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マツダ(7261)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

輸送用機器 自動車・輸送機

事業の概要

  • 自動車製造・販売
    マツダグループは、自動車とその部品の製造・販売を主な事業としています。日本国内ではマツダが自動車を製造し、倉敷化工などが部品を製造しています。海外でもメキシコやタイの連結子会社が自動車と部品を製造しており、グローバルに展開しています。
  • 販売網の構築
    製造された自動車と部品は、国内では関東マツダや東海マツダ販売などの販売会社を通じて顧客に届けられます。一部の大口顧客へはマツダが直接販売しています。海外では北米、欧州、オーストラリアなどの地域ごとに販売会社が顧客に販売しており、地域に合わせた販売戦略を展開しています。
  • 関連事業の展開
    自動車および部品の製造・販売だけでなく、これらに関連する事業も行っています。これにより、自動車事業を多角的にサポートし、顧客への総合的なサービス提供を目指しています。具体的な関連事業については記載がありませんが、アフターサービスや金融サービスなどが考えられます。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 日本セグメント
    日本国内での事業活動を指し、売上高は9,378.86億円、営業利益は484.53億円です。マツダが自動車を製造し、倉敷化工などが自動車部品を製造しています。国内の販売会社を通じて顧客に販売されるほか、一部の大口顧客へはマツダが直接販売しています。
  • 北米セグメント
    北米地域での事業活動を指し、売上高は2兆7,753.14億円、営業利益は669.51億円と、最も大きな売上を誇る稼ぎ頭です。マツダモーターオブアメリカなどが販売を担っており、この地域での販売がマツダグループ全体の業績に大きく貢献しています。
  • 欧州セグメント
    欧州地域での事業活動を指し、売上高は7,314.39億円、営業利益は191.63億円です。マツダモータース(ドイツランド)などが販売を担当しており、欧州市場の特性に合わせた製品展開と販売戦略が重要となります。日本、北米に次ぐ主要な市場の一つです。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Japan 地域 9,379 485 5.2%
NorthAmerica 地域 27,753 670 2.4%
Europe 地域 7,314 192 2.6%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|522 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、連結子会社71社及び持分法適用会社21社(2026年3月31日現在)で構成され、主として、自動車及び同部品の製造・販売、並びにこれらに関連した事業を行っております。国内では、自動車は当社が製造し、自動車部品は当社及び倉敷化工㈱などが製造しております。海外においては、自動車及び同部品をマツダモトールマヌファクトゥリングデメヒコS.A. de C.V.、オートアライアンス(タイランド)Co., Ltd.などが製造しております。当社グループにおいて製造された自動車及び同部品は、国内においては、㈱関東マツダ、東海マツダ販売㈱などの販売会社が顧客に販売するとともに、一部の大口顧客に対しては当社が直接販売しております。海外においては、北米はマツダモーターオブアメリカ, Inc.、欧州はマツダモータース(ドイツランド)GmbH、その他の地域はマツダオーストラリアPty.Ltd.などが販売しております。 当社グループの事業における当社及び主要な会社の位置付け及びセグメントとの関係は、概ね以下のとおりであります。なお、以下の「日本」、「北米」、「欧州」、「その他の地域」は、セグメントと同一の区分であります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
市場競争環境や顧客動向によっては、当社グループのみでの製品価格引き上げが困難となる場合があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
コネクティビティ技術、自動運転技術、シェアード・サービス、電動化技術など新たな付加価値ビジネスの拡大。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:経済情勢の変動と需要減少 / 原材料、部品の調達制約と品質問題 / 他社との提携、合弁の不一致や解消
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

マツダは「人馬一体」という独自のブランドイメージを長年培ってきた。デザイン力も高く評価されており、特に魂動デザインは国際的な賞を受賞している。しかし、高級車ブランドとしての絶対的な地位や、強力な特許ポートフォリオによる参入障壁は限定的。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

自動車購入におけるスイッチングコストは、買い替え時の下取り価格や、特定のディーラーネットワークでのメンテナンスなどを考慮すると一定程度存在する。しかし、ブランドへの強い愛着や、他社への乗り換えによる大きな損失は限定的であり、顧客の囲い込み力は強くない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

自動車製造業において、ネットワーク効果は基本的に見られない。プラットフォーム共有や部品共通化はコスト削減に繋がるが、顧客体験に直接的なネットワーク効果をもたらすものではない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

マツダは、スカイアクティブ技術による効率的なパワートレインや軽量化、そして共通化されたプラットフォーム戦略により、一定のコスト競争力を確保している。しかし、トヨタやホンダのような圧倒的な生産規模やサプライチェーンの優位性には及ばない。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

マツダは世界中に生産・販売網を持つ中堅自動車メーカーであり、一定の規模の経済を享受している。しかし、トヨタ、フォルクスワーゲン、GMといったグローバル巨大企業と比較すると、規模の経済における優位性は限定的であり、寡占市場における地位は盤石ではない。

  • グローバルな生産体制
    マツダは日本だけでなく、メキシコやタイにも生産拠点を持ち、世界各地で自動車と部品を製造しています。これにより、各市場の需要に柔軟に対応できる生産体制を構築し、効率的な供給を実現しています。地域ごとの生産は、輸送コストの削減や関税リスクの低減にも寄与します。
  • 多角的な販売チャネル
    国内では販売会社を通じた広範なネットワークと、大口顧客への直接販売を併用しています。海外でも北米、欧州、オーストラリアなど主要地域に販売拠点を設けており、それぞれの市場特性に合わせた販売戦略を展開しています。これにより、多様な顧客層へのアプローチを可能にしています。
  • サプライチェーンの最適化
    原材料や部品の調達において、複数のサプライヤーに依存しつつも、サプライチェーン全体の効率化と環境変化への耐性強化に取り組んでいます。具体的には、調達スピードの最大化や生産地に近い場所からの調達を進めることで、安定した生産体制を維持しようとしています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針当社は、企業理念として、『PURPOSE』『PROMISE』『VALUES』を定めております。また、当社は、未来に向かってステークホルダーの皆さまと共に価値創造を進めていくべく、2030年時点の当社のありたい姿を「2030 VISION」として定めております。 企業理念PURPOSE:前向きに今日を生きる人の輪を広げるPROMISE:いきいきとする体験をお届けする人の頭、身体、心を活性化するコミュニティと共にVALUES :ひと中心 / 飽くなき挑戦 / おもてなしの心 2030 VISION「走る歓び」で移動体験の感動を量産するクルマ好きの会社になる。1. マルチソリューションで温暖化抑制に取り組み、持続可能な地球の未来に貢献する。2. 心と身体を見守る技術で、誰もが安全・安心・自由に移動できる社会に貢献する。3. 日常に動くことへの感動や心のときめきを創造し、一人ひとりの「生きる歓び」に貢献する。 (2) 経営環境及び対処すべき課題① 2030年に向けた経営方針(2030経営方針)各国の環境規制動向、社会インフラ整備をはじめ、電源構成の変化、そして消費者の価値観の多様化など、経営を取り巻く環境の不確実性が高まっていることを受け、2030年までの視点で世界の潮流を想定した経営方針と主要な取り組みを以下のとおり定めております。 経営基本方針1. 地域特性と環境ニーズに適した電動化戦略で、地球温暖化抑制という社会的課題の解決に貢献すること2. 