経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループでは、独自の強みである「混合分散(まぜる)」「精密塗布(ぬる)」「高精度成形(かためる)」を柱とする「アナログコア技術」に立脚した事業を成長の主軸と位置付け、事業ポートフォリオ改革を進めるとともに、すべてのステークホルダーに最高の価値を提供する「価値創出企業」となることをめざしています。また、以下を経営の基本方針としています。a.経営理念当社グループは、その創業の精神である“和協一致”、“仕事に魂を打ち込み”、“社会に奉仕したい”を継承しつつ、「和協一致 仕事に魂を打ち込み 社会に貢献する」を社是とし、今後もマクセル人としての誇りを堅持し、優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献することを基本理念とします。あわせて、企業が社会の一員であることを深く認識し、公正かつ透明な企業行動に徹するとともに、環境との調和、積極的な社会貢献活動を通じ、良識ある市民として真に豊かな社会の実現に尽力します。b.ミッション当社グループは、優れた技術や製品の開発を通じて持続可能な社会に貢献することをめざし、「独創技術のイノベーション追求を通じて持続可能な社会に貢献する」をミッションとします。c.ビジョン当社グループは、すべてのステークホルダーにとってのMaximum Excellence(最高の価値)を創造する「価値創出企業」となることをめざし、「独自のアナログコア技術で、社員・顧客・社会にとってのMaximum Excellenceを創造する」をビジョンとします。d.バリュー当社グループがステークホルダーに対して提供し続けるべき価値や強みを、Technological Value(技術価値)、Customer Value(顧客価値)、Social Value(社会価値)の3点とします。ミッションとビジョンの実現に向け、これらの価値を大切にしていきます。e.スローガン当社グループ共通のブランドスローガン(合言葉)を「Within, the Future」-未来のなかに、いつもいる-、とします。f.マクセルグループ行動規範当社グループの事業活動における共通の規範であるマクセルグループ行動規範を、今後も当社グループの経営に当たって遵守していきます。g.コーポレートガバナンス・ガイドライン当社グループの内部統制システムを構築するための基本方針であるコーポレートガバナンス・ガイドラインに従い、経営における意思決定の透明性を高め、今後もコーポレートガバナンス体制の充実と強化を図り、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上をめざします。 上記の経営の基本方針に関わるキーワードとした、ミッション、ビジョン、バリュー、スピリット、スローガン(MVVSS)の5項目は以下のとおりです。項目内容MISSION (ミッション:当社グループが果たすべき使命)「独創技術のイノベーション追求を通じて持続可能な社会に貢献する」VISION (ビジョン:当社グループが実現したい未来)「独自のアナログコア技術で、社員・顧客・社会にとってのMaximum Excellenceを創造する」VALUE (バリュー:当社グループが約束する価値・強み)当社グループは、3つの価値創出を通じて、すべてのステークホルダーに企業価値の最大化を約束します。・Technological Value (技術価値)独創性と技術力を誠実に追求し、新たな価値を生みつづけます。・Customer Value (顧客価値)お客様のニーズに応え、安心・安全な製品を提供するため、期待を超えるモノづくりをつづけます。・Social Value (社会価値)豊かで持続可能な社会の実現のため、世の中の変化をとらえながら、あらゆる課題に挑戦しつづけます。SPIRIT (スピリット:当社グループが大切にする精神)社是「和協一致 仕事に魂を打ち込み 社会に貢献する」SLOGAN (スローガン:当社グループ共通のスローガン)ブランドスローガン「Within, the Future」-未来の中に、いつもいる- なお、本経営の基本方針については、2021年3月期以降、経営トップによるタウンホールミーティングを主要拠点において順次開催し従業員に直接説明を行ったほか、社内報や社内ホームページも活用し、当社グループ全体への浸透を図っています。 (2) 経営環境当連結会計年度のグローバルの経済環境は、米国は堅調に推移し、日本国内と欧州では緩やかな回復基調となった一方で、中国経済は低調に推移しました。また、当社の事業概況としては、自動車市場の成長鈍化による一部の車載用製品への影響や、半導体関連製品において当社顧客の在庫調整が長期化するなど厳しい状況もあったものの、医療機器用などの一次電池では需要が順調に拡大し、加えて、輸出製品を中心に円安が好要因となりました。2026年3月期以降は、トランプ政権による相互関税の導入など政策転換の動向にも注視が必要な状況となっています。当社グループは、2026年3月期以降も事業ポートフォリオ改革や徹底した原価低減策を継続するとともに、企業価値向上に向けた諸施策を進めていくこととしています。 (3) 当社グループが対処すべき課題及び経営戦略当社グループは、「アナログコア技術」に立脚した競争力のある製品・サービスを強化し、成長が期待される分野において販売を拡大し、当社グループの事業の柱としていくことを基本戦略としています。 a. 中期経営計画「MEX26」2025年3月期から2027年3月期までの3年間の中期経営計画MEX26の策定にあたっては、当社グループが2030年に実現したい姿である「独自のアナログコア技術で、社員・顧客・社会にとってのMaximum Excellence(最高の価値)を創造する」の実現に向け、世界経済や社会におけるメガトレンドを捉え、注力3分野を定義しました。各注力分野における成長事業を定め、先行開発の推進や新市場の開拓活動強化、積極的な設備投資など経営資源を重点的に配分することで成長戦略の柱とするとともに、事業ポートフォリオ改革の加速による事業基盤の強化、さらには人財育成の強化やサステナビリティ経営の推進など経営基盤の強化にも取り組んでいきます。MEX26の最終年度である2027年3月期の経営目標は以下のとおりです。 MEX26 2027年3月期経営目標: 連結売上高 150,000百万円 連結営業利益 12,000百万円 連結営業利益率 8.0% ROIC 7.5% ROE 10.0% MEX26の初年度である当連結会計年度は、前連結会計年度との比較で、売上高は129,139百万円から129,806百万円、営業利益は8,083百万円から9,318百万円、営業利益率は6.3%から7.2%、ROICは5.0%から5.8%となりましたが、ROEは角形リチウムイオン電池の生産終了に伴う営業費用及び特別損失を計上したことにより、8.5%から4.4%となりました。MEX26の基本方針は「価値(企業価値・利益成長)にこだわる」としています。