経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針人生は「ある日」の積み重ねでできています。当社グループは、ライフステージに応じた住まいの実現を金融面からサポートし、お客さまの大切な「ある日」をお手伝いし、笑顔溢れる社会に貢献します。当社グループは、全国の店舗をはじめとする多様なチャネルを通じて、個人のお客さまには、固定金利商品も変動金利商品も取り揃えている住宅ローンに加え、自宅の買替えに伴う様々な資金に活用できるマイホーム売却サポートローン、自宅売却後も賃借し住み続けることができるリースバックを、住宅ローンの主要パートナーである不動産事業者さまへは仕入資金ローンや仕入物件を、ご提供しています。当社グループは、多様な金融サービス、卓越したオペレーション、パートナーネットワークを通じて、お客さまにとってファーストチョイスとなる住宅金融のリーディングカンパニーを目指します。 (2)中期的な経営戦略今後の住宅市場においては、人口や居住用不動産全体の流通量はやや微減となるものの、社会の多様化によるシングル、シニア、外国籍の方の増加などを背景に、同顧客層などにおける住宅ニーズが高まると考えております。また、住宅ローン市場においては、住宅市場に連動し、市場全体としては微減傾向となるものの、今後増加が見込まれる顧客層からの借入ニーズの高まりに加え、日本銀行の金融政策の正常化を進める中での段階的な政策金利の引き上げにより、固定と変動の金利差が縮小傾向となり、固定金利化ニーズが高まると考えております。また、当社の足元の課題としては、事業環境の変化に対応するための営業現場、オペレーション及びプロパーローンの強化、外部環境に左右されやすいフロー偏重の収益構造からの脱却、更なるSBIグループリソース・機能の活用、と考えております。このような事業環境見通し及び足元の課題を踏まえて、当社グループは、お客さまの各ライフステージにおける住宅金融サポート機能の構築を目指し、2025年5月に「中期経営計画2025」を策定しております。 当社は、「中期経営計画2025」において、①「フラット35」シェア圧倒的No.1、②成長領域への投資、③ストック収益50%超、の3つを重点施策として設定しております。具体的には、「フラット35」の年間シェアでの圧倒的No.1に向け、「営業ネットワーク」と「オペレーション」への投資を拡大し、更なるDX化を推し進めることにより事業基盤を強化してまいります。成長領域への投資に関しては、世帯数の増加や流通量の増加が見込まれるシングル、シニア、外国籍の方々といった新たな顧客層(成長領域)に対して、段階的にプロパーローンを中心とした商品開発の強化を進めます。それと同時にリスク・リターンのバランスを保ちながらリスクオンを実施するために更なるリスク管理体制を強化してまいります。ストック収益50%の達成に向けては、SBIエステートファイナンス、SBIスマイル、SBIギャランティ(以下、SBIEFグループ)の継続的な成長、SBIグループとの共同出資にて開始した保証事業においては、当社の住宅ローンに加え、SBIグループのリソースを活用することにより全国の金融機関への住宅ローン保証業務の取扱いを拡大してまいります。これにより、従来の金利動向に左右されやすいフロー収益に偏っていた収益構造からストック収益の割合を拡大させ、長期的に安定した収益構造の基盤確立を行ってまいります。 (3)目標とする経営指標中期経営計画における財務目標は、以下のとおりであります。指標2025年3月期(実績)2030年3月期(注)営業収益222億円550億円税引前利益24億円100億円ROE4.5%10.0%超 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、足元の課題認識を踏まえ、2025年5月に「中期経営計画2025」を策定しております。課題認識と戦略の方向性は以下のとおりです。 ① 営業体制及び販売チャネル当社グループは、FC店舗、直営店舗、直販拠点や、来店不要で手続きが可能な非対面チャネル、SBIEFグループの各店舗やSBIグループの親密地域金融機関との連携など、さまざまな販売チャネルを拡大して提供することで、より大きな市場に、より効率よくアクセス可能な体制を整備してまいりました。引き続き、当社グループの強みである「営業ネットワーク」への投資を拡大し、FC店舗中心の持続的な店舗展開、店舗の営業活動や接客スキルの平準化及び向上を目的としたデジタル営業ツールの拡充などDX化による営業支援の強化、お客さまの多様化するニーズへの対応に取り組んでまいります。FC店舗の出店において、新規FC店舗の人材確保が難しく、出店を見送るケースが複数発生しており、今後はこの課題を克服するための持続可能なモデルの開発を進めてまいります。まず直営店舗の出店を先行させ、営業基盤を確立した後に必要に応じてFC店舗に譲渡するなど環境変化に応じた機動的な店舗配置を行うことで、ビジネス機会の損失を防いでまいります。