研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-03 | - | 519 |
| 2024-03 | - | 557 |
| 2023-03 | - | 508 |
| 2022-03 | - | 530 |
| 2021-03 | - | 404 |
研究開発活動(本文)
FY2025|2,498 文字
6【研究開発活動】当社グループ(当社及び連結子会社)は、企業理念「アルプスアルパインは人と地球に喜ばれる新たな価値を創造します」を実現することで、事業活動を通じて持続可能な社会の発展に貢献することを目指しています。当社グループ76年間で培った独自のコア技術を深耕して製品力を高める「縦のI型」と、広範なデバイスや技術をシステムに仕上げる「横のI型」を合わせた革新的「T型」企業(Innovative T-shaped Company)へと進化することで、自動車産業をはじめ、モバイル、民生機器、更にはエネルギーやヘルスケア、インダストリー等様々な市場へ向けて、電子部品からシステム商品まで、多様な顧客ニーズに新たな価値を提供しています。2025年4月から始まる第3次中期経営計画において、10年先の未来を見据えた長期企業ビジョンとして「人の感性に寄り添うテクノロジーで未来をつくる」を掲げて、当社コア技術融合により独自性を有し、かつ本質的な問題を解決する価値提供を目指します。当社グループの研究開発費の総額は24,346百万円です。 (1)コンポーネント事業当事業は、収益基盤事業として育んできた当社独自のコア技術と、実績に裏付けされた高い生産技術力と品質を強みに新しい発想で製品と価値を創出し、継続的な事業拡大を目指しています。コンシューマーや車載市場の既存事業に対しては、業界トップの品揃えと高い品質・生産力による優位性を活かし高シェアを維持するとともに、開発・生産体制の最適化に取り組み、市場における競争力確保と収益性の向上を図ります。また、車載市場においては、電気自動車の拡大や自動運転技術等の進化により新たに期待される地域ごとのニーズにタイムリーに応えるために、グローバルでの開発体制を強化していきます。アミューズメント市場においてはジョイスティック等の入力デバイスや振動デバイスでのシェア拡大を図りながら、次世代デバイスに求められる製品の研究・開発に積極的に投資をしていきます。アクチュエーターについては従来のスマートフォン向けビジネスの拡充と収益性改善の取り組みを強化しながら、SMA(Shape Memory Alloy)技術を用いた新しい製品・用途向けのアクチュエーター開発に積極的に取り組み、長期的な技術優位性並びに市場競争力の確保を目指します。コンポーネント事業に係る研究開発費は6,911百万円です。 (2)センサー・コミュニケーション事業当事業は、様々な情報を計測してデータ化するセンシング技術と、そのデータを使ってモノを動かす制御技術、長年培ってきた通信技術を駆使し、センシングプロデューサーとして社会課題に取り組み、豊かな社会づくりへの貢献を目指しています。昨今の米国関税策による混乱や電気自動車シフトの遅れ等、事業を取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。自動車業界においては SDV(Software Defined Vehicle)化の進展を背景に車載セキュリティーの重要性がますます高まる中、当事業においてスマートフォンによる自動車のキーシェアを安全かつ快適に実現するデジタルキーシステムを開発しました。これは車載エッジ端末やセンサーに加えデジタルキーサーバーを含んだ標準化システムであり、自動車以外のパーソナルモビリティーや、オフィス、住宅等、様々な鍵の解錠/施錠ソリューションとしても提案を行うことで、セキュアで快適な社会生活に貢献していきます。また、当事業は当社の成長ドライバーとして位置づけており、2025年4月より開始する第3次中期経営計画において、センサー領域への戦略投資を計画しています。中でも車載、スマートフォン、産業ロボット、医療機器等多岐にわたり使用される磁気センサーにおいて、東京大学と共同研究で、量子物質を使用した磁気センサーの開発に着手していきます。新たな磁気センサーを活用することにより、従来では検出できない小さい磁場の測定が可能となり、不良品検知や病気の早期発見等、産機・ライフサイエンス市場における新しい事業創出の実現を目指します。今後も、社会のスマート化進展、安心・安全ニーズの高まり、カーボンニュートラル実現に向けた取り組み加速を背景に、センシング・高周波・静電・ソフトウェアの技術融合や、センサーと加飾デザインの組み合わせ、小型・軽量化、IoTによる人の安全・効率や環境への貢献を通じて顧客の期待に応えていきます。センサー・コミュニケーション事業に係る研究開発費は9,572百万円です。 (3)モジュール・システム事業当事業は、昨年から引き続き、総合力を活かしたデジタルキャビンソリューションとして、空間価値創出を目指した各種製品開発を進めています。具体的には、2026年納入開始予定の、統合ディスプレイオーディオ(IVI+METER)、プレミアムサウンド製品、車室内センシングを行うオーバーヘッドコンソール製品、静電タッチで操作可能なステアリングホイールスイッチ製品等を開発しています。また、SDV(Software Defined Vehicle)化に対応し、車室内空間価値を高めるための製品群として、キャビンコントローラーやシステムインテグレーション環境等を開発しています。開発に当たっては、当社グループだけでなく、大学や研究機関、他社と協業し、それぞれの技術・製品力を結集し、シナジー効果を目指します。そのような状況を受け、2025年度より「モジュール・システム事業」の名称を「モビリティ事業」へ変更しました。新たに「モビリティ事業」とすることで、従来の自動車(四輪)・バイク(二輪)にとどまらず、「移動(モビリティ)全体」及び車両企画・構想・設計の段階から関与するTier0.5領域までを視野に入れた事業領域へと拡大します。モビリティ事業として一体化することにより、複合化された高付加価値の製品を生み出し、収益性の強化と事業の良質化を図ります。モジュール・システム事業に係る研究開発費は7,584百万円です。
FY2024|2,462 文字
6【研究開発活動】当社グループ(当社及び連結子会社)は、「アルプスアルパインは人と地球に喜ばれる新たな価値を創造します」を全ての礎に、事業活動を通じて持続可能な社会の発展に貢献することを目指しています。「Right(最適な)、Unique(独自性)、Green(環境にやさしい)」を兼ね備えた、「美しい電子部品を究める」ことを事業の根幹とし、70年の歴史の中で育んだ当社グループ独自のコア技術を最大限に活かし、「感動・安全・環境」の事業領域にて新しい価値を創造しています。当社グループの研究開発費の総額は32,959百万円です。 (1)コンポーネント事業「Perfecting the Art of Electronics」を事業の根幹とし、基盤事業として育んできた当社独自のコア技術と、実績に裏付けされた高い生産技術力と品質を強みに新しい製品と価値を創出し、継続的な事業拡大を目指します。コンシューマーや車載市場の既存事業に対しては、業界トップの品揃えと高い品質・生産力による優位性を活かし高シェアを維持するとともに、開発・生産体制の最適化に取り組み市場における競争力確保と収益性の向上を図ります。また車載市場においては、電気自動車の拡大や自動運転技術等の進化により新たに期待される地域ごとのニーズにタイムリーに応えるために、グローバルでの開発体制を強化していきます。アミューズメント市場においてはジョイスティックなどの入力デバイスやハプティック®でのシェア拡大を図りながら、次世代デバイスに求められる製品の研究・開発に積極的に投資をしていきます。アクチュエーターについては従来のスマートフォン向けビジネスの拡充と収益性改善の取り組みを強化しながら、SMA(Shape Memory Alloy)技術を用いた新しい製品・用途向けのアクチュエーター開発に積極的に取り組み、長期的な技術優位性並びに市場競争力の確保を目指します。コンポーネント事業に係わる研究開発費は6,805百万円です。 (2)センサー・コミュニケーション事業センシング・高周波技術による「安心空間・見守り」の実現、カーボンニュートラル社会に貢献するデバイスの創出、高位置精度技術磨き上げと通信の融合などによる新価値提供を目指してきました。高度化が進む自動車産業や産業機器市場において、安全・安心・快適を実現するために必要となる各種センシングは予防安全の領域でそのニーズが高まっています。当社は強みである無線規格のオーソリティー、高周波とシステム融合提案、システムレベルの知識と経験を活かし、ミリ波とカメラを組み合わせたデジタルキャビンシステム構築による価値提案や、ミリ波センサーシステムの各市場への価値提案を行っています。環境問題への世界各国の取り組みや支援策の拡大に伴い、脱炭素社会の実現に向けて、ガソリン車・ディーゼル車から電気自動車にシフトする動きが加速しており、将来的には電気自動車が主力となることが見込まれています。電気自動車のモーター駆動制御や回生電流の直流変換制御、バッテリーの充放電電流検出などに使用される電流センサーは、制御用部品として重要な役割を担っています。当社の電流センサーは、当社コア技術である磁気センシング技術を応用した独自のGMR(Giant Magneto Resistance)方式を採用しており、コアレス構造による大電流対応と小型軽量化を同時に実現しています。今後も、更なる低背化、高精度化の追求をしていきます。予防安全とセーフティー事業への転換に向けて、車両安全運転支援技術の一つ、C-V2X(Cellular based Vehicle to X)の市場投入、ミリ波センサーを用いた子供置き去り検知システムの市場展開、高周波センシング技術とソフトウェアを融合させたセキュアで便利なスマートフォンによるエントリーシステムやリモートパーキングシステムの開発も進めてきました。また、IoT分野では物流資材遠隔監視システムによる輸送エネルギーの削減やモビリティーデータを活用したオンデマンド型ドライブレコーダーによる地域・社会課題の解決に向けた幅広い分野における新たなサービスの創出に取り組んでいます。当事業は、保有するセンシング・高周波・静電・ソフトウェアの技術融合による製品や、低燃費・小型・軽量化に貢献する製品、更にデバイス+ソフトウェア+クラウドによるIoTソリューションの提供を通じて顧客の期待に応えていきます。事業面においてはリカーリングビジネスの早期拡大のため、社内にデータソリューションカンパニーを設立し、顧客ニーズの早期入手・提案を行い、将来に向けた事業領域の拡大を目指しています。センサー・コミュニケーション事業に係わる研究開発費は7,071百万円です。 (3)モジュール・システム事業従来は、モジュール製品、ディスプレイ製品、サウンド製品、インフォテインメント製品など一つ一つの製品・分野について完成度を高めることに注力をしてきました。現在は、市場の動向や、アルプスアルパインの総合力を生かし、デジタルキャビンソリューションによる空間価値創出に向けて製品開発を進めています。具体的には2026年納入開始で受注している統合ディスプレイオーディオ(IVI+METER)、プレミアムサウンド製品、そして2030年には更なる製品の統合を行い、キャビンコントローラー(IVI+METER+BODY+ADAS)、ドアコントロールモジュールなどを開発していきます。開発に当たっては、当社グループだけでなく、大学や研究機関、他社と協業することで、それぞれが持つ技術・製品力を持ち寄り、シナジー効果を目指します。このような複合化された高付加価値の製品を生み出し、今までの製品群から移行していくことで、収益性の強化につなげ、事業の良質化を図っていきます。モジュール・システム事業に係わる研究開発費は18,861百万円です。
