FY2025|2,803 文字
6【研究開発活動】当社グループは、産業用の光源の開発・製造を中核として光学系技術をはじめ、エレクトロニクスやメカトロニクスなど、光を利用・応用していく上で不可欠なさまざまな周辺技術の開発を推し進め、光のユニット化、光の装置・システム化へと事業を展開しております。新市場・新技術の動向を常に把握し、戦略的な研究開発活動を行うとともに、各研究開発部門が相互に連携・連動しながら数々の新しい光源及び光の関連装置やソリューションを生み出す体制となっております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は12,835百万円であり、Industrial Process事業及びVisual Imaging事業を中心に行っております。当連結会計年度の主な成果は、次のとおりであります。 (Industrial Process事業)・最先端ICパッケージ基板向け投影露光装置及び環境配慮型露光装置の研究開発DX、AI及び5Gなどの進展に伴うデータセンター向け半導体用パッケージ技術は、大学やコンソーシアムで盛んに研究され「More than Moore」として期待されています。その中で、近年は微細化と高速伝送・電力効率改善を目的として、従来の有機基板より強度と電気特性に優れたガラス基板技術の研究が進んでいます。当社もお客様の新たな技術課題に対応する為、ガラス基板用露光装置の開発を完了し、2024年に初号機を上市しました。現在は、更なるお客様の技術課題にお応えすべく、高品質の次世代露光装置の開発に注力しています。また環境対応にも積極的に取り組んでおり、環境負荷を大幅に低減した環境配慮型露光装置の開発も進めています。今後も社会のニーズを的確に捉えた露光装置を開発・上市することで、社会やお客様に貢献してまいります。 ・アドバンスド・パッケージ基板向け新型DI(Direct Imaging/直描式)露光装置開発アドバンスド・パッケージ基板は、近年みられるムーアの法則に基づくスケーリング鈍化傾向に対抗し、デバイス密度向上とそれによる機能拡張を果たせる唯一の解決策として期待されています。グループ会社である株式会社アドテックエンジニアリングでは、アドバンスド・パッケージ基板向けに求められる、DI露光機による超高精細パターン描画を実現し、合わせて生産効率の向上も目指した新型DI露光装置IP-NX7000を2024年末に上市しました。また市場から求められているi線対応機の開発も進めています。Industrial Process事業に係る研究開発費は6,612百万円であります。 (Visual Imaging事業)・高輝度プロジェクター及びLEDディスプレイ等の映像表示装置の開発グループ会社であるCHRISTIEグループでは、映画館向けや、テーマパークなどエンタープライズ用途の高輝度プロジェクターやLEDディスプレイなどの映像表示装置の研究開発に継続的に取り組んでおります。プロジェクターでは、高輝度・高精細・広色域、更には省電力への要求を実現するレーザー光源等を採用し、その上で新しい技術やデバイスを取り入れ、先進的なプロジェクターの開発を進めています。また、付加価値向上のため、プロジェクターでマルチ画面やマッピングなどに柔軟に、そして簡単に対応するための自動調整を可能にするソフトウェアやコンテンツ送出などの周辺機器、ネットワークをベースとした画像の伝送・合成等を行う周辺機器など、映像全体をトータルなソリューションとして提供できる機材やソフトも開発提供しております。加えて、近年、用途が拡大しているLEDディスプレイ市場向けにおいては、広色域で設置容易性を追求した独自のマイクロタイルLEDディスプレイの開発も進めております。今後も、観客の映像体験の向上や展示者の運営の簡素化、効率化を実現する研究開発を進めてまいります。Visual Imaging事業に係る研究開発費は3,417百万円であります。 (Life Science事業)・パルス分光の開発当社グループでは、パルス分光技術の開発と、当技術を近赤外分光に応用した非破壊全数検査機の製品開発を行っております。当技術は従来の分光法と比べ微弱光の分光を高速・短時間に実現できることが特徴であり、医薬品検査や半導体検査への導入で革新的な品質管理の仕組みを提供するものとして開発を進めております。