経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針、経営環境及び優先的に対処すべき課題等 ① ジョーシングループの概要当社グループは、「リアル店舗」「EC」という2つのチャネル別事業と「サービスインフラ」事業が三位一体となり、「家電」「エンターテインメント」「リフォーム」「モバイル通信」「サポートビジネス」の5カテゴリにおいて事業を展開しております。「リアル店舗」「EC」を別々に考えるのではなく、同じお客様の窓口として、お客様の利便性の向上を第一に考え、連携によるシナジー効果の発揮を目指し、「リアル店舗・EC」両チャネルからの「配送、設置、工事」が伴う業務を当社の連結子会社であるジョーシンサービス株式会社が担い、事業基盤を支えております。当社グループは、関西・東海・関東・北信越エリアを主軸に、地域密着型ドミナント戦略を展開しており、今後は「EC」とのシナジー効果を重視した「リアル店舗」の出店や既存店の強化、「サービスインフラ」の拡充・拡大を推進してまいります。当社グループのドミナント戦略とは、当社グループが創業以来蓄積したアセットを最大限活用し、当社グループの強みが活かせる領域(商圏、商品、サービス等)に特化し、物流、サービスインフラ体制も含めた経営資源を集中的に投下する差別化戦略と位置づけております。ある特定のエリアを絞り込んで、集中的新規出店による市場占有率向上を目指す一般的なドミナント戦略とは異なり、新規出店に頼るのではなく、既存店の販売力強化、スクラップアンドビルドを中心に、「EC」とのシナジー効果、物流、サービスインフラ体制も含めて、収益拡大が見込めるエリアに絞って市場占有率確保を目指すものであります。面を埋め尽くすのではなく、一つひとつの「点」を大きくするとともに、空いたスペースは「EC」がつなぎ合わせることで、エリア全体をカバーする考え方であります。また新規出店に依存しないことで、設備投資や人件費、店舗運営コストなどの支出を抑えることも可能となります。「リアル店舗」は、関西・東海・関東・北信越エリアを中心に、当連結会計年度末現在215店舗を展開しております。新規出店偏重による拡大路線を回避し、既存店舗のスクラップアンドビルドによる収益力の強化に取り組んでおります。「リアル店舗」にご来店いただいたお客様に対し、「高い接客力・きめ細やかな対応力」を兼ね備えた販売員による商品提案により、お客様から高い評価をいただいております。「EC」は、充実した商品アイテム数を誇り、商品調達を担う商品部との連携を強化し、商品の見せ方等をこまめに変更するといったお客様を飽きさせない作りこみを行うなど、丁寧な店舗作りに取り組んでおります。「サービスインフラ」は、洗濯機、冷蔵庫、エアコンといった「配送、設置、工事」が伴う業務を主としており、それらを含めた製品情報を蓄積しております。また、業務を委託しております協力会社にも当社グループのCSマインドを理解するための研修の実施等を通じ、業務品質を維持向上し、お客様のご自宅内における作業の担い手として、高いCS評価をいただいております。 ② 経営方針、経営環境及び優先的に対処すべき課題等現在、当家電販売業界を含む世間を取り巻く環境は大きく変化しつつあります。少子高齢化がもたらす人口・世帯数の減少や高齢単身世帯の増加といった人口動態の変化、ICTの高度化、性別・年齢・国籍などに囚われず、それぞれの「個」を尊重し、認め合うというダイバーシティ&インクルージョンの浸透、さらには気候変動など、人を取り巻く社会構造や環境、価値観が大きく変化する中で、人々の生活様式も大きく変わろうとしております。今後のわが国経済の見通しにつきましては、賃金の持続的な上昇を背景に緩やかな回復が続く一方で、原材料価格の高騰等による物価上昇、金融政策の変更による金利上昇、米国の通商政策の大きな変革による影響など、景気の先行きに対する懸念材料も多く、極めて不透明な状態が続くものと思われ、また、当家電販売業界におきましても、世界的な地域紛争激化等地政学的リスクの拡大、原材料高騰等に起因する各種経済指標の悪化、インフレに伴う実質的な所得の伸び悩みによる耐久消費財に対する消費マインドの低迷等から、同業者間の競争はますます激しくなることが予想されます。当社グループは、創業100周年となる2048年までの25年間を第4コーナーと位置づけて、「中長期の成長シナリオ」を策定いたしました。その第一ステージとして、2030年にあるべき姿「地域社会の成長を支え、人と環境の未来に貢献する企業」になるというビジョンを達成することを目指してまいります。この実現のために全社員が一丸となりさらなる事業拡大やイノベーション、社会貢献活動などに積極的に取り組んでまいります。