7970

信越ポリマー(7970)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

化学 素材・化学

事業の概要

信越ポリマーは、親会社である信越化学工業から原材料を調達し、電子デバイス、精密成形品、住環境・生活資材の3つの主要分野で製品の製造・販売を行っています。電子デバイス分野では、入力デバイスやコネクター関連製品を製造。精密成形品分野では、半導体関連容器やOA機器部品、シリコーンゴム成形品などを手掛けています。住環境・生活資材分野では、ラッピングフィルムなどの包装資材や機能性コンパウンドを提供しており、幅広い産業向けに事業を展開しています。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

信越ポリマーの事業セグメントは、主に3つで構成されています。一つ目は「電子デバイス」で、入力デバイスやコネクター関連製品の製造・販売が中心です。二つ目は「精密成形品」で、半導体関連容器やOA機器用部品、シリコーンゴム成形品などを手掛けており、売上と営業利益の両面で最も大きな割合を占める稼ぎ頭です。三つ目は「住環境・生活資材」で、ラッピングフィルムなどの包装資材や機能性コンパウンドを提供しています。これらのセグメントを通じて、国内外の幅広い市場で事業を展開しています。

2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
ElectronicDevices 事業 248 12 4.8%
PrecisionMoldingProducts 事業 560 102 18.3%
HousingAndLivingMaterials 地域 221 14 6.2%
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FY2026|1,084 文字
3 【事業の内容】 当社及び当社の関係会社(親会社及び子会社16社により構成)と関連当事者(親会社の子会社)が営んでいる主な事業内容、及び当該事業における位置付けは、次のとおりであります。 事 業 区 分主 要 製 品会 社 名電子デバイス入力デバイスコンポーネント関連製品 コネクター関連製品製造・販売当社製造Shin-Etsu Polymer(Malaysia)Sdn.Bhd. 蘇州信越聚合有限公司Shin-Etsu Polymer Hungary Kft.Shin-Etsu Polymer India Pvt.Ltd.販売Shin-Etsu Polymer America,Inc.Shin-Etsu Polymer Europe B.V.信越聚合物(上海)有限公司Shin-Etsu Polymer Hong Kong Co.,Ltd.Shin-Etsu Polymer Singapore Pte.Ltd.Shin-Etsu Polymer(Thailand)Ltd.精密成形品半導体関連容器OA機器用部品キャリアテープ関連製品シリコーンゴム成形品製造・販売当社製造Shin-Etsu Polymer(Malaysia)Sdn.Bhd.PT. Shin-Etsu Polymer Indonesia東莞信越聚合物有限公司販売信越ファインテック㈱Shin-Etsu Polymer Europe B.V.Shin-Etsu Polymer Hong Kong Co.,Ltd.Shin-Etsu Polymer Singapore Pte.Ltd.Shin-Etsu Polymer Vietnam Co.,Ltd.Shin-Etsu Polymer Taiwan Co.,Ltd.住環境・生活資材ラッピングフィルム等包装資材関連製品機能性コンパウンド導電性ポリマー 外装材関連製品製造・販売当社Hymix Co.,Ltd.販売Shin-Etsu Polymer(Thailand)Ltd.その他建築・店舗設計・施工設計・施工信越ファインテック㈱その他加工品販売信越ファインテック㈱ (注) 1 上記の事業区分とセグメント情報における事業区分の内容は同一であります。2 当社は親会社である信越化学工業株式会社から、原材料(塩化ビニル樹脂及びシリコーン等)を購入し、当社及び子会社において製造・販売を行っております。3 当社は製品の一部を親会社の子会社である信越半導体株式会社へ販売しております。 以上の状況を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
技術革新とコスト競争が激しい業界であり、競合他社との競争が激化しているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
シリコーンや各種プラスチック、導電性素材をキーマテリアルとした材料・配合、設計、加工プロセス、評価・解析の基盤技術。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:経済動向 / 為替レートの変動 / カントリーリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 12 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