FY2023|2,655 文字
6【研究開発活動】当社グループ(当社及び連結子会社)は、「人と地球に喜ばれる新たな価値を創造します」を全ての礎に、事業活動を通じて持続可能な社会の発展に貢献することを目指しています。「Right(最適な)、Unique(独自性)、Green(環境にやさしい)」を兼ね備えた、「美しい電子部品を究める」ことを事業の根幹とし、70年の歴史の中で育んだ当社グループ独自の強みを最大限に活かし、「感動・安全・環境」の事業領域にて新しい価値を創造しています。当社グループの研究開発費の総額は31,910百万円です。 (1)コンポーネント事業高まる環境対応ニーズを受け、バイオマスプラスチックを用いたタクトスイッチ®等の環境負荷が少ない製品や省エネ・省資源に貢献する製品開発を進め、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを拡充しています。当事業は、ニッチトップを維持しつつ市場拡大、顧客増加を推進していきます。特にスイッチ等のインプット製品は、業界トップの品揃えと品質によりシェアNo.1を維持・拡大しつつ、開発リソースの適正化にも取り組み、製品のコモディティ化による価格競争激化に対応します。また、これまでのコンシューマ及び車載市場だけでなく、産業機器市場へ参入すべくこれまで培ってきたコア技術を活かし、2021年9月にIDEC株式会社との間で設立した合弁会社を基点に、FA(Factory Automation)・産業機械分野向けの新製品開発とソリューション型ビジネスモデルの確立を目指します。更に、ハプティック®においては、ゲーム市場を中心にシェア拡大を行いながら、車載・モバイル市場への積極的な提案を続けます。スマートフォン向けアクチュエータは、大型口径レンズや絞り付きレンズの要求から、VCM(Voice Coil Motor)に加え、SMA(Shape Memory Alloy)技術やピエゾ技術を用いた新構造アクチュエータの開発・商品化を行い、これまでの実績に裏打ちされた高い生産技術力と生産体制、適時の市場投入と高品質化によりシェアを維持しつつ、既存生産設備を活用することで収益性の更なる向上を目指します。コンポーネント事業に係わる研究開発費は7,716百万円です。 (2)センサ・コミュニケーション事業センシング・高周波技術による「安心空間」の実現、脱炭素社会に貢献するデバイスの創出、高位置精度技術磨き上げと通信の融合を目指してきました。自動運転などの高度化が進む自動車産業において、安心・安全・快適を実現するために必要となるActive safety実現に向けて、車室内外のセンシングは予防安全の領域でそのニーズが高まっています。当社は強みである無線規格のオーソリティ、高周波とシステム融合提案、システムレベルの知識と経験を活かし、低消費電力や複数センサの共存性に優れるパルス式と検知距離性に優れたFMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式レーダーをアプリケーションや要求仕様に基づき最適化した製品を顧客へ提案しています。環境問題への世界各国の取り組みや支援策の拡大に伴い、脱炭素社会の実現に向けて、ガソリン車・ディーゼル車から電気自動車にシフトする動きが加速しており、2030年頃には電気自動車が主力となることが見込まれています。電気自動車のモーター駆動制御や回生電流の直流変換制御、バッテリーの充放電電流検出などに使用される電流センサは、制御用部品として重要な役割を担っています。当社の電流センサは、当社コア技術である磁気センシング技術を応用した独自のGMR(Giant Magneto Resistance)方式を採用しており、コアレス構造による大電流対応と小型軽量化を同時に実現しています。また、バスバ一体化構造により検出電流精度向上させたほか、顧客におけるセットの設計負荷低減、組立性の向上にも貢献しています。予防安全とセーフティ事業への転換に向けて、車両安全運転支援技術の一つ、C-V2X(Cellular based Vehicle to X)の市場投入、ミリ波センサを用いた子供置き去り検知システムの市場展開、高周波センシング技術とソフトウェアを融合させたセキュアで便利なスマートフォンによるエントリーシステムやリモートパーキングシステムの開発も進めてきました。また、IoT分野では物流資材遠隔監視システムによる輸送エネルギーの削減やモビリティデータを活用したオンデマンド型ドライブレコーダーによる地域・社会課題の解決に向けた幅広い分野における新たなサービスの創出に取り組んでいます。当事業は、保有するセンシング、高周波、ソフトウェアの各技術の融合による「安心空間」を具現化する製品や低燃費、小型・軽量化に貢献する製品、更にデバイス+ソフトウェア+クラウドによるIoTソリューションの提供を通じて顧客の期待に応えるとともに、事業面においてはシステム提供によるリカーリングビジネスを推進することで、将来に向けた事業領域の早期拡大を目指し、顧客ニーズの早期入手及び提案を行います。 センサ・コミュニケーション事業に係わる研究開発費は6,078百万円です。 (3)モジュール・システム事業従来は車内を安全・快適にするため、モジュール製品、ディスプレイ製品、サウンド製品、インフォテインメント製品など一つ一つの製品・分野について完成度を高めることに注力をしてきました。今後は、市場の動向や、アルプスアルパインの総合力を生かし、車室内のトータルソリューション製品の開発を進めて行きます。具体的に2027年にはいくつかの製品を統合したコックピットソリューションと言われる統合ディスプレイオーディオ(IVI+METER)、プレミアムサウンドの製品、そして2030年には更なる製品の統合を行い、キャビンコントローラー(IVI+METER+BODY+ADAS)、ドアコントロールモジュールなどを開発していきます。開発に当たっては、当社グループだけでなく、大学や研究機関、他社と協業することで、それぞれが持つ技術・製品力を持ち寄り、シナジー効果を目指します。このような複合化された高付加価値の製品を生み出し、今までの製品群から移行していくことで、収益性の強化につなげ、事業の良質化を図っていきます。モジュール・システム事業に係わる研究開発費は17,754百万円です。
FY2022|3,852 文字
5【研究開発活動】当社グループ(当社及び連結子会社)は、「人と地球に喜ばれる新たな価値を創造します。」を全ての礎に、事業活動を通じて持続可能な社会の発展に貢献することを目指しています。「Right(正しい、最適、適切)、Unique(独自性、差異化)、Green(環境にやさしい)」を兼ね備えた、「美しい電子部品を究める」ことを事業の根幹とし、70年の歴史の中で育んだ当社グループ独自の強みを最大限に活かし、新しい価値を創造しています。当社グループの研究開発費の総額は30,688百万円です。 (1)電子部品事業当社の価値創造の源泉は、市場のニーズを捉えた「美しい電子部品」です。そして、それをタイムリーに世の中に送り出すことが、私たちの価値創造です。創業以来70年の中で、深化・融合した技術と脈々と受け継がれている企業風土が相まって、価値創造を支えています。人とメディアのより快適なコミュニケーションを目指し、「HMIの深化」「センサバラエティの拡大」「コネクティビティをキーとしたビジネスの拡大」を独自の柱とし、固有技術の深化・融合により、新たな価値ある製品を開発しています。また、更なる未来を見据えた技術開発は、現在所有する技術に留まらず、新たな技術領域への挑戦に向けて、大学や研究機関・他企業とのオープンイノベーションやアライアンスにもこれまで以上に取り組み、当社独自の生産技術力と組み合わせて、今までにない新しい製品を新しい市場に送り出すために、ダイナミックな技術開発を行っています。電子部品事業に係わる研究開発費は16,820百万円です。 ① 車載市場自動車産業における100年に1度の大変革期の中、その中心にあるCASEに対応した各種センサやデバイス製品の開発に加え、コクピット・インテリアデザイン、運転操作システムで差別化する各種モジュール製品まで幅広く開発を行っています。 <車載モジュール製品>車の更なる安全・安心、かつ快適な車室内空間を実現するために、人と機器をつなぐHMI技術及びセンシング技術を応用した商品開発を行っています。小型電子シフターをはじめ、様々な車室内機器の操作性向上を目的に、ハプティック®、タッチパッド、静電入力スイッチなどの開発を進めています。これら複合化・多機能化に加え、大学や研究機関と共同研究を進めている人間工学に基づいた、心地良く快適な操作フィーリングを追求することで付加価値向上を図るとともに、要素技術開発により更なる環境配慮型製品の開発を推進します。一方、事業の良質化を重要課題とし、材料や部品の共通化及び設計・開発工程の標準化を推進するとともに、フロントローディングでの原価作り込み、サプライチェーンマネジメントの強靭化により、収益力の強化に取り組みます。 <車載デバイス製品>安全と環境価値に貢献するデバイス創出となる“Be an Active Safety supplier”を目指し、予防安全とセーフティ事業の拡大に向けて、車両の運転支援技術の一つ、C-V2X(Cellular based Vehicle to X)を市場投入しました。