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アルバック(6728)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

アルバックグループは、真空技術を核とした総合メーカーです。主な事業は、半導体やディスプレイ製造に不可欠な「真空機器事業」と、真空技術の周辺分野で材料や分析装置を提供する「真空応用事業」に分かれます。真空機器事業では、スパッタリング装置やCVD装置、エッチング装置といった多様な真空装置や真空ポンプなどを提供し、スマートフォンやPCなどのエレクトロニクス部品製造を支えています。真空応用事業では、スパッタリングターゲット材料や表面分析装置などを手掛けています。つまり、真空技術を基盤に、様々な産業の生産活動を支える装置や材料を提供することで収益を上げています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

アルバックグループの事業は、主に「真空機器事業」と「真空応用事業」の二つのセグメントで構成されています。真空機器事業は、半導体や電子部品、ディスプレイなどの製造に使われるスパッタリング装置、CVD装置、エッチング装置といった真空装置や、真空ポンプなどのコンポーネント、一般産業用装置を提供しています。一方、真空応用事業は、スパッタリングターゲット材料や蒸着材料、表面分析装置などを手掛けています。最新年度の実績を見ると、真空機器事業が売上1990.5億円、営業利益218.77億円と、売上・利益ともにグループの主要な稼ぎ頭であり、特に半導体・電子部品製造装置がその中心を占めていると推測されます。真空応用事業は売上521.34億円、営業利益45.33億円です。両事業ともに地域別の売上が計上されており、グローバルに展開していることが伺えます。

2025-06 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
VacuumEquipmentBusiness 地域 1,991 219 11.0%
VacuumApplicationBusiness 地域 521 45 8.7%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,329 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社、子会社37社、関連会社8社からなり、真空技術が利用されているさまざまな産業分野に多岐に渡る製品を生産財として提供している真空総合メーカーであります。 事業内容は、真空技術を基盤として、真空装置・機器やサービスを提供する真空機器事業と真空技術の周辺技術を基盤として、主に材料や表面分析装置等を提供する真空応用事業に区分できます。  各々の事業区分ごとの主要製品は下表のとおりであります。事業区分主要製品真空機器事業半導体及び電子部品製造装置スパッタリング装置、真空蒸着装置、エッチング装置、イオン注入装置、アッシング装置、各種CVD装置、ウェーハ前処理(自然酸化膜除去等)装置、超高真空装置他ディスプレイ・エネルギー関連製造装置スパッタリング装置、プラズマCVD装置、有機EL製造装置、巻取式真空蒸着装置、真空蒸着装置、巻取式スパッタリング装置他コンポーネント真空ポンプ(ドライポンプ、メカニカルブースタポンプ、油回転ポンプ、クライオポンプ、ターボ分子ポンプ、イオンポンプ、油拡散ポンプ)、真空計、リークテスト装置、リークディテクタ、ガス分析計、成膜用電源、蒸着用蒸発源、成膜コントローラ、真空バルブ、真空搬送ロボット、極低温機器、各種真空部品他一般産業用装置真空溶解炉、真空熱処理炉、真空焼結炉、真空ろう付炉、凍結真空乾燥装置他真空応用事業材料スパッタリングターゲット材料、蒸着材料、チタン・タンタル加工品、高融点活性金属(Ta、Nb、W、Mo)、超微粒子(ナノメタルインク)、表面処理他その他X線光電子分光分析装置、走査型オージェ電子分光分析装置、飛行時間型二次イオン質量分析装置、四重極型二次イオン質量分析装置、半導体・FPD用マスクブランクス、受託成膜加工他 なお、上記の真空機器事業と真空応用事業の区分と「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分は同一であります。 また、当社企業集団の主要製品の概要は、次のとおりであります。主要製品概要スパッタリング装置真空中で金属やシリサイドなどの金属の材料に、高エネルギーのアルゴン原子をぶつけ、それに叩かれ飛び出してくる金属原子を付着させて成膜する装置。CVD装置つくる薄膜の種類に応じて原料をガス状態で供給し、下地膜の表面における化学触媒反応によって膜を堆積させる装置。エッチング装置真空中に被エッチング材料を入れ、その材料に合わせてエッチングガスを導入しプラズマ化し、エッチング種が被エッチング材料に吸着されると表面化学反応を起こし、エッチング生成物を排気除去する装置。真空蒸着装置真空中で特定の物質を熱し、そこから蒸発する原子や分子をより温度の低い面に凝縮させて、表面に膜を形成する装置。真空熱処理炉真空中で各種金属の焼入、ろう付、焼戻、容体化、時効、磁性処理等を行う装置。 以上のような装置により、スマートフォン、PC、タブレット、スマート家電、テレビ、自動車等の最終製品を構成するエレクトロニクス部品等が生み出されております。 また、主な各々の事業区分ごとの事業の流れは以下のとおりです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
独自技術と市場シェア拡大により競争力を持つが、価格競争も激化しているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
真空技術を基盤とした独自の技術開発力と、最先端技術を使用した新製品を市場に投入する研究開発力。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:市場変動による影響 / 研究開発による影響 / グローバルな競争環境の影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

