事業の概要
- 自動車部品の製造販売武蔵精密工業は、自動車のエンジンや駆動系、サスペンション、ステアリングなどに使われる様々な部品を製造・販売しています。具体的には、パワートレイン部品(エンジンの力を伝える部分)やサスペンション部品(車体を支え衝撃を吸収する部分)、ステアリング部品(ハンドル操作を伝える部分)などが主力製品です。これらの部品は、自動車だけでなく、工作機械や産業機械など幅広い分野で利用されています。
- グローバルな生産体制同社は日本を含む世界各地に製造拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。例えば、北米、欧州、アジア、中国など、主要な自動車生産地域に子会社を設立し、それぞれの地域で部品の製造・販売を行っています。これにより、各地域の顧客ニーズに合わせた供給体制を構築し、効率的な事業運営を図っています。
- 本田技研工業との関係主要な取引先として本田技研工業株式会社があり、同社との継続的で緊密な事業関係が特徴です。ホンダグループへの売上高比率は約50%と高く、安定した取引基盤となっています。この関係は、同社の事業の安定性の一因である一方で、ホンダグループの事業戦略や購買政策が業績に大きな影響を与える可能性も示唆しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 北米事業北米地域は、売上高1045.66億円、営業利益63.31億円と、同社にとって最も大きな売上を誇る稼ぎ頭のセグメントです。自動車用パワートレイン部品やサスペンション部品などを製造販売しており、ムサシオートパーツミシガン・インコーポレーテッドなどが主要な関係会社として事業を推進しています。
- 欧州事業欧州地域は、売上高819.03億円、営業利益91.63億円と、北米に次ぐ規模を持ち、営業利益率が高い点が特徴です。この地域では、ムサシハンガリーマニュファクチャリング・リミテッドなどが中心となり、自動車部品の製造販売を行っています。高い収益性は、効率的な生産体制や市場での競争力の高さを示唆しています。
- 日本事業日本地域は、売上高399.13億円、営業利益43.87億円を計上しています。同社の本社所在地であり、九州武蔵精密株式会社やMusashi AI株式会社などが主要な関係会社として、パワートレイン部品、サスペンション部品、2輪車部品などの製造販売を行っています。技術開発や新たな事業創出の拠点としての役割も担っています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Japan | 地域 | 399 | 44 | 11.0% |
| NorthAmerica | 地域 | 1,046 | 63 | 6.1% |
| Europe | 地域 | 819 | 92 | 11.2% |
| Asia | 地域 | 315 | 5 | 1.7% |
| SouthAmerica | 地域 | 893 | -7 | -0.8% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社及び当社の子会社(武蔵精密工業株式会社及び子会社36社により構成)は、自動車用パワートレイン部品・サスペンション部品・ステアリング部品・トランスミッション部品等の製造販売を主な事業内容とし、その製品は、自動車、工作機械、産業機械等多くの産業に使用されております。また、当社と継続的で緊密な事業上の関係にあるその他の関係会社である本田技研工業株式会社(輸送用機器等の製造販売)は主要な取引先であります。当社及び当社の子会社の事業内容及び当該事業に係る位置づけ及びセグメントとの関連は次のとおりであります。製品事業主要製品PT(パワートレイン)プラネタリィギヤアッセンブリィ、デファレンシャルギヤアッセンブリィ、ベベルギヤ、リングギヤ、カムシャフト、バランスシャフト、減速機ギヤ(リダクションギヤ)・トランスミッションギヤ、ギヤボックスユニットL&S(リンケージ& サスペンション)サスペンションアームアッセンブリィ、サスペンションボールジョイント、ステアリングボールジョイント、各種連結用ジョイント2輪2輪車用トランスミッションギヤアッセンブリィ、2輪車用カムシャフト、2輪車用キックスターター部品、その他2輪車用駆動系部品、汎用エンジン部品(1)PT パワートレイン当事業においては、上記主要製品の製造販売をしております。セグメント区分は製造拠点ごとの区分によっており、当該区分ごとの主要な関係会社の名称は、以下のとおりであります。(日本)当社九州武蔵精密株式会社武蔵キャスティング株式会社Musashi AI株式会社武蔵エナジーソリューションズ株式会社(米州)ムサシオートパーツミシガン・インコーポレーテッドムサシオートパーツカナダ・インコーポレーテッドムサシオートパーツメキシコ・エス・エー・デ・シー・ブイムサシドブラジル・リミターダMusashi AIノースアメリカ・インコーポレーテッド(アジア)ムサシオートパーツカンパニー・リミテッドピーティー・ムサシオートパーツインドネシアムサシオートパーツインディア・プライベートリミテッド(中国)武蔵精密汽車零部件(中山)有限公司武蔵精密汽車零部件(南通)有限公司武蔵汽車零部件(天津)有限公司(欧州)ムサシハンガリーマニュファクチャリング・リミテッドムサシバードゾーベルンハイム・ゲーエムベーハー・ウント・コー・カーゲームサシボッケナウ・ゲーエムベーハー・ウント・コー・カーゲームサシリュッホ・ゲーエムベーハームサシグロルスハイム・ゲーエムベーハー・ウント・コー・カーゲームサシハンミュンデンホールディング・ゲーエムベーハームサシライネフェルデマシニング・ゲーエムベーハー・ウント・コー・カーゲームサシスペインビジャルバ・エスエルムサシハンガリーフゼザボーニー・カーエフテー (2)L&S リンケージ& サスペンション当事業においては、上記主要製品の製造販売をしております。