研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-03 | - | 6 |
| 2024-03 | - | 3 |
| 2023-03 | - | 1 |
| 2022-03 | - | 1 |
| 2021-03 | - | 2 |
研究開発活動(本文)
FY2025|1,765 文字
6【研究開発活動】 当社企業グループは、独自のエレクトロニクス技術とシステム技術をもとに、新しい価値を創造することを目指し、先端技術分野での基礎研究、応用研究や、事業運営に直結した新技術、新製品の開発を行っております。 現在の研究開発活動は主に情報システムの技術部門、電子機器の技術部門及びR&D推進部により進めております。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、562百万円であり、主な研究内容は以下のとおりであります。 (1)艦船搭載用コンソール向けユーザー・インターフェースの技術の習得 当社の情報システム事業における主力製品である艦船搭載用コンソールでは、艦船における耐環境性能の向上、情報処理能力の向上と共に、「省人化」がエンドユーザーにおける重要課題の1つとなっております。一方で、扱われる情報量が増加しており、オペレーター一人あたりの業務負荷が増加する傾向にあります。 この課題解決策を目的に、オペレーターに「より直感的な操作」をしてもらい、業務負荷の軽減に役立つ機能を研究することといたしました。 2024年度の活動では、AIエンジンを導入し、オペレーターが発する声を操作命令に変換する「音声操作」機能の実用化を検討すべく試作品を製造し、反応時間や確実性などについて、従来の「手入力操作」との比較評価を行いました。 現時点では、反応時間と確実性が、従来の「手操作」と同等のレベルに達していない状況ですが、今後、AIエンジンのチューニング等の研究を進めていくことで、性能向上を目指し、顧客価値の向上を目指してまいります。 (2)全自動真空シーム封止装置 「NAW-8000」の開発 モノとモノを通信でつなぐ際に使用される水晶デバイス部品はスマートフォン、パソコン、ウエアラブル機器や多くのIoT製品に搭載されていることから全世界でその使用数は年々増えています。当社ではこの水晶デバイスの生産に必要となる全自動のシーム封止装置を30年以上にわたり顧客の要求に応え開発してまいりました。 この度「脱炭素社会の実現」に向けて全世界で推進されている二酸化炭素(CO2)削減の取り組みに対応するため、お客様が水晶デバイスを製造する際に発生するCO2排出量を従来よりも低減できる新たな全自動真空シーム封止装置を開発いたしました。 本製品はCO2排出量を従来よりも低減できるとともに以下の特徴を有しております。1)水晶デバイスの封止時に必要な窒素使用量を大幅に抑制2)装置占有面積を従来装置比で2/3に抑えることで顧客の工場占有エリア削減3)ネットワーク、センシング技術の活用①故障予知機能による計画的な装置メンテナンス②品質を担保する生産時のトレーサビリティ強化 今後とも、顧客ニーズに対応し、顧客価値を高めた製品を市場に投入することで、社会課題の解決に貢献してまいります。※比較はいずれも当社比 (3)医用サーモグラフィ「F50ME」の開発 医療のデジタル化による医療従事者の負荷軽減、医用サーモグラフィを求める社会的期待に応えるべく、製品を企画・開発し、厚生労働省の製品承認を取得した「医用サーモグラフィF50ME」の販売を開始しました。 本製品は、非接触かつ非侵襲で患者の体表温度分布を把握できるため、安全性が高く、効率的に検査することができ、炎症や血行障害の範囲の確認や治療前後の違いの確認などに活用できる製品となっております。 製品コンセプトとして、タブレットと小型カメラの構成により、ポータブル性に優れ、病院内で診察室や病室などへ持ち運びができるとともに、フリーアングル測定により、病室の寝たきりの患者を動かさずに検査が可能な形状を採用しました。 また、医療現場において安全で安心して使用できるよう、安全性や電磁両立性を確保する設計を行い、利便性向上のための、画面レイアウト、操作アイコン、熱画像表示に配慮した設計も行いました。 本製品の特徴を活かし、診療場所を選ばず、様々な医療現場だけでなく、看護現場など、より幅広い分野で活用いただくことも想定しており、今後とも医用サーモグラフィの普及による臨床領域での熱画像検査の更なる進化や新しい発想での医学的応用の発展・拡大に、貢献していきたいと考えております。
FY2024|1,870 文字
6【研究開発活動】 当社企業グループは、独自のエレクトロニクス技術とシステム技術をもとに、新しい価値を創造することを目指し、先端技術分野での基礎研究、応用研究をはじめとして、事業運営に直結した新技術、新製品の開発を行っております。 現在の研究開発活動は主に情報システム及び電子機器の技術部門により進めております。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、487百万円であり、主な研究内容は以下のとおりであります。 (1)艦船搭載用コンソール向けユーザー・インターフェースの調査研究 当社の情報システム製品における主力製品である艦船搭載用コンソール事業においては、艦船における耐環境性能の向上、情報処理能力の向上と共に、エンドユーザーにおいて重要な課題の1つが「省人化」となっております。 そこで次世代の艦船搭載用コンソールを考える上で、ユーザー・インターフェースに着目して「省人化」の解決策を探るための研究を実施しました。 本研究では、コンソールにおける情報の一部への集中が起こらない仕組み作りを検討しました。そこで情報の共有化が可能な機材となるよう、既に実用化されている技術を活用したハードウェア及びソフトウェアについて、人間工学の観点を取り入れて、最適なユーザー・インターフェースの組み合わせを検証しました。それらの成果をもとに、実物大の試作品を完成させました。 試作品は、複数の情報を同時に表示可能で、かつ、表示情報を自由に選択及び入れ替えができる機能を搭載し、より少ない人数での運用を想定した設計としました。 なお、試作したコンソールにおいては、その成果を特許出願いたしました。