6638

ミマキエンジニアリング(6638)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気機器 電機・精密

事業の概要

ミマキエンジニアリングは、産業用インクジェットプリンタやカッティングプロッタの開発・製造・販売を主軸とする企業です。主に、広告・看板向けの「サイングラフィックス(SG)」、ノベルティや工業製品向けの「インダストリアルプロダクツ(IP)」、衣服や生地向けの「テキスタイル・アパレル(TA)」の3つの市場に製品を提供しています。また、ファクトリーオートメーション装置や基板実装装置などを手掛ける「FA事業」も展開しており、多様な産業分野で収益を上げています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

ミマキエンジニアリングの事業セグメントは地域別に構成されており、日本、北米、欧州の3つの主要地域で事業を展開しています。最新年度の売上実績を見ると、日本が379.9133億円と最も大きく、営業利益も78.67625億円と収益の柱となっています。次いで北米が240.80504億円、欧州が218.91859億円の売上を上げており、海外市場が全体の売上高の約7割を占めるグローバル企業です。各地域で産業用インクジェットプリンタやカッティングプロッタなどの製品を販売しています。

2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Japan 地域 380 79 20.7%
NorthAmerica 地域 241 11 4.4%
Europe 地域 219 12 5.5%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,487 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社及び連結子会社25社(MIMAKI USA, INC.、MIMAKI EUROPE B.V.、台湾御牧股份有限公司、㈱ミマキプレシジョン、㈱グラフィッククリエーション、御牧噴墨打印科技(浙江)有限公司、Mimaki Deutschland GmbH、上海御牧貿易有限公司、MIMAKI BRASIL COMERCIO E IMPORTACAO LTDA、平湖御牧貿易有限公司、PT. MIMAKI INDONESIA、MIMAKI AUSTRALIA PTY LTD、MIMAKI SINGAPORE PTE. LTD.、MIMAKI INDIA PRIVATE LIMITED、MIMAKI EURASIA DIJITAL BASKI TEKNOLOJILERI PAZARLAMA VE TICARET LIMITED SIRKETI、Mimaki La Meccanica S.R.L.、Mimaki Lithuania, UAB、Mimaki Bompan Textile S.r.l、アルファーデザイン㈱、㈱アルファーシステムズ、㈱砺波製作所、㈱楽日、MIMAKI (THAILAND) CO., LTD.、㈱マイクロテック、MIMAKI VIETNAM CO., LTD.)、その他3社(MIMAKI KANPHOR INDIA PRIVATE LIMITEDほか)の計29社により構成され、産業用インクジェットプリンタ、カッティングプロッタ等の開発・製造・販売を主たる業務とした事業を営んでおり、報告セグメントは地域別としております。 また、エンドユーザーの属する市場別に分類した事業の内容は次のとおりであります。(1)SG(サイングラフィックス)市場向け 広告・看板等のサイングラフィックス市場向けの製品群です。エコソルベントインクを搭載したインクジェットプリンタJVシリーズや、プリント&カット対応のCJVシリーズ、UV硬化インク搭載のUJV/UCJVシリーズが主要製品で、大型ポスター、カーラッピング、のぼり旗、表示板等の製作に用いられています。また、光学センサーで位置決めマークを読み取ることで高精度な輪郭カットを実現するカッティングプロッタのCGシリーズ等の製造販売も行っています。(2)IP(インダストリアルプロダクツ)市場向け ノベルティや工業製品等のインダストリアルプロダクツ市場向けの製品群です。UV硬化インクを採用した大判フラットベッドインクジェットプリンタのJFXシリーズに加え、A3〜A2サイズを中心としたデスクトップ型フラットベッドUVインクジェットプリンタのUJFシリーズが主要製品で、一般消費者向けの商品やギフト、オーダーグッズのほか、自動車の計器パネルや家電類の操作パネルなどの工業製品生産現場等で用いられています。また、SG市場向けと同様に光学センサーによる読み取り機能を搭載し、ダンボールなど厚みのある材料をカットできるフラットベッドカッティングプロッタであるCFシリーズ等の製造販売も行っています。さらに、フィギュア、模型、立体看板、試作品等の製作に用いられる立体造形物をプリントする3Dプリンタの製造販売も行っています。(3)TA(テキスタイル・アパレル)市場向け 衣服や生地等のテキスタイル・アパレル市場向けの製品群です。昇華転写インクジェットプリンタのTSシリーズや、ダイレクト捺染インクジェットプリンタのTxシリーズ、顔料転写方式の捺染プリントシステムTRAPIS(トラピス)、DTF(Direct To Film)プリンタのTxFシリーズ等が消費地向けの主要製品で、ファッションウエアやスポーツウエア、ネクタイやスカーフなどの生地へのプリント等に用いられています。(4)FA事業 ファクトリーオートメーション装置事業(カスタム機器)や基板実装装置事業(異形部品挿入装置、防湿剤の塗布装置)、半導体製造装置事業、基板検査装置事業、金属加工事業等、アルファーデザイングループが手掛ける事業の総称です。(5)その他 上記のいずれにも属さない機種の製造・販売やサービス等が該当いたします。 [市場別分類略図] [セグメント別会社分類略図] セグメントの名称会 社 名 称日本・アジア・オセアニア販売会社当社上海御牧貿易有限公司     台湾御牧股份有限公司PT. MIMAKI INDONESIA     MIMAKI AUSTRALIA PTY LTDMIMAKI SINGAPORE PTE. LTD.MIMAKI INDIA PRIVATE LIMITEDMIMAKI (THAILAND) CO., LTD. MIMAKI VIETNAM CO., LTD.アルファーデザイン㈱     ㈱アルファーシステムズ製造会社当社㈱ミマキプレシジョン御牧噴墨打印科技(浙江)有限公司台湾御牧股份有限公司     アルファーデザイン㈱㈱アルファーシステムズ    ㈱砺波製作所プリントサービス会社㈱グラフィッククリエーション台湾御牧股份有限公司グッズ企画販売会社㈱楽日ソフトウエア開発会社㈱マイクロテック北・中南米販売会社MIMAKI USA,INC.MIMAKI BRASIL COMERCIO E IMPORTACAO LTDA欧州・中東・アフリカ販売会社MIMAKI EUROPE B.V.Mimaki Deutschland GmbHMIMAKI EURASIA DIJITAL BASKI TEKNOLOJILERI PAZARLAMA VE TICARET LIMITED SIRKETIMimaki Lithuania, UABMimaki Bompan Textile S.r.l製造会社MIMAKI EUROPE B.V.Mimaki La Meccanica S.R.L.Mimaki Lithuania, UAB [事業系統図] (注)全て連結子会社であります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
技術面、品質面での優位性を認識しているが、競争激化による価格低下圧力のリスクがあるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
自社開発の製品を主な商材とし、要素技術の開発を先行して進める技術力。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:製品の欠陥 / コスト競争力(原材料調達・生産計画) / 製品開発の遅延
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

ミマキエンジニアリングは、インクジェットプリンターおよびカッタープロッターの分野で長年の技術開発とブランド認知を培ってきた。特に、産業用プリンター分野における特定用途向けのノウハウや、長年培ってきた顧客との関係性は無形資産となりうる。しかし、特許の有効性や競合他社の技術革新に対する優位性は限定的。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

同社の産業用プリンターは、特定の生産ラインやワークフローに組み込まれることが多く、導入には初期投資やオペレーションの習熟が必要となる。そのため、顧客が競合他社製品へ乗り換える際には、再設定やトレーニング、生産ラインの停止といったコストが発生しうる。特に、高付加価値な用途においては、乗り換えコストは無視できない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の製品は、個々の顧客の生産設備として機能するため、ユーザーが増えることで製品自体の価値が向上するようなネットワーク効果は基本的に見られない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

同社は長年の製造経験から一定の生産効率を確保していると考えられるが、グローバルな競合と比較して、構造的に圧倒的なコスト優位性を確立しているとは言えない。特に、汎用品においては価格競争に晒される可能性がある。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

産業用プリンター市場は、特定の用途に特化したニッチ市場も存在するが、全体としては一定の規模を持つ。ミマキエンジニアリングは、この市場において主要プレイヤーの一つであり、一定の生産規模と販売網を有している。しかし、市場全体を支配するほどの寡占状態ではなく、上位数社による競争環境にある。

