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ステムセル研究所

サービス業 情報通信・サービスその他

事業の内容

ステムセル研究所は、再生医療や細胞治療を目的とした細胞バンク事業を展開しています。主な事業は、出産時に採取される「さい帯血」や「さい帯」といった周産期組織由来の細胞を、将来の治療に備えて保管するサービスです。顧客(妊婦など)から分離料、検査料、登録料、細胞保管料を受け取ることで収益を得ています。保管された細胞は、脳性麻痺や自閉症などの再生医療への応用が期待されており、同社は国内の民間さい帯血バンクにおいて主要な役割を担っています。

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FY2025|5,985 文字|出典 docID: S100W2VG
3 【事業の内容】当社は、再生医療・細胞治療を目的とした、「さい帯血」や「さい帯」等の周産期組織由来の細胞バンク事業及び、それらの細胞を利用した、新たな治療法、再生医療等製品の開発、そしてこれらの事業基盤をベースにした再生医療・不妊治療・出産・子育て等の領域での事業開発及び投資等の事業展開を行っております。なお、当社は「細胞バンク事業」の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っていません。 (1)さい帯血バンクについて「さい帯血」は、お母さんと赤ちゃんをつないでいる、へその緒や胎盤の中に含まれている赤ちゃんの血液であります。さい帯血を保管する「さい帯血バンク」には、「公的さい帯血バンク」と「民間さい帯血バンク」があります。公的さい帯血バンクでは、造血幹細胞移植法に基づきお母さん達から「無償」でさい帯血の提供を受け、白血病等の病気で移植治療を必要とする患者さん(第三者)のために保管しております。2025年3月31日現在、厚生労働大臣の許可を受けた公的さい帯血バンクは全国に6ヵ所あります。民間さい帯血バンクでは、「本人や家族」が、将来何らかの治療(主に脳性麻痺や自閉症等への再生医療)に使うことができるようになる可能性を想定し、「有償」で、さい帯血の保管を行っております。民間さい帯血バンクは、公的さい帯血バンクと違い許可制ではありませんが、厚生労働省(健康局)へ「臍帯 血取扱事業の届出」の提出を要請されており、同届出を行っている民間さい帯血バンクは、当社を含めて2社であり、当該2社のさい帯血保管総数は87,544件、当社の保管総数は86,733件(厚生労働省健康局「臍帯血の引渡し実績等に関する報告」より(2024年3月31日時点)となっております。2025年3月31日現在、日本国内において、自己にさい帯血を投与(使用)するためには、対象疾患毎に、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」(以下、「再生医療等安全性確保法」という)に基づき、「第2種再生医療等(体性幹細胞など中リスクのもの)」として、再生医療等提供計画を「特定認定再生医療等委員会」(注1)に提出し、審査を受け、適と判断された後、厚生労働大臣へ同提供計画を提出の上、実施する必要があります。また、2025年3月31日現在、当社における顧客の利用目的(臨床研究における投与も含む)の引渡件数は、累計で、再生医療36件、血液疾患2件、研究目的(モデルマウス等での治療効果の検討等)の引渡件数は101件となっております。 (出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/ishoku/saitaiketsu.html)) (2)当社の「細胞バンク事業」について当社は、顧客(妊婦等)と「さい帯血分離保管委託契約」を締結した上で、国内さい帯血採取協力病院(大学病院、産科クリニック等)において採取されたさい帯血を回収し、自社の細胞処理センター(東京都港区及び横浜市緑区)に搬入、さい帯血に含まれる幹細胞を分離・抽出・調製する作業を行った後、自社の細胞保管センター(横浜市緑区)において、超低温下にて長期保管しております。「さい帯血分離保管委託契約」に基づき、顧客よりさい帯血にかかる分離料、検査料、登録料及び細胞保管料を収受し、将来の使用に備え、保管する事をビジネスモデルとしております。さい帯血はその採取にあたっては、お母さん、赤ちゃんともに侵襲性(体に傷や痛みを与える程度)が低く、また、通常は出産後に医療廃棄物として廃棄されるものである事から、倫理的にも扱いやすい点がメリットとして上げられます。なお、さい帯血採取により、当社の定めた規定値以上の量を有し、保管基準を満たした場合に、国内さい帯血採取協力病院へ、採取技術料をお支払いしております。