アルバックは真空ポンプ、真空蒸着装置、成膜装置など、高度な真空技術を核とした装置メーカー。特に半導体製造装置分野における長年の実績と、顧客の高度な要求に応える技術力は、参入障壁となる無形資産を形成している。特許取得状況や主要顧客との長期的な関係性が競争優位の源泉となっている。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

半導体製造装置やディスプレイ製造装置は、一度導入すると生産ライン全体の最適化やオペレーターの習熟が必要となるため、装置メーカーの変更には多大なコストと時間がかかる。アルバックの装置は、顧客の製造プロセスに深く組み込まれており、他社製品への切り替えは容易ではない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

アルバックの事業は、個々の顧客との取引が中心であり、プラットフォーム型ビジネスのようなネットワーク効果は基本的に見られない。製品の価値がユーザー数の増加によって直接的に高まる構造ではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

量産効果によるコスト低減の可能性はあるが、アルバックの製品は高度な技術を要する特殊な装置であり、構造的なコスト優位性を確立しているとは言えない。競合他社も同様の技術開発を進めており、価格競争力での差別化は限定的。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

半導体製造装置やFPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置といったニッチかつ高度な市場において、アルバックは主要プレイヤーの一つとして一定のシェアを確保している。特に真空技術を基盤とした装置群では、業界内でも有数の規模と技術力を持ち、寡占的な市場構造の中で優位性を保っている。

アルバックは、特に半導体や電子部品、FPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置分野において、独自の真空技術を開発し、市場シェアを拡大してきました。これは、最先端技術を活用した新製品を継続的に市場に投入する研究開発力と、顧客ニーズを的確に捉え反映する製品開発力が強みと考えられます。また、真空関連事業を幅広く展開しつつ、半導体電子分野への集中と並行して、技術革新への対応力を高める研究開発投資により製品ラインアップの拡充と差別化を図っています。これにより、グローバルな競争環境においても競争力を維持し、事業間シナジーを活用した新規ビジネス創出で収益基盤の多様化を進めている点が優位性と言えるでしょう。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)会社の経営の基本方針当社グループは、下記の基本方針にもとづき、株主、投資家及びお客様満足度の向上を図ることで企業価値を高めてまいります。①顧客満足の増進複雑化、高度化するお客様の課題に対し、技術、価格、納期、アフターサービスなどに迅速かつ柔軟に対応し、お客様満足度の向上を目指します。②生産技術の革新製造業の基本であるコスト競争力を高めるため、製造装置の標準化(モジュール化、ユニット化)を中心とした継続的な生産技術の革新を行います。③独創的な商品開発競合他社が真似することのできない最先端の独創技術を商品化し、開発型のソリューションを提供する企業を目指します。④自由闊達な組織経営方針や情報が迅速に伝わる風通しのよい組織と企業風土を継続して形成します。⑤企業価値の向上株主価値の向上にとどまらず、技術の総合利用を通じて産業と科学の発展に貢献することを目指します。 (2)経営環境当連結会計年度における世界経済は、穏やかな回復基調で推移しましたが、金融資本市場の変動や通商政策動向等の影響の広がり等による海外景気の下振れリスクが意識される等、先行きに対する不透明感が高まりました。当社グループを取り巻く事業環境は、半導体業界では、生成AI活用の浸透等により中長期的な半導体需要拡大が見込まれるとともに、地政学的リスクに対応して世界各地で半導体工場の新増設計画が進められています。エレクトロニクス業界では、パワーデバイス投資がEV需要の鈍化等により短期的には設備投資が調整されていますが、社会のデジタル化に向けた各種電子デバイスの技術革新や増産投資、中国における国産化投資は継続しています。フラットパネルディスプレイ(FPD)業界では、タブレットやパソコン等のIT用パネルにおいて、液晶から有機ELへ切り替えが進む中、大型基板の有機ELへの投資が続いています。また、産業電池業界では、EVバッテリーの小型大容量化や安全性向上を目指した量産投資が検討されています。 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、「互いに協力・連携し、真空技術及びその周辺技術を総合利用することにより、産業と科学の発展に貢献することを目指す」という経営基本理念のもと、真空及びその周辺技術を、装置、材料、成膜加工、分析、カスタマーサポートといった幅広い事業領域を取扱うことで生み出されるシナジー効果を強みとした事業経営を行っております。また、このシナジー効果をより効果的に発揮できるよう、当社グループ間の連携強化や世界の多様な企業や研究所等とビジネスパートナーシップの形成を推進することで、よりグローバルに事業を展開し、更なる持続的成長と企業価値向上を実現する高い収益性を有する企業集団となることを目指しています。また、当社グループは、「真空技術及びその周辺技術の総合利用により、経済価値、社会価値、環境価値を創造する」というサステナビリティ方針に基づき、当社グループの事業活動を通して、幅広いステークホルダーとともに、産業と科学の発展に貢献し、環境負荷の低減や健康と幸せの創造により、気候危機や資源不足等地球の持続可能性を脅かす環境問題の解決に向けての取組みも推進しております。これらの経営基本理念やサステナビリティ方針を踏まえ、当社グループは、“Vision2032”「未来につながる可能性の場であり続ける」を策定しました。この“Vision2032”は、当社グループの10年後の理想像を、当社創業時から受け継がれてきた企業文化や価値観を未来志向に変換した姿として描いたものであり、当社グループは、その実現に向けて取組むべき重要課題(マテリアリティ)を念頭においた経営に、グループ一丸となって引き続き取組んでおります。 