研究開発活動(本文)
FY2025|2,376 文字
6 【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、主として当社が行っており、先端的および基盤的な技術の研究開発と、製品化技術の研究開発を、総合的・有機的に連携させ運営しています。すなわち、コア要素技術である先端分析、革新バイオ、脳五感、AIと、製品基盤技術である機器制御設計、システム統合の領域で研究開発に取り組むことで、基盤事業としての計測機器事業、医用機器事業、産業機器事業、航空機器事業に対する新製品開発を推進しています。 また、子会社においては、独自に研究開発を行うほか、欧州、北米および中国の研究開発子会社において次世代の当社製品の核となる基盤要素技術の研究開発を行うなど積極的な研究開発に取り組んでいます。 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、18,225百万円です。セグメントで見ますと、計測機器事業では12,315百万円、医用機器事業では2,157百万円、産業機器事業では1,453百万円、航空機器事業では314百万円であり、その他の事業では570百万円です。また、上記事業区分に配賦しない基礎的研究費等は1,413百万円です。 当連結会計年度における主要な研究開発成果にはつぎのものがあります。 <計測機器事業> 計測機器事業では、クロマト分析システム、質量分析システム、光分析システム、熱分析システム、ライフサイエンス関連分析システム、X線分析システム、表面分析・観察システムなどの開発に注力しています。 独自の元素選択技術により、バイオ燃料中の含酸素・含窒素成分だけを選択的に検出できる世界初の元素選択式ガスクロマトグラフ質量分析計「ELEM-SPOT」を開発しました。バイオ燃料の品質評価や業務効率の向上を支援し、カーボンニュートラル社会実現に貢献します。また、イオン源改良と装置状態自動校正機能「パフォーマンス・コンシェルジュ」により感度・安定性・稼働率を大幅に向上させたTQ型LC-MSの新製品「LCMS-TQ RXシリーズ」を開発しました。医薬・環境・食品分野の高感度分析ニーズに応え、ラボの省人化にも貢献します。加えて、6軸ロボットによる無人連続処理で、抗体糖鎖分析の前処理工程を自動化可能な抗体糖鎖自動前処理装置「MUP-3100」を開発しました。製薬企業や医薬品製造受託機関(CMO)、医薬品開発製造受託機関(CDMO)での品質管理の効率化と作業者の安全確保に寄与します。また、信号処理の高速化と制御方法の最適化により、従来比10倍のスループットでナノレベル形状・物性マッピングを実現した、走査型プローブ顕微鏡「SPM-9700HT Plus」を発売しました。高分子・電池材料、ナノ素材のナノテクノロジー・ナノサイエンス革新を支援します。さらに、世界最高水準の秒2,000万コマの撮影速度と高解像度を両立し、材料破壊や衝撃波などの超高速現象を映像として鮮明に可視化する新製品の超高速ビデオカメラ「HyperVision HPV-X3」は、基礎研究から産業開発まで超高速計測の新領域を拓きます。また、TESCAN社との共同ブランド「Shimadzu by TESCAN」第一弾として発売した、試料の前処理低減に有効な低加速・低真空での観察に最適化された走査電子顕微鏡「SUPERSCAN SS-4000」は、歪みのない広域観察やリアルタイムでのビームの自動調整など、SEMユーザーにとって使用上の課題を解決した装置になっています。 <医用機器事業> 医用機器事業では、血管撮影システム、X線TVシステム、一般撮影システム、回診用システム、外科用X線TVシステム、PETシステム、近赤外光カメラシステム、放射線治療関係、医療情報システムなどの開発に注力しています。 透視時に寝台を動かさず視野を移動してERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)や嚥下造影検査の安全性向上と検査時間短縮を実現するX線TVシステム用ソフトウェア「Smart FOV」、医師が音声コマンドで主要操作を可能とすることでカテーテル治療の効率化と術者負担軽減に寄与可能な血管撮影システム向け音声認識機能「SMART Voice」、および操作盤(コンソール)のユーザビリティ改善と被検者の動きを検知する光学カメラ搭載により、検査業務を効率化して診療放射線技師と被検者の負担を軽減するX線一般撮影システム「RADspeed Pro SR5 Version」を開発しました。 <産業機器事業> 産業機器事業では、ターボ分子ポンプ、油圧ギヤポンプ、コントロールバルブ、パワーパッケージ、工業炉、液送ポンプ、ガラスワインダ、動釣合試験機(バランシングマシン)、ヘリウムリークディテクタ、高速スパッタリングシステム、磁気探知機/磁力計、水中光無線装置、光格子時計などの開発に注力しています。 ストロンチウム光格子時計として18桁精度を達成した世界初の小型商用光格子時計「Aether Clock OC 020」を発売しました。次世代時間標準や、高精度測地など一般相対性理論を利用した重力ポテンシャル測定を様々なフィールドで応用できます。 <航空機器事業> 航空機器事業では、フライトコントロールシステム、エアマネジメントシステムなど航空機向けシステムの開発に注力しています。 LiDARとカメラで機体周囲障害物を検知、HMDに表示するヘリコプタ用救助支援システム「HeROSS」を川崎重工業株式会社・セントラルヘリコプターサービス株式会社と共同開発しました。乗組員の監視業務の負担を減らし、安全かつ確実な救助任務の実行に貢献します。 今後も、当社の先端的および基盤的な技術と、製品化技術を用いた研究開発を活かして、社会課題の解決に役立てるよう取り組みます。
FY2024|2,058 文字