当社グループは、長期的な視点で未来を考え、社会のあるべき姿を思い描いて、2021年に経営理念を《人と社会の未来を笑顔でつなぐ》に改めました。社会変化の現状と課題を踏まえた上で、当社グループの理念体系の根幹である社是「愛」(「常に相手の立場に立って考え行動する」の意)の基本精神に則り、「持続可能で誰ひとり取り残さない社会」を私たちの未来世代に引き継いでいきたいという思いを込めました。そして、この経営理念のもと、中長期的な視点からのバックキャストで、当社グループが中長期的に創造する2つの社会価値や経営ビジョン、7つのマテリアリティ(重要課題)等を特定いたしました。詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。当社グループは、2023年3月期決算発表時に策定し公表いたしました、今年度を2年目とする3カ年の中期経営計画『JT-2025 経営計画』に当社グループ一丸となって取り組んでおります。当社グループが企業価値を高め、持続的成長を果たしていくためには、投下資本を上回る「利益効率」を確保し、生み出されたアウトプットを再投資することで、さらなるリターンを生み出し続ける、このようなサイクルを回し続けることが求められます。『JT-2025 経営計画』では、当経営計画における戦略の中心である「ファンベース戦略」を通じて、量の拡大から質の向上への変革により、「収益力」の強化、いわゆる「稼ぐ力」の強化に取り組んでまいります。その上で「投資効率」を高いレベルで持続的に確保できる、筋肉質でサステナブルな経営体制への移行を目指してまいります。詳細は、「(2) JT-2025 経営計画(2023年4月1日~2026年3月31日)について」をご参照ください。当社は、経営理念「人と社会の未来を笑顔でつなぐ」及び経営ビジョン「家電とICTの力で生活インフラのHubになる」を実現し、「高齢社会のレジリエンス強化支援」と「家庭のカーボンニュートラルの実現」という2つの社会価値の創出を当社グループの持続的な成長及び企業価値の向上につなげていくため、「電機」の枠にとらわれない柔軟な組織体制への移行を目指しております。お客さまをはじめとするすべてのステークホルダーのみなさまからお寄せいただく親しみの気持ち、創業の精神や社風を大切に受け継いでいきたいという従業員の声、そして変化の激しい経営環境に柔軟に適応しつつ、変化を成長の「力」に変える経営体制へと変革する決意のもと、2025年3月25日開催の当社取締役会において、「Joshin」へと商号を変更することを決定し、2025年6月24日開催の当社第77回定時株主総会において承認されております。一層の事業拡大と企業価値向上に取り組んでまいります。なお変更予定日は、2026年4月1日であります。また、同日の当社取締役会において、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行する方針を決定し、同定時株主総会において承認されております。詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方」をご参照ください。 (2) JT-2025 経営計画(2023年4月1日~2026年3月31日)について ① JT-2025 経営計画策定の背景新型コロナウイルス感染症をきっかけに人々のライフスタイルは劇的に変化し、価値観の多様化が一気に加速しました。また、グローバルに目を向ければ、地政学リスクの高まりや為替変動などが当社グループに及ぼす影響も考慮する必要があります。こういった外部環境を認識しつつSWOT分析を踏まえ、将来当社グループのあるべき姿に関する議論をバックキャストで行い、「地域社会の成長を支え、人と環境の未来に貢献する企業」となるためのSecond Stepとして、今年度を初年度とする3カ年の中期経営計画『JT-2025 経営計画』を2023年3月期決算発表時に策定し公表いたしました。この計画は、「中長期の成長シナリオ」に基づき、2030年度までの8年間を一つのパッケージと位置づけ、2030年にあるべき姿「地域社会の成長を支え、人と環境の未来に貢献する企業」を達成するために、『お客さまの暮らしに寄り添う「コンシェルジュ」へ』をスローガンに掲げております。「お客さまの課題解決、お役立ち実現によって顧客生涯価値を創出し、当社グループに収益をもたらす持続可能なビジネスモデル」の確立を目指すもので、「ファンベース戦略」の実践(お客さまのファン化、コアファン化)とジョーシン経済圏(「リアル店舗」事業と「EC」事業を核とするグループ全体の事業・サービスの集合体)の拡充を計画骨子としております。