研究開発活動(本文)
FY2025|3,273 文字
6【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、「最高の品質こそ 最大のサービス」の社是のもと、筆記具及びその周辺商品等における新製品の開発と品質向上、安全性の確保、環境問題への対応を目的としております。また筆記具以外の分野にもこれらの成果を広く応用展開することも積極的に進めております。 なお、当連結会計年度における研究開発費は4,209百万円でした。このうち4,104百万円は筆記具及び筆記具周辺商品事業に係るものであります。以下は筆記具及び筆記具周辺商品の主な研究開発活動及び成果であります。 (1)筆記具事業①やわらかい書き心地で“すいすい書ける水性ボールペン”「uniball ZENTO(ユニボール ゼント)」シリーズを発売いたしました。 「uniball ZENTO(ユニボール ゼント)」シリーズは、6年をかけて新たに開発した新感覚の次世代水性ボールペンです。日本市場では縮小傾向が続いていた水性ボールペンというカテゴリーにおいて、デジタル化した社会だからこそあえて「かく」を追求し、従来の水性インクの書き心地をそのままに、にじみや速乾性を大幅に改良した水性インクを開発いたしました。クッション成分となるPOA界面活性剤を配合するなどして、筆記時のストレスを大幅に軽減し、やわらかな書き心地を実現しております。またボール径は0.38mm、0.5mm、0.7mmを揃えて選択肢の幅を広げており、多様な表現を楽しんでいただけます。 『uniball ZENTO』では新感覚の書き味を体感できるように4つのモデルを展開しております。 『Signature model(シグニチャーモデル)』はやわらかい書き心地を最大限に味わうことのできる象徴的なモデルで、書くために軸後端にキャップを逆に挿した時が最良となるように設計された軸デザインと重量バランス、マグネット式のキャップなどを特長としております。 『Flow model(フローモデル)』はアルマイト塗装を施したアルミ製のグリップと軸色に合わせた可動式カラークリップを特長としており、適度な重量感が流れるような書き心地を生み出します。 『Standard model(スタンダードモデル)』は“今”に合う多彩なボディカラーをラインナップしており、グリップ部分には指や手が当たる場所を広くカバーするロングラバーグリップを採用して握りやすく安定した書き心地をもたらします。また軸の素材には再生材を使用しており環境にも配慮した設計となっております。 『Basic model(ベーシックモデル)』はさまざまな場面で広く使われる、黒・赤・青、3色のインク色を揃えており、色の識別性を高めたミニマルな外観でどんな場面にも自然となじみます。 ②芯が回ってトガりつづけるシャープ「クルトガ」から初の木製グリップ軸仕様となる『KURUTOGA Wood』を発売いたしました。 今回新発売した『KURUTOGA Wood』は、シャープのメインユーザーである学生を中心に人気を博している木軸へのご要望にお応えし、「クルトガ」シリーズ初の天然木を使用したグリップを搭載したモデルです。『KURUTOGA Metal』と同様のアルミ製の後軸と合わせることで、木のぬくもりと精緻なメタルボディを調和させ、時を重ねるごとに愛着の増す一本となっております。 天然素材である木製グリップは一つ一つ、色みや木目が異なるため、違いを楽しんでいただけます。環境への関心が高まり、長く愛着を持って使い続けられるものが好まれる現代において、新たな選択肢となる『クルトガ』となっております。 この『KURUTOGA Wood』には筆記中のペン先のブレを最小限に軽減した「クルトガエンジン」に加えて、ペン先に樹脂製パーツ「ニブダンパー」を搭載しております。この機能は、『KURUTOGA Metal』で好評いただいており、筆記時の衝撃を和らげ、さらに安定した筆記感を実現しております。木とアルミの融合によるデザイン性や握り心地の良さに加えて、書きやすさも兼ね備えた一本となっております。 ③ウイスキーを熟成した樽材をペン軸に再利用した「ピュアモルト」シリーズをリファインし、“クセになる、なめらかな書き味。”の「ジェットストリーム」リフィルを搭載した『ピュアモルト ジェットストリームインサイド シングル』を発売いたしました。 『uni MATERIAL JOURNEY 旅する素材。』の中でも幅広いラインアップを展開し、その中心シリーズである、ウイスキーを熟成した樽材をペン軸に再利用した「ピュアモルト」を、「樽が紡ぐ、穏やかな時と佇(たたず)まい。」という新たなキャッチコピーの下で、リファインを行いました。木の質感を感じられる新設計の『ピュアモルト ジェットストリームインサイド シングル』と新色の『ピュアモルト ジェットストリームインサイド 多機能ペン 4&1』を同時に発売いたしました。ウイスキー樽の味わいや、木目の個体差、使い込むことによるエイジングを楽しんでいただける温かみのある商品となります。 シングルモデルは軸を新たに開発し、ロゴを刻印した板クリップを採用してシンプルで洗練された印象を演出しております。ノック時には、初速は軽やかで徐々に心地よい重さを感じられるこだわりの機構を搭載しており、使い込むほどに手になじみ変化していく風合いと共にお楽しみいただける一本に仕上げました。 ④LAMYのベストセラーアイテム「LAMY safari」シリーズに“クセになる、なめらかな書き味”が特長の「ジェットストリーム」インクを搭載した『LAMY safari JETSTREAM INSIDE(ラミー サファリ ジェットストリーム インサイド)』を発売いたしました。 2024年にLamy社を当社グループの仲間に迎え、Lamy社の誇るブランド力とデザイン力に当社の技術力を融合させることで、より革新的で魅力的な商品を生み出していくことを目指しておりますが、その取り組みの第一歩として、Lamy社の人気商品である「LAMY safari」シリーズに当社が取り扱うなめらかな書き味の油性ボールペン「ジェットストリーム」のインクを搭載した新たな商品を、LAMYブランドにおけるラインアップとして発売いたしました。 (2)筆記具周辺商品事業①化粧品事業当事業は、筆記具の開発・製造で培ったコア技術を基盤として、アイメイク商品および毛染め商品の開発・製造を行う化粧品ODM/OEM事業を展開し、国内外の化粧品ブランド向けに製品を供給しております。筆記具分野で培った技術を、美容分野におけるメイク表現へ応用・拡張することを目的として、本事業を展開しております。注力領域であるアイメイク商品においては、自在なメイク表現を実現させるアプリケーターの設計開発、液体の流出量を制御する機構設計、ユーザーフレンドリーな容器&外装設計、多様なスキントーンにも映え、耐久性に優れた処方を実現するための顔料分散技術を基盤とした処方配合設計(リキッド、固形)、これらの技術を組合せることでお客様の要望を叶える製品を提供しております。また、各国のレギュレーションやガイドラインを遵守した処方設計を含む製造方法、これらを実現することで高い評価を得ております。 ②産業資材事業これまで筆記具の開発を通して培ってきた「分散」、「焼成(カーボン)」、「微細加工」、「容器設計」など当社独自のコア技術を活用した新規事業の開発に取り組んでおります。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やカーボンナノチューブ(CNT)など機能性材料の分散液、音響整合層や電極材料などのカーボン製品、定量吐出機構を備えた特殊容器などを医療、電子、自動車他様々な分野へ幅広く提案、特に近年は電池材料に注力しており、当社技術を活用した非筆記具事業の新規開拓を積極的に進めております。
