8151

東陽テクニカ(8151)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

卸売業 商社・卸売

事業の概要

東陽テクニカグループは、計測関連の製品・ソリューションを国内外に提供し、自社オリジナル製品の開発も手掛けています。主な事業は、自動車や鉄道などの性能計測・解析を行う「先進モビリティ」、再生可能エネルギーやEV向け計測システムを提供する「脱炭素/エネルギー」、情報通信の品質・セキュリティ試験システムを提供する「情報通信/情報セキュリティ」など多岐にわたります。これらの事業を通じて、サポート・保守・修理・校正も行い、幅広い産業の技術開発を支援することで収益を上げています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

東陽テクニカグループの事業セグメントは多岐にわたります。「情報通信/情報セキュリティ」が売上81.2億円と最も大きく、次いで「先進モビリティ」が75.9億円、「脱炭素/エネルギー」が58.4億円と続きます。これらのセグメントは、それぞれ情報通信技術の品質確保、自動車や鉄道の性能計測、再生可能エネルギー関連の計測・評価システムを提供しています。その他、「EMC/大型アンテナ」「海洋/防衛」「ソフトウェア開発支援」といった専門性の高い分野も展開しており、多様な産業ニーズに応えることで収益を分散しています。

2025-09 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
AdvancedMobilityReportableSegment 事業 76 7 9.3%
SustainableEnergyReportableSegment 地域 58 9 16.1%
InformationAndCommunicationsTechnologiesInformationSecuritiesReportableSegment 事業 81 7 8.5%
ElectromagneticCompatibilityAntennaSystemsReportableSegment 事業 44 2 3.8%
OceanDefenseAndSecurityReportableSegment 事業 27 3 9.3%
SoftwareQualityAndProductivityReportableSegment 事業 24 3 14.7%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,107 文字
3 【事業の内容】 当社グループは、当社、連結子会社11社及び持分法適用関連会社1社で構成されており、下記に記載の事業区分における、各種計測に関連する製品・ソリューションの国内外への提供、自社オリジナル製品・ソリューションの開発、これに付帯関連するサポート・保守・修理・校正を主たる業務としております。 当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであり、事業内容の区分はセグメント情報における区分と同一です。 なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。 (先進モビリティ) 自動車や鉄道などの輸送機器の「性能(操縦性、乗り心地など)」をはじめ、産業機械を含めた「振動騒音」「安全性/耐久性」などにおける研究・開発に使われる計測と解析、実験データの管理に関する機器やソリューションを提供しています。新たなモビリティ社会の構築に向けて、自動運転技術の高度化やEV(電気自動車)の性能向上、さらにはeVTOL(電動垂直離着陸機)と呼ばれる空飛ぶクルマの開発にも貢献しています。(主な関係会社) 当社、東揚精測系統(上海)有限公司、東陽精測國際有限公司、TOYOTech LLC、Rototest International AB、Rototest Europe AB (脱炭素/エネルギー) 2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、再生可能エネルギーや電気自動車の普及など、エネルギーインフラの大きな変化が求められる中、繰り返し充電できる二次電池や水素を使う燃料電池などのエネルギーデバイス、パワー半導体や有機エレクトロニクスといった電子材料の基礎研究から製品開発まで、幅広く高精度な計測・評価システムを提供しています。(主な関係会社) 当社、東揚精測系統(上海)有限公司、東陽精測國際有限公司、㈱エル・テール (情報通信/情報セキュリティ) 情報通信分野では、情報通信技術(ICT)における品質の確保および安全な運用を確立するためのネットワークの性能試験や運用の可視化、情報セキュリティの担保などを実現する試験システムや解析・監視システムなど、最新の技術標準に対応した先進的なソリューションを幅広く提供しています。情報セキュリティ分野では、サービスソリューション型・エンジニアリング型のサービスに加えて、最新IT技術(クラウド、OSS、機械学習、ビッグデータ解析)を活用し、新たなサービス・価値をリアルタイムに提供しています。(主な関係会社) 当社、東揚精測系統(上海)有限公司、東陽精測國際有限公司、TOYOTech LLC、北京普利科技有限公司、Uila, Inc. (EMC/大型アンテナ) 自動車、情報通信機器、家電や医療機器など、電子機器におけるEMC(電磁環境両立性)の分野で長年にわたりEMC適合試験を支援しているほか、5Gやコネクテッドカー向けのOTA(Over The Air)計測システムなども提供しています。また、パラボラ大型アンテナ地上システムの分野でも30年以上の実績があり、設置から保守・校正までトータルにサポートしています。(主な関係会社) 当社、東揚精測系統(上海)有限公司、東陽精測國際有限公司、TOYOTech LLC、AeroGT Labs Corporation、㈱東陽EMCエンジニアリング (海洋/防衛) 洋上、海中、海底や港湾エリアなど海に関わるさまざまな場所で使用される、世界最先端の調査・計測機器を防衛、洋上風力発電、水産業など幅広い分野に提供しています。防衛分野向けについては、攻撃能力を持たない防衛装備品のみを扱い、計測や海洋の枠を超えた製品ラインアップを展開しています。(主な関係会社) 当社 (ソフトウェア開発支援) ソフトウェア開発におけるライフサイクル全般を支援し、品質や生産性の向上に貢献する製品とサービスを提供しています。さらに、世界で進むデジタルトランスフォーメーション(DX)に対応し、その安全・安心の実現のために、ソフトウェアの開発現場に求められる最新のセキュリティソリューションを提供しています。(主な関係会社) 当社 (その他) 胸部X線・CT画像の読影支援システムや、整形外科領域における2D、3D画像を用いるデジタルプランニングツール(術前計画支援)など、ライフサイエンス分野に最先端ソリューションを展開しています。また、電子顕微鏡や自社開発の油中粒子計測器、今後の普及が期待される量子コンピューターなども提供しています。(主な関係会社) 当社、㈱レキシー  事業系統図は次のとおりです。 ←→は製品・ソリューションの流れ ◎印は連結子会社 ○印は持分法適用関連会社※はセグメント区分 ※1 先進モビリティ ※2 脱炭素/エネルギー ※3 情報通信/情報セキュリティ※4 EMC/大型アンテナ ※5 海洋/防衛 ※6 ソフトウェア開発支援 ※7 その他

