6701

日本電気(6701)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

NECグループは、ITサービス事業と社会インフラ事業の2つを主軸としています。ITサービス事業では、システム構築、コンサルティング、保守、クラウドサービス、システム機器、ソフトウェアなどを提供しています。社会インフラ事業では、コアネットワーク、携帯電話基地局、光伝送システム、海洋システムなどのネットワークインフラ、通信事業者向けソフトウェア、航空宇宙・国家安全保障関連のシステム機器やシステム構築、保守などを手掛けています。各関係会社が設計、開発、製造、販売、サービス提供を分担し、多岐にわたる事業を展開しています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

NECグループの事業セグメントは、「公共事業(Public)」、「企業向け事業(Enterprise)」、「通信事業者向け事業(TelecomCarrier)」、「システムプラットフォーム事業(SystemPlatform)」の4つに分けられます。公共事業は売上高が最も大きく、主要な収益源の一つです。各セグメントは、それぞれの顧客層や提供する製品・サービスに応じて専門性を持ち、NECグループ全体の事業を構成しています。具体的な事業内容は、ITサービスや社会インフラに関連する多岐にわたるソリューション提供が含まれると考えられます。

FY2016 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Public 事業 8,048 575 7.1%
Enterprise 事業 3,076 222 7.2%
TelecomCarrier 事業 7,185 456 6.3%
SystemPlatform 事業 7,995 375 4.7%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,545 文字
3【事業の内容】 当社および連結子会社を中心とする関係会社で構成されるNECグループの主たる事業は、ITサービス事業および社会インフラ事業の2つの事業です。各関係会社は、設計、開発、製造および販売、サービスの提供などそれぞれの役割に応じ、各事業の一部を分担しています。 なお、当社は、当連結会計年度から、セグメント別業績の算定方法の一部を変更しています。変更内容は、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.事業セグメント (4)報告セグメントの変更等に関する事項」に記載のとおりです。 それぞれの事業の主な内容は次のとおりです。(ITサービス事業) システム・インテグレーション(システム構築、コンサルティング)、サポート(保守)、アウトソーシング・クラウドサービス、システム機器およびソフトウェア・サービスなどの提供を行っています。(社会インフラ事業) ネットワークインフラ(コアネットワーク、携帯電話基地局、光伝送システム、海洋システム)、通信事業者向けソフトウェア・サービス(OSS・BSS)(*)ならびにエアロスペース・ナショナルセキュリティ領域におけるシステム機器、システム・インテグレーション(システム構築、コンサルティング)およびサポート(保守)などの提供を行っています。 * OSS:Operation Support System、BSS:Business Support System  なお、上記のほかに、システム機器の開発・製造・販売などの事業を「その他」として表示しています。NECグループの連結子会社(249社)をセグメントごとに記載すると概ね次のとおりです。 2025年3月31日現在 セグメント子会社ITサービス事業NECフィールディング㈱NECソリューションイノベータ㈱アビームコンサルティング㈱日本電気通信システム㈱NECネクサソリューションズ㈱NECファシリティーズ㈱Comet Holding B.V.[オランダ]Garden Private Holdings Limited[英国]Soleil ApS[デンマーク] 等社会インフラ事業NECネッツエスアイ㈱Netcracker Technology Corporation[米国] 等その他NECプラットフォームズ㈱NEC Corporation of America[米国]NEC Europe Ltd.[英国]NEC Asia Pacific Pte. Ltd.[シンガポール]日電(中国)有限公司[中国]NEC Latin America S.A.[ブラジル]NEC Australia Pty Ltd[オーストラリア]NEC Corporation India Private Limited[インド] 等 (注)純粋持株会社Comet Holding B.V.主要な子会社はソフトウェアの開発およびITサービスの提供を主要な事業内容とする子会社を傘下に保有するAvaloq Group Ltd.Garden Private Holdings Limited主要な子会社はソフトウェアの開発およびITサービスの提供を主要な事業内容とするNEC Software Solutions UK LimitedSoleil ApS主要な子会社はソフトウェアの開発およびITサービスの提供を主要な事業内容とするKMD A/S  なお、NECグループの事業運営における当社および関係会社の事業系統図を示すと概ね次のとおりです。2025年3月31日現在 (注)矢印は、製品の設計、開発、製造および販売ならびにサービスの提供関係を示しています。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
世界トップクラスの技術を多く保有するAIやセキュリティ、ネットワークの技術領域を中心に事業を展開しているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
AI、セキュリティ、ネットワークといった世界トップクラスの技術を保有し、研究開発に注力している。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:適正な製品・サービスの提供 / サイバーセキュリティ / 人権の尊重
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

NECは長年の実績と信頼に基づくブランド力を持つ。特に官公庁や大企業向けシステムインテグレーション分野での実績は、無形資産として一定の評価ができる。しかし、特許やIPの競争優位性は限定的。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

