7702

JMS(7702)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

精密機器 電機・精密

事業の概要

  • 医療機器・医薬品の製造販売
    JMSグループは、医療現場で使われる様々な機器や医薬品を製造し、病院やクリニックなどに販売しています。例えば、点滴セットや注射器、人工透析関連製品などがこれにあたります。これらの製品は、患者さんの治療や健康維持に不可欠なものであり、安定した需要が見込まれる事業です。
  • 国内外での事業展開
    日本国内だけでなく、シンガポール、中国、フィリピン、ドイツなど世界各地に子会社や関連会社を持ち、グローバルに事業を展開しています。これにより、特定の地域に依存せず、多様な市場で収益を上げられる体制を構築しています。各地域の医療ニーズに合わせた製品提供も行っています。
  • 関連サービスの提供
    製品の製造・販売だけでなく、医療機器の保守やその他関連サービスも提供しています。これにより、製品を導入した医療機関に対して継続的なサポートを提供し、顧客との長期的な関係を築いています。アフターサービスも収益の一部となっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

JMSグループの事業セグメントは、主に地域別に構成されています。日本が売上425.69億円と最大の収益源であり、次いでシンガポール事業が153.96億円、ドイツ事業が44.68億円と続きます。中国事業は22.42億円、フィリピン事業は0.22億円の売上を計上しています。全体として、日本市場が中心でありながらも、シンガポールやドイツといった海外市場でも一定の売上を上げており、グローバルに医療機器・医薬品関連事業を展開していることが分かります。

2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Japan 地域 426
Singapore 事業 154
China 地域 22
Philippines 事業 0
Germany 事業 45
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|610 文字
3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び子会社10社並びに関連会社2社で構成され、医療機器・医薬品の製造・販売を主な事業内容とし、さらにその事業に関連する保守及びその他サービス等の事業活動を展開しております。 当社グループの事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであり、内にセグメントの名称を記載しております。 当社グループは、医療機器・医薬品関連事業を、国内においては当社及び持分法適用関連会社である株式会社ジェイ・オー・ファーマが、海外においては、シンガポール、中国、フィリピン、ドイツ等の各地域をジェイ・エム・エス・シンガポールPTE.LTD.、PT.ジェイ・エム・エス・バタム、大連ジェイ・エム・エス医療器具有限公司、ジェイ・エム・エス・ヘルスケア・フィリピン,INC.、バイオニック・メディツィンテクニックGmbH、アメリカの現地法人、韓国の現地法人及びタイの現地法人並びに中国の一部の現地法人がそれぞれ担当しております。また、その他の事業を国内子会社及び持分法適用関連会社であるJMS帝人ホームメディカルケア株式会社が担当しております。なお、当連結会計年度において、JMS帝人ホームメディカルケア株式会社の株式を取得したことにより、関連会社に該当することとなったため、持分法適用関連会社に含めております。 事業の系統図は、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
先進国における医療費抑制策に伴う公定価格の引下げや競争激化による市場価格低下リスクがあるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
医薬品及び医療機器等の法令・規則を遵守し、品質管理システムの構築と継続的な改善が必要。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:品質に関するリスク / 市場価格に関するリスク / 生産活動に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

JMSの事業内容(医療機器、特にカテーテル等)において、強力なブランド力や特許、規制ライセンスによる明確な無形資産の優位性は現時点では確認できない。競合他社も同様の技術を有している可能性が高い。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

医療機器、特にカテーテルや輸液関連製品は、一度医療機関に採用されると、その品質、安全性、操作性、既存システムとの互換性から、他社製品への切り替えには時間とコスト、リスクが伴う。特に高度な医療現場では、信頼性が最優先されるため、スイッチング・コストは一定程度存在する。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

JMSの製品は、医療従事者や患者の利用によって価値が増大するようなネットワーク効果を持つものではない。製品の価値は、個々の性能や品質に依存する。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

精密機器製造における効率化や大量生産によるコスト削減努力は行われていると考えられるが、競合他社との間に構造的なコスト優位性を示す明確な証拠はない。サプライチェーンや製造プロセスにおける微細な優位性は存在する可能性はある。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

