経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。1 経営方針 当社グループは、「日本とアジアをつなぐ投資会社として少子高齢化が進む社会に安心・安全で質と生産性の高い未来を創ります」を経営理念として掲げ、全てのステークホルダーへの利益還元を果たして参ります。 2 経営環境と対処すべき課題A:中期経営計画(2025年3月期から2027年3月期まで) 当社は、2025年3月期から2027年3月期まで3年間の中期経営計画を2024年8月14日開催の取締役会で決議しております。当計画は、当社グループの投資事業の領域を、投資開発事業、投資運用事業、ファンド・プラットフォーム事業と再定義し、それぞれを新たな事業方針に基づいて拡大していくものです。 投資の実行に当たっては、ファンドの組成や融資(デット)の調達により外部資金を活用します。外部資金を活用した投資を徹底して自己資金の負担を減らすことで、ファンドや投資資産からの安定したフィー収入を増加させると同時に、投資収益から得られる成功報酬(キャリー)により業績のアップサイドを追求し、財務基盤を強固にしながら収益の安定・拡大を目指します。 また、外部環境と収益機会を整理し、補完・代替可能な事業ポートフォリオを構築して、様々な経済環境に対応できる投資資産や金融商品の開発・運用を行います。 投資開発事業の収益機会は、エネルギー価格の高騰、労働力不足によるインフレ圧力、金利上昇と経済をめぐってくすぶり続ける不確実性という外部環境の中で、インフレヘッジ特性やディフェンシブ特性を持ち合わせているプライベート・リアルアセットとして、投資家にとって有力な分散投資先となることです。また、環境問題や社会問題に対応するプライベート・リアルアセットとして、投資家の責任投資目標達成にも貢献します。そこで、当社グループでは、安定収益の確保とファンドの組成に向けたプライベート・リアルアセットのパイプライン開発と投資資産の積み上げを行います。 投資運用事業では、金利やインフレ率が上昇し経済成長性が高まっている現況では、伝統的な資産である上場有価証券への投資に収益機会があります。また、現在の日本経済の環境は、デフレからの脱却、円安の進行、米中対立を背景とした生産や研究拠点としての重要性が高まり、海外から注目を集めています。特にアジアの投資家が、日本国内の有望なテクノロジーやベンチャー企業、上場企業に対して投資機会を求める時代となっています。そこで、当社グループでは、国内外の機関投資家やファミリーオフィス・富裕層向けに伝統的・非伝統的な両資産クラスにおいて、強みを活かした投資手法により資産運用サービス・金融商品を提供します。 また、ファンド・プラットフォーム事業では、VCファンドやCVCファンド、バイアウトファンド等の運営企業に対して、ファンド・アドミニストレーターとして長年の実績を有するジャイク事務サービス㈱が、ファンド組成・募集・運用に必要なファンド運営のミドル・バック業務のソリューションを提供します。 その他詳細は、2024年8月14日付の東京証券取引所への当社開示資料「中期経営計画(2025年3月期から2027年3月期)の策定、並びに資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応に関するお知らせ」をご覧ください。 B:対処すべき課題 上記に記載した今般の中期経営計画では、対処すべき課題を下記のように認識し、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を行う方針です。 1.現状分析 当社の現状はPBRが1倍を下回る状態が継続しており課題となっています。その要因は投資利益率の低さと資産回転率の低さだと認識しています。 2.目指す姿 当社は、PBRの改善に向けて、資本コスト(約13.4%)並みのROEを実現することを目指し、以下の方策を取ります。① 安定収益の拡大 フィー収入で固定費をカバーして黒字化を定着させ、資本コストの低減を図ります。② 収益性の改善 長期滞留資産を早期に回収して資産を入れ替え、資産の回転率の改善を図ります。また、アセットアロケーションや事業ポートフォリオの見直しも行い、収益性の改善を図ります。 ③ リファイナンスの実現と財務レバレッジの改善 当社単体の金融機関からの借入金は、返済スケジュールの変更(リスケジュール)を行っています。