研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-03 | - | 473 |
| 2024-03 | - | 658 |
| 2023-03 | - | 666 |
| 2022-03 | - | 710 |
| 2021-03 | - | 147 |
研究開発活動(本文)
FY2025|4,448 文字
6 【研究開発活動】 当社は、市場性や当社のコア技術、及び将来性を考慮した上で、社会課題の解決に向けた研究開発活動を積極的に推進しています。具体的には5Gや6G、次世代光通信、高度道路交通システム、エネルギーデバイス及びエネルギーマネジメント、デジタルヘルスケア等での事業機会獲得に向けて、国内外の研究開発拠点の再編を通じた技術力や人材育成の強化、及び社内外の連携強化による新技術、新製品開発に努めています。また、グローバルベースで多様化する顧客ニーズへの一層の対応に向けて、新たな海外研究開発部門を設け取り組んでいます。さらに、アカデミア等の社外リソースを活用するとともに、オープンイノベーションを推進し、新たな事業領域の創出に努めています。 各レポーティングセグメントにおける主な活動は次のとおりです。 (1)コアコンポーネント 当レポーティングセグメントでは、創業以来培ってきたファインセラミックスをはじめとする材料、プロセス、設計、加工技術等のコア技術を活かし、半導体、6G、産業機械や自動車関連等の幅広い市場向けに高付加価値製品の開発に努めています。また、総合力を生かした新製品、新事業の開発強化に向けて、各部門を横断したプロジェクトを進めています。 当レポーティングセグメントの各事業で取り組んでいる主な研究開発は次のとおりです。 a.産業・車載用部品事業 半導体製造装置市場向けには、特に今後も拡大が見込まれる先端半導体に対応した微細配線、三次元構造等、高集積化の進む次世代装置に向けた部品や材料の開発に取り組むとともに、高温対応を可能にする優れた熱伝導性や機械特性を持つ新材料や新たな機能部品の開発を、グループ内だけでなく外部と共同で実施する等、社外リソースも積極的に活用して進めています。 自動車関連市場向けには、自動車の安全性向上に寄与する高度な画像センシング技術を活用した車載カメラ等の開発に取り組んでいます。 また、ファインセラミック技術を活かし、環境・エネルギー市場で新たなクリーンエネルギー供給システムとして普及が期待されるSOFC向けセルスタックの高効率化に向けて開発を強化しています。 b.半導体関連部品事業 情報通信市場においては、データセンター用サーバーやネットワーク機器の高速大容量化や低消費電力化に伴い、半導体部品の微細化、高機能化が進んでいます。また、IoTの進展も加わり、5G等の端末機器に加え通信インフラの整備が進んでいます。一方、自動車関連市場においては、ADASの進展による電装化や低消費電力化への一層の対応が求められています。さらに、これらの主要市場での各種センサーの需要が増加しています。 このような市場動向に対し、セラミック材料事業においては、微細配線が可能で、かつ高強度、高剛性の超小型・薄型の電子デバイス用及びセンサー用パッケージや、5G等のより高い周波数に対応する光通信用パッケージ、高輝度な自動車ヘッドライト向けに放熱性や耐久性に優れたLED用パッケージ等の開発に取り組んでいます。 有機材料事業においては、生成AI関連を中心に高成長が見込まれる情報通信市場向けには、データ伝送の高速大容量化対応として高速信号・広帯域メモリー接続に適した大型高多層製品のパッケージの開発を、自動車関連市場向けにはADAS用高信頼性パッケージ及びミリ波レーダー用基板の開発を中心に取り組んでいます。 c.その他 主に人工関節や人工歯根を展開している医療機器事業では、患者様のQOL(生活の質)の向上に貢献できる製品開発を進めています。具体的には、人工関節の緩みを抑え長寿命化を実現する3D積層造形技術や、抗菌性を付与した製品開発に取り組んでいます。これら技術の他分野での展開に向けて、社外の研究機関とも連携して研究開発を進めています。また、新規医療分野への取り組みとして、デジタルヘルスケア関連製品の開発等を推進しています。 (2)電子部品 当レポーティングセグメントでは、京セラ㈱の電子部品事業とKAVXの技術融合による新製品開発の強化に努めています。具体的には、京セラ㈱の電子部品事業の生産技術力とKAVXの設計力を融合し、自社特許技術を活用したセラミックコンデンサの開発等に取り組んでいます。 情報通信市場では、5GやIoT関連製品の普及に伴う通信端末や基地局の高機能化に加え、AI機能搭載の機器が増加するトレンドにより、部品の小型化や高機能・高信頼性等が求められています。これらの要求に対し、温度や湿度への信頼性を高めた小型高容量のセラミックコンデンサやSAWデバイス、小型高周波特性の水晶部品やシリコンMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)振動子、高周波対応のコネクタ、高効率なアンテナ等の開発を進めています。 また、ADASや電装化が進む自動車関連市場や、先端半導体の拡大により高温度保証の要求が高まっている半導体関連市場向けには、高温信頼性や耐圧性を高めたセラミックコンデンサやコネクタ、小型・高放熱のディスクリート及びパワーモジュールを含むパワー半導体に加え、各種制御部品等の開発を行っています。 (3)ソリューション 当レポーティングセグメントでは多様な事業を有している特長を活かし、ビジネスモデルや開発モデルの共有等を通じ、相乗効果の最大化に取り組んでいます。これまで各事業で培ってきた技術の活用により、情報通信、環境・エネルギー関連等において、イノベーションの創出に向けた研究開発を進めています。 当レポーティングセグメントの各事業で取り組んでいる主な研究開発は次のとおりです。 a.機械工具事業 機械工具事業では、ソリューション型ビジネスによる顧客の課題の解決と、産業市場や建築市場への事業領域の拡大に取り組んでいます。自動車やエネルギー、航空機、医療分野等の幅広い市場での金属加工等に使用される切削工具では、ユーザーの生産性向上に寄与する高品質・高精度な製品開発に取り組んでいます。また空圧・電動工具では、建設等の産業におけるプロ向け、DIY等一般向けの工具、消耗品等、安全で快適に使用できる製品について、京セラグループが有する多様な技術を活用し新製品開発を推進しています。 b.ドキュメントソリューション事業 当社製品の特長である環境性と経済性に優れた製品の開発を進め、競合他社との差別化を図っています。プリンター及び複合機等のオフィス向け製品については、低ランニングコストと高い環境性能の両立を図るため、長寿命な機器及び廃棄を極少に抑えた消耗部品の開発を進めています。また、高品質なトナー開発にも取り組み、付加価値の向上に努めています。 商業用インクジェット事業では、印刷市場に新しい価値を提供できるよう、高画質・高耐久性・高生産性と同時に、多品種大量印刷ニーズの増加に伴うバリアブル印刷やカスタマイズ印刷に対応した製品の開発に取り組んでいます。 ドキュメントソリューションサービス関連では、モバイル機器やクラウド環境、並びに顧客が所有するドキュメント管理システムとの連携により、情報共有の質や業務効率改善に貢献するアプリケーションソフトウェア等の開発を進めています。また、企業内の情報を電子化し、包括的かつ効率的に管理・運用するECM事業をさらに強化し、既存事業との融合による新サービスの開発に取り組んでいます。 c.コミュニケーション事業 通信機器事業では、法人企業向けを中心に5G対応スマートフォン端末やタブレット端末、5Gコネクティングデバイスの開発を行っています。さらに、当社が有している部品や端末、システム技術、並びに通信端末事業で培った無線通信技術の活用とともに、外部機関との連携による新技術の開発を進めています。ADASや自動運転システムの高まりに伴い需要の増加が期待される車載用通信機器の開発にも取り組んでいます。 情報通信サービス事業においては、IoTプラットフォームやローカル5G構築といったインフラ系サービスの他、あらゆる場面で利用されるようになったAIやセキュリティの製品・サービス開発等、DXの推進により複雑化・高度化する顧客ニーズへの対応を進めています。 d.その他 スマートエナジー事業においては、太陽光発電等の再生可能エネルギーの自家消費ニーズに対応し、エネルギーを効率良く使用するための製品及びシステムの開発に努めています。太陽電池モジュールや当社の独自技術を活かし、量産技術を確立した高い安全性・長寿命のクレイ型蓄電池、小型・高効率発電の燃料電池(SOFC)等、様々な新製品の開発や品質の向上に取り組んでいます。さらに、電力を効率良く活用するためのエネルギーマネジメントシステムの開発に注力しています。 上記の各レポーティングセグメントでの取り組みに加え、その他の事業においては、事業部門やレポーティングセグメントの枠組みを超えて、京セラグループの総合力及び社外リソースも活用し、社会課題の解決に貢献する新事業の開発を進めています。 生産年齢人口の減少による生産現場における労働力不足問題の解決に貢献するため、協働ロボットをAIと3Dビジョンで知能化するクラウドシステム「京セラロボティックサービス」を開発していることに加え、安全な自動運転を実現する路車協調システムの事業化に向けて、通信と車載、光学の分野で培ってきた技術を応用したITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)無線路側機、FIR(Far Infrared Rays:遠赤外線)カメラセンシングシステム等のインフラ向け機器、車載用無線機の開発に取り組むとともに、より高度な情報通信社会の実現に貢献する5Gミリ波や6Gのエリア拡大に対応した通信インフラ機器の開発にも取り組んでいます。 また、低炭素社会の実現に貢献する基幹材料である窒化ガリウム(GaN)デバイスの応用システム開発等に取り組んでいます。 レポーティングセグメント別研究開発費 (百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減率(%) コアコンポーネント17,80220,83817.1 電子部品14,49013,988△3.5 ソリューション40,41641,5942.9 その他の事業31,58239,66725.6 研究開発費104,290116,08711.3 売上高比率5.2%5.8%-(注)当社は、当連結会計年度より、前連結会計年度まで「その他の事業」に含めていたエネルギーソリューション事 業を「ソリューション」セグメントに含めて業績管理することとしました。これに伴い、前連結会計年度のレポ ーティングセグメント別研究開発費は、この管理区分にて表示しています。
FY2024|4,347 文字