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
高精度な計測・評価システムや最新技術標準に対応した先進的ソリューションを提供しているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
各種計測に関連する製品・ソリューションの提供、自社オリジナル製品・ソリューションの開発、サポート・保守・修理・校正。
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:自然災害・社会的混乱 / 為替レートの変動 / プロジェクトの長期化
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

東陽テクニカは、計測・分析機器の専門商社として、長年にわたり培ってきた高度な専門知識と技術サポート力を持つ。特定のニッチ分野における顧客からの信頼は無形資産となりうるが、特許やブランド力は限定的。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

顧客は特定の計測・分析機器に依存しており、導入・習熟にコストがかかるため、容易な乗り換えは難しい。しかし、競合他社も同様のサービスを提供しており、絶対的なスイッチング・コストとは言えない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ネットワーク効果は事業モデルに直接的に見られない。顧客基盤の拡大が直接的なサービス価値向上に繋がる構造ではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

専門商社としての効率的なサプライチェーンや、長年の取引による仕入れ条件の優位性は考えられるが、製造業のような圧倒的なコスト優位性は見られない。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

特定の計測・分析機器分野においては一定のシェアを持つと考えられるが、業界全体で見ると規模の経済による圧倒的な優位性は限定的。少数寡占市場の形成には至っていない。

東陽テクニカグループは、長年にわたる多様な計測技術とソリューション提供の実績が強みです。特に、自動車の自動運転技術やEV性能向上、再生可能エネルギー、情報通信のセキュリティ、EMC(電磁環境両立性)試験、大型アンテナシステムなど、最先端技術分野での高精度な計測・評価システム提供に優位性があります。また、自社オリジナル製品の開発力や、国内外の主要メーカーとの総代理店契約による幅広い製品ラインナップも競争力の源泉であり、設置から保守・校正まで一貫したサポート体制も顧客からの信頼を得ています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 以下の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。(1) 会社経営の基本方針 当社は、“はかる”技術のリーディングカンパニーとして、世界最高水準の計測ソリューションをあらゆる産業分野に提供しています。当社は3つの企業理念に基づいて事業活動を推進し、さまざまな研究開発分野で最先端の計測技術を提供する「計測ソリューションプロバイダー」として、すべてのステークホルダーとともに発展を目指します。また、持続可能な社会の実現と環境の保全は企業の使命であり、当社の事業を通じて責任を果たしてまいります。<企業理念>“はかる”技術で未来を創る はかる技術のリーディングカンパニーとして、豊かな社会、人と地球に優しい環境創りに貢献するテクノロジーインターフェース 最先端の計測ソリューションを世界の産業界に提供し、技術革新を支援・促進する企業価値の向上 計測システム・製品・サービスを創造し続けることで企業価値を向上させ、ステークホルダーと社員に繁栄をもたらす(2) 目標とする経営指標 当社グループは、2030年に目指す姿として長期ビジョン“BT600-2030”(連結売上高600億円、連結営業利益75億円、ROE15.0%)を掲げています。現在、2030年までの中間地点である2027年9月期を最終年度とする中期経営計画“TY2027”(2025年9月期~2027年9月期)を推進しており、同計画では連結売上高450億円(新規M&Aを含め500億円以上)、連結営業利益45億円、ROE11.0%を最終年度に達成すべき経営指標として定めております。(3) 中長期的な会社の経営戦略 事業戦略、財務・資本戦略、サステナビリティ経営の3本柱を軸に成長戦略を実行し、持続的に企業価値を向上させてまいります。 事業戦略としては、主に先進モビリティや脱炭素/エネルギー、防衛といった分野に注力して事業拡大を図ってまいります。また、当社が扱う製品・サービスの一層の高付加価値化、差別化を図るべく、継続的に安定した収益が期待できるリカーリングビジネスの推進や自社開発製品による独自ソリューションの提供を拡大してまいります。さらに、新拠点の設立も含め海外での事業展開を強化するとともに、当社グループの成長戦略を加速させるためのM&Aについても、引き続き積極的にチャレンジしてまいります。 財務・資本戦略では、営業キャッシュ・フローおよび資産売却や銀行借入による資金調達を原資とし、その50%以上をM&A含む成長投資へ活用する方針です。経営基盤強化のための人的資本投資や設備投資、DX/AI投資も積極的に進め、事業成長と資本収益性の向上を図ってまいります。 株主還元については戦略的かつ安定的に配分するため、配当方針はDOE(自己資本配当率)5%以上として継続的な増配を目指してまいります。また、自己株式の取得については、直近では2024年8月8日から2024年10月3日までの期間、93万6,600株、14億9千9百万円の自己株式取得を実施しており、今後も成長投資とのバランスを見ながら適宜取得を検討してまいります。 