この借入金についてリファイナンス(借入金の正常化)と新規の借入金による資金調達を実現し、財務レバレッジの改善を図ります。④ IR活動のアップデート より積極的なIR活動を行います。 3.主要な業績評価資料(KPI)、重要な目標指標(KGI) 当社は2024年3月期の有価証券報告書において主要な業績評価資料(KPI)を従来連結基準(注)による親会社株主に帰属する当期利益としていましたが、今般の中期経営計画においてこれを変更し、運用資産規模(AUM)増加額と受託資産規模(AUA)残高を重要な成果指標(KPI)と定めました。変更の理由は、今般の中期経営計画では、ファンドの組成や融資資金の調達など外部資金を活用した投資を行い、それによって安定収益であるフィー収入を拡大し固定費をカバーすることで黒字化を定着させる方針としているためです。 KPI2025年3月期2026年3月期2027年3月期投資開発事業 運用資産規模(AUM)増加額50億円100億円150億円投資運用事業 運用資産規模(AUM)増加額100億円200億円300億円ファンド・プラットフォーム事業 受託資産規模(AUA)残高3,000億円3,500億円4,000億円 また、当社は、今般の中期経営計画において、従来連結基準(注)による重要な目標指標(KGI)を次のように定めています。従来連結基準(注)による重要な目標指標(KGI)2024年3月期実績2027年3月期計画将来の目指す姿安定収益2億円8億円10.8億円ROE-(赤字)12.7%資本コスト13.4%以上親会社株主に帰属する当期純利益△16億円10億円黒字化の定着と一時収益の増加 C:2025年3月期の事業計画の進捗 投資開発事業では、11棟の障がい者グループホームプロジェクトに新規投資を実行しましたが、その他の種類のプロジェクトでは採算性を重視して慎重に案件開発を進めた結果、AUMの増加額は14億円に留まりました。 投資運用事業では、上場企業を投資対象とする4本のファンドを組成しましたが、ファンド総額の規模が計画よりも少額だったため、AUMの増加額は15億円に留まりました。 ファンド・プラットフォーム事業では、AUAは2,690億円となり計画を下回りましたが、事務受託1件当たりの採算性向上により、事務受託料は計画を上回りました。 D:2026年3月期の事業方針 投資開発事業では、障がい者グループホームプロジェクトの新規投資を継続するほか、データセンターや再生可能エネルギーのプロジェクトへの投資を検討しています。これらの実現によりAUMの増加額を60億円まで増加させる計画です。 投資運用事業では、既存ファンドの増額や新たなファンドの組成の企画が複数あります。これらの実現によりAUMの増加額を150億円まで増加させる計画です。 ファンド・プラットフォーム事業では、顧客候補先からの引き合いが強いため、人員の補強や業務の効率化によりAUAを2,800億円まで増加させる計画です。 いずれものKPIも、2026年3月期の見込は中期経営計画の目標値を下回ります。しかしながら、翌2027年3月期には中期経営計画の目標値を達成する見込みです。 なお、損益面では、上述のAUMやAUAの増加による寄与はまだ少なく、過去の投資資産の売却による収益が主なものとなります。具体的には、国内未上場株式、ディストリビューションセンタープロジェクト、障がい者グループホームプロジェクト、その他のプロジェクトの売却を見込んでいます。その結果、従来連結基準(注)による親会社株主に帰属する当期純利益を、中期経営計画の数値計画を超えて450百万円と見込んでいます。 (注)従来連結基準 当社グループでは、2007年3月期より、「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」(企業会計基準委員会 2006年9月8日 実務対応報告第20号)を適用し、当社グループで運営している投資事業組合等の一部を連結の範囲に加えて連結財務諸表等を作成しております。しかしながら、投資家及び株主の皆さまに、当社グループの経営成績及び財務状況を正しくご認識いただくためには、従来からの会計基準による財務諸表等の開示も必要と考えております。 以上のことから、従来の会計基準に従って、投資事業組合については、資産、負債及び収益、費用を外部出資者の持分を含まない当社及び関係会社の出資持分に応じて計上し、また、会社型ファンドについては連結の範囲から除いた連結財務諸表等を「従来連結基準」として、決算短信等において継続的に開示しております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。