事業の概要
- 持株会社体制サノヤスホールディングスは、2011年に設立された持株会社で、傘下の複数の子会社を統括しています。これにより、各事業会社が専門性を高めつつ、グループ全体で多様な事業を展開する体制を構築しています。グループ全体で多角的な事業運営を行うことで、特定の事業に依存しない安定した経営基盤を目指しています。
- 多角的な事業展開グループは製造業、建設業、レジャー事業の3つの主要分野で収益を上げています。製造業向けにはショットブラストマシン、産業機械部品、乳化・攪拌装置などを製造し、建設業向けには機械式駐車装置、建設工事用エレベーター、電気設備などを提供しています。レジャー事業では遊園地の遊戯機械製造・メンテナンスや施設運営受託を行っており、幅広い顧客層と市場に対応しています。
- グループ会社による専門分化サノヤス・エンジニアリングはショットブラストマシンや機械式駐車装置、建設工事用エレベーターの製造・メンテナンス、サノヤス精密工業は各種産業機械部品の製造、みづほ工業や美之賀機械は乳化・攪拌装置の製造、サノヤス・エンテックは環境装置や空調設備、ハピネスデンキや松栄電機は電気制御盤の製造、サノヤス・ライドは遊戯機械の製造・運営受託など、各子会社が専門分野を担当し、効率的な事業運営と技術力の向上を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 製造業向け事業このセグメントは、主に製造業の顧客向けに各種機械や設備の製造・メンテナンスを行っています。具体的には、サノヤス・エンジニアリングによるショットブラストマシン、サノヤス精密工業による産業機械部品、みづほ工業や美之賀機械による乳化・攪拌装置、サノヤス・エンテックによる環境装置などが含まれます。売上高は92.58億円、営業利益は8.75億円で、グループの重要な収益源の一つです。
- 建設業向け事業このセグメントは、建設業界の顧客向けに機械式駐車装置、建設工事用エレベーター、電気設備、空調・給排水設備などの製造・施工・メンテナンスを提供しています。サノヤス・エンジニアリングが機械式駐車装置や建設工事用エレベーター、ハピネスデンキや松栄電機が配電盤などの電気設備、サノヤス・エンテックが空調・給排水設備を担当しています。売上高は120.89億円、営業利益は13.12億円と、グループ内で最も大きな売上と利益を上げています。
- レジャー事業このセグメントは、遊園地向けの遊戯機械設備の製造・メンテナンス、および遊園地施設の運営受託を行っています。サノヤス・ライドやサノヤス・ライドサービスが中心となり、国内外のレジャー施設の需要に応えています。売上高は36.57億円、営業利益は4.37億円で、グループの多角化戦略の一翼を担っています。レジャー需要の変動が直接的に影響する特性があります。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| IndustrialBusinessReportableSegment | 地域 | 93 | 9 | 9.5% |
| ConstructionBusinessReportableSegment | 地域 | 121 | 13 | 10.9% |
| LeisureReportableSegment | 事業 | 37 | 4 | 11.9% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社は、2011年10月3日付で現 サノヤス・ライド㈱(旧 ㈱サノヤス・ヒシノ明昌)の単独株式移転により、同社の完全親会社として設立された持株会社であります。なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。当社の企業集団は、当社及び子会社11社で構成されております。当社グループの事業における当社、子会社及び関連会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。製造業向けでは、サノヤス・エンジニアリング㈱がショットブラストマシンの製造及びメンテナンス、サノヤス精密工業㈱が各種産業機械部品の製造及び組立、農機及び特装自動車用部品の製造及び組立、みづほ工業㈱が乳化・攪拌装置の製造、純水設備、排水処理設備及び膜分離装置の設計及び施工、大型食品タンク等各種タンクの設計及び施工、美之賀機械(無錫)有限公司が乳化・攪拌装置の製造、純水設備、排水処理設備及び膜分離装置の設計及び施工、サノヤス・エンテック㈱が環境装置の製造及びメンテナンス、医療廃棄物処理装置の製造及びメンテナンスを行っております。建設業向けでは、サノヤス・エンジニアリング㈱が機械式駐車装置の製造及びメンテナンス、建設工事用エレベーターの製造及びレンタル、サノヤス・エンテック㈱が空調・給排水・衛生設備の設計及び施工、ハピネスデンキ㈱が大規模施設向け動力制御盤・分電盤・配電盤等の製造及び電気工事、松栄電機㈱及び松栄電気システムコントロール㈱が通信インフラ向け配電盤・分電盤等の製造を行っております。レジャーでは、サノヤス・ライド㈱及びサノヤス・ライドサービス㈱が遊園地遊戯機械設備の製造及びメンテナンス、遊園地施設の運営受託を行っております。 なお、上記の説明は、後記の「セグメント情報」での区分と同一であります。 事業の系統図は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 原材料、資材、エネルギー価格の上昇がコストアップ要因となり業績に影響を与える可能性があるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 ショットブラスト、乳化・攪拌装置、機械式駐車装置、建設工事用エレベーターなどの製造技術。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:経済状況・事業環境の変動 / 原材料・資材・エネルギー価格の変動 / 金利の変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
サノヤスホールディングスは造船・橋梁・海洋構造物・産業機械などを手掛けるが、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、独占的IPによる持続的な競争優位性は見られない。技術力は存在するものの、競合他社との差別化要因として際立った無形資産は確認できない。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
造船事業においては、顧客との長期契約や仕様のカスタマイズにより、一定のスイッチング・コストが発生する可能性がある。しかし、他の事業領域では顧客が競合他社へ乗り換えることによる大きな損失は想定しにくく、全体としてスイッチング・コストによる優位性は限定的である。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
サノヤスホールディングスの事業内容(造船、橋梁、産業機械など)は、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果を生み出すビジネスモデルではない。顧客基盤の拡大が直接的な競争優位に繋がる構造は見られない。
コスト優位★☆☆☆☆
造船業においては、規模の経済や効率的な生産プロセスがコスト競争力に影響を与える可能性がある。しかし、同社が構造的に競合他社よりも圧倒的に低コストで生産・提供できるという明確な証拠はなく、コスト優位性は限定的と考えられる。
規模の経済★★★☆☆
造船業界は設備投資が大きく、参入障壁が高い。サノヤスホールディングスは日本の主要造船会社の一つであり、一定の生産能力と実績を持つ。業界規模に対して最適な少数寡占の一角を占めることで、一定の効率性と競争力を維持していると考えられる。
