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日置電機(6866)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

日置電機グループは、日置電機と14の子会社で構成され、主に電気測定器の開発、製造、販売を行っています。電気測定器は、製造業、特に電機、自動車、電子部品、環境・新エネルギー分野の企業で使用され、これらの企業の設備投資動向がグループの売上を左右する傾向があります。また、電気測定器事業を支えるための関連サービスも提供しています。国内外の幅広い顧客に製品を提供し、特に海外市場の開拓に注力しており、海外売上高比率が高いのが特徴です。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

日置電機グループの主要事業セグメントは「電気測定器事業」です。これは、日置電機本体が電気測定器の開発、製造、販売を行い、米国、中国、シンガポール、韓国、インド、欧州、台湾、インドネシア、タイ、中東・アフリカ、ベトナムの子会社がそれぞれの地域で製品の販売を担っています。特に中国市場では、事業統括、研究開発、製造、販売を行う複数の子会社があり、アジア地域の構成比率が高いです。その他、「その他」セグメントとして、損害保険代理業や不動産管理を行う子会社(日置フォレストプラザ)があります。海外売上高比率は63.6%(2025年12月期見込み)と高く、海外市場が収益の大きな柱となっています。

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FY2025|1,129 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社及び子会社14社で構成され、電気測定器の開発、製造、販売を主な事業内容としております。また、電気測定器事業をサポートするためにその他のサービス等の事業を行っております。 当社グループの事業に係る位置付け及びセグメントの関係は、次のとおりであります。報告セグメント会社名主な事業内容電気測定器事業当社(日置電機㈱)電気測定器の開発、製造、販売HIOKI USA CORPORATION米国市場における当社製品の販売日置(上海)測量技術有限公司(注)中国国内グループの事業統括、経営管理日置(上海)科技発展有限公司(注)中国市場における研究開発、製造、販売日置(上海)測量儀器有限公司(注)中国市場における当社製品の販売HIOKI SINGAPORE PTE. LTD.子会社が所在する国以外の東南アジア及びオセアニア市場における当社製品の販売HIOKI KOREA CO., LTD.韓国市場における当社製品の販売HIOKI INDIA PRIVATE LIMITEDインド市場における当社製品の販売HIOKI EUROPE GmbH欧州市場における当社製品の販売台湾日置電機股份有限公司台湾市場における当社製品の販売PT. HIOKI ELECTRIC INDONESIAインドネシア市場における当社製品の販売HIOKI ELECTRIC (THAILAND) CO., LTD.タイ市場における当社製品の販売HIOKI MEA FZCO中東及びアフリカ市場における当社製品の販売HIOKI ELECTRIC VIETNAM COMPANY LIMITEDベトナム市場における当社製品の販売(注)2026年1月1日付で、日置(上海)科技発展有限公司及び日置(上海)測量儀器有限公司の機能及び社員を日置(上海)測量技術有限公司に組織再編により移管しております。日置(上海)科技発展有限公司及び日置(上海)測量儀器有限公司は2026年中に清算する予定であります。  また、報告セグメントに含まれない事業セグメントは、次のとおりであります。 会社名主な事業内容その他日置フォレストプラザ㈱損害保険代理業及び当社が所有する不動産の管理  事業の系統図(当社及び子会社)は、次のとおりであります。 (注)2026年1月1日付で、日置(上海)科技発展有限公司及び日置(上海)測量儀器有限公司の機能及び社員を日置(上海)測量技術有限公司に組織再編により移管しております。日置(上海)科技発展有限公司及び日置(上海)測量儀器有限公司は2026年中に清算する予定であります。移管後の事業の系統図(当社及び子会社)は、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
研究開発型企業として新分野に製品投入し、高付加価値化を図っているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
電気測定器の開発、製造、販売には高度な技術力と研究開発力が必要。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:人材に係るリスク / 設備投資動向に係るリスク / 海外売上高に係るリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

日置電機は、測定・試験機器分野で長年の歴史と高い技術力を培ってきた。特に、絶縁抵抗計や回路計などの分野で「HIOKI」ブランドは信頼性が高く、技術者からの認知度も高い。特許取得も積極的に行っており、これが一定の競争優位性を支えている。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

同社の製品は、電気工事、保守、研究開発など、専門的な用途で使われることが多い。これらの現場では、使い慣れた機器や、特定の測定精度・機能を持つ機器からの乗り換えには、再教育コストや検証コストが発生するため、一定のスイッチングコストが存在する。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

日置電機の製品は、個別の測定機器としての利用が主であり、ユーザーが増えることで製品価値が向上するようなネットワーク効果は基本的に見られない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

高品質な測定機器を製造しているが、他社と比較して圧倒的なコスト優位性を持つほどの規模の経済や独自の生産プロセスを有しているという情報は限定的。標準的な製造コスト構造と考えられる。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

測定・試験機器市場はニッチながらも一定の規模を持つが、日置電機が市場全体を寡占するほどの規模を有しているわけではない。特定の製品群では有力なプレイヤーだが、業界全体での効率規模の優位性は限定的。

