研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-03 | - | 15 |
| 2024-03 | - | 19 |
| 2023-03 | - | 19 |
| 2022-03 | - | 22 |
| 2021-03 | - | 17 |
研究開発活動(本文)
FY2025|1,864 文字
6 【研究開発活動】当社グループは“はかる”を事業領域として様々な計測機器を開発しておりますが、顧客要求に応える機器開発及び未来を支える計測技術の追求を研究開発活動の基本としております。研究開発スタッフは、当社グループ総従業員数の約16.5%の402名、当連結会計年度における研究開発費の総額は5,963百万円であり、セグメント別の研究開発の状況は次のとおりであります。 (1) 半導体関連事業当事業における研究開発費は1,437百万円であり、主要課題及び成果は次のとおりであります。株式会社ホロンでは、半導体の回路原版(フォトマスク)が、設計通りに正しく作られているかを寸法測定するCD-SEMを開発しております。株式会社エー・アンド・デイでは、電子ビームを発生させる電子銃の開発にいち早く取り組んでおり、電子ビーム露光装置に組み込む基幹ユニットを提供しております。両社の世界最高水準の技術力を活かし、グローバル市場のニーズに応えるべく、次世代機をはじめとする新製品開発に注力いたしました。また、新工場の建設に着手し、新製品開発に一層注力できる体制の整備を進めてまいりました。 (2) 医療・健康機器事業当事業における研究開発費は1,190百万円であり、分野別の主要課題及び成果は次のとおりであります。① 医療機器正確で信頼性の高い医療用血圧計や生体情報モニタ、車イスに座ったままやベッドに寝たままでも測定ができる体重計などを中心とした機器、ソリューションを開発しております。医療環境やテクノロジーの変化を捉えながら、常に進化した製品やサービスをお届けし、医療効率や患者の生活の質向上をサポートし続けております。当連結会計年度の成果としては、以下になります。・携帯型自動血圧計用に直感的な操作でご利用いただける解析ソフト「TM-2487」を開発・どなたにも使いやすいユニバーサル仕様のバリアフリースケール「AD-6105R」を開発② 健康機器血圧計をはじめとした家庭向け健康機器、ソリューションを開発しております。血圧、体重、体温などご家庭で計測したデータは、ネットワークにつなげることで継続的な記録と管理が可能です。さらに遠隔医療の高度化に向けて、先進のICT機器を開発しております。世界中の人々の健康寿命の延伸、健康長寿社会の実現に貢献しております。当連結会計年度の成果としては、以下になります。・米国向けにセルラー通信機能を搭載した上腕式血圧計「UA-1020CEL」および体重計「UC-352CEL」を開発・米国向けに上腕式血圧計:プレシジョン・チェック・シリーズ「UA-910BLE、UA-810BLE」および「UA-1040TBLE、UA-770BLE、UA-660」を開発 (3) 計測・計量機器事業当事業における研究開発費は3,335百万円であり、分野別の主要課題及び成果は次のとおりであります。① 計測機器音、振動、変位、強度などの物理量を高精度に計測し、分析する機器を開発しております。また計測と制御、そしてシミュレーションを一体化した独自のテクノロジーで、開発期間の短縮やコスト削減に貢献するソフトとハードを開発しております。近年ではカーボンニュートラルに貢献する製品に注力しております。当連結会計年度の成果としては、以下になります。・電動車で使用されるコンポーネントの温度管理(サーマルマネージメント)開発に活用できる温度エミュレータを開発・AD/ADASでの使用が想定されるECU間通信方式である車載イーサネット開発向けのHILSボードを開発・油圧、電動の疲労振動試験機に使用する新型コントローラー「CC-04」を開発② 計量機器質量(重さ)をはかる機器を開発しており、電子天びんや台はかり、そのセンサ部分であるロードセルなど幅広いラインナップにより、さまざまなニーズにお応えしております。また、当社グループの機器は研究・試験施設だけでなく、自動化された生産ラインへ組み込まれることで、省エネ技術の一環として活用されており、世界中の幅広い分野でのエネルギー効率化に貢献しております。当連結会計年度の成果としては、以下になります。・最小表示0.1mg~0.01gまでの汎用天びん「FX/FZシリーズ(A&D Fortis)」を開発 ・USB出力小型圧縮ボタン型ロードセル「LCC28-USBシリーズ」を開発 ・検査間口580×300mm、搬送質量25kgの大型X線検査機「AD4991-6030」を開発
FY2024|1,729 文字
6 【研究開発活動】当社グループは“はかる”を事業領域として様々な計測機器を開発しておりますが、顧客要求に応える機器開発及び未来を支える計測技術の追求を研究開発活動の基本としております。研究開発スタッフは、当社グループ総従業員数の約16.2%の401名、当連結会計年度における研究開発費の総額は5,101百万円であり、セグメント別の研究開発の状況は次のとおりであります。 (1) 半導体関連事業当事業における研究開発費は783百万円であり、主要課題及び成果は次のとおりであります。株式会社ホロンでは、半導体の回路原版(フォトマスク)が、設計通りに正しく作られているかを寸法測定するCD-SEMを開発しております。株式会社エー・アンド・デイでは、電子ビームを発生させる電子銃の開発にいち早く取り組んでおり、電子ビーム露光装置に組み込む基幹ユニットを提供しております。両社の世界最高水準の技術力を活かし、世界ニーズに応えるよう次世代機等の新製品開発に注力いたしました。 (2) 医療・健康機器事業当事業における研究開発費は1,074百万円であり、分野別の主要課題及び成果は次のとおりであります。① 医療機器正確で信頼性の高い医療用血圧計や、車イスに座ったままやベッドに寝たままでも測定ができる体重計などを中心とした機器、ソリューションを開発しております。医療環境やテクノロジーの変化を捉えながら、常に進化した製品やサービスをお届けし、医療効率や患者の生活の質向上をサポートし続けております。当連結会計年度の成果としては、以下になります。・生体情報モニタ「TM-2591」での血圧測定に患者の負担を軽減する昇圧測定機能を追加開発・全自動血圧計 TM-2657Wシリーズにおいて各国の規制要求に対応した製品を開発② 健康機器血圧計をはじめとした家庭向け健康機器、ソリューションを開発しております。