また、営業体制の強化及び販売チャネルの拡大を進めるうえで、FC店舗を含む人材の安定的な確保、研修などの教育制度による能力向上及びコンプライアンスの推進が課題であると認識しております。そのため、店舗チャネルの戦略的な運営を従来以上に推し進め、販売体制の強化とコンプライアンスの推進に継続的に取り組んでまいります。 ② オペレーション体制当社グループは、住宅ローン業務において、OCR(Optical Character Recognition)やRPA(Robotic Process Automation)、AI等の最先端テクノロジーを活用して、お客さまの利便性と営業及び事務効率の向上に取り組んでおります。また、審査プロセスの強化やeKYC等のテクノロジーを活用した住宅ローン不適正利用の予防に取り組んでおります。一方で、多様化する商品・顧客属性などに伴う事務工数の増加が発生しているため、今後も引き続きテクノロジー活用領域の拡張を進め、DX化を推進してまいります。DX化を通じて、お客さま、不動産事業者さま、FC店舗にとって最適なプロセス構築を目指します。オペレーション体制の強化において、イノベーション・チャレンジを継続することが当社グループの責務かつ課題であると認識しております。 ③ 競合他社の状況と商品ラインアップ住宅ローン市場においては、銀行等が提供する変動金利商品が全住宅ローンの約90%(注1)の市場を占有し、貸出金利、付帯サービス拡充などの競争が激化しています。住宅価格の上昇及び物価高の影響で月額返済額の低減ニーズが高まったことに加え、日本銀行の金融政策修正により長期金利が先行して上昇したことを受け、固定と変動の金利差が拡大したことで、全期間固定金利の「フラット35」にとっては厳しい市場環境が続いておりました。しかしながら、2024年度下期以降、日本銀行が金融政策の正常化を進める中で、段階的に政策金利の引き上げを行ったことにより、固定と変動の金利差が縮小傾向となっております。当該外部環境の中、当社の課題であったFC店舗領域における変動金利商品として「ARUHI 住宅ローン(MG保証)」に加え、2025年4月に「ARUHI 住宅ローン(SBI信用保証)」をリリースすると共に、「ARUHI フラット50」などの月額返済額の軽減ニーズに対応した毎月の返済額を抑える超長期住宅ローンを導入いたしました。また、当社は、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供している全期間固定金利商品である「ARUHIフラット35」(「フラット35(買取型)」)に加え、当社独自の全期間固定金利商品である「ARUHIスーパーフラット」(「フラット35(保証型)」)の拡販や「フラット35」子育てプラス、ペアローンなどを活用し、固定金利市場の拡大を図っています。2025年3月期の「フラット35」の融資実行件数(借換を含む)シェアは26.3%(前年比1.6%増)となり、15年連続で第1位(注2)となりました。固定と変動の金利差の縮小傾向という固定金利商品に吹き始めているフォローの風を確実につかみ、引き続き「フラット35」シェア圧倒的No.1に向け、事業基盤を強化してまいります。加えて、既存の取扱商品では、世帯数の増加や流通量の増加が見込まれるシングル、シニア、外国籍の方々といった今後の成長領域において取りこぼしの発生が見込まれることから、プロパーローンの強化を進めてまいります。 (注)1.出典:国土交通省 令和6年度 民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書 固定金利期間選択型を含む。 2.2010年度~2024年度統計、取扱全金融機関のうち借換を含む「フラット35」融資実行件数 (2025年3月末現在、当社調べ) ④ 収益構造当社の収益構造は、金利動向の影響を受けやすい「フラット35」の事務手数料を中心としたオリジネーション関連収益といったフロー収益に偏っていたことから、SBIエステートファイナンスをグループ会社化するなど、ストック収益の割合を拡大させてきました。2025年2月に、SBIグループとの共同出資にてSBI信用保証株式会社を設立し、同年4月より保証事業を開始いたしました。当社において、同社を保証会社とするプロパーローンを開始したことに加え、SBIグループのリソースを活用することによる全国の金融機関の住宅ローンへの保証業務の拡大を通じて、信用保証残高を積み上げ、ストック収益の拡大を目指してまいります。併せて、SBIエステートファイナンスの不動産事業者さま向けの仕入資金ローン、お客さま向けのマイホーム売却サポートローン等商品のFC店舗及び直営店舗で取扱うためのグループ内の連携強化、営業エリア拡大など、住宅ローン以外の住宅金融商品の取扱いも強化し、ストック収益の拡大を進めてまいります。 ⑤ リスク管理当社グループは、リスク管理基本方針に基づくERM(Enterprise Risk Management)体制により、グループ全体のリスクを統合的に管理しております。