- 多様な技術と製品ラインナップサノヤスグループは、ショットブラストマシン、乳化・攪拌装置、機械式駐車装置、建設工事用エレベーター、遊園地遊戯機械など、多岐にわたる製品と技術を保有しています。これにより、製造業、建設業、レジャー産業といった異なる市場のニーズに対応できる強みがあります。特定の産業の景気変動リスクを分散し、安定した収益基盤を築いています。
- 長年の実績と信頼各事業分野において長年にわたる製造・施工・メンテナンスの実績があり、顧客からの信頼を構築しています。特に、遊園地遊戯機械設備の分野では、製造からメンテナンス、運営受託まで一貫して手掛けることで、顧客との長期的な関係性を築き、安定した事業運営に繋がっています。品質管理基準に基づいた製品提供により、高い信頼性を維持しています。
- 海外展開と地域分散乳化・攪拌装置を中心に海外への輸出にも注力しており、特に美之賀機械(無錫)有限公司が中国で乳化・攪拌装置の製造や水処理設備の設計・施工を行っています。これにより、国内市場だけでなく海外市場の需要も取り込むことで、事業機会を拡大し、地域的なリスク分散を図っています。グローバルな視点での事業展開を進めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 経営環境及び課題への取組み1.経営方針(1)グループ理念当社グループは1911年に造船業を祖業として創業しましたが、創業以来、技術力に立脚したものづくりの会社として歴史を歩んできました。当社グループでは祖業である造船事業を「コアビジネス」、非造船事業を「第二のコアビジネス」として位置付け、事業の多角化に取り組んできました。2021年2月28日付で祖業である造船事業を㈱新来島どっくに譲渡しましたが、事業譲渡後も「確かな技術にまごころこめて ~人と技術を磨き、新たな顧客価値を創出する~」というグループ理念については、グループの従業員が最も大切にする基本的な考え方として不変のものとしています。このグループ理念を従業員一人ひとりが実践することで、事業を通じて社会課題を解決し「サステナブルな社会の実現」に貢献するとともに持続的な企業価値向上を目指します。(2)グループビジョン当社グループは2024年3月29日に「中期経営計画<'24-'26>」を対外公表しましたが、当該計画を策定するにあたり造船事業譲渡後の新生サノヤス10周年に当たる2030年度に当社グループが目指す姿を明確化し、グループビジョンとして策定しました。(3)行動原則グループビジョンを実現するために組織で大切にするべき価値観や行動を5つの行動原則として定め、グループの従業員全員で共有し、日々の事業活動の指針としています。 2.サノヤスグループの思い当社グループは持株会社であるサノヤスホールディングス㈱の傘下に、事業活動を行う10社の事業会社と技術集団であるサノヤステクノサポート㈱で構成されており、多様な事業を営んでいます。当社グループが目指すところは、事業を通して社会課題を解決し、人々のくらしを支え、全ての人々の”喜び”と”満足”を実現する企業でありたいということです。サノヤスホールディングス㈱とサノヤステクノサポート㈱はグループ共通のプラットフォームとして事業会社をサポートし、各事業会社はそれぞれの事業に専念できる体制を構築しています。当社グループの柱である各事業会社では次の5つを基本方針としてソリューションの強化とイノベーションに挑戦し、お取引先やパートナー企業と協働し、社会に役立つ商品とサービスを生み出していきます。 ① 本業のものづくりとサービスに専念し、お客様に信頼される会社を目指す② ユニークな製品を適正価格で提供し、収益力の強化に努める③ DXにより仕事を効率化し、常に生産性を向上させる④ R&Dを通じて、新製品・新規事業を次々と創出する⑤ 人財教育と互いの切磋琢磨により、強い人財を育成する3.新生サノヤス10周年(2030年度)に向けて(1)基本方針サノヤスグループは多様な事業を展開しており、それぞれの事業によって解決できる又は解決したい社会課題も多種多様なものがあり、以下に図示するような社会課題を中心に解決を図っていきたいと考えています。社会インフラの老朽化に対してはサノヤス・エンテック㈱で空調や給排水等の配管の老朽化への対応としてリニューアル部隊を新設し、取り組みを進めてまいります。水資源の確保に対しては、みづほ工業㈱が手掛ける水処理事業を強化し、用水から排水までを一気通貫でエンジニアリングを行い、貴重な水資源の有効活用に貢献します。少子高齢化による労働力不足に対してはみづほ工業㈱やサノヤス・エンジニアリング㈱で生産工程の自動化や省人化を実現する新製品の開発を行い、製造現場に提供してまいります。また、データ流通基盤の強化に対しては、昨今急増し、重要な社会インフラとなっているデータセンター向けに松栄電機㈱の配電盤や分電盤を供給してまいります。このように当社グループの各事業会社はBtoB企業としてお客様にソリューションを提供することで、お客様と共に社会やくらしに役立ち、支えとなることで全ての人々の“喜び”と“満足”を実現したいと考えています。それを実現するための重点施策は、①ソリューションの強化、②イノベーションへの挑戦、③ESG経営の進化・深化の3つです。加えてこれらの重点施策を滞りなく実行できるよう事業基盤の強化を進めてまいります。 (2)重点施策 ①ソリューションの強化・当社グループ内に既に事業基盤があり、かつ将来にわたってマーケットが拡大していくことが予想される分野として産業インフラ関連分野と環境分野を注力分野に選定し、積極投資を行い基幹事業へ育成します。・国内では新しい市場領域への進出や東南アジアを中心とする海外マーケットの拡大を図ります。・既存事業とシナジーが見込まれる企業のみならず、当社グループの経営リソースでマネジメント可能な新しい事業領域のM&Aについても検討してまいります。 ②イノベーションへの挑戦・技術集団であるサノヤステクノサポート㈱をハブとして産学連携や他の企業とのコラボレーションを積極的に行い、新たなビジネス創出を図ります。・顧客ニーズや社会的要請を起点とし、事業会社とサノヤステクノサポート㈱が協働し、問題解決に資する新製品や新サービスを創出します。・ITや先進技術を積極的に活用することにより、生産性の向上や新しいビジネスモデルの構築を図ります。③ESG経営の進化・深化・引き続き、地球温暖化対策への取り組みと人的資本経営の充実を柱としています。④事業基盤の強化・収益力の向上を図るため、当社グループで最も大切なものづくり力強化に向けて、設計能力のレベルアップや原価低減推進等を進めます。・R&D機能を強化するため、各事業会社がそれぞれ行っている新製品や新サービスの開発に加え、サノヤステクノサポート㈱が一体となって開発の方向性を定め、要素技術の開発、コラボレーション先の探索などを行います。また、2024年4月1日付けで全社横断的な活動として、イノベーション推進委員会を設置し、イノベーション推進活動の加速を図っていきます。・企業体質の強化では、DX活用による能動的営業活動の実行やマネジメント研修の充実によるマネジメントスキルの向上等、企業体力の底上げを地道に行っていきます。 4.中期経営計画<'24-'26>(1)位置づけ・骨子2024年3月29日に公表した「中期経営計画<'24-'26>」は、新生サノヤス10周年(2030年度)に向けての前半の3年間と位置づけ、さらなる技術進化とポートフォリオ経営深化でグループ各社の基盤強化と連携強化の期間としています。前半の3年間で構築した高収益基盤をもとに後半の4年間で成長トレンドを実現する計画としています。 また、新生サノヤス10周年に向けた3つの重点施策に対して、5つの取り組みと合わせ事業基盤の強化を進めることとしています。