信越化学工業グループの一員としてのブランド力と、長年にわたり培ってきた特殊塩ビコンパウンドや半導体シリコーンウェハー製造技術に関するノウハウが強み。特に半導体関連材料分野での高い技術力は、他社が容易に模倣できない無形資産となり得る。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

半導体製造プロセスで使用されるシリコーンウェハーや、自動車・建材分野向けの特殊塩ビコンパウンドは、顧客の製造ラインや製品仕様に深く組み込まれている。仕様変更には多大なコストと時間がかかるため、顧客は容易にサプライヤーを変更できない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

該当するネットワーク効果は確認できない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

信越化学工業グループとしての調達力や生産効率は一定のコスト優位性をもたらすが、競合他社も同様の効率化を進めているため、圧倒的なコスト優位とは言えない。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

塩ビコンパウンドや半導体シリコーンウェハーといったニッチながらも重要な市場において、世界トップクラスの生産能力と供給実績を持つ。この規模は、新規参入者にとって大きな障壁となる。

信越ポリマーは、親会社である信越化学工業からの安定的な原材料供給(塩化ビニル樹脂、シリコーンなど)を受けており、これがコスト面や供給安定性において優位性をもたらしている可能性があります。また、一部製品は親会社の子会社である信越半導体へ販売されており、グループ内での連携による安定した需要基盤も強みと考えられます。グローバルな生産・販売ネットワークを持ち、多様な国や地域で事業を展開している点も、市場変動リスクの分散や規模の経済に貢献している可能性があります。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針当社グループは、遵法に徹し、公正な企業活動を行い、技術と製品による価値を創造し、社会と産業の発展に貢献することを企業理念としております。グローバルな視野をもって、幅広い分野のお客様との信頼関係を築き、多様なご要望に応え、環境にやさしい、生活を豊かにする製品づくりで社会への貢献を目指しております。そのために、基盤技術の向上により、様々なお客様との接点や対話を増やし、関係を深めていくことに努めております。(2) 目標とする経営指標、中長期的な会社の経営戦略当社グループは、信越グループの総合力、樹脂加工メーカーとしての技術力とグローバルなニーズへの対応力を更に高め、いかなる経済環境にあっても力強く成長を続ける企業集団として、既存事業の競争力を強化し、売上の拡大と利益の向上を図り、また、新事業の創出に会社一丸となって積極的に挑戦しております。資産効率の向上、財務基盤の更なる強化、企業価値の最大化を推し進め、過去最高益更新を目指し、いかなる環境にあっても持続的成長の達成を目指してまいります。2023年に中期経営計画「SEP G&G 2027」を公表し、成長事業への積極投資及び株主還元の強化を進めてまいりましたが、半導体及び自動車の市場環境変化の影響等により、事業収益の拡大時期が当初の想定との差異が生じる結果となりました。このような事業環境を勘案し、改めて中期の業績目標を示すと共に、全てのステークホルダーとのより強固な信頼関係を構築すべく、2025年11月に2030年3月期を最終年度とする中期経営計画「Shin-Etsu Polymer Global & Growth 2029」(略称 SEP G&G 2029)に更新し、公表しました。地政学リスクの高まり、急激な為替変動、原材料価格の高騰など当社グループをとりまく状況はかつてない速さで変化しております。このような変化に迅速かつ柔軟に対応し、中期経営計画に掲げた各戦略を着実に推進させることにより当社グループの企業価値を持続的に向上させてまいります。 <事業戦略>・成長領域における新規用途の獲得と積極的な投資・基盤領域における独自製品の拡販と生産性の向上・海外売上比率の拡大 <財務・非財務戦略>・成長領域における重点的な投資の実行を継続・株主還元を強化し、安定的な高配当を継続・ESGへの取組みを強化 <2030年3月期の業績等方針>・売上   1,500億円・経常利益 200億円 ※・ROE  約10%・配当性向 50%~※ 経常利益と営業利益は同水準を想定 (3) 経営環境及び対処すべき課題●SEP G&G 2029の各戦略の進捗状況と取り組み(事業戦略)足元では、当社グループを取り巻く環境は非常に厳しいですが、成長領域における新規用途の獲得と積極的な投資、基盤領域における独自製品の拡販と生産性の向上、海外売上比率の拡大という戦略は更新前の計画から変わりはありません。