引き続きPBR1.0倍超の実現も念頭に置き、MEX26の期間においては総還元性向100%以上を目安として株主還元策を強化するとともに、MEX26の2027年3月期経営目標の達成をめざします。 b. 注力3分野及び成長戦略当社グループは、MEX26の策定にあたり、モビリティ革命、ICT/AI革命、人/社会インフラ高度化といったメガトレンドの中での「アナログコア技術」による人、生活、社会の品質向上への貢献を念頭に置き、「モビリティ」「ICT/AI」「人/社会インフラ」を新たな注力3分野としました。 上記の注力3分野に関わる市場環境は以下のとおりです。 (モビリティ)モビリティ分野では、ADAS (Advanced Driver Assistance System)、CASE (Connected、Autonomous、Shared、Electric)、MaaS(Mobility as a Service)など、安全運転支援機能の拡充、自動運転化や電動化、移動手段の革新などが予想され、関連した部品・材料などの需要が中長期的に増加していくと考えています。なかでも、自動車を中心とした移動体の「安心・安全」が普遍的価値として求められています。当社グループは、自動運転、カーボンニュートラル、死亡事故ゼロなどの実現に向け、タイヤセンシング用の耐熱コイン形リチウム電池、自動運転センシング用の車載カメラ用レンズユニットやLEDヘッドランプレンズ、車載用リチウムイオン電池の材料である塗布型セパレータを成長事業と位置づけ、先行開発と積極的な投資により事業拡大を図ります。なお、当社グループは、技術革新に合わせて競争力のある製品開発を行い市場に投入していきますが、自動車市場が安定して成長することが極めて重要です。世界の自動車生産台数は、2023年の約87百万台から2024年は約89百万台となるなど、今後も緩やかな成長が続く見通しです。当連結会計年度においては、主に欧州市場の低迷の影響により、一部の車載用製品が減収となりました。 (ICT/AI)ICT/AI分野では、人が直接使用する機器のデジタル化の進展、クラウドサービス、SNSや言語・画像生成AIの普及拡大やこれに伴う通信データ量の急増、自動車の電動化などを各種半導体が支えており、半導体市場は今後も拡大すると予想されます。当社グループは、半導体製造装置向け組込みシステム、半導体の製造工程で使用される電鋳製品や半導体製造工程用テープを成長事業と位置づけ、既存市場におけるポジションをより強固にするとともに海外も含めた新市場・新顧客への事業拡大を図ります。なお、当社グループの事業においては、半導体や半導体を使用する情報通信機器や自動車などの需要動向が影響します。当連結会計年度においては、半導体関連製品の一部で顧客の在庫調整の影響による減収がありました。 (人/社会インフラ)人/社会インフラ分野では、QOL(Quality of Life)の向上や健康寿命の引き上げ、労働生産性の向上や人手不足への対応、社会インフラの適切な更新やメンテナンス、省エネ化や再生エネルギーへの転換など、人、生活、社会の持続可能性が求められています。当社グループは、医療機器用一次電池、筒形リチウム電池、建築・建材用テープを成長事業と位置づけ、人、生活、社会に関連した広範な市場における今後の需要拡大に合わせて事業拡大を図ります。また、今後の成長が期待される全固体電池については、顧客量産用に納入を開始しており、FA機器やインフラ・プラント設備向けなどの産業機器用を中心に、早期の業績貢献を実現することをめざしていきます。 当社グループは、上記の成長戦略を柱として、積極的な設備投資も加速させ、2027年3月期の経営目標の達成をめざしていきます。MEX26における注力分野別の成長事業とその基本戦略及び強み、は以下のとおりです。 (モビリティ)成長事業事業セグメント基本戦略強み耐熱コイン形リチウム電池(耐熱CR)エネルギー・世界トップシェア(*)維持・アナログコア技術の活用による安全性に対する信頼獲得(差別化実現)・TPMSモジュール小型化需要に合わせた高付加価値製品の生産拡大(技術優位性発揮)・法制化による市場拡大への対応・路面センシング需要拡大に合わせた先行開発(Tier1との共同開発)・厳しい環境での動作 温度:-40℃~+125℃ 加速度:2,000G(タイヤ直貼り用途3,000G)・トップメーカーとしての市場実績車載カメラ用レンズユニット光学・システム・グローバルでトップグループのシェア(*)維持・全天候対応レンズ(クリーニング機能)・オールプラスチックレンズユニットによる差別化・拠点別の生産機種最適化・自動化による生産効率向上・非球面ガラス・プラスチックレンズの組み合わせによる高精度・高耐久性・低コストの実現LEDヘッドランプレンズ光学・システム・世界トップシェア(*)維持・複合レンズ/ADB用レンズの受注獲得・自由曲面光学設計・高精度成形技術・金型設計から成形まで一貫生産の品質実績塗布型セパレータ機能性部材料・xEV市場の拡大に向けた生産設備の増強・アナログコア技術の活用による安全性に対する信頼獲得(差別化実現)・国内OEMを中心とした新規採用車種の拡大・UBE㈱との連携強化による製品開発・販路拡大・車載用途以外の新規需要獲得・電池メーカーとしての経験値の活用(競争優位性)・高速均一塗布技術による製造力 * 当社による推計 (ICT/AI)成長事業事業セグメント基本戦略強み半導体製造工程用テープ機能性部材料・アジアを中心とした高付加価値製品の販売拡大・技術営業強化による新規半導体メーカー・OSATへの展開加速・材料メーカーとの協力による基材・粘着剤の開発力強化・薄膜・平滑塗布技術による安定・高品質製品の製造力・高い初期粘着力と優れた剥離性の両立・特殊粘着剤の設計技術力によるウェハ・パッケージ表面の低汚染性電鋳製品(EF2)光学・システム・複雑化・微細化など顧客ニーズへの対応・コスト対応力強化による中国・台湾・東南アジア市場でのシェア拡大・新規開拓・超高精細化に対応した技術確立・独自の電気鋳造技術により、小孔形成、高精度の孔寸法、高硬度などを実現可能半導体関連組込みシステム(半導体DMS)光学・システム・世界シェアの高い半導体製造装置メーカーとの長期取引による信頼構築と技術力蓄積(競争優位性)・半導体市場の拡大に合わせた生産能力増強・半導体製造装置メーカーとの長期にわたる信頼関係と対応技術力 (人/社会インフラ)成長事業事業セグメント基本戦略強み医療機器向け一次電池エネルギー・アナログコア技術の活用による高い信頼性獲得(差別化実現)・CGM(連続式血糖値モニタリング)機器の小型化に対応した製品開発と早期量産立ち上げ・需要拡大に合わせた増産体制構築・耐熱CRで培った封止技術、長寿命技術による医療用電池としての高い安全性・信頼性・幅広い製品ラインアップによる医療機器の小型化への対応筒形リチウム電池エネルギー・ガス、水道スマートメーター用途での事業拡大・IoT関連顧客のマーケティング強化・市場拡大に対応した増産体制構築・独自の電極技術と耐熱CRで培った長寿命技術で高容量と長期信頼性を実現建築・建材用テープ機能性部材料・大手住宅メーカーへの参入・OEM獲得に向けた活動強化・東南アジアは世帯数の多いインドネシア市場に注力・北米気密住宅向けに売上拡大・物量増加に伴う増産体制構築・さまざまな施工環境下で課題解決ができる気密・防水部材ラインアップ・各国の住環境に合わせたカスタマイズ製品対応新規事業事業セグメント基本戦略強み全固体電池エネルギー・インフラ、医療機器などの用途開拓による採用数、規模の拡大・セラミックパッケージ型全固体電池の用途展開・全固体電池モジュールの適用拡大・中型全固体電池の製品化(大容量化)・耐熱・長寿命特性の向上・受注増や新規開発完了に合わせた逐次投資・混合分散・高密度成形・気密封止の各技術による高耐熱・長寿命・絶対的な安全性と信頼性・材料開発、保護回路開発など上下流企業との協力関係 * 当社による推計 c. 