1.2 (流動化を含む残高)(64,734) (60,968) (△3,765)△5.8 一般個人ローン104,2092.897,7362.6△6,472△6.2 (債権を流動化した残高)(31,243) (33,523) (2,280)7.3 (流動化を含む残高)(135,452) (131,260) (△4,191)△3.1個品割賦1,909,76750.61,862,52248.7△47,244△2.5(債権を流動化した残高)(2,069,873) (2,094,913) (25,039)1.2(流動化を含む残高)(3,979,640) (3,957,436) (△22,204)△0.6 オートローン1,164,26130.91,152,28430.1△11,976△1.0 (債権を流動化した残高)(1,215,235) (1,281,205) (65,970)5.4 (流動化を含む残高)(2,379,497) (2,433,490) (53,994)2.3 ショッピング745,50519.8710,23818.6△35,267△4.7 (債権を流動化した残高)(854,637) (813,707) (△40,930)△4.8 (流動化を含む残高)(1,600,143) (1,523,945) (△76,196)△4.8銀行保証1,252,37433.21,385,23036.2132,856(10.6)その他(住宅ローン等)36,7441.032,8000.9△3,944△10.7(債権を流動化した残高)(2,344) (1,804) (△540)△23.1(流動化を含む残高)(39,089) (34,604) (△4,484)△11.5合計3,770,535100.03,827,211100.056,6751.5(債権を流動化した残高)(2,420,920) (2,467,919) (46,999)1.9(流動化を含む残高)(6,191,455) (6,295,130) (103,675)1.7(注)前連結会計年度の情報は、「注記事項(企業結合等関係)」に記載の暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の重要な見直しが反映された後の金額により開示しております。

事業リスク

主なリスクとして、経済環境の低迷による顧客の返済困難化や加盟店の経営悪化、金利上昇による金融費用の増加や事業収益の減少が挙げられます。また、サイバー攻撃や大規模システム障害による情報漏えいや業務停止、不正利用の増加による業績への影響や信頼毀損も重要なリスクです。さらに、役職員の不適切な行為による企業価値の毀損、自然災害や新たな感染症による業務継続困難化、人財マネジメントの不十分さによる競争力低下も事業に影響を及ぼす可能性があります。信用リスク、金利変動リスク、流動性リスク、サイバーセキュリティリスク、情報リスクなど、多岐にわたるリスクを管理しています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|6,907 文字
3【事業等のリスク】(1) リスクマネジメント当社グループは、経営の健全性及び安定性を維持しつつ企業価値の向上を図るため、リスクを適切に管理することを経営上の重要課題の一つと位置づけております。当社グループの多様化するリスクを総合的に把握・管理するため「リスク管理基本方針」を定め、業務執行部門及びグループ会社における自律的な統制活動を推進するとともに、個別のリスク状況をリスク所管部が管理し、全体としてリスク統括部が把握・評価することにより、適切にリスクをコントロールしております。リスク管理の状況については、四半期に一回開催する総合リスク管理委員会において審議・報告がなされ、その内容が経営会議及び取締役会に適宜・適切に報告されるなど、当社グループ全体としてリスク管理の態勢を構築しております。また、リスク管理を重視する企業風土を醸成するため、全役職員のリスクに対する意識の浸透を図るとともに、リスク管理の重要性を認識し行動するように、教育及び啓発を行っております。 (2) リスクアペタイト・フレームワーク(RAF)当社はRAFを、リスクアペタイト(事業戦略や財務戦略を実現するために進んで受け入れるべきリスクの種類及び総量)に沿ったリスクテイクを実現するための経営管理の枠組みと位置づけています。「リスクアペタイト・フレームワーク運営に関する基本方針」に基づき、事業戦略・財務戦略とリスク管理を一体的に運営し、適切なリスクテイクを通じた最適なリスク・リターンの実現をめざしており、期中のモニタリングを通じた資本十分性の確認や環境変化に応じた迅速なリバランスを行うなど、経営の安全性確保と経営資源配分の最適化に資する適切な管理・運営を行っております。 (3) トップリスク運営内外の環境などを踏まえ、足許から3年ないし5年先を見据え、顕在化した場合に当社グループの経営に重大な影響を及ぼすリスク事象を「トップリスク」として選定しております。選定に際しては、内外のリスク事象を幅広く収集し、その蓋然性と影響度を評価のうえ、総合リスク管理委員会及び経営会議の審議を経て、取締役社長にて決定します。選定したトップリスクは、定期的及び必要に応じて都度見直しを行う態勢とし、また適宜実効的な対策を講じることにより、適切なリスクのコントロールに努めております。 有価証券報告書提出日(2025年6月20日)現在の「トップリスク」は次のとおりであります。 <トップリスク> リスク事象リスクシナリオ①経済環境の低迷深刻化による業績への影響物価上昇の高止まりや経済環境の大きな変動により、顧客の返済が困難となり貸倒損失が増加。事業環境の悪化により、加盟店の経営悪化・倒産が増加②金利上昇による業績への影響想定外の金利上昇による金融費用の増加や事業収益の減少が業績を下押し③サイバー攻撃・大規模システム障害による事業への影響サイバー攻撃や基幹システム障害を起因とする個人情報の漏えいや業務停止等により、ステークホルダーからの信頼を毀損し、ビジネス機会を喪失④社会的規範に悖る行為等による企業価値の毀損役職員が社会的目線に照らして正しい行為を行わないことにより、ステークホルダーからの信頼を毀損し、ビジネス機会を喪失⑤不正利用増加による事業への影響カードの不正利用・不正被害額が増大することによる業績影響や、ステークホルダーからの信頼を毀損しビジネス機会を喪失⑥自然災害や新たな感染症による業績への影響首都圏直下型地震の発生や大規模風水害の発生により、社屋の損傷や基幹システムが被災し、業務継続が困難となり信用力が毀損⑦人財マネジメントの不十分さによる戦略実現への影響事業計画を遂行するための人財マネジメントが不十分であり競争力が低下 (4) 事業等に関する主なリスク当社グループの事業等に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項は以下のとおりであります。なお、本項については、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日(2025年6月20日)現在において判断したものであり、将来発生しうるすべての事業等のリスクを網羅するものではありません。 ①信用リスクリスク・信用供与しているお客さまの支払遅延の発生や債権回収の悪化等により、損失を被る可能性があります。・将来の景気動向、個人破産申立の増加、その他の予期せぬ理由等により、貸倒引当金等を積み増しせざるを得なくなる可能性があります。・海外事業に関しては、東南アジア経済における物価や雇用環境の動向等により、お客さまの支払能力が変動し業績に影響を及ぼす可能性があります。対応策・過去の実績を踏まえた統計的な手法に基づき、AIを駆使した審査システム・ロジックの最新化や性能規定与信の導入により、適切な延滞率の制御に取組んでいます。・貸倒損失に備えるため、過去の実績等を踏まえた統計的な手法により予想損失率を算出し貸倒引当金等を計上しております。・海外事業では与信基準の改定や延滞顧客に対する債権回収体制の強化に取組んでおります。 ②金利変動リスクリスク・将来において想定以上の金利の上昇、格付の大幅な見直しにより調達金利が上昇した場合、金融費用が増加する可能性があります。また、調達金利の上昇分を運用金利に転嫁できない可能性があります。対応策・ALM(資産、負債の総合管理)を実施し、市場環境や当社グループのポートフォリオに応じて長短の調達バランスを調整するとともに、デリバティブ取引を活用し、金利変動リスクへの適切な対応に取組んでおります。 ③流動性リスクリスク・金融情勢の著しい変化や格付の大幅な見直しが行われた場合、円滑な資金の確保が困難となる、或いは通常よりも著しく不利な金利水準での資金調達を余儀なくされる可能性があります。対応策・ALM(資産、負債の総合管理)を実施し、当社グループの事業活動に必要な資金確保に向け、調達手段の多様化に努めるとともに、複数の金融機関とのコミットメントラインの設定や手元流動性の調整等によって、流動性リスクの軽減に向けた対応に取組んでおります。 ④サイバーセキュリティリスクリスク・サイバー攻撃により、コンピュータシステムの停止、データ改ざん、重要な情報の漏えい等が発生した場合、お客さまサービスに支障を来たす可能性、お客さまの情報が悪用される可能性、ステークホルダーからの信頼が損なわれる可能性、損害賠償責任が発生する可能性、法令に基づく処分の対象となる可能性、及びこれらの事象に対応するための追加費用等が発生する可能性があります。対応策・高度化、巧妙化するサイバー攻撃等の脅威を経営の重要課題と認識し、専門部署であるサイバーセキュリティ室を中心にサイバーセキュリティリスク管理態勢を整備しています。