経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 以下の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。(1) 会社経営の基本方針 当社は、“はかる”技術のリーディングカンパニーとして、世界最高水準の計測ソリューションをあらゆる産業分野に提供しています。当社は3つの企業理念に基づいて事業活動を推進し、さまざまな研究開発分野で最先端の計測技術を提供する「計測ソリューションプロバイダー」として、すべてのステークホルダーとともに発展を目指します。また、持続可能な社会の実現と環境の保全は企業の使命であり、当社の事業を通じて責任を果たしてまいります。<企業理念>“はかる”技術で未来を創る はかる技術のリーディングカンパニーとして、豊かな社会、人と地球に優しい環境創りに貢献するテクノロジーインターフェース 最先端の計測ソリューションを世界の産業界に提供し、技術革新を支援・促進する企業価値の向上 計測システム・製品・サービスを創造し続けることで企業価値を向上させ、ステークホルダーと社員に繁栄をもたらす(2) 目標とする経営指標 当社グループは、2030年に目指す姿として長期ビジョン“BT600-2030”(連結売上高600億円、連結営業利益75億円、ROE15.0%)を掲げています。現在、2030年までの中間地点である2027年9月期を最終年度とする中期経営計画“TY2027”(2025年9月期~2027年9月期)を推進しており、同計画では連結売上高450億円(新規M&Aを含め500億円以上)、連結営業利益45億円、ROE11.0%を最終年度に達成すべき経営指標として定めております。(3) 中長期的な会社の経営戦略 事業戦略、財務・資本戦略、サステナビリティ経営の3本柱を軸に成長戦略を実行し、持続的に企業価値を向上させてまいります。 事業戦略としては、主に先進モビリティや脱炭素/エネルギー、防衛といった分野に注力して事業拡大を図ってまいります。また、当社が扱う製品・サービスの一層の高付加価値化、差別化を図るべく、継続的に安定した収益が期待できるリカーリングビジネスの推進や自社開発製品による独自ソリューションの提供を拡大してまいります。さらに、新拠点の設立も含め海外での事業展開を強化するとともに、当社グループの成長戦略を加速させるためのM&Aについても、引き続き積極的にチャレンジしてまいります。 財務・資本戦略では、営業キャッシュ・フローおよび資産売却や銀行借入による資金調達を原資とし、その50%以上をM&A含む成長投資へ活用する方針です。経営基盤強化のための人的資本投資や設備投資、DX/AI投資も積極的に進め、事業成長と資本収益性の向上を図ってまいります。 株主還元については戦略的かつ安定的に配分するため、配当方針はDOE(自己資本配当率)5%以上として継続的な増配を目指してまいります。また、自己株式の取得については、直近では2024年8月8日から2024年10月3日までの期間、93万6,600株、14億9千9百万円の自己株式取得を実施しており、今後も成長投資とのバランスを見ながら適宜取得を検討してまいります。 サステナビリティ経営については、当社の企業理念に基づいた事業活動そのものがサステナビリティ推進に直結するという意識を全社で共有し、事業を通じた社会課題解決と経営基盤の側面から当社が注力すべき5つの優先課題(マテリアリティ)を設定して諸施策に取り組んでいます。中期経営計画“TY2027”では取り組みをさらに加速するため、特に注力する項目をサステナビリティ中期計画“STY2027”として設定し、「技術革新への貢献」「環境保全の推進」「持続可能な経営基盤の確立」の各重点課題を全社一丸となって推進しています。具体的には、先進モビリティ開発や脱炭素社会の実現に貢献するソリューションの売上拡大、温室効果ガス排出量の削減、女性管理職比率の向上、健康経営優良法人の取得などを目標に掲げています。今後もサステナビリティの取り組みを強化し、持続的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現を目指してまいります。 (4) 対処すべき課題 当社グループは“はかる”技術のリーディングカンパニーとして、各産業における技術革新に貢献しています。その事業分野は、先進モビリティ、脱炭素/エネルギー、情報通信/情報セキュリティ、EMC、防衛、ソフトウェア開発など多岐にわたり、クリーンエネルギーや自動運転の開発などトレンド分野への最新計測ソリューションの提供や、独自の計測技術を生かした自社製品開発も推進しています。 