人を深く知り、人とクルマの関係性を解き明かす研究を進め、安全・安心なクルマ社会の実現に貢献すること3. ブランド価値経営を貫き、マツダらしい独自価値をご提供し、お客様に支持され続けること 未来を拓く主な取り組み1. カーボンニュートラルに向けた取り組み当社が目標とする2050年のカーボンニュートラル(*1)(以下、「CN」)実現に向けては、まず自社のCO2排出について、「2035年にグローバル自社工場のCN実現」と中間目標を定め、省エネ、再エネ、CN燃料活用の3本柱で取り組みを進めてまいります。加えて、サプライチェーン(*2)への対応も必要であり、輸送会社様や購買お取引先様と共にCO2排出量を削減する活動を段階的に進めてまいります。国内においては、サプライチェーンの構造改革に取り組むほか、CN燃料の活用拡大を進めてまいります。 2. 各フェーズにおける電動化の取り組み電動化時代への移行期間には、地域の電源事情に応じて、適材適所で内燃機関、電動化技術、代替燃料など様々な組み合わせとソリューションを提供していく「マルチソリューション」のアプローチが有効と考えており、当社は各国の電動化政策や規制強化の動向を踏まえ、パートナー企業と共に段階的に電動化を進めてまいります。 ■ 第1フェーズ(2022–2024年):蓄積した資産を活用したビジネス基盤強化既存の技術資産であるマルチ電動化技術をフル活用して魅力的な商品を投入し、市場の規制に対応してまいります。ラージ商品群を投入し、プラグインハイブリッド車やディーゼルのマイルドハイブリッド車など、環境と走りを両立する商品で収益力を向上させつつ、バッテリーEV専用車の技術開発を本格化させます。 (*1)地球上の炭素(カーボン)の総量に変動をきたさない、二酸化炭素(CO2)の排出と吸収がプラスマイナスゼロになるようなエネルギー利用のあり方やシステム。(*2)商品が消費者の手元に届くまでの、調達、製造、在庫管理、配送、販売、消費といった一連の流れ。 ■ 第2フェーズ(2025–2027年):電動化へのトランジション電動化への移行期間における燃費向上によるCO2削減を目指し、新しいハイブリッドシステムを導入するなど、これまで培ってきたマルチ電動化技術をさらに磨きます。電動化が先行する中国市場においてバッテリーEVを導入するほか、グローバルにバッテリーEVの導入を開始します。また、内燃機関における再生可能燃料の利用可能性を踏まえ、熱効率の更なる改善技術の適用等により、内燃機関の性能についても極限まで進化させてまいります。 ■ 第3フェーズ(2028–2030年):バッテリーEV本格導入バッテリーEV専用車の本格導入を進めるとともに、外部環境の変化や財務基盤強化の進捗を踏まえ、電池生産への投資なども視野に入れた本格的電動化に軸足を移してまいります。 3. 人とITの共創による価値創造への取り組み自動車技術の改良を進め、クルマを取り巻く様々な人々や社会の声に耳を傾けつつ、人の幸せを第一に、事故のない安全・安心な社会づくりに貢献していくことは私たちの重要な責務です。安全技術開発に加え、地域や社会と連携し「死亡事故ゼロ」を目指し取り組んでまいります。安全技術開発については、独自の安全思想「MAZDA PROACTIVE SAFETY」のもと、これまで大事にしてきた「ひと」を中心としたものづくりに、デジタル技術を掛け合わせた高度運転支援技術の開発を継続し、運転者も同乗者も周囲の人も安全・安心なクルマづくりを進め、2040年を目途に自動車技術で対策が可能なものについては、自社の新車が原因となる死亡事故ゼロを目指します。 4.原価低減とサプライチェーンの強靭化原価低減は、従来の商品原価や、製造原価だけにとどまらず、その範囲を拡大し、サプライチェーンとバリューチェーン(*3)全体を鳥瞰し、商品ラインアップの見直し等による投資効率・在庫回転率の向上を図るなどムリ・ムラ・ムダを徹底的に取り除く取り組みを通じて原価の作りこみを行うよう変えてまいります。サプライチェーンについては、材料調達からお客様へのデリバリーに至るまでの全ての工程における個々の改善にとどまらず、モノがよどみなく流れ、しかもそのスピードが最大化される「全体最適の工程」を実現するよう取り組みます。また、材料・部品調達の階層を浅くし、種類を産む場所を近場に寄せていくなどの調達構造の変革や、汎用性の高い材料や半導体の活用拡大に取り組み、地政学的リスク、地震といった大規模災害などの外部環境の変化に対する影響も最小限にとどめてまいります。 ② 企業価値向上に向けた「ライトアセット戦略」電動化を取り巻く環境は、インフレによる投資コストの増加や地域毎の電動化進度の違いなど多くの不確実性を抱えています。当社は2030年までを「電動化の黎明期」と捉え、2030経営方針のもと、多様化するお客様ニーズや環境規制に柔軟に対応すべくマルチソリューションで電動化を進めます。その具現化に向け、2025年3月、既存資産の活用度を高めることで、スモールプレーヤーとしての企業価値を向上させる実行戦略として「ライトアセット戦略」(*4)を公表しました。その主な内容は以下のとおりです。■ ものづくり領域では、独自の開発・生産プロセス革新を展開し、開発領域においては、より複雑な開発に対し、既存リソース水準を維持しつつ、生産性を3倍に向上させて対応してまいります。■ バッテリーEVについては、協業・パートナーシップによって、従来と比較し開発にかかる投資と工数を大幅に低減させる見通しです。■ 電池投資については、当初見込みにインフレ影響を加味した投資総額から、協業を活用することにより、半減できる見込みです。■ 生産においては、既存資産を活用してバッテリーEVとエンジン車を混流生産することにより、バッテリーEV専用工場新設と比較し、初期設備投資と量産準備期間を大幅に低減できる見通しです。■ こうしたライトアセット戦略は、従来の自前主義から脱し、協調すべき領域ではパートナーの資産を積極的かつ柔軟に活用して資本効率を高める一方、マツダらしさを発揮すべき領域には自前の技術と経営資源を集中して投下することで、最小の投資で最大のマーケットカバレッジを実現する経営モデルであります。■ 上記の取り組みを通じて、低投資で高い資産効率を確保の上、競争力ある技術・商品を提供し、資本コストを上回るリターンを創出することで、持続的な成長と企業価値向上を実現してまいります(*5)。 (*3)商品の付加価値を創出するための、商品企画、デザイン、開発、生産技術、製造、販売、サービスといった一連の事業活動の流れ。(*4)ライトアセット戦略を説明したマツダ・マルチソリューション説明会2025の様子はこちらをご参照ください。https://www.mazda.com/ja/investors/policy/mid-term/(*5)企業価値向上に向けた取り組みの全体像については、マツダ統合報告書2025「CEOメッセージ」及び「CFOメッセージ」をご参照ください。 https://www.mazda.com/ja/investors/library/integrated-report/ ③ 2030経営方針の進捗当社を取り巻く経営環境は、電動化・ソフトウェア化への移行という大きな産業構造の変化に加え、地政学リスクや経済安全保障といった要因が重層的に作用し、極めて不確実性の高い状況にあります。こうした環境の中、当社はビジネス環境に適応する経営から、外部環境変化に左右されにくい、安定的に利益を生み出せる事業構造への転換を進めております。「マルチソリューション戦略」、「ライトアセット・協業戦略」、「ブランド価値経営」の3つの対応方針のもと、将来の選択肢を持ち続けることを経営の最重要事項と位置づけ、主要な施策を着実に進捗させております。当連結会計年度が初年度となる第2フェーズでは、事業と資源の選択と集中を加速し、ブランド価値の向上を図ってまいりました。 当期の主な進捗■ 期初に想定していた米国関税による2,300億円超の影響は、北米を最重要市場とする当社にとって極めて大きな逆風でありました。当社は、ステークホルダーの皆さまへの影響を最小限に抑え、雇用と事業を守り抜くべく、国内生産台数70万台の維持を掲げ、全社一丸となって構造的原価低減、固定費削減、価格戦略の見直し、市場別販売構成の最適化など、自らコントロールできる領域に重点的に取り組んでまいりました。その結果、短期間で黒字へと転換し、最終的には1,549億円の関税コストを吸収して、通期営業利益516億円を確保いたしました。■ 価値創造と原価低減を両立させる「共創活動」として、新型「CX-5」の開発初期段階から日本製鉄株式会社に参画いただき、設計・生産・調達を含むサプライチェーン・バリューチェーン全体を見直し、最適な車体構造開発を短期間で実現いたしました。これにより、輸送コストやCO2排出量の削減、サプライチェーン上の在庫削減、地政学的リスクの低減、両社の間接的な生産コスト削減に貢献しております。こうした共創活動は、既に当社庫受け額の80%に当たる領域にまで拡大しており、平時からお取引先さまとの連携を深め、サプライチェーンの強靭化・再構築を推進しております。■ 販売面では、北米市場においては、メキシコ工場からの「CX-30」や「MAZDA3」の米国向け輸出を抑制し、アラバマ工場で生産する「CX-50」、収益力の高い日本製の「CX-5」やラージ商品の販売を着実に積み上げるとともに、カナダ・メキシコでは「CX-30」などの増販により、前年並みの水準を達成しました。