研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-03 | - | 28 |
| 2024-03 | - | 27 |
| 2023-03 | - | 22 |
| 2022-03 | - | 21 |
| 2021-03 | - | 16 |
研究開発活動(本文)
FY2025|3,047 文字
6【研究開発活動】当社グループの研究開発活動としては、大別して新規事業を目指した新規技術開発及び製品開発と、既存分野における製品開発及び改良・改善業務があります。当社の研究開発活動は技術本部が担当し、コア技術である圧力計のブルドン管や内機等の圧力検出機構や圧力センサ素子の継続的な研究開発、またそれらコア技術を応用した各種産業向圧力センサとその応用製品、圧力計、システム製品などの開発を進めています。子会社においても、各種独自の圧力計、圧力センサ、圧力制御機器、計測制御機器の研究開発活動を推進しています。当社グループにおける研究開発、技術、生産技術スタッフは237名(内、子会社87名)で、全従業員の9.9%となります。当連結会計年度の研究開発費は1,428百万円となりました。当社の成長戦略別での研究開発活動の状況は次の通りです。 (1) 成長戦略1「既存事業の競争力強化」① 産業計測分野では、船舶規格であるNK認証取得製品のラインアップ拡充として、低圧レンジをカバーする製品を開発し発売を開始しました。② 半導体装置産業分野では、装置のデジタル化対応としてIO-Link機能を追加した拡充製品の開発をスタートし顧客へのサンプル提供も進めております。③ IoTに対応するワイヤレス型圧力センサ・圧力計では、顧客ニーズの探索を行い、機種拡充やシステム化開発を進めました。また生産現場でのDX化が進む中、計測機器のデジタル化対応として、IO-Link対応製品を拡充し各業界に向け順次ラインアップ予定です。④ 圧力計測の高精度化に関して、仕様強化として精度 ±0.02%F.S.+1digit の高精度仕様の精密デジタル圧力計をラインアップし発売を開始しました。また計量法施行規則等の一部を改正する省令(令和6年経済産業省令第62号、施行日:令和7年1月1日)にて追加された「基準電気式圧力計」に適合する第一号の製品として基準器認証を受けた仕様をラインアップしました。⑤ 圧力センサ、圧力計に関する研究・基礎開発においては、市場のニーズや成長分野の予測を基に、コアとなるセンサ素子の性能向上やレンジ拡大のためのプロセス開発を継続しており、半導体産業用として耐食性に優れたハステロイ®C-22相当材料を用い、UHP(ウルトラハイピュアリティ)グレードに対応した圧力センサ素子を開発し、腐食性の高い液体材料や固体材料を用いた半導体ガス供給システムにおいて200℃以上の高温下での計測が求められる次世代半導体プロセスに向けた製品を開発しました。⑥ 医療分野では、咬合力計のリニューアル品として、圧力印加部(咬合力測定部)の形状最適化により高い出力再現性、安定性、偏荷重に対し強い製品を開発完了し、2025年度に販売開始予定です。⑦ 車載分野では、大手自動車会社向けの第3世代燃料電池車(FCV)システム用圧力センサの技術検証を大手自動車会社と共同で引き続き推進しており、また現行の第2世代FCVシステム用の圧力センサを他社向けやバス、トラックなどの大型車両、フォークリフトをはじめ、船舶、鉄道、航空宇宙等といった乗用車以外の用途開拓にも積極的に水平展開に取り組んでいます。また水素エンジン(水素を燃料として利用するエンジン)用の圧力センサの開発も進め、各種サンプルを提供しました。 (2) 成長戦略2「グローバル戦略の強化」① 北米、ヨーロッパ市場の半導体産業向け製品の拡販に向け、米国子会社Ashcroftと協業し大手半導体設備メーカに向けた圧力センサの開発、仕様拡充を進めています。② Ashcroftによって北米市場に製品を供給するメキシコ ケレタロ工場における圧力センサの生産、中国 嘉興工場での中国市場向けの生産に対する技術支援を継続実施しています。③ 欧州自動車産業市場においては、引き続きドイツ合弁会社の共同出資者に対し車載エアコン用圧力センサにおける製品開発支援及び改良・改善を実施しています。 (3) 成長戦略3「新たな事業領域の拡大」① 光計測技術を用い、極限環境下での計測をテーマに、極低温、超高温、超高圧から極微圧を計測可能とする計測システムの開発に注力しています。中でも成長が期待される水素関連事業向けに開発中の光干渉技術を用いた液化水素(−253℃)計測用圧力センサについては、液体水素搬送ポンプなどの装置を開発している主要企業が実用化フェーズに移行しつつあることから、2025年度前半には防爆認証も取得した製品の開発を完了し、さらに2026年度には液体水素向けに特化した製品を前倒してリリースする予定です。② 同じく光計測技術をもとに、光ファイバセンサを神経のように船体に張り巡らし、その構造的な応答をモニタリングするシステムの開発が完了し、実船に搭載されることが決定しました。今後は、調査船や水素運搬船、大型コンテナ船など、最先端の船舶に導入されることが期待されます。③ IoT技術による省人化をテーマとして、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)、セイコーエプソン株式会社と共同開発を進めてきました、鉄道橋梁桁の定期検査を自動化する装置(ER15アオリ監視装置)は、これまで順調に導入・運用が進み、さらに多くの鉄道事業者に活用いただけるよう、普及・販促活動に注力するとともに、これに続く新たな監視装置も来年度の発売に向けて開発を進めています。④ 同じくIoT技術による省人化に貢献する製品、システムとして、サブスクリプションでご利用いただけるクラウド型計測ネットワークサービス『Nモニ』の機能拡張を進め、先の鉄道橋梁向けの監視装置や指針角読み取り装置を取り付けた圧力計など、当社製品を遠隔監視するための共通プラットフォームとして活用される場が増えています。指針角読み取り装置については、新たに防爆仕様を拡充するなど、より多くの現場で活用いただけるよう開発を進めています。⑤ 当社のコア事業である圧力センサの生産性と競争的優位性を更に高めるために、各種センサ素子の信号を増幅、補正して電気信号に変換するのに必要となる、専用の半導体IC(カスタムASIC)の開発を行うため、専任チームを立ち上げました。この開発の成果として、圧力センサの性能面での向上だけでなく、電子部品や製造装置の共通化によって、更なる生産性の向上を見込んでおります。⑥ 計測制御機器分野では、海外顧客からのご要望に応えて、バッテリー駆動で手軽に漏れ検査を行えるポータブル水素リークディテクタHDA-0100をCEマーキングに対応させました。⑦ 一昨年度に開発した装置搭載水素リークディテクタHDZ-0201を実装した試験装置として、顧客からのご要望の多い2.5×10-5 Pa ㎥/s の漏れを検出できる測定技術を確立し、市場に展開しました。⑧ 半導体市場向けに、測定接ガス部に銅系材料を使用せず、クリーン仕様としながら、現行品より価格を抑えたエアリークテスタFLZ-0220-A7を開発しました。 このような研究開発活動を進める一方、既存製品の改良・改善業務として、性能向上やコスト低減活動を継続しています。各種量産製品における安定生産のための各種改善に対する評価検証や、製品のリニューアル、仕様強化としての各種オプション追加等の開発検証を行い、量産品の収益性向上、生産性向上の対応を継続しています。
FY2023|3,453 文字
6【研究開発活動】当社グループの研究開発活動には、新規事業を目指した新規技術開発及び製品開発と、既存分野における製品開発及び改良・改善業務があります。当社の研究開発及び新規技術開発を伴う製品開発は開発センターが担当し、新型圧力センサ素子、各種産業向圧力センサとその応用製品、圧力計、システム製品などの製品開発は、技術本部内の各部門が担当しました。また、車載用圧力センサ開発は車載センサ技術部が担当しました。子会社においては、圧力計、圧力センサ、圧力制御機器、計測制御機器の研究開発活動を推進しました。当社グループにおける研究開発、技術スタッフは206名(内、子会社90名)で、当連結会計年度の研究開発費は1,366百万円となりました。 「新たな事業領域の拡大」として、極低温、超高温、超高圧から極微圧などの極限環境下での計測を可能とする計測システムの実用化開発として、カーボンニュートラル実現に向けて成長が期待される水素関連事業向けに光干渉技術を用いた液化水素(−235℃)計測用圧力センサの開発を進めました。また、グリーンイノベーション戦略に呼応した省人化、省エネ化につながるロボット産業の高度化に貢献できるトルクセンサの開発および、計測制御機器のシステム化も当社の「成長戦略」に位置付けて売上拡大分野として製品開発を進めました。高付加価値サービスの提供を目的とする新たなモニタリングシステムの実用化では、鉄道橋梁桁の定期検査を自動化する装置を大手鉄道事業者様、大手情報関連機器メーカー様と共同開発を進めました。海上輸送の分野では、加速する船舶のDX化(デジタルトランスフォーメーション)に必要となる船体構造応答モニタリングシステムの開発を大学や造船会社などと連携して実用化開発を進めました。 