さい帯血には血液を造る「造血幹細胞」や、神経・軟骨・心筋細胞等さまざまな細胞に分化したり、各組織の修復に関与する「間葉系細胞」が含まれており、もともと自分の身体の中にある細胞(体性幹細胞)であるため、がん化のリスクも少なく、安全に使用出来ることから、現在十分な治療法のない小児の中枢神経系疾患(低酸素性虚血性脳症:発症率1~3/1,000人:注2、脳性麻痺:同2~3/1,000人:注3)や自閉症スペクトラム障害(同1/100人:注4)等に対する「再生医療・細胞治療」として、臨床研究が進められております。さい帯血は、血液疾患等の治療においては、「造血幹細胞移植法」、また、再生医療目的で使用する場合は、「再生医療等安全性確保法」に基づき、適正に使用される必要があります。これらの法律は専門的なものであることから、当社では、治療、検査目的等で当社において保管している細胞(さい帯血)の出庫が必要な場合は、外部有識者を含む専門の委員で組織している、社内倫理委員会において、審議を行いその妥当性を評価の上で実施しております。また、当社はさい帯血保管の品質向上を目的に、2011年よりISO9001の運用を開始しておりますが、グローバル基準への適合を目的に、2019年7月にさい帯血保管に関する国際基準AABBの認証を取得しております。なお、臨床研究実施機関への細胞輸送においても、AABBの品質管理基準を満たした輸送管理体制に基づき、実施しております。当社は、2016年2月に東京細胞処理センター、2021年3月に横浜細胞処理センターにおいて、再生医療等安全性確保法に基づき、特定細胞加工物製造許可を取得し、同法に基づく細胞提供の体制を整えております。また、当社は、2021年4月より「さい帯(へその緒)組織保管サービス」を開始しております。再生医療・細胞治療に有望な間葉系細胞は、骨髄や脂肪、さい帯等から得ることができますが、侵襲なく採取可能な点で、さい帯は医療資源として適切と考えられています。間葉系細胞は、炎症を抑制し、かつ拒絶されにくい性質を持つことから、炎症性疾患を対象とした他家利用の臨床開発が数多く行われています。また、間葉系細胞は、炎症抑制作用の他に、他の細胞に分化する性質を持つことから、機能的な細胞・組織に分化させた後に、欠損や障害をきたした組織に代替的に利用する方法の開発も進められています。当社では、自家さい帯を用いた医療開発を積極的に推進し、さい帯の保管意義の向上に努めております。 (ご参考)当社におけるさい帯血及びさい帯保管(売上)検体数期別さい帯血さい帯保管検体数(新規)保管検体数(累計)保管検体数(新規)保管検体数(累計)2021年3月期5,695 検体63,189 検体――2022年3月期6,907 検体70,096 検体1,511 検体1,511 検体2023年3月期7,564 検体77,660 検体2,907 検体4,418 検体2024年3月期8,559 検体86,219 検体4,047 検体8,465 検体2025年3月期8,464 検体94,683 検体4,745 検体13,210 検体 ※ 上表に記載の検体数は、厚生労働省への「臍帯血取扱事業の届出」記載の検体数より、売上に計上していない無料保管分を除いた検体数となっております。 (3)さい帯血を用いた国内の臨床研究の状況さい帯血の臨床研究が進展していくことは、将来さい帯血がより広く利用できることを期待して保管されている当社顧客にとっても有益な情報であり、その動向は当社の業績に影響を与えるものであるとの観点から臨床研究の状況について記載します。2017年1月に高知大学医学部附属病院で開始された「自家臍帯血を用いた小児脳性麻痺などの脳障害に対する臨床研究(第Ⅰ相)」では、当社の保管細胞が用いられ、2018年4月に予定投与数(6例目の最終投与)を終え、最終投与から約3年かけて患者の経過観察等を行い、その結果が2022年11月に論文が発表されました。自家臍帯血を用いる本臨床研究は、さらなる有効性の評価のための第Ⅱ相臨床研究について、2024年2月に大阪大学第一特定認定再生医療等委員会より実施計画が適切であることを認められており、2025年3月現在、先進医療Bとして進める検討がなされております。また、2020年10月5日付でjRCT(臨床研究実施計画・研究概要公開システム)に公表された「小児脳性麻痺など脳障害に対する同胞間臍帯血有核細胞輸血」及び「小児脳性麻痺など脳障害に対する同胞間臍帯血単核球細胞輸血」の臨床研究については、2020年11月11日付の第8回臍帯血による再生医療研究会学術集会において、6例中5例でリハビリテーション単独以上の運動能力改善が認められ、1年以上その状態が維持されていることが報告されております。本臨床研究は、2025年1月、特定認定再生医療等委員会にて総括報告書が審議され適の判定がなされており、今後論文が発表される見込みです。大阪市立大学医学部(大阪府立大学との統合により現在は大阪公立大学医学部)がAMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)の支援を受け実施した「低酸素性虚血性脳症(HIE)に対する自己臍帯血幹細胞治療(第Ⅰ相)」は、既に終了し論文が発表され第Ⅱ相多施設共同臨床研究が、2020年11月12日付でjRCTに公表され、開始に至っております。