研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-03 | - | 96 |
| 2024-03 | - | 72 |
| 2023-03 | - | 74 |
| 2022-03 | - | 90 |
| 2021-03 | - | 127 |
研究開発活動(本文)
FY2025|3,006 文字
6【研究開発活動】当社グループは、舶用推進システム事業及び物流システム事業を中核事業として、製品競争力強化と事業拡大につながる研究開発を積極的に推進しております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、1,467百万円であり、主な研究開発は以下のとおりであります。なお、海洋開発は持分法適用関連会社で構成され、その研究開発費は上記金額に含まれないため記載を省略しております。また、2024年6月に同セグメントを構成していた三井海洋開発株式会社及びその関係会社を持分法適用の範囲から除外しております。 (1)成長事業推進産業機械関連では、2024年度に販売を開始した水素サプライチェーン設備向け高圧大流量の水素圧縮機に対し、導入費及び維持費を含めたライフサイクルコストの低減に貢献する消耗部品の技術開発を進めております。また、引き続き水素社会の拡大に伴う市場拡大が見込まれる高圧水素ガスの製造・輸送・利用分野に対し、経済性・信頼性に優れた各種製品・サービスの拡充を進めてまいります。新規事業関連では、港湾における業務のデジタル化による脱炭素化や省人化、効率化に貢献する技術開発を進めております。一例として、これまで書類で行っていた港湾クレーンの法令点検記録管理を電子機器での入力及びクラウド上での管理とする「CREWS」(Crane Engineer Workflow Service)を開発し、博多港等において受注しております。また、船舶関連の新規事業として開発していた「FALCONs」(Fouling Advanced Lifecycle Control Service)のサービスを2025年3月に開始しました。当サービスは、航行データと船体の汚損状態の点検結果から船体洗浄を行った場合の燃費改善量及びCO2排出削減量を定量的に予想するものですが、ニュージーランドの船体汚損に関する入港規制にも対応しており、既に入港の実績もあります。その他、引き続き水素燃料電池や水素内燃機関活用のための水素燃料供給方法の技術開発などによって、脱炭素化と人口縮小による労働力不足などの社会課題解決に取り組んでおります。 当事業に係る研究開発費は、458百万円であります。 (2)舶用推進システム舶用エンジン関連では、燃焼時にCO2を排出しないアンモニア焚きエンジン及び燃料供給装置、燃料タンクなど周辺機器の開発を進めており、2025年2月に世界初となる商用機におけるアンモニア焚き大型低速二元燃料エンジン及び燃料供給装置の試験運転を開始しました。燃料供給装置など一部の製品開発は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) のグリーンイノベーション基金の補助事業として採択されております。アンモニア焚きエンジン及び燃料供給装置の引合い商談が増加しており、引き続き安全性の確保を行いながら、商用化に向けた開発に取り組んでまいります。当事業に係る研究開発費は、507百万円であります。 (3)物流システムクレーン関連では、カーボンニュートラルポート実現のために、水素燃料電池を搭載したラバータイヤ式門型クレーン「トランステーナ」の開発を進めております。NEDO補助事業の一環として、米国・ロサンゼルス港において2024年7月より世界初となる水素燃料電池を搭載したトランステーナでの商業コンテナ荷役運転を開始し、今後2年間にわたって検証、分析を行う予定です。国内においては東京港、神戸港に続き、横浜港でも水素を燃料とした荷役機械の稼働実証が決定しました。これら実証の成果を広く展開し、荷役機械への水素利用の促進により、港湾の脱炭素化を推進してまいります。また、大分工場内のテスト用遠隔自働トランステーナとヤード荷役テストエリアを活用して、オペレータの業務環境改善及び更なる荷役効率向上のために、AI画像処理等の新技術を応用した技術開発を進めております。さらに、ガントリークレーン「ポーテーナ」、製鉄所向けクレーン等の遠隔自働化技術についても機能開発を行っております。システム関連では、2023年度に国土交通省より受託したコンテナヤード内横持ちトレーラ運航の高度化に関する技術開発について、実証実験を苫小牧港東港区苫小牧国際コンテナターミナルで実施しました。本実証実験は、船から降ろしたコンテナの蔵置場所までの運搬及び蔵置場所から船積み場所までの運搬を行う横持ちトレーラの運行を高度化するもので、これにより、乗員は作業負担が軽減され、走行時の安全確保に集中することができます。引き続き2025年度も車両及びシステム連携技術の開発を進めてまいります。アフターサービス関連では、国土交通省港湾局が進めている荷役機械の予防保全的維持管理手法の高度化に合わせて、ビッグデータを活用するクラウド型遠隔監視システム「CARMS」(Crane Advanced Remote Monitoring System)を三井E&Sシステム技研株式会社と共同で製品化し、2023年以降、国内外10港湾に導入していただいております。さらに多くのお客様からの引合いがあり、ニーズに沿った機能を追加してまいります。また、並行してクレーンの故障予防保全AI診断機能の開発を進めており、診断機能を搭載したクレーンを2025年前半に製品化する予定です。AI診断をもとに、点検業務を支援するサービスやクレーン使用頻度から自動的にメンテナンス時期を算出する維持管理サービス、予備品を効率的に管理するサービス、部品手配が行えるECサイトなど、新たなサービスの開発を進めております。また、従来目視で行っていた点検作業をドローンに置き換えるシステムを株式会社ゼンリンデータコムと共同開発し、コンテナクレーンのほか、移動式クレーンや橋梁、プラント設備、遊園地施設の自動点検システムとして、多くのユーザーニーズにマッチするよう機能向上/改善を実施しております。2024年にはお客様が自ら容易にドローンの自動飛行/撮影ルートを作成できるアプリケーション「ドローンスナップ」を開発し、販売を開始しました。2025年度から成長事業推進セグメントへ所管が移りましたが、撮影した画像をクラウド上で管理し、経年変化観察も実現できる「ドローンスナップクラウド」サービスの提供を開始する予定であり、さらに、ドローンスナップクラウドに保管された画像を自動解析し、異常診断を行う技術を開発中です。当事業に係る研究開発費は、139百万円であります。 (4)周辺サービス三井E&Sシステム技研株式会社の主力製品である勤怠管理システム「TIME-3X」の機能強化とモバイル端末によるシフト管理といった関連サービスの開発を実施しております。三次元計測分野では、自動車製造向けラインサイドにおける計測システムの機能強化を実施しております。また、お客様のDX推進を目的とした「データ活用プラットフォーム」の機能を拡充し、お客様自らがデータ活用を実感していただき、手軽に始められるようテンプレートの提供を開始しております。舶用制御機器関連では、WinGD社舶用エンジン向け制御装置の2025年度の製造承認取得に向けた開発の取組みを実施しております。当事業に係る研究開発費は、361百万円であります。
FY2024|3,342 文字
6【研究開発活動】当社グループは、舶用推進事業及び港湾物流事業を中核事業として、製品競争力強化と事業拡大につながる研究開発を積極的に推進しております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、1,955百万円であり、主な研究開発は以下のとおりであります。なお、海洋開発は持分法適用会社で構成され、その研究開発費は上記金額に含まれないため記載を省略しております。 (1)成長事業推進産業機械関連では、従来、石油精製、石油化学市場向けを中心に事業展開してきましたが、近年の産業界の急速な脱炭素化への流れに対応し、当社の連結子会社である株式会社加地テックと協同で水素サプライチェーン設備向けに高圧大流量の水素圧縮機の開発を完了し、販売を開始しました。本圧縮機は大型化が進む水素ステーションや水素製造設備に最適な仕様(流量・サイズ)に設計しており、設置スペースが小さく収まり配置の自由度が増し、併せて導入費用及び維持費を含めたライフサイクルコストの低減も期待できます。今後、水素社会の拡大に伴い市場拡大が見込まれる高圧水素ガスの製造・輸送・利用分野に対し、経済性・信頼性に優れた各種製品・サービスの拡充を継続的に進めてまいります。新規事業関連では、港湾における業務のデジタル化による脱炭素化や省人化、効率化に貢献する技術開発を進めております。