6652

IDEC(6652)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

IDECグループは、制御用操作スイッチや表示灯などのHMI事業、スイッチング電源や端子台などのインダストリアルコンポーネンツ事業、プログラマブルコントローラや自動認識機器などのオートメーション&センシング事業、安全・防爆関連機器を扱う安全・防爆事業、そして各種システム製造販売を主な事業としています。製造は当社と子会社11社が行い、販売は日本市場では当社と国内グループ会社が、海外市場では現地法人が担当し、地域に合わせた戦略で事業を展開しています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

IDECグループの事業セグメントは地域別に構成されており、日本、アメリカ、EMEA(欧州、中東、アフリカ)、アジア・パシフィックの4つです。売上高では日本が268.46億円と最も大きく、次いでEMEAが148.95億円、アメリカが141.52億円、アジア・パシフィックが114.85億円となっています。営業利益を見ると、日本が11.83億円、アメリカが11.38億円、アジア・パシフィックが10.95億円とそれぞれ貢献していますが、EMEAは-5.59億円の営業損失を計上しており、地域によって収益性に差があることが分かります。

2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Japan 地域 268 12 4.4%
America 地域 142 11 8.0%
EMEA 事業 149 -6 -3.8%
AsiaAndPacific 地域 115 11 9.5%
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FY2025|1,710 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社、連結子会社28社(国内5社、海外23社)及び持分法適用関連会社1社で構成され、その主な事業内容は、HMI事業、インダストリアルコンポーネンツ事業、オートメーション&センシング事業、安全・防爆事業、システムの製造及び販売であります。製造については、当社及び子会社11社が行っております。販売については、日本市場へは当社及び国内グループ会社が、海外市場へは主にその地域の現地法人が行っております。現地法人は、それぞれが独立した経営単位として各地域に適した戦略を立案し事業戦略を展開しております。したがって、当社グループは、製造・販売体制を基礎とした地域別のセグメントを構成しております。 製品種類及び製品種類の内容と、それに関連する主な関係会社及びセグメントは次のとおりであります。製品種類製品種類の内容主な関係会社名セグメント名HMI事業制御用操作スイッチ、ジョイスティック、表示灯、プログラマブル表示器など販売会社IDECセールスサポート株式会社日本IDEC CORPORATION米州製造・販売会社APEM, Inc.IDEC ASIA(THAILAND)CO.,LTD.アジア・パシフィック製造会社台湾愛徳克股份有限公司蘇州和泉電気有限公司販売会社台湾和泉電気股份有限公司IDEC HONG KONG CO.,LTD.IDEC IZUMI ASIA PTE LTD.IDEC CONTROLS INDIA PRIVATE LIMITED愛徳克電気貿易(上海)有限公司開発・製造販売会社APEM SAS ほか8社EMEA※インダストリアルコンポーネンツ事業スイッチング電源、端子台、制御用リレー/ソケット、サーキットプロテクタなど販売会社IDECセールスサポート株式会社日本IDEC CORPORATION米州台湾和泉電気股份有限公司アジア・パシフィックIDEC HONG KONG CO.,LTD.IDEC IZUMI ASIA PTE LTD.IDEC CONTROLS INDIA PRIVATE LIMITED愛徳克電気貿易(上海)有限公司製造・販売会社IDEC ASIA(THAILAND)CO.,LTD.製造会社台湾愛徳克股份有限公司蘇州和泉電気有限公司開発会社愛徳克電子科技(上海)有限公司 製品種類製品種類の内容主な関係会社名セグメント名オートメーション&センシング事業プログラマブルコントローラ、自動認識機器など開発・製造販売会社IDEC ALPS Technologies株式会社日本販売会社IDEC AUTO-ID SOLUTIONS株式会社IDECセールスサポート株式会社IDEC CORPORATION米州台湾和泉電気股份有限公司アジア・パシフィックIDEC HONG KONG CO.,LTD.IDEC IZUMI ASIA PTE LTD.IDEC CONTROLS INDIA PRIVATE LIMITED愛徳克電気貿易(上海)有限公司製造・販売会社IDEC ASIA(THAILAND)CO.,LTD.製造会社台湾愛徳克股份有限公司安全・防爆事業安全関連機器、防爆関連機器など販売会社IDECセールスサポート株式会社日本IDEC CORPORATION米州台湾和泉電気股份有限公司アジア・パシフィックIDEC HONG KONG CO.,LTD.IDEC IZUMI ASIA PTE LTD.IDEC CONTROLS INDIA PRIVATE LIMITED愛徳克電気貿易(上海)有限公司製造・販売会社IDEC ASIA(THAILAND)CO.,LTD.製造会社蘇州和泉電気有限公司システム各種システム協働ロボットシステムソリューションなど製造・販売会社IDECファクトリーソリューションズ株式会社日本※EMEAとは欧州、中東及びアフリカ地域を指しております。※IDECシステムズ&コントロールズ株式会社の売却等により、昨年度にあった「その他」は廃止しております。 企業集団の系統図以上に述べた企業集団の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
HMI-Xを具現化した製品開発により、省スペース化や高機能化を実現しているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
HMI-Xコンセプトに基づく「FT1J形プログラマブル表示器一体型コントローラ」などの独自技術。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:拠点地域における震度6弱以上相当の地震による事業拠点の被災 / 拠点地域内での紛争やテロの発生 / 外部要因(部品廃番、調達困難)による製品仕様変更
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

IDECは、FA(ファクトリーオートメーション)用機器の分野で、長年の実績と一定のブランド認知度を持つ。特に、制御機器、センサー、安全機器などの分野で、信頼性の高い製品を提供してきた歴史がある。しかし、特許や強力なブランドによる独占的な地位を確立しているとは言い難く、競合他社も多数存在する。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

IDECの製品は、FAシステムの一部として組み込まれることが多く、一度導入されると、他のメーカーへの切り替えには、システム全体の再設計や検証が必要となる場合がある。これにより、一定のスイッチング・コストが発生する可能性がある。しかし、顧客が必ずしもIDEC製品に強く縛られているわけではなく、代替製品も存在する。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

IDECの事業モデルは、製品の利用者が増えることでその価値が増すようなネットワーク効果を生み出すものではない。個々の製品の機能や性能が重視されるビジネスモデルである。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

IDECは、長年の製造経験とサプライチェーンの最適化により、一定のコスト競争力を持っていると考えられる。しかし、業界全体で激しい価格競争が存在し、構造的に圧倒的なコスト優位を確立しているとは言えない。特に、中国などの新興国メーカーとの価格競争は厳しい。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