成長領域と位置づける半導体関連容器は、生成AIの普及に伴う先端半導体の需要の増加や、海外において汎用半導体の生産が高水準を維持したことなどを背景に堅調に推移しました。今後は、半導体製造後工程用の新規製品の実績化に取り組み、さらなる事業の拡大を目指してまいります。もう一つの成長領域である自動車関連製品では、EVの普及に地域差が見られますが、段階的にパワートレインの転換は進んで来ており、将来的には環境対応車へのシフトが一段と進むものと予想されます。当社は延焼防止クッションに続くEV関連の新製品を粘り強く市場に提案してまいります。また、機能性材料では車載電子部品向け耐熱薄膜フィルムの量産化を図るべく実証・開発を進めております。さらには、高い機能性を追求し、環境対応車やバッテリーを用いた社会インフラ整備の分野においても新規製品を開発することにより、事業の拡大を目指してまいります。基盤領域と位置づける入力デバイス、OAローラ、食品包装用ラッピングフィルム、機能性コンパウンドなどの製品については、他社との差別化を徹底し、市場シェアの拡大を図ることで、さらなる販売力強化に努めてまいります。2025年4月に子会社の株式会社キッチニスタを吸収合併し、ラッピングフィルム等包装資材関連事業の組織運営を一体化しました。カラーラップなど当社独自の製品をさらに伸ばし、業務用小巻ラップシェアのトップポジションをさらに強固にしてまいります。 (財務・非財務戦略)基盤領域の収益向上によって企業収益の土台を構築し、半導体関連容器や延焼防止クッション、耐熱薄膜フィルムなどの成長領域における積極的な設備投資を行います。また、シナジーの見込める領域でのM&Aも積極的に取り組んでまいります。中期的には、ROE約10%を目指し、配当性向50%以上で安定的な配当水準の継続を計画してまいります。なお、2026年3月期の配当水準は、配当性向約50%といたします。当社グループは、企業理念に基づき、安全、公正を最優先とする経営に徹し、社会とともに成長し続ける企業を目指しております。社会からの要請・期待に応えながら、事業を通じて社会課題の解決を目指し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。CO2排出量は、2030年に2013年度比46%の削減を目標としています。排出量の削減に向けたロードマップに従い、2025年度に国内すべての工場で再エネ電力の導入比率を従来の10%から20%に増やしました。省エネ設備への切り替え等も従来の省エネ活動とともに、積極的に実施してまいります。人権尊重については、国内外の当社グループ会社で人権リスク調査を実施して潜在リスクを評価しました。今後もESGの重要課題に取り組み、企業価値の向上に努めてまいります。 なお、中東情勢の緊迫化による原材料等の価格高騰については、適正価格にて取引すべく情報収集に努め、顧客、取引先等と密接にコミュニケーションを図り、適宜対処してまいります。 文中の将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日時点において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針当社グループは、遵法に徹し、公正な企業活動を行い、技術と製品による価値を創造し、社会と産業の発展に貢献することを企業理念としております。グローバルな視野をもって、幅広い分野のお客様との信頼関係を築き、多様なご要望に応え、環境にやさしい、生活を豊かにする製品づくりで社会への貢献を目指しております。そのために、基盤技術の向上により、様々なお客様との接点や対話を増やし、関係を深めていくことに努めております。(2) 目標とする経営指標、中長期的な会社の経営戦略当社グループは、信越グループの総合力、樹脂加工メーカーとしての技術力とグローバルなニーズへの対応力を更に高め、いかなる経済環境にあっても力強く成長を続ける企業集団として、既存事業の競争力を強化し、売上の拡大と利益の向上を図り、また、新事業の創出に会社一丸となって積極的に挑戦しております。資産効率の向上、財務基盤の更なる強化、企業価値の最大化を推し進め、過去最高益更新を目指し、いかなる環境にあっても持続的成長の達成を目指してまいります。2023年に中期経営計画「SEP G&G 2027」を公表し、成長事業への積極投資及び株主還元の強化を進めてまいりましたが、半導体及び自動車の市場環境変化の影響等により、事業収益の拡大時期が当初の想定との差異が生じる結果となりました。