一例として、これまで書類で行っていた港湾クレーンの法令点検記録管理を電子機器での入力及びクラウド上での管理とする「CREWS(クルーズ)」(Crane Engineer Workflow Service)を開発し、博多港において試用を開始しています。その他、水素燃料電池や水素内燃機関活用のための水素燃料供給方法の技術開発や、大型船舶の燃費低減等を目的とする船体汚損状態管理手法の開発などによって、脱炭素化と人口縮小による労働力不足などの社会課題解決に取り組んでいます。トンネルや道路、橋梁などを対象に表層部及び深部の異常を探査する電磁波レーダー関連事業は11月1日付で子会社の株式会社三井E&Sテクニカルリサーチへ移管しましたが、移管前からの研究開発を継続しております。最近ではレーダーセンサー部とデータ処理システムを一体化して一般車両に搭載可能な小型レーダーシステムを開発しました。主なターゲットとしては自治体などの車両を想定しており、データ計測から保存までをネットワーク経由で完全自動化しています。既存車両の大きな改造や専門技術者不在でも運用が可能となっています。今後、道路のインフラコンサルタントなど外部企業との提携も視野に新型システムを活用した事業展開を計画しています。また新たな適用先として一般住宅点検用向けに当社独自のマルチパス方式を活用した点検装置の開発検討を進めていきます。 当事業に係る研究開発費は、617百万円であります。 (2)舶用推進システム舶用エンジン関連では、燃焼時にCO2を排出しないアンモニアや水素燃料の活用が注目されており、当社グループではアンモニア燃料船向けに世界初号機を目指してアンモニア焚きエンジン及び燃料供給装置、燃料タンクなど周辺機器の開発を進めております。燃料供給装置など一部の製品開発は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金の補助事業として採択されています。水素燃料船向けの開発については国土交通省の海事産業集約連携促進技術開発支援事業を活用し、水素焚きエンジン及び水素燃料供給装置に安全対策を施した装置設計・製作を行っています。支援事業最終年度となる2023年度には、当社玉野工場内に完成した水素ガス供給設備(液化水素タンク、水素ガス圧縮機他)とのカップリング運転にて、シリンダ直径50cmの大型舶用2サイクルエンジンにおける水素燃焼運転に世界で初めて成功いたしました。当事業に係る研究開発費は、685百万円であります。 (3)物流システム運搬機システム関連では、水素燃料電池を搭載したラバータイヤ式門型クレーン(RTGC)の開発を進めています。この開発はNEDOの補助事業に採択されており、2022年に大分工場での実証実験を成功させました。今後は、NEDO補助事業の一環として、2023年度に新たに1台製作したゼロエミッションRTGCを米国・ロサンゼルス港に持ち込み、2024年度より実使用環境下での運用を通して、水素充填作業が荷役に及ぼす影響や、連続稼働実験などの検証、分析の実証事業を実施します。加えて、国内においても東京港と神戸港において、水素を燃料とした荷役機械の稼働実証が開始しており、東京港ではRTGCに水素燃料電池を実装し、神戸港ではRTGCに水素エンジン発電機を搭載します。共に、既存RTGCのディーゼル発電機を換装し、2025年度までに現地実証試験を実施します。この成果を広く展開し、荷役機械の水素利用の促進により、港湾の脱炭素化を推進してまいります。また、コンテナターミナルの労働環境改善や安全性向上へのニーズに応え、遠隔操作が可能なRTGCの開発を完了し、大分工場内に整備したテスト用RTGCとヤード荷役テストエリアを活用して、システム検証やさらなる荷役効率向上を進めております。この遠隔操作RTGCの操作性をさらに向上させるために、遠隔自働化したRTGと港湾ターミナル構内シャーシとの連携自働化に関する技術開発を、国土交通省より受託し開発を開始しました。当社大分工場での実証試験を行い、2024年度末までにシステムを確立させる予定です。これらハード面の開発と並行して、コンテナ管理及び荷役作業の指示を効率的に行うシステムCTMS(Container Terminal Management System)などのソフトウェア製品に関しても、遠隔荷役機器との連携機能の開発や、よりユーザフレンドリーなシステムとするための開発を進めています。アフターサービス関連では、国土交通省港湾局が進めている荷役機械の予防保全的維持管理手法の高度化に合わせて、ビッグデータを活用するクラウド型遠隔監視システムCARMS(Crane Advanced Remote Monitoring System)を三井E&Sシステム技研株式会社と共同で製品化しました。国内外5港湾に導入し、クレーンの動作情報を収集し、解析を開始しました。2023年以降は新造や改造でご発注頂いたお客様に、順次CARMSを搭載していく予定です。並行してクレーンの故障予防保全AI診断機能の開発を進め、診断機能を試験的にクレーンに搭載する予定です。収集したデータからAI分析を行い、点検業務を支援するサービスや、クレーン使用頻度から自動的にメンテナンス時期を算出する維持管理サービスなど、新たなサービスの開発を進めています。また、従来目視で行っていた点検作業をドローンに置き換えるシステムを株式会社ゼンリンデータコムと共同開発しました。3Dモデル上での設定による自動飛行と撮影に加え、遠隔地からのリアルタイム操作を実現、さらにAIによる定量評価システムを構築し、CARMSと連携させて経年変化観察も実現できるものです。2023年中に、クレーンユーザ以外にも、移動式クレーンや、橋梁、プラント設備や、遊園地施設での自動点検システムとして、実証試験を完了しました。国内外のドローンメーカ機種にてシステム稼働を確認し、多くのユーザーニーズにマッチしたシステムとして2024年から提供予定です。当事業に係る研究開発費は、287百万円であります。 (4)周辺サービス三井E&Sシステム技研株式会社の主力製品である勤怠管理システム「TIME-3X」の機能強化を継続的に進めております。三次元自動計測分野では、これまでの自動車業界向け車体三次元計測システムの機能強化に加え、X線CT画像と三次元解析ソフトウェアを用いた、アルミ鋳造品などの非破壊検査を実現するシステムの開発に向けて、PoC(Proof of Concept)を実施しました。当事業に係る研究開発費は、365百万円であります。
FY2023|2,323 文字
6【研究開発活動】当社グループは、舶用推進事業及び港湾物流事業を中核事業として、製品競争力強化と事業拡大につながる研究開発を積極的に推進しております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、1,762百万円であり、主な研究開発は以下のとおりであります。なお、船舶は少額のため、海洋開発は持分法適用会社で構成され、その研究開発費は上記金額に含まれないため、エンジニアリングは研究開発を行っていないためそれぞれ記載を省略しております。 (1)機械 舶用エンジン関連では、燃焼時にCO2を排出しないアンモニアや水素燃料が注目されております。当社グループでは、アンモニア燃料船向けに、世界初号機となるアンモニア焚きエンジン及びその燃料供給装置など周辺機器の開発を進めております。燃料供給装置など一部の製品開発は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金の補助事業として採択されています。水素燃料船の開発について国土交通省の海事産業集約連携促進技術開発支援事業を活用し、水素焚きエンジン及び水素燃料供給システムに安全対策を施した装置設計・製作を行い、支援事業最終年度となる本年度の燃焼試験に向けた準備を進めております。 デジタルトランスフォーメーション(DX)関連技術開発の活用により、プロダクトライフサイクルコスト削減のための開発を進めております。電子制御エンジンの次世代電子制御基盤Triton用リアルタイムシミュレータを開発し、エンジンの試運転期間の短縮及び制御関連の不具合防止に活用を始めたほか、就航船に対するAIを活用したエンジンの異常検知、及びエンジン部品のメンテナンス時期を状態監視により決定するCBM(Condition Based Maintenance)用ソフト開発などを行っています。 産業機械関連では、従来、石油精製、石油化学市場向けを中心に事業展開してきましたが、近年の産業界の急速な脱炭素化への流れに対応し、当社の連結子会社である株式会社加地テックと協同で水素関連市場向け往復動圧縮機の開発に着手しました。これまで同関連市場のパイロット設備に多くの小容量圧縮機を供給してきた株式会社加地テックと連携することで同社が保有する高圧技術やノウハウを活用し、将来の高圧・大容量化の市場要求に応えるため、新型圧縮機フレームの開発も行い、商品ラインナップの拡充を進め、市場・顧客ニーズに適合した商品を継続的に提供してまいります。 運搬機システム関連では、水素燃料電池(FC)を搭載したラバータイヤ式門型クレーン(RTGC)の開発を進めています。この開発はNEDOの事業に採択されており、2022年に大分工場での実証実験を成功させました。