IDECは、FA用機器市場において、グローバルに事業を展開しており、一定の規模を持つ企業である。特に、制御機器、安全機器などのニッチな分野では、主要プレイヤーの一つとして認識されている。しかし、市場全体で見ると、より巨大なグローバル企業も存在し、寡占的な地位を確立しているとまでは言えない。

IDECグループは、HMI、インダストリアルコンポーネンツ、オートメーション&センシング、安全・防爆といった多岐にわたる製品群を自社で製造・販売する体制を構築しており、顧客の多様なニーズに対応できる点が強みと考えられます。また、日本、米州、アジア・パシフィック、EMEA(欧州、中東、アフリカ)にわたるグローバルな販売ネットワークを持ち、各地域の現地法人が独立した経営単位として地域に適した戦略を展開することで、市場の変化に柔軟に対応し、競争優位性を維持していると推察されます。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針 当社は、真のグローバル企業となり、100周年に向けて持続した成長を続けることができるよう、『The IDEC Way』を制定しております。『The IDEC Way』は、Vision、Mission、Core Valuesの3つの要素で構成しており、その最も重要な基盤として、創業の理念「人間性尊重経営」を位置付け、継承しております。 世界経済の動向は依然不透明な状況にありますが、どのような市場環境であっても、当社グループがグローバル で持続的に成長し、社会課題の解決に貢献していくため、2050年のありたい姿を想定し、そこからバックキャストして2030年のビジョンを策定しております。 人と機械の最適環境を創造し、世界中の人々の安全・安心・ウェルビーイングを実現すること。これは創業以来 変わることのない、私たちの想いであります。当社は、誰もが健康で、幸せに、生き生きと暮らすことのできる社会を実現するための取り組みを推進しております。 (2)目標とする経営指標 当社グループでは、リーマンショックや新型コロナウイルスの感染拡大など、市場環境の変化に合わせて構造改革を推進してまいりました。しかし、これからグローバルで更に事業を拡大し、収益性を向上していくためには、過去の延長線上の取り組みでは限界があります。そのため、新中期経営計画では抜本的な構造改革を全当社グループにおいて推進することで、高収益体質のグローバル企業へと変革し、3年後の2028年3月期に売上高770億円以上、営業利益13%以上の達成を目標としており、実現に向けて以下の施策を軸に、さまざまな構造改革を推進してまいります。また、収益性だけでなく資本効率の向上に向けて、株主資本コストを8%とし、それを踏まえて資本コスト(WACC)を6%に設定しております。これを上回るリターンを創出し、企業価値を向上していくために、ROE(自己資本利益率)とROIC(投下資本利益率)を指標としており、2025年3月期はROE2.8%、ROIC2.1%となりました。今後はROE10%以上、ROIC7%以上を目指しております。ROE、ROICを更に向上していくために、事業・拠点の再編や、今後の改革に繋がる積極的な投資拡大、キャッシュマネジメントなどを行ってまいりました。今後、継続的に資本コスト6%を上回るよう、運転資本、生産設備など資本効率の向上を進めていくとともに、更なる収益性の向上を実現するためにグローバルでの拠点再編や事業改革、DXなどを加速することで、抜本的なコスト低減を推進してまいります。資本コストや株価を意識した経営を実践することで、健全な財務基盤を維持しながら、持続的な企業価値向上を目指します。(ROICツリー)(売上高と営業利益率の推移) 事業で稼いだキャッシュについては、DX投資や、顧客ニーズを満たすためのカスタム・ソリューション開発投資、M&Aや新拠点設立などの、インオーガニックな成長のための投資を行うことで、資本効率を向上させつつ、成長を加速させてまいります。また、従来どおり安定的な配当などの株主還元は維持し、株価水準を踏まえて自己株式の取得も機動的に行っております。 中長期的な企業の成長のために必要な各種投資は積極的に行いつつ、収益性の向上と安定的な配当の実施を継続し、株主資本コストを上回ることができるような経営・財務戦略を推進してまいります。(キャッシュアロケーション) (3)投資単位の引下げに関する考え方及び方針等 当社は、株式の流動性を高め、個人株主の増加を図ることを資本政策上の重要課題と認識しております。そのため、利益還元の充実に加え、個人株主の皆さまに向けた説明会の開催、分かりやすい株主通信の作成やホームページの拡充などの対応を進めております。 (4)中長期的な会社の経営戦略と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループでは、2026年3月期から始まる3か年の新中期経営計画を発表いたしました。新中期経営計画では、顧客中心のビジネス構造へと変換し、市場変化への対応力を向上させることで、真のグローバル企業「新生IDEC」へと生まれ変わっていくための取り組みを推進してまいります。 (3年間で進めていく構造改革の施策)・各地域の顧客ニーズに対応するため、グローバル・マトリックス・マネジメント組織へと刷新 これまで、市場環境の変化により業績が悪化した際には、さまざまな構造改革を行うことで回復させてきました。しかし今後は、市場環境がたとえ変化したとしても、高い収益性を確保できる体制にしていくために、当社グループ全体で基盤整備を行っております。 2025年4月から、当社グループの組織を地域軸と事業・機能軸からなる、グローバル・マトリックス・マネジメント組織体制へと抜本的に見直しました。これまでは、グループ会社ごとに機能別組織があり、日本を中心とした機能を軸としたプロダクトアウトの組織モデルとなっておりました。今後は各地域と、事業・機能ごとに責任者を任命し、事業計画に対する責任を明確化するとともに、グローバルな事業戦略と地域戦略を整合させることで、顧客を軸としたマーケットインの組織モデルへと変わります。 なお、当社とAPEMブランドは異なる市場をターゲットにしているため、ビジネスユニット(BU)を分けた体制としております。本社機能についてもグローバル化を進め、グローバルのリーダーシップは、どこの国からでも行える体制となりました。 各地域に対して、事業とグローバル機能の2軸となる事業運営体制へと変えることで、戦略の立案から実行、ステアリングまで、より迅速な判断を実現する体制にしてまいります。この新しい組織体制により、地域市場の動向に更に効果的に適応できるだけでなく、事業部とグローバル機能が緊密に連携し、イノベーションとオペレーショナル・エクセレンス※を推進できるようになります。 また、地域と事業機能における責任を明確にすることで、意思決定の迅速化を図り、グローバル戦略の実行において、よりシナジーのあるアプローチを創出いたします。 運営方法は、毎月各エリアのBU・機能責任者が集まるBUレビューを行い、その後、各エリアのグループ会社を運営する責任者によって構成する、リージョナルエグゼクティブ会議を行います。それらの結果を踏まえて総合レビューを行うのは、各地域、事業・機能の責任者で構成された、Global Operations Committee(GOC)であります。GOC会議においてグローバルメンバーがレビューし、年度計画や中期計画達成のための軌道修正などのディスカッションを行います。 このような組織の進化により、当社グループの競争力、効率性、グローバルリーダーシップを強化し、より統合された、対応力のあるビジネスフレームワークをつくり、「新生IDEC」実現に向けた取り組みを加速させてまいります。※オペレーショナル・エクセレンスとは、業務の効率や生産性を高めることで競争優位性を確立し、磨き上げることであります。 ・拠点・事業のグローバル最適化の推進 前中計期間から、継続的に事業や拠点の最適化は推進してきましたが、新中期経営計画でもグローバル最適化のための再編を推進してまいります。 グローバル・マトリックス・マネジメント体制への移行に伴い、マーケティングや開発をはじめとする各機能も、地域横断的な体制へと移行し、地産地消を推進してまいります。 さまざまな地域やバックグラウンドを持ったチームによって、グローバルの顧客ニーズをタイムリーにとらえるマーケティング体制を構築いたします。