サステナビリティ経営については、当社の企業理念に基づいた事業活動そのものがサステナビリティ推進に直結するという意識を全社で共有し、事業を通じた社会課題解決と経営基盤の側面から当社が注力すべき5つの優先課題(マテリアリティ)を設定して諸施策に取り組んでいます。中期経営計画“TY2027”では取り組みをさらに加速するため、特に注力する項目をサステナビリティ中期計画“STY2027”として設定し、「技術革新への貢献」「環境保全の推進」「持続可能な経営基盤の確立」の各重点課題を全社一丸となって推進しています。具体的には、先進モビリティ開発や脱炭素社会の実現に貢献するソリューションの売上拡大、温室効果ガス排出量の削減、女性管理職比率の向上、健康経営優良法人の取得などを目標に掲げています。今後もサステナビリティの取り組みを強化し、持続的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現を目指してまいります。 (4) 対処すべき課題 当社グループは“はかる”技術のリーディングカンパニーとして、各産業における技術革新に貢献しています。その事業分野は、先進モビリティ、脱炭素/エネルギー、情報通信/情報セキュリティ、EMC、防衛、ソフトウェア開発など多岐にわたり、クリーンエネルギーや自動運転の開発などトレンド分野への最新計測ソリューションの提供や、独自の計測技術を生かした自社製品開発も推進しています。 そのような中、当社グループを取り巻く環境は、急速な技術革新やグローバル化等による産業構造の変化、為替の乱高下、地球温暖化に伴う自然災害の深刻化、東アジアにおける地政学リスクの高まり、ウクライナや中東情勢の長期化といった不安定な状況が続いており、持続可能な社会の実現への貢献が以前にも増して求められております。 当社グループでは独自のビジネスモデルによる優位性を活かし、対処すべき課題として認識している以下の事業戦略を実行することにより、持続可能な社会の実現と持続的な成長を目指してまいります。① 製品戦略 既存製品の拡販に加え、新たな自社開発製品や新技術分野への投資、事業の拡大や製品開発力・製造力を強化するためのM&Aなどを積極的に実施してまいります。さらに国内外の研究機関・大学・企業と協力してオープンイノベーションを推進することで、付加価値の高い独自の製品・ソリューションを開発し、成長が見込める新事業の確立を目指してまいります。② 市場戦略 各種社会課題の解決に向け、主要産業において官民での取り組みが進められています。自動車業界においても、EV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリッド車)、FCV(燃料電池自動車)などの普及や自動運転の実現に向け、さまざまな性能評価の需要があり、当社グループではあらゆる側面からのニーズに応える先進ソリューションの提供に注力しております。 当期においては、AD(自動運転)/ADAS(先進運転支援システム)開発向けの大型評価システムであるハブダイナモメーターを製造するスウェーデン子会社Rototest International ABの新たな販売拠点をドイツに設置し、欧州市場での販売体制の強化を図りました。そのほか、車載電池の開発に用いられる電池充放電評価装置の販売代理店権を中国全土に拡大し、燃料電池/水電解評価システムの世界的メーカーへのOEM供給も開始しました。今後もこのような社会課題の解決に貢献するソリューションの提供を国内外で積極的に推進してまいります。③ サステナビリティ・マネジメント戦略 持続可能な社会の実現は世界共通の最優先課題であり、企業経営において最も重視すべき事項の一つです。当社は企業理念に基づいて事業活動を推進することがサステナブルな未来創りにつながると確信しています。この考えのもと、サステナビリティへの取り組みとして、「技術革新と産業発展への貢献」「環境保全の推進」「安心・安全で豊かな暮らしの実現」「多彩な人財の育成と活躍」「健全で強固な経営基盤の確立」を5つの優先課題(マテリアリティ)に設定しています。これらの課題に対し、社員一丸となって取り組むとともに、コンプライアンスを徹底し、公正かつ透明性の高い企業経営を通じて社会的責任を果たしてまいります。 当社のサステナビリティの取り組みは、「FTSE Blossom Japan Index」の構成銘柄への選定やCDP「気候変動」でのBスコア獲得など、外部評価機関から高い評価を取得しています。今後も取り組みを一層推進していくことで、さらなる企業価値の向上と持続可能な社会の実現を目指してまいります。④ 人材戦略 当社グループにとって人材こそが最大の財産であり、社員の能力向上が当社グループの成長や業績に直結します。そのため、社員のキャリアアップ支援と評価制度の充実、グローバルに活躍できる人材の育成に投資してまいります。働き方改革も積極的に推進しており、フレックス制度、テレワーク勤務制度と併せてマイスター/シニアマイスター制度(注)などの導入により、社員のモチベーションと生産性の向上、公平で働きやすい勤務体制・職場環境の整備にも取り組んでおります。また、多様性の観点から女性や外国人の活躍推進、障がいを持つ方の職場環境の整備による雇用率向上にも努めています。さらに従業員の心身の健康保持・増進を重要な経営課題と位置づけ、従業員による主体的な健康づくりを支援し、働きやすい環境づくりを目指す健康経営を推進しております。(注) マイスター/シニアマイスター制度:社員の70歳までの就業を確保し、高年齢者の就労意欲向上と生活の安定を図ることを目的とした制度