今後は、NEDO事業の一環として、RTGCの実荷役環境下での稼働状態の安定性などを検証する実証事業を米国・ロサンゼルス港において実施します。また、コンテナターミナルの労働環境改善や安全性向上へのニーズに応え、遠隔操作が可能なRTGCの開発を完了し、大分工場内に整備したテスト用RTGCとヤード荷役テストエリアを活用して、システム検証や更なる荷役効率向上を進めております。 これらハード面の開発と並行して、コンテナ管理及び荷役作業の指示を効率的に行うシステムCTMS(Container Terminal Management System)などのソフトウェア製品に関しても、遠隔荷役機器との連携機能の開発やよりユーザフレンドリーなシステムとするための開発を進めています。 アフターサービス関連では、国土交通省港湾局が進めている荷役機械の予防保全的維持管理手法の高度化に合わせて、ビッグデータを活用するクラウド型遠隔監視システムCARMS(Crane Advanced Remote Monitoring System)を三井E&Sシステム技研株式会社と共同で製品化しました。4港湾に導入し、クレーンの動作情報を収集し、解析を開始しました。2023年以降は新造や改造でご発注頂いたお客様に、順次CARMSを搭載していく予定です。並行してクレーンの故障予防保全AI診断機能の開発を進め、診断機能を試験的にクレーンに搭載する予定です。収集したデータからAI分析を行い、点検業務を支援するサービスや、クレーン使用頻度から自動的にメンテナンス時期を算出する維持管理サービスなど、新たなサービスの開発を進めております。 また、従来目視で行っていた点検作業をドローンに置き換えるシステムを株式会社ゼンリンデータコムと共同開発しました。3Dモデル上での設定による自動飛行と撮影に加え、遠隔地からのリアルタイム操作を実現、さらにAIによる定量評価システムを構築し、CARMSと連携させて経年変化観察も実現できるものです。2023年中に、クレーンユーザ以外にも移動式クレーンや港湾岸壁、橋梁、大型構造物の自動点検システムとして提供する予定です。 当事業に係る研究開発費は、1,223百万円であります。 (2)その他 三井E&Sシステム技研株式会社の主力製品である勤怠管理システム「TIME-3X」の機能強化を継続的に進めております。また、三次元自動計測分野では、これまでの自動車業界向け車体三次元計測システムの機能強化に加え、新たな取り組みとしてX線CT装置と三次元解析ソフトウェアを用い、アルミ鋳造品の欠陥を非破壊で検査するシステムの開発に向けて、自動車部品を対象としPoC(Proof of Concept)を実施しました。 当事業に係る研究開発費は、518百万円であります。
FY2022|3,883 文字
5【研究開発活動】当社グループは、4事業分野に対応した研究開発セグメントを設定し、それぞれの事業分野の中核技術を基軸として、製品競争力強化と事業拡大につながる研究開発を積極的に推進しております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、2,100百万円であります。なお、各事業部門における主な研究開発は以下のとおりであります。 (1)船舶・省エネ船を得意とする当社グループの強みを維持・向上させるため、新船型や省エネ技術の開発を継続的に進めております。当社グループの環境対応船“neoシリーズ”の新ルール対応を進め、中国における合弁会社江蘇揚子三井造船有限公司(YAMIC)においてneo66BCを受注しました。引き続き、市場ニーズにマッチした船型開発を精力的に進め、neoシリーズの更なる受注拡大とラインナップ拡充を図ってまいります。また、商船エンジニアリング事業の受注に繋がる技術開発にも注力します。・自動船位保持装置(DPS)や統合操船システムMMSをはじめとした操船システムの開発を継続的に続けております。製品化を目指して開発を進めている自律操船システムについては、「無人運航船プロジェクトMEGURI2040」において、公益財団法人日本財団の助成を受けて、大型カーフェリー、749GT型コンテナ船、小型旅客船を用いて、ハンズオフによる自動航海の実証実験を2021年夏から2022年2月にかけ実施しました。・2021年10月1日付で艦艇事業等を三菱重工業株式会社に譲渡したことに伴い、当該事業に関する研究開発も併せて譲渡しております。当事業に係る研究開発費は、234百万円であります。 (2)海洋開発・海洋開発では、新規事業分野での既存技術活用による開発、及びFPSO運用上の課題を解決するための開発を行っております。・新規事業分野としては、洋上風力発電事業を新たな事業分野とするべく、当社グループの浮体設備や係留技術の強みを生かした独自の浮体・係留システムの開発を進めております。この他、これまでに蓄積した技術を応用し、日本近海の海底海洋鉱物資源であるメタンハイドレートの回収に関する研究開発を推進しております。・FPSO運用上の課題解決としては、経年劣化した船体構造に対し、炭素繊維の適用により、火気工事を伴わず少人数・短期間で安全に施工可能な新しい補修法を開発しABS船級協会の認証を得て、実用化の段階に進んでおります。当事業に係る研究開発費は、335百万円であります。 (3)機械・舶用ディーゼルエンジン関連では、ゼロエミッション船実現のため、燃焼時にCO2を排出しないアンモニア・水素燃料が注目されており、当社グループにおいては、アンモニア燃料船向けに、主機関及び燃料供給装置などの関連機器の開発を進めております。燃料供給装置など一部の製品開発は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金の補助事業として採択されています。また、水素燃料船の開発についても、ダイハツディーゼル株式会社と共同で国土交通省の海事産業集約連携促進技術開発支援事業に採択され、水素を燃料とするエンジン開発に着手しております。従来燃料にも利用できる温室効果ガス(GHG)削減技術としては、エンジンの排ガスを有効活用し、エネルギー効率を改善する自社開発製品である次世代型油圧式廃熱回収システム Turbo Hydraulic System type2(THS2)やCII(Carbon Intensity Index)規制対応技術として着目されているEPL(Engine Power Limitation)関連製品を開発し、市場投入しております。デジタルトランスフォーメーション(DX)関連技術開発としては、陸上試運転の自動計測システムを導入し、陸上試運転期間の短縮とCO2削減に取り組んでおります。また、現在主流である電子制御機関の制御関連の不具合防止を目的とし、電子制御エンジンのリアルタイムシミュレータを新たに導入しました。試運転の一部検証が本シミュレータ上で実施できるようになり、陸上試運転期間の短縮が可能となりました。今後も顧客ニーズに沿った環境対応・GHG削減技術及びDX関連技術開発を優先的に進めてまいります。・産業機械関連では、従来、石油精製、石油化学市場向けを中心に事業展開してきましたが、近年の産業界の急速な脱炭素化への流れに対応し、当社の連結子会社である株式会社加地テックと協同で水素関連市場向け往復動圧縮機の開発に着手しました。これまで同関連市場のパイロット設備に多くの小容量圧縮機を供給してきた株式会社加地テックと連携することで同社が保有する高圧技術やノウハウを活用し、将来の高圧・大容量化の市場要求に応えるため、新型圧縮機フレームの開発も行い、商品ラインナップの拡充を進め、市場・顧客ニーズに適合した商品を継続的に提供してまいります。・運搬機システム関連では、CO2やディーゼル排気有害物質の排出を当社グループ従来のハイブリッド型よりも更に低減した新しいNZE(Near Zero Emission)トランステーナ(トランスファークレーン)を開発し、販売を開始しました。また、将来の水素供給インフラ普及を見据え、水素燃料電池搭載トランステーナの開発にも着手しました。この開発はNEDOの事業に採択されており、2022年に大分工場での実証試験を、2024年からは米国ロサンゼルス港での実使用環境下での運用を行う計画です。 また、コンテナターミナルの労働環境改善や安全性向上へのニーズに応え、遠隔操作が可能なトランステーナの開発を完了し、大分工場内に整備したテスト用トランステーナとヤード荷役テストエリアを活用して、システム検証や更なる荷役効率向上を進めております。ポーテーナ(岸壁クレーン)の遠隔自働運転についても各要素技術の開発を進めており、クレーン下の作業者等との安全性確保の検討を行っております。これらハード面の開発と並行して、自動化ターミナル設備の運用・管理を行うシステムACCS (Automated Container terminal Control System)、コンテナ管理及び荷役作業の指示を効率的に行うシステムCTMS (Container Terminal Management System)などのソフトウェア製品とも連携させ、自動化コンテナターミナルを構成する全ての要素に一括して対応できるトータルソリューションパッケージ製品群を構築しております。