血圧、体重、体温などご家庭で計測したデータは、ネットワークにつなげることで継続的な記録と管理が可能です。さらに遠隔医療の高度化に向けて、先進のICT機器を開発しております。世界中の人々の健康寿命の延伸、健康長寿社会の実現に貢献しております。当連結会計年度の成果としては、以下になります。・健康データを管理できるスマートフォン専用の新アプリ「A&D Connect ヘルスケア」を開発・NFC通信機能を搭載した上腕式ホースレス血圧計「UA-1100NFC」を開発 (3) 計測・計量機器事業当事業における研究開発費は3,243百万円であり、分野別の主要課題及び成果は次のとおりであります。① 計測機器音、振動、変位、強度などの物理量を高精度に計測し、分析する機器を開発しております。また計測と制御、そしてシミュレーションを一体化した独自のテクノロジーで、開発期間の短縮やコスト削減に貢献するソフトとハードを開発しております。近年ではカーボンニュートラルに対応した新しい産業に挑戦しております。当連結会計年度の成果としては、以下になります。・実機・シミュレーションの同時・個別試験が実施可能な電動車のECU開発向けバッテリーシミュレーション試験装置を開発・カーボンニュートラルの取り組みの中で重要なプロセスである排出ガス分析向けに、低濃度H2ガス連続測定に適した質量分析計を開発② 計量機器質量(重さ)をはかる機器を開発しており、電子天びんや台はかり、そのセンサ部分であるロードセルなど幅広いラインナップにより、さまざまなニーズにお応えしております。 また、当社グループの機器は研究・試験施設だけでなく、自動化された生産ラインへ組み込まれることで、省エネ技術の一環として活用されており、世界中の幅広い分野でのエネルギー効率化に貢献しております。当連結会計年度の成果としては、以下になります。・計量法施行令改正に対応した型式承認機のウェイトチェッカ「AD-4963シリーズ」を開発・防塵・防水等級IP65の重量級天びん「GX-L/GF-Lシリーズ(A&D Apollo)」を開発・ひょう量22 kgまでの生産ライン組込み用大ひょう量計量センサ「AD-4212Fシリーズ」を開発
FY2023|3,244 文字
6 【研究開発活動】当社グループは“はかる”を事業領域として様々な計測機器を開発しておりますが、顧客要求に応える機器開発及び未来を支える計測技術の追求を研究開発活動の基本としております。研究開発スタッフは、当社グループ総従業員数の約16.3%の407名、当連結会計年度における研究開発費の総額は5,004百万円であり、セグメント別の研究開発の状況は次のとおりであります。 (1) 計測・計量機器事業当事業における研究開発スタッフは286名、当連結会計年度における研究開発費は3,480百万円であり、分野別の主要課題及び成果は次のとおりであります。① 計測・制御・シミュレーションシステム(Digital Signal Prosessing システム、以下「DSPシステム」という。)DSPシステムは、計測・制御・シミュレーション・解析を様々な分野に応用が可能なフレキシブルなシステムでありますが、世界的にカーボンニュートラルへの対応の流れが進む中で、顧客の投資方針も変化しており、当連結会計年度はその流れにも対応した注力開発製品の選択や優先順位を踏まえた開発効率の向上に取り組みました。また、主要顧客である自動車産業では、「CASE(Connected:コネクティッド、Autonomous:自動化、Shared:シェアリング、Electric:電動化)」への対応が加速している状況は続いており、MBD(Model-Based Development)を活用した開発プロセスの効率改善は業界全体に広がっております。この開発プロセスの効率改善に寄与できるソリューションについて、昨年度に市場投入しましたトヨタテクニカルディベロップメント株式会社(TTDC)との共同開発による業界最大規模のFPGA(Field Programmable Gate Array)デバイスを搭載し高度なシミュレーションが可能なモーターHILS(Hardware in the Loop Simulation)製品を活用したソリューションの提供を進めると共に、強みである台上試験制御や高度なシミュレーションの実行が可能なハードウェアの技術と、知見や得意分野を補完しあえるパートナーを得て共同でより良いソリューションを提供する活動を、前連結会計年度に引き続き推し進めました。DSP応用試験機では、フラット路面タイヤ試験機とドラム路面タイヤ試験機を中心に製品展開を行っております。フラット路面タイヤ試験機では最高速度320km/h以上でのブレーキング特性を評価するスリップ率試験の制御精度を向上した高速型機種を市場投入しました。また、ドラム路面タイヤ試験機も販売は堅調で、主力のタイヤ転がり抵抗試験機と合わせてインサイドタイプなど特殊仕様の試験機の開発にも取り組んでおります。② 計測機器計測機器では、引張試験機のアプリケーションとして高精度ビデオ式伸び計の製品化に取り組み、3機種同時に販売を開始しました。この伸び計は一方向の伸び計測以外にもポアソン比やひずみ分布測定、後解析機能など様々なアプリケーションへの対応が可能なものとなっております。また、物性試験機では、エアコン部品の試験要求にこたえるため、2MPaの高圧冷媒環境下で使用可能な摩擦試験機を開発し、納品いたしました。③ 計量機器計量機器では、使用環境に対応した堅牢で外部機器とシームレスに接続できる製品ラインナップを強化致しました。食品業界でニーズの高い丸洗い可能なオールステンレス構造、防塵・防水等級IP67の防水台秤を開発し、発売を開始しました。生産現場で活用されている個数計については、目的の測定物を瞬時に検索・表示可能にし、ユーザーの利便性を向上したGCシリーズを開発し、発売を開始しました。また、インライン計量ネットワークシステム構築に適したEtherNet/IPコンバータ及びA&D製の計量器(天びん、はかり)とスマートフォン/タブレットを無線(Bluetooth)接続して、計量データの受信とコマンド送信を可能にするスマートフォン、タブレットに対応したアプリ『A&D Weive(A&D Weigh View)』を公開しました。ライン検査装置では、標準機では対応できなかった多様な顧客要求を迅速に対応できるようにユニット化を進め、小型・中型タイプの検査機が対応できるようになりました。X線検査機では、大きな大型開口タイプを開発し、食品の陳列箱や段ボール箱などのケース単位で検査に貢献できるようになりました。 (2) 半導体関連事業当事業における研究開発スタッフは38名、当連結会計年度における研究開発費は529百万円であり、主要課題及び成果は次のとおりであります。