事業領域の拡大や商品拡充に伴う新規リスクや既存リスクの継続的なモニタリングにより、リスクを適切にコントロールしながらビジネスの拡大による企業価値向上に取り組んでまいります。なお、リスク管理の詳細は、「3 事業等のリスク」をご参照ください。 ⑥ コンプライアンス当社グループは、当社の「MISSION、VALUE」の企業理念に則り「SBIアルヒ・コンプライアンス行動規範」を定め、FC店舗従業員を含む全役職員に周知しております。この行動規範では、社外のステークホルダー(お客さま・株主・社会全般など)への行動規範と帰属する組織の一員(よりよい企業風土・組織の一員・経営者など)としての行動規範を定めております。なお、コンプライアンス体制の詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③コーポレート・ガバナンスに関するその他の事項 d.コンプライアンス体制の整備状況」をご参照ください。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針人生は「ある日」の積み重ねでできています。当社グループは、ライフステージに応じた住まいの実現を金融面からサポートし、お客さまの大切な「ある日」をお手伝いし、笑顔溢れる社会に貢献します。当社グループは、全国の店舗をはじめとする多様なチャネルを通じて、個人のお客さまには、固定金利商品も変動金利商品も取り揃えている住宅ローンに加え、自宅の買替えに伴う様々な資金に活用できるマイホーム売却サポートローン、自宅売却後も賃借し住み続けることができるリースバックを、住宅ローンの主要パートナーである不動産事業者さまへは仕入資金ローンや仕入物件を、ご提供しています。当社グループは、多様な金融サービス、卓越したオペレーション、パートナーネットワークを通じて、お客さまにとってファーストチョイスとなる住宅金融のリーディングカンパニーを目指します。 (2)中期的な経営戦略今後の住宅市場においては、人口や居住用不動産全体の流通量はやや微減となるものの、社会の多様化によるシングル、シニア、外国籍の方の増加などを背景に、同顧客層などにおける住宅ニーズが高まると考えております。また、住宅ローン市場においては、住宅市場に連動し、市場全体としては微減傾向となるものの、今後増加が見込まれる顧客層からの借入ニーズの高まりに加え、日本銀行の金融政策の正常化を進める中での段階的な政策金利の引き上げにより、固定と変動の金利差が縮小傾向となり、固定金利化ニーズが高まると考えております。また、当社の足元の課題としては、事業環境の変化に対応するための営業現場、オペレーション及びプロパーローンの強化、外部環境に左右されやすいフロー偏重の収益構造からの脱却、更なるSBIグループリソース・機能の活用、と考えております。このような事業環境見通し及び足元の課題を踏まえて、当社グループは、お客さまの各ライフステージにおける住宅金融サポート機能の構築を目指し、2025年5月に「中期経営計画2025」を策定しております。 当社は、「中期経営計画2025」において、①「フラット35」シェア圧倒的No.1、②成長領域への投資、③ストック収益50%超、の3つを重点施策として設定しております。具体的には、「フラット35」の年間シェアでの圧倒的No.1に向け、「営業ネットワーク」と「オペレーション」への投資を拡大し、更なるDX化を推し進めることにより事業基盤を強化してまいります。成長領域への投資に関しては、世帯数の増加や流通量の増加が見込まれるシングル、シニア、外国籍の方々といった新たな顧客層(成長領域)に対して、段階的にプロパーローンを中心とした商品開発の強化を進めます。それと同時にリスク・リターンのバランスを保ちながらリスクオンを実施するために更なるリスク管理体制を強化してまいります。ストック収益50%の達成に向けては、SBIエステートファイナンス、SBIスマイル、SBIギャランティ(以下、SBIEFグループ)の継続的な成長、SBIグループとの共同出資にて開始した保証事業においては、当社の住宅ローンに加え、SBIグループのリソースを活用することにより全国の金融機関への住宅ローン保証業務の取扱いを拡大してまいります。これにより、従来の金利動向に左右されやすいフロー収益に偏っていた収益構造からストック収益の割合を拡大させ、長期的に安定した収益構造の基盤確立を行ってまいります。 (3)目標とする経営指標中期経営計画における財務目標は、以下のとおりであります。指標2025年3月期(実績)2030年3月期(注)営業収益222億円550億円税引前利益24億円100億円ROE4.5%10.0%超 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、足元の課題認識を踏まえ、2025年5月に「中期経営計画2025」を策定しております。課題認識と戦略の方向性は以下のとおりです。 ① 営業体制及び販売チャネル当社グループは、FC店舗、直営店舗、直販拠点や、来店不要で手続きが可能な非対面チャネル、SBIEFグループの各店舗やSBIグループの親密地域金融機関との連携など、さまざまな販売チャネルを拡大して提供することで、より大きな市場に、より効率よくアクセス可能な体制を整備してまいりました。