2024年度においては、前述の検査応用分野において、必要な検査速度で試験的に分光検査を実施し有用である結果を示したとともに、光源モジュールと受光モジュールの品質・性能向上のための開発を行いました。今後も上市に向けて製品開発を進めてまいります。Life Science事業に係る研究開発費は1,232百万円であります。 (Photonics Solution事業)・Violet-LDの開発当社グループでは、直描式露光装置、バイオ・メディカル、光センシング、光計測、AR/MRグラス等に応用されるGaN系半導体レーザ(LD)の開発を通じ、各アプリケーションにおける課題解決及び技術革新に貢献しております。2024年度においては、波長405nmで業界最高出力となる400mWのシングルモードLDの開発に成功し、サンプル出荷を開始しました。本製品は高度な結晶成長技術及び独自の光閉じ込め構造を採用しており、400mWという高光出力領域においても横シングルモード発振を維持しつつ、使用温度-5℃から85℃の広い範囲に渡って均一で安定したビーム品質と高い信頼性を有しております。今後もアプリケーションの技術発展に貢献し、社会課題を解決できる製品開発を行ってまいります。 ・車載LDの開発当社グループでは、高輝度、高効率、小型、長寿命という半導体レーザーの特長を活かし、様々な分野のアプリケーション拡大を図っておりますが、近年、自動車の電動化や自動運転技術の進展に伴い、LDを使用した車内プロジェクションや路面投影、ヘッドアップディスプレイ(HUD)など車載用途での技術開発が進んでおります。2024年度においては、赤色LDの開発において、結晶成長の技術開発及び活性層の設計最適化により、高温動作時の特性と信頼性の大幅な改善を実現し、波長642nmという赤色短波長帯で200mWの高い光出力を実現し、車載用途で求められる高温85℃から低温-40℃まで動作が可能なLDを開発完了しました。今後も技術革新を続け、より高性能な製品を提供しお客様のニーズに応えるとともに、光技術を通じて社会に貢献してまいります。Photonics Solution事業に係る研究開発費は1,420百万円であります。 (その他事業)その他事業に係る研究開発費は151百万円であります。
FY2023|2,847 文字
6【研究開発活動】当社グループは、産業用の光源の開発・製造を中核として光学系技術をはじめ、エレクトロニクスやメカトロニクスなど、光を利用・応用していく上で不可欠なさまざまな周辺技術の開発を推し進め、光のユニット化、光の装置・システム化へと事業を展開しております。新市場・新技術の動向を常に把握し、戦略的な研究開発活動を行うとともに、各研究開発部門が相互に連携・連動しながら数々の新しい光源及び光の関連装置やソリューションを生み出す体制となっております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は11,460百万円であり、光源事業、光学装置事業及び映像装置事業を中心に行っております。当連結会計年度の主な成果は、次のとおりであります。 (光源事業)・近紫外~可視~近赤外半導体レーザーの開発当社グループでは、Industrial Process事業、Visual Imaging事業及びLife Science事業の各事業に幅広く跨る様々な分野のアプリケーション拡大に向け、近紫外~可視~近赤外領域の半導体レーザーの製品展開を行ってきました。高輝度、高効率、小型、長寿命という半導体レーザーの特長を活かし様々なアプリケーションで課題解決や技術革新に貢献しております。当連結会計年度においては、近紫外、可視、近赤外の各々の波長領域において下記の新製品の開発に取り組んできました。近紫外領域では、波長405nm帯、光出力175mWのシングルモード半導体レーザーの開発を推進し、業界で最も広い使用温度範囲で安定したビーム品質を実現した製品の量産を開始しました。可視領域では、近い将来のメタバース実現のためのキーアイテムとなるAR/MR/XRグラス向けの半導体レーザーに要求される波長制御技術、多ビーム集積化技術等の研究開発を推進しております。また、非常に広い動作温度範囲での信頼性が要求される車載用途に向けても、高温動作・高信頼化技術の開発を進めております。近赤外領域では、距離計測用センサーや赤外線照明用途等に用いられる850nm帯で世界最高クラスの250mWの光出力と良好なビーム品質を両立したシングルモード半導体レーザーの製品化を完了しました。