8130

サンゲツ(8130)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

卸売業 商社・卸売

事業の概要

サンゲツは、住宅から商業施設まで幅広い空間で使用される壁紙、床材、カーテンなどのインテリア商材の企画・販売を主力としています。国内では、これらの商材販売に加え、設計・デザイン提案から内装施工まで一貫して手掛けることで収益を上げています。また、門扉やフェンスなどのエクステリア商品の販売・施工も行っています。海外では、米国での壁紙製造販売や、東南アジア・中国・香港でのインテリア商材販売、空間デザイン・施工も展開しており、多様な事業で収益を構成しています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

サンゲツの事業セグメントは大きく3つに分かれます。最も売上が大きいのは「国内インテリア事業」で、壁紙、床材、カーテンなどのインテリア商材の企画・販売、および設計・デザインから内装施工までを手掛けています。次に「国内エクステリア事業」は、門扉、フェンス、カーポートなどのエクステリア商品の販売と外構の空間提案・施工を行っています。3つ目の「海外事業」は、米国での壁紙製造販売、東南アジアや中国・香港でのインテリア商材販売、および東南アジアでの空間デザイン・総合内装施工を展開しています。国内インテリア事業が売上・利益ともに稼ぎ頭ですが、海外事業は現在赤字となっています。

2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Interior 事業 1,640 189 11.5%
Exterior 事業 66 0 0.3%
Overseas 事業 298 -8 -2.6%
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FY2025|1,114 文字
3【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、子会社29社及び関連会社1社で構成され、その主な事業内容と当社及び関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。 <国内インテリアセグメント>国内インテリアセグメントについては、当社は住宅から非住宅分野まで幅広く利用される壁装材、床材、ファブリック(カーテン・椅子生地)等を主力商材としております。また、設計・デザインから施工まで空間づくり全体に携わる事業活動も行っております。各子会社では地域や顧客、専門分野に特化した事業活動を行っております。株式会社サンゲツ沖縄では、沖縄地区において壁装材、床材、ファブリック等の販売を行い、株式会社サンゲツヴォーヌでは、専門知識が求められるカーテン分野に特化したハウスメーカー等への販売活動及びB to CのEC事業等を行っております。また、クレアネイト株式会社は、スペース材料提供機能(高度な企画・開発・調達力を持ち、広範囲な商品を提案する機能)の一部として壁紙の製造・販売を担っており、株式会社クロス企画では、在庫・配送・物流機能の一部として九州地方を中心にインテリア関連商材の配送及び管理を行っております。施工機能の一部としては、フェアトーン株式会社が非住宅市場を中心とした新築・リニューアル・リノベーション等に係る内装施工を行っております。 <国内エクステリアセグメント>国内エクステリアセグメントについては、株式会社サングリーンが門扉、フェンス、カーポート等、住宅市場から非住宅市場まで、幅広いエクステリア商品の販売及び外構の空間提案・施工等を行っております。 <海外セグメント>米国の子会社KOROSEAL INTERIOR PRODUCTS HOLDINGS, INC.では、米国で壁紙を製造し、他社製造の壁装材と併せて販売しております。シンガポールの子会社Goodrich Global Holdings Pte. Ltd.では東南アジアを中心に、またGOODRICH GLOBAL LIMITED及びその子会社であるSANGETSU GOODRICH CHINA CO.,LTD.では中国・香港を中心に、壁装材・床材・ファブリック等のインテリア商材を販売しております。また、2024年7月に子会社化したシンガポールのD'Perception Pte Ltdでは、シンガポールを中心に、主にオフィスや商業施設等の空間デザイン・総合内装施工を行っております。 以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。なお、事業系統図内の矢印は、商品及びサービス並びに施工の流れを示しています。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
国内市場でシェア拡大と価格修正による収益改善を中期的戦略としているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ブランド
サンゲツブランドで約12,000点の商品を企画開発・販売しており、ブランドメーカーとしての信頼性。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:建設需要に左右される事業環境 / 外部仕入先による商品の品質管理 / 生産トラブル等による商品の安定調達・供給
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 12 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

サンゲツは、インテリア業界において長年にわたり築き上げてきた高いブランド認知度と信頼性を有する。特に、デザイナーズ壁紙やカーテンなどのオリジナル商品開発力は、他社との差別化要因となっている。ショールーム展開や、インテリアデザイナーとの強固なリレーションシップも無形資産として評価できる。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

内装材の選定は、建築業者やデザイナーの意向が強く反映される。サンゲツの商品は、品質、デザイン性、品揃えにおいて長年の実績があり、一度採用された建築業者やデザイナーが、他のメーカーへ乗り換えるには、品質リスクやデザイン選定の手間、顧客への説明責任などのコストが発生する可能性がある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

サンゲツのビジネスモデルは、直接的なネットワーク効果を生み出す構造ではない。製品の普及がユーザー数の増加に直接的な価値向上をもたらすわけではない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

サンゲツは、長年の事業活動で培った調達力や物流網により、一定のコスト競争力を有していると考えられる。しかし、原材料価格の変動や、競合他社との価格競争により、構造的なコスト優位性は限定的である可能性がある。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

サンゲツは、国内インテリア市場においてトップクラスのシェアを誇る。広範な販売網と、多様な製品ラインナップを効率的に供給できる規模の経済は、競合他社に対する優位性の源泉となっている。特に、多品種少量生産に対応できる物流・在庫管理能力は、規模の経済を活かした強みである。