6 【研究開発活動】 当社は、市場性や当社のコア技術、及び将来性を考慮した上で、社会課題の解決に向けた研究開発活動を積極的に推進しています。具体的には5Gや6G、次世代光通信、高度道路交通システム、エネルギーデバイス及びマネジメント、デジタルヘルスケア等での事業機会獲得に向けて、国内の研究開発拠点の再編を通じた技術力や人材育成の強化、及び社内外の連携強化による新技術、新製品開発に努めています。また、グローバルベースで多様化する顧客ニーズへの一層の対応に向けて、新たな海外研究開発拠点の設立に向けて取り組んでいます。さらに、アカデミア等の社外リソースを活用するとともに、オープンイノベーションを推進し、新たな事業領域の創出に努めています。 各レポーティングセグメントにおける主な活動は次のとおりです。 (1)コアコンポーネント 当レポーティングセグメントでは、創業以来培ってきたファインセラミックスをはじめとする材料、プロセス、設計、加工技術等のコア技術を活かし、半導体、5G、産業機械や自動車関連等の幅広い市場向けに高付加価値製品の開発に努めています。また、総合力を生かした新製品、新事業の開発強化に向けて、各部門を横断したプロジェクトを進めています。 当レポーティングセグメントの各事業で取り組んでいる主な研究開発は次のとおりです。 a.産業・車載用部品事業 半導体製造装置市場向けには、特に今後も拡大が見込まれる先端半導体に対応した微細配線、三次元構造等、高集積化の進む次世代装置に向けた部品や材料の開発に取り組むとともに、高温対応を可能にする優れた熱伝導性や機械特性を持つ新材料や新たな機能部品の開発を、グループ内だけでなく外部と共同で実施する等、社外リソースも積極的に活用して進めています。 自動車関連市場向けには、自動車の安全性向上に寄与する高度な画像センシング技術を活用した車載カメラ等の開発に取り組んでいます。 また、ファインセラミック技術を活かし、環境・エネルギー市場で新たなクリーンエネルギー供給システムとして普及が期待されるSOFC向けセルスタックの高効率化に向けて開発を強化しています。 b.半導体関連部品事業 情報通信市場においては、データセンター用サーバーやネットワーク機器の高速大容量化や低消費電力化に伴い、半導体部品の微細化、高機能化が進んでいます。また、IoTの進展も加わり、5G等の端末機器に加え通信インフラの整備が進んでいます。一方、自動車関連市場においては、ADASの進展による電装化や低消費電力化への一層の対応が求められています。さらに、これらの主要市場での各種センサーの需要が増加しています。 このような市場動向に対し、セラミック材料事業においては、微細配線が可能で、かつ高強度、高剛性の超小型・薄型の電子デバイス用及びセンサー用パッケージや、5G等のより高い周波数に対応する光通信用パッケージ、高輝度な自動車ヘッドライト向けに放熱性や耐久性に優れたLED用パッケージ等の開発に取り組んでいます。 有機材料事業においては、生成AI関連を中心に高成長が見込まれる情報通信市場向けには、データ伝送の高速大容量化対応として高速信号・広帯域メモリー接続に適した大型高多層製品のパッケージの開発を、自動車関連市場向けにはADAS用高信頼性パッケージ及びミリ波レーダー用基板の開発を中心に取り組んでいます。 c.その他 主に人工関節や人工歯根を展開している医療機器事業では、患者様のQOL(生活の質)の向上に貢献できる製品開発を進めています。具体的には、人工関節の緩みを抑え長寿命化を実現する3D積層造形技術や、抗菌性を付与した製品開発に取り組んでいます。これら技術の他分野での展開に向けて、社外の研究機関とも連携して研究開発を進めています。また、新規医療分野への取り組みとして、デジタルヘルスケア関連製品の開発等を推進しています。 (2)電子部品 当レポーティングセグメントでは、京セラ㈱の電子部品事業とKAVXの技術融合による新製品開発の強化に努めています。具体的には、京セラ㈱の電子部品事業の生産技術力と、KAVXの設計力を融合し、自社特許技術を活用したセラミックコンデンサの開発等に取り組んでいます。 情報通信市場では、5GやIoT関連製品の普及に伴う通信端末や基地局の高機能化に加え、AI機能搭載の機器が増加するトレンドにより部品の小型化や高機能・高信頼性等が求められています。これらの要求に対し、温度や湿度への信頼性を高めた小型高容量のセラミックコンデンサやSAWデバイス、小型高周波特性の水晶部品やシリコンMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)振動子、高周波対応のコネクタ、高効率なアンテナ等の開発を進めています。 また、ADASや電装化が進む自動車関連市場や、先端半導体の拡大により高温度保証の要求が高まっている半導体関連市場向けには、高温信頼性や耐圧性を高めたセラミックコンデンサやコネクタ、小型・高放熱のディスクリート及びパワーモジュールを含むパワー半導体に加え、各種制御部品等の開発を行っています。 (3)ソリューション 当レポーティングセグメントでは多様な事業を有している特長を活かし、ビジネスモデルや開発モデルの共有等を通じ、相乗効果の最大化に取り組んでいます。これまで各事業で培ってきた技術の活用により、情報通信、環境・エネルギー関連等において、イノベーションの創出に向けた研究開発を進めています。 当レポーティングセグメントの各事業で取り組んでいる主な研究開発は次のとおりです。 a.機械工具事業 機械工具事業では、ソリューション型ビジネスによる顧客の課題の解決と、産業市場や建築市場への事業領域の拡大に取り組んでいます。自動車やエネルギー、航空機、医療分野等の幅広い市場での金属加工等に使用される切削工具では、ユーザーの生産性向上に寄与する高品質・高精度な製品開発に取り組んでいます。また、空圧・電動工具では、京セラグループが有する多様な技術の活用による新製品開発を推進しています。 b.ドキュメントソリューション事業 当社製品の特長である環境性と経済性に優れた製品の開発を進め、競合他社との差別化を図っています。プリンター及び複合機等のオフィス向け製品については低ランニングコストと高い環境性能の両立を図るため、長寿命な機器及び、廃棄を極少に抑えた消耗部品の開発を進めています。また、高品質なトナー開発にも取り組み、付加価値の向上に努めています。 商業用インクジェット事業では、印刷市場に新しい価値を提供できるよう、高画質・高耐久性・高生産性と同時に、多品種大量印刷ニーズの増加に伴うバリアブル印刷やカスタマイズ印刷に対応した製品の開発に取り組んでいます。 ドキュメントソリューションサービス関連では、モバイル機器やクラウド環境、並びに顧客が所有するドキュメント管理システムとの連携によって、情報共有の質や業務効率改善に貢献するアプリケーションソフトウェア等の開発を進めています。また、企業内の情報を電子化し、包括的かつ効率的に管理・運用するECM事業をさらに強化し、既存事業との融合による新サービスの開発に取り組んでいます。 c.コミュニケーション事業 通信機器事業では、法人企業向けを中心に、5G対応スマートフォン端末やタブレット端末、5Gコネクティングデバイスの開発を行っています。さらに、当社が有している部品や端末、システム技術、並びに通信端末事業で培った無線通信技術の活用とともに外部機関との連携による新技術の開発を進めています。ADASや自動運転システムの高まりに伴い需要の増加が期待される車載用通信機器の開発にも取り組んでいます。 情報通信サービス事業においては、IoTプラットフォームやローカル5G構築といったインフラ系サービスの他、あらゆる場面で利用されるようになったAIやセキュリティの製品・サービス開発等、DXの推進により複雑化・高度化する顧客ニーズへの対応を進めています。 d.その他 スマートエナジー事業においては、太陽光発電等の再生可能エネルギーの自家消費ニーズに対応し、エネルギーを効率良く使用するための製品及びシステムの開発に努めています。太陽電池モジュール、当社の独自技術を活かした高い安全性・長寿命のクレイ型蓄電池、小型・高効率発電のSOFC、それぞれに様々な新製品の開発や品質の向上に取り組んでいます。さらに、電気を効率良く活用するためのエネルギーマネジメントシステムの開発に注力しています。 上記の各レポーティングセグメントでの取り組みに加え、その他の事業においては、事業部門やレポーティングセグメントの枠組みを超えて、京セラグループの総合力及び社外リソースも活用し、社会課題の解決に貢献する新事業の開発を進めています。 グループ内に有するインクジェットヘッド技術やインク技術等のシナジーによる、ほとんど水を使用しない環境性能の高いデジタル捺染機の市場投入に向けた製品開発を進めるとともに、生産年齢人口の減少による生産現場における労働力不足問題の解決に貢献するため、協働ロボットをAIと3Dビジョンで知能化するクラウドシステム「京セラロボティックサービス」の開発を行っています。加えて、安全な自動運転を実現する路車協調システムの事業化に向けて、通信と車載、光学の分野で培ってきた技術を応用したITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)無線路側機、FIR(Far Infrared Rays:遠赤外線)カメラセンシングシステム等のインフラ向け機器、車載用無線機の開発に取り組むとともに、より高度な情報通信社会の実現に貢献する5Gミリ波や6Gのエリア拡大に対応した通信インフラ機器、及び字幕表示システムの開発にも取り組んでいます。 また、低炭素社会の実現に貢献する基幹材料である窒化ガリウム(GaN)デバイスの応用システム開発等に取り組んでいます。 レポーティングセグメント別研究開発費 (百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減率(%) コアコンポーネント16,46317,8028.1 電子部品14,65314,490△1.1 ソリューション45,06839,483△12.4 その他の事業18,09332,51579.7 研究開発費94,277104,29010.6 売上高比率4.7%5.2%-
FY2023|4,374 文字
6 【研究開発活動】 当社は、市場性や当社のコア技術、及び将来性を考慮した上で、社会課題の解決に向けた研究開発活動を積極的に推進しています。具体的には、5Gや6G、次世代光通信、高度道路交通システム、エネルギーマネジメント、デジタルヘルスケア等での事業機会獲得に向けて、国内の研究開発拠点の再編を通じた技術力や人材育成の強化、及び社内外の連携強化による新技術、新製品開発に努めています。また、グローバルベースで多様化する顧客ニーズへの一層の対応に向けて、新たな海外研究開発拠点の設立に向けて取り組んでいます。さらに、アカデミア等の社外リソースを活用するとともに、オープンイノベーションを推進し、新たな事業領域の創出に努めています。 各レポーティングセグメントにおける主な活動は次のとおりです。 (1)コアコンポーネント 当レポーティングセグメントでは、創業以来培ってきたファインセラミックスをはじめとする材料、プロセス、設計、加工技術等のコア技術を活かし、半導体、5G、産業機械や自動車関連などの幅広い市場向けに高付加価値製品の開発に努めています。また、総合力を生かした新製品、新事業の開発強化に向けて、各部門を横断したプロジェクトを進めています。 当レポーティングセグメントの各事業で取り組んでいる主な研究開発は次のとおりです。 a.産業・車載用部品事業 半導体製造装置市場向けには、特に今後も拡大が見込まれる先端半導体に対応した微細配線、三次元構造等、高集積化の進む次世代装置に向けた部品や材料の開発に取り組むとともに、高温対応を可能にする優れた熱伝導性や機械特性を持つ新材料や新たな機能部品の開発を、グループ内だけでなく外部と共同で実施する等、社外リソースも積極的に活用して進めています。 自動車関連市場向けには、自動車の安全性向上に寄与する高度な画像センシング技術を活用した車載カメラ等の開発に取り組んでいます。 また、ファインセラミック技術を活かし、環境・エネルギー市場で新たなクリーンエネルギー供給システムとして普及が期待されるSOFC向けセルスタックの高効率化に向けて開発を強化しています。 b.半導体関連部品事業 情報通信市場においては、スマートフォンやタブレット端末等の機器の高機能化と同時に小型・薄型化のニーズが高まっており、これに伴い、搭載される電子部品の小型化や半導体の微細化が進んでいます。また、IoTの進展も加わり、5G等の高速かつ大容量の通信インフラの整備が加速しています。自動車関連市場においては、ADASの進展による電装化や低消費電力化への一層の対応が求められています。さらに、これらの主要市場での各種センサーの需要が増加しています。 このような市場動向に対し、セラミックパッケージ事業においては、微細配線が可能で、かつ高強度、高剛性の超小型・薄型の電子デバイス用及びセンサー用パッケージや、5G等のより高い周波数に対応する光通信用パッケージ、高輝度な自動車ヘッドライト向けに放熱性や耐久性に優れたLED用パッケージ等の開発に取り組んでいます。 