官公庁や金融機関向けの基幹システム、社会インフラ関連システムなど、一度導入されると更改に多大なコストとリスクが伴うシステム開発・保守を手掛けている。顧客はシステム更改による事業継続リスクを避けるため、NECからの乗り換えを躊躇する傾向がある。

ネットワーク効果★☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

IoTプラットフォームやクラウドサービス等でネットワーク効果が期待される分野もあるが、現時点では限定的。プラットフォームの普及度やエコシステムの形成はまだ発展途上であり、強力なネットワーク効果は確認できない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

グローバルな競争環境下で、特にハードウェア分野においてはコスト競争力が課題となる場合がある。ソフトウェア開発やサービス提供においても、他社との明確なコスト優位性は見出しにくい。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

社会インフラ、公共、金融、エンタープライズなど、幅広い分野で大規模なシステム開発・運用を手掛ける能力は、業界内でもトップクラスの規模と実績を持つ。この規模が、複雑なプロジェクト遂行能力と信頼性につながっている。

NECグループは、長年にわたるITサービスと社会インフラ構築の実績により、幅広い顧客基盤と技術的専門性を有しています。システムインテグレーションから保守、クラウドサービスまで一貫したサービス提供能力は、顧客のスイッチングコストを高める要因となり得ます。また、ネットワークインフラや航空宇宙・国家安全保障といった公共性の高い分野での事業展開は、高い参入障壁と安定した需要に支えられています。グローバルなサプライチェーンと子会社ネットワークも、事業の安定性と競争優位に寄与していると考えられます。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 NECグループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、NECグループが判断したものです。 (1) 経営の基本方針NECグループは、NECグループが共通で持つ価値観であり、行動の原点としてNEC Wayを規定しています。 NEC Wayは、企業としてふるまう姿を示した「Purpose(存在意義)」「Principles(行動原則)」と、NECグループの一人ひとりの価値観・ふるまいを示した「Code of Values(行動基準)」「Code of Conduct(行動規範)」で構成されています。 「Purpose(存在意義)」は、Orchestrating a brighter worldをもとに、豊かな人間社会に貢献する姿を示した宣言です。 「Principles(行動原則)」は、NECグループとしての行動のもととなる原則であり、次の3つの心構えを示しています。 創業の精神「ベタープロダクツ・ベターサービス」常にゆるぎないインテグリティと人権の尊重あくなきイノベーションの追求 「Code of Values(行動基準)」は、NECグループの一人ひとりが体現すべき日常的な考え方や行動の在り方を示した行動基準です。 視線は外向き、未来を見通すように思考はシンプル、戦略を示せるように心は情熱的、自らやり遂げるように行動はスピード、チャンスを逃さぬように組織はオープン、全員が成長できるように 「Code of Conduct(行動規範)」は、NECグループの一人ひとりに求められるインテグリティ(高い倫理観と誠実さ)についての具体的な指針であり、次の章から構成されています。 1.基本姿勢2.人権尊重3.環境保全4.誠実な事業活動5.会社財産・情報の管理コンプライアンスに関する疑問・懸念相談、報告 NECグループは、「Purpose」を全うするため、「Principles」に基づき、中期経営計画をはじめとする中長期的な経営戦略を実践し、社会価値の継続的な創出と企業価値の最大化をはかっていきます。また、NECグループの一人ひとりが、「Code of Values」に基づき、自らの働き方や組織の在り方を常に見直し、改善するとともに、高い倫理観と誠実さを持ったよき企業人として「Code of Conduct」を遵守していきます。社会や顧客が期待する価値は常に変化し続けていることから、NECグループがこれからも社会から必要とされる存在であり続けるためには、何が価値となるのかを常に考え、新たな価値を創造していく必要があります。NECグループは、情報通信技術とさまざまな知見・アイデアを融合することで、世界の国々や地域の人々と協奏しながら、明るく希望に満ちた暮らしと社会を実現して未来に繋げていきます。 (2) 目標とする経営指標NECグループは、企業価値の最大化に向けて、Purpose・戦略・文化の一体的な取り組みを経営方針として掲げています。Purposeの具現化に向けて、戦略ではEBITDA成長率(*1)を、文化ではエンゲージメントスコアを、特に中核指標と位置づけています。加えて、売上収益、調整後営業利益(*2)、Non-GAAP営業利益(*3)、Non-GAAP当期利益(*4)、EBITDA(*5)およびROIC(*6)を経営上の目標として掲げています。*1 EBITDA成長率:2020年度から2025年度までの期間におけるEBITDAの年平均の成長率を意味します。*2 調整後営業利益:営業利益から、買収により認識した無形資産の償却費およびM&A関連費用(ファイナンシャルアドバイザリー費用等)を控除した利益指標です。*3 Non-GAAP営業利益:営業利益から、買収により認識した無形資産の償却費およびM&A関連費用(ファイナンシャルアドバイザリー費用等)ならびに構造改革関連費用、減損損失、株式報酬その他の一過性損益を控除した本源的な事業の業績を測る利益指標です。*4 Non-GAAP当期利益:親会社の所有者に帰属するNon-GAAP当期利益を指し、親会社の所有者に帰属する当期利益から税引前当期利益に係る調整項目およびこれらに係る税金相当・非支配持分相当を控除した、親会社の所有者に帰属する本源的な事業の業績を測る利益指標です。*5 EBITDA:売上総利益-販売管理費+減価償却費・償却費*6 ROIC:(調整前営業利益-みなし法人税)÷(期末有利子負債+期末純資産<非支配持分含む>)(3) 経営環境当連結会計年度の経済環境は、国内外で積極的なIT投資意欲がみられ、従来型ITインフラからのクラウドシフト、生成AIを活用した社会全体のデジタル化が進展しています。