日置電機グループは、研究開発型企業として新分野への製品投入を通じて売上拡大を図っています。製品の設計から出荷まで一貫した品質保証体制を整備し、高い品質を維持しています。また、多品種少量・変種変量生産が可能な体制を構築し、顧客ニーズに柔軟に対応しています。グローバルに子会社を展開し、各地域の市場動向を注視しながら迅速な施策を講じることで、海外市場での競争力を高めています。これらの取り組みにより、多様な顧客の要求に応え、持続的な成長を目指しています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 企業は社会的な存在であります。当社は社会に受け入れられる高品質の製品と最高のサービスを提供し、顧客の満足を得ることに全力を尽くしてまいります。同時に事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献してまいります。また、地域社会の一員として教育文化等地域社会の発展に役立つ活動を積極的に支援してまいります。これらを実現するために、先進の研究開発と新分野の確立に挑戦する研究開発型企業を目指し、自主的な成長発展を図ってまいります。 また、適正な利益を確保し、会社の成長発展の原資とするとともに、株主、社員そして社会へ還元したいと考えております。 (2)目標とする経営指標 当連結会計年度には、資本コストの見直しを含む経営指標の再定義を行い、株主資本コストの推計値を従来の7%前後(6~8%)から10%前後へと引き上げました。この見直しに伴い、自己資本当期純利益率(ROE)の目標を従来の10%以上から15%以上へと改定し、資本収益性向上を重要な経営課題として認識しました。具体的な目標として、「売上高営業利益率20%」、「海外売上高比率70%以上」、及び「自己資本当期純利益率(ROE)を2030年までに15%以上とすること」を設定しました。 これらの目標を達成するため、新製品投入による新市場の開拓や海外市場の拡大を通じた売上高の増加、さらに経営効率の向上に注力しました。また、ROEの構成要素である売上高当期純利益率と総資産回転率の改善を目的に、各部門の事業計画と連動した取り組みを進め、全社的な努力を重ねてきました。 目標達成状況としては、「売上高営業利益率20%」に対する当連結会計年度の実績は16.8%であり、目標には届きませんでした。また、「ROE15%以上」の目標に対して、実績は13.0%と未達でした。同様に、「海外売上高比率70%以上」の目標に対しても、実績は63.6%に留まりました。しかしながら、海外売上高は257億94百万円に達し、前年度の247億83百万円を上回り、過去最高水準を維持するなど一定の成果を挙げることができました。 さらに、目標達成に向けての経営指針として、連結貸借対照表(B/S)に関する新たなガイドラインを設定しました。具体的には、連結貸借対照表上に占める「現金及び預金」の比率を20%以内に収めることを目指し、当面は年間平均で25%~30%以内に管理する方針を定めました。また、当社の最適資本構成を考慮し、加重平均資本コスト(WACC)最小化を目指しつつ、連結自己資本比率を60%前後とすることを目標に掲げ、当面は70%前後に管理する方針です。 (3)中長期的な会社の経営戦略 当社は創業以来、「HIOKIの理念」である「人間性の尊重」と「社会への貢献」をベースに産業のマザーツールと呼ばれる電気計測器の開発、生産、販売・サービスを事業としてまいりました。 現在、持続可能な社会の実現に向け「脱炭素化」が叫ばれ、世界規模で「化石燃料から再生可能エネルギーへのエネルギー源転換」という大きな変革が起きています。 このような社会の変化に対し、当社は2030年までの長期経営方針「ビジョン2030」を策定し、取り組みを進めてまいりました。このビジョンに基づき、これまで培ってきた電気計測のノウハウと海外販売会社を中心にグローバル展開している顧客密着型の課題解決スタイルによって、あらゆる産業の脱炭素化及び電動化シフトを後押ししてまいります。 電気を安全に供給し、エネルギーを有効に活用するために、「測る」という計測ソリューションから、新たな検査や試験の基準を創出し提供することで、顧客と共に持続可能な社会の実現に取り組んでまいります。 各分野における取り組みは以下のとおりです。 研究開発面におきましては、顧客に密着し顧客の要望をいち早くつかみ、他社にないオンリーワンの製品を提供することを目指してまいります。また、将来の需要を見越して研究開発を進め、新しい価値を顧客に提案することにより新分野の確立を目指してまいります。 販売面におきましては、グローバル化の方針のもと、中国、韓国、台湾、東南アジア、インドを中心にアジア地域を最重要ターゲット市場として開拓するとともに、米国市場及び欧州市場の開拓も積極的に進め輸出を強化してまいります。 生産面におきましては、品質の向上及びコストダウンを進め、国際市場において活躍できる製品づくりを目指してまいります。また、競合他社に対する優位性の一つとして、短納期化を進めてまいります。 また、当社はコーポレート・ガバナンスを経営戦略の重要な柱の一つと考えており、コーポレート・ガバナンスを企業価値向上のための経営体制の確立と認識しております。コンプライアンスを最重要視し、経営の効率化に取り組み、適正な利益を確保すると同時に、経営情報の積極的な開示により経営の透明性を高め、株主(投資家)、顧客、社員等全てのステークホルダーに対して、その社会的な責任を果たしてまいります。 (4)経営環境及び対処すべき課題 世界経済は、当連結会計年度においても地政学的リスクの高止まりや米国の政策不確実性の高まり、一部通貨のボラティリティの高まりなどの影響で、不透明な状況が続きました。一方で、主要国による利下げを含む広範な金融緩和が景気の底割れを防ぎ、地域によっては回復の兆しが見え始めております。脱炭素化の世界的な潮流は、企業の設備投資を牽引し、2025年のクリーンエネルギー関連投資は過去最高水準に達すると見込まれております。また、自動車の電動化がさらに進展し、EVの普及が進んでおります。この変化に伴い、電源技術には高効率化が求められ、小型・軽量化が進む一方、コスト削減や信頼性確保が次の焦点となっております。 当社グループは、この市場変化を大きなビジネスチャンスと捉え、新たな顧客価値を創造し、独自のセンシング技術をより高めるとともに、培ってまいりました計測技術を組み合わせ、高付加価値製品を提供してまいります。海外販売子会社を通じてHIOKIブランドを浸透させ、売上高を伸長させるとともに、世界中のお客様に安心して当社製品をお使いいただくためのグローバルアフターサービス体制の構築に引き続き取り組んでまいります。また、「海外売上高比率70%以上」を目標に、特定の地域に依存しない売上高構成を目指してまいります。