有機基板事業においては、情報通信市場向けにはデータ伝送の高速大容量化対応として高速信号・広帯域メモリー接続に適した大型高多層製品のパッケージの開発を、ADAS向けには統合ECU用の高信頼パッケージ及びミリ波レーダー用基板の開発を中心に取り組んでいます。 c.その他 主に人工関節や人工歯根を展開している医療機器事業では、患者様のQOL(生活の質)の向上に貢献できる製品開発を進めています。具体的には、人工関節の緩みを抑え長寿命化を実現する3D積層造形技術や、抗菌性を付与した製品開発に取り組んでいます。これら技術の他分野での展開に向けて、社外の研究機関とも連携して研究開発を進めています。また、新規医療分野への取り組みとして、再生医療やデジタルヘルスケア関連製品の開発等を推進しています。 (2)電子部品 当レポーティングセグメントでは、京セラ㈱の電子部品事業とKAVXの技術融合による新製品開発の強化に努めています。具体的には、京セラ㈱の電子部品事業の生産技術力と、KAVXの設計力を融合し、自社特許技術を活用したセラミックコンデンサの開発等に取り組んでいます。また、翌連結会計年度中には、米国に新たな研究開発拠点の設立を計画しており、更なる連携強化を図ります。 情報通信市場では、5GやIoT関連製品の普及に伴う通信端末や基地局の高機能化に加え、マルチバンド化による部品の小型化や高機能・高信頼性等が求められています。これらの要求に対し、温度や湿度への信頼性を高めた小型高容量のセラミックコンデンサやSAWデバイス、小型高周波特性の水晶部品やシリコンMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)振動子、高周波対応のコネクタ、高効率なアンテナ等の開発を進めています。 また、ADASや電装化が進む自動車関連市場や、先端半導体の拡大により高温度保証の要求が高まっている半導体関連市場向けには、高温信頼性や耐圧性を高めたセラミックコンデンサやコネクタ、小型・高放熱のディスクリート及びパワーモジュールを含むパワー半導体に加え、各種制御部品等の開発を行っています。 (3)ソリューション 当レポーティングセグメントでは多様な事業を有している特長を活かし、ビジネスモデルや開発モデルの共有等を通じ、相乗効果の最大化に取り組んでいます。これまで各事業で培ってきた技術の活用により、情報通信、環境・エネルギー関連等において、イノベーションの創出に向けた研究開発を進めています。 当レポーティングセグメントの各事業で取り組んでいる主な研究開発は次のとおりです。 a.機械工具事業 機械工具事業では、ソリューション型ビジネスによる顧客の課題の解決と、産業市場や建築市場への事業領域の拡大に取り組んでいます。自動車やエネルギー、航空機、医療分野等の幅広い市場での金属加工等に使用される切削工具では、ユーザーの生産性向上に寄与する高品質・高精度な製品開発に取り組んでいます。また、空圧・電動工具では、京セラグループが有する多様な技術の活用による新製品開発を推進しています。 b.ドキュメントソリューション事業 当社製品の特長である環境性と経済性に優れた製品の開発を進め、競合他社との差別化を図っています。プリンター及び複合機等のオフィス向け製品については低ランニングコストと高い環境性能の両立を図るため、長寿命な機器及び、廃棄を極少に抑えた消耗部品の開発を進めています。また、高品質なトナー開発にも取り組み、付加価値の向上に努めています。 商業用インクジェット事業では、印刷市場に新しい価値を提供できるよう、高画質・高耐久性・高生産性と同時に、多品種大量印刷ニーズの増加に伴うバリアブル印刷やカスタマイズ印刷に対応した製品の開発に取り組んでいます。 ドキュメントソリューションサービス関連では、モバイル機器やクラウド環境、並びに顧客が所有するドキュメント管理システムとの連携によって、情報共有や業務効率に貢献するアプリケーションソフトウェア等の開発を進めています。また、企業内の情報を電子化し、包括的かつ効率的に管理・運用するECM事業をさらに強化し、既存事業との融合による新サービスの開発に取り組んでいます。 c.コミュニケーション事業 通信機器事業では、法人企業向けを中心に、5G対応スマートフォン端末やタブレット端末、5Gコネクティングデバイスの開発を行っています。さらに、当社が有している部品や端末、システム技術、並びに通信端末事業で培った無線通信技術の活用とともに外部機関との連携による新技術の開発を進めています。ADASや自動運転システムの高まりに伴い需要の増加が期待される車載用通信機器の開発にも取り組んでいます。 情報通信サービス事業においては、IoTプラットフォームやローカル5G構築といったインフラ系サービスの他、あらゆる場面で利用されるようになったAIやセキュリティの製品・サービス開発等、DXの推進により複雑化・高度化する顧客ニーズへの対応を進めています。また、地域における物流課題の解決を目指し、自動配送ロボットを用いた実証実験や開発を始めています。 d.その他 スマートエナジー事業においては、太陽光発電等の再生可能エネルギーの自家消費ニーズに対応し、エネルギーを効率良く使用するための製品及びシステムの開発に努めています。太陽電池モジュール、京セラの独自技術を活かした高い安全性、長寿命のクレイ型蓄電池、小型・高効率発電のSOFC、それぞれに様々な新製品の開発や品質の向上に取り組んでいます。さらに、電気を効率良く活用するためのエネルギーマネジメントシステムの開発に注力しています。 上記の各レポーティングセグメントでの取り組みに加え、その他の事業においては、事業部門やレポーティングセグメントの枠組みを超えて、京セラグループの総合力及び社外リソースも活用し、社会課題の解決に貢献する新事業の開発を進めています。 グループ内に有するインクジェットヘッド技術やインク技術等のシナジーによる、ほとんど水を使用しない環境性能の高いデジタル捺染機の市場投入に向けた製品開発を進めるとともに、人材確保問題の解決に貢献する独自のAI技術等を活用したAI協働ロボット・システムの開発を行っています。加えて、安全な自動運転を実現する路車協調システムの事業化に向けて、通信と車載、光学の分野で培ってきた技術を応用したITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)無線路側機、FIR(Far Infrared Rays:遠赤外線)カメラセンシングシステム等のインフラ向け機器、車載用無線機の開発に取り組むとともに、より高度な情報通信社会の実現に貢献する5Gミリ波や6Gのエリア拡大に対応した通信インフラ機器の開発にも取り組んでいます。 また、低炭素社会の実現に貢献する基幹材料である窒化ガリウム(GaN)デバイスの応用システム開発等に取り組んでいます。 レポーティングセグメント別研究開発費 (百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減率(%) コアコンポーネント16,42616,4630.2 電子部品13,49914,6538.5 ソリューション42,61245,0685.8 その他の事業11,58618,09356.2 研究開発費84,12394,27712.1 売上高比率4.6%4.7%-
FY2022|4,416 文字
5 【研究開発活動】 当社は、5G、IoT、ADAS、エネルギーマネジメント、デジタルヘルスケア等の普及に伴う事業機会の獲得に向け、社内外の連携強化による新技術、新製品開発に努めています。具体的には、事業ごとに分散していた開発拠点をテーマ別に再編し、好立地に拠点を開設することで、技術力の強化や技術者の獲得、オープンイノベーションの推進に取り組んでいます。 また、2021年4月に実施したセグメント再編により、グループ間連携を強化し、一層の開発のスピードアップに努めています。 各レポーティングセグメントにおける主な活動は次のとおりです。(1)コアコンポーネント 当レポーティングセグメントでは、創業以来培ってきたファインセラミックスをはじめとする材料、プロセス、設計、加工技術等のコア技術を活かし、産業機械、自動車関連、5Gや半導体などの幅広い市場向けに高付加価値製品の開発に努めています。また、総合力を生かした新製品、新事業の開発強化に向けて、各部門を横断したプロジェクトを進めています。 当レポーティングセグメントの各事業で取り組んでいる主な研究開発は次のとおりです。 a.産業・車載用部品事業 今後も拡大が見込まれる半導体製造装置市場向けには、微細配線、三次元構造等、高集積化の進む次世代装置に向けた部品や材料の開発に取り組むとともに、高温対応を可能にする優れた熱伝導性や機械特性を持つ窒化物セラミックスの開発を、グループ内だけでなく外部と共同で実施する等、社外リソースも積極的に活用して進めています。 自動車関連市場向けには、自動車の安全性向上に寄与する高度な画像センシング技術を活用した車載カメラ等の開発に取り組んでいます。 また、ファインセラミック技術を活かし、環境・エネルギー市場で新たなクリーンエネルギー供給システムとして普及が期待される、SOFC向けセルスタックの高効率化に向けて開発を強化しています。 b.半導体関連部品事業 情報通信市場においては、スマートフォンやタブレット端末等の機器の高機能化と同時に小型・薄型化のニーズが高まっており、これに伴い、搭載される電子部品の小型化や半導体の微細化が進んでいます。また、IoTの進展も加わり、5G等の高速かつ大容量の通信インフラの整備が加速しています。自動車関連市場においてはADASの進展による電装化や低消費電力化への一層の対応が求められています。さらに、これらの主要市場での各種センサーの需要が増加しています。 このような市場動向に対し、セラミックパッケージ事業においては、微細配線が可能で、かつ高強度、高剛性の超小型・薄型の電子デバイス用及びセンサー用パッケージや、5G等のより高い周波数に対応する光通信用パッケージ、高輝度な自動車ヘッドライト向けに放熱性や耐久性に優れたLED用パッケージ等の開発に取り組んでいます。 有機基板事業においては、各市場のニーズに対応したフリップチップパッケージやモジュール基板の開発に取り組んでいます。情報通信市場向けには、データ伝送の高速大容量化対応として、高速信号・広帯域メモリー接続に適した大型高多層製品のパッケージを、ADAS向けには統合ECU用の高信頼パッケージ及びミリ波レーダー用基板の開発を中心に取り組んでいます。 c.その他 主に人工関節や人工歯根を展開している医療機器事業では、患者様のQOL(生活の質)の向上に貢献できる製品開発を進めています。具体的には、人工関節の緩みを抑え長寿命化を実現する3D積層造形技術や、抗菌性を付与した製品開発に取り組んでいます。これら技術の他分野での展開に向けて、社外の研究機関とも連携して研究開発を進めています。また、からだへの負担が少ない再生医療事業の拡大に向けて、豪州Regeneus社と細胞製剤に関する技術提携並びにライセンス契約を締結する等、新規医療分野への取り組みを積極的に推進しています。 (2)電子部品 当レポーティングセグメントでは、京セラ㈱の電子部品事業とKyocera AVX Components Corporationの技術融合による新製品開発の強化に努めています。 5GやIoT関連製品の普及に伴い、スマートフォンをはじめとする通信端末や基地局の高機能化に加え、マルチバンド化により部品の小型化や高機能・高信頼性等が求められています。これらの要求に対し、小型高容量で温度や湿度への信頼性を高めたセラミックコンデンサ、小型低損失かつ高信頼性のSAWデバイス、小型低背化、高周波特性の水晶部品やシリコンMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)振動子、狭ピッチ・低背で高速伝送を可能にするコネクタ、高効率なアンテナ等の開発を進めています。 自動車や産業機器市場向けには、高温信頼性や耐圧性を高めたセラミックコンデンサやコネクタ、小型・高放熱のディスクリート及びパワーモジュールを含むパワー半導体に加え、各種制御部品等の開発を行っています。 (3)ソリューション 当レポーティングセグメントでは多様な事業を有している特長を活かし、ビジネスモデルや開発モデルの共有等を通じ、相乗効果の最大化に取り組んでいます。これまで各事業で培ってきた技術の活用により、IoTやローカル5G、モビリティ、エネルギー関連等において、イノベーションの創出に向けた研究開発を進めています。 当レポーティングセグメントの各事業で取り組んでいる主な研究開発は次のとおりです。 a.機械工具事業 産業機械や建築市場への事業領域の拡大に取り組んでいます。自動車やエネルギー、インフラ、航空機分野等の幅広い市場での金属加工等に使用される切削工具では、材料技術の強化によりユーザーの生産性向上に寄与する高品質・高精度な製品開発に取り組んでいます。また、空圧・電動工具では、京セラグループが有する多様な技術の活用による新製品開発を推進しています。 b.ドキュメントソリューション事業 当社製品の特長である環境性と経済性に優れた製品の開発を進め、競合他社との差別化を図っています。プリンター及び複合機等のオフィス向け製品については、低ランニングコストと高い環境性能の両立を図るため、長寿命な機器及び、廃棄を極少に抑えた消耗部品の開発を進めています。さらに、高品質なトナー開発にも取り組み、付加価値の向上に努めています。 商業用インクジェット事業では、印刷市場に新しい価値を提供できるよう、高画質・高耐久性・高生産性と同時に、多品種大量印刷ニーズの増加に伴うバリアブル印刷やカスタマイズ印刷に対応した製品の開発に取り組んでいます。また、インクジェットプリントヘッド事業で培ったヘッド技術と、ドキュメントソリューション事業のインク技術に加え、商業用インクジェットの開発で培ったノウハウを活かし、デジタル捺染機の市場投入に向けた製品開発を進めています。 ドキュメントソリューションサービス関連では、モバイル機器やクラウド環境、並びに顧客が所有するドキュメント管理システムとの連携によって、情報共有や業務効率に貢献するアプリケーションソフトウェア等の開発を進めています。また、企業内の情報を電子化し、包括的かつ効率的に管理・運用するECM事業をさらに強化し、既存事業との融合による新サービスの開発に取り組んでいます。 c.コミュニケーション事業 通信機器事業については、コンシューマ市場に、防水、防塵、耐衝撃性等の独自機能を活用した5G対応スマートフォン端末の開発を行うと同時に、様々な業種向けに専用タブレット端末や5Gコネクティングデバイスの開発を行っています。さらに、当社が有している部品や端末、システム技術、並びに通信端末事業で培った無線通信技術の活用とともに外部機関との連携による新技術の開発を進めています。ADASや自動運転システムの高まりに伴い需要の増加が期待される車載用通信機器の開発にも取り組んでいます。 情報通信サービス事業においては、多様な端末やネットワークを通じて集まるデータの収集・管理・活用を行うプラットフォームや、セキュリティ製品・サービスの開発等、DXの推進による顧客ニーズの複雑化・高度化への対応を進めています。また、企業等のビジネス分野で利用が拡大するAIの分野についても、技術及びサービスの開発を強化しています。 d.その他 スマートエナジー事業においては、太陽光発電等の再生可能エネルギーの自家消費ニーズに対応し、エネルギーを効率良く使用するための製品及びシステムの開発に努めています。太陽電池モジュールの品質向上に取り組むとともに、高い安全性、長寿命、低コストの蓄電池や、小型・高効率発電のSOFC、電気を効率良く活用するためのエネルギーマネジメントシステムの開発に注力しています。さらに、電力自由化に伴うデマンドレスポンスや分散型電源構築、VPP制御等、事業領域の拡大に向けた技術開発にも取り組み、トータルエネルギーソリューションビジネスの構築に努めています。 通信・交通インフラシステム事業においては、長年培ってきた通信インフラ技術を応用したV2I(Vehicle to Infrastructure)路側機や、5Gサービスが普及しにくく、設置コストが高くなる地域に対して、迅速かつ安価に配備可能な5Gミリ波バックホールシステム等の実証実験を行っています。また、5Gミリ波や6Gのエリア拡大に貢献する透過型メタサーフェス屈折板等の開発にも取り組んでいます。 上記の各レポーティングセグメントでの取り組みに加え、その他の事業においては、中長期的な成長に向けて、人材確保問題の解決に貢献する独自のAI技術等を活用したAI協働ロボット・システム事業や、低炭素社会の実現に貢献する基幹材料である窒化ガリウム(GaN)デバイスの応用システムの開発等、社会課題の解決に資する新規事業の創出に取り組んでいます。 レポーティングセグメント別研究開発費 (百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減率(%) コアコンポーネント15,61116,4265.2 電子部品15,45613,499△12.7 ソリューション38,79942,6129.8 その他の事業5,59111,586107.2 研究開発費75,45784,12311.5 売上高比率4.9%4.6%-(注)当連結会計年度よりレポーティングセグメントの区分を変更しています。この変更に伴い、前連結会計年度の研究開発費についても同様の区分に組み替えて表示しています。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記6. セグメント情報」を参照ください。
FY2021|4,304 文字
5 【研究開発活動】 当社は、各部門での新技術開発、新製品開発に取り組むと同時に、5G、IoT、ADAS、エネルギーマネジメント、デジタルヘルスケア等の普及に伴う事業機会の獲得に向け、社内外の連携強化に取り組んでいます。ソフトウェア・システム開発を行う「みなとみらいリサーチセンター」や、材料技術開発部門を集約した新研究棟の設立等、グループを横断した研究開発ネットワークの構築に加え、オープンイノベーション等、社外リソースの活用を推進しています。 また、M&Aを通じた開発強化にも取り組んでいます。当連結会計年度には、窒化ガリウム技術の商用化においてリーディングカンパニーである米国Soraa Laser Diode, Inc.を買収しました。同社のデバイスと、当社の幅広いシステム及びソリューション技術を組み合わせた垂直統合戦略により、各種システムの開発を進め、車載や通信、医療分野等、幅広い市場へ同技術の応用展開を図ります。 さらに、翌連結会計年度より実施する組織再編を通じ、開発の一層のスピードアップを図ります。既存組織の枠を越え、部品や機器、システム等の社内に有する豊富な経営資源を、より効率的かつ効果的に活用する考えです。 各レポーティングセグメントにおける主な活動は次のとおりです。(1)産業・自動車用部品 当レポーティングセグメントでは、主に産業機械や自動車関連市場向けに各種製品の研究開発を行っています。 創業以来培ってきたファインセラミックスの材料・プロセス・設計技術をさらに高める基礎研究に取り組むとともに、これらのコア技術を活かし、幅広い市場向けに新製品の開発を進めています。今後も拡大が見込まれる半導体製造装置市場向けには、微細配線、三次元構造等、高集積化の進む次世代装置に向けた部品や材料開発に取り組むとともに、高温対応を可能にする優れた熱伝導性や機械特性を持つ窒化物セラミックスの開発を、グループ内だけでなく、外部の企業と共同で実施する等、社外リソースも積極的に活用しています。 また、ファインセラミック技術を活かし、環境・エネルギー市場で新たなクリーンエネルギー供給システムとして普及が期待される、SOFC向けセルスタックの高効率化の開発を強化しています。 ADAS等の進展に伴い事業機会の拡大が見込まれる自動車関連市場向けには、高度な画像センシング技術の実現に向けて、車載カメラ等の付加価値製品の開発を進めています。また、同市場向けにヘッドアップディスプレイの開発に取り組むとともに、各種産業市場向けに高輝度等、差別化したTFT液晶ディスプレイや、TFT成膜技術を応用した商品の開発を行っています。 産業機械や建築市場への事業領域の拡大に取り組んでいる機械工具事業においては、主に自動車やエネルギー・インフラ、航空機分野等の幅広い市場での金属加工等に使用される切削工具の材料技術を強化しています。ユーザーの生産性向上に寄与する高品質・高精度な製品開発に取り組むと同時に、京セラグループが有する多様な技術の活用による空圧・電動工具の新製品開発を推進しています。(2)半導体関連部品 スマートフォンやタブレット端末等のデジタルコンシューマ機器市場においては、機器の高機能化と同時に小型・薄型化のニーズが高まっています。これに伴い、機器に搭載される電子部品の小型化や半導体の微細化が進んでいます。また、情報通信ネットワーク市場においてはIoTの進展も加わり、5G向けの高速かつ大容量の通信インフラの構築が、自動車関連市場においてはADASの進展による電装化や低消費電力化への一層の対応が求められています。さらに、これらの主要市場については、各種センサーの需要が増加しています。このような市場動向に対応し事業拡大を図るため、当社は独自の材料、設計、加工技術を活かし、付加価値の高い新製品の開発に努めています。 セラミックパッケージ事業においては、微細配線が可能で、かつ高強度、高剛性の超小型・薄型の電子デバイス用及びセンサー用パッケージや、5G等、より高い周波数に対応する光通信用パッケージ、放熱性や高い耐久性を有するLED用パッケージ等の開発に取り組んでいます。ケミカル事業では、情報通信市場や自動車関連市場向けに絶縁信頼性等の電気特性の向上に加え、熱硬化・光反応性や形状・応力安定性等の高機能化への要求に対応する新規材料の合成や新たな材料配合技術等の開発を強化しています。 有機パッケージ事業においては、各市場のニーズに対応したフリップチップパッケージやモジュール基板の開発に取り組んでいます。情報通信ネットワーク市場向けには、データ伝送の高速大容量化対応として、高速信号・広帯域メモリー接続に適した狭ピッチかつ薄型・高精細な製品開発を、ADAS向けには小型で信頼性の高い製品の開発を中心に取り組んでいます。 (3)電子デバイス 5GやIoT関連製品の普及に伴い、スマートフォンをはじめとする通信端末や基地局の高機能化に加え、マルチバンド化により、部品の小型化と高信頼性が要求されています。当社は、これらの市場要求に応える小型高容量で温度や湿度への信頼性を高めたセラミックコンデンサや小型低損失かつ高信頼性のSAWデバイス、小型高特性の水晶部品や狭ピッチ・低背で高速伝送を可能にするコネクタ、高効率なアンテナ等の開発を進めています。 自動車や産業機器市場向けには、高温信頼性や耐圧性を高めたセラミックコンデンサやコネクタ、ディスクリート及びパワーモジュールを含むパワー半導体に加え、各種制御部品等の開発を行っています。前連結会計年度に完全子会社化したAVX Corporationとの連携強化によるこれら部品の一層の特性向上に加え、各部品を組み合わせた高付加価値モジュールの開発を図ります。 また、主に商業印刷市場向けに展開しているインクジェットプリントヘッドでは、デジタル印刷で要求される高速化、高画質化に加え、耐久性を高めた製品開発に取り組んでいます。 (4)コミュニケーション 通信機器事業については、コンシューマ市場に加え、教育学習支援業や建設業等、様々な業界向けに、防水、防塵、耐衝撃性等の独自機能を活用した5G対応端末やタブレット端末等の開発を強化しています。 情報通信サービス事業においては、多様な端末やネットワークから集まるデータの収集・管理・活用を行うプラットフォームや、セキュリティソフトの開発等、DXの推進による顧客ニーズの複雑化・高度化への対応を進めています。また、企業等のビジネス分野で利用が拡大するAIの分野についても、サービス開発を強化しています。 