6 【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、主として当社が行っており、先端的および基盤的な技術の研究開発と、製品化技術の研究開発を、総合的・有機的に連携させ運営しています。すなわち、コア要素技術である先端分析、革新バイオ、脳五感、AIと、製品基盤技術である機器制御設計、システム統合の領域で研究開発に取り組むことで、基盤事業としての計測機器事業、医用機器事業、産業機器事業、航空機器事業に対する新製品開発を推進しています。 また、子会社においては、独自に研究開発を行うほか、欧州、北米および中国の研究開発子会社において次世代の当社製品の核となる基盤要素技術の研究開発を行うなど積極的な研究開発に取り組んでいます。 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、12,298百万円です。セグメントで見ますと、計測機器事業では7,834百万円、医用機器事業では1,037百万円、産業機器事業では1,438百万円、航空機器事業では330百万円であり、その他の事業では206百万円です。また、上記事業区分に配賦しない基礎的研究費等は1,450百万円です。 当連結会計年度における主要な研究開発成果にはつぎのものがあります。 <計測機器事業> 計測機器事業では、クロマト分析システム、質量分析システム、光分析システム、熱分析システム、ライフサイエンス関連分析システム、X線分析システム、表面分析・観察システムなどの開発に注力しています。 クロマト分析システム用ソフトウエアとして、AI(人工知能)を用いて開発したアルゴリズムを搭載するソフトウェアを開発しました。本ソフトウェアは、味の素株式会社のLC分析データを学習させたアルゴリズムを搭載しており、熟練者と同等(一致率約90%)の解析を自動実行することで解析時間を従来と比べて約75%削減します。 質量分析システムとして、世界で初めて脂質や天然化合物の詳細な構造解析を実現する四重極飛行時間型質量分析計「OAD-TOFシステム」を開発しました。独自のイオン解離技術「OAD」(Oxygen Attachment Dissociation、酸素付着解離)が、従来は困難だった炭素間二重結合の位置推定を可能とします。 光分析システムとして、マイクロプラスチック自動前処理装置「MAP-100」を開発しました。本製品は海や河川、湖沼など環境水中のマイクロプラスチックの抽出・回収工程を自動化した世界初の専用前処理装置で、従来、煩雑で手作業が中心だった前処理工程を装置に置き換えることで、「業務の効率化」「前処理結果の品質向上」「安定した再現性」「安全性」の確保につながります。 X線分析システムとして、マイクロフォーカスX線検査装置でVCT(直交CT)撮影を可能にする「VCTオプション」を開発しました。従来の透視・PCT撮影に加えVCT撮影が可能となり、基板部品や電機・電子部品などの品質管理や故障解析を幅広くサポートします。 <医用機器事業> 医用機器事業では、X線TVシステム、X線撮影システム、血管撮影システム、PETシステム、放射線治療装置用動体追跡システム、近赤外光イメージングシステム、医療情報システムなどの開発に注力しています。 X線撮影システムとして、操作盤(コンソール)などのユーザビリティ向上と被検者の動きを検知する光学カメラの搭載により、検査業務を効率化して診療放射線技師および被検者の負担を軽減可能なX線一般撮影システムを開発しました。 また、連続撮影機能を新たに搭載した回診用X線撮影装置を開発しました。連続撮影機能は、高速で連続的に撮影した静止画を動画として提供するものです。患者の肺の動きなどを本体搭載の大型モニタで確認可能で、より多くの情報で診断を支援します。 血管撮影システムとして、高い画像処理技術により低被ばくかつ高画質を実現した当社血管撮影システムのフラッグシップモデルに、複合的な動きを安全にワンタッチで操作できる「ダイレクトメモリー」機能を搭載した装置を開発しました。操作性の向上による治療時間の短縮、またバイプレーン撮影による造影剤投与量の低減を実現します。 <産業機器事業> 産業機器事業では、ターボ分子ポンプなどの産業機器、油圧ギヤポンプなどの油圧機器などの開発に注力しています。 電動油圧システムとして、新開発のe-Hydro専用モータと制御機器に静音油圧ポンプを組み合わせたトータルシステムで、EV(電動車両)化が進む特装車両など商用車に静音かつ効率的な作業環境を提供可能なシステムを開発しました。省スペースと最小限の電力消費でエンジン車と同等以上の作業機の操作性と作業効率をEVにて実現します。さらに、静音油圧ポンプの採用により、作業時の駆動音が際立つ夜間や街中でも、騒音を低減可能としました。 今後も、当社の先端的および基盤的な技術と、製品化技術を用いた研究開発を活かして、社会課題の解決に役立てるよう取り組みます。
FY2023|2,301 文字
6 【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、主として当社が行っており、先端的および基盤的な技術の研究開発と、製品化技術の研究開発を、総合的・有機的に連携させ運営しています。すなわち、コア要素技術である先端分析、革新バイオ、脳五感、AIと、製品基盤技術である機器制御設計、システム統合の領域で研究開発に取り組むことで、基盤事業としての計測機器事業、医用機器事業、産業機器事業、航空機器事業に対する新製品開発を推進しています。 また、子会社においては、独自に研究開発を行うほか、欧州および中国の研究開発子会社において次世代の当社製品の核となる基盤要素技術の研究開発を行うなど積極的な研究開発に取り組んでいます。 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、11,031百万円です。セグメントで見ますと、計測機器事業では5,497百万円、医用機器事業では1,304百万円、産業機器事業では1,290百万円、航空機器事業では340百万円であり、その他の事業では256百万円です。また、上記事業区分に配賦しない基礎的研究費等は2,340百万円です。 当連結会計年度における主要な研究開発成果にはつぎのものがあります。 <計測機器事業> 計測機器事業では、クロマト分析システム、質量分析システム、光分析システム、熱分析システム、ライフサイエンス関連分析システム、Ⅹ線分析システム、表面分析・観察システムなどの開発に注力しています。 質量分析システムとして、分析時間を従来の半分に短縮しつつ信頼性の高いデータ提供を可能にした、当社最高級モデルの高速液体クロマトグラフ質量分析計を開発しました。本製品により製薬の新薬開発や化学の新素材開発用途にて、より簡単に信頼性の高い分析データが取得できる環境を実現します。