・アフターサービス関連では、国土交通省港湾局が進めている荷役機械の予防保全的維持管理手法の高度化に合わせて、ビッグデータを活用するクラウド型遠隔監視システムCARMS (Crane Advanced Remote Monitoring System) を三井E&Sシステム技研株式会社と共同で製品化し、顧客の要望に応じて機能向上を実施し、より良いサービスを提供することを目指しております。本システムは、プラットフォームとしての機能を有しており、荷役機械の完全DX化を目指し、AIを用いた高度予防保全などの開発も進めております。また、従来目視で行っていた点検作業をドローンに置き換えるシステムを株式会社ゼンリンデータコムと共同で開発しております。本システムは、3Dモデル上での設定による自動飛行と撮影に加えて、遠隔地からリアルタイムでの飛行映像の確認及び遠隔地からの自動飛行を実現しており、更にAIによる錆の自動検出や人による評価のばらつきをなくすためにAIによる定量評価システムを構築し、CARMSと連携させて経年変化観察も実現するべく開発を進めております。・ロボティクス関連では、2019年に開設した遠隔システムデモルームにおいて、遠隔操作の高度化技術及び予兆検知技術の開発、センサレス技術の研究開発など、実機を用いた遠隔操作検証を実施しております。2021年には新たに高耐放射線性ロボットTELBOTを本デモルームに追加し、操作体験・運転訓練・保守訓練サービスの更なる拡充を図っております。・レーダ関連では、株式会社野村総合研究所と開発したAI・クラウドを利用した非破壊検査データの自動解析技術を、当社グループの道路探査・トンネル探査・計測業務での総合的なサービスに展開してまいります。また、国土交通省総合政策局が進めている設計データの3D化に合わせ、当社グループ独自のマルチパスレーダ装置で取得した三次元データを3D CAD用データに変換する技術を開発・製品化するなど、顧客ニーズに適合したデジタル化による総合サービス提供に向け開発を進めております。当事業に係る研究開発費は、1,223百万円であります。 (4)エンジニアリング該当事項はありません。 (5)その他・三井E&Sシステム技研株式会社の主力製品である勤怠管理システム「TIME-3X」の機能強化を継続的に進めております。また、三次元自動計測分野では、これまでの自動車業界向け車体三次元計測システムの機能強化に加え、新たな取組みとしてX線CT装置と三次元解析ソフトウェアを用い、アルミ鋳造品の欠陥を非破壊で検査するシステムの開発に向けて、自動車部品を対象としPoC(Proof of Concept)を実施しました。当事業に係る研究開発費は、306百万円であります。
FY2020|3,785 文字
5【研究開発活動】当社グループは、4事業分野に対応した研究開発セグメントを設定し、それぞれの事業分野の中核技術を基軸として、製品競争力強化と事業拡大につながる研究開発を積極的に推進しております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、3,537百万円であり、この中には受託研究等の費用784百万円が含まれております。なお、各事業部門における主な研究開発は以下のとおりであります。 (1)船舶・省エネ船を得意とする当社グループの強みの維持・向上を狙い、新船型や省エネ技術の開発を継続的に進めております。当社グループの環境対応船“neoシリーズ”の新ルール対応を進め、87,000重量トン型ポストパナマックスバルクキャリアneo87BC及び66,000重量トン型バルクキャリアneo66BCを受注し国内工場において順調に建造を進めています。一方、中国における合弁会社江蘇揚子三井造船有限公司(YAMIC)で建造する船舶の受注活動も精力的に進めており、neoシリーズの更なる受注の拡大とラインナップ拡充を図って参ります。・2018年末に防衛省の中期防衛力整備計画に明記された、島嶼部への輸送艦艇の中型級船舶(LSV)及び小型級船舶(LCU)や警戒監視を強化するための哨戒艦(OPV)の受注に向け、それぞれの運用条件に応じた優れた船型性能の研究開発を進めています。・自動船位保持装置(DPS)や統合操船システムMMSの開発を継続的に続けています。これらのシステムは船舶の操船自動化の基盤となりますが、2017年からは、人が行っていた認知や判断についても自動化を図る自律化船の実用化に向けた研究開発にも着手しています。2019年度は、昨年度と同様に「自動運航船に関する実証事業」をはじめとした国土交通省の三つの事業に参画し、大型カーフェリーを用いた自動離着桟の実証試験行うなど、製品リリースに向けて製品開発を進めています。・当社グループで建造中の新艦艇向け掃海支援システムとして、防衛省へ納入した水中ロボットを基に新型水中ロボットの研究開発を進めています。新艦艇は既に連続建造が始まっており、今後、新艦艇に複数基搭載される新型水中ロボットの量産受注が期待できます。また、母艦より新型水中ロボットを対象海域に運び出す水上無人機ASVの艇上から、新型水中ロボットを海へ投入・揚収する機材の研究開発も進めています。当事業に係る研究開発費は、778百万円であります。 (2)海洋開発・海洋開発では、新規事業分野での既存技術活用による開発、及びFPSO運用上の課題を解決するための開発を行っております。・新規事業分野としては、洋上風力発電事業を新たな事業分野とするべく、当社グループの浮体設備や係留技術の強みを生かした独自の浮体・係留システムの開発を進めております。この他、これまでに蓄積した技術を、レアアースやメタンハイドレートといった海洋鉱物資源及びエネルギー資源の開発に応用するための研究を推進しております。・FPSO運用上の課題解決としては、経年劣化した船体構造に対し、炭素繊維の適用により、火気工事を伴わず少人数・短期間で安全に施工可能な新しい補修法の開発を進めております。当事業に係る研究開発費は、236百万円であります。 (3)機械・基幹製品関連では、主機からのCO2排出削減に向けた取り組み、設計及び製造現場に生産性向上をもたらすデジタル技術の導入など海運業界で高まるニーズに対応した研究開発を継続しています。環境対応機器としては、自社開発の次世代型油圧式廃熱回収システム Turbo Hydraulic System type2(THS2)の初号機を受注しました。THS2は、従来型の同システムTHSを電子制御機関向けに最適設計し、小型化、部品点数の削減、コストダウンを実現しました。本システムでは、過給機より回収した油圧エネルギーを機関制御用の油圧動力として供給することにより、2%燃費を削減することができます。 また、国土交通省の海事生産性革新(i-Shipping)の一環である先進船舶・造船技術研究開発費補助事業の補助を受け、舶用ディーゼル機関の生産性を向上させる「スマートファクトリー基盤技術の開発」に取り組んでいます。受注案件毎の仕様や設計情報を製造現場まで広く利用できるインフラを整備して、設計から製造作業まで省人化・効率化を目指しており、一部の成果は既に検査工程で利用しています。・運搬機システム事業関連では、コンテナターミナル自動化の新設、増設、改造など市場ニーズに対応していくため、ポーテーナ(岸壁クレーン)やトランステーナ(トランスファークレーン)の遠隔自動運転技術の開発に注力しています。ポーテーナでは、シャーシトラックの位置決めシステムを含む荷役の半自動運転を実用化しました。トランステーナでは、自社設備として2018年に大分工場内に整備したテスト用トランステーナ1基と全長100mのヤード荷役テストエリアを活用し、高速・高精度なクレーンの横行走行位置決めシステム、コンテナの自動着床技術、遠隔運転システムなどを開発しており、コンテナヤードの遠隔自動運転システムの検証や性能向上を進めています。 また、これらハード面の開発と並行して、自動化ターミナル設備の運用・管理を行うシステムACCS (Automated Container terminal Control System)、コンテナ管理及び荷役作業の指示を効率的に行うシステムCTMS (Container Terminal Management System)、R-CMS (Remote Crane Management System)などのソフトウェア製品を連携し、自動化コンテナターミナルを構成する全ての要素に一括して対応できるトータルソリューションパッケージ製品群を構築しています。 このほか、環境負荷低減ニーズにも対応するべく、トランステーナを中心として省エネ、低排出ガス技術の開発を実施しています。さらに、クレーンのメンテナンス性、利便性、品質などを向上させる要素機器の開発を実施しています。・社会インフラ事業関連では、廃炉作業向けに、ドイツの原子力用マニピュレータ専業メーカと共同開発したセンサレス制御、高耐放射線性を有する電気機械式マニピュレータの高性能化を行いました。