開発体制については、日本、米州、欧州の3極体制とし、差別化要素を明確化して、技術リソースを的確に配分し、開発プロセスもグループで共通化することで、変化への対応力を強化いたします。 拠点再編については、米国にあったIDECとAPEMの拠点を2025年4月に統合し、新本社をカリフォルニア州サンディエゴに建設しております。これまでは当社ブランド製品の現地開発、生産はしていませんでしたが、これからは現地ニーズを踏まえた企画・開発、生産を推進するための組織体制としております。また、メキシコにも組立を行う工場を新設し、北米事業の更なる強化を推進してまいります。 EMEAや日本、アジア地域においても、複数ある生産拠点の統合・集約・新設や、生産移管してまいります。グローバルで拠点再編や、更なる外注の活用を推進することで、生産効率や収益性の向上、リードタイム短縮を実現いたします。 事業の観点では、選択と集中を前提とした事業ポートフォリオ見直しの一環として、「その他」の売上高に含まれていたノンコア事業の再編を2025年3月期に行いました。微細気泡生成システムなどのファインバブル事業は収益化が困難であり、主要事業とのシナジーも期待できないことから、IFBテクノロジーズ株式会社へ事業を承継いたしました。また、太陽光発電関連の事業を行っていた、グループ会社のIDECシステムズ&コントロールズ株式会社の全株式を譲渡しております。 新中期経営計画では、主力の制御機器事業への選択と集中を推進し、「HMI・安全・安心」という当社グループの強みを活かせる事業を軸に、顧客の潜在ニーズに応える製品・サービスを展開することで、持続的な事業成長を実現いたします。 最も強い競争力を持つHMI事業については、当社とAPEMの販売、設計、販売機能を融合することで、売上と収益を向上してまいります。 HMIの次に収益性の高い安全関連については、市場成長性が高いカテゴリーであることから、よりグローバルでの拡大を推進していくため、パートナーシップを含めて安全製品やモビリティサービスなどを中心とした、ソリューション事業を強化してまいります。 その他の事業についても、より収益性を向上させるための取り組みを推進するとともに、グローバルでの不採算製品の統廃合や価格の見直しなども並行して行うことで、事業ポートフォリオの最適化を図ってまいります。 ・幅広いコンポーネンツを活かした顧客課題を解決するソリューションの展開 顧客中心のビジネス構造へと転換するための取り組みの一環として、前中計でも行っておりましたソリューション事業の拡大を加速してまいります。 当社ブランドの製品は、多様な業界でご利用いただけるよう幅広くラインアップした汎用製品を、代理店経由で販売するビジネス構造が主流となっていることから、コンポーネンツ販売は従来どおりの販路で今後も継続してまいります。 ソリューション事業については、当社グループのコンポーネンツを活かし、顧客課題を解決するためのカスタム・ソリューション提案を行うことで、高付加価値ビジネスとして強化してまいります。 例えば、2023年に買収したez-Wheelの製品を活用した、AMR・AGV開発キットやアシストシステムなどが一つの例として挙げられますが、当社グループのHMI・安全機器や、ソフトウェアと組み合わせることで、強みを活かした提案をしてまいります。これらのソリューションは、特定のアプリケーションに特化したパッケージとして横展開ができるものから、顧客ごとにフルカスタムしたものまで、多様な展開が可能となります。 安全規制が厳格化するグローバル市場(特に欧州・中国)に対応するため、当社グループによる安全コンサルティングサービスを通じて、お客さまの困りごとの「その先」へ支援を拡げる、サービスによるソリューションについても強化してまいります。 HMI-Xの実現に向けて、顧客視点から生み出されたソリューションを幅広く展開していくことで、売上高に占めるソリューション販売の比率を3年後の2028年3月期に15%以上とすることを目指しております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針 当社は、真のグローバル企業となり、100周年に向けて持続した成長を続けることができるよう、『The IDEC Way』を制定しております。『The IDEC Way』は、Vision、Mission、Core Valuesの3つの要素で構成しており、その最も重要な基盤として、創業の理念「人間性尊重経営」を位置付け、継承しております。 世界経済の動向は依然不透明な状況にありますが、どのような市場環境であっても、当社グループがグローバル で持続的に成長し、社会課題の解決に貢献していくため、2050年のありたい姿を想定し、そこからバックキャストして2030年のビジョンを策定しております。 人と機械の最適環境を創造し、世界中の人々の安全・安心・ウェルビーイングを実現すること。これは創業以来 変わることのない、私たちの想いであります。当社は、誰もが健康で、幸せに、生き生きと暮らすことのできる社会を実現するための取り組みを推進しております。 (2)目標とする経営指標 当社グループでは、リーマンショックや新型コロナウイルスの感染拡大など、市場環境の変化に合わせて構造改革を推進してまいりました。しかし、これからグローバルで更に事業を拡大し、収益性を向上していくためには、過去の延長線上の取り組みでは限界があります。そのため、新中期経営計画では抜本的な構造改革を全当社グループにおいて推進することで、高収益体質のグローバル企業へと変革し、3年後の2028年3月期に売上高770億円以上、営業利益13%以上の達成を目標としており、実現に向けて以下の施策を軸に、さまざまな構造改革を推進してまいります。また、収益性だけでなく資本効率の向上に向けて、株主資本コストを8%とし、それを踏まえて資本コスト(WACC)を6%に設定しております。これを上回るリターンを創出し、企業価値を向上していくために、ROE(自己資本利益率)とROIC(投下資本利益率)を指標としており、2025年3月期はROE2.8%、ROIC2.1%となりました。今後はROE10%以上、ROIC7%以上を目指しております。ROE、ROICを更に向上していくために、事業・拠点の再編や、今後の改革に繋がる積極的な投資拡大、キャッシュマネジメントなどを行ってまいりました。今後、継続的に資本コスト6%を上回るよう、運転資本、生産設備など資本効率の向上を進めていくとともに、更なる収益性の向上を実現するためにグローバルでの拠点再編や事業改革、DXなどを加速することで、抜本的なコスト低減を推進してまいります。資本コストや株価を意識した経営を実践することで、健全な財務基盤を維持しながら、持続的な企業価値向上を目指します。(ROICツリー)(売上高と営業利益率の推移) 事業で稼いだキャッシュについては、DX投資や、顧客ニーズを満たすためのカスタム・ソリューション開発投資、M&Aや新拠点設立などの、インオーガニックな成長のための投資を行うことで、資本効率を向上させつつ、成長を加速させてまいります。また、従来どおり安定的な配当などの株主還元は維持し、株価水準を踏まえて自己株式の取得も機動的に行っております。 中長期的な企業の成長のために必要な各種投資は積極的に行いつつ、収益性の向上と安定的な配当の実施を継続し、株主資本コストを上回ることができるような経営・財務戦略を推進してまいります。(キャッシュアロケーション) (3)投資単位の引下げに関する考え方及び方針等 当社は、株式の流動性を高め、個人株主の増加を図ることを資本政策上の重要課題と認識しております。そのため、利益還元の充実に加え、個人株主の皆さまに向けた説明会の開催、分かりやすい株主通信の作成やホームページの拡充などの対応を進めております。 (4)中長期的な会社の経営戦略と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループでは、2026年3月期から始まる3か年の新中期経営計画を発表いたしました。新中期経営計画では、顧客中心のビジネス構造へと変換し、市場変化への対応力を向上させることで、真のグローバル企業「新生IDEC」へと生まれ変わっていくための取り組みを推進してまいります。 (3年間で進めていく構造改革の施策)・各地域の顧客ニーズに対応するため、グローバル・マトリックス・マネジメント組織へと刷新 これまで、市場環境の変化により業績が悪化した際には、さまざまな構造改革を行うことで回復させてきました。