経済安全保障や環境問題をはじめとした社会課題が複雑化する中で、持続可能な社会の実現に向けた企業の貢献が求められており、テクノロジーの役割がさらに増大しています。 (4) 中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題国内ITサービス事業では、BluStellarを中核事業として位置づけ、価格の適正化やAI・コンサルティング・セキュリティ系の高収益な製品・サービスへのシフトを加速し、さらなる収益性の向上を目指します。さらに、コンサルティングと先進テクノロジーの活用における強みを掛け合わせることにより、価値の提供基盤を強化していきます。また、DX需要が本格化する全国の自治体およびSME(中堅・中小企業)向けビジネスを強化することなどを目的として、2025年3月25日にNECネッツエスアイ㈱を完全子会社化しました。今後、当社、NECネッツエスアイ㈱およびNECネクサソリューションズ㈱の3社による事業再編を行い、現在の事業領域に加え、全国の自治体およびSMEに対して、IT・ネットワークを統合したDXソリューションをコンサルティングからSI(システム・インテグレーション)、工事、保守まで一貫して提供可能な事業体制を構築することで、お客様により付加価値の高いサービスの展開を実現するとともに、事業効率化による利益最大化および競争力強化をはかります。 成長事業と位置づけている海外ITサービス事業では、デジタル・ガバメントおよびデジタル・ファイナンスを中心に、統括機能を欧州に移転することなどにより、収益基盤の強化に加え、成長戦略やシナジー強化の取り組みを加速させていきます。これに加えて、オフショア活用の拡大、ソフトウェア開発におけるAI活用などの収益性の改善施策を通じて、国内と同レベルの利益水準を目指します。 当社は、「Employer of Choice - 選ばれる会社」を目指し、人とカルチャーの変革にも取り組んでいます。「2025中期経営計画」の最終年度である2025年度は、エンゲージメントスコア50%という目標達成に向けて、エンゲージメントスコアと相関の高い重点項目である「全社方針・戦略の浸透」および「評価・報酬・登用・キャリア」に注力していきます。また、ジョブ型人材マネジメントの浸透により、多種多様な人材がそれぞれの能力と意欲を最大限に発揮し、より活躍できるポジションに登用していきます。さらに、株式報酬制度の導入・拡充を今後進めていくなど、必要な人材に選ばれるための市場競争力の高い報酬体系を構築していくことにより、優秀な人材を獲得し、NECグループの将来を担う若手層を強化・育成します。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 NECグループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、NECグループが判断したものです。 (1) 経営の基本方針NECグループは、NECグループが共通で持つ価値観であり、行動の原点としてNEC Wayを規定しています。 NEC Wayは、企業としてふるまう姿を示した「Purpose(存在意義)」「Principles(行動原則)」と、NECグループの一人ひとりの価値観・ふるまいを示した「Code of Values(行動基準)」「Code of Conduct(行動規範)」で構成されています。 「Purpose(存在意義)」は、Orchestrating a brighter worldをもとに、豊かな人間社会に貢献する姿を示した宣言です。 「Principles(行動原則)」は、NECグループとしての行動のもととなる原則であり、次の3つの心構えを示しています。 創業の精神「ベタープロダクツ・ベターサービス」常にゆるぎないインテグリティと人権の尊重あくなきイノベーションの追求 「Code of Values(行動基準)」は、NECグループの一人ひとりが体現すべき日常的な考え方や行動の在り方を示した行動基準です。 視線は外向き、未来を見通すように思考はシンプル、戦略を示せるように心は情熱的、自らやり遂げるように行動はスピード、チャンスを逃さぬように組織はオープン、全員が成長できるように 「Code of Conduct(行動規範)」は、NECグループの一人ひとりに求められるインテグリティ(高い倫理観と誠実さ)についての具体的な指針であり、次の章から構成されています。 1.基本姿勢2.人権尊重3.環境保全4.誠実な事業活動5.会社財産・情報の管理コンプライアンスに関する疑問・懸念相談、報告 NECグループは、「Purpose」を全うするため、「Principles」に基づき、中期経営計画をはじめとする中長期的な経営戦略を実践し、社会価値の継続的な創出と企業価値の最大化をはかっていきます。また、NECグループの一人ひとりが、「Code of Values」に基づき、自らの働き方や組織の在り方を常に見直し、改善するとともに、高い倫理観と誠実さを持ったよき企業人として「Code of Conduct」を遵守していきます。社会や顧客が期待する価値は常に変化し続けていることから、NECグループがこれからも社会から必要とされる存在であり続けるためには、何が価値となるのかを常に考え、新たな価値を創造していく必要があります。NECグループは、情報通信技術とさまざまな知見・アイデアを融合することで、世界の国々や地域の人々と協奏しながら、明るく希望に満ちた暮らしと社会を実現して未来に繋げていきます。 (2) 目標とする経営指標NECグループは、企業価値の最大化に向けて、Purpose・戦略・文化の一体的な取り組みを経営方針として掲げています。Purposeの具現化に向けて、戦略ではEBITDA成長率(*1)を、文化ではエンゲージメントスコアを、特に中核指標と位置づけています。加えて、売上収益、調整後営業利益(*2)、Non-GAAP営業利益(*3)、Non-GAAP当期利益(*4)、EBITDA(*5)およびROIC(*6)を経営上の目標として掲げています。*1 EBITDA成長率:2020年度から2025年度までの期間におけるEBITDAの年平均の成長率を意味します。*2 調整後営業利益:営業利益から、買収により認識した無形資産の償却費およびM&A関連費用(ファイナンシャルアドバイザリー費用等)を控除した利益指標です。*3 Non-GAAP営業利益:営業利益から、買収により認識した無形資産の償却費およびM&A関連費用(ファイナンシャルアドバイザリー費用等)ならびに構造改革関連費用、減損損失、株式報酬その他の一過性損益を控除した本源的な事業の業績を測る利益指標です。