オペレータによる遠隔操作の負担を軽減するように、作業対象物の位置検出機能や周辺環境認識による干渉チェック機能の開発を進めています。核燃料サイクル分野を中心に展開してきた遠隔操作マニピュレータシステム事業の強化・拡大に加え、廃炉ビジネスへ事業拡大のため、岡山県玉野市の工場内に遠隔システムデモルームを開設しました。デモルームには本マニピュレータをシリーズ化した2基(200㎏タイプ及び100㎏タイプ)のほか機械式マニピュレータも設置しており、お客様の多種多様なご希望に沿ったデモンストレーション、モックアップ作業検証、保守・操作トレーニングなどを実施可能な環境を提供しております。当事業に係る研究開発費は、1,959百万円であります。 (4)エンジニアリング・プラント設備等の監視診断への機械学習を用いた画像認識技術の活用の一環として、株式会社アダコテックと当社グループで実用化した都市ごみ清掃工場から発生するスラグ流れを数値化するシステムを実用化しました。実プラントへの導入を終え、プラント運転員の負荷低減・省力化に向け運用を開始しております。当事業に係る研究開発費は、106百万円であります。 (5)その他・海底にある次世代資源の開発・事業化を目指し活動を行っています。天然ガスの主成分であるメタンを有する表層型メタンハイドレートに関して、2016年度から開始されている、国による表層型メタンハイドレートの回収技術の研究開発に参加するとともに、採掘技術を確立するため、業界トップレベルの海底掘削技術、サービスを世界中に提供しているドイツのMHWirth GmbH社との協業を開始しています。研究開発には6機関が参加し、その中から2020年度以降も継続できる機関の絞り込みが国によって行われ、そのひとつに当社グループが選ばれました。なお、4月1日からは三井海洋開発株式会社にこの研究開発を移管し、実施しています。・グループ共通の基盤技術として生産技術、解析技術、AI技術の開発に取り組んでいます。生産技術では、溶接自動化、生産計画自動作成及び3次元デジタル計測などの技術による生産性の向上、解析技術では構造解析、流体解析、機構解析などを組み合わせた連成解析の高度化による設計支援を行っています。また、オープンソフトウェアを活用したAI画像認識技術による製品の付加価値向上に取り組み、コンテナ文字認識システムを国内港湾ターミナルのゲートシステムに実装するなどの成果が得られています。・三井E&Sシステム技研株式会社の主力製品である勤怠管理システム「TIME-3X」では、働き方改革関連法に関する法改正対応や勤務管理機能強化に取り組んでいます。当事業に係る研究開発費は、457百万円であります。
FY2019|3,990 文字
5【研究開発活動】当社グループは、4事業分野に対応した研究開発セグメントを設定し、それぞれの事業分野の中核技術を基軸として、製品競争力強化と事業拡大につながる研究開発を積極的に推進しております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、4,546百万円であり、この中には受託研究等の費用1,346百万円が含まれております。なお、各事業部門における主な研究開発は以下のとおりであります。 (1)船舶・省エネ船を得意とする当社グループの強みの維持・向上を狙い、新船型や省エネ技術の開発を継続的に進めております。本年度は、新ルール対応した87,000重量トン型ポストパナマックスバルクキャリアーneo87BCを開発し、市場投入致しました。また、neoシリーズとして最初にリリースしたneo66BCですが、新ルールに適用させるバージョンアップを完了し、同じく市場投入しております。今後もneoシリーズのラインナップ拡充を図って参ります。・次世代艦艇への適用を意図して、2014年より高速艦艇船型の開発を進めて参りましたが、防衛省向けに「新艦艇」と呼ばれていた3,900トン型護衛艦1隻を受注いたしました。また、2014年より輸送艦艇の開発も進めており、昨年末に防衛省から発表された中期防衛力整備計画に中小型級船舶を新たに導入することが明記され、今後、これらの研究成果を生かすことができる輸送艇の受注が期待されます。・自動船位保持装置(DPS)や統合操船システムMMSの開発を継続的に続けています。これらのシステムは船舶の操船自動化の基盤となりますが、2017年からは、人が行っていた認知や判断についても自動化を図る自律化船の実用化に向けた研究開発にも着手しています。2018年度は、「自動運航船に関する実証事業」をはじめとした国土交通省の三つの事業にも参画し、実船を用いた実証試験等にも力を入れ、製品リリースに向けた開発を進めています。・海底調査や危険物の処理に利用可能な海洋無人機ASVの研究開発を進めております。このASVの技術を活用して、日本チーム“Team KUROSHIO”に加わり、広域海底探査技術を競う国際コンペティション「Shell Ocean Discovery XPRIZE」へ参加しました。昨年「Round1技術評価試験」を通過し、2018年12月に行われた「Round2実海域競技」(決勝)で、広範囲な海底地形データの取得に成功し、開発してきたASVの性能と信頼性が確認されました。コンペティションの結果は2019年6月に発表があり、準優勝という結果を収めることができました。当事業に係る研究開発費は、600百万円であります。 (2)海洋開発・海洋開発では、新規事業分野での既存技術活用による開発、及びFPSO運用上の課題を解決するための開発を行っております。・新規事業分野としては、洋上風力発電事業を新たな事業分野とするべく、当社の浮体設備や係留技術の強みを生かした独自の浮体・係留システムの開発を進めております。この他、これまでに蓄積した技術を、レアアースやメタンハイドレートといった海洋鉱物資源及びエネルギー資源の開発に応用するための研究を推進しております。・FPSO運用上の課題解決としては、経年劣化した船体構造に対し、炭素繊維の適用により、火気工事を伴わず少人数・短期間で安全に施工可能な新しい補修法の開発を進めております。当事業に係る研究開発費は、308百万円であります。 (3)機械・基幹製品関連では、海事分野での積極的な環境保全のニーズに対し、省エネ、低排出技術を商品化し営業活動を行っており、多様な商品を顧客に届けるため、製造現場の技術革新が必要とされています。これに対応し、国土交通省の海事生産性革新(i-Shipping)の一環である先進船舶・造船技術研究開発費補助事業の補助を受け、ICT(Information and Communication Technology)を利活用して舶用ディーゼルエンジンの生産性を向上させる技術開発である「スマートファクトリー基盤技術の開発」を開始しました。情報の高度利用により、関係会社を含めたサプライチェーンの効率化により、工程と作業の無理・むら・無駄の撲滅を目指します。 また、世界的な船舶のデジタライゼーションに対する取り組みとして、船舶の運航に関わるビッグデータを国内舶用業界で共有・活用するためのデータ共有基盤となるIoS(Internet of Ships)オープンプラットフォームに、舶用主機メーカーとして参画しています。主機アフターサービスの一環として、遠隔診断サービスや予防保全サービスに加えて、ビッグデータ共有・利活用の環境整備にも積極的に取り組んでいます。・運搬機事業関連では、自社設備として大分工場内にテスト用トランステーナ(コンテナ荷役用クレーン)1機と全長100mの走行用テストエリアを整備し、新設ターミナルの自動化対応や既設クレーンの遠隔・自動化への課題検証や対策テストを進めています。本トランステーナは、人工衛星によって地球上の現在位置を決定し自動操舵するシステムGNSS-TAS(Global Navigation Satellite System - Transtainer Automatic Steering system)や各種カメラ、センサー並びにネットワーク機材を搭載しており、オフィスからの遠隔運転操作が可能です。さらに、コンテナ掴み時に微細な位置合わせができる新設計のトロリー、スプレッダを搭載し、製品化に向けた機能開発を行います。 一方、これらハード面の開発と並行して、自動化ターミナル設備の運用・管理を行うシステムACCS(Automated Container terminal Control System)、コンテナ管理及び荷役作業の指示を効率的に行うシステムCTMS(Container Terminal Management System)、R-CMS(Remote Crane Management System)などのソフトウェア製品を連携し、自動化コンテナターミナルを構成する全ての要素に一括して対応できるトータルソリューションパッケージ製品群を構築し、国内外に拡販していきます。・社会インフラ事業関連では、廃炉作業向に,世界で初めてセンサレス制御技術を採用するとともに、耐放射線性が従来の2倍以上となる電気機械式マニピュレータを、ドイツの原子力用マニピュレータ専業メーカーと共同開発しました。耐放射線性は、実際に全部品にガンマ線を照射した後に絶縁特性や機械強度に劣化がないことを検証しました。