また、販売網の強化にも継続して取り組んでおり、米国ではこれまでに約550店舗のうち、350店舗以上が新世代店舗へ刷新し、ブランドの世界観を体感いただける環境づくりを進めるとともに、接客トレーニングや販売店との連携強化を図り、ブランドの魅力向上に努めております。■ 日本市場では、2025年6月にビジネス基盤の強化と再成長を図る国内ビジネス構造変革の方針を公表しております。ビジネス構造改革のための3本柱を、「ブランド育成に向けた成長投資」、「優先地域の特定(都市圏戦略)」、「店舗体験の向上に向けた現場支援の徹底」とし、4つの重点施策(*6)を通じて、より多くのお客様に選ばれ続けるブランドとなることで、国内販売20万台を早期に実現できるビジネス基盤の構築を図ります。また、J.D. パワー 2025年日本自動車セールス顧客満足度調査でマスマーケット国産ブランド部門2年連続第1位を獲得しました。■ 成長の土台となる市場戦略として、米国で成果を上げてきたブランド価値経営をアジア地域へ展開し、リテールオペレーションとマーケティングを強化しております。ASEAN、欧州、豪州では、長安汽車との共同開発による電動車を順次投入し、電動化への対応と市場適応を進めてまいります。また、タイで生産予定の次期「CX-3」(小型SUV)を来年市場導入し、ボリュームゾーンの獲得を着実に進めてまいります。 (*6)4つの重点施策の概要については、こちらをご参照ください。   https://newsroom.mazda.com/ja/publicity/release/2025/202506/250619a.html ■ 技術面では、「マルチソリューション戦略」において、長期的な視点で段階的に電動化技術を積み上げ続けてまいります。130以上の国と地域で事業を展開してきた当社にとって、地域毎の電動化の多様性そのものが重要な経営アセットであり、電動化、ハイブリッド、内燃機関を組み合わせ、お客様に選択肢を提供することが最も合理的かつ実践的な戦略と考えております。バッテリーEVについては、浸透スピードの変化やハイブリッドなど複数の電動化ソリューションへの顧客受容性を踏まえ、「意志あるフォロワー」として、市場の実需を見極めながら投資規模・タイミングを慎重に判断してまいります。モデルベース開発を核に要素技術をビルディングブロックとして積み上げ、柔軟に電動化を実現するとともに、生産面では、変種変量を可能とするフレキシブル生産システムにより、専用ラインへの大規模投資に依存せず電動化に対応してまいります。スモールプレーヤーでありながら大規模投資を前提とせずにマルチソリューションを成立させる点が、当社の競争優位であります。2030年までの電動化投資総額は、2022年公表時には1.5兆円と見込み、一時はインフレの影響で2兆円規模となる可能性も想定されましたが、自社製バッテリーEVプログラムの徹底精査や電池投資を最適化するなど、限られた経営資源の中で選択と集中を徹底することで、現在では総額1.2兆円規模に最適化いたしました。■ 自社製バッテリーEVの市場導入時期について見直しを行う一方、長安汽車との共同開発により4車種の電動車をスピーディかつ高い投資効率で開発・市場投入し、2030年時点で電動車20〜25万台程度、グローバル販売の約15%をカバーできる体制を構築してまいります。同時に、ハイブリッド車種を1車種から4車種へ拡大するとともに、ラージ商品のさらなる競争力強化や電動化時代における内燃機関への投資継続など、当社の独自ブランド価値を創出する領域には集中的に資源配分を行います。2027年には、理想の燃焼を追求した「SKYACTIV-Z」と当社独自のハイブリッドシステムを組み合わせて搭載した新型「CX-5」を導入する予定です。■ バッテリーEV生産に向けても着実に取り組みを進めております。パナソニック エナジー株式会社と車載用円筒形リチウムイオン電池の供給に向けた合意書を締結し、2025年9月には岩国工場の新設に関し、山口県及び岩国市と建設協定に調印し、同年11月に着工しております。岩国工場は、車載用円筒形リチウムイオン電池セルのモジュール化とパック化を行い、安全・安心で働きやすく、地域の雇用や経済発展にも貢献することを目指します。■ コスト構造改革については、第2フェーズ期間中に原価低減1,000億円、固定費削減1,000億円、合計2,000億円の構造改善を実行してまいります。モデルベース開発や開発・生産プロセスの革新、お取引先さまとの共創による構造的な原価低減を通じて、原価当たりの顧客価値を高め、営業利益率で4%相当の改善を実現することで、外部環境の変動を吸収できる収益構造へ転換してまいります。■ ブランド価値経営が求める価値創造の主役は「人」であるとの考えのもと、一人ひとりがいきいきと力を発揮できる環境を整える人的資本経営にも注力しております。2023年から取り組んでいる組織風土改革プログラム「BLUEPRINT」は、2025年5月までに全従業員の参画が完了いたしました。当期は、浸透・定着フェーズに移行し、マネジメント層を中心として意識と行動変容を促進するフォローセッションや代表取締役社長と従業員が直接対話する「BLUEPRINT社長セッション」を開始しております。また、2025年9月には全社横断での生成AI活用専任組織を立ち上げており、引き続き「BLUEPRINT」による組織風土変革とDXによる業務構造改革の両輪で、生産性倍増と価値創造を加速させてまいります。 当社は、資本効率を高めながら独自価値を磨き続けるブランド価値経営を貫き、外部環境変化に左右されにくい、不確実性の中でも利益を生み出し、継続的な成長を実現する事業構造への転換を着実に進めてまいります。 ※文中における将来に関する事項につきましては、本報告書提出時点において当社グループが判断した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は実際の結果とは異なる可能性があり、その達成を保証するものではありません。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針当社は、企業理念として、『PURPOSE』『PROMISE』『VALUES』を定めております。また、当社は、未来に向かってステークホルダーの皆さまと共に価値創造を進めていくべく、2030年時点の当社のありたい姿を「2030 VISION」として定めております。 企業理念PURPOSE:前向きに今日を生きる人の輪を広げるPROMISE:いきいきとする体験をお届けする人の頭、身体、心を活性化するコミュニティと共にVALUES :ひと中心 / 飽くなき挑戦 / おもてなしの心 2030 VISION「走る歓び」で移動体験の感動を量産するクルマ好きの会社になる。1. マルチソリューションで温暖化抑制に取り組み、持続可能な地球の未来に貢献する。2. 心と身体を見守る技術で、誰もが安全・安心・自由に移動できる社会に貢献する。3. 日常に動くことへの感動や心のときめきを創造し、一人ひとりの「生きる歓び」に貢献する。 (2) 経営環境及び対処すべき課題① 2030年に向けた経営方針(2030経営方針)各国の環境規制動向、社会インフラ整備をはじめ、電源構成の変化、そして消費者の価値観の多様化など、経営を取り巻く環境の不確実性が高まっていることを受け、2030年までの視点で世界の潮流を想定した経営方針と主要な取り組みを以下のとおり定めております。 経営基本方針1. 地域特性と環境ニーズに適した電動化戦略で、地球温暖化抑制という社会的課題の解決に貢献すること2. 人を深く知り、人とクルマの関係性を解き明かす研究を進め、安全・安心なクルマ社会の実現に貢献すること3. ブランド価値経営を貫き、マツダらしい独自価値をご提供し、お客様に支持され続けること 未来を拓く主な取り組み1. カーボンニュートラルに向けた取り組み当社が目標とする2050年のカーボンニュートラル(*1)(以下、「CN」)実現に向けては、まず自社のCO2排出について、「2035年にグローバル自社工場のCN実現」と中間目標を定め、省エネ、再エネ、CN燃料活用の3本柱で取り組みを進めてまいります。加えて、サプライチェーン(*2)への対応も必要であり、輸送会社様や購買お取引先様と共にCO2排出量を削減する活動を段階的に進めてまいります。国内においては、サプライチェーンの構造改革に取り組むほか、CN燃料の活用拡大を進めてまいります。 2. 各フェーズにおける電動化の取り組み電動化時代への移行期間には、地域の電源事情に応じて、適材適所で内燃機関、電動化技術、代替燃料など様々な組み合わせとソリューションを提供していく「マルチソリューション」のアプローチが有効と考えており、当社は各国の電動化政策や規制強化の動向を踏まえ、パートナー企業と共に段階的に電動化を進めてまいります。 ■ 第1フェーズ(2022–2024年):蓄積した資産を活用したビジネス基盤強化既存の技術資産であるマルチ電動化技術をフル活用して魅力的な商品を投入し、市場の規制に対応してまいります。ラージ商品群を投入し、プラグインハイブリッド車やディーゼルのマイルドハイブリッド車など、環境と走りを両立する商品で収益力を向上させつつ、バッテリーEV専用車の技術開発を本格化させます。 (*1)地球上の炭素(カーボン)の総量に変動をきたさない、二酸化炭素(CO2)の排出と吸収がプラスマイナスゼロになるようなエネルギー利用のあり方やシステム。(*2)商品が消費者の手元に届くまでの、調達、製造、在庫管理、配送、販売、消費といった一連の流れ。 ■ 第2フェーズ(2025–2027年):電動化へのトランジション電動化への移行期間における燃費向上によるCO2削減を目指し、新しいハイブリッドシステムを導入するなど、これまで培ってきたマルチ電動化技術をさらに磨きます。電動化が先行する中国市場においてバッテリーEVを導入するほか、グローバルにバッテリーEVの導入を開始します。また、内燃機関における再生可能燃料の利用可能性を踏まえ、熱効率の更なる改善技術の適用等により、内燃機関の性能についても極限まで進化させてまいります。 ■ 第3フェーズ(2028–2030年):バッテリーEV本格導入バッテリーEV専用車の本格導入を進めるとともに、外部環境の変化や財務基盤強化の進捗を踏まえ、電池生産への投資なども視野に入れた本格的電動化に軸足を移してまいります。 3. 人とITの共創による価値創造への取り組み自動車技術の改良を進め、クルマを取り巻く様々な人々や社会の声に耳を傾けつつ、人の幸せを第一に、事故のない安全・安心な社会づくりに貢献していくことは私たちの重要な責務です。安全技術開発に加え、地域や社会と連携し「死亡事故ゼロ」を目指し取り組んでまいります。安全技術開発については、独自の安全思想「MAZDA PROACTIVE SAFETY」のもと、これまで大事にしてきた「ひと」を中心としたものづくりに、デジタル技術を掛け合わせた高度運転支援技術の開発を継続し、運転者も同乗者も周囲の人も安全・安心なクルマづくりを進め、2040年を目途に自動車技術で対策が可能なものについては、自社の新車が原因となる死亡事故ゼロを目指します。 4.原価低減とサプライチェーンの強靭化原価低減は、従来の商品原価や、製造原価だけにとどまらず、その範囲を拡大し、サプライチェーンとバリューチェーン(*3)全体を鳥瞰し、商品ラインアップの見直し等による投資効率・在庫回転率の向上を図るなどムリ・ムラ・ムダを徹底的に取り除く取り組みを通じて原価の作りこみを行うよう変えてまいります。サプライチェーンについては、材料調達からお客様へのデリバリーに至るまでの全ての工程における個々の改善にとどまらず、モノがよどみなく流れ、しかもそのスピードが最大化される「全体最適の工程」を実現するよう取り組みます。また、材料・部品調達の階層を浅くし、種類を産む場所を近場に寄せていくなどの調達構造の変革や、汎用性の高い材料や半導体の活用拡大に取り組み、地政学的リスク、地震といった大規模災害などの外部環境の変化に対する影響も最小限にとどめてまいります。 ② 企業価値向上に向けた「ライトアセット戦略」電動化を取り巻く環境は、インフレによる投資コストの増加や地域毎の電動化進度の違いなど多くの不確実性を抱えています。当社は2030年までを「電動化の黎明期」と捉え、2030経営方針のもと、多様化するお客様ニーズや環境規制に柔軟に対応すべくマルチソリューションで電動化を進めます。その具現化に向け、2025年3月、既存資産の活用度を高めることで、スモールプレーヤーとしての企業価値を向上させる実行戦略として「ライトアセット戦略」(*4)を公表しました。その主な内容は以下のとおりです。■ ものづくり領域では、独自の開発・生産プロセス革新を展開し、開発領域においては、より複雑な開発に対し、既存リソース水準を維持しつつ、生産性を3倍に向上させて対応してまいります。■ バッテリーEVについては、協業・パートナーシップによって、従来と比較し開発にかかる投資と工数を大幅に低減させる見通しです。■ 電池投資については、当初見込みにインフレ影響を加味した投資総額から、協業を活用することにより、半減できる見込みです。■ 生産においては、既存資産を活用してバッテリーEVとエンジン車を混流生産することにより、バッテリーEV専用工場新設と比較し、初期設備投資と量産準備期間を大幅に低減できる見通しです。■ こうしたライトアセット戦略は、従来の自前主義から脱し、協調すべき領域ではパートナーの資産を積極的かつ柔軟に活用して資本効率を高める一方、マツダらしさを発揮すべき領域には自前の技術と経営資源を集中して投下することで、最小の投資で最大のマーケットカバレッジを実現する経営モデルであります。■ 上記の取り組みを通じて、低投資で高い資産効率を確保の上、競争力ある技術・商品を提供し、資本コストを上回るリターンを創出することで、持続的な成長と企業価値向上を実現してまいります(*5)。 (*3)商品の付加価値を創出するための、商品企画、デザイン、開発、生産技術、製造、販売、サービスといった一連の事業活動の流れ。(*4)ライトアセット戦略を説明したマツダ・マルチソリューション説明会2025の様子はこちらをご参照ください。https://www.mazda.com/ja/investors/policy/mid-term/(*5)企業価値向上に向けた取り組みの全体像については、マツダ統合報告書2025「CEOメッセージ」及び「CFOメッセージ」をご参照ください。 https://www.mazda.com/ja/investors/library/integrated-report/ ③ 2030経営方針の進捗当社を取り巻く経営環境は、電動化・ソフトウェア化への移行という大きな産業構造の変化に加え、地政学リスクや経済安全保障といった要因が重層的に作用し、極めて不確実性の高い状況にあります。こうした環境の中、当社はビジネス環境に適応する経営から、外部環境変化に左右されにくい、安定的に利益を生み出せる事業構造への転換を進めております。「マルチソリューション戦略」、「ライトアセット・協業戦略」、「ブランド価値経営」の3つの対応方針のもと、将来の選択肢を持ち続けることを経営の最重要事項と位置づけ、主要な施策を着実に進捗させております。当連結会計年度が初年度となる第2フェーズでは、事業と資源の選択と集中を加速し、ブランド価値の向上を図ってまいりました。 当期の主な進捗■ 期初に想定していた米国関税による2,300億円超の影響は、北米を最重要市場とする当社にとって極めて大きな逆風でありました。当社は、ステークホルダーの皆さまへの影響を最小限に抑え、雇用と事業を守り抜くべく、国内生産台数70万台の維持を掲げ、全社一丸となって構造的原価低減、固定費削減、価格戦略の見直し、市場別販売構成の最適化など、自らコントロールできる領域に重点的に取り組んでまいりました。その結果、短期間で黒字へと転換し、最終的には1,549億円の関税コストを吸収して、通期営業利益516億円を確保いたしました。■ 価値創造と原価低減を両立させる「共創活動」として、新型「CX-5」の開発初期段階から日本製鉄株式会社に参画いただき、設計・生産・調達を含むサプライチェーン・バリューチェーン全体を見直し、最適な車体構造開発を短期間で実現いたしました。これにより、輸送コストやCO2排出量の削減、サプライチェーン上の在庫削減、地政学的リスクの低減、両社の間接的な生産コスト削減に貢献しております。こうした共創活動は、既に当社庫受け額の80%に当たる領域にまで拡大しており、平時からお取引先さまとの連携を深め、サプライチェーンの強靭化・再構築を推進しております。■ 販売面では、北米市場においては、メキシコ工場からの「CX-30」や「MAZDA3」の米国向け輸出を抑制し、アラバマ工場で生産する「CX-50」、収益力の高い日本製の「CX-5」やラージ商品の販売を着実に積み上げるとともに、カナダ・メキシコでは「CX-30」などの増販により、前年並みの水準を達成しました。また、販売網の強化にも継続して取り組んでおり、米国ではこれまでに約550店舗のうち、350店舗以上が新世代店舗へ刷新し、ブランドの世界観を体感いただける環境づくりを進めるとともに、接客トレーニングや販売店との連携強化を図り、ブランドの魅力向上に努めております。■ 日本市場では、2025年6月にビジネス基盤の強化と再成長を図る国内ビジネス構造変革の方針を公表しております。ビジネス構造改革のための3本柱を、「ブランド育成に向けた成長投資」、「優先地域の特定(都市圏戦略)」、「店舗体験の向上に向けた現場支援の徹底」とし、4つの重点施策(*6)を通じて、より多くのお客様に選ばれ続けるブランドとなることで、国内販売20万台を早期に実現できるビジネス基盤の構築を図ります。また、J.D. パワー 2025年日本自動車セールス顧客満足度調査でマスマーケット国産ブランド部門2年連続第1位を獲得しました。■ 成長の土台となる市場戦略として、米国で成果を上げてきたブランド価値経営をアジア地域へ展開し、リテールオペレーションとマーケティングを強化しております。ASEAN、欧州、豪州では、長安汽車との共同開発による電動車を順次投入し、電動化への対応と市場適応を進めてまいります。また、タイで生産予定の次期「CX-3」(小型SUV)を来年市場導入し、ボリュームゾーンの獲得を着実に進めてまいります。 (*6)4つの重点施策の概要については、こちらをご参照ください。   https://newsroom.mazda.com/ja/publicity/release/2025/202506/250619a.html ■ 技術面では、「マルチソリューション戦略」において、長期的な視点で段階的に電動化技術を積み上げ続けてまいります。130以上の国と地域で事業を展開してきた当社にとって、地域毎の電動化の多様性そのものが重要な経営アセットであり、電動化、ハイブリッド、内燃機関を組み合わせ、お客様に選択肢を提供することが最も合理的かつ実践的な戦略と考えております。