サンゲツの優位性は、インテリア商材の企画・販売から設計・施工までを一貫して提供できる点にあります。特に国内では、壁装材、床材、ファブリックといった主力商材の幅広いラインナップと、空間づくり全体に携わる事業活動が強みです。子会社による専門分野特化や地域密着型の事業展開、壁紙製造子会社による安定供給体制も競争力を高めています。また、長年の実績とブランド力により、顧客からの信頼を獲得し、安定した事業基盤を築いていると考えられます。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等1)価値創造の変遷1849年の創業、1953年の会社設立以来、当社グループは内装に係る壁装材、床材、ファブリックなどのインテリア商品の卸売事業をコアビジネスとして業容を拡大し、1960年に1億円であった売上高が1997年には1,300億円に至り、高成長を遂げてきました。また、商品企画・開発、デザイン、物流、施工など各種機能の強化を進め、市場における確固たるポジショニングを構築してまいりました。日本国内での建設投資のピークアウトとともにインテリア商品の卸売事業の成長は鈍化する一方、2000年代に入ってエクステリアや海外など新たな事業に参入し事業領域の拡大を進めてきました。特にこの10年においては、成長投資を加速し、国内外でのM&Aの実行、重要な事業インフラである物流・ITなどへの投資、当社グループの価値創造の根幹となる人的資本の強化を積極的に進めています。こうした施策が功を奏して、連結営業利益(率)は、2014年度80.3億円(6.1%)から2024年度181.7億円(9.1%)に大きく伸長しています。持続的な成長と価値創造を目指し、2020年度よりスタートした10カ年の長期ビジョン[DESIGN 2030]では、「スペースクリエーション企業」への転換を掲げ、中核事業(インテリア、エクステリア、海外、空間総合の4事業)の深化・変革と、新規事業の探索・創出を積極的に進めることとしています。また、2023年度よりスタートした3カ年の中期経営計画[BX 2025]では、この3カ年を次の飛躍に備える期間と位置付け、人的資本、デジタル資本、ソリューション提供力、エクステリア事業と海外事業、社会価値の5つを重要施策として掲げています。当社グループは、この長期ビジョンおよび中期経営計画に掲げる施策を着実に実行し、市場のニーズ、社会課題に真摯に取り組むことで、さらなる企業価値向上を目指しています。 2)サンゲツグループの企業理念当社グループは、創業の精神を尊重しつつ、事業環境の変化に応じた組織体制や経営戦略の見直しおよび諸施策の実行を通じて、経済価値・社会価値両面での企業価値向上に努めてきました。その事業環境の変化は、デジタル化の進展、地政学リスク、環境問題や格差問題をはじめとする社会課題の複雑化などと合わせて、一段とドラスチックになっています。また、当社グループとして、事業規模・事業領域の拡大、国内外グループ会社数の増加など連結経営の深化、多様性の加速など、今後の成長に向けた具体的な打ち手が進み出しています。こうした状況の下、新たな価値創造、次元を超えた成長の実現、社会課題の解決など、当社グループが果たすべき役割を明確化し、ステークホルダーの皆様とともに具体的なアクションに結び付けていくためには、当社グループの価値観を表す企業理念の全面的な見直しが必要と判断しました。2022年12月に「企業理念検討・浸透プロジェクト」を立ち上げ、グループ会社の社員を含めて中堅・若手社員も多数参加するボトムアップのプロセスで議論・検討がなされ、2024年1月に新たな企業理念を公表いたしました。新たな企業理念では、最上位の概念としてPurpose(存在意義)を置き、それにより実現する未来像をDreamとして掲げるとともに、Purposeを形づくる企業としての信念をBelief、社員の姿勢をWayとして定めており、事業の中心である空間創造を通じた企業活動による経済価値と社会価値の創出を通じて「すべての人と共に、やすらぎと希望にみちた空間を創造する。」ことを目指しています。 ・企業理念浸透プロジェクト当社グループでは、社員一人ひとりが企業理念の理解を深め、自らの業務や企業活動との結びつきを実感してもらうために、企業理念の浸透に向けた活動を行っています。2024年には全国各支社でワークショップを開催し、グループ社員を含む有志社員が参加しました。企業理念が、当社グループで仕事を進める上での“考え方の指針”となり、社員一人ひとりが企業活動の変革を進める当事者となるように、ボトムアップでの取り組みが進んでいます。 (参考 ワークショップの様子) 3)価値創造プロセス当社グループは、企業理念の実現を目指して、長期ビジョン[DESIGN 2030]、中期経営計画[BX 2025]のもと、「スペースクリエーション企業」への転換を進めています。価値創造プロセスでは、外部・内部環境やマテリアリティ等を踏まえて、当社が競争力を有する4つの機能の強化およびそれらの連携に裏付けられたソリューション提案力と、新たな成長機会となる次世代事業の探索・創出により、ビジネスモデルの変革を通じた「経済価値と社会価値の創出」を目指すというストーリーを示しています。 4)Sangetsu Group長期ビジョン[DESIGN 2030]①目指す企業像サンゲツグループはスペースクリエーション企業へ人的資本とデジタル資本を基盤としたデザイン力とクリエイティビティによる4つの機能、すなわち・それぞれの市場に最適なコンセプトに基づく魅力的な空間デザイン提案機能・高度な企画・開発・調達力を持ち、広範囲な商品を提案するスペース材料提供機能・品切れなく広域に即時配送を可能とする在庫・配送・物流機能・さまざまな事業、人的関係、企業連携を通じての規模と総合性・機動性のある施工機能の4つの機能の強化およびそれらの連携に裏付けられたソリューション提案力により、グローバルにスペースクリエーションに関する高い価値を提供する企業を目指します。 ②外部・内部環境(前提となる環境認識)長期ビジョン策定時点(2023年5月)に想定した外部・内部環境およびその課題は以下のとおりです。 一方、事業環境の変化は加速度的に進んでおり、本書提出日現在の外部・内部環境およびその課題については以下のとおり認識しております。 <外部課題>・主力市場である日本では、人口減、高齢化等により新築住宅市場を中心に市場規模は想定よりも縮小傾向・大都市圏におけるインバウンド・オフィス需要などをはじめ、半導体等新工場が立ち上がる地方など、特定の市場・地域では需要が伸長・低環境負荷商品等の社会課題の解決に繋がる商品の需要は増加・製造・物流・施工を担う人手の不足、原材料費・物流費・人件費等が継続的に上昇<内部課題>・国内インテリアセグメントの収益が着実に拡大する一方、国内エクステリア、海外の2セグメントの収益貢献が限定的である・海外、エクステリア、空間総合の3事業における専門人材が不足している・壁装材、床材に次ぐ、空間を構成する商品ポートフォリオの拡充が十分でない・グループ会社を含め販管費の増大が先行していて、収益への貢献が遅れている これら外部・内部課題の解決の根幹には、人的資本・デジタル資本の強化が最も重要であると認識しており、長期ビジョンおよび中期経営計画に基づくさらなる施策を展開してまいります。 ③マテリアリティ当社グループは、2024年に策定した新たな企業理念において、企業活動を通じて「空間」に係る経済価値、社会価値の双方を実現していくことを示しました。その実現には、現在の経営資本において足りない資本を高度化、付加していくことで、ビジネスモデルを変革していくことが必要です。そして、その変革を通じて、さまざまな社会課題の解決に取り組み社会貢献を実現していくことで、さらなる企業価値の向上に繋がっていくと考えています。現在、そうした考え方や、事業環境の変化、ステークホルダーとの継続的な対話等を踏まえて、長期ビジョンを視野に入れた、経済価値、社会価値の創出に結びつく重要課題の見直しを進めています。 ④長期ビジョン達成に向けた基本戦略 この基本戦略によるビジョンの達成を通じ、私たちは、次の社会的価値の実現を目指しています。 [サンゲツグループが実現を目指す社会的価値]サンゲツグループは、Inclusive(みんなで):誰もが安心して快適に過ごせるインクルーシブな社会の実現Sustainable(いつまでも):地球環境を守るサステイナブルな社会の実現Enjoyable(楽しさあふれる):より豊かでエンジョイアブルな社会の実現社会の実現に貢献します。 定量目標2030年3月期連結売上高2,500億円 連結営業利益270億円 ⑤スペースクリエーション企業の先の展開(次世代事業)について2020年以降、「スペースクリエーション企業」への転換に向けた取り組みを通じ、当社はこの新たな事業モデルの将来性や有効性を確認してきました。前述の通り、国内インテリアセグメントは計画通りに伸長した一方、国内エクステリア、海外の2セグメントの収益貢献は現時点で限定的なものに留まっています。また、国内インテリアセグメントにおける空間総合事業については、当初想定した時間軸での成長に至っておりません。当社としては、こうした現在向き合っている中核事業の深化・変革を一段と進め、収益基盤をより強固なものとしてまいります。同時に、今ある資産、組織、ビジネスモデルだけで長期的な成長が実現できる訳ではなく、未来の市場に備えるべく、次世代事業の探索・創出が必須となります。現在の事業領域の周辺にあるさまざまな可能性と、当社グループの競争優位性のシナジー創出を見極めながら、企業理念の実現に資する事業展開を、ステークホルダーの皆さまと共創しながら構築していきたいと考えています。 5)中期経営計画(2023-2025)[BX 2025] ※BX=Business Transformation市場における確固たるポジショニング、商品企画・開発、デザイン、物流、施工等の各種機能の継続的な強化、成長投資の実行等を背景に、そして、2021年から2022年までの3回に亘る商品取引価格の改定が重なり、前中期経営計画(2020~2022)[D.C.2022]最終年度の2022年度に利益の大きな伸長を果たしました。2025年度を最終年度とする中期経営計画(2023~2025)[BX 2025]の3年間については、収益基盤をさらに強固なものとすべく成長投資を加速し、次の飛躍に備える期間と位置付けております。2025年度は、2020年度にスタートした10カ年の長期ビジョン[DESIGN 2030]の折り返しの年度であり、スペースクリエーション企業への転換を進めていく上で、インテリアをはじめとする中核事業の深化・変革、そして次世代事業の探索・構築に向けて各種施策を迅速に実行してまいります。この中期経営計画(2023~2025)[BX 2025]の基本方針、施策、資本政策、定量目標は以下のとおりです。なお、2025年5月14日に公表の通り、中期経営計画の最終年度となる2025年度(2026年3月期)の定量目標の一部を見直しております。詳細については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載の「(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」および「(4)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。 ①基本方針 中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]-次の飛躍に備える3年間- スペースクリエーションの価値を高めるソリューション力を強化・拡充し、強固な収益力と成長力を持つスペースクリエーション企業へと転換、主要商品・市場の事業拡張に加え、商品の拡充、エクステリア事業・海外事業の拡大を実行する。また、さらなる長期的成長を可能ならしめる事業を展開するべく、スペースオペレーションを含む次世代事業の可能性を検討する。 ②施策各施策に関する2025年3月期の進捗状況は、当社Webサイトにて説明動画および資料を公開しております。https://www.sangetsu.co.jp/company/ir/library/briefing_report.htmlなお、「人的資本の拡大・高度化・活躍支援」「社会価値の向上」に関する進捗の一部は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」もご覧ください。 ③資本政策<株主還元方針>・2026年3月末の自己資本を950~1,050億円とする・株主還元は配当を主体とし、1株当たり年間配当金は130円を下限に、安定的な増配を目指す・市場の状況により自己株式の取得も検討する <資金配分計画>中期経営計画期間中資金創出 資金配分 期初保有現金同等物270億円 成長投資200~250億円 営業CF470~510億円 株主還元250~350億円 借入金増減▲80~60億円 期末現金同等物200~250億円 ④定量目標(2025年度(2026年3月期)目標)<経済価値> 単位目標2023年度実績2024年度実績① 連結売上高億円2,1001,8982,003② 連結営業利益億円190191181③ 連結当期純利益億円130142125④ ROE%11.514.111.4⑤ ROIC%14.014.813.7⑥ CCC日70.071.572.02025年5月14日公表の「中期経営計画の目標見直しに関するお知らせ」において、一部目標を見直しております。 <社会価値>・地球環境事業活動(Scope1&2)における環境負荷の低減 単位対象目標2023年度実績2024年度実績GHG排出量t-CO2e連結2021年度比28%削減26,836(11.9%削減)23,592(22.6%削減)GHG排出量t-CO2e単体2018年度比60%削減4,871(40.0%削減)4,057(50.0%削減)使用エネルギー量GJ単体2018年度比6%削減121,626(17.9%削減)117,339(20.8%削減)リサイクル率(有効利用率)%単体90%以上74.584.12024年度実績につきましては速報値であり、GHG排出量(連結・単体)と使用エネルギー量(単体)の正式な数値については第三者認証の取得が完了したのち、当社Webサイトにて開示させていただきます。 ・人的資本社員の健康と能力開発、風土改革 単位範囲目標2023年度実績2024年度実績非喫煙率%単体85%以上79.178.6人的資本投資額億円単体3年間合計7億円2.32.7キャリア採用者数名単体3年間合計60~80名4939エンゲージメントスコア※-単体58.0(A)53.7(BB)57.7(BBB)※2023年度以降、株式会社リンクアンドモチベーション社の提供するサービス「モチベーションクラウド」のスコアを使用しています。 ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進 単位範囲目標2023年度実績2024年度実績女性管理職比率※1%単体25%以上(2026年4月時点)21.222.8障がい者雇用率%単体4%以上(2026年3月末時点)3.53.2男性育休取得率※2%単体2週間以上100%2週間以上100%2週間以上100%※1 人事異動の時期を鑑み、各年とも4月1日の数値で算定しております。※2 男性育児休業2週間以上取得率は、子が1歳になるまでの取得予定者を含めています。 ・社会資本コミュニティへの参画 単位範囲目標2023年度実績2024年度実績児童養護施設改修活動件連結50件/年間5955マッチングギフトS-mile(※)連結18,00013,23818,289外部団体への寄付を含めた社会貢献活動費千円連結年間経常利益の0.3%~0.5%を目途とし、寄付は特定の団体に継続的に実施する43,98532,234※社会貢献活動の促進を目的とした「サンゲツグループマッチングギフトプログラム」において、社員の社会貢献活動に対しスマイルポイント(S-mile)を付与し、そのポイントを金額換算して支援先のNPO等の団体へ寄付しております。基準となる活動は、会社が主体となって実施する「サンゲツグループボランティアクラブ」での活動に加え、社外での福祉施設支援・被災者支援・国際交流・地域活動・青少年教育・NPO支援等の個人活動を対象とし、全国の社員が地域によらず積極的に参加できるよう活動の支援を行っております。 なお、中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]につきましては、当社Webサイトにて説明動画および資料を公開しております。https://www.sangetsu.co.jp/company/ir/management/medium_term_plan.html (2)経営戦略等、経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題(経営環境における次期の見通し)次期においては、世界経済は米国の関税政策による地政学的リスクの高まり、ならびに為替変動や金融政策などを一因とした各地域の需要環境の変化をはじめ、エネルギーや原材料価格、調達コストへの影響等に注視が必要であり、依然として不透明な状況が続く見通しです。当社事業にもっとも影響が大きい国内建設市場は、住宅市場においては建築コストの高止まりや人手不足等を背景とした住宅需要の抑制により、新設住宅着工戸数・着工床面積は前年同期比で弱含みの状況が続くと予想されます。非住宅市場においては新築需要に力強い伸長は見込めないものの、インバウンド需要によるホテル・宿泊市場や、オフィスリニューアル市場の高まりが伸長要素になると考えられます。こうした事業環境において、当社グループは競争優位性である空間デザイン提案、スペース材料提供、在庫・配送・物流、施工の4機能の一段の強化ならびに4機能の連携に裏付けられた、市場・顧客に応じた適正なソリューション提案活動を拡大させていくとともに、マーケットを起点にした市場ニーズ、社会課題に向き合う商品やサービスを投入していくことで、市場でのポジショニングをさらに高めていく考えです。また、当社グループの価値創造の根幹となる人的資本への投資や、変革と成長に向けた戦略投資を加速してまいります。収益面においては、引き続き原材料費や物流費の増加が見込まれ、人件費をはじめとする販管費も上昇しますが、こうしたコスト増に対しては、2024年12月に実施した国内インテリアセグメントを対象とする価格改定効果の一巡と、優先順位や投資効果を見極めたコストコントロール等により吸収する考えです。なお、当社仕入先工場の火災の影響により2025年2月以降受注停止している一部床材商品については、代替生産等による供給体制を再構築し、2025年度第2四半期ごろから段階的な販売再開を見込んでいます。これまで営業損失が続いている海外セグメントにおいては、次期以降の黒字転換ならびに収益創出を目指して、各地域において以下の取り組みに臨みます。増収増益基調が定着した北米では、主力のホテル分野をはじめとして市場環境は堅調に推移すると見込まれ、ホテル大手チェーン・大型物件などの案件獲得や、生産現場での原価低減活動の推進により、2024年度比で増収増益を見込んでいます。安定しつつある事業基盤をベースに、商品ポートフォリオの拡充や事業規模の拡大等に向けた成長投資を進めてまいります。一方、東南アジア、中国・香港で展開しているインテリア商品の卸売事業については、経営体制の刷新をはじめとして組織体制やコスト構造の見直しを含め、事業基盤の再構築を進めています。また、2024年度に参画したシンガポールでの設計・施工事業においては、安定した受注による利益貢献が通期で反映されるとともに、卸売事業とのシナジーの創出や、当社グループにおける空間総合事業の起爆剤として各社との連携強化に努めてまいります。 2023年度および2024年度に収益が停滞している国内エクステリアセグメントについては、先行投資となった地域や領域の拡大が功を奏して、次期においては収益の回復が見込まれます。 (経営環境における中期視点の見通し)長期ビジョン[DESIGN 2030]を視野に入れた時間軸において、国内の事業環境としては、オフィスやホテルなどの需要は堅調に推移する一方、人口減少、建設費高騰の影響を特に受ける住宅需要は弱含みになると予想されます。長期ビジョン策定時に想定した経営環境と比較しても、人口減少、高齢化などを背景とする人手不足、原材料費・物流費・人件費等コストの継続的な上昇は一段と顕著になっており、当社グループとして優先的に対処すべき課題として強く認識しております。このような状況下、国内インテリアセグメントにおいては、競争優位性のある4つの機能を高度化し、新たな成長機会をとらえた商品ポートフォリオの拡充、空間総合事業の基盤強化を進めるべく、オーガニック、インオーガニックな戦略を遂行していきます。国内エクステリアセグメントにおいては、ここ数年で実行してきた地理的拡大、事業領域の拡大を早期に収益に繋げるとともに、当社グループ一体としてのインテリア、エクステリアのシナジー創出を図ります。海外セグメントにおいては、各地域の市場特性、市場ニーズに沿ったビジネスモデルを構築、強化するとともに、当社グループが有する各種機能を横展開、ローカライズすることで、事業基盤の確立と成長戦略の推進に臨んでまいります。当社グループは中核事業であるインテリア、エクステリア、海外、空間総合の4事業の深化・変革を進めるとともに、未来の市場に備えるべく次世代事業の探索・創出を実現していくことで、「スペースクリエーション企業」への転換を図り、持続的な成長を目指していきます。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等1)価値創造の変遷1849年の創業、1953年の会社設立以来、当社グループは内装に係る壁装材、床材、ファブリックなどのインテリア商品の卸売事業をコアビジネスとして業容を拡大し、1960年に1億円であった売上高が1997年には1,300億円に至り、高成長を遂げてきました。また、商品企画・開発、デザイン、物流、施工など各種機能の強化を進め、市場における確固たるポジショニングを構築してまいりました。日本国内での建設投資のピークアウトとともにインテリア商品の卸売事業の成長は鈍化する一方、2000年代に入ってエクステリアや海外など新たな事業に参入し事業領域の拡大を進めてきました。特にこの10年においては、成長投資を加速し、国内外でのM&Aの実行、重要な事業インフラである物流・ITなどへの投資、当社グループの価値創造の根幹となる人的資本の強化を積極的に進めています。こうした施策が功を奏して、連結営業利益(率)は、2014年度80.3億円(6.1%)から2024年度181.7億円(9.1%)に大きく伸長しています。持続的な成長と価値創造を目指し、2020年度よりスタートした10カ年の長期ビジョン[DESIGN 2030]では、「スペースクリエーション企業」への転換を掲げ、中核事業(インテリア、エクステリア、海外、空間総合の4事業)の深化・変革と、新規事業の探索・創出を積極的に進めることとしています。また、2023年度よりスタートした3カ年の中期経営計画[BX 2025]では、この3カ年を次の飛躍に備える期間と位置付け、人的資本、デジタル資本、ソリューション提供力、エクステリア事業と海外事業、社会価値の5つを重要施策として掲げています。当社グループは、この長期ビジョンおよび中期経営計画に掲げる施策を着実に実行し、市場のニーズ、社会課題に真摯に取り組むことで、さらなる企業価値向上を目指しています。 2)サンゲツグループの企業理念当社グループは、創業の精神を尊重しつつ、事業環境の変化に応じた組織体制や経営戦略の見直しおよび諸施策の実行を通じて、経済価値・社会価値両面での企業価値向上に努めてきました。その事業環境の変化は、デジタル化の進展、地政学リスク、環境問題や格差問題をはじめとする社会課題の複雑化などと合わせて、一段とドラスチックになっています。また、当社グループとして、事業規模・事業領域の拡大、国内外グループ会社数の増加など連結経営の深化、多様性の加速など、今後の成長に向けた具体的な打ち手が進み出しています。こうした状況の下、新たな価値創造、次元を超えた成長の実現、社会課題の解決など、当社グループが果たすべき役割を明確化し、ステークホルダーの皆様とともに具体的なアクションに結び付けていくためには、当社グループの価値観を表す企業理念の全面的な見直しが必要と判断しました。2022年12月に「企業理念検討・浸透プロジェクト」を立ち上げ、グループ会社の社員を含めて中堅・若手社員も多数参加するボトムアップのプロセスで議論・検討がなされ、2024年1月に新たな企業理念を公表いたしました。新たな企業理念では、最上位の概念としてPurpose(存在意義)を置き、それにより実現する未来像をDreamとして掲げるとともに、Purposeを形づくる企業としての信念をBelief、社員の姿勢をWayとして定めており、事業の中心である空間創造を通じた企業活動による経済価値と社会価値の創出を通じて「すべての人と共に、やすらぎと希望にみちた空間を創造する。」ことを目指しています。 ・企業理念浸透プロジェクト当社グループでは、社員一人ひとりが企業理念の理解を深め、自らの業務や企業活動との結びつきを実感してもらうために、企業理念の浸透に向けた活動を行っています。2024年には全国各支社でワークショップを開催し、グループ社員を含む有志社員が参加しました。企業理念が、当社グループで仕事を進める上での“考え方の指針”となり、社員一人ひとりが企業活動の変革を進める当事者となるように、ボトムアップでの取り組みが進んでいます。 (参考 ワークショップの様子) 3)価値創造プロセス当社グループは、企業理念の実現を目指して、長期ビジョン[DESIGN 2030]、中期経営計画[BX 2025]のもと、「スペースクリエーション企業」への転換を進めています。