セグメント区分は製造拠点ごとの区分によっており、当該区分ごとの主要な関係会社の名称は、以下のとおりであります。(日本)当社(米州)ムサシオートパーツカナダ・インコーポレーテッドムサシオートパーツメキシコ・エス・エー・デ・シー・ブイ(アジア) (中国)(欧州)ムサシオートパーツカンパニー・リミテッドピーティー・ムサシオートパーツインドネシアムサシオートパーツインディア・プライベートリミテッド武蔵精密汽車零部件(中山)有限公司ムサシハンガリーマニュファクチャリング・リミテッド (3)2輪当事業においては、上記主要製品の製造販売をしております。セグメント区分は製造拠点ごとの区分によっており、当該区分ごとの主要な関係会社の名称は、以下のとおりであります。(日本) 当社九州武蔵精密株式会社(米州) (アジア) ムサシドブラジル・リミターダムサシダアマゾニア・リミターダムサシオートパーツカンパニー・リミテッドピーティー・ムサシオートパーツインドネシアムサシオートパーツインディア・プライベートリミテッドムサシオートパーツベトナムカンパニー・リミテッド 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 培ってきた高い技術力とグローバル生産体制を活かし、積極的な顧客提案を進める。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 ギヤ技術による静音化、高強度で静音性に優れ、省電費に貢献するスムーズなギヤやディファレンシャルの製品ラインナップ。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:市場環境の変化による売上高減少 / 電動化の進展による自動車業界の構造変化 / 特定の取引先(ホンダグループ)への依存
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
武蔵精密工業は、長年培ってきた精密加工技術と、自動車部品業界における一定のブランド認知度を持つ。特に、デファレンシャルアセンブリなどのコア部品における技術力は、新規参入障壁となりうるが、特許による独占性は限定的。
スイッチングコスト★★☆☆☆
自動車メーカーとの長年の取引関係と、部品の仕様適合性から、一定のスイッチング・コストは存在する。しかし、プラットフォーム共通化やサプライヤー多様化の動きもあり、乗り換えリスクはゼロではない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
同社の事業モデルは、直接的なネットワーク効果を生み出すものではない。製品の普及がユーザー数の増加に直結するようなプラットフォームビジネスではない。
コスト優位★★☆☆☆
長年の生産ノウハウと、グローバルな生産拠点網による効率化努力は存在する。しかし、原材料価格の変動や、競合他社も同様の効率化を進めているため、構造的なコスト優位性は限定的。
規模の経済★★★☆☆
デファレンシャルアセンブリなどの特定部品においては、グローバルで高いシェアを誇る。この規模の経済性は、生産効率や調達力において一定の競争優位性をもたらしている。
- 多様な自動車部品技術武蔵精密工業は、パワートレイン、サスペンション、ステアリング、トランスミッションなど、自動車の主要な機能に関わる多岐にわたる部品の製造技術を持っています。プラネタリィギヤアッセンブリィやカムシャフト、サスペンションアームアッセンブリィなど、専門性の高い製品群を開発・生産できる技術力は、同社の競争力の源泉です。
- 世界規模の生産ネットワーク日本、米州、アジア、中国、欧州に広がる36社の子会社からなるグローバルな生産・供給体制を構築しています。これにより、各地域の顧客への迅速な対応や、地政学リスクの分散、効率的なサプライチェーンの構築が可能となり、安定した製品供給とコスト競争力の維持に貢献しています。
- 主要顧客との強固な関係長年にわたり主要な取引先である本田技研工業株式会社との緊密な関係を築いています。これは、同社の技術力と品質が信頼されている証であり、安定した受注基盤となっています。特定の顧客への依存はリスクにもなり得ますが、同時に安定的な収益源としての強みも持ち合わせています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1)経営方針当社グループは、Origin(創業の精神)、Purpose(使命)、Way(行動指針)で構成されるムサシフィロソフィーを基軸に事業を運営しております。 ムサシフィロソフィー 激変する事業環境の中、当社は長い歴史の中で培った挑戦のDNAを受け継ぎ、長期ビジョン「Go Far Beyond! ~枠を壊し冒険へ出かけよう!~」を実現することで、新たな価値の創出と更なる成長を目指します。 ・ムサシ100年ビジョン Go Far Beyond! ~枠を壊し冒険へ出かけよう!~ -人:自らの限界を壊し、ワクワクする仕事をしよう!-しくみ:組織・風土の壁を壊し、常に変革を起こそう!-事業:常識・既成概念を壊し、世界をあっと驚かせよう! (2)中長期的な経営戦略当社グループにおいては、ムサシ100年ビジョンの実現に向け、人・しくみ・事業の各視点で以下の方針を定め、既存事業(コア事業)の深化と、新規事業の創出による更なる成長を目指しています。 ・人:ムサシフィロソフィーの体現、ビジョンへの挑戦ムサシ100年ビジョンのグローバルでの実践に向けて、将来を担う、高いスキルを持ったプロ人財や、新しい働き方で価値を生み出す自律人財の育成を目指しています。全ての活動の基軸であるムサシフィロソフィーについて、階層別の期待行動を具体化し、実践のための教育プログラムの整備やそれに連動した人事評価制度のしくみを導入することで、各個人が能力を高め、発揮し、活躍できる環境・企業文化づくりを進めてまいります。 ・しくみ:Musashi DXの実現デジタル技術を活用した業務の標準化、自動化、最適化により業務プロセスを高効率化し、さらにデジタル化されたプロセスの中で蓄積されるデータの利活用により、新たな価値の創出にも挑戦します。