1 経営方針 当社グループは、「日本とアジアをつなぐ投資会社として少子高齢化が進む社会に安心・安全で質と生産性の高い未来を創ります」を経営理念として掲げ、全てのステークホルダーへの利益還元を果たして参ります。 2 経営環境と対処すべき課題A:中期経営計画(2025年3月期から2027年3月期まで) 当社は、2025年3月期から2027年3月期まで3年間の中期経営計画を2024年8月14日開催の取締役会で決議しております。当計画は、当社グループの投資事業の領域を、投資開発事業、投資運用事業、ファンド・プラットフォーム事業と再定義し、それぞれを新たな事業方針に基づいて拡大していくものです。 投資の実行に当たっては、ファンドの組成や融資(デット)の調達により外部資金を活用します。外部資金を活用した投資を徹底して自己資金の負担を減らすことで、ファンドや投資資産からの安定したフィー収入を増加させると同時に、投資収益から得られる成功報酬(キャリー)により業績のアップサイドを追求し、財務基盤を強固にしながら収益の安定・拡大を目指します。 また、外部環境と収益機会を整理し、補完・代替可能な事業ポートフォリオを構築して、様々な経済環境に対応できる投資資産や金融商品の開発・運用を行います。 投資開発事業の収益機会は、エネルギー価格の高騰、労働力不足によるインフレ圧力、金利上昇と経済をめぐってくすぶり続ける不確実性という外部環境の中で、インフレヘッジ特性やディフェンシブ特性を持ち合わせているプライベート・リアルアセットとして、投資家にとって有力な分散投資先となることです。また、環境問題や社会問題に対応するプライベート・リアルアセットとして、投資家の責任投資目標達成にも貢献します。そこで、当社グループでは、安定収益の確保とファンドの組成に向けたプライベート・リアルアセットのパイプライン開発と投資資産の積み上げを行います。 投資運用事業では、金利やインフレ率が上昇し経済成長性が高まっている現況では、伝統的な資産である上場有価証券への投資に収益機会があります。また、現在の日本経済の環境は、デフレからの脱却、円安の進行、米中対立を背景とした生産や研究拠点としての重要性が高まり、海外から注目を集めています。特にアジアの投資家が、日本国内の有望なテクノロジーやベンチャー企業、上場企業に対して投資機会を求める時代となっています。そこで、当社グループでは、国内外の機関投資家やファミリーオフィス・富裕層向けに伝統的・非伝統的な両資産クラスにおいて、強みを活かした投資手法により資産運用サービス・金融商品を提供します。 また、ファンド・プラットフォーム事業では、VCファンドやCVCファンド、バイアウトファンド等の運営企業に対して、ファンド・アドミニストレーターとして長年の実績を有するジャイク事務サービス㈱が、ファンド組成・募集・運用に必要なファンド運営のミドル・バック業務のソリューションを提供します。 その他詳細は、2024年8月14日付の東京証券取引所への当社開示資料「中期経営計画(2025年3月期から2027年3月期)の策定、並びに資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応に関するお知らせ」をご覧ください。 B:対処すべき課題 上記に記載した今般の中期経営計画では、対処すべき課題を下記のように認識し、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応を行う方針です。 1.現状分析 当社の現状はPBRが1倍を下回る状態が継続しており課題となっています。その要因は投資利益率の低さと資産回転率の低さだと認識しています。 2.目指す姿 当社は、PBRの改善に向けて、資本コスト(約13.4%)並みのROEを実現することを目指し、以下の方策を取ります。① 安定収益の拡大 フィー収入で固定費をカバーして黒字化を定着させ、資本コストの低減を図ります。② 収益性の改善 長期滞留資産を早期に回収して資産を入れ替え、資産の回転率の改善を図ります。また、アセットアロケーションや事業ポートフォリオの見直しも行い、収益性の改善を図ります。 ③ リファイナンスの実現と財務レバレッジの改善 当社単体の金融機関からの借入金は、返済スケジュールの変更(リスケジュール)を行っています。