5つの取り組みでは、(1)注力分野と位置付けた産業インフラ関連・環境分野への資金投入、M&A投資、人的投資を積極化、(2)既存事業では新商品開発や差別化戦略の推進、メンテ・サービス事業の強化、(3)新マーケットの開発や海外展開等、新規事業分野への進出、(4)カーボンニュートラル実現に向けた取組みの推進、(5)人財確保に向けた体制強化や働き甲斐の向上に向けた人事制度改革等、人的資本経営の推進を行ってまいります。 (2)進捗状況(2)-1.注力分野の成長ドライブ産業インフラ分野では、国内で活況を呈しているデータセンターの新築案件に対応するべく、松栄電機グループの人員増強を図り生産能力を増強するとともに、新たにISO9001の認証を取得、これらの体制強化の下、大型案件の受注を獲得することが出来ました。加えて、ハピネスデンキ㈱とのグループ内コラボレーションを進めることで、当社グループ全体で対応能力を賄うとともに、さらなる生産能力の拡大に向けたリソースの投入を進めてまいります。環境関連ソリューション分野においては、みづほ工業㈱において人員増強を図るとともに営業活動を強化することで、計画を上回る売上高を達成しました。中国に拠点を設ける美之賀機械(無錫)有限公司では、2025年1月25日に本社工場を移転し、業容拡大に向けた取組みを進めてまいります。 (2)-2.既存事業の強化みづほ工業㈱では真空乳化撹拌装置事業の拡大に向けて開発リソースの投下を図り、試験用新モデル2機種「PVQ-N(ネクスト)」、「LR-P2」を開発し、販売を開始しました。これらの装置では従来の装置に比べ省スペースを実現するとともに、操作性を改善することでユーザーニーズに応えた機能を実現しています。また、サノヤス・ライド㈱では、開発人員の増強を図るとともに、パートナー企業との連携を深め、工程管理にもリソースを投下することで、よみうりランド様の新観覧車「Sky-Go-LAND」を予定通り完工し、2024年10月24日にオープニングセレモニーが実施され、運用を開始することが出来ました。加えて、城島高原パーク様にシューティングシアター XDダークライド、グリーンランド様にウェーブスインガーを施工し、それぞれ2025年3月1日にオープンを迎えることが出来ました。引き続き遊戯機械の開発・製造・施工及び海外遊戯機械の導入を図ってまいります。メンテ・サービス領域については、サノヤス・エンジニアリング㈱の機械式駐車場事業において、工程管理の強化、補修部品のメンテナンスサイクルの見直し等を進めることで、計画を上回る売上高を達成しました。加えて差別化を図るための新製品開発に取り組んでいます。 ※(左)よみうりランド様新観覧車「Sky-Go-LAND」※(右)みづほ工業新製品 クイックホモミキサー「LR-P2」 (2)-3.新規事業分野への進出2024年4月1日付で社内にイノベーション推進委員会を設置し、当社グループ傘下の各事業会社からメンバーを選定の上、新規事業創出の検討を開始しました。出てきたアイデアについては具現化に向けた取組み・試作品の開発のフェーズに進んでおり、引き続き検討を進めてまいります。加えて、当社グループにて技術開発・技術人財育成を担っているサノヤステクノサポート㈱では、全社の技術・開発力を強化し、新製品開発の加速を図るために従来設置されていた「ものづくりラボ」を移転し、面積を約1.7倍に拡張いたしました。これにより各事業会社と連携した実験・検証に加えて、新規製品開発に必要な要素技術開発にも着手してまいります。新たなマーケットの開拓に向けては、サノヤス・エンジニアリング㈱のショットブラスト事業において海外市場の開拓に着手しています。既に取引のある機械商社や新たな商社との連携により海外市場への展開を図ってまいります。具体的に商社連携による海外顧客からの受注も獲得いたしました。サノヤス精密工業㈱においては、積極的な営業活動を推進し、新たな顧客の開拓を進めています。難切削材の切削加工や顧客の新製品用の部品製作に柔軟に対応することにより顧客の間口拡大と事業成長につなげてまいります。サノヤス・エンテック㈱においては、営業人員の増強を図り、リニューアル案件の積極的な獲得を進めています。今後も活動を継続し、リニューアル部隊の設置に向けて活動量を増加させてまいります。また、新たな事業領域の獲得ということでは、2025年4月30日に公表のとおり、2025年6月2日付で㈱小寺電子製作所をM&Aにより子会社化いたしました。㈱小寺電子製作所は1973年(昭和48年)の創業以来、全自動電線切断皮剝装置・全自動圧着機等のワイヤーハーネス加工機のメーカーとして、国内で高いシェアを誇っております。主力商品である全自動電線切断皮剥装置の「キャスティング」は国内でトップシェアを誇っており、ものづくり企業として技術に立脚した事業を行っており、当社グループの理念とも合致する企業であると評価しています。サノヤステクノサポート㈱との新製品の共同開発や海外展開強化に向けてグループ間での販路の共有化等、当社グループとのシナジー効果も見込まれることから今後の当社グループの事業成長につなげてまいります。 (2)-4.カーボンニュートラル実現に向けた取組み推進詳細は、2 「サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 (2)-5.人的資本経営の充実詳細は、2 「サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 (2)-6.収益力アップに向けた事業基盤の強化営業力の強化については、みづほ工業㈱において自社技術セミナーを実施いたしました。従来展示会等での技術説明は行っていましたが、当社拠点へ顧客を招待し技術内容・製品説明・意見交換を行う場を設定し、拡販につなげる活動を進めています。また、全社でDXの推進を進めました。顧客情報の管理、企業情報データベースの活用など営業向けのITツールの導入を図り、営業活動の効率化が進みました。さらに、各事業会社の事業形態に応じたシステム導入の検討を進めており、事業活動の効率化を図っていきます。収益力アップに結び付く活動としては、サノヤステクノサポート㈱が中心となり、事業会社各社と原価低減活動を進めました。部品の共通化、設計の標準化、製造現場における改善活動等、事業会社各社の業態にあった取組みを進めており、着実に収益力の向上が進んでいます。 5.経営指標の進捗「中期経営計画<’24-‘26>」では、新生サノヤス10周年の2030年度の目標を、売上高500億円、営業利益25億円、営業利益率5.0%、ROE10%以上とし、中期経営計画の最終年度に当たる2026年度計画は売上高300億円、営業利益10億円、営業利益率3.3%、ROE6%以上としております。 これに対し、中期経営計画1年目の2024年度は、建設需要が引き続き堅調に推移していることや、コロナ禍における部品納期の長納期化の影響が緩和したこと等に加え、前述した各種取り組みが奏功した結果、概ね全ての事業会社において売上高、営業利益が計画を上回り、売上高250億円、営業利益10.6億円、営業利益率4.3%、ROE11.7%(当連結会計年度末の自己資本を基に算出)と大幅な過達での着地となりました。計画策定当初は将来への人的資本投資の一環として従業員の賃上げ5%を盛り込み、前年対比で減益計画としておりましたが、労務費のアップ分を通常の事業収益にて吸収するだけでなく、前年対比も上回る営業利益を達成することが出来ました。経営指標の詳細については、4 「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。 6.企業価値向上への取り組みの進捗当社グループは資本コストや株価を意識した経営の実現にも積極的に取り組んでおります。中期経営計画の期間中にPBRを1倍以上にすることを目標とし、資本収益性向上に取組んでおりますが、中期経営計画1年目の結果は、2025年3月31日時点の当社株価180.0円、PBRは0.60倍、2025年3月期の決算を公表した2025年5月12日の翌日時点では当社株価262.0円、PBRは0.86倍となっており、着実に進展をしております。