事業の概要
- オーダーメイドウィッグ製造販売アートネイチャーグループは、お客様の頭部を3D計測し、フィリピンなどの海外子会社でオーダーメイドウィッグを製造しています。製造されたウィッグは、国内の282店舗を通じてお客様に提供され、これが主な収益源となっています。
- 既製品ウィッグの展開女性向けの既製品ウィッグは、海外子会社や外部委託先で製造され、「ジュリア・オージェ」や「NAO-ART」といった別形態の店舗で販売されています。これにより、幅広い顧客層へのアプローチと収益の多様化を図っています。
- 新規事業への参入ウィッグ事業だけでなく、比較的安価なウィッグを提供する「NAO-ART」の子会社化や、医薬品販売事業として育毛剤「LABOMO ヘアグロウ ミノキシ5」の発売、医療関連サポート事業のアートメディカル社設立など、新たな領域への進出を進め、事業ポートフォリオの拡大を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 男性向け事業このセグメントは、主に男性向けのオーダーメイドウィッグの製造・販売を担っています。231.67億円の売上を上げており、アートネイチャーグループの主要な収益源の一つとなっています。国内の店舗網を通じて、顧客のニーズに応じた製品を提供しています。
- 女性向け事業女性向けのオーダーメイドウィッグの製造・販売を行うセグメントです。売上は125.7億円で、男性向け事業に次ぐ規模を誇ります。こちらも国内の店舗で、個々の顧客に合わせた高品質なウィッグを提供し、女性顧客の多様な要望に応えています。
- 女性向け既製品ウィッグ事業このセグメントは、女性向けの既製品ウィッグを扱っており、売上は60.76億円です。主に「ジュリア・オージェ」や「NAO-ART」といった専門店舗を通じて販売されています。オーダーメイドとは異なる手軽さや価格帯で、より幅広い女性顧客層にアプローチしています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| MenSBusiness | 地域 | 232 | − | − |
| LadySBusinessReportableSegment | 地域 | 126 | − | − |
| LadiesReadyMadeWigBusinessReportableSegment | 地域 | 61 | − | − |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループは、当社および連結子会社12社(2025年3月31日現在)で構成され、オーダーメイドウィッグの製造・販売を主たる業務としております。当社の主力製品であるオーダーメイドウィッグは、当社の店舗でお客様の頭部の形状を3D型取りシステムにて計測した後、当社グループの製造子会社2社(ANフィリピン社、ANMP社)に製造を委託しております。ウィッグを製造するための主要原材料である人毛および人工毛髪は、当社で一括購入し、子会社2社に対して無償支給しております。完成したオーダーメイドウィッグは当社が子会社より購入し、国内282ヶ所(2025年3月31日現在)の店舗を通じてお客様に納品しております。なお、生産分散拠点として、バングラデシュに製造子会社1社(ANBD社)を設立し、2026年3月期の新工場稼働に向け準備しております。女性向け既製品ウィッグは、当社グループの製造子会社であるANフィリピン社ならびにANMP社および、アジア諸国に所在する当社グループ外の製造委託先にて製造を行い、国内の別形態店舗(ジュリア・オージェ)90店(2025年3月31日現在)、NAO-ART社37店(2025年3月31日現在)にて販売しております。 その他、国内子会社では、当社で取り扱う商品の購入等の便宜をはかることを目的として前払式特定取引業を営むAN友の会社、当社芸能ウィッグ事業の拡大を目的としたアート三川屋社を、海外子会社では、シンガポールにおける事業展開を目的としたANSG社や、マレーシアにおける事業展開を目的としたANMY社、タイにおける事業展開を目的としたANTH社を展開しております。また、2019年に比較的安い価格帯のウィッグ事業への参入を目的としてNAO-ART社を子会社化、医薬品販売事業への参入を目的として「LABOMO ヘアグロウ ミノキシ5」を発売しております。2020年に医療関連サポート事業への参入を目的としてアートメディカル社を設立する等、新領域の事業への取り組みを進めております。 当社の事業ポートフォリオの推移は次表の通りです。 [当社の事業ポートフォリオの推移](2025年3月31日現在) 以上に記載しました事業の系統図は、次の通りです。 [事業系統図](2025年3月31日現在)
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 製販一体のビジネスモデルで顧客ニーズを汲み取り、新製品を市場投入しているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 オーダーメイドウィッグの製造技術、ウィッグのベース及び毛髪素材の開発、植毛方法の改良。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:自然災害リスク / 金融リスク(為替変動) / 市場リスク(競合激化、消費者ニーズ変化)
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
アートネイチャーは「アートネイチャー」ブランドによる高い認知度と、長年の増毛・かつら製造・販売で培われたノウハウ・技術力を持つ。特に、オーダーメイドかつらの分野では、顧客の個々のニーズに応えるカスタマイズ技術が強みであり、これが無形資産として機能している。
スイッチングコスト★★★☆☆
一度オーダーメイドかつらを作成・使用すると、その形状やフィット感、自身の髪との馴染み具合に慣れるため、他社製品への乗り換えには心理的・物理的なハードルが生じる。特に長年利用している顧客にとっては、再度の採寸や調整の手間、仕上がりの違いへの懸念からスイッチングコストが発生する。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
同社のビジネスモデルは、個々の顧客との直接的な関係性が中心であり、ユーザーが増えることでサービス価値が向上するようなネットワーク効果は期待できない。
コスト優位★☆☆☆☆
オーダーメイドかつらの製造には熟練した職人の技術や手間が必要であり、大量生産によるコスト削減効果は限定的。一部、既製品やメンテナンスサービスでの効率化の可能性はあるが、構造的なコスト優位性は低い。
規模の経済★★☆☆☆
国内のかつら・増毛市場において一定のシェアを持つが、市場全体が成熟しており、圧倒的な規模の経済による優位性を確立しているとは言えない。競合他社も存在し、寡占状態は限定的。
- オーダーメイドの技術力お客様の頭部を3D型取りシステムで精密に計測し、個々の顧客に合わせたオーダーメイドウィッグを製造する技術力は、他社との差別化要因となっています。これにより、顧客満足度を高め、高い品質とフィット感を提供しています。
- グローバルな生産体制フィリピンに製造子会社を、バングラデシュに新工場を設立するなど、海外に複数の生産拠点を分散させています。これにより、生産コストの最適化や、特定の地域での災害・政治リスク発生時にも生産を継続できる体制を構築し、安定供給を可能にしています。
- 多様な販売チャネル国内に282ヶ所のオーダーメイドウィッグ店舗に加え、女性向け既製品ウィッグの「ジュリア・オージェ」90店、「NAO-ART」37店を展開しています。これにより、異なる顧客ニーズに対応し、幅広い層に製品を届けることで、市場シェアの維持・拡大を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針当社グループは、次のような経営理念の下、その実現に向けた経営を目指しています。 [経営理念]当社グループは、髪に関する悩みを抱える全てのお客様に対して、総合毛髪企業としてそのお客様に最も適した最高の品質と最良のサービスを提供することによって、その悩みの解決に努めるとともに、「お客様に満足頂ける毛髪文化を創造する」ことを経営理念としております。 [経営戦略]当社グループは、この経営理念の実現に向けて、製品開発力の強化、生産体制の整備、カウンセリング・接客・技術等の営業面でのサービス体制の充実を図るとともに、コンプライアンス体制のさらなる強化、企業情報の積極的開示を行っていくことで、株主や投資家を始めとしたステークホルダーから信頼され、支持される経営を目指します。 (2) 目標とする経営指標当社グループは、売上の拡大と効率的な経営を推進して、総合毛髪事業の拡大と収益力や資本効率の向上を目指しております。そのため、売上高、売上高経常利益率、ROE(自己資本利益率)の3つを目標とする経営指標としております。売上高につきましては、営業基盤を継続的に拡大させることで着実に引き上げてまいります。売上高経常利益率につきましても、収益構造を見直し、効率的かつ効果的な収益体制を実現することで着実に引上げてまいります。さらには、ROEにつきましても、自社の資本コストを的確に把握した上で、株主の皆さまからお預かりした資本を効率的に活用して企業価値を向上させ高めてまいります。なお、目標とする経営指標の設定事由や2026年3月期の見通しは次の通りです。 [経営指標の設定事由]目標とする経営指標設定した事由売上高最も分かり易い指標であり、かつ当社グループは限界利益率が高く売上高の増加が利益の増加に直結するため設定売上高経常利益率経費節減の結果や財務活動を含めた収益力が確認できるため設定ROE(自己資本利益率)コーポレートガバナンス・コードや議決権行使助言会社の動向を踏まえ設定 [2026年3月期の見通し]次期の業績見通しとして、連結売上高47,623百万円(当連結会計年度比9.9%増)、営業利益2,778百万円(同27.4%増)、経常利益2,844百万円(同26.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,464百万円(同78.2%増)を見込んでおります。<目標とする経営指標に係る過年度推移グラフ> (3) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略今後の経済見通しにつきましては、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費が持ち直したことやインバウンド需要の拡大などを背景に、景気は緩やかな回復基調で推移したものの、為替相場の変動や原材料価格の高騰、物価上昇による消費マインドの減退懸念など、依然として先行き不透明な状況が続いております。 当社の属する毛髪業界及びその隣接業界を含めた新規参入企業や同業他社との競合激化などにより、当社を取り巻く事業環境は引き続き厳しいものと考えております。 <国内毛髪業市場の動向>(単位:億円) 注.事業者売上高ベース(出所)(株)矢野経済研究所「ヘアケアマーケティング総鑑」 <国内毛髪業市場におけるシェア> <男性市場> <女性市場> 注.事業者売上高ベース(出所)(株)矢野経済研究所「ヘアケアマーケティング総鑑」 国内毛髪業市場において、男性市場でトップシェア、女性市場で第2位となっております。 