医療機器業界はグローバルに展開しており、JMSも一定の規模を持つが、業界全体を代表するような寡占的な地位を確立しているとは言えない。特定のニッチ市場では強みを持つ可能性はあるが、業界全体での効率規模の優位性は限定的。

  • グローバルな生産・販売網
    JMSグループは、日本、シンガポール、インドネシア、中国、フィリピン、韓国など複数の国に生産拠点を持ち、世界中に販売ネットワークを構築しています。これにより、特定の地域でのリスクを分散し、各国の医療ニーズに合わせた製品を効率的に供給できる体制が強みです。
  • 品質管理と法令遵守
    医療機器・医薬品という人命に関わる製品を扱うため、各国・地域の厳しい法令や規則を遵守し、高品質な製品を提供するための品質管理システムを構築・改善し続けています。これにより、医療現場からの信頼を得て、安定した事業運営を可能にしています。
  • 多様な製品ラインナップ
    点滴や輸液、人工透析関連製品など、幅広い医療機器・医薬品を提供しています。これにより、様々な医療現場のニーズに対応でき、特定の製品に依存しない安定した収益基盤を築いています。新興国市場の拡大にも対応できる柔軟性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、1965年の創業以来「かけがえのない生命のために」という創業精神の下、「私たちは医療を必要とする人と支える人の架け橋となり、健康でより豊かな生活に貢献することですべての人々を笑顔にします。」という企業理念を実現するため、医療現場の課題を的確に捉え、その解決に真に役立つ価値の創造と提供に努めております。こうした企業活動を通じて、株式会社として適正かつ効率的な運営を図り、健全な利益を確保して企業価値を高め、株主・患者さん・医療従事者・取引先・地域住民等すべてのステークホルダーの皆様の利益・幸せを実現することを当社グループの経営方針としております。 (2)経営環境当社グループを取り巻く環境は、高齢化の進展や慢性疾患患者の増加を背景に、在宅医療や診断・治療支援を中心とした高付加価値な医療機器へのニーズが一層高まっております。その一方で、医療機器の安全性および信頼性に対する規制は国際的に一層厳格化しており、各国・地域における新たな法規制等への的確な対応が求められております。このような環境下において、遠隔診療や在宅医療といった分野では、オンライン診療の普及や、医療データの収集・解析による医療の効率化、さらにはAI(人工知能)の先進技術を活用した診断・治療支援の高度化が進んでおります。こうした背景のもと、医療機器とデジタル技術を融合させた最適なソリューションの提供が、今後ますます重要性を増すものと考えております。 (3)中期経営戦略当社グループは、長期ビジョンとして、「常に医療現場の課題解決を目指し、製品・サービスを開発するソリューションカンパニー」になることを定め、その実現を目指しております。2024年5月に策定した中期経営計画2027では、長期ビジョンの達成に向けた最適な資源配分を実現するための構造改革フェーズと位置付け、「未来をつくるための変革と挑戦」をテーマに、基本方針と取組みを定め、着実に対応を進めております。これにより、短期的な収益性向上のみならず、社会の様々な要請に応えて中長期的に企業価値を高め、長期的耐久性を備えた会社へと変革を図るとともに、ステークホルダーの皆様と協働して持続可能な社会の実現に貢献してまいります。 基本方針1.収益構造の改革投下資本効率を踏まえたグループ収益構造の抜本的見直しにより体質改善を図るとともに、国内外の市場環境に適応した事業戦略を遂行し、安定的な利益創出を実現する。 2.グローバリゼーションの推進拡大する海外需要の取込みに向けて経営資源の重点配分と体制の強化を図り、顧客課題を解決する力を高めて、グローバル展開を加速する。 取り組み基本方針のもと、4つの取組み「事業ポートフォリオマネジメントの強化」、「構造改革による経営基盤の強靭化」、「グローバルな事業収益の拡大」、「サステナビリティ経営の推進」を進めております。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループの事業活動としましては、輸液・栄養領域、透析領域、外科治療領域、血液・細胞領域の4つの領域を中心に事業を展開し、製品の開発、生産、販売を進めております。(2)の経営環境を踏まえ、(1)及び(3)に記載の、経営方針及び中期経営戦略を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は領域別に次のとおりであります。 (輸液・栄養領域)医療安全、低侵襲に対するニーズは引き続き高まり、また、診療報酬改定に伴う医療機器へのコスト削減要求は加速しております。そのため、各事業領域でのアライアンスを活用しつつ、輸液領域では、医療DXに寄与する輸液ポンプを中心に院内感染制御、注入制御、医療事故対策の課題を解決する製品をトータルシステムで提供することで、栄養領域では、栄養管理からリハビリ・回復までの栄養療法のトータルコーディネーターとなることで、医療現場での揺るぎない信頼を確立してまいります。また、オンコロジー領域への経営資源の集中による国内シェア拡大や海外展開の推進を加速させ、グローバルな主力事業として収益拡大を目指してまいります。 (透析領域)地域の包括的な支援・サービスの提供体制が推進され、在宅医療へのシフトが進もうとしている中、透析領域では、患者さんのQOL(クオリティ・オブ・ライフ)向上と医療現場の省力化・効率化に貢献する安全、安心かつ高度な透析医療を提供する企業を目指しております。国内では、血液透析と腹膜透析の両システムの品揃えによる選択療法の啓発に加え、透析情報システムを中核とした医療DXを推進するほか、海外では、日本の優れた透析医療を中国に普及させるとともに、慢性腎臓病が増加しているアジア諸国へ販売を進めております。 (外科治療領域)診療報酬の継続的な引き下げ等により、機能別・診療特化の病院再編が進む中、外科治療領域に加え、救命・集中治療分野において、自社開発・製造による高い信頼性を持つ独自の製品及びサービスを中心に、中長期的な事業拡大に向けてアライアンスも活用した最適なソリューションの提供により、循環器疾患の治療から術後ケア及び予防まで、トータルサポートの実現を目指しております。 (血液・細胞領域)血液領域では、高品質な製品の製造と販売を通じ、「採血から輸血まで」の各プロセスで欠くことのできないメーカーになることを、細胞領域では、血液や細胞の「採取から投与まで」に必要とされるデバイスを開発し、細胞・再生事業におけるイノベーションマネジメント企業になることを目指して活動を進めております。 (5)目標とする経営指標当社グループは、中期経営計画2027において、最終年の2027年3月期に目標とする経営指標として、収益性では営業利益25億円、資本効率ではROIC(投下資本利益率)3.5%の達成を目指してまいります。なお、本中期経営計画では構造改革フェーズとして、選択と集中による事業及び製品ポートフォリオの再編を進めるため、成長性(売上高)に捉われない目標設定といたしました。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、1965年の創業以来「かけがえのない生命のために」という創業精神の下、「私たちは医療を必要とする人と支える人の架け橋となり、健康でより豊かな生活に貢献することですべての人々を笑顔にします。」という企業理念を実現するため、医療現場の課題を的確に捉え、その解決に真に役立つ価値の創造と提供に努めております。こうした企業活動を通じて、株式会社として適正かつ効率的な運営を図り、健全な利益を確保して企業価値を高め、株主・患者さん・医療従事者・取引先・地域住民等すべてのステークホルダーの皆様の利益・幸せを実現することを当社グループの経営方針としております。 (2)経営環境当社グループを取り巻く環境は、高齢化の進展や慢性疾患患者の増加を背景に、在宅医療や診断・治療支援を中心とした高付加価値な医療機器へのニーズが一層高まっております。その一方で、医療機器の安全性および信頼性に対する規制は国際的に一層厳格化しており、各国・地域における新たな法規制等への的確な対応が求められております。このような環境下において、遠隔診療や在宅医療といった分野では、オンライン診療の普及や、医療データの収集・解析による医療の効率化、さらにはAI(人工知能)の先進技術を活用した診断・治療支援の高度化が進んでおります。こうした背景のもと、医療機器とデジタル技術を融合させた最適なソリューションの提供が、今後ますます重要性を増すものと考えております。 (3)中期経営戦略当社グループは、長期ビジョンとして、「常に医療現場の課題解決を目指し、製品・サービスを開発するソリューションカンパニー」になることを定め、その実現を目指しております。2024年5月に策定した中期経営計画2027では、長期ビジョンの達成に向けた最適な資源配分を実現するための構造改革フェーズと位置付け、「未来をつくるための変革と挑戦」をテーマに、基本方針と取組みを定め、着実に対応を進めております。これにより、短期的な収益性向上のみならず、社会の様々な要請に応えて中長期的に企業価値を高め、長期的耐久性を備えた会社へと変革を図るとともに、ステークホルダーの皆様と協働して持続可能な社会の実現に貢献してまいります。 基本方針1.収益構造の改革投下資本効率を踏まえたグループ収益構造の抜本的見直しにより体質改善を図るとともに、国内外の市場環境に適応した事業戦略を遂行し、安定的な利益創出を実現する。 2.グローバリゼーションの推進拡大する海外需要の取込みに向けて経営資源の重点配分と体制の強化を図り、顧客課題を解決する力を高めて、グローバル展開を加速する。 取り組み基本方針のもと、4つの取組み「事業ポートフォリオマネジメントの強化」、「構造改革による経営基盤の強靭化」、「グローバルな事業収益の拡大」、「サステナビリティ経営の推進」を進めております。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループの事業活動としましては、輸液・栄養領域、透析領域、外科治療領域、血液・細胞領域の4つの領域を中心に事業を展開し、製品の開発、生産、販売を進めております。(2)の経営環境を踏まえ、(1)及び(3)に記載の、経営方針及び中期経営戦略を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は領域別に次のとおりであります。 (輸液・栄養領域)医療安全、低侵襲に対するニーズは引き続き高まり、また、診療報酬改定に伴う医療機器へのコスト削減要求は加速しております。