経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針、経営戦略及び対処すべき課題当社グループは、2022年3月期~2025年3月期を対象期間とするグループ中期経営方針『Wacom Chapter3』の期間が終了し、新中期経営計画『Wacom Chapter4』に向けた展望とともに、以下のとおり『Wacom Chapter3』及び2023年5月11日に発表したその「アップデート・レポート」に則って事業を展開し、業績改善に向けた事業構造改革に取り組んでまいりました。①Technology Leadership(ワコムの提供価値の源泉である技術革新に注力)新たなユースケースに対応した商品ポートフォリオ刷新の一環として、当社初の有機ELペンタブレット「Wacom Movink(ワコム ムービンク)」を上市し、異なる場所や姿勢で常にクリエイティブに向き合うプロクリエイター並びにデザインやアートを学ぶ学生の皆様の期待に応える、まったく新しいカテゴリーの製品を通じた創作体験をご提供しております。 ②Community Engagement(コミュニティと深く連携し、価値ある体験を形成)新しい技術を共同で開発していく技術コミュニティ、新しいビジネスを開拓していくビジネスコミュニティ、そして新しい文化体験を創出していく文化コミュニティ等、多岐に亘るコミュニティとの連携を推進中であります。 ③New Core Tech, New Core Value Proposition(新しいコア技術をもとに新しい価値を創造)デジタル手書きの技術をXR(クロスリアリティ)、AI(人工知能)、セキュリティ(安全性)の三分野にて掛け合わせることにより新たな体験価値を提供すべく、具体的な技術開発を推進中であります。XR分野では独自のメタバース空間を立上げると同時に「空間描画」を可能にするWacom VR Penの開発を進め、AI分野では株式会社Z会との共同開発を通じて生徒の試行錯誤を可視化する同社の新しい学習体験サービスの拡充、拡大に貢献、セキュリティ分野ではクリエイターの権利を守るサービス「Wacom Yuify(ワコム ユイファイ)」のオープンベータ版の提供(描画アプリケーションサービス事業者への展開)を開始しております。また、リモート環境でも限りなくローカルPCでの作業と同じペン入力体験を可能にするプロクリエイター向けの革新的なテクノロジーソリューション「Wacom Bridge(ワコム ブリッジ)」のオープンベータ版の提供も開始しております。 ④Technology Innovation for Sustainable Society(技術で持続可能な社会の発展に貢献)商品開発、技術開発の一環として、修理しやすい構造の追求、リサイクルしやすい金属部品やリサイクルプラスチックの活用、商品箱の簡易化やリサイクル素材の活用といった即効性のあるものに加えて、アカデミアとの共同研究を通じて環境ケア新素材の開発にも取り組んでおります。 ⑤Meaningful Growth(財務的な成長に加えて、多面的な意味を持つ成長を目指す)私たちは、技術をもとに製品・サービスのユーザー体験を通じてお客様に価値を届けることがワコムの存在意義であり、それを一社だけではなくそれぞれのコミュニティのメンバーとともに学び合いながら実現させていくことが、社会の成長に貢献することにつながると信じております。Meaningful Growthを具現化する体験として毎年11月にコミュニティイベント「Connected Ink(コネクテッド・インク)」を開催すると同時に、その思いを皆様により深く理解していただくための一環として、当社グループの価値提供と取り組みをとりまとめ、2023年5月10日に発行した「Wacom Story Book(ワコム ストーリーブック)」について、重要課題を中心にアップデート版の制作に取り掛かっております。 当社グループは、引き続き以下の課題等に対処しながら、「Life-long Ink」のビジョンを達成してまいります。1.ブランド製品事業の構造改革と商品ポートフォリオの強化ブランド製品事業の構造改革による固定費の削減、商品ポートフォリオの強化、販路マネジメントの改善などを通じて、収益の改善に取り組んでまいります。2.新技術領域の事業化と収益化XR、AI、セキュリティなどの新技術を活用したデジタルインクサービスの立ち上げを進めておりますが、これらの技術を活用した事業領域の拡大と収益化に取り組んでまいります。3.グローバル市場での競争力強化とオペレーション効率化グローバルメーカーとの競争や為替相場の変動、サプライチェーンの地域リスクなど、グローバル市場での競争力強化とオペレーション効率化という課題に取り組んでまいります。 (2)経営環境世界経済はロシア・ウクライナ情勢及び中東地域に起因した地政学的緊張が続くなか、米国の新たな関税政策の発表により、その後のインフレ動向、景況感に及ぼす影響について依然として不透明感のある状況であります。