そのような中、当社グループを取り巻く環境は、急速な技術革新やグローバル化等による産業構造の変化、為替の乱高下、地球温暖化に伴う自然災害の深刻化、東アジアにおける地政学リスクの高まり、ウクライナや中東情勢の長期化といった不安定な状況が続いており、持続可能な社会の実現への貢献が以前にも増して求められております。 当社グループでは独自のビジネスモデルによる優位性を活かし、対処すべき課題として認識している以下の事業戦略を実行することにより、持続可能な社会の実現と持続的な成長を目指してまいります。① 製品戦略 既存製品の拡販に加え、新たな自社開発製品や新技術分野への投資、事業の拡大や製品開発力・製造力を強化するためのM&Aなどを積極的に実施してまいります。さらに国内外の研究機関・大学・企業と協力してオープンイノベーションを推進することで、付加価値の高い独自の製品・ソリューションを開発し、成長が見込める新事業の確立を目指してまいります。② 市場戦略 各種社会課題の解決に向け、主要産業において官民での取り組みが進められています。自動車業界においても、EV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリッド車)、FCV(燃料電池自動車)などの普及や自動運転の実現に向け、さまざまな性能評価の需要があり、当社グループではあらゆる側面からのニーズに応える先進ソリューションの提供に注力しております。 当期においては、AD(自動運転)/ADAS(先進運転支援システム)開発向けの大型評価システムであるハブダイナモメーターを製造するスウェーデン子会社Rototest International ABの新たな販売拠点をドイツに設置し、欧州市場での販売体制の強化を図りました。そのほか、車載電池の開発に用いられる電池充放電評価装置の販売代理店権を中国全土に拡大し、燃料電池/水電解評価システムの世界的メーカーへのOEM供給も開始しました。今後もこのような社会課題の解決に貢献するソリューションの提供を国内外で積極的に推進してまいります。③ サステナビリティ・マネジメント戦略 持続可能な社会の実現は世界共通の最優先課題であり、企業経営において最も重視すべき事項の一つです。当社は企業理念に基づいて事業活動を推進することがサステナブルな未来創りにつながると確信しています。この考えのもと、サステナビリティへの取り組みとして、「技術革新と産業発展への貢献」「環境保全の推進」「安心・安全で豊かな暮らしの実現」「多彩な人財の育成と活躍」「健全で強固な経営基盤の確立」を5つの優先課題(マテリアリティ)に設定しています。これらの課題に対し、社員一丸となって取り組むとともに、コンプライアンスを徹底し、公正かつ透明性の高い企業経営を通じて社会的責任を果たしてまいります。 当社のサステナビリティの取り組みは、「FTSE Blossom Japan Index」の構成銘柄への選定やCDP「気候変動」でのBスコア獲得など、外部評価機関から高い評価を取得しています。今後も取り組みを一層推進していくことで、さらなる企業価値の向上と持続可能な社会の実現を目指してまいります。④ 人材戦略 当社グループにとって人材こそが最大の財産であり、社員の能力向上が当社グループの成長や業績に直結します。そのため、社員のキャリアアップ支援と評価制度の充実、グローバルに活躍できる人材の育成に投資してまいります。働き方改革も積極的に推進しており、フレックス制度、テレワーク勤務制度と併せてマイスター/シニアマイスター制度(注)などの導入により、社員のモチベーションと生産性の向上、公平で働きやすい勤務体制・職場環境の整備にも取り組んでおります。また、多様性の観点から女性や外国人の活躍推進、障がいを持つ方の職場環境の整備による雇用率向上にも努めています。さらに従業員の心身の健康保持・増進を重要な経営課題と位置づけ、従業員による主体的な健康づくりを支援し、働きやすい環境づくりを目指す健康経営を推進しております。(注) マイスター/シニアマイスター制度:社員の70歳までの就業を確保し、高年齢者の就労意欲向上と生活の安定を図ることを目的とした制度
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 以下の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。(1) 会社経営の基本方針 当社は、“はかる”技術のリーディングカンパニーとして、世界最高水準の計測ソリューションをあらゆる産業分野に提供しています。当社は3つの企業理念に基づいて事業活動を推進し、さまざまな研究開発分野で最先端の計測技術を提供する「計測ソリューションプロバイダー」として、すべてのステークホルダーとともに発展を目指します。また、持続可能な社会の実現と環境の保全は企業の使命であり、当社の事業を通じて責任を果たしてまいります。