同社の優位性は、自社開発による産業用インクジェットプリンタの技術力と品質にあります。特に、エコソルベントインクやUV硬化インク、昇華転写インクジェットプリンタなど、各市場のニーズに合わせた多様な製品ラインナップが強みです。光学センサーによる高精度な輪郭カット技術や、3Dプリンタの開発・販売も行っており、幅広い用途に対応できる技術的な優位性を持っています。これにより、競合他社との差別化を図り、市場での競争力を維持していると考えられます。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営の基本方針 当社グループでは、下記の4項目を経営ビジョンとして掲げ、経営の基本方針としております。① 独自技術を保有し、自社ブランド製品を世界に供給する「開発型企業」を目指します。② 顧客に満足いただける製品を素早く提供する小回りの利いた会社を目指します。③ 市場に常に「新しさと違い」を提供するイノベーターを目指します。④ 各人が持っている個性・能力を力一杯発揮できる企業風土を目指します。 (2)中長期的な経営方針及び経営指標 当社グループでは、2025年5月に、2030年3月期を最終年度とする5か年の新中長期成長戦略「Mimaki Innovation 30」を策定いたしました。①「Mimaki Innovation 30」基本方針と業績目標 安定的な収益性で売上高成長の追求を継続し、資源の積極的な活用により新たな領域にチャレンジすることで、2030年3月期(FY2029)に売上高 1,500億円 を目指す。1.安定的な収益性の維持・強化・コア事業の成長と粗利率改善の追求を継続・売上高成長率(CAGR)10%以上を継続し、2030年3月期に売上高1,500億円、営業利益率8%以上を目指す・イノベーションに適切な新製品を継続的に市場へ投入し、新製品売上高比率 年30%の達成2.新たな領域へのチャレンジでInnovationの創出・塗料・工業用機能材料などの 高粘度領域 にチャレンジ。IP市場向けの飛躍的な拡大を目指し、Digital Paint領域へ・フレキシブル有機ELシートにチャレンジ・セカンドブランド「ミマキ ラメカニカ」を立ち上げ、プリンタ・カッティングの周辺機器へ進出・3Dプリンタ事業の進化を推進、事業拡大で3Dをコア事業の新たな柱とすべく育成・Mimaki Innovation 30 (2026年3月期~2030年3月期)の5年間は既存の開発投資とは別枠で、新たな領域への投資に売上高の 1~2% を充当3.技術開発マネジメント体制の確立と人的資本の拡大・新製品の開発スピードを向上し、競争力のある開発体制を構築・AIの活用による業務効率化、DXによるプロセス改革、ノーコード化とユーザーインターフェイスの最適化を推進し、経営管理体制の高度化を図る・技術開発から営業力強化に至るまで、全社的な専門教育の深化で新しさと違いを提供するイノベーターの創出(3) 中長期成長戦略「Mimaki Innovation 30」重点施策①新しいMimakiに向けてインクジェット技術と印刷技術の蓄積とノウハウの応用・発展により高粘度領域やフレキシブル有機ELシートなど新しい領域へチャレンジ②周辺機器への取組みとしてセカンドブランドの立ち上げ③製品戦略は、定期的かつ革新的な新製品を上市やラインナップの充実を図るSG(サイングラフィックス)市場・UVプリンタと環境負荷を低減した最新のUV硬化型サステナブルインクで競争優位性を強化・多様な顧客ニーズを的確に捉えたハイエンドからエントリーモデルまでのラインナップ戦略で顧客体験価値の向上を図る・ハイエンド〜エントリーモデル領域に未参入レンジを追加し、ラインナップの充実でさらなる市場シェアの拡大を図る・UVーDTF モデルで高付加価値の印刷ビジネスを創出、リテール・DIY向けの製品展開でターゲット市場を開拓、新たな顧客層を獲得・高画質の実現と優れた操作性に加え、収益性を維持したエントリーモデルの展開で差別化し市場シェアNo.1を奪取IP(インダストリアルプロダクツ)市場・小型FB(フラットベッド)市場:自動化・省人化で生産効率を重視し、産業用印刷のデジタル化を推進。No.1シェアを独走し続ける・大判・ミドル市場:生産性を重視した高付加価値のプロダクトモデルをラインナップ戦略で販売強化し、No.1シェアを維持・高粘度領域・Digital Paintで新たな分野を開拓・付加価値の高いサステナブルなUVインクを強みに差別化を推進TA(テキスタイル・アパレル)市場・デジタル化の潜在的拡大市場であると捉え、注力市場と位置付け・昇華転写市場のエントリー・ミドル・フラッグシップモデルのラインナップの拡充と販売チャネルの活用でシェアNo.1を目指す・デジタル化推進に欠かせない、DTFモデルにさらなる付加価値を加えた製品を展開し圧倒的な差別化を図る・サステナブル領域への追求・・・環境や印刷作業者に配慮した安心・安全な製品とインク開発の追求を継続3Dプリンティング事業・インクジェットプリンタ(IJP)の開発で培った技術を応用し、様々なマルチマテリアルで特性の異なる材料を複合化・3Dプリンタ技術のプラットフォーム化を推進し、将来的に3Dを次の柱へと成長を図る・高生産性に注力し色彩表現に優れた高品質の強みとインクコストを抑えた製品開発・アライアンスパートナーの検討など、販売チャネルマーケティングの強化でユーザーメリットのある商品企画を推進FA事業・FA装置事業  自動車関連事業を強化・半導体事業  未成熟市場であるAI処理に特化した半導体チップの“AIチップ”に注力し対応装置の販売でシェア拡大を図るダイボンダ(CIS,LPH)市場に注力・基板実装機器事業  後工程の挿入・塗布工程装置を提供可能な強みを活かし、販売強化で自動車部品メーカーをターゲットとする・基板検査事業  大型化需要を捉え高性能を追求した装置の開発で台湾・日本の販売強化のほか中国を強化し重点エリアを拡大 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループでは、「Mimaki Innovation 30」の達成に向けて対処すべき課題は以下のとおりと認識して、取り組んでまいります。① デジタルオンデマンド・プリントソリューションの提供 当社が開発型企業として持続的な成長を実現するためには、SDGsで定められた持続可能な開発目標への貢献という社会的な要請はもちろん、個々のお客様の困りごとやニーズに的確に対応する必要があります。また、技術革新のスピードや市場環境の変化が加速に伴い市場のニーズや顧客の志向は急激に変化しています。加えて、eコマースの浸透に伴い、消費者はよりパーソナライズされた志向と過剰在庫問題などの環境負荷低減への意識の高まりにより益々「オンデマンド」供給への要求が強まり、多様なニーズに対応できるビジネスモデルの構築が求められています。このような環境変化に的確に対応し、持続的な成長を果たすためには、当社グループが所有する競争優位性の高い独自技術を基盤とした製品、ソフトウエア、サービスの提供に加え、今後ますます進展するデジタルトランスフォーメーション(バリューチェーンを含めて新たな付加価値につながるデジタル化)を、中期的な観点から成長ドライバとして取り込んだうえで、産業用印刷市場におけるデジタルオンデマンド・プリントソリューションの提供を進めてまいります。具体的には、当社グループは、産業用印刷市場で必要とされる「プリントだけでなくその前・後工程の処理装置も含めた幅広い製品ラインナップ」と「充実した機能性インク」のほか、当市場を開拓する過程で蓄積してきた「問題解決のノウハウ提供力」を保有しています。とりわけ、当社のFA(ファクトリーオートメーション)事業では、プリント対象物の前処理/前加工や、プリント作業後の後処理/後加工に適した製品の開発・生産能力を有しています。このFA事業を自ら保有する優位性を最大限発揮するとともに、蓄積した有形・無形の資産を源泉とし、プリントに必要となる製品、ソフトウエア、ノウハウ等のご提供を通じて、お客様が制作する成果物の品質までをサポートする取り組みを進めています。また、プリント工程の自動化による省人化・無人化等のノウハウを安定して提供し、お客様の制作プロセスの変革支援につなげる提案を、積極的に行ってまいります。このように、産業印刷における前工程・プリント・後工程までの一貫システムによる、デジタルオンデマンド・プリントのトータルソリューションを提供するソリューションプロバイダーとしての役割を果たし、市場のニーズに的確に対応すべく、特に以下の2領域にフォーカスして取り組んでまいります。a.デジタルプリントのIoT 5G(第5世代移動通信システム)の商用サービスが開始され、当社が手掛けているSG(サイングラフィックス)市場、IP(インダストリアルプロダクツ)市場、TA(テキスタイル・アパレル)市場等の産業用インクジェットプリンタ事業の可能性が、大きく広がります。これらの市場に向け、当社が保有するデジタルプリントの前処理装置、プリンタ、インク、カッティングプロッタ、後処理装置、ワークフローソフトまでを含めた幅広い製品ラインナップと、プリント成果物制作プロセスの構築ノウハウを基盤に、プリント工程の自動化による省人化・無人化といった、デジタルプリントのIoTを推進してまいります。 また、SG市場やIP市場で使用される機能性インクは、従来主流であった有機溶剤系インクから、環境負荷が低く生産性が高いUV硬化型インクへの転換が始まっており、同インクは向こう数年間で市場規模が大幅に増加すると見込まれています。当社は、UV硬化型インクの開発とそれを使用するインクジェットプリンタの開発にいち早く取り組むとともに、当社が保有するUVプリンタ特許技術の活用など、業界での競争優位性を確保しています。 今後は、これらの優位性を生かし、産業用印刷市場に対してデジタルプリントのIoTとUV硬化型インクを含めた高い生産性を実現するトータルソリューションを提供し、マーケットリーダーとしての地位を確実なものとしてまいります。