FY2024|2,665 文字
6【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、「最高の品質こそ 最大のサービス」の社是のもと、筆記具及びその周辺商品等における新製品の開発と品質向上、安全性の確保、環境問題への対応を目的としております。また筆記具以外の分野にもこれらの成果を広く応用展開することも積極的に進めております。 なお、当連結会計年度における研究開発費は4,392百万円でした。このうち4,326百万円は筆記具及び筆記具周辺商品事業に係るものであります。以下は筆記具及び筆記具周辺商品の主な研究開発活動及び成果であります。 (1)筆記具事業①世界販売本数が年間1億本以上の「ジェットストリーム」シリーズから、新開発の”かろやか”なインク『JETSTREAM Lite touch ink(ジェットストリーム ライトタッチインク)』を搭載した単色タイプおよび多機能タイプを発売いたしました。『JETSTREAM Lite touch ink』は、従来のジェットストリームのインクよりさらに粘度を下げたことで筆記抵抗を減らし、より“かろやか”な書き心地を実現した新インクです。またインクのボテ(ペン先に溜まったインクが紙に付くこと)や紙すべり(紙質などの条件により、ボールがすべり筆記しにくい現象)を改良したことで、よりストレスの無い安定した筆記を提供いたします。時代や環境により「書く・描く」シーンが多様化する中で生まれた、どんな人にも「ちょうどいい」ジェットストリームの新しい選択肢となっております。単色タイプ「JETSTREAM シングル」では新インクの性能を最大化し「誰にとっても、普通に使いやすい」設計を突き詰めました。ノック棒には、筆記時の微細な振動や異音を抑える機構を搭載し、より心地よくお使いいただけます。クリップは折れにくく、手帳やポケットに収まりのよい形状を追求しております。先端までラバーで覆われたグリップは、人それぞれで異なる持ち方に対応する機能性とシームレスなデザインを両立しております。プレーンでシンプルながら、細部には「JETSTREAM スタンダード」のDNAをさりげなく引き継いでおります。1本でマルチに使える「JETSTREAM 多機能ペン 4&1」は、いつでもそばに置いておきたくなる親しみやすいデザインにいたしました。従来品より軸の全長を短くし、その全長に適したバランスとなるように軽量化したことで、持ち運びやすさと操作性を向上させました。またペン後端をノックしてシャープペンシルを繰り出せる機構を採用しており、実用性も兼ね備えております。かろやかな書き心地とリンクする角の取れた優しい形状と、ペールトーンでマットな優しいカラーリングはプライベート空間にもしっくりとなじみます。ノック部分のインク色表示はノック部分全体ではなく、ユーザーから見える位置のみに絞ることで、デザイン性と利便性の双方を損なわず快適にお使いいただけるものに仕上げました。 ②芯が回ってトガりつづけるシャープ「クルトガ」シリーズから、永く使うほどに愛着のわくメタルボディ『KURUTOGA Metal』を発売いたしました。今回新発売する『KURUTOGA Metal』は、メタル製の軸による上質さと、より安定した筆記感を実現したモデルです。表層はカメラやオーディオ機器をほうふつとさせるような上質感のあるメタル製で、グリップ部分は手になじむよう表面加工を施した「マイルドエッジグリップ」を採用し、握りやすさにこだわったアイテムに仕上げました。クリップ形状などの細部にもこだわっており質感のある仕上がりとなっております。また『KURUTOGA Metal』では、筆記中のペン先のブレを最小限に軽減した「クルトガエンジン」を搭載しており、さらにペン先に樹脂製パーツ「ニブダンパー」を新たに搭載することで、筆記時の衝撃を和らげ安定した筆記感を実現しております。 ③十人十色、多彩な表現を楽しめる新しい色鉛筆が登場“軽い力で発色よく描ける色鉛筆”として『toirono(トイロノ)』を発売いたしました。『toirono(トイロノ)』は、「十人十色、多様な表現に寄り添える存在になりたい、暮らしやコミュニケーションが豊かになる色の楽しさを伝えていきたい」という想いを込めた商品です。色鉛筆は多彩な色展開を持ち、芯の削り方や持ち方、そして筆圧によって描線の太さや色の濃さなどを自由に調整できる特徴を持つアイテムです。『toirono(トイロノ)』は、太くやわらかい芯を採用することによって、従来の色鉛筆よりも濃淡やグラデーションをつけやすく、重ね塗りをしやすいように濃い色の上からでも発色よく描ける設計にしております。さらに、色相、明度、彩度についての説明書きを付属しており、日常的に描くことに親しみがない方でも、多彩な表現を楽しむことができます。表現の幅が広がることで、より豊かな発想やアイデアを引き出し、描く楽しさが一層増すことが期待されます。未就学のお子様から大人まで、色を使った表現を気軽に楽しめる、ワクワクするような新しい色鉛筆として、多くの方にご愛用いただける商品となっております。 (2)筆記具周辺商品事業①化粧品事業筆記具で培ったコア技術を応用展開したアイメイク商品、毛染め商品を国内・海外の化粧品ブランドにODM/OEM供給することで、美の多様性に貢献しております。注力領域であるアイメイク商品は、自在なメイク表現を実現させるアプリケーター開発と液流出機構の設計、顔料分散技術から多様なスキントーンにも映える処方設計(リキッド・固形)、ユーザーフレンドリーな容器&外装設計、各国のレギュレーションやガイドラインを遵守した処方設計を含む製造方法、これらを実現することで高い評価を得ております。 ②産業資材事業これまで筆記具の開発を通して培ってきた「分散」、「焼成(カーボン)」、「微細加工」、「容器設計」など当社独自のコア技術を活用し、将来成長領域での新規事業開発に取り組んでおります。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やカーボンナノチューブ(CNT)など機能性材料の分散液、音響整合層や電極材料などのカーボン製品及び定量吐出など精密機構を備えた特殊容器などを開発し様々な分野へ幅広く提案しております。特に最近では電池材料に注力しているほか医療分野への展開も図っており、当社技術を活用した非筆記具事業の新規開拓を積極的に進めております。