<企業理念>“はかる”技術で未来を創る はかる技術のリーディングカンパニーとして、豊かな社会、人と地球に優しい環境創りに貢献するテクノロジーインターフェース 最先端の計測ソリューションを世界の産業界に提供し、技術革新を支援・促進する企業価値の向上 計測システム・製品・サービスを創造し続けることで企業価値を向上させ、ステークホルダーと社員に繁栄をもたらす(2) 目標とする経営指標 当社グループは、2030年に目指す姿として長期ビジョン“BT600-2030”(連結売上高600億円、連結営業利益75億円、ROE15.0%)を掲げています。現在、2030年までの中間地点である2027年9月期を最終年度とする中期経営計画“TY2027”(2025年9月期~2027年9月期)を推進しており、同計画では連結売上高450億円(新規M&Aを含め500億円以上)、連結営業利益45億円、ROE11.0%を最終年度に達成すべき経営指標として定めております。(3) 中長期的な会社の経営戦略 事業戦略、財務・資本戦略、サステナビリティ経営の3本柱を軸に成長戦略を実行し、持続的に企業価値を向上させてまいります。 事業戦略としては、主に先進モビリティや脱炭素/エネルギー、防衛といった分野に注力して事業拡大を図ってまいります。また、当社が扱う製品・サービスの一層の高付加価値化、差別化を図るべく、継続的に安定した収益が期待できるリカーリングビジネスの推進や自社開発製品による独自ソリューションの提供を拡大してまいります。さらに、新拠点の設立も含め海外での事業展開を強化するとともに、当社グループの成長戦略を加速させるためのM&Aについても、引き続き積極的にチャレンジしてまいります。 財務・資本戦略では、営業キャッシュ・フローおよび資産売却や銀行借入による資金調達を原資とし、その50%以上をM&A含む成長投資へ活用する方針です。経営基盤強化のための人的資本投資や設備投資、DX/AI投資も積極的に進め、事業成長と資本収益性の向上を図ってまいります。 株主還元については戦略的かつ安定的に配分するため、配当方針はDOE(自己資本配当率)5%以上として継続的な増配を目指してまいります。また、自己株式の取得については、直近では2024年8月8日から2024年10月3日までの期間、93万6,600株、14億9千9百万円の自己株式取得を実施しており、今後も成長投資とのバランスを見ながら適宜取得を検討してまいります。 サステナビリティ経営については、当社の企業理念に基づいた事業活動そのものがサステナビリティ推進に直結するという意識を全社で共有し、事業を通じた社会課題解決と経営基盤の側面から当社が注力すべき5つの優先課題(マテリアリティ)を設定して諸施策に取り組んでいます。中期経営計画“TY2027”では取り組みをさらに加速するため、特に注力する項目をサステナビリティ中期計画“STY2027”として設定し、「技術革新への貢献」「環境保全の推進」「持続可能な経営基盤の確立」の各重点課題を全社一丸となって推進しています。具体的には、先進モビリティ開発や脱炭素社会の実現に貢献するソリューションの売上拡大、温室効果ガス排出量の削減、女性管理職比率の向上、健康経営優良法人の取得などを目標に掲げています。今後もサステナビリティの取り組みを強化し、持続的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現を目指してまいります。 (4) 対処すべき課題 当社グループは“はかる”技術のリーディングカンパニーとして、各産業における技術革新に貢献しています。その事業分野は、先進モビリティ、脱炭素/エネルギー、情報通信/情報セキュリティ、EMC、防衛、ソフトウェア開発など多岐にわたり、クリーンエネルギーや自動運転の開発などトレンド分野への最新計測ソリューションの提供や、独自の計測技術を生かした自社製品開発も推進しています。 そのような中、当社グループを取り巻く環境は、急速な技術革新やグローバル化等による産業構造の変化、為替の乱高下、地球温暖化に伴う自然災害の深刻化、東アジアにおける地政学リスクの高まり、ウクライナや中東情勢の長期化といった不安定な状況が続いており、持続可能な社会の実現への貢献が以前にも増して求められております。 当社グループでは独自のビジネスモデルによる優位性を活かし、対処すべき課題として認識している以下の事業戦略を実行することにより、持続可能な社会の実現と持続的な成長を目指してまいります。① 製品戦略 既存製品の拡販に加え、新たな自社開発製品や新技術分野への投資、事業の拡大や製品開発力・製造力を強化するためのM&Aなどを積極的に実施してまいります。