これらの情勢を背景に、企業業績に与える影響の大きい今後の為替相場の動向についても不透明感があります。IT市場を中心とする事業環境については、モバイル、クラウド、AI、ブロックチェーンなどの技術革新に伴う情報処理の低価格化、利用の容易化がさらに進んでいくことが見込まれております。 (3)目標とする経営指標当社グループは、2022年3月期~2025年3月期を対象期間とするグループ中期経営方針『Wacom Chapter3』に則って事業を展開してまいりました。その取り組みをさらに発展、進化させるため、新たな中期経営計画『Wacom Chapter4』(対象期間:2026年3月期~2029年3月期)を策定し、企業価値向上に向けて最終年度(2029年3月期)までに、次の経営指標を達成することを目標としております。 「企業価値向上」=「利益創出力の強化(※1)」×「市場評価の向上(※2)」※1 事業成長 連結売上高1,500億円、連結営業利益150億円資本効率性の改善 ROE(自己資本利益率)20%以上、ROIC(投下資本利益率)18%以上将来に向けた投資 R&D+設備投資620億円、技術資本提携120億円以上※2 株主還元強化 総還元性向50%以上、累進配当制度導入(年間配当金下限22円)
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針、経営戦略及び対処すべき課題当社グループは、2022年3月期~2025年3月期を対象期間とするグループ中期経営方針『Wacom Chapter3』の期間が終了し、新中期経営計画『Wacom Chapter4』に向けた展望とともに、以下のとおり『Wacom Chapter3』及び2023年5月11日に発表したその「アップデート・レポート」に則って事業を展開し、業績改善に向けた事業構造改革に取り組んでまいりました。①Technology Leadership(ワコムの提供価値の源泉である技術革新に注力)新たなユースケースに対応した商品ポートフォリオ刷新の一環として、当社初の有機ELペンタブレット「Wacom Movink(ワコム ムービンク)」を上市し、異なる場所や姿勢で常にクリエイティブに向き合うプロクリエイター並びにデザインやアートを学ぶ学生の皆様の期待に応える、まったく新しいカテゴリーの製品を通じた創作体験をご提供しております。 ②Community Engagement(コミュニティと深く連携し、価値ある体験を形成)新しい技術を共同で開発していく技術コミュニティ、新しいビジネスを開拓していくビジネスコミュニティ、そして新しい文化体験を創出していく文化コミュニティ等、多岐に亘るコミュニティとの連携を推進中であります。 ③New Core Tech, New Core Value Proposition(新しいコア技術をもとに新しい価値を創造)デジタル手書きの技術をXR(クロスリアリティ)、AI(人工知能)、セキュリティ(安全性)の三分野にて掛け合わせることにより新たな体験価値を提供すべく、具体的な技術開発を推進中であります。XR分野では独自のメタバース空間を立上げると同時に「空間描画」を可能にするWacom VR Penの開発を進め、AI分野では株式会社Z会との共同開発を通じて生徒の試行錯誤を可視化する同社の新しい学習体験サービスの拡充、拡大に貢献、セキュリティ分野ではクリエイターの権利を守るサービス「Wacom Yuify(ワコム ユイファイ)」のオープンベータ版の提供(描画アプリケーションサービス事業者への展開)を開始しております。また、リモート環境でも限りなくローカルPCでの作業と同じペン入力体験を可能にするプロクリエイター向けの革新的なテクノロジーソリューション「Wacom Bridge(ワコム ブリッジ)」のオープンベータ版の提供も開始しております。 ④Technology Innovation for Sustainable Society(技術で持続可能な社会の発展に貢献)商品開発、技術開発の一環として、修理しやすい構造の追求、リサイクルしやすい金属部品やリサイクルプラスチックの活用、商品箱の簡易化やリサイクル素材の活用といった即効性のあるものに加えて、アカデミアとの共同研究を通じて環境ケア新素材の開発にも取り組んでおります。 ⑤Meaningful Growth(財務的な成長に加えて、多面的な意味を持つ成長を目指す)私たちは、技術をもとに製品・サービスのユーザー体験を通じてお客様に価値を届けることがワコムの存在意義であり、それを一社だけではなくそれぞれのコミュニティのメンバーとともに学び合いながら実現させていくことが、社会の成長に貢献することにつながると信じております。Meaningful Growthを具現化する体験として毎年11月にコミュニティイベント「Connected Ink(コネクテッド・インク)」を開催すると同時に、その思いを皆様により深く理解していただくための一環として、当社グループの価値提供と取り組みをとりまとめ、2023年5月10日に発行した「Wacom Story Book(ワコム ストーリーブック)」について、重要課題を中心にアップデート版の制作に取り掛かっております。 