*4 Non-GAAP当期利益:親会社の所有者に帰属するNon-GAAP当期利益を指し、親会社の所有者に帰属する当期利益から税引前当期利益に係る調整項目およびこれらに係る税金相当・非支配持分相当を控除した、親会社の所有者に帰属する本源的な事業の業績を測る利益指標です。*5 EBITDA:売上総利益-販売管理費+減価償却費・償却費*6 ROIC:(調整前営業利益-みなし法人税)÷(期末有利子負債+期末純資産<非支配持分含む>)(3) 経営環境当連結会計年度の経済環境は、国内外で積極的なIT投資意欲がみられ、従来型ITインフラからのクラウドシフト、生成AIを活用した社会全体のデジタル化が進展しています。経済安全保障や環境問題をはじめとした社会課題が複雑化する中で、持続可能な社会の実現に向けた企業の貢献が求められており、テクノロジーの役割がさらに増大しています。 (4) 中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題国内ITサービス事業では、BluStellarを中核事業として位置づけ、価格の適正化やAI・コンサルティング・セキュリティ系の高収益な製品・サービスへのシフトを加速し、さらなる収益性の向上を目指します。さらに、コンサルティングと先進テクノロジーの活用における強みを掛け合わせることにより、価値の提供基盤を強化していきます。また、DX需要が本格化する全国の自治体およびSME(中堅・中小企業)向けビジネスを強化することなどを目的として、2025年3月25日にNECネッツエスアイ㈱を完全子会社化しました。今後、当社、NECネッツエスアイ㈱およびNECネクサソリューションズ㈱の3社による事業再編を行い、現在の事業領域に加え、全国の自治体およびSMEに対して、IT・ネットワークを統合したDXソリューションをコンサルティングからSI(システム・インテグレーション)、工事、保守まで一貫して提供可能な事業体制を構築することで、お客様により付加価値の高いサービスの展開を実現するとともに、事業効率化による利益最大化および競争力強化をはかります。 成長事業と位置づけている海外ITサービス事業では、デジタル・ガバメントおよびデジタル・ファイナンスを中心に、統括機能を欧州に移転することなどにより、収益基盤の強化に加え、成長戦略やシナジー強化の取り組みを加速させていきます。これに加えて、オフショア活用の拡大、ソフトウェア開発におけるAI活用などの収益性の改善施策を通じて、国内と同レベルの利益水準を目指します。 当社は、「Employer of Choice - 選ばれる会社」を目指し、人とカルチャーの変革にも取り組んでいます。「2025中期経営計画」の最終年度である2025年度は、エンゲージメントスコア50%という目標達成に向けて、エンゲージメントスコアと相関の高い重点項目である「全社方針・戦略の浸透」および「評価・報酬・登用・キャリア」に注力していきます。また、ジョブ型人材マネジメントの浸透により、多種多様な人材がそれぞれの能力と意欲を最大限に発揮し、より活躍できるポジションに登用していきます。さらに、株式報酬制度の導入・拡充を今後進めていくなど、必要な人材に選ばれるための市場競争力の高い報酬体系を構築していくことにより、優秀な人材を獲得し、NECグループの将来を担う若手層を強化・育成します。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】※当連結会計年度から、セグメント別業績の算定方法の一部を変更しています。 また、前連結会計年度との比較数値については、前連結会計年度の数値をこの算定方法の変更を反映したものに組み替えて表示しています。 (1) 経営成績等の状況の概要 当連結会計年度におけるNECグループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりです。 ① 財政状態および経営成績の状況NECグループは、当連結会計年度も2021年5月に発表した「2025中期経営計画」のもと、引き続き、Purpose・戦略・文化の一体的な取り組みを経営方針に掲げ、「ITサービス」および「社会インフラ」を主要なセグメントとして各事業活動を行いました。 ・事業戦略「ITサービス」においては、2024年5月に、お客様を未来に導く価値創造モデル「BluStellar(ブルーステラ)」を発表しました。BluStellarは、これまで当社がDX(デジタルトランスフォーメーション)事業で積み重ねたナレッジやノウハウを結集し、AIやセキュリティに代表される先端テクノロジーをさらに進化させていくことでお客様への迅速かつ高度なサービス提供に寄与しています。当連結会計年度において、旺盛なDX需要の後押しもあり、BluStellar事業は、当初の想定を上回る速さで事業成長と収益性改善を実現し、ITサービス領域の好調な業績に大きく貢献しました。 「社会インフラ」においては、エアロスペース・ナショナルセキュリティ領域で、ナショナルセキュリティへの意識の高まりを背景とした日本政府の防衛予算の増加により、当連結会計年度の受注は、前連結会計年度に引き続き過去最高の水準で推移しました。また、今後のさらなる事業規模の拡大に備え、人員や生産設備の増強などの事業基盤強化策を実行しました。 ・人材戦略当社は、2024年4月に、柔軟な人材配置による「適時適所適材」を推進する原動力として、ジョブ型人材マネジメントを当社の全従業員を対象に導入しました。これは、当社の戦略起点でのジョブの明確化と従業員のキャリアの自律を促進する狙いがあります。また、NECグループ内でのさらなる人的リソースの流動化をはかるため、2025年4月に、NECグループ会社5社(*)にも、ジョブ型人材マネジメントを導入しました。さらに、キャリア採用者、女性、外国人など多様な人材の登用を進めており、役員における女性・外国人の割合については、2024年4月時点で15.8%、2025年4月時点で20%となり、「2025中期経営計画」に掲げた目標値(20%)を達成しました。 当社は、従業員が当社で働くことに誇りを持ち、より主体的に仕事に取り組む文化を醸成し、フェアな評価・登用・報酬の整備に注力した結果、2024年度のエンゲージメントスコアは、2020年度の25%から42%へと改善しました。なお、「2025中期経営計画」では、エンゲージメントスコアを50%まで上げることを目標としており、これは概ねグローバル上位25パーセンタイルに該当します。 (*)NECソリューションイノベータ㈱、NECプラットフォームズ㈱、日本電気通信システム㈱、NECネクサソリューションズ㈱、NECビジネスインテリジェンス㈱ このような経営環境のもと、当連結会計年度の売上収益は3兆4,234億円(前連結会計年度比1.5%減少)、営業利益は2,565億円(同685億円増加)、調整後営業利益は2,872億円(同636億円増加)、Non-GAAP営業利益は3,113億円(同837億円増加)、税引前利益は2,398億円(同548億円増加)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,752億円(同257億円増加)、親会社の所有者に帰属するNon-GAAP当期利益は2,257億円(同479億円増加)となりました。また、当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フロー(「営業活動によるキャッシュ・フロー」と「投資活動によるキャッシュ・フロー」の合計額)は、2,132億円の収入となりました。当連結会計年度末の有利子負債(短期借入金、コマーシャル・ペーパー、1年内返済予定の長期借入金、1年内償還予定の社債、社債、長期借入金およびリース負債を合計したもの)残高は、前連結会計年度末に比べ1,177億円増加し、6,664億円となり、デット・エクイティ・レシオ(D/Eレシオ、自己資本(「資本合計」から「非支配持分」を控除したもの)に対する有利子負債の割合)は、0.34倍(前連結会計年度末比0.05ポイント悪化)となりました。なお、有利子負債残高から現金及び現金同等物の残高を控除した有利子負債残高(NETベース)は、前連結会計年度末に比べ96億円増加の817億円となり、デット・エクイティ・レシオ(NETベース)は0.04倍(前連結会計年度末並)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、3,444億円の収入で、前連結会計年度に比べ732億円増加しました。これは運転資金の改善や税引前利益が増加したことなどによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは、1,312億円の支出で、前連結会計年度に比べ551億円支出額が増加しました。これは有形固定資産の取得の増加などによるものです。この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローは2,132億円の収入となり、前連結会計年度に比べ180億円増加しました。財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加などがあったものの、非支配持分からの子会社持分取得による支出やリース負債の返済や長期借入金の返済による支出などにより、1,040億円の支出となりました。現金及び現金同等物に係る為替変動による影響は、11億円の減少となりました。上記の結果、現金及び現金同等物は、5,846億円となり、前連結会計年度末に比べ1,081億円増加しました。 ③ 生産、受注および販売の実績NECグループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多いため、セグメントごとに生産規模、受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。このため、生産、受注および販売の状況については、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」におけるセグメントの業績に関連づけて示しています。なお、外部顧客への売上収益のうち、連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先がないため、主要な販売先に関する記載を省略しています。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点によるNECグループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、NECグループが判断したものです。連結財務諸表の作成には、期末日における資産、負債、偶発資産および偶発債務ならびに会計期間における収益および費用に影響を与えるような見積りや仮定を必要とします。結果として、このような見積りと実績が異なる場合があります。 ① 当社の概要(主な事業内容)および経営成績に重要な影響を与える要因NECグループの売上は、2つの主要なセグメントであるITサービス事業、社会インフラ事業から生じます。各セグメントの製品およびサービス等の概要は、「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のとおりです。NECグループの各セグメントの業績は、景気動向およびIT投資の動向や通信事業者の投資動向等に左右されます。 経営成績に重要な影響を与えるその他の要因につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。 ② 重要性がある会計方針および見積り経営陣は、次の重要性がある会計方針の適用における見積りや仮定が連結財務諸表に重要な影響を与えると考えています。 重要性がある会計方針および見積りにつきましては、「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」と「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりです。 ③ 当連結会計年度の経営成績の分析当連結会計年度の売上収益は、3兆4,234億円と前連結会計年度に比べ538億円(1.5%)減少しました。これは、ITサービス事業および社会インフラ事業が増収となったものの、日本航空電子工業㈱の非連結化による減収などによるものです。収益面につきましては、営業利益は、前連結会計年度に比べ685億円増加し、2,565億円となりました。これは、ITサービス事業および社会インフラ事業の売上収益の増加などによるものです。また、調整後営業利益は、前連結会計年度に比べ636億円増加し、2,872億円となり、Non-GAAP営業利益は、前連結会計年度に比べ837億円増加し、3,113億円となりました。税引前利益は、持分法による投資損益においてNECキャピタルソリューション㈱に対する投資の減損損失を計上したものの、営業利益が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ548億円増加し、2,398億円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、税引前利益が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ257億円増加し、1,752億円となりました。また、親会社の所有者に帰属するNon-GAAP当期利益は、前連結会計年度に比べ479億円増加し、2,257億円となりました。