更に5G通信方式に対応をした開発も進んでいます。自動運転走行で必要となるActive safety実現に向けて、イメージング処理技術とセンサ融合による安全運転支援実現のため、高周波技術を核としたミリ波センシング(乗員検知、障害物検知、モーション検出)も開発を進めています。また、デバイスの要素技術とソフトウェアを融合させ、スマートフォンエントリーシステムやリモートパーキングシステムへデバイスを提供し、お客様の付加価値向上へ貢献できるよう取り組んでいます。電気自動車の安全に貢献する重要部品である電流センサについては、当社の強みである小型軽量化、高精度・大電流センシング技術を使ったデバイスを、お客様に提供しています。更に、車内の安全・快適空間実現に向け、HMIデバイスにおいては、デザイン性と操作フィーリングを両立する新たな加飾印刷技術と、静電・ハプティックデバイスの提供を始めています。 ② 民生その他市場スマートフォン、ノートPC、小型プリンタをはじめとするモバイル市場やEI市場において、機器の軽薄短小・操作性・快適性・省エネ・高速大容量化等に貢献すべく、新素材からデバイス、モジュール製品等の幅広い分野で研究開発を行っています。 <モバイル市場>スマートフォン向けでは、カメラモジュールの高機能化に対応するため、新方式の手振れ補正用アクチュエータの開発に注力しています。また、顧客ニーズに対応する入力操作デバイスとして、高信頼性のスイッチ/タクトスイッチ®、センシングデバイスとして、磁気センサ/地磁気センサ/圧力センサの新製品開発に更に注力していきます。新製品として、タッチパネルセンサ技術を応用した空中入力ソリューションAirInput™の開発を行います。ゲーム向けでは、コントローラーに求められる高精度/長寿命/高感度を実現させるHMI技術を応用しスイッチ/ジョイスティック/ボリューム/ハプティック®の開発に注力していきます。これらの製品は、当社固有の金型/精密加工技術、接点/抵抗/静電/圧電/光/磁気/電気/熱の設計技術を応用し開発され、自動化/生産工程設計技術で安定した供給と品質が保証されています。 <EI市場>ICT(Information and Communication Technology)による「超スマート社会」の実現が政府より打ち出されて以来、日本をはじめ先進各国でビッグデータを活用した革新的な取り組みが急速に広がりはじめています。工業、インフラ、物流、ウェアラブルなどあらゆる分野で市場が形成されはじめており、情報技術、エレクトロニクスの重要性が高まっています。当社グループはIoTスマートモジュールを用いて通信等各社との協業によるソリューション提案を様々な分野で進め、EIとして中国、インド、マレーシア等、各国での展示会に出展し、光通信やIoT等、進展する市場の新規開拓も進めてきました。Energy分野では、大手海外企業とスマート分電盤用電流センサを量産開始して以来、家庭向け蓄電池システムの量産も実施してきました。当社独自の軟磁性アモルファス材料 リカロイ™を用いた製品を基に、小型高効率技術を追求し、省エネルギー分野でのビジネス開発を継続して進めます。IoT分野では、物流資材遠隔監視システムを積極的に展開します。この物流資材遠隔監視システムはパレットやコンテナ、カゴ台車など物流資材の位置を遠隔で確認することができるモニタリングシステムです。超低消費電力駆動のため無充電で10年稼働が可能です。物流資材の位置や流通経路を把握して紛失や偏在の課題を解決することで、物流・配送業務の効率化や物流資材の緊急調達コスト削減に貢献します。また、配送効率の向上は輸送車両のエネルギー消費量も低減するため、CO2の削減ひいてはカーボンニュートラルの実現にも寄与します。次にアナログメータ監視システムも積極的に展開します。手軽で導入ハードルの低いIoTソリューションを開発する事で巡回検針工数を低減するほか、目視による読み取り・転記ミスも防止することで、業務効率の向上による労務コスト削減に貢献します。あわせてセンサデバイスの販売に加えシステム提供による年額課金制としたリカーリングビジネスを積極的に推進します。これら様々なビジネス形態の中で、スピーディーな事業基盤の確立に向け電子部品事業の強みであるハードウェア技術とサービスビジネスフレームワークを融合するとともに、ハードウェアを中心にしたモノビジネスからサービス含むコトビジネスへの移行を推進し、ワンストップ型ソリューションビジネスの展開を進めます。 (2)車載情報機器事業社会環境が変化し、CASEに対する動きが自動車業界において活発になっています。そのような状況を踏まえ、従来から進めている「Digital Cabin」製品群の提案及び製品開発において、テイ・エス テック株式会社と次世代自動車をターゲットとした新たな車室内空間の開発に向けた業務提携契約を締結しました。それぞれが持つ技術・製品力を持ち寄り、効果的なシナジー発揮を目指しています。この「Digital Cabin」領域においては、インフォテインメント機器だけでなく、サウンド領域の重要性が高まっています。新しい車室内空間におけるプレミアムサウンドとして、各座席で異なった音楽鑑賞や音による運転支援などを提供するゾーンサウンドの開発を行い、次世代車両にふさわしい新しいプレミアムサウンドを創出します。また、近年力を入れているEV車両向けの音響機器開発も継続していきます。各国で装着が義務付けられる歩行者向け警告装置(AVAS)については、単純な警告機能だけでなく、車両の状況を踏まえて音を切り替えることが出来る次世代型の商品をプラットフォーム製品として開発しています。更に、運転者の嗜好に合った疑似エンジン音を創出するASD(Active Sound Design)やEVで問題となっているロードノイズをキャンセルするRNC(ロードノイズキャンセル)機器などに注力しています。 車載情報機器事業に係わる研究開発費は13,681百万円です。
FY2021|3,947 文字
5【研究開発活動】 当社グループ(当社及び連結子会社)は、「人と地球に喜ばれる新たな価値を創造します。」を全ての礎に、事業活動を通じて持続可能な社会の発展に貢献することを目指しています。 「Right(最適な)」「Unique(独自性)」、「Green(環境にやさしい)」を兼ね備えた、「美しい電子部品を究める」ことを事業の根幹とし、70年の歴史の中で育んだ当社グループ独自の強みを最大限に活かし、新しい価値を創造しています。 当社グループの研究開発費の総額は31,085百万円です。 (1)電子部品事業 当社の価値創造の源泉は、市場のニーズを捉えた「美しい電子部品」です。そして、それをタイムリーに世の中に送り出すことが、私たちの価値創造です。創業以来70年の中で、深化・融合した技術と脈々と受け継がれている企業風土が相まって、価値創造を支えています。 人とメディアのより快適なコミュニケーションを目指し、「HMIの深化」「センサバラエティの拡大」「コネクティビティをキーとしたビジネスの拡大」を独自の柱とし、固有技術の深化・融合により、新たな価値ある製品を開発しています。 また、更なる未来を見据えた技術開発は、現在所有する技術に留まらず、新たな技術領域への挑戦に向けて、大学や研究機関・他企業とのオープンイノベーションやアライアンスにもこれまで以上に取り組み、当社独自の生産技術力と組み合わせて、今までにない新しい製品を新しい市場に送り出すために、ダイナミックな技術開発を行っています。 電子部品事業に係わる研究開発費は17,097百万円です。 ① 車載市場 自動車産業における100年に1度の大変革期の中、その中心にあるCASEに対応した各種センサやデバイス製品の開発に加え、コクピット・インテリアデザイン、運転操作システムで差別化する各種モジュール製品まで幅広く開発を行っています。 <車載モジュール製品> 車の更なる安全・安心、かつ快適な車室内空間を実現するために、人と機器をつなぐHMI技術及びセンシング技術を応用した商品開発を行っています。また、小型電子シフターをはじめ、エアコンやオーディオの操作性向上を目的に、ハプティック®、タッチパッド、静電ステアリングホイールスイッチなどの開発を進めます。更に、自動運転の目となる、前方の車両や人・障害物などを検知し、衝突を防止するための超短距離ミリ波レーダーの開発も進めています。これら複合化・多機能化に加え、大学や研究機関と共同研究を進めている人間工学に基づいた、心地良く快適な操作フィーリングを追求することで付加価値向上を図ります。 一方、生産性改善を重要課題とし、材料や部品の共通化及び設計・開発工程の標準化を推進し、安定品質を維持して収益力の強化に取り組みます。 <車載デバイス製品> 自動運転を支えるActive Safety技術の高度化に向け、車両の運転支援技術として中国での導入が先行するC-V2X(Cellular based Vehicle to X)の開発が進み、2020年度に市場導入を開始しました。更に5G通信方式への対応に向けた準備を進めています。自動運転走行で必須となる操舵検出において、当社固有の静電技術を応用したステアリングハンズオフセンサ、高周波技術を核としたミリ波センシングの多様化(乗員検出、障害検出、モーション検出等)の開発が進んでいます。更にその先に向け、電子ミラーを核とし、前出のセンサとディスプレイ製品で培ったイメージ処理技術を融合させた安全運転支援技術への取り組みを加速させています。 また、コネクテッドの領域においては将来車両に必須である高度セキュリティとデジタルキー技術を実現するスマートフォンエントリーシステムの量産化に注力しています。 電動化における重要部品である電流センサについては、高電圧化、多相化、小型・高精度に対応したバラエティの拡充によって採用が増えています。更にCASE領域製品だけではなく、当社の強みであるHMIデバイスにおいては、デザイン性と操作フィーリングを両立する新たな静電・ハプティックデバイスの開発を進めています。 ② 民生その他市場 スマートフォン、ノートPC、小型プリンタをはじめとするモバイル市場やEHII市場において、機器の軽薄短小・操作性・快適性・省エネ・高速大容量化等に貢献すべく、新素材からデバイス、モジュール製品等の幅広い分野で研究開発を行っています。 <モバイル市場> 成熟が進むも巨大な需要が続くスマートフォン市場では、軽薄短小の防水防塵スイッチ、タクトスイッチ® など各種操作入力用製品をはじめ、カメラモジュール機能の高性能化に伴うレンズ大口径化及び低消費電力、薄型化などのニーズに応え、手振れ補正用アクチュエータ、タッチパネルセンサ、3軸地磁気センサ、圧力センサの新製品開発に更に注力します。