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ユニ・チャーム(8113)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

化学 素材・化学

事業の概要

ユニ・チャームグループは、主にウェルネスケア(大人用おむつなど)、フェミニンケア(生理用品など)、ベビーケア(紙おむつなど)、ペットケア(ペットフード、ペットシートなど)といった商品の製造・販売を行っています。これらの商品は、人々の生活に密着した日用品であり、国内外の子会社50社と関連会社8社が連携して事業を展開しています。特にパーソナルケア分野が主力で、幅広い世代のニーズに応える製品を提供することで収益を上げています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

ユニ・チャームの事業セグメントは大きく「パーソナルケア」と「ペットケア」に分かれています。「パーソナルケア」は、大人用おむつなどのウェルネスケア商品、生理用品などのフェミニンケア商品、紙おむつなどのベビーケア商品を扱っており、グループ全体の売上と利益の大部分を占める主要な稼ぎ頭です。「ペットケア」は、ペットフードやペットシートなどのペット関連商品を扱っています。これらの事業は国内外の多くのグループ会社によって展開されており、特にパーソナルケア事業が収益の柱となっています。

FY2016 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
PersonalCare 事業 6,190 725 11.7%
PetCare 事業 858 53 6.2%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|921 文字
3【事業の内容】当社グループは、当社、子会社50社及び関連会社8社で構成されており、ウェルネスケア関連商品、フェミニンケア関連商品、ベビーケア関連商品、ペットケア関連商品等の製造・販売を主な事業としております。当社グループの事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、次の事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表に対する注記」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 事業区分主な事業の内容主要な会社 パーソナルケアウェルネスケア関連商品当社 フェミニンケア関連商品ユニ・チャームプロダクツ㈱ ベビーケア関連商品ユニ・チャーム国光ノンウーヴン㈱ コスモテック㈱ ユニ・チャームメンリッケ㈱ 嬌聯股份有限公司 Uni.Charm (Thailand) Co., Ltd. Uni.Charm Mölnlycke B.V. LG Unicharm Co., Ltd. 尤妮佳生活用品(中国)有限公司 PT UNI-CHARM INDONESIA Tbk Unicharm Gulf Hygienic Industries Co. Ltd. Unicharm India Private Ltd. Unicharm Australasia Holding Pty Ltd. Diana Unicharm Joint Stock Company DSG International (Thailand) Public Co., Ltd. その他 29社計 45社ペットケアペットケア関連商品当社 ユニ・チャームプロダクツ㈱ ユニ・チャーム国光ノンウーヴン㈱ コスモテック㈱ ペパーレット㈱ The Hartz Mountain Corporation その他  12社計 18社その他 ユニ・チャーム国光ノンウーヴン㈱ コスモテック㈱ Unicharm Gulf Hygienic Industries Co. Ltd. その他  4社計  7社(注)各事業区分の会社数は、複数の事業を営んでいる場合にはそれぞれに含めて記載しております。 主要な事業の系統図は次のとおりです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 強い
独自の特許技術やサステナビリティ対応など絶対的な品質優位性を確保
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
不織布・高分子吸収技術等のノウハウ、独自のオゾン技術によるリサイクルパルプ生成
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:消費者の変化リスク / 流通チャネルの変化リスク / 競争環境の変化リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 12 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

ユニ・チャームは「マミーポコ」「ムーニー」といった強力なベビー用紙おむつブランドを確立しており、長年の広告宣伝と品質への信頼から高い認知度とロイヤルティを獲得している。特にアジア市場でのブランド浸透は顕著であり、これが無形資産としての価値を高めている。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

ベビー用紙おむつは、赤ちゃんの肌に直接触れるため、品質や肌への優しさに対する親のこだわりが強く、一度使用して満足度の高いブランドがあれば、他社製品への乗り換えには心理的なハードルが存在する。特にリピーター層はスイッチング・コストを感じやすい。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

該当するネットワーク効果は確認できない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

生産効率の向上やサプライチェーンの最適化には継続的に取り組んでいるが、競合他社も同様の努力をしており、決定的なコスト優位性を確立しているとは言えない。原材料価格の変動リスクも存在する。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

ベビー用紙おむつ、生理用品、ペットケア用品など、生活必需品分野でグローバルに事業を展開しており、規模の経済を活かした効率的な生産・販売体制を構築している。特にアジア市場におけるシェアの高さは、規模の優位性を示唆している。