「既存事業の競争力拡大施策」の主な内容として、産業計測分野では、2050カーボンニュートラル実現に向けたエネルギー政策として掲げられている水素・アンモニア利用に関わる圧力計測製品のラインアップ拡充として、船舶規格であるNK認証取得製品を開発し発売を開始しました。半導体装置産業分野では、装置のデジタル化対応としてIO-Link対応デジタル微差圧計に新たにデジタル表示機能を追加した拡充製品を開発し発売を開始しました。IoT(internet of things)を考慮したワイヤレス型圧力センサ・圧力計では、顧客ニーズの探索を行い、機種拡充やシステム化開発を進めました。圧力センサ、圧力計に関する研究・基礎開発においては、市場のニーズや成長分野の予測を基に、コアとなるセンサ素子の性能向上やレンジ拡大のためのプロセス開発を推進し、200℃以上の高温下でも計測可能な圧力センサ素子や、医薬・製薬向けとして小口径(ISO 15Aヘルール)接続可能なフラッシュタイプの圧力センサ素子を開発しました。車載分野では、大手自動車会社向けの第3世代燃料電池(FC)システム用圧力センサの技術検証を大手自動車会社と共同で推進しました。また、大手ティア1との協業で開発をした次世代ガソリン直噴エンジン用圧力センサの量産を開始しました。本製品はプラグインハイブリッドに組合せされる高燃費・高出力の新型直噴エンジンに適用されることから、従来よりも高圧で、高精度・高安定性を実現しました。 計測制御機器分野では、自動運転や安全機能に欠かせない各種センサ用、更には電子部品や電子製品の気密性試験用の機器・装置の製品開発を推進しました。また水素社会に向けた漏れ検査およびEV化に伴ってより厳しい漏れ検査要求に対応する高感度ポータブル水素リークディテクタの製品化、2次電池対応や半導体製造装置搭載用の高性能電空レギュレータや接液・接ガス部を銅・亜鉛フリー化した半導体薬液製品漏れ検査用のエアリークテスタの製品開発を推進しました。医薬包装関連では、ワクチンなどを充填するバイアル瓶の漏れ検査装置の製品開発を推進しました。 「グローバル戦略の強化」として、圧力センサの地産地消を促進させるため、当社製センサ素子を利用して米国でのニーズを考慮した(多品種・少量を実現できる)新規圧力センサの開発を進めました。欧州自動車産業市場においては、ドイツ自動車会社のBEV(バッテリー電動車)搭載のヒートポンプ式エアコン用圧力センサ半製品の量産をドイツ子会社のJADEと連携し開始しました。この期間の開発成果として、以下の新製品他を発売し出荷を開始しました。 (EJ15・KJ91 船舶規格:NK認証取得)EJ15,KJ91は、次世代エネルギーである水素・アンモニア計測に対応した圧力センサです。各国防爆規格に加え、新たに燃料輸送船や大型船舶用エンジン用途として、船舶規格のNK認証取得と製品拡充を行いました。 (ZT17 高温用圧力センサ (200℃対応) 仕様拡充)最先端の半導体プロセスに適合可能な仕様として、プロセスガスの滞留を最小限に抑制した構造、特殊表面処理技術、溶接技術、新たに開発した200℃対応の圧力センサ素子の搭載など、高温圧力計測用途に対応した半導体産業用高温用圧力センサを発売しました。 (GC02 高精度デジタル微差圧計)当社SCセンサ素子(シリコン・キャパシタンスセンサ)を用い、精度±0.25%F.S.でかつ多彩な信号形態を切替出力可能とし、視認性の高い大画面LCDディスプレイを搭載した製品であり、さまざまな用途での採用が期待できる製品として発売しました。 (EK30 IO-Link対応デジタル微差圧計 仕様拡充)IO-Link対応により工場設備のIoT化推進、省力化に貢献できるデジタル対応製品として、昨年発売開始したEK30(IO-Link対応デジタル微差圧計)に続き、新たにカラーLCD搭載デジタル表示機能を追加した拡充製品を発売しました。 (SU75 小口径サニタリ圧力トランスミッタ)顧客要求の小口径(ISO 15Aヘルール)接続および高圧レンジ対応のため、新規圧力センサ素子を開発搭載し、封入液を使用しない乾式圧力トランスミッタとしてSU75の製品仕様拡充を行い、医薬・製薬向けをターゲットとして発売しました。 (ポータブル水素リークディテクタHDA-0100)1×10-6 Pa・m3/sの微少な漏えい水素を検出するポータブル水素リークディテクタです。充電式バッテリー搭載で使い勝手がよく、水素を使用した機器のメンテナンスから、希釈水素を使用した汎用の漏れ検査まで幅広く使用可能な検出器として発売しました。 (ステンレス仕様エアリークテスタFLS-0100)接ガス部の主材料をステンレス、フッ素ゴム、テフロンとしたエアリークテスタで、半導体製造装置、薬液を使用する装置などで使用する漏れ検査用として発売しました。 (卓上式グロスリークテスト装置MSA-0101)イメージセンサーなど大型の電子部品に対応し、従来のフルオロカーボン液を使わずドライ試験が可能な卓上グロスリークテスト装置として発売しました。 (密封品リークテスト装置MSZ-0701)防水規格IPX7,IPX8相当が必要とされるウェアラブル端末や屋外使用電子機器において、ドライ試験可能な卓上密封品エアリークテスト装置として発売しました。 (汎用圧力計 「8009 S」/海外実施)外枠を取り外しが可能なバヨネット式として、指針の調整が可能な圧力計を発売しました。目盛径63mmと100mmの大きさで各種取り付け形状に対応しており、隔膜と組み合わせて使用することができます。従来製品と同等の機能で、低価格対応が可能です。 (汎用圧力センサ「S1」/海外実施)当社製圧力センサ素子を応用した汎用圧力センサS1を開発し、当社グループのメキシコ・ケレタロ工場での生産を開始しました。圧力センサ素子と圧力導入継手とを接合する技術を採用したことにより、継手材質の選択幅が広がり、アルミ、黄銅、軟鋼、ステンレス鋼から用途に応じて最適な材質を選択できる製品です。 このような研究開発活動を進める一方、現製品の改良・改善業務に技術要員を割り当て、既存製品に対するユーザーからの要求に対応して、性能向上とコストの改良改善を進めました。 当社グループは以上のような開発体制を形成しており、生産技術を含む全技術スタッフは247名、全従業員の11.0%となっております。
FY2022|4,334 文字
5【研究開発活動】当社グループの研究開発活動には、新規事業を目指した新規技術開発及び製品開発と、既存分野における製品開発及び改良・改善業務があります。当社の研究開発及び新規技術開発を伴う製品開発は開発センターが担当し、新型圧力センサ素子、各種産業向圧力センサとその応用製品、圧力計、システム製品などの製品開発は、技術本部内の各部門が担当しました。また、車載用圧力センサ開発は車載センサ部が担当しました。子会社においては、圧力計、圧力センサ、圧力制御機器、計測制御機器の研究開発活動を推進しました。当社グループにおける研究開発、技術スタッフは212名(内、子会社94名)で、当連結会計年度の研究開発費は1,357百万円となりました。 圧力計、圧力センサに続く第3の柱とする「新たな事業領域の拡大」として、極限環境での計測を可能とする計測システムの開発、および高付加価値システム・サービスの提供を目標としたモニタリングシステムの実用化を進めてきました。極限環境センサでは、光干渉を用いて高温から極低温までの広い温度範囲で安定に圧力計測が出来る計測技術を開発しました。本技術を用いた製品の一つとして、水俣条約における計測機器の非水銀化に向けて、水銀を全く使用しない400℃対応光学式溶融樹脂圧力センサの製品化を完了して発売を開始しました。更に本技術を用い、カーボンニュートラル実現に向けて成長が期待される水素関連事業向けに、液化水素用計測機器の開発を進めていきます。また、グリーンイノベーション戦略に呼応した省人化、省エネ化につながるロボット産業の高度化に貢献できるトルクセンサ開発および、計測制御機器のシステム化も当社の「成長戦略」に位置付けて売上拡大分野として注力しています。モニタリングシステムの実用化では、橋脚基礎の洗堀をモニタリングする装置に加え、桁の定期検査を自動化する装置についても大手鉄道事業者様、大手情報関連機器メーカー様と開発を進めました。また、海上輸送の分野では、大型化する船舶のDX化(デジタルトランスフォーメーション)、船体構造応答モニタリングシステムの開発を大学や造船会社などと連携して進めました。 「既存事業の競争力拡大施策」として、産業計測分野では、2050カーボンニュートラル実現に向けたエネルギー政策として掲げられている水素・アンモニア利用に関わる圧力計測について、国際規格IECEx/ATEX/国内防爆規格の本質安全防爆認証を取得した圧力センサをリニューアルし、EU市場展開に向け圧力機器指令適合のCEマーク対応の高圧水素用圧力計を発売しました。また、デジタル化進む中で半導体装置産業向け圧力計測製品として、IO-Link対応デジタル微差圧計を開発し発売開始しました。圧力センサ、圧力計に関する研究・基礎開発においては、市場のニーズや成長分野の予測を基に、コアとなるセンサ素子の性能向上やレンジ拡大のためのプロセス開発を推進しました。半導体歪みゲージ式センサ素子は、応用製品への組込みを考慮し、高安定・高精度化に向けた性能改善を推進しました。また、微差圧を検出するシリコンキャパシタンスセンサ素子については、コロナ禍で、陰圧室内圧力の監視義務化需要の高まりに対応するため、検出できる最低圧力レンジを従来の50Paから10Paへ高感度化させるべく、センサ構造設計およびプロセス開発を行い、デジタル微差圧計への搭載を開始しました。