また、この計画は、2023年3月31日の日本取引所グループからの「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等に関するお願いについて」に応えることも意図し、経営指標や戦略を明確に示しました。具体的な数値目標は、以下のとおりであります。 ② JT-2025 経営計画 2026年3月期の計画値の算定にあたっての基本的な考え方及び連結目標数値A.連結経営指標「利益効率」を重視した「収益力」の強化により「営業利益率」を高め「投資効率」を向上・維持するための基盤を構築する売上高 420,000百万円 (2023年3月期比102.8%)営業利益 11,000百万円 (2023年3月期比132.4%)売上高営業利益率 2.6% (2023年3月期 2.0%) B.資本効率指標「株主資本コスト」を上回る「ROE」、「加重平均資本コスト」を上回る「ROIC」を確保し長期的に持続することで「企業価値の向上」を目指すROE 8.0%以上 (2023年3月期 5.0%)ROA 5.0%以上 (2023年3月期 3.8%)ROIC(投下資本利益率) 5.0%以上 (2023年3月期 3.7%) C.資本配分計画未来への「成長投資」を中心に「株主還元」「有利子負債削減」への配分をキャッシュアロケーションの中でバランスよく実施し、資本効率を最適化計画期間3カ年累計の営業キャッシュ・フロー 400億円~450億円 D.株主還元「配当性向30%以上を目安とし、安定的・持続的な還元を実施」としておりましたが、株主の皆様への利益還元の姿勢を充実させるため、2024年3月26日開催の取締役会において「配当性向40%以上を目安」へ変更しております。配当性向 40.0%以上 (2023年3月期40.2%)
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針、経営環境及び優先的に対処すべき課題等 ① ジョーシングループの概要当社グループは、「リアル店舗」「EC」という2つのチャネル別事業と「サービスインフラ」事業が三位一体となり、「家電」「エンターテインメント」「リフォーム」「モバイル通信」「サポートビジネス」の5カテゴリにおいて事業を展開しております。「リアル店舗」「EC」を別々に考えるのではなく、同じお客様の窓口として、お客様の利便性の向上を第一に考え、連携によるシナジー効果の発揮を目指し、「リアル店舗・EC」両チャネルからの「配送、設置、工事」が伴う業務を当社の連結子会社であるジョーシンサービス株式会社が担い、事業基盤を支えております。当社グループは、関西・東海・関東・北信越エリアを主軸に、地域密着型ドミナント戦略を展開しており、今後は「EC」とのシナジー効果を重視した「リアル店舗」の出店や既存店の強化、「サービスインフラ」の拡充・拡大を推進してまいります。当社グループのドミナント戦略とは、当社グループが創業以来蓄積したアセットを最大限活用し、当社グループの強みが活かせる領域(商圏、商品、サービス等)に特化し、物流、サービスインフラ体制も含めた経営資源を集中的に投下する差別化戦略と位置づけております。ある特定のエリアを絞り込んで、集中的新規出店による市場占有率向上を目指す一般的なドミナント戦略とは異なり、新規出店に頼るのではなく、既存店の販売力強化、スクラップアンドビルドを中心に、「EC」とのシナジー効果、物流、サービスインフラ体制も含めて、収益拡大が見込めるエリアに絞って市場占有率確保を目指すものであります。面を埋め尽くすのではなく、一つひとつの「点」を大きくするとともに、空いたスペースは「EC」がつなぎ合わせることで、エリア全体をカバーする考え方であります。また新規出店に依存しないことで、設備投資や人件費、店舗運営コストなどの支出を抑えることも可能となります。「リアル店舗」は、関西・東海・関東・北信越エリアを中心に、当連結会計年度末現在215店舗を展開しております。新規出店偏重による拡大路線を回避し、既存店舗のスクラップアンドビルドによる収益力の強化に取り組んでおります。「リアル店舗」にご来店いただいたお客様に対し、「高い接客力・きめ細やかな対応力」を兼ね備えた販売員による商品提案により、お客様から高い評価をいただいております。「EC」は、充実した商品アイテム数を誇り、商品調達を担う商品部との連携を強化し、商品の見せ方等をこまめに変更するといったお客様を飽きさせない作りこみを行うなど、丁寧な店舗作りに取り組んでおります。「サービスインフラ」は、洗濯機、冷蔵庫、エアコンといった「配送、設置、工事」が伴う業務を主としており、それらを含めた製品情報を蓄積しております。また、業務を委託しております協力会社にも当社グループのCSマインドを理解するための研修の実施等を通じ、業務品質を維持向上し、お客様のご自宅内における作業の担い手として、高いCS評価をいただいております。 ② 経営方針、経営環境及び優先的に対処すべき課題等現在、当家電販売業界を含む世間を取り巻く環境は大きく変化しつつあります。少子高齢化がもたらす人口・世帯数の減少や高齢単身世帯の増加といった人口動態の変化、ICTの高度化、性別・年齢・国籍などに囚われず、それぞれの「個」を尊重し、認め合うというダイバーシティ&インクルージョンの浸透、さらには気候変動など、人を取り巻く社会構造や環境、価値観が大きく変化する中で、人々の生活様式も大きく変わろうとしております。今後のわが国経済の見通しにつきましては、賃金の持続的な上昇を背景に緩やかな回復が続く一方で、原材料価格の高騰等による物価上昇、金融政策の変更による金利上昇、米国の通商政策の大きな変革による影響など、景気の先行きに対する懸念材料も多く、極めて不透明な状態が続くものと思われ、また、当家電販売業界におきましても、世界的な地域紛争激化等地政学的リスクの拡大、原材料高騰等に起因する各種経済指標の悪化、インフレに伴う実質的な所得の伸び悩みによる耐久消費財に対する消費マインドの低迷等から、同業者間の競争はますます激しくなることが予想されます。当社グループは、創業100周年となる2048年までの25年間を第4コーナーと位置づけて、「中長期の成長シナリオ」を策定いたしました。その第一ステージとして、2030年にあるべき姿「地域社会の成長を支え、人と環境の未来に貢献する企業」になるというビジョンを達成することを目指してまいります。この実現のために全社員が一丸となりさらなる事業拡大やイノベーション、社会貢献活動などに積極的に取り組んでまいります。当社グループは、長期的な視点で未来を考え、社会のあるべき姿を思い描いて、2021年に経営理念を《人と社会の未来を笑顔でつなぐ》に改めました。社会変化の現状と課題を踏まえた上で、当社グループの理念体系の根幹である社是「愛」(「常に相手の立場に立って考え行動する」の意)の基本精神に則り、「持続可能で誰ひとり取り残さない社会」を私たちの未来世代に引き継いでいきたいという思いを込めました。そして、この経営理念のもと、中長期的な視点からのバックキャストで、当社グループが中長期的に創造する2つの社会価値や経営ビジョン、7つのマテリアリティ(重要課題)等を特定いたしました。詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。当社グループは、2023年3月期決算発表時に策定し公表いたしました、今年度を2年目とする3カ年の中期経営計画『JT-2025 経営計画』に当社グループ一丸となって取り組んでおります。当社グループが企業価値を高め、持続的成長を果たしていくためには、投下資本を上回る「利益効率」を確保し、生み出されたアウトプットを再投資することで、さらなるリターンを生み出し続ける、このようなサイクルを回し続けることが求められます。『JT-2025 経営計画』では、当経営計画における戦略の中心である「ファンベース戦略」を通じて、量の拡大から質の向上への変革により、「収益力」の強化、いわゆる「稼ぐ力」の強化に取り組んでまいります。その上で「投資効率」を高いレベルで持続的に確保できる、筋肉質でサステナブルな経営体制への移行を目指してまいります。詳細は、「(2) JT-2025 経営計画(2023年4月1日~2026年3月31日)について」をご参照ください。当社は、経営理念「人と社会の未来を笑顔でつなぐ」及び経営ビジョン「家電とICTの力で生活インフラのHubになる」を実現し、「高齢社会のレジリエンス強化支援」と「家庭のカーボンニュートラルの実現」という2つの社会価値の創出を当社グループの持続的な成長及び企業価値の向上につなげていくため、「電機」の枠にとらわれない柔軟な組織体制への移行を目指しております。お客さまをはじめとするすべてのステークホルダーのみなさまからお寄せいただく親しみの気持ち、創業の精神や社風を大切に受け継いでいきたいという従業員の声、そして変化の激しい経営環境に柔軟に適応しつつ、変化を成長の「力」に変える経営体制へと変革する決意のもと、2025年3月25日開催の当社取締役会において、「Joshin」へと商号を変更することを決定し、2025年6月24日開催の当社第77回定時株主総会において承認されております。一層の事業拡大と企業価値向上に取り組んでまいります。なお変更予定日は、2026年4月1日であります。また、同日の当社取締役会において、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行する方針を決定し、同定時株主総会において承認されております。詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方」をご参照ください。 (2) JT-2025 経営計画(2023年4月1日~2026年3月31日)について ① JT-2025 経営計画策定の背景新型コロナウイルス感染症をきっかけに人々のライフスタイルは劇的に変化し、価値観の多様化が一気に加速しました。また、グローバルに目を向ければ、地政学リスクの高まりや為替変動などが当社グループに及ぼす影響も考慮する必要があります。こういった外部環境を認識しつつSWOT分析を踏まえ、将来当社グループのあるべき姿に関する議論をバックキャストで行い、「地域社会の成長を支え、人と環境の未来に貢献する企業」となるためのSecond Stepとして、今年度を初年度とする3カ年の中期経営計画『JT-2025 経営計画』を2023年3月期決算発表時に策定し公表いたしました。この計画は、「中長期の成長シナリオ」に基づき、2030年度までの8年間を一つのパッケージと位置づけ、2030年にあるべき姿「地域社会の成長を支え、人と環境の未来に貢献する企業」を達成するために、『お客さまの暮らしに寄り添う「コンシェルジュ」へ』をスローガンに掲げております。「お客さまの課題解決、お役立ち実現によって顧客生涯価値を創出し、当社グループに収益をもたらす持続可能なビジネスモデル」の確立を目指すもので、「ファンベース戦略」の実践(お客さまのファン化、コアファン化)とジョーシン経済圏(「リアル店舗」事業と「EC」事業を核とするグループ全体の事業・サービスの集合体)の拡充を計画骨子としております。また、この計画は、2023年3月31日の日本取引所グループからの「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等に関するお願いについて」に応えることも意図し、経営指標や戦略を明確に示しました。具体的な数値目標は、以下のとおりであります。 ② JT-2025 経営計画 2026年3月期の計画値の算定にあたっての基本的な考え方及び連結目標数値A.連結経営指標「利益効率」を重視した「収益力」の強化により「営業利益率」を高め「投資効率」を向上・維持するための基盤を構築する売上高 420,000百万円 (2023年3月期比102.8%)営業利益 11,000百万円 (2023年3月期比132.4%)売上高営業利益率 2.6% (2023年3月期 2.0%) B.資本効率指標「株主資本コスト」を上回る「ROE」、「加重平均資本コスト」を上回る「ROIC」を確保し長期的に持続することで「企業価値の向上」を目指すROE 8.0%以上 (2023年3月期 5.0%)ROA 5.0%以上 (2023年3月期 3.8%)ROIC(投下資本利益率) 5.0%以上 (2023年3月期 3.7%) C.資本配分計画未来への「成長投資」を中心に「株主還元」「有利子負債削減」への配分をキャッシュアロケーションの中でバランスよく実施し、資本効率を最適化計画期間3カ年累計の営業キャッシュ・フロー 400億円~450億円 D.株主還元「配当性向30%以上を目安とし、安定的・持続的な還元を実施」としておりましたが、株主の皆様への利益還元の姿勢を充実させるため、2024年3月26日開催の取締役会において「配当性向40%以上を目安」へ変更しております。配当性向 40.0%以上 (2023年3月期40.2%)
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、長期化するウクライナ紛争、中東の政情不安、中国経済の成長鈍化、世界的な原材料価格の高騰やエネルギーコストの上昇等による諸物価の上昇に加えて米国の通商政策の大きな変革の影響等から、景気の先行きは極めて不透明な状態が続いております。当家電販売業界におきましても、物価高を背景とした実質賃金の伸び悩み等から節約志向も高まり、家電製品等の耐久消費財に対する消費の盛り上がりが欠ける中、夏の猛暑による影響で伸長したエアコンや買い替え需要に伴う携帯電話等を除いて、どの商品群もおしなべて前年実績を下回る状況となりました。今後の商環境におきましても、不透明な景気の見通し、地域紛争激化等地政学的リスク、原材料高騰等に起因する各種経済指標の悪化、消費マインドや可処分所得の低下による耐久消費財に対する需要の低迷等から、同業者間の競争はますます激しくなることが予想されます。このような状況下、今年度が2年目となる3カ年の中期経営計画『JT-2025経営計画』に取り組みました。この計画は当社グループが目指す、2030年にあるべき姿「地域社会の成長を支え、人と環境の未来に貢献する企業」へと進化すべく、バックキャストの思考で2025年度を通過点とし、お客さまの課題解決、お役立ち実現による顧客生涯価値の創出を目指すものであり、各種目標達成に向けた具体的な戦略の立案、実行により、計画を遂行してまいります。