このような事業環境を勘案し、改めて中期の業績目標を示すと共に、全てのステークホルダーとのより強固な信頼関係を構築すべく、2025年11月に2030年3月期を最終年度とする中期経営計画「Shin-Etsu Polymer Global & Growth 2029」(略称 SEP G&G 2029)に更新し、公表しました。地政学リスクの高まり、急激な為替変動、原材料価格の高騰など当社グループをとりまく状況はかつてない速さで変化しております。このような変化に迅速かつ柔軟に対応し、中期経営計画に掲げた各戦略を着実に推進させることにより当社グループの企業価値を持続的に向上させてまいります。 <事業戦略>・成長領域における新規用途の獲得と積極的な投資・基盤領域における独自製品の拡販と生産性の向上・海外売上比率の拡大 <財務・非財務戦略>・成長領域における重点的な投資の実行を継続・株主還元を強化し、安定的な高配当を継続・ESGへの取組みを強化 <2030年3月期の業績等方針>・売上   1,500億円・経常利益 200億円 ※・ROE  約10%・配当性向 50%~※ 経常利益と営業利益は同水準を想定 (3) 経営環境及び対処すべき課題●SEP G&G 2029の各戦略の進捗状況と取り組み(事業戦略)足元では、当社グループを取り巻く環境は非常に厳しいですが、成長領域における新規用途の獲得と積極的な投資、基盤領域における独自製品の拡販と生産性の向上、海外売上比率の拡大という戦略は更新前の計画から変わりはありません。成長領域と位置づける半導体関連容器は、生成AIの普及に伴う先端半導体の需要の増加や、海外において汎用半導体の生産が高水準を維持したことなどを背景に堅調に推移しました。今後は、半導体製造後工程用の新規製品の実績化に取り組み、さらなる事業の拡大を目指してまいります。もう一つの成長領域である自動車関連製品では、EVの普及に地域差が見られますが、段階的にパワートレインの転換は進んで来ており、将来的には環境対応車へのシフトが一段と進むものと予想されます。当社は延焼防止クッションに続くEV関連の新製品を粘り強く市場に提案してまいります。また、機能性材料では車載電子部品向け耐熱薄膜フィルムの量産化を図るべく実証・開発を進めております。さらには、高い機能性を追求し、環境対応車やバッテリーを用いた社会インフラ整備の分野においても新規製品を開発することにより、事業の拡大を目指してまいります。基盤領域と位置づける入力デバイス、OAローラ、食品包装用ラッピングフィルム、機能性コンパウンドなどの製品については、他社との差別化を徹底し、市場シェアの拡大を図ることで、さらなる販売力強化に努めてまいります。2025年4月に子会社の株式会社キッチニスタを吸収合併し、ラッピングフィルム等包装資材関連事業の組織運営を一体化しました。カラーラップなど当社独自の製品をさらに伸ばし、業務用小巻ラップシェアのトップポジションをさらに強固にしてまいります。 (財務・非財務戦略)基盤領域の収益向上によって企業収益の土台を構築し、半導体関連容器や延焼防止クッション、耐熱薄膜フィルムなどの成長領域における積極的な設備投資を行います。また、シナジーの見込める領域でのM&Aも積極的に取り組んでまいります。中期的には、ROE約10%を目指し、配当性向50%以上で安定的な配当水準の継続を計画してまいります。なお、2026年3月期の配当水準は、配当性向約50%といたします。当社グループは、企業理念に基づき、安全、公正を最優先とする経営に徹し、社会とともに成長し続ける企業を目指しております。社会からの要請・期待に応えながら、事業を通じて社会課題の解決を目指し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。CO2排出量は、2030年に2013年度比46%の削減を目標としています。排出量の削減に向けたロードマップに従い、2025年度に国内すべての工場で再エネ電力の導入比率を従来の10%から20%に増やしました。省エネ設備への切り替え等も従来の省エネ活動とともに、積極的に実施してまいります。人権尊重については、国内外の当社グループ会社で人権リスク調査を実施して潜在リスクを評価しました。今後もESGの重要課題に取り組み、企業価値の向上に努めてまいります。 なお、中東情勢の緊迫化による原材料等の価格高騰については、適正価格にて取引すべく情報収集に努め、顧客、取引先等と密接にコミュニケーションを図り、適宜対処してまいります。 