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長野計器(7715)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

精密機器 電機・精密

事業の概要

  • 主要製品と事業内容:長野計器グループは、圧力計、圧力センサー、計測制御機器、ダイカスト製品の製造販売を主軸としています。これらに加えて、関連する事業や応用製品の製造販売も手掛けており、幅広い産業分野に製品を供給することで収益を上げています。
  • グローバルな事業展開:グループは当社と31の子会社、9の関連会社で構成され、特に圧力計と圧力センサー事業では多数の海外子会社が名を連ねています。これにより、北米、アジア、欧州など世界各地で事業を展開し、グローバル市場から収益を得るビジネスモデルを構築しています。
  • 多角的な収益源:圧力計や圧力センサーといった主力製品に加え、工場自動化などに使われる計測制御機器、自動車部品などに利用されるダイカスト製品も手掛けています。さらに不動産賃貸や自動車用電装品の製造販売といった「その他事業」も持ち、複数の事業領域から収益を得ることで事業の安定化を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 圧力計事業:この事業は、圧力計の製造・販売を主に行い、グループ内で最も多くの会社が関与しています。売上高は369.8億円と最大規模ですが、営業利益率は約7.9%と他の主力事業に比べてやや低めです。国内外の多数の子会社がこの事業を支え、グローバルに製品を提供しています。
  • 圧力センサー事業:圧力センサーの製造・販売を行うこの事業は、売上高213.6億円でグループの主要な収益源の一つです。特筆すべきは営業利益率が約20.3%と非常に高く、グループ全体の収益性を牽引する「稼ぎ頭」となっています。国内外の多くの関連会社がこの分野で活動しています。
  • 計測制御機器事業:計測制御機器の製造・販売を手掛けるこの事業は、売上高40.4億円、営業利益2.9億円と、他の主力事業に比べて規模は小さいですが、特定の産業分野で重要な役割を担っています。主に国内の子会社が中心となり、専門性の高い製品を提供しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
PressureGauge 事業 370 29 7.9%
PressureSensor 事業 214 43 20.3%
PressureControlDevice 事業 40 3 7.4%
DieCasting 事業 53 -1 -1.0%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,235 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社及び子会社31社、関連会社9社により構成されております。 当社グループが営んでいる事業は、圧力計、圧力センサ、計測制御機器、ダイカスト等の製造販売を主に、これらに附帯する事業及び応用製品等の製造販売を行っております。事業内容と当社及び子会社並びに関連会社の当該事業に係る位置付けなどは、次のとおりであります。 なお、次の4部門は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。事業部門主要製品・事業内容会社圧力計圧力計の製造・販売当社 ㈱長野汎用計器製作所 ㈱ナガノ ㈱ナガノ計装ヨシトミ・マーシン㈱ Ashcroft-Nagano Keiki Holdings,Inc. Ashcroft Inc. Willy Instrumentos de Medicao e Controle Ltda. Ashcroft Instruments GmbH Ashcroft Instruments Singapore Pte,Ltd. Ashcroft Instruments Canada,Inc. Ashcroft Instruments Mexico,S.A. de C.V. Ashcroft-Nagano,Inc. Ashcroft Instruments (Jiaxing) Co., Ltd. ASHCROFT INSTRUMENTS LIMITED Ashcroft Pressure and Temperature Measuring Installments Export & Import Company Limited. Manufacturas Petroleras Venezolanas S.A. Ashcroft Al-Rushaid Instrument Co., Ltd. Ashcroft Instruments S.R.L. Ashcroft Instruments SAS ASHCROFT QUERÉTARO, S. DE R.L. DE C.V. Rueger Holding S.A. Rueger S.A. Rueger Sdn.Bhd. Rueger Manufacturing Sdn.Bhd. Stiko Meetapparatenfabriek B.V. 日立Astemo&ナガノ㈱(現・Astemo&ナガノ㈱) KOREA NAGANO CO.,LTD. (会社総数 28社)圧力センサ圧力センサの製造・販売当社㈱ナガノ計装 Ashcroft-Nagano Keiki Holdings,Inc. Ashcroft Inc. Willy Instrumentos de Medicao e Controle Ltda. Ashcroft Instruments GmbH Ashcroft Instruments Singapore Pte,Ltd. Ashcroft Instruments Canada,Inc. Ashcroft Instruments Mexico,S.A. de C.V. Ashcroft-Nagano,Inc. Ashcroft Instruments (Jiaxing) Co., Ltd. ASHCROFT INSTRUMENTS LIMITED Ashcroft Pressure and Temperature Measuring Installments Export & Import Company Limited. Manufacturas Petroleras Venezolanas S.A. Ashcroft Al-Rushaid Instrument Co., Ltd. Ashcroft Instruments S.R.L. Ashcroft Instruments SAS Rueger Holding S.A. Rueger S.A. Rueger Sdn.Bhd. Rueger Manufacturing Sdn.Bhd. Stiko Meetapparatenfabriek B.V. JADE Sensortechnik GmbH 日立Astemo&ナガノ㈱(現・Astemo&ナガノ㈱) KOREA NAGANO CO.,LTD. ADZ NAGANO GmbH (会社総数 26社) 事業部門主要製品・事業内容会社計測制御機器計測制御機器の製造・販売当社㈱ニューエラー ㈱フクダ㈱双葉測器製作所長野福田(天津)儀器儀表有限公司利安工業計器有限公司FUKUDA USA Inc.            (会社総数  7社)ダイカストダイカスト製品の製造・販売㈱中村金型製作所㈱サンキャスト㈱ヤハタ               (会社総数  3社)その他事業不動産賃貸不動産賃貸管理自動車用電装品の製造・販売当社                 (会社総数  1社) ㈱ニューエラーNew-Era International Co., Ltd.    (会社総数 2社)  以上の事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。 (注)無印連結子会社     ※1非連結子会社     ※2持分法適用関連会社     ※3持分法非適用関連会社

