経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針当社は、テクノロジーの可能性を追求し、顧客に新たな価値を認めていただける製品を他社に先駆けて創造、提案し、顧客の満足を得ることを経営の基本方針としております。このため、当社は映像技術を核とした市場や顧客のニーズに応じた最適な映像環境ソリューションを提案する「Visual Technology Company」として、世界トップレベルの高品質かつ信頼性の高い映像製品の提供、システムソリューションの提案を行っております。 (2) 経営戦略2024年度を初年度とする第8次中期経営計画では、「Visual Technology Evolution ~EIZOにしかできない映像価値を~」の方針の下、ハードウェアとソフトウェアの両面からEIZOにしかできない「映像」の価値をさらに高め、引き続き持続可能な社会の実現に向けた取組みをさらに推進するとともに、事業領域の拡大を目指してまいります。 (3) 経営環境当社の属する電子機器業界は、絶え間ない技術の進化、液晶パネルに代表される電子デバイス業界の変容等、激しく変化しております。その環境下で、ソリューションビジネスが拡大するとともに、新たな価値創造に向けた取組みが進展しております。そうした中、当社はB&P(Business & Plus)で培った要素技術・品質・ノウハウを核に、ヘルスケア等の特定市場に深く根差した製品を開発し、相互にシナジーを生む事業を展開し、強いビジネスモデルを構築してきました。また、ビジネスモデルのさらなる進化に向けて「撮影、記録、配信、表示」のすべてをカバーできる当社独自のシステム事業である「EIZO Visual Systems」(EVS)の強化に取り組んできました。このビジネスモデルのもと、事業拡大のための地域戦略として欧州・米国・中国に続き、成長著しいインドや中東での事業拡大に取り組んでおります。当社が認識する各市場の経営環境は次のとおりです。 B&P(Business & Plus)ビジネス用途ではパフォーマンス及び作業効率の向上を図るための表示画面の大型化、高精細化及び高解像度化が進んでおります。また、サステナビリティへの意識の高まりにより、環境に配慮した企業の取組みと製品への需要が高まると見込んでおります。さらには、フリーアドレスやテレワークなど、近年働き方の多様化が進む中、USB Type-C接続によるノートPCとの親和性等、機能の高度化や利便性に対するニーズが高まっております。 ヘルスケア診断用途については、欧州・米国・日本といった先進国ではモダリティ機器の進化に伴い、読影環境の改善を目的とした高解像度モニターの需要が高まることに加え、中国やインド、中東などの新興国においても医療の高度化により需要が高まる見込みです。また、欧米において導入が進んでいる遠隔診断は、その他地域にも拡がることが見込まれます。内視鏡及び手術室用途については、低侵襲手術などの先端医療への需要が高まっており、近年ではロボット手術の導入も進んでいます。これらの状況下、高解像度手術用モニターや術野カメラ、映像記録・配信システムなどの映像関連機器の需要が高まる見込みです。 クリエイティブワーク写真、印刷等の静止画分野では、色の再現性が重要な写真や印刷用途での底堅い需要が存在します。映像制作向けについては、4K・HDR制作環境が浸透しており、特に映画制作や動画ストリーミング配信サービス分野における需要が米国、欧州、日本に加え、インド等で高まっています。また、ゲーム制作分野においてもCG技術の高度化に伴い、4K・HDRの需要が高まることが見込まれます。 V&S(Vertical & Specific)多種多様な業種・分野を対象としており、幅広い需要を見込んでおります。工作機械をはじめとした、各種機器・装置に搭載するタッチモニターの需要は引き続き旺盛であり一層の需要を見込んでおります。航空管制用途向けについては、全世界における市場シェアNo.1のポジションを維持しております。米国を始めとした全世界の更新需要に加え、中国やインドなどの新興国での空港新設による需要や付加価値の高い高解像度モニターの需要についても高まることが見込まれます。監視用途向けでは、全世界でセキュリティ意識の高まりを背景に、市場が拡大することが見込まれます。船舶用途向けについては、操舵室の電子化・システム化に伴い船級規格を備えたモニターの堅調な需要が見込まれる他、船内外の監視ニーズ、自動航行システム実現に向けた実証実験等、市場は多様化の動きを見せております。ディフェンス向けについては、地政学リスクの高まりを受け、高い信頼性や耐久性を備えたモニターやグラフィックスボードの需要が高まるものと見込まれます。 アミューズメント当市場は引き続き遊技人口の減少により厳しい環境となりますが、魅力ある商品の提供及び安定供給により、市場でのトップメーカーの地位を維持してまいります。 (4) 優先的に対処すべき事業上の課題① ビジネスモデルの進化と新たな価値の創造自社開発したモニター、カメラ、ネットワークエンコーダ等のハードウェアと当社固有のアルゴリズムやAI等を要素とするソフトウェアを融合させ、「撮影、記録、配信、表示」のImaging Chainを構築し、当社独自のシステム事業である「EIZO Visual Systems」(EVS)を展開しております。このシステム事業と当社の強みを活かした製品づくりにより、さらに便利で簡単に利活用できる新たな映像価値をグローバルに提供し、様々な社会課題の解決に貢献します。これらを通じて、当社の事業領域を拡大させ、当社独自のビジネスモデルの進化と強化に努めてまいります。 ② 安定した資材調達と製品供給当社は、取引先との間で相互繁栄を基本とした信頼関係を構築し、互いが長期に発展できるパートナーシップを築くことを方針としております。取引先とは、当社の資材調達方針に加え、当社のサステナビリティに関する取組みを共有し、パートナーシップを強化しております。また、自然災害の発生、感染症の流行、国際紛争や市場の変化により資材調達が困難な時においても顧客への安定的な製品供給を実現するため、当社製造拠点及び資材調達におけるBCPを強化するとともに十分な材料在庫の保有を戦略的に行っております。これらの取組みにより、安定供給を継続、維持してまいります。 ③ 事業成長のための生産性向上と競争力強化ハードウェアとソフトウェア両面の進化を通じた事業成長のため、戦略的なグループ開発体制・生産体制・販売体制の構築と事業基盤を支えるITインフラの刷新を行うなど業務効率化と生産性向上を進めてまいります。その一環として、新興市場であるインド、中東での販売拡大に向けた戦略投資を積極的に行います。また、当社独自のビジネスモデルを進化させ、当社固有の技術と強いシナジーを発揮するノウハウ、技術等を取得するため、今後も必要に応じ機動的なM&Aを実施いたします。 ④ 持続可能な社会の実現に向けた価値創造の推進当社は、「映像を通じて豊かな未来社会を実現する」という企業理念のもと、エルゴノミクスや環境に配慮した高品質な製品づくりや、誰もが生き生きと活躍できる職場環境の構築など、製品づくりと事業活動を通じて社会課題の解決に取組んでおります。社会課題と当社経営戦略の観点から重要性の高い事項をマテリアリティ(重要課題)として特定し、全社目標マネジメントシステムとリンクさせることで持続可能な社会の実現に向けた取組みを一層強化し、中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。 ⑤ 気候変動・自然資本への取組みマテリアリティの一つとして「気候変動への対応」を特定し、気候変動対策を推進しております。2023年5月には、2040年にNet Zeroを達成するための具体的な施策・計画「低炭素移行計画-Transition to Net Zero-」を策定し、当計画に従い、国内外の事業活動全体における温室効果ガスの排出削減に積極的に取組んでおります。また、2024年10月には自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)に賛同し、そのフレームワークに沿って自然資本への依存・影響・リスク・機会についての分析を行い、2025年4月にTNFDレポートを開示しました。今後も生物多様性及び生態系の保護を含む環境保全、汚染予防、環境リスクの低減により一層努めてまいります。 ⑥ 自由闊達で創造的に活躍できる企業文化の醸成当社はマテリアリティの一つである「自由闊達で創造的に活躍できる企業文化」こそ、従業員と会社が成長するために最も重要な要素と考えております。「モノづくりの高度化・複雑化が進む中で、次のビジネスモデルを『創る』『支える』ことができる多様な人材の獲得と育成」を最優先課題として捉えております。高い倫理観とグローバルマインドを持ちつつ、映像分野のトップランナーとして「世界で一番いいものをつくり、世界中のお客様にお届けする」という「EIZOマインド」のさらなる醸成と共有を推し進め、VUCAの時代に対応する柔軟な思考力・実践力を持った人材を確保・育成することを目指します。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針当社は、テクノロジーの可能性を追求し、顧客に新たな価値を認めていただける製品を他社に先駆けて創造、提案し、顧客の満足を得ることを経営の基本方針としております。このため、当社は映像技術を核とした市場や顧客のニーズに応じた最適な映像環境ソリューションを提案する「Visual Technology Company」として、世界トップレベルの高品質かつ信頼性の高い映像製品の提供、システムソリューションの提案を行っております。 (2) 経営戦略2024年度を初年度とする第8次中期経営計画では、「Visual Technology Evolution ~EIZOにしかできない映像価値を~」の方針の下、ハードウェアとソフトウェアの両面からEIZOにしかできない「映像」の価値をさらに高め、引き続き持続可能な社会の実現に向けた取組みをさらに推進するとともに、事業領域の拡大を目指してまいります。 (3) 経営環境当社の属する電子機器業界は、絶え間ない技術の進化、液晶パネルに代表される電子デバイス業界の変容等、激しく変化しております。その環境下で、ソリューションビジネスが拡大するとともに、新たな価値創造に向けた取組みが進展しております。そうした中、当社はB&P(Business & Plus)で培った要素技術・品質・ノウハウを核に、ヘルスケア等の特定市場に深く根差した製品を開発し、相互にシナジーを生む事業を展開し、強いビジネスモデルを構築してきました。また、ビジネスモデルのさらなる進化に向けて「撮影、記録、配信、表示」のすべてをカバーできる当社独自のシステム事業である「EIZO Visual Systems」(EVS)の強化に取り組んできました。このビジネスモデルのもと、事業拡大のための地域戦略として欧州・米国・中国に続き、成長著しいインドや中東での事業拡大に取り組んでおります。当社が認識する各市場の経営環境は次のとおりです。 B&P(Business & Plus)ビジネス用途ではパフォーマンス及び作業効率の向上を図るための表示画面の大型化、高精細化及び高解像度化が進んでおります。また、サステナビリティへの意識の高まりにより、環境に配慮した企業の取組みと製品への需要が高まると見込んでおります。さらには、フリーアドレスやテレワークなど、近年働き方の多様化が進む中、USB Type-C接続によるノートPCとの親和性等、機能の高度化や利便性に対するニーズが高まっております。 ヘルスケア診断用途については、欧州・米国・日本といった先進国ではモダリティ機器の進化に伴い、読影環境の改善を目的とした高解像度モニターの需要が高まることに加え、中国やインド、中東などの新興国においても医療の高度化により需要が高まる見込みです。また、欧米において導入が進んでいる遠隔診断は、その他地域にも拡がることが見込まれます。内視鏡及び手術室用途については、低侵襲手術などの先端医療への需要が高まっており、近年ではロボット手術の導入も進んでいます。これらの状況下、高解像度手術用モニターや術野カメラ、映像記録・配信システムなどの映像関連機器の需要が高まる見込みです。 クリエイティブワーク写真、印刷等の静止画分野では、色の再現性が重要な写真や印刷用途での底堅い需要が存在します。映像制作向けについては、4K・HDR制作環境が浸透しており、特に映画制作や動画ストリーミング配信サービス分野における需要が米国、欧州、日本に加え、インド等で高まっています。また、ゲーム制作分野においてもCG技術の高度化に伴い、4K・HDRの需要が高まることが見込まれます。 V&S(Vertical & Specific)多種多様な業種・分野を対象としており、幅広い需要を見込んでおります。工作機械をはじめとした、各種機器・装置に搭載するタッチモニターの需要は引き続き旺盛であり一層の需要を見込んでおります。航空管制用途向けについては、全世界における市場シェアNo.1のポジションを維持しております。米国を始めとした全世界の更新需要に加え、中国やインドなどの新興国での空港新設による需要や付加価値の高い高解像度モニターの需要についても高まることが見込まれます。監視用途向けでは、全世界でセキュリティ意識の高まりを背景に、市場が拡大することが見込まれます。船舶用途向けについては、操舵室の電子化・システム化に伴い船級規格を備えたモニターの堅調な需要が見込まれる他、船内外の監視ニーズ、自動航行システム実現に向けた実証実験等、市場は多様化の動きを見せております。ディフェンス向けについては、地政学リスクの高まりを受け、高い信頼性や耐久性を備えたモニターやグラフィックスボードの需要が高まるものと見込まれます。 アミューズメント当市場は引き続き遊技人口の減少により厳しい環境となりますが、魅力ある商品の提供及び安定供給により、市場でのトップメーカーの地位を維持してまいります。 (4) 優先的に対処すべき事業上の課題① ビジネスモデルの進化と新たな価値の創造自社開発したモニター、カメラ、ネットワークエンコーダ等のハードウェアと当社固有のアルゴリズムやAI等を要素とするソフトウェアを融合させ、「撮影、記録、配信、表示」のImaging Chainを構築し、当社独自のシステム事業である「EIZO Visual Systems」(EVS)を展開しております。