FY2023|2,483 文字
6【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、「最高の品質こそ 最大のサービス」の社是のもと、筆記具及びその周辺商品等における新製品の開発と品質向上、安全性の確保、環境問題への対応を目的としております。また筆記具以外の分野にもこれらの成果を広く応用展開することも積極的に進めております。 なお、当連結会計年度における研究開発費は3,678百万円でした。このうち3,603百万円は筆記具及び筆記具周辺商品事業に係るものであります。以下は筆記具及び筆記具周辺商品の主な研究開発活動及び成果であります。 (1)筆記具事業①「芯が回ってトガり続けるシャープ」の『クルトガ』シリーズより、エンジン改良&グリップ搭載でより筆記に集中できる「クルトガ 新スタンダードモデル」を新発売しました。「クルトガ 新スタンダードモデル」は、学生の日々の勉強をサポートできるよう、2008年に発売された初代スタンダードモデルからさらに進化した新モデルです。クルトガは筆記動作を回転方向に変換することで芯を回転させる機構を搭載しています。その効果により、芯が均一に摩耗してトガり続けるため、ずっと細い文字を書き続けられ、ノートもスッキリします。本製品は、筆記動作を回転方向に変換させることによるペン先のブレを軽減できるように「クルトガエンジン」を改良し進化させました。筆記時にブレを感じにくいため、より書きやすく、「もっと集中」を実現しました。また、初代スタンダードモデルには無かった長時間筆記に適したグリップを新たに搭載しています。ペン先側に広がっている形状にすることで、指に馴染み、握りやすい最適設計を目指しました。デザインも一新し、シンプルなワントーンデザインが学びに寄り添い、勉強に集中できる1本に仕上げました。 ②シャープ替芯「ユニ」から段ボール素材パッケージ(業界初)を新発売しました。シャープ替芯「ユニ」は、こすれにくくノートや手を汚さない密着芯と、シンプルで使いやすいケースデザインが特長のシャープ替芯で、2021年の発売以降学生を中心にご好評いただいております。シャープ替芯は使い捨てのプラスチック製ケースが現在の主流です。メインユーザーである学生から「まだきれいなケースを捨てるのがもったいない」「0.3mm芯は減りやすいからすぐに空ケースがたまる」「環境にもっと配慮した使い方はないか」などの声が聞かれるようになりました。社会情勢としてもサステナブルなものづくり、消費行動への関心が高まっています。既存ケースの利便性を活かしながら、シャープ替芯における新しいサステナビリティの形を模索するなかで、洗剤等で普及している詰替方式を参考に当商品を開発しました。段ボール素材のサステナブルな詰替用パッケージは、厚さ4mmのスリムな段ボール板材にシャープ芯を収容し、段ボール素材のナチュラルな風合いを生かしたデザインに仕上げています。芯を封緘するシールも紙素材のため、ご使用後は資源ごみ(古紙・段ボール)としてお出しいただくことで回収・再利用されます。詰替方式だけでなく、パッケージ素材も環境に配慮した商品です。この取組は、レンゴー株式会社との共同開発により実現しました。段ボールはリサイクルの仕組みが確立されており、古紙利用率が90%以上と極めて高く“リサイクルの優等生”と呼ばれています。ライフサイクル全体でのCO2排出量も少なく環境負荷の低い優れた包装資材です。当商品では、段ボール板材の断面の穴に直接シャープ芯を収容し、詰替用パッケージとして活用するアイデアを具現化しました。 ③新開発の特殊な芯で、小学校の新しい学習方法(タブレット授業)に対応した、濃く書けてタブレット授業でも見やすい「ユニ タブレット授業えんぴつ」を発売しました。小学校の新しい学習方法である、タブレット授業は、ノートに書いた文字をタブレットで撮影し、スクリーンや電子黒板へ投影して授業を行います。タブレット授業は増加しており、子供たちの学習をサポートできる鉛筆を開発しました。「ユニ タブレット授業えんぴつ」の新開発の芯は、同じ2Bの硬度でも従来品より濃くはっきりとした文字をノートに書くことができます。描線は濃くはっきりとしていますが、消しゴムでの消え方は従来鉛筆と同等です。さらに、黒鉛筆芯特有の反射を抑え、明るい照明の下でも視認性が高いことが特徴です。濃くはっきりとした文字は撮影した際に撮影者の影に影響されずしっかりと視認することができます。また反射の少ない文字は、ノートの端の文字まで反射せずにしっかりと写すことができるためタブレットによるカメラ撮影に慣れていないお子様でも簡単に視認性の高い画像を撮影することができます。タブレットを用いた授業内でスピーディーに意見の交換が可能になり、これによって自分の意見や考えがしっかりと他者へ共有できるようになります。 (2)筆記具周辺商品事業①化粧品事業筆記具のインク流出機構設計を応用し、お客様の使い勝手の良い化粧品アイテムの開発を行っております。リキッドアイライナー、固形アイライナー、毛染めは、筆記具で培った超微粒子顔料分散技術、インク配合技術、鉛筆製造技術や容器設計技術を応用することにより、国内・海外の化粧品業界から高い評価を受けております。 ②産業資材事業筆記具の開発を通してこれまで培ってきた「分散」、「焼成(カーボン)」、「微細加工」、「容器設計」など当社独自のコア技術を活用し将来成長領域での新規事業開発に取り組んでおります。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やカーボンナノチューブ(CNT)など機能性材料の分散液や重合性ナノ粒子、音響整合層や電極材料などのカーボン製品及び定量吐出など精密機構を備えた特殊容器などを開発、エレクトロニクス、ウェルネス、モビリティなど様々な分野へ幅広く提案しています。特に最近では電池材料向けのニーズが高まっており、当社技術の筆記具以外の分野への横展開・新規事業開拓を積極的に進めています。
FY2022|2,663 文字