当社グループは、引き続き以下の課題等に対処しながら、「Life-long Ink」のビジョンを達成してまいります。1.ブランド製品事業の構造改革と商品ポートフォリオの強化ブランド製品事業の構造改革による固定費の削減、商品ポートフォリオの強化、販路マネジメントの改善などを通じて、収益の改善に取り組んでまいります。2.新技術領域の事業化と収益化XR、AI、セキュリティなどの新技術を活用したデジタルインクサービスの立ち上げを進めておりますが、これらの技術を活用した事業領域の拡大と収益化に取り組んでまいります。3.グローバル市場での競争力強化とオペレーション効率化グローバルメーカーとの競争や為替相場の変動、サプライチェーンの地域リスクなど、グローバル市場での競争力強化とオペレーション効率化という課題に取り組んでまいります。 (2)経営環境世界経済はロシア・ウクライナ情勢及び中東地域に起因した地政学的緊張が続くなか、米国の新たな関税政策の発表により、その後のインフレ動向、景況感に及ぼす影響について依然として不透明感のある状況であります。これらの情勢を背景に、企業業績に与える影響の大きい今後の為替相場の動向についても不透明感があります。IT市場を中心とする事業環境については、モバイル、クラウド、AI、ブロックチェーンなどの技術革新に伴う情報処理の低価格化、利用の容易化がさらに進んでいくことが見込まれております。 (3)目標とする経営指標当社グループは、2022年3月期~2025年3月期を対象期間とするグループ中期経営方針『Wacom Chapter3』に則って事業を展開してまいりました。その取り組みをさらに発展、進化させるため、新たな中期経営計画『Wacom Chapter4』(対象期間:2026年3月期~2029年3月期)を策定し、企業価値向上に向けて最終年度(2029年3月期)までに、次の経営指標を達成することを目標としております。 「企業価値向上」=「利益創出力の強化(※1)」×「市場評価の向上(※2)」※1 事業成長 連結売上高1,500億円、連結営業利益150億円資本効率性の改善 ROE(自己資本利益率)20%以上、ROIC(投下資本利益率)18%以上将来に向けた投資 R&D+設備投資620億円、技術資本提携120億円以上※2 株主還元強化 総還元性向50%以上、累進配当制度導入(年間配当金下限22円)
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)における当社グループを取り巻く事業環境において、世界経済はロシア・ウクライナ情勢に加えて中東地域に起因した地政学的緊張が続くなか、インフレ率の鈍化と日本を除く主要国の中央銀行による金融緩和策も示され底堅い成長が見られたものの、米国の追加関税政策の発表により先行き不透明感が高まるものとなりました。このような情勢下、IT市場では、モバイル、クラウド、AI、ブロックチェーンなどに関連した技術革新や利便性向上などが見られました。なお、同期間の主要通貨に対する円相場は、各国の景気や金融・貿易政策等に対する見方を反映し、前年同期の平均レートと比較すると対米ドルで小幅に、対ユーロ及び対中国元で僅かに円安となりました。 このような事業環境の下、当社グループは、2021年5月12日に発表した2025年3月期を最終年度とする中期経営方針『Wacom Chapter3』及び2023年5月11日に発表したその「アップデート・レポート」における施策に則って、ペンやインクのデジタル技術で常に市場の主導権を握り、「意味深い成長(財務的な成長だけではなく、私たちのお客様が製品・サービスのユーザー体験を通じて感じる成長であり、私たちが日々の暮らしを営む社会やコミュニティ全体が新たな学びを積み重ねていくことであり、一人一人の自己実現を通じた成長で構成される多面的な意味を持つ成長)」を目指して事業運営にあたりました。当連結会計年度では、XR(クロスリアリティ)、AI(人工知能)、セキュリティ(安全性)、教育などといった成長分野において、事業モデルを一段と進化させるための戦略を協業パートナーと推し進めるとともに、生産性やコスト構造の改善にも努め、経営判断の質の向上を通して経営課題に取り組みました。 ブランド製品事業については、創造性発揮のための最高体験をお客様にお届けするため、技術革新に取り組むとともに、顧客サービスの向上に努めました。当連結会計年度では、主力のクリエイティブソリューションにおいて、ディスプレイ製品、ペンタブレット製品ともに売上高が前年同期を下回ったことから、ブランド製品事業全体としての売上高は、前年同期を下回りました。 テクノロジーソリューション事業については、デジタルペン技術(アクティブES:Active Electrostatic、EMR:Electro Magnetic Resonance)の事実上の標準化に取り組むとともに、タブレット・ノートPC市場での利用拡大や教育市場での事業機会の拡大に努めました。