引き続き、当社グループの強みである「営業ネットワーク」への投資を拡大し、FC店舗中心の持続的な店舗展開、店舗の営業活動や接客スキルの平準化及び向上を目的としたデジタル営業ツールの拡充などDX化による営業支援の強化、お客さまの多様化するニーズへの対応に取り組んでまいります。FC店舗の出店において、新規FC店舗の人材確保が難しく、出店を見送るケースが複数発生しており、今後はこの課題を克服するための持続可能なモデルの開発を進めてまいります。まず直営店舗の出店を先行させ、営業基盤を確立した後に必要に応じてFC店舗に譲渡するなど環境変化に応じた機動的な店舗配置を行うことで、ビジネス機会の損失を防いでまいります。また、営業体制の強化及び販売チャネルの拡大を進めるうえで、FC店舗を含む人材の安定的な確保、研修などの教育制度による能力向上及びコンプライアンスの推進が課題であると認識しております。そのため、店舗チャネルの戦略的な運営を従来以上に推し進め、販売体制の強化とコンプライアンスの推進に継続的に取り組んでまいります。 ② オペレーション体制当社グループは、住宅ローン業務において、OCR(Optical Character Recognition)やRPA(Robotic Process Automation)、AI等の最先端テクノロジーを活用して、お客さまの利便性と営業及び事務効率の向上に取り組んでおります。また、審査プロセスの強化やeKYC等のテクノロジーを活用した住宅ローン不適正利用の予防に取り組んでおります。一方で、多様化する商品・顧客属性などに伴う事務工数の増加が発生しているため、今後も引き続きテクノロジー活用領域の拡張を進め、DX化を推進してまいります。DX化を通じて、お客さま、不動産事業者さま、FC店舗にとって最適なプロセス構築を目指します。オペレーション体制の強化において、イノベーション・チャレンジを継続することが当社グループの責務かつ課題であると認識しております。 ③ 競合他社の状況と商品ラインアップ住宅ローン市場においては、銀行等が提供する変動金利商品が全住宅ローンの約90%(注1)の市場を占有し、貸出金利、付帯サービス拡充などの競争が激化しています。住宅価格の上昇及び物価高の影響で月額返済額の低減ニーズが高まったことに加え、日本銀行の金融政策修正により長期金利が先行して上昇したことを受け、固定と変動の金利差が拡大したことで、全期間固定金利の「フラット35」にとっては厳しい市場環境が続いておりました。しかしながら、2024年度下期以降、日本銀行が金融政策の正常化を進める中で、段階的に政策金利の引き上げを行ったことにより、固定と変動の金利差が縮小傾向となっております。当該外部環境の中、当社の課題であったFC店舗領域における変動金利商品として「ARUHI 住宅ローン(MG保証)」に加え、2025年4月に「ARUHI 住宅ローン(SBI信用保証)」をリリースすると共に、「ARUHI フラット50」などの月額返済額の軽減ニーズに対応した毎月の返済額を抑える超長期住宅ローンを導入いたしました。また、当社は、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供している全期間固定金利商品である「ARUHIフラット35」(「フラット35(買取型)」)に加え、当社独自の全期間固定金利商品である「ARUHIスーパーフラット」(「フラット35(保証型)」)の拡販や「フラット35」子育てプラス、ペアローンなどを活用し、固定金利市場の拡大を図っています。2025年3月期の「フラット35」の融資実行件数(借換を含む)シェアは26.3%(前年比1.6%増)となり、15年連続で第1位(注2)となりました。固定と変動の金利差の縮小傾向という固定金利商品に吹き始めているフォローの風を確実につかみ、引き続き「フラット35」シェア圧倒的No.1に向け、事業基盤を強化してまいります。加えて、既存の取扱商品では、世帯数の増加や流通量の増加が見込まれるシングル、シニア、外国籍の方々といった今後の成長領域において取りこぼしの発生が見込まれることから、プロパーローンの強化を進めてまいります。 (注)1.出典:国土交通省 令和6年度 民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書 固定金利期間選択型を含む。 2.2010年度~2024年度統計、取扱全金融機関のうち借換を含む「フラット35」融資実行件数 (2025年3月末現在、当社調べ) ④ 収益構造当社の収益構造は、金利動向の影響を受けやすい「フラット35」の事務手数料を中心としたオリジネーション関連収益といったフロー収益に偏っていたことから、SBIエステートファイナンスをグループ会社化するなど、ストック収益の割合を拡大させてきました。2025年2月に、SBIグループとの共同出資にてSBI信用保証株式会社を設立し、同年4月より保証事業を開始いたしました。