b.3Dプリント事業 IP領域における3Dプリントビジネスにおいては、2017年に発売したUV硬化インクジェット方式で1,000万色のフルカラー造形を世界で初めて実現した3DUJ-553を皮切りに、2021年にはその小型化を実現したエントリーモデル3DUJ-2207を発売する等、着実に製品ラインナップの拡大を進めてまいりました。今後も、お客様の多様なニーズにお応えする製品ラインナップのさらなる拡充に取り組むとともに、新たにマルチマテリアルで特性の異なる材料の複合化等に注力してまいります。さらに材料開発においてはアライアンスの検討や有力な3Dソフトウエアメーカー等の幅広いパートナーシップの構築を進め3D造形の市場成長を加速させるなど、多様な用途やアプリケーションの提案等に取り組み、3Dプリントを当社の次の事業の柱として育成してまいります。② インクの収益性改善 当社グループにおいて、機能性インクは競争力の源泉であります。ストック性の高いインクの収益性を高めるため、揮発性有機化合物を削減したインクの開発など印刷作業者や環境に配慮した安心・安全なインクの開発に取り組みつつ、さらなる品質改善やインクのスケールメリットによるコストダウンなどに取り組むことで、収益性の改善を図ることで競争力強化を図ってまいります。また、市場での品質問題発生時の情報早期フィードバックや見える化により、迅速な対応を実現してまいります。加えて、これらの取り組みの前提として、不具合が発生した際の要因をより正確かつ迅速に把握し、的確な対策が実施できるよう、原材料の受け入れ段階、生産、出荷までの各時点での膨大な検査データを収集・蓄積し、適切に分析したうえで、生産工程から検査工程までの各段階での工程を改善するプロセスを、一層強化してまいります。以上の取り組みにより、インク品質のさらなる向上による競争力強化を図ってまいります。③ 内部統制・コンプライアンスの徹底 企業の社会的責任として、内部統制及びコンプライアンスに徹底して取り組んでまいります。関係法令・規則の遵守はもとより、お客様の情報管理等に対するセキュリティーポリシーを確立し、役職員一人ひとりの高い倫理観の醸成、社会的良識を持った責任ある行動を目指して社内教育を行ってまいります。当社は、内部統制システムの整備・運用を推進し、独立した内部監査部門による定期的な内部監査により、業務監査及び財務報告の適正性を確保しています。また、各本部・部門単位で必要とされるコンプライアンス教育を、所属員を対象に年2回以上実施し、法令遵守に関する意識向上を図っています。さらに、1,000億企業としての新たなワークフロー、規程、マニュアルなどの作成をグローバルの推進に努め、本社及び全ての製造・販売子会社を対象として、内部統制・コンプライアンスの仕組み作りを進めてまいります。具体的には、グローバルでの貿易ルールの見直しに向けたHSコード(輸出入統計品目番号)の確認・運用や、購買発注ワークフローの見直し改定などに取り組み、複雑化する法規制に適切に対応するための仕組みや業務フローを整備してまいります。また、反社会的勢力との関係に対しては、断固とした対応で臨むことにより一切の関係を遮断し、コンプライアンスに則った経営を行ってまいります。④ 生産・物流体制の改善 当社グループにおいて、グローバルなお客様が求める商品・サービスを最適なタイミングで効率的にご提供するとともに、地政学的リスクの顕在化等の影響による船舶及び陸上での輸送リードタイムの長期化や、物流コストの上昇への適切な対応により、売上、利益、キャッシュ・フローの最大化を図ることは重要な経営課題です。そのため、グローバルでの需要変動に柔軟に対応できるよう、販売、物流、生産・調達などの各機能を密接に連携させ、週次での生産管理を実現する体制整備に加え、製品ごとに最適な生産地で生産して効率的かつ機動的な物流・在庫マネジメントを実現する体制の構築を進めてまいります。また、グローバルでの在庫マネジメント再構築への取り組みとして、エリア在庫の効率化を目的としたNRI(Non-Resident Inventory)倉庫の設置も進めており、既に稼働しているオランダに続き2022年9月にはマレーシアにも設置して機動的な在庫マネジメントの確立につなげ、機会損失の最小化とコスト競争力の確保及び適正在庫の実現に取り組んでまいります。さらに、2022年4月に長野県上田市に新たに設置した丸子工場に加え、生産・開発スペース不足の解消を目的に、2024年5月に取得した本社・加沢工場の隣接地に新社屋の建設を開始しております。(2026年4月稼働予定)これらを活用し、本社・加沢工場におけるエントリーモデルからハイエンドモデルまでの多岐にわたる生産能力を増強し、今後の事業拡大に対応してまいります。⑤ 研究・開発体制の強化 当社グループは、コロナ禍を経て顕在化した市場ニーズや顧客志向の変化を見据え、製品開発でイノベーションを起こし、新規市場・新規アプリケーションの開拓に取り組んでまいります。具体的には、今までの開発計画を全面的に見直し、新しい市場向けのプライオリティを上げる取り組みとして、新製品売上高比率年30%を目的とすることや、効率的な研究・開発体制のもとで優れた製品をタイムリーに市場投入するため、要求機能に対し、あらかじめ準備された製品・ユニット・部品・技術情報より適切なものを選び、組合せにより新しい製品を開発するモジュール開発により売上高の拡大と同時にSKU=在庫の削減につなげること等に取り組んでいます。また、基盤となる製品プラットフォームを横展開して、短期間で効率的に新製品を投入する開発プロセスを確立し、開発サイクルの短縮化を進めています。これらの活動の結果、2024年3月期から2025年3月期までの2年間で合計16機種の新製品を発表し市場投入を実現しております。今後もこの取り組みの一層の強化・充実を図ることにより、「新しさと違い」を出せる製品の市場投入を進めてまいります。⑥ CX(コーポレート・トランスフォーメーション) 当社グループは会社の構造変革に取り組んでまいります。固定費の圧縮と事業体質の筋肉質化に向け、固定費の投入を押さえつつ、生成AIやローコードツール等を導入して業務の棚卸と自動化・AI化を進めてまいります。また、資金効率を向上させ財務体質を強化するとともに、フリーキャッシュ・フローの最大化を目的としたCCCの短縮活動にも取り組んでまいります。具体的には、全社在庫管理プロジェクト活動により、サプライチェーン全体の在庫適正化を進め、特に滞留在庫・不動在庫の一掃を図るとともに、リードタイムを考慮した適正在庫水準の管理する在庫マネジメントを確立し、CCCの短縮を進めてまいります。さらには、グローバルマネジメント体制の強化が重要課題であると認識し、子会社管理の強化、基幹システムや会計システム、人事制度等のグローバルな見直しとともに、業務の標準化やルールの明確化等を含めた管理強化に取り組んでまいります。加えて、為替リスクの低減に向けた施策にも取り組んでまいります。⑦ 営業体制の変革 当社グループはグローバルなお客様の多様なニーズにお応えするため、国内営業拠点及び海外販売子会社において、個々の地域特性に合致した販売戦略のもとで、新規ユーザーの開拓、製品の用途提案、製品導入後のアフターフォローや迅速な保守サービスの提供等、地域密着型の営業活動を推進し、顧客満足度の向上に努めてまいります。また、実際に製品を体験できる機会として当社独自に開催するミニ展示会によるチャネル・顧客との商談を効果的に行う営業活動を継続して実施してまいります。加えて、インサイドセールス機能の強化を通じ、SFAやCRMを活用した営業分析により既存・見込客への営業活動状況を記録・管理して顧客接点を拡大するとともに、顧客からの引き合いプロセスの管理により着実に成約に繋げる活動など、ITの進化を活用した営業活動のオンライン化にも、積極的に取り組んでまいります。また、顧客へ向けての販売チャネルにつきましても、従来のSG市場向け主体のチャネルの強化・拡大による№1シェアの獲得・維持に加え、新規のチャネルとしてIP市場、3D市場、プロダクション機、エントリーモデル、カッティングプロッタにおいて、それぞれの領域での販売拡大に適したチャネルの開拓・構築を進めるとともに、自動化・省人化ソリューションの提供に向けたパートナーシップ構築により、産業用印刷のデジタル化提案を一層強化してまいります。⑧ リスクマネジメントへの取組み 近年の事業環境下では、想定を上回る規模の自然災害や感染症の発生等に加え、ロシア・ウクライナ問題や米中対立に代表される地政学的なリスクの顕在化により、事業継続計画(BCP)の重要性が増しています。大規模な自然災害が発生した場合でも、被害を最小限に留めるべく、復旧までの時間を最小限におさえて業務を継続できるよう、業務インフラ、緊急時連絡体制、本社屋をはじめとする各設備の防災対策等の体制強化を行ってまいります。また、感染症等によるパンデミックの発生に際しては社会全体での取り組みが必要となりますが、当社グループとしても、役職員を始め地域やステークホルダーの皆様の安全確保と感染症拡大抑止を最優先に、適切な対策を検討・実施してまいります。さらに、地政学的なリスクの顕在化に伴う需要の低迷や部品・原材料等の調達難とコスト上昇、生産の遅延や輸送の混乱によるリードタイムの長期化とコスト上昇等のサプライチェーン全体に係る諸課題に対しても、適切なリスク評価に基づき最適な対策を検討・実施してまいります。⑨ 知的財産戦略の強化 自社ブランド製品を開発・製造・販売する開発型企業である当社にとって、知的財産戦略は競争力を確保し、独自性を守り、持続的な成長を実現するために重要かつ欠くことのできない要素です。とりわけ、自社の知的財産を適切に保護するために、特許、商標等の権利の適切な登録・保護手続きを行い、他社による模倣や侵害から自社製品やブランドを守る必要があります。当社では、技術本部に知的財産部を置いて知的財産権の登録・保護活動を進めておりますが、今後当社の市場での競争力を一段と強化するために、製品の企画・開発から量産に至る各段階において多くの権利を出願・登録できるように知的財産権権利化プロセスを変革し、持続的な成長の実現に取り組んでまいります。⑩ SDGsへの取組み 2015年9月に「国連持続可能な開発サミット」において、人間及び地球の繁栄のための行動計画として「持続可能な開発目標:SDGs(Sustainable Development Goals)」が掲げられました。