また、デジタルトランスフォーメーション実現のため、進化したツールを使いこなし、価値を生み出すことができるデジタル人財の育成にも取り組んでいます。デジタル技術に対するリテラシー向上や、クラウドツールを活用した業務改善アプリの製作といった実践スキルを学ぶプログラムを整備し、新たな時代の成長基盤となるデジタル前提の企業文化を構築してまいります。 ・事業:強いコア事業の確立、新規事業の創出電動化の機会をとらえた、コア事業の拡大と収益性の向上に取り組みます。QCD+E(品質、コスト、デリバリー+環境)の観点で最適なものづくりを追求していくとともに、将来を担う新技術の仕込みや、オープンイノベーションによる新規事業の創出にも取り組みます。当社グループの得意技術を活かした電動車向け商品の競争力強化・ラインナップの拡充に加え、既存商品の稼ぐ力を継続的に高めることで、電動化時代のキーデバイスサプライヤーとしての成長を目指します。また新規事業領域においては、主要4分野(e-Mobility、Energy Solution、Smart Industry、Well-being)において、社会課題の解決に貢献できる事業の創出に取り組んでいます。 ・Musashi GX(グリーン戦略の推進)当社は、2021年5月にカーボンニュートラルの実現に向けた中長期目標を発表いたしました。当社が創業100周年を迎える2038年までに事業活動(*1)でのカーボンニュートラル(グリーンオペレーション100)、2050年までにバリューチェーン全体のカーボンニュートラルの実現を目指します。全ての事業活動を対象に、省エネ化や再生可能エネルギーの利用拡大などの取り組みを価値に変えるグリーン戦略を策定・実行してまいります。製造工程においては、CO2の見える化と徹底的な省エネ化、再エネ活用を進め、CO2排出を抑えた低炭素商品の実現を目指しています。また、自動車のCO2排出低減に貢献できる技術・商品の開発や、一人ひとりの意識・行動を変えていくことによる事業活動全般における低炭素化を通じ、カーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。(*1) GHGプロトコルのScope1,2を対象 (3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標当社グループでは、収益性の向上を経営上の重要課題の一つとして捉えています。競争力の高い商品開発や生産プロセスの効率化、財務規律の確保に向けた諸施策により、売上高に対する利益率や資本効率性(ROA・ROE・ROIC)を高め、長期的な企業価値向上を目指しています。このほか、自己資本比率や借入金依存度などの指標により財務の安全性や健全性にも配慮しております。 (4)経営環境及び対処すべき課題等自動車業界では、米国による新たな関税政策の導入など、事業環境が急激に変化しています。これまで進んできたEVシフトについても、中国ではEV比率が50%近くまで上昇し現地メーカーの躍進が著しい一方、欧州では補助金政策見直しにより市場成長が鈍化しています。米国ではハイブリッド車のシェアが増加するなど、地域ごとでばらつきが見られてきています。当社グループでは、これらの外部環境変化を踏まえ、自動車部品事業の競争力を維持しつつ、テクノロジーを活かした新規事業展開を加速するため、以下を重要課題として取り組んでいます。 1.グローバルオペレーションの強化+マネジメント体質の向上による"稼ぐ力"の最大化今後の成長につなげる原資を確実に確保するため、既存のインフラを最大限に活用します。生産現場では、デジタル技術をフル活用した工場自動化に取り組んでいます。生産体質の改善を進めることにより、収益力の向上につなげます。 2.EV時代をリードする事業構造への転換当社グループは、EV、ハイブリッド車、内燃機関車、それぞれの機構変化に柔軟に対処できる多様な戦略オプションを構築しています。特に、EV化の進展に伴い必要とされるデファレンシャルアッセンブリィのコンパクト化、減速ギヤ/シャフトの高精度化・静音、リンケージ&サスペンション部品の軽量化・低フリクション化を通じ、顧客に選ばれる付加価値の高い商品を提供します。 3.新規事業の1→10フェーズの加速新規事業領域では、Energy Solution事業が成長期に入っています。ハイブリッドスーパーキャパシタ(HSC)は、高い出力密度とエネルギー密度を高度に両立する特性を持ち、大規模データセンター向けのニーズが高まっています。旺盛な需要にお応えするため 、急ピッチで生産体制の整備を進めています。既存工場の生産能力拡張に加え、山梨県南アルプス市に年間生産能力500万セルの新工場を建設しています。e-Mobility事業では、インドで2輪EV向けe-Axleの量産を開始しました。アフリカではケニアやエチオピアの政府や現地パートナーと連携し市場開拓を進めています。Smart Industry事業では、北米でAI外観検査機の受注が拡大しました。物流分野での効率化ソリューションの提供も目指しています。 4.事業活動を通じたサステナビリティの実現当社の事業活動は、ムサシフィロソフィーを基軸にしています。ムサシ100年ビジョン"Go far beyond!"の実現を目指し、事業活動そのものを通じて社会課題の解決に貢献することで、持続的な成長とサステナブルな社会の実現に取り組みます。 5.貿易環境の変化に対応する強靭なサプライチェーンの構築当社グループでは貿易環境の変化に迅速かつ戦略的に対応するため、各市場の特性に合わせた現地生産体制の強化や、国・地域間の部品供給ネットワークの最適化を進めています。生産体制の最適化だけでなく、調達の見直しも含めた包括的な対応策を講じることにより、関税政策の変化に柔軟に対応できる強靭なサプライチェーンの構築を目指します。