具体的には外部機関等との連携による情報収集や統合SOCによるネットワークやデバイスの24時間365日監視を行い、インシデントの早期発見、即時対応に努めています。また、技術的な対策をはじめ、サイバーインシデント発生に備えた手順の整備、サプライチェーンの管理、役職員への研修・訓練等による組織的、人的対策を講じることにより、システムの安全性を維持する態勢を整備しております。・セキュリティ品質の向上及びインシデント対応力強化を目的とした「オリコCSIRT」体制を構築し、平常時の予防安全からインシデント発生時の即応態勢までを一貫してコントロールする仕組みを整備しております。 ⑤情報リスクリスク・事業の特性から、大量のお客さまの情報を取得、保有、利用しており、当社グループ及び業務委託先において、外部からの不正アクセス、媒体運送中の事故、内部関係者の関与等によって重要な情報の漏えい等が発生した場合、損害賠償責任が発生する可能性、ステークホルダーからの信頼が損なわれる可能性、法令に基づく処分の対象となる可能性、及びこれらの事象に対応するための追加費用等が発生する可能性があります。対応策・お客さまの個人情報をはじめとする情報の漏えいを防ぐため、情報の取扱いに関する規程等の整備、システム上のセキュリティ対策、役職員への教育・研修、施設への入退出管理等、組織的、技術的、人的及び物理的対策を講じることにより、情報の適正な取扱いに関する態勢を整備しております。・情報セキュリティ認証基準改定への対応を含むセキュリティ対策の継続的な改善等を通じてセキュリティ対策の向上に取組んでおります。 ⑥システムリスクリスク・大規模なコンピュータシステムを保有しており、国内の拠点や、お客さま、各種決済機構等のシステムとの間を通信ネットワークで結び情報を処理しております。システムの大規模な誤作動等の事態が発生した場合や、外部委託先の過失・不正、自然災害等が発生した場合に、お客さまサービスに支障を来たす可能性があります。対応策・業務上使用している情報システムにおいては、安定的な稼働を維持するためのメンテナンス、バックアップシステムの確保等の障害発生の防止策を講じ、また不測の事態に備えたコンティンジェンシープランを策定し、万一システムダウンや誤作動等の障害が発生した場合であっても安全かつ速やかに業務を継続できるよう体制の整備に万全を期しております。また、クラウドサービス提供者等の外部委託先に対し導入前後に亘る定期的な調査を行い、セキュリティ対策内容やサービスレベルを評価し、品質強化に取組んでおります。 ⑦コンダクトリスクリスク・法令、社内規則、社会規範に反する行為のみならず、顧客保護、市場の健全性、公共の利益及びステークホルダーに悪影響を及ぼす行為があった場合、企業価値を毀損する可能性があります。対応策・コンプライアンスを単なる法令遵守にとどめず、企業倫理や社会規範も遵守することと捉え、役職員が問題に直面した際に「正しい行動」を取れるよう「The Orico Group Code」を行動規範として定め、役職員への浸透・定着に取組んでおります。・役職員が安心して利用できる内部通報窓口「オリコ・ヘルプライン」を社内外に設置することにより、自浄作用を高めるとともに、不正発生の未然防止に取組んでおります。 ⑧外部不正リスクリスク・不正取引の手口の複雑化・巧妙化により、クレジットカード等の不正被害額は業界全体で依然として増加傾向にあり、業績を下押しする可能性があります。また、不正取引の抑制は社会的責任の観点からも重要であることから、その取組が不十分とみなされた場合には、ステークホルダーからの信頼が損なわれる可能性があります。対応策・不正申込の傾向調査やモニタリングを実施し、審査ロジックの精度向上による不正発生の未然防止に取組んでおります。・AIスコア搭載の不正検知システムによる検知及び会員向けの本人認証サービス登録促進、利用通知・停止機能提供等、不正取引防止対策の強化に取組んでおります。・当社WEBサイトを模したフィッシングサイトの出現を24時間体制で監視し、検知した場合は速やかに閉塞対応を行っております。併せて、会員への啓発活動として動画やWEBサイトを活用し注意喚起を行っております。 ⑨気候変動リスクリスク・台風や豪雨などの異常気象による自然災害多発や脱炭素社会への移行に伴う事業への影響を「気候変動リスク」と認識しております。・物理的リスクとして、台風や洪水等の極端な気候現象の深刻化により、業務運営に支障を来たす可能性、事業基盤が毀損する可能性があります。・移行リスクとして、循環型社会への移行や脱炭素化を促す技術革新やイノベーションへの対応、政策・法規制、特定の金融サービスの需給変化への対応、それらの情報開示への取組が不十分とみなされ、ステークホルダーからの信頼を損なう可能性があります。対応策・サステナビリティを経営の軸とし「環境基本方針」に沿って、環境関連の取組をさらに充実させるとともに、循環型社会・脱炭素化の実現に取組んでおります。