ユニ・チャームは、独自の特許技術やサステナビリティ対応を通じて、製品の品質優位性を確保し、価格競争に陥らない戦略をとっています。これにより、市場シェアの維持・拡大を図っています。また、デジタル技術を活用した消費者データのリアルタイム分析や、開発・生産リードタイムの短縮により、変化の速い消費トレンドへの迅速な対応力を高めています。さらに、ECプラットフォームとの連携強化やD2Cチャネルの育成により、多様な顧客接点を確保し、顧客理解を深めることで競争力を維持しています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは「市場と顧客に対し、常に第一級の商品とサービスを創造し、日本及び海外市場に広く提供することによって、人類の豊かな生活の実現に寄与する」ことを経営理念として掲げ、ステークホルダー(お客様、株主の皆様、お取引先様、社員、社会)に対し、常に新しい価値創造に努め社会的責任を果たすことを目指した企業活動を基本方針としております。 (2)目標とする経営指標当社グループは、継続的な「売上高」「利益」の成長と「ROE」の向上により、持続的な成長の土台形成やグローバル競争に勝ち抜くことができる資本効率の高い経営体質の構築を目指しております。 (3)中長期的な会社の経営戦略当社グループは、2026年より開始する第13次中期経営計画において、2030年のROE17%達成に向け、事業成長に加え、資本政策の再構築(Rebirth)の両輪で推進してまいります。その内容は、2026年2月12日に公表した「第13次中期経営計画(FY2026~FY2030)」に記載しております。当該説明資料は、次のURLからご覧いただけます。(当社ウェブサイト)https://www.unicharm.co.jp/ja/ir/library/chukei.html (4)会社の対処すべき課題当社グループを取り巻く経営環境は、参入国・地域ごとに景況感に差が見られ、予測困難な状況が続いています。海外においては、アジア地域で経済の不確実性が依然として残存していることに加え、COVID-19の影響を経て、特にベビーケア関連商品において、消費者の間で手頃な価格の商品への需要が高まりつつあります。また、eコマースにおける新興チャネルが急成長するなど、市場環境は目まぐるしく変化しています。国内においては、ウェルネスケア関連商品やペットケア関連商品への引き合いは強いものの、景気の先行き不透明感に加え、競争が激しい販売環境のなか、為替や原油価格に起因する輸入原材料価格の上昇が懸念されるとともに、パーソナルケア業界においては、ベビーケアやフェミニンケア関連商品の対象人口減少が今後も見込まれております。こうした課題を背景に、当社グループは経営理念に則り、常に新しい市場創造及び価値創造に努め、日本製需要の最大化、アジアでの急速な高齢化への対応、感染症予防関連や顧客インサイトに応える商品ラインアップの拡大をスピーディーに進めてまいります。海外ではリスク管理を強化しながら積極的なエリア展開と成長市場におけるカテゴリーリーダーとしての地位を確立し、国内では市場の活性化による業界総資産の拡大により、「共生社会」の実現を目指します。今後もより一層の企業変革に努め、全ての事業において、絶え間ない商品革新による価値向上に一層注力するとともに、原価低減と経営資源の効率的活用をさらに強力に推進してまいります。一方、非財務面においても、環境(E)社会(S)ガバナンス(G)を中長期的かつ持続的な企業価値向上のための重要な基盤と位置付け、環境への配慮やガバナンス体制の強化等の施策推進を継続してまいります。また、企業経営の健全性と透明性をより高めるために、子会社の内部統制体制について、業務プロセスの適正性を検証する手続きの改善を推し進め、ガバナンスの強化を図ってまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは「市場と顧客に対し、常に第一級の商品とサービスを創造し、日本及び海外市場に広く提供することによって、人類の豊かな生活の実現に寄与する」ことを経営理念として掲げ、ステークホルダー(お客様、株主の皆様、お取引先様、社員、社会)に対し、常に新しい価値創造に努め社会的責任を果たすことを目指した企業活動を基本方針としております。 (2)目標とする経営指標当社グループは、継続的な「売上高」「利益」の成長と「ROE」の向上により、持続的な成長の土台形成やグローバル競争に勝ち抜くことができる資本効率の高い経営体質の構築を目指しております。 (3)中長期的な会社の経営戦略当社グループは、2026年より開始する第13次中期経営計画において、2030年のROE17%達成に向け、事業成長に加え、資本政策の再構築(Rebirth)の両輪で推進してまいります。その内容は、2026年2月12日に公表した「第13次中期経営計画(FY2026~FY2030)」に記載しております。当該説明資料は、次のURLからご覧いただけます。(当社ウェブサイト)https://www.unicharm.co.jp/ja/ir/library/chukei.html (4)会社の対処すべき課題当社グループを取り巻く経営環境は、参入国・地域ごとに景況感に差が見られ、予測困難な状況が続いています。海外においては、アジア地域で経済の不確実性が依然として残存していることに加え、COVID-19の影響を経て、特にベビーケア関連商品において、消費者の間で手頃な価格の商品への需要が高まりつつあります。また、eコマースにおける新興チャネルが急成長するなど、市場環境は目まぐるしく変化しています。国内においては、ウェルネスケア関連商品やペットケア関連商品への引き合いは強いものの、景気の先行き不透明感に加え、競争が激しい販売環境のなか、為替や原油価格に起因する輸入原材料価格の上昇が懸念されるとともに、パーソナルケア業界においては、ベビーケアやフェミニンケア関連商品の対象人口減少が今後も見込まれております。こうした課題を背景に、当社グループは経営理念に則り、常に新しい市場創造及び価値創造に努め、日本製需要の最大化、アジアでの急速な高齢化への対応、感染症予防関連や顧客インサイトに応える商品ラインアップの拡大をスピーディーに進めてまいります。海外ではリスク管理を強化しながら積極的なエリア展開と成長市場におけるカテゴリーリーダーとしての地位を確立し、国内では市場の活性化による業界総資産の拡大により、「共生社会」の実現を目指します。今後もより一層の企業変革に努め、全ての事業において、絶え間ない商品革新による価値向上に一層注力するとともに、原価低減と経営資源の効率的活用をさらに強力に推進してまいります。一方、非財務面においても、環境(E)社会(S)ガバナンス(G)を中長期的かつ持続的な企業価値向上のための重要な基盤と位置付け、環境への配慮やガバナンス体制の強化等の施策推進を継続してまいります。また、企業経営の健全性と透明性をより高めるために、子会社の内部統制体制について、業務プロセスの適正性を検証する手続きの改善を推し進め、ガバナンスの強化を図ってまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要コア営業利益は売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した利益であり、IFRSで定義されている指標ではありませんが、当社グループの経常的な事業業績を測る指標として有用な情報であると考えられるため、自主的に開示しております。 ①財政状態及び経営成績の状況 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)売上高988,981945,268△43,713△4.4コア営業利益138,463108,884△29,579△21.4税引前当期利益134,537105,386△29,150△21.7親会社の所有者に帰属する当期利益81,84265,212△16,629△20.3基本的1株当たり当期利益(円)46.4137.30△9.11△19.6(注)当社は、2025年1月1日を効力発生日として、普通株式1株につき3株の割合で株式分割を実施しました。当該株式分割が前連結会計年度の期首に行われたと仮定して、基本的1株当たり当期利益を算定しております。 当連結会計年度の業績は、売上高945,268百万円(前連結会計年度比4.4%減)、コア営業利益108,884百万円(同21.4%減)、税引前当期利益105,386百万円(同21.7%減)、当期利益70,858百万円(同25.6%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益65,212百万円(同20.3%減)となりました。なお、2025年9月にインドにおいてGST(物品・サービス税)の制度改正が行われたことに伴い、当連結会計年度において6,920百万円の評価損失を認識いたしました。当税制改正に関し、当該事項を除き、現時点において業績に重要な影響を与える事項はございません。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表に対する注記 26.その他の収益及びその他の費用」をご参照ください。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。 (a)パーソナルケア 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)売上高(注)826,100774,428△51,672△6.3コア営業利益110,88383,197△27,686△25.0(注)外部顧客に対する売上高 ●ウェルネスケア関連商品海外においては、大人用排泄ケア用品の需要が高まっているタイ、インドネシア、ベトナムなどの東南アジア地域で、商品ラインアップの拡充やパッド型と紙パンツの併用を通じて、日本式ケアモデルの普及促進を継続しました。また、高齢化が日本以上のスピードで進む中国では、対象人口が多いものの、高品質・高付加価値な専用品の認知度は依然として低く、ベッドシーツなどの代替品で対応しているケースも多く見られます。こうした状況を踏まえ、当社は現地ニーズに即した商品ラインアップの強化と、継続的なマーケティング投資を行い、事業成長に向けて経営資源を積極的に投入しました。国内においては、“できるはふやせる、ひとつずつ。”の想いのもと、パンツタイプや紙パンツ用パッドなどの新商品を発売するなど、健康寿命の延伸につながる軽度・中度の商品を中心に、ADL※1に合わせた豊富な商品ラインアップを展開した結果、高い売上高成長を実現しました。また、使用者に合った商品選びをサポートするAIチャットボット「チャームさん」や、「大人用おむつカウンセリング」などのサービスを通じて、商品情報や使用者・介護者向け知識の提供にも継続して取り組みました。さらに、使用済み紙パンツからリサイクルした「再生パルプ」を原材料の一部に活用した『ライフリー のび~るフィットⓇうす型軽快テープ止めRefF(リーフ)』を発売し、商品機能の充実と環境配慮を両立させ、社会課題の解決に貢献しました。マスクカテゴリーにおいては、『超快適』・『超立体』両ブランドの多様な商品ラインアップで市場の活性化を図りました。引き続き、消費者ニーズを捉えた新商品を継続的に展開することで市場シェアの拡大を目指します。 ※1 日常生活動作(Activities of Daily Living)の略語で、排泄・食事・入浴など日常生活で必要な基本動作を表し、介護される方の介護レベルを計る指標 ●フェミニンケア関連商品海外においては、クールタイプナプキンやショーツ型ナプキンなど、独自性の高い幅広い商品ラインアップで消費者ニーズに応えました。中国では経済の先行き不透明感が続き、若年層を中心に、より低い価格帯の商品を好む傾向が見られるなか、当社は交換の簡便性を高めた新コンセプトの昼用ショーツ型ナプキンや、キャラクターを活用した商品を発売するなど、市場の活性化を図りました。一方で、2024年11月、2025年3月及び10月に報道された生理用品の品質や廃棄管理に関する風評の影響による一時的な販売の減少に対し、当社は、eコマースにおけるデジタルマーケティングの強化に加え、安心・安全・信頼のブランドイメージを醸成する情報発信の徹底を通じてブランド価値の向上に取り組みました。タイ、インドネシア、ベトナムなどアジア地域では、高付加価値商品であるクールタイプや活性炭配合ナプキンの展開を継続しました。生理用品の普及率が低いインドでは、都市部を中心にアンチバクテリアをコンセプトとした商品に加え、現地の利用実態・価格感度に応じた、より手に取りやすい仕様である個包装や折りたたみを省いたフラットタイプを導入し、取扱店舗数の拡大を進めました。その結果、高い売上成長と収益性改善を実現しました。中東では、現地の習慣を捉えたオリーブオイルを配合した新商品などへの積極的なマーケティング投資により、サウジアラビア国内販売が順調に推移したほか、近隣諸国への輸出も伸長しました。国内においては、対象人口が減少傾向にあるなか、健康意識や安心志向の高まりに合わせた高付加価値商品の展開を進めるとともに、店頭での陳列提案やSNSを活用した継続的なコミュニケーション戦略により、市場シェアNo.1を継続しています。さらに、デジタル領域においても消費者との接点を強化しており、ホルモンの変化に着目した生理・体調管理アプリ『ソフィBe』を通じた一人ひとりの状態に合わせた情報提供を継続しています。引き続き、女性を取り巻く環境や価値観の変化によりライフスタイルが多様化するなか、女性一人ひとりが自ら心身の状態を把握・管理し、健康と生活の質の向上に貢献できるよう、生理期にとどまらず日常全体をトータルでサポートし、ライフタイムバリューの最大化を図ります。 ●ベビーケア関連商品海外においては、当社の強みとなるパンツタイプ紙おむつを中心に普及促進と独自性のある商品展開を進めました。参入国のなかでも紙おむつの普及率が低いインドでは、販売エリアの拡大や啓発活動を継続するとともに、2025年2月に3番目の工場が再稼働したことで供給体制が強化され、市場シェアは過去最高水準で推移するなど、成長基調を維持しました。