さらに、当社が有している部品や端末、システム技術、並びに通信端末事業で培った無線通信技術を活かし、ADASや自動運転システムの高まりに伴い需要の増加が期待される車載用通信機器やV2I路側機等の開発に取り組んでいます。加えて、専用ネットワークシステムを構築して取り組むローカル5Gシステム等のソリューション事業を、外部機関との連携も含め積極的に進めています。(5)ドキュメントソリューション 当レポーティングセグメントでは、当社製品の特長である環境性と経済性に優れた製品の開発を進め、競合他社との差別化を図っています。 プリンター及び複合機等のオフィス向け製品については、長寿命な機器及び、廃棄を極少に抑えた消耗部品の開発により、低ランニングコストと高い環境性能を両立しています。さらに、高品質なトナー開発にも取り組み、付加価値の向上に努めています。商業用インクジェット事業では、印刷市場に新しい価値を提供できるよう、高画質・高生産・高耐久と同時に、多品種大量印刷ニーズの増加に伴うバリアブル印刷やカスタマイズ印刷に対応した製品の開発に取り組んでいます。 ドキュメントソリューションサービス関連では、モバイル機器やクラウド環境、並びに顧客が所有するドキュメント管理システムとの連携によって、情報共有や業務効率に貢献するアプリケーションソフトウェア等の開発を進めています。また、企業内の情報を電子化し、包括的かつ効率的に管理・運用するECM事業をさらに強化し、既存事業との融合による新サービスの開発に取り組んでいます。(6)生活・環境 スマートエナジー事業においては、売電から自家消費へと、電力使用のニーズの変化への対応に向けて、高性能製品の開発及び、エネルギーを効率よく使用するためのシステム開発に努めています。製品開発においては、結晶シリコン系太陽電池モジュールの変換効率等の性能や品質の向上に取り組むと共に、高安全性で長寿命、低コストの蓄電池や、小型・高効率発電のSOFCの開発に注力しています。また、これらの電池で蓄えた電気を効率よく活用するためのエネルギーマネジメントシステムの開発にも取り組んでいます。さらに、電力自由化に伴うデマンドレスポンスやVPP市場での事業拡大に向けた技術開発にも取り組み、トータルエネルギーソリューションビジネスの構築に向けて、事業領域の拡大に努めています。 医療機器事業では、主に人工関節や人工歯根を展開しており、患者様のQOL(生活の質)の向上に貢献できる製品開発を進めています。具体的には、人工関節の摩耗を抑え長寿命化を実現する表面処理技術や、抗菌性を高める技術を付与した製品開発に取り組んでいます。さらに、これら技術の他分野での展開に向けて、社外の研究機関とも連携して研究開発を進めています。また、当社は再生医療事業の拡大に向けて、豪州Regeneus社と細胞製剤に関する技術提携並びにライセンス契約を締結する等、新規医療分野への取り組みを積極的に推進しています。 レポーティングセグメント別研究開発費 (百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減率(%) 産業・自動車用部品14,36712,424△13.5 半導体関連部品4,4864,7997.0 電子デバイス16,44519,18016.6 部品事業計35,29836,4033.1 コミュニケーション6,5507,1859.7 ドキュメントソリューション21,61518,166△16.0 生活・環境9,0498,112△10.4 機器・システム事業計37,21433,463△10.1 その他6,7295,591△16.9 研究開発費79,24175,457△4.8 売上高比率5.0%4.9%-
FY2020|4,086 文字
5 【研究開発活動】 当社は各部門での新技術開発、新製品開発に加え、部品や機器、システム等の社内に有する経営資源の融合及び、社外との連携強化による開発のスピードアップに努めています。これにより、非連続的なイノベーションの創出を図り、新規事業の創出や事業領域の拡大に取り組んでいます。5G、IoT、ADAS、エネルギーマネジメント、デジタルヘルス等の普及に伴う事業機会の獲得に向けた新製品、新技術開発を強化するとともに、生産性向上に向けたAIやロボットの活用研究を進めています。 各レポーティングセグメントにおける主な活動は次のとおりです。(1)産業・自動車用部品 当レポーティングセグメントでは、主に産業機械や自動車関連市場向けに各種製品の研究開発を行っています。 創業以来培ってきたファインセラミックスの材料・プロセス・設計技術をさらに高める基礎研究に取り組むとともに、これらのコア技術を活かし、幅広い市場向けに新製品の開発を進めています。今後も拡大が見込まれる半導体製造装置市場向けには、微細配線、三次元構造等、高集積化の進む次世代装置に向けた部品や材料開発に取り組むとともに、高温対応を可能にする優れた熱伝導性や機械特性を持つ窒化物セラミックスの開発を外部の企業と共同で開始する等、社外リソースも積極的に活用しています。 また、ファインセラミック技術を活かし、環境・エネルギー市場で新たなクリーンエネルギー供給システムとして普及が期待される、SOFC向けセルスタックの高効率化の開発を強化しています。 ADAS等の進展に伴い事業機会の拡大が見込まれる自動車関連市場向けには、車載カメラシステムによる高度な画像センシング技術の実現に向けてソフトウェアの開発を強化する等、高付加価値製品の開発を進めています。また、同市場に加え、各種産業市場向けに高輝度等、差別化したTFT液晶ディスプレイや、TFT成膜技術を応用した商品の開発を行っています。 現在、主に自動車やエネルギー・インフラ、航空機分野等の幅広い市場での金属加工等に使用される機械工具事業においては、産業機械や建築市場への事業領域の拡大を図っています。当戦略に伴い当社は、ユーザーの生産性向上に寄与する高品質・高精度な切削工具の材料技術の強化に加え、京セラグループの有する多様な技術の活用による空圧・電動工具の新製品開発に取り組んでいます。(2)半導体関連部品 スマートフォンやタブレット端末等のデジタルコンシューマ機器市場においては、機器の高機能化と同時に小型・薄型化のニーズが高まっています。これに伴い、機器に搭載される電子部品の小型化や半導体の微細化が進んでいます。また、情報通信ネットワーク市場においてはIoTの進展も加わり、5G向けの高速かつ大容量の通信インフラの構築が、自動車関連市場においてはADASの進展による電装化や低消費電力化への一層の対応が求められています。さらに、これらの主要市場に共通して、各種センサーの需要が増加しています。このような市場動向に対応し事業拡大を図るため、当社は独自の材料、設計、加工技術を活かし、付加価値の高い新製品の開発に努めています。 セラミックパッケージ事業においては、微細配線が可能で、かつ高強度、高剛性の超小型・薄型の電子デバイス用及びセンサー用パッケージや、5G等、より高い周波数に対応する光通信用パッケージ、放熱性や高い耐久性を有するLED用パッケージ等の開発に取り組んでいます。 有機パッケージ事業においては、データ伝送の高速大容量化技術への取り組みとして、高速信号・広帯域メモリー接続に対応し、狭ピッチかつ薄型・高精細なフリップチップパッケージ及びモジュール基板の開発を強化しています。また、有機多層ボード事業においても高周波対応の新材料を用いた製品開発に取り組んでいます。 これらの事業を材料技術で支えるケミカル事業では、情報通信市場や自動車関連市場向けに絶縁信頼性等の電気特性の向上に加え、熱硬化・光反応性や形状・応力安定性等の高機能化への要求に対応する新規材料の合成や新たな材料配合技術等の開発を強化しています。(3)電子デバイス 5GやIoT関連製品の普及に伴い、スマートフォンをはじめとする通信端末や基地局の高機能化に加え、マルチバンド化により部品の小型化と高信頼性が要求されています。当社は、これらの市場要求に応える小型高容量で温度や湿度への信頼性を高めたセラミックコンデンサや小型低損失かつ高信頼性のSAWデバイス、並びに小型高特性の水晶部品や狭ピッチ・低背で高速伝送を可能にするコネクタ、高効率なアンテナ等の開発を進めています。 自動車や産業機器市場向けには、高温信頼性や耐圧性を高めたセラミックコンデンサやコネクタ、ディスクリート及びパワーモジュールを含むパワー半導体に加え、各種コントロールデバイス等の開発を行っています。これら部品の一層の特性向上に加え、各部品を組み合わせた高付加価値モジュールの開発も進めています。 また、主に商業印刷市場向けに展開しているインクジェットプリントヘッドでは、デジタル印刷で要求される高速化、高画質化に加え、耐久性を高めた製品開発に取り組んでいます。 (4)コミュニケーション 通信端末事業については、防水、防塵、耐衝撃性等に優れた通信端末の開発を強化するとともに、より利便性の高い通信端末の開発を進めています。 情報通信サービス事業においては、IoTの活用による顧客ニーズの複雑化・高度化に伴い、多様な端末やネットワークから集まるデータの収集・管理・活用を行うプラットフォームや、セキュリティソフトの開発に取り組んでいます。企業等のビジネス分野で利用が拡大するAIについても、画像解析やテキスト解析等にディープラーニングを活用したプラットフォームやソフトウェアの開発を強化しています。 また、当社が有している部品や端末、システム技術の融合により、低消費電力で広い範囲の無線通信に対応したLPWA等のIoT市場向け通信モジュールの開発や、ワイヤレスネットワークシステム網の拡大、車載用通信機器の開発強化に加え、通信端末事業で培った無線通信技術を活かし、ローカル5Gシステム等のソリューション事業を外部機関との連携も含め積極的に進めています。(5)ドキュメントソリューション 当レポーティングセグメントでは、当社製品の特長である環境性と経済性に優れたプリンター及び複合機の開発を進め、競合他社との差別化を図っています。機器については、長寿命で廃棄物が少ないプリンターや複合機の開発に注力し、廃棄される消耗部品を極少におさえ、お客様のランニングコストの低減に貢献するとともに、地球環境にやさしい製品を供給しています。また、高画質かつ省エネルギーを追求したトナーの開発にも継続的に取り組んでおり、付加価値の向上に努めています。さらに、新たに事業参入した商業用インクジェット事業では、高画質・高生産・高耐久と同時に、多品種大量印刷ニーズの増加に伴う、バリアブル印刷やカスタマイズ印刷に対応した製品を市場投入することにより、印刷市場に今までにはなかった新しい価値を提供できるよう、開発に取り組んでいます。 ドキュメントソリューションサービス関連では、モバイル機器やクラウド環境、並びに顧客が所有するドキュメント管理システムとの連携によって、情報共有や業務効率に貢献するアプリケーションソフトウェア等の開発を進めています。また、企業内の情報を電子化し、包括的かつ効率的に管理・運用するECM事業やドキュメント関連業務を強化し、既存事業との融合による新サービスの開発に取り組んでいます。(6)生活・環境 ソーラーエネルギー事業においては、単結晶及び多結晶シリコン太陽電池セルの変換効率や、モジュールの出力及び耐久性の向上、並びに様々な形の屋根や水面、農地等への設置を可能にする製品の開発等により、性能品質及び設置自由度の向上に努めています。また、売電から自家消費へと電力使用ニーズが変化する中で、太陽光発電システムで得られた電力の効率的な活用を可能にするEMSや、高安全性や長寿命、低コスト化された蓄電システムの開発に加え、S0FCシステムにおける小型化や高発電性能への取り組み等、次世代の各種高効率な周辺機器やシステムの開発にも注力しています。さらに、電力自由化に伴うデマンドレスポンスやバーチャルパワープラント市場での事業拡大に向けた技術開発も進め、トータルエネルギーソリューションビジネスへの事業領域拡大に向けて開発を強化しています。 医療機器事業では、主に人工関節や人工歯根を展開しており、患者様のQOL(生活の質)の向上に貢献できる製品開発を進めています。具体的には、人工関節の摩耗を抑え長寿命化を実現する表面処理技術や、抗菌性を高める技術を付与した製品開発に取り組んでいます。さらに、これら技術の他分野での展開に向けて、社外の研究機関とも連携して研究開発を進めています。また、新規医療分野においては、急速に拡大している再生医療分野、及び遠隔治療に代表されるモバイルヘルスケア分野での技術開発を強化しています。 レポーティングセグメント別研究開発費 (百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減率(%) 産業・自動車用部品14,58914,367△1.5 半導体関連部品3,3894,48632.4 電子デバイス13,87716,44518.5 部品事業計31,85535,29810.8 コミュニケーション5,2386,55025.0 ドキュメントソリューション21,78721,615△0.8 生活・環境8,1459,04911.1 機器・システム事業計35,17037,2145.8 その他2,9026,729131.9 研究開発費69,92779,24113.3 売上高比率4.3%5.0%-