価値創造プロセスでは、外部・内部環境やマテリアリティ等を踏まえて、当社が競争力を有する4つの機能の強化およびそれらの連携に裏付けられたソリューション提案力と、新たな成長機会となる次世代事業の探索・創出により、ビジネスモデルの変革を通じた「経済価値と社会価値の創出」を目指すというストーリーを示しています。 4)Sangetsu Group長期ビジョン[DESIGN 2030]①目指す企業像サンゲツグループはスペースクリエーション企業へ人的資本とデジタル資本を基盤としたデザイン力とクリエイティビティによる4つの機能、すなわち・それぞれの市場に最適なコンセプトに基づく魅力的な空間デザイン提案機能・高度な企画・開発・調達力を持ち、広範囲な商品を提案するスペース材料提供機能・品切れなく広域に即時配送を可能とする在庫・配送・物流機能・さまざまな事業、人的関係、企業連携を通じての規模と総合性・機動性のある施工機能の4つの機能の強化およびそれらの連携に裏付けられたソリューション提案力により、グローバルにスペースクリエーションに関する高い価値を提供する企業を目指します。 ②外部・内部環境(前提となる環境認識)長期ビジョン策定時点(2023年5月)に想定した外部・内部環境およびその課題は以下のとおりです。 一方、事業環境の変化は加速度的に進んでおり、本書提出日現在の外部・内部環境およびその課題については以下のとおり認識しております。 <外部課題>・主力市場である日本では、人口減、高齢化等により新築住宅市場を中心に市場規模は想定よりも縮小傾向・大都市圏におけるインバウンド・オフィス需要などをはじめ、半導体等新工場が立ち上がる地方など、特定の市場・地域では需要が伸長・低環境負荷商品等の社会課題の解決に繋がる商品の需要は増加・製造・物流・施工を担う人手の不足、原材料費・物流費・人件費等が継続的に上昇<内部課題>・国内インテリアセグメントの収益が着実に拡大する一方、国内エクステリア、海外の2セグメントの収益貢献が限定的である・海外、エクステリア、空間総合の3事業における専門人材が不足している・壁装材、床材に次ぐ、空間を構成する商品ポートフォリオの拡充が十分でない・グループ会社を含め販管費の増大が先行していて、収益への貢献が遅れている これら外部・内部課題の解決の根幹には、人的資本・デジタル資本の強化が最も重要であると認識しており、長期ビジョンおよび中期経営計画に基づくさらなる施策を展開してまいります。 ③マテリアリティ当社グループは、2024年に策定した新たな企業理念において、企業活動を通じて「空間」に係る経済価値、社会価値の双方を実現していくことを示しました。その実現には、現在の経営資本において足りない資本を高度化、付加していくことで、ビジネスモデルを変革していくことが必要です。そして、その変革を通じて、さまざまな社会課題の解決に取り組み社会貢献を実現していくことで、さらなる企業価値の向上に繋がっていくと考えています。現在、そうした考え方や、事業環境の変化、ステークホルダーとの継続的な対話等を踏まえて、長期ビジョンを視野に入れた、経済価値、社会価値の創出に結びつく重要課題の見直しを進めています。 ④長期ビジョン達成に向けた基本戦略 この基本戦略によるビジョンの達成を通じ、私たちは、次の社会的価値の実現を目指しています。 [サンゲツグループが実現を目指す社会的価値]サンゲツグループは、Inclusive(みんなで):誰もが安心して快適に過ごせるインクルーシブな社会の実現Sustainable(いつまでも):地球環境を守るサステイナブルな社会の実現Enjoyable(楽しさあふれる):より豊かでエンジョイアブルな社会の実現社会の実現に貢献します。 定量目標2030年3月期連結売上高2,500億円 連結営業利益270億円 ⑤スペースクリエーション企業の先の展開(次世代事業)について2020年以降、「スペースクリエーション企業」への転換に向けた取り組みを通じ、当社はこの新たな事業モデルの将来性や有効性を確認してきました。前述の通り、国内インテリアセグメントは計画通りに伸長した一方、国内エクステリア、海外の2セグメントの収益貢献は現時点で限定的なものに留まっています。また、国内インテリアセグメントにおける空間総合事業については、当初想定した時間軸での成長に至っておりません。当社としては、こうした現在向き合っている中核事業の深化・変革を一段と進め、収益基盤をより強固なものとしてまいります。同時に、今ある資産、組織、ビジネスモデルだけで長期的な成長が実現できる訳ではなく、未来の市場に備えるべく、次世代事業の探索・創出が必須となります。現在の事業領域の周辺にあるさまざまな可能性と、当社グループの競争優位性のシナジー創出を見極めながら、企業理念の実現に資する事業展開を、ステークホルダーの皆さまと共創しながら構築していきたいと考えています。 5)中期経営計画(2023-2025)[BX 2025] ※BX=Business Transformation市場における確固たるポジショニング、商品企画・開発、デザイン、物流、施工等の各種機能の継続的な強化、成長投資の実行等を背景に、そして、2021年から2022年までの3回に亘る商品取引価格の改定が重なり、前中期経営計画(2020~2022)[D.C.2022]最終年度の2022年度に利益の大きな伸長を果たしました。2025年度を最終年度とする中期経営計画(2023~2025)[BX 2025]の3年間については、収益基盤をさらに強固なものとすべく成長投資を加速し、次の飛躍に備える期間と位置付けております。2025年度は、2020年度にスタートした10カ年の長期ビジョン[DESIGN 2030]の折り返しの年度であり、スペースクリエーション企業への転換を進めていく上で、インテリアをはじめとする中核事業の深化・変革、そして次世代事業の探索・構築に向けて各種施策を迅速に実行してまいります。この中期経営計画(2023~2025)[BX 2025]の基本方針、施策、資本政策、定量目標は以下のとおりです。なお、2025年5月14日に公表の通り、中期経営計画の最終年度となる2025年度(2026年3月期)の定量目標の一部を見直しております。詳細については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載の「(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」および「(4)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。 ①基本方針 中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]-次の飛躍に備える3年間- スペースクリエーションの価値を高めるソリューション力を強化・拡充し、強固な収益力と成長力を持つスペースクリエーション企業へと転換、主要商品・市場の事業拡張に加え、商品の拡充、エクステリア事業・海外事業の拡大を実行する。また、さらなる長期的成長を可能ならしめる事業を展開するべく、スペースオペレーションを含む次世代事業の可能性を検討する。 ②施策各施策に関する2025年3月期の進捗状況は、当社Webサイトにて説明動画および資料を公開しております。https://www.sangetsu.co.jp/company/ir/library/briefing_report.htmlなお、「人的資本の拡大・高度化・活躍支援」「社会価値の向上」に関する進捗の一部は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」もご覧ください。 ③資本政策<株主還元方針>・2026年3月末の自己資本を950~1,050億円とする・株主還元は配当を主体とし、1株当たり年間配当金は130円を下限に、安定的な増配を目指す・市場の状況により自己株式の取得も検討する <資金配分計画>中期経営計画期間中資金創出 資金配分 期初保有現金同等物270億円 成長投資200~250億円 営業CF470~510億円 株主還元250~350億円 借入金増減▲80~60億円 期末現金同等物200~250億円 ④定量目標(2025年度(2026年3月期)目標)<経済価値> 単位目標2023年度実績2024年度実績① 連結売上高億円2,1001,8982,003② 連結営業利益億円190191181③ 連結当期純利益億円130142125④ ROE%11.514.111.4⑤ ROIC%14.014.813.7⑥ CCC日70.071.572.02025年5月14日公表の「中期経営計画の目標見直しに関するお知らせ」において、一部目標を見直しております。 <社会価値>・地球環境事業活動(Scope1&2)における環境負荷の低減 単位対象目標2023年度実績2024年度実績GHG排出量t-CO2e連結2021年度比28%削減26,836(11.9%削減)23,592(22.6%削減)GHG排出量t-CO2e単体2018年度比60%削減4,871(40.0%削減)4,057(50.0%削減)使用エネルギー量GJ単体2018年度比6%削減121,626(17.9%削減)117,339(20.8%削減)リサイクル率(有効利用率)%単体90%以上74.584.12024年度実績につきましては速報値であり、GHG排出量(連結・単体)と使用エネルギー量(単体)の正式な数値については第三者認証の取得が完了したのち、当社Webサイトにて開示させていただきます。 ・人的資本社員の健康と能力開発、風土改革 単位範囲目標2023年度実績2024年度実績非喫煙率%単体85%以上79.178.6人的資本投資額億円単体3年間合計7億円2.32.7キャリア採用者数名単体3年間合計60~80名4939エンゲージメントスコア※-単体58.0(A)53.7(BB)57.7(BBB)※2023年度以降、株式会社リンクアンドモチベーション社の提供するサービス「モチベーションクラウド」のスコアを使用しています。 ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進 単位範囲目標2023年度実績2024年度実績女性管理職比率※1%単体25%以上(2026年4月時点)21.222.8障がい者雇用率%単体4%以上(2026年3月末時点)3.53.2男性育休取得率※2%単体2週間以上100%2週間以上100%2週間以上100%※1 人事異動の時期を鑑み、各年とも4月1日の数値で算定しております。※2 男性育児休業2週間以上取得率は、子が1歳になるまでの取得予定者を含めています。 ・社会資本コミュニティへの参画 単位範囲目標2023年度実績2024年度実績児童養護施設改修活動件連結50件/年間5955マッチングギフトS-mile(※)連結18,00013,23818,289外部団体への寄付を含めた社会貢献活動費千円連結年間経常利益の0.3%~0.5%を目途とし、寄付は特定の団体に継続的に実施する43,98532,234※社会貢献活動の促進を目的とした「サンゲツグループマッチングギフトプログラム」において、社員の社会貢献活動に対しスマイルポイント(S-mile)を付与し、そのポイントを金額換算して支援先のNPO等の団体へ寄付しております。基準となる活動は、会社が主体となって実施する「サンゲツグループボランティアクラブ」での活動に加え、社外での福祉施設支援・被災者支援・国際交流・地域活動・青少年教育・NPO支援等の個人活動を対象とし、全国の社員が地域によらず積極的に参加できるよう活動の支援を行っております。 なお、中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]につきましては、当社Webサイトにて説明動画および資料を公開しております。https://www.sangetsu.co.jp/company/ir/management/medium_term_plan.html (2)経営戦略等、経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題(経営環境における次期の見通し)次期においては、世界経済は米国の関税政策による地政学的リスクの高まり、ならびに為替変動や金融政策などを一因とした各地域の需要環境の変化をはじめ、エネルギーや原材料価格、調達コストへの影響等に注視が必要であり、依然として不透明な状況が続く見通しです。当社事業にもっとも影響が大きい国内建設市場は、住宅市場においては建築コストの高止まりや人手不足等を背景とした住宅需要の抑制により、新設住宅着工戸数・着工床面積は前年同期比で弱含みの状況が続くと予想されます。非住宅市場においては新築需要に力強い伸長は見込めないものの、インバウンド需要によるホテル・宿泊市場や、オフィスリニューアル市場の高まりが伸長要素になると考えられます。