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1)経営方針当社グループは、Origin(創業の精神)、Purpose(使命)、Way(行動指針)で構成されるムサシフィロソフィーを基軸に事業を運営しております。 ムサシフィロソフィー 激変する事業環境の中、当社は長い歴史の中で培った挑戦のDNAを受け継ぎ、長期ビジョン「Go Far Beyond! ~枠を壊し冒険へ出かけよう!~」を実現することで、新たな価値の創出と更なる成長を目指します。 ・ムサシ100年ビジョン Go Far Beyond! ~枠を壊し冒険へ出かけよう!~ -人:自らの限界を壊し、ワクワクする仕事をしよう!-しくみ:組織・風土の壁を壊し、常に変革を起こそう!-事業:常識・既成概念を壊し、世界をあっと驚かせよう! (2)中長期的な経営戦略当社グループにおいては、ムサシ100年ビジョンの実現に向け、人・しくみ・事業の各視点で以下の方針を定め、既存事業(コア事業)の深化と、新規事業の創出による更なる成長を目指しています。 ・人:ムサシフィロソフィーの体現、ビジョンへの挑戦ムサシ100年ビジョンのグローバルでの実践に向けて、将来を担う、高いスキルを持ったプロ人財や、新しい働き方で価値を生み出す自律人財の育成を目指しています。全ての活動の基軸であるムサシフィロソフィーについて、階層別の期待行動を具体化し、実践のための教育プログラムの整備やそれに連動した人事評価制度のしくみを導入することで、各個人が能力を高め、発揮し、活躍できる環境・企業文化づくりを進めてまいります。 ・しくみ:Musashi DXの実現デジタル技術を活用した業務の標準化、自動化、最適化により業務プロセスを高効率化し、さらにデジタル化されたプロセスの中で蓄積されるデータの利活用により、新たな価値の創出にも挑戦します。また、デジタルトランスフォーメーション実現のため、進化したツールを使いこなし、価値を生み出すことができるデジタル人財の育成にも取り組んでいます。デジタル技術に対するリテラシー向上や、クラウドツールを活用した業務改善アプリの製作といった実践スキルを学ぶプログラムを整備し、新たな時代の成長基盤となるデジタル前提の企業文化を構築してまいります。 ・事業:強いコア事業の確立、新規事業の創出電動化の機会をとらえた、コア事業の拡大と収益性の向上に取り組みます。QCD+E(品質、コスト、デリバリー+環境)の観点で最適なものづくりを追求していくとともに、将来を担う新技術の仕込みや、オープンイノベーションによる新規事業の創出にも取り組みます。当社グループの得意技術を活かした電動車向け商品の競争力強化・ラインナップの拡充に加え、既存商品の稼ぐ力を継続的に高めることで、電動化時代のキーデバイスサプライヤーとしての成長を目指します。また新規事業領域においては、主要4分野(e-Mobility、Energy Solution、Smart Industry、Well-being)において、社会課題の解決に貢献できる事業の創出に取り組んでいます。 ・Musashi GX(グリーン戦略の推進)当社は、2021年5月にカーボンニュートラルの実現に向けた中長期目標を発表いたしました。当社が創業100周年を迎える2038年までに事業活動(*1)でのカーボンニュートラル(グリーンオペレーション100)、2050年までにバリューチェーン全体のカーボンニュートラルの実現を目指します。全ての事業活動を対象に、省エネ化や再生可能エネルギーの利用拡大などの取り組みを価値に変えるグリーン戦略を策定・実行してまいります。製造工程においては、CO2の見える化と徹底的な省エネ化、再エネ活用を進め、CO2排出を抑えた低炭素商品の実現を目指しています。また、自動車のCO2排出低減に貢献できる技術・商品の開発や、一人ひとりの意識・行動を変えていくことによる事業活動全般における低炭素化を通じ、カーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。(*1) GHGプロトコルのScope1,2を対象 (3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標当社グループでは、収益性の向上を経営上の重要課題の一つとして捉えています。競争力の高い商品開発や生産プロセスの効率化、財務規律の確保に向けた諸施策により、売上高に対する利益率や資本効率性(ROA・ROE・ROIC)を高め、長期的な企業価値向上を目指しています。このほか、自己資本比率や借入金依存度などの指標により財務の安全性や健全性にも配慮しております。 (4)経営環境及び対処すべき課題等自動車業界では、米国による新たな関税政策の導入など、事業環境が急激に変化しています。これまで進んできたEVシフトについても、中国ではEV比率が50%近くまで上昇し現地メーカーの躍進が著しい一方、欧州では補助金政策見直しにより市場成長が鈍化しています。米国ではハイブリッド車のシェアが増加するなど、地域ごとでばらつきが見られてきています。当社グループでは、これらの外部環境変化を踏まえ、自動車部品事業の競争力を維持しつつ、テクノロジーを活かした新規事業展開を加速するため、以下を重要課題として取り組んでいます。 1.グローバルオペレーションの強化+マネジメント体質の向上による"稼ぐ力"の最大化今後の成長につなげる原資を確実に確保するため、既存のインフラを最大限に活用します。生産現場では、デジタル技術をフル活用した工場自動化に取り組んでいます。生産体質の改善を進めることにより、収益力の向上につなげます。 2.EV時代をリードする事業構造への転換当社グループは、EV、ハイブリッド車、内燃機関車、それぞれの機構変化に柔軟に対処できる多様な戦略オプションを構築しています。特に、EV化の進展に伴い必要とされるデファレンシャルアッセンブリィのコンパクト化、減速ギヤ/シャフトの高精度化・静音、リンケージ&サスペンション部品の軽量化・低フリクション化を通じ、顧客に選ばれる付加価値の高い商品を提供します。 3.新規事業の1→10フェーズの加速新規事業領域では、Energy Solution事業が成長期に入っています。