FY2019|4,006 文字
5 【研究開発活動】 当社は各部門での新技術開発、新製品開発に加え、グループ内の経営資源の融合により将来の核となる事業の創出に取り組んでいます。特に今後の成長が見込まれる「情報通信市場」、「自動車関連市場」、「環境・エネルギー市場」、並びに「医療・ヘルスケア市場」における付加価値の高い新技術、新製品の研究開発に注力しています。 IoTの普及に伴う様々な市場での新たな事業機会の獲得に向けて、通信技術等を活用した新製品、新技術開発を強化しています。さらに、生産性向上等に貢献するAIやロボットの一層の活用に向け研究開発を強化し、取り組んでいます。 また、みなとみらいにシステム・ソフト開発を担う中核研究拠点を設置するなど、研究体制の再編にも取り組んでおり、各研究拠点の連携強化による研究開発を加速します。 各レポーティングセグメントにおける主な活動は次のとおりです。(1)産業・自動車用部品 当セグメントでは、主に産業機械や自動車関連市場向けに各種製品の研究開発を行っています。創業以来培ってきたファインセラミックスの材料・プロセス・設計技術をさらに高める基礎研究に取り組むとともに、これらのコア技術を活かし、幅広い市場向けに新製品の開発を進めています。今後も拡大が見込まれる半導体製造装置市場向けには、微細配線、三次元構造等、高集積化の進む次世代装置に向けた部品や材料開発に取り組むとともに、高温対応を可能にする優れた熱伝導性や機械特性を持つ窒化物セラミックスの開発を、外部の企業と共同で開始する等、社外リソースも積極的に活用しています。 また、ファインセラミック技術を活かし、環境・エネルギー市場で新たなクリーンエネルギー供給システムとして普及が期待されるSOFC向けセルスタックの高効率化の開発を強化しています。 ADAS等の進展に伴い事業機会の拡大が見込まれる自動車関連市場向けには、車載カメラシステムによる高度な画像センシング技術の実現に向けてソフトウェアの開発を強化する等、高付加価値製品の開発を進めています。また、同市場に加え、各種産業市場に向けて、高輝度等、差別化したTFT液晶ディスプレイや、TFT成膜技術を応用した商品の開発を行っています。 自動車関連市場向けに加え、産業機械や建築市場への事業領域の拡大を図っている機械工具は、現在主に自動車やエネルギー・インフラ、航空機分野等の幅広い市場での金属加工に使用されます。当社は、ユーザーの生産性向上に寄与する高品質・高精度な切削工具の開発を材料技術から強化していることに加え、京セラグループの有する多様な技術の活用により、製品力を高めた電動・空圧工具の新製品開発を図っています。(2)半導体関連部品 スマートフォンやタブレット端末等のデジタルコンシューマ機器市場においては、機器の高機能化と同時に小型・薄型化のニーズが高まっています。これに伴い、機器に搭載される電子部品の小型化や半導体の微細化が進んでいます。また、情報通信ネットワーク市場においてはIoTの進展も加わり、5G向けの高速かつ大容量の通信インフラの構築が、自動車市場においてはADASの進展による電装化や低消費電力化への一層の対応が求められています。さらに、これらの主要市場に共通して、各種センサーの需要が増加しています。このような市場動向に対応し事業拡大を図るため、当社は独自の材料、設計、加工技術を活かし、付加価値の高い新製品の開発に努めています。 セラミックパッケージ事業においては、微細配線が可能で、かつ高強度、高剛性の超小型・薄型の電子デバイス用パッケージや、より高い周波数に対応した光通信用パッケージ、放熱性や高い耐久性を有するLED用パッケージ等の開発に取り組んでいます。 有機パッケージ事業においては、高速信号・広帯域メモリー接続に対応し、狭ピッチかつ薄型・高精細なフリップチップパッケージやモジュール基板の開発を強化しています。また、有機多層ボード事業においても高周波対応の新材料を用いた製品開発に取り組んでいます。 これらの事業を材料技術で支えるケミカル事業では、情報通信市場や自動車関連市場向けに絶縁信頼性等の電気特性の向上に加え、熱硬化・光反応性や形状・応力安定性等の高機能化への要求に対応する新規材料の合成や新たな材料配合技術等の開発を強化しています。(3)電子デバイス スマートフォンをはじめとする通信端末では、高機能化に加えマルチバンド化により部品の小型化と高信頼性が要求されています。当社は、これらの市場要求に応える小型高容量で温度や湿度への信頼性を高めたセラミックコンデンサや小型低損失かつ高信頼性のSAWデバイス、並びに小型高特性の水晶部品や狭ピッチ・低背で高速伝送を可能にするコネクタ、高効率なアンテナ等の開発を進めています。 自動車や産業機器市場向けには、高温信頼性や耐圧性を高めたセラミックコンデンサやコネクタ、ディスクリート及びパワーモジュールを含むパワー半導体に加え、各種コントロールデバイス等の開発を行っています。これら各部品の一層の特性向上に加え、各部品を組み合わせた高付加価値モジュールの開発も進めています。 また、主に商業印刷市場向けに展開しているインクジェットプリントヘッドでは、デジタル印刷で要求される高速化、高画質化に加え、耐久性を高めた製品開発に取り組んでいます。さらに、電子デバイスで培った微細加工技術や圧電技術を応用し、ライフサイエンス分野への製品開発を進めています。(4)コミュニケーション 通信端末事業については、デザイン性も含め、防水、防塵、耐衝撃性等に優れた通信端末の開発を強化するとともに、端末のプラットフォームやモジュールの共通化を進め、特長ある端末の開発及び開発期間の短縮に努めています。 情報通信サービス事業においては、IoTの普及を支援する製品開発に積極的に取組んでいます。IoTの活用による顧客ニーズの複雑化・高度化に伴い、多様な端末やネットワークから集まるデータの収集・管理・活用を行うプラットフォームや、セキュリティソフトの開発にも取り組んでいます。企業等のビジネス分野で利用が拡大するAIについても、画像解析やテキスト解析等にディープラーニングを活用したプラットフォームやソフトウェアの開発を強化しています。 また、当社が有している部品や端末、システム技術の融合により、低消費電力で広い範囲の無線通信に対応したLPWA等のIoT市場向け通信モジュールの開発を強化するとともに、LPWA技術によるワイヤレスネットワークシステム網の拡大や、車載用モジュールの開発を外部機関との連携も含め積極的に進めています。(5)ドキュメントソリューション 当セグメントでは、当社の特長である環境性と経済性に優れたプリンター及び複合機の開発を進め、競合他社との差別化を図っています。機器については、長寿命で廃棄物が少ないプリンターや複合機の開発に注力し、廃棄される消耗部品は極少におさえ、お客様のランニングコストの低減と、地球環境にやさしい製品の提供に努めています。また、高画質かつ省エネルギーを追求したトナーの改良にも継続的に取り組んでおり、付加価値の向上に努めています。 ドキュメントソリューションサービス関連では、モバイル機器やクラウド環境、並びに顧客が所有するドキュメント管理システムとの連携によって、情報共有や業務効率に貢献するアプリケーションソフトウェア等の開発を進めています。 また、企業内の情報を電子化し、包括的かつ効率的に管理・運用するECM事業やドキュメント関連業務の受託サービスであるドキュメントBPO事業等を強化し、既存事業との融合による新サービスの開発に取り組んでいます。(6)生活・環境 ソーラーエネルギー事業においては、単結晶及び多結晶シリコン太陽電池セルの変換効率や、モジュールの出力及び耐久性の向上、並びに様々な形の屋根や水面、農地等への設置を可能にする製品開発等により、製品の性能品質及び設置自由度の向上に努めています。また、売電から自家消費へと電力使用ニーズが変化する中で、太陽光発電システムで得られた電力の効率的な活用を可能にするエネルギーマネジメントシステムや、蓄電システムの大容量化や小型化、産業用S0FCシステム等の次世代の各種高効率な周辺機器やシステムの開発にも注力しています。さらに、電力自由化に伴うデマンドレスポンスやバーチャルパワープラント市場での事業拡大に向けた技術開発も進め、トータルエネルギーソリューションビジネスへの事業領域拡大に向けて開発を強化しています。 医療機器事業では、主に人工関節や歯科インプラントを展開しており、生体親和性の高いファインセラミックスをベースに、ユーザーの負荷を軽減する製品開発を積極的に進めています。具体的には、人工関節の摩耗を抑え長寿命化を実現する表面処理技術や、抗菌性を高めた製品等を社外機関とも連携して開発に取り組んでいます。 レポーティングセグメント別研究開発費 (百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減率(%) 産業・自動車用部品10,57114,58938.0 半導体関連部品3,5503,389△4.5 電子デバイス10,89813,87727.3 部品事業計25,01931,85527.3 コミュニケーション3,8495,23836.1 ドキュメントソリューション22,25921,787△2.1 生活・環境4,2688,14590.8 機器・システム事業計30,37635,17015.8 その他2,8782,9020.8 研究開発費58,27369,92720.0 売上高比率3.7%4.3%
FY2018|4,191 文字
