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日本信号(6741)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

日本信号は、交通インフラを支えるシステムを提供する会社です。主な事業は、鉄道の安全を守る信号システム、交通信号やスマートモビリティ関連製品の製造・販売です。また、駅の自動改札機(AFC)やロボット・センサー技術(R&S)などのICTソリューションも手掛けています。これらの製品の製造から、関連工事の設計施工、保守、ソフトウェア開発までを一貫してグループ会社で行い、国内外の交通インフラを支えることで収益を上げています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

日本信号の事業は大きく二つのセグメントに分かれています。「交通運輸インフラ事業」は、鉄道信号やスマートモビリティ関連のシステム・製品の製造・販売を行い、売上565.7億円、営業利益45.47億円を計上しています。「ICTソリューション事業」は、自動改札機(AFC)やロボット・センサー技術(R&S)などの情報通信技術を活用したソリューションを提供し、売上502.88億円、営業利益89.5億円を計上しており、利益面ではこちらのセグメントが稼ぎ頭となっています。国内外のグループ会社が連携し、製品の製造から保守まで幅広く事業を展開しています。

2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
TrafficAndTransportationInfrastructureDivision 事業 566 45 8.0%
ICTSolutionsDivision 事業 503 90 17.8%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,195 文字
3【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社13社、持分法非適用会社12社(非連結子会社11社、関連会社1社)で構成され、鉄道信号、スマートモビリティ、AFC、R&S等の製造及び販売とこれらに付帯する事業活動を展開しております。当社グループの事業に係る位置づけ、及びセグメントとの関連は次のとおりであります。なお、次の2部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。 交通運輸インフラ事業鉄道信号:当社が製造販売するほか、連結子会社日信電設㈱、非連結子会社日信テクノエンジニアリング㈱が関連工事の設計施工等を行っており、製品及び部品の一部については、連結子会社日信工業㈱、栃木日信㈱、山形日信電子㈱から仕入れております。  スマートモビリティ:当社が製造販売するほか、非連結子会社北明電気工業㈱、埼玉ユニオンサービス㈱が関連工事の設計施工等を行っており、製品及び部品の一部については、連結子会社日信工業㈱から仕入れております。 ICTソリューション事業AFC:当社が製造販売しており、製品及び部品の一部については、連結子会社日信工業㈱、山形日信電子㈱、日信特器㈱、並びに非連結子会社日信岡部二光㈱から仕入れております。  R&S:当社が製造販売しており、製品及び部品の一部については、連結子会社山形日信電子㈱、朝日電気㈱から仕入れております。  その他:当社の製造販売した交通運輸インフラ事業及びICTソリューション事業の電気・電子機器製品の販売、保守については、連結子会社日信電子サービス㈱、福岡日信電子㈱、札幌日信電子㈱、中部日信電子㈱、仙台日信電子㈱、日信ITフィールドサービス㈱で、ソフトウエアの開発については、連結子会社日信ソフトエンジニアリング㈱で行っております。損害保険代理店業務等を非連結子会社日信興産㈱で、技術関係資料の編集等を非連結子会社日信ヒューテック㈱で行っております。駅務機器の保守、工事等を非連結子会社横浜テクノエンジニアリングサービス㈱で行っております。関連会社㈱てつでんと鉄道信号の取引があります。また、当社が製造した電気・電子機器製品の販売、保守等について、中国は非連結子会社北京日信安通貿易有限公司、インドは非連結子会社Nippon Signal India Private Limited、台湾は非連結子会社台湾日信テクノロジー㈱、バングラデシュは非連結子会社Nippon Signal Bangladesh Private Limitedで行っております。 (注) AFCはAutomatic Fare Collection Systemsの略称です。(注) R&SはRobotics&Sensingの略称です。 事業の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
一般競争入札に基づく発注と参入業者間の競合による価格競争の激化
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
鉄道信号や交通信号システム、駅務自動化システム関連製品に極めて高い安全性が求められる
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:経済、市場に基づくリスク / 製品の特性に基づくリスク / 競合、取引先に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

長年の実績と信頼に基づくブランド力、交通インフラ分野での特許技術、および官公庁との強固な関係性が無形資産として機能。特に信号機や鉄道信号システムにおける技術的ノウハウは参入障壁となる。過去の納入実績が新規受注に繋がる。