経営体制の強化当社は、業務執行に係る迅速な意思決定及び経営の効率化を図るため、執行役員制度を採用しております。2025年3月期より執行役員体制を強化しており、業務執行責任を明確化するとともに、コーポレートガバナンスのさらなる強化を図っています。 d. コーポレートブランドの構築多様なステークホルダーとのコミュニケーションに対する投資を継続してブランド価値の向上を図ります。特に若年層を中心とした消費者にマクセルブランドを浸透させることが、中長期的な成長に向けた重要なテーマであると考えています。マクセルユニーク追求による脱コモディティへのブランディング、パブリシティ、SNSの活用強化、CSV(Creating Shared Value 共通価値創造)の推進、株主・投資家等との積極的な対話を基本施策としてコーポレートブランドの構築に取り組みます。 e. 資本効率性の向上当社グループは、資本効率性の向上を経営課題に掲げています。株主の皆様からの投資に対するリターンを高めるべく、資本効率性を向上する経営の実践に取り組みます。成長のための投資を十分に確保する一方、投資案件を厳選することによって、投資額に対する収益率を高めていきます。このため、すべての事業部門においてROICを重要経営指標として認識し、その向上に向け運用を強化するとともに、資本効率性を踏まえた株主還元策を実施していきます。 また、中期的な経営戦略の実践のために当社グループが対処すべきその他の課題は次のとおりです。 人財育成の強化当社グループは、人財の育成と活用を企業経営における最優先事項のひとつであると認識しています。経営環境の変化を捉えた効率的な人財配置の実践、公正で透明性のある人事評価制度の運用により価値に貢献した従業員に報いていくとともに、ダイバーシティ&インクルージョンをさらに深化させ、従業員のエンゲージメントの向上を図り、元気で活力のある企業をめざしていきます。当社グループの人的資本などのサステナビリティに関する考え方や取り組みの詳細につきましては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。 サステナビリティを意識した企業経営当社グループは、中長期的な企業価値の向上に向け、すべてのステークホルダーの視点に立った経営施策を実施していくことが重要であると考えています。特に、サステナビリティを意識して企業価値を向上させることは、企業経営における最重要課題のひとつであると認識しています。当社グループの気候変動対応などのサステナビリティに関する考え方や取り組みの詳細につきましては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。また、リスク管理体制の強化や内部統制システムの整備によりコンプライアンス経営の徹底を推進します。特に、独占禁止法をはじめとする法令遵守の徹底につきましては、日本だけでなく欧米・アジアにおいても強力に推進していきます。当社グループは、これらの施策を通じて、すべてのステークホルダーから信頼される企業グループをめざしていきます。 コーポレートガバナンスの強化持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目的に2015年10月に「コーポレートガバナンス・ガイドライン」を制定しており、適正な情報開示と透明性の確保に努め、取締役会の役割・責務を適切に果たすとともに、株主及び投資家との建設的な対話(エンゲージメント)をさらに活性化させていきます。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループでは、独自の強みである「混合分散(まぜる)」「精密塗布(ぬる)」「高精度成形(かためる)」を柱とする「アナログコア技術」に立脚した事業を成長の主軸と位置付け、事業ポートフォリオ改革を進めるとともに、すべてのステークホルダーに最高の価値を提供する「価値創出企業」となることをめざしています。また、以下を経営の基本方針としています。a.経営理念当社グループは、その創業の精神である“和協一致”、“仕事に魂を打ち込み”、“社会に奉仕したい”を継承しつつ、「和協一致 仕事に魂を打ち込み 社会に貢献する」を社是とし、今後もマクセル人としての誇りを堅持し、優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献することを基本理念とします。あわせて、企業が社会の一員であることを深く認識し、公正かつ透明な企業行動に徹するとともに、環境との調和、積極的な社会貢献活動を通じ、良識ある市民として真に豊かな社会の実現に尽力します。b.ミッション当社グループは、優れた技術や製品の開発を通じて持続可能な社会に貢献することをめざし、「独創技術のイノベーション追求を通じて持続可能な社会に貢献する」をミッションとします。c.ビジョン当社グループは、すべてのステークホルダーにとってのMaximum Excellence(最高の価値)を創造する「価値創出企業」となることをめざし、「独自のアナログコア技術で、社員・顧客・社会にとってのMaximum Excellenceを創造する」をビジョンとします。d.バリュー当社グループがステークホルダーに対して提供し続けるべき価値や強みを、Technological Value(技術価値)、Customer Value(顧客価値)、Social Value(社会価値)の3点とします。ミッションとビジョンの実現に向け、これらの価値を大切にしていきます。e.スローガン当社グループ共通のブランドスローガン(合言葉)を「Within, the Future」-未来のなかに、いつもいる-、とします。f.マクセルグループ行動規範当社グループの事業活動における共通の規範であるマクセルグループ行動規範を、今後も当社グループの経営に当たって遵守していきます。g.コーポレートガバナンス・ガイドライン当社グループの内部統制システムを構築するための基本方針であるコーポレートガバナンス・ガイドラインに従い、経営における意思決定の透明性を高め、今後もコーポレートガバナンス体制の充実と強化を図り、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上をめざします。 