・サステナビリティ委員会を通じ、気候変動関連のリスクや機会への対応、サステナビリティの取組状況の確認、社内外のコミュニケーション強化、モニタリング強化に取組んでおります。・物理的リスク、移行リスクについてはその発生可能性、影響度、影響額を算出し対応策に取組んでおります。 ⑩大規模災害・感染症による影響リスク・大規模な地震・台風等の災害による被害や感染症の流行により、業務運営に支障を来たす可能性があります。・災害による被害からの復旧までに時間が相当にかかる場合、また感染症の急拡大や重症者の著しい増加等の事態が生じた場合、信用リスクや流動性リスク等が高まる可能性があります。対応策・大規模な地震・災害や事故等の突発的な事態に備えて「事業継続管理規程」を制定し、「事業継続管理年間計画」の策定等、危機管理体制を構築することに加え、役職員の安全確認を速やかに行うための専用システムを導入しております。・首都圏で大規模自然災害等が発生した場合、西日本エリアに暫定緊急対策本部を設置することとし、業務継続を可能とするため定期的に訓練を実施しております。・決済インフラの安定稼働、適切なお客さま対応等に努められるよう、ビジネスコンティンジェンシープランを策定しており毎年最新化を図っております。 ⑪規制変更リスクリスク・当社グループでは、国内における「割賦販売法」や「貸金業法」を含むそれぞれの国や地域において求められる現時点での法令諸規則、政策及び実務慣行等の規制の適用を受けながら業務を遂行しております。将来における法令諸規則、政策及び実務慣行等の規制変更により、当社グループの業績や事業展開に重要な影響を及ぼす可能性があります。・万一、これらの規制変更に対応できず、法令等に抵触する行為があった場合、当局から処分を受ける可能性があります。対応策・規制変更リスクの所在・規模等を適時かつ正確に把握し、その内容・対応状況を総合リスク管理委員会に報告のうえ、リスク回避・低減等に向けた適正な管理・運営を行っております。・関係法令等にかかる業務検証を実施し、その内容・結果をコンプライアンス委員会に報告のうえ、法令遵守に向けた適正な管理・運営を行っております。 ⑫人的(人材、人権等)リスクリスク・少子高齢化により労働人口が減少するなか、仕事に対する価値観や生活環境が多様化しており、社員の働きがいややりがいに対する期待に応えられない場合、経営戦略を遂行するために必要な人材を確保することが難しくなり、競争力等が低下する可能性があります。・経営戦略を達成するためこれまで以上にDXをはじめとした専門人材を必要としており、事業環境変化に合った十分な人材確保・育成ができない場合、競争力等が低下し業務運営に支障を来たす可能性があります。・人権尊重に向けた取組が不十分とみなされ、ステークホルダーからの信頼を損なう可能性があります。対応策・外部環境の変化や働く社員一人ひとりの価値観・ライフスタイルの変化を踏まえた人財戦略に基づく重点事項の実施により社員エンゲージメントの最大化に取組んでおります。・新たな経験付与プログラムや学習コンテンツの充実による社員の計画的な育成や、経験者採用等戦略的に多様な人材の確保に取組んでおり、専門性の高い人材に対する報酬体系を整備しております。・人権尊重が重要な社会的責任であることを認識し、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいて定めた「人権基本方針」に従い、人権デュー・ディリジェンスを行うなど、国内外のグループ会社を含め人権尊重に関する取組を強化しております。 ⑬繰延税金資産の回収可能性に関するリスクリスク・繰延税金資産の回収可能性は将来課税所得に基づき判断しており、その見積りは将来の景気動向、想定以上の金利変動、個人破産申立の増加、その他の予期せぬ理由により影響を受ける可能性があります。対応策・繰延税金資産は、将来減算一時差異等に対して計上しており、その回収可能性は将来の事業計画等に一定の不確実性を織り込み見積もった将来課税所得に基づき判断しております。 上記以外に、次のような事項が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。その他のリスク・反社会的勢力排除、マネー・ローンダリング・テロ資金供与及び拡散金融対策が不十分であった場合・割賦売掛金の流動化に伴い売却した優先受益権や保有する有形固定資産(土地・建物等)の時価が著しく下落した場合・加盟店、提携先や業務委託先の法令違反等による消費者トラブルが、当社グループの社会的責任に発展した場合・当社グループ及び当業界に関するネガティブな報道等によりステークホルダーからの信頼が損なわれた場合

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