スイッチングコスト★★★★☆
根拠:強い乗り換えの手間・コスト

交通インフラは、一度導入されると更新・交換に莫大なコストと時間がかかる。信号機や鉄道制御システムは、安全性・信頼性が最優先されるため、既存システムからの切り替えは極めて困難。ライフサイクルも長く、保守・運用を含めたトータルコストを考慮すると、顧客(国、自治体、鉄道会社)のスイッチングコストは非常に高い。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ネットワーク効果は限定的。個々のインフラは独立しており、ユーザー数の増加が直接的なサービス価値向上に繋がる構造ではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

規模の経済によるコスト優位性は限定的。公共事業中心であり、価格競争よりも仕様や信頼性が重視される傾向。ただし、長年の生産ノウハウによる効率化は存在する。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

交通インフラ分野、特に信号機や鉄道信号システムにおいて、国内では限られたプレイヤーしか存在しない寡占市場。大手プレイヤーとして一定のシェアを確保しており、規模の経済による効率性は一定程度存在する。

日本信号の優位性は、社会インフラである「交通」を支える製品において、極めて高い安全性が求められる分野で長年の実績と技術力を持っている点です。特に鉄道信号システムは、公共交通の安全に直結するため、新規参入が難しく、高い技術力と信頼性が参入障壁となっています。また、安全信頼創造センターを設立し、安全理論の研究や社員教育を行うことで、安全と信頼を最優先する企業文化を確立しており、これが顧客からの信頼に繋がっています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)会社の経営の基本方針当社グループは、世界中の人々がより安心、快適に暮らせる社会の実現を願い、1928年の設立以来、鉄道や道路交通など、社会インフラの発展と維持に貢献する事業を展開しています。2016年4月には、近年のグローバル化や産業技術の急激な変化を勘案し、創業60周年を機に制定された企業理念を「日本信号グループ理念」に改定いたしました。「私たちの使命」である“「安全と信頼」の優れたテクノロジーを通じて、より安心、快適な社会の実現に貢献します”という想いのもと、一丸となり企業活動に取り組んでおります。2019年度より新たな長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」をスタートし、10年後の設立100周年(2028年)に向けて、世界の人々から必要とされる企業グループになることを目指して、グローバル化の深化やデジタル技術の大変革期に適応し、持続的成長のための事業構造改革に取り組んでおります。 (2)目標とする経営指標2024年度より始まった長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」の第3期中期経営計画「Realize-EV100」では、顧客の構造改革や課題解決を推進する新商材の開発・社会実装の加速と設計・ものづくりのバリューチェーン改革など収益性向上を図るとともに、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応としてROIC経営を進めてまいります。中期経営計画「Realize-EV100」最終年度において、連結売上高1,500億円、ROE10.0%以上、ROIC9.0%以上を目指します。 (3)中長期的な戦略経営2019年度よりスタートした長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」では、デジタルディスラプション(デジタル技術による破壊的なイノベーション)で既存産業が淘汰される大変革期の到来に対し、従来の延長線上にない新しいビジネスの在り方を追求し、インフラの進化を安全・快適のソリューションで支えることで社会的課題を解決し、世界中から必要とされる企業グループとなることを目指しています。また、長期経営計画の実現に向け、設立100周年となる2028年をターゲットとした、新たな中期経営計画「Realize-EV100」を2024年度よりスタートいたしました。これまで自動運転技術や多機能重機ロボットなどのⅮⅩ商材の開発に取り組み、社会実装を進めてまいりました。今後はこれらの拡販やビジネスモデル構築に取り組み、国際事業での延伸案件等の受注やオペレーション&メンテナンス事業の拡大と収益性の向上に取り組みます。また資本収益性の改善に向けたROE、ROICの向上により一層努め、IR活動を強化してまいります。 (4)対処すべき課題<重点課題1>新事業・新商材のNext Stage鉄道・自動車の自動運転、キャッシュレスサービス、CBM、ホーム監視システム、ロボット等の省力化に資する製品開発の推進、脱炭素や顧客の構造改革を支えるソリューションビジネスの拡大等、新事業・新商材の社会実装の加速に取り組みます。 <重点課題2>国際事業のNext Stage案件履行から継続的な保守・メンテナンス、更なる延伸案件の受注と市場開拓による新たな受注により、国際事業の成長と収益力向上を図ります。