上記の経営の基本方針に関わるキーワードとした、ミッション、ビジョン、バリュー、スピリット、スローガン(MVVSS)の5項目は以下のとおりです。項目内容MISSION (ミッション:当社グループが果たすべき使命)「独創技術のイノベーション追求を通じて持続可能な社会に貢献する」VISION (ビジョン:当社グループが実現したい未来)「独自のアナログコア技術で、社員・顧客・社会にとってのMaximum Excellenceを創造する」VALUE (バリュー:当社グループが約束する価値・強み)当社グループは、3つの価値創出を通じて、すべてのステークホルダーに企業価値の最大化を約束します。・Technological Value (技術価値)独創性と技術力を誠実に追求し、新たな価値を生みつづけます。・Customer Value (顧客価値)お客様のニーズに応え、安心・安全な製品を提供するため、期待を超えるモノづくりをつづけます。・Social Value (社会価値)豊かで持続可能な社会の実現のため、世の中の変化をとらえながら、あらゆる課題に挑戦しつづけます。SPIRIT (スピリット:当社グループが大切にする精神)社是「和協一致 仕事に魂を打ち込み 社会に貢献する」SLOGAN (スローガン:当社グループ共通のスローガン)ブランドスローガン「Within, the Future」-未来の中に、いつもいる- なお、本経営の基本方針については、2021年3月期以降、経営トップによるタウンホールミーティングを主要拠点において順次開催し従業員に直接説明を行ったほか、社内報や社内ホームページも活用し、当社グループ全体への浸透を図っています。 (2) 経営環境当連結会計年度のグローバルの経済環境は、米国は堅調に推移し、日本国内と欧州では緩やかな回復基調となった一方で、中国経済は低調に推移しました。また、当社の事業概況としては、自動車市場の成長鈍化による一部の車載用製品への影響や、半導体関連製品において当社顧客の在庫調整が長期化するなど厳しい状況もあったものの、医療機器用などの一次電池では需要が順調に拡大し、加えて、輸出製品を中心に円安が好要因となりました。2026年3月期以降は、トランプ政権による相互関税の導入など政策転換の動向にも注視が必要な状況となっています。当社グループは、2026年3月期以降も事業ポートフォリオ改革や徹底した原価低減策を継続するとともに、企業価値向上に向けた諸施策を進めていくこととしています。 (3) 当社グループが対処すべき課題及び経営戦略当社グループは、「アナログコア技術」に立脚した競争力のある製品・サービスを強化し、成長が期待される分野において販売を拡大し、当社グループの事業の柱としていくことを基本戦略としています。 a. 中期経営計画「MEX26」2025年3月期から2027年3月期までの3年間の中期経営計画MEX26の策定にあたっては、当社グループが2030年に実現したい姿である「独自のアナログコア技術で、社員・顧客・社会にとってのMaximum Excellence(最高の価値)を創造する」の実現に向け、世界経済や社会におけるメガトレンドを捉え、注力3分野を定義しました。各注力分野における成長事業を定め、先行開発の推進や新市場の開拓活動強化、積極的な設備投資など経営資源を重点的に配分することで成長戦略の柱とするとともに、事業ポートフォリオ改革の加速による事業基盤の強化、さらには人財育成の強化やサステナビリティ経営の推進など経営基盤の強化にも取り組んでいきます。MEX26の最終年度である2027年3月期の経営目標は以下のとおりです。 MEX26 2027年3月期経営目標: 連結売上高 150,000百万円 連結営業利益 12,000百万円 連結営業利益率 8.0% ROIC 7.5% ROE 10.0% MEX26の初年度である当連結会計年度は、前連結会計年度との比較で、売上高は129,139百万円から129,806百万円、営業利益は8,083百万円から9,318百万円、営業利益率は6.3%から7.2%、ROICは5.0%から5.8%となりましたが、ROEは角形リチウムイオン電池の生産終了に伴う営業費用及び特別損失を計上したことにより、8.5%から4.4%となりました。MEX26の基本方針は「価値(企業価値・利益成長)にこだわる」としています。引き続きPBR1.0倍超の実現も念頭に置き、MEX26の期間においては総還元性向100%以上を目安として株主還元策を強化するとともに、MEX26の2027年3月期経営目標の達成をめざします。 b. 注力3分野及び成長戦略当社グループは、MEX26の策定にあたり、モビリティ革命、ICT/AI革命、人/社会インフラ高度化といったメガトレンドの中での「アナログコア技術」による人、生活、社会の品質向上への貢献を念頭に置き、「モビリティ」「ICT/AI」「人/社会インフラ」を新たな注力3分野としました。 上記の注力3分野に関わる市場環境は以下のとおりです。 (モビリティ)モビリティ分野では、ADAS (Advanced Driver Assistance System)、CASE (Connected、Autonomous、Shared、Electric)、MaaS(Mobility as a Service)など、安全運転支援機能の拡充、自動運転化や電動化、移動手段の革新などが予想され、関連した部品・材料などの需要が中長期的に増加していくと考えています。なかでも、自動車を中心とした移動体の「安心・安全」が普遍的価値として求められています。当社グループは、自動運転、カーボンニュートラル、死亡事故ゼロなどの実現に向け、タイヤセンシング用の耐熱コイン形リチウム電池、自動運転センシング用の車載カメラ用レンズユニットやLEDヘッドランプレンズ、車載用リチウムイオン電池の材料である塗布型セパレータを成長事業と位置づけ、先行開発と積極的な投資により事業拡大を図ります。なお、当社グループは、技術革新に合わせて競争力のある製品開発を行い市場に投入していきますが、自動車市場が安定して成長することが極めて重要です。世界の自動車生産台数は、2023年の約87百万台から2024年は約89百万台となるなど、今後も緩やかな成長が続く見通しです。当連結会計年度においては、主に欧州市場の低迷の影響により、一部の車載用製品が減収となりました。 (ICT/AI)ICT/AI分野では、人が直接使用する機器のデジタル化の進展、クラウドサービス、SNSや言語・画像生成AIの普及拡大やこれに伴う通信データ量の急増、自動車の電動化などを各種半導体が支えており、半導体市場は今後も拡大すると予想されます。当社グループは、半導体製造装置向け組込みシステム、半導体の製造工程で使用される電鋳製品や半導体製造工程用テープを成長事業と位置づけ、既存市場におけるポジションをより強固にするとともに海外も含めた新市場・新顧客への事業拡大を図ります。なお、当社グループの事業においては、半導体や半導体を使用する情報通信機器や自動車などの需要動向が影響します。当連結会計年度においては、半導体関連製品の一部で顧客の在庫調整の影響による減収がありました。 (人/社会インフラ)人/社会インフラ分野では、QOL(Quality of Life)の向上や健康寿命の引き上げ、労働生産性の向上や人手不足への対応、社会インフラの適切な更新やメンテナンス、省エネ化や再生エネルギーへの転換など、人、生活、社会の持続可能性が求められています。当社グループは、医療機器用一次電池、筒形リチウム電池、建築・建材用テープを成長事業と位置づけ、人、生活、社会に関連した広範な市場における今後の需要拡大に合わせて事業拡大を図ります。また、今後の成長が期待される全固体電池については、顧客量産用に納入を開始しており、FA機器やインフラ・プラント設備向けなどの産業機器用を中心に、早期の業績貢献を実現することをめざしていきます。 当社グループは、上記の成長戦略を柱として、積極的な設備投資も加速させ、2027年3月期の経営目標の達成をめざしていきます。MEX26における注力分野別の成長事業とその基本戦略及び強み、は以下のとおりです。 (モビリティ)成長事業事業セグメント基本戦略強み耐熱コイン形リチウム電池(耐熱CR)エネルギー・世界トップシェア(*)維持・アナログコア技術の活用による安全性に対する信頼獲得(差別化実現)・TPMSモジュール小型化需要に合わせた高付加価値製品の生産拡大(技術優位性発揮)・法制化による市場拡大への対応・路面センシング需要拡大に合わせた先行開発(Tier1との共同開発)・厳しい環境での動作 温度:-40℃~+125℃ 加速度:2,000G(タイヤ直貼り用途3,000G)・トップメーカーとしての市場実績車載カメラ用レンズユニット光学・システム・グローバルでトップグループのシェア(*)維持・全天候対応レンズ(クリーニング機能)・オールプラスチックレンズユニットによる差別化・拠点別の生産機種最適化・自動化による生産効率向上・非球面ガラス・プラスチックレンズの組み合わせによる高精度・高耐久性・低コストの実現LEDヘッドランプレンズ光学・システム・世界トップシェア(*)維持・複合レンズ/ADB用レンズの受注獲得・自由曲面光学設計・高精度成形技術・金型設計から成形まで一貫生産の品質実績塗布型セパレータ機能性部材料・xEV市場の拡大に向けた生産設備の増強・アナログコア技術の活用による安全性に対する信頼獲得(差別化実現)・国内OEMを中心とした新規採用車種の拡大・UBE㈱との連携強化による製品開発・販路拡大・車載用途以外の新規需要獲得・電池メーカーとしての経験値の活用(競争優位性)・高速均一塗布技術による製造力 * 当社による推計 (ICT/AI)成長事業事業セグメント基本戦略強み半導体製造工程用テープ機能性部材料・アジアを中心とした高付加価値製品の販売拡大・技術営業強化による新規半導体メーカー・OSATへの展開加速・材料メーカーとの協力による基材・粘着剤の開発力強化・薄膜・平滑塗布技術による安定・高品質製品の製造力・高い初期粘着力と優れた剥離性の両立・特殊粘着剤の設計技術力によるウェハ・パッケージ表面の低汚染性電鋳製品(EF2)光学・システム・複雑化・微細化など顧客ニーズへの対応・コスト対応力強化による中国・台湾・東南アジア市場でのシェア拡大・新規開拓・超高精細化に対応した技術確立・独自の電気鋳造技術により、小孔形成、高精度の孔寸法、高硬度などを実現可能半導体関連組込みシステム(半導体DMS)光学・システム・世界シェアの高い半導体製造装置メーカーとの長期取引による信頼構築と技術力蓄積(競争優位性)・半導体市場の拡大に合わせた生産能力増強・半導体製造装置メーカーとの長期にわたる信頼関係と対応技術力 (人/社会インフラ)成長事業事業セグメント基本戦略強み医療機器向け一次電池エネルギー・アナログコア技術の活用による高い信頼性獲得(差別化実現)・CGM(連続式血糖値モニタリング)機器の小型化に対応した製品開発と早期量産立ち上げ・需要拡大に合わせた増産体制構築・耐熱CRで培った封止技術、長寿命技術による医療用電池としての高い安全性・信頼性・幅広い製品ラインアップによる医療機器の小型化への対応筒形リチウム電池エネルギー・ガス、水道スマートメーター用途での事業拡大・IoT関連顧客のマーケティング強化・市場拡大に対応した増産体制構築・独自の電極技術と耐熱CRで培った長寿命技術で高容量と長期信頼性を実現建築・建材用テープ機能性部材料・大手住宅メーカーへの参入・OEM獲得に向けた活動強化・東南アジアは世帯数の多いインドネシア市場に注力・北米気密住宅向けに売上拡大・物量増加に伴う増産体制構築・さまざまな施工環境下で課題解決ができる気密・防水部材ラインアップ・各国の住環境に合わせたカスタマイズ製品対応新規事業事業セグメント基本戦略強み全固体電池エネルギー・インフラ、医療機器などの用途開拓による採用数、規模の拡大・セラミックパッケージ型全固体電池の用途展開・全固体電池モジュールの適用拡大・中型全固体電池の製品化(大容量化)・耐熱・長寿命特性の向上・受注増や新規開発完了に合わせた逐次投資・混合分散・高密度成形・気密封止の各技術による高耐熱・長寿命・絶対的な安全性と信頼性・材料開発、保護回路開発など上下流企業との協力関係 * 当社による推計 c. 経営体制の強化当社は、業務執行に係る迅速な意思決定及び経営の効率化を図るため、執行役員制度を採用しております。2025年3月期より執行役員体制を強化しており、業務執行責任を明確化するとともに、コーポレートガバナンスのさらなる強化を図っています。 d. コーポレートブランドの構築多様なステークホルダーとのコミュニケーションに対する投資を継続してブランド価値の向上を図ります。特に若年層を中心とした消費者にマクセルブランドを浸透させることが、中長期的な成長に向けた重要なテーマであると考えています。マクセルユニーク追求による脱コモディティへのブランディング、パブリシティ、SNSの活用強化、CSV(Creating Shared Value 共通価値創造)の推進、株主・投資家等との積極的な対話を基本施策としてコーポレートブランドの構築に取り組みます。 e. 資本効率性の向上当社グループは、資本効率性の向上を経営課題に掲げています。株主の皆様からの投資に対するリターンを高めるべく、資本効率性を向上する経営の実践に取り組みます。成長のための投資を十分に確保する一方、投資案件を厳選することによって、投資額に対する収益率を高めていきます。このため、すべての事業部門においてROICを重要経営指標として認識し、その向上に向け運用を強化するとともに、資本効率性を踏まえた株主還元策を実施していきます。 また、中期的な経営戦略の実践のために当社グループが対処すべきその他の課題は次のとおりです。 人財育成の強化当社グループは、人財の育成と活用を企業経営における最優先事項のひとつであると認識しています。経営環境の変化を捉えた効率的な人財配置の実践、公正で透明性のある人事評価制度の運用により価値に貢献した従業員に報いていくとともに、ダイバーシティ&インクルージョンをさらに深化させ、従業員のエンゲージメントの向上を図り、元気で活力のある企業をめざしていきます。