また、スマートフォンの付加価値向上に熱転写プリンタ技術を応用した加飾印刷の開発に取り組んでいます。 ゲーム市場では長寿命・高触感のニーズからコントローラ用にスイッチやジョイスティック等のHMI製品、リアルな感触を再現できるハプティックデバイスの開発を行います。 これらの製品は、当社固有の精密加工技術、接点・抵抗・静電・圧電・光・磁気・電気・熱の設計技術を応用し開発され、自動機組立てで安定した供給と品質が保証されています。 <EHII市場> ICT(Information and Communication Technology)による「超スマート社会」の実現が政府より打ち出されて以来、日本をはじめ先進各国でビッグデータを活用した革新的な取り組みが急速に広がりはじめています。工業、インフラ、物流、ウェアラブルなどあらゆる分野で市場が形成されはじめており情報技術、エレクトロニクスの重要性が高まっています。当社グループはIoTスマートモジュールを用いて通信等各社との協業によるソリューション提案を様々な分野で進め、EHIIとして中国、インド、マレーシア等、各国での展示会に出展し、光通信やIoT等、進展する市場の新規開拓も進めてきました。 Energy分野では、大手海外企業とスマート分電盤用電流センサを量産開始して以来、家庭向け蓄電池システムの量産も実施し当社独自の軟磁性アモルファス材料 リカロイ™を用いた製品を基に、小型高効率技術を追求し、省エネルギー分野でのビジネス開発を継続して進めます。 IoT分野では、世界最小のセンサネットワークモジュールを開発し、ユーザー側で容易にIoT環境が構築できる開発キットも提供しています。現在、荷物の位置や状態をリアルタイムに把握できる物流状態の管理システムや製造現場における実証実験に基づいた「作業者見守りシステム」が採用され、各種センサをヘルメットに装着、環境情報や作業者の生体情報・活動情報を取得することで、体調不良の検知や万が一の労働災害発生の早期発見・早期処置が可能となります。これら様々なビジネス形態の中で、スピーディーな事業基盤の確立に向け電子部品事業の強みであるハードウェア技術と車載情報機器事業のサービスビジネスフレームワークを融合するとともに、ハードウェアを中心にしたモノビジネスからサービス含むコトビジネスへの移行を推進し、ワンストップ型ソリューションビジネスの展開を進めます。また、他社との協業や提携なども積極的に進め、国内外での生産体制の拡充及び生産性の改善に向けた各種取り組みを継続して進めていきます。 (2)車載情報機器事業 自動車業界においては、CASEやADAS(先進運転支援システム)の進展により環境が大きく変化し、IT・通信等の業務・業態を越えた企業間の開発競争が一層激化しています。 このような事業環境の中で、電子部品事業とのシナジーによって生まれた「デジタルキャビン」製品群の提案及び製品開発の加速、ブロックチェーン技術を活用したカーシェアリング向けデジタルキーシステムの開発を引き続き推進しています。また、MaaS(Mobility as a Service)ビジネスの強化として、レンタカー等の交通事業者や中古流通・物流MaaS事業者向けに、高度なUIを備えたナビアプリ及び車両位置の管理システムを開発しています。関係会社のアルパインマーケティング株式会社と連携し、ソリューションの提供を開始しました。また、グローバル競争力及び顧客価値の向上を目的として、日本精機株式会社と資本業務提携契約を締結しました。 音響機器市場では、CASEなど自動車産業の変革に伴って、サウンド事業が取り組む領域も拡大しています。エンジンのこもり音など走行中のノイズを逆位相の音をスピーカーから出して打ち消すアクティブノイズコントロールやAIを活用したチューニング技術など「デジタルキャビン」におけるプレミアムサウンドをより身近に実現することを目指した取り組みを推進します。音をコントロールする取り組みは、車の中だけでなく外にも広がっています。例えば、電気自動車やハイブリッドカーに搭載が義務づけられた車両接近通報装置において、当社の「eSound」は電子基板を備えているのが大きな特徴で、決まった音のみを発生させる他社のシステムとは違い、サウンドを自在に作り込むことが可能です。サウンド技術の可能性を更に広げていくため、人の聴覚にどうアプローチするかをテーマに、大学と連携した共同研究を進めています。 車載情報機器事業に係わる研究開発費は13,924百万円です。
FY2020|4,304 文字
5【研究開発活動】 当社グループ(当社及び連結子会社)は、「人と地球に喜ばれる新たな価値を創造します。」を全ての礎に、事業活動を通じて持続可能な社会の発展に貢献することを目指しています。 「Right(最適な)」「Unique(独自性)」、「Green(環境にやさしい)」を兼ね備えた、「美しい電子部品を究める」ことを事業の根幹とし、70年の歴史の中で育んだ当社グループ独自の強みを最大限に活かし、新しい価値を創造しています。 当社グループの研究開発費の総額は37,667百万円です。 (1)電子部品事業 当社の価値創造の源泉は、市場のニーズを捉えた「美しい電子部品」です。そして、それをタイムリーに世の中に送り出すことが、私たちの価値創造です。創業以来70年の中で、深化・融合した技術と脈々と受け継がれている企業風土が相まって、価値創造を支えています。 人とメディアのより快適なコミュニケーションを目指し、「HMIの深化」「センサバラエティの拡大」「コネクティビティをキーとしたビジネスの拡大」を独自の柱とし、固有技術の深化・融合により、新たな価値ある製品を開発しています。 また、更なる未来を見据えた技術開発は、現在所有する技術に留まらず、新たな技術領域への挑戦に向けて、大学や研究機関・他企業とのオープンイノベーションやアライアンスにもこれまで以上に取り組み、当社独自の生産技術力と組み合わせて、今までにない新しい製品を新しい市場に送り出すために、ダイナミックな技術開発を行っています。 電子部品事業に係わる研究開発費は19,845百万円です。 ① 車載市場 自動車産業における100年に1度の大変革期の中、その中心にあるCASEに対応した各種センサやデバイス製品の開発に加え、コクピット・インテリアデザイン、運転操作システムで差別化する各種モジュール製品まで幅広く開発を行っています。 <車載モジュール製品> 車の更なる安全・安心、かつ快適な車室内空間を実現するために、人と機器をつなぐHMI技術及びセンシング技術を応用した商品開発を行っています。また、小型電子シフターをはじめ、エアコンやオーディオの操作性向上を目的に、ハプティック®、タッチパッド、静電ステアリングホイールスイッチなどの開発を進めます。更に現在、自動運転の目となる、前方の車両や人・障害物などを検知し、衝突を防止するための超短距離ミリ波レーダーの開発も進めています。これら複合化・多機能化に加え、大学や研究機関と共同研究を進めている人間工学に基づいた、心地良く快適な操作フィーリングを追求することで付加価値向上を図ります。 一方、生産性改善を重要課題とし、材料や部品の共通化及び設計・開発工程の標準化を推進し、安定品質を維持して収益力の強化に取り組みます。 <車載デバイス製品> 自動運転を支えるActive Safety技術の高度化に向け、車両の運転支援技術として中国での導入が先行するC-V2X(Cellular based Vehicle to X)の開発が進み、2020年度市場導入に向けた準備を進めています。自動運転走行で必須となる操舵検出において、当社固有の静電技術を応用したステアリングハンズオフセンサー、高周波技術を核としたミリ波センシングの多様化(乗員検出、障害検出、モーション検出等)の開発が進んでいます。更にその先に向け、電子ミラーを核とし、前出のセンサとディスプレイ製品で培ったイメージ処理技術を融合させた安全運転支援技術への取り組みを加速させています。 また、コネクテッドの領域においては将来車両に必須である高度セキュリティとデジタルキー技術を実現するスマートフォンエントリーシステムの量産化に注力しています。 電動化における重要部品となる量産中の電流センサの高電圧化、多相化、小型・高精度に対応した製品バラエティーの拡充によって採用が増えています。更にCASE領域製品だけではなく、当社の強みであるHMIデバイスにおいては、デザイン性と操作フィーリングを両立する新たな静電・ハプティックデバイスの開発を進めています。 ② 民生その他市場 スマートフォン、ノートPC、小型プリンタをはじめとするモバイル市場やEHII市場において、機器の軽薄短小・操作性・快適性・省エネ・高速大容量化等に貢献すべく、新素材からデバイス、モジュール製品等の幅広い分野で研究開発を行っています。 <モバイル市場> 巨大な需要が続くスマートフォン市場では、防水防塵のスイッチ、タクトスイッチ® など各種操作入力用製品をはじめ、カメラモジュールの高性能化及び低消費電力、薄型化などのニーズに応え、手振れ補正用アクチュエータ、次世代タッチパネルとして期待されている折り曲げ可能なファーダブルタッチパネルセンサ、低ノイズ・低消費電力の3軸地磁気センサの新製品開発に更に注力します。また、スマートフォンの付加価値向上に熱転写プリンタ技術を応用した加飾印刷の開発に取り組んでいます。 ゲーム市場では長寿命・高触感のニーズからコントローラ用にスイッチやジョイスティック等のHMI製品、リアルな感触を再現できる2軸共振タイプの「ハプティック® リアクタ Hybrid Tough Type」の開発を行います。 これらの製品は、当社固有の精密加工技術、磁気・電気・熱設計技術を応用し開発され、自動機組立てで安定した供給と品質が保証されています。 <EHII市場> ICT(Information and Communication Technology)による「超スマート社会」の実現が政府より打ち出されて以来、日本をはじめ先進各国でビッグデータを活用した革新的な取り組みが急速に広がりはじめています。工業、インフラ、物流、ウェアラブルなどあらゆる分野で市場が形成されはじめており情報技術、エレクトロニクスの重要性が高まっています。当社グループはIoTスマートモジュールを用いて通信等各社との協業によるソリューション提案を様々な分野で進め、EHIIとして中国、インド、マレーシア等、各国での展示会に出展し、光通信やIoT等、進展する市場の新規開拓も進めてきました。 Energy分野では、大手海外企業とスマート分電盤用電流センサを量産開始して以来、家庭向け蓄電池システムの量産も実施し当社独自の軟磁性アモルファス材料 リカロイ™を用いた製品を基に、小型高効率技術を追求し、省エネルギー分野でのビジネス開発を継続して進めます。 