今後はエンドユーザーから集めた意見をもとに課題設定を行い、少ない人数で簡易に操作可能とするなどの機能を加え、顧客価値の向上を目指してまいります。 (2)超音波金属接合機 超音波発振器SW-D10KH-20、プレス装置SH-H10K、及びハーネス接合装置SE-10Kの開発 「脱炭素社会の実現」に向けて世界で推進されている二酸化炭素(CO2)削減の取り組みにより、自動車の電動化が急速に進展しております。これに伴い、モーター駆動や電池充電など、大電流に対応したバスバーやハーネス、大容量リチウムイオン電池の需要も増加しております。 当社では、xEVの電装品の生産に必要な大出力による接合や、生産性及び品質向上のニーズに対応するため、「超音波発振器 SW-D10KH-20」「プレス装置 SH-H10K」「ハーネス接合装置 SE-10K」を開発し、以下の特徴的な機能を備えた製品となっております。①太径120SQのハーネス接合を可能とする、10000Wの超音波出力②車載電装品市場に求められる高品質な接合と生産性の両立を実現するため、以下の機能を備えております。a.接合条件の最大3段階切り替え制御b.接合結果と接合波形の保存、及びランチャート管理 これらの機能を持つことにより、電動車向け高電圧ハーネス・バスバー、電池バスバー・セル集電体積層箔・タブスタックなどの様々な顧客ニーズに対応し、顧客価値を高めた製品となりました。当社は、今後とも安全で豊かな社会の実現に貢献してまいります。 (3)ドローン搭載用サーモグラフィの研究 少子高齢化による人手不足が深刻な社会問題として挙げられ、省人化・省力化への対応が求められています。そうした中で、様々な技術を活用する動きが広がっており、その一つにドローンがあります。ドローン技術が進化し、その活用範囲が急速に広がり、法整備も進みつつあります。その中でも産業保安市場の市場規模が大きく、点検、土木・建築、農業などの分野におけるドローンの社会実装が進み、今後も大幅な拡大が期待できます。 このため、今後の製品化を見据え、ドローン搭載用のサーモグラフィの研究を行いました。従来のドローン搭載用サーモグラフィは、飛行時のダウンウォッシュ(プロペラの回転により吹き降ろされる風)などの影響によって熱画像の面内均一性(視野全体に同一温度の対象物を測定した際の温度指示値の均一性)が低下する問題がありました。これを解決すべく、外気変動の影響を受け難い構造、画像処理による面内均一性を補正する技術を確立しました。 外壁など平らな面で温度分布が小さい対象物を点検する用途に効果を発揮するだけでなく、立ち入りが困難な場所や設備点検、災害後の被害状況の調査にも活用できるため、省人化・省力化に貢献できる技術として期待できます。
FY2023|1,843 文字
6【研究開発活動】 当社企業グループは、独自のエレクトロニクス技術とシステム技術をもとに、新しい価値を創造することを目指し、先端技術分野での基礎研究、応用研究をはじめとして、事業運営に直結した新技術、新製品の開発を行っております。 現在の研究開発活動は主に情報システム及び電子機器の技術部門により進めております。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、487百万円であり、主な研究内容は以下のとおりであります。 (1)画像処理(検知/識別)における人工知能活用の研究 近年、ドローンをはじめとする無人航空機の活用は爆発的に拡大しており、その有用性については十分に証明されつつあります。しかしながら、無人航空機は重量等により飛行時間や搭載機器が限られており、大型で高価な衝突回避システムでは本来の性能を制約してしまうため、より小型で安価な衝突回避システムのニーズが顕著となることが予想されます。 そこで当社企業グループでは昨年まで実施した衝突回避システムのための光波センサーを用いた物体検知技術の製品化を加速すべく、当該技術を実装するハードウェアとソフトウェアの標準環境の構築を開始しました。2022年度は、データに情報を付加するアノテーションに必要な標準環境の構築を行いました。今後、標準環境の構築を継続し、さらなる検知精度の向上を行ってまいります。 (2)高信頼性インバータ式抵抗溶接機「NRW-IN900P」及び高効率トランス「NT-IN32K444」の開発 「脱炭素社会の実現」に向けて全世界で推進されている二酸化炭素(CO2)削減の取り組みにより、EV車の市場が急速に拡大しています。それに伴い、駆動用の大型モーターの需要が拡大しています。また同時に大電流に対応したバスバー、ハーネス、ブレーカー、接点などの電気部品の需要も増加しています。 このたび当社企業グループにおいては「大型モーター」や「車載電装品」の生産に必要となる大電流による溶接や生産性及び品質向上といったニーズに対応するため、高信頼性インバータ式抵抗溶接機「NRW-IN900P」及び高効率トランス「NT-IN32K444」を開発いたしました。 本製品は従来の当社企業グループ製品にはなかった下記の機能を有しております。1)大型駆動モーターのヒュージング溶接等を可能とする最大32,000Aの大溶接電流出力を実現2)車載市場に求められる高い溶接品質と生産性向上の両立を実現するための以下の新機能を実現①パルセーションモードでの多段、長時間通電機能②センサー入力による通電中補正機能③アナログ入力制御機能3)溶接条件出しに便利な溶接波形モニタリング新機能を実現 本製品により大溶接電流の出力が可能となり、上記のような多彩な新機能を追加したことで、確実な電気的導通と安定した仕上がり寸法が求められるモーターなどを高精度に溶接することができます。 以上の特徴により様々な顧客ニーズに対応することで、顧客価値を高めると同時にこれまで以上に社会課題解決に貢献できる製品となっております。 (3)赤外線サーモグラフィ「ネットワークサーモN50」の開発 近年、高度経済成長期に建設された様々な工場や施設の設備の老朽化による事故が多く発生する傾向にあります。一方、少子高齢化が進み、それら設備を維持するための保守点検・検査要員不足が社会的な問題となっております。これらの市場ニーズに対し、人による巡回点検に代わり、点検・検査箇所に常設し遠隔監視することで設備の異常発熱を検知し、保守点検・検査要員不足を補うことを目的とした遠隔監視用赤外線サーモグラフィ「ネットワークサーモN50」を開発しました。従来の当社企業グループの遠隔監視ソリューションでは実現していなかった以下の技術を搭載し、システム構築のトータルコストを抑制するソリューションを提供いたします。 ・WEBサーバー機能を搭載することで専用ソフトウェアを使わずに汎用のWEBブラウザーにて、複数台で熱画像表示、操作が可能 ・構造設計及び部品選定を最適化することで環境性能を向上させ、サーモグラフィ単体での屋外設置が可能 本製品の特徴を活かし、変電設備の予兆検知(異常発熱を検知し、劣化による故障を検知)や鉄道架線、橋梁などの状態監視、ごみ処理場などの発火監視の用途に対し、「スマート化」・「複数台のネットワーク接続」を提供し、社会課題の解決に貢献してまいります。