一方、9月に行われたGST(物品・サービス税)の制度改正に伴う減税を背景として、流通業者による在庫調整の影響から一時的に販売が停滞したものの、実需ベースでの消費者需要は底堅く推移しました。ベトナムやタイ、インドネシアを中心とする東南アジア市場では、出生数の減少や経済の低迷を背景に、一部でダウントレードが見られるほか、価格競争の激化による厳しい状況が続くなか、当社は2ブランド戦略を推進し、プレミアム志向層と価格志向層それぞれに対応してきました。タイでは、人気キャラクターとのコラボレーションを実施し、ブランド認知と話題性の向上を図りました。インドネシアでは、ローカル企業が営業力と価格競争力を強化するなか、商品面では長時間使用でき、吸収後も薄さが続くエコノミータイプの『Mamy Poko GEMBUNG』や、販売単価を抑えてトライアルを促進する小容量パックを発売しました。また、販売面では営業員を増員し提案力を強化するなど、商品・販売の両面で戦略を実行しました。サウジアラビア国内販売に加えて近隣諸国への輸出も堅調な中東では、現地の習慣を捉えたオリーブオイルを配合した新商品などへの積極的なマーケティング投資を継続し、高い売上高成長と市場シェアの拡大を実現しました。国内市場は少子化により縮小傾向にありますが、“笑顔あふれる育児生活”の事業理念のもと、『ムーニー』と『マミーポコ』の2ブランドで多様なニーズに対応し続けた結果、市場シェアNo.1を継続し、収益性の改善を実現しました。また、BABY JOB株式会社と協働で展開する「手ぶら登園Ⓡ」※2を導入している保育施設を対象に、使用済みの紙おむつから取り出した「再生パルプ」を使用した施設専用品の導入を進めるなど、商品とサービスの両面で消費者の満足度向上と環境負荷低減に積極的に取り組みました。 この結果、パーソナルケアの売上高は774,428百万円(前連結会計年度比6.3%減)、セグメント利益(コア営業利益)は83,197百万円(同25.0%減)となりました。 ※2 「手ぶら登園Ⓡ」とは、保護者が紙おむつやおしりふきを準備する手間や、かさばる荷物を持っての登園、保育士による紙おむつやおしりふきの管理業務など、保護者と保育士双方の負担を軽減する保育施設向けの定額制サービス (b)ぺットケア 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)売上高(注)148,673156,0847,4115.0コア営業利益25,84024,067△1,773△6.9(注)外部顧客に対する売上高 ペットとの共生社会の実現を目指すスローガン“もっと一緒に、ずっと一緒を。”のもと、ワンちゃん・ネコちゃんが社会とつながりながら幸せな一生を全うできる社会づくりに取り組んでいます。国内ペットフードにおいては、犬・猫ともに食感や味の多様性、健康志向の高まりに対応し、豊富なラインアップで消費者ニーズに応えました。猫用おやつでは『銀のスプーン』ブランドから、健康機能を付加した新タイプとして『銀のスプーン おいしい顔が見られるおやつカリカリッチ 総合栄養食おやつ』と『銀のスプーン お魚味クリームどーにゃつ 毛玉ケア※3』を発売しました。犬用では、人間の食事のような見た目と味わいにこだわったウェットフード『グラン・デリ おかず仕立てパウチ』から、「シチュー仕立て」「ミネストローネ仕立て」「茶碗蒸し仕立て」の3種類を新発売し、消費者の多様なニーズに応えました。国内ペットトイレタリーにおいては、猫用では、システムトイレの取替サンド『デオトイレ 消臭・抗菌チップ』から天然木を使用した「飛び散らない※4 ねこ型チップ」と「慣れやすい小粒」を発売しました。犬用では中型犬の体形に合わせたペット用吸収ウェア『マナーウェア長時間快適オムツ男女共用 中型犬用』を発売し、ラインアップを拡充しました。ペット市場の拡大に伴い、SNSを活用した情報収集や購買行動の多様化を受け、『DOQAT』やAIを活用した『ごはんマッチング』に加え、「TikTok Shop」において『ユニ・チャーム ペット公式Shop』を新たに開設しました。この取り組みにより、消費者との接点を一層強化し、ブランドの認知拡大を進め、持続可能な成長を実現します。北米では、日本の技術を搭載した新たなコンセプトの猫用ウェットタイプ副食の販売が引き続き好調に推移するなか、成長するeコマース市場向けの商品拡充も進め、高い売上高成長を実現しました。関税引き上げに対しては、輸入前倒しや価値転嫁を実施しました。加えて需要が底堅く推移したことで、販売面への影響は軽微にとどまりました。今後も関税政策の動向を注視しつつ、柔軟かつ機動的な対応を図ります。北米に次ぐ世界第2位の市場規模を有する中国では、今後も市場成長が見込まれます。当社は2022年11月、中国現地法人を通じ、持分法適用関連会社の江蘇吉家寵物用品有限公司(以下JIA PETS社)と資本業務提携を行い、独自コンセプトや技術を搭載したペットフードの製造を開始しました。以降、市場の活性化を図るべく新商品を投入し、幅広いニーズに対応しました。引き続き、日本で培った製造技術及び生産管理ノウハウと、JIA PETS社が保有する生産体制、研究開発力、eコマースにおける販売力などを活用することで、中国の重点都市において市場シェアNo.1を目指します。また、今後の市場成長が期待される東南アジア地域においても、タイやインドネシア、ベトナムなどでペットケア市場が顕在化していることから、フード、トイレタリーともに積極的に経営資源を投下することで、飛躍的な事業成長を目指します。 この結果、ペットケアの売上高は156,084百万円(前連結会計年度比5.0%増)、セグメント利益(コア営業利益)は24,067百万円(同6.9%減)となりました。 ※3 食物繊維の力で便と共に自然に排泄することを助けます。※4 『デオサンド オシッコのあとに香りで消臭する砂』との比較 (c)その他 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)売上高(注)14,20814,7555473.9コア営業利益1,7401,620△120△6.9(注)外部顧客に対する売上高 主に不織布・吸収体の加工・成形技術を活かした業務用商品分野において、産業用資材を中心に販売を進めました。 この結果、その他の売上高は14,755百万円(前連結会計年度比3.9%増)、セグメント利益(コア営業利益)は1,620百万円(同6.9%減)となりました。 当期の財政状態の概況は次のとおりであります。 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)資産合計1,239,9731,223,176△16,797負債合計366,263331,917△34,346資本合計873,711891,25917,548親会社所有者帰属持分比率(%)62.365.0- 当連結会計年度末の財政状態は、資産合計が1,223,176百万円と前連結会計年度末に比べ16,797百万円減少いたしました。