しかし今後は、市場環境がたとえ変化したとしても、高い収益性を確保できる体制にしていくために、当社グループ全体で基盤整備を行っております。 2025年4月から、当社グループの組織を地域軸と事業・機能軸からなる、グローバル・マトリックス・マネジメント組織体制へと抜本的に見直しました。これまでは、グループ会社ごとに機能別組織があり、日本を中心とした機能を軸としたプロダクトアウトの組織モデルとなっておりました。今後は各地域と、事業・機能ごとに責任者を任命し、事業計画に対する責任を明確化するとともに、グローバルな事業戦略と地域戦略を整合させることで、顧客を軸としたマーケットインの組織モデルへと変わります。 なお、当社とAPEMブランドは異なる市場をターゲットにしているため、ビジネスユニット(BU)を分けた体制としております。本社機能についてもグローバル化を進め、グローバルのリーダーシップは、どこの国からでも行える体制となりました。 各地域に対して、事業とグローバル機能の2軸となる事業運営体制へと変えることで、戦略の立案から実行、ステアリングまで、より迅速な判断を実現する体制にしてまいります。この新しい組織体制により、地域市場の動向に更に効果的に適応できるだけでなく、事業部とグローバル機能が緊密に連携し、イノベーションとオペレーショナル・エクセレンス※を推進できるようになります。 また、地域と事業機能における責任を明確にすることで、意思決定の迅速化を図り、グローバル戦略の実行において、よりシナジーのあるアプローチを創出いたします。 運営方法は、毎月各エリアのBU・機能責任者が集まるBUレビューを行い、その後、各エリアのグループ会社を運営する責任者によって構成する、リージョナルエグゼクティブ会議を行います。それらの結果を踏まえて総合レビューを行うのは、各地域、事業・機能の責任者で構成された、Global Operations Committee(GOC)であります。GOC会議においてグローバルメンバーがレビューし、年度計画や中期計画達成のための軌道修正などのディスカッションを行います。 このような組織の進化により、当社グループの競争力、効率性、グローバルリーダーシップを強化し、より統合された、対応力のあるビジネスフレームワークをつくり、「新生IDEC」実現に向けた取り組みを加速させてまいります。※オペレーショナル・エクセレンスとは、業務の効率や生産性を高めることで競争優位性を確立し、磨き上げることであります。 ・拠点・事業のグローバル最適化の推進 前中計期間から、継続的に事業や拠点の最適化は推進してきましたが、新中期経営計画でもグローバル最適化のための再編を推進してまいります。 グローバル・マトリックス・マネジメント体制への移行に伴い、マーケティングや開発をはじめとする各機能も、地域横断的な体制へと移行し、地産地消を推進してまいります。 さまざまな地域やバックグラウンドを持ったチームによって、グローバルの顧客ニーズをタイムリーにとらえるマーケティング体制を構築いたします。開発体制については、日本、米州、欧州の3極体制とし、差別化要素を明確化して、技術リソースを的確に配分し、開発プロセスもグループで共通化することで、変化への対応力を強化いたします。 拠点再編については、米国にあったIDECとAPEMの拠点を2025年4月に統合し、新本社をカリフォルニア州サンディエゴに建設しております。これまでは当社ブランド製品の現地開発、生産はしていませんでしたが、これからは現地ニーズを踏まえた企画・開発、生産を推進するための組織体制としております。また、メキシコにも組立を行う工場を新設し、北米事業の更なる強化を推進してまいります。 EMEAや日本、アジア地域においても、複数ある生産拠点の統合・集約・新設や、生産移管してまいります。グローバルで拠点再編や、更なる外注の活用を推進することで、生産効率や収益性の向上、リードタイム短縮を実現いたします。 事業の観点では、選択と集中を前提とした事業ポートフォリオ見直しの一環として、「その他」の売上高に含まれていたノンコア事業の再編を2025年3月期に行いました。微細気泡生成システムなどのファインバブル事業は収益化が困難であり、主要事業とのシナジーも期待できないことから、IFBテクノロジーズ株式会社へ事業を承継いたしました。また、太陽光発電関連の事業を行っていた、グループ会社のIDECシステムズ&コントロールズ株式会社の全株式を譲渡しております。 新中期経営計画では、主力の制御機器事業への選択と集中を推進し、「HMI・安全・安心」という当社グループの強みを活かせる事業を軸に、顧客の潜在ニーズに応える製品・サービスを展開することで、持続的な事業成長を実現いたします。 最も強い競争力を持つHMI事業については、当社とAPEMの販売、設計、販売機能を融合することで、売上と収益を向上してまいります。 HMIの次に収益性の高い安全関連については、市場成長性が高いカテゴリーであることから、よりグローバルでの拡大を推進していくため、パートナーシップを含めて安全製品やモビリティサービスなどを中心とした、ソリューション事業を強化してまいります。 その他の事業についても、より収益性を向上させるための取り組みを推進するとともに、グローバルでの不採算製品の統廃合や価格の見直しなども並行して行うことで、事業ポートフォリオの最適化を図ってまいります。 ・幅広いコンポーネンツを活かした顧客課題を解決するソリューションの展開 顧客中心のビジネス構造へと転換するための取り組みの一環として、前中計でも行っておりましたソリューション事業の拡大を加速してまいります。 当社ブランドの製品は、多様な業界でご利用いただけるよう幅広くラインアップした汎用製品を、代理店経由で販売するビジネス構造が主流となっていることから、コンポーネンツ販売は従来どおりの販路で今後も継続してまいります。 ソリューション事業については、当社グループのコンポーネンツを活かし、顧客課題を解決するためのカスタム・ソリューション提案を行うことで、高付加価値ビジネスとして強化してまいります。 例えば、2023年に買収したez-Wheelの製品を活用した、AMR・AGV開発キットやアシストシステムなどが一つの例として挙げられますが、当社グループのHMI・安全機器や、ソフトウェアと組み合わせることで、強みを活かした提案をしてまいります。これらのソリューションは、特定のアプリケーションに特化したパッケージとして横展開ができるものから、顧客ごとにフルカスタムしたものまで、多様な展開が可能となります。 安全規制が厳格化するグローバル市場(特に欧州・中国)に対応するため、当社グループによる安全コンサルティングサービスを通じて、お客さまの困りごとの「その先」へ支援を拡げる、サービスによるソリューションについても強化してまいります。 HMI-Xの実現に向けて、顧客視点から生み出されたソリューションを幅広く展開していくことで、売上高に占めるソリューション販売の比率を3年後の2028年3月期に15%以上とすることを目指しております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。(1)財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加などを背景に、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、資源価格高騰や円安などによる原材料価格の高騰や、物価上昇の継続、中国における不動産市場の停滞に伴う影響、米国における関税政策の影響による下振れリスクなどの要因もあり、依然として先行きが不透明な状況が続いております。 当社グループにおいては、2026年3月期から改めて取り組んでいく新中期経営計画において、新生IDECとして「顧客中心のビジネス構造への転換」、「グローバルベースでの市場変化への対応力向上」を掲げており、グループ一丸となって持続的な成長を実現するための構造改革を推進してまいります。 このような状況におきまして、当社グループの国内売上高は、市場の過剰在庫は概ね解消されたものの、昨年度から継続している流通在庫調整の影響などにより、前年同期に比べ、26億1千3百万円減収の242億9千4百万円(前年同期比9.7%減)となり、海外売上高は、円安の影響により増加した地域があったものの、国内売上高と同様、市場の過剰在庫は概ね解消されたものの、昨年度から継続している流通在庫調整の影響などにより売上が減少した結果、前年同期に比べ、27億1千8百万円減収の430億8千5百万円(前年同期比5.9%減)となりました。