2008年秋のリーマンショック以降の消費の低迷に加え、隣接市場との競争激化によって低迷しておりましたが、各社の女性用ウィッグ強化策や男性顧客へのリピート販売が実を結び2012年度以降拡大に転じてまいりました。しかし、2016年度以降は新規参入企業や中小事業者の低価格品が市場に多く出回った影響から市場は一転して減少傾向となり、直近年度も、コロナ禍の影響を強く受けた2020年度対比では増加したものの、コロナ禍前の市場規模には戻っていません。 [アートネイチャーAdvanceプランの概要]2023年度を初年度とする中期経営計画では、「毛髪業界におけるトップブランドの位置付けを確固たるものにすると共に、「美と健康」に係る新領域の事業に事業領域を拡大する」という目標に向かって「前に進む」ことから、「アートネイチャーAdvanceプラン」としています。将来への見通しが不確実な昨今においても、当社グループの強みを活かし、中期経営計画でさまざまな課題に挑戦していくことで、業績や毛髪業界シェアを伸長させると共に、新領域の事業を獲得し拡充することで、「次代を切り拓くアートネイチャー」を飛躍させてまいります。 アートネイチャーAdvanceプランで目標とする経営指標は次の通りです。経営指標2025年3月期(実績)2026年3月期(目標)事業毎の方針売上高43,340百万円47,623百万円・男性向け事業では、生涯お付き合いいただける、「真のアートネイチャーファン(コアファン)」の拡大を目指します。・女性向け事業では、女性向け既製品事業を含めたオールアートネイチャーでレディースシェアNo.1を目指します。・女性向け既製品事業では、ブランディングと人財育成の強化で、お客様のリピート販売の増強を目指します。・通販事業では、選択と集中による売上拡大と、将来の成長に向けた基盤強化を目指します。売上高経常利益率5.2%6.0%・上述により業績を伸長させると共に、付加価値の高い業務への集中によって、生産性や効率性を更に高めてまいります。ROE3.1%5.5% なお、当社では事業ポートフォリオに関する基本方針等を策定し、経営資源の配分、事業毎の方針を次のように 決定しております。 [事業ポートフォリオに関する基本方針] 事業ポートフォリオに関する基本方針は「経営資源を効率的に活用して、事業を成長させる」としております。 各事業は「効率性」と「成長性」の観点から、「注力」「育成」「基盤」「改善」の4象限に分類し、分類された 領域の基本的な配分方針を踏まえ、経営資源を配分しております。なお、基本的な経営資源の配分方針は次の通り となっております。 [事業ポートフォリオの位置付けと基本的な経営資源の配分方針] 事業ポートフォリオの位置付けと基本的な経営資源の配分方針は次表の通りです。 位置付け配分方針基盤領域安定的な事業価値向上に貢献収益源として事業を長期に維持するために配分する注力領域更なる収益拡大を見込む収益の拡大を加速するために配分する育成領域3年以内の注力領域転換を期待効率の向上を加速するために配分する改善領域早期に抜本的な収益構造の改善が必要な領域左述に従い配分する [事業ポートフォリオに関する見直し] 事業ポートフォリオに係る方針等(基本方針の変更、経営資源の配分、戦略の実行、見直し等)は、取締役会に おいて、中期経営計画の策定、年度の事業計画及び予算案の策定の中で審議しております。また、事業ポートフォ リオに係る開示等は、取締役会において、中期経営計画並びに事業計画及び予算案と共に審議しております。 [事業ポートフォリオの区分] 事業ポートフォリオの区分は次表の通りです。縦軸の成長性は「事業別売上高成長率」、横軸の効率性は「事業 別投下資本利益率(ROIC)」とし、縦軸の区分は「毛髪業3か年平均市場成長率」、横軸の区分は「想定加重平均 資本コスト(WACC)直近3か年平均」としております。 [事業ポートフォリオ 前中期経営計画(2020-2022)と本中期経営計画(2023-2025)の対比] 青:男性向け事業、オレンジ:女性向け事業、紫:女性向け既製品事業 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題とその対応策当社グループの属する国内毛髪関連市場は、高齢化社会の進展、定年延長、女性労働の活性化、アンチエイジング志向の高まりなどにより需要の拡大が見込める一方で、毛髪業界のみならず、隣接業界との競合関係も厳しさを増していくものと推察されます。こうした環境下において、安定的な成長と企業価値の向上を目指すべく以下の課題に重点的に取り組んでまいります。 [お客様の数を増やす]業績伸長においては、国内外の市場でお客様の数を増やすことが最も重要なことです。当社はお客様のニーズに応えた最高の品質の製品と最良のサービスを開発し、定期的に市場投入すると同時に、お客様に対してより効果的な反響が得られるような広告宣伝を工夫し、需要の掘り起こしを図ってまいります。オーダーメイドウィッグ事業(メンズ及びレディース部門)では、お客様満足の向上に注力し「アートネイチャーの真のファン」の数を増やすと共に、お客様の定着化に向けた施策を実践することで安定的な成長を目指します。女性向け既製品ウィッグ事業では、オーダーメイドウィッグ事業との連携を強化し、女性向け営業体制を一本化することで、業績の拡大を目指します。通信販売事業では、新商品の投入により商品ラインアップを増やし、商品を拡充すると共に、当社商品を取り扱うECサイトを増やす等、販路を拡大することで、業績拡大を目指します。また、海外市場においては、シンガポール、タイ、マレーシアにおける当社ブランドの浸透と、地域に根差した販売施策によって潜在需要の掘り起こしを行い、業績の拡大に取り組みます。 <オーダーメイドウィッグ事業の流れ>オーダーメイドウィッグ事業では、髪にまつわるさまざまな課題を抱えている方や、ウィッグでおしゃれを楽しみたい方などへ向けて、テレビや新聞、インターネットなどのさまざまな広告媒体を利用して広告宣伝を行い、その結果、当社商品・サービスに関心を持って当社にコンタクトいただいた方を新規のお客様として取り込んでいく「反響営業」と言われる営業活動を行っています。「反響営業」によって当社商品やサービスをご利用いただいたお客様に対して、全国サロンでの充実したアフターサービスや、お客様のニーズに合わせたさまざまな提案を行うことで、お客様と当社の間に信頼関係を築き、リピート受注につなげていきます。 [新領域の事業を開拓し拡充する]次代のアートネイチャーの礎を築くために、既存事業以外の新領域の事業に挑むことが重要です。これまで取り組んできた、比較的安い価格帯のウィッグ事業、医薬品販売事業、医療関連サポート事業を着実に軌道に乗せると共に、国内外のM&Aや新規事業の立ち上げ等により、「美と健康」に係る新領域の事業を開拓し拡充することで、当社グループの更なる成長を図ってまいります。 [高水準の人財を安定的に確保し続ける]業績伸長や新領域の開拓を支えるために、採用を強化して高水準の人財を安定的に確保し続けることが重要です。当社では、採用の募集ルート形態を多様化すると共に、採用間口の拡大も検討しており、安定的な採用体制の構築を進めてまいります。また、社員一人ひとりが活き活きと働いて、最大限のパフォーマンスを発揮できるように様々な施策を講じています。例えば、次世代育成支援対策推進法に基づく子育てサポート企業として「くるみん」の認定を取得するなど、ダイバーシティマネジメントを推進しているのもその一つです。「働き方改革」の中では、長時間労働の撲滅や仕事と家庭の両立を支援する仕組み等のワークライフ・バランスを重視するとともに、健康経営を積極的に推進しております。今後も様々な施策を実践していくことで、従業員との一体感を醸成し、より働き甲斐のある職場を作っていくことで、従業員の更なる定着化も進めてまいります。 [お客様ニーズへの対応力や本社の企画・経営管理力を向上する]採用の強化と同様に、業績の伸長や新規事業の成功のためには、多岐に亘るお客様ニーズへの対応力と本社における企画力や経営管理力を引き上げることが重要です。当社では、正社員の約8割に当たる1853名(2025年3月31日現在)が理容師または美容師の資格保有者です。これら営業部門の従業員については、「技術力」「接客力」「商品提案力」といった基礎能力を引き上げ、お客様ニーズを満たし、お客様から信頼され共感される人財の育成を目指してまいります。また、営業部門以外の従業員についても、様々な企画立案やグループ会社の経営管理を担える人財を育成するとともに、各分野のエキスパートになるために、教育研修制度の確立と自己研鑽を支援する仕組みを構築してまいります。 <現場人財の育成に向けた取組み>職種別研修スタイリスト技術研修/新任店長研修/各技能スキル勉強会・セミナー ほか階層別研修新卒・中途新人研修/本社CDP/アセスメント研修 ほかその他社内語学研修 ほか <本社人財の育成に向けた取組み>2025年3月期新規事業人財を育成する2026年3月期データアナリストやマーケティング人財を育成する [中長期的な企業価値を維持・拡大させる]当社グループの中長期的な企業価値をより向上させるためには、サステナビリティを推進することが重要です。営業体制ではシステム投資による業務効率化等により、一人当たり売上高等の労働生産性を向上させてまいります。同様に、生産体制では生産拠点分散、原材料備蓄等により、生産安定性を、管理体制ではシステムと各種制度の刷新等により、事務効率性を向上させてまいります。なお、生産拠点分散として、バングラデシュに子会社を設立し、2026年3月期の新工場稼働に向け準備しております。また、その他、コーポレートガバナンス・コードのサステナビリティ項目(「気候変動」、「人権尊重」、「人的資本」の各項目)の推進や、本部各部の主要ポストの後継者育成も実践してまいります。当社グループでは、SDGsに係る様々な取組みを実践しておりますが、新たに「新たな自社店舗体制の構築」に挑むとともに、IR活動等を通じて、市場との対話を強化してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針当社グループは、次のような経営理念の下、その実現に向けた経営を目指しています。 [経営理念]当社グループは、髪に関する悩みを抱える全てのお客様に対して、総合毛髪企業としてそのお客様に最も適した最高の品質と最良のサービスを提供することによって、その悩みの解決に努めるとともに、「お客様に満足頂ける毛髪文化を創造する」ことを経営理念としております。 [経営戦略]当社グループは、この経営理念の実現に向けて、製品開発力の強化、生産体制の整備、カウンセリング・接客・技術等の営業面でのサービス体制の充実を図るとともに、コンプライアンス体制のさらなる強化、企業情報の積極的開示を行っていくことで、株主や投資家を始めとしたステークホルダーから信頼され、支持される経営を目指します。 (2) 目標とする経営指標当社グループは、売上の拡大と効率的な経営を推進して、総合毛髪事業の拡大と収益力や資本効率の向上を目指しております。そのため、売上高、売上高経常利益率、ROE(自己資本利益率)の3つを目標とする経営指標としております。売上高につきましては、営業基盤を継続的に拡大させることで着実に引き上げてまいります。売上高経常利益率につきましても、収益構造を見直し、効率的かつ効果的な収益体制を実現することで着実に引上げてまいります。さらには、ROEにつきましても、自社の資本コストを的確に把握した上で、株主の皆さまからお預かりした資本を効率的に活用して企業価値を向上させ高めてまいります。