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 以下の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。(1) 会社経営の基本方針 当社は、“はかる”技術のリーディングカンパニーとして、世界最高水準の計測ソリューションをあらゆる産業分野に提供しています。当社は3つの企業理念に基づいて事業活動を推進し、さまざまな研究開発分野で最先端の計測技術を提供する「計測ソリューションプロバイダー」として、すべてのステークホルダーとともに発展を目指します。また、持続可能な社会の実現と環境の保全は企業の使命であり、当社の事業を通じて責任を果たしてまいります。<企業理念>“はかる”技術で未来を創る はかる技術のリーディングカンパニーとして、豊かな社会、人と地球に優しい環境創りに貢献するテクノロジーインターフェース 最先端の計測ソリューションを世界の産業界に提供し、技術革新を支援・促進する企業価値の向上 計測システム・製品・サービスを創造し続けることで企業価値を向上させ、ステークホルダーと社員に繁栄をもたらす(2) 目標とする経営指標 当社グループは、2030年に目指す姿として長期ビジョン“BT600-2030”(連結売上高600億円、連結営業利益75億円、ROE15.0%)を掲げています。現在、2030年までの中間地点である2027年9月期を最終年度とする中期経営計画“TY2027”(2025年9月期~2027年9月期)を推進しており、同計画では連結売上高450億円(新規M&Aを含め500億円以上)、連結営業利益45億円、ROE11.0%を最終年度に達成すべき経営指標として定めております。(3) 中長期的な会社の経営戦略 事業戦略、財務・資本戦略、サステナビリティ経営の3本柱を軸に成長戦略を実行し、持続的に企業価値を向上させてまいります。 事業戦略としては、主に先進モビリティや脱炭素/エネルギー、防衛といった分野に注力して事業拡大を図ってまいります。また、当社が扱う製品・サービスの一層の高付加価値化、差別化を図るべく、継続的に安定した収益が期待できるリカーリングビジネスの推進や自社開発製品による独自ソリューションの提供を拡大してまいります。さらに、新拠点の設立も含め海外での事業展開を強化するとともに、当社グループの成長戦略を加速させるためのM&Aについても、引き続き積極的にチャレンジしてまいります。 財務・資本戦略では、営業キャッシュ・フローおよび資産売却や銀行借入による資金調達を原資とし、その50%以上をM&A含む成長投資へ活用する方針です。経営基盤強化のための人的資本投資や設備投資、DX/AI投資も積極的に進め、事業成長と資本収益性の向上を図ってまいります。 株主還元については戦略的かつ安定的に配分するため、配当方針はDOE(自己資本配当率)5%以上として継続的な増配を目指してまいります。また、自己株式の取得については、直近では2024年8月8日から2024年10月3日までの期間、93万6,600株、14億9千9百万円の自己株式取得を実施しており、今後も成長投資とのバランスを見ながら適宜取得を検討してまいります。 サステナビリティ経営については、当社の企業理念に基づいた事業活動そのものがサステナビリティ推進に直結するという意識を全社で共有し、事業を通じた社会課題解決と経営基盤の側面から当社が注力すべき5つの優先課題(マテリアリティ)を設定して諸施策に取り組んでいます。中期経営計画“TY2027”では取り組みをさらに加速するため、特に注力する項目をサステナビリティ中期計画“STY2027”として設定し、「技術革新への貢献」「環境保全の推進」「持続可能な経営基盤の確立」の各重点課題を全社一丸となって推進しています。具体的には、先進モビリティ開発や脱炭素社会の実現に貢献するソリューションの売上拡大、温室効果ガス排出量の削減、女性管理職比率の向上、健康経営優良法人の取得などを目標に掲げています。今後もサステナビリティの取り組みを強化し、持続的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現を目指してまいります。 (4) 対処すべき課題 当社グループは“はかる”技術のリーディングカンパニーとして、各産業における技術革新に貢献しています。その事業分野は、先進モビリティ、脱炭素/エネルギー、情報通信/情報セキュリティ、EMC、防衛、ソフトウェア開発など多岐にわたり、クリーンエネルギーや自動運転の開発などトレンド分野への最新計測ソリューションの提供や、独自の計測技術を生かした自社製品開発も推進しています。 そのような中、当社グループを取り巻く環境は、急速な技術革新やグローバル化等による産業構造の変化、為替の乱高下、地球温暖化に伴う自然災害の深刻化、東アジアにおける地政学リスクの高まり、ウクライナや中東情勢の長期化といった不安定な状況が続いており、持続可能な社会の実現への貢献が以前にも増して求められております。 当社グループでは独自のビジネスモデルによる優位性を活かし、対処すべき課題として認識している以下の事業戦略を実行することにより、持続可能な社会の実現と持続的な成長を目指してまいります。① 製品戦略 既存製品の拡販に加え、新たな自社開発製品や新技術分野への投資、事業の拡大や製品開発力・製造力を強化するためのM&Aなどを積極的に実施してまいります。さらに国内外の研究機関・大学・企業と協力してオープンイノベーションを推進することで、付加価値の高い独自の製品・ソリューションを開発し、成長が見込める新事業の確立を目指してまいります。② 市場戦略 各種社会課題の解決に向け、主要産業において官民での取り組みが進められています。自動車業界においても、EV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリッド車)、FCV(燃料電池自動車)などの普及や自動運転の実現に向け、さまざまな性能評価の需要があり、当社グループではあらゆる側面からのニーズに応える先進ソリューションの提供に注力しております。 当期においては、AD(自動運転)/ADAS(先進運転支援システム)開発向けの大型評価システムであるハブダイナモメーターを製造するスウェーデン子会社Rototest International ABの新たな販売拠点をドイツに設置し、欧州市場での販売体制の強化を図りました。