そのため、各事業領域でのアライアンスを活用しつつ、輸液領域では、医療DXに寄与する輸液ポンプを中心に院内感染制御、注入制御、医療事故対策の課題を解決する製品をトータルシステムで提供することで、栄養領域では、栄養管理からリハビリ・回復までの栄養療法のトータルコーディネーターとなることで、医療現場での揺るぎない信頼を確立してまいります。また、オンコロジー領域への経営資源の集中による国内シェア拡大や海外展開の推進を加速させ、グローバルな主力事業として収益拡大を目指してまいります。 (透析領域)地域の包括的な支援・サービスの提供体制が推進され、在宅医療へのシフトが進もうとしている中、透析領域では、患者さんのQOL(クオリティ・オブ・ライフ)向上と医療現場の省力化・効率化に貢献する安全、安心かつ高度な透析医療を提供する企業を目指しております。国内では、血液透析と腹膜透析の両システムの品揃えによる選択療法の啓発に加え、透析情報システムを中核とした医療DXを推進するほか、海外では、日本の優れた透析医療を中国に普及させるとともに、慢性腎臓病が増加しているアジア諸国へ販売を進めております。 (外科治療領域)診療報酬の継続的な引き下げ等により、機能別・診療特化の病院再編が進む中、外科治療領域に加え、救命・集中治療分野において、自社開発・製造による高い信頼性を持つ独自の製品及びサービスを中心に、中長期的な事業拡大に向けてアライアンスも活用した最適なソリューションの提供により、循環器疾患の治療から術後ケア及び予防まで、トータルサポートの実現を目指しております。 (血液・細胞領域)血液領域では、高品質な製品の製造と販売を通じ、「採血から輸血まで」の各プロセスで欠くことのできないメーカーになることを、細胞領域では、血液や細胞の「採取から投与まで」に必要とされるデバイスを開発し、細胞・再生事業におけるイノベーションマネジメント企業になることを目指して活動を進めております。 (5)目標とする経営指標当社グループは、中期経営計画2027において、最終年の2027年3月期に目標とする経営指標として、収益性では営業利益25億円、資本効率ではROIC(投下資本利益率)3.5%の達成を目指してまいります。なお、本中期経営計画では構造改革フェーズとして、選択と集中による事業及び製品ポートフォリオの再編を進めるため、成長性(売上高)に捉われない目標設定といたしました。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当社グループは、2024年5月に「未来をつくるための変革と挑戦」をテーマとした中期経営計画2027を策定しました。「収益構造の改革」と「グローバリゼーションの推進」を基本方針として掲げ、4つの取り組み「事業ポートフォリオマネジメントの強化」、「構造改革による経営基盤の強靭化」、「グローバルな事業収益の拡大」、「サステナビリティ経営の推進」を定め、対応を進めております。この取り組みの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、次のとおりであります。  当連結会計年度においては、日本国内では、注力事業として取り組みを進める薬剤調製・投与クローズドシステムの販売が堅調に推移したほか、薬価及び診療報酬改定において、薬価が引き上げられたプレフィルドシリンジ製剤や診療報酬が適用された摂食嚥下関連用品の販売が増加しました。海外においては、主力の血液バッグの販売が増加したほか、AVF針(血液透析用針)の販売も好調に推移しました。また、前期に事業譲受した白血球除去フィルターが売上を伸ばしました。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ44億56百万円増加の697億49百万円(前連結会計年度比6.8%増)となりました。 利益につきましては、原材料費等の高騰に加え、設備投資に伴う減価償却費の増加はあるものの、主力製品の売上が伸びたことや、前期から進めている価格転嫁の推進など増収効果により、営業利益は8億72百万円(前連結会計年度は営業損失2億68百万円)となりました。また、持分法による投資利益を計上した一方で、為替が不利に働き、為替差損を計上した結果、経常利益は5億14百万円(前連結会計年度比252.7%増)となり、法人税等を加減した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は89百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失36百万円)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。 (日本)医療用手袋の販売が減少したものの、プレフィルドシリンジ製剤や摂食嚥下関連用品及び薬剤調製・投与クローズドシステムの販売が堅調に推移したほか、中国向けの血液透析装置や、関係会社向けの販売が増加しました。その結果、売上高は460億30百万円(前連結会計年度比7.3%増)となりました。また、セグメント利益については、価格転嫁の推進など増収効果により、14億83百万円(前連結会計年度比146.4%増)となりました。 (シンガポール)欧州向け成分献血用回路や、アフリカ及びアジア向け血液バッグの販売が増加したほか、円安による円貨換算額の増加も加わり、売上高は265億39百万円(前連結会計年度比9.8%増)となりました。