この借入金についてリファイナンス(借入金の正常化)と新規の借入金による資金調達を実現し、財務レバレッジの改善を図ります。④ IR活動のアップデート より積極的なIR活動を行います。 3.主要な業績評価資料(KPI)、重要な目標指標(KGI) 当社は2024年3月期の有価証券報告書において主要な業績評価資料(KPI)を従来連結基準(注)による親会社株主に帰属する当期利益としていましたが、今般の中期経営計画においてこれを変更し、運用資産規模(AUM)増加額と受託資産規模(AUA)残高を重要な成果指標(KPI)と定めました。変更の理由は、今般の中期経営計画では、ファンドの組成や融資資金の調達など外部資金を活用した投資を行い、それによって安定収益であるフィー収入を拡大し固定費をカバーすることで黒字化を定着させる方針としているためです。 KPI2025年3月期2026年3月期2027年3月期投資開発事業 運用資産規模(AUM)増加額50億円100億円150億円投資運用事業 運用資産規模(AUM)増加額100億円200億円300億円ファンド・プラットフォーム事業 受託資産規模(AUA)残高3,000億円3,500億円4,000億円 また、当社は、今般の中期経営計画において、従来連結基準(注)による重要な目標指標(KGI)を次のように定めています。従来連結基準(注)による重要な目標指標(KGI)2024年3月期実績2027年3月期計画将来の目指す姿安定収益2億円8億円10.8億円ROE-(赤字)12.7%資本コスト13.4%以上親会社株主に帰属する当期純利益△16億円10億円黒字化の定着と一時収益の増加 C:2025年3月期の事業計画の進捗 投資開発事業では、11棟の障がい者グループホームプロジェクトに新規投資を実行しましたが、その他の種類のプロジェクトでは採算性を重視して慎重に案件開発を進めた結果、AUMの増加額は14億円に留まりました。 投資運用事業では、上場企業を投資対象とする4本のファンドを組成しましたが、ファンド総額の規模が計画よりも少額だったため、AUMの増加額は15億円に留まりました。 ファンド・プラットフォーム事業では、AUAは2,690億円となり計画を下回りましたが、事務受託1件当たりの採算性向上により、事務受託料は計画を上回りました。 D:2026年3月期の事業方針 投資開発事業では、障がい者グループホームプロジェクトの新規投資を継続するほか、データセンターや再生可能エネルギーのプロジェクトへの投資を検討しています。これらの実現によりAUMの増加額を60億円まで増加させる計画です。 投資運用事業では、既存ファンドの増額や新たなファンドの組成の企画が複数あります。これらの実現によりAUMの増加額を150億円まで増加させる計画です。 ファンド・プラットフォーム事業では、顧客候補先からの引き合いが強いため、人員の補強や業務の効率化によりAUAを2,800億円まで増加させる計画です。 いずれものKPIも、2026年3月期の見込は中期経営計画の目標値を下回ります。しかしながら、翌2027年3月期には中期経営計画の目標値を達成する見込みです。 なお、損益面では、上述のAUMやAUAの増加による寄与はまだ少なく、過去の投資資産の売却による収益が主なものとなります。具体的には、国内未上場株式、ディストリビューションセンタープロジェクト、障がい者グループホームプロジェクト、その他のプロジェクトの売却を見込んでいます。その結果、従来連結基準(注)による親会社株主に帰属する当期純利益を、中期経営計画の数値計画を超えて450百万円と見込んでいます。 (注)従来連結基準 当社グループでは、2007年3月期より、「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」(企業会計基準委員会 2006年9月8日 実務対応報告第20号)を適用し、当社グループで運営している投資事業組合等の一部を連結の範囲に加えて連結財務諸表等を作成しております。しかしながら、投資家及び株主の皆さまに、当社グループの経営成績及び財務状況を正しくご認識いただくためには、従来からの会計基準による財務諸表等の開示も必要と考えております。 