〈当社グループが取組むべき重要課題(マテリアリティ)〉・真空技術をコアとしたイノベーションの創出・共創の推進・多様な人財の育成と活躍推進・レジリエントな組織づくり・バリューチェーンにおける人権尊重・責任ある行動・持続可能な地球環境への貢献 そして、この重要課題(マテリアリティ)の実現に向けて、当社グループは、2026年6月期から2031年6月期までの6年間の新中長期経営計画「バリューアッププラン」を策定しました。経営資源を最適化し、半導体電子中心の事業ポートフォリオへの見直しを加速させ、高成長・高収益性を実現し、企業価値の向上を目指します。  新中長期経営計画「バリューアッププラン」の概要は次のとおりです。1.成長戦略①半導体電子への注力加速・半導体製造装置事業実績のあるハードマスク技術や金属成膜技術を基盤に、重要顧客のPOR(Process of Record:量産に使われる認定プロセス)数を増加させ、新工程の獲得によるシェア拡大を図り、2031年6月期に受注1,000億円以上を目指します。・電子部品製造装置事業次世代パワー半導体に対応する装置の量産化や先端パッケージング工程の獲得により、2031年6月期に受注1,000億円以上を目指します。また、化合物への薄膜エッチング技術を活用し、光電融合分野への展開も図ります。②事業間シナジーを活用した新たな半導体電子関連及び真空関連ビジネスの創出 製造プロセス高度化により分析の重要度が高まる半導体市場において、当社は研究開発向け分析機器での経験と高いシェアを有しています。これを活かし、半導体電子との事業間シナジー等により、量産ライン向け分析検査装置を本格投入し、検査装置市場におけるグローバルポジションの確立を目指します。③M&A等を活用したビジネス拡大半導体電子を中心に、成長のための開発投資強化やM&Aを実施します。2.事業改革 低採算事業等の縮小や撤退を進め、グループ会社や生産拠点の再構築とスリム化を図ります。また、人件費や販売管理費等の固定費を適正化し、コスト削減を実現します。これらの取組みにより、経営の効率化と収益基盤の強化を図り、持続的な成長の基盤を作ります。3.生産改革・従来の受注後に製造プロセスを開始する方式に対し、モジュラーデザインの推進により先行手配・計画生産等を可能とし、効率的な生産体制を構築します。これにより、大幅な製造リードタイムの短縮が可能となります。・半導体電子中心のモジュラーデザイン装置の割合を高め、顧客ニーズに迅速に対応するとともに、製造拠点集約を進めることで収益性改善を実現します。4.財務基盤及びキャッシュ・フローマネジメントの強化 当社グループの更なる成長に向けた十分な開発投資資金を確保し、当社事業をとりまく外部環境変化への迅速な対応を実現する強固な財務基盤の構築を更に進めるとともに、キャッシュ・フローマネジメントの更なる強化により、資本効率の一層の改善に努めます。 バリューアッププランに加え、重要課題(マテリアリティ)の実現に向けて、以下の取組みを推進します。(ESG経営の強化)・当社グループの事業活動におけるCO2排出の削減に継続して取組むとともに、気候危機等の社会的課題の解決に貢献する環境配慮型製品の更なる開発と拡販に努めます。・当社グループのみならず当社グループの取引先といったステークホルダーに至るまで、当社の推進する人権に配慮した事業運営についての理解を共有するとともに労働環境をはじめとする人権尊重の更なる推進に努めます。・当社グループの持続的な成長を実現するために、実効性、透明性の高い経営体制の強化に継続して取組むことにより、コーポレート・ガバナンス体制の更なる維持強化に努めます。 (人財経営の推進)当社グループにおいて多様な人財が活躍できる環境を整備することで、従業員エンゲージメントを高めるともに、次世代リーダーとなる中核人財の育成プログラムを再構築することで、当社グループの人的資本の更なる強化に努めます。 <数値目標(連結)> 新中長期経営計画の数値目標は、以下のとおりです。指 標2025年6月期実績(参考)2028年6月期中間目標2031年6月期目標売上高2,512億円2,600億円3,600億円半導体電子関連ビジネス売上高構成比 ※36%45%60%以上営業利益265億円390億円790億円営業利益率10.6%15%22% 半導体電子関連ビジネス ※11.6%19%25%ROE(自己資本利益率)7.5%10%16%※管理会計に基づく数値(半導体電子事業及び関連事業)
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)会社の経営の基本方針当社グループは、下記の基本方針にもとづき、株主、投資家及びお客様満足度の向上を図ることで企業価値を高めてまいります。①顧客満足の増進複雑化、高度化するお客様の課題に対し、技術、価格、納期、アフターサービスなどに迅速かつ柔軟に対応し、お客様満足度の向上を目指します。②生産技術の革新製造業の基本であるコスト競争力を高めるため、製造装置の標準化(モジュール化、ユニット化)を中心とした継続的な生産技術の革新を行います。③独創的な商品開発競合他社が真似することのできない最先端の独創技術を商品化し、開発型のソリューションを提供する企業を目指します。④自由闊達な組織経営方針や情報が迅速に伝わる風通しのよい組織と企業風土を継続して形成します。⑤企業価値の向上株主価値の向上にとどまらず、技術の総合利用を通じて産業と科学の発展に貢献することを目指します。 (2)経営環境当連結会計年度における世界経済は、穏やかな回復基調で推移しましたが、金融資本市場の変動や通商政策動向等の影響の広がり等による海外景気の下振れリスクが意識される等、先行きに対する不透明感が高まりました。当社グループを取り巻く事業環境は、半導体業界では、生成AI活用の浸透等により中長期的な半導体需要拡大が見込まれるとともに、地政学的リスクに対応して世界各地で半導体工場の新増設計画が進められています。エレクトロニクス業界では、パワーデバイス投資がEV需要の鈍化等により短期的には設備投資が調整されていますが、社会のデジタル化に向けた各種電子デバイスの技術革新や増産投資、中国における国産化投資は継続しています。フラットパネルディスプレイ(FPD)業界では、タブレットやパソコン等のIT用パネルにおいて、液晶から有機ELへ切り替えが進む中、大型基板の有機ELへの投資が続いています。また、産業電池業界では、EVバッテリーの小型大容量化や安全性向上を目指した量産投資が検討されています。 