IoT分野では、世界最小のセンサネットワークモジュールを開発し、ユーザー側で容易にIoT環境が構築できる開発キットも提供しています。現在、荷物の位置や状態をリアルタイムに把握できる物流状態の管理システムや製造現場における実証実験に基づいた「作業者見守りシステム」が採用され、各種センサをヘルメットに装着、環境情報や作業者の生体情報・活動情報を取得することで、体調不良の検知や万が一の労働災害発生の早期発見・早期処置が可能となります。また送電線設備故障の未然防止のための異常放電を音や光で検知するシステムも開発が進んでいます。これら様々なビジネス形態の中で、スピーディーな事業基盤の確立に向け電子部品事業の強みであるハードウェア技術と車載情報機器事業のサービスビジネスフレームワークの融合により当社グループとして付加価値のある差異化した製品でソリューションビジネスを展開します。また、他社との協業や提携なども積極的に進め、国内外での生産体制の拡充及び生産性の改善に向けた各種取り組みを継続して進めていきます。 (2)車載情報機器事業 自動車業界においては、CASEやADAS(先進運転支援システム)の進展により環境が大きく変化し、IT・通信等の業務・業態を超えた企業間の開発競争が激化しています。 このような変化に対し、当社は、CASE・Premium HMIといった注力領域への研究開発リソースのシフトを加速すべく、電子部品事業と車載情報機器事業のコア技術を融合し、高付加価値領域の仕込みと事業化を推進し事業の拡大を目指します。 情報・通信機器市場では、車室内を一人ひとりのお客様の感動空間へと変化させる“人とクルマをつなぐユニークなシステム製品”の提供を通じて、独自の「シームレススマートモビリティソリューション」を提案しています。例えば、スマートフォンをキーとして、カーシェアの予約や乗車を進化させる「スマートエントリ」、乗り手の好みのドライブプランを把握して自動提案する「レコメンドエンジン」、自動運転中の車内をくつろぎの空間にする「ドライバーモニタリング」、車室内をより上質で快適に演出する「Premium HMI」、そして、ドライブの後までスムーズにする「降車サポート」など、さまざまな機能とサービスを組み合わせたソリューションを体験することができる「シームレススマートモビリティソリューション」コクピットを「東京モーターショー2019」に出展しました。 音響機器市場では、Faital社との資本業務提携を活用し、アルパインブランド及び自動車メーカー向けビジネスにおいてこだわり続けている“良い音”をより深化させ、プレミアム領域の更なる開拓を含めてより魅力ある製品開発を加速するとともに、自動運転時代において、車室内の快適な移動空間の提供のために重要となるノイズをコントロールする技術やAIを活用したチューニング技術など普遍価値であるプレミアムサウンドをより身近に実現することを目指した取り組みを推進します。 新しい事業領域では、ナビゲーションの位置情報処理技術にセンサ及び画像処理技術を組み合わせた産業用ドローンシステムの実用化に向けた取り組みや、ブロックチェーン技術を活用したカーシェアリング向けデジタルキーの開発やコネクテッドカーの車両情報管理のため、IT企業のフリービット株式会社の一部株式を取得し、業務提携によるMaaS(Mobility as a Service)ビジネスの強化を図りました。ブロックチェーン技術の改ざんが不可能な特性を活用し、より透明性ある中古車査定や、コネクテッドカーの拡大により増加する各種車両情報をセキュアかつ、改ざん出来ない形で保管するなど、自動車業界を支えるITインフラ技術としての活用を検討していきます。 車載情報機器事業に係わる研究開発費は17,758百万円です。
FY2019|4,353 文字
5【研究開発活動】 当社グループ(当社及び連結子会社)は、「人と地球に喜ばれる新たな価値を創造します。」を全ての礎に、事業活動を通じて持続可能な社会の発展に貢献することを目指しています。「Right(最適な)」「Unique(独自性)」、「Green(環境にやさしい)」を兼ね備えた、「美しい電子部品を究める」ことを事業の根幹とし、70年の歴史の中で育んだ当社グループ独自の強みを最大限に活かし、新しい価値を創造しています。 当社グループの研究開発費の総額は32,886百万円です。 (1)電子部品事業 当社の価値創造の源泉は、市場のニーズを捉えた「美しい電子部品」です。そして、それをタイムリーに世の中に送り出すことが、私たちの価値創造です。創業以来70年の中で、深化・融合した技術と脈々と受け継がれている企業風土が相まって、価値創造を支えています。 人とメディアのより快適なコミュニケーションを目指し、「HMIの深化」「センサバラエティの拡大」「コネクティビティをキーとしたビジネスの拡大」を独自の柱とし、固有技術の深化・融合により、新たな価値ある製品を開発しています。 また、更なる未来を見据えた技術開発は、現在所有する技術に留まらず、新たな技術領域への挑戦に向けて、大学や研究機関・他企業とのオープンイノベーションやアライアンスにもこれまで以上に取り組み、当社独自の生産技術力と組み合わせて、今までにない新しい製品を新しい市場に送り出すために、ダイナミックな技術開発を行っています。 電子部品事業に係わる研究開発費は18,630百万円です。 ①車載市場 自動車産業における100年に1度の大変革期の中、その中心にあるCASEに対応した各種センサやデバイス製品の開発に加え、コクピット・インテリアデザイン、運転操作システムで差別化する各種モジュール製品まで幅広く開発を行っています。 <車載モジュール製品> 車の更なる安全・安心、かつ快適な車室内空間を実現するために、創業時からの実績を強みにしたHMI技術及びセンシング技術を応用した商品開発を行っています。また、小型電子シフターをはじめ、エアコンやオーディオの操作性向上を目的に、ハプティック®、タッチパッド、静電ステアリングホイールスイッチなどの開発を進めます。更に現在、自動運転の目となる、前方の車両や人・障害物などを検知し、衝突を防止するための超短距離ミリ波レーダーの開発も進めています。これら複合化・多機能化に加え、大学や研究機関と共同研究を進めている人間工学に基づいた、心地良く快適な操作フィーリングを追求することで付加価値向上を図ります。 一方、生産性改善を重要課題とし、材料や部品の共通化及び設計・開発工程の標準化を推進し、安定品質を維持して収益力の強化に取り組みます。 <車載デバイス製品> ADAS(Advanced Driver-Assistance Systems)での自動運転の高度化に向け、コア技術である高周波回路技術によりモジュール化を行い、C-V2X(Cellular based Vehicle to X)モジュールの開発を開始しました。ITS(高度道路交通システム)が進展していくことによって、これまで以上に必要性が高まる車載デバイスの製品ラインナップの更なる拡充のため、研究開発を強化していきます。 車の神経というべき、状態検知のニーズが今後ますます増えており、エンジン、車体、ドアに留まらず、乗員の搭乗空間にも各種センサが組み込まれ、車と人の双方をセンシングすることにより、より安全で、快適な自動運転制御が可能になります。ドア、シートベルト等の開閉検知に使われている検出スイッチには、故障診断機能を付加、たとえスイッチが故障したとしてもアラームを発信することが可能となり、車両の安全性、信頼性向上に寄与しています。加えて、今後普及が進んでゆく高度自動運転では、車室内の状態検知のみならず、居住性や快適性を提供する心地よい操作フィーリングを追求した入出力デバイスの開発を進めます。 また、EV(電気自動車)/HV(ハイブリッド車)のモーター駆動制御とモーターの回生電流の直流返還制御や、バッテリーの充放電電流検知に使用されており、制御のための心臓部品として重要な役割を担っている量産中の電流センサに加え、電動化を担う各種センサを開発していきます。 ②民生その他市場 スマートフォン、ノートPC、小型プリンタをはじめとするモバイル市場やEHII市場において、機器の軽薄短小・操作性・快適性・省エネ・高速大容量化等に貢献すべく、新素材からデバイス、モジュール製品等の幅広い分野で研究開発を行っています。 <モバイル市場> 巨大な需要が続くスマートフォン市場では、防水防塵のスイッチ、タクトスイッチ® など各種操作入力用製品をはじめ、カメラモジュールの高性能化及び低消費電力、薄型化などのニーズに応え、手振れ補正用アクチュエータ、次世代タッチパネルとして期待されている折り曲げ可能なファーダブルタッチパネルセンサ、低ノイズ・低消費電力の3軸地磁気センサの新製品開発に更に注力します。また、スマートフォンの付加価値向上に熱転写プリンタ技術を応用した加飾印刷の開発に取り組んでいます。 ゲーム市場では長寿命・高触感のニーズからコントローラ用にスイッチやジョイスティック等のHMI製品、リアルな感触を再現できる2軸共振タイプの「ハプティック®リアクタ Hybrid Tough Type」の開発を行います。 これらの製品は、当社固有の精密加工技術、磁気・電気・熱設計技術を応用し開発され、自動機組立てで安定した供給と品質が保証されています。 <EHII市場> ICT(Information and Communication Technology)による「超スマート社会」の実現が政府より打ち出されて以来、日本をはじめ先進各国でビッグデータを活用した革新的な取り組みが急速に広がり始めています。工業、インフラ、物流、ウェアラブルなどあらゆる分野で市場が形成されはじめており情報技術、エレクトロニクスの重要性が高まっています。当社グループはIoTスマートモジュールを用いて通信等各社との協業によるソリューション提案を様々な分野で進め、EHIIとして中国、インド、マレーシア等、各国での展示会に出展し、光通信やIoT等、進展する市場の新規開拓も進めてきました。 Energy分野では、大手海外企業とスマート分電盤用電流センサを量産開始して以来、家庭向け蓄電池システムの量産も実施し当社独自の軟磁性アモルファス材料 リカロイ™を用いた製品を基に、小型高効率技術を追求し、省エネルギー分野でのビジネス開発を継続して進めます。 IoT分野では、世界最小のセンサネットワークモジュールを開発し、ユーザー側で容易にIoT環境が構築できる開発キットも提供しています。現在、荷物の位置や状態をリアルタイムに把握できる物流状態の管理システムや製造現場における実証実験に基づいた「作業者見守りシステム」の採用が進んでいます。