その結果、当連結会計年度の連結売上高は673億8千万円(前年同期比7.3%減)となりました。 利益面においては、減収の影響による利益減により前年同期に比べ、営業利益は26億2千3百万円減益の36億5千2百万円(前年同期比41.8%減)、経常利益は34億4千3百万円減益の34億7千7百万円(前年同期比49.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は26億2千8百万円減益の17億7千8百万円(前年同期比59.6%減)となりました。 以上による当連結会計年度における業績結果は以下のとおりであります。 2024年3月期2025年3月期比較増減増減率 売上高(百万円)72,71167,380△5,331△7.3%売上総利益(百万円)31,01929,437△1,582△5.1%売上総利益率(%)42.743.7+1.0-営業利益(百万円)6,2763,652△2,623△41.8%営業利益率(%)8.65.4△3.2-経常利益(百万円)6,9203,477△3,443△49.8%親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)4,4071,778△2,628△59.6%(為替レート) 米ドル平均レート(円)144.59152.62+8.03-ユーロ平均レート(円)156.74163.87+7.13-人民元平均レート(円)20.1321.11+0.98-  セグメントごとの経営成績に関しては、次のとおりであります。①日本 日本においては、ロボット・工作機械などの主要産業での足踏み感や流通在庫調整局面の影響もあり、売上高は前年同期に比べ、44億5千8百万円減収の268億4千6百万円(前年同期比14.2%減)となり、営業利益は前年同期に比べ、11億2千8百万円減益の11億8千3百万円(前年同期比48.8%減)となりました。②米州 北米地域においては、概ね流通在庫が一定の水準に落ち着き受注も回復傾向にあったものの一部の代理店での過剰在庫が原因となり、売上高は現地通貨ベースで前年同期に対し減少となりました。しかし、ドル高円安に伴い円換算での売上高は前年同期に比べ、2億8千2百万円増収の141億5千2百万円(前年同期比2.0%増)となり、営業利益は前年同期に比べ、4億5千6百万円減益の11億3千8百万円(前年同期比28.6%減)となりました。 ③EMEA 欧州市場では、景気低迷や地政学リスクの影響などにより主要産業の需要が落ち込み、売上高は現地通貨ベースで前年同期に対し減少し、9億7千5百万円減収の148億9千5百万円(前年同期比6.1%減)となり、営業損失5億5千9百万円(前年同期は営業利益4億4千8百万円)となりました。④アジア・パシフィック アジア・パシフィック地域においては、中国経済や東南アジア地域における景気減速の影響などにより、売上高は前年同期に比べ、1億7千9百万円減収の114億8千5百万円(前年同期比1.5%減)となり、営業利益は前年同期に比べ、6億3千3百万円減益の10億9千5百万円(前年同期比36.6%減)となりました。  また、製品種類別の売上高については、次のとおりであります。①HMI事業 主力製品であるスイッチ及びプログラマブル表示器において、市場在庫は概ね適正水準まで戻ったものの、上期における流通在庫調整が影響し、21億5百万円減収の318億4千2百万円(前年同期比6.2%減)となりました。※HMI(Human Machine Interface:人と機械が触れ合う環境)の核となる、「制御用操作スイッチ」や「ジョイスティック」、「表示灯」、「プログラマブル表示器」などの製品群であります。②インダストリアルコンポーネンツ事業 主力市場であるアジア・パシフィックにおいて、特に中国市場を中心とした景気減速の影響と流通在庫調整が継続し制御用リレーの売上が減少した結果、売上高は前年同期に比べ、3億3千5百万円減収の112億9千4百万円(前年同期比2.9%減)となりました。※機械や生産ラインなどを制御・操作するための制御盤の中に組み込み、機械・装置の制御部分の基礎として使用される、「スイッチング電源」や「端子台」、「制御用リレー/ソケット」、「サーキットプロテクタ」などの製品群であります。③オートメーション&センシング事業 主力製品であるプログラマブルコントローラの受注残が解消されましたが、日本、米州における新規注文が減少した結果、売上高は前年同期に比べ、11億9千9百万円減収の87億5百万円(前年同期比12.1%減)となりました。※産業現場や暮らしの様々なシーンにおける機器の自動化に貢献する各種製品、機械・装置の頭脳の役割をする「プログラマブルコントローラ」や、リテールや物流分野などさまざまな分野で活用されている「自動認識機器」などの製品群であります。④安全・防爆事業 日本、アジア・パシフィックを中心とした、流通在庫調整及び工作機械・ロボットなどの主要産業の需要減少が影響し、安全関連機器の売上が減少した結果、売上高は前年同期に比べ、6億1百万円減収の110億4千5百万円(前年同期比5.2%減)となりました。※産業現場の安全を守る「非常停止用押ボタンスイッチ」や「安全スイッチ」、「イネーブル装置」といった「安全関連機器」に加え、石油・化学プラントなど、爆発性のガスが存在する現場での事故を未然に防ぐ「防爆関連機器」などの製品群であります。⑤システム アジア・パシフィックにおいて、半導体製造設備・物流関連設備等の制御盤の売上が減少したことにより、売上高は前年同期に比べ、4億9千万円減収の34億7千9百万円(前年同期比12.3%減)となりました。※顧客ニーズに合わせて当社の製品をシステム化して提供する「各種システム」、安全関連機器・安全技術を組み合わせて最適なシステムを構築する「協働ロボットシステムソリューション」などの製品群であります。⑥その他 日本におけるその他システム関連製品の需要が減少した結果、売上高は前年同期に比べ、5億9千9百万円減収の10億1千3百万円(前年同期比37.2%減)となりました。※メガソーラーや太陽光発電用電力マネジメントシステムをはじめとする「再生可能エネルギー事業」などの事業や製品群であります。 (2)キャッシュ・フローの状況 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)営業活動によるキャッシュ・フロー5,50411,248投資活動によるキャッシュ・フロー△1,922△4,097財務活動によるキャッシュ・フロー△4,462△2,905現金及び現金同等物に係る換算差額790△91現金及び現金同等物の増減額(△は減少)△904,154現金及び現金同等物の期首残高15,07015,040現金及び現金同等物の期末残高15,04019,194 営業活動によるキャッシュ・フローは、112億4千8百万円の収入(前年同期は55億4百万円の収入)となりました。これは主に、子会社株式売却益を12億円計上した一方で、減価償却費を40億9千1百万円、税金等調整前当期純利益を34億1千万円、事業構造改革費用を26億2千8百万円計上、売上債権及び契約資産が24億8千6百万円減少したことなどによるものであります。 投資活動によるキャッシュ・フローは、40億9千7百万円の支出(前年同期は19億2千2百万円の支出)となりました。これは主に、定期預金の払戻等により25億9千6百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却により21億4千7百万円の収入があった一方で、固定資産の取得により104億3千2百万円を支出したことなどによるものであります。 財務活動によるキャッシュ・フローは、29億5百万円の支出(前年同期は44億6千2百万円の支出)となりました。これは主に、借入等により14億3千8百万円の収入があった一方で、配当金の支払いにより38億2千1百万円を支出したことなどによるものであります。 (3)生産、受注及び販売の実績①生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)日本27,12479.6米州2,52398.1EMEA15,08593.0アジア・パシフィック9,56077.6合計54,29383.3(注)金額は、販売価格によっております。 ②受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高受注残高金額(百万円)前年同期比(%)金額(百万円)前年同期比(%)日本27,635115.55,27185.9米州13,910117.22,61191.5EMEA14,425101.17,52294.1アジア・パシフィック12,849121.64,353145.7合計68,821113.519,75898.9(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。 ③販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)日本26,84685.8米州14,152102.0EMEA14,89593.9アジア・パシフィック11,48598.5合計67,38092.7(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)重要な会計方針及び見積り 当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に際し、見積りによる収益・費用の計上を行っております。経営陣は、過去の実績や状況に応じ、合理的と考えられる方法により見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、不確実性を含んでおり、見積りによる数値とは異なる場合があります。 特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。①棚卸資産 当社グループは、連結会計年度末時点において簿価と市場価格の状況を検討し市場価格が下回る場合は評価損を計上しております。実際の市場価格が当社グループの見積りより変動した場合、計上した評価損の過不足が生じる可能性があります。 また、従来より、一定期間を超えて在庫として滞留する棚卸資産についても簿価を切り下げており、在庫実態に変化が生じた場合には、同様に棚卸資産の簿価を切り下げることとなります。②貸倒引当金 当社グループは、債権の回収不能時に発生する損失の見積額について貸倒引当金を計上しておりますが、債権先の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要になる場合があります。③繰延税金資産 当社グループは、繰延税金資産について回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために、評価性引当額を計上しておりますが、繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期に法人税等調整額として計上いたします。④退職給付費用 従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合及び今後この前提条件が変化した場合には、変化した年度以降の退職給付費用が大きく増減する場合があります。⑤固定資産の減損損失 当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準における資産のグルーピング方法として、工場その他の事業用施設等については、継続して収支を把握している単位かつ独立したキャッシュ・フローを生み出す単位で、遊休資産については、当該資産単独で区分する方法を採用しており、将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回った場合、又は遊休状態で今後も使用する見込みがない場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。⑥のれん及び商標権・顧客関連資産 当社グループは、のれん及び商標権・顧客関連資産に関してその効果の発現する期間を見積り、その期間で均等償却しております。その資産性の評価について検討し、将来において当初想定した収益が見込めなくなった場合に、簿価の切り下げを行う可能性があります。 (2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容①売上高 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加などを背景に、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、資源価格高騰や円安などによる原材料価格の高騰や、物価上昇の継続、中国における不動産市場の停滞に伴う影響、米国における関税政策の影響による下振れリスクなどの要因もあり、依然として先行きが不透明な状況が続いております。 当社グループにおいては、2026年3月期から改めて取り組んでいく新中期経営計画において、新生IDECとして「顧客中心のビジネス構造への転換」、「グローバルベースでの市場変化への対応力向上」を掲げており、グループ一丸となって持続的な成長を実現するための構造改革を推進してまいります。 このような状況におきまして、当社グループの国内売上高は、市場の過剰在庫は概ね解消されたものの、昨年度から継続している流通在庫調整の影響などにより、前年同期に比べ、26億1千3百万円減収の242億9千4百万円(前年同期比9.7%減)となり、海外売上高は、円安の影響により増加した地域があったものの、国内売上高と同様、市場の過剰在庫は概ね解消されたものの、昨年度から継続している流通在庫調整の影響などにより売上が減少した結果、前年同期に比べ、27億1千8百万円減収の430億8千5百万円(前年同期比5.9%減)となりました。その結果、当連結会計年度の連結売上高は673億8千万円(前年同期比7.3%減)となりました。 なお、当連結会計年度における対米ドルの平均レートは、152.62円(前年同期は144.59円で8.03円の円安)、対ユーロの平均レートは、163.87円(前年同期は156.74円で7.13円の円安)、対人民元の平均レートは、21.11円(前年同期は20.13円で0.98円の円安)となりました。②損益状況 売上原価は前年同期に比べ、37億4千8百万円減少し、379億4千3百万円(前年同期比9.0%減)となりました。販売費及び一般管理費は10億4千万円増加し、257億8千4百万円(前年同期比4.2%増)となりました。 利益面においては、営業利益は前年同期に比べ、販売費及び一般管理費の増加や減収の影響による利益減により、26億2千3百万円減益の36億5千2百万円(前年同期比41.8%減)、経常利益は前年同期に比べ、為替差益が減少したことなどにより、34億4千3百万円減益の34億7千7百万円(前年同期比49.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期に比べ、26億2千8百万円減益の17億7千8百万円(前年同期比59.6%減)となりました。 (3)経営成績に重要な影響を与える要因について 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 (4)資本の財源及び資金の流動性についての分析①財政状態の分析 当連結会計年度末の総資産の額は、前連結会計年度末より7千8百万円増加し、1,072億1千6百万円となりました。これは主に、棚卸資産が29億7千1百万円、売上債権が26億4千4百万円減少した一方で、北米事業の強化に向け米国拠点を統合し、新社屋設置のための建物や土地の取得などにより有形固定資産が44億5千万円増加したことや、現金及び預金が15億7千9百万円増加したことなどによるものであります。 負債の額は、前連結会計年度末より22億7千4百万円増加し、434億6百万円となりました。これは主に、借入金が12億8千4百万円、未払費用が9億5千万円増加したことなどによるものであります。 純資産の額は、利益剰余金が20億5千万円減少したことなどにより、前連結会計年度末より21億9千6百万円減少し、638億1千万円となりました。②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より41億5千4百万円増加し、191億9千4百万円となりました。 なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。 