主な減少は、有形固定資産17,482百万円によるものです。負債合計は、331,917百万円と前連結会計年度末に比べ34,346百万円減少いたしました。主な減少は、借入金15,796百万円、仕入債務及びその他の債務9,816百万円、未払法人所得税6,752百万円によるものです。資本合計は、891,259百万円と前連結会計年度末に比べ17,548百万円増加いたしました。主な増加は、親会社の所有者に帰属する当期利益65,212百万円、主な減少は、親会社の所有者への配当金の支払い28,649百万円、自己株式の増加21,016百万円によるものです。以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前期末の62.3%から65.0%となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)営業活動によるキャッシュ・フロー137,099131,470△5,628投資活動によるキャッシュ・フロー△73,838△58,71215,125財務活動によるキャッシュ・フロー△66,794△83,865△17,071現金及び現金同等物の期末残高261,054253,092△7,962 当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は253,092百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,962百万円減少しております。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、131,470百万円の収入(前連結会計年度は、137,099百万円の収入)となりました。主な収入は、税引前当期利益によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、58,712百万円の支出(前連結会計年度は、73,838百万円の支出)となりました。主な収入は、金融資産の売却及び償還による収入、主な支出は、金融資産の取得による支出、有形固定資産及び無形資産の取得による支出によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、83,865百万円の支出(前連結会計年度は、66,794百万円の支出)となりました。主な支出は、親会社の所有者への配当金支払額、自己株式の取得による支出、非支配持分への配当金支払額、長期借入金の返済による支出によるものです。 ③生産、受注及び販売の実績(a)生産実績セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)パーソナルケア775,135△9.0ペットケア157,477△1.0その他15,1192.3合計947,731△7.6(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.金額は、販売価格によっております。 (b)受注実績受注生産を行っていないので、該当事項はありません。 (c)販売実績セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)パーソナルケア774,428△6.3ペットケア156,0845.0その他14,7553.9合計945,268△4.4(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(a)経営成績の分析当連結会計年度における当社グループを取り巻く経営環境は、参入国・地域ごとに景況感・消費動向が大きく異なり、米国における追加関税政策の不確実性や、中国市場における需要回復の遅れなど、予測困難な状況が続きました。海外においては、出生数の減少や景況感により、消費者の生活防衛意識が高まり、ベビーケア関連商品の一部でダウントレード傾向が続いています。アジアにおいては、新興eコマース市場へのマーケティング投資や、激しい価格競争の影響により収益性が圧迫されました。特に中国においては、風評被害により一時的に販売機会が減少し、年間ではなお回復途上にあるなか、デジタルマーケティング施策や販売網を強化し、足元の動向では回復に向けた兆しが見られつつあります。一方、中東や北米など、堅調に推移した地域では、引き続き売上成長を維持しました。国内においては、当社が取り扱う商品は生活必需品であることに加え、幅広いラインアップで多様なニーズに対応した結果、需要は安定的に堅調に推移しました。このような経営環境のなか、当社グループは“世界中の全ての人々のために、快適と感動と喜びを与えるような、世界初・世界No.1の商品とサービスを提供しつづける”という基本方針のもと、「Love Your Possibilities」を掲げ、世界中の全ての人々が平等で不自由なく、その人らしさを尊重し、やさしさで包み支え合う、心つながる豊かな社会である「共生社会」=Social Inclusionの実現に向けて取り組みました。 この結果、当連結会計年度の業績は、売上高945,268百万円(前連結会計年度比4.4%減)、コア営業利益108,884百万円(同21.4%減)、税引前当期利益105,386百万円(同21.7%減)、当期利益70,858百万円(同25.6%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益65,212百万円(同20.3%減)となりました。 (b)経営成績に重要な影響を与える要因「3 事業等のリスク」をご参照下さい。 (c)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度においては、一部海外連結子会社において為替リスク軽減等の観点から外部借入を行った以外は、営業キャッシュ・フロー(当連結会計年度は131,470百万円のプラス)を主要な財源としております。また、事業活動や投資、自己株式取得を含めた株主還元を目的とした資金需要はできる限り自己資金で対応できるように資金の流動性を十分確保するように努めております。なお、当連結会計年度のキャッシュ・フロー分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。2026年度の設備投資資金についても、自己資金をもって充当する予定であります。 (d)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当連結会計年度及び翌連結会計年度より開始する第13次中期経営計画が目標とする主な指標の状況は次のとおりであります。当連結会計年度におきましては、アジア市場におけるEC化の進展や消費の二極化に対応すべく、機動的な重点投資を実行いたしました。