従来から生産能力の強化に努めてまいりましたが、生産の増大に対処しつつ、棚卸資産を適正な水準に保ち、生産体制の最適化と生産性の向上を図ってまいります。さらに、サステナビリティ基本方針に基づき、グループ一体となってサステナビリティ活動を推進すると同時に、情報セキュリティの向上やデジタルトランスフォーメーションに向けた取り組みも進めてまいります。 現在、インフレーションの影響により売上原価が増加しており、また、DX推進に伴う計画的な投資などにより販売費及び一般管理費も増加しておりますが、次期も製品価格の見直しを機動的に行い、収益性の改善を図ってまいります。 当社は、自社の株主資本コストを7%前後(6~8%)と推計しておりました。その後、株主・投資家との間で資本コストや資本収益性について対話を重ね、その対話内容をもとに経営会議及び取締役会で議論してまいりました。それを踏まえ、2024年8月に当社は、自社の株主資本コストの推計値を10%前後といたしました。これを受け、当連結会計年度から目標とする経営指標を「自己資本当期純利益率(ROE)15%以上」にいたしました。引き続き、保有する資本を有効に経営に投下し、売上高当期純利益率と総資産回転率を一層高め、10%前後と推計する株主資本コストを上回るROEを実現してまいります。また、「売上高営業利益率20%」につきましても、引き続き目標の達成を実現してまいります。 こうした取り組みのもと、2030年までの長期経営方針「ビジョン2030」の施策を通じ社会に貢献すると同時に、継続的に成長発展できる体制を構築してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 企業は社会的な存在であります。当社は社会に受け入れられる高品質の製品と最高のサービスを提供し、顧客の満足を得ることに全力を尽くしてまいります。同時に事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献してまいります。また、地域社会の一員として教育文化等地域社会の発展に役立つ活動を積極的に支援してまいります。これらを実現するために、先進の研究開発と新分野の確立に挑戦する研究開発型企業を目指し、自主的な成長発展を図ってまいります。 また、適正な利益を確保し、会社の成長発展の原資とするとともに、株主、社員そして社会へ還元したいと考えております。 (2)目標とする経営指標 当連結会計年度には、資本コストの見直しを含む経営指標の再定義を行い、株主資本コストの推計値を従来の7%前後(6~8%)から10%前後へと引き上げました。この見直しに伴い、自己資本当期純利益率(ROE)の目標を従来の10%以上から15%以上へと改定し、資本収益性向上を重要な経営課題として認識しました。具体的な目標として、「売上高営業利益率20%」、「海外売上高比率70%以上」、及び「自己資本当期純利益率(ROE)を2030年までに15%以上とすること」を設定しました。 これらの目標を達成するため、新製品投入による新市場の開拓や海外市場の拡大を通じた売上高の増加、さらに経営効率の向上に注力しました。また、ROEの構成要素である売上高当期純利益率と総資産回転率の改善を目的に、各部門の事業計画と連動した取り組みを進め、全社的な努力を重ねてきました。 目標達成状況としては、「売上高営業利益率20%」に対する当連結会計年度の実績は16.8%であり、目標には届きませんでした。また、「ROE15%以上」の目標に対して、実績は13.0%と未達でした。同様に、「海外売上高比率70%以上」の目標に対しても、実績は63.6%に留まりました。しかしながら、海外売上高は257億94百万円に達し、前年度の247億83百万円を上回り、過去最高水準を維持するなど一定の成果を挙げることができました。 さらに、目標達成に向けての経営指針として、連結貸借対照表(B/S)に関する新たなガイドラインを設定しました。具体的には、連結貸借対照表上に占める「現金及び預金」の比率を20%以内に収めることを目指し、当面は年間平均で25%~30%以内に管理する方針を定めました。また、当社の最適資本構成を考慮し、加重平均資本コスト(WACC)最小化を目指しつつ、連結自己資本比率を60%前後とすることを目標に掲げ、当面は70%前後に管理する方針です。 (3)中長期的な会社の経営戦略 当社は創業以来、「HIOKIの理念」である「人間性の尊重」と「社会への貢献」をベースに産業のマザーツールと呼ばれる電気計測器の開発、生産、販売・サービスを事業としてまいりました。 現在、持続可能な社会の実現に向け「脱炭素化」が叫ばれ、世界規模で「化石燃料から再生可能エネルギーへのエネルギー源転換」という大きな変革が起きています。 このような社会の変化に対し、当社は2030年までの長期経営方針「ビジョン2030」を策定し、取り組みを進めてまいりました。このビジョンに基づき、これまで培ってきた電気計測のノウハウと海外販売会社を中心にグローバル展開している顧客密着型の課題解決スタイルによって、あらゆる産業の脱炭素化及び電動化シフトを後押ししてまいります。 電気を安全に供給し、エネルギーを有効に活用するために、「測る」という計測ソリューションから、新たな検査や試験の基準を創出し提供することで、顧客と共に持続可能な社会の実現に取り組んでまいります。 各分野における取り組みは以下のとおりです。 研究開発面におきましては、顧客に密着し顧客の要望をいち早くつかみ、他社にないオンリーワンの製品を提供することを目指してまいります。また、将来の需要を見越して研究開発を進め、新しい価値を顧客に提案することにより新分野の確立を目指してまいります。 販売面におきましては、グローバル化の方針のもと、中国、韓国、台湾、東南アジア、インドを中心にアジア地域を最重要ターゲット市場として開拓するとともに、米国市場及び欧州市場の開拓も積極的に進め輸出を強化してまいります。 生産面におきましては、品質の向上及びコストダウンを進め、国際市場において活躍できる製品づくりを目指してまいります。また、競合他社に対する優位性の一つとして、短納期化を進めてまいります。 また、当社はコーポレート・ガバナンスを経営戦略の重要な柱の一つと考えており、コーポレート・ガバナンスを企業価値向上のための経営体制の確立と認識しております。コンプライアンスを最重要視し、経営の効率化に取り組み、適正な利益を確保すると同時に、経営情報の積極的な開示により経営の透明性を高め、株主(投資家)、顧客、社員等全てのステークホルダーに対して、その社会的な責任を果たしてまいります。 (4)経営環境及び対処すべき課題 世界経済は、当連結会計年度においても地政学的リスクの高止まりや米国の政策不確実性の高まり、一部通貨のボラティリティの高まりなどの影響で、不透明な状況が続きました。