5【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、「最高の品質こそ 最大のサービス」という社是のもと、筆記具及びその周辺商品等における新製品の開発と品質向上、安全性の確保、環境問題への対応を目的としております。また筆記具以外の分野にもこれらの成果を広く応用展開することも積極的に進めております。 なお、当連結会計年度における研究開発費は3,344百万円でした。このうち3,260百万円は筆記具及び筆記具周辺商品事業に係るものであります。以下は筆記具及び筆記具周辺商品の主な研究開発活動及び成果であります。 (1)筆記具事業①「芯が回ってトガり続けるシャープ」の『クルトガ』シリーズより、シャープペンとして実用的な機能を多く盛り込んだ『KURUTOGA DIVE(クルトガ ダイブ)』を発売しました。『KURUTOGA DIVE』は、“「書く」にのめり込む”をテーマにして新開発されたシャープペンで、筆記前も筆記中もノック不要の繰り出し量調整機能付き自動芯繰出シャープです。シャープペンでありながらキャップ式を採用しております。このキャップは、外す所作と同時に自動で芯が繰り出される機構が内蔵されており、キャップを外した後、ノック不要ですぐに書き始めることができます。また、芯の繰り出し量は筆圧や芯の硬度に合わせて調整が可能な高機能シャープペンです。クルトガエンジンを搭載し、書くたびに芯が少しずつ回転することで、「いつも尖った状態をキープ。」。精密にくっきりと、滑らかな書き心地が持続します。芯がオートマチックに繰り出され、更にパイプを引きずらないので筆感を損なうことはありません。気持ちが乗るままにいつまでも書き続けることが可能です。「文字を書く」動作から得られるエネルギーを特殊なパーツに伝えることで、芯を回転させ、さらに自動で芯を繰り出します。回転による一定の書き味と、ノック不要な自動芯繰出で、「書く」にのめり込む体験を実現しました。芯の摩耗量は使う人やシーンによって様々です。筆圧の強弱や、好みの書き心地に合わせて芯の自動繰り出し量を5段階で調整できます。初回発売は数量限定品として発売しておりましたが、多くのご要望をいただき継続品として新軸色3種を発売することが決定いたしました。 ②「クセになる、なめらかな書き味。」の油性ボールペン「ジェットストリーム」シリーズから、日本国内で回収された海洋プラスチックごみと使い捨てコンタクトレンズの空ケースからリサイクルした“ポストコンシューマー※プラスチック”をボールペン軸に採用した『ジェットストリーム 海洋プラスチック』単色タイプを、環境に配慮したノベルティ専用商品として発売しました。(※ポストコンシューマーとは、製品として使用された後に、廃棄された材料または製品をいいます。)持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて企業の環境問題への配慮や対応が求められるなか、当社は、社会全体および環境問題への取り組みとして、サステナブルな筆記具開発を目指し、バージンプラスチックの使用を削減した商品開発に取り組んでいます。本商品は、店頭および、学校・企業・自治体といったさまざまな団体にて回収を行った使い捨てコンタクトレンズの空ケースを使用し、ポストコンシューマープラスチックを軸材にする開発を行いました。文具業界で初めてエコマーク商品類型No.164「海洋プラスチックごみを再生利用した製品」の認定を取得した、環境に配慮したボールペンです。当社独自配合技術を採用し、再生材比率ほぼ100%でできた軸材で環境に配慮したボールペンです。商品本体の軸材の構成は、海洋プラスチックごみを使用した再生樹脂とコンタクトレンズの空ケースを使用した再生樹脂の、ほぼ100%のポストコンシューマー材を採用しております。通常のボールペン軸は、強度やデザイン面含めた機能を最大限に発揮するために、数種類の部材を組み合わせていますが、今回発売したボールペン軸は、ポストコンシューマープラスチックと当社独自配合技術を採用することで当社既存の商品と同等の品質を保持したボールペン軸を実現しました。循環や再生の象徴である「メビウスの輪」を取り入れたオーソドックスでミニマルな軸デザインは、マットな風合いとともに、日常生活にもなじみます。穏やかな海をイメージしたライトブルーのワントーンカラーを採用することで、海洋プラスチックごみを使用し、環境に配慮したことをイメージしやすいデザインとなっています。 ③「クセになる、なめらかな書き味。」で世界販売本数が年間1億本以上の「ジェットストリーム」から、インク量を10%増量し、紙製パッケージ入りの仕様にリニューアルされた『ジェットストリーム 多色多機能用リフィル』を発売しました。今回のリニューアルでは、環境面の取り組みとしてリフィルの品質を維持できる紙製のパッケージを採用し、インク量を10%増量させました。1本のリフィルをより長くお使いいただけます。これにより、年間約25トンのプラスチック使用量削減に貢献できる見込みです(当社概算による)。また、リフィルを購入する際、使用済みのリフィルと見比べながら探すユーザーが多いことから、リフィル本体の印字の視認性を改良いたしました。印字はインクの入った状態、インクがない状態のどちらでもハッキリとご確認いただけます。 (2)筆記具周辺商品事業①化粧品事業筆記具のインク流出機構設計を応用し、お客様の使い勝手の良い化粧品アイテムの開発を行っております。リキッドアイライナー、固形アイライナー、毛染めは、筆記具で培った超微粒子顔料分散技術、インク配合技術、鉛筆製造技術や容器設計技術を応用することにより、国内・海外の化粧品業界から高い評価を受けております。 ②産業資材事業筆記具着色剤を通じて開発した「分散技術」や「粒子設計技術」、シャープ芯・鉛筆芯技術を応用した「焼成(カーボン)技術」など当社独自のコア技術を活用し将来成長領域での新規事業開発に取り組んでおります。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やカーボンナノチューブ(CNT)など機能性材料の分散液や重合性ナノ粒子、振動板、整合層、多孔体などのカーボン製品等をエレクトロニクス、ウェルネス、モビリティなど様々な分野へ幅広く提案、特に最近では電池材料向けのニーズが高まっており、当社技術の筆記具以外の分野への横展開・新規事業開拓を積極的に進めています。
FY2021|2,345 文字
5【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、「最高の品質こそ 最大のサービス」の社是のもと、筆記具及びその周辺商品等における新製品の開発と品質向上、安全性の確保、環境問題への対応を目的としております。また筆記具以外の分野にもこれらの成果を広く応用展開することも積極的に進めております。 なお、当連結会計年度における研究開発費は3,237百万円でした。このうち3,155百万円は筆記具及び筆記具周辺商品事業に係るものであります。以下は筆記具及び筆記具周辺商品の主な研究開発活動及び成果であります。 (1)筆記具事業①シャープ替芯の基幹ブランドとしては13年ぶりとなる新商品『uni』を発売しました。 当社従来品の「強い」「濃い」「なめらか」という特長に加え、「汚れにくい」をプラスしました。シャープペンシルユーザーの不満である「書いた後に紙面が汚れる」「マーカーを引くと文字が滲んでしまう」という声を解消するため、開発を進めました。従来のシャープ芯は描線を構成する芯の粉が紙面に強く密着していないため擦過により紙面が汚れてしまいます。この原因を解消するために、当社独自成分の配合と製法を開発しました。新製品『uni』は従来と比べて芯粉が紙面に密着するため、こすれに強く、いつまでもキレイな状態が続きます。学習時のまとめノートなど、何度も見返すノート作りをする際に最適なシャープ替芯の開発に成功しました。 また、ケースは、デザイン性と機能性を兼ね備えた新設計のスライド式ケースとなっています。生活空間になじむオフホワイトを基調としたシンプルなデザインで、あえて中身を見せない不透明でマットな質感。