また、2025年4月1日に公表いたしました通り、当社及び当社の子会社の管理職層従業員が当社株式を所有することにより経営参画意識を高めるとともに、株主の皆様と一層の価値共有を進めることを目的に、従業員持株会向け譲渡制限付株式インセンティブ制度の導入を決定いたしました。引き続き中期経営計画の諸施策を着実に実行し、ステークホルダーの皆さまに成長性をお示ししていくことでPBR1倍以上を実現したいと考えています。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 経営環境及び課題への取組み1.経営方針(1)グループ理念当社グループは1911年に造船業を祖業として創業しましたが、創業以来、技術力に立脚したものづくりの会社として歴史を歩んできました。当社グループでは祖業である造船事業を「コアビジネス」、非造船事業を「第二のコアビジネス」として位置付け、事業の多角化に取り組んできました。2021年2月28日付で祖業である造船事業を㈱新来島どっくに譲渡しましたが、事業譲渡後も「確かな技術にまごころこめて ~人と技術を磨き、新たな顧客価値を創出する~」というグループ理念については、グループの従業員が最も大切にする基本的な考え方として不変のものとしています。このグループ理念を従業員一人ひとりが実践することで、事業を通じて社会課題を解決し「サステナブルな社会の実現」に貢献するとともに持続的な企業価値向上を目指します。(2)グループビジョン当社グループは2024年3月29日に「中期経営計画<'24-'26>」を対外公表しましたが、当該計画を策定するにあたり造船事業譲渡後の新生サノヤス10周年に当たる2030年度に当社グループが目指す姿を明確化し、グループビジョンとして策定しました。(3)行動原則グループビジョンを実現するために組織で大切にするべき価値観や行動を5つの行動原則として定め、グループの従業員全員で共有し、日々の事業活動の指針としています。 2.サノヤスグループの思い当社グループは持株会社であるサノヤスホールディングス㈱の傘下に、事業活動を行う10社の事業会社と技術集団であるサノヤステクノサポート㈱で構成されており、多様な事業を営んでいます。当社グループが目指すところは、事業を通して社会課題を解決し、人々のくらしを支え、全ての人々の”喜び”と”満足”を実現する企業でありたいということです。サノヤスホールディングス㈱とサノヤステクノサポート㈱はグループ共通のプラットフォームとして事業会社をサポートし、各事業会社はそれぞれの事業に専念できる体制を構築しています。当社グループの柱である各事業会社では次の5つを基本方針としてソリューションの強化とイノベーションに挑戦し、お取引先やパートナー企業と協働し、社会に役立つ商品とサービスを生み出していきます。 ① 本業のものづくりとサービスに専念し、お客様に信頼される会社を目指す② ユニークな製品を適正価格で提供し、収益力の強化に努める③ DXにより仕事を効率化し、常に生産性を向上させる④ R&Dを通じて、新製品・新規事業を次々と創出する⑤ 人財教育と互いの切磋琢磨により、強い人財を育成する3.新生サノヤス10周年(2030年度)に向けて(1)基本方針サノヤスグループは多様な事業を展開しており、それぞれの事業によって解決できる又は解決したい社会課題も多種多様なものがあり、以下に図示するような社会課題を中心に解決を図っていきたいと考えています。社会インフラの老朽化に対してはサノヤス・エンテック㈱で空調や給排水等の配管の老朽化への対応としてリニューアル部隊を新設し、取り組みを進めてまいります。水資源の確保に対しては、みづほ工業㈱が手掛ける水処理事業を強化し、用水から排水までを一気通貫でエンジニアリングを行い、貴重な水資源の有効活用に貢献します。少子高齢化による労働力不足に対してはみづほ工業㈱やサノヤス・エンジニアリング㈱で生産工程の自動化や省人化を実現する新製品の開発を行い、製造現場に提供してまいります。また、データ流通基盤の強化に対しては、昨今急増し、重要な社会インフラとなっているデータセンター向けに松栄電機㈱の配電盤や分電盤を供給してまいります。このように当社グループの各事業会社はBtoB企業としてお客様にソリューションを提供することで、お客様と共に社会やくらしに役立ち、支えとなることで全ての人々の“喜び”と“満足”を実現したいと考えています。それを実現するための重点施策は、①ソリューションの強化、②イノベーションへの挑戦、③ESG経営の進化・深化の3つです。加えてこれらの重点施策を滞りなく実行できるよう事業基盤の強化を進めてまいります。 (2)重点施策 ①ソリューションの強化・当社グループ内に既に事業基盤があり、かつ将来にわたってマーケットが拡大していくことが予想される分野として産業インフラ関連分野と環境分野を注力分野に選定し、積極投資を行い基幹事業へ育成します。・国内では新しい市場領域への進出や東南アジアを中心とする海外マーケットの拡大を図ります。・既存事業とシナジーが見込まれる企業のみならず、当社グループの経営リソースでマネジメント可能な新しい事業領域のM&Aについても検討してまいります。 ②イノベーションへの挑戦・技術集団であるサノヤステクノサポート㈱をハブとして産学連携や他の企業とのコラボレーションを積極的に行い、新たなビジネス創出を図ります。・顧客ニーズや社会的要請を起点とし、事業会社とサノヤステクノサポート㈱が協働し、問題解決に資する新製品や新サービスを創出します。・ITや先進技術を積極的に活用することにより、生産性の向上や新しいビジネスモデルの構築を図ります。③ESG経営の進化・深化・引き続き、地球温暖化対策への取り組みと人的資本経営の充実を柱としています。④事業基盤の強化・収益力の向上を図るため、当社グループで最も大切なものづくり力強化に向けて、設計能力のレベルアップや原価低減推進等を進めます。・R&D機能を強化するため、各事業会社がそれぞれ行っている新製品や新サービスの開発に加え、サノヤステクノサポート㈱が一体となって開発の方向性を定め、要素技術の開発、コラボレーション先の探索などを行います。また、2024年4月1日付けで全社横断的な活動として、イノベーション推進委員会を設置し、イノベーション推進活動の加速を図っていきます。・企業体質の強化では、DX活用による能動的営業活動の実行やマネジメント研修の充実によるマネジメントスキルの向上等、企業体力の底上げを地道に行っていきます。 4.中期経営計画<'24-'26>(1)位置づけ・骨子2024年3月29日に公表した「中期経営計画<'24-'26>」は、新生サノヤス10周年(2030年度)に向けての前半の3年間と位置づけ、さらなる技術進化とポートフォリオ経営深化でグループ各社の基盤強化と連携強化の期間としています。前半の3年間で構築した高収益基盤をもとに後半の4年間で成長トレンドを実現する計画としています。 また、新生サノヤス10周年に向けた3つの重点施策に対して、5つの取り組みと合わせ事業基盤の強化を進めることとしています。5つの取り組みでは、(1)注力分野と位置付けた産業インフラ関連・環境分野への資金投入、M&A投資、人的投資を積極化、(2)既存事業では新商品開発や差別化戦略の推進、メンテ・サービス事業の強化、(3)新マーケットの開発や海外展開等、新規事業分野への進出、(4)カーボンニュートラル実現に向けた取組みの推進、(5)人財確保に向けた体制強化や働き甲斐の向上に向けた人事制度改革等、人的資本経営の推進を行ってまいります。 (2)進捗状況(2)-1.注力分野の成長ドライブ産業インフラ分野では、国内で活況を呈しているデータセンターの新築案件に対応するべく、松栄電機グループの人員増強を図り生産能力を増強するとともに、新たにISO9001の認証を取得、これらの体制強化の下、大型案件の受注を獲得することが出来ました。