このシステム事業と当社の強みを活かした製品づくりにより、さらに便利で簡単に利活用できる新たな映像価値をグローバルに提供し、様々な社会課題の解決に貢献します。これらを通じて、当社の事業領域を拡大させ、当社独自のビジネスモデルの進化と強化に努めてまいります。 ② 安定した資材調達と製品供給当社は、取引先との間で相互繁栄を基本とした信頼関係を構築し、互いが長期に発展できるパートナーシップを築くことを方針としております。取引先とは、当社の資材調達方針に加え、当社のサステナビリティに関する取組みを共有し、パートナーシップを強化しております。また、自然災害の発生、感染症の流行、国際紛争や市場の変化により資材調達が困難な時においても顧客への安定的な製品供給を実現するため、当社製造拠点及び資材調達におけるBCPを強化するとともに十分な材料在庫の保有を戦略的に行っております。これらの取組みにより、安定供給を継続、維持してまいります。 ③ 事業成長のための生産性向上と競争力強化ハードウェアとソフトウェア両面の進化を通じた事業成長のため、戦略的なグループ開発体制・生産体制・販売体制の構築と事業基盤を支えるITインフラの刷新を行うなど業務効率化と生産性向上を進めてまいります。その一環として、新興市場であるインド、中東での販売拡大に向けた戦略投資を積極的に行います。また、当社独自のビジネスモデルを進化させ、当社固有の技術と強いシナジーを発揮するノウハウ、技術等を取得するため、今後も必要に応じ機動的なM&Aを実施いたします。 ④ 持続可能な社会の実現に向けた価値創造の推進当社は、「映像を通じて豊かな未来社会を実現する」という企業理念のもと、エルゴノミクスや環境に配慮した高品質な製品づくりや、誰もが生き生きと活躍できる職場環境の構築など、製品づくりと事業活動を通じて社会課題の解決に取組んでおります。社会課題と当社経営戦略の観点から重要性の高い事項をマテリアリティ(重要課題)として特定し、全社目標マネジメントシステムとリンクさせることで持続可能な社会の実現に向けた取組みを一層強化し、中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。 ⑤ 気候変動・自然資本への取組みマテリアリティの一つとして「気候変動への対応」を特定し、気候変動対策を推進しております。2023年5月には、2040年にNet Zeroを達成するための具体的な施策・計画「低炭素移行計画-Transition to Net Zero-」を策定し、当計画に従い、国内外の事業活動全体における温室効果ガスの排出削減に積極的に取組んでおります。また、2024年10月には自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)に賛同し、そのフレームワークに沿って自然資本への依存・影響・リスク・機会についての分析を行い、2025年4月にTNFDレポートを開示しました。今後も生物多様性及び生態系の保護を含む環境保全、汚染予防、環境リスクの低減により一層努めてまいります。 ⑥ 自由闊達で創造的に活躍できる企業文化の醸成当社はマテリアリティの一つである「自由闊達で創造的に活躍できる企業文化」こそ、従業員と会社が成長するために最も重要な要素と考えております。「モノづくりの高度化・複雑化が進む中で、次のビジネスモデルを『創る』『支える』ことができる多様な人材の獲得と育成」を最優先課題として捉えております。高い倫理観とグローバルマインドを持ちつつ、映像分野のトップランナーとして「世界で一番いいものをつくり、世界中のお客様にお届けする」という「EIZOマインド」のさらなる醸成と共有を推し進め、VUCAの時代に対応する柔軟な思考力・実践力を持った人材を確保・育成することを目指します。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。 ① 財政状態及び経営成績の状況a.財政状態当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の状況については、資産の部は新技術棟の建設により建設仮勘定が増加した一方、在庫の適正化により棚卸資産が減少したことに加え、一部投資有価証券の売却や保有株式の時価減少等により、前連結会計年度末から7,060百万円減少し157,759百万円となりました。負債の部は繰延税金負債及び未払法人税等の減少等により1,991百万円減少し33,403百万円、純資産の部は剰余金の配当及びその他有価証券評価差額金の減少により5,068百万円減少し124,355百万円となりました。 b.経営成績当連結会計年度における世界経済は、欧米における高い金利水準の継続やエネルギー価格の情勢に加えて米国の関税政策などにより極めて変化が激しく先行きが不透明な状況が続いております。特に当社の主要市場である欧州では製造業の低迷が長期化しており、中国においても景気は弱含んでおります。 