電子ビーム偏向制御用のデジタル/アナログ変換器(D/A変換器)では、㈱エー・アンド・デイ製のアナログユニットを㈱ホロンへ供給し、完成品が顧客に納品されました。現在は、より高精度が求められる次世代機用DACAMP(デジタルアナログ変換増幅器)の基礎実験への取組みが開始しております。一方、電子ビームユニットにおきましては、荷電ビーム用高精度大電流高圧電源の試作を終えて出荷に至りました。今後は信頼性の向上に加えて安定度の向上、低ノイズ化を目指した改良を進めてまいります。電子銃ユニットでは㈱エー・アンド・デイと㈱ホロンの共同で、高安定電子ビームを作り出す電子銃・ビーム走査再現性の良い鏡筒の試作を進めております。 (3) 医療・健康機器事業当事業における研究開発スタッフは83名、当連結会計年度における研究開発費は994百万円であり、分野別の主要課題及び成果は次のとおりであります。① 医療機器医療用電子血圧計では、従来モデルから測定可能腕周を拡大した全自動血圧計と軽量・コンパクトを追求した、設置場所を選ばない省スペース型の製品で、出張検診など持ち運びが必要な場面でも手軽に移動することが可能な自動血圧計を開発し、発売しました。医療機関のみならず、薬局、スポーツ施設、公共機関、健康診断など、幅広い場所でご使用いただける商品になっています。多項目モニタでは、シンプルな操作と見やすい大画面を搭載し、不安を和らげる優しいフォルムのモニタを3モデル開発し、販売を開始しました。医療用計量器では、透析市場向け新型液晶・バックアップ機能を追加したデジタルスケールベッドおよび大幅に応答速度を改善したベビースケールを開発し、販売を開始しました。② 健康機器家庭用電子血圧計では、持続可能な社会の実現(SDGs)を視野に入れた健康機器「A&D ECO シリーズ」の上腕式血圧計および手首式血圧計を開発し、販売を開始しました。健康機器「A&D ECO シリーズ」は、「ECOnomy & ECOlogy」をコンセプトに、持続可能な社会の実現に向けた社会問題の解決を目指す取り組みの一つとして、環境負荷低減のためシンプルな梱包と必要最低限の同梱内容としました。スマートフォンの使用が困難な環境における遠隔/在宅医療の先駆けになることを目指して、セルラー通信機能を搭載した血圧計(以下「セルラー血圧計」という。)を開発し、国内の医療機器認証を取得いたしました。セルラー血圧計の開発は、自治医科大学との産学共同研究にて実施しました。セルラー血圧計には、LPWA(Low Power Wide Area:低消費電力広域ネットワーク)モジュールが搭載され、KDDIの通信インフラ技術が活用されております。家庭用超音波吸入器では、健康機器「A&D ECO シリーズ」として2モデルの販売を開始しました。パルスオキシメータでは、肺炎重症化の指標となる動脈血酸素飽和度(SpO2)を測定する医療機器であるパルスオキシメータの販売を開始しました。操作も簡単で持ち運びに便利な軽量小型のパルスオキシメータです。
FY2022|3,141 文字
5 【研究開発活動】当社グループは“はかる”を事業領域として様々な計測機器を開発しておりますが、顧客要求に応える機器開発及び未来を支える計測技術の追求を研究開発活動の基本としております。現在の研究開発は主として当社の設計開発本部において推進しておりますが、研究開発スタッフは、当社グループ総従業員数の約15.5%の402名、当連結会計年度における研究開発費の総額は4,874百万円であり、セグメント別の研究開発の状況は次のとおりであります。 (1) 計測・計量機器事業当事業における研究開発スタッフは325名、当連結会計年度における研究開発費は3,943百万円であり、分野別の主要課題及び成果は次のとおりであります。① 計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)DSPシステムは、計測・制御・シミュレーション・解析を様々な分野に応用が可能なフレキシブルなシステムでありますが、当連結会計年度も前期に引き続き製品ラインナップの強化及びアプリケーションシステムの充実に努めました。自動車産業では、「CASE(Connected:コネクティッド、Autonomous:自動化、Shared:シェアリング、Electric:電動化)」時代を迎え、中でも特に電動化への対応を加速する必要性の高まりを受け、MBD(Model-Based Development)を活用した開発プロセスの効率改善がますます求められています。それに寄与するためのソリューションとして、台上試験やシミュレーションを行う各種ツールやサービスを提供していますが、知見や得意分野を補完しあえるパートナーを得て、共同でより良いソリューションを提供できるよう活動を推し進めました。昨年度の株式会社ユビキタスAIとの共同開発によるSILS(Software In the Loop Simulation)ツールの市場提供に続き、本年度は、業界最大規模のFPGA(Field Programmable Gate Array)デバイスを搭載し高度なシミュレーションが可能なモーターHILS(Hardware in the Loos Simulation)製品をトヨタテクニカルディベロップメント株式会社(TTDC)との共同開発により市場投入し、多くの反響をいただいております。DSP応用試験機では、かねてより開発を進めていた、タイヤHILS試験機の初号機を受注、納入を果たしました。さらに、今後の需要増大を見込み、タイヤ試験機の分野で「三種の神器」の1つとされるタイヤ静荷重試験機の開発を進め、シリーズ化を目指します。このシリーズは国内のみならず、海外への展開も行ってまいります。② 計測機器計測機器につきましては、引張試験機においてテンシロンRTHシリーズでは、高容量タイプを新規に追加リリースしました。同シリーズは、コロナ禍前の出荷台数を超え、販売は好調に推移しました。また、卓上タイプの小型引張試験機MCTシリーズについても、新規追加したMCT2140Wが予想を超える販売台数となり、MCTシリーズ全機種にわたり、eコマースをはじめ多くの販売チャネルで好調に推移しました。③ 半導体露光装置関連ユニット電子ビーム偏向制御用のデジタル/アナログ変換器(D/A変換器)につきましては、顧客要求によるコンパクト化、低消費電力化、空冷方式から水冷方式へ転換するための開発が、試作段階を経て出荷に至りました。現在は装置としての評価中です。また、経営統合した㈱ホロン向けのアナログユニットも試作段階から装置に組み込んでの評価を行い、性能の確認を終えることが出来ました。