使用時は簡単なスライド操作で開閉し、スムーズな芯の取り出しを実現しました。 ②「クセになる、なめらかな書き味。」のジェットストリームから使用頻度の高い黒インクを使いやすく進化させた3色ボールペン『ジェットストリーム 新3色ボールペン』と、インク量が通常品に比べ約70%増量した黒インク替芯『長持ちリフィル』を発売しました。インク色の中で最もよく使われている黒インクを使いやすくする設計は、黒インクを使用する際のノック棒をペンの後端部分に配置することで、シングルノックのような操作感を実現しています。ユーザーが迷うことなく黒インクを繰り出すことが可能となりました。また、樹脂クリップに金属パーツを埋め込むことでクリップ折れへの耐久性も向上しています。軸自体も長く使い続けられるようになり、環境に配慮した設計となっております。 同時に黒インク約70%増量の『長持ちリフィル』は、リフィルのチューブを薄くすることにより当社通常品(SXR-80)と同じ形状で互換性を保ったまま、通常品比で約70%のインク量アップを実現しました。チューブが薄くなることで懸念される品質も新開発の製法を確立することで解決しました。さらに、プラスチック使用量も通常品に比べ約30%減量、加えてパッケージには、三菱鉛筆として初めて紙製パッケージを採用し、環境へ配慮した商品となっています。 ③世界初、ボールペン用紙製リフィルの開発に成功しました。 日本製紙株式会社、株式会社昭和丸筒の協力を得て、紙で構成されたインク収容管を用いたリフィルの開発に、世界で初めて成功いたしました。 このたび開発した紙製リフィルは、3層の独自の開発紙と最外層のパーチメント紙にて構成したもので、全4層構造となっています。インクは「クセになる、なめらかな書き味。」のジェットストリームインクを搭載し、インク量はジェットストリーム スタンダード(SXN-150系)リフィルの約1.6倍となっており、従来品に比べて長い期間使うことができます。紙製リフィルの開発は、使用するインクの浸透性、ガスバリア性などインクに関わる特性と、紙管の機械的性質である反発力や、巻き強度などに対してテストを重ね、構造について試行錯誤を繰り返しました。その結果、インクが長期間リフィル内にあってもインク漏れ、インク染み出し、巻き形状のほつれなどが発生せず、形状を維持することが可能な構造を実現しました。 紙を使用することにより、従来のリフィルとの比較で、約88%のプラスチック削減を実現しています。 ④新型コロナウイルス感染症の拡大により抗ウイルス材料のニーズが高まる中、FSX株式会社が持つ抗菌・抗ウイルス活性物質「VB」を樹脂化し、生活環境に優しく耐熱性を兼ね備えた、汎用性の高い抗ウイルス素材の開発から多色ボールペンを商品化しました。また、「VB」を配合した鉛筆表面用の塗料開発から、抗ウイルス機能付きタイプの鉛筆『9800VB』を商品化しました。 (2)筆記具周辺商品事業①化粧品事業筆記具のインク流出機構設計を応用し、お客様の使い勝手の良い化粧品アイテムの開発を行っております。リキッドアイライナー、固形アイライナー、毛染めは、筆記具で培った超微粒子顔料分散技術、インク配合技術、鉛筆製造技術や容器設計技術を応用することにより、国内・海外の化粧品業界から高い評価を受けております。 ②産業資材事業筆記具着色剤を通じて開発した独自の「分散技術」・「粒子設計技術」、及びシャープ芯・鉛筆芯技術を応用した「焼成(カーボン)技術」などを活用し将来成長分野での新規事業開発に取り組んでおります。テキスタイルインクジェットインクやポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの機能性材料分散液や重合性ナノ粒子、及び振動板、整合層、摺動材、多孔体などのカーボン製品を幅広く提案、特に最近ではエレクトロニクス、ウェルネス、モビリティなどの分野で当社技術へのニーズが高まっています。
FY2020|2,329 文字
5【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、「最高の品質こそ 最大のサービス」の社是のもと、筆記具及びその周辺商品等における新製品の開発と品質向上、安全性の確保、環境問題への対応を目的としております。また筆記具以外の分野にもこれらの成果を広く応用展開することも積極的に進めております。 なお、当連結会計年度における研究開発費は3,008百万円でした。このうち2,934百万円は筆記具及び筆記具周辺商品事業に係るものであります。以下は筆記具及び筆記具周辺商品の主な研究開発活動及び成果であります。 (1)筆記具事業①ゲルインクボールペンでは『uni-ball one (ユニボール ワン)』を発売しました。ゲルインクボールペンは豊富な色数が特徴で、学生を中心に広く親しまれており、その学生が勉強するペンに求めている「濃く書きたい」というニーズに注目しました。新インクは一般的なゲルインクと異なり、従来の色材を粒子中に閉じ込め、粒子サイズを大きくした独自顔料(ビーズパック顔料)を開発しました。この独自顔料の採用により紙面への浸透を極力抑え、色材本来の色を発色させることで黒さとカラーの鮮やかさを発現させております。また、軸デザインはオーバル形状「オープンワイヤークリップ」を採用して機能性を持たせながら、全体的にはシンプルなストレート形状で落ち着いたペンに仕上げました。 ②油性ボールペンではそのカテゴリにおいて世界初※のボール径0.28mmを実現した「ジェットストリームエッジ」シリーズにおいて、超極細の書きやすさにこだわった、斬新な“エッジ”の効いたデザインの3色モデル『ジェットストリーム エッジ 3』を発売しました。(※2019年8月現在 当社調べ)最大の特徴は新たな操作法・機構・形状を採用することで多色ボールペンながら単色軸のような筆記感の安定を実現したことです。後端のダイヤルを回すことで3色のリフィルが回転し繰り出すことができる“スピロテック機構”により、使いたい色のリフィルを一定の場所から出すことが出来ます。同時に、新しいアシンメトリーな偏芯形状である“ポイントノーズ”形状をペン先に搭載することにより、本体軸に対しリフィルが常に真っすぐペン先に向かって出てくることを可能にしました。デザイン面でも見た目に新しいフォルムに仕上げるとともに、ボール径0.28mmの描線が持つ鋭いイメージをスタイリッシュに表現しました。 ③デジタル分野では三菱鉛筆の高級鉛筆「Hi-uni(ハイユニ)」特有の描画体験をデジタルで再現させるため、株式会社ワコム、株式会社セルシス3社の初コラボレーションにより、鉛筆「Hi-uni」の描画体験をデジタル環境で提供する事を可能とした『Hi-uni DIGITAL for Wacom』をワコムから発売しました。鉛筆「Hi-uni」と同じ木材・同じ生産工程で作られる美しく高級感ある “uni色”が塗装された木軸に、ワコムのデジタルペン技術EMR(電磁誘導)方式のペンカートリッジを搭載、「Wacom One液晶ペンタブレット13」での使用を実現しました。