あわせて、中国市場における度重なる風評被害の影響や、一部資産の減損処理、さらにはインドネシアにおける販売体制変更に伴う在庫調整などが発生し、足元の利益を圧迫いたしました。しかしながら、次期以降の懸念材料となるこれらの一過性リスクに対しては、当期において抜本的な対策を講じきっており、再成長に向けた確かな道筋をつけるに至っております。これらを踏まえ、新たにスタートする「第13次中期経営計画」の初年度(翌連結会計年度)においては、単なる外部市場の回復や原材料市況の安定といった環境要因に依存するのではなく、当期に実行した中国でのEC改革やインドネシアでの正常化に向けた取り組みなど、「自社主導の構造改革の成果」を確実な成長ドライバーと位置づけております。一過性のマイナス要因の剥落とこれらの構造改革効果の確実な刈り取りにより、全社売上高1兆円の大台突破と実質的な増収増益軌道への回帰を果たし、新たな成長ステージを確立してまいります。さらに、同計画における中長期的な経営戦略の核として、「3つのR」を通じた事業モデルの進化を推進いたします。第一に「Renaissance(高付加価値化)」として、AI・デジタル活用による新価値の創出やパーソナル提案を通じ、販売単価を持続的に向上させます。第二に「Rebirth(脱・製造業)」として、グローバルサウスを中心とした外部パートナー(OEM/ODM)の戦略的活用により、機動的かつ高効率な収益構造への転換を進めます。そして第三に「Resonance(共振)」として、全社横断的なデータ基盤の構築や業務プロセスの最適化により、組織の実行力と販管費の効率を最大化いたします。これらの抜本的な構造改革を通じて収益性と資本効率を飛躍的に高め、当社が経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として掲げる「連結売上高1.5兆円」及び「コア営業利益率17%」、「ROE17%」の確実な達成に向けた歩みを進めてまいります。 前連結会計年度(2024年度)当連結会計年度(2025年度)第13次中期経営計画目標(2030年度)売上高988,981百万円945,268百万円1,500,000百万円売上高成長率5.0%(前年度比)△4.4%(前年度比)(注)10.0%CAGR(年平均成長率)コア営業利益率14.0%11.5%17.0%ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)11.1%8.3%17.0%(注)売上高CAGR(年平均成長率)は、為替変動の影響を除いた数値を目標としております。 (e)戦略的現状と見通し当社グループを取り巻く経営環境は、参入国・地域ごとに景況感に差が見られ、予測困難な状況が続いていますが、主要参入国においては、経済状況の不透明感は残るものの、緩やかな景気回復を見込んでおります。このような経営環境のなかで、海外では、各国・地域のニーズを捉えた商品の提供と、積極的な販売活動を通じて、市場を上回るスピードで成長し、活性化を図ってまいります。国内パーソナルケアにおきましては、インフレーションに関連してコスト高が見込まれることから、消費者ニーズを捉えた高付加価値商品の提供による価値転嫁を推進し、安定的な成長と収益性の改善に努めてまいります。 (f)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容「(1)経営成績等の状況の概要」をご参照下さい。 ②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成しております。なお、重要性がある会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表に対する注記」に記載しております。

事業リスク

ユニ・チャームは、消費者の価値観や購買行動の急速な変化、マクロ経済環境の変動に対応できない場合、競争優位性の喪失や売上収益の低下のリスクがあります。また、オンライン販売チャネルの急拡大に伴う流通構造の変化への対応が遅れると、成長機会の逸失や既存チャネルでの存在感低下を招く可能性があります。さらに、グローバル大手や新興国メーカーの台頭、デジタルプラットフォーマーの参入など、競争環境の激化により、収益性の低下や市場シェアの縮小に繋がる恐れがあります。サイバー攻撃によるデータ漏洩やシステム停止も、損害賠償や信用失墜のリスクとして認識されています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|6,911 文字
3【事業等のリスク】当社グループは、経営の基本方針(1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(1)会社の経営の基本方針をご参照下さい)としております企業活動の遂行・達成に影響を及ぼす様々なリスクを適切に把握し、その未然防止及び発生時の影響最小化と再発防止を、経営における重要な課題と位置付けております。その上で、当社全体のリスクマネジメント体制を構築し、「企業価値に影響を与えうる不確実性(事象)」をリスクと定義し、戦略リスク、重要なオペレーショナルリスク、オペレーショナルリスクの3つに区分し、管理しています。区分定義管理方法戦略リスク経営戦略、事業計画その他のユニ・チャーム株式会社の取締役会が決定する事項又はその実行に影響を与えるリスク取締役会における決議の際に、リスク委員会の審議結果を踏まえ、リスクを考慮したうえで意思決定を行います。また、決定後の状況については、定期的に取締役会への報告又は全取締役による討議を実施し、取締役会がモニタリングします。重要なオペレーショナルリスク顕在化した場合に当社グループの事業遂行やレピュテーションを著しく阻害するおそれがあるリスクリスク委員会が深刻度(影響度×発生可能性)及び対応準備度を取りまとめます。経営監査部のCSA(Control Self-Assessment)、業務監査結果を対応準備度として考慮します。深刻度の変化、対応準備の方針に問題はないか等の観点で定期的に検証の上、1年に1回以上取締役会へ報告を行い、取締役会がモニタリングします。オペレーショナルリスク日常の事業活動において定められた方針、規程、ガイドライン、業務プロセスを遵守すること等により、許容できる範囲内に防止・軽減できるリスク担当執行役員が責任をもってリスク管理を行い、リスクを踏まえた経営資源の配分や経営判断を実行します。 (1)リスクマネジメント体制当社グループでは、下記図の通りリスクマネジメント体制を構築しています。ユニ・チャーム株式会社の取締役会の監督の下、代表取締役社長執行役員は、ユニ・チャームグループのリスク管理に関する基本的な方針を決定します。また、効果的かつ効率的なリスク管理が行われるようにするため、ユニ・チャーム株式会社の執行役員に必要な権限、責任ならびに経営資源を割り当てるとともに、リスク委員会は当社グループ全体のリスク情報を取りまとめ、取締役会へ定期的な報告を行います。