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オムロン

電気機器 電機・精密

研究開発費(時系列)

年度R&D費用(億円)設備投資(億円)
2025-03 - 61
2024-03 - 73
2023-03 - 93
2022-03 - 70
2021-03 - 41

研究開発活動(本文)

FY2025|5,124 文字
6【研究開発活動】 当社グループは、顧客価値の創出を目的に中長期的な技術戦略のもと研究開発を実行しています。コア技術「センシング&コントロール+Think」を技術戦略の核として、当社の研究開発部門である技術・知財本部が基盤的な技術開発を担い、各事業部門がその応用技術開発や商品開発を実施しています。さらに、研究開発の成果を確実に事業競争力へとつなげるため、事業戦略と技術戦略に紐づいた知的財産活動を推進しています (1)当社グループの研究開発への取組み オムロンの強みである技術経営をさらに強化し、継続的な事業競争力と開発生産性の向上を図るべく、2024年7月に全社テクノロジーガバナンス体制の構築に着手しました。本活動ではコーポレートの研究開発部門である技術・知財本部と事業部の開発部門が一体となり、事業戦略と技術戦略を強固に連結させた全社技術戦略の策定および、全社技術戦略に基づいたポートフォリオマネジメントに取り組んでいます。また、開発生産性や技術戦略の有効性を示す指標の策定、継続的に経営視点でモニタリングするための仕組み作りに取り組んでいます。 事例の1つとして、パワーエレクトロニクス領域では事業・商品戦略と技術戦略の連携を通じて、競争優位の確立を図っています。技術・知財本部がエネルギーソリューションビジネス領域で先行研究および技術開発を進めていた次世代パワー半導体デバイスの1つであるGaN(ガリウム・ナイトライド)の活用を、社会システム事業にとどまらず、FA領域など他の事業領域にも展開しています。こうした取り組みを通じて、顧客価値を実現する差異化技術としての横展開を図っています。 並行して、オムロンでは次世代の革新技術の創出にも積極的に取り組んでいます。例えば、2024年12月に開催された「SEMICON Japan」では、コア技術の象徴である卓球ロボット「FORPHEUS(フォルフェウス)」の最新第9世代を世界初披露しました。言語や動画像などのマルチモーダルな情報源から意図したロボット動作を生成するAI技術としてオムロン サイニックエックス株式会社(以下、OSX)で開発した「ViLaIn(ヴィラン)」を搭載し、片方向であった人と機械のコミュニケーションを、双方向へと進化させました。 <ロボット動作を生成するAI技術 「ViLaln(ヴィラン)」> その他、技術・知財本部およびOSXは、ロボティクス分野において世界最大かつ最も影響力のあるトップカンファレンスの一つであるIROS2024(The 2024 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems)にて最新の研究成果を8件発表するなど、次世代の革新技術創出に向けた研究開発活動も積極的に行いました グループ全体の研究開発に関する費用の総額は、前連結会計年度は501億44百万円、当連結会計年度は443億39百万円です。なお、研究開発費には技術・知財本部で行っている技術開発費用53億58百万円が含まれています。 (2)価値創造型の知財・無形資産活動 当社グループでは、知的財産を軸に新たな価値を創り、届けることで持続的な成長を実現するべく、知財・無形資産活動を進化させ続けています。自社製品の売上やシェアを伸ばすことを目的に、知財を自社だけが使用することを原則とする「独占排他型」の活動と、パートナーとのアライアンスを重視しながら必要な知財を相互にシェアする「共有共鳴型」の活動を最適なバランスで組み合わせた"両利きの知財活動"をオムロンの知財活動方針として掲げ、その実践に取り組んでいます。<両利きの知財活動> 特に、共有共鳴型の知財活動においては、これまで活動の中心となっていた個々の知財権だけではなく、無形資産まで対象として捉え、顧客価値の最大化を念頭に知財・無形資産をマネジメントするように取り組んでいます。 <知財・無形資産のマネジメント> 今後、投資に対して、最大限の事業競争力を獲得するために、全社的に知財・無形資産の活用効率を高めることがますます重要となります。そのため、社内に存在する知財・無形資産を全社員が認識し、活用することが不可欠です。そこで、個別事業毎に蓄積されている知財・無形資産、および、人財を、顧客価値を実現するために必要なコア技術を軸に体系的な可視化に取り組んでいます。これにより、知財・無形資産の活用効率の向上を目指します。 加えて、知財情報を活用して顧客・事業環境の分析を行う「IPランドスケープ」をマーケティングなど、事業の意思決定プロセスに取り入れています。例えば、事業仮説の具体化、開発テーマの設定段階において、仮説検証のサイクルを効率的に回すことで、「顧客ニーズの把握」「事業で勝つためのストーリー作り」「事業における投資対効果の向上」を推進しています。このような活動を事業プロセスの上流から実装することで経営戦略、事業戦略、技術戦略の質を高め、全社方針に沿った知財ポートフォリオの構築を進めています。 さらに、価値創造型の知財活動を加速すべく、AI活用にも注力しています。例えば、人間にしかできないと考えられていたアイデアの創出等に対して、積極的に生成AIを活用することで業務効率の飛躍的な向上を図るとともに、IPランドスケープにおける仮説検証の更なる質向上・ハイサイクル化を目指しています。その実現に向け、組織的かつ継続的な教育プログラムを実施しています。これらの活動が評価され、オムロンは世界で最も革新的な企業・研究機関を選出する「Top100 グローバル・イノベーター」(クラリベイト社)にも9年連続で選出されました。このように、技術・知財本部では、全社視点での技術戦略のもと、コア技術の進化と価値創造型の知財・無形資産活動を通じて、ソーシャルニーズの創造に貢献していきます。 (3)事業セグメント別の研究開発活動 セグメントの名称 当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)金額(百万円)インダストリアルオートメーションビジネス21,553ヘルスケアビジネス8,123ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス4,692デバイス&モジュールソリューションズビジネス4,467データソリューションビジネス146本社他5,358合計44,339 ①インダストリアルオートメーションビジネス(制御機器事業) 当セグメントは、人を重労働から解放しエネルギー制御と融合させる「①人を超える自働化」、機械が人に寄り添い人の可能性を引き出し、人と機械が共に成長する「②人と機械の高度協調」、前述の2つのコンセプトを支える、現場の商品や人のナレッジ、そしてデータを繋ぎ、価値ある形に擦り合わせる「③デジタルエンジニアリング革新」のモノづくりコンセプトで研究開発に取り組んでいます。 これら3つのコンセプトを基に、デジタルデバイス、環境モビリティ、食品・日用品、医療、物流の5つの業界において、「顧客起点」で価値創造とグローバルの顧客への価値伝達を進めています。従来のモノ視点から、コト視点で俯瞰して顧客課題を捉えるようにシフトし「ソリューション」としての創出・提供に取り組んでいます。様々な先進コア技術やオムロンの幅広いFA商品群を起点にして、機能モジュールやソフトウェア、アプリケーション、サービスを体系的に構成し、各業界の顧客や工程に合わせて提供できるように技術や商品開発を強化しています。積極的に特許の出願や活用する取組みも強化し、”Top 100 Global Innovators”を9年連続で受賞しています。 加えて、新規技術獲得には、自社内だけで不足しているものは積極的にグローバルのスタートアップ企業や大学等も含めた産官学でのオープンイノベーションも進めています。 ②ヘルスケアビジネス(ヘルスケア事業)当セグメントは、マーケティング部門と研究開発部門が一体となり、パーソナライズ医療の実現に向けて、真のユーザーニーズの把握・創出に努め、一層の開発スピードアップを目指しています。