当連結会計年度では、AESテクノロジーソリューションの売上高が前年同期を下回りましたが、EMRテクノロジーソリューションの売上高が前年同期を上回ったことから、テクノロジーソリューション事業全体としての売上高は、前年同期を上回りました。 中期経営方針の戦略軸に沿った全社的な取り組みとしては、当社グループの事業を取り巻く環境が大きく変化し、事業構造を変革させる必要が生じているとの認識の下で、当連結会計年度を中期経営方針『Wacom Chapter3』の「事業構造変革期間(2024年3月期から2025年3月期まで)」の最終年度と位置付けました。ブランド製品事業においては、商品ポートフォリオの刷新を含む構造改革に取り組み、2024年4月には新しいユースケース「ポータブル クリエイティブ」を確立すべく「Wacom Movink(ワコム ムービンク) 13」を、2025年2月には小型化と高精度に刷新したフラッグシップペンタブレット「Wacom Intuos Pro(ワコム インテュオス プロ)」を発表しました。また、企業価値の中長期的な向上を目指す観点からは、当社グループが持つデジタルペンの技術価値や各要素を「ペンとインクの統合体験」として市場実装すべく、次世代の成長エンジンとなる技術開発を推進し、積極的な投資を行っております。2024年11月には、多様な領域のパートナーと共創するコミュニティイベント「Connected Ink(コネクテッド・インク)2024」を開催し、最新のデジタルインク・テクノロジーを駆使した教育向けサービスやクリエイターの権利保護などの開発状況などを発表しました。また、学びや医療等も含む様々な分野での協業関係を更に深化させるため、AI技術を活用したソリューションなどを開発する株式会社Preferred Networksの第三者割当増資を引き受け2024年11月に1,000百万円を出資しました。学びやビジネスシーンを含む様々な分野での新たなプラットフォームを展開するためIoTソリューションを提供するJENESIS株式会社の株式を2025年3月に20百万円で取得しました。 サステナビリティの取り組みについても、当社グループは、気候変動問題を環境経営における重要な課題として捉え、温室効果ガスの削減に向けて、気候変動が事業環境に及ぼすリスクや機会を踏まえた事業活動を行っております。その一環として、ステークホルダーに対してより信頼性、透明性の高いデータを開示するため、2024年8月には、2024年3月期の温室効果ガス排出量データ(Scope 1,2,3)について、国際基準に準拠した第三者検証による第三者保証報告書を取得し、2024年10月には、温室効果ガス排出削減目標について、SBTi(Science Based Targets initiative)によるSBT短期目標の認定を取得しております。 これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。 a. 財政状態当連結会計年度末における資産の残高は、70,771,224千円となり、前連結会計年度末に比べ8,848,433千円減少しました。これは、投資有価証券が1,552,993千円増加し、現金及び預金が7,296,513千円、売掛金が1,296,465千円減少したことなどによるものであります。負債の残高は、39,911,749千円となり、前連結会計年度末に比べ3,739,685千円減少しました。これは、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が2,000,000千円、固定負債のその他が751,191千円減少したことなどによるものであります。純資産の残高は、30,859,475千円となり、前連結会計年度末に比べ5,108,748千円減少しました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益5,224,744千円により増加し、剰余金の配当2,904,876千円、自己株式の取得7,499,904千円により減少したことなどによるものであります。これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.6ポイント減少し、43.6%となりました。 b. 