セグメント別実績については次のとおりです。なお、各セグメント別の売上収益については、外部顧客に対する売上収益を記載しています。 a.ITサービス事業売上収益2兆332億円(前連結会計年度比     6.2%増)調整後営業利益2,371億円(    同     530億円増加) ITサービス事業の売上収益は、国内および海外ともに好調に推移したことなどにより、前連結会計年度に比べ1,192億円(6.2%)増加し、2兆332億円となりました。調整後営業利益は、売上の増加に加え、システム構築領域の収益性向上などにより、前連結会計年度に比べ530億円増加し、2,371億円となりました。 b.社会インフラ事業売上収益1兆1,417億円(前連結会計年度比     6.0%増)調整後営業利益854億円(    同     302億円増加) 社会インフラ事業の売上収益は、エアロスペース・ナショナルセキュリティ領域が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ644億円(6.0%)増加し、1兆1,417億円となりました。調整後営業利益は、売上の増加に加え、テレコムサービス領域における費用効率化などにより、前連結会計年度に比べ302億円増加し、854億円となりました。 c.その他売上収益2,485億円(前連結会計年度比    48.9%減)調整後営業利益△147億円(    同     197億円減少) その他の売上収益は、前連結会計年度に比べ2,374億円(48.9%)減少し、2,485億円となりました。調整後営業利益は、前連結会計年度に比べ197億円減少し、147億円の損失となりました。 財政状態につきましては、当連結会計年度末の総資産は4兆3,154億円と、前連結会計年度末に比べ879億円増加しました。流動資産は、現金及び現金同等物や営業債権及びその他の債権が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ832億円増加し、2兆2,250億円となりました。非流動資産は、有形固定資産の増加などにより、前連結会計年度末に比べ46億円増加し、2兆904億円となりました。 負債は、2兆2,439億円と前連結会計年度末に比べ1,059億円増加しました。これは、社債及び借入金や未払法人所得税などが増加したことなどによるものです。有利子負債残高は、前連結会計年度末に比べ1,177億円増加の6,664億円となり、デット・エクイティ・レシオは0.34倍(前連結会計年度末比0.05ポイント悪化)となりました。また、有利子負債残高から現金及び現金同等物の残高を控除した有利子負債残高(NETベース)は、前連結会計年度末に比べ96億円増加の817億円となり、デット・エクイティ・レシオ(NETベース)は、0.04倍(前連結会計年度末並)となりました。 資本は、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上による利益剰余金の増加や、確定給付制度の再測定の増加など、その他の資本の構成要素が増加したことなどに対して資本剰余金や非支配持分の減少により、前連結会計年度末に比べ180億円減少し、2兆715億円となりました。 この結果、親会社の所有者に帰属する持分は1兆9,520億円となり、親会社所有者帰属持分比率は45.2%(前連結会計年度末並)となりました。 ④ 流動性と資金の源泉NECグループは、手許流動性、すなわち、現金及び現金同等物と複数の金融機関との間で締結したコミットメントライン契約の未使用額との合計額を今後の事業活動のための適切な水準に維持することを財務活動の重要な方針としています。当連結会計年度末は、現金及び現金同等物5,846億円、コミットメントライン未使用枠2,380億円、合計8,226億円の手許流動性を確保し、必要な流動性水準を維持しました。なお、現金及び現金同等物は主に円貨であり、その他は米ドルやユーロなどの外国通貨です。また、NECグループは、短期・長期の資金需要を満たすのに十分な調達の枠を維持しています。まず、短期資金調達では、その多くを国内コマーシャル・ペーパーの機動的な発行で賄っており、5,000億円の発行枠を維持しています。さらに、不測の短期資金需要の発生やコマーシャル・ペーパーによる調達が不安定になった場合の備えとして、コミットメントライン枠計2,380億円を維持し、常時金融機関からの借入れが可能な体制を敷いています。一方、長期資金調達では、国内普通社債の発行枠3,000億円を維持しています。負債構成の考え方に関しては、必要資金の安定的な確保の観点から、十分な長期資金の確保、およびバランスのとれた直接・間接調達比率の維持を当面の基本方針としており、その状況を示すと次のとおりです。 前連結会計年度末当連結会計年度末長期資金調達比率 *175.0%57.0%直接調達比率 *242.7%35.9%*1 長期資金調達比率は、社債、長期借入金およびその他(1年超のリース債務)の合計を有利子負債で除して計算したものです。*2 直接調達比率は、社債(1年内償還予定を含む。)およびコマーシャル・ペーパーの合計を有利子負債で除して計算したものです。 (3) キャッシュ・フローの状況について キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。 (4) 経営戦略と今後の方針について 経営戦略と今後の方針につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。

事業リスク

NECグループは、多岐にわたる事業活動において、製品・サービスの品質と安全性の確保を最重要リスクと認識しており、品質管理体制の徹底とサプライチェーン全体の管理強化に取り組んでいます。また、サイバー攻撃の高度化や情報漏洩リスクの増大に対応するため、ゼロトラストセキュリティプラットフォームの構築やセキュリティ実装推進体制を強化しています。さらに、人権の尊重も重要なリスクと捉え、バリューチェーン全体での人権課題の評価と対応を進めています。これらのリスクが顕在化した場合、法的責任の追及や社会的信用の低下により、事業活動に大きな影響を与える可能性があります。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|5,878 文字