当社において、同社を保証会社とするプロパーローンを開始したことに加え、SBIグループのリソースを活用することによる全国の金融機関の住宅ローンへの保証業務の拡大を通じて、信用保証残高を積み上げ、ストック収益の拡大を目指してまいります。併せて、SBIエステートファイナンスの不動産事業者さま向けの仕入資金ローン、お客さま向けのマイホーム売却サポートローン等商品のFC店舗及び直営店舗で取扱うためのグループ内の連携強化、営業エリア拡大など、住宅ローン以外の住宅金融商品の取扱いも強化し、ストック収益の拡大を進めてまいります。 ⑤ リスク管理当社グループは、リスク管理基本方針に基づくERM(Enterprise Risk Management)体制により、グループ全体のリスクを統合的に管理しております。事業領域の拡大や商品拡充に伴う新規リスクや既存リスクの継続的なモニタリングにより、リスクを適切にコントロールしながらビジネスの拡大による企業価値向上に取り組んでまいります。なお、リスク管理の詳細は、「3 事業等のリスク」をご参照ください。 ⑥ コンプライアンス当社グループは、当社の「MISSION、VALUE」の企業理念に則り「SBIアルヒ・コンプライアンス行動規範」を定め、FC店舗従業員を含む全役職員に周知しております。この行動規範では、社外のステークホルダー(お客さま・株主・社会全般など)への行動規範と帰属する組織の一員(よりよい企業風土・組織の一員・経営者など)としての行動規範を定めております。なお、コンプライアンス体制の詳細は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③コーポレート・ガバナンスに関するその他の事項 d.コンプライアンス体制の整備状況」をご参照ください。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度の営業収益は、22,292百万円(前年比9.3%増)となりました。2024年10月以降の固定と変動の金利差縮小を背景に、当社の主力商品である「フラット35」の融資実行件数は、第4四半期に前年同期比プラスに転じましたが、第3四半期までが低調であったことに加え、変動金利商品の融資実行件数が伸び悩んだことなどから、オリジネーション関連収益は前年比2.7%減少しました。一方で、複数社からのサービシング事業の譲り受け等によるサービシング・フィー売上の増加、保険関連収益が好調に推移したことに加え、SBIEFグループを完全子会社化したことで、リカーリング収益は同11.9%増加しました。また、アセット・その他収益に関しても、足元の金利上昇の影響を受けたFVTPLの金融商品から生じる損失の計上があったものの、SBIEFグループを完全子会社化したことで、同36.0%増加しました。 営業費用は、引き続き固定費の削減に努めましたが、SBIEFグループを完全子会社化したことやフランチャイズ店舗への支援等に加え、SBIブランドの活用を目的とした店舗看板の変更や店舗統廃合及び事業戦略の転換に伴う資産整理などの構造改革費用を計上した影響もあり19,843百万円(同9.8%増)となりました。その結果、税引前利益については2,427百万円(同4.3%増)、当期利益は1,897百万円(同27.4%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,904百万円(同25.5%増)となりました。 当社グループは住宅金融事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。なお、当連結会計年度よりセグメント内の収益区分を以下のとおり変更しております。前年との比較については、前年の金額を変更後の収益区分に組み替えた金額で表示しております。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は20,149百万円となり、前連結会計年度末に比べ267百万円の減少となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。 営業活動によるキャッシュ・フローは5,366百万円の支出(前連結会計年度は3,425百万円の支出)となりました。これは主に、税引前利益が2,427百万円となり、預り金の増加1,053百万円のキャッシュの増加要因があった一方で、営業貸付金の増加9,387百万円のキャッシュ減少要因があったことによるものです。 投資活動によるキャッシュ・フローは5,164百万円の支出(前連結会計年度は544百万円の収入)となりました。これは主に、無形資産の取得による支出5,023百万円によるものです。 財務活動によるキャッシュ・フローは10,263百万円の収入(前連結会計年度は6,128百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入による収入8,685百万円、短期借入金の増加9,419百万円等のキャッシュ増加要因があった一方、長期借入金の返済による支出6,241百万円等のキャッシュの減少要因があったことによるものです。 ③販売の実績1)販売実績当連結会計年度における販売実績の内訳は次のとおりであります。なお、当社グループは住宅金融事業の単一セグメントであるため、業務別に記載を行っております。(単位:百万円(前年同期比を除く。))業務当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)前年同期比オリジネーション関連収益9,62197.3%リカーリング収益7,554111.9%アセット・その他収益5,116136.0%合計22,292109.3%(注)販売実績の内訳には、消費税等は含まれておりません。 2)オリジネーション・フィー売上及び件数当連結会計年度におけるオリジネーション関連収益のうち、オリジネーション・フィー売上の内訳は、次のとおりであります。(単位:百万円(前年同期比を除く。))区分当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比新規借入8,108108.6%借換44121.2%合計8,152108.7%(注)オリジネーション・フィー売上の内訳には、消費税等は含まれておりません。 当連結会計年度における当社の融資実行件数は、次のとおりであります。(単位:件(前年同期比を除く。))区分当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比新規借入10,12187.2%借換124106.9%合計10,24587.4% (参考情報)投資情報としての有用性の観点から、参考情報として2021年3月期から2025年3月期に係る四半期ごとの当社の融資実行件数を以下に記載しております。 1)新規借入(単位:件) 第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期合計2021年3月期5,6446,1996,3936,13324,3692022年3月期5,6995,1074,7954,46020,0612023年3月期3,9783,5883,5423,34414,4522024年3月期2,6342,7023,2313,03611,6032025年3月期2,8282,5012,3242,46810,121 2)借換(単位:件) 第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期合計2021年3月期1662553063001,0272022年3月期2332112082318832023年3月期1599666633842024年3月期412822251162025年3月期31342633124 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等1)財政状態当連結会計年度末における資産は205,679百万円となり、前連結会計年度末に比べ14,328百万円増加いたしました。これは主に営業貸付金が7,320百万円、無形資産が4,107百万円増加したことによるものです。 当連結会計年度末における負債は163,527百万円となり、前連結会計年度末に比べ14,129百万円増加いたしました。これは主に借入債務及び預り金がそれぞれ11,958百万円、1,053百万円増加したことによるものです。 当連結会計年度末における資本は42,151百万円となり、前連結会計年度末に比べ198百万円増加いたしました。これは主に当期利益を1,897百万円計上した一方、配当により利益剰余金が1,771百万円減少したことによるものです。 2)経営成績経営成績は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容1)経営成績に重要な影響を与える要因についての分析経営成績に重要な影響を与える要因についての分析は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 2)経営者の問題認識と今後の方針について経営者の問題認識と今後の方針については「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指数等経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指数等については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。 d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループは、住宅金融事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フローの状況当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 b.