経営成績当連結会計年度の業績は、売上高が115,680,799千円(前年同期比2.6%減)、営業利益は10,209,629千円(同44.7%増)、経常利益は10,394,303千円(同5.5%増)、また、特別損失において、主にブランド製品事業における事業構造改革の実施に伴い発生した特別退職金等の事業構造改善費用3,090,227千円(同432.9%増)を計上したことなどが影響し、親会社株主に帰属する当期純利益は5,224,744千円(同14.5%増)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、24,364,228千円となり、前連結会計年度末に比べ7,296,513千円減少しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、8,330,003千円の収入(前年同期は17,476,294千円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益6,869,917千円及び減価償却費2,114,019千円などによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、2,274,095千円の支出(前年同期は2,281,207千円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出917,468千円及び投資有価証券の取得による支出1,019,824千円などによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、13,169,674千円の支出(前年同期は6,431,582千円の支出)となりました。これは、長期借入金の返済による支出2,000,000千円、自己株式の取得による支出7,513,510千円及び配当金の支払額2,900,769千円などによるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)ブランド製品事業15,214,873138.1テクノロジーソリューション事業50,679,54999.8合計65,894,422106.7(注)上記の金額には、製品仕入実績を含んでおります。 b. 受注実績当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。 c. 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)ブランド製品事業28,744,77485.0テクノロジーソリューション事業86,936,025102.3合計115,680,79997.4(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)サムスングループ(※)47,108,64339.748,534,12442.0(※)サムスングループには、Samsung Electronics Japan Co., Ltd.、Samsung Electronics Co., Ltd.を含んでおります。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a. 経営成績等当社グループのセグメントごとの業績に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。 (ブランド製品事業) <クリエイティブソリューション>クリエイティブソリューションは、市場環境の変化による影響を受けるなか、ディスプレイ製品、ペンタブレット製品ともに販売が減少し、前年同期の売上高を下回りました。 ○ ディスプレイ製品プロ向けモデルは、2024年4月に新製品を投入したことで需要が増加したことなどから前年同期の売上高を上回りました。プロ向けモデル以外は、消費者行動の変化等の影響により前年同期の売上高を大幅に下回りました。これらの結果、ディスプレイ製品全体の売上高は、前年同期を下回りました。 ○ ペンタブレット製品プロ向けモデルは、2025年3月に新製品を投入しましたが、旧モデルの終息及び買い控えの影響もあり前年同期の売上高を小幅に下回りました。プロ向けモデル以外は、一部モデルの販売終了などにより前年同期の売上高を下回りました。これらの結果、ペンタブレット製品全体の売上高は、前年同期を下回りました。 <ビジネスソリューション>ビジネスソリューションは、金融・医療・官公庁などの需要が堅調に推移しましたが、全体の売上高は、前年同期を僅かに下回りました。 これらの結果、ブランド製品事業の売上高は28,744,774千円(前年同期比15.0%減)、セグメント損失は2,879,178千円(前年同期はセグメント損失4,520,456千円)となりました。また、棚卸資産や売掛金が減少したことなどから、セグメント資産は前連結会計年度末に比べ1,943,084千円減少し、11,404,122千円となりました。 (テクノロジーソリューション事業) <AESテクノロジーソリューション>市場環境の変化による影響を受けるなか、AESテクノロジーソリューション全体の売上高は、前年同期を小幅に下回りました。 <EMRテクノロジーソリューション>OEM提供先の需要が増加したことから、EMRテクノロジーソリューション全体の売上高は、前年同期を小幅に上回りました。 これらの結果、テクノロジーソリューション事業の売上高は86,936,025千円(前年同期比2.3%増)、セグメント利益は18,495,277千円(同12.2%増)となりました。