また、セグメント損益については、増収効果はあるものの、原材料費の高騰や運送費の上昇に加え、為替が不利に働き、為替差損を計上したことから、2億円の損失(前連結会計年度は2億80百万円の損失)となりました。 (中国)市場成長による需要拡大を受け、AVF針や人工腎臓用血液回路の販売が堅調に推移したことにより、売上高は41億63百万円(前連結会計年度比12.8%増)となりました。また、セグメント損益については、原材料費の高騰のほか、設備投資に伴う減価償却費の増加により、28百万円の損失(前連結会計年度は84百万円の損失)となりました。 (フィリピン)関係会社向けの販売が減少したことにより、売上高は36億61百万円(前連結会計年度比1.8%減)となりました。また、セグメント損益については、原材料費や電力費の高騰のほか、労務費の増加により、4億15百万円の損失(前連結会計年度は2億45百万円の損失)となりました。 (ドイツ)欧州向け透析用チェアの販売が増加したことにより、売上高は44億69百万円(前連結会計年度比5.2%増)となりました。また、セグメント利益については、増収効果はあるものの、人件費の増加により、4億54百万円(前連結会計年度比6.4%減)となりました。 (その他)北米向けのAVF針や中国向け白血球除去フィルターの販売が増加したことなどにより、売上高は50億48百万円(前連結会計年度比24.9%増)となり、セグメント損益については、労務費の増加のほか、設備投資に伴う減価償却費の増加により、3億85百万円の損失(前連結会計年度は11百万円の利益)となりました。 当連結会計年度の財政状態の概要は次のとおりであります。 a.資産当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度末に比べ32億77百万円減少の814億32百万円となりました。 セグメントごとの資産は、次のとおりであります。 (日本)セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ28億10百万円減少の563億97百万円となりました。この主な要因は、借入金返済により現金及び預金が減少したためであります。 (シンガポール)セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ74百万円減少の207億61百万円となりました。この主な要因は、円高による円貨換算額の減少によるものであります。 (中国)セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ3億32百万円増加の46億91百万円となりました。この主な要因は、設備投資により機械装置及び運搬具が増加したためであります。 (フィリピン)セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ1億47百万円減少の62億95百万円となりました。この主な要因は、円高による円貨換算額の減少によるものであります。 (ドイツ)セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ1億4百万円減少の25億18百万円となりました。この主な要因は、配当金の支払により現金及び預金が減少したためであります。 (その他)セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ5億20百万円増加の66億29百万円となりました。 b.負債流動負債は、前連結会計年度末に比べ43億円減少の256億29百万円となりました。この主な要因は、短期借入金と1年内返済予定の長期借入金が減少したためであります。 固定負債は、前連結会計年度末に比べ8億43百万円増加の148億75百万円となりました。この主な要因は、長期借入金が増加したためであります。 c.純資産 純資産は、前連結会計年度末に比べ1億79百万円増加の409億27百万円となりました。この主な要因は、為替換算調整勘定の変動によるものであります。 なお、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ2.2ポイント上昇の50.1%となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度に比べ47億97百万円減少の55億7百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ16億72百万円減少の14億67百万円となりました。この主な要因は、棚卸資産の変動によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により支出した資金は、前連結会計年度に比べ11億6百万円減少の31億32百万円となりました。この主な要因は、前連結会計年度における連結の範囲の変更を伴う子会社出資金の取得に係る支出によるものであります。  (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動により支出した資金は、前連結会計年度に比べ79億61百万円増加の31億86百万円となりました。この主な要因は、借入金の収支差額によるものであります。 