ハイブリッドスーパーキャパシタ(HSC)は、高い出力密度とエネルギー密度を高度に両立する特性を持ち、大規模データセンター向けのニーズが高まっています。旺盛な需要にお応えするため 、急ピッチで生産体制の整備を進めています。既存工場の生産能力拡張に加え、山梨県南アルプス市に年間生産能力500万セルの新工場を建設しています。e-Mobility事業では、インドで2輪EV向けe-Axleの量産を開始しました。アフリカではケニアやエチオピアの政府や現地パートナーと連携し市場開拓を進めています。Smart Industry事業では、北米でAI外観検査機の受注が拡大しました。物流分野での効率化ソリューションの提供も目指しています。 4.事業活動を通じたサステナビリティの実現当社の事業活動は、ムサシフィロソフィーを基軸にしています。ムサシ100年ビジョン"Go far beyond!"の実現を目指し、事業活動そのものを通じて社会課題の解決に貢献することで、持続的な成長とサステナブルな社会の実現に取り組みます。 5.貿易環境の変化に対応する強靭なサプライチェーンの構築当社グループでは貿易環境の変化に迅速かつ戦略的に対応するため、各市場の特性に合わせた現地生産体制の強化や、国・地域間の部品供給ネットワークの最適化を進めています。生産体制の最適化だけでなく、調達の見直しも含めた包括的な対応策を講じることにより、関税政策の変化に柔軟に対応できる強靭なサプライチェーンの構築を目指します。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)の世界経済は、全体では緩やかな拡大基調を維持しましたが、地域ごとに成長格差が見られました。米国では底堅い個人消費に支えられ、主要先進国の中で相対的に高い成長を実現しました。欧州ではインフレ基調が続き、回復は緩慢なペースにとどまりました。アジアにおいては、中国で不動産開発投資の落ち込みにより成長が鈍化している一方、インドは引き続き堅調な内需に支えられて高い成長率を維持し、地域経済の牽引役となっています。また直近では、地政学的リスクの高まりや米国による新たな関税政策の導入が、世界経済の混乱要因となっています。当社は各国のお客様との連携を深めつつ、地域ごとの状況に対応した最適な生産・供給体制の構築を迅速に進め、経営の安定性と成長力の強化に取り組んでおります。自動車業界においては、EV市場の動向が変化し、地域ごとの特性が鮮明になっています。中国ではEV比率が50%近くまで上昇し、現地メーカーの躍進が顕著となる一方、日系メーカーが苦戦しています。欧州では補助金政策の見直しにより、自動車市場の成長が鈍化しています。米国ではハイブリッド車のシェアが増加しており、各社はEV戦略を再考しています。このような環境下で、複数のモデルを地域特性に合わせて展開する傾向が強まっています。このような事業環境の中、当社はEV、ハイブリッド車、内燃機関車それぞれの事業基盤を強化してまいりました。リンケージ&サスペンション事業では、車体重量が重いEVに対応した高耐久・低フリクションといった特長を持つボールジョイントが評価されています。特に中国地域では現地メーカーからの需要が拡大しています。パワートレイン事業では、新たなお客様よりEV向けのデファレンシャルアッセンブリィの受注を獲得し、顧客基盤の拡大を実現しました。製造現場においてはDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めています。遠隔環境から製造現場の状況把握を可能にするMAC(Musashi Active Connection)の活用によりリアルタイムでの生産管理と迅速な意思決定を実現し、収益力向上に貢献しています。新規事業領域では、Energy Solution事業において、ハイブリッドスーパーキャパシタ(HSC)の生成AI向け大規模データセンター向けのニーズが高まっています。現在、旺盛な需要にお応えするため、急ピッチで生産体制の整備を進めています。既存工場の生産能力拡張に加え、山梨県南アルプス市において年間生産能力500万セルの新工場を建設しています。e-Mobility事業では、インドにおいて2輪EV向けe-Axleの量産を開始しました。アフリカではケニアやエチオピアの政府や現地パートナーと連携し市場開拓を進めています。Smart Industry事業では北米でのAI外観検査機の受注が拡大しました。物流分野での効率化ソリューション開発の提供も目指しています。このような状況において、当連結会計年度の業績は、連結売上高は347,196百万円(前連結会計年度比0.8%減)と減収となりました。利益面では、連結営業利益は19,720百万円(同7.3%増)の増益、連結経常利益は17,981百万円(同15.6%増)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は7,782百万円(同1.7%減)の減益となりました。セグメント別の状況は次の通りです。(日本)海外向け部品の販売減少などにより、売上高は39,913百万円(前年同期比5.8%減)、セグメント利益は4,387百万円(同9.6%減)となりました。(米州)好調な客先需要の継続と円安の影響により、売上高は104,566百万円(同3.0%増)、セグメント利益は6,331百万円(同9.6%増)となりました。(アジア)2輪販売の増加と円安の影響により、売上高は81,903百万円(同7.7%増)、セグメント利益は9,163百万円(同39.4%増)となりました。(中国)日系の自動車販売低迷が継続しており、売上高は31,539百万円(同6.9%減)、セグメント利益は542百万円(同41.0%減)となりました。(欧州)客先需要の減少が継続し、売上高は89,274百万円(同7.1%減)、セグメント損失は740百万円(前連結会計年度は145百万円の利益)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、34,157百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,409百万円の増加となりました。