店舗展開につきましては、引き続き店舗力の強化と投資効率の改善を目指す、適切なスクラップアンドビルドの方針のもと、ハズイタウン守山店(滋賀県)等6店舗の出店を行うとともに5店舗の撤収を行った結果、当連結会計年度末の店舗数は215店舗となりました。以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高403,259百万円(前年同期比99.9%)、営業利益3,688百万円(前年同期比44.1%)、経常利益3,491百万円(前年同期比42.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益3,407百万円(前年同期比69.7%)となりました。なお、当社グループの事業は、家電製品等の小売業並びにこれらの付帯業務の単一事業であり、開示対象となるセグメントはありませんので、セグメント情報の記載を省略しております。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動による収入が投資活動及び財務活動による支出を上回った結果、前連結会計年度末より3,816百万円の増加となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は7,708百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産の減少8,070百万円、減価償却費5,825百万円、税金等調整前当期純利益5,686百万円、仕入債務の増加4,707百万円、売上債権の増加5,274百万円、法人税等の支払額2,761百万円等があり、全体では16,374百万円の収入と前年同期と比べ14,095百万円の増加(前年同期2,278百万円の収入)になりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、新規出店等による固定資産の取得及び差入保証金の差入による支出6,619百万円、投資有価証券の売却による収入3,290百万円、有形固定資産の売却による収入1,995百万円等があり、全体では1,815百万円の支出と前年同期と比べ2,990百万円の増加(前年同期4,806百万円の支出)になりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金等の有利子負債の減少7,078百万円、配当金の支払額2,370百万円、自己株式の取得による支出1,765百万円等があり、全体では10,741百万円の支出と前年同期と比べ14,391百万円の減少(前年同期3,649百万円の収入)になりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績A.都府県別販売実績当連結会計年度における販売実績を都府県別に示すと、次のとおりであります。 都府県名売上高(百万円)前年同期比(%)大阪府176,959101.0兵庫県53,56195.4愛知県25,522102.9奈良県20,29994.5京都府18,72697.1滋賀県15,09399.5新潟県12,39698.9和歌山県12,22298.4岐阜県12,171101.9三重県12,151101.9埼玉県10,886108.6富山県9,42997.8千葉県7,237101.2石川県3,854100.3東京都3,13998.5福井県3,08597.9神奈川県2,71191.3群馬県1,428621.5長野県1,19993.5静岡県1,18293.3合計403,25999.9 (注) 1.当社グループは、家電製品等の小売業並びにこれらの付帯業務の単一事業であり、開示対象となるセグメントはありませんので、セグメント情報の記載を省略しております。2.「大阪府」には、店頭販売以外の売上が含まれております。 B.チャネル別販売実績当連結会計年度における販売実績をチャネル別に示すと、次のとおりであります。 売上高(百万円)前年同期比(%)店頭販売325,00198.1インターネット販売69,157107.0その他9,101118.9合計403,25999.9 (注) 当社グループは、家電製品等の小売業並びにこれらの付帯業務の単一事業であり、開示対象となるセグメントはありませんので、セグメント情報の記載を省略しております。 C.品種別販売実績当連結会計年度における販売実績を品種別に示すと、次のとおりであります。 