加えて、ハピネスデンキ㈱とのグループ内コラボレーションを進めることで、当社グループ全体で対応能力を賄うとともに、さらなる生産能力の拡大に向けたリソースの投入を進めてまいります。環境関連ソリューション分野においては、みづほ工業㈱において人員増強を図るとともに営業活動を強化することで、計画を上回る売上高を達成しました。中国に拠点を設ける美之賀機械(無錫)有限公司では、2025年1月25日に本社工場を移転し、業容拡大に向けた取組みを進めてまいります。 (2)-2.既存事業の強化みづほ工業㈱では真空乳化撹拌装置事業の拡大に向けて開発リソースの投下を図り、試験用新モデル2機種「PVQ-N(ネクスト)」、「LR-P2」を開発し、販売を開始しました。これらの装置では従来の装置に比べ省スペースを実現するとともに、操作性を改善することでユーザーニーズに応えた機能を実現しています。また、サノヤス・ライド㈱では、開発人員の増強を図るとともに、パートナー企業との連携を深め、工程管理にもリソースを投下することで、よみうりランド様の新観覧車「Sky-Go-LAND」を予定通り完工し、2024年10月24日にオープニングセレモニーが実施され、運用を開始することが出来ました。加えて、城島高原パーク様にシューティングシアター XDダークライド、グリーンランド様にウェーブスインガーを施工し、それぞれ2025年3月1日にオープンを迎えることが出来ました。引き続き遊戯機械の開発・製造・施工及び海外遊戯機械の導入を図ってまいります。メンテ・サービス領域については、サノヤス・エンジニアリング㈱の機械式駐車場事業において、工程管理の強化、補修部品のメンテナンスサイクルの見直し等を進めることで、計画を上回る売上高を達成しました。加えて差別化を図るための新製品開発に取り組んでいます。 ※(左)よみうりランド様新観覧車「Sky-Go-LAND」※(右)みづほ工業新製品 クイックホモミキサー「LR-P2」 (2)-3.新規事業分野への進出2024年4月1日付で社内にイノベーション推進委員会を設置し、当社グループ傘下の各事業会社からメンバーを選定の上、新規事業創出の検討を開始しました。出てきたアイデアについては具現化に向けた取組み・試作品の開発のフェーズに進んでおり、引き続き検討を進めてまいります。加えて、当社グループにて技術開発・技術人財育成を担っているサノヤステクノサポート㈱では、全社の技術・開発力を強化し、新製品開発の加速を図るために従来設置されていた「ものづくりラボ」を移転し、面積を約1.7倍に拡張いたしました。これにより各事業会社と連携した実験・検証に加えて、新規製品開発に必要な要素技術開発にも着手してまいります。新たなマーケットの開拓に向けては、サノヤス・エンジニアリング㈱のショットブラスト事業において海外市場の開拓に着手しています。既に取引のある機械商社や新たな商社との連携により海外市場への展開を図ってまいります。具体的に商社連携による海外顧客からの受注も獲得いたしました。サノヤス精密工業㈱においては、積極的な営業活動を推進し、新たな顧客の開拓を進めています。難切削材の切削加工や顧客の新製品用の部品製作に柔軟に対応することにより顧客の間口拡大と事業成長につなげてまいります。サノヤス・エンテック㈱においては、営業人員の増強を図り、リニューアル案件の積極的な獲得を進めています。今後も活動を継続し、リニューアル部隊の設置に向けて活動量を増加させてまいります。また、新たな事業領域の獲得ということでは、2025年4月30日に公表のとおり、2025年6月2日付で㈱小寺電子製作所をM&Aにより子会社化いたしました。㈱小寺電子製作所は1973年(昭和48年)の創業以来、全自動電線切断皮剝装置・全自動圧着機等のワイヤーハーネス加工機のメーカーとして、国内で高いシェアを誇っております。主力商品である全自動電線切断皮剥装置の「キャスティング」は国内でトップシェアを誇っており、ものづくり企業として技術に立脚した事業を行っており、当社グループの理念とも合致する企業であると評価しています。サノヤステクノサポート㈱との新製品の共同開発や海外展開強化に向けてグループ間での販路の共有化等、当社グループとのシナジー効果も見込まれることから今後の当社グループの事業成長につなげてまいります。 (2)-4.カーボンニュートラル実現に向けた取組み推進詳細は、2 「サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 (2)-5.人的資本経営の充実詳細は、2 「サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 (2)-6.収益力アップに向けた事業基盤の強化営業力の強化については、みづほ工業㈱において自社技術セミナーを実施いたしました。従来展示会等での技術説明は行っていましたが、当社拠点へ顧客を招待し技術内容・製品説明・意見交換を行う場を設定し、拡販につなげる活動を進めています。また、全社でDXの推進を進めました。顧客情報の管理、企業情報データベースの活用など営業向けのITツールの導入を図り、営業活動の効率化が進みました。さらに、各事業会社の事業形態に応じたシステム導入の検討を進めており、事業活動の効率化を図っていきます。収益力アップに結び付く活動としては、サノヤステクノサポート㈱が中心となり、事業会社各社と原価低減活動を進めました。部品の共通化、設計の標準化、製造現場における改善活動等、事業会社各社の業態にあった取組みを進めており、着実に収益力の向上が進んでいます。 5.経営指標の進捗「中期経営計画<’24-‘26>」では、新生サノヤス10周年の2030年度の目標を、売上高500億円、営業利益25億円、営業利益率5.0%、ROE10%以上とし、中期経営計画の最終年度に当たる2026年度計画は売上高300億円、営業利益10億円、営業利益率3.3%、ROE6%以上としております。 これに対し、中期経営計画1年目の2024年度は、建設需要が引き続き堅調に推移していることや、コロナ禍における部品納期の長納期化の影響が緩和したこと等に加え、前述した各種取り組みが奏功した結果、概ね全ての事業会社において売上高、営業利益が計画を上回り、売上高250億円、営業利益10.6億円、営業利益率4.3%、ROE11.7%(当連結会計年度末の自己資本を基に算出)と大幅な過達での着地となりました。計画策定当初は将来への人的資本投資の一環として従業員の賃上げ5%を盛り込み、前年対比で減益計画としておりましたが、労務費のアップ分を通常の事業収益にて吸収するだけでなく、前年対比も上回る営業利益を達成することが出来ました。経営指標の詳細については、4 「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。 6.企業価値向上への取り組みの進捗当社グループは資本コストや株価を意識した経営の実現にも積極的に取り組んでおります。中期経営計画の期間中にPBRを1倍以上にすることを目標とし、資本収益性向上に取組んでおりますが、中期経営計画1年目の結果は、2025年3月31日時点の当社株価180.0円、PBRは0.60倍、2025年3月期の決算を公表した2025年5月12日の翌日時点では当社株価262.0円、PBRは0.86倍となっており、着実に進展をしております。また、2025年4月1日に公表いたしました通り、当社及び当社の子会社の管理職層従業員が当社株式を所有することにより経営参画意識を高めるとともに、株主の皆様と一層の価値共有を進めることを目的に、従業員持株会向け譲渡制限付株式インセンティブ制度の導入を決定いたしました。引き続き中期経営計画の諸施策を着実に実行し、ステークホルダーの皆さまに成長性をお示ししていくことでPBR1倍以上を実現したいと考えています。