バッテリーEVについては、浸透スピードの変化やハイブリッドなど複数の電動化ソリューションへの顧客受容性を踏まえ、「意志あるフォロワー」として、市場の実需を見極めながら投資規模・タイミングを慎重に判断してまいります。モデルベース開発を核に要素技術をビルディングブロックとして積み上げ、柔軟に電動化を実現するとともに、生産面では、変種変量を可能とするフレキシブル生産システムにより、専用ラインへの大規模投資に依存せず電動化に対応してまいります。スモールプレーヤーでありながら大規模投資を前提とせずにマルチソリューションを成立させる点が、当社の競争優位であります。2030年までの電動化投資総額は、2022年公表時には1.5兆円と見込み、一時はインフレの影響で2兆円規模となる可能性も想定されましたが、自社製バッテリーEVプログラムの徹底精査や電池投資を最適化するなど、限られた経営資源の中で選択と集中を徹底することで、現在では総額1.2兆円規模に最適化いたしました。■ 自社製バッテリーEVの市場導入時期について見直しを行う一方、長安汽車との共同開発により4車種の電動車をスピーディかつ高い投資効率で開発・市場投入し、2030年時点で電動車20〜25万台程度、グローバル販売の約15%をカバーできる体制を構築してまいります。同時に、ハイブリッド車種を1車種から4車種へ拡大するとともに、ラージ商品のさらなる競争力強化や電動化時代における内燃機関への投資継続など、当社の独自ブランド価値を創出する領域には集中的に資源配分を行います。2027年には、理想の燃焼を追求した「SKYACTIV-Z」と当社独自のハイブリッドシステムを組み合わせて搭載した新型「CX-5」を導入する予定です。■ バッテリーEV生産に向けても着実に取り組みを進めております。パナソニック エナジー株式会社と車載用円筒形リチウムイオン電池の供給に向けた合意書を締結し、2025年9月には岩国工場の新設に関し、山口県及び岩国市と建設協定に調印し、同年11月に着工しております。岩国工場は、車載用円筒形リチウムイオン電池セルのモジュール化とパック化を行い、安全・安心で働きやすく、地域の雇用や経済発展にも貢献することを目指します。■ コスト構造改革については、第2フェーズ期間中に原価低減1,000億円、固定費削減1,000億円、合計2,000億円の構造改善を実行してまいります。モデルベース開発や開発・生産プロセスの革新、お取引先さまとの共創による構造的な原価低減を通じて、原価当たりの顧客価値を高め、営業利益率で4%相当の改善を実現することで、外部環境の変動を吸収できる収益構造へ転換してまいります。■ ブランド価値経営が求める価値創造の主役は「人」であるとの考えのもと、一人ひとりがいきいきと力を発揮できる環境を整える人的資本経営にも注力しております。2023年から取り組んでいる組織風土改革プログラム「BLUEPRINT」は、2025年5月までに全従業員の参画が完了いたしました。当期は、浸透・定着フェーズに移行し、マネジメント層を中心として意識と行動変容を促進するフォローセッションや代表取締役社長と従業員が直接対話する「BLUEPRINT社長セッション」を開始しております。また、2025年9月には全社横断での生成AI活用専任組織を立ち上げており、引き続き「BLUEPRINT」による組織風土変革とDXによる業務構造改革の両輪で、生産性倍増と価値創造を加速させてまいります。 当社は、資本効率を高めながら独自価値を磨き続けるブランド価値経営を貫き、外部環境変化に左右されにくい、不確実性の中でも利益を生み出し、継続的な成長を実現する事業構造への転換を着実に進めてまいります。 ※文中における将来に関する事項につきましては、本報告書提出時点において当社グループが判断した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は実際の結果とは異なる可能性があり、その達成を保証するものではありません。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は、次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度の当社グループを取り巻く事業環境は、米国の関税・通商政策の動向、地政学的リスクの高まり、原材料価格や為替の急変動、さらに電動化進展の時間軸がグローバルで見直されるなど、極めて不確実性の高い状況で推移しました。特に、米国関税政策については、輸出比率が高い当社グループの事業に大きな影響を及ぼし、収益構造の見直しを求められる大変厳しい局面となりました。このような状況の中、当社グループは、ブランド価値経営を軸とした事業運営を継続するとともに、「自らがコントロールできる領域を徹底的に磨き、地域の雇用とサプライチェーンを守り抜く」との方針に基づき、パートナーと連携しながら、全社一丸でやるべきことを一つひとつ積み上げてまいりました。具体的には、一定規模の生産・グローバル販売台数を維持し、原価低減や固定費削減、価格戦略の見直し、市場別販売構成の最適化など、自らコントロール可能な領域に重点的に取り組むことで、外部環境の急激な変化に耐えうる、より強固な経営体質の構築に努めてまいりました。商品面では、2025年7月、約8年ぶりのフルモデルチェンジとなる新型「MAZDA CX-5」を公表し、年度後半より、欧州及び北米での販売を開始いたしました。「CX-5」は、2012年の発売以来、世界累計販売台数500万台を達成し、当社のグローバル販売台数のおよそ4分の1を占める主力モデルです。新型「CX-5」は、進化したデザインに加え、拡大した荷室と居住性、また大型センターディスプレイによる操作性の向上など、商品力の進化について高い評価をいただいております。急速に電動化が進む市場においては、合弁事業のパートナーである重慶長安汽車股份有限公司の協力のもと、当社が出資する現地法人である長安マツダ汽車有限公司が開発・製造を行う新型電動車を順次導入しております。2025年9月には、中国市場において、新型電動車ラインアップの第二弾となるクロスオーバーSUV「MAZDA EZ-60」の販売を開始いたしました。また、欧州市場においては、新型電動車の第一弾である「MAZDA EZ-6」をベースに開発した「MAZDA6e」の本格販売を2025年秋より開始いたしました。なお、「MAZDA EZ-6/MAZDA6e」は、2026年4月にワールド・カー・アワーズが主催する2026年「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」において、2026年「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー」を受賞いたしました。当社は、「ひと中心」の価値観のもと「走る歓び」を進化させ続け、お客様の日常に移動体験の感動を創造し、「生きる歓び」をお届けしていくことを目指してまいります。 [グローバル販売]当連結会計年度のグローバル販売台数は、米国市場において関税負担が大きいメキシコ製「MAZDA CX-30」の生産を抑制したことによる販売の減少などから、前期比6.1%減の1,223千台となりました。市場別の販売台数は、次のとおりであります。<日本>「CX-5」や「MAZDA CX-60」及び「マツダ ロードスター」の販売が堅調に推移した一方、需要縮小に伴う他社との競合影響等により、前期比5.3%減の144千台となりました。<北米>米国は、「CX-5」及び「MAZDA CX-50」の販売は増加したものの、関税負担の大きいメキシコ製「CX-30」の販売減少等により、前期比9.2%減の395千台となりました。北米全体では、カナダでの「MAZDA3」や「CX-30」及び「CX-5」の販売が増加したことなどから、前期比5.7%減の582千台となりました。<欧州>生産が終了した「MAZDA2」の内燃機関モデルや新型モデルの発売を控えた「CX-5」等の販売が減少したことにより、前期比6.0%減の164千台となりました。足元では、「MAZDA6e」および新型「CX-5」の導入により、販売は回復基調にあります。<中国>新型電動車の「MAZDA EZ-6」及び「MAZDA EZ-60」の販売は堅調に推移したものの、内燃機関車需要の縮小の影響等により、前期比4.0%減の71千台となりました。<その他の市場>主要市場のオーストラリアは、ラージ商品群の販売は増加したものの、競合環境の激化により「MAZDA2」や「CX-3」等の販売が減少したことから、前期比8.9%減の89千台となりました。その他の市場全体では、ベトナムでは過去最高の販売を記録したものの、中東等での販売減少により、前期比8.2%減の262千台となりました。 [財政状態及び経営成績]a. 経営成績当連結会計年度の当社グループの連結業績は、次のとおりです。 (単位:億円) 前連結会計年度当連結会計年度前期比 通期通期増減額増減率売上高50,18949,182△1,007△2.0%営業利益1,861516△1,345△72.3%経常利益1,8901,318△572△30.2%親会社株主に帰属する当期純利益1,141351△790△69.2% b. 財政状態当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末より3,894億円増加し、4兆4,795億円となり、負債合計は、前連結会計年度末より2,745億円増加し、2兆5,545億円となりました。