また、海外現地化を進めグローバル力を強化してまいります。 <重点課題3>ものづくりのNext Stage脱炭素、ソフトウエアファーストに対応した商材開発強化とグループベースでの設計標準化、ものづくり内製化の推進、設備投資による生産性向上等により、QCD最適化を目指します。 <その他>ESG経営の推進脱炭素化に向けた温室効果ガスの削減に努め、環境負荷の低い交通手段である鉄道の普及や維持を通じて持続可能な社会の実現に貢献してまいります。また、従業員エンゲージメント向上や地域密着型の社会貢献活動にも取り組みます。 コーポレートガバナンスの強化といたしましては、モニタリングボードとしての取締役会を志向し、経営の監督機能と執行機能を明確に分離したうえで、監督機能の一層の強化と透明性の確保を図り、企業価値向上に努めてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)会社の経営の基本方針当社グループは、世界中の人々がより安心、快適に暮らせる社会の実現を願い、1928年の設立以来、鉄道や道路交通など、社会インフラの発展と維持に貢献する事業を展開しています。2016年4月には、近年のグローバル化や産業技術の急激な変化を勘案し、創業60周年を機に制定された企業理念を「日本信号グループ理念」に改定いたしました。「私たちの使命」である“「安全と信頼」の優れたテクノロジーを通じて、より安心、快適な社会の実現に貢献します”という想いのもと、一丸となり企業活動に取り組んでおります。2019年度より新たな長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」をスタートし、10年後の設立100周年(2028年)に向けて、世界の人々から必要とされる企業グループになることを目指して、グローバル化の深化やデジタル技術の大変革期に適応し、持続的成長のための事業構造改革に取り組んでおります。 (2)目標とする経営指標2024年度より始まった長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」の第3期中期経営計画「Realize-EV100」では、顧客の構造改革や課題解決を推進する新商材の開発・社会実装の加速と設計・ものづくりのバリューチェーン改革など収益性向上を図るとともに、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応としてROIC経営を進めてまいります。中期経営計画「Realize-EV100」最終年度において、連結売上高1,500億円、ROE10.0%以上、ROIC9.0%以上を目指します。 (3)中長期的な戦略経営2019年度よりスタートした長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」では、デジタルディスラプション(デジタル技術による破壊的なイノベーション)で既存産業が淘汰される大変革期の到来に対し、従来の延長線上にない新しいビジネスの在り方を追求し、インフラの進化を安全・快適のソリューションで支えることで社会的課題を解決し、世界中から必要とされる企業グループとなることを目指しています。また、長期経営計画の実現に向け、設立100周年となる2028年をターゲットとした、新たな中期経営計画「Realize-EV100」を2024年度よりスタートいたしました。これまで自動運転技術や多機能重機ロボットなどのⅮⅩ商材の開発に取り組み、社会実装を進めてまいりました。今後はこれらの拡販やビジネスモデル構築に取り組み、国際事業での延伸案件等の受注やオペレーション&メンテナンス事業の拡大と収益性の向上に取り組みます。また資本収益性の改善に向けたROE、ROICの向上により一層努め、IR活動を強化してまいります。 (4)対処すべき課題<重点課題1>新事業・新商材のNext Stage鉄道・自動車の自動運転、キャッシュレスサービス、CBM、ホーム監視システム、ロボット等の省力化に資する製品開発の推進、脱炭素や顧客の構造改革を支えるソリューションビジネスの拡大等、新事業・新商材の社会実装の加速に取り組みます。 <重点課題2>国際事業のNext Stage案件履行から継続的な保守・メンテナンス、更なる延伸案件の受注と市場開拓による新たな受注により、国際事業の成長と収益力向上を図ります。また、海外現地化を進めグローバル力を強化してまいります。 <重点課題3>ものづくりのNext Stage脱炭素、ソフトウエアファーストに対応した商材開発強化とグループベースでの設計標準化、ものづくり内製化の推進、設備投資による生産性向上等により、QCD最適化を目指します。 <その他>ESG経営の推進脱炭素化に向けた温室効果ガスの削減に努め、環境負荷の低い交通手段である鉄道の普及や維持を通じて持続可能な社会の実現に貢献してまいります。また、従業員エンゲージメント向上や地域密着型の社会貢献活動にも取り組みます。 コーポレートガバナンスの強化といたしましては、モニタリングボードとしての取締役会を志向し、経営の監督機能と執行機能を明確に分離したうえで、監督機能の一層の強化と透明性の確保を図り、企業価値向上に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況a.