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
市場における価格競争が大変厳しく、特に国内市場では海外メーカーとの競争が激化。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
圧力計のブルドン管や内機等の圧力検出機構、圧力センサ素子の継続的な研究開発。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:地政学リスク / 気候変動リスク / 市場環境の変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

長野計器は圧力計、流量計、温度計などの計測機器を製造。長年の実績と品質への信頼はあるが、特定の強力なブランドや特許による独占的な地位は限定的。一部製品で長年の納入実績による信頼は無形資産となりうる。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

産業用計測機器は、一度導入すると校正やシステム連携、保守体制の構築にコストがかかるため、顧客は容易に他社製品に切り替えにくい。特に、プラントや製造ラインの安定稼働に不可欠な機器では、切り替えリスクとコストは大きい。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

計測機器の利用自体にネットワーク効果は発生しない。製品の普及が他社の利用を促進するような構造ではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

精密機器製造は一般的に高い品質管理と技術力が求められ、コスト競争力で他社を圧倒するほどの構造的な優位性は見出しにくい。ただし、長年の生産ノウハウによる効率化の可能性はある。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

産業用計測機器市場において、長野計器は一定のシェアを持つ老舗企業。大手競合と比較すると規模は小さいが、特定のニッチ市場や国内市場においては、一定の存在感と効率的な事業運営が可能。

  • 圧力計測技術の優位性:長野計器グループは、圧力計や圧力センサーといった圧力計測技術を核とする製品を主力としています。長年にわたる技術蓄積と研究開発により、高品質かつ高性能な製品を市場に提供しており、これが他社との差別化要因となっています。
  • グローバルな販売網と生産体制:北米、アジア、欧州などに多数の海外拠点を持ち、グループ全体の売上高の約5割を海外が占めています。この広範な国際的活動と「地産地消」を推進する生産・販売体制は、各地域の顧客ニーズに迅速に対応し、市場での競争力を高める強みとなっています。
  • コスト競争力と製品開発力:製品の設計変更や機種統廃合による部品・構造の共通化を進めることで、製造原価の低減に努めています。また、広範な計測領域や温度範囲に対応できる新製品開発にも注力しており、技術的優位性を維持しつつ、市場の価格競争にも対応できる体制を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営の基本方針当社グループは、「一芸を極めて世界に挑戦」の企業理念のもと、圧力計測・制御分野でのリーディングカンパニーとして、「安全・安心・信頼」をお届けすることを使命とした製品の提供を通じて、社会貢献を継続することをグループ全体の基本方針としております。経営目標の達成に向けて、日本及び米国を主要拠点としたグローバルな展開を行ってまいります。 (2)当社グループをとりまく経営環境当社グループの業績は、主に設備関連の投資動向に影響を受ける可能性があると想定しております。また、エネルギー価格・物流・資材、光熱費・原材料価格の高騰に加え、米国の関税政策も不安材料として業績に影響を及ぼす懸念があります。2023年度まで好調であった半導体業界の動向については、当社グループ製品においても現在在庫調整局面となっており、本格的な回復は2026年以降を見込んでおります。このような状況下ではありますが、当社グループの中核をなす圧力計事業、圧力センサ事業における製品群は、多岐にわたる業種において生産設備をはじめ生産活動に欠かせない重要な役割を果たしています。「FA・建設機械・半導体製造装置・社会インフラ」等、様々な業界で圧力計測のニーズが拡大しており、需要はさらに増加すると見込んでおります。これらのニーズに対応するため、これまで培ってきた計測技術を活かし、デジタル化に対応した新製品開発は勿論、最新の生産設備導入にも注力してまいります。 (3)第2次中期経営計画(対象期間:2023年度~2025年度)当社グループは、2023年4月よりスタートした第2次中期経営計画において、『モノづくりのあくなき探求心を礎に強靭な経営基盤を構築し、社会的課題への貢献と企業価値向上に取り組む』をスローガンに、対象となる3事業年度を、2030年度の指標となる成長フェーズに繋げる重要な3ヵ年と位置付けております。2025年3月期は、第2次中期経営計画の2年次でありましたが、売上高、営業利益ともに前年度実績を上回ったものの、中期経営計画に対しては未達となりました。最終年度となる2025年度は、中期経営計画当初に掲げた売上高753億円、営業利益率12.9%、株主資本利益率(ROE)10%確保を設定するも、製造業における設備投資の抑制傾向が続いていることを受け、今期(2025年度)の連結売上高の見通しを671億円といたしました。第2次中期経営計画に掲げる基本施策である既存事業の競争力強化、グローバル戦略の強化、新たな事業領域の拡大、経営基盤の強化の4つの成長戦略に沿った具体的取組を実行し、今期の計画達成にとどまらず、次期の中期経営計画に向けた持続的成長を目指してまいります。 優先的に対処すべき事業上及び財務上課題《成長戦略1 既存事業の競争力強化》既存事業の強化と再構築により事業効率の向上を図ります。① 製品の事業採算性向上a.不採算製品に対する価格改定とコスト低減による収益改善b.機種統廃合による部品・構造の共通化と製品体系の再構築c.今後の事業拡大を見据えた生産能力の増強② 顧客要望に対する迅速な製品開発a.技術部門の新組織体制による開発力強化b.成長分野における商品開発・水素・アンモニアビジネスに注力した脱炭素化事業の拡大・半導体用途市場に対する製品拡充c.ICT・デジタル技術を活用した高付加価値サービスの構築《成長戦略2 グローバル戦略の強化》グローバル市場で圧力センサのAshcroftブランドを確立し、地産地消を推進します。