そのほか、車載電池の開発に用いられる電池充放電評価装置の販売代理店権を中国全土に拡大し、燃料電池/水電解評価システムの世界的メーカーへのOEM供給も開始しました。今後もこのような社会課題の解決に貢献するソリューションの提供を国内外で積極的に推進してまいります。③ サステナビリティ・マネジメント戦略 持続可能な社会の実現は世界共通の最優先課題であり、企業経営において最も重視すべき事項の一つです。当社は企業理念に基づいて事業活動を推進することがサステナブルな未来創りにつながると確信しています。この考えのもと、サステナビリティへの取り組みとして、「技術革新と産業発展への貢献」「環境保全の推進」「安心・安全で豊かな暮らしの実現」「多彩な人財の育成と活躍」「健全で強固な経営基盤の確立」を5つの優先課題(マテリアリティ)に設定しています。これらの課題に対し、社員一丸となって取り組むとともに、コンプライアンスを徹底し、公正かつ透明性の高い企業経営を通じて社会的責任を果たしてまいります。 当社のサステナビリティの取り組みは、「FTSE Blossom Japan Index」の構成銘柄への選定やCDP「気候変動」でのBスコア獲得など、外部評価機関から高い評価を取得しています。今後も取り組みを一層推進していくことで、さらなる企業価値の向上と持続可能な社会の実現を目指してまいります。④ 人材戦略 当社グループにとって人材こそが最大の財産であり、社員の能力向上が当社グループの成長や業績に直結します。そのため、社員のキャリアアップ支援と評価制度の充実、グローバルに活躍できる人材の育成に投資してまいります。働き方改革も積極的に推進しており、フレックス制度、テレワーク勤務制度と併せてマイスター/シニアマイスター制度(注)などの導入により、社員のモチベーションと生産性の向上、公平で働きやすい勤務体制・職場環境の整備にも取り組んでおります。また、多様性の観点から女性や外国人の活躍推進、障がいを持つ方の職場環境の整備による雇用率向上にも努めています。さらに従業員の心身の健康保持・増進を重要な経営課題と位置づけ、従業員による主体的な健康づくりを支援し、働きやすい環境づくりを目指す健康経営を推進しております。(注) マイスター/シニアマイスター制度:社員の70歳までの就業を確保し、高年齢者の就労意欲向上と生活の安定を図ることを目的とした制度
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。① 財政状態及び経営成績の状況経営成績の状況 当社では当連結会計年度より2027年9月期を最終年度とする新たな中期経営計画“TY2027”にて、経営指標である売上高450億円、営業利益45億円、ROE11%の実現に向けて成長戦略を推進しております。 当連結会計年度においては、売上面では予定していた国内外の大型案件のうち、顧客都合により複数の売上計上が期ずれし、特に先進モビリティ事業が大きく減少しました。また、期初の受注残高が少なかった脱炭素/エネルギー事業も減少しました。一方、情報通信/情報セキュリティ事業、海洋/防衛事業は堅調な需要に支えられ増加しました。これらの結果、連結売上高は325億5千9百万円(前連結会計年度比7.1%減)となりました。この内、国内売上高は308億8千6百万円(前連結会計年度比2.4%減)、米国や中国向けを中心とした海外売上高は16億7千2百万円(前連結会計年度比50.5%減)でした。なお、遅延した案件は来期以降の収益増加に貢献する見込みです。 利益面におきましては、売上総利益率は前連結会計年度より上昇したものの、減収の影響が大きく、加えて研究開発費、人件費の増加などもあり、営業利益は19億1千4百万円(前連結会計年度比43.1%減)となりました。為替差益などの営業外収益により経常利益は19億8千5百万円(前連結会計年度比41.2%減)、事業会社ごとの利益構成の変化によって連結実効税率が法定実効税率より高くなったことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は11億9千5百万円(前連結会計年度比52.6%減)となりました。 受注高については、複数の大型案件を受注した海洋/防衛事業が大きく伸長したのをはじめ、ほぼすべての事業において増加したことにより、過去最高となる401億5千1百万円(前連結会計年度比19.4%増)となりました。受注残高は受注の増加や案件の長期化により、前連結会計年度を大きく上回る246億2千5百万円(前連結会計年度比44.6%増)となりました。 なお、当社グループは経営管理区分および社内組織の見直しを行ったことに伴い、当連結会計年度より「機械制御/振動騒音」を「先進モビリティ」に、「物性/エネルギー」を「脱炭素/エネルギー」に、「海洋/特機」を「海洋/防衛」に、「ライフサイエンス」を「その他」に名称変更しました。また、モビリティ分野の製品ラインを「脱炭素/エネルギー」から、事業領域が近く、シナジーが見込まれる「先進モビリティ」に移管しました。さらに、マテリアルサイエンス(材料評価)分野の製品ラインを「脱炭素/エネルギー」から「その他」に移管しました。前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の報告セグメントの区分方法により作成しており、以下の前連結会計年度比については、変更後のセグメント区分方法に組み替えた数値で比較しております。 事業セグメントごとの業績は、次のとおりです。 (先進モビリティ) 先進モビリティ事業におきましては、AD(自動運転) /ADAS(先進運転支援システム)開発向け評価システムの海外大型案件やeモビリティ分野における国内の大型案件の売上計上が、顧客の建屋建設や設備工事の遅れにより来期以降となったことで売上高が減少しました。一方で、国内の振動騒音計測関連は好調に推移しました。 この結果、売上高は75億9千5百万円(前連結会計年度比22.7%減)、セグメント利益は7億7百万円(前連結会計年度比65.9%減)となりました。 (脱炭素/エネルギー) 脱炭素/エネルギー事業におきましては、電気化学測定システムや低温測定・磁気測定分野は期初計画を上回って推移しましたが、全体としては期初の受注残高が少なかったことで、売上高を大きく伸ばした前連結会計年度に比べ減少しました。売上高の減少に加え、水素関連事業の製造子会社であるエル・テール社の生産能力増強などで販管費が増加し、セグメント利益も減少しました。 この結果、売上高は58億4千1百万円(前連結会計年度比11.3%減)、セグメント利益は9億4千3百万円(前連結会計年度比40.8%減)となりました。 (情報通信/情報セキュリティ) 情報通信/情報セキュリティ事業におきましては、情報通信分野では主力の大手通信事業者向けネットワーク性能試験製品が計画を上回って推移したほか、脆弱性スキャナや自社開発の大容量パケットキャプチャなどが前期に比べ伸長しました。サイバーセキュリティ分野では、サービスプロバイダー案件が堅調に推移したほか、官公庁向け大型案件の計上があり、売上を押し上げました。 この結果、売上高は81億2千万円(前連結会計年度比8.5%増)、セグメント利益は6億8千6百万円(前連結会計年度比76.8%増)となりました。(EMC/大型アンテナ) EMC/大型アンテナ事業におきましては、期初の受注残高減少や、顧客の電波無響室工事の遅れによる期ずれなどで売上高が減少しましたが、期末の受注残高は増加しており来期は挽回を見込んでいます。また、売上高の減少や新製品開発費の計上によりセグメント利益も減少となりました。 この結果、売上高は44億2千7百万円(前連結会計年度比5.4%減)、セグメント利益は1億6千8百万円(前連結会計年度比28.9%減)となりました。 (海洋/防衛) 海洋/防衛事業におきましては、防衛装備品の需要が堅調に推移したほか、来期計上予定だった大型案件を早期に納品できたこともあり売上高は増加しました。しかしながら、受注した大型案件に係る一過性コストの計上がありセグメント利益は減少しました。 この結果、売上高は27億6百万円(前連結会計年度比19.7%増)、セグメント利益は2億5千1百万円(前連結会計年度比45.4%減)となりました。 (ソフトウェア開発支援) ソフトウェア開発支援事業におきましては、ゲーム関連企業向けや車載関連企業向けが堅調に推移し、売上高は増加しました。一方、英国ポンド高の影響による仕入れコスト増や新規事業拡大のための増員による販管費増などにより、セグメント利益は減少しました。 この結果、売上高は23億8千2百万円(前連結会計年度比11.9%増)、セグメント利益は3億4千9百万円(前連結会計年度比13.9%減)となりました。 (その他) その他事業におきましては、ライフサイエンス分野では子会社のレキシー社が堅調に推移したものの、マテリアルサイエンス分野で電子顕微鏡の大型案件を複数計上した前連結会計年度に比べ売上高は減少しました。また、売上高の減少やライフサイエンス分野の長期在庫の評価損計上などにより、セグメント利益も減少しました。 この結果、売上高は14億8千3百万円(前連結会計年度比28.6%減)、セグメント利益は2千9百万円(前連結会計年度比74.2%減)となりました。 財政状態の状況(流動資産) 当連結会計年度末の流動資産は、194億9千万円(前連結会計年度末は184億2千3百万円)となり、10億6千6百万円増加しました。これは流動資産のその他の増加(8億5千7百万円から20億7千9百万円へ12億2千1百万円増)、現金及び預金の増加(30億9千1百万円から36億5千7百万円へ5億6千6百万円増)、及び受取手形、売掛金及び契約資産の減少(62億2千8百万円から54億1百万円へ8億2千7百万円減)、商品及び製品の減少(39億9千7百万円から37億8千5百万円へ2億1千2百万円減)が主な要因です。(固定資産) 当連結会計年度末の固定資産は、204億4千6百万円(前連結会計年度末は207億1千万円)となり、2億6千4百万円減少しました。これはソフトウェア仮勘定の増加(2千2百万円から9千8百万円へ7千5百万円増)、及び工具、器具及び備品(純額)の減少(9億5千4百万円から8億1千2百万円へ1億4千1百万円減)、ソフトウェアの減少(8億5千8百万円から7億1千7百万円へ1億4千万円減)、のれんの減少(15億6千1百万円から14億8千2百万円へ7千8百万円減)が主な要因です。(流動負債) 当連結会計年度末の流動負債は、108億1千1百万円(前連結会計年度末は98億8千3百万円)となり、9億2千7百万円増加しました。これは短期借入金の増加(20億円から27億円へ7億円増)、契約負債の増加(30億2千万円から36億1千6百万円へ5億9千6百万円増)、及び流動負債のその他の減少(13億8千6百万円から11億2千3百万円へ2億6千3百万円減)が主な要因です。(固定負債) 当連結会計年度末の固定負債は、10億6百万円(前連結会計年度末は11億2千3百万円)となり、1億1千7百万円減少しました。これは固定負債のその他の減少(3億1千2百万円から2億6百万円へ1億6百万円減)が主な要因です。 (純資産) 当連結会計年度末の純資産は、281億1千9百万円(前連結会計年度末は281億2千7百万円)となり、7百万円減少しました。これは為替換算調整勘定の増加(1億4千7百万円のマイナスから2千5百万円へ1億7千2百万円増)、繰延ヘッジ損益の増加(9千4百万円のマイナスから4千1百万円へ1億3千6百万円増)、その他有価証券評価差額金の増加(1千7百万円から1億1千9百万円へ1億1百万円増)、及び利益剰余金の減少(252億4千2百万円から248億6千6百万円へ3億7千6百万円減)、退職給付に係る調整累計額の減少(4千4百万円から3百万円へ4千1百万円減)が主な要因です。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ5億6千6百万円増加し、36億5千7百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 資金の主な増加要因は、税金等調整前当期純利益19億5千6百万円及び売上債権及び契約資産の減少額7億5千2百万円です。