当社グループもこの目標に賛同し、さまざまな社会問題に真摯に向き合うとともに、事業を通じて社会や環境に良い影響をもたらすことで、持続可能な社会づくりに貢献してまいります。 特に、気候変動などの地球環境問題への対応も重要な経営課題として捉え、とりわけ産業印刷市場においては環境や資源への負荷の高い従来のアナログ印刷主体の産業構造から、デジタル化によるオンデマンドプリントに転換させることにより環境負荷を大幅に低減できることから、今後の製品開発を含む事業活動において環境に配慮した製品展開を推進するなど、積極的に取り組んでまいります。 当社の重要な販売市場であるテキスタイル・アパレル市場では、従来からのアナログ方式による素材や商品の生産・捺染に始まり、輸送、在庫、販売、利用、廃棄・焼却という長いサプライチェーンの過程から大量のCO2が排出され、また素材生地の生産・捺染工程においては大量の水資源が使用されています。さらに、使用された商品だけでなく未使用の商品も含め、全生産量の70%以上が廃棄・焼却処分され、リサイクル・リユース率は合わせても僅か15%程度とも言われています。このように、同市場は地球環境への負荷が最も高い産業の一つとされており、世界的に対処すべき重要な問題と認識されています。当社ではこの問題に対処するため、インクジェット技術でのデジタルオンデマンド捺染による「サステナブル・プリントソリューション」を提供しています。かつ従来のデジタル捺染プリント方式と比べ排水の約90%を削減し、環境にも人にも経済的にも優しい次世代捺染システム「TRAPIS(トラピス)」に加えて、最新の印刷脱色技術「ネオクロマト・プロセス」による循環型のサステナブル・アクションへの貢献など、今後もサステナブル・プリントソリューションを世界的に普及させることで、サステナブルなテキスタイル・アパレル産業の実現を目指して取り組んでまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営の基本方針 当社グループでは、下記の4項目を経営ビジョンとして掲げ、経営の基本方針としております。① 独自技術を保有し、自社ブランド製品を世界に供給する「開発型企業」を目指します。② 顧客に満足いただける製品を素早く提供する小回りの利いた会社を目指します。③ 市場に常に「新しさと違い」を提供するイノベーターを目指します。④ 各人が持っている個性・能力を力一杯発揮できる企業風土を目指します。 (2)中長期的な経営方針及び経営指標 当社グループでは、2025年5月に、2030年3月期を最終年度とする5か年の新中長期成長戦略「Mimaki Innovation 30」を策定いたしました。①「Mimaki Innovation 30」基本方針と業績目標 安定的な収益性で売上高成長の追求を継続し、資源の積極的な活用により新たな領域にチャレンジすることで、2030年3月期(FY2029)に売上高 1,500億円 を目指す。1.安定的な収益性の維持・強化・コア事業の成長と粗利率改善の追求を継続・売上高成長率(CAGR)10%以上を継続し、2030年3月期に売上高1,500億円、営業利益率8%以上を目指す・イノベーションに適切な新製品を継続的に市場へ投入し、新製品売上高比率 年30%の達成2.新たな領域へのチャレンジでInnovationの創出・塗料・工業用機能材料などの 高粘度領域 にチャレンジ。IP市場向けの飛躍的な拡大を目指し、Digital Paint領域へ・フレキシブル有機ELシートにチャレンジ・セカンドブランド「ミマキ ラメカニカ」を立ち上げ、プリンタ・カッティングの周辺機器へ進出・3Dプリンタ事業の進化を推進、事業拡大で3Dをコア事業の新たな柱とすべく育成・Mimaki Innovation 30 (2026年3月期~2030年3月期)の5年間は既存の開発投資とは別枠で、新たな領域への投資に売上高の 1~2% を充当3.技術開発マネジメント体制の確立と人的資本の拡大・新製品の開発スピードを向上し、競争力のある開発体制を構築・AIの活用による業務効率化、DXによるプロセス改革、ノーコード化とユーザーインターフェイスの最適化を推進し、経営管理体制の高度化を図る・技術開発から営業力強化に至るまで、全社的な専門教育の深化で新しさと違いを提供するイノベーターの創出(3) 中長期成長戦略「Mimaki Innovation 30」重点施策①新しいMimakiに向けてインクジェット技術と印刷技術の蓄積とノウハウの応用・発展により高粘度領域やフレキシブル有機ELシートなど新しい領域へチャレンジ②周辺機器への取組みとしてセカンドブランドの立ち上げ③製品戦略は、定期的かつ革新的な新製品を上市やラインナップの充実を図るSG(サイングラフィックス)市場・UVプリンタと環境負荷を低減した最新のUV硬化型サステナブルインクで競争優位性を強化・多様な顧客ニーズを的確に捉えたハイエンドからエントリーモデルまでのラインナップ戦略で顧客体験価値の向上を図る・ハイエンド〜エントリーモデル領域に未参入レンジを追加し、ラインナップの充実でさらなる市場シェアの拡大を図る・UVーDTF モデルで高付加価値の印刷ビジネスを創出、リテール・DIY向けの製品展開でターゲット市場を開拓、新たな顧客層を獲得・高画質の実現と優れた操作性に加え、収益性を維持したエントリーモデルの展開で差別化し市場シェアNo.1を奪取IP(インダストリアルプロダクツ)市場・小型FB(フラットベッド)市場:自動化・省人化で生産効率を重視し、産業用印刷のデジタル化を推進。No.1シェアを独走し続ける・大判・ミドル市場:生産性を重視した高付加価値のプロダクトモデルをラインナップ戦略で販売強化し、No.1シェアを維持・高粘度領域・Digital Paintで新たな分野を開拓・付加価値の高いサステナブルなUVインクを強みに差別化を推進TA(テキスタイル・アパレル)市場・デジタル化の潜在的拡大市場であると捉え、注力市場と位置付け・昇華転写市場のエントリー・ミドル・フラッグシップモデルのラインナップの拡充と販売チャネルの活用でシェアNo.1を目指す・デジタル化推進に欠かせない、DTFモデルにさらなる付加価値を加えた製品を展開し圧倒的な差別化を図る・サステナブル領域への追求・・・環境や印刷作業者に配慮した安心・安全な製品とインク開発の追求を継続3Dプリンティング事業・インクジェットプリンタ(IJP)の開発で培った技術を応用し、様々なマルチマテリアルで特性の異なる材料を複合化・3Dプリンタ技術のプラットフォーム化を推進し、将来的に3Dを次の柱へと成長を図る・高生産性に注力し色彩表現に優れた高品質の強みとインクコストを抑えた製品開発・アライアンスパートナーの検討など、販売チャネルマーケティングの強化でユーザーメリットのある商品企画を推進FA事業・FA装置事業  自動車関連事業を強化・半導体事業  未成熟市場であるAI処理に特化した半導体チップの“AIチップ”に注力し対応装置の販売でシェア拡大を図るダイボンダ(CIS,LPH)市場に注力・基板実装機器事業  後工程の挿入・塗布工程装置を提供可能な強みを活かし、販売強化で自動車部品メーカーをターゲットとする・基板検査事業  大型化需要を捉え高性能を追求した装置の開発で台湾・日本の販売強化のほか中国を強化し重点エリアを拡大 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループでは、「Mimaki Innovation 30」の達成に向けて対処すべき課題は以下のとおりと認識して、取り組んでまいります。① デジタルオンデマンド・プリントソリューションの提供 当社が開発型企業として持続的な成長を実現するためには、SDGsで定められた持続可能な開発目標への貢献という社会的な要請はもちろん、個々のお客様の困りごとやニーズに的確に対応する必要があります。また、技術革新のスピードや市場環境の変化が加速に伴い市場のニーズや顧客の志向は急激に変化しています。加えて、eコマースの浸透に伴い、消費者はよりパーソナライズされた志向と過剰在庫問題などの環境負荷低減への意識の高まりにより益々「オンデマンド」供給への要求が強まり、多様なニーズに対応できるビジネスモデルの構築が求められています。このような環境変化に的確に対応し、持続的な成長を果たすためには、当社グループが所有する競争優位性の高い独自技術を基盤とした製品、ソフトウエア、サービスの提供に加え、今後ますます進展するデジタルトランスフォーメーション(バリューチェーンを含めて新たな付加価値につながるデジタル化)を、中期的な観点から成長ドライバとして取り込んだうえで、産業用印刷市場におけるデジタルオンデマンド・プリントソリューションの提供を進めてまいります。具体的には、当社グループは、産業用印刷市場で必要とされる「プリントだけでなくその前・後工程の処理装置も含めた幅広い製品ラインナップ」と「充実した機能性インク」のほか、当市場を開拓する過程で蓄積してきた「問題解決のノウハウ提供力」を保有しています。とりわけ、当社のFA(ファクトリーオートメーション)事業では、プリント対象物の前処理/前加工や、プリント作業後の後処理/後加工に適した製品の開発・生産能力を有しています。このFA事業を自ら保有する優位性を最大限発揮するとともに、蓄積した有形・無形の資産を源泉とし、プリントに必要となる製品、ソフトウエア、ノウハウ等のご提供を通じて、お客様が制作する成果物の品質までをサポートする取り組みを進めています。また、プリント工程の自動化による省人化・無人化等のノウハウを安定して提供し、お客様の制作プロセスの変革支援につなげる提案を、積極的に行ってまいります。このように、産業印刷における前工程・プリント・後工程までの一貫システムによる、デジタルオンデマンド・プリントのトータルソリューションを提供するソリューションプロバイダーとしての役割を果たし、市場のニーズに的確に対応すべく、特に以下の2領域にフォーカスして取り組んでまいります。a.