経営成績当連結会計年度における世界経済は、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や中東情勢の緊迫化による地政学リスクに加えて米国の関税政策等に対する各国の反応など、先行きを注視すべき状況が続いております。国内経済においては、賃金の上昇と定額減税による個人消費の増加や、インバウンド消費等を背景にした景気の緩やかな回復が見込まれる一方で、上記の関税政策の影響など、今後の不透明な経済動向が懸念されております。このような状況の中、当社グループは、2024年度に2028年度を最終ゴールとする中期経営計画「Realize-EV100」をスタートいたしました。2年目にあたる2025年度では、DX技術を活用した新商材の販売拡大と新たなビジネスモデルの構築、オペレーション&メンテナンスビジネスの拡大を進めるとともに、当社グループ全体でものづくりの更なる生産性向上に取り組みます。また、グループ会社再編も進めており、その一環として、2025年4月1日に日信ITコネクト株式会社(旧:日信ITフィールドサービス株式会社)が当社子会社としての事業活動を開始いたしました。同社は、当社のDX商材に必要なITインフラの構築と運営・管理を一元化する役割を担います。さらに、投資家・株価を意識したIR・SR活動や人的資本経営の推進等、サステナブルな成長を目指しております。当連結会計年度の経営成績といたしましては、受注高は100,453百万円(前期比27.5%減)、売上高は106,859百万円(前期比8.4%増)となりました。損益面につきましては、新紙幣対応及び鉄道事業者の業績改善に伴う安全設備への投資増などに伴い、営業利益は9,906百万円(前期比45.2%増)、経常利益は10,789百万円(前期比36.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8,503百万円(前期比59.1%増)となりました。 なお、当連結会計年度における各セグメントの概況は、以下のとおりであります。 〔交通運輸インフラ事業〕「鉄道信号」では、国内市場においては、鉄道事業者向けに列車集中制御装置、連動装置等の信号保安装置、案内表示設備等の受注・売上がありました。地上設備をスリム化した地方鉄道向けの無線式列車制御システムや、鉄道設備状態をクラウドネットワークで収集・蓄積・分析する「Traio」など、メンテナンスの省力化や検査効率の向上に資する製品開発と全国展開により、今後も引き続き安全で快適な移動の実現に貢献してまいります。海外市場においては、インドネシア、台湾、韓国等で鉄道信号システムの受注・売上がありました。これまでの導入実績をもとに、アジア諸国におけるインフラ整備の需要に応え、快適で安全な街づくりに貢献してまいります。道路交通安全システムを中心とする「スマートモビリティ」では、交通管制センター向けのシステムや交通信号灯器等の受注・売上がありました。また、自動運転実証実験の各種プロジェクトにも積極的に参画し、自動運転車両と道路の信号機や路側センサを連携した「インフラ協調」を支える製品、技術のプロバイダとなることを目指しております。海外市場においては、急激な都市部への人口流入による慢性的な交通渋滞の解決が求められている東アフリカ市場の開拓を目指し、営業所を新設したウガンダで交通信号の受注・売上がありました。結果といたしましては、受注高は51,033百万円(前期比38.5%減)、売上高は56,570百万円(前期比4.9%増)となりました。また、損益面につきましては、セグメント利益は4,547百万円(前期比26.8%減)となりました。 〔ICTソリューション事業〕駅務ネットワークシステムを中心とする「AFC」では、国内市場においては、各種ホームドアや改札機、そして新札対応による改造・更新需要があった券売機や駐車場機器等の受注・売上がありました。これから全国各地で導入が見込まれるクレジットカードやデビットカード等のタッチ決済及びQRコード認証を用いた新しいキャッシュレス乗車サービスについても実証実験に積極的に取り組んでおり、2025年4月の大阪・関西万博開催にあわせて開業した夢洲駅などで運用が開始されました。海外市場においては、バングラデシュやベトナム、インド、エジプト等でAFCシステムやホームドア等の受注・売上がありました。ロボティクス及びセンシングを中心とする「R&S」では、ホームドア用の3D距離画像センサやX線手荷物検査装置、多機能鉄道重機、警備ロボット等の受注・売上がありました。当社はフェールセーフの基本思想のもと、これまでに培ったセンサ、画像分析等のコア技術に最新のロボティクス技術を融合させ、人とロボットが協働する未来社会の実現に向けた取り組みを推進しております。結果といたしましては、受注高は49,420百万円(前期比11.1%減)、売上高は50,288百万円(前期比12.8%増)となりました。また、損益面につきましては、セグメント利益は8,950百万円(前期比124.2%増)となりました。 b.