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況(単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率 (%)売上高23,35225,0061,6537.1営業利益5091,065555109.0経常利益6361,07343768.8親会社株主に帰属する当期純利益4591,182723157.5 売上高は、建設業向けセグメントにおいて機械式駐車装置の製造及びメンテナンスが好調に推移した他、空調・給排水・衛生設備の設計及び施工、大規模施設向け動力制御盤・分電盤・配電盤等の製造が好調、またレジャーセグメントにおいて大型の遊園地遊戯機械設備が完工したことから増収となりました。売上高の増収に加え、原価低減活動や原材料価格上昇分の価格転嫁が進んだことから、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに、大幅な増益を達成しました。なお、親会社株主に帰属する当期純利益については、2025年3月期及び今後の業績動向を勘案し、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、回収可能性のある部分について繰延税金資産が増加し、法人税等調整額として△177百万円(△は利益)を計上しています。 (単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率 (%)受注高20,58720,220△367△1.8受注残高14,02712,694△1,332△9.5 受注高・受注残高は、製造業向けセグメントにおいて乳化・攪拌装置の製造が大幅に伸長した一方、レジャーセグメントにおいて前期に大口案件を受注した反動により前期比では減少した他、建設業向けセグメントでも動力制御盤・分電盤・配電盤等の製造を中心に減少しましたが、全体では高水準の受注残高を維持しています。 セグメント区分 製造業向けセグメント建設業向けセグメントレジャーセグメントサノヤス・エンジニアリング㈱ 機械式駐車装置の製造及びメンテナンス 〇 ショットブラストマシンの製造及びメンテナンス〇 建設工事用エレベーターの製造及びレンタル 〇 サノヤス精密工業㈱ 各種産業機械部品の製造及び組立〇 農機及び特装自動車用部品の製造及び組立〇 みづほ工業㈱、美之賀機械(無錫)有限公司 乳化・攪拌装置の製造〇 純水設備・排水処理設備及び膜分離装置の設計及び施工〇 大型食品タンク等各種タンクの設計及び施工〇 サノヤス・エンテック㈱ 空調・給排水・衛生設備の設計及び施工 〇 環境装置の製造及びメンテナンス〇 医療廃棄物処理装置の製造及びメンテナンス〇 製造業向けセグメント建設業向けセグメントレジャーセグメントハピネスデンキ㈱ 大規模施設向け動力制御盤・分電盤・配電盤等の製造及び電気工事 〇 松栄電機㈱、松栄電気システムコントロール㈱ 通信インフラ向け配電盤・分電盤等の製造 〇 サノヤス・ライド㈱、サノヤス・ライドサービス㈱ 遊園地遊戯機械設備の製造及びメンテナンス 〇 遊園地施設の運営管理の受託 〇 (製造業向けセグメント)(単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率 (%)売上高10,0719,258△812△8.1営業利益982875△107△10.9受注高7,5409,5502,00926.7受注残高3,7285,0461,31835.4 売上高は、ショットブラストマシンの製造及びメンテナンスや各種産業機械部品の製造が好調に推移しましたが、乳化・攪拌装置の製造が前期好調であった反動で前期比で大幅な減収となり、売上高の減少に伴い営業利益も減益となりました。受注高は、乳化・攪拌装置の製造が回復した他、純水設備・排水処理設備及び膜分離装置の設計及び施工で大口案件を受注したことで伸長し、受注残高も積み上がっています。 (建設業向けセグメント)(単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率 (%)売上高9,83012,0892,25923.0営業利益4881,312823168.5受注高10,5269,460△1,066△10.1受注残高9,1007,291△1,809△19.9 売上高は、機械式駐車装置の製造でリニューアル工事の進捗が想定を上回ったことに加えメンテナンス・修繕が堅調に推移、空調・給排水・衛生設備の設計及び施工は人員を強化した効果により増収、大規模施設向け動力制御盤・分電盤・配電盤等の製造・販売も好調であったことから、全体としても大幅な増収となりました。売上高の増加に伴う増益に加え、原価低減活動と原材料価格上昇分の価格転嫁により、収益率が改善し、営業利益も大幅な増益となりました。受注高は、大規模施設向け動力制御盤・分電盤・配電盤等の製造や空調・給排水・衛生設備の設計及び施工が低調であった結果、受注残高も減少しました。 (レジャーセグメント)(単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率 (%)売上高3,4503,6572066.0営業利益467437△29△6.3受注高2,5201,210△1,310△52.0受注残高1,198356△841△70.2 売上高は、大型の遊園地遊戯機械設備が完工したことから遊園地遊戯機械設備の製造及びメンテナンスは増収になったものの、営業利益は収益性の高い遊園地施設の運営管理において休日の天候不順等により来場者数が減少した結果、微減益となりました。受注高・受注残高は、前期に大口の遊園地遊戯機械設備を受注した反動で前期比では減少しています。 (資産)当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べて360百万円増加し、12,806百万円となりました。これは主に、電子記録債権が636百万円、仕掛品が213百万円、原材料及び貯蔵品が139百万円、受取手形が121百万円それぞれ減少したものの、契約資産が677百万円、その他流動資産が403百万円、現金及び預金が389百万円それぞれ増加したこと等によるものです。当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べて65百万円増加し、14,869百万円となりました。これは主に、有形固定資産が83百万円、無形固定資産が48百万円それぞれ減少したものの、繰延税金資産が209百万円増加したこと等によるものです。 (負債)当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べて1,604百万円減少し、10,420百万円となりました。これは主に、契約負債が319百万円、1年内返済予定の長期借入金が132百万円それぞれ増加したものの、短期借入金が1,200百万円、電子記録債務が712百万円、未払法人税等が114百万円それぞれ減少したこと等によるものです。当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べて997百万円増加し、7,083百万円となりました。これは主に、リース債務が177百万円減少したものの、長期借入金が1,280百万円増加したこと等によるものです。 (純資産)当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて1,033百万円増加し、10,171百万円となりました。これは主に、利益剰余金が1,018百万円増加したこと等によるものです。