デジタル環境で「Hi-uni」特有の筆記描線を可能にするため3社共同で「Hi-uniブラシ」のデータを開発し、ハイユニ全22硬度(10H~10B)の微妙な濃淡や強弱、鉛筆らしい「かすれ」具合などを、デジタル環境において忠実に再現しました。 ④新型コロナウイルス感染症の拡大により抗ウイルス材料のニーズが高まる中でFSX株式会社との共同研究により共著論文『抗ウイルス性ポリオキソメタレートの生活環境への応用 —抗ウイルス性のおしぼりと文房具』が、MDPI社(スイス バーゼル)の学術誌「Applied Sciences」に採択されました。FSX社が持つ抗菌・抗ウイルス活性物質「VB」を樹脂化し、生活環境に優しく耐熱性を兼ね備えた、汎用性の高い抗ウイルス素材の開発に成功いたしました。今後この樹脂素材を活用した様々な抗ウイルス製品の開発が可能となります。 (2)筆記具周辺商品事業①化粧品事業筆記具のインク流出機構設計を応用し、お客様の使い勝手の良い化粧品アイテムの開発を行っております。リキッドアイライナー、固形アイライナー、毛染めは、筆記具で培った超微粒子顔料分散技術、インク配合技術、鉛筆製造技術や容器設計技術を応用することにより、国内・海外の化粧品業界から高い評価を受けております。 ②焼成(カーボン)事業PFC(Plastic Formed Carbon)は、シャープ芯・鉛筆芯技術の応用により開発したカーボン製品です。カーボンの持つ様々な特性を活かし、軽くて剛性がある特性を活かしたカーボン振動板、様々な音響インピーダンスに特性を調整したカーボン整合層、硬く、摺動性を持たせたカーボン摺動材、気孔率、気孔径を調整することによって作るカーボン多孔体、カーボンの導電性と耐薬品性を活かしたカーボン電極など様々な製品を提案しており、更なる成長に大きな期待がもたれております。 ③分散事業一般的にはボールペンやサインペンの着色剤に染料を使用しておりますが、当社筆記具は顔料の堅牢性・耐候性に着目し、40年近く着色剤の顔料化を進めてまいりました。顔料は染料と比較して、分散が難しく、インク化する際に沈降したり、凝集したりしてしまうため、分散技術を開発する必要があり、技術を磨いて参りました。その中で培った超微粒子分散技術の開発を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)や炭化ケイ素(SiC)の液体分散など筆記具用インク以外の分野へも応用展開しています。
FY2019|2,417 文字
5【研究開発活動】当社グループの研究開発活動は、「最高の品質こそ 最大のサービス」の基本理念のもと、筆記具及びその周辺商品等における新製品の開発と品質向上、安全性の確保、環境問題への対応を目的としております。また筆記具以外の分野にもこれらの成果を広く応用展開することも積極的に進めております。 なお、当連結会計年度における研究開発費は3,162百万円でした。このうち3,109百万円は筆記具及び筆記具周辺商品事業に係るものであります。以下は筆記具及び筆記具周辺商品の主な研究開発活動及び成果であります。 (1) 筆記具事業① 油性ボールペンでは世界最小ボール径0.28mm※『JETSTREAM EDGE(ジェットストリーム エッジ)』を発売しました。(※2019年8月現在 当社調べ)一般的にボールペンは、ボール径が小さくなるほど技術的な開発が難しくなりますが、油性ボールペンの細字ニーズの高まりに後押しされ、「ジェットストリームインク」を使用した、油性ボールペンの限界に挑んだ超極細ボールペン先の企画・開発に至りました。 軸デザインはボール径0.28mmの描線が持つ細く、鋭いイメージをワイヤークリップのワイヤーの細さと、六角軸で生じる放射状の直線によってスタイリッシュに表現しました。また、新開発の『ポイントチップ』は、ペン先にかけてスリムに絞った形状で、細かい筆記作業をする際にもペン先がクリアに見えるようになっています。さらに、グリップ部分には細いライン加工を施し滑りにくく筆記時の安定感を持たせ、細字を書くための専門ツールとして、各パーツの素材とデザイン、使い勝手にこだわりました。 ② 水性サインペンでは「EMOTT(エモット)」を発売しました。近年、SNSなどの普及によって、自らのこだわりや個性を目に見える形で表現する「ビジュアルコミュニケーション」の機会が増えています。それに伴い、誰かに見せること、見られることを重視したデザインが好まれ、持ち物によって自らを表現する傾向があります。 『EMOTT(エモット)』は、商品を持っているだけで「おしゃれ」「センスがいい」「かわいい」といった自らのこだわりが表現できる商品として企画いたしました。 従来のサインペンのペン芯は書いているうちにつぶれてしまい、描線幅が太くなったりかすれたりすることがあります。『EMOTT(エモット)』は、従来のサインペンと異なりペン芯をアウターで覆うことでペン先がつぶれず、耐久性のある折れにくいストレスフリーなペン芯となっています。また、アウターがあることでペン先が守られ、様々な筆記角度での使用ができるだけでなく、描線幅が変わらずに0.4mmの細い線を描き続けることができます。 ③ ゲルインクボールペンでは“スリムなのに、インクたっぷり”消せる3色ボールペン『ユニボール R:E 3 BIZ(ビズ)』を発売しました。 “スリムなのに、インクたっぷり”の消せる3色ボールペン『ユニボール R:E 3(アールイー スリー)』に、ローレット加工の金属製グリップを採用し、高級感があり、よりスリムに見えるスタイリッシュなデザインの『ユニボール R:E 3 BIZ(ビズ)』をラインナップしました。 軸デザインに握りやすいローレット加工を施した金属製のグリップや、高級感があり、しっかり紙やノートに挟める金属製のクリップを採用しました。また、従来品よりも、グリップ部分を絞り、よりスリムに見えるスタイリッシュなデザインです。さらに、丈夫な作りと高級感が見て取れる金属製クリップとなっており、商談や打合せなどのフォーマルなビジネスシーンでの使用にも適しています。 ④ エコ関連のカテゴリーでは石灰石から生まれた「減プラ」ボールペン『uni LIMEX (ユニ ライメックス)』を発売しました。 近年、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて、企業の環境問題への配慮や対応が求められています。また、海洋汚染の主要因としてのマイクロプラスチックの問題など、使い捨てプラスチックを巡る議論が国際的に高まっており、海外では使い捨てプラスチックを規制する動きが強まっています。 株式会社TBMが開発した石灰石を主原料とし、原料に水や木材パルプを使用せず紙の代替や石油由来原料の使用量を抑えてプラスチックの代替として期待されている新素材「LIMEX(ライメックス)」を用いた、油性ボールペン『uni LIMEX』は石油由来プラスチックの削減に繋がり、天然資源の持続可能な利用に貢献いたします。 (2) 筆記具周辺商品事業① 化粧品事業 筆記具のインク流出機構設計を応用し、お客様の使い勝手の良い化粧品アイテムの開発を行っております。