FY2022|2,383 文字
5【研究開発活動】 当社企業グループは、独自のエレクトロニクス技術とシステム技術をもとに、新しい価値を創造することを目指し、先端技術分野での基礎研究、応用研究をはじめとして、事業運営に直結した新技術、新製品の開発を行っております。 現在の研究開発活動は主に情報システム及び電子機器の技術部門により進めております。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、425百万円であり、主な研究内容は以下のとおりであります。 (1)空中物件等を検知するための画像処理技術の研究 本研究は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト(DRESSプロジェクト)」における研究開発項目「無人航空機の運航管理システム及び衝突回避技術の開発」/(2)無人航空機の衝突回避技術の開発/3)衝突回避システムの小型化・低消費電力化」の一環として実施しているものです。当社企業グループは、光波センサ(可視カメラ)を用いて、相対する飛行物体の検知・識別を担当しております。 ドローンをはじめとする無人航空機の活用は爆発的に拡大しており、その有用性については十分に証明されつつあります。無人航空機は飛行時間や搭載機器が限られており、大型で高価な衝突回避システムでは本来の性能を制約してしまうため、より小型で安価な衝突回避システムのニーズが顕著になることが予想されます。 このことから、2017年度から2019年度に実施した「非協調式SAA電波・光波センサ統合技術の開発」で得られた成果を基に小型無人航空機に搭載可能な小型化、軽量化、低消費電力化した光波センサの開発を行っております。 本研究では、有人航空機(ヘリコプター)や小型無人航空機を使用した試験を福島県南相馬市及び愛知県豊川市で実施し、相対200km/hで接近する有人航空機及び相対100km/hで接近する小型無人機を、当社企業グループが担当した光波センサを含む衝突回避システムによって、衝突を回避することに成功しました。事前の試験では、空中の対象物体以外の検知も確認されたため、検知する物体の特徴を把握させることによって、物体の抽出精度を向上することができました。 今回開発した光波センサにおいては、実運用のモードの他、試験で取得した映像データを基にシミュレーションを実施するためのモードを設け、課題解決に向けた検証を効率的に進めることが可能となりました。昨年度に取得した基礎データや実証試験で取得した映像を基にシミュレーションによる検証と試験による実証を繰り返すことによって改善を重ね、脅威物体の検知精度向上に繋げることができました。 (2)小型高性能溶接ヘッドの開発 近年、自動車の電動化等が進み、市場が拡大している車載モータや電池、精密部品等の溶接において、小型・高性能の溶接ヘッドが求められており、それらのニーズに応えるため新型溶接ヘッドを開発しました。 このたび開発した溶接ヘッドは、加圧ユニットや駆動ユニット、電極ホルダ等の構成ユニットを選択して、顧客の要望に合わせて構成を変えることが可能で、自動機搭載にも容易に対応できます。その他にも下記の機能や特徴を有しております。 ①業界最小クラスの加圧ユニットで、装置搭載時の配置の自由度及び顧客の使い易さが向上し、更に装置自体を省スペース化できます。 ②生産品の品種変更時のコスト低減のため、多品種生産時に電極サイズや電極ホルダを交換するだけで、溶接方法に最適な溶接ヘッドに変更が可能です。 ③加圧構造を変更したことにより、高い加圧精度と追従性、機差が少なく撓みの小さな溶接ヘッドを実現し、製造工程での溶接品質向上に貢献します。 ④電極交換時の位置再現性を向上させることで使い易さを向上し、日々の点検作業を容易にします。 ⑤ロードセルや変位センサを取付けることで溶接時の加圧や変位量を計測可能とし、生産品のトレーサビリティが求められる自動車、電池市場のニーズに対応します。 以上の特徴により、様々な顧客ニーズ(品質・生産性向上)に対応することで、顧客価値を高めると同時にこれまで以上に社会課題解決に貢献できる製品となっております。 (3)赤外線サーモグラフィカメラの組込用モジュール「C50シリーズ」の開発 昨今の急速に進む技術革新やデジタル化、少子高齢化・人口減少など国内産業における課題解決に対し、インフラ点検・プラント事故防止等の産業保安の現場や、各種製品の生産工場で、「スマート化」が推進されています。当社企業グループでは、これらのシステムインテグレータ向けに赤外線サーモグラフィカメラの組込用モジュール「C50シリーズ」を開発いたしました。 使用される現場から、カメラに求められる要件として、小型、長距離伝送、PoE動作、複数台接続等があり、従来の当社企業グループ製品は、USBデバイスを用いるため、対応が困難な部分がありました。そこで、USBデバイスをLANに変換し、仮想USBデバイスとして通信する技術を搭載した「インターフェース中継ボックス」を開発し、既存の小型カメラとインターフェース中継ボックスを組み合わせることにより、長距離伝送を可能としました。さらに、複数台に同時接続するロジックを搭載したソフトウェアを開発することで、最大16までの同時接続を実現いたしました。 本製品の特徴を活かし、半導体・自動車部品等のプロセスコントロールの自動化、生産工程における品質管理、生産設備の状態監視など「スマートファクトリ」や「産業保安」市場の開拓が可能となります。また、防災監視・セキュリティ監視システムにも搭載可能で、様々な場面で、安心・安全に貢献できる製品となっております。