今後、これらコアとなるセンサ素子を用いた新製品を開発していきます。IoT(internet of things)を考慮したワイヤレス型圧力センサ・圧力計については、顧客ニーズの探索を行い、機種拡充やシステム化開発を進めました。 車載用途では、大手自動車向けの第3世代燃料電池(FC)システム用圧力センサの技術検証を大手自動車と共同にて推進しました。FCシステムの用途拡大に向け、自動車以外の用途への対応にも参画しています。また、大手Tier1との協業で開発をした次世代ガソリン直噴エンジン用圧力センサの量産準備を推進し、2022年3月から量産を開始しております。本製品はプラグインハイブリッド用の新型直噴エンジンに適用されることから、従来よりも高圧、高精度が要求されており、今後の数量拡大に備え、徹底したパラメータ管理に取り組んでいます。 計測制御機器分野では、自動車の電動化が進むことで生産設備における漏れ検査装置の市場縮小が見込まれる中、市場転換を意識した高感度ポータブル水素検出器の開発、好調が続く電子部品向けの漏れ検査機器の拡充、FA市場などに向けたネットワーク対応型高機能エアリークテスタの開発を推進しました。また、医薬包装関連では、ワクチンなどを充填するバイアル瓶の漏れ検査装置の装置開発を行いました。 「グローバル戦略の強化」として、圧力センサの地産地消を促進させるため、当社製センサ素子を利用した米国でのニーズを考慮した(多品種・少量を実現できる)新規圧力センサの開発を進めました。また、中国の関係会社においても当社素子を用いた新規圧力センサの組立ラインが完成しました。欧州自動車産業市場においては、ドイツカーメーカーのEV(電動車)搭載のヒートポンプ式エアコン用圧力センサ半製品の量産を開始しました。また新たにトランスミッション用圧力センサ半製品の生産準備に取り組んでいます。この期間の開発成果として、以下の新製品他を発売し出荷を開始しました。 (KF10 樹脂圧センサ リリース)KF10は、圧力伝達媒体に水銀を使用しない光学式非封入の溶融樹脂圧力温度センサです。400℃と非常に高温で圧力温度を測定する必要があるため、従来は水銀を圧力伝達媒体として圧力計測を行っておりましたが、水俣条約の準拠、SDGs推進など、社会的要請にこたえられる製品として発売しました。 (KJ91・KJ92リニューアル IECEx/ATEX/国内防爆対応)KJ91・KJ92は防爆規格に対応した、表示付き2線式圧力・差圧センサです。海外市場も視野に入れ、国際防爆規格であるIECExに対応しました。また、EU市場で有効なATEX指令への適合と、日本国内で新たに防爆規格の取得も併せて行いました。今後需要が見込まれる、水素/アンモニア計測において、市場ニーズにこたえられる製品として発売しました。 (ATE-2ハンドキャリブレータ 高圧レンジ拡張 5⇒50MPa)ATE-2は現場への持ち運びが容易な携帯型高精度圧力校正器として、市場で好評を得ています。市場要求の多い、高圧レンジ帯(0~5MPa⇒0~50MPa)の圧力レンジを拡張しました。電力やプラント関連での現場校正でご使用いただき、校正の省力化に貢献できる製品として発売しました。 (GC30・GC62・GC63 レンジ拡張 10/25Pa)微差圧計測において、長野計器では様々な製品をラインアップしています。近年の医療現場や半導体製造装置の市場では、省力化や管理基準の厳格化が求められ、より微圧計測への要求が高まってきました。本製品は、それらの要望に応える為、更なる微圧(10/25Pa)レンジへの拡販をねらう製品として発売しました。 (EK30 IO-Link対応デジタル微差圧計)IO-Linkはデバイスの設定や状態監視が容易になる為、各種センサのデジタル通信技術として近年急速に普及しており、本製品も半導体製造装置組み込み用IO-Link対応デジタル微差圧センサとして製品化を行い発売しました。今後、各種センサのデジタル化を踏まえ対応機種拡大を行います。 (ZT61半導体産業用デジタル圧力計 出力仕様拡充 0~10V DC)ZT61は半導体製造プロセスでガス供給系の1.125”集積化システムに対応したデジタル圧力計です。今回、出力4~20mA DC、1~5V DCに加え0~10V DCをラインアップし仕様拡充しました。出力0~10V DCは海外での要求が強く、特にEUでの拡販を行う製品として発売しました。 (KH55舶用圧力センサ レンジ拡張 20kPa⇒0.2MPa)KH55は安定性と信頼性に優れる舶用圧力トランスミッタです。今までの半導体蒸着形センサを用いた高圧レンジ(0.3MPa⇒35MPa)に加え、接液部SUS316Lに対応したステンレスダイアフラムセンサを用いた低圧レンジ(20kPa⇒0.2MPa)を新たにラインアップしレンジ拡張しました。タンクのレベル計測等、更なる舶用製品の拡販を行う製品として発売しました。 (高圧水素用圧力計GF,GVのCEマーキング対応)カーボンニュートラル実現に向けた水素計測用途に高圧水素用圧力計をラインナップしていますが、EU市場での販売に必要な圧力機器指令への適合について確認を行い、CEマーキングに対応した製品として発売しました。 (小型電子部品気密検査装置「MSZ-6201,6202」)10㎜角程度の比較的大きめの電子部品のグロスリーク用気密検査装置を開発しました。これによって、これまでの製品ラインアップである1㎜×0.8㎜サイズの水晶振動子用超小型気密検査装置では対応できなかった大型の水晶振動子やアルミ電解コンデンサなどの電子部品の気密検査用途にも新たに対応できるようになりました。 (ガス封入式温度計 「S5500」/海外実施)目盛径100mmと160mmサイズのオールステンレス製ガス封入式温度計S5500を開発し発売しました。計測可能な温度レンジは-200℃から800℃と広範囲に対応しています。感温部は本体に直結式と隔測式が選択可能です。隔測式はキャピラリで最大100mまで延長可能です。本製品は非常に厳しいEN規格に準拠しています。 (汎用圧力センサ「S1」/海外実施)当社製圧力センサ素子を応用した汎用圧力センサS1を開発しました。圧力導入継手との接合にメタルフロー技術を採用したことにより、継手材質の選択幅が広がり、アルミ、黄銅、軟鋼、ステンレス鋼から用途に応じて最適な材質を選択できます。当社グループの最新工場であるメキシコ・ケレタロにて生産を計画しています。 このような研究開発活動を進める一方、現製品の改良・改善業務に技術要員を割り当て、既存製品に対するユーザーからの要求に対応して、性能向上とコストの改良改善を進めております。 当社グループは以上のような開発体制を形成しており、生産技術を含む全技術スタッフは254名、全従業員の10.8%となっております。
FY2021|4,182 文字
5【研究開発活動】当社グループの研究開発活動には、新規事業を目指した新規技術開発及び製品開発と、既存分野における製品開発及び改良・改善業務があります。当社の研究開発及び新規技術開発を伴う製品開発は開発センターが担当し、新型圧力センサ素子、各種産業向圧力センサとその応用製品、圧力計、システム製品などの製品開発は、技術本部内の各部門が担当しました。また、車載用圧力センサ開発は車載センサ部が担当しました。子会社においては、圧力計、圧力センサ、圧力制御機器、計測制御機器の研究開発活動を推進しました。当社グループにおける研究開発、技術スタッフは210名(内、子会社91名)で、当連結会計年度の研究開発費は1,281百万円となりました。 圧力計、圧力センサに続く第3の柱とする「新たな事業領域の拡大」として、高付加価値サービスや、代替え困難な計測システムの提供を目標に、モニタリングシステムの実用化および極限環境での計測を可能とする計測システムの開発を進めてきました。橋脚基礎の洗堀や傾きを常時監視するER15(スマートセンサ)は、国土交通省が橋梁点検を支援するセンサ・モニタリング技術を整理した「点検支援技術性能カタログ」に登録されました。船舶のDX(デジタルトランスフォーメーション)が進むことで需要が見込まれる船体構造応答モニタリングシステムの開発を大学や造船会社などと連携して進めました。また、極限環境センサの事業の創出では、水俣条約や非水銀化が市場趨勢となる中、水銀を全く使用しない400℃対応光学式溶融樹脂圧力センサの開発を推進しました。 「既存事業の競争力拡大施策」として、産業計測分野では、2050カーボンニュートラル実現に向けたエネルギー政策として掲げられている水素・アンモニア利用に関わる圧力計測について、国際規格IECExの本質安全防爆認証を取得した圧力センサを発売しました。また、デジタル化進む中で半導体装置産業向け圧力センサとして、3種類の製品のラインナップを追加し充実させました。さらに、食品、薬品、化粧品用途向けとして、幅広い使用環境に適合可能な密閉式のサニタリ圧力センサを開発し、製品ラインナップを充実させました。この他、今後有望なロボット産業を視野にいれた開発として、回転、温度、トルクなどの状態量を計測できる新型センサの製品開発を推進しました。 圧力センサ、圧力計に関する研究・基礎開発においては、市場のニーズや成長分野の予測を基に、コアとなるセンサ素子の性能向上やレンジ拡大のためのプロセス開発を推進しました。高安定ステンレスダイアフラム型薄膜センサ素子は、応用製品への組込みを考慮し、高精度化に向けた性能改善を推進しました。