財政状態当連結会計年度末における総資産は、契約資産の減少5,160百万円、棚卸資産の減少1,569百万円等がありましたものの、売掛金の増加6,728百万円、有形固定資産の増加1,608百万円等により、前連結会計年度末に比べ945百万円増加の166,240百万円となりました。負債は、契約負債の減少2,623百万円、支払手形及び買掛金の減少1,653百万円等により、前連結会計年度末に比べ4,856百万円減少の63,616百万円となりました。純資産は、利益剰余金の配当による減少2,120百万円等がありましたものの、親会社株主に帰属する当期純利益8,503百万円の計上等により、前連結会計年度末に比べ5,801百万円増加の102,623百万円となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は11,248百万円となり、前連結会計年度末に比べ512百万円の減少となりました。 各キャッシュ・フローの状況につきましては、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、契約負債の減少△2,623百万円、仕入債務の減少△2,310百万円、売上債権の増加△1,530百万円等がありましたものの、税金等調整前当期純利益11,674百万円の計上等により、5,783百万円の資金の増加(前年同期は6,771百万円の資金の増加)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入547百万円等がありましたものの、有形・無形固定資産の取得による支出△4,881百万円等により、4,498百万円の資金の減少(前年同期は2,982百万円の資金の減少)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入れによる資金の増加500百万円等がありましたものの、配当金の支払による支出△2,117百万円等により、1,598百万円の資金の減少(前年同期は338百万円の資金の減少)となりました。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)交通運輸インフラ事業57,424105.8ICTソリューション事業50,228112.0合計107,653108.6 (注) 上記金額は販売価格によっております。 b.受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高受注残高金額(百万円)前年同期比(%)金額(百万円)前年同期比(%)交通運輸インフラ事業51,03361.578,61693.4ICTソリューション事業49,42088.926,20096.8合計100,45372.5104,81694.2 (注) 上記金額は販売価格によっております。 c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)交通運輸インフラ事業56,570104.9ICTソリューション事業50,288112.8合計106,859108.4 (注) 上記金額は販売価格によっております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容①経営成績等の分析当連結会計年度は、長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」で掲げるビジネス転換や、事業ドメイン、人材・組織、技術開発などに関する戦略に取り組んだ6年目となりました。 売上高については、交通運輸インフラ事業の鉄道信号の国内外の需要、ICTソリューション事業の国内AFCにおける新紙幣対応のための改造・更新需要等により106,859百万円(前期比8.4%増)となりました。損益面については、営業利益9,906百万円(前期比45.2%増)、経常利益10,789百万円(前期比36.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益8,503百万円(前期比59.1%増)となりました。 ②資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、現在、運転資金及び設備投資資金は、内部資金又は借入により資金を調達しております。このうち借入による資金調達については、運転資金は期限が1年以内の短期借入金により調達しております。当社グループは、その健全な財政状態、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備資金を調達することが可能であると考えております。 ③経営方針・経営戦略、経営上の達成状況を判断するための客観的な指標等長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」をより具体的な取り組み・施策に展開した、第3期中期経営計画「Realize-EV100」初年度の経営上の目標値といたしましては、売上高1,000億円、営業利益率8.0%、並びにROE5.8%としておりました。当期における当社グループの経営成績は、売上高1,068億円、営業利益率9.3%、並びにRОE8.5%となりました。 ④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