① メキシコのケレタロ工場で北米市場を主体に生産拡大・機種拡充へ② 中国工場でメキシコ同様の製造ラインによる生産拡大・機種拡充へ③ 欧州の製造拠点をドイツに集約し、生産効率改善と現地生産を進める。《成長戦略3 新たな事業領域の拡大》独創技術による製品開発で事業領域を拡大します。① 光学式圧力センサの特性(極微圧から超高圧、極低温から超高温)を活かし、極限環境下における用途開発 と品揃えの拡充② 高精度圧力計測・制御開発 高精度圧力校正機器の開発・補完により、計測制御機器セグメントを強化《成長戦略4 経営基盤の強化》サステナビリティ・ESG経営を推進します。環境・社会・ガバナンスの社会課題に取組み、環境への配慮、社会の充実、グループ企業統治を強化し、企業価値の向上を図ります。① GHG削減活動の推進② 環境負荷低減製品の開発・供給推進③ 廃棄物・有害物質抑制製品の開発・供給④ 女性・中核人材等における多様性の確保⑤ 人材育成と社内環境整備への取組⑥ サプライチェーンマネジメント・腐敗防止の構築⑦ グループガバナンス強化への取組⑧ DXの推進とサイバー・データセキュリティの強化⑨ サステナビリティへの取組と開示 (4)生産能力増強設備今後の事業拡大を見据えた設備増強として、2024年度には、空圧機器業界向け小型圧力計の新製造ライン及び半導体業界向け圧力センサの増産ラインを新たに稼働させ、生産能力の向上とさらなる生産効率の改善を実現いたしました。現在、当社の丸子電子機器工場においては、圧力センサ素子の加工及び研磨工程における生産能力を強化するための工場増設を進めております。この工場増設により圧力センサ素子の製造工程を集約し、より効率的な生産体制を構築することを目指しており、2025年9月の稼働開始を予定しております。また、圧力計事業及び圧力センサ事業においては、水素を含む新エネルギー分野、医療関連分野、さらには半導体技術の進化に伴う市場拡大が見込まれております。これらのニーズに応えるため、さらなる生産設備の導入や新工場の建設を視野に入れ、より高い生産性と品質を実現するとともに、お客様からの信頼を得られる企業として、企業価値の向上に努めてまいります。今後も積極的な設備投資を通じ、持続的な成長を追求し、業界内での競争力を一層高めてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営の基本方針当社グループは、「一芸を極めて世界に挑戦」の企業理念のもと、圧力計測・制御分野でのリーディングカンパニーとして、「安全・安心・信頼」をお届けすることを使命とした製品の提供を通じて、社会貢献を継続することをグループ全体の基本方針としております。経営目標の達成に向けて、日本及び米国を主要拠点としたグローバルな展開を行ってまいります。 (2)当社グループをとりまく経営環境当社グループの業績は、主に設備関連の投資動向に影響を受ける可能性があると想定しております。また、エネルギー価格・物流・資材、光熱費・原材料価格の高騰に加え、米国の関税政策も不安材料として業績に影響を及ぼす懸念があります。2023年度まで好調であった半導体業界の動向については、当社グループ製品においても現在在庫調整局面となっており、本格的な回復は2026年以降を見込んでおります。このような状況下ではありますが、当社グループの中核をなす圧力計事業、圧力センサ事業における製品群は、多岐にわたる業種において生産設備をはじめ生産活動に欠かせない重要な役割を果たしています。「FA・建設機械・半導体製造装置・社会インフラ」等、様々な業界で圧力計測のニーズが拡大しており、需要はさらに増加すると見込んでおります。これらのニーズに対応するため、これまで培ってきた計測技術を活かし、デジタル化に対応した新製品開発は勿論、最新の生産設備導入にも注力してまいります。 (3)第2次中期経営計画(対象期間:2023年度~2025年度)当社グループは、2023年4月よりスタートした第2次中期経営計画において、『モノづくりのあくなき探求心を礎に強靭な経営基盤を構築し、社会的課題への貢献と企業価値向上に取り組む』をスローガンに、対象となる3事業年度を、2030年度の指標となる成長フェーズに繋げる重要な3ヵ年と位置付けております。2025年3月期は、第2次中期経営計画の2年次でありましたが、売上高、営業利益ともに前年度実績を上回ったものの、中期経営計画に対しては未達となりました。最終年度となる2025年度は、中期経営計画当初に掲げた売上高753億円、営業利益率12.9%、株主資本利益率(ROE)10%確保を設定するも、製造業における設備投資の抑制傾向が続いていることを受け、今期(2025年度)の連結売上高の見通しを671億円といたしました。第2次中期経営計画に掲げる基本施策である既存事業の競争力強化、グローバル戦略の強化、新たな事業領域の拡大、経営基盤の強化の4つの成長戦略に沿った具体的取組を実行し、今期の計画達成にとどまらず、次期の中期経営計画に向けた持続的成長を目指してまいります。 優先的に対処すべき事業上及び財務上課題《成長戦略1 既存事業の競争力強化》既存事業の強化と再構築により事業効率の向上を図ります。① 製品の事業採算性向上a.不採算製品に対する価格改定とコスト低減による収益改善b.機種統廃合による部品・構造の共通化と製品体系の再構築c.今後の事業拡大を見据えた生産能力の増強② 顧客要望に対する迅速な製品開発a.技術部門の新組織体制による開発力強化b.成長分野における商品開発・水素・アンモニアビジネスに注力した脱炭素化事業の拡大・半導体用途市場に対する製品拡充c.ICT・デジタル技術を活用した高付加価値サービスの構築《成長戦略2 グローバル戦略の強化》グローバル市場で圧力センサのAshcroftブランドを確立し、地産地消を推進します。① メキシコのケレタロ工場で北米市場を主体に生産拡大・機種拡充へ② 中国工場でメキシコ同様の製造ラインによる生産拡大・機種拡充へ③ 欧州の製造拠点をドイツに集約し、生産効率改善と現地生産を進める。《成長戦略3 新たな事業領域の拡大》独創技術による製品開発で事業領域を拡大します。① 光学式圧力センサの特性(極微圧から超高圧、極低温から超高温)を活かし、極限環境下における用途開発 と品揃えの拡充② 高精度圧力計測・制御開発 高精度圧力校正機器の開発・補完により、計測制御機器セグメントを強化《成長戦略4 経営基盤の強化》サステナビリティ・ESG経営を推進します。環境・社会・ガバナンスの社会課題に取組み、環境への配慮、社会の充実、グループ企業統治を強化し、企業価値の向上を図ります。① GHG削減活動の推進② 環境負荷低減製品の開発・供給推進③ 廃棄物・有害物質抑制製品の開発・供給④ 女性・中核人材等における多様性の確保⑤ 人材育成と社内環境整備への取組⑥ サプライチェーンマネジメント・腐敗防止の構築⑦ グループガバナンス強化への取組⑧ DXの推進とサイバー・データセキュリティの強化⑨ サステナビリティへの取組と開示 (4)生産能力増強設備今後の事業拡大を見据えた設備増強として、2024年度には、空圧機器業界向け小型圧力計の新製造ライン及び半導体業界向け圧力センサの増産ラインを新たに稼働させ、生産能力の向上とさらなる生産効率の改善を実現いたしました。