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益351億円やその他の包括利益累計額の増加等により、前連結会計年度末より1,149億円増加し、1兆9,250億円となりました。自己資本比率は、前連結会計年度末より1.3ポイント減少し、42.5%(劣後特約付ローンの資本性考慮後43.3%)となりました。 c. セグメントごとの財政状態及び経営成績当連結会計年度のセグメント別の連結業績は、次のとおりです。 (単位:億円) 前連結会計年度当連結会計年度前期比 通期通期増減額増減率売上高日本37,32833,579△3,749△10.0%北米32,93329,534△3,398△10.3%欧州7,6668,889+1,223+16.0%その他の地域6,4766,611+134+2.1%営業利益日本485△1,618△2,103-%北米6701,675+1,006+150.2%欧州192180△11△5.9%その他の地域231327+97+41.9% <日本>売上高は、3兆3,579億円(前期比3,749億円減、10.0%減)、営業損失は1,618億円(前期比2,103億円減、-%)となりました。これは、主に関税影響を受けた米国向けを中心に出荷台数が減少したことに加え、原材料価格の上昇や関税措置の影響等によるものです。セグメント資産は、前期比1,050億円増加の3兆2,105億円となりました。<北米>売上高は2兆9,534億円(前期比3,398億円減、10.3%減)、営業利益は1,675億円(前期比1,006億円増、150.2%増)となりました。主に米国市場でのメキシコ製「CX-30」の販売減少に対し、収益確保に向けて、ラージ商品群の販売強化を図るとともに、市場動向を見ながら競合力のある価格設定を行なったことなどによるものです。セグメント資産は、前期比2,673億円増加の1兆1,418億円となりました。<欧州>売上高は8,889億円(前期比1,223億円増、16.0%増)、営業利益は180億円(前期比11億円減、5.9%減)となりました。これは、出荷台数は堅調に推移したものの、新型モデルの発売を控えた「CX-5」の販売が減少したこと等によるものです。セグメント資産は、前期比795億円増加の4,398億円となりました。<その他の地域>売上高は6,611億円(前期比134億円増、2.1%増)、営業利益は327億円(前期比97億円増、41.9%増)となりました。これは、「CX-5」や「CX-60」の販売台数の増加や為替の円安影響等があったことによるものです。セグメント資産は、前期比647億円増加の4,542億円となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末において、現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より1,876億円増加の1兆2,932億円、有利子負債は、前連結会計年度末より1,449億円増加の8,501億円となりました。この結果、4,430億円のネット・キャッシュ・ポジションとなっております。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。 営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益594億円に対し、売上債権の増加や法人税等の支払い等により、2億円の増加(前期は3,056億円の増加)となりました。 投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出や定期預金の純増減等により、9億円の減少(前期は2,000億円の減少)となりました。 以上により、連結フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、6億円の減少(前期は1,057億円の増加)となりました。 財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金による資金調達に対し、配当金の支払いや長期借入金の返済等により、1,050億円の増加(前期は901億円の増加)となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度における車両生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称台数(千台)前期比(%)日本735△1.8北米284△13.4その他の地域14611.5合計1,165△3.5 b. 受注実績当社グループは、主として販売会社の販売実績及び受注状況等を考慮して生産計画を立て、見込生産を行っております。 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)日本900,173△4.0北米2,561,746△7.7欧州859,55717.5その他の地域596,6963.9合計4,918,172△2.0 (注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。2.主要な販売先については、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、本文中の将来に関する事項は、本報告書提出日時点において判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。なお、当社グループの経営に影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク 」に記載しております。 <売上高>当連結会計年度における売上高は、主に米国での出荷台数減少等により、4兆9,182億円(前期比1,007億円減、2.0%減)となりました。仕向地別では、国内は、出荷台数の増加により、6,160億円(前期比375億円増、6.5%増)となり、海外は、主として米国市場向けの出荷台数の減少等により、4兆3,022億円(前期比1,382億円減、3.1%減)となりました。製品別では、車両売上高は、出荷台数の減少により、4兆1,911億円(前期比1,713億円減、3.9%減)となり、海外生産用部品売上高は118億円(前期比31億円減、20.7%減)となりました。そのほか、部品売上高は4,113億円(前期比350億円増、9.3%増)、その他売上高は3,040億円(前期比387億円増、14.6%増)となりました。<営業利益>コスト改善や固定費の効率化が増益要因となった一方で、出荷台数の減少や関税引上げの影響、及び原材料価格の上昇等により、営業利益は516億円(前期比1,345億円減、72.3%減)、連結売上高営業利益率は1.0%(前期比2.7ポイント減)となりました。なお、営業利益の主な増減要因は、次のとおりです。 (単位:億円) 通期関税影響△1,549台数・構成△318為替+106原材料・物流費等△377コスト改善+369固定費他+424計△1,345 <経常利益>為替差益474億円や受取利息276億円の計上等により、1,318億円(前期比572億円減、30.2%減)となりました。<親会社株主に帰属する当期純利益>クレジット資産評価損334億円を特別損失に計上したことや税金費用234億円等により、351億円(前期比790億円減、69.2%減)となりました。 当連結会計年度の財政状態の分析、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。 ② 資本の財源、資金の流動性当社グループは、事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、キャッシュ・フローの創出に努めております。また、自動車及び同部品の製造販売事業を行うために必要となる設備投資等に充当することを目的として、銀行借入や社債発行などにより、必要な資金を調達しております。なお、当社は、サステナビリティに関する取り組みを推進するため、資金調達の枠組みとして2024年1月に「サステナブル・ファイナンス・フレームワーク」を策定しました。本フレームワークで調達した資金は、グローバル自社工場のCN、バッテリーEVやプラグインハイブリッド車などの開発・製造、先進安全技術・高度運転支援技術の開発・製造などに活用しております。当社グループの資金の流動性管理にあたっては、資金繰り計画を作成し、適時に更新するなどによりリスク管理を行っているほか、急激な外部環境変化に対応できるよう、一定水準の手元流動性を確保する方針としております。また、当社はグループ全体の資金を一元管理し、グループ内での相互貸借機能を保有することで、流動性リスクに対し機動的に対応できる体制を構築しております。加えて、当社は国内金融機関とのコミットメントライン契約の締結により、十分な流動性を確保する手段を保有しております。当連結会計年度末において、現金及び現金同等物1兆2,932億円に未使用のコミットメントライン2,000億円を加えた流動性は、月商比3.6ヶ月に相当する1兆4,932億円となっております。なお、当社は、国内2社の格付機関から長期発行体格付けを取得しており、当連結会計年度末現在において、日本格付研究所:「A-」、格付投資情報センター:「BBB+」となっております。株主還元につきましては、当期の業績及び経営環境並びに財務状況等を勘案して決定することを方針とし、安定的な配当の実現と着実な向上に努めることとしております。