また、棚卸資産が増加したことなどから、セグメント資産は前連結会計年度末に比べ1,311,194千円増加し、22,371,395千円となりました。 b. 経営成績に重要な影響を与える要因当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。当社グループは、これらのリスクに対して、継続的にモニタリングを行って現状把握に努めるとともに、低減・回避等の対応に努めております。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容当連結会計年度における当社グループのキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、XR、AI、セキュリティ、教育といった成長分野に対応した新製品や次世代デジタルペン技術に係る研究開発費、量産出荷のための金型設備投資であります。なお、設備もしくはシステムとして資産計上される資本的支出の規模は、毎期20億円~25億円程度を目安としております。当連結会計年度においては、製品量産用金型や自動組立機への投資などがあるものの、投資内容や時期の見直しなどもあり総額14億円となりました。 b. 資本の財源及び資金の流動性当社グループの資金調達、資金運用等に関する取組方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(金融商品関係)」に記載のとおりであります。なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は、127億円(借入金120億円、リース負債7億円)であります。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、244億円であります。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の採用や、資産・負債及び収益・費用の計上及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り項目特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。また、会計上の見積りを行うに際して使用した重要な仮定は、合理的であると判断しております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、2022年3月期~2025年3月期を対象期間とするグループ中期経営方針『Wacom Chapter3』に則って事業を展開してまいりました。その取り組みをさらに発展、進化させるため、新たな中期経営計画『Wacom Chapter4』(対象期間:2026年3月期~2029年3月期)を策定し、企業価値向上に向けて最終年度(2029年3月期)までに、次の経営指標を達成することを目標としております。 「企業価値向上」=「利益創出力の強化(※1)」×「市場評価の向上(※2)」※1 事業成長 連結売上高1,500億円、連結営業利益150億円資本効率性の改善 ROE(自己資本利益率)20%以上、ROIC(投下資本利益率)18%以上将来に向けた投資 R&D+設備投資620億円、技術資本提携120億円以上※2 株主還元強化 総還元性向50%以上、累進配当制度導入(年間配当金下限22円) 当連結会計年度における『Wacom Chapter3』財務方針のガイドラインで掲げた各経営指標の結果は次のとおりであります。また、2021年5月13日から2025年3月31日までの期間に、総額200億円を上限とする自己株式の取得を実施する方針を策定しており、当連結会計年度において累計75億円(累計10,772,900株)の自己株式の取得を実施し、2021年5月13日以降の自己株式取得額の累計は200億円となりました。 前連結会計年度(2024年3月期 実績)当連結会計年度(2025年3月期 実績)2024年3月期~2025年3月期財務方針のガイドライン(参考)2029年3月期目標ROIC(投下資本利益率)(注)113.9%22.7%10%以上-ROIC(投下資本利益率)(注)210.6%16.3%-18%以上ROE(自己資本利益率)11.9%15.6%10~15%程度20%以上配当性向67.5%59.5%30%程度。それを上回る場合でも原則として安定的な配当額を維持。総還元性向50%以上(累進配当+機動的な自己株式の取得)(注)1.2024年3月期~2025年3月期、財務方針のガイドラインでの算定方法に基づく数値であります。ROIC=税引後営業利益 / (正味運転資本の期首期末平均+事業用資産の期首期末平均)事業用資産:有形固定資産+無形固定資産+他資産(うち事業用と定義するもの)(注)2.『Wacom Chapter4』(対象期間:2026年3月期~2029年3月期)での算定方法に基づく数値であります。ROIC=税引後営業利益 / (純資産+有利子負債)