本マニピュレータの特長は、交換頻度が半減する結果それ自身を含む二次廃棄物が大幅に削減されること、アーム関節部には配管がなく電気配線の回転制限がないため動作範囲が広いこと、上腕、下腕及び手先がモジュール化されておりアーム長の仕様変更や各モジュールの遠隔着脱が可能なことなどです。電力会社をはじめとして廃炉事業に関連する顧客に対して、初号機を用いた遠隔操作のデモンストレーションを行いました。当事業に係る研究開発費は、1,962百万円であります。 (4)エンジニアリング・株式会社ウェンティ・ジャパンと検討を進めていた富山県下新川郡入善町の洋上風力発電事業計画を推進することになり、事業会社を設立する準備を進めています。自社開発の施工法「フォーク付き台船による着床式洋上風車の一括架設方式」の採用により、工期の短縮化と漁業への影響低減が期待されます。・プラント設備等の監視診断への機械学習を用いた画像認識技術の活用の一環として、株式会社アダコテックと共同で都市ごみ清掃工場から発生するスラグ流れを数値化するシステムを実用化しました。本システムの導入により、プラント運転員の負荷低減・省力化への貢献につながり、また、運転員の教育ツールなどへの展開も期待されます。当事業に係る研究開発費は、865百万円であります。 (5)その他・IoT活用による生産性向上については、競争力の強化を目指して工場と協力して取り組みを進めております。各工場の工程を見える化し、設備稼働率の向上や省人化を進めていきます。・海底にある次世代資源の開発・事業化を目指し活動を行っています。天然ガスの主成分であるメタンを有する表層型メタンハイドレートに関して、2016年度から開始されている、国による表層型メタンハイドレートの回収技術の研究開発に参加するとともに、採掘技術を確立するため、業界トップレベルの海底掘削技術、サービスを世界中に提供しているドイツのMHWirth GmbH社との協業を開始しています。さらに、急速に進む自動車の電動化等で注目されるレアアースを含んでいるレアアース泥に関して、2017年度から開始された、国による揚収技術の研究開発に参加しています。・グループ共通の基盤技術として生産技術、解析技術、AI技術の開発に取り組んでいます。生産技術では、溶接自動化、生産計画自動作成及び3次元デジタル計測などの技術による生産性の向上、解析技術では構造解析、流体解析、機構解析などを組み合わせた連成解析の高度化による設計支援を行っています。また、オープンソフトウェアを活用したAI画像認識技術による製品の付加価値向上を目指しています。・連結子会社の三井E&Sシステム技研株式会社の主要製品である勤怠管理システム「TIME-3X」については、働き方改革を支援する労務管理サポート機能の強化を図っています。当事業に係る研究開発費は、809百万円であります。
FY2018|3,850 文字
5【研究開発活動】当社グループは、4事業分野に対応した研究開発セグメントを設定し、それぞれの事業分野の中核技術を基軸として、製品競争力強化と事業拡大につながる研究開発を積極的に推進しております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、45億68百万円であり、この中には受託研究等の費用10億36百万円が含まれております。なお、各事業部門における主な研究開発は以下のとおりであります。 (1)船舶・商船に関しては、省エネ、環境対応技術を取り入れた新ルール対応型ばら積み貨物運搬船を開発し、営業活動を行っています。省エネ船の先行ヤードである当社の強みを維持するために、引き続き新船型開発や省エネ技術開発を進め、neoシリーズのラインナップ拡充を図ってまいります。艦船・官公庁船については、次世代艦艇として30DDを開発して参りましたが、2隻受注を果たしました。・自動船位保持装置(DPS)は世界的に顧客ニーズが増加しており、2017年度は基本機能を充実させる開発を行いました。本DPSは自律型海上輸送システムの基幹システムとしての発展も見据えて開発を行っております。・2017年度より自律型海上輸送システムの開発に着手いたしました。本件は、国土交通省交通運輸技術開発推進制度の補助金対象テーマとなっており、大学、官庁、商船会社等で形成された開発グループの中で当社が中核企業として開発を推進してまいります。・共同研究チーム“Team KUROSHIO”を結成し共同研究を進めている超広域高速海底マッピングに関する開発は2年目を迎えています。マッピング技術を競う国際コンペティション(XPRIZE)において国内では唯一ラウンド1を通過し、2018年10月頃に開催される決勝ラウンドへの進出が決定いたしました。・2017年度より、国土交通省補助事業として、Digital Twinによる造船工程の高度化の研究を開始しました。コンピュータ上の仮想(理想)現場と実現場の乖離を見える化し、問題の処理を早期に行い、造船事業の効率化を目指すものであります。当事業に係る研究開発費は、4億14百万円であります。 (2)海洋開発・海洋開発では、海洋での天然ガス開発に関わる新技術の開発、及び新規事業分野での既存技術活用に向けた研究を行っております。・新市場開拓のための製品開発としては、FPSOに搭載の発電プラントの技術や係留技術を生かし、島嶼部や新興国向けに電力や淡水を供給する洋上発電・造水設備を開発しました。LNGを燃料とする大容量の発電プラントや造水装置を搭載する本設備は、環境に優しく、短納期、高い発電効率を特長としており、新たな市場への参入を目指してプロジェクトの受注に注力しております。・新規事業分野としては、FPSOで培った技術経験を生かした洋上風力発電事業の検討を進めております。この他、当社グループがこれまでに蓄積した技術を、レアアースやメタンハイドレートといった海洋鉱物資源及びエネルギー資源の開発に応用するための研究を推進しております。当事業に係る研究開発費は、1億60百万円であります。 (3)機械・基幹製品関連では、当社が開発した低硫黄燃料対応型の排気再循環システムEGR(High-pressure Exhaust Gas Recirculation)が今治造船株式会社建造の石炭運搬船向け当社製大型舶用ディーゼルエンジンに搭載されることになりました。本EGRは、実機ベースでNOx低減技術を始め各種環境規制対応技術を適用し、陸上試験及び就航試験を行い、開発を進めてきたものです。さらに、船舶用低速ディーゼルエンジンに装備可能なNOx三次規制対応の新型の選択触媒還元システム(High-pressure SCR(Selective Catalytic Reduction))については、ライセンサーであるMAN Diesel & Turbo SE社が開発し、当社玉野事業所のテストエンジン(4S50ME-T)を用いた共同検証試験が完了しました。 また、CO2削減に寄与する次世代型油圧式廃熱回収システム(THS2)を開発しました。THS2は、過給機により回収した油圧エネルギーを電子制御機関の油圧動力として直接供給するため、機器が簡略化されコンパクトになり、従来は難しかった小型の機関にも採用が可能です。シンプルな構造のため、他の廃熱回収技術と比較して安価に設置が可能であり、機関内で完結するシステムのため、設計面で船体側へ与える影響が小さい点も特長です。・LNG燃料船向け燃料ガス供給システム(Fuel Gas Supply System、以下FGSS)用高圧往復動式ポンプを開発し、販売を開始しました。既に販売中のLNG運搬船向けFGSS用ガス圧縮機に加えて、主機関であるガスインジェクションエンジン(ME-GI)とセットで供給する体制が整いました。・当社の100%出資子会社である三造テクノサービス株式会社は、MOL LNG Transport(Europe) Ltd.と、同社の管理する三井 MAN B&W舶用主機関(ディーゼルエンジン)を対象にした20年間の長期メンテナンス契約を2017年9月に締結し、サービスを開始しました。対象船は、当社製の舶用主機関6S70ME-C8.2を各2基搭載している4隻で、定期検査等と部品供給、技師派遣による技術サービスを20年間一括で提供します。これら対象船4隻には株式会社ClassNKコンサルティングサービスと当社が共同で開発したCMAXS e-GICSXが搭載される予定です。このシステムは、ビッグデータを活用した船内での異常診断及び陸上での状態診断を自動で行い、主機関異常の早期発見、重大事故の未然防止をサポートします。 ・運搬機事業関連では、環境に優しいHybrid型ヤード用トランスファークレーンを開発しました。従来のエンジン駆動に加えリチウムイオン電池を搭載することにより、今まで熱として消費していた回生エネルギーを蓄積し最大限に再利用することで、従来型比で最大60%の燃料消費量削減を達成し、CO2排出量も最大60%削減します。また、CO2排出量の削減のみならず、省燃費によるランニングコスト及び最大20dBの騒音低減を実現し、顧客にも優しい製品となっています。フィリピン・マニラ向けの港湾荷役用に本クレーン16基を受注しました。