当連結会計年度における業績につきましては、売上高は前期と同等の80,493百万円(前期比0.0%増)となりました。V&S(Vertical & Specific)市場向けは航空管制用途やディフェンス用途向け等で販売が増加した結果、V&Sの売上高は過去最高となりました。B&P(Business & Plus)市場向けは、当社の主要市場である欧州においてIT投資の先送りの影響により低調な販売が継続しております。ヘルスケア市場向けは、設備導入の先送りや市場における在庫調整の影響が継続しており、販売は減少しました。アミューズメント市場向けは、人気機種の販売があった前期を下回る売上高となりました。 利益面では、V&S市場向けなど高付加価値製品の販売の増加や為替影響により、売上総利益は26,199百万円(前期比3.1%増)、売上総利益率は32.5%(同1.0ポイント上昇)となりました。また、販売費及び一般管理費は賃上げ等による人件費の増加、研究開発活動の強化等により増加し、22,493百万円(同4.6%増)となりました。その結果、営業利益は3,706百万円(同5.2%減)となりました。経常利益は円高ユーロ安により保有するユーロ建て債権の評価替えにおいて為替差損(前期は為替差益)を計上したこと等により、前期比で減少し4,555百万円(同28.0%減)となりました。特別利益につきましては投資有価証券売却益1,100百万円(前期は2,345百万円)を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は4,148百万円(同23.9%減)となりました。 市場別の売上高の分析は、次のとおりです。 [B&P(Business & Plus)]売上高は15,785百万円(前期比2.0%増)となりました。主要市場である欧州ではIT投資の先送りの影響が継続している一方、30インチ以上の大型モニターの販売が伸びました。 [ヘルスケア]売上高は34,117百万円(前期比7.0%減)となりました。北米や欧州では設備導入の先送りや在庫調整の状況が上期から続いていることに加え、中国では景気弱含みの影響を受け販売は低調に推移しました。日本では診断用途や手術室用途では堅調な販売となった一方でモダリティ用途や内視鏡用途での販売が減少し、前期を下回りました。 [クリエイティブワーク]売上高は5,523百万円(前期比6.1%減)となりました。米ハリウッドのストライキ終結以降、全世界の映像制作市場において一部投資回復の兆しが見られるものの、販売は低調に推移しました。 [V&S(Vertical & Specific)]売上高は12,608百万円(前期比25.5%増)となりました。航空管制用途向けはコロナ禍の影響で後ろ倒しとなっていた需要が回復し販売が伸張しました。船舶用途向けは新規造船需要を受け販売は好調に推移しました。監視用途向けでは欧州を中心に堅調な販売となりました。ディフェンス用途向けは北米でグラフィックスボードや当社の強みを活かしたモニターのクロスセル販売が増加しました。その他産業用途向けは、需要の回復とともに欧州、日本で販売が増加しました。[アミューズメント]売上高は6,058百万円(前期比9.4%減)となりました。人気機種の販売があった前期を下回る売上高となりました。当業界を取り巻く市場環境は、遊技人口の減少と店舗数の減少等により業界全体の規模縮小が進んでおり、厳しい状況が継続しております。 [その他]売上高は6,399百万円(前期比12.2%増)となりました。アミューズメント用ソフトウェア受託開発の売上高が増加したことによるものです。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ4,640百万円増加し、21,058百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動で獲得した資金は、11,543百万円(前連結会計年度は7,914百万円の獲得)となりました。主に収入として税金等調整前当期純利益5,655百万円、棚卸資産の減少6,735百万円、減価償却費2,936百万円等、また支出として法人税等の支払い2,211百万円等があったことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動で使用した資金は、2,140百万円(前連結会計年度は1,057百万円の使用)となりました。これは主に収入として投資有価証券の売却1,858百万円があった一方で、支出として本社地区にて2025年4月に竣工の新技術棟や新製品を生産する設備への投資を含む有形固定資産の取得3,549百万円等があったことによります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動で使用した資金は、4,711百万円(前連結会計年度は533百万円の使用)となりました。