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、「互いに協力・連携し、真空技術及びその周辺技術を総合利用することにより、産業と科学の発展に貢献することを目指す」という経営基本理念のもと、真空及びその周辺技術を、装置、材料、成膜加工、分析、カスタマーサポートといった幅広い事業領域を取扱うことで生み出されるシナジー効果を強みとした事業経営を行っております。また、このシナジー効果をより効果的に発揮できるよう、当社グループ間の連携強化や世界の多様な企業や研究所等とビジネスパートナーシップの形成を推進することで、よりグローバルに事業を展開し、更なる持続的成長と企業価値向上を実現する高い収益性を有する企業集団となることを目指しています。また、当社グループは、「真空技術及びその周辺技術の総合利用により、経済価値、社会価値、環境価値を創造する」というサステナビリティ方針に基づき、当社グループの事業活動を通して、幅広いステークホルダーとともに、産業と科学の発展に貢献し、環境負荷の低減や健康と幸せの創造により、気候危機や資源不足等地球の持続可能性を脅かす環境問題の解決に向けての取組みも推進しております。これらの経営基本理念やサステナビリティ方針を踏まえ、当社グループは、“Vision2032”「未来につながる可能性の場であり続ける」を策定しました。この“Vision2032”は、当社グループの10年後の理想像を、当社創業時から受け継がれてきた企業文化や価値観を未来志向に変換した姿として描いたものであり、当社グループは、その実現に向けて取組むべき重要課題(マテリアリティ)を念頭においた経営に、グループ一丸となって引き続き取組んでおります。 〈当社グループが取組むべき重要課題(マテリアリティ)〉・真空技術をコアとしたイノベーションの創出・共創の推進・多様な人財の育成と活躍推進・レジリエントな組織づくり・バリューチェーンにおける人権尊重・責任ある行動・持続可能な地球環境への貢献 そして、この重要課題(マテリアリティ)の実現に向けて、当社グループは、2026年6月期から2031年6月期までの6年間の新中長期経営計画「バリューアッププラン」を策定しました。経営資源を最適化し、半導体電子中心の事業ポートフォリオへの見直しを加速させ、高成長・高収益性を実現し、企業価値の向上を目指します。  新中長期経営計画「バリューアッププラン」の概要は次のとおりです。1.成長戦略①半導体電子への注力加速・半導体製造装置事業実績のあるハードマスク技術や金属成膜技術を基盤に、重要顧客のPOR(Process of Record:量産に使われる認定プロセス)数を増加させ、新工程の獲得によるシェア拡大を図り、2031年6月期に受注1,000億円以上を目指します。・電子部品製造装置事業次世代パワー半導体に対応する装置の量産化や先端パッケージング工程の獲得により、2031年6月期に受注1,000億円以上を目指します。また、化合物への薄膜エッチング技術を活用し、光電融合分野への展開も図ります。②事業間シナジーを活用した新たな半導体電子関連及び真空関連ビジネスの創出 製造プロセス高度化により分析の重要度が高まる半導体市場において、当社は研究開発向け分析機器での経験と高いシェアを有しています。これを活かし、半導体電子との事業間シナジー等により、量産ライン向け分析検査装置を本格投入し、検査装置市場におけるグローバルポジションの確立を目指します。③M&A等を活用したビジネス拡大半導体電子を中心に、成長のための開発投資強化やM&Aを実施します。2.事業改革 低採算事業等の縮小や撤退を進め、グループ会社や生産拠点の再構築とスリム化を図ります。また、人件費や販売管理費等の固定費を適正化し、コスト削減を実現します。これらの取組みにより、経営の効率化と収益基盤の強化を図り、持続的な成長の基盤を作ります。3.生産改革・従来の受注後に製造プロセスを開始する方式に対し、モジュラーデザインの推進により先行手配・計画生産等を可能とし、効率的な生産体制を構築します。これにより、大幅な製造リードタイムの短縮が可能となります。・半導体電子中心のモジュラーデザイン装置の割合を高め、顧客ニーズに迅速に対応するとともに、製造拠点集約を進めることで収益性改善を実現します。4.財務基盤及びキャッシュ・フローマネジメントの強化 当社グループの更なる成長に向けた十分な開発投資資金を確保し、当社事業をとりまく外部環境変化への迅速な対応を実現する強固な財務基盤の構築を更に進めるとともに、キャッシュ・フローマネジメントの更なる強化により、資本効率の一層の改善に努めます。 バリューアッププランに加え、重要課題(マテリアリティ)の実現に向けて、以下の取組みを推進します。(ESG経営の強化)・当社グループの事業活動におけるCO2排出の削減に継続して取組むとともに、気候危機等の社会的課題の解決に貢献する環境配慮型製品の更なる開発と拡販に努めます。・当社グループのみならず当社グループの取引先といったステークホルダーに至るまで、当社の推進する人権に配慮した事業運営についての理解を共有するとともに労働環境をはじめとする人権尊重の更なる推進に努めます。・当社グループの持続的な成長を実現するために、実効性、透明性の高い経営体制の強化に継続して取組むことにより、コーポレート・ガバナンス体制の更なる維持強化に努めます。 (人財経営の推進)当社グループにおいて多様な人財が活躍できる環境を整備することで、従業員エンゲージメントを高めるともに、次世代リーダーとなる中核人財の育成プログラムを再構築することで、当社グループの人的資本の更なる強化に努めます。 <数値目標(連結)> 新中長期経営計画の数値目標は、以下のとおりです。指 標2025年6月期実績(参考)2028年6月期中間目標2031年6月期目標売上高2,512億円2,600億円3,600億円半導体電子関連ビジネス売上高構成比 ※36%45%60%以上営業利益265億円390億円790億円営業利益率10.6%15%22% 半導体電子関連ビジネス ※11.6%19%25%ROE(自己資本利益率)7.5%10%16%※管理会計に基づく数値(半導体電子事業及び関連事業)