以上のことから、従来の会計基準に従って、投資事業組合については、資産、負債及び収益、費用を外部出資者の持分を含まない当社及び関係会社の出資持分に応じて計上し、また、会社型ファンドについては連結の範囲から除いた連結財務諸表等を「従来連結基準」として、決算短信等において継続的に開示しております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中において将来について記載した事項は、当連結会計年度末現在において判断、予測したものです。Ⅰ 経営成績の状況の分析 当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)の当社グループの経営成績の状況は、営業収益3,092百万円(前連結会計年度比 26.5%増)、営業総利益1,206百万円(同 629.6%増)、営業利益105百万円(前連結会計年度 営業損失1,150百万円)、経常利益141百万円(前連結会計年度 経常損失1,302百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益400百万円(前連結会計年度 親会社株主に帰属する当期純損失1,700百万円)となりました。前連結会計年度に比べてプロジェクトの売却が好調だったことから増収となりました。加えて、中華圏での営業投資有価証券評価損や投資損失引当金繰入額が減少したことや販管費の削減により、黒字回復しました。その内訳や背景となる営業活動の状況は次のとおりです。 (a) 営業収益・営業原価内訳 (単位:百万円) 前連結会計年度自 2023年4月 1日~ 至 2024年3月31日当連結会計年度自 2024年4月 1日~ 至 2025年3月31日営業収益合計2,4443,092うち 管理運営報酬等123134うち 営業投資有価証券売却高1,2441,258うち 組合持分利益・インカムゲイン等1,0231,649うち その他営業収益5350 営業原価合計2,2791,886うち 営業投資有価証券売却原価621837うち 営業投資有価証券評価損・投資損失引当金繰入額 合計777138うち 組合持分損失等863891うち その他営業原価1618 営業総利益1651,206 (管理運営報酬等) 管理運営報酬等は、前連結会計年度から増加し134百万円(前連結会計年度比 8.7%増)となりました。新設ファンドからの管理報酬や、ファンドの事務受託報酬が増加しました。 (投資損益)営業投資有価証券売却高は、前連結会計年度並みの1,258百万円(同 1.1%増)となりました。このうちプロジェクトの売却では、メガソーラープロジェクトの売却件数が前連結会計年度の1件から3件に増加しました。一方株式の売却では、前連結会計年度に比べて利益率の高い上場株式の売却が減少しました。その結果、全体では利益率が低下して、売却高から売却原価を差し引いた実現キャピタルゲインは前連結会計年度から減少して420百万円(同 32.5%減)となりました。営業投資有価証券評価損及び投資損失引当金繰入額の合計は、前連結会計年度から減少して138百万円(同 82.2%減)となりました。前連結会計年度は中華圏で回収見込み額が低下した銘柄に対する計上額がありましたが、これらの損失処理が完了したため減少しました。以上の結果、投資損益(実現キャピタルゲインから営業投資有価証券評価損及び投資損失引当金繰入額の合計を控除した額)は、281百万円の利益(前連結会計年度 155百万円の損失)となりました。 (組合持分利益・インカムゲイン等)組合持分利益・インカムゲイン等には、当社グループが運営するプロジェクトの収入(売電収益や、野菜の販売額、障がい者グループホームの賃貸収入等)、他社が運営するプロジェクトの持分利益(プロジェクトの運営による純利益や、プロジェクトの売却益)、他社が運営するプライベートエクイティファンドの持分利益、利息・配当収入、及び、その他の収益が含まれています。組合持分利益・インカムゲイン等の合計額は、前連結会計年度から増加して1,649百万円(前連結会計年度比 61.2%増)となりました。前連結会計年度はプロジェクトの売却がありませんでしたが、当連結会計年度はディストリビューションセンタープロジェクト1件、ヘルスケアプロジェクト(高齢者施設)1件の売却による利益を計上しました。また、新規稼働したメガソーラープロジェクトの売電収益が増加しました。 (組合持分損失等)営業原価のうち組合持分損失等には、当社グループが運営するプロジェクトの原価(売電原価や、野菜の製造原価、障がい者グループホームの賃貸原価等)、他社が運営するプロジェクトの持分損失、及び他社が運営するプライベートエクイティファンドの持分損失等が含まれています。