一方で、主要国による利下げを含む広範な金融緩和が景気の底割れを防ぎ、地域によっては回復の兆しが見え始めております。脱炭素化の世界的な潮流は、企業の設備投資を牽引し、2025年のクリーンエネルギー関連投資は過去最高水準に達すると見込まれております。また、自動車の電動化がさらに進展し、EVの普及が進んでおります。この変化に伴い、電源技術には高効率化が求められ、小型・軽量化が進む一方、コスト削減や信頼性確保が次の焦点となっております。 当社グループは、この市場変化を大きなビジネスチャンスと捉え、新たな顧客価値を創造し、独自のセンシング技術をより高めるとともに、培ってまいりました計測技術を組み合わせ、高付加価値製品を提供してまいります。海外販売子会社を通じてHIOKIブランドを浸透させ、売上高を伸長させるとともに、世界中のお客様に安心して当社製品をお使いいただくためのグローバルアフターサービス体制の構築に引き続き取り組んでまいります。また、「海外売上高比率70%以上」を目標に、特定の地域に依存しない売上高構成を目指してまいります。従来から生産能力の強化に努めてまいりましたが、生産の増大に対処しつつ、棚卸資産を適正な水準に保ち、生産体制の最適化と生産性の向上を図ってまいります。さらに、サステナビリティ基本方針に基づき、グループ一体となってサステナビリティ活動を推進すると同時に、情報セキュリティの向上やデジタルトランスフォーメーションに向けた取り組みも進めてまいります。 現在、インフレーションの影響により売上原価が増加しており、また、DX推進に伴う計画的な投資などにより販売費及び一般管理費も増加しておりますが、次期も製品価格の見直しを機動的に行い、収益性の改善を図ってまいります。 当社は、自社の株主資本コストを7%前後(6~8%)と推計しておりました。その後、株主・投資家との間で資本コストや資本収益性について対話を重ね、その対話内容をもとに経営会議及び取締役会で議論してまいりました。それを踏まえ、2024年8月に当社は、自社の株主資本コストの推計値を10%前後といたしました。これを受け、当連結会計年度から目標とする経営指標を「自己資本当期純利益率(ROE)15%以上」にいたしました。引き続き、保有する資本を有効に経営に投下し、売上高当期純利益率と総資産回転率を一層高め、10%前後と推計する株主資本コストを上回るROEを実現してまいります。また、「売上高営業利益率20%」につきましても、引き続き目標の達成を実現してまいります。 こうした取り組みのもと、2030年までの長期経営方針「ビジョン2030」の施策を通じ社会に貢献すると同時に、継続的に成長発展できる体制を構築してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は、次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 世界経済は、当連結会計年度においても地政学的リスクの高止まりや米国の政策不確実性の高まり、一部通貨の値動きが不安定になるなどの影響で、不透明な状況が続きました。一方で、主要国による利下げを含む広範な金融緩和が景気の底割れを防ぎ、地域によっては回復の兆しが見え始めております。脱炭素化の世界的な潮流は、企業の設備投資を牽引し、2025年のクリーンエネルギー関連投資は過去最高水準に達すると見込まれております。また、自動車の電動化がさらに進展し、EVの普及が進んでおります。この変化に伴い、電源技術には高効率化が求められ、小型・軽量化が進む一方、コスト削減や信頼性確保が次の焦点となっております。 当連結会計年度におきましては、売上高が前連結会計年度を上回り、着実な成長を遂げることができました。一方で、一部市場においては需要が当初の予測を下回り、2025年7月8日に公表した下方修正後の連結業績予想に対して若干の未達となりました。 市場別では、バッテリー市場は、EVやESS(蓄電システム)向けの堅調な需要の推移を受けて、売上高が前連結会計年度に対し増加いたしました。また、モビリティ市場及びコンポーネント市場は、EVタイプの多様化や農業用・建設用車両の電動化の進展、半導体セクターの需要増により、売上高は前連結会計年度を上回りました。一方で、エネルギー市場は、売上高が電力会社向け需要の好調を背景に中国、東南アジアで増加したものの、韓国の落ち込みが影響し、全体では前連結会計年度並みの水準にとどまりました。 顧客の所在地別では、中国の売上高が前連結会計年度比で大幅に増加し、インド、国内も増加いたしました。一方、韓国は年央の政情不安の影響を受けて大きく低迷し、9月以降に売上高が回復したものの、年間では前連結会計年度を下回りました。アメリカ、ヨーロッパも前連結会計年度の水準を下回る結果となりました。 利益面では、創業90周年記念事業に関連した一過性の費用やDX推進(ERP、CRM導入)に伴う計画的な投資の影響により販売費及び一般管理費が増加したため、営業利益、経常利益ともに前連結会計年度を下回りました。 以上により、当連結会計年度における業績は、売上高405億31百万円(前連結会計年度比3.2%増)、営業利益67億91百万円(同9.8%減)、経常利益71億6百万円(同11.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益54億57百万円(同11.8%減)となりました。 当連結会計年度末における総資産は、原材料及び貯蔵品が減少いたしましたが、建物及び構築物、退職給付に係る資産が増加したため、前連結会計年度末と比較して33億33百万円増加し、514億92百万円になりました。 負債は、未払法人税等、賞与引当金及び退職給付に係る負債が減少したため、前連結会計年度末と比較して8億2百万円減少し、75億36百万円になりました。 純資産は、利益剰余金及び退職給付に係る調整累計額が増加したため、前連結会計年度末と比較して41億35百万円増加し、439億56百万円になりました。 なお、当社グループは、電気測定器事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較して2億15百万円増加し、167億23百万円になりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、75億21百万円の収入(前連結会計年度比15.2%減)になりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益71億38百万円、減価償却費18億97百万円及び棚卸資産の減少額8億30百万円であります。