また、微差圧を検出するシリコンキャパシタンスセンサ素子については、コロナ禍で、陰圧室内圧力の監視義務化需要の高まりに対応するため、検出できる最低圧力レンジを従来の50Paから10Paへ高感度化させるべく、センサ構造設計およびプロセス開発を行いました。これらコアとなるセンサ素子を用いた新製品を開発していきます。また、IoT(internet of things)を考慮したワイヤレス型圧力センサ・圧力計については、顧客ニーズの探索を行い、機種拡充やシステム化開発を進めました。 車載用途では、トヨタ自動車向けの第2世代MIRAI(燃料電池車)搭載用圧力センサの量産開始へ向けた技術検証を推進しました。また、車載用途の市場拡大を目指して、自動車用大手電装メーカーとの協業で次世代ガソリン直噴エンジン用圧力センサの開発・検証を推進し、2021年末の量産開始へ向けた設備準備に入っています。建設機械用途では、当社独自の部品締結技術と製造技術による圧力センサの開発を推進し、関係子会社にも技術展開を図りました。 計測制御機器分野では、新型コロナウイルス対策に有用な殺菌装置用 深紫外線LED(UV-LED)の検査装置開発とネットワークや予防保全機能に対応した高機能エアリークテスタ、圧力・差圧・流量などの表示と簡易リークテスタ機能を持ったマルチインジケータなどの製品開発を推進しました。また、医薬包装関連では、検査装置の開発・製品化および漏れ基準となる素子の開発を進めると共に、2021年6月薬局法改正を踏まえ業界団体・学会・製薬会社等への技術PR、漏れの解析(理論式導出・実験)など実施しました。 グローバル戦略の強化として、圧力センサの地産地消を促進させるため、当社製センサ素子を利用した米国でのニーズを考慮した(多品種・少量を実現できる)新規圧力センサの開発を進めました。また、中国の関係会社においても当社素子を用いた新規圧力センサの組立ラインが完成しました。欧州自動車産業市場においては、ドイツカーメーカーのEV(電動車)搭載の次世代空調用圧力センサ半製品の量産を開始しています。この期間の開発成果として、以下の新製品他を発売し出荷を開始しました。 (GC55デジタル差圧計の圧力レンジ拡大)あらゆる産業に対応可能なデジタル差圧計として、従来までの0~1MPaの差圧レンジに加え、0~100kPa⇒0~500kPa、0~2MPaレンジを追加しました。レンジ拡大と共に、精度・温度特性向上、表示桁数を増やし、市場ニーズにこたえられる製品として発売しました。 (JB50リードスイッチ接点付き圧力計)IoTやAIを活用したデジタル化の加速により半導体の需要が高まり、半導体製造装置の市場も更なる成長が見込まれています。今般、半導体製造装置のガスライン圧力およびプロセス圧力の監視用に使用可能な圧力指示と接点出力の機能を併せ持った小形の接点付圧力計JB50を開発し発売しました。 (ZT11半導体産業用圧力センサ)ZT11は半導体産業用圧力センサとして多くのユーザーにご使用頂いています。市場要求の強かった、ZERO調整の側面アクセス、温度特性の向上を目的に、新たな仕様を盛り込んだ新ZT11を開発し発売しました。 (ZT11絶対圧レンジ半導体産業用圧力センサ)ZT11の高性能化に伴い、絶対圧レンジ品の開発を行いました。絶対圧レンジ品の要求が強い、北米、欧州での展開を念頭に市場投入を行い、更なる普及、拡販を進めていきます。 (ZT17半導体産業用120℃高温圧力センサ)半導体製造プロセスでの特にウエハー処理装置部に近い工程での高温化に合わせ、ZT17半導体産業用120℃高温圧力センサの開発を行いました。長野計器が保有するセンサ技術を最大限に生かすため圧力計測を行うセンサ部と、電気信号を変換する演算部を独立させ、120℃までの計測を行える構造としました。 (KL91機器組込用圧力センサ)半導体の洗浄工程では、システムのユニット化が進み、それに合わせて圧力センサへも装置組み込み要求の引き合いが増してきています。今回は半導体前工程で使用される装置への、組み込み構造での圧力センサを開発しました。 (SU76サニタリ用圧力センサ)食品・医薬品・化粧品用途では、安全、安心を基本に封入液を使用しない、乾式での圧力計測が普及してきており、当社でもSU70,71,75を投入しております。特に測定体温度の低い乳製品等における乾式計測では、結露等により、信頼性の高い計測が難しい状況でした。SU7シリーズの強みである乾式での低圧計測を生かし、結露に対する耐性を向上させ、信頼性の高いタンクレベルが計測出来る端子箱式のSU76を開発し発売しました。 (GC16精密デジタル圧力計)圧力計、圧力センサの校正用途として、幅広い圧力レンジに対応できる様、これまでの圧力レンジに対し、微圧~高圧において9レンジ追加すると共に、GC16精密デジタル圧力計では、血圧計用基準圧力計としての機能を追加しました。また、精度向上、および通信機能・時計機能・更新周期の高速化などを行い、新製品として、市場投入を行いました。 (深紫外線LED検査装置「MSX-7001」)新型コロナウイルス対策に有用な殺菌装置用 深紫外線LED(UV-LED)検査装置の開発を行いました。深紫外線LEDは湿気の拡散による侵入が性能変化を起こすことから密封性の検査が必要で、他社にはない方式で検査を実現し、製品化をしました。 (マルチインジケータ「MIZ-0175」)16通りの設定と2入力が可能な、またリークプレッシャーユニットと組合わせることで簡易リークテストを可能としたマルチインジケータを開発・製品化しました。 (本質安全/耐圧防爆認証 圧力トランスミッタ 「E2S, E2F, E2X」/海外実施)国際規格IECExの本質安全認証を取得したE2S、耐圧防爆認証を取得したE2F、本質安全と耐圧防爆の双方の認証を取得したE2Xを開発し、発売しました。先行発売した一般用途のE2Gと同様に当社製センサ素子4種類を採用することで10kPaレンジから200MPaレンジまでの広範囲をラインアップしました。またマグネットを使ったゼロ/スパン調整機能も採用しています。 (ステンレス製産業用圧力計「8008S」/海外実施)直径63mmと100mmのオールステンレス製産業用圧力計8008Sを開発し発売しました。欧州のEN規格、米国のASME規格の双方に適合し、オプションとしてソリッドフロント、油入りの対応も行います。メキシコの新工場で生産し世界各国に販売します。 (表示付き微差圧トランスミッタ「GXLdp」/海外実施)当社製微圧センサ素子を応用した空調用、室間差圧監視用、風量監視用の微差圧トランスミッタGXLdpを開発し発売しました。大型LCD表示を採用しています。6種類の出力信号と2種類のスイッチ出力は現場で選択可能とし、作業性を向上させました。 このような研究開発活動を進める一方、現製品の改良・改善業務に技術要員を割り当て、既存製品に対するユーザーからの要求に対応して、性能向上とコストの改良改善を進めております。 当社グループは以上のような開発体制を形成しており、生産技術を含む全技術スタッフは258名、全従業員の11.2%となっております。
FY2020|4,437 文字
5【研究開発活動】当社グループの研究開発活動には、新規事業を目指した技術開発及び製品開発と、既存分野における製品開発及び改良・改善業務があります。当社の研究開発及び新規技術開発を伴う製品開発は開発センターと技術本部(技術一部 応用開発課)が担当し、新型圧力センサ素子、各種産業向圧力センサとその応用製品、圧力計、システム製品などの製品開発は、技術本部内の各部門(4部門)が担当しました。また、車載用圧力センサ開発は車載センサ技術部が担当しました。子会社においては、圧力計、圧力センサ、圧力制御機器、計測制御機器の研究開発活動を推進しました。当社グループにおける研究開発、技術スタッフは210名(内、子会社88名)で、当連結会計年度の研究開発費は1,335百万円となりました。 圧力計、圧力センサに続く第3の柱とする「新たな事業領域の拡大」として、高付加価値サービスや、代替え困難な計測システムの提供を目標に、モニタリングシステムの実用化および極限環境での計測を可能とする計測システムの開発を進めてきました。モニタリング用途では、既に鉄道橋で設置実績があるスマートセンサを国道橋用に適応させ、国土交通省が主管するモニタリングシステムへの適応を受けました。船体構造モニタリング用途では、特殊船舶への適応研究で実用化に向けた調査・実証試験を進めました。また、極限環境計測用途では、水俣条約など非水銀化が市場趨勢となる中、水銀を全く使用しない光学式溶融樹脂圧力センサの開発を推進しました。 「既存事業の競争力拡大施策」として、新型圧力センサ、圧力計に関する研究において、市場のニーズや成長分野の予測を基に、ロードマップを明確にして数種類のセンサ素子や通信方法の開発を推進しました。この内、高精度(高安定)ステンレス基板型薄膜センサ素子は実用化に目途をつけ、生産設備を準備する段階に至りました。さらに、この応用製品として、社内製センサ素子を搭載した新型圧力トランスミッタを開発しました。今後、この圧力トランスミッタは一般産業用の主力製品としてファミリー化開発を推進します。また、IoT(internet of things)を考慮したワイヤレス型圧力センサ・圧力計について市場調査を進めた上で複数の製品を開発しました。今後は顧客ニーズの更なる探索を進めて、機種拡充やシステム化開発を図っていきます。 