また、卓上型のマトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)飛行時間型質量分析計にて、質量分析イメージングを可能とする卓上MALDIイメージングキットを開発しました。医薬・臨床分野において患部にどの程度の疾患バイオマーカーが存在するかの確認や、化学分野での樹脂中の添加剤の分布確認をはじめとした研究に貢献します。 光分析システムとして、世界で唯一、赤外分光法とラマン分光法の一台二役を実現した赤外ラマン顕微鏡を開発しました。赤外分光法とラマン分光法という2つの分析手法を同一の装置で行うことで、化学や電機・電子、機械・輸送機などにおける微小異物解析や品質管理だけでなく、マイクロプラスチックといった社会課題の解決にも利用が期待されます。また、原子吸光分光光度計では、世界最小の設置面積かつ様々な分析用途に対応できる汎用性、初心者でも安心して使える安全性・操作性を備えると共に、ネットワーク接続による遠隔でのデータ解析を可能な装置を開発しました。 Ⅹ線分析システムとして、国産初の位相コントラストX線CTシステムを開発しました。一度の撮影でX線の吸収像・散乱像・屈折像という3種類の画像を撮影可能とすることで、従来のX線CTシステムでは困難だった繊維強化樹脂(FRP)や複合材料、生体材料などを観察可能とし、カーボンニュートラルを目指した新素材の研究開発に貢献します。また、出力160kVで世界最小・最軽量の卓上X線CTシステムを開発しました。製品開発・品質評価における詳細な観察から加工現場での検査まで幅広い用途に対応可能なシステムとして、低価格・小設置面積・高い操作性にて「誰でもすぐ検査」を可能としました。 <医用機器事業> 医用機器事業では、X線TVシステム、X線撮影システム、血管撮影システム、PETシステム、放射線治療装置用動体追跡システム、近赤外光イメージングシステム、医療情報システムなどの開発に注力しています。 X線撮影システムとして、電動アシストの独自技術を搭載することで滑らかで小回りの利く軽快な操作と、海外で要望のあるDR(デジタル・ラジオグラフィ)を組み合わせた新タイプの回診車を開発しました。 血管撮影システムとして、AIのディープラーニング技術とX線照射条件の最適化により従来の40%以上線量を削減し、低線量下における治療デバイスの視認性を向上させたシステムを開発しました。医療施設での低線量運用と、患者の負担減につながる治療デバイスの微細化を支援し、低線量下でも安全なカテーテル治療を可能とします。 医療情報システムとして、受付機に診察券を挿入または患者のリストバンドのバーコードを読み取らせることにより、放射線科で受ける検査への受付が可能な無人受付システムを開発しました。患者に快適な受付フローを提供し、医療スタッフの業務効率向上、人的ミスの回避、人手不足対策に貢献します。 <産業機器事業> 産業機器事業では、ターボ分子ポンプ、油圧ギヤポンプ、コントロールバルブ、パワーパッケージ、高速スパッタリングシステム、動釣合試験機(バランシングマシン)、ヘリウムリークディテクタ、工業炉、ガラスワインダ、液送ポンプなどの開発に注力しています。 工業炉として、セラミックス製造の脱脂工程において高温・大流量の過熱蒸気を炉内へ導入する技術を開発し、処理時間と消費電力を従来比で約50%に削減しました。さらに、炉内の脱脂状況を可視化する業界初のガスモニターでガス発生量を監視することで、カーボンニュートラルに向けた製造業の生産改革への貢献が期待されます。 今後も、当社の先端的および基盤的な技術と、製品化技術を用いた研究開発を活かして、社会課題の解決に役立てるよう取り組みます。
FY2022|2,178 文字
5 【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、主として当社が行っており、先端的および基盤的な技術の研究開発と、製品化技術の研究開発を、総合的・有機的に連携させ運営しています。すなわち、コア要素技術である先端分析、革新バイオ、脳五感、AIと、製品基盤技術である機器制御設計、システム統合の領域で研究開発に取り組むことで、基盤事業としての計測機器事業、医用機器事業、産業機器事業、航空機器事業に対する新製品開発を推進しています。 また、子会社においては、独自に研究開発を行うほか、欧州および中国の研究開発子会社において次世代の当社製品の核となる基盤要素技術の研究開発を行うなど積極的な研究開発に取組んでいます。 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、10,278百万円です。セグメントで見ますと、計測機器事業では4,849百万円、医用機器事業では1,363百万円、産業機器事業では1,085百万円、航空機器事業では334百万円であり、その他の事業では64百万円です。また、上記事業区分に配賦しない基礎的研究費等は2,580百万円です。 当連結会計年度における主要な研究開発成果にはつぎのものがあります。 <計測機器事業> 計測機器事業では、クロマト分析システム、質量分析システム、光分析システム、ライフサイエンス関連分析システム、表面分析・観察システムなどの開発に注力しています。 クロマト分析システムとして、抗体医薬品などのバイオ医薬品や核酸医薬品などの分析で安定した測定を実現可能な、高速液体クロマトグラフを開発しました。また、ガスクロマトグラフ質量分析計や液体クロマトグラフ質量分析計の自動前処理装置を開発しました。これは、省力化や感染リスク低減、処理精度の向上を可能とする自動前処理装置で、多検体処理に優れた卓上型の前処理装置となります。さらに、当社の高速液体クロマトグラフと、株式会社堀場製作所のラマン分光装置を融合させた計測機器を開発しました。クロマトグラフの「わける」技術と、ラマンの「みえる」技術の結合により、計測の精度や効率を大幅に高めるとともに、未知成分の検出も期待でき、新たな計測価値を提供します。 質量分析システムとして、液体クロマトグラフと同様の操作性を実現すると共に小型化を行い、「使いやすさ」「基本性能の高さ」「コンパクトさ」を全て実現した高速液体クロマトグラフ質量分析計を開発しました。また、装置高が約1メートルというコンパクトさで、卓上型として世界最高級の分解能・感度を実現したマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析計を開発しました。 