今後は、さらに踏み込んだ性能評価を実施予定です。一方、ビームユニットにおきましては、荷電ビーム用の高精度の大電流高圧電源を継続して開発を進めております。また、鏡筒制御用の高精度低ノイズの電流源、電圧源を開発しました。電子銃ユニットでは高安定の電子ビームを作り出す電子銃・鏡筒の試作を㈱ホロンと共同で進めております。④ 計量機器計量機器につきましては、元素分析やHPLC(High Performance Liquid Chromatography:高速液体クロマトグラフ)分析に適したマイクロ天びん/分析天びんBA-Tシリーズ/BAシリーズを新製品として開発、市場投入を行い製品ラインナップを強化しました。開閉ドアは新規開発の静音・高耐久の自動ドア機構を採用し、また無風イオナイザーにより静電気を帯びた測定物も正確に測ることができます。なお、BA-Tシリーズでは、タッチパネル付きカラー液晶表示を採用し、設定・操作性を向上させました。商品検査機シリーズでは、国内の計量制度見直しに伴い2024年度からの自動補足式はかりの検定開始に向け、AD4963シリーズがすでに型式承認を取得しております。AD4963とほぼ同じ構成で、従来機と同様の高分解能の非型式承認モデルであるAD4961Aシリーズを先行して市場投入し、取引証明に使用しない国内ユーザーおよび海外ユーザーへの拡販を進めております。さらに、課題となっていた選別機のラインナップに、ベルト幅350mmの検査機用のフリッパー選別機AD4981-3585を追加しました。今後も商品シリーズ、選別機のラインナップを増やしていき、総合的に販売できるようにしたいと考えております。 (2) 医療・健康機器事業当事業における研究開発スタッフは77名、当連結会計年度における研究開発費は931百万円であり、分野別の主要課題及び成果は次のとおりであります。① 医療機器医療用電子血圧計につきましては、ガイドライン推奨の複数回血圧測定機能を追加した「全自動血圧計TM-2657VP(音声ガイド・プリンタ内蔵)」の販売を開始しました。「全自動血圧計TM-2657シリーズ診之助Slim」は、軽量・コンパクトを追求した、設置場所を選ばない省スペース型の製品である為、出張検診など持ち運びが必要な場面でも手軽に移動することが可能です。医療機関のみならず、薬局、スポーツ施設、公共機関、健康診断など、幅広い場所でご使用いただける自動血圧計です。パルスオキシメータにつきましては、持ち運びに便利な軽量小型のクリップタイプの「パルスオキシメータTM-1111(Pulse Pro J)」の販売を開始しました。血液中の酸素量(動脈酸素飽和度)を手軽に計測できます。医療用計量器につきましては、介護を含む市場向けにベッド形状、椅子形状どちらも可変する「リクライニングスケールAD-6042」、新型液晶の採用とバックアップ機能を追加した「デジタルスケールベッドWAK-820」の2種を販売開始しました。② 健康機器自動電子血圧計につきましては、「Bluetooth Low Energy内蔵血圧計UA-651BLE Plus」、「音声機能付き血圧計UA-1030T Plus」などPlusシリーズとして5モデルの血圧計を日本市場向けに販売を開始しました。Bluetooth Low Energy内蔵の製品群は、アプリと血圧計を連携させることで、簡単にスマートフォンで血圧データ管理ができます。家庭用超音波吸入器につきましては、携帯に便利なポケットサイズの「ポータブル型超音波吸入器UN-302(ポケットシャワー)」の販売を開始しました。生理食塩水が使用でき、むせずにスムーズな吸入が可能な超音波方式を採用しています。その他、血圧計を中心にグローバルに多機種の自社ブランド、OEM、ODMの製品展開を行い、販売の拡大に繋げることができました。
FY2019|3,404 文字
5 【研究開発活動】当社グループは“はかる”を事業領域として様々な計測機器を開発しておりますが、顧客要求に応える機器開発及び未来を支える計測技術の追求を研究開発活動の基本としております。現在の研究開発は主として当社の設計開発本部において推進しておりますが、研究開発スタッフは、当社グループ総従業員数の約14.5% 390名、当連結会計年度における研究開発費の総額は4,898百万円であり、セグメント別の研究開発の状況は次のとおりであります。 (1) 計測・計量機器事業当事業における研究開発スタッフは323名、当連結会計年度における研究開発費は4,014百万円であり、分野別の主要課題及び成果は次のとおりであります。① 計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)DSPシステムは、計測・制御・シミュレーション・解析等が必要な様々な分野に応用が可能なフレキシブルなシステムでありますが、当連結会計年度は前期に引き続き製品ラインアップの強化及びアプリケーションシステムの充実に努めました。自動車産業においては、電動化で高まる静粛性や燃費性能の向上の実現のため、車両の動特性試験やタイヤの性能試験に対しての要求がより高いレベルのものとなっております。一般的な試験機としては、ドラム型の試験機が使用されていますが、当社の先進のセンサー技術により実現した小型の3分力センサー(Force Matrix Sensor:FMS)と制御技術の組み合わせにより、動的接地力試験機(Dynamic Contact Force testing Rig :DCFR)を開発しました。この製品は、動的なタイヤ接地圧分布を計測できる新世代の試験機で、これまで把握できなかった物理現象の計測を可能にする装置として国内外で高い評価を得ております。また、自動車産業では、CASE(Connected、Autonomous、Shared & Services、Electric)に代表される新規技術と、環境規制など対応すべき技術課題が増加している状況で、限られた設備と人員での対応が迫られていることもあり、外部委託を進める傾向が強くなってきております。このニーズに応えるため、2013年に株式会社MBSを設立し、自動車関連技術の受託試験・コンサルティング業務を開始しましたが、当社開発部門におきましてもこの事業を支援すべく新たな試験機器の提供や技術支援を行いました。近年においては当事業に対して高評価をいただき、今後の発展が期待できる状況となっております。DSP応用試験機では、前年度に発表したムービングベルト式タイヤ試験機が好評で複数台の受注納入を行ったこともあり、タイヤ試験機のラインナップの充実を図りました。