文中の将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日時点において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 財政状態の状況当連結会計年度末における総資産は、現金及び預金が5,172百万円、仕掛品が395百万円それぞれ増加し、未収入金が1,943百万円、建設仮勘定が871百万円、機械装置及び運搬具(純額)が685百万円、商品及び製品が589百万円、有形固定資産のその他(純額)が447百万円、建物及び構築物(純額)が353百万円それぞれ減少したことなどにより、153,003百万円(前連結会計年度末比15百万円増)となりました。当連結会計年度末における負債は、電子記録債務が2,297百万円、支払手形及び買掛金が2,278百万円、未払法人税等が1,096百万円それぞれ減少したことなどにより、23,450百万円(前連結会計年度末比6,383百万円減)となりました。当連結会計年度末における純資産は、利益剰余金が5,299百万円増加したことに加え、前連結会計年度末と比較して主要な海外連結子会社の記帳通貨において円安となった結果、為替換算調整勘定が1,325百万円増加したことなどにより、129,553百万円(前連結会計年度末比6,398百万円増)となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の80.2%から84.4%となり、1株当たり純資産額は前連結会計年度末の1,525円86銭から1,606円37銭となりました。 (2) 経営成績の状況当連結会計年度における世界経済は、米国の通商政策の影響は残ったもののAI関連需要の拡大が進み、緩やかな持ち直しが続きました。米国では関税による景気の下押し圧力がある中、個人消費や設備投資が底堅く推移しました。欧州では消費財の生産に弱さが見られましたが、物価安定に伴う消費拡大が補い、景気は緩やかに拡大しました。中国ではアセアン等への輸出が増加しましたが、経済対策の効果逓減が続き、内需の伸びは鈍化しました。また、中東の情勢不安により地政学リスクが高まりました。日本経済は、自動車産業を中心に米国の通商政策の影響を受けましたが、内需主導で緩やかに回復しました。当社グループの関連する産業においては、自動車産業では環境対応車の販売が堅調に推移した一方で、EVの販売は減速が続きました。半導体産業ではAIの活用によるデジタル化の進展を背景に、サーバーやデータセンター向け半導体の需要増加が進みました。このような状況のもと、当社グループは基盤領域における拡販・合理化、成長領域における能力増強・新規テーマの探索に注力した事業活動を継続的に展開しました。この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は115,116百万円(前連結会計年度比4.1%増)、営業利益は14,040百万円(前連結会計年度比5.8%増)、経常利益は14,008百万円(前連結会計年度比6.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,899百万円(前連結会計年度比5.0%増)となりました。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。 ① 電子デバイス事業当事業では、ハイブリッド車販売の堅調に伴い、車載入力デバイスは累計では前年同期を下回りましたが、回復基調で推移しました。また、ワイパーや延焼防止クッションなど車載シリコーン成形品の需要が増したことでコンポーネント関連製品は前年同期を大幅に上回りました。自動車産業以外では、液晶接続用や検査用コネクターは振るいませんでしたが、VCF(視野範囲/光路制御フィルム)の需要は安定した水準を維持しました。この結果、当事業の売上高は25,726百万円(前連結会計年度比3.5%増)、セグメント利益(営業利益)は1,713百万円(前連結会計年度比43.9%増)となりました。 ② 精密成形品事業当事業では、半導体関連容器はAI関連など半導体の需要拡大を受け、出荷容器、工程内容器が共に好調に推移しました。OA機器用部品はプリンター用ローラの需要サイクルの影響が続きました。キャリアテープ関連製品は、汎用半導体用途は低調でしたが、AIサーバー向け大型電子部品用途が好調だったことから前年同期並みを維持しました。シリコーンゴム成形品はカテーテルなど医療機器向け部品が伸び前年同期を上回りました。この結果、当事業の売上高は59,773百万円(前連結会計年度比6.7%増)、セグメント利益(営業利益)は10,218百万円(前連結会計年度比0.2%減)となりました。 ③ 住環境・生活資材事業当事業では、外食産業向けラップの中で高付加価値の独自製品であるカラーラップの採用が拡大しました。また、機能性コンパウンドはアセアン市場で需要が持ち直し、電線被覆用途でFA機器向けなどの需要が回復基調で推移したことから前年同期を上回りました。