また研究開発部門は、一人ひとりの健康ですこやかな生活の実現に向け、脳・心血管疾患の発症ゼロを目指す「循環器事業」、喘息・COPD患者の重症化ゼロを目指す「呼吸器事業」、慢性痛による日常の活動制限ゼロを目指す「ペインマネジメント事業」の3事業領域において新しい価値を提供できる新商品の創出を目指しています。当期の主な開発テーマとして、循環器事業においては、疾患の早期発見・治療に繋げることを目的として、血圧、脈拍、脈波、心電計測技術を搭載した心機能低下を捉える新たな血圧計の開発を引き続き進めるとともに、遠隔診療サービスのシステム開発・改善に取り組んでいます。呼吸器事業においては、喘息やCOPDの患者を対象に、発作の予兆や症状を計測する機器の開発にパートナーと共に取り組んでいます。ペインマネジメント事業においては、従来の肩こりや腰痛などのケアに加え、新たにスポーツ後の筋肉疲労をケアする機能を搭載した低周波治療器の開発に取り組んでいます。 ③ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス(社会システム事業) 当セグメントは、太陽光発電用パワーコンディショナー、蓄電システム、自動改札機や券売機などの駅務システム、交通管制システム、決済システム、UPSなどのネットワーク保護といった、多岐にわたる端末・システムに対するお客様のニーズに応える商品開発に取り組んでいます。 エネルギーソリューション事業では、再生可能エネルギーへの一層の関心の高まりに応えるため、蓄電システムおよび太陽光発電用パワーコンディショナーを中心に高効率化や小型軽量化などの技術開発並びに発電した電力の自家消費ニーズに応える商品創出などに継続して取り組んでいます。 駅務システム事業、交通管制システム事業においては駅や道路など、公共の場における利用者の安心・安全・快適に貢献する商品として、AI技術・IoT技術を組み込んだ人や車の動きを検知するセンサー・システムの開発に取り組んでいます。 また、近年、社会課題となっている労働人口減少に対し、社会インフラにおける労働生産性を向上させる技術が求められる中、データサイエンス分野の技術力強化を進めています。 ④デバイス&モジュールソリューションズビジネス(電子部品事業) 当セグメントは、リレー、スイッチ、コネクターを中心としてエレクトロメカニカルコンポ商品および顔認証等の組込画像ソフト技術、光技術などを用いたセンシングコンポ商品、更にはモジュール化技術による高機能化を強みにお客様のニーズに応える新製品開発に取り組んでいます。 「脱炭素」など環境への配慮やエネルギー費の高騰により、全世界がいま、化石燃料から再生可能エネルギーへと加速度的にシフトしています。 太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーは、天候に依存するため非常に不安定な電力であるため、そのエネルギーを効果的に活用するためにはバッテリ(蓄電)が必要不可欠となります。 「電気をたくさん貯めて、安定的かつ効率的に使いたい」という蓄電ニーズの実現に向け、高容量パワーリレーの新商品開発に注力し、その一つとしてG9KB-Eを2024年6月に発売しました。 G9KB-Eは、G9KBシリーズの高容量形で、同じサイズ・重量でありながら、最大開閉電圧をDC800V、最大通電電流100Aへ拡張しており、蓄電システムやEV充電器など、15~45KWクラスの蓄電池関連用途に適しています。 今後も環境負荷低減に向けた製品創出、価値提供を業界に先駆けて進めることで、脱炭素社会の実現に貢献します。 ⑤データソリューションビジネス(データソリューション事業) 当セグメントは人材やテクノロジーに積極的に投資し、医療ビッグデータを活用した新しい取組みやサービス開発にチャレンジし続けます。ヘルスケアデータの収集のためのサービス開発とヘルスケアデータの利活用方法の開発を目的にアカデミアとの連携を含めた研究開発活動を実施しています。また、ディープラーニングを中心とするAIテクノロジーを用いた診断アシストエンジンを日々の読影の中で活用できるようにする診断アシストプラットフォーム「AI-RAD」の開発に取り組んでおります。

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