タイヤの基本的な特性試験である静剛性試験機の開発を行い、アプリケーション開発が広がる前述の動的接地力試験機と併せて、タイヤ試験機の分野に広がりを見せています。② 計測機器計測機器では、引張・圧縮試験機テンシロンの2019年度発売品の準備を行いました。また、併せて各種試験治具の販売資料の充実を行いました。その結果、付加価値の高い省力化機器として、フィルム、布、繊維など、対象物に特化した自動引張試験機の販売に繋がりました。さらに、自動車業界向けの摩擦摩耗試験機におきましても、付加価値の高い、高速、高機能の製品の売上が可能になりました。③ 半導体露光装置関連ユニット電子ビーム偏向制御用のデジタル/アナログ変換器(D/A変換器)につきましては、EUにおける電子機器に含まれる特定有害物質の使用規制であるRoHS10への取組みを開始しました。また、近年ますます厳しくなってきた廃止保守デバイスに関連して、ベアチップを使用した出力AMPの実験と評価と性能向上(耐ノイズ、セトリング、耐負荷)を目指しての開発に取り組みました。一方、ビームユニットにおきましては、これまで開発を継続してきた高電圧、鏡筒、電源などのビーム生成・制御のユニットの性能向上を目指すとともに、顧客へ提供するための信頼性の向上、生産技術の蓄積を進めました。また、これまでに蓄えてきた技術と、新たに子会社化した株式会社ホロンが有する技術との連携によって、半導体分野の新しい検査技術や装置の検討を行いました。④ 計量機器 計量機器につきましては、電子台秤のお客様の選択肢を増やすために、当社の主力台秤シリーズであるHV/W-Cシリーズに新たに防水タイプのHV/W-CWPシリーズ、防爆タイプのHVW-CEPシリーズを追加し、計量器の使用環境範囲を広げました。これにより水を使う場所での計量、爆発性ガスを使う環境での計量と、悪環境下でHV/Wシリーズ電子台秤を使うことができるようになりました。化学・薬品関係の研究室で汎用的に使用されている道具であるピペットシリーズにつきましては、今までの電子シングルタイプピペットに追加して、マルチヘッド(8チャンネル)のピペットを開発し市場に投入しました。今まではシングルタイプのピペットしかありませんでしたが、これにより商品レンジが増え、お客様の要求によりお応えできると考えております。重量インジケータ部門では、トラックスケールインジケータにつながる端末機器で、トラックの運転台から直接操作できる、カードリーダープリンターAD4385をモデルチェンジし、ユーザーの利便性を高めるためICカードが利用できるAD4385Aを開発いたしました。商品検査機シリーズでは、当社にとって新しい製品であるX線検査機AD4991シリーズを開発し、市場投入を行いました。X線検査機は、商品等の中にある異物をX線を使って検出を行うものであります。当社が既に販売している金属検出器では非金属の異物の検出はできませんでしたが、X線を使うことにより金属・非金属の異物を両方検出することができるようになりました。一般的にX線検査機は金属検出機に比べると価格が高いという難点がありましたが、当社では自社で保有しているハードウエア・ソフトウエアの技術を多用し、コストパフォーマンスに優れた製品の開発に成功いたしました。食品の安全を守るだけでなく、食品以外の製品の品質劣化も防止できる異物検出機器は、これからも市場規模の増大が見込まれます。当社は、この市場に対して商品シリーズを増やして行きたいと考えております。 (2) 医療・健康機器事業当事業における研究開発スタッフは67名、当連結会計年度における研究開発費は884百万円であり、分野別の主要課題及び成果は次のとおりであります。① 医療機器医療用血圧計につきましては、2016年度に日本で発売した、外来、看護・介護ケア向け医療用電子血圧計UM-211の海外モデルを開発・市場投入しました。前年度に国内で発売した携帯型自動血圧計(ABPM)TM-2441については、グローバルな販売の展開を目指し欧州で市場投入を行い、併せてTM-2441からBLE(Bluetooth Low Energy)通信機能、液晶表示などを除いた低価格版であるTM-2440を新たに欧州向けに開発・市場投入いたしました。日本ではTM-2441に対応した、解析ターミナルDr,Pro Touch2を開発・市場投入しました。これは血圧計で取得した血圧データの各種解析、レポート作成を可能にする製品です。医療用計量器につきましては、海外への展開を目指し海外モデルとしてベビースケールAD6020、デジタル身長計AD6400, ベッドサイドスケールAD6121を開発・市場投入いたしました。② 健康機器健康機器は、BLE通信モデルを含む上腕血圧計と手首血圧計について、グローバルに多機種のOEM、ODMの製品展開を行い、販売の拡大につなげることができました。そのほかに、内閣府プロジェクトであるImPACTのヘルスセキュリティプロジェクトの心臓関連疾患リスクシミュレータ開発SPに自治医大と共に参加し、当社は脈波形・身体活動が取得できるリストバンド型活動量計と環境データの無線収集システム・解析プラットフォームの開発を行いました。当連結会計年度が最終年度となりますが、引き続き開発を継続し、今後はこの成果を社会実装していく予定です。
FY2018|3,388 文字
5 【研究開発活動】当社グループは“はかる”を事業領域として様々な計測機器を開発しておりますが、顧客要求に応える機器開発及び未来を支える計測技術の追求を研究開発活動の基本としております。現在の研究開発は主として当社の設計開発本部において推進しておりますが、研究開発スタッフは、当社グループ総従業員数の約14.9% 381名、当連結会計年度における研究開発費の総額は4,676百万円であり、セグメント別の研究開発の状況は次のとおりであります。 (1) 計測・計量機器事業当事業における研究開発スタッフは314名、当連結会計年度における研究開発費は3,854百万円であり、分野別の主要課題及び成果は次のとおりであります。① 計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)DSPシステムは、計測・制御・シミュレーション・解析等が必要な様々な分野に応用が可能なフレキシブルなシステムでありますが、当連結会計年度は前期に引き続き製品ラインナップの強化及びアプリケーションシステムの充実に努めました。車両の電動化、先進運転支援システム(ADAS)、自動運転などにより、車両システムが複雑化しています。車両システムの制御開発・検証で用いられるHILS(Hardware in The Loop Simulation)は、パワートレイン系HILS(エンジン・トランスミッション・バッテリなど)/ボディー系HILS/車両の周囲環境/気象環境/操縦安定性などの複数のHILSが用いられます。