また、独立した内部監査部門を設置し、これらを監督する体制としています。(2)戦略リスク及び重要なオペレーショナルリスクの状況戦略リスク及び重要なオペレーショナルリスクは、1年に1回以上見直し、取締役会へ報告を行います。当連結会計年度において特定した戦略リスク、重要なオペレーショナルリスク、並びにこれらの対応策は以下のとおりです。 <リスクの評価方法>・影響度:人的リソース、有形・無形資産、レピュテーション、および財務状況への波及を総合的に勘案し、3段階で評価しています。 財務的影響については、税引前利益に対する比率を定量的な判定基準としており、同利益の「5.0%以上」を「3:深刻な影響」、「0.1%以上5.0%未満」を「2:一定程度の影響」、「0.1%未満」を「1:軽微な影響」と定義しています。・発生可能性:発生頻度を3段階(3:顕在化している、2:3年以内に顕在化する可能性がある、1:顕在化可能性が低い)で評価しています。 ①戦略リスク項目消費者の変化リスク事象・影響消費者の価値観や購買行動の急速な変化、およびマクロ経済環境の変動に対し、当社グループの製品・サービスが適時適切に対応できない場合、市場における競争優位性の喪失、ブランド価値の毀損を招き、売上収益および市場シェアが低下する恐れがあります。要因・デジタル技術の進化やSNSの普及に伴う情報収集・購買プロセスの多様化および消費トレンドの短サイクル化。・世界的な景気後退やインフレ圧力による、生活必需品への支出抑制および低価格品への需要シフト。評価影響度3発生可能性3対応策・生成AI等のデジタル技術を積極的に活用し、膨大な消費者データからインサイトをリアルタイムに抽出・分析する体制を構築しています。・変化の激しいトレンドを即座に製品化するための開発・生産リードタイムの短縮を推進しています。また、地域ごとの市場環境の変化に応じた柔軟なブランド・価格ポートフォリオの見直しを実行しています。 項目流通チャネルの変化リスク事象・影響オンライン販売チャネルの急拡大に伴う流通構造の激変に対し、販売戦略やサプライチェーンの再構築が遅れた場合、新たな成長機会を逸失するとともに、既存チャネルにおけるプレゼンス低下を招き、売上収益および市場シェアが低下する恐れがあります。要因eコマース(以後EC)市場の拡大、およびSNSやライブコマース等、デジタルチャネルを通じた販売手法の多様化に伴う消費者の購買行動の変化。評価影響度3発生可能性3対応策・主要なECプラットフォーマーとの戦略的パートナーシップを強化するとともに、既存の小売店とも連携し、リアルとデジタルを融合させた施策を推進することで、顧客接点を最大化しています。・自社ECやSNSを通じた直接販売チャネル(D2C)を強化し、顧客との直接的な対話を通じて独自データを蓄積しています。得られた知見はマーケティング施策の最適化だけでなく、既存流通向けの営業提案にも還元しています。・国・地域ごとに異なるECの浸透度や主要プレイヤーの動向を踏まえ、専任部門および現地法人が最適なチャネルミックスを策定しています。 項目競争環境の変化リスク事象・影響市場における競争環境の激化(既存の枠組みを超えた新規参入や、サプライチェーンにおける役割の変化に伴う競争環境の変化を含む)への対応遅れにより、価格競争による収益性の低下や市場シェアの縮小を招く恐れがあります。要因・グローバル大手メーカーによるM&Aを通じた巨大化や、新興国メーカーの台頭による価格競争の激化。・既存カテゴリーにおける競合他社の革新的な新製品投入。・デジタルプラットフォーマーやプライベートブランドなど、従来の業界の枠組みを超えたプレイヤーの参入による競争ルールの変化。・技術革新による既存製品カテゴリーのコモディティ化。評価影響度3発生可能性3対応策・価格競争に陥らないよう、独自の特許技術やサステナビリティ対応など絶対的な品質優位性を確保することでシェア維持・拡大を図っています。・事業ポートフォリオの定期的かつ厳格な見直しを行っています。成長性と資本効率の観点から、経営資源を「高付加価値分野」および「高成長エリア」へ重点配分し、競争優位性が維持できない事業については撤退や縮小も含めた構造改革を断行します。 項目投資判断リスク事象・影響事業変革や非連続な成長を実現するための投資判断において、環境変化の予測を見誤った場合、あるいは投資後の統合プロセスや事業立ち上げが計画通りに進捗しなかった場合、投資回収期間の長期化や減損損失の計上により、財政状態および経営成績に悪影響を及ぼす恐れがあります。要因地政学リスクの顕在化やマクロ経済環境(金利・為替・資材価格等)・法規制の急激な変更などによる投資回収プランの乖離。評価影響度2発生可能性1対応策・特定の国・地域への過度な依存を避けるため、地政学リスクや法規制の動向を常時監視し、サプライチェーンや投資配分の分散を図っています。・投資案件の実行可否判断においては、資本コストを上回るリターンが見込めるかを審査しています。また、リスクアペタイトに基づき、取締役会・リスク委員会においてリスク・リターンのバランスを評価しています。 ②重要なオペレーショナルリスク重要なオペレーショナルリスクは、影響度、発生可能性、対応準備度の観点で評価を行い、評価結果に応じて優先順位付けをして対応しています。項目サイバーセキュリティリスク事象・影響サイバー攻撃によるデータの漏えいやシステムの停止・誤作動が、損害賠償責任の負担、復旧・対応費用の発生、オペレーションの混乱・停止に伴う逸失利益、中長期的な信用失墜をもたらす恐れがあります。評価影響度3発生可能性2対応策国内外のグループ各社において、EDR(Endpoint Detection and Response)およびSOC(Security Operation Center)を組み合わせたセキュリティ体制を統一展開し、サイバー攻撃の早期検知と能動的な対応力の強化を図っています。また、IT資産管理やインシデント対応体制の継続的な整備・拡充に努めています。 項目自然災害・大規模な事故リスク事象・影響地震、台風、洪水等の自然災害や、大規模な事故の発生により、当社グループの生産拠点やサプライチェーンが被災した場合、長期間の操業停止や供給網の寸断が発生し、復旧費用の発生やオペレーションの混乱・停止に伴う逸失利益等、経営に大きな影響を及ぼす恐れがあります。評価影響度3発生可能性1対応策国内外のグループ各社においてBCP(事業継続計画)を策定し、定期的な訓練や教育啓蒙活動を通じて、有事の際の対応実効性の向上を図っています。グローバルでの防火基準を設定し、グローバルの各拠点において基準適合状況のチェックと継続的な改善を行っています。サプライチェーンのレジリエンス(強靭性)強化を重要課題と捉え、主要サプライヤーとの連携訓練や安否確認システムの整備等、迅速な情報共有と供給継続に向けた協力体制の構築に努めています。 