主に、配当金の支払い4,218百万円があったことによります。 ③ 生産、受注及び販売の実績当社グループは、映像機器及びその関連製品の開発・生産・販売が主であり、実質的に単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を行っておりません。以下は、品目別の状況を記載しております。 a.生産実績当連結会計年度の生産実績を市場別に示すと、次のとおりです。市場金額(百万円)前期比(%)映像機器(アミューズメント除く)59,178103.4アミューズメント5,81691.3合計64,994102.2(注)金額は販売価格によっております。 b.受注実績当連結会計年度の受注実績及び受注残高は、次のとおりです。なお、映像機器及びその他の一部製品は見込生産を行っております。品目受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)アミューズメント6,09890.8246119.9(注)金額は販売価格によっております。 c.販売実績当連結会計年度の販売実績を市場別に示すと、次のとおりです。市場金額(百万円)前期比(%)B&P (Business & Plus)15,785102.0ヘルスケア34,11793.0クリエイティブワーク5,52393.9V&S (Vertical & Specific)12,608125.5アミューズメント6,05890.6その他6,399112.2合計80,493100.0 (注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりです。相手先前連結会計年度(自 2023年4月 1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月 1日至 2025年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)株式会社ジェイ・ティ9,80212.29,46911.8 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績等について当連結会計年度の売上高は、前期と同等の80,493百万円(前期比0.0%増)、営業利益は同5.2%減の3,706百万円、経常利益は同28.0%減の4,555百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同23.9%減の4,148百万円となりました。 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について第8次中期経営計画で掲げた業績目標(最終年度となる2026年度に連結売上高100,000百万円、営業利益12,000百万円、営業利益率12%、ROE8%の達成)を実現すべく取り組んでおります。当社グループならではの映像技術で映像ハードウェアを強化するとともに、EVS(EIZO Visual Systems)の展開を加速することで、重点市場であるヘルスケア及びV&S市場を中心に事業を成長させてまいります。また、地域戦略では、成長著しいインド・中東市場での事業を拡大してまいります。これらにより当社グループのビジネスモデルを更に進化、強化させて利益成長を図っております。 詳細は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載のとおりです。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報財務戦略の基本方針当社グループは、変化の激しい電子機器業界において強固な財務基盤を堅持し、企業価値向上のために戦略的かつ機動的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。 経営資源の配分に関する考え方当社グループは、財務健全性の維持、ビジネスモデル強化のための投資、株主還元の充実の3つのバランスのとれた財務戦略を進めてまいります。財務健全性の維持では、イベントリスクへの十分な備えを持ちつつ、長期にわたり持続的な成長を図るため、必要な資金を確保することが重要と考えております。ビジネスモデル強化の投資を含めた具体的な資金需要は、次のとおりです。