当社グループの人的資本などのサステナビリティに関する考え方や取り組みの詳細につきましては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。 サステナビリティを意識した企業経営当社グループは、中長期的な企業価値の向上に向け、すべてのステークホルダーの視点に立った経営施策を実施していくことが重要であると考えています。特に、サステナビリティを意識して企業価値を向上させることは、企業経営における最重要課題のひとつであると認識しています。当社グループの気候変動対応などのサステナビリティに関する考え方や取り組みの詳細につきましては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。また、リスク管理体制の強化や内部統制システムの整備によりコンプライアンス経営の徹底を推進します。特に、独占禁止法をはじめとする法令遵守の徹底につきましては、日本だけでなく欧米・アジアにおいても強力に推進していきます。当社グループは、これらの施策を通じて、すべてのステークホルダーから信頼される企業グループをめざしていきます。 コーポレートガバナンスの強化持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目的に2015年10月に「コーポレートガバナンス・ガイドライン」を制定しており、適正な情報開示と透明性の確保に努め、取締役会の役割・責務を適切に果たすとともに、株主及び投資家との建設的な対話(エンゲージメント)をさらに活性化させていきます。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、当連結子会社及び持分法適用会社)の経営成績等の状況の概要は次のとおりであります。① 経営成績の状況当連結会計年度におけるグローバル経済は、米国は堅調に推移し、日本国内と欧州では緩やかな回復基調となった一方で、中国経済は低調に推移しました。また、トランプ政権による政策転換の動向にも注視が必要な状況となりました。当社の事業概況としては、自動車市場の成長鈍化による一部の車載用製品への影響や、半導体関連製品において当社顧客の在庫調整の影響もありましたが、医療機器用などの一次電池の需要は順調に拡大しました。また、輸出製品を中心に円安が好要因となりました。このような状況のもと当連結会計年度の売上高は、二次電池や車載光学部品、半導体関連製品の減収、ライセンス収入の減少があったものの、一次電池や粘着テープ、塗布型セパレータ、健康・理美容製品の増収により、前年同期比0.5%(667百万円)増(以下の比較はこれに同じ)の129,806百万円となりました。利益面では、一次電池や塗布型セパレータ、健康・理美容製品の増益に加え、円安の影響により、営業利益は、15.3%(1,235百万円)増の9,318百万円、経常利益は、為替差損益の影響などもあり、0.2%(16百万円)減の9,770百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、45.8%(3,454百万円)減の4,090百万円となりました。なお、営業利益及び親会社株主に帰属する当期純利益において、角形リチウムイオン電池の生産終了に伴う営業費用1,010百万円と特別損失2,644百万円を計上しました。当連結会計年度の対米ドルの平均円レートは153円となりました。セグメント別の業績は、次のとおりです。 (エネルギー)二次電池が販売減となったものの、車載用や医療機器用などの販売が好調な一次電池が増収となり、エネルギー全体の売上高は、4.7%(1,659百万円)増の36,630百万円となりました。営業利益は、角形リチウムイオン電池の生産終了に伴う営業費用の計上があったものの、一次電池の増収に加え円安の影響により、279.2%(1,407百万円)増の1,911百万円となりました。(機能性部材料)粘着テープや塗布型セパレータが増収となったことにより、機能性部材料全体の売上高は、5.5%(1,646百万円)増の31,790百万円となりました。営業利益は、塗布型セパレータが増益となりましたが、一時的に開発費が増加した粘着テープや工業用ゴム製品の減益により、13.6%(184百万円)減の1,166百万円となりました。(光学・システム)車載カメラ用レンズユニットや顧客の在庫調整の影響を受けた半導体関連製品の減収、ライセンス収入の減少により、光学・システム全体の売上高は、13.1%(5,437百万円)減の35,932百万円となりました。営業利益は、車載カメラ用レンズユニットや半導体関連製品の減益、ライセンス収入の減少により、21.2%(1,187百万円)減の4,419百万円となりました。(ライフソリューション)好調な健康・理美容のOEM製品が増収となり、ライフソリューション全体の売上高は、12.4%(2,799百万円)増の25,454百万円となりました。営業利益は、健康・理美容製品の増収により、192.5%(1,199百万円)増の1,822百万円となりました。 地域ごとの売上高は、次のとおりであります。 (日本)健康・理美容製品、電設工具、LEDヘッドランプレンズなどが増収となりましたが、半導体関連製品や二次電池が減収となったことにより、売上高は5.0%減の63,603百万円となりました。 (米国)ライセンス収入が減収となりましたが、医療機器用やスマートメーター用の一次電池、健康・理美容製品が増収となったことにより、売上高は0.1%増の16,868百万円となりました。 (欧州)健康・理美容製品が増収となりましたが、車載カメラ用レンズユニットや車載用一次電池が減収となったことにより、売上高は22.2%減の12,319百万円となりました。 (アジア他)車載用を中心とした一次電池、粘着テープ、車載カメラ用レンズユニットなどの増収により、売上高は25.5%増の37,016百万円となりました。 ② 生産、受注及び販売の状況a 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)エネルギー36,619+13.9機能性部材料31,971+3.6光学・システム35,147△12.5ライフソリューション25,500+13.3合計129,237+2.8 (注) 1.金額は、販売価格によっております。2.生産実績には、完成品仕入にかかわる生産実績も含めており、仕入実績は次のとおりであります。 セグメントの名称仕入高(百万円)前年同期比(%)エネルギー978+15.7機能性部材料1,184+2.2光学・システム633△9.3ライフソリューション6,918+9.7合計9,713+7.9 (注) 金額は、仕入価格によっております。b 受注実績需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。 