当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは、次のとおりであります。 第56期(2021年3月期)第57期(2022年3月期)第58期(2023年3月期)第59期(2024年3月期)第60期(2025年3月期)自己資本比率(%)50.451.451.847.950.1時価ベースの自己資本比率(%)34.620.717.215.513.9キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)4.94.37.98.616.7インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)21.227.314.716.84.0 (注)自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い※いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。※株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後期末発行済株式総数により算出しております。※有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)日本26,059+2.9シンガポール26,579+10.0中国3,957+10.5フィリピン3,705+4.0ドイツ――その他2,416+30.7合計62,718+7.2 (注) 1 生産実績金額の算定基準は、平均販売価額によっております。2 セグメント間の取引については、相殺消去前の金額を記載しております。 b.商品仕入実績当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)日本8,461+11.1シンガポール20+17.1中国29△62.3フィリピン――ドイツ1,026+9.8その他356△11.6合計9,894+9.3 (注) 商品仕入実績金額は、仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。 c.受注実績当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。 d.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)日本42,569+5.8シンガポール15,396+3.4中国2,242+20.2フィリピン22△18.2ドイツ4,468+5.2その他5,048+24.9合計69,749+6.8 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合 相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)HAEMONETICS CORPORATION8,89113.68,87912.7 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容・経営成績等及びセグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容、並びに中期経営計画の数値目標及び実績「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。・経営成績に重要な影響を与える要因「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報・キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。・資本の財源及び資金の流動性当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主として合理化設備への投資やICT投資の資金を営業活動によるキャッシュ・フローからの資金、及び財務活動によるキャッシュ・フローからの資金で充当します。この財務活動からの資金については、主に金融機関等からの借入を考えております。また、株主還元については、株主各位に対する長期的かつ安定的な利益還元を基本としております。なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は245億51百万円であり、現金及び現金同等物の残高は55億7百万円であります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 製品品質問題のリスク
    医療機器や医薬品は人命に関わるため、品質上の問題が発生した場合、患者さんの健康被害だけでなく、企業の信用失墜、賠償金の支払い、製品回収による多大な業務負担が生じる可能性があります。各国規制の変更への対応遅れもリスク要因です。
  • 市場価格競争のリスク
    国内外で医療費抑制策や新規参入企業の増加により、製品の市場価格が低下する可能性があります。これにより、売上高の減少や利益率の低下に繋がる恐れがあります。特に新興国市場では価格競争が激化しやすい傾向にあります。
  • 生産活動停止のリスク