FY2021|2,242 文字
5【研究開発活動】 当社企業グループは、独自のエレクトロニクス技術とシステム技術をもとに、新しい価値を創造することを目指し、先端技術分野での基礎研究、応用研究をはじめとして、事業運営に直結した新技術、新製品の開発を行っております。 現在の研究開発活動は主に情報システム及び電子機器の技術部門により進めております。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、393百万円であり、主な研究内容は以下のとおりであります。 (1)空中物件等を検知するための画像処理技術の研究 本研究は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト(DRESSプロジェクト)」における研究開発項目「無人航空機の運航管理システム及び衝突回避技術の開発」/(2)無人航空機の衝突回避技術の開発/3)衝突回避システムの小型化・低消費電力化」の一環として実施しているものです。当社企業グループは、光波センサ(可視カメラ)を用いて、相対する飛行物体の検知・識別を担当しております。 ドローンをはじめとする無人航空機の活用は爆発的に拡大しており、その有用性については十分に証明されつつあります。無人航空機は飛行時間や搭載機器が限られており、大型で高価な衝突回避システムでは本来の性能を制約してしまうため、より小型で安価な衝突回避システムのニーズが顕著化することが予想されます。このことから、2017年度から2019年度に実施した「非協調式SAA電波・光波センサ統合技術の開発」で得られた成果を基に小型無人航空機に搭載可能な光波センサの開発を進めております。 当連結会計年度においては、小型無人航空機に搭載するために小型化、軽量化、低消費電力化した光波センサについてハードウェア設計及び製作を実施し、ハードウェア構成の縮小やソフトウェア処理見直しを行うことで小型化、軽量化を実現いたしました。ソフトウェア処理については、カメラからの画像取得に成功し、今後解析の基準となるデータを取得する基礎データ取得試験に向けて目途をつけることができました。 筐体には機体振動の影響を想定した防振機構を設け、千葉県君津市で行った振動特性確認試験によって有効性や機体振動の検証を行いました。振動特性確認試験においては、カメラの取付け位置による視野角、飛行時の機体姿勢角の影響を確認し、対象物をクリアに捉えることのできる取付け位置及び取付け角度の調整等を行いました。 (2)高信頼性インバータ式溶接電源「NRW-IN400PA」の開発 近年、モータ市場及び電池市場では、自動車の環境対応(EV化)の推進や5G対応による部品の軽量化、高機能化のための新製品開発が急拡大しており、新しい材料や形状に対する高品質、高信頼性の接合ニーズが高まっております。 これらのニーズに応えるため高信頼性インバータ式溶接電源「NRW-IN400PA」を開発いたしました。この製品は基本周波数を2000Hz(通電時間分解能0.5ms)とし、4000Hz(通電時間分解能0.25ms)、5000Hz(通電時間分解能0.2ms)の切替えが可能であります。プログラム番号毎に周波数の選択ができるため、ワークに適応した周波数を選択し、電流リップルの少ない高品質な溶接を得ることができます。また生産中の室温や電極温度差による溶接結果のばらつきを抑える機能である溶接条件補正機能や、多様な生産現場やアプリケーションに対応した品質管理機能を加え、高い信頼性の接合を実現いたしました。 今回の開発では溶接トランスのラインナップも拡充し、上述の高品質、高信頼性接合をより幅広い分野のアプリケーションで使用可能となっております。 (3)発熱者スクリーニング用の赤外線サーモグラフィ「F50SA-FS」の開発 新型コロナウイルス感染拡大による発熱者スクリーニングの需要に応えるため、人の体表温度から発熱の疑いがある人を被検者に近寄ることなく衛生的かつ効率的に判定する、発熱者スクリーニング用の赤外線サーモグラフィ「F50SA-FS」を開発いたしました。 当社企業グループが独自に開発した小型サーモカメラと、長年の発熱者スクリーニングソリューションで培った経験をもとに開発したソフトウェアを組み合わせた、国産のスクリーニング専用モデルであります。 小型のサーモカメラは、温度分解能0.05℃と非常に高性能ながら、100gの軽量で取り回しが容易にできます。また、発熱者の検知機能に関しましては、サーモカメラに搭載された可視カメラで複数人の顔を自動検出し、当社企業グループ独自のアルゴリズムで体表温度から体温を±0.5℃の高精度で推定します。さらに、市販のモニタやパソコンに取付けて、卓上での使用やスタンドに設置しての使用が可能なため、従来当社企業グループ製品に比べより多くの場面での発熱者スクリーニングが可能となっております。 さらに、運用面では、永年のスクリーニングにおける経験と知見を活かし、様々な運用シーンで使えるように、被験者がモニタの前に立つだけで1 秒以内に発熱の疑いを判定する“静止モード”と、移動する人をリアルタイムに判定する“ウォークスルーモード”を設けております。また国産ならではの使いやすいメニューと、顧客サポートにより、安全・安心な生活や活動をサポート可能な製品といたしました。
FY2020|2,238 文字