今後も、半導体レーザーの特長を活かして様々な社会課題の解決に貢献すべく引き続き開発投資を行ってまいります。 ・Care222技術を用いた抗ウイルス・除菌装置の拡販当社グループでは、エキシマランプによる環境衛生用途のアプリケーションとして、脱臭、揮発性の高い有害な化学物質の除去などを目的とした技術ブランドClean172のアプリケーション探査を目的とした実証デモ装置の開発に取り組むとともに、紫外線が持つ殺菌力を活かしたCare222という技術ブランドのもと感染制御の領域において有人環境下で利用できる紫外線として安全性、効果の検証を進め、2020年から実用化してまいりました。2022年度においては、1台でより広範囲に照射できる新しいユニットi-FTシリーズの開発・販売をいたしました。また、これら装置の除菌効果を実証するため、外部試験機関で実証実験を行うなど、開発・販売の両側面で連携した活動を推進してまいりました。さらにはアプリケーション拡大を狙った小型モジュールの開発を進め、試作モジュールを完成、顧客へのニーズヒアリングに活用しております。今後もCare222のさらなる安全性、効果検証エビデンスの取得だけでなく、この技術の可能性を追求し、我々の使命である光を用いた様々な社会課題解決のソリューション提案に向けた新たなアプリケーション開拓投資を行ってまいります。光源事業に係る研究開発費は4,238百万円であります。 (光学装置事業)・最先端ICパッケージ基板向け投影露光装置開発及び環境配慮型露光装置の研究開発IoT、AI及び5Gなどの進展に伴うデータセンター向け半導体用パッケージ技術は大学やコンソーシアムで盛んに研究され「More than Moore」として期待されています。当社でも最先端ICパッケージ基板向け投影露光装置開発とパッケージプロセスの研究開発へ継続的に投資を行い、2023年5月に高い解像性と重ね合わせ精度を実現した露光装置(UX-58112SC)の開発が完了し、上市しました。引き続き、先端パッケージ向け露光装置開発の継続に加え、環境対応にも積極的に取り組んでおり、環境配慮型露光装置の開発を進めています。今後も社会のニーズを的確に捉えた露光装置を開発・上市することで、社会やお客様に貢献してまいります。 ・小型、高輝度、高信頼性のEUV光源の研究開発当社グループでは、EUVリソグラフィマスク検査用EUV光源の研究開発に継続的に取り組んでおります。高度な微細化が進む半導体業界では、EUVリソグラフィマスク検査装置の量産プロセスへの導入が進んでいます。これまでの研究開発成果として、当社のEUV光源はエンドユーザーの量産条件を満たす高い安定稼働と充分な性能を達成いたしました。今後も開発投資を継続し、高性能、高安定稼働などの技術優位性の維持・向上に注力すると共に、交換パーツの寿命延長などの更なるランニングコスト低減を目指します。また、新規顧客獲得に向けた取り組みも進めてまいります。光学装置事業に係る研究開発費は4,798百万円であります。 (映像装置事業)・映像表示装置及び周辺機器の研究開発子会社であるCHRISTIE DIGITAL SYSTEMS USA, INC.では、映画館向けや、テーマパークなどエンタープライズ用途の高輝度プロジェクターやLEDディスプレイなどの映像表示装置の研究開発に継続的に取り組んでおります。プロジェクターでは、高輝度・高精細・広色域への要求を実現するレーザー光源を採用し、その上で小型化や使いやすさを追求したプロジェクターのラインアップ拡充を進めております。また、近年、用途が拡大しているLEDディスプレイ市場向けでは、広色域で設置容易性を追求した独自のマイクロタイルLEDディスプレイなどの開発も進めております。さらに、付加価値向上のため、プロジェクターでマルチ画面などに柔軟に、そして簡単に対応するための自動調整を可能にするソフトウェアの研究開発にも取り組んでおり、周辺機器と合わせてプロジェクションマッピング等でのコンテンツ管理を行う製品などの開発を展開しております。また、ネットワークをベースとした、画像の伝送・管理・保管を行う周辺機器も開発しており、映像全体をトータルなシステムとして提供出来る機材やソフトも開発提供しております。今後も、観客の映像体験の向上や展示者の運営の簡素化、効率化を実現する研究開発を進めてまいります。映像装置事業に係る研究開発費は2,356百万円であります。 (その他事業)その他事業に係る研究開発費は66百万円であります。