各種センサをヘルメットに装着、環境情報や作業者の生体情報・活動情報を取得することで、体調不良の検知や万が一の労働災害発生の早期発見・早期処置が可能となります。また送電線設備故障の未然防止のための異常放電を音や光で検知するシステムも開発が進んでいます。これら様々なビジネス形態の中で、スピーディーな事業基盤の確立に向け電子部品事業の強みであるハードウェア技術と車載情報機器事業のサービスビジネスフレームワークの融合により当社グループとして付加価値のある差異化した製品でソリューションビジネスを展開します。また、他社との協業や提携なども積極的に進め、国内外での生産体制の拡充及び生産性の改善に向けた各種取り組みを継続して進めていきます。 (2)車載情報機器事業自動車業界における大きな潮流であるCASEが市場で加速する中、アルパイン(株)が一貫して大切にしてきた音へのこだわりやPremium HMIを核とした高付加価値製品と、価格重視傾向が顕著な既存製品のコモディティ化という2極化がより一層進行しています。アルパイン(株)は、車室内を一人ひとりのお客様の感動空間へと変化させる“人とクルマをつなぐユニークなシステム製品”の提供を目指して、CASE/Premium HMIといった注力領域への研究開発リソースのシフトを加速すべく、電子部品事業と車載情報機器事業のコア技術を融合し、高付加価値領域の仕込みと事業化を推進し事業の拡大を目指します。 音響機器事業ではアルパイン(株)が自社ブランド及び自動車メーカー向けビジネスにおいてこだわり続けている“良い音”をより深化させ、プレミアム領域の更なる開拓を含めてより魅力ある製品開発を加速させるために、高級スピーカー専門メーカーであるイタリアFaital社との資本業務提携を行いました。アライアンス戦略により欧州地域の更なる音響機器事業の強化を図り、更なる顧客獲得・ビジネス拡大を目指します。自動運転時代の到来により、車室内を快適移動空間化することが事業拡大に向けた重要なテーマであると認識しており、音をコントロールする技術開発、また、アルパイン(株)が長年培ってきた音のチューニングを機械学習・数値化することにより、人工知能(AI)を活用した短時間のチューニングを可能にし普遍価値であるプレミアムサウンドをより身近に実現することを目指した取り組みを推進します。 情報・通信機器事業では国内市販市場向けに投入したカーナビ『Big-Xシリーズ』が、J.D.パワー社による「2018年日本ナビゲーションシステム顧客満足度調査<市販ナビカテゴリー>」において総合満足度1位を受賞しました。これにより2012年度から7年連続でお客様満足度No.1を獲得しました。また、“シームレスなカーライフの提案”として、カーナビに蓄積された走行ログデータの収集・分析を行いスマホアプリと連動させることにより、一人ひとりのユーザーに合わせた情報を発信していくデータソリューションモデルの開発を行っており、ビッグデータ活用展2019に出展しました。また、電子部品事業の高周波技術と車載情報機器事業のシステム設計・大規模ソフト開発ノウハウを融合した通信機器をはじめとした、シナジー効果を最大限に生かした魅力ある新たな製品開発を進めていきます。 車載情報機器事業に係わる研究開発費は14,196百万円です。
FY2018|4,075 文字
5【研究開発活動】 当社グループ(当社及び連結子会社)は、「人と地球に喜ばれる新たな価値を創造します。」を全ての礎に、事業活動を通じて持続可能な社会の発展に貢献することを目指しています。Right(最適な)Unique(独自性)、Green(環境にやさしい)を兼ね備えた、「美しい電子部品を究める」ことを事業の根幹とし、70年の歴史の中で育んだアルプス独自の強みを最大限に活かし、新しい価値を創造しています。 当社グループの研究開発費の総額は29,799百万円です。 (1)電子部品事業 当社の価値創造の源泉は、市場のニーズを捉えた「美しい電子部品」です。そして、それをタイムリーに世の中に送り出すことが、私たちの価値創造です。創業以来70年の中で、深化・融合した技術と脈々と受け継がれている企業風土が相まって、価値創造を支えています。人とメディアのより快適なコミュニケーションを目指し、「HMIの深化」「センサバラエティの拡大」「コネクティビティをキーとしたビジネスの拡大」を独自の柱とし、固有技術の深化・融合により、新たな価値ある製品を開発しています。 また、更なる未来を見据えた技術開発は、現在所有する技術に留まらず、新たな技術領域への挑戦に向けて、大学や研究機関・他企業とのオープンイノベーションやアライアンスにもこれまで以上に取り組み、当社独自の生産技術力と組み合わせて、今までにない新しい製品を新しい市場に送り出すために、ダイナミックな技術開発を行っています。 電子部品事業に係わる研究開発費は19,539百万円です。 ①車載市場 車の安全・安心・快適・環境に対する要求の高まりや、将来の完全自動運転、地球環境を意識した電気・燃料電池自動車に対応すべく、各種センサやADAS(先進運転支援システム)に用いるデバイス製品の拡充、電子シフターなど車室内で人が操作するモジュール製品まで幅広く開発を行っています。 <車載モジュール製品> 車の更なる安全・安心、かつ快適な車室内空間を実現するために、創業時からの実績を強みにしたHMI(Human Machine Interface)技術及びセンシング技術を応用した開発を行っています。自然素材を使った車室内のデザイン調和と、手袋をした状態でも可能な操作性を両立させたハプティック®タッチパッドや静電ステアリングホイールスイッチ等の開発を進めています。更に、衝突防止・自動運転の目となるべく、前方の車両や人・障害物などを検知するための超短距離ミリ波レーダーの開発を進めています。 心地良く快適な操作フィーリングを追求し、顧客のニーズを具現化するために、複合化・多機能化によって付加価値の向上を図りながら、材料・部品の共通化及び設計・開発工程の標準化を推進しています。更に、生産性改善にも一層の拍車をかけて安定品質を維持・徹底し、収益力の強化を図っています。 <車載デバイス製品> ADASでの自動運転の実現に向け、コア技術である高周波回路技術によりモジュール化を行い、V2X(Vehicle to X)モジュールの量産を開始し、今後更なる拡大を見込んでいます。ITS(高度道路交通システム)が進展していくことによって、これまで以上に必要性が高まる車載デバイスの製品ラインナップの更なる拡充のため、研究開発を強化していきます。 車の神経というべき、状態検知のニーズが今後ますます増えており、エンジン、車体、ドアに留まらず、シートにも各種センサが組み込まれ、車と人をセンシングすることにより、より安全で、快適な制御が可能になります。ドア、シートベルト等の開閉検知に使われている検出スイッチには、故障診断機能を付加、例えスイッチが故障したとしてもアラームを発信することが可能となり、車両の安全性、信頼性向上に寄与しています。また、EV(電気自動車)/HV(ハイブリッド車)のモーター駆動制御とモーターの回生電流の直流返還制御や、バッテリーの充放電電流検知に使用されており、制御のための心臓部品として重要な役割を担っている電流センサを量産開始しました。EV/HVの拡大に伴い、今後ますます需要が見込まれます。 ②民生その他市場 スマートフォンをはじめとするモバイル市場やEHII(Energy、Healthcare、Industry、IoT)市場において、機器の操作性・快適性・環境性・高速大容量化等に貢献すべく、新素材からセンサデバイス、モジュール製品等の幅広い分野で研究開発を行っています。<モバイル市場> 巨大な需要が続くスマートフォン市場、新たなVR(Virtual Reality)市場などで、スイッチなど各種操作入力用製品をはじめ、カメラの高性能化及び低消費電力、薄型化などのニーズに応え、カメラ用アクチュエータの新製品開発に更に注力します。また、VR市場ではゲームの世界を中心に、工場や医療現場での遠隔操作用コントローラ等幅広い用途を想定し、ハプティック®の製品開発を進めています。固有の精密加工技術や磁気・電気設計技術を応用した振動フィードバックデバイス「ハプティック®リアクタ」はゲーム機に採用され、今後更なる拡大を見込んでいます。 <EHII市場> ICT(Information and Communication Technology)による「超スマート社会」の実現が政府より打ち出されるなど、日本をはじめ先進各国でビッグデータを活用した革新的な取り組みが始まっています。工業、農業、医療など、様々な産業で情報技術、エレクトロニクスの重要性が高まっています。当社はIoT(Internet of Things)スマートモジュールを用いて通信等各社との協業によるソリューション提案をHealthcare、Industry等の様々な分野で進めました。 Energy分野では、大手海外企業とスマート分電盤用電流センサを量産開始しました。また家庭向け蓄電池システムの出荷も開始しており、当社独自の軟磁性アモルファス材料 リカロイ™を用いた製品開発を基に、省エネルギー分野でのビジネス開発を進めます。IoT分野では、世界最小のセンサネットワークモジュールを開発し、ユーザー側で容易にIoTが構築できる開発キットも提供しています。現在、オフィスビルの環境管理や、工場における生産ラインの稼働状況モニタリング、物流倉庫内の状態管理、更に農業ICTなど、幅広い用途で採用が進んでいます。また、製造現場における実証実験に基づいた「作業者見守りシステム」を開発中です。各種センサをヘルメットに装着、環境情報や作業者の生体情報・活動情報を取得することで、体調不良の検知や万が一の労働災害発生の早期発見・早期処置が可能となります。これら様々なビジネス形態の中で、スピーディーな事業基盤の確立に向け、他社との協業や提携なども積極的に進めます。 IoTの普及によって、ネット上のデータ通信量はますます増加することが予想され、それに伴って光通信システム機器を小型化し、複数設置することで対応する必要が有ります。当社はチャッキングエリア付き狭幅非球面ガラスレンズを商品化しました。機器の小型化を可能にする横幅0.6mmの狭幅化と、自動機で部品を掴む(チャッキング)エリアを設けたことで、機器への実装、調整が容易になったことが高く評価されています。 (2)車載情報機器事業カーエレクトロニクス技術で磨かれた高品質なエンターテインメントを提供するアルパイン独自の「五感に響くHMI(Human Machine Interface)」技術に加え、自動運転、コネクテッド、EV(電気自動車)、シェアリングの4大潮流を加えた独創的な付加価値を生み出す技術開発をアルプス・アルパイングループの連携により統合コックピットとして実現を目指して技術・開発領域を拡大しています。