現在、当社の丸子電子機器工場においては、圧力センサ素子の加工及び研磨工程における生産能力を強化するための工場増設を進めております。この工場増設により圧力センサ素子の製造工程を集約し、より効率的な生産体制を構築することを目指しており、2025年9月の稼働開始を予定しております。また、圧力計事業及び圧力センサ事業においては、水素を含む新エネルギー分野、医療関連分野、さらには半導体技術の進化に伴う市場拡大が見込まれております。これらのニーズに応えるため、さらなる生産設備の導入や新工場の建設を視野に入れ、より高い生産性と品質を実現するとともに、お客様からの信頼を得られる企業として、企業価値の向上に努めてまいります。今後も積極的な設備投資を通じ、持続的な成長を追求し、業界内での競争力を一層高めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における世界経済は、緩やかな回復基調で推移したものの、ウクライナ及び中東における情勢の軍事行動の長期化に加え、米国の関税政策による産業への下振れ懸念もあり、先行き不透明感の強い状況が続きました。米国においては、利下げを実施したものの、依然として高金利、物価高等の影響により、設備投資需要の停滞が続いており、欧州においては、全体として経済活動は回復基調となりましたが、輸出の減少など製造業の不振が顕著であり、低調に推移いたしました。中国においては、内需の低迷により成長に減速がみられました。わが国においては、設備投資が総じて堅調に推移し、緩やかな回復基調であるものの、半導体製造装置などの生産用機械業界や自動車業界に弱い動きがみられました。当社グループの当連結会計年度の業績は、前期において好調であった半導体業界を中心とした設備投資需要が在庫調整局面にあり、国内における売上高は減少したものの、海外子会社の決算数値を外貨から換算する際に、決算期末時点(現地12月末)における換算レートが円安となったことによる円換算額の増加影響があり、前期に対して売上高が増加いたしました。国内において、圧力計は、FA空圧機器業界向及び空調管材業界向の売上が減少したものの、産業機械業界向、プロセス業界向及び半導体業界向の売上が増加いたしました。圧力センサは、産業機械業界向、空調業界向、半導体業界向及び自動車搭載用の売上が減少いたしました。米国子会社においては、圧力センサの売上が減少したものの、圧力計の売上は、主力の産業機械関連製品を中心に増加いたしました。また、計測制御機器は、自動車・電子部品関連業界向のエアリークテスタの売上が減少したものの、舌圧計が増加いたしました。ダイカスト製品は、主な取引先としている自動車業界の減産影響がありながらも、売上は前期とほぼ同水準となりました。これにより、売上高は695億44百万円(前期比2.4%増)となりました。損益面につきましては、営業利益は76億53百万円(前期比7.0%増)となり、経常利益は、受取配当金の減少、持分法による投資利益の減少、為替差損の計上等がありましたが、75億75百万円(前期比2.5%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は投資有価証券売却益及び事業分離による移転利益の計上、法人税、住民税及び事業税の計上等により、60億54百万円(前期比11.9%増)となりました。  セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。 〔圧力計事業〕圧力計事業では、国内においては、FA空圧機器業界向及び空調管材業界向の売上が減少したものの、プロセス業界において保守・メンテナンス需要が増加したことにより、売上が増加いたしました。また、半導体業界向の売上が増加いたしました。米国子会社においては、産業機械業界向の売上が増加し、さらに決算期末時点(現地12月末)の為替換算レートが円安となったことから、円換算後の売上高は増加いたしました。この結果、圧力計事業の売上高は369億80百万円(前期比8.6%増)となり、営業利益は29億33百万円(前期比42.6%増)となりました。 〔圧力センサ事業〕圧力センサ事業では、国内においては、プロセス業界向及び建設機械搭載用圧力センサの売上が増加したものの、産業機械業界向、空調業界向及び自動車搭載用圧力センサの売上が減少いたしました。また、前期において好調であった半導体業界向の売上が減少いたしました。米国子会社においては、産業機械業界向の売上が減少しました。一方で、圧力計と同様、決算期末時点(現地12月末)の為替換算レートが円安となり、円換算後の売上高は増加いたしました。この結果、圧力センサ事業の売上高は213億66百万円(前期比5.7%減)となり、営業利益は43億30百万円(前期比3.6%減)となりました。 〔計測制御機器事業〕計測制御機器事業では、生産自動化用の空気圧機器の売上が減少し、また、自動車・電子部品関連業界向のエアリークテスタの売上は、低調に推移いたしました。一方で、舌圧計の売上が増加いたしました。費用面においては、金属材料及び電力等の価格高騰による影響を受けました。この結果、計測制御機器事業の売上高は40億43百万円(前期比0.3%増)となり、営業利益は2億99百万円(前期比13.4%減)となりました。 〔ダイカスト事業〕ダイカスト事業では、自動車業界を主要取引先としているダイカスト製品の売上が、ほぼ前期並みとなりました。一方、費用面においては、金属材料及び電力料等の価格高騰による影響を受けました。この結果、ダイカスト事業の売上高は52億57百万円(前期比0.8%増)となり、営業損失は52百万円(前期は94百万円の営業利益)となりました。 〔その他事業〕その他事業では、自動車用電装品の売上が減少いたしました。この結果、その他事業の売上高は18億96百万円(前期比2.9%減)となり、営業利益は1億36百万円(前期比13.1%減)となりました。  財政状態の状況(資産) 当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ20億37百万円増加し744億6百万円となりました。これは主に、投資有価証券の売却により現金及び預金が22億61百万円、海外子会社の工場移転により使用権資産が11億31百万円、建設仮勘定が6億55百万円、原材料及び貯蔵品が6億42百万円増加した一方、投資有価証券評価益減により投資有価証券が29億93百万円減少したことによるものです。 (負債) 負債につきましては、前連結会計年度末に比べ20億35百万円減少し297億50百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が13億24百万円、長期借入金が8億86百万円減少したことによるものです。 (純資産) 純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ40億73百万円増加し446億55百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加等により株主資本合計が51億69百万円増加した一方、その他有価証券評価差額金が17億99百万円減少したことによるものです。 これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末から3.9ポイント増加の58.8%となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は97億円となり、前連結会計年度末72億88百万円に対し、24億11百万円の増加となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果、得られた資金は60億97百万円(前年同期は62億40百万円の収入)となりました。 収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益89億39百万円であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額24億88百万円、仕入債務の減少11億6百万円によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果、使用した資金は3億51百万円(前年同期は20億35百万円の支出)となりました。 収入の主な内訳は、投資有価証券の売却による収入14億69百万円、定期預金の払戻による収入5億75百万円であり、支出の主な内訳は、生産設備等の有形固定資産の取得による支出26億15百万円によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果、使用した資金は35億3百万円(前年同期は34億17百万円の支出)となりました。 支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出9億99百万円、配当金の支払額8億97百万円、短期借入金の純減少額8億21百万円、リース債務の返済による支出7億61百万円によるものです。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績  当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)圧力計37,332,022108.3圧力センサ21,366,47594.3計測制御機器4,048,808100.3ダイカスト5,257,039100.8その他1,902,423101.5合計69,906,768102.4   (注)金額は販売価格によっております。 b.受注実績  当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)圧力計36,832,200108.16,481,62997.8圧力センサ20,553,280103.04,555,37884.9計測制御機器4,372,858124.21,102,338142.5ダイカスト5,257,039100.8--その他1,816,827100.5586,59999.1合計68,832,206106.612,725,94595.2   (注)1.金額は販売価格によっております。  2.ダイカストは受注残高を計上しておりません。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)圧力計36,980,906108.6圧力センサ21,366,47594.3計測制御機器4,043,460100.3ダイカスト5,257,039100.8その他1,896,89497.1合計69,544,777102.4   (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。  2.最近2連結会計年度において、総販売実績の10%を超える相手先はありません。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営成績の分析(売上高)当連結会計年度における売上高は、695億44百万円(前期比2.4%増)となり、前連結会計年度に比べて16億9百万円増加いたしました。セグメント別の売上高については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。 (売上総利益)当連結会計年度は、国内においては、産業機械業界向、空調業界向、半導体業界向及び自動車搭載用の圧力センサの売上が減少した一方で、プロセス業界向の保守・メンテナンス需要が増加したことにより売上が増加しました。米国子会社においては、主力の産業機械関連製品を中心に売上が増加いたしました。加えて、円安による円換算額の増加もありました。これにより、売上原価は473億26百万円となり、当連結会計年度における売上総利益は222億18百万円(前期比4.1%増)、前連結会計年度に比べて8億66百万円の増加となりました。 (営業利益)販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ3億64百万円増加して145億65百万円(前期比2.6%増)となり、当連結会計年度における営業利益は、76億53百万円(前期比7.0%増)となりました。これは主に、売上総利益が増加したことによります。 (経常利益) 当連結会計年度における営業外収益は、受取配当金の減少等により前連結会計年度に比べ2億86百万円減少し、5億65百万円(前期比33.6%減)となりました。 当連結会計年度における営業外費用は、為替差損の発生により前連結会計年度に比べ30百万円増加し、6億42百万円(前期比4.9%増)となりました。以上の結果、当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ1億85百万円増加し、75億75百万円(前期比2.5%増)となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度における特別利益は、投資有価証券売却益及び事業分離による移転利益の計上等により、前連結会計年度に比べ13億25百万円増加し、14億38百万円(前期比1,174.2%増)となりました。当連結会計年度における特別損失は、前期のスイス製造拠点の移転にともなう減損損失の計上により前連結会計年度に比べ2億54百万円減少し、74百万円(前期比77.3%減)となりました。また、税金等調整前当期純利益の増加により税金費用が増加したものの、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、60億54百万円(前期比11.9%増)となりました。  財政状態の分析 当連結会計年度の財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」記載のとおりであります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」記載のとおりであります。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおりであります。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、材料及び製品の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資の取得等によるものであります。 