FY2021|1,850 文字
5【研究開発活動】当社グループは、産業用の光源の開発・製造を中核として光学系技術をはじめ、エレクトロニクスやメカトロニクスなど、光を利用・応用していく上で不可欠なさまざまな周辺技術の開発を推し進め、光のユニット化、光の装置・システム化へと事業を展開しております。新市場・新技術の動向を常に把握し、戦略的な研究開発活動を行うと共に、各研究開発部門が相互に連携・連動しながら数々の新しい光源及び光の関連装置やソリューションを生み出す体制となっております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は10,093百万円であり、光源事業、光学装置事業及び映像装置事業を中心に行っております。当連結会計年度の主な成果は、次のとおりであります。 (光源事業)・Care222技術を用いた抗ウイルス・除菌装置を製品化当社グループは、エキシマランプを世界で最も早く開発・実用化し、半導体、液晶パネル製造などのプロセスにおいて、主に光洗浄を目的にした製品を製造販売してきました。この知見を活かして近年エキシマランプによる環境衛生用途のアプリケーション拡大に取り組んできました。このエキシマランプに特殊な光学フィルタを付けることで人体に有害となる波長を取り除くとともに紫外線が持つ殺菌力を生かしたCare222技術を確立しました。このCare222技術は、世界で猛威を振るう新型コロナウイルスを含め、多くのウイルス、菌に効果があることが各研究機関から発表されております。Care222技術を搭載したモジュール、ユニット製品は多くの医療機関を中心に設置が進んでおり、安心・安全な空間の提供をサポートしております。現在は医療機関だけでなく、スポーツ施設や教育施設、老健施設といった多くの人が集まる空間への展開を進めております。 ・CounterAct子会社であるCHRISTIE DIGITAL SYSTEMS USA, INC.では、Care222技術を搭載したCounterActの開発を開始しました。グループ内のユニークな技術を最大化するため、光源を搭載した灯具開発、アプリケーションソフトウェア、サービス体制など、Care222のシステム化に向け今後も開発を進めてまいります。光源事業に係る研究開発費は3,798百万円であります。 (光学装置事業)・小型、高輝度、高信頼性のEUV光源の研究開発当社はEUVリソグラフィマスク検査用EUV光源の研究開発に継続的に取り組んでおります。高度な微細化が進む半導体業界では、EUVリソグラフィの量産プロセス採用が急速に進んでおり、これに伴いEUVリソグラフィマスク検査装置の量産プロセスへの導入が始まりました。これには当社のEUV光源の実用化が大きな貢献を果たしています。2021年2月のSPIE学会や4月のPhoto Mask Japanにて当社EUV光源の発表を実施しましたように、当社のEUV光源はエンドユーザーの量産初期条件を満たす高い安定稼働と充分な性能を達成することができました。今後も、当社のEUV光源はニーズを先取りする形で、更なる高輝度化、 高安定化に加え、更なる安定稼働の実現を目指して継続的な研究開発を進めてまいります。光学装置事業に係る研究開発費は4,459百万円であります。 (映像装置事業)・映像表示装置及び周辺機器子会社であるCHRISTIE DIGITAL SYSTEMS USA, INC.では、プロジェクターやVideo Wallなどの映像表示装置の研究開発に継続的に取り組んでおります。高輝度・高精細・広色域への要求は高く、それを実現するためのレーザー光源を採用したプロジェクターや超高精細 LEDの製品開発を進め、映画館向けのCineLiftシリーズや、テーマパークやステージ向けのGriffinシリーズといったRGBレーザープロジェクターを上市しました。また、画像の伝送・管理・保管を行う周辺機器やソフトウェアの研究開発にも取り組んでおり、ワイヤレスで大容量かつ長距離間のデータ伝送を実現するTerra、プロジェクションマッピング等でのコンテンツ管理を行うPandoras Boxなどへ展開しております。今後も、観客の映像体験の向上や展示者の運営の簡素化、効率化を実現する研究開発を進めてまいります。映像装置事業に係る研究開発費は1,799百万円であります。 (その他事業)その他事業に係る研究開発費は36百万円であります。