    国内外の生産拠点で、製造設備の故障、法規制の変更、政情不安、自然災害、疫病などが発生した場合、原材料の調達や製造要員の確保が困難になり、生産活動が減少または停止する可能性があります。これにより、製品供給責任を果たせなくなり、売上や利益に悪影響を及ぼす恐れがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,218 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 品質に関するリスク当社製品の製造及び販売にあたっては、製造及び販売先国の関連する医薬品及び医療機器等の法令・規則を遵守し、品質管理システムの構築と継続的な改善を行っております。しかしながら、各国規制の変更や予測できない環境変化にタイムリーに対応できなかった場合、当社製品の品質上の問題が発生した場合等により製品を提供できなくなるリスクがあります。このリスクが顕在化する可能性は常にあると認識しており、このリスクが顕在化した場合、当社グループの社会的信用の低下、市場での競争力の低下、発生した損害に対する賠償金の支払い、回収等による業務負担の増加、検査作業負担増加による生産性低下等の影響を当社グループに及ぼす可能性があります。上記リスクに対しては、法令・規則を遵守し医療現場の期待に応える製品とサービスが提供できるよう、品質に関する仕組みを適宜改良することを「品質方針」に掲げ、常に品質の向上に取り組んでおります。さらに、製品の不良等により万が一重大な損害を発生させた場合に備え、生産物賠償責任保険をはじめとする保険に加入しリスクの軽減を図っております。 (2) 市場価格に関するリスク当社グループが提供する製品は、先進国における医療機関の医療費抑制策に伴う診療報酬、医療保険等の公定価格の引下げや、新興国における医療市場の拡大に伴う新規参入企業の増加等、国内外ともに競争の激化によって市場価格低下のリスクがあります。このリスクが顕在化する可能性は常にあると認識しており、このリスクが顕在化した場合、他社製品への切り替えによる売上高の減少、利益の低下等の影響を当社グループに及ぼす可能性があります。上記リスクに対しては、各国の医療制度改革をはじめ行政機関が公開する情報等を注視し、経営戦略等に適宜反映させるとともに、顧客起点の事業運営の深化により医療現場のニーズを的確にとらえた付加価値の高い製品を開発・提供する、当社グループ全体で最適生産をさらに推し進める等、価格競争力の強化に取り組んでおります。 また、当社における売上高には、顧客の販売実績に応じた値引額が含まれております。この販売実績にかかる未確定の値引額は見積りにより計上しておりますが、実際の販売実績との差異は、売上高の減少や利益の低下等の影響を当社グループに及ぼす可能性があります。このリスクに対しては、顧客別製品別に過去の値引率及び販売実績額等を基に値引額を合理的に見積ることで、確定値引額との差額の縮小に努めております。 (3) 生産活動に関するリスク当社グループは、日本国内の工場及び海外拠点のうちシンガポール、インドネシア、中国、フィリピン、韓国において、医療機器・医薬品の生産を行っております。これらの工場における突然の製造設備の故障等及びこれらの国における、予期しない法規制等の変更や政情の変化、地震や火山噴火等の自然災害、疫病等の発生により、原材料の調達や製造要員の確保等が困難となり、生産が減少もしくは停止するリスクがあります。このリスクが顕在化する可能性は常にあると認識しており、このリスクが顕在化した場合、製品の供給責任を果たせなくなるとともに、売上高の減少や利益の低下等の影響を当社グループに及ぼす可能性があります。上記リスクに対しては、製造設備の定期的な点検や保守、代替材料や代替購入先の検討による依存度の分散、当社グループ内での調達や代替生産等、事業継続計画(BCP)を含むフェイルセーフの取り組みを進めております。 (4) 原材料の価格変動に関するリスク当社グループが提供する製品の多くは、石油製品であるプラスチックを主原材料としており、地政学的な要素も含めた産油国の状況等により原油・ナフサ価格が高騰した場合、原材料購入価格が上昇するリスクがあります。このリスクが顕在化する可能性は常にあると認識しており、このリスクが顕在化した場合、製造原価の上昇による利益の減少等の影響を当社グループに及ぼす可能性があります。上記リスクに対しては、調達先の多様化を含めた安定供給先の確保、原油・ナフサの国際市況を注視しつつ、適切なタイミングでの価格交渉の実施等によりリスクの軽減に努めております。 (5) 為替相場に関するリスク当社グループには、海外を拠点とする子会社があり、現地通貨建ての損益及び資産・負債等は、連結財務諸表作成のために円換算されるため、換算時の為替レートにより、円換算後の価値が変動するリスクがあります。また、海外への製品販売取引や海外からの仕入取引等において、外貨建取引を行う場合もあり、為替相場の変動リスクがあります。このリスクが顕在化する可能性は常にあると認識しており、このリスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。上記リスクに対しては、取引通貨毎の取引バランスを図るとともに、為替予約の実行等により為替リスクの軽減に努めております。

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