組合持分損失等の合計額は、前連結会計年度から増加して891百万円(同 3.3%増)となりました。主に、新規稼働したメガソーラープロジェクトや障がい者グループホームプロジェクトの原価が増加しました。 以上の結果、営業収益は3,092百万円(同 26.5%増)、営業原価は1,886百万円(同 17.2%減)、営業総利益は1,206百万円(同 629.6%増)となりました。 (b) 販売費及び一般管理費、営業損益 販売費及び一般管理費は、役員報酬の減額を始めとしてコスト削減を進めたことにより、前連結会計年度から減少して1,100百万円(同 16.4%減)となりました。その結果、営業利益は105百万円(前連結会計年度 営業損失1,150百万円)となりました。 (c)その他の損益項目 上記(a)(b)以外の特筆すべき損益項目は、固定資産売却益(特別利益)、及び非支配株主に帰属する当期純損益です。特別利益のうち、固定資産売却益は649百万円となりました。ヘルスケアプロジェクトで、障がい者グループホーム16棟を譲渡したことに伴う利益です。非支配株主に帰属する当期純損益は、当社グループが運営するファンドやプロジェクトの損益のうち、当社グループ以外の出資者に帰属する額です。当連結会計年度は、これらのファンドやプロジェクトの利益が減少したため、前連結会計年度から減少して89百万円の利益(同 77.0%減)となりました。 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は400百万円(前連結会計年度 親会社株主に帰属する当期純損失1,700百万円)となりました。 Ⅱ キャッシュ・フローの状況の分析当連結会計年度末において現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末から1,650百万円増加して3,047百万円となりました。主な増減要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)1,427百万円の収入(前連結会計年度 456百万円の収入)となりました。税金等調整前当期純利益を計上したことや投資資産の回収が進捗したため、収入額が前連結会計年度から増加しました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)長期借入金の返済を行った一方で、2024年6月28日付で第三者割当増資を行ったことから株式の発行による収入があ ったため、179百万円の収入(同 828百万円の支出)となりました。 Ⅲ 財政状態の分析(資産) 資産合計は、前連結会計年度末から減少して15,419百万円(前連結会計年度末 16,796百万円)となりました。主な減少要因は、プロジェクトの売却に伴い有形固定資産が前連結会計年度末から減少して4,512百万円(同 5,977百万円)となったためです。 また、当社グループが当連結会計年度末に保有する現金及び預金は、2024年5月24日開催の当社取締役会において第三者割当による新株式発行を決議し、2024年6月28日に、割当先であるガバナンス・パートナーズASIA投資事業有限責任組合から998百万円を調達したことや投資の回収が進捗したことにより前連結会計年度末から増加して4,302百万円(同 2,544百万円)となりました。なお、当社グループの運営するファンドに帰属する預金は、各ファンドの組合契約に従い運用しなければならない資金であり、当社グループに帰属する資金と明確に分別して管理しています。現金及び預金のうち当社グループに帰属する流動性の高い資金は、連結キャッシュ・フロー計算書の現金及び現金同等物の期末残高の3,047百万円(同 1,396百万円)です。加えて、当社グループが展開するプライベートエクイティ投資はその事業特性上株式市場等の変動要因による影響が極めて大きく、加えて昨今の変動の激しい環境下においては合理的な業績予想が困難な事業です。そのため、プライベートエクイティ投資からの資金回収額が大きく下振れすることも想定されます。そのような状況の中、経費や利息の支払い及び借入金の返済だけでなく、将来の成長に向けた投資を確実に行うために、当社グループは常に一定の現預金残高を保有する必要があります。 (負債)負債合計は、前連結会計年度末から減少して8,260百万円(同 10,663百万円)となりました。主な減少要因は、プロジェクトの売却に伴う借入金の減少です。借入金と社債の残高合計は、前連結会計年度末から減少して7,417百万円(同 9,833百万円)となりました。このうち、当社単体の金融機関からの借入額は3,495百万円(同 4,314百万円)です。残額は、当社グループが運営するプロジェクトにおけるプロジェクトファイナンスと社債の残高3,921百万円(同 5,519百万円)です。メガソーラープロジェクトや障がい者グループホームプロジェクトの売却に伴い、前連結会計年度末から残高が減少しました。なお、当社グループの運営するプロジェクトにおけるプロジェクトファイナンス・社債は、プロジェクトの資産や収益のみを返済原資としているため、当社グループの財務健全性に与える影響は限定的です。そのため、当社は、今後も当社グループの運営する再生可能エネルギー等の多様なプロジェクトにおいて、プロジェクトファイナンス・社債による資金調達を組み合わせてレバレッジを効かせた投資を行い、財務健全性を損ねることなく収益性を高めていく方針です。(単位:百万円) 前連結会計年度末(2024年3月31日現在)当連結会計年度末(2025年3月31日現在)借入金・社債残高合計9,8337,417うち 当社単体借入額4,3143,495うち プロジェクト投資におけるプロジェクトファイナンス・社債他5,5193,921 (純資産)純資産のうち自己資本は、前連結会計年度末から増加して6,817百万円(同 5,536百万円)となりました。主な増加要因は、2024年6月28日に第三者割当増資により998百万円を調達したこと、及び親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことです。その結果、当連結会計年度末における自己資本比率は前連結会計年度末から11.2ポイント上昇し44.2%(同 33.0%)となりました。また、純資産全体も前連結会計年度末から増加して7,158百万円(同 6,132百万円)となりました。 Ⅳ 営業活動の状況(a)IPO(新規上場)の状況 当社グループによる自己勘定並びに当社グループが運営の任にある、又は運営の為に必要な情報の提供を行っているファンドから投資を行った投資先企業の新規上場の状況は以下のとおりです。 ① 新規上場(IPO)の状況(自己勘定分及びファンド勘定分) 前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)IPO社数(国内・海外 合計)1社1社初値換算投資倍率(国内・海外 平均)1.4倍1.4倍(注)初値換算投資倍率=初値換算による保有株式の時価/保有株式への投資額(IPO時簿価残高)。なお、初値換算投資倍率の計算には株式交換等による上場株式取得分は含めておりません。② 新規上場した投資先企業の一覧前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)社数投資先企業名上場年月日上場市場事業内容本社所在地国内:1社海外:-社日本システムバンク株式会社2023年4月14日名古屋証券取引所メインコインパーキングの運営、駐車場機器の販売・保守福井県 当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)社数投資先企業名上場年月日上場市場事業内容本社所在地国内:1社海外:-社株式会社ケイ・ウノ2024年10月8日名古屋証券取引所ネクストジュエリー・時計の製造販売、オーダーメイド、リフォーム、修理愛知県 ③ 営業投資有価証券のうち上場株式の含み損益(注)(単位:百万円) 前連結会計年度末(2024年3月31日現在)当連結会計年度末(2025年3月31日現在)含み損益△01(注)当社グループ及び当社グループが運営するファンドが営業投資有価証券として保有している株式のうち、証券取引所に上場している銘柄の、取得原価と連結貸借対照表計上額との差額のうち当社グループに帰属する金額を示しています。 (b)ファンドの状況 当連結会計年度末における当社グループが管理、運用又は投資情報の提供を行っているファンドの運用残高は、10ファンド、14,130百万円(前連結会計年度末8ファンド、15,497百万円)となりました。 