一方、資金の主な減少要因は、法人税等の支払額9億3千7百万円及び賞与引当金の減少額1億8百万円です。 この結果、営業活動によるキャッシュ・フローは21億9千5百万円の増加となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 資金の主な増加要因は、有価証券の売却による収入5億1千7百万円及び有形固定資産の売却による収入1億3千1百万円です。一方、資金の主な減少要因は、投資有価証券の取得による支出5億5千3百万円及び有形固定資産の取得による支出4億7千万円です。 この結果、投資活動によるキャッシュ・フローは7億7千万円の減少となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 資金の主な増加要因は、短期借入金の純増加額7億円です。一方、資金の主な減少要因は、配当金の支払額15億7千2百万円及び自己株式の取得による支出1億円です。 この結果、財務活動によるキャッシュ・フローは9億7千2百万円の減少となりました。 ③ 生産、受注及び売上の状況a. 受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)先進モビリティ9,762,613+7.36,985,837+45.0脱炭素/エネルギー6,359,600+9.52,630,907+24.5情報通信/情報セキュリティ7,817,336△4.03,432,572△8.1EMC/大型アンテナ5,130,535+24.83,296,030+27.1海洋/防衛6,120,878+117.75,582,742+157.5ソフトウェア開発支援2,504,441+9.81,033,768+13.3その他2,456,537+79.61,663,201+140.9合計40,151,943+19.424,625,060+44.6 b. 売上実績 当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称売上高(千円)前期比(%)先進モビリティ7,595,828△22.7脱炭素/エネルギー5,841,765△11.3情報通信/情報セキュリティ8,120,772+8.5EMC/大型アンテナ4,427,800△5.4海洋/防衛2,706,528+19.7ソフトウェア開発支援2,382,771+11.9その他1,483,709△28.6合計32,559,176△7.1(注) 主な相手先別の売上実績及びその割合については、いずれも売上高の100分の10未満のため、記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社では当連結会計年度より2027年9月期を最終年度とする中期経営計画“TY2027”をスタートさせ、経営指標である売上高450億円、営業利益45億円、ROE11%の実現に向けて成長戦略を推進しております。 当連結会計年度は、売上高325億5千9百万円(前連結会計年度比7.1%減)、営業利益は19億1千4百万円(前連結会計年度比43.1%減)、経常利益19億8千5百万円(前連結会計年度比41.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益11億9千5百万円(前連結会計年度比52.6%減)、ROE4.3%となりました。 以下、連結損益計算書に重要な影響を与えた要因について分析いたします。(ⅰ) 売上高 売上高の分析は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。(ⅱ) 売上原価、売上総利益、販売費及び一般管理費 売上原価は、183億5千1百万円(前連結会計年度比7.6%減)、売上総利益は142億7百万円(同6.4%減)となりました。販売費及び一般管理費は、研究開発費の増加、従業員給与賞与の増加、福利厚生費の増加、諸手数料の増加、旅費交通費の増加に伴い122億9千3百万円(同4.0%増)となりました。(ⅲ) 営業外損益 営業外損益は、前連結会計年度の9百万円の利益から、7千万円の利益へ6千1百万円増加しました。これは主に、為替差益の増加6千5百万円、支払補償費の増加1億1千万円、為替差損の減少1億6百万円によるものです。(ⅳ) 特別損益 特別損益は、前連結会計年度の5千5百万円の損失から、2千9百万円の損失へ2千5百万円増加しました。これは主に、固定資産圧縮損の減少32億4千1百万円、減損損失の減少3億4百万円、固定資産売却益の減少34億8千9百万円によるものです。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。 当社グループの資金需要のうち主なものは、売上原価、販売費及び一般管理費の営業費用、各種税金の納付及び配当金の支払です。また、成長戦略として、自社のオリジナル製品・ソリューションの開発投資を積極的に行うとともに、M&Aによる事業拡大を検討しており、有望なM&A案件があれば投資を実行してまいります。これらの必要な資金に関しては、営業活動によるキャッシュ・フロー、自己資金及び銀行借入で賄うことを基本方針としており、事業拡大に伴う営業活動によるキャッシュ・フローの増加と合わせて、資本効率向上を目指した資金運営を行ってまいります。 また、株主の皆様への利益還元を重要な経営政策と考えており、安定的かつ積極的な配当を行うとともに、成長投資とのバランスを見ながら自己株式の取得を適宜検討してまいります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。 その作成には、経営者による会計方針の採用や、資産・負債及び収益・費用の計上及び開示に関する経営者の見積りを必要とします。 経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