当連結会計年度のキャッシュ・フローの増減状況は以下のとおりです。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、31,918百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益15,348百万円(前期は13,714百万円)、減価償却費18,710百万円(前期は19,569百万円)などの資金の増加要因によるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動の結果減少した資金は、16,096百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出15,055百万円(前期は12,642百万円)、投資有価証券の取得による支出1,825百万円(前期は2,767百万円)などによる資金の減少要因によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動の結果減少した資金は、7,743百万円となりました。これは主に借入の返済2,432百万円(前期は4,398百万円)、配当金の支払による支出3,275百万円(前期は1,633百万円)などによる資金の減少要因によるものです。 ③生産、受注及び販売の実績(ⅰ)生産実績当連結会計年度におけるセグメント別の生産実績を示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)日本40,37593.9米州105,082101.9アジア81,345105.2中国31,43295.6欧州87,80690.4合計346,04297.9(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。 (ⅱ)受注実績当連結会計年度におけるセグメント別の受注実績を示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)日本39,48791.21,30175.4米州104,610102.23,465101.3アジア82,134107.66,050104.0中国31,50592.957394.5欧州89,04692.51,75688.5合計346,78398.513,14797.0(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。 (ⅲ)販売実績当連結会計年度におけるセグメント別の販売実績を示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)日本39,91394.2米州104,566103.0アジア81,903107.7中国31,53993.1欧州89,27492.9合計347,19699.2(注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は、次のとおりであります。なお、本項に記載した予想、見込み、方針等の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 ①当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度における当社グループの計画の達成状況は以下のとおりです。指標2024年度(計画)2024年度(実績)2024年度(計画比)連結売上高335,000百万円347,196百万円12,196百万円増(3.6%増)連結営業利益18,500百万円19,720百万円1,220百万円増(6.6%増)親会社株主に帰属する当期純利益9,500百万円7,782百万円1,718百万円減(18.1%減)1株当たり当期純利益145.41円118.80円26.61円減当連結会計年度における連結売上高は計画比12,196百万円増(3.6%増)となりました。連結営業利益は計画比1,220百万円増(6.6%増)となりました。これらは、米州及びアジアで想定よりも販売が好調であったためです。また、親会社株主に帰属する当期純利益は計画比1,718百万円減(18.1%減)となりました。これは、保有する投資有価証券の評価損を計上したためです。その結果1株当たり当期純利益は計画比26.61円減となりました。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(ⅰ)キャッシュ・フロー当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。(ⅱ)借入金等の状況2025年3月31日現在の借入金等の概要は以下のとおりであります。区分年度別要支払額(百万円)1年以内1年超5年以内5年超合計短期借入金35,940--35,940長期借入金10,85248,7171,27660,845上記の表において、連結貸借対照表の1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。(ⅲ)財務政策当社グループは、運転資金につきましては、内部資金及び短期借入金で調達しております。また設備資金につきましては、内部資金及び長期借入金で調達しております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、重要な見積りや仮定を行う必要があります。重要な見積りを伴う会計方針とは、本質的に不確実性があり、次年度以降に変更する可能性がある事項、または当連結会計年度において合理的に用いうる他の見積りがあり、それを用いることによっては財政状態及び経営成績に重要な相違を及ぼすであろう事項の影響に関して見積りを行う必要がある場合に、最も困難で主観的かつ複雑な判断が要求されるものです。