項目重大な品質不良リスク事象・影響製品不良・設計不備により、死亡事故や重大な健康被害が発生し、損害賠償、刑事罰、ブランド毀損、売上低下をもたらす恐れがあります。評価影響度3発生可能性1対応策当社グループ全体での品質水準を一定に保つための仕組みを構築しています。さらに不適合や苦情の発生状況を定期的に分析し、重大な品質事故が発生した場合、迅速な是正措置の実施と再発防止策の策定が行えるように、マネジメントシステム自体の更新を継続的に実施します。万一の事態に備え、迅速な情報開示と誠実な対応を行うための緊急時レスポンス体制を整備し、透明性の高い社内の情報連携の仕組みを構築しています。 項目気候変動リスク事象・影響炭素税の導入、ならびに税率の引き上げ、エネルギー価格の大幅な変動による操業コストの上昇と、原材料価格の高騰による調達コスト上昇を招く恐れがあります。また、温室効果ガス排出量削減を考慮しない商品開発は、中長期的な信用失墜を招く恐れがあります。評価影響度3発生可能性1対応策「資材別のGHG(温室効果ガス)排出量の一次データを活用し、効率的な資材活用とGHG排出量削減を両立する商品開発を進めます。また、持続可能性に貢献する社内基準「SDGs Theme Guideline」に適合した商品の開発と販売の継続、2030年の再生可能電力比率100%達成に向けたロードマップを推進します。 項目個人情報保護リスク事象・影響サイバー攻撃や人的過誤、管理体制の不備による個人情報の漏洩は、損害賠償責任の発生や社会的な信用失墜をもたらします。とりわけグローバル展開においては、各国・地域の法規制への準拠が不可欠であり、万一、対応に不備が生じた場合、多額の制裁金を科され、ブランド毀損を招く恐れがあります。評価影響度2発生可能性2対応策人為的なミスを防止するため、社員を対象とした個人情報保護に関する継続的な教育を実施します。また、流出事案が発生した際に迅速な公表と被害拡大防止を図るための緊急対応マニュアルを整備します。また、各国・地域の個人情報保護法やデータ越境規制に適切に対応するため、グループ内データ移転契約を締結し、法的に適正なデータ管理体制を徹底します。 項目AIリスク事象・影響導入した生成AI等のアルゴリズムにおける偏向や技術的不備によって、誤った意思決定や不適切な情報発信が生じ、社会的な信用失墜や法的責任の追及を受ける恐れがあります。評価影響度2発生可能性2対応策安全なAI利用環境を整備するため、当社グループ社員が遵守すべき行動規範を制定します。また、生成AIの社外利用における可否判断チェックリストを運用し、著作権侵害や不適切内容の出力リスクを制御します。 項目製品の信頼性リスク事象・影響製品不良・設計不備により、リコール、軽微な健康被害、ブランド毀損が発生する恐れがあります。また、不実表示、虚偽広告、違法又は非倫理的なマーケティングにより、損害賠償責任、SNSでの炎上、ブランド毀損が発生する恐れがあります。評価影響度2発生可能性2対応策各国・地域における法規制に準拠した製品をお客様に提供するため、各国・地域の法規制を網羅しかつ、品質や製品安全性の観点も加えた厳しい自社基準を設定し、国内外のグループ会社全体でその基準を遵守する運用としています。正しい情報伝達のために、関連法規制遵守およびエビデンスに基づく適正な広告・表記となるよう、ゲート会議、表示審査の仕組みを設けて厳しいチェックを行っています。製品に関するクレームがあった場合は、発生件数の多寡にかかわらず、迅速な原因究明や改善対処をし、製品の信頼性が低下しないよう体制を整えています。 項目為替変動リスク事象・影響当該国・地域の規制、経済環境及び社会的・政治的情勢の変化に伴う為替相場の変動は、外国通貨建ての売上や原材料の調達コストによっては、市場が大きく変化し当社の事業活動や保有資産の価値に影響を与える恐れがあります。また、当社グループ会社の当該国・地域通貨建の財務諸表は、連結財務諸表作成に際し円に換算されるため、為替相場の変動が円高時には当社の財政状態及び経営成績にマイナスの影響を与える恐れがあります。評価影響度2発生可能性3対応策原材料仕入を含めた外貨建取引や保有債権・債務を総合的に勘案した為替ヘッジにより、リスクの最小化に努めます。また、安定的な株主還元や当社内資金循環にも寄与するよう、投資予定を上回る資金を保有する当社グループ会社からの配当を積極的に実行し、在外資産の円高によるマイナス影響を抑制します。 項目取引先の与信リスク事象・影響国内外の主要な取引先において、景気後退、消費構造の変化、または、予期せぬ経営環境の悪化により、経営破綻や支払遅延が発生し、売掛金等の債権が回収不能となる恐れがあります。その結果として、売上高の減少や、引当金の計上による業績悪化の恐れがあります。評価影響度2発生可能性3対応策独自の与信管理規程に基づき、新規取引時の厳格な審査および取引先ごとの与信限度額の設定や定期的な見直しを徹底しています。外部機関の活用等により取引先の財務状況を継続的にモニタリングし、支払懸念等の予兆把握に努めています。リスク顕在化時には債権保全策を講じ、取引条件の変更等により損失の最小化を図っています。これら与信状況は定期的に経営層へ報告され、組織的なリスク管理体制を構築しています。 項目人材(採用・育成・離職)リスク事象・影響高度専門人材やリーダー人材の採用の遅延・未達、キー人材の離職により、経営計画・戦略の実行が遅延する恐れがあります。評価影響度2発生可能性2対応策データおよび生成AIを活用したタレントマネジメントにより、適材適所の実現と、最適な後継者の計画的な選抜・育成を遂行します。必要に応じて外部人材の獲得も柔軟に組み合わせつつ、OODAループと生成AIを高度に活用し、自律的に価値創造を牽引する「共振人材」の育成に注力します。併せて、キャリアビジョン・キャリアプランに基づいた自律的なキャリア形成支援を行うことで働きがいの向上やエンゲージメント強化を通じて、少数精鋭の組織体制による持続的な競争力の維持・強化を図ります。 項目労働災害リスク事象・影響労働災害による死亡や重大な後遺障害、および過重労働等に起因するメンタルヘルス不調の発生は、尊い生命と健康を損なうだけでなく、社員の活力低下や長期離職、エンゲージメントの減退を招き、中長期的な経営計画の実行を阻害する恐れがあります。評価影響度2発生可能性2対応策「安全衛生管理規程」に基づき、社員の安全確保と健康の維持・増進を最優先する職場環境を整備しています。管理者が部下の心身の健康状態を常に確認し、早期発見・早期対応する体制を徹底するほか、産業医・保健師を含めた安全衛生委員会において社員の健康増進策を毎月協議しています。また、生産拠点でのOSHMS運用やISO45001の取得、リスクアセスメントによる予防措置、さらには「労働安全の日」を通じた意識啓発により、心身ともに安全で快適な職場づくりを推進しています。

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