光分析システムとして、現行機種と比較して約2倍の感度・分解能を実現すると共に、経験の浅いユーザーでも操作が可能なフーリエ変換赤外分光光度計を開発しました。従来の分野だけでなく、新素材、バイオ医薬など、様々な分野の研究開発・品質管理に貢献可能な装置となります。 ライフサイエンス関連分析システムとして、従来法で30分かかっていた核酸抽出の手作業工程を2分間に短縮可能な核酸抽出システムを開発しました。遺伝子解析の効率化に貢献します。 表面分析・観察システムとして、従来機に比べ分析速度・感度・使いやすさがより一層進化した、エネルギー分散型蛍光X線分析装置を開発しました。各種規制への対応に加えて、高感度を生かした材料組成や不純物分析、研究開発に貢献します。 <医用機器事業> 医用機器事業では、X線TVシステム、X線撮影システム、血管撮影システム、PETシステム、放射線治療装置用動体追跡システム、近赤外光イメージング装置、医療情報システムなどの開発に注力しています。 X線撮影システムとして、透視検査室と一般撮影検査室の統合を可能にする、動画とワイヤレス静止画撮影が可能なX線TVシステムを開発しました。また、本体支柱を伸縮式にして広い前方視界を実現することで、感染症や災害などの医療現場でもストレスなくX線撮影が可能な、回診用X線撮影装置を開発しました。 放射線治療装置用動体追跡システムとして、治療中でも短時間で高精度に照射位置決めを可能とし、治療時間を削減可能な、がんの放射線治療支援システムを開発しました。治療時間や治療回数減少による患者の負担軽減とともに、医療機関の治療スループットの向上が可能となります。 <産業機器事業> 産業機器事業では、ターボ分子ポンプ、油圧ギヤポンプ、コントロールバルブ、パワーパッケージ、高速スパッタリング装置、動釣合試験機(バランシングマシン)、ヘリウムリークディテクタ、工業炉、ガラスワインダ、液送ポンプなどの開発に注力しています。 ターボ分子ポンプとして、業界トップクラスの性能と環境に配慮した、薄膜コーティング用途専用ターボ分子ポンプを開発しました。従来機種と比べて、排気速度を向上させることでより高品質な成膜が可能になると共に、起動時間の短縮や防水性能・安全性、省資源につながる製品重量の軽減、消費電力の低減を実現しました。今後も環境に配慮したターボ分子ポンプの研究開発に従事してまいります。 今後も、当社の先端的および基盤的な技術と、製品化技術を用いた研究開発を活かして、社会課題の解決に役立てるよう取り組みます。
FY2021|2,039 文字
5 【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、主として当社が行っており、当社においては、先端的および基盤的な技術の研究開発、製品化技術の研究開発を総合的、有機的に連携させ、運営しています。すなわち、ライフサイエンステクノロジー、ナノテクノロジーなどの先端技術研究活動の成果を活かし、基盤事業としての計測機器事業、医用機器事業、航空機器事業、産業機器事業に対する新製品開発を推進しています。 また、子会社においては、独自に研究開発を行うほか、欧州および中国の研究開発子会社において次世代の当社製品の核となる基盤要素技術の研究開発を行うなど積極的な研究開発に取組んでいます。 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、10,155百万円です。セグメントで見ますと、計測機器事業では4,669百万円、医用機器事業では1,699百万円、航空機器事業では571百万円、産業機器事業では875百万円であり、その他の事業では45百万円です。また、上記事業区分に配賦しない基礎的研究費等は2,293百万円です。 当連結会計年度における主要な研究開発成果にはつぎのものがあります。 <計測機器事業> 計測機器事業では、クロマト分析システム、質量分析システム、光分析システム、ライフサイエンス関連分析システム、表面分析・観察システム、水質計測システムなどの開発に注力しています。クロマト分析システムとして、耐圧性能の向上と在宅勤務・リモートワークの支援機能を強化した一体型高速液体クロマトグラフシステムを開発しました。また、ガスクロマトグラフ用システムとして、自動試料注入装置を開発しました。これは、安定的な長期間稼働と在宅勤務・リモートワーク支援の機能を強化したもので、セットした容器から試料を注射器で吸い上げ、分析装置に自動で注入する前処理装置です。質量分析システムとして、世界最高クラスの感度、測定速度を実現しながら、操作性、耐久性をさらに向上させた高速液体クロマトグラフ質量分析システムを開発しました。さらに、「顕微鏡による画像」と「質量分析計で取得できる成分分布情報」を合わせて解析することで、微小領域において対象成分の分布を可視化できるイメージング質量顕微鏡システムを開発しました。光分析システムとして、従来の異物分析の同定精度を大きく改善させ、近年関心が高まっている海洋を浮遊するマイクロプラスチックの分析にも有効なフーリエ変換赤外分光光度計プラスチック劣化評価システムを開発しました。また、高速・高分解能・広波長範囲を実現し、レーザーの研究開発から製造までを支援するレーザースペクトラムアナライザシステムを開発しました。ライフサイエンス関連分析システムとして、血液や尿など生体試料の前処理から液体クロマトグラフ質量分析計による測定までを自動化できる検体前処理システムを開発しました。また、実験データである細胞画像の共有を実現し、AIが細胞の数量・面積などを高速・高精度で算出する、細胞培養ラボ向けデータ管理・解析ソフトウェアを開発しました。表面分析・観察システムとして、高い操作性と高速処理を実現し、光学調整・観察条件設定を自動化し、操作に慣れていないユーザーでも簡単に高分解能の観察データを取得できる走査型プローブ顕微鏡システムを開発しました。水質計測システムとして、水銀フリーを実現し、小型で軽量、高感度な純水用オンラインTOC計システムを開発しました。 世界的な新型コロナウイルスの感染拡大に対し、医療現場など最前線に立つ方々の支援や事態の終息に貢献するため、煩雑な手作業を省き検査時間を半分にできる新型コロナウイルス検出試薬キットおよび変異株検出試薬キット、検体取得時に医療従事者の感染を防ぐ唾液による検出試薬キットを開発しました。また、生体試料の入った検体容器、分注チップ、試薬容器、反応容器をセットするだけでPCR検査を全自動で行えるクリニック向け全自動PCR検査装置を開発しました。