リキッドアイライナー、固形アイライナー、毛染めは、筆記具で培った超微粒子顔料分散技術、インク配合技術、鉛筆製造技術や容器設計技術を応用することにより国内・海外の化粧品業界から高い評価を受けております。 ② カーボン事業 シャープ芯の研究から生まれた当社独自のカーボン製造技術であるPFCT(Plastic Formed Carbon Technology)による機能性炭素材は広い分野で高い評価を得ております。 超音波エコー用整合層、高性能スピーカー用振動板などの実績を始め、その他電気製品のパーツとしての展開で、更なる成長に大きな期待がもたれております。2019年12月に開催された『Semicon 2019』に初出展し、カーボン厚板について多くの企業に興味を持っていただきました。 ③ 分散事業 筆記具用インクの顔料分散技術を用いて、色材(無機・有機顔料)だけでなく、機能性材料(PTFE、SiC、鉄粉、等)の微粒子分散液の開発を進めています。2019年1月に開催された『Nanotech 2019』に出展しました。
FY2018|1,784 文字
5【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、「最高の品質こそ 最大のサービス」という社是のもと、筆記具及びその周辺商品等における新製品開発と品質向上、安全性の確保、環境問題への対応を目的としております。また筆記具以外の分野にもこれらの技術を広く応用展開することにも積極的に取り組んでおります。 なお、当連結会計年度における研究開発費は29億86百万円でした。このうち29億42百万円は筆記具及び筆記具周辺商品事業に係るものであります。以下は筆記具及び筆記具周辺商品の主な研究開発活動及び成果であります。(1) 筆記具事業① ゲルインクボールペンでは、「熱消去性インク」を搭載した消せるボールペン『ユニボール R:E(アールイー)』シリーズ初の3色ボールペン『ユニボール R:E 3(アールイー スリー)』を発売しました。 通常、多色ボールペンは複数色のリフィルを搭載するために単色ボールペンと比べてペン本体が太くなりますが、新たに開発した「回転セレクトノック機構」を採用するとともに金属製リフィルを搭載することにより、スリムで握りやすくデザイン性に優れた形状を実現しています。 「回転セレクトノック機構」とは、グリップ部分を回転させて使用したい色を選択した上でノックすることにより、ペン先を繰り出す新しい機構です。従来のように使う色のノックを探さなくても、最も使用頻度の高い色をあらかじめセットしておけば、ノックするだけで使用することができます。 また、金属製リフィルを採用することにより、当社における同サイズの樹脂製リフィルと比較すると約2倍のインクを搭載することができ、軸径12.7mmというスリムなペン軸でも豊富な筆記量を実現することができました。② 油性ボールペンでは、『ジェットストリーム プライム 回転繰り出し式シングル』を発売しました。 回転繰り出し式の単色ボールペンは、高価格帯の筆記具市場の中核をなしており、同タイプでなめらかな書き味の「ジェットストリームインク」を使用したい、とのお客様からのお声を受けて発売いたしました。 デザインは『ジェットストリーム プライム』シリーズの高級感を活かしながら、ペン本体が先端に向かって緩やかに細くなる形状を取り入れ、また回転繰り出し式ならではのエレガントさと優美さを持ち合わせたデザインを追及しました。 また、国際規格に準拠した金属製の新リフィルを搭載しており、金属ならではの質感が高級感をさりげなく演出します。③ シャープペンシルでは、消しゴムできれいに消すことができる『ユニ ナノダイヤ カラー』芯を内蔵し、カラー芯も折れにくい新開発の多色用シャープリフィルを搭載した、3色カラーシャープ『ユニカラー3』を発売しました。 『ユニカラー3』は、多色ボールペンのように1本に3色のカラー芯を入れることができ、ペンを持ち替えることなく複数色のカラー芯をお使い頂くことができ、筆箱の中でもかさばりません。 内蔵されている新開発のカラー芯用リフィルは、一般的な多機能ペン用シャープリフィルと比較して、非筆記時の芯への負担を軽減した構造を用いており、芯が折れにくくなっています。 これらの構造を採用することによって、カラー芯を複数色搭載することができる多色シャープ『ユニカラー3』を実現することができました。(2) 筆記具周辺商品事業① 化粧品部門 筆記具のインク流出機構設計を応用し、お客様の使い勝手の良い化粧品容器、及び、医療向け周辺容器の開発を行っております。アイライナー、ネイル、リップ、染毛料や化粧鉛筆については、筆記具で培った超微粒子顔料分散技術、インク配合技術や鉛筆製造技術を応用することにより国内・海外の化粧品業界から高い評価を受けております。② カーボン事業 シャープ芯の研究から生まれた当社独自のカーボン製造技術であるPFCT(Plastic Formed Carbon Technology)による機能性炭素材は広い分野で高い評価を得ております。 超音波エコー用整合層、高性能スピーカー用振動板などの実績をはじめ、その他電気製品のパーツとしての展開で、更なる成長に大きな期待がもたれております。③ その他 筆記具用インクの顔料分散技術を用いて、その他応用分野への展開も積極的に進めています。
FY2017|2,008 文字
6【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、「最高の品質こそ 最大のサービス」の基本理念のもと、筆記具及びその周辺商品等における新製品の開発と品質向上、安全性の確保、環境問題への対応を目的としております。また筆記具以外の分野にもこれらの成果を広く応用展開することも積極的に進めております。 なお、当連結会計年度における研究開発費は30億32百万円でした。このうち29億98百万円は筆記具及び筆記具周辺商品事業に係るものであります。以下は筆記具及び筆記具周辺商品の主な研究開発活動及び成果であります。(1) 筆記具事業① ゲルインクボールペンでは、ノック式消せるボールペン「uni-ball R:E(ユニボール アールイー)」を発売いたしました。この「熱消去性インク」は、描線を専用の消し具でこすると、摩擦熱によって無色になることが特長です。そのため、鉛筆やシャープペンシルと同様に、ボールペンの描線を何度でも消して書き直すことができます。 従来のノック式ボールペンと同様に、筆記時はボールペン後端をノックしてペン先を出して筆記します。描線を消す際は、軸を逆さにするとノック部の専用消し具が内部機構で固定され、消す際に力をいれても消し具がガタつきません。安定した消去動作が可能となります。商品名の「R:E」とは「REWRITE」「REPEAT」「RETRY」等といった「くり返し」「何度も」「再び」といった意味の総称を表しています。② 油性ボールペンでは、軽いタッチで静電容量式のスマートフォンやタブレットPCをなめらかに操作できる「ジェットストリーム スタイラス」から、単色タイプの「ジェットストリーム スタイラス シングルノック」を発売いたしました。 