こうした事業環境において、当社グループは競争優位性である空間デザイン提案、スペース材料提供、在庫・配送・物流、施工の4機能の一段の強化ならびに4機能の連携に裏付けられた、市場・顧客に応じた適正なソリューション提案活動を拡大させていくとともに、マーケットを起点にした市場ニーズ、社会課題に向き合う商品やサービスを投入していくことで、市場でのポジショニングをさらに高めていく考えです。また、当社グループの価値創造の根幹となる人的資本への投資や、変革と成長に向けた戦略投資を加速してまいります。収益面においては、引き続き原材料費や物流費の増加が見込まれ、人件費をはじめとする販管費も上昇しますが、こうしたコスト増に対しては、2024年12月に実施した国内インテリアセグメントを対象とする価格改定効果の一巡と、優先順位や投資効果を見極めたコストコントロール等により吸収する考えです。なお、当社仕入先工場の火災の影響により2025年2月以降受注停止している一部床材商品については、代替生産等による供給体制を再構築し、2025年度第2四半期ごろから段階的な販売再開を見込んでいます。これまで営業損失が続いている海外セグメントにおいては、次期以降の黒字転換ならびに収益創出を目指して、各地域において以下の取り組みに臨みます。増収増益基調が定着した北米では、主力のホテル分野をはじめとして市場環境は堅調に推移すると見込まれ、ホテル大手チェーン・大型物件などの案件獲得や、生産現場での原価低減活動の推進により、2024年度比で増収増益を見込んでいます。安定しつつある事業基盤をベースに、商品ポートフォリオの拡充や事業規模の拡大等に向けた成長投資を進めてまいります。一方、東南アジア、中国・香港で展開しているインテリア商品の卸売事業については、経営体制の刷新をはじめとして組織体制やコスト構造の見直しを含め、事業基盤の再構築を進めています。また、2024年度に参画したシンガポールでの設計・施工事業においては、安定した受注による利益貢献が通期で反映されるとともに、卸売事業とのシナジーの創出や、当社グループにおける空間総合事業の起爆剤として各社との連携強化に努めてまいります。 2023年度および2024年度に収益が停滞している国内エクステリアセグメントについては、先行投資となった地域や領域の拡大が功を奏して、次期においては収益の回復が見込まれます。 (経営環境における中期視点の見通し)長期ビジョン[DESIGN 2030]を視野に入れた時間軸において、国内の事業環境としては、オフィスやホテルなどの需要は堅調に推移する一方、人口減少、建設費高騰の影響を特に受ける住宅需要は弱含みになると予想されます。長期ビジョン策定時に想定した経営環境と比較しても、人口減少、高齢化などを背景とする人手不足、原材料費・物流費・人件費等コストの継続的な上昇は一段と顕著になっており、当社グループとして優先的に対処すべき課題として強く認識しております。このような状況下、国内インテリアセグメントにおいては、競争優位性のある4つの機能を高度化し、新たな成長機会をとらえた商品ポートフォリオの拡充、空間総合事業の基盤強化を進めるべく、オーガニック、インオーガニックな戦略を遂行していきます。国内エクステリアセグメントにおいては、ここ数年で実行してきた地理的拡大、事業領域の拡大を早期に収益に繋げるとともに、当社グループ一体としてのインテリア、エクステリアのシナジー創出を図ります。海外セグメントにおいては、各地域の市場特性、市場ニーズに沿ったビジネスモデルを構築、強化するとともに、当社グループが有する各種機能を横展開、ローカライズすることで、事業基盤の確立と成長戦略の推進に臨んでまいります。当社グループは中核事業であるインテリア、エクステリア、海外、空間総合の4事業の深化・変革を進めるとともに、未来の市場に備えるべく次世代事業の探索・創出を実現していくことで、「スペースクリエーション企業」への転換を図り、持続的な成長を目指していきます。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 財政状態の状況(資産)当連結会計年度末における流動資産は117,011百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,548百万円増加しました。これは主に現金及び預金が8,630百万円、商品及び製品が919百万円それぞれ増加したことによるものです。固定資産は66,848百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,560百万円増加しました。これは主に有形固定資産が1,756百万円、無形固定資産が1,061百万円それぞれ増加したことによるものです。この結果、総資産は、183,859百万円となり、前連結会計年度末に比べ13,109百万円増加しました。 (負債)当連結会計年度末における流動負債は58,276百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,003百万円増加しました。これは主に短期借入金が3,386百万円、支払手形及び買掛金が2,025百万円それぞれ増加したことによるものです。固定負債は11,800百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,033百万円増加しました。これは主に長期借入金が2,000百万円増加しましたが、退職給付に係る負債が947百万円減少したことによるものです。この結果、負債合計は、70,077百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,037百万円増加しました。 (純資産)当連結会計年度末における純資産合計は113,781百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,071百万円増加しました。これは主に利益剰余金が3,756百万円(親会社株主に帰属する当期純利益12,567百万円及び剰余金の配当8,811百万円)、退職給付に係る調整累計額が1,313百万円、為替換算調整勘定が843百万円それぞれ増加したことによるものです。この結果、自己資本比率は61.5%(前連結会計年度末は62.5%)となりました。 (2) 仕入及び販売の状況①仕入実績当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)国内インテリア(百万円)117,075103.4国内エクステリア(百万円)4,27899.5海外(百万円)17,493127.7調整額(百万円)△15-合計(百万円)138,832105.9(注)セグメント間の取引については調整額欄で相殺消去しております。 ②販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)国内インテリア(百万円)163,986103.0国内エクステリア(百万円)6,611102.3海外(百万円)29,794122.6調整額(百万円)△13-合計(百万円)200,378105.5(注)1.セグメント間の取引については調整額欄で相殺消去しております。2.総販売実績の10%以上の割合を占める主要な取引先はありません。 (3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)におけるわが国経済は、物価上昇等により消費者マインドは弱含んでいるものの、雇用・所得環境の改善による個人消費の持ち直しや、企業収益の改善などにより、景気は緩やかな回復基調となっています。一方、先行きについては、物価上昇の継続や金融市場の変動影響、米国の通商政策の動向などから不透明な状況が続くことが予想されます。当社事業に直接的影響を与える国内建設市場においては、2025年3月には改正建築基準法の4号特例の駆け込み需要等の影響により新設住宅着工戸数・床面積の増加が見られましたが、建築コストの高止まりや人手不足等の影響から、全体としては弱含みで推移しました。非住宅市場は、一部では着工棟数や床面積に増加が見られたものの、依然として力強い動きには至っていません。一方、国土交通省発表の建築物リフォーム・リニューアル調査報告において、第3四半期までの受注高は堅調に推移していることから、当連結会計年度におけるリフォーム・リニューアル需要は前年同期比で増加したと見込んでいます。このような経営環境において、当社グループは2023年5月に見直した長期ビジョン[DESIGN 2030]および同時発表した中期経営計画[BX 2025](BX:ビジネストランスフォーメーション)に基づき、中核事業であるインテリア、エクステリア、海外、空間総合事業の強化・拡大を進め、スペースクリエーション企業への転換を図るとともに、次世代事業の創出を目指しています。当連結会計年度においては、壁紙、床材、ファブリック等の主要見本帳の発刊および市場浸透に努めるとともに、調達コスト、物流費、労務費、ユーティリティコスト等の上昇を踏まえた商品取引価格の改定を実施しました。また、エンゲージメント向上施策、採用活動・研修の拡充等を通じた人的資本の強化、デジタル資本を活用したサプライチェーンマネジメントの強化などを中心とした中期経営計画の各種施策を着実に進めるとともに、2024年3月に開設した新たな価値創造拠点「PARCs Sangetsu Group Creative Hub(以下、PARCs)」を起点に、次世代事業の可能性の一つとして、スタートアップ企業とのオープンイノベーションを開始しています。これらの企業活動により、国内インテリアセグメントでは市場が弱含む中でシェアを堅持するとともに、中型商品の伸長や価格改定の効果が見られました。さらに、海外セグメントにおける北米事業の牽引もあり、連結売上高は前年同期比で増加しました。利益面では、仕入コストの継続的な上昇、IT・物流等事業インフラ強化に伴うコスト増、人件費等の増加により、営業利益は減少しました。これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高200,378百万円(前年同期比5.5%増)、営業利益18,174百万円(同4.9%減)、経常利益18,606百万円(同5.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は12,567百万円(同12.1%減)となりました。セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。 (国内インテリアセグメント)国内インテリアセグメントにおいては、新設住宅着工戸数ならびに着工床面積の減少に見られる厳しい外部環境のなか、当社グループの持つ商品・デザイン・物流・施工機能を、市場や地域、顧客のニーズに応じ組み合わせて提供するソリューション提案活動が奏功し、ニーズを捉えた各商品の販売が拡大しました。また、調達コスト、物流費、労務費、ユーティリティコスト等の上昇を踏まえて2024年12月に実施した価格改定は、着実に浸透が進みました。主要商品である壁紙の数量面においては、前述の厳しい外部環境下、価格改定の前後で駆け込み需要と反動減が見られ、第4四半期においては反動減の影響が継続しました。一方で、業界における壁紙出荷数量と比較した場合のシェアへの影響は限定的となっています。物流機能については、物流2024年問題を踏まえた、より効果的・効率的な調達物流、拠点間物流、販売物流を実現するため、自社で一部配送サービスを行う「サービスクルー」の拡充や地域別配送体制の再構築のほか、省力化・省人化などを目的としたユニットロードシステムの導入を進めました。また、2025年4月には以前より当社の出荷・配送を委託していた物流会社㈱SDSをグループ会社化しており、今後、調達・販売物流の最適化、効率化などによるロジスティクス機能のさらなる向上を図っていきます。空間総合提案においては、キャリア採用人材の知見と、従来から当社グループが持つノウハウ・事業基盤をいかした提案活動を強化したことで、受注件数の増加とともに同提案を起点とした商品販売機会の創出・拡大が進んでいます。商品開発においては、マーケット起点での新しい見本帳の発刊や、外部との協業を含めた商品ブランド強化などによる高付加価値化を図るとともに、展示会や当社主催の「サンゲツデザインアワード2024」をはじめとするデザインコンテストを通じた市場への浸透を進めました。また、安全・安心を担保する商品・サービスの安定供給を強固なものとするべく、品質管理体制の強化、サプライチェーンの最適化などに向けた各種取り組みを加速しています。これらの取り組みの結果、国際的に権威のある「iFデザインアワード」において、昨年受賞した資源を再利用して生まれた壁紙「メグリウォール」に続いて、国立科学博物館とのコラボレーション壁紙「Day and Night Science Museum」が「iFデザインアワード 2025」を受賞しました。