なお、目標とする経営指標の設定事由や2026年3月期の見通しは次の通りです。 [経営指標の設定事由]目標とする経営指標設定した事由売上高最も分かり易い指標であり、かつ当社グループは限界利益率が高く売上高の増加が利益の増加に直結するため設定売上高経常利益率経費節減の結果や財務活動を含めた収益力が確認できるため設定ROE(自己資本利益率)コーポレートガバナンス・コードや議決権行使助言会社の動向を踏まえ設定 [2026年3月期の見通し]次期の業績見通しとして、連結売上高47,623百万円(当連結会計年度比9.9%増)、営業利益2,778百万円(同27.4%増)、経常利益2,844百万円(同26.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,464百万円(同78.2%増)を見込んでおります。<目標とする経営指標に係る過年度推移グラフ> (3) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略今後の経済見通しにつきましては、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費が持ち直したことやインバウンド需要の拡大などを背景に、景気は緩やかな回復基調で推移したものの、為替相場の変動や原材料価格の高騰、物価上昇による消費マインドの減退懸念など、依然として先行き不透明な状況が続いております。 当社の属する毛髪業界及びその隣接業界を含めた新規参入企業や同業他社との競合激化などにより、当社を取り巻く事業環境は引き続き厳しいものと考えております。 <国内毛髪業市場の動向>(単位:億円) 注.事業者売上高ベース(出所)(株)矢野経済研究所「ヘアケアマーケティング総鑑」 <国内毛髪業市場におけるシェア> <男性市場> <女性市場> 注.事業者売上高ベース(出所)(株)矢野経済研究所「ヘアケアマーケティング総鑑」 国内毛髪業市場において、男性市場でトップシェア、女性市場で第2位となっております。 2008年秋のリーマンショック以降の消費の低迷に加え、隣接市場との競争激化によって低迷しておりましたが、各社の女性用ウィッグ強化策や男性顧客へのリピート販売が実を結び2012年度以降拡大に転じてまいりました。しかし、2016年度以降は新規参入企業や中小事業者の低価格品が市場に多く出回った影響から市場は一転して減少傾向となり、直近年度も、コロナ禍の影響を強く受けた2020年度対比では増加したものの、コロナ禍前の市場規模には戻っていません。 [アートネイチャーAdvanceプランの概要]2023年度を初年度とする中期経営計画では、「毛髪業界におけるトップブランドの位置付けを確固たるものにすると共に、「美と健康」に係る新領域の事業に事業領域を拡大する」という目標に向かって「前に進む」ことから、「アートネイチャーAdvanceプラン」としています。将来への見通しが不確実な昨今においても、当社グループの強みを活かし、中期経営計画でさまざまな課題に挑戦していくことで、業績や毛髪業界シェアを伸長させると共に、新領域の事業を獲得し拡充することで、「次代を切り拓くアートネイチャー」を飛躍させてまいります。 アートネイチャーAdvanceプランで目標とする経営指標は次の通りです。経営指標2025年3月期(実績)2026年3月期(目標)事業毎の方針売上高43,340百万円47,623百万円・男性向け事業では、生涯お付き合いいただける、「真のアートネイチャーファン(コアファン)」の拡大を目指します。・女性向け事業では、女性向け既製品事業を含めたオールアートネイチャーでレディースシェアNo.1を目指します。・女性向け既製品事業では、ブランディングと人財育成の強化で、お客様のリピート販売の増強を目指します。・通販事業では、選択と集中による売上拡大と、将来の成長に向けた基盤強化を目指します。売上高経常利益率5.2%6.0%・上述により業績を伸長させると共に、付加価値の高い業務への集中によって、生産性や効率性を更に高めてまいります。ROE3.1%5.5% なお、当社では事業ポートフォリオに関する基本方針等を策定し、経営資源の配分、事業毎の方針を次のように 決定しております。 [事業ポートフォリオに関する基本方針] 事業ポートフォリオに関する基本方針は「経営資源を効率的に活用して、事業を成長させる」としております。 各事業は「効率性」と「成長性」の観点から、「注力」「育成」「基盤」「改善」の4象限に分類し、分類された 領域の基本的な配分方針を踏まえ、経営資源を配分しております。なお、基本的な経営資源の配分方針は次の通り となっております。 [事業ポートフォリオの位置付けと基本的な経営資源の配分方針] 事業ポートフォリオの位置付けと基本的な経営資源の配分方針は次表の通りです。 位置付け配分方針基盤領域安定的な事業価値向上に貢献収益源として事業を長期に維持するために配分する注力領域更なる収益拡大を見込む収益の拡大を加速するために配分する育成領域3年以内の注力領域転換を期待効率の向上を加速するために配分する改善領域早期に抜本的な収益構造の改善が必要な領域左述に従い配分する [事業ポートフォリオに関する見直し] 事業ポートフォリオに係る方針等(基本方針の変更、経営資源の配分、戦略の実行、見直し等)は、取締役会に おいて、中期経営計画の策定、年度の事業計画及び予算案の策定の中で審議しております。また、事業ポートフォ リオに係る開示等は、取締役会において、中期経営計画並びに事業計画及び予算案と共に審議しております。 [事業ポートフォリオの区分] 事業ポートフォリオの区分は次表の通りです。縦軸の成長性は「事業別売上高成長率」、横軸の効率性は「事業 別投下資本利益率(ROIC)」とし、縦軸の区分は「毛髪業3か年平均市場成長率」、横軸の区分は「想定加重平均 資本コスト(WACC)直近3か年平均」としております。 [事業ポートフォリオ 前中期経営計画(2020-2022)と本中期経営計画(2023-2025)の対比] 青:男性向け事業、オレンジ:女性向け事業、紫:女性向け既製品事業 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題とその対応策当社グループの属する国内毛髪関連市場は、高齢化社会の進展、定年延長、女性労働の活性化、アンチエイジング志向の高まりなどにより需要の拡大が見込める一方で、毛髪業界のみならず、隣接業界との競合関係も厳しさを増していくものと推察されます。こうした環境下において、安定的な成長と企業価値の向上を目指すべく以下の課題に重点的に取り組んでまいります。 [お客様の数を増やす]業績伸長においては、国内外の市場でお客様の数を増やすことが最も重要なことです。当社はお客様のニーズに応えた最高の品質の製品と最良のサービスを開発し、定期的に市場投入すると同時に、お客様に対してより効果的な反響が得られるような広告宣伝を工夫し、需要の掘り起こしを図ってまいります。オーダーメイドウィッグ事業(メンズ及びレディース部門)では、お客様満足の向上に注力し「アートネイチャーの真のファン」の数を増やすと共に、お客様の定着化に向けた施策を実践することで安定的な成長を目指します。女性向け既製品ウィッグ事業では、オーダーメイドウィッグ事業との連携を強化し、女性向け営業体制を一本化することで、業績の拡大を目指します。通信販売事業では、新商品の投入により商品ラインアップを増やし、商品を拡充すると共に、当社商品を取り扱うECサイトを増やす等、販路を拡大することで、業績拡大を目指します。また、海外市場においては、シンガポール、タイ、マレーシアにおける当社ブランドの浸透と、地域に根差した販売施策によって潜在需要の掘り起こしを行い、業績の拡大に取り組みます。 <オーダーメイドウィッグ事業の流れ>オーダーメイドウィッグ事業では、髪にまつわるさまざまな課題を抱えている方や、ウィッグでおしゃれを楽しみたい方などへ向けて、テレビや新聞、インターネットなどのさまざまな広告媒体を利用して広告宣伝を行い、その結果、当社商品・サービスに関心を持って当社にコンタクトいただいた方を新規のお客様として取り込んでいく「反響営業」と言われる営業活動を行っています。「反響営業」によって当社商品やサービスをご利用いただいたお客様に対して、全国サロンでの充実したアフターサービスや、お客様のニーズに合わせたさまざまな提案を行うことで、お客様と当社の間に信頼関係を築き、リピート受注につなげていきます。 [新領域の事業を開拓し拡充する]次代のアートネイチャーの礎を築くために、既存事業以外の新領域の事業に挑むことが重要です。これまで取り組んできた、比較的安い価格帯のウィッグ事業、医薬品販売事業、医療関連サポート事業を着実に軌道に乗せると共に、国内外のM&Aや新規事業の立ち上げ等により、「美と健康」に係る新領域の事業を開拓し拡充することで、当社グループの更なる成長を図ってまいります。 [高水準の人財を安定的に確保し続ける]業績伸長や新領域の開拓を支えるために、採用を強化して高水準の人財を安定的に確保し続けることが重要です。当社では、採用の募集ルート形態を多様化すると共に、採用間口の拡大も検討しており、安定的な採用体制の構築を進めてまいります。また、社員一人ひとりが活き活きと働いて、最大限のパフォーマンスを発揮できるように様々な施策を講じています。例えば、次世代育成支援対策推進法に基づく子育てサポート企業として「くるみん」の認定を取得するなど、ダイバーシティマネジメントを推進しているのもその一つです。「働き方改革」の中では、長時間労働の撲滅や仕事と家庭の両立を支援する仕組み等のワークライフ・バランスを重視するとともに、健康経営を積極的に推進しております。今後も様々な施策を実践していくことで、従業員との一体感を醸成し、より働き甲斐のある職場を作っていくことで、従業員の更なる定着化も進めてまいります。 [お客様ニーズへの対応力や本社の企画・経営管理力を向上する]採用の強化と同様に、業績の伸長や新規事業の成功のためには、多岐に亘るお客様ニーズへの対応力と本社における企画力や経営管理力を引き上げることが重要です。当社では、正社員の約8割に当たる1853名(2025年3月31日現在)が理容師または美容師の資格保有者です。これら営業部門の従業員については、「技術力」「接客力」「商品提案力」といった基礎能力を引き上げ、お客様ニーズを満たし、お客様から信頼され共感される人財の育成を目指してまいります。また、営業部門以外の従業員についても、様々な企画立案やグループ会社の経営管理を担える人財を育成するとともに、各分野のエキスパートになるために、教育研修制度の確立と自己研鑽を支援する仕組みを構築してまいります。 <現場人財の育成に向けた取組み>職種別研修スタイリスト技術研修/新任店長研修/各技能スキル勉強会・セミナー ほか階層別研修新卒・中途新人研修/本社CDP/アセスメント研修 ほかその他社内語学研修 ほか <本社人財の育成に向けた取組み>2025年3月期新規事業人財を育成する2026年3月期データアナリストやマーケティング人財を育成する [中長期的な企業価値を維持・拡大させる]当社グループの中長期的な企業価値をより向上させるためには、サステナビリティを推進することが重要です。営業体制ではシステム投資による業務効率化等により、一人当たり売上高等の労働生産性を向上させてまいります。