当社はこれらを一つのシステムにまとめる統合HILSを構築するための、拡張性の高いHILSプラットフォーム(HELIOS)の開発を行いました。本プラットフォームは既に自動車会社での実運用が始まっており、システムの拡張性について高い評価を得ております。平成27年7月に日本アビオニクス㈱より事業譲受した工業計測機器に関しましては、DSP事業との連携が進んでおり、宇宙航空産業向けの大型試験装置の分野では、宇宙航空研究開発機構(JAXA)で開発中の次期基幹ロケットH3用のエンジン燃焼試験設備用の計測設備について、第1段エンジン(JAXA種子島宇宙センター、平成28年受注)、第2段エンジン(JAXA角田宇宙センター、平成29年受注)に引き続き、当連結会計年度は第 1 段厚肉タンクステージ燃焼試験(三菱重工業株式会社 田代試験場)の計測システムの開発及び提供を行いました。このシステムにおいては、DSP事業で蓄積した分散計測技術や音振動解析技術が貢献しております。DSP応用試験機では、ムービングベルト式タイヤ試験機の標準型を開発・発表しました。内外のタイヤメーカーより好評をいただき、9月には1号機を受注いたしました。また、騒音試験路(N路)と振動試験路(V路)の台上での試験を可能とするN/Vドラム試験機については、自動車開発におけるMBD(モデルベース開発)化に貢献する、複合機能化(疑似路面、FMSセンサー搭載)試験機を開発・発表し、大きな反響と引き合いをいただいております。 ② 計測機器計測機器では,引張・圧縮試験機テンシロンRTF/RTGおよび各種試験治具の標準化と販売資料の充実を進めました。これらにより短納期の自動引張試験機・自動曲げ試験機・自動圧縮試験機の受注を可能にしました。また、テンシロンRTFにおいては標準仕様の2倍、5倍、15倍の試験速度を有するRTF-HSシリーズを開発し、市場投入しました。 ③ 半導体露光装置関連ユニット電子ビーム偏向制御用のデジタル/アナログ変換器(D/A変換器)につきましては、いっそう厳しくなってきた廃止保守デバイスに関連して、Rohs対応や代替デバイスの実験と評価と性能向上(耐ノイズ、セトリング、耐負荷)を目指しての開発に取り組みました。一方ビームユニットにつきましては、前年度と同様に新半導体検査用のSEM用の電子銃のさらなる安定化を図る開発を進めております。また高圧電源の分野では電子線露光装置の電子銃用の高安定電源の試作を進め、顧客要望を満たす高精度電源(高安定、低リップル、高放電耐性)を開発しました。 ④ 計量機器計量機器につきましては、当社の汎用電子天秤の中心機種であるGXシリーズの新製品GXAシリーズを開発し、市場投入いたしました。GXシリーズは十数年以上好調な売上を維持しておりますが、更なる売上増加を目指し、新機能の追加、使い易さの改善等を行いました。既に市場では旧製品以上の評価を受け、順調に売上を伸ばしております。また、昨年発売開始した汎用台秤HV/W-Cシリーズのラインナップ拡充のため、取引証明用に使用できる特定計量器シリーズを開発、市場投入しました。さらに小型安価防水秤として、UH-WPシリーズも開発いたしました。重量インジケータ部門では、組み込み用インジケータAD-4430シリーズにアナログ出力タイプ、また、Modbusインターフェースを付加したモデルを追加いたしました。これでAD-4430としては4機種のラインナップとなり、次年度以降の売上増が期待されます。またロードセルは、トラックスケール用デジタルロードセルLCCD20シリーズを開発、市場投入いたしました。近年ウエイトチェッカ、金属検出機と新規参入してまいりました検査機マーケットにつきましては、当連結会計年度におきましては、新規参入としてX線検査機の製品開発を行い新製品発表を行いました。X線検査機につきましては、マーケットの要求が年々増加しており、その要求に応えるべく開発され、平成30年度の発売を予定しております。その他に、平成27年に日本アビオニクス㈱より事業譲渡を受けた工業計測機器につきまして、レコーダのマイナーチェンジ機種として、オムニエースRA-2300MKIIを開発、市場投入いたしました。 (2) 医療・健康機器事業当事業における研究開発スタッフは67名、当連結会計年度における研究開発費は822百万円であり、分野別の主要課題及び成果は次のとおりであります。① 医療機器医療用血圧計につきましては、携帯型自動血圧計(ABPM)TM-2441の開発を行い、まずは国内での販売を開始いたしました。前機種TM-2430シリーズの後継機種として20年ぶりのフルモデルチェンジを行い、超小型設計(前機種体積比約80%)に加え、基本機能である血圧のインターバル測定のほかマルチセンサにより身体活動、脈波波形、気温・気圧の環境因子も同時に記録することが可能で、取得したデータを解析することにより、個人の環境・生活リズムを考慮した循環器疾患の個別治療への利活用が期待されます。ABPMは、高血圧の診断と治療において重要な役割を果たしており、日本高血圧学会による高血圧ガイドライン2014においても推奨されております。医療用計量器につきましては、主力のバリアフリースケールシリーズのモデルチェンジを行っておりますが、当連結会計年度は、第一弾としてAD-6107Rを開発し、市場投入いたしました。ハニカム構造を採用し大幅な軽量化を実現するとともに回路方式の刷新によりメンテナンス性を向上させることができました。医療・介護現場の負担軽減に大きく寄与いたします。② 健康機器健康機器につきましては、手首血圧計UB-522、UB-525、UB-533の3機種を開発し、市場投入しました。UB-522はローコストタイプ、UB-533は手首の最適位置を知らせる高機能タイプで、今後は現行製品をこれらの機種に置き換えてまいります。また、新しいカテゴリーの製品として、リストバンド型活動量計ライフレコーダUW-302BLEを開発し、市場投入いたしました。当社製のBLE(Bluetooth Low Energy)通信機能付き血圧計や体重計と連携できるHub機能を搭載しており、リストバンドに個人認証、血圧、体重データを一時保存でき、日々の健康データを管理するのに最適な製品です。その他、内閣府プロジェクトのImPACTに参加し、上記TM-2441やUW-302を使用して「血行動態ビッグデータに基づくリアルタイムICT・個別循環予見医学」の活動を行いました。
FY2017|3,096 文字