主な減少要因は、法人税等の支払額21億6百万円であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、47億26百万円の支出(同26.2%増)になりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額等により、27億6百万円の支出(同24.9%減)になりました。③ 生産、受注及び販売の実績 当社グループは、電気測定器事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を行っておりません。 よって、生産実績及び受注実績につきましては製品の分類別情報を、販売実績につきましては製品の分類別情報及び顧客の所在地別情報を記載しております。 a. 生産実績 当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)前年同期比(%)自動試験装置(千円)3,589,51999.3記録装置(千円)6,251,942104.5電子測定器(千円)20,901,140106.3現場測定器(千円)8,306,51098.4周辺装置他(千円)2,290,512107.7合計(千円)41,339,625103.8 (注)金額は売価換算価額で表示しております。 b. 受注実績 受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)自動試験装置3,195,670106.81,073,12076.9記録装置6,217,131107.0613,104108.3電子測定器20,543,253107.32,233,247118.9現場測定器8,726,458102.9966,480155.7周辺装置他2,344,119109.2214,990148.2合計41,026,633106.45,100,943110.7 c. 販売実績 (a) 製品の分類別実績 当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)前年同期比(%)自動試験装置(千円)3,518,762100.4記録装置(千円)6,170,398105.5電子測定器(千円)20,187,852103.9現場測定器(千円)8,380,620100.2周辺装置他(千円)2,274,183106.8合計(千円)40,531,817103.2  (b) 顧客の所在地別実績 当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)前年同期比(%)国内(千円)14,737,407101.7海外 アジア 中国(千円)11,348,463119.0 韓国(千円)3,060,50879.0 台湾(千円)1,302,740102.3 インド(千円)1,193,865106.2 東南アジア(千円)2,201,888107.4 その他アジア(千円)25,60297.9計(千円)19,133,069107.0 アメリカ(千円)3,529,86094.5 ヨーロッパ(千円)2,471,24199.8 その他の地域(千円)660,23995.8計(千円)25,794,409104.1合計(千円)40,531,817103.2 (注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10に満たないため、記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。① 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。 この連結財務諸表の作成に当たり、連結会計年度末における資産、負債の金額、及び連結会計年度における収益、費用の金額に影響を与える重要な会計方針及び各種引当金等の見積り方法(計上基準)につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。 また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 なお、見積り、判断につきましては、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a. 経営成績等の状況 世界経済は、当連結会計年度においても地政学的リスクの高止まりや米国の政策不確実性の高まり、一部通貨の値動きが不安定になるなどの影響で、不透明な状況が続きました。一方で、主要国による利下げを含む広範な金融緩和が景気の底割れを防ぎ、地域によっては回復の兆しが見え始めております。脱炭素化の世界的な潮流は、企業の設備投資を牽引し、2025年のクリーンエネルギー関連投資は過去最高水準に達すると見込まれております。また、自動車の電動化がさらに進展し、EVの普及が進んでおります。この変化に伴い、電源技術には高効率化が求められ、小型・軽量化が進む一方、コスト削減や信頼性確保が次の焦点となっております。 当連結会計年度におきましては、売上高が前連結会計年度を上回り、着実な成長を遂げることができました。一方で、一部市場においては需要が当初の予測を下回り、2025年7月8日に公表した下方修正後の連結業績予想に対して若干の未達となりました。 市場別では、バッテリー市場は、EVやESS(蓄電システム)向けの堅調な需要の推移を受けて、売上高が前連結会計年度に対し増加いたしました。また、モビリティ市場及びコンポーネント市場は、EVタイプの多様化や農業用・建設用車両の電動化の進展、半導体セクターの需要増により、売上高は前連結会計年度を上回りました。一方で、エネルギー市場は、売上高が電力会社向け需要の好調を背景に中国、東南アジアで増加したものの、韓国の落ち込みが影響し、全体では前連結会計年度並みの水準にとどまりました。 顧客の所在地別では、中国の売上高が前連結会計年度比で大幅に増加し、インド、国内も増加いたしました。一方、韓国は年央の政情不安の影響を受けて大きく低迷し、9月以降に売上高が回復したものの、年間では前連結会計年度を下回りました。アメリカ、ヨーロッパも前連結会計年度の水準を下回る結果となりました。 利益面では、創業90周年記念事業に関連した一過性の費用やDX推進(ERP、CRM導入)に伴う計画的な投資の影響により販売費及び一般管理費が増加したため、営業利益、経常利益ともに前連結会計年度を下回りました。 また、目標とする経営指標の一つであります売上高営業利益率につきましては、当連結会計年度においては20%を目標に掲げてまいりましたが16.8%となり、誠に遺憾ながら目標未達となりました。売上高営業利益率を改善させるため、開発面では、重点市場として捉えております、バッテリー、デバイス、エネルギーの各分野に向けて顧客密着で高付加価値製品の開発を進め、製品を販売してまいります。 販売面では、3月にベトナム子会社を設立し、アジア地域での販売網の強化に取り組んでまいりました。