3【事業等のリスク】(1)リスク管理体制 NECグループでは、NECグループの事業に関連する社内外のリスクを的確に把握し対応するため、リスク・コンプライアンス委員会とCRCO(チーフリスク&コンプライアンスオフィサー)を中心とした全社横断的なリスク管理体制を整備しており、その概要は下図のとおりです。 リスク・コンプライアンス委員会では、リスク管理に関する活動方針、NECグループとして対策を講ずべき重点対策リスクの選定・対応方針のほか、期中のリスク変動により全社横断対応が必要となったリスクの対応、その他の全社リスク管理に関する重要な事項を審議し、事業戦略会議および取締役会に定期的に報告しています。 また、NECグループ全体のリスクを俯瞰して一元的・横断的に対応し、損失に繋がる可能性をコントロールするため、CRCOを設置しています。CRCOは、日々変化する社会・事業環境の中で多様化・複雑化するリスクを感知・分析し、インパクトを評価するとともに、対応の優先付けをした上で、各リスクを所管するチーフオフィサーと密に連携することで全社横断的なリスク管理を主導します。 (2)リスク特定における方針・プロセス・運用状況① 方針 NECグループでは、トレッドウェイ委員会支援組織委員会(COSO)の全社的リスクマネジメント統合フレームワークおよびリスク管理に関する国際標準規格であるISO31000を参照しています。そのうえで、適切なリスク管理によるリターン追求のため、NECグループの事業に関連するリスクをRisk Total Pictureとして類型化し、各リスクの責任部門や対応方針を決定しています。Risk Total Pictureでは、インテグリティをすべてのリスク管理活動の基礎とし、リスクをその性質によって3つに分類しています。このリスクが顕在化した場合、とりわけ会社の存続を脅かす事態(クライシス)への備えとして対応フローを整備しています。 ② プロセス CRCOは、NECグループとして認識しておくべきリスクを網羅的にとりまとめたリスク一覧をもとに、各リスクを所管するチーフオフィサーとの対話やリスクアセスメントを実施し、外部・内部環境変化や各リスク対策の状況を踏まえて5段階の影響度評価・3段階の切迫性評価を行い、優先順位を可視化したリスクマップを作成しています。 リスクマップは、四半期毎にリスク・コンプライアンス委員会での審議を経て更新しており、事業戦略会議および取締役会に定期的に報告しています。 ③ 運用状況 前項のプロセスを通じて、NECグループが影響を受けるリスクについて、優先順位付けした現状のリスクマップは、以下のとおりです。  この中で、NECグループが特に重要と判断した「適正な製品・サービスの提供」を重点対策リスク、その次に重要と判断した「サイバーセキュリティ」、「人権の尊重」、「重大な不祥事の発生」および「人的資本経営」を重要なリスクとして、それぞれ以下に説明します。 (3)重点対策リスクおよび重要なリスク① 重点対策リスクリスク名称適正な製品・サービスの提供分類Business, Compliance評価影響度:4切迫性:3リスク説明NECグループの事業活動は、国内外で行われており、提供する製品やシステム、サービスが多岐にわたっており、サプライチェーンもグローバルに展開しています。NECグループにおける品質・安全性の管理はもとより、調達取引先も含めた幅広いステークホルダーの信頼を獲得し続けることができない場合、法的責任の追及、社会的信用の低下などにより、NECグループの事業活動に大きな影響を与えると考えています。対策品質・安全性推進体制/品質・安全性リスク管理体制NECグループでは、全社規程や基準を定めて活動体系を明確にするとともに、CSCOが品質・安全性に対する管理責任を持ち、サプライチェーン戦略部門BUと連結子会社に設置している品質推進組織、および事業部門と連結子会社でそれぞれ任命されている品質・安全性管理責任者が核となり、品質と安全性の向上に取り組んでいます。品質・安全性に関するリスク管理についても、全社的な体制を構築し、運用を徹底しています。万が一、お客さまのシステムや社会的に影響のあるシステムでの重大なトラブルや、重大製品事故、技術法規制違反などが発生した際は、迅速なエスカレーションとともに、関係部門による協議を行い、お客さま、所轄官庁、広報などについての対応方針を決定します。新規プロジェクトの評価体制新規プロジェクトの開始にあたっては、プロジェクト遂行上のリスクを把握し、十分なリスク対策が取られていることを確認しています。品質に係わる技術的なリスクや安全性リスク、開発規模・期間、プロジェクト体制など多面的に受注前審査を実施しています。サプライチェーン・マネジメントの体制NECグループでは、CSCOがサステナブル調達の管理責任を負っています。また、サプライチェーン戦略部門の調達機能責任者を議長とする会議でサステナブル調達に関する意思決定を行い、国内外ともにその実施状況についての定期報告を受け、ガバナンス強化をはかっています。NECグループのみならず調達取引先との協働・共創を通じて、環境や社会全体に与える影響に十分配慮しながら事業を行うことで、社会から信頼される社会価値創造に貢献していきます。 ② 重要なリスクリスク名称サイバーセキュリティ分類Conduct評価影響度:5切迫性:2リスク説明全世界がオープンに繋がり、AI利用が拡大する現在、サイバー攻撃の高度化やビジネス化、クラウド活用による情報漏えいリスクの増大、経済安全保障における情報管理の課題など多岐にわたるリスクに晒されています。NECグループだけでなく、お客さま・取引先のサイバーセキュリティに関するリスクに適切に対処できない場合、法的責任の追及、社会的信用の低下などにより、NECグループの事業活動に大きな影響を与えると考えています。対策現状を踏まえ、NECグループでは、「ゼロトラストセキュリティプラットフォーム」の構築を推進しており、ゼロトラスト成熟度モデルを踏まえた堅牢性と柔軟性を備えた対策を実施しています。経済産業省の「サイバーセキュリティ経営ガイドラインVer3.0」や、NIST(米国標準技術研究所)の「Cyber Security Framework(2.0版)」に基づき、深刻化するサイバー攻撃に対するインテリジェンス(事前防御)やレジリエンス(攻撃からの回復能力)を強化、実行する体制を構築しています。データドリブンサイバーセキュリティとして社内向けダッシュボードでサイバーセキュリティリスクを全従業員に示し、データを起点とした迅速な経営判断と現場の自律的なアクションに繋げ、統制を実現しています。お客さまに提供する製品、システム、サービスをセキュアに開発・運用するため、セキュリティ実装推進体制を構築しています。この体制は、サイバーセキュリティ部門と各事業部門のセキュリティ責任者で構成され、その内容およびセキュリティ実装プロセスは、「サイバーセキュリティ管理規程」に定めています。セキュリティを確保する「セキュリティ・バイ・デザイン(SBD)」の思想に基づき、企画・提案フェーズから運用・保守フェーズまでのセキュリティ確保など、高品質で安全なサービスを提供するために、サプライチェーンも含めた対策強化に取り組んでいます。 