クルマの中から外へ領域を拡げ魅力的なコンテンツやサービスを提供するクラウド領域、そしてコミュニティ領域ではビッグデータ、AI(人工知能)を活用し顧客のニーズやパターンを分析し最適な情報やサービスを提供していくことで事業の拡大を目指します。現在アルパイン(株)では、自動車メーカーと音響機器/情報・通信機器ともに複数の共同開発プロジェクトを推進しており、今後適宜市場への展開を行なっていきます。音響機器事業ではスピーカー振動版にCFRTP(熱可塑炭素繊維樹脂)を採用し、従来の振動板にない高音質化と耐熱性の両立に成功しました。CFRTPは航空機、自動車等の軽量化等の金属の代替え技術として期待されています。アルパイン(株)は金属代替え技術の範囲だけではなく、その特性を生かした内部損失や異方性の特徴を生かしたスピーカー振動板への採用を目指し開発を進めてきました。アルパインブランド商品より順次製品化を進めていきます。情報・通信機器事業では自動運転時代を見据え、コニカミノルタ株式会社の保有する世界初の技術(フロントガラス越しにピント位置が近距離から遠距離まで奥行きを持った任意の位置に同時に重畳させて表示する技術)を応用し、車載用に適用していくことを目的としてコニカミノルタ株式会社との共同開発を開始しました。ドライバーの視線の変化や運転速度に応じ、適切な場所に表示することにより安全性を高め、ドライバーに安心を与え、より優しい運転環境の提供を実現していきます。東芝デジタルソリューション株式会社との共同開発、関西電力株式会社の協力を得てドローンによる架空送電線の自動追尾飛行撮影の実証実験に成功しました。アルパイン(株)が培った高精度位置精度技術(地図情報)とセンサ技術により、強風の影響による揺れなどの過酷な条件の中での自動追尾飛行を実現しました。今後IoT、AI技術への応用を目指します。 車載情報機器事業に係わる研究開発費は10,227百万円です。
FY2017|3,939 文字
6【研究開発活動】 当社グループ(当社及び連結子会社)は、独創技術の開発を基本理念として、新材料の研究開発から製品の開発、更には生産技術の開発に至るまで、積極的な研究開発活動を電子部品事業、車載情報機器事業及びその他で推進しています。 当社グループの研究開発費の総額は32,279百万円です。(1)電子部品事業 「アルプスは人と地球に喜ばれる新たな価値を創造します。」を企業理念とし、「美しい電子部品を究めます。」を事業領域として、人とメディアのより快適なコミュニケーションを目指し、メカトロニクス技術・プロセス技術・マテリアル技術等の当社固有技術をより深化させるとともに融合化することにより、ユニークな新製品への展開を進めています。 また、国内外の大学や研究機関等とのコラボレーションを図っており、東北大学とは2017年3月に組織的連携協力協定を締結。共同研究に加え新たな共創による先端技術新事業の創出を目指すとともに、人材面において地域産業の持続的成長促進に向けたイノベーションを担う創業人材の育成と交流を推進していきます。 電子部品事業に係わる研究開発費は16,780百万円です。 ①車載市場 車の安全・安心・快適、そして環境性能などの向上に貢献すべく、部品からシステム製品迄の幅広い分野に対応できる商品の研究開発を進めており、車室内で進む電子化・複雑な操作に対しては、統合操作デバイスの開発を行っています。今後増えていくHV・PHV・EV・燃料電池車等に必要とされる商品の開発も進めています。 <車載モジュール製品> 当連結会計年度の主な成果として、車載用エアコンやオーディオの操作性向上を目的にタッチパネルモジュール・ハプティック®タッチパッド・静電ステアリングホイールスイッチ・小型電子シフタの開発を進めています。更に、衝突防止・自動運転の目となるべく、前方の車両や人・障害物などを検知するための超短距離ミリ波レーダーの開発を進めています。 快適な操作フィーリングの追求や複合化・多機能化によって付加価値の向上を図りながら、材料・部品の共通化及び設計・開発工程の標準化を推進しています。更に、生産性改善にも一層の拍車をかけて安定品質を維持・徹底し、収益力の強化を図っています。 <車載デバイス製品> 当連結会計年度の主な成果として、ADAS(先進運転支援システム)での自動運転の実現に向け、コア技術である高周波回路技術によりモジュール化を行い、V2X(Vehicle to X)モジュールの量産を開始し、今後更なる拡大を見込んでいます。ITS(高度道路交通システム)が進展していくことによって、これまで以上に必要性が高まることから、製品ラインナップ拡充のため研究開発を強化していきます。 ②民生その他市場 スマートフォンをはじめとする民生市場やヘルスケア・エネルギー市場において、機器の操作性・快適性・環境性・高速大容量化等に貢献すべく、新素材からセンサデバイス、モジュール製品等の幅広い分野で研究開発を行っています。 <コンポーネント製品> 当連結会計年度の主な成果として、スマートフォン等に搭載されるカメラの高性能化・高画質化と低消費電力化のニーズにより、デュアルカメラ対応のオートフォーカスアクチュエータ、スマートフォンの薄型化に対応した低背のアクチュエータ、高画質に対応すべく高解像度対応のアクチュエータを開発し、量産を開始しました。また、業界トップクラスの実績と豊富なバラエティ、高い信頼性の評価を受けました。 ゲームの世界を中心に工場や医療現場の遠隔操作用コントローラなど、幅広い用途が期待されるVR(バーチャルリアリティ)に向けては、「ハプティック®」というフォースフィードバック技術を用いて各種の製品開発を進めています。「ALPS SHOW 2016」「CEATEC JAPAN 2016」などの各種展示会では、コップをモチーフに、お茶や冷水が注がれた際の温度変化や液体の動き、容器の感触が手に伝わる技術体感アイテム「ハプティック®トリガープラス」を展示し、大きな反響を得ました。 当社固有の精密加工技術や磁気設計・電気設計技術を応用した振動フィードバックデバイス「ハプティック®リアクタ」は、新たにゲーム機として採用され量産を開始しました。<モジュール製品> 当連結会計年度の主な成果として、IoT(Internet of Things)、M2M(Machine to Machine)市場の拡大が進む中、低消費電力でコイン型リチウム電池の駆動が可能で、アンテナ、6軸(地磁気+加速度)、気圧、温湿度、照度の各センサとBluetooth® Smartモジュールを1パッケージ化した世界最小のセンサネットワークモジュールを開発し、量産を開始しました。ユーザーサイドで活用できる開発キットもあわせて提案することにより、幅広いIoTの構築及び効率よく利用ができる環境を提供可能になりました。実際の採用例としては、ビルの環境管理や設備の予防保全、製造の現場における製造ラインのモニタリング、物流における倉庫内の状態管理、農業ICT(Information and Communication Technology)における活用など、幅広い用途で採用されています。今後、IoTの広がりとともに、用途、需要の拡大が見込まれます。 新たに環境エナジー市場に向けて、家庭向け蓄電池システムの出荷を開始しました。当社独自素材を用いたリカロイ™トロイダルコアを搭載した自社開発小型・高効率電力変換モジュールにより、従来比では小型・軽量化は20%以上、総合効率も40%以上の向上を実現しました。 (2)車載情報機器事業主としてアルパイン(株)が中心となり、カーエレクトロニクスの事業領域において、従来型のオーディオ・ビジュアル・ナビゲーションを中核としたシステムから、カメラ、各種センサ及びスマートフォン等の個人情報端末・クラウドとそこから得られるダイナミック(動的)な情報を組み合わせることで、快適なカーライフを提供する自動運転時代を見据えた次世代車載システムの開発に着手しました。更に、これまで培った高精度自車位置技術を活用した産業用ドローンサービス事業の研究にも着手しました。市場・顧客ニーズの多様化及びグローバル化も年々進んでおり、これらの変化に対応するため日・米・欧・中の4極開発体制の強化に加え、当社をはじめとしたグループ連携及び他社・異業種とのアライアンスを積極的に進めています。現在アルパイン(株)では、自動車メーカーと音響機器、情報・通信機器ともに複数の共同開発プロジェクトを推進しており、今後、適宜市場への展開を図っていきます。 当連結会計年度の主な成果として、音響機器事業においては、Apple社のCarPlay®対応ワイヤレスヘッドユニットとオフロード車種専用で防水仕様かつオープントップ時にも視認性の高い新しいディスプレイを組み込んだモデルが、優れたデザインと技術を認められ、CESの車載オーディオ/ビデオ部門において“CES Innovation Awards”を受賞しました。 また、クルマでの音の楽しみ方の幅を広げる小型軽量化スピーカー「レイアウトフリースピーカー」を発表し、純正ディーラーオプションとして採用されました。レイアウトフリースピーカーは外径48mm、奥行き33mmと従来のスピーカーよりも15%の小型化と45%の軽量化を実現しました(当社従来スピーカー比)。大きさが従来より小さいにも関わらず、幅広い帯域を高品質で再生可能にしました。 更に、国内外市販市場向けに“究極のリアルサウンド”と“圧倒的臨場感”を実現するスピーカーの新製品「X」(エックス)を導入しお客様からの高い評価を獲得しました。素材を微細化する最新技術で高密度に仕上げられたウーファー部のナノファイバー振動板や、カーボングラファイト振動板を採用したグラファイトツィーター、大型の35mmボイスコイルと超急冷押出しネオジウムによる超高密度ラジアルリングマグネットなどにより明瞭・緻密でパワフルな音の再生を実現しました。 情報・通信機器事業においては、ご好評をいただいている国内市場向けカーナビゲーション「Big-Xシリーズ」は、昨年発売の11型WXGA液晶搭載モデルを筆頭に高評価を受け、JDパワー社による顧客満足度調査において5年連続No.1を取得し、オートサウンドウェブによるカーオーディオ評価においてもカーナビゲーションとして最高位のシルバーアワードを受賞しました。引続きHMI(Human Machine Interface)革新などによる顧客価値を創造し「モノ」から「コト」への付加価値を提供していきます。 また、自動運転時代を見据え、快適なカーライフを提供する次世代車載システムの開発に着手しました。本システムはアルパイン(株)の車載機器技術と日本アイ・ビー・エム(株)の自動車業界向けIoTソリューション「Watson IoT for Automotive」を基盤技術として利用し、多様でダイナミック(動的)な情報を活用しながら、ドライバーや同乗者に合わせて快適なドライブを提供する次世代のIBM Cloudを活用したシステムです。また「Watson IoT for Automotive」が持つ豊富なデータを活用し、さまざまな業界のサービスとオープンに連携することが可能となります。 車載情報機器事業に係わる研究開発費は15,449百万円です。