「ジェットストリーム スタイラス」は、スマートデバイスなどデジタル端末にもアナログな紙面にも“なめらか”に使用できるデジタルツール機能付の筆記具で、当社では筆記具市場の新開拓分野と位置づけ開発を進めております。 この度、新発売する「ジェットストリーム スタイラス シングルノック」はボール径0.7mmのジェットストリームボールペンはもちろんのこと、シルバーコートした特殊繊維を軸後端のタッチペン先に植毛した「Agファイバーチップ」と高い導電性を付与した樹脂を配合した軸によって軽いタッチで反応する8.2mm径スタイラスのタッチペン機能の2役を果たします。③ シャープペンシルでは、「キレイな文字が書けるシャープ」として、長時間書き続けても文字の濃さも太さもずっと同じように書き続けられる新しいシャープ「アドバンス」を発売しました。 「アドバンス」の商品名は「進歩・前進」という意味の英語の「ADVANCE(アドバンス)」から名づけられました。書き続けても文字の濃さも太さも変わらないため、芯が回転しない通常のシャープと比べて格段に綺麗な文字を書くことができます。 従来のシャープは、書き続けているとシャープ芯がだんだん斜めに偏って摩耗する「偏減り」により、書いた文字が太くなる・折れやすい・崩れた芯で紙面が汚れやすいなどの問題があり、シャープを使用する頻度の高い中高生達を中心に、ユーザーは潜在的な不満を抱えていました。当社は、その解決のために、芯自体を回転させる機構を開発し、書くたびに芯が少しずつ回転することによって(1)細く、クッキリ書き続けられる(2)芯先が紙面に引っかかりにくく、安定した筆記状態が続く(3)芯の粉が出ず、紙面を汚さないといった特長がある「クルトガ」を2008年3月に発売しました。「クルトガ」は累計販売数7,000万本を突破し、ご好評頂いております。 この度発売した、「アドバンス」は、シャープに求める機能としてニーズの高い「キレイな文字が書ける」ことに着目して、機能やデザインなどを全体的に進歩させた新しいシャープです。 (2) 筆記具周辺商品事業① 化粧品部門 筆記具のインク流出機構設計を応用し、お客様の使い勝手の良い化粧品容器、及び、医療向け周辺容器の開発を行っております。アイライナー、ネイル、リップ、染毛料や化粧鉛筆については、筆記具で培った超微粒子顔料分散技術、インク配合技術や鉛筆製造技術を応用することにより国内・海外の化粧品業界から高い評価を受けております。② カーボン事業 シャープ芯の研究から生まれた当社独自のカーボン製造技術であるPFCT(Plastic Formed Carbon Technology)による機能性炭素材は広い分野で高い評価を得ております。 超音波エコー用整合層、高性能スピーカー用振動板などの実績をはじめ、その他電気製品のパーツとしての展開で、更なる成長に大きな期待がもたれております。③ その他 筆記具用インクの顔料分散技術を用いて、その他応用分野への展開も積極的に進めています。
FY2016|1,682 文字
6【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、「最高の品質こそ 最大のサービス」の基本理念のもと、筆記具及びその周辺商品等における新製品の開発と品質向上、安全性の確保、環境問題への対応を目的としております。また筆記具以外の分野にもこれらの成果を広く応用展開することも積極的に進めております。 なお、当連結会計年度における研究開発費は32億82百万円でした。このうち32億44百万円は筆記具及び筆記具周辺商品事業に係るものであります。以下は筆記具及び筆記具周辺商品の主な研究開発活動及び成果であります。(1) 筆記具事業① ゲルインクボールペンでは、平成27年3月から北米、同年9月から欧州で先行発売していた「ユニボール シグノ 307」を日本全国で発売いたしました。 インク増粘剤として使用しているセルロースナノファイバーは、近年世界的に注目を集めている“日本発の新素材”であり、平成28年5月26日・27日開催『伊勢志摩サミット』の応援アイテムとして、G7首脳・代表団をはじめとした世界各国のサミット来訪者へ、日本をPRする広報ツールとして活用いただきました。② 油性ボールペンでは、「ジェットストリーム」から、パーソナルユースに特化したシンプルな軸デザインの単色タイプ「ジェットストリーム SXN-159」を数量限定発売いたしました。 「ジェットストリーム」シリーズは、社会人を中心に世界で年間1億本以上販売し、お客様の用途・シーンに合わせ、ボール径や軸機能、デザインバリエーションなど様々なラインナップを160種類以上販売しています。「ジェットストリーム SXN-159」は、パーソナルユースに特化した軸デザインで、低価格帯アイテムでありながら塗装のような光沢のある質感に仕上げています。店頭で従来のノック式単色タイプとセットで展開することで、事務用途からパーソナル用途まで幅広いニーズに対応致しました。③ シャープペンシルでは、シャープ芯にナノダイヤを配合し、なめらかな書き味を実現したシャープ替芯「ユニ ナノダイヤ」シリーズから、消しゴムで驚くほどきれいに消すことができるカラーシャープ替芯「ユニ ナノダイヤ カラー」を発売いたしました。 従来のカラーシャープ替芯は、消しゴムで書いた文字等をきれいに消すことができないことが不満点となっていました。「ユニ ナノダイヤ カラー」は、従来のカラーシャープ替芯の製法を見直したことで、より濃く鮮やかに書けることに加え、消しゴムできれいに消すことができるようになりました。学習ノートなどでシャープを主に使用する学生を中心におすすめの商品です。④ サインペンでは、「プロパス・ウインドウ クイックドライ」新色5色を発売しました。 従来の蛍光ペンの“インクが乾かず紙や手が汚れてしまう”不満点を解決するため、インク乾燥時間を従来品の1/3以下に短縮し、教科書のようなツヤのある紙でも手や紙を汚さずキレイにマーキングできるようになりました。色材粒子は紙にしっかり定着するため、こすれに強いインクとなっています。 (2) 筆記具周辺商品事業① 化粧品部門 筆記具のインク流出機構設計を応用し、お客様の使い勝手の良い化粧品容器、及び、医療向け周辺容器の開発を行っております。アイライナー、ネイル、リップ、染毛料や化粧鉛筆については、筆記具で培った超微粒子顔料分散技術、インク配合技術や鉛筆製造技術を応用することにより国内・海外の化粧品業界から高い評価を受けております。② カーボン事業 シャープ芯の研究から生まれた当社独自のカーボン製造技術であるPFCT(Plastic Formed Carbon Technology)による機能性炭素材は広い分野で高い評価を得ております。 超音波エコー用整合層、高性能スピーカー用振動板などの実績を始め、その他電気製品のパーツとしての展開で、更なる成長に大きな期待がもたれております。③ その他 筆記具用インクの顔料分散技術を用いて、その他応用分野への展開も積極的に進めています。