同様に、生産体制では生産拠点分散、原材料備蓄等により、生産安定性を、管理体制ではシステムと各種制度の刷新等により、事務効率性を向上させてまいります。なお、生産拠点分散として、バングラデシュに子会社を設立し、2026年3月期の新工場稼働に向け準備しております。また、その他、コーポレートガバナンス・コードのサステナビリティ項目(「気候変動」、「人権尊重」、「人的資本」の各項目)の推進や、本部各部の主要ポストの後継者育成も実践してまいります。当社グループでは、SDGsに係る様々な取組みを実践しておりますが、新たに「新たな自社店舗体制の構築」に挑むとともに、IR活動等を通じて、市場との対話を強化してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費が持ち直したことやインバウンド需要の拡大などを背景に、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、為替相場の変動や原材料価格の高騰、物価上昇による消費マインドの減退懸念など、依然として先行き不透明な状況が続いております。このような状況のもと、当社では、中期経営計画「アートネイチャーAdvanceプラン」2年目を迎え、当社グループの強みを活かして、さまざまな課題に挑戦し、業績や毛髪業界シェアを伸長させるとともに、新領域の事業を獲得し拡充することで、「次代を切り拓くアートネイチャー」に飛躍させるべく、事業活動を実施してまいりました。その結果、当連結会計年度の売上高は、43,340百万円(前連結会計年度比1.1%増)となりました。しかしながら、利益面では売上高が前年同期比増加したものの、為替の影響、人件費の増加、物価高の影響等により売上原価、販売費および一般管理費が増加し、営業利益は2,181百万円(同17.8%減)、経常利益は2,249百万円(同17.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は821百万円(同43.8%減)となりました。 <男性向け売上高>男性向け売上高については、新規売上は効果的な広告宣伝の実施、リピート売上についても顧客定着策の推進等を実施した結果、23,167百万円(前連結会計年度比1.5%増)となりました。 <女性向け売上高>女性向け売上高については、リピート売上は来店顧客数の増加等により、前年同期比増加したものの、新規売上が新規顧客獲得の苦戦により前年同期比減少した結果、12,570百万円(同1.7%減)となりました。 <女性向け既製品売上高>女性向け既製品売上高については、効果的な新規出店に加え、出店先商業施設向けの販促活動が奏功したことや新商品の販売好調等により、6,076百万円(同7.4%増)となりました。 (資産)当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比172百万円減少し、49,678百万円となりました。これは、現金及び預金が減少したこと等により流動資産が968百万円減少した一方、その他無形固定資産が増加したこと等により固定資産が796百万円増加したことによるものです。 (負債)当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末比357百万円減少し、22,623百万円となりました。これは、未払金が減少したこと等により流動負債が248百万円減少したことに加えて、退職給付に係る負債が減少したこと等により固定負債が108百万円減少したことによるものです。 (純資産)当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末比184百万円増加し、27,055百万円となりました。これは、主に利益剰余金が減少した一方、退職給付に係る調整累計額が増加したこと等によるものです。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及びそれらの要因は以下のとおりであり、現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は、前連結会計年度末比1,183百万円減少し、18,025百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)税金等調整前当期純利益1,499百万円に加え、減価償却費1,164百万円、減損損失750百万円、退職給付に係る負債の増加182百万円があった一方、法人税等の支払607百万円、棚卸資産の増加61百万円、その他の営業支出651百万円等により2,580百万円の資金収入(前連結会計年度は2,137百万円の資金収入)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)有形固定資産の取得による支出1,768百万円、無形固定資産の取得による支出825百万円、敷金及び保証金の差入による支出110百万円等により2,909百万円の資金支出(前連結会計年度は2,165百万円の資金支出)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)配当金の支払911百万円等により911百万円の資金支出(前連結会計年度は919百万円の資金支出)となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また受注生産形態をとらない製品も多いため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。 A.生産実績当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)の生産実績を示すと、次のとおりであります。 品目当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)枚数(枚)前年同期比(%)オーダーメイドウィッグ64,81497.3 (注) 当社グループは、取り扱う品種が多品種であり、販売価格による表示が困難なため、生産数量にて記載しております。 B.受注実績当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)の受注状況を示すと、次のとおりであります。 品目当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)オーダーメイドウィッグ23,305103.111,866103.5 C.販売実績当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)前年同期比(%)男性向け事業(百万円)23,167101.5女性向け事業(百万円)12,57098.3女性向け既製品事業(百万円)6,076107.4報告セグメント計(百万円)41,814101.3その他(百万円)1,52696.0合計(百万円)43,340101.1 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、連結会計年度末における資産・負債並びに連結会計年度における収益・費用の報告金額及び開示に与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えています。 A.貸倒引当金等の引当金貸倒引当金等の重要な引当金の計上基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)3.会計方針に関する事項(3) 重要な引当金の計上基準」をご参照ください。 B.退職給付に係る負債従業員に対する退職給付に備えるため、当連結会計年度末における退職給付債務の見込額に基づき計上しております。 C.固定資産の減損固定資産の減損については、管理会計上の区分や投資の意思決定を行う際の単位や事業の相互補完性等を考慮して合理的にグルーピングを行い、当該資産グループ単位で減損の兆候を把握しております。減損の兆候がある資産グループについては、その資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には減損を認識し、帳簿価額を回収可能価額まで減額して減損損失を計上しております。 D.繰延税金資産の回収可能性繰延税金資産は将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高く税金負担額を軽減することができると認められる範囲内で計上しております。また、繰延税金資産は毎期見直しており、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除の全部又は一部が将来の税金負担額を軽減する効果を有さなくなったと判断した場合、計上していた繰延税金資産のうち回収可能性がない金額を取り崩しております。 E.資産除去債務資産除去債務の計上基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(資産除去債務関係)」をご参照ください。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容A.経営成績等の分析2024年3月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画の2025年3月期の状況は以下のとおりです。当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。 なお、当連結会計年度の主要な指標の計画比は以下のとおりです。指標2025年3月期(計画)2025年3月期(実績)2025年3月期(計画比)売上高45,001百万円43,340百万円3.7%減営業利益2,911百万円2,181百万円25.1%減経常利益2,949百万円2,249百万円23.7%減親会社株主に帰属する当期純利益1,509百万円821百万円45.8%減ROE(自己資本利益率)5.7%3.1%2.6ポイント減 (注) 2025年3月期(計画)には、2024年5月15日に発表いたしました業績予想を記載しております。なお、業績予想の修正を2025年1月30日に発表しております。 B.キャッシュ・フローの状況の分析a.キャッシュ・フローの概況当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。 なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は下記のとおりであります。 2021年3月期2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期自己資本比率(%)55.852.453.553.353.8時価ベースの自己資本比率(%)50.449.753.150.949.7キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)―――――インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)492.6―――― (注) 各指標の算出は、以下の算式によります。自己資本比率=自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率=時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率=有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ=キャッシュ・フロー/利払い※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。