この結果、当事業の売上高は21,513百万円(前連結会計年度比2.6%減)、セグメント利益(営業利益)は1,631百万円(前連結会計年度比19.7%増)となりました。 ④ その他その他の売上高は8,103百万円(前連結会計年度比6.2%増)、セグメント利益(営業利益)は476百万円(前連結会計年度比0.6%増)となりました。  生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。 ① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)電子デバイス24,913101.8精密成形品57,934104.1住環境・生活資材16,512106.8その他4,355107.8合 計103,715104.1 (注) 金額は、販売価格によっております。 ② 受注状況受注生産はその他の一部においてのみ行っております。当連結会計年度における受注状況は、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)その他4,947135.31,365256.8 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)電子デバイス25,726103.5精密成形品59,773106.7住環境・生活資材21,51397.4その他8,103106.2合 計115,116104.1 (注) 総販売実績に対する割合が10%以上に該当する販売先はありません。 (3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報① 現金及び現金同等物当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、47,013百万円(前連結会計年度末比4,277百万円の増加)となりました。なお、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は9,701百万円の増加(前連結会計年度は5,034百万円の増加)となりました。 ② 営業活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度における営業活動による資金の増加額は、14,450百万円(前連結会計年度比1,562百万円の収入減)となりました。これは、税金等調整前当期純利益13,630百万円、減価償却費6,257百万円の計上、未払又は未収消費税等の増減額1,057百万円、棚卸資産の減少790百万円などの増加要因のほか、仕入債務の減少4,617百万円、法人税等の支払い4,149百万円などの減少要因によるものであります。 ③ 投資活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度における投資活動による資金は、有形固定資産の取得による支出4,075百万円、定期預金の増加による支出782百万円などにより、4,749百万円の減少(前連結会計年度比6,229百万円の支出減)となりました。 ④ 財務活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度における財務活動による資金は、配当金の支払い4,584百万円のほか、自己株式の取得による支出945百万円などにより、5,451百万円の減少(前連結会計年度比546百万円の支出増)となりました。 ⑤ 資本の財源及び資金の流動性当社グループは、財務体質の健全性確保と、研究開発投資や生産設備投資及びM&Aなどを行うための資金需要に対応してまいります。当社グループの運転資金及び設備投資資金につきましては、主に内部資金により対応する方針としております。当社の配当政策としましては、株主の皆様への利益還元を重要課題のひとつとして認識し、業績に応じた中期的に安定的な配当を継続してまいります。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の計上額に影響を与える見積り及び仮定の策定について、過去の実績や現状に応じて合理的に判断しておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は見積り特有の不確実性を有しているため、実際の結果とは大きく異なる可能性があります。このうち、当連結会計年度において特に重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り) 」に記載しております。その他、当社グループの連結財務諸表作成のための会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