さらに国内外の研究機関・大学・企業と協力してオープンイノベーションを推進することで、付加価値の高い独自の製品・ソリューションを開発し、成長が見込める新事業の確立を目指してまいります。② 市場戦略 各種社会課題の解決に向け、主要産業において官民での取り組みが進められています。自動車業界においても、EV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリッド車)、FCV(燃料電池自動車)などの普及や自動運転の実現に向け、さまざまな性能評価の需要があり、当社グループではあらゆる側面からのニーズに応える先進ソリューションの提供に注力しております。 当期においては、AD(自動運転)/ADAS(先進運転支援システム)開発向けの大型評価システムであるハブダイナモメーターを製造するスウェーデン子会社Rototest International ABの新たな販売拠点をドイツに設置し、欧州市場での販売体制の強化を図りました。そのほか、車載電池の開発に用いられる電池充放電評価装置の販売代理店権を中国全土に拡大し、燃料電池/水電解評価システムの世界的メーカーへのOEM供給も開始しました。今後もこのような社会課題の解決に貢献するソリューションの提供を国内外で積極的に推進してまいります。③ サステナビリティ・マネジメント戦略 持続可能な社会の実現は世界共通の最優先課題であり、企業経営において最も重視すべき事項の一つです。当社は企業理念に基づいて事業活動を推進することがサステナブルな未来創りにつながると確信しています。この考えのもと、サステナビリティへの取り組みとして、「技術革新と産業発展への貢献」「環境保全の推進」「安心・安全で豊かな暮らしの実現」「多彩な人財の育成と活躍」「健全で強固な経営基盤の確立」を5つの優先課題(マテリアリティ)に設定しています。これらの課題に対し、社員一丸となって取り組むとともに、コンプライアンスを徹底し、公正かつ透明性の高い企業経営を通じて社会的責任を果たしてまいります。 当社のサステナビリティの取り組みは、「FTSE Blossom Japan Index」の構成銘柄への選定やCDP「気候変動」でのBスコア獲得など、外部評価機関から高い評価を取得しています。今後も取り組みを一層推進していくことで、さらなる企業価値の向上と持続可能な社会の実現を目指してまいります。④ 人材戦略 当社グループにとって人材こそが最大の財産であり、社員の能力向上が当社グループの成長や業績に直結します。そのため、社員のキャリアアップ支援と評価制度の充実、グローバルに活躍できる人材の育成に投資してまいります。働き方改革も積極的に推進しており、フレックス制度、テレワーク勤務制度と併せてマイスター/シニアマイスター制度(注)などの導入により、社員のモチベーションと生産性の向上、公平で働きやすい勤務体制・職場環境の整備にも取り組んでおります。また、多様性の観点から女性や外国人の活躍推進、障がいを持つ方の職場環境の整備による雇用率向上にも努めています。さらに従業員の心身の健康保持・増進を重要な経営課題と位置づけ、従業員による主体的な健康づくりを支援し、働きやすい環境づくりを目指す健康経営を推進しております。(注) マイスター/シニアマイスター制度:社員の70歳までの就業を確保し、高年齢者の就労意欲向上と生活の安定を図ることを目的とした制度
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。① 財政状態及び経営成績の状況経営成績の状況 当社では当連結会計年度より2027年9月期を最終年度とする新たな中期経営計画“TY2027”にて、経営指標である売上高450億円、営業利益45億円、ROE11%の実現に向けて成長戦略を推進しております。 当連結会計年度においては、売上面では予定していた国内外の大型案件のうち、顧客都合により複数の売上計上が期ずれし、特に先進モビリティ事業が大きく減少しました。また、期初の受注残高が少なかった脱炭素/エネルギー事業も減少しました。一方、情報通信/情報セキュリティ事業、海洋/防衛事業は堅調な需要に支えられ増加しました。これらの結果、連結売上高は325億5千9百万円(前連結会計年度比7.1%減)となりました。この内、国内売上高は308億8千6百万円(前連結会計年度比2.4%減)、米国や中国向けを中心とした海外売上高は16億7千2百万円(前連結会計年度比50.5%減)でした。なお、遅延した案件は来期以降の収益増加に貢献する見込みです。 利益面におきましては、売上総利益率は前連結会計年度より上昇したものの、減収の影響が大きく、加えて研究開発費、人件費の増加などもあり、営業利益は19億1千4百万円(前連結会計年度比43.1%減)となりました。