※ 株式時価総額は、期末株価終値に期末発行済株式数(自己株式除く)を乗じて算出しております。※ キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。 b.財務政策当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。なお、当連結会計年度末において、取引銀行3行と5,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております(借入実行残高-百万円、借入未実行残高5,000百万円)。 (3) 経営者の問題認識と今後の方針[経営者の問題意識]当社グループの経営者は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めております。当社グループを取り巻く外部環境は、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費が持ち直したことやインバウンド需要の拡大などを背景に、景気は緩やかな回復基調で推移したものの、為替相場の変動や原材料価格の高騰、物価上昇による消費マインドの減退懸念など、依然として先行き不透明な状況が続いております。このような経営環境の中、将来に亘って持続的な成長を果たすために、新規のお客様の獲得に加え、既存のお客様の定着に向けた諸施策を、全社一丸となって取り組んでいく所存です。 [財務戦略の基本的な考え方]次代を切り拓くアートネイチャーの礎を築くために、既存領域及び新領域の事業にバランスよく配分するとともに、安定的な経営を目指して、成長投資(含む設備投資)、手元資金、株主還元に振り向けることを財務戦略の基本的な考え方としています。 [成長投資]事業基本的な方針オーダーメイドウィッグ事業お客様満足の向上に注力し「アートネイチャーの真のファン」の数を増やすと共に、お客様の定着化に向けた施策を実践することで、安定的な成長を目指してまいります。メンズ部門においては、製品の差別化戦略を推進するべく、ソフト(人)・ハード(設備)両面の体制を整備してまいります。また、レディース部門においては、女性向け事業間の連携を強化し、ハイブリッド店舗の展開を強化してまいります。女性向け既製品事業出店数の拡大と共に、既存顧客に対する販売戦略を強化してまいります。また、オーダーメイドウィッグとの連携を強化することで、更なる業績の拡大を目指してまいります。通信販売事業アートネイチャーブランドの認知拡大に向けた取り組みを強化するとともに、新商品の投入により商品ラインアップや当社商品を取り扱うECサイトを増やす等、販路を拡大することで、業績拡大を目指してまいります。海外事業アフターコロナにおける営業を展開し、シンガポール、タイ、マレーシアにおける当社ブランドの浸透と、地域に根差した販売施策によって潜在需要を掘り起こし、業績の拡大に取り組んでまいります。生産部門関連確立された開発フローに沿って新製品の開発を計画的に進めるとともに、海外生産子会社での一層の生産性向上と、さらなる原価低減に取り組み、生産から販売までの一貫体制の充実を図るべく投資を実践してまいります。また、生産体制では生産拠点分散、原材料備蓄等により、生産安定性を向上させるべく取り組んでまいります。管理部門関連各部門の戦略を実現していくため、お客様のニーズに的確に対応できるカウンセラー、スタイリストや販売スタッフの育成に向けた研修の充実と、マネジメント層の育成など人財教育のために投資を実践してまいります。また、設備については、安定的な設備の更新に努めることを基本方針として投資を実践してまいります。さらに、システムと各種制度の刷新等により、事務効率性を向上させ、コーポレートガバナンス・コードのサステナビリティ項目(「気候変動」、「人権尊重」、「人的資本」の各項目)の推進や、本部各部の主要ポストの後継者育成も実践してまいります。 [資金保有方針]当社では、前受金残高を手元資金で担保するとともに、月商の約2.5ヶ月分とあわせて「岩盤資金」を維持することを基本方針としております。残りの現預金については、「戦略資金」と位置づけ、M&A等の積極的な事業投資に活用いたします。さらに、今後増加予定のフリーキャッシュフローのうち、配当原資を差し引いた金額を、追加の「戦略資金」として位置づけます。 [株主還元]当社では、安定配当の維持に努めることを基本方針としております。また、連結配当性向40%以上を基本に年間配当28円を下限として、連結業績に応じた配当水準の向上(1円単位で増配)を図ります。但し、ROE10%超を達成する迄は、連結配当性向50%以上を基本とすること等を配当方針として定めております。
事業リスク
- 自然災害による事業中断リスク大規模な地震、津波、台風などの自然災害が発生した場合、製造拠点や販売拠点が直接的な損害を受けたり、ITシステムや物流インフラが停止したりする可能性があります。これにより、事業活動が中断し、業績に大きな影響を及ぼす恐れがあります。本社機能の移転やITシステムの切り替えなど、事業継続計画(BCP)を策定し、定期的な訓練で実効性を高めています。
- 感染症蔓延による事業活動停止リスク感染力の高い感染症が長期的に蔓延した場合、原材料の供給停止や工場の生産停止、従業員の行動制限などにより、事業活動が中断または遅延する可能性があります。特に海外の生産拠点での流行は、製品供給の停滞を招き、業績に影響を及ぼす恐れがあります。危機管理対策本部を設置し、感染防止措置や複数拠点での生産カバー体制を整備しています。
- 政治・経済情勢の変動リスク事業展開している国や地域で、法規制の変更、政治・経済の混乱、テロ、戦争などが発生した場合、製造拠点からの輸出入に影響が生じ、事業活動が中断・停滞する可能性があります。特に海外製造拠点のあるフィリピンやアジア地域での不安定化は、生産や供給に支障をきたす恐れがあります。カントリーリスク分散のため、製造拠点の複数国設置や国内移管、バングラデシュへの新工場設立を進めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】当社グループにおける事業等のリスクについて記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針であります。本項においては将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本書提出日現在(2025年6月23日)において判断したものであります。 (1)主要なリスク ① リスクの分類 当社グループの業績等に重大な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは以下の通りです。災害、政治・経済、社会・技術、オペレーション、製品・製造、財務の計6分類に分け、リスクを洗い出しています。 分類記号リスク項目詳細災害A自然災害リスク地震、津波、風水害、気候変動B感染症リスク感染症の長期蔓延政治・経済C政治リスク法規制等の政策転換、政治・経済の混乱、テロ・戦争D金融リスク為替変動、金利変動E市場リスク景気変動、消費者ニーズ・トレンド・志向・購買行動の変化、競合激化社会・技術Fレピュテーションリスク風説・風評G技術革新リスク技術革新HIT・システムリスクサイバー攻撃、システム障害オペレーションI情報漏洩リスク個人情報の漏洩J人的資本リスク採用難、人財確保、少子高齢化Kコンプライアンスリスク法令違反、ハラスメント、人権尊重L知的財産リスク知的財産権の侵害・被侵害製品・製造M製造物責任リスク製品の欠陥、設計不良、品質不良Nサプライチェーンリスク仕入、調達、在庫、生産、販売O生産リスク製造、生産コスト、設備・機械財務P投資リスク事業投資の失敗(新規事業、設備投資、研究開発、システム投資、他社との連携、M&A) ② リスク・マトリックス及び分類基準 リスク・マトリックスは影響度(縦軸)と発生可能性(横軸)を掛け合わせて、リスクを計量します。マトリックス上のリスクについては、「影響度」により重みをつけた優先順位で対応し、ピンク>イエロー>グリーンのエリア順に重要性を評価します。各エリア内での優先順位は枠内の番号で示しています。各リスク項目の配置については、「③ 各リスクのリスクシナリオと対策の状況」をご参照ください。 ※1 影響度(縦軸) 影響度については、当社の見解に基づき、①から③の順に重要度を考え測定します。複数の項目に亘る場合には、該当する項目の中で一番高い重要度を採用します。 影響度 ①事業継続性②経済的損失③信用毀損大大規模な業務の停止年間10億円以上組織に係る不正・法令違反中中規模な業務の停止年間3億円以上10億円未満従業員に係る不祥事小小規模な業務の停止年間3億円未満外部からの誹謗中傷 ※2 発生可能性(横軸) 発生可能性については、当社の見解に基づき、予想され得る発生頻度を考え測定します。発生可能性小中大10年に1回未満10年に1回以上3年に1回以上 ③ 各リスクのリスクシナリオと対策の状況 各リスクのリスクシナリオ及び対策は以下の通りです。なお、将来事項に関する記述につきましては当連結会計年度において当社グループが判断したものです。 <分類:災害> 記号リスク項目影響度発生可能性A自然災害リスク大中リスクシナリオ・大規模な地震や津波の発生、気候変動に伴う大型台風、洪水等の水害など様々な自然災害の発生のリスクが年々高まっており、製造拠点や販売拠点等が直接的な損害を受けたり、またはIT・システムの継続に支障が生じたり、販売・生産・物流インフラの機能が停止する等により、事業活動が中断し、業績に影響を及ぼす可能性があります。・当社グループでは、先ず、本社及び販売拠点が集中している首都圏エリアにおいて、地震をはじめとした大規模災害等が発生した場合には、事業活動が中断することにより、業績に影響を及ぼす可能性、または資産が毀損する可能性があります。 ・第二に、物流拠点が、大規模災害等により、建物が全壊または交通手段が遮断された場合には、当社グループ内外との間の受発注や物流に支障を来す可能性があります。 ・第三に、海外製造拠点のあるフィリピン、海外製造委託先のある中国等アジア地域において、予期せぬ自然災害が発生した場合には、当社グループの設備面での直接的な損害のほか、原材料調達や工場操業の中断や遅延等により、多額の復旧費用が発生する可能性があります。また、自然災害の影響により製品の生産や物流に遅延や停止が発生した場合、業績への影響を及ぼす可能性があります。対策・大規模災害等発生時の対応をマニュアルとして整備した上で、BCP(事業継続計画)を策定しています。具体的には、危機管理対策本部の設置や、本社被災時の本社機能の移転、IT・システムの切替稼働等、様々な想定に基づいた事業継続の為のマネジメントに取り組んでおり、定期的な検証・改善を実施する事でBCPの実効性を高めています。全国各拠点の役職員が適切な行動を取れるよう定期的な訓練や教育を実施しています。 ・物流拠点を横浜、大阪、新潟の三箇所に設置し、商材(備品)の分散保管を実施する等、大規模災害発生時における事業継続の体制を整えております。 ・海外製造拠点では、一定の原材料在庫をストックすることで、予期せぬ自然災害による原材料供給の一時的な寸断に備えております。