なお、2024年12月に発生した当社仕入先工場の火災の影響により、2025年2月から一部の床材商品の受注を停止している状況ですが、2025年度においては代替生産等による供給体制を再構築し、第2四半期ごろから段階的に販売を再開する見通しです。これらの結果、国内インテリアセグメントにおける売上高は163,986百万円(前年同期比3.0%増)、営業利益は18,940百万円(同2.8%減)となりました。なお、壁装ユニットの売上高は78,644百万円(同1.8%増)、床材ユニットの売上高は57,377百万円(同1.8%増)、ファブリックユニットの売上高は9,609百万円(同1.1%増)、デザインフィー・施工を含むその他の売上高は18,354百万円(同14.3%増)となりました。人口減少等による市場の漸減、および仕入価格、物流費、人件費等のコストアップなど、今後も厳しい事業環境が見込まれる中でも、市場のニーズ、社会課題に応じたソリューション提案力を強化し、付加価値の高い商品の開発、新たなビジネスモデルの創出に取り組んでまいります。また、既存のインテリア商品ベースの事業の深堀りに加え、中長期にわたる成長に向けたポテンシャルを有する空間総合事業においては、専門性を備えたビジネスモデルを確立し、事業基盤を構築することが急務と認識しており、収益力向上に向けた施策を着実に実行してまいります。 (国内エクステリアセグメント)国内エクステリアセグメントにおいては、主要市場である新設住宅着工戸数の低迷により、エクステリア市場全体は厳しい状況が継続しました。このような環境下、グループ会社である㈱サングリーンでは、地理的拡大施策により新設した関東2支店の売上高が計画以上に進捗したことに加えて、主要メーカーの価格改定に伴う販売価格への転嫁やその他メーカー商品の価格改定前の駆け込み需要もあり、売上高は増加しました。外構の空間設計・施工を含めた提案事業においては、販路拡大に向けた営業活動や施工領域の拡大が奏功し、受注増加に繋がり始めました。また、当社の空間総合事業との連携などにより、新たな付加価値創出と競争優位性を高める取り組みも進捗しています。これらの結果、国内エクステリアセグメントの売上高は6,611百万円(前年同期比2.3%増)、営業利益は17百万円(前年同期は営業損失77百万円)となりました。当セグメントを担う㈱サングリーンにおいては、新たな拠点の設置や事業領域拡大のためのコストが先行し、中期経営計画策定時に想定した収益水準には至っておりません。中核であるエクステリア商品卸売事業の強化のための品揃え拡充に加え、空間総合事業の基盤構築やインテリア・エクステリア一体提案、当社との連携強化を進め、グループシナジーを活かした施策を実行してまいります。 (海外セグメント)海外セグメントでは、海外関係会社の2024年1月から12月までの実績を、当連結会計年度の業績に算入しております。北米は、主力のホテル分野における自社製造壁紙の売上伸長やホテル分野以外での戦略商品の販売数量増加が見られる中、主に自社製造壁紙の価格改定効果が牽引し、売上高は増加しました。利益面では、品質を維持するための製造コスト増加や業績連動賞与をはじめとする人件費等の費用の増加がありましたが、売上増加や不良率の改善により、前年同期と比較して増益となっています。東南アジアでは、従来から展開しているインテリア商品卸売事業とのシナジーの創出を狙い、空間デザイン・総合施工を事業領域とするD'Perception Pte Ltdをグループ会社化しました。その効果並びに卸売事業におけるマレーシア、タイの売上伸長により、同地域での売上高は前年同期比で増加しました。一方、主力のシンガポールでは受注減少の影響が顕著となり、通期では赤字額が拡大しましたが、コスト適正化により第4四半期は第3四半期と比較して赤字額が縮小しました。また、2025年4月には経営体制を刷新しております。中国・香港では、不動産市場の低迷や雇用環境の悪化による消費意欲の低下などを背景に依然として厳しい状況が続いています。収益化に向けた一時的な費用の発生もあり、第4四半期には営業赤字が拡大しましたが、香港の経営体制の刷新、顧客・販路の拡大による売上高の増加、組織体制見直しによるコストの適正化に取り組んでいます。これらの結果、海外セグメントにおける売上高は29,794百万円(前年同期比22.6%増)となり、北米では引き続き増収増益で推移している一方、アジアでの業績悪化、また第1四半期に計上したD'Perception Pte Ltdの株式取得に関する一時的費用や、同社を新たに連結したことに伴う体制整備費用等の販売費及び一般管理費の増加等により、営業損失は785百万円(前年同期は営業損失311百万円)となりました。当セグメントで最も事業規模の大きい北米においては、リーダーシップと優れた経営手腕を有する経営者のもと、既存事業の強化、新たな事業への挑戦等の成長戦略を加速してまいります。アジアにおいては、業績回復が遅れている既存のDistribution事業について、経営体制の刷新や組織の見直し等を行い、早期の黒字転換および収益基盤の確立に取り組んでまいります。一方、当連結会計年度に参入したDesign&Build事業については、グループ会社化したD'Perception Pte Ltdを梃子として、当社との連携を含めたグループ全体でのシナジー創出を目指します。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ8,727百万円増加し、33,445百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因と分析・検討内容は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は19,260百万円(前年同期は12,818百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益18,695百万円、減価償却費3,180百万円、売上債権の減少額3,751百万円及び、法人税等の支払額5,541百万円などによるものです。顧客との交渉や手形決済から電子記録債権への移行などを進めた結果、資金回収の早期化が図られたことをはじめとして、サプライチェーンマネジメントの強化のための様々な取り組みが奏功し、営業キャッシュ・フローの創出力は確実に向上していると認識しております。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は6,873百万円(前年同期は1,846百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4,741百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,817百万円などによるものです。当社グループは長期ビジョン[DESIGN 2030]及び中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]に掲げる成長戦略に基づき、強固な収益力と成長力を持つスペースクリエーション企業へと転換することで、持続的な成長の実現を目指すこととしており、将来を見据えた成長投資を着実に行う方針です。この方針のもと、壁紙の持続的な安定供給を実現するためにクレアネイト㈱の新工場設立に向けた投資を引き続き実行するとともに、当社グループ全体でのシナジーの創出を狙い、Design&Buildを事業領域とするD’Perception Pte Ltdの株式の70%を取得し、グループ会社化しました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は3,980百万円(前年同期は11,249百万円の使用)となりました。これは主に、資金の借入れによる収入28,596百万円及び返済による支出23,208百万円、配当金の支払額8,802百万円などによるものです。配当金につきましては、中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]における資本政策に基づき、安定増配を実施しました。 当社グループは、連結キャッシュ・フロー計算書における現金及び現金同等物に換金性の高い金融資産を加えた資金を、現金及び現金同等物として認識しております。現金及び現金同等物をベースに、営業キャッシュ・フローの獲得による資金創出及び借入による外部資金調達で得られた資金を財源とし、様々な成長投資及び資本政策を通じた株主還元に使用しております。また、手許資金と有利子負債のバランスを維持するため、ネットキャッシュ残高にも留意しております。当連結会計年度末における現金及び現金同等物、ネットキャッシュの状況は次のとおりであります。 (単位:百万円) 前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日)(1)連結キャッシュ・フロー計算書における現金及び現金同等物24,71733,445(2)預入期間が3ヶ月を超える定期預金379282(3)有価証券300300(4)投資有価証券(株式除く)--現金及び現金同等物 残高25,39634,027 (単位:百万円) 前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日)(1)現金及び現金同等物25,39634,027(2)短期借入金△5,711△9,098(3)1年内返済予定の長期借入金--(4)長期借入金-△2,000ネットキャッシュ 残高19,68522,929 中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]における3年間の資金配分の計画は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。Sangetsu Group長期ビジョン[DESIGN 2030]を見据え、将来の事業拡大に向け必要な成長投資及び資本政策に基づく株主還元は着実に実施する方針であります。原資となる資金については収益拡大による営業キャッシュ・フローの最大化を図るとともに、成長投資における資金需要に応じて外部借入を柔軟に活用します。 (4) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、ROE(自己資本当期純利益率)を重要な経営指標と位置付けております。中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]における定量目標として、最終年度となる2026年3月期のROE14.0%の達成を目指し、成長戦略の実行を進めてまいりました。しかしながら、国内エクステリアセグメントおよび海外セグメントにおいては、前者は成長投資によるコストが先行し、後者はアジアでの業務改善の遅れなどにより収益基盤の構築が依然として不十分であり、本中期経営計画策定時に想定した収益には結びついておりません。また、足元では2024年12月下旬に発生した当社仕入先における工場火災が一部床材の供給に影響を与えており、業績にマイナス影響を及ぼす見込みです。このような状況を踏まえ、2025年5月14日公表の通り、本中期経営計画の最終年度である2026年3月期の定量目標の一部見直しを行いました。見直し後の業績目標である連結売上高2,100億円、連結営業利益190億円、連結当期純利益130億円、ROE11.5%、ROIC14.0%、CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)70日の達成を目指してまいります。なお、当連結会計年度におけるROEは11.4%となりました。前述の通り、国内エクステリアセグメント・海外セグメントにおける利益目標の未達、および国内インテリアセグメントにおける当社仕入先の工場火災の影響による利益の押し下げ、ならびに保有株式の時価上昇や金利上昇による退職給付に係る調整累計額の増加等により自己資本が増加したことも影響し、前年同期比で2.7ポイント低下しました。当社グループは、ビジネスモデルの深化、変革に向けた成長投資による着実な収益成長と、利益水準や資本効率等を踏まえた適正な株主還元との両輪による、企業価値の一段の向上を目指しております。引き続き、成長投資と株主還元のバランスを踏まえ、ROEを含む定量目標の達成に向けた各施策を実行してまいります。 中期経営計画(2023-2025)[BX 2025]進捗状況 2026年3月期(目標)※見直し前2026年3月期(目標)※見直し後2024年3月期(実績)2025年3月期(実績)連結売上高195,000百万円210,000百万円189,859百万円200,378百万円連結営業利益20,500百万円19,000百万円19,103百万円18,174百万円連結当期純利益14,500百万円13,000百万円14,291百万円12,567百万円ROE14.0%11.5%14.1%11.4%ROIC14.0%14.0%14.8%13.7%CCC65.0日70.0日71.5日72.0日