事業リスク

主なリスクとして、自然災害やテロ、感染症などの社会的混乱が事業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。また、海外からの製品輸入や海外子会社の財務諸表の円換算において、為替レートの変動が業績や財政状態に影響を与えるリスクがあります。大型プロジェクトの長期化による検収遅延も業績に影響を与える可能性があり、海外メーカーとの総代理店契約が解消された場合も業績に影響を及ぼす可能性があります。M&Aによる子会社増加に伴うグループガバナンスの不徹底や、研究開発の失敗、人材確保の困難さ、サプライチェーンにおける人権侵害もリスクとして挙げられます。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,083 文字
3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主なリスクは以下のとおりであり、これらリスク発生の回避及び発生した場合の対応に努めていきます。 なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年12月18日)現在において当社グループが判断したものです。(1) 自然災害・社会的混乱について 当社グループは、国内及び海外に事業展開しております。大地震や津波、台風、大雨による洪水や河川氾濫などの自然災害、テロ、戦争、新型ウイルス等の感染症が発生した場合、企業活動全般や人的資源に重大な影響、損害を与え、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに備え、安否確認システムの導入やデータセンターの分散化などの対策を講じており、さらなる対策強化のため事業継続計画(BCP)の改善を進めています。(2) 為替レートの変動について 当社グループは、海外から製品を輸入し国内外へ販売しております。従って、為替レートの変動が損益に影響を与える可能性があります。急激な円安・円高に対しては、販売価格の変更や為替予約等により、為替レート変動の影響軽減に努めております。また、当社グループの連結財務諸表作成にあたっては、海外の連結子会社の財務諸表を円換算しており、為替レートが変動した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(3) プロジェクトの長期化について 当社グループの事業におきましては、案件によっては建設業の許可を要するなど、プロジェクトが大型化する傾向にあります。そのような案件では計測システムの納期や設置が長期化するため、検収遅延発生の要因が増加しております。期中に予定していた検収時期が後ろ倒しとなり、期中に売上計上できなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。スケジュール管理の徹底や遅延リスクの高い案件の売上計上時期をあらかじめ保守的に予定することで、軽減してまいります。(4) 総代理店契約解消について 当社グループと総代理店契約を締結している海外メーカーが、日本法人の設立や他社からの買収によって、当社グループとの総代理店契約を解消する場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。海外メーカーへの投資によるパートナーシップの強化や、その競合メーカーを含むより多くの海外メーカーと関係構築することでリスクの軽減に努めております。(5) グループガバナンスについて 当社グループではM&Aによる事業拡大を推進していることから、国内外で子会社が増加しています。そのため、各子会社における法規制の遵守や業務プロセス管理の徹底が不十分だった場合、法令違反や不正・不祥事によって当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社では買収後の経営統合プロセスを適切に進め、リスクの軽減やシナジーの最大化に努めております。(6) 研究開発について 当社グループでは付加価値の高い自社オリジナルソリューションを提供するため、研究開発活動を強化しております。しかしながら、開発期間の長期化等により開発を断念せざるを得ない場合や市場に投入した製品の販売低迷が続いた場合、研究開発コストを回収できず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(7) 人材の確保について 当社グループでは、人材を企業にとって最も重要な財産=“人財”と捉え、持続的成長に向けてさまざまなバックグラウンド、経験、スキルを持つ人材を採用しています。今後、国内の少子高齢化に伴う労働力人口の減少等によって、当社グループが必要とする能力を持つ人材や必要な人員数を確保できなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは業績連動に基づく社員への積極的な利益還元、人事制度の拡充や働き方改革を推し進めることで“人財”の確保や定着を図り、リスクの軽減に努めております。(8) 人権リスクについて 当社グループはグローバルに事業を展開する企業として、自社のみならずサプライチェーンにおいても人権尊重への取り組みが求められていることを認識しています。自社グループやサプライチェーンにおいて強制労働や児童労働、ハラスメントや差別、不適切な労働条件といった人権侵害があった場合、損害賠償や取引停止、ブランド価値の棄損などが発生するリスクがあり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは人権方針を策定して人権尊重の取り組みを強化するとともに、調達方針を策定して取引先にも対応・遵守を求めることでリスクの軽減に努めています。

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