為替差益などの営業外収益により経常利益は19億8千5百万円(前連結会計年度比41.2%減)、事業会社ごとの利益構成の変化によって連結実効税率が法定実効税率より高くなったことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は11億9千5百万円(前連結会計年度比52.6%減)となりました。 受注高については、複数の大型案件を受注した海洋/防衛事業が大きく伸長したのをはじめ、ほぼすべての事業において増加したことにより、過去最高となる401億5千1百万円(前連結会計年度比19.4%増)となりました。受注残高は受注の増加や案件の長期化により、前連結会計年度を大きく上回る246億2千5百万円(前連結会計年度比44.6%増)となりました。 なお、当社グループは経営管理区分および社内組織の見直しを行ったことに伴い、当連結会計年度より「機械制御/振動騒音」を「先進モビリティ」に、「物性/エネルギー」を「脱炭素/エネルギー」に、「海洋/特機」を「海洋/防衛」に、「ライフサイエンス」を「その他」に名称変更しました。また、モビリティ分野の製品ラインを「脱炭素/エネルギー」から、事業領域が近く、シナジーが見込まれる「先進モビリティ」に移管しました。さらに、マテリアルサイエンス(材料評価)分野の製品ラインを「脱炭素/エネルギー」から「その他」に移管しました。前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の報告セグメントの区分方法により作成しており、以下の前連結会計年度比については、変更後のセグメント区分方法に組み替えた数値で比較しております。 事業セグメントごとの業績は、次のとおりです。 (先進モビリティ) 先進モビリティ事業におきましては、AD(自動運転) /ADAS(先進運転支援システム)開発向け評価システムの海外大型案件やeモビリティ分野における国内の大型案件の売上計上が、顧客の建屋建設や設備工事の遅れにより来期以降となったことで売上高が減少しました。一方で、国内の振動騒音計測関連は好調に推移しました。 この結果、売上高は75億9千5百万円(前連結会計年度比22.7%減)、セグメント利益は7億7百万円(前連結会計年度比65.9%減)となりました。 (脱炭素/エネルギー) 脱炭素/エネルギー事業におきましては、電気化学測定システムや低温測定・磁気測定分野は期初計画を上回って推移しましたが、全体としては期初の受注残高が少なかったことで、売上高を大きく伸ばした前連結会計年度に比べ減少しました。売上高の減少に加え、水素関連事業の製造子会社であるエル・テール社の生産能力増強などで販管費が増加し、セグメント利益も減少しました。 この結果、売上高は58億4千1百万円(前連結会計年度比11.3%減)、セグメント利益は9億4千3百万円(前連結会計年度比40.8%減)となりました。 (情報通信/情報セキュリティ) 情報通信/情報セキュリティ事業におきましては、情報通信分野では主力の大手通信事業者向けネットワーク性能試験製品が計画を上回って推移したほか、脆弱性スキャナや自社開発の大容量パケットキャプチャなどが前期に比べ伸長しました。サイバーセキュリティ分野では、サービスプロバイダー案件が堅調に推移したほか、官公庁向け大型案件の計上があり、売上を押し上げました。 この結果、売上高は81億2千万円(前連結会計年度比8.5%増)、セグメント利益は6億8千6百万円(前連結会計年度比76.8%増)となりました。(EMC/大型アンテナ) EMC/大型アンテナ事業におきましては、期初の受注残高減少や、顧客の電波無響室工事の遅れによる期ずれなどで売上高が減少しましたが、期末の受注残高は増加しており来期は挽回を見込んでいます。また、売上高の減少や新製品開発費の計上によりセグメント利益も減少となりました。 この結果、売上高は44億2千7百万円(前連結会計年度比5.4%減)、セグメント利益は1億6千8百万円(前連結会計年度比28.9%減)となりました。 (海洋/防衛) 海洋/防衛事業におきましては、防衛装備品の需要が堅調に推移したほか、来期計上予定だった大型案件を早期に納品できたこともあり売上高は増加しました。しかしながら、受注した大型案件に係る一過性コストの計上がありセグメント利益は減少しました。 この結果、売上高は27億6百万円(前連結会計年度比19.7%増)、セグメント利益は2億5千1百万円(前連結会計年度比45.4%減)となりました。 (ソフトウェア開発支援) ソフトウェア開発支援事業におきましては、ゲーム関連企業向けや車載関連企業向けが堅調に推移し、売上高は増加しました。一方、英国ポンド高の影響による仕入れコスト増や新規事業拡大のための増員による販管費増などにより、セグメント利益は減少しました。 