6 【研究開発活動】当社グループは“はかる”を事業領域として様々な計測機器を開発しておりますが、顧客要求に応える機器開発及び未来を支える計測技術の追求を研究開発活動の基本としております。現在の研究開発は主として当社の設計開発本部において推進しておりますが、研究開発スタッフは、当社グループ総従業員数の約14.9% 382名、当連結会計年度における研究開発費の総額は4,444百万円であり、セグメント別の研究開発の状況は次のとおりであります。 (1) 計測・計量機器事業当事業における研究開発スタッフは316名、当連結会計年度における研究開発費は3,686百万円であり、分野別の主要課題及び成果は次のとおりであります。① 計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)DSPシステムは、計測・制御・シミュレーション・解析等が必要な様々な分野に応用が可能なフレキシブルなシステムでありますが、当連結会計年度は前期に引き続き製品ラインアップの強化及びアプリケーションシステムの充実に努めました。まず、DSPシステムの製品ラインナップの強化の一環として、組み込み用途向け小型低価格DSPシステムの新モデルの開発を行いました。これは従来製品と比べると同程度のコストで4倍から5倍の処理速度の向上を実現しました。その他に前期に引き続き開発を行ったものとして、エンジン制御装置の試験システムであるエンジンHILS(Hardware In the Loop Simulation)の新型機の開発を行いました。さらに、モータ制御装置の試験システムであるモータHILS、及びバッテリ制御装置の試験システムであるバッテリHILSの開発を継続して行いました。また、高機能計測・制御システムコントローラAD-Procyonシリーズの次世代機の開発を行うと共に、車載計測用の小型リアルタイム燃焼解析システム(Phoenix-C3)の開発などを継続して行いました。DSP応用試験機では,タイヤ試験機用の3Dプリンタ技術を応用した疑似路面製造技術を開発しました。これは当社製造の試験機用途のみではなく、既設のドラム試験機への取付が可能な技術で、今後の市場拡大が期待されるものです。タイヤ転がり抵抗試験機につきましては、新たな市場要求に応えたN/V(騒音・振動)試験用ドラム式タイヤ試験機を開発し、現在、複数のタイヤメーカー、自動車メーカーから引き合いをいただいております。② 計測機器計測機器では引張・圧縮試験機RTGシリーズの生産性向上のための標準化を行い、その結果、短納期対応が可能になり、売上も好調に推移しました。また、市場要求のある炭素繊維専用引張試験機やダンボール圧縮試験機を開発、市場投入いたしました。摩擦試験機EFMシリーズは自動車業界の要望に応え、耐環境対応などの改良を行った結果、売上好調を維持しました。③ 半導体露光装置関連ユニット電子ビーム偏向制御用のデジタル/アナログ変換器(D/A変換器)につきましては、前期に引き続きD/A変換器ユニットの更なる性能(耐ノイズ、セトリング、耐負荷)向上を目指しての開発に取り組みつつ、一部部品の廃盤に対応した代替アンプの開発を行いました。一方ビームユニットにつきましては、新半導体検査用SEM(走査型電子線顕微鏡)向けの高電圧電子銃の開発、信頼性向上のための開発作業を進め、安定した高電圧電子銃を開発しました。また高圧電源については描画装置などより高精度を必要とする機器向けに安定性の向上、低ノイズ化を進めました。④ 計量機器計量機器につきましては、当社の汎用計量器の中心機種であります電子台秤HV/Wシリーズをリニューアルして新機能を搭載し性能を向上させたHV/W-Cシリーズを開発し、市場投入致しました。また、パッケージされた食品の重量選別に便利なHL-CLシリーズを新規投入いたしました。これは汎用の小型秤に重量比較機能を追加し、商品の手動選別が簡単に行えるようにしたもので、市場で好評をいただいております。大型台秤であるSNシリーズには載の高さを低くしたSN1200KL、フォークリフトで運搬される品物の計量時の扱いを容易にしたSN1200KUシリーズを発売いたしました。電子天秤は、汎用天秤のローコスト版EJシリーズに新シリーズとして、10mgの感度を持つEJ1202・EJ3002を開発し市場投入いたしました。ローコストの10mg汎用天秤として市場に受け入れられております。また、電子天秤の計量結果を保存するための小型プリンターAD8127を開発いたしました。従来のプリンターAD8121に比べテンキー入力等新しい機能を追加したモデルです。重量インジケータシリーズではトラックスケールの重量処理用インジケータとしてデジタルロードセルに対応したAD4353を開発いたしました。3年前に新規参入しましたウエイトチェッカマーケットに対しては、様々なユーザー要求に対応できるように重量センサー及びコントロール部だけを製品化したAD453を開発いたしました。これにより客先要求に対するフレキシブルな対応が可能となりました。ロードセルにつきましては、前期来開発を行っている小型ボタン型ロードセルLCC21シリーズに、新たにアンプ内蔵型及びA/D変換部とUSBインターフェースを内蔵した新製品を開発、市場投入いたしました。 (2) 医療・健康機器事業当事業における研究開発スタッフは66名、当連結会計年度における研究開発費は758百万円であり、分野別の主要課題及び成果は次のとおりであります。① 医療機器医療用血圧計につきましては、前期に引き続き「脱水銀」をコンセプトに、自動測定が可能な外来、看護・介護ケア等、あらゆる場面に適した医用電子血圧計UM-211の開発を行い、国内販売を開始いたしました。携帯型自動血圧計につきましては、自治医科大学との共同開発で気温、気圧、高感度身体活動など、生活環境情報と、血圧、心拍、脈波波形の生体信号を同時に時系列評価できるマルチセンサー携帯型自動血圧計TM-2441を開発しました。この開発に伴い、内閣府の推進するImPACTプロジェクト(革新的研究開発推進プログラム)に研究参加し、活動を始めました。また、血圧脈波計測の新しいアプローチから、 血圧測定用のカフを上腕に装着するだけで血管形態の指標 eA(estimated area):上腕動脈推定内腔断面積と血管機能としての指標 VE(Volume elastic modulus):上腕動脈容積弾性率の2つの新しい測定を可能とする血圧脈波検査装置ヘルスクロノス TM-2772を開発、発売いたしました。② 健康機器健康機器につきましては、近年スマートフォンやパソコンを利用した健康管理サービスに対応する、無線機能を搭載した血圧計、体重計、歩数計等の製品の開発を行ってきましたが、当連結会計年度はそれらのラインナップとして日立システムズとの協業で開発したライフレコーダと警備会社向けの2機種の活動量計を開発し提供を始めました。家庭用血圧計につきましては、前期に引き続き「Cool Design」をイメージテーマに、スマートフォンとの連携を強化したエアチューブのない上腕タイプ血圧計、及び同コンセプトの手首タイプ血圧計を開発し市場投入いたしました。上腕タイプは、煩わしかったエアーチューブがない使いやすい製品となっております。また、他にODM血圧計の開発も行いました。