c 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)エネルギー36,630+4.7機能性部材料31,790+5.5光学・システム35,932△13.1ライフソリューション25,454+12.4合計129,806+0.5 (注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、以下の重要な会計方針が、当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。a 貸倒引当金「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。b 棚卸資産「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。c 繰延税金資産当社グループは、繰延税金資産について、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を評価するにあたっては、将来の課税所得を合理的に見積って検討しております。繰延税金資産の計上に用いた会計上の見積り及び仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。d 退職給付に係る負債退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率などが含まれます。当社の年金制度においては、割引率は優良社債の市場利回りを退職給付の平均支給年数で調整して算出しております。なお、当連結会計年度末の退職給付債務に用いた主要な数理計算上の仮定は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係) 2.確定給付制度 (8)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。長期期待運用収益率は、年金資産の現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に退職給付費用の一部として計上されます。なお、当連結会計年度の長期期待運用収益率の算定の前提となる年金資産の構成割合は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係) 2.確定給付制度 (7)年金資産に関する事項」に記載のとおりであります。e 固定資産の減損当社グループは、主に管理会計上の区分を考慮して資産グループを決定し、将来キャッシュ・フローの回収額を見積った結果、十分な将来キャッシュ・フローが見込めない事業用資産、処分等の意思決定がなされた資産及び遊休資産について回収可能価額まで減額し、特別損失に計上することとしております。なお、当連結会計年度における減損損失の兆候の判定及び回収可能価額の算定については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※6減損損失」に記載のとおりであります。f その他有価証券の減損当社グループでは、売買目的以外の有価証券のうち、市場価格又は合理的に算定された価額(時価)のあるものについて時価が著しく下落したときは、回復する見込みがあると認められる場合を除き、当該時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額を評価損として計上することとしております。また、市場価格のない株式等につきましても、当該発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下したと判断される場合は、相当の減額を行い、評価差額は評価損として計上することとしております。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a 財政状態の分析(a) 資産総資産は、前連結会計年度末比3.8%減(以下の比較はこれに同じ)の164,514百万円となりました。このうち流動資産は、主に現金及び預金並びに受取手形及び売掛金の減少により、8.7%減の84,191百万円となり、総資産に占める割合は前連結会計年度の53.9%から51.2%となりました。一方、固定資産は、主に退職給付に係る資産の増加により1.8%増の80,323百万円となり、総資産に占める割合は前連結会計年度の46.1%から48.8%となりました。セグメントごとの資産は、次のとおりであります。(エネルギー)エネルギーの資産は、2.1%増の37,838百万円となりました。このうち流動資産は、主に受取手形及び売掛金の増加により、6.7%増の29,217百万円になり、総資産に占める割合は前連結会計年度の73.9%から77.2%となりました。一方、固定資産は、主に有形固定資産の減少により11.0%減の8,621百万円になり、総資産に占める割合は前連結会計年度の26.1%から22.8%となりました。(機能性部材料)機能性部材料の資産は、4.7%増の37,076百万円となりました。このうち流動資産は、1.7%増の19,808百万円になり、総資産に占める割合は前連結会計年度の55.0%から53.4%になりました。一方、固定資産は、主に設備投資による有形固定資産の増加により8.3%増の17,268百万円になり、総資産に占める割合は前連結会計年度の45.0%から46.6%となりました。(光学・システム)光学・システムの資産は、16.6%減の35,533百万円となりました。このうち流動資産は、主に現金及び預金、受取手形及び売掛金の減少により22.5%減の21,680百万円になり、総資産に占める割合は前連結会計年度の65.7%から61.0%となりました。一方、固定資産は、主に有形固定資産の減少により5.3%減の13,853百万円になり、総資産に占める割合は前連結会計年度の34.3%から39.0%となりました。(ライフソリューション)ライフソリューションの資産は、6.0%増の21,301百万円となりました。このうち流動資産は、主に受取手形及び売掛金の増加により6.7%増の13,061百万円になり、総資産に占める割合は前連結会計年度の60.9%から61.3%となりました。一方、固定資産は、主に有形固定資産の増加により5.0%増の8,240百万円になり、総資産に占める割合は前連結会計年度の39.1%から38.7%となりました。(その他)当社グループの全社共通業務を目的として保有している資産は、主に自己株式の取得による現金及び預金の減少により8.8%減の32,766百万円となりました。(b) 負債負債は、4.7%減の70,343百万円となりました。このうち流動負債は、主に1年内返済予定長期借入金の返済により25.1%減の44,380百万円となりました。これにより流動比率は1.9倍に、また流動資産との差額である手持ち資金は39,811百万円となりました。固定負債は、主に長期借入金の借入れにより78.6%増の25,963百万円となりました。(c) 純資産純資産は、3.2%減の94,171百万円となりました。主に、親会社株主に帰属する当期純利益4,090百万円を計上したものの自己株式の取得及び配当金の支払いによるものです。また、自己資本比率は54.9%から55.5%となりました。 