次に挙げるものは、当社グループのすべての会計方針を包括的に記載するものではありません。連結財務諸表に関して、認識している特に重要な見積りを伴う会計方針は、以下のとおりです。○退職給付費用及び退職給付債務当社グループは退職給付債務に関する割引率等の仮定の変化による実際の退職給付債務の差額は、発生した連結会計年度に債務認識し、翌連結会計年度から費用処理しております。経営者は、現在使用している仮定は妥当であると考えておりますが、仮定の変更により退職給付費用及び退職給付債務に影響を与える可能性があります。○固定資産の減損当社グループが減損を判定する際のグルーピングは欧州地域を除き原則として会社単位で行い、減損の兆候が認められる場合は、減損テストを実施し、その結果、減損損失の認識が必要と判定された場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として認識しています。当社グループは、将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りは合理的であると考えておりますが、将来の予測不能なビジネスの前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。なお、重要なものについては、第5 経理の状況 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。 ○投資有価証券の減損判定当社グループは、市場価格のない株式等以外のものについては、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合は減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、回復可能性を考慮して減損処理を行っております。また、市場価格のない株式等については、第5 経理の状況 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。 ○繰延税金資産当社グループは、繰延税金資産を計上する際には将来の課税所得を合理的に見積もっており、繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合は、評価性引当額を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額が減少した場合、繰延税金資産の減額又は評価性引当額を計上することにより税金費用が増額する可能性があります。
事業リスク
- 市場環境の変化と競争激化景気後退や経済危機により、自動車部品の需要が減少し、売上高が低下する可能性があります。また、自動車業界では電気自動車(EV)化の進展により、必要な部品点数が減少する構造変化が起きており、これが同社の売上高に影響を与える可能性があります。EV、ハイブリッド車、内燃機関車いずれの需要にも対応できる事業構造への転換が求められます。
- 特定の取引先への依存主要な取引先であるホンダグループへの売上高比率が約50%と高く、ホンダグループの事業戦略や購買政策の変更が同社の業績に大きな影響を与える可能性があります。この依存度が高いことは、安定した取引がある一方で、顧客の動向に業績が左右されやすいというリスクを抱えています。
- グローバル事業展開に伴うリスク世界各国で事業を展開しているため、政情不安、規制強化、自然災害、為替変動、関税変動など、地域特有のリスクに晒されています。これらの要因により、素材の確保、生産活動、製品の供給に問題が生じたり、コストが増加したりすることで、業績が悪化する可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】当社グループでは、経営におけるリスク、およびそのリスクが及ぼす影響を的確に把握し、事業への影響を回避・低減するリスクマネジメント活動を通じて、事業の競争力を維持し、継続的な企業価値の向上を目指しています。経営におけるリスクは、国内/海外拠点共通の指標にて評価しており、結果を取締役会での報告/検証をすることで、リスクマネジメントの実効性を保証しています。有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、事業に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月20日)現在において当社グループが判断したものです。記載されたリスクが当社グループの全てではありません。 1)市場環境の変化景気後退や経済危機により、当社グループ商品の売上高が減少する可能性があります。 (対応策)市場・顧客の需要動向を監視し、ニーズに合わせた柔軟な生産体制の構築を行うことでリスクの影響を低減します。 2)電動化の進展による自動車業界の構造変化、競争の激化自動車の電動化進展により必要部品点数が減少した場合、当社グループの売上高に影響を与える可能性があります。 (対応策)EV、ハイブリッド車、内燃機関車いずれの需要に対しても対応できる変化に強い事業構造の構築、付加価値の高い商品の開発、製造を通じてリスクの影響を低減します。 3)地域的要因によるリスク当社グループは世界各国で事業展開をしているため、政情不安、規制の強化等により、素材確保、生産活動、商品の供給に問題が生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (対応策)海外子会社を通じて、情報の現地の情報収集に努めるとともに、グループ間での相互補完ができる生産体制、サプライチェーンの構築を通じてリスクの影響を低減します。 4)地震等の自然災害大規模な自然災害が発生した場合、生産活動の停止、復旧に要する費用の発生等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (対応策)災害発生時の体制、対応を文書に定め、被害の最小化と早期解決を図る仕組みを構築することにより、リスクの影響を低減します。 