産業計測分野では、食品、薬品、化粧品用途向けとして 圧力センサの仕様拡充(絶対圧力レンジ追加、耐薬液性の向上)を進め、圧力計測機器専業メーカーの強みを活かした製品ラインナップを充実させました。また、将来を見据えて水素利用に係るセンサ応用製品、汎用機械用途の応用製品開発を推進しました。並行して、半導体産業向け小型圧力トランスミッタの改良開発、仕様拡充を推進しました。海外の石油・ガス田 用途では低温環境や過大圧力に耐える特殊圧力計の開発を進め、製品化しました。この他、今後有望なロボット産業を視野にいれた開発として、回転、温度、トルクなどの状態量を計測できる新型センサの基礎開発を推進しました。車載用途では、関係子会社と協業してトランスミッション用圧力センサの開発・改良を推進しました。また、車載用途の数量拡大を目指して、自動車用大手電装メーカーと共同でガソリンエンジン用新型圧力センサの開発・量産化検討を推進しました。建設機械用途では、当社独自の部品締結技術と製造技術による圧力センサの開発を推進し、関係子会社にも技術展開を図りました。 計測制御機器分野では、新型コロナウィルス対策に有用な殺菌装置用 深紫外線LED(UV-LED)の検査装置開発と水晶振動子の小型化(0.8mm×0.6mm)に対応した新たな漏れ検査装置の開発を推進しました。また、医薬包装用途として検査装置の開発・製品化を進めると共に、業界団体・学会・製薬会社等への技術PR、漏れの解析(理論式導出・実験)を致しました。 グローバル戦略の強化として、圧力センサの地産地消を促進させるため、当社製センサ素子を利用した米国でのニーズを考慮した(多品種・少量を実現できる)新規圧力センサの開発を進めました。また、中国の関係会社においても当社素子を用いた新規圧力センサの組立ライン構築準備を進めました。ヨーロッパにおいては、「高効率なセンサ製造技術獲得」を考慮したドイツ国内での半製品・製品の量産を開始しています。この期間の開発成果として、以下の新製品他を発売し出荷を開始しました。 (デジタル舌圧計「NS81ver2」)高齢化社会を迎え、加齢による口腔内の機能低下に対する診断・予防のため、当社ではデジタル舌圧計を販売しています。今般、市場要求である現行機の使い勝手をそのままに、更なる普及・拡販を目的にデザインを一新した新タイプ舌圧計NS81を開発し発売しました。 (半導体ガスライン用圧力センサ「ZT11 KOSHA防爆取得品」)ZT11は半導体製造装置でのガスライン圧計測用に開発し、世界各国で採用頂いています。半導体製造装置では特殊ガスを扱う為、防爆機器の要求が強く、国際的な防爆規格IECExをベースに、既に台湾防爆(TS)、中国防爆(NEPSI)を取得し実績も積んできています。今後、更なる市場確保を目的に韓国防爆(KOSHA)認証取得を行いました。半導体の生産で注目を浴びる台湾・中国・韓国市場での更なる拡販を進めていきます。 (サニタリー用途圧力センサ「SU7x」絶対圧レンジ)食品・医薬・化粧品用途のSU75圧力センサは、汚染リスクのない 安心・安全な乾式計測で新たな市場を創出しています。特に測定温度の低い乳製品等では、乾式計測による結露の問題があり、これらを解決するために絶対圧センサの市場投入を行いました。SU75の強みである低圧計測を生かしたタンクレベル計測への拡充も進めます。 (薬液用途 サファイヤ接液仕様圧センサ「KL90」) 薬液計測の圧力用途では、接液部材質によって計測できる薬種が限定されていました。これを解決させるためダイアフラム材質をサファイヤとすることで、幅広い薬種に適用できる圧力センサを開発・製品化しました。薬液供給設備のみならず、工場バックヤードでの使用用途への拡販も進めます。 (新型 本質安全防爆構造圧力センサ「EJ15,95」) 国際的な防爆規格IECExを取得し、今後、世界各国で期待される水素社会に貢献できる製品の投入を行いました。燃料電池自動車用水素充填装置をはじめとする水素貯蔵関連機器の用途として、高圧水素計測に対応した高性能で安全性を確保した本質安全防爆構造圧力センサを開発・製品化しました。 (ワイヤレス式圧力計「BR12」) 工場設備の日常点検などへの用途として,機械式圧力計に圧力センサとBluetoothⓇ通信モジュールを内蔵して圧力値をiPadで監視できる圧力計を開発して発売しました。 (「ER63」「ER90」を用いたワイヤレス微差圧監視システム) 工場のIoT化に対応する製品とすべく、クリーンルームの室圧監視、フィルタの目詰まり等の監視用として LPWA(通信距離が長く、低消費電力の920MHz帯特定小電力無線)を搭載したワイヤレス微差圧監視システムを開発・製品化しました。 最大200台の一括遠隔監視が可能で、医療施設における病室の陽圧または陰圧監視用としての利用も見込まれており、一般工業用途のみならず様々な分野への拡販も進めます。 (バッテリーレス圧力センサ「ER31」) 巡回監視の効率的な圧力計測用として、ワイヤレスで通信と給電を同時に行うRFID(NFC)を採用し、スマートフォンをタッチするだけで計測可能な電池交換不要のバッテリーレス圧力センサを開発・製品化しました。 (スマートセンサ「ER15」) 橋脚基礎の洗堀状態や傾きを常時監視することで安全管理指標を出力するセンサシステムを製品化しました。 このシステムはエッジコンピューティング端末側とクラウドサーバーにより構成されて、電源(太陽電池)、通信機能、データ保存機能などを一体化させた完全自立構成として、災害時にも確実に機能する堅牢性を備えています。 (ピロー包装全数漏れ検査装置「MSQ-2000」) 医薬品・食品などの防湿性を高めるためのピロー包装の全数漏れ検査装置を、大手製薬メーカーと協力して開発しました。 本装置発売により、ピロー包装の定量的で再現性のある全数検査が出来るようになりました。 (包装容器リークテスト装置 「MSP-0102」) 医薬包装におけるボトル、バイアル瓶、目薬、プレフィルドシリンジなどの包装容器用として開発した漏れ検査装置を発売しました。 (新型圧力トランスミッタ「E2G」/海外実施) 圧力レンジの拡大、コストダウン、使用温度の拡大を目的として、当社製センサ素子を利用した圧力センサの共通プラットフォームを開発し、一般産業用として新型圧力トランスミッタを発売しました。磁石を使ったゼロ/スパン調整機能を採用し、防水性を高めています。今後、本質安全、耐圧防爆を追加した仕様のリリースを予定し、デジタル表示、スイッチなどの機能を順次追加していきます。 (極低温用EN圧力計「T65」/海外実施) 油田/ガス田で求められる極低温で動作する圧力計を開発しました。現場では、冬季夜間に-40℃以下となるため、-70℃まで動作する仕様とし、ヨーロッパの圧力計規格EN837-1にも準拠している直径100mmと160mmを発売しました。 (高圧用EN圧力計「T65」/海外実施) 欧州中東アフリカ/アジア太平洋地区で求められるメトリックサイズの高圧用圧力計を開発しました。直径100mmと160mm のサイズで最大圧力は60,000 psi もしくは 400MPaです。ヨーロッパの圧力計規格EN837-1、ドイツのDIN 16001高圧用圧力計規格にも対応しています。 (リタード圧力計「T55」/海外実施) 石油/ガス市場において、過大圧力が発生する用途では、圧力計の故障を防ぐために高価な対策が盛り込まれてきました。本製品では圧力計内部でブルドン管の大きな動きを機械的に抑制する機構を取り付けて、過大圧に耐える圧力計としました。ヨーロッパの圧力計規格EN837-1に準拠した直径100mmとφ160mm のサイズを発売しました。 このような研究開発活動を進める一方、現製品の改良・改善業務に技術要員を割り当て、既存製品に対するユーザーからの要求に対応して、性能向上とコストの改良改善を進めております。 当社グループは以上のような開発体制を形成しており、生産技術を含む全技術スタッフは246名、全従業員の10.9%となっております。
FY2019|3,758 文字
5【研究開発活動】当社グループの研究開発活動には、新規事業を目指した技術開発及び製品開発と、既存分野における製品開発及び改良・改善業務があります。当社の研究開発及び新規技術開発を伴う製品開発はFBG事業部と技術本部(技術開発部)が担当し、新型圧力センサ素子、各種産業向圧力センサとその応用製品、圧力計、システム製品などの製品開発は、技術本部内の各部門(4部門)が担当しました。また、車載用圧力センサ開発は車載センサ技術部が担当しました。子会社においては、圧力制御機器、計測制御機器の研究開発活動を推進しました。当社グループにおける研究開発スタッフは205名で、当連結会計年度の研究開発費は1,447百万円となりました。 新たな事業領域としては、橋梁橋脚、船体構造のモニタリングシステムと、極限環境計測センサの開発を進めてきました。橋梁モニタリング用途では、IoT技術、システム技術を駆使した橋脚基礎の健全度監視システムとして橋脚下部工基礎の洗掘の監視に特化したスマートセンサの製品化を行いました。船体構造モニタリング用途では、造船会社、海運会社などの協力のもと、新造大型コンテナ船に試験実装して試験航行を行うなど開発を推進しました。また、高温・高圧・難環境・極小分野に適応するセンサの開発を推進中で、期間中、光学式樹脂圧力センサ(非水銀封入)の開発を推進しました。この他、今後有望なロボット産業を視野にいれた開発として、回転、温度、トルクなどの状態量を計測できる新型センサの基礎開発を推進しました。