当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす見積り及び仮定を行うことが求められます。当期の連結財務諸表の作成において設定した様々な見積り及び仮定は、当社経営者がその内容について合理的であると判断したものであり、実際の業績は、これらの見積り及び仮定とは異なる場合があります。当社グループが連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。 a. 貸倒引当金売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検証し、回収不能見込額を計上しておりますが、将来、取引先等の財務状況が悪化するなど支払能力が低下した場合は、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。b. 生産終了損失引当金特定の製品について、当初の計画から生産終了時期を早期化したことに伴う取引先への補償などに備えるため、当連結会計年度末における発生見込額を計上しておりますが、将来、損失の発生が増加した場合は、引当金の追加計上が発生する可能性があります。c. 環境規制関連引当金環境規制に対応する費用の発生に備えるため、各国の環境規制を検証し、当連結会計年度末における発生見込額を計上しておりますが、将来、各国での環境規制がより強化された場合は、引当金の追加計上が発生する可能性があります。d. 退職給付関係退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しておりますが、これらの前提条件が変動した場合、あるいは、運用環境の悪化等により年金資産が減少した場合には、将来期間において認識される費用及び債務に影響を与える可能性があります。e. 固定資産の減損当社グループは固定資産の減損会計の適用に際し、原則として事業会社毎を1つの資産グループとし、遊休資産、賃貸用資産及び売却予定資産は、個々の物件ごとに資産グループとして、各グループの単位で将来キャッシュ・フローを見積っておりますが、経営状況の悪化等により帳簿価額を回収できないと判断された場合には、対象資産の帳簿価額に対する減損損失の計上が必要になる可能性があります。f. 繰延税金資産「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り) 1. 繰延税金資産の回収可能性」に記載しております。g. 製品保証引当金「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り) 2. 製品保証引当金」に記載しております。

事業リスク

  • 経済情勢と需要変動
    マツダは日本、北米、欧州、アジアなど世界中で製品を販売しており、各地域の景気動向や需要変動に強く影響を受けます。景気減速、需要減少、価格競争の激化などが主要市場で進むと、マツダの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。世界経済の不安定さは常にリスクとなります。
  • 原材料・部品の調達難
    原材料や部品の調達を複数のサプライヤーに依存しており、災害、地政学リスク、物流機能の低下などにより供給が滞る可能性があります。また、電動化の進展に伴う電池などの新部品の調達が困難になったり、品質が不十分であったりする場合も、生産活動に支障をきたし、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 市場競争の激化と技術変化
    自動車市場はコネクティビティ、自動運転、電動化などの新技術の登場により、産業構造が急速に変化し、異業種からの新規参入も相次ぎ競争が激化しています。魅力的な製品を適切な時期に投入できなかったり、顧客ニーズの変化に対応できなかったりすると、販売シェアや製品価格が低下し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|5,931 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、主として以下のようなものがあります。ただし、以下に記載する事項は、予想される主なリスクを記載したものであり、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。なお、文中における将来に関する事項につきましては本報告書提出日時点において当社グループが判断したものであります。 市場及び事業に関するリスク(1) 当社グループの事業を取り巻く経済情勢当社グループは、日本を始め北米、欧州、アジアを含む世界各地域で製品を販売しており、それぞれの市場における景気動向や需要変動に強い影響を受けています。従いまして、当社グループの主要市場において、景気の減速または後退、需要構造の変化、需要減少、価格競争の激化等が進むことにより、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 原材料、部品の調達当社グループは、原材料及び部品の購入を複数のサプライヤーに依存しています。サプライチェーン全体を鳥瞰し、材料調達のスピードの最大化や種類を産む場所の近場化など、ムリ・ムラ・ムダを徹底的に取り除く取り組みを通じて、環境変化に対する耐性の強いサプライチェーンの構築に取り組んでおります。しかしながら、部品供給元企業が災害等により被災した場合や地政学リスクに起因する供給能力の制約、物流機能の低下、需給の逼迫や契約条件の変更または破棄等により、当社グループの生産に必要な量を確保することが困難になり、生産・販売等の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。また、調達した原材料や部品の品質が不十分であった場合、及び、電動化の進展により、新たに調達を行う電池などの電動車関連部品・材料についてタイムリーに適量を調達できない場合には、製品の生産状況の悪化を招く可能性があり、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3) 他社との提携、合弁の成否当社グループは、商品の開発、生産、販売に関し、技術提携や合弁等の形で、他社と共同活動を実施、もしくは検討を行っています。これにより経営資源の最適化、集中化及び相乗効果を期待しています。しかしながら、経営、財務またはその他の理由により当事者間で不一致が生じた場合、あるいは、提携や合弁の変更または解消等により、期待される結果を生まなかった場合には、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、意図しない提携や合弁の変更または解消が、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) 市場競争力当社グループが製品を販売している自動車市場は、コネクティビティ技術、自動運転技術やシェアード・サービス、電動化技術に代表される新たな付加価値ビジネスの拡大、それに伴う異業種からの新規参入が相次ぐなど、産業構造が急激に変化しており、競争環境が激化・多様化しています。ブランド価値の維持発展を含む市場での競争力の維持強化は当社グループの成長にとって非常に重要であり、急激な変化に対応すべく製品の企画・開発・製造・販売等すべての領域において競争力の強化に向けた取り組みを進めています。しかしながら、想定を超える範囲とスピードで競合環境が変化した場合、技術力や生産上の問題、電動化を含めた規制対応等により、魅力ある製品を適切な時期に投入することが出来なかった場合、また、急速に多様化が進むお客様の価値観やニーズの変化に対応した流通網、販売手法を効果的に展開できなかった場合、販売シェアの低下や製品価格の低下を含め、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5) 知的財産権による保護当社グループは、事業の優位性を確保するために他社製品と区別化できる技術とノウハウの蓄積、それらの保護並びに、第三者の知的財産権に対する侵害予防に努めています。それにもかかわらず、認識または見解相違により、第三者からその知的財産権を侵害したとして訴訟を受け、当社グループとして製造販売中止、あるいは損害賠償などが必要となった場合には、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、近年のAI技術の急速な進展により、ビジネスにおけるAI活用が一層拡大しており、これに伴い、AI生成物が第三者の知的財産権を侵害するリスクが高まる可能性があります。第三者が当社グループの知的財産権を無断使用して類似した製品を製造した場合、多額の訴訟費用のみならず製品区別化が図れないことによる販売減少により、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6) 製品の品質当社グループは、市場の要求に応えるべく品質改善に努める一方で、製品の安全性の確保にも最善の努力を注いでいます。