5【研究開発活動】 当社企業グループは、独自のエレクトロニクス技術とシステム技術をもとに、新しい価値を創造することを目指し、先端技術分野での基礎研究、応用研究をはじめとして、事業運営に直結した新技術、新製品の開発を行っております。 現在の研究開発活動は主に情報システム及び電子機器の技術部門により進めております。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、280百万円であり、主な研究内容は以下のとおりであります。 (1)空中物件等を検知するための画像処理技術の研究 本研究は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト(DRESSプロジェクト)」における研究開発項目「無人航空機の衝突回避技術の開発(1)非協調式SAAの研究開発」のうち、「電波・光波センサ統合技術の開発」の一環として実施しているものです。当社企業グループは、光波センサ(可視カメラ)を用いた相対する飛行物体の検知・識別を担当しております。 当連結会計年度においては、前年度までに抽出した問題点について対策を講じました。周囲環境(日照、天候、地上構造物等)に伴う問題点については、各要素の検出特徴を考察し、それぞれの特徴に合った抽出方法を確立することにより、飛行物体の分類に成功いたしました。また、光波センサが出力する目標情報について、時系列に検出された同一目標を同定及び管理することにより、安定した値を出力するよう改善いたしました。 これらの対策をもとに、福島県南相馬市においてNEDO及び参画している各社と共同で、光波センサやレーダーなどを搭載した中型の無人航空機が40km/h程度で飛行し、正面から60km/h程度で前進飛行してくる有人ヘリコプターを探知し、自律的に衝突を回避する飛行試験を行いました。この衝突回避システムの実証試験において、光波センサが出力する検知・識別結果により脅威機を回避することに成功いたしました。 (2)超音波ハンドウェルダ「HW-Dシリーズ」の開発 近年、情報機器の高機能化や自動車の電動化が進み、それらに搭載される部品は小型・軽量に加えて耐久性や信頼性が重要視され、製造の難易度が上がっております。また、確かなものづくりを実現するために製造における品質管理がより一層求められております。 このたび当社企業グループでは、樹脂部品の二次加工(溶着)の品質向上と生産タクト短縮を実現した超音波ハンドウェルダ「HW-Dシリーズ」5機種を開発いたしました。本製品は、最新のデジタル制御による高速安定溶着性能と充実した品質管理機能を有する小型ハンディタイプの超音波溶着機です。手作業による運用だけでなく、外部インターフェースを充実させ自動機への搭載も可能とし、幅広いニーズに対応できるようにしました。 当社企業グループ独自の超音波発振周波数自動追尾技術であるデジタルATHMOS方式を採用し、加圧した状態からでも立ち上がりが早くロスの少ない振幅制御の実現により、ボスかしめなど樹脂部品の溶着を短時間かつ安定的に行い生産性向上に貢献します。また、従来の超音波溶着機では困難であった細いボスやリブの樹脂かしめに対応できる当社初となる高周波数(60kHz、最高出力200W)モデルもラインアップしており、本シリーズにより、エレクトロニクス製品組立の樹脂かしめ、不織布(マスク)の溶着、ゴムの切断(カッターとしても使用可能)など、より一層多様なシーンで最適な溶着が提供可能となりました。 (3)赤外線サーモグラフィカメラ「監視システム標準パッケージ」の開発 近年、高度経済成長期に建設されたプラントの老朽化が進み、工場がより複雑化したため火災・爆発事故が増加しており、安心・安全への要求から事故の未然防止は重要性を増しております。また、製造業を中心とした品質管理とトレーサビリティ強化が、ますます重要となっております。一方で、少子高齢化に伴う熟練者の退職と労働人口の減少などにより、管理の効率化や自動化が課題となっております。このような市場背景に基づき、安心・安全で確かな“ものづくり”に貢献するために、赤外線サーモグラフィによる「監視システム標準パッケージ」を開発いたしました。 本製品は、サーモカメラ・コントローラ・ハウジング等のハードウェアに、用途ごとに最適化された専用ソフトウェアを組み合わせ、パッケージ化しました。ネットワーク接続により集中監視やデータの蓄積、課題対策へのフィードバックなど、高度な監視・管理をより効率的に実現します。標準パッケージとして、下記の3つのモデルを開発いたしました。 ①プロセスコントロールシステム:製造番号等を登録しながらサーモグラフィの測定結果をエビデンスとして管理するシステム。用途は、金型成型、機械加工、電子部品、食品等の品質管理等。 ②発火監視システム:プラント等の広域なエリアの異常温度の監視を可能とし、火災事故の早期発見と初期消火活動を支援するシステム。用途は、燃料・原料ヤード、ごみピット、産業廃棄物などの発火監視等。 ③防爆型監視システム:耐圧防爆構造のサーモカメラにより、防爆エリア内の設備や化学物質を集中監視し、異常な発熱を検知すると警報を出力、事故を未然に防止するシステム。用途は、化学プラントや石油・石炭サイロなどの防爆エリアの監視等。
FY2019|1,931 文字
5【研究開発活動】 当社企業グループは、独自のエレクトロニクス技術とシステム技術をもとに、新しい価値を創造することを目指し、先端技術分野での基礎研究、応用研究をはじめとして、事業運営に直結した新技術、新製品の開発を行っております。 現在の研究開発活動は主に情報システム及び電子機器の技術部門により進めております。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、310百万円であり、主な研究内容は以下のとおりであります。 (1)空中物件等を検知するための画像処理技術の研究 本研究は、前連結会計年度より実施しているNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト(DRESSプロジェクト)」における研究開発項目「無人航空機の衝突回避技術の開発(1)非協調式SAAの研究開発」のうち、「電波・光波センサ統合技術の開発」の一環として実施しているものです。当社企業グループは、光波センサ(可視カメラ)を用いた相対する飛行物体の検知・識別を担当しております。 当連結会計年度においては、実証試験に向けて、光波センサ各ユニットのハードウェア設計・製作を完了し、無人ヘリコプターに搭載した状態において、機体振動特性にマッチングした防振性能により、ブレ等画像処理に影響を及ぼす要素の排除と画質の確保を確認しました。 また、光波センサ各ユニットを無人ヘリコプターに搭載した状態において、飛行試験を実施し、有人ヘリコプター及びドローンとの近接会合条件(模擬衝突条件)において、各対象物体の探知・識別性能の確認を実施しました。