FY2016|2,628 文字
6 【研究開発活動】当社グループは“はかる”を事業領域として様々な計測機器を開発しておりますが、顧客要求に応える機器開発及び未来を支える計測技術の追求を研究開発活動の基本としております。現在の研究開発は主として当社の設計開発本部において推進しておりますが、研究開発スタッフは、当社グループ総従業員数の約15.5% 408名、当連結会計年度における研究開発費の総額は4,653百万円であり、セグメント別の研究開発の状況は次のとおりであります。 (1) 計測・計量機器事業当事業における研究開発スタッフは339名、当連結会計年度における研究開発費は3,805百万円であり、分野別の主要課題及び成果は次のとおりであります。① 計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)DSPシステムは、計測・制御・シミュレーション・解析等が必要な様々な分野に応用が可能なフレキシブルなシステムでありますが、当連結会計年度は前期に引き続き製品ラインアップの強化及びアプリケーションシステムの充実に努めました。まず、DSPシステムの製品ラインナップの強化の一環として、新たに組み込み用途向け小型低価格DSPシステムの開発を行いました。その他に前期に引き続き開発を行ったものとして、エンジン制御装置の試験システムであるエンジンHILS(Hardware In the Loop Simulation)、モータ制御装置の試験システムであるモータHILS、及びバッテリ制御装置の試験システムであるバッテリHILSの開発を行いました。また、高機能計測・制御システムコントローラAD-Procyonシリーズの次世代機の開発を行うと共に、車載計測用の小型リアルタイム燃焼解析システム(Phoenix-C3)の開発などを行いました。DSP応用試験機では、受注の続くタイヤ転がり抵抗試験機とムービングベルト試験機について、市場要求に応え納期短縮と品質の安定化を図るためにロット生産を開始しました。更に受注好調な熱交換器シリーズについては、前期に引き続き標準化とユニット単位での登録生産作業を進めました。② 計測機器計測機器では、生産の効率化を図るため、引張・圧縮試験機シリーズのメイン機種であるテンシロンシリーズの標準化を進めました。また、標準摩擦摩耗試験機EFMシリーズは例年の2倍近い受注・納入を果たし、併せて一部機種の標準化を行いました。③ 半導体露光装置関連ユニット電子ビーム偏向制御用のデジタル/アナログ変換機につきましては、前期に引き続き、客先での描画評価に備え、変換機のアンプユニットの更なる性能(耐ノイズ、セトリング、耐負荷)向上を目指して開発を行いました。一方ビームユニットにつきましては、昨期に引き続きSEM(走査型電子線顕微鏡)用の鏡筒(カラム)の機能と性能向上,さらには用途を絞った半導体検査装置向けのSEM技術の開発を行いました。また単体での外販が可能なEB/FIB用の高圧電源の開発を開始いたしました。④ 計量機器計量機器につきましては、昨年国内投入いたしました工業用の防爆はかりEK-EXシリーズの海外展開を図るために、韓国の生産子会社において防爆機器生産認可工場として海外認証機関による認可を受け、海外市場への出荷を開始しました。また、汎用のはかりとしては、持ち運びを重視したポータブル薄型はかりSAシリーズを発売いたしました。電子天秤は、生産ライン組み込み用で、1μgまで測定可能な精密天秤AD4212D及び 汎用天秤EKシリーズの中型天秤EL-Lシリーズを販売開始いたしました。昨年新規参入いたしました電動ピペットにつきましては大型モデルMPA-10000を追加し、シリーズの充実を図りました。ウエイトチェッカ及び金属検出機の新製品としては、高速ウェイトチェッカAD4961-600シリーズ、金属検出器AD4971の麺専用モデル等を開発しました。AD4961-600シリーズはウェイトチェッカ標準品の3機種目にあたり、製品のラインナップがかなり整って来ました。AD4971麺専用モデルは、細麺をターゲットにしたモデルであり、機能を絞ることでローコスト化しており、多数の応用製品に展開する予定です。また、計量指示計につきましては、長年好評に販売されて来たAD4401重量インジケータをリニューアルし、新たな機能を追加したAD4401Aを発売開始いたしました。新型力センサーとして新たに超小型ボタン型ロードセルLCC21シリーズを開発いたしました。 (2) 医療・健康機器事業当事業における研究開発スタッフは69名、当連結会計年度における研究開発費は848百万円であり、分野別の主要課題及び成果は次のとおりであります。① 医療機器医療用血圧計につきましては、水俣条約により2020年に全廃が予定されている水銀血圧計の代替品として販売している、「水銀レス血圧計スワンハートUM-102シリーズ」のモデル拡充を行い、前年対比90%アップの台数を記録し、順調に推移しております。医療用計量器につきましては、介護施設向けバリアフリー車椅子体重計として、AD-6108シリーズを市場導入いたしました。こちらの製品は、通常移動が困難な大型計量器でありながら、ユニークなアイディアによりその問題点を克服、施設内を持ち運んで、車椅子患者の体重測定を可能といたしました。また、電動昇降式リフトスケールAD-6082を市場導入、従来品比30%の軽量化とデュアル表示器により操作性を大幅に向上させました。② 健康機器健康機器につきましては、これまでスマートフォンやパソコンを利用した健康管理サービスに対応するため、これらの情報機器に血圧・体重・歩数などのデータを無線送信できるBluetooth Low EnergyやNFC通信機能を搭載した製品を開発してきましたが、当連結会計年度も引き続き製品ラインナップの拡充を行いました。その一つとして、「Cool Design」をイメージテーマに、スマートフォンとの連携を強化した新型血圧計及び体重計の開発を行い、新型血圧計はハイエンドモデルとし平成28年度年度前半に発売を予定しています。また、家庭用製品では競合会社との価格競争が激化する中、製造工場と生産部門そして開発部門が一体となり生産性の合理化、製品の共通化に取り組みました。