デジタルプリントのIoT 5G(第5世代移動通信システム)の商用サービスが開始され、当社が手掛けているSG(サイングラフィックス)市場、IP(インダストリアルプロダクツ)市場、TA(テキスタイル・アパレル)市場等の産業用インクジェットプリンタ事業の可能性が、大きく広がります。これらの市場に向け、当社が保有するデジタルプリントの前処理装置、プリンタ、インク、カッティングプロッタ、後処理装置、ワークフローソフトまでを含めた幅広い製品ラインナップと、プリント成果物制作プロセスの構築ノウハウを基盤に、プリント工程の自動化による省人化・無人化といった、デジタルプリントのIoTを推進してまいります。 また、SG市場やIP市場で使用される機能性インクは、従来主流であった有機溶剤系インクから、環境負荷が低く生産性が高いUV硬化型インクへの転換が始まっており、同インクは向こう数年間で市場規模が大幅に増加すると見込まれています。当社は、UV硬化型インクの開発とそれを使用するインクジェットプリンタの開発にいち早く取り組むとともに、当社が保有するUVプリンタ特許技術の活用など、業界での競争優位性を確保しています。 今後は、これらの優位性を生かし、産業用印刷市場に対してデジタルプリントのIoTとUV硬化型インクを含めた高い生産性を実現するトータルソリューションを提供し、マーケットリーダーとしての地位を確実なものとしてまいります。b.3Dプリント事業 IP領域における3Dプリントビジネスにおいては、2017年に発売したUV硬化インクジェット方式で1,000万色のフルカラー造形を世界で初めて実現した3DUJ-553を皮切りに、2021年にはその小型化を実現したエントリーモデル3DUJ-2207を発売する等、着実に製品ラインナップの拡大を進めてまいりました。今後も、お客様の多様なニーズにお応えする製品ラインナップのさらなる拡充に取り組むとともに、新たにマルチマテリアルで特性の異なる材料の複合化等に注力してまいります。さらに材料開発においてはアライアンスの検討や有力な3Dソフトウエアメーカー等の幅広いパートナーシップの構築を進め3D造形の市場成長を加速させるなど、多様な用途やアプリケーションの提案等に取り組み、3Dプリントを当社の次の事業の柱として育成してまいります。② インクの収益性改善 当社グループにおいて、機能性インクは競争力の源泉であります。ストック性の高いインクの収益性を高めるため、揮発性有機化合物を削減したインクの開発など印刷作業者や環境に配慮した安心・安全なインクの開発に取り組みつつ、さらなる品質改善やインクのスケールメリットによるコストダウンなどに取り組むことで、収益性の改善を図ることで競争力強化を図ってまいります。また、市場での品質問題発生時の情報早期フィードバックや見える化により、迅速な対応を実現してまいります。加えて、これらの取り組みの前提として、不具合が発生した際の要因をより正確かつ迅速に把握し、的確な対策が実施できるよう、原材料の受け入れ段階、生産、出荷までの各時点での膨大な検査データを収集・蓄積し、適切に分析したうえで、生産工程から検査工程までの各段階での工程を改善するプロセスを、一層強化してまいります。以上の取り組みにより、インク品質のさらなる向上による競争力強化を図ってまいります。③ 内部統制・コンプライアンスの徹底 企業の社会的責任として、内部統制及びコンプライアンスに徹底して取り組んでまいります。関係法令・規則の遵守はもとより、お客様の情報管理等に対するセキュリティーポリシーを確立し、役職員一人ひとりの高い倫理観の醸成、社会的良識を持った責任ある行動を目指して社内教育を行ってまいります。当社は、内部統制システムの整備・運用を推進し、独立した内部監査部門による定期的な内部監査により、業務監査及び財務報告の適正性を確保しています。また、各本部・部門単位で必要とされるコンプライアンス教育を、所属員を対象に年2回以上実施し、法令遵守に関する意識向上を図っています。さらに、1,000億企業としての新たなワークフロー、規程、マニュアルなどの作成をグローバルの推進に努め、本社及び全ての製造・販売子会社を対象として、内部統制・コンプライアンスの仕組み作りを進めてまいります。具体的には、グローバルでの貿易ルールの見直しに向けたHSコード(輸出入統計品目番号)の確認・運用や、購買発注ワークフローの見直し改定などに取り組み、複雑化する法規制に適切に対応するための仕組みや業務フローを整備してまいります。また、反社会的勢力との関係に対しては、断固とした対応で臨むことにより一切の関係を遮断し、コンプライアンスに則った経営を行ってまいります。④ 生産・物流体制の改善 当社グループにおいて、グローバルなお客様が求める商品・サービスを最適なタイミングで効率的にご提供するとともに、地政学的リスクの顕在化等の影響による船舶及び陸上での輸送リードタイムの長期化や、物流コストの上昇への適切な対応により、売上、利益、キャッシュ・フローの最大化を図ることは重要な経営課題です。そのため、グローバルでの需要変動に柔軟に対応できるよう、販売、物流、生産・調達などの各機能を密接に連携させ、週次での生産管理を実現する体制整備に加え、製品ごとに最適な生産地で生産して効率的かつ機動的な物流・在庫マネジメントを実現する体制の構築を進めてまいります。また、グローバルでの在庫マネジメント再構築への取り組みとして、エリア在庫の効率化を目的としたNRI(Non-Resident Inventory)倉庫の設置も進めており、既に稼働しているオランダに続き2022年9月にはマレーシアにも設置して機動的な在庫マネジメントの確立につなげ、機会損失の最小化とコスト競争力の確保及び適正在庫の実現に取り組んでまいります。さらに、2022年4月に長野県上田市に新たに設置した丸子工場に加え、生産・開発スペース不足の解消を目的に、2024年5月に取得した本社・加沢工場の隣接地に新社屋の建設を開始しております。(2026年4月稼働予定)これらを活用し、本社・加沢工場におけるエントリーモデルからハイエンドモデルまでの多岐にわたる生産能力を増強し、今後の事業拡大に対応してまいります。⑤ 研究・開発体制の強化 当社グループは、コロナ禍を経て顕在化した市場ニーズや顧客志向の変化を見据え、製品開発でイノベーションを起こし、新規市場・新規アプリケーションの開拓に取り組んでまいります。具体的には、今までの開発計画を全面的に見直し、新しい市場向けのプライオリティを上げる取り組みとして、新製品売上高比率年30%を目的とすることや、効率的な研究・開発体制のもとで優れた製品をタイムリーに市場投入するため、要求機能に対し、あらかじめ準備された製品・ユニット・部品・技術情報より適切なものを選び、組合せにより新しい製品を開発するモジュール開発により売上高の拡大と同時にSKU=在庫の削減につなげること等に取り組んでいます。また、基盤となる製品プラットフォームを横展開して、短期間で効率的に新製品を投入する開発プロセスを確立し、開発サイクルの短縮化を進めています。これらの活動の結果、2024年3月期から2025年3月期までの2年間で合計16機種の新製品を発表し市場投入を実現しております。今後もこの取り組みの一層の強化・充実を図ることにより、「新しさと違い」を出せる製品の市場投入を進めてまいります。⑥ CX(コーポレート・トランスフォーメーション) 当社グループは会社の構造変革に取り組んでまいります。固定費の圧縮と事業体質の筋肉質化に向け、固定費の投入を押さえつつ、生成AIやローコードツール等を導入して業務の棚卸と自動化・AI化を進めてまいります。また、資金効率を向上させ財務体質を強化するとともに、フリーキャッシュ・フローの最大化を目的としたCCCの短縮活動にも取り組んでまいります。具体的には、全社在庫管理プロジェクト活動により、サプライチェーン全体の在庫適正化を進め、特に滞留在庫・不動在庫の一掃を図るとともに、リードタイムを考慮した適正在庫水準の管理する在庫マネジメントを確立し、CCCの短縮を進めてまいります。さらには、グローバルマネジメント体制の強化が重要課題であると認識し、子会社管理の強化、基幹システムや会計システム、人事制度等のグローバルな見直しとともに、業務の標準化やルールの明確化等を含めた管理強化に取り組んでまいります。加えて、為替リスクの低減に向けた施策にも取り組んでまいります。⑦ 営業体制の変革 当社グループはグローバルなお客様の多様なニーズにお応えするため、国内営業拠点及び海外販売子会社において、個々の地域特性に合致した販売戦略のもとで、新規ユーザーの開拓、製品の用途提案、製品導入後のアフターフォローや迅速な保守サービスの提供等、地域密着型の営業活動を推進し、顧客満足度の向上に努めてまいります。また、実際に製品を体験できる機会として当社独自に開催するミニ展示会によるチャネル・顧客との商談を効果的に行う営業活動を継続して実施してまいります。加えて、インサイドセールス機能の強化を通じ、SFAやCRMを活用した営業分析により既存・見込客への営業活動状況を記録・管理して顧客接点を拡大するとともに、顧客からの引き合いプロセスの管理により着実に成約に繋げる活動など、ITの進化を活用した営業活動のオンライン化にも、積極的に取り組んでまいります。また、顧客へ向けての販売チャネルにつきましても、従来のSG市場向け主体のチャネルの強化・拡大による№1シェアの獲得・維持に加え、新規のチャネルとしてIP市場、3D市場、プロダクション機、エントリーモデル、カッティングプロッタにおいて、それぞれの領域での販売拡大に適したチャネルの開拓・構築を進めるとともに、自動化・省人化ソリューションの提供に向けたパートナーシップ構築により、産業用印刷のデジタル化提案を一層強化してまいります。⑧ リスクマネジメントへの取組み 近年の事業環境下では、想定を上回る規模の自然災害や感染症の発生等に加え、ロシア・ウクライナ問題や米中対立に代表される地政学的なリスクの顕在化により、事業継続計画(BCP)の重要性が増しています。大規模な自然災害が発生した場合でも、被害を最小限に留めるべく、復旧までの時間を最小限におさえて業務を継続できるよう、業務インフラ、緊急時連絡体制、本社屋をはじめとする各設備の防災対策等の体制強化を行ってまいります。