また、災害時のバックアップとなるよう、世界各国に分散している製造拠点と製造委託先において生産アイテムの共通化に取り組んでおります。 記号リスク項目影響度発生可能性B感染症リスク中小リスクシナリオ・感染力及び罹患した場合の重篤性からみた危険性が高い感染症の蔓延や、感染症に対する厳格な防疫措置政策の実践により、原材料の供給停止や工場の生産停止等、事業活動が中断し、業績への影響を及ぼす可能性があります。 ・当社グループでは、先ず国内では、感染症の長期蔓延により、集団感染や行動制限等が発生した場合、事業活動全体が中断、または遅延する可能性があります。・また海外では、生産拠点の所在地で大規模な感染症が流行した場合、自社工場や委託先工場の生産停止や遅滞等により、顧客への製品供給の停滞や遅滞等で業績への影響を及ぼす可能性があります。 対策・当社グループでは、危機管理対策本部において国内における感染症の蔓延防止対策や発生時の対応について定期的に方針を決定の上、全役職員へ周知しています。また、全国各拠点での感染状況を本社にて一元管理し、人員調整や物資の支援等、必要な対策を講じています。 ・また、海外では、各国政府の法令・指導に基づきながら、感染防止措置を講じておりますが、万一、生産停止や遅延等が発生した場合も複数の他拠点でカバーできる体制を整備しております。 <分類:政治・経済> 記号リスク項目影響度発生可能性C政治リスク中中リスクシナリオ・グローバルで事業活動をおこなう企業にとって、拠点のある国や地域において、法規制等の政策の転換、政治・経済の混乱、テロ、戦争等が発生した場合、企業活動に予期しない影響を及ぼす可能性があります。 ・当社グループでは、フィリピンの製造拠点やアジア地域の製造委託先等の拠点のある国や地域で、政治・経済の混乱、テロ、戦争、内乱、クーデター、日系企業への暴動等が発生した場合、製造拠点からの輸出入に影響が生じる等、事業活動が中断、停滞、または遅延する可能性があります。 対策・グローバルで政治・経済情勢や法規制の動向を定期的にモニタリングし、エリア毎の事業環境の変化や業績影響を把握するよう努めております。 ・また、カントリーリスクを分散させる為、製造拠点や製造委託先の複数国への設置や、一部国内移管にも取り組んでおり、今般、バングラデシュへの新工場設立に着手しました。 記号リスク項目影響度発生可能性D金融リスク中大リスクシナリオ・グローバルで事業活動をおこなう企業にとって、金利や外国為替相場の変動は業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ・当社グループでは、生産活動の大半を日本以外のフィリピンの製造拠点及び中国等アジア地域の製造委託先で行っており、事業活動において製造原価及び製品の調達価格が為替レートの変動による影響を受けます。 ・海外製造拠点の現地通貨建ての業績及び財産の状況が各会計年度の為替レートの変動による影響を受けます。中国等アジア地域の製造委託先からの製品調達は外貨建てで行っており、製品の仕入価格が為替レートの変動による影響を受けます。 対策・海外の製造拠点との輸出入における為替レート変動に伴う製造原価への換算影響を本社で把握し管理しております。 ・また、製造委託先からの仕入れにおいては、スポットでの支払いではなく、予め決済に必要な数か月分程度の外貨を継続的に購入し、急激な為替変動リスクによる影響を軽減しています。 記号リスク項目影響度発生可能性E市場リスク 中中リスクシナリオ・消費者ニーズ、トレンド、志向、購買行動の変化に伴い、市場全体の低迷、隣接市場の成長等の市場リスクは時々刻々と変化しており、その変化に合わせるように自らを変化させ適応できなければ業績に影響を及ぼす可能性があります。 ・日本国内におけるヘアケア市場(毛髪業市場、植毛市場、発毛・育毛剤市場、ヘアケア剤市場)は育毛や発毛へのニーズの高まりやEC購買の増加等によって、医薬品販売やAGAクリニック等の異業種の参入が進んでいます。当社グループが属する毛髪業の市場規模は漸減しており、これに伴い、今後は同業他社のみならず異業種とも競合が激化する可能性があります。 ・また、毛髪業以外の競合会社が既存の毛髪商品に限らず競争力のある新製品を発売した場合、また価格競争が更に激化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 対策・製販一体のビジネスモデルの強みを活かして、顧客のニーズをきめ細やかに汲み取り、競合に対していち早く競争力のある新製品・新サービスを市場投入する事で、継続的に顧客満足度を高めています。 ・また、景気変動、社会情勢、マーケット動向、消費者ニーズ、他社動向等を適時適切にフォローし、組織・制度の見直し、商品開発・販売戦略・販促施策等に反映しています。特に中期経営計画、年度事業計画策定といった定期的な事業計画見直しの際に、外部環境の影響を精緻に捉えた戦略策定を実現するよう努めております。 <分類:社会・技術> 記号リスク項目影響度発生可能性Fレピュテーションリスク中中リスクシナリオ・マスコミ報道やインターネット上の書き込み及びデマ拡散等によって企業に関する否定的な風説や風評が広まり、企業の信用やブランドの価値が低下する可能性があります。特に近年ではSNSの普及により、個人による情報発信も容易になっているため、ネガティブな情報は瞬時に拡大し、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ・ 当社グループの主力製品であるオーダーメイドウィッグは顧客同士で情報交換がされにくいという特徴を有するため、当社に対する否定的な風説や風評が、マスコミ報道、インターネット上の書き込み等により流布した場合、顧客や社会はそれが正確な事実に基づいたものであるか否かの確認が難しい事から、ネガティブイメージの拡散によりブランド価値が毀損し当社グループの社会的信用を低減させる可能性があります。 対策 ・ブランド価値の維持向上のために事実関係を示すポジションペーパー、ステイトメント(声明文)を作成し、適切かつ積極的な外部への情報開示を行いネガティブイメージの拡散リスクを低減させるよう努めています。また、外部に対しては、取引先企業及び人物の調査や、インターネットでの企業の悪評や誹謗中傷のチェック等、様々な経営リスクを回避すべくモニタリングを実施しています。 ・更に従業員に対しては、ITリテラシーを高める教育コンテンツを定期的に発信するなど、内部からの情報漏洩リスクを低減させています。 ・仮に風評被害が発生した場合には、レピュテーションリスクに係る法人向け保険への加入等により、業績影響を最小限に抑えるべく対策を講じています。 記号リスク項目影響度発生可能性G技術革新リスク中小リスクシナリオ・新技術による競争優位性の低下や既存技術の陳腐化等により、市場での競争力やブランド価値が低下し業績に影響を及ぼす可能性があります。 ・当社グループの製品は、現時点で同業他社の技術と比べ優位性があると自負しておりますが、技術は日々進歩するものであり、同業他社にて当社を上回る技術が開発された場合、または異業種の技術革新により当社グループの顧客の購買動機を解消するような新商品が市場に投入された場合には、当社グループの競争優位性が低下し、業績に影響を及ぼす可能性があります。 対策・常に同業のみならず周辺領域の情報、マーケット動向、消費者ニーズを調査すると共に、対象顧客区分ごとに定期的な新商品投入を行うことで、技術の陳腐化、競争力の低下、ブランド価値の低下が発生しないように取り組んでおります。 記号リスク項目影響度発生可能性HIT・システムリスク大小リスクシナリオ ・社会のデジタル化が進む中、第三者による不正アクセスやコンピュータウイルス等によるサイバー攻撃は世界的に増加傾向にあり、その攻撃手口も巧妙化してきています。また、企業におけるあらゆる事業活動がIT・システムに依存しているため、管理体制の不備等によってIT・システムが正常に稼働しなかった場合、事業の継続に大きな影響を及ぼします。 ・当社グループにおいても、サイバー攻撃やIT・システムの管理体制の不備等によって、大規模なサーバーダウンやシステム障害が発生したり、重要データの改ざん、漏洩、消失等が発生した場合、事業活動が中断し、業績に影響を及ぼすだけでなく資産が毀損する可能性もあります。対策 ・IT・システムの管理体制としてはクラウドサービスを除く主要なサーバーはデータセンターに構築し、安定的に稼働できる体制を整えています。また、サイバーセキュリティ対策の維持、向上のため、脆弱性診断や脅威情報の収集・分析、定期的な訓練の実施等、コンピュータウイルス等の侵入の未然防止のみならず、外部からのサイバー攻撃に対する多層的な防御措置を講じています。また、IT・システムに不具合が発生した場合速やかなシステム復旧をおこなう等、運用・保守に係る社内の手続きを整備しています。 <分類:オペレーション> 記号リスク項目影響度発生可能性I情報漏洩リスク大小リスクシナリオ ・企業の事業活動においては、経営上の機密情報、取引先の情報、顧客や従業員の個人情報等の様々な情報を取り扱っているため、厳格な情報の保護・管理が求められております。 ・当社グループでは、様々な情報を保有しているため当社もしくは業務委託先より外部に情報が漏洩した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。特に、当社グループが個人の身体的特徴等の機微情報を取り扱っている事から、顧客の個人情報の漏洩が発生した場合には、その補償等による直接的な損害のみならず、社会的信用が大きく失墜する可能性があります。対策・情報管理については、社内管理体制の整備や従業員への教育等の対策を講じております。社内管理体制の整備については、ネットワーク及び取り扱う情報資産を適切に保護するための基本事項を定めており、重要データへのアクセス権限の設定、業務用端末における外部記憶媒体の利用制御、会社指定デバイス以外からの社内環境への接続制限等、利用者以外がアクセスできないような措置を講じています。また、業務委託先での個人情報管理については、当社の定める個人情報保護基準の充足確認や、定期的な委託先の見直し等をおこない、厳しく選定・管理をおこなっています。当社は取得した個人情報の保護に最大限の注意を払い、2006年にプライバシーマークを取得し、以後定期的に更新取得しております。 ・また、従業員に対しては、ITリテラシーや個人情報への理解を深める教育コンテンツを定期的に発信すると共に、定期的な自己点検や内部監査等も実施し、情報セキュリティ意識を向上させ、内部からの情報漏洩リスクを低減させています。 記号リスク項目影響度発生可能性J人的資本リスク中中リスクシナリオ・少子高齢化に伴う労働人口の減少や個人のキャリアや働き方に対する価値観の多様化等により、人財の「質」と「量」の獲得競争が激化しています。 ・当社グループでは、顧客の対応に当たるスタイリストは理美容師免許を有していることが必要であり、また今後の事業拡大のためには、海外事業や新規事業に対応する人財、DXスキルを保有する人財の確保に加え、将来の経営の意思決定を担う重要ポジションの充足が必要です。しかしながら、当社グループがこれらの必要な人財を一定数確保できない場合、事業戦略の遂行等が計画通りに進まず業績に影響を及ぼす可能性があります。 ・また、人事制度の設計・運用や人財施策が不十分である場合、またはその人財が十分に力を発揮できる組織や環境を構築できない場合には、従業員のエンゲージメントが低下し離職が増加する等、業績に影響を及ぼす可能性があります。 