新型圧力センサに関する基礎研究では、市場のニーズや成長分野の予測に基づき、ロードマップを明確にして数種類のセンサ素子開発を推進しました。この内、高精度(高安定)ステンレス基板型薄膜センサ素子は実用化に目途をつけ、生産設備を計画する段階に至りました。また、セラミック基板型センサ素子は量産に移行しました。さらに、この応用製品として、社内製センサ素子を搭載した新型圧力トランスミッタを製品化しました。今後、この圧力トランスミッタは一般産業用の主力製品としてファミリー化開発を推進します。また、IoT(internet of things)を考慮したワイヤレス型圧力センサについて市場調査を進めた上で複数の通信仕様と製品形態で製品化提案しました。現在は用途別に選定した顧客にサンプル提供し、その有用性を検証しております。工業計測用途では、食品、薬品、化粧品用途向けに、構造の最適化を行った圧力計や圧力センサの製品化開発を行い、圧力計測機器専業メーカーの強みを活かした製品強化とラインナップを推進しました。また、将来を見据えて水素利用に係るセンサ応用製品、汎用機械用途の応用製品開発を推進しました。並行して、半導体産業向け小型圧力トランスミッタや圧力スイッチの仕様拡充を推進しました。 車載用途では、関係子会社と協業してトランスミッション用圧力センサの開発・改良を推進しました。また、この用途の数量拡大を目指して、自動車用大手電装メーカーと共同でガソリンエンジン用新型圧力センサの開発・量産化検討を推進しました。 建設機械用途では、次期モデルで要望されている低価格圧力センサの製品化開発を推進し、製品化致しました。製造技術面では、「為替リスク回避」及び「高効率なセンサ製造技術獲得」を考慮してドイツ国内での半製品の製造(量産)を開始しています。 計測制御機器分野では、医薬包装用検査装置の開発・製品化を進めると共に、業界団体・学会・製薬会社等への技術PR、漏れの解析(理論式導出・実験)を致しました。また密封した水晶振動子の小型化(1mm×0.8mmさらに0.8mm×0.6mm)に対応した新たな水晶振動子用漏れ検査装置の開発・製品化を推進しました。加えて、漏れ量の校正システム構築とJCSS登録事業者申請を進め、認証取得しました。この期間の開発成果として、以下の新製品他を発売し出荷を開始しました。 (バルクセラミックセンサを利用した新タイプの量産型圧力センサ/建機用途他 KM25)社内製センサ素子であるバルクセラミックセンサを搭載した圧力センサの生産を開始しています。このセンサに改良を加え、さらに小型軽量・低コストを実現した圧力センサを販売しました。圧力レンジは1MPaから5MPaに対応し、アナログ出力は0.5~4.5V、1~5Vなどを選択できます。また、センサ素子が絶縁体のセラミックを用いているため、耐電圧及び耐ノイズ性能等の耐環境性能が向上しています。建設機械用途や給水ポンプ用途に適した圧力センサです。 (量産型 低価格圧力センサ KM54)サブ組立と圧力導入部をメタルフロー構造で接合する構造を用いることで低コストの圧力センサを実現しました。圧力導入部は安価な鉄系材料も採用することができます。また、メタルフロー構造(接合)のプロセス条件を最適化することによって従来と同等の耐圧力性能を確保しています。建設機械や産業機械用として圧力レンジは10MPaから50MPaまでの範囲に対応しています。 (新タイプ舌圧計 NS81)高齢化社会を迎え、加齢による口腔内の機能低下に対する診断・予防のため、当社ではデジタル舌圧計Ver.1を販売開始しています。今般、市場要求である、現行機の使い勝手をそのままに、更なる普及・拡販を目的にデザインを一新した新タイプ舌圧計NS81を開発し発売しました。 (新型圧力トランスミッタ EH15)当社保有のセンサ素子を搭載し、10kPa~150MPaの広い圧力レンジが対応可能な圧力トランスミッタ(センサ)です。センサ素子を含めた圧力接続部・信号増幅部・電気的接続部などをモジュール化し、顧客要求形状や高精度などの要求仕様に柔軟に対応すると共に、部品と工程の共通化によりコストダウンを図りました。今後、一般産業用途を主なターゲットとして市場拡販を進めていきます。 (高圧水素用 小型圧力計 GV40/GV45)燃料電池フォークリフト用水素充填装置をはじめとする水素貯蔵関連機器の用途として、高圧水素計測に対応した小形且つ安全性を確保した圧力計を開発・製品化しました。 (圧力校正器「ハンドヘルドキャリブレータ」 ATE2)圧力計器の校正用途として、現場まで持ち運びできる高精度なハンドヘルドキャリブレータを発売しました。本器はJCSS校正証明書を付加させることもできます。 (都市ガス用途圧力調整器用 圧力センサ KP15)都市ガスを各家庭に輸送する際、供給元から高圧で送出されたガスを減圧する圧力調整器に取り付けるセンサです。高圧の一次圧力、及び低圧の二次圧力を計測するためにKP15-S05を開発して発売しました。 (半導体ガスライン用圧力センサ RS485 デジタル出力仕様 ZT11)半導体ガス供給ラインでのライン圧力監視用途では計測システムのデジタル化が始まり、顧客要求に合わせRS485デジタル出力の半導体向け圧力センサを開発して発売しました。 (溢水計用圧力センサ KP11)ゲリラ豪雨等による地下街の洪水被害を防ぐため、下水溝内の水位計測・監視に使われる溢水計用の圧力センサを開発して発売しました。 (水位計組込み用 圧力センサ KP18)センサ本体部のみ交換可能で現場でのメンテナンス性を向上させた投げ込み式水位計に内蔵される圧力センサです。下水処理場・貯水池・深井戸などのレベル計測に最適であり、目詰まりしないフラッシュダイアフラム形状の特徴を活かし、また大気圧の変動による検出誤差が自動的に補正されるように中空ケーブルに接続できる大気開放パイプを設けました。 (スマートセンサ ER15)橋の橋脚基礎の洗堀状態や橋脚傾きを常時監視することで橋脚の管理指標を出力するセンサシステムです。エッジコンピューティング端末側とクラウドサーバーにより構成されて、電源(太陽電池)、通信機能、データ保存機能などを一体化させた完全自立構成として、災害時にも確実に機能する堅牢性を備えています。この技術は道路橋や鉄道橋に広く普及することが見込まれ、既に関西大手私鉄の橋梁に採用されています。 (包装容器リークテスト装置 MSP-0101)医薬品の包装(PTP、ピロー包装、バイアル瓶など)は、今まで水没試験により包装の漏れ検査をしていました。本装置発売により、定量的で再現性のある科学的な品質管理が出来るようになりました。 (小型電子部品専用気密検査装置 MSX-7000)ボンビング(ヘリウム浸漬)、グロスリークテスト、ファインリークテストの条件を管理しながらリークテストを行います。業界で初めて水晶振動子1.0×0.8mmサイズに対応したリークテスト装置を発売しました。 このような研究開発活動を進める一方、現製品の改良・改善業務に技術要員を割り当て、既存製品に対するユーザーからの要求に対応して、性能向上とコストの改良改善を進めております。 当社グループは以上のような開発体制を形成しており、生産技術を含む全技術スタッフは242名、全従業員の11.3%となっております。
FY2018|3,162 文字
5【研究開発活動】当社グループの研究開発活動には、新規事業を目指した技術開発及び製品開発と、既存分野における製品開発及び改良・改善業務があります。当社の研究開発及び新規技術開発を伴う製品開発はFBG事業部と技術本部(技術開発部)が担当し、新型圧力センサ素子、各種産業向圧力センサとその応用製品、圧力計、システム製品などの製品開発は、技術本部内の各部門(4部門)が担当しております。また、車載用圧力センサ開発は車載センサ技術部が担当しております。子会社においては、圧力制御機器、計測制御機器の研究開発活動を推進致しました。当社グループにおける研究開発スタッフは200名で、当連結会計年度の研究開発費は14億92百万円となりました。 この期間の光計測技術分野における研究開発活動のトピックスとして、老朽化などで大きな社会問題となっているインフラ構造物に対するモニタリングの社会実装を推進致しました。また、新たな産業につながる市場の創生を目指して進められている、国土交通省主導の現場実証プロジェクトに参画し、新事業の構築に向けて開発を進めております。新型圧力センサに関する基礎研究では、市場のニーズや成長分野の予測に基づき、ロードマップを明確にして数種類のセンサ素子開発を推進致しました。この内、高精度(高安定)ステンレス基板型薄膜センサ素子は実用化の目途を立てました。また、セラミック基板型センサ素子は量産段階に入りました。加えて、このようなセンサ素子を搭載した新型圧力トランスミッタを開発致しました。今後、この圧力トランスミッタは一般産業用の主力製品としてファミリー化開発を推進致します。また、IoT(internet of things)を考慮したワイヤレス型圧力センサについて市場調査を進めた上で複数の通信仕様を設計し、試作品開発を推進致しました。さらなる新型センサ素子についても、大学を含めた公的研究機関及び海外センサメーカーと連携して効率的な開発を推進致しました。工業計測分野では、食品、薬品、化粧品用途向けに、構造の最適化を行った圧力計や圧力センサの製品化開発を行い、圧力計測機器専業メーカーの強みを活かした製品強化とラインナップを推進致しました。また、将来を見据えて水素利用に係るセンサ応用製品、汎用機械用途の応用製品開発を推進致しました。