この結果、売上高は23億8千2百万円(前連結会計年度比11.9%増)、セグメント利益は3億4千9百万円(前連結会計年度比13.9%減)となりました。 (その他) その他事業におきましては、ライフサイエンス分野では子会社のレキシー社が堅調に推移したものの、マテリアルサイエンス分野で電子顕微鏡の大型案件を複数計上した前連結会計年度に比べ売上高は減少しました。また、売上高の減少やライフサイエンス分野の長期在庫の評価損計上などにより、セグメント利益も減少しました。 この結果、売上高は14億8千3百万円(前連結会計年度比28.6%減)、セグメント利益は2千9百万円(前連結会計年度比74.2%減)となりました。 財政状態の状況(流動資産) 当連結会計年度末の流動資産は、194億9千万円(前連結会計年度末は184億2千3百万円)となり、10億6千6百万円増加しました。これは流動資産のその他の増加(8億5千7百万円から20億7千9百万円へ12億2千1百万円増)、現金及び預金の増加(30億9千1百万円から36億5千7百万円へ5億6千6百万円増)、及び受取手形、売掛金及び契約資産の減少(62億2千8百万円から54億1百万円へ8億2千7百万円減)、商品及び製品の減少(39億9千7百万円から37億8千5百万円へ2億1千2百万円減)が主な要因です。(固定資産) 当連結会計年度末の固定資産は、204億4千6百万円(前連結会計年度末は207億1千万円)となり、2億6千4百万円減少しました。これはソフトウェア仮勘定の増加(2千2百万円から9千8百万円へ7千5百万円増)、及び工具、器具及び備品(純額)の減少(9億5千4百万円から8億1千2百万円へ1億4千1百万円減)、ソフトウェアの減少(8億5千8百万円から7億1千7百万円へ1億4千万円減)、のれんの減少(15億6千1百万円から14億8千2百万円へ7千8百万円減)が主な要因です。(流動負債) 当連結会計年度末の流動負債は、108億1千1百万円(前連結会計年度末は98億8千3百万円)となり、9億2千7百万円増加しました。これは短期借入金の増加(20億円から27億円へ7億円増)、契約負債の増加(30億2千万円から36億1千6百万円へ5億9千6百万円増)、及び流動負債のその他の減少(13億8千6百万円から11億2千3百万円へ2億6千3百万円減)が主な要因です。(固定負債) 当連結会計年度末の固定負債は、10億6百万円(前連結会計年度末は11億2千3百万円)となり、1億1千7百万円減少しました。これは固定負債のその他の減少(3億1千2百万円から2億6百万円へ1億6百万円減)が主な要因です。 (純資産) 当連結会計年度末の純資産は、281億1千9百万円(前連結会計年度末は281億2千7百万円)となり、7百万円減少しました。これは為替換算調整勘定の増加(1億4千7百万円のマイナスから2千5百万円へ1億7千2百万円増)、繰延ヘッジ損益の増加(9千4百万円のマイナスから4千1百万円へ1億3千6百万円増)、その他有価証券評価差額金の増加(1千7百万円から1億1千9百万円へ1億1百万円増)、及び利益剰余金の減少(252億4千2百万円から248億6千6百万円へ3億7千6百万円減)、退職給付に係る調整累計額の減少(4千4百万円から3百万円へ4千1百万円減)が主な要因です。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ5億6千6百万円増加し、36億5千7百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 資金の主な増加要因は、税金等調整前当期純利益19億5千6百万円及び売上債権及び契約資産の減少額7億5千2百万円です。一方、資金の主な減少要因は、法人税等の支払額9億3千7百万円及び賞与引当金の減少額1億8百万円です。 この結果、営業活動によるキャッシュ・フローは21億9千5百万円の増加となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 資金の主な増加要因は、有価証券の売却による収入5億1千7百万円及び有形固定資産の売却による収入1億3千1百万円です。一方、資金の主な減少要因は、投資有価証券の取得による支出5億5千3百万円及び有形固定資産の取得による支出4億7千万円です。 この結果、投資活動によるキャッシュ・フローは7億7千万円の減少となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 資金の主な増加要因は、短期借入金の純増加額7億円です。一方、資金の主な減少要因は、配当金の支払額15億7千2百万円及び自己株式の取得による支出1億円です。 この結果、財務活動によるキャッシュ・フローは9億7千2百万円の減少となりました。 ③ 生産、受注及び売上の状況a. 