事業リスク

サンゲツの主要なリスクは、建設需要に左右される事業環境です。国の経済動向、住宅政策、人口減少による新設着工戸数の減少などがビジネス機会の損失につながる可能性があります。また、商品の品質管理も重要であり、外部委託製造が多いため、品質問題が発生した場合、ブランド信頼性や企業価値に影響を及ぼすリスクがあります。さらに、見本帳有効期間内の安定供給が求められる業界特性上、生産トラブルや原材料調達問題による供給中断も経営成績に影響を与える可能性があります。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|9,166 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。1.リスクマネジメントに関する考え方及びリスク管理体制  当社グループは、多様なリスクに対し、適切かつスピード感のある対応を行うことで、企業価値の最大化と経営や業務への影響の最小化を図っています。  当社のリスク管理体制は、社長を最高責任者とする全社リスク管理委員会を設置して管理を行っています。当社グループ全体の企業価値の維持・向上に努め、リスク発生時の影響を最小化するとともに、当社の活動や社員に対して影響をおよぼす可能性があるさまざまなリスクに対し、マネジメントを行っています。全社リスク管理委員会は四半期に1回開催しており、リスク管理全体の基本方針および体制等を定めるとともに、必要に応じてタスクフォースを編成する等の機能を有します。活動状況は半年に一度取締役会で報告され、経営層は存在するリスクを的確に把握したうえで、経営判断ができる体制となっています。既に一部顕在化しているリスクから、今は顕在化していないものまでさまざまな観点から、継続的に注視・対応すべきリスクを洗い出し、明確に定義しています。各リスク管理部会では、予測されるリスクを抽出し、マッピングによる評価を行ったうえで、重点的に対策を推進していくリスクを明確にしています。 <体制図> <リスク管理のPDCA> 2.当社グループの主要なリスク(1) 事業環境について(リスクの内容) 当社グループは、壁装材、床材、ファブリック(カーテン・椅子生地)等のインテリア商材の企画・販売及び壁紙の製造等に加え、設計・デザイン提案から内装・建築施工を行う国内インテリアセグメント、門扉・フェンス・カーポート等のエクステリア商品の販売及び外構の空間提案・施工等を行う国内エクステリアセグメント、米国での壁紙製造及び北米、中国・香港、東南アジアの環太平洋地域においてインテリア商材の販売ならびに東南アジアにおける空間デザイン・総合施工等を行う海外セグメントにて事業を展開しております。これらの事業は建設需要に左右されるため、国の経済全体の景気動向や政府の住宅に関する政策、税制の変更及び人口減少などに伴う住宅・非住宅の新設着工戸数の減少、景気の後退によるコントラクト市場の減少等により、ビジネス機会を損失するリスクが存在します。(リスク対策) 事業基盤である国内市場において、住宅・非住宅分野における新築や改築は、少子高齢化が進むなか、将来的に大きく成長していくことは期待しにくいと予想しており、国内における様々な事業基盤の整備拡充を背景に、シェアの拡大と価格修正による収益改善を中期的戦略とし、長期的戦略としては国内エクステリア事業の拡大と海外事業の収益化・拡大に注力しています。調達面ではメーカーからの安定的な供給と中長期目線での商品開発を行えるよう製造部門へ経営資源を投入することにより、リスクの回避に努めております。また、現在の事業の長期的な展開の可能性を踏まえた上で、さらなる成長の為の事業展開の可能性を検討・実行すべく、2024年4月に事業創造推進室を立ち上げ、新規事業の創出に注力しております。 (2) 品質管理について(リスクの内容) 当社グループは、「すべての人と共に、やすらぎと希望にみちた空間を創造する」ために、顧客ニーズを的確に把握し、生活空間を構成する重要な要素であるインテリア商材として、壁装材、床材、ファブリック等の魅力ある商品企画、開発、販売を行っています。一部の商品を除き、製造は外部仕入先のメーカーが行い、商品の供給を受けておりますが、その品質の担保は、顧客が製品に求める「価値」そのものであり、ブランドメーカーとしての信頼性の向上や顧客満足度の向上、競争力強化、企業価値向上の基盤となります。また中期的な期間に渡って使用されるインテリア商材は、経時変化を含めた長いスパンでの品質を如何に担保するかも重要な事項です。(リスク対策) 商品設計審査のプロセスをデザインレビュー(Design Review:DR-A/B/C)として定め、開発段階ごとに複数の担当者が検証とチェックを行う体制を構築、運用しています。新商品の開発時には、品質検証の段階で確認すべき項目を網羅した「要求品質確認シート」を活用し、DR-A時点で検証項目の洗い出し、DR-B時点で品質や機能性の裏付け、法的要求事項の確認、DR-C時点で検証結果の報告を実施することとし、商品の市場への上市後は、商品群毎にクレーム対策会議を実施し、不備事例を分析、共有することで、類似のリスクを事前に把握し対策を講じています。 また、商品の製造委託に関しては、品質基準を明確化し、品質管理基準書に準じた商品の製造を委託し、その品質の維持・向上のため、製造現場で発生する「Man(人)」「Machine(機械)」「Material(材料)」「Method(方法)」の4つの要素の変更を管理しており、これらの変更が製品品質に及ぼす影響を事前報告により評価し、適切な対策を講じ品質トラブルを未然に防ぐ体制を構築しております。 (3) 安定調達・安定供給・仕入先のBCPについて(リスクの内容) 当社グループでは、取扱商品のうち主力商品である壁装材や床材について、商品サンプルを掲載した見本帳を配付することで、営業及び販売活動を行っております。見本帳有効期間内は安定供給を維持することが強く求められる業界であるため、生産トラブル、原材料調達等の予期せぬ要因によって商品の供給が中断した場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。(リスク対策) メーカーから商品を安定的に調達できるよう、仕入の前段階としてメーカーの工場内の実査や適正な製造工程の確認を行い、万が一調達が困難な状況に陥った際のバックアップ体制として、主要商品については十分な在庫の確保、代替となる商品の準備等の環境整備を行っております。しかしながら、2024年12月に発生した当社仕入先工場の火災においては、その影響から一部床材の供給が滞る事態となったことを鑑み、中期的な調達戦略の是正の検討と有事に備えた安定供給の強化を図ってまいります。 なお、当社子会社であるクレアネイト株式会社は、国内最大手の壁紙メーカーであります。当社が壁装事業を拡大する上で、競争力強化、量的確保のみならず、製販一貫体制の確立による事業の効率化を通じ、さらなる発展が可能になるものと位置付けており、工場の安定稼働と商品の安定供給を維持することはグループ全体で取り組むべき課題と認識しております。2025年秋に稼働予定のクレアネイト社東広島新工場により、安定供給力をさらに計画的に高めてまいります。 また、当社から顧客への持続的な商品供給ついては、入荷から受注・出荷に至るまで、あらゆる場面で関連するシステム連携の強化に加え、各地区の在庫拠点であるロジスティクスセンターの安定稼働の阻害が想定されるリスクに対して、対処すべき行動計画の検証を定期的に行い、対応策の有効性の確認と改善を図っております。 (4) 設計・施工事業について(リスクの内容) 当社グループは、インテリア商材やエクステリア商材の販売のみならず、それら商材をいかした設計・空間デザイン提案を行い、その施工までを事業としております。設計・施工事業においては建設業法を始めとした各法規に則った事業活動が必要であり、違反と判断された際の事業継続とレピュテーションに対するリスクや、専門人材の確保等の課題があります。(リスク対策) 収益性の高い事業の構築・拡大のため、2025年4月には空間創造における事業企画、空間デザイン・設計、施工、営業・プロジェクトマネジメント・マーケティングを一気通貫で担う「空間総合事業部」を創設し、グループ全体の施工機能に関するリスク管理を徹底する体制を整えております。また、空間総合事業における専門知見を持つキャリア人材の採用と育成、表装技能士の確保を進め、業務フローの見直しやシステム化の検討及び社内の法務面での監督を徹底すべく、随時改善に取り組んでおります。 (5) 物流機能について(リスクの内容) 当社グループは、商材を在庫し、出荷及び配送する事業を展開しております。日本全国への配送網の維持は事業の継続はもちろん、当社の強みと言える機能ですが、物流2024年問題や高齢化に起因するドライバーの確保、物流2026年問題に向けた効率化への取り組み、ひいては配送力の安定確保は重要な課題と認識しております。(リスク対策) 幅広いエリアの物流機能を当社グループ内に内製化することで、環境負荷の低減を含めた持続可能な物流機能を強化するとともに、地域に応じたよりきめ細やかな配送体制や、調達物流も含めたより効果的・効率的な物流体制を構築・高度化するため、2022年9月の有限会社クロス企画(2023年4月に株式会社化)に続き、2025年4月に物流会社である株式会社SDSを子会社化しました。また、荷役機器の導入による積込み・荷下ろし等の荷役作業の省人化を進め、システム化による効率的なオペレーションを順次実行してまいります。 (6) 知的財産について(リスクの内容) 当社グループでは、“Joy of Design”をブランドステートメントとして、さまざまな空間創造を通じた“デザインするよろこび”を提供し得る、デザイン性と機能性に優れた商品開発に努めておりますが、類似した商品が他社に製造されるおそれがあります。 また、第三者より知的財産権を侵害しているという主張を受け、訴訟が提起された場合には、係争費用や損害賠償等の損失が発生し、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。(リスク対策) リスクの低減を図るため、下記のような様々な取り組みを行っております。・当社事業に関連する特許、意匠及び商標の出願・権利取得を行う等、知的財産の創造・保護・活用に努めております。・競合他社の知財情報を常にモニタリングし、社内に最新の情報(特許、意匠、商標等)を共有するとともに、商品発売などに際して事前の調査確認を行っております。・外部の専門家である弁理士・弁護士等と緊密に連携し、直ちにリスク対策を講じる体制を構築しております。 (7) 法的規制について(リスクの内容) 予期せぬ法令等の改正があった場合、事業を展開していく上で、製造物責任、知的財産、環境、労務など様々な法的規制の適用を受けている当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(リスク対策) 内外の法規制を常時観察して法対応が行えるようにしております。