また、感染症等によるパンデミックの発生に際しては社会全体での取り組みが必要となりますが、当社グループとしても、役職員を始め地域やステークホルダーの皆様の安全確保と感染症拡大抑止を最優先に、適切な対策を検討・実施してまいります。さらに、地政学的なリスクの顕在化に伴う需要の低迷や部品・原材料等の調達難とコスト上昇、生産の遅延や輸送の混乱によるリードタイムの長期化とコスト上昇等のサプライチェーン全体に係る諸課題に対しても、適切なリスク評価に基づき最適な対策を検討・実施してまいります。⑨ 知的財産戦略の強化 自社ブランド製品を開発・製造・販売する開発型企業である当社にとって、知的財産戦略は競争力を確保し、独自性を守り、持続的な成長を実現するために重要かつ欠くことのできない要素です。とりわけ、自社の知的財産を適切に保護するために、特許、商標等の権利の適切な登録・保護手続きを行い、他社による模倣や侵害から自社製品やブランドを守る必要があります。当社では、技術本部に知的財産部を置いて知的財産権の登録・保護活動を進めておりますが、今後当社の市場での競争力を一段と強化するために、製品の企画・開発から量産に至る各段階において多くの権利を出願・登録できるように知的財産権権利化プロセスを変革し、持続的な成長の実現に取り組んでまいります。⑩ SDGsへの取組み 2015年9月に「国連持続可能な開発サミット」において、人間及び地球の繁栄のための行動計画として「持続可能な開発目標:SDGs(Sustainable Development Goals)」が掲げられました。当社グループもこの目標に賛同し、さまざまな社会問題に真摯に向き合うとともに、事業を通じて社会や環境に良い影響をもたらすことで、持続可能な社会づくりに貢献してまいります。 特に、気候変動などの地球環境問題への対応も重要な経営課題として捉え、とりわけ産業印刷市場においては環境や資源への負荷の高い従来のアナログ印刷主体の産業構造から、デジタル化によるオンデマンドプリントに転換させることにより環境負荷を大幅に低減できることから、今後の製品開発を含む事業活動において環境に配慮した製品展開を推進するなど、積極的に取り組んでまいります。 当社の重要な販売市場であるテキスタイル・アパレル市場では、従来からのアナログ方式による素材や商品の生産・捺染に始まり、輸送、在庫、販売、利用、廃棄・焼却という長いサプライチェーンの過程から大量のCO2が排出され、また素材生地の生産・捺染工程においては大量の水資源が使用されています。さらに、使用された商品だけでなく未使用の商品も含め、全生産量の70%以上が廃棄・焼却処分され、リサイクル・リユース率は合わせても僅か15%程度とも言われています。このように、同市場は地球環境への負荷が最も高い産業の一つとされており、世界的に対処すべき重要な問題と認識されています。当社ではこの問題に対処するため、インクジェット技術でのデジタルオンデマンド捺染による「サステナブル・プリントソリューション」を提供しています。かつ従来のデジタル捺染プリント方式と比べ排水の約90%を削減し、環境にも人にも経済的にも優しい次世代捺染システム「TRAPIS(トラピス)」に加えて、最新の印刷脱色技術「ネオクロマト・プロセス」による循環型のサステナブル・アクションへの貢献など、今後もサステナブル・プリントソリューションを世界的に普及させることで、サステナブルなテキスタイル・アパレル産業の実現を目指して取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要①経営成績の状況 当連結会計年度(以下、当期)における世界経済は、依然として高水準のインフレや各国中央銀行の金融引き締め政策の影響が続くなか、中東情勢の緊迫化や米中対立の激化など、地政学的リスクのさらなる高まりもあり、引き続き不透明な状況が継続しております。北米では、旺盛な個人消費を背景に景気は底堅く推移しましたが、物価高の長期化等により先行きへの警戒感は強まっております。欧州では、ウクライナ情勢の長期化に加え、エネルギー価格の高止まりもあり、経済活動は停滞傾向を示しております。わが国においては、円安の進行による輸出環境の改善に加え、観光やサービス業を中心としたインバウンド需要の回復が追い風となり、個人消費や設備投資にも持ち直しの基調はあるものの、世界経済の需要動向など先行不確実な状況が続いております。 このような環境のなか、当社グループでは2020年12月に策定した中長期成長戦略「Mimaki V10」で定めた重点施策に基づき、新製品の市場投入と販売拡大、市場環境や顧客ニーズの急激な変化を見据えた事業展開、収益性向上に向けた基盤構築を継続してまいりました。当期は、第4四半期連結会計期間において、TA(テキスタイル・アパレル)市場向けでは、オンデマンド捺染は「無水」の時代と題し、高画質・多用途テキスタイルプリンタ「Tx330-1800/1800B」を発表しました。また、ポリエステルの脱色・アップサイクル技術「ネオクロマト加工」について3社合同での開発と実用の展開を発表し、繊研新聞社/繊研合繊賞・サステイナブル部門賞を受賞いたしました。 当期の売上高は、製品市場別では、SG(サイングラフィックス)市場向けのUVインク搭載モデルが牽引し本体、インクともに大幅に伸長しました。IP(インダストリアルプロダクツ)市場向けは、小型FB(フラットベッド)モデルを中心に販売が好調に推移し、今期市場投入した建築用材等にダイレクトプリントが可能な大判モデル「JFX600-2531/2513」の立ち上がりも順調であったことから、本体・インクともに大幅に増加しました。またTA市場向けでは、稼働台数の増加に伴い、ストック性の高いインクの販売が大幅に伸長しましたが、本体では、上期においてはDTF(Direct to Film)モデルのバックオーダーの効果があったものの、北米の特定販売代理店への出荷調整の影響や下期に同モデルの初期需要が落ち着いたこと等もあり本体の販売は減少しました。全体では通期で増収となりました。地域別では、アジア・オセアニアで中国を中心に販売が大幅に伸長し、日本においてもSG、IP、TA市場向けの全ての市場で大きく伸長しました。また、欧州も景気が低迷した前期に対しSG及びTA市場向けが大きく伸長し、IP市場向けも好調に推移しました。北米は、TA市場向けの影響等があったもののSG市場向けが牽引し増収となりました。また、中南米はSG市場向けが大幅に増加し、IP市場向けも堅調に推移しました。利益面では、コロナ期に調達した半導体等の高コスト部材を使用した製品の販売が期中においてほぼ終結したことに加え、インクの品質改善をはじめとする原価低減に向けた施策等の効果が寄与し、売上原価率が改善しました。販管費は、今後の新技術・新製品開発に向けた研究開発費や積極的な営業活動に伴う費用が増加しましたが、通期において2桁増収を確保したことから売上高比率では前年並みとなりました。なお、第4四半期におきまして業績連動及び決算賞与による人件費の増加や原材料の廃棄費用等の一時的な費用が発生しましたが、売上成長による増収の効果と為替のプラス影響もあり大幅な増益となりました。 以上の結果、当期における当社グループの売上高は839億63百万円(前期比11.0%増)、営業利益は91億11百万円(同66.2%増)、経常利益は84億41百万円(同72.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は61億56百万円(同66.0%増)となりました。なお、売上高及び営業利益以下の各段階利益ともに過去最高を更新し、2026年3月期を最終年度とする中長期成長戦略「Mimaki V10」のKPI営業利益率10%は、1年前倒しの当連結会計年度において達成することができました。 当期における主要な為替レートは、1米ドル=152.57円(前期 144.62円)、1ユーロ=163.74円(前期 156.79円)で推移しました。 セグメントの業績は次のとおりであります。なお、セグメントの利益につきましては、セグメント間取引消去の影響により連結損益計算書の営業利益から乖離してしまうため、記載を省略しております。 (日本・アジア・オセアニア) 売上高は379億91百万円(前期比11.8%増)となりました。日本では、本体はSG市場向けUVフラグシップモデルが大幅に伸長しました。TA市場向けはDTFモデルを中心に大幅に伸長しました。IP市場向けでは小型FBモデルが堅調に推移しました。インクはSG市場向けが前年並みであった一方で、IP及びTA市場向けの販売が大幅に増加しました。FA(ファクトリーオートメーション)事業は自動車関連のFA装置及び基板実装装置が大幅に増加しました。半導体製造装置は新規開拓に努めたものの前年並みとなり、全体では、好調に推移し増収となりました。アジア・オセアニアでは、中国を中心にフィリピン、タイ等の各エリアにおいてIP市場向けの小型FBモデルが好調であったことから大幅増収となりました。SG市場向けでは、UVフラッグシップモデルが大幅に伸長し、TA市場向けでは、DTFモデルの初期需要が落ち着いたこと等により本体の販売は減少しました。インクの販売はIP及びTA市場向けは大幅に伸長し、SG市場向けも好調に推移しました。以上の結果、全体では大幅な増収となりました。 (北・中南米) 売上高は240億80百万円(同12.0%増)となりました。SG市場向けはUVフラグシップモデルの販売が大幅に伸長しました。IP市場向けは小型FBモデルの販売が好調に推移しました。またTA市場向けではDTFモデルの初期需要が落ち着いたことから、本体の販売は大幅に減少しました。国別ではブラジルやメキシコ等で販売が増加しました。またインクの販売は、SG及びTA市場向けが大幅に伸長し、IP市場向けも好調に推移しました。以上に加え、為替のプラス影響もあり、大幅増収となりました。 (欧州・中東・アフリカ) 売上高は218億91百万円(同8.7%増)となりました。本体は、SG市場向けではUVフラグシップモデルが大幅に伸長しました。IP市場向けは小型FBモデルに加えて、建築用材などで使用される大判FBモデルも大幅に伸長しました。