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における世界経済は、穏やかな回復基調で推移しましたが、金融資本市場の変動や通商政策動向等の影響の広がり等による海外景気の下振れリスクが意識される等、先行きに対する不透明感が高まりました。 当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境は、半導体業界では、生成AI活用の浸透等により中長期的な半導体需要拡大が見込まれるとともに、地政学的リスクに対応して世界各地で半導体工場の新増設計画が進められています。エレクトロニクス業界では、パワーデバイス投資がEV需要の鈍化等により短期的には設備投資が調整されていますが、社会のデジタル化に向けた各種電子デバイスの技術革新や増産投資、中国における国産化投資は継続しています。フラットパネルディスプレイ(FPD)業界では、タブレットやパソコン等のIT用パネルにおいて、液晶から有機ELへ切り替えが進む中、大型基板の有機ELへの投資が続いています。また、産業電池業界では、EVバッテリーの小型大容量化や安全性向上を目指した量産投資が検討されています。このような状況において、当連結会計年度につきましては、受注高はパワーデバイスやバッテリー投資の減速を反映して前年同期を下回りましたが、売上高は高水準の受注残高の寄与等により、高い水準で着地しました。営業利益は売上高の減少及び研究開発費等の増加により前年同期を下回りましたが、売上総利益率は31.8%で着地し、収益性は確実に改善しています。 その結果、当連結会計年度につきましては、受注高は2,255億67百万円(前年同期比326億14百万円(12.6%)減)、売上高は2,511億84百万円(同99億31百万円(3.8%)減)となりました。また、損益面では、営業利益は265億23百万円(同32億47百万円(10.9%)減)、経常利益は286億5百万円(同11億81百万円(4.0%)減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は166億87百万円(同35億46百万円(17.5%)減)となりました。 企業集団の事業セグメント別状況は次のとおりであります。 「真空機器事業」真空機器事業を品目別に見ますと下記のとおりです。 (半導体及び電子部品製造装置)半導体及び電子部品製造装置では、先端ロジック・メモリ分野の投資が堅調に推移したことに加え、先端パッケージング分野も好調に推移しましたが、日本及び中国のパワーデバイス投資の反動減により、受注高・売上高は前年同期を下回りました。 (ディスプレイ・エネルギー関連製造装置)ITパネル用有機EL投資が本格化し始めた一方で、小型大容量化や安全性向上を実現するためのEVバッテリーの車載採用に時間を要し、投資が遅延したこと等から、受注高・売上高は前年同期を下回りました。 (コンポーネント)コンポーネント事業では、半導体電子・民生機器関連向けの真空ポンプ、計測機器、電源機器や、AIサーバー等の冷却システム用リークテスト装置が堅調に推移し、受注高は高水準を維持し、売上高は前年同期を上回りました。 (一般産業用装置)高機能磁石製造装置の需要が弱含み、受注高・売上高ともに前年同期を下回りました。 その結果、真空機器事業の受注高は1,734億30百万円、受注残高は983億50百万円、売上高は1,990億50百万円となり、218億77百万円の営業利益となりました。 「真空応用事業」真空応用事業を品目別に見ますと下記のとおりです。 (材料)ディスプレイ・半導体電子関連の工場稼働率が高水準で継続していることにより、受注高・売上高ともに前年同期を上回りました。 (その他)表面分析機器関連や高精細・高機能ディスプレイ向けマスクブランクス関連等が寄与し、受注高・売上高ともに前年同期を上回りました。 その結果、真空応用事業の受注高は521億37百万円、受注残高は174億1百万円、売上高は521億34百万円となり、45億33百万円の営業利益となりました。 また、当連結会計年度末の財政状態は以下のとおりとなりました。資産合計は、前連結会計年度末に比べ138億21百万円減少し、3,750億62百万円となりました。これは、有価証券が70億円、現金及び預金が26億17百万円それぞれ増加した一方で、受取手形、売掛金及び契約資産が185億23百万円、有形固定資産が28億24百万円それぞれ減少したことなどによります。負債合計は、前連結会計年度末に比べ169億44百万円減少し、1,439億82百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が74億68百万円、契約負債が36億58百万円、短期借入金が31億94百万円それぞれ減少したことなどによります。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ31億23百万円増加し、2,310億80百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上を主な要因として利益剰余金が95億81百万円増加した一方で、為替換算調整勘定が51億77百万円減少したことなどによります。この結果、自己資本比率は59.6%となりました。今後もキャッシュ・フローマネジメントの強化等により、財務基盤の更なる強化を目指してまいります。 ②キャッシュ・フロ-の状況当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりとなりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益、減価償却費等の計上に加え、キャッシュ・フローマネジメントの更なる強化により運転資金を圧縮したことで、348億11百万円の収入となりました。新中長期経営計画「バリューアッププラン」におけるキャピタルアロケーションの実現のために、引き続きキャッシュ・フローマネジメントの強化に努めてまいります(2031年6月期までの6か年累計で約1,950億円のキャッシュインを見込み、そのうち約85%を営業キャッシュ・フローとして獲得することを目指す)。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得による支出などにより、108億円の支出となりました。今後、半導体電子、半導体電子関連ビジネスへの投資のウェイトを高め、更なる成長に向けた研究開発投資を強化してまいります。フリー・キャッシュ・フローは240億11百万円の収入となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、業績連動型配当に基づいた配当金の支払などに充当し、142億15百万円の支出となりました。