更に、東北大学と共同で呼気を用いた新型コロナウイルス検査法を開発しました。今後も当社のコア技術である分析計測技術を活かして本社会課題の解決に役立てるよう取り組みます。 <医用機器事業> 医用機器事業では、X線TVシステム、X線撮影システム、血管撮影システム、PETシステム、放射線治療装置用動体追跡システム、近赤外光イメージング装置、医療情報システムなどの開発に注力しています。X線撮影システムとして、医療現場での検査環境を改善するため、パワーアシスト技術を駆使し、軽快でよりスムーズな操作を可能にするX線一般撮影システムを開発しました。PETシステムとして、頭部と乳房の検査に特化した世界初のTOF-PETシステムを開発しました。本システムは、保険適用されている脳腫瘍やてんかんの臨床診療に加え、アルツハイマー型認知症をはじめとする各種神経変性疾患の診療応用を支援するものです。
FY2020|2,173 文字
5 【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、主として当社が行っており、当社においては、先端的および基盤的な技術の研究開発、製品化技術の研究開発を総合的、有機的に連携させ、運営しています。すなわち、ライフサイエンステクノロジー、ナノテクノロジーなどの先端技術研究活動の成果を生かし、基盤事業としての計測機器事業、医用機器事業、航空機器事業、産業機器事業に対する新製品開発を推進しています。 また、子会社においては、独自に研究開発を行うほか、欧州および中国の研究開発子会社において次世代の当社製品の核となる基盤要素技術の研究開発を行うなど積極的な研究開発に取組んでいます。 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、10,632百万円です。セグメントで見ますと、計測機器事業では4,699百万円、医用機器事業では1,731百万円、航空機器事業では577百万円、産業機器事業では862百万円であり、その他の事業では18百万円です。また、上記事業区分に配賦しない基礎的研究費等は2,744百万円です。 当連結会計年度における主要な研究開発成果にはつぎのものがあります。 <計測機器事業> 計測機器事業では、クロマト分析システム、質量分析システム、光分析システム、ライフサイエンス関連分析システム、X線分析システム、材料試験機、天びん・はかりなどの開発に注力しています。クロマト分析システムとして、液体クロマトグラフによる分取より早く分取作業が完了するセミ分取超臨界流体クロマトグラフシステムを開発しました。これは、米国の大手製薬企業のコンソーシアムとの共同開発による成果で、研究開発現場のニーズを反映したシステムです。質量分析システムとして、A3サイズという世界最小の設置面積ながら、詳細な構造解析が可能なMALDIデジタルイオントラップ型質量分析システムを開発しました。さらに、AIで開発したアルゴリズムによるデータ解析支援システム、臨床現場での試薬調製の煩雑さや分析結果のばらつきを解消するキットの開発など、ユーザビリティを向上させる取り組みも行っています。光分析システムとして、自動合否判定など高いユーザビリティや連続自動分析など様々なニーズを満たした紫外可視分光光度計を開発しました。ライフサイエンス関連分析システムとして、ラボ環境に合わせた柔軟な運用を実現する細胞培地分析用の自動前処理装置システムを開発しました。また、細胞が培養中に集団となって増殖した状態である細胞コロニーの採取・播種および除去工程を自動化し、特定の細胞を増殖させる「クローニング」工程を効率化できる細胞コロニーピッキングシステムを開発しました。X線分析システムとして、実用的な画像解像度を向上させ、表示スピードを高速化したマイクロフォーカスX線CTシステムを開発しました。さらに、世界で初めて実験室での分析を実現したリチウムイオン電池正極材向け化学結合状態解析システムを開発しました。材料試験機として、業界トップクラスの測定能力を実現し、操作性や安全性を大幅に向上させた精密万能試験機システムを開発しました。天びん・はかりとして、微量計量における反応時間を従来モデルの約1/9に短縮した上皿天びんを開発しました。 中長期を見据えた革新製品・サービス創出のため、モジュール型の製造設備を組み合わせて生産システムをカスタマイズできる連続生産設備「iFactory」の開発、「COTO LABOコンソーシアム」を設立し次世代ラボの社会実装に向けた技術開発を行っています。また、農研機構や慶應義塾大学、大阪大学、米プロビデンスがん研究センターなどとも共同研究を進めており、外部との共創にも積極的に取り組んでいます。 <医用機器事業> 医用機器事業では、X線TVシステム、X線撮影システム、血管撮影システム、PETシステム、放射線治療装置用動体追跡システム、近赤外光イメージング装置、医療情報システムなどの開発に注力しています。X線TVシステムとして、AI技術を用いた画像処理により、高精度で迅速に骨密度測定が行える世界初の診断システムを開発しました。さらに、医師や診療放射線技師が寝台サイドで患者をケアしながら操作する、主に米国で要求される操作方式に対応した近接操作型X線TVシステムを開発しました。X線撮影システムとして、顧客ニーズに合わせたシステムを構築、オプションを拡充できるX線一般撮影システムを開発しました。血管撮影システムとして、分析技術と融合した、効率的かつ迅速な血液分析を実現する研究用途向けのAVS支援システムを開発しました。 <航空機器事業> 航空機器事業では、フライトコントロールシステム、エアマネジメントシステム、コックピットディスプレイシステム、エンジン補機、試験検査システム、磁気計測・海洋機器などの開発に注力しています。試験検査システムとして、超音波が伝搬する様子を撮像する当社独自の超音波光探傷技術により、航空機の機体や部品など表面付近の異常や欠陥の可視化を可能にした検査システムを開発しました。磁気計測・海洋機器として、10メートル以上の距離で、95メガbps以上の通信速度による水中無線通信を可能にする水中光無線通信装置を開発しました。
FY2019|2,012 文字