資本の財源及び資金の流動性1)資金調達の基本方針当社グループは、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保と財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本方針としており、主として金銭消費貸借契約やコミットメントライン等による銀行等からの借入、コマーシャル・ペーパーの発行や住宅ローン債権等の債権譲渡・流動化による資金調達を行っております。 2)資金需要の主な内容当社グループの資金需要は、大きく分けて運転資金需要と貸付資金需要の2つになります。運転資金需要は主に、人件費、販売費及び一般管理費、システム開発、証券化に係る準備金や未収債権などであり、貸付資金需要は、お客さまへの住宅ローンの融資実行や当社子会社が提供する不動産事業者への仕入資金ローン等の融資実行のための資金需要になります。住宅ローンの融資実行は、基本的に貸付債権を融資実行後遅滞なく債権譲渡・流動化を行い資金化するため、融資実行から資金化までの短期間であり、当社子会社が提供する不動産事業者への仕入資金ローン等は、融資実行から返済期日まで一定期間の資金需要になります。 3)資金調達手段当社グループは、円滑な事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用を行うとともに、金融機関からの借入、貸付債権の譲渡及び貸付債権を裏付資産とする信託受益権の売却などを行っております。このようなオペレーションを行うに当たり、複数の金融機関から金銭消費貸借契約等による長期の借入やコミットメントライン等による十分な借入枠の確保を行うとともに、安定的に貸付債権の流動化が実施できる環境整備を行うなど、円滑な事業活動に必要な資金調達が可能な状況を常に維持するよう努めております。また、当社グループは、円滑な資金調達を行うため株式会社格付投資情報センター(R&I)、株式会社日本格付研究所(JCR)の2社から格付けを取得しており、2025年3月31日現在の格付けは次のとおりであります。当社グループとしては引き続き健全な財務基盤を維持し、格付けの維持・向上に尽力していく方針であります。 格付機関名長期発行体格付見通しコマーシャル・ペーパー株式会社格付投資情報センター(R&I)A安定的a-1株式会社日本格付研究所(JCR)A安定的J-1 ③重要性がある会計方針の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表はIFRS会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられるさまざまな要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」に記載しておりますが、特に以下の将来に関する主要な仮定及び報告期間末における見積りは、当社の連結財務諸表に大きな影響を及ぼします。a.のれんの評価当社グループは、旧アルヒ株式会社の株式を公開買付けした際の買収価額と純資産の公正価値との差額をのれんとして認識しております。のれんについては、減損の兆候の有無にかかわらず、年1回回収可能価額を見積っております。当該回収可能価額の算定においては、見積将来キャッシュ・フローを使用しております。減損判定における資金生成単位の回収可能価額は、見積り・前提を使用するため、見積り・前提は減損が認識されるか否かの判定及び認識される減損金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。のれんの減損判定において、当社は独立した外部の評価機関を利用しております。見積将来キャッシュ・フローは社内で作成した5ヶ年事業計画を使用し、付随する財務資料、内部資料等を加え、一般に入手可能な市場情報も考慮に入れております。割引率に株主資本コストを使用しております。2025年3月31日時点における評価の結果は、住宅金融事業の使用価値が帳簿価額を十分に上回っており、減損損失を認識することはありませんでした。 b.金融商品の公正価値当社グループが保有する金融商品の公正価値の見積りにおいては、市場価値に基づく価額により見積っております。市場価格がない場合には、将来キャッシュ・フローを割り引く方法、又はその他の適切な評価技法により見積っております。これら金融商品のうち住宅ローン債権の債権譲渡により生じた受益権(配当受領権)は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しており、公正価値の評価においては、繰上償還率(CPR)、デフォルト率(CDR)を将来キャッシュ・フローの見積りにおけるインプットとして使用し、割引率等についても一定の前提条件を設定しております。将来キャッシュ・フローの見積りにおけるインプットとして使用するCPR、CDRについては、外部第三者機関の公表データを参照して見積っております。但し、一部のパッケージローンについては、CPRの見積りにおいて、外部第三者機関の公表データに、過去実績等を勘案して合理的に見積った調整を反映しております。