当連結会計年度中に、清算期間中であった2ファンド(ファンド総額合計 2,885百万円)が終了しました。また、運営中の1ファンドで、ファンド総額を50百万円減額しました。一方で、4ファンド(ファンド総額合計 1,569百万円)を設立しました。 ①運用残高 前連結会計年度末(2024年3月31日現在)当連結会計年度末(2025年3月31日現在) ファンド数ファンド総額(百万円)ファンドの純資産額(百万円)ファンド数ファンド総額(百万円)ファンドの純資産額(百万円)運用期間中612,6123,9281014,1307,320満期延長中------清算期間中22,885881---合計(うち当社グループ出資額)815,497(2,428)4,8091014,130(1,707)7,320 ②当連結会計年度中の新設ファンド(当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日))ファンド名設立時期ファンド満期当連結会計年度末のファンド総額(百万円)特徴投資事業有限責任組合JAICパートナーズファンド2024年6月2033年12月179当社と共同で事業シナジー創出に取り組む国内の上場企業及び未上場企業を投資対象とするファンド投資事業有限責任組合JAICスペシャルティファンド2025年1月2027年12月160日本国内のお土産品業界、小売業界、観光業界において、事業成長と地方創生の好循環に取り組む上場企業等を投資対象とするファンド投資事業有限責任組合JAICサプライチェーンファンド2025年1月2027年12月830製造業におけるサプライチェーン関連の上場企業を投資対象とするファンド投資事業有限責任組合JAIC-Web3ファンド2025年2月2027年12月400Web3(NFT 等)関連の国内上場企業を投資対象とするファンド (注) 1 外貨建によるファンドは、各連結会計年度末日現在の為替レートを乗じて計算した金額を記載しております。従って、運用資産の増減額には為替による影響額も含まれております。 2 ファンド総額につきましては、コミットメントベース(契約で定められた出資約束金額ベース)の金額を記載しております。 Ⅴ 資本の財源及び資金の流動性についての分析(当社グループの資金状況)「Ⅱ キャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりです。(借入金の状況)「Ⅲ 財政状態の分析 (負債)」に記載のとおりです。(手許資金の状況)「Ⅲ 財政状態の分析 (資産)」に記載のとおりです。(ファンドの状況)「Ⅳ 営業活動の状況(b)ファンドの状況」に記載のとおりです。(株主還元の状況)「第4 提出会社の状況、3. 配当政策」に記載のとおりです。 Ⅵ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは、投資損失引当金と固定資産の減損です。その詳細は「第5経理の状況、1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。 当該見積り及び当該仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績に生じる影響など、その記載内容を補足する情報は、「第2事業の状況、3事業等のリスク Ⅱ営業活動に関するリスク (1)プライベートエクイティ投資に係るリスク、及び(2)プロジェクト投資に係るリスク」に記載しています。 Ⅶ 上記ⅠからⅥの分析等に基づく対応及び、経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 Ⅷ 主要な販売先の状況 最近2連結会計年度の主な相手先別の売上高及び当該売上高の総売上高に対する割合は次のとおりであります。1. 前連結会計年度相手先前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)金額(百万円)割合(%)株式会社モーベルファーム28511.7PHOTONサステナブルソーラー投資事業有限責任組合26210.7 2. 当連結会計年度相手先当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(百万円)割合(%)PHOTONサステナブルソーラー投資事業有限責任組合72223.3KIC厚木特定目的会社38412.4株式会社モーベルファーム32010.4