5 【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、主として当社が行っており、当社においては、先端的および基盤的な技術の研究開発、製品化技術の研究開発を総合的、有機的に連携させ、運営しています。すなわち、ライフサイエンステクノロジー、ナノテクノロジーなどの先端技術研究活動の成果を生かし、基盤事業としての計測機器事業、医用機器事業、航空機器事業、産業機器事業に対する新製品開発を推進しています。 また、子会社においては、独自に研究開発を行うほか、欧州および中国の研究開発子会社において次世代の当社製品の核となる基盤要素技術の研究開発を行うなど積極的な研究開発に取組んでいます。 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、10,138百万円です。セグメントで見ますと、計測機器事業では4,231百万円、医用機器事業では1,899百万円、航空機器事業では568百万円、産業機器事業では851百万円であり、その他の事業では2百万円です。また、上記事業区分に配賦しない基礎的研究費等は2,585百万円です。 当連結会計年度における主要な研究開発成果にはつぎのものがあります。 <計測機器事業> 計測機器事業では、クロマト分析・質量分析システム、バイオ関連解析システム、光・X線分析システム、環境計測システム、試験検査・測定機器、光学デバイス・レーザ機器などの開発に注力しています。クロマト分析・質量分析システムとして、試料から特定の物質を分離・精製する分取の効率化や柔軟な拡張性を実現する分取精製液体クロマト分析システム、IoTや各種センシング技術を取り入れることでデータの信頼性・ユーザビリティ・業務生産性を向上させた超高速液体クロマト分析システムを開発しました。また、クロマトグラフを介さずにイオン化することで、試料前処理の手間や分析時間が短縮化できる探針エレクトロスプレーイオン化質量分析システムを開発しました。更に、製薬、法医学、環境、食品などさまざまな分野の研究を強力にサポートする当社初の四重極飛行時間型(Q-TOF型)質量分析システムを開発しました。バイオ関連解析システムでは、血液や尿など生体試料の前処理から液体クロマトグラフ質量分析計による測定までを自動化した分析システム、4種類の免疫抑制剤の血中濃度を調べる際に必要な試薬、移動相、カラムなどをオールインワンに揃えたキットを開発しました。光・X線分析システムとして、クラス最速の29,000nm/minでデータ取得が可能な超高速スキャン機能を新たに導入した紫外可視分光光度計を開発しました。試験検査・測定機器として、塗料や医薬品の研究開発および品質管理のような従来の用途に加え、リチウムイオン電池やセルロースナノファイバー、3Dプリンタ用金属粉末の研究開発といった新しい用途にも展開可能なダイナミック粒子画像解析システムを開発しました。また、0.01mgオーダーの微量な計量が約2秒で完了可能な製薬や化学、受託分析向けのセミミクロ分析天びんを開発しました。 中長期的には、社会課題への取り組みとして、がんやアルツハイマー病の検出や治療薬創出、予防につながる研究開発などに取り組んでいます。 <医用機器事業> 医用機器事業では、X線TV・撮影システム、血管撮影システム、PET/CTシステムなどの開発に注力しています。X線TV・撮影システムとして、快適な走行性をそのままに多彩な機能を搭載したことに加え、新しい画像処理技術などの豊富なオプションも利用可能になったデジタル式回診用X線撮影システムを開発しました。更に、FPDのラインナップを拡充することで、より多くの医療施設のオペレーションに最適な撮影システムを開発しました。血管撮影システムにおいては、1台で運用している病院向けに、限られたスペースでの頭部から心臓、腹部、下肢までの広い領域の血管内治療を支援するシステムを開発しました。更に、医療機関の働き方改革支援を実現する医療情報システムや電子カルテと連携する国内初の卓上支払システムを開発しました。 <航空機器事業> 航空機器事業では、航空機搭載機器などの開発に注力しています。航空機に搭載される装備品が電動化される動きに対応するべく、電動アクチュエータや電子機器の冷却システムに関する研究を行っています。また、分析計測で培った技術をもとに、航空機用試験・検査システムの開発にも着手しました。 <産業機器事業> 産業機器事業では、産業機械、油圧機器などの開発に注力しています。産業機器では、自動車用大型ヘッド・アップ・ディスプレイに対応し、樹脂上に成膜可能な高速スパッタリングシステムを開発しました。今後、ヘッド・アップ・ディスプレイの普及にともなって見込まれるミラーの需要増加に対し、本装置と樹脂成形機を連動させたインラインシステムの開発を進めていきます。
FY2018|2,190 文字
5 【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、主として当社が行っており、当社においては、先端的および基盤的な技術の研究開発、製品化技術の研究開発を総合的、有機的に連携させ、運営しています。すなわち、ライフサイエンステクノロジー、ナノテクノロジーなどの先端技術研究活動の成果を生かし、基盤事業としての計測機器事業、医用機器事業、航空機器事業、産業機器事業に対する新製品開発を推進しています。 また、子会社においては、独自に研究開発を行うほか、欧州および中国の研究開発子会社において次世代の当社製品の核となる基盤要素技術の研究開発を行うなど積極的な研究開発に取組んでいます。 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、96億7千6百万円です。セグメントで見ますと、計測機器事業では40億5千5百万円、医用機器事業では18億1千4百万円、航空機器事業では6億1千5百万円、産業機器事業では7億5千5百万円であり、その他の事業では3千5百万円です。また、上記事業区分に配賦しない基礎的研究費等は23億9千9百万円です。 当連結会計年度における主要な研究開発成果にはつぎのものがあります。 <計測機器事業> 計測機器事業では、クロマト分析・質量分析システム、バイオ関連解析システム、光・X線分析システム、環境計測システム、試験検査・測定機器、光学デバイス・レーザ機器などの開発に注力しています。クロマト分析・質量分析システムとして、従来のシステム堅牢性や操作性を保ちつつ、10倍以上の高感度を実現したミクロ流量対応の液体クロマトグラフ質量分析システムを開発しました。