並行して、半導体産業向け小型圧力トランスミッタや圧力スイッチの仕様拡充を推進致しました。 車載用圧力センサ分野では、関係子会社と協業してトランスミッション用圧力センサの開発を推進致しました。また、車載用途の数量拡大を目指して、自動車用大手電装メーカーと共同でガソリンエンジン用新型圧力センサの開発・量産化検討を推進致しました。 建設機械用途では、次期モデルで要望されている低価格圧力センサの製品化開発を推進致しました。製造技術面では、「為替リスク回避」及び「高効率なセンサ製造技術獲得」を考慮してドイツ国内での半製品の製造(量産)を開始致しました。 計測制御機器分野では、コンパクトエアリークテスターの開発・製品化を推進致しました。また、医薬包装用途として、業界団体・学会・製薬会社等への技術PRを行うと共に、漏れの解析(理論式導出・実験)をスタートさせました。加えて、密封した水晶振動子の小型化(1mm×0.8mm)に対応した新たな水晶振動子用漏れ検査装置の開発を推進しました。この期間の開発成果として、以下の新製品他を発売し出荷を開始致しました。 (サニタリ用途デジタル表示付き2線式圧力トランスミッタ SU71)医薬品・食品・化粧品製造工程の更なる安全と安心に貢献する計測機器として、封入液を使用しない安全構造のサニタリ用途デジタル表示付き2線式4~20mA出力の圧力トランスミッタです。20kPaからの低圧に対応し、放熱フィンを備えなくても150℃での使用が可能です。使用場所の環境に配慮して、凹凸や隙間を低減したオールステンレスの防水構造にて、洗浄メンテナンス性に優れています。 (圧力スイッチ「赤外線通信対応」CE40 KP18搭載)赤外線通信により設定値の変更が可能な防水型圧力スイッチCE40に、耐食性の優れたSUS316L製の圧力センサ素子KP18を搭載して、35kPaからの低圧領域への圧力レンジの拡大を図りました。先端ダイアフラムの作製も可能です。 (耐圧防爆形圧力スイッチ CD77/78)国際的な耐圧防爆規格IEC Exに加え、国内向けTIIS,韓国向けKOSHAの認証を取得し、プラント・プロセス用途において防爆雰囲気での各種流体の圧力制御に対応可能です。 (新型圧力トランスミッタ EH15)当社保有の各種センサ素子を搭載し、10kPa~150MPaの広い圧力レンジが対応可能な圧力トランスミッタです。センサ素子を含めた圧力接続部,信号増幅部,電気的接続部などをモジュール化し、顧客要求形状や高精度などの要求仕様に柔軟に対応すると共に、部品と工程の共通化によりコストダウンを図りました。 (圧力トランスミッタ KM25 1~5V DC出力)圧力トランスミッタKM25のセンサ素子であるバルクセラミックセンサ上に電源回路を付加し、FA用途や機器組込み用途で一般的な、出力1~5V DC,電源24V DC対応品を追加して、仕様の拡大を行いました。 (サニタリ圧力トランスミッタ SU7x ハステロイ仕様)医薬品・食品・化粧品製造工程用の圧力トランスミッタSU7xシリーズの用途の拡大として、接液部ハステロイ仕様を加えました。酢酸などの腐食性のある測定体においても長期間安心して使用頂けます。 (液クロ用圧力センサ KH18 130MPa)液体クロマトグラフィーメーカーへ供給する圧力センサとして、130MPaの高圧に対応し、液だまりのない管路を付加した圧力センサKH18を開発供給致しました。 (水位計用圧力センサ KP18)豪雨災害の増加によって、河川や下水溝の水位監視の需要が高まりました。水位監視用途の要求に対応し、フラッシュダイアフラム形状によって汚水でも目詰まりをせず、絶縁性に優れて誘導雷でセンサが焼損しないという、圧力センサKP18の特徴を活かして製品化を行いました。 (FBG 波長読取り装置 PF20)小型・低価格のFBGセンサ波長読み取り装置を開発し、販売を開始しました。今後多くの需要が見込まれているインフラモニタリングの分野において、屋外での設置環境やIoTへの対応を考慮して、優れた耐環境性能や豊富なインターフェースを備えました。 (FBG マルチプレクサ PF30)多数のFBGセンサを接続する大きなシステムを構築する際に必要となる、光マルチプレクサを開発し、販売を開始致しました。PF20の接続ポートを1ポートから4ポート、ないし16ポートに拡張するので、およそ100個のFBGセンサを一度に計測することができるようになります。 (コンパクトエアリークテスタFLZ-0220)タッチパネルタイプでよりコンパクト化した最新の機能を取込んだ新型エアリークテスタの販売を開始しました。スマートフォンの漏れ検査や自動車業界の部品等での使用が特に多く、機能に比べコストパフォーマンスが良い事から海外での販売が急拡大しています。 このような研究開発活動を進める一方、現製品の改良・改善業務に技術要員を割り当て、既存製品に対するユーザーからの要求に対応して、性能向上とコストの改良改善を進めております。 当社グループは以上のような開発体制を形成しており、生産技術を含む全技術スタッフは224名、全従業員の10.8%となっております。
FY2017|2,924 文字
6【研究開発活動】当社グループの研究開発活動には、新規事業を目指した技術開発及び製品開発と、既存分野における製品開発及び改良・改善業務があります。当社の研究開発及び新規技術開発を伴う製品開発はFBG事業部と技術本部(技術開発部)が担当し、新型圧力センサ素子、各種産業向圧力センサとその応用製品、圧力計、システム製品などの製品開発は、技術本部内の各部門(4部門)が担当しております。また、車載用圧力センサ開発は車載センサ技術部が担当しております。子会社においては、圧力制御機器、計測制御機器及び車載用圧力センサの研究開発活動を推進致しました。当社グループにおける研究開発スタッフは202名で、当連結会計年度の研究開発費は15億7百万円となりました。 この期間の研究開発活動のトピックスとして、光計測技術分野では、老朽化などで大きな社会問題となっているインフラ構造物に対するモニタリングの社会実装と、新たな産業につながる市場の創生を目指して進められている、国土交通省主導の現場実証プロジェクトに参画し、新事業の構築に向けて注力しております。 次世代新型センサに関する基礎研究では、市場のニーズや成長分野の予測に基づき、数種類のセンサ素子開発を提案し、そのロードマップを明確にして開発を推進致しました。この内、セラミック基板型センサ素子は実用化設計・信頼性評価段階を経て一部の生産に入りました。また、IoT(internet of things)を考慮したワイヤレス型圧力センサのコンセプト開発にも着手しております。新型センサ素子についても、大学を含めた公的研究機関及び海外センサメーカーと連携して効率的な開発を推進致しました。工業計測分野では、食品、薬品、化粧品用途向けに、構造の最適化を行った圧力計や圧力センサの製品化開発を行い、圧力計測機器専業メーカーの強みを活かした製品強化とラインナップを推進致しました。また、将来を見据えて水素利用に係るセンサ応用製品、汎用機械用途の応用製品開発を推進致しました。並行して、半導体産業向け小型圧力トランスミッタや圧力スイッチの仕様拡充を推進致しました。 車載用圧力センサ分野では、関係会社と協業してトランスミッション用圧力センサの開発を推進致しました。加えて、車載・一般産業用途の数量拡大を目指し、セラミック基板型センサ素子を応用した低コストエアコン用圧力センサの生産準備を推進致しました。 建設機械用途では、次期モデルで要望されている低価格圧力センサの製品化開発を推進致しました。製造技術面では、「為替リスク回避」及び「特徴的なセンサ製造技術獲得」を考慮してドイツ国内に半製品製造工場を設立し、一部の操業を開始致しました。 計測制御機器分野では、これまでリークテスタを使用していない医薬包装分野の業界団体・学会・製薬会社等へ製品紹介と活用例をPRすると共にリークテスト装置の製品化を図りました。また、IoT化を見据え、EtherCATやEtherNeT/IP対応リークテスタの開発を推進しました。この期間の開発成果として、以下の新製品他を発売し出荷を開始致しました。 (デジタル微差圧計 GC32)GC32は小型サイズ(24x48mm)の空調設備・半導体設備用途市場向けデジタル微差圧計です。既存のGC62(□48mm)、GC30(□30mm)の製品に加えて取付けサイズを拡充した製品です。多機能(アナログ出力、コンパレータ出力等)、高感度、微圧でも高耐圧を実現しました。 (サニタリ電池式デジタル圧力計 SU70)医薬品・食品・化粧品製造工程の更なる安全と安心に貢献する計測機器として封入液を使用しない安全構造の電子式デジタル圧力計です。20KPaからの低圧レンジまで対応し、放熱フィンレスにもかかわらず150℃での使用が可能です。ケース材質はSUS316Lを採用、フラットな受圧部と洗浄が容易な外形ですので洗浄メンテナンス性に秀でています。また、クランプ取付けによるゼロ点調整も不要の特徴を有しています。 (小型 圧力トランスミッタ KM18)SSセンサを搭載した機器組込み用の小型(φ14.2、高さ50mm)・軽量のトランスミッタです。FA,一般産業などにロット生産品として対応致します。電源、出力線はM8コネクタ接続で、レシオメトリック出力となります。圧力レンジは6種類(-0.1~1.2MPa,0~1,2,3.5,5MPa) (圧力スイッチ「赤外線通信対応」 CE40)赤外線通信によって設定値の変更ができる防水型圧力スイッチです。