これにより対象物体の探知・識別性能の実現性を確認するとともに、主に周囲環境(日照、天候、地上構造物等)条件による不安定要素に関する問題点を計測し、次年度の改善課題の抽出と、課題解決の机上検討を行いました。 (2)超音波発振機「SW-Dシリーズ」の開発 近年、自動車市場においては、環境対応車の推進で軽量化が進み樹脂部品点数が増加しており、その素材の開発と並んで樹脂の加工が重要な鍵となっております。また、自動運転自動車の開発、次世代に対応する精巧な部品開発など安全性に関わるニーズが高まっており、自動車部品製造・組立の要となる「樹脂接合技術」の更なる高品質化が求められています。 このたび当社企業グループでは、多彩な制御モードと外部信号による制御により設備への組込みが容易な、樹脂部品の二次加工の品質向上とタクト短縮に寄与する超音波発振機「SW-Dシリーズ」を開発いたしました。 当社企業グループ独自の周波数追尾アルゴリズムであるATHMOS制御(Automatic Tuning Hold Master Oscillator System)の優れた特徴として、非常に重い負荷状態からでも振動を開始することが可能で、発振機出力の最も効率の良い周波数に自動同調することが挙げられます。また、発振終了時の周波数をホールドすることで次回の立ち上がりをスムーズにし、広い範囲において位相誤差のない追尾を可能とします。これらにより繰り返し行われる溶着作業において、効率を低下させることなく常に最大パワーを出力することで高速溶着を実現しています。ATHMOS制御をデジタル化し、安定性の強化と様々な溶着機能を実現した超音波発振機を開発することで、より信頼性の高い溶着を可能といたしました。 (3)赤外線サーモグラフィカメラ「InfReC R550シリーズ」の開発 近年、急速な情報機器の発展により小型・高性能な部品が増加し、またスマートシティや自動運転車に代表されるIoTにより多種多様な高性能機器が増加しております。また、高性能化が進んだ機器の維持・保守と同様に確かな“ものづくり”による部品の長寿命化が重要な鍵となっております。このような市場背景に基づき、安心・安全で確かな“ものづくり”に貢献するために、ポータブル赤外線カメラR550シリーズを開発いたしました。 赤外線サーモグラフィカメラは、面での温度を可視化ができるため、特定部品(箇所)の発熱測定だけでなく、発熱源近隣部品の熱影響や蓄熱を捉えることが可能です。その中でも本製品は、ポータブル赤外線サーモグラフィカメラとしてクラス最速の120Hzサンプリングを実現したことで、これまで高価格な冷却型ハイスペック機でしか捉えられなかった熱挙動の早いデバイスでの過負荷試験の時系列温度解析(R&D)や、レーザ溶接時におけるスパッタの発生挙動及び近隣への熱影響を容易に検出し、信頼性の高い“ものづくり”に貢献できる製品といたしました。
FY2018|2,384 文字
5【研究開発活動】 当社企業グループは、独自のエレクトロニクス技術とシステム技術をもとに、新しい価値を創造することを目指し、先端技術分野での基礎研究、応用研究をはじめとして、事業運営に直結した新技術、新製品の開発を行っております。 現在の研究開発活動は主に情報システム及び電子機器の技術部門により進めております。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、3億78百万円であり、主な研究内容は以下のとおりであります。 (1)空中物件等を検知するための画像処理技術の研究 当社企業グループはNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト(DRESSプロジェクト)」の開発メーカーとして採択されました。本プロジェクトはNEDOが、政府の閣議決定事項である「日本再興戦略」の一環として設定した、ロボットによる新たな産業革命の実現を目指す事業であります。 本研究は、DRESSプロジェクトの研究開発項目「無人航空機の衝突回避技術の開発(1)非協調式SAAの研究開発」のうち「電波・光波センサ統合技術の開発」に該当するもので、当社企業グループは、光波センサ(可視カメラ)を用いた相対する飛行物体の検知・識別を担当しております。 無人航空機の衝突回避は、地上システムをベースとした相互位置情報交換を主体に進めますが、機体スタンドアロンの状態での回避行動制御は極めて重要であります。担当する光波センサ部の研究では回避対象となる空中物件等の識別により、回避行動の決定に要する情報収集と伝達を行うことを主目的としております。 当連結会計年度においては、飛行状態における対象物体の遠距離からの検知・識別、相対速度に対応する高速処理、航空機搭載に要する省電力・軽量化を目標として研究を行いました。また、画像処理方式及び機能分担構成を検討し、実際に撮影した有人ヘリコプター、無人ヘリコプター及びドローンの動画像を用いたパーソナルコンピュータベースのシミュレーションを実施し、対象距離識別性能の実現性を確認いたしました。 (2)高信頼性インバータ式溶接電源の開発 近年、自動車産業においては、自動運転車の開発、環境対応車の推進など、次世代自動車に対応する精巧な部品開発のニーズが高まっており、部品製造や品質管理の要となる「接合技術」の更なる高品質化が求められております。小型、軽量化とともに高い信頼性が要求される自動車部品の溶接では、より高い強度を確保すると同時に、品質の安定化が必要となります。 このような環境下で、当社企業グループでは、自動車部品の接合に最適な高信頼性インバータ式溶接電源を開発いたしました。接合品質の安定化のためには、過電流による溶かし過ぎやスパークを防ぐこと、電流が少ないことによる溶接強度不足を防ぐことの両方を実現しなければなりません。そのためには、均一で滑らかな溶接電流制御が有効となります。従来のインバータ方式による電流制御は、スイッチング制御による電流のリップル(脈動)が発生しますが、このリップルを最小化するために電源の高周波化を実現いたしました。通常、高周波化することにより電流は流れにくくなりますが、既存製品の解析、試作改良を繰り返し、スイッチング周波数を従来の2.5倍(5KHz、8000A)に高めることで、溶接電流のリップルを半減させ、より信頼性の高い溶接を可能といたしました。 (3)赤外線サーモグラフィカメラ「Thermo FLEX(サーモフレックス)F50」の開発 従来のサーモグラフィカメラの使用現場では、高温の現場での計測や機器が入りにくい場所での測定が必要など、様々な課題がありました。それらの課題に基づき、「マーケットイン」の視点で新コンセプトを実現した、カメラヘッドが脱着する構造を備えた新製品「Thermo FLEX(サーモフレックス)F50」(以下F50)シリーズを開発いたしました。 新コンセプト「FREE STYLE」を構成する4つの要素は、カメラヘッド脱着型のアングルフリー機構、ピント合わせが不要なフォーカスフリー広角レンズ、耐環境温度性能(装置や恒温槽に入れて使用可能)、タッチパネル操作であり、これらの機能により、次のような3分野での課題解決にも役立つ製品として開発いたしました。①プラント維持管理 工場設備の隙間、裏側までの点検を可能にするアングルフリー機構により、近年増えつつあるプラントの重大事故の予防診断に貢献するとともに、小型・軽量で撮影時以外は両手が自由になるため、作業者の安全も確保いたします。また、設備を止めずに稼働中の状態を把握し、必要な時にメンテナンスを実施する状態監視保全(CBM:Condition-Based Maintenance)の導入が可能となります。②中古住宅の性能評価 住宅診断の性能検査機器として、目視では見つけられない断熱材の欠損や漏水、シロアリ調査等を可能にします。また、最大70°のフォーカスフリー広角レンズにより、室内で広範囲の壁面を一度に撮影できるうえ、アングルフリー機構により、最小限の穴や隙間から天井裏や床下の点検が可能となります。③IoT向け電子部品の熱設計に対応 IoTをはじめ先進技術を支える電子部品・基板の熱評価を効率化いたします。取り外し可能な小型のカメラヘッドは70℃の高温に対応できるため、例えば恒温槽の中に入れて外からコントローラで操作することができます。さらに、パーソナルコンピュータを使用しないでトレンドグラフを作成し、CSVファイルで保存ができます。これにより、環境温度試験時の熱電対の貼り付け作業や、パーソナルコンピュータによる解析作業を効率化いたします。
FY2017|2,013 文字
6【研究開発活動】 当社企業グループは、独自のエレクトロニクス技術とシステム技術をもとに、新しい価値を創造することを目指し、先端技術分野での基礎研究、応用研究をはじめとして、事業運営に直結した新技術、新製品の開発を行っております。 現在の研究開発活動は主に情報システム、電子機器及びプリント配線板の技術部門により進めております。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、4億40百万円であり、主な研究内容は以下のとおりであります。 (1)車載型異物検知システムに関する基礎研究 近年、空港の滑走路上の障害物が原因で、航空機の事故や故障が発生し、物的損害のみならず、その影響での遅延による損害も増大しており、その事前検知、除去の要請が高まっております。そこで、当社グループでは、得意とするレーダ信号処理技術を利用した滑走路等の路面上の異物検出を目的としたシステムの研究を実施しました。 このシステムは当社グループが開発したレーダ信号処理装置にレーダーセンサとしてUWB(超広帯域無線)を使用したレーダ送受信装置を連接したものです。滑走路の整備用車両等に搭載することを想定して社外の施設を活用し、石、コンクリート、金属片、ボルト等の検出状況を数mから30mまでの範囲で実験を行いました。 第一段階の目標である10m以内についてはほぼ検出可能の結果を得ましたが、今後さらに距離を伸ばし検出確率の向上に向けて性能を改善する研究を実施いたします。 (2)温度コントロール・レーザソルダリング・システムの研究 スマートフォンに代表される情報端末は、高性能化、軽量化が進んでおり、これにより、搭載される実装部品も年々小型化し、接合部に熱を与えるための電極等をワークに近づけることが困難になってきております。このような接合環境の変化に対応するため、熱を与えるための必要なスペースが不要な非接触のレーザはんだ付け工法が増加しております。 しかし、部品が小型化すると熱容量が小さくなるため、ワークの変動、はんだ量の変動等のばらつきにより、熱の与え過ぎによる部品の焼損、接合不良等が発生します。 そこで、当社グループでは、はんだ付けする部分の温度をレーザの出力制御にフィードバックすることにより、任意の温度プロファイルによるレーザはんだ付けが実現可能となりました。これにより一定以上の温度になった場合、照射をカットしたり、任意の温度上昇カーブになるよう照射を制御することにより、ワーク毎に最適なレーザ照射が可能となり、熱の与え過ぎや不足等を軽減した高品質なレーザはんだ付けを可能といたしました。 (3)赤外線サーモグラフィカメラ TS600シリーズ開発 近年、老朽化や複雑化が進んだ発電所、工場プラント等における重大事故が増加の傾向にあり、設備の異常をモニタリングし、危険を予知するための状態監視システムの構築が求められております。また、2020年の東京オリンピック開催に向けたテロ対策など、沿岸や重要施設のセキュリティ強化がますます重要となってきております。 このたびプロセス監視や防災監視など温度計測機能が求められる市場からセキュリティ監視市場まで、幅広いシステム需要に対応可能な、高画素(VGA)タイプのインフレック TS600シリーズを開発いたしました。 本製品は、最新型の高感度かつ高画素のVGA(640×480画素)赤外線センサを搭載し、±2℃/2%の高精度で温度計測が行える設置型サーモカメラであります。ダイキャスト金型温度監視、製鉄所やプラントの炉材温度監視等の様々な温度計測シーンに対応できるよう、1500℃までの測定レンジを搭載いたしました。 また、化学プラント等の生産工場内の設備を制御・監視するシステムにおいて代表的なプロトコルのひとつであるModbus TCPに対応し、これによりデーターロガー等のModbus対応機器と直接接続することができ、既存のシステムに赤外線カメラシステムを安価に追加することが可能となります。さらに、映像監視システムで汎用的なONVIFプロトコルにも対応し、既設の監視カメラシステムのネットワークに簡単にアドオンすることが可能です。 その他、アラーム機能において従来当社製品では四角形のみであったエリアの設定を複雑な形状でも可能とし、システム構築に必要なソフトウェア開発キット(SDK:Software Develop Kit)の標準添付、海外向けフレームレート7.5Hz対応機種をラインナップ等として揃え、赤外線カメラからシステムソリューション提供まで一貫して手がける国内メーカーとして、長年培った赤外線に関する経験と独自技術を駆使し、様々な顧客要望に対応可能な製品といたしました。また、赤外線サーモグラフィの設置型タイプとして、従来の1/2以下(当社比)の価格低減を実現いたしました。