また、世界最高の検出感度と高いユーザビリティ、様々なアプリケーションに対応する拡張性を実現したハイエンドガスクロマトグラフや、当社独自の技術を利用して小型化と分析の高速化を実現した次世代多次元ガスクロマトグラフを開発しました。更に、これまで質量分析計による測定前には溶媒やカラムを準備し、試料のおよその濃度を把握したりする必要がありましたが、煩雑な前処理なしで迅速に質量分析が可能になる探針エレクトロスプレーイオン化質量分析計を開発しました。バイオ関連解析システムでは、細胞製造の現場で必須の日常的な細胞の観察や記録が簡便かつ再現性よく行え、作業者の負担を大きく低減できる細胞培養解析システムを開発しました。また、ピペットを用いた手作業の細胞除去を自動化することにより作業効率や再現性を高め、細胞培養の安定性を向上させた細胞培養支援システムを開発しました。光・X線分析システムとして、コンパクトな設置面積ながら高い拡張性を両立し、標準搭載した専用プログラムによって分析を省力化するフーリエ変換赤外分光光度計を開発しました。また、ワーク(検査対象物)のX線CT画像撮影と高精度な内部寸法の計測が可能な、当社としては初の計測用X線CTシステムを開発しました。新たに開発した金属アーチファクト低減ソフトウェアによって、従来のCT撮影画像において画像に発生するアーチファクトを大幅に低減して鮮明な画像が取得可能になります。試験検査・測定機器として、プラスチックや樹脂複合材料の引張試験を最速20m/秒(時速72km)で行える高速衝撃試験機を開発しました。また、画像データの取得速度を最大5倍に高めるとともに、X軸・Y軸の最大走査範囲をそれぞれ4倍に拡大し、大気中や液中においても真空中と同様に超高分解能な観察を実現する走査型プローブ顕微鏡を開発しました。 <医用機器事業> 医用機器事業では、X線TV・撮影システム、血管撮影システム、PET/CTシステムなどの開発に注力しています。X線TV・撮影システムとして、伸縮式支柱やコンパクトになった本体によって前方の視認性向上と快適な走行性を実現したことに加え、大型フルフラットモニタやFPD(フラットパネル検出器)収納部ロック機能、豊富なオプションなどによって操作性も高めたデジタル式回診用X線撮影システムを開発しました。血管撮影システムにおいては、被ばく低減と治療デバイスの視認性向上に寄与する新しい画像処理技術の導入や多機能カテーテルテーブルとの連携などによって、心臓や頭部、腹部から下肢まで全身領域における血管内治療をサポートする血管撮影システムを開発しました。PET/CTシステムにおいては、検査にともなう負担が少なく、精度の高い乳がん検査を支援する乳房専用PETシステムを開発しました。 <航空機器事業> 航空機器事業では、航空機搭載機器などの開発に注力しています。航空機搭載機器関連では、航空機に搭載される装備品が電動化される動きに対応するべく、電動アクチュエータや電子機器の冷却システムに関する研究を行っています。 <産業機器事業> 産業機器事業では、産業機械、油圧機器などの開発に注力しています。産業機器では、分析機器及び小型真空排気装置への組み込みを目的とした省スペースかつ低ランニングコストながら、排気性能に優れた小型のターボ分子ポンプを開発しました。また、半導体ドライエッチング向け大容量ターボ分子ポンプに搭載される電源においては、接地面積で従来比50%、重量で従来比30%削減し、製造現場での省スペース化及びメンテナンス性の向上に対する要望に対応しました。
FY2017|1,951 文字
6 【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、主として当社が行っており、当社においては、先端的および基盤的な技術の研究開発、製品化技術の研究開発を総合的、有機的に連携させ、運営しています。すなわち、ライフサイエンステクノロジー、ナノテクノロジーなどの先端技術研究活動の成果を生かし、基盤事業としての計測機器事業、医用機器事業、航空機器事業、産業機器事業に対する新製品開発を推進しています。 また、子会社においては、独自に研究開発を行うほか、欧州および中国の研究開発子会社において次世代の当社製品の核となる基盤要素技術の研究開発を行うなど積極的な研究開発に取組んでいます。 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、92億9千6百万円であります。セグメントで見ますと、計測機器事業では39億6千2百万円、医用機器事業では17億9千万円、航空機器事業では6億2千万円、産業機器事業では6億5千7百万円であり、その他の事業では5千万円であります。また、上記事業区分に配賦しない基礎的研究費等は22億1千4百万円であります。 当連結会計年度における主要な研究開発活動にはつぎのものがあります。 <計測機器事業> 計測機器事業では、クロマト分析・質量分析装置、バイオ関連解析装置、光・X線分析装置、環境計測装置、試験検査・測定機器、光学デバイス・レーザ機器などの開発に注力しています。クロマト分析・質量分析装置として、超高感度検出器の採用と新設計のノイズ低減技術により、フェムトグラムオーダーでの定量分析が可能な、超高感度トリプル四重極型GCMSを開発しました。また、1台で液体クロマトグラフと超臨界液体クロマトグラフによる測定が可能な装置を開発し、作業効率を大幅に向上させました。液体クロマトグラフの用途を拡げる当社独自の技術(nSMOL法)を使用した前処理キットや、発酵食品の評価や脳神経系における生理機能解析など様々な分野で注目されているキラルアミノ酸を、誘導体化を必要とせず、わずか10分で高感度に一斉分析できるDLアミノ酸キットを開発しました。光・X線分析装置として、ドイツの連邦放射線防護庁(BfS)によって定められる安全認証「BfS型式認定」を取得したエネルギー分散型蛍光Ⅹ線分析装置を開発しました。これによってお客様はⅩ線に関する安全講習や監査を受ける必要がなくなり、運用上の負担を軽減できます。試験検査・測定機器として、固体高分子形燃料電池内部に直接挿入したプローブにより酸素濃度情報を高速に計測できるソフトウェアを搭載し、燃料電池内ガス拡散層の任意の位置の酸素濃度をリアルタイムでモニタできる、燃料電池酸素濃度可視化装置を開発しました。