背面のライト点灯によってスイッチ状態を知ることができます。また、付属するコミュニケータによって圧力印可せずにスイッチのオン・オフをデジタル設定できる特徴があります。計測時の圧力値も確認することができます。現在、この製品はSSセンサ素子を搭載していますが、順次、搭載するセンサ素子を拡張して適用できる用途を拡大していきます。 (半導体産業用圧力トランスミッタ「IECEX/ATEX タイプN」 ZT11)主に台湾・中国展開に注目した、半導体産業用圧力トランスミッタ(ZT11)の非点火防爆(IECEX/ATEX タイプN)を認証取得し、製品化しました。同時に、精度±0.25%にも対応する品揃えを追加しました。 (高圧水素用ソリッドフロント圧力計「仕様・精度 改良」 GF32,GF37)従来機種からの改良として、ブルドン管及び圧力接続部の材質を耐水素特性が更に優れたオーステナイト系ステンレス鋼を設定しました。また、精度等級を1.0級へと向上を図りました。更に、使用温度範囲を拡張致しました。「-10~60℃」 (FBG 波長読取り装置 PF20)小型・低価格のFBGセンサ波長読み取り装置を開発し、販売を開始しました。今後多くの需要が見込まれているインフラモニタリングの分野において、屋外での設置環境やIoTへの対応を考慮して、優れた耐環境性能や豊富なインターフェースを備えました。 (FBG マルチプレクサ PF30)多数のFBGセンサを接続する大きなシステムを構築する際に必要となる、光マルチプレクサを開発し、販売を開始いたしました。PF20の接続ポートを1ポートから4ポート、ないし16ポートに拡張するので、およそ100個のFBGセンサを一度に計測することができるようになります。 (包装容器リークテスト装置 MSP-シリーズ)医薬品、化粧品、食品は製品用途の包装では、劣化や変成を防ぐために密封容器包装品が多くなっています。包装の適切性を評価するために、これまで抜取りによる水没試験が一般的でした。本装置を用いることにより定量的な漏れ試験を実現しました。 このような研究開発活動を進める一方、現製品の改良・改善業務に技術要員を割り当て、既存製品に対するユーザーからの要求に対応して、性能向上とコストの改良改善を進めております。 当社グループは以上のような開発体制を形成しており、生産技術を含む全技術スタッフは228名、全従業員の11.4%となっております。
FY2016|3,028 文字
6【研究開発活動】当社グループの研究開発活動には、新規事業を目指した技術開発及び製品開発と、既存分野における製品開発及び改良・改善業務があります。当社の研究開発及び新規技術開発を伴う製品開発はFBG事業部と技術本部(技術開発センター)が担当し、新型圧力センサ素子、車載用圧力センサ、各種産業向圧力センサとその応用製品、圧力計、システム製品などの製品開発は、技術本部内の各部門(4部門)が担当しております。また、子会社において、圧力制御機器、計測制御機器及び車載用圧力センサの研究開発活動を推進致しました。当社グループにおける研究開発スタッフは195名で、当連結会計年度の研究開発費は13億28百万円となりました。 この期間の研究開発活動のトピックスとして、光計測技術分野では、国土交通省が主導する国内の社会インフラ維持管理市場の創成を目指した現場実証に参加すると共に、中国上海市の道路トンネルに変位計測システムを設置するなど、海外市場をも見据えたシステム開発を推進致しました。次世代新型センサに関する基礎研究では、市場のニーズや成長分野の予測に基づき、数種類のセンサ素子開発を提案し、そのロードマップを明確にして開発を推進致しました。この内、セラミック基板型センサ素子は実用化設計・信頼性評価段階を経て一部の生産に入りました。他センサ素子についても、大学を含めた公的研究機関及び海外センサメーカーと連携して効率的な開発を推進致しました。工業計測分野では、食品、薬品、化粧品用途向けに、構造の最適化を行った圧力計や圧力センサの製品化開発を行い、圧力計測機器専業メーカーの強みを活かした製品強化とラインナップを推進致しました。また、将来を見据えて水素利用に係るセンサ応用製品、汎用機械用途の応用製品開発を推進致しました。並行して、半導体産業向け小型圧力トランスミッタや圧力スイッチの開発を推進致しました。車載用圧カセンサ分野では、関係会社と協業してトランスミッション用圧力センサの開発を推進致しました。また、車載・一般産業用途の数量拡大を目指し、セラミック基板型センサ素子を応用した低コストエアコン用圧力センサの生産準備を推進致しました。建設機械用途では、次期モデルで要望されている低価格圧力センサの製品化開発を推進致しました。加えて、「為替リスク回避」及び「特徴的なセンサ製造技術獲得」を考慮してドイツ国内に半製品製造工場を設立し、一部の操業を開始致しました。計測制御機器分野では、計測システムの拡充と更なる信頼性向上とリーク量のトレーサビリティー体系化を図るための開発を推進致しており、リーク試験装置と標準リーク計の製品を拡充致しました。また、省エネルギー監視機器の需要の高まりに対応し、空調管理用途で製品ラインナップの拡大を図りました。この期間の開発成果として、以下の新製品他を発売し出荷を開始致しました。 (電池式デジタル圧力計 GC04)GC04は、精度±0.25%F.S.の高精度電池式デジタル圧力計です。ステンレスダイアフラム式のエレメントを採用しており液体・気体とさまざまな媒体に対応が可能です。5桁のバックライト付きLCDを搭載し視認性に優れています。据置き用途及び保守点検用途としての有用性も考慮した製品として発売致しました。 (圧力トランスミッタ GC51)接液部材質にSUS316Lを用いたシール式圧力エレメントを搭載し低圧レンジの仕様拡大を行いました。低圧用(35〜300kPa)、絶対圧(120kPa abs.)の圧力レンジ追加により「解放タンクのレベル計測」など幅広い用途での需要に対応可能となりました。 (電子式圧力スイッチ CE15)CE15はステンレスダイアフラム式のエレメントを採用した電子式圧力スイッチでトランジスタのON/OFF出力による簡便な制御用途として開発しました。液体・気体とさまざまな媒体に対応が可能です。耐環境性に優れており、幅広い温度範囲、保護構造IP67、耐振性に優れた製品です。各種の油空圧機械や建設機械に搭載が可能な製品です。 (舶用圧力トランスミッタ KH54)KH54は小型・軽量で船級規格(NK)を取得した舶用圧力トランスミッタです。耐食性の高いSUS316Lステンレスダイアフラム式のエレメントを採用し、小型・軽量としたことにより省スペースへの取付けが可能な製品です。 (高圧水素用圧力計 GF3□-H・GV4□-H)GF3□-H・GV4□-Hは高圧水素用途向けの圧力計です。従来、圧力レンジが100MPa以上での対応でしたが、市場需要により圧力レンジ70MPaの追加を行いました。この追加で幅広い圧力レンジの高圧水素用途で信頼性が高い圧力計測が可能となりました。 (半導体産業用圧力トランスミッタ ZT11)ZT11は耐食性の高いSUS316Lステンレスダイアフラム式のエレメントと圧力ポート材質にSUS316Lを採用することにより耐食性、気密性、長期安定性、信頼性を高めた半導体産業用向けの製品です。接ガス部の表面粗さグレードを複数設定し、必要とされる清浄度に合わせた選定が行えます。海外の防爆規格(ATEX、IEC/EX、台湾防爆)も取得して海外顧客もターゲットにして発売致しました。 (デジタル微差圧計 GC32)GC32は小型サイズ(24x48mm)の空調設備・半導体設備用途市場向けデジタル微差圧計です。既存のGC62(□48mm)、GC30(□30mm)の製品に加えて取付けサイズを拡充した製品です。多機能(アナログ出力、コンパレータ出力等)、高感度、微圧でも高耐圧を実現しました。 (圧力・差圧スイッチ CB33・CL71)CB33(圧力)・CL71(差圧)は従来機種に耐環境性を向上させた電力・重電プロセス設備用途市場向け機械式圧力スイッチ製品です。CEマーキングに対応した指令(低電圧指令、RoHS指令)・規格を取得し、海外プラント用途にも対応しています。 (ステンレスケース微圧計 GL30)GL30はステンレス製ケースを採用し、耐環境性能を向上させた高精度の微圧計(圧力レンジ2.5kPa〜25kPa)です。一般ガスプロセス・プラント設備用途にバルブ開閉などによる計器の損傷を防ぐよう、瞬時の逆圧に耐えうる構造として発売致しました。 (自動校正機能付きエアリークテスタ FLZ-0620)計測部のセパレート化・標準リーク計(フロースタンダード)の搭載などにより、リーク感度の自動校正を可能にした 新型エアリークテスタを発売致しました。 (高圧対応フロースタンダード FFM-400他)指定圧力0.8MPa~5MPa高圧対応の標準リーク計(フロースタンダード)を発売致しました。この発売で、低圧用FFM-100のリニューアルと合わせて、指定圧力10kPa~5MPaまでの圧力範囲で、発生リーク量0.1mL/min.~200mL/min.の標準リーク計を拡充しました。 このような研究開発活動を進める一方、現製品の改良・改善業務に技術要員を割り当て、既存製品に対するユーザーからの要求に対応して、性能向上とコストの改良改善を進めております。 当社グループは以上のような開発体制を形成しており、生産技術を含む全技術スタッフは225名、全従業員の10.9%となっております。