FY2016|4,315 文字
6【研究開発活動】 当社グループ(当社及び連結子会社)は、独創技術の開発を基本理念として、新材料の開発から製品の開発、更には生産技術の開発に至るまで、積極的な研究開発活動を電子部品事業、車載情報機器事業及びその他で推進しています。 当社グループの研究開発費の総額は33,336百万円です。(1)電子部品事業 「アルプスは人と地球に喜ばれる新たな価値を創造します。」を企業理念とし、「美しい電子部品を究めます。」を事業領域として、人とメディアのより快適なコミュニケーションを目指し、独自の材料、小型化技術などの当社固有技術を融合化することにより、ユニークな新製品への展開を進めています。 現在、電子部品分野において、東北大学をはじめ国内外の大学や研究機関等とのコラボレーションを図るとともに、国内外の研究開発拠点の技術力を技術本部に結集し、積極的な研究開発を進めています。 電子部品事業に係わる研究開発費は13,668百万円です。 ①車載市場 車の安全・安心・快適、そして環境性能などの向上に貢献すべく、エンジンやシャシーに使用されるセンサをドメインとして、部品からシステム製品迄の幅広い分野で研究開発を、また、車室内で人が操作するインプットデバイスの研究開発を行っています。 <コンポーネント製品> 当連結会計年度の主な成果として、車のドアやトランク、エンジンフードなどの開閉状態を正確に検出するとともに、周辺回路の断線やショート等の異常をいち早く検出する抵抗器内蔵型の防水型検出スイッチを開発し、量産を開始しました。検出部には、当社固有の精密加工技術を応用することにより、塵、ほこり、振動や衝撃に強く、高い接触信頼性を実現しています。 また、自動車部品の組み立て工程でのリフロー方式に対応した、業界初の中空エンコーダを開発し、量産を開始しました。軸材料の見直しを行い、耐熱性を向上させリフロー方式に対応しました。更に、独自の機構設計技術と精密加工技術を駆使し、高級感のあるフィーリングを実現しています。 <モジュール製品> 通信モジュールでは、車室内におけるインフォテイメント領域でのコネクティビティ向けに開発を手掛けており、Bluetooth®モジュールが業界シェアNo.1を誇っています。 当連結会計年度の主な成果として、インフォテイメント領域に加え、ITS(高度道路交通システム)社会の広がりを視野に、自動運転を支援するADAS(交通安全支援システム)や、事故を未然に防ぐDSSS(交通安全支援システム)に対応すべく、車車間・路車間の通信を可能とするV2X(Vehicle to X)モジュールを開発し、量産を開始しました。 研究開発としては、車載用エアコンやオーディオの操作性を向上したタッチパネルモジュールの開発を進めています。更に、LTE(Long Term Evolution)のネットワーク網を車内で活用可能とするニーズに対応した、各国通信周波数に対応の車載用LTE通信モジュールの開発を進めています。 ②民生その他市場 スマートフォンやウェアラブル端末をはじめとする民生市場やヘルスケア・エネルギー市場において、機器の操作性・快適性・環境性・高速大容量化等に貢献すべく、新素材からセンサデバイス、モジュール製品等の幅広い分野で研究開発を行っています。 <コンポーネント製品> 当連結会計年度の主な成果として、スマートフォン等に搭載されるカメラの高性能化・高画質化と低消費電力化のニーズにより、大口径レンズへの対応と低消費電力を同時に実現するバイダイレクションタイプのカメラ用アクチュエータを開発し、量産を開始しました。φ7.05mm(16メガピクセル向け)とφ8.0mm(20メガピクセル向け)の大口径レンズに対応する2種をラインナップし、いずれも10mm×10mm×4.3mmと同一の外形サイズ・仕様であるため、容易に大口径タイプへの変更が可能となり、顧客の設計負荷の低減にも寄与します。また、このカメラ用アクチュエータは、レンズの原点位置をあらかじめ使用頻度の高い焦点距離(位置)に設定し、その地点からプラス電流及びマイナス電流に応じて両方向(バイダイレクション)へ移動させ、ピント調整を行なう方式を採用しました。これにより、レンズの移動距離が短くなるため、移動に伴う消費電力の低減を実現しています。一方、13メガピクセル向けでは、従来タイプと比較して約1/3程度の低消費電力化と高速フォーカスを実現した業界初のバイダイレクションタイプのアクチュエータを開発し、量産を開始しました。外形サイズ8.5mm×8.5mm×2.8mmと業界最低背クラスを実現し、筐体の設計自由度とデザイン性に貢献します。 また、スマートフォン向けとして、F2センサ方式を採用した曲面タッチパネルを開発し、量産を開始しました。 更に、ウェアラブル端末やヘルスケア機器などは、軽薄短小化とともに高度な防水防塵化のニーズにより、IP68(注1)相当まで防塵を向上させた業界初のタクトスイッチ®を開発し、量産を開始しました。 <モジュール製品> 当連結会計年度の主な成果として、IoT(インターネット・オブ・シングス)、M2M(Machine to Machine)市場の拡大が進む中、低消費電力化によりコイン型リチウム電池での駆動を可能とし、アンテナをモジュールの上面に配置することで、顧客の設計負荷低減にも寄与するBluetooth® Smartモジュールを開発し、量産を開始しました。 研究開発としては、ウェアラブル端末、IoTへの注目が高まる中、6軸(地磁気+加速度)、気圧、温湿度、照度の各センサとBluetooth® Smartモジュール、アンテナを1パッケージ化した世界最小のセンサネットワークモジュールを「CEATEC JAPAN 2015」に出展し、グリーン・イノベーション部門で準グランプリを受賞しました。この小型センサネットワークモジュールにより、アクセサリーへの埋め込みや設備の隙間スペースなど、場所を問わず設置が可能で、住環境のモニタリングや健康管理、インフラ整備の監視など、幅広い用途で応用が可能となります。 (注1):IPとは日本工業規格で規定された防水・防塵性能の等級の事。 IP68は、粉塵の侵入を完全に防ぎ、かつ長時間水没しても影響がないレベル。 (2)車載情報機器事業 カーエレクトロニクスの事業領域において、従来型のオーディオ、ビジュアル、ナビゲーションを中核としたシステムから、カメラ、レーダー等のセンサを活用した運転者支援機能やスマートフォン等の個人情報端末・クラウドとの接続による複合システムへ大きく変化しており、更にそこで必要とされる技術の高度化・領域拡大も急速に進んでいます。また、中国や新興国市場の拡大による市場・顧客ニーズの多様化、グローバル化も年々進んでいます。これらの変化に対応するためアルパイン(株)が中心となり、日本、米国、欧州、中国の4極開発体制の強化に加え、昨年11月に中国NEUSOFT CORPORATIONとの合弁会社NEUSOFT REACH AUTOMOTIVE TECHNOLOGY (SHANGHAI)CO., LTD.(以下「NRA」という。)を設立し、また、当社とのグループ連携及び他社とのアライアンスを積極的に進めています。 現在、アルパイン(株)では、自動車メーカーと複数の共同開発プロジェクトを推進しており、市場への展開を行っています。 当連結会計年度の主な成果として、お客様のカーライフを分析した結果から生まれたアルパイン・プレミアムサウンドシステムを北米OEM車種専用向けに導入を行い、特に耐水性に優れたサブウーファーはSUVユーザーからの高評価を得る事ができました。次世代小型軽量・高効率車載オーディオシステムとしてアルパイン(株)が開発した革新的サブウーファーは欧州自動車メーカーを中心に導入が開始され、車両の軽量化に貢献しました。 また、国内自動車メーカー車種専用に先進のサウンドテクノロジー「DDリニア構造」を採用した3WAYスピーカーシステムを開発し、導入を開始しました。当製品は18cm大口径ユニットを搭載し、ライブ感あふれる圧倒的なサウンドの実現が可能です。 国内市場向けカーナビゲーション『Big-Xプレミアム』に車載市場向けとして世界最大となる11型WXGA液晶搭載モデルを開発しました。大画面・高精細画質の実現に加え、新たにリアビジョン(後席モニター)との前後座席コミュニケーション機能やカーアロマ(フレグランスユニット)の制御にも対応しています。また、『Big-Xシリーズ』はJDパワー社による顧客満足度調査で4年連続No.1、オートサウンドウェブによるカーオーディオ評価においても4年連続で最高位にあたるゴールドアワードを受賞しました。海外市販向けにおいては、車種専用トータルカーライフソリューションに対し、欧州EISA(European Imaging and Sound Association)年間最優秀賞と北米CES(Consumer Electronics Show) Innovation Awardsを相次いで受賞しました。新たに開発した車両BUSシステムとの連携、ライトバー・サスペンション・トノーカバー・ウインチ等のトラックアクセサリ操作機能に高い評価を受けました。 中国の大手ソフトウェア開発会社であるNEUSOFT CORPORATIONと、自動車のインテリジェント化、インターネット化や新エネルギー化におけるソフトウェア開発及び関連技術開発を目的とした合弁会社NRAを設立しました。拡大を続ける中国市場において、電気自動車などのバッテリーパッケージ管理とインテリジェントチャージの重要技術、画像認識やセンサーとの融合を中核技術とする高度な運転支援システム、自動運転の重要技術、クラウドプラットフォームベースのテレマティクス、コネクテッドカーなどの分野で研究開発を進め、事業化を図っていきます。 更に、Airbiquity社と『アルパインコネクト』を共同開発しました。アルパイン製ヘッドユニットから海外で人気の高いスマホアプリ(Yelp、Spotify、iHeartRadio、Glymse等)を操作可能な新しいサービスを実現しました。 車載情報機器事業に係わる研究開発費は19,648百万円です。