b 資本の財源及び資金の流動性に係る情報営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度から4,404百万円減少し、9,836百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益6,168百万円、減価償却費5,344百万円、売上債権の減少1,930百万円による資金の増加と、前受金の減少2,182百万円、法人税等の支払い1,946百万円による資金の減少によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度から3,177百万円減少し、8,025百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出7,850百万円によるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度から1,741百万円増加し、7,749百万円の支出となりました。これは主に、長期借入による収入13,000百万円による資金の増加と、長期借入金の返済による支出12,563百万円、自己株式の取得による支出5,000百万円、配当金の支払い2,454百万円による資金の減少によるものです。これらのキャッシュ・フローに現金及び現金同等物に係る換算差額と、現金及び現金同等物の期首残高を合わせた当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末よりも5,593百万円減少し、33,072百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリーキャッシュ・フローは、前連結会計年度の9,392百万円から、当連結会計年度は1,811百万円へと減少しました。当社グループは、資金の流動性を考慮して、資金運用については短期的な預金等とし、一時的な余資は安全性の高い金融資産で運用する方針であります。当社グループの運転資金需要は、製品製造のための材料及び部品の購入のほか、加工費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。当社グループの設備投資等の需要は成長が期待できる製品分野及び研究開発分野のほか、省力化、合理化及び製品の信頼性向上のための投資によるものです。当社グループは、事業拡大のための成長投資を進めており、これらの資金需要に対しては主に銀行借入にて賄っております。「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)当社グループが対処すべき課題及び経営戦略 e 資本効率性の向上」を達成するため、今後もレバレッジを活用し、資本構成の最適化を意識したバランスシートマネジメントを追求していきます。 c 経営成績の分析(a) 売上高売上高は、二次電池や車載光学部品、半導体関連製品の減収、ライセンス収入の減少があったものの、一次電池や粘着テープ、塗布型セパレータ、健康・理美容製品の増収により、前連結会計年度に対し、0.5%増の129,806百万円となりました。なお、為替レートは、前連結会計年度1ドル=145円、当連結会計年度1ドル=153円であります。(b) 売上原価、販売費及び一般管理費売上原価は、角形リチウムイオン電池の生産終了に伴う棚卸資産の処分等があったものの、固定費などの原価低減の成果により、2.0%減の96,639百万円となり、売上高に対する原価率は、前連結会計年度の76.4%から74.4%となりました。その結果、売上総利益は8.8%増の33,167百万円となり、売上高総利益率は、前連結会計年度の23.6%から25.6%となりました。また、販売費及び一般管理費は、主に給料及び手当、荷造及び発送費などの増加の影響により、6.4%増の23,849百万円となりました。売上原価と販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費は、主に全固体電池、粘着テープ及び工業用ゴム製品の研究開発費が昨年度より増加したことにより3.6%増の5,679百万円となりました。なお、売上高に対する研究開発費の比率は前連結会計年度の4.2%から4.4%となりました。(c) 営業利益営業利益は、一次電池や塗布型セパレータ及び健康・理美容の増収に加え、固定費などの原価低減の影響などにより、15.3%増の9,318百万円となりました。(d) 営業外収益(費用)営業外収益(費用)は、前連結会計年度の為替差益から当連結会計年度は為替差損に転じたことにより、前連結会計年度の1,703百万円の収益(純額)から、452百万円の収益(純額)となりました。受取利息から支払利息を減じた純額は、前連結会計年度の480百万円の収益(純額)に対し、404百万円の収益(純額)へと減少しました。(e) 経常利益経常利益は、売上高が増加したものの、販売費及び一般管理費の増加及び為替差益が為替差損へ転じたことにより、0.2%減の9,770百万円となりました。(f) 特別利益(損失)利益(損失)は、当連結会計年度における減損損失1,335百万円の計上や特別退職金1,886百万円の計上により、前連結会計年度の653百万円の損失(純額)から、3,602百万円の損失(純額)となりました。(g) 税金等調整前当期純利益税金等調整前当期純利益は、32.5%減の6,168百万円となりました。(h) 法人税等法人税等は、33.1%増の1,972百万円となりました。非支配株主に帰属する当期純利益は1百万円減の106百万円の利益となりました。(i) 親会社株主に帰属する当期純利益親会社株主に帰属する当期純利益は、45.8%減の4,090百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の164.59円に対し93.12円となりました。 d 経営戦略の現状と見通し当社グループは、「価値(企業価値・利益成長)にこだわる」を中期経営計画MEX26における基本方針とし、ポートフォリオ改革の推進及び、資本効率の向上を進めております。MEX26の初年度である当連結会計年度では、ポートフォリオ改革として収益性に課題のあった角形リチウムイオン電池の生産終了を決定しました。これに伴い発生した営業費用及び特別損失を計上したことにより、当連結会計年度の純利益は前年との比較で減益となりましたが、成長事業と位置付ける一次電池などが好調に推移したことにより売上高、営業利益は増収増益となりました。また、資本効率の向上に関してはMEX26で掲げた「中計期間中での総還元性向100%以上」をもとに、普通配当に加え総額50億円の自己株式取得を実行しました。今後もポートフォリオ改革の推進、成長事業への投資によりMEX26における2027年3月期の経営目標(連結売上高:1,500億円、営業利益:120億円、連結営業利益率:8%、ROIC:7.5%、ROE:10%)の確実な達成と、株主を含めすべてのステークホルダーに最高の価値を提供する「価値創出企業」となることをめざしていきます。