品種名売上高(百万円)前年同期比(%)家電 テレビ25,15592.6ビデオ及び関連商品5,89986.3オーディオ及び関連商品6,73396.3冷蔵庫23,98891.0洗濯機・クリーナー35,84796.1電子レンジ・調理器具17,09697.3理美容・健康器具13,45596.6照明器具2,51797.4エアコン41,947105.5暖房機3,12399.1その他17,16698.4小計192,93296.9情報通信 パソコン19,98195.9パソコン周辺機器12,839104.6パソコンソフト85094.9パソコン関連商品17,59897.4電子文具38086.7電話機・ファクシミリ97193.9携帯電話49,110128.6その他4,396132.2小計106,128111.6その他 音楽・映像ソフト5,007104.5ゲーム・模型・玩具・楽器56,38788.6時計1,11191.6修理・工事収入19,112106.2その他22,579103.5小計104,19995.2合計403,25999.9 (注) 当社グループは、家電製品等の小売業並びにこれらの付帯業務の単一事業であり、開示対象となるセグメントはありませんので、セグメント情報の記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容A.経営成績の分析当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べて0.1%減少の403,259百万円となりました。これは主に、「モバイル通信」カテゴリの販売は好調に推移したものの、主力事業と位置付づけている「家電」カテゴリの販売低迷及び、新型ゲーム機の販売を控え、新作ゲームソフトのリリースが少なかったことによる「エンターテインメント」カテゴリの販売低迷が影響を及ぼしたことによります。売上総利益は、「家電」カテゴリの販売低迷に伴う売上高総利益率の低下により、前連結会計年度に比べて2.8%減少の102,212百万円となりました。また、当連結会計年度は前連結会計年度に引き続き、将来に備えた人的資本やシステム関連への積極的な投資を継続しており、販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べて1.8%増加し、営業利益は前連結会計年度に比べて55.9%減少の3,688百万円となりました。また、売上高営業利益率は前連結会計年度より1.2%低下し、0.9%となりました。営業外損益は、営業外収益が前連結会計年度に比べて31.7%増加し、支払利息をはじめとする営業外費用が41.5%増加したため、経常利益は前連結会計年度に比べて57.7%減少の3,491百万円となりました。また、売上高経常利益率は前連結会計年度より1.1%低下し、0.9%となりました。特別損益については、資本コストや株価を意識した経営の実現を目指し、PBRの改善に向けた取り組みの一環として政策保有株式の縮減を図った結果、投資有価証券売却益が前連結会計年度に比べて大幅に増加したこと等により、特別利益は前連結会計年度に比べて213.1%増加の4,141百万円となりました。また、当社グループでは、店舗のスクラップアンドビルドによる「店舗力の強化」が必要不可欠であると考えておりますことから、当連結会計年度においても店舗の撤収または改装等に伴う減損損失及び固定資産除却損を特別損失に計上したこと等により、特別損失は前連結会計年度に比べて5.2%増加の1,945百万円となりました。以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて30.3%減少の3,407百万円となりました。また、当連結会計年度の1株当たりの当期純利益は、前連結会計年度の185.90円と比べて54.77円減少の131.13円となりました。当連結会計年度の経営成績等は、2023年3月期決算発表時に公表いたしました当社グループの中期経営計画である『JT-2025 経営計画』の2年目にあたり、同計画の諸施策にグループ一丸となって取り組んでまいりました。なお同計画の詳細は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) JT-2025 経営計画(2023年4月1日~2026年3月31日)について」をご参照ください。当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、新型コロナウイルス感染症に対する各種制限解除による消費動向の変化に加え、世界的な地域紛争激化等地政学的リスクの拡大、原材料高騰等に起因する各種経済指標の悪化、消費マインドや可処分所得の低下による耐久消費財に対する需要の低迷等から、同業者間の競争はますます激しくなることが挙げられます。『JT-2025 経営計画』では、『お客さまの暮らしに寄り添う「コンシェルジュ」へ』をスローガンとして掲げました。