当事業に係る研究開発費は、20億18百万円であります。 (4)エンジニアリング・中小規模のごみ焼却炉の未利用廃熱を利用して効率的に発電する設備を開発しました。連結子会社である三井造船環境エンジニアリング株式会社(MKE)が佐賀県唐津市から受注した『唐津市清掃センター長寿命化事業基幹的設備改良工事』において、当該設備が設置され、実運転でその性能が確認されました。この設備は、連結子会社である三井造船マシナリー・サービス株式会社製マイクロスチームタービンを使用した小規模蒸気発電設備を組み合わせた第1号機となります。・都市ごみ清掃工場から排出される溶融スラグを原料として高比表面積シリカを製造する技術を、国立研究開発法人産業技術総合研究所と共同で開発しました。これは高比表面積材料として市販されている合成シリカ材料と同等以上の比表面積値で、各種吸着剤等の様々な用途展開が期待できます。・当社が開発したバイオガスによる発電設備を併設した油温減圧乾燥方式による食品廃棄物の飼料化設備の第2号施設として、MKEが株式会社アルフォから受注した「城南島第2飼料化センター建設工事」は、性能を確認の上、2017年6月に竣工しました。当事業に係る研究開発費は、1億25百万円であります。 (5)その他・2011年度にNEDOに採択された波力発電技術の開発は、2017年度に実海域での実証試験を完了しました。・IoT活用による生産性向上については、競争力の強化を目指して工場と協力して取り組みを進めております。ICタグを使用した調達品の管理、遠隔モニタリングによる工作機械の稼働率向上などの成果を生産活動で利用開始するとともに、新たな研究テーマにも取り組みます。・海底にある次世代資源の開発・事業化を目指し活動を行っています。天然ガスの主成分であるメタンを有する表層型メタンハイドレートに関して、2016年度から開始されている、国による表層型メタンハイドレートの回収技術の研究開発に参加するとともに、採掘技術を確立するため、業界トップレベルの海底掘削技術、サービスを世界中に提供しているドイツのMHWirth GmbH社との協業を開始しています。さらに、急速に進む自動車の電気化等で注目されるレアアースを含んでいるレアアース泥に関して、2017年度から開始された、国による揚収技術の研究開発に参加しています。・その他、環境・エネルギー関連技術等の新規技術開発及び材料・制御・CAE解析技術等の基盤技術開発を実施しております。・連結子会社の三井造船システム技研株式会社の主要製品である医薬安全性試験システム「MiTOX」については、機能強化及びその周辺システムの開発を継続するとともに、新勤怠管理システム「TIME-3X」についても機能強化を図っています。当事業に係る研究開発費は、18億48百万円であります。
FY2017|3,557 文字
6【研究開発活動】当社グループは、4事業分野に対応した研究開発セグメントを設定し、それぞれの事業分野の中核技術を基軸として、製品競争力強化と事業拡大につながる研究開発を積極的に推進しております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、46億14百万円であり、この中には受託研究等の費用7億2百万円が含まれております。なお、各事業部門における主な研究開発は以下のとおりであります。 (1)船舶・船舶に関しては、省エネ、環境対応技術を取り入れた新型ばら積み貨物運搬船4種(56,60,66,182型)に加え、neo-VLCCを開発・市場投入しています。本年度の受注実績を含み、省エネ船の累計受注数は約70隻となりました。また、中規模汎用ガス運搬船(neo83GC)は開発を終え、実案件への提案を行っています。 省エネ船の先行ヤードである当社の強みを維持するために、引き続き新船型開発や省エネ技術開発を進め、neoシリーズのラインナップ拡充を図ってまいります。・燃費報告制度適用の動きを背景に、船舶実海域性能の推定、計測、改善を目的とした研究開発を実施しています。平成28年度は当社建造船での計測準備を行い、平成29年度よりデータ収集を開始します。・海洋関連では、短納期要求に対応可能な新造の大型FPSO(noah-FPSO)ブランドを新たに立ち上げ、船級協会(ABS)のAIP認証を取得しました。中古タンカー改造が主流のFPSOに対して、耐久性に優れる新造船体を短納期で供給し、設計変更の多いFPSOビジネスに適用可能な新しい仕組みを提供することを目指します。・海洋開発工事に従事する船舶において必須の装置である自動船位保持装置(DPS)に関しては、さまざまな顧客ニーズに対応できる冗長性を備えたシステムを開発し、必要な各種試験の実施後、DNV GL、ABS、NK及びLRの4船級から承認を取得しました。あわせて、顧客への提案活動を実施しています。・超広域高速海底マッピングに関する共同研究が始動しました。東京大学など6団体と、共同研究チーム“Team KUROSHIO”を結成し、マッピング技術を競う国際コンペティションにおいて国内では唯一技術提案書審査を通過し、平成29年9月頃に開催される実海域試験Round1へ進出することになりました。・船舶運航支援サービス事業関連では、実海域での性能を評価する就航船解析サービス(CAL)の開発を進め、有効な成果を確認しました。また、機械部門と共同で開発する次世代型主機診断サービス(e-GICS advance)の開発を行い、平成29年度からサービス提供を開始する予定です。当事業に係る研究開発費は、5億10百万円であります。 (2)海洋開発・海洋開発では、海洋での天然ガス開発に係わる新技術の開発及び新規事業分野での既存技術活用に向けた研究を行っています。・新市場開拓のための製品開発としてはFPSOに搭載の発電プラントの技術や係留技術を生かし、新興国向けに電力や淡水を供給する洋上発電・造水設備を開発しました。LNG(液化天然ガス)を燃料とする大容量の発電プラントや造水装置を搭載する本設備は、環境に優しく、短納期、高い発電効率を特徴としており、新たな市場への参入を目指してプロジェクトの受注に注力しております。・新規事業分野としては、FPSOで培った技術経験を生かした洋上風力発電事業の検討を進めております。この他、当社グループがこれまでに蓄積した技術をレアアースやメタンハイドレートといった海洋鉱物資源及びエネルギー資源の開発に応用するための研究を推進しております。当事業に係る研究開発費は、3億15百万円であります。 (3)機械・基幹製品関連では、高効率発電を実現できるガスエンジンについて、従来の油着火方式に加え火花点火方式の開発を行い、性能及び信頼性向上のための技術開発を行っております。舶用ディーゼル機関においては、IMO(国際海事機関)排ガス規制のNOx三次規制(TierⅢ)に対応可能なEGR(排ガス再循環)装置について、外国製であったEGRブロワと水処理装置の国産化を進め、主機関ライセンサーからの承認を得ました。また、国土交通省の補助事業「次世代海洋環境関連技術開発支援事業」及び一般財団法人日本海事協会との共同研究として、日本郵船株式会社及び株式会社MTIと共同で進めたEGRの実船試験では、所定の性能を確認し補助事業及び共同研究を完遂しました。 また、CO2を最大で4%削減可能な技術として、当社製過給機と組み合わせた、独自開発の油圧を活用した排熱回収システム(THS)が15台就航し、良好な実績が得られています。舶用機関の主流である電子制御機関に特化し大幅にコストダウンした新システム(THS2)の開発がほぼ完了し、平成29年度に市場に本格投入します。さらに、未利用低温排熱を回収するシステムの実船実証試験を開始しました。システムの信頼性を確立するとともに、CO2排出量の約2%削減を目標としています。・平成32年にSOx規制が大幅に強化されることが決定され、重油に変わる代替燃料の採用機運が高まっています。当社は重油も使用できる二元燃料ディーゼル機関の開発を行い、メタン、エタン及びメタノール燃料について商用機受注を得ており、エタン及びメタノール燃料については競合他社に対して先行して世界初号機の運転を実施しました。現在は、LPG(液化石油ガス)燃料に対応する機関開発を進めています。 また、LNG運搬船及びLNG燃料船向け二元燃料ディーゼル機関(ME-GI)用の燃料ガス供給システムに使用する高圧燃料ポンプを開発し、平成29年度より市場投入する予定です.本ポンプにより冗長性を確保するとともに安価な初期コストで燃料供給が可能となります。・産業機械関連では、天然ガスを使用する発電設備のエネルギー効率向上と分散電源の普及奨励に適合する新型のコジェネレーションシステムの開発を開始いたします。・運搬機事業関連では、ポーテーナ(PT)の遠隔運転、遠隔半自動運転に関わる吊り具の振れ止め機能等の要素技術を確立し、陸側の自動運転機能製品を開発しています。さらに、トランステーナ(TT)の遠隔自動運転の要素技術として、従来製品よりも精度の良い直進走行・自動走行停止システムを開発し、実機試験を完了しました。