事業リスク

信越ポリマーは、世界経済の動向や国際社会情勢の急激な変化による需要変動、生産・仕入れ・販売への支障が業績に影響を与える可能性があります。また、海外事業が広範なため、為替レートの変動や各国のカントリーリスクも重要な経営リスクです。主要原材料である石油化学製品の価格高騰や供給不足、競合他社との競争激化も業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、技術革新が激しい電子機器・半導体分野での新製品開発の遅れや、自然災害、製造物責任、感染症の流行、気候変動、人権問題などもリスクとして挙げられます。

出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,043 文字
3 【事業等のリスク】 当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績、財務状態など業績に影響を及ぼす可能性のある主なリスクとしては、以下のようなものが考えられます。なお、記載した事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、業績に影響を与えうる要素は、これらに限定されるものではありません。 (1) 経済動向について当社グループの製品の需要は世界に広がっており、当社グループが製品を販売している国又は地域の経済状態の影響を受けます。また、国際社会情勢の急激な変化により、生産、仕入れ及び販売等に支障が生じ、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。(2) 為替レートの変動について当社グループの海外事業では、アジア、北米、欧州等の地域において事業活動を行っておりますが、各地域における売上げ、費用及び資産等の現地通貨建ての項目は連結財務諸表の作成時に円貨に換算されるため、換算時の為替レートにより評価価値が変動し、結果として当社グループの財政状態及び業績に影響する可能性があります。(3) カントリーリスクについて当社グループの海外拠点では、それぞれの国に多様なリスクが存在し、これらが顕在化した場合には当社グループの事業活動に支障が生じ、当社グループの業績及び将来計画に影響する可能性があります。(4) 原材料価格の高騰・供給不足について当社グループの製品の多くは、その主原料として石油化学製品を使用しておりますが、原油・ナフサなどの市況変動が、原材料価格の高騰に及び、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。また、それら供給業者に不測の事態が発生した場合や材料・部材に品質問題又は供給不足が発生した場合は、当社グループの生産活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。(5) 他社との競合について当社グループの関連市場において、海外における競合他社とのシェア及び価格面での競争が激化しており、今後これらの状況によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(6) 公的規制について当社グループが事業活動を行っている国及び地域では、投資に関する許認可や輸出入に関する規制、公正な競争に関する規制、環境保護に関する規制及びその他商取引、労働、知的財産権、租税、通貨管理等にかかる法令諸規則の適用を受けています。これらの法令諸規則又はその運用にかかる変更は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(7) 新製品開発に関連して当社グループが事業展開する電子機器、半導体関連の事業分野は、技術革新とコスト競争が激しい業界です。提案型・開発型企業として新製品開発や生産技術改革に努めておりますが、業界や市場の変化に的確に対応できなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(8) 知的財産に関連して当社グループは、事業を遂行する上で、製品や製造工程における知的財産権を保有し維持管理しています。また、必要に応じて第三者の知的財産権を使用するために相手方からライセンスを取得します。それらの権利保護・維持又は取得が適切に行われない場合、相手方による模倣や訴訟を受ける可能性があり、その結果、費用負担などにより経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(9) 自然災害について当社グループでは、一部の製品を専門工場において集中生産しております。このため地震、風水害等の自然災害が発生した場合、一部の製品の生産に支障が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(10) 製造物責任について当社グループでは、原材料をはじめとして、製品設計、製造・出荷など各工程において最適な品質管理に努めておりますが、予期せぬ製品不具合などで製造物責任賠償などが発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(11) 感染症の流行について新型コロナウイルス感染症等、大規模な感染症の流行が発生した場合、一時的な操業停止やサプライチェーンの停滞等、生産・販売活動等の事業活動が支障をきたし、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 気候変動について当社グループは、カーボンニュートラル実現に向け、グループ全体の事業活動の中でCO2排出量削減等に取り組んでおりますが、気候変動がより顕在化したり、低炭素社会への移行に適切に対応出来ない場合、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。(13) 人権について当社グループは、全ての人々の人権を尊重することを基本方針として掲げ、人権推進小委員会を設置し、人権デューデリジェンス等の活動をしております。しかしながら、当社グループの事業活動が人権に負の影響を及ぼすリスクを完全には排除できない可能性があり、バリューチェーン上で人権問題が発生した場合、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

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