5 【研究開発活動】 当社は各部門での新技術開発、新製品開発に加え、グループ内の経営資源の融合により将来の核となる事業の創出に取り組んでいます。特に今後の成長が見込まれる「情報通信市場」、「自動車関連市場」、「環境・エネルギー市場」、並びに「医療・ヘルスケア市場」における付加価値の高い新技術、新製品の研究開発に注力しています。 IoTの普及に伴う様々な市場での新たな事業機会の獲得に向けて、通信技術等を活用した新製品、新技術開発を強化しています。さらに、生産性向上等に貢献するAIやロボットの一層の活用に向け研究開発を強化し、取り組んでいます。 各レポーティングセグメントにおける主な活動は次のとおりです。(1)産業・自動車用部品 当セグメントでは、主に産業機械や自動車関連市場向けに各種製品やシステムの研究開発を行っています。創業以来培ってきたファインセラミックスの材料・プロセス・設計技術をさらに高める基礎研究に取り組むとともに、これらのコア技術を活かし、幅広い市場向けに新製品の開発を進めています。好調な半導体製造装置市場向けには、微細配線、三次元構造等、高集積化の進む次世代装置に向けた部品や材料開発に取り組むとともに、高温対応を可能にする優れた熱伝導性や機械特性を持つ窒化物セラミックスの開発を、外部の企業と共同で開始する等、社外リソースも積極的に活用しています。 また、ファインセラミック技術を活かし、環境・エネルギー市場で新たなクリーンエネルギー供給システムとして普及が期待されるSOFC(Solid Oxide Fuel Cell、家庭用固体酸化物形燃料電池)向けセルスタックの高効率化の開発を進めるとともに、産業用SOFCシステムや、次世代の各種高効率デバイスに向けた部品の開発を強化しています。 ADAS等の進展に伴い事業機会の拡大が見込まれる自動車関連市場向けには、車載カメラシステムによる高度な画像センシング技術の実現に向けてソフトウェアの開発を強化する等、高付加価値製品の開発を進めています。また、同市場に加え、各種産業市場向けに超低消費電力製品や高透過率製品等の差別化したTFT液晶ディスプレイや、TFT成膜技術を応用した商品の開発を行っています。 自動車関連市場向けに加え、産業機械や建築市場への事業領域の拡大を図っている機械工具は、自動車やエネルギー・インフラ、航空機分野等の幅広い市場で金属加工に使用されます。当社は、ユーザーの生産性向上に寄与する高品質・高精度な切削工具の開発を材料技術から強化していることに加え、京セラグループの有する多様な技術の活用により、製品力を高めた電動・空圧工具の新製品開発を図っています。(2)半導体関連部品 スマートフォンやタブレット端末等のデジタルコンシューマ機器市場においては、機器の高機能化と同時に小型・薄型化のニーズが高まっています。これに伴い、機器に搭載される電子部品の小型化や半導体の微細化が進んでいます。また、情報通信ネットワーク市場においてはIoTの進展も加わり、高速かつ大容量の通信インフラの構築が、自動車市場においては電装化の進展や低消費電力化への一層の対応が求められています。更に、これらの主要市場に共通して、各種センサーの需要が増加しています。このような市場動向に対応し事業拡大を図るため、当社は独自の材料、設計、加工技術を活かし、付加価値の高い新製品の開発に努めています。 セラミックパッケージ事業においては、微細配線が可能で、かつ高強度、高剛性の超小型・薄型の電子デバイス用パッケージや、より高い周波数に対応した光通信用パッケージ、放熱性や高い耐久性を有するLED用パッケージ等の開発に取り組んでいます。 有機多層パッケージ事業においては、高速信号・広帯域メモリー接続に対応し、狭ピッチかつ薄型・高精細なフリップチップパッケージやモジュール基板の開発を強化しています。また、有機多層ボード事業においても高周波対応の新材料を用いた製品開発に取り組んでいます。 これらの事業を材料技術で支えるケミカル事業では、情報通信市場や自動車関連市場向けに絶縁信頼性等の電気特性の向上に加え、熱硬化・光反応性や形状・応力安定性等の高機能化への要求に対応する新規材料の合成や新たな材料配合技術等の開発を強化しています。(3)電子デバイス スマートフォンをはじめとする通信端末では、高機能化に加えマルチバンド化により部品の小型化と高信頼性が要求されています。当社は、これらの市場要求に応える小型高容量で温度や湿度への信頼性を高めたセラミックコンデンサや小型低損失かつ高信頼性のSAWデバイス、並びに小型高特性の水晶部品や狭ピッチ・低背で高速伝送を可能にするコネクタ、高効率なアンテナ等の開発を進めています。 自動車や産業機器市場向けには、高温信頼性や耐圧性を高めたセラミックコンデンサやコネクタ、ディスクリート及びパワーモジュールを含むパワー半導体に加え、各種コントロールデバイス等の開発を行っています。各部品の一層の特性向上に加え、各部品を組み合わせた高付加価値モジュールの開発も進めています。 また、主に商業印刷市場向けに展開しているインクジェットプリントヘッドでは、デジタル印刷で要求される高速化、高画質化に加え、耐久性を高めた製品開発に取り組んでいます。更に、デジタルヘルスケア等の医療・ヘルスケア市場向けに圧電技術等を応用した製品開発を進めています。(4)コミュニケーション 通信端末事業については、防水、防塵、耐衝撃性等に優れた通信端末の開発を強化するとともに、端末のプラットフォームやモジュールの共通化を進め、特長ある端末の開発及び開発期間の短縮に努めています。 情報通信サービス事業においては、IoTの普及を支援する製品開発に積極的に取組んでいます。IoTの活用による顧客ニーズの複雑化・高度化に伴い、多様な端末やネットワークから集まるデータの収集・管理・活用を行うプラットフォームや、セキュリティソフトの開発にも取り組んでいます。企業等のビジネス分野で利用が拡大するAIについても、画像解析やテキスト解析等にディープラーニングを活用したプラットフォームやソフトウェアの開発を強化しています。 また、当社が有している部品や端末、システム技術の融合により、テレマティクスや、低消費電力で広い範囲の無線通信に対応したLPWA(Low Power Wide Area、低消費電力広域ネットワーク)等のIoT市場向け通信モジュールの開発を強化するとともに、LPWA技術によるワイヤレスネットワークシステム網の拡大や、利便性の向上に向けた開発を外部機関との連携も含め積極的に進めています。(5)ドキュメントソリューション 当セグメントでは、当社の特長である環境性と経済性に優れたプリンター及び複合機の開発を進め、競合他社との差別化を図っています。機器については、長寿命で廃棄物が少ないプリンターや複合機の開発に注力し、廃棄される消耗部品は極少におさえ、お客様のランニングコストの低減と、地球環境にやさしい製品の提供に努めています。また、高画質かつ省エネルギーを追求したトナーの改良にも継続的に取り組んでおり、付加価値の向上に努めています。 ドキュメントソリューションサービス関連では、モバイル機器やクラウド環境、並びに顧客が所有するドキュメント管理システムとの連携によって、情報共有や業務効率に貢献するアプリケーションソフトウェア等の開発を進めています。また、M&Aを通じて、企業内の情報を電子化し、包括的かつ効率的に管理・運用するECM(Enterprise Contents Management)事業やドキュメント関連業務の受託サービスであるドキュメントBPO(Business Process Outsourcing)事業等を強化し、既存事業との融合による新サービスの開発に取り組んでいます。(6)生活・環境 ソーラーエネルギー事業においては、単結晶及び多結晶シリコン太陽電池セルの変換効率や、モジュールの出力及び耐久性の向上、並びに様々な形の屋根や水面、農地等への設置を可能にする製品開発等により、製品の性能品質及び設置自由度の向上に努めています。また、売電から自家消費へと電力使用ニーズが変化する中で、太陽光発電システムで得られた電力の活用を可能にする効率的なエネルギーマネジメントシステムや、蓄電システムの大容量化や小型化等、周辺機器やシステムの開発にも注力しています。さらに、電力自由化に伴うデマンドレスポンスやバーチャルパワープラント市場での事業拡大に向けた技術開発も進め、トータルエネルギーソリューションビジネスへの事業領域拡大に向けて開発を強化しています。 医療機器事業では、主に人工関節や歯科インプラントを展開しており、生体親和性の高いファインセラミックスをベースに、ユーザーの負荷を軽減する製品開発を積極的に進めています。具体的には、人工関節の摩耗を抑え長寿命化を実現する表面処理技術や、抗菌性を高めた製品等を社外機関とも連携して開発に取り組んでいます。 (百万円) 研究開発費前連結会計年度当連結会計年度増減率(%) 産業・自動車用部品10,72810,571△1.5 半導体関連部品3,7433,550△5.2 電子デバイス9,29710,89817.2部品事業計23,76825,0195.3 コミュニケーション2,9533,84930.3 ドキュメントソリューション21,67422,2592.7 生活・環境3,1574,26835.2機器・システム事業計27,78430,3769.3その他3,8592,878△25.4研究開発費計55,41158,2735.2(売上高比率)(3.9%)(3.7%) (注)当連結会計年度よりレポーティングセグメントの区分を変更しています。この変更に伴い、前連結会計年度の研究開発費についても同様の区分に組み替えて表示しています。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記17」に記載のとおりです。
FY2017|3,583 文字
6 【研究開発活動】 当社は各部門での新技術開発、新製品開発に加え、グループ内の経営資源の融合により将来の核となる事業の創出に取り組んでいます。特に今後の成長が見込まれる「情報通信市場」、「自動車関連市場」、「環境・エネルギー市場」並びに「医療・ヘルスケア市場」における付加価値の高い新技術、新製品の研究開発に注力しています。また、IoTの拡大により新たな事業機会の創出が見込まれることから、ハードウェア主体の既存ビジネスにソフトウェアを融合させるためのソフト開発強化に取り組んでいます。 各レポーティングセグメント、及びその他の事業における主な活動は次のとおりです。(1) ファインセラミック部品関連事業 創業以来培ってきたファインセラミックスの材料技術やプロセス技術、設計技術をさらに高める基礎研究及びプロセス開発に取り組むとともに、これらのコア技術を活かし、幅広い市場向けに新製品の開発を進めています。 主力の半導体製造装置市場向けには、微細配線、三次元構造等、高集積化の進む次世代装置に向けた部品や材料開発に取り組んでいます。 また、自動車関連市場向けには、ADAS(Advanced Driving Assistant System、先進運転支援システム)や自動運転に欠かせないコア製品であり、引き続き需要の増加が見込まれる車載カメラモジュールに加え、車載カメラシステムによる高度な画像センシング技術の実現に向けて、ソフトウェアの開発を強化しています。さらに、二酸化炭素の削減や排気ガスを抑制し、ディーゼル車の環境性能の向上に貢献するセラミック部品の開発に注力しています。 環境・エネルギー市場向けには、新たなクリーンエネルギー供給システムとして普及が期待されるSOFC(Solid Oxide Fuel Cell、家庭用固体酸化物形燃料電池)向けのセルスタックの高効率化に加え、産業用SOFCシステムや、次世代の各種高効率デバイスに向けた部品の開発を強化しています。(2) 半導体部品関連事業 スマートフォンやタブレット端末等のデジタルコンシューマ機器市場においては、機器の多機能化と同時に小型・薄型化のニーズが高まっています。これに伴い、機器に搭載される電子部品の小型化や半導体の微細化が進んでいます。また、情報通信ネットワーク市場においては、高速かつ大容量の通信インフラの構築が求められています。このような市場動向に対応し事業拡大を図るため、当社は独自の材料、設計、加工技術を活かし、付加価値の高い新製品の開発に努めています。 具体的には、セラミックパッケージ事業において微細配線が可能で、かつ高強度、高剛性の超小型・薄型の電子デバイス用パッケージや、より高い周波数に対応した光通信用パッケージの開発に取り組んでいます。 有機多層パッケージ事業においては、狭ピッチかつ薄型・高精細なフリップチップパッケージやモジュール基板の開発を強化しています。また、有機多層ボード事業においても高周波対応の新材料を用いた製品開発に取り組んでいます。 これらの事業を材料技術で支えるケミカル事業では、半導体や自動車関連市場向けに絶縁信頼性等の電気特性の向上に加え、熱硬化・光反応性や形状・応力安定性等の高機能化への要求に対応する新規材料の合成や新たな材料配合技術等の開発を強化しています。 (3) ファインセラミック応用品関連事業 ソーラーエネルギー事業においては、単結晶及び多結晶シリコン太陽電池セルの変換効率や、モジュールの出力及び耐久性の向上を図る等、製品の性能品質向上に努めています。また、太陽光発電システムで得られた電力の自家消費に対応した蓄電システムの大容量化や小型化に加え、エネルギーの利用効率を高めるエネルギーマネジメント等、太陽電池周辺機器やシステムの開発にも注力しています。さらに、電力自由化に伴うデマンドレスポンスやバーチャルパワープラント市場での事業拡大に向けた技術開発も進め、トータルエネルギーソリューションビジネスへの事業領域拡大に努めています。 