営業活動によるキャッシュ・フローは、112億4千8百万円の収入(前年同期は55億4百万円の収入)となりました。これは主に、子会社株式売却益を12億円計上した一方で、減価償却費を40億9千1百万円、税金等調整前当期純利益を34億1千万円、事業構造改革費用を26億2千8百万円計上、売上債権及び契約資産が24億8千6百万円減少したことなどによるものであります。 投資活動によるキャッシュ・フローは、40億9千7百万円の支出(前年同期は19億2千2百万円の支出)となりました。これは主に、定期預金の払戻等により25億9千6百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却により21億4千7百万円の収入があった一方で、固定資産の取得により104億3千2百万円を支出したことなどによるものであります。  財務活動によるキャッシュ・フローは、29億5百万円の支出(前年同期は44億6千2百万円の支出)となりました。これは主に、借入等により14億3千8百万円の収入があった一方で、配当金の支払いにより38億2千1百万円を支出したことなどによるものであります。 (5)戦略的現状と見通し及び今後の方針 2026年3月期は、売上高は687億円(前年同期比2.0%増)、営業利益47億5千万円(前年同期比30.0%増)、営業利益率6.9%の達成を目指しております。 事業環境は大きく変化しており、自動化や生産性向上の必要性の高まりとともに、働く人々の安全とウェルビーイング意識も向上しております。新中期経営計画の達成に向けて、そのような課題に対して当社が培ってきた強みを活かした以下のような事業展開を行ってまいります。・「自動化・省力化」人口動態変化に適用するための労働力低下への対応・「新技術の導入」ロボット導入や新技術の進化による常に変化する環境への迅速な対応・「AI技術の習得・活用」人間の能力を高め、効率性を高めるAIの新たな可能性・「協調安全の推進」人と機械が共存する柔軟な環境の提供 今後より注力していく業界としては、イノベーション牽引の観点から自動車業界や、成長性の観点からAMRやロボットなどの業界に加え、HMI環境の変化が加速している搬送・建設機械業界などに注力し、装置への搭載だけでなく、エンドユーザーやシステムインテグレータと一緒に取り組むことで、各業界で積極的にソリューションを提案し、競争力を強化してまいります。

事業リスク

IDECグループは、地震や豪雨、紛争、テロなどの外部要因による事業拠点の被災や操業への影響を重要なリスクと認識しています。また、部品の調達難による製品仕様変更や納期遅延、生命身体に影響する製品事故の発生、そして人材不足やサイバーアタックによるシステム停止も高リスク事象として挙げています。さらに、原材料コストの増加やカーボンプライシングの動向、環境配慮技術への移行の遅れといった気候変動関連のリスクも事業に影響を与える可能性があります。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|5,767 文字
3【事業等のリスク】(1)リスクマネジメント体制と運用 当社グループにおけるリスクマネジメント体制を構築し、リスクをあらかじめ回避・軽減・移転等するとともに、万一発生した場合にもその被害を最小限に抑制することを目的に、危機管理規程を制定しております。また、代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」傘下の専門委員会として「リスクマネジメント委員会」を設置し、グループ全体での平常時のリスクマネジメントとリスク発生時の対応を行う体制としております。 「リスクマネジメント委員会」には委員会内に「リスクモニタリング部会」と「BCP部会」、「人権部会」、「情報セキュリティ部会」を設け、当社グループ全体でのリスクの選定、評価、リスク低減に向けた取り組みのモニタリングや、BCPの策定、人権課題への対応、情報セキュリティ対策の推進を実施しております。また、同委員会内に「Hotline担当」を設け、内部通報窓口の整備や通報事象への対応を行っております。 「リスクマネジメント委員会」はこれらの取り組み内容を年2回開催される「サステナビリティ委員会」にて報告し、「サステナビリティ委員会」から取締役会に報告を行うとともに、通報案件など重要事象については「リスクマネジメント委員会」から直接取締役会に報告することで、経営層へ適切にリスク情報を報告できる体制を整えております。 リスクモニタリング活動 当社グループの持続的な事業の拡大、企業価値向上にマイナスの影響を与える、又はそのおそれがあると想定される事象を「リスク事象」として想定し、定期的なリスクの特定、評価を実施しております。また、環境戦略委員会において重要と評価した気候変動リスクも「リスク事象」として統合し評価しております。そして、その中で発生確率又は影響度が高いと評価された事象を「高リスク事象」とし、管轄する部門ごとに年間でのリスク低減目標を設定し、上期・下期の半年ごとにその進捗を確認しております。 BCP策定 当社グループにとっての高リスク事象の一つである地震等の自然災害に備えるため、リスクマネジメント委員会の中にBCP(事業継続計画)策定を推進するための部会を立ち上げ、生産部門や対象事業所の関係者と連携しながら、災害発生時対応の基本的方針や初動対応フロー、事業継続計画の策定、訓練を推進しております。 災害時に、対策本部の各担当が初動対応としてどのような動きをとるか想定し、また、そのために必要なマニュアルやチェックリストを作成し、平常時から必要な防災対策などの見直しを進めております。併せて、イントラネットを使って社員一人ひとりの防災意識を高めるための情報発信なども行っております。 (2)高リスク事象の特定プロセス 当社グループの持続的な事業の拡大、企業価値向上にマイナスの影響を与える、又はそのおそれがあると想定される事象を「リスク事象」として想定し、各リスク事象について「発生確率」「被害の大きさ」「影響度」を指標とした評価アンケートを実施し、その結果からリスクマップにプロットして相対的に評価しております。 想定するリスク事象とリスクマップ※気候変動リスクは環境戦略委員会で高リスクと評価された事象を反映しております。※リスクは短期~中期で評価し、気候変動リスクで長期と評価されたものは短期~中期で再評価して統合しております。※赤枠内にプロットされるリスクを高リスク事象と判定しております。 リスクカテゴリ-Noリスク事象2024年度のリスク評価昨年比外部要因リスク1拠点地域における震度6弱以上相当の地震による事業拠点の被災南海トラフ地震を踏まえ、昨年度同様、引き続き高リスク事象と評価。-1b拠点地域における豪雨・洪水・台風・ハリケーン・火災による事業拠点の被災地震以外にも各種自然災害が想定され、1の派生リスクとして追加。新規2拠点地域内での紛争やテロの発生昨年度同様、引き続き高リスク事象と評価。-2b国家間情勢や治安悪化による駐在者、拠点操業への影響昨年度同様、引き続き高リスク事象と評価。-3拠点内での感染症クラスターの発生感染症対策や、ウイルスへの認識変化などを踏まえ影響度は引き続き低下。↓4外部要因(部品廃番、調達困難)による製品仕様変更昨年度同様、引き続き高リスク事象と評価。-内部要因事業戦略リスク5納期長期遅延につながる部材調達難昨年度同様、引き続き高リスクと評価。-6物流網の寸断物流体制を考慮して項目を追加。現時点では低リスクと評価。新規7特定販売先への過度な依存当社ビジネスモデルを考慮して項目を追加。現時点では低リスクと評価。新規8生命身体に影響する可能性のある重大な製品事故の発生影響度の大きさより、昨年同様、引き続き高リスク事象と評価。-9製品の性能・データ改ざんによる品質偽装昨年度と同程度に評価。-10使用禁止物質が含まれた製品の流通昨年度と同程度に評価。-11戦略投資リスク(M&Aや企業提携など戦略的な投資による財務状況への影響)昨年度と同程度に評価。-リソース・インフラリスク12老朽化・トラブルによる主要生産設備の故障・停止生産設備の重要性を考慮して項目を追加。現時点では低リスクと評価。新規13重症以上の労働災害の発生職場環境を踏まえ、昨年度より発生確率は若干低下すると評価。-14サボタージュ、ストライキによる業務機能停止昨年度と同程度に評価。-15職員の大量退職による人材不足人材の流動性を考慮して項目を追加。