主なリスクとして、国内鉄道各事業者や警察等の公共投資に事業が強く依存しており、景気変動や災害による輸送量減少が設備投資の縮小に繋がり、業績に影響を与える可能性があります。また、社会インフラを支える製品の特性上、故障や誤動作が発生した場合、人命や財産に関わる重大な事故に繋がり、損害賠償請求を受けるリスクがあります。さらに、原材料や部品の不足・価格高騰、国内外での価格競争激化も業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,205 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクとしては、主に以下のようなものがあります。但し、全てのリスクを網羅しているわけではなく、現時点では予見できないリスクや重要と評価されていないリスクについても、将来影響を受ける可能性がないか注視しております。文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。  (1)経済、市場に基づくリスク 当社グループは、交通インフラに関わるシステムやサービスの提供を当社の基幹事業としております。その主要顧客である国内鉄道各事業者の設備投資や、警察等の公共投資の影響を強く受ける分野であります。 そのため、感染症や災害等により人や貨物の輸送量が減少し、運輸収入に大きな影響が生じた場合、国内鉄道事業者の設備投資や公共事業投資が減少して市場規模が縮小し、当社グループの経営成績に重大な影響を与える可能性があります。 また、主要顧客の設備投資及び公共投資が当社の需要の中心となっているため、当社グループの売上の比重は期末に高くなる傾向があります。 (2)製品の特性に基づくリスク 当社グループで製造・販売している鉄道信号や交通信号システム、駅務自動化システム関連の製品は、重要な社会インフラである「交通」を支えております。また、実証実験に参画している鉄道と自動車の自動運転に係る新技術なども含め、極めて高い安全性が求められます。そのため、故障・誤動作等の障害が発生した場合、深刻な公共交通のマヒあるいは利用者の人命や財産に関わる安全を損なう事態を招く恐れがあり、各関係者の被害に関する損害の賠償請求を受け、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。 当社グループが何よりも優先すべきことは「安全と信頼」であり、これを頑なに守り続けることが必要であります。そうしたことから、グループ理念に掲げる安全への想いを未来に継承していく拠り所として、安全信頼創造センターを設立し、安全理論の研究、蓄積や社員の安全教育を実施しております。 (3)競合、取引先に関するリスク 主要顧客である国内鉄道各事業者や、警察等の官公庁からの発注は一般競争入札に基づいており、参入業者間の競合による価格競争の激化は、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。 海外事業についても同様であり、特に欧州企業や中国企業との価格競争の激化は、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。   また、半導体等をはじめとする原材料や部品等の大幅な不足や価格の高騰が生じた場合、当社グループの業績及び財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4)災害に対するリスク 当社グループは、主力生産事業所を埼玉・栃木の二県に集中して展開しております。これらの事業所及び本社を含む首都圏において、大規模地震や台風・豪雨・洪水等の自然災害による生産設備への被害、製品輸送、製品保管中の事故等、不測の事態が発生した場合、操業停止を含め、当社グループの生産能力が著しく低下する可能性があります。 このような大規模災害が発生した場合に指揮命令系統を早期に確立するための事業継続計画(BCP)を制定し、従業員の安否確認システムを利用した訓練をしております。 また、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を契機に自然災害・新型感染症対応規程の見直しを図り、国際事業の拡大やテレワークなど新しい働き方の運用を踏まえて、社員の安全確保と事業の継続について定めております。 (5)海外展開に関するリスク 当社グループは、アジアを中心に積極的な海外展開を図っております。そのため各国の経済・市場の動向に関するリスクだけではなく、政治的リスクや気候変動リスクにより、事業開発の遅れが生じるリスクがあります。   また、テロ・紛争・戦争、感染症等のリスクがあり、社員の安全確保のため、営業拠点からの退避や事業そのものからの撤退を余儀なくされる恐れもあります。また、これらの事象により為替相場が変動し、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。 (6)新規事業に関するリスク 当社グループは、既存事業特有のリスク低減を目指し、より安定した強固な企業基盤を確立すべく、既存事業の海外展開や、MaaS、自動運転、ロボティクスといった新分野の技術開発に積極的に取り組み、新市場の開拓を目指しております。 しかしながら、参入を検討している新市場規模が縮小した場合、又は技術開発の遅れにより、新事業から撤退等の事態に陥った場合、新たな成長ドライバーを獲得するまで、依然としてこれらのリスクが残存することになります。 (7)情報システムセキュリティリスク 当社グループは、事業上の重要情報や、事業の遂行過程で得た取引先等の機密情報を有しております。当該情報の盗難・紛失等を防ぐため、情報取扱管理規程の整備、情報システムのセキュリティ強化、社員に対するITセキュリティ教育を実施しております。 しかし、不測の事態によって、機密情報の漏洩や想定を超えるサイバー攻撃を受けることで、データの破壊、改ざん、流出、システム障害等を引き起こす可能性があり、その結果、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。

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