短期運転資金は当社および一部の国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入し、各社における余剰資金を当社へ集中し一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入金を基本としております。 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、146億20百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、97億円となっております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表にあたって、当社経営陣は、決算日における資産・負債の報告数値、偶発債務の開示、各連結会計年度における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。 経営陣は、貸倒引当金、従業員の退職給付費用、繰延税金資産に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。(貸倒引当金)債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。(退職給付引当金)従業員の退職給付費用については、各連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき引当計上しております。これらは割引率、昇給率、死亡率、年金資産の長期期待運用収益率等の重要な見積りを加味して計上しております。(繰延税金資産)繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいて課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について計上しております。なお、当該課税所得を見積るにあたって、前提とした条件や仮定に変更が生じ、これが減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。(固定資産の減損)減損の兆候のある資産又は資産グループごとに将来キャッシュ・フローの見積りを行い、固定資産の減損要否の判定を行っております。資産又は資産グループの減損が必要であると判断した場合、帳簿価額が回収可能価額を超える部分について減損損失を認識しております。 ④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況 2026年3月期の連結業績目標として、連結売上高671億円、営業利益率11.0%以上、自己資本利益率(ROE)10.0%以上確保を掲げております。 この目標値は2025年3月に策定した数値であり、有価証券報告書提出日現在、妥当であると判断しております。 当連結会計年度における連結売上高は695億44百万円であり、営業利益率は11.0%、自己資本利益率は14.5%となりました。連結売上高は下回りましたが、営業利益率、自己資本利益率は2025年3月期の目標を上回っており、引き続き当該指標の目標達成に邁進していく所存です。

事業リスク

  • 地政学・経済変動リスク:国内外の政治社会・経済危機、金融・資本市場の混乱は、グループの事業活動や保有資産の価値に悪影響を及ぼす可能性があります。特に海外売上高が約5割を占めるため、拠点国の政情不安や経済政策の変更は、業績に直接的な影響を与えるリスクがあります。
  • 市場環境と競争激化リスク:エネルギー価格の高騰、物流・原材料費の上昇、設備投資の動向、そして激しい価格競争は、グループの業績に影響を与える可能性があります。特に国内市場では海外メーカーとの競争が激化しており、製造原価の増加を販売価格に転嫁できない場合、市場シェアを失うリスクがあります。
  • サプライチェーンと設備投資リスク:特定の仕入先への依存がある重要部品の不足や加工工程の遅延は、製品供給の遅延や品質管理に支障をきたす可能性があります。また、多額の設備投資において需要予測を誤った場合、減価償却費や減損負担により業績が悪化するリスクも存在します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|7,439 文字
3【事業等のリスク】当社グループでは全社的なリスクの発生及び損失の最小化を図るために、「リスクマネジメント基本規程」を制定し、リスクマネジメント委員会を設置しております。(第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要に記載されている図表をご参照ください)リスクマネジメント委員会は当連結会計年度において2回開催し、全社的なリスク管理を行うにあたっては、リスクの発生可能性と影響度を勘案したうえでリスクの評価を行っております。リスクは、地政学リスク、気候変動リスク、戦略リスク、財務リスク、ハザードリスク及びオペレーショナルリスクに分類し、分類したリスクのうち3年以内に発生する可能性が高く、かつ影響度が大きいものについて、優先度を高めて対策を実施し、リスクの予防または軽減に努めます。また、リスクが顕在化し、危機・非常事態が発生した場合は、「危機・非常事態管理規程」に基づき、迅速・的確な初期対応により、事態の拡大防止と早期の収束に努めます。当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項は以下のとおりです。以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性が内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。<事業等のリスク> リスクの分類リスク内容 (1)地政学リスク国内外の政治社会・経済危機・金融・資本市場の混乱 (2)気候変動リスク気候変動に関するリスク(3) 戦略リスク 市場環境の変動(4)競争力(5)国際的活動及び海外進出(6)多額の設備投資(7)仕入先への生産依存(8)投資等に係るリスク(9)人材の確保及び育成(10)新製品開発力(11)財務リスク有価証券投資(12)為替レート・金利の変動(13)ハザードリスク災害や停電等の影響(14)情報セキュリティに関するリスク(15)オペレーショナルリスクステークホルダーの信頼及び企業価値に関するリスク(16)コンプライアンス・内部統制に関するリスク(17)環境保全に関するリスク(18)製品の欠陥(19)設備の更新 (地政学リスク)(1)国内外の政治社会・経済危機・金融・資本市場の混乱リスク内容 地政学リスクの顕在化により、社会経済活動や金融・資本市場に混乱が生じ、当社グループの事業活動及び保有資産の価値に影響が生じる可能性があります。また、リーマンショック級の金融危機が発生した場合、同様にグループの事業活動及び保有資産の価値に影響が生じる可能性があります。対応策 当社グループでは、顧客需要に可能な限り応えることができるよう、情勢を勘案のうえ社会経済活動、金融・資本市場の混乱回避につとめ、併せて代替生産並びに販路の構築など、可能な範囲で具体的な対応を図っております。 (気候変動リスク)(2)気候変動に関するリスクリスク内容 当社グループは、地球温暖化や異常気象による洪水など、大規模な自然災害の発生により人的・財産的被害が甚大化し、経営成績及び財務状況に重大な影響が生じる可能性があります。