当社は株主還元を最重要政策の一つと位置づけ、連結配当性向35%以上を目途とした業績連動型配当を実施する方針としております。今後も持続的な成長による長期的な増配に加え、将来的には更なる株主還元の拡充を目指してまいります。以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ80億68百万円増加し、926億9百万円となりました。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)真空機器事業201,54193.4真空応用事業52,157106.8合計253,69795.9 (注)金額は、販売価格をもって表示しております。 b.受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)真空機器事業173,43083.798,35078.1真空応用事業52,137102.217,40191.4合計225,56787.4115,75179.8 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)真空機器事業199,05093.8真空応用事業52,134106.8合計251,18496.2 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.主な品目別販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。セグメントの名称品目当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)真空機器事業半導体及び電子部品製造装置89,29844.9ディスプレイ・エネルギー関連製造装置53,14826.7コンポーネント43,15021.7一般産業用装置13,4556.7計199,050100.0真空応用事業材料26,60151.0その他25,53349.0計52,134100.0 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度における当社グループの経営成績は、売上高は2,511億84百万円(前年同期比3.8%減)となりました。半導体及び電子部品製造装置において、先端ロジック・メモリ分野の投資が堅調に推移したことに加え、先端パッケージング分野も好調に推移しましたが、日本・中国のパワーデバイス投資がEV需要の鈍化等により調整されていることや、産業電池業界におけるEVバッテリーの小型大容量化や安全性向上を目指した量産投資が、車載採用に時間を要し、投資が遅延していることなどが主な要因となります。営業利益率は10.6%(前年同期比0.8ポイント減)となりました。これは売上高の減少に加え、今後の成長に向けた研究開発費の増加を主として、販売費及び一般管理費が増加したことが要因となります。研究開発費の総額は139億91百万円となり、前年同期から6億78百万円増加しました。研究開発費の売上高に対する比率は前年同期から0.5ポイント増加し5.6%となりましたが、将来のさらなる成長に向けて、半導体電子を中心に研究開発力強化のための投資を継続してまいります。経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、当社グループは持続的な成長の実現を目指し、2026年6月期を初年度とする6年間の新中長期経営計画「バリューアッププラン」を策定いたしました。本計画では、経営資源の最適化を断行し、半導体電子を中心とした事業ポートフォリオへの見直しを加速させることで、高成長・高収益性の実現を図り、企業価値の向上を目指してまいります。新中長期経営計画の数値目標としては、2031年6月期の売上高3,600億円、半導体電子関連ビジネス売上高構成比60%以上(管理会計に基づく数値)、営業利益790億円、営業利益率22%、ROE16%としております。この財務目標の達成に向けて、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載した具体的取組みにより、中長期の視点で成長を目指してまいります。セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。 ・真空機器事業当連結会計年度における当セグメントの事業環境は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。売上高は、前年同期比6.2%減の1,990億50百万円となりました。半導体及び電子部品製造装置において、先端ロジック・メモリ分野の投資が堅調に推移したことに加え、先端パッケージング分野も好調に推移しましたが、日本・中国のパワーデバイス投資がEV需要の鈍化等により調整されていることや、産業電池業界におけるEVバッテリーの小型大容量化や安全性向上を目指した量産投資が、車載採用に時間を要し、投資が遅延していることなどが主な要因となります。セグメント利益率については、当連結会計年度は11.0%と、前年同期の12.3%から悪化しました。これは売上高の減少に加え、研究開発費の増加が主な要因となります。 ・真空応用事業当連結会計年度における当セグメントの事業環境は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。売上高は、前年同期比6.8%増の521億34百万円となりました。ディスプレイ・半導体電子関連の工場稼働率が高水準で継続していることや、表面分析機器関連や高精細・高機能ディスプレイ向けマスクブランクス関連等の売上高が好調に推移したことが主な要因となります。セグメント利益率については、当連結会計年度は8.7%と、前年同期の7.3%から改善しました。これは、相対的に利益率の高い製品の売上高増加が主な要因となります。 財政状態の分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの主な資金需要は、新たな成長戦略の足がかりとなる研究開発投資や設備投資、事業により生じる運転資金に基づくもので、とりわけ成長事業として強化を図っていく半導体や電子分野の開発投資を拡大する予定です。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金などにより対応し、資金調達にあたっては、リファイナンスリスクの低減や返済負担の軽減を図るために、年度別の返済額の平準化に努めております。また、金融資本市場の変動や通商政策動向などの影響の広がり等による海外景気の下振れリスクが意識される中、十分な手元流動性資金を確保するとともに、コミットメントラインを設定し追加資金を確保できる体制を整えており、当面安定的な経営が可能な状態にあります。事業環境の急激な変化にも対応できるよう、引き続き、適時に必要資金を確保できる体制を維持してまいります。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りの仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