また、コンテナターミナル自動化に向け、ターミナル内荷役機器の運行管理、状態管理を司るシステム(Automated Crane Control System)の初版の試用版が完成しました。当事業に係る研究開発費は、14億14百万円であります。 (4)エンジニアリング・バイオマス関連では、家畜糞尿等を原料とする国内最大規模のバイオガス発電所に前処理の高度化等の新たな発酵技術を適用し、平成27年7月に施設が竣工しました。活発化する再生可能エネルギー電力のニーズに応えるため、今後も多様な原料に対応した発酵技術の開発や副産物の高付加価値化に取り組む予定です。また、バイオマス発電所等から発生する副産物を原料にして、付加価値の高い機能性素材の製造に関わる開発に取り組む予定です。・風車関連では、着床式洋上風力発電設備の建設技術の開発を完了し、平成29年度中の市場投入開始を目指し検討中です。当事業に係る研究開発費は、1億41百万円であります。 (5)その他・平成23年度に、波力発電技術の開発がNEDOの「海洋エネルギー発電システム実証研究」テーマの一つに採択され、実海域実証試験に向けた技術開発を行っています。・生産活動へのIoT活用に関する研究開発を、平成28年7月より開始しました。連結子会社の三井造船システム技研株式会社(MSR)と共に現場作業効率の改善、工作機械の効率的運用を目指します。・平成28年度から国による表層型メタンハイドレートの回収技術の研究開発が開始され、国立研究開発法人産業技術総合研究所の委託研究である「表層型メタンハイドレート回収技術開発に関わる調査研究」に当社を代表機関として清水建設株式会社、学校法人日本大学と共に応募し、これを受託しました。・その他、環境・エネルギー関連技術等の新規技術開発及び材料・制御・CAE解析技術等の基盤技術開発を実施しております。・MSRの主要製品である医薬安全性試験システム「MiTOX」については、機能強化及びその周辺システムの開発を継続するとともに、勤怠管理システム「TIME-3」についても機能強化を継続しています。当事業に係る研究開発費は、22億31百万円であります。
FY2016|2,962 文字
6【研究開発活動】当社グループは、4事業分野に対応した研究開発セグメントを設定し、それぞれの事業分野の中核技術を基軸として、製品競争力強化と事業拡大につながる研究開発を積極的に推進しております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、50億6百万円であり、この中には受託研究等の費用15億34百万円が含まれております。なお、各事業部門における主な研究開発は以下のとおりであります。 (1)船舶海洋・船舶に関しては、従来よりCO2排出量を削減した次世代環境対応型66,000重量トン型ばら積み貨物運搬船(neo Supramax 66BC)に続き、56,000重量トン型ばら積み貨物運搬船(neo56BC)、60,000重量トン型ばら積み貨物運搬船(neo60BC) 、182,000重量トン型ばら積み貨物運搬船(neo182BC)及びVLCCを市場投入しています。また、中規模汎用ガス運搬船(neo83GC)は開発を終え、平成28年度以降の市場投入を予定しています。引き続き他の船型への技術適用拡大を進め、neoシリーズのラインナップ拡充を図ってまいります。・平成26年度に導入した、レーザを使って船体周りの流れを計測する最先端の非接触型流速計測装置(PIV)の運用研究を継続し、コンピュータを用いた流れの予測計算(CFD)の精度向上を図ることで、効率的な船型開発業務に役立てています。・海洋関連では、短納期要求に対応可能な新造の大型FPSOの標準化等を完了し、詳細な構造検討、推進設備の検討などを行いました。・水中機器関連では、国立研究開発法人科学技術振興機構の「先端計測分析技術・機器開発プログラム」に採択された放射性物質の計測装置のモジュール搭載が可能な小型水中テレビロボット(ROV)の試作機を平成26年度に完成させ、平成27年度には2回の試験運用を行い、当初の性能を確認しました。・海洋開発工事に従事する船舶において必須の装置である自動船位保持装置(DPS)に関しては、さまざまな顧客ニーズに対応できる冗長性を備えたシステムの開発を行い、船級承認に必要な各種試験を実施しました。・福島沖に設置した浮体式洋上風力発電設備は、平成25年12月からトラブルの発生がなく安定した運転を継続しています。平成23年度から開始された本実証事業は、平成28年3月末で一旦終了しました。平成28年度からは3年間の計画で、運転データの取得を継続すると同時に、運転保守(O&M)手法及び事業性の検討を進める予定です。 また、大型風車を搭載する浮体の実証事業に係る提案が、平成26年度にNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)に採択され、フィージビリティ・スタディを実施しました。・船舶運航支援サービス事業関連では、実海域での性能を評価する就航船解析サービスの開発を進め、有効な成果を確認しました。当事業に係る研究開発費は、5億92百万円であります。 (2)機械・基幹製品関連では、高効率発電を実現できるガスエンジンの性能及び信頼性向上のための技術開発を行っております。舶用ディーゼルエンジンにおいては、IMO(国際海事機関)排ガス規制のNOx三次規制(TierⅢ)を満足するEGR(排ガス再循環)装置のレパートリーとして,低硫黄燃料対応型の製品化を完了しました。EGRを利用することによりTierⅡ海域での燃料消費量削減も可能で、国土交通省の「次世代海洋環境関連技術開発支援事業」の補助対象に採択され、一般財団法人日本海事協会との共同研究の一環として、日本郵船株式会社及び株式会社MTIと共同で実船試験を実施中です。これまでにEGRの安定した運転と機器の健全性を確認し、引き続き実船試験を継続して運転実績を重ねる予定です。 また、燃料消費量及びCO2排出量が最大4%削減可能な、油圧を活用した排熱回収システム(THS)を18隻分受注し、既に9隻分の海上公試を終了しています。さらに、未利用低温排熱を回収し、燃料消費量及びCO2排出量が約2%削減可能なシステムを開発し、実証試験に向け準備中です。・SOxやCO2排出量の大幅な削減が可能となるLNG燃料向けの電子制御式ガスインジェクションディーゼルエンジン(ME-GI)の商用初号機を国内で初めて完成しました。また、ME-GI用の燃料ガス供給システム(FGSS)を開発し、ME-GIの陸上試運転において、世界で初めてME-GIとFGSS用の高圧圧縮機を組み合わせた運転を実現しました。・メタノール及び重油を利用する電子制御式リキッドガスインジェクションディーゼル機関(ME-LGI)については、2号機を11月に、3号機を12月末に納入完了しました。・物流運搬機事業関連では、空港近隣の高さ制限に配慮したロープロファイル型免震機能付きコンテナクレーンについて構造の最適化を進めています。また、クレーン大型化を伴うリプレースの際に、既存岸壁の土木工事による補強を最小限とするクレーンの軽量化については、国内で要望が多いシングルリフトタイプの横行トロリの軽量化計画を完了し、全体重量の軽量化開発を進めています。さらに、他港への適用に向けた軽量化開発も進めています。 また、自動化レールマウントクレーン(ARMG)の開発では、自動及び遠隔運転について、実機の制御系を組み込んだ動作確認が完了しました。・社会インフラ関連では、トンネル、道路の保全に関するレーダ探査技術を開発し、また橋梁の補修関係の技術開発を実施中です。当事業に係る研究開発費は、13億29百万円であります。 (3)エンジニアリング・バイオガス発電関連では、家畜糞尿等を原料とする国内最大規模のバイオガス発電所に前処理の高度化等の新たな発酵技術を適用し、平成27年7月に施設が竣工しました。活発化する再生可能エネルギー電力のニーズに応えるため、今後も多様な原料に対応した発酵技術の開発に取り組む予定です。 また、バイオガス発電の適用拡大を目的に、食品残渣飼料化プラントとバイオガス発電を組み合わせたコンバインドシステムを開発し、初号機が平成26年度に稼働しました。引き続きコンバインドシステムの適用拡大を図る予定です。・風車関連では、着床式洋上風力発電設備の建設技術を開発中です。当事業に係る研究開発費は、61百万円であります。 (4)その他・平成23年度に、波力発電技術の開発がNEDOの「海洋エネルギー発電システム実証研究」テーマの一つに採択され、実海域実証試験に向けた技術開発とフィージビリティ・スタディを行っています。・その他、環境・エネルギー関連技術等の新規技術開発及び材料・制御・CAE解析技術等の基盤技術開発を実施しております。・連結子会社の三井造船システム技研株式会社は、ビッグデータ活用等で必要な「データ収集/制御用システム基盤」の機能強化を行っています。医薬安全性試験システム「MiTOX」については、機能強化及びその周辺システムの開発を継続するとともに、勤怠管理システム「TIME-3」についても機能強化を継続しています。当事業に係る研究開発費は、30億22百万円であります。