TA市場向けでは昇華転写プリンタが好調であったものの、DTFモデルの販売が減少したことから本体の販売は微減となりました。インクの販売は、TA市場向けは大幅に伸長し、SG及びIP市場向けも好調に推移しました。国別では、ドイツを始め英国、スペイン、ポルトガル、アラブ首長国連邦等が好調に推移し、イタリア、トルコでは前年並みとなりました。以上に加え、為替のプラス影響もあり、欧州全体では増収となりました。[市場別売上高] 売上高(百万円)構成比率(%)対前年増減率(%)S G 市 場 向 け33,99440.514.9I P 市 場 向 け22,08426.310.2T A 市 場 向 け10,32412.39.0F  A  事  業5,0536.011.5そ の 他12,50614.94.1合 計83,963100.011.0 (SG市場向け) 売上高は339億94百万円(前期比14.9%増)となりました。本体は、UVインクモデル等のフラグシップモデルの販売が大幅に増加したほか、同じくUVインク搭載のエントリーモデルでも好調に推移したことから、販売が大幅に伸長し、日本をはじめ全てのエリアで2桁増収となりました。加えて、インクの販売も大幅に伸長し、大幅増収となりました。(IP市場向け) 売上高は220億84百万円(同10.2%増)となりました。本体は、小型FBモデルの販売が大幅に伸長したことに加えて、JFX200シリーズにラインナップを追加した新製品「JFX200-1213EX」が順調であったことから大幅増収となりました。またインクの販売も好調に推移し、為替のプラス影響もあり大幅増収となりました。(TA市場向け) 売上高は103億24百万円(同9.0%増)となりました。本体は、新製品のダイレクト昇華と昇華転写のハイブリットプリンタ及び既存製品である昇華転写プリンタの販売が好調であったものの、DTFモデルの初期需要が落ち着いたことから、販売は減少しました。インクの販売においては、同市場の稼働台数が増加したことから大幅に伸長し、全体では増収となりました。(FA事業) 売上高は50億53百万円(同11.5%増)となりました。FA装置や基板実装装置において自動車関連の受注が好調であったことから安定的な受注を確保し大幅な増収となりました。②財政状態の状況(資産) 当連結会計年度における資産の残高は、761億74百万円(前連結会計年度末757億18百万円)となり4億55百万円増加しました。流動資産の残高は、576億3百万円(同587億66百万円)となり11億63百万円減少しました。これは、主に現金及び預金の減少等によるものです。また、固定資産は185億70百万円(同169億51百万円)となり16億18百万円増加しました。これは、主に使用権資産の増加等によるものです。(負債) 当連結会計年度における負債の残高は、438億円(同483億27百万円)となり45億27百万円減少しました。流動負債の残高は、372億91百万円(同415億13百万円)となり42億21百万円減少しました。これは、主に短期借入金の減少等によるものです。固定負債の残高は、65億8百万円(同68億14百万円)となり3億5百万円減少しました。これは、主に長期借入金の減少等によるものです。(純資産) 当連結会計年度における純資産の残高は、323億73百万円(同273億90百万円)となり49億83百万円増加しました。これは、主に利益剰余金の増加等によるものです。③キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物残高(以下「資金」という)は、税金等調整前当期純利益の増加や減価償却等があったものの、短期借入金の減少や長期借入金の返済による支出等により前連結会計年度末に比べ23億42百万円減少し、当連結会計年度末には、118億75百万円となりました。なお、営業活動、投資活動、財務活動別の詳細につきましては、次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果獲得した資金は78億61百万円(前連結会計年度比17億2百万円減)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益82億94百万円、売上債権の増加11億24百万円等があったことによるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は24億37百万円(同1億58百万円減)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出20億48百万円、定期預金の預入による支出4億53百万円等があったことによるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は75億42百万円(同61億2百万円増)となりました。これは主に短期借入金の減少41億61百万円、長期借入金の返済による支出30億98百万円等があったことによるものです。 ④生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)対前年増減率(%)日本・アジア・オセアニア(千円)35,247,84620.0欧州・中東・アフリカ(千円)3,463,036△10.8合     計(千円)38,710,88216.4 (注)金額は標準原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。  また、当連結会計年度の生産実績を市場別に示すと、次のとおりであります。市  場  別当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)対前年増減率(%)S G 市 場 向 け(千円)14,451,23324.4I P 市 場 向 け(千円)8,629,34424.6T A 市 場 向 け(千円)5,556,6870.7F  A  事  業(千円)4,389,5850.1そ の 他 (千円)5,684,03018.1合 計 (千円)38,710,88216.4 b.受注実績 当社グループ(当社及び連結子会社)は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)対前年増減率(%)日本・アジア・オセアニア(千円)37,991,33011.8北・中南米(千円)24,080,50412.0欧州・中東・アフリカ(千円)21,891,8598.7合     計(千円)83,963,69411.0 (注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 また、当連結会計年度の販売実績を市場別に示すと、次のとおりであります。市  場  別当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)対前年増減率(%)S G 市 場 向 け(千円)33,994,44014.9I P 市 場 向 け(千円)22,084,19610.2T A 市 場 向 け(千円)10,324,4579.0F  A  事  業(千円)5,053,68511.5そ の 他 (千円)12,506,9154.1合 計(千円)83,963,69411.0 当連結会計年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。品 目当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)対前年増減率(%)製 品 本 体(千円)34,427,61312.9イ ン ク(千円)31,598,98912.9保 守 部 品(千円)6,907,14511.7そ の 他(千円)11,029,9460.7合 計(千円)83,963,69411.0 (注)主要な販売先については、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。  なお、運転資本(流動資産から流動負債を差し引いた金額)は、前連結会計年度末に対して30億58百万円増加し、203億12百万円となりました。今後も厳しい経営環境が続くものと想定されますが、当社の財政状態は健全性を保っていることに加え、資金についても十分な手当てができております。  経営成績につきましては、売上高は839億63百万円(前連結会計年度比11.0%増)、営業利益は91億11百万円(同66.2%増)となりました。詳細につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」記載のとおりであります。②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、当連結会計年度のフリーキャッシュ・フローは54億23百万円となりました。その要因は、中長期成長戦略「Mimaki V10」で定めた目標達成に向けた、研究開発用設備投資や新製品量産に向けた金型投資に加え、ソフトウエアへの投資を積極的に行ったこと等により、投資キャッシュ・フローはマイナスとなりましたが、税金等調整前当期純利益が大幅に増加したことによるものです。当期以降も、売上高成長を追求するだけでなく、高い収益を継続的に生み出すとともに、棚卸資産の適正化に向けた諸施策を実施して営業キャッシュ・フローの最大化を図りつつ、将来成長のために必要な投資も積極的に行い、財政状態の健全性維持と持続的な成長の実現を両立させるべく、内部資金・直接金融・間接金融のバランスを図りつつ、計画的に資本の財源を確保してまいります。③経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、中長期成長戦略「Mimaki Innovation 30」において、2030年3月期に売上高1,500億円目標に掲げ、この実現に向けて従来のように売上高成長を追求するだけでなく、高い収益を継続的に生み出すとともに、財務基盤を強化して、持続可能な成長に向けた強靭な企業基盤の構築に取り組んでまいります。④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