また、地球温暖化の主要因である炭素を主成分とするGHG(温室効果ガス)を排出することにより、地球温暖化を加速させることも、同様に経営成績及び財務状況に重大な影響が生じる可能性があります。対応策 当社グループは、地球温暖化を緩和し、GHG排出量削減への取組みを促進することに加え、当社グループの強みである圧力計測技術と製造技術を最大限発揮した環境負荷低減製品の推進により、低炭素社会の実現に向け、環境保全を重視した事業活動に取組んでおります。また、TCFD提言による開示枠組みに沿った気候変動に関する企業情報の開示検討も併せて進めております。 (戦略リスク)(3) 市場環境の変動リスク内容 当社グループは、エネルギー価格の上昇、物流・資材・原材料費の高騰並びに設備関連の投資動向などに影響を受ける可能性があります。また、国内外の経済環境や、取引先及び仕入先の経営環境の変動並びに主要部材の特殊性による入手遅延や入手困難等による納期遅延の発生、素材価格の上昇を販売価格へ転嫁できないなどの場合、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。対応策 当社グループは、国内外の経済環境や取引先の経営環境の変動による製品需要の変動に対応するよう改善を進めております。また、生産計画を達成するため、生産能力の拡大及び人員増強などにより、製品需要への対応に向けた取組みを推進しております。 当社グループは、主要部材等を複数の仕入先から購入する等、適時適量に調達を可能とする生産体制の構築を進めております。仕入先が限定され、または、切替えが困難な主要部材は、購買力及びサプライチェーンの見直し・拡充などにより、納期遅延が発生することのないよう取組みを推進しております。 (4) 競争力リスク内容 当社グループの市場における価格競争は、大変厳しいものとなっております。特に国内市場においては、海外メーカーとの競争が激化しております。 当社グループは、技術的優位性を基盤に高品質、高性能な製品を市場に送り出しておりますが、製造原価の増加等により価格面で有効な対応ができない場合、市場を失うことになり、業績に影響が生じる可能性があります。対応策 当社グループは、製品の事業採算性向上をテーマに掲げ、設計変更や機種統廃合による部品・構造の共通化によるコストダウンに取組んでおります。また、広範な計測領域または温度範囲を計測できる製品開発と製品力強化にも取組んでおります。 (5) 国際的活動及び海外進出リスク内容 当社グループは、海外拠点を北米、アジア、欧州等に展開しており、海外売上高はグループ全体の約5割を占めております。拠点国の政情不安、内乱、テロ、戦争、経済政策変更、情勢の急変などが発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響が生じる可能性があります。対応策 当社グループは、政情等に関する動向を海外拠点の情報網に加え、国内においても積極的に入手し、情勢の急変等に適切に対応しております。また、このような情報収集を通じ、生産・販売拠点の状況を正確に把握し、地産地消により顧客の購買促進につながる製品の製造販売を進めております。 (6) 多額の設備投資リスク内容 当社グループは、工場や製造設備等への投資にあたり、投資効果を総合的に勘案し、計画的に実施しておりますが、設備等の導入に判断の誤りが生じ、多額の設備投資に対して製品需要が想定を大きく下回った場合、減価償却費、設備除却及び減損負担などにより、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。対応策 当社グループは、重要な投資にあたっては取締役会の承認決議を実施し、当該リスクの回避に努めております。また、新規の量産製品設備の導入等にあたっては、製品判定会議により投資の妥当性を審議しております。生産能力の増強のための工場新設等の多額な投資を行う場合、製品の需要動向や建設市場の動向といった投資タイミングを見極めるとともに、GHG排出量削減等の環境関連設備なども併せて導入を検討しております。 (7) 仕入先への生産依存リスク内容 当社グループは、重要部品及び重要加工工程を当社グループ内で製造するよう努めるとともに、仕入先への委託生産体制を整備しております。 しかし、一部には特定の仕入先に依存している重要部品及び重要加工工程が存在しており、これらについては必要に応じて戦略的な購買措置を講じておりますが、重要部品の不足及び重要加工工程の遅れが発生した場合、製品の供給遅延、品質管理に支障をきたす可能性があります。対応策 当社グループは、リスク回避のため重要部品及び重要加工工程の複数社購買等、より一層の戦略的な購買措置を進めております。また、高性能及び高品質な製品の中核となる重要部品については、自社開発し効率的な製造を行えるよう努めております。 (8) 投資等に係るリスクリスク内容 当社グループは、単独または他社と共同で、新会社の設立や既存会社の買収を行ってまいりましたが、これらの事業投資は多額の資本を必要とし、投資先の業績が著しく悪化した場合や経営方針の転換が行われた場合、当社グループが希望するタイミングや方法により撤退できない、あるいは追加資金の拠出を余儀なくされる可能性があります。当社グループは、事業投資に係るリスク防止のため、事業投資の検討に際し、リスクに見合う利益創出が得られるかなどの検証を行っておりますが、これら投資先の価値が低下した場合、あるいは追加資金拠出が必要な場合、当社グループの業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。対応策 当社グループは、投資先企業に対するガバナンス強化を図るとともに、リスク回避のため、投資先企業とのアライアンス関係の定期的な見直しを進めております。 当社グループは、中長期的な企業価値の増大またはグローバルシェアの拡大を進めるアライアンス戦略及びその達成に向けた施策を慎重に検討し、投下した資本に見合う利益創出が得られるよう努めております。 (9) 人材の確保及び育成リスク内容 当社グループは、製品開発及び製造における保有技術の継承が必要不可欠なものとなっております。そのための人材確保と既存人材の育成は、企業の維持と成長に必須ですが、人材の確保及び育成が円滑に進まず、従業員の高齢化等に伴い保有技術を継承できない場合、当社グループの成長と業績に影響が生じる可能性があります。対応策 当社グループは、技術と技能の継承を見据えて、新卒・中途を問わず計画的かつ積極的な通年採用活動を行っております。当社グループは、人材育成方針及び社内環境整備方針を策定し、研修制度などを通じた従業員育成プログラムの充実と、ワークライフバランスの取れた活力ある職場環境の充実に努めております。また、公平で透明性の高い人事制度の導入により、企業としての魅力向上により人材の確保を進めております。 (10) 新製品開発力リスク内容 当社グループは、技術的な進歩や製品供給市場の将来的・潜在的なニーズ、顧客の需要変化などを充分に分析・予測できず、魅力ある新製品の開発等ができない場合、将来において成長と収益力が低下し、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。