受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)先進モビリティ9,762,613+7.36,985,837+45.0脱炭素/エネルギー6,359,600+9.52,630,907+24.5情報通信/情報セキュリティ7,817,336△4.03,432,572△8.1EMC/大型アンテナ5,130,535+24.83,296,030+27.1海洋/防衛6,120,878+117.75,582,742+157.5ソフトウェア開発支援2,504,441+9.81,033,768+13.3その他2,456,537+79.61,663,201+140.9合計40,151,943+19.424,625,060+44.6 b. 売上実績 当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称売上高(千円)前期比(%)先進モビリティ7,595,828△22.7脱炭素/エネルギー5,841,765△11.3情報通信/情報セキュリティ8,120,772+8.5EMC/大型アンテナ4,427,800△5.4海洋/防衛2,706,528+19.7ソフトウェア開発支援2,382,771+11.9その他1,483,709△28.6合計32,559,176△7.1(注) 主な相手先別の売上実績及びその割合については、いずれも売上高の100分の10未満のため、記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社では当連結会計年度より2027年9月期を最終年度とする中期経営計画“TY2027”をスタートさせ、経営指標である売上高450億円、営業利益45億円、ROE11%の実現に向けて成長戦略を推進しております。 当連結会計年度は、売上高325億5千9百万円(前連結会計年度比7.1%減)、営業利益は19億1千4百万円(前連結会計年度比43.1%減)、経常利益19億8千5百万円(前連結会計年度比41.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益11億9千5百万円(前連結会計年度比52.6%減)、ROE4.3%となりました。 以下、連結損益計算書に重要な影響を与えた要因について分析いたします。(ⅰ) 売上高 売上高の分析は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。(ⅱ) 売上原価、売上総利益、販売費及び一般管理費 売上原価は、183億5千1百万円(前連結会計年度比7.6%減)、売上総利益は142億7百万円(同6.4%減)となりました。販売費及び一般管理費は、研究開発費の増加、従業員給与賞与の増加、福利厚生費の増加、諸手数料の増加、旅費交通費の増加に伴い122億9千3百万円(同4.0%増)となりました。(ⅲ) 営業外損益 営業外損益は、前連結会計年度の9百万円の利益から、7千万円の利益へ6千1百万円増加しました。これは主に、為替差益の増加6千5百万円、支払補償費の増加1億1千万円、為替差損の減少1億6百万円によるものです。(ⅳ) 特別損益 特別損益は、前連結会計年度の5千5百万円の損失から、2千9百万円の損失へ2千5百万円増加しました。これは主に、固定資産圧縮損の減少32億4千1百万円、減損損失の減少3億4百万円、固定資産売却益の減少34億8千9百万円によるものです。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。 当社グループの資金需要のうち主なものは、売上原価、販売費及び一般管理費の営業費用、各種税金の納付及び配当金の支払です。また、成長戦略として、自社のオリジナル製品・ソリューションの開発投資を積極的に行うとともに、M&Aによる事業拡大を検討しており、有望なM&A案件があれば投資を実行してまいります。これらの必要な資金に関しては、営業活動によるキャッシュ・フロー、自己資金及び銀行借入で賄うことを基本方針としており、事業拡大に伴う営業活動によるキャッシュ・フローの増加と合わせて、資本効率向上を目指した資金運営を行ってまいります。 また、株主の皆様への利益還元を重要な経営政策と考えており、安定的かつ積極的な配当を行うとともに、成長投資とのバランスを見ながら自己株式の取得を適宜検討してまいります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。 その作成には、経営者による会計方針の採用や、資産・負債及び収益・費用の計上及び開示に関する経営者の見積りを必要とします。 経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。