他社との比較において、お客様一人ひとりのライフスタイルに寄り添い、商品・サービスを通じた「課題」を解決することで、お客様の期待を上回る「価値創造」を実現し、顧客生涯価値を創出し収益を確保する持続可能なビジネスモデルへの進化による「収益力」の強化、いわゆる「稼ぐ力」の強化を目指してまいります。なおその他の要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。なお、当社グループの事業は、家電製品等の小売業並びにこれらの付帯業務の単一事業であり、開示対象となるセグメントはありませんので、セグメント情報の記載を省略しております。 B.財政状態の分析当連結会計年度末は前連結会計年度末に比べ、資産は流動資産が1,163百万円増加し、固定資産が2,436百万円減少したため、合計で1,272百万円減少し、当連結会計年度末の資産合計は231,503百万円となりました。資産の増減の主な内容は、売掛金5,274百万円増加、現金及び預金3,816百万円増加、退職給付に係る資産1,321百万円増加、棚卸資産8,070百万円減少、投資有価証券1,984百万円減少、流動資産のその他1,284百万円減少等であります。負債は流動負債が4,016百万円減少し、固定負債が2,691百万円増加したため、合計で1,324百万円減少し、当連結会計年度末の負債合計は126,837百万円となりました。負債の増減の主な内容は、支払手形及び買掛金4,707百万円増加、借入金等の有利子負債7,078百万円減少、未払法人税等1,149百万円減少等であります。純資産は株主資本が89百万円減少し、その他の包括利益累計額が142百万円増加したため、合計で52百万円増加し、当連結会計年度末の純資産合計は104,665百万円となりました。純資産の増減の主な内容は、土地再評価差額金710百万円増加、退職給付に係る調整累計額643百万円増加、その他有価証券評価差額金1,212百万円減少等であります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報A.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは次のとおりであります。 2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期自己資本比率(%)47.245.445.144.945.2時価ベースの自己資本比率(%)40.223.723.126.123.8キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)1.427.76.523.32.8インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)121.58.246.112.053.5 (注)自己資本比率 :自己資本/総資産 時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/利払い※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。※有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。※営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を使用しております。 B.資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの運転資金需要のうち主なものは商品の仕入を中心とした営業性費用と、人件費等の販売管理費用が中心となります。投資関連の費用としては、小売業という特性から店舗開発や店舗の改装といった設備投資が中心となります。当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金については自己資金、金融機関からの短期借入及びコマーシャル・ペーパーによる調達を基本としております。また、設備関連資金については金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は47,685百万円となっております。また、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は7,708百万円となっております。今後の重要な設備投資計画等につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1) 重要な設備の新設等」に記載しております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。