対策・経営上の重点施策として人的資本への投資に努めており、安定的な採用体制の構築を進め、新卒採用、経験者の中途採用を計画的に行っております。人材育成方針に基づき、人財への積極的な教育投資にも努めており、社内での教育研修制度を確立し、現場及び本社の次世代リーダー人財の育成を進めています。また、経営上の根幹に係る重要職務分掌を特定の人物に依存しない組織体制の構築や、各世代のキャリア意識醸成に継続的に取り組んでいます。 ・また、社員の定着化に向けて、人事制度や人財施策の見直しを積極的に進めています。具体的には、労働市場の動向等を鑑み、人事制度の改定や拡充、処遇の改善等人事制度の構築にも取り組んでおります。更には、多様な人材がワークライフ・バランスを整えながら活き活きと働けるよう、様々な取組を行っております。具体的には、健康経営の推進や、女性活躍推進法に基づく「えるぼし」の認定の取得、次世代育成支援対策推進法に基づく「くるみん」の認定の取得等、ダイバーシティ・マネジメントを推進しております。 記号リスク項目影響度発生可能性Kコンプライアンスリスク中小リスクシナリオ ・企業のコンプライアンスに係る社会的な要請は年々高まっており、当社グループとしても、法令遵守や人権尊重を実践しながら、健全な事業活動を行う必要があります。 ・当社グループ、もしくはその役職員が、法令違反、ハラスメントの発生等のコンプライアンス上の重大な問題を引き起こした場合には、社会的信用の失墜のみならず、業績に影響を及ぼす可能性があります。対策・アートネイチャーグループのモットーである「ふやしたいのは、笑顔です」の下、広く社会から信頼される経営や企業活動、また働き甲斐のある職場づくりのために「アートネイチャーグループの行動規範」を制定し、法令等のルールや企業倫理を十分に認識し業務の遂行に努めています。また、年2回のコンプライアンス委員会の開催、コンプライアンス・リーダーの任命、役職員に対しての情報周知や講習等を通して、コンプライアンス意識の維持向上をしております。 ・仮に、役職員によるコンプライアンス違反の疑い等の発生、もしくは発生の可能性がある場合には、社内外の相談窓口の設置等により、通報・相談しやすい体制を整備しています。 記号リスク項目影響度発生可能性L知的財産リスク小小リスクシナリオ・顧客価値の源泉となる独自の知的財産については、その特性に応じた適切な保護・管理が企業にとって必要となっています。 ・当社グループの製品ブランド及び関連する商標権や製品技術の特許権等の知的財産権に関して第三者による侵害が生じた場合、当社グループは適切な対抗措置をもって対応しますが、これが認められなかった場合、損害を被る可能性があります。 ・一方で、当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合、その補償が必要となり、社会的信用の失墜のみならず、業績に影響をもたらす可能性があります。 対策・保有する知的財産権については、その特性に応じて適切な保護・活用を行っております。一方で、他社が保有する知的財産権については 、 製品開発の各フェーズで入念な調査・確認を実施し、その権利を侵害していないかを確認の上で商品化しております 。 ・万一、他社から知的財産権の侵害を指摘された場合には、非侵害の主張等の交渉・訴訟対応を行うための専門人財を配置するとともに、その事案に応じて、弁護士、特許事務所と連携し適切に対応する体制を整えております。 <分類:製品・製造> 記号リスク項目影響度発生可能性M製造物責任リスク小小リスクシナリオ・製品およびサービスに欠陥が発生した場合、企業はその欠陥に起因した損害に対して賠償責任を負い、対応費用の発生やブランド価値の毀損等が発生する可能性があります。 ・当社グループが開発、製造する全ての製品や備品について、製造物責任賠償のリスクを内包しております。特に当社グループの主力製品であるオーダーメイドウィッグは頭部に直接装着するため、万一、製品の欠陥、設計不良、品質不良等により、顧客の健康に多大な影響等を及ぼした場合、その補償や社会的信用の失墜のみならず、業績に影響を及ぼす可能性があります。 対策 ・製品、備品の開発にあたってはパッチテストを行う等、品質、安全性を検証しております。主力製品であるオーダーメイドウイッグにおいては社員モニターによる実使用検証を行い、装着感のみならず使用時に起こりうる不具合の検証等も行っております。 ・また、顧客との契約締結時には丁寧な製品説明と共に、一部製品については事前にパッチテスト等を実施しております。更には、発売後も製品、備品等アイテム区分ごとに、全国の店舗で発生したユーザーからの声を共有する体制を構築しており、その声に応えるべく改善に取り組んでおります。なお、万一、問題が発生した場合には、製造物責任による損害賠償請求に備え、保険への加入により、業績影響を最小限に抑えるべく対策を講じています。 記号リスク項目影響度発生可能性Nサプライチェーンリスク大中リスクシナリオ・グローバルで事業活動を行う企業にとって、自然災害や感染症等の環境要因、テロ、戦争や政治的な不安等の地政学的要因、サイバー攻撃やシステム障害等の技術的要因等によって、各国、各地域における仕入、調達、在庫、生産、販売に係る物流上の問題が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ・当社グループにおける主力製品のサプライチェーンはグローバルに展開しておりますが、何らかの要因により物流上の問題が発生した場合、製品出荷の遅延や停滞等が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。 対策・仕入、調達、在庫、生産の状況を常にモニタリングしており、サプライヤーと共有しております。また、主力製品であるオーダーメイドウイッグの原材料は、原則として国内複数業者から仕入れる方針としており、品質の維持のみならず、安定的な仕入を実現しております。また、各拠点で発生する局所的な災害等へ対応できる体制を整備しています。 記号リスク項目影響度発生可能性O生産リスク大中リスクシナリオ・グローバルで事業活動を行う企業にとって、原材料の調達不能や価格高騰、設備の老朽化、生産効率や操業度の低下等、生産に伴うさまざまなリスクがあり、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ・当社グループにおいては、為替の影響により原材料調達コストが変動する場合、または製造拠点の人件費や物価の高騰等により製造コストが変動する場合、製造原価が引きあがり、利益を圧迫する等、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 対策 ・原材料の仕入・調達や製造に係るコストの増大に備える為、製造拠点や製造委託先を複数国に設置し、各国の情勢をモニタリングすることで、リスク低減に努めております。 ・また、更なる供給体制の安定化に向けて、より安価、安定的に仕入・調達が可能な代替原材料の探索や、生産工程の一部機械化の本格導入へ向けた取り組みなど、生産性と品質の向上を両立する生産体制を目指しています。 ・なお、製造原価が利益を大きく圧迫する状況となった場合、適正利益を確保できるよう製品等の価格改定を検討してまいります。 <分類:財務> 記号リスク項目影響度発生可能性P投資リスク中大リスクシナリオ・新規事業や設備、新商品の研究開発や、新規システム導入等への投資のほか、他社との連携や企業買収等、事業投資の失敗に伴い、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ・当社グループでは、事業の拡大のため、店舗の新規出店、移転・リニューアルに係る投資を積極的に行っていますが、事業環境の変化等から、一部投資額を回収できなかったり、店舗減損等の損失が発生する可能性があります。 ・また、積極的なM&Aや事業提携などの戦略投資を図っておりますが、M&Aや事業提携において予想出来ない不確実な要素が顕在化した場合、あるいは想定外の事象や環境変化が発生した場合、当初意図した成果が得られなかったり、潜在リスクが顕在化する等により、のれんの減損、追加費用の発生等が発生する可能性があります。 対策 ・新規出店、移転・リニューアル等に際して、投資額に応じた会議体において、出店物件の概要、店舗の事業計画、本社の支援策等を踏まえ、損益計画の妥当性及び投資回収の実現性等を審議した上で、投資判断を行っております。 ・また、他社との資本提携や企業買収等に際して、対象会社の財務内容や契約内容の確認、経営者との面談等の事前審査を基に、当社との戦略の適合性、事業計画の蓋然性、投資額の妥当性、シナジー効果やリスク度合いを考慮した上で、投資判断を行い、リスク対策を講じております。投資後も他のグループ会社と同様に、経営成績やガバナンス状況等を確認し、必要に応じて適切な対応を実践しております。 (2)TCFDの提言に基づく「気候変動リスク」 当社は、この度、自然災害リスクに内包されている気候変動リスクについて、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)*1の提言への賛同を表明しています。気候変動に真摯に向き合い、事業に影響する機会・リスクへの理解を深化させ、TCFD提言に基づく気候変動関連の積極的な情報開示に努めてまいります。 TCFD提言は、気候変動に伴うリスクと機会が財務を含む会社経営にどのような影響を及ぼすかを的確に把握すべく、4つの開示要素である「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」に沿って情報開示することを推奨しています。当社は、TCFD提言が求める4つの情報開示項目に基づいた情報開示の更なる拡充に取り組んでまいります。[注]*1Task Force on Climate-related Financial Disclosures:2015年に金融安定理事会(FSB)により設立された、気候変動が事業に与えるリスクと機会の財務的影響に関する情報開示を企業に推奨する国際的イニシアチブ。 ① ガバナンス当社では気候変動・環境への対応を経営上の重要課題と認識しています。その諸課題については、代表取締役会長兼社長を最高責任者とするリスクマネジメント委員会が、社内各部署と連携し、具体的な対応方針を協議・決議します。リスクマネジメント委員会での協議・決議事項については少なくとも半年に1回、取締役会に上程または報告されます。取締役会は業務執行において協議・承認されたサステナビリティ推進に関する取り組み施策の進捗を監督し、少なくとも年に1回気候変動に関する議題を取り扱います。また、代表取締役会長兼社長は、リスクマネジメント委員会の最高責任者として、気候変動課題を含む、外部環境や経営環境の変化に伴い発生が予想される様々な全社的リスクマネジメントの最終的な責任を負っています。 サステナビリティ推進体制 サステナビリティ推進体制における会議体とその最高責任者、開催頻度及び役割 会議体および体制最高責任者開催頻度役割取締役会代表取締役会長兼社長毎月1回経営方針や重要な経営事項を審議・決定する。また、業務執行において協議・承認されたサステナビリティ推進に関する取り組み施策の進捗を監督する。少なくとも年に1回気候変動に関する議題を取り扱う。