対応策 当社グループは、顧客視点の高付加価値商品開発をテーマに掲げ、営業・技術・製造の横断的な部門間連携の強化により、顧客ニーズに的確に応える技術開発に取組んでおります。 (財務リスク)(11) 有価証券投資リスク内容 当社グループは、技術や取引上の連携強化などを目的に、株式の相互保有としての有価証券投資を行っております。有価証券市場の動向により、当社グループの業績と財務状況に影響が生じる可能性があります。対応策 当社グループは、有価証券の保有状況を定期的に取締役会に報告し、有価証券の保有及び処分の適否を検討しております。 当社グループは、中長期的な企業価値向上に貢献しないと判断した有価証券は縮減していく方針です。 (12) 為替レート・金利の変動リスク内容 当社グループは、外貨建で行っている販売及び仕入に関して外国為替レートの変動により、資産及び負債の円換算額に影響が生じる可能性や、為替差損が生じる可能性があります。また、海外子会社等の外貨建財務諸表の円換算による金額変動により、連結財務諸表に影響が生じる可能性があります。当社グループは、金利の変動により支払利息、受取利息あるいは資産及び負債の価値に影響が生じる可能性があります。この結果、当社グループの業績と財務状況に影響が生じる可能性があります。対応策 当社グループは、全体として外国通貨に対する円高は利益が減少し、円安は利益が増加する傾向にあります。当社グループは、為替リスクや金利変動リスクを回避するためのリスクヘッジや、資金調達コストの軽減を図るよう努めております。 (ハザードリスク)(13) 災害や停電等の影響リスク内容 当社グループは、大規模な地震、風水害等の自然災害や停電、火災等の発生により、原材料や部品の調達、生産活動、製品販売などに遅延や停滞が生じ、それが長期間にわたる場合は、当社グループの業績と財務状況に影響が生じる可能性があります。対応策 当社グループは、非常時においても当社製品の根幹となる受圧部の生産設備の保護に重点をおいて対策を講じる方針です。また、災害や停電等が起きた場合、早急な復旧を行うことができるよう社内規程等に従い、被災のないグループ会社または同事業者等に生産を委託することを進めております。 (14) 情報セキュリティに関するリスクリスク内容 当社グループは、悪意をもった第三者によるサイバー攻撃や情報セキュリティ事故、犯罪行為等により、システムが停止する等の事象が生じる可能性があります。 情報セキュリティ事故が生じた場合、当社グループの営業活動及び生産活動等が停止することや、情報セキュリティに関する当社グループの信用が損なわれる可能性があります。対応策 当社グループは、情報セキュリティシステムの導入や情報セキュリティマネジメント体制(サイバーセキュリティガバナンス)の強化など、情報セキュリティ事故を未然に防ぐ対策をとっております。また、工場や生産ライン設備がIoT化されたことにより生じるリスクを想定し、対策を検討しております。 (オペレーショナルリスク)(15) ステークホルダーの信頼及び企業価値に関するリスクリスク内容 当社グループは、経営者および従業員等の不適切な行動により、株主をはじめとするステークホルダーの信頼を損ない、当社グループとステークホルダーとの間に乖離が生じた場合、当社グループの企業価値、成長及び業績等に影響が生じる可能性があります。また、近年国際的にサプライチェーンにおける企業の社会的責任の要請が強く、各国の法規制の強化、特に人権関連の法制定や規制の発動は、当社グループの企業価値、成長及び業績に影響が生じる可能性があります。対応策 当社グループは、企業倫理の優先による健全な事業活動を基本とするグル―プ企業行動憲章を制定し、人権リスク管理やコンプライアンス推進体制の運用の徹底に努めております。また、2021年11月に発覚した当社元従業員による不正行為に対する再発防止策のとおり、経営者と従業員のコンプライアンス意識の強化等の諸施策を、全社を挙げて取組んでおります。 当社グループは、経営の透明性向上を図るため、財務情報に加え非財務情報の開示を進めております。 (16) コンプライアンス・内部統制に関するリスクリスク内容 当社グループは、法令等の遵守に努めておりますが、コンプライアンス上のリスクを完全に回避できない可能性があります。法令等に抵触する事象が発生した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの業績及び財務状況等に影響が生じる可能性があります。対応策 当社グループは、企業倫理の優先による健全な事業活動を基本とするグル―プ企業行動憲章を制定し、上記(15)記載の内容に全社を挙げて取組んでおります。 (17) 環境保全に関するリスクリスク内容 当社グループは、有害物質(有毒ガスを含む)、廃棄物、水銀による土壌・地下水の汚染並びにRoHS2規制違反による汚染などに関する種々の環境関連法令及び規制等の適用を受けております。将来の環境関連法令及び規制等の遵守、環境改善取組みの追加的な義務、環境規制への適応が極めて困難な場合、及び不測の事態などによる環境に関連する費用の増加、環境規制違反による事業停止、環境規制の未対応による顧客喪失などの場合には、当社グループの業績及び財務状況等に影響が生じる可能性があります。対応策 当社グループは、製品生産販売の際に適用される種々の環境関連法令及び規制等を遵守する体制を厳格に運用しております。ISO14001マネジメントシステムによる設備点検、監視、測定を徹底し、該当する設備の更新または環境関連法令及び規制に適合した製品づくりを実施し、当該リスクの回避を進めております。 (18) 製品の欠陥リスク内容 当社グループは、世界的な品質管理基準(ISO9001、IATF16949、ISO13485)に従って、各種の製品を製造しております。しかし、全ての製品に欠陥が無く、将来においてリコールまたは製造物賠償責任が生じる可能性を完全に回避することはできません。大規模なリコールや製造物賠償責任につながる製品の欠陥は、多額のコストが発生する可能性があり、また、当社グループの製品の信用に重大な影響を与えることにより需要低下が生じた場合、当社グループの業績と財務状況に影響が生じる可能性があります。対応策 当社グループは、仕入先及びグループ会社等に対し、品質向上のための技術的改善や、重要部品及び加工工程の品質指導などにより当該リスクの回避を進めております。 製品の欠陥が生じた場合、直ちに生産工程の見直しを図り、製品及び重要部品の生産方法の変更並びに生産工程の強化を行い、最小限の損失に留めるよう努めております。 (19) 設備の更新リスク内容 当社グループは、高付加価値製品の開発及び製造に継続的に注力しておりますが、革新的技術の台頭、顧客要求の変化等により、開発設備が陳腐化する可能性があります。設備の更新が円滑に進まない場合、当社グループの競争力に影響が生じる可能性があります。対応策 当社グループは、設備の性能や稼働状況を検討しつつ、必要な設備更新に取組んでおります。また、中期経営計画や事業計画に沿った定期的な設備の更新を進めております。さらに、生産設備の停滞と停止に備え必要な予備部品の在庫保持にも努めております。

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