しかしながら、電動化等に伴う新技術、機能向上、システムやソフトウエアの複雑化などに対して、予測できない原因により製品に欠陥が生じ、大規模なリコール等が発生した場合、特にサプライヤーではなく当社グループ責任として対応する場合、多額のコストの発生、ブランドイメージの低下、市場信頼性の失墜などにより、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7) 情報テクノロジーへの依存及び情報セキュリティ当社グループは、製品の開発、生産、販売など、様々なビジネス活動の遂行において、情報テクノロジーやネットワーク、システムを利用しています。当社製品にも、運転支援システムなど、これら技術を採用した装備が搭載されています。情報テクノロジーやネットワーク、システムには、安全な運用のため対策が施されていますが、インフラ障害、対策を上回るサイバー攻撃、コンピューターウイルスへの感染等によって、各種業務活動の停止、データの喪失、機密情報の漏洩、当社製品の機能低下などが発生する可能性があります。また、ランサムウェア攻撃や標的型攻撃等のサイバー攻撃は高度化・巧妙化してきており、サプライチェーンを通じた当社グループシステム等に対する不正アクセスのリスクも増大しております。さらに、当社グループにおいては、ビジネススピードと生産性を大幅に引き上げるべくAI等の新たな技術の活用を進めていることから、情報漏洩や意図しない情報拡散等のリスクも存在します。これらのリスクが顕在化した場合、対策費用の発生、当社製品の信用の失墜やブランドイメージの毀損などにより、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8) コンプライアンス、レピュテーション当社グループは、全てのビジネス領域における法令等の遵守のため、従業員への業務に関連する法令教育や、コンプライアンス意識啓発活動等を通じた、コンプライアンス違反の未然防止対策を講じています。さらに、コンプライアンスに係る案件を察知した場合には速やかに対応する体制も整備しており、当社グループの社会的信用や評判に与える影響を防いでいます。しかしながら、将来にわたって法令違反が発生する可能性は皆無ではなく、法令違反の事実、あるいは対応の内容や迅速性等が不十分な場合には、当社グループの社会的信用や評判に悪影響を及ぼし、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9) 人権尊重 当社グループは、「人権尊重は全ての企業活動における根幹」と考える人権尊重の基本姿勢と取り組みを内外にコミットする「マツダ人権方針」を2023年8月に策定しました。同方針に基づき、第三者機関のサポートを得ながら、優先人権課題の特定、影響評価、是正・救済措置という人権デュー・ディリジェンス及び苦情処理メカニズムの体制整備、人権教育・啓発活動、並びにサプライチェーンにおける各国法令遵守の取り組みを進めています。しかしながら、グローバルで人権リスクが高まっているなか、法規等への適正かつタイムリーな対応が出来なかった場合には、社会的信用やブランドイメージの低下により、当社グループの事業活動や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 (10) 気候変動気候変動が当社グループの事業に及ぼすリスクについては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4) 気候変動への取組 - TCFD提言 への対応」をご参照ください。 (11) 人材の確保と育成当社グループは「最大の経営資源は人である」と考えており、どこよりも「人」がイキイキしている企業を目指しています。CASEやカーボンニュートラルに代表される時代の要請に応えるため、高度専門的な領域で活躍いただける「人」の確保をより積極的に目指すだけでなく、多様な価値観を持つ従業員が最大活躍できるダイバーシティの理解・浸透、また、働き方の多様化を踏まえた育成強化や自律的に働くことができる制度・環境整備、新たな価値創造に果敢に挑戦できる文化・風土作りを推進していきます。しかしながら、採用競争の激化により計画通りの採用が行えなかった場合や、人材流動性の高まりにより離職率が増加した場合、もしくはダイバーシティの浸透や人材育成、職場風土の改善などが計画通りに進まず、当社グループの「人」が活躍できない場合には、中長期的に当社グループの経営や事業活動に影響を及ぼす可能性があります。 金融・経済に係るリスク(1) 為替レートの変動当社グループは、日本から世界各地域へ製品を輸出しているほか、海外の工場で製造した製品を世界の他の市場へ輸出するなど、グローバルな事業活動を展開しています。これらの取引は様々な通貨を通じて行われているため、為替レートの変動は当社グループの経営成績と財政状態に影響を与えます。加えて、海外の現地通貨建の資産・負債等を円換算しているため、為替レート変動により、為替換算調整勘定を通じて自己資本に悪影響を及ぼす可能性があります。また、為替レート変動リスクを最小限にするために為替予約を行っていますが、為替レートの変動状況によっては機会損失が発生する可能性があります。 (2) 原材料価格の上昇当社グループは、原材料及び部品の購入を複数のサプライヤーに依存しています。共創活動によるサプライチェーンの強靭化を進めておりますが、中東地域の情勢不安など地政学リスクの高まりや、半導体を含む需給の逼迫及び環境規制などの要因による原材料の価格や物流費、エネルギー価格の高騰や人件費の上昇等により、当社グループ及びサプライヤーのコストが上昇する可能性があります。これに対して、生産性向上などの内部努力による製造コストの低減の他に、調達条件の見直し等によりコスト抑制に努めておりますが、これらの対応のみでは、コスト上昇を十分に吸収出来ない可能性があります。また、市場競争環境や顧客動向によっては、当社グループのみでの製品価格引き上げが困難となる場合があり、上昇コストの十分な製品価格転嫁が実現できない可能性があります。これらの影響が顕在化した場合、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3) 資金調達環境の変化と金利の変動等当社グループは、銀行からの借入に加え、株式及び社債の発行等により資金調達を行っています。しかしながら、今後、金融市場が混乱した場合、税制改正や政府系金融機関の制度変更等がなされた場合、もしくは当社グループの信用格付けが引き下げられた場合等においては、資金調達コストの増加や必要とする金額の資金調達が困難となること等により、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの有利子負債には金利変動の影響を受けるものが含まれており、金利上昇により金融コストが上昇した場合には、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループの財務内容の悪化が一部借入金等の財務制限条項に抵触し、期限の利益を喪失することとなった場合には、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 政治・規制・法的手続・災害等に関するリスク(1) 環境等に関する法的規制当社グループは、事業展開する各国において、燃費及び排気ガス、車両の安全性、製造工場からの汚染物質排出レベルに関する規制などの環境規制のほか、労働規制など、様々な法的規制を受けています。とくに昨今、カーボンニュートラル化への要求が世界的に急速に高まっています。当社グループとしても、企業としての社会的責任を果たすため、「Well-to-Wheel(燃料採掘から車両走行まで)」視点に加えて、クルマの製造、物流、廃棄、リサイクルまでカバーするライフサイクルアセスメント(LCA)視点でのCO2削減に向けて、各国の電源事情や使用環境、お客様の多様性やご要望を踏まえた、電動化のマルチソリューションにより課題解決に取り組んでおります。しかしながら、今後、欧米等における更なる政策や法的規制の強化によるコストの増加などにより、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 国際的な事業活動に伴うリスク当社グループは、日本を始め世界各地域で製品を販売しており、米国、欧州及び発展途上市場や新興市場を含む海外市場において事業活動を行っています。これらの海外市場での事業展開には以下のようなリスクが内在しており、当該リスクの顕在化により、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。・不利な政治、経済要因・法律または規則の変更による障害・関税などの輸出入規制、不利な税制及びその他の規制・検疫強化や船舶不足等による製品物流の逼迫・人材の採用と確保の難しさ・未整備のインフラ・ストライキ等の労働争議・テロ、戦争あるいは新型コロナウイルス感染症のような疾病その他の要因による社会的混乱や規制 (3) 自然災害や事故に関するリスク当社グループは、製造設備等の主要施設に関して、防火、耐震対策などを実施すると共に、財務リスクを最小化すべく災害保険加入等の対策を行っています。しかしながら、南海トラフ地震などの大規模な地震、台風、豪雨、洪水等の自然災害及び火災等の事故の発生により製品供給に重大な支障を来たした場合、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

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