リスクマネジメント委員会代表取締役会長兼社長半年に1回気候変動課題を含む、外部環境や経営環境の変化に伴い発生が予想される様々な全社的リスクを特定・評価し、特に重要なリスクについては具体的な対応策を協議する。決議事項や報告事項については少なくとも半年に1回、取締役会に上程または報告する。リスクマネジメント委員会事務局(経営企画部) ―リスクマネジメント委員会運営に際しての事務局機能を担う。リスクマネジメントへの取り組みの全体計画などの枠組み立案、推進組織の運営、助言を行う。 ② リスク管理当社では、代表取締役会長兼社長を最高責任者とする「リスクマネジメント委員会」にてリスク管理を行っています。リスクマネジメント委員は、まず各部と協議の上で事業運営に影響を及ぼしうるリスクを抽出・特定し、続いてそのリスクの優先順付けをしたのち、特に重要なリスクに関しては具体的な対応方針を協議します。リスクマネジメント委員会は協議・決議事項を、少なくとも半年に1回取締役会へ上程・報告します。気候変動関連リスクについても、リスクマネジメント委員会が全社的なリスク管理プロセスに統合して管理を行っています。 ③ 戦略当社では、TCFD提言に基づき、気候変動関連のリスク・機会の把握を目的にシナリオ分析を行いました。シナリオ分析では、国際エネルギー機関 (IEA) 等の科学的根拠等に基づき1.5°Cシナリオと4°Cシナリオを定義し、2030年(移行リスク)と2050年(物理リスク)時点で事業に影響を及ぼす可能性がある気候関連のリスクと機会の重要性を評価しました。 シナリオ群の定義 項目1.5℃シナリオ4℃シナリオ対象範囲海外連結子会社まで対象年移行リスク:2030年,物理リスク:2050年主な参照先移行面IEA NZE*1IEA STEPS*2物理面IPCC SSP1-1.9*3IPCC RCP8.5*4 *1 IEA NZE(Net Zero Emissions by 2050 Scenario):IEAが示した世界のエネルギー部門が2050年までにCO2排出量をネットゼロにする道筋を示す規範的なシナリオ*2 IEA STEPS(Stated Policies Scenario):IEAが示した各国政府が公表している政策を反映した保守的なシナリオ*3 IPCC SSP1-1.9:IPCCの第6次評価報告書にて示した気温上昇 を約 1.5℃以下に抑える気候政策を導入することで、21 世紀半ばに CO2 排出が正味ゼロとなり、世界の平均気温が産業革命前に比べて 1.0~1.8℃(平均 1.4℃)に抑えるシナリオ*4 IPCC RCP8.5:IPCCが第5次評価報告書にて示した21世紀末(2081~2100年)に世界の平均気温が産業革命前に比べて3.2~5.4°C(平均4.3°C)上昇するシナリオ リスク機会の特定及び評価 当社は、2022年度より当社の海外連結子会社までを対象に気候変動に関連する移行・物理リスクを精査し、事業への影響度を評価しています。その結果、自社に関連のあるリスクとして「炭素価格」「プラスチック規制」「エネルギーミックス」「異常気象の激甚化」を特定しています。2023年度には、2022年度において影響度が大きいと評価したリスクを対象に定量的な分析に基づく再評価を行いました。その結果、各移行・物理リスクによる財務的な影響度は「小」であると評価しました。今後も自社に関連性のあるリスクの低減および気候変動によって生まれる事業機会の獲得については継続的に行っていきます。 [影響度]大: 大規模な業務の停止中: 中規模な業務の停止小: 小規模な業務の停止 [世界観]1.5℃の世界観 (移行リスクは2030年、物理リスクは2050年):・炭素税の導入等、厳しい気候変動対策を実施し、抜本的な社会変革を達成・CO2排出規制/プラスチック規制/気候関連開示義務の強化、EV補助金促進 4℃の世界観 (移行リスクは2030年、物理リスクは2050年):・厳しい気候変動対策実施せず・CO2排出規制/プラスチック規制/気候関連開示義務の強化なし リスク機会一覧影響度および発生可能性をもとに重要度の高い気候変動関連リスク・機会を特定しました。 リスク/機会項目事業インパクト1.5℃4℃移行リスク炭素価格炭素税導入に伴い、自社におけるエネルギー消費に課税され、操業コストが増加する小*1小*1移行リスクプラスチック規制プラスチック規制によって石油由来プラスチックではなくバイオ・再生可能プラスチックを利用する必要が発生し、調達コストが増加する小*2小*2移行リスクエネルギーミックスエネルギーミックス(電源構成)の変化によって、電力価格が上昇し、操業コストが増加する(炭素税+再エネの比率が高まる)小*3小*3物理リスク異常気象の激甚化異常気象の激甚化による、人工毛髪等の取引先の製造拠点被災の影響で、商品供給に支障が出る小*4小*4物理リスク異常気象の激甚化異常気象の激甚化による、ウィッグの製造拠点被災の影響で、商品製造・供給に支障が出る小*4小*4物理リスク異常気象の激甚化異常気象の激甚化による、配送拠点被災の影響で、在庫被害や商品供給への支障が出る小*4小*4 (財務影響評価の根拠)*1 炭素価格による影響については2030年時点のScope1,2排出量に対して、1t-CO2あたりの炭素価格を乗じて試算。*2 プラスチック規制による影響については2030年時点の人工毛髪購入量に対して、バイオ・再生プラスチック利用率および単価の上昇率を乗じて試算。*3 エネルギーミックスによる影響については2030年時点の電力使用量に対して、エネルギーミックスの変化に伴う電力料金の変化率を乗じて試算。*4 異常気象の激甚化による影響については調達先・製造拠点・配送拠点の浸水リスクを把握し、各拠点の営業停止に伴う想定被害額と洪水発生頻度を乗じて試算。各拠点の浸水リスクの評価については、国土交通省の浸水ナビ、世界資源研究所のAqueduct 3.0を使用。 対応策気候変動によるリスクを低減しつつ、気候変動によって生まれる事業機会を獲得していきます。 項目事業インパクト対応策炭素価格炭素税導入に伴い、自社におけるエネルギー消費に課税され、操業コストが増加する・店舗・事務所での省エネ設備の導入・再生可能エネルギーへの切り替え・EV車両の導入・各国の炭素税等の環境規制に関する情報収集・対策プラスチック規制プラスチック規制によって石油由来プラスチックではなくバイオ・再生可能プラスチックを利用する必要が発生し、調達コストが増加する・プラスチック利用の削減・新素材の開発 エネルギーミックスエネルギーミックス(電源構成)の変化によって、電力価格が上昇し、操業コストが増加する(炭素税+再エネの比率が高まる)・再エネ資源の推進による電力価格削減・店舗・事務所での省エネ設備の導入 異常気象の激甚化・異常気象の激甚化による、人工毛髪等の取引先の製造拠点被災の影響で、商品供給に支障が出る・異常気象の激甚化による、ウィッグの製造拠点被災の影響で、商品製造・供給に支障が出る・異常気象の激甚化による、配送拠点被災の影響で、在庫被害や商品供給への支障が出る・生産拠点の複数化・原材料の調達先の多様化・製品在庫の確保・損害保険への加入・BCP(事業継続計画)整備による レジリエンス強化 ④ 指標と目標当社は、2021年度より気候変動関連リスク機会の評価指標として温室効果ガス排出量の算定を行っております。2022年度からはScope1,2排出量に加え、Scope3排出量の算定を実施いたしました。また組織範囲を国内のみからグループ全体へと拡大しています。 算定の前提と算定方法[組織範囲] グループ全体[時間的範囲] 各社の会計期間に従う[温室効果ガス] 7ガス Scope1,2排出量(tCO2eq) 2022年度2023年度組織範囲国内グループ全体国内グループ全体Scope1256442209434Scope25,7296,8815,5766,734合計*15,9847,3245,7857,167(参考)ロケーション基準*25,7066,8595,5876,745 *1:マーケット基準で算定。マーケット基準とは、電力会社やメニューごとの排出係数を用いる算定方法。また購入した証書による削減も算定に含む。*2:ロケーション基準:国や地域の平均的な排出係数を用いる算定方法。 Scope3排出量(tCO2eq) 2022年度2023年度Scope3合計42,09241,729Cat1 購入した製品・サービス33,68331,757Cat2 資本財4,7056,349Cat3 Scope1,2に含まれない燃料およびエネルギー関連活動1,1021,068Cat4 輸送・配送(上流)1,2981,213Cat5 事業から出る廃棄物156178Cat6 出張503508Cat7 雇用者の通勤629638Cat12 販売した製品の廃棄1717 ※1:Cat8,9,10,11,13,14,15については、事業との関連が薄い、もしくは関連がないため算定対象外としている※2:2022年度においてCat12の活動量の集計に誤りがあったため、データを修正している。 削減目標 当社では気候変動リスクを緩和するため、2021年度に当社単体を対象とする温室効果ガス削減目標を設定しました。2022年度より温室効果ガス排出量の算定対象範囲をグループ全体まで拡大したことを踏まえ、削減目標についてもグループ全体を対象とするよう見直し、2030年に2022年比で売上高あたりのScope1,2排出量を20%以上削減、2050年にカーボンニュートラルを達成するという目標を設定しました。目標達成に向け、省エネ活動や省エネ設備の導入・更新を推進し、再生可能エネルギーの導入も検討しています。 実績目標 2022年度(基準年)2023年度2030年度2050年度Scope1,2排出量(tCO2eq)7,3247,167-0売上高(百万円)43,20942,850--売上高あたり(tCO2eq/百万円)0.1690.1670.1360削減率(%)-1.3%20%100% (3)人権の尊重 ① 人権方針 世界的に「ビジネスと人権」への関心が高まっており、当社グループは「人権の尊重」への取り組みを深化させるため、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」の指針に沿って、2023年4月に「アートネイチャーグループの人権基本方針」を制定しました。本基本方針は、当社グループのすべての役職員に適用します。また、当社グループの事業活動に関係するすべての取引関係者に対しても、本基本方針への支持を期待します。※「アートネイチャーグループの人権基本方針」(当社ウェブサイト) https://corp.artnature.co.jp/ja/sustainability/social/rights/policy.html ② 人権デュー・ディリジェンス 当社グループの事業活動における人権リスクについては、人権に対する負の影響を特定・分析・評価し、その予防措置及び是正措置を講じています。その内容については、コンプライアンス統括室が取りまとめ、代表取締役社長を委員長とし、コンプライアンス担当役員、常勤監査役、管理本部長、経営企画部長および、社外ほっとライン窓口対応弁護士、その他委員長が任命する役職員を委員とするコンプライアンス委員会に少なくとも1年に1回報告し、さらに取締役会に報告する体制となっています。 <人権デュー・ディリジェンスの体制図> ③ 救済措置 救済措置については、サプライヤーをはじめ、すべてのステークホルダーから当社グループの事業活動における人権侵害への苦情・通報を受け付け・対応する人権相談窓口を設置し、サプライチェーン全体での取り組みを強化しています。