この臨床研究の予定症例数15例のうち、10例は当社が細胞加工(さい帯血の細胞分離・輸送)を担うこととなっております。2025年3月現在の症例数は1例となっております。 <日本で実施されている臨床研究(当社が細胞の処理・提供を行っているもの)>対象疾患実施施設フェーズ症例数ステータス脳性麻痺等高知大学医学部附属病院(自家単核球細胞投与)Ⅰ(注5)6例終了(論文発表済)Brain Dev 2022Nov;44(10):681-689.高知大学医学部附属病院(同胞間有核細胞投与)Ⅰ(注5)5例被験者募集終了高知大学医学部附属病院(同胞間単核球細胞投与)Ⅰ(注5)3例被験者募集終了低酸素性虚血性脳症大阪公立大学医学部附属病院他Ⅰ(注5)6例終了(論文発表済)Sci Rep.2020 Mar 12;10(1):4603Ⅱ(注6)15例被験者募集中自閉症スペクトラム障害大阪公立大学医学部附属病院Ⅰ(注5)Ⅱ(注6)20例被験者募集中 ※ 症例数は変更される可能性があります。また、各臨床研究は研究者の方針、診療結果により、延期・中止となる可能性があります。 (4)細胞処理センターについて①東京細胞処理センター再生医療等安全性確保法に基づき、厚生労働省(関東信越厚生局)より特定細胞加工物製造許可を受けた施設(東京都港区)で、さい帯血に含まれる幹細胞の分離・抽出・調製を行っております。またISO9001とAABBの認証を取得し、運営を行っております。②横浜細胞処理センター近年のさい帯血保管のニーズの高まりに対応するため、2021年3月に厚生労働省(関東信越厚生局)より特定細胞加工物製造許可を得て、新たな細胞処理センターを横浜市緑区に開設いたしました。この新施設は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律において再生医療等製品の製造に求められる基準を満たせるよう設計されており、保管した細胞の培養や製品化に加え、その他の様々な細胞・組織の受け入れにも対応可能な施設となっております。また、これを利用し、これまでのさい帯血保管サービスに加え、2021年4月より「さい帯(へその緒)組織保管サービス」を開始いたしております。2025年3月現在、東京及び横浜の細胞処理センターにおいて、月間約1000検体を超える処理キャパシティ(さい帯血)を確保しております。 (5)細胞保管センターについて新耐震基準に基づいた設計で耐震性を有している細胞保管施設です。細胞処理センターで分離・抽出・調製した幹細胞は、同施設内にある液体窒素タンクで保管し、その後、細胞保管センターに移送し長期保管用の大型の超低温液体窒素タンクで保管しております。細胞保管センターは、2012年の第一細胞保管センターを開設以降、2021年6月に第二細胞保管センター(同施設内)を開設しております。第三細胞保管センターが2025年3月時点で完工し、2025年5月より稼働しております。これにより、保管キャパシティは約14万検体から約20万検体(さい帯血保管ベース)に拡張され、さい帯血保管事業のみならず、2021年4月より開始している「さい帯(へその緒)組織保管サービス」や、今後の各種細胞の保管サービスに対応する中長期のキャパシティを確保いたしております。さらに、当社事業において重要な要素である長期的な保管場所の確保については、2025年2月に神奈川県横浜市に土地を取得いたしました。今後数十年の保管キャパシティを有する建物の建設を検討いたします。 (注1)再生医療等技術や法律の専門家の有識者からなる合議制の委員会で、特に高度な審査能力、第三者性を有するもので、一定の手続きにより厚生労働大臣の認定を受けたものをいいます。(注2)「新生児低酸素性虚血性脳症で出生した重症仮死児への自己臍帯血幹細胞治療の研究」(新宅治夫)より。(注3)公益財団法人日本医療機能評価機構 産科医療補償制度運営委員会の「平成25年 産科医療補償制度 医学的調査専門委員会報告書」より。(注4)厚生労働省の「e-ヘルスネット」(2021年3月末時点)より。(注5)第Ⅰ相試験では、少数の被験者が参加し、安全性についての評価が行われております。(注6)第Ⅱ相試験では、臨床探索的研究として実施される見込みで、さい帯血の処理及び供給体制などを検討し、有効性と実施可能性を検証することを目的として行われる予定であります。 [事業系統図] また、当社は「細胞バンク事業」の単一セグメントでありますが、売上高は「技術料」、「保管料」、「その他」の3つから構成されております。① 技術料細胞分離及び細胞処理の際に必要となる分離料、検査料及び登録料を技術料として分類しております。② 保管料細胞保管料を保管料として分類しております。保管料は契約時に契約年数に応じた保管料総額を前受金として計上し、保管期間の経過に応じて年間の保管料を毎期収益として計上しております。③ その他上記の他、契約更新時の更新手数料等をその他として分類しております。

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