切削工具事業については、自動車やエネルギー・インフラ、航空機分野等の幅広い市場で金属加工に使用され、ユーザーの生産性向上に寄与する高品質・高精度な工具の開発を材料技術から強化しています。(4) 電子デバイス関連事業 スマートフォンをはじめとする通信端末では、高機能化に加えマルチバンド化により部品の小型化と高信頼性が要求されています。当社は、これらの市場要求に応える小型高容量で温度や湿度への信頼性を高めたセラミックコンデンサや小型低損失かつ高信頼性のSAWデバイス、並びに小型高特性の水晶部品や狭ピッチ・低背のコネクタ等の開発を進めています。 自動車や産業機器市場向けには、高温信頼性や耐圧性を高めたセラミックコンデンサやコネクタに加え、ディスクリート及びパワーモジュールを含むパワー半導体、TFT液晶ディスプレイやLTPS(Low-Temperature Polycrystalline Silicon、低温ポリシリコン)技術を使用した液晶ディスプレイ、さらに、システム化まで含めたセンターインフォメーションディスプレイ等の付加価値の高い液晶関連製品の開発を行っています。 また、主に商業印刷市場向けに展開しているインクジェットプリントヘッドでは、デジタル印刷で要求される高速化、高画質化に加え、耐久性を高めた製品開発や他用途への展開にも取り組んでいます。(5) 通信機器関連事業 当社は防水、防塵、耐衝撃性等に優れた通信端末の開発を強化するとともに、国内外で販売する端末のプラットフォームやモジュールの共通化を進め、特長ある端末の開発及び開発期間の短縮に努めています。また、当社の端末及び部品やシステム技術の融合により、車載向けや低消費電力で広い範囲の無線通信に対応したIoT市場向けに通信モジュールの開発を強化しています。(6) 情報機器関連事業 競合他社との差別化を図るため、当社の最大の特長である環境性と経済性に優れたプリンター及び複合機の開発を進めています。部品の耐久性を追求し、消耗品であるトナーの交換だけで使用できる当社独自の長寿命技術の開発に取り組んでいます。交換する部品を極小におさえ、お客様のランニングコストの低減と、地球環境にやさしい製品の提供に努めています。また、高画質かつ省エネルギーを追求した新トナーの開発にも取り組んでいます。 ドキュメントソリューションサービス関連では、モバイル機器やクラウド環境、並びに顧客が所有するドキュメント管理システムとの連携によって、情報共有や業務効率に貢献するアプリケーションソフトウェア等の開発を進めています。さらに、企業内の情報を電子化し、包括的かつ効率的に運用するECM(Enterprise Contents Management)事業等を強化しています。(7) その他の事業 京セラコミュニケーションシステム㈱では、画像解析やテキスト解析等のAI(Artificial Intelligence、人工知能)を活用した新たなサービスの展開に必要なプラットフォームやソフトウェアの開発に取り組んでいます。また、IoTの普及により複雑化・高度化する顧客ニーズに対して、日々新たに発生する脅威や様々な端末に対応するセキュリティソフトの開発にも取り組んでいます。IoT市場については、LPWA(Low Power Wide Area、低消費電力広域ネットワーク)技術によるワイヤレスネットワークシステム網の拡大に向けて、パートナー企業を中心にセンサー等の開発支援に取り組んでいます。(百万円) 研究開発費前連結会計年度当連結会計年度増減率(%) ファインセラミック部品関連事業3,7314,53121.4 半導体部品関連事業3,0783,39810.4 ファインセラミック応用品関連事業4,3483,795△12.7 電子デバイス関連事業7,6868,1295.8部品事業計18,84319,8535.4 通信機器関連事業3,8682,348△39.3 情報機器関連事業24,02121,674△9.8機器事業計27,88924,022△13.9その他の事業12,02311,536△4.1研究開発費計58,75555,411△5.7(売上高比率)(4.0%)(3.9%) (注)前連結会計年度までは「その他の事業」に含めていた旧京セラケミカルグループの経営成績について、当連結会計年度より「半導体部品関連事業」に含めて開示しています。この変更に伴い、前連結会計年度の研究開発費についても同様の基準で組み替えて表示しています。
FY2016|3,273 文字
6 【研究開発活動】 当社は各部門での新技術開発、新製品開発に加え、グループ内の経営資源の融合により将来の核となる事業の創出に取り組んでいます。特に今後の成長が見込まれる「情報通信市場」、「自動車関連市場」、「環境・エネルギー市場」並びに「医療・ヘルスケア市場」における付加価値の高い新技術、新製品の研究開発に注力しています。また、IoT(Internet of Things)の拡大により新たな事業機会の創出が見込まれることから、ハードウェア主体の既存ビジネスにソフトウェアを融合させるためのソフト開発強化に取り組んでいます。 各レポーティングセグメントにおける主な活動は次のとおりです。(1) ファインセラミック部品関連事業 創業以来培って来たファインセラミックスの材料技術やプロセス技術、設計技術をさらに高める基礎研究及びプロセス開発に取り組むとともに、これらのコア技術を活かし幅広い市場向けに新製品の開発を進めています。 主力の半導体製造装置市場向けには、微細配線、三次元構造等、高集積化の進む次世代装置に向けた部品や材料開発に取り組んでいます。 また、自動車関連市場向けには、ADAS (Advanced Driving Assistant System)や自動運転の実現に向けて需要の増加が見込まれるビューカメラやセンサーカメラモジュール並びにシステムの開発を強化するとともに、これら車載カメラ用の画像認識の高度化に向けて、ソフトウェアの開発を強化しています。さらに、二酸化炭素の削減や排気ガスを抑制し、ディーゼル車の環境性能の向上に貢献するセラミック部品の開発に注力しています。 環境・エネルギー市場向けには、新たなクリーンエネルギー供給システムとして普及が期待される家庭用固体酸化物形燃料電池(SOFC)向けのセラミック部品及び産業用SOFCシステムの開発や、照明用途の需要が拡大しているLED関連製品等の開発を強化しています。(2) 半導体部品関連事業 スマートフォンやタブレット端末に代表されるデジタルコンシューマ機器市場においては、機器の多機能化と同時に小型・薄型化のニーズが高まっています。これに伴い、機器に搭載される電子部品の小型化や半導体の微細化が進んでいます。また、情報通信ネットワーク市場においては、高速かつ大容量の通信インフラの構築が求められています。このような市場動向に対応し事業拡大を図るため、当社は独自の材料、設計、積層技術を活かし、付加価値の高い新製品の開発に努めています。 具体的には、セラミックパッケージ事業において微細配線が可能で、かつ高強度、高剛性の超小型・薄型のパッケージや、より高い周波数に対応した光通信用パッケージの開発に取り組んでいます。また、セラミックパッケージの開発で培ってきた金属導体の材料技術を活かし、ディーゼル車の排ガスに含まれる煤を高温でも検知可能なセンサーを開発する等、新たな領域の開拓に努めています。なお、当製品は、欧州の新排ガス規制にも対応しており、ディーゼルエンジンの基幹部品としての搭載を図っていきます。 有機多層パッケージ事業においては、狭ピッチかつ薄型・高精細なフリップチップパッケージやモジュール基板、部品内蔵基板の開発を強化しています。さらに、プリント配線板事業においても高周波対応の新材料を用いた製品開発に取り組んでいます。(3) ファインセラミック応用品関連事業 ソーラーエネルギー事業においては、単結晶及び多結晶シリコン太陽電池セルの変換効率や、モジュールの出力及び耐久性の向上を図る等、製品の性能品質向上と同時に、水上ソーラー等の未利用域への展開を可能にする製品の開発に努めています。また、太陽電池周辺機器についても、パワーコンディショナに加え、太陽光発電で発電した電力の自家消費に対応した蓄電システムの大容量化や小型化、エネルギーを効率良く制御するエネルギーマネジメントシステム等の開発にも注力し、トータルエネルギーソリューションビジネスへの事業領域拡大に努めています。 切削工具事業については、自動車や産業機械等の幅広い市場で金属加工に使用され、ユーザーの生産性向上に寄与する高品質・高精度な工具の開発を材料技術から強化しています。(4) 電子デバイス関連事業 スマートフォンをはじめとする通信端末向けには、データ通信の高速化、及びマルチバンド化により部品の小型化、高性能化が要求されており、小型高容量やノイズ除去用セラミックコンデンサ、小型SAWデバイス、並びに水晶部品や狭ピッチ・低背のコネクタ等の開発を進めています。 また、自動車や産業機器市場向けには、高温信頼性や耐圧性を高めたセラミックコンデンサやコネクタに加え、ディスクリート及びパワーモジュールを含むパワー半導体の開発を進めています。液晶関連製品については、自動車関連及び産業機器市場向けにタッチパネルやカバーガラス等を組み合わせたTFT液晶ディスプレイをはじめ、LTPS(低温ポリシリコン)技術を使用した高付加価値製品等の開発を行っています。 また、主に商業印刷市場向けに展開しているインクジェットプリントヘッドでは、デジタル印刷で要求される高速・高画質印刷に適した信頼性の高い製品の開発に取り組んでいます。(5) 通信機器関連事業 当社は防水、防塵、耐衝撃性等に優れた通信端末の開発を強化するとともに、国内外で販売する端末のプラットフォームの共通化を進め、開発期間の短縮に努めています。また、端末及び当社の部品やシステム技術の融合により高速大容量通信に対応した、耐久性の高い通信モジュールの開発強化を図っています。(6) 情報機器関連事業 他社との差別化を図るため、当社の特長である環境性と経済性に優れたプリンター及び複合機の開発を進めています。部品の耐久性を追求し、消耗品であるトナーコンテナの交換だけで使用できる当社独自の長寿命化技術の開発に取り組んでいます。交換される部品を極小におさえ、製品の使用にかかるコストの最適化を実現することで、お客さまのランニングコストの低減と、地球環境にやさしい製品の提供に努めています。また、高画質の追求に向けた新トナーの開発強化にも取り組んでいます。 ドキュメントソリューションサービスの面では、モバイル機器やクラウド環境との連携によって情報共有や業務効率に貢献するビジネスアプリケーション等の開発を進めるとともに、お客さまのドキュメント環境の最適化及び継続的なサポートを行うMDS(Managed Document Services)をグローバルに展開しています。(7) その他の事業 京セラコミュニケーションシステム㈱では、IoTの普及により複雑化・高度化する顧客ニーズに対して、様々な端末に対応するセキュリティソフトやビッグデータを活用したマーケティング等の新たなサービスの展開に必要なインフラやソフトウェアの開発に取り組んでいます。 京セラケミカル㈱では、半導体や自動車関連市場向けに、絶縁信頼性等の電気特性の向上に加え、熱硬化・光反応性や形状・応力安定性等の高機能化への要求に対応する新規材料の合成や新たな材料配合技術等の開発を強化しています。(百万円) 研究開発費前連結会計年度当連結会計年度増減率(%) ファインセラミック部品関連事業3,3023,73113.0 半導体部品関連事業2,3082,198△4.8 ファインセラミック応用品関連事業4,4284,348△1.8 電子デバイス関連事業8,5577,686△10.2部品事業計18,59517,963△3.4 通信機器関連事業3,9353,868△1.7 情報機器関連事業22,55524,0216.5機器事業計26,49027,8895.3その他の事業10,20012,90326.5研究開発費計55,28558,7556.3(売上高比率)(3.6%)(4.0%)