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ389百万円増加し、1,956百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度末に比べ110百万円収入が減少し、1,500百万円の資金の増加となりました。主な収入は、税金等調整前当期純利益1,064百万円、減価償却費794百万円、契約負債の増加372百万円、売上債権の減少91百万円であり、一方、主な支出は、仕入債務の減少749百万円、法人税等の支払額311百万円であります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度末に比べ13百万円支出が増加し、817百万円の資金の減少となりました。主な支出は、有形固定資産の取得による支出569百万円で無形固定資産の取得による支出206百万円であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度末に比べ246百万円支出が減少し、337百万円の資金の減少となりました。主な収入は長期借入れによる収入3,200百万円であり、一方、主な支出は、長期借入金の返済による支出1,786百万円、短期借入金の純増減額1,200百万円、リース債務の返済による支出231百万円、配当金の支払額168百万円、自己株式の取得による支出149百万円であります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)製造業向け6,7144.9建設業向け7,94311.3レジャー1,69811.7合計16,3568.6 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去していません。2 金額は期間中に発生した製造原価で示しています。 b.受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高受注残高金額(百万円)前年同期比(%)金額(百万円)前年同期比(%)製造業向け9,55026.75,04635.4建設業向け9,460△10.17,291△19.9レジャー1,210△52.0356△70.2合計20,220△1.812,694△9.5 (注) レジャー事業の遊園地運営は受注高及び受注残高に含めていません。 c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)製造業向け9,258△8.1建設業向け12,08923.0レジャー3,6576.0合計25,0067.1 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は前期比1,653百万円(7.1%)増加の25,006百万円となり、営業利益は前期比555百万円(109.0%)増加の1,065百万円、経常利益は前期比437百万円(68.8%)増加の1,073百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比723百万円(157.5%)増加の1,182百万円となりました。国内景気が堅調に推移していることに加え、新型コロナウイルス感染症の影響による部品・部材供給の長期化はほぼ収束、原材料価格の上昇も緩和傾向にあり、当社業績に与えるネガティブな要因は減少いたしました。部品・部材の供給が徐々に正常化していることから、生産性も向上し、好調な受注環境も背景に前期比大幅な増収増益の好調な決算となりました。当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度末に比べ110百万円減少し、1,500百万円の収入となりました。主な収入は、税金等調整前当期純利益1,064百万円、減価償却費794百万円でした。投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度末に比べ13百万円増加し、817百万円の支出となりました。有形固定資産の取得による支出569百万円で無形固定資産の取得による支出206百万円であります。財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度末に比べ246百万円減少し、337百万円の支出となりました。長期借入金の返済による支出1,786百万円が主要因です。この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、1,956百万円と前連結会計年度末に比べ389百万円増加しました。一方、当連結会計年度末の有利子負債残高は8,095百万円となり、前連結会計年度末に比べ4百万円減少しました。キャッシュ・マネジメント・サービスの導入によりグループの資金効率を改善し、借入金の返済やリース債務の支払いを進めた結果です。当社グループは、2024年3月29日、2024年度から2026年度の3年間を計画期間とする「中期経営計画<'24-'26>」を公表いたしました。その初年度にあたる当連結会計年度は売上高25,006百万円、営業利益1,065百万円と中期経営計画初年度の業績計画を大きく上回る結果となりました。2025年度については、特にトランプ関税による世界経済への影響が不透明な中ではありますが、当社といたしましては中期経営計画の着実な実行を通して、企業価値の向上に努めてまいります。また、中期経営計画では資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応として、資本収益性の向上に取り組んでおり、株主資本コストを上回るROEを達成するとともに、中期経営計画で掲げた戦略を確実に実行することにより、PBR1倍以上を実現したいと考えております。 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。(製造業向け)製造業向けセグメントは、各種産業機械部品の製造及び組立で主力製品の需要が回復したことから前期比で増収となる一方、乳化・攪拌装置の製造が前期好調に推移した反動もあり、国内外ともに前期比減収となったことから全体では減収・減益となりました。(建設業向け)建設業向けセグメントにおいては、建設需要が引き続き好調に推移していることを背景に機械式駐車場装置の製造及びメンテナンス、及び空調・給排水・衛生設備の設計及び施工、大規模施設向け動力制御盤・分電盤・配電盤等の製造が前期比で増収となった結果、全体でも大幅な増収・増益となりました。(レジャー)遊園地遊戯機械設備の製造及びメンテナンスでは大型案件2件が完工したことから前期比では増収となった一方で、遊園地施設の運営管理の受託は休日の天候不順や猛暑による来場者数の減少により減収となり、全体では増収・減益となりました。 ② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。(固定資産の減損処理)当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
事業リスク
- 経済状況と事業環境の変動国内景気の動向に大きく左右され、高層ビル・マンション建設需要、国内製造業の需要、レジャー需要(天候含む)の変動が業績に影響します。新型コロナウイルスのようなパンデミックが発生した場合、再び業績が大きく後退する可能性があります。海外輸出も現地需要や法規制変更の影響を受けるため、経済状況の変化は広範囲にわたるリスクとなります。
- 原材料・エネルギー価格の高騰ロシア・ウクライナ紛争や中東情勢などの地政学リスクにより、鉄、銅などの非鉄金属や石油石炭といった原材料、電力などのエネルギー価格が高騰する可能性があります。受注生産が中心の事業特性上、これらのコスト上昇分を価格に転嫁しきれない場合、利益率が圧迫され、業績に悪影響を及ぼす恐れがあります。