5)環境及びその他の規制当社グループでは、2050年までにバリューチェーン全体のカーボンニュートラル実現を目指しています。省エネ化や再生可能エネルギーの利用拡大のための設備投資や管理コストの上昇が見込まれ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (対応策)段階ごとの目標値を適切に管理することで、効果的な環境対策に取り組むことで、リスクの影響を低減します。 6)特定の取引先への依存当社グループの業績は、ホンダグループの事業戦略や購買政策等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。2025年3月期では、主要な取引先であるホンダグループへの売上高比率は約50%でした。 (対応策)培ってきた高い技術力とグローバル生産体制を活かし、積極的な顧客提案を進めます。また、新規事業の成長により、特定事業に依存するリスクの影響を低減します。 7)特定のサプライヤーへの依存当社グループは、多数のサプライヤーから部品・原材料等を購入しております。製品の製造において使用するいくつかの部品・原材料等については、一部の取引先に依存しております。購入品の入手困難、価格高騰により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (対応策)主要サプライヤーとの関係維持に加え、新たなサプライチェーンの開拓、見直しを進めることで、競争力のある価格で原材料等を調達することでリスクの影響を低減します。 8)製品の欠陥のリスク大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の不具合が起きた場合、多額の対応コストが必要となります。また当社グループの評価に重大な影響を与えることで、売上が低下し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (対応策)開発から量産に至るプロセス中に複数の確認ゲートを設け、商品品質を評価、保証する仕組みを通じて、お客様に信頼頂ける生産・供給体制を実現し、リスクの影響を低減します。 9)新規事業展開に関するリスク新規事業の創出にあたって、新技術の獲得や、事業開発のスピード向上のために、M&Aやスタートアップ企業への出資を伴う共同開発を行っております。対象企業の事業活動が想定通りに推移しない場合、また対象企業に想定しなかった問題点が発見された場合等には、減損損失の発生によって当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (対応策)経営会議における投資判断の厳格な検証に加え、出資先の事業計画の進捗を継続的にモニタリングすることで、リスクの影響を低減します。 10)合弁事業のリスク当社グループはグローバル展開並びに新技術や新製品の開発強化のため、外部企業との間で資本提携・業務提携等を推進しております。これらの合弁事業は、合弁先の経営方針、経営環境の変化により影響を受けることがあります。それにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (対応策)経営会議における投資判断の厳格な検証に加え、合弁会社の事業計画の進捗を継続的にモニタリングすることで、リスクの影響を低減します。 11)固定資産の減損に係るリスク当社グループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化等により収益性が低下した場合には、減損損失が発生し当社グループの財政状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (対応策)経営会議における投資判断の厳格な検証に加え、事業計画の進捗を継続的にモニタリングすることで、リスクの影響を低減します。 12)為替変動リスク当社グループではグループ間の海外拠点に対し、製品・半製品を輸出しております。為替レートの変動は、当社グループの財政状態、経営成績、競争力にも影響し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (対応策)当社グループは当該リスクを軽減するため、為替予約契約等を締結しております。 13)関税変動リスク当社グループではグループ間の海外拠点に対し、製品・半製品を輸出しております。関税政策の変動は、当社グループの財政状態、経営成績、競争力にも影響し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (対応策)海外子会社を通じ、現地の情報収集に努めております。状況に応じて、取引先との交渉、サプライチェーンの見直しを通じてリスクの影響を低減します。 14)情報セキュリティリスク外部からのサイバー攻撃や当社グループが利用する情報システムにアクセスすることができる者による不正使用等によって、機密情報等の改ざん・流出、あるいは重要な業務・サービスの停止等が発生する可能性があります。その結果、社会的信用の低下、影響を受けた関係者に対する損害賠償責任の発生等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (対応策)リスク発生時の体制、対応を定め、被害の最小化と早期解決を図る仕組みを構築しリスクの影響を低減します。 15)人権に関するリスク昨今、グローバル社会でビジネスにおける人権尊重への取り組みの重要性が高まる中、差別やハラスメントによるコンプライアンス違反が発生した場合、社会的信頼が失墜し、連結会社の業績及び財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。 (対応策)2025年2月に新たに「Musashi 人権方針」を定義し、人権の尊重、強制労働や差別の禁止を明文化し、グループで共有し、徹底を図っています。