アルバックグループの事業は、半導体や電子部品、FPD分野の市況変動に大きく影響される可能性があります。特に半導体市場は技術革新が速く、地政学的リスクや景気変動の影響を受けやすいため、需要の急激な変動や競争環境の変化が経営成績に影響を及ぼすリスクがあります。また、積極的な研究開発投資を行っているため、新製品開発の遅延が生じた場合も経営成績に影響が出る可能性があります。グローバルな事業展開により、既存競合他社や新規参入による価格競争の激化もリスクです。さらに、部品需給の逼迫やサプライチェーンの障害、法令・規制の変更、製品の品質問題、情報セキュリティリスクなども経営に影響を与える可能性があります。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,747 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 ①市場変動による影響当社グループは、特に半導体及び電子部品、FPD等の製造工程で使用される真空装置分野において独自技術を開発し、市場シェアを拡大してきました。しかしながら、半導体や電子部品、FPD分野等における市況変動に伴う顧客の設備投資の大幅縮小や財政状態の悪化が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社は新中長期経営計画「バリューアッププラン」に基づき、事業ポートフォリオを半導体電子分野へ集中させる方針を掲げておりますが、半導体市場は技術革新のスピードが速く、また地政学的リスクや景気変動の影響を受けやすい特性があります。今後、半導体需要の急激な変動や競争環境の変化が当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、半導体電子分野への集中と並行して、真空関連事業を幅広く展開しております。また、半導体電子分野の急激な市場環境の変動に対しては、技術革新への対応力を高めるための研究開発投資を行い、製品ラインアップの拡充と差別化を図っていきます。加えて、事業間シナジーを活用した新規ビジネスの創出により、収益基盤の多様化を推進し、市場環境の変動に対する耐性の強化に努めてまいります。 ②研究開発による影響当社グループは、積極的な研究開発投資を継続して行うことにより、最先端技術を使用した新製品を市場に投入し続けてまいりました。しかしながら、開発の著しい遅延を余儀なくされ、新製品の市場への投入の遅れが生じた場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。成長のために必要な開発について、投資の選択と集中によりスピードアップを図るとともに、定期的なモニタリングを実施して著しい遅延が生じないよう、その進捗を管理しております。 ③グローバルな競争環境の影響当社グループは海外売上高比率が高く、世界各国・各地域の顧客に向けて製品を提供しております。しかし、グローバルに事業を展開している既存の競合他社も数多く、新規参入も増えている中で、製品の性能のみならず価格面での競争も激化しております。このような競争環境により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、顧客ニーズを的確に把握し、それを確実に反映した製品を適時投入することで、競争力を維持し、競争環境に対応してまいります。 ④人財の確保に関する影響当社グループがグローバルな事業環境の中で成長を続けるために、人財の確保は最も重要なことと位置付けております。事業の成長に必要な人財を確保し続けることができない場合、競争力の低下を招くこととなり、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、人材を「人財」として捉え、多様な人財が挑戦し続ける場の創出に努めております。人財の採用・育成を推進し、多様な人財が心身ともに健康で活気に満ち、個人の能力が最大限に発揮できるように、従業員のエンゲージメントとウェルビーイングを意識した活動で働く環境を整え、必要な人財を確保しております。 ⑤サプライチェーンに関する影響当社グループは、製品を生産するための部品需給の逼迫等により部品価格の高騰、供給の遅延が発生した場合や、大規模な災害などによるサプライチェーンの障害などにより生産活動の停止や遅延が発生した場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、仕入先との協力体制構築や早期の部品手配などにより、必要な部品の確保等に努めております。 ⑥法令、規制に関する影響当社グループは、グローバルに事業を展開しており、各国・各地域において、輸出入規制、競争法、汚職・贈賄、労働法、環境法、移転価格税制等の様々な分野の法令や規制の適用対象となります。そこで、当社グループは、これらの法令や規制の遵守に努めております。しかしながら、これらの法令や規制への抵触が認められた場合には、当社グループの社会的信用の低下はもちろんのこと、課徴金や損害賠償責任、事業活動の制限等が発生する可能性があります。また、各国の安全保障上の政策に基づく規制、その他、将来において予期せぬ法令や規制の改正や強化が生じた際に、当社グループの対応や対応に不備が認められた場合には、是正措置に関する費用負担や事業活動の制限等が発生する可能性があります。当社グループは、企業倫理行動基準を定めて各種法規制遵守の重要性を国内外グループ会社に啓蒙するとともに、社内外の内部通報制度を活用して、法令等の違反の早期発見と対策に努めております。