リスク名称人権の尊重分類Conduct, Compliance評価影響度:4切迫性:2リスク説明NECグループは、バリューチェーン全体の顕在的または潜在的な負の影響を継続的に評価することで、特に影響が大きいと考える顕著な人権課題を特定しています。これらの顕著な人権課題に適切に対処できない場合、法令違反、経済制裁、社会的信用の低下などにより、NECグループの事業活動に大きな影響を与えると考えています。対策NECグループ人権方針NECグループは、あらゆる企業活動の場面において、基本的人権を尊重し、いかなる理由であっても差別行為を許さず、また個人の尊厳を損なう行為も許容しません。2015年に「NECグループ人権方針」を策定し、その後2022年6月に国連「ビジネスと人権の指導原則(UNGP)」で求められている、人権の尊重への経営トップのコミットメントとガバナンス体制を明確に示す内容に改定し、さらに2023年に国際労働機関(ILO)中核的労働基準に「安全で健康的な労働環境」が追加されたことを受け、これに対応する内容に改定しています。 当連結会計年度における顕著な人権課題に関する取り組みは、以下のとおりです。AIなどの新技術と人権AI事業の遂行にあたり、プライバシーなどの基本的人権を適切に保護するための方針として、「NECグループAIと人権に関するポリシー」を策定するとともに、AIと人権リスク対応の体制、計画、実施、点検および見直しに関するルールを規程として制定し、その実施や運用の浸透をはかっています。地政学的情勢や紛争影響をふまえた人権リスク人権視点のハイリスク地域を特定し、該当地域の取引先の属性や人権・腐敗行為に関する情報、製品・サービスの用途などを取引前に確認しています。また、人権に関する各制裁リストも確認しています。さらに、取引先に人権方針がない場合、人権リスクの発生防止のため、「NECグループ人権方針」と同等の取り組みを求めています。サプライチェーン上の労働「責任ある企業行動のためのOECDデュー・ディリジェンス・ガイダンス」に基づき、サプライチェーン上の人権リスクについて評価・特定を行い、当該リスクのある調達取引先に対して現地監査を実施し、必要に応じてリスク軽減に向けた是正対応をはかるなど、リスクベースアプローチによる活動を進めています。従業員の安全と健康「NECグループ労働安全衛生マネジメントシステム」に基づき、リスクの特定および対策を行っています。また、パワーハラスメント、セクシャルハラスメントなどのあらゆるハラスメントを禁止し、多様性を認め合う文化の醸成を目指しています。1997年に設置した人権啓発推進会議は、差別の禁止やハラスメントの防止をはじめとした人権啓発活動を継続して推進しています。 リスク名称重大な不祥事の発生分類Compliance評価影響度:4-3切迫性:3-2リスク説明NECグループでは、重大な不祥事につながりかねないコンプライアンス・リスクを特定し、これらについて適切に対処しています。これらに適切に対処できない場合、競争法等の関係法令違反、取引停止、社会的信用の低下などにより、NECグループの事業活動に大きな影響を与えると考えています。対策コンプライアンスの方針 NECグループでは、Principlesに「常にゆるぎないインテグリティと人権の尊重」を掲げてコンプライアンスを経営の基本に置き、役員から従業員に至るまで、全社的な取り組みを継続的に実施しています。コンプライアンス体制NECグループでは、NECグループコンプライアンスポリシーを策定し、CRCOがコンプライアンス課題の全体を俯瞰し、リスク・コンプライアンス委員会を通じて、具体的な課題対応について審議・対策の推進を行っています。また、「NECグループ行動規範」(Code of Conduct)の周知をはじめとしたコンプライアンス徹底のための各種施策を企画立案のうえ、実施しています。さらに、各部門が実施するリスク・マネジメントが体系的かつ効果的に行われるように、必要な支援、調整および指示を実行しています。個人情報保護法違反の防止CLO(チーフリーガルオフィサー)を個人情報保護担当役員として定めるとともに、個人情報保護管理者、個人情報保護推進事務局、個人情報保護監査責任者を設置して会社として個人情報保護の推進をしています。また、個人情報保護管理者は、個人情報保護マネジメントシステムの運用責任者を務めるとともに、マイナンバーに関する対応についても、特定個人情報保護責任者としての役割を担っています。当社は、JIS Q 15001に適合し、個人情報について適切な保護措置を講ずる体制を整備していると評価された事業者などに付与されるプライバシーマークを2005年10月に取得して以来、JIS Q 15001に準拠した個人情報の取り扱いを行うことなどを「NEC個人情報保護方針」に定めています。贈収賄行為の防止「NECグループ行動規範」(Code of Conduct)では、「贈収賄と腐敗防止」「接待・贈答、寄付、政治活動への対応」などに関する行動指針を定め、あらゆる形態の贈収賄・腐敗防止の徹底に努めています。具体的な対応については、「贈収賄防止基本規程」のもと、「贈収賄防止マニュアル」および接待・贈呈・寄付に関する各種ガイドラインを策定・運用しています。建設業法等違反の防止建設工事においては、お客さまに社会価値を確実に提供するための現場工事の遵法かつ安全衛生文化を構築することを理念とした「建設工事 安全衛生行動指針」を策定・運用しています。建設工事に従事する人だけでなく、従業員および関係作業員が健康管理を含む「安全衛生がすべての仕事に優先する」という安全衛生の基本方針に基づき、関連する法令および規制などを遵守し安全施工に取り組んでいます。 リスク名称人的資本経営分類Business評価影響度:5切迫性:2リスク説明対策 人的資本経営については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本経営 ③リスク管理」に記載のとおりです。  NECグループは、上記以外のリスクについても、回避および顕在化した場合の対策に努めています。ただし、NECグループの事業、業績および財政状態は、予見することが困難なリスクや重要性が低いと考えられるリスクにより、影響を受ける可能性があります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末においてNECグループが判断したものです。 (注)本文中の組織・役職名は、2025年4月1日時点のものを記載しています。

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