グローバル営業本部を中心に、顧客管理や販売・プロモーション管理の一元化を図り、効率的な営業活動を展開しております。 目標とする経営指標の一つであります自己資本当期純利益率(ROE)につきましては、当社は15%以上を目標に掲げております。当連結会計年度は、利益剰余金及び退職給付に係る調整累計額の増加に伴い純資産が拡大したことから、自己資本当期純利益率(ROE)は13.0%となり、前連結会計年度の16.1%から低下しました。これにより目標値には届かず、引き続き改善に向けた取り組みが必要な状況です。 また、もう一つの目標とする経営指標であります海外売上高比率につきましては、70%以上を目標に掲げて おります。当連結会計年度の実績は63.6%と未達となりました。今後は、海外販売子会社を中心にHIOKIブラン ドの浸透を図り売上高を伸長させるとともに、世界中のお客様に安心して当社製品をお使いいただくためのグ ローバルアフターサービス体制の構築に引き続き取り組んでまいります。 なお、当連結会計年度における製品区分別の状況は、次のとおりであります。(自動試験装置) トランプ関税による世界の自動車貿易の混乱を受け、自動車市場向けを主力とするジグ型の実装基板検査装置が大きく低迷した一方、AI向け半導体業界の活況が続いており、前連結会計年度に投入したベアボード検査装置は順調に受注高を伸ばしました。当連結会計年度は、この半導体基板市場に向け、最先端の高密度ICパッケージの検査を可能とする新型のベアボード検査装置を投入し、受注を開始いたしました。 この結果、売上高は35億18百万円(前連結会計年度比0.4%増)、受注高は31億95百万円(同6.8%増)となりました。(記録装置) データロガーは、バッテリー市場や自動車市場を中心に順調に売上高を伸ばしました。また、より高速な信号を記録するメモリハイコーダの分野は目立った変化はないものの、国内を中心にインフラ設備の保全などで安定した需要が継続いたしました。世界的な配電網整備の重要性を背景に、海外市場での需要拡大を目指し、主力機種において基本性能を大きく向上させるモデルチェンジを実施いたしました。 この結果、売上高は61億70百万円(同5.5%増)、受注高は62億17百万円(同7.0%増)となりました。(電子測定器) AIデータセンターを起因とするGPUなどの技術革新により、デバイスの信頼性を高めるための検査やエネルギーのバックアップなどの分野で新しい市場が生まれ、関連分野からの受注が活発になっております。また、バッテリーの発火事故による社会的問題を背景に、より信頼性の高い検査への需要が増加し、当社製品がそのニーズに応えることで市場から高い評価を獲得いたしました。電子部品向けの量産設備は減少傾向が続きましたが、前連結会計年度で落ち込んだEVのR&D市場には回復傾向がみられます。当連結会計年度は、その中でも成長が期待されるエネルギー分野、デバイス分野、バッテリー分野それぞれに、業界最高性能や業界初の機能を搭載した複数の新製品を投入いたしました。 この結果、売上高は201億87百万円(同3.9%増)、受注高は205億43百万円(同7.3%増)となりました。(現場測定器) データセンターを中心とした最新のIT設備への旺盛な投資を受け、価格競争の影響を受けにくく、高い信頼性が求められる現場測定器の市場は、堅調に成長を続けております。韓国における年央の政情不安により、大幅な受注高の減少がありましたが、それも9月以降には解消され、グループ全体で見ると受注高は増加しております。また、一部のアナログ製品をデジタルへ転換し、製品の生産性と信頼性を向上させる取り組みを進めております。 この結果、売上高は83億80百万円(同0.2%増)、受注高は87億26百万円(同2.9%増)となりました。b. 資本の財源及び資金の流動性について 当社グループの資金需要の主なものは、材料費、人件費、新製品開発に必要な研究開発費、営業費用、管理費用及び設備投資資金であります。これらの資金需要につきましては、自己資金を充当しております。  当社グループの経営方針、経営戦略につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に、経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

事業リスク

日置電機グループは、人材の確保と育成が計画通りに進まない場合、業績に影響が出る可能性があります。また、人権侵害が発生した場合には、社会的信用の失墜や損害賠償により業績に影響を及ぼすリスクがあります。製造業の設備投資動向の変動、特に金融市場の不安定化などが予測を超えて発生した場合、売上高に影響が出る可能性があります。海外売上高比率が高いため、中国を中心としたアジア地域の地政学的リスク、経済動向、法規制、大幅な為替変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、製品の品質問題やサプライチェーンにおける原材料の供給不足、価格高騰、輸送費の変動も業績に影響を与える可能性があります。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|6,135 文字
3【事業等のリスク】 当社及び子会社は、様々なリスクに対するリスクアセスメントと未然防止手続及び発生した場合の対処方法等を定めた「リスク管理規程」及び「危機対応規程」を制定しております。当社の代表取締役社長は、リスク管理・危機対応責任者として当社及び子会社のリスク管理・危機対応を総括しております。当社の各部門及び子会社は、当該規程に従って業務を遂行し、企業集団全体のリスクの回避と損失の軽減に努めております。 当社の各部門及び子会社は、年に一度リスクアセスメントを実施し、適切な措置を講じております。この結果を踏まえ、リスク管理を主管する当社の総務推進部は必要に応じて部門責任者と子会社社長へのヒアリングを実施し、各リスクの抽出に不足がないか確認することとしております。また、同時に各リスクに対する対応方法を確認することとしております。 当社の各部門及び子会社に対するリスクアセスメント結果は当社の経営会議で毎年度評価しております。リスク管理者である当社の総務本部長はその内容を取締役会に報告し、必要な監督を受けることとしております。重要な事案は、取締役会で改善策を審議し決定することとしております。 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等に与える定量的な影響については、合理的に予測することが困難であると考えており、記載しておりません。 (1)人材に係るリスク 当社グループの成長の源泉は、企業理念に共感し自己成長する国内外の社員であります。