また、物体の表面付近を伝搬する超音波振動により発生した微小な変位を、専用のレーザ照明とカメラで可視化することで、鋼構造物やコンクリートにおける隠れた欠陥を検知できる非破壊検査技術について、京都大学との共同研究を行っています。 <医用機器事業> 医用機器事業では、X線TV・撮影システム、血管撮影システム、PET/CTシステムなどの開発に注力しています。X線TV・撮影システムとして、本体と画像処理ユニットの連動により、一定時間操作が無い場合の電源オフ機能や、充電タイミングの通知などの電源管理機能を備えたデジタル式回診用X線撮影装置を開発しました。お客様の用途に合わせて多種多様なワイヤレスFPD(フラットパネル検出器)を選ぶことが可能です。血管撮影システムとして、血管造影においてアーチファクト(虚像)をリアルタイムで自動補正する技術と、心臓カテーテル治療(PCI)においてⅩ線照射量を増加させずにステントなどの視認性を向上させるアプリケーションを開発しました。これによって、使用する造影剤の減量や検査時間の短縮が可能になります。また、乳がんの手術において、がん細胞の転移を診断する際に必要となる組織表面下の直径数mmのセンチネルリンパ節の位置同定を容易にする近赤外カメラシステムを開発しました。 <航空機器事業> 航空機器事業では、航空機搭載機器などの開発に注力しています。航空機搭載機器関連では、航空機に搭載される装備品が電動化される動きに対応するべく、電動アクチュエータや電子機器の冷却システムに関する研究を行っています。 <産業機器事業> 産業機器事業では、産業機械、油圧機器などの開発に注力しています。油圧機器関連では、2016年11月から研究開発や試作品製作専用の設備などを多数導入した新棟が稼働し、油圧ギヤポンプやパワーパッケージ、コントロールバルブなどの研究開発・生産技術開発の推進、試験・評価期間の短縮、品質向上を図っていきます。
FY2016|1,936 文字
6 【研究開発活動】 当社グループの研究開発活動は、主として当社が行っており、当社においては、先端的および基盤的な技術の研究開発、製品化技術の研究開発を総合的、有機的に連携させ、運営しています。すなわち、ライフサイエンステクノロジー、ナノテクノロジーなどの先端技術研究活動の成果を生かし、基盤事業としての計測機器事業、医用機器事業、航空機器事業、産業機器事業に対する新製品開発を推進しています。 また、子会社においては、独自に研究開発を行うほか、欧州および中国の研究開発子会社において次世代の当社製品の核となる基盤要素技術の研究開発を行うなど積極的な研究開発に取組んでいます。 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、94億3千7百万円であります。セグメントで見ますと、計測機器事業では43億3千5百万円、医用機器事業では16億7千9百万円、航空機器事業では6億4百万円、産業機器事業では6億3千9百万円であり、その他の事業では4千8百万円であります。また、上記事業区分に配賦しない基礎的研究費等は21億2千9百万円であります。 当連結会計年度における主要な研究開発活動にはつぎのものがあります。 <計測機器事業> 計測機器事業では、クロマト分析・質量分析装置、バイオ関連解析装置、光・X線分析装置、環境計測装置、試験検査・測定機器、光学デバイス・レーザ機器などの開発に注力しています。クロマト分析・質量分析装置として、独自開発の精製技術トラップモジュールを搭載することにより、複雑な試料中の目的化合物をわずか1.5時間で自動回収できる超高速分取精製LCシステムを開発しました。また、従来機のスキャンスピードと極性反転スピードを維持しつつ、イオンサンプリング効率とイオン収束力を向上した新たなイオン導入部を搭載することにより、世界最高レベルの検出スピードと検出感度を両立した高速液体クロマトグラフ質量分析計を開発しました。光・X線分析装置として、新規開発のコリジョンセルとイオン光学系の搭載により高感度で精密定量分析を可能とした、医薬品の元素不純物ガイドライン対応の誘導結合プラズマ質量分析計を開発しました。また、高速な演算処理を行える独自のアルゴリズムを採用することにより、CT撮影開始から最短3分で断面画像の表示を可能とし、傾斜透視撮影からスムーズに切り替えを行うことができるマイクロフォーカスX線検査装置を開発しました。環境計測装置として、前処理装置を内蔵するとともに無線データ通信やUSBメモリを使ったデータ読み出し機能を搭載することにより、装置単体での測定を可能としたポータブルガス濃度測定装置を開発しました。試験検査・測定機器として、新規開発のCMOSイメージセンサを搭載することにより、従来機比約6倍の光感度を実現した1,000万コマ/秒の超高速撮影可能な高速度ビデオカメラを開発しました。また、エンジンに直接プローブを挿入し、レーザ光で高速モニタリングする新規計測手法を搭載することにより、自動車エンジンの吸気側ガスの過渡的な濃度変化を計測可能とした高速応答ガスモニタを開発しました。 <医用機器事業> 医用機器事業では、X線テレビ・撮影システム、血管撮影システム、PET/CTシステムなどの開発に注力しています。X線テレビ・撮影システムとして、1回の撮影で任意の高さの断層画像が得られるトモシンセシス撮影において、新たな再構成法を搭載することにより、人工関節など大きな金属部品を含む部位の撮像時に発生する画像の乱れを大幅に低減したX線テレビ・撮影システムを開発しました。血管撮影システムとして、術前のCT画像と術中の血管撮影システムとの重ねあわせが可能な3Dアプリケーションや、血管壁輪郭のみを自動抽出するトレースマッピング機能、ならびに、ステントをリアルタイムで固定・強調表示可能な心血管のステント留置治療支援アプリケーションの機能を強化することにより、低侵襲治療をサポートする血管撮影システムを開発しました。 <航空機器事業> 航空機器事業では、航空機搭載機器などの開発に注力しています。民間航空機向けの補助動力装置の空気取り入れ口の扉を開閉するアクチュエータなどの開発を完了して製品の出荷を始めました。 <産業機器事業> 産業機器事業では、産業機械、油圧機器などの開発に注力しています。油圧機器として、欧州廃自動車指令に対応するとともに、全長を短くコンパクトにした、建設機械や一般産業機械用の油圧ギヤポンプを開発しました。また、定格流量を向上させ中型機への対応を可能とした、フォークリフトの荷役操作用の電磁比例式コントロールバルブを開発しました。