(事業の成長・競争力向上)・開発創造型企業として、新たな価値を絶えず追求するための研究開発資金・100%自社生産による優位性をさらに高めるべく、生産性の向上や生産能力の増強に係る設備投資資金・世界100か国以上にて、タイムリーな供給を維持するための製品や材料の在庫資金・欧州・米国・中国に続き、成長著しいインド・中東市場での販売や現地生産体制の強化等の事業を拡大するための資金・ビジネスモデルをより強くするための戦略的なM&Aを実施する資金(事業の安定)・部品の調達リスクを吸収し、顧客への長期安定供給を実現するための資材調達・在庫資金・経済環境の急激な変化や自然災害等により一時的な操業停止を余儀なくされるような場合の運転資金(長期的な成長を支える経営基盤)・持続可能な社会に貢献するためのサステナビリティに関連する投資・映像技術のトップランナーとして人的確保・育成のための人的投資以上の手許資金を確保し将来の見通しを立てた上で株主還元を行います。株主還元強化を継続し、還元率の目標水準を連結当期純利益の70%+αとしております。年間配当金は、長期的な株主価値の向上に資するため、当社の財務基盤と成長資金の確保状況に鑑み、1株当たり105.00円(当連結会計年度実績、2024年10月1日付株式分割後)を下限といたします。また、当社業績、株価の水準や株式市場の状況などを総合的に勘案して、機動的に自己株式の取得の実施を検討いたします。 資金調達の方法当社グループは、資金需要の大きさや時期、為替相場や金利の状況等に応じて、営業活動で生み出された内部資金、有利子負債あるいは当社が保有する投資有価証券の売却による資金調達を実施いたします。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、連結決算日における資産・負債の決算数値及び偶発債務の開示、並びに会計期間における収益・費用の決算数値に影響を与える見積りを、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づいて行っております。このため、会計上の見積りはその性質上不確実であり、実際の結果と異なる場合があります。当社グループの経営成績等に対して重要な影響を及ぼす会計上の見積り及び判断が必要となる項目は次のとおりです。 売上債権の貸倒引当金当社グループは、売上債権の貸倒損失に備え回収不能となる可能性のある金額を合理的に見積り、その額を貸倒引当金として計上しております。将来、販売先の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。 棚卸資産の評価当社グループは、棚卸資産の市場需要に基づく将来の販売見込み及び正味売却価額から、棚卸資産が将来に獲得可能なキャッシュ・フローを見積り、必要な評価減を計上しております。実際の市場における需要又は正味売却価額が当社の見積りより悪化した場合には、追加の評価減が必要となる可能性があります。 有形固定資産の減損当社グループは減損会計を適用しております。当社グループでは、固定資産の種類別、所在地別又は目的別に、物理的及び経済的な価値並びに耐用年数を見積り、償却手続きを実施するとともに、必要に応じて有姿除却等の措置をとっております。しかしながら、固定資産の価値、耐用年数の見積り、その評価又は除却に係る算定等で使用した前提条件と大きく異なる状況が生じた場合には、償却や損失の追加が必要となる可能性があります。また、固定資産のうち減損の兆候がある資産グループについて、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上いたします。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、見積りの前提条件や仮定に変更が生じた場合、減損損失を計上する可能性があります。 投資有価証券の減損当社グループは、取引金融機関、販売又は仕入に係る取引先等の株式を保有しております。これらの株式のうち、上場株式では株式市場の価格変動リスクを負っているため、連結決算日の時価が取得価額から50%以上下落した場合には減損損失を認識いたします。また、連結決算日の時価が取得価額から30%以上50%未満下落した場合には、回復可能性の判定を合理的な基準に基づき行い、回復する見込みがあると判断したものを除き、減損損失を認識いたします。非上場株式では投資先の純資産額における当社持分額が取得価額より50%以上下落した場合には、減損損失を認識いたします。そのため、保有株式の時価評価額が下落した場合は、投資有価証券評価損を計上する可能性があります。 繰延税金資産の回収可能性当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価に際し、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少する場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。また、繰延税金資産は当連結会計年度末における法定実効税率に基づき計上しておりますが、将来において税制改正により税率が変更された場合には繰延税金資産の残高が減少し、それに伴い税金費用が計上される可能性があります。