当社グループは「業界のフロントランナーとして『測る』を進化させ続け、世界のお客様と共に持続可能な社会をつくるソリューションクリエイターになる」ことをビジョンに掲げており、人事制度を不断に見直し、社員が自律的に働ける環境を整備しております。現在、グループ各社で人材を採用するとともに教育と訓練による育成をしておりますが、計画どおり進められないリスクがあり、その場合当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (2)人権に係るリスク 当社グループは、社員行動規範及び資材調達基本方針に基づき事業活動における人権尊重の取り組みを推進しております。また、グループ各社の社員を対象にコンプライアンス、人権に関する啓発活動を継続的に実施するとともに、グループ各社の社員を利用対象とする内部通報制度を運営しており、人権侵害が疑われる行為があった際に適切に対処ができる仕組みを導入しております。また、今後サプライチェーンを含めた人権尊重の取り組みを強化していく方針であります。しかしながら、当社グループにおいて人権侵害等の事象が発生した場合、社会的信用の喪失、顧客との取引停止、損害賠償責任の発生等により当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (3)設備投資動向に係るリスク 当社グループは、電気測定器の開発、生産、販売・サービスを行っております。製品のユーザーは主として製造業であり、業種としては電機関係を中心に自動車、電子部品、環境・新エネルギー等多岐にわたっております。そのため、当社グループの売上高は、基本的には製造業の設備投資動向に影響を受けやすい傾向にあります。 当社は研究開発型企業であり、新分野に製品を投入し売上高の拡大を図っております。また、グループ各社とともに各地域及び各業種の市況や設備投資動向を常時注視し、必要な施策を迅速に講じております。しかしながら、金融市場の不安定化を含む各種の要因で、当社の予測を超える製造業の設備投資動向の変動が生じた場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (4)海外売上高に係るリスク 輸出強化の方針のもと、米国、中国、シンガポール、韓国、インド、ドイツ、台湾、インドネシア、タイ、アラブ首長国連邦、ベトナムに子会社を設立し、海外市場の開拓に注力してまいりました。その結果、海外売上高比率は、2025年12月期は63.6%(2024年12月期は63.1%)になりました。 欧米地域の売上高伸長に向けた施策を継続して実施しておりますが、現在は特に中国を中心とするアジア地域の構成比率が高く、今後当該地域の地政学的リスク、経済動向や各国における様々な法規制が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、海外売上高の増加に伴い、大幅な為替変動が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)品質に係るリスク 当社グループは、国内外の幅広い業種の顧客に対して電気測定器を提供しております。当社グループは、製品の生産に当たり、設計管理・工程管理・各種評価試験・仕入先など協力者への監査や指導等を通じ、開発段階から出荷に至る全ての段階で品質の作り込みを行う品質保証体制の整備に努めております。 しかし、当社の想定を超える事故が発生する可能性は否定できず、品質に関わる重大な問題が起こった場合には、多額の損害賠償金等の費用の発生や売上高の減少等により、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (6)サプライチェーンに係るリスク 当社グループは、原材料の購入から生産、販売までの一連の流れにおいて最適なサプライチェーンの構築に取り組んでおります。 当社グループは、バッテリー、デバイス、インフラ等の重点市場及び幅広い市場の顧客ニーズに適時にお応えするため、多品種少量・変種変量生産を可能とする生産体制を構築するとともに、アフターサービス体制の充実を図っております。そのため、当社グループにおいては、原材料の安定的な調達が不可欠であります。主要原材料は電気・電子部品及びレアメタルを含む金属、プラスチック等の材料部品であり、電子回路部品については半導体市場の動向によって需給が大きく変化し、そのスピードが速いことが特徴となっております。半導体部品を中心とした部品価格の高騰は落ち着きを見せ、様々な在庫低減に向けた取り組みを進めた結果、棚卸資産の残高は減少いたしましたが、依然として適正な水準には至っていない状況です。また、金属材料部品、プラスチック材料部品については原材料価格、原油価格及び為替変動の影響を受けております。 当社グループは、調達先と緊密なコミュニケーションを取り、材料部品の供給不足による生産停止を招かないよう安定的な調達活動を進めております。さらに、コストダウン努力及び製品の高付加価値化により原材料価格、原油価格及び為替変動が業績に与える影響を解消していく方針でありますが、今後これらの原材料の需給状況及び価格が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 さらに米国の関税政策の長期化が世界貿易の停滞とサプライチェーンの混乱を招く可能性があり、今後これらの原材料の需給状況及び価格が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、海外の顧客に対して空輸を中心として電気測定器を出荷、輸送しております。輸送に関する費用は、市場の需給及び原油価格等の影響を受けております。 当社グループは、効率的な物流体制の構築及び物流コストの低減に努めていく方針でありますが、今後輸送に関する需給状況及び価格が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7)設備投資計画に係るリスク 従来当社グループの設備投資は研究開発及び生産の合理化等に関連した更新投資が中心でありました。しかしながら、より一層の研究・開発効率の向上と技術革新の推進を目指し、研究棟(2015年3月竣工)を建設し、それ以降、高額な実験研究設備への投資を積極的に進めております。また、増大する受注に対応するため本社工場の増床・増築工事と動線改善のための投資をするとともに、本社工場から約2kmに立地する土地建物を取得し、2024年7月に上田第二工場として稼働いたしました。 当該設備投資は当社グループの事業拡大に寄与するものと認識しておりますが、従来の設備投資と比較すると多額なものであることから、場合によっては当該設備投資に係る減価償却費負担の増加等により当社グループの業績圧迫要因となる可能性があります。 (8)競合に係るリスク 現在、脱炭素化に向けた世界的な流れから世界各国で企業の設備投資の拡大が継続しており、重点市場における電気測定器市場の成長が期待されております。当社グループは、世界的な新製品の開発により事業拡大を図ることを目指しておりますが、競合企業の新規参入や競争の激化、当社グループの技術開発力の劣後等の要因により、競合企業と価格競争になるケースが想定され、これが当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (9)知的財産に係るリスク 当社グループは、知的財産権を重要な経営資源の一つであると考えております。そのため、知的財産権保護とそれに関連して発生する紛争の回避は重要な経営課題と考えており、知財部門にて必要な業務を進めております。 当社グループの知的財産権が侵害されたり、特定の国・地域で十分な保護を受けられない場合、当社グループの事業活動と業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループが意図しない形で第三者の特許を侵害するに至った場合や、その他知的財産権に関する紛争が発生した場合には、当社グループの事業活動と業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)為替変動に係るリスク 当社グループは、グローバルに事業を展開しており、取引通貨の多くは人民元・米ドル・韓国ウォン・ユーロ等、日本円以外の通貨であります。これらの通貨に対する急激な為替相場の変動は売上高や利益の増減等、損益に影響を与えます。また、海外における資産や負債価値は、財務諸表上で日本円に換算されるため、為替レートの変動の結果、換算差による影響が生じます。当社では、総務本部財務経理部にて為替相場を継続的にモニタリングしており、適宜必要な対応を取っておりますが、急激又は大幅な為替レートの変動等は、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (11)税制に係るリスク 当社グループは、グローバルに事業を展開しております。国内はもとより、米国、中国、韓国等の国・地域に販売子会社を設立し事業運営をしており、各国・地域の税制に基づき納税をしております。当社は、国内外のグループ各社とともに各国・地域の税制等の概要、改正動向を適宜把握するとともに、国境を越える当社グループ会社間の取引価格の設定で適用される移転価格税制の遵守に努めております。しかしながら、想定しない税制改正が行われたり、税務当局から取引価格が不適切であるとの指摘を受け、追徴課税や二重課税が生じたりすることで当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (12)情報セキュリティに係るリスク 当社グループは、事業上の重要情報及び事業を展開する上で入手した顧客、他企業の機密情報、取引先関係者や従業員の個人情報等を保有しております。これらの情報は、外部流出や破壊、改竄等が起こらないように、グループ全体で管理体制を構築し、ITセキュリティ、施設セキュリティの強化、ITリテラシー向上のための社員教育等の施策を実行しております。しかしながら、想定した防御水準を上回る技術によるサーバーへの攻撃や社内における過失や盗難等により、これらの情報が流出、破壊もしくは改竄される可能性を完全に回避することは困難であり、また情報システムの停止等が発生する可能性があります。 このような事態が生じた場合には、適切な対応を行うための費用負担が生じるとともに、信用低下、被害を受けた方への損害賠償金等の費用の発生、又は業務の停止等により、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 また、近年では各国でのデータ規制やAI利用制限等のデジタル規制が強化されており、これらの規制対応が求められる場面が増加しております。こうした規制の強化により、当社グループの新製品開発やサービス提供、海外事業展開に制約が生じることがあり、これが当社グループの事業活動や競争力、業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (13)自然災害等に係るリスク 当社グループは、自然災害、火災、戦争及びテロ行為、感染症の流行等が発生した際には、「リスク管理規程」に基づき全社でリスク低減を図る体制を構築しております。しかしながら、国内外における想定を超えた大規模自然災害(地震、津波、台風、水害等)やそれに起因する大規模停電及び電力不足、戦争及びテロ行為による社会的混乱、未知の感染症の流行によって大きな被害を受ける可能性があります。これらの予期せぬ事象が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (14)棚卸資産の評価に係るリスク 当社グループの棚卸資産の評価は、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法によっております。製品のライフサイクル期間や修理保証期間を踏まえて決定した一定の回転期間を超える品目がある場合には、その回転期間に応じて規則的に帳簿価額を切り下げる方法を採用しております。また、正味売却価額が帳簿価額を下回っている商品及び製品に対する評価につきましては、正味売却価額まで帳簿価額を切り下げる方法を採用しております。 市場の設備投資動向や競合製品による需要の低迷を受け、各品目の回転期間に変動が生じる場合があります。このような場合、棚卸資産評価損の追加計上が必要となる可能性があり、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (15)気候変動に係るリスク 現在、気候変動に対する取り組みが国内外で進められており、当社グループは、これを重要な事業機会と捉え、電気測定器事業を通じて持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めております。しかしながら、気候変動に伴う市場環境の変化に対応できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、気候変動に伴い国内外で自然災害の激甚化が進んでおります。当社グループの各拠点で様々な自然災害への備えをしておりますが、予測し得ない被害が生じる可能性があり、このような場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 なお、国際的に確立された開示の枠組みであるTCFDに基づく当社の取り組みを最新のコーポレート・ガバナンスに関する報告書に掲載しております。

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