また、当社グループ各社に設置するコンプライアンス委員会やリスクマネジメント委員会においても、法令や規制への抵触のおそれがある行為の内容についての報告を実施し、適宜必要な対応がとれる体制をとっております。また、とりわけ重要な法令や規制への対応は当社経営会議で報告の上、当社役員の主導でグループ各社へ展開する体制をとっております。 ⑦品質に関する影響当社グループは、国際規格であるISO9001の認証取得を含む品質保証体制を確立し、高レベルの製品・サービスを提供し続けてまいりました。しかしながら、常に最先端技術を利用した製品を提供していることから開発的要素も多く、予期せぬ不良の発生等により、追加原価の発生や損害賠償、信頼低下による売上高減少を招いた場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、新中長期経営計画において、更なるモノづくり力強化を進めており、コストや信頼性、規格仕様を決定する上流工程を強化しております。製品の完成度を高めるバリューエンジニアリング、不適合内容の水平展開など品質向上の仕組みを盛り込むとともに、再発防止策を実施し、徹底を進めております。 ⑧資金調達に関する影響当社グループは、金融機関からの借入金等により資金調達を行っておりますが、市場環境、当社の信用力低下等により、資金調達が困難になる可能性があります。また、当社グループの借入金に係る金融機関との契約には、財務制限条項が付されているものがあり、現状、当社グループの財政状態は当該条項に照らして問題のない水準にあるものの、当該条項に抵触した場合、資金調達に支障が生じる可能性があります。資金調達が想定どおりに行えない場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、資金調達にあたって年度別の返済額の平準化に努めており、リファイナンスリスクの低減や返済負担の軽減を図っております。また、社会情勢や経済環境の先行きが不透明な中、不測の事態に備え、十分な手元流動性資金を確保するとともに、コミットメントラインを設定し追加資金を確保できる体制を整えており、当面資金調達リスクは極めて低い状態にあります。事業環境の急激な変化にも対応できるよう、引き続き、適時に必要資金を確保できる体制を維持してまいります。 ⑨情報セキュリティに関する影響当社グループは、事業上の重要情報及び事業の過程で入手した個人情報や取引先等の機密情報を保有しております。これらの情報が意図せず流出した場合、顧客の喪失や社会的信用の低下、損害賠償等が発生する可能性があります。また、盗難・紛失等による第三者の不正流用、サイバー攻撃、その他不測の事態によって重要データの破壊や改ざん、情報漏えいや流出、情報システムの停止等が発生する可能性があります。これらの要因により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、情報システムやネットワークに対する定期的なリスクアセスメントや監視等のセキュリティ対策を講じております。また、情報管理に関する諸規程のもと、適切な情報管理体制を構築するとともに、従業員教育によりその徹底を図っております。 ⑩外国為替変動による影響当社グループは、海外売上高比率が高いものの、原則として円建取引を行っております。しかしながら、当該円建取引では、円高時に海外メーカーと比較して価格競争力の面で不利になることがあります。また、一部外貨建取引もありますが、外貨建取引においては、急激な為替変動による為替リスクが生じる可能性があります。これらの要因により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、為替予約等によりリスクヘッジを行うことで、為替変動による業績への影響を低減するよう努めております。 ⑪知的財産権に関する影響当社グループは、各種真空装置・機器等に関する多数の特許を保有し、積極的に新規権利獲得にも努めております。しかしながら、第三者から不測の特許侵害訴訟が提起された場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクの低減を図るため、当社グループの製品・技術に関して、定期的に特許調査を行っております。 ⑫安全に関する影響当社グループの製品に関連する安全性等の問題により、顧客への損害発生や損害賠償責任の発生、売上高の減少、社会的信用の低下等につながる可能性があります。また、不測の事態により従業員や施設に影響を与える労働災害が発生し、製品の供給やサービスの提供に支障をきたす事態となった場合、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、「安全第一」を企業経営の基本とし、顧客に利用していただく様々な製品やサービスの安全と、私たち自身が安全で明るく元気に働くことのできる活気ある職場づくりを、リスクアセスメントを中心とした安全管理システムの運用を通じて目指していきます。 ⑬環境規制、気候変動への対応に関する影響当社グループは、地球温暖化防止、水質汚濁、大気汚染、騒音、土壌汚染、廃棄物処理、使用する有害化学物質等に関する国内外の環境法令の遵守に努めております。しかしながら、将来の環境規制への適応が困難な事象や不測の事態が発生した場合、環境対応費用の増加や事業活動停止、社会的信用の低下等、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。気候変動対応に関しては、重要な経営課題の一つととらえ「気候関連財務情報タスクフォース(TCFD)」による提言に賛同するとともに、シナリオ分析に基づくリスクと機会を予測し活動を推進しております。さらに、2030年に温室効果ガス排出量を50%削減(2023年比)、2050年の温室効果ガス排出量実質ゼロを目標とし、定期的なモニタリングと進捗管理を行っております。環境関連法令や規制を遵守するための取組み、環境理念や環境方針に基づいた環境負荷の低減、温室効果ガス排出量削減目標達成に向けた施策を継続的に推進し、環境情報の適切な開示を行ってまいります。 ⑭その他リスク当社グループはグローバルかつ広範な事業展開を行う企業として、各国・各地域における経済環境変動、自然災害、戦争、テロ、感染症等の不可抗力要因が、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

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