高リスク事象と評価。新規16主要役職員(キーパーソン)の退職、後任者不在人材の流動性を考慮して項目を追加。中程度にリスク評価。新規17システムダウン、ネットワークダウンなどのインフラの半日以上の停止情報セキュリティ対策が一定程度進行したことで、昨年度より発生確率は低下すると評価。↓17bサイバーアタックによるネットワークの長期停止情報セキュリティ対策が一定程度進行したことで、昨年度より発生確率は低下すると評価。↓コンプライアンスリスク18他社の知的財産権侵害による販売差止め、損害賠償請求昨年度と同程度に評価。-19人権課題(児童労働・強制労働など)への不対応昨年度同様、引き続き高リスク事象と評価。-19bハラスメント発生による職場士気の低下昨年度同様、引き続き高リスク事象と評価。-20会計、税務の不適切処理による追徴課税昨年度と同程度に評価。-21社員による高額の横領、背任、贈収賄昨年度と同程度に評価。- リスクカテゴリ-Noリスク事象2024年度のリスク評価昨年比内部要因コンプライアンスリスク22上位役職者によるインサイダー取引昨年度と同程度に評価。-23独禁法、下請法違反事象の発生昨年度と同程度に評価。-24自社の重要情報、他社の秘密情報、個人情報の漏洩情報セキュリティ対策が一定程度進行したことで、昨年度より発生確率は若干低下すると評価。↓25許認可不備による業務差し止め昨年度と同程度に評価。-会計・財務リスク26売上債権の回収困難、貸倒昨年度と同程度に評価。-27資産の毀損リスク昨年度と同程度に評価。-気候変動リスク移行リスク①原材料のコスト増加製造・調達コストへの直接的な影響と部品調達難によりコスト増加が誘引されることから高リスクと評価。-②顧客や投資家の環境志向の高まり長期での影響度は大きいと想定するが、短期~中期におけるリスクは昨年度と同程度に評価。-③競合他社に対する既存/新製品の低排出/低炭素技術への移行の遅れ環境配慮技術への遅れは将来的な事業リスクにつながると評価。-④カーボンプライシングの動向CO2削減への世界的気運の高まり、規制や法令、制度による影響は大きいと評価。-物理リスク⑤自然災害と気温上昇気温変動が自然災害など様々なリスクを誘引するが、短期~中期での確率は低いと評価- (3)事業等のリスク 上記のとおり想定・評価した「高リスク事象」を含め、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与え、事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を以下で記載しております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在における当社グループの判断に基づいております。①外部要因リスク項目リスクの内容主な取り組み拠点地域における震度6弱以上相当の地震による事業拠点の被災(上記表・マップ中のリスクNo.1) 大阪府と兵庫県に本社・主要事業所を有する当社グループにとって関西地区での巨大地震発生による事業所被災は大きなリスクであると認識しております。被災により一部又は全部の操業が中断した場合、適切なBCPを備えていなければ生産及び出荷が遅延する可能性や、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生する可能性があり、財政状況や事業展開に与える影響が大きいと考えております。リスクマネジメント委員会内にBCP策定を推進するための部会を立ち上げ、災害発生時対応の対策本部体制、基本的方針や初動対応フロー、事業継続計画の策定、訓練を推進しております。災害時に、対策本部の各担当が初動対応としてどのような動きをとるか想定し、主要な拠点ごとに必要なマニュアルやチェックリストを作成しております。また、定期的な安否確認の訓練も実施しております。拠点地域内での紛争やテロの発生(上記表・マップ中のリスクNo.2) 国家間情勢や治安悪化による駐在者、拠点操業への影響(上記表・マップ中のリスクNo.2b)グローバルに事業を展開する当社グループにおいて、国家間情勢の大幅な変動、拠点地域内での紛争やテロ、またそれに準じるデモや抗争により、社会や市場が混乱した場合には財政状況や事業展開に与える影響が大きいと考えております。適時に情報を収集するとともに、地域分散などによりリスク回避を図っておりますが、リスクにつながる状況が発生した場合には、例えば紛争地域回避による輸送の遅延や輸送費の高騰などの課題テーマごとのタスクフォースを立ち上げ情報収集と対策を進めております。外部要因(部品廃番、調達困難)による製品仕様変更(上記表・マップ中のリスクNo.4)法規制の影響など様々な要因から部材の調達困難が発生した場合、メーカーとして大きな影響を受ける事象と考えております。タスクフォースを組んで部品の調達状況を把握するとともに、部品変更や仕様変更を進め、リスクの軽減に努めております。 ②内部要因リスク項目リスクの内容主な取り組み納期長期遅延につながるような部材調達困難(上記表・マップ中のリスクNo.5)部材調達困難により納期の長期化が生じた場合、売上高の減少や在庫の積み上げなど財政状況経営成績に与える影響が大きいと考えております。タスクフォースを組んで部材の調達状況を把握・管理するとともに、全体での納期調整を行うなど、影響を最小化するための取り組みを推進しております。生命身体に影響する可能性のある重大製品事故の発生(上記表・マップ中のリスクNo.8)人と機械の最適環境を創造し、世界中の人々の安全・安心・ウェルビーイングを実現することをパーパスとして標榜する当社グループにとって、生命身体に影響する可能性のある重大製品事故の発生は財政状況や事業活動はもちろん、レピュテーションにも大きな影響を与える可能性があります。QMS(Quality Management System)での帳票や手順書の整備を実施するとともに、市場クレームの故障情報を監視し、アラート機能や重大クレーム管理リストなどを整備して異常の早期察知と早期対応を推進しております。職員の大量退職による人材不足(上記表・マップ中のリスクNo.15)当社グループの持続的な成長と企業価値向上を実現するためには、企業の活性化や人的資本の強化が必要不可欠と認識しており、人材が過度に流動的である場合には、当社グループに与える影響が大きいと考えております。性別・年齢・国籍・文化・ライフスタイルなどの多様性を尊重した、働きやすい職場環境づくりを行うことで、さまざまな個性や価値観を持つ社員一人ひとりが能力を十分に発揮できる、組織風土の醸成に取り組んでおります。構造改革の推進等により業務の効率化を図り、グローバルでの組織体系設計、人事異動などによる適正な人員配置に取り組んでおります。人権課題(児童労働・強制労働など)への不対応(上記表・マップ中のリスクNo.19) ハラスメント発生による職場士気の低下(上記表・マップ中のリスクNo.19b)グローバルビジネスでの人権課題の認識の高まりから、人権課題への不対応は不買運動やレピュテーションリスクにつながり影響度が大きいと考えております。人権課題に対する社内研修体系を整備し、従業員の意識醸成を図るほか、人権リスクの評価や人権デューデリジェンスの企画・準備などの取り組みを推進しております。資産の毀損リスク(上記表・マップ中のリスクNo.27)棚卸資産について、実際の将来需要又は市場状況が当社グループの見積りより悪化した場合、評価減が必要となる可能性があります。供給計画・生産計画の策定において、急激な需要変動等機動的に反映し、在庫の長期滞留化リスク軽減に努めております。固定資産の減損に係る会計基準の適用により、時価の下落や当該資産から得られる将来のキャッシュ・フローの状況によっては減損処理が発生する可能性があります。固定資産の稼働状況、キャッシュ・フローの創出状況等を定期的にモニタリングし、効率的運用を実施しております。APEM社を連結子会社化したことに伴い、のれん及び無形資産である商標権と顧客関連資産を計上しており、景気変動等の影響により収益性が低下した場合、シナジー効果が発揮されず、減損損失が発生する可能性があります。月次・四半期単位等定期的に業績動向・経営状態を確認するとともに、超過収益力の向上を目的としたシナジー効果の最大化に向けた取り組みを強化しております。

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