- 人財確保・育成の課題造船事業の不況期に採用を絞った影響で年齢構成に偏りがあり、成長戦略に必要な即戦力の人財確保が課題です。新卒採用や中途採用、65歳定年制度の導入で対応していますが、労働市場の動向によっては計画通りの人財確保が困難となり、事業運営や技術継承に支障をきたす可能性があります。人財不足は生産性や競争力低下に繋がるリスクです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経済状況、事業環境について 当社グループの事業は、主として国内景気の動向に大きく左右されます。最近では新型コロナウイルスの感染拡大による国内外の経済への影響を受け、業績の後退を余儀なくされました。足許ではその影響はほぼなくなったことから業績も回復しましたが、同様のパンデミックが生じた場合には、大きな影響を受ける可能性があります。 具体的には、建設工事用エレベーターや電気制御設備、空調・給排水設備工事は高層ビル・マンションや工事設備の建設需要に、各種産業機械部品の製造、乳化・攪拌装置の製造、大型食品タンク等各種タンクの製造、農機及び特殊自動車用部品の製造、ショットブラストマシンの製造は国内製造業の需要動向に影響を受けます。遊園地遊戯機械設備の製造や遊園地施設の運営管理の受託事業は、国内及び海外のレジャー施設建設需要と、国内及び海外の消費者のレジャー需要(天候要因を含む)に影響を受けます。 また、乳化・攪拌装置を中心に海外への輸出に注力しており、現地での需要動向や法規制等の変更による影響を受ける可能性があります。(2) 外国為替相場の変動について レジャー事業を中心に輸出入があり、外国為替相場の変動により当該事業の業績が影響を受ける可能性があります。(3) 金利の変動について 日本銀行のマイナス金利解除以降、金利は上昇局面に入っており、今後も中長期的には金利が上昇していくことが見込まれますが、当社グループの有利子負債の支払利息が増加し金融収支が悪化する可能性があります。(4) 投資有価証券について 当社グループの保有する投資有価証券については、大半が上場株式であるため、今後、株式相場が大幅に変動した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、今後の同社株式の保有方針については、「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等 (5)株式の保有状況 」をご参照ください。(5) 原材料、資材、エネルギー価格について ロシアとウクライナの紛争や中東情勢等、地政学リスクが高まっています。その影響による鉄や銅をはじめとする非鉄金属、石油石炭等の原材料の値上がりによって当社グループの調達資材や電力等エネルギー価格が上昇し、受注生産を中心とする当社グループの事業特性からコストアップ要因として働き業績に影響を与える可能性があります。(6) 製品の保証について 当社グループでは、品質管理基準に従って製品の製造並びに据付工事及びメンテナンス等を行っていますが、当社グループ負担の保証工事や製造物賠償責任等に伴うコストの発生から、保険等でカバーすることができず、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(7) 不採算工事の発生に関するリスク 当社グループが施工する工事において、当該工事の施工段階で当初の想定外の追加工事による原価増等により不採算工事が発生した場合、工事損失引当金を計上することとなり、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。(8) 減損会計の適用によるリスク 当社グループでは、製造設備をはじめとした事業の用に供する各種資産を保有しています。それらの時価が著しく下落した場合、又は事業資産の収益性が悪化し回復の可能性が見込めない場合には、減損会計の適用によりそれらの固定資産の減損損失を計上することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、買収に伴ってのれんを計上しており、当該事業の収益性が悪化し回復の可能性が見込めない場合には、減損会計の適用によりのれんの減損損失を計上することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(9) 法的規制、会計基準について 当社グループは、国内外での各種法令、許認可や規制の順守のもとに事業を遂行し、会計基準に則り会計処理を行っていますが、法令の改廃や法的規制が設けられた場合や、税効果会計や減損会計を適用しているため、将来の予想数値の変更があった場合、並びに会計基準が変更される場合等には当社グループの貸借対照表、損益計算書に影響を及ぼす可能性があります。(10) 環境保全について 社会の要請である環境保全については、グループ全体で真摯に取り組んでいますが、不測の事態等によりコストが発生し業績に影響を及ぼす可能性があります。(11) 災害及び事故について 当社グループは火災、地震、台風等の各種災害に対し、損害の発生及び拡大を最小限に止めるべくシステム機器の外部センター等への分散配置等の処置を講じていますが、それらの災害により当社グループの活動が影響を受ける可能性があります。また、工場及び工事現場、遊園地等における安全管理には万全を期していますが、万一事故が起きた場合には損害額、賠償額が保険等で十分カバーされず当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(12) 訴訟等について 当社グループの事業に関連して、当社グループが当事者となることのある訴訟その他法的手続きに係る決定等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社組織の総務部に法務担当者を配置し顧問弁護士と相談しながら訴訟の発生リスクを極小化しています。(13) 情報セキュリティについて 当社グループが保有する情報資産の保護については、管理体制の整備や教育、情報セキュリティシステムの構築等によって、グループ全体で取り組んでいます。しかし、コンピュータウイルスへの感染や不正アクセス、その他不測の事態によって、これらの情報資産が消失、もしくは漏洩した場合、当社グループの業績や信用・評判等に影響を及ぼす可能性があります。セキュリティ確保の観点から、システム企画部を中心にITシステムを含む情報管理の体制を整備・更新し、従業員への教育等を行い、情報漏えい防止に努めています。(14) 人財の確保・育成について 当社グループは、造船事業が不況の時期に定期採用を絞ったことにより年齢構成に偏りがあります。また、成長戦略を推進するにあたり即戦力の人財確保が課題です。ここ10年は、好不況にかかわらず一定数の新卒採用を行っており、即戦力の中途採用にも注力しています。また、2019年4月より60歳定年を65歳に延長する「65歳定年制度」を順次導入、2025年4月1日にサノヤス精密工業㈱で導入が完了し、グループ会社全社で導入となりました。ベテラン人財の活用とベテランから中堅・若手への技能伝承に努めていますが、労働市場の動向によっては、当社グループが計画する人財の確保ができず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(15) 各種ハラスメントについて 当社グループは人的資本経営を重要な経営課題と捉え、働きやすく、従業員一人ひとりが成長を実感できる活力のある職場づくりを目指しています。セクシャルハラスメントやパワーハラスメントなどの各種ハラスメントは当社が目指す人的資本経営の大きな阻害要因となりえます。当社グループでは、2017年4月1日に「ハラスメント防止規程」を制定し、ハラスメントに関する相談に対応するため、グループの統括窓口を設け、ハラスメントに対する早期対応を行うことで、快適な職場環境の維持に努めています。