FY2016|2,328 文字
6【研究開発活動】 当社企業グループは、独自のエレクトロニクス技術とシステム技術をもとに、新しい価値を創造することを目指し、先端技術分野での基礎研究、応用研究をはじめとして、事業運営に直結した新技術、新製品の開発を行っております。 現在の研究開発活動は主に情報システム、電子機器及びプリント配線板の技術部門により進めております。 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、3億54百万円であり、主な研究内容は以下のとおりであります。 (1)低帯域通信へのネットワーク監視に関する研究 主に移動体との間で使用される防衛用通信インフラでは、低帯域かつ切断と再接続が多発する過酷な通信環境下にあっても高度なセキュリティレベルが求められます。しかし、セキュリティレベル確保のためにネットワーク監視の頻度を高めると、通信帯域やネットワーク機器への負担が増加し、通信能力が低下してしまいます。防衛用通信インフラにおいて高度なセキュリティレベルを確保するためには、通信帯域を圧迫することのない効率のよいネットワーク監視技術を確立する必要があります。 本研究では、ネットワーク監視技術領域で実用化されているオープン技術をもとに、過酷な通信環境下で高度なセキュリティレベルを確保するための最適な候補技術の比較と適用方法を検討し、プロトタイプモデルの構築と評価を行いました。その結果、効率のよいネットワーク監視技術の実現に向けて各候補技術の基礎データ等を習得いたしました。 (2)インバータ式抵抗溶接機「NRW-IN8400A」、水平加圧ヘッド「NA-184」の開発 自動車市場においては、EV、PHVに代表されるエコカーの需要増加に伴い、自動車の軽量化、エレクトロニクス化、更には安全性・快適性の向上が求められております。それに伴い自動車に搭載されるモータやソレノイド、ECU、センサなどの部品数が年々増加し小型化や性能向上が進んでいることから、接合が難しくなり、より一層、接合品質の安定が求められ、信頼性向上が重要なテーマの一つとなっております。特にモータの端末処理に代表されるヒュージング溶接においては、接合の難易度が上がり、信頼性向上の要求が高まってまいりました。 このような市場環境の中、モータのヒュージングに最適なインバータ式抵抗溶接機「NRW-IN8400A」と水平加圧ヘッド「NA-184」を開発いたしました。 本製品は、インバータ式抵抗溶接機と水平加圧ヘッドを組み合わせることにより、被接合物の繰り返し精度の高い安定した潰れ量を実現するとともに、モニタリング機能による各種監視と接合ヘッドに加圧追従方式を採用したことで、接続部の信頼性の高い接合品質を実現いたしました。 (3)赤外線サーモグラフィカメラ「R500EXシリーズ」の開発 赤外線サーモグラフィは、安価な低画素カメラから、高機能の高画素カメラまで幅広いラインアップを取り揃えておりますが、このたび1台で計測現場から研究開発(R&D)分野まで用途を選ばずに温度測定できる高機能・高画素タイプのR500EXシリーズを開発いたしました。 R500EXシリーズは、電子機器の負荷応答試験や燃焼試験などで要求される熱画像収録速度を当社従来品より2倍に高速化いたしました。1つの事象を一方向から測定するだけでは情報が不足する場合に、複数台を違う角度に配し、同時にパソコンでデータ収録できる機能を搭載しました。この機能により、開始信号に同期してデータ収録する際に必要であったI/Oボードが不要になり、個々のカメラにトリガー信号を入力するだけで同時測定が実現できるため、安価なシステム構築が可能となりました。 更に、従来では画像ノイズを除去すると、測定上有効な画素のデータまで見えにくくなる課題がありましたが、新開発のノイズ除去フィルタ(デノイズ)を搭載することで、必要な画素情報は残したままノイズ成分のみを除去することができました。これにより画質が改善され、通常では見えてこない微小な温度を判別できるようになり、問題点の可視化が容易となりました。 なお、本製品の用途を拡大させるため、従来では2種類のみであったオプションレンズを、R&Dで要求の高い近接拡大レンズや狭い現場でより広く画像を取得できる広角レンズのラインアップを増やしました。 (4)宇宙航空研究開発機構(JAXA)認定、高周波対応プリント配線板の開発 プリント配線板事業では、衛星やロケットなど宇宙開発向けに各種の宇宙航空研究開発機構(JAXA)認定を取得した高信頼性プリント配線板を提供しております。 近年は、宇宙向けLSIの高機能化が進み、それらが実装されるプリント配線板には高速信号配線に対する設計要求が高まっています。この要求に答えるため、プリント配線板の材料として「低誘電率材料」の適用が必須となります。低誘電率材料は、産業用途向けでは既に採用されているもので、信号の伝播を早くするための材料特性を有しています。また、同時に回路(電気)抵抗を低く設計できるためメリットも有しています。 低温・高温、真空、振動、放射線曝露等の厳しい宇宙環境下で長期間使用されるプリント配線板は、一般産業向けとは異なった、長期信頼性も含めた特殊な信頼性保証が要求されます。それらの要求を満足するために実施した製品開発の結果、真空中での揮発成分測定や、一般基板の要求される10倍の冷熱サイクル試験、更に放射線曝露試験等に合格し、「JAXA-QTS-2140E 付則H(高速信号対応プリント配線板)」のプリント配線板認定を平成27年7月に取得いたしました。