また、コンプライアンスの遵守を企業にとっての最低必要条件と位置付け、管理体制を構築し、社員教育の強化に努めるなどの体制をとっております。 (8) 自然災害等のBCPについて(リスクの内容) 商品開発、製造、調達、ロジスティクス、販売、サービスに係る当社グループの施設は、国内全域、海外(北米、中国・香港、東南アジア各国)に点在しており、地震・洪水・暴風雨・大雪等の自然災害に伴うインフラの停止、建物・設備の損壊、故障による混乱状態に陥り、当社グループの経営成績や財務状況等に影響を与える可能性があります。(リスク対策) 当社グループでは、自然災害による事業活動への影響を最小限にとどめるため、災害発生時の事業継続計画書(BCP)を策定しております。非常時の初期対応、報告方法、対策本部の設置と役割について明記し、災害発生の際に適切な対応が取れる仕組みを構築し、定期的な訓練や設備の点検を行っております。また毎年、災害の状況に合わせて事業継続計画を見直しております。これらの他、商品の安定的な調達と供給を実行するため、仕入先などのサプライチェーンや当社グループの各地の事業拠点の被災時に、代替拠点での商品調達・配送が可能な体制を構築しております。2024年度に発生したシステム障害の経験から、今まで以上に対策が強化されており、実効性の高いBCPスキームの構築のため、2025年度には大規模システム障害を想定した訓練が計画されております。 (9) 気候変動について(リスクの内容) 気候変動リスクへの関心が高まる中、2015年に国連で「パリ協定」が採択され、同年に開催された国連サミットではSDGs(持続可能な開発目標)が採択されるなど、2030年をターゲットにした目標の設定が進展しました。一方、金融機関に関連した動きとして、国連環境計画と国連グローバル・コンパクトのパートナーシップが打ち出した「責任投資原則(PRI)」では投資家に対してサステナビリティ投資が要請され、それに呼応して日本では年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がPRIに署名するなど、日本の金融においてもESG投資がメガトレンドとなっています。また、気候変動関連の情報開示については、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言において、企業に対して「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4項目についての財務的な影響を開示するよう求められています。 このように気候変動に関連する環境変化が大きく進展する中、当社では、事業活動におけるGHG(Greenhouse Gas:温室効果ガス)排出量を低減できないリスク、商品・見本帳を低炭素化できないリスクや回収・リサイクルできないリスク、及び急性・慢性的に起こりうる物理的なリスクが想定され、当社グループの経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 例えば、サプライチェーン全体でのGHG排出量を低減できないことでの炭素税の負担増加による仕入コストの増加や、商品・見本帳を低炭素化できないことで市場からのニーズに対応できず、信用の低下及びビジネス機会の損失などに繋がることが考えられます。(リスク対策) 当社は、気候変動リスクへの対応として、社長を委員長とする全社リスク管理委員会のもとに環境・気候変動リスク部会を設置し、組織的な管理体制を構築しております。この環境・気候変動リスク部会のもと、気候変動に関する各リスクを、法規制・評判などの移行リスクと、急性・慢性的などの物理リスクといった区分に沿って分析し、スペースプランニング部門、ロジスティクス部門、事業部門及びコーポレート部門が緊密に連携し、具体的な管理指標を設定した上で、リスクの監視と対応を行っております。 また、当社はSangetsu Group長期ビジョン[DESIGN 2030]において、地球環境を守るサステイナブルな社会の実現を掲げており、2029年度の事業活動(Scope1&2)におけるGHG排出目標を、当社単体ではカーボンニュートラル(排出実質ゼロ)、グループ全体では55%削減(2021年度比)と設定し、GHG排出量の多い生産拠点での省エネ活動や、再生可能エネルギーの導入などにより、GHG排出量の削減に努めています。今後は、サプライチェーン全体でのGHG排出量削減に向けた仕入先とのエンゲージメント強化や、顧客のニーズに応える低環境負荷商品の販売拡大を推進し、気候変動リスクに対応していきます。 (10) 情報セキュリティについて(リスクの内容) 当社グループは、事業活動を通じ、個人情報を含む様々な機密情報を適切に管理するため、多くの投資を行っております。また、こうしたシステムの運用並びに導入・更新に際しては、システムトラブルや情報の外部漏洩が発生しないよう最大限の対策を講じております。しかしながら、外部からのコンピュータウイルスやハッキングの被害、コンピュータ・ネットワーク機器の障害、ソフトウェアの不備等によるシステム障害、災害によるシステムの一部損壊による業務停止、情報の外部漏洩等の事態が発生するおそれがあり、これらの予期せぬトラブルの発生に伴い、社会的信頼を損なうとともに多額の費用負担が生じ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(リスク対策)・サーバー、ネットワーク機器は、適性に応じクラウド及びデータセンターへの移行・利用を推進しております。・外部からの不正アクセスやマルウェア等の対策として、不正侵入検知・監視サービスやセキュリティ対策ソフトを導入しております。・ITシステムに影響を及ぼす不正なマルウェア等は導入しているEDR(Endpoint Detection and Response)にて即時検知、隔離するとともに、SOC(Security Operation Center)と連携して迅速に対処しております。・情報セキュリティに関する社員の教育(個人情報を含む機密情報保護と情報管理の重要性)や訓練を定期的に実施しております。・重要なシステム機器については二重化しております。・サイバーセキュリティ損害保険に加入しております。・改正個人情報保護法に沿った個人情報保護規定を制定しております。・上記の対応は、サイバーセキュリティ統括室が推進するとともに、同室では当社グループ全体(国内外)のサイバーセキュリティ体制の構築・整備を進めております。 (11) 与信管理について(リスクの内容) 当社グループは、取引先に対して与信供与を行っており、経済情勢悪化の影響や不測の事態を含めた取引先の財政状態悪化により債権の回収が困難となった場合、貸倒れによる損失が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対して下記の取り組みを実施し、債権の回収不能による損失発生の予防として与信管理体制強化を図り、貸倒れによる損失回避に努めております。(リスク対策)・与信管理規定の適切な運用・取引先の信用状況を勘案した与信限度額の年次更新・重要な取引先の業況ヒアリング、財務諸表の定期的な把握・取引先との今後の展開を見据えた取引条件の見直し・債権回収状況のタイムリーなモニタリング・売上債権回転期間の見直し・与信不安先に対する会計上の貸倒引当金の設定・与信不安先に対する管理強化や営業施策支援の実施・取引先の信用状況に応じた担保、保証、取引信用保険付保等の債権保全策の実施 (12) 海外事業活動について(リスクの内容) 当社グループは、北米、中国・香港、東南アジア各国を中心に事業を展開しており、以下の場合、当社グループの経営成績や財務状況等に影響を及ぼすリスクがあります。・感染症の蔓延、政情不安、経済動向の不確実性、宗教・文化・商習慣の相違、戦争・内戦、テロ、投資・海外送金・輸出入規制等が発生した場合。・固定資産の減損に係る会計基準等に従い、定期的に保有資産の将来キャッシュ・フロー等を算定し、減損損失の認識・測定を行った結果、固定資産の減損損失を計上する場合。・製造部門を持つグループ会社の事業において、原油や鉱産物価格の高騰などにより原材料や商品仕入価格に極端な変動がある場合。・日本からの輸送並びに海外グループ各社が海外から商品を調達する場合の輸送に関わるコストが高騰する場合。・製品クレームや品質問題の長期化などによるレピュテーションリスクが生じる場合。・海外グループ会社を経営していく当社の経営人材、現地の経営人材が確保できない場合。(リスク対策)・当社グループでは、平時より政治的又は経済的な障害となりうる問題に関する情報の収集や、不測の事態に対するBCPの策定など、グループ内で有事に備えた環境整備を行っております。・当社グループでは投資後の事業を管理する体制を整備しております。・原材料等が高騰した場合には、市場や競合の状況を判断しながら適切な価格改定を実施します。仕入先だけではなく、原油価格や原材料メーカーの価格変動動向にも注視し、仕入価格の交渉や販売価格の改定に関する適切な判断を行うための情報収集等の準備を常時実施しております。・より効率の良い輸送方法の選択と、販売先への輸送運賃の適切な請求を行っております。・各国での品質管理を徹底し、クレームを未然に防止する体制の構築を進めております。・中長期的に海外事業を担う若手人材を育成するとともに、事業を成長させ、変革するための組織体制の整備と維持や収益性の拡大を担う現地の経営人材の育成を行っております。 (13) 人材の確保について(リスクの内容) 当社グループが持続的に成長し、中長期的に企業価値を向上させていくためには、経営戦略を実行し得る、多様で優秀な人材の確保が不可欠であると認識しております。しかしながら、国内における労働力人口の減少や労働市場の流動化を背景に、業界や業種を超えた人材獲得競争は激化しており、当社グループが必要とする人材を計画通りに採用・育成できない場合、あるいは既存の優秀な人材が社外へ流出した場合には、事業計画の遂行に遅延が生じる等、当社グループの経営成績や財務状況等に影響を及ぼすリスクがあります。(リスク対策) 当社グループでは、「人的資本の強化」を中期経営計画[BX 2025]の重要施策に掲げ、人的資本への積極的かつ計画的な投資を進めております。新卒採用の強化および高い専門能力を持つキャリア採用の拡大による人的資本の強化を進めるとともに、事業環境に連動した人事諸制度の構築、従業員の能力開発やキャリア形成・キャリア自律を支援する研修制度の充実、DE&Iの推進、多様な人材が安心して能力を発揮できる職場環境の整備に取り組んでおります。 2023年度からは、きめ細かな人材マネジメントを行う人事担当を各組織に配置し、社員一人ひとりを理解した上でのキャリアデザインサポートや適正な人材配置を実施しています。また、エンゲージメントサーベイを活用した組織課題の把握および改善に向けた施策の実行により、社員のエンゲージメント向上によるパフォーマンスの向上を図っております。 採用計画の進捗状況、エンゲージメントサーベイの結果、離職率の推移等を確認しリスク管理に努めています。

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