事業リスク

ミマキエンジニアリングは、製品の欠陥が発生した場合の修理・補償コストや開発遅延、原材料の調達困難や価格上昇、需要予測の変動による生産計画の狂いなどが経営成績に影響を与える可能性があります。また、売上の約7割を占める海外市場での経済情勢悪化、地政学的リスク、為替変動も重要なリスクです。さらに、競合激化による価格競争や市場シェア低下、優秀な人材の確保・育成、金利変動、知的財産権侵害、法的規制の変更なども事業に影響を及ぼす可能性があります。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|5,095 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性がある認識しているリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)製品の欠陥について 当社グループは、自社開発の製品を主な商材としておりますが、製品の不具合が発生した場合には、その修理や補償に係るコストに加えて製品開発計画に遅れが生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。品質問題がやむなく発生してしまった場合の対応策としては、誠実かつ的確な顧客対応を行うとともに、発生の原因究明と対策を速やかに実施することと併せて、再発防止策を策定し実行いたします。なお、当社では製造物責任賠償保険に加入しております。品質問題を発生させないための対応策としては、設計・製造・サービスの各部門の課題を明確にして取り組むとともに、品質改善を経営の最優先事項としてプロジェクト体制で推進し、より実効性のある対策を展開して品質コストの低減を進めてまいります。(2)コスト競争力について①原材料の調達について 当社グループの製品は、プリントヘッド、電装部品、機構部品、インク染料等の原材料から構成されております。原材料の調達にあたって何らかの理由で現仕入先からの調達が困難になる可能性や、市況動向等の影響による価格上昇の可能性があります。過年度においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大やロシアによるウクライナ侵攻等の影響により、一部原材料の調達が困難な状況が発生するとともに、原油を含む各種燃料価格や素材・原料価格上昇に伴う歴史的なインフレの影響等により、当社での原材料調達価格も全般に上昇・高止まりしております。これらの要因は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応策として、サプライチェーンの見直しに向けてプロジェクト体制による調達力の強化に取り組み、地政学的リスクも勘案した調達先の見直しや複数の調達先確保等によるリスク分散を進めてまいります。また、設計段階における部品の共通化・点数削減、作業の効率化等による原価の抑制にも、継続して取り組んでまいります。②生産計画について 当社グループは、主に見込み生産の形態をとり、需要予測の変動に追従して生産計画の見直しを行っております。需要予測の変動が正確に生産計画に反映されない場合や、販売実績が需要予測を大きく下回る場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応策として、発注・受入・組立・出荷・着荷の連動性を高めることで需要変動に柔軟に対応できる生産システムの構築に取り組んでまいります。 (3)製品開発について 当社グループは、新製品の開発を成長の源泉としている一方、新製品開発に際しては、試作部材、労務等の研究開発費が先行的に発生いたします。新製品開発が計画どおりに進捗せず、研究開発費が増加した場合や、開発遅延により売上高の減少等が生じた場合等には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応策としては、先進的で効率的な開発手法を常に取り入れるとともに、開発技術のノウハウを内部蓄積させることにも取り組んでまいります。加えて、新たな技術開発へのチャレンジやプラットフォーム設計の推進等により、効率的な新製品開発に取り組んでまいります。(4)海外における事業展開について①海外情勢の影響について 当社グループは、売上高の約7割を海外市場が占めており、今後も海外での販売強化により売上高成長を目指す方針としております。また、生産についても既にアジア(中国、台湾)と欧州(オランダ、イタリア、リトアニア)の工場で産業用インクジェットプリンタ及びインクを製造しており、今後も海外適地での生産体制を維持する方針としております。そのため、主要な海外市場における経済情勢の悪化、進出国の諸法令・規制・税制等の変更、ロシア・ウクライナ問題や米中対立に代表される地政学的なリスク等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当連結会計年度においては、中東情勢の緊迫化に端を発した紅海の治安悪化に伴うスエズ運河の運航回避により、当社製品の輸送、販売等のサプライチェーンへの影響が顕在化するとともに、迂回運航に伴う海上輸送運賃の上昇により利益へのマイナス影響が発生する等、地政学的リスクへの対応が急務となっております。当該リスクへの対応策として、グローバルでの情報収集や管理体制、リスクマネジメント体制の強化に加え、サプライチェーンの見直しに向けたプロジェクト体制での取り組みを進めてまいります。 ②為替変動リスクについて 当社グループは、海外生産に比して海外販売の比率が高い状況にあります。そのため、想定を超えて急激に為替が変動した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応策として、為替管理の専門部署を設けてデリバティブ等により短期的な為替リスクのヘッジに努めるほか、外貨建て売掛金の早期回収により外貨建て債権を減らす取り組みや、インク等消耗品の消費地生産を推進して中期的な外貨ポジションの改善に努めてまいります。(5)競合等について 当社グループの主力製品である産業用インクジェットプリンタは、既存市場において大手企業や新興国企業等の市場参入が増加しております。現時点では、当社グループの製品に技術面、品質面等の優位性があると認識しておりますが、競争環境が激化して価格低下圧力に晒された場合や市場シェアが低下した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応策として、地域密着型の営業活動を徹底して顧客ニーズを汲み取るとともに、革新的な新製品を継続的に上市できるように取り組んでまいります。(6)人財の確保について 当社グループは、開発型企業及びグローバル企業としての成長を志向するため、製品開発を行う人財とグローバル適応のできる人財の持続的な確保・育成が必須と認識しております。これらの人財が大きく不足する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応策として、人的資本に係る戦略に基づき、中核人財の確保を積極的に推進しています。また、多様性を確保するためのダイバーシティの推進、特に女性活躍推進やジェンダーギャップの解消等に加え、ワークライフバランスに配慮した働きやすい職場環境づくりなども進めています。さらに、人財の育成を目的とした教育体系の充実を図り、各人の能力を最大限発揮できる企業風土の醸成に取り組んでまいります。(7)金利変動リスクについて 当社グループは、主に金融機関からの借入金等によって設備資金及び運転資金の一部を調達しており、有利子負債依存度は当連結会計年度末で37.6%となっております。そのため、急激に金利変動等が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応策として、経理部門が主導して多様な資金調達方法の検討に努めるとともに、在庫適正化活動の推進による運転資金の効率化に努めてまいります。(8)知的財産権について 当社グループは、知的財産権に関連して①第三者が当社グループの知的財産権を使用し類似製品を製造することを防止できない可能性、②当社グループの取り扱う製品が第三者の知的財産権に抵触する可能性、③当社グループが認識しない特許権等の成立で第三者より損害賠償等の訴訟を起こされる可能性、等のリスクが想定できます。これらが発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応策として、知的財産権の専門部門を設け、自社が保有する技術について特許権等の取得による保護を図るほか、他社の権利に抵触しないよう取り組んでまいります。(9)法的規制等による影響について 当社グループは、国内において製造物責任法、輸出貿易管理令等の規制を受けているほか、事業展開する各国においては、CEマーキング、電気電子機器の特定有害物質使用規制等に加え、関税や移転価格税制等の様々な法令や規制の適用を受けております。これらの規制を遵守できずに当社グループの活動が制限された場合、または規制改正や新たな規制適用による対応のため当社グループのコストが増加した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応策として、製造業に関連するグローバルベースの各種法的規制等の調査・管理ワークフローの見直しをプロジェクト体制で行い、これらを遵守するよう取り組んでまいります。(10)重要な訴訟について 当社グループは、事業活動を展開する中で、ステークホルダーとの係争案件が発生する可能性がありますが、特に重要な訴訟等が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応策として、専門部門である法務部が主導して弁護士等を交え、円滑な解決に向けて取り組んでまいります。(11)情報セキュリティに係るリスクについて 当社グループにおいて、情報セキュリティの脆弱性やサイバー攻撃により、機密情報の漏洩による信頼性低下や信用の失墜、サービスやシステムが停止することによる業務停止や顧客サービスの低下、外部からの攻撃や強迫による金銭的損害や企業イメージの失墜等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応策として、専門部門である経営情報システム部が主導して、セキュリティポリシーの策定とそれに基づく徹底した情報管理及び社員教育の実施や、システムのバックアップ及びセキュリティ強化による防御力の向上と、脆弱性の監視・対策等に取り組んでまいります。(12)投資等に係るリスクについて 当社グループは、単独または他社と共同で新会社の設立や既存会社の買収等を行っております。これら投資等の価値が低下した場合、あるいは追加資金拠出が必要となった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応策として、既存の投資事業に関しては客観的な事業性と成長性の評価とともに、新規の投資事業に際してはリスクとリターンの検証を十分に行ってまいります。(13)自然災害等の緊急事態について 当社グループは、長野県東御市に本社・研究開発施設・工場を有しており、この地域に大規模な自然災害が発生した場合、当社グループの事業活動が停滞することにより、業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応策として、大規模な自然災害が発生した場合も被害を最小限にとどめ、可及的速やかな業務再開を可能にするための事業継続計画(BCP)策定に努めてまいります。(14)疫病・感染症の拡大について 当社グループは、各種ウイルス等の疫病・感染症が拡大した場合、役職員の出社が困難になったり、世界経済全体が低迷する等により、当社グループの事業活動が停滞して業績に影響を及ぼす可能性があります。特に、先般の新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、当社グループにおいても、世界経済の低迷による顧客でのプリント需要の急速な減少に加え、事業展開している国や地域における各種規制への対応に伴い、開発・生産・物流・営業等の事業活動に支障が生じた結果、過年度において業績への影響が表れており、今後もこのような状況が発生する可能性があります。当該リスクへの対応策として、日頃からの安全・衛生活動により社員の啓蒙と予防に努める等、適切な管理体制を構築し、顧客や取引先並びに従業員の安全確保を最優先とした取り組みを進めております。加えて、事業活動の正常化に向けた対応を迅速かつ的確に進めるとともに、需要変動への適切な対応を図る等により